漫画家である荒木飛呂彦さんが描くシリーズ『岸辺露伴は動かない』。2020年に、俳優の高橋一生さんが主演でテレビドラマ化され、人気を博しました。主人公の岸辺露伴は、人の記憶などを本のような形にして読んだり、書きかえたりすることができる『ヘブンズ・ドアー』という能力を持っています。『ヘブンズ・ドアー』を使われた相手は、身体の一部がはがれて、本のページのようになるのが特徴です。テレビドラマでは、『ヘブンズ・ドアー』によって人の顔が本のページのようにはがれる様子が映像化され、インパクトのある描写が反響を呼びました。家族で流行っている『露伴ごっこ』2児の父親である、枕井 仗二(@Dad_McFly)さん。テレビドラマ『岸辺露伴は動かない』の放送を家族で見たところ、家庭内で『露伴ごっこ』が流行ったといいます。枕井さん宅で、親子そろって楽しんでいるという、『露伴ごっこ』がこちらです!ドラマ版「岸辺露伴は動かない」を家族で見てから、露伴ごっこがはやっている。「ヘブンズ・ドアーお面ーッッ」 pic.twitter.com/mC60u3Rn67 — 枕井 仗二 (@Dad_McFly) February 6, 2021 『ヘブンズ・ドアー』を使った際の様子が、忠実に再現されているではありませんか…!手作りのお面を顔にのせて、目をつぶっているのは、枕井さんの子供たちです。ページには『苦手なもの』や『自分のすごいところ』など、考え方や好みがつづられています。細かいところにまで仕掛けがあって、読んでいるだけでワクワクとしそうです!【ネットの声】・すごく楽しそうな遊び!自分も混ざりたい。・再現度の高さにビックリした。いいアイディアだなあ。・最高すぎる!子供たちのなりきった表情もかわいい。この遊びならば、お面を作る段階から親子で楽しめそうですね。ゆかいなアイディアは、多くの人の目をくぎ付けにしました![文・構成/grape編集部]
2021年02月08日世界で3億2,000万人以上のユーザーが利用するオーディオ ストリーミングサービス Spotifyは、「発掘(Discovery)」、「共有(Community)」、「育成(Incubation)」を3つの軸に次世代を担う音声コンテンツクリエイターの創作活動を支援し、国内音声市場のさらなる活性化を促す目的で、この度、「クリエイター・サポート・プログラム」をスタートいたします。「クリエイター・サポート・プログラム」は才能ある音声コンテンツクリエイターを発掘し、データやナレッジ、プロモーション機会を提供することで彼らがキャリア基盤を確立できるようにサポートしていくプログラムです。3軸のうち「発掘」では、アワードやイベントへの協賛・協力を通じて、質の高い音声コンテンツを既に制作・配信している個人クリエイターをいち早く「発掘」し、彼らがより多くのリスナーに発見されるように協力してまいります。「共有」では、専用サイトやSNSでの発信、イベントやウェビナーの定期開催などを通じて最新情報やノウハウを共有し、クリエイターの日々の創作活動を支援します。また、クリエイターへコラボレーションの機会を提供します。さらに「育成」では、制作経験の少ない一般の方が音声コンテンツの配信を始めるきっかけやツールを提供し、その才能を発揮できるよう育んでまいります。「クリエイター・サポート・プログラム」の第一弾として、日本で初めてのポッドキャスト分野の授章式として昨年スタートした「Japan Podcast Awards」の昨年の受賞作品である『歴史を面白く学ぶコテンラジオ』をはじめ、『Hapa英会話 Podcast』、『墓場のラジオ』といった個人のクリエイターが制作・運営する3つの人気ポッドキャストのスピンオフや新シリーズを、1月20日よりSpotify独占配信の新番組としてお届けいたします。また、今年も「Japan Podcast Awards」とのパートナーシップのもと、次の世代を担う才能あるクリエイターたちにいち早く脚光を当てる目的で「Spotify NEXT クリエイター賞」を新たに創設し、彼らがリスナー基盤を確立できるようにサポートしてまいります。Spotifyは2019年2月に「オーディオファースト」という新たなグローバル戦略を打ち出し、個人最適化されたリスニング体験やおすすめを通じて、音楽のみならずお気に入りのポッドキャストも発見し楽しむことができる総合的なオーディオ・プラットフォームへと進化を遂げてきました。Spotifyは各地域の市場においてクリエイターやユーザーに対するサービス提供に注力することで、世界のポッドキャスト市場の成長を牽引してまいりました。一例として、2020年には世界でもまだあまり脚光を浴びていない分野のポッドキャストを初めて制作するクリエイターを発見し、教育・指導するサポートプログラム「Sound Up」を推進しました。Spotifyは「クリエイター・サポート・プログラム」のもと今後もますますクリエイターの支援に注力し、国内ポッドキャスト市場のさらなる拡大を目指してまいります。<クリエイター・サポート・プログラム 第一弾 3番組 詳細>番組名: 『コテンラジオ Spotifyオリジナル』2019年Japan Podcast Awards大賞、Spotify賞ダブル受賞。人気歴史キュレーションプログラム「コテンラジオ」から、Spotifyスピンオフ番組が登場。歴史を愛し、歴史を知りすぎてしまった歴史GEEK2人(株式会社COTEN 代表取締役 深井龍之介と楊睿之 通称ヤンヤン)と圧倒的歴史弱者(株式会社BOOK代表取締役 樋口聖典)がお届けする歴史Podcast。このスピンオフ番組では、本編では語りきれなかった偉人のエピソードや、本編では扱えなかった歴史軸を少しライトに語っていきます。コテンラジオの導入編としても、さらに歴史を知りたい方にもぴったりなプログラムです。歴史というレンズを通して「人間とは何か」「私たち現代人の抱える悩み」「世の中の流れ」を痛快に読み解いていく!? 笑いあり、涙ありの新感覚・歴史キュレーションプログラム!ぜひお楽しみください。・配信日:隔週土曜日5時・初回配信日:1月23日(土)・番組URL:番組名: 『Hapa英会話 presents ENGLISH MINDSET』2020年、Spotify日本国内で最も再生されたポッドキャスト番組であり、人気の英会話学習音声コンテンツ “Hapa英会話 Podcast”から、Spotifyだけで聴くことができるスピンオフ番組がスタートします。この番組では、実際に海外で働きながら英語力を獲得した人や、ネイティブでは無いけれど努力で英語力をアップさせた方などにインタビューを行い、英語を学習するためのモチベーションの保ち方や、思考ロジック“MINDSET”を学んでいきます。英語学習のその先。人にフォーカスした新しい英語番組のスタートです。・配信日:毎週火曜日5時・初回配信日:1月26日(火)・番組URL:番組名:『墓場のラジオ - Forest Stories -』音声コンテンツの可能性と面白さをテーマに、ポッドキャスト番組の制作や、イベント企画・運営をメインに活動する徳島発のクリエイター集団、TOCINMASH。活動休止の沈黙を破り、彼らの代表作である人気Podcastプログラム「墓場のラジオ」がSpotify独占配信で復活します。今度の墓場はSpotify!? 成仏できるはずもなかった彼らが再び、墓場より蘇る!壊れたラジオのつまみを回すと、たまたま波長があったのか、何かが聞こえる夜がある…。ここは現代社会の隙間の隙間、この世のどこかにある墓場。ここに埋葬されるのは「逝き場をなくした思い」たち。誰にも言えない怒りや悲しみ、ひとり抱えた疑問や発見。それらを供養するかのようなヒソヒソ話が今日も聴こえる…。TOCINMASHが送る、全108夜1話完結型ポッドキャスト番組です。なお、今回の配信復活を記念して、墓場のラジオSeason1、Season2の厳選エピソード集もSpotifyで独占配信されます。・配信日:毎仏滅 18時・初回配信日:1月29日(金)・番組URL: については2008年のサービス開始以来、音楽の聴き方を進化させてきました。 Spotifyでは6,000万曲以上の音楽や190万番組以上のポッドキャストを無料でも発見・管理・共有いただけますが、有料のプレミアムプランである「Spotify Premium」にアップグレードいただくと、広告が入らず、より良い音質で、ダウンロードすればオフラインでもお楽しみいただけます。Spotifyは世界で最も人気のあるオーディオ ストリーミングサービスであり、世界92の国と地域で1億4,400万人以上のSpotify Premium会員を含む 3億2,000万人以上のユーザーが利用しています。企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2021年01月21日ジオラマ作品を作っている、依田四十郎(@yorita3)さん。ブックスタンド型のジオラマを作成し、Twitterに投稿しました。「ステイホームの夜中に、読書の世界へ誘う扉」というジオラマ。「素敵」「最高すぎる」などの声が寄せられた作品がこちらです!新作のジオラマ完成しました!ステイホームの夜中に読書の世界へ誘う扉のブックエンド型ジオラマですなかなか素敵な小品が出来たと自画自賛 pic.twitter.com/uF6R7xzfcI — 依田四十郎 (@yorita3) January 17, 2021 路地裏にある隠れ家のような扉。階段を上って扉に手をかければ、小説の中へと入っていけそうですね!やわらかい赤い光が、夜の趣のある街を演出しています。作品は海外からも反響が上がり、コメントが寄せられていました。・これはとても独創的でクールだね!・とても素敵!本の中に入っていく扉ってメルヘン。・発想が素晴らしい!階段がいいですね。こんなに素敵なブックスタンドが部屋にあったら、思わずたくさんの本を飾りたくなりそうですね![文・構成/grape編集部]
2021年01月18日小さな白い箱をイメージして幼少期を過ごした実家を建て替え、2年前に都心から引っ越した石澤敬子さん。活気のある商店街を入ったところに、3階建ての白い箱が建つ。「バウハウスのデザインや、ル・コルビジェの“小さな家”が好きだったので、イメージはシンプルな白い箱でした。建築設計会社さんに、必要な間取りと大まかなイメージをお伝えして設計してもらいました」。引っ越してくる前に住んでいた六本木でも、自宅でワークショップやイベントを開いていた石澤さん。1階にはアトリエを設け、2階にLDK、3階にベッドルームと水まわりを設けることを決めていたそう。「もともと服を作るところから始まって、ものづくりが好きだったんです。自分の作品が作れて人を招くこともできる、可能性のあるスペースが欲しかったですね」。アトリエには大きなガラスの引き戸をリクエストした。格子状のガラス戸は、閉じれば緩やかな仕切りとなり、開け放てば玄関からひとつながりの空間に。「ミナ ペルホネン」に勤務する傍ら創作を楽しむ空間は、自ら選んだ世界各地からのインテリアで彩られている。引き戸を開け放てばひとつながりの空間に。アトリエは、服の制作、イベントやワークショップの開催など、石澤さんのブランド「moss*」の活動スペース。引き戸はガラスに、アイアンを格子状にあしらった枠でオーダー。テーブルは「ミナ ペルホネン」に海外から届くコンテナボックスを譲り受け、「マウンテンスタンダードタイム」に依頼して制作したもの。「ワイヤーハンガーの佇まいが好き」という石澤さん。心を惹かれる“華奢で味わいのあるもの”を集めたコーナー。自分らしさをMIX「使うパーツや素材などは、選んだプランの中で何種類か用意されていたのですが、家の顔となる部分など、どうしてもこだわりたかったところはこちらで探したものを使ってもらいました」。3階のテラスのアイアンの手すりはできるだけ細いものにこだわって、「マウンテンスタンダードタイム」にオーダー。2階のLDKにもキッチン収納と、壁付けのシェルフを造作した。「イベントなどを行うときは2階をカフェにしてゲストをおもてなしします。友人がキッチンに立ったりもするので、キッチンには余裕が欲しかったんです」。奥行きの深いステンレスのキッチンの上には、年代を感じさせるペンダントライトが。「古いミシンのオイル差しをアレンジして照明にしてあるんです。照明はすべてリバーサイドファームのものを選びました。古く見せて作っているものはあまり好きではなくて、今は新しかったとしても、年月が経ってやがて味が出てくるものが好きですね」。ダイニングスペースには、「パシフィックファニチャーサービス」のテーブルに、イルマリ・タピオヴァーラのヴィンテージチェア。社員旅行で訪れた北欧のロッピス(蚤の市)で購入したアンティーク雑貨、イギリスのマーケットで見つけたヴィンテージのラグや「サムエルワルツ」で手に入れたものなど、国やジャンルにとらわれずセレクトしたインテリアが、シンプルな空間に味わいを添えている。白とベージュのトーンに、古さを感じさせるインテリアが落ち着く2階のLDK。床は無垢材を選んだ。落ち着いた配色の中に、階段のアイアンの手すりや、キッチンの白いタイルがアクセントに。テレビボードにもなっているオープンシェルフは、「マウンテンスタンダードタイム」にオーダー。グリーンの鉢カバーは7月にアトリエで開催したルヴォンアフリクのイベントで手に入れたもの。アイランドキッチンの背面も「マウンテンスタンダードタイム」に依頼。ヴィンテージ感を感じさせる佇まい。古いオイル差しを使った「リバーサイドファーム」のペンダントライトに、スウェーデンのロッピスで購入した古い天秤をアレンジ。使い込んだ風情の「パシフィックファニチャーサービス」のテーブル。「リバーサイドファーム」の照明は、「サムエルワルツ」で購入。ビーチ材の曲木のトランクは「 Fanerfabrik A.B.」 の1940〜50年代のプロダクト。いつも上には花をあしらって季節のディスプレイを楽しんでいる。「ミナ ペルホネン」皆川明さんが創作した陶板のオブジェを飾る。スウェーデンの小学校で使っていたMOSS=苔の教材。蚤の市で発掘。創作意欲をかきたてる空間パブリックにも利用する1階と2階に対して、3階は完全にプライベートなスペース。ベッドルームとバスルーム、洗面に、広いテラスを設けた。「いずれはテラスでグリーンを育てたり、イスやテーブルを出して寛げるようにしたりしたいと思っているんです。以前は手狭だったけれど、今は余裕をもって生活を楽しむことができますね」。新しい建物に味のあるインテリアが溶け込んだ空間は、竣工後2年経ってより深みを増している。「だんだん自分らしい空間になってきたかな、と思っています。好きなもの、欲しいものを集めて暮らし、創作もできる。テレワークを行う時間もオフタイムも充実していますね」。ベッドルームの奥にはウォークインクローゼットを設けた。右手にベッドルームとほぼ同じ広さのテラスがある。レースのカーテンはパラグアイのもの。ベッドルームの入り口には、イラストレーター寺坂耕一さんの描いた絵を飾って。バスルーム、洗面、トイレはひとつの空間に。シンプルで清潔感に溢れる。リビングで寛ぐ家内製手工業人・石澤敬子さん。赤坂蚤の市で購入したレースのパーツを窓枠にあしらって。糸まきをアレンジした照明、「スタンダードトレード」のソファーテーブル、イギリスのアンティークのイスなど、好きで集めたものが白い空間に溶け込む。
