チタン使用で肌に優しい金属アレルギーのためにオシャレを楽しめない人に朗報だ。レジエ株式会社は、2018年6月14日より、純チタンを使用したノンホールピアスの販売を開始した。チタン製のため、金属アレルギーの人でも安心して使うことができ、しかも軽い。自分の体質によってオシャレを諦めてきた人にとってうれしい商品となっている。かぶれないから金属アレルギーの人でも使える使用されているチタンは金属の中でも安全性が高いとされ、金属アレルギーの人が使用してもかゆくならない。重さもわずか0.2mgと非常に軽いため、耳への負担も少なく、気軽にオシャレを楽しめるようになっている。痛くないから長時間使えるノンホールピアスの場合、耳たぶを締め付けることにより、長時間の使用が難しい。長く付けていると痛くてオシャレを楽しめないこともあるが、レジエ株式会社が販売する「チタン製ノンホールピアス」はその悩みを解消。シリコンカバー付きでクリップ式のため、耳に挟むだけで簡単に装着できる。接着面が広いため、耳たぶへの負担が少なく、長時間付けていても痛くなりにくいのだ。さらに形を手で変えることができるため、個人の耳の形にフィットしやすいのも特徴となっている。純チタンを使用しているためメッキはがれの心配もなく、長年愛用することが可能。これまで金属アレルギーでオシャレを楽しめなかった人や、長時間付けていると耳が痛くなってしまうといった悩みを抱えている人は、ぜひ試してみてはいかがだろうか。(画像はプレスリリースより)【参考】※レジエ株式会社のプレスリリース
2018年06月24日食物アレルギーを専門とする小児科医・佐藤さくら先生にお話をうかがい、これまで2回にわたって子どもの食物アレルギーについて紹介してきました。なかなか治りづらいイメージのあった食物アレルギーですが、小学校就学前までにおよそ90%のお子さんがアレルギー原因食物を食べられるようになるというお話には驚きました。そこで、食物アレルギーに関する素朴な疑問や、食物以外の子どものアレルギーについてもうかがいました。佐藤さくら先生 プロフィール小児科医。国立病院機構相模原病院 臨床研究センター 病態総合研究部 病因病態研究室長。宮崎医科大学医学部卒業後、宮崎大学医学部小児科医員、国立病院機構相模原病院 臨床研究センター アレルギー性疾患研究部 流動研究員等を経て現職に。日本アレルギー学会代議員。日本小児アレルギー学会評議員。『小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2017』ほか多数執筆協力。■子どもの食物アレルギー「今さら聞けない“あるある”」を質問Q1:「母乳とミルク、どちらが食物アレルギーにかかりやすいですか?」佐藤さくら先生(以下、佐藤先生):食物アレルギーを発症するかどうかは、人それぞれ元来備わっている体質や環境などが影響するといわれています。ですから、どちらかを飲んでいると食物アレルギーになりやすい、ということはありません。また、お母さんが妊娠中や授乳中に食べたものを除去すれば、お子さんが食物アレルギーにならないというわけでもありません。アレルギー反応が出た際は、自分ひとりでなんとかするのではなく、専門医に任せるのが得策です。Q2:「子どもが食物アレルギーです。毎日の献立を考えるのが大変でマンネリ化しがち。おすすめのレシピはありませんか?」佐藤先生:そんな時こそインターネットを上手に利用しましょう! 私がよく患者さんのお母さんたちにすすめているのは独立行政法人 環境再生保全機構の 「食物アレルギーの子どものためのレシピ集」 です。ぜひ一度サイトをのぞいてみてください。また、本屋さんや図書館にも卵や小麦を使わないレシピ本がありますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。Q3:「4歳の娘がいます。今のところ食物アレルギーではないようですが、今後、発症する可能性はありますか?」佐藤先生: 先にも触れたように 、食物アレルギーは生後3~4カ月に発症するケースが一番多いです。お子さんは4歳ということなので、そこまで心配する必要はないかと思いますが、発症しないとも言い切れません。Q4:「食物アレルギーの子どもが誤って原因食物を食べてしまったらどう対処すればいい?」佐藤先生:症状が軽いようであれば、安静にして、医師から指導された内服薬などを服用し様子をみてください。それでも症状が改善されない場合や症状が激しい場合は、すぐに近くの医療機関で診てもらうように。ひどいアレルギー症状の場合は病院での治療が必要になります。 ■近い将来、小児喘息が治る病気に?最後に、食物アレルギー以外の子どものアレルギーについても、最近の傾向や対策などもあわせてうかがいました。――今年の春も花粉がひどかったですね。子どもの花粉症も増えている印象があります。佐藤先生:確かに、花粉症に悩むお子さんは増えてきています。ダニやハウスダストに悩むお子さんも目立ちますね。学童期に特徴的なのが、花粉症を引き金に、果物を食べると口のかゆみや唇のはれをうったえる「口腔アレルギー症候群」を発症するお子さんもいることです。――「口腔アレルギー症候群」は、どんなアレルギーなんですか?佐藤先生:花粉症のお子さんが果物や野菜を食べた時に、唇や口の中がかゆくなったり、違和感を感じたり、唇がはれたりします。軽い症状の人が多いのですが、一部の人は呼吸困難や全身のじんましんなど、ひどい症状が出ることもあります。口腔アレルギー症候群は一度発症すると、なかなか治りにくいのが特徴です。残念ながら今のところ予防策はありませんが、規則正しい生活やバランスのとれた食事を心がけ、免疫力を正常に保つことが大切ですね。――現代に生きている限り、アレルギーは避けられそうもありませんね。佐藤先生:否定はできません…。ただ、医療は急速に進歩していますので、良い治療法も出てきています。アレルギーの一種である喘息(ぜんそく)が、医療の進歩により優れた薬が開発され、ひどい症状にならずに生活できるようになってきていることです。きちんと治療すれば、症状をコントロールできるようになるので、スポーツ選手にもなれるくらい運動しても大丈夫ですし、完治して薬をやめられるお子さんもいます。免疫の誤作動によって突然起こる食物アレルギー。いつ、誰が発症してもおかしくない病気だからこそ、基本的な知識は身につけておいた方が安心ですね。そして、万が一の時に備えて、小児のアレルギー疾患や食物アレルギーにくわしい医師が在籍している近くの病院を調べておきましょう。たとえお子さんがアレルギーと診断されても、落ち込む必要はありません。適切な治療について信頼できる医師に相談し、前向きな姿勢でお子さんと一緒に過ごせるといいでしょう。取材・文/長谷部美佐
2018年05月20日「家族はみんな、これといってアレルギーはなし、うちの子に限って…」と油断していたら、まさかの食物アレルギーを発症。そんな時、どう対応したらよいのか、動揺してしまうママも多いはずです。病院ではどんな治療をするの? アレルギーのわが子に何を食べさせればいいの? 子どもの食物アレルギー専門医・佐藤さくら先生に、具体的な治療法を教えてもらいました。佐藤さくら先生 プロフィール小児科医。国立病院機構相模原病院 臨床研究センター 病態総合研究部 病因病態研究室長。宮崎医科大学医学部卒業後、宮崎大学医学部小児科医員、国立病院機構相模原病院 臨床研究センター アレルギー性疾患研究部 流動研究員等を経て現職に。日本アレルギー学会代議員。日本小児アレルギー学会評議員。『小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2017』ほか多数執筆協力。■年齢によって変化する「アレルギー原因食物」――食物アレルギーと聞くと、まず頭に浮かぶのが卵や小麦ですが、実際はどんなものが原因で発症するのでしょうか?佐藤さくら先生(以下、佐藤先生):たしかに卵や小麦のイメージが強いかもしれませんが、実は発症する年齢によって原因となる食物(原因食物)が変わってきます。乳児期は鶏卵が圧倒的に多いですが、1歳になると魚卵やピーナッツも原因食物として加わってきます。また、学童期に入るとエビなどの甲殻類が原因でアレルギーを発症することも多いですね。原因食物は人それぞれ。表に記載していない食物でも、アレルギーになる可能性があります。食事(授乳)後、お子さんに発疹やかゆみなどアレルギーを疑う症状があった際、まずは小児科の先生に相談してください。 ■除去するだけではダメ「食物アレルギー治療の最前線」――発症後、病院で食物アレルギーと診断されたら、具体的にどんな治療を施していくのですか?佐藤先生:食物アレルギーの治療と管理で大事なことは「必要最小限の原因食物の除去」になります。そのため、まずは原因となる食物を正しく診断してもらうことが大切です。食物アレルギーの治療と管理は、ここ十数年ほどで考え方が変わり、以前は原因食物を完全に除去するような指導が一般的でした。それが近年は 「症状が出ない範囲の原因食物は食べてよい」という指導になっています。お母さん方は発症を恐れて原因食物だけではなく、その他の食物も不安から避ける傾向があります。これでは、お子さんの発育の妨げになる恐れがあります。医師にきちんと何の食物が原因なのかを診断してもらい、不必要な食物除去をしないこと、食べても大丈夫な量を指導してもらうことが大切です。――食べても発症しない程度の量を見極めるのは難しそうですね。佐藤先生:そうですね。そのために病院では「食物経口負荷試験」を行います。この試験は、アレルギーが疑われる食品を少量ずつ患者さんに食べてもらい、症状の有無を確認するもの。その結果に応じて原因食物の“食べられる量”を医師が決定します。食物経口負荷試験の後は、だいたい以下のスケジュールで通院しながら経過を見ていきます。・主治医の指導のもと、アレルギー症状が出ない程度の範囲で原因食物を食べていきます。↓・定期的に病院を受診。6カ月〜1年目安で繰り返し「食物経口負荷試験」を行い、原因食物の“食べられる範囲”を少しずつ広げていきます。↓・最終的に日常的に摂取する量を食べられるようになったら食物アレルギーは治ったことになります。――働くママにとって、食物アレルギーのお子さんの食事を用意するのはハードルが高そうですね。佐藤先生:病院は3カ月に1度程度の割合で受診すればいいですし、今はアレルギー対応食品が多く出回っています。すべて手作りしようと気負わず、こうした便利な食品を賢く使って少しでも負担を軽くしてください。お子さんにとってママの笑顔が何よりの処方箋なのですから!■もしもを防ぐお守り代わり「食物アレルギーサイン」佐藤先生:食物アレルギーのお子さんが持っていて便利なのが 一般社団法人エーエルサイン が普及活動をしている「食物アレルギーサインプレート」など、食物アレルギーをほかの人にアピールするためのアイテム。これは、アレルギーの品目をイラストで表示したプレートで、名札のように衣服につけたり、バッグにつけたり、必要に応じて使い分けることができるんです。――どんな時に使うのですか?佐藤先生:例えば、お友だちの家に招かれた時や、遠足、公園に遊びに行く時など、保護者の目の届かない場所での誤食防止に役立ちます。こうした便利なアイテムを積極的に利用することで、少しはお母さん方の心身の負担が減るのでは? と期待しています。ぜひ活用してみてください。“食物アレルギーのお子さんの食事”と聞くととても難しい気がしますが、今はいろいろな商品が出回っていますし、インターネットで手軽に入手することもできます。便利な時代だからこそ、それらを上手に利用することで、ママもお子さんも笑顔に。食物アレルギーだからといって気負わず、「徐々に改善する」と心に余裕を持つくらいの方が、お子さんも安心して日常を過ごすことができるのかもしれませんね。取材・文/長谷部美佐
2018年05月15日今ではすっかり聞き慣れた「食物アレルギー」という言葉。名前は知っているけれど、実際はどんな症状が出て、どんな治療をするの?大切なわが子がいつ発症しても冷静な判断ができるように、まずは食物アレルギーの「基本の基本」を理解してみましょう。子どもの食物アレルギーを専門とする小児科医、佐藤さくら先生にさっそくうかがってみました。佐藤さくら先生 プロフィール小児科医。国立病院機構相模原病院 臨床研究センター 病態総合研究部 病因病態研究室長。宮崎医科大学医学部卒業後、宮崎大学医学部小児科医員、国立病院機構相模原病院 臨床研究センター アレルギー性疾患研究部 流動研究員等を経て現職に。日本アレルギー学会代議員。日本小児アレルギー学会評議員。『小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2017』ほか多数執筆協力。■年々増え続ける子どもの「食物アレルギー」――そもそも食物アレルギーとはどんな病気なのでしょう?佐藤さくら先生(以下、佐藤先生):食べ物を食べたり、触れたりした時に、その食べ物を体が異物と勘違いして過敏に反応する症状のことです。食物アレルギーは、主に免疫グロブリン(抗体として働く物質の総称)の一つである特異的IgE抗体による体の誤作動によって起こるもの。遺伝ではありません。ただ、なぜ特定の食べ物にだけ過敏に反応するのか、いまだにわかっていないのが現状です。――昔よりも食物アレルギーに悩む子どもが増えていると聞きました。佐藤先生:確かに、私が勤めている相模原病院にもアレルギーで悩むお子さんがたくさんいらっしゃいますが、その数は年々増えているのを実感します。アレルギー患者が増えた理由は、環境の変化が関係しています。現代は昔に比べて街も住まいも清潔になりました。抗菌をうたった商品も多く出回っていますよね。この衛生的すぎる環境が、アレルギーを増やす原因の一つとなっている説もあります。――うーん。ということは、わが子がいつ食物アレルギーを発症してもおかしくないんですね…。ちなみに、いつ頃発症することが多いのでしょうか。佐藤先生:食物アレルギーは下記の5タイプに分かれます。1)新生児・乳児消化管アレルギー(発症年齢目安:新生児期)2)食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎(発症年齢目安:乳児期)3)即時型症状(発症年齢目安:乳幼児期)4)食物依存性運動誘発アナフィラキシー(発症年齢目安:学童期〜成人期)5)口腔アレルギー症候群(発症年齢目安:学童期〜成人期)このうち、もっともポピュラーなのが、2)の食物アレルギーに関与する乳児アトピー性皮膚炎で、生後3~4カ月に発症することが多いです。つまり、離乳食前の母乳やミルクを飲んでいる時期ということですね。ほっぺやおでこに赤いポツポツができたので乳児湿疹だと思い小児科を受診。スキンケアやステロイド軟こうを使用して適切な治療をしても湿疹ががなかなか良くならず、最終的に食物アレルギーだと判明することがよくあります。もちろん、離乳食を機に3)の即時型症状のタイプで発症することもあります。いずれにせよ、乳幼児期に発症するケースが大半です。――そんな早い段階で発症するんですね…。佐藤先生:そうですね。でも、そこまで悲観的にならなくても大丈夫。乳幼児期に発症した場合、原因食物によっても異なりますが、およそ50%のお子さんが3歳までにアレルゲンとなる食物を食べられるようになり、小学校就学前までにおよそ90%のお子さんが原因食物を食べられるようになります。つまり食物アレルギーが治るということです。 ■この症状が出たら食物アレルギーのサイン?――乳幼児期の食物アレルギーは日本特有なのですか?佐藤先生:いいえ、先進国では日本と変わらず患者数は年々増えています。興味深いのが、原因となる食物の違いです。たとえば日本では鶏卵が多いのに対して、アメリカではピーナッツが多いです。また、ヨーロッパでは牛乳や鶏卵以外に果物やナッツ類の食物アレルギーも注目されています。食生活の違いが、食物アレルギーの原因となる食物に影響していることのあらわれといえるでしょう。――食物アレルギーにかかると、どんな症状が現れるのですか?佐藤先生:いろいろな症状があるのが特徴といえます。食事(授乳)後、しばらくして下記のような症状が現れたら、まずはかかりつけの小児科で診てもらうことをおすすめします。「皮膚症状」あかみ、じんましん、はれ、かゆみ、しゃく熱感、湿疹。「粘膜症状」白目の充血・はれ、かゆみ、涙、まぶたのはれ。鼻水、鼻づまり、くしゃみ。口の中・舌のかゆみ・違和感、くちびるのはれ。「呼吸器症状」のどの違和感・かゆみ・締め付けられる感じ、声がかすれる、飲み込みにくい。せき、のどが「ゼーゼー」「ヒューヒュー」する、胸が締め付けられる感じ、息苦しい。唇や爪が青白い。「消化器症状」気持ちが悪くなる、おう吐、腹痛、下痢、血便。「神経症状」頭痛、元気がない、ぐったり、不機嫌、意識がもうろうとする、尿や便をもらす。「循環器症状」血圧低下、脈が早い、脈が触れにくい、脈が不規則、手足が冷たい。顔色・唇や爪が白い。かかりつけの小児科で診てもらっても症状が改善されない場合は、専門医が在籍している病院で診てもらいましょう。できれば、食物経口負荷試験を行っている病院か小児アレルギー専門医のいる病院がおすすめです。 ・食物アレルギー研究会(食物経口負荷試験 実施施設一覧) ・日本アレルギー学会(専門医・指導医一覧) 取材・文/長谷部美佐
