フランシス真悟、前田紗希、志水児王、崔在銀、GUN、 ローリー・シモンズ京都、烏丸四条近くに位置し、“アートコレクターの住まい”をコンセプトにしたnode hotel (ノードホテル / 所在地:京都市中京区四条西洞院上ル蟷螂山町461 / 客室数25室 / 総支配人:坂下雅行) では、1Fのギャラリースペースにおいて11月7日(火)から2024年1月30日(火)まで、6組のアーティスト、フランシス真悟、前田紗希、志水児王、崔在銀、GUN、ローリー・シモンズによる特別展“Light and Space Odyssey”を開催します。尚、本展の出品作品は全て購入が可能です。本展では、宇宙の時間軸の中で繰り返される現象や移り変わり、光や波動を捉え、わたしたちが生きている壮大な循環サイクル、人と自然の営みの境界線とは何かを示唆します。フランシス真悟の深い色彩のモノクロームの“Infinite Space”は、絵画作品でありながら空間的な広がりを追求し、観るものを自身の精神世界に包み込むような体験を生み出します。前田紗希は、ペインティングナイフのみで油絵具を何十層にも重ね、日常のあらゆる物事や重なり、関係性など「時間の堆積と境界」を幾何学的に表現します。志水児王は、音、光、振動といった物理世界を構成する微細な要素の特性を拡大し、それらが引き起こす物理現象を視覚的に捉え、“Transparent elements”として平面作品に昇華させています。崔在銀の“Puglia Sky Project”は、多くの民族や権力者から支配されてきた⾧い歴史を持つイタリアプーリア州の村で、刻々と変化していく空を撮影し、宇宙の変わらぬサイクルと、その下で異なる時を生きる人々の営みを表現。新潟現代美術家集団GUN(ガン)は、1970 年、「雪のイメージを変えるイベント」と称し、一面雪の信濃川河原に絵の具を散布し、雪原に巨大な抽象画を出現させ、広大な自然の中に、作品としては残らない人の行為としての芸術を生み出しました。ローリー・シモンズの“ウォーキング・オブジェクト”は、現実と幻想、物体と人の混乱を捉え、現代社会の混沌とした世界を日常のレベルから映し出します。node hotel で開催する本展が、太古から続く光と空間の無限な営みと、人と自然との境界とは何か、という根源的な問いへの旅の結節点(node)となることを願います。展覧会概要Light and Space Odysseyフランシス真悟、前田紗希、志水児王、崔在銀、GUN、ローリー・シモンズ日時 : 11月7日(火)〜2024年1月30日(火)会場 : node hotel 1F京都市中京区四条西洞院上ル蟷螂山町461企画 : 墨屋宏明(アートプロデューサー/DART代表)協力: DART株式会社、MISA SHIN GALLERY入場料 : 無料※本展の出品作品は全て購入が可能です。アーティスト プロフィールフランシス真悟Shingo Francis1969年カリフォルニア州サンタモニカ生まれ。ロサンゼルスと鎌倉を拠点に活動。フランシスは、絵画における空間の広がりや精神性を探求し続けているアーティストです。代表作として、幾層にも重ねられたブルーの抽象画や、深い色彩のモノクローム作品の他、特殊な素材を使用し観る角度によってさまざまな光と色彩が立ち現れるペインティング「Interference」シリーズが知られています。市原湖畔美術館(千葉、2017年)、セゾン現代美術館(長野、2018年)、マーティン美術館 (テキサス、2019年)、 銀座メゾンエルメスフォーラム(東京、2023年)など多数の個展、グループ展に参加。スペイン銀行、森アーツセンター、桶田コレクション、東京アメリカンクラブなどにコレクションとして収蔵。Infinite Space (Ultraviolet)2022前田紗希Saki Maeda1993年福井県生まれ。2015年京都芸術大学美術工芸学科油画コース卒業。時間の堆積と境界をテーマに、ペインティングナイフのみで、油絵具を何十層にも重ね、常に上書き繰り返されてきた歴史の可視化を試みる。主な個展に「Accumulating as we pass by」YUKIKOMIZUTANI(東京、2022年)、GALLERY TOMO(京都、2019年)など。DMG森精機株式会社、OCA TOKYO(三菱地所株式会社)などにコレクションされている。2023年10月開催のMeet Your Art Festival 2023 に参加。19_92019志水 児王 Jio Shimizu東京生まれ。広島県・埼玉県在住。東京藝術大学美術学部大学院修了。1994~2006年、レーベル「WrK」に参加。2008年度文化庁新進芸術家海外研修制度により、2008-2010年コペンハーゲン在住。音や光、振動など物理世界を構成する微細な要素を表現素材とし、それらが引き起こす現象とその知覚、運動と要素の発生、芸術と自然科学との関係などを実証論的なアプローチで表現を試みる。主な展覧会に、「六本木クロッシング」森美術館(東京/2004)、「日本のサウンドアート」ロスキレ現代美術館(コペンハーゲン/2011)、「Re-actions」三菱地所アルティアム(福岡/2017)、 「第21回文化庁メディア芸術際」国立新美術館(東京/2018)、「瀬戸内国際芸術祭2019」(香川/2019)に参加している。Transparent elements (negative) #122012崔在銀 Jaeeun Choi草月流三代目家元・勅使河原宏のアシスタントとして数々のインスタレーションや、映画「利休」の制作に携わり、80年代から生命や時間をテーマに作品を発表している。95年には日本代表の1人として第46回ヴェネチア ビエンナーレに参加、2016年に第15回ヴェネチア建築ビエンナーレに出品するなど国際展への参加多数。主な個展として、「ルーシーと彼女の時間」サムソンロダンギャラリー(ソウル 2007年)、「アショカの森」原美術館(東京 2010年)、プラハ国立ギャラリー(2014年)、「The Nature Rules 自然国家:Dreaming of Earth Project」(原美術館、東京、2019)など。2014年に立ち上げた韓国のDMZ(Demilitarized Zone:非武装地帯)での「Dreaming of Earth Project(夢の庭園)」の延長線で、破壊された森を復元させる計画に取り組んでいる。現在、銀座メゾンエルメス フォーラムにて個展「新たな生」が開催中。Puglia Sky Project 2011 The Cyclical Night 2022新潟現代美術家集団GUN(Group Ultra Niigata)1967年、新潟で前山忠、市橋哲夫、堀川紀夫らによって結成された現代美術グループ。1970年2月、十日町を流れる信濃川の河川敷の大雪原を舞台に、農業用の噴霧器で赤、青、黄、緑の四色の顔料を撒き散らしながら描いた巨大な抽象画「雪のイメージを変えるイベント」で知られる。近年の展覧会に「GUN―新潟に前衛があった頃」新潟県立近代美術館(2012年)、「荒野のラジカリズム グローバル 60年代の日本の現代美術家たち」Japan Society(ニューヨーク 2019年)、「Between Collectivism and Individualism —Japanese Avant-Garde in the 1950s and the 1960s」ザヘンタ国立美術館(ワルシャワ 2021年)など。Event to Change the Image of Snow 1970/2009ローリー・シモンズ Laurie Simmons1949年米国ニューヨーク州ロングアイランド生まれ,ニューヨーク在住。1971年、タイラー・スクール・オブ・アート(フィラデルフィア)芸術課程修了。ローリー・シモンズは、人間の代わりである腹話術人形やおもちゃ、人形、雑誌の切り抜きなどをその他の小道具と共に登場させる写真や映像作品で知られる。メトロポリタン美術館、ニューヨーク近代美術館、ホイットニー美術館、グッゲンハイム美術館、ロサンゼルス現代美術館、フィラデルフィア美術館、ウォーカー・アート・センターを始めとするアメリカの名だたる美術館にコレクションされているほか、アムステルダム市立近代美術館、イスラエル美術館、日本でも国立国際美術館、原美術館、金沢21世紀美術館に所蔵されている。Walking glove (from the suite Food, Clothing, Shelter)1996■ node hotel 施設概要名称:node hotel ノードホテル所在地: 〒604-8225 京都市中京区四条西洞院上ル蟷螂山町461電話:075-221-8800客室数:25室開業:2019年7月運営会社:サヴィー京都合同会社node hotel : ■宿泊予約・お問い合わせ先note hotel(ノードホテル)宿泊予約係TEL 075-221-8800■お問い合わせ先本件に関するお問い合わせはこちらまでご連絡ください。担当:坂下 sakashita@nodehotel.com 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年11月06日10月16日(月)から東京、仙台、名古屋、大阪で開催されるフランシス・レイ オーケストラ ジャパン ツアー2023「フランシス・レイストーリー」で、レイがこの世を去る数日前に作曲した未発表曲が世界初演されることが決定した。フランシス・レイは、フランス出身の作曲家。1960年代からエディット・ピアフやイヴ・モンタン、エルトン・ジョンらに楽曲を提供し、クロード・ルルーシュやアーサー・ヒラーなど著名な監督の映画音楽を数多く担当。2018年に亡くなるまで生涯にわたり世界中で愛される名曲を生み続けた。ヒラー監督『ある愛の詩』でアカデミー作曲賞、ゴールデングローブ作曲賞を受賞。「男と女」「ある愛の詩」「白い恋人たち」など愛され続ける名曲を数多く生み出した。今回の日本公演は、生前のレイの推挙のもと彼の没後に創設された公式フランシス・レイ オーケストラが演奏を担当。35年にわたりレイのプロデュースをしていたティエリー・ウォルフとレイの遺族が構成を手がけ、ジャッキー・ドゥランスの指揮と豪華なゲスト・シンガーにより、レイの音楽世界を表現する。レイの未発表曲『The Final Dot』は、ウォルフがレイの亡くなる数週間前に作曲を依頼したもので、ウォルフのもとに作品が届いたのは彼が世を去る数日前のこと。この曲は、映画「男と女」に出演するアヌーク・エーメに向けて書いた曲で、2021年11月パリで行われたレイの追悼公演でも未発表。今回の日本での演奏が世界初演となる。Francis Lai Orchestra Japan Tour 2023「Francis LaiStory」10月16日(月)18:00東京国際フォーラムホールC10月17日(火)18:30東京エレクトロンホール宮城10月20日(金)18:30日本特殊陶業市民会館ビレッジホール10月21日(土) 17:0010月22日(日) 15:00サンケイホールブリーゼ■チケット情報東京公演特別ゲストクロード・ルルーシュゲストシンガークレモンティーヌレイナ・キタダアンヌ・シラロレーヌ・ドゥヴィエンヌキャティア・プラシェ演奏フランシス・レイ オーケストラ
2023年08月25日フランシス・マクドーマンドとブラッド・ピットの制作会社「PLANB」がタッグ、俳優でもあるサラ・ポーリー監督がベストセラー小説を映画化した『ウーマン・トーキング 私たちの選択』。この度、「奇跡的な配役」「彼以外演じられないと思わせる」などSNSでもその演技と役柄に称賛が集まっているベン・ウィショーの本編映像が解禁となった。公開初日よりSNS上でよく話題に上がっていたのが、尊厳のために闘う女性たちの隣で、唯一男性として議論に参加していたベン・ウィショー演じる“オーガスト”について。「奇跡的な配役」「難しい役柄にもかかわらず最高に素晴らしい演技」「ベン・ウィショーのいい演技を観た」「彼以外演じられないと思わせるほど、完璧なハマり役だった」など、絶賛の声が相次いでいる。オーガストは、コミュニティのほかの男たちから「男らしくない」と思われている。彼は村で教師をしているが、学校に通うのは少年と若い男性だけで、少女たちは教育を受けていない。オーガストはオーナ(ルーニー・マーラ)とお互いを想い合っており、オーナは彼に話し合いの議事録を取るように頼む。話し合いをする女性たち自身は読み書きができないが、その記録を残したかったからだ。この度解禁されたのは、男性優位のコミュニティのなかで、唯一中立な立場として、女性たちの話し合いを書き留め続けるオーガストの包み込むような優しさや、そんなコミュニティに男性として属する苦悩が垣間見える本編映像。納屋での議論の合間に気分が悪くなったオーナ。井戸まで付き添ったオーガストが自らの手に水をくんで、オーナの口元に添えるカットからスタートする。オーナは書記の役割を果たすオーガストに感謝の言葉を送るが、オーガストは目を伏せて「ごめん オーナ」と謝る。加害者たちと同じ男性でありながら、オーナや女性たちに起こった悲劇に胸を痛めるオーガストの苦悩がその痛々しい表情に表れている。さらに「君と子供の面倒は僕が見る」と告げるオーガストの静かな微笑みは、彼の中にある愛を感じさせ、「闘って負けたらこの子はほかの家族にもらわれる」と言うオーナに対して「君はそんなの認めない」と返すオーガストには、その声色からオーナを信じ励ます力強さも感じることができる。ベンが演じたオーガストは、女性たちの話し合いを記録として残すほかにも、これからのコミュニティにとって重要な使命を担うことになる。その使命とはいったい何なのか、劇場で目撃してほしい。なお、6月13日(火)、渋谷ホワイトシネクイントにて本作のトークイベント付き上映が開催。清水晶子氏(東京大学総合文化研究科教授)、斉藤綾子氏(映画研究者/明治学院大学文学部芸術学科教授)を招いてのトークイベントは19:00上映回、上映後に実施される予定。『ウーマン・トーキング 私たちの選択』はTOHOシネマズ シャンテ、渋谷ホワイトシネクイントほか全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:ウーマン・トーキング 私たちの選択 6月2日TOHO シネマズ シャンテ、渋谷ホワイトシネクイントほか全国公開© 2022 Orion Releasing LLC. All rights reserved.