2020年09月21日TAKAKOの技術を動画で学ぼう!ビューティークリエイターのTAKAKOは、2020年8月9日、「TAKAKO YouTubeチャンネルスタート致しました!」というタイトルで自身のオフィシャルブログを更新。YouTubeを開始したことを報告し、チャンネル登録を呼びかけている。第1回は長谷川エレナ朋美をハリウッドスタイルに変身。衝撃のBEFORE、AFTERに注目だ。長谷川エレナ朋美はインスタグラムを通じて、TAKAKOのハリウッド楽屋メソッドを動画で公開。フォロワーからは「TAKAKOメイクでさらにかわいい」「メイク凄い変化でびっくり!まさにマリブなイメージでエレナさんにピッタリ」などのコメントが寄せられている。ハリウッドセレブのヘアメイクも手がけるTAKAKOTAKAKOは18歳の時にロンドンでヘアメイクの学びをスタート。Penny Delamarのアシスタントを務めた後ニューヨークに渡り、俳優などのヘアメイクを行う。現在はビューティーに関する知見を生かして、ビューティークリエイターとして活動。雑誌、テレビ、ラジオなど幅広い分野で活躍している。『顔力を上げるTAKAKOの大人ガーリーメイク』『50歳からのいい女』『最強の「愛され力」を手に入れる法則』など著書多数。(画像はTAKAKO OFFICIAL BLOGより)【参考】※TAKAKO OFFICIAL BLOG※TAKAKO STYLE※長谷川エレナ朋美オフィシャルインスタグラム
2020年08月17日買い替えを考えていたMさん一家が11年前に購入した建売住宅をリノベーションして住み直してから1年ほど。Mさんは全面的に刷新された室内空間にとても満足しており「言うことなし」というが、当初は買い替えて別の場所に引っ越しをすることも考えていたという。しかし、映像系の仕事をされているMさんの友人たちがそれぞれ好みに合った家を建て始めたのを見て、自分たちにも同じことができるのではと考え直すことに。さらに、都心で生活がしやすいことに加え、ゆくゆくは夫婦2人だけで住むことを考えたら現状のサイズ感がちょうどいいと判断。また、奥さんが素敵にリノベーションされている家をネットで見つけたこともあり、買い替えでも建て替えでもなくリノベーションすることを決めたという。Mさんは「リノベーションでわれわれの気に入るようなものにできるとは思っていなかったんですが、妻が見つけた家がとても良い感じで仕上がっていたのでこれは可能性があるかも」と思ったという。設計は奥さんがネットで見つけた家を手がけた建築家の比護さんに依頼。そして、まず最初に現状でぜひとも改善したい点を伝えた―――「生活動線が良くない」「1階が暗くて洗面所とお風呂が必要のあるとき以外は行きたくない場所になっている」「バルコニーの床が腐ってきている」等々。壁は時間が経って味わいが出るよう漆喰仕上げに。天井も同じ意図から濃いめの色に塗った。3つのハイサイドライトデザインのテイストに関しては他の作品も含めて気に入っていたので比護さんに多くをお任せするかたちになったが、上述の改善点のほかに「居心地が良くて生活がしやすい」、さらに「時間が経って“くたびれ感ではなく味わいが出るような家”にしたい」(Mさん)と伝えた。どのように変えたのか2階部分を順に見ていこう。「もっとダイナミックに開く予定だった」と比護さんが話すのは南側につくられたハイサイドライトだ。予算の関係と暑さを心配して大きめの窓を3つつくることに落ち着いた。以前は同じ南側上部にロフトが設けられていて部屋に圧迫感を与えていたが、今はその部分に木の骨組みだけが残り、新たに開けられた窓から差し込む光が室内に十分な光を供給している。ロフトのあった部分に木の骨組みが残る。南側の上部には3つのハイサイドライトがつくられた。キッチンの奥に立つ壁の家型がとても印象的。キッチンのカウンターは映像系の仕事をされている奥さんの仕事机、子どもたちの勉強机としても使用される。右奥の洗濯スペースと浴室とキッチンがこのカウンターを中心に回遊できる。2階を特徴づける2つの壁と浴室2階で特に目を引くのが家型の壁だ。開口の上部がアール状になっていて柔らかな印象を与える。構造上必要なこの壁が家型のデザインに落ち着いたのは設計の途中段階だったという。「思っていた以上に家型のイメージが強くなりましたが、ハイサイドライトを設けた南側を空が見えるエリアにしてそれを隅のほうにまで通したかった。それで北側の天井と同じ勾配にして東側まで抜けるようにしたら結果的に家型になったということで、アイコンとして強く見せるという意図はありませんでした」(比護さん)この家型の壁の背後に鮮やかな青色の壁が見えてこれもまた2階の空間を大きく特徴づけている。この東端の壁は1階でも青色に塗られているが、これには同じ色に塗ることで1・2階の壁がつながっているかのように感じさせたいという意図があった。さらに2階に比べ1階が暗めだったので奥に鮮やかな色を見せることで楽しい雰囲気に変えることも狙ったという。1階にあった浴室は2階の東端にすえた。以前は浴室が使用時以外は誰も行かない無駄な場所のようになっていたため、使っていないときは空間の一部として中庭のような存在にできたらと、ガラス張りの部分をつくって南側のハイサイドライトから入る光によって光庭のようにも感じられるものとした。洗い場部分が広くとられた浴室。昼間はハイサイドライトから入る光で光庭的な役割も果たす。南側のハイサイドライトから浴室へと光が差し込む。浴室前から奥にリビングを見る。キッチンから見る。奥の右側に洗濯機が置かれている。キッチンと本棚家型の壁の手前にあるのがキッチンスペースだ。最初につくられた家の模型を見て「お母さん、これなら大丈夫だよ」と娘さんが家事動線に太鼓判を押したというが、浴室、洗濯スペースとキッチンが回遊できるつくりにしたのは奥さんが仕事をしながらこなす家事の大変さを考えてのことだった。子どもたちの様子を見ながら仕事ができるように、キッチン周りのプランも検討が重ねられたという。そのキッチン近くから反対の端にかけて北側の壁に棚がつくられているほかこの家の各所に棚がつくられている。これらの棚は「おしゃれなモノをたくさんお持ちだったので、モノを楽しめるベースをつくる目的で考えられたもの」という。本棚に関しては「本もたくさんお持ちだったので本が楽しめてかつそれが生活とちゃんと重ねていけるように家の中のいろんなところにたくさんつくりました」(比護さん)。北側の壁の横幅いっぱいにつくられた棚。既存の窓と同じ高さに揃えるなどの工夫がなされている。奥さんの友だちに大好評というキッチン。作業をしながらお喋りと飲食を楽しむことができる。以前よりも生活のクオリティが上がったというMさん。「住みやすくて愛すべき家にしていただいた」とも。奥さんは「寝室も気持ちいいし1階にいる時間が増えて以前のように下に降りるのがいやではなくなった」という。ともに映像関係の仕事に携わるMさん夫妻。家から生じるストレスが解消され、「言うことなし」の状態になった現在、クリエイティブな仕事には「心を良い状態にしておくことが大事」というMさんは、奥さんとともに日々の生活の充実にとどまらず仕事への好影響を感じ取っているようにうかがえた。2階の床に開けられたネコ用の穴。青い壁が1・2階とつながっているのがわかる。グリーンの架けられたバルコニーの壁は外からの視線の遮りと内部からの抜けの両方を考慮してこの形になった。東側奥の青い壁にネコ用の階段がつくられている。玄関近くから奥(東側)を見る。床にはコルクが貼られている。映像系の仕事をされている奥さんのワークペース。壁のコーナー部のアールが左右の空間を柔らかにつなげて広がり感を出している。手前が子ども部屋で奥が主寝室。ガラス戸にしたため暗かった玄関が明るくなりまた街とのつながりも感じられるようになった。以前は階段を上がってすぐ玄関だったが、階段を道路側に少し延ばしてつくり直した。階段室が壁で囲われて扉がありまたキッチンスペースが囲われていた以前の状態と比べると、見違えるほど開放的で明るくなった。奥さんはソファに座ってハイサイドライトから見える雲の動きなどを眺めてぼーっとして過ごすのが好きだという。M邸設計一級建築士事務所ikmo所在地東京都目黒区構造木造規模地上2階延床面積86.21㎡
2020年07月15日鮮やかな緑に覆われた住まい多摩川からほど近く、自然の趣きが残る東京・世田谷区の住宅地。鮮やかな緑のツタに覆われた外観が印象的なこの家に暮らしているのは、デザイン会社「nakanaka graphic」を営むグラフィックデザイナーの中川寛博さんと同じくグラフィックデザイナーの岸恭子さん、そして小学6年生のご長男。この家が完成したのは2015年。設計は、中川さんが学生時代に知人の紹介により知り合ったというキューボデザイン建築計画設計事務所の猿田仁視さんに依頼した。「シンプルなデザインを求めていたので、当初は外壁も単純に真っ白のイメージをしていました。ですが、白い壁だと雨だれで汚れてしまう、と猿田さんからアドバイスをいただいたので、それならば、と以前から憧れを持っていたツタのある家にしたいと思いました」(中川さん)。中川さんの要望により、家とコンクリートの間にはツタを植えるための土のスペースをつくった。完成当初は真っ白だった壁も、4年後には屋根まで届くほど成長したツルが壁面を這い上がったという。5年がたった今では白い壁が見えなくなるほどに緑で覆われている。「ツタの種類はオオイタビという常緑の植物です。最初は、うまく成長するか不安だったのですが、思い描いていた形となって嬉しいです」(中川さん)。建築家・猿田さんより「GREEN WALL」と名付けられた中川邸の外観。もともとは真っ白い壁だったが、竣工から5年が経ち、緑に覆われた完成形となった。玄関を入って、左を向くとホールとなっている。突き当たりには水回り、左には寝室がある。北側にあたる右の階段の側壁には大小さまざまな窓が設けられ、外壁に挟まれた中庭からの光が取り込める。階段下にある作り付けの本棚と机。仕事や勉強、あるいは趣味の場として使用している。階段を上がった先にある個室は、現在在宅ワークをしている岸さんの仕事場となっている。将来的にはご長男の勉強部屋として活用する予定。柔らかな光で満ちた心地よい空間以前は、今の住まいの近くのマンションで暮らしていたという中川さんご一家。ご長男が小学校入学のタイミングで家を建てようと考えていたという。「まずは土地を探し始めたのですが、なかなか良い土地と出会えず、一度は探すのをやめていた時期もありました。そんなときに近所の土地を散歩がてら探していたら、ちょうど良いこの土地が見つかりました」と中川さん・岸さんご夫妻。家づくりにあたり、建売の物件やハウスメーカーも訪ねたというご夫妻だが、自分たちの理想の住まいを追求するべく、建築家の猿田さんに依頼することになったという。「風致地区ということもあり、さまざまな制約があるなかで猿田さんが最初に提案してくださったのが、北側に外壁と挟んだ中庭のあるプランでした。制約や狭小という性質の中で、最大限に光を取り込む配慮をしていただいたので、この最初のプランから、ほとんど変更せずに現在の形となりました。北側採光なので部屋に入ってくる光が柔らかくて、すごく心地が良いです」(中川さん)。内観については、白を基調としたシンプルな空間を希望していたご夫妻。色味のバランスや窓の位置など細部まで打ち合わせを重ねて、コンパクトながらも必要な要素をしっかりと詰め込んだ理想的な住まいを実現させた。「窓からはあんまり外の家が見えないので、目線が気にならないところがすごく落ち着きます。中庭があることによって、閉じつつも開放感があるのが、この家の特に気に入っているポイントです」(岸さん)。中2階ともいえるL字型のロフト。ご長男の寝室から、ご夫妻の趣味のスペースへとつながっていく。作り付けの棚には本がずらり。同じく作り付けの机は、主に岸さんの裁縫スペース。正面からは1階全体を望むことができる。反対側には、中川さんのレコードコレクションが並ぶ。2階のリビング。北側の窓から入る光と、奥に見える天窓からのたっぷりの光によって、居心地の良い自然な明るさで満たされている。右手前にある階段を降りるとロフトへ通じる。キッチンの配置やカラーリングは、岸さんと猿田さんが相談して決めた。手前の作業台は、窓を出窓にすることで生まれた。中庭へ出るベランダは、中川さんのお気に入りの場所。変化を楽しむ暮らし主に本や雑誌の装幀のデザインをしている中川さん・岸さんご夫妻。昨今の新型コロナウィルスの影響により、現在は在宅で仕事を行なっているという。「もともと外で仕事をしていたのですが、子どもを見ることもできるので結果的に良かったと思っています。在宅ワークでも、気持ちの良い光が入ってくるので、1日中ストレスなく過ごすことができています」と話す中川さん。岸さんも「最初はくつろぐためだけの家でしたが、今は仕事場という面も持つようになりました。この先も、家がどう変化していくか楽しみです」と笑顔で語る。はじめは真っ白だった外壁が、時間をかけて緑に覆われたように、経年変化を楽しんでいく住宅として設計された中川さんご一家の住まい。「これからはツタに花を加えて、表情を変えられればなと考えています」と中川さん。変化を楽しむご一家の豊かな日々がこれからもこの住まいで紡がれていくことだろう。手がけた仕事には、ワインカタログやワインラベルのデザインも。額縁に飾られているポスターは、ワインの産地が描かれており、デザインは中川さん、イラストは岸さんが担当した。一時期、石集めがマイブームだったというご長男の石コレクションが飾られている。ご長男がお小遣いで購入したという“ニュートンのゆりかご”。1階の水回り。浴室と洗面を仕切るガラス窓によって、視線が抜ける開放的な空間に。1階にあるご夫妻の寝室。壁には小物を置くのに適した作り付けの棚が設置されている。バスルームのモザイクタイルは、建築家の猿田さんより提案されたという。「最初は真っ白のタイルを考えていましたが、このモザイクタイルはデザインも良くて、何より汚れも目立たないので、今はこのタイルを選んで良かったと思っています」(中川さん)。浴槽からは中庭を望むことができる。「窓からの景色は緑のトンネルみたいでとても綺麗です。夜には月を眺めることもできるんです」(中川さん)。週に1回は、高枝切りばさみを使い、緑の手入れをしているそう。「油断すると、すぐボウボウになってしまうので手入れが大変です」と中川さん。
2020年07月13日LGBTQIA+の権利や文化について、世界中でさまざまな啓蒙活動が行われる6月は「プライド月間」。スポティファイ(Spotify)では、アプリ内に「Pride」コーナーを設置し、この「プライド月間」のサウンドトラックとなる国内外のプレイリストや、LGBTQIA+のクリエイターによるポッドキャスト番組を展開しています。本記事では、今年の「プライド月間」の始まりに伴い、新たに選曲・公開された国内プレイリストを紹介していきます。「Let’s March Again」「Let’s March Again」は、LGBTQIA+の文化について積極的に執筆している映画・音楽ライターの木津 毅が選曲した、注目のLGBTQIA+のアーティストにスポットライトを当てたプレイリスト。 カバーは、ロンドン在住のポップシンガー、リナ・サワヤマ(Rina Sawayama)が飾っている。彼女は、Spotifyが国内「アーリーノイズ(Early Noise)」ならびにグローバル「レーダー(RADAR)」の新人サポートプログラムにてバックアップされており、ファッションアイコンとしても注目の人物です。「中森明菜 the B-EST by Mitz Mangrove」ミッツ・マングローブ選曲の中森明菜シングルB面集「中森明菜 the B-EST by Mitz Mangrove」は、誰もが知るシングル曲のB面で綴る明菜マニアックなプレイリスト。ミッツ・マングローブのコメント レコーディング後に A 面 B 面が急遽逆転することも少なくなかったという明菜さん。背中合わ せな存在だからこそストレートに聴こえてくるリアルな温度や情景。そして改めて感じさせて くれるその歌声の魅力を存分に。Let’s Party Again シリーズ「Let’s Party Again シリーズ」は、独自のクィアカルチャーを発信するクラブイベントにスポットライトを当てたプレイリストシリーズ。「DIAMONDS ARE FOREVER」「オネエスタイルダンジョン」「MOTORPOOL」の3つのプレイリストを新たに公開。この他にも、国内外のプレイリストやポッドキャストなどを豊富にラインアップ。もっと深く知りたい! という人は、ぜひ、スポティファイの「プライド」コーナーをチェックしてみてくださいね。>>その他のSpotifyの記事はこちら
