プロ写真家としてスタートして今年60年目を迎える立木義浩の自身最大規模となる写真展が5月23日、上野の森美術館でスタートした。本館1、2階の展示室を使って展示された作品は720枚。「時代 − 立木義浩 写真展 1959-2019 −」というタイトルと偶然にも同じ12ヶ月×60年と同じ数となった。さらにギャラリースペースを使用して6×6(ロクロク)をもじり『デジ6』とネーミングされたデジタルカメラの1:1の機能を使用して撮影されたモノクローム作品70点も発表。計790点という個展としては、これまで類を見ない点数の作品は圧巻だ。200万部のベストセラーになった『蒼い時』を立木氏のスタジオで執筆していたというエピソードとともに、今回公開された山口百恵を撮った写真は8点が出展された。それ以外にも未発表を含む著名人のポートレートは勝新太郎、黒澤明、夏目雅子、大原麗子、寺山修司、ムッシュかまやつなど鬼籍に入った有名人から、武豊、貴花田光司などのスポーツ選手、開高健、柴田錬三郎など作家まで幅広い。また1971年に発表された加賀まりこの写真集「私生活」を含む、“良き時代”を切り取った日本のアーカイブは、初期の『anan』の写真などとともに、ファッション文化のクロニクルとなっている。「この(有名人の)コーナーはモデルのアプルーバルと、展示の並び順がすべて。瀬戸内寂聴さんの隣に誰の写真が並べられているか、それを見ただけでこの大変さが分かって頂けると思う。一般公開される明日には(クレームが怖いので)田舎に引っ込む」というジョークは、日本のコマーシャル創世記から生きたレジェンドならではのコメントだ。2階にはサウスブロンクスのギャングからアラバマのKKKまでが写る“裸の”アメリカやヨーロッパ、アフリカ、キューバ、日本の町や村のスナップが圧倒的な数で迫る。「玉石混淆(笑)。決して名作を並べたわけではなく、この写真を見た人が何かを感じ取ってくれて、面白がってくれれば良い」「写真に内面は写らない。カメラマンや見た人はたまに勘違いするけれど(笑)。だから外面を丁寧に撮る」「昭和から平成を経て令和、20世紀から21世紀、銀板からフィルム、そしてデジタルと変化しても“写真”という呼び方は変わらない」「いかに時代に潜り込めるか、それがスナップ。その面白さは筆舌に尽くしがたい」「これは集大成ではなく通過点」「上り坂も下り坂も一つの同じ坂」オープニング当日、プレスの記者たちを前に語る立木節は81歳を迎えた今もエネルギー全開。「有料の写真展自体が久々の開催」というそのエンターテイメント精神は、会場で販売されている限定写真集やTシャツなどのマーチャンダイズも魅力だ。Text by Tatsuya Noda【展覧会情報】時代 − 立木義浩 写真展 1959-2019 −会期:5月23日〜6月9日会場:上野の森美術館住所:東京都台東区上野公園1-2時間:10:00〜17:00(金曜日20:00まで開館)入場料:一般当日1,200円、大学・高校生800円、中学生以下無料会期中無休
2019年05月25日両国国技館で、土俵に向かって盛んに声援をおくっていたのは女優・中村玉緒(79)だった。元女優でいまは中村の個人事務所社長を務めている長女や友人たちと取り組みが終わるごとに楽しげに話し合っていた。ある舞台関係者は言う。「玉緒さんはこの7月に80歳の誕生日をむかえます。直前の6月には3年ぶりの舞台に出演予定。大阪の新歌舞伎座で3週間にわたり松平健さんや川中美幸さんたちと共演します」中村が相撲観戦をしていたのは5月中旬。国技館の座席では笑顔を絶やさなかった彼女だが、実は深い悩みを抱えているという。「実はこの2年間ほど、長男の鴈龍太郎(54)と絶縁状態にあるのです。鴈に“縁切り”を申し渡したのは、玉緒さんでした」(中村の古くからの知人)鴈龍太郎は、昭和の大スター勝新太郎さんと人気女優の中村の間に生まれ、“芸能界のサラブレッド”として注目されていたこともある。