トクコ・プルミエヴォル(TOKUKO 1er Vol)の2019年春夏コレクションが、2018年10月18日(木)に東京・渋谷ヒカリエにて発表された。太陽の国“ウルグアイ”に恋して毎シーズン、旅先や世界各国の民族衣装などからインスピレーションを得て、テーマを設定するトクコ・プルミエヴォル。今季デザイナーの前田徳子が選んだのは「ウルグアイ」だ。前田徳子が訪れたのは、まさに街中がお祭りムードで賑わうカーニバルの季節。陽気なムードと、ウルグアイに溢れる美しい自然を、クリエーションの上で表現した。“カーニバル”プリント×水玉模様で楽し気にリズミカルな音楽と共に、ファーストルックから出迎えてくれたのは、“カーニバル”をイメージした楽し気なプリント。ダンスやお洒落を楽しむ人々を描いたユニークなテキスタイルは、カーニバルで使用される伝統衣装をはじめ、シルエットの異なるドレス郡にポップな彩りを与える。また、ふんわりと膨らむスリーブや、ドレスを彩るフリルには、時折ポップな水玉模様も登場していて、お祭りのハッピーな雰囲気を助長する。街並みで見かけた風景もドレスにウルグアイの首都・モンテビテオで見かけたというストリートアートの世界も、ドレスのプリントとなって蘇る。黒のキャンバスに、赤やイエロー、オレンジなど鮮やかなカラーパレットで描かれたアートは、街で感じた空気感を鮮烈に表現しているかのようだ。森が誘う自然豊かな世界ゆるやかな音楽と共に、やがて舞台は都会から、自然溢れる森の中へと移動していく。テキスタイルを彩るのは、昆虫のモチーフや優雅な花模様。また、生地の上をうねるように駆け巡るブルーの幾何学模様のピースや、水色のシフォンが自由に揺らめくドレスからは、豊かな自然に命を与える清流を連想させる。ラストを飾る“ガウチョスタイル”ショーの終盤に近づくと、再び陽気な音楽が会場に響き渡る。続々と登場するモデルたちが纏うのは、ウルグアイの伝統衣装“ガウチョ”を取り入れたドレスだ。花模様や、みずみずしいグリーンに彩られた楽し気な“ガウチョドレス”は、フィナーレに向けて会場の雰囲気を盛り上げていく。そしてラストに現れたのは、眩しいほどのイエローを差し込んだガウチョスタイル。モデルはやがて、会場の天井から吊るされたウルグアイの国旗のモチーフ“太陽”の下へと移動する。太陽の色とドレスの色合いは驚くほど一致していて、それはまるでウルグアイの太陽が、ピースとなって現れたかのような神々しさを放っていた。
2018年10月21日鈴木えみが手掛けるブランド「ラウタシー(Lautashi)」の2019年春夏コレクションが、2018年10月18日(木)に南青山・UNTITLEDにて発表された。鈴木えみ×落合陽一×KAITO SAKUMA a.k.a.BATICインスタレーション形式を選んだ、東京コレクションのデビュー戦。発表の場には、2人のトップアーティストを召喚して、街角に佇む一日の風景を光と音の芸術で再現する。光の演出には、メディアでの活躍も目立つ落合陽一、音楽には、映画音楽やCM楽曲で数々の賞を受賞しているKAITO SAKUMA a.k.a.BATICが担当。テーマは、「光のタイムマシン」だ。暗闇の会場を照らし出したのは、街角で見つけたネオンや車のヘッドライトをぼかしたという眩い光。そこには、街の雑踏の中に紛れ込んでいるような重低音が響いていて、その音の強弱に共鳴して光も動きを変えていく。日常の中で見過ごしている光と音。その中で佇むモデルが纏う服こそが、リアルに満ちた姿である。光によって映しだされる多彩なシルエットワンピースや、カジュアルなTシャツ、セットアップなど、会場に並べられたピースは、様々な要素を孕んでいるものの、日常で着やすいベーシックなアイテムが多い。そこにオリジナリティを加えているのは、光の演出によって様々な表情を魅せてくれる多彩なシルエットだ。ギャザーを連ねたスカートや、アシンメトリーなフリルを重ねたワンピースは、モデルが動いていないにも関わらず、光の演出によってその立体的なフォルムが強調されている。異なる質感で魅せるテキスタイルの表情また素材によって、映り方が全く異なるピースも存在する。ひと際目を惹いたのは、星座のモチーフを散りばめたテキスタイル。白のポリエステルドレスは、光の動きによって、滑らかな光沢を帯び、ドレッシーな雰囲気に。一方厚地のネイビースカートは、光を吸収して、ダークな印象すらも感じさせる。「日常着としてのファッション」「リアルな日常の中にある洋服をより近くで見てほしかった」と語る鈴木えみ。今回の発表の場を通して、日常に溢れた光も、洋服の表情を作り上げる存在であることに気付かされる。ブランドのコンセプト「日常着としてのファッション」を、リアルな方法で体現したコレクションであった。
2018年10月21日HYKE(ハイク)の2019年春夏コレクションが、2018年10月18日(木)に発表された。インスタレーション形式から、本格的なランウェイショーへと発表の場を移行したHYKE。ファッションショーの舞台となったのは東京・寺田倉庫、コンクリートに覆われた無機質な会場だ。裁縫工場など洋服を作る現場で採取したという音を使ったショーミュージックも相まって、ランウェイはインダストリアルなムードに包まれた。アメリカ、イギリス、フランスの軍服を再構築シーズンテーマを設けず、何かしらのスタイルや古着などをインスピレーション源に新作コレクションを築き上げているHYKE。今季は前シーズンに引き続き"ミリタリー クロージング(MILITARY CLOTHING)"をキーワードとしながら、アメリカ、イギリス、フランス...と複数の国々の軍服を再構築したピースを展開していく。ファーストルックを飾ったのは、アメリカ海軍のデッキパーカ"サルベージパーカ"をアレンジしたプルオーバー。特徴的な大きいポケットを斜めに傾けて配置したり、袖口をベルトで結んだようなディテールを施したりすることで、モダンな印象に仕上げている。ストライプ柄のシャンブレーシャツは、パフスリーブとアシンメトリーな裾を採用したエレガントなドレスへと姿を変えた。ウエストをマークするロープ風のベルトが、海兵のユニフォームとしての面影も感じさせる。ミリタリークロージングを再構築したアイテムが、トップスやアウターだけでなく、ボトムスにも散見されたことは、今季の特徴の1つかもしれない。ランウェイでは、アメリカ陸軍のフィールドパンツをベースとしたボリューミーなシルエットのカーゴパンツや、イギリス陸軍のグルカショーツをモデルにしたハーフパンツ、フランス陸軍のモーターサイクルパンツをアレンジしウエストや裾にベルトディテールを配したロングボトムなどが展開された。コレクションを彩るのは、カーキやベージュといったアースカラーをベースに、ホワイト、ブラックなど。また、HYKEとしてはめずらしい鮮烈なレッドもポイントカラーに起用し、アイコニックなパイソン柄ドレスやシューズなどを染め上げていた。シアーなピースでフェミニティをプラススタイリングで特筆すべきは、こういったアーミーなピースに、シアーな素材を差し込むことでフェミニティを加えている点。デッキパーカには透け感のあるプリーツスカートを合わせたり、フライトジャケットから軽やかなワンピースを覗かせたりすることで、柔らかな女性らしい印象をプラスしている。ザ・ノース・フェイスとのコラボ第3弾また、2018年春夏、秋冬に次ぐ3シーズン目となる、ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)とのコラボレーションコレクションも披露。ランウェイに現れたのはブランドロゴをフロントにあしらったポンチョ風ロングコートや、ブロックカラーを取り入れたトップス、プリーツスカートなど。アウトドアウェアとしての機能性や、ザ・ノース・フェイスのヘリテージを感じさせるデザインはそのままに、HYKEらしいモダンな解釈を加えたピースが揃った。また、控えめにロゴを配したキャップやソックス風スニーカーなど、過去のタッグでは見られない新しいアイテムの登場も予感させた。
