オスカー女優も絶賛の寺島しのぶさん!【映画、ときどき私】 vol. 158これまでも国内外から高い評価をされている寺島さんですが、本作ではアメリカのインディペンデント・スピリット賞で主演女優賞にノミネート。並みいるハリウッド女優たちのなかで唯一の日本人としてノミネートされましたが、その際には今年のアカデミー賞主演女優賞を獲得したフランシス・マクドーマンドから賞賛されたほど。そこで、役づくりのことから現場の裏話、そして悩める女子へのアドバイスなどを語ってもらいました。今回、寺島さんが演じたのは、アラフォーで地味な独身OLの節子。淡々と毎日を過ごしていた彼女が、イケメンの英会話講師に恋をしたことで人生が急展開してしまう様子が描かれています。節子はこじらせ気味な女性なので共感しやすい役ではなかったと思いますが、どのような印象を受けましたか?寺島さん節子は、いそうでいなさそうなタイプ。なので、同世代の人たちは「痛すぎてわかる!」と共感してくれた人と、「ここまではちょっと……」という人に分かれていたみたいですね。でも、監督が「偶然は必然である」とよく言っていたんですけど、ふとした出会いからドラマが始まっていくというところに関しては普遍的なものだと思っています。監督は日本人ですけど、長年アメリカに住んでいるので、日本の感覚とは違うところから日本の会社に切り込んでいて、そういうバランスもおもしろいなと感じました。変に説明過多ではないから、もしかしたら万人受けする映画ではないかもしれないですけど、いろいろなことを考えたりもできるので、こういう映画もあっていいんじゃないかなと思っています。演じるうえで難しかったことはありましたか?寺島さん監督が人間のなかにある心のひだの部分をとても大事にしていたので、私の演技もわかりやすくしないでいいよと言ってくれていて、それはすごく助かりました。監督とも意思疎通がきちんとできていたので、撮影現場で困ったことはなかったですね。好きな男性を追いかけてアメリカまで行ってしまう節子ですが、そこで心境の変化はありましたか?寺島さん日本のシーンでは、グレーの地味なスーツを着て会社にいましたが、そうすると私自身も湿った気持ちになっていたんです。でも、いざロスに行くと空気は乾いているし、広いので、そこで気分が変わったんですよ。それに、日本だと人との距離があまりにも近いんですけど、アメリカではその距離感が一気に遠くなるので、それによって生まれた解放感は節子を演じていくうえで活かされた思いますし、それだけで表情も全然違うものになったんですよね。ギュッと縮こまっていた人がポンッとはじけるとこうなるんだろうなというのも感じましたし、ロスの太陽と広大な土地は人をあんなふうにオープンにさせてしまうんだとわかりました。今回、節子が恋に落ちるアメリカ人男性を演じたのは、ハリウッド俳優のジョシュ・ハートネット。以前はトップスターとして数々の主演作をこなしていましたが、私生活を優先するためにハリウッドからは一時期離れており、ここ数年で本格的にメジャー復帰を果たしたばかり。実際にジョシュと共演してみて、どういう印象でしたか?寺島さん気取ったところもまったくないし、とにかく普通にいい人なんですよ(笑)。「自分を見失ったから、一回ハリウッドを出ちゃおう」と思うような素朴で健康的な考えがある人なんだなとも感じました。それに、彼はこれまですごいキャリアを積んできたにも関わらず、新人監督である平栁監督の言うことでも真摯に受け取っていて、一生懸命がんばっていました。だから、一緒に仕事がしやすい人でしたね。あと、彼の演技を見て思ったのは、アメリカの役者はすごく訓練されているんだなということ。ちょっとした映り方もわかっていて、ハリウッドで活躍するためにはこういう技術も身につけないといけないんだなと思いました。現場では即興の演技もあったそうですが、役者同士で話し合ったことは?寺島さん今回は、監督とジョシュ、監督と私というようにそれぞれ別に話すようにしていました。というのも、私はどうやってジョシュの心を揺らがそうかという作戦を立てていたので、あえて話し合わないようにしていたんです。監督も私には抽象的なダメ出しで、ジョシュには具体的なダメ出しという感じで、人によって違う導き方をしていました。ジョシュは日本語も話さないといけなかったし、すごく苦労したと思いますよ。でも、そうやって迷っている顔もすごく魅力的でしたね(笑)。撮影の合間で印象に残っていることはありますか?寺島さん南果歩さんはジョシュにいろいろと話しかけてあげたりしてすごく優しかったけど、私はそんなに優しくなかったかも(笑)。というのも、私はいわゆるストーカーみたいなになってしまう役だったので、彼とは距離を置いて、遠くからじっとりと観察しているような感じでした。だから、ジョシュも私のことをちょっと気持ち悪いと思っていたかもしれないです(笑)。本作の節子はひとつのできごとで人生が大きく変わってしまいますが、ご自身もそういう経験はありますか?寺島さん私もけっこうありますよね。『赤目四十八瀧心中未遂』という映画では、本屋さんで偶然原作を手に取って、すごく感動して、作者に手紙を書いたことが出演したきっかけでした。そのほかにも『ヴァイブレータ』では、たまたまバーで飲んでいたときに、そこでオーディションをしていて、作者が「ああいう背中をしている女の人がいいんだよ」と私に言ったことで主演することになったんです。だから、私も監督と同じですべての偶然は必然だと思っています。そんなふうに、運命とかひらめきとか出会いとかタイミングとか、そういうものに逆らわずにここまできたので、細かいことの積み重ねだったりしますね。ひとめぼれで結婚する人もいるし、どこかのパーティで知り合った人がプロジェクトにつながることもありますよね?だから、そういうきっかけを私も逃したくないと思ってアンテナを張るようにはしています。人生は一度きりですからね。仕事や恋愛で悩んでいるananweb読者に向けてアドバイスはありますか?寺島さん私は日々環境が目まぐるしく変わっているので、「いろいろなことを考えないで、目の前に来た敵だけ倒す!」という感じなんですけど、ちゃんと研ぎ澄ましていたほうがいいかなとは思っています。もちろん疲れますけど、そのほうが得るものはあるのかなと。面倒くさいと言っちゃえばそれまでなんですけど、面倒くさいことをあえてやるときもたまにはあっていいんじゃないかなって思っています。私はそこでけっこういろいろなものを得てきたので、面倒くさくならないで欲しいなというのはありますね。あと、いまは室内でパソコンと一緒に生活をしている人が多いので、それだけで満足している人がいるかもしれないですけど、アナログな部分というのも捨てたもんじゃないなと私は思っています。つまり、実際に自分の足で赴いて確かめるとか、自分で食べてみて感じるとかですが、そういうことでほかのものが得られたりすることは意外とたくさんあると思いますよ。最後に、この作品を観る方にメッセージをお願いします!寺島さん若い人から見ると、「こんな40代になりたくない」と思うかもしれないですけど、人生において宝だなと思える瞬間というのは意外と転がっていると感じられる映画になっています。見方はみなさんそれぞれなので、そのなかで何かひっかかるものがあればいいかなとは思いますね。インタビューを終えてみて……。どんなに忙しくてもつねに明るく前を向いているイメージの寺島さんは、仕事も家庭も両立させており、働く女子にとっては目指したいところ。それだけに、面倒くさがってはいけないというアドバイスは身に沁みます。そんな寺島さんは、今回体当たりで節子を演じていますが、女子ならその姿からも多くのことを感じることができるはずです。混乱の先にこそ答えがある!ふとした出会いがきっかけとなって思いがけない方向へと進んでしまうときもあるけれど、それこそが人生のおもしろいところ。満たされない思いを日々抱えながらも、自分を変える勇気がないのなら、本作がその一歩を踏み出すきっかけとなるかも!?ストーリー会社員として東京で働く43歳の節子は、単調な毎日を過ごしていた。そんなある日、姪から突然連絡があり、前払いした英会話教室を代わりに受講して欲しいと頼まれる。仕方なく受講料を払って向かった先で出会ったのはアメリカ人講師のジョン。そこで、「ルーシー」という名前と金髪のカツラを与えられた節子は、自分のなかに眠っていた感情が解き放たれるのを感じるのだった。しかし、恋する幸せを味わったのもつかの間、ジョンは日本を去ってしまうことに。アメリカまで追いかけた節子が旅先で見つけたものとは?ハグしたくなる予告編はこちら!作品情報『オー・ルーシー!』4月28(土) ユーロスペース、テアトル新宿他にてロードショー配給:ファントム・フィルム© Oh Lucy,LLCヘアメイク:片桐直樹(EFFECTOR)スタイリスト:中井綾子(crepe)Tシャツ¥19,000、パンツ¥35,000(ミュラーオブヨシオクボ tel03-3794-4037)/ピアス¥41,500(1個ずつ売り)、リング¥150,000(カラットアー/アイワ tel03-5738-8351)声には出せなくても、誰のなかにもあるものといえば、愛し愛されたいという欲求。しかし、それを求めるあまり、周りから痛いと思われるような行動を取ってしまったという人もいるはず。そこで、そんな女子には反面教師としてもオススメしたい映画話題作『オー・ルーシー!』をご紹介します。今回は、痛いけど憎めない主人公を熱演したこちらの方に本作の魅力についてお話を聞いてきました。それは……。写真・水野昭子(寺島しのぶ)
