バスキュールとプログレステクノロジーズは8日、iPad Proのタッチスクリーンと連動して動くロボット「タブレットボット・TABO」を発表した。iPad Pro専用に設計された、ステッピングモーター×2個を内蔵する自走型ロボット。3本の足によって自分の位置をiPad Proに伝達し、iPad Proのスクリーン上を自在に走行。物理的に動くTABOと、iPad Proのスクリーンの動きを同期させたコンテンツ開発が可能となっている。iPad ProとはBluetoothで接続され、最高移動速度は330mm/s、最高回転速度は1080度/sで動く。電源は内蔵バッテリで、充電用のmicroUSB端子を備える。連続動作時間は約30分。内蔵するLEDは、RGBの3色を17階調で調整できる。アプリはiPhone用の「TABO コントローラー」とiPad Pro用の「TABO アプリ」を用意。本体サイズはW32×D38×H37mm、重量は約35g。対応OSはiOS 9.1以降。なお、2016年2月26日に虎ノ門ヒルズで開催される「SENSORS IGNITION 2016」のエキシビション会場にて、実機デモが行われる予定。提供予定のデモコンテンツは、TABOがユーザーとスクリーン内のピンポンゲームで対戦する「TABO PONG」、ゲームを通じてプログラミングの概念を楽しく学べる「TABO MAZE」。また、□□□(クチロロ)の三浦康嗣氏を迎えて企画開発し、「00:00:00」のトラックに合わせて世界のニュースを語る音楽作品「TABO NOW」なども予定している。
2016年02月08日JALと野村総合研究所(以下、NRI)は2月9日~18日まで、サービスロボットを活用したサービス向上の実証実験を実施する。サービスロボットとは、工場の生産現場などで使われる「産業用ロボット」と区別されたオフィスや家庭で使われるロボットの総称。家庭向けの「お掃除ロボット」や危険な現場で活躍する「警備ロボット」、また、大手インターネット小売業の配送倉庫で活躍する「搬送ロボット」まで多岐にわたる。今回の実証実験は、羽田空港第1旅客ターミナルビル南ウィングのJALインフォメーションカウンターと保安検査場Cの前で行う。JALインフォメーションカウンターではサービスロボットと併設したデジタルサイネージ(電子看板)とを連動し、空港施設の案内や航空機の運航状況、行き先の天候・口コミ情報などを対話形式で利用者に提供する。また、保安検査場前での締め切り時間をアナウンスする業務において、空港スタッフが装着しているスマートウォッチからサービスロボットへ指示を送るほか、サービスロボットからの通知を空港スタッフが受けるといった、空港スタッフとサービスロボットが連携することで得られる効果を検証する。加えて、多言語(英語・中国語)による訪日外国人へのロボット活用の可能性も検証する。今回の実証実験は、NRIが進めている新たなビジネスやサービス共同創出のプログラム「NRI未来ガレージ」を活用し、JALとNRIが共同で新たな付加価値サービスの創出を目指して行う。NRIはサービスロボットを活用したシステムの開発を担当するほか、自然なユーザインタフェースに関する実用レベルの検証、および多様なセンサーやシステム間のインタフェースに関わる新しい開発手法の研究を行う。実証実験では、動きの自由度が高く多言語への対応が可能という観点から、仏アルデバラン社製ロポット「NAO」を使用する。JALは今回の実証実験を通じ、空港現場でのロボット導入における課題抽出や、デジタルサイネージなどの表示機器とは一線を画するロボット活用の意義検証を行い、サービスの新たな価値創造を目指す。それと同時に、空港スタッフの業務支援としての利用可能性も探索する。なお、羽田空港国際線旅客ターミナルでは現在、3月31日までの期間限定でNTTなど4社が「情報ユニバーサルデザイン高度化」の共同実験を実施している。
2016年02月08日人工知能を活用することで英語教育を可能としたロボット「Musio」の開発を手がけるAKAは2月5日、成基およびGLOBAL VISIONの2社と 「教育効果の実証実験並びに教材開発実施に関する協力覚書(MOU:Memorandum of Understanding)」を締結したと発表した。今回のMOUは、2016年6月に予定しているMusioの正式販売前に成基およびGLOBAL VISIONが日本で蓄積してきた英語教育に関する知見やノウハウをもとに、 Musioを日本の英語教育向けに最適化していくことを目指したもの。具体的には、 成基が運営する英語学童教室「GKC(グローバルキッズ倶楽部)」ならびに個別指導塾「ゴールフリー」などにおけるMusioのパイロット導入および実証実験を通じて、 Musioを活用したより効果的な学習方法を開発するとしている。 また GLOBAL VISIONは、 実証実験で得られた知見をもとにAKAと共に英語学習コンテンツの開発を行い、同社のネットワークを通してMusioを公的・私的教育的機関へ販売する予定としている。なお、MusioはすでにAKAのWebサイトにて予約受付を開始している。
2016年02月06日“最旬”俳優たちを迎え、熱狂的人気を誇る古屋兎丸のロングセラーコミックを映画化する『ライチ☆光クラブ』。本作のメインキャストを務めた野村周平と間宮祥太朗の2人が、本日2月4日(木)放送の「櫻井有吉アブナイ夜会」に登場することが明らかになった。下の名前で呼び合うほど親しい仲の2人のオフにカメラが密着し、その素顔に迫るという。野村さん、間宮さんほか、古川雄輝、中条あやみ、池田純矢、松田凌、戸塚純貴、柾木玲弥、藤原季節、岡山天音ら若手俳優たちが集結し、独創的で耽美的なコミックを実写化した本作。黒い煙と油に塗れた蛍光町と廃工場の秘密基地“光クラブ”を舞台に、14歳を目前に大人のいない世界をつくろうとした9人の美しい少年たちの脆く、残酷で多感な思春期が描かれる。また、彼らが作り上げた思考する能力を持つ機械(ロボット)“ライチ”の声には、アニメ「銀魂」坂田銀時役でお馴染みの人気声優・杉田智和が起用されるなど、各方面から注目を集めている。この度、本作でメインキャストを務めた野村さんと間宮さんが、「嵐」の櫻井翔と有吉弘行がMCを務めるTBSのバラエティ番組「櫻井有吉アブナイ夜会」に登場。本番組は、毎回ゲスト出演者がいま気になっている関心事や趣味などを、MCの2人に提案し、ライフスタイル情報からグルメ、美容までさまざまなジャンルが取り上げられ、出演者の新たな一面が見られると評判の番組だ。今回、本番組のカメラが、2人の仕事の間のオフの時間に密着!「周平」「祥太朗」と呼び合う仲の2人の素顔が垣間見えるという。また、歩けばすぐに人だかりができる中、2人は世界一辛い(?)麻婆豆腐のお店へ向かった様子にもカメラが同行。間宮さんが中華に行くと必ず頼むという麻婆豆腐は、果たしてどれほど辛いのか?さらにスタジオでは、野村さんが趣味である“BMX”の大技披露!櫻井さんの上を自転車で飛び越える技は成功するのか!?ぜひ本放送でチェックしてほしい。また、本日21時より「杉田智和のアニゲラ!ディドゥーーン!!」(文化放送「超!A&G」)にはニコ役・池田さんが出演するという。公開を目前に控え、イケメン俳優たちが様々なメディアに登場することでさらに話題を集めそうだ。『ライチ☆光クラブ』は2月13日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。「櫻井有吉アブナイ夜会」は毎週木曜日22時よりTBSにて放送。(text:cinemacafe.net)
2016年02月04日2020年に実施される「ロボットオリンピック」について、具体的な検討を行う実行委員会と諮問会議が発足、2月2日に、第1回目の諮問会議が開催された。今回は競技分野について選定が行われており、実行委員会からは「B2B分野」「B2C分野」「インフラ・災害対応・建設」の3分野を対象とする案が提出された。ロボットオリンピックは、2015年2月に策定された「ロボット新戦略」の中で、実施が決まったもの。東京オリンピックと同じ2020年に本大会、2018年にプレ大会を開催することがすでに決定していたが、具体的な開催形式や競技種目については、2016年までに決めることになっていた。実行委員会(委員長:佐藤知正・東京大学名誉教授)と諮問会議(委員長:金出武雄・カーネギーメロン大学教授)は2015年12月25日に発足。実行委員会は2016年1月29日に1回目の会合があり、今後、毎月開催する。一方、諮問会議は7~8月頃に第2回、11月頃に第3回を開催。競技ルール、開催場所、開催時期など詳細を年内に決定する予定だ。予算規模も含め、具体的なところは今後検討していくとのことで、現時点では「ほとんど何も決まっていない」という印象だが、競技分野として、以下の3分野を選定したことが今回明らかになった部分だ。○1. B2B中心の分野製造業、農林水産業、食品産業などが対象。大雑把にいうと、産業用ロボットによる競技となるようだ。類似した競技会としては、米Amazon.comの「Amazon Picking Challenge」(APC)が参考になるかもしれない。○2. B2C中心の分野サービス、介護・医療などが対象。この分野では、接客/案内ロボット、介護ロボット、生活支援ロボットなどが考えられる。既存の競技会では、「RoboCup @Home」に近い内容があるかもしれない。○3. インフラ・災害対応・建設橋やトンネルなどのインフラ点検、原発などのプラント点検、災害発生時の被災者発見などが対象になるだろう。同様の競技会としては、「DARPA Robotics Challenge」や「RoboCup Rescue」などがある。諮問会議は非公開であるが、実行委員である安田篤・経済産業省製造産業局ロボット政策室長によれば、諮問会議の委員からは、おおむね賛同が得られたという。今後、より具体的な内容を詰めていくことになるが、国際性の確保、教育とのリンクなどに配慮するよう、委員から注文があったそうだ。ところで、東京オリンピックの開催にタイミングを合わせた競技会であるものの、「RoboCup Soccer」のように、スポーツをベースにした競技は考えていないとのこと。「ロボットオリンピック」という名前が一人歩きした感があるが、競技会の正式名称も今後決めていく。なお競技会の名称について、ロボット新戦略の中では「ロボットオリンピック(仮称)」と表記されていたが、現在、組織としてその名前は使っておらず、単に「ロボット国際競技大会」と呼ばれている。商標の関係で、「オリンピック」という名前を使わない可能性もあるそうだ。また当初のロボットオリンピックという名称から、ヒューマノイドロボットによる競技をイメージした人も多いだろうが、参加ロボットの形も、競技種目やルールを検討する過程で決まることになるだろう。ヒューマノイド限定の種目も中にはあるかもしれないが、社会実装の側面が強いため、多くの種目は非人間型になるのではないだろうか。ただ、そうすると東京オリンピックと同じ2020年に開催する意味があまり見えてこない。安田室長は「世界から注目される年。ロボットが何をやれるのか発信する機会として一番いい」と説明するが、意義としては少し弱く感じる。利活用が中心とは言え、注目されるためには、盛り上げ方も工夫していく必要があるだろう。こういった競技会は、ロボットの研究開発を促進するには有効なツールである。しかし、それには継続していくことが何より重要。新競技会も継続していく方向ではあるものの、もし1回で終わるようなことになれば、既存の競技会を混乱させるだけになりかねない。実行委員会には、2020年以降もしっかり見据えた議論を期待したいところだ。