2018年10月21日アクオド バイ チャヌ(ACUOD by CHANU)が、2019年春夏コレクションを2019年10月17日(水)に、東京・表参道ヒルズで発表した。ランウェイには、俳優や歌手として活躍する城田優が登場。テーマは、“フォーエバースリル”今季のテーマは、“フォーエバースリル(forever thrilled)”。数年ぶりに、母国の韓国に帰郷したデザイナー・李燦雨は、慣れ親しんだ土地や人々に触れることで、童心に返ったようなワクワク感を覚えたという。目まぐるしい日々の中で、気づかないうちに忘れていく子供時代のワクワク。大人になってからも、その気持ちを忘れないでほしいという気持ちを、クリエーションへと落とし込んだ。おもちゃの夜会がスタート「きらきら星」のオルゴール音と共に、会場に現れたのは5人のダンサー。心臓の鼓動のような激しいビートを時折織り交ぜながら、そのリズムに合わせてブリキのような機械的なダンスが繰り広げられる。そしてその隣には、ブランドの衣装をまとった「レゴ」のオブジェが登場。どうやらこのショー会場では“おもちゃの夜会”が始まるようだ。大好きなおもちゃから着想を得たパターンダンサーと入れ替わるようにして、頭にレゴのヘッドピースを飾った“ぜんまい仕掛け”のモデルたちが現れた。今季のコレクションを彩るのは、子供の頃に遊んだ大好きなオモチャが着想源という、グラフィカルなプリント。消防車や機関車をイメージしたその模様は、イエローやレッドに彩られていて、プレイフルな雰囲気を纏っている。しかし大人のカッコ良さも忘れたくはないから、時折ハードなブラックをアクセントに差し込んでいる。ジップに遊び心を添えてブランドを象徴するディテールのジップは、より自由な精神で洋服の上を駆け巡る。ソフトな質感のフーディーコートや、ジャケットのスリーブに張り巡らされたジップは、開放することで、予測のつかない自由なシルエットを演出する。バックスタイルにも仕掛けがバックスタイルの装飾にも、ワクワクの詰まった仕掛けが施されている。李燦雨の干支にちなんで登場した“龍”は、きらきらと立体的なスパンコールをあしらって、躍動感溢れる仕上がりに。日本のカラクリ玩具をイメージしたというモチーフには、実際に板のような骨組みが入っていて、モデルが歩く度にぱたぱたと揺れ動いていた。ショーのラストには、モデルのぜんまいがきれてしまうという演出も。そろそろおもちゃたちは、元にいた世界に戻らなければいけないようだ。オルゴールの音ともにランウェイを後にするモデル達。会場に残された観客は、まるで子供のように目をキラキラとさせて、盛大な拍手を送っていた。
2018年10月21日コトハヨコザワ(kotohayokozawa)が、2018年10月17日(水)に、2019年春夏コレクションを渋谷ヒカリエで発表した。日常に溢れる愛用品に目を向けて今シーズン、デザイナーの横澤琴葉が着目したのは、身の回りある“日用品”。普段は気に留めないものでも、周りを改めて見渡すと、なくてはならない大切な“モノ”で溢れている。ショーの中では、横澤琴葉がお気に入りとする日用品をかき集めて、クリエイションに反映。何気ない日常風景を映したパネルラックと共に、ランウェイの上で披露された。“お気に入り”を集めたオリジナルテキスタイル何度も洗濯したTシャツや、昔から使っている食器、バケーション先に必須なサングラス…。挙げればキリのない日常の愛用品は、テキスタイルとなって姿を現した。すっきりとしたシルエットのワンピースやブラウス、プリーツを施したセットアップなど、実用的でベーシックなアイテムにプレイフルな彩りを添えている。洗濯ばさみやポケットティッシュがアクセサリーに!洋服の“アクセント”と呼んでいいのかは定かではないが、間違いなくスパイスをきかせているのは、日用品の現物だ。胸元に留めた洗濯ばさみや、ネックレスのように首からぶら下げたポケットティッシュ、ダメージジーンズの隙間から顔を覗かせる新聞紙など。その自由で斬新なアイディアに、思わずにやりと笑ってしまう。会場には、楽し気な空気が流れる。お気に入りの洋服もドッキングアトリエで埋もれていた過去のサンプルも、ランウェイの上で蘇った。片方に仮縫いをしたままのテキスタイルを、もう片方に切りっぱなしのデニムを配したパンツからは、“お気に入りの生地を組み合わせてしまおう!”というデザイナーの遊び心が感じられる。何か新しいものを加えるのでなく、周りにある大切なものに今一度目を向けること。型に捕らわれない自由で楽しいファッションが生まれる瞬間は、何気ない日常に潜んでいるのかもしれない。
2018年10月21日アキラナカ(AKIRA NAKA)の2019年春夏コレクションのルックが公開された。今季は、コート・ダジュール (Côte d’Azur)をテーマに、南仏のリラックスしたムードを表現。今までのコレクションにはなかった、さまざまなカラーパレットを使用したコットンシルクやリネンレーヨンなどのリラックス感のある天然素材のテキスタイルに、モダンなカッティングを加え新しいデイウェアを提案。ウィークエンドや旅先などのリラックスしたシーンでも特別さを演出してくれるコレクションとなっている。また、2019年春夏シーズンよりシューズラインも展開が開始される。こだわり抜いた素材を、解剖学や人間工学に基づいて作った木型を使用し、熟練した職人の手によって作られたシューズは、上質でありながら快適さも併せ持つ一足となっている。
2018年10月21日クリスチャンダダ(CHRISTIAN DADA)の2019年春夏コレクションが、2018年10月17日(水)東京・DOUGENZAKA PARKINGにて、ベッドフォード(BED J.W. FORD)との合同発表ショーで発表された。テーマは“RE:ACTION”今季フランス・パリで2019年春夏コレクションを発表したクリスチャンダダは、“スピンオフ”として「Amazon Fashion Week TOKYO 2019 S/S」の為だけに制作した新作を披露。テーマは“RE:ACTION”だ。会場に選ばれたのは、鉄板できた無機質な駐車場。眩いほどのスポットライトが照らし出されると、螺旋を描く細長い主通路はたちまちランウェイへと変貌し、モデルたちが登場した。古着の再構築というアイディアデザイナーの森川マサノリが今回フォーカスを当てたのは、シャツ。古着の再構築という発想から作り出されたピースは、従来のものを一度解体して、オリジナリティ溢れる一着へと仕上げている。例えばクラシカルな白シャツは、後ろを振り返るとぱっくりと肌を露出させた大胆なカッティングが加えられている。またスリーブを翻したようなデザインのシャツワンピースも登場した。プレイフルなレイヤードスタイルひと際目を惹いたのは、シャツを取り入れたレイヤードスタイル。セットアップのストライプシャツには、前身頃を繰り抜いた“ベスト型”のシャツを合わせていたり、落ち着いたネイビーのシャツには、途中からストライプ柄に切り替わった黒地のシャツを重ねていたりする。共通項のあるピースでも、柄や質感の異なるものが身を寄せ合うことで、プレイフルな印象を届けてくれる。グラフィックをあしらってシャツを彩るのは、ブランドが得意とするグラフィック。ダークで退廃的なデザインは、古着を意識したどこか朧げなホワイトカラーと共鳴していた。
