フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第131回目は番外編=番外犬、ジャック・ラッセル・テリアのエド(Edo)さまの登場です。日本にちなんだ名前の犬さまの物語【フレンチ猫(犬)さま】vol.131猫(犬)さまの話をもっと聞かせて!エドさまは13歳の男性犬さま。エドさまが語ります。僕の家はパリ郊外の印象派ゆかりの地にあります。日々のお散歩は四季を感じる自然たっぷりのセーヌ川沿いがいつものコースです。鴨や雁を追いかけたり、他の犬と遊んだりするのが大好きです。たまにネズミやハリネズミを見つけると、我を忘れて狩猟犬の本能で噛みついて捕まえてしまいます。寒い冬の朝はゆっくり起きて10時ころから1時間ほど散歩に行きます。その後は、日なたでずっとお昼寝をして、15時ころにお昼を食べてから、また1時間ほど散歩に行きます。家に帰ってきてから場所を変えてまたお昼寝をして、17時になるとお腹が空いて騒ぎだしますが、夜ご飯の18時まで我慢します。夕飯を食べてからは、帰ってきた家族にチヤホヤされたり家族の夕食をおねだりしたりします。もらえることはありませんが。22時頃にその日の最後のお散歩に行って、誰かのベッドに潜り込んで暖かくして朝までぐっすり寝ます。いつもの食事はシニア犬用のカリカリをお湯でふやかして、ゆでた鳥のささみとにんじんをトッピングしてもらいます。年齢を考慮して、犬用のハーブと魚オイルも最近足してもらうようになりました。たまに炊きたてのお米をいつものご飯に少し混ぜてもらいます。散歩中は、飼い主がポケットに隠し持っている(もちろんあることは知っています)サーモン味のカリカリをもらいます。 りんごの皮や、きゅうり、スイカ、バナナも大好きです。冬は日の当たる窓際のクッションの上か、ここの家の娘たちのベッドに潜り込みます。夏はベランダのトランザット(長椅子)の上から、下の景色を眺めます。お気に入りのおもちゃはグレーのゾウさんのぬいぐるみです。遊ぶというよりは枕にしています。遅まきですが、12歳になってからお手を覚えましたよ。飼い主から見たエドさまは?私の犬遍歴は、小学生の頃、姉が保健所から黒柴をもらってきたのが始まりです。その後、姉がシェパードを連れてアメリカから帰ってきて、今、日本の実家では柴犬を飼っています。エドは普通のジャック・ラッセル・テリアと比べると足が長く短毛なので、若く見られます。2010年生まれで、最初は義両親が飼い始めました。義母が、息子の妻が日本人であることにちなみ、日本リスペクトで江戸からエドと名付けました。月に2回は会ってお散歩をしたり遊んだりしていましが、2021年に義両親が相次いで亡くなり、忘れ形見として我が家にやってきました。 20年以上お世話になった義両親の形見であり、2人を突然亡くした悲しみ、喪失感を癒してくれる存在でした。今は、私にとってはいつも一緒にそばにいてくれる相棒です。とても優しくて、人間にも犬にも愛想がよく、社交的です。誰かの家のドアが空いていると、自分の家のように入っていきます。嬉しい時に手で顔を擦る仕草が、恥ずかしがっているようでかわいいです。2022年のバカンスは一緒に2週間、南仏ドライブ旅行に出かけました。知らない街を散歩したり、川に入って泳いだり、ホテルでもレストランでもいつも一緒で楽しかったです。私は1年間、無職生活を送っていましたが、毎朝きちんと起きて1時間の散歩をするというリズムを作ってくれたことに感謝しています。いつも寄り添ってくれて無償の愛の大切さを教えてくれています。――パリ郊外のセーヌ川沿いに近いお宅で過ごすエドさまはとてもいい環境で生活しています。都会と比べて自由に散歩し、遊べるのは最高のことですね。今年のバカンスはどこへ行くのでしょうか?エドさまにとっても今から楽しみですね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年05月03日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第130回目は黒白猫のテルマ(Thelma)さま。飼い主との出会いは運命だった、猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.130猫さまの話をもっと聞かせて!テルマさまは1歳の女性猫さま。テルマさまが語ります。私の1日は、飼い主と同じ時間に起きて、食事をとることから始まります。それから窓の前に立って、庭と通りを眺めます。その後、ベッドで居眠りをしてお昼には元気に目を覚まします。犬のタリアと遊んだり、家の中を走り回ったりしています。その後、昼寝を再開し、午後4時頃に起きておやつを食べ、また遊びます。夕方になると、静けさを利用して再び眠り、飼い主を抱きしめます。夜は一緒に寝て、一晩中飼い主の腕の中で過ごします。私は何か悪いことが起こるのではないかと心配して自分からは家を出ませんが、それでも10メートルのリードを持った飼い主と一緒に庭に出ることがあります。食事は主に『メゾン ムーラン』のチキンナゲットを食べています。食べる量を減らしても不満なく食欲が増すように、遊び心のあるボウルに入れてもらっています。好物はチキンフィレのソース付きパテ、鶏肉と乾燥ムール貝です。特に落ち着く居場所はキャットツリーの最上階です。冬は暖房のそばで暖を取りながら、友人のタリアに守られて眠ります。窓のハンモックに座るのが大好きで、庭の鳥を見ながら日光浴をすることができます。お気に入りのおもちゃは、先にぬいぐるみのクモが付いた釣竿です。私は人間にとても愛着があり、とても愛情深い猫と言われています。抱っこが大好きで、部屋に一人でいるのは好きではありません。不器用で、飼い主を笑わせることもあります。信じられないほど親切で賢く、太陽の光のようだと飼い主が言っています。得意技は見事なジャンプをすること!飼い主は写真を撮りたがっていますが決定的ショットは毎回逃しています!飼い主から見たテルマさまとは。テルマは私の最初の猫です。私はいつも犬を飼っていて、猫もかわいいと思うと同時に、自立しすぎて私には向いていないと思っていました。ある日、子猫の悲痛な鳴き声を聞きました。私がテルマを見つけたのは、生後わずか6週間のときでした。彼女は隣人の車のエンジンの中に隠れていて、彼女を救出するのに24時間かかりました。彼女が誰かのものなのかを確認しましたが、この可哀想な子猫は捨てられているようでした。彼女はとてもかわいくて、抱きしめたくて…我慢できず、飼うことにしました。彼女を迎えに行ってからわずか5日後、11歳のキャバリアキングチャールズ犬のFybeeが亡くなりました。悲しみに明け暮れ、つらい時期でしたが、テルマがいてくれたお陰で大きな助けになりました。彼女の存在、抱擁、おふざけは私の心を慰め、元気づけてくれたのです。それは私たちをより親密にしたエピソードであり、非常に強い絆を築きました。彼女は私の人生に偶然入ってきたのではないと思っています。彼女が来てから1か月半後、テルマより1か月遅く生まれたタリアと名付けた子犬を引き取りました。彼らはすぐに仲良くなりました。よく一緒に遊び、ケンカもしません。テルマは時々、タリアに寄り添ったり、一緒に寝たりしようとしますが、タリアは遊びに夢中です。テルマはタリアをとても気に掛けています。タリアが咳をしたり病気になったりすると、彼女は走ってきて、何が起こっているのか、すべてが大丈夫かどうかを確認します。テルマは私たちと一緒にたくさんのことをしてきました。自転車に乗ったり、一緒に休暇をとったり…彼女とならどんな状況でも簡単に気楽に過ごせます。私たちと共にテルマにはもっと多くのことを体験してもらいたいです!テルマは私のことをとても気に入っていると思います。彼女はとても幼い頃、母親から引き離されたので、私は彼女の母親代わりです。テルマと私にはいくつかの共通点があります。私たちは知らない人に対してとても人見知りをします。そして、私が彼女を愛しているのと同じくらい、彼女も私を愛しているのだと思います。テルマは私にとって本当のお手本です。私は不安を抱えてしまうことが多いのですが、テルマの静けさと知恵に学ぶことが多く、彼女の存在だけで心が落ち着きます。 そして彼女は私にたくさんの幸せをもたらしました。彼女のおかげで、私は猫と出会えて本当に良かったと思っています。テルマの好きなところは目です。彼女の視線で溶けてしまいます。テルマは私にとって本当の太陽です。――テルマさまとの出会いはとてもドラマチックな展開になりました。捨てられた猫さまの救出、愛犬との別れ。飼い主にとっては塞ぎ込んでしまう毎日も、テルマさまの輝きで救われたのですね。まさに猫さまマジックをもったテルマさまですね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年04月30日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第128回目はシャルトリューのスシ(Sushi)さま。ちょっと変わった名前の猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.128猫さまの話をもっと聞かせて!スシさまは2歳の女性猫さま。スシさまが語ります。私の本名は長くて、火花の寿司(Sushi de l’étincelle)という風変わりな名前です。飼い主が何の仕事をしているのかはわかりません。彼女はオフィスに行くこともあれば、自宅で仕事をすることもあります。彼女は多くの人と話をし、ビジネス上のさまざまな問題についてアドバイスしているようです。彼女の名前はNadとかそういう名前です。タウンハウスで暮らしていて、家にいる3人のうち誰かと一緒のときだけ行くことができる庭があります。私はそこに散歩に行くのが好きです。しかし、私は花粉にアレルギーがあるようで、この庭で毎回くしゃみをします!!私は、毎日飼い主を見て過ごしています。私はどこでも彼女を追いかけます。彼女が朝起きたら、私も起きます。魚料理の準備を少しは手伝いたいのですが、私は何もできません。彼女が私の欲求をわかっていないときは、どうやって伝えるか戦略を練ります。彼女がコーヒーを飲むとき私に食べ物を見せるやいなや、私は音を立てて猛ダッシュで突進します。私は落ち着いているように見えて、彼女のことを考えています。ちょうどいいところを引っ掻く小さな枝が付いた木製のオブジェで遊びながら、朝ストレッチを行います。それから、私はたくさん休んで、食べて、遊びます。特に、テレワーカーが彼女の近くにいるときは、やる気を出して気を引く努力をすることもあります。大好物はサーモンのカリカリ。私は本当に食通です。飼い主の食事中、おこぼれをもらえるまで静かにそばにいます。彼らが反応しないか反応が遅すぎる場合、鋭い爪で脚を引っ掻きます。それはよく効きます。もらえるものはなんでも、グリーンサラダでも、何でも大好きです!遊びはすべてを楽しんでいます。飼い主の足にじゃれることや、小さなリボン、紙切れ、ベルが入った音が鳴る小さなボールが大好きです。飼い主はそれを投げ、私はそれを取って戻ります。同居中のウサギ(Thaïsという名前)にもたまにはちょっかいを出すんですが、反応が悪いのですぐ飽きてしまいます。でもお互いをよく許容し、よく観察しています。私のチャームポイントは、いつでも優雅なところです!飼い主から見たスシさまとは。スシにはちょっとした問題があったので、私以外は誰も彼女を欲しがっていませんでした。首に白い斑点があるのです。スシは2021年4月に生まれました。スシは強く、信じられないほどの優しい性格だと思います。いつも自分のしたいことをしていて、抱きしめられるのは苦手で、キスも好きではないようですが、一方、なでてもらいたいときははっきりと要求します。頭を私の脚にこすりつけたり、指をなめたり、時々私の髪を噛んだりしていつも私の隣で寝ています。そして、いつも名前を呼ぶと応じてくれます。多分それは魚を連想させるからでしょう。私がいつも彼女の面倒を見てくれることへの敬意も持ち合わせています。彼女にとっては私は代理母です。愛を共有した人生の美しい教訓です。これからもスシがどのように感覚を発達させていくのかを見続けていきます。ーーシャルトリュー種といえばオールグレー色と決まっていますが、スシさまの首元の白い斑点は素敵です。家にはいつもお花が飾られていて、それもおもちゃになってしまっています。この季節はまだまだ花粉が舞うので気をつけてください!取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年04月23日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第127回目はキジトラのマルセル(Marcel)さま。独占欲強めの猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.127猫さまの話をもっと聞かせて!マルセルさまは6歳の男性猫さま。マルセルさまが語ります。僕はリヨンのダウンタウンにあるアパートに住んでいます。石とむき出しの梁が特徴の古いアパートです。僕は完全な家猫です。外出するのが好きではありません。朝は6時半頃に飼い主たちを起こしてまずは朝食です。食べる事が大好きで、食べ過ぎてしまうので、飼い主は特別な食事用のボウルを買わなければなりませんでした。それから遊んだり、昼寝をしたり、窓際で人々を観察したりします。そして夕食を食べてから、飼い主と一緒に布団に入ります。魚のカリカリを食べますが、肉や鶏肉はあまり好きではありません。パイナップル、キヌア、そして「喜びのコロッケ」と言われるアヒルの切れはしと、サーモンのパテが好物です。時々飼い主が食べるサーモンのはしっこをもらうこともあります。クリスマスパーティーの前には自分用のアドベントカレンダーが用意されて、毎日さまざまなおやつが出てきます。この時期は1年で一番幸せな季節です。僕は飼い主のお腹の上にいるのが好きです。毎晩飼い主のお腹の上で寝ています。ハンモックがあって、そこでの飼い主との昼寝は最高ですよ。ひとりだったらキャットツリーや服を入れる引き出しも大好きです。とにかく飼い主だけを愛しています。他の人があまり好きではなく、すべての人から抱きしめられたいわけではありません。性格は、愚かなことをせず、落ち着いていて、やりたいことをやっています。そうでなければ、飼い主と一緒にいます。のどをゴロゴロ鳴らしに行って、飼い主の顔をなめます。飼い主の夫に少し嫉妬していて、二人が仲良くしていると不機嫌になるのです。飼い主から見たマルセルさまとは。マルセルは3歳のときに我が家にやってきました。もともとは私たちの隣人の猫でした。ある日、エレベーターで隣人に会った時、猫を飼うつもりがないか、と尋ねてきたので、私は即イエスと答えました。そして翌日、マルセルが私たちの家にやってきました。マルセルの子猫の頃は知りません。彼は2019年11月に私たちの元に来てから、私たちに慣れるまでに数か月かかりました。その後、コロナが蔓延して3か月間家に閉じ込められて、マルセルは私たちと四六時中一緒にいました。私たちが毎日家にいるので、彼は私たちととても親密になり、私たちはずっと彼の世話をしていました。それから私たちは別のアパートに引っ越しました。彼はそこをすぐに気に入りました。走り回るスペースがあり、隠れ場所が多いからです。彼が最初の飼い主に手放された理由は、飼い主が旅行が好きだったからかもしれません。