2018年04月25日先日開催された第68回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(監督賞)を受賞し、日本の映画ファンのみならず、世界中から注目を集めるウェス・アンダーソン監督が贈る『犬ヶ島』。本作の日本公開日が5月25日(金)に決定し、日本オリジナル版本予告映像がお披露目された。近未来の日本を舞台にしたストップモーション・アニメーションとなる本作。オスカー女優のフランシス・マクドーマンド、常連のビル・マーレイ、ジェフ・ゴールドブラム、エドワード・ノートンらに加え、新たにスカーレット・ヨハンソン、グレタ・ガーウィグ、ブライアン・クランストンらも集結。ベルリン国際映画祭には、日本からのボイスキャスト「RADWIMPS」野田洋次郎と夏木マリが駆けつけたことも話題となった。架空都市“メガ崎”市から犬ヶ島へ!1人と5匹の冒険が始まる今回解禁された待望の予告映像に映し出されているのは、ウェス・アンダーソン監督の独特の視点によってストップモーション・アニメーションで見事に描き出された近未来の日本。架空都市“メガ崎” 市という地名はもちろん、東京駅を彷彿とさせるドーム型の建物や下町風の商店街、相撲や和太鼓、浮世絵といった伝統的な日本のカルチャーが切り取られ、日本をこよなく愛するアンダーソン監督の熱烈な思い入れが見てとれる。主人公の少年・小林アタリは捕われた愛犬スポッツを探すため、日本列島にあるメガ崎市から1人で小型機に乗り込み、ある島へと向かう。その島こそ、犬インフルエンザの蔓延により隔離された犬たちが暮らす犬ヶ島。アタリはそこで出会った5匹の犬たちともに壮大な旅へと足を踏み出すことに。言葉が通じないながらも、スポッツを探して少しずつ絆を深めていく1人と5匹。やがて、その冒険はメガ崎市の住人を巻き込み、「戦いです!」と大騒動へと発展していくことに。果たして、少年アタリは無事、スポッツと再会することができるのか?彼らの前に待ち受けるものは何なのか?日本が舞台の“ワンダフル”・アドベンチャーに期待していて。『犬ヶ島』は5月25日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:犬ヶ島 2018年5月、全国にて公開
2018年03月16日日曜夜(現地時間)、アカデミー賞授賞式にて主演女優賞を獲得したフランシス・マクドーマンドが、その日のうちにオスカー像を盗まれていたことがわかった。「Variety」誌などが報じた。授賞式後、隙を狙ってフランシスのテーブルからオスカー像を盗み、堂々とFacebookにライブ動画まで掲載した不届きものはテリー・ブライアント容疑者。動画には「オスカー像をもらったよ。これは俺のだ。今夜は最高だぜベイビー!」とオスカー像を叩く掲げ、叫ぶ様子が映っていた。また、オスカー像に何回もキスし、周囲の人に触ることや一緒に写真を撮ることをすすめる始末。盗まれたオスカー像と犯人探しにセキュリティスタッフが奮闘していたものの、ブライアントを捕まえたのはセレブ御用達の写真家アレックス・バーリナーだった。バーリナーはブライアントにオスカー像を渡すよう求め、無事取り戻すことができたそうだ。その後、ロサンゼルス市警察が重窃盗罪でブライアントを逮捕。保釈金は約212万円(20,000ドル)に設定されたという。フランシスの代理人は「少しの間、離れることになってしまいましたが、フランシスとオスカー像は無事に再会を果たしました。『In-N-Out』のダブルチーズバーガーを食べて再会を祝ったんですよ」とウィットに富んだコメントを発表した。(Hiromi Kaku)
2018年03月06日第90回アカデミー賞授賞式が3月5日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、ギレルモ・デル・トロ監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』が作品賞、監督賞、作曲賞、美術賞の最多4部門に輝いた。■とにかく無事に終わって、良かった…昨年に引き続き、司会を務めたジミー・キンメルが授賞式の冒頭、「今年は受賞しても、すぐに席を立たないで!」と前回の“悪夢”を皮肉ったが、とにかく無事に終わって、良かった…というのが一番の感想。悪夢の主役であるウォーレン・ベイティ&フェイ・ダナウェイの『俺たちに明日はない』コンビに再び、作品賞のプレゼンターを任せるという演出も笑えたが、封筒を手にしたデル・トロ監督が一瞬、中身を確認する姿がかわいらしかった。作品賞は『スリー・ビルボード』、監督賞はデル・トロ…という予想も根強かったので、改めて、オスカーの行方を正確に言い当てることの難しさを痛感する結果だった。作品賞と監督賞が一致するのは第87回以来で、2010年代では4度目となる。■女性、黒人、移民…多様性が生み出したサプライズな結果こうして1年越しのリベンジを果たしたアカデミー賞だが、主演女優賞に輝いたフランシス・マクドーマンドが「女性の候補者は皆さん、立ち上がって!」と呼びかけた圧巻のスピーチが象徴するように、授賞式では、これまで不利な立場を強いられた女性たちに対し、エールを送る瞬間が何度もあった。その上で「これからは女性の時代!」という、いかにも男目線で紋切り型のメッセージではなく、女性や黒人、移民といった“多様性”の重要さを、絶妙なバランス感覚で訴えた点を評価したい。黒人差別を題材にした社会派スリラー『ゲット・アウト』が脚本賞を受賞。デル・トロ監督はメキシコ出身だし、長編アニメ賞を受賞した『リメンバー・ミー』もメキシコが舞台になっている。さらに、トランスジェンダーが主人公の『ナチュラルウーマン』(チリ)が外国語映画賞を獲得した快挙も、記憶に留めておきたい。■原点に立ち返り、映画ファンへの感謝を示した今年で90回目の開催を迎えたアカデミー賞が、原点に立ち返り、映画ファンへの感謝を示した点も印象深かった。特に、授賞式の途中にジミー・キンメルをはじめ、アーミー・ハマー、ガル・ガドット、ルピタ・ニョンゴ、アンセル・エルゴート、マーゴット・ロビー、エミリー・ブラント、マーク・ハミル、ギレルモ・デル・トロ監督らが会場を抜け出し、近所のチャイニーズシアターをサプライズ訪問し、スナック類を配る粋な演出はさすが!劇場ではディズニー映画『A Wrinkle in Time』が上映中だったが、スターの乱入に怒る観客は皆無で、それどころか、自分たちがアカデミー賞受賞式の生中継に映っているシュールな現実に興奮気味だった。やはり、映画は観客がいてこそ成立するもの。そんな当たり前に気づいたアカデミー賞が“新たな一歩”を踏み出した一夜でもあった。(text:Ryo Uchida)
2018年03月05日第90回アカデミー賞の授賞式が5日(現地時間4日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『スリー・ビルボード』のフランシス・マクドーマンドが主演女優賞を受賞した。『ファーゴ』以来2度目のアカデミー賞主演女優賞に輝いたマクドーマンド。受賞のスピーチで「マーティン・マクドナーに感謝します。あなたのおかげです」と監督に感謝し、会場にいるすべての人たちへの感謝の思いも伝えた。その後、オスカー像をステージに置いてから、「女性の候補者のみなさん、一緒に立ち上がってください。みなさんです!」と大きな声で呼びかけ、ノミネートされた女性キャスト・スタッフが次々と立ち上った。そして、マクドーマンドが「見渡してください。私たちにはそれぞれの物語があります」と語りかけ、「みなさま、すべての方々を含めるべきです」と訴えると、大きな拍手が沸き起こった。このスピーチに、WOWOWでの生中継でMCを務めたジョン・カビラと高島彩は「感動でしたね」と圧倒された様子。ゲストの映画評論家・町山智浩氏は「いかに女性がアカデミー会員の中に少ないかということを見せて、ハリウッドにおける男女格差を見せつけたということですね」とコメントした。同作は、女優フランシス・マクドーマンドが主演するクライム・ドラマ。アメリカ、ミズーリ州の片田舎の町で娘を殺されたミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)は、依然解決しない事件への抗議のために町はずれに巨大な広告看板を設置し、それを快く思わない警察官や住民とミルドレッドの間のいさかいは日増しにエスカレートするも、事態は思わぬ展開を見せていく。WOWOWでは、3月5日21時から同授賞式の字幕版を放送。3月10日20時からはダイジェストの字幕版も放送する。
2018年03月05日第90回アカデミー賞授賞式が3月5日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『スリー・ビルボード』のフランシス・マクドーマンドが「主演女優賞」を受賞した。同賞に輝くのは『ファーゴ』以来、2度目となる。■向かうところ敵なし!“マクドーマンド無双”で賞レース完勝本作で亡き娘のために、警察権力に“ケンカを売る”母親を演じたマクドーマンド。ジャンプスーツにバンダナという戦闘服に身を包み、人種差別的な巡査からの嫌がらせ、署長を敬愛する街の人々からの抗議をもろともせず、怒りのエネルギーを放出する演技は、まさに“無双”の一言。一方で、娘を守れなかった悲しみと後悔を繊細に表現し、名女優の本領を発揮した。オスカー前哨戦でも向かうところ敵なし。今年の賞レースを完勝で締めくくった。マクドーマンドがアカデミー賞の主演女優賞に輝くのは、夫のジョエル・コーエン&イーサン・コーエン監督による『ファーゴ』以来2度目。過去に、助演女優賞に3回(『ミシシッピー・バーニング』『あの頃ペニー・レインと』『スタンドアップ』)ノミネートされている。■『スリー・ビルボード』とは?アメリカ、ミズーリ州の片田舎の町。最愛の娘を殺された主婦のミルドレッドが、「暴行されて死亡」「なぜ?ウィロビー署長」「犯人逮捕はまだ?」という3枚の屋外広告看板を掲げて、遅々として捜査を進めない警察に抗議。そんな彼女の宣戦布告が、名指しされた警察署長や彼の部下たち、さらに町全体や、彼女自身も予想できない事態に巻き込んでいく。2月1日からTOHOシネマズシャンテほか、全国127スクリーンで公開され、オスカー発表を待たずして、公開からわずか29日間で早くも興収3億円を突破している。『スリー・ビルボード』は公開中。■受賞者コメント5度目のノミネートで2度目の受賞。フランシスは震えたような声で「緊張しています。倒れるかもしれません。言いたいことがあるので言わせてくださいね」と宣言。「まずはマーティンに感謝します。そして特に感謝したいのは、私の仲間たち。みなさんはフェミニストとして育てられたんですよ、そして周りの人を思いやることができる人たちです。みんな、私のことを誇らしくおもってるはずよね。それが私にとっての喜びです」とコメント。そして、女性の候補者たちに向けて熱いメッセージを寄せた。「女性の候補たち、一緒に立ち上がってくれますでしょうか?映画製作者、プロデューサー、撮影監督、デザイナーみんなよ!見渡してください。私たちにはそれぞれの物語があります。様々な話があるんです。ぜひ聞きに来てください。そして最後に、全ての人たちをふくめるべきだわ!」(text:cinemacafe.net)■関連作品:スリー・ビルボード 2018年2月1日より全国にて公開© 2017 Twentieth Century Fox