2018年05月09日美しいジェルネイルも、一歩間違えばアレルギーの一因につやが美しく3週間長持ちし、比較的簡単な取り扱いで人気のジェルネイル。その気楽さからか、最近はセルフでジェルネイル♪なんていう方も増えましたね。ただ残念なことに、ジェルネイルの人気に伴って私のサロンに訪れるお客様の中には、明らかに健康な肌・爪とは言えない状態でいらっしゃる方がちらほら。そう、原因はジェルの質と取り扱いの知識のなさです。ジェルアートを楽しむためにも、アレルギーを起こさないジェルネイルの施術方法を知っておいてください。ジェルネイル自体の安全性、大丈夫ですか?第一前提として、使っているジェルネイルは安心安全なものでしょうか?どこで作られて、何が入っているか。理解していますか?よく聞く「お友達には材料費だけで、ネイルしてあげてるんです。」という言葉。それは趣味として素晴らしいこと!でも、もしそのジェルネイルにアレルギーを引き起こす素材や日本では化粧品として売ることができない物質が入っていたら? 責任、ないと言えるかしら……ネイルサロンで使っているジェルネイルの成分がどんなものか、まったく分からずに使っていればネイリスト側も同じレベルです。お客様や私たちの手肌を守るため、ぜひ店長さんに成分の勉強会をしてもらってください。(私は純国産、安心安全を守り続けているジュエリージェル、ジュエリージェルグランデを使用しています。)ダストの乾燥、薬剤の浸透をバリアしてジェルの安全性が確保されたあとは、乾燥と薬剤の浸透に気をつけてください。ジェルのダスト(削りカス)による手の乾燥、結構かゆいものです! 施術前にハンドクリームでバリアを作ってあげましょう。ジュエリージェルのTeo・ma・moleなら、アセトンやエタノールの浸透も防いでくれます。ジェルオフでアセトンを使うときにも、先に指先に塗ってからオフすればかなりの効果が期待できます。施術後にはしっかりダストを払って、流水で手洗いすることも忘れてはいけません。固まっていないジェルは皮膚につけない、基本ですジェルは皮膚に付けてはいけません。セルフネイラーさん、新米ネイリストさん、本当に気をつけましょうね。特に甘皮下にまでジェルが流れ込んでいる、なんて大変危険です。また完全に固まっていない状態のジェルや、固まった後のベタベタ(未硬化ジェル)も、アレルギーを引き起こしやすいものです。未硬化ジェルのふき取り時にも、お客様の指までぐいぐい拭かずにできるだけ爪の上だけをふき取りしましょう。お客様側も施術中は激しく動かないようにして、固まっていないジェルをネイリストの肌につけないように協力してあげてください。お客様からのジェル移りで、アレルギーを起こすこともあるのです。ネイリストさん側はずっとお仕事を続けられるよう、グローブで手を保護するのもおすすめです。一度アレルギーが出てしまえば、完治はなかなか難しいそうです。施術する側も、される側も、きちんとした知識をもって。さらなる指先の安全を目指しましょ。今日のあなたもキレイですよ!ネイルデザイナー/田邉薫(mini-ka SURGA)
2018年02月24日アレルギーになりやすい人というのは、他人とどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、アレルギーが起こるメカニズムや体質の改善方法について見てみましょう。アレルギーにかかりやすい人の特徴アレルギーは、どのような人が発症しやすいのか解説します。アレルギーとは身体には、外部から侵入してきた異物を体外へ排出して、身体を守るための免疫機能というものがあります。正常に反応していると、この免疫機能は身体に害を与えることは少ないとされています。ですが、体質によっては免疫機能が特定の物質に過剰な反応を見せてしまうことがあります。そして、それによってさまざまな弊害を受けてしまうことをアレルギーと呼んでいます。アレルギーのメカニズムアレルギーを引き起こす物質のことをアレルゲンといいます。アレルゲンには、食べ物ほこり、ダニ花粉金属などさまざまなものがあります。このアレルゲンが体内に入り込んだときに、アレルゲンを排除するために抗体を作り出します。この抗体をIgE抗体といいます。IgE抗体は、次に再び体内にアレルゲンが入り込んだときに、IgE抗体が肥満細胞と結合して刺激を与えます。それにより肥満細胞からヒスタミンが産生されて、アレルギーの症状が引き起こされます。代表的なアレルギー代表的なアレルギーについては、主に以下があります。アトピー性皮膚炎強いかゆみを発する皮膚湿疹が起こるアレルギーです。湿疹ができる場所は、年齢や個人によってさまざまです。気管支喘息気道が炎症を起こしてしまい、狭くなって、アレルギーによる刺激によって発作が起こる症状です。呼吸困難や喘鳴(ぜいめい)などが特徴とされています。アレルギー性鼻炎鼻の粘膜においてアレルギー反応が起こり、鼻水やくしゃみ、鼻づまりを引き起こすアレルギーです。日本においては、スギ花粉などに悩まされる人が多いとされています。アレルギーにかかりやすい人アレルギーにかかりやすい人の条件として、主に以下のようなことが考えられます。体内でIgE抗体が作られやすい人アトピー素因を持っている人都会に住んでいる疲労やストレスが多い偏食傾向アレルギー体質とはアレルギー体質というのは、アレルギー症状を発症しやすい人のことをいいます。特に、アレルギーになりやすい人の場合、乳幼児から14歳くらいまでに、アトピー性皮膚炎気管支喘息アレルギー性鼻炎などのアレルギーに次々とかかってしまうとされています。そのため、早期に治療をするために早めに医療機関へを受診することが望ましいでしょう。アレルギー体質は治るの?アレルギー体質は治すことができるのでしょうか。アレルギー体質の完治について見てみましょう。完治することはできないアレルギー症状というのは、体質的なものが関係しているとされています。症状が目立たないほど和らいだり、再び発症したりをくりかえすことが多いようです。体内のIgE抗体がなくなることはないため、完治は非常に難しいといわれています。コントロールはできる近年の医療技術の進歩によって、アレルギーの起こる原因などについては、解明されていることが多くなってきました。そのため、アレルギーに悩まされているほとんどの人は、医師の指導の下で症状をコントロールすることができるとされています。そして、日常生活において差し支えのないレベルを維持することができるため、アレルギーでない人と同レベルの生活をすることも難しくありません。アレルギー体質の改善方法アレルギー体質の改善策については、以下のような方法が考えられます。対症療法アトピー性皮膚炎などに悩まされている場合は、対症療法として外用薬であるステロイド薬やかゆみ止めの内服薬が処方されることが多いです。さらに、気管支喘息やアレルギー性鼻炎の場合、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬なども処方されることが多いです。ただし、あくまでも対症療法ですので、根本的な解決とならないことが多いです。体質改善アレルギー体質が促進されていると考えられる場合、疲労をとるストレスを解消する偏食せずバランスよく食事を摂るなどを意識することで、アレルギー症状が緩和される場合があります。アレルゲンの少ない場所に行くアレルギー反応が起こりやすかったり、花粉症に悩まされたりしている場合は、アレルゲンの少ない場所に移動することで症状が緩和されることがあります。たとえば、都会で喘息に悩んでいた人が、空気がきれいな場所に引っ越すと改善されたというケースもあります。どうしても改善されない場合は、アレルゲンが少ない場所へ行くことも方法のひとつとして考えてもいいでしょう。監修:大利昌久
2017年11月20日アレルギー検査は、どのような流れで、どのような検査をするのでしょうか。ここでは、アレルギー検査について、詳しく見てみましょう。アレルギー検査とはアレルギー検査とはどのようなものなのか解説します。アレルギー検査の目的アレルギー検査には、大きく分けて二つの目的があります。アレルギーの原因になっているアレルゲンと呼ばれる抗原や、特定の疾患が悪化してしまう要因などを特定するための診断目的と、特定の疾病の重症度や病状を評価するための治療管理のうえでの目的です。自分自身が、どのようなアレルギーを持っているのかを知らない人が多いといわれていますが、植物アレルギーペットアレルギー薬物アレルギー金属アレルギーなど、思いもよらぬアレルギーを保有している可能性があります。これらのアレルゲンを特定しておけば、アレルゲンを体内に入れるリスクを回避することができ、症状の発症を予防することができるでしょう。また、他因子性疾患である気管支喘息やアトピー性皮膚炎は、アレルゲンを回避するだけで症状が改善されないことが多いですが、アレルギー反応によって発症や症状の経過に大きな影響を与えていると考えられています。そのため、アレルゲンを特定は他因子性疾患の治療において、重要な要素であるといわれています。このように、アレルギーの検査をしておくことにより、疾病の予防や治療の足掛かりになることが多く、自分自身のアレルギーを知っておくことは非常に大切であることがわかるでしょう。アレルゲンを特定するための、アレルギー検査は非常に多くの種類があります。それらの検査の内容について確認していきましょう。アレルギー検査の内容主なアレルギー検査としては、問診血中抗原特異的IgE抗体検査ヒスタミン遊離試験薬剤リンパ球刺激試験皮膚テスト食物負荷試験などが行われます。また、重症度の判定のためには、一般的な血液検査に加え、血中総IgE抗体血中好酸球数呼吸機能検査気道過敏性検査運動負荷試験などが行われます。血中抗原特異的IgE抗体検査IgE抗体というのは、血中にある外部からの異物を除去するために産生される免疫グロブリンの一種とされています。アレルゲンが体内に取り込まれると、そのIgEがアレルゲンと結合することで、刺激が発せられヒスタミンなどが分泌されアレルギー反応を引き起こします。通常の検査で調べられるアレルゲンは、約200種類にのぼります。問診などを通して、アレルゲンの推定を行って検査を行うのが一般的です。ヒスタミン遊離試験血液中のマスト細胞に代わって、末梢血中の好塩基球を使用して、特定アレルゲンに対する反応を検査してアレルゲンを特定します。薬剤リンパ球刺激試験末梢血中からリンパ球を分離させて、薬剤を投与することによってアレルギーを検査します。リンパ球が反応してから増殖する遅延型のアレルギーに効果が高いとされています。皮膚テスト皮膚テストは、直接肌にアレルギー物質を当てるブリックテストパッチテスト皮内テストでアレルギー反応を調べます。IgE細胞の特定ではなく、実際のアレルギー反応を確認できるため、病状の確認がしやすいといわれています。食物負荷試験食物アレルギー検査の最終段階の検査です。実際にアレルギー物質を食べて、その病状や抗体の反応具合を検査します。患者自身がアレルギー物質を食べることを知っている検査や、知らない状態で食べる検査があります。呼吸機能検査気管支喘息に対しての検査です。気道の過敏性の亢進(こうしん)可逆性の気道閉塞や喘鳴(ぜいめい)呼吸困難などに対する検査をします。気道過敏性検査呼吸機能検査の一つであり、ヒスタミンアセチルコリンメサコリンなどの薬物吸入閾値を測定します。過敏性が高くなると、反応のための最小数値である閾値(いきち)が低くなります。ただ、過敏性は喘息の重症度に関係していますが、必ずしも気管支喘息が発症するともいえないので注意が必要です。運動負荷試験実際に運動を行わせて、運動前後の呼吸機能検査を行います。気管支喘息の病状を調べることができます。検査によって、FEVやPEFの値が一定以上低下した場合には、運動によって誘発される喘息であると判断することができるでしょう。アレルギー検査でわかることアレルギー検査の種類は非常に幅広く、多くの検査が行われます。それぞれの検査によって、アレルゲンを特定することができ、症状の予防や回避を可能とすることや、治療の手助けになる可能性があります。そのため、検査をして満足するのではなく、その検査結果をアレルギー疾患の治療や予防、そしてコントロールすることに活用するべきでしょう。監修:大利昌久