2016年02月04日ガエル・ガルシア・ベルナルが天才指揮者を演じ、1月の第73回ゴールデン・グローブ賞にてテレビの部ミュージカル・コメディ部門「作品賞」「主演男優賞」のW受賞に輝いたドラマ「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル」。そのシーズン2が、2月12日(金)よりAmazonの映像配信サービス「プライム・ビデオ」 にて日本独占配信されることが明らかとなった。本作は、実在のプロのオーボエ奏者ブレア・ティンドールがクラシック業界の裏側を綴った小説「Mozart in the Jungle: Sex, Drugs, and Classical Music」を原作にした、ニューヨーク交響楽団の舞台裏を描くヒューマンコメディ。Amazonスタジオ製作のオリジナルドラマとなる。伝統あるニューヨーク交響楽団に新任した、まるで“クラシック界のロックスター”のような主人公の天才指揮者ロドリゴを好演するのは、『モーターサイクル・ダイアリーズ』や『恋愛睡眠のすすめ』『NO』などで知られる人気ラテン俳優ガエル・ガルシア・ベルナル。本作でアメリカの連続ドラマ初出演を果たしている。また、彼がその才能に惹かれる駆け出しのオーボエ奏者ヘイリーをイギリスの若手注目女優ローラ・カークが演じ、この2人を中心に物語は展開していく。シーズン2では、世界ツアーと色恋沙汰で楽団の中は大混乱。中でも、ロドリゴは故郷での演奏に向けて不安を抱えている。ヘイリーは楽団の中でより大きなパートを任されるようになるが、オーボエストとしてのキャリアの足掛かりも見つからず、恋愛もうまくいかずに悩んでいた。さらに、盛り上がるストライキの波によって楽団員の友情関係にもヒビが…。ロドリゴは皆をまとめ上げ、見事なハーモニーを作り上げられるのかが見どころとなる。また、今回は、ロサンゼルスのハリウッド・ボウルやメキシコシティのベシャス・アルテス宮殿などでもロケを行い、ガエル演じるロドリゴのモデルとなったベネズエラの実在の指揮者グスターボ・ドゥダメルや、ラン・ラン、エマニュエル・アックス、ジョシュア・ベルといった著名な演奏家たちをゲストに迎えるという。新シーズンも、つい“イッキ見”してしまいそうな本作。Amazonプライム・ビデオでは、ほかにも同じくゴールデン・グローブ賞など賞レースを席巻する「トランスペアレント」や同賞ドラマ部門「作品賞」「助演男優賞」(クリスチャン・スレーター)を受賞した「MR.ROBOT/ミスター・ロボット」などを独占配信中だ。「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル」シーズン2は2月12日(金)よりAmazonプライム・ビデオにて配信スタート。シーズン1(全10話)は配信中。(text:cinemacafe.net)
2016年02月03日「セクシーロボット」シリーズ、ソニーの「AIBO」のコンセプトデザインなどで知られるイラストレーター、空山基(HAJIME SORAYAMA)の新作個展「女優はマシーンではありません。でも機械のように扱われます。」が1月30日より、渋谷のギャラリーNANZUKAでスタートした。空山基はエアブラシを駆使したイラストレーションで、70年代よりフリーのイラストレーターとして活動を開始。78年のサントリーの広告を最初に、80年代を代表するエアブラシ手法で知られ、女性美をメタリックなロボットやフェティッシュな表現で国内のサブカルチャーシーンのみならず、海外でも伝説的な存在。1999年にはソニーのAIBOでグッドデザイン賞、メディア芸術際グランプリを受賞し、初代AIBOはスミソニアン博物館&MOMAのパーマネントコレクションに収蔵されている。海外のアートスクールでは空山の作品の制作過程を図解した作品集が教科書として使用されていることも多く、ハイパーリアリズムの巨匠。エアロスミスの「Just Push Play」のCDジャケットのカバーが有名だが、ア ベイシング エイプ、ナイキ、 ビームス、ステューシーなどとのコラボでも知られ、ファッション界でもファンが多い。今年1月に行われたピッティ・イマージネ・ウオモ89でも、韓国人デザイナーのジュン・Jが空山基をメインテーマとしたコレクションをランウェイショーで発表。グラフィティアーティストのKAWSとのコラボフィギュアなど、ストリートアート、ネオ・ジャポネスクのブームと共に、海外での再評価が高まっている。今回の展覧会では、空山が敬愛するマリリンモンローをロボットとして書き起こした新作ペインティング10点と、立体作品のセクシーロボットを等身大、1/3スケールの2体が展示されている。【イベント情報】空山基新作個展「女優はマシーンではありません。でも機械のように扱われます。」会場:NANZUKA住所:東京都渋谷区渋谷2-17-3 渋谷アイビスビルB1F会期:1月30日~3月5日時間:11:00~19:00休館日:毎週月曜日、日曜日、祝日料金:無料Text: 野田達哉
2016年02月02日●公道を走れない日本の現状セグウェイの日本デビューから今年で10年。驚きをもって迎えられた革新的な一人乗り移動機器(パーソナルモビリティ、以下:PM)だったが、国内で普及するには至っていないのが現状だ。世界を見わたすと、観光ツアーやパトロールなど、セグウェイを使ったサービスが社会に浸透している地域は先進国を中心に数多く存在する。法律によりPMの公道走行が認められていない日本では、PM自体の普及(市場形成)が進まず、PMを用いた新たな事業モデルが誕生する土壌も整っていない。日本の大手自動車メーカーも長年にわたり開発を続けるPMだが、公道走行に関する法整備(規制緩和)が進展しない限り、日本のPM市場がガラパゴス化の新たな一例になってしまう危険性は高まっていくばかりだ。セグウェイという乗り物が米国で発表されたのは2001年のこと。先進国を中心に出回っている現行のセグウェイ(いわゆる第二世代機)は、2006年に市場デビューを果たした。この頃には先進国を中心に法整備が進み、現在では欧州の多くの国と米国の大部分(45州)でセグウェイによる歩道・自転車道(公道)走行が可能となっている。先進国でセグウェイによる公道走行が規制されているのは日本と英国くらいだ。セグウェイの国内正規総販売代理店であるセグウェイジャパンなど、日本でPMの公道走行実現を目指す企業は地道な実証実験を続けている。○長年の実験も抜本的な規制緩和には結びつかず茨城県つくば市の「つくばモビリティロボット実験特区」でPMの公道走行に関する実証実験が始まった2011年以来、セグウェイジャパンなどは1万6,000km以上の走行試験を行ってPMの安全性を検証してきた。これまでの結果としては、事故のみならず特段の「ヒヤリハット」事案も発生していないという。ちなみに、ドイツがセグウェイ関連の法整備のために実施した走行試験の総距離は3,000kmだ。そもそも海外では、この10年の間にセグウェイが坂道を登ったり、悪天候の中を走行したりした実績が積み上がっている。適切な場所で適切な事業者が運営すれば、日本でもPMによる公道走行のリスクは低減可能だと考えられるが、日本でPM関連の法整備が進まないのはなぜだろうか。道路運送車両法(1951年制定)の規定により、日本ではPMを小型特殊自動車あるいは原動機付自転車に分類し、こういった乗り物の保安基準をPMにも適用している。PMで日本の公道を走る場合は、保安パーツの設置やナンバープレートの取得などが求められるが、セグウェイをはじめとするPMで保安基準を満たすのは現実的に不可能だ。米国や欧州では、セグウェイを新しいカテゴリの乗り物として分類することで、法的に公道走行を可能とした。日本ではPMを無理やり現行法の枠内で取り扱っているため、自動車並みの安全基準を満たさなければ原則として公道走行を認めない。日本の規制当局は、PMを既存の乗り物の一種として扱うか、新しい乗り物として扱うか、またはロボットと考えるのかといった部分、つまりは定義づけに戸惑っている印象だ。○実証実験であれば全国展開は可能につくば市などの実証実験は、国土交通省が道路運送車両法の保安基準を特例的に緩和したために実施可能となったものだ。国交省は2015年7月、つくば特区のようなPMの実証実験を全国で実施できるようにするため、道路運送車両の保安基準を改正するなどの措置をとった。これにより、日本でPMの普及を目指す企業や自治体は理論上、PMの実証実験を日本全国で実施できるようになった。ただし、つくば市の実験が抜本的な法改正に結びついていない現状を見ると、実験の件数が増えたとしても、PMの公道走行解禁が早まるかどうかは未知数だ。●観光資源にもなりうるPM○規制緩和なくして市場形成なし国交省に話を聞くと、規制が日本におけるPM普及の壁になることは同省としても避けたいようだが、規制当局としては、安全性を担保することが何よりも重要との立場から、なかなか規制緩和に踏み込めないというのが現状のようだ。公道走行に関する規制緩和が進まない限り、日本でPM市場が育つ可能性は低いと思われるが、規制当局側には、規制緩和と市場形成は「鶏が先か、卵が先かという関係にある」(前出の国交省職員)という感覚がある。PMの規制緩和に関する問題は、自動運転車やドローンなどの新たなテクノロジーが日本で普及するかどうかの試金石と捉えることもできる。