2018年03月05日第90回アカデミー賞の授賞式が5日(現地時間4日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『スリー・ビルボード』のサム・ロックウェルが助演男優賞を受賞した。『スリー・ビルボード』ポスターサム・ロックウェルは「ありがとうございます。アカデミーに感謝です」と感激。「父と母が映画が好きだったので、映画への愛はそこから生まれました」と明かし、同作で主演を務めたフランシス・マクドーマンドやマーティン・マクドナー監督、助演男優賞にWノミネートされていたウッディ・ハレルソンをはじめとするキャストやスタッフ、関係者への感謝の言葉を語った。同作は、女優フランシス・マクドーマンドが主演するクライム・ドラマ。アメリカ、ミズーリ州の片田舎の町で娘を殺されたミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)は、依然解決しない事件への抗議のために町はずれに巨大な広告看板を設置し、それを快く思わない警察官や住民とミルドレッドの間のいさかいは日増しにエスカレートするも、事態は思わぬ展開を見せていく。サム・ロックウェルは、警察官ディクソンを演じた。助演男優賞には、サム・ロックウェルのほか、『The Florida Project(原題)』のウィレム・デフォー、『スリー・ビルボード』のウッディ・ハレルソン、『シェイプ・オブ・ウォーター』のリチャード・ジェンキンス、『All The Money In The World(原題)』のクリストファー・プラマーがノミネートされていた。(C)2017 Twentieth Century Fox
2018年03月05日第90回アカデミー賞授賞式が3月5日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『スリー・ビルボード』のサム・ロックウェルが「助演男優賞」を初受賞した。■人種差別主義でマザコン、暴力でしか自己表現できない男を好演本作でキャリア最高の演技と称賛されたロックウェルが、放送映画批評家協会賞、英国アカデミー賞、ゴールデングローブ賞、全米映画俳優組合賞などに続き、アカデミー賞でも大本命として助演男優賞に輝いた。ロックウェルが演じるのは、アメリカの片田舎にある警察に勤務するデョクソン巡査。上司であるウィロビー署長(今回、ロックウェルとともに助演男優賞候補になったウディ・ハレルソン)を父親のように慕う一方で、人種差別主義でマザコン、暴力でしか自己表現できない男が、ある出来事をきっかけに、驚きの変化を遂げる姿を好演した。■『スリー・ビルボード』とは?アメリカ、ミズーリ州の片田舎の町。最愛の娘を殺された主婦のミルドレッドが、「暴行されて死亡」「なぜ? ウィロビー署長」「犯人逮捕はまだ?」という3枚の屋外広告看板を掲げて、遅々として捜査を進めない警察に抗議。そんな彼女の宣戦布告が、名指しされた警察署長や彼の部下たち、さらに町全体や、彼女自身も予想できない事態に巻き込んでいく。メガホンをとるのは、マーティン・マクドナー。2013年に公開した監督作品『セブン・サイコパス』では、ロックウェルがトラブルに巻き込まれる売れない役者を演じている。■受賞コメント初のノミネート、そして初のアカデミー賞となったが、「では時計を初めてください。スキージェットが欲しいです」とユーモアを交えてスピーチしつつ、一緒にノミネートされた俳優たちに「すごく刺激を受けました!ありがとう」と感謝を述べた。また、自身の映画愛を幼少時代の話を交えて語り、「私の映画好きは父や母のおかげです。ありがとう」とコメント。さらに、本作の主演を飾ったフランシス・マクドーマンドに「来ましたね!」と声をかけ、それを受けたフランシスも涙ぐんで応えていた。マーティン・マクドナー監督への思いを伝え「『スリー・ビルボード』に関わった全ての人に感謝です」。そしてレスリー・ビブへも「きみが僕を奮い立たせてくれる。愛しているよ」と日頃の感謝を送った。『スリー・ビルボード』は公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:スリー・ビルボード 2018年2月1日より全国にて公開© 2017 Twentieth Century Fox
2018年03月05日2018年1月1日に始まった「Time’s Up!」は、性暴力やセクハラに対する「#MeToo」運動をさらに一歩進め、“女性の権利”を主張する運動だ。こうした動きが巻き起こった昨年、そして今年は女性が主人公となり、“ひとりの人として生きている”ということを証明する映画が数多く公開されている。そこで、本年度アカデミー賞最有力候補や現代の女性像を描き出した快作など、時には聖母のような優しさで、時には般若のような怒りを放つ、愛に満ちた女性たちが主演の映画をピックアップ。いまこの時代に生まれたからこそ強く、優しく、逞しい女性たちに迫った。1.『女は二度決断する』最愛の家族を失った母親の“決断”に魂が突き動かされる本年度ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞受賞のドイツの名匠ファティ・アキン監督によるクライムサスペンス。舞台はドイツ、ハンブルク。人種差別主義者のドイツ人によるテロにより、突如として最愛の家族を失ってしまう主人公・カティヤ。裁判も思うように進まず、憎悪と絶望の中、カティヤはどんな決断を下すのかが注目どころだ。テロや人種差別問題についても描かれ、現代の抱える問題を浮き彫りにしている。主演のダイアン・クルーガー(『イングロリアス・バスターズ』『トロイ』などに出演)はハリウッドで活躍する一方、本作で初めて母国ドイツ語での演技に挑戦し、第70回カンヌ国際映画祭で主演女優賞に輝いた。『女は二度決断する』は4月14日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開。2.『スリー・ビルボード』娘を無残に殺された母親による、徹底した復讐劇!フランシス・マクドーマンド、ウディ・ハレルソン、サム・ロックウェルという、いずれも演技派の3人を主要キャストに迎えた、アメリカの田舎町を舞台にしたヒューマンサスペンス。さびれた道路に立ち並ぶ、忘れ去られた3枚の広告看板に、ある日突然メッセージが現れる。それは、7か月前に娘を殺されたミルドレッド・ヘイズが、一向に進展しない捜査に腹を立て、エビング広告社のレッド・ウェルビーと1年間の契約を交わして出した広告だった――。小さな田舎町に現れた衝撃的な広告と、その町に住む人々を巡り、意外な方向へと向かう物語。一見、常軌を逸して見えても「目的のためには手段を選ばない」強い意志、その奥底にある悲しみや怒りがミルドレッドを突き動かす。演じたフランシスは第90回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされている。『スリー・ビルボード』は公開中。3.『女神の見えざる手』政府を影で動かすロビイスト、その戦略に誰もが驚愕!政治を影で動かす天才ロビイストをジェシカ・チャステインが演じる本作。大手ロビー会社に勤めるエリザベス・スローンは天性の才能や抜群のアイデアを持って成功へ導くが、突如彼女のプライベートが赤裸々にされたことで事態は一転。自分だけでなく、周囲をも危険に晒し、予想外の事件が勃発。そんな中、エリザベスが考えた究極の戦略は観る者の度肝を抜く!『ゼロ・ダーク・サーティ』『ユダヤ人を救った動物園 ~アントニーナが愛した命~』など、自らの意思をはっきりと伝える力をもつ女性を演じることの多いジェシカ。第74回ゴールデン・グローブ賞にノミネートされた。『女神の見えざる手』は全国にて順次公開中、4月3日(火)ブルーレイ&DVDリリース。4.『エル ELLE』事件の真相よりも恐ろしい彼女の本性…世界中が衝撃を受けたポール・ヴァーホーヴェン監督×イザベル・ユペールによるエロティックスリラー。ある日、自宅で何者かに襲われた女性企業家のミシェル。動揺も見せず、何事もなかったかのように、自身がCEO 務める会社に出勤するが、徐々に襲われた時の記憶がフラッシュバックするように。ミシェルは自らの手で犯人を捕まえようと、思わぬ行動に出るのだが…。第74回ゴールデン・グローブ賞で主演女優賞と外国語映画賞を受賞。イザベルはアカデミー賞にも初ノミネートされた。『エル ELLE』は3月2日(金)ブルーレイ&DVDリリース。5.『悪女/AKUJO』ターゲットは最愛の人。殺し屋になった女性の運命は!?カンヌ国際映画祭でも話題となったキム・オクビンの圧巻のアクション・ムービー。犯罪組織の殺し屋として育てられ、最愛の人を殺された女性スクヒ。国家直属の暗殺者として第2の人生を歩み、愛と裏切りに翻弄されながら最強無敵の“悪女”と化していく――。CGは一切使用されていないという、キムによるネクストレベルのアクションは必見。『悪女/AKUJO』は全国にて公開中。6.『シェイプ・オブ・ウォーター』心から愛しい。その思いだけで彼女は“彼”を守るため立ち向かうギレルモ・デル・トロ監督が放つファンタジーロマンス。政府の極秘研修所で働くイライザは、ある日密かに運び込まれた不思議な生きものを目撃する。一目でその“彼”に心を奪われたイライザは、こっそりと会いに行くように。幼少期のトラウマから声を失った彼女は、言葉を発することを必要としないコミュニケーションで“彼”と心を通わせていく。だが、ある日、“彼”が国家の威信をかけた実験の犠牲となることを知ったイライザは、ある決断をするのだが…。言葉だけでは表現しきれない、溢れ出る愛の力が差別や偏見を凌駕する。イライザを体当たりで演じたサリー・ホーキンスは第90回アカデミー賞主演女優賞にノミネート。『シェイプ・オブ・ウォーター』は3月1日(木)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:エルELLE 2017年8月25日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2015 SBS PRODUCTIONS - SBS FILMS - TWENTY TWENTY VISION FILMPRODUKTION - FRANCE 2 CINÉMA - ENTRE CHIEN ET LOUP女神の見えざる手 2017年10月20日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開© 2016 EUROPACORP ー FRANCE 2 CINEMAシェイプ・オブ・ウォーター 2018年3月1日より全国にて公開ⓒ 2017 Twentieth Century Foxスリー・ビルボード 2018年2月1日より全国にて公開© 2017 Twentieth Century Fox