私たちは休暇に旅行に行くのが好きではないのです。彼はいつも見捨てられることを恐れています。 そして彼と私はお互いにとても愛着があります。彼の丸顔と大きな青い目が大好きです。フレンドリーでとても表情豊かだと思います。マルセルは私をとても愛していて、私は彼にとって重要な存在なのだと思います。彼は私と一緒に過ごすのが好きで、私を母親のように見たり、しもべのように見たりしています。最高の時間は、彼が私のお腹の上に来てのどを鳴らす毎日の昼寝の時間です。マルセルは私にたくさんの愛と甘さを与えてくれます。私は彼と遊ぶのが大好きで、彼は家族の一員であり、彼がお腹に乗っかってくれないと眠れません。また同時に何もしないことが素晴らしいということも教えてくれます。彼は一日中何もせず、とても幸せです。ですから、時間や物事に追われている時、私はマルセルが落ち着いて休んでいるのを見て、私も同じことをします。私を落ち着かせる方法でもあります。私にとって、マルセルは地球上で最も完璧な猫です。もしもマルセルが存在しなくなったらマントラを唱えて、小さなタトゥーを入れて、いつも一緒にいようと思います。――とにかくマルセルさまは飼い主のことが大好き!飼い主の夫に嫉妬すると聞いて独占欲の強いマルセルさまは飼い主以外は受け付けないのだと知りました。3歳までどんな生活を送ってきたかは不明ですが、この甘えさせてくれる飼い主と出会えて本当に幸せなマルセルさまです。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年04月22日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第126回目はスコティッシュストレートのブブ(Boubou)さま。先代の生まれ変わり?猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.126猫さまの話をもっと聞かせて!ブブさまは2歳の男性猫さま。ブブさまが語ります。僕はパリ9区にあるアパルトマンの4階(日本では5階)に住んでいます。朝7時半に起床し、餌をもらうためにベッドの下をひたすらガリガリします。そして、1カップ弱の量のカリカリをぺろっと平らげます。天気がいい日は、携帯に反射する光が壁に当たるのを見つけるや否や、一生懸命捕まえようと必死になって遊びます。そして疲れてちょっと昼寝をします。飼い主たちのお昼ご飯を羨ましそうに横目で見つつ、デザートにヨーグルトなどの乳製品があると、蓋についた部分のおこぼれを貰えるので愛想良く振る舞います。飼い主たちが⻝べ終わったヨーグルトのカップにも興味がありますね。ここの家の愛娘の部屋のベッドで夕方まで昼寝をします。娘が学校から帰ってくるとベッドから追いやられるので、仕方なく別の場所を探します。夜ご飯は7時半からなのに、6時から「ミャーミャー」とお腹がへったアピールは欠かせません。でもここは我慢、我慢。夜ご飯のカリカリもあっという間に⻝べ終えると、飼い主たちの夕⻝を横目で観察しつつ、デーンとカーペットに仰向けになり、消化かつリラックスタイムを過ごします。この時、「ブブは音楽が好きなんだよね〜」と飼い主が音楽を聴かせてくれます。ヨーグルトの蓋のおこぼれなどを舐めたり、娘にキツく抱っこされる時に必死に爪を出さないよう我慢するのは僕のお仕事です。そうこうしているうちにあっという間に娘の就寝時間になります。彼女が寝た後の束の間の時間は、僕にとってホッと一息できる貴重なひと時。飼い主2人からのなでなで攻撃に、ひとり息子の僕は余韻に浸ります。飼い主たちの就寝時間になると、僕は猫トイレに近い自分の寝床で就寝です。いつもは『ロイヤルカナン』のSatietyというちょっと体重が気になる猫さま用のカリカリを⻝べています。特別な日のごはんは、夕⻝に鶏肉やお魚が出て、飼い主たちの機嫌がいい時はおこぼれがもらえます。居心地がいいのは、ここの娘のベッド、または猫タワーのてっぺん。そこから外を観察するのが大好きです。人が歩いていたり、鳩が飛び立ったりするたびに一喜一憂しています。先に茶色い羽が付いているピンクの針金のおもちゃでよく遊びます。予想外の動きをするのがお気に入り。スーパーボールも好きです。それから回っている洗濯機を見るのも好きなんです。 飼い主から見たブブさまとは。2001年にパリに来て、13区で一人暮らしを始めた時に飼い始めたのは、初代「きのこ」。当時、ジュンク堂書店の目の前にクロネコヤマトがありました。その店先に「子猫譲ります」という掲示板があり、早速連絡したのがきっかけです。当時、私がきのこのような髪型だったため、元彼が付けた名前が「きのこ」。雑種で、毛の色は茹で上がる前の海老のような黒とグレーと茶色のシマシマでした。15年間立派に生きた末、腫瘍ができてそのまま動物のお医者さんに注射をする事を勧められ、安楽死しました。2代目の猫は「ユキオ」。真っ白な雪のようなふわふわの毛を身に纏った白猫です。娘とたまたま入った赤十字のヴィンテージのお店の入り口にあった「子猫売ります」と書かれた白い子猫の写真付きのポスターに2人ともすぐに⻝いついて、その足で飼い主と白猫に会いに行きました。会った途端に、娘と「もう飼うしかない!」と決めて即座に家に連れて帰りました。目の周りが黒くなりやすく、不妊手術後に家に戻って来て傷を舐めていたと思ったら、血が出てしまい、そのまま止まらなくなってしまったため、緊急で動物病院に連れて行きました。お医者さんから輸血が必要と診断され、頭に浮かんだのはご近所の猫のトム(通称トムチョ)。ご主人に理由を説明したらふたつ返事で承諾してくれ、トムチョは家族と郊外の動物病院へ駆けつけてくださいました。トムチョからの輸血のおかげでユキオは3か月延命しましたが、病名不明の血が止まらなくなる病気を生まれつき持っていたらしく、結局死んでしまいました。悲しみにどっぷりと浸っていると、世間はコロナが蔓延。やっぱり猫が飼いたくなり、出会えたのが今の3代目、ブブです。ユキオに似て顔が平べったいので、ユキオが生まれ変わったと信じています。ブブとの出会いはフランスでは有名なリサイクルのサイト、『ル ボン コワン』の「子猫売ります」という情報。掲載した飼い主に連絡したのがきっかけです。バカンスになると、その間だけブブの世話をお願いしているお友達がいます。彼女の家まで猫用のリュックに入れて自転車でUber Eatsさながら、パリの街に繰り出します。彼女の家に着くと、「ご注文の品、お届けに来ましたー」とブブを預けます。春から夏にかけては、ピクニックがてらリュックに入れて一緒に公園デビューもしました。でも生まれながらの小心者で、あまりリュックから出ようとしません。徐々に慣れていってくれたらいいな、と思っています。ブブとの生活は家族の潤滑油になっていると思います。娘を諭さなければいけない時、夫とピリピリした時、ふとブブを見ると相変わらずデーンと横になって寝ているので気が抜けて笑ってしまいます。最近ふと思いついて、もしもブブが死んでしまったら剥製にしたいと夫に希望を出したところ、「生きるものは全て灰になるんだからそんなの不自然だ」と言われたのでまだ考え中です。――以前登場していただいたトムさまと以前飼っていた先代猫さまが輸血で繋がっている関係がありました。飼い主はミュージシャン(クミソロという名前で活躍)でもあり俳優業もしている日本人のチャーミングな女性です。とてもグルメなブブさまは仰向けになると迫力ありますね。今日はどんなご馳走にありつけたのでしょうか!取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年04月16日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第125回目は黒猫のブレイク(Blake)さま。謎に包まれた過去をもつ猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.125猫さまの話をもっと聞かせて!ブレイクさまは5歳の男性猫さま。ブレイクさまが語ります。僕はフランスの田舎にある、庭のある一軒家で生活しています。毎日、家の中と庭を行ったり来たり、時々休んで眠りに落ちて、起き上がっては遊び、そしてまた散歩に出かけます。カリカリはブッフェスタイルの食べ放題!夜はパテをいただきます。特別な日にはハムのかけらを飼い主からもらいます。これ、美味しいですよね。家の中で一番好きな場所は通りに面した窓際。ニャルソックしています。自分の縄張りに侵入者がいないかチェックしているうちに、そのまま眠ってしまったりもします。お気に入りのおもちゃはアルミホイルを丸めてボールにしたもの!性格は抱っこ好きで、甘え上手だと思います。一方でとても貪欲で、冒険好きな面もあります。チャームポイントは目元です。視線(目つき)がとても優しいと評判です。飼い主から見たブレイクさまとは。私は動物保護協会(SPA)からブレイクを引き取りました。彼はコルシカ島出身で、そこで養子縁組される可能性がないため、フランス本土に送られたそうです。それ以外のブレイクについての情報はあまり知りません。ブレイクが2歳のときに養子縁組して以来、私たちにとって最高に幸せな毎日を過ごしています。私は現在2匹の猫を飼っており、先住のラズールも5年前に保護協会から来た6歳の女性猫です。ラズールは怖がりで、ブレイクを受け入れるのに長い時間がかかりましたが、時間の経過とともに平和になりました。愛撫と抱擁に満ちたブレイクとの日常はとても楽しいものです。私の猫たちは私の人生をひっくり返しました。彼らは私たちに極上の優しさを与えていると思います。――ブレイクさまはなんとコルシカ島出身で、保護されてフランス本土にやってきたそうです。お姉さん猫のラズールさまも過去には辛いことがあったのかもしれません。でも明るい性格のブレイクがやってきて、時間はかかりましたがとても仲良くなり、今は幸せに生活していました。もちろん飼い主の幸福は言うに及びませんね。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年04月15日近年、世界的な問題ともなっているフェイクニュースやステルスマーケティング。実は、パリでは200年ほど前から横行していたとも言われています。そこでご紹介するのは、まさにその原点とも言える姿を描き、注目を集めている映画『幻滅』です。今回は、主演を務めたこちらの方にお話をうかがってきました。バンジャマン・ヴォワザンさん【映画、ときどき私】 vol. 569フランスのアカデミー賞と言われるセザール賞において、作品賞をはじめ最多7冠を受賞した本作。そのなかで主人公のリュシアンを演じ、有望新人男優賞に輝いたバンジャマンさん。劇中では詩人を夢見ていた純朴な青年が、いつの間にか野心と欲望にまみれて身を滅ぼしていくさまを熱演しています。そこで、役作りへのこだわりや豪華共演者がそろった現場での様子、そして愛とは何かについて語っていただきました。―本作を手掛けたグザヴィエ・ジャノリ監督は、「バンジャマンこそ現代のリュシアンであり、すべてを具現化してくれた」と話されていますが、ご自身でもリュシアンと通じる部分はあると思いましたか?バンジャマンさんそうですね、僕もリュシアンと同じくらい少し弱いところがあると感じました。あとは、社交界での遊びを楽しんだり、メディアを利用したりするところも同じようなところがあるのかなと。でも、彼のような悲劇的な最期を遂げたいとは思っていませんよ。―19 世紀フランスを代表する文豪オノレ・ド・バルザックによる『幻滅——メディア戦記』が原作ということで、バンジャマンさんにとっては初のコスチューム劇となりました。これまでの作品と違いを感じるようなこともあったのでしょうか。バンジャマンさん今回心がけたのは、観客のみなさんがリュシアンの目を通してこの時代を理解できるようにすること。そのために特別な何かをしたというわけではありませんが、自分の存在がどうあるべきかを意識して演技しました。ここまで集中して撮影に挑んだことはなかったかもしれないと感じたほどです。大俳優との共演は、いつまでも心に残っている―表情や佇まいなどがどんどん変わっていくさまを見事に表現されていて素晴らしかったですが、実際に本作が完成したときは、どのようなお気持ちでしたか?バンジャマンさんこの映画に出られたことはもちろん、リュシアンという役を演じられたことがすごくうれしかったです。というのも、原作の小説はフランスでも非常に知られている作品ですし、僕の祖父が一番お気に入りの登場人物はリュシアンだったからです。それに、舞台が1820年代にもかかわらず、現代の世相や社会的な問題も反映されているところがあるので、そこもおもしろいなと。まさに“現代の鏡”とも言えますが、昔といまとで変わらないところが描かれているのがこの作品の魅力だと思いました。―今回は、豪華な先輩俳優たちも多数出演されていますが、印象に残っている共演者とのエピソードがあれば、教えてください。バンジャマンさんジェラール・ドパルデューという大俳優と共演できたこと、そして彼と向き合って目と目を見ながら撮影ができたことは、本当に素晴らしい経験になりました。僕にとっては手の届かない人であり、彼がやっていることを真似しようと思ってもとても真似できないような存在ですから。たとえほかのことを忘れてしまったとしても、ドパルデューさんと共演できた思い出は自分の心にいつまでも残っていると思います。―監督は、「バンジャマンはジェラール・ドパルデューと対峙しても揺るがない図太さがあって、2人は同じ金属でできている」とも表現されています。それを聞いていかがですか?バンジャマンさん僕はドパルデューさんだけでなく、ジャノリ監督のことをも尊敬しているので、そう言ってもらうことができてすごくうれしいですし、とても光栄です。これからもドパルデューさんと同じくらいの努力をしていきたいと考えています。愛とは、どんなリスクにも値するもの―また、日本でも人気のグザヴィエ・ドランさんとの共演はいかがでしたか?バンジャマンさんフランスでも非常にファンが多い方ですが、彼との共演もまた最高でした。とはいえ、実は初めて会う前は、監督として姿勢を残したまま現場に入ってくるのではないかと心配していたところもあったんです。でも、彼は100%俳優として参加してくれたのでとても助かりました。というのも、たまに俳優と監督を両方している方と共演すると、監督としての目線が垣間見えてやりにくいときがあるんです。今後監督する作品で僕を使おうかどうしようかと値踏みされているようなところがわかってしまうというか…。なので、最初は不安もありましたが、彼にはまったくそういうところがなかったので、とてもいいチームで素晴らしい映画が作れたと思います。―今回演じられたリュシアンは女性や文学への愛に生きた人物でもあると感じましたが、バンジャマンさんにとっての愛とはどのような存在なのかをお聞かせください。バンジャマンさん「怖い」とか「悲しい」みたいに簡単に説明できたらよかったのですが、愛について答えようと思うと、だいたいバカみたいな答えになってしまうものですよね(笑)。でも、それくらい難しい問いということではないでしょうか。ただ、僕にとって愛とはどんなリスクにも値するものだと考えています。女性読者のみなさんにとって、こういう話ってすごく大切なことですよね。―はい、その通りです。バンジャマンさんだから、僕がみなさんのためにいるんですよ(笑)。