2017年11月19日アレルギーにはどのような薬が効果的なのか、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬の違いなどについて詳しく見てみましょう。アレルギーに効果のある薬とはアレルギーに対して一定の効果のある薬について詳しく解説します。近年増えてきた抗アレルギー薬かつて、アレルギーに対処する薬というのは、抗ヒスタミン薬のことを指すことが多かったようです。しかし、近年ではこれまでなかった抗アレルギー薬が使用されることが増えてきています。ヒスタミンとは、アレルギーによって炎症が発症したときに分泌されるメディエーターと呼ばれる生理活性物質のことをいいます。ヒスタミンは、体内で分泌されると血管が拡張されたり、血管の透過性が亢進(こうしん)されたり、気管支平滑筋の収縮を促したりする作用があるといわれています。これらの、作用を受けることによって末梢知覚神経が刺激され、かゆみや湿疹などを引き起こすとされています。抗アレルギー薬と抗ヒスタミン薬の違い抗アレルギー薬と抗ヒスタミン薬は、一見すると同じアレルギーに対しての対処薬と感じますが、それぞれの役割は違います。抗ヒスタミン薬とは抗ヒスタミン薬というのは、ヒスタミンの分泌によって引き起こされるさまざまな作用を抑制する効果が期待されます。抗ヒスタミン薬は、主にアレルギー性鼻炎アレルギー性結膜炎蕁麻疹(じんましん)などのアレルギーに処方されることが多いとされます。同じ抗ヒスタミン薬であっても、第一世代と第二世代に分類することができます。第一世代の抗ヒスタミン薬の特徴薬効の発現がとてもはやく即効性を期待することができる薬です。しかし、副作用として中枢神経への移行が非常にスムーズであることから、服用すると眠くなりやすいというデメリットがあります。さらに、抗コリン作用が強いことから機関誌の収縮の抑制作用が見られますが。気道分泌を抑制してしまう作用もあり、痰が出にくくなることがあるようです。第二世代の抗ヒスタミン薬の特徴中枢神経への移行性が弱いことから、眠くなりにくいという特徴があります。さらに、そのほかの抗アレルギー作用を持っていることも多く、抗アレルギー薬としても属している薬です。抗アレルギー薬抗アレルギー薬の条件としては、主に次の薬のことをいいます。メディエーター遊離抑制剤ヒスタミンH1受容体拮抗薬(第二世代抗ヒスタミン薬)トロンボキサンA2阻害・拮抗薬ロイコトリエン受容体拮抗薬、Th2サイトカイン阻害薬第二世代抗ヒスタミン薬やロイコトリエン受容体拮抗薬は、小児にも処方することができるアレルギー薬とされていますが、乳児に使用できる薬がないというデメリットがあります。主な抗アレルギー薬の種類と効能主な抗アレルギー薬について詳しく解説していきます。第二世代抗ヒスタミン薬アレロック顆粒クラリチンドライシロップザジテンドライシロップアレグラアレルオフゼスランそれぞれ、アレルギー作用を抑制する効果が期待できます。アレロック顆粒は2歳から、クラリチンドライシロップは3歳から服用が可能です。また、ザジテンドライシロップについては、かゆみを抑える作用が強いですが、眠くなりやすい作用があるとされています。ロイコトリエン受容体拮抗薬キプレス、オノンなどのロイコトリエン受容体拮抗薬は、気管支喘息に対する予防薬として服用されています。また、保険適応がされないものの、アレルギー性鼻炎や難治性の慢性蕁麻疹に効果が期待できるようです。薬の副作用について一般的な、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の副作用として、眠気のどの渇きを感じてしまう副作用が多いといわれています。ただし、ここまでご紹介したように、近年では副作用が少ない薬も多く登場しています。即効性を期待する場合は、どうしても副作用に気をつけなければなりませんが、即効性が必要ない場合は、副作用の少ない薬を処方してもらうようにしましょう。薬の使用時の注意点特に、第一世代の抗ヒスタミン薬などは、即効性があるものの中枢神経への抑制作用が強いため、眠くなりやすいです。眠くなるだけであればいいのですが、時としてまれに脳炎になってしまうことがあるので注意が必要です。アメリカでは、第一世代の抗ヒスタミン薬は、乳幼児への投薬を禁止しています。乳幼児に対して、第一世代の抗ヒスタミン薬を投与する際には、医師への判断を仰ぎ、十分に注意しましょう。監修:大利昌久
2017年11月18日どれだけ念入りに掃除をしていても、生活をしていく中で、室内にはちりやほこりなどのハウスダストが溜まります。このハウスダストは、アレルギー性の疾患を引き起こすアレルゲンとなり、身体に影響をおよぼす場合があります。ここでは、ハウスダストで起こるアレルギーの症状や治療法などについて見てみましょう。ハウスダストとはハウスダストとは、室内に溜まるちりやほこりなどのことです。ひと口に、ちりやほこりと称しても、その内容物にはさまざまなものが含まれています。その多くは、人やペットの毛やフケダニの死骸衣類の繊維プラスチック製品の微量な物質などがハウスダストの中にみられます。ハウスダストを構成するさまざまな成分の、どの成分がアレルギー反応を引き起こすアレルゲンとなっているのかは、厳密にはわかっていませんが、ハウスダストの構成成分について科学的な分析が進められ、アレルギーを引き起こす原因やメカニズムが解明されることが期待されています。ハウスダストによるアレルギーの原因ハウスダストアレルギーは、ハウスダストの特定の成分に対して、それを体外に排出すべき異物(抗原)とみなして、体内に抗体を作ることが原因で起こると考えられています。免疫システムが、それぞれの抗原に対する抗体を体内に生成し、次にその抗原が体内に侵入したときにアレルギー反応を引き起こして、それがさまざまな症状の発現につながります。ハウスダストは、アレルギーの原因となることがありますが、アレルギー症状がすでに発現しているところに、室内にハウスダストが蓄積するのを放置してしまうと、症状のさらなる悪化を招きかねません。体外から侵入した抗原に対して抗体を産生しているのは、リンパ球の一種であるB細胞ですが、そのB細胞に抗体を作るよう指令を発しているのが、ヘルパーT細胞です。ヘルパーT細胞は、Th1とTh2という2種類の細胞から構成されています。両者のバランスが非常に重要だとされており、Th1細胞が過度に優位になると炎症性疾患を起こしやすくなり、Th2細胞が過度に優位になるとアレルギー性疾患を起こしやすくなるといわれています。新生児や乳児期の子供は、Th2細胞が優位な状態になっており、感染症などによって刺激を受けてTh1細胞が増加していきます。Th1細胞とTh2細胞とのバランスは、およそ3歳までに決まるといわれていますが、それまでの時期を過度に衛生的過ぎる環境で長くすごすと、Th2細胞が優位なまま成長してしまい、アレルギー疾患にかかりやすくなってしまうと考えられています。ハウスダストによるアレルギーの症状ハウスダストによって引き起こされることがあるアレルギー性の疾患や症状には、次のようなものがあります。気管支喘息呼吸をするときに空気の通り道となる気道に慢性の炎症が生じ、気道狭窄(きょうさく)喘鳴(ぜんめい)呼吸困難などが生じます。気道の慢性炎症によって、リンパ球や好酸球、マスト細胞などの白血球が、気道上皮細胞や平滑筋細胞などの気道を構成している細胞と関わって、ハウスダストに過敏に反応するようになり、気管支喘息の症状を起こすと考えられています。アレルギー性鼻炎アレルギー性鼻炎は、鼻から入ってきた抗原(ハウスダスト)に対してアレルギー反応が生じます。くしゃみや水様性の鼻水(鼻汁)鼻づまり(鼻閉)が突然生じ、症状がくりかえし発現します。ハウスダストによるアレルギー性鼻炎では、一年を通して症状が起こります。アレルギー性結膜疾患結膜と呼ばれる、眼球の表面からまぶたの裏を覆う粘膜に、アレルギー反応によって炎症を起こします。主に眼のかゆみ白目の充血目の違和感目やにが出るなどの症状があります。ハウスダストによるアレルギーの検査アレルギーの検査では、主に血液検査が行われます。血液検査には、主に次の2種類のものがあります。IgEの量を調べるもの血液検査で血液中のIgEの量を調べ、アレルギーの有無やアレルギーの程度を数値化します。アレルギーの症状がハウスダストによるものと疑われる場合には、ハウスダストに対するIgEを調べ、その値が高ければ「ハウスダストに対してアレルギーがある」とされます。IgE検査には、上記のような、ある特異的なアレルゲンに対するIgEの値を個別に調べる検査(特異的IgE検査、RAST)と、IgEは特定せずにIgEの合計の値を調べる検査(非特異的IgE検査、RIST)とがあります。ヒスタミンの量を調べるもの血液検査で、ヒスタミンを通じてアレルゲンに対する反応性を調べる検査で、アレルゲン刺激性遊離ヒスタミン(HRT)と呼ばれます。検査では、採取した血液の中から好塩基球という細胞を分離し、その好塩基球にアレルゲンの添加を行います。アレルゲンを添加したときに放出されたヒスタミンの量を測定することで、アレルゲンへの反応性を調べます。ハウスダストによるアレルギーの治療アレルギー性疾患の治療では、抗原となっている物質の除去や回避を行うことが重要とされます。ハウスダストによるアレルギーに対しては、こまめに掃除機をかけたり、布団干しをしたりすることで、ほこりやカビ、ダニなど抗原となっているハウスダストを除去するようにしましょう。症状にあわせて以下のように薬物療法が併用される場合もあります。ハウスダストによる気管支喘息:吸入ステロイド薬アレルギー性鼻炎:抗ヒスタミン薬、鼻噴霧用ステロイド薬アレルギー性結膜疾患:抗アレルギー点眼薬近年注目を集めているのは、舌下免疫療法と呼ばれる治療法です。免疫療法は以前から行われていましたが、定期的にアレルゲンを皮下注射する方法が取られるために、毎回注射の痛みがあること、治療に3〜5年を要することなどが欠点として指摘されていました。このような皮下注射による免疫療法の欠点を改善した新しい治療法が、舌下免疫療法で、2015年に保険適用となりました。舌下免疫療法舌下免疫療法では、治療薬の錠剤を舌下に置いて1〜2分間そのままにしておき、その後飲み込むという方法がとられます。1日に1回行いますが、自宅で自身によって行えるのが利点とされています。2週間ごとに通院して受診し、治療の経過や副反応などのチェックをし、状態が安定した後は1か月ごとに受診をします。保険適用ではありますが、現在ではまだ舌下免疫療法を行える医師、医療機関は限られているため、ダニの舌下免疫療法を希望する場合には、受診をする前に、あらかじめその旨を医療機関に問い合わせることをおすすめします。監修:大利昌久
2017年11月16日小児期の食物アレルギーとして、鶏卵に次いで国内で2番目に多くみられるのが、牛乳アレルギーです。牛乳アレルギーとは牛乳アレルギーとは、食物アレルギーのひとつで、牛乳が原因となって免疫反応が起こり、さまざまな症状が生じるものをいいます。摂取した牛乳によって体内にアレルギー反応が引き起こされ、それによって蕁麻疹や湿疹、下痢などの症状が現れます。免疫は、私たちの身体にとって異物となるものを排除し、身体を守る働きをしています。アレルギーは、その免疫の反応として生じるものです。食物アレルギーは、特定の食物を摂取したときに、免疫のシステムが過敏に反応し、身体に有害な反応を引き起こすことだと定義づけられています。なお、体質的に乳糖を分解することができない人が、牛乳を飲むことでお腹がごろごろしたり、下痢をしてしまったりすることがあります。これは、免疫反応でなく体質によるものであることから、牛乳アレルギーではなく食物不耐性(乳糖不耐性)と区別されます。牛乳アレルギーの原因牛乳アレルギーをはじめ食物アレルギーには、免疫の抗原抗体反応が大きく関わっています。免疫は、外界から異物が侵入しても、それらの異物に抵抗し、身体を守る働きをしています。その働きにおいて、体内の異物を排出しようとしてつくりだされる物質を抗体、その抗体が排出の対象としている物質を抗原と呼びます。免疫システムは、通常は、ウイルスや細菌などの病原体が感染したときに、体内に侵入してきた病原体に対抗しようと、その病原体を抗原とする抗体をつくり出し、異物を体外に追い出すような活動を引き起こします。たとえば、かぜをひいたときにみられるくしゃみや鼻水などは、そのひとつです。しかし、食物アレルギーの場合には、私たちが生きていくために必須となる食物によって、身体に対して不利益な免疫反応が生じます。牛乳アレルギーに関しては、免疫システムが過敏に反応し、牛乳に対してIgE抗体(免疫グロブリンE)という種類の抗体をつくることが原因となって起こると考えられています。体内でつくられたIgE抗体は、細胞の表面にIgE受容体をもつ細胞に結合します。なかでも特にIgE抗体の結合がみられるのはマスト細胞です。マスト細胞は、ヒスタミンやロイコトリエンなどの神経伝達物質を大量に蓄積し、皮膚や気管支粘膜、腸粘膜などに存在している細胞です。このマスト細胞にIgE抗体が結合した状態でいるところに、牛乳を摂取すると、肥満細胞に脱顆粒と呼ばれる反応が起こり、中に蓄積されていた神経伝達物質が放出されます。それによってアレルギー反応が起こり、さまざまな症状が誘発されるといわれています。牛乳アレルギーの症状牛乳アレルギーによりアレルギー反応が起こると、ほかの食物アレルギー同様にさまざまな症状が出現します。主な症状牛乳アレルギーによってみられる主な症状には、次のようなものがあります。皮膚に現れる症状かゆみ、蕁麻疹、発赤、湿疹、血管性浮腫粘膜に現れる症状目のかゆみ、結膜の充血、流涙、眼瞼(がんけん)浮腫消化器に現れる症状悪心(おしん:嘔吐が起こりそうな不快感)、疝痛、嘔吐、下痢上気道に現れる症状のどのかゆみ、違和感、腫れ、咽頭や喉頭のむくみ、くしゃみ、鼻水、鼻づまり(鼻閉)下気道に現れる症状咳嗽(がいそう:咳こむこと)、喘鳴(ぜんめい:気道の狭窄によって呼吸時にゼーゼーなどと表現される音が鳴ること)、呼吸困難全身性の反応として現れる症状頻脈、血圧の低下、活動性の低下、意識障害症状の頻度アレルギー反応によって、上記のようなさまざまな反応が引き起こされますが、頻度としてもっとも多いのは皮膚や粘膜に生じる症状だといわれています。次いで消化器の症状、上気道の症状、下気道の症状とつづき、全身性症状の順になるとされています。年齢による症状の出現傾向症状の出現のしかたは、年齢によって異なる傾向を示します。乳児期(授乳期)には、発赤や湿疹などが現れることが多くみられ、その後、離乳期から幼児期にかけては、蕁麻疹や湿疹など皮膚の症状だけでなく、目の粘膜に現れる症状や鼻の症状、消化器の症状や下気道に現れる症状などもみられるようになります。また、もっとも重症の場合には、アナフィラキシーショックを起こすこともあります。牛乳アレルギーの検査牛乳アレルギーを含め、食物アレルギーの診断の際、まず問診から行われます。栄養の摂取は母乳かミルクか離乳食を始めているかペットとの接触があるかアレルギーの病歴や家族歴など、問診によって得た詳細な情報をもとに、症状の原因となっているアレルゲンを推定します。問診によって牛乳が食物アレルゲンであると疑われる場合には、lgE CAPRAST検査や皮膚テストによってIgE抗体の検出を行うことがあります。IgE CAPRAST検査IgE CAPRAST検査は、血液を採取して、血液中にアレルゲン特異的IgE抗体が存在するかを調べるものです。皮膚テスト皮膚テストは、アレルゲンが疑われる食物に対する皮膚中のマスト細胞の反応をもとにIgE抗体の検出をはかる方法です。また、IgE抗体の検出を行なう検査のほかに、1〜2週間の食物除去を行い、症状の改善がみられるかを観察する方法(食物除去試験)などが行われる場合もあります。牛乳アレルギーの治療牛乳アレルギーの治療では、必要最小限度の食物除去(牛乳の除去)を行います。アレルゲンである牛乳は除去し、栄養面で牛乳の代替となるような食品をとり入れることで、牛乳アレルギーの症状が発現するのを回避するようにします。症状が出る場合には、補助的な治療として抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などの内服による薬物療法がおこなわれる場合もあります。食物アレルギーは、乳児期に発症するケースでは90%程度で自然寛解が期待できるといわれています。一般的には、IgE抗体検査などの結果も踏まえながら、1歳を過ぎたころから、専門医の指導のもとで食物除去の見直しを6か月ごとに行っていきます。耐性の獲得によって自然寛解することを念頭におき、食品の除去は必要最小限度とし、代用食品やアレルゲンでない食品を活用した食事で十分な栄養摂取を心がけることが大切です。監修:大利昌久