2020年06月11日“素材と動き”を追求「家を機能的にしたかった」と語るのは中村圭介さん。妻の奈保子さんともにグラフィックデザイナーである。「動線を生活するうえで使いやすいものにしたかった」という。中村家での家づくりに関しては明確に担当分けがあった。動線など家の機能面に関しては奈保子さんと話をしながら中村さんがまとめ、素材やデザインのテイストなどは奈保子さんが決めていったという。敷地の面積は考えていたよりも狭めだったが目の前が公園で視線が抜けるという立地が購入の決め手となったという。この2階の大きな開口は木のフレームも含め夫妻がリクエストしたもの。設計を依頼された建築家の佐々木達郎さんはお2人のこの担当分けについてこう話す。「中村さんが白くてミニマルなキャンバスをつくって、奈保子さんがそこに自由にモノを置いていく。そんなイメージを持っていました」奈保子さんも重要だったのは「素材と動き」だったと話すが、夫妻と佐々木さんとの間でかなりのやり取りが交わされたという。「けっこうやり取りをしましたね。初期のらせん状のプランもすごく面白かったのですが、僕らの考える動線とは違う考え方、暮らし方で家ができていた。それに対して、もうちょっとここをこうしたいああしたいといってオーダーを出していったら中途半端な感じになってしまった。次案も同じようにオーダーを出していってそれで決まりそうだったんですが、最後に佐々木さんが“これどうですか”とバンと出してきたのがほぼ今の形のもので“あっ、こういうことです”みたいな感じでしたね」(中村さん)2階のスペースを公園側から見る。左の箱の中は奈保子さんの仕事のスペースで、その上がロフトになっている。キッチンは「木の種類をこれ以上増やしたくなかった」ため、ステンレスにした。奈保子さんの仕事場を階段側から見る。大量の本を収める棚はLDKから見えない部分につくった。すっきりとした印象のキッチン。冷蔵庫は奥の左側に置かれている。収納家具の素材には合板を使用した。“気持ちのいい場所”をつくるこのプランはやり取りの中で佐々木さんがお2人の志向されている方向・内容を把握した結果、出来上がったものだが、これには中村家のライフスタイルが大きくかかわる。「僕が仕事で帰りが遅いので平日は朝だけごはんを3人で一緒に食べる。あとは彼女が家で仕事をして、娘が保育園から夕方帰ってきてからは彼女たち2人の生活になる。土日のメインは3人でご飯を一緒につくって食べてる。こういう必要なことだけ、重要なことだけを快適にしたいというのがありました」(中村さん)「ふつうにリビング、ダイニングを取っていくのではなく、仕事をしてちょっと休憩してご飯を食べてっていう一番長い時間を過ごすこの2階のスペースがいちばんいい場所、気持ちのいい場所であってほしかった」。こんな中村さんの思いから発して出来上がった2階のスペースはダイニングに平行して奈保子さんの仕事のスペースがあるというつくりになった。ロフトから見る。「好きなものだけを置いて、雑多なものが目に入らないようにした」という室内は、この通り、すっきりとしたスペースになっている。表と裏収納の考え方も特徴的で、壁1枚を間に挟んで“表”と“裏”に分けて、裏、つまりふだんは隠れて見えない場所にほとんどのモノを収納してしまい、表側はきれいすっきりに保つ。2階は“裏”である仕事部屋と収納スペースにほとんどのモノが収められて、テーブル、イス以外にはモノがほとんどない状態だが、1階も同様だ。服類は廊下の裏側、寝室とユーティリティを結ぶ通路の両脇にまとめられている。このウォーク“スルー”クローゼットとユーティリティの関係がユニークで面白い。室内干しにすることを強く望んだ奈保子さん。中村さんの北海道の実家のやり方を見習って洗濯物をそのままハンガーにかけて干すようにした。そして乾いたらたたまずにそのハンガーごとクローゼットに収納する。「洗濯物を抱えて家を横切って行ったり来たりみたいなのはいやだなっていうのはずっとありました」という奈保子さん。このつくりでずいぶんと手間が省けただけではない。このスペース自体が「非常に快適」という。「干していて苦にならないだけでなく、誰に見せるというわけでもないんですが、非常に満足感がありますね」階段室に吊り下げられたライトは佐々木さんがむき出しのオブジェ的に見えるものがいいのではと選んだもの。階段の素材を上下で変えるアイデアは奈保子さんからのもの。奈保子さんお気に入りのスペース。手前を左に入るとウォーク“スルー”クローゼットでその奥に寝室がある。洗面の左側が浴室になっている。寝室側から見る。階段前から見る。室内干しを前提につくられたスペース。洗濯したものをハンガーにかけて干し、乾いたらそのまま右のクローゼットに収納する。動線に無駄がないうえにたたむ手間も省ける。「空間がつながっている感じにしたかった」ため、戸はすべて引き戸にしている。室内に「オランダのギャラリーみたいにざっくりした感じ」を求めた奈保子さん。写真を置いたこのスペースはまさにギャラリーの空気感。1人だけで部屋にこもることはないと思い自分の部屋をつくらなかった中村さん。左がキャンプ道具や釣り道具などを置いた唯一の自分だけのスペース。奈保子さんがオランダで気に入って購入したというペイパーホルダー。トイレの扉には娘さんの描いた絵がサインがわりに貼られていた。子どものための空間中村さんのつくった白いキャンバスに奈保子さんの目に適ったモノを置いていく。それにさらに加わってこの家の空気感をつくり出しているのが娘さんの描いた絵だ。これがよく描けているだけでなく1階の壁に貼られたものは場所場所のキャラクターを絶妙にとらえている。「あれは本人が勝手に描いたものですが、よく描けているなあと思って貼りっぱなしにしている」(奈保子さん)という。実はこの中村邸のプラン、生活動線の面から検討を重ねただけでなく娘さんのことも考えたものという。「プラン的に回れるような感じにすることも考えましたね、子どもには面白そうだろうと。実際、初めてここに来たときもすごい気に入ってくれて」。「ぐるぐる回って追いかけっことかしていますね。2階だけでなく下でもぐるぐる回ってます」「僕が小さいときに遊びに行った親戚のうちがぐるぐると回れるつくりになっていてそれがとても面白かったという体験があるんですが、この家はその家とは違うタイプの空間だからどうなるのかなという楽しみはありますね」。2階につくった奈保子さんの仕事場とダイニングを仕切る壁には扉がなくぐるぐると回ることができるようになっている。そしてダイニングに面した壁面のほうには娘さんの絵が貼られている。自分たちの思いを実現できた中村夫妻はもちろん、彼女も大満足の家になっているのではないだろうか。ダイニングに面した壁には娘さんの絵が飾られている。キッチンから見る。ライトはプルーヴェの「Potence」で佐々木さんのセレクション。外観のミニマルな印象はサイドに玄関をつくったことにより強まっている。中村邸/House-NA設計佐々木達郎建築設計事務所所在地神奈川県横浜市構造木造規模地上2階延床面積87.76㎡
2019年12月23日落ち着ける家を作りたい著名な写真家の夫と、夫の事務所スタッフでもある妻、そして愛犬のルルちゃんの、2人と1匹が暮らす鎌倉・極楽寺の住まいは、周囲を緑に囲まれたとても静かな場所にある。「祖父の家が鎌倉にあり、この家に越す前は同じ鎌倉の浄妙寺に住んでいましたので、住まいはやはり鎌倉で探していました」写真家は御殿場にスタジオを構えている。その仕事場は有名な建築家が腕をふるった設計ということもあり、自宅はゆっくりと過ごせる落ち着ける空間にしたいと考えていたそう。その話を知人にしたところ、建築家の宮田一彦(宮田一彦アトリエ)さんをご紹介いただいたのだとか。「宮田先生にぜひ中古物件をリノベーションしていただきたいと考えていたのですが、なかなか物件が見つからず、頭を新築に切り替えてようやく作ることができたのがこの家です。ここは車もほとんど通らない奥まった場所なのですが、さらに旗竿敷地ということもあってとても静かです。朝は鳥の声で目覚めるのがとても気持ち良いです」ちなみに、元の地主さんはアーティストに土地を譲りたいという希望があったそうで、格安で譲り受けたのだとか。こういうことが起きるのも鎌倉という土地柄ならではかもしれない。障子越しの柔らかな光が美しい。リノベーションを得意とする宮田一彦さんが手掛ける新築物件は、構造体をなるべく見せるように設計されている。ソファとダイニングチェアはハンス・ウェグナー。ぶ厚い天板のガッシリとしたダイニングテーブルはTRUCK FURNITURE。等間隔の壁の間柱が美しい。間柱にかけた額装は、モリソン小林の彫刻作品。天井や壁のリズミカルな構造体が美しい。手前は薪も使えるペレットストーブ。「311の際の鎌倉の計画停電を経験し、なるべく電気に頼らない自然エネルギーで暖をとれるようにしておきたいと思いました」リビングから玄関への目線。裸電球の連なりが美しい。そして、天井付近のモルタルの塊がアクセントに。ここは上階の書斎の部分にあたる。そして天窓から明かりを効率的に取り入れている。タイル張りのキッチン。天板はステンレス。「プロパンガスを使う地域なので、コンロはIHにしました」ダイニングテーブルの上のアンティークの照明は、フィリップス社のインダストリアルなランプシェード。ガラス作家の安土草多のランプシェード。「若い作家さんの作品です。以前から気になっていたのですが、照明器具を探していた時にちょうど鎌倉で展示会をしていて、縁を感じて購入しました」テーマは“新築に見えない家”「階段を登れない犬と同じ部屋で寝たかったので寝室は2階ではなく1階に、そして書斎は2階へという間取りの希望だけお伝えして、設計はほぼほぼ宮田先生にお任せしました。悩んだことといえば、壁は縦の間柱を見せるのか漆喰の白い壁にするかだったのですが、”新築に見えない家”というテーマに沿って、間柱案に決めました」照明器具にはこだわったのだそう。「リビングに裸電球を吊るしたのは初めてだと工務店の方に言われました(笑)。電球にもこだわりました。実験として実際に旧来の電球とLEDを使い比べて、LEDを選択しました。LEDは食わず嫌いだったのですが最近はかなりよいものが出ているんですね」壁一面の本棚。その横にLINNやJBLスピーカー、そしてコロンビアのSP盤を聴けるレコードプレイヤーが柔らかな気持ちの落ち着く音を奏でる。仕事で使うカメラは事務所にあるが、湿気に強いブリキ缶の中に除湿剤とともに趣味のカメラが収められている。「このブリキ缶は無印良品のものです。以前から持っていた棚に偶然ピッタリと収まりました」書斎のデスクはアーロンチェア。ブラインド越しの光が美しい。2階の廊下。建具は古いものを使っている。左上の窓は星見櫓の出入り口。「柵のない星見櫓を作っていただきました。この辺りは夜は真っ暗になるので、星を見れたら綺麗だろうな、と」階段の目線の先にメープルソープのリトグラフを飾る。手すりは無骨な異形鉄筋。経年変化が味になる自然素材を使う2階には、見晴らしの良い星見櫓と、書斎を作った。「家を作る前は、自分の部屋を持つのであれば、今の4倍くらいの広さの部屋があったらよいなと想像していました。しかしできあがったこの部屋はとても居心地がよく、これはこれで悪くないと思っています」この家には今年の2月に越してきたのだそう。「住んで1年経っていない新築の家にはまだ照れがありますが、経年変化が味になるような自然素材を使っていただいていますので、だんだんと自分の家らしく馴染んでいくだろうと期待しています。どんなふうに味が出てくるのか、楽しみにしています」L字のアプローチに物語が感じられる。旗竿敷地は演出次第で特別な気持ちよさを設えることができる。「玄関の大きな沓脱石は、工務店の社長さんが探してきてくださいました」トイレと洗面台の間はコンクリートブロックで仕切った。洗面台の下の扉はガラスの引き戸にしている。【建築家データ】設計宮田一彦(宮田一彦アトリエ)所在地神奈川県鎌倉市構造木造規模地上2階
2019年11月27日“感覚が似ている”中古物件との出会い中央線の荻窪駅から歩いて10数分ほどのところに、小林大介さんと菜穂子さんご夫妻が暮らす住まいがある。元々、高円寺の戸建ての賃貸物件に暮らしていた二人。その頃から中央線沿線に絞って物件を探していたという。「中央線の気どっていない雰囲気が好きなんです。夫婦そろって戸建で育ってきたので、マンションという選択肢はありませんでした」と大介さん。しかし、なかなか理想の物件と出会うことがなく、探しはじめて3年後、ようやく出会った物件は築約40年のリノベーション済みの住宅だった。元々の住人であるイギリス人のご夫妻とレトロな趣きが好きという感覚が似ていると感じたご夫妻。「それまでに10軒以上を見ていましたが、内見したときに、実家に帰ったような落ち着きをおぼえました」と振り返る。そして内見当日に、購入を決めたという。「旗竿地は住んでみたら、周りの目線が気にならないし、明るすぎないので、かえって良かった」と菜穂子さん。その言葉通り、カーテンをつけずに風通しの良い開放的なリビング。菜穂子さんが目指すリビングのイメージは「昭和の応接間」。ベロア生地のソファーがアクセント。前の住人による手作りの照明。ホームセンターで部品を集めて作ったという。庭には梅や金木犀、椿が植えられている。生活に庭仕事が加わったことで、以前より季節の移ろいを感じられるようになった。お気に入りの家具とともにこの家の築年数は40年以上だが、前の住人によって床は張り替えられており、ほとんどの窓が二重サッシになっている。照明や冷蔵庫、エアコン等も残していってくれたため、住むにあたって、改修をしたのはトイレのみ。「元々、住みやすくリノベーションされていたから、ほとんど自分たちはいじっていないんです。手を入れたのは、階段や2階廊下の壁をDIYで漆喰にしたくらい」と大介さん。すでに自分たちの好みに近く、ベースがある程度出来上がっていたことも購入の決めてのひとつだった。「持っていたアンティークの家具や民芸品の雰囲気がこの家にしっくりきた」と話すのは菜穂子さん。「家具を、これはここかな?と配置するのが楽しかったです」と笑う。お気に入りの家具や民芸品が飾られるダイニングルームは、小林ご夫妻にとって特にお気に入りの場所となっている。和室の名残を残してリノベーションされたダイニング。ちょうど良いほの暗さと、窓越しに見える庭の緑がお気に入り。骨董屋で見つけたというアンティークのテーブルの脚に、後日福生の古道具屋で購入した天板を載せた。椅子はあえて揃えずにそれぞれ形の違うものを選んだ。この部屋で金魚を眺めながら作業をするのがお気に入りという大介さん。特に夜は、かすかな水音がとても落ち着くそうだ。カメラマンという仕事柄、地方や海外へ行くことの多い大介さんが各地で買ってきた民芸品、菜穂子さんが趣味で集めた鉱物などが飾られている。たっぷりとした作業スペースが特徴的なキッチン。冷蔵庫にも、大介さんが各地から買ってきたご当地マグネットがぎっしり。心地良い風と光が入る家小林さん邸は、玄関からリビング、ダイニング、キッチン、洗面所まで、どの部屋も窓から入る光で自然な明るさに満ちている。また、窓を開けはなつと、心地良い風が家中をかけめぐる。「緑が見えて、風が入ってくる感じが前の家にはなかったですね。一日のうちに光の入り方がどんどん変わって家のあちこちに陰影ができるのも、風情があって気に入っています」。風や緑、光のある暮らしがこれまでの生活との大きな違いと大介さんは語る。内見の際、実家の玄関を連想し好印象を持ったというゆとりのあるエントランス。玄関からリビングを見る。すりガラスに差し込む光が玄関スペースを自然な明るさに。右手に見える階段の木の格子が和モダンな雰囲気を作る。夫妻が洗面所に取り付けたのは、益子の骨董屋で見つけたという大きな鏡。鏡面に印刷された三桁の電話番号が歴史を感じさせる。心からくつろげる家この家に暮らし始めて約5カ月。落ち着きを感じるレトロな佇まいは二人の生活にぴったりと寄り添い、菜穂子さんは「仕事で忙しい日々が続いても家に帰ってくると心からくつろげます」と頷く。「以前住まれていたイギリス人のご夫妻も、この家を気に入り、愛情を持って手をかけていたからこそ、この味わいが生まれたのだと思います」と話す大介さん。今後は、庭に縁側をつくったり、リビングの扉をオーダーしたりしてさらに手をかけ、大切に住みついでいくつもりだと、楽しみな計画を教えてくれた。2階の廊下は屋根の形状を活かした勾配天井となっている。元々は砂壁だったが、大介さんが漆喰で白く塗り替えたことで雰囲気が大きく変わったという。奥に見えるのは、シンバルを加工したというユニークな照明。前の住人によりリノベーションされた2階の洗面台スペース。柱を現しにした真壁づくりの寝室。「かわいらしいシャンデリアと天井の杉板がお気に入り」と菜穂子さん。ご夫妻共通の趣味である麻雀の卓を中心に据えたプレイルーム。周りを大介さんの趣味の漫画がずらりと囲む。
