第90回アカデミー賞授賞式が3月5日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』のゲイリー・オールドマンが「主演男優賞」に輝いた。2度目の同賞ノミネートで、今回が初受賞となる。■“いぶし銀”名優が念願のオスカー像を手に!数々の作品に出演し“いぶし銀”の魅力を放ち続けたオールドマンがついに、アカデミー賞主演男優賞を受賞!その名優ぶりはもちろん、日本では『ハリー・ポッター』シリーズのシリウス・ブラック役、『ダークナイト』三部作のゴードン本部長役でも知られる人気スターだ。そんな彼が本作で、ウィンストン・チャーチル英首相を演じているのだが、何と言っても、その“なりきり”ぶりが大きな話題。持ち前の演技力に加えて、今回「メイクアップ&ヘアスタイリング賞」を見事受賞した辻一弘氏による特殊メイクが、超リアルなチャーチル像を作り上げた。総メイクアップ時間はなんと200時間以上!辻氏は2012年に現代美術家に転向したが、オールドマンから直接「あなたが引き受けてくれたら、私はこの映画に出る」と熱烈なオファーを受けて、久しぶりに映画の特殊メイクを担当することになった。■『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』とは?1940年、第2次世界大戦初期。ナチス・ドイツの勢力が拡大し、フランスは陥落寸前という絶体絶命のタイミングで、英国首相に就いたのは、「政界一の嫌われ者」ウィンストン・チャーチルだった。最大の国難に直面しながら、彼はいかにして国民に勇気と希望を与え「伝説のリーダー」になったのか?実話を基に、チャーチルの首相就任からダンケルクの戦いまでの知られざる27日間を描き出す歴史エンターテインメント。『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』は2018年3月30日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。■受賞者コメント2度目のノミネーションで初受賞となったゲイリーは感極まった面持ちで「深く感謝いたします。アカデミーの皆さん。素晴らしい賞をいただきましてありがとうございます。アメリカには永く住んでいますが、愛情や友情を受けることができて感謝いたします。いろんな恵みをいただきました」とこれまでを振り返って感謝をコメント。そして「映画は物凄く力を持っています。サウスロンドン出身の私としては夢を感じることができました。夢を実現するためにもいろんな人が助けてくれました」「辻さん、デイビットさん、芸術に感謝いたします」と様々なスタッフや共演者、同じノミニーに感謝。最後には自身の母親へ「(Oscar像を持ち)これを持って帰るから待っていてください」と微笑んでスピーチを終えた。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男 2018年3月30日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.
2018年03月05日第90回アカデミー賞の授賞式が5日(現地時間4日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』で特殊メイクを担当した日本人の辻一弘氏が、デビッド・マリノフスキ、イバナ・プリモラック、ルーシー・シビックとともにメイク・ヘアスタイリング賞を受賞した。ゲイリー・オールドマンがウィンストン・チャーチルを熱演した同作において、ハリウッドで活躍しながら2012年に現代美術家に転向した辻氏が、ゲイリー・オールドマン直々のオファーにより数年ぶりに特殊メーキャップアーティストとして参加。合計200時間以上もかけてゲイリー・オールドマンをウィンストン・チャーチルへと"変身"させた。辻氏はスピーチで「心からゲイリー・オールドマンに感謝したいと思います。このすばらしい旅にご一緒することをうれしく思いました。ゲイリーさんのおかげです。素晴らしい役者です。素晴らしいアーティストでもあり、友人です。感謝しています」とゲイリー・オールドマンに感謝。さらに、キャスト、スタッフ、アカデミーに感謝し、「全員にとって夢がかなえられました」と喜びを語った。メイク・ヘアスタイリング賞は、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』のほか、『ヴィクトリア・アンド・アブドゥル(原題)』、『ワンダー君は太陽』がノミネートされていた。WOWOWプライムでは、3月5日21時から同授賞式の字幕版を放送。3月10日20時からダイジェスト版も放送する。(C)2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.
2018年03月05日第90回アカデミー賞授賞式が3月5日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、メイクアップ&ヘア賞に『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』でゲイリー・オールドマンを大変身させた辻一弘が選ばれた。辻さんは、日本人初のアカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞受賞の快挙を成し遂げた。■過去2回ノミネート経験がある辻一弘、10年ぶりのノミネートで悲願の受賞主人公ウィンストン・チャーチルを演じるのは、抜群の演技力で多くの俳優仲間からも尊敬を集める名優ゲイリー・オールドマン。本作では、姿形、声、話し方に加え、まとう空気までもチャーチルになりきった超絶の演技を披露。これまでの賞レースでは他を寄せ付けない勢いで「主演男優賞」を受賞し、今回のアカデミー賞でも「主演男優賞」にノミネートされ大本命視されている。そんな彼の特殊メイクを手がけたのが、ハリウッドで活躍しながら、2012年に現代美術家に転向した辻一弘さん。ゲイリー・オールドマン直々のオファーにより数年ぶりに特殊メーキャップアーティストとして本作に参加した。合計200時間以上もかけて作り上げたゲイリー・オールドマンの“変身”ぶりは、ぜひ劇場でチェックしてほしい。■『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』とは?1940年、第2次世界大戦初期。ナチス・ドイツの勢力が拡大し、フランスは陥落寸前という絶体絶命のタイミングで、英国首相に就いたのは、「政界一の嫌われ者」ウィンストン・チャーチルだった。最大の国難に直面しながら、彼はいかにして国民に勇気と希望を与え「伝説のリーダー」になったのか?実話を基に、チャーチルの首相就任からダンケルクの戦いまでの知られざる27日間を描き出す歴史エンターテインメント。『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』は3月30日(金)よりTOHO シネマズ シャンテほか全国にて公開。■受賞コメント「まず最初にゲイリー・オールドマンに感謝をしたい。本当に素晴らしい旅にご一緒することを嬉しく思いました。本当に素晴らしい役者さんです。アーティストでもあり、本当に友人です。感謝致します」。そして監督やキャスト、スタッフへ感謝を伝え、最後に「アカデミーの皆さんへ。ありがとうございました。全員の夢が叶いました」とコメントした。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男 2018年3月30日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.
2018年03月05日映画界最大の祭典である第90回アカデミー賞が3月5日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催される。昨年は「作品賞の発表ミス」という前代未聞のハプニングがあったが、記念すべき第90回授賞式では、どんなドラマが生まれるか?GG賞、英アカデミー賞に続き、アカデミー賞でも「黒の抗議」となるか例年であれば、女優たちが最新トレンドのドレスに身を包み“美の競演”を繰り広げるレッドカーペットだが、今年は黒一色になる可能性が高い。その理由はもちろん、長年映画業界に横行したセクハラを含めた、女性への性暴力撲滅を訴える「#Me Too」及び「Time’s Up」キャンペーンへの賛同だ。すでに第75回ゴールデングローブ賞、第71回英アカデミー賞で同様の現象が起こっており、この流れはアカデミー賞にも引き継がれるはず。授賞式では、オスカーを手にした受賞者がスピーチの際に、セクハラ問題に対し自分なりの主張を述べるかもしれないし、昨年に続き、司会を務めるジミー・キンメルがこの件をいかに“料理”するかも注目だ。ガル・ガドット、プレゼンターとして授賞式に参加すでに、過去のセクハラ疑惑が表面化しているオスカー俳優のケイシー・アフレックが、今年のプレゼンターを辞退したばかり。アカデミー賞では伝統的に、前年の主演男優賞受賞者が、主演女優賞のプレゼンターを務めてきただけに、「今年は誰がオスカー像を手渡すのか?」と憶測が飛び交っている。そんななか、『ワンダーウーマン』の主演ガル・ガドットが、プレゼンターとして授賞式に登場することが発表された。現時点でどの部門かは不明だが、力強い女性賛歌を体現した彼女は、主演女優賞のプレゼンターに適任かも。ほかにも、2月21日(現地時間)アカデミー賞の公式Twitterにて、マーク・ハミル、アーミー・ハマー、オスカー・アイザック、リン=マニュエル・ミランダ、ジーナ・ロドリゲス、エヴァ・マリー・セイント、ウェス・ステュディ、ケリー・マリー・トラン、ゼンデイヤがプレゼンターとして参加を発表した。人種差別・DV・セクハラ…“ハリウッド事情”が波乱を起こすか今年は主要部門の受賞結果に、大きな波乱はないと予想する。作品賞は『スリー・ビルボード』で決まり(加えて主演女優賞、助演男優賞、オリジナル脚本賞も大本命)。監督賞は13部門にノミネートされた『シェイプ・オブ・ウォーター』のギレルモ・デル・トロが輝くはず。番狂わせがあるとすれば、主演男優賞か。現時点では『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』のゲイリー・オールドマンが本命だが、ここに来て元妻からのDV告発が…。影響は未知数だが、ぜひとも、同作でメイクアップ賞候補に挙がっている辻一弘氏とのダブル受賞を願いたい。本命が強すぎて、受賞には至らないかもしれないが、『ゲット・アウト』のジョーダン・ピール監督がアフリカ系アメリカ人として、史上初めて、作品賞、監督賞、オリジナル脚本賞の3部門に同時ノミネートされたことは、かつて「白すぎる」と批判されたアカデミー賞の歴史をふり返ると、非常に意味深い。メアリー・J・ブライジ、オクタヴィア・スペンサーが候補に挙がる助演女優賞は、主要部門で唯一の混戦だ。(text:Ryo Uchida)
2018年02月25日「平昌オリンピック」での羽生結弦選手&宇野昌磨選手の金銀メダル獲得などで大いに盛り上がる“フィギュアスケート”界が物語の舞台となる『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』をはじめ、今年のオスカー候補作は、実話をもとにした作品が多数!俳優部門でも実在の人物を演じた5人がノミネートされた。そこで、今回は5人の“なりきり演技&役作り”のエピソードを一挙紹介する。■主演女優賞マーゴット・ロビー/トーニャ・ハーディング役『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』1994年のリレハンメル冬季オリンピック直前、オリンピック出場権を得るためにアメリカのフィギュアスケート界で起きたライバル襲撃事件。首謀者では?という疑惑の視線を浴びながら、アメリカ代表選手として出場したトーニャ・ハーディングを演じたマーゴット・ロビーは今回が初ノミネート。1990年生まれでオーストラリア出身の彼女は本作の脚本を読むまで、トーニャについて何も知らず、フィクションだと思ったそう。貧しい生い立ちや不遇に苦しんだトーニャに惹かれ、自身の製作会社でプロデュースも決意した。トーニャについてのドキュメンタリーやYouTube上の映像をくまなくチェックし、米北西部訛りや特徴ある笑い方を身につけた。撮影開始4か月前から、クリスマスも自分の結婚式前日も、1日4時間/週5回のスケートの猛特訓。顔立ちはむしろ、襲撃されたナンシー・ケリガンに似ているくらいだが、徹底した役作りで内面からトーニャになりきった。メリル・ストリープ/キャサリン・グラハム役『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』本作でなんと21度目のオスカー候補となったメリル。12度候補になったキャサリン・ヘップバーンとジャック・ニコルソンを大きく引き離す前人未到の記録だ。今回演じたのは、女性としてアメリカ史上初のワシントン・ポスト紙の社主・発行人で、1972年のウォーターゲート事件報道に踏み切る英断を下したキャサリン・グラハム。フェイクニュースという言葉が飛び交ういまの時代、報道の自由や女性の活躍を描くスティーブン・スピルバーグ監督の姿勢に共感し、出演を決意したメリルは、外見を似せることよりもグラハム自身の気品を表現することを心がけた。ピューリッツァー賞を受賞した自伝「キャサリン・グラハムわが人生」を熟読し、2001年に亡くなった本人をよく知る家族や友人たちから話を聞いた。