2018年02月27日第71回英国アカデミー(BAFTA)賞が18日(現地時間)に発表され、マーティン・マクドナー監督の『スリー・ビルボード』が作品賞、フランシス・マクドーマンドが主演女優賞など5部門で最多受賞を果たした。『スリー・ビルボード』は英国映画賞、サム・ロックウェルが助演男優賞、監督であるマーティン・マクドナーが最優秀オリジナル脚本賞も受賞。マクドナー監督は受賞スピーチで「私たちの映画は多くの意味で希望に満ちたものですが、同時に怒りに満ちてもいます。そしてこの1年、我々が見てきた通り、時には怒りだけが、人々に耳を傾けさせ、何かを変えることができる方法なのです。BAFTAがそのことを評価してくれたのを非常にうれしく思います」と語った。オスカー前哨戦レースでも快進撃中の『スリー・ビルボード』はイギリスの製作会社「Film4」も出資しており、15日(現地時間)には昨年6月に多くの犠牲者が出たロンドン西部の高層住宅「グレンフェル・タワー」の火災について「71人死亡」「まだ誰も逮捕されない?」「なぜ?」と映画を模した看板が事故現場の前の通りに並べられ、ニュースになった。これは市民団体「Justice 4 Grenfell」が企画したものだ。同様に、アメリカでは14日(現地時間)にフロリダ州の高校で起きた銃乱射事件を受けて「学校で殺戮が起きた」「銃規制はまだ?」「どうしてなの、マルコ・ルビオ?」とルビオ上院議員に宛てた3枚の看板が17日(現地時間)にマイアミ市内に登場したのも伝えられている。最多12部門で候補になった『シェイプ・オブ・ウォーター』はギレルモ・デル・トロ監督が監督賞を受賞したほか、作曲賞、美術賞に輝き、同じく3部門を受賞。次いで2部門で受賞したのは『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』。ゲイリー・オールドマンが主演男優賞、メイクアップ&ヘア賞を受賞し、デヴィッド・マリノウスキーとイヴァナ・プリモラック、ルーシー・シビックとともに日本出身の辻一弘が受賞した。助演女優賞は『アイ,トーニャ史上最大のスキャンダル』のアリソン・ジャニーが受賞し、受賞者は主演も助演もすべて、ゴールデン・グローブ賞や映画俳優組合(SAG)賞、クリティックス・チョイス賞などオスカー前哨戦で影響力大の映画賞と同じ結果。3月4日(現地時間)の第90回アカデミー賞の俳優部門の結果がほぼ固まったと見る向きも多い。一般投票による、新人賞に当たる「EE ライジングスター」賞は『ゲット・アウト』のダニエル・カルーヤが受賞した。今年の授賞式は、「Time’s Up」運動に賛同した多くの出席者が黒を着用。特に女優たちのドレスはほぼ黒一色の中、BAFTA会長でもあるウィリアム王子と一緒に出席したキャサリン妃はダーク・グリーンをチョイス。イギリス王室の人々は、社会問題などについて特定の立場を表明しないのが決まりであり、キャサリン妃は胸元に黒いリボンを巻いていた。主な受賞結果は以下の通り。■最優秀作品賞『スリー・ビルボード』■英国映画賞『スリー・ビルボード』■最優秀男優賞ゲイリー・オールドマン(『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』)■最優秀女優賞フランシス・マクドーマンド(『スリー・ビルボード』)■助演男優賞サム・ロックウェル(『スリー・ビルボード』)■助演女優賞アリソン・ジャネイ(『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』)■最優秀監督賞ギレルモ・デル・トロ(『シェイプ・オブ・ウォーター』)■最優秀オリジナル脚本賞『スリー・ビルボード』マーティン・マクドナー■最優秀脚色賞『君の名前で僕を呼んで』ジェームズ・アイヴォリー■最優撮影賞『ブレードランナー2049』ロジャー・ディーキンス■最優秀外国語映画賞『お嬢さん』(韓国)■最優秀作曲賞『シェイプ・オブ・ウォーター』アレクサンドル・デスプラ■最優秀アニメ映画賞『リメンバー・ミー』(text:Yuki Tominaga)
2018年02月19日クチコミで大ヒット中の『スリー・ビルボード』が熱い。第75回ゴールデングローブ賞最多4部門を受賞し、第90回アカデミー賞で作品賞、主演女優賞(フランシス・マクドーマンド)、助演男優賞Wノミネート(ウディ・ハレルソン、サム・ロックウェル)、脚本賞、作曲賞、編集賞で6部門7ノミネートとなった。2月1日に公開され、127館という公開規模でありながら初登場で興行ランキング8位にランクインし、なんと公開8日目で早くも動員10万人を突破。アカデミー賞作品賞の呼び声が高い本作だが、まだ受賞結果も発表されていない中、異例の大ヒットとなった。早くも「今年ナンバー1!」という声が飛び交い、SNSで話題沸騰。映画レビューサイト・Filmarksでは初日満足度1位、映画サイトでも4点台を弾き出した。ここまでのアベレージの高さを誇るのは何ゆえか? ただのクライムドラマというカテゴリーに収まり切れない本作の魅力をひも解いてみたい。○■全く感情移入できない狂犬的主人公になぜ心が動かされるのか!?舞台はアメリカ、ミズーリ州の片田舎の町。レイプされた後に殺害された娘の母ミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)は、一向に進展しない捜査に業を煮やす。彼女は警察署長のウィロビー(ウディ・ハレルソン)を名指しで抗議すべく、町外れに巨大な広告看板を設置する。ミルドレッドは娘を殺された被害者で本来なら同情を誘う立場なのに、筋金入りの偏屈で頑固者なため、嫌われ者のポジションに。その一方で、公開処刑された警察署長のウィロビーは人望が厚く、さらに末期がんを患っている。さーて、どっちにつくのか?という流れなので、なかなか主人公ミルドレッドの方に感情移入しにくいのだ。ウィロビーは直接、ミルドレッドに捜査状況を説明しに行くが、彼女は応戦体制で牙をむく。あーあ、なんでそうなるの? 結果、ミルドレッドはウィロビーを心から慕う部下のディクソン巡査(サム・ロックウェル)をはじめ、周りから反感を買うことに。アメリカ映画ではありがちな設定だが、わかりやすい勧善懲悪に落とし込むこともなければ、喧嘩両成敗の物語にもしなかった点がミソ。ミルドレッドは、孤立無援な闘いを強いられていく。ミルドレッドを演じたのは、『ファーゴ』(96)でアカデミー主演女優賞を獲得した演技派女優フランシス・マクドーマンドで、受賞含めて5回目のノミネートとなった。それにしても悲劇的ヒロインにして、恐るべき狂犬ぶり!ミルドレッドのすぐ人に噛みつくデンジャラスなキャラクターには誰もがドン引きしそうだが、特筆すべき点は、その怒りが絶望的な悲しみに裏打ちされたものだというところだ。眉間にシワを寄せ、つり上がった目からは、誰にも届かない慟哭が聞こえてくるよう。まさにオスカーに値する熱演である。彼女のベストワークは間違いなく『ファーゴ』だと思うが、今回の演技はそれに相当する凄みがある。『ファーゴ』の監督で夫でもあるジョエル・コーエン監督が嫉妬してもおかしくない出来栄えなのだ。○■物語を動かしていく脇キャラも強烈狂犬ミルドレッドに怖じ気づくことなく、果敢に向かっていく男たちも実にいい。彼女と同じく直情型であるディクソン巡査役のサム・ロックウェルと、懐の深いウィロビー役のウディ・ハレルソンは、揃って助演男優賞にノミネート。烈火のごとくぶち切れるミルドレッドに対し、ディクソン巡査役は火に油を注いでしまい、さらに熾烈な争いとなる。ウィロビー署長は火消しに回るも、その後意外な行動に出る。この2つの流れが脚本の妙。中盤からは、それぞれのキャラクターの内面があぶり出されていき、観る者の心に波風を立てていく。特に、マザコンのやんちゃ坊主がそのまま大きくなったようなディクソン巡査は、ミルドレッドと同じくらい融通がきかない面倒くさい人間だが、次第に人間としてピュアな部分が表に出ていき、予想外の展開を見せる。○■実は、言葉の力が裏テーマにもなっている本作の物語は、言葉の力で糾弾する3枚の看板からスタートする。言葉は使い方によってナイフよりも切れ味の良い武器となることを痛感させられるが、その一方で、言葉が時には人生に一筋の希望の光をもたらすという例も紹介されていく点がニクイ。近年、ネット上でも心ならぬ暴言や本音が投稿され、炎上を招くケースが多々ある。『スリー・ビルボード』では、文字通り3枚の看板が炎上するシーンがあるが、その流れは現代のネット社会へのメタファーになっているような気さえしてくる。また、本作では、クライムドラマにありがちな予定調和な結末を敢えて封じている。それなのに、いびつでささくれた心をもつ登場人物たちを迎えるのは、魂を震わせる結末なのだ。いやあ、心憎い。オスカーの行方が今から楽しみである。(C)2017 Twentieth Century Fox
