三浦春馬がドラァグクィーンを演じることで話題のミュージカル「キンキーブーツ」の初日公演を前に7月21日(木)、リハーサルの模様が公開され、三浦さんとW主演の小池徹平が役柄の衣裳で報道陣の取材に応じた。映画化され、ブロードウェイでも人気を博したミュージカルを日本語で上演。経営不振に陥った老舗の靴屋が、女装して踊るドラァグクィーンのローラとの出会いから彼らのための靴を作る中で、差別や偏見を捨てて工場を再生させていくさまを描く。小池さんも三浦さんも劇中衣裳で報道陣の前に登場!特に、メイクもガッチリと施され体にぴったりと密着した赤いワンピースにハイヒールの三浦さんの姿にどよめきが!三浦さんは「みなさんに生でこの姿を見ていただきたいです」とニヤリ。役作りのために、家でもハイヒールを履くなどしていたそうで「普段、生活してても女性の動きに目が行くことが多くなった」と明かす。会見時に履いていたのは、最も低いヒールだが、それでも12センチ!「本当に女性って大変だなと身をもって感じています」としみじみと語る。相棒を演じる小池さんも「どんどん女の人に思えてきて、不思議な錯覚に陥ります(笑)」と感嘆した。「目力が強いので、パッと見られると『そんな目で見んじゃねーよ!』ってなります(笑)」と語っていた。報道陣からは「ハマるのでは?」「プライベートでも女装したくなるのでは?」という質問が飛んだが、三浦さんは「想像にお任せします」「それは、誰にもわかりません」と思わせぶりにほほ笑む。公開リハーサルでは、赤いドレスを中心に、衣裳をとっかえひっかえ、華麗なダンスと歌声でドラァグクィーンになりきっていた。派手な見た目に目を奪われがちだが、2人は物語の持つメッセージ性も強調。三浦さんは「他人を受け入れれば自分も変わり、世界さえも変わるというメッセージ。父と息子の心温まる物語です」と力強く訴えた。「キンキーブーツ」は8月6日(土)まで東京・新国立劇場中劇場にて上演中。8月13日(土)から22日(月)まではおおさか・オリックス劇場にて、8月28日(日)から9月4日(日)までは再び東京・東急シアターオーブにて上演。(text:cinemacafe.net)
2016年07月21日俳優・三浦翔平に12時間密着する生配信番組『三浦翔平の丸一日完全密着 翔熱大陸』が、23日(10:00~22:00)にインターネットテレビ局・AbemaTVで配信される。三浦が、密着の生放送を受けるのは初めてで、今回の番組では、仕事風景、トレーニングや買い物の様子、友人と酒を飲みながらプライベートトークを繰り広げる場面まで潜入予定。仕事現場での顔と、プライベートな顔まで、三浦のさまざまな表情に迫る。「プライベートだったり、仕事風景だったり、まだわからないのですが、精いっぱい頑張りたい」と意気込む三浦。「1日そのままでいいと言われているので、本当にそのままでいようかなと思います」と、肩の力を入れすぎずに過ごしたいとコメントしている。三浦は、第20回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで「フォトジェニック賞」「理想の恋人賞」を受賞。深田恭子主演のTBS系ドラマ『ダメな私に恋してください』に出演して話題を呼び、放送中にはTwitterのトレンドワードに「三浦翔平」が入るなど注目を集めていた。
2016年04月21日三浦春馬と小池徹平が初タッグを組み、挑戦するブロードウェイミュージカル「キンキーブーツ」。この度、“キンキーブーツ”を履いた三浦さんが写る新ビジュアルが解禁された。イギリスの田舎町ノーサンプトンの老舗の靴工場「プライス&サン」の4代目として産まれたチャーリー・プライス(小池徹平)。彼は父親の意向に反してフィアンセのニコラ(玉置成実)とともにロンドンで生活する道を選ぶが、その矢先父親が急死、工場を継ぐことになってしまう。工場を継いだチャーリーは、実は経営難に陥って倒産寸前であることを知り、幼い頃から知っている従業員たちを解雇しなければならず、途方に暮れる。従業員のひとり、ローレン(ソニン)に倒産を待つだけでなく、新しい市場を開発するべきだとハッパをかけられたチャーリーは、ロンドンで出会ったドラァグクイーンのローラ(三浦春馬)にヒントを得て、危険でセクシーなドラァグクイーンのためのブーツ“キンキー・ブーツ”をつくる決意をする。チャーリーはローラを靴工場の専属デザイナーに迎え、ふたりは試作を重ねる。型破りなローラと保守的な田舎の靴工場の従業員たちとの軋轢の中、チャーリーはミラノの見本市にキンキーブーツを出して工場の命運を賭けることを決意するが――。本作は、シンディ・ローパーが全曲作詞作曲を担当し、2013年の「トニー賞」作品賞をはじめとする6部門受賞という快挙を成し遂げた大ヒットミュージカルを、日本人キャストで再上演するというもの。経営不振に陥った老舗の靴工場の跡取り息子チャーリーが、ドラァグクイーンのローラに出会い差別や偏見を捨て、ドラァグクイーン専門のブーツ工場として再生する過程を描いた2005年に公開されたイギリス映画をミュージカル化。シンディのパワフルで最高に魅力的な書き下ろしの楽曲の数々が大きな話題を集め、いまもなおブロードウェイで人気を集める大ヒット作品だ。そして今回の日本人キャスト版は、音楽・演出・振付はオリジナルをそのままに、主演のチャーリーとローラには、高い歌唱力を持つ小池さんと、卓越した歌とダンスで舞台での評価も高い三浦さんが初タッグを組んだ。そしてヒロインのローレン役にはソニン、そのほか、玉置成実、勝矢、飯野めぐみら実力派俳優たちが集結している。先日、小池さんと三浦さんが“キンキーブーツ”と写った新ビジュアルのチラシが解禁されたばかりだが、今回新たに初解禁となる新ビジュアルが完成。なんと今回は、本国ニューヨークからはるばる届いた真っ赤な“キンキーブーツ”を、実際にはいたドラァグクイーン・ローラ役の三浦さんの姿が写し出されたビジュアル。妖艶な赤の醸し出すオーラにも負けず、15cm越えの超ハイヒール“キンキーブーツ”を早くも履きこなし、その傍らでブーツに見入るチャーリー役の小池さんのツーショットが収めている。すでに夏の公演に向けて、高いヒールを履く練習を始めているという三浦さんは、「去年L.A.で、ドラァグクィーンが履く黒の15cmヒールブーツを脚を慣らすために購入しましたが、本国からお借りした真っ赤なブーツを初めて見たときは、妖艶でかつ迫力がありました」とやはり本物は違うと語り、また「このブーツを履くことで背丈が増すということは、それ相応の責任が増し、高揚すると共に、身が引き締まる思いでした。ミュージカルキンキーブーツの魅力を是非とも皆様に届けたい。劇場でお待ちしております」と熱い想いを寄せている。“ドラァグクイーン”三浦さんの全貌が徐々に明るみになり、本ビジュアルの早くも役に徹した三浦さんの表情からも、ますます期待が高まるようだ。ブロードウェイミュージカル「キンキーブーツ」は、7月21日(木)~8月6日(土)東京・新国立劇場にて、8月13日(土)~8月22日(月)大阪・オリックス劇場にて上演。ブロードウェイミュージカル「Kinky Boots」来日版は、2016年10月、渋谷・東急シアターオーブにての公演予定。(cinemacafe.net)
2016年03月28日2015年より在阪民放5局が文楽とタッグを組み、より分かりやすく、よりカジュアルに、その魅力を伝えようと始まった『うめだ文楽』。第1回にも関わらず、5公演すべて満員御礼と好評を博した本公演が、今年も開催される。「うめだ文楽2016」チケット情報演目は大阪・玉造が舞台の「傾城阿波の鳴門 ~十郎兵衛住家の段~(けいせいあわのなると ~じゅうろべえすみかのだん~)」。文楽の代名詞ともいえる大曲で、母と娘の切ない情愛を描いた物語だ。この大曲を、通常公演では手がけることのない若手技芸員が演じるのも『うめだ文楽』の見どころの一つ。昨年も出演し、若手技芸員たちのリーダー的存在でもある人形遣いの吉田幸助は、「今年は6公演と昨年より1公演増えたので、力を合わせて頑張っていきたい。『傾城阿波の鳴門 ~十郎兵衛住家の段~』は、“阿波”とありますが徳島ではなく大阪でできたお芝居。普段はあんまりやらない曲でもありますので、ぜひ見ていただけたら」と意気込んだ。同じく2年連続の出演となる三味線の鶴澤寛太郎も、「昨年は、『壺坂霊験記』という背伸びどころかジャンプするような演目を勤めさせていただき、今年も昨年に勝るとも劣らない大曲をやらせていただくので身の締まる思いと、また大変な思いをするのかという気持ちが入り混じっていますが(笑)、2年連続で与えてもらったチャンスですし、たくさんの人に協力してもらってこの会が成立しているので、少しでも期待に添えられるように頑張りたいです」と語った。そして今年初出演となる太夫の竹本小住大夫は、「出演させていただき、非常に光栄です。体当たりで務めさせていただきます」と自らを奮い立たせた。公演は、トークショーとの二部構成。トークショーでは、わかぎゑふ、三浦しをんら、多彩なゲストが日替わりで登場。技芸員とともにビギナーにもわかりやすく、文楽の魅力を語りつくす。2年連続でゲスト出演する桂南光は「会場であるシアターの小さな空間で観る文楽は臨場感たっぷり。とても伝わりやすかった」と絶賛。会場は大阪駅からすぐと利便性も高く、より気軽に楽しめる。『うめだ文楽2016』は3月25日(金)から27日(日)まで、大阪・グランフロント大阪 北館4F ナレッジシアターにて上演。チケットは発売中。
2016年01月25日子供の頃から映画が中心の環境に身を置き、ご家族もみな俳優という柄本佑さん。まだ20代とは思えない達観したような雰囲気と映画やドラマでの不思議な存在感は唯一無二。数多くの作品に出演されており、大忙しの柄本さんですが、俳優を仕事としていこうと思ったのは、どうやら最近のようなのです…。* **――14歳で映画でデビューされた時から俳優になろうと思っていらしたんでしょうか?柄本:当時、将来の夢が映画監督だったんです。映画のオーディションの話があった時に言われた、「生で映画監督が見られるよ」って言葉に釣られまして。当時、ちょうど反抗期が始まった頃だったんですが、地方ロケで2か月間ずっと大人の世界に放り込まれて、こんな世界で親父たちはやっているんだってわかって、尊敬する気持ちが芽生えました。ただ、ロケから帰ってきてから、家族で外食に行っても、へんにお会計のこととかを気にする子供になってしまいましたけど(笑)。――そこから俳優になろう、と?柄本:その2か月が本当に刺激的で、普通に学校に行く生活が全然面白くなくなっちゃったんです。周りの同級生が妙に子供に見えたりもして、もう一回、映画をやってみたいと思ってしまったんですよね。ただ、学校を卒業して役者だけってなった時には、やっぱり不安はありました。どこか学生っていう身分が自分を社会につなぎとめてくれていたんです。それが役者だけになった時、それってどんな職業だよ、失業者と何が違うんだって考えてしまった。どうも、この役者っていう仕事がなんだかわからなくなっちゃったんですね。それで、普段の生活と、出勤して労働することのメリハリを意識するようになりました。朝起きて、料理して、朝ごはんを食べて、洗濯して、俺だったら映画をちゃんと観に行くとか、そういう普通の生活を土台にすることを大事にするようになりました。――ご両親が俳優ですし、そんな意識を持っていたとは意外です。柄本:親父とか母ちゃんとかの会話のなかで、耳年増になってわかったつもりになっていましたけれど、体験しないとわからないですね。ようやく俳優が職業だと思えるようになったのは、結婚してからだと思います。自分はこの仕事を続けていくんだなって、客観的に思うようになったというのかな。周りにとっては、大したことじゃないことだけれど、自分にとっては意外と大したことでした。◇えもと・たすく1986年12月16日、東京都生まれ。’01年に映画『美しい夏キリシマ』(’03年公開)の主役オーディションに合格。デビュー後は、映画やドラマ、舞台などで活躍。近作に舞台『桜の園』、映画『ピース オブ ケイク』『GONINサーガ』など。NHKドラマ『あさが来た』に出演中。◇柄本佑さんが出演するドラマ『女性作家ミステリーズ 美しき三つの嘘』(CX系)は、来年1月4 日午後9 時から放送予定。全3話によるオムニバスで、柄本さんは第2話の三浦しをんさん原作の『炎』で、土屋太鳳さん演じる主人公の担任の社会科教諭・木下を演じる。監督は映画『ヴァイブレータ』の廣木隆一さん。※『anan』2015年12月16日号より。写真・内田紘倫インタビュー、文・望月リサ