当時グラハムが着ていたワードローブを忠実に再現した衣装も大きな助けになった。■主演男優賞ゲイリー・オールドマン/ウィンストン・チャーチル役『ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男』第二次世界大戦中、そして戦後と2度イギリスの首相を務めたウィンストン・チャーチル。1度目の首相就任からダンケルクの戦いまでの27日間を描いた作品に主演したゲイリーの素の外見は、全くと言っていいほど似ていないが、姿形や身のこなし、声も「チャーチルそのもの」と言いたくなるなりきりぶり。外見も声色も、自分自身が納得出来るレベルを目指し、試行錯誤を重ねた。名演を支えた特殊メイクを担当したのは日本出身の辻一弘。ハリウッドで活躍した後、現代美術のアーティストに転身していたが、「彼しかいない」と言うゲイリーの熱烈なラブコールに応えて数年ぶりに復帰。毎日3時間以上かけて、伝説の政治家の変身を支えた。ゲイリーは受賞スピーチやテレビ出演の際、しばしば辻氏の名前を出して讃えている。意外にもゲイリーがオスカー候補になるのは今回が2度目。2012年『裏切りのサーカス』以来の主演男優賞候補。ゴールデン・グローブ賞、SAG賞など前哨戦でも圧倒的な強さ。アカデミー賞では、辻氏をはじめとするメイクアップ・ヘア担当スタッフとW受賞に期待がかかる。■助演女優賞アリソン・ジャネイ/トーニャの母役『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』トーニャ・ハーディングの人格形成に大きく影響したのが、娘に愛情をかけることなく、貧困から抜け出す手段として娘の才能だけを利用しようとした母のラヴォナ。押しが強く、娘を罵倒し、暴力もふるう非情すぎる母を演じたアリソンは、脚本のスティーヴン・ロジャースが彼女をイメージしながら執筆した。実物のトーニャは現在母親と絶縁状態で、ロジャースが尋ねても母の生死さえわからないと答えたそう。製作側が調べても消息はつかめなかった。自分が演じたのは、脚本とトーニャから聞いた話から想像で作り上げたラヴォナ像だと、アリソンは「Vulture」のインタビューで語っている。唯一の手がかりと言うべきは、80年代に作られた学生映画のドキュメンタリー中のインタビュー映像。ファーコートを着て、肩に小鳥を乗せたラヴォナを完全再現したなりきりぶりは必見。アリソンはマーゴット同様、今回がアカデミー賞初ノミネート。SAG賞、ゴールデン・グローブ賞助演女優賞など前哨戦の主要な賞をほぼ独占していて、オスカー受賞も大本命と目されている。■助演男優賞クリストファー・プラマー/ジャン・ポール・ゲッティ役『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド』原題昨年10月、過去に未成年男性に対するセクハラ行為をしたことが発覚、その後も次々に被害者が名乗りを上げたケヴィン・スペイシー。12月に全米公開を予定していたリドリー・スコット監督の『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド』(原題)で大富豪のジャン・ポール・ゲッティを演じ、アカデミー賞助演男優賞ノミネート間違いなしの呼び声が高かったのだが、ケヴィン自身が行為を認めて謝罪文を発表したことから、製作側はケヴィンの出演した全シーンの削除を決断。公開が迫る中、急きょ行われた再撮影で代役を務めたのが、2011年、史上最高齢の82歳で第84回アカデミー賞助演男優賞(『人生はビギナーズ』)したクリストファー・プラマーだ。スコット監督によると、実はスペイシー以前にプラマー起用を考えたこともあったというから、期せずして理想のキャスティングが実現したことになる。監督から連絡が来たのは、休暇でフロリダへ行こうとしていたときだったとプラマーは「Hollywood Reporter」のインタビューで語った。準備期間もなく、脚本と監督の指示通りに演じた。そして、ゲッティならどう行動するか?と自身の想像力もフル稼働。9日間で全シーンを撮り、ゴールデン・グローブ賞に続いてアカデミー賞助演男優賞候補に。ノミネートでもオスカー史上最高齢(88)となり、自ら記録を塗り替えた。(text:Yuki Tominaga)
2018年02月22日『スリー・ビルボード』が英国アカデミー賞で5部門に輝いた。マーティン・マクドナーが監督を務めた同作は、 18日夜、同賞式典にて作品賞、脚本賞、英国作品賞、そしてフランシス・マクド―マンドが主演女優賞、サム・ロックウェルが助演男優賞をそれぞれ受賞した。マーティン・マクドナー(C)BANG Media International脚本も担当したマクドナー監督は、受賞スピーチの中で「タイムズ・アップ」運動についてこう触れている。「この映画は、たくさんの意味で、希望を持ったものであり、かつ怒りを持ったものでもあります。怒りが、人々に耳を傾けさせ、変えさせる唯一の手段になることがあるということを私たちは今年目の当たりにしています。このことを英国映画テレビ芸術アカデミーが認めてくれたことに興奮しています」と話した。昨年起きたハリウッドのセクハラ騒動に即して始まった「タイムズ・アップ」運動だが、マクドナー監督は今回、女性の強い部分を描くことに意欲的だったと明かしている。「それがこの映画でフランシス(マクド―マンド)と一緒に作り上げたものです。今年公開できたのは嬉しいです。『ミー・トゥー』運動や『タイムズ・アップ』運動にとっても素晴らしい出来事ですし、この運動の一部を担ったことを誇りに思っています」一方で、助演賞受賞のサムはマクド―マンドに敬意を表した。「これは、今まで出演した中で、最高のうちの1つだね。舞台で演じることに匹敵するよ。マーティンはこの役を俺のために創ってくれたんだ」他にも、『シェイプ・オブ・ウォーター』がギレルモ・デル・トロの監督賞を含む3部門で受賞。受賞スピーチの中で、ギレルモ監督はイギリスの文学史に輝く小説家メアリー・シェリーに敬意を表した。「私にとってイギリス史の中で最も重要な人物は、メアリー・シェリーという名のティーンエージャーです」「彼女は、私の人生にとって家族同様に大切な人物のままなのです。諦めそうになったり、私が夢見る映画は実現不可能だと言われる度に、彼女のことを何度も考えます」一方で、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』は、ロンドン出身のゲイリー・オールドマンが主演男優賞を含む2部門を受賞。ゲイリーは、受賞スピーチで「1940年の暗い時代に、チャーチルは祖国や世界のため尊厳や自由などといったものを貫いた。サー・ウィンストンに感謝しています」と自身が演じたウィンストン・チャーチルに敬意を表した。表彰式の最後には、映画監督巨匠のリドリー・スコットがフェローシップ賞をプレゼンターのジョアンナ・ラムレイから贈られ「この受賞の真の理由は、遅すぎる前に何かあげておいたほうがいいということだと思います」と冗談を飛ばしていた。(C)BANG Media International
2018年02月20日第71回英国アカデミー(BAFTA)賞が18日(現地時間)に発表され、マーティン・マクドナー監督の『スリー・ビルボード』が作品賞、フランシス・マクドーマンドが主演女優賞など5部門で最多受賞を果たした。『スリー・ビルボード』は英国映画賞、サム・ロックウェルが助演男優賞、監督であるマーティン・マクドナーが最優秀オリジナル脚本賞も受賞。マクドナー監督は受賞スピーチで「私たちの映画は多くの意味で希望に満ちたものですが、同時に怒りに満ちてもいます。そしてこの1年、我々が見てきた通り、時には怒りだけが、人々に耳を傾けさせ、何かを変えることができる方法なのです。BAFTAがそのことを評価してくれたのを非常にうれしく思います」と語った。オスカー前哨戦レースでも快進撃中の『スリー・ビルボード』はイギリスの製作会社「Film4」も出資しており、15日(現地時間)には昨年6月に多くの犠牲者が出たロンドン西部の高層住宅「グレンフェル・タワー」の火災について「71人死亡」「まだ誰も逮捕されない?」「なぜ?」と映画を模した看板が事故現場の前の通りに並べられ、ニュースになった。これは市民団体「Justice 4 Grenfell」が企画したものだ。同様に、アメリカでは14日(現地時間)にフロリダ州の高校で起きた銃乱射事件を受けて「学校で殺戮が起きた」「銃規制はまだ?」「どうしてなの、マルコ・ルビオ?」とルビオ上院議員に宛てた3枚の看板が17日(現地時間)にマイアミ市内に登場したのも伝えられている。最多12部門で候補になった『シェイプ・オブ・ウォーター』はギレルモ・デル・トロ監督が監督賞を受賞したほか、作曲賞、美術賞に輝き、同じく3部門を受賞。次いで2部門で受賞したのは『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』。ゲイリー・オールドマンが主演男優賞、メイクアップ&ヘア賞を受賞し、デヴィッド・マリノウスキーとイヴァナ・プリモラック、ルーシー・シビックとともに日本出身の辻一弘が受賞した。助演女優賞は『アイ,トーニャ史上最大のスキャンダル』のアリソン・ジャニーが受賞し、受賞者は主演も助演もすべて、ゴールデン・グローブ賞や映画俳優組合(SAG)賞、クリティックス・チョイス賞などオスカー前哨戦で影響力大の映画賞と同じ結果。3月4日(現地時間)の第90回アカデミー賞の俳優部門の結果がほぼ固まったと見る向きも多い。一般投票による、新人賞に当たる「EE ライジングスター」賞は『ゲット・アウト』のダニエル・カルーヤが受賞した。今年の授賞式は、「Time’s Up」運動に賛同した多くの出席者が黒を着用。特に女優たちのドレスはほぼ黒一色の中、BAFTA会長でもあるウィリアム王子と一緒に出席したキャサリン妃はダーク・グリーンをチョイス。イギリス王室の人々は、社会問題などについて特定の立場を表明しないのが決まりであり、キャサリン妃は胸元に黒いリボンを巻いていた。主な受賞結果は以下の通り。■最優秀作品賞『スリー・ビルボード』■英国映画賞『スリー・ビルボード』■最優秀男優賞ゲイリー・オールドマン(『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』)■最優秀女優賞フランシス・マクドーマンド(『スリー・ビルボード』)■助演男優賞サム・ロックウェル(『スリー・ビルボード』)■助演女優賞アリソン・ジャネイ(『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』)■最優秀監督賞ギレルモ・デル・トロ(『シェイプ・オブ・ウォーター』)■最優秀オリジナル脚本賞『スリー・ビルボード』マーティン・マクドナー■最優秀脚色賞『君の名前で僕を呼んで』ジェームズ・アイヴォリー■最優撮影賞『ブレードランナー2049』ロジャー・ディーキンス■最優秀外国語映画賞『お嬢さん』(韓国)■最優秀作曲賞『シェイプ・オブ・ウォーター』アレクサンドル・デスプラ■最優秀アニメ映画賞『リメンバー・ミー』(text:Yuki Tominaga)
2018年02月19日「日本、大好き」と親日家を名乗る俳優や監督は数多いが、ギレルモ・デル・トロはガチ。しかも筋金入りの“オタク”。ウルトラマンや怪獣たち、「マジンガーZ」などのロボットアニメを愛するあまり、2013年『パシフィック・リム』を製作・監督、日本のファンの心を鷲づかみにした。そしていま、その続編『パシフィック・リム:アップライジング』(製作)の公開も控える中、原案・脚本から手がけたファンタジックなラブストーリー『シェイプ・オブ・ウォーター』が映画賞レースを牽引、第90回アカデミー賞にも作品賞・監督賞ほか最多13部門でノミネートされている。先日、同作を引っさげての来日では、日本のお菓子を食べ過ぎて「ジャケットのボタンが閉まらないよ」とお茶目な姿も披露。『パシフィック・リム』出演者・菊地凛子との再会や、怪獣ピグモンとの対面に歓喜し、ゲームクリエーター・小島秀夫氏のもとを訪れたり、神保町の古書専門店に出没したりと日本を満喫していた様子のデル・トロ監督。日本滞在中はいつもゴキゲン、というより、終始ニコニコと愛嬌たっぷりで穏やかなイメージがあるが、会心作『シェイプ・オブ・ウォーター』には真摯な思いが込められているという。■『パシフィック・リム』『パンズ・ラビリンス』の鬼才は“トトロ”!?「私の太ったハート(fat heart)に、ここ日本はとても近しい場所」と、先日の来日記者会見で日本愛を語ってくれたデル・トロ監督。特に2013年に公開されたKAIJU(怪獣)vs巨大ロボの激アツバトル『パシフィック・リム』は、「怪獣映画、ロボ文化を生み出した日本へのラブレター」と当時も語るほど思い入れたっぷり。同作は、『バベル』でアカデミー賞ノミネート経験がある菊地さんが主演の1人を務め、その幼少期を“天才子役”として注目を集めていた芦田愛菜が演じ、日本でも熱狂を持って迎えられた。デル・トロ監督は公開時9歳だった芦田さんについて「天才」と断言しており、「本当は50歳くらいなんじゃないかというくらい、賢く、準備が整っている」と絶賛。撮影中、芦田さんが「デル・トロ」とうまく発音できなかったことから「トトロって呼んでいいよ」と話したという、宮崎駿ファンで知られる監督らしいエピソードも知られている。また、過酷な撮影に臨んでいた菊池さんには、集中力が途切れないよう、監督自ら「日本語で『トトロ』の歌を歌ってくれた」(!?)のだとか。そんな日本愛にあふれるデル・トロ監督を一躍、世界的に有名にしたのが、2006年にスペインで製作されたダーク・ファンタジー『パンズ・ラビリンス』だ。