2023年06月13日ルーニー・マーラ、クレア・フォイ、ジェシー・バックリーらが共演、アカデミー賞受賞のフランシス・マクドーマンドとブラッド・ピット率いる「PLAN B」がタッグが組んだ話題作『ウーマン・トーキング 私たちの選択』から、世界から高く評価された女優たちの演技力が光る議論シーンの本編映像が解禁となった。本作は、意志や尊厳を奪われた女性たちが集まり、自分たちと子どもたちのためによりよい世界を築くにはどう前へ進めばいいのか、話し合う物語。大半が納屋の中で展開されるストーリーを観客に飽きさせずに引き込ませることができるのは、サラ・ポーリー監督による緻密に練られた脚本と、俳優陣の卓越した演技力の賜物だ。サラ監督は、ある特定の宗教コミュニティが舞台の本作を普遍的なものとして感じてもらうために寓話の世界として描いたという。そのこだわりを裏づけるように、ジェシーは「(この作品に対する)私の感想は『こんな女性たちを知ってる』でした。彼女たちは私の中にもいます。人生で彼女たちのようであった時期があります」と語っている。解禁となった本編映像は、女優陣の演技が光る納屋での話し合いシーン。フランシス演じるスカーフェイス・ヤンツは信仰に基づいて男たちを赦すべきだと主張するが、クレア演じるサロメは呆れたように笑って立ち上がり、赦さないと主張する。男たちを赦して天国に行くか、赦さず追放されるか。究極の選択を前に、女性たちの心は揺れ、交わされる言葉に熱がこもる。それぞれの戸惑いや決意が行き交うなか、オーナ(ルーニー・マーラ)の「天国だけでなく 地上でも存在理由が必要よ」という言葉に、「何もしない」派のスカーフェイス・ヤンツは娘の手を取り立ち去ってしまう…。感情を露わに訴えるサロメや、静かに核心をついた言葉を発するオーナほか、それぞれの女性たちの個性がそのまま表現された、魂の議論シーンとなっている。脚本の構成力、俳優陣の引力、そして物語の核となる女性たちの議論と選択の過程。それぞれの観点から深く味わうことのできる至高の1作となった本作について、岩井志麻子(作家)は「どこかへ逃げようかと悩んだり、敵地に乗り込もうかと迷ったりする前に、まずは話し合える仲間を見つけてほしい。女には必ず、同じ思いを持つ仲間がいる井戸端や干し草置き場が用意されている」とコメント。児玉美月(映画批評家)も、観客は「女たちの生と尊厳が懸けられた議論に参加を余儀なくされる」と言い、「これが『過去の歴史』ではなく『進行形の現実』であることを知ったなら、もう『何もしない』ままではいられない。わたしたちは、どんな未来を選ぶ?」と問いかける。そして北村道子(スタイリスト)は「すべての俳優たちにアカデミー賞をあげたい」、DIZ(映画アクティビスト)は「俳優一人一人の演技の引力に強く心を揺さぶられた」と、サラ監督自身もカギだったと語る俳優陣の演技力に注目している。『ウーマン・トーキング 私たちの選択』は6月2日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、渋谷ホワイトシネクイントほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ウーマン・トーキング 私たちの選択 6月2日TOHO シネマズ シャンテ、渋谷ホワイトシネクイントほか全国公開© 2022 Orion Releasing LLC. All rights reserved.
2023年05月02日ルーニー・マーラやクレア・フォイ、ジェシー・バックリー、プロデューサーでもあるフランシス・マクドーマンドらが出演した『ウーマン・トーキング 私たちの選択』。この度、作品の要であり、納屋での話し合いを見事演じきった女優陣をサラ・ポーリー監督が絶賛するインタビューが到着した。本作で最も重要となるのは、劇中で何時間にも及ぶ納屋での話し合い。アカデミー賞脚色賞を受賞したサラ・ポーリーが脚本を書くうえで楽しくも難しかったと語る。オスカー前哨戦でも第43回ボストン映画批評家協会賞など数々の賞でアンサンブル演技賞を受賞し、脚本のクオリティだけでなく、俳優陣の演技合戦にも注目が集まっている。なかでも主演を務めたルーニー・マーラ、オスカー前哨戦で多数の助演女優賞にノミネート・受賞したクレア・フォイ、アカデミー賞ノミネート経験もあるジェシー・バックリーへの注目度は高い。ルーニー演じるオーナは、村を代表して話し合う3家族のうち、アガタ(ジュディス・アイヴィ)の長女で聡明な女性だ。“事件”によって子どもを身籠った彼女は、もの静かながらも、このまま暴力に耐えてはいけないという強い意志で話し合いに参加する。ポーリー監督はルーニーについて、その器の大きさを絶賛する。「ルーニーは、役柄のオーナと同じようなエネルギーをセットにもたらします。思いやりと共感に満ちた人であり、あの納屋で湧き上がってきたさまざまな感情をすっと受け止める器があります。彼女はその場に意識を集中させ、周りの人に注意を注ぐことにすごく長けています。生き生きとした女優だとも思います。自分を曝け出すことも厭わない。エゴがなく、生きた愛の器のような存在です」と監督。また、クレアが演じるサロメは、アガタの次女で小さな娘がいる。サロメは男たちの所業に激しく怒り、子どもたちを守るために闘うべきだと主張する。感情的なシーンの多いこの役柄を、正確な芝居で演じきったクレアにサラは驚いたと言う。「劇中でサロメが感情的に独白するシーンがあり、2日間半にわたって120テイクを重ねたのだけど、一度たりとも芝居が揺らぐことがありませんでした。演技の機械のような人で、あのようなスキルとスタミナと正確性を目にするのは初めて。本当に驚きで、みんなも畏敬の念のような眼差しで彼女を見つめていました」。そしてフロリダ映画批評家協会賞などで助演女優賞を獲得したジェシーの演技に、ポーリー監督は「マーロン・ブランドやロバート・デ・ニーロなどの名優を思い浮かべる」と話す。「女性たちが議論するシーンで、カメラがいよいよジェシーに焦点を当てるところまでくると、野外で作業をしていたテクニカル・スタッフが、ジェシーの演技を見たいとわざわざモニターのほうへ駆け寄ってくる始末でした。ジェシーにはそういう素晴らしい磁力があります」という。そんなジェシーが演じるのは、グレタ(シーラ・マッカーシー)の長女・マリチェ。彼女には娘と夫がおり、闘うか、去るか話し合う女性たちの中でも、本当に闘えるのか?去ったところでどう生きていくのか?そもそも闘うこと、去ることは赦されるのか?という疑念を抱いている人物である。三者三様の想いを抱える役柄を演じる彼女たち。世界が評価する女優たちの魅せる圧巻のアンサンブル演技は見逃せない。今回は、3人が演じるオーナ、サロメ、マリチェのスチールを解禁。畑の真ん中でほほ笑むオーナ、母・アガタと額を合わせ何かを祈るように目をつむるクレア、どこか張り詰めたような雰囲気のマリチェ。それぞれの表情にも注目してほしい。『ウーマン・トーキング 私たちの選択』は6月2日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、渋谷ホワイトシネクイントほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ウーマン・トーキング 私たちの選択 6月2日TOHO シネマズ シャンテ、渋谷ホワイトシネクイントほか全国公開© 2022 Orion Releasing LLC. All rights reserved.
2023年04月03日アカデミー賞作品賞・脚色賞にノミネートされた話題作『ウーマン・トーキング 私たちの選択』。オスカー常連俳優であるプロデューサーのフランシス・マクドーマンドがサラ・ポーリー監督の魅力を語るインタビューが到着、場面スチールを3枚、ポーリー監督のメイキング写真が1枚解禁となった。本作は、フランシス・マクドーマンドが原作「Women Talking」のオプション権を獲得したところから製作が始まった。フランシスは原作を、読むだけでは満足せず、深堀りしたくなる小説だったと話し、「(「Women Talking」の)テーマを検証することは時代にふさわしく、やりがいがあり、真剣なことであり、爽快でおもしろいと思いました」と語っている。これまでに『ノマドランド』などでプロデューサーとしてもアカデミー賞を獲得してきたフランシス。そんな彼女が、サラ・ポーリー監督の本作に対するビジョンに一番驚いたと称賛している。「私は至近距離から撮ったような素朴な作品を想像していたのですが、サラは最初から『これは叙事詩的な大作に仕上げたい。そろそろ女性の物語をスケール感たっぷりに描いても良いはず。撮影も華麗に壮大にシネマティックに撮るべき』と語っていました」という。さらに、「それを撮影監督のリュック・モンペリエとともに見事に実現しています。必ずしも美しくなくとも、壮大に撮ることがこの作品の要であり、何よりもそういう壮大さを要するストーリーだったのです」と、フランシスが絶賛するサラ監督のビジョンを形にした本作は、原作の世界を壮大なスケールで映像化することに成功。数々の賞で脚色賞を受賞し、世界から称賛を浴びている。解禁となったスチール写真では、1枚目には、幼い娘を抱き力強いまなざしを浮かべるサロメ(クレア・フォイ)と、ふたりを静かに見つめるオーナ(ルーニー・マーラ)の横顔が捉えられている。2枚目は、オーナ、サロメと、本作に登場する唯一の男性・オーガスト(ベン・ウィショー)が並んで解放感のある草原に座る1枚。同じ方向を見つめながらも、三者三様の表情を浮かべる彼女たちがそれぞれ何を想うのか。そして、女性たちがひとつのテーブルに集まっているシーン。8人がのぞき込む紙には何が描かれているのだろうか。さらに、サラ監督のメイキング写真を解禁。主演であるルーニー・マーラと並び、作品を作り上げる姿が到着した。『ウーマン・トーキング 私たちの選択』は6月2日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、渋谷ホワイトシネクイントほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ウーマン・トーキング 私たちの選択 6月2日TOHO シネマズ シャンテ、渋谷ホワイトシネクイントほか全国公開© 2022 Orion Releasing LLC. All rights reserved.