2017年11月15日食物アレルギーのひとつである卵アレルギーには、アトピー性皮膚炎喘息アレルギー性鼻炎といった症状がみられます。卵アレルギーの原因となっているものは何か、検査方法や治療方法などについて見てみましょう。卵アレルギーとは卵アレルギーは、食物アレルギーのひとつで、卵に含まれているタンパク質に身体の免疫機能が反応してしまうことによって起こると考えられています。卵に対してアレルギー反応があらわれる人は多いといわれており、食物アレルギーの代表格とされています。卵アレルギーの原因アレルギー反応は、免疫が過剰反応してしまうことで起こります。通常は、アレルギーの原因となる抗原が体内に入ったときにIgG抗体を作り、次に抗体が侵入しないように免疫を高めます。しかし、抗原に対してIgG抗体ではなくIgE抗体が作られ、次に抗体が侵入したときにヒスタミンなどの化学伝達物質が出されることによってアレルギー反応みられるといわれています。卵アレルギーの場合の抗体は、オボアルブミンとオボムコイドであると考えられています。人によっては、オボアルブミンに強く反応する場合と、オボムコイドに強く反応する場合とがあるといわれています。卵アレルギーの症状卵のオボアルブミンやオボムコイドによってアレルギー反応があらわれた場合、喘息アレルギー性鼻炎アトピー性皮膚炎などがみられます。症状が出やすいのは消化器が未熟な乳幼児といわれていて、年を重ねて消化器の発達が進むことで症状がなくなっていくこともあります。ただし、症状が改善せず、少量の卵にも過剰に反応してしまい、アナフィラキシーショックを起こす場合もあります。アナフィラキシーショックは、呼吸困難意識が遠のく皮膚症状消化器症状など複数みられるもので、命に関わる重篤な症状なので注意が必要です。場合によっては、医師に対処用の薬を処方されることもあります。卵アレルギーの検査病院では問診を行い、卵を食べた量アレルギー反応が出るまでの時間反応が治まるまでの時間などを答えます。IgE抗体を明確にするために、ブリックテストスクラッチテスト20分間パッチテストなどの皮膚テストを行うこともあります。また、一度卵アレルギーがみられたのに、その後、アレルギー反応がない人1年以上アレルギー反応がなかったという人などは、実際に食べてどう反応するか調べる食物経口負荷試験を行い検査するといわれています。卵アレルギーの治療どのくらいの卵を食べることで、アレルギー反応があらわれるのか正確に判断し、必要最小限除去しながら食事療法を行い、できれば最終的に食べられるようにしていきます。アナフィラキシーショックがある場合は、卵の摂取を完全に控えるようにします。たとえ、完全に卵を除去してしまっても、動物性や植物性のタンパク質を、別の食材から摂取できれば、栄養面には心配ないと考えられているので安心してもよいでしょう。調理でも、卵の使い方には工夫をするとよいでしょう。たとえば、揚げ物の衣やハンバーグのつなぎに卵を使用しないで調理することができます。ただし、加工食品の場合は卵アレルギーに配慮して作られているものばかりではないため、食品表示をよく確認すると安心です。また、卵は加熱処理によりアレルゲンが低下し、反応が出にくくなるといわれています。卵で、アナフィラキシーショックを起こしたことのある人アナフィラキシーショックを起こす可能性が高い人は、食事療法の対象外であり、さらに、アドレナリン自己注射器を処方し、アナフィラキシーショックが起きたときに自分でアドレナリンを注射して症状を和らげていくこともあります。アナフィラキシーショックが心配な方は、医師に相談しましょう。まとめ卵アレルギーを引き起こすといわれている抗体には、オボアルブミンとオボムコイドの2つがあります。加熱によって凝固しやすいものとそうでないもの、どちらに強く反応するかに個人差があることから、食事療法の方法は異なります。栄養価が高いといわれている卵だけに、完全除去となると栄養面の不安を覚える人もいるかもしれませんが、代替えできる食品・食材はさまざまにあるため、医師に相談しながら健康を損なわずに対処していきましょう。監修:大利昌久
2017年11月14日食物アレルギーは、食べ物に対して起こるアレルギーです。アナフィラキシーショックを引き起こす可能性もあり、命に関わることもあります。ここでは、食物アレルギーの症状や原因、治療方法などについて見てみましょう。食物アレルギーとは特定の食べ物を食べることで、かゆみ赤み湿疹嘔吐(おうと)腹痛アナフィラキシーショックなどを起こしてしまうことを食物アレルギーといいます。日本の全人口の1〜2%に発症すると考えられており、中でも乳幼児は10%程度の発症率があるといわれています。乳幼児の食物アレルギーの数値が、全体よりも高いのは、年を重ねるごとに症状が改善していくケースもあるからです。アレルギーのようでアレルギーでないものアレルギー反応と似たような症状でも、アレルギーではなく、ほかの病気である可能性もあるため注意することも大切です。たとえば、牛乳を飲んでおなかを下すときは、アレルギーではなく食物不耐性で乳糖をうまく消化できていないことや、食中毒であることも考えられます。また、食物アレルギーだと思っていたが、食物に含まれていた化学物質に反応しているケースもあります。食物アレルギーの原因身体の免疫機能の一つであるIgE抗体が、特定の食べ物に含まれるタンパク質に過剰反応してしまうことでアレルギー反応が起こるといわれています。食物アレルギーの症状食物アレルギーは、以下のような器官にさまざまな症状があらわれます。皮膚にあらわれる症状かゆみ蕁麻疹(じんましん)湿疹が出る赤くなる目にあらわれる症状結膜の充血目のかゆみ涙が出るまぶたが腫れる口腔内にあらわれる症状口腔内の違和感腫れかゆみのどがつまったような感じのどがイガイガしたりする気管支や肺にあらわれる症状咳が出る呼吸が苦しい鼻にあらわれる症状くしゃみ鼻水が出る消化器官にあわられる症状腹痛吐き気嘔吐血便下痢循環器にあらわれる症状意識障害などの神経にあらわれる症状脈が高くなる血圧が低下する中でも、上述の症状が複数みられ、重篤化してしまったものをアナフィラキシーショックと呼びます。また、花粉症の人などに多くみられるのが、普段食べている食べ物に対してアレルギー反応が出てしまうことです。食べても異常のなかった野菜や果物でも、新鮮なもののみにアレルギー反応が出る場合があります。その場合は、食べている途中で、口腔内に違和感を覚えることがあるため、大量に食べずに摂取を控えましょう。また、この場合は検査によって判明しにくいといわれており、新鮮な食べ物を実際に摂取してみないと診断できないといわれています。食物アレルギーの検査食物アレルギーが疑われる場合、病院を受診し、検査することをおすすめします。病院では、アレルゲンを特定し、反応しているIgE抗体を証明するという手順を踏みます。検査は、問診食物日誌皮膚テスト血液検査を行い、場合によっては原因となっている食物を実際に食べて検査を行い診断します。問診の流れ問診では、アレルギー反応がみられたときに、何を食べていたのか食べた量発症までの時間いつまでアレルギー反応が出ていたか症状には特徴があったかを答えます。そして、同じような食べ物を食べてアレルギー反応がみられるかの記録をつける食物日誌をつけます。抗体検査の内容IgE抗体を証明する検査では、ブリックテストスクラッチテスト20分間パッチテストなどの皮膚テストを行います。これは、抗原液を皮膚に貼ったり、注射で注入したりして行います。血液検査の内容血液検査では、血中抗原特異的IgE抗体の有無を確認します。陽性反応が出ているが実際に食べたことのない食べ物がある場合食べてもアレルギー反応がみられなかった場合アレルギー反応が出てから1年以上経過している場合上記のような場合は、食物経口負荷試験という、実際に食べてどう反応するかを検査してみます。食物アレルギーの治療食物アレルギーの治療では、症状があらわれるときの摂取量を知り、必要最小限除去するように心がけて治療を行います。食事療法によって、必要最小限の基準を小さくしていき、最終的に食べられるようになることを目標としています。ただし、アナフィラキシーショックがみられる場合には、原因となっている食べ物を完全に排除します。また、アナフィラキシーショックの可能性がある人や発症したことがある人は、アドレナリン自己注射器を処方し、症状があらわれたときに自分でアドレナリンを注入して症状を和らげていく方法もあります。まとめ食物アレルギーは、特定の食べ物に含まれるタンパク質に身体の免疫機能が過剰反応してしまうことで発症します。食事療法によって改善することもありますが、自己判断で除去したり、摂取したりせずに、医師の適切な治療を受けましょう。監修:大利昌久
2017年11月13日アレルギーの症状に悩んでいる人は多く、年々、患者数は増加しているといわれています。アレルギーとはどのような原因で、どのような症状が起きてしまうのか詳しく見てみましょう。アレルギーとはアレルギーの定義は、免疫反応に基づく生体に対する全身的または局所的な障害と定められています。なんらかの外的な刺激があった際に、身体は免疫反応によって刺激を排除しようとしますが、特定の物質や現象に対してこの反応が過剰に起きてしまうことでアレルギー症状があらわれます。免疫反応を起こす物質や現象は抗原と呼ばれ、アレルギーの原因を意味するアレルゲンと呼ばれる場合も多いです。アレルギー症状には、抗原の反応によって短時間で症状がでる即時型と、遅発、遅延型と呼ばれる種類が存在しています。アトピー性皮膚炎喘息蕁麻疹花粉症鼻炎これらのアレルギー症状は即時型で、生命に危険のあるアナフィラキシーショックも即時型の分類となります。一方、遅延型のアレルギー症状は、発症まで数時間や数日かかる場合もあり、こちらは細胞や細菌を原因とした内臓への症状が中心となります。臓器移植による拒絶反応などもこの一種とされています。アレルギーが起こるメカニズム一般的な即時型のアレルギー症状には、IgEと呼ばれる抗体が大きく関与しています。このIgE抗体が、皮膚腸粘膜気管支粘膜鼻粘膜などに存在しているマスト細胞と結合した状態で抗原と接触すると、細胞からかゆみや炎症の原因となるヒスタミン、ロイコトリエンなどの化学伝達物質が放出されてアレルギー症状を起こすようになります。このため、IgE抗体はアレルギー症状を起こす有力な要因と考えられています。アレルギーの主な原因アレルギー症状を起こす抗原となる可能性があるものには、以下のようなものがあげられます。抗原となるものは人によって大きく異なり、種類も大変多くなりますので、あげられたもの以外でアレルギー症状が起こる可能性もあります。食品食品は、子供に多く見られるアレルゲンですが、大人にもアレルゲンとなるケースがあります。卵乳製品(牛乳など)穀物(小麦、そば)豆類(ピーナッツ、大豆など)特に、これらの食品でアレルギーを起こす人が多く、甲殻類(エビ、カニ)、魚介類(青魚や貝など)、果実類などでアレルギー症状があらわれる場合もあります。ハウスダスト近年患者が増えており注目されているアレルゲンです。ダニダニそのものだけでなく、死骸やフンが生体以上に強力なアレルゲンとなります。湿度の高い環境などで繁殖しやすいといわれています。カビ、細菌湿気などによってほこりの中にカビが繁殖する場合があり、空気中に胞子をまくことでアレルゲンとなります。ほこりや他のハウスダストは細菌が原因となることもあり、ダニのエサとなるほかアレルゲンとなる場合もあります。ペットの毛室内でペットを飼っている家庭も増えていますが、抜けたペットの毛自体がアレルゲンとなる場合もあるほか、ダ二のエサとなり繁殖を助長することもあります。ペットを飼っている場合は特に掃除などを徹底するべきでしょう。花粉などの吸収性物質花粉症は、もっとも身近なアレルギー症状といえるでしょう。鼻炎の症状だけでなく、皮膚のかゆみや湿疹などがある場合もあります。大気汚染などによるアレルギー症状も花粉と同様です。金属などの接触刺激金属と汗が反応して、接触している皮膚に炎症や湿疹を起こす金属アレルギーや、天然ゴムの成分が皮膚に症状を起こすラテックスアレルギーなど、特定の物質に接触することでアレルギー反応が出る場合もあります。化粧品などの化学物質によって接触刺激が起こる場合もあります。薬剤によるアレルギー内服薬や注射などによって体内に入った薬がアレルギーを起こす場合もあり、これは遅発、遅延型の症状があらわれます。症状が重症となりやすいので、服用している薬や過去に服用した薬を把握するようにして症状がある場合は、すみやかに医師や薬剤師に相談することをおすすめします。アレルギーの主な症状アレルギー反応としてあらわれる症状にはさまざまなものがありますが、代表的なものとして、以下のようなものがあげられます。症状は必ずしも単一ではなく、いわゆるアレルギー体質と呼ばれるアレルギー素因の多い人の場合は複数の症状を併発することも少なくありません。アレルギーに対しては、医療機関での適切な治療が第一ですが、自分のアレルゲンをあらかじめ知っておくことでアレルゲンをできるだけ避けることが可能です。症状を完全に抑えることは困難な場合もありますので、なるべくアレルゲンに触れないよう注意するべきでしょう。アレルギー性気管支炎ハウスダストや花粉など吸収性の物質がアレルゲンとなる場合が多く、気管支や気道が炎症を起こして腫れてしまい呼吸がスムーズにできないことで息苦しくなります。せきやたんが出るなど風邪(かぜ)と間違えやすい症状ですが、適切な対処を行わないと気管支喘息などに発展する場合もあります。アレルギー性鼻炎花粉症の代表的な症状ですが、ハウスダストや食物によって起こります。激しいくしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状があらわれ、のどの痛みや頭痛なども併発して日常生活に支障が出る場合も珍しくありません。アレルギー性結膜炎鼻炎と併発するケースも多く、目の表面の結膜にアレルゲンが付着する事で炎症を起こし、激しい目のかゆみ、充血、涙が出る、異物感がある場合などがあります。アトピー性皮膚炎皮膚に湿疹が起こり、強いかゆみを感じるほか、皮膚がカサつくなど、皮膚の保護機能が低下する症状をあらわします。全身どこにでも症状が出る可能性があり、重症化すると腫れやただれ、皮膚の肥厚などが起きることもある深刻な症状です。蕁麻疹境界がはっきりとした、円形に盛りあがる皮疹が発生します。大きさはさまざまで、強いかゆみをともないチクチクとした感触がある場合もあります。アトピー性皮膚炎による炎症湿疹と混同されることも多いですが、蕁麻疹の症状は、出たり消えたりをくりかえすことが多いのが特徴です。監修:大利昌久
