10月5日、6日の全国映画動員ランキングは、名優ホアキン・フェニックスが誰もが知る人気キャラクターの“誕生のドラマ”に挑んだ衝撃作『ジョーカー』(全国324館)が初登場で首位を飾った。3週連続トップだった『記憶にございません!』(全国352館)は、公開4週目は2位になった。3位から5位には新作が並んだ。人気シリーズ『HiGH&LOW』と人気漫画『クローズ』『WORST』がクロスオーバーしたアクション映画『HiGH&LOW THE WORST』(全国322館)が初登場3位に。恩田陸の同名小説を松岡茉優、松坂桃李、森崎ウィン、鈴鹿央士らで映画化した音楽ドラマ『蜜蜂と遠雷』(全国324館)は初登場4位。キアヌ・リーヴスが最強の殺し屋を演じる人気シリーズ第3弾『ジョン・ウィック:パラベラム』(全国201館)は初登場5位になった。そのほか、公開12週目の『天気の子』(全国367館)は7位につけている。次週は『アップグレード』『イエスタデイ』『クロール ―凶暴領域―』『最高の人生の見つけ方』『真実』『空の青さを知る人よ』『ブルーアワーにぶっ飛ばす』『ボーダー 二つの世界』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『ジョーカー』2位『記憶にございません!』3位『HiGH&LOW THE WORST』4位『蜜蜂と遠雷』5位『ジョン・ウィック:パラベラム』6位『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』7位『天気の子』8位『人間失格 太宰治と3人の女たち』9位『HELLO WORLD』10位『アナベル 死霊博物館』
2019年10月07日トッド・フィリップス監督、ホアキン・フェニックス主演の『ジョーカー』が、北米で予想を上回る大ヒットデビューを果たした。公開初週末の成績は約9,400万ドルで、10月公開作品としては『ヴェノム』を抜いて史上最高記録。R指定のため、17歳以下の観客は全体の8%にとどまっている。観客評価はBプラスだった。北米外でも大好調で、全世界興収はすでに2億3,400万ドルに達している。海外での成績トップは、韓国、イギリス、メキシコの順。北米2位はアニメ映画『Adominable』、3位は『Downton Abbey』、4位は『Hustlers』、5位は『IT/イット THE END “それ“が見えたら、終わり。』だった。文=猿渡由紀『ジョーカー』全国公開中
2019年10月07日ホアキン・フェニックスがDCコミックの人気ヴィラン・ジョーカーに演じ、第76回ヴェネツィア国際映画祭でアメコミ作品として初の金獅子賞を獲得した話題作『ジョーカー』(公開中)。本作を手掛けたトッド・フィリップス監督によるビデオ通話会見が先日都内で開催された。コメディアンを夢見る心優しい青年アーサーが、次第に追い詰められていき、やがて悪のカリスマ、ジョーカーへと変貌していく様を、原作にはないオリジナルストーリーで描く。爆笑コメディ「ハングオーバー」シリーズのトッド・フィリップス監督がメガホンをとり、同作でも組んだブラッドリー・クーパーが製作を務めている。――ホアキンの鬼気迫るすさまじい演技におののきましたが、彼を演出してみていかがでしたか?ホアキンはあの世代では最も優れた俳優だといつも思っていたけれど、驚きの連続だった。ちょっと言葉では言い表せないけど、彼の演技を目の当たりにすればわかるかもしれない。すごすぎて、見ている方は、口をポカンと開けてしまうような状態になる。思わずカメラのオペレーターに向かって「いまの見ていた? 信じられない!」と言ってしまったよ。――ホアキンとロバート・デ・ニーロという名優2人の共演シーンにもうなりました。僕もホアキンも、デ・ニーロを崇拝しているから、撮影の現場ではなく、彼のオフィスで初めて会った時は、とても緊張したんだ。彼と一緒に映画が作れるなんて、夢みたいだった。2人の俳優の間に座っていた僕にとって、あの日はすばらしい一日だった。でも、実際に共演シーンを撮影した時は、すでにホアキンはジョーカーとして自分の世界に入り込んでいたから、まったく問題はなかったよ。――時代設定を70年代後半~80年代初期に設定した主な理由について聞かせてください。今までの映画で観てきたジョーカーと今回のジョーカーが共存することは避けたかったので、意図的にそうしたんだ。また、『タクシードライバー』(76)や『狼たちの午後』(75)『キング・オブ・コメディ』(83)のような時代に起こった出来事として作りたかったよ。――これまでたくさんのDCコミックスを映画化した人気作品がありますが、本作はどういう位置づけの作品になりましたか?DCという大きなユニバースから切り離し、独立した作品にしたかった。ジョーカー役は過去にすばらしい俳優が演じているし、すばらしいコミックも描かれ、テレビ番組にもなっている。そこを描くのは、チャレンジでもあり、怖い気持ちもあったが、だからこそホアキンと私は、可能な限り現実というフィルターを通して、自分たちのバージョンを作ろうとしたよ。――『バットマン』の生誕を祝う9月21日の「バットマンの日」には、DCエンターテイメント 共同発行人でアーティストのジム・リーが来日し、日本でもバットマン80周年の式典が。ジム・リーが、アニバーサリーの式典に来るというのは面白い。彼とはメールでのやりとりしかしていないが、「映画がとても良かった」と言ってくれた。一般的に知られているジョーカーから全てが逸脱していたにも関わらず「この映画の独特なスタイルが特に気に入った」と言ってくれた。――監督は「ハングオーバー」シリーズなど、コメディ監督としての印象が強いのですが、ジョーカーがコメディアン志望だったという点も印象深いです。監督が今回、描きたかったこととは?この映画で表現しようとしたことは、ホアキンの台詞「人生は悲劇だと思ってた。だが、いまわかった、僕の人生は喜劇だ」が物語っている。それは、僕は面白い人たちとコメディ映画を多く作り、コミック作品の仕事もたくさんしてきたなかで、僕自身が受け取った言葉でもあるから、今回そこを探求したいと思った。――「ハングオーバー」シリーズでは主演を、本作ではプロデューサーを務めているブラッドリー・クーパーとは、数多くタッグを組まれてきましたが、彼の存在は大きかったですか?ブラッドリーとは、お互いにフィードバックし合える仲だ。脚本に対しての意見交換もそうだし、そして編集室にも一緒に入る。私にとってブラッドリーは、かけがえのない存在だ。編集室に一日中いてくれたり、何日も通ってきては、メモを書いて渡してくれる。でも、それは彼の監督作『アリー/スター誕生』(18)の制作時に、プロデューサーだった私がしたことと基本的には同じだ。「ハング・オーバー」1作目の撮影からもう12年経つけど、素晴らしいパートナーシップが取れている。僕が最も信頼している親友で、コラボレーターの一人だね。(C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DCComics
2019年10月06日コメディアンを夢見るひとりの男が、映画史上最凶の悪役といわれる“ジョーカー”になるまでを描くサスペンス・エンターテイメント『ジョーカー』。劇場型の犯罪で人を恐怖に陥れる“悪のカリスマ”を描く本作に込められたメッセージについて、主演のホアキン・フェニックスや監督のトッド・フィリップスが明かした。まず、フィリップス監督は「この映画の大きなテーマのひとつは、思いやりの欠如だ」と断言する。解禁済みの予告編に登場する、バスの中で少年を笑わせようとおどけたアーサーが、少年の母親に冷たくあしらわれる切ないシーンについて、監督は「母親が『息子を笑わせてくれてありがとう』と言っていたら、アーサーはものすごく喜んで、踊りながら家に帰っただろうね。アーサーは世の中の苦労を背負っているんだよ」と語り、世間の心ない行為の積み重なりが次第にアーサーを傷つけ、心をむしばんでいくと明かした。フィリップス監督と共に脚本を手がけたスコット・シルバーも、“思いやりの欠如”について「アーサーはもともと人を笑わせ、笑顔にすることだけを考えていたから、ピエロになってコメディアンを目指すんだ。ところが街の空気や環境がアーサーをむしばんでいく。思いやりや共感に欠け、治安が悪化した社会から生まれるのがジョーカーなんだよ」と語る。さらに、ホアキン・フェニックスは「例えば、誰かが道で殴られているのを見たら、その痛みや辛さを想像することができるよね。同じように、映画を観る人が、アーサーに共感してくれたら良いなと思うんだ。感情移入というのは人間の普遍的なことだからね」と語り、アーサーというキャラクターは、観客が思わず共感してしまうような一面も持っていることを明かす。そしてフィリップス監督もまた、「この映画が人々の心に響いて、世界に少しでも温もりが増えるといいなと思うよ」と言う。圧倒的な悪を描く映画でありながら、思いやりや共感する心を持ってほしいという優しくて温かいメッセージが本作には込められている、というのだ。本作は、第76回ヴェネツィア国際映画祭で8分間のスタンディング・オベーションが巻き起こり、最高賞の金獅子賞を受賞。世界三大映画祭でアメコミ作品が最高賞を受賞するのは初の快挙となり、映画史を大きく塗り替える受賞となった。すでにアカデミー賞最有力といわれている本作の、“衝撃”とその裏にあるメッセージを、劇場で確かめてみてほしい。『ジョーカー』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年10月05日圧巻という言葉では足りない。オスカー最有力の呼び声高き『ジョーカー』でホアキン・フェニックスは、何かにとりつかれたかのように、最強のヴィランに命を吹き込んだ。あえて言葉にすれば「悪魔的な神々しさ」。撮影中、ホアキンの中に何が宿っていたのだろうか?全く異なるアプローチで“新たなジョーカー”が誕生――アメコミ界きってのヴィランであるジョーカー誕生秘話をオリジナルストーリーで描いた本作。先日発表された第76回ヴェネチア国際映画祭で、最高賞にあたる金獅子賞に輝いた瞬間、あなた自身はどのように感じたのでしょうか?ただただ、僕の期待や想像を超えた出来事だったね。トッド(・フィリップス監督)とはいつも「自分のキャリアを終わらせるような映画は作りたくない」ってジョークで言っているんだけど(笑)、正直『ジョーカー』がこういう形で熱狂的に受け取られるとは思いもしなかった。映画にとってはいいことだけど…、何て言えばいいんだろう?もう「驚きと興奮」という言葉に尽きるね。――ジョーカー役のオファーを受けた際は、どのように思いましたか?即決だったのか、それとも迷いがありましたか?どんなオファーも簡単には引き受けられないが、今回ばかりは、ジョーカーを演じきれる自信がなかったから、大いに迷った。それくらい『ジョーカー』は大きな挑戦なんだ。演じるうえで、映画が示すメッセージ、そして自分自身を深く掘り下げる必要があったし、きっと観客にとってもチャレンジングなものになると思った。新しい何かとの出会い…と言えば、大げさに聞こえるけど、目の前に知らない世界が広がるのは、俳優冥利に尽きるね。映画を見る魅力もそこにあると思うから。そう考えれば、ジョーカーほど最高なキャラクターはいないよ。――ジョーカーは過去に何度も映像化されたキャラクターですよね。ジョーカーといえば、子どもの頃に見た『バットマン』(1989年製作)のジャック・ニコルソンがとても印象に残っているし、『ダークナイト』のヒース・レジャーがすばらしかったのは、言うまでもない。助演だから、決して出演シーンが多いわけじゃないのにね。どちらのジョーカーも、一瞬にして見る者を恐怖させ、同時に魅了したんだ。