2015年12月14日湊かなえ、三浦しをん、角田光代という現代を代表する女性作家の短編小説を映像化するオムニバスドラマ「女性作家ミステリーズ 美しき三つの嘘」が2016年1月4日(月)にフジテレビにて放送されることが決定。それぞれのドラマの主人公に永作博美、土屋太鳳、鈴木京香、そして全話に三浦友和が登場することが明らかになった。「女性作家ミステリーズ 美しき三つの嘘」は、これまで多くの作品が映像化されてきた湊氏、三浦氏、角田氏のいまだ未映像化の短編小説を題材に、“短編”ならではの長さをそのまま活かして映像化。“大人の鑑賞に堪えうるミステリー”をテーマに、現代を生きる様々な世代の女性たちが抱える“秘密”と“ウソ”にまつわる珠玉のミステリードラマが全3作品で紡がれる。第1話は、湊氏原作の「ムーンストーン」(ハルキ文庫刊「サファイア」所収)。主人公の私は、市議会議員の夫が県会議員選挙で落選したことをきっかけに彼からDV被害を受け、抵抗したはずみで夫を殺してしまう。逮捕され警察の取り調べを受ける私のもとに、ある女性が現れて…。主人公の私には永作博美、私を訪ねる女性に檀れい、私を取り調べる刑事役に村上淳、私の夫に滝藤賢一、夫側の弁護士に柄本明という豪華キャスト陣が集結。また、監督は『神様のカルテ』シリーズ『トワイライト ささらさや』などで知られる深川栄洋が務める。永作さんは本作が深川監督とは初タッグとなるが「ある意味、挑戦的な、とても新しいアプローチで描く作品です。深川監督と一緒に、“新しい表現”をお見せできるよう頑張りたい」と撮影を楽しみにしている様子。第2話は、三浦氏原作の「炎」(新潮文庫刊「天国旅行」所収)。毎朝、通学バスで登校する高校生の香川亜利沙の日課は、憧れの先輩・立木尚吾の横顔を眺めること。図書委員の亜利沙は、図書室で仕事をしながらも、テニス部で練習に励む立木の姿を追ってしまう。そんな憧れの立木がある日突然、学校のテニスコートで…。主人公・亜利沙に土屋太鳳、立木の元彼女・初音に門脇麦、立木に村上虹郎、亜利沙の担任で社会科教諭・木下に柄本佑と最旬若手俳優がずらり。土屋さんは「誰の心の中にも“炎”のような何かが必ずあると思いますが、この作品で亜利沙という役としての“心の炎”と一緒に、いまの私自身がこの作品と出会って生まれた“心の炎”を監督や、共演の麦ちゃんをはじめとした素晴らしいキャストの方々に引き出していただいたので、是非この“熱”を感じていただけたら」と熱いコメントを寄せた。そして第3話は、角田氏原作の「平凡」(新潮社刊「平凡」所収)。宮本紀美子は、結婚生活も20年を越えた主婦。紀美子の中高校の同級生・榎本春花は人気料理研究家で、テレビに出ない日はないほどの有名人。彼女の活躍を見るにつけ自分が地味で不幸に思えてしまう紀美子は、春花に会えば、退屈な毎日から脱却できるのではと考え20年以上ぶりに再会を果たす。しかし突然、春花が「わたし、人を殺したかも」とつぶやき…。「平凡」には、主人公・紀美子に鈴木京香、榎本春花に寺島しのぶ、紀美子と春花の高校時代の教育実習生・宮本に染谷将太、紀美子の夫に寺脇康文と、豪華実力派キャスト陣を迎え、『64-ロクヨン-』前編&後編の公開を控える瀬々敬久がメガホンを取る。本作で初共演となる鈴木さんと寺島さんだが、それぞれの印象について「“春ちゃん”のイメージ通りで、台本で描かれているように快活で活発、そして才能あふれる女性ですので、ご一緒していてとても楽しいです」(鈴木さん)、「鈴木京香さんは、いつまでも本当にきれいな方だなと思って、現場でも見とれていました。日傘を差している姿がとても似合う方です」(寺島さん)と明かした。さらに、3作それぞれに、三浦友和が刑事として出演。三浦さん演じる刑事が全く異なる3作品を連結させる役割を担い、各作家の独立した短編作品が、まるでリレー小説のように一連のドラマとして連なりを見せることもこのドラマの見どころの一つといえるだろう現代を代表する女性作家たちの短編を、それぞれの世代のトップランナーと言っても過言ではない女優陣を主演に迎え紡ぎ出す、新春にふさわしい豪華絢爛な本格ミステリードラマの本作に期待が高まる。「女性作家ミステリーズ美しき三つの嘘」は2016年1月4日(月)21時よりフジテレビ系にて放送。(text:cinemacafe.net)
2015年11月25日ピース・又吉直樹さんの小説『火花』の芥川賞受賞が話題ですね。発行部数は200万部を突破!発行元としては村上春樹さん以来の快挙だそうです。これほどメディアで騒がれていると、普段あまり本を読まない人も興味が沸いてくるのではないでしょうか。暑い日はまだまだ続きますし、たまには部屋にこもって読書…なんて過ごし方も◎。≪おすすめ!官能的な作品たち≫といっても、こう暑いと、硬めの小説はなかなか頭に入って来ないかもしれませんね。せっかくならセクシーな気分に浸れる作品を読んだりするといいかも…。ということで今回は、賞そのものが注目を浴びている芥川賞・直木賞受賞作家の作品の中から、官能的な世界に浸れる小説を厳選してご紹介します!≪ある意味“純愛”≫■村山由佳・著『ダブル・ファンタジー』『星々の舟』で2003年に直木賞を受賞した村山由佳さんは、いわずと知れた恋愛小説の名手。2009年刊行の『ダブル・ファンタジー』は、中央公論文芸賞をはじめ三冠を受賞し話題になりましたが、文壇に衝撃を与えたのはむしろその内容のほうでした。主人公である脚本家の奈津は、自身のマネージャーを務める夫から逃れ、次々と男と体を重ねていく…レビューからは“淫乱”で“自分勝手”という言葉も散見されますが、心と体の結びついた官能を求める奈津の様子は、“純愛”とも取れそうです。自分の行動の結果は自分で引き受ける、そんな生きる強さももらえるはず。『ダブル・ファンタジー』〈上〉 (文春文庫)≪耽美な官能世界に浸れる≫■小池真理子・著『欲望』1995年に『恋』で直木賞を受賞した小池真理子さんが、次に発表した長編小説『欲望』。単行本の刊行が1997年と少し古い作品ですが、2005年にはR-18指定で映画化もされています図書館司書の女性・青田類子、美しく性的不能者の正巳、“存在そのものが性器”と言われる阿佐緒の3人は中学時代の同級生。阿佐緒の夫である袴田亮介を加えた4人の男女の物語です。3人が偶然再会したことで各人の感情は大きく揺れ動き、様々な形の性、愛、そして死が描かれます。ドラマチックでリアリティに欠ける点はあるものの、だからこそ日常を忘れ、耽美な官能世界に浸ることができるでしょう。『欲望』 (新潮文庫)≪ラブホテルにまつわる人間模様≫■桜木紫乃・著『ホテルローヤル』“新官能派”と呼ばれ注目を集める桜木紫乃さんが、直木賞を受賞したのが『ホテルローヤル』。道東にある、タイトルと同じ名称のラブホテルが舞台となる連作短編集です。最初の1編は、ケガでアイスホッケー選手を引退した恋人に請われ、廃墟となった“ホテルローヤル”で投稿ヌード写真撮影を行う女性店員の物語。そこから時間は遡り、性の欲望が行きつくラブホテルという場所に関わる、様々な人たちの人間模様が描かれます。セックスシーンは控えめですが、まずは直木賞受賞作を読んでから、その他の作品に手を伸ばしてみても。『ホテルローヤル』 (集英社文庫)≪生が絡み合うストーリー≫■石田衣良・著『sex』石田衣良さんといえば、『池袋ウエストゲートパーク』シリーズや直木賞受賞作『4TEEN フォーティーン』のように、男性同士の友情をテーマにした作品が有名ですが、恋愛小説も多数発表しています。その中のひとつ、どストレートなタイトルの『sex』は、様々な男女の性をテーマにした12編から成ります。最初は、夜道を歩きながら、お互いの体を刺激し合う夫婦の話。ポルノ的な小説とは一線を画する、“生”が絡み合うセックスストーリーをぜひ。『sex』 (講談社文庫)≪ほのかな性のエッセンス≫■三浦しをん・著『小暮荘物語』三浦しをんさんというと、直木賞を受賞した『まほろ駅前多田便利軒』を思い出す人も多いのでは。同作を彷彿とさせる人間ドラマ小説『小暮荘物語』は、安普請のぼろアパートを舞台に、住人たちの哀しみ、それを癒す心地よい繋がりを描いた7編の連作短編集…なのですが、随所に“セックス”という言葉が登場します。“セックスがしたい”と思春期の男の子のように願う大家の老人、刹那的な恋にのめり込む女子大生、覗きが趣味のサラリーマン、消えた恋人を思いながら別の男性を受け入れる女性…。セックスの直接的な描写は多くありませんが、個性的な人々の“人生”に没頭しながら、ほのかな性のエッセンスを楽しんでみて。『木暮荘物語』(祥伝社文庫)≪番外編:青春時代の恋を思い出す≫■窪美澄・著『よるのふくらみ』芥川賞・直木賞の受賞歴はありませんが、R-18文学賞でデビューした背景もあってか、官能的な作品を多く発表している窪美澄さん。その中でも、マイルドな部類に入るのがこちら、『よるのふくらみ』です。あらすじだけをざっとご紹介すると、同じ商店街で育った文房具屋の娘・みひろと、酒屋の兄弟・圭祐と裕太、3人の物語。セックスレスからの三角関係…と言ってしまうと陳腐な印象を受けるかもしれませんが、どうにもならない複雑な気持ちが丁寧に書き込まれ、不思議と爽やか。デビュー作で映画化もされた『ふがない僕は空を見た』より官能シーンは控えめですが、胸がちくりと痛むような、青春時代の恋愛を思い出させてくれるはず。『よるのふくらみ』(新潮社)いずれも、いわゆるポルノのような露骨なものではなく、物語の一要素としてセックスが描かれているので、気軽に手に取れるのも魅力。日本を代表する文学賞を射止めた、実力作家たちが紡ぐ官能の世界を、ぜひお楽しみください。(文=橘いつき)誕生日で占うふたりの体の相性【無料占い】
2015年08月12日ピエール瀧主演という話題性と共に、その重厚なつくりが称賛を浴びたドラマ「64(ロクヨン)」に、「鹿の王」で本屋大賞を受賞した上橋菜穂子の大人気ファンタジーの実写化として期待を集める「精霊の守り人」など、注目作品の脚本を次々と手掛ける大森寿美男。ドラマから映画になった「悪夢ちゃん」に「テンペスト」、NHK大河ドラマ「風林火山」、映画『悼む人』など、これまで脚本を執筆してきた作品は枚挙にいとまがない、押しも押されもせぬ人気脚本家である。そんな大森さんが、脚本家としてペンのみならず、監督としてメガホンをも握った映画『アゲイン 28年目の甲子園』のDVD&ブルーレイがまもなくリリースされる。重松清の小説を原作に、かつて甲子園を目指し汗を流した高校球児で、いまはすっかり中年オヤジとなった主人公たちが「マスターズ甲子園」を目指して再び立ち上がるという本作。大森監督にとっては、三浦しをんの同名小説を原作に箱根駅伝をめざし奮闘する大学生たちを描いた『風が強く吹いている』に続く監督2作目となる。監督作の2作がいずれもスポーツを扱った作品ということで、さぞや本人もスポーツが好きかと思いきや決してそういうわけでもなく「たまたま(笑)」とのこと。「ただ、箱根駅伝と野球の二つだけは昔から大好きでした。これがサッカーだったら馴染みがなさ過ぎて無理でした(笑)。スポーツが描きたいというより、その人間が過ごした時間を描きたい。その意味でスポーツ、特に箱根駅伝や高校野球というのは、その人間がそこにたどり着くまでに過ごした濃密な時間――成功も挫折も含め、その人が背負ってきたものが見えやすいんだと思います」。主演を務めたのは中井貴一。「脚本を書きつつ、ボンヤリと頭の中にあったのかな…。書き上げて、誰に演じてもらうか?と考えた時、最初に浮かびました。人間ドラマとして主人公の心情を表現でき、リアリティを持って演じられて、野球のシーンもこなせる中年男性。他に思い浮かばなかった」と言うが、当初、中井さんはリアルな野球シーンを体現できないと出演を固辞し、難航した。「中井さんに『野球のシーンはどう撮るか?』と聞かれて『ドキュメンタリーのように撮りたい。みなさんが試合をする姿をこっちが勝手に撮りたい。楽しんでプレーしてくれたらいい』と言ったんですが『それなら無理だ』と(苦笑)。ドキュメンタリーのようにどこを切り取ってもいいという形にしてしまうと、“無意識”が映ってしまい、嘘がばれてしまうので厳しいと。慌てて『無理はさせないし、恥はかかせない』と約束して何とか受けてもらいました(笑)。本番に入ったら、理想に近い形で撮影できました」。映画では、オヤジたちが泥にまみれる。プロ野球やJリーグ、オリンピックの世界では、不惑の40歳を超えたベテランたちが“レジェンド”として尊敬のまなざしを向けられているが…。「この映画のオジサンたちはレジェンドと呼ばれる成功者からはかけ離れてます(笑)。ただ、レジェンドたちが持っている思いと同じものを、普通に生きている彼らも、心の奥にくすぶらせつつも持っているんじゃないか?体はレジェンドのようには動かないけど、思いを取り戻したら、一瞬にして若い頃の情熱が戻る――マスターズ甲子園を見に行って、まずそれを感じました。いま、熱い時間を過ごしてる彼らの熱量は高校生の頃と変わらないんです。