2018年10月21日ミューズ(MUZE)の2019年春夏コレクションが2018年10月17日(水)に東京・渋谷ヒカリエにて発表された。前シーズンから引き続き、今季もまたパラドックストーキョー(PARADOX TOKYO)と合同でランウェイを披露した。パラドックス トーキョーからバトンを受けミューズがスタート今季は、日本体育大学の伝統的な「エッサッサ」の応援を受けて、ショーをスタート。その熱気は、最後まで変わらず、パラドックス トーキョーの後に登場したミューズにも、力強い応援がこだましていた。サッポロラガービール、通称“赤星”とコラボミューズのランウェイには、コラボレーションが豊作だ。それを最初に主張したのがファーストルックに登場した、サッポロラガービールとのコラボレーションによるストリードムード満点のセットアップ。開襟シャツの中にはカッターシャツを合わせていて、さらにはネクタイをピシッとしめている。中盤に登場したベルトのようにして巻いたスカーフは、クラシックなチェック柄のジャケットとクロップド丈のタンクトップでセット。そこには新旧が往来していて、意外性のある組み合わせからは違和感を感じざるを得ない。でも、そこには大切な思いが込められている。サッポロラガービールは、赤星の愛称で親しまれてきた、日本で最も歴史のあるビールブランド。今季は、テーマをフューチャークラシックと掲げていて、古きよきもの伝統的に繋げていこうという考えの元スタートしている。だからこそ、日本で最も歴史のある“赤星”を採用したのだ。また、海外のものを日本らしく、という想いも今季の重要なポイントで、そのために“赤星”の懐かしいパッケージたちはすべてスカーフ柄のように再考されている。米カジュアルブランド「トロイ」とのコラボもそのテーマを踏襲しているのは、もうひとつのコラボレーションでも同じ。それがトロイ(TOROY)。トロイは、パイプマークのワンポイントブームを巻き起こし一世を風靡したアメリカンカジュアルブランド。今シーズンはそれを、大胆にトップスにあしらったり、ブルゾンのバックスタイルに配したりして、どこかレトロな雰囲気を纏わせた。それを現代的にしたのは、ディテールやカラーパレットで、特にトロイのパイプマークを配したブルゾンは、ビビッドパープルとオレンジのビビッドカラーでプレイフルかつアクティブに表現した。サッポロラガービールとトロイに共通するのは“昔から愛されているもの”という点だけでなく、これを世に広めた開拓者であるということもそうだ。ここには、デザイナーの柴原寛と石田正敏が今後、自分自身も開拓者として歩めれば、という願いをも込めているという。コラボレーションが盛大だからこそコンセプトは明確にそのほかにも豊田通商とタッグを組み、透湿防水性のある独自素材「ゼラノッツ」を採用したトレンチコートやレインバッグなども提案。また、雪駄やタビなどの日本らしいものを登場させることで、海外のものを日本らしく取り繕う今季のムードを絶やさなかった。象徴的なコラボレーションが多数登場するなかでも、今季のテーマはひと目で分かるほど明確だった。テリー伊藤がモデルとして登場コラボレーションだけが豪華なわけじゃない。今季はランウェイを歩いたモデルたちも個性に溢れていた。パラドック トーキョーでは日本体育大学の学生が登場したのに対し、ミューズはとびきりのサプライズゲストを呼んだ。特に観客からも驚きの声が上がったのがテリー伊藤。彼を選んだ理由について、「古き良きものを今に、というテーマを象徴するには、これまで変わらず多方面で活躍し、今後もエンターテインメント界を開拓していくであろうテリー伊藤さんが適任だった」とデザイナーの2人は語った。なお、そのほか木村俊作も同じくランウェイに登場している。
2018年10月20日パラドックス トーキョー(PARADOX TOKYO)の2019年春夏コレクションが2018年10月17日(水)に東京・渋谷ヒカリエにて発表された。前シーズンから引き続き、ミューズ(MUZE)と合同でショーを行った。パラドックス トーキョーのブランドコンセプトは、“アクティブ・モード”。本来は、スポーツという枠組みを超えて、アクティブな気持ちになれる服を目指す同ブランドが、今季は思い切りスポーツへと舵をきった。日本体育大学の伝統「エッサッサ」からショーはスタートショーのスタートは、日本体育大学の伝統的な「エッサッサ」。今では、日本体育大学の独特の応援スタイルとなった「エッサッサ」ではあるが、その始まりは大正10年代、日本体育大学の前身である体操学校でうねったスポーツの波が誘因となって誕生したものだ。今回は、2つのブランドのショーの成功を祈願して、スタートに力強いパフォーマンスを見せた。“アクティブ・モード”はスポーツに帰来するランウェイで魅せた服もまた、スポーツを紐解くようなスタイルの連続。イエローやグリーンなどアクティブ感のある蛍光カラーが先頭を走った。素材はメッシュで軽やかに演出。メンズのレザーベストはスウィムウエアのような質感でハリがあるし、ウィメンズのトップスはブラトップも多い。前にジッパーを配して開くことでベルボトム調にみせたトラックパンツは、パーカーと合わせてストリート感も抱合している。ミリタリーな要素も感じられて、頭には蚊帳のようなマスクをかぶっている人もいるし、さらにマウンテンルックも登場していて、大きなバックパックを背負っている人も印象的だった。しかしいずれも“アクティブ”という点では共通しており、ブランドの根底はそのままであることが感じられた。さらに、スポーツのムードは足元にも及んでいて、レースアップシューズやローファーなどクラシックなシューズ群は、アッパーを切り取ってオープントゥにすることで、スポーティなアイテムへと転換している。モデルには現役K-1選手の武尊(タケル)も登場モデルには、K-1選手の武尊(タケル)、車いすバスケットボールプレイヤーの堀江航、そして望月あもんと三井すみれという日本体育大学バーベルクラブ所属の2人も登場した。ファッションとスポーツという相いれないものが交わった瞬間でもあった今季、パラドックス トーキョーの“アクティブ・モード”はさらに既成概念を越えたようだ。
2018年10月20日クセニア シュナイダー(Ksenia Schnaider)は、2019年春夏コレクションを2018年10月17日(水)、東京・渋谷ヒカリエにて発表した。ウクライナのリゾートからインスパイア着想源となったのは、ウクライナのリゾート。しっかりとドレスアップ、メイクアップしてビーチに臨むための、都会的なウェアを構築した。ソ連崩壊後の新たな時代と、伝統的な古来の考え方を織り交ぜ、キッチュながらも実用的なウェアに仕立てている。多彩なデニムの表現ここ2年間、クセニア・シュナイダーが着目しているというデニムのウェアをメインに、オープンな雰囲気のピースをランウェイに揃えた。トーンの異なるデニムを繋ぎ合わせ、しなやかなワイドパンツに仕立てたり、ライトな色彩のデニムでアクティブなショートパンツを作ったりと、バリエーションは様々だ。デニム地でレオパード柄を作ったトップスや、スパンコールできらびやかに装飾したデニムパンツも登場。表現の幅広さを見せた。ダイナミック&ミニマルなフォルム目に留まったのは、ダイナミックかつミニマルなフォルム。スリットを大胆に入れたワイドパンツは、端正なパターンメイキングにより、優雅な動きを見せる。また、Aラインのノースリーブワンピースや、ビスチェドレスは無駄をそぎ落としたシンプルなシルエットだからこそ感じられる美しさを提示した。膝と水平に切り込みを入れ、膝から下をタイトに仕立てたパンツは一見するとデニムパンツをレイヤードしているかのように見える。奔放で多彩なパターンメイキングからは、遊び心が感じられるようだ。ハワイアンプリントの再構築グラフィックデザインを担当する、アントン・シュナイダーがクラシカルなハワイアンプリントを再構築したグラフィックは、シャツワンピースやアクティブなスカート、スパンコールをあしらったプルオーバーに落とし込まれた。古典的な柄に文字を入れたり、レタッチすることにより、モダンな空気感をプラス。夕焼けの海を背景に、パルムツリーのシルエットを配したオーセンティックな柄が、リラックスしたムードを描き出す。
2018年10月20日ミントデザインズ(mintdesigns)の2019年春夏コレクションが、2018年10月17日(水)に発表された。現代的で都会的な博物館を表現シーズンテーマは「Natural History Project」。今季のクリエーションは、デザイナーの勝井北斗が博物館を訪れた時に感じた、モダンで都会的なムードにインスピレーションを得ている。動物や植物、昆虫たちにまつわる様々な展示。それらは自然のものであるはずなのに、どこか人工的で近未来的な要素さえ感じさせた。自然史学、博物学といった意味を持つ言葉をタイトルに掲げ、その時に感じ取った現代的な博物館の様子を表現していくプロジェクトが始まった。「動物」「植物」「昆虫」にカテゴライズ洋服作りは、「動物」「植物」「昆虫」の3つのカテゴリーに分類して進められた。動物に属するのは、たっぷりと生地を使ったレオパード柄のワンピースやロングスカートなど。幻想的な植物モチーフが配されたエアリーな羽織りや、写実的な葉が描かれたモノトーンのスカートは、「植物」にカテゴライズされる。「昆虫」に分類されるのは蝶やクワガタの刺繍を施したスカートなど。ネットのような素材を採用することで、虫取り網に捕らえられた昆虫の様子を、ユーモラスに表現している。レイヤードで現代性を表現こういった博物館の要素を落とし込んだピースに、現代性や都会性を加えるために多用されたのは、重ねるというアプローチ。蝶が舞うトップスに、ポリエステルを溶かして光沢感を与えた人工的なトップスをレイヤードしたり、アニマル柄のワンピースに、近未来的な箔プリントを施したシアーワンピースを重ねたり。有機的なピースに、人工的、未来的な要素を組み合わせることで、モダンなムードを演出している。ショー演出は標本をイメージファッションショーにも、博物館を感じる仕掛けが施されていて、ランウェイに設置されたキューブ型のインスタレーションもそのうちの1つ。モデルたちは大きな物体の周囲を練り歩くように進み、その箱の中に吸い込まれるようにして入ったかと思うと、ぴったりと静止する。その様はまるで、フレームに収められた標本のようだった。