――そのうえで、改めてジョーカーを演じるあなたが、意識したことは何ですか?だからこそ、僕らはまったく異なるアプローチで、いま一度ジョーカーを掘り下げる必要があったし、それは大きな利点だった。映画そのものを理解することに役立ったからね。アイデアはたくさん持ち寄ったが、「このやり方がジョーカーにはぴったり」というわかりやすい道筋は見えなかった。だから、何かに影響を受けた…というのは、答えるのが難しいな。あっ、そうだ!実は撮影中、ふと「あっ、いまの自分はフランクン・フルターに影響されているな」って思う瞬間があったんだ。そう、『ロッキー・ホラー・ショー』に登場する奇妙な城主のフルター博士さ。子どもの頃から大好きで、いつか演じたいと思っていたほどだから、不思議な感覚に襲われたよ。内面・外面ともに徹底した役作り――映画を見れば、きっと観客はあなたの変ぼうに驚くと思います。具体的には、ずいぶんとお痩せになりましたよね?栄養士と一緒に取り組んだよ。幸運なことに、準備期間はあったから、最初の2ヶ月はカロリーを落としながら、自分でワークアウトした。撮影が始まる2ヶ月前には、栄養士と相談して、特殊なカロリー制限のダイエットに臨んだんだ。正直、とてもきつかった。でも、アーサーは人生に決して満足しておらず、常にもっと何かを渇望している。僕自身も減量を通して、その気持ちは共有できたね。徐々に目標体重に近づき、体つきにも変化が出てくると、筋肉の動きや感じ方にも影響が出てきた。欲望に打ち勝てたという、ある種の満足感で、力が漲ったんだ。そういった過程のすべてが、役作りの大きな要素となったよ。――衣装もジョーカーという人物を物語るうえで、非常に重要なエッセンスだと思います。衣装デザインを手がけるマーク・ブリッジスとは、『ザ・マスター』『インヒアレント・ヴァイス』(ともにポール・トーマス・アンダーソン監督)でもタッグを組んでいますね。彼は史上最高のデザイナーの1人だから、僕から何かを評価するとか、そういうものを超越した存在なんだ。もちろん、仕事ぶりはすばらしいけど、そのプロセスは謎に満ちている。ディテールへのこだわりもすごいよ。ポケットの中のハンカチとかね。そうだ、ジョーカーが着るスーツについては、秘密があるんだ。実は序盤のアーサーと、終盤のジョーカーは同じスーツを着ている。色は違うんだけど、それはマークが撮影中、段階的にスーツを染めてくれたんだ。まさにアーサーが、次第にジョーカーへと変ぼうするみたいにね。注意して見てみると、確かにだんだん赤色が鮮やかになっている。初見では見逃してしまうかもしれない繊細なこだわりだけど、キャラクターや作品全体への貢献は計り知れないよ。24時間ジョーカー「怒りもまた」――例えば「家に帰っても、ジョーカーをひきずってしまう」という弊害はなかったですか?映画を拝見し、本当に役柄に入り込んでいると感じたので、何というか…、心配になってしまって。うーん、どうかな。仮に撮影中、自分自身と演じるキャラクターが“分離”する瞬間があるとすれば、それは満足な演技ができていない証拠かもしれない。両者の距離がゼロになり、焦点がバッチリ重なってこそ、最高の状態だと思うから。僕が何かすれば、そのキャラクターの言動になる…それが理想だね。だから、スタジオに役柄を置いてきたり、家に帰って脱ぎ捨てたりはしないんだ。――24時間ジョーカーだったと?もちろん、自宅ですでに撮影した映像を見直し「じゃあ、明日はこうしよう」と演技プランを組み立てることはある。少し矛盾して聞こえるかな?でも、寝ている時間以外は、映画と演技について常に考え続けているのは確かだね。今回、苦労したことがあるとすれば、スケジュールの都合で順撮りできなかった点だな。「このタイミングで、ジョーカーにはなれないよ!」って、トッドに怒りをぶちまけたこともあった(笑)。でも、その怒りもまたジョーカーを演じるために必要だったのかしれないと、いまは思っているよ。(text:Ryo Uchida)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年10月04日現代の映画界で新作が待たれている名優は何人か存在するが、ホアキン・フェニックスは間違いなくそのリストの上位に名が刻まれている。数々の作品で重厚な演技を見せ、次はどんな役を選ぶのか、次はどの監督とタッグを組むのか映画ファンは気になっているはずだ。そんな中、彼は『ハングオーバー!』シリーズのトッド・フィリップス監督と新作に挑んだ。心優しい男が“悪のカリスマ”へと変貌を遂げる衝撃的な物語『ジョーカー』だ。全世界の映画ファンを驚かせ、同時に脱力させた“俳優廃業&ラッパー転向事件(後に演技だったと判明)”を挟んではいるものの、ホアキン・フェニックスはキャリアを通じてシリアスで重厚、作家性の高い作品を選んで出演してきた。「僕は主にフィルムメーカーに惹かれるんだ。僕にとって良い役者と偉大な役者の違いはそこにある。大事なのは偉大なフィルムメーカーだよ。だから作品を選択をする時、フィルムメーカーの存在が僕を動機づけているんだと思うよ」ポール・トーマス・アンダーソン、スパイク・ジョーンズ、リン・ラムジー、そしてジェームズ・グレイ……確かに彼は“どの監督と組むか?”を重視している。そこで彼は人気コメディ『ハングオーバー!』シリーズで一躍その名を知られるようになったトッド・フィリップスを次のパートナーに選んだ。「彼のコメディにはとてもニュアンスがあったと思う。キャラクター表現が豊かで、人々が“ブロ・フィルム(男友達と見る映画)”と呼んでいるようなものじゃない。キャラクターをもっと深く理解し、深く掘り下げているんだ。だから今作は彼がこれまでにやってきたことの続きだと思う。彼にはリアルな繊細さとリアルな思いやり、そして不敬でワイルドなユーモアのセンスの完璧なバランスがあるんだ」本作でフェニックスが演じたアーサーは、過酷な大都市で病気の母親と暮らす孤独な男だ。どんな時も人を笑顔にさせることが大事だと信じてピエロの扮装で働いているが、生活は苦しく、孤独や不安は癒えず、誰かに優しさを与えても、それは暴力や攻撃によって戻ってきてしまう。俺は誰と話したらいい? 俺は誰に不安を打ち明けたらいい? 誰に考えたジョークを言えばいい? アーサーの悲痛な叫びをフェニックスは細やかに表現していく。「観客はアーサーが孤独だと感じるかもしれないけど、僕はいつもトッド(・フィリップス監督)がすぐそこにいるように感じていた。僕がやったことのすべては、僕とトッドが常にコミュニケーションを取り合って、いろんなことについて話し合いながらやったことなんだ」ふたりは撮影が始まるずっと前から長い時間をかけて話し合い、意見を出し合い、共同で創作を続けた。その成果のひとつが“アーサーが初めて銃を手にした夜”を描いたシーンだ。踏みにじられ、生きているだけで暴力にさらされてきたアーサーは偶然に手にした銃を持ち帰り、老いた母が寝た後で、ひとり銃を手に踊り、虚空に向かって語り、自分がこれまで表に出してこなかった感情をあらわにする。「最初は脚本に“銃を手にして遊んでいる”と書いてあるだけのシーンだった。僕はアーサーがどういう精神状態にあるか表現し、彼が認められたいとか、パワフルに感じたいなどの圧倒的な要求を持っていることを見せるための方法を探していた。そんな中で、アーサーが銃を手に踊りながら誰かに話しかけるシーンが生まれてきたんだよ。それは最初、僕とトッドが考えていたものではなくてセットで見つけたものだ。アーサーはどのようにして人とコミュニケートしていいのかわからない人間だ。というのも、彼は暴力的ではないコミュニケーションの方法を学んだことがないからだ。彼はずっと暴力にさらされてきた。僕らは暴力というものは学習できるものだし、やがて忘れたり制御できるものだと知っている。でも、彼はそれを学ぶ機会がなかったんだよ」身体的、精神的な暴力にさらされてきたアーサーは、小さな銃を手にしたことをきっかけに自分の中にある願いや想いを“暴力”にして表現することを覚えていく。そこでポイントになるのは、多くの映画で描かれるような“主人公が変化する決定的な瞬間”が本作では描かれないことだ。「アーサーがいつジョーカーになるのか? どうしてこんなユニークな状況が結果的に生まれてしまったのかを指摘するのは難しい。“ひとつの明確なきっかけ”があるとは思わないからね」だからこそフェニックスは、映画の冒頭から繊細な動き、表情の変化、視線の移動を積み重ねて、心優しいアーサーが少しずつ変化し、最終的に自らを“ジョーカー”と名乗るまでを演じていく。誰よりも哀しく、誰よりも優しく、想像を絶するほどに残酷。近づきがたいほどの恐怖を感じるのに、心のどこかで共感している……観客は映画を観ながら主人公から目が離せなくなり、様々な感情が渦巻くことになるだろう。「人生は複雑だと思うんだ。だからこそ僕は、そのことを反映しているキャラクターを探している。簡単な答えを与えてくれないものをね。僕らは映画の中でヒーローと悪役を表面的に理解してしまうことが多いけど、それは現実の社会を正しく反映していないと思うんだ。だからこそ僕はこのテーマを掘り下げられるキャラクターを探してきた。僕はクリエイターがなぜそんな題材を描こうとするのかわからない。僕の理解を超えていることもあるからね。でも、僕はあるキャラクターを“演じずにはいられない”状態になることがあるんだ。なぜそうなるのか……本当にわからないんだけどね」『ジョーカー』10月4日(金) 全国ロードショー
2019年10月03日主演作『ジョーカー』が、第76回ヴェネチア国際映画祭にて最高賞の金獅子賞を獲得。続く第44回トロント国際映画祭では、今年から新設された俳優に対する功労賞「トリビュート・アクター・アワード(TIFF Tribute Actor Award)」をメリル・ストリープとともに初受賞したホアキン・フェニックス。彼が『ジョーカー』で演じたのは、ジャック・ニコルソンやヒース・レジャーなど名優たちが演じてきた不気味で極悪非道なジョーカー像とは少し異なる。生きづらさを抱えた孤独な男が“悪のカリスマ”ジョーカーへと変貌していく物語を、“独壇場”ともいえる形で演じ切った彼は、いまアカデミー賞に最も近い俳優のひとりだ。3度の同賞ノミネートを誇る壮絶な演技派ホアキンのキャリア史上最高と呼ぶにふさわしい、『ジョーカー』までの道のりをふり返った。転機となった亡き兄リヴァーとの秘話を告白『グラディエーター』で傲慢で嫉妬深いローマ皇帝を怪演し、『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』では吹き替えなしで歌やギターを披露、『ザ・マスター』ではカリスマ教祖に見せられる元海兵隊員を演じて、助演と主演で計3度もアカデミー賞にノミネートされたホアキン。1974年10月28日、プエルトリコ生まれ。23歳の若さで急逝した俳優リヴァー・フェニックスを兄に持ち、姉のレイン、妹のサマーも女優として活動していた役者一家。母親は米TV局NBCの職員であり、8歳からホアキンも演技の道へ。1986年、12歳のとき“リーフ・フェニックス”の名義で『スペース・キャンプ』で映画デビュー。キアヌ・リーヴスも出演していたロン・ハワード監督『バックマン家の人々』(’89)で注目を浴びたが、その後活動を休止する。そんな彼が図らずも、再び世間の目を集めることになったのが、1993年の“ハロウィーン”10月31日だった。当時ジョニー・デップが共同所有していたナイトクラブ「ザ・ヴァイパー・ルーム」で兄リヴァーが薬物の過剰摂取により急死、一緒にいたホアキンが救急車を呼んだといわれる。19歳の誕生日の直後の出来事だった。先日、トロントでの「トリビュート・アクター・アワード」授賞式では、ウィレム・デフォーがまだ紹介している最中に登場して笑いを誘っていたが、スピーチでは母親や家族らに対して、とりわけ兄リヴァーについて語った言葉が多くの映画ファンを涙させることになった。