前作の箱根駅伝では、その時にしか味わえない時間をいかに彼らのその後の人生に残せるか?という、かけがえのない時間を映画にしたかったんですが、今回、オジサンたちにとっては、そのかけがえのない時間が過去になってる。既に失われているんだけど、思いを取り戻すことで、“いま”という時間が少し変わっていく。それを描きたかった」。オヤジだけではなく若い俳優陣も存在感を見せる。「マスターズ甲子園」を扱う男くさいドラマにあって、主人公・坂町がなかなか心を通じ合わせることができない実の娘を演じるのは現在、朝ドラ「まれ」に出演中の門脇麦。そして、坂町のいまは亡き同級生の娘で、彼の元を訪れマスターズ甲子園出場を勧める女子大生・美枝を、来期の朝ドラ「あさが来た」のヒロインに決まっている波瑠が演じている。特に坂町と美枝の関係について、大森監督は「親子でも男女でもない、ありえないような関係性があり得るのを描きたかった」と語る。「マスターズ甲子園をめざして野球をやることで、人のつながりが変化していく物語にしたかったし、普通の血のつながりのある親子よりも踏み込んだ特別な関係を描きたかった。坂町は実の娘との関係は壊れてるし、美枝は父親を亡くしてるけど、そんな血のつながらない2人が出会い、濃密な時間を過ごして関係を築いていく。波瑠さんは、実は以前に仕事で甲子園の観戦記を書いたこともあるそうですが、会ってみると全然、野球クサくなかった(笑)。そこがいいと思いました。活発そうでもなく、ひねくれてるわけでもなく、意外な女優さんです。どこか不思議な人で、掘り起こしてみたいなと感じました(笑)」。してその結果は?「不思議な人でした(笑)。打てば響くし、言えばどんどん変わるけど、どこか控え目というか、自分を過小評価してるんじゃないかと思うようなところがありました。もっと自分がいい女優さんだって気づいてほしい。そういう思いで演出していましたが、自分が感じたポテンシャルは間違っていませんでした。今回、その彼女の魅力を自然に引き出してくれたのは中井さん。私の言葉なんかよりも、中井さんの雰囲気に自然に心を開いて言いってくれたなと思います。そこは坂町と美枝の関係そのものでした」。複数の世代について話をしてもらったが「見る年齢によって、印象が大きく異なるのがこの映画の特徴」と大森監督。一人で、パートナーと、親と、子供と――誰と見るかでもまた感想が違ってくるはずだ。(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:アゲイン28年目の甲子園 2015年1月17日より全国にて公開(C) 重松清/集英社(C) 2015「アゲイン」製作委員会
2015年07月07日肩ヒジ張らずに読めて、爽快な読後感を味わえる秀逸なエッセイに出会った時の歓びは、ささくれた心を、洒脱なユーモアで包み込んでくれる親友を得たようなもの。そのおもしろさに快哉を叫びながら、大きく深呼吸できるような気分になれるから不思議です。著者がアラフォー、あるいは、アラフォーの頃に書かれたエッセイ集で、クスリと笑えるのにジンとくる、味わい深い珠玉の3冊をご紹介しましょう。類まれなるセンス。片桐はいりさんの文才にハマる!▼『わたしのマトカ』片桐はいり(幻冬舎文庫)片桐はいりさんという俳優をもともと好きだったのですが、2006年に出版された彼女の初エッセイ集「わたしのマトカ」を読んだとき、あまりのおもしろさと類まれな文章センスにぶっ飛びました。2005年、映画「かもめ食堂」の撮影のため、フィンランドに1カ月間滞在したことをきっかけに、書き下ろされたエッセイが本書。マトカは、フィンランド語で「旅」という意味だそうです。撮影の待ち時間、フィンランド人の若手俳優と「ヤッチマイナ!」と「キル・ビル」ごっこをしたり、フィンランドの鬼才、アキ・カウリスマキ監督映画の常連俳優との共演に胸ときめかせたり、サルミアッキという甘塩っぱいゴムみたいなお菓子に驚いたり、「大根おろしが食べたい」と発作のように思ったり、フィンランドの魅力のみならず、片桐さんの役者人生と世界各地への旅がレイヤーで描かれ、息もつかせぬおもしろさ。映画好き、芝居好きという芳醇な愛情が根底にピシッと1本通っており、生き方にも感銘を受けずにおれません。この後に出た『グアテマラの弟』(幻冬舎)、『もぎりよ今夜も有難う』(キネマ旬報社)も間違いなくおもしろいので、心から一読をお勧めします。電車で読んだら危険!? 報復絶倒のエッセイ『ワタシは最高にツイている』小林聡美(幻冬舎文庫)女優の小林聡美さんが、30代から40代にかけての3年間に書いたエッセイがまとめられ、2007年に出版されたもの。「かもめ食堂」つながりというわけではないのですが、主演された映画の撮影期間はこの3年間に含まれるので、ヘルシンキ滞在中のエッセイも2編。もちろん映画を観ていない人にも楽しめる内容で、笑いなしには読めません。長期滞在者向けのアパート型ホテルで、鉢植えの花を窓辺に飾って愛で、ささやかな幸せを満喫しながらも、控えめそうな国民性なのになぜか目立つ若者の尻出し率(パンツの位置が下過ぎ)を憂う。また、フィンランドと日本のスタッフが双方の言葉を覚えて、互いに「ホンバンイキマ~ス」「ウスコマトンタ(信じられない)!」などとやりとりする現場の雰囲気を活写。それ以外にも、3年分のリアルアラフォー感が味わえます。かつて夫であった三谷幸喜さんが、原稿が書けなくて七転八倒し、リビングルームで気分転換に彼女の本を手に取ったら、おもしろ過ぎてかえって自信をなくした…というエピソードが残っているくらいの名文家。同じく幻冬舎から出ている『マダム小林の優雅な生活』『マダムだもの』なども、報復絶倒なので電車の中では読まないほうがいいかもしれません。一切ハンパなし! 妄想炸裂の爆笑エッセイ『お友だちからお願いします』三浦しをん(大和書房)作家の三浦しをんさんは、もちろん小説も素晴らしいですが、エッセイの絶品さは他の追随を許さないものが。脳内で妄想が炸裂し、血中濃度の臨界点を振り切った描写は、一切ハンパなし。とはいえ、これは、様々な新聞や雑誌に書かれたものが1冊にまとめられ、2012年に刊行されたエッセイ集。帯に「よそゆき仕様・自社比」とある通り、初心者の方にも非常に入りやすく、食わず嫌いの方にも読みやすい内容となっています。「私はふだん、『アホ』としか言いようのないエッセイを書いているのだが、本書においてはちがう!(自社比) よそゆき仕様である!(あくまで自社比)」という前書きから始まり、個々のタイトルからして、「オヤジギャグのマナー」「加齢の初心者」「ヴィゴ・モーテンセンと妄想旅行」「町田も東京だったんだ」など、妙にそそられるものばかり。また、後書きで「いかがでしたでしょうか。お友だち以上になっていただけそうですか? 『なれるわけないだろ、ごるぁ!』という怒声が聞こえてくるようだ。精一杯よそゆきの姿勢を装ってみたつもりなのだが、ほうぼうで本性が表れてしまってるもんなあ……。今回読み返して、自分のあまりのダメぶりに、『お友だちですらご免です』と思った」としをんさん。いえいえ、もうお友だちですってば。よそゆきじゃないほうをお望みなら、新潮文庫の『しをんのしおり』『人生激場』『乙女なげやり』をぜひ!この3冊は、すべて“旅”が通底しています。それも魅力のひとつかもしれません。笑ったりジワッとしたりスカッとしたり…脳内の果てしない旅をどうぞお楽しみください。・ 『わたしのマトカ』(幻冬舎文庫) 片桐はいり ・ 『ワタシは最高にツイている』(幻冬舎文庫) 小林聡美 ・ 『お友だちからお願いします』(大和書房) 三浦しをん
2015年05月18日頭の中にはいつだって理想の自分像があるのに、なぜか現実はままならない。そんな現状に不安はあるものの、何から手をつけるかわからないという女子は少なくないはず。 そこで、自分の不安や不満の原因がどこにあるのかを自覚すべく、女子的人生の歩き方を「生」の声から学んでみるのはいかが?リアル女子社会でもなかなか聞けない本音と実感を味わえる3冊のエッセイ&対談集を紹介します。 ■『雨宮まみ対談集だって、女子だもん!!』雨宮まみ、峰なゆか、湯山玲子、能町みね子、小島慶子、おかざき真里 コンプレックスをこじらせた結果、人生の沼地に足をとられかけている女子の心の処方箋的対談集。<「ゲロブス」自意識からの旅立ち><処女のままで死ねない>など、イタ切なさがたまらない!ポット出版1300円 ■『女子漂流うさぎとしをんのないしょのはなし』中村うさぎ×三浦しをん 女の欲望に振り回され続ける中村うさぎと、いわゆる女子戦線から離脱し、我が道を行く三浦しをん。共に女子校育ちのふたりが、女子の生態について語り尽くす対談集。エロ問題にも言及します。毎日新聞出版1200円 ■『アナタたち、「いつか結婚できる」と思っているでしょ?』荒木久美子 ジュリ扇片手に「荒木師匠」と呼ばれた日から早幾年。婚活トレーナーとして活躍する著者が、結婚をとりまく現実を示しつつ「正しい結婚」を得るための心構えを教えてくれる指南書。泰文堂1200円 写真・土佐麻理子 ※『anan』2015年5月13日号より
2015年05月10日瑛太と松田龍平という10代の頃から公私にわたって付き合いのある2人が、高校の元同級生という役柄でタッグを組んで人気を集めてきた『まほろ』シリーズ。第1弾の映画『まほろ駅前多田便利軒』(’11)、連続ドラマ「まほろ駅前番外地」(’13)に続く第3弾で劇場版として昨年公開された『まほろ駅前狂騒曲』のブルーレイ&DVDが発売となる。ブルーレイ&DVD用のオーディオコメンタリーの収録で久々に顔を合わせた瑛太さんと大森立嗣監督が、改めて本作への思いを語ってくれた。原作はこちらも松田さん主演で映画化され、日本アカデミー賞の主要賞を総なめにした「舟を編む」などのベストセラーで知られる三浦しをんによる、直木賞受賞作「まほろ駅前多田便利軒」から続く人気シリーズ。なぜかいつも厄介ごとを背負ってしまう便利屋の多田(瑛太さん)と彼の元に転がり込んできた元同級生の変人・行天(松田さん)がワケありの依頼に奔走するさまを描き出す。久々に松田さんと再会し、3人でオーディオコメンタリー収録に臨み、映画公開から少し時間を置いて改めて作品を鑑賞した瑛太さんは、収録を無事に終えたが「前回の時は(作品に)見入っちゃって口数が少なかったので、その反省を生かして今回は話題を振ろうと心掛けてみたんですが、ホントに世間話みたいになっちゃって…(笑)」と述懐。大森監督も「映画観ながら友達のウチでしゃべってる感じでした(笑)」とふり返る。だが、この仲の良い関係が映画の中で、多田と行天のつかず離れずの微妙な距離感や空気に影響を及ぼしているであろうことは容易に想像がつく。特に今回の映画では、行天の過去が明かされる中で、2人の関係性にも変化が…。「多田が行天の心を少しずつ開かせていくところがあり、それは脚本上もそうなんですが、現場でもそれは感じていて、龍平がそこをどんな風にアプローチしてくるのか楽しみでしたし、僕も多田として、行天から引き出すつもりでやっていました。これまで、多田が行天に振り回される感じで、自由奔放な行天としっかり者の多田という構図でしたが、そのボケとツッコミが今回は逆転しているところもあって面白かったです」。ちなみにシリーズ第1弾の『まほろ駅前多田便利軒』では大森監督がメガホンを握ったが、続く連ドラは『モテキ』などで知られる大根仁監督が演出を務めた。ドラマは基本的に1話完結で描かれており、原作にはないエピソードや各話のゲストの存在なども話題を呼んだ。この連ドラを挟んだことは、今回のシリーズ第3弾の劇場版にどのような影響を与えたのか?大森監督は、多田と行天のキャラクターの“幅”の広がりに言及する。「やはり、原作者のしをんさんは、キャラクターをしっかりと描かれる方ですので、僕らも1作目でそこを強く意識して、探り探りで多田と行天を作っていったところがあったと思います。でも、ドラマを見てると大根さんはすごく自由で、そこは今回の映画にも大きく影響してますね。僕としてはドラマの時の2人のキャラクターを踏まえて、うまく利用して乗っかっていく感じでやりやすさはありました。何よりドラマを経て、瑛太も龍平も何をやっても多田と行天になってたから、そこは大いに助けられました」。瑛太さんも、映画、連続ドラマで積み上げてきたものの大きさについてこう語る。「最初に多田を演じた時、彼の中にある闇――子どもを亡くしたことなどがハッキリと描かれてはいるんだけど、でも便利屋を営んでいるからなのか、人に対して希望を与えたいという人間性、人生はやり直せるんだという思いを持っていて、そこはすごく好きな部分でした。そこをベースにドラマに入って、正直、大根さんが書かれたものに最初は『これ大丈夫なのかな?』と思うこともあったんです(笑)。