勝さんは一人息子に期待し、ときには愛情深く、ときには厳しく指導していたのだ。だが名優から英才教育を受けるようになってから30年余り、その息子の才能が開花することはなかった。「思えば彼も不運でした。デビュー作は勝さんが監督も務めた映画『座頭市』(’89年公開)。しかし映画撮影中に共演俳優に重傷を負わせ、その後、死亡してしまうという事件が起きたのです。さらに’97年には、息子の行く末を心配しながら、勝さんが65歳で逝去してしまいました」(前出・中村の知人)勝さん亡きあとは、中村玉緒が遺志を継ぎ、鴈を“一人前の俳優”にすべく、尽力したという。「バラエティ番組で共演したり、自分が出演する舞台のプロデューサーに頼み込んで、鴈にも役をもらってあげたりしていました。鴈にも“父の名に恥じないような俳優になりたい”という気持ちはあったようですが、プライドも高く、“使いやすい俳優”ではなかったと聞いています。また玉緒さんの経済的援助があるので、生活にも困らなかったために、やる気も長続きはしなかったようです」(前出・舞台関係者)中村は“母としての葛藤”をインタビューで明かしている。《私はちょっと贅沢をさせて、(子供たちの)育て方を間違えたかもしれません。でも、私にとっては、大事な子供たちです。娘はいちど結婚してすぐ離婚しましたし、息子もまだ独身ですが、早くいい嫁さんに来てもらって、孫の顔が見たいですね》(『婦人公論』’06年1月22日号)だが前出の中村の知人は言う。「何十年も『きちんと仕事をしてほしい』と、息子に苦言を呈し続けていた玉緒さんも80歳という年齢が近づき、苦渋の決断を下さざるをえなくなったのです。鴈は’17年に2年ぶりに舞台に出演しましたが、その後は働くそぶりを見せませんでした。玉緒さんは『私が面倒をみているかぎり、あの子が立ち直ることはない』と考え、長女とも相談したうえで鴈を絶縁し、経済的援助を打ち切ったそうです」中村は、具体的にはどのような形で絶縁を切り出したのか?両国国技館から帰宅した中村に息子との関係について直撃したのだが、“鴈龍太郎”の名前を聞いた中村は口をつぐんでしまい、同伴していた長女が「親子関係は悪くないです。それにプライベートのことですので」と、答えただけで、自宅に入っていった。その後、中村と鴈の双方の所属事務所に連絡を試みたが、担当者からの返事はなかったのだ。前出の舞台関係者は言う。「3年以上にわたり、玉緒さんと鴈のイベントや舞台での共演が絶えているのは事実です。また玉緒さんが6月に出演する舞台にも鴈は出演しません。以前でしたら、玉緒さんが“親子共演”を望んだでしょうが……」果たして鴈が心機一転して“悪名”を払拭し、母と息子の関係が修復する日は来るのか。
2019年05月21日広瀬すず(20)主演の連続テレビ小説『なつぞら』は最高視聴率23.6%を記録。なかでも“泣ける”と話題なのが、戦災孤児の奥原なつ(広瀬)を引き取った北海道・十勝の酪農一家の大黒柱・柴田泰樹役の草刈正雄(66)の名演技だ。そんな草刈の役者の“原風景”は北九州市・小倉の映画館にあった。「草刈さんは学生時代に、うちの姉妹館である富士館にお母さまと通っていらしたんです。うちが創業80周年を迎えるにあたって、この3月末に草刈さんが舞台挨拶に来てくださったんです。私の夢だったんですよ」声を弾ませてそう語るのは小倉昭和館の館主・樋口智巳さんだ。今春、この映画館で草刈の昨年の主演映画『体操しようよ』と、若かりし頃の代表作『汚れた英雄』(82年)の2本が上映されたのだ。草刈は52年、福岡県小倉市(当時)で米国人の父と母・スエ子さんとの間に生まれた。しかし、米兵だった父は草刈が生まれる前に朝鮮戦争で戦死。母子2人で4畳半の部屋に間借りして暮らしていたという。草刈は一昨年の本誌のインタビューでこう語っている。「母は日用品の卸売店で働きながら、女手ひとつで僕を育ててくれました。母は映画が好きな人でね。僕が小学校低学年だったころ、うちにはテレビがなかったものですから母と行く映画が唯一の娯楽