2017年11月09日金属アレルギーは、一度発症してしまうと完治が難しいといわれるアレルギーです。金属が汗や体液によってイオン化して起こると考えられています。ここでは、金属アレルギーの種類や症状、検査や治療、予防方法について見てみましょう。金属アレルギーとは金属アレルギーは、特定の金属に対してアレルギー反応がみられるものを指します。現在の日本では、10人に1人以上がなんらかの金属アレルギーであるといわれており、一番症状が出やすいのがニッケル、次にコバルトと考えられています。ニッケルやコバルトは、ピアスなどのアクセサリー類に用いられることが多いため、女性に金属アレルギーが出やすいといわれています。特に40代以降の女性に多いアクセサリーを身に付ける時間の長い女性は、金属アレルギーを発症しやすいといわれています。そのため、若い人よりも、金属と接触している累計時間がより長い40代以降の女性に多くみられます。金属アレルギーの原因金属アレルギーが起こる原因は、金属が汗や体液などに触れてイオン化することにあるといわれています。接触の場合は、汗に触れることで起こり、体内に金属がとり込まれた場合には、体液に触れることによって起こるとされています。金属アレルギーの症状金属アレルギーは、金属接触アレルギーと全身型金属アレルギーの2種類にわけられています。金属接触アレルギーは、皮膚が金属と接することによって、皮膚上の汗から金属がイオン化して侵入し、かゆみや赤み、腫れや湿疹、水ぶくれを起こすことがあると考えられています。全身型金属アレルギーは、薬や食品に含まれている金属が体液などに触れることでイオン化し、それを汗として放出するときに手のひらや足の裏などにむくみや皮膚炎などを起こすと考えられています。金属アレルギーの検査金属アレルギーの検査では、パッチテストを行い、どのような種類の金属に対してアレルギー反応があるのかを調べます。この検査によって、金属接触アレルギーの原因を特定することができます。全身型金属アレルギーの場合は、パッチテストでは陽性反応が出ないケースもあるため、内服テストや吸入テストを行い診断します。ただし、人体に悪い影響があるといわれている水銀やスズにアレルギーの可能性があるときは、内服テストは行いません。金属アレルギーの治療金属アレルギーは、完治が難しいといわれているため、基本的に接触を回避することでアレルギー反応が出ないようにすることが重要です。全身型金属アレルギーの場合は、食品に含まれている金属に反応していることもあり、該当している食品を食べないように制限されることがあります。たとえば、チョコレートや豆類、貝類やレバーなどには金属が多く含まれているため、摂取を控えるよう指示されます。また、調理器具に含まれる金属に反応しているケースもあるため、調理器具に関しても注意するようにしていきます。回避では症状が治まらないときは、薬物で治療することもあります。その際は、消化管がアレルゲンを吸収し過ぎないように抑えるインタールを使います。それでも、金属アレルギーの反応があるときは、歯科に問い合わせて反応のある金属が含まれていないかを確認したり、除去してもらえるように連携したりします。また、整形外科や血管外科の治療において、金属を使用していないか、大気汚染されている環境に住んでいないかなど他の原因を探ることもあります。それでもアレルギー反応が治まらない場合は、金属キレート剤を使って治療を行います。金属アレルギーは予防できるのか金属アレルギーを予防するには、金属との接触をなるべく避けるのがよいと考えられています。たとえば、虫歯の治療で銀歯にした場合、金属が口内で溶け出してしまわないか歯科で確認したり、詰め物を金属ではないものに変えたりすることで発症を予防できると考えられます。また、アクセサリーをつけたい人は、一番発症率の高いニッケルを避け、金や銀、プラチナやチタンで作られたアイテムを選んで使うようにするとよいでしょう。それに加えて、汗をたくさんかく環境のときは、アクセサリーを使用しないように心がけるとよいでしょう。まとめ金属アレルギーとは、金属に対してアレルギー反応を起こしてしまう体質のことです。金属が、汗や体液などに触れることでイオン化して皮膚炎などの症状があらわれます。一度発症すると完治が難しく、金属接触アレルギーの場合は、原因の金属を回避するのが一番の対処法となります。また、全身型金属アレルギーは、回避の他に薬物治療のほか、歯科や整形外科、血管外科などと連携して治療を行うこともあります。発症していない人は、予防のために、できるだけ金属との接触を控えて、身につけるものに注意しましょう。監修:大利昌久
2017年11月07日アトピー性皮膚炎はアレルギーと同じだと考えている方もいるのではないでしょうか。本来は、アトピー性皮膚炎はアレルギーと同じものではありません。アレルギー性皮膚炎は、特定の原因物質(アレルゲン物質)に接触すると起こる皮膚炎です。ここでは、アトピーとアレルギーの違いについて見てみましょう。アトピーはアレルギーではないのかアトピー性皮膚炎とは、かゆみをともなう湿疹が身体のさまざまな部分にできることが特徴です。皮膚が乾燥しやすく、皮膚のバリア機能が弱いため、外からの刺激に敏感な状態となっています。皮脂の分泌も少ないため皮膚の水分が蒸発しやすく乾燥してしまうといわれています。一方、アレルギー性皮膚炎は、原因物質といわれるアレルゲンにくりかえし接触することで皮膚に炎症が起こる症状のことを指しています。アトピー性皮膚炎と混同しやすいですが、複合的な要素が絡み合って原因が単純なものではないアトピーと違って、アレルギー性皮膚炎は、アレルギーの原因となっている刺激を排除してしまえば比較的治療しやすいといわれています。症状として現れる湿疹は、アトピー性皮膚炎と似ているために、見た目だけではどちらの症状であるかを判断することは難しいです。アレルギー性皮膚炎とはアレルギー性皮膚炎の原因はさまざまで、しかも人によって原因物質は異なります。毒性のあるものや刺激物が原因物質としてあげられます。多く見られるものには、植物があり、うるし銀杏アロエなどにアレルギー反応があることが知られています。女性は、アクセサリーなどの金属と触れていることが多いため、金属アレルギーを持つ人が多いといわれています。金属アレルギーが重症化すると手のひらや足の裏にも症状が出ることがあり、小銭などの金属にも反応してしまうこともあります。その他にも、化粧品やシャンプーなどの化学成分下着やマフラーなどの繊維湿布や軟膏などの外用薬が原因となることもあります。アレルギーの原因となる物質に接触すると、触れた部分が赤くブツブツとした紅斑(こうはん)になる、皮膚が盛り上る湿疹の丘疹(きゅうしん)が出る、水ぶくれである水疱(すいほう)になります。「かぶれ」と呼ばれる症状です。かゆみや痛みがある場合があります。アトピー性皮膚炎とは強いかゆみや湿疹があることが多く、特に乳幼児に発症しやすい病気です。近年では大人にもアトピーの症状を持つ人が増えています。アトピーの原因はさまざまあり、生まれつきの体質や環境食べ物不規則な生活習慣などが関係していると考えられています。治療法が確立されていないためによくなったかに見えても、再び症状が悪化することがあり、症状のくりかえしが特徴として見られ、悩まされている人が多い病気です。アトピー性皮膚炎の症状額や目や口の周り、体幹などにかゆみのある湿疹がよく見られます。乳児の場合は、最初に湿疹が頭部に現れて、だんだんと下の方へ移っていき、四肢関節に湿疹が出てくるようになります。幼少期では、頸部、関節に多く湿疹が出てくるといわれます。成人の場合は、上半身に頻発することが多くなります。アトピー性皮膚炎の原因と対処法アトピー性皮膚炎の原因には、食べ物よりもハウスダストやダニ、カビなどが原因となることが多いと考えられています。ダニが棲みつきやすいといわれるじゅうたんやカーペットを減らすことが有効です。また、ダニは湿度が55%以上になると繁殖しやすくなるため、湿度を下げるダニのエサとなる食べこぼしの始末定期的に部屋の掃除こまめに布団を乾燥させる部屋の空気を入れ替えるをするようにしましょう。アトピー性皮膚炎のケアは保湿が大切アトピー性皮膚炎の治療の目標は、症状を上手くコントロールしていくということが大切です。そのためには、薬を使用して湿疹やかゆみの症状を抑えましょう。皮膚のバリア機能が弱い状態なので刺激物が症状を悪化させやすくします。日常的にスキンケアをしっかりと行ってください。スキンケアでは、おもに保湿に重点を置いてください。セラミドヒアルロン酸コラーゲンなどの保湿成分が有効でしょう。また、炎症がひどい場合は、軟膏類や乾燥している部分にクリーム類を使用することをおすすめします。紫外線によりアトピーを悪化させやすくなるため、外出の際は日焼け止めなどで対処しましょう。監修:大利昌久
2017年11月06日アレルギーにより湿疹が引き起こされる場合、どのようなメカニズムで発症するのかを理解しておくと、いざというときに対処ができます。ここでは、湿疹とアレルギーについて見てみましょう。アレルギーによる湿疹とは湿疹を発症させるアレルギーには以下のものがあります。食物アレルギーアレルギーによる湿疹でよく見られるのが、食物アレルギーです。アレルゲンとされる特定の食べ物で、湿疹が発症されるとされています。アレルゲンとなる可能性がある食べ物は非常に数が多いので、どれが自分にとってアレルゲンになるのか問うのがわからないことが多いです。また、食物アレルギーの場合は、皮膚症状として湿疹だけにとどまらないことも多く、じんましんや血管性浮腫、発赤などの症状がでたり、目やのど、呼吸器系などの異常が引き起こされたりすることがあります。接触アレルギー接触アレルギーの場合は、主に皮膚に現れるアレルギーとして知られています。皮膚にアレルゲンが接触することによって、皮膚に湿疹などの異常が引き起こされることがあります。軽い接触アレルギーの場合、触れた部分だけに異常が起こりますが、アレルギーの反応によっては、接触した部分以外にも症状が進行してしまうこともあるため注意が必要です。アレルギーによる湿疹のメカニズムアレルギーが引き起こされるメカニズムについて解説します。防御反応人の身体は、外部からの異物に対しての防御機構を有しています。異物が体内に侵入すると、血液中の白血球などの細胞がその異物を除去しようと活動を始めます。このため、なにか異物がはいりこんだとしても、すぐに異常をきたすというわけではありません。そして、一度異物を排除すると、その異物に対して記憶しており、次回侵入したときには、最初の侵入に比べてより早く対処できるようになっています。これを免疫と呼びます。アレルギーというのは、この免疫反応に異常が起こったときに引き起こされるといわれています。抗体が過剰に反応するアレルギーは、異物に対して必要以上に反応を起こしてしまうことが原因で引き起こされるようです。アレルギーの原因であるアレルゲンが体内に入ると、特異的IgEを経由してアレルギー反応が引き起こされます。さらに、アナフィラキシーショック症状が引き起こされた場合は、一度症状が現れなくなった後に、再び発症するといわれています。アレルギー反応はあくまでも、異物が入ったときだけに反応するので、アレルゲンを体内に取り込んだり、皮膚に触れたりしない限りは、アレルギー症状は発症しないとされています。アレルギーによる湿疹の治療アレルギーによる湿疹の治療法を見ていきましょう。アレルゲンを特定するアレルギーに対する治療を行っていくためには、アレルギーを引き起こしているアレルゲンを特定する必要があります。アレルゲンを特定するためには、血液検査によって血中の特異的IgE抗体がどれくらいあるのかを調べるという方法が行われます。そのほかの方法としては、実際に食べ物で検査を行う食物検査や、皮膚にアレルゲンの可能性のある物質を付着させるパッチテストなどによって、アレルゲンを見極めていきます。ただし、これらの検査は、あくまでもアレルゲンを探す検査です。見極めたアレルゲンが、必ず湿疹の原因だという事は決めつけることができません。アレルゲンを同定してからさらに検査をしていくことで原因を特定できるとされています。できるだけアレルゲンを避けるアレルギーを根本的に治療するのは非常に難しいことです。そのため、対症療法がメインの治療となります。抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬などを投与して、アレルギーによる症状を緩和させていく薬物療法を行っていくことが多いです。そして、症状が緩和された後は、できるかぎりアレルゲンを摂取したり、触れないように予防したりしていくことが重要だとされています。日ごろから気をつけたいこと検査や治療によって、自身の湿疹の原因となっているアレルゲンが同定されているのであれば、そのアレルゲンからできるだけ避けて生活していくことによって、症状を予防することができます。たとえば、軽度の食物アレルギーであり、それが普段から食べたり飲んだりしているものであれば、徐々に摂取量を減らしていって、症状が出ない摂取量を見極めることも必要かもしれません。また、生活や仕事に支障をきたすレベルであるのであれば、アレルギーの出ないような生活、および仕事に変えていく必要があります。家族や職場での理解が必要になるため、しっかりと相談をしてよい方法を探していくようにしましょう。監修:大利昌久
2017年10月24日花粉症などアレルギーを持つ人は多いですよね。もし彼がアレルギー持ちの場合は、バレンタインにあげるギフトにも気をつけなければいけません。今回は、アレルギー持ちの彼とバレンタイン症候群についてお話します。知らないことがあるのは当然彼氏と同棲し始めたばかりのKさんは、バレンタインに手作りのケーキ(生クリーム+イチゴ)をあげることにしました。イチゴがたっぷり入ったハート型のケーキです。彼氏はとても喜んで嬉しそうに食べ進めましたが、実はイチゴのアレルギー持ちでした…。せっかく作ってくれたのだから、とアレルギーだということは言わずに食べてくれたのです。でも、やっぱり口の中や喉がかゆくなってしまい全部は食べられませんでした。一見するとラブラブなエピソードですが、一歩間違えば大変なことになっていたかもしれません。同棲している、付き合っているとは言え、お互いの全てを知っているとは限らないということですね。バレンタイン症候群バレンタイン症候群は、バレンタインの直後に患者さんが急に増えることを指します。主に内科、耳鼻科、皮膚科で起こる現象のようです。バレンタインと言えばチョコレートですが、実は体のかゆみや頭痛などの体調不良の原因となる成分が含まれています。中でも有名なのは「ニッケル」と「チラミン」。・ニッケル金属アレルギーの人がチョコを食べて症状が出てしまう原因。チョコにはニッケルという金属が多く含まれています。・チラミン血管の収縮を起こす成分です。血管の収縮を引き起こし、その効果が切れると一気に血液が流れ、蕁麻疹や頭痛、鼻血などの症状が出ることがあります。いずれも大量に食べたときに症状が出ることが多いようなので、気をつけて下さいね。卵や牛乳などの食物アレルギーを持つ人のために、アレルギー対応のバレンタインギフトやレシピもあります。サプライズであげたいという女性も多いと思いますが、アレルギーだけはきちんと確認した方が良さそうです。