アカデミー賞オリジナル脚本賞や外国語映画賞などにノミネートされ、撮影賞、美術賞、メイクアップ賞を受賞。各国で高い評価を受けて、気鋭の鬼才監督として広く知られるようになった。独裁政権下、孤独な少女が迷宮の守護神“パン”に誘われ、地底の国のプリンセスとして3つの試練に挑んでいく映画は、ダークでおどろおどろしくも独特の色彩に貫かれた幻想的な映像美と、特殊メイクや着ぐるみによるどこかリアルなクリーチャーたち、現実世界とつながる切実で残酷なストーリーが映画ファンを魅了した。■時にはスタジオと対立も…そのこだわりが愛される作品を生み出す1964年10月9日生まれ、メキシコ出身のデル・トロは、大学卒業に渡米し、特殊メイクアップ界の巨匠である故ディック・スミス(『エクソシスト』『ゴッドファーザー』)に師事、特殊メイク技術を学んだ。ちなみに、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』でゲイリー・オールドマンをチャーチル元英国首相に変身させ、アカデミー賞にノミネートされている辻一弘氏もスミスに師事した1人だ。メキシコに帰国後のデル・トロは特殊メイクと造形の会社を立ち上げ、短編やTVシリーズをへて1992年『クロノス』で劇場長編監督デビュー、97年にSFホラー『ミミック』でハリウッド・デビューを果たす。その後、スペインの巨匠ペドロ・アルモドバル製作のもと『デビルズ・バックボーン』(01)、ハリウッドで『ブレイド2』(02)を送り出す一方、昔からファンだったアメコミの実写映画化『ヘルボーイ』(04)を実現させた。しかし、『パシフィック・リム』にも出演している盟友ロン・パールマン(ハマリ役!)の主演をめぐっては、より知名度の高いスター俳優を起用したいスタジオ側と長年対立。製作費の大幅削減の中で何とか作品を完成させた彼は、結果的には続編『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』(08)も製作される大ヒットに導いた。いまもカルト的人気を誇る作品だけに、第3弾が長らく期待されていたが、やはり独自の構想があるデル・トロとプロデューサー側が折り合わず、彼やパールマンが参加しない形でリブートされることが決まっている。また、多くの映画監督たちが製作の場を求めてTV界に進出しているように、デル・トロもTVシリーズ「ストレイン」やNetflixアニメ「トロールハンターズ」を手がけている。「ストレイン」ではヴァンパイアものが流行する中で、寄生虫によって感染する驚異のヴァンパイア世界を生み出したが、これも元々TVシリーズ用に準備していた企画に局側からあれこれと要望を出されたため、一度断念した経緯があったという。そして小説(共著)という形で発表したところ、映像化のオファーが殺到、デル・トロ自ら製作総指揮・脚本といくつかのエピソード監督を務めあげることになった。さらに、『ロード・オブ・ザ・リング』の前日譚にあたる『ホビット』シリーズでも、監督を担当するはずだったデル・トロ。ピーター・ジャクソンとともに脚本を手がけていたが、スケジュールの遅延により監督をやむなく降板、脚本としてそのままクレジットされている。■「ここまで来るのに25年かかった」渾身の『シェイプ・オブ・ウォーター』1月に行われた第75回ゴールデン・グローブ賞で監督賞を手にし、受賞スピーチで「(デビュー作『クロノス』から)25年かかった」「怪物たちに感謝を」と語っていたデル・トロ。本作『シェイプ・オブ・ウォーター』は、政府の極秘研究機関で清掃員として働く、声を発することのできない女性イライザ(サリー・ホーキンス)と、アマゾンで捕らえられた“彼”が運命の愛を織りなす、切なくもファンタジックな大人のラブストーリーだ。“オタク”のデル・トロ監督としては異色作に見えるかもしれないが、決してそんなことはない。思い入れの強い『ヘルボーイ』では、情に厚い異形のヒーロー・ヘルボーイと自然発火能力を持つ女性リズとのロマンスは重要な要素であるし、前作『クリムゾン・ピーク』も幽霊屋敷がアピールされたが、自ら「最も美しい映画」と称しているように、ミア・ワシコウスカ、トム・ヒドルストン、ジェシカ・チャステイン、チャーリー・ハナムという人気実力派によって抗えない愛を描いたゴシックロマンスでもあった。『クリムゾン・ピーク』や『パンズ・ラビリンス』の主人公の一途な純朴さや疎外感は、本作のイライザにも通じる側面だ。しかも、『ヘルボーイ』シリーズで知能が高く、特別な力を持つ半魚人エイブ・サピエンを演じていたダグ・ジョーンズが、再びアマゾンからの不思議な生きものに扮している。『パンズ・ラビリンス』でもパンとペイルマンを演じていたダグもまた、デル・トロ監督の思い描く愛すべき“怪物”を体現してくれる貴重な俳優の1人なのだ。実は本作は、舞台こそ米ソ冷戦時代だが、国同士が牽制しあう様子や、人種差別や性差別など描かれていることは現在と何ら変わりはない。そんな不寛容ないまだからこそ、声を上げられない“陸にあがった人魚姫”のような女性と神秘的な存在である“彼”という“異形の者”同士のロマンスを通じて、デル・トロ監督は実に彼らしいやり方でメッセージを送っている。思えば、デル・トロ監督の作品には、入り組んだ迷宮のような建物やどこに辿りつくか分からない長い廊下が頻繁に登場するが、主人公は、最後には意を決してそこから飛び出していく。一見非力に見えても、とてつもない意志と勇気を内に秘めた彼らは、デル・トロ監督そのものといえるかもしれない。第74回ヴェネツィア国際映画祭・金獅子賞(最高賞)を皮切りに世界各国の映画賞を総なめにし、賞レースのトップを走る本作。2007年に『バベル』『レヴェナント:蘇えりし者』のアレハンドロ・G・イニャリトゥ、『ゼロ・グラビティ』のアルフォンソ・キュアロンとともにメキシコ出身監督3人で製作会社「チャチャチャ・フィルム」を設立しているデル・トロ監督だが、今回もしアカデミー賞に輝けば、彼ら全員がオスカー像を手にすることになる。集大成ともいえる『シェイプ・オブ・ウォーター』で、ついにその栄誉を手に入れるのか。もっとも彼の最大の関心は、日本や世界の人々に“2人の究極の愛”が受け入れられることにほかならないだろうけれど。(text:cinemacafe.net)
2018年02月04日1月23日22時頃(日本時間)、第90回アカデミー賞のノミネーションが発表。日本人からは、ゲイリー・オールドマンを伝説リーダーのウィンストン・チャーチルに見事“変身”させた特殊メイク担当の辻一弘氏が、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』でメイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネートされた。驚異の“変身”で主演ゲイリー・オールドマンが、第75回ゴールデン・グローブ賞、第24回全米映画俳優組合賞(SAG)でも主演男優賞を受賞し、第90回アカデミー賞にも主演男優賞にノミネートされ、作品賞にもノミネートされた本作。予告編の解禁では、一般のユーザーから「本当にゲイリー・オールドマン?」「特殊メイク!?別人やん!」など、その特殊メイクに多くの注目が集まっていた。この度、見事その特殊メイクが高く評価され、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』がアカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞のノミネート3作品に選出が決定。主演ゲイリー・オールドマンの特殊メイクを担当したのは、日本人の辻一弘氏。ゲイリーは、「理解するだけでなく、肉体的にも彼(チャーチル)を感じることができなければいけない。空間を彼のように動き、自分が鏡を覗いた時にそこに彼を見つける、少なくとも彼の精神が自分を見つめ返してこないことには、この役をできない」と感じ、「辻一弘が、私をその境地へと連れていってくれる唯一の人物だと思いました。彼はピカソのような人物です」と直々にオファーしたという。また同作からは辻氏と共に、David MalinowskiとLucy Sibbickがノミネートに名を連ねている。授賞式は3月4日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターにて開催される。(text:cinemacafe.net)
2018年01月23日今年のアカデミー賞主演女優賞レースは、ベテラン女優の間で接戦が繰り広げられている。現時点で主演女優賞ノミネーション必至と見られているのは『スリー・ビルボード』のフランシス・マクドーマンド。娘の殺人犯を見つけることができない地元警察を見限り、自ら3つのビルボードを駆使して地域社会とともに犯人探しを始めて悲喜劇を巻き起こす怒りに燃える母親を演じて絶賛されている。本作は2017年度トロント映画祭の最高賞に当たる観客賞を受賞しており、マクドーマンドのみならず劇中で人種差別警察官を演じた助演男優サム・ロックウェルも助演男優賞候補で有力視されている。フランシスほかシアーシャ・ローナン&マーゴット・ロビーもこのほか、主演女優カテゴリーで恐らくノミネートされるであろう女優として、青春映画『レディ・バード』で破天荒なティーンエイジャーを好演するシアーシャ・ローナンと、ギレルモ・デル・トロ監督の期待作『シェイプ・オブ・ウォーター』で悪者科学者に捕らえられて生体実験されつつある人魚男と恋に落ちてしまう口の不自由な女性を切なくも愛らしく演じて大評判のサリー・ホーキンスがあげられる。前出の3名はノミネーションが確実視されているが、残る2つのスポットにはいったい誰が収まるのだろう?今年は特にデッドヒートの主演女優レースと言われており、前回の特集記事でご紹介した『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』のメリル・ストリープが4つめのスポットを占めるのではといううわさが高い中で、5つめのスポットを巡ってのデッドヒートが繰り広げられている。『スーサイド・スクワッド』で悪魔的カワイさが印象的なハーレイ・クインを演じたマーゴット・ロビーが、一昔前にオリンピックでライバルの選手を故意に傷つけ大会棄権に追い込むという大事件を起こしたトーニャ・ハーディングの実話を基にした『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』で主人公を赤裸々に演じており、ノミネーションの呼び声が高い。だがそれを追い上げているのが、こちらも実在の堕ちたハリウッド女優を題材にしたドラマ作品『モリーズ・ゲーム』のジェシカ・チャステインも批評家たちの間で人気である。そのほかにも『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド/All the Money in the World』(原題)のミシェル・ウィリアムズ、『ワンダー・ウィール/Wonder Wheel』(原題)のケイト・ウィンスレットなどが待機しているが、主演女優カテゴリー5つめのスポットを目指して、マーゴット vs. ジェシカのバトルになる気配が濃厚。それにしても、今年も見事なまでに白人女優で固められたノミネーション予想図となっている。マイノリティ女優たちが良質の役柄を得ることがどれだけ難しいかという事実を証明しており、まだまだ白人そして男性優位のハリウッド映画業界がこのバランスの悪い状況に対してこれからどのような策を講じていくのか、その動向に注目が集まる。ジェームズ・フランコ『ザ・ディザスター・アーティスト』賞レースに話を戻そう。今年の主演男優賞レースには意外な新顔が参戦している。マリファナを吸わせる役をやったらこの人の右に出る者はいないと言われている(笑)、ジェームズ・フランコである。これまでシリアスな俳優として見られていなかった彼が、「ついに本領を発揮した!」と絶賛されているのが『ザ・ディザスター・アーティスト/The Disaster Artist』(原題)という実話を基にしたコメディ・ドラマ作品だ。ジェームズが製作・監督・脚本・主演を兼ね、“史上最低の最高カルト映画”こと、『The Room』の破茶滅茶なメイキングが物語の中心だ。ジェームズは、『The Room』を作ったエキセントリックな人物トミー・ウィソーを演じているのだが、ジェームズの役にはまり切った見事なパフォーマンスには感動すら覚える。共演でトミーの友人を演じる弟デイヴ・フランコとの息も絶妙で、ハリウッドの有名業界誌「バラエティ」、「ハリウッド・レポーター」などがこぞってジェームスの業績を絶賛しており、初のオスカー像も夢ではないとささやかれている。ゲイリー・オールドマン『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』だがそんなジェームズの前に立ちはだかるのが、今年こそは主演男優賞を受賞すると言われているアノ人。「え~?まだアカデミー賞とったことなかったっけ?」と、よく意外がられるその熟年俳優は、ゲイリー・オールドマンだ。日本では3月公開予定となっている『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』でチャーチル元英国首相を演じている彼は、映画のオープニングでひと目見ただけではわからないほどで圧巻。首相に就任した当初は、自分の所属する党からも疎んじられるほどの異端児だったチャーチルは、厳格な面構えと歯に衣を着せぬ物の言い方で、周囲からは尊敬の念というよりは“コワい偏屈ジジイ”に近い目で見られていた。エリザベス二世の波乱万丈の若かりし日を描いて大人気のNetflixオリジナル・シリーズ「ザ・クラウン」では、チャーチルが首相として尊敬されエリザベス女王からも一目置かれている存在として描かれていたが、この映画では第二次大戦開戦直後のヒトラーが猛威を振るう怒涛の時期に首相となるチャーチルが描かれている。今年アカデミー作品賞にノミネートされるであろう映画『ダンケルク』をイギリス政界の内部から描いたのがこの作品というとわかりやすいかもしれない。英国議会がナチス・ドイツとの平和交渉を望む状況下で唯ひとり反旗を翻し四面楚歌だったチャーチルは、あくまでもヒトラーを信用せず、自分の直感と英国の民たちの声を代表すべく、議会からの平和交渉提案を却下し続けた。窮地に追い込まれつつも自信を持って正義を貫くチャーチルを演じるゲイリー・オールドマンの演技は素晴らしい。まさにオスカー像に値するパフォーマンスであり、アカデミー賞予想サイトで彼の主演男優賞受賞確率が最も高いことにも納得がいく。界隈の下馬評でトップ5のギリギリをさまよっている『ゲット・アウト』のダニエル・カルーヤが、大先輩トム・ハンクスかダニエル・デイ・ルイスを差し置いてノミネートされるというドンデン返しのシナリオも見てみたい気がするが、果たして今年のアカデミー賞ノミネーションの行方はいかに!?ノミネーション発表は、米国西海岸時間1月23日早朝、日本時間1月23日22時頃に行われる。(text:Akemi K. Tosto)(text:明美・トスト/Akemi Tosto)