2018年02月17日全世界で大ヒットし、アカデミー賞最多9部門ノミネート、最多4部門受賞の『グランド・ブダペスト・ホテル』の製作陣が再結集する映画『犬ヶ島』が5月より全国公開となる。映画『犬ヶ島』ポスタービジュアル全編にわたり日本を舞台とし、“犬インフルエンザ”の大流行によって犬ヶ島に隔離されてしまった愛犬を探す、少年と犬たちの壮大な旅と冒険をストップモーション・アニメーションで描く本作。声優陣として、ビル・マーレイ、ジェフ・ゴールドブラム、エドワード・ノートン、ハーヴェイ・カイテル、ティルダ・スィントン、F・マーレイ・エイブラハム、ボブ・バラバン、フランシス・マクドーマンド、野村訓市などウェス・アンダーソン監督作品常連の豪華俳優陣が並ぶほか、新たにスカーレット・ヨハンソン、グレタ・ガーウィグ、ブライアン・クランストン、リーブ・シュライバー、コーユー・ランキン、ヨーコ・オノら多彩な才能を持ったキャストが集結。また、日本人ボイスキャストとしてRADWIMPS・野田洋次郎、夏木マリ、村上虹郎、渡辺謙といった日本を代表する異色なキャスト陣も参加。第68回ベルリン国際映画祭では、オープニング作品として上映&コンペティション部門への正式出品も決定しており、映画ファンを中心に日本のみならず世界中が公開を待ちわびている。さらに、主人公の少年とアンダーソン監督が手がけるユニークで風変わりな犬たちがぎっしりと集合した、独特のこだわりとセンスが詰まったモーションポスタービジュアルを日本&アメリカ独占先行にて解禁。一匹の犬が突然クシャミをしたことをきっかけに、周りの犬から犬へと徐々に謎のクシャミが感染していく様子は、まるで”犬インフルエンザ”が大流行したことによって犬ヶ島へと犬が隔離されてしまう本作のストーリーの発端を物語っているかのよう。果たして、少年と犬たちはどんな冒険を繰り広げるのか。アンダーソン監督が描く日本はどんなものとなるのか。公開に期待が膨らむビジュアルとなっている。
2018年02月08日セクハラ撲滅運動「Time’s Up」の支援表明として、ゴールデングローブ賞授賞式ではレッドカーペットに“黒一色”で集合したセレブたち。先日行われたグラミー賞では、“白いバラ”を身につけることが支援表明の証であった。この動きは2月18日(現地時間)にロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行われる英国アカデミー(BAFTA)賞でも取り入れられるようで、「WWD」によればノミネートを受けた女優たちや招待客が黒ずくめで参加するという。授賞式まで3週間を切っての決断だったこと、授賞式はロンドンファッションウィーク中に開催されることから、ファッションデザイナーやスタイリストは大きなプレッシャーを抱えることになりそうだ。BAFTAのスポークスマンは、ドレスコードを特に黒に設定しているわけではなく、出席者には自由に着たいものを着てほしいと語っている。今年のBAFTAはいままで12回も司会を務めてきたスティーヴン・フライに代わり、2001年ぶりとなる女性の司会者としてジョアンナ・ラムリーが選ばれたことですでに話題になっていた。BAFTA主演女優賞にはアネット・ベニング、フランシス・マクドーマンド、マーゴット・ロビー、サリー・ホーキンス、シアーシャ・ローナンがノミネートされている。(Hiromi Kaku)
2018年02月01日21日夜(現地時間)、第24回全米映画俳優組合賞の授賞式(SAG賞)が開催された。今年のSAG賞では現在ハリウッドで騒動となっているセクハラ問題が色濃く影響し、さまざまな伝統を打ち破る変化がみられた。まずは、いままで司会者を立ててこなかった同賞でクリスティン・ベルが初の司会を務めた。受賞者を発表するプレゼンターたちもそれまでは男性と女性がペアで行うのが慣習だったが、今回はすべてのプレゼンターたちが女性のペアに。そして、この夜最初に賞を獲得したのは、女性がメガホンをとり、主役が女性のスーパーヒーローである『ワンダーウーマン』(スタント・アンサンブル賞)。例年より女性にスポットライトが当たった授賞式であった。受賞リストは以下の通り。【映画部門】キャスト賞『スリー・ビルボード』主演男優賞ゲイリー・オールドマン 『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』主演女優賞フランシス・マクドーマンド『スリー・ビルボード』助演男優賞サム・ロックウェル 『スリー・ビルボード』助演女優賞アリソン・ジャネイ 『I, Tonya』(原題)スタント・アンサンブル賞『ワンダーウーマン』【テレビ部門】男優賞(テレビ映画・リミテッドシリーズ部門)アレクサンダー・スカルスガルド 「ビッグ・リトル・ライズ~セレブママたちの憂うつ~」女優賞(テレビ映画・リミテッドシリーズ部門)ニコール・キッドマン 「ビッグ・リトル・ライズ~セレブママたちの憂うつ~」アンサンブル賞(ドラマ部門)「THIS IS US 36歳、これから」男優賞(ドラマ部門)スターリング・K・ブラウン 「THIS IS US 36歳、これから」女優賞(ドラマ部門)クレア・フォイ 「ザ・クラウン」アンサンブル賞(コメディ部門)「Veep/ヴィープ」男優賞(コメディ部門)ウィリアム・H・メイシー 「シェイムレス 俺たちに恥はない」女優賞(コメディ部門)ジュリア・ルイス=ドレイファス 「Veep/ヴィープ」スタント・アンサンブル賞「ゲーム・オブ・スローンズ」(Hiromi Kaku)■関連作品:ワンダーウーマン 2017年8月25日より全国にて公開(C) 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.AND RATPAC-DUNEENTERTAINMENT LLC
2018年01月22日先のゴールデン・グローブ賞で最多4部門を獲得し、アカデミー賞作品賞に“最も近い”とされるトロント国際映画祭・観客賞を受賞している『スリー・ビルボード』。2月1日(木)からの日本公開に先立ち、怒れる母を演じた主演フランシス・マクドーマンドや、脚本も手がけた鬼才監督マーティン・マクドナーらが本作について語る特別映像をシネマカフェが独占入手した。本年度賞レースの大本命との呼び声も高い本作。このたび到着したのは、マクドナー監督やキャスト陣が本編映像と共に本作について語った特別映像だ。娘を殺した犯人の逮捕を願い、孤高の闘いを決意する母ミルドレッドが「私の娘は7か月前 この道沿いで殺されました」とテレビカメラに語る姿から始まる本映像。演じたフランシスは、「彼女が求めてるのは復讐ではなく正義よ」と語り、本作が憎しみと悲しみが生み出した単なる復讐劇ではないことを暗示する。また、脚本・製作も務めたマクドナー監督は、26歳で劇作家としてデビュー以来、常に全世界の演劇界を震撼し続ける鬼才。母ミルドレッドについて「フランシスを当て書きした。感傷的にならずに演じてくれる。役に忠実なのに、コメディもできる」と明かす。すると、フランシスも「(私は)コメディアンではないけど笑いは生める。物語の中でユーモアが重要な場合はね。大事なのは忠実に演じること。人物を取り巻く環境が笑いを生むの」と、壮絶な物語ながら笑いが生まれるシーンもあることを語っている。彼女と対立する警察官ディクソンを演じたのは、『コンフェッション』『月に囚われた男』などで知られる演技派サム・ロックウェル。彼が「マーティンがいままで書いた中で、(ミルドレッドは)最高のキャラクターだよ」と断言するように、映像の最後は、彼女の「ビッチ!」というまさかの言葉で締めくくられている。最愛の娘を惨殺された母が3枚の巨大看板を買うという行動は、小さな田舎町にどんな影響をもたらすのか、ますます気にならずにいられない。『スリー・ビルボード』は2月1日(木)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2018年01月21日アカデミー賞の前哨戦の1つとして注目されるトロント国際映画祭・観客賞を獲得した『スリー・ビルボード』。このたび、第75回ゴールデン・グローブ賞にも6部門にノミネートされている本作の新予告編が公開された。アメリカの片田舎、大通りに並ぶ3枚の看板にある日突然、現れた真っ赤な広告――。本作は、娘を殺された1人の母親をはじめ、大切なものを守るために予想もしない道へと外れていく大人たちを、ダークなユーモアを潜ませて描き、観る者を途方もない結末へと連れ去る究極のクライム・サスペンス。娘のために全てをかなぐり捨てて孤高の闘いを決意する母・ミルドレットを演じるのは、『ファーゴ』のフランシス・マクドーマンド。彼女と対立する警察官には、『猿の惑星:聖戦記』のウディ・ハレルソン、『バッド・バディ!私と彼の暗殺デート』のサム・ロックウェルが扮し、圧巻の演技を見せている。ヴェネチア国際映画祭ではマーティン・マクドナー監督自ら手がけた脚本が脚本賞に輝き、ゴールデン・グローブ賞では作品賞(ドラマ部門)、監督賞ほか、マクドーマンドが主演女優賞(ドラマ部門)、ロックウェルが助演男優賞、脚本賞、作曲賞の6部門にノミネート。このたびの新予告編映像では、ミズーリ州の片田舎の町を舞台に、最愛の娘が殺されて7か月も経過したにもかかわらず、犯人は逮捕されないことに憤るミルドレッドを映し出す。彼女は、道路沿いの3枚の大型看板を買い、警察署長へ向けた怒りのメッセージを発表する。「逮捕はまだ?」「どうして?ウィロビー署長」。それを快く思わない警察官や住民たちとミルドレッドの間の諍いは、日増しにエスカレートしながらも、事態は思わぬ展開を見せていき…。いち早く本作を鑑賞した竹中直人(俳優・映画監督)からは、「とてつもない映画に出会った。最高のキャスティング!最高の演出!憎しみ 慈しみ 怒り 悲しみ 憤り何度でも観たい映画だ」とコメントが到着。また、映画評論家の町山智浩からも「3つのビルボードと3人の怒りと愛と秘密。この映画の行先は誰にも予測できない!」と、結末が気になるコメントが到着している。『スリー・ビルボード』は2月1日(木)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2018年01月05日アカデミー賞最多9部門ノミネート、最多4部門受賞の『グランド・ブダペスト・ホテル』の製作陣が再結集するウェス・アンダーソン監督最新作『犬ヶ島』。このたび、本作が2018年2月15日(現地時間)より開催される第68回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に正式出品、オープニング作品として上映されることが決定した。本作は、全編にわたり日本を舞台に、失踪した愛犬を探す少年と犬たちの壮大な旅と冒険をストップモーション・アニメーションで描き出す。