多くの人に、自分の愛を届けたいと思っている―素敵なお言葉、ありがとうございます。ちなみに、ご自身はどんなときに愛を感じますか?バンジャマンさん必ずしも同じ相手とは限りませんが、愛は毎日感じていますよ。というのも、恋愛関係からはもちろんですが、たとえばベンチに座っているおじいさんを見るだけでも愛情を抱くことはありますからね。そして、僕はなるべく多くの人に愛を届けたいとも思っています。自分のなかにある愛が少なくても多くても、そのすべてを相手にあげたいのです。120%の愛を持っていれば120%全部、それに満たなかったとしても持っているすべてを与えたいという気持ちでいます。―そういうところもリュシアンと似ているのかもしれませんね。それでは日本についてもおうかがいしたいのですが、どのような印象をお持ちでしょうか。バンジャマンさん日本に来たのは今回が初めてで、まだ前日に着いたばかりです。でも、すでに日本でできたクマが目の下にできてしまいました。というのも、到着した日の夜にバーを5、6軒はしごして、そのあとにナイトクラブを2軒回り、朝の8時に帰って来たからです(笑)。僕は完全に日本に恋してしまったところですが、本当に最高ですね!―初日からかなり満喫されていますね。バンジャマンさんこのあと10日ほどかけていろんなところを回るつもりですが、まだ行き先もホテルも決めていないような状態です(笑)。これからたくさん楽しみたいと考えているところなので、この質問は最後の日に聞いてもらったほうがもっと答えられたかもしれないですね。ただ、日本のゲームや食べ物は前から大好きですし、ファッションもすごくエレガントで素敵だなと感じています。ナイトクラブのなかでも、日本のみなさんの装いがスタイリッシュでかっこよかったです。ヨーロッパの服でも日本的な要素が入っているのが好きなので、ファッション面では影響を受けていると思います。自分のために時間を使うことを大事にしてほしい―最近はお忙しいと思いますが、オフのときはどのようにして過ごしていますか?バンジャマンさん絵を描いていることが多いですね。もともとは、役づくりで始めたものでしたが、いまは撮影以外の時間に自分の気持ちの奥底を探るためと自己表現の手段として絵を描くようになりました。俳優としての大きな撮影は1年に1~2回ほどですが、そのほかの時間を芸術に費やすことが俳優にとっては有効だと考えていますし、自分の内面を探ることでストレス軽減にもなっています。絵画といっても誰かに習っているわけではなく、自分で好きなように描くなかで自分なりのやり方を見つけているだけので、みなさんにもオススメです。あとは、スポーツもいいですよ。これは僕の場合ですが、スポーツをしているときのほうが恋愛もうまくいくことがありますから。―なるほど、おもしろいですね。それでは最後にananweb読者に向けて、メッセージをお願いします。バンジャマンさんまずは、自分のために時間を使うことを大事にしてほしいと思っています。そして、繰り返しにはなりますが、恋愛にはリスクと同じくらいの価値があるので、リスクを冒してでも恋愛に生きてほしいです。女性にとっても男性にとっても、愛というのはこの世にあるもののなかでもっとも美しいものですから。なので、仕事ばかりではなく、自分が愛を向ける対象を大事にする時間を持ってください。いまの時代は将来に対する不安も付きものなので、経済的な悩みに支配されてしまうかもしれませんが、自分のために時間を使い、しっかりと自分を見つめたほうがいいと思います。その過程でたとえ失敗しても、その経験が将来につながることもあるので、失敗を恐れずにチャレンジしてほしいです。僕はみなさんのことが大好きなので、ぜひパリにも遊びに来てくださいね。インタビューを終えてみて…。ほとんど寝ていない状態だったとは思えないほどパワフルで、チャーミングなバンジャマンさん。ときおり悩ましい表情や真面目な顔になるときもありましたが、その姿もまた美しかったです。26歳という若さながら、愛についての深い考察もさすがフランス人だと思いましたが、リュシアンを演じたからこそたどり着いた答えのようにも感じました。これからフランス映画界を盛り上げていく存在となることは間違いないので、今後にますます期待です。激動の世界へと飲み込まれていく!豪華絢爛な社交界を見事に再現するとともに、社会の闇や人々の間に渦巻く欲望をダイナミックかつスピーディに描いている本作。愛と情熱を持ちながらも誘惑に翻弄されてしまうリュシアンの生きざまは、現代を生きる私たちにも通じるものがあると感じるはずです。取材、文・志村昌美ストーリー恐怖政治の時代が終わった19世紀前半のフランスは、宮廷貴族が復活し、自由と享楽的な生活を謳歌していた。そんな社交界に現れたのは、詩人として成功を夢見る田舎の純朴な青年リュシアン。貴族の人妻ルイーズと愛し合うようになり、駆け落ち同然で憧れのパリに上京する。しかし、世間知らずで無作法な彼は、社交界で笑い者にされてしまう。そして、生活のために始めた新聞記者の仕事では、恥も外聞もなく金のために魂を売る同僚たちに感化され、文学を愛する気持ちを忘れて、欲と虚飾と快楽にまみれた世界に身を投じていくのだった…。引き込まれる予告編はこちら!作品情報『幻滅』4月14日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿ピカデリー、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開配給:ハーク(C) 2021 CURIOSA FILMS - GAUMONT - FRANCE 3 CINÉMA - GABRIEL INC. – UMEDIA
2023年04月12日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第124回目は白茶ハチワレのカリム(Karim)さま。飼い主とラブラブな猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.124猫さまの話をもっと聞かせて!カリムさまは2歳の男性猫さま。カリムさまが語ります。僕は庭がふたつのある一軒家に住んでいます。一晩中ぐっすり寝て、気持ちよく1日が始まります。毎朝散歩に出かけ、周りをパトロールして不審な点をチェックします。そしていったん戻ってきて食事をし、合間に水を飲んだりして少し眠ります。目を覚ましたらまた散歩を始めます。隣人の庭が好きで、よく侵入して遊んでいます。ほとんど外で遊んでいるので家にはおもちゃはありませんが、飼い主が使っている書類や、ペンを転がしてみたりもします。いつもの食事はカリカリとパテですが、たまにいただくチーズやチキンの満足感ったら…そんな日はたまりません。最高の1日です。性格は自立していて、抱きしめて欲しい時だけ飼い主に甘えます。何かが欲しいときにはいつも飼い主に尋ねています。どこにいても、飼い主が僕の名前を叫ぶのを聞くとすぐに向かいます。憩いのひとときは飼い主とソファーに座っているとき。なでてほしくてゴロゴロと喉を鳴らします。 ただし、お腹に触れないように注意してください。得意の猫キックと噛みつきは強烈ですので。飼い主から見たカリムさまとは。家にいたお母さん猫が近所の猫と関係をもち、カリムが生まれました。彼は私を愛していると思いますが、私たちがお互いに愛しているかを決めるのは彼だけです。私はカリムの前にボブという猫を飼っていました。私はボブをとても愛していて私たちはとても親密でしたが、ある日彼は散歩に出かけたまま帰ってきませんでした。悲しみに明け暮れた日々を過ごすなか、カリムが登場したのです。私はカリムを人間のように愛しています。私のそばにいる彼の存在がとても大切です。 カリムは私の人生にたくさんの愛をもたらしてくれます。彼は私の小さな太陽です。私は彼の鳴き声が大好きで、彼と過ごす時間が大好きです。彼はナンセンスで、よく私を笑わせてくれます。私にとってカリムは家族の一員であり、もし彼がここにいなかったら、この家は大きな空虚さを感じるでしょう。特に私の心の中から。――飼い主が以前に飼っていたボブさまもカリムさまと同じ男性猫さまでした。どうやら母親が息子を溺愛するのと同じように、飼い主にとっては男性猫さまと一緒にいられるのが幸せなようでした。外に出ても、呼ぶとすぐ戻ってくるカリムさまも飼い主が大好き!相思相愛の物語でした。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年04月09日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第123回目はエキゾチックショートヘアブラウンタビーのクリスピー(Crispy)さまとブルーのペピート(Pepito)さまが登場です。とても仲良しな姉弟猫さまたちの物語【フレンチ猫さま】vol.123猫さまの話をもっと聞かせて!クリスピーさまは4歳の女性、ペピートさまは3歳の男性猫さま。左:クリスピーさま、右:ペピートさま。クリスピーさまが語ります。私は一日のほとんどの時間、窓の外を眺めています。食に関しては、好き嫌いもなく、さまざまなフレーバーのパテ等なんでも食べます。寝るのはベッドかキャットツリーで、カノコソウが入ったおもちゃが大好きです。性格は、明るくとても社交的。チャームポイントはちょっと歯並びが悪いけど、外に出ている小さな歯がみんなに人気です。ペピートさまが語ります。僕は、家の中に飼い主がいるとずっと後を追って過ごします。食事は好き嫌いがあり、お姉ちゃんのクリスピーとはちょっと好みが違います。ソファかキャットツリーで寝るのが好きで、小さいねずみのおもちゃがお気に入りでよく遊びます。見知らぬ人に対してとても臆病です。チャームポイントは、丸い大きなボールのような頭、だそうです。飼い主から見たクリスピーとペピートさまとは。彼らは私たち家族にとって最初の猫たちです。それぞれ別のブリーダーからやってきました。クリスピーの時は、ある晩、ブリーダーのところへ会いに行ったところ、夫が一瞬で恋に落ちました!彼女はとても賢くて落ち着いていていました。クリスピーは我が家で最初の猫でしたが、私たちは仕事のためほとんど家にいなかったので、彼女が退屈しないように2番目の猫を迎えたいと思っていました。 そこで、別のブリーダーを見つけて、ペピートを受け入れました。彼が生後1か月のときに会いに行き、この小さな毛皮のボールを好きになり、生後3か月になったときに家に連れて帰りました。最初、クリスピーは少し複雑な様子でしたが、彼女はすぐにペピートを自分のきょうだいとして受け入れました! 彼女は彼を愛情たっぷりにグルーミングしました。私たちは毎日彼らの世話をし、彼らが必要とする愛情を与え、もちろん食事も与えています。彼らと過ごすすべての瞬間が楽しい時間だと思います。彼らは、私たちが必要とするすべての愛を与えてくれて、私たちが元気のないときには寄り添ってくれる方法も知っている無邪気で小さな毛玉たちです。一緒にいるだけで気分が高まります。毎日の生活でクリスピーとペピートは私たちとすべてを共有しています。――エキゾチックショートヘアの性格は、甘えん坊ではありますが、依存心はそれほど強くないと聞いたことがあります。性格も温厚で、クリスピーさまとペピートさまはほとんどケンカもしないとか。姉御肌のクリスピーさまはペピートさまの本当のお母さんのようにお世話をして、毎日を過ごしているようです。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年04月08日魅力的なストーリーと絵で物語を届けてくれる漫画は、日本の誇る文化。『うる星やつら』や『めぞん一刻』、『らんま1/2』、『犬夜叉』など数多くの名作を生み出した、漫画家の高橋留美子さんは、日本を代表する漫画家の1人です。なんと2023年4月時点で、高橋さんの作品は、全世界での単行本の累計発行部数が2億冊を突破しており、海外でも高い人気を誇っています。そんな中、同月6日に明かされた高橋さんの偉業に、祝福と称賛の声が上がりました。高橋留美子、フランスから『芸術文化勲章』を受勲!この日、高橋さんのスタッフが運営するTwitterアカウントで発表されたのは、フランス文化庁による『芸術文化勲章』の受勲。その名の通り、フランスにて芸術面で傑出した功績のあった人に贈られるものであり、1957年に設立された歴史ある勲章です。高橋さんは、シュヴァリエ(騎士)の等級を贈られたとのこと。Twitterアカウントでは、実際の受勲の写真が公開されました。高橋留美子先生が、フランス共和国より芸術文化勲章シュヴァリエを受勲いたしました! pic.twitter.com/jatB09NYT9 — 高橋留美子情報 (@rumicworld1010) April 6, 2023 さまざまな言語に翻訳され、世界各国でも多くの人に届いている、高橋さんの作品。高橋さんの描く物語に胸を熱くさせられるのは、日本人だけではないのでしょう。海を越えて漫画の魅力を伝えた高橋さんは、クリエイターの鑑といえます。発表された高橋さんの偉業に、ネットでは幅広い世代から「さすがは高橋先生!」「先生が騎士に…!」といった祝福の声が続々と上がりました。2023年4月現在も、漫画雑誌『週刊少年サンデー』にて最新作『MAO』を連載している、高橋さん。今後も作品を通して、世界中の人をワクワクさせてくれるのでしょう![文・構成/grape編集部]
2023年04月07日『おおきなくりの木の下で』や『めだかの学校』など、幼い頃に聴いていた童謡は、大人になってもそのメロディや歌詞を覚えているものです。とはいえ、歌詞は完璧に覚えているわけではなく、曲の一部のみをうっすらと思い出せるレベルの人は多いはず。しばひろ(@hirokokokoron)さんのパートナーである、フランス人のガイックさんは、ある日我が子に『どんぐりころころ』を歌って聴かせていました。惜しい pic.twitter.com/RKPaivTwUJ — しばひろ (@hirokokokoron) April 2, 2023 『どんぐりころころ』が『だんどりこらこら』に、『どんぶりこ』は『ちんちょりろ』にと、メロディは合っているものの、歌詞が…!『どんぐりころころ』を歌っているという事前の情報がなければ、文字だけではなんの曲かが分かりません。しかし、フランス生まれのガイックさんが、『どんぐりころころ』をうっすらであっても、覚えていること自体がすごいもの!本家の『どんぐりころころ』より耳に残る歌詞に、多くの人が笑顔になったようです。・『どんぐりころころ』って書いていなかったら絶対に分からない。・韻はきちんとおさえているので、『どんぐりころころ』という曲が好きなのが分かる。・ドイツの民謡かと思いました!お子さんもガイックさんも幸せそう…。ガイックさんバージョンの『どんぐりころころ』を聴いているお子さんは、とても楽しそう。子供の笑顔を前にして、歌詞の違いを気にするなんてやぼなのかもしれません…!ガイックさんの独創的な歌詞により生まれ変わる童謡は、ほかにもあるのか、そちらも気になりますね。また、しばひろさんはTwitterのほか、Instagramとブログでもさまざまなエピソードを公開しています。そちらもご覧ください。Twitter:@hirokokokoronInstagram:hirokokokoroBlog:ガイックとのフランス暮らし[文・構成/grape編集部]