でもそうやって、自分が考える多田のイメージから外れていくんだけど、そのはみ出し方が『人間だからいろんな側面があっていい』というところに落とし込めた。それからは自由にやれましたね。立さん(=大森監督)が先ほど言ったように、僕が何をしようと多田になるようになったのかな――。考える必要がないところまで行けた気がしました。今回の映画にもそうやってボキャブラリーが増えた状態で入ることができて、自由な発想で楽しめました」。第1作の公開は4年前。当時は瑛太さんもまだ20代で、原作の多田の設定よりも若いこともあって、映画化が発表されても多田のイメージと違うという声もあった。だが、シリーズを重ねる中で当然、瑛太さん自身も年齢と経験を重ねて、もはや誰にも文句を言わせない瑛太さんにしかできない多田像を作り上げた。「最近聞けた言葉で『いい意味で枯れてきたね』というのがあって、よかったなと思います(笑)。僕自身、年齢を重ねるのはすごく良いことだなと思ってるし、30代もいろいろ大変なこともあるでしょうが(笑)、頑張っていきたい、努力していきたいと思ってます」。大森監督にとっても、瑛太さん、松田さんをはじめ、シリーズを彩った俳優陣の活躍は嬉しく、そして大いに刺激となっているよう。「2人とも、最初の第1作を撮ってから数年空いて、その間にものすごくいっぱい仕事をしてますよね。ひとつひとつの作品に、すごくちゃんと向き合っているのを外から見ていたので、今回の映画ではむしろオレが、2人に問われているような気持ちでした。今後もまた一緒に仕事をする機会を持てるように頑張らなきゃと思うし、2人とも歳相応の良い顔をしているので、それを捉えられる監督でありたい。それから今日、オーディオコメンタリーの収録で思い出しましたが、はるちゃん(※行天の遺伝上の娘/岩崎未来)が朝ドラ(※一年前の『花子とアン』)で、吉高由里子さんの娘役をやってて、それはすごく嬉しいですね。何百人とオーディションをして、彼女を選んだんですが5歳ですからすごく大変だったとも思います。怖いシーンだってありましたからね。そういう子が、朝ドラとか大きな作品で頑張っているのを見ると、親心じゃないけど(笑)『あぁ、よかったなぁ』と思います」。さて、これは昨年の劇場公開時から幾度となく監督や瑛太さんに対しても質問がなされ、『まほろ』ファンの願い、総意とも言われているが、今後、シリーズがさらに続く可能性は?この日、久々に顔を合わせて“再始動”に向けて何か約束や言葉を交わすことはなかったのだろうか…?大森監督は「そんな気分になりそうだったけど、言うのはやめときました(笑)。まあ、オレは、やるなら次は多田と行天に絞った、2人の関係がよく見える話をやりたいな…と独り言のように瑛太と龍平の顔を見ないで言ってました(笑)」とあふれんばかりの意欲をのぞかせる。瑛太さんも「(話が)あればやります」と断言した上で、大森監督の「オレたちが自分で言うよりも周りが『やってくれ』と言わないと出来ない」という言葉に深くうなずく。ドラマ、映画とメディアを問わず、新章orスピンオフどのような形式であれ、ファンは常に、多田と行天が瑛太さんと松田さんのように、渋く、カッコよく画面の中で年齢を重ねていくさまを見続けたいと心から願っている。【瑛 太】ヘアメイク:勇見勝彦(THYMON Inc.)スタイリング:壽村太一(SIGNO Inc., Ltd. )(text:cinemacafe.net)■関連作品:まほろ駅前狂騒曲 2014年10月18日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2014「まほろ駅前狂騒曲」製作委員会
2015年04月15日大竹しのぶ、三浦春馬が出演する舞台『地獄のオルフェウス』の製作発表会見が3月25日、都内で行われ、大竹、三浦をはじめ、水川あさみ、三田和代らキャスト陣と、演出のフィリップ・ブリーンが顔を揃えた。舞台『地獄のオルフェウス』チケット情報上演するのはアメリカを代表する劇作家テネシー・ウィリアムズが1957年に発表した作品。アメリカ南部にある保守的で排他的な町を舞台に、報われない日々を送っていた女レイディ(大竹しのぶ)と野生的な青年ヴァル(三浦春馬)の不倫の恋と破滅を描く。「テネシー・ウィリアムズ作品は『欲望という名の電車』以来久しぶり」と話す大竹。大竹は同作のヒロイン役で紀伊國屋演劇賞に輝いているが、「その時は、やってもやってもやりきれない……。『今日はよし!』という日が来るんだろうかと考える毎日でした」と当時を振り返りながら「それでも今回新たにウィリアムズ作品に挑戦することができてすごくうれしいです。フィリップさんがどういう演出をして、わたしたちをどこへ連れてってくれるのかわかりませんが、絶対に面白くなる予感がします」と舞台に期待を寄せた。三浦は今回がストレートプレイ初挑戦。「諸先輩方とすばらしい戯曲に向き合える機会をいただけてすごくうれしい。こんな機会は僕の一生の中で、あるかないかぐらいのことだと思う。稽古に入って、一瞬一瞬を大切に過ごしていけたら」「昨日初めてフィリップさんとお会いしたのですが、とてもユーモアがあるすばらしい方で、この作品に対する強い思いが感じられました。稽古場でも、いろいろアドバイスいただけることを期待せずにはいられない、そんな演出家だと思いました」とコメント。水川は「私は演劇の経験がまだ浅く、正直不安で怖いです。私の演じるキャロルは露出癖があって、自分を表現しようとすればするほど、世界から孤立してしまうような女性。心が飢えていないとできない役なので、今それを模索中です」、三田は「自分はこのラブストーリーを悲劇に追いやってしまう女という役どころ。自分にわからない感覚は若いフィリップさんに教えていただきながら、躍動的なラブストーリーが作れたら」とそれぞれ話した。公演は5月7日(水)から31日(日)まで東京・シアターコクーン、6月6日(土)から14日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて。チケットの一般発売は東京公演が3月28日(土)午前10時より、大阪公演が4月12日(日)午前10時より。チケットぴあでは東京公演のインターネット先行先着を実施中、3月27日(金)午後11時59分まで受付。
2015年03月26日昨年公開された瑛太×松田龍平のW主演による人気シリーズの最新劇場版『まほろ駅前狂騒曲』のブルーレイ&DVD発売を前に2月6日(金)、オーディオコメンタリーの収録が行われ、瑛太と大森立嗣監督が報道陣の取材に応じた。その他の画像三浦しをんの人気小説シリーズを原作に製作された映画『まほろ駅前多田便利軒』、連続ドラマ『まほろ駅前番外地』に続くシリーズ第3弾。共にバツイチで元同級生の多田と行天が便利屋として奔走するさまを描き出す。映画公開から少し時間をあけて、久々に松田を含めた3人が顔を揃え、作品を鑑賞したわけだが瑛太は「前作のオーディオコメンタリーは口数が少なかったので(笑)、その反省を踏まえて話を振るように心がけましたけど、世間話のようになったり、龍平のギャグが炸裂したり(笑)、なかなかないものになってて楽しめると思います」と振り返る。大森監督も「映画を観ながら友達のウチでしゃべってる感じ(笑)。みなさんが知っている中で、瑛太と龍平が一番しゃべっていると思います」と太鼓判を押す。このオーディオコメンタリーに加え、ブルーレイ&DVDには未公開シーンも収録されており、公開時とはまた違った形で楽しめそうだ。本作では多田と行天が“子育て”に右往左往するさま、さらに行天の知られざる過去も描かれるが、瑛太は「依頼を全うするために多田が行天に無理をさせ、少しずつ心を開かせていく。現場でやっていても、龍平がどういうアプローチで来るか楽しみでしたし、多田としても“引き出す”というつもりでやってました」と語る。ちなみに、2人を翻弄する行天の実娘・はるを演じた子役の岩崎未来はその後、NHKの『花子とアン』で吉高由里子演じる主人公の娘役を演じており、大森監督は「すごく嬉しい。何百人も見てオーディションで選んで、(本作の)撮影も大変だったと思う。その子が頑張っているのを見ると、親心じゃないけど、よかったなと思います」と収録で久々に作品を見て、意外なところでホロリとさせられたようだ。ファンの中にはさらなる“続編”を望む声が多々あり、個性的な各キャラクターに焦点を当てたスピンオフへの期待も…。瑛太は「(依頼が)あればやりますけど…」と歯切れは悪いながらも乗り気。大森監督は「次やるなら、多田と行天、2人の関係に絞ったものをやりたい…と(収録中に)2人の顔を見ずに言いました(笑)」と意欲をのぞかせていた。『まほろ駅前狂騒曲』ブルーレイ&DVD 4月15日(水)リリースブルーレイ豪華版(2枚組) 6200円+税DVD 豪華版(2枚組) 5200円+税DVD 通常版(2枚組) 3800円+税発売元:ポニーキャニオン取材・文・写真:黒豆直樹
2015年02月06日クリスマスが終わって新年を迎えたと思ったら、バレンタインまでもうあと3週間…!恋人がいてもいなくても、恋愛気分を高めたいところですね。そこで今回は、読書派の方にも映画派の方にもオススメの恋愛作品をご紹介します。自分のスタイルに合わせてラブストーリーを楽しんでみては?≪恋する勇気をくれる≫■『シュガー&スパイス風味絶佳』2006年/監督:中江功出演:柳楽優弥、沢尻エリカ、ほか原作:山田詠美山田詠美の短編小説『風味絶佳』(谷崎潤一郎賞受賞)の一編が原作。舞台は基地の街・福生市、ガソリンスタンドで働く18歳の青年・志郎(柳楽優弥)は、新しくアルバイトとして入ってきた乃里子(沢尻エリカ)にやがてほのかな恋心を抱き…。初々しくもリアルな恋愛模様に大きく関わってくるのは、志郎の祖母・不二子。清々しいほどの自由さで志郎を振り回します。原作も軽快に読めるので、ぜひ2度楽しんでみて!シュガー&スパイス 風味絶佳 [DVD]==================■『きいろいゾウ』2013年/監督:廣木隆一出演:宮崎あおい、向井理、ほか原作:西加奈子“きいろいゾウ”とは、作中に登場する絵本のタイトルです。この絵本を大切に読んで孤独な日々を癒していたツマ(宮崎あおい)と、背中にタトゥーのある小説家・ムコ(向井理)が満月の夜に出会い、すぐに結婚。田舎で穏やかに暮らしていたのですが、過去の秘密が原因で、ふたりの関係にはやがて溝が生まれてしまいます。そこからふたりの関係はどうなるのか、どのように絆を深めていくのか…結婚っていいな、そんな気持ちになれるかも?きいろいゾウ [DVD]==================■『ジョゼと虎と魚たち』2003年/監督:犬童一心出演:妻夫木聡、池脇千鶴、ほか原作:田辺聖子言わずと知れた名作。本命彼女とセフレのいる男子大学生・恒夫(妻夫木聡)と、ジョゼと名乗る足の不自由な少女(池脇千鶴)の恋物語。衝撃的な出会いから、少しずつ惹かれ合っていくふたり…。待っているのは切ない結末だけど、恋を通して強くなっていくジョゼの姿に、きっとパワーをもらえるはず。映画が原作の先を書く形になっているので、まずは小説から手に取ってみても。ジョゼと虎と魚たち [DVD]≪男性の恋愛観をチラ見≫■『ニシノユキヒコの恋と冒険』2014年/監督:井口奈己出演:竹野内豊、尾野真千子、ほか原作:川上弘美芥川賞作家・川上弘美の連作短編ラブストーリーが原作。主人公はイケメンで仕事もできるモテ男・ニシノユキヒコ(竹野内豊)。女性の扱いは手慣れたもの、だけど最後はいつも女性が去ってしまう…そんな恋の始まりから終わりまでを、複数の女性の視点で描きます。映画でイケメンとの恋にうっとりするもよし、深く理解するなら原作を読み込むのもオススメです♪ニシノユキヒコの恋と冒険 [DVD]==================■『舟を編む』2013年/監督:石井裕也出演:松田龍平、宮崎あおい、ほか原作:三浦しをん出版社で言葉に対する知識・感性が評価され、辞書を編纂する部署に異動した男性・馬締(松田龍平)が主人公。童貞と噂される馬締ですが、ある日運命の女性・林香具矢(宮崎あおい)と出会います。彼女に気持ちを伝えるために馬締が選んだ手段はなんと、恋文。言葉がひとをつなぐ――不器用ながらも一生懸命な恋に、心ほぐれること間違いなし。原作は本屋大賞受賞、さらさらと読める文体が魅力的なので、こちらもぜひ。舟を編む[DVD]==================■『人のセックスを笑うな』2008年/監督:井口奈己出演:松山ケンイチ、永作博美、ほか原作:山崎ナオコーラ19歳の男子学生・みるめ(松山ケンイチ)と、非常勤講師の39歳の女性・ユリ(永作博美)、年の離れた男女の恋模様。ユリは結婚しているので不倫関係ですが、ふたりの恋は純度100%。打算や駆け引きのない、青春時代のストレートな恋愛を思い出させてくれます。