2018年10月20日マラミュート(malamute)の2019年春夏コレクションが、2018年10月17日(水)、東京・渋谷ヒカリエにて発表された。“記憶”がキーワードコレクションのテーマは「Re:」。デザイナーの小髙真理が、クリストファー・ノーランの映画『memento』と川上未映子の詩「まえのひ」から着想を得て、“記憶”をキーワードにコレクションを制作。10分しか記憶を保持できない主人公が織り成す物語や、“今日はいつだって、すべての、まえのひ”という言葉に突き動かされるように、過去の自分との対話を、ピースの1つ1つに投影した。時と共にほころぶローズニットほころんだローズのジャカード編みニットは、着ていくうちにほつれ、表情を変える。時間経過とともに移り変わっていくローズの、儚く繊細な美しさが、ブラックのロングドレスを彩った。デニム×ニットなど異素材組み合わせ元々ニットをルーツに持つブランドだが、布帛やカットソーのスタイリングや、異素材組み合わせのピースも登場。「リペア」をキーワードに、デニムを解体してニットと組み合わせたドレスやトップス、ジャケットなどは、クラフト感やヴィンテージの雰囲気が漂う。繊細な編地とレース、デニム地を組み合わせたキャミソールは、複雑かつ緻密に構築されている。情報量の多いアイテムまた、カットソードレスとニット地を組み合わせ、上品なスカーフをあしらったスタイリングや、多彩な編地から成るニットドレス、ラメ糸やナチュラルな質感の糸などを組み合わせ、水彩画のような色彩バランスに仕上げたニットドレスなど、1つのアイテムや、1スタイリングに対しての情報量の多さも印象的だ。ミックスカルチャーから作り出す自立したスタイル2000年代の、様々なカルチャーをミックスしたファッションに色濃く影響を受けたデザイナーの小髙が考える自立した女性――ありとあらゆる情報を取り込みながらも自分の軸を持ち、自らのスタイルを確立する強さを持った女性に向けた服だからこそ、それぞればらばらな個性を放っている。上述したアイテム以外にも、凹凸をつけたボーダーニットや、アーティスティックなアクセサリー、オパールプリントによる透かし模様のジャケットなど、表現の幅の広さと、唯一無二の世界観を存分に発揮した。
2018年10月20日ミドラ(MIDDLA)の2019年春夏コレクションが、2018年10月17日(水)、東京・渋谷ヒカリエにて発表された。“忘れな草”がシンボル今シーズンのテーマは「STILL IN BLOOM」。小さく可憐な「忘れな草」の花をコレクションのシンボルとし、非日常的なドレススタイルと日常的なストリートスタイル、2部構成のショーを展開した。ピュアな非日常のドレスサックスソロ、そしてカルテットのクラシック演奏で幕を開けたショー。まず登場したのは、真っ白なドレスに身を包んだモデルたちだ。細やかな花々の装飾が身頃を埋め、ギャザーやフリル、プリーツを重ねたドレスは歩を進める度にゆるやかに揺れ動く。透明感のあるチュールや、光沢のあるサテン生地などが、ピュアで幻想的なムードを演出する。ドレスは白の他、シックなブラックやネイビー、ブルーも登場。いずれも上品さや純粋さを思わせる仕上がりとなっており、ほのかに“忘れな草”の香りも漂わせている。ギャザーを寄せ、幾重にも生地を重ねたマーメイドドレスは、ブルーのグラデーションを描き、清く華やかな存在感を見せる。デイリーウェアに潜むロックカルテットの演奏が終わると、暗転とともに始まったのはエッジの効いたロックの生演奏。非日常から切り替わり、日常的な世界観が繰り広げられた。デザイナー・安藤大春は、シーズンテーマを決める際に尾崎豊の楽曲「Forget-me-not」や、ニルヴァーナの「In Bloom」からインスパイアされたという。マニッシュ&アクティブなエッセンスロックが象徴するように、後半はナイトカモに小さな花をあしらったプリントテキスタイルや、マニッシュなセットアップなど、フェミニンな表現と、無骨な要素やアクティブさをミックスしたピースが散見された。例えば、エレガントなロングワンピースの足元にリーボック(Reebok)のスニーカーをセレクトしたり、トレンチコートドレスのベルトをリボンカットしたり。ワークジャケット風のカーキのショートジャケットには、ペプラムをあしらうことで柔らかさと活発な印象を両立させた。空気を含むようなゆったりとしたフォルム服の造形は、ギャザーやフリル、分量感のあるパターンメイキングによる、ゆったりとしたシルエットが目立った。斜めに大胆な切り替えを配したスカートや、透け感のある生地で仕立てたプリーツの巻きスカート、生地をたっぷりととったワイドパンツなど、空気を含むようなフォルムが、穏やかな空気感を放っていた。
2018年10月20日ジェーン スミス(JANE SMITH)が2019年春夏コレクションのルックを公開した。テーマは、「THIS IS THE ONE」。
2018年10月20日フミク(Fumiku)は、2018年10月17日(水)に、2019年春夏コレクションを渋谷ヒカリエで発表した。コレクションテーマは“明晰夢”フミクは、“リアルとファンタジーの間の世界を表現し、新しい人物像を提案する”をコンセプトに掲げるウィメンズブランド。デザイナーの林史佳は、記念すべき東京コレクションの初参戦に、このブランドコンセプトを意識した“明晰夢”をテーマとして掲げた。そもそも明晰夢とは、夢の中にいながらも“あ、これは夢だな”とはっきりと自覚した状態を指す。それでも夢の中で広がる風景は、現実とは少しかけ離れていて、どこか朧げなフィクション性を帯びているのだ。異素材を重ねたレイヤードスタイル会場に鳴り響くのは、シトシトと降り続ける雨音。そこに落雷のようなするどい音がしたかと思うと、雨足はぴたりと止み、ピアノの音色と共にショーが開幕した。ファーストルックから散見されたのは、デニムやポリエステルなど異素材を重ねたレイヤードスタイル。幾層にもレイヤードされたスカートは、プリーツや、アシンメトリーなデザインが加わることで、空気を含むたびにふわりと宙を舞い、観る者に余韻を残していく。そこには生地を重ねた重さはなく、夢と現実の狭間を漂うかのような軽やかな雰囲気を纏っている。スポーティーな要素で軽快にスカートの中に、アクティブなショートパンツを差し込こんだルックも登場した。ガーリーなテイストの中に、アクティブな要素が織り交じることで、“雨上がり”のような爽やかな空気感を帯びている。テキスタイルを彩る花模様カーキーやベージュといったカラーパレットに彩りを加えるのは、花柄のテキスタイル。実用的なカラーの中に咲き誇る花々は、どこかファンタジックな空気を纏っていて、ふんわりとした女性らしさを演出してくれる。“寝起き”のようなユニークな着こなし印象的だったのは、まるで“寝起き”のように、中途半端な状態となっているスタイリング。肩からずりおちてしまったキャミソールのストラップや、襟を片方だけ立てたままのポロシャツ、ランジェリーを急いで被ったかのうようなカットソー…。それらのルックからは、“やはりあれは夢だったのか”と、明晰夢から覚めた直後の様子を再現しているかのような、ユーモアが感じられた。