それはホアキンが15、16歳ごろのこと。『ジョーカー』でも共演するロバート・デ・ニーロ主演、マーティン・スコセッシ監督の『レイジング・ブル』(’80)のVHSテープを持って帰宅したリヴァーは、ホアキンに映画を見せ、翌朝起きてからもまた見せたのだという。「お前はもう一度演技をやるんだ。これがお前のやるべきことなんだよ」、そうホアキンに話したことを明かし、リヴァーのおかげで「演技が素晴らしい人生を与えてくれた」ことに涙を浮かべながら感謝を述べていた。ハリウッドで将来を期待されながら亡くなった兄リヴァーへの想いを、ホアキンがこうした場で語るのはおそらく初めてのこと。兄に背中を押されて再び歩んだ俳優人生の過渡期に出会った象徴的なキャラクターに、悩みながらも全身全霊で挑んだ自信をも覗かせていた。名匠、鬼才に愛される演技派へと真っすぐに成長…とは行かず!?1995年になって、兄リヴァーを『マイ・プライベート・アイダホ』に起用していたガス・ヴァン・サント監督のもと、ホアキン・フェニックスとして『誘う女』で俳優復帰。オリバー・ストーン監督の『Uターン』などをへて、ニコラス・ケイジと共演したジョエル・シュマッカー監督作『8mm』(’99)では放送映画批評家協会賞助演男優賞を受賞、2000年にリドリー・スコット監督『グラディエーター』と出会い、M・ナイト・シャマラン監督の『サイン』『ヴィレッジ』から、新米消防士を演じた『炎のメモリアル』のように若手スター俳優らしい作品や実際の大虐殺を描いた『ホテル・ルワンダ』など話題作に次々と出演した。だが、2008年10月、突如ホアキンは俳優業を引退してラッパーになると宣言!激太りに伸ばしっぱなしのヒゲと髪、相次ぐ奇行などで大騒ぎとなったが、実はそれはすべて前代未聞の壮大なドッキリ、ケイシー・アフレック(妹サマーの当時の夫)が監督したモキュメンタリー『容疑者、ホアキン・フェニックス』のために仕組まれたものだった。約2年間、「ヤラセではないか」と言われながらも、実際に俳優のオファーをすべてキャンセルし、私財を投げ打って“ラッパーになりたいホアキン・フェニックス”を演じ切ったホアキン。しかし、すべてフェイクだったという事の顛末にはマスコミや同業者、ファンまでが激おこに…。結果的に干されることになってしまった。それでも2012年、ポール・トーマス・アンダーソン監督『ザ・マスター』にて完全復活。体重を絞って臨んだ彼の演技も高く評価され、第69回ヴェネチア国際映画祭では“教祖”役のフィリップ・シーモア・ホフマンと男優賞を分け合い、アカデミー賞主演男優賞にもノミネートされることになった。アンダーソン監督とはその後、『インヒアレント・ヴァイス』(’14)でも再タッグを組んでいる。ニコール・キッドマンに愛されたかっただけなのに…『誘う女』(1995)もしも現在なら、SNSで話題騒然となっていただろうイケメンぶりを見せる、“ホアキン・フェニックス”が世に知られることになったガス・ヴァン・サント監督作。“TVに映らなければ生きている意味がない”という自意識過剰で自己中心的な、お天気キャスターのスーザン・マレットに、ある目的のために利用される高校生のジェームズを演じた。とてつもない野心と腹黒さを持った大人の女性にセックスによって翻弄されていく、若きホアキンの熱演は必見。ラッセル・クロウが憎くてたまらない皇帝に…『グラディエーター』(2000)古代ローマ帝国を舞台にしたリドリー・スコット監督による超大作。父である皇帝から信頼の厚い騎士マキシマス(ラッセル・クロウ)に激しい嫉妬の炎を燃やし、彼を陥れ、父を暗殺して皇帝の座についたコモドゥスを演じた。ヴィラン的な役回りながら、どこか寂しげでセクシーなのがさらに罪深い。半裸で勇ましく剣を振るうシーンもあり、24キロも減量したというジョーカーとの体格差を比べてみてほしい。兄への想いが重なる…『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』(2005)1950年代にプレスリーらと共に人気を博した伝説的カントリー・ミュージシャン、ジョニー・キャッシュを、同じくシンガーのジューン・カーターを演じたリース・ウィザースプーンとともに、歌もギターも吹き替えなしで演じ切った。父親との確執と、音楽を教えてくれた兄の死に責任と痛みを感じているジョニーの姿が、ついホアキンと重なってしまう。ゴールデン・グローブ賞に加えて、グラミー賞も受賞した。警察一家の爪弾き者に…『アンダーカヴァー』(2007)『アド・アストラ』のジェームズ・グレイ監督とは『裏切り者』(’00)、本作『アンダーカヴァー』、『エヴァの告白』(’13)など4作品で組んでいる。マーク・ウォールバーグとともに製作総指揮にも名を連ね、マークが警察一家の優秀な兄、ホアキンがそんな兄にコンプレックスを抱えて夜の世界で働く弟を演じた。タイトルは「潜入捜査」の意味だが、むしろ家族愛と正義という名の復讐の物語。1988年のニューヨーク・ブルックリンが舞台で『ジョーカー』の世界と近しい空気感がある。ホアキンの繊細な演技はもちろん、エヴァ・メンデス(現在はライアン・ゴズリング夫人)とのラブシーンにも注目。ルーニーに振られ、スカヨハのAIに恋…『her/世界でひとつの彼女』(2013)ホアキン演じる主人公セオドアが、自身に最適化された最新AI型OS“サマンサ”を利用するうちに恋に落ちてしまう設定と、その声の主をスカーレット・ヨハンソンが演じたことで話題に。スパイク・ジョーンズ監督が自ら手がけた脚本はアカデミー賞に輝いた。婚約者のルーニー・マーラとの初共演作だが、演じたのは離婚調停中の妻…。彼女への想いを引きずりながら、AIに恋していく孤独な男をとてもナチュラルに演じたホアキンがキュート。肉体からキャラクターを表現する…『ビューティフル・デイ』(2017)『少年は残酷な弓を射る』のリン・ラムジー監督のもとトラウマを抱えた退役軍人の殺し屋を演じ、第70回カンヌ国際映画祭男優賞に選ばれ、ラムジーも脚本賞を受賞した。その男は行方不明の少女たちを捜し出し、ハンマーを手に関係者はすべて消すのが仕事。だが、時折フラッシュバックで戦地での壮絶な体験や、幼児期の記憶が…。年老いた母の世話をしながらのつつましい暮らしや、全身傷だらけで筋肉のたるみ方がリアルな肉体が表現する人物像は『ジョーカー』を思わせる(体格は全く違うけど)。2019年は公開作続々の“ホアキンYear”ガス・ヴァン・サント監督最新作で、ルーニーとの共演作『ドント・ウォーリー』(順次公開中)では車いすの風刺漫画家ジョン・キャラハンに。自暴自棄になっても、周囲の人々の優しさと風刺漫画によって前向きになることができたキャラハン。辛辣なユーモアで知られたキャラハンだが、コメディアンを夢見る『ジョーカー』のアーサーはいかに!?同じくルーニー共演『マグダラのマリア』(配信中)は、長らく罪人扱いだったマグダラのマリアをイエス・キリストの使徒のひとり、そして復活の証人として初めて描いた作品。マリアをルーニー、イエスをホアキンが演じて恋に落ちてしまったのだから、これはもう運命というほかない。さらに『ゴールデン・リバー』(順次公開中)では、ジョン・C・ライリーと悪名高いシスターズ兄弟に。粗暴でありながら、どこか間の抜けたところもある人間くさい殺し屋役は真骨頂だ。フランスのジャック・オーディアール監督による西部劇は、本流の西部劇とはひと味違うところも魅力。そして『ジョーカー』が、10月4日(金)に日米同時公開を迎える。アメコミ史上最も有名で凶悪なヴィランの誕生物語で、ホアキンは一体どんな衝撃を与えてくれるのか。ただ、本作ではバットマンとの宿命は匂わされているものの、アメコミ作品であることをあまり感じさせない点が特徴的。あくまでも社会から爪弾きにされた、“笑顔でいる”ことしかできない、愛を求める男の凋落人生と考えれば、ホアキンにとって最高のハマり役といえるのだ。(text:Reiko Uehara)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年10月01日孤独だが心優しかった男が“悪のカリスマ”へと変貌していく衝撃のドラマを、アカデミー賞常連の実力派スタッフ・キャストで描いた『ジョーカー』。この度、超豪華キャスト陣が集結したUSプレミアが、現地時間9月28日(土)にロサンゼルスのTCLチャイニーズ・シアターにて華々しく開催。アーサー/ジョーカー役ホアキン・フェニックスや、アーサーが秘かな好意を抱くソフィー役のザジー・ビーツ、アーサーの母親役のベテラン女優フランセス・コンロイ、監督・製作・共同脚本を務めたトッド・フィリップスらが集結した。初めて、衝撃のジョーカー誕生の理由が語られる本作。第76回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門にて金獅子賞を受賞し、第44回トロント国際映画祭ガラ・プレミア部門に選出され絶賛と注目を浴びている中、プレミア会場には、ジョーカーのイメージカラーである緑色のカーペットが敷かれ、その周辺には開演前から大勢のファンが集まり、道の反対側にもファンたちで溢れかえった。そんな会場に主演のホアキン・フェニックスが登場すると会場のボルテージは最高潮に。そして、声援と拍手で迎えられたキャスト&スタッフたちは一人一人、サインや写真撮影に応じた。クリスチャン・ベイルからコメントも「ジョーカーを演じるのは、とても勇気がいること」ハリウッドで初お披露目となるこのプレミアには、69か国でNo.1を獲得した『アクアマン』のジェイソン・モモアが祝福に駆け付ける姿も。また、本プレミアには足を運べなかったが、『ダークナイト』でバットマンを演じたクリスチャン・ベイルからは「僕は、ヒース(・レジャー)と一緒に仕事をしましたが、彼の後にジョーカーを演じるのは、とても勇気がいることだと思う。でも、ホアキンは最高の俳優です。だから、『ジョーカー』を僕は絶対に観たいんです!」とのコメントが。ジョーカーを演じアカデミー賞を受賞した故ヒース・レジャーと共演した彼が、本作でのホアキンの演技に期待を寄せた。そして先行して鑑賞した、数々のヒーローやヴィランを描いてきたコミックアーティストの巨匠ジム・リーは、「『ジョーカー』は、激しく、生々しく、魂のこもった作品です。ホアキン・フェニックスの魅力的かつ心をかき乱す演技は、我々の愛すべきヴィランについて、深く完全な洞察を与えてくれました。間違いなく、長年のDCファンは、このつらく苦しい教訓の物語がもたらす多くの事実と疑問をひも解くため、長い時間を費やすことになるでしょう」と、フィリップスのオリジナル脚本での解釈、そしてベイルに同意するかのようにホアキンの演技を絶賛した。この日は、プレスのレッドカーペットでのインタビューはなかったものの、プレミア前に実施されたインタビューでホアキンは、「とにかく映画を成功させたいという気持ちで精一杯でした。僕にとって『ジョーカー』は特別な映画だ。僕は、多くの人が楽しめる映画が好きだ。この作品は、観客の期待に応えられるものになっていると思うよ」とコメント。「だから、日本にもプロモーションで行きたかったよ」と日本のファンへの思いも語っていた。『ジョーカー』は10月4日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年09月30日おとな向け映画ガイドオススメはこの4作品。ぴあ編集部 坂口英明19/9/30(月)イラストレーション:高松啓二今週末に公開の作品は23本。1日3本観ても1週間では観きれないとんでもない数です。