いい意味で淡々と話が進むため、こたつでほっこりと鑑賞したいところ。第41回文藝賞受賞、第132回芥川龍之介賞候補作の原作はみるめの一人称で書かれているので、映画と違った視点で楽しめます。人のセックスを笑うな[DVD]≪思いっきり泣きたいときに≫■『100回泣くこと』2013年/監督:廣木隆一出演:大倉忠義、桐谷美玲、ほか原作:中村航累計85万部のベストセラーである同名小説が原作です。主人公・藤井(大倉忠義)の彼女・佳美(桐谷美玲)が、卵巣がんにより亡くなる前後を描いたラブストーリー。大切な人と同じ時間を過ごすことができる幸せを、たっぷり噛みしめることができます。“藤井がバイク事故で佳美とつき合っていた記憶を失い、再び出会う”という小説にはなかった設定が加えられているので、原作を読んだ人も少し違った印象で鑑賞できるかも。100回泣くこと[DVD]==================■『抱きしめたい -真実の物語-』2014年/監督:塩田明彦出演:北川景子、錦戸亮、ほか原作:北海道放送 報道部取材班交通事故で記憶障害と半身麻痺を背負ってしまったつかさ(北川景子)と、網走市の平凡なタクシードライバー・雅己(錦戸亮)の恋物語。ノンフィクション『記憶障害の花嫁』が原作……つまり、これは実話なのです。障害を抱えながらも前向きに生きるつかさ、“逃げるなら今だよ”というつかさの言葉を振り切って結婚を決意した雅己――生きるチカラ、愛のチカラをきっと感じられるはず。抱きしめたい -真実の物語[DVD]小説が原作の映画は、両方読む(観る)のも楽しいですよね!映画を観た後、作品を深く理解するために原作を読んだり、小説を読んだ後に映画で映像・音楽を堪能し、「イメージ通り」「ここは違う」と突っ込んだり…どちらから入っても違った発見があることでしょう。おうちでラブストーリーに浸って、恋の一大イベントへ向けて気持ちを高めてみてはいかがでしょうか?(文=橘いつき)あなたの運命の人は、今どこにいるのか【無料占い】
2015年01月21日映画『まほろ駅前狂騒曲』のブルーレイ&DVDが4月15日(水)にリリースされることが決定し、主演を務めた瑛太と松田龍平がコメントを寄せた。その他の画像三浦しをんの代表作『まほろ駅前』シリーズの劇場版第2弾となる本作は、まほろで便利屋を営む多田と、居候の同級生・行天が、未だに会ったことのない行天の実娘の子守り代行、謎の元新興宗教団体の隠密調査、まさかのバスジャック事件に悪戦苦闘する様が描かれる。2011年公開の『まほろ駅前多田便利軒』(大森立嗣監督)から、2013年放送のTVシリーズ『まほろ駅前番外地』(大根仁監督)、そして本作と4年に渡ってコンビを組んできた瑛太と松田は、「映画館で観れなかった方、映画館で観てもう一度観たくなった方々、是非DVDで観て下さい。オーディオコメンタリーを行天とやったりするので、楽しんでいただけたら幸いです。勿論、本編もご堪能下さい。」(瑛太)、「“まほろ”がDVDになるので、観てください。」(松田)とコメント。4月15日(水)にリリースされるブルーレイ&DVDには、瑛太、松田、大森監督の3人によるオーディオ・コメンタリーが新しく収録されるほか、豪華版の特典映像にはファン必見の未公開映像集やメイキング、全国各地で行われた舞台あいさつ集などが収録される。『まほろ駅前狂騒曲』ブルーレイ&DVD 4月15日(水)リリースブルーレイ豪華版(2枚組) 6200円+税DVD 豪華版(2枚組) 5200円+税DVD 通常版(2枚組) 3800円+税発売元:ポニーキャニオン
2015年01月16日上海を舞台に、三浦春馬が美しい双子の姉妹に恋をするミステリアスなラブストーリー『真夜中の五分前』。主演の三浦さん、ヒロインを演じた中国の人気女優リウ・シーシー、『GF・BF』など台湾の若手トップスターのチャン・シャオチュアン(ジョセフ・チャン)、行定勲監督、とアジアの才能が集結した本作に込めた想いをたっぷりと語ってもらった。本作で三浦さんが演じるのは、時計修理工の良。ひょんなことからルーメイ(リウ・シーシー)という美しい女性と出会うが、彼女には女優をしているルオラン(リウ・シーシー/1人2役)という一卵性双生児の妹がいた。ルオランには、人気俳優・ティエルン(チャン・シャオチュアン)という婚約者がいる。ルーメイは妹の婚約祝いに、彼女を驚かせる贈り物をしたいと知り合ったばかりの良にプレゼント選びを手伝ってもらうことに。良は美しいルーメイとの出会いに胸を躍らせるが、親しくなるにつれ、良はルーメイが抱える心の闇に気づいていく…。ーーアジアにまたがる映画を作るにあたり感じた期待や不安など、また参加したことで得たものを教えてください。行定:「これは必然だったと思うんです。当初は日本映画として作ろうと思っていたんですが、現在、日本で映画を作る状況というのは閉塞的で、“結末を観客にゆだねる映画”を嫌う傾向にある。そうしたら、上海のプロデューサーがこの企画に賛同してくださって。それで一緒にやろうということになり、シナリオを全部書き換えて、スタートしたんです。だから、この映画はこのメンバーが集まらないと出来上がらなかったんですよ」。三浦:「結末を考えさせるという作品に関われたことは、とても楽しくもあり、僕の役者人生において、チャレンジでしたね。行定監督が『上海でやることに意味がある』と仰っていたのですが、実際、上海に行く前から高揚感があり、上海に降り立って、撮影をしていくうちに、その意味が分かってきたんです。というのは、上海の街並、夜景、そして光の入り方というのがこの作品にとてもマッチしていて。光が、この作品のテーマも訴えかけていますし、登場人物の心情も表現してくれているんじゃないかと思っています。全編に渡って中国語にトライさせていただいたり、僕の人生の中でも、とても刺激的な時間を過ごすことができました」。リウ:「私は初めて国を超えた作品に出演したので、違う国の人たちと協力し合うことで新しいものが得られることへの期待が大きかったです。行定監督はとても優しい方で、プレッシャーをかけられることもありませんでした(笑)。撮影前にカット割りなども教えてくれましたので、心の準備もできました。中国では、カット割りなどを事前に教えてくれる監督はほとんどいないんです。みんな一旦リハーサルをして、そこから段取りを考えるというやり方でしたから。でも今回は、最初から決まっていたので、準備をすることが出来て、とてもよかったです」。三浦:「無言のプレッシャーはありましたよね(笑)」。リウ:「でも、楽しかったですよ」。行定:「基本的に僕は役者を信じているので。たまに裏切られる場合もあるんですけど(笑)、彼らは裏切らなかったですね。信じていないと、国を越えて作るのは難しい。中国で撮るということで、彼らの培ってきたもの、アイデンティティを頼りにしているわけですから。いろいろ話もしたし、春馬を含め、3人ともきちんと考えを持っている人たちなので、そこは信頼していました」。チャン:「僕は最初から、国を超えたプロジェクトということで、かなり興奮していましたし、期待していました。違う国の方と協力し合ってどんなものが出来る上がるのか、とても楽しみでした。そして実際にやってみて、もちろん多少の問題はありましたが、やっぱり楽しかったです。国に関係なく、一人一人誰もが仕事のやり方というのは違うと思うんです。ただ行定監督と仕事をしてみて、監督はとても繊細な方ですし、僕たちにも繊細なものを要求する、という部分はあったと思います」。ーー三浦春馬さんと共演した印象を教えてください。リウ:「三浦さんは台詞をすべて中国語で話さないといけないので、撮影の合間もずっと練習していましたね。それを横で聞いていて、たまに『発音がちょっと違う』と指摘すると、それをすごく真面目に受け止めて、すごく感謝してくれて。最後には私は申し訳ない気持ちになってしまいました(笑)」。チャン:「三浦さんは、本当に真面目。すごく芝居に集中していました。僕と三浦さんで階段の踊り場で話しをするシーンがとても印象に残っています。とても気持ちよかったんです。演じながら、2人のヒロインに対する感情がいっぱい出てきて、深いところまで演じることが出来たと思いますね」。ーー劇中、ある事件によってリウ・シーシーさん演じる双子が入れ替わったのでは…?という疑いが生まれますが、どのように演じてみて如何でしたか?三浦:「(演じた主人公の)良について言えば、彼自身、どちらの女性を愛していたのか…そして自分の中の愛とは何なのか?という問題に焦点が当たっている作品なんじゃないかと感じました。でも現実的な問題が後半に出てくる。後半、いろいろなことが起きて、自分の愛と現実の狭間で揺れる感情が面白い。観ている方にも、自分の愛とは何なのか、ということを考えていただけたら嬉しいですね」。リウ:「ルオランとルーメイという双子をはっきり分けて演じようとは思わなかったんです。一卵性なので、あまりに違いを出すと、観客も違和感があるでしょうから。同じようで、違うところを見せ、自分でも曖昧な部分を演じてみたかったんです」。チャン:「愛というものは、何かものを作り上げるパワーであると同時に、壊すパワーもあると思うんです。ティエルンという人物は最初、大人で包容力があるように見えましたが、愛の力によって自分が崩壊してしまう。一方、良は子どもっぽいところはありつつ、愛に対して一直線です。そこが対照的で面白いと思いますね」。ーー愛する人の存在を疑うわけですが、それは自分自身をも疑うことにも繋がるのでは?行定:「誰もが人を愛することはあるけれど、何において愛しているのか。それは不確かだということを、この話は浮き彫りにしているんです。これは、自分は恋人の何に対してを愛を持っていたのかを疑う話なんです。その疑いの目を持ったときに初めて、自分という存在に対しても疑いを持つ。同時に人格についての話でもある。リウ・シーシーさんが素晴らしいのは、2人の演じ分けと、混乱を、自分の中で受け入れている。ある意味、混乱しているんだけれど、それによって3人目の人格を作りあげているんですね。それを2人の男が的確に受け止めている。実は、『どっちがどっちなのかさっぱりわからない』という人もいるんだけど、そういう犯人探しをするような話しではなく、人をどう愛するのか、という話なんですね。“愛する”という行為自体が不確かなんです」。三浦:「上海の街並や、登場人物たちの持つ空気にゆったり包まれながら、自分の愛は打算もあるのか、本当の愛なのか、ということを含めて、愛するとは…ということを考えていただけたら、嬉しいですね」。(photo / text:Ayako Ishizu)
2015年01月05日三浦春馬が中国・上海を舞台に、全編中国語での芝居に臨んだ『真夜中の五分前』が12月27日(土)に公開を迎え、三浦さんと行定勲監督が舞台挨拶に登壇した。原作は人気作家・本多孝好の「真夜中の五分前 five minutes to tomorrow side-A/side-B」(新潮文庫刊)。上海で時計の修理工として働く寡黙な青年・良は美しい双子の姉妹と出会い、姉のルオランと恋に落ちるのだが…。ある出来事から過去を生きる男と過去をなくした女のゆくえが静かに描き出される。三浦さんと監督を、映画を見終わったばかりの観客はスタンディングオベーションで迎える。国際映画祭などでは見られる光景だが、国内のイベントで起こるのは異例のこと。三浦さんは、映画を作り上げた行定監督の功績を強調しつつ「その熱意と頑張りがみなさんに届いて拍手をもらえるのが嬉しいです」と笑顔を見せた。行定監督は、中国での現地スタッフと組んでの撮影ということで多くの苦労があったようだが、無事、日本での公開を迎えてホッとした様子。「近い国だけど遠い部分もあって“乗り越える”というのもこの作品のテーマでした。政治問題もあったりして、うちのスタッフと『どうしようか?』と話しているときに『三浦春馬はやる気で、中国語を勉強してます』と聞いて、『やらなきゃ。逃げられない』と思った。背中を押してもらいました。感謝してます」と三浦さんへの感謝と労いを口にした。すでに中国では4,000スクリーンという大規模で公開され、大きな話題を呼んでおり、2人はキャンペーンでも中国各地を回ったが、日本では考えられない様々なハプニングや出来事があったという。行定監督が「向こうではMCが主役なんです(笑)」と言えば、三浦さんは「挨拶の途中で変な効果音が入ってきたりするんです(苦笑)」と中国ならではの演出を困惑気味に明かす。さらに「映画の話は最初の挨拶だけ…」(三浦さん)、「あとはダーツ大会やらされたり。(映画にちなんで)双子が出てきて『どっちが姉でどっちが妹?』とか…。どうでもいいよ!観客を突き放す舞台挨拶でした(笑)」(行定監督)とカルチャーショックを口にし、会場は笑いに包まれた。それでも海外で撮影し、公開されたことに三浦さんは大きな意味・意義を感じているよう。「全てが新鮮で、役者人生だけでなく、ひとりの人間として大きな経験をさせてもらいました」と手応えを口にし、今後についても「オファーがいただけるならぜひやりたいです」とさらなる海外進出への意欲を口にした。『真夜中の五分前』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:真夜中の五分前 2014年12月27日より全国にて公開(C) 2014“Five Minutes to Tomorrow” Film Partners