PM分野では、発火の可能性があるほど粗悪なコピー品も市場に出回り始めており、海外では粗悪なPMを出火原因とする火災も実際に起こっている。この手の製品はネットを通じて日本でも購入することができるため、日本でも粗悪なPMによる事故や火災が発生する可能性がある。セグウェイジャパンなどの日本勢が規制緩和に向けた実証実験を進めている間に、粗悪品が日本市場に出回り、事故などでPM全体の評判を落としてしまうような事態も起こらないとは言い切れない。○セグウェイツアーが人気アクティビティに公道走行が可能な国では、セグウェイを用いた新たなサービスが生まれている。その代表格がパトロールと観光ツアーだ。米国や欧州では、警察や警備会社がパトロールにセグウェイを導入した事例が豊富。セグウェイでベルリンやパリなどの観光地を巡る「セグウェイツアー」は、旅行サイトの「トリップアドバイザー」で利用者の9割以上が5つ星の評価を付ける人気アクティビティに成長している。東京、横浜、京都など、日本にも魅力的なルートを提案できる観光地は豊富に存在しそうだが、PMによる公道走行が不可能な以上、日本でセグウェイツアーの企画が林立するという状況は望むべくもない。日本政府が訪日客の拡大を目指すのであれば、PMの観光利用についても柔軟な検討を進めてほしいところ。2020年の東京オリンピックを控えた今、観光や警備とPMの組み合わせには一考の余地がありそうだ。○新規事業の創出に知恵を絞るセグウェイジャパンセグウェイに乗ると目線が少し高くなり、走行時には自然と周囲に興味が向く。こうした特性は、観光ツアーやパトロールといったサービスにマッチした。見逃せないのは、これらのサービスがユーザー発信で生まれたという点。セグウェイが普及したからこそ、セグウェイを用いた新たなサービスも生まれたわけだ。日本でPMの普及に努めてきたセグウェイジャパンは、セグウェイを単に売るだけではなく、セグウェイをプラットフォームとして捉え、新たな事業モデルをデザインする「サービスプロバイダ」としての機能を強化していく姿勢を示している。セグウェイジャパン取締役でマーケティング部 部長の秋元大氏は、セグウェイを既製品に取って代わる単なる乗り物とは考えず、「移動する楽しみ」に特化した新たなモビリティと捉えることが重要と指摘する。セグウェイを用いた事業モデルの創出に知恵を絞る秋元氏は、社会やライフスタイルに対してセグウェイが提示できる新たな価値を追求している。秋元氏が注目している新規事業の1つがシェアリングだ。太陽光発電、蓄電、交通系ICカードなどとの組み合わせにより、セグウェイのシェアリングを環境配慮型の都市開発案件に導入する事業モデルも視野に入っている。セグウェイの導入を前提とする都市計画が具体化すれば、セグウェイジャパンはセグウェイの納入から運営までを一貫して実施できる。都市部でセグウェイを展開する取り組みとして、セグウェイジャパンは近いうちに、東京急行電鉄と共同で二子玉川駅周辺でのシティガイドツアーを実施する予定だという。●イノベーションで先行する海外勢○海外勢はPMとロボットの融合に本腰日本勢がPMの公道走行解禁を待っている間に、米国のセグウェイ(SEGWAY, INC.)はPMとロボットの融合に本腰を入れ始めた。この動きを後押しするのは、中国の小米科技(シャオミ)と米国のインテルだ。2001年のセグウェイ発表以来、米セグウェイは何度か買収されている。現在の親会社は、自身も立ち乗りタイプのPMを手掛ける中国のナインボットという企業だ。ナインボットはセグウェイのようにハンドルを握って乗る二輪PMのほか、ハンドルが乗り手の膝あたりにくる小型PM「ナインボット・ミニ」を展開している。ナインボットによるセグウェイ買収劇には、資金を提供する形でシャオミが絡んでいる。ナインボットは買収当初、自社製品とセグウェイを別ブランドで展開するとしていたが、今年に入り両社のブランド統合を発表した。セグウェイブランドに自社製品群を組み込むことで、PM市場の席巻を狙う意図が見てとれる。ナインボットは今年1月、米国のネバダ州ラスベガスで開催されたCES 2016の会場においてロボット事業への参入を大々的に表明した。セグウェイブランドの実績と信頼性を前面に押し出し、「セグウェイ・ロボティクス」と名付けた新事業には、シャオミとインテルが参画を表明している。インテルCEOのブライアン・クルザニッチ氏は、CES 2016の基調講演にナインボット・ミニのような乗り物に乗って登場。その乗り物は講演の後半に再び姿を現すと、壇上で「ロボット・モード」に変形して見せた。ロボット・モードの乗り物は壇上を動き回り、目の部分に搭載したカメラで映像を写すなどのデモを行った。PMとロボットの融合というイノベーションは一見すると単純だが、シャオミとインテルが絡んでいる以上、海外勢が同事業に商機を見出しているのは明らかだ。インテルはロボット事業への取り組みを後押しすべく、ナインボットに対して融資も行っている模様。日本のPM市場が早い時期に成熟していれば、このようなイノベーションを日本企業が世に問うていた可能性もあったかもしれない。○イノベーションが日本で起こる可能性は?セグウェイの販売台数をみると、世界累計の約10万台に対し、日本での実績は3,000台程度にとどまる。規制のある日本で販売台数が伸びないのは仕方がないにしても、乗り物を売るだけのビジネスと捉えた場合、世界で10万台という数字も決して多くはない。しかし、セグウェイが市場に出回っている地域では、セグウェイを用いたサービスが市民権を得つつあり、セグウェイを核とするイノベーションが起こりつつあるのが現状。公道走行が可能になったとしても、日本でPMが流行るかどうかは未知数だが、PMを用いた新規事業や、PM関連のイノベーションが日本で起こるとすれば、その前提条件となるのが公道走行に関する法整備だといえるだろう。公道走行に関する規制緩和を見据えて、日本の自動車メーカーもPMの開発を進めている。後編では、トヨタとホンダによるPM事業への取り組みを見ていく。両社に共通するキーワードは、「PMと人間の調和」。PMとロボットの融合に商機を見出し、PMの新たな可能性に本気で取り組み始める海外勢も出現するなか、日本勢も遅れをとってはいられない状況だ。
2016年01月28日清水銀行は25日、静岡県内の地方銀行・信用金庫で初めてという「女性活躍応援ファンド」と「ロボット・テクノロジー関連株ファンド」の投資信託の取扱いを開始したと発表した。○「女性活躍応援ファンド」(愛称「椿」)の概要日本の株式の中から、女性の活躍により成長することが期待される企業に投資し、信託財産の成長を目指した年2回決算型のファンド申込単位:1万円以上1円単位販売手数料:2.16%(税込)投資信託委託会社:大和証券投資信託委託○「ロボット・テクノロジー関連株ファンド」(愛称「ロボテック」)の概要日本を含む世界のロボット関連企業の株式に投資し、値上がり益を追求することにより、信託財産の成長を目指した年2回決算型のファンド申込単位:1万円以上1円単位販売手数料:3.24%(税込)投資信託委託会社:大和証券投資信託委託
2016年01月26日神奈川県は1月25日、生活支援ロボットの実証実験を行うと発表した。同県では「さがみロボット産業特区」を設けており、生活支援ロボットの実用化・普及を通じた「地域の安全・安心の実現」を目指している。2015年5月に「ロボット実証実験支援事業」の公募を実施し、3件の実証実験を1月26日~31日、2月1日~10日、2月16日に行う。なお11日には、先行して2件の実証実験も発表されている。○実証実験11つ目の実証実験は「バイタル感知センサー」で、ミオ・コーポレーションによるもの。マイクロ波を照射して、被介護者の体表の動き(運動量)をセンシングし、脈拍・呼吸に選別して計測する。脈拍・呼吸の異常や離床を検知した場合に、介護者へ通知する機能も用意する。体表の動きから脈拍・呼吸を抽出するには、対象者ごとに最適なパラメーターを調整し、計算処理を行う必要があるため、実証実験で複数の高齢者のデータを収集し、それぞれのパラメータを洗い出して共通点などを検証するという。合わせて、体表の動きと行動記録表の記載を比較し、計測の正確性を確認する。○実証実験22件目の実証実験は、「屋内移動支援ロボット」で安川電機によるものとなる。ロボットは、屋内での移動、特にトイレで必要となる動作をサポートする。立ち座りアシスト機能や自動ブレーキ機能、コンパクト旋回機能、操縦機能などを搭載する。この機能を活用することで、各動作の筋力負担や姿勢負担などが、どの程度軽減されたと感じるかについてヒアリングを行い、さらなる開発に応用するとしている。○実証実験33件目の実証実験は、排泄の自立支援を行う水洗トイレロボットで、積水ホームテクノによるものとなる。このロボットは居室内に設置・使用するもので、移乗・姿勢保持を補助する可変式アームレストや、移動キャスタを備える。リモコン操作でポンプ駆動と電磁弁の開閉を行って、汚水・臭気を真空で排出するほか、「大」「小」ボタンの操作記録も行う。実験では、プロダクトデザイナーや理学療法士などが、従来のものと比較して、移乗などの要素動作を試し、使いやすさなどについてヒアリングを行うという。
2016年01月26日営業課題解決サービスを提供するソフトブレーンは1月25日、ソフトバンクロボティクスと仏ALDEBARAN Robotics SASが共同で開発する人型ロボット「Pepper」を使った受付システム「eレセプションマネージャー」を開発したと発表した。同社では2015年8月にロボットを使った営業活動データの新しい活用方法を模索するため「ロボティクス推進チーム」を設立。eレセプションマネージャーは同チームの最初の開発プロダクトとなる。新システムは単なる受付システムではなく、スケジュール・名刺・顧客管理ができ、顧客情報とPepperが連動し、個別に来客対応をする。スケジュールに登録するだけで、来客時にPepperのタッチパネルにアポイント情報が表示され、それをタッチすることで受付対応と来客履歴の登録、担当者の呼び出しまで完了する。また、担当者が来るまでの間、顧客ごとにコミュニケーションをとることができ、その内容も担当者にリアルタイムに通知されてアイスブレイクの話題を提供していく。販売開始日や価格などの詳細は、引き続きソフトバンクグループと協議を進め、決まり次第別途発表する方針だ。