2023年04月03日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第122回目は白茶ハチワレのアルコ(Arco)さま。SNSで大人気のイケメン猫さまの物語【フレンチ猫さま】vol.122猫さまの話をもっと聞かせて!アルコさまは2歳の男性猫さま。アルコさまが語ります。僕の1日は早くに始まります。朝6時くらいに飼い主が仕事の準備を終えたとき、僕はいつもニャーと鳴きながら、ご飯を忘れないでとアピールします。食事が終わればまた眠ります。1日の大半は、飼い主が仕事から帰ってくるのを待っている状態です。飼い主が帰宅したら、恒例の「その日のビデオ」を撮影し、それをSNSに公開して、その動画に夢中になります。僕は獣医さんから購入しているカリカリしか食べません。腎臓に問題があるためです。実は、子猫の頃に発疹チフスにかかり、獣医さんが僕の命を救ってくれたのです。命の恩人の言うことはよく聞くことにしています。僕の特別な食事は夕飯が多く、飼い主たちと同じように肉を食べる権利もあります。おやつはいろいろなブランドのものが常備されています。キャットタワーに乗って休息し、外で何が起こっているかを観察するのが好きです。外の美しい景色を眺められるキッチンキャビネットに登るのも好きです。柔らかすぎて埋もれてしまうほど気持ちがいいふわふわのベッドの上で寝るのも好きです。大好きなお気に入りのおもちゃは、釣り竿、魚、色付きのボールです。好きな色は黄色です。飼い主から見たアルコさまとは。アルコの前に数匹の猫を飼っていたことがありました。初めてアルコを見た時、かわいすぎると思いました。そして、とってもハンサムだとも!2021年6月7日に自宅近くの動物保護団体で養子縁組の手続きが始まりました。生後2か月の終わり頃、彼は発疹チフスに感染し、獣医によって奇跡的に救われました。獣医には、生き残る可能性は10%だったと言われました。でも今、彼は素晴らしい状態であり、すべてが順調で、習慣になっているSNS動画を毎日のように作成しては楽しんでいます。アルコの特技は、常に新しい遊びを探すことです。私たちは2人で撮影するのが好きで、特に噛んで遊ぶのが大好きです。私たちはとても遊び心のある似た者同士で、強い共犯意識を持っています。アルコの魅力は、かわいすぎる小さな頭と、グラスのような形をした背中の白い斑点と、いつも持ち上がっている尻尾です。私にとってアルコは、毎日愛で満たしてくれる太陽の光なのです。アルコと私は強い絆で結ばれていて、アルコは私たちにたくさんの愛と優しさを与えてくれます。――小さい時の病気から復活して絶好調の毎日を送っているアルコさまの様子はSNSで観ることができます。写真だけではなく動くアルコさまはいつも目がキラキラしていて、お気に入り猫さまになってしまいました取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年04月02日フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介!第121回目、ワンツーワンは番外編=番外犬、フレンチブルのボニー(Bonnie)さまの登場です。末っ子を満喫している犬さまの物語【フレンチ猫(犬)さま】vol.121猫(犬)さまの話をもっと聞かせて!ボニーさまは4歳の女性犬さま。飼い主のショーンが語ります。僕は生まれた時からナナという名前の女性のフレンチブルと一緒でした。ナナは僕のことを可愛いがってくれたけど、ちょっと義理的なところもあって、自分の弟と思っていたようです。ナナが亡くなった時は「僕が小さかったからナナはいつもお姉ちゃんで、ナナを甘えさせたりできなくてごめんなさい」と、パパと一緒に大泣きしました。パパはボニーがやって来た時も「ナナの匂いがしない」と泣きました。それだけナナは家族から愛されていたのです。でもボニーは僕の犬でもあり、妹です。ボニーは、自分が家族の末っ子で、誰からも愛されるキャラだと思っているに違いありません。ちょっと僕似で、悪さをしたときは甘えた顔をして隠れたり、嬉しいときは体全体で表現して、お尻を振ったりします。ママは、怒られたときにションボリしている顔がそっくりと言います。生後2か月で我が家に来たので、自分を人間だと思っているのかもしれません。僕たちを本当に家族だと思っているようです。みんなと一緒に7時頃朝ごはんを食べて、僕が小学生の頃は毎朝学校までついて来てくれました。今は中学生になったので一人で登校するので、ボニーはベランダから見守ってくれます。昼間は学校に行き、お世話はパパとママに任せっきりなんですが、学校から戻ると僕と仲良しモードの時間帯です。家にいるときはほぼ僕の股の間にすっぽり入って寝ています。ボニーはちょっと猫みたいな犬なんですよ。飼い主ママから見たボニーさまは?私は生まれた時から犬と猫がいました。雑種から紀州犬、ハスキー犬などでした。先代のフレンチブルドッグのナナが14歳で亡くなり、1年は喪に服そうと思っていましたが、2020年はコロナの流行でフランスはロックダウンとなり、本当に大変な時期になりました。家族全員(特に夫)がペットロスで、家の中がどんよりしてしまいました。そのような経緯から、喪に服すよりも新しい子を迎えて家族を復活させなければと思い、ブリーダーさんを探してボニーと出会いました。ノルマンディ生まれのおチビでした。一緒に寝ているので、朝は私たちと6時半くらいに起きます。朝起きてすぐ、私に抱っこされてトイレに向かいます。家の中ではおしっこはしないルールです。朝は寝ぼけているので、抱っこして散歩に向かい、それから朝食です。ショーンを送り出してから、その後は2度寝(私たちのベットにて)。11時にパパと近所をお散歩して、お昼にカリカリのおやつを食べます。15時に午後のお散歩に行き、20時に最後のトイレに出かけて、シャワーでお口とお尻、足を洗って、ベッドに行きます。ほぼ毎日私たちの誰かと一緒にいる幸せ者です。アレルギーがあるので、色々試して今は『wold Hills』のグルテンフリーのパテ状のものとカリカリを混ぜて食べています。先代犬と違って好き嫌いもたくさんあり、味もすぐに飽きて食べなくなる食が細い子なので、飽きないようにいろんな味をかわるがわる食べさせています。バカンスでは特にエビやお魚を喜んで食べます。おやつはアレルギー用のクッキーをあげています。性格は至ってマイペース。一人で空を眺めていたり、ぬいぐるみと遊んでいます。でも甘えたいときは足元に来て「抱っこして」と主張をします。特技はパリの歩道にある草むらでネズミを探すこと。ボニーのネズミのスポットがあり、散歩ではネズミスポットを回ってパトロールしています。ボニーが甘えたくて抱っこされた時に、全身から力が抜けて「ふーっ」と息を吐きます。まさに安心しているのがわかるので、本当に愛しいです。私のことは、何をしても120パーセントで愛情を返してくれる人と思っているようです。臆病でリードを外せなかったのですが、去年の夏のバカンスの海で少しずつリードを外す練習をしました。誰もいない朝の海でリードを外して、得意げに後ろを振り返りながら散歩をしたり、海に入ったりするボニーを見て、こちらも嬉しかったです。犬にも個性があるので、他の犬とはくらべずにいます。街よりも田舎やバカンスが大好きなボニーなので、バカンス中は毎日楽しいようです。「ママ、楽しいねー」と毎日言われる場面があります。そんなボニーは他の犬が苦手。怖いようです。散歩でも、犬よりもその飼い主に興味があります。言葉は話せないですが、誰よりも敏感にみんなのことを見ていてくれる。だからこそ私たちも全力で可愛がっています。先代のナナは、私が不在の時に発作で亡くなってしまいました。ずっと介護していて、体調が落ち着いているなと思っていたのですが、私は彼女の変化に気づいてあげられませんでした。だからとても後悔しています。もしボニーが虹の橋を渡る時がくるとするならば、今度は私の腕の中でその時を迎えたいと思っています。犬の介護は大変ですが、神々しさと愛しさが日に日に増していきます。切なく悲しい時間なのに、その反面愛しさが溢れるんです。犬の人生は短いですから、私たちはボニーを家族として迎えた日からずっと「この家に来てよかった」と思ってもらえるように愛情を与え続けています。――最愛のナナさまを失った悲しさを救ったボニーさま。ナナさまとはまた違うキャラクターで、すんなりと家族の生活を始めて、家族は活気を取り戻しました。飼い主がいい言葉をくれました。「先代のナナは我が家の太陽」「ボニーは我が家の台風の目」人生はいろんなこともあるけど犬さまと一緒だとなんでも乗り切れそうな感じがします。取材、文・松永学取材、文・Manabu Matsunaga
2023年04月01日しばひろ(@hirokokokoron)さんは、フランス人のパートナーであるガイックさんと、2人の間に生まれた我が子とフランスで生活しており、Twitterに日常の様子を描いた漫画を投稿しています。ある日、しばひろさんが和菓子の『かりんとう』をおやつに食べていると、ガイックさんがやって来て…。かりんとうの守り方 pic.twitter.com/1heUBpYFn4 — しばひろ (@hirokokokoron) March 26, 2023 貴重な日本のおやつを取られなくなかった、しばひろさん。かりんとうを見たことがなかったガイックさんに、何を食べているのか聞かれると、「砂糖ソーセージ」と答えました。どんな味がするのか気になるものの、手を出すか迷っているガイックさんの表情に、クスッとさせられますね。しばひろさんはとりあえず、「ひと口ちょうだい」といわれず、ほっとしたことでしょう。投稿には「笑った!おいしいやつかもしれないと勘繰りつつも、悩んでいる顔がいい」「あるある。子供にお菓子を食べられないようにいうやつだ」などの声が上がっていました。「かりんとうのおいしさに、このまま気付かないでほしい」…そう願ってしまう、しばひろさんなのでした。しばひろさんの漫画は、Instagramやブログでも見ることができます。気になる人はぜひチェックしてみてください!Instagram : hirokokokoroブログ:『ガイックとのフランス暮らし』[文・構成/grape編集部]
2023年03月27日話を聞く時の姿勢は、意外と相手に見られているもの。自分の話をしっかり聞いてくれていると分かれば、安心して会話することができるでしょう。myfrenchwaifuさんは、妻の話を聞いている時になぜか怒られることがありました。相づちを打つなど、真剣に話を聞いていたはずが、一体なぜ怒られたのでしょうか…。Instagramに投稿された、エピソードをご紹介します。そう、投稿者さんの妻はフランス出身。人によるかもしれませんが、フランスと日本では相づちの方法が少し違うのだそうです。妻は、言葉の節目ごとに「うんうん」という投稿者さんの相づちが、多く感じたのでしょう。そのため、投稿者さんは「黙って聞いて」とツッコまれてしまったのです。投稿者さんはこのことを反省し、次は「相づちを入れないようにしよう」と心に決めました。すると…。今度は「聞いてる?」とツッコミが…!相づちをまったく打たないのも、気になってしまったようです。投稿には「相づちに違いがあるのは知らなかった!」「面白い」といったコメントが寄せられていました。同じ国の出身同士でも、相手が気持ちよく話せるような『上手な相づち』を打つのは、意外と難しいもの。どのくらいの回数、どんな風に入れたら『程よい』のかは、日々過ごす中で模索するしかないかもしれません…![文・構成/grape編集部]
2023年03月07日しばひろ(@hirokokokoron)さんは、フランス人のパートナーであるガイックさんと、2人の間に生まれた息子さんと、フランスで生活をしています。ある日、息子さんを抱っこして外出をした際、前からベビーカーに乗った子供とその母親がやってきたそうです。子供は、息子さんに気付くと…。先輩べべ pic.twitter.com/li90F0JTla — しばひろ (@hirokokokoron) February 26, 2023 子供は興奮した様子で、息子さんを指差しし、「彼は赤ちゃん!」とフランス語でいっていたそうです。その子供も、息子さんよりは大きいものの、ベビーカーに乗るくらいまだ幼い『赤ちゃん』であることは変わりありません。心の中で思わず「あなたも、赤ちゃん」とつぶやいた、しばひろさんなのでした。投稿には共感の声が相次いでいます。・分かる~!うちの子もいろんな子を指差して「赤ちゃん」っていってます。・8歳児がうちの子に「やっぱり子供はかわいい」っていっていて、「あなたもかわいいよ」と思いました。・尊いです。『君も赤ちゃんだよ現象』は全世界共通なんですね。自分自身もまだ幼いのに、自分よりも小さな子供を「かわいい」と感じる純心な気持ちが、なんともほほ笑ましいですね。[文・構成/grape編集部]
2023年02月28日1986年にイギリスのロンドンで開幕してから、17言語、183都市で1億4500万人以上を動員したミュージカル『オペラ座の怪人』。イギリスにあるウエストエンドと、アメリカにあるブロードウェイでは36年以上にわたって上演されています。「一度は生で見てみたい」「聖地巡礼をしてみたい」と思ったことがある人もいるかもしれません。そんな人に朗報です!2023年2月13日(月)、旅行コミュニティプラットフォームの『Airbnb(エアビーアンドビー)』が、1泊限定で、『オペラ座の怪人』の舞台となったフランスのパリにある、オペラ座・ガルニエ宮での特別な宿泊企画を発表。ファントムの足跡をたどりながら、物語に登場する地下世界『パリのガルニエ宮』での特別な体験が予約可能という、こちらのプラン。オペラ座でもっとも高級なVIP席『貴賓席』が、なんとベッドルームに生まれ変わりました!さらに、ファントムの住む本物の地底湖を訪れるなど、象徴的な建物のホールにどっぷり浸かることができるそうです。フランスの小説家、ガストン・ルルーさんの曾孫にあたり、今回のホストを務める、ヴェロニク・ルルーさんは、このようにコメントしています。祖父は、何百万人もの人々に愛される物語『オペラ座の怪人』の著者です。この物語を世に出したガストンを称え、彼の愛した小説の有名な舞台にファンの方をこのお部屋にお迎えします。一生に一度の滞在をお楽しみください。宿泊客は、貴賓席で一夜を過ごし、最高のロケーションでガルニエ宮とその舞台が放つ建築的な美しさを堪能できるほか、特別にオペラ座の貴重な非公開アーカイブを見たり、ガルニエ宮の秘密の場所をめぐるツアーに参加できたりするとのこと。また、バレリーナによるプライベートのバレエ入門レッスンや、シャンパンとオードブルを楽しみながら、パリ・オペラ座バレエ学校の団員による特別公演の鑑賞など、非日常を味わうことができそうです。ディナーは、公演前に出演者が舞台裏でウォーミングアップするために使用する、オペラ座の稽古場『Foyer de la Danse』。ここは、一般公開されていない歴史ある豪華な場所だといいます。ほかにも、オペラ座ビルの軒下にあるダンススタジオのプライベートツアーなど、宿泊者しか体験できない特別なプランが用意されていますよ。ネット上で、このプランが話題になるとこのような声が上がっていました。・先着1組!?しかも安い!ものすごい倍率になりそうだけど、泊まってみたい。・シャンデリアが落ちてくることはないですよね…!?・素敵!泊まってみたいけど、夜はちょっと怖いかも…。予約は、2023年3月1日(水)午後6時(中央ヨーロッパ時間)から、Airbnbのサイトにて宿泊予約が可能です。日本時間では、同月2日の深夜2時になるため、夜更かしをして予約にチャレンジしてみてもいいかもしれません。1泊の宿泊料金は37ユーロ、日本円で5千円ほど。最大宿泊人数は2名までです。注意事項をよく読んでから、申し込んでみてくださいね![文・構成/grape編集部]