2019年10月14日富山県高岡市の匠の技と秘密を通じて探る、新しいものづくりの形。10月7日「Creators Meet TAKAOKA」を渋谷ヒカリエで開催秋といえば、イベントシーズン到来ですね。富山の職人直伝の伝統工芸ワークショップや、話題のプロダクトや職人にも出会えて、「d47食堂」によるオリジナルの富山フードが楽しめちゃう、ものづくりのイベントがあるって知ってますか?10月7日に渋谷ヒカリエ8F「COURT」にて、1日限りの高岡ものづくりの祭典「Creators Meet TAKAOKA」が開催されます。伝統の技から最新の産業まで、ものづくりの盛んな富山県高岡市。「Creators Meet TAKAOKA」は、高岡の歴史・ 文化・精神風土も含めた魅力を伝え、ものづくりに携わる人・関心のある人たちとの新しい出会いや協働の可能性を求めるイベントなんだとか。今回のイベントでは、デザイン活動家・ナガオカケンメイ氏ら国内外で活躍するクリエイターと、高岡市の地元職人によるトークイベントのほか、伝統工芸ワークショップや交流会などを通じて高岡の魅力と秘密の一端を伝えるとともに、11月に高岡市にて行う「クリエイター向けモデルツアー」の参加者を募ります。400年の歴史をもつモノづくりの街からやってくる富山の職人との出会いや、ものづくりへの心意気を身近に感じる濃厚な1日になる予感。総務省「関係人口創出・拡大事業」モデル事業Creators Meet TAKAOKA 高岡の、匠の技と秘密。地域で出合う新しいものづくりの形。日時: 2019年10月7日(月) 14:00~20:30会場: 渋谷ヒカリエ8F「COURT」(東京都渋谷区渋谷2丁目21)内容: 高岡のプロダクト・富山ローカルフード展示販売/伝統工芸ワークショップ/トークセッション+交流会料金: 展示は入場無料、伝統工芸ワークショップは参加費(材料費)別途、トークセッション+交流会は500円定員: トークセッション+交流会 100名申し込み方法: トークセッション+交流会のみPeatixより要事前予約。展示と伝統工芸ワークショップは事前予約不要。「トークセッション+交流会」の事前予約はこちら ※2019年9月30日(月)申込み締切。先着順につき定員に達し次第受付終了展示/14:00~20:30先人の技が凝縮した伝統的な作品から、デザイナーとのコラボレーションなどによって生み出されている話題のプロダクト、高岡の職人と先端のテクノロジーのエンジニアが協働した作品などを紹介。 ワークショップ/14:00~18:00高岡の技を体験するワークショップ。金属工芸と螺鈿細工の職人が教えてくれます。武蔵川 剛嗣(螺鈿細工職人・武蔵川工房)トークセッション・交流会/19:00~20:30高岡市とゆかりのあるクリエイターと地元の職人・作家を招き、高岡市のものづくりや文化・人の魅力、地方におけるものづくりについてなどについて意見を交わします。トークの後は、高岡の作り手、ゲストスピーカーとの交流会。d47食堂による富山の食材を使ったオリジナ ルメニューや富山の地酒も楽しめます。Session1ナガオカケンメイ(デザイン活動家)×島谷好徳(鍛金職人、島谷昇龍工房4代目)ナガオカケンメイ島谷 好徳 Session2小池博史(クリエイティブディレクター、NONーGRID INC.代表)×佐野文彦(美術作家・建築家)×尾崎迅(金工作家)モデレーター: 林口 砂里(エピファニーワークス代表)交流会ケータリング: d47食堂小池 博史佐野 文彦尾崎 迅林口 砂里 「Creators Meet TAKAOKA」の詳細はこちらのWEBでチェック!
2019年10月04日自分たちの感性で見つけた家場所は都心の喧騒から離れた、坂のある静かな街。写真家の松村隆史さんと絵本作家の真依子さん、そして二人のお子さんの4人家族が暮らす家を訪ねた。以前は古いマンションに住んでいたが、子供が小学校にあがるタイミングを目標に家探しを始めた。「1年半ぐらいは場所にもこだわらず、いろいろなところを見に行って探しました。でもなかなかいい物件もないし、ここだ!と思ったところがタイミング悪く買えなかったり。この家は住宅情報サイトで見つけました。冴えない写真が掲載されていたのですが、間取りが気になったから見に来て見たらすごく気に入って絶対ここだ!と」。築年数はおよそ35年ほどと古すぎず、住み始めるには現実的だった。さらに、設計者が吉村順三の所員だったことも判明した。目の前には緑地に植えられたもみの木や桜の木が借景に。キッチンはPacific furniture serviceに設計してもらった。木目もこの家に合うものを。レンジの向かいには実用的にも装飾にも使える穴あきボードで壁を。三層で構成する空間「普通は斜面の土地を平らにして建てると思うんですが、土地の形に合わせて設計されているところが良かったです」と話す隆史さん。丘陵地帯に建つこの家は、その地形を活かした三層構造で設計されているので、まさに地に足が着いているというような安心感が漂う。一層目の小さな仕事部屋脇を通って階段を上がったところが二層目で玄関ポーチがある。中に入ると正面の水周りスペースを挟んでLDK側と寝室側に分かれる。LDKは正面に大きな開口がスクリーンのように設けられ、外の景色を切り取っている。さらに三層目の2階の部屋の広さもそこそこに吹き抜けで天井高をとっているので、自然の明るさと実際の面積以上の開放感を感じられる。入居するにあたり、大きくはキッチンをつくり変えた。「前に住まわれていた方用にとても低いキッチンだったので思い切ってつくりました。壁の白いタイルも普通のなんでもない壁にしたくて、貼り方もなんでもない感じを模索して」。つくり付けのダイニングテーブルも、設計されていたかのような馴染み具合。真依子さんは使い勝手がとてもいいという。壁面のユニットシェルフはドイツのインダストリアルデザイナー、ディーター・ラムスが1960年にデザインした「ヴィツゥ」のもの。子ども机は松村さんお手製。友人でもあるMOBLEY WORKSでつくらせてもらったという。LDKに真依子さんの絵を描くためのスペースがある。こちら側にも大きな開口があり気持ちがいい。真依子さんがつくった絵本たち。しっとりと落ち着く空間外観からは見えないが、庭はもちろん植栽スペースがところどころにあり住まいに潤いを添えている。寝室は低い位置に配されたL字方の開口が庭木の景色を切り取り、しっとりと落ち着く空間になっている。開口の位置が低いので、隣家との距離が近くても視線が気にならず、地面に近い高さで過ごせる。鉢植えも枯らすようなタイプだった、と話す真依子さん。「広くないとはいえ、庭の手入れはすごく大変です。こまめにやらないとあっという間にジャングルになっちゃう。洗濯物干したついでにここだけ、という感じでちょこちょこ草むしりしています。でも無心になれるから気持ちがいいですよ」。「ここは川も近いし環境はいいですね。たぬきが出たりもするし、ふくろうもたまにいるんですよ」と話す隆史さんは、庭に小さな畑コーナーをつくり、ミニトマトや紫蘇、パクチーなど、摘んですぐ食卓に添えられるものをつくり始めたそうだ。この家で少しずつ、自分たちの暮らしをつくりはじめている。寝室の壁のシックな色合いとイサム・ノグチの和紙の照明がマッチしている。玄関建具は腐食していたので、元の扉に忠実に作り直してもらい、下部には補強も兼ねてコッパーを廻した。エントランスまでのアプローチ脇にも植栽スペースがある。右手には仕事部屋がある。すっきりと無駄がなく、さりげない佇まいの外観。
2019年08月12日カントリー調でかっこいいテイストが魅力なMilyさんのDIYアイデア。アウトドアにもぴったりなアイテムや便利でおしゃれな収納アイデアは必見ですよ♪今回は、そんなMilyさんの参考にしたいDIY術をご紹介します。ヴィンテージ感もあるカントリーテイストなMilyさんの世界観カントリーな雰囲気を基調としつつ、ヴィンテージ感のあるかっこいい空間がステキなMilyさんのお宅です。こちらの窓枠は、Milyさんがリメイク。引き締め効果のある濃いグレーを窓枠に塗ることで、アクセントになっています。まるでおしゃれな雑貨屋さんのようですね。Milyさんは、アウトドアで使えるかっこいいアイテムもDIYしてしまうのです!こちらの棚は、〔ダイソー〕のコンテナを利用することでアウトドアにもぴったりなテイストに。棚は折りたためるので、持ち運びにも便利なんですよ♪かっこいいDIYアイデアもたくさん!こちらは、キャベツボックスを利用してDIYした見せる収納棚。男前インテリアのような雰囲気がステキですね。今回は、そんなMilyさんのDIYアイデアをいくつかご紹介しますよ♪カラーボックスにひと手間加えた収納アイデア♪〔ニトリ〕のカラーボックスにひと手間加えた収納棚をDIY。ホワイトを基調としたシンプルな色合いがさまざまなお部屋のテイストとマッチします。収納プラケースのカラーを自分好みで変えられるので、また違った印象を楽しむことも♪おもちゃや散らばりがちな小物を収納するのにおすすめです。▼アイデアの詳細はこちら▼ニトリのカラボにひと手間加えてディスプレイも出来るおもちゃ収納にアレンジ♬〔IKEA〕のボックスが便利!デスク周りの収納〔IKEA〕のボックスを使ったパソコン周りの収納アイデアもご紹介。木材とボックスに《アンティークワックスウォルナット》を塗れば、より落ち着いた雰囲気に仕上がります。ボックスを2段の引き出し式にすることで、見た目もスタイリッシュに。開閉式のパソコンカバーがとてもおしゃれな収納アイデアです♪▼アイデアの詳細はこちら▼IKEAのボックスを使ってパソコン周りをスッキリ収納(*^^*)〔セリア〕のセメントでおしゃれなお庭に♪コンクリート風の壁〔セリア〕のセメントを塗料に混ぜることで、木材がコンクリート風の質感に早変わり!仕上げに、薄めた黒の塗料を壁全体に塗って自然な汚れ具合も演出。雑貨を飾って、お庭の一角をスタイリッシュに変身させてみましょう♪▼アイデアの詳細はこちら▼狭い庭にもOK♬セリアのセメントでコンクリート風の壁を作りました♬おしゃれにレイアウトを楽しめる♪A型看板こちらは、お庭やベランダに飾れるA型看板。文字はステンシルを利用してもOKですよ!グリーンやランプなど、好みのアイテムをプラスしましょう。片面は違うテイストで作っても楽しめそうですね。▼アイデアの詳細はこちら▼ガーデニングの季節到来♬1つあるだけでオシャレに飾れるA型看板の作り方(*^^*)キャンプでも大活躍!分解式洗濯物干しキャンプにもぴったりな洗濯物干しが、ドライバーひとつでできるアイデアも!ホームセンターに売っている防獣杭と金具を組み合わせて完成♪アイアンっぽい見た目がおしゃれです。Milyさんならではの、アウトドアにも合うクールで落ち着きのある雰囲気がステキですね。記事を見ながら作ってみてはいかがでしょうか。▼アイデアの詳細はこちら▼【工具なし】アウトドアでの悩みを◯◯で解決★簡単洗濯物干しをDIY♬落ち着きのあるかっこいい空間をDIYしよう♪洗練されたカントリーテイストを基調としながら、アウトドアにも合うワイルドさが魅力のMilyさんのアイデアをご紹介しました。Milyさんのページにはこの他にも、ステキなDIYアイデアがたくさんあります。ぜひ参考にしてみてくださいね♪Milyさんのページはこちら♪