2016年01月25日富士経済が昨日に発表した「Welfare関連市場の現状と将来展望 2016」の抜粋によると、2021年における介護福祉関連機器/用具・用品/サービスの国内市場規模は、2014年と比べて38.0%増の1兆879億円に達する模様だ。介護福祉関連機器、用具・用品、サービス市場の2015年の市場規模は8,268億円となる見込みで、2015年の介護保険法改正における市場への影響は現時点では軽微にとどまっているものの、福祉用具の購入や貸与で高額な品目への影響が懸念されるという。カテゴリー別に見ると、機器・器具・システム市場で最も構成比が高い品目は介護用電動ベッドであり、4割を超えているとのこと。徘徊・転倒防止機器や服薬支援ロボットは認知症対策で需要が増加しているという。介護福祉ロボットは市場成長期に移行していると同社は見る。消耗品・用具・用品市場では、大人用紙おむつの構成比が6割を超えており、また口腔保湿剤などのオーラル・ケアや、手すりなどの起立・歩行支援品目の成長率が高いとのこと。消耗品は価格競争が進んでいるという。サービス市場では、福祉用具貸与サービスの構成比が7割以上を占める。また、健康管理サービスや高齢者見守りサービスなど、介護保険対象外のサービスの伸びが順調とのことだ。機器・器具・システムのうち介護福祉ロボット(歩行・移乗)の市場規模は、2015年は16億円の見込みで、2021年には155億円に達すると同社は予測し、2021年の市場規模は2014年と比べて19.4倍になるという。なお、同社が定義する介護福祉ロボットとは、加齢から足腰が弱った高齢者や自力での歩行が難しい患者の歩行、要介護者の移動、リハビリ訓練などをサポートするロボットを指す。経済産業省ロボット革命イニシアティブ協議会による「ロボット新戦略」では、2020年までに介護分野で500億円の事業規模を創造することを揚げ助成金や優遇政策で後押ししており、多数の企業が市場参入を目指して開発・実証実験を進めているとのことだ。厚生労働省も2015年4月から「地域医療介護総合確保基金」で介護施設への介護ロボット導入助成を実施しており、これらが市場の追い風となって今後拡大が加速すると同社は予想する。高齢者向けコミュニケーション・ロボットの2015年における市場規模は5億円の見込みであり、2021年には2014年に対して3.4倍の17億円に成長するという。厚生労働省による2015年度の福祉用具貸与品目としての採択は見送られたが、今後、高齢者向けコミュニケーション・ロボットが採択されれば、市場は大幅に拡大すると同社は見ている。貸与売上と貸与事業の介護福祉用品売上を含む福祉用具貸与サービスの市場規模は、2015年は2,910億円の見込み、2021年には2014年と比べて49.1%増の4,100億円に達すると同社は予測する。市場は2000年の介護保険制度開始と共に立ち上がり、高齢者人口の増加や要介護認定者数の増加を背景に順調に拡大し続けているという。一方で、介護保険制度に頼るところが大きく、福祉用具貸与対象品目の増減や対象範囲の拡大縮小により市場が影響を受けているとのことだ。今後は介護保険制度における福祉用具貸与対象品目にコミュニケーション・ロボットなどの追加が期待される一方で、絞り込みの懸念もあり、2018年の法改正が分岐点になるという。この他、高齢者向けシューズの2021年における市場規模は2014年に対して58.2%増の87億円、手すりは同2.8倍の215億円になると同社は予測している。
2016年01月25日ファナックとシスコシステムズは1月21日、協業して製造業の工場で稼働している 産業ロボットをネットワークに接続し、製造業の顧客企業で効率的な運用を推進していくと発表した。今回、工場内に設置されたサーバでロボットの稼働状況を解析し故障予知を行うソリューションを共同で開発した。初めに、専務執行役員 シスコ コンサルティングサービス 戦略事業開発 兼 IoEイノベーションセンター担当の鈴木和洋氏が「2016年のビジネス戦略において、注力分野の1つに製造業を据えており、IoT Systemの日本での販売強化も柱としている」と、今回の発表が同社のビジネス戦略に沿ったものであることを明らかにした。シスコは製造業のほか、パブリックセクター(スマートシティ、社会インフラ)、サービス(スポーツ&エンターテインメント、O2O)においてIoTソリューションの提供を推進している。共同で開発したソリューション「ZDT」については、ファナック 専務執行役 ロボット事業本部長の稲葉清典氏が説明した。稲葉氏は「当社が提供している資本財は長期間にわたり安全に付けることが大切であるため、"止まらない工場"の実現を目指している。その具体策の1つとして、20年にわたり、知能ロボットの開発を続けている。われわれの知能ロボットの特徴は『見て』『感じて』『考える』ことができること。こうした機能により、工場の効率性に加え、信頼性を向上できる」と、知能ロボットにより、「止まらない工場」の実現を目指していると語った。実際、ファナックでは知能ロボットを導入することで、チョコ停(小さなトラブル)を10分の1にまで削減し、工場の連続稼働を実現したという。ただ、さまざまな働きをする知能ロボットだが、ロボットのギアに不具合が起きた場合など、発生した出来事に対処することは難しいという。そこで、故障を予知して対処することで、生産・製造ラインの停止、生産エリアや工場全体で生産業務の中断に至る事態を避けることを目指した。「ZDT」は、ロボットや制御装置、製造工程に何らかの不具合が発生する可能性をシステムが事前に検知し、ダウンタイムが生じる前に情報を提供するため、事前の保守スケジュールに基づく操業停止時間内に問題への対応を済ませることを可能にする。具体的には、「ZDT」において、ロボットはシスコのネットワークを通じて、工場内のエッジコンピューティングのデータ収集装置に接続する。保守管理に関連するデータが工場内の解析サーバに蓄積され、解析エンジンによって規定範囲を超えた例外事象がないかどうかがチェックされ、保守サービスの必要性を予測。部品の交換が必要な場合は解析サーバから通知が行われ、関連する作業内容の指示も合わせて表示される。ZDTにおいて、シスコの製品はUCSサーバ、各種スイッチのほか、米国のデータセンターにファナックのプライベートクラウドが構築されているという。ファナックは今後、同社のロボットが稼働している生産施設に対し、ZDTの導入を目指す。稲葉氏は、シスコを協業先に選択した理由について、「自動車企業をはじめとする顧客企業と話していると、『データを外に出して問題ないのか』といういわれることが多く、サービスを提供する上でセキュリティを担保できるかどうかが最大の課題となっている。こうした観点から、シスコシステムズを選んだ」と説明した。ZDTは、シスコの「IoE イノベーションセンター」のショーケースとして、設置される予定だ。シスコは同日、米国本社がIoT事業の拡大を目指すKiiに出資したことを発表した。両社は今後、それぞれのプラットフォームを組み合わせて、国内外のさまざまな業種の企業向けモビリティソリューションの提供やIoT事業の拡大を加速していくという。発表会に登壇したKiiの共同設立者兼会長の荒井真成氏は、「当社は2014年頃から、IoT関連のビジネスにフォーカスしてきた。IoTビジネスへのアプローチとして、これまではB to Cが多かったが、スマートハウスのエンドソリューションに採用されるなど、B to Bが増えてきた。今後は、シスコと共にデバイスのインターオペラビリティなどに取り組んでいきたい」と語った。
2016年01月22日●驚愕の人力リストアップシステム「みるコレ パック」の舞台裏四半期ごとのテレビ番組改編期に、いつも頭を悩ませる問題がある。「今期どのアニメを見ればいいのか」という問題だ。なにせ、新作の深夜アニメが週に30本以上もあるのだ。仕事もプライベートも忙しく、家族もいる平均的なビジネスマンとしては、毎週30本ものアニメを見る時間などない。でも、後に傑作と呼ばれるかもしれない作品を見逃すわけにはいかない。毎度、強烈なジレンマに襲われる。○出演シーンからCMまでをリストアップそんなアニメファンにとって嬉しいサービスが誕生した。東芝が液晶テレビREGZAを対象に昨年スタートした「みるコレ」だ。かつて、HDDレコーダー「RDシリーズ」を手掛け、熱烈なRDファンから "録画神" とも呼ばれるようになった片岡秀夫氏 (現・東芝ライフスタイル ビジュアルソリューション事業本部VSクラウド&サービス推進室室長) が開発したものだ。自他共に認めるアニメマニアでもある片岡氏に、「みるコレ」を通じたジャパニーズコンテンツへの思いと、東芝のテレビ事業に対する思いを聞いた。「みるコレ」は、音楽配信サービスにおけるプレイリストのいわば映像コンテンツ版と言える。タレント名やアーティスト名だけでなく、ジャンルやテーマに沿った「みるコレ パック」が5万件以上用意されており、リストから選ぶだけで録画済み番組再生、YouTube動画再生、録画予約が1つの画面上で行える。自分で好きなパックを作ることも可能だが、テレビという特性上、文字を入力するのはなかなか面倒なので(レグザは音声入力もあるが)、あらかじめ東芝側で用意しているものだ。片岡氏:「みるコレ パック」の概念は、ある種のファンクラブみたいなものです。アイドルのAさんが好きならば、その人が出演する番組や情報は全て知りたいというのがファン心理。しかし、それを一元的に入手し、録画・視聴する手段はありません。EPG(電子番組表)情報には出演する番組しか載っていませんから。「みるコレ パック」では、出演番組だけでなく、CMやYouTube動画もリストアップします。CMは同じものがあってもダブらずに1つだけを再生できます。さらに、録画済み番組に対しては、本人登場分だけを切り取って再生する「シーン再生」機能もあります。ほうっておくと、本人登場シーンだけを連続再生します。何時間も放映する特番の場合、録画した中からお気に入りのアーティストや芸人を探すのは一苦労だ。歌番組だけでなく、バラエティ番組でも好きなタレントの登場シーンだけをピックアップして見られるのはファンにとって便利この上ない機能だろう。なおこれは、外部から秒刻みのメタデータを購入することで実現している機能である。●ファン垂涎の大人アニメパック、制作会社パックも登場○ファン垂涎の大人アニメパック、制作会社パックも登場アニメ分野はさらにファン感涙の仕組みが導入されている。