2018年10月20日BiSやBiSHのアイドルプロデューサー、渡辺淳之介が手掛けるネグレクトアダルトペイシェンツ(NEGLECT ADULT PATiENTS)が、2019年春夏コレクションを2018年10月16日(火)に発表した。なお、ランウェイにはBiSHのメンバーであるアイナ・ジ・エンド、リンリン、アユニ・Dらが登場した。BiSやBiSH手掛ける渡辺淳之介のファッションブランド東京コレクション初参加となるネグレクトアダルトペイシェンツは、渡辺淳之介が立ち上げたブランド。ブランド名は日本語に直訳すると"大人な患者は無視"。アンチ アダルト(ANTi ADULT)をテーマに、渡辺自身が抱える"大人になりきれずに大人になってしまった後悔"を、ファッションで表現していくという。"HEAVY SiCK" もはや現代、みんな病気。2019年春夏シーズンのテーマは「"HEAVY SiCK" もはや現代、みんな病気。」。渡辺はテーマについて「今の世の中の風潮を見ていると、病気な人たちが多いんじゃないかと感じる。みんなが子供の頃みたいに自由でいたら、もっと楽しいんじゃないかと思って、もはや大人たちは全員病気、という設定にした」と語っている。会場に足を踏み入れるとまず耳に留まるのは、渡辺が"歯医者で流れている音楽"をイメージしたという、オルゴール調のJポップ。広い会場にシュールに鳴り響くその音楽が、リズミカルなショーミュージックに変わると同時に、ファッションショーがスタートした。ショーの幕開けを飾ったのは、メインイラストレーターのFACEによるアイコニックなブランドロゴを配したパーカー、サイドラインに"NAP"ロゴを施したハーフパンツ、真っ赤なバンダナを合わせた10人のモデルたち。ユニフォームのごとく皆一様に同じピースを身に着けた彼らが、ランウェイに一斉に登場し、渡辺のファッション界への挑戦を印象付けた。みんな子供みたいに戻れたら...そんな言葉の通り、ランウェイに現れるモデルたちからは、どこか懐かしい学校の風景が見て取れる。ファッションショーなんてお構いなし、カップ焼きそばを夢中で頬張る自由奔放な少女は、学校から指定されたジャージのようなセットアップを身に着けている。足元を彩るグリーンのシューズは、まるで校舎の中で履く内履きのようだ。パンク・ロックなムードは、コレクション全体を通して多用された、特徴的な表現の1つと言って良いだろう。パンをくわえたままランウェイに出てきてしまった少女は、パンキッシュなレオパード柄のジャージを纏い、どこか気怠い表情を浮かべている。ベルトのディテールが印象的なレッドチェックのセットアップに、ハードな鋲を打ち込んだスリッパを組み合わせたルックも、反抗心をむき出しにしているかのよう。病院着を彷彿とさせるパステルグリーンのピースを纏ったモデルたちは、車椅子と共に登場。バックスタイルには、渡辺にとって特別な場所だというDOGENZAKA=道玄坂と、MEDICAL CENTER=メディカルセンターのロゴが配されている。自ら点滴を運びながらランウェイを進む少年の背中には、BAD HEALTH=不健康の文字が描かれた。アイドルをショーモデルに起用ショーモデルには、アイドルたちを起用。BiSHからアイナ・ジ・エンド、リンリン、アユニ・D、BiSからはアヤ・エイトプリンス、ペリ・ウブ、ミュークラブらが参加した。また、フィナーレには、パフォーマンス集団・電撃ネットワークのギュウゾウがサプライズ出演し、観客から注目を集めていた。タンタンやCA4LAとのコラボレーションもショーでは他ブランドのコラボレーションアイテムも披露。丹野真人によるタンタン(TANGTANG)のTシャツや、CA4LA(カシラ)のハットなどが展開された。また、今後のグラフィックなどにはグラフィックアーティストのYOSHIROTTENも起用する予定だという。
2018年10月20日ユキ トリヰ インターナショナル(YUKI TORII INTERNATIONAL)の2019年春夏コレクションが、2018年10月16日(火)、東京・恵比寿ガーデンプレイス内「ザ・ガーデンホール」にて発表された。ショーの始まりは、爽やかなアイリス柄最初に登場したのは、ホワイト地にアイリスの花を敷き詰めた爽やかなプリント。ワンピースやトップス、バッグなど様々なアイテムにアイリスのパターンがあしらわれ、ルックごとに異なる表情を見せてくれる。メッシュのような軽やかな素材を使ったワンピースは、ピンク色のアイリスで、レディライクに着こなして。ナイロンのようなツルリとした素材と蛍光のピンクやパープルのカラーリングを採用したジャケットやスカートと合わせれば、スポーティなコーディネートが完成する。シルバーで都会的なアクセントを添えてエレガントなムードにアクセントを添えるのは、シルバーカラーだ。ホワイトのブラウスやシルクのワイドパンツなど、春夏シーズンのゆったりとしたムードを纏ったアイテムに、シルバーが取り入れられた。シルバーとブルーのカラーコンビネーションで、都会的なサマースタイルに仕上げた。TシャツもエレガントなスタイルにカジュアルになりがちなTシャツも、ユキ トリヰらしい上品なスタイルにアップデートされている。きらめくストーンをあしらった淡いブルーのプリントTシャツは、クリーンな印象のホワイトのタイトスカートを合わせ、肩には同系色のジャケットを羽織って統一感のあるシックなスタイルに昇華した。クライマックスを飾るのはアジサイのロマンチックなドレスショーのクライマックスを飾るのは、アジサイの花びらを刺繍した美しくエレガントなルックたち。ふわりと広がるスカートの裾からチュールがちらりと覗き、ロマンチックな雰囲気をより一層引き立てている。何重にもフリルを重ねたオフショルダーのトップスの肩口は、まるでアジサイの花びらのようだ。
2018年10月19日まとふ(matohu)の2019年春夏コレクションが、「Amazon Fashion Week TOKYO 2019 S/S」2日目の2018年10月16日(火)、東京・渋谷ヒカリエにて発表された。ブランド“第3章”がスタート昨シーズン、日本の美意識をコンセプトに2010年よりスタートしたシリーズ「日本の眼」が完結したまとふ。今季、新たなシリーズの開幕として発表の場に選んだのは、映像+プレゼンテーション形式という真新しい手法だ。物語の始まりは、青森・津軽オープニングを飾ったのは、大画面で映し出されたドキュメンタリー映像。「手のひらの旅」と冠した今回のプロジェクトの舞台は、青森・津軽。そこでは麻の粗い目に糸を通して、繊細な幾何学模様を描く“こぎん刺し”が、江戸時代から伝わる伝統技術として親しまれている。そしてその美しさに魅了されたデザイナーの堀畑裕之と関口真希子が、実際に刺し子が作業をする現場を訪れて、今季のコレクションとなるデザインのアイディアを膨らませていくというストーリーだ。3人のモデルによるプレゼンテーション映像が終了すると、会場に現れたのは3人のモデル。伝統を守り続ける刺子との交流を通して生まれたアイディアが、全く異なる雰囲気を持つ3パターンのクリエイションとなって視覚化される。アイコニックな「長着」にこぎん刺しを1人目のモデルが纏うのは、ブランドのアイコニックなワードローブ「長着」。羽根のように軽やかな印象を与えてくれるその素材は、試行錯誤の末に使用したというシルク素材。本来こぎん刺しには不向きなキメ細かなテキスタイルには、同じく繊細なシルク糸を通して、美しいグラデーションを描いた幾何学模様を実現させた。現代のワードローブへとアップデート続いて登場したモデルは、胸元に真っ赤なこぎん刺しをアクセントに配したジャケットを披露。本来寒さをしのぐため、裏着として使用されていたこぎん刺しであるが、無駄のないすっきりとしたシルエットや、首元をほんのりと隠す上品な襟のデザインなど、現代の要素と融合することで、洗練されたワードローブへと昇華している。こぎん刺しにオマージュを捧げて最後に現れたモデルは、こぎん刺しが彩るひし形の幾何学模様からインスピレーションを得たという、カットジャカードのジャケットを纏って登場。立体感を帯びた純白のジャカードは、まるでレースのように軽やかさを帯び、フレッシュな印象を与えてくれた。こぎん刺しをモチーフにしたニット&ワンピースもその他にも会場には、こぎん刺しをモチーフにしたニットやエレガントなワンピースなど20体のワードローブがマネキンに着せられて登場。先ほどのドキュメンタリー映像を見終わったこともあってか、“この洋服はどれほどの過程を要したのだろう”と、思わず作り手に想いを馳せながら、まじまじと眺めてしまう。日本の伝統文化や作り手との交流を大切にして生まれる、丁寧なワードローブ。ブランドが大切にしている根幹を、ひとつひとつのピースを通して感じ取ることができるコレクションとなった。