2023年02月17日国や地域によって、食文化は異なるもの。海外を訪れると、ほとんどの人が食事の時にその違いを実感します。だからこそ、人は生まれ育った地域の食文化を『ふるさとの味』と呼ぶのでしょう。しばひろ(@hirokokokoron)さんは、フランス人のパートナーであるガイックさんと、その子供とともにフランスで生活しています。『美食の国』と呼ばれるほどグルメに定評のあるフランスに住むしばひろさんですが、日本のある食べ物で涙を流すほどの感動を覚えたのだとか。もっと大切に食べてよ pic.twitter.com/2RLnROXDRo — しばひろ (@hirokokokoron) January 20, 2023 しばひろさんが感動したのは、日本から送ってもらった、煎餅の『歌舞伎揚』!株式会社天乃屋が販売する『歌舞伎揚』は、日本では有名な歴史あるお菓子ですが、海外ではなかなか手に入れることができません。『ふるさとの味』を口にして感動するしばひろさん…を横目に、ガイックさんは「ふーん、おいしいじゃん」というかのように、遠慮なく口に放り込むのでした…!しばひろさんとガイックさんのやり取りに対し、海外で暮らした経験のある人を中心に、共感する声が続々と寄せられました。・海外で暮らしていた時、本当に日本の味が恋しいと思ったなあ。・分かる!我が家は奪われないように隠しています…!・我が家かな?夫に「もっと味をかみしめるように食べろ!」って思うもん。『歌舞伎揚』のおいしさをよく知っている日本人からは、「ガイックさん、やみつきになるから気を付けろ!」と忠告する声も。今後、しばひろさんの元に『歌舞伎揚』が届いたら、2人の間で奪い合いが発生してしまうかもしれません…![文・構成/grape編集部]
2023年01月22日お正月に気を付けなければいけないことといえば、モチによる事故です。悲しいことに毎年、モチをノドに詰まらせて窒息してしまった事故のニュースが流れます。おいしい食べ物ではありますが、高齢者や、普段食べなれていない外国人は、特に気を付けて食べる必要があるでしょう。『危険なデザート』フランス人のパートナーであるガイックさんと、2人の間に生まれた我が子と、フランスで生活している、しばひろ(@hirokokokoron)さん。ある日、ガイックさんの弟と母親に、大福を振る舞いました。2人にとっては、人生初のモチを食べる機会だったようです。ノドに詰まらせてはいけないので、ガイックさんはあらかじめ危険な食べ物であることを伝えます。危険なデザート pic.twitter.com/JgGGMzofQ1 — しばひろ (@hirokokokoron) January 1, 2023 ガイックさんの母親は、大福をひと口かじっただけで、ハッとしました!モチモチとした食感に驚き、「ノドに詰まらせたら大変だわ!」と思ったのでしょう。すぐに息子であるガイックさんの弟に、ゆっくり食べるよう警告します。そして、自身は危険を回避するため、モチを食べることは諦め、中のあんこだけ楽しむことにしたのでした。しばひろさんがTwitterに投稿したこの漫画には、さまざまな声が寄せられました。・「私は大丈夫!」といって詰まらせてしまう人がいる中で、賢明な判断だと思います!・お母さんの反応に笑っちゃったけれど、ひと口で危険性に気付けるのはすごい!おいしいんだけどね。・うちのおじいちゃんやおばあちゃんにも、このくらいの危機感を持ってもらいたい。・モチには『ニューイヤー・サイレントキラー』という別名を付けましょう。お正月に、無性に食べたくなるモチですが、ガイックさんの母親のように、食べる際には十分気を付けたいですね。[文・構成/grape編集部]
2023年01月02日最高級の外交使節であり、国を代表して外交任務を行う『大使』。2022年現在、日本には157か国の大使館があり、そこで働く多くの人と連携をしながら外交を行っています。東京都港区にある、在日フランス大使館がTwitterに投稿したのは、同年10月29日に来館したという大使の姿。写っていた大使のあふれる気品や、人を魅了するビジュアルは、大使館の職員だけでなく、ネットを通してたくさんの人から注目の的になったようです!フランス大使館にタヌキ大使が突然来館されました。居合わせた職員と #秋の味覚 や #ハロウィン からみる人間の変身技術の近年の向上、およびこれからの展望などについて意見交換されました。公邸に是非お招きしたかったのですが、タヌキ大使は良い香りの漂うキッチン付近を好まれました pic.twitter.com/qp65Fcyf3D — フランス大使館 (@ambafrancejp_jp) October 29, 2022 在日フランス大使館を突然訪問したのは…タヌキ大使!日本に生息する野生動物を代表して、外交をしに来たのでしょうか。その姿は、「ちょっとお邪魔しますね~」といっているようにも見えます!投稿によると、大使館の職員と変身技術についての話や、今後の展望などの話をして、有意義な時間を過ごしたのだとか。「世界で一番愛らしい」といっても過言ではないタヌキ大使の姿は拡散され、たくさんの人が笑顔になりました!・タヌキ大使も、投稿の内容もかわいい。笑顔になった。・大使館がこういうユーモアあふれる投稿をするの、好きだなあ。・なんという、たまらん大使だ…!モフモフ感が最高。人間同士だけでなく、同じ地に生きる人間と動物の交流も大切。在日フランス大使館の職員は、タヌキ大使のまたの来訪を、ワクワクしながら待っていることでしょう![文・構成/grape編集部]
2022年10月29日これからますます秋が深まるなか、欠かせないのが芸術の秋。そんなときにオススメの1本は、物語の詳細を伏せて公開された謎多き注目作『彼女のいない部屋』です。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。マチュー・アマルリック監督【映画、ときどき私】 vol. 521フランスの名だたる映画監督から愛されるだけでなく、『007 慰めの報酬』などの話題作にも出演し、国際的な俳優としても知られているマチューさん。近年は監督としての評価も高まっていますが、家族を残して家出をした女性を描いた本作は、「彼の最高傑作ではないか」とも言われているほどの意欲作です。今回は、監督としてのこだわりや俳優との信頼関係の築き方、そして日本への熱い思いについて語っていただきました。―本作の原作を読まれた際、赤ん坊のように泣きじゃくってしまったそうですが、何がそこまで響いたのでしょうか。マチューさん実は、読んでいる最中は泣いていませんでした。というのも、映画では構成を変えましたが、この戯曲の構成は最後の最後にどんでん返しがあるので、それまでは家出をした一人の女性が置いてきた夫や子どもたちのことを想像している話だと思っていたからです。そんななか、“ある理由”があったことをラストで知ったときに、涙が一気に溢れてきました。ただ、その涙は彼女の苦痛が伝わってきたからではなく、彼女の持つ想像力が素晴らしいと感じたから。僕たちも苦しい人生を生きていくために、何かを想像して乗り越えることはありますが、それを彼女が見事にやってみせていたので、その姿に感動しました。仕事というのは、簡単に見えてしまわないほうがいい―私は本作を2回拝見しましたが、1度目は主人公・クラリスの感情を追体験するような感覚。2度目はさまざまな時間と幻想とを行ったり来たりするなかで、それぞれのピースがいかに緻密に組み込まれているかを知り、非常に驚かされました。本作を構成するうえで、どのようなことを意識されていましたか?マチューさんまさにいま言ってもらったように、最初に観るときは感情移入してしまってどういうふうに構成されているのか、観客には具体的なものがわからないようにしています。なぜなら、シナリオや編集でどれだけ緻密に構成していても、それが簡単にはわからないような霧がかっている作品を僕が目指しているからです。たとえば、パッと見は模様がないと思った服でも、よく見ると実は模様がある場合ってありますよね?仕事に関しても、そんな感じであまり簡単に見えてしまわないほうがいいと僕は思っています。―まさに本作で体現されていることですね。マチューさん例として挙げるなら、同じ意味合いを持つのは部屋に飾られているロバート・ベクトルのハイパー・リアリズムの絵。最初は写真のように見えるので、簡単に撮られたもののように思われますが、それが絵であるとわかった瞬間に画家の緻密な仕事ぶりに気づかされる。観客のみなさんにはそんなふうにこの映画を観ていただきたいので、最初から細部に注意を払うのではなく、セリフや音楽から頭のなかで何かを連想するような感覚で捉えていただけたらいいなと思っています。―そういった計算がされていたからこそ、1度目と2度目ではまったく異なる映画体験と感動が味わえました。マチューさん初めはパラレルワールドのような何か違う現実を見せられているのではないか、と感じるかもしれません。でも、その感覚はまさに日本のみなさんが長けているところではないでしょうか。それに比べて、僕たち欧米人は「そんなパラレルワールドなんてないよ!」と合理的な考え方をしがちですからね。関係を築くうえで大事なのは、与えること―ananwebでは前作『バルバラセーヌの黒いバラ』で主演したジャンヌ・バリバールさんにも取材しており、監督であるマチューさんの存在感の大きさを感じていました。本作でも俳優とマチューさんとの間に絶大な信頼があることが伝わってきましたが、俳優と関係を築くうえで、大事にしていることとは?マチューさんまず大事なのは、与えること。僕は仕事を通して相手に“贈り物”を自分から手渡しますが、やっぱりプレゼントをしないとプレゼントはもらえないんじゃないかなと。とはいえ、撮影期間は2か月くらいなので、短期間の恋愛関係みたいに、短いから良い関係でいられるというのもありますが(笑)。でも、恋愛においても相手に何もせず「あなたのことが大好きです」と言葉では言って、「じゃあ代わりに僕にマッサージしてよ」なんてそんなのはダメですよね。まあ、監督のなかにも「あなたは素晴らしい俳優だから大丈夫。僕はちょっと食事してくる」なんて言う人もけっこういるんですけど……。―つまり、ご自身が俳優という立場で監督と接する経験が、活かされている部分も大きいと。マチューさんそれは、すごく役に立っていると思います。だからこそ、俳優との間に言葉がなくても感じ合えるのかもしれません。僕が監督として意識しているのは、技術的にしっかりとコントロールされている安全な遊び場を提供しているような感覚。好きに遊ばせているように見えても、ちゃんと彼らを見守り、危ないところも細かく教えるようにしているので、俳優たちには僕らがきちんと準備をした場所のなかで自由に演じてもらっています。日本とは、相思相愛だと感じている―なるほど。ちなみに、日本にもマチューさんのファンは多いですが、日本に対してはどのような印象をお持ちでしょうか。マチューさんファンが多いって、本当に(笑)?とにかく言葉にするのがすごく難しいんですが、久しぶりに日本に来てみて、「どうして僕はこんなにエキサイトしているんだろうか」と自分でも思っているほど。それくらい日本とは心がつながっているように感じています。しかも、ここにはずっといられないんだなと考えると、触れると消えてしまう泡のようなはかない時間なんだなと思うのです。日本と僕は相思相愛なので、すぐに恋しくなるでしょうね。今回は、4日間ほどフリータイムがあるので、みんなが「キレイでいいよ!」と勧めるようなところに行くのではなく、携帯も持たずに、まったく言葉が通じないような村で迷子になってみたいなと。そこで何かが起こるんじゃないかなと期待しています。―そこまで日本を好きになったきっかけは何ですか?マチューさんやっぱりそれは映画ですね。日本の映画は、いつも非常に深いことを語っていると感じていますから。『彼女のいない部屋』も、僕が好きな黒沢清監督や河瀨直美監督の作品で亡霊が出ていたり、想像力の豊かさを描いていたりしていたのを見ていたからこそ作れた映画だと思っています。あと、僕たち欧米人にとって魅力的なのは、日本人の魂と正確さ。いい加減なところで妥協することなく、徹底的に取り組む姿をリスペクトしています。僕たちは「何となくこれくらいでいいんじゃない?」という感覚なので、「シャツにアイロンかけていないけどまあいっか」みたいなところがありますよね(笑)。もちろん、僕も本当はアイロンをかけたほうがいいんじゃないかなと思ってはいるんですよ!とにかく、なぜ僕が日本を好きなのかは、もはや謎のようなものかもしれません。―今回の滞在で、その“答え”が見つかるといいですね。マチューさんとはいえ、あまり近づきすぎないほうがいいこともありますよ。決して知りたくないというわけではなく、これはカップルにも言えることですが、ミステリアスな部分を残しておくほうが長続きしますから(笑)。よくないことばかりを考えすぎないほうがいい―確かにそうですね。また、本作では愛する人と離れたときの喪失感についても描かれていますが、マチューさん自身にもそういった経験はありますか?マチューさん僕もその感情は味わったことがありますよ。特に、ひとつの恋が終わったときなんて死んでしまうかと思うほどつらかったりしますからね。あとは、子どもが生まれるとそれもまた大変なことが始まる出発点。「もし子どもが亡くなってしまったらどうしよう」という悪夢を見て、夜中に目覚めることもあるくらいですから。ただ、あまり考えすぎると、それが実際に起きてしまうこともあるので、そのことばかりを考えるのはよくないと思っています。劇中では、クラリスがある悲劇を乗り越える術を自分で見つけていくので、そのあたりも見ていただきたいです。―実際にお会いしてみて、マチューさんは非常にエネルギッシュな方だと感じていますが、その源になっているものを教えてください。マチューさんやっぱりいまは日本にいること自体がすごく幸せで、感動しているからかもしれませんね。あとは、何と言っても、ビジネスクラスの飛行機に乗せてもらって日本に来ましたから!そうじゃなかったら、いまごろ疲労困憊していたと思いますよ。自分の居心地がいい場所にいられる努力は欠かさない―それは間違いないです(笑)。では、人生を楽しむために心がけていることはありますか?マチューさんシンプルなことではありますが、いつも自分が居心地のいい場所にいられるための努力はしています。たとえば、本当に好きな人や尊敬している人としか仕事をしないとかもそのひとつ。いまは小説家とミュージシャンと僕という同世代の男3人と子どもたちと一緒にパリのアパートをシェアして暮らすようにもなりました。敬愛する人と生活をともにすることで、子どもとの関係もよくなったし、愛情や友情も生まれるし、相互援助の気持ちとインスピレーションも湧いてくるので、すごくいいですよ!全員男ばっかりですが(笑)。―楽しそうですね。それでは最後に、日本のファンに向けてメッセージをお願いします。マチューさんもし、僕の映画を観てくれなければ、僕はもうプロモーションで日本には来ません。というのも、配給会社の人から「観客が入らなかった次はエコノミークラスだよ」と言われてしまいましたから……(笑)。なので、どうか観てください!というのは冗談で、本当は真面目に答えたいのに、すぐふざけてしまってごめんなさいね。ただ、この作品は1回では足りず、2回観ないと味わえないので、ぜひ2回は観ていただきたいというのは伝えたいです。ちなみに、一人で観るとつらすぎて泣いてしまうかもしれないので、お友達と一緒がいいかなと。2人で2回なら、チケットも4枚売れますし(笑)。みなさん、ぜひお願いします。インタビューを終えてみて……。溢れるような大人の色気を見せたと思ったら、急にいたずらっ子のようなお茶目な顔で冗談を言ってみたり、映画への情熱を真剣に語ってみたりと、さまざまな表情を見せてくれたマチューさん。そんな様子に魅了されっぱなしの取材でしたが、耳を赤くしてまで日本に対する思いを一生懸命に語ってくれる姿にはこちらまで胸が熱くなりました。マチューさんの監督としてのキャリアにおいても、欠かせない1本であることに間違いないので、そういう意味でも必見です。見事に組み合わされた美しい映像と音楽にも注目!過去と現実に、想像が交錯して生み出されるミステリアスな世界へと誘われる本作。バラバラに散りばめられたピースがひとつに繋がり、埋もれていた“家族の真実”が明かされたとき、その衝撃には誰もが心を激しく揺さぶられるはずです。写真・山本嵩(マチュー・アマルリック)取材、文・志村昌美ストーリーフランスのとある地方都市に住むクラリスには、夫と2人の子どもがいた。ところがある朝、クラリスは家を出て一人で車を走らせている。果たして、彼女は家族を捨てて家出をしたのか……。引き込まれる予告編はこちら!作品情報『彼女のいない部屋』Bunkamuraル・シネマ他全国順次公開中、10月14日(金)からはアップリンク吉祥寺で公開配給:ムヴィオラ️© 2021 - LES FILMS DU POISSON – GAUMONT – ARTE FRANCE CINEMA – LUPA FILMイメージフォーラム・フェスティバル 2022開催中マチュー・アマルリック主演作『トラララ』は、9月24日(土)SHIBUYA SKYにて上映写真・山本嵩(マチュー・アマルリック)