2019年07月25日ながれが感じられるようにスペイン料理のシェフを務める夫と、デザイナーの妻。昨年秋、のどかな東京郊外に建坪14坪ほどの角地を見つけ、松島さん夫妻は新居を建てた。「土地を見つけてから設計事務所を探し、その中でいちばん私が求めているものに近いミハデザインに依頼することにしたんです」。設計の仕事に携わってきた妻が、家づくりを主導した。「ほとんど私の希望で進めました。夫が口出しをしたのはキッチンだけなんですよ(笑)」。妻の理想は“仕切りが少なく、全部がつながっているような家”。1歳の長女が1階のリビングで遊んでいても、2階のワークスペースからその様子を感じ取ることができる。そんな見通しのいい家が希望だった。南側のテラスに面した大きな開口から光が差し込むリビング。2階の床の高さに差がつけられている。厨房のようなキッチンがリビングと一体に。正面上はワークスペースから子ども部屋に上がる階段。抜けが連続していく「松島さんが思い描く家は、生活をベースにしたフラットでナチュラルなものでした。大まかなことを伝えられた以外、細かい指示はなくスムーズでしたね」というのは、ミハデザインの光本さん。“全体がつながった家”を実現するために、光本さんが考えたのは、床のレベルを違えながら、2階の天井までつなげていくこと。吹き抜けになったリビングの上に生活スペースが積み上げられていくような構成だ。「まず1階のリビングから2階のワークスペースに空間が抜け、さらに2階の子ども部屋も少しレベルを上げることで、抜けが全体をぐるっとつなげていきます」。敷地に面した通りとの距離も、どうカバーするかを思考した。「車や人が通ったときの家との距離感が気になっていました。そこでプランターのあるテラスを1階の南側に設け、テラスに面して大きな開口を設置しました」。北側の2階にも開口が設けられ、光が南から北に、家の中を通り抜ける。「この光の通り道があることで、空間が外までつながっていきます。外まで含めた大きな空間の中に、レベルの違う床が載っかっているイメージです」。25坪ほどのコンパクトな一軒家ながら、つながりと外部との一体感が、開放感を感じさせる。2階ワークスペースからリビングを見る。ここから家族の様子を見守ることができる。2階のワークスペース。中央の机と本棚を挟み、左右対照に設計されている。リビングから上を見上げる。仕上げ材を使わないことで自然な風合いを感じさせながら、コストもカット。木の温もりを味わうミハデザインともうひとつ考え方を共有していたのは、空間を包む素材感。「均質でまっさらな感じには違和感があったんです。子どもが絵を描いたり、だんだん汚れていったりしても気にならない。そういう家にしておきたかったので、仕上げ材はあえて用いず、木を現しました」(松島さん)。無垢のオークの床に壁はラワン、天井も建材をむき出しに。「あとはリビングさえ広ければ、個室は小さくてもいいとお伝えしました」。2階のワークスペースとベッドルームのあるフロアから、階段を数段あがってアクセスする子ども部屋は、中央で区切ればもうひと部屋設けることもできる。その際には、現在ある階段と反対側にもうひとつ、左右対称に階段を設けて、入り口をつくることも計算されている。ここで図面をひいたり、パースを描いたりする間も、1階や2階子ども部屋の気配を感じることができる。ベッドルームもシンプルに。昔から持っている和家具を活用。玄関とリビングの間に階段を設置。空間を塞ぐことなく緩やかに分けている。階段下を利用して土間の収納に。キッチンにも通り抜けられて動線がいい。リビングの壁は、家族の思い出の写真を飾るコーナーに。これからどんどん増えて行く予定。いずれはテイクアウトのお店も「私のリクエストはキッチン台の高さとシンクの大きさ、コンロの火力などの設備です。調理のしやすさを優先しました」。夫のオーダーで造ったステンレスのキッチン台の下は、収納を設けずオープンに。こうすることで厨房のように調理器具などが取り出しやすくなる。毎週末、ここで食事の準備をするのは、夫の担当なのだそう。「いずれはテイクアウトの弁当屋などもできたらいいなと思っているんです。そのために、小窓を設けてもらいました」。キッチンの一角は将来のプランにも対応が可能。今は、1歳の長女が自然の風合いに包まれたリビングで自由に遊ぶ。光が通り抜ける開放的な一軒家は、これから変化を続けていく。使い勝手を考えたキッチン。子どものために、これまで観ることがなかったテレビを、キッチン台の下に置いた。スコーンなども、よく夫が焼いて家族で味わうそう。いずれお店にしたいと考えているコーナー。リビングで寛ぐ松島さん家族。外とつながるような開放感が心地よい。昔、古道具屋さんで買ったライト。設備鋼管や既成の金物をうまく組み合わせて設置してもらった。グレーに青を混ぜた色味の外壁は、粗めのタッチでムラを出した左官仕上げ。松島邸設計ミハデザイン所在地東京都小金井市構造木造規模地上2階延床面積78.35㎡
2019年07月15日祖母の家を仕事の拠点に海も山も近く、別荘地としても名高い神奈川県三浦郡葉山町。高台の一角に、大きく育った庭の木々に隠れるように平屋建ての日本家屋が建っている。古いガラスの建具を開けて出迎えてくれたのは、書籍や雑誌などのデザインを手がけるトリゴニアデザイン事務所の高橋快さん。葉山で生まれ育ち、3年ほど前から葉山を仕事の拠点にしている。高橋さんが事務所として使っているのは、父方の祖母が生まれてから亡くなるまでずっと暮らしてきた築90年の家。「実家が同じ敷地内にあるので、小さい頃から四六時中祖母の家で過ごしていました。おばあちゃん子だったんです」と笑う。3年前、長年勤めていた会社から独立した高橋さん。事務所を構えるにあたり、愛着ある祖母の家の、亡くなった祖父が書斎にしていた部屋をリノベーションして使おうと思い立った。「ノートパソコンがあれば仕事はどこでもできるので。ここを拠点にすれば、おばあちゃんにも会いに来られるし、とにかく静かでいいなと思って」と振り返る。祖母やご両親に相談すると、喜んで了承してくれたそうだ。大きく育った庭の木々が、築90年の平屋を囲む。屋根の形に沿った勾配天井が印象的。開口部は全てアルミサッシから木製の古建具に入れ替えた。写真正面が最初に購入した“隅丸”の古建具。祖父が使っていた重厚な机はそのままに。机上には高橋さんが骨董店で買い求めたお気に入りのモノが並ぶ。書斎だった四畳半を事務所にリノベーションが始まる前、病床についた祖母は、高橋さんら家族に生まれ育った家の歴史を話して聞かせてくれたという。「この家は90年前に、広島生まれの祖祖母が広島から馴染みの職人さんを呼んで池子(逗子市)に建てたそうです。その後、池子の土地が米軍に接収されて、祖祖母の兄が住んでいた葉山に引っ越すことになって。気に入った家だったので、また広島から職人さんを呼んで解体して、この場所に移築したんだそうです」。解体・移築を経て長い歴史を刻んできたこの家には、高橋さんだけでなく家族みんながそれぞれ思い出と愛着を持っているという。そのためリノベーションにあたって「手を入れる部屋だけが別物のようにならず、古い部分と違和感なく馴染むようにしたい」というのが高橋さんの想いだった。骨董やアンティークが好きなこともあり、まず古材や古建具扱う葉山のお店「桜花園」を訪れた高橋さん。そこで、ガラス入りの古建具に一目惚れしたという。「“隅丸”という角が丸くなっている加工がとても気に入って、まだプランが何も決まっていないのに買ってしまいました」と話す。以前のリフォームでアルミサッシに替えられていた開口部に、この古建具を付けたいと考えたが、すぐにつまずいてしまったという。「数軒の住宅メーカーに問い合わせてみたら、できないと断られてしまったんです。アルミサッシから古い木製建具に変えるには、大工さんの技術がいるということを知りました」。写真正面は押入れだった空間。写真右手に外から直接出入りできる扉を新たに設けた。廊下との境界にも、“隅丸”の古建具を。ガラス越しに廊下の奥まで見通せる。暗くジメジメした部屋が生まれ変わるそこで高橋さんは、古家修繕を手掛ける知人の北川さんに相談。リノベーションのプランを提案してもらうとともに、湯河原の伝統構法を得意とする工務店「杢巧舎」を紹介してもらった。「杢巧舎の職人さんが暑い中すごく丁寧に仕事をしてくださって、ありがたかったです」と高橋さん。北川さんの提案で、壁には漆喰を塗り、天井材は剥がして梁をあらわしに。勾配天井によって、江戸間の四畳半という実際の面積以上に広く感じられる空間となった。また、押入れだった場所に本棚やカウンターを造作し、読書などを楽しめるスペースに変更。座った時の目線の高さに新たな開口部をつくり、風通しや視線の抜けにも配慮した。そうして出来上がったのは、家族が口を揃えて「暗くてジメジメした部屋だった」と話すかつての印象から一変した、明るく居心地のいい空間だ。また、印象が大きく変わったにもかかわらず、高橋さんが願った通り、手を入れていない部分と違和感なく調和していることも大きなポイントだろう。「大工さんが作業を急いでくれて、おばあちゃんが亡くなる前に仕上がりを見てもらうことができたんです。おばあちゃんが『まさかこんなになるとは思わなかった』と喜んでくれたことが嬉しかったです」(高橋さん)。ご両親も空間の変わりように驚きつつ、とても喜んでくれたそうだ。廊下側から事務所スペースを見る。床の色も手を加えていない廊下と調和している。事務所横のトイレもリノベーション。「行きつけの蕎麦屋さんのトイレを参考にしました」と高橋さん。手洗いカウンターは古材の一枚板。廊下にある手洗い場は既存のまま。水栓金具や金属製の流し台がレトロな雰囲気。庭に面した壁に不思議な扉が…?扉の正体は、雨戸を出し入れしやすいように大工さんが造作した開口部。新設した出入り口には、湯河原の旅館で部屋の扉として使われていた古建具を。部屋番号が残っているのがかわいらしい。都内と葉山を行き来する平日は主に都内のマンションで過ごし、週末に葉山の事務所に来ることが多いという高橋さん。「とにかく静かで鳥の声しかしないから、こっちに来ると集中できますね。2つ拠点があることが、プラスに働いています。緩急がついてリラックスしながら仕事ができるようになりました」と生活の変化を実感している様子だ。祖母が大切に住んできた家をこれからにつなげるためのリノベーション。90年もの長い間、家族の思い出が刻まれてきた家は、事務所というもう一つの役割を得て、新しい時を刻んでいく。客間は既存のまま。照明を取り替えた以外は手を入れていない。客間にはモダンなソファが鎮座。連結する洋館に置いてあったものだが、不思議なほど和室の雰囲気に合っている。縁側越しに庭を見る。「祖父と祖母が好きな植物を次々植えていったので、整っていない森みたいな庭です」。床の間には、高橋さんのお母さまがしつらえた紫陽花が飾られていた。この客間で祖父と祖母が結婚式をした当時の写真が残っている。客間の隣の洋間。こちらも既存のままで、床は絨毯敷き。
2019年07月08日ナチュラルテイストで、温かい雰囲気が魅力的なインテリアをDIYしている花宮令さん。収納棚など実用的なアイテムばかりなのに、どのDIYアイデアも100均の材料で作るので、参考にしやすいですよ♪今回はそんな花宮令さんのアイデアをご紹介します。花宮令さんの穏やかな空気が漂うナチュラルテイストの世界観天然木の家具とグリーンが並び、ナチュラルインテリアでコーディネートされている花宮令さんのお宅。時間がゆっくり流れるような雰囲気に、心が安らぎそうなステキなお部屋です。ケースや紙袋などの雑貨も、同じ色味にそろえて並べているので、統一感も感じられますね。花宮令さんの作るインテリアの多くは“見せる収納”。こちらの棚のように、透明な窓のある棚やオープンシェルフで、中のカゴや本をお店のショーウィンドウのように飾っています♪さらに、そのDIY家具のほとんどは、100均のアイテムだけを使って作っています。こんなにおしゃれなインテリアが100均アイテムで作れるとは……!作り方が気になるところですよね♪そんな花宮令さんのDIYアイデアから、今回一部をピックアップしてご紹介します!ガラス風フレームでアレンジ自在♪3段シェルフ天然木素材の材料を用いて、カゴともよくマッチしているこちらのシェルフ。上部のガラス風の飾り板は、木製トレリスの真ん中を取り除いて、クラフトプラバンをはめ込んで作っています。ステッカーなどで、お好みのデザインに変えられるので、アレンジの想像が膨らみますね。▼詳しい作り方はこちら▼【連載】100均アイテムだけでさっと取り出せる3段シェルフ!くっつけるだけで簡単♪調味料スタンドこちらの調味料スタンドは、なんと〔セリア〕の木製ウォールラックを3つ接着剤で固定しただけ!かなりシンプルで簡単なので、DIYがはじめての方にもおすすめです。お気に入りの調味料を並べて、キッチンに飾ってみてください。▼詳しい作り方はこちら▼【連載】誰でも簡単!100均ウォールラックでプチ収納3選!!お店のように飾れる棚♪3段ショーケースこちらのお店に置いてありそうなステキなショーケースも、100均の材料だけで作っています。透明のクラフトプラバン越しにお菓子やかわいいポットを置いて飾れば、まるで喫茶店のよう。お好みで段数を減らしたり増やしたりして作ってもいいですね!▼詳しい作り方はこちら▼100均アイテムだけで完成!壁面収納にも使える3段ショーケース!キャスター付きで移動が便利♪収納ロングテーブル100均で売っているインテリアメッシュフレームをグルーガンで繋げていけば収納ラックに。横長に置いて、板材を接着すればロングテーブルになる、ステキなこちらのアイデア。涼しげなメッシュの網と白木のデザインが、ナチュラルで大人っぽいお部屋のイメージを作ってくれますよ。▼詳しい作り方はこちら▼【連載】100均アイテムで完成!ロングテーブルにもなる収納ラック!スリッパ収納にもぴったり♪マガジンラックこちらのマガジンラックは、ワイヤーラティスワイドをVの字に折り曲げて、インテリアメッシュフレームに結束バンドで固定するだけの簡単DIY。フェイクグリーンを絡めたり、デザインプレートで飾ったりしてみましょう。男前インテリアにも合いそうです。▼詳しい作り方はこちら▼誰でも簡単!100均アイテムだけでできるマガジンラック!手作りのインテリアに囲まれたお部屋で暮らそう♪みなさんもDIYでおしゃれなインテリアを作って、ステキな自分だけの空間を作ってみませんか?花宮令さんのアイデアは、100均DIYをしたい方や、やさしいナチュラルテイストのお部屋作りをしたいといいう方におすすめです。今回ご紹介しきれなかった他のアイデアも、ぜひ花宮令さんのマイページからチェックしてみてくださいね。花宮令さんのマイページはこちら♪
2019年06月27日2019年5月18日/19日に東京ビッグサイトで開催されたデザインフェスタvol.49。プロ・アマチュアを問わず、オリジナル作品であれば無審査で参加ができるため、毎開催ごとに年齢・国籍・ジャンル・スタイルなど形式・様式の異なる国内外の様々なアーティストが集まる人気イベントです。デザインフェスタvol.49、開催!デザインフェスタは表現する全ての人にエールを送る、まさに”アーティストの祭典”。ものづくりを愛する人はもちろん、アートが好きな人、お祭りの雰囲気が好きな人と、来場者も出店アーティストから刺激を受けにやってくる人が多く、人と人とがリアルにつながる場所にもなっています。多くの来場者で賑わう会場第49回目となる今開催は、東京ビッグサイトの西ホール全館で行われました。イラスト、ファッション、工芸など幅広いジャンルの出店ブースに加え、巨大壁面のライブペイント、パフォーマンスステージ、フードエリアと、会場には所狭しと様々なブースが並んでいます。また、今回は会場に「暗いエリア」が登場。暗さを活かしたアイディアブースで、独特の雰囲気が出ているよう。ここだけの 一点モノ!心惹かれるアイテムたちマルチブースエリアで出店していた陶芸家・のぐちみかさん。淡い色使いと繊細なデザインに惹かれて、思わずのぐちさんのブースに引き寄せられたお客さんで賑わっていました。空を漂うかのような、もしくは海の中にいるような、そんな不思議なグラデーションのティーカップや小皿が飾られています。見ているだけでも楽しくてワクワク目を引くライトも陶芸作品。物語の中に出てきそうなデザイン。陶芸工房みかガマ作家:のぐちみか さんウィルキンソンの瓶をおしゃれリメイクバーやイベント会場でお馴染みの、ウィルキンソン・ジンジャーエールの空き瓶をリメイクした一輪挿し。瓶の飲み口をそのままデザインに活かした箸置きは、植物を飾ってインテリアにも。使い方は「あなた次第!」なアイディア作品です。お部屋に一つあるだけで、おしゃれ度がUPしそう!友達に、ちょっと変わったプレゼントを。味のある空き瓶リメイク・ペンライトパイレックスガラスアクセサリー・ボトルアート・ビーズパーツ制作販売Re-glass(リグラス)おにぎり、桜餅、たい焼きも!モチーフアイテム筆者も大好きな食べ物モチーフのアイテム。なかでも、桜餅をモチーフにしたアイテムはレア度高め!おにぎりにドイツパンと、ご飯派もパン派も納得の品揃え。こうした通常のショップでは滅多に出会えない、変わったアイテムに出会えるのもデザインフェスタの醍醐味!聞くと、福祉施設内の工房で、お米や小麦の袋をリメイクして作った作品なのだとか。デザインがどれも可愛くて和みます。たい焼きも捨てがたい…。絶対に誰ともかぶらない、人と差がつくペンキバックカバンの中にあると、ちょっとうれしいアイテムたちWASTE+DESIGN=UP CYCLE!STUDIOPEPE自分で好きなお弁当柄をつくれる!同じ食べ物モチーフですが、こちらは自分でTシャツとトートバッグのデザインができるブース。好きなおかずを選んで組み合わせると、オリジナルのお弁当がプリントされたアイテムが出来上がり。