2014年12月28日瑛太と松田龍平W主演作『まほろ駅前狂騒曲』の大ヒット御礼トークショーが11月21日(金)に渋谷のユーロスペースで開催されることが決定した。その他の写真本作は、三浦しをんの代表作『まほろ駅前』シリーズの劇場版第2弾。まほろ駅前で便利屋を営む多田(瑛太)と、居候の行天(松田)が、やっかいな依頼に悪戦苦闘する姿を描いた人間ドラマ。ユーロスペースで行われる大ヒット御礼トークショーには上映後に大森立嗣監督と新井浩文が登壇する。チケットは、15日(土)午前10時より一般発売が開始される。『まほろ駅前狂騒曲』大ヒット御礼トークショー11月21日(金)会場:ユーロスペース18:30の回上映後/舞台挨拶&トークショー登壇者(予定):大森立嗣監督、新井浩文料金:1800円(税込)チケット発売:11月15日(土)10:00AMより
2014年11月13日2014年も残すところ、あと2か月を切った。今年も、ドラマ「MOZU」や家電のCMなどで新たな魅力を発揮した西島秀俊、主演作『そこのみにて光輝く』が国内外から高い評価を受け、現在はドラマ「すべてがFになる」に出演する綾野剛を始め、“塩系男子”と呼ばれる俳優たちが大活躍。スラッとした出で立ち、目元は一重もしくは奥二重、顔の輪郭はシャープでメガネもよく似合い、色白で、ソフトでアンニュイな雰囲気を醸しながら、のど仏や鎖骨はがっちりたくましく、長い手指はどこか男っぽい…そんな塩系男子たちの出演作が、この秋冬も続々登場している。まずは、30代のバツイチ・元同級生コンビの多田啓介&行天春彦の奮闘を描く『まほろ』シリーズの最新作『まほろ駅前狂騒曲』(現在公開中)。主演を務めるのはお馴染み、瑛太と松田龍平。2人とも、そこはかとなくサブカルの香り漂う“塩系男子”の代表格だ。東京の郊外、まほろ市を舞台にした三浦しをんの直木賞受賞の原作を、大森立嗣監督が映画化した『まほろ駅前多田便利軒』(’11)から、連続ドラマ「まほろ駅前番外地」(’13)を経て、第3弾として再び大森監督がメガホンを取った本作。今回は、瑛太さん演じる多田が、松田さん演じる行天のこれまで顔を合わせたことのなかった遺伝上の娘・はる(5歳)を預かったことから、2人の友人(?)関係とも、ブロマンスともひと味違う“バディ”の関係に新たな風が吹き始める…というもの。また、本作には、「イタズラなKiss2」の “ツンデレ塩系”・古川雄輝も刑事役で出演。古川さんは『潔く柔くきよくやわく』『永遠の0(ゼロ)』、大河ドラマ「八重の桜」など話題作への出演が続いているが、「イタKiss」の大ブレイクでいまや日本のみならず、中国や台湾などアジアでも人気を博す存在。2015年公開の『脳内ポイズンベリー』では真木よう子が恋する年下男子・早乙女役としても注目されている。『まほろ』最新作では、そんな“新旧”の塩系男子が一度に楽しめるというわけだ。一方、『小野寺の弟・小野寺の姉』(現在公開中)に主演する向井理も、“正統派塩系”として大人気。『小野寺』では舞台版に引き続き、片桐はいりと一見似ていないようで実はソックリな姉弟役となり、お互いを思うあまり、恋にもう一歩踏み出せない不器用過ぎる弟・小野寺進役を好演している。向井さんは現在、月9初の時代劇「信長協奏曲」でも、小栗旬演じる現代から来た信長の“身代わり”サブローを支える家臣・池田恒興役がハマっていると評判。さらに本作には、“ビジュアル塩系”・及川光博も、片桐さん演じる姉・より子がときめくお相手として、ちょっぴり女心に鈍いセールスマン役で出演中。この秋には、黒木メイサと共演するWOWOWの連続ドラマW「悪貨」も控えている。12月27日(土)公開ながら、早くも大きな話題を振りまいている『海月姫』からは、オタク女子・能年玲奈に心奪われてしまう、こじらせ童貞エリート役の“アラサー”塩系男子、長谷川博己が登場。男子禁制のアパート・天水館で、同じオタク心で結ばれた“尼~ず”たちとゆるい日常を送っていた能年さん演じる “クラゲオタク”女子は、ひょんなことから出会った女装美男子(菅田将暉)にメイクされ、大変身。そんな能年さんに、30歳過ぎても女性経験皆無な長谷川さんが、ひと目惚れしてしまうのだ。2人の恋の行方も気になるところだが、本作には塩系男子ならぬ“オリーブオイル男子”、速水もこみちが出演していることにも注目だ。そして、塩系男子の代名詞として話題沸騰中の「MEN’S NON-NO」の専属モデル、坂口健太郎が映画初出演を飾るのが、現在公開中の門脇麦&道端ジェシカがW主演するヨガ体感ムービー『シャンティ デイズ365日、幸せな呼吸』。坂口さんは、村上淳扮するゲイのマスターが営むバーでバイトする若者役で、フレッシュな魅力を発揮している。2015年には『娚の一生』や『at home』にも出演が決定しており、俳優としても注目の存在だ。なお、『シャンティ デイズ』には、海外でも活躍するディーン・フジオカ、『渇き。』「Nのために」の葉山奨之など、新鋭の“塩系”イケメンも登場しているので要チェック。「Nのために」といえば、榮倉奈々が演じる主人公の杉下希美(のぞみ)の周囲にいる“N”のひとり、成瀬(なるせ)慎司役の窪田正孝も、今年は「花子とアン」の朝市役の爽やかな演技が好評だった塩系男子。本作では、同じく「花子とアン」のブレイク株である賀来賢人と共演。本作のようにどこか影のある役柄は、窪田さんの憂いを含んだ瞳や佇まいにぴったりといえるだろう。さらにいま、イチ推しの“ニューカマー塩系”といえば、現在、ドラマ「黒服物語」に黒服のひとり、相川元気役で出演中の柳俊太郎。「MEN’S NON-NO」モデルグランプリを受賞してデビュー。川口春奈と共演した昨シーズンの「JR SKISKI」のCMや『クローズEXPLODE』「弱くても勝てます」などで注目され、2015年初夏公開の『ストレイヤーズ・クロニクル』にも抜擢されている。坂口さんが癒やし系の塩なら、柳さんは事務所の先輩、浅野忠信にもどこか似たアート系の塩。長身を生かしたアクションもできる若手俳優として、今後も大活躍しそうな勢いだ。まだまだ話題を席巻しそうな塩系男子。少々気が早いが、2015年も彼らから目が離せない!(text:cinemacafe.net)■関連作品:海月姫 2014年12月27日より全国にて公開(C) 2014映画『海月姫』製作委員会(C) 東村アキコ/講談社まほろ駅前狂騒曲 2014年10月18日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2014「まほろ駅前狂騒曲」製作委員会小野寺の弟・小野寺の姉 2014年10月25日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2014『小野寺の弟・小野寺の姉』製作委員会
2014年11月04日三浦しをんの人気小説を、瑛太と松田龍平を迎えて映像化した、映画第2作目『まほろ駅前狂騒曲』の初日舞台あいさつが18日、都内で行われ、瑛太、松田龍平、高良健吾、真木よう子、永瀬正敏、大森立嗣監督が登壇した。架空の街・まほろ駅前で、便利屋を営む多田啓介(瑛太)と行天春彦(松田龍平)の奮闘を描く本シリーズ。2011年の映画『まほろ駅前多田便利軒』、2013年の連続ドラマ「まほろ駅前番外地」に続いて、2作目の映画となる『まほろ駅前狂騒曲』では、行天の実娘・はるの子守り代行や、謎の元新興宗教団体の隠密調査など、やっかいな依頼に2人が大苦戦を強いられる。大森監督から、瑛太と真木がやったキスシーンの失敗談の話題が振られると、瑛太が心配そうに「みなさん、爆笑できました?」と会場に尋ねる。観客の拍手のリアクションを聞いて安心した瑛太は「台本ではキスすると書いてあったんですが、シートベルトで引っかかってしまって」と説明。松田が「いや、キスした方が良かった」と突っ込むと、真木も「私もキスされるものだと思っていた。でも、爆笑してもらったのならいいんじゃないかと」と笑顔を見せた。真木は、瑛太と松田の印象について「怖い。凶器みたいな2人だから、懐に入っていったらボコボコにされそう」と脅威を口にすると、松田は「ボコボコにしないですよ」と苦笑い。真木は笑いながら、『さよなら渓谷』(2013年)でも組んだ大森監督の現場ということで「安心して入れました」とも語った。大森監督は、瑛太たち豪華キャストについて「良いものを作ろうとしている人たちなので、撮影は楽しかったです」と感想を述べた後「来週(台湾・高雄映画祭で)台湾にも行ってきますので、本作を日本から世界に広げていきましょう」と、力強く宣言した。
2014年10月19日映画『まほろ駅前狂騒曲』が10月18日(土)に公開を迎え、主演の瑛太、松田龍平を始め、高良健吾、真木よう子、永瀬正敏、大森立嗣監督が初回上映後の舞台挨拶に登壇した。三浦しをんの直木賞受賞の小説を原作に映画化された『まほろ駅前多田便利軒』、その後、連続ドラマとして放送された「まほろ駅前番外地」に続く『まほろ』シリーズの第3弾。30代バツイチの元同級生コンビの多田と行天が本作でも気の進まない依頼に翻弄され、事件に巻き込まれていく。この日は観客がサプライズで一斉に「おかえりなさい!」と声をかけ、登壇陣を迎えたが、瑛太さんは「ただいま!」と力強く挨拶。松田さんは「ビックリしました(笑)。帰ってこられて嬉しいです」と笑顔を見せた。3作にわたって多田を演じてきて、瑛太さんは「龍平とはデビュー(『青い春』)から何度も共演してきてるし、『まほろ』という作品も僕の人生においても大事な作品になりました」と語り、「今後、続けられるかはお客さんにかかっていると思います」とさらなるシリーズの続行に意欲を見せる。松田さんも「この流れだと次はまたドラマかな?」とファンの期待を煽る。行天役に対して、松田さんは瑛太さんとは対照的に「仕事ですね」とそっけない口ぶりで語り、笑いを誘いつつも「客観的に見れないところもあるけど、それだけ思い入れのある役です」と飄々とした口調の中にも強い思いをうかがわせた。1作目の映画から出演している高良さんにとって、瑛太さんや松田さんは先輩であり兄貴分的な存在だが「僕は瑛太さんとは17歳、龍平さんとは20歳の時に出会っていて、おふたりとも先輩なんですけど“後輩感”を出すと『何、お前?』って感じになるんです(苦笑)。でも、今回はクランクイン前に瑛太さんが“喝”を入れてくださって嬉しかったです」と笑顔で語る。真木さんは連ドラからの参加となったが、以前からよく知る瑛太さん、そして松田さんとの共演について「凶器みたいな2人だから、懐に入ったらボコボコにされるので、距離を持ってやらないとと思った」と独特の表現で述懐。松田さんは「ボコボコにとかしないし…」と苦笑交じりに抗議するも、真木さんは「絶対する!」と譲らず、会場は笑いに包まれた。舞台挨拶の最後に瑛太さんは、改めて『まほろ』の持つ独特の空気感を強調。「こういう映画が日本でたくさん見られるようになってほしいです。分かりやすくないものが受け入れられないようになってますが、『まほろ』のこういう世界観、人それぞれ捉え方が違う世界を描く映画を作れる日本であってほしいと俳優部として思ってます」と力強く語り、会場は温かい拍手に包まれた。『まほろ駅前狂騒曲』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:まほろ駅前狂騒曲 2014年10月18日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2014「まほろ駅前狂騒曲」製作委員会