2023年03月06日アカデミー賞女優フランシス・マクドーマンドとブラッド・ピットのプランBのプロデュースによる『ウーマン・トーキング 私たちの選択』から、女性たちが並んだポスタービジュアルが解禁された。オスカー前哨戦では脚色賞を数多く受賞、本年度のアカデミー賞でも作品賞、脚色賞の2部門にノミネートされているサラ・ポーリーが脚本、監督。2度アカデミー賞にノミネートされているルーニー・マーラが主演、Netflixのドラマシリーズ 「ザ・クラウン」で主演女優賞、最優秀ゲスト女優賞と2度エミー賞を獲得したクレア・フォイ、アカデミー賞ノミネート経験もあるジェシー・バックリーほか、フランシス・マクドーマンドも出演する。ポスタービジュアルには、6人の女性たちの姿が並ぶ。彼女たちの口元をタイトルが覆い、語り合いで進行するストーリーを想起させ、女性たちの決意のまなざしを強調する。もう1つ印象的なのが、右側から差し込む光を見つめる主人公・オーナ。彼女たちの決断は、未来を切り開く希望の一手となるのか…。物語は、ボリビアで起きた実話が基になっている。なお、本作のオンラインムビチケが3月3日(金)より販売開始。詳細は本作公式サイトで確認できる。『ウーマン・トーキング 私たちの選択』は6月2日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、渋谷ホワイトシネクイントほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ウーマン・トーキング 私たちの選択 6月2日TOHO シネマズ シャンテ、渋谷ホワイトシネクイントほか全国公開© 2022 Orion Releasing LLC. All rights reserved.
2023年03月01日SXSW映画祭観客賞受賞、2022年公開の話題作『セイント・フランシス』のDVD発売・レンタル開始が3月24日(金)に決定。先行して、2月24日(金)よりU-NEXTにて独占配信開始も決定している。本作は、主演のケリー・オサリヴァンが脚本を手掛けた、30代のブリジットと6歳のフランシスのひと夏の交流を描いたヒューマンコメディ。『レディ・バード』に触発されたというケリーが実体験を基に描き、「グレタ・ガーウィグに続く才能」として多くの映画祭で高評価を受けた。本作が世界からも日本でも評価されているポイントの一つは、生理、中絶、同性愛、高齢出産、産後うつ、育児ストレスなど、現代の繊細な悩みを、日常の一要素としてリアルに描き、ユーモアとともにあたたかく前向きなドラマへと昇華している点だろう。生き方に不安を感じる時にもユーモアと少しの勇気を与えてくれる、人生のあらゆるステージで観直したい一本だ。DVDには、各店舗の早期購入オリジナル特典としてビジュアルシートやポストカードなども付与される予定。『セイント・フランシス』DVDは3月24日(金)より発売。2月24日(金)正午よりU-NEXTにて独占配信開始。(text:cinemacafe.net)■関連作品:セイント・フランシス 2022年8月19日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネクイントほか全国にて公開© 2019 SAINT FRANCES LLC ALL RIGHTS RESERVED
2023年01月25日映画『ウーマン・トーキング 私たちの選択』が、2023年6月2日(金)に公開される。フランシス・マクドーマンドとブラッド・ピット率いるPLAN Bがタッグを組み、主演にはルーニー・マーラを迎えた。ベストセラー小説を実写化映画『ウーマン・トーキング 私たちの選択』は、2018年に発売されベストセラーとなったミリアム・トウズによる小説『WOMEN TALKING』を実写映画化するもの。キリスト教の一派「メノナイト」の女性たちが相次いで強姦されるという、2005年から2009年にボリビアで起きた実際の事件を題材にしたものだ。映画『ウーマン・トーキング 私たちの選択』あらすじ舞台は2010年の架空の村。自給自足で生活するキリスト教一派の村で起きる女性たちが度々レイプされる。これまで女性たちはそれを「悪魔の仕業」「作り話」というように男性たちに否定されていたが、それが実際に犯罪だったということを知る。男性たちが街へと出かけている2日間、彼女たちは自らの未来を懸けた話し合いを行う。主演はルーニー・マーラ主演は、『ナイトメア・アリー』のルーニー・マーラ。主人公・オーナを演じる。さらに、『ファーゴ』『スリー・ビルボード』『ノマドランド』で3度のアカデミー賞 主演女優賞に輝いているフランシス・マクドーマンド、蜘蛛の巣を払う女』のクレア・フォイ、『MEN 同じ顔の男たち』のジェシー・バックリー、『007』シリーズ、Q役でおなじみのベン・ウィショーら、豪華キャストが参加する。主人公・オーナ…ルーニー・マーラ女性たちに、「天国だけでなく 地上でも存在理由が必要よ」と言葉を放つ。スカーフェイス・ヤンツ…フランシス・マクドーマンド未来を懸けた話し合いの中で、「“赦し”は信仰」だと主張する。娘の手を取り、話し合いの場から立ち去ってしまう。サロメ…クレア・フォイ男たちへ激しい怒りを抱いており、赦しを主張するスカーフェイス・ヤンツと真っ向から対立する。アガタ…ジュディス・アイヴィオーナ、サロメの母。納屋での話し合いに集まった女性たちに「どうする?」と問いかける。アナ…キーラ・グロイオンヤンツの娘。ヘレナ…シャイラ・ブラウンアナの娘。ナイチャ…リヴ・マクニールサロメのめい。グレタ…シーラ・マッカーシーマリチェ…ジェシー・バックリーグレタの長女。メジャル…ミシェル・マクラウドグレタの次女。オーチャ…ケイト・ハレットマリチェの娘。オーガスト…ベン・ウィショー書記の男。フランシス・マクドーマンド&ブラッド・ピット率いるPLAN Bがタッグ出演とプロデュースを務めたフランシス・マクドーマンドは、『ウーマン・トーキング 私たちの選択』のオプション権を獲得後、ブラッド・ピットが率いる映画制作会社PLAN Bへ話を持ち込み、映画化が実現。『ムーンライト』『ミナリ』など数々のオスカー受賞作を手がけるPLAN Bと、フランシス・マクドーマンドの強力なタッグに期待が高まる。監督・脚本はサラ・ポーリー監督・脚本は、『アウェイ・フロム・ハー 君を想う』『テイク・ディス・ワルツ』などのサラ・ポーリーが務めた。女性たちの大きな感情のうねりを言葉のかけ合いで巧みに表現したサラ・ポーリーの脚本は、出演者のクレア・フォイが「戯曲のよう」だと形容する程セリフが密に書かれていたという。なおかつ、様々な解釈の余白がある脚本になっており、クレア・フォイは「今までに読んだことのないよな脚本だと思った」というコメントも寄せている。第95回アカデミー賞 脚色賞を受賞第95回アカデミー賞にて、映画『ウーマン・トーキング 私たちの選択』が脚色賞を受賞した。尚、映画『ウーマン・トーキング 私たちの選択』は、第80回ゴールデングローブ賞においても、脚本賞にサラ・ポーリー、作曲賞にヒドゥル・グドナドッティルがノミネートを果たしている。【作品詳細】映画『ウーマン・トーキング 私たちの選択』公開日:2023年6月2日(金)監督・脚本:サラ・ポーリー出演:ルーニー・マーラ、クレア・フォイ、ジェシー・バックリー、ベン・ウィショー、フランシス・マクドーマンド、ジュディス・アイヴィ製作:デデ・ガードナー、ジェレミー・クライナー、フランシス・マクドーマンド製作総指揮:ブラッド・ピット、リン・ルチベッロ=ブランカテッラ、エミリー・ジェイド・フォーリー原作:ミリアム・トウズ(「WOMEN TALKING」)
2022年11月12日『ノマドランド』でアカデミー賞の作品賞、監督賞、主演女優賞(フランシス・マクドーマンド)を獲得したクロエ・ジャオが、テレビ界へ進出する。『ノマドランド』を配給したサーチライト・ピクチャーズが立ち上げた新部門サーチライト・テレビジョンと、複数年にわたるファースト・ルック契約を締結したという。サーチライト・ピクチャーズの共同社長デヴィッド・グリーンバウム&マシュー・グリーン・フィールドは、「クロエは先見の明のある映画監督で、『ノマドランド』が完成した瞬間から私たちはまたコラボするための新しい方法を探していました。私たちはクロエのストーリーテリングに対する情熱の広がりに感動しました。また、クロエと腕を組み、パーソナルでパワフルかつ不朽の物語をサポートする機会を広げることができて、この上なくうれしく思います」と声明を発表。サーチライト・ピクチャーズはディズニー傘下であり、ジャオ監督はディズニーが配給した『エターナルズ』のメガホンを取ったというつながりもあることから、ファンは「ジャオ監督は本当にディズニーのお気に入りだ」「『エターナルズ』続編も期待していいんだよね?」といった声を上げている。(賀来比呂美)■関連作品:ノマドランド 2021年3月26日より全国にて公開© 2021 20th Century Studios. All rights reserved.