2018年01月22日21日夜(現地時間)、第24回全米映画俳優組合賞の授賞式(SAG賞)が開催された。今年のSAG賞では現在ハリウッドで騒動となっているセクハラ問題が色濃く影響し、さまざまな伝統を打ち破る変化がみられた。まずは、いままで司会者を立ててこなかった同賞でクリスティン・ベルが初の司会を務めた。受賞者を発表するプレゼンターたちもそれまでは男性と女性がペアで行うのが慣習だったが、今回はすべてのプレゼンターたちが女性のペアに。そして、この夜最初に賞を獲得したのは、女性がメガホンをとり、主役が女性のスーパーヒーローである『ワンダーウーマン』(スタント・アンサンブル賞)。例年より女性にスポットライトが当たった授賞式であった。受賞リストは以下の通り。【映画部門】キャスト賞『スリー・ビルボード』主演男優賞ゲイリー・オールドマン 『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』主演女優賞フランシス・マクドーマンド『スリー・ビルボード』助演男優賞サム・ロックウェル 『スリー・ビルボード』助演女優賞アリソン・ジャネイ 『I, Tonya』(原題)スタント・アンサンブル賞『ワンダーウーマン』【テレビ部門】男優賞(テレビ映画・リミテッドシリーズ部門)アレクサンダー・スカルスガルド 「ビッグ・リトル・ライズ~セレブママたちの憂うつ~」女優賞(テレビ映画・リミテッドシリーズ部門)ニコール・キッドマン 「ビッグ・リトル・ライズ~セレブママたちの憂うつ~」アンサンブル賞(ドラマ部門)「THIS IS US 36歳、これから」男優賞(ドラマ部門)スターリング・K・ブラウン 「THIS IS US 36歳、これから」女優賞(ドラマ部門)クレア・フォイ 「ザ・クラウン」アンサンブル賞(コメディ部門)「Veep/ヴィープ」男優賞(コメディ部門)ウィリアム・H・メイシー 「シェイムレス 俺たちに恥はない」女優賞(コメディ部門)ジュリア・ルイス=ドレイファス 「Veep/ヴィープ」スタント・アンサンブル賞「ゲーム・オブ・スローンズ」(Hiromi Kaku)■関連作品:ワンダーウーマン 2017年8月25日より全国にて公開(C) 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.AND RATPAC-DUNEENTERTAINMENT LLC
2018年01月22日アメリカの放送映画批評家協会(BFCA)が選ぶ第23回クリティクス・チョイス賞が発表され、映画の部は『シェイプ・オブ・ウォーター』が作品賞ほか最多4部門を受賞した。監督賞とともに作品賞を受賞したギレルモ・デル・トロ監督は、主演女優のサリー・ホーキンスと助演女優のオクタヴィア・スペンサー、脚本を手がけたヴァネッサ・テイラーと一緒に登壇、「女性たちとの仕事を不公平にしてきた全ての人たちへ、私たちとこの場に立ち、この映画を実現させた人たちを紹介させてください」「1つ言わせてください。あなたたちが気づかずにいるものは大きい」と語った。テレビの部ではリミテッド・シリーズの「ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~」が最多4部門を受賞。ゴールデン・グローブ賞で最多4部門受賞作『スリー・ビルボード』は最優秀女優賞、同助演男優賞、アンサンブル演技賞と俳優たちが評価された。ドラマとコメディのほか、アクション、SFホラー、と細かくジャンルが分けられ、『ワンダーウーマン』(アクション)や『ゲット・アウト』(SFホラー)といった2017年に大きな話題となった作品も評価された。最優秀アクション映画賞に輝いた『ワンダーウーマン』に主演し、映画での女性の地位を向上させたことで「#SeeHer」賞も受賞したガル・ガドットは「過去数週間、数か月間、私たちは業界や社会に起きたムーブメントを見てきました。この賞を、正しいことのために立ち上がる全ての女性、男性と分かち合いたいです」とスピーチした。「The Florida Project」(原題)で最優秀若手男優/女優賞を受賞したブルックリン・プリンスは6歳の女の子。授賞発表直後に、同部門で候補になっていた『ルーム』で知られるジェイコブ・トレンブレイ(『Wonder』原題)がブルックリンのもとに行って祝福していた。主な受賞結果は以下の通り■映画の部最優秀作品賞『シェイプ・オブ・ウォーター』最優秀監督賞ギレルモ・デル・トロ『シェイプ・オブ・ウォーター』最優秀男優賞ゲイリー・オールドマン『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』最優秀女優賞フランシス・マクドーマンド『スリー・ビルボード』最優秀助演男優賞サム・ロックウェル『スリー・ビルボード』最優秀助演女優賞アリソン・ジャニー『I, Tonya』(原題)最優秀若手男優/女優賞ブルックリン・プリンス『The Florida Project』(原題)アンサンブル演技賞『スリー・ビルボード』最優秀脚色賞『君の名前で僕を呼んで』ジェームズ・アイヴォリー最優秀オリジナル脚本賞『ゲット・アウト』ジョーダン・ピール最優秀撮影賞『ブレードランナー 2049』ロジャー・ディーキンス最優秀衣裳デザイン賞『ファントム・スレッド』マーク・ブリッジス最優秀編集賞『ベイビー・ドライバー』ポール・マクリス、ジョナサン・エイモス『ダンケルク』リー・スミス最優秀ヘア&メイクアップ賞『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』最優秀美術賞『シェイプ・オブ・ウォーター』ポール・デナム・オースターベリー、シェーン・ヴィオー、ジェフ・メルヴィン最優秀作曲賞『シェイプ・オブ・ウォーター』アレクサンドル・デスプラ最優秀主題歌賞“Remember Me”(『リメンバー・ミー』)最優秀視覚効果賞『猿の惑星:聖戦記』最優秀長編アニメ賞『リメンバー・ミー』最優秀アクション映画賞『ワンダーウーマン』最優秀コメディ映画賞『ビッグ・シック』最優秀コメディ映画男優賞ジェームズ・フランコ『The Disaster Artist』(原題)最優秀コメディ映画女優賞マーゴット・ロビー『I, Tonya』(原題)最優秀SFホラー映画賞『ゲット・アウト』最優秀外国語映画賞『女は二度決断する』■テレビ部門最優秀ドラマシリーズ賞「ハンドメイズ・テイル」ドラマシリーズ最優秀男優賞スターリング・K・ブラウン「THIS IS US 36歳、これから」ドラマシリーズ最優秀女優賞エリザベス・モス「ハンドメイズ・テイル」ドラマシリーズ最優秀助演男優賞デヴィッド・ハーバー「ストレンジャー・シングス未知の世界」ドラマシリーズ最優秀助演女優賞アン・ダウド「ハンドメイズ・テイル」最優秀コメディシリーズ作品賞「マーベラスミセス・メイゼル」最優秀コメディシリーズ男優賞テッド・ダンソン「The Good Place」(原題)最優秀コメディシリーズ女優賞レイチェル・ブロズナハン「マーベラス・ミセス・メイゼル」最優秀コメディシリーズ助演男優賞ウォルトン・ゴギンズ「バイス・プリンシパルズ」最優秀コメディシリーズ助演女優賞メイム・ビアリク「ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則」最優秀リミテッド・シリーズ「ビッグ・リトル・ライズ~セレブママたちの憂うつ~」最優秀TV映画賞「嘘の天才~史上最大の金融詐欺~」最優秀TV映画またはリミテッド・シリーズ男優賞ユアン・マクレガー「FARGO/ファーゴ」最優秀TV映画またはリミテッド・シリーズ女優賞ニコール・キッドマン「ビッグ・リトル・ライズ~セレブママたちの憂うつ~」最優秀TV映画またはリミテッド・シリーズ助演男優賞アレクサンダー・スカルスガルド「ビッグ・リトル・ライズ~セレブママたちの憂うつ~」最優秀TV映画またはリミテッド・シリーズ助演女優賞ローラ・ダーン「ビッグ・リトル・ライズ~セレブママたちの憂うつ~」(text:Yuki Tominaga)■関連作品:ワンダーウーマン 2017年8月25日より全国にて公開(C) 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.AND RATPAC-DUNEENTERTAINMENT LLC
2018年01月12日例年、色とりどりのドレスをまとった女性セレブたちが勢ぞろいするゴールデン・グローブ賞のレッド・カーペットだが、今年は黒一色。異例の状況には理由があった。昨秋から、ハリウッドや各界で長年はびこっていたセクシャルハラスメントの告発が続いているが、差別やハラスメント、虐待によって沈黙を強いられた人々への連帯の証として、ゴールデン・グローブ賞授賞式に、女性たちが黒のドレスを着て出席することを計画しているという報道があったのは昨年12月。報じられた当初は、有志の女優たち30人ほどが黒を着用するということだったが、7日(現地時間)当日、授賞式前のレッドカーペットの装いはほぼ黒一色だった。女優たちはもちろん、ゲイリー・オールドマンやユアン・マクレガーら男優賞受賞者や候補者たちも黒づくめ。ハラスメントの被害者たちが声を上げた「#Me Too」に続いて、ナタリー・ポートマンらが立ち上げたキャンペーン「Time’s Up」(嫌がらせや虐待に沈黙させられた時代はもう終わり、という意味が込められている)に賛同し、スローガンのピンバッチを付けてレッドカーペットを歩いていた。通常、セレブたちはパートナーや家族など私生活で大切な人たちと出席するが、今年は女優たちが同伴したのは女性の活動家たち。誰がベストドレッサーなのかを競うより、差別やハラスメントへの「No」を主張する団結を示した形だ。黒というテーマが設定された分、ある意味ハードルが上がった感もあり、色で勝負できないところをアクセサリーやヘアスタイルで個性を演出。エメラルドやルビーなど色鮮やかな宝石を使ったネックレスやイヤリングも目を引いた。■ドレスの素材感&形、ヘアスタイルで魅せる!映画の部ミュージカル/コメディ部門で女優賞を受賞したシアーシャ・ローナン(『レディ・バード』原題)は「ヴェルサーチ(Versace)」のドレス。左側だけノースリーブで、左肩と右のウエスト部分にシルバーを効かせたデザイン。ミリー・ボビー・ブラウン(『ストレンジャー・シングス未知の世界』)は「カルヴァンクライン(Calvin Klein)」のシルクのミニドレスに、髪は編み込みのアップスタイル。主演の『女は二度決断する』が外国語映画賞に輝いたダイアン・クルーガーは、シースルーのケープがエレガントな「プラダ(Prada)」のドレス。惜しくも受賞は逃したが、ミュージカル/コメディ部門の主演女優候補だったマーゴット・ロビー(『I, Tonya』原題)は肩パッドが効いた1930年代風の「グッチ(Gucci)」のドレス。ウエストから下にクリスタルの刺繍が施してある。『Battle of the Sexes』(原題)で同じく主演女優賞候補だったエマ・ストーンは「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」のワンショルダー。自身が演じた元テニス選手で活動家のビリー・ジーン・キングと出席した。プレゼンターを務めたアリシア・ヴィキャンデルも「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」のヴィクトリア調のハイネックのドレスだった。監督賞のプレゼンターを務め、候補者が全員男性であることを指摘したナタリー・ポートマンは「クリスチャン・ディオール(Christian Dior)」。ベルベットのロングスリーブで、スクエアな胸元のカットが印象的。テレビの部ドラマ部門で主演女優賞受賞のエリザベス・モス(「The Handmaid’s Tale」原題)も「クリスチャン・ディオール(Christian Dior)」。くるぶしの見える丈のドレスはビジューカラーがアクセント。監督作『はじめに父が殺された』が外国語映画賞にノミネートされていたアンジェリーナ・ジョリーは次男のパックスを連れて出席。