その実現には、「涙あり、苦労ありの連続です (笑)」と片岡室長が表現するように、チーム片岡の公私を忘れた熱い努力がある。一般的なレコーダーの場合、ジャンル検索で「アニメ」を選ぶと、幼児向けも含まれてしまい、衛星放送も含めると1週間に1,000以上の番組がヒットしてしまう。僕達が見たいアニメはそれじゃない。片岡氏:アニメファンが望んでいるのは、「大人アニメ」と呼ばれるジャンル。しかし、EPG情報ではアニメで一括りにされてしまう。なので、我々が人力でタグ付けし、独特のジャンル設定の下でパックとして提供しているのです。大人アニメの中でも細分化していて、SF、ファンタジー、学園もの、萌系、女性向け、つやつやなど、現在25のジャンルを用意しています。また、声優や監督はもちろん、昨年12月からは京都アニメーションやA-1Picturesといった制作会社ごとに絞り込んだパックも用意しました。「つやつや」とは、肌の露出が多いセクシー系のアニメのことだ。最近では、「学園×ロボット×ファンタジー」というように複数の要素がミックスされた作品もあるため、ジャンル分けが非常に難しいという。片岡氏:番組から発表される情報は非常に少ない。放送ギリギリになっても声優陣すら発表されないこともあります。しかし、パックはおまかせ録画を前提にしているから、放送を待ってからジャンル決めはできません。なので、自分の知識と経験をフル動員して、ジャンルを決めてパックを作ります。放送されてから、これは違うとパックを移動してしまうと次からは録画されないので失敗は許されません。監督や制作スタジオ、原作者の過去の作品傾向から判断してジャンル決めを行っているという。この経験値を積むため、片岡氏はテレビ放映される大人アニメは全て見ているという。また、アニメは漫画原作が多いため、この2年間で約3,000冊のコミックを電子版で購入したとのことだ。片岡氏:この仕事を始める前は週7本でしたが、今は週30本のアニメを見ています。改編期には50本。平日は仕事で夜が遅いので、土日に集中して見ています。昼くらいに起きだして夜までずーっとアニメ三昧 (笑)。コミックの購入は自腹ですよ。半分、趣味みたいなものですから。ちなみに、「みるコレ パック」のドラマ分野を担当する中村さやか氏も、放映されているドラマほぼ全てに目を通しているというから驚きだ。こうして蓄積された知識から生み出されるのが、各種のおすすめパックだ。「オススメ大人アニメパック」は、何を見たらいいのかわからないユーザーに対しては入門編にもなるが、アニメファンにとってみれば「あの片岡氏がオススメする作品なので間違いない」という位置付けになり、録画必須のパックとなる。●リビングの情報ポータルとしての地位の復権○リビングの情報ポータルとしての地位の復権実は、「みるコレ」は単なる次世代型ユーザーインターフェースというだけではなく、東芝のテレビビジネスの新機軸となる可能性も秘めている。一つはデータとしての価値。テレビ放送は視聴率がビジネスの尺度となっているが、それはリアルタイム視聴のみで、録画視聴は対象になっていない。しかし、「みるコレ」はクラウドサービスであるため、ユーザーがどのパックを利用して録画したかをデータとして取得できる。最初だけでなく、2話、3話と進んでいった時に録画を続けているか、それとも止めてしまったかもわかる。さらに、そのパックを選んだユーザーが、他にどんな番組を録画しているか、何曜日の何時にどんな番組を見ているかといった分析も可能だ。アニメだけでなく、中村氏が担当している旅行や料理、ドラマなど他のジャンルと掛け合わせることでユーザーの嗜好がわかり、次の番組作りに役立たせることができる。もう一つは、テレビの情報ポータルとしての復権で、昨年末に始まったKADOKAWAのアニメ雑誌「ニュータイプ」とのコラボパックが鍵になる。片岡氏:ニュータイプパックは、雑誌の特集との連動企画や今期の主要アニメの主題歌PVのリンクに加え、「ニュース」という項目を設けています。これは、Web NewtypeのRSSフィードから記事をもらって表示しているもので、アニメ系のイベントやフィギュアなどグッズ発売の情報も含まれています。大人アニメは、各制作スタジオが心血を注いで作り上げており、ブルーレイソフトとしてもクオリティが高い。アニメは原作本やフィギュア、グッズ、映画化、声優コンサートなどのイベントというように、大きなエコシステムを形成しています。その動線を作ることが我々の役目だと思っています。コンテンツが集まる場所になることでテレビが売れるようになるし、アニメをはじめとしたテレビ番組がもっと見られるようになるでしょう。業界全体の問題として、テレビがどんどん見られなくなってきている。特に検索文化に慣れた若い世代は、放映時間まで待つというテレビの特性に苦痛に感じている。自分の好きな時間にクリックしてすぐに結果が出る、そんな世界がテレビでも必要だと痛感しています。公式の見逃し配信サービスも始まっていますが、PC・スマホ向けだけでなくテレビにも対応し、それがリアルタイムの放送とリンクしていれば、ユーザーはテレビに戻ってくるでしょう。「みるコレ パック」の中にVODコンテンツも連動させる計画も進んでおり、REGZAが番組コンテンツのポータル的存在となる道筋は既に見えてきている。昨年4月に発覚した不正会計問題により、大規模な構造改革を余儀なくされた東芝。同社ブランドをけん引してきたテレビ事業もその矢面に立たされ、事業の継続さえも危ぶまれた。しかし、12月21日に発表された「新生東芝アクションプラン」では、国内開発・販売を継続し、高付加価値製品を中心とした利益が出せる体質への転換を図るとの内容が盛り込まれた。高付加価値化の重要なツールとしてクラウドサービスを挙げているが、その一端を担うのが「みるコレ」である。現在、どのメーカーもカタログを開けば高画質に対する美辞麗句が並ぶが、ハードウェアのスペックの羅列はユーザーからは「どれも同じ」に見える。それが同質競争を生み、結果、価格下落を招く。他社にない特徴的な機能である「みるコレ」がこの悪循環を破り、東芝のテレビ事業を再生へと導いてくれることを切に願う。
2016年01月22日野村周平、古川雄輝、間宮祥太朗、中条あやみら最旬の若手俳優たちが華麗に変身し、独創的で耽美的な人気コミックを映画化する『ライチ☆光クラブ』。この度、それぞれがキャラクターに扮し熱演する姿が満載の本作予告編が遂に解禁!ナレーションを、ライチ役を務める人気声優・杉田智和が担当していることが分かった。原作は、古屋兎丸による熱狂的人気を誇るロングセラーコミック。物語の舞台となるのは、黒い煙と油に塗れた蛍光町と廃工場の秘密基地“光クラブ”。14歳を目前に大人のいない世界をつくろうとした9人の美しい少年たちの脆く、残酷で多感な思春期が描かれる。キャストには、「フラジャイル」出演中の野村さんや、『脳内ポイズンベリー』の古川さん、『高台家の人々』公開が控える間宮さん、雑誌「Seventeen」専属モデルでありつつ女優としても活躍する中条さん、ほか池田純矢、松田凌、戸塚純貴、柾木玲弥、藤原季節、岡山天音ら最旬俳優が集結。少年たちの裏切りと愛憎…そして彼らが作り上げた思考する能力を持つ機械(ロボット)“ライチ”と、少女カノンの恋を、圧倒的に美しくダークな世界観で実写化する。今回解禁された予告編では、個性的なキャラクタービジュアルを見事に再現したキャスト陣の熱演が初解禁!大人になることを受け入れはじめ、ゼラに反発するタミヤ(野村さん)と醜い大人になることを完全否定するカリスマ・ゼラ(古川さん)の対立構造や、ゼラに偏執的な愛を注ぐジャイボ(間宮さん)の妖艶漂う姿、そしてカノン(中条さん)とライチ(杉田さん)の関係性やキャラクターの個性が伝わるカットは必見だ。ナレーションを務めるのは、9人の少年が創り上げたロボット・ライチに命を吹き込んだ人気声優の杉田さん。「銀魂」坂田銀時役や「暗殺教室」烏間惟臣役など多数の人気キャラクターを演じ、『エベレスト 3D』ではサム・ワーシントンの吹き替えを務める実力派の杉田さんが、独特の世界観をナレーションで表現している。「永遠に少年のまま、永遠に美しいまま、僕らの世界が終わる」という言葉が示唆する通り、絶望の中で夢見た少年たちだけの理想の世界が破滅へと向かっていく様が伝わる映像に、本編への期待も高まる。『ライチ☆光クラブ』は2016年2月13日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年01月15日クレイトンベイホテル(広島県呉市)ではこのほど、人型ロボット「Pepper」がホテルコンシェルジュとしての勤務を開始した。「Peppr」は、同ホテルが設けた特別採用枠(AI枠)で入社。同ホテルとしては、AIの利点を生かしながらPepperに活躍してもらうことで、人にしかできないより付加価値の高い仕事を従業員全員で行い、顧客サービスの向上を目指す意図があるという。また、将来的に訪日外国人客の増加も予想されることから、多言語対応や地域の観光案内の一翼をPepperが担うことで、国際化を進め、地域社会へ貢献をしていきたい、としている。入社後の「Pepper」は、ホテルコンシェルジュとして簡単なあいさつや会話などを実施。トレーニング後は、館内の利用客に対しての案内や、観光客に対しての観光案内などを業務の一環として行う。ホテル1Fにて勤務しているとのこと。
2016年01月14日エコバックスジャパンは12日、窓用ロボット掃除機「WINBOT W930」(以下、W930)を発売した。エコバックスダイレクトでの直販価格は税別59,800円。WINBOTシリーズは、スイッチを入れると真空ポンプで強力に窓に張り付き、高い場所も自動で掃除する窓用のロボット掃除機。新製品であるW930は、清掃用のモップ部と窓を移動する動作部が独立した「スマートドライブシステム」を採用。これにより、窓掃除にかかる時間を短縮できた。モップの面積は従来の「W710」「W730」に比べて2倍以上に拡大したほか、水汚れをかき出すワイパーを360度に配置することで洗浄力がアップ。さらに、掃除を一時停止した場合は、未掃除部分から掃除を再開するレジューム機能も搭載している。本体サイズはW307×D307×H124mm、重量が2.3kg。幅60cm以上、高さ35cm以上、厚さ3mm以上の窓で使用できる。フレームのない窓にも対応。ただし凹凸のある窓では使えない。リモコンとスーパークリーニングリキッド(専用の洗剤)、そして安全ポッドが付属する。