2014年10月18日映画『まほろ駅前狂騒曲』が10月18日に公開を迎え、主演の瑛太と松田龍平、高良健吾、真木よう子、永瀬正敏、大森立嗣監督が新宿ピカデリーで行われた舞台あいさつに登壇した。『まほろ駅前狂騒曲』舞台挨拶その他の写真本作は、元同級生の三十路の便利屋コンビを描く三浦しをんの小説を原作にした人気シリーズの第3弾。行天(松田)の遺伝子上の娘をしばらく預かるという無謀な(?)依頼に加え、まほろ市に進出してきた謎の団体との関係でふたりはまた事件に巻き込まれていくことに…。2011年の劇場版第1作、連続ドラマに続く劇場版の公開を祝し、観客が「おかえりなさい!」で出迎えるサプライズ演出があり、瑛太は「ただいま!」とニッコリ。松田も「ビックリしました(笑)。帰ってこられてうれしいです」と喜びを口にした。舞台あいさつでの瑛太と松田のやりとりは劇中の多田と行天の掛け合いそのもの。公開前のプロモーションで170もの媒体の取材をふたりが受けたことが明かされると瑛太は「今回は凄かったです。ここまでやったのは初めてです」と充実した表情で語るが、そんな瑛太をよそに松田は「“たくさんやりました”アピールって意味あるのかな…? すいません、水差して(笑)」とマイペースに思ったことを口にし会場は笑いに包まれた。足かけ3年にわたりシリーズを紡いできたことについても、瑛太が「龍平とはデビューでも一緒で、その後も共演してきたし、『まほろ』は人生においても大事な作品」としみじみと感慨深げに語るが、松田は対照的に「行天はどんな存在か?」という問いに「仕事ですね」とあっさりした答え。とはいえ、やはり特別な思いもあるようで「(行天という役に対して)客観的になれないところもあるけど、それだけ思い入れがある役ということ」と少し照れくさそうに明かした。さらなる続編を期待しているのはふたりに共通する思いのようで、瑛太が「今後、続けられるかはお客さんにかかっている」と言えば、松田は「(映画、連ドラ、ふたたび映画ときて)この流れだと次はまた連続ドラマかな?」と意欲を口にし、会場は期待を込めた拍手に包まれた。最後に改めてマイクを握った瑛太は『まほろ』シリーズが持つ独特の空気に触れ「こういう映画が日本でたくさん観られるようになってほしい。わかりやすくないものがなかなか受け入れられないところがあるけれど、『まほろ』のようなこういう世界観、人それぞれ捉え方が違う世界観を持つ映画を作れる日本になっていけたらと、俳優部として思っています」と語り、再び会場は拍手に包まれた。『まほろ駅前狂騒曲』公開中
2014年10月18日帰ってきた?いや、違う。多田と行天はこの3年ずっと、まほろにいたのだ。駅前のあの汚いビルの一室に暮らし、タバコを吸って、クセ者の依頼人の頼みごとにしかめっ面をしつつ奔走してきた。スクリーンの中で、当たり前のように肩を並べて歩く瑛太と松田龍平の姿を見てそう思った。三浦しをんの人気小説シリーズを原作に、2011年に大森立嗣監督の手で映画化された『まほろ駅前多田便利軒』、2013年に大根仁を演出に迎えて放送された連続ドラマ「まほろ駅前番外地」と30代のバツイチ・元同級生コンビの多田(瑛太さん)&行天(松田さん)の奮闘を描き、人気を集めてきた『まほろ』シリーズ。その第三弾として再び大森監督の手で映画化されたのが、まもなく公開となる『まほろ駅前狂騒曲』である。「『まほろ』らしさって何でしょうね…?」。3年もの歳月にわたり、形を変えながら作られてきた3つの『まほろ』に参加する中で、ずっと保ち続け、培ってきたものは?松田さんは少し考え込みつつ「でも…」と言葉を続ける。「僕が演じる上で、それを一番感じるのはやっぱり多田といる時ですね。そこに尽きると思います」。多田と行天あっての『まほろ』。親友でも盟友でもなく、ホモセクシュアルな関係でもない、イイ年の男2人が時に無理な依頼に文句を垂れ、時に言い合い、ああでもない、こうでもないと誰かのために走り回る姿が多くのファンの心を掴んできたのだ。もちろん、シリーズを通じて常に変化はもたらされてきた。1作目では、ある苦く切ない因縁を抱える2人の“再会”が描かれ、続く連ドラはそんな彼らの便利屋としての“日常”に重きを置いて綴られた。では、このシリーズ3作目のポイントは?本作では行天の遺伝子上の「娘」であり、これまで顔を合わせたことのなかった少女・はる(5歳)をしばらくの間、多田便利軒で預かることになる。瑛太さんは、この依頼をきっかけに生じる、多田と行天の関係性の“変化”を挙げる。「これまでは、行天の自由奔放さに多田がツッコむという関係だったんですが、今回の依頼を通じて行天の過去に触れる中で、多田にも困惑があって、目の前にいる行天に対して『実は、これまで知っているのとは全く違う人間性があるのでは?』と深読みしてしまうところもあって、そこから距離感が変わっていく。ボケとツッコミ、連ドラで描かれた日常的な関係性からもう一度、ひとりの人間と人間としてそれぞれが抱えるバックボーン(=背景)に迫らざるを得ない。行天の言動に単純に反応するのではなく、過去が絡んでいるからこそ一筋縄ではいかない。そこは演じていて新鮮でもありましたね」。いつも飄々として、人生への未練も後悔も感じさせない行天だが、形はともあれ血を分けた娘と向き合うことで、自らが抱える過去とも対峙することに…。そこには確かにこれまでにない行天がいる。松田さんは言う。「第1作の映画では、多田が自分の気持ちを行天に話す(※過去に愛する娘を失い、妻とも離婚するに至った過程を行天に告白する)というシーンがあったけど、今回は逆に行天が過去と向き合うことになる。『まほろ』は全体としてやはり“親と子”の話なのかな?というのは感じてます。行天はなぜ自分の子と一緒にいることを極端に恐れるのか?子どもに対して自分に何が出来て、何が最善なのかというのは、それぞれの価値観の問題であって誰も正解を持ってはないけど、その分からない中で答えを探さないといけない。行天は親から虐待を受けていて、そういう経験をすると、今度は自分が子どもにそういうことをするんじゃないかという恐怖、自分で自分が分からない気持ちがあるんだと思う」。自分で自分が分からない“グレー”な部分を描いている。それこそが『まほろ』シリーズの見どころであると松田さんは続ける。「分かりやすい敵がいて、それを倒す正義のヒーローがいるというわけではなく、誰もが悪になってしまう可能性があって、その中で正義を貫く。その正義は自分の中だけで存在するものではなく、いろんな人とのコミュニケーションの中で少しずつ、持つようになっていくものなんですね。原作の第1作の冒頭で、行天は包丁を持っていて、もしかしたら自分の親を殺そうとしていたのかもしれないという描写があるけど、そこで多田と出会って違う方向の生き方を見つけていく」。多田と行天は高校時代の同級生だが、瑛太さんと松田さんが初めて顔を合わせたのも10代の終わり頃。瑛太さんにとってはスクリーンデビュー作であり、松田さんが主演を務めた若者たちの群像劇『青い春』(豊田利晃監督/’02)の現場だった。多田と行天が十数年を経て再会するのとは違い、2人はその後もたびたび共演し、プライベートでも親交を温めるのだが。瑛太さんは、少し懐かしそうに当時をふり返る。「あの時、僕が演じた役は集団に馴染めない役で、僕自身も初めての現場でどうしていいか分からずに、ずっと教室の隅かグラウンドの隅にいたんですが、最初に声をかけてくれたのが龍平だったんです。学生ものの映画ということもあって、何となく俳優の間でもグループが出来てくるんですが、その中で龍平はどのグループにも入っていける存在で、僕とは一緒にサッカーしてました。それからご飯を食べに行ったり、一緒に電車に乗ったり…特に会話がなくても一緒にいられるんですよね。意識してというわけではなく、自然と一緒にいたという感じです」。会話がなくても一緒にいられる存在。そこから『アヒルと鴨のコインロッカー』、『ナイン・ソウルズ』と仕事を共にしながら歳を重ねる中で、言葉を通じて関係を深めていくようになる。「昔よりも今の方が、ひとつの物事に対してディスカッションが出来るようになったと思います。以前はもっと、言葉じゃないところで一緒にいる感じだったけど、いまは自然に自分の置かれた状況や作品、役柄について意見交換もできるし、そこに刺激と面白味を感じます。そういう意味で変わったと思うし、でも最初に出会った時から、意識しているわけじゃないけど一定の距離感というか、互いのベクトルの向き方とかがあって、そこは変わんないなとも思います」。「なんか変わったんだと思います…(笑)」――。少し照れくさそうに、松田さんもこの十数年の互いの歩み、関係の変遷に思いを馳せる。「10代の頃って、いろんな理想と現実みたいなものが直に、ストレートに来る年代で、それはいまもそうなんですけど――そんなモヤモヤしている頃に出会って、そこからいろんなものが削ぎ落としながら、自分なりに答えを探して来て、少しずつ形になってきたから、それについて少しは話せるようになったのかなというのは感じますね。いまはある程度、自分がやってきたことに対して自信やプライドが形になっていて、それを持ってやっていこうという感じなのかな?もちろん、まだまだなんですけど、でもそれが楽しいですね」。互いを「好き」であることに理由はない。松田龍平にしか表現できないこと。瑛太にしか作れないもの。それを互いの中に感じ、ただ強烈に惹かれ合う。たとえ今後、多田と行天を映像で見られなくなったとしても、瑛太さんと松田さんがこの先、やんちゃながらに年を重ねていく姿を見れば、まほろに生きる多田と行天のこの先の姿が想像できる。2人のやりとりを見ながらそう思った。(text:Naoki Kurozu)■関連作品:まほろ駅前狂騒曲 2014年10月18日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2014「まほろ駅前狂騒曲」製作委員会
2014年10月17日主演作『まほろ駅前狂騒曲』の公開を控える俳優の瑛太が10月11日(土)、東京・テアトル新宿で大森立嗣監督とともにトークショーを実施。観客からの質問に答える形で「いつかやってみたい」と実弟・永山絢斗との共演に前向きな姿勢を示した。この日は『まほろ駅前狂騒曲』の公開を記念し、同劇場にて『まほろ駅前多田便利軒』『アヒルと鴨のコインロッカー』『余命1ヶ月の花嫁』という瑛太さんの代表作3本がオールナイト上映され、立ち見も出る盛況ぶりだった。普段の記者会見や舞台挨拶では、決して口数が多いタイプではない瑛太さん。この日は進行を務める司会者も不在で、開始10分にして「何を話したらいいのか…」と戸惑いも見せたが、全国から熱心なファンが駆けつけたアットホームな雰囲気が後押しし、トークは徐々に滑らかに。いつしか観客が「最近の悩みは?」「Twitterのリプ(リプライ)見てる?」「バラエティ番組に出演して大変なことは?」などなど自由に質問を投げかける展開となり、瑛太さんもざっくばらんに対応。また、「『一命』が大好き。時代劇に出る瑛太さんをもっと見たい」という女性ファンのリクエストに対して、「時代劇…、期待していてください。まだ詳しいことは何も言えませんが」と近い将来、時代劇への出演が控えていることもほのめかした。本作は三浦しをんのベストセラーを原作に、2011年公開の映画『まほろ駅前多田便利軒』、2013年に放送されたドラマ「まほろ駅前多田番外地」に続くシリーズ第3弾。架空のまほろ市を舞台に、小さな便利屋を営む多田啓介(瑛太さん)と、そこに転がり込んだ変わり者の同級生・行天春彦の奇想天外な奮闘を描く。行天を演じるのはもちろん、松田龍平さん!「もし『まほろ』をこれからも続けられるなら、多田と行天がバンドを組むっていう話をやりたい。嫌がる行天に無理やり歌わせたり(笑)」と瑛太さんの口からは、さらなる続編の構想も飛び出した。『まほろ駅前多田便利軒』以来のタッグとなる大森監督について、「会う前のイメージとして、『お前を暴いてやる』という怖さがあった」と言う瑛太さん。それでも「立嗣さんが撮影中に言ってくれた言葉や演出のおかげで、演者としていろんなものを“捨てる”ことができた」と最敬礼すると、大森監督は「自分の作品が、俳優にとって大切なものであってほしいから、そう言ってもらうと嬉しい」と喜んでいた。『まほろ駅前狂騒曲』は10月18日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:まほろ駅前狂騒曲 2014年10月18日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2014「まほろ駅前狂騒曲」製作委員会