2018年10月19日タエ アシダ(TAE ASHIDA)の2019年春夏コレクションが、2018年10月16日(火)、東京・国立新美術館にて発表された。エスカレーターからモデルが登場国立新美術館2階、通常ならば展示室同士をつなぐ役割を持つ長い廊下が、ランウェイに変貌を遂げた。ショーの始まりを告げる音楽が響き渡ると、モデルたちがエスカレーターを下るようにして登場。サプライズ演出での幕開けに、会場からは驚きの声が巻き起った。スポーティーなルックで幕開けアップテンポな音楽と共にファーストルックを飾ったのは、ワンピース風に着こなしたスポーティーなジャケットコート。袖口のディテールやフロントに配したファスナー、ポリウレタンラバーの素材感が、アクティブな印象をもたらしている。足元に合わせたリーボック(Reebok)のハイテクスニーカー・インスタ ポンプ フューリーも、より一層軽快なムードを加速させる。プレイフルなアニマル柄や鮮やかなカラーショーが中盤に差し掛かると、猿、鳥、ライオンといった動物たちや、ジャングルを彷彿とさせる植物がデフォルメされたかのようなプリントスカートを皮切りに、プレイフルなムードが高まっていく。オレンジ、ピンク、ネオングリーンといった鮮やかなカラーや、チェック、ストライプ、グラフィカルなパターンがピースを彩る。ジャージ素材とレースを融合させたトップスには、愛らしいチワワを配して、ユーモアを効かせた。力強くエキゾチックなムード前述の動物柄とは対照的に、写実的な動植物と、レオパードを組み合わせたロングスカートが現れると、ランウェイはどこかエキゾチックで、力強い雰囲気へと一転。カーキやブラウンなどアースカラーをベースとしたピースに、煌めきを放つチェックのドレスや、メタリックなタイトスカートを差し込むことで、エッジィなムードも加えている。ゴージャスなドレス群フィナーレを飾るのは、ゴージャスでエレガントなドレス群。ミステリアスな模様を描いたアシンメトリーのドレスや、オーロラのように幻想的な輝きを放つタイトシルエットのドレスなどが、続々とワンウェイを彩っていく。ラストには、エレクトリックな光を放つ十字モチーフをフロントに配した、近未来的なドレスが登場し、会場からは盛大な拍手が送られた。ショーにはモデル・冨永愛の姿も。全身を潔くシルバー1色で纏めた、ワンショルダーのドレスなどに身を包んで登場した。
2018年10月19日ミスター イット(mister it.)の2019年春夏コレクションルックが公開に。
2018年10月19日ティート トウキョウ(tiit tokyo)の2019年春夏コレクションが、2018年10月15日(月)に東京・渋谷ヒカリエにて発表された。なお、ランウェイには小松菜奈も登場した。会場にのびたランウェイには、懐かしいポップアートみたいな空想の宇宙が描かれている。どこか未来っぽくて、でも懐かしくもあって。わくわくするような音楽が流れて、スタートした今季のティート トウキョウ。テーマは“from here”だ。“新しい夢”を探す物語思い描いたのは、60~70年代、まだ未来や宇宙という異次元の世界にあこがれていたころのこと。そんなに遠くない過去、その時代に想いを馳せた女性が前に進むことで生まれる“新しい夢”を探していく。だから今季のワードローブには、過去も未来も指し示すモノが混在している。過去から未来へ物語の始まりは、真っ白なドレス。音楽はどこかフューチャリスティックな印象なのに、洋服はというとフューチャーというわけではない。紐を忍ばせたふんわり揺れるドレスは、装飾はほとんどなく、忍ばせた紐でキュッとギャザーを寄せているだけ。どちらかというと古来的なシルエットだ。足元はメタリックなパンプスで、そこにだけ潜んだ“未来”が、控えめな日本女性の美しさを想わせる。ヌーディーなレースが登場したかと思えば、それに代わってビビッドなチェック柄が登場する。シルエットは変わらず緩やかで、でもその中で唯一プリーツスカートだけ動きがない。繊細なデジタルプリントを施し、いつもは動きが出るはずのプリーツを硬質的にすることで、近未来的に演出。その傍らで、動きを出したのは意外にも数種類の糸を混合したサマーツイードだった。空想の未来を“なつかしさ”の中に描くツイードが未来的になったのは、おそらくポップなパッチが胸元に配されたからだ。ミニマルなシルエットかつ、カラーはレトロシックなベージュなのに、パッチワークだけでその姿はフューチャリスティックに姿を変える。ハンドニッティングの技巧を駆使したニットも同じで、温かみのあるニットはフリンジとともに配す一方、テクスチャーの異なるシースルー素材と共存させることで、新鮮な印象を抱かせた。そして、ニットを部分的かつ直線的に構成することで、ニット本来の温かみが軽減されているのが分かる。テクスチャーをミックスして完成したワードローブは、懐かしさも新鮮味もあって、今より少し過去、空想を楽しんだそのときの“ワクワク感”みたいなものも宿っている。その気持ちはきっと、洋服を着る人の気持ちにも反映していく。あの頃思い描いた未来を今表現することで、過去と未来を往来するこの物語は、限りなく現実的なティート トーキョウの楽しいファンタジーだ。
2018年10月18日IHNN(イン)は、2019年春夏コレクションを「Amazon Fashion Week TOKYO 2019 S/S」1日目の2018年10月15日(日)に、新宿・文化学園で発表した。IHNN初のランウェイショーIHNNがショー形式でコレクションを発表するのは、今回が初。デザイナー・イン チソン(印致聖)の母校でもある文化学園を舞台に、マーチングバンドの緊張感ある生演奏とともにショーが幕を開けた。グラフィックプリントや、多彩な素材の組み合わせ、大胆な配色など、IHNNのアイデンティティを辿っていくようなコレクションが展開された。また、冨永愛が、モデルとしてランウェイに登場した。“肌”から着想を得たジェンダーレスな表現今シーズンのインスピレーションは、“スキン”=肌。肌を守る服、という服の定義の前では性別を分けて考える意味がない。だからこそ、男性モデルが化粧をし、レディースのウェアに身を包んだり、女性モデルが素肌にガウンをまとい、あえて開けっ広げに着てみたり、ヘアスタイルも既成のイメージにとらわれず様々だったり。男女のボーダーを軽々と越え、行き交うようなルックが散見された。力強い色彩表現燃えるような赤、目に飛び込んでくるようなスカイブルー、はっきりとした黄緑など、個性の強いカラーを自在に組み合わせることで、アーティスティックなウェアを構築。ホワイト、ベージュ、レッド、マスタードイエローのプリーツ生地を組み合わせたスカートや、肌に馴染むようなライトベージュのオーガンザとツヤのあるレッドの生地を切り替えたジャケットなど、パワフルな色彩表現が、生き生きとした空気感をもたらす。光を通す透明感また、透け感のあるファブリックが多用されていたのも印象的。柔らかなホワイトのシャツワンピース、鮮やかなグラフィックプリントを乗せたブラウス、ニュートラルなイエローが落ち着いた雰囲気の、空気を含んだようなブラウスなど、服の持つ透明感によって、光をそのまま身に着けているような、神秘性を孕んだオーラが生み出されていた。アクティブ&モードな造形フォルムはアクティブかつモード。ハイウエストのパンツ、ミニ丈のワンピース、タイトなサイドラインパンツ、ブラトップ、バックを編み上げたキャミソールなど、活発なイメージのアイテムが目に留まる。ストラップをたすき掛けのようにして着るスカートは、溌溂とした印象だ。さらに、袖口にあしらったリボンや、ウエストのベルト、ワンピースの前後に施した装飾など、身体性とは無関係に長く伸びるディテールが、服に“動”の表現をプラスする。