「アトリエ・ヴェルサーチ(Atelier Versace)」のロングドレスに「フォーエバーマーク(Forevermark)」のイヤリング。パックスはタキシードの左胸に「Time’s up」のピンをつけていた。■キラリ光るアクセサリーが素敵!御年101歳でハリウッドの生きる伝説であり、義父でもある名優カーク・ダグラスと映画部門脚本賞のプレゼンターを務めたキャサリン・ゼタ=ジョーンズは「ズヘア・ムラド(Zuhair Murad)」のオートクチュールに、エメラルドとダイアモンドをあしらった「ロレイン・シュワルツ(Lorraine Schwartz)」のイヤリング。テレビの部でミュージカル/コメディ部門女優賞候補だったイッサ・レイ(「インセキュア」)も「ロレイン・シュワルツ(Lorraine Schwartz)」のエメラルドとダイアモンドのネックレスを、「プラバル・グルン(Prabal Gurung)」のプランジネックのカスタムドレスに合わせた。昨年の映画の部ドラマ部門主演女優賞受賞者のイザベル・ユペールは「クロエ(Chloe)」のハイネックのドレス。ビーズ刺繍をほどこした華やかなデザインで、耳元には「ショパール(Chopard)」のエメラルド(34.88カラット)とホワイトダイアモンド(22.79カラット)のイヤリング。テレビの部で助演女優賞候補(「ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~」)だったゾーイ・クラヴィッツはサンローラン(Saint Laurent)のシンプルなドレスをチョイス、ピクシーカットに大きなエメラルドのイヤリングが映えた。■「黒」だけじゃない!カラフルな装いも黒以外の装いは、昨年のアカデミー賞授賞式でも露出度の高いドレスでレッドカーペットを賑わせた女優のブランカ・ブランコが今回も大胆な赤のドレスで登場したほか、ドイツのモデルのバーバラ・マイヤーがシースルーにフローラルな刺繍を前面にほどこし、パステルカラーのトレーンのドレス姿で現れた。また、ゴールデン・グローブ賞を主催するハリウッド外国人記者協会(HFPA)のメヘル・タトナ会長も花の刺繍をほどこした赤のドレス姿。インド出身のタトナ会長は「お祝い事のときに、黒は着ないのです。もし私が黒を着ていたら、私の母は愕然とするでしょう」と自身のルーツと文化を重んじたドレスのチョイスを「Entertainment Today」の取材に語った。実は映画の部のドラマ部門主演女優賞に輝いたフランシス・マクドーマンド(『スリー・ビルボード』)が着ていたドレスも、ミッドナイト・ブルー。ほとんど黒に近いほどの深い色だが、敢えて「黒一択」の流れに乗らない姿勢が、受賞作で演じた信念の女性と重なった。(text:Yuki Tominaga)
2018年01月09日第75回ゴールデン・グローブ賞が1月7日(現地時間)、ロサンゼルスで発表され、『スリー・ビルボード』が作品賞ほか4部門で最多受賞を果たした。テレビ部門では「ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~」が圧勝、ハリウッドにおける女性のパワーが大きく印象づけられた。マーティン・マクドナー監督が脚本賞を受賞したほか、女優賞(フランシス・マクドーマンド)、助演男優賞(サム・ロックウェル)に輝いた『スリー・ビルボード』は、アメリカ南部のミズーリ州の小さな町を舞台に、娘を殺された女性が地元警察に抗議する3枚の広告看板を立てる物語。2月1日(木)から日本公開される。最多7部門にノミネートされていた『シェイプ・オブ・ウォーター』(3月1日(木)より公開)は監督賞(ギレルモ・デル・トロ)と作曲賞(アレクサンドル・デスプラ)を受賞した。ハリウッド外国人記者協会(HFPA)の投票によるゴールデン・グローブ賞は、映画とテレビの部をドラマ部門とミュージカル/コメディ部門に分けて選出。2月のアカデミー賞の行方を占う前哨戦のハイライトの1つだ。今年の最多受賞作はテレビ部門のリミテッドシリーズ/テレビムービー部門 の「ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~」。作品賞ほか女優賞、助演男女優賞とノミネートされた全4部門を制覇。一見幸せそうな家庭を築く女性たちの隠された苦しみを描き、ハラスメントや虐待といったテーマに切り込んだ同作が大きく支持された。最初に発表された同女優賞受賞のニコール・キッドマンは「これは友情の物語です。団結し、支え合いました」とスピーチで女性のパワーを強調。活動家だった母についてふれ、「これは虐待を扱った作品です。私たちの作品を通して変革をもたらしたいです」と語った。ミュージカル/コメディ部門も、高校生の少女と母親を描いたグレタ・ガーウィグ監督の『レディ・バード』が作品賞と主演女優賞(シアーシャ・ローナン)を受賞。女優であるガーウィグの監督デビュー作だ。セシル・B・デミル賞を受賞したオプラ・ウィンフリーは「あまりにも長い間、女性たちの話に権力を持つ男性たちは女性たちの話に耳を傾けず、彼女たちは信頼されずにいました。でも、彼らの時代は終わるのです(Their time is up)」と高らかに宣言した。映画の部ドラマ部門作品賞のプレゼンターに登場したのは、ゴールデン・グローブ賞監督賞で唯一の女性受賞者のバーブラ・ストライザンド。「私が受賞したのは1984年です。34年も前?みなさん、Time is upよ」と語った。授賞結果は以下の通り。<映画の部>■ドラマ部門作品賞『スリー・ビルボード』女優賞フランシス・マクドーマンド『スリー・ビルボード』男優賞ゲイリー・オールドマン『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』■ミュージカル/コメディ部門作品賞『レディ・バード』女優賞シアーシャ・ローナン『レディ・バード』男優賞ジェームズ・フランコ『THE DISASTER ARTIST』(原題)助演女優賞アリソン・ジャニー『I, TONYA』(原題)助演男優賞サム・ロックウェル『スリー・ビルボード』アニメ作品賞『リメンバー・ミー』外国語映画賞『女は二度決断する』(ドイツ/フランス)監督賞ギレルモ・デル・トロ『シェイプ・オブ・ウォーター』脚本賞マーティン・マクドナー『スリー・ビルボード』作曲賞アレクサンドル・デスプラ『シェイプ・オブ・ウォーター』主題歌賞“THIS IS ME”『グレイテスト・ショーマン』<テレビ>■ドラマ部門作品賞「THE HANDMAID’S TALE」(原題)女優賞エリザベス・モス「THE HANDMAID’S TALE」(原題)男優賞スターリング・K・ブラウン 「THIS IS US 36歳、これから」■ミュージカル/コメディ部門作品賞「マーベラス・ミセス・メイゼル」女優賞レイチェル・ブロズナハン「マーベラス・ミセス・メイゼル」男優賞アジズ・アンサリ「マスター・オブ・ゼロ」■リミテッドシリーズ/テレビムービー部門作品賞「ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~」女優賞ニコール・キッドマン「ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~」男優賞ユアン・マクレガー「FARGO/ファーゴ」助演女優賞ローラ・ダーン「ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~」助演男優賞アレクサンダー・スカルスガルド「ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~」(text:Yuki Tominaga)
2018年01月08日ゲイリー・オールドマンが伝説リーダー、ウィンストン・チャーチルを演じ、クリスティン・スコット・トーマス、リリー・ジェームズ、ベン・メンデルスソーンら実力派たちが脇を固める『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』。チャーチル没後に公開された戦時内閣の閣議記録によって明らかとなった実話を基に描く本作から、この度90秒予告編が到着した。1940年、第二次世界大戦下のイギリスを舞台に、チャーチルの首相就任からダンケルクの戦いまでの知られざる27日間を描く本作。このほど公開された予告編は、“政界一の嫌われ者”チャーチルが、ダンケルクの戦いの裏で「道理が通じる相手ではない」ヒトラーを相手に苦悩しながらも、決断を下そうとしている緊張感あふれる様子映し出される。一方で、「とても怖い」と本音を漏らす姿、「欠点があるから強くなれる。あなたなら世界を救えるわ」とチャーチルの妻クレメンティーン(クリスティン・スコット・トーマス)に励まされ、背中を押される姿なども登場。ゲイリー演じる人間味あふれるチャーチルの姿に、目が離せなくなる映像となっている。『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』は2018年3月、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2017年12月27日全米で『ムーンライト』『それでも夜は明ける』を超える大ヒット(初週末スクリーンアベレージ比較)を記録し、先日の第75回ゴールデン・グローブ賞では作品賞と主演&助演男優賞にノミネートされた『Call Me By Your Name』が、『君の名前で僕を呼んで』の邦題で2018年4月に公開されることになった。イケメン実力派アーミー・ハマーと新星ティモシー・シャラメの共演に加え、脚色には今年89歳になった巨匠ジェームズ・アイヴォリー(『日の名残り』『モーリス』)、監督に『胸騒ぎのシチリア』のルカ・グァダニーノがクレジットされる本作は、全米で軒並み高評価のレビューが並び、賞レースの始まりとともにゴッサム賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞を制覇、来年2018年3月の第90回アカデミー賞最有力候補作として話題沸騰中。先日のゴールデン・グローブ賞において、作品賞(ドラマ部門)・主演男優賞(ドラマ部門)・助演男優賞と主要3部門にノミネート。インディペンデント・スピリット賞では6部門、ブロードキャスト批評家協会賞にも8部門でノミネートされ、全米俳優組合賞(SAG賞)でも、ゲイリー・オールドマンやデンゼル・ワシントンらと並んでティモシーが主演男優賞にノミネートされるなど、賞レースを牽引する注目作となっている。今回決定した邦題『君の名前で僕を呼んで』は、原題『Call Me By Your Name』の直訳であり、ティモシー演じる主人公エリオと、アーミー演じるオリヴァーが、互いの想いを確かめ合う印象的なシーンに登場する重要な台詞の一部。昨今、映画ファンの間でも話題に上るように、邦題決定にはさまざまな意見が交わされるが、本作の場合には「これ以外の邦題はない」と配給関係者満場一致で決定したという。どんなシーンに、その言葉が登場するのか、いまからも期待が高まる。『君の名前で僕を呼んで』は2018年4月、TOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年12月15日ゲイリー・オールドマンがゴールデン・グローブ賞主演男優賞に初ノミネートされた『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(原題:Darkest Hour)。このほど、驚異の変身でチャーチルになり切ったゲイリーの姿を収めた予告編とメインビジュアルが公開された。1940年、第2次世界大戦初期。ナチス・ドイツの勢力が拡大し、フランスは陥落寸前。そんな絶対絶命の危機で英国首相に就いたのは、政界一の嫌われ者ウィンストン・チャーチルだった。最大の国難に直面したそのとき、彼はいかにして人びとに勇気と希望を与えたのか?実話を基にした本作は、チャーチルの首相就任からダンケルクの戦いまでの知られざる27日間を描き出す歴史エンターテインメント。アカデミー賞の前哨戦といわれる第75回ゴールデン・グローブ賞では主演男優賞(ドラマ部門)にゲイリーがノミネートされたほか、「ハリウッド・リポーター」のオスカー主要賞予想では、作品賞、主演男優賞、監督賞(ジョー・ライト)ほか、助演女優賞(クリスティン・スコット・トーマス)、助演男優賞(ベン・メンデルソーン)などに名前が挙げられている。今回公開された30秒予告編では、クリストファー・ノーラン監督の『ダンケルク』でも描かれた壮絶な撤退作戦に直面するチャーチルのシーンから始まっている。ヒトラーに対して「独裁者め」と呟く、政界一の嫌われ者チャーチル。また、妻(クリスティン・スコット・トーマス)から「あなたなら世界を救える」と励まされて前へと進む様子や、チャーチルの秘書エリザベス(リリー・ジェームズ)の姿も。混沌とした時代の中で、突如首相となったチャーチルが苦悩しながらも国難に直面していく物語を期待させる本映像。そのラストは、「我々は決して降伏しない」という伝説の演説で締めくくられている。また、合わせて解禁されたメインビジュアルでは、トレードマークとなっている葉巻をくわえ、腰に手をあてて何かを考え込むような仕草をしているチャーチルの姿を、特殊メイクで本人になりきったゲイリーが表現。シンプルでありながらも、彼の想いが透けて見えるような力強いビジュアルに仕上がった。