声優陣には、ビル・マーレイ、ジェフ・ゴールドブラム、エドワード・ノートン、ハーヴェイ・カイテル、ティルダ・スウィントン、F・マーレイ・エイブラハム、ボブ・バラバン、フランシス・マクドーマンド、野村訓市といった、アンダーソン監督作品常連の豪華俳優陣に加え、新たにスカーレット・ヨハンソン、グレタ・ガーウィグ、ブライアン・クランストン、リーブ・シュレイバー、ランキン・こうゆう、ヨーコ・オノら多彩な才能が集結。さらには、日本人ボイスキャストとして「RADWIMPS」野田洋次郎、夏木マリ、村上虹郎、渡辺謙ら、日本を代表する異色キャスト陣の参加も決定している。独特な世界観で数多くの映画ファンを魅了してきたアンダーソン監督は、これまで第52回(2002年)『ザ・ロイヤルテネンバウムズ』、第55回(2005年)『ライフ・アクアティック』がコンペティション部門に出品されており、今回で4度目。オープニング作品としては審査員グランプリ(銀熊賞)を受賞した『グランド・ブダペスト・ホテル』(2014)以来、約4年ぶり、2度目の選出となっている。現在、映画祭での上映日に合わせキャスト、スタッフの渡航は調整中。単に日本を舞台としているだけでなく、天才監督ウェス・アンダーソンの視点を通じた日本のカルチャーを世界へ発信する一大プロジェクトとなっており、世界の観客がどのように受けとめるのか、早くも注目を浴びている。『犬ヶ島』は2018年春、日本を含む全世界にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年12月05日12月3日(現地時間)、ロサンゼルス映画評価協会賞が発表された。作品賞に輝いたのはルカ・グァダニーノ監督作の『Call Me by Your Name』(原題)。この作品は監督賞、主演男優賞も受賞した。1983年のイタリアを舞台に2人の青年の恋を描いた同作は、サンダンス映画祭でプレミア上映が行われる前々から評判がすこぶるよく、今後の賞レースでもたびたび名前を聞くことが予想されている。ジェームズ・フランコが監督・主演を務め、弟のデイヴ、「フリークス学園」での共演以来仲の良いセス・ローゲンをキャストに起用した『The Disaster Artist』(原題)も好評。今回はジェームズが主演男優賞の次点に選ばれた。主な受賞者及び受賞作品は以下の通り。■作品賞受賞:『Call Me by Your Name』次点:『The Florida Project』監督賞受賞:ギレルモ・デル・トロ (『シェイプ・オブ・ウォーター』)受賞:ルカ・グァダニーノ (『Call Me by Your Name』)主演男優賞受賞:ティモシー・シャラメ (『Call Me by Your Name』)次点:ジェームズ・フランコ (『The Disaster Artist』)主演女優賞受賞:サリー・ホーキンス (『シェイプ・オブ・ウォーター』)次点:フランシス・マクドーマンド (『スリー・ビルボード』)助演男優賞受賞:ウィレム・デフォー (『The Florida Project』)次点:サム・ロックウェル (『スリー・ビルボード』)助演女優賞受賞:ローリー・メトカーフ (『Lady Bird』)次点:メアリー・J・ブライジ (『マッドバウンド 哀しき友情』)(Hiromi Kaku)
2017年12月04日アカデミー賞作品賞に最も近い賞として近年注目されるトロント国際映画祭・観客賞を受賞した『スリー・ビルボード』(原題:Three Billboards Outside Ebbing, Missouri)が、2018年2月1日(木)より全国公開。このほど、スリリングなストーリー展開で話題を呼ぶ本作から、“嵐の前触れ”を予感させるポスターが解禁となった。本作は、『ファーゴ』(’96)でアカデミー賞主演女優賞を獲得した、ハリウッドが誇る演技派女優フランシス・マクドーマンドが主演するクライム・ドラマ。舞台はアメリカ、ミズーリ州の片田舎の町、7か月前に何者かに娘を殺された主婦のミルドレッドは、さびれた道路の3枚の広告看板にメッセージを出す。犯人は一向に捕まらず、何の進展もない捜査状況に腹を立て、警察署長にケンカを売ったのだ。署長を敬愛する部下や町の人々に脅されても、一歩も引かないミルドレッド。その日を境に、次々と不穏な事件が起こり始め、やがて思いもかけない、誰もが想像できないドラマが始まる――。ヴェネチア国際映画祭では脚本賞に輝き、トロント国際映画祭では観客賞を受賞した本作。トロントの観客賞といえば、オスカーに最も近い賞といわれ、近年は作品賞に『スラムドッグ$ミリオネア』『英国王のスピーチ』『それでも夜は明ける』、主演女優賞に『世界にひとつのプレイブック』『ルーム』『ラ・ラ・ランド』などが選ばれており、本作も本年度賞レースの大本命との呼び声も高い。主人公の主婦ミルドレッドを演じる名女優フランシスは、2度目のオスカーもささやかれており、警察署長にはアカデミー賞2度ノミネートを誇る『猿の惑星:聖戦記』のウディ・ハレルソン、彼の部下には『コンフェッション』でベルリン国際映画祭男優賞を受賞したサム・ロックウェルと実力派がずらり。『ゲット・アウト』のケイレブ・ランドリー・ジョーンズや『ジオストーム』の注目女優アビー・コーニッシュ、先の賞レースを沸かせた『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のルーカス・ヘッジズ、「ゲーム・オブ・スローンズ」で“TV界のアカデミー賞”エミー賞を受賞したピーター・ディンクレイジなども名を連ねている。監督は、26歳で劇作家として衝撃のデビュー以来、世界の演劇界を震撼し続ける鬼才マーティン・マクドナー。映画界でも、デビュー作でいきなりアカデミー賞短編賞を獲得。長編3作目となる本作でついに映画界でも頂点を極めようとしている。『スリー・ビルボード』は2018年2月1日(木)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年11月08日映画『スリー・ビルボード』が2018年2月1日(木)より全国ロードショー。アメリカ・ミズーリ州の片田舎で娘を殺された主婦のミルドレッド。全く解決しない事件への抗議のために、巨大な広告看板を町はずれに設置したミルドレットと、それを快く思わない警察官たち。状況は日増しにエスカレートしていく。『スリー・ビルボード』は、大切なものを守るために、予想もしない道へと外れていく大人たちを描いたクライムサスペンスだ。フランシス・マクドーマンドの演技に注目主人公のミルドレッドを演じるのはハリウッドが誇る演技派女優、フランシス・マクドーマンド。アカデミー賞に5度ノミネートされ、『ファーゴ』、そして今回の『スリー・ビルボード』と2度にわたって主演女優賞を受賞した名優だ。フランシス・マクドーマンドの脇を固めるのは、『ラリー・フリント』のウディ・ハレルソンや『グリーン・マイル』のサム・ロックウェルら。監督・脚本を務めるのは、『セブン・サイコパス』などを手掛けたマーティン・マクドナー。アカデミー賞では6ノミネートベネチア国際映画祭で脚本賞を受賞後、トロント国際映画祭の観客賞を受賞。ゴールデングローブ賞では、最多となる作品賞、主演女優賞、助演男優賞、脚本賞の主要4部門を受賞。英国アカデミー賞では、作品賞、主演女優賞(フランシス・マクドーマンド)、助演男優賞(サム・ロックウェル)、脚本賞、英国作品賞の最多5部門で受賞を果たした。そして、第90回アカデミー賞のノミネーションでは主要6部門、7ノミネートを果たす。作品賞、脚本賞(マーティン・マクドナー)、作曲賞、編集賞に加え、主演女優賞ではフランシス・マクドーマンド、助演男優賞ではウディ・ハレルソン、サム・ロックウェルのダブルノミネートとなった。受賞したのは主演女優賞のフランシス・マクドーマンドと助演男優賞のサム・ロックウェル。『スリー・ビルボード』あらすじミズーリ州のさびれた道路の3枚の広告看板にメッセージを出したのは、7カ月前に何者かに娘を殺されたミルドレッド。 犯人は一向に捕まらず、何の進展もない捜査状況に腹を立て、警察署長にケンカを売ったのだ。署長を敬愛する部下や町の人々に脅されても、一歩も引かないミルドレッド。その日を境に、次々と不穏な事件が起こり始め、やがて思いもかけない、誰もが想像できないドラマが始まる──。作品情報『スリー・ビルボード』日本公開:2018年2月1日(木)より全国ロードショー監督・脚本・製作:マーティン・マクドナーキャスト:フランシス・マクドーマンド、ウディ・ハレルソン、サム・ロックウェル、アビー・コーニッシュ、ジョン・ホークス、ピーター・ディンクレイジ、ルーカス・ヘッジズ原題:Three Billboards Outside Ebbing, Missouri(C)2017 Twentieth Century Fox