2017年02月09日長男を見ていると、「よくここまでアレルギーが出てくるものだ」と落胆を超えて感心してしまう。今わかっているだけで十数種類の食物アレルギー、ハウスダスト・犬猫アレルギー、花粉症、軽度のアトピー。風邪をひくと咳がひどくなり、喘息の疑いもある。つい先日も新たなアレルゲンがわかったばかり。年齢とともによくなるものもあれば、悪くなるものもある。子どものアレルギーで悩むママに我が家の話を聞いてほしい。今までのアレルギー遍歴まずは長男のアレルギー遍歴をザッとご紹介しよう。生後7ヶ月 ヨーグルトを食べた後、口の周りにプツプツと赤い発疹が出て受診。 「卵、乳製品、小麦、ピーナッツ」にアレルギーが判明。全除去。 1歳半 小麦解除(食べられるように)。 2歳半 「山芋」を食べて嘔吐。アレルギー判明。 3歳 数値では出ていなかった「イクラ」で発症。その後検査するも、やはり数値は出ない。 4歳 「ハウスダスト、犬、猫アレルギー」判明。 7〜10月のみ原因不明の顔の発赤、頭のかゆみ、夜のみ咳が出るようになる。 5歳 乳製品解除。 「パイナップル」を食べて口の中が痒くなり判明。 「スギ、ヒノキの花粉症」判明。 5歳半 「りんご、オレンジ、キウイ、メロン、アーモンド、くるみ、ヘーゼルナッツ、ココナッツ」判明。一般的にアレルギーの多い「卵、乳製品、小麦、大豆」の数値は年々減少している。いっぽうで「ナッツ類」は上がっており、「果物類」は今まで食べられていたが5歳からアレルギーを発症(この2つは花粉症との関連性が高いと言われている)。医師には「まだ調べていないだけで、他にもアレルギーや花粉症はあるでしょう」と言われた。1番大変なのは子どもだけど…アレルギーが分かったときは正直戸惑った。何をどう気を付ければいいのか…知識が全くないことが1番怖かった。アレルギーで大変なのは誰よりも子ども自身。それを踏まえた上で、親自身もキツいときがあると度々思う。1番大変だったのは、原因不明の顔の発赤が出た去年の夏。決まって夕方18時過ぎに出るのだが、その時間家にいるのは私と長男、当時5ヶ月の次男だけ。「赤ちゃんを抱えて何か発作でも起こったらどうしよう」と気が気ではなかった。それ以外の日常生活でも、外食や旅行は常に緊張を伴う。子どもを預けることもほとんどない。アトピーのために洗剤や服を変え、ハウスダストが判明してからは掃除機や寝具を変え、夏季は床や布団の掃除機がけに毎日追われる生活。「お金も、時間も、労力もかかる」のがアレルギー児をもってわかったことだ。また、周囲の大人に「わかってもらう」ことがまだまだ難しい。身内でさえ、「これくらい大丈夫」と言われて発症したこともある。食物はもちろん、ハウスダストも言いかたによっては相手の機嫌を損ねる可能性もあるため、実家・義実家への説明は慎重かつ丁寧に行った。これが友人関係と広がっていくと、また難しいものなのだ。難しくて切ない、子どもへの対応それでも1番心が傷むのは子どもへの説明かもしれない。小さい頃は食べなければ良かっただけだが、5歳ともなれば自分がアレルギーだとわかるし、好きだったフルーツも食べられなくなった。動物大好きな長男だが、大好きな猫を飼うのもガマンしているし、動物園も短時間で済ませないといけない。子どもをのびのび育てるのがモットーな筆者だが、アレルギーがあるということは「ガマンを強いる」ということだなとつくづく思う。もちろん体や時に命に関わることだから本気で止めるが、子どもに対しての説明も難しいし、何より切ないのだ。TVをつければ卵の歌をやっていて、「ボクは食べられないから卵料理がわからないなぁ」と彼は言う。親として何と答えればいいのか…何度考えただろうか。同じ時間を過ごすなら、上を向こうよく「アレルギーは大きくなれば治る」と言われるが、息子の場合にそれは当てはまらない。実は夫がアレルギー持ちで、長男とほぼ同じ種類のアレルギー・花粉症・アトピーを持っているからだ。やっと乳製品が解除になった直後、フルーツで発症したときは文字通り肩を落とした。夫を見る限り、魚卵・フルーツ・ナッツは長男が大人になっても続くだろう。「一生モノ」と決まっているなら、下を向きながら付き合っていくのでは辛過ぎる。同じ時間を過ごすならばせめて上を向いてアレルギーと付き合っていこう。できる限りの除去と防御策を心がけること、まずはこれで子どもを守る。あとはアレルギーで子どもにガマンを強いている分、他の部分で好きなことをさせてあげたい。動物がダメなら昆虫や魚を飼うなど別の視点を広げることもできる。アレルギーにより和食中心になったり、以前より健康に気をつけるようになったが、親からすれば「子どもに長生きさせてもらっている」と考えることもできる。元が大雑把な筆者も家をキレイに保つ習慣ができた。アレルギーと一生付き合わなければいけないのは、親よりも子ども自身。親が下を向いていては子どもはもっと悲観するだろう。だからこそ上を向きながら、時に落ち込み、時に前向きに付き合っていこうと思う。ライター:宮野 茉莉子
2016年08月02日いまでは食物アレルギーをもつ子どもは珍しくなく、学校給食でも対応食が提供されるようになりました。食品にも細かく表示されているので安心かと思えば、意外と注意したいのが私たちの親世代。アレルギーと好き嫌いを混同していることがあり、悪気もなくアレルゲンとなる食品を与えてしまうこともあります。わが子を守るためにも、アレルギーについてきちんと理解してもらうことが必要です。■「死」を連想させて危険性をアピール食物アレルギーの症状には個人差がありますが、重度の場合は口に入れただけでショック症状が見られ、呼吸困難におちいることもあります。親が一緒なら食べ物を選べるけれど、問題は姑に子どもを預けたときです。食物アレルギーとはどのようなものか、ママがしっかり説明できればいいのですが、姑は嫁の話を聞きたがらないことがあります。自分のやり方にケチをつけているだけだと、かえって反発してしまうことも。そのため、夫から話してもらうのがいいかもしれませんね。実際には軽度だとしても、大げさに危険性を訴えるのがポイント。食べたら死んでしまうから絶対に与えないでほしい、「ちょっとくらい」も死にいたることがあると、きつく言ってもらうと効果があるようです。■わかりやすい表を作る姑がアレルギーに対して理解してくれても、何を与えてはいけないのかわからないこともあります。たとえば、大豆アレルギーなら納豆や豆腐はNGということは理解していても、パンの焼き型に大豆油を塗っていただけでも反応することは、すぐにはわからないかもしれません。預ける際には、食事やおやつをすべて準備していくのが確実ですが、急に預けなくてはならないこともあるし、姑が用意したおやつを与えたくなることもあるでしょう。そのときにそなえて、アレルギー対応表を渡しておくこと。市販のお菓子や加工品などは、表示の書かれた現物を添付して、どこを見ればいいかわかりやすくすることも大事です。■医師に協力をあおぐここまでいっても、理解してくれない人もいるという話はよく聞きます。これだけニュースになっているのに、「うちの孫は大丈夫」という、根拠のない自信があるようですね。また、「気合いでなんとかなる」、「努力すれば克服できる」と勘違いしていることもあるので、この手のタイプは、実際に危険な目にあうまでわからないかもしれません。しかし、わが子にもしものことがあったら大変です。夫がいってもわかってくれないときには、一緒に病院へ行きましょう。家族の話は信用しなくても、姑世代は医師のいうことは聞くことが多いです。医師もこのようなケースに慣れているので、しっかり説明してくれます。ここまでしても、アレルギーをワガママだと思い込んでいる人もいるのだとか。そんなときは預けないようにするだけでなく、ふだんから子どもと会わせないようにすることも考えなくてはなりません。姑にとって、孫に会わせてもらえないのはかなりのダメージです。世代によって子育ての環境が異なるので、「常識」もどんどん変化していきます。姑世代がすぐに対応できないのは無理もないのかもしれません。しかし、アレルギーは命にもかかわることです。根気強く訴えて、わが子の身を守りましょう。
2016年04月13日【ママからのご相談】もうすぐ幼稚園に入園する娘がおります。子どもの食物アレルギーについて心配があります。これまでは食物アレルギーの傾向はなく、離乳食も順調に進められました。入園予定の幼稚園では毎日給食です。今までは大丈夫だったのに、 急にアレルギーを発症することもまれにあると聞き、心配になっています。母としてどのようなことに注意していけばいいのでしょうか?●A. 子どもの食物アレルギーについては、3つの重要ポイントがあります。ご相談ありがとうございます。ママライターのあしださきです。食物アレルギーについて、漠然とした不安を持ちつつ入園を迎えるというのは気がかりですよね。「給食で急にわが子がアレルギーを発症したらどうしよう」というご心配、とてもよく分かります。私自身がそうなのですが、食物アレルギーという言葉は知っていても、実は詳しく教えてもらったことはない というのが漠然とした心配の理由かもしれません。そこで今回は、そんなママが押さえておくべき3つのポイントをご紹介いたします。●子どもの食物アレルギーは乳幼児期に多く発症する食物アレルギーは子どもに多く見られるのが特徴である、というのはよく知られています。具体的には6歳以下の乳幼児が患者数の80%近くを占め、1歳に満たない子どもでは10〜20人に1人の割合で発症 しています。なぜ子どもに多く発症するのか。子どもに食物アレルギーが多いのは、成長段階で消化機能が未熟であるからで、アレルゲンであるタンパク質を小さく分解(消化)できないのがひとつの要因として考えられています。そのため、成長するにともなって消化吸収能力が発達し、原因食物に対する耐性が付く可能性が高いのです。ですから、1歳の時点で食物アレルギーと診断されても、約9割の患者さんが遅くとも小学校入学時までに自然寛解する と言われています。ご相談者様のお子さんは、離乳食も順調に進めることができたということでした。厚生労働科学研究班による「食物アレルギーの診療の手引き2014」に詳しい調査結果が示されています。調査によると年齢別の原因食物の内訳は、2〜3歳では鶏卵が1位で29.0%、2位が牛乳で25.6%、以下小麦10.0%、魚卵7.4%となっています。これらの食材に関しては離乳食で食べても問題なく、その後も現在までアレルギー症状が出ないということであれば、幼稚園の入園後に給食でこれらの食材を食べることへの心配はあまりされなくてもいいと思います。●新たなアレルゲンとの出会いに注意〜年齢による原因食物の違い〜アレルギーの原因食物は年齢により異なり、乳児では鶏卵、牛乳、小麦が多く、学童期以降では甲殻類、果物類、小麦が多くなるということをご存じでしょうか。このように、入園前までは鶏卵や牛乳、小麦といったアレルゲンへの心配を主にしますが、幼児期に入ると食べ物の幅も広がりますので、新たなアレルゲンとの遭遇が気になります。子どもたちが新たに出会う食材の中でアレルギーが心配されるのは、エビ、カニ、ピーナッツ、そば、イクラなどが一般的に有名です。世の中のママたちは情報が豊富な環境で子育てをしており、「この食材は危ない」という知識がたくさんあるのですが、逆にそれが仇となっているということもあります。アレルギー反応を引き起こす危険がある食材は、家庭で積極的には子どもに与えない傾向があるというのが問題なのだ という専門家の指摘があります。つまり、幼稚園入園前に家庭でこれらの食材を食べる機会がなかったお子さんが、給食で初めて食べることになるということがご相談者様のような心配の原因にもなってしまいます。そこで、給食が始まる前にさまざまな食材を家庭で食べるということが、その心配を解消するひとつの方法でもあると言えると思います。もちろん、すでにアレルギーの診断を受けているお子さんの場合は、必ず医師の指導のもとで慎重に行う必要があります。●口腔アレルギー症候群前出の「食物アレルギーの診療の手引き2014」の中に、年齢別新規発症例の内訳が示されています。4〜6歳の子どもの新規発症例1位は果物で16.5%となっていますが、この調査は非常に興味深い結果を表していると思います。食物アレルギーはタイプにより大きく4つに分けられますが、その中のひとつである“特殊型”に分類されるのが『口腔アレルギー症候群 』というものです。どんな症状なのか?果物や野菜を食べた直後に口の中がイガイガしたり、口の中が腫れたりする症状が特徴的です。その他、花粉症の症状に似たくしゃみや目のかゆみなどもあります。果物や野菜の中には花粉症の原因となる物質と同じものが含まれる場合があり、それらを食べると花粉と同じ抗原だと勘違いしてアレルギー反応が出ることがあるそうです。症状がひどい場合、吐き気や腹痛、喘息のある人だと呼吸困難を起こし、いわゆるアナフィラキシー状態でショック死することもある そうです。口腔アレルギー症候群に特に注意しなくてはならないのは、大人はもちろんのこと、近年増えてきている子どもの花粉症です。4〜6歳の新規発症例の1位が「果物」ということからも、ご相談者様のお子さんがこれからの幼稚園の給食で気をつけるべき食材のひとつに果物を覚えておいていただくといいのではないでしょうか。----------いかがでしたか?今回のコラムで触れた食物アレルギーについての知識を上手に活用して、ご家庭や幼稚園での食生活の心配を少しずつ解消していってくださいね。お子さんとママにとって、楽しい幼稚園生活になりますように!【参考文献】・公益財団法人母子健康協会 機関誌『ふたば』No.74(2010)【参考リンク】・食物アレルギーってなあに? | ファイザー()・食物アレルギーの診療の手引き2014 | 厚生労働科学研究班(PDF)(’%E5%8E%9A%E7%94%9F%E5%8A%B4%E5%83%8D%E7%9C%81+%E9%A3%9F%E7%89%A9%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC+%E5%8E%9F%E5%9B%A0%E9%A3%9F%E6%9D%90’)●ライター/あしださき(元モデル)