2022年09月23日いつの時代も、人々の心を動かすものといえば、おいしい料理。そこでオススメする1本は、美食の国フランスを舞台に、料理で“革命”を起こそうと奮闘する主人公の姿を描いた注目作です。『デリシュ!』【映画、ときどき私】 vol. 5161789年、革命直前のフランスで、誇り高い宮廷料理人として働くマンスロン。ある日、自慢の創作料理「デリシュ」にジャガイモを使ったことで貴族たちの反感を買い、主人である傲慢な公爵に解任されてしまう。息子と共に実家へ戻ったマンスロンは、もう料理はしないと決めていた。そんななか、訪ねてきたのは、彼のもとで料理を学びたいという謎の女性ルイーズ。はじめは不審がっていたマンスロンだったが、彼女の真っ直ぐな想いに触れるうちに料理への情熱を取り戻す。そして、ついにふたりは世界で初めて一般人のために開かれたレストランを営むことに。ところが、店はたちまち評判となり、公爵にその存在を知られてしまうのだった……。タイトルの『デリシュ!』とは、フランス語で「おいしい」という意味を持つ単語ですが、食欲をそそる料理が次々と登場する本作。今回は、こちらの方にお話をうかがってきました。エリック・ベナール監督1999年に長編映画監督デビューをはたしたのち、おもに脚本家としてキャリアを積み重ねてきたベナール監督。本作では長編7本目の監督作にして、初の時代劇に挑戦しています。そこで、制作過程の苦労話や料理シーンの裏側などについて、語っていただきました。―まずは、この題材に行きついた経緯から教えてください。監督今回は、フランスのアイデンティティを形作るものに焦点を当てたいという思いから始まりました。劇中の時代は、自分の名前や地位、血統といったものよりも、自分が何をするかが重要視され始めたとき。そこから権利や可能性の平等が生まれていくので、庶民層の人が自分の才能を周りに提案していく様子と提案される側の人々の姿、その両方を見せたいと思いました。特にレストランというのは、出自に関係なく、貴族も庶民もみんなが食事をする場所なので、まさにその過程のシンボル。そういったなかで、新しいアイデンティティが作られていくと考えたのです。―何と言っても料理のシーンが見どころでしたが、撮影時には苦労も多かったのではないでしょうか。監督私自身、料理はわりと好きなほうではありますが、すごく得意というわけではないので、本物のシェフに来てもらって一緒にやる必要がありました。ただ、フランスのことわざに「船頭が2人いると船は転覆する」というものがあるように、指示する人が多いがゆえの大変さはあったと思います。形や中身は、試行錯誤しながら作り上げた―つまり、映画監督とシェフでは、お互いが求めているものに違いがあったと。監督映画界も料理界も非常に縦社会で、時間との戦いなので、共通点は多くあると思います。ただ、おいしいものを作らなければいけないというシェフと、おいしく見えるかどうかを重視する映画監督との間で大きな違いがありました。私としては、美しくておいしく見えることをまず大切にしています。―そんななか、物語のカギを握る創作料理「デリシュ」はどのように作りあげていきましたか?監督私が最初にシナリオを書いたとき、「デリシュ」はじゃがいもとトリュフの揚げ物みたいな料理というコンセプトがあっただけ。形も決まっていなかったので、クロワッサン型や三日月型など、いろんな形をテストして、最終的にいまのようになりました。中身に関しても、じゃがいもとトリュフしか決まっていなかったので、それ以外は18世紀に存在する食材を調べながら試行錯誤して作っています。その際、シェフから「世界一おいしいトリュフを使いましょう!」と言われたのですが、撮影のために100個ほど作らなければならず、映画監督としては予算も考えなければいけなかったので、それが問題になったこともありましたね……。―確かに、トリュフを使うだけでもかなりお金がかかりそうです。監督なので、結果的にはトリュフが入っているもの、じゃがいもとキノコが入っているもの、そしてじゃがいもだけのもの、という3パターンで作りました。それの使いわけ方は、私の機嫌によって。機嫌がいいときは俳優にトリュフ入りをあげていましたが、機嫌が悪いときはじゃがいもだけのものをあげたりしていました(笑)。料理の映画ならではの大変さにも見舞われた―俳優たちが気づいていたかわかりませんが、おもしろいですね。あとは、撮影のタイミングなども難しかったのではないでしょうか。監督おそらくアジア映画は得意な分野だと思いますが、料理のシーンを撮るのは特別なことだと感じました。というのも、撮り直しを何度もするので、撮りたいときにちゃんと食べれるものが出来上がっていないといけないですから。予算を考えながら温度や品質の管理などをしなければいけないので、とても複雑でしたが、そのあたりが料理に関する映画ならではの大変さだと思います。―なるほど。ちなみに、監督は日本の食文化から影響を受けていることはありますか?監督実は、私の息子は日本語が少し話せるくらい日本が大好きで、しょっちゅう日本料理屋さんに行こうと言っています。フランスでは、天ぷらやお刺身、お寿司を食べることが多い印象ですね。ただ、私はあまり詳しくはないので、この質問は息子のほうが答えられるのではないかと思うくらい、我が家には日本料理の専門家がひとりいますよ(笑)。―日本人としては、気に入っていただけてうれしいです。ほかにも、監督にとって思い出の味というのがあれば、教えてください。監督私が好きな料理は、オムレツです。一見すると、誰でも作れるくらいシンプルな料理に思われがちですが、作る人によって自分の味を出すことができる一品だと感じています。魚を入れてもいいし、ナッツや辛いものなど、その人によって何を入れていいので、「〇〇風オムレツ」みたいに作った人の名前を付けられるのも楽しみではないかなと。あと、思い出深い料理としては、祖父が作ってくれたマスタード入りのウサギ料理が忘れられないです。女性が物語を引っ張る推進力を持ってくれた―また、今回は食だけでなく、主人公に大きな影響を与える女性ルイーズの存在も欠かせません。ananweb読者たちは彼女の目線から物語を観る部分もあると思いますが、このキャラクターを作るうえでどのような意識をされましたか?監督確かに、本作において物語を引っ張っていく推進力があるキャラクターとなっているのがルイーズなので、彼女はとても重要な存在でした。ただ、18世紀を舞台にした作品で女性を描こうとすると、選択肢として上がるのは、貴族か娼婦か下女。そこで、私はその3つをいっぺんにまとめて彼女1人で描こうと考えました。正体不明の人物として登場した彼女は、ある秘密を抱えていることが明かされますが、そういった複雑なアイデンティティを持っているおかげで、当時の典型的な側面を持ちながらも現代性のある人物像になったと思っています。観客に対しては、徐々に本当の彼女がわかっていくような見せ方にしました。―それでは最後に、監督の創作意欲の源を教えてください。監督まずは、単純に何が私を突き動かしているのかに尽きるのではないかなと。私の場合は、政治的な部分が大きく、「いまあるもの」と「こうあるべきもの」の間にある距離を縮めていくことが私のモチベーションだと思います。それをするためにも、自分の視点を表すような物語を作っているところです。それらの作品を通して私自身の主観や考え、見方といったものをほかの人に提案していくので、そういった意味では、料理人と映画監督は似ているのかもしれませんね。これからも、私を突き動かすものを作品として実現していきたいです。人生を切り拓くためのレシピを教えてくれる!さまざまな困難に見舞われながらも、料理という“武器”を手に、新たな革命を起すために戦い続ける男の姿に感動を覚える本作。目で楽しめるだけでなく、心も満たしてくれるまさにデリシュな“おいしい映画”です。取材、文・志村昌美引き込まれる予告編はこちら!作品情報『デリシュ!』9月2日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国公開配給:彩プロ️©2020 NORD-OUEST FILMS―SND GROUE M6ーFRANCE 3 CINÉMA―AUVERGNE-RHôNE-ALPES CINÉMA―ALTÉMIS PRODUCTIONS️© Charly atelier photographie
2022年09月01日2022年8月28日、俳優の杏さんが自身のYouTubeチャンネルを更新。同じく俳優で父親の、渡辺謙さんと共演しました。動画内容は、渡辺さんと杏さんがトークを繰り広げながらそれぞれ料理をするといったもの。仲むつまじい2人の様子はもちろん、動画の終盤で杏さんがフランスへ移住することが発表され、たちまち話題になりました。渡辺謙との初共演をYouTubeで果たした杏フランス移住の発表も同月30日現在、同動画は490万回以上再生されており、急上昇ランキング1位を獲得するほどの反響が上がっています。フランス移住発表の杏「無事到着しました!」同月29日には、Instagramを更新した杏さん。手描きのイラストとともに、フランスに移住したことを次のように公表しました。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る 杏/Anne(@_anne_official)がシェアした投稿 お久しぶりです!フランスにおります!腰を据えて新しい生活、、、にはまだまだですが、ひとまずは無事到着しました!フランスでも、引き続き東京でも!面白いことができたら良いなーと思っております_anne_officialーより引用渡辺さんとの動画は日本で撮影されたとあって、きっと杏さんは、フランスへの移住が間もないタイミングでYouTubeを更新したのでしょう。また、移住のきっかけについて、杏さんはイラストとともに次のようにつづっています。きっかけは、あ、面白そうって、思ったんです公私共に周りには故郷から出てきた人たちが沢山います。私は東京生まれ、東京育ち。どこか全く違う場所で生活してみるというチャレンジを、人生一度きり、やってみたいと思ってもいました子供たちも食べることが大好き言葉の面などまだまだチャレンジは盛りだくさん!!フランスはとにかくバカンスも多いので日本にもちょくちょく帰れるかなと思いますSNSでも面白いと思ったことシェアさせてください!これからもよろしくお願いします。私は、ずーっと私です_anne_officialーより引用「一度きりの人生、まったく違う場所で生活してみたかった」とつづった、杏さん。自分の思いに正直になり、フランス移住を決意したのかもしれません。「私は、ずーっと私です」という言葉からは、遠く離れた地でも、ファンが愛する杏さんらしく生きていくという強い意志が伝わってきます。【ネットの声】・素敵な発想です。応援しています!・なんだかちょっとさびしいですが、新しい環境を楽しみながら、杏さんらしく過ごしてくださいね。・行動力が素晴らしい!子供たちとワンちゃんを含めた杏さんの人生が、よりよい、豊かなものになりますように。見知らぬ土地で暮らすことは、決して楽ではないはず。しかし、自らそれを選択する杏さんの勇気が、きっと人生をよい結果に導いてくれるでしょう。フランスと日本、2つの拠点で生活しながら、子育てと俳優活動を両立する、杏さんのこれからの活躍からも目が離せませんね。[文・構成/grape編集部]
2022年08月30日フランス人のパートナーであるガイックさんとの日常を描き、Twitterに投稿している、しばひろ(@hirokokokoron)さん。2022年4月には、ガイックさんとしばひろさんの間にかわいい赤ちゃんが誕生し、2人で育児に励んでいます。赤ちゃんが泣き止まず、困っていると?ある日、しばひろさんたちは赤ちゃんを連れて、フランス全域や国外の各都市を結ぶ高速鉄道『TGV』を利用していました。しかし、乗車中に赤ちゃんが泣き止まなかったため、ガイックさんがデッキに出てあやしていたそうです。メルシー電車の男 pic.twitter.com/UUr217Gq9K — しばひろ (@hirokokokoron) August 20, 2022 困っていたガイックさんを救ったのは、同じく赤ちゃんを抱っこして現れた、見知らぬ男性のアドバイス。きっと泣き止まない赤ちゃんの声を聞いて、デッキに出てきてくれたのでしょう。「この抱き方を試してみて!」と目の前で丁寧に教えてもらい試した結果、泣き止ませることに成功したのです。その後もしばたまさんたちは、『電車の男』と命名した同様の抱き方で、赤ちゃんを泣き止ませているといいます。【ネットの声】・我が子で試してみたら、ご機嫌になりました!メルシー!・6年前、夜泣きに苦労した当時の私に教えてあげたい…!・パパ同士のやり取りっていうところにも感動。素晴らしいエピソードですね。男性がガイックさんに教えた抱き方は、『木の上のトラのポーズ』や『コリック抱き』に似ています。この抱き方は、何をしても泣き止まない時に試す方法の1つ。主に生後3~4か月の赤ちゃんに効果があるといわれています。首元に手を添えながらうつ伏せにすれば、首が座っていない赤ちゃんにもできるようですが、もし実践する場合は抱き方をよく調べ、窒息しないよう注意が必要です。ガイックさんが出会った男性のように、困っている人がいたら積極的に手を差し伸べて、助け合いの輪を広げていけたらいいですね。[文・構成/grape編集部]