お弁当箱の中に何を詰めるのかは自由!バランス重視のお弁当も、一度は食べてみたい高カロリーお弁当も、好きな子に作ってほしい理想のお弁当も、何でもOK!卵焼きは外せない!オムライスも海老フライも、欲張って入れちゃう。今日のおかずは何にしよう・・・鮭弁当も捨てがたいMakers’ Base好きこそ物の上手なれ!愛が溢れて止まらないふわふわで可愛い、フェルトで出来たオカメインコ。リアルで思わずじっと見てしまいました。ところでこのインコ、実は頭の上に巣を作っている帽子型。あまりに好きで作っちゃったそうです。カラフルなボタンでコーディネートのアクセント!こちらも同じくフェルト作品。ボタンが好きすぎて作っちゃったんだそう。限られたブースの中にはボタン、ボタン、ボタン・・・ボタンだらけ!ブースに来たお客さんにボタンのシールを貼ってもらって、開催期間中にボタンの木を育てているとっても可愛い作家さんでした。ちなみに、実のお母様も人形作家で、この日はお母様が作った人形に、ボタンのアクセサリーをつけてコラボレーション。オカメインコの作家さんとは「フェルト作品繋がり」ということでお友達になっていました。作家同士も友達の輪を広げたり、他のブースを見に行ったり、思い思いに楽しむスタイル。羊毛ボタン作家・momoko-moco F-205人形作家・百古堂MOMOKODOUこんな帽子屋さんがあったらいいのに!?通りかかったら、絶対に見入ってしまうハットが所狭しと並んだ帽子作家さんのブース。とにくかくおしゃれ!まるで物語の主人公になったかのようなデザインばかりに、ときめいてしまうでしょう。かぶってみたいけど、ちょっと勇気がいるような・・・そんな方は、お部屋のインテリアにはいかが?(作家さんとしてはきっとかぶってほしいと思いますが)一つひとつ、細かいところまでこだわっているのが伝わってきて、ずっと見ていられます。ミュージカルの登場人物がかぶっていそう!こだわりのデザインを、見落とさないように注意してロマンチックな宇宙モチーフ。星空に願いを込めて夕暮れの時間が過ぎて、まだ夜の早い時間。ゆっくり月が見えだした宵の空。なんだかプラネタリウムの星空を彷彿とさせるような、やわらかでドキドキするグラデーション・プリント。白いシャツにも黒いバッグにも、シンプルなアイテムに映えるデザインです。ロマンチックさと大人っぽさがあいまって、ちょっとリッチな印象も受けます。作家のマツウラさんもちょっぴりミステリアスな雰囲気で、魅かれる要素がたくさんありました。洗いざらしのシャツにも、シンプルなドレスにも小さな宇宙はリングになってfullmoon#宙をつれてお散歩作家:マツウラ アユミ さん大人可愛いオリジナルの作品が並びますパレットみたいなコーヒーカップ。二つと同じ柄はできない一点モノです。絵具の散り方によって表情が変わるから、お気に入りの柄は早めにゲットしておきましょう。次回、こちらの作家さんは八ヶ岳のマーケットにも出店予定だそう。自然の豊かなクラフトマーケットの雰囲気にも合いそうですね。作風いろいろ。動物モチーフのカップもドレッシーもカジュアルも演出してくれるフラワーモチーフかしこまった場所にも、カジュアルな集まりにも、身につけるスタイルを選ばない万能さがあるフラワーモチーフ。今回のデザインフェスタでも人気のあるモチーフだったように感じました。注目したのはドレッシーな風合いのアクセサリー。ブローチやピアスなど、さりげないおしゃれが楽しめそうな雰囲気です。白いバラと赤いバラは作家・「花の郵便局」の作品。コーティングの艶感が昔懐かしくもアンティークな印象。恒例、ライブペインティング!今回も熱のあるパフォーマンスデザインフェスタ名物・ライブペインティング!油絵や墨など思い思いの画材を使った迫力あるドローイングを会場のあちらこちらで見ることができます。カンバスの大きさは異なりますが、壁一面がカンバスの出展者さんは、大型脚立に乗って描いていきます。2日間の会期中に描きあげるので、その集中力は見事なもの。描かれる絵の中の世界観も然ることながら、描いている作家さんの佇まいや姿がとても印象的。描き始めは何が出来上がるのかわからないまま、会期が進むにつれて明らかになる全体像。会期中、1日だけでも十分楽しめますが、2日間通して来場すると、作品が出来上がっていく過程が見られるという面白さも。描いた絵の前でパフォーマンスも。つくる、描く、奏でる・・・表現の方法が一つではないことを改めて思い出させてくれます。楽しそうで、だけど一生懸命な姿に胸が熱くなることも。ステージでは様々なパフォーマンスが披露されます。分かりやすいものから前衛的なものまで、ジャンルはバラバラ。どの時間のどのステージを観ても違う面白さで楽しめます。自分の中にはない発想の表現が次々と現れるので、これまでになかった新しい価値観に、このステージを観て気付いたり。出店ブースにはマイムも登場誰もが知っている有名アニメや映画の名場面を、3分~5分ほどの短いマイムで演じる「テンナイン」のシネマイム。身体一つで表現する面白さに釘付けになります。映画を知っているほど面白いですよ。おみくじは今回もありました昨年の取材でも出会った、オリジナルみくじ。今回は白鬼神社のニャーみくじに遭遇。鬼が出てくるのかと思いきや、中身は「ニャー」で癒されました。恋愛は「たくさん甘えて吉」。甘える相手がほしい今日この頃。イラストレーターながせ たいり さん/まつした みさと さん暗いエリアにも潜入!暗いエリアにも足を踏み入れてみました。やはり、暗さを活かした作品が並んでいます。ハーバリウムにライトをあてると、幻想的に見るのですね。水族館の中のような気もしますし、水中花を見てるような気分にもなります。ほの暗い中で見る紙芝居のパフォーマンス薄暗い会場エリアの中で、各ブースの作品が灯りを燈している光景は、まるで縁日のような空気感。この場所に行く前は、ちょっとおどろおどろしいエリアなのかと思っていたのですが、不思議な雰囲気が伴って、知らない街に迷い込んだかのような錯覚を覚えます。紙でつくる灯りはオレンジ色のあたたかみがじんわりと体に伝わるようで、とてもまろやかな空間になります。間接照明にぴったりの、ほど良い温度感のあるライトです。おうちの形の小さなライト。並べて点けたいインテリアに。フードエリアは開放感のある屋外フードエリアは一部会場内にもありますが、屋外がメインでした。この日は晴れて風が心地良く、夕暮れ時の落ち着いた雰囲気でいい感じに。空の下で食べる食事は最高です。厳選されたキッチンカーが並んでどれもおいしそうですが、やっぱりカレーに目が止まりました。レトルトから出発した「アルゴンカレー」「アルゴンカレー」は、基本的にレトルト商品のみで販売しているカレー屋さんとのこと。キッチンカーでイベントの時などに出店はしているそうですが、店舗はないため、こうしてイベントで食べられるのは珍しい機会!ココナッツベースのまろやかでコクのあるカレーは、サラっとしていますがチキンの旨みがたっぷり。何よりも秀逸なのが、辛さ。ちゃんと辛いのにしっかり甘みもあって、辛みと甘さのバランスが抜群に良いカレー!辛さと言っても、水が欲しくなるような痺れる辛さはないので、辛いのが苦手な人もおいしく食べられます。アウトドアに最高なアルゴンカレー!ホテルの味がデザインフェスタで!フェス飯のキッチンカーが軒を連ねる中、ホテルコンチネンタル府中のシェフが作る本格的な軽食も。のり巻きドック、味噌ガスパチョなど、一味違うB級メニューが楽しめました。「シェフが朝から頑張って作りました!」とお話いただいたホテルの皆さんは、フェス終了時間の間際まで売り切りを目指して声を出していました。長丁場のイベントでも、笑顔が絶えないのはさすが!卵で包んだオムライスベース、ピリ辛の韓国風、どちらも一本で大満足の食べ応え!味噌ガスパチョも、トマトと味噌が想像以上に相性良く、マイルドな口当たり。次回、デザインフェスタは真夏の開催!クリエイティブの熱気溢れるデザインフェスタは、次回8月の開催が決定しています。東京ビックサイト青海展示棟に会場を移した、刺激に満ちた2日間。ぜひ遊びにでかけてみてください!真夏のデザインフェスタ2019開催情報開催日:2019年8月3日(土)・4日(日)開催時間:11:00~19:00 (両日ともに)会場:東京ビックサイト青海展示棟(東京都江東区青海1丁目2-33)最寄駅:りんかい線「東京テレポート駅」徒歩2分出展ブース数:約2,000ブース《チケット情報》一日券:前売り¥800 / 当日¥1,000両日券:前売り¥1,500 / 当日¥1,800※小学生以下無料
2019年06月13日運河沿いの物件を求めて東京の下町、門前仲町の運河沿いにひっそりと建つ5階建ての小さなビル。このビルを自宅兼事務所として住んでいるのが、アトリエハコ建築設計事務所を営む七島幸之さんと佐野友美さんご夫婦。二人で事務所を構えておよそ15年目。世田谷から門前仲町に自宅と事務所を移して2軒目の住処だ。「このあたりを散歩していて貸しに出ているのを見つけたんです。良かったのは、賃貸だけど改装してもいいという物件だったことです。ここはそもそも舟屋さんだったみたいです。その後いくつかの会社が入ったりしていたみたいですが。それまで住んでいたマンションが事務所を兼用するには使いにくかったこともあり、これはおもしろそうだね、と借りることにしました」。1階の入り口と、七島さんの仕事場。右側の天井高は2mほどと低い。左側は吹き抜け。吹き抜けからの見下ろし。2人分の仕事スペース建物は、1フロア20㎡に満たない広さの空間が5層になっている。入り口を入ると吹き抜けのある七島さんの仕事机と吹き抜けに目いっぱいの高さで備え付けられた本棚に圧倒される。「狭いけれど、この吹き抜けの高さがあるのが気に入って借りました。本棚は大工さんにつくってもらって。天井が全体的に少し低いのですが、吹き抜けもあるし窓も多くて光が入ってくるので圧迫感は少ないです」と佐野さん。2階は佐野さんの仕事場。ちょうど目線の高さに桜の木の葉と運河がみえる。「ここにいると気持ちよくて仕事がはかどらないんです」と笑う佐野さん。吹き抜けの開口で階下の七島さんの仕事場とゆるやかにつながる。「このぐらいの距離感がお互いにちょうどいいんです」。入り口から奥を見る。左側の天井高が低いため、高低差をさほど感じない。階段周りは白く塗装して明るく。フロアごとに使い方を決めて3階から上はプライベートのフロアになる。こちらも桜の木と運河が目の前に臨めるリビングダイニングスペース。舟底天井の和室だったこのスペースは天井をはがした。というのも、キッチンを窓側から奥に移動するのに配水管を通し一部床上げしたため。一段床が下がっているキッチンカウンター奥の作業スペースに立つと、自然とカウンター向かいに居る人や景色とちょうどよい高さ関係になる。「水が近くにあるので少し涼しいんですよね。桜もここだけ咲くのが遅いんです」。ベランダには景色を楽しめるようテーブルを置いている。「ここでごはんを食べたり、友人を呼んでお花見をするときに使ったりしています。お花見の時期、窓も開けて楽しんでいると、通りかかった人が飲食店と間違えて来ることもあるんです」。4階は寝室と浴室。大工に合板で洗面台をつくってもらい、自分たちでタイルを張った。障子は元々あったものを残して、やわらかく光を取り入れている。5階は納戸として使っているが、見晴らしのいいテラスで思い切り洗濯物を干せる。元は和室だった3階のリビング。ベランダにはテーブルを。キッチンカウンターのガスレンジは作業スペースをとるために設置方向を工夫した。もともと台所があった場所の壁のタイルはそのままに。4階寝室のトイレは古い建具をそのまま利用。布団の下を収納に。左はOSB合板で仕切ったウォークインクロゼット。障子を開ければ見晴らしのいい景色が広がる。自分たちでタイルを張った洗面台。4階で洗濯し、5階のテラスで干す。この建物に新たに設置した風呂場。コンパクトだが、浴槽は普通サイズを縦方向に入れているので、湯船にはゆったり浸かれる。数字にこだわらず、工夫する仕事でも狭小住宅を手がけることが多いという二人。「東京で家づくりを考えると、その後の暮らしが不安になるぐらい高い土地を買わなければいけないですよね。でも、何LDKだとか、何平米だとかっていう数字にこだわらなければ、いくらでもやりようはあると考えています。この家はその実験台。自分たちで日々の生活を工夫しながら実践しているんです。打ち合わせで施主の方がここに来られると、みなさん安心した表情で帰っていかれますね」。階段の上り下りの不便さや、断熱ができずに少し寒かったりするこの家と、バランスを取り合う二人。家の中を探検するような、発見する楽しみのある暮らしぶりが伺えた。運河と桜の木を見下ろせる、気持ちのいいテラス。外観。木々の緑がカーテン代わり。
2019年06月10日ここ数年、趣味のひとつになりつつある登山。初めは那須の茶臼岳(ちゃうすだけ)から始まり、その後南アルプスの甲斐駒ケ岳、摩利支天など年1〜2回のペースで登山をしてきました。 行くのは大抵春か秋ですが、先週は奥多摩の三頭山に行き、新緑の美しさを感じてきました。 木々の隙間から差し込む太陽の光が新緑を照らしている情景は本当にドラマチックで一瞬足腰の辛さを忘れ、無になった瞬間でした。 いつも感じるのは、自然が創り出すものには到底敵わないなあということです。 朽ちた木や岩に生えるコケの美しい緑や、湿ってキラキラした様。落ち葉が何層にも重なって独特なグラデーションを創り出す地面。岩に付いている不思議な模様の面白さ。 ここから創作のアイデアをもらっていると言うよりは、きっとこの美しさはしっかり自分に浸透していて何かに必ず良い影響をもたらしているんだろうなと感じます。 都会の街中で暮らしていると、無性に山や海に飛んで行きたくなる衝動にかられます。年々そんな気持ちが強くなっています。 そもそもこの美しいものたちを見るためには何度もリタイアしたくなるキッツい登山を成し遂げなければなのですが。 でもそうしないと見られないものって、何だか色気があって行く度に虜になってしまいます。 標高が高いところまでくると、この雲の下で暮らしているんだなあ、なんて特別な気持ちになります。 考え方の視野が広くなる感じもあって、良いリフレッシュになるのでこれからも続けていきたいことのひとつです。
2019年05月09日ついこの間、打ち合わせをするとき、アイデアを紙に書くとき、ワクワクさせてくれるペンに出会った。 「Retro 1951」という、アメリカのペンのブランドのもの。お店で見つけるまで知らず、完全な一目惚れ。ジョージ・カーソティスという方が1990年に創ったブランドらしい。 まず、トランプモチーフが好きなわたしにとっては、この見た目だけでズキュン。 そしてお姉さんが箱をご用意しますねと持ってきてくれた箱が、これまたかわいい筒のデザイン! 他にもジョーカー、エース、クイーン、ジャックもあって、これはコンプリートするしかない。 最近はシーリングワックスにもハマっていて、手紙を書いたらペタリ。 最初は失敗ばかりだったけれど、ようやく綺麗にできるように。 この流れでお気に入りの文房具を紹介してしまおう。 あまり公に言ったことはないけれど、わたしはパンダがとてもすきで、これは友人からのプレゼント。 見る角度を変えると、立体的に浮き出て見えるノート。この何ともいえないキッチュな感じがたまらなく、もったいなくて使えない。昔、大中という雑貨屋さんがあり、通ってはパンダグッズを集めてたっけ。。(懐) そして最後はコラージュの時も使用する、必殺サークルカッター。 上の突起を押さえ、ぐるぐると回すと円に切れる優れもの。綺麗に切れると快感で、無になってひたすら円を切りたくなる。 作品作りにもいろいろな文房具を使ううえ、昔から文房具はつい買ってしまう性。すきなデザインのものを使うと、それだけでモチベーションに繋がるから大事だなと思う。 古書をめくると四つ葉のクローバーが出てきたので、また文房具屋さんで、いい出会いがありそうな予感。 WEB