『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』は2018年3月、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年12月13日アカデミー賞の行方を占う前哨戦の目玉の1つ、ゴールデン・グローブ賞のノミネーションが12月11日(現地時間)に発表され、第75回となる今回は『シェイプ・オブ・ウォーター』が最多7部門でノミネートされた。次いで『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』『スリー・ビルボード』が6部門でノミネートされた。ハリウッド外国人記者クラブ(HFPA)の投票によって、ドラマ部門とミュージカル・コメディ部門に分けて、作品賞と主演俳優賞、両部門から助演俳優賞が選出される。授賞式は来年1月7日(現地時間)に開催され、セス・マイヤーズが司会を務める。映画部門のノミネートは以下の通り。映画の部映画の部/ドラマ部門作品賞『Call Me by Your Name』(原題)『ダンケルク』『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』『シェイプ・オブ・ウォーター』『スリー・ビルボード』主演女優賞ジェシカ・チャステイン(『Molly’s Game』原題)サリー・ホーキンス(『シェイプ・オブ・ウォーター』)フランシス・マクドーマンド(『スリー・ビルボード』)メリル・ストリープ(『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』)ミシェル・ウィリアムズ(『All the Money in the World』原題)主演男優賞ティモシー・シャラメ(『Call Me by Your Name』原題)ダニエル・デイ・ルイス(『Phantom Thread』原題)トム・ハンクス(『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』)ゲイリー・オールドマン(『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』)デンゼル・ワシントン(『Roman J. Israel, Esq』原題)【ミュージカル・コメディ部門】作品賞『The Disaster Artist』(原題)『ゲット・アウト』『グレイテスト・ショーマン』『I, Tonya』(原題)『Lady Bird』(原題)主演女優賞ジュディ・デンチ(『Victoria&Abdul』原題)ヘレン・ミレン(『ロング, ロングバケーション』)マーゴット・ロビー(『I, Tonya』原題)シアーシャ・ローナン(『Lady Bird』原題)エマ・ストーン(『Battle of the Sexes』原題)主演男優賞スティーヴ・カレル(『Battle of the Sexes』原題)アンセル・エルゴート(『ベイビー・ドライバー』)ジェームズ・フランコ(『The Disaster Artist』原題)ヒュー・ジャックマン(『グレイテスト・ショーマン』)ダニエル・カルーヤ(『ゲット・アウト』)助演女優賞メアリー・J・ブライジ(『マッドバウンド 哀しき友情』)ホン・チャウ(『ダウンサイズ』)アリソン・ジャネイ(『I, Tonya』原題)ローリー・メトカーフ(『Lady Bird』原題)オクタヴィア・スペンサー(『シェイプ・オブ・ウォーター』)助演男優賞ウィレム・デフォー(『The Florida Project』原題)アーミー・ハマー(『Call Me by Your Name』原題)リチャード・ジェンキンズ(『シェイプ・オブ・ウォーター』)クリストファー・プラマー(『All the Money in the World』原題)サム・ロックウェル(『スリー・ビルボード』)外国語映画賞『ナチュラルウーマン』『最初に父が殺された』『女は二度決断する』『ラブレス』『The Square』(原題)監督賞ギレルモ・デル・トロ(『シェイプ・オブ・ウォーター』)マーティン・マクドノー(『スリー・ビルボード』)クリストファー・ノーラン(『ダンケルク』)リドリー・スコット(『All the Money in the World』原題)スティーヴン・スピルバーグ(『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』)脚本賞『Lady Bird』(原題)『Molly’s Game』(原題)『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』『シェイプ・オブ・ウォーター』『スリー・ビルボード』作曲賞『ダンケルク』『Phantom Thread』(原題)『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』『シェイプ・オブ・ウォーター』『スリー・ビルボード』主題歌賞「リメンバー・ミー」(『リメンバー・ミー』)「This Is Me」(『グレイテイスト・ショーマン』)「Mighty River」(『マッドバウンド 哀しき友情』)「Home」(『Ferdinand』原題)「The Star,」(『The Star』原題)アニメ映画賞『ボス・ベイビー』『The Breadwinner』(原題)『リメンバー・ミー』『Ferdinand』(原題)『ゴッホ最期の手紙』(text:Yuki Tominaga)
2017年12月11日映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』が、2018年3月30日(金)に全国で公開。トロント国際映画祭で絶賛を集め、アカデミー賞では主演男優賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した。名優ゲイリー・オールドマンがチャーチルに主演は、クリストファー・ノーランによるバットマンシリーズでもお馴染みの、名優ゲイリー・オールドマンだ。ストーリーは、実話を元にしており、チャーチルの首相就任からダンケルクの戦いまでの知られざる4週間を描いていく。ノーラン監督の映画『ダンケルク』とセットで見るとより楽しめるかもしれない。ゲイリー・オールドマンは、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』での演技が認められ、ゴールデン・グローブ賞のドラマ部門の主演男優賞を受賞し、次のようにコメントした。「ウィンストン・チャーチルは"自分の好みはとても簡単だ。最高のものさえあててくれれば満足する"と言いましたが、クリスティン・スコット・トーマス、リリー・ジェームズ、ベン・メンデルソーンをはじめ、私は最高な人々に囲まれました。素晴らしいメイクアップチームにも感謝します。あなたの芸術は誰にも真似するができません」なお、ゲイリー・オールドマンは、アカデミーで主演男優賞を受賞した。30年以上にわたってハリウッドの一線で活躍し名優と言われてきたが、アカデミー賞の受賞は初めてとなった。アカデミー賞では6部門にノミネート第90回アカデミー賞では、ゲーリー・オールドマンの主演男優賞、メイクアップ賞、作品賞、美術賞、撮影賞と計6部門にノミネートされ、主演男優賞、メイクアップ賞を受賞した。チャーチルそっくりの特殊メイク - 立役者は辻一弘『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』では、ゲーリー・オールドマンが、特殊メイクでチャーチル首相に変身。本人そっくりに見えると話題になっている。特殊メイクでチャーチル首相に変身させたのは辻一弘だ。彼は、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』『メン・イン・ブラック』などの人気作品のメイクを手掛けてきたほか、アダム・サンドラーの『もしも昨日が選べたら』、エディ・マーフィーの『マッド・ファット・ワイフ』ではアカデミー賞にノミネートされている特殊メイクの実力者。なお、本作では、3度目のノミネートにして初めて、アカデミーメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した。メイクアップ賞を受賞したのは日本人初のこと。脇を固める豪華キャストチャーチルを支える妻クレメンティーンはクリスティン・スコット・トーマス。『イングリッシュ・ペイシェント』『フォー・ウェディング』が代表作で、演技派女優だ。秘書エリザベス役は、『ベイビー・ドライバー』『シンデレラ』と話題作に出続けるリリー・ジェームズ。国王ジョージ6世にベン・メンデルスゾーン(『名もなき塀の中の王』)を配役。監督はジョー・ライト監督は、若くして手掛けたした『プライドと偏見』で一躍脚光を浴びその後、『つぐない』『アンナ・カレーニナ』などでメガホンをとったイギリスの秀才ジョー・ライト。脚本は、『博士と彼女のセオリー』でアカデミー賞候補となったアンソニー・マクカーテンが担当した。あらすじ第二次世界大戦の初期。ナチスドイツの勢力は拡大し、フランスは陥落するのではないかという状況になっていた。イギリスにも侵略の脅威が徐々に迫る。連合軍がダンケルクの海岸で窮地に追い込まれる中、ヨーロッパの運命は新たに就任したばかりのイギリス首相のウィンストン・チャーチルの手にゆだねられた。ヒトラーとの和平交渉か、あるいは徹底抗戦か?この時、チャーチルは究極の選択を迫られる。議会の嫌われものだったチャーチルは、どう選択したのか?いかに世界の歴史を変えたのか?作品詳細『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』公開日:2018年3月30日(金)原題:Darkest Hour監督:ジョー・ライト出演:ゲイリー・オールドマン、クリスティン・スコット・トーマス、リリー・ジェームズ、スティーヴン・ディレイン、ロナルド・ピックアップ、ベン・メンデルソーン2017年/イギリス/125分配給:ビターズ・エンド/パルコ(C)2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.
2017年12月03日ゲイリー・オールドマンが特殊メイクによって、英国首相チャーチルを熱演する『Darkest Hour』が『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』として、2018年3月に日本公開されることが決まった。第2次世界大戦初期、ナチスドイツの勢力が拡大し、フランスは陥落間近、英国にも侵略の脅威が迫っていた。連合軍がダンケルクの海岸で窮地に追い込まれる中、就任したばかりの英国首相ウィンストン・チャーチルの手に彼らの運命は委ねられる。ヒトラーとの和平交渉か、徹底抗戦か。チャーチルは究極の選択を迫られる。議会の嫌われものだったチャーチルは、いかに世界の歴史を変えたのか――。実話を元に、ウィンストン・チャーチルの首相就任からダンケルクの戦いまでの知られざる4週間を描く感動の歴史エンターテインメントとなる本作。英国の名優ゲイリー・オールドマンが特殊メイクによって完璧な変身を遂げ、チャーチルを熱演、米テルライド映画祭、トロント国際映画祭で絶賛を集め、「これこそが最高峰の演技だ!」(ローリング・ストーン)「今年一の名演!」(アクセス・ハリウッド)などメディアも絶賛。『裏切りのサーカス』(‘11)以来となるアカデミー賞主演男優賞ノミネートが確実視されている。チャーチルを支える妻クレメンティーンには、『イングリッシュ・ペイシェント』のクリスティン・スコット・トーマス、彼の秘書エリザベスに『ベイビー・ドライバー』『シンデレラ』のリリー・ジェームズ、吃音を克服した英国王ジョージ6世には『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』『名もなき塀の中の王』のベン・メンデルソーンが脇を固め、見事なアンサンブルを見せている。監督は、『プライドと偏見』『つぐない』などで知られる英国の俊英ジョー・ライト。脚本は、『博士と彼女のセオリー』でアカデミー賞候補となったアンソニー・マクカーテン。ハリウッド・リポーターのオスカー主要賞予想では、作品賞、主演男優賞、監督賞、脚本賞、助演女優賞、助演男優賞、作曲賞で名前が上がっており、賞レースを騒がす1作とされている。『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』は2018年3月、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年11月29日「金曜ロードSHOW!」が4週連続で『ハリー・ポッター』4作をお届けする「ハリー・ポッターの秋」。第1週となる10月20日(金)今夜はシリーズ第3作として2004年に公開された『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』を放送する。1997年にJ・K・ローリングによる原作第1巻が出版されると瞬く間に世界で大ヒット。それを受けて2001年に映画第1作となる『ハリー・ポッターと賢者の石』が公開。その後2011年までの間に今回放送される『アズカバンの囚人』を含む全8作が製作されたほか、同じ世界観での新シリーズ『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』が昨年公開され、こちらも大ヒットを記録している。幼い頃に両親を亡くした孤独な少年・ハリー・ポッターがホグワーツ魔法魔術学校に入学。同じ寮になった魔法使い一家の息子・ロン(ルパート・グリント)や、マグル(=人間)出身の少女・ハーマイオニー(エマ・ワトソン)らと出会い、共に様々な出会いを経験しながら成長。両親を殺した悪の魔法使い“ヴォルデモート”と対決していく…というのがシリーズの基本ストーリー。本作『アズカバンの囚人』では13歳になったハリーが、アズカバン監獄で服役中だったヴォルデモートの手下、シリウス・ブラック(ゲイリー・オールドマン)が脱獄したことを知る。シリウスは両親の死にも深く関わっており、ハリーの居所を探しているという。ハリーと生徒たちを守るためにホグワーツにアズカバンの看守“吸魂鬼・ディメンター”がやってくるが、辛い記憶を吸い出すディメンターにハリーは悩まされることに。そんなハリーの悩みを知った“闇の魔術に対する防衛術”の新任教師・ルーピン(デイビッド・シューリス)は、ハリーに“守護霊の呪文”を教える。そんなある日、ロン(ルパート・グリント)の双子の兄が持っていた“忍びの地図”を使って魔法族の村・ホグズミードを訪れたハリーは、自分の両親とブラックの関係性を知ることに…という展開。監督は『ゼロ・グラビティ』でアカデミー賞を受賞したアルフォンソ・キュアロン。ついに物語が大きく動き出し、シリーズのカギとなるキャラクターも登場。隠されたハリーの過去が次第に明らかになっていくシリーズ屈指の名作としてファンの間でも評価の高い本作。何度も見たというファンは改めて本作の感動を再体験し、まだ未見だという人は今夜その魅力を新発見しよう。金曜ロードSHOW!『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』は10月20日(金)21時~日本テレビ系で放送。「ハリー・ポッターの秋」次週10月27日(金)は『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』を放送。(笠緒)