2017年09月19日全世界で大ヒットし、アカデミー賞最多9部門ノミネート、最多4部門受賞の『グランド・ブダペスト・ホテル』の製作陣が再結集する、映画『Isle of Dogs』(原題)が、『犬ヶ島』の邦題で来春公開されることがこのほど決定(2018年4月20日全米公開)。また、本作の第1弾日本人ボイスキャストとして、「RADWIMPS」の野田洋次郎、女優・夏木マリの出演が明らかになった。本作は、全編にわたり日本が舞台のウェス・アンダーソン監督最新作。失踪した愛犬を探す少年と犬たちの壮大な旅と冒険を、ストップモーション・アニメーション描いた作品だ。声優陣には、ビル・マーレイ、ジェフ・ゴールドブラム、エドワード・ノートン、ハーヴェイ・カイテル、ティルダ・スィントン、F・マーレイ・エイブラハム、ボブ・バラバン、フランシス・マクドーマンド、野村訓市といった、アンダーソン監督作品常連の豪華俳優陣に加え、新たにスカーレット・ヨハンソン、グレタ・ガーウィグ、ブライアン・クランストン、リーブ・シュライバー、コーユー・ランキン、ヨーコ・オノら多彩な才能が集結したことでも話題となっている。そして今回、本作の第1弾日本人ボイスキャストとして、野田さんと夏木さんの出演が決定!大ヒット映画『君の名は。』の音楽を担当し、幅広い世代から支持を得る「RADWIMPS」のボーカル&ギタリストである野田さんは、『トイレのピエタ』で主演を務め俳優デビューを果たし、第39回日本アカデミー賞・新人賞を受賞。また、現在放送中の連続ドラマ「100万円の女たち」でも主演を務めるなど、役者としても才能を発揮。一方夏木さんは、映画やドラマ、舞台などで女優として活躍しているのはもちろん、『千と千尋の神隠し』の湯婆婆・銭婆役や、現在公開中の『モアナと伝説の海』では日本語吹き替え版でタラおばあちゃん役を演じるなど、声の演技にも定評がある。野田さんは、「ニュースキャスター役で参加させてもらいました。iPhoneのボイスメモ機能を使っての台詞のやり取りから始まりました。そのデータを送って、返ってきて、修正して。初めての経験で面白かったです」と役柄を明かし、「僕自身ストーリーの全容をまったく見ずに断片的に関わらせて頂いたので完成を観るのがいまから楽しみです。とても幅広いキャストに象徴されるように、きっとボーダーレスでどこまでも自由なウェス・アンダーソン監督の作品になるのかなと期待しています」とコメント。さらに、オンラインポスタービジュアルが全世界同時解禁!ビジュアルには、“犬ヶ島”らしき場所についさっき降り立ったような、パラシュートを携えた飛行服を来た少年とその周りを囲む5匹の犬が描かれており、少年と犬たちはどんな冒険を繰り広げるのか?と映画への期待膨らむ一枚となっている。『犬ヶ島』は2018年春、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2017年04月26日カート・コバーンと娘のフランシス・ビーン・コバーン写真: Rex Features/AFLO 2月20日はニルヴァーナの故カート・コバーンの誕生日。一人娘のフランシス・ビーン・コバーンが、亡き父へ宛てた手書きのメッセージをSNSに投稿した。 「今日は50回目の誕生日になるはずだったね。あなたは愛され、恋しがられている。私に命の贈り物をありがとう。永遠にあなたの娘、フランシス・ビーン・コバーン」 カート・コバーンは1967年2月20日にワシントン州アバディーンで生まれた。1987年にニルヴァーナを結成、91年に先行シングル「Smells Like Teen Spirit」とアルバム「Nevermind」のヒットでオルタナティヴ・ロックの一大ムーブメントを巻き起こした。メジャーシーンを牽引していく立場となり、全世界の若者から熱狂的な支持を集める一方で、カートのドラッグとアルコールへの依存が加速。1994年の4月5日に27歳で命を絶った。 死の1カ月前、カートはドラッグとアルコールの過剰摂取で病院へ運ばれ、リハビリ施設に入所。退院のわずか数日後に頭をショットガンで打ち抜いた。発見されたとき、彼の手首には施設のリストバンドが巻かれたままだった。 その当時、フランシスはわずか2歳。遺書には、妻であるコートニー・ラヴに「フランシスを頼む。俺がいなくなれば、あの子の人生はずっとよくなる」とあった。
2017年02月21日アカデミー賞受賞監督コーエン兄弟と、ハリウッド主役級のスターたちが勢揃いした『ヘイル、シーザー!』。ハリウッド黄金期の撮影スタジオを舞台とし、当時の華やかな世界観を細部に至るまで見事に作り上げている本作だが、今回は、中でも目を引き映画を彩るゴージャスな衣装に注目。1950年代、ハリウッドが“夢”を作り世界に贈り届けていた時代。スタジオの命運を賭けた超大作映画『ヘイル、シーザー!』の撮影中に、主演俳優であり世界的大スターのウィットロック(ジョージ・クルーニー)誘拐事件が発生!撮影スタジオは大混乱に陥る中、事件解決への白羽の矢を立てられたのは貧乏くじばかりを引いている“スタジオの何でも屋”(ジョシュ・ブローリン)。お色気たっぷりの若手女優(スカーレット・ヨハンソン)や、みんなの憧れのミュージカルスター(チャニング・テイタム)、演技がどヘタなアクション俳優(アルデン・エーレンライク)など、撮影中の個性溢れるスターたちを巻き込んで、世界が大注目する難事件に挑む――!キャストには、コーエン兄弟作品常連のジョシュ・ブローリン、ジョージ・クルーニー、スカーレット・ヨハンソン、フランシス・マクドーマンド、ティルダ・スウィントンをはじめ、レイフ・ファインズ、ジョナ・ヒル、チャニング・テイタムなど、ハリウッド主役級の豪華俳優陣が集結している。『ファーゴ』『ノーカントリー』で知られる、コーエン兄弟ことジョエル&イーサン・コーエン。そんな彼らの華麗なる集大成ともいうべき本作は、ジョエル・コーエンが 「どうやって当時の世界観を作り上げるか。各部の全メンバーがたくさんリサーチをしたんだ」と語るように、当時の様々な映像や写真を研究するだけでなく存命の美術職人たちに調査を実施するなど、徹底したリサーチを行った。そして、当時の華やかさを現代に伝えるべく、美術スタッフ陣が衣装から小道具、セットに至るまで一切の妥協なく製作されている。劇中、隅々までこだわり抜かれている本作だが、中でも最も目を惹くのが、衣装の華やかさと豊富さ。例えば、古代ローマの衣装から、人魚、西部劇、そして50年代の正装や普段着と様々な衣装が登場。そしてその全ては、エキストラの衣装まで合わせると2,500~3,000の衣装が必要だったとか。そんな今回の衣装のデザインを手掛け、コーエン兄弟の作品に多く携わる衣装デザイナー、メアリー・ゾフレスは「映画の製作が始まる前段階で、すべてのデザインを終えていた」と明かし、大変だったと語りながらも、「大きな挑戦だったけど、すごく楽しかったし、衣装デザイナーが夢見るような仕事だったわ」と、同時に充実していたと話す。当時の衣装を再現することはもちろんのこと、コーエン兄弟が作り上げた個性豊かなキャラクターに合わせ衣装を選んだゾフレス。そこでティルダを例に出し、「ティルダは何を着ても似合うの。少しやり過ぎかとも思ったけど、彼女が一人二役で演じる双子も大げさなキャラクターだし、2人ともスーツ姿で羽根のついた大きな帽子を被っているわ。ひとりは羽根が右に傾いていて、もうひとりは左に傾いているのよ」と、衣装がキャラクター付けにおいて小さくない役割を担っていると説明した。また、単に見た目だけではなく、撮影の状況まで考慮し衣装をデザインする必要もあり、「ゾフレスは、衣装がそれぞれの役者の体に合っているかどうか、着心地がいいかどうかに細心の注意を払ってくれたわ」と、人魚のコスチュームを着て見事な水中パフォーマンスを劇中で披露したスカーレットは語る。尾びれやウロコをきらびやかに仕上げつつも、一定の機動性がある衣装を準備する必要があったというこのコスチューム。「彼女のデザインのおかげで楽に動くことができたし、人魚の衣装は動きがすごく制限されるけど、彼女は着やすく脱ぎやすい形にしてくれていたの」とも絶賛した。ハリウッド黄金期の華やかさをいまに伝え、見る者の目を楽しませる本作。見た目だけでなく、演者たちの着心地にもこだわった衣装はもちろん、画面細部にまで手を掛けられたその世界観をぜひ大画面で楽しんでみて。『ヘイル、シーザー!』は5月13日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年05月01日ジョージ・クルーニー演じる大スターの誘拐事件を、ジョシュ・ブローリン、スカーレット・ヨハンソン、チャニング・テイタムら、“最高にゴージャス”なキャストで贈る『ヘイル、シーザー!』の日本公開日が5月13日(金)に決定。アカデミー賞を4度受賞したコーエン兄弟の集大成ともいうべき最新作から、本予告とポスタービジュアルが解禁となった。ハリウッドが“夢”を作り、世界に贈り届けていた1950年代。スタジオの命運を賭けた超大作映画『ヘイル、シーザー!』の撮影中に、主演俳優であり世界的大スターのウィットロック(ジョージ・クルーニー)誘拐事件が発生!撮影スタジオは大混乱に陥る中、事件解決を頼まれたのは、“スタジオの何でも屋”(ジョシュ・ブローリン)。お色気たっぷりの若手女優(スカーレット・ヨハンソン)や、みんなの憧れのミュージカルスター(チャニング・テイタム)、演技がド下手なアクション俳優(アルデン・エーレンライク)など、撮影中の個性あふれるスターたちをも巻き込んで、世界が大注目する難事件に挑む!今週2月11日より開催されるベルリン国際映画祭のオープニング作品として、華麗なる祭典の開幕を告げる本作。先週末2月5日に公開された全米では、同週公開作の中で1位となる好成績で、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』『レヴェナント:蘇えりし者』を抑えて週末興行ランキング初登場2位を獲得した(BOXOFFICE MOJO調べ)。今回到着した本予告映像では、“最高にゴージャス”な大捜査がついにスタート。登場するのは、豪華スターたちの個性的な役柄と、ハリウッドという“夢”の製作会社を舞台にした華麗なシーンの数々だ。ローマ皇帝に扮して凛々しい姿で登場しながらも、セリフをド忘れする間抜けな大スター役のジョージや、海兵服でおどけるように踊るチャニング、人魚のコスチュームでセクシーさが滴るようなスカーレットをはじめ、演技がド下手な気の抜けたアクション俳優(アルデン・エレークライク)、神経質そうな監督(レイフ・ファインズ)、バカ真面目そうな公証人(ジョナ・ヒル)、ひと癖ありそうな記者(ティルダ・スウィントン)、正体不明の編集者(フランシス・マクドーマンド)ら、豪華な面々が次々に顔を現す。突然消えた世界の大スターを捜索すべく、ブローリン演じる“スタジオの何でも屋”はこうした“濃いキャラ”に翻弄されながらも、難事件解決に挑んでいくが…。コーエン兄弟が最も得意とする、予想もつかない結末を期待させるサスペンス・コメディでありながら、今回は、劇中劇で繰り広げられる華やかなミュージカルシーンにも要注目!併せて解禁となったポスタービジュアルからも、オールスターキャストによる“最高にゴージャス”な本作の魅力が伝わってきそうだ。『ヘイル、シーザー!』は5月13日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年02月10日『ノーカントリー』でアカデミー賞「作品賞」など4冠を獲得し、カンヌ国際映画祭「監督賞」を3度も受賞したイーサン&ジョエル・コーエン兄弟。