2022年08月21日毎年8月は、平和に対する思いがいつも以上に強くなるときですが、そんななかでいま観るべき映画としてご紹介するのは、新たな視点で平和へのメッセージを訴えるドキュメンタリー『長崎の郵便配達』。今回は、こちらの方にお話をうかがってきました。イザベル・タウンゼンドさん【映画、ときどき私】 vol. 507映画『ローマの休日』のモチーフになったと言われている“世紀の悲恋”を繰り広げたタウンゼンド大佐を父に持ち、フランスでは女優として活躍しているイザベルさん。本作では、16歳のときに長崎で被爆した郵便配達員の谷口稜曄(スミテル)さんの記憶をノンフィクション小説として発表した亡き父の思いを探るため、長崎でさまざまな出会いと経験をする姿が映し出されています。そこで、日本に対する印象や改めて感じた平和の価値、そして日本の女性たちに伝えたいメッセージについて語っていただきました。―今回の映画制作に関しては、川瀬美香監督からお話があったことがきっかけだったそうですが、ご自身のなかでも以前から映画にしたいというお考えはあったのでしょうか。イザベルさん実は、川瀬さんから声をかけていただくまで、ドキュメンタリーにしようと考えたことはありませんでした。とはいえ、もともと私がコンタクトを取っていたのは、父の本を再販したいという出版社の方。本についての話をしていくなかで、その方の友人である川瀬監督がドキュメンタリーにしたいと思っていると聞き、絶対に会わなければいけないと思いました。その後、川瀬監督と初めて会ったのは、この本を書いたときの資料がたくさん置かれている父の書斎。とても素晴らしい瞬間でしたし、私たちは2人とも「ここには伝えなければいけない大切なメッセージがある」と直感したので、映画を作ることにしました。日本人は親切で、他人へのリスペクトがある―日本で撮影を行った際、多くの日本人と交流したと思いますが、どのような印象を受けましたか?イザベルさんまず初めに驚いたのは、日本のみなさんが本当に親切で、他人に対するリスペクトを日常生活のなかでも持っていることでした。人と話をするときも、熱心に聞いていらっしゃったので、みなさんのなかには人と共同作業する精神のようなものがあるのではないかと感じたのを覚えています。そのほかに印象的だったのは、東京でも長崎でも、日本には逆説的なところがあること。日本古来の物を大切にしながら、建築やファッションなどにおいて未来的な部分も持ち合わせていると感じました。モダンでありながら伝統をおざなりにすることなく、リスペクトしているということは素晴らしいと思います。―今回の旅行では、娘さんも同行されていましたが、若い世代の方々が歴史を知ることで変化したところもあったのでしょうか。イザベルさん私の2人の娘はとても真剣に観察していたので、1945年8月9日に長崎で何が起こったのかをはっきりと理解したようでした。日本でもヨーロッパでも、若い人たちにとっては当時起こったことを想像するのは非常に難しいことだと思います。でも、この映画を作ったことによって、それらの出来事を考えるための土壌を作り、彼らに“足跡”のようなものを残せたのではないかなと。今回の旅も、娘たちにとっては大切なプレゼントになったと感じるので、私もうれしいです。平和を求める権利は、誰にでもある―ただ、残念なことに現在も世界の平和を脅かすような戦争が起きています。このような状況のなかで、私たちはどのような意識を持って生きていけばいいとお考えですか?イザベルさん普段はあまり意識していないかもしれませんが、まずは“平和の価値”というものを日々考える必要があると思っています。そして、世界で起きている脅威や痛ましい出来事を知り、人間としてそれらを直視するべきではないでしょうか。私は女優という職業をしていることもあり、平和の大切さというのは、映画や演劇、本、造形美術、アートといった文化を通して伝達できるものだと考えています。私たち人間は、地球に生きている以上、平和を求める権利は誰にでもあるのです。実際、私の父は本を書くことで訴え、谷口さんは傷に苦しみながら闘い続けました。そんなふうに、それぞれが違うやり方で平和を希求し、平和がいかに大切であるかを伝える行動を起こしていけたらと。個人レベルでの働きかけというのは、とても大事なことだと思います。―この映画でもいろんな出会いを重ねていくうちに表情が変わっていくイザベルさんの姿が印象的でしたが、長崎での経験でご自身が得たものは何ですか?イザベルさん父が本を出版した当時、リアルタイムで読んだものの、内容について父と話すことはありませんでした。まだ22歳くらいで若かったこともありますが、あまりにひどい暴力性が信じられず、現実として受け止めることも、理解することもできなかったからです。ただ、今回の撮影を通して、父がどうしてあの本を書こうとしたのか、父と谷口さんの間にあった友情、そして何よりも“平和の価値”がどれほどのものかを知ることができたと思います。撮影中も父に見守られているような感覚がありましたが、父が私にバトンを渡してくれたのではないかなと。フランスでもこの経験をほかの人に伝えていきたいという思いが、自分のなかで生き続けているように感じています。女性が勇気を持っている姿は素晴らしいこと―それでは最後に、イザベルさんのように仕事と家庭を両立している女性を目指すananweb読者にメッセージをお願いします。イザベルさんとても大切なことを聞いてくださってありがとうございます。というのも、私自身も若い頃はどうやって仕事と家庭を両立させたらいいのかわからず、そのジレンマに悩まされていたからです。もし読者のなかで、同じ思いをしている方がいれば、仕事はぜひ続けてほしいと思います。なぜなら、情熱を持ってキャリアを追い求めていれば、その母親の姿を見た子どもたちにも人間としていい影響を及ぼすはずですから。とはいえ、仕事と家庭の両立をするうえでバランスをつかむことはとても難しいことであり、長い道のりでもあります。しかも、その大変さを周りに認識してもらえないこともありますよね……。ただ、それらを両立することは楽しいことでもありますし、努力する価値があるものだと考えています。女性ががんばって何かを見つけようとする勇気は素晴らしいことなので、私はみなさんを応援したいです。インタビューを終えてみて……。とても物腰の柔らかい方ですが、平和に対する思いを語る姿は父親譲りの強い意志を感じさせるイザベルさん。いろいろな気づきを与えてもらうとともに、モチベーションも上げていただきました。作品のなかで見せるイザベルさんのさまざまな表情からも、ぜひたくさんのメッセージを感じ取ってください。受け継いでいくべきは、平和への願い戦争が引き起こした悲劇と向き合い続ける意味、そして平和を守り続ける大切さなど、過去の歴史からいま学ぶべきことは何かを教えてくれる本作。言葉を超えて生まれた谷口さんとタウンゼンド氏の友情が、時を超えて私たちを正しい道へと導いてくれるはずです。取材、文・志村昌美ストーリー戦時中、英空軍のパイロットとして英雄となり、退官後はイギリス王室に仕えていたピーター・タウンゼンド氏。エリザベス女王の妹マーガレット王女と恋に落ちるも、周囲の猛反対で破局し、世紀の悲恋は世界中で話題となる。その後、世界を回り、ジャーナリストとなった彼が日本の長崎で出会ったのが、16歳で郵便配達の途中に被爆した谷口稜曄さんだった。タウンゼンド氏は生涯をかけて核廃絶を世界に訴え続ける谷口さんを取材し、1984年にノンフィクション小説「THE POSTMAN OF NAGASAKI」を出版する。そして、2018年8月。タウンゼンド氏の娘で女優のイザベル・タウンゼンドさんは、父親の著書を頼りに長崎へと向かい、父と谷口さんの想いをひもといていくことに……。多くの人に届けたい予告編はこちら!作品情報『長崎の郵便配達』8月5日(金)シネスイッチ銀座ほかにて全国公開配給:ロングライド️©The Postman from Nagasaki Film Partners
2022年08月01日さまざまな家庭の事情を抱える子どもたちを救うため、社会全体としていくつもの課題に取り組んでいくべきですが、そのなかで注目されている制度のひとつが里親。そこで、ある実話をもとに描き、大きな感動と反響を呼んだ話題作をご紹介します。『1640日の家族』【映画、ときどき私】 vol. 506アンナと夫のドリスが、母親を亡くした里子のシモンを受け入れて4年半。18か月だったシモンは長男と次男と兄弟のように成長し、いつだって一緒に遊びまわっていた。5人はにぎやかで楽しい日々が続くと思っていたが、ある日、激震が走る。月に1度の面会交流を続けてきたシモンの実父エディが、息子との暮らしを再開したいと申し出をしてきたのだ。突然訪れた“家族”でいられるタイムリミットが迫るなか、彼らが選んだ未来とは……。人権や児童福祉を重視し、幅広い取り組みをしているフランスの現状を知ることができる本作。今回は、実際に里親制度を経験したこちらの方にお話をうかがってきました。ファビアン・ゴルジュアール監督© Manuel Moutier子ども時代に、両親が迎えた里子と生活をともにした実体験をもとに本作を手掛けたゴルジュアール監督。そこから自身が学んだことや育児をするうえで大切なこと、そして里親制度に必要なものなどについて語っていただきました。―幼少期に味わった里子との出会いとつらい別れは、監督のご家族みんなに影響を与えたそうですが、それによって監督の人生はどのように変わったと思いますか?監督僕にとっては、“映画監督になるための礎”となるような経験でした。というのも、「映画監督になったらこのストーリーを語るんだ」といった強い思いが自分のなかで生まれたからです。その後、22歳くらいのときに里子に関するシナリオを書いてみたもののうまくいかず、まずはほかの作品で経験を積むことに。そこでプロデューサーともいい関係を築けたので、本作を作ることができました。―里子と一緒に過ごした経験を通して、一番描きたいと思ったものは何だったのでしょうか。監督それはいままでにどんな映画を作っていても感じることですが、僕がテーマとして描いているのは、人の感情について。やはりそれは、子どもの頃に感情を揺り動かされるような経験をしたことが大きいのだろうと自覚しています。前作の『ディアーヌならできる』では、代理母の役割を務めた女性のエモーションが溢れ出るところでラストを迎えていますが、本作では最初からエモーションが溢れ出ている女性を描きました。僕にとって映画というのは、人間の感情を描く役割を果たしているのだと思います。里親は距離感を保つのが難しいと感じた―里親制度を目の当たりにしたことで、親子の在り方についても考えたと思いますが、育児をするうえで大切なものは何だと思いますか?監督僕にも5歳半の娘がいるのでよくわかりますが、子どもが生まれたことによって自分の人生は大きく変わりました。そんななかで、愛が不足することなく、溢れるほどの愛があるほうが親子関係においては大切なことだと確信しています。ただ、愛情がたくさんあるからいい親であるとか、正しい判断ができるとは限りませんよね。愛が溢れすぎて過保護になる場合も、子どもが息苦しいと感じてしまう場合もありますから。そういった弊害もありますが、それが愛であると言えるのかもしれません。―里親だった監督のお母さまがソーシャルワーカーから受けた唯一のアドバイスは、「この子を愛しなさい、でも愛し過ぎないように」だったとか。監督確かに、里親の場合は、愛してあげなきゃいけないけど、愛しすぎてはいけないという距離感を保つのは非常に難しいことだと思います。そのときに考えたのは、里親のように感情を職業的にコントロールするのは可能なのだろうか、ということでした。人によってはできるかもしませんが、僕個人としては、難しいと感じています。母親と父親の立場の違いも見せたかった―劇中では、愛情を抑えきれない母親に対して、冷静さを保つ父親も登場します。里子との距離感がそれぞれ違って描かれていますが、それは母性によるものなのか、それとも監督が実際にリサーチや経験から感じたことなのでしょうか。監督いまの質問にもあったように、それは母性でもあり、リサーチの結果でもあり、自分の母親の姿でもあり、それらすべてが含まれています。ただ、今回の作品で言うと、アンナがヒロインなので、彼女の目線で描くことを意識しました。実際、里親を仕事にしているのは女性のほうが圧倒的に多いと言われています。しかし、だからといって父親よりも母親のほうが愛情深いという意味ではありません。本作では、シモンの母親が亡くなっていることもあり、アンナは余計に母親の代わりになろうとしてしまうところがあります。いっぽう、実の父親は存在しているため、アンナの夫であるドリスは自分を父親と同一化することがないのです。それだけでなく、彼は自分の家族に“嵐”が待っていることを予見していることもあって、愛情を溢れさせることなく、自分が家族を守るために距離を保つことを意識しています。そういった立場の違いというのも、本作のなかでは見せたいと思いました。里親の存在は必要だが、改善すべき点が多い―なるほど。まもなく日本では公開を迎えますが、日本に対してはどのような印象をお持ちですか?監督まだ訪れたことはありませんが、日本といえば新婚旅行で行こうかと話が出たこともあったくらい興味がある国のひとつ。実は、この作品と一緒に行けるのではないかと淡い期待を抱いていたのですが、コロナ禍でその夢が破れて残念に感じています。日本に興味を持つようになった出発点はやはり日本映画ですが、なかでも好きなのは成瀬巳喜男監督です。いま一番好きな監督と言えるほど、最近になっていろんな作品を観ているところです。彼の作品に惹かれる理由は、感情を揺さぶるメロドラマの要素があること。いつか映画のなかの場所を体感できるように、スクリーンを通り抜けて日本にたどり着きたいと思っています。―日本では親と暮らせない子どもたちに対して、施設養育から里親養育への転換を進め始めたところと言われていますが、里親制度を広めていくうえで欠かせないことや改善すべき点などがあれば、教えてください。監督里親制度が存在すること自体はいいと思いますが、システムに関してはまだ欠点のほうが多いように感じています。必要としている子どもの数は減っていないにも関わらず、残念ながら里親になろうという人が減っているのが現状。これはフランスに限ったことではなく、世界的に見ても、他者に対する寛容さが失われつつあるので、悲しいことだと思っています。里親制度において問題を挙げるとすれば、まずは財源不足。そして、使命感の欠如です。里親になりたい人を増やすのは大事なことですが、現在はあまり選別することなく誰でもなれる状況なので、お金目当てだけでやっている人がいると言われることも……。そうならないためにも、財源を増やし、里親を養成する期間をしっかりと設ける必要があると思います。新しい家族の在り方を考えさせられる里親という制度を通して、親と子の間における愛の大切さと難しさを突きつける本作。演技初挑戦とは思えない子役が見せる繊細な表情をはじめ、フランスの実力派俳優たちによる見事な演技は、観る者の感情までも溢れさせてしまうはずです。取材、文・志村昌美心が震える予告編はこちら!作品情報『1640日の家族』7月29日(金) TOHOシネマズ シャンテほか全国公開配給:ロングライド️© 2021 Deuxième Ligne Films - Petit Film All rights reserved.