2022年09月21日SXSWほか多くの映画祭で高評価を受けた『セイント・フランシス』より、主演と脚本をつとめたケリー・オサリヴァンから日本の観客へ向けたメッセージ動画が到着。また併せて本編映像も解禁された。タブーとされていた「女性あるある」をユーモアと見事なバランスで取り入れながら30代の女性と少女の交流を描き「グレタ・ガーウィグに続く才能」とも絶賛された本作。社会が決めた見えないルールに振り回されて居心地の悪い思いをしたり、自分の生き方に自信を持てなかったり…そんな不安だらけの毎日を生きる全ての人々に優しいエールを贈る作品だ。この度解禁された映像の冒頭では、本作の脚本と主演を担当したケリー・オサリヴァンからのコメントが。「面白くて温かく、人と語り合いたくなる映画です」「恋人同士やお母さんとだって楽しんでもらえるはず。笑いがあるし、時には涙も出るかもしれません」とこれから映画を観る日本の観客へ向けたメッセージを送っている。続く本編映像は、ブリジットと彼女がナニー(子守り)を務めるフランシスが、大人と子どもという垣根を越え、対等に会話することで、少しずつ心が近づいていくシーン。「ジョーン・ジェットって何?」と、フランシスが通うギター教室からの帰り道、あるきっかけから、女性ロッカーの先駆けである彼女について質問されたブリジット。「最高のロックスターよ」「派手なメイクでいつも怒ってる」「家父長制に反対してるのよ」と答える。家父長制を「男が女を従えるってこと」と世間への皮肉も込めつつ説明すると、フランシスは「ギター教室も家父長制だね」と、教室の先生が男性であることに対し、鋭くも素直な視点で返答する。少し距離が近づいた2人はその後、ジョーン・ジェットを真似た派手なメイクとパフォーマンスでふざけ合うが、そこへ両親が帰宅。ブリジットは、フランシスにメイクを施したことに対して「マスカラを使った?」「この子は週末に結膜炎にかかったのよ」と少し釘をさされてしまうのだった…。どこか大人になりきれない、だけど愛すべきブリジットのキャラクターが垣間見える本編映像となっている。『セイント・フランシス』は8月19日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネクイントほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:セイント・フランシス 2022年8月19日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネクイントほか全国にて公開© 2019 SAINT FRANCES LLC ALL RIGHTS RESERVED
2022年08月18日俳優のケリー・オサリヴァンが脚本を手掛けた『セイント・フランシス』より本編映像が解禁された。また本作への著名人のコメントも到着した。SXSWフィルムフェスティバル2019観客賞、審査員特別賞受賞のほか高い評価を得た本作は、これまでタブーとされていた「女性あるある」をユーモアと見事なバランスで描いたヒューマンドラマ。34歳で独身、大学も1年で中退し、レストランの給仕として働くブリジット(ケリー・オサリヴァン)。ナニー(子守り)として6歳の少女フランシスとその両親であるレズビアンカップルと出会い、触れ合うことで少しずつその人生に変化が訪れていく。解禁されたのは、公園で我が子に授乳しようとした母親のマヤに対して執拗にクレームを入れてくる女性とブリジットとのやりとりを切り取ったもの。「トイレとか車の中でやってもらえない?」「出かける前に対策ができたはず」「男の注目を浴びたいのなら別だけど」などなど、容赦ない女性の苦言の数々に思わず涙目になってしまうマヤ。しかし、ブリジットがマヤの気持ちを理解して応戦、その言葉に勇気づけられた彼女は「(子どもの前)だからこそ異なる意見も尊重すべきだと示さないと」「不快にさせたのなら謝る」「でも我が子への愛を詫びる気はない」としっかりと自分の想いを伝える。産後うつに苦しめられ、自分に自信がなくなっていたマヤが周囲の優しさと触れ合い、向き合うことで、少しずつ自分を取り戻す様子が捉えられている。グレタ・ガーウィグの『レディ・バード』(17)の女性の描き方に触発され、俳優として多くの脚本を読んできた経験を生かして自伝的要素を織りこんだ本作のオリジナル脚本の執筆を開始したというケリー・オサリヴァン。20代にベビーシッターをしていた経験と、30代での中絶という自身の過去を重ね、本作の脚本を作り上げたそう。また、著名人からのコメントも到着。「人類の半数が直面する生理、避妊、中絶なぜかタブーとされてきた等身大の姿を軽やかにユーモラスに誠実に描いている。30代半ばで、何をすべきか? 分からないことだらけだけれどのびやかに、したたかに、生きていける気がした」というのは、フリーアナウンサーの宇垣美里。作家の山内マリコは「Bravaaaaa!!! 心の中で何度もスタンディングオベーションを送りました。 女子のリアルがこんなにも自然に詰まった映画は、ちょっと他にない。月に一度の生理、産む性であることの憂鬱、中絶。 それをこんなふうに描けるなんて、魔法だし、発明だ。 私たちを抱きしめてくれる映画。傑作」と絶賛している。漫画家・コラムニストの辛酸なめ子も「アップデートされた保健体育的な、男性も女性も必見の映画。 様々な肉体の試練に見舞われながらも乗り越えていく女性の姿がかっこよくて、同性として生きているだけでも自分をほめたくなってきます」とそれぞれの想いを寄せている。『セイント・フランシス』は8月19日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネクイントほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:セイント・フランシス 2022年8月19日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネクイントほか全国にて公開© 2019 SAINT FRANCES LLC ALL RIGHTS RESERVED
2022年08月01日映画『セイント・フランシス』が、2022年8月19日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネクイントほか全国ロードショー。主演はケリー・オサリヴァン。⼥性の“⼼と⾝体のリアル”をユーモラスに描く映画『セイント・フランシス』は、女性の⾝体にのしかかる様々な負担や精神的プレッシャー、セクシャルマイノリティーの⼈々が直⾯する社会的な差別などを、ユーモアと軽やかさをもって描いた作品。主人公ブリジットと、ナニー(子守り)先の少女のひと夏の物語をベースに、これまでタブー視されることの多かった⽣理、避妊、中絶、妊娠、産後うつ、育児ストレスなどを、見事なバランス感覚で描き切った。ケリー・オサリヴァンの脚本デビュー作映画『セイント・フランシス』は、アメリカで開催される世界最⼤のエンタメカンファレンスイベント「SXSW フィルムフェスティバル 2019」にて観客賞と審査員特別賞を受賞。主演もつとめるケリー・オサリヴァンが、自伝的要素を盛り込んだ脚本デビュー作となっており、『レディ・バード』のグレタ・ガーウィグに続く才能とも評された。メガホンを取ったのは、⻑編初監督となるアレックス・トンプソン。私⽣活のパートナーでもあるケリー・オサリヴァンたっての願いで、監督を引き受けたという。映画『セイント・フランシス』あらすじ34歳で独⾝、⼤学も1年で中退し、レストランの給仕として働くブリジットは夏のナニーの短期仕事を得るのに必死だ。そんなうだつのあがらない⽇々を過ごすブリジットの⼈⽣に、ナニー先の6歳の少⼥フランシスや、その両親であるレズビアンカップルとの出会いにより、少しずつ変化の光が差してくる――。主演はケリー・オサリヴァン自身が担当・主人公・ブリジッド...ケリー・オサリヴァン34歳で独⾝、⼤学も1年で中退し、レストランの給仕として働く女性。ナニー先のレズビアンカップルや少女フランシスとの偶然の出会いから、少しずつ心の変化が訪れる。脚本を手掛けたケリー・オサリヴァン自身が、主演も務める。・フランシス...ラモーナ・エディス・ウィリアムズブリジットのナニー先にいる6歳の少⼥。物語のカギを握る。フランシスを演じるのは、映画『セイント・フランシス』が俳優デビューとなったラモーナ・エディス・ウィリアムズ。・フランシスの両親...チャリン・アルヴァレス、リリー・モジェクフランシスの両親であるレズビアンカップル。フランシスを⾚ちゃん扱いせず、⼀個⼈として接する。・ジェイス...マックス・リプシッツブリジットのボーイフレンドでミレニアル世代の考えを代弁するキャラクター。完璧とは程遠くても、人生は愛おしいケリー・オサリヴァンは、映画『セイント・フランシス』のストーリーについて、⼥性の⼼⾝の本⾳を⾒せたかったのだと語っている。「⼥性に⽣理がなかったら地球には誰も存在しないのに、若い頃から⽣理のことは隠すように教育されている」とし、世界の⼥性が毎⽉向き合う日常の当たり前を、おおやけに語ることがタブーとされている現状に疑問を感じ、オリジナル脚本を書き上げたという。⼥性たちの“⼼と⾝体のリアル”を描いた『セイント・フランシス』は、不安だらけの毎⽇を⽣きるすべての⼈々に優しいエールを贈るムービー。パーフェクトとはほど遠くても、⼈⽣はこんなにも愛おしい。そんなことを語りかけてくれるかのような作品だ。【詳細】映画『セイント・フランシス』公開日:2022年8月19日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネクイントほか全国ロードショー監督:アレックス・トンプソン脚本:ケリー・オサリヴァン出演:ケリー・オサリヴァン、ラモナ・エディス・ウィリアムズ、チャーリン・アルヴァレス、マックス・リプシッツ、リリー・モジェク2019年/アメリカ映画/英語/101分/スコープサイズ/5.1ch デジタル/カラー字幕翻訳:⼭⽥⿓ 配給:ハーク
2022年04月10日フランシス・フォード・コッポラ監督が、1980年代初期に自身が執筆した脚本を基に、『Megalopolis』(原題)の映画化に取り組んでいる。ゼンデイヤ、ケイト・ブランシェット、オスカー・アイザック、ミシェル・ファイファー、フォレスト・ウィテカー、ジェシカ・ラングら演技派俳優たちが出演すると報じられており、話題性の高い作品だ。しかし、映画スタジオは興味を示さなかったという。コッポラ監督が「GQ」誌に語った。「オスカーを5つ獲って、ハリウッドで一番乗りに乗っている監督だったあのころ、『地獄の黙示録』の企画を持って『次にこれを作りたいんだけど』と言ったときと同じ(扱い)です」「だれも欲しがらなかった」と恨み節。「想像してみてください。33歳だかそこらの年齢(若さ)で至る賞を獲得し、記録を打ち破った私の作品に、だれも参加したがらなかったのです。(それならいま、彼らがどんな反応をするかもわかるでしょう?)」。「私がそれ(『Megalopolis』)を個人的な作品にし、そして夢を追えば追うほど、資金調達は難しくなるだろうと思いました」と覚悟を決めた作品であると語った。そんなわけで『Megalopolis』の製作費を集めるために、コッポラ監督は自ら1億2000万ドル(約138億円)をポケットマネーから捻出し、所有するワイナリーの大部分を売却して同作のための融資枠を作ったと告白。138億円とは巨額であるが、コッポラ監督は「私が出せる限度額というわけではありませんよ。遺言ですべての子どもたちに、多くを譲るようにしてあります」と懐事情についても明かした。(Hiromi Kaku)■関連作品:地獄の黙示録 ファイナル・カット 2020年2月28日より全国IMAX®にて期間限定上映©2019 ZOETROPE CORP. ALL RIGHTS RESERVED.