本年度アカデミー賞でも脚本を手がけた『ブリッジ・オブ・スパイ』が「脚本賞」「作品賞」などにノミネートされている彼らの華麗なる集大成ともいうべき最新作「Hail,Caesar!」(原題)が、『ヘイル、シーザー!』として5月に公開されることが決定。ジョシュ・ブローリン、ジョージ・クルーニー、スカーレット・ヨハンソン、チャニング・テイタムら超豪華スターたちが競演する場面写真も到着した。本作の舞台は、1950年代、ハリウッドが“夢”を作り、世界に贈り届けていた時代。スタジオの命運を賭けた超大作映画『ヘイル、シーザー!』の撮影中に、なんと主演俳優であり世界的大スターのウィットロック(ジョージ・クルーニー)誘拐事件が発生!スタジオが大混乱に陥る中、事件解決への白羽の矢を立てられたのは貧乏くじばかりを引いている“スタジオの何でも屋”(ジョシュ・ブローリン)。お色気たっぷりの若手女優(スカーレット・ヨハンソン)や、みんなの憧れのミュージカルスター(チャニング・テイタム)、演技がどヘタなアクション俳優(アルデン・エーレンライク)など、撮影中の個性あふれるスターたちを巻き込み、“最高にゴージャスな大捜査”が幕を開ける!?古き良き(?)ハリウッド全盛期を舞台に、スタジオの何でも屋が個性あふれるスターたちを巻き込んで、世界的スターの誘拐事件解決に挑むサスペンス・コメディとなる本作。2月11日(現地時間)から開催される第66回ベルリン国際映画祭のオープニング上映にも決定している。世界三大映画祭の1つとなるベルリンのオープニングといえば、これまで、コーエン兄弟が監督・脚本を務めた『トゥルー・グリット』や本作同様に豪華キャスト共演の『グランド・ブダペスト・ホテル』といった、その年のアカデミー賞にも直結する超話題作が選出されることでも有名。本作も、コーエン兄弟最高傑作と名高い『ファーゴ』や『ノーカントリー』を彷彿とさせる“突然消えた人物を探す”サスペンスあふれる展開がベースとなりながら、『ビッグ・リボウスキ』や『オー・ブラザー!』で魅せた独特のブラックユーモア満載のコメディ要素を合わせ持ち、何よりも心に訴えかけるドラマティックなエンディングは、『トゥルー・グリット』や『インサイド・ルーウィン・デイヴィス名もなき男の歌』を想起させ、まさに “集大成”というにふさわしい1本となっている。個性的なキャラクターを見事に演じ切るのは、コーエン兄弟常連のジョシュ・ブローリンや、ジョージ・クルーニー、スカーレット・ヨハンソン、フランシス・マクドーマンド、ティルダ・スウィントンをはじめ、レイフ・ファインズ、ジョナ・ヒル、チャニング・テイタムなど、ハリウッドの主役級スターからアカデミー賞常連の名優まで、コーエン兄弟だからこそ実現できた豪華スターたち。また、コーエン兄弟としても新たな試みとなった、このスターたちが体を張って唄って踊る、華やかなミュージカルシーンも必見だ。『ヘイル、シーザー!』は5月、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年02月01日ジョエル&イーサン・コーエンの最新作『ヘイル、シーザー!』が5月に日本で公開されることが決定した。1950年代のアメリカ・ハリウッドを舞台にしたサスペンス・コメディで、ジョシュ・ブローリン、ジョージ・クルーニー、スカーレット・ヨハンソン、フランシス・マクドーマンドらが出演する。その他の写真様々な題材、ジャンルの作品を手がけ、全世界の映画ファンから絶大な信頼と支持を集めているジョエル&イーサン・コーエン監督の最新作は、1950年代のハリウッドで、世界的なスターで大作映画『ヘイル、シーザー!』の主演を務めるウィットロック(クルーニー)が何者かに誘拐されるところからはじまる。スタジオは騒然となり、スタジオの“何でも屋”のマニックス(ブローリン)は捜査を開始する。本作はこれまでのコーエン作品以上に豪華なキャストが顔を揃えており、先にあげたキャストのほかにもアルデン・エーレンライク、レイフ・ファインズ、ジョナ・ヒル、ティルダ・スウィントン、チャニング・テイタムらが出演。巧みな構成と会話劇はコーエン作品の魅力だが、本作にはミュージカル・シーンも登場するという。50年代の豪華絢爛な“映画の都”を描き出すべくスタッフも豪華な面々が集まっており、名撮影監督のロジャー・ディーキンスが全編を35ミリフィルムで撮影。『トゥルー・グリット』『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』など監督と繰り返しタッグを組んでいるジェス・ゴンコールがプロダクションデザインを手がけ、監督自身が編集を担当している。『ヘイル、シーザー!』5月、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
2016年02月01日メゾン・フランシス・クルジャン(Maison Francis Kurkdjian)から、新フレグランス「プルリエル」が誕生。発売日は2月25日。「プルリエル」は、永遠の女性らしさ、男性らしさを探求した2種のフレグランス。「複数」という意味のプルリエはその名の通り、一過性のものに留まらない自由と官能性を表現している。ウィメンズの「フェミナン プルリエル オードパルファム」(2万1,800円)は、ニオイイリス、ヴァイオレット、エジプシャンジャスミン、スズラン、オレンジブロッサムなどの複雑なフラワーブーケの香り。ミドルノートにはシプレーがただよい、ラストノートのバチョリとともに溶け合っていく。一方、メンズの「マスキュラン プルリエル オードトワレ」(2万500円)では、フゼアノートの男性らしい香りを、プロバンス産ラベンダー・アブソリュートの深い香りが引き立てた。レッドシダー、パチョリ、ベチバーなどのウッディなミドルノートの後には、レザーノートがすべての香りをまとめ上げる。
2015年03月08日全米メディアが軒並み年間ベスト10に選び、ウッディ・アレンやタランティーノも絶賛した話題作『フランシス・ハ』のBlu-rayとDVDが、5月2日(土)に発売されることが決定した。その他の画像本作は、ニューヨークのブルックリンを舞台に不器用で大雑把な27歳の見習いダンサー・フランシスが中途半端な自分に焦り、もがきながらも自分らしく前向きに生きていく人間ドラマ。『イカとクジラ』でアカデミー賞脚本賞にノミネートされた実力派、ノア・バームバック監督が、モノクロームの美しい映像で現代ニューヨークを描き出していく。アメリカでは公開されるや否やニューヨーク・タイムズ、ロサンゼルス・タイムズなどの辛口批評家筋から絶賛され、北米でたった4館から始まった上映が233館まで拡大するなど口コミで異例の大ヒットを記録した。ロマンティックで美しい映像に加え、本作は音楽も秀逸。主題歌であるデヴィッド・ボウイの『モダン・ラブ』をはじめ、マッカートニーの未発表曲がサントラとして採用されている。なお、本作は2015年度ポニーキャニオンが贈る名画特集『シネマ・スペシャリテ 映画美食宣言 第3弾』のキャンペーンのイチオシ作品で、同サイトではユーザー参加型および店舗参加型を絡めたキャンペーンも展開中だ。『フランシス・ハ』5月2日(土)Blu-ray&DVDリリース、レンタル開始Blu-ray:4700円+税DVD:3800円+税発売元:新日本映画社販売元:ポニーキャニオン
2015年01月20日『イカとクジラ』(’05)でアカデミー賞「脚本賞」にノミネートされたノア・バームバック監督による最新作『フランシス・ハ』が、早くも5月2日(土)にBD&DVDで発売されることが決定した。本作の主人公は、27歳の見習いダンサー、不器用で大雑把なフランシス。彼女は中途半端な自分に焦り、もがきながらも、自分らしく前向きに生きていく――。等身大のニューヨークライフをリアルに描き、全米メディアが軒並み年間ベスト10に選出。北米でたった4館から始まった上映が口コミで広がり、233館まで拡大し“奇跡の映画”とも言われた一作だ。そして、ウディ・アレンの『マンハッタン』(’79)などいくつもの映画へのオマージュも見どころとなっており、温かいタッチにロマンティックで美しい映像に加え、音楽も重要なポイント。主題歌であるデヴィッド・ボウイの「モダン・ラブ」を始め、ポール・マッカートニーの未発表曲がサントラとして採用されているなど、映像に彩りを添えている楽曲も聴き逃せない。また、同作はポニーキャニオンが贈る2015年度最新名画コレクション“映画美食宣言 シネマ・スペシャリテ”第3弾の対象作品。ユーザ参加型のキャンペーンを展開中で、豪華賞品のプレゼントなどを実施中だ。期間中は、新たな企画も始まるのでチェックしてみて!<『フランシス・ハ』DVD/リリース情報>【セル】Blu-ray¥4,700(本体)+税【セル】DVD¥3,800(本体)+税発売日:5月2日(土) ※DVDレンタル同時開始発売元:新日本映画社販売元:ポニーキャニオン(C) Pine District, LLC.(text:cinemacafe.net)
2015年01月20日パリのフレグランスブランド「メゾン・フランシス・クルジャン(Maison Francis Kurkdjian)」は、新オードトワレ「アクアヴィタエ(Aqua Vitae)」を10月1日に発売する。構想から商品化まで18ヶ月を要したという今作は、クルジャン自身のバカンス中の体験からインスパイアされた香り。「暑く乾燥した日に原付バイクで走行していたとき、体を包み込み愛撫するような熱気を感じ、シンプルな生活の中にある美しさを発見した。生きることの美しさをイメージしてこの香りを作りあげた」とクルジャン氏。「アクアヴィタエ」とは、「命の水」を意味する。トップノートは、マダガスカル産バニラと肌の温もりを表現するトンカビーン。汗ばんだ肌の塩気を感じさせるガイアックウッドと、風や空気をイメージしたヘディオンによるハートノートに、レモンとマンダリンが続く。「作曲家が音符、小説家が言葉を選ぶように、僕は適した香りを一つひとつセレクトする」と同氏。メゾン・フランシス・クルジャンは、2009年に誕生。TPOに合わせてフレグランスを変える「香りのワードローブ」を提案。クチュールを意識し、ブランド名に「メゾン」を冠している。日本には昨年9月に上陸し、ベストセラーは、柑橘系の「アクアユニヴェルサリス(Aqua Universalis)」。
2013年09月03日