2018年10月18日ディーベック(D-VEC)の2019年春夏コレクションが、2018年10月15日(月)、東京・赤坂のアークヒルズ アーク・カラヤン広場で発表された。水しぶきが飛び散るカラヤン広場を舞台にフィッシング用品メーカーのDAIWAのアパレルラインとして展開されるディーベック。今季、ショー会場として選ばれたカラヤン広場には、そのランウェイとなるルーフトップから水が滝のように流れる演出が加えられている。やがて観客席にまで水しぶきがかかるほど、水の勢いは増していき、夕闇を切り裂くような鮮烈なライト共にショーはスタートした。雨にも負けない、ファッショナブルなピースファーストルックから散見されたのは、異素材のドッキング。トレンチコートのようなエレガントなレインコートには、プリーツを配した軽やかな異素材を、そのサイドから配して。ホワイトのロングパーカーには、同系色でクリンクル加工を施したテキスタイルを組み合わせて、遊び心をプラスしている。ランウェイに飛び散る水しぶきを気にする素振りもなく黙々と歩くモデルたちが、それらのピースの高い防水機能を証明しているようだ。ジッパーやドローコードで、アレンジを加えて目を凝らすと見えてくるのは、洋服の細部に仕掛けられた拘りのディテール。リラックスしたムードのワイドパンツは、そのサイドに配したジップを上げることで、スリットを配したようなセクシーな雰囲気に。カットソーの裾にあしらわれたドローコードは、女性のボディラインに合わせて絞ることで、フェミニンな印象を与えてくれる。纏う者のアレンジによって、シルエットを自在に操ることができるのだ。自由な着こなしで個性を表現ショーの中盤に差し掛かると、様々な着こなしを楽しむモデル達が登場する。フォーマルな雰囲気のセットアップのジャケットに、カジュアルなレインジャケットを合わせたレイヤードスタイルや、アウターの下にゆったりとしたパーカーを差し込んだストリートスタイルなど。異なるテイストの組み合わせにも違和感はなく、日常に溶け込むスタイリングへと仕上がっている。ブランドがコンセプトとして掲げる「機能性とファッション性の融合」の具現化を感じることができるコレクションとなった。
2018年10月18日アカリ ミヤヅ(AKARI MIYAZU)の2019年春夏コレクションが、2018年10月15日(月)、東京・渋谷ヒカリエにて発表された。”生命”をテーマにしたブランドのデビューコレクションこの舞台が、ファーストコレクションとなった新ブランドアカリ ミヤヅ。服作りを通して、”生命とは何か。”を表現することをコンセプトにしたブランドだ。今回のコレクションのテーマは、「輪廻」。空色や桜色の優しい色彩と、シフォンなどの繊細な素材を組み合わせ、現代的な女性が内に秘めるしなやかさと柔らかさ、そして強いエネルギーを表現している。ランジェリーのように繊細でしなやかなドレスたちショーを飾るのは、シフォンやレース、シルクで構成された、まるでランジェリーのように柔らかで優雅なワードローブたち。裾を優雅に垂らしたシフォンのロングドレスが、しなやかに身体を包み込む。ぴったりと肌に沿うブルーのシルクのドレスには、レースのフリルを何重にも重ねたスカートのようなディテールを組み合わせ、アシンメトリックなシルエットを生み出す。不規則にカットされ、組み合わされた様々な素材や、ちらりと覗く肌が、繊細なリズムを奏でている。堅い素材やハンサムなディテールでアクセントを添えてそんな柔らかなムードに、アクセントを添えるかのように、張りのある堅い素材や、マスキュリンな要素を感じさせるディテールも組み合わさっている。まるでコートを再構築したようなドレスは、まだらな模様が艶めくツルリとした硬質的な素材と、ジャケットのようにかっちりとしたハンサムなシルエットで表現。一方で、裾の部分や胸元に組み合わせた柔らかな素材が、コントラストを生み出している。模様やドレープで「生命の流れ」を表現もちろんブランドのテーマである「生命」や「輪廻」は、ルックのあらゆるところに溶け込んでいる。多くのルックに施されたうねるような模様は、筋や波、地層などを連想させる。輪廻という生命の流れと、うねりが表現する自然や大地の流れが呼応しているようだ。また、デザイナーの宮津自身が「樹木が合う服を作りたい。」と語るように、流れるよなドレープのドレスは、会場に飾られた木の飾りと馴染んでいる。
2018年10月18日ステア(STAIR)の2019年春夏コレクションが、2018年10月15日(月)、渋谷・CARATO71にて発表された。コレクションテーマは「MOMENT」ステアの今季のコレクションテーマは「MOMENT」。写真家である父の影響から、デザイナー・武笠綾子が手に取ったのは、アメリカの写真家・エドワード・ウェストンのヴィンテージ写真集。レンズ越しに映し出された、古くも美しい世界に感銘を受けて、その“レンズ越しの世界観”をテキスタイルやカラー、シルエットに落とし込んで表現する。異なる印象を残すピースレンズの映し方次第で広がる、全く異なる風景。写真の持つその面白さは、連続したピースで分かりやすく表現された。例えば、ファーストルックのスカートに現れたオリジナルのジャカード生地は、次のピースでトップスとなって再び登場。またショート丈のワンピースに使用されたチェック柄のテキスタイルは、アシンメトリーなロングスカートにも起用されている。同じテキスタイルの連続であっても、その手法に捻りを加えるだけで、観る者にフレッシュな印象を与える。写真集から着想を得た曲線的なフォルム写真集に映し出された砂漠や、植物の曲線的なラインは、洋服のシルエットとなって蘇る。スカートには、プリーツをあしらってうねりを強調。アシンメトリーなドレスには、繊細な光を放つスパンコールを流れるように散りばめて、その優雅なフォルムを引き立てた。メタリックカラーが残す鮮烈な印象テキスタイルは、“レンズ越し”を意識して、シフォン生地や、網目模様のテキスタイルなど、肌を透かせる素材が多用されている。そこに彩りを与えるのは、アイボリーやブラックといったベーシックな色合いに織り交じる、色鮮やかなメタリックカラー。ブルー、ピンクといったカラーパレットは、どこか懐かしさを感じさせる色彩で、モデルがランウェイを横切るその一瞬に鮮烈な印象を与える。それはまるで、カメラが“一瞬(モーメント)”を捉える際の出来事を体感しているかのようだった。
2018年10月18日ハレ(HARE)の2019年春夏メンズ・ウィメンズコレクションが、2018年10月18日(木)に東京・渋谷ヒカリエにて発表された。スクエア(四角)をテーマにテーマは「スクエア(Square)」。それは洋服から容易に読み取れる。ジャケットやシャツはボックスシルエットで、ベストに至ってはブロックチェックであるだけでなく、サイドを開けたままの前掛けのようなフォルムだ。ボトムスはというと、メンズであればトラウザーにサイドラインを走らせることで直線を強調し、ウィメンズであればペンシルスカートで長方形を象っている。ディテールにもテーマを分かりやすく反映しており、特にポケットがその好例。フラップ付きポケットは、まるで小さな箱を取り付けているみたいに立体的だったり、胸ポケットはパイピングすることで強調していたり。また、テーマを純粋に汲んだポンチョは、ジッパーを台形状に配したフロントと、巨大なポケットを配してそのフォルムを強調するバックで構成されていて、あらゆる方位から“スクエア”を組み込んでいる。“スクエア”から連想する、折り紙のようなデザインも今季特筆すべきポイントのひとつだ。ウィメンズでは、トップスをウエストに巻いたようなスタイルが登場し、コルセットのような役割を果たしている。しかし、それがデザインという意義だけでなく、ポケットを配することできちんと機能的役割を持っている。“スクエア”のイメージを払拭する存在これほどまでにテーマに忠実な“スクエア”の連続。その形からは、やはり堅苦しい印象であったり、無機的な印象をぬぐえないのが普通だ。しかしハレは、それを覆すためにテキスタイルやカラーリングへ、対照的な柔らかさやしなやかさをを加味し、解放を意図させた。スクエアの連続の先にあったのは、“自由”に溢れた表現だ。選んだ素材は、爽快感に溢れていて軽やか。フワフワと揺れるシースルー素材に、テクニカルなメッシュ素材。少し硬質的なテキスタイルもシワ加工によって、しなやかさを纏う。スクエアを強調するために入れたスリットやデフォルメされたパターン、そして直線を表すはずのニットの延長にあるフリンジは、軽やかな素材感の魅力を底上げする手法となっている。さらに自由度は高く、エキセントリックなマーブル柄だったり、ストリート感溢れるタイダイ模様だったり……。柔軟性のある模様は、スクエアシルエットの重厚的な雰囲気を打ち壊して、柔らかな印象へとシフトさせる。ハッピーな花柄と、柔らかなペールトーンの色合いはテーマにはそぐわないくらいに角がなくて、それは“何かからの解放”を謳っているようにも思える。