2022年02月21日ウィリアム・シェイクスピアの戯曲「マクベス」を基にした実写映画『The Tragedy of Macbeth』(原題)のティザー動画が公開された。同作はApple TV+と「A24」が配給を行うAppleのオリジナル映画。監督・脚本はジョエル・コーエン(『ノーカントリー』)、主人公のマクベスを演じるのはデンゼル・ワシントン(『トレーニング デイ』)、その妻・マクベス夫人を演じるのはフランシス・マクドーマンド(『ノマドランド』)と、アカデミー賞受賞経験者がそろった。今週ニューヨーク映画祭での初上映を目前とし、公開されたティザー動画。白黒の映像で、マクベスが「3人の魔女」に出会うシーンが収められている。音声は「なんだか親指がうずくんだ。なにかよくないものがやってくるね」と魔女の声らしきボイスーオーバーによるセリフのみ。マクベスの含みのある笑みが印象的。『ハリー・ポッター』シリーズのダドリー役で知られるハリー・メリングも登場する。映画ファンは、マーティン・スコセッシ監督の写真と名言「これぞ映画だ」を引用したり、「オスカーのにおいがする」「デンゼルとフランシス!これは観るしかない」と大きな期待を寄せている。『The Tragedy of Macbeth』は、アメリカでの劇場公開は12月25日、Apple TV+での配信は来年1月14日に開始となる。(Hiromi Kaku)
2021年09月22日サラ・ポーリーが監督・脚本を務める『Women Talking』(原題)のキャストが発表された。主演・製作のフランシス・マクドーマンド(『ノマドランド』)に加え、ルーニー・マーラ(『ドラゴン・タトゥーの女』、クレア・フォイ(「ザ・クラウン」)、ジェシー・バックリー(「FARGO/ファーゴ」)、ジュディス・アイヴィー(『父親たちの星条旗』)、シーラ・マッカーシー(「アンブレラ・アカデミー」)、ミシェル・マクラウド(『マイ・スパイ』)、ベン・ウィショー(『007』シリーズ)らが出演するという。「Deadline」などが報じた。『Women Talking』は、2018年に発売されベストセラーとなったミリアム・テーブスの同名小説を映画化。小説は、2005年から2009年にボリビア・マニトバ居住区で実際に起きた事件を取り上げている。居住区に暮らすメノナイト(キリスト教の教派の一つ)の女性たちが、夜中に記憶のないままレイプされるという不可解な現象が起き、初めのうちは「悪魔の仕業だ」と思われていた。のちに同じ居住区に住む男たちの犯行であったことが発覚し、被害者数は数百人に及んだという。小説ではこの事件後、女性たちが集まり、自身と娘たちを守るために立ち上がる。「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」の作者マーガレット・アトウッドが、「実話に基づいた素晴らしくて、悲しい、ショッキング、でも感動的な話です」と絶賛している物語。(Hiromi Kaku)
2021年06月17日実在のノマドたちと共に見つめるいまを生きる希望を、広大な西部の自然の中で探し求めるロードムービー『ノマドランド』のブルーレイ+DVDセットが6月23日(水)にリリースされることが決定した。ジェシカ・ブルーダーのノンフィクション書籍「ノマド:漂流する高齢労働者たち」を基に、『ザ・ライダー』のクロエ・ジャオが監督を務め、フランシス・マクドーマンドが主演と製作を担い映画化。フランシスは、“ノマド”として路上に出るファーンを、自身の生き方や考え方、ライフスタイルを投影しながら創り上げ、見事に演じ切った。また、ファーンに大きく影響を与えるノマドのデイブをデヴィッド・ストラザーンが演じ、ほかにもボブ・ウェルズ、リンダ・メイ、スワンキーをはじめファーンが道中に出会うノマド役は、実在する本物のノマドたちを抜擢し、ドキュメンタリーとフィクションの境界線を超える新しい表現ジャンルを確立した。本作は、ゴールデングローブ賞で作品賞&監督賞の2部門、ヴェネチア国際映画祭では金獅子賞、英国アカデミー賞では最多4部門(作品賞・監督賞・主演女優賞・撮影賞)、アカデミー賞では主要3部門(作品賞・監督賞・主演女優賞)で受賞と、各映画賞を賑わせた。今回のリリースでは、ブルーレイやデジタル配信(購入)に監督・原作者などによるインタビュー映像「ノマドという生き方」や、野外上映イベントを収録した「監督とキャストへのインタビュー」、「未公開シーン」など貴重なボーナスコンテンツが収録される。『ノマドランド』は6月9日(水)先行デジタル配信開始、6月23日(水)ブルーレイ+DVDセット発売。(cinemacafe.net)■関連作品:ノマドランド 2021年3月26日より全国にて公開© 2021 20th Century Studios. All rights reserved.
2021年05月21日若かりし日のダニエル・クレイグが出演する、映画『愛の悪魔フランシス・ベイコンの歪んだ肖像』が、2021年5月20日(木)に閉館を迎えるアップリンク渋谷にて同日1日限定上映される。閉館するアップリンク渋谷、最終日に1日限定特別上映2021年5月20日(木)をもって26年の歴史に幕を下ろすこととなったアップリンク渋谷。その最終日を飾る特別上映作品として、1998年公開の映画『愛の悪魔フランシス・ベイコンの歪んだ肖像』が選ばれた。映画『愛の悪魔フランシス・ベイコンの歪んだ肖像』では、20世紀を代表する画家の1人であるフランシス・ベイコンの生涯が、男性の恋人ジョージ・ダイアーとの関係を中心に描かれる。デレク・ジャコビとダニエル・クレイグが恋人に同作は、『007』シリーズのジェームス・ボンド役でも知られるダニエル・クレイグがデレク・ジャコビ演じるベイコンの恋人、ジョージ・ダイアー役として出演していることでも知られる作品。また、『フィクサー』のティルダ・スウィントンも出演している。監督は、デレク・ジャーマンに見出され、シニード・オコナー「Nothing Compares 2 U」のPVやエイドリアン・ブロディ主演の映画『ジャケット』を手掛けてきたジョン・メイブリィが務めている。坂本龍一が担当する音楽にも注目したい。<ストーリー>1971年、パリのグラン・パレでベイコンの大回願展が開催。そこには“現在生存する最も偉大な画家”と褒め称えられ、喝采を浴びるフランシス・ベイコン本人の姿があった。そんな折、ベイコンのモデルで恋人のジョージが、ホテルの部屋で大量のドラッグとアルコールを服用する。【詳細】『愛の悪魔フランシス・ベイコンの歪んだ肖像 』上映日時:2021年5月20日(木) 12:35~会場:アップリンク渋谷(渋谷区宇田川町37-18 トツネビル)監督+脚本:ジョン・メイブリィ/製作:キアラ・メナージュ/撮影:ジョン・マティエソン/美術:アラン・マクドナルド/衣装:アニー・シモンズ/音楽:坂本龍一出演:デレク・ジャコビ/ダニエル・クレイグ/ティルダ・スウィントン(1998年/イギリス/90分/ヴィスタ)配給:アップリンク
2021年05月20日先日行われた「第93回アカデミー賞」で作品賞・監督賞・主演女優賞を受賞し、最多3部門でオスカー像を獲得した映画『ノマドランド』(公開中)の特別ムービーが29日、公開された。クロエ・ジャオ監督とクロエ監督が絶大な信頼を寄せるジョシュア・ジェームズ・リチャーズ撮影監督が、本作の撮影現場を回想するものとなる。企業の破たんの影響で長年住み慣れた住居も失った主人公のファーン(フランシス・マクドーマンド)が、亡き夫との思い出を詰め込みんだキャンピングカーで“現代のノマド=放浪の民”となり、季節労働の現場を渡り歩く物語。アカデミー賞において、クロエ監督はアジア人女性として初の監督賞、マクドーマンドは3度目の主演女優賞に輝いた。特別ムービーは、ジョシュア撮影監督の「人々は『ノマドランド』で従来の映画とは違う、クロエ・ジャオの世界に足を踏み入れる」というコメントからスタート。風景が捉えやすいステディカムを使用した撮影や、太陽の動きを綿密に把握したマジックアワーでの撮影といったこだわりの映像美に迫っており、さらに時計を見ながらカメラをのぞき込むクロエ監督らスタッフのメイキングも映し出されている。本作はマクドーマンド、クロエ監督、ジョシュア撮影監督ら23人のクルーで完成させた作品。クロエ監督は「短い時間で連携する中でチームワークが培われていき、最後には1つの生態系のようだった。すばらしい気分よ」と充実の撮影を振り返り、ジョシュア撮影監督も「人生を模索するファーンにカメラはただ寄り添い、その場に立ち会っている。(本作は)奇跡の積み重ねのような作品だ」と自信たっぷりにアピールしている。原作はジェシカ・ブルーダーによる『ノマド:漂流する高齢労働者たち』で、米国では2月19日に公開された。
2021年04月29日20世紀の巨匠が遺した創作の秘密が今、明らかに。『フランシス・ベーコン バリー・ジュール・コレクションによる』をご紹介します。20世紀を代表する画家として、死後もその評価と人気は高まるばかり。アイルランド生まれのフランシス・ベーコン(1909~1992)は、20世紀という時代の息吹を誰よりも敏感に感じ取りながら、独自の画風を確立した。その画風とは、本人がよく口にしていた言葉で言い表すなら“ghostly”(「ゾッとするような、おぞましい」)。「単なる美しさではない、人間のシリアスな部分がベーコンの作品には露骨に表れていると思います。そういうところが我々の目を惹きつけてやまないのかもしれません」と神奈川県立近代美術館学芸員の髙嶋雄一郎さん。本展に来日するのは、彼と親交のあったバリー・ジュール氏がベーコンの死の10日前に譲り受けたコレクションの一部。ロンドンのアトリエに残されていた、まさに遺産とも呼べる約1500点の作品群で、当時、その存在が公表されるやたちまち論争に。なぜならそこには画家が描かないと公言していた素描やスケッチ、破棄されたと考えられていたごく初期の作品など、生前の言動から考えると、あるはずのないものが数多く含まれていたから。「ベーコンは独学で、20代の頃はキュビスムやシュルレアリスムなど当時のムーブメントに影響を受けた作風でしたが、’44年の作品から突如、今のスタイルに。なぜそうなったかは謎めいているとも言っていいほど、飛躍的な進化です。ジュール・コレクションには、歴史的人物や著名芸能人、ボクシングの試合の写真の上からドローイングしたものなどがたくさん残されています。それらを見ると、彼が人の体や顔の極限の姿に深い関心を寄せていたこと、テレビや映画、雑誌など20世紀に登場した視覚メディアから得たものを自分の絵にフィードバックしていた可能性がうかがえるのです」もしかしたら、それこそがベーコンの創作の秘密といえるのかも。「画家が人に見せるつもりがなかったものが白日にさらされる。その生々しさに圧倒されます。ぜひ目撃していただきたいですね」フランシス・ベーコン《『戦艦ポチョムキン』の中の乳母の写真上のドローイング》 1970年代‐1980年代頃©The Barry Joule Collection映画史上、最も有名といわれる『戦艦ポチョムキン』の乳母車が階段を落ちていくシーン。悲鳴を上げる乳母の表情は「叫ぶ教皇」シリーズのモチーフになったとされる。フランシス・ベーコン《Xアルバム9裏―叫ぶ教皇》 1950年代後半‐1960年代前半©The Barry Joule Collection従来、神聖視されてきた「教皇」が叫び、感情がむき出しになった極限状態を描く。ベーコンは叫ぶ人物を数多く描いているが、共通しているのは“根源的な存在”として描いている点。フランシス・ベーコン《2人のボクサーの写真上のドローイング》 1970年代‐1980年代頃©The Barry Joule Collectionボクシングやレスリングなど、運動する人体の肉眼では捉えきれない筋肉や骨格の動きに注目した。『フランシス・ベーコン バリー・ジュール・コレクションによる』渋谷区立松濤美術館東京都渋谷区松濤2‐14‐14開催中~6月13日(日)10時~18時(入館は閉館の30分前まで)※土・日・祝日、最終週は日時指定制月曜(5/3は開館)、5/6休一般1000円ほかTEL:03・3465・9421本展は、神奈川県立近代美術館 葉山からの巡回展です。※『anan』2021年4月28日号より。取材、文・松本あかね(by anan編集部)