2019年04月25日大工とインテリアコーディネーター夫妻の家づくり桜が満開となった4月初旬のある日、坂牧さん夫妻が住む町田市の家を訪ねた。坂牧邸が建つのは、緑豊かな市民公園のすぐ隣。目の前が桜並木になっており、窓からはまるで絵画のように美しく切り取られた桜を楽しめる。将平さん・麻世佳さん夫妻は、「毎年特等席でお花見を楽しめるところに惹かれ、この土地を選びました。昨年冬に竣工して初めての春を迎えたのですが、想像以上の眺めですね」と、声を揃える。将平さんのお仕事は大工。お父さま・お兄さまと共に、坂牧工務店で家づくりを行っている。麻世佳さんはインテリアコーディネーターで、建築事務所で働いていた経歴を持ち、現在は坂牧工務店で空間デザインなどを担当している。そろって家づくりのプロである2人。「結婚してからずっと、自分たちらしい家を自らの手で建てたいと考えていました」と話す。そんなお2人が設計を依頼したのは、IYs inc.(イノウエヨシムラスタジオ株式会社)の井上亮さんと吉村明さん。以前から、「設計:IYs inc. /施工:坂牧工務店」というタッグを組んで家づくりをしており、遊び心や高いデザイン性を備えたプランに一目置いていたという。玄関を入ると、天井高3.4mの開放的なLDKが広がる。チークの大黒柱は、将平さんが材木屋で目利きして選んだもの。天井にはストライプ柄が特徴的なLVL材を張った。リビングスペースはタイル貼り。土間やインナーテラスのような雰囲気で、外との繋がりを感じられる。壁一面の本棚は将平さんが2日がかりで組み上げ、ご夫婦で夜な夜な塗料を塗って仕上げたそう。開放感とこもり感の共存これまで数多くの家を見てきたからこそ、「普通の家にはしたくない」「自分の家だからこそできることをしたい」という想いがあった坂牧さん夫妻。「ジャングルジムのようにワクワクできる家にしたい」「壁一面の本棚が欲しい」「外との繋がりを感じて過ごしたい」という希望を、IYs inc.のお2人に伝えたという。それを受けた井上さんと吉村さんは、プランをじっくり考案。1階をワンフロアのLDKとし、桜が見える窓のある壁面に、壁一面の本棚を組み合わせることにした。また、フロアや個室をはっきり区切らない繋がりのあるつくりとし、家中どこにいても視線がすっと抜ける心地よさを生み出した。井上さんと吉村さんが最後まで悩んだのは、吹き抜けの有無だった。麻世佳さんは「開放的に吹き抜けをつくりたい」、将平さんは「こもり感が欲しい」と言っていて、希望が相反していたのだ。また、敷地面積的に、吹き抜けをつくると床面積が限られてしまうのも問題だった。「お2人の希望をなんとか叶える案はないものかと考え抜きました。そして最後の最後に閃いたのが、1階は天井を上げて開放的に、2階はその分天井高を抑えてこもり感を、というシンプルな解決法でした」(井上さん)。1階から階段を登った先が、踊り場のような書斎スペース。右上のグレーの部分は将平さんの趣味室で、リビングに向いた小窓がついている。床と階段側面の材はオーク。書斎スペースの先が将平さんの趣味室、右に上がった先が寝室。家全体に視線が抜けるのが心地よい。夫妻の書斎スペース。「とにかく使いやすいように、棚のサイズや高さにはかなりこだわりました」と麻世佳さん。一生懸命になりすぎて家を建て始めたのは昨年の夏。施工は将平さんがほぼ一人で行い、内装はご夫婦で協力して仕上げたという。しかしその作業には、夫婦喧嘩がつきものだった。「うちの奥さんは凝り性で、デザイン性や暮らしやすさをとことん追求するんです。でもその要求は、大工の僕からするとすごーく難しかったり、前例がなかったり……。『こんなにギリギリじゃできないよ!』、『いや、ここは妥協したくない!』って、四六時中やりあってましたね」と話す将平さんに、麻世佳さんも「2人とも一生懸命になりすぎてムキになってしまって……。造りかけの棚を『もういい!』って破壊したこともあったよね」と笑う。特に大変だったのが、造作のキッチンと書斎。ミリ単位で完璧を求める麻世佳さんの理想を叶えようと将平さんが奮闘し、かなりの時間と手間をかけて満足のいくものをつくりあげた。「作業中は終わりが見えなくて『これは悪夢だ』って思っていたけれど(笑)、今思えば奥さんの希望を叶えてあげられて良かったなと思いますね」(将平さん)。将平さんの趣味屋。麻世佳さんがデザインした美術品のような壁面飾り棚に、プラモデルが並ぶ。この部屋からも桜が見える。書斎のカウンター板とアイアンの手すりの見事なおさまり。壁面飾り棚に使っているのは、柱用の木の端材。あえて無垢材と集成材を組み合わせ、多彩な表情に仕上げた。天井高を抑えた2階の寝室。扉はつけず、ひとつながりの空間に組み込んだ。寝室の窓からも桜。階を上がるごとに、さまざまな角度からの桜を楽しめる。オリジナルの造作キッチン。「カウンター下の扉や照明を濃い色にして、空間をほどよく引き締めました」と麻世佳さん。「苦労しただけあって、見事な仕上がりなんですよ」と自画自賛の将平さん。「前のアパートはキッチンが独立していて寂しかったけど、今はとても楽しい場所になりました」と麻世佳さん。真っ白いサブウェイタイルに、キッチンツールがきれいに並ぶ。大好きな住まい麻世佳さんのデザインへのこだわりと、将平さんの大工の腕があわさって完成した坂牧邸。IYs inc.のお2人も、「この空間には、時間を手間を惜しまず、お施主さん自らが愛情を込めてつくりあげたからこその心地よさがありますよね」「空間コーディネートも造作の家具も本当に見事で、お二人の腕の良さが体現されています」と感心しきりだった。坂牧さん夫妻がこの家で暮らし始めて約4カ月。「空間が全て繋がっているから、贅沢でゆったりした気持ちになります」「夫婦で喧嘩しながらも一生懸命つくったから、どこを見ても『やっぱりいいなあ』と思うんですよ」。お2人の話を聞いていると、家への愛着がひしひしと伝わってくる。情熱と経験を注ぎ込み、自分たちらしい家を完成させた坂牧さん夫妻。窓の外の桜も、そんなお2人を祝福しているかのようだった。IYs inc.のお2人が熟考したのは窓の配置。高さやサイズをランダムにして空間にリズムを与え、朝・昼・夕と違う光の入り具合を楽しめるようにした。「本棚の本は徐々に増やし、最終的にはギッシリにしたいです」と麻世佳さん。坂牧邸外観。「斜線制限に沿った斜めの屋根の形を生かすプランを考えました」と吉村さん。左から、IYs inc.の吉村さん・井上さん、坂牧さん夫妻、将平さんのお兄さんで時々施工を手伝っていた佳典さん(坂牧工務店代表)。「目の前の桜や公園が、室内と一体になったような感覚なんです」と坂牧さん夫妻。坂牧邸設計IYs inc.(イノウエヨシムラスタジオ株式会社)施工株式会社坂牧工務店所在地東京都町田市構造木造規模地上2階建延床面積106.81㎡(1階53.82㎡/2階52.99㎡)
2019年04月24日今回はリクエストをいただいた、就職活動のころのお話を。 私は美大の絵画科に通っていたので、クラスの大半の人はアーティストを志望していましたが、私は少数派の就職組でした。 まずはとにかく会社というものに入ってみたくて、お金を稼いでみたかったことが動機でした。「絵を描ける仕事に就きたい」というシンプルな気持ちはありましたが、就職課にある膨大な会社情報を目にし、 それらが絵の技術を活かせる仕事内容ではあっても、果たして自分に出来るのだろうか、合うのだろうか、好きな感じじゃなくても、絵が描ける仕事ってだけで幸せなことなのかな?仕事ってそういうことか…など、自問自答の日々が続いていました。 就職活動の渦に入ると、「こうするべきだ」などいろいろな情報がたくさん入ってきて、気持ちが左右されます。 今思い返すと、なぜ自分本位にしなかったのだろう?と思います。もっと我がままでよかったのに、と。 まずしなければならなかったことは、自分の好きなことを知ること、でした。それが「絵を描くこと」という大くくりなものだったため、曖昧な就職活動は続きました。 その中でもピンときたのが小学生のころから好きだった雑貨ブランドでのデザイナーのお仕事でした。これだ!と思って、何日も徹夜をして試験突破のための作品作りをしました。結果、試験には合格、内定をいただきました。 入社後はがむしゃらに仕事をこなす日々で、絵を描いて、商品になって幸せなんだな、と思ってはいましたがもしかしたら、違うのかもしれない、という気持ちも生まれたりしました。 その後今のイラストレーターと広告系会社のデザイナーとの両立に行き着きました。 私の場合、本当にやりたいことにたどり着くまでに何年もかかってしまったので、とてもスローな人生だなあと思いますが、初めて就職した中で得たことも本当にたくさんありました。自分の気持ちがクリアになっていった期間でもあり、そんな遠回りも悪くないかなと今となっては思います。 ひとつ言えるのは、就活だからといって自分の気持ちに蓋をしないということです。 好きなことが仕事になることが最高なのかは人それぞれだと思いますし、好きなことをするために仕事は仕事と割り切るのも良いと思います。 でもやはり「好き」は力を発揮できる最高の原動力だと思うのです。 好きなものなんてわからない、って思ったら好きなものを集めてみてください。拾ったフライヤーや雑誌の切り抜きでもいいし、気になった言葉や読んだ本の一文なんかを。とにかくスクラップしてファイルやノートにまとめてみてください。たくさん集まったものを眺めたとき、何かふっと見えてくるものがあると思います。 こんなことを偉そうに言ってる自分も、今もずっと模索中です。悩んで、何か成し遂げたときには一瞬ハッピーになって、また考えて…の繰り返しです。 就活をする上でのちょっとしたヒントやスパイスになれれば嬉しいです。がんばっていきましょう。
2019年04月20日賛否両論だと思うけれど、わたしは剥製がすきだ。 丁寧に作られている剥製はまるで生きているかのよう。わたしはアンティーク屋さんでいつも探している。 昔から動物図鑑を眺めるのがすきで、剥製は普段触れない生き物でも触りながら観察できるのがまたいい。 今日はわたしのアトリエに住んでいる剥製たちを。 ポーランドのうさぎちゃん。立ち姿とぽってりした体格、くりくりおめめがチャームポイント。 フランスの小鳥ちゃん。この色合いが鮮やかで美しくてお気に入り。 チェコのオオヤマネさん。ひょうきんな感じの表情と、尻尾がまたかわいい。 昔飼っていた子に似ている、シマリスくん。小学生のときシマリスを3匹飼っていたので、この子を見ると思い出す。 上段、モルモットちゃんとイタチさん。下段からふたりの様子を見ているキツネくん。 ちなみにキツネは「コン太」というなまえ。それぞれの切り取っている仕草がとても◎ 最後はモモイロインコさん。この自然の発色と思えないほどのピンク、とにかく美しい。 みんなが寝静まった夜中には、きっと飛んだり遊んだりしているのだろうな~。 次に仲間入りするのは、どんな子か今から出会いが楽しみだ。 WEB
2019年04月15日外にいるときも、家にいるときも、良い香りを纏っているとそれだけで穏やかな気持ちになります。 今回はそんな、個人的につぼに入った香りのアイテムたちを描いてみました。 最近一番グッと来た香りはビュリーの「リケン・デコス」という香り。森の苔や鉱物、石の香りをイメージしているそうです。 石の香りなんて嗅いだことないけどその様をイメージするだけでなんだかいい雰囲気。 深い森にいるような、癒しをくれる香りです。ボディ・ヘアオイルを、お風呂上がりにマッサージに使ったり、朝のへアセットの時のオイルに使ったりしています。 二つ目は、数年前に新宿伊勢丹のブラジルフェアでみつけたPHEBO(フェボ)のレモンの香りのハンドクリーム。 石けんの優しい香りに柑橘の香りが溶け込んでいて何とも言い難いくせになる香りなんです。 今はハンドクリームはなかなか手に入らないので、この種類の石けんを購入しようかと思っています。いつまでも鼻を付けて吸い込んでいたい香り。 友人からいただいたdiptiqueのキャンドル。 ローズの香りは昔から好きで、いくつか持っていますがその中でもdiptiqueのROSE DELIGHTはローズのハチミツ漬けにレモンと粉末糖を効かせて仕上げた「ロクム(トルコのお菓子)」をイメージしたもので、少し甘さもあり、爽やかな香りがお気に入りです。ピンクとオレンジのグラデーションのパッケージもキュンときます。 大好きなACCA KAPPAの「WHITE MOSS」のヘアオイル。髪への効能、というよりはこの香りを髪に付けたくて購入。 初めてこの香りに出会ったとき、友人と、「この香りが男の人から香ってきたらいいわあ〜」と妄想を膨らませていました。説明を見てみると「ムスクの甘く官能的な調和が、知性漂う洗練された大人の香り」と書いてある。やっぱり、そんな香り笑。 香りから人物像を想像したり、自分から香ってるイメージをしたり、色々想像力が高まるのが香りの面白いところだと思います。 おすすめの香りがあったら是非教えてください。
2019年03月23日久しぶりに3泊4日で、京都を旅行。 いろいろな場所へ足を運びましたが、牛若丸と天狗の伝説の地、鞍馬のことを。 この日は気持ちよく晴れた日で、階段と坂道をひたすら上りながら、鞍馬寺へ。 ぜーはー、息を切らしながらもなんとか到達! 目の前には、どどーん!と鞍馬寺。 本殿の中はとても広く、静かで神聖な空気が流れる。お寺の建築や装飾もとても繊細で美しく、いいインスピレーション。 梅がかわいい姿を見せてくれたり、 血管のような木の根が今にも動き出しそうだったり、 土と苔の色、鮮やかな椿の色が絶妙だったり。 中心地へ戻ると、舞妓さんにも遭遇できて、やっぱり京都で見る景色はいいなあと改めて感じた旅。 そうだ 京都、また行こう。 おおきに。 WEB