2017年10月20日愛する者を失ったシーザーと、彼の抹殺をもくろむ人類との戦いがクライマックスを迎え、地球が“猿の惑星”へと向かう『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』。このほど、赤ちゃん猿だったシーザーが聖戦を戦うまで、これまでのシリーズを収めた特別映像がお披露目された。高度な知能を得た猿たちの反乱、人類の文明崩壊、そして猿と人類の戦争という衝撃的なストーリーを描き、全世界震撼の大反響を呼んだ『猿の惑星』シリーズ。全米では、『創世記(ジェネシス)』『新世紀(ライジング)』に続いて、3作連続初登場第1位を達成。メディアからは「これだけのスケールのメジャー映画で本作以上に優れた作品はない」(Deadline)、「すべての猿たちがあまりにリアルなので、観客は彼らが猿であることをすぐに忘れてしまうだろう」(USA TODAY)といった声が相次いでいる。そんな中、最初は赤ちゃん猿だった主人公シーザーがいかにして高度な知能を得て、聖戦を戦わなくてはならなくなったのかに迫った特別映像が到着。映像の冒頭では、『創世記』でアルツハイマー病を患う父親(ジョン・リスゴー)を持つ若き科学者ウィル(ジェームズ・フランコ)が、この病気を劇的に治癒する新薬の開発に没頭する様子が描かれる。その薬を投薬されたチンパンジーは脳が活性化し、並外れた知能を示していた。そのチンパンジーが産んだ赤ん坊のシーザーも母親の特殊な遺伝子を受け継ぎ、高い知能を発揮していく。しかし、あるトラブルが原因で動物保護施設に収容されると、猿たちが人間に虐待されている残酷な現実を目の当たりにしたシーザーは、苦悩の末、仲間を率いて人類への反乱を実行した。シリーズを通してシーザーを演じ続けているアンディ・サーキスは、シーザーにとっては「常に、家族と自分の種を守るためのバランスをとることが問題だ」と語る。「より大きな全体像に対して、誰もが生き残れるように、人間と猿の間のバランスをとること。そういうプレッシャーを彼は感じていている」と、新薬開発という希望から始まった物語が戦いへと発展する中での、シーザーの苦悩に触れる。この言葉を裏づけるように、続く『新世紀』でも、シーザーと生存者グループの穏健派マルコム(ジェイソン・クラーク)は和解の道を探るが、憎しみを抑えられない猿と人間側(ゲイリー・オールドマンら)の両陣営の対立は激化していった。『創世記』でほかの猿と一緒にされるまでは、自身を人間だと思っていたシーザー。「そのため、人間に対する敬意と、第一に自分の種を助けようという思いの間で揺れる葛藤に陥り、彼は自分の猿らしさを見つけなければならなかった。その後、彼は社会を、コミュニティを全力で築き、自分の種である猿を前進させる道を作ることに取り組んだ。前作で描かれたこの部分は、今回は、より大きな脅威のせいで、さらにレベルアップされている」と、アンディは過去作をふり返り、本作ではその葛藤もスケールアップされていることを明かす。そして本作では、最愛の家族を失い、復讐の旅に出たシーザーと、彼の宿敵で軍隊を率いる大佐(ウディ・ハレルソン)との種の存亡をかけた、壮絶にしてエモーショナルな物語が展開する。さらに口のきけない謎めいた少女ノバ(アミア・ミラー)の出現、そして予期せぬ人類の退化により、この惑星の運命が大きく変わろうとしていくのだが…。前作に引き続きメガホンをとったマット・リーヴス監督は、「この物語は、シーザーの内面と感情を強く押し出したレベルで見せるが、前2作とはちがうスケールの大きさを見せなくてはならないとも思っていた。なぜならこれは文明の始まりでもあるからだ」と、いよいよ地球が猿の惑星へと移行することをほのめかしている。猿にとっても人類にとっても、敗北は種の滅亡を意味する“聖なる戦い”、その歴史的瞬間がついに本作で明かされる。『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』は10月13日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年09月14日米BOX OFFICE MOJOは8月18日~8月20日の全米週末興業成績を発表した。前週1位の『アナベル 死霊人形の誕生』を2位に退け、ライアン・レイノルズとサミュエル・L・ジャクソン主演の『ヒットマンズ・ボディガード』が初登場トップにランクイン。1992年に公開された、ケヴィン・コスナー&ホイットニー・ヒューストン共演のヒット作『ボディガード』をパロディ化したアクションコメディで、裁判所で証言台に立つことになった世界で最も有名な殺し屋と、彼を移送警護することになった史上最高のボディガードの珍道中を描く。監督は『レッド・ヒル』『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』のパトリック・ヒューズが務め、ゲイリー・オールドマン、サルマ・ハエックらの出演にも注目が集まる。日本での劇場公開の予定はないが、Netflixで配信される。3位も初登場の『Logan Lucky(原題)』。2013年に映画界からの引退宣言をしたスティーブン・ソダーバーグ監督の復帰作で、『スター・ウォーズ』新3部作のアダム・ドライバー、『マジック・マイク』以来監督とタッグを組むチャニング・テイタムをはじめ、ダニエル・クレイグ、キャサリン・ウォーターストン、ケイティ・ホームズ、ヒラリー・スワンクら豪華キャスト陣が名を連ねる"強盗モノ"コメディだ。前週2位の『ダンケルク』は4位。『The Nut Job 2: Nutty by Nature(原題)』も3位から5位に順位を下げた他、9位『The Dark Tower(原題)』までは前週と変わらぬラインナップ。10位『Wind River(原題)』は、前々週29位、前週20位と順位を上げて、3週目にして初のトップ10入り。ドゥニ・ビルヌーヴ監督の『ボーダーライン』の脚本家テイラー・シェリダンの監督デビュー作で、5月に開催された「第70回カンヌ国際映画祭」の「ある視点」部門の監督賞受賞作。FWS(合衆国魚類野生生物局)の職員をジェレミー・レナーが、FBIの新人女性捜査官をエリザベス・オルセンが務め、ネイティブ・アメリカン居留地で遺体となって発見された少女の死の真相に迫る。
2017年08月21日全米公開と同日に「Netflix」にて配信される、ライアン・レイノルズとサミュエル・L・ジャクソン共演『ヒットマンズ・ボディガード』。この度、“世界最悪の殺し屋”を演じたサミュエルの驚愕の役作りが明らかになった。東ヨーロッパの独裁者が被告となる裁判に、証人として世界最悪の殺し屋・ダリウス(サミュエル・L・ジャクソン)を連れて行く護衛を引き受けることになったのは、世界最高のボディガード、マイケル(ライアン・レイノルズ)。長年の宿敵として銃を向け合ってきた2人が、なぜか共に旅を行うことになり、独裁者に命を狙われながら、イギリスからオランダのハーグまでの道中で型破りな逃走劇が巻き起こる…。“最強ボディガード”マイケルをライアン、“殺し屋”ダリウスをサミュエル、さらに独裁者役を英国の名優ゲイリー・オールドマン、ダリウスの妻で夫同様の悪名高き女を美しく妖艶な女優サルマ・ハエックが扮している本作。今回サミュエルは、「僕の場合、身体的な特徴から役に入ることがとても重要なんだ。だから、まずカラスのタトゥーを入れてみた」と“形から入るタイプ”であることを明かし、「最初の設定にはなかったんだよ。でも、僕がタトゥーを入れて現場に登場し、“このカラスは、自分が殺した人間ひとりひとりを表しているんだ”とスタッフに説明したんだ。つまり、誰かを殺すたびにカラスを一羽ずつ増やしていくという人物像を作り上げてみた」と役作りを明かす。さらに続けて、「“じゃあこの小さいのは?”と聞かれて、“スクールバスに弾丸を浴びせまくったときのガキどもだ”って答えたよ。こんな具合に、最初に身体的な特徴を作り上げ、そこから神をも恐れないダリウスの無鉄砲なキャラクターが誕生したってわけ」と、作品では描かれない過去からしっかりとキャラクターを考えて役に挑んだと言う。一方、ボディガードのマイケルを演じたライアンは、ダリウスの悪態のつき方について「スラングばかりで飲み会みたいだよ」と自身が演じ大ヒットを記録したブッ飛びヒーロー『デッドプール』顔負けだと話す。しかしサミュエルによると、ダリウスはぶっ飛んた殺し屋という面だけではなく「牢獄にいる妻との関係については、女性や恋愛に対するダリウスの考え方から妻との関係性を紐解き、体現していったんだ。するとこれがラブストーリーであると分かるんだよ。彼の行動は、すべて愛のためであり、誰も彼を止めることはできないんだ」と説明している。ヤバさ全開の痛快アクションサマームービーとなっている本作。アクションだけでなく、そんなラブストーリーの部分にも注目しながら鑑賞してみては?『ヒットマンズ・ボディガード』は8月18日(金)よりNetflixにて配信開始。(cinemacafe.net)
2017年08月15日ライアン・レイノルズが“最悪の殺し屋”サミュエル・L・ジャクソンを守り抜く『ヒットマンズ・ボディガード』。本作が、全米劇場公開日と同日に日本のNetflixにて配信されることが決定し、キーアートビジュアルと予告編が公開された。東ヨーロッパの独裁者が被告となる裁判に、証人として世界最悪の殺し屋・ダリウス(サミュエル・L・ジャクソン)を連れて行く護衛を引き受けることになったのは、世界最高のボディガード、マイケル(ライアン・レイノルズ)。長年の宿敵として銃を向け合ってきた2人が、なぜか共に旅を行うことになり、時には独裁者に命を狙われながら、イギリスから国際司法裁判所のあるオランダのハーグまで型破りな逃走劇を巻き起こす!最強ボディガードのマイケル役を務めるのは、『デットプール』でブッ飛びヒーローと演じて一躍人気者となったライアン、そして殺し屋・ダリウスを演じるのは、『アベンジャーズ』シリーズでもお馴染み、時折見せるその怪演ぶりが映画ファンを魅了する名優サミュエル。さらに、独裁者役には英国の名優ゲイリー・オールドマン、ダリウスの妻で夫同様の悪名高き女を美しく妖艶な女優サルマ・ハエックが演じている。タイトルの『ヒットマンズ・ボディガード』にちなんでか、先に“期間限定”で配信された特報予告は、映画『ボディガード』のパロディとなっており、故ホイットニー・ヒューストンの主題歌「オールウェイズ・ラヴ・ユー」が使われるなど、その振り切り感が爆笑と大きな期待を呼んでいた。今回、公開されたキーアートビジュアルは、銃を構えるライアン&サミュエルの姿が印象的なクールなデザインとはなっているが、併せて公開された予告編では、殴り合い、倒し合い、銃をぶっ放しまくってのカーチェイスなど、2人はまさにやりたい放題!破天荒なアクションとクールな笑いを繰り広げている。ライアンは、メガホンをとった『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』で知られるパトリック・ヒューズ監督にふれ、「ヒューズは、とにかくスペクタクルと笑いを散りばめた、楽しいアクション大作を作りたいと考えていて、僕たちもそれを実現したいと思っていたよ」とコメント。また、サミュエルも「ダリウスはずっと殺そうとしてきた男と同じ車に乗り込むことになるんだ。やがて、自分が彼のクライアントを撃ってしまったせいで彼のキャリアに傷がついたと知り、気持ちに変化が生じていくんだ。つまり、本作は2人の男が1台の車に乗り合わせただけの単純な話で終わらないんだよ」と、本作で描かれる2人の関係性についても言及する。ヤバさ全開の痛快アクションサマームービーとなる本作。劇場公開されない日本では、Netflixだけで目にすることができる。『ヒットマンズ・ボディガード』は8月18日(金)よりNetflixにて配信開始。(text:cinemacafe.net)