2021年04月26日第93回アカデミー賞授賞式が4月26日(日本時間)、米ロサンゼルスで開催され、クロエ・ジャオ監督の『ノマドランド』が作品賞をはじめ、監督賞、主演女優賞の最多3部門で栄冠に輝いた。開催時期の延期、ノミネート条件の変更による配信公開作の躍進、授賞式会場の分散、セレモニー当日に実施された出席者へのPCR検査…。コロナ禍の影響を受け、今年のアカデミー賞授賞式がいかに異例であったかは、今更多くの説明は不要かもしれない。さらに“ほぼ真っ白”だった昨年の反省を受け、すべての俳優賞部門に非白人の俳優が名前を連ねる多様なノミネーションも含めて、第93回のアカデミー賞は“ニューノーマル”に向き合う、歴史的祭典だったといえる。そんな今年の授賞式で、『ノマドランド』が頂点を極めたのは、自然な流れだった。リーマンショックの影響で、長年住み慣れた家を失った60代の女性が“現代のノマド(遊牧民)”として、過酷な季節労働の現場を渡り歩く。その姿がコロナ禍で希望を見失い、葛藤と向き合う現代人の心にそっと寄り添ったのは言うまでもない。誇りを胸に、自由に、そして未来を見据えて生きる主人公には、期せずして「再始動」を表明することになった映画界全体の祈りと願いが込められている。一方、最もハリウッド的といえる最多ノミネート作『Mank/マンク』が、最も浮いた存在となった逆転現象は、同作がNetflix作品であるという皮肉も含めて、今の時代を映し出す象徴的な出来事だった。結果的には美術賞、撮影賞に輝き、作品のクオリティの高さを証明している。『シカゴ7裁判』『ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア』など、歴史の闇を照らすことで、現代社会の問題を改めて浮き彫りにする秀作の存在は、頼もしいばかりだし、脚本賞1冠に留まったが『プロミシング・ヤング・ウーマン』の多層的な語り口と絶妙なバランス感覚には、映画の新たな可能性が秘められている。重厚なテーマに対し「この手があったか!」とうなる斬新な構造で切り込んだ『ファーザー』にも大いに拍手を送りたい。そしてその『ファーザー』が脚色賞に加えて、なんと主演男優賞にも輝いた。受賞したアンソニー・ホプキンスは『羊たちの沈黙』(第64回)以来の同賞受賞であり、史上最高齢での受賞を果たした。ホプキンスの名演に対する敬意を惜しむつもりはないが、あえて“衝撃的結末”だったと断言したい。おそらく世界中の映画ファンが、同じように感じているのではないだろうか。誰もが昨年8月に43歳の若さで亡くなったチャドウィック・ボーズマンが遺作『マ・レイニーのブラックボトム』で主演男優賞に輝くと予想していたのだから。そもそも作品賞の発表を前倒しに、セレモニーの最後に主演男優賞が発表されたのだから、多くの視聴者は「チャドウィック・ボーズマンへの追悼で、授賞式を締めくくるのだろう」という“ドラマ”を予想していたはず。同時に、予想を覆すどんでん返しこそ、アカデミー賞授賞式の醍醐味であると再確認させられたのも事実だ。史上2人目となる女性監督の栄冠、韓国人俳優初の受賞といった歴史的な瞬間の数々も含め、後世に語り継がれるべき、セレモニーであったことは間違いない。ホント、ビックリした!【第93回アカデミー賞主な受賞結果】作品賞:『ノマドランド』監督賞:クロエ・ジャオ『ノマドランド』主演男優賞:アンソニー・ホプキンス『ファーザー』主演女優賞:フランシス・マクドーマンド『ノマドランド』助演男優賞:ダニエル・カルーヤ『ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア』助演女優賞:ユン・ヨジョン『ミナリ』国際長編映画賞:『アナザーラウンド』(デンマーク)脚本賞:『プロミシング・ヤング・ウーマン』脚色賞:『ファーザー』音響賞:『サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ』編集賞:『サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ』撮影賞:『Mank/マンク』美術賞:『Mank/マンク』衣装デザイン賞:『マ・レイニーのブラックボトム』メイク・ヘアスタイリング賞:『マ・レイニーのブラックボトム』作曲賞:『ソウルフル・ワールド』歌曲賞:『ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア』“Fight For You”視覚効果賞:『TENET テネット』長編アニメ映画賞:『ソウルフル・ワールド』長編ドキュメンタリー映画賞:『オクトパスの神秘:海の賢者は語る』短編実写映画賞:『隔たる世界の2人』短編アニメ映画賞:『愛してると言っておくね』短編ドキュメンタリー賞:『コレット(原題)』(text:Ryo Uchida)■関連作品:ノマドランド 2021年3月26日より全国にて公開© 2021 20th Century Studios. All rights reserved.ミナリ 2021年3月19日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開©Photo by Melissa Lukenbaugh, Courtesy of A24ファーザー 2021年5月14日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© NEW ZEALAND TRUST CORPORATION AS TRUSTEE FOR ELAROF CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION TRADEMARK FATHER LIMITED F COMME FILM CINÉ-@ ORANGE STUDIO 2020アナザーラウンド 2021年9月3日より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイントほか全国にて公開©2020 Zentropa Entertainments3 ApS, Zentropa Sweden AB, Topkapi Films B.V. & Zentropa Netherlands B.V.
2021年04月26日第93回アカデミー賞授賞式が4月26日(日本時間)、米ロサンゼルスで開催され、クロエ・ジャオ監督の『ノマドランド』が作品賞をはじめ、監督賞、主演女優賞の最多3部門で栄冠に輝いた。ベネチア国際映画祭での金獅子賞受賞を皮切りに、トロント国際映画祭、ゴールデングローブ賞、英国アカデミー賞といったオスカー前哨戦で圧倒的な強さを発揮した本作が、アカデミー賞でも大本命としてのポテンシャルを見せつけた。ジャオ監督は監督賞を受賞し、女性監督として『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグロー(第82回)以来2人目の快挙を達成した(なお、女性監督の作品がアカデミー賞の作品賞に輝くのも、『ハート・ロッカー』以来2作目となる)。主演女優賞も『ノマドランド』からフランシス・マクドーマンドが受賞。こちらも前哨戦での勢いそのままに、彼女にとって『ファーゴ』(第69回)、『スリー・ビルボード』(第90回)に続く3度目の同賞受賞を果たした。これで主演女優賞の受賞回数としては、通算4度輝いたキャサリン・ヘプバーンに次ぎ、歴代2位を誇ることになる。『ノマドランド』はジェシカ・ブルーダーのノンフィクション「ノマド漂流する高齢労働者たち」を映画化したロードムービー。リーマンショックの影響で、長年住み慣れた家を失った60代の女性・ファーン(マクドーマンド)が、“現代のノマド(遊牧民)”として、過酷な季節労働の現場を渡り歩く姿を通して、人間にとっての誇りと尊厳、自由に生きる意義を問いかけた。フィクションとドキュメンタリーの境界を巧みに行き来する芸術性に加えて、主人公のたくましい姿に、コロナ禍を生き抜こうと葛藤する現代人が、自らを重ね合わせたのも旋風の大きな要因。まさに“今年の1本”と呼ぶにふさわしい本作が、激動のアカデミー賞を制する結果となった。中国出身の女性監督が手がけた『ノマドランド』が作品賞と監督賞に輝いた第93回のアカデミー賞で、もう1つ歴史的瞬間が刻まれたのが、助演女優賞。『ミナリ』のユン・ヨジョンが、韓国人俳優として初めてアカデミー賞の俳優部門で受賞する快挙を成し遂げたのだ。1980年代、農業での成功を夢見て、アメリカ南部に移住した韓国出身の一家が、理不尽な境遇にも負けず生きる姿を描くヒューマンドラマで、ヨジョンは毒舌で破天荒な祖母スンジャを好演。前哨戦にあたる全米映画俳優組合(SAG)賞、英国アカデミー賞でも助演女優賞を獲得していた。なお、『ミナリ』は大半が韓国語のセリフだが、ブラッド・ピットの映画製作会社「PLAN B」が製作に関わったアメリカ映画となる。例年と異なり、セレモニーの最後に発表されたのが主演男優賞。受賞したのは『ファーザー』のアンソニー・ホプキンスだった。史上最高齢で2度目の受賞。遺作『マ・レイニーのブラックボトム』で“最期の熱演”を披露し、昨年8月に43歳の若さで亡くなったチャドウィック・ボーズマンさんは受賞を逃した。最後の最後、大方の予想に反する驚きのどんでん返しが待っていた。また、助演男優賞は『ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア』のダニエル・カルーヤが初受賞している。新型コロナウイルスの影響により、開催が危ぶまれた中、例年の2月開催から4月に延期された今年のアカデミー賞授賞式。劇場閉鎖が長引く現状を考慮し、NetflixやAmazon Prime Videoといったインターネットを通じて配信された作品も、各部門のノミネート資格を得る異例の条件が加えられた。昨年から一転し、俳優賞全部門に非白人の候補が名を連ねた。異例尽くし、そしてニューノーマルともいえる投票の結果、会員たちは『ノマドランド』を筆頭に、時代や人種、性別や障がいの有無といった枠組みを超えて、逆境にもめけず前を向く人々の力強さと多様な生き方を祝福した。繰り返しになるが、その姿にコロナ禍を生きる私たちが大いに共感を覚えることは言うまでもない。【第93回アカデミー賞主な受賞結果】作品賞:『ノマドランド』監督賞:クロエ・ジャオ『ノマドランド』主演男優賞:アンソニー・ホプキンス『ファーザー』主演女優賞:フランシス・マクドーマンド『ノマドランド』助演男優賞:ダニエル・カルーヤ『ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア』助演女優賞:ユン・ヨジョン『ミナリ』国際長編映画賞:『アナザー・ラウンド』(デンマーク)脚本賞:『プロミシング・ヤング・ウーマン』脚色賞:『ファーザー』音響賞:『サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ』編集賞:『サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ』撮影賞:『Mank/マンク』美術賞:『Mank/マンク』衣装デザイン賞:『マ・レイニーのブラックボトム』メイク・ヘアスタイリング賞:『マ・レイニーのブラックボトム』作曲賞:『ソウルフル・ワールド』歌曲賞:『ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア』“Fight For You”視覚効果賞:『TENET テネット』長編アニメ映画賞:『ソウルフル・ワールド』長編ドキュメンタリー映画賞:『オクトパスの神秘:海の賢者は語る』短編実写映画賞:『隔たる世界の2人』短編アニメ映画賞:『愛してると言っておくね』短編ドキュメンタリー賞:『コレット(原題)』取材・文=内田涼『ノマドランド』公開中生中継!第93回アカデミー賞授賞式放送日時:4月26日(月)午前8:30 [WOWOWプライム][WOWOWオンデマンド]第93回アカデミー賞授賞式<字幕版>4月26日(月)夜9:00 [WOWOWプライム][WOWOWオンデマンド]番組オフィシャルサイト:
2021年04月26日第93回アカデミー賞授賞式が4月26日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターとユニオン駅の2つの会場で開催され、『ノマドランド』のフランシス・マクドーマンドが、3度目となる主演女優賞に輝いた。作品にほれ込み、製作にも関わったマクドーマンドが演じるのは主人公・ファーン。企業の破たんと共に、長年住み慣れたネバタ州の住居も失った彼女は、キャンピングカーに亡き夫との思い出を詰め込んで、“現代のノマド(遊牧民)”として、季節労働の現場を渡り歩く。その日、その日を懸命に乗り越えながら、行く先々で出会うノマドたちとの心の交流と共に、誇りを持った自由な放浪を続ける彼女がたどり着くのは?マクドーマンド自身が自身の生き方や考え方、ファッションなどライフスタイルのすべてを投影し、実在のノマドたちと路上や仕事場で交流をしながら、ファーンというキャラクターを作り上げた。シカゴ映画批評家協会賞、全米映画批評家協会賞、英国アカデミー賞などで主演女優賞に輝いており、アカデミー賞も貫禄の受賞を果たした。マクドーマンドが主演女優賞を受賞するのは『ファーゴ』(第69回)、『スリー・ビルボード』(第90回)に続き3度目。これで同賞に通算4度輝いたキャサリン・ヘプバーンに次ぎ、歴代2位の受賞回数を誇ることに(ちなみに、ジョディ・フォスター、ヒラリー・スワンク、メリル・ストリープらは2度受賞している)。受賞コメント言葉で表現できません。私たちは作品を通して戦っています。そのことを知ってもらいたい。感謝しています。(text:cinemacafe.net)
2021年04月26日第93回アカデミー賞授賞式が4月26日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターとユニオン駅の2つの会場で開催され、作品賞にクロエ・ジャオ監督の『ノマドランド』が輝いた。第77回(2020年)ベネチア国際映画祭で最高賞にあたる金獅子賞を皮切りに、第45回トロント国際映画祭で最高賞の観客賞、第78回ゴールデングローブ賞で作品賞と監督賞を受賞。第74回英国アカデミー賞でも、作品賞をはじめ最多4部門に輝いていた。オスカー前哨戦で圧倒的な存在感を示した“大本命”が、今年のアカデミー賞でも順当に作品賞を手にし、コロナ禍に揺れた映画賞レースにおいて有終の美を飾った。なお、女性監督の作品がアカデミー賞の作品賞に輝くのは、キャスリン・ビグロー監督の『ハート・ロッカー』(第82回)以来2度目となる。ジェシカ・ブルーダーのノンフィクション「ノマド漂流する高齢労働者たち」を映画化したロードムービー。リーマンショックの影響で、長年住み慣れた家を失った60代の女性が“現代のノマド(遊牧民)”として、過酷な季節労働の現場を渡り歩く姿を、アメリカ西部の雄大な自然を背景に描いた。誇りを胸に、自由に生きる主人公には、コロナ禍に苦悩する世界中の観客から強い共感が寄せられていた。受賞コメントクロエ・ジャオ監督プロデューサー陣、フランシス・マクドーマンドを代表してご挨拶します。他の候補者の皆さんにもお礼を申し上げます。フォックス・サーチライト・ピクチャーズ、原作者のジェシカ・ブルーダー、そしてノマドの皆さん。多くの人たちのおかげで、この作品が完成しました。皆さんは真実の優しさを示してくれました。プロデューサーも務める主演のフランシス・マクドーマンドぜひ、大きなスクリーンで見てください。仲間を連れて映画館に行き、隣にも観客がいる状況で。ウルフにこの映画を捧げます(オオカミの鳴き声をまねて、雄たけび)(text:cinemacafe.net)■関連作品:ノマドランド 2021年3月26日より全国にて公開© 2021 20th Century Studios. All rights reserved.
2021年04月26日4月25日(現地時間)に開催される世界最高峰の映画の祭典「第93回アカデミー賞授賞式」を、WOWOWではアメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアター他より独占生中継。案内役としては14回目の出演を果たすジョン・カビラ、そして初の案内役を務める宇垣美里に話を聞いた。新型コロナウイルスの影響が長引く中、開催が危ぶまれた第93回アカデミー賞授賞式は例年の2月開催から4月に延期に。映画館の閉鎖が続く現状を考慮し、インターネットを通じて配信された作品も各部門のノミネート資格を得る異例の条件が加えられた。その結果、作品賞にノミネートされた8作品は、オスカー前哨戦で強さを見せる『ノマドランド』、デヴィッド・フィンチャーがNetflixと手を組んだ『Mank/マンク』、さらに80年代、アメリカに移住した韓国人一家の過酷な運命を描く『ミナリ』など、例年以上に多種多様なラインナップに。一筋縄ではいかないのが、アカデミー賞の常ではあるが、今年は例年以上に予想が難しい。作品賞の最有力は2人そろって『ノマドランド』!――ずばり作品賞に輝くのは、どの作品だと思いますか?カビラ:日本からハリウッドを見守る僕らファンとしては、劇場公開を優先する作品がいつまで牙城を守れるか。それとも配信系の作品が、ついに栄冠に輝くか?そういう意味では『ノマドランド』と『Mank/マンク』の争いに注目ですね。振り返ると、アルフォンソ・キュアロン監督がNetflixと製作した『ROMA/ローマ』で監督賞を獲得しましたが、作品賞に及ばなかった(第91回)。うーん、でも最有力は『ノマドランド』かな。個人的には『ミナリ』に期待する部分もありますし。日本でも大ヒットしていますもんね。宇垣:私も「受賞するだろう」という意味で、劇場公開された『ノマドランド』が一番作品賞に近いと思います。実際に作品を拝見し、映像の美しさ、それに寄り添う音楽、主演を務めるフランシス・マクドーマンドの素晴らしさ…、作品としての完成度が非常に高いですよね。前哨戦でも評価されていますし、6部門ノミネートというのも強み。個人的に注目しているのは、『ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア(原題)』。現代に地続きになった“Black Lives Matter”のメッセージが描かれた作品で、今回エントリー期間が延びたおかげで、候補にあがったので、どこまで伸びるのか未知数ですし。今年のアカデミー賞は“多様性の賛歌”になる!――監督賞に2人の女性(『ノマドランド』のクロエ・ジャオ、『プロミシング・ヤング・ウーマン』のエメラルド・フェネル)、主演男優賞と助演女優賞に『ミナリ』からスティーヴン・ユアン、ユン・ヨジョンがそれぞれノミネートされています。カビラ:“多様性”といかに向き合い、包括していくかはアカデミー賞にとって長年の課題だったわけで、今回のノミネーションは1つの回答だと言えますね。監督賞に韓国系アメリカ人のリー・アイザック・チョン(『ミナリ』)が名を連ねているのも快挙。単純に優劣をつけるのは難しいですが、今年のアカデミー賞が“多様性の賛歌”になるのは、間違いないと思います。宇垣:カビラさんがおっしゃる通り、多種多様な方々がノミネートされていますよね。特に俳優部門は、昨年受賞者が全員白人だったこともあり、これまでの反省をくんでいるのかなと。こういったアカデミー賞の選択は、とても前向きで素敵なことだなと思います。映画館だからこそ“没入”できる!配信の利便性に勝る魅力――近年のアカデミー賞は配信作品をどう扱うかが、大きな課題になっています。映画を観る方法もまた“多様”になる時代、おふたりにとって理想の映画体験はどんなスタイルですか?宇垣:コロナ禍で家から出られない状況が続きましたし、配信で映画を楽しむことができるのは、ありがたいことだと思います。見たいときに、何度でも見返せる利便性もありますし。一方で、私は映画館で映画を観るのが大好きなんです。やはり、あの没入感は自宅では得られませんから。カビラ:本当ですよね!同感です。暗闇で感性を研ぎ澄ませて、作品と対峙する体験は何物にも代えがたい。チケットを買って…、まあ、今はスマホで予約の時代ですけど、劇場に足を運ぶことで、映画はもちろん、出演者や作り手と“チームメイト”になれる感覚こそが、映画館の醍醐味ですから。――そういう意味で、コロナ禍では映画館で映画を鑑賞すること自体が、非常に貴重な機会となりました。カビラ:本当にそんな1年でしたよね。まだまだ先行きは不透明ですけど、もうエンターテインメントに対する渇望感は限界に来ています。不要不急っていったい何?って。心の潤いに、エンタメは絶対に必要不可欠なものですから。シアターがいかに貴重であり、必要であるか痛感しています。宇垣:私もエンターテインメントを摂取するために生きていますから、実際に緊急事態宣言が明けて、映画館に行ったときは、どれだけ自分が“この感覚”を求めていたか、そのありがたみも含めて、思い知りましたね。同じ空間で、一緒に感動を共有できる人がいることが、どれだけ私のことを支えてくれていたか…。ですから、自分なりに(エンターテインメントに対し)恩返しもしなくてはと思っています。コロナ禍での授賞式「驚きの連続をめちゃくちゃ期待」――エンターテインメントの真価が問われる現在、アカデミー賞が受賞式でどんなメッセージを発するのか大いに注目ですね。昨年の受賞式の映像を改めて見直してみると、もはや「これって夢なんじゃないか?」って思ってしまうほどで…。カビラ:超“密”じゃん!ってね(笑)。みんな普通にハグとかしていましたし。だからこそ、今年は厳しい制約の中で、どんな魔法をかけてくれるか?歌唱とかどうするんでしょうね…。それでも、スティーヴン・ソダーバーグら、プロデューサーたちが、想像を超えたマジックで魅せてくれるはず。実は、驚きの連続をめちゃくちゃ期待しているんですよ!一生に一度。もちろん(コロナ禍での授賞式は)これっきりにしてほしいですけど、だからこそ必見です。それでも夜は明ける、です!宇垣:そういう映画もありましたね(笑)。私も「魅せてくれるよね」って期待感が大きいです。いつか「第93回はいろいろ大変だったけど、良いセレモニーだった」とふり返ることができればいいなって。生中継のスタジオは、カビラさんがご一緒だから、安心して、授賞式を楽しもうと思っています。あっ、でも「ここは覚悟しておいたほうがいい」ってアドバイス、ありますか?カビラ:ないです!完全に気持ちを解放してください。ただ、僕が急に大声を出しても、驚かないでくださいね(笑)。話が脱線したら、引き戻してもらって。当日は式典の流れをある程度把握していますが、基本的には、視聴者の皆さんと同じ目線。例年通り、一緒に感動をシェアできればうれしいですね。「生中継!第93回アカデミー賞授賞式」は4月26日(月)午前8:30よりWOWOWプライムにて放送。4月26日(月)21時~WOWOWプライムにて放送。(text:Ryo Uchida/photo:Jumpei Yamada)