2016年04月04日毎年2月頃、この春小学校に入学するご家庭向けに、入学説明会が開かれます。「わが子も、いよいよ小学生」というほろりとした感傷の中に、嬉しさと不安とが入り混じった思いを感じながら参加されるお母さんたち。私もドキドキしながらそれに出席したのが、ちょうど1年ほど前のことでした。ただ、私の胸の中は、不安な気持ちが大半を占めていました。というのも、息子に乳製品のアレルギーがあるからです。アレルギーを持つ子どもの給食は? わが家の場合を振り返ってみます。大切なのは学校との「ほう・れん・そう(報告・連絡・相談)」アレルギーを持つ児童への対応は、お住いの市区町村によって少しずつ違いがあるようです。そのため、学校側との話し合いが何よりも大切です。私は、入学前と入学後に養護教諭、栄養士、担任(入学後のみ)との話し合いの場を作ってもらい、アレルギーの状況について、相談しました。主治医に記入してもらったアレルギー児童のための「学校生活管理指導票」をもとに、息子の場合、微量でも摂取するとアレルギー症状が出てしまうことや出やすい症状、出てしまったときの対処方法(薬の服用)など、状況をできるだけ細かく伝えました。そして、その上で学校側として配慮してもらえることを教えてもらいました。たとえば、息子の通う小学校では、最後に生クリームをかけて提供されるボルシチのようなメニューのときには、それを除去してもらうことができました。また、毎日出される牛乳の代わりに、自宅から水かお茶を入れた水筒の持参が可能でした。これがあって助かった! アレルギーに配慮されたネット通販アレルゲンを除去できないメニューのときには、自宅から代わりのものを持参します。一番頭を悩ませたのがパンでした。学校給食で提供されるパンは、乳製品を使用しています。種類も食パンだけではなく、コッペパンやバーガーパン、白パンなどいろいろなパンがメニューに登場します。そこで、強い味方になってくれたのは、ネット通販でした。卵・乳アレルギーに対応したパンを全国に届けてくれる、「 卵・乳アレルギー対応パンのtonton 」です。わが家では給食のメニューをもらったらすぐに注文。1ヶ月分のパンを頼んでいます。パンは冷凍で届くので、すぐに冷凍庫へ。あとは、パンを持っていくその日の朝に冷凍庫から取り出し、アルミホイルで包み、パンがつぶれないようにタッパーに入れ持っていくだけ。すると、お昼には自然に解凍され、焼きたてのようなふわふわの柔らかい状態になります。種類も豊富で、何よりも手間がかからず、しかもおいしい。わが家の心強い味方です。そのほか、給食でよく登場するメニューに、クリームシチューやグラタンがあります。これらは乳製品の除去が不可能なため、自宅からランチジャーに入れて持参しています。ハウス食品の「 特定原材料7品目不使用 シチューミクス <クリーム> 」や、桜井食品の「 ベジタリアンのためのシチュー 」「 ベジタリアンのためのグラタンミックス 」などを利用することで、なるべく手間や時間をかけずに作っています。不安の中で始まった小学校での給食。1年が過ぎようをしている今、「なるべくなら、みんなと同じものを食べさせてあげたい…」そんな思いを応援してくれる、さまざまな方々に支えられているなと感じています。楽しい給食の時間を、皆が笑顔で過ごせるよう、同じアレルギーを持っている方の参考になれば幸いです。(あい)
2016年03月02日【ママからのご相談】40代のママです。乳製品と卵に食物アレルギーを持つ息子が、この4月に地元の市立中学校に進学します。小学校時代はアレルゲン物質を除去した給食を他のお子さんたちと一緒に食べてきました。今回、進学説明会で、中学校では除去対応はできないので自己責任で除去するか、そうでなければお弁当を持たせるようにと言われました。12歳の子どもに100%自己責任で除去しろと言うのも酷ですし、「除去食対応なし」となると実際食べるものがなく成長期に必要な栄養が十分に取れないと思うので、お弁当を持たせるつもりです。ただ、本人は「他にもお弁当の子っているのかなあ」と人の目を気にしています。どう言ってやったらよいか助言をいただけないでしょうか。●A. “人目を気にしていたら大人の体になれない”ことと、“命を守るために給食でなくお弁当にする”ことを優しくお話ししてください。こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。ご相談ありがとうございます。ご相談者様、わが家もまったく同じです。わが家の息子は魚介甲殻類とナッツ類の食物アレルギーですが、すでに息子への説明・説得は済み、本人も中学校にはお弁当を持って通うことで納得しております。その際、筆者と妻から息子に話したことは2点だけです。1つ目は、「人目を気にして自分も給食にしたら、安全のために“これも食べないでおこう”“それも食べないでおこう”となり、必要な栄養が取れず体の成長に悪影響が出る 」こと。2つ目が、「生徒の自己責任でアレルゲン物質を除去せよという方法では、万が一ということを考えたら給食は食べさせられない 」ということです。それでは、都内の私立医科大学附属病院でアレルギー外来を担当する小児科医の先生にお話を聞きながらこの問題を一緒に考えてみましょう。●給食は食物アレルギーの負荷テストではないので、陽性物質は除去するしかありません。だから、お弁当を持参するしかないのです『数年前、東京都調布市の小学校で給食時に食物アレルギーによるアナフィラキシーショックで子どもが死亡するという痛ましい事故がありました。そういった事件を受けて、ここ数年、アレルギー検査で陽性反応が出た物質は未然に除去するようになってきています。それはそれで子どもの生命を守るためには絶対に必要な対応ではあるのですが、中には除去する必要がないのに除去されていて、成長期に必要なビタミンが不足気味になっている子どもがいることも否定はできないでしょう』(30代男性/都内私立医科大学附属病院小児科アレルギー外来担当・小児科医師)ただ、そうは言っても給食は食物アレルギーの負荷テストを行う場ではありません。医師の監督・指導の下に周到な準備をし、『エピペン』も即座に使用できるよう用意した上で行う負荷テストとは違うのですから、陽性物質は除去するしかないのです。中学生になったことを機会に、みんなとは違う“弁当持参生活”をすることによって、「自分は自分。恥ずかしくなんかない」といった“強さ”を培っていくこと が貴重な経験になるはずです。期待半分ですが、われわれ保護者自身がそう自分に言い聞かせるべきではないでしょうか。●みんなとは違う自分を楽しめることも、大人への第一歩ですご相談者様のお子様やわが家の息子がもうすぐ終えることになる小学校での6年間というものは、人が社会生活を営んでいく上でこのうえなく貴重な学習をした時間 であったはずです。クラスのまとまりを維持するために自分を抑制することも必要ですし、一方で、“他人とは違う自分”という“個人”の尊さについても学んできたことでしょう。社会生活とは、そのバランスをいかにはかっていくかという行為なのだろうと思います。『アレルギー専門の小児科医の立場で言うのであれば、お弁当を持参することには“賛成”です。おそるおそる食べる給食よりも、保護者に作ってもらったお弁当で思いっきり栄養を取ることの方がいいのは自明なことです』(30代男性/前出・小児科医師)医師もこうおっしゃっているように、お子さんは“みんなとは違う弁当持参生活を楽しむ強さ”を養うことによって、また一歩、人として成長してくれるものと信じようではありませんか。●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
2016年03月01日「ムサコ」の愛称でママたちに人気のエリア、神奈川県川崎市の武蔵小杉や川崎を中心に、オーガニック料理教室「 ワクワクワーク 」を主宰している、菅野のなさん。このほど、・ほぼすべての作業時間が20分以内・卵、乳製品を使わない・半数は小麦も不使用という、子育て中のママにうれしい時短おやつのレシピを集めたムック『子どもと食べたい時短おやつ』(タツミムック)を上梓されました。そこで今回はそのムックの中から特別に、人気のレシピをご紹介します。アレルギーのある子も安心な「米粉のガトーショコラ」もうすぐバレンタイン。「小さな王子さま」と言っても過言ではない男児のいるママは、子どものためにチョコレートのおやつを作ろうと考えているかもしれません。けれど、チョコレートのおやつは乳製品や小麦粉をつかっていることがほとんど。アレルギーがあると食べられず、残念な思いをしている子も少なくないでしょう。今回ご紹介するガトーショコラは米粉を使っていて、卵や乳製品も不使用。アレルギーのあるお子さんでも安心して食べられます。刻んだレーズンがアクセントになっていて、菅野さんの教室でも人気のメニューだそう。「これまでおやつ作りをしたことがない」というママにもおすすめの簡単レシピです。米粉のガトーショコラのレシピ<材料>(ミニパウンド型 2 個分 [8×3×3.5cm])☆米粉 50g☆ベーキングパウダー 小さじ 2/3☆純ココア 大さじ 1 と 1/2☆塩 ひとつまみ・くるみ 5g・レーズン 小さじ 1・菜種サラダ油 大さじ 1 と 1/2・メープルシロップ 大さじ 1 ・水 60ml<作り方>1.オーブンを 160度に予熱しておきます。2.くるみをフライパンで軽く煎って刻みます。レーズンはお湯で洗ってふやかし、しっかりと水気を拭いて細かく刻んでおきます。3.☆の材料をボウルに入れてよく混ぜます。4.3にメープルシロップを加えてゴムベラで軽く混ぜます。さらに菜種サラダ油を加えて混ぜ、最後に水を加えて混ぜます。5.4にくるみとレーズンを加えてひとまとめにします。6.5を型に入れたら、10cm ほど持ち上げて落として空気を抜き、オーブンで 20 分ほど焼きます。作ってみたママの感想「パウンドケーキと似たつくりかたですが、トロトロしっとりな生地でおいしかったです」「米粉でガトーショコラが つくれるなんて!とわくわくした一品です」と、実際に作ったママからも絶賛の声が届いているようです。忙しいママでも負担にならない時短おやつ。これなら気負わず、親子の楽しいひとときを過ごせそうです。「甘い物が苦手」「しょっぱめのおやつが食べたい」というときには、 こちらのレシピ もぜひ参考にしてください。・テキスト、画像ともに提供: 『子どもと食べたい時短おやつ』(タツミムック刊)菅野のな 『 子どもと食べたい時短おやつ 』(タツミムック刊)菅野のな
2016年01月22日イオンダイレクトはこのほど、「食物アレルギー配慮おせち のぞみ」と「やわらかおせち重セット お雑煮・小鯛付き」を発売した。「食物アレルギー配慮おせち のぞみ」は、「お正月に家族みんなで同じものが食べられるおせち」をコンセプトに開発されたもの。アレルギーを引き起こす可能性のある7品目の原材料(卵、乳、小麦、そば、落花生、えび、かに)を使用せずに調理されている。ただし、小麦・甲殻類(えび・かに)を含む製品と共通の設備で製造しているとのこと。価格は1万5,120円(税込)。また「やわらかおせち重セット お雑煮・小鯛付き」は、ペースト状の昆布で昆布巻きを作ったり、鯛を骨ごと食べられるように加工したりして仕上げた商品。かたいものが食べづらい人にも楽しんでもらえるよう、やわらかい食感のおせちを完成させたという。価格は8,960円(税込)。いずれの商品も同社が運営するインターネットショッピング限定で販売していて、商品の配送は2015年12月30日頃となっている。
2015年11月17日わが子へのアレルギー対策について、頭を悩ませているママさんも多いのではないでしょうか。「アレルギーがあっても、できるだけおいしく、アレルギーのない子どもたちが口にしているのと同じような味付けにしてあげたい」と思うのが、母ゴコロですよね。今回ご紹介するレシピは卵、乳製品、小麦粉を使用していないチョコレートブラウニー。おからやメープルシロップを使用しているので、カロリーが気になる大人にも嬉しい一品です。アレルギーがある子も安心! 簡単でおいしいマクロビチョコレートブラウニーのレシピ(対象年齢:2歳~)<材料>・おから 100g・米粉(上新粉でも代用可) 100g・ココアパウダー 30g・ベーキングパウダー 小さじ2☆豆乳 160ml☆なたね油(サラダ油でも代用可) 60ml☆メープルシロップ 60ml☆塩 小さじ1/3<作り方>1.クッキングシートを敷いた天板の上におからを広げ、120℃に温めたオーブンで8~10分間、焼く。2.おから、ココアパウダー、ベーキングパウダー、1のおからをフードプロセッサーにかける。(フードプロセッサーがない場合は、おから以外の材料を一緒にふるいにかけたあと、おからを加えてよく混ぜ合わせる)3.ボウルに☆の材料をすべて入れ、よく混ぜる。4.3のボウルに2を入れ、さっくりと混ぜる。5.バット(30cm×23cmのもの使用)にクッキングシートを敷き、4を流し入れ、バットの底を軽くたたいて空気を抜く。6.160℃に熱したオーブンで35~40分間、焼く。さらにおいしく作るためのワンポイントアドバイスアレルギーがなければ、豆乳の代わりにアーモンドミルクを使用したり、なたね油の代わりにココナッツオイルを使用したりすると、香ばしい風味が増すでしょう。深い型で焼く場合には、焼き時間は40分を基本とし、それ以降は竹串などで火入れ具合を確認しながら時間を調整してください。(KMmama)
2015年11月12日食物アレルギーの概念は今から約100年前、イギリス人医師が痛風や湿疹などのいくつかの症状と食物との関係性を発見したことから始まったといわれています。その関係性とは、問題となる食物を取り除くと最終的に症状が治るということでした。そして現在、食物アレルギーには、偏った食生活や不適切な食生活、ストレスなどに加え、腸内環境も密接に関係すると考えられています。今回は、その理由をお話ししたいと思います。○食物アレルギーと腸内環境の関係本来、腸の粘膜には全身の約70%の免疫細胞が配置され、病原体の体内への侵入を防ぐために常にパトロールをしています。一方で腸内環境が悪化し、腸に炎症が起きやすい状況では、免疫細胞が過敏になり、アレルギー症状が生じやすくなってしまうのです。したがって食物アレルギーの治療には、アレルギーの原因食物を避けると同時に、腸内環境の改善と腸粘膜の再生を行う必要があります。具体的には、次の4つの腸の機能を改善することが重要です。1. 消化吸収能2. 腸内細菌のバランスを保つ機能3. 腸管粘膜のバリア機能4. 腸管免疫能実際の治療では、採血によって即時型食物アレルギーや遅延型食物アレルギーの原因食物の特定を行い、その食物を一定期間除去します。また、血液検査で腸の粘膜の新陳代謝に必要な栄養素の過不足をはかり、足りない栄養素を補うことで、腸管粘膜の消化吸収能やバリア機能を再生します。ほかには便検査を行い、善玉菌や悪玉菌、日和見菌といった腸内細菌のバランスを調べます。バランスが悪い場合は、乳酸菌や発酵食材などのプロバイオティクス(善玉菌)や、オリゴ糖などのプレバイオティクス(プロバイオティクスを活性化させる物質)を補充するほか、悪玉菌のエサになるような精製された炭水化物を極力控えることも有用です。なお、便の状態を確認することも腸内環境を推測するうえで大変役に立つでしょう。このような治療を行うことで、食物アレルギーのほかに、じんましんやアトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー疾患も改善する人が多く見られます。また、普段の生活でできる予防・改善法として、甘い物の摂(と)りすぎや暴飲暴食を控え、善玉菌を増やす発酵食品や食物繊維の摂取を心がけてみましょう。※画像は本文と関係ありません○著者プロフィール: 関由佳(せき・ゆか)内科医、misoドクター、Foodoctor、Medical Chef専門は内科、予防医学。研修医の頃に野菜ソムリエの資格を所得。同時期にアメリカのシアーズ博士のもとでZONEダイエットを学び、日本人に合わせた食事バランスガイドを作成。ダイエット外来や糖尿病治療にもそのメソッドを応用し独自の栄養指導を確立した後、レシピ本『ゆるゆる糖質オフダイエット』を出版。現在は薬ではなく食べもので予防するFoodoctorとして個人に合わせたオーダーメイドの栄養療法を行う傍ら、misoドクターとして味噌ファスティングの指導行うなど幅広く活動中。また2011年よりHappyAgingLabo会 を主宰し毎月さまざまなテーマでセミナー&料理教室を開催し、ブログ・Dr.Yukaのゆるゆるバランスダイエットでも情報を発信する。