2014年10月12日瑛太と松田龍平が主演する映画『まほろ駅前狂騒曲』が18日(土)より公開されるのを記念して、日本映画専門チャンネルで放映されている特別番組『メイキング・オブ・『まほろ駅前狂騒曲』~俳優 新井浩文×監督 大森立嗣が熱く語る~』の冒頭5分が公開された。特別映像本作は、累計120万部を突破した三浦しをんの小説『まほろ駅前』シリーズが原作。架空都市・まほろで“多田便利軒”を営む便利屋の多田(瑛太)と行天(松田)がやっかいな依頼に悪戦苦闘する姿を描く人間ドラマ。劇場版第1作目を手がけた大森立嗣が監督を務め、高良健吾、真木よう子、永瀬正敏らが出演する。このたび公開された特別映像では、ドラマ『まほろ駅前番外地』(第5話)に北村役でゲスト出演し、本作では、岡山組若頭飯島幸三役で出演している新井と、大森監督が映画の舞台裏などディープな『まほろ』トークを繰り広げている。新井は、大森監督の長編デビュー作『ゲルマニウムの夜』で映画初主演を飾り、瑛太と松田とは『青い春』での共演をきっかけに交友を深めている。本映像では、「(瑛太と松田龍平が主演を務めている作品に)ちょい役で出るのはすごく嫌だった」と赤裸々な心境を明かす一方で、大森監督のあるひと言が自身の映画人生を支えていると語っている。日本映画専門チャンネルでは、『まほろ駅前狂騒曲』の公開を記念して、『まほろ駅前多田便利軒』『まほろ駅前番外地』をはじめ、『ディア・ドクター』『御法度』など、瑛太と松田の出演作全9作を放映。また、公開初日の18日(土)は、夜8時から翌日・夜11時30分まで全9作(『まほろ駅前多田便利軒』『まほろ駅前番外地』『恋の門』『サマータイムマシン・ブルース『ナイン・ソウルズ』『アヒルと鴨のコインロッカー』『青い春』『ディア・ドクター』『御法度』)を一挙放映する。“メイキング・オブ・『まほろ駅前狂騒曲』~俳優 新井浩文×監督 大森立嗣が熱く語る~”日本映画専門チャンネルにて10月、11月放送『まほろ駅前狂騒曲』10月18日(土)新宿ピカデリー他全国ロードショー
2014年10月10日『まほろ駅前狂騒曲』公開を前に10月4日、原作小説および映画の中の“まほろ市”のモデルとなった東京・町田市の劇場で特別上映会が開催され、原作者の三浦しをん氏と大森立嗣監督がトークイベントに登壇した。『まほろ駅前狂騒曲』トークショーその他の写真直木賞受賞の『まほろ駅前多田便利軒』に始まる三浦による『まほろ』シリーズの実写化第3弾にして劇場版2作目となる本作。元同級生の30代バツイチコンビの多田と行天が今回も、無理難題続きの依頼に奔走することになる。約20年にわたって町田に在住していた三浦は、この街について「エネルギーに満ちていて、自然もあって、にぎわいもあり、怪しげな人もいれば家族連れもいて、ごった煮でみんなが暮らしているのがおもしろい」と魅力を語り、小説のモデルにすることにしたと説明。多田と行天の関係性が魅力だが、実写化において瑛太と松田龍平をキャスティングした点について、大森監督は原作の刊行当初からプロデューサーは映画化に向けて動いていたものの、なかなか多田と行天に合う俳優が見つからなかったというエピソードを明かしつつ「僕が監督で作ろうとなった時、瑛太も龍平も割と仲が良かったんですが『あいつらもそろそろ27~28歳だな』と思い、実は(ぴったりの俳優は)近くにいたんだなと気づいた」とその経緯を説明。「龍平は『(多田と行天の)どっちでもいいよ』と言ったり、瑛太が『おれは行天の方がいいな』と冗談で言っていたこともあった」といまとなっては驚きのエピソードを明かす。三浦は原作者として瑛太と松田のキャスティングをぴったりと感じているようで「小説ではもっとサエないと思ってたけど、ふたりが演じると超キラメキがあってまばゆいけど(笑)、その中にちょっとした寂しさもあり、色気のある多田と行天になっていた」と目を輝かせる。シリーズを重ねる中で「距離感もテンポ感も3年同居したムードになってて、役者さんてすごいと思った」と称賛を送る。ファンの間では小説、実写版共に長期シリーズ化を望む声も根強い。大森監督は「まずはこの映画がヒットして、周りからそういう声が聞こえてきたら…」と語るが、三浦は「『寅さん』をしのぐシリーズ化をしていただきたい!」と期待を口にし「私は映画を元にノベライズ版を書ければ…(笑)」と語り、客席は笑いに包まれた。『まほろ駅前狂騒曲』10月18日(土)新宿ピカデリー他全国ロードショー
2014年10月04日三浦しをんのベストセラーを実写化するシリーズ第3弾『まほろ駅前狂騒曲』の完成披露試写会が29日に都内で行われ、11年公開の映画『まほろ駅前多田便利軒』、13年に放送されたドラマ『まほろ駅前多田番外地』に続きタッグを組んだ俳優の瑛太、松田龍平が舞台あいさつに登壇。本作の見どころを問われた松田が言葉に詰まると、瑛太が「好きなシーンを言ったら、いいんじゃない?」と助け舟を出す場面もあり、劇中さながらの名コンビぶりを発揮した。その他の写真架空のまほろ市を舞台に、小さな便利屋を営む多田啓介(瑛太)と、そこに転がり込んだ変わり者の同級生・行天春彦(松田)の奇想天外な奮闘を描く。本作ではふたりの前に、行天も会ったことがない彼の実娘が現れ、慣れない子どもの世話をするハメに…。一方、怪しげな野菜販売集団がまほろに暮らす人々を狙う。「大好きな映画で、自信を持っています。今までは多田がツッコミ、行天がボケという分かりやすい関係だったが、今回は反転していて新鮮に見えるはず」(瑛太)、「また映画に帰ってこられて嬉しい。便利屋の話なので“華”がなくてどう宣伝したらいいか…。でも親と子、人と人の距離感といった微妙なテーマを描いている」(松田)と本作をアピール。娘の存在など、行天の過去にスポットが当たっており、演じる松田は「とうとう来たなと思った」と振り返った。再タッグについては「あうんの呼吸というよりは、微妙なズレのおもしろみがある。段取りやテストをしても、僕と龍平は同じ芝居ができないし」(瑛太)、「ふたりでいることこそが、『まほろ』の魅力」(松田)。『まほろ駅前多田便利軒』に続いてメガホンを執った大森立嗣監督は「ふたりが作り出す掛け合いや、生っぽい空気を楽しんでもられば」と瑛太&松田の名コンビに太鼓判を押し、「映画好きな人はもちろん、映画に愛想を尽かした先輩方にも観てほしい」と強い自信を示した。『まほろ駅前狂騒曲』10月18日(土)新宿ピカデリー他全国ロードショー取材・文・写真:内田 涼
2014年09月30日映画『まほろ駅前狂騒曲』で便利屋コンビを演じる瑛太と松田龍平が、9月29日(月)に行われた完成披露試写会で、劇中の便利屋のように観客から寄せられる悩み相談に次々とシュールかつ的確な(?)アドバイスを送り、客席を笑いに包んだ。三浦しをんの人気小説を実写化した『まほろ駅前』シリーズの劇場版、連ドラに続く第3弾。無農薬を謳う野菜を販売する怪しい団体の調査や行天の遺伝子上の娘の長期にわたる世話など苦労の絶えない依頼を押し付けられた多田と行天だったが、少しずつ自らの過去と向き合うことになる。この日は、どんな依頼も引き受ける「多田便利軒」よろしく、瑛太さんと松田さんが観客からの様々な悩みにアドバイスを送ったが…。最初の相談は女性で「ずっと好きな人がいて、告白したいんですが、絶対に成功しそうなシチュエーションは?」というもの。これに松田さんが即座に「この場でそういうことが言えるなら大丈夫だと思うけど…」とポツリと漏らし、会場は爆笑に包まれる。瑛太さんも「それ以上の答えが見つからない(笑)」と同意しつつ、映画と絡めて「僕は軽トラに乗る芝居が多いんですが、せまい密室の、相手が逃げられないシチュエーションで告白するのはどうでしょう?」と提案。さらに、大森立嗣監督は「酔っぱらってなだれかかったらいいんじゃない(笑)?」と“力技”のアドバイスを送る。続く相談は「ルームシェアしている友達との距離の取り方を悩んでいる」というもの。多田と行天として劇中、狭い部屋で共に暮らしている2人だが、この質問にしばしの沈黙…。瑛太さんは「あれは映画の世界なんですよね…(苦笑)。いやならシェアしない方が…」と身も蓋もない答え。松田さんは「多田と行天はどこかでいつでも逃げられる何かがあるから一緒にいられる」と互いを束縛してないからこそ一緒に暮らせると説明するが、なぜか“まとめ”として「お互いを尊重し合うのが大事だと…」と急に妙にまともなことを言い出し、再び会場は笑いに包まれた。それでも最後は「シェアくらいなら、無理だったら離れる。行天はそのスタンスですね」と行天として何とかアドバイスを送り、相談者を納得させていた。悩み相談以外のトークでも2人は劇中から多田と行天が抜け出てきたようなどこか噛み合わないシュールな掛け合いを展開。終始、笑いの絶えない舞台挨拶となった。『まほろ駅前狂騒曲』は10月18日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年09月30日10月18日公開の映画『まほろ駅前狂騒曲』の完成披露試写会が29日、東京・新宿の新宿ピカデリーで行われ、瑛太、松田龍平、大森立嗣監督が出席した。2011年公開の『まほろ駅前多田便利軒』、2013年のドラマ『まほろ駅前番外地』に続く三浦しをんのベストセラーシリーズの最新作となる本作。便利屋を営む多田(瑛太)と行天(松田龍平)の前に会ったこともない行天の娘が現れる。慣れない子育てに悪戦苦闘しながらも絆を深めていくものの、バスジャックなどに遭遇して多田便利軒に最大の危機が訪れる。瑛太は「今まで多田がツッコミで行天がボケという分かりやすい関係でしたが、今回は反転するような感じです。『まほろ』を見ていただいた方たちもそうでない方も新しい感じで見れると思うので、その辺を楽しんで欲しいですね」とアピールし、本作の見どころについて「龍平が行天を演じながら塾の先生を演じるんですが、あの感じがとてつもなくイイんです。僕はすごいツボで、世界で誰もできない芝居だと思いました」と松田を絶賛。褒められた松田は「いや~何を言えばいいのか分からないですね」と照れ笑いを浮かべながら、「今回はドラマで真木よう子さんが演じた亜沙子さんと多田の仲が急展開します。僕はそれが結構楽しみですね」と自らも公開が待ち遠しい様子だった。本作は、上映館が1作目に比べて倍近くになる予定だが、同シリーズの魅力について問われた瑛太は「自分で言うのも恥ずかしいですけど、僕と龍平が見どころというか、何回演じても予定調和にならないところですかね。実験的じゃないですけど、2人で呼吸をしながら実際の反応みたいなところが面白みに繋がっていければいいかなとは思っています」と回答し、大森立嗣監督も「頼もしい2人ですよ。キャラクターの中で自由になってましたね」と2人を褒め称えていた。映画『まほろ駅前狂騒曲』は、10月18日より新宿ピカデリーほか全国公開。
2014年09月30日映画、連続ドラマと人気を集めてきた『まほろ駅前』シリーズの最新劇場版となる『まほろ駅前狂騒曲』の完成披露試写会が9月29日(月)に都内で開催され、主演の瑛太、松田龍平、大森立嗣監督が舞台挨拶に登壇した。「舟を編む」「風が強く吹いている」などで知られるベストセラー作家・三浦しをんの人気小説シリーズの実写版で、2011年公開の映画『まほろ駅前多田便利軒』、その後の連続ドラマ「まほろ駅前番外地」に続く第3弾。30代バツイチの元同級生で、まほろ市の駅前で便利屋を営む多田と行天が無理難題ばかりの依頼に悪戦苦闘するさまを描き出す。東京でのお披露目を前に大阪、福岡とプロモーションで回ってきた瑛太さんは、これまでの観客の反応を踏まえて作品に「自信を持っています」と力強く語る。映画として始まった本シリーズが、連ドラを経て再び映画として製作されたことについて「嬉しいです。第1作の時はどう多田を演じるか?大森組にどう挑むか?と考えてましたが、ドラマを経て、普段の多田と行天の距離感を掴めたと思います」とふり返る。改めてこの3作目について「いままでは多田がツッコミで行天がボケということが多かったですが、今回はその役割が反転する部分もあり、行天が多田に振り回される展開もあって、新しい感じで観ていただけると思います」とアピールする。大森監督が「いろんな事件があるけど、多田と行天の2人の掛け合いを楽しんでほしい」と、あくまで便利屋2人が軸であると強調すると、瑛太さんも「自分で言うのは恥ずかしいけど、僕と龍平が見どころです!」と力強く語った。松田さんも「また映画に帰ってこられて嬉しいです」とうなずく。今回、行天の知られざる過去が明らかになり、そこにどう向き合うかが描かれるが「とうとう来たなという感じ」とどこか飄々とした口調ながらも熱い意気込みを口にする。「便利屋の話なので華がないんです。どう宣伝したらいいか…(苦笑)」とやや自虐気味に語りつつも、「親と子や人と人の距離などを微妙なニュアンスで伝えているので、感じて楽しんでもらえたら」と呼びかけた。瑛太さんも、松田さんも、こうした舞台挨拶などで決して多弁な印象はないが、瑛太さんは「こんな僕らですが、宣伝がんばってます(苦笑)!TVにもたくさん出てます」と本シリーズへの並々ならぬ強い思い入れをうかがわせる。既に発表されている三浦さんの原作は「まほろ駅前狂騒曲」(文芸春秋社刊)で最後となるが、大森監督は「続きを考えちゃう…」とこのままでは終わりたくないよう。瑛太さんも「みなさんの応援があればまた続きが出来るかも」とさらなる続編、長期シリーズ化への意欲を口にし、劇場は期待を込めた拍手に包まれた。『まほろ駅前狂騒曲』は10月18日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年09月29日