全国100スクリーン以上で拡大上映されるのは『蜜蜂と遠雷』『ジョーカー』『HiGH&LOW THE WORST』『ジョン・ウィック:パラベラム』の4本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が19本です。この中から厳選して、おとなの映画ファンにオススメしたい4作をご紹介します。『ジョーカー』体調と精神状態が万全なときにご覧下さい。結構ヘビーです。が、この秋のベストといっていい映画だと思います。DCコミックス、『バットマン』シリーズのあの悪役がいかにして生まれたか、と軽く考えていたのですが、いやあ凄い!映画の舞台は1981年の「ゴッサム・シティ」、つまりニューヨークです。荒廃しきった大都会の片隅、ピエロのメイクで街頭宣伝の仕事をしながらコメディアンをめざすアーサー。少し情緒不安定で、医療補助を受けています。アパートには病弱な母が同居している、そんなつましい暮らしです。そこにある事件がおき……。ここからの展開は圧倒的な迫力。ホアキン・フェニックスが、孤独で、ときおり狂気をはらんだアーサー役。これが鬼気迫る演技です。アーサーが憧れるテレビの人気者にロバート・デ・ニーロ。彼の存在がこの映画を第一級のグレードに押しあげています。デ・ニーロの『キング・オブ・コメディ』、そしてあの『タクシードライバー』を連想させるシーンやイメージにも魅了されます。こうなると『バットマン』シリーズはこの映画の後日談にすぎない感じです。『毒戦 BELIEVER』これまた、ハードな犯罪サスペンスです。香港ノワールの巨匠、ジョニー・トーの『ドラッグ・ウォー 毒戦』を韓国でリメイクしています。国際的な麻薬取引に絡む、麻薬取締局によるおとり捜査、という設定やストーリー展開は受け継いでいますが、人間関係などは韓国映画らしく濃密なドラマとなっていて、香港-中国大陸という犯罪の舞台も、韓国-中国大陸になるといろいろ状況も変化します。なかなか面白い翻案と思いました。イ先生というニックネームの麻薬王が率いる密売組織を追う麻薬取締官。イ先生の存在は謎で、組織内でも実際に会った人間はいない。その秘密工場が何者かに爆破される事件があり、これを突破口に、潜入捜査を開始します……。麻薬取締官チームのリーダー、ウォノに扮しているのはチョ・ジヌン。夏に公開され評判をよんだ『工作 黒金星と呼ばれた男』では韓国スパイのボスを演じていました。闇マーケットの支配者役のキム・ジュヒョクは2017年に交通事故で亡くなり、この映画が遺作です。「捜査対象:全員狂人」とチラシに書いてありますが、追う方も追われる方も狂気が漂っています。さらに、これまでの韓国の暗黒映画と比べても、でてくる風景の荒涼感が半端ない感じです。韓国ノワール、さすがです。『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』日本ではあまりテーマになったことのない「妊活」の映画です。50歳近い夫と一回り以上年下の妻。こどもは作らないはずだったのですが、突然妻が、友達の影響で「私、ヒキタさんのこどもに会いたい」と言い出すのです。愛する妻の願い。まずは基礎体温を計り、この日ならと子作りに励むのですが、その徴候すらありません。クリニックの検診では、どうやら原因はヒキタさんにあるようで……。原作はヒキタクニオさんの自伝的エッセイ。物書きのヒキタさんを演じる松重豊さんが、髪の毛をごま塩にし、ふだん着の気楽な雰囲気で演じています。サウナとビールが好き。何冊かの著書もあり、ま、のんきな暮らし。それが妊活に励むことになり、えっなに?「精子運動率が低い」って、どういうこと!? 松重さんは映画初主演。妻役は北川景子さんです。タイトルからしてハッピーエンドを宣言している、ハッピーな映画です。『“樹木希林”を生きる』観始めは「面白い人だな」、だったのが、「すごい人」に変わり、最後は「とんでもなくすごい人」になりました。樹木希林恐るべし。昨年他界した希林さんの最後に長期密着取材したドキュメンタリー。NHKで放送されたものを元に、未公開映像を加え再編集された映画です。資料に「ディレクターを家まで自家用車で迎えに行き、撮影現場までの間、自ら運転し語り続ける」とあり、えーまさか、と思いましたが、驚きました。希林さんが本当に、自分の車で木寺一孝監督を迎えに行って、運転しながら語るのです。監督はそれを助手席から撮影し続けます。2017年、希林さんに密着したいというオファーに、『モリのいる場所』『万引き家族』『日日是好日』『命みじかし、恋せよ乙女』の4本の撮影現場に同行すれば何とかなるでしょうとOKがでます。希林さんのつけた条件は、監督が一人でカメラを回し、わたしと向き合うこと、でした。ライトだの、助手だの大げさなのはいや、というわけです。それがとんでもない撮影、映像になりました。このところ、残された言葉をもとにした著書は何冊も出版され、なかには100万部を越えたものもあるといいます。わかるような気がします。大変魅力的な女優さん、とほうもない人物です。
2019年09月30日9月28日(土)今夜のフジテレビ系「土曜プレミアム」枠では、映画『ジョーカー』の公開を記念して、故ヒース・レジャーがジョーカーを演じてアカデミー賞助演男優賞を受賞するなど大きな反響を呼んだ『ダークナイト』を放送する。今年で誕生80周年を迎える人気コミック「バットマン」シリーズ。幾度となくドラマ、映画化されてきた本シリーズを『ターミネーター4』『エクソダス:神と王』のクリスチャン・ベイル主演、『インセプション』『インターステラー』などのクリストファー・ノーラン監督によって新たに映像化、2005年に公開された『バットマン ビギンズ』に続くシリーズ第2作となるのがこの『ダークナイト』だ。ゴッサム・シティーに究極の悪が舞い降り、犯罪こそが最高のジョークだと不敵に笑うジョーカー(ヒース・レジャー)は今日も銀行強盗の一味に紛れ込み、彼らを皆殺しにして大金を奪った。バットマン(クリスチャン・ベール)はジム・ゴードン警部補(ゲイリー・オールドマン)と協力、マフィアのマネー・ロンダリング銀行の摘発に成功。正義感に溢れる新任の地方検事ハービー・デント(アーロン・エッカート)もバットマンを支持、犯罪撲滅を誓う。資金を絶たれ悩むマフィアのボスたちの会合に現れたジョーカーは、バットマンを殺す条件としてマフィアの全資産の半分を求めるが、ジョーカーの真の目的は金ではなく、ムカつく正義とやらを叩き潰し、高潔な人間を堕落させ、世界が破滅していく様を特等席で楽しむこと。そしてジョーカーが仕掛ける生き残りゲームがついに始まる――という物語。本作でバットマン“最悪の敵”ジョーカーを演じるのは、『パトリオット』『ブロークバック・マウンテン』などのヒース・レジャー。圧倒的な役作りで新たなジョーカー像を作り上げ、ノーラン監督に「とてつもなく素晴らしい、観る者を圧倒する演技」と言わしめたヒース。本作の完成を待たず逝去した彼の圧巻の演技をお見逃しなく。ヒースやジャック・ニコルソンなどの名優たちが演じてきたジョーカーにフォーカス、彼の“誕生の物語”を描く映画『ジョーカー』は10月4日(金)から日米同時公開。『グラディエーター』『ビューティフル・デイ』のホアキン・フェニックスが新たなジョーカーを演じ、第76回ヴェネチア国際映画祭では金獅子賞に輝くなど高く評価された同作にも期待だ。土曜プレミアム『ダークナイト』は9月28日(土)今夜21時~フジテレビ系で放送。(笠緒)■関連作品:ダークナイト 2008年8月2日、3日先行公開、8月9日より丸の内プラゼールほか全国にて公開TM & © DC Comics© 2008 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
2019年09月28日ヴェネチア国際映画祭にて最高賞・金獅子賞を受賞し、「本年度アカデミー賞最有力」の呼び声高い『ジョーカー』。実はアカデミー賞3度のノミネートを誇る名優ホアキン・フェニックスでさえ、超難役として知られる“ジョーカー”を演じるにあたり、撮影中に行き詰ることがあったという。そんな彼のスランプ脱出の鍵は、なんと“音楽”。ホアキンは「あの曲から掴んだインスピレーションが大きなターニングポイントになった」と明かしている。映画史上最も有名な悪役のひとりで、圧倒的な人気を誇る反面、そのキャラクターの複雑さから俳優にとっては演じ甲斐のある難役といえるジョーカー。演技派として名高いホアキンでさえ演技に行き詰ってしまったというが、ある音楽に引き寄せられるかのようにホアキンのもとに“ジョーカーが降臨した”というべき誕生秘話を、ホアキンと監督のトッド・フィリップスが明かした。撮影中、主人公アーサーがジョーカーに変貌していくにあたっての表現方法で行き詰ってしまったというホアキンとフィリップス監督。スランプを脱する手段のひとつとして、ホアキンは作曲家が用意していた劇中の音楽を試しに聴いてみたという。その時のことについて、「作曲家からもらった素晴らしい曲が効果抜群だった。曲を聴いてすぐ、『ジョーカーのキャラクターを少し掴めるかもしれない』と言ったら、トッドは『僕がいたら邪魔になるだろうから、あとは任せた』と一言だけ残して去っていった。スランプを脱したんだ。撮影前にいろんな研究や練習もしたけど、あの曲から掴んだインスピレーションが大きなターニングポイントになったよ」とふり返り、音楽を聴いた瞬間に“ジョーカーが降臨した”という衝撃の事実を明かした。さらにフィリップス監督も、「アイデアが尽きかけたときに作曲家からもらった曲をホアキンに聴いてもらったら、彼もとても気に入って、曲に合わせてスローダンスを始めたんだよ。すると突然、アーサーから余裕のある一面が出てきた。ジョーカーの部分が現れたんだ。あの瞬間が変貌の始まりになったんだ」と語り、ジョーカー誕生の瞬間を目の当たりにしたという。その音楽を生み出したのは、エミー賞ノミネートの海外ドラマ「チェルノブイリ」や『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』などを手掛けてきたヒルドゥル・グーナドッティル。彼は「アーサーは素朴だけど多面性があって、素直な子供のような人物。必死で社会に馴染もうとしているのにそれを実現できない彼の鬱屈した心情を音で表現したら、ごく簡素で単調なメロディになると思いました」と語り、ジョーカー降臨のきっかけに大きく貢献した音楽について明かした。ジョーカーはインパクト大のルックスと劇場型の犯罪で人々の心をむしばんでいく、唯一無二の悪役。だが、その誕生の物語は謎めいていた。しかし本作では、これまで明かされることのなかった、ひとりの孤独な男アーサーが“悪のカリスマ”ジョーカーになるまでの生い立ちや内面にスポットが当てられる。この新たなジョーカーは、第76回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に出品され、8分間のスタンディング・オベーションが巻き起こり話題をさらうと、最高賞となる金獅子賞を受賞した。世界三大映画祭でアメコミ作品が最高賞を受賞するのは初の快挙。すでにアカデミー賞最有力と言われ、その完成度の高さは証明されている。『ジョーカー』は10月4日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年09月22日ホアキン・フェニックスが、『人生はビギナーズ』のマイク・ミルズ監督の次回作に主演することになった。ミルズはすでに脚本を完成させており、この秋にも撮影をスタートさせる予定らしい。ストーリーや設定は分かっていない。ミルズの最近作は2016年の『20センチュリー・ウーマン』。フェニックスの最近作は、来月4日(金)日米同時公開予定の『ジョーカー』。『ジョーカー』は今月、ヴェネチア映画祭で最高賞に当たる金獅子賞を受賞した。フェニックスの演技への評価も高く、オスカー候補入りの可能性が囁かれている。文=猿渡由紀
2019年09月20日全世界に熱狂的なファンをもつ人気キャラクターを主人公に据えた衝撃作『ジョーカー』が、10月4日(金)から公開になる。本作では、後に自らを“ジョーカー”と名乗る心優しい男アーサーをホアキン・フェニックスが演じ、人気コメディ『ハングオーバー!』シリーズのトッド・フィリップスが脚本と監督を務めた。観客の中にはなぜコメディが得意な監督が『ジョーカー』を?と思うかもしれない。しかし、フィリップス監督はこう言い切る。「悲劇と喜劇はいつも抱き合わせ」映画の主人公アーサーは老いた母と暮らしている、優しいが孤独な男だ。舞台になる大都会は暴力や経済的な格差がひどく、彼は“人を笑わせて幸福にしたい”と願っているが、次第に追いつめられていく。荒廃し、問題が山積みの社会と、そこで生きる孤独で苦しみを抱えた主人公。本作は『タクシードライバー』や『真夜中のカーボーイ』など1960年代後半から70年代のアメリカで公開された多くの名作映画を思わせる設定だが、そもそも本作は監督が「1970年代に作られた人間を考察する映画に大きな影響を受けてきたので、それをコミックブックのキャラクターでやったらどうだろう?」と思ったところから創作がスタートしたという。「『カッコーの巣の上で』や『セルピコ』『キング・オブ・コメディ』などは人間の内面に迫る映画だからね。それにこの時代を舞台にしたのは、最近のコミックブック映画の世界から距離を置く目的もあった」『ジョーカー』は米DCコミックスの伝説的なキャラクターが基になっている。しかし、監督曰く本作は「典型的なコミックブック映画ではない」。だからこそフィリップス監督はアーサーを演じきることのできる最上級の俳優をイメージしながら脚本を執筆した。名優ホアキン・フェニックスだ。「決まるには時間がかかった。脚本を送ったらすぐに“やります”と返事がきたわけではないんだ。何度もミーティングをして、細かい話し合いをして、お互いのことを理解してようやく決まったんだ」完成した映画を観れば誰もがフェニックスの演技に圧倒され、同時に彼が出演を即決しなかった理由もわかるだろう。それほどアーサーは難役なのだ。監督は「本人に聞いてもらいたいけれども、自分にこの役が務まるだろうかという恐れもまた、彼がやりたいと思った理由だったようだ。未知の領域、恐怖というのが彼は好きなんだよ」と推測する。本作でアーサーは幾度も危機的な状況に陥り、暴力的な場面に巻き込まれ、痛みを感じ、孤独や迷いや怒りを制御できずにいる。それでも彼は笑う。その声は笑い声のようにも、悲鳴のようにも聞こえる。「僕の映画は次第にダークになってきていると思う。コメディだって奥底にはダークさがある。『ハングオーバー!』シリーズにだってある」とフィリップス監督は説明する。「だから僕が突然に変化したわけじゃないんだ。僕はコメディが好きだし、コメディで成功させてもらったし、コメディを作るのが好きだけど、今の世の中ではコメディを作るのが難しくなった。それに悲劇と喜劇はいつも抱き合わせ。今作は悲劇だ」ピエロの扮装と笑い声に満ちた“悲劇”を描く『ジョーカー』は、多くの観客に忘れることのできない強い印象を残すことになるだろう。あなたの耳に残るのは笑い声だろうか?それとも悲鳴だろうか?『ジョーカー』10月4日(金) 全国ロードショー
2019年09月20日先週、新バットマンに就任したロバート・パティンソンに対する「Variety」誌のインタビュー記事が話題となった。インタビュー中、ロバートが『ジョーカー』のホアキン・フェニックスに関するあたりさわりのない話をしていたのに「ヤバい」とあわて、いまの発言は書かないでほしいと記者に頼んだことが書かれていたからだ。ロバートの希望通り、「なに」を言ったかは分からないままだが、この記事により、DCコミックス及び映画のファンたちの間では、「きっとバットマン(ロバート)とジョーカー(ホアキン)の共演の話だ!」という憶測が飛び交った。しかし、残念なことに、ファンの望みは絶たれてしまった。同誌がトロント国際映画祭に出席した『ジョーカー』のトッド・フィリップス監督に、「バットマンとジョーカーを同じ映画の中で見られる可能性は?」と尋ねると、「ない。絶対にないことだね」と返答したという。とはいえ、シェークスピアの「ハムレット」が数々のバージョンで作られているように、「いろんなジョーカーが誕生するんじゃないかな。今後、きっとね」と、今回の『ジョーカー』が最後のジョーカー映画ではないことをにおわせた。先月にも、「ホアキンが乗り気なら絶対やる!」と『ジョーカー』の続編製作に前向きな発言もしている。(Hiromi Kaku)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年09月11日アメコミ界きっての“ヴィラン”ジョーカー生誕の秘密をオリジナルストーリーで描いた『ジョーカー』が第76回ヴェネチア国際映画祭の金獅子賞に輝いた。DCコミックスの映画化作品が同賞を受賞するのは、史上初めて。仮面の扇動者が映画史を“転覆”させた。そんな記念碑ともいえる本作は、もちろんDC映画史上最高傑作だ。『ダークナイト』以来の衝撃、それを凌駕するカオスと興奮がむせかえっている。「本当の悪は笑顔の中にある」。しかし、映画がクライマックスを迎えた瞬間、あふれる涙を抑えることができなかった。その理由はいったい何なのか、自分でもわからない。観終わった後には、世界の見え方がガラッと変わってしまった。この感覚、本作を見れば、きっと共感してもらえるはずだ。現代社会の病巣を鋭く投影しながら、現実/妄想をさまようジョーカーの「痛ましさと危うさ」を鮮やかに切り取る視線。社会派ドラマの側面を強調しつつ、まるで時限爆弾のように、巧みに仕掛けられた伏線が、時間差で連鎖反応を起こすエンターテインメント性も大きな魅力だ。コミックの世界観を“匂わせる”バランス感覚も絶妙で「バットマン」ファンも絶対に満足できるはず。ホアキン・フェニックスの“名演”は現時点で、オスカー最有力。悪魔がかったその姿が、神々しい。『ジョーカー』は10月4日(金)より全国にて公開。(Text:内田涼 @uchidaryo_eiga)(text:Ryo Uchida)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年09月08日トロント国際映画祭が、現地時間9月5日に開幕する。オスカー予測の上でも重要な役割を果たすこの映画祭は、今回もまた期待作が目白押し。ハリウッドスターが集まることでも有名で、今年もニコール・キッドマン、ジェニファー・ロペス、マイケル・B・ジョーダン、ダニエル・ラドクリフ、クリスチャン・ベール、マット・デイモンなどがレッドカーペットを歩く予定だ。オープニング作品は音楽ドキュメンタリー『Once Were Brothers: Robbie Robertson and The Band』。クロージング作品はロザムンド・パイク主演の『Radioactive』。この映画祭で世界プレミアを果たすのは、先に述べたオープニング、クロージング作品のほかに、タイカ・ワイティティ監督、スカーレット・ヨハンソン出演の『Jojo Rabbit』、トムハンクス主演の『A Beautiful Day in the Neighborhood』、ライアン・ジョンソン監督、ダニエル・クレイグ主演の『Knives Out』、マイケル・B・ジョーダンとジェイミー・フォックスが共演する『Just Mercy』、ブロードウェイ劇の映画化で、ケリー・ワシントンが再び主演する『American Son』などがある。ひと足先にヴェネチア、テリュライドでプレミアされた作品では、是枝裕和監督が初めてフランス語と英語で撮影した『真実』、ホアキン・フェニックス主演の『ジョーカー』、レネ・ゼルウェガーがジュディ・ガーランドを演じる『Judy』、エディ・レッドメインとフェリシティ・ジョーンズ共演の『Abominable』など。さらに、それより早くカンヌで受賞したボン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』、ペドロ・アルモドバル監督の『Pain and Glory』なども上映される。トロントは、カンヌ、ヴェネチア、ベルリンと違い、審査員が話し合いで賞を決めるのではなく、一般観客の投票で決まるのが大きな特徴。つまりは、気取った小難しい作品よりも、ストレートに人々の心に響く作品が受賞するということ。昨年の受賞作も、『グリーンブック』だった。ご存知のとおり、この映画は、見事、オスカーも受賞している。その前にも、『スラムドッグ$ミリオネア』『英国王のスピーチ』『アメリカン・ビューティ』などがその道をたどった。今年もまたここから、次のオスカーが生まれるのだろうか?それを期待しつつ、これから映画祭レポートを書かせていただくことにする。受賞結果発表は、現地時間9月15日(日)。取材・文=猿渡由紀
2019年09月05日第76回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門へ正式出品され、現地時間8月31日(土)に世界初お披露目された『ジョーカー』に早くも絶賛の嵐。レッドカーペットセレモニーには主演のホアキン・フェニックス、共演のザジー・ビーツ、監督・脚本をつとめたトッド・フィリップスが参加、彼らは記者会見にも登壇した。本年度アカデミー賞の行方を占う本映画祭ほか、第44回トロント国際映画祭ガラ・プレミア部門にも選出され注目を浴びている本作。そんな本作のレッドカーペットセレモニーとあって、会場は炎天下にも関わらず世界中から集まった大勢のマスコミと早朝から陣取ったジョーカーのコスプレをしたファンや、ホアキン・フェニックスの写真や似顔絵を手にしたファンで溢れかえった。本作のスタッフ・キャストに先行して、是枝裕和監督最新作『真実』に主演するカトリーヌ・ドヌーヴ、『ブルージャスミン』『キャロル』のケイト・ブランシェット、『女王陛下のお気に入り』『トールキン旅のはじまり』のニコラス・ホルト、さらにホアキンの婚約者である『her 世界でひとつの彼女』『キャロル』のルーニー・マーラなど大物俳優たちがこぞって祝福に駆け付けた。熱気に包まれた会場にザジー・ビーツ、トッド・フィリップス監督、そしてホアキンが登場すると会場のファンからは大歓声が!3名がファンへのサインや撮影に応じると、中には感極まって泣き出すファンの姿も見られ、プレミア上映の時間が迫り、ホアキンが会場への移動を促されるも、押し切ってファンの元へ戻るひと幕もあった。8分間のスタンディングオベーション!「アカデミー賞の価値がある」その後の座席数1,032席を誇るSala Grandeで世界初お披露目となる上映が行われると、終映時には「ブラボー!」の声と今年の上映一番の拍手喝采が起き、スタンディングオベーションが8分間も続いた。その圧倒的な完成度とジョーカー誕生の衝撃の物語を目撃した評論家からは、「ホアキン・フェニックスにはアカデミー賞の価値がある」(Total Film)、「ホアキン・フェニックスに心奪われる」(Time Out)、「決して見逃してはならない作品」(Hollywood Reporter)、「大胆かつ衝撃的で、この上なく美しい」(Empire)など、早くも絶賛の声が続出中だ。監督「ジョーカーの完璧な狂気にたどりつくまで、ホアキンと毎日話し合った」過去に『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』でゴールデン・グローブ賞作品賞を受賞したことのあるフィリップス監督は、「本作で最初からはっきりしていたのは、これまで描かれてきたジョーカーとは異なるアプローチをすること。ジョーカーの過去は原作でも詳しく描かれていないから、自由に創造できるスペースがあったんだ」と明かし、「だから、ジョーカーの完璧な狂気にたどりつくまで、ホアキンと毎日話し合って、撮影中ですら脚本を書き替えていったんだ」と、ジョーカーという人物を追及した過程をふり返る。「もともとはカオスをもたらすのが彼の目的だったわけじゃない。彼のゴールはあくまで『人々を笑わせたい』、『世界に喜びをもたらしたい』ということだったんだ。でもそれが様々な出来事が重なって、まったく異なる結末になってしまうんだ」と、記者会見では物語の行く末をにおわせた。ホアキン「役者人生で初めての経験」、ジョーカー役をふり返るさらに、これまでアカデミー賞3度のノミネート経験を持ち、本作での受賞に注目が集まっているホアキンは「アーサーの明るい部分に興味を持ち、深く探ってみたいと思った。彼には、苦悩もありますが、喜びもあり、幸せを感じ、人との繋がりや、温かさ、愛を求めている人物」と、“悪のカリスマ”ジョーカーのイメージとはかけ離れたアーサーの人物像に興味を抱いたことを告白。「彼が、単に苦痛を抱えたキャラクターだとは思っていませんし、私は演じる上でキャラクターをそういう風に決めつけることは、絶対にしない。8か月かけて探求したこのアーサーという人物を一言で語るのは難しいが、オファーを受けてからの数週間で感じた彼と撮影を終えるころに感じた彼とでは完全に異なっていた。常に変化していて、役者人生で初めての経験だ」と、改めてその役が与えた影響に言及、「“ジョーカーの笑い方のオーディションをして欲しい”とトッドに依頼したんだ。彼は“(役に決まっているんだから)お願いだからやめて!”って気まずそうにしていたけどね(笑)」とジョーク交じりに語っていた。本作には、本映画祭最高賞の“金獅子賞”受賞、および早くもアカデミー賞への期待もますます高まっている。『ジョーカー』は10月4日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年09月02日10月4日(金)より日米同日公開となる『ジョーカー』。孤独だが心優しかった男が“悪のカリスマ”に変貌していく衝撃のドラマを、アカデミー賞常連の実力派スタッフ・キャストで描くサスペンスエンタテインメントだ。本作の公開に先駆け、第76回ヴェネチア映画祭コンペティション部門へ正式出品。現地時間8月31日(日本時間9月1日)に世界で初お披露目され、レッドカーペットセレモニーには、主演のホアキン・フェニックス、ザジー・ビーツ、監督と脚本を務めたトッド・フィリップスが参加し華々しく執り行われ、同日開催となった記者会見にも登壇した。本映画祭だけでなく、第44回トロント映画祭のガラ・プレミア部門にも選出されており、「今年もっとも驚くべき映画。アカデミー賞は確実だ」(ヴェネチア映画祭:アルバート・バルベーラ)、「ホアキン・フェニックスによるキャリア史上最高の演技。世界の映画賞が注目している」(トロント映画祭:キャメロン・ベイリー)ら映画祭ディレクターをはじめ、世界の映画関係者が「本年度アカデミー賞最有力」と絶賛と注目を浴びせている。そんな注目の本作のレッドカーペットセレモニーとあって、会場は炎天下にも関わらず世界中から集まった大勢のマスコミと早朝から陣取ったジョーカーのコスプレをしたファンや、フェニックスの写真や似顔絵を手にしたファンで溢れかえった。本作のスタッフ・キャストに先行して、カトリーヌ・ドヌーヴ、ケイト・ブランシェット、ニコラス・ホルト、フェニックスの婚約者ルーニー・マーラーなど大物俳優たちがこぞって祝福に駆け付けた。熱気に包まれた会場にビーツ、フィリップス監督、フェニックスが登場すると会場のファンからは歓声が起こり、カメラのフラッシュが一斉に焚かれた。3名がファンへのサインや撮影に応じると、中には感極まって泣き出すファンの姿も。そして、プレミア上映の時間が迫り、フェニックスが会場への移動を促されるも、押し切ってファンの元へ戻る一幕もあった。その後、座席数1032席を誇るSala Grandeで世界初お披露目となる上映が行われ、終映時には「ブラボー!」の声と今年の上映一番の拍手喝采が起き、スタンディングオベーションは8分間も鳴りやまなかった。その圧倒的な完成度とジョーカー誕生の衝撃の物語を目撃した評論家からは、「ホアキン・フェニックスにはアカデミー賞の価値がある」(Total Film)、「ホアキン・フェニックスに心奪われる」(Time Out)、「決して見逃してはならない作品」(Hollywood Reporte)、「大胆かつ衝撃的で、この上なく美しい」(Empire)など、早くも絶賛の声が集まっている。高評価を受けた本作の監督と脚本を務め、過去には『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』でゴールデングローブ賞作品賞を受賞した経験を誇るフィリップス監督は「本作で最初からはっきりしていたのは、これまで描かれてきたジョーカーとは異なるアプローチをすること。ジョーカーの過去は原作でも詳しく描かれていないから、自由に創造できるスペースがあったんだ。だから、ジョーカーの完璧な狂気にたどりつくまで、ホアキンと毎日話し合って、撮影中ですら脚本を書き替えていったんだ」とジョーカーという人物を追及した過程を振り返る。そして、ジョーカーを演じたアカデミー賞・3度のノミネート経験を持ち、本作での受賞に注目が集まっているフェニックスは「アーサーの明るい部分に興味を持ち、深く探ってみたいと思った。彼には、苦悩もありますが、喜びもあり、幸せを感じ、人との繋がりや、温かさ、愛を求めている人物」と、“悪のカリスマ”ジョーカーのイメージとはかけ離れたアーサーの人物像に興味を抱いたと明かす。スタンディングオベーションの大きさや、各国ジャーナリストからの絶賛の声の高さから、本映画祭“金獅子賞”受賞、及びアカデミー賞受賞への期待が高まっている本作。「どんな時も笑顔で」という母の言葉を胸にコメディアンを夢見る、孤独だが心優しいアーサー。ドン底から抜け出そうとした彼はなぜ“悪のカリスマ”・ジョーカーに変貌したのか?あわせて、フェニックス、フィリップス監督のコメントも公開された。■ホアキン・フェニックスまずは、アーサーの明るい部分に興味を持ち、深く探ってみたいと思った。彼には、苦悩もありますが、喜びもあり、幸せを感じ、人との繋がりや、温かさ、愛を求めている人物。彼が、単に苦痛を抱えたキャラクターだとは思っていませんし、私は演じる上でキャラクターをそういう風に決めつけることは、絶対にしない。8カ月かけて探求したこのアーサーという人物を一言で語るのは難しいが、オファーを受けてからの数週間で感じた彼と撮影を終えるころに感じた彼とでは完全に異なっていた。常に変化していて、役者人生で初めての経験だ。“ジョーカーの笑い方のオーディションをして欲しい”とトッドに依頼したんだ。彼は“(役に決まっているんだから)お願いだからやめて!”って気まずそうにしていたけどね(笑)。■トッド・フィリップス監督もともとはカオスをもたらすのが彼の目的だったわけじゃない。彼のゴールはあくまで「人々を笑わせたい」「世界に喜びをもたらしたい」ということだったんだ。でもそれがさまざまな出来事が重なって、まったく異なる結末になってしまうんだ。『ジョーカー』10月4日(金)より日米同日公開
2019年09月02日ホアキン・フェニックスとトッド・フィリップス監督が、『ジョーカー』について「Los Angeles Times」紙に語った。2人は、とにかくジョーカー誕生の物語にリアリティーをもたせたかったという。悪のカリスマ・ジョーカーのキャラ設定について「現実の世界で、酸が入った大だるに落っこちたら真っ白けになって、スマイルを浮かべて、髪が緑色になるなんて信じられないよね」「それじゃあ、彼がもしピエロだったらどうだろうと考えたんだ」とフィリップス監督。スコット・シルヴァーとともに脚本も手掛けた監督は、「ルールを破ってばかりの脚本だから、書くのが楽しくて仕方なかった」とふり返っている。「ぼくなりのアプローチで役作りをした。誠実かつユニークと感じられることをただやってみただけだよ」とホアキンは語る。その役作りには、約24キロ(52ポンド)の大幅減量も含まれており、最新の予告編では、減量後のあばら骨が浮き出たジョーカーの姿が見られる。真摯に役作りに取り組んだホアキンだが、「それでも、まだ彼のわからない部分がある。まあよしとしよう。答えを見つける必要のない疑問というのも、楽しいじゃないか」と、ミステリアスなジョーカーについて分析した。(Hiromi Kaku)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年08月30日ホアキン・フェニックスが“ジョーカー”を演じ、本年度アカデミー賞最有力ともされるサスペンス・エンターテインメント『ジョーカー』。この度、予告編とポスタービジュアルが到着した。今回到着したのは、ホアキン演じる孤独だが心優しいアーサーが、バスの車内で子ども笑わせるシーンからスタートする予告編。母からの「どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」という言葉を胸に、都会の片隅でピエロメイクの大道芸人をしながらドン底から抜け出そうとしていたが、上手くいかず。そんなある日、大好きなトーク番組の司会者マーレイ(ロバート・デ・ニーロ)が「誰もがコメディアンになれる日が来た」と、クラブのステージでジョークを披露しているアーサーの姿を紹介。しかし、茶化され笑顔は曇る。ほかにも、アーサーが不穏な笑みをみせる場面や、彼が秘かに好意を抱くソフィーとの幸せそうなワンシーン、さらにピエロメイクを施す様子も登場しており、次第にジョーカーへと変貌を遂げていく様子が確認できる。併せて到着したポスタービジュアルは、戦慄に満ちたアーサーが全面に。そして複雑な表情を見せている。キャストのブライアン・タイリー・ヘンリーは「本作はジョーカーがかつて、いかに“幸せな人間”だったかが語られるところから始まります」と内容について言及。監督と脚本を兼任したトッド・フィリップスも「ロバート(・デ・ニーロ)が、脚本をものすごく気に入ってくれたんだ」と明かしている。『ジョーカー』は10月4日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年08月29日世界中に熱狂的なファンを持つ人気キャラクターの誕生のドラマを描く衝撃作『ジョーカー』の最新予告編が公開になった。ピエロのメイクで高らかに笑いながら現れ、人間の奥底に潜む欲望や悪意を引き出して世界を混乱させる希代のヴィラン(悪役)はいかにして生まれたのか? なぜ私たちはこんなにも悪くて恐ろしい男に魅了されてしまうのか? すべての謎に挑む衝撃作だ。本作のタイトルにもなっている“ジョーカー”は、バットマンの永遠のライバル的存在で、社会を混乱させ、狙った相手を精神的に追いつめていく恐ろしい悪役だ。これまでに数多くのコミック作家がジョーカーを描き、名優と呼ばれる俳優がジョーカーを演じてきた。ところがこのほど公開になった予告編映像に登場するのは、白塗りもしていない、子どもを笑顔で楽しませる男アーサーだ。彼は母親の世話をしながら大道芸人として暮らしているが、人生は苦しいことの連続で、孤独は日に日に大きくなっていき、彼は追いつめられていく。映像ではアーサー役のホアキン・フェニックスが悲鳴のような笑い声をあげるシーンが描かれる。そんなある日、アーサーは大好きなトーク番組の司会者マーレイ(ロバート・デ・二—ロ)が番組で自分を紹介してくれる瞬間に立ち会い、満面の笑みを浮かべる。しかし、その笑顔はわずか一瞬。結果として彼はさらに追いつめられ、ピエロのメイクを施して“ジョーカー”に変化していく。映像の後半には、アーサー=ジョーカーだけでなく、ピエロのマスクをして暴徒化した市民が街を破壊し、火をつける衝撃的な場面も登場。これまでもジョーカーは単独で行動するだけでなく、彼を支持する暴徒を時に味方につけて悪事を働いてきたが、新作でも彼が人々を動かし、街を混乱に陥れる場面が描かれるようだ。予測不可能で、底知れぬ悪意を持ち、しかし誰もが惹かれてしまうカリスマ=ジョーカーは俳優にとって魅力的だが、演じるのは極めて難しい役どころ。しかし、ホアキン・フェニックスは見事にジョーカーを演じきっているようで、本作が世界初上映されるヴェネツィア国際映画祭のキャメロン・ベイリーは「ホアキン・フェニックスによるキャリア史上最高の演技」とその演技を絶賛。この秋、多くの観客が恐ろしいのに惹かれてしまう、衝撃的なのに心に“深く刺さる”体験をすることになりそうだ。『ジョーカー』10月4日(金) 全国ロードショー
2019年08月29日ひとりの孤独な男が、巨大な悪のカリスマへと変貌していく衝撃のドラマをアカデミー賞常連の実力派スタッフ・キャストが描く『ジョーカー』。映画史上、頂点の人気を誇るヴィランでありながら、ジョーカーが誕生した理由やその過去は謎めいたベールに包まれている。そんなジョーカー誕生の謎に迫る本作だが、そもそも彼は何者なのか?実は知っているようで知らない、“悪のカリスマ”ジョーカーをふり返った。ジョーカーといえば、白塗りのピエロメイクに緑の髪、邪悪な笑いと優れた頭脳、インパクト大のルックスと劇場型の犯罪で人々の心をむしばんでいく“悪”として、世の中に衝撃を与えてきた。あらゆるメディアで調査されてきた“好きなヴィラン”ランキングで常に首位を獲得しているジョーカーは、予測不能の凶行で人々を戦慄させ、世界の全てを狂わそうとするが、実は“超人的なパワーを持たない”ため、不死身なわけでもなく、ましてや瞬間移動などができるわけでもない“ただの人間”だ。しかし、「犯罪界の道化王子」「憎悪の道化師」などの異名の通り、DCコミックスでは毒ガスを使うなど、何をしだすか分からない凶暴で危険な存在であり、ティム・バートン監督の映画『バットマン』では「『エルム街の悪夢』のフレディ並みに怖くする」と当時の製作陣が語ったように、ジャック・ニコルソンが演じたジョーカーが強烈な存在感で街を恐怖に陥れる。そして、故ヒース・レジャーが演じた『ダークナイト』のジョーカーは、監督のクリストファー・ノーランが「ジョーカーは、映画史上で究極の大悪党だ。彼自身が混沌を引き起こす源であり、何かの目的のために罪を犯すのではなく、目的のない悪党だから誰も理解できないんだ」と表した通り、心理的にも人々を恐怖に陥れる事件を引き起こし、大いなる脅威を生み出した。しかし、本作のジョーカーはいままでとは異なる姿で現れる。『ジョーカー』に出演するブライアン・タイリー・ヘンリーが、「ジョーカーがかつて、いかに“幸せな人間”だったかが語られるところから始まります」と語っているように、コミックスや過去の映画では語られていない意外な過去が明かされることになるからだ。まず、何より驚くのは恐ろしいジョーカーの正体は、純粋で心優しい男=アーサー・フレックだったということ。アーサーは、母からの「どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」という言葉を胸に、コメディアンを夢見て都会の片隅でピエロメイクの大道芸人をしている。二人暮らしの母を助けながら、同じアパートに住むソフィーに秘かな好意を抱いているような穏やかな男だ。そんなアーサーがいかにして、“悪のカリスマ”ジョーカーとなってしまうのか?彼の身に起こる壮絶な“悲劇”とは?すでにネット上では「ホアキン・フェニックスの、この切ない恐ろしいジョーカーやばい」「ジョーカーが涙している姿は衝撃」と、誰も見たことがないジョーカーの切なくも衝撃の誕生秘話に期待の声が高まるばかり。「今年もっとも驚くべき映画。アカデミー賞は確実だ」(ヴェネチア国際映画祭:アルバート・バルベーラ)、「ホアキン・フェニックスによるキャリア史上最高の演技。世界の映画賞が注目している」(トロント国際映画祭:キャメロン・ベイリー)ら映画祭ディレクターをはじめ、世界の映画関係者からも絶賛と注目を集めている。『ジョーカー』は10月4日(金)より日米同日公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年08月25日ひとりの孤独な男が、巨大な悪のカリスマへと変貌していく衝撃のドラマを描く『ジョーカー』が10月4日(金)に日米同日公開となる。公開に先駆け、第76回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門への正式出品、第44回トロント国際映画祭のガラ・プレミア部門に選出され、早くもアカデミー賞有力候補との呼び声が高まっている。「今年もっとも驚くべき映画。アカデミー賞は確実だ」(ヴェネチア国際映画祭:アルバート・バルベーラ)、「ホアキン・フェニックスによるキャリア史上最高の演技。世界の映画賞が注目している」(トロント国際映画祭:キャメロン・ベイリー)と、主要映画祭のディレクターをはじめ世界の映画関係者が絶賛を送り、注目を集めている本作。この度、到着した画像は、コメディアンを夢見る純粋で心優しいアーサー(ホアキン・フェニックス)が、ピエロのメイクを施しているもの。しかし、その瞳からは涙があふれて止まらない…。狂気で人々を震撼させる映画史上最も有名なヴィラン、ジョーカーのイメージとは違い、人間味を感じさせながらも複雑な感情が入り混じった表情が印象的で、彼の身に一体何が起きたのか、想像をかき立てられる画像。監督・脚本を務めたトッド・フィリップスが「ジョーカーを描いたのではなく、“孤独な男がジョーカーになるまでのリアルなドラマ”を描いたんだ」という言葉を裏づける姿だ。3度のアカデミー賞ノミネート実績を持つホアキン・フェニックスが演じるアーサーは、「どんな時も笑顔で、そして人々を楽しませなさい」という母の大切な言葉を胸に、大都会で大道芸人として生きている。コメディアンになり、世界を笑わせようとした1人の“人間=アーサー”が、なぜ、狂気溢れる“悪のカリスマ=ジョーカー”に変貌してしまうのか?本作はDCコミックスの原作の映像化ではなく、完全オリジナル・ストーリーでジョーカー誕生の衝撃の理由が初めて語られる。『ジョーカー』は10月4日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年08月09日ひとりの孤独な男が巨大な悪のカリスマへと変貌していく衝撃のドラマを、アカデミー賞常連の実力派スタッフ・キャストが描く衝撃のサスペンスエンタテインメント『ジョーカー』が、10月4日(金)より日米同日公開。この度、映画史上、頂点とも言える悪のカリスマ“ジョーカー”誕生の謎に迫る本作で、ジョーカーへと変貌を遂げる男・アーサーのメイクと涙の表情を捉えた場面写真が公開された。公開に先駆け、第76回ヴェネチア映画祭コンペティション部門への正式出品、第44回トロント映画祭のガラ・プレミア部門に選出され、早くもアカデミー賞有力候補との呼び声が高まっている本作。「今年もっとも驚くべき映画。アカデミー賞は確実だ」(ヴェネチア映画祭:アルバート・バルベーラ)、「ホアキン・フェニックスによるキャリア史上最高の演技。世界の映画賞が注目している」(トロント映画祭:キャメロン・ベイリー)と、映画祭ディレクターをはじめ、世界の映画関係者が“本年度アカデミー賞最有力”と絶賛と注目を浴びせている。公開された場面写真は、コメディアンを夢見る純粋で心優しいアーサー(ホアキン・フェニックス)が、ピエロのメイクを施しているもの。しかし、その瞳からはとめどなく溢れる涙が……。狂気で人々を震撼させる映画史上最も有名なヴィランであるジョーカーのイメージとは違い、人間味を感じさせながらも複雑な感情が入り混じった表情が印象的で、彼の身に一体何が起きたのか、想像を掻き立てられるものとなっている。監督・脚本を務めたトッド・フィリップスの「ジョーカーを描いたのではなく、“孤独な男がジョーカーになるまでのリアルなドラマ”を描いたんだ」という言葉を裏付ける印象的な姿だ。3度のアカデミー賞ノミネート実績を持つフェニックスが演じるアーサーは、「どんな時も笑顔で、そして人々を楽しませなさい」という母の大切な言葉を胸に、大都会で大道芸人として生きている。コメディアンになり世界を笑わせようとしたひとりの“人間=アーサー”が、なぜ、狂気溢れる“悪のカリスマ=ジョーカー”に変貌してしまうのか?原作の映像化ではなく、完全オリジナル・ストーリーで初めて語られるジョーカー誕生の理由。切ない衝撃の真実とは?早くもアカデミー賞受賞の呼び声も高い全世界待望の衝撃のサスペンスエンタテインメントに、大いに期待が高まる。『ジョーカー』10月4日(金)より全国公開
2019年08月09日東京都・千代田区にある映画館「丸の内ピカデリー」に10月4日(金)、都内初となる“ドルビーシネマ”が導入されることが分かった。ドルビーシネマとは、最先端の映像技術「Dolby Vision(R) 」(ドルビービジョン)と、立体音響技術の「Dolby Atmos(R)」(ドルビーアトモス)を採用し、さらにシネマ体験に最適化されたシアターデザイン(インテリアカラー、空間デザイン、座席アレンジメント)がこれらの技術と一体となって、アクションやストーリーをより豊かに観客に届け、まるで作品の中にいるような没入感を味わえるというもの。現在、北米からヨーロッパ、中国に至るまでの世界中のエンタテインメント企業がドルビーシネマを採用しており、同運営会社・松竹マルチプレックスシアターズとしては、埼玉県の「MOVIXさいたま」に続き2館目のドルビーシネマ導入となる。また、オープニング作品にはホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ出演の『ジョーカー』。これを皮切りに、話題作を続々上映していくという。東京都内初「Dolby CinemaTM」(ドルビーシネマ)は、丸の内ピカデリーに10月4日(金)オープン。(cinemacafe.net)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年07月16日映画『ゴールデン・リバー』が、2019年7月5日(金)よりTOHO シネマズ シャンテ他全国ロードショー。“黄金”に魅せられた男たちのウェスタンサスペンス時は1851年のゴールドラッシュ。最強と呼ばれる殺し屋イーライ&チャーリー兄弟は、偵察係のモリスと共に、政府の内密な依頼で黄金を探す化学式を見つけた化学者ウォームを追うことになる。しかし、黄金に魅せられた4人は偶然手を組むことになり、4人の思惑が交錯していく。西部劇のルックスで繰り広げられる本作は、4人の男が“黄金”によって惑わされていく“一攫千金ウェスタンサスペンス”だ。ハリウッドを代表する実力派俳優陣が集結個性的な4人の登場人物を演じるのは、ハリウッドきっての実力派俳優陣。殺し屋兄弟の兄で、武骨でやさしいイーライ役は、『シカゴ』のジョン・C・ライリー。裏世界でのし上がりたい好戦的な弟・チャーリーには、『ザ・マスター』主演のホアキン・フェニックスが抜擢された。また、政府の内密な依頼で黄金を探す化学式をみつけた化学者ウォームをマーベル映画『ヴェノム』に出演したリズ・アーメッドが、偵察係モリスを『ナイトクローラー』『ブロークバック・マウンテン』で主演を務めたジェイク・ギレンホールが演じる。監督は『君と歩く世界』ジャック・オーディアールメガホンをとるのは、『君と歩く世界』で監督を務めたジャック・オーディアール。自身にとって初の英語作品となる。なお、原作は、世界的に権威あるイギリスの文学賞“ブッカー賞”の最終候補に残ったパトリック・デウィット「シスターズ・ブラザーズ」。イーライ役のジョン・C・ライリーと、彼の妻で本作のプロデューサーを務めるアリソン・ディッキーが原作に惚れこみ、映画化権を獲得したところから本作のプロジェクトがスタートした。ストーリー時はゴールドラッシュ。普通を夢見る兄と、裏世界でのし上がりたい弟は最強と呼ばれる殺し屋。政府の内密な依頼で偵察係と追うことになったのは黄金を見分ける化学式をみつけた化学者。しかし黄金に魅せられた4人は手を組むことになり―。トラウマ、憧憬、疑心、かすかな友情。組むはずではなかった4人の思惑が交錯し、思いがけないラストへと加速する傑作サスペンスドラマ。【詳細】『ゴールデン・リバー』公開日:2019年7月5日(金)よりTOHO シネマズ シャンテ他全国ロードショー監督:ジャック・オーディアール出演:ジョン・C・ライリー、ホアキン・フェニックス、ジェイク・ギレンホール、リズ・アーメッド
2019年07月07日ジョン・C・ライリー、ホアキン・フェニックス、ジェイク・ギレンホール、リズ・アーメッドというハリウッドきっての性格俳優4人が共演する『ゴールデン・リバー』。この度、彼らの豪華共演シーンを切り取った本編特別映像がいち早くシネマカフェに到着した。決して手を組むべきでなかった4人の男たちが、黄金によって狂わされていくウェスタンサスペンスとなる本作。映像では、「お前らじゃ無理だ!」「全員殺されるぞ」…黄金を狙う敵からの急襲に2人だけで応戦しようとするモリス(ジェイク・ギレンホール)とウォーム(リズ・アーメッド)に、シスターズ兄弟の弟チャーリー(ホアキン・フェニックス)が叫ぶ。彼らは命を狙われながらもシスターズ兄弟を捕獲したが、その折に別の追っ手から襲われてしまったのだ。ウォームは一瞬ためらったが、圧倒的に自分たちに不利な状況であることを冷静に判断、シスターズ兄弟とともに応戦することを決意し、彼らを捕らえていた手錠を外すことをモリスに促す。解放された途端、「ボスは死んだ、カネはもらえんぞやる価値はあるのか?」と無邪気に叫ぶチャーリーと、緊迫する状況なのにどこかこの状況を楽しんでいるような、ニヤニヤと微笑する兄イーライ(ジョン・C・ライリー)。また、偵察係のモリスも、おぼつかない手際ながら初めて自ら身体を張って闘いに挑んでいく。いつ誰が銃撃に倒れてもおかしくない切迫した状況の中でこそ現れる、“それぞれのキャラクターの人間性”を見事に演じきった4人。それぞれの姿から、ハリウッドきっての性格俳優たちの競演という醍醐味を感じられる映像となっている。「ずっとアメリカの俳優と仕事をしてみたかった」と語るのは、メガホンをとったフランスの名匠ジャック・オーディアール監督。今回のキャスティングについても「本作のプロデューサーでもあるジョン・C・ライリーがいて、そのあとライリーの推薦ですぐにホアキン・フェニックスが決まって。そして、ジェイク・ギレンホールはとても情熱的だったから、彼もすぐに決まった」と言い、「リズのことは、僕は知らなかったけれど、人から勧められて『ナイト・オブ・キリング 失われた記憶』というテレビシリーズを観て、とても興味深い俳優だと魅了された。それで彼が科学者ウォームの役に決まって、それによってモリス(ジェイク)とウォームの役割が、原作よりもずっと重要になったんだ」と明かす。「彼らには映画的な演技というものが文化としてそなわっている。役に関する知識や情報を構築していく。演じるときはそこにとても自覚的だと思う」とも語り、キャストたちの役作りについても絶賛を惜しまない。本作はイーライ役のジョンと彼の妻で本作のプロデューサーを務めるアリソン・ディッキーがその原作に惚れ込み映画化権を獲得、オーディアールに監督を依頼したことからスタートしたプロジェクト。『シカゴ』でアカデミー賞にもノミネートされたことのあるジョンは、「いつもは台本を読むのを先送りしてしまう傾向があるんだが、『ゴールデン・リバー』を読んだ時は24時間で読んでしまったよ。登場人物が身近に感じたんだ。特に、イーライ・シスターズが。彼の、弟チャーリーとの関係が、どこか響くものがあった。僕にも3人の兄弟がいるからね。凄くおかしかったし、西部劇特有の男性的で不可解な要素よりも、感情的な要素が強い作品だと思ったんだ」と、惚れ込んだ理由を語っている。こうした実力派たちを迎えたオーディアール監督は、愛おしさをにじませるキャラクターの掘り下げなど西部劇ジャンルに新しさを与えたエンターテインメント作品に仕上げている。『ゴールデン・リバー』は7月5日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ゴールデン・リバー 2019年7月5日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開予定Ⓒ 2018 Annapurna Productions, LLC. and Why Not Productions. AllRights Reserved.
2019年07月04日ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞(監督賞)、「フランスのアカデミー賞」と言われるセザール賞にて4冠(監督賞・撮影賞・美術賞・音響賞)を受賞したジャック・オーディアール監督最新作『ゴールデン・リバー』。この度、カメレオン俳優として名高いジェイク・ギレンホールが『ブロークバック・マウンテン』以来13年ぶりにスクリーンで見せるカウボーイ姿をはじめ、未公開シーン写真およびメイキング写真計7点がシネマカフェに到着した。本作でジェイクが演じるのは、殺し屋兄弟(ジョン・C・ライリー&ホアキン・フェニックス)が確実に獲物を仕留めるために暗躍する“偵察係・モリス”。モリスは化学者ウォーム(リズ・アーメッド)を仕留めるための情報をこの兄弟に伝えるために彼に近づくが、ウォームの夢は「黄金を元手に貧富のない目指す理想の社会を作ること」だと知って、すっかり心酔。これまで誰も信じることができず心を閉ざして生きてきた彼が、化学者ウォームとの間に芽生えた初めての友情に生きる喜びを見出し、ともに殺し屋兄弟から逃げることになるという複雑な役どころだ。19世紀の男を演じるために言語学者とリサーチ!これまでに出演してきた代表作『ナイトクローラー』(2015)では視聴率のためには手段を選ばない報道パパラッチを、ボクシング映画でありつつ家族の愛を描いたヒューマンドラマ『サウスポー』(2016)では毎日2回、休みなく8か月間のトレーニンングを続け、スタントなしでボクシングシーンを演じるなど、“最強のカメレオン俳優”とも呼ばれているジェイク。今回の撮影に挑む際も、本作の時代(19世紀)に関する本を何冊も読み、「19世紀の東海岸の名門大学で学んだ人間は、一体どんな話し方をすると思う? どんな言葉遣いをすればいいんだ?」とオーディアール監督に質問、殺し屋でありながら偵察係でもあるモリスの経歴を表現し、その喋り方を研究するために1か月かけて言語学者と一緒にリサーチ、撮影が始まる前に自分のセリフに発音の注釈をつけて完璧に準備してきたことに、監督は「あとは衣装が必要なだけだった。全く驚いたよ」と、その徹底した彼の役作りを絶賛している。また、本作は、カウボーイ同士の恋愛を描いた名作としていまだ多くの人々の記憶に残る『ブロークバック・マウンテン』(2006)以来、ジェイクが約13年ぶりに西部劇に出演、カウボーイ姿をスクリーンで披露していることも要注目!この作品で彼を知った人も多い言わずと知れた大ヒット作であり、アカデミー賞助演男優賞にもノミネートされた名作だが、本作ではウォームと出会ったことで初めて心を開き、純粋に彼の想いに心酔していく役どころに。まるでその様子は『ブロークバック・マウンテン』のカウボーイ姿を彷彿とさせ、初めての友人ウォームに対して危険を顧みず、純粋な想いを貫く姿は必見となるだろう。一方、『スパイダーマン ファー・フロム・ホーム』では新キャラクターのクエンティン・ベック/ミステリオ役を演じ、初の“マーベルファミリー”入りを果たすなど、ジェイクの快進撃は止まない。『ゴールデン・リバー』は7月5日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ゴールデン・リバー 2019年7月5日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開予定Ⓒ 2018 Annapurna Productions, LLC. and Why Not Productions. AllRights Reserved.
2019年06月24日来月公開の『X-MEN:ダーク・フェニックス』のエンディングは、脚本・監督を担当したサイモン・キンバーグが当初予定していた内容と異なるという。同作の撮影は、2017年10月に終了。しかし、1年後の2018年8月から9月に再撮影が行われたため公開日が2018年3月から2019年2月、さらに6月へと変更を余儀なくされた。再撮影について、『X-MEN』シリーズでプロフェッサーX役を演じているジェームズ・マカヴォイが「Yahoo!Movies UK」にこう語っている。「(『ダーク・フェニックス』)のエンディングは、とてつもなく多くの変更があった。変えざるを得なかったんだよね。ちょっと前に公開されたほかのスーパーヒーロー映画との重なりや類似点があったから。ぼくたちには知る由もなかったけど…」。また、エリック役のマイケル・ファスベンダーは「セットにスパイがいて、ぼくらのアイディアを盗んだんじゃないか」とさえ思っているようだ。2人はどのスーパーヒーロー映画のエンディングと酷似していたかを明かさなかったが、「Collider」は時期を絞って『キャプテン・マーベル』、『マイティ・ソー バトルロイヤル 』、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』とし、その中でも『キャプテン・マーベル』のラストと“かぶった”のではないかと推測している。(Hiromi Kaku)■関連作品:X-MEN:ダーク・フェニックス 2019年6月21日より全国にて公開© 2019 Twentieth Century Fox Film Corporation
2019年05月30日ホアキン・フェニックスと交際中のルーニー・マーラに婚約のうわさが浮上した。食料品を買いこみ、スーパーから出てきたルーニーの左手薬指に、大きなダイヤモンドの指輪が光り輝いていたのだ。2人の出会いのきっかけは、共演作『her/世界でひとつの彼女』(2013)。当時は友情を築いただけにすぎなかったが、ルーニーがマグダラのマリア、ホアキンはイエス・キリストを演じた『Mary Magdalene』(原題)の撮影中に恋愛感情が芽生えたという。2017年はじめから交際をスタートし、同年のカンヌ国際映画祭に手をつないで出席したことで交際を公に認めた。当初ホアキンの代理人は「ただ仲がいい友人」と交際を否定したが、ホアキン本人が「ニューヨーク・タイムズ」紙にルーニーと同棲していることを明らかにした。『ドント・ウォーリー』でも再共演している。先日、ルーニーの姉ケイト・マーラが夫ジェイミー・ベルとの第1子が無事に誕生したことを報告しており、ルーニーの婚約が事実ならばマーラ家はおめでた続きだ。(Hiromi Kaku)
2019年05月29日