2017年08月09日バルマン(BALMAIN)とBeats by Dr. Dre(ビーツ・バイ・ドクタードレ)がコラボレートしたヘッドフォンとイヤフォンが2017年7月20日(木)に発売される。優美で自然体のカラーリングとディテールで「アーバン・サファリ」を表現今回発売されるのは、カーキとサファリベージュのカラーにメタリックゴールドをアクセントとして加えたラグジュアリーな雰囲気の溢れるヘッドフォンとイヤフォンだ。バルマンのクリエイティブ・ディレクター、オリヴィエ・ルステンは本コラボレートコレクションのテーマを「アーバン・サファリ」だと語る。優美で都会的、気品を感じさせるフォルムでありつつ、自然体の力強さを感じさせるカラーリングを用いたデザインは、確かに「アーバン・サファリ」という言葉にぴったりかもしれない。しなやかで美しくキービジュアルを演出するのはモデルのカイリー・ジェンナーだ。ワークアウトにも耐えうる機能性もヘッドフォンには最大12時間持続する充電式バッテリー、ノイズキャンセリング、内蔵マイクが搭載される。イヤフォンはワークアウトでも利用できるよう、耐汗・防沫仕様に加え柔軟なイヤフックで安定した装着感を実現。Siriを起動できるRemote Talkケーブルの採用も。美しいだけでなく機能面も優れたアイテムに仕上がっている。ラグジュアリーなスエードケースヘッドフォン・イヤフォンの両方に、本体デザインとマッチしたオーバルのスエードケースが付属。バルマンのロゴプレートとコイン型のジッパータブがデコラティブで華やかな雰囲気を醸しだしている。【詳細】バルマン×Beats by Dr. Dre発売日:2017年7月20日(木)カラー:カーキ、サファリベージュ価格:「Beats Studio Wirelessオーバーイヤーヘッドフォン - Balmainスペシャルエディション」59,800円+税「Powerbeats3 Wirelessイヤフォン - Balmainスペシャルエディション」24,800円+税販売店:アップルオンラインストア(サファリベージュのみ)、伊勢丹新宿店、二子玉川 蔦屋家電、代官山 蔦屋書店スマートフォンフロア、TSUTAYA TOKYO ROPPONGI※アップルオンラインストア以外の店舗では、7月20日(木)以降順次発売予定
2017年07月23日「最も成功した業務用ゲーム機」としてのギネス世界記録を持つ人気ゲームソフト、「パックマン(PAC-MAN)」。そのパックマンのイベント「PAC‐MAN GINZA STYLE」が、2017年8月12日(土)から8月21日(月)まで、銀座三越 9階銀座テラス/テラスコートにて開催される。ゲーム機の展示や体験はもちろん、銀座三越先行販売グッズやパックマンをモチーフにしたアパレルが一同に集結。中でも注目したいのは、パックマンの新ブランド「パック ストア(PAC-STORE)」のワンピースとクラッチバッグ。ボウリングシャツスタイルのワンピースは白地にピンクのネオンとチェリー、パックマンのアーケード機がポップにプリントされていてレトロかわいい仕上がりに。クラッチバッグはファストフード店のテイクアウトの袋に見立てたデザイン。中央ロゴのピザがパックマンになっていて遊び心溢れる一品だ。また、ゲーム会社とのコラボレーションによるライセンス製品を創るライフスタイルデザインブランドの「ゲームスグロリアース(GAMES GLORIOUS)」からは、Tシャツが登場する。パックマンのプレイ画面をイメージしたグラフィックが特徴的。その中央には「GINZA」の文字が。男女問わず着ることができるデザインだ。他にも、スイスの高級ウォッチブランド「ロマン・ジェローム(ROMAIN JEROME)」との限定コラボレーション時計や、釣り道具のルアー、缶バッチなどバリエーション豊かな商品展開となっている。会場には期間限定の「パックマン ギンザ カフェ(PAC-MAN Ginza Cafe)」がオープンし、パックマン、パックマリー、パックリトルをイメージしたわたあめソーダを販売。購入者には限定コースターを1枚プレゼントする。なお、オープニングイベントには、テレビでも活躍中のぺえ&へえが登場。さらに、パックマンとその仲間たちが会場に駆けつけ、イベントを盛り上げてくれる。【詳細】「PAC‐MAN GINZA STYLE」開催期間:2017年8月12日(土)~8月21日(月)会場:銀座三越 9階銀座テラス/テラスコート住所:東京都中央区銀座4丁目6-16オープニングイベント:2017年8月12日(土)1回目 12:00~ 2回目 14:00~(各回約20分)パックマンと仲間たち来場時間:2017年8月12日(土)1回目12:00~ 2回目14:00~(各回約20分)PAC-MAN Ginza Cafe営業時間:10:30~19:00※メニューは無くなり次第終了価格例:■ロマン・ジェローム三越銀座店限定 時計 2,700,000円(税込)※この商品は、9階では展示のみとなり、M2階での販売■パックストア ワンピース 13,000円(税込)クラッチバッグ 3,000円(税込)■ゲームスグロリアースTシャツ 3,996円(税込)三越銀座店先行 ボールペン 各540円(税込)■トーキョーピクセル缶入りドロップ 540円(税込)缶バッチ 各432円(税込)■PAC-LUREルアー 各1,620円(税込)
2017年07月13日ケヴィン・コスナー、ゲイリー・オールドマン、トミー・リー・ジョーンズら豪華キャストの共演で話題を呼んだ、あるCIAエージェントの“記憶”を巡るタイムリミット・スパイアクション『クリミナル 2人の記憶を持つ男』。7月19日(水)よりブルーレイ&DVDが発売されることに合わせ、本作に夫婦役で共演した『ワンダーウーマン』のガル・ガドットと『デットプール』のライアン・レイノルズの奇跡のキャスティング秘話が明らかとなった。CIAロンドン支局のエージェント、ビル・ポープが極秘任務の最中に死亡した。彼は米軍の核ミサイルさえも遠隔操作できる恐るべきプログラムを開発した謎のハッカー、“ダッチマン”の居場所を知る唯一の人物だった。“ダッチマン”を探し出し、世界の危機を救うための最後の手段は、禁断の脳手術によって彼の記憶を他人の脳内に移植すること。その移植相手には、死刑囚ジェリコ・スチュアートが選ばれた。ジェリコは、凶悪犯である自分自身とCIAエージェントであるビルという真逆の2つの人格に引き裂かれながら、テロリストとの壮絶な闘いに巻き込まれていき…。本作で、夫婦役で共演を果たしたガルとライアン。今回解禁された映像は、ブルーレイ&DVDの映像特典として収録されるもので、本作の監督であるアリエル・ヴロメンがキャスティングの秘話を語っている。ヴロメン監督は、同じイスラエル出身のガルと以前から友人だったという。本作のジル・ポープ役としてオファーをしたところ、ガル本人も「女優として新たな一面を見せられるチャンス」と出演を快諾。なんと、その2週間後にワンダーウーマン役が決まった、という話が飛び出している。また、ジルの夫でCIAエージェントのビル・ポープ役で出演するライアンも、スケジュールのタイミングが合い、「『デッドプール』撮影直後に1週間加わってもらった」と監督が告白。「作品が完成したころ、脇役の役者が有名になり、作品を宣伝する上での強力な戦力になっていた」と、2人の大抜擢が思わぬ形でいい効果を生んだと語っている。『ワンダーウーマン』は8月の日本公開を前に、全世界興行収入800億円を記録する大ヒットとなっており、監督のパティ・ジェキンスは女性監督としての史上最高興収を更新中。ガルは一躍、世界的なアイコンとなり、バットマンらと共演する『ジャスティス・リーグ』も控えている。また、昨年公開の『デッドプール』は“R指定”映画史上NO.1となる783万ドル(約861億円)の興行収入を記録。現在、続編を撮影中で、ライアンは出演作『ライフ』がまもなく日本公開となる。いまや飛ぶ鳥を落とす勢いの2人。彼らに加えて、ケヴィンやゲイリー、トミー・リーといった新旧の実力派俳優が夢の共演を果たした本作は、この夏、見逃せない1本となりそうだ。『クリミナル 2人の記憶を持つ男』は 7月19日(水)よりブルーレイ&DVDにて発売。(text:cinemacafe.net)
2017年07月09日ヒュー・ジャックマンと『ウルヴァリン:SAMURAI』のジェームズ・マンゴールド監督が再びタッグを組み、ヒュー自身“最後”のウルヴァリンを描く『LOGAN/ローガン』。ヒットスタートを切った本作から、ヒューとマンゴールド監督がお互いへの思いを語り合うコメントがシネマカフェに到着した。ミュータントがほぼ絶滅し、荒廃した近未来。ウルヴァリンことローガンは、治癒能力を失いつつあり、メキシコ国境近くで年老いたチャールズ・エグゼビアの世話をしながらひっそりと暮らしている。そんな中、彼らの前に現れたのは、ウルヴァリンと似た特徴を持つ謎の少女ローラ。チャールズはローガンに、絶滅の危機にあるミュータントの唯一の希望となるローラを守るという最後のミッションを託す。強大な武装組織の襲撃を逃れ、車で荒野を旅する3人の行く手には、想像を絶する運命が待ち受けていた――。『ニューヨークの恋人』(’01)、そして『ウルヴァリン:SAMURAI』、本作と、ヒューと3度も組んできたマンゴールド監督は、「彼は僕がいままで一緒に働いた役者の中で、最も人柄がナイスな人間だ。ワンダフルなスピリットを抱く彼は、本当に心底、良い人だ」と前置きした上で、「何を言っているんだ!もう一度、やり直せ!と、僕は叫んださ」と撮影の様子をふり返って言う。「僕はとても情熱的だからね。ひどい奴じゃないよ。ただ、熱烈な人間なんだ。叫んだり、ジャンプしたり、そうやって役者の演技をアップしていくことが好きなんだ。監督のエネルギーは、役者のエネルギーに繋がっていくものだからね」と監督。「だから、現場ではいつも大げさにエネルギッシュにやってきたんだが、ヒューからはもっと穏やかになることを学んだよ」と、“いい人”ヒュー・ジャックマンの人間性に感化されたことを明かす。一方のヒューは、「撮影も終盤に差し掛かったころに忘れられない出来事があった」と打ち明ける。「日が暮れかけ、急がなければいけない状況で、ジム(ジェームズ・マンゴールド監督)が『今日は君にとって大切な日だろ、好きなだけ時間をかけろ』と言ったんだ。最高の贈り物だった」と、2人の信頼関係を表す粋なエピソードに触れる。そんな信頼のおける監督のもと挑んだ本作には、「1日たりとも全力を出さなかった日はない。必要なことは何でもした。新境地を見せて、特別な作品にしたかった」と思い入れたっぷり。「完璧に準備が整うまで撮影を始めなかった。9割準備ができていても決してやらなかった。『3か月後に撮影できる?』と聞かれても『完璧に整ったら教える』とだけ答えたよ」と明かしている。強い信頼関係で結ばれた2人が描き出す“最後のウルヴァリン”には、これまでのアメコミとは一線を画す、崇高なる感動が待っている。『LOGAN/ローガン』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:LOGAN/ローガン 2017年6月1日より全国にて公開(C) 2016 TWENTIETH CENTURY FOX
2017年06月11日最後のウルヴァリン作品『LOGAN/ローガン』を引っさげ来日中のヒュー・ジャックマンが5月25日(木)、ジェームズ・マンゴールド監督とともに都内で会見を行った。ミュータントの大半が死滅した2029年の近未来を舞台に、不死身の治癒能力が衰え始めたローガンは、ミュータントの最後の希望である少女・ローラを守るため、迫りくる“最後”の死闘に身を投じる。ヒューを一躍ハリウッドスターに押し上げた当たり役、ウルヴァリンを演じるのは本作が最後となる。「コンニチワ、ニホンニキテ、スゴク、ウレシイデス!」と日本語で挨拶したヒュー。大の親日家と知られ、「何度来たかわからないほど大好きな国。僕の人生でも、最も訪れた回数が多いよ」と早速、日本愛を爆発させた。また、日本が本作を公開する最後の国となったことに「このプロモーションツアー、そして17年間演じ続けたウルヴァリンの旅。その終着点が、ここ日本であることに感謝したい」と感無量の面持ちだった。『ウルヴァリン:SAMURAI』の完成直後から、マンゴールド監督とともに本作の構想を練り始めたといい、「ウルヴァリンにとって、最もふさわしい結末は何か?監督と一緒に模索しながら、結果的には新鮮かつ深遠な、何より最高な作品に仕上がった。これぞウルヴァリン映画の決定版だよ」と強い手応え。「そもそも、こんなに長く演じることになるとは思っていなかった。楽しいパーティを退席する気分だけど、いまは安どと感謝の気持ちでいっぱいだよ。こんな最高の贈り物をもらったんだから」と作品の完成度に胸を張った。『ニューヨークの恋人』『ウルヴァリン:SAMURAI』に続き、ヒューと3度目のタッグを組んだマンゴールド監督も、「何よりもウルヴァリンというキャラクターを称える作品にしたかった」と思い入れは格別。本作は「X-MEN」シリーズ全体でも、最も硬派でハードボイルドな“大人向け”の作品として、世界中で絶賛されており、「ありがちなヒーロー映画にしたくなかった。最近の大作は、まるでキャンディのように、口に含んだ瞬間に溶けてなくなってしまう。だから、今回は社会的なテーマも盛り込みながら、大胆かつ挑戦的なアプローチをとったんだ」と話していた。『LOGAN/ローガン』は6月1日(木)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:LOGAN/ローガン 2017年6月1日より全国にて公開(C) 2016 TWENTIETH CENTURY FOX
2017年05月25日