2015年09月25日ぴあは9月17日、食物アレルギー対応飲食店情報を掲載したお出掛けガイド「食物アレルギーでも楽しくお出かけできる本」を発売する。食物アレルギーを持つ子どもは年々増加しており、幼児から学童の20人に1人が該当するとも言われている。加工食品ではアレルギー物質の表示が義務付けられているため、家庭での日常的な対策は比較的容易な状況になっている。しかし外出時は、遊びに行った先のどこで食事をすれば安全か、レストランでの食事にアレルギー物質が含まれていないかなど入念な下調べが必要で、食物アレルギーの人やその家族にとっては大きなストレスになっている。同書ではそのような悩みを抱える人たちが安心して外出できるよう、役に立つ情報を一冊にまとめた。同書では、東京ディズニーリゾートはじめ、全国50カ所程度のレジャースポットの飲食施設における食物アレルギー対応情報(メニュー、サービスなど)を掲載。各パークのアトラクション紹介などもあわせて紹介している。また、ファミリーレストラン、ファストフードなど、主要な外食チェーンのアレルギー対応情報とメニューを掲載。掲載店はデニーズ、COCO’S、ロイヤルホスト、ガスト、バーミヤン、ステーキハウスブロンコビリー、ビッグボーイ、フォルクス、ステーキのどん、ステーキ宮、すぎのや本陣、CoCo壱番屋、不二家レストランなど。そのほか、食物アレルギー対応の旅行ツアーも紹介。飛行機でのアレルギー対応の情報(日本航空の事例)、個人旅行の際の注意点などを掲載した。ニッポンハムグループ、辻安全食品の食物アレルギー対応食品の取り組み事例や、おすすめのウェブサイト、レシピ本など、食物アレルギーに役立つ生活情報も紹介している。あいち小児保健医療総合センター 副センター長が監修した、全国各地域で食物アレルギーの診療が受けられる病院・医院のリストも掲載。アレルギー専門医(小児科)の先生を中心として、病院・診療所を含め、「経口負荷試験を受けられる」ことを目安に、全国から約400施設をピックアップした。なお、同社では書内で紹介する「低アレルゲンメニュー」などの一切の情報は、「アレルギー症状を発生しないことを保証するものではない」としている。微量のアレルゲンでアナフィラキシーを発症するなど重篤な症状の人、およびその家族は、利用について自身による最終的な判断をお願いする、とのこと。A4判・116ページで、価格は税別1,200円。
2015年09月14日食物アレルギーになるのが心配だから、離乳食の開始を遅くして卵や牛乳は避けている。そんな方も多いかもしれません。でも、ちょっと待ってください。なんと最近、特定の食物の摂取を遅くしたり避けたりするほうが、食物アレルギーになりやすい可能性があることがわかってきました。さまざまな情報が飛び交っているからこそ、きちんと知りたい食物アレルギーのこと。予防の常識が大きく変わりつつある今、最新の研究で明らかになった意外な予防法についてご紹介します。食物アレルギーのある乳幼児の割合は5~10%「食物アレルギー」とは、食物を食べたり、触ったり、吸い込んだりした時に、免疫システムがはたらいて起こる有害な反応のこと。症状は、かゆみや発疹などが最も多く、中には呼吸困難、意識障害などの重い症状に苦しんでいる方もいます。日本では、乳幼児の5~10%に食物アレルギーがあるものの、年齢とともに減り、小学生以上では1.5~3%と推測されています。特に、卵、乳製品、小麦については、80~90%が就学前には自然に治っているというデータもあります。「念のため食べさせない」は食物アレルギーの予防にならない?これまで食物アレルギーの予防には、1.離乳食の開始を遅らせる2.アレルギーが心配な卵、乳製品、小麦などは、念のため避ける3.妊娠中や授乳中は、アレルギーが心配な食べ物は念のため避けるこの3つが有効と考えられてきました。しかし、それらの情報の信ぴょう性が、ここに来て大きく変わってきているようです。まず「1.離乳食の開始を遅らせる」ですが、離乳食の開始が遅めになっているのに、アレルギー患者が増えていることから、国立成育医療センターの大矢幸弘アレルギー科医長は、「食べ始めを遅らせても、アレルギーの予防にはならない」と見ています。(注1)また、「2.アレルギーが心配な卵、乳製品、小麦などは、念のため避ける」についても、気になる調査結果があります。今年(編集部注:2015年)、英国で行われた、子ども640人を対象にした調査では、乳幼児期からピーナツを食べ始めた子のほうが、5歳までピーナツを控えていた子より、ピーナツアレルギーになりにくいとの研究結果が発表されました。このことから、「食物アレルギーの頻度が高い食物も、除去するより早めに食べるほうがよい」可能性が高いという認識が広がりつつあるようです。それに伴い、現在世界中で、アレルゲンになりやすい卵、牛乳、小麦に関しても、早く食べるほうがいいのかどうかという研究が進行中です。ちなみに日本では、環境省が2010年度から行っている10万人規模の追跡調査において、生後6ヵ月以前に米を食べさせ始めた人が79%いるのに対し、牛乳は9%、鶏卵は10%に過ぎず、生後9ヵ月でも鶏卵は46%、牛乳は53%が与えていないという結果が出ています。(注2) この割合も、今後は変わる可能性があるかもしれませんね。なお、「3.妊娠中や授乳中は、アレルギーが心配な食べ物は念のため避ける」については、妊娠中や授乳中にママが食事制限をしたからといって、食物アレルギーの予防になるという科学的な根拠はありません。特定の食品を避けずに、ママは必要な食事をしっかり摂って、赤ちゃんに栄養を届けましょう。スキンケアで食物アレルギーが予防できる? 新しいアレルギーの予防法このように、食物アレルギーに関して、次々と新しいことがわかってきていますが、確実な予防法はまだ見つかっていないのが現状です。しかし、最近の研究では、「スキンケアをすることでアレルギーが予防できる可能性が高い」と考えられています。大矢医師(前出の国立成育医療センター・アレルギー科医長)は、「食物の成分は、ほこりにまじる形で比較的多くあり、皮膚の状態が悪いほど体内に入りやすいと考えられる」(注1)と話します。少し噛み砕いて解説すると、以下のようなことです。・食物の抗原(アレルゲン)は、空気中のほこりにも含まれていると考えられています・肌が炎症などを起こしてバリア機能が低下していると、バリアの弱まった皮膚の隙間からほこりに混じったアレルゲンが侵入します・アレルゲンの侵入によって、体内では免疫システムが反応して抗体を作り始め、アレルギーの原因物質に反応する準備ができている状態になります・この時点でアレルゲンとなる食物を摂取してしまうと、食物アレルギーになりやすくなります現在、このような仮説が有力なようです。ですが、皮膚から抗原が侵入しても、アレルギー反応を起こす準備が完全に整う前にその食べ物を食べれば、身体の中に受け入れようとする免疫が強くはたらくため、アレルギーにはなりにくいと考えられています。けれども、これまでのようにアレルギー予防のために特定の食品の摂取を避けたり遅らせたりすると、逆にアレルギー反応を起こす準備が整ってしまうため、食物アレルギーを起こしやすくなるというわけです。したがって現在、食物アレルギーを研究する医師の間では、「すでにアレルギー反応が出ている場合以外は、特定の食物を除去しないほうがよい」と考えられるようになっているそうです。つまり、最新の食物アレルギー予防策としては、・赤ちゃんの肌を清潔にし、保湿をして肌のバリア機能を高め、皮膚の保護機能を低下させないように気をつけること・離乳食は開始を遅らせず、特定の食品を避けずに進めること以上2点が大切といわれています。なお、アレルギー予防の常識は日々変わっている真っ最中。国立成育医療センターの成田雅美医師によれば、「私たちアレルギーの世界では主流となる考え方であっても、小児科医や産婦人科医、助産師や保育士など、現場に情報がいきわたっていないのが現状」(注3)とのこと。そのため、病院や保育園などで行われる指導と、ここに書かれていることは異なる可能性もあります。その場合、医師や保育士、栄養士などと相談しながら、現状で最善と思われる対応をとっていってください。(注1)東京新聞 2015年7月10日(注2)環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査」の中間集計から(注3)「ちいさい・おおきい・つよい・よわい no.99 園で、学校で、給食で…食物アレルギーからいのちだけは守る」(株)ジャパンマシニスト社参考:食物アレルギーの専門家が最新情報を発信【アレルギーラボ】
2015年09月11日東京大学(東大)は7月10日、食物アレルギーを発症させたマウスを用いて、アレルギー反応の原因となる「マスト細胞」が細胞膜の脂質から産生する「プロスタグランジンD2(PGD2)」と呼ばれる生理活性物質に、マスト細胞自身の数の増加を抑える働きがあることを発見したと発表した。同成果は、同大 大学院農学生命科学研究科応用動物科学専攻の中村達朗 特任助教、同 大学院農学生命科学研究科 獣医学専攻の前田真吾 特任助教(研究当時:応用動物科学専攻)、同 大学院農学生命科学研究科 獣医学専攻 博士課程2年の前原都有子氏、同大 大学院農学生命科学研究科 応用動物科学専攻の村田幸久 准教授らによるもの。詳細は「NatureCommunications」に掲載された。食物アレルギーの患者数は全国で約120万人と言われているが、年々増加傾向にある。これまでの研究から、腸におけるマスト細胞の増加が、食物アレルギーの発症や進行に関与することが示唆されていたが、どのようにしてマスト細胞が増加するのか、そのメカニズムはよくわかっていなかった。そこで研究グループは、マウスに食物アレルギーを発症させ、その際の症状の悪化推移とマスト細胞の数の変化を調査。その結果、マスト細胞が造血器型のPGD2合成酵素(H-PGDS)を発現すること、H-PGDSを欠損させたマウスでは、マスト細胞の数が増加していることを確認。これにより、PGD2が、マスト細胞の増加を抑え、症状の悪化を防ぐ役割であることが示されたという。また、PGD2が産生できないマスト細胞などでは、血球細胞を強力に遊走させる生理活性物質「Stromal Derived Factor-1α(SDF-1α)」ならびに、細胞と細胞の隙間を埋めるコラーゲンなどを分解する酵素の1つで、炎症性生理活性物質を活性化する役割も持っている「Matrix metaroprotease-9(MMP-9)」の発現や活性が上昇していることが判明したほか、SDF-1αの受容体阻害剤や遺伝子欠損、MMP-9の活性阻害剤は、食物抗原に応答した消化管のマスト細胞増加と食物アレルギー症状を改善することが判明したとする。なお、今回の成果について研究グループは、SDF-1αやMMP-9といったマスト細胞の浸潤を促進する分子の発現を抑えることから、PGD2を標的とした食物アレルギーの根本治療への応用が期待されると説明しており、今後は、PGD2がどのようにマスト細胞の細胞内へ情報を伝達し、その浸潤を抑制するのか、その機序のさらなる解析を進めていく予定としている。
2015年07月13日人間の中には、猫アレルギーの方がいます。逆に、猫は人間アレルギーになるのでしょうか? ここで言う「人間アレルギー」とは、「人間は嫌いだにゃ! 」と言う比ゆ表現としてのものではなく、人間が原因でクシャミや皮膚が痒くなってしまうアレルギーのことです。結論を先に言うと、人間アレルギーの猫は、います。猫アレルギーの犬もいますし、犬アレルギーの人間もいることを考えると、猫が人間に対してアレルギーを持っていてもおかしくないことが想像できるでしょう。○アレルギーとはアレルギーとは、本来無害なものに対して過敏に免疫が反応してしまうことで、アレルギーを引き起こす原因をアレルゲンと呼びます。アレルゲンにはハウスダスト、花粉、動物の鱗屑(フケ)、カビ、食事、薬などがあります。猫アレルギーの場合は、猫の唾液や皮脂腺から分泌されるタンパク質が原因で、鼻水や痒みが引き起こされます。人間にとって猫がアレルゲンになることがあるのと同様に、人間も動物なので、猫にとって人間がアレルゲンになることもあります。人間アレルギーの場合、皮膚からおちた鱗屑(フケ)が原因になります。○猫のアレルギー疾患猫に多いアレルギーの原因は、牛肉や小麦、乳製品などの食べ物、ノミ、そしてその他としてダニや花粉、カビなどが挙げられます。(1)食物アレルギー、(2)ノミアレルギー、そして(3)どちらにも当てはまらない非ノミ非食物アレルギーという3つに分けられます。診断のためには、除去試験といってアレルゲンになっているものと接触させないようにしなければいけません。食事を変更する、ノミ予防を徹底することで症状が改善するのを待ちます。猫も人間のように血液検査で抗体を測定することもできますが、残念ながら猫では信頼性が低く、確定診断にいたらないことが多々あります。その他に皮内試験という、少量のアレルゲンを実際に皮膚に注射する検査をすることもできます。アレルギー疾患の症状は、皮膚症状と消化器症状に分かれます。皮膚症状では痒み、脱毛、皮膚が赤くなる発赤、ぼつぼつができる粟粒性皮膚炎が、消化器症状では下痢、嘔吐、体重減少などが起こります。特に皮膚症状は、時に強い痒みを起こし生活の質を著しく低下させます。治療の基本はアレルゲンを取り除くことです。しかし、ハウスダストなど完全に取り除くことが難しい場合は、薬で痒みを抑える方法か少量のアレルゲンを注射し、体を慣れさせる減感作療法をとります。○まとめがん、糖尿病、認知症など、人間がかかる病気は、殆どの場合猫もかかります。どんなものでもアレルゲンになる可能性はあるので、猫が人間アレルギーになることはなんら不思議ではないことがわかるでしょう。ただし、猫アレルギーの人間に比べると、人間アレルギーの猫は非常に稀です。もし愛猫があなたと触れ合った後にクシャミをして逃げていっても、まずは他の原因を考えましょう。もしかしたら、ただ何か不満があるだけかもしれません。■著者プロフィール山本宗伸獣医師。Syu Syu CAT Clinicで副院長を務め、現在マンハッタン猫専門病院で研修中。2016年春、猫の病院 Tokyo Cat Specialistsを開院予定。猫に関する謎を掘り下げるブログnekopediaも時々更新。
2015年05月15日