2019年03月19日ー 女性ならではの繊細な感性で、様々な美しいプロダクトを生み出す女性クリエイターたち。連載【Creation by Ladies】では、そんな彼女たちの作品...そしてその作品に込められた想いや背景を紹介していきます。 ——————————————— 第6回目は、柔らかく繊細な世界観にぎゅっと心を掴まれる。フェーヴ作家の misaki takeuchi さん。 " フェーヴ "をご存知だろうか。 フェーヴとは、フランスで1月に食べる伝統菓子「ガレット・デ・ロワ」に入れる、陶器製の小さなオブジェのこと。オブジェと言ってもただのオブジェではない、小さな幸運のモチーフなのだ。日本でも近年、じわじわと認知度が高まりつつある。 ガレット・デ・ロワは元々、キリストの誕生を知った東方の三博士がお祝いを持って訪れた日 “エピファニー” の前後に食べるお祝いのお菓子。 フェーヴはフランス語で誕生の意味を持つ、「そら豆」の意。前述の通り、キリストの誕生を意味している。フェーヴが登場する前は、本物の豆を入れていたそうだ。豆といえば冬至のシンボルで、春に成長する最初の野菜。 冬至と言えば1年で一番日が短くなる日だが、別の言い方をすればそれ以降は日照時間がどんどん長くなるということでもあり、光が世界に戻ってくる象徴でもあった。きっといにしえの時代のフランス人たちは、長く厳しい冬を乗り越えてもうすぐ訪れる春への期待を、ちいさなフェーヴに託したことだろう。 ガレット・デ・ロワを家族や友人などと皆で切り分けて食べ、フェーヴが当たれば、その人が王様orお姫様! 紙の王冠を被って王様のように振る舞うことができ、その一年幸運が続くと言われている。 — 「お菓子を作ることが好きな母とカフェを営んでいました。当時陶芸を学んでいた私は、ケーキの中にフェーヴという可愛らしい陶器のアイテムを入れるフランスの伝統菓子「ガレット・デ・ロワ」の存在を知り、自分で作ったオリジナルのフェーヴを入れたガレット・デ・ロワをお店の商品として企画してみたのがきっかけです。その頃、日本でフェーヴの展示会などをやっていらっしゃるフェーヴ愛好家の磯谷佳江さんという方に出会い、展覧会にてフェーヴを販売し始めるようになりました。」 そう語るmisakiさん。現在はブーランジュリー向けのオリジナルフェーヴの受注製作や、日本やフランスの展示会でフェーヴの販売を行っているほか、自身の店「Oeuf」で毎年テーマを持たせたガレット・デ・ロワを企画し、販売しているのだそう。 ー 「フェーヴを作る時は大抵、石膏の型を作り、そこに粘土を挟んで形を抜きます。とても小さいものなので細部が型でもうまく出ないことがあり、型から外した後、乾燥する前に細かい修正をします。壊してしまわないよう一番集中力が必要な作業です。」 ー 「マーガレットに金色のてんとう虫をあしらったモチーフのフェーヴで、私のお店Oeufの2018年度のガレットデロワに入れて販売しました。てんとう虫はヨーロッパでは幸運のモチーフのひとつで、一見マーガレットに見えながら、よく見るとてんとう虫という遊びを入れた作品です。日本の見立て(※ある物を、他のものになぞらえて表現する技法)のような感覚が好きで、過去にも薔薇と白鳥の姿を重ねたようなイメージのフェーヴも作っています。」 ー 「生の白い粘土の状態です。型から外してどんどん並べていくと、サイズ感からチョコレートやクッキーのように見えてきます。小さいものがたくさん並んでいく様子を見るのが好きでどんどん製作のテンションが上がってきます。型が綺麗に出来ていると嬉しいのもこの時!」 ー 「出来上がりはこちら!ガレット・デ・ロワをモチーフにしたフェーヴで、磯谷佳江さんが開催しているフェーヴ展のオリジナルフェーヴとして、その年のテーマだった"リボン"をデザインに取り入れて作った受注品です。ガレット・デ・ロワにリボンをかけたデザイン。」 ー 「名古屋のブーランジュリー・パティスリー、Le Plaisir du painさんの2017年のガレット・デ・ロワ用に受注製作したフェーヴです。4種のパンを組み合わせたデザイン。並べてみるとテキスタイル模様のように。」 ー 「“小鳥の巣”。コトリ花店さんというお花屋さんの9周年の記念用に受注製作したフェーヴです。お店から注文を受けるときはそのお店の雰囲気や店主さんの好みをできるだけ汲み取り、そこに溶け込めるような作品をイメージして作ります。このときは鳥の巣というご希望でしたので、小さな卵を優しく包み込む巣に、お花屋さんにちなんで小さなお花とコトリの羽を一枚あしらったデザインにしました。繊細で可憐、色を使っていても透明感のある花束のアレンジがとても印象に残ったのでフェーヴも透明感を大事にして色はつけませんでした。誕生を予感させる縁起の良いモチーフだと思います。この作品は今まで製作した中で一番細かい細工を施しました。自分の製作のレベルを一つ上に上げてくれた大切な作品となりました。フランスでもフェーヴが好きな方が記念日にフェーヴを作ってもらうという話をよく聞きます。」 ー 「“精霊”。このフェーヴは立たせるとスカートの後ろの裾がふわっと浮いているデザインになっています。空気の中を踊るように漂う儚い姿をイメージして作りました。」 ー 「“胡桃リス”。2015年自身のお店Oeufのガレット・デ・ロワに入れたフェーヴです。胡桃の殻の中に丸くうずくまっているリスの姿をイメージして作りました。裏にすると胡桃の殻になっています。リスといえばどんぐりや胡桃など木の実を食べている姿が浮かびますが、そもそも本物の胡桃自体がすでにフェーヴのようなサイズ。この小さな殻の中にすっぽりとリスが収まっていたらとてつもなく可愛いのではないか、とある時ひらめいたのがきっかけです。」 ー 「“花と遊ぶ”。アンティークのものからインスピレーションを受けて作った一点ものの作品シリーズの一つ。特定のものからインスピレーションを引き出して作ってみるという今までとは異なった発想方で取り組んでいます。お花模様のレースから、そのモチーフと花に戯れる虫たちを連想して作りました。元となったアンティークの品と一緒に箱にセットして販売しています。」 ー 「風船、ネズミ、四葉のクローバーのフェーヴ。この三つは落とし込みを結構考えた作品。飛んでいる風船を描くのは簡単だけど立体で表現したらどうなるか、四葉のクローバーはフェーヴのモチーフでは定番中の定番なので、すでにいろんなデザインのものが出ている中でどうオリジナリティを出していくか悩みました。和菓子のようにシンプルだけど可愛い形が私の目指す理想です。また、お菓子の中に入れるものなので極端に細くて折れそうなデザインや高さがあってお菓子からはみ出してしまうようなデザインは避けます。」 ー 「こちらは“浅草ライヲン百貨店”というイベント向けに、『フェーヴの製作技術を活かしながら枠を超えて作品を作ろう』と思い製作した、陶器製ビーズのネックレスです。小さな花や葉のビーズを陶器で製作し、糸に編み込んで一連のネックレスに仕立てました。道端に咲いているような野草の小花が好きなので、そんなさりげない感じの雰囲気でリネンのワンピースなどに似合いそうなものをイメージして作りました。」 ー 「こちらも番外編。花のビーズと帯留めの、焼成前の生の作品です。まだ釉薬を掛けていないので、形の輪郭がはっきりと浮かび上がるのでよく写真に撮って残しておくようにしています。」 ー 「完成した帯留めです。上から鶉鳥。棗袋。帆立貝。古典モチーフですが、陶器独特の柔らかい雰囲気とパステルカラーで少し軽いイメージになるように仕上げています。」 ー 「こちらはわずか高さ3センチほど(!)のガラスドームとセットになった陶器製ミニチュアのガレット・デ・ロワです。白いそら豆のフェーヴ、レーザーカットで加工したオリジナルの紙の王冠もこだわったポイント。」 柔らかな世界観を纏った、misakiさんの作品の数々。 その作品ひとつひとつに、あるいはそのひとつの中にも更に細かい部分まで、意味を持って考え抜かれてデザインされている。聞けば聞くほど、もっともっと作品たちが持つストーリーを聞いてみたい、そんな気持ちにさせられる。 彼女が生み出すパステルカラーのちいさなオブジェたちに、心を奪われっぱなしの日々になりそうだ。 Fèves en céramique (フェーヴ作家):misaki takeuchi 多摩美術大学でデザインを学んだのち、化粧品のパッケージデザイナーとしてデザイン事務所に所属。陶芸は大学卒業後に勉強し、その後フリーランスになったのをきっかけに独自でフェーヴの製作と販売を開始。2012〜2017年 My Charm 「フェーヴの世界展」2019Collectionneurs de feves des rois (パリ) HP::
2019年03月12日今年に入ってからずっと台風の中にいるような、めまぐるしい日々が続いています。 気付くと髪はぼさぼさ、顔も疲れきっている・・・ そんな日々が続くと心も弱ってしまいます。 なので意識的に楽しむことを心がけているのですが、今回はそんな毎日の習慣と、小さな楽しみを。 毎朝のコーヒーといちごブラウニー。 両方コンビニのものですが熱いコーヒーと、チョコブラウニーにサンドされたちょっと甘酸っぱいいちごクリームのハーモニーがたまりません。 仕事に入る前の頭のスイッチになっています。 いろんな空を見る。 気分転換に空を見ると、目の前にあることから少し解放された気分になって、小さな世界で生きてたことにも気づいたりします。 朝のビルのすき間からもれる朝日とかシーンと静まり返った冬の住宅街を歩いているときの夜空が綺麗だったりして、その時聴いている音楽に偶然にマッチしたりすると感動します。 CHANELのクリームチークとオーロラハイライト。 見た目は結構赤なのに、頬に馴染ませると内側からの火照りのような、血色の良い表情になる。 鏡を見たときに自分の顔が沈んでいるとテンションが下がるので出来るだけ好きな自分でいよう、と。 この間見たLUMINEの広告で、コピーライターの尾形麻理子さん作の「わたしの夢を奪うわたしになるな」のコピーは今の自分にとても響きました。 「ふんわり脳」を大切に。 勤務している会社での仕事もフリーのほうも、両方アイデアを必要とされる仕事です。 時間が無いと、無駄を嫌うようになるけど最近は無駄と思うことこそ大切に思っています。 いろいろとこうしなきゃ、とか焦る気持ちを取っ払って、「ま、いっか〜」と脳内でさぼってみる。そうすると視界が広くなって、面白いことが入ってくる。 それを「ふんわり脳」と呼んでいます。 そんな最近です。感想、質問、こんなテーマで書いてほしいなどいただけたらとっても幸いです。MAIL mary@marymonraw.com また新しい季節、楽しみましょう。
2019年03月08日わたしはとにかく、本がすきだ。 作品に使う素材はもちろん、職業柄インスピレーションとしても、大事な相棒。 レコード(これについても今度書きたいと思う)でよくある、ジャケ買いは本でもよくある。中身が読めなくても、ジャケがよければお迎えしてしまう。 今日は最近のお気に入りの本たちを。 わたしがコラージュを始めるきっかけとなった、ロシア構成主義の本たち。図録のなかだけの存在だったけれど、最近ついに実物をお迎えすることに! 何十年も前とは思えないほどの、かっこよさ。 こちらはwebで画像だけ発見し、いつかいつかと思っていたら、発見!色合いと構図がたまらない。 こちらは変わってポーランド。コラージュが表紙に使われていて、ポーランドだからこその毒っ気もお気に入り。 わたしにとっての本は、形として傍にあるだけで、奮起させてくれたり安心させてくれる存在。 さて、今日はどの本と過ごそうかな。 WEB
2019年03月04日祖父母の家をリノベーション情緒あふれる川越の街。祖父母が暮らした築45年の1軒家をほぼDIYでリノベーションして、安田太陽さんと妻・詩織さんは暮らしている。「もともと手を動かすのが好きで、立体物を作るのが大好きでした。家のリノベーションはこれが初めてでしたけど(笑)」。プロダクトデザインの部署から始まり、現在はイベントや空間のデザインを行う部署で会社員として働きつつ、休日には廃材や自然素材を使ったアクセサリーを制作するミツメとしても活動。そんな安田さんが、気になって集めてきた古道具を活かして創りあげたのは、驚きや発見がたくさんある独創的な空間だ。ガスの接続以外はすべてDIYで創ったキッチン。古道具や古材が味を出す。有機物と無機物の組み合わせ方が絶妙。和室の畳を取り外し、無垢のスギ材を張った。床の間にはガルバリウムをあしらってディスプレイ空間に。DIYで温もりのある家に「ここは祖父母の家だったので、子供の頃よく遊びに来た記憶があるし、母にとっては育った家なので思い入れがあるんです。まさか自分が住むとは思いもしなかったけれど、リノベーションして活かすことができたのは良かったと思っています」。耐震補強や外壁塗装、ガス、電気、水道などは業者に任せたものの、それ以外は知人・友人に手伝ってもらいほとんどDIYで完成した。「天井を壊して現れた梁に塗装したり、床も自分で張り替えたり、大変でしたけど暮らしながら少しずつ進めていきました」。キッチンは、ダイニングと分けていた壁を自力で取り壊してひと続きの空間に。「この家は日当りが悪く、暗いんです。その為、白を基本とし、広い開放的なキッチンを作ってやろうと」。木脚と白いタイルのキッチン台も自作。シンプルなものを求めて探しに探したリンナイのビルトインコンロとIKEAのシンクを取り付けてタイルを貼った。「工業系の道具やパーツが好きなのですが、あまり取り入れると冷たくなってしまいます。木を入れると温かさが出せるので、温度感をうまく組み合わせました」。広々としたダイニングキッチンでは、大人数で集まることも多いそう。曾祖母の桐箪笥など、この家にもともとあったものも活かしている。テーブルは古いオフィステーブルの脚に、足場板を組み合わせて載せたもの。キッチン台の下はオープンな収納に。リンゴ箱に取手をつけた箱には食材などをストック。古い木箱を壁に打ち付けて収納棚に。「壁は構造用合板なので、どこにでもビスや釘を簡単に打つことができるんです」。シンクとガスコンロはシンプルなものにこだわった。タイルもすべてDIYで貼ったもの。安田さんは「BALMUDA」勤務のデザイナー。自宅でも製品を使用している。素材の使い方を考える漆喰で塗り上げた白い空間は、オリジナルのアイデアがあちこちに。元々は床の間だったリビングの一角のスペースには、壁にガルバリウムを貼った。サンルームには掘りごたつがあり、扉だった板を天板として載せている。「解体している家があると、建具とか家具を譲ってもらえないか頼んでみたりします」。2階のベッドルームの小窓も、昔手に入れて長年寝かせていた建具を使用。年代を感じさせるナラ材が風情を感じさせる。「この建具もそうですが、数十年の時を経た質感はエイジング加工では表現できません。古いものや価値がないとされているものを大事に再利用していきたいんです」。ルールに縛られず使えそうなものを自由にアレンジして使う。それは、安田さんが手がけるミツメのアクセサリーのコンセプトともクロスする。開口部やサンルームからやわらかな日差しが入る。ガルバリムを壁にあしらった床の間。作業台と陶器の花瓶に金属が不思議と調和する。サンルームの掘りごたつ。下からぽかぽかと暖かい。階段の蹴込み板もペンキで白く塗装。漆喰の壁は「下地を塗るのが大変でした」。仕切りの壁に小窓を取り付けたベッドルーム。砂壁はこれから塗装に着手する予定。モノから家、街へ「最初はこんなとこ住めるの?って思いました」。と笑う詩織さんも趣味は完全に一致し、ここでの暮らしを楽しんでいる。「夏には新しい家族を迎えるので、子供にとって安全な家かどうかも考えていかなきゃいけないですね。ベッドルームの壁もこれから塗るところだし、まだまだ仕上がりは半分くらい。暑さ対策、寒さ対策もしっかりやっていきたいと思っています」。Googleで検索したり、YouTubeで動画を見たり、ホームセンターで聞いてみたり。ルールに捕われず、あちこちで情報を集めて行われるリノベーションは、これからも進化する。「アイデアを出して、それが形になっていくのが楽しいんです。実は、今増えている空き家などにも手を掛け始めています。街づくりにも近いうちに携われたらいいと思っています。古いものは使えない、汚いものは捨てる、ではなく再利用できないか考えてみる。当たり前だと思っていることを少し立ち止まって考えてみる。忙しい日々を過ごす人ほど大切だと思います。そして、それを実行できることが毎日の幸せです」。玄関にはベッドのスプリングがオブジェのように飾られていた。友人のお店で仕入れたYKKのキャビネット。錆びた鍬を廊下に飾る。ペンダントライトはアルミの漏斗をリメイク。古道具屋で買った暗室のライトをベッドルームの照明に。itashioriの名で活動する詩織さんは、籐でカゴを編む作家。冬は寒いのでサンルームの掘りごたつで作業することが多い。もともとはイラストを描いていた詩織さん。右側のイラスト2点は作品。制作したカゴは、イベントなどで販売。何でもない日常をしっかりと楽しむというおふたり。愛着のあるギターを一緒に演奏したり、踊ってみたり。
2019年03月04日