2022年07月28日2022年もまもなく上半期が終わりを迎えますが、そんなときにオススメの映画といえば、厳しいなかでも新たな道へと進み出そうとする主人公を描いた作品。そこで、今回ご紹介するのは、フランスから届いた珠玉の1本です。『母へ捧げる僕たちのアリア』【映画、ときどき私】 vol. 496南仏の海沿いの町にある古ぼけた公営団地で、3人の兄と暮らす14歳のヌール。長年、昏睡状態に陥っている母を兄弟だけで自宅介護する生活は苦しく、まだ中学生ながら夏休みは兄の仕事の手伝いと家事に追われる毎日を過ごすことに。そんなヌールの欠かせない日課は、毎夕に母の部屋の前までスピーカーを引っ張っていき、母が大好きなオペラを聴かせてあげることだった。ある日、教育奉仕作業の一環で校内清掃中だったヌールは、歌の夏期レッスンをしていた声楽講師のサラに呼び止められる。そして、歌うことに魅せられていくのだが……。2021年のカンヌ国際映画祭で<ある視点部門>に正式出品されたのをはじめ、国際的な評価を得ている本作。そこで、今後のフランス映画界を背負っていく新たな才能としても注目を集めているこちらの方に、お話をうかがってきました。ヨアン・マンカ監督俳優と舞台演出家としてキャリアをスタートさせたのち、映画界でも才能を発揮しているマンカ監督。今回は、自伝的な要素も含まれているという物語の背景や人間にとって芸術が必要な理由などについて、語っていただきました。―主人公のヌールにはご自身が芸術と出会ったときの体験を重ねているそうですが、それによってどのように変化があったのかについて教えてください。監督僕自身も、ヌールと同じように14歳前後のときにフランス語の先生と出会ったことがきっかけで、演劇に興味を持つようになりました。当時は、学校の授業で習うくらいの一般的な知識しかなく、演劇のことはまったく知りませんでしたが、その先生のおかげで自分のなかにそういった興味があることを発見したのです。それはまさに、劇中で声楽の先生がヌールの才能を見い出したのと同じような感じでした。そこから演劇に夢中になったわけですが、世界の見方だけでなく、家族や自分の人生に対する見方までも変わっていったのです。そんなふうに、僕でも新しい道へと進むことができたので、いまの若い人たちにもそれが不可能ではないこと、そして道は必ず開かれることをこの映画を通して伝えたいと思いました。文化や芸術のない社会は、この世の終わり―日本は、芸術に対する支援が足りてないと言われているところがありますが、監督はなぜ人に芸術が必要なのだと思いますか?監督僕は「芸術がない社会は、社会ではない」と思っています。なぜなら、世の中に芸術がなければ、人間は希望もユーモアも喜びも感じられないロボットのような生き物になってしまうからです。実際、これまでの独裁者たちは文化や芸術を禁止することによって、世の中をとてもつまらないものにし、人々が夢を持たないようにしたこともありましたよね。そういったこともあり、僕は文化や芸術のない社会は、“この世の終わり”だと思っています。―本作の4兄弟は貧困を抱えるだけでなく、若くして母親の介護問題にも直面しています。彼らをヤングケアラーとして描こうと思ったきっかけについても、お聞かせください。監督彼らの貧しさを描くうえで、まだ子どもなのに大人と同じような責任感を負わされて生きなければいけないというのを見せたかったので、そのような設定にしました。そういう意味では重要なポイントですが、この映画におけるテーマにしようと考えたわけではありません。フランスでは、まだ社会問題として取り上げられるほど話題になっているわけではないというのが現状です。若いうちにオペラに触れる機会を多く持ったほうがいい―劇中では、幅広いジャンルの曲を効果的に使っていますが、選曲や曲の組み合わせでこだわったのはどのあたりでしょうか。監督初めに考えていたのは、ヒップホップとオペラというふたつの世界を対峙させたいということでした。ただ、そこまで難しく考えていたわけではなく、選んでいくうえで意識していたのは、自分がこのシーンでどの曲を聴きたいかという感覚だったと思います。―今回オペラを使ったのは、監督自身が名曲「人知れぬ涙」に魅了されたことがきっかけだったそうですが、いまだにオペラは敷居が高いと感じている人が多いと思います。ただ、この作品では誰もが楽しんでいいものであると示しているので、監督が思うオペラの楽しみ方があれば教えてください。監督まずは、若いときになるべく多くの時間をかけて聴くことが大事ではないかなと。とはいえ、普通に生活していてオペラに興味を持つきっかけに恵まれることはなかなか少ないかもしれません。それでも、なるべくそういった音楽を聴く機会を見つけることがまずは必要だと思っています。―監督は音楽に救われた経験もありますか?監督僕は、音楽よりも演劇や映画に救われたほうが大きいかもしれないですね。影響を受けた作品を挙げるなら、セルジオ・レオーネ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』、フランシス・フォード・コッポラ監督の『地獄の黙示録』、マーティン・スコセッシ監督の『グッドフェローズ』などです。映画を通して、社会の不平等をなくしたい―ヌールが歌うシーンをはじめ、俳優たちは素晴らしかったですが、演出するうえで意識されていたこととは?監督僕は細かいところまでとてもこだわるほうなので、リハーサルは何度も行いました。とはいえ、ある程度詳細を説明したら、あとは俳優の自由にさせることが多かったかなと。ただ、歌に関するシーンは、とても難しい場面でもあったので、あらかじめ脚本で細かく決めており、その通りに演じてもらいました。そもそも、キャスティングの時点で、大半のことは決まっていると思っています。―兄弟以外には講師役のサラも非常に大きな役割をはたしていますが、このキャラクターにはどんな思いを込めましたか?監督今回、僕はサラという女性を神秘的に描きたかったので、あえて彼女がどこから来たのか最後までわからない人物という設定にしました。また、重要だったのは、彼女がとても強い女性であるというのを示すこと。男性たちに何をされても、決してされるがままではなく、きちんと抵抗する姿も描きました。―今後、芸術を通して監督が伝えたいことをお聞かせください。監督自分の映画を通して成し遂げたいことは、まず社会の不平等をなくすこと。いろいろな人の道を開いて夢や希望を与えることと、住みやすくていい社会にすることです。そして、人間の弱い部分というのは誰にでもあることも伝えていけたらと考えています。芸術に国境はないことを感じてほしい―また、いよいよ公開を迎える日本に対してはどのような印象をお持ちですか?監督今回の公開に合わせて行けなかったことが残念でたまりませんが、日本にはずっと行きたいと思っているので、近いうちにぜひ遊びに行きたいですね。僕は日本の文化が大好きなのですが、特に日本映画だと黒澤明監督。あとは、家族の描き方が非常に上手い是枝裕和監督も好きな監督です。日本映画というのは全体的にとても繊細で、キメの細かい仕事をされているので、学ぶことが多いと感じています。―それでは最後に、ananweb読者にメッセージをお願いします。監督僕はみなさんに何か言えるほど日本社会について詳しいわけではありませんが、映画を観ていただければ、きっとそこにある普遍的なものを感じ取っていただけると思っています。それは、「芸術に国境はない」ということ、それから「家族の愛は大きくて美しい」ということです。どこにでも“希望の光”は必ずある厳しい現実と向き合いながらも、新しい出会いと自らの才能を信じて未来へと飛び出そうと成長を遂げる少年の姿を映し出した本作。芸術が人にもたらす力を感じるとともに、音楽の美しさと家族への愛が持つ強さに、誰もが心を揺さぶられる必見作です。取材、文・志村昌美心を掴まれる予告編はこちら!作品情報『母へ捧げる僕たちのアリア』6月24日(金)よりシネスイッチ銀座ほか全国順次公開配給:ハーク️©Philippe Quaisse Unifrance.️© 2021 – Single Man Productions – Ad Vitam – JM Films
2022年06月23日子育ては、驚きと戸惑いの連続です。初めての場合なら、なおのことでしょう。我が子が急に静かになり…?2022年4月、フランス人のパートナーであるガイックさんとの間に、赤ちゃんが誕生した、しばひろ(@hirokokokoron)さん。赤ちゃんをあやすガイックさんの発言を漫画にし紹介したところ、多くの人の笑いを誘いました。壊した pic.twitter.com/FNPX89i6hn — しばひろ (@hirokokokoron) May 20, 2022 ガイックさんがあやすと、ピタリと泣き止んだ赤ちゃん。急に静かになった赤ちゃんに、ガイックさんは戸惑いを隠せなかったのかもしれません…。「壊れたかな」そんなクスッと笑ってしまう発言が、ガイックさんから飛び出したのです!これには漫画を読んだ人も笑ってしまったようで「言葉のチョイスが最高」「壊さないで!」とさまざまなコメントが寄せられました。赤ちゃんをあやすのがうまいガイックさんですが、まだまだ子育ては知らないことだらけ。子育てをする中で、これからもガイックさんの『珍発言』が飛び出しそうですね。[文・構成/grape編集部]
2022年05月21日まだ発語できない年齢の子供は、泣くことで意思を伝えようとします。しかし、その意味を理解するのは、親でも至難の業。何が原因で泣いているのかが分からず、頭を抱えてしまうのです。赤ちゃんが泣く理由に「なるほど…!」フランス人のパートナーであるガイックさんとの日常を描いている、しばひろ(@hirokokokoron)さん。2022年4月に、しばひろさんは赤ちゃんを出産しました。まだ小さい我が子を見守り、ガイックさんとともに子育てに奮闘しているといいます。そんなある日、授乳後に我が子のオムツを替えようとした、しばひろさん。しかし、赤ちゃんは大声で泣き始めてしまいます。想像して pic.twitter.com/oYNOhTt06Q — しばひろ (@hirokokokoron) May 14, 2022 大人からすると、オムツが汚れたままのほうが気持ち悪く、泣き出したくなるはず。では、なぜ替えようとすると泣き出すのでしょうか。疑問を覚えるしばひろさんに対し、ガイックさんは「食事後にいきなり脱がされたら嫌じゃん!」とズバリ!ガイックさんで表現されたイラストはじわじわきますが、確かに「なんてことをするんだ!」と不快になる気持ちも理解できます。子供の目線で考えたガイックさんの言葉に、多くの人が納得しつつも笑ってしまったようです!・確かに、これをやられたら俺も泣くわ…。・イメージ画像がシュールすぎて爆笑した。・説得力がすごい。今後はおむつ替え前に「失礼いたします」っていおうかな…。我が子がどうして泣くのかが分からない時は、自分に置き換えて考えてみると、答えが導き出せるかもしれません![文・構成/grape編集部]
2022年05月16日この春も話題作がひしめき合っていますが、今回は映画好きにオススメしたい1本をご紹介します。それは、スティーヴン・スピルバーグやマーティン・スコセッシといった名監督たちに多大な影響を与えたとされる“20世紀最大の巨匠”イングマール・ベルイマン監督にまつわる注目作です。『ベルイマン島にて』【映画、ときどき私】 vol. 473アメリカからスウェーデンのフォーレ島へとやって来たのは、映画監督カップルのクリスとトニー。創作活動にも互いの関係にも停滞感を抱いていた2人は、敬愛するベルイマン監督が数々の傑作を撮ったこの島でひと夏を過ごすことで、新作へのインスピレーションを得ようと考えたのだ。やがて島の魔力がクリスに作用し、彼女は自身の“1度目の出会いは早すぎて2度目は遅すぎた”ために実らなかった初恋を投影した脚本を書き始める。その後、どうしても結末が思いつかず、悩んでいたクリスだったが、思いがけない出会いが彼女の心を変えていくことに……。第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、高い評価を得た本作。そこで、こちらの方に作品の背景などについて、お話をうかがってきました。ミア・ハンセン=ラブ監督@Judicaël Perrin2007年に26歳という若さで長編映画監督デビューを果たすと、類まれなセンスと才能でフランスを代表する女性監督のひとりとなったミア・ハンセン=ラブ監督。今回は、自身も敬愛するベルイマン監督の魅力や日本での思い出、そして女性に伝えたいメッセージについて語っていただきました。―10年ほど前から、ベルイマン監督の作品や人生に傾倒するようになったということですが、どういったところに惹かれているのでしょうか。監督これは非常に難しい質問ですね。お答えするのに、数時間はかかってしまうかもしれません(笑)。なぜなら、ベルイマンの魅力を短い時間で語り尽くすことは私にとっては不可能なことですから。具体的に彼のどの部分がいいとか、どの作品が好きということではなく、彼の人生も作品も生き方も、さらには息遣いまで、すべてが魅力的だと思っています。有名な作品のなかには、人工的なところがある作品もあるかもしれません。でも、『不良少女モニカ』(53)や『ある結婚の風景』(73)、『ファニーとアレクサンデル』(82)のような作品では、彼のキャパシティの広さや創作力の大きさ、そしてエロティシズムまでもがあると感じています。ベルイマンに惹かれるのは、自分に忠実だから―そういったことすべてから監督も影響を受けていらっしゃるのですね。監督そのほかに私が一番惹かれているのは、彼が自分に対してとても忠実であるところです。つまりそれは、自分を裏切ることなく、一切の妥協も許さないという意味でもありますが、そういった部分があるからこそ、ベルイマンがベルイマン以外の何者でもない理由かなと。だから、私は彼の作品を観ていると、彼とコミュニケーションを取れているような気がするのです。ほかにも同じようなコミュニケーションを感じられる監督は何名かいますが、ベルイマンほどそれを直接的に感じられる人はいないと思っています。そういうところが、私から見たベルイマンの魅力です。―なるほど。監督は「この映画の大きなテーマは“解放”である」とお話されていますが、それはいまでも多くの女性が男性から解放されていないと感じていらっしゃるところがあったからでしょうか。監督夫婦生活や社会において叫ばれているような、いわゆる女性解放というのとは少し意味が違いますが、私はクリスを通して自分自身を解き放って自由にする姿を表現したいと考えました。とはいえ、私が映画を作る際、最初に何かをテーマとして掲げているわけではないので、出来上がった作品に対して観る方が興味を持ってくださればいいと思っています。つまり、私が先に何かを意図しているわけではありません。劇中では、クリスがトニーと会話をしていくなかで徐々に変化し、芸術的な面において自分を解き放っていくようなところがありますが、初めは弱さのある女性だった彼女がだんだん強さを身に着けていく過程を感じていただいたらと。この作品を映画化するまではかなり時間がかかりましたが、こういう形で作り上げることができてよかったです。日本を理解するために、次回は長く滞在してみたい―話は変わりますが、日本についても少しお聞かせください。監督はこれまでに何度か来日されたことがあると思いますが、日本での印象深いエピソードなどはありますか?監督日本は大好きなんですが、いつも仕事で行くので、滞在日数が毎回3~4日ほど。あまりにも短すぎるので、私にとってはそれがすごくフラストレーションです。実際、初めて日本に行ったときには、ちょうど子どもが生後数か月のときだったので、1日中インタビューを受けながら授乳もしていて、ゾンビみたいになってしまった強烈な思い出もありますよ(笑)。2度目はもう少し余裕がありましたが、地方まで行けなかったのは残念でした。特に、香川の直島は島全体が美術館のような場所だと聞いていたので、そこで安藤忠雄さんの作品を見たり、芸術に触れたりしたかったですね。私にとって異文化を理解するのはとても重要なことですが、本当の意味で経験するには、やはり1か月程度は必要だと思います。次回こそは訪れてみたいです。過去にこだわらず、未来の力に変えてほしい―ぜひ、お待ちしております。それでは最後に、ananweb読者へのメッセージをいただきたいですが、なかには劇中のクリスのように自分を弱くて依存的だと考えているような女性たちもいると思いますので、この作品から感じてほしいことなどを教えてください。監督実は、私も長い間、クリスのように女性特有の弱さを抱え、家族の問題などに悩んでいた時期がありました。そのときは過去ばかりを振り返り、過去の傷に痛みを感じたりしていましたが、少しずつ弱さを強さに変えていくことができたのです。私の場合は、弱さを創作のツールとして利用しましたが、そんなふうに弱さを“武器”にすることもできるのだということは伝えられたらと。過去のことばかりにこだわるのではなく、それを未来に向けたひとつの力に変換することも可能なんだということをクリスの姿を通して知っていただきたいですし、みなさんにもそうなっていただけることを願っています。柔らかな日差しに包まれながら、自分の心に問いかけるインスピレーションを刺激する美しい景色が広がる “映画ファンの聖地”スウェーデンのフォーレ島を舞台に、女性の繊細な心の機微を見事に映し出した本作。静かな波のように観る者の感情に入り込み、ときには激しい雨のように心を揺さぶる必見作です。取材、文・志村昌美目を奪われる予告編はこちら!作品情報『ベルイマン島にて』4月22日(金)、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開配給:キノフィルムズ© 2020 CG Cinéma ‒ Neue Bioskop Film ‒ Scope Pictures ‒ Plattform Produktion ‒ Arte France Cinéma
2022年04月20日