2018年10月18日ドレスドアンドレスド(DRESSEDUNDRESSED)の2019年春夏コレクションが、2018年10月15日(月)、東京・渋谷ヒカリエにて発表された。インスタレーションを取り入れた"新しい"ショードレスドアンドレスドは、2019年1月、ブランド立ち上げから10周年というアニバーサリーイヤーを迎える。そんな記念すべきシーズンに向けたコレクションを披露する上で、デザイナー・北澤武志が意識したのは"新しい"ドレスドアンドレスドを見せること。"恋は食事に似ている"という言葉に着想を得たピースを、インスタレーションを取り入れた新しいランウェイ形式で展開していく。レストランから始まる恋シーズンテーマは「レストラン(RESTAURENT)」。レストランの店内を彷彿とさせる会場には、大きなテーブルと9脚の椅子が並べられた。ファーストルックを飾ったのは、ウェイターのようにマスキュリンなジャケットを纏った女性モデル。美しい店員に魅せられた客が彼女にこっそり渡したメモは、きっとラブレターに違いない。彼女が纏うジャケットには、"You are pretty"の文字が綴られている。またその文字の隣には、ドレスドアンドレスドのブランドロゴと、電話番号も添えられた。"隠す""見せる"も恋のテクニック前シーズンで特に意識していた、"隠す""見せる"のキーワードは、今季も健在。なぜなら、レストランを舞台にした恋の駆け引きでも、"隠す""見せる"は重要なテクニックだから。一見するとベーシックなブラックジャケットも、バックスタイルが大胆にくり抜かれ、背中が露わになっている。スラックスにショートパンツをドッキングしたかのようなボトムスからは、脚をすらりと覗かせた。モデルたちはランウェイを歩いた後、中央に並べられたテーブルに着席。フィナーレに向け、用意された席が次々と埋まっていく。全員が揃った時。モデルたちは突然、スローモーションのようにゆっくりと動き始めた。食事をしたり、ワインを飲んだり、目隠しをしたり...それぞれのミステリアスな恋のストーリーを繰り広げていた。
2018年10月18日アオイワナカ(AOI WANAKA)の2019年春夏コレクションが、2018年10月15日(月)に、東京・渋谷ヒカリエで発表された。コレクションテーマは「菜虫化蝶」「日常に彩りを添えるデザイン時間を共に歩む服を」をコンセプトに唱えるアオイワナカは、着る人にとって少しでも自信がもてるよう、自立した女性に向けて洋服作りを提案するウィメンズブランド。東京コレクションに初参加となる今回、シーズンテーマに掲げたのは「菜虫化蝶」。デザイナーの和中碧 は、これから本格的にスタートする自身のブランドへの想いを込めて、“いつか蝶になる”幼虫の様子をクリエイションで表現したという。幼虫の美しさを表現したシルクドレスファーストルックに登場したのは、鹿の子絞りを全面にあしらったシルクドレス。立体感のあるテキスタイルは、幼虫の美しさをイメージして採用したもの。ドレスが空気を含むたび、よりその立体的なフォルムは増し、まるで生きているかのような躍動感を感じさせる。植物からインスピレーションを得た淡いカラーリングピースを彩る淡いカラーパレットは、ヤマブキやシモクレンといった植物から着想を得た。淡い色合いをのせたシフォン素材は、ドレスのテキスタイルの一部として多用されていて、モデルの足や腕をヴェールから覗いているかのように映し出す。そこには、センシュアルな雰囲気よりも、触れると壊れてしまいそうな儚さが存在する。ピースを飾るカットワークカットソーやスカートを飾るのは、蝶や植物を描いた刺繍やパンチングといったカットワーク。アイボリーやブラウンといった、一見目立たない色合いのピースに、エレガントなムードをプラスしている。蝶になることを夢見てラストを飾ったのは、シフォンスカートを合わせたニットのカットソー。ラッフルのようにふわりと広がるニットの袖は、“羽根”となるまでには至らず、その“胴体”もまだ完結していない。「このコレクションでは、蝶になった様子を描いていません。それはこのブランドがこれから作り上げていくことだから」と語る和中碧 。本格的なスタートラインに経ったブランドが、いつの日か蝶のように美しい羽根を広げて羽ばたいていきたい、という強い想いを感じることができるコレクションとなった。
2018年10月18日トリー バーチ(TORY BURCH)の2019年春夏コレクションが、アメリカ・ニューヨークで発表された。毎夏繰り出した、両親のバカンスが着想源今季のインスピレーション源となったのは、トリー バーチの両親が毎夏繰り出した旅行先での思い出。冒険家であった彼らが選ぶバカンスは、イタリアからギリシャ、モロッコ、スペインまでを6週間ほどかけて巡る刺激的なものであった。今季のコレクションでは、両親が幼いトリー バーチに聞かせてくれた、そんなバカンスでの思い出話が、美しいドレスとなって蘇る。異国の土地柄や文化を感じさせる色&柄ピースを彩るのは、夏の日差しによく映えるホワイトや、爽やかなネイビーなど。そこに鮮やかなオレンジやグリーン、コバルトブルーといったポップな色合いが時折加わり、楽し気なバカンスのムードを助長する。海辺でのひと時を彷彿させるストライプ柄や、エキゾチックな異国文化を香らせるエスニック柄など、テキスタイルのプリントからも、様々な土地や文化が感じられる。刺繍や装飾を飾って、女性らしさをプラスサファリシャツやスーツ、チュニック、ニットカーディガンなどは、どれもリラックスできる、ゆったりとしたシルエットが特徴。けれど旅先でも女性らしさを忘れてはいけないから、モロッコ風のカフタンドレスにはたっぷりの刺繍を、踝まで伸びた白のシャツワンピースには、ゴールドのコインをあしらって、ゴージャスな佇まいへと昇華している。エフォートレスなアクセサリーアクセサリーは、展開されるピースに同調したエフォートレスな印象。足元には、アクティブなキャンバス地のスニーカーを差し込み、スポーティーなムードをプラス。モデルが手にするハンドバッグは、両親が旅先で持ち歩いた“カメラバッグ”から着想を得たというすっきりとしたシルエットで、洗練された印象を与えてくれる。
2018年10月17日チャーチ(Church’s)が、世界に先駆けウィメンズの2019年春夏新作シューズを取りそろえた期間限定ショップを伊勢丹新宿店本館 2 階=婦人靴/プロモーションに、10月17日オープンする。大阪の阪急うめだ本店に続いてオープンする東京初のこの期間限定ショップでは、チャーチで定番人気のレース アップシューズ「シャノン」と、ベーシックなローファー「ペンブリー」に、英国を象徴するタータンチェックプリントを施した特別なモデルに加え、新作のトリプルモンクシューズ「バベル」 や、トリプルモンク ショートブーツ 「アメリア」が登場。いずれもユニオンジャックを刻印したヒール部分のメタルプレートがポイントになっている。期間限定ショップの会期は23日まで。タータンプリント レースアップシューズ 「シャノン」 ブラック 7万5,000円※予定価格また、同日の17日には、チャーチのウィメンズシューズだけを取り扱う国内2店舗目のショップが阪急うめだ本店にオープンする。同店はでは、2018-19年秋冬コレクションのスモーキーなダークグレーカラーをまとったレースアップブーツ「アレクサンドラ」を始めとする新作や、定番モデルが豊富にそろう。
2018年10月17日