【保険料月1万円以下で豊かに暮らす】第36回 ファンドで積み立てるなら、純資産残高と手数料にこだわろう
保有しているファンドの時価に対して、「年率●%」というかたちでかかってくるものです。積立を中止したとしても、ファンドを保有しているかぎりは必ずかかる手数料になり、毎日ファンド資産から差し引かれます。たとえば、年1.83%の信託報酬がかかるファンドで積立を行ったとしましょう。時価が100万円になった時点の1日あたりに差し引かれる信託報酬は約50円(≒100万円×1.83%÷365日)となり、100万円から50円を差し引いた残り99万9,950円が運用にまわすことのできるお金となります。毎日かかるコストですので、3つの手数料の中ではもっとも重視したい部分です。
信託報酬の目安は、株式を中心に運用するファンドであれば年1.6%、債券を中心に運用するファンドであれば年1%位が目安となります。
信託財産留保額は、投資信託を解約するときのペナルティー料です。運用会社や販売会社等に支払うものではなく、投資信託そのものに支払う手数料となります。
この手数料があるのは、解約が殺到すると安定した運用ができなくなるためです。
信託財産留保額はとらない(0円)というファンドも多いですが、必要な場合でも0.1%~0.5%程度です。手数料に関しては、(1)信託報酬、(2)販売手数料、(3)信託財産留保額の順にチェックしていくとよいでしょう。
3. 純資産残高の「金額」と「増え方」に注目しよう
純資産残高(純資産額ともいいます)は、ファンドのすべての資産の総額(規模)のことです。純資産残高10億円のファンドの口数(投資信託を管理する際の単位)が10億口であれば、ファンド1口あたりの値段は1円になります。そして、ファンド1口あたりの値段のことを「基準価額」と呼びます。
純資産残高は、ファンドを選ぶ上で重要なポイントになります。チェックするのは、「A.資金が十分にあるか」と、「B.純資産が順調に増えているかどうか」です。
Aの純資産残高の目安は、30億円以上あるかどうかです。そして、Bの純資産が増える要因には、運用が成功して基準価額が上がることによる場合と、そのファンドに投資する人や金額が増えることによる場合があります。純資産が増えている投資信託は、安定した運用が見込める息の長いファンドとなりますので、純資産がゆったり右肩上がりに増えているファンドを選びましょう。
コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)
CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士
関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。
家計アイデア工房 代表
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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