2021年04月19日新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、例年より約2か月遅れて開催される「第93回アカデミー賞授賞式」。WOWOWではその独占生中継・配信の前に、現地レッドカーペットと繋いで最新情報をお届けする「レッドカ ーペット生中継!第93回アカデミー賞授賞式直前SP」を放送することが決定。さらに、スペシャルゲストの中島健人(Sexy Zone)が受賞予想・見どころをたっぷり語ったインタビューも到着した。今年のアカデミー賞授賞式は、例年会場となるアメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターに加えて、ユニオンステーション、さらにはアメリカ以外の会場を加えた複数会場を繋いで、かつてない特別な式典となる。また、アカデミー賞授賞式での見どころの1つである“レッドカーペット” も実施される。授賞式の生中継と同じく、レッドカーペットも案内役のジョン・カビラ、宇垣美里、スペシャルゲストの中島さん、日本のスタジオゲストとして行定勲(映画監督)、河北麻友子、さらに映画評論家の町山智浩がリモートで参加する。中島健人『ノマドランド』のフランシス・マクドーマンドが「すごい」2年連続でWOWOWのアカデミー賞授賞式に携わることになった中島さんは、まず作品賞について「『Mank/マンク』が有力だと思います」と言い、「とても面白かったです」と絶賛。「これは個人的な好みではあるんですが、(『Mank/マンク』は)映画へのリスペクトがものすごくつまった映画なんですよね。いまの映画人たち――映画についてたくさん勉強してこられた方たちがいまのハリウッドを作り上げているわけじゃないですか。その方たちが、必ず一回は勉強したであろう史実が描かれた作品。僕たちが歴史を勉強する面白さと同じで、映画にもこんな時代があったんだな! と知ることができました」と熱く語る。また、最有力といわれる『ノマドランド』についも「素敵な映画だった」と中島さん。主演女優賞にノミネートされているフランシス・マクドーマンドにも「すごいなと思ったのは、リアルなノマドの方々(※マクドーマンドとデヴィッド・ストラザーンを除いて、登場人物たちは俳優ではなく実際のノマドの人々)との対話で成り立っていて、自分は聞き手に回りつつ、自身は“フィクション”のノマドなわけですよ」とコメント。「いわばリアルとフィクションの中でお芝居をしているわけですけど、その中にちゃんと感情を生むことができる彼女の技術力はすごいなと思いました。あとは、Amazonで働いている姿なんかは本当にリアルでした」と語る。そして「監督賞はクロエ・ジャオさんだと思います」と予想。その上で「(自身の主演女優賞)予想は...ヴィオラ・デイヴィスさん。『マ・レイニーのブラックボトム』でのヴィオラさんの演技は圧巻でしたね」と言う。主演男優賞候補のチャドウィック・ボーズマンに関しても、「『マ・レイニーのブラックボトム』のチャドウィックさんは、(役柄上)見ていて本当にムカつきますから! それくらいうまい! 命をすり減らして作られたのだと思います」と思いを馳せた。「コロナ禍であってもエンターテインメント精神を貫き通して」さらに、コロナ禍での授賞式に際し、「これまでの歴史の中でもありえなかった授賞式になるわけですよね。ドルビー・シアターとユニオンステーションなどの複数の会場で行われるということもそうですし。つまり、歴史の1ページに残る授賞式になるんですよ」と話す。「そこで何が巻き起こるのか? 受賞された俳優さんたちは何を話すのか? いったいどういうメッセージを伝えるのか? コロナ禍であってもエンターテインメント精神を貫き通して、ドレスを着て華やかさを世界に与えるハリウッド俳優たちはどんな立ち姿を見せてくれるのか? というのが一番の楽しみ」と大きな期待を寄せる。「それによって自分たちの元気ややる気、エンターテインメントに対する気持ちとか、世界中の“心”が華やかになっていくんじゃないかと思います」と語っている。「レッドカーペット生中継!第93回アカデミー賞授賞式直前SP」は4月26日(月)7時30分~WOWOWプライム、WOWOWオンデマンドにて放送・配信。「生中継!第93回アカデミー賞授賞式」は4月26日(月)8時30分~WOWOWプライム、WOWOWオンデマンドにて放送・配信。(text:cinemacafe.net)
2021年04月17日賞レースを席巻する名作を次々送り出すサーチライト・ピクチャーズと、『スリー・ビルボード』のフランシス・マクドーマンドが組んだ映画『ノマドランド』。この度、渾身のルポルタージュを見事にフィクションとして映画化したクロエ・ジャオ監督と、原作者のジェシカ・ブルーダーが本作について語る特別映像がいち早くシネマカフェに到着した。アメリカ社会の実情をシリアスに描きながら、ノマドとして生きる1人の女性の視点を通して“自らの生きる道”や“生きる場所”を模索する姿を、荘厳な風景と共に映し出している本作。この度到着したのは、原作者のジェシカ・ブルーダーがクロエ・ジャオ監督が映画化した本作に熱烈な太鼓判を押す姿と、2人の厚い信頼関係も窺えるインタビューが収められた特別映像。マーベル・スタジオの最新作『エターナルズ』(原題)の監督に抜擢されるなど、目覚ましい活躍を見せるジャオ監督が「原作を読んで初めて知った。車で放浪生活をする人々はこんなにも多く広範囲に存在している」と、アメリカで起きている現実に衝撃を受けたことを明かすところから映像は始まる。原作を執筆するにあたり、ノマドたちと同じように労働や車上生活をしながら、約3年もの月日をかけて取材したジェシカだが、「核心にクロエは見事に切り込んだ。それが本当にうれしかった」と喜びをあらわにする。映像化するにあたってジャオ監督が考えたのは、架空の人物である主人公・ファーンの旅路にジェシカが取材した出会いの全てを込めるということ。ジャオ監督は「撮影中でも人と会うと撮りたいものが増えていくけど、脚本がないと流れが悪くなってしまう。必要なのは観客を引き込み、つかんで離さない視点」と、物語のポイントを見極めながら製作していったことを明かしており、ジェシカは「クロエは原作に登場する場所や人を尊重し、巧みに数珠つなぎにした」と原作に込められた魅力を引き出し、本からスクリーンへ昇華させた監督に絶賛を送っている。『ノマドランド』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ノマドランド 2021年3月26日より全国にて公開© 2021 20th Century Studios. All rights reserved.
2021年04月13日英国アカデミー賞が発表された。作品賞に輝いたのは、『ノマドランド』。今作ではさらに、クロエ・ジャオが監督賞、フランシス・マクドーマンドが主演女優賞、ジョシュア・ジェームズ・リチャーズが撮影賞を受賞した。主演男優賞は『ファーザー』のアンソニー・ホプキンス。助演男優賞は『Judas and the Black Messiah』のダニエル・カルーヤ、助演女優賞は『ミナリ』のユン・ヨジュン。イギリス映画賞は『プロミシング・ヤング・ウーマン』。脚本賞は『プロミシング・ヤング・ウーマン』、脚色賞は『ファーザー』だった。文=猿渡由紀『ノマドランド』公開中
2021年04月12日日曜日(現地時間)、英国アカデミー賞(BAFTA賞)がバーチャル開催された。クロエ・ジャオ監督作の『ノマドランド』が作品賞、監督賞を含む4部門を受賞。ジャオ監督は英国アカデミー賞史上、監督賞を受賞した2人目の女性であり、初の有色人種女性という偉業を達成した。なお、監督賞を受賞した初の女性は、2010年のキャスリン・ビグロー(『ハート・ロッカー』)。ジャオ監督は「この賞を、ノマディックコミュニティの人たちに捧げたいです。彼らは、生活の中に私たちを快く受け入れてくれましたから。夢、葛藤、深い尊厳について共有してくれたのです。年を重ねるということの美しさーー私たちが慈しみ、祝福すべき旅路を教えてくれたことに感謝します」とスピーチした。主演男優賞のアンソニー・ホプキンス(83)は、同賞の史上最年長受賞者となった。「テレグラフ」紙によると、本人は受賞するとは全く予想していなかったそうで、オンラインでの授賞式を見ずにウェールズのホテルで絵を描いていたという。主な受賞者・受賞作品は以下の通り。作品賞『ノマドランド』監督賞クロエ・ジャオ『ノマドランド』主演男優賞アンソニー・ホプキンス『ファーザー』主演女優賞フランシス・マクドーマンド『ノマドランド』助演男優賞ダニエル・カルーヤ『Judas and the Black Messiah』助演女優賞ユン・ヨジョン『ミナリ』オリジナル脚本賞『プロミシング・ヤング・ウーマン』エメラルド・フェンネル英国作品賞『プロミシング・ヤング・ウーマン』(Hiromi Kaku)■関連作品:ノマドランド 2021年3月26日より全国にて公開© 2021 20th Century Studios. All rights reserved.
2021年04月12日企業の破たんと共に長年住み慣れた家を失った女性が、“現代のノマド=放浪の民”として車上生活を送り、季節労働の現場を渡り歩く様を描いた『ノマドランド』。本年度アカデミー賞に作品賞、監督賞、主演女優賞ほか主要6部門にノミネートされ、注目を集める本作について、クロエ・ジャオ監督、フランシス・マクドーマンド、そして役者としても参加した一般のノマドたちが映画にかけた希望や並々ならぬ想いを語る特別映像が解禁となった。今回解禁された特別映像では、アカデミー賞監督賞、脚色賞、編集賞にノミネートされているジャオ監督や、プロデューサーだけでなく主演も務めた名優マクドーマンド、3年の月日をかけてノマドと触れ合いながら原作ノンフィクションを執筆したジャーナリストのジェシカ・ブルーダー、そして原作にも登場し、映画の撮影にも協力的に参加した一般ノマドのリンダ・メイやスワンキーたちが、まるで全員が昔からの顔なじみのノマドのように撮影に挑むメイキング映像や、インタビューに答える様子が収められている。監督のオファーが来るまで、ノマドたちの生活の実情を知らなかったというジャオ監督が原作を読んで感銘を受けたことや、原作が発売された年にすぐ独占映画化権を取得するほどノマドの生き様に惚れ込んだマクドーマンドがファーンというキャラクターに深みを与えるために自身のエピソードを役に投影していたという裏話も。また、リンダやスワンキーがノマドの人生について直接的に言及する様子など、映画に関わったそれぞれの重要人物がそれぞれの想いを語っていく様子が、厳しくも雄大なアメリカ西部の風景に抱かれた本編映像とともに映し出されていく。「ジェシカが3年間の取材で出会った豊かな出来事や人々をひとつなぎの旅にすることが私のゴールだった」とジャオ監督。その中の1人であるリンダも、「この作品は絶望的な状況にいる人に“別の生き方もある”と道を示してくれる」と語る。最後にも監督は、自身が得意とするマジックアワーの圧巻の映像美が映し出されるなか、「広大で美しいアメリカ西部には特別な力があって、あらゆる世代に訴えかける。“あなたは独りじゃない、大きな何かの一部なのだ”と。観る者を励まし、最後に希望を残してくれる」と力強く語っている。『ノマドランド』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ノマドランド 2021年3月26日より全国にて公開© 2021 20th Century Studios. All rights reserved.
2021年03月30日