2016年01月12日TISと奈良先端科学技術大学院大学は1月12日、音声や画像、言語などの複数の情報源を用いてロボットと人とのパブリックスペースにおけるスムーズなコミュニケーションの実現を目指す「マルチモーダルインタラクションを用いた対話処理に関する研究」を、2015年11月から共同で開始したことを発表した。マルチモーダルインタラクションとは、視覚・聴覚を含め、複数(マルチ)のコミュニケーションモードを利用し、システムとインタラクション(コミュニケーション)を行うこと。今回の共同研究の目的について、ロボットの対話機能の高速化、高度化を実現し、ロボットと人との高度な対話コミュニケーション処理のビジネス活用を目指すとしている。研究項目については、以下の4点が挙げられている。ユーザー理解:音声、画像、音声認識後のテキストなどを用いてユーザーの反応を理解ドメイン知識:ユーザーに提案を行うのに必要な特定ドメインに関する知識構造を構築対話制御:ユーザー理解、ドメイン知識を基にユーザーにとって最適な提案を実現発話、ジェスチャー制御:ユーザーの感情などを反映した発話、ジェスチャー制御の実現TISでは、「機械学習」「自然言語処理」に関わるAI技術の強化のために「AI技術推進室」を2015年11月に新設し、ビジネス活用に向けた技術研究・検証などを進めており、今回の共同研究もその一環として実施するものとしている。共同研究期間は2016年3月まで。
2016年01月12日Segwayは、IntelとXiaomiとの提携のもと、家庭用ロボット事業に参入すると発表した。CES 2016におけるIntelの基調講演でデモを行った。開発者向けのDeveloper Editionは、SDKとともに2016年の第3四半期(10~12月)に提供する。具体的な価格は明らかにされていないが、「手頃な価格の最先端技術」とアナウンスしている。Segwayは今後、立ち乗りできるセグウェイに代表されるパーソナルモビリティー事業に加えて、家庭用ロボット事業も手がける。CES 2016のIntel基調講演では、ロボット事業の第1弾となるSegway Robotが披露された。Segway RobotはIntelのAtomプロセッサーとRealSense ZR300カメラを搭載。従来のセグウェイのように人が立ち乗りできるだけでなく、障害物を避けながら自走できる。音声コマンドにも対応。装着すると腕になるパーツも用意される。1月4日(米国時間)には、Xiaomiのグループ企業であるNinebotとSegwayが両社のブランドを統合することも発表。NinebotがSegwayブランドの傘下ブランドになる。
2016年01月07日チェックポイントシステムズは1月6日、イオンリテールへの商品管理システムの導入およびRFIDと棚卸用ロボットの試験導入を発表した。イオンリテールでは、旗艦店にRFIDソリューションの試験導入を開始しており、OATエンタープライズソフトウェアでの在庫管理をベースとし、精算業務と店舗出入り口の管理でRFIDの活用を開始する。タグはRFとRFIDに対応したチェックポイントの最新製品「UNO RF/RFID」ラベルを使用していく予定で、このテクノロジーにより、理論上の在庫と精算済みの商品をリアルタイムで照合し、瞬時に店内在庫を把握することができるという。また旗艦店ではチェックポイントで初となるロボットによる在庫カウントソリューションも導入。ロボットがサイクルカウント業務を自動で行う。イオンリテールでは、これらの導入により、同社のEAS(電子商品管理)システムは、既存のAM方式から、RFIDに拡張可能なRF方式に順次入れ替えを実施するほか、RFIDロボット(プロトタイプ)の試験導入により、在庫の精度向上と顧客満足の向上を目指すという。また、イオンリテールとチェックポイントは、アパレルサプライヤーおよび一般消費財メーカーと連携し、製造・流通段階でタグを貼付する「ソースタギング」についても取り組みを開始する。このプログラムでは、タグがあらかじめ取付けられた状態で店舗に商品が納品されるため、すぐに商品を陳列することができるという。これにより、店舗では在庫の可視化による業務効率向上、作業改善による接客応対への人時配分、および、接客応対向上を目指していく。
2016年01月06日●「生き物に見えるモノ」その具現化がPepper2014年6月の発表以来、注目を集め続けているソフトバンクロボティクスが提供する感情認識機能付き人型ロボット「Pepper」。個人向けには2015年6月より毎月1,000台限定で販売され、発売後わずか1分での完売が続いている。2015年10月からは法人向けモデル「Pepper for Biz」の提供が開始されたが、実はこれよりも以前から、Pepperのビジネス用途での活用は始まっている。例えばネスレ日本は、2014年12月1日より全国の家電量販店の「ネスレカフェ」コーナーにPepperを配置し、スタッフの代わりに接客を担当させている。その数は1,000台に上る。ソフトバンクショップでも全国2,000店舗にPepperが配備されている。2015年10月の「Pepper for Biz」の正式販売開始以降も、日産自動車が販売店に100台導入するなど、エンタープライズ分野でもPepperの活用は進んでいる。そして、2016年はさらに導入が進んでいくことだろう。ただ、これだけエンタープライズの分野での活用が進むとは、発売元のソフトバンクロボティクスも予想していなかったという。○300年続く企業になるために社員総意で選んだロボット事業ソフトバンクグループがなぜロボットを手掛けることになったのか? 人型ロボットの事業化プロジェクトが立ち上がったときから参加している、ソフトバンク ロボティクス 事業推進本部 本部長の吉田健一氏は次のように語る。「当社は創業時からずっと『情報革命で人々を幸せにする』ことを目標に、事業を展開してきました。そんな当社が2010年に30周年を迎えるにあたり、今後300年続く企業になるために、次の5~10年間で何を成していくのか、何を提供していけば人々を幸せにできるのか、経営陣をはじめ、全社員で議論しました。この10年はデバイスがインターネットにつながることで大きく世の中が変わりました。私たちが想定したのは、アルゴリズムがアルゴリズムをつくる、すなわちデバイスがデバイスをつくる時代が来るのではないかということです。人以外が何かモノを作ることができたら、有史以来の大革命です。だからこそ、私たちが次に手掛けるべきはロボットだろうと。とはいえ、当社にはロボットの知識のある社員がいるわけではありません。そこでフランスのアルデバラン・ロボティクス社を買収し、共同プロジェクトを立ち上げ、Pepperの開発に取り組みました」○ソフトバンクが考えるロボットとは?ロボットの定義は幅広い。生産現場に欠かせない産業用ロボットもあれば、自動で部屋を掃除するお掃除ロボットも「ロボット」と呼ばれる。そんな中、ソフトバンクが定義するロボットとは『人間が生き物として感じるもの』だという。だからこそ、大きさにもこだわったのだという。Pepperは身長120cm、体重28kgと、人間のような脚はないものの、まるで子どものようだ。吉田さん曰く「小学3年生の子どもとほぼ同じ体格」なのだという。実は人間のような脚があるかどうかは、「生き物として感じる」ことには影響しないのだという。それよりも重要なのは大きさだという。「たとえ人型でも、机の上に乗るような大きさだったら、それはあくまでもロボットで生き物として人は感じないんです」と吉田氏は説明する。また、コードで接続されていては、やはり生き物とは感じられない。そのため脚の部分に大型のバッテリーを搭載し、12時間連続稼働を可能にしている。吉田氏によれば、さらに「生き物として感じる」上で重要になるのが「認識の精度」だという。「Pepperは話しかければ答えてくれます。つまり、認識していることを伝えてくれる。その精度が高いほど、人は生き物だと感じます」(吉田氏)このようにPepperのヒットには、「人が生き物と感じる」ことに徹底的にこだわったことが大きい。●Pepper導入の最大の効果は「店舗に来た人のデータが取れること」冒頭で記載したように、Pepperはすでにさまざまな企業での活用が進んでいる。では、導入して1年になるネスレ日本では、いったいどんな効果が得られたのだろうか?「Pepper導入の効果の第一は、Pepperを配備したことでコーヒーマシンの売り上げが伸びたことです。サイネージでは足を止めなかった人が、Pepperなら足を止めるんです。これは数字にも表れています。加えて、ネスレショップに訪れた人の属性や動向などのデータが取れることも大きなメリットです」(吉田氏)これまでリアルの店舗では、eコマースのようにどんな人がどういう経路でショップに訪れ、購入に至ったのか、あるいは至らなかったのかということが把握できなかった。しかし、Pepperでは搭載したセンサーによって顧客の属性を取得することができる。Pepperを導入すれば、Pepperの前を通った人が何人いて、そのうちの何人がショップに入ったのか、またPepperが話しかけることで、その人の性別やおおよその年齢などがわかるようになる。さらに、顧客の感情なども表情や声のトーンから読み取ることができるという。つまり、Pepperが蓄積するデータを活用することで、どんな風にコミュニケーションをとれば顧客が購入してくれるのか、それを年代別や性別により良い手法を導き出すことができる。Webサイトでよく用いられているABテストのようなものが、Pepperを導入すれば実行できるというわけだ。「Pepperが収集した顧客情報をオンラインtoオフラインのツールとして活用できることがわかりました」と吉田氏は自信を深める。また、ある病院ではMRIの説明や問診を担当させていたり、別の介護施設では認知症予防のツールとして活用しているという。●Pepperの爆発的な普及には、キラーアプリの提供が欠かせない「このような活用が進んでいるのも、約200社のパートナー会社によるアプリ開発が活発化しているからです」と吉田氏。中でもPepper普及のキラーアプリとして注目を集めているのが、米IBMが開発した人と同じように情報から学び、経験から学習するコグニティブ・テクノロジー「Watson(ワトソン)」だ。2015年2月、ソフトバンクテレコムは日本IBMとワトソンの日本での事業展開においての戦略的提携を発表。もちろん、Pepperとの連携を視野に入れての提携だ。「例えば、FAQのインタフェースとしてPepperを使うとしましょう。Pepper単体であれば、FAQデータベースに完全マッチしたものしか答えることはできませんが、ワトソンと連携すれば、データベースの中で最も近いモノを選んで答えられるようになります。つまり、ファジーな会話ができるようになり、より人間らしいやり取りができます。このことから、ワトソンは将来のロボットアプリのスタンダードになっているかもしれません」と吉田氏はワトソン導入効果を期待する。提携はIBMだけではない。約200社のパートナーが、Pepperをさまざまなシーンで活用できるようにアプリの開発を行っており、「Pepper for biz」においては、アプリストアも16年早々にはスタートする予定だ。一方、個人向けのアプリについては、アプリストアという形は予定していないという。「個人向けはリスクが大きいと思います。例えば、悪意ある人が改ざんして人を傷つけたりすることが起こらないとも限らないですから。良いアプリは私たちが買い付けて、徹底検証をしてから公開するという方法を採用しようと思っています」と吉田氏はその理由を説明する。○今後はグローバル化今後の展望については「グローバルに展開」と吉田氏は言い切る。ブロードバンドのように爆発的な普及をするには、この1年でCPUのスピードや基本機能したとはいえ、今のPepperではまだ力不足だという。「現在のPepperは登場した当時のパソコンと同じで、ようやく表計算ソフトが搭載されたというレベルです。爆発的な普及のカギを握るのは、私たちの夢に賛同してくれたパートナー企業がより良いアプリやソリューションをいかに開発していってくれるかです。2016年にはそういう企業がさまざまなアプリやソリューションの提供を予定しているので、飛躍の年になると思います」と吉田氏。吉田氏が語るように、2016年はPepperの普及がさらに進むのか、また面白い活用事例が出てくるのか、今後に期待が高まる。
2016年01月04日海外ドラマの一気見にはもってこいの年末年始に、オススメの一気見向けドラマをピックアップ。前回に続き、DVDもしくは動画配信で視聴可能なタイトルの中から厳選した10本を紹介します。6.「刑事ジョン・ルーサー」高い能力で一目置かれながらも、型破りな姿勢がしばしばトラブルを生む刑事ジョン・ルーサーが主人公。『ビースト・オブ・ノー・ネーション』も話題のイドリス・エルバがルーサーを、「アフェア情事の行方」もオススメのルース・ウィルソンがルーサーと複雑な絆で結ばれる完全犯罪者アリス・モーガンを演じています。シーズン1が全6話、シーズン2&3が各4話と話数も少ないため、3シーズンを一気に見てルーサーの活躍と2人の奇妙な友情を味わうのが幸せな楽しみ方。今月イギリスで放送されたシーズン4の日本上陸も待たれます。7.「アンブレイカブル・キミー・シュミット」カルトの教祖に15年間監禁され、今やアラサーになったキミー・シュミットが、ニューヨークで自活しながら世の中のあれこれを学ぶコメディ。設定だけ見ると際どさが漂ってきますが、うっかり心温まるコメディに仕上がっているのは「30 ROCK/サーティー・ロック」の敏腕クリエイター、ティナ・フェイの手腕。1話30分弱×シーズン1全13話を一気に見たいシリーズというよりは、あまりに面白くて一気に見ずにはいられないシリーズといったところ。恋もネットも知らないキミーの「あれは何?」が詰まっています。8.「ツイン・ピークス」予告編も公開され、2017年の新シーズン全米放送がいよいよ現実のものになってきました!女子高生ローラ・パーマーの殺害事件をきっかけに、田舎町の事情が明かされていく展開は傑作の名にふさわしく今も新鮮。フルシーズン全30話+映画版を一気に見て伝説に追いつくには年末年始が最適。放送当時は「はあ?」となった奇妙なエンディングも、近いうちに続きが見られると思えば可愛く思えるはず!新シーズンはデヴィッド・リンチが全編を監督し、主人公の捜査官クーパー役のカイル・マクラクランも登場します。9.「MR.ROBOT/ミスター・ロボット」セキュリティ会社で働くエンジニアの青年が謎のハッカー集団に誘われ、巨大企業の崩壊を目指すサスペンスドラマ。『ニード・フォー・スピード』では全裸で奮闘していたラミ・マレックが他人との関わりが上手く持てない主人公エリオットを演じ、ドラマ界の注目スターとして大ブレイク。1月に発表されるゴールデン・グローブ賞でも作品賞や主演男優賞にノミネートされています。後半に進むにつれ面白さの増す構成なので、シーズン1全10話をぜひ一気に!もちろんシーズン2の制作も決まっています。10.「FARGO/ファーゴ」コーエン兄弟の名作映画『ファーゴ』に発想を得たサスペンス。マーティン・フリーマン演じる気弱な主人公が、殺し屋との出会いをきっかけに暴走していきます。怒涛のシーズン1全10話は「映画もいいけどドラマもいい!」と感激できるもの。人間関係の入り乱れ方もポイントのため、前エピソードの余韻が新鮮なうちに次エピソードを見始めればどんどん作品世界にハマっていけるはず。『SHERLOCK/シャーロック忌まわしき花嫁』の日本公開を前にマーティンのクズ男演技を楽しみ、弾みをつけておくのも味わい深いかも。(text:Hikaru Watanabe)
2016年01月03日野村周平や古川雄輝、間宮祥太朗ら“最旬男子”9人と中条あやみが、鬼才漫画家・古屋兎丸の同名ロングセラーコミックの満を持しての実写映画化に挑む『ライチ☆光クラブ』。このほど、彼らの愛憎の関係性が見え隠れする本作の場面写真が、一挙に解禁となった。物語の舞台は、黒い煙と油に塗れた蛍光町と廃工場の秘密基地“光クラブ”。14歳を目前に大人のいない世界をつくろうとした9人の少年たちと、彼らが作り上げた思考する能力を持つ機械(ロボット)“ライチ”と少女カノンの恋が、圧倒的な美しくダークな世界観で貫かれ描かれる本作。キャストには、野村さん、古川さん、中条さん、間宮さんほか、池田純矢、松田凌、戸塚純貴、柾木玲弥、藤原季節、岡山天音といった才能に満ちあふれた、まさにネクスト世代の俳優たちが名を連ね、個性的なキャラクターをリアルに体現し、華麗なる競演で魅せる。今回解禁となった場面カットは8点。“光クラブ”を絶対的なカリスマ性で独裁的に支配する「帝王」ゼラ(古川雄輝)に何か言葉を浴びせられ、伏し目がちに怯えるようなタミヤ(野村周平)の姿が!また、玉座に座るカノン(中条あやみ)の前にひざまずくゼラ。タミヤ、ダフ(柾木玲弥)、カネダ(藤原季節)の“光クラブ”創設メンバーの初々しさが残るスリーショットもある。さらに、ライチを手にしたゼラとジャイボ(間宮祥太朗)の意味深ななまめかしい姿は、間宮さんの長いまつげが印象的。雷蔵(松田凌)、デンタク(戸塚純貴)、ヤコブ(岡山天音)とライチ、ライチにすがるようにしがみつくカノンの姿、そして、タミヤが幼なじみのダフとただならぬ様子で対峙する姿など、原作の独創的で圧倒的な“光クラブ”を創り上げていることが見受けられるカットばかり。彼らの美しき狂気と刺激にあふれたその世界を、こちらから確かめてみて。『ライチ☆光クラブ』は2016年2月13日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年12月28日日本テレビサービスは12月22日、千葉県・船橋市非公認のご当地キャラ「ふなっしー」をモチーフにしたロボット掃除機「ふな日和 ふなっしーのロボットクリーナー」を発表した。発売は12月23日で、価格は税別23,000円。アニメ「ふなっしーのふなふなふな日和」にて、主人公であるふなっしーが愛用しているロボット掃除機。天面に大きくふなっしーの顔が描かれている。電源ON時や掃除開始時、バッテリーが切れたときに流れるオリジナルボイスを収録しているのも特徴だ。たとえば、掃除をスタートする際には「ふなふなふなお掃除ロボ発進なっしー!」というボイスを再生する。障害物のまわりを掃除する「らせん走行」、広い部屋をランダムに掃除する「バンパー走行」、壁際やコーナーを集中的に掃除する「壁沿い走行」の3つの動きを組み合わせて走行。階段や玄関など、高い段差を感知して方向転換する「落下防止センサー」も搭載する。本体サイズは直径23.5cm×高さ7.5cm、重さは約1.2kg。ダストボックス容量は163ml。充電時間は約4時間で、最大で約50分の連続運転が可能だ。ロボット掃除機の製造はツカモトエイムが手がける。(c)ふなっしーのふなふなふな日和チ~ム
2015年12月22日昭和模型少年クラブは、1973年に放送されていたTVアニメ『新造人間キャシャーン』から、アンドロ軍団の量産型ロボット「ツメロボット」を立体化し、2016年4月に発売することを決定した。現在「コトブキヤオンラインショップ」にて予約受付中で、価格は2,700円(税込)。昭和模型少年クラブは、40代~50代に認知の高い、昭和当時の、敵味方関係なく画面の中で活躍したロボットたちを商品化するというコンセプトをもっている。今回は、『新造人間キャシャーン』に登場する、世界征服をもくろむアンドロ軍団の量産型ロボット「ツメロボット」を立体化。ツメロボットは、ちぎられては投げられるシーンが印象的で、量産型という概念をつくりあげた始祖ともいわれている。実際のキットは、懐かしいスタイルのパッケージに、単色成形されたプラモデルパーツを封入。当時のプラモデルを彷彿とさせるアイテムとなっている。首部分が360度回転し、内部機構により伸縮が可能なツメなどのギミックを搭載している。また、ファンには嬉しいキャシャーンのミニフィギュア(未塗装)も付属している。商品価格は2,700円(税込)で、現在「コトブキヤオンラインショップ」にて予約受付中。商品の発売および発送は、2016年4月を予定している。(C)タツノコプロ
2015年12月19日野村周平や間宮祥太朗らが出演することで話題の、古屋兎丸による熱狂的ロングセラーコミックを映画化した『ライチ☆光クラブ』。「第20回釜山国際映画祭」でも上映された本作のポスタービジュアルが、このたび遂に完成。あわせて主題歌を「PENICILLIN」のHAKUEIが主催する音楽ユニット「ライチ☆光クラブ」が担当することが明らかとなった。原作は、独創的な世界観と圧倒的な画力で支持される鬼才漫画家・古屋兎丸の同名ロングセラーコミック。物語の舞台は、黒い煙と油に塗れた蛍光町と廃工場の秘密基地“光クラブ”。大人のいない世界をつくろうとした9人の少年たちによる裏切りと愛憎の物語と、彼らが作り上げた思考する能力を持つ機械(ロボット)“ライチ”と、少女カノンの恋が、圧倒的に美しくダークな世界観で描かれる。ドラマ「恋仲」で一躍注目を浴びた野村さんが光クラブの創設者であり、リーダーのタミヤを、『脳内ポイズンベリー』の古川雄輝が絶対的なカリスマ性で独裁的に支配し“帝王”を名乗るゼラ、『高台家の人々』の公開も控える間宮さんが原作コミックファンの一番人気キャラクター・ジャイボを演じる。またニコ役を池田純矢、雷蔵役を松田凌、デンタク役を戸塚純貴が好演。そのほか、柾木玲弥、藤原季節、岡山天音、中条あやみら、才能に満ち溢れる最旬の若手俳優らを迎え、個性的なキャラクターを心身ともにリアルに体現し、華麗なる競演を披露している。今回完成したポスターは「この醜い世界でぼくらは同じ夢をみた」というキャッチコピーと共に、物語の象徴的なアイテムのひとつであるチェス盤を想起させる格子調の模様、そして成長を否定した少年たちの無垢な危うさを表現する白を背景に、玉座に囚われの身となったカノン(中条さん)を取り巻き、9人の少年たちが配置されている。光クラブのタミヤとゼラが背中を合わせていることから、対立関係にあることが伺え、光のない絶望の中で、理想の世界を夢見る9人の美少年たちの行く末を案じさせるビジュアルに仕上がっている。そしてさらに今回決定した本作の主題歌は、「PENICILLIN」のボーカル・HAKUEIが主宰する音楽ユニット「ライチ☆光クラブ」の「メルヘン☆ジャック」。2011年に結成された「ライチ☆光クラブ」は、甘美で繊細、そして残酷な本作の世界を音楽に昇華させ、多種多様なアーティストと共にライフワークとしてコンスタントに展開。今回のために書き下ろされた主題歌は、一層映画の世界観を盛り上げてくれること間違いなしだ。また、本作の全国共通前売鑑賞券が12月19日(土)より発売開始。特典として、秘密基地の玉座前に集う光クラブのメンバー全員と、カノンとライチの記念写真風の限定写真がセットになった「秘密基地のメモリアルフォトカード」が、購入者に先着で配布される。『ライチ☆光クラブ』は2016年2月13日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2015年12月17日バンダイは、クリスマスシーズンに合わせ、0~12歳の子どもを持つ親800人を対象に、「今年のクリスマスに関する意識調査」を実施した。調査は、2015年11月6~8日の期間に単一回答で実施。今回の調査で、親が贈る子どもへのクリスマスプレゼントは、「知育玩具」(13.5%)が初の1位に。昨年まで13年連続で首位だった「ゲームソフト」を抑えての躍進となった。アンケートによると「子どもが喜ぶものを贈りたい」というコメントが多く寄せられ、遊び方に広がりを持つ「知育玩具」に多くの支持が寄せられた。回答結果は以下。今年の親から子どもへのクリスマスプレゼント1位 知育玩具 13.5%2位 ゲームソフト 13.1%3位 ぬいぐるみ・人形・フィギュア・ロボット 10.4%4位 車玩具 7.8%5位 絵本・本・図鑑 7.0%また、親が子どものころにもらってうれしかったプレゼントについては、1位「ぬいぐるみ・人形・フィギュア・ロボット」(18.3%)、続く2位は子どもへのクリスマスプレゼントと同様に「ゲームソフト」(11.1%)、3位は「ゲーム機」(11.0%)とゲーム機が登場し始め、時代背景を反映する結果となった。なお、2015年の親から子どもへのクリスマスプレゼントの平均予算は6,512円で、昨年の6,905円と比べて393円減少。背景には、2014年の予算の回答で最大金額が250,000円だったのに対して今年は100,000円となったことが影響していると考えられる。一方で2014年と比較すると、10,000円以上15,000円未満が2014年15.9%から2015年18.3%と増加しており、平均金額は下がったものの、高価格帯の層が増加している。
2015年12月05日Universal Robotsは12月2日から5日までの期間、東京ビッグサイトで開催されている「2015国際ロボット展」で自社の協働ロボットを展示している。協働ロボットとは、工場の製造ラインなどで作業者と同じ空間で利用される産業用ロボットのこと。同社はこの分野では売り上げ・販売台数で競合他社を圧倒する実績を持つ。同社のロボット最大の特徴はプログラミングが容易であるという点で、専用タブレットからメニューを選択する方法のほか、作業者がロボットの関節を動かして動きを教える学習モードが用意されている。また、工場内で簡単に再配置できるように工夫されていることや、半日でセットアップが完了することも強みとなっている。製品としてはUR3(可搬重量3kg)、UR5(可搬重量5kg)、UR10(可搬重量10kg)の3種類があり、同社のブースでは全3種類が稼働する様子を見ることができる。今回、同展示会を訪れていた同社CEOのエンリコ・クロー・イバーセン氏とアジア・太平洋地域(APAC)担当General Managerのシャーミン・ゴットフレッセン氏に、日本を含むAPAC市場のビジネス状況や今後の開発方針について話しを伺った。○より直感的なプログラミングを目指す--日本やAPACでのビジネスの状況を教えて下さい。ゴットフレッセン氏:UR3を発表して以来、日本を含むAPACでは予想以上の結果となっています。APACの中では中国とインドを除くと、韓国、シンガポール、日本がトップ3です。--UR3の反応が良いのはなぜでしょうか?ゴットフレッセン氏:(従来のサイズでは)これまで自動化できていなかったことを自動化する機会が出てきたからだと思います。ただ、ビジネス的にはUR5、UR10、UR3は同程度の規模となっています。--主にどのような業界の企業がロボットを導入しているのでしょうか?イバーセン氏:UR3は電子部品業界の企業が多く、スマートフォン部品の研磨などで使用されています。製品全体だとサブサプライヤーを含めた車業界が多いです。--今後の開発の方向性を教えて下さい。イバーセン氏:より安全に、よりプログラミングしやすくなるように開発していきます。安全性に関しては当社のロボットそのものには問題はありませんが、協働ロボットが普及していくにしたがって周辺機器が増えてくるので、それにしっかりと対応していきます。プログラミングに関してはより直感的にできるようにしていきます。--"より直感的"にとは具体的にどういう意味でしょうか?イバーセン氏:例えば、工場内をロボットに見せることで最適な動作をロボット自身が導き出せるようになったり、熟練者の動きを見るだけでロボットがその動きを学習できるようになります。これを実現するためにこれから開発しなくてはならない技術もありますが、7年以内に実現したいと考えています。
2015年12月03日12月2日から5日まで東京ビッグサイトで開催されている「2015国際ロボット展」では、シャープのモバイル型ロボット電話「RoboHoN」やロボットゆうえんちのロボットアイドル「プリメイドAI」などのヒト型ロボットが注目を集めている。「RoboHoN」や「プリメイドAI」と同じサービスロボットエリアには中国のUBTECH Roboticsがヒト型ロボット「Alpha1S」を出品し、音楽に合わせて踊るデモンストレーションを披露している。○さすがの中国価格「Alpha 1S」は事前に動作をプログラミングすることで音楽に合わせて踊らせたり、腕立て伏せをさせることができるほか、スマートフォンから音声コマンドで操作することもできる。サイズは398mm(高さ)×196mm(幅)×113mm(厚さ)で、重さは1.65kg。1回の充電で約60分の連続使用が可能だ。踊ったり腕立て伏せをしている姿を見るとどうしても既視感を覚えるのだが、驚くべきはその価格だ。例えばDMM.make Robotsが販売しているロボットゆうえんちの「プリメイドAIベースモデル」は税込み14万9040円だが、「Alpha 1S」はわずか6万円。さすが中国といった価格設定となっている。○プラットフォーム展開を視野に入れる「Alpha 2」同社のブースでは、デモは行われていないものの、2016年4月に発売予定の「Alpha 2」も展示されている。「Alpha 2」はサイズが437(高さ)×228(幅)×122(厚さ)mmと「Alpha 1S」よりひと回り大きく、可動部も20カ所に増加。赤外センサ、超音波センサ、加速度センサなどを内蔵しているほか、800万画素のカメラを搭載している。機能面では音声会話、同時通訳、音声検索などの機能を備えているとのこと。また、同ロボットはプラットフォームとしての展開を視野に開発されており、同社のホームページからアプリケーション開発ツールを提供するとしている。価格は1000ドル程度となる見込みだ。担当者によれば同社は日本での製品販売を模索しており、販売代理店を募集中だという。
2015年12月03日12月2日から5日まで東京ビッグサイトで「2015国際ロボット展」が開催されている。ロボットは近年、災害対応や家庭の見守りなどでの活用が注目を集めているが、介護分野でもロボットの利用が期待されている。介護向けロボットというと、介護者を補助するパワーアシストスーツを思い浮かべるかもしれないが、レイトロンが出展している「Chapit」は高齢者や要介護者の自立支援を通じたQOL向上および介護者の負担軽減を目的として開発されたロボットだ。○生活雑音環境下でも音声を認識レイトロンはもともと音声認識システムの開発・販売を本業としており、それを「Chapit」の開発に活かしている。「Chapit」の音声認識技術にはレイトロンと北海道大学大学院の共同研究によって開発された雑音環境下でも音声認識を可能とするアルゴリズムが駆使されており、マイクから2~3m離れたところからの音声でも認識することができるほか、テレビの音や他人の話し声、生活雑音が存在する環境でも自然に話しかけるだけで音声認識が可能だという。また、音声入力による家電コントロール機能も搭載されており、ここでも同技術が活用されている。高齢者や要介護者向けの機能としてはブレイントレーニング機能とタイムサポート機能が搭載されている。前者では「Chapit」が出題するクイズや算数の問題に答えたり、徐々に増えるフレーズを記憶する暗記ゲームなどを通じたトレーニングが可能となっている。また、後者では食事や入浴、服薬の時間、戸締まり確認などを設定することで、健康的な生活リズムを構築できるとする。「Chapit」は2016年度から介護施設などに向けて販売を開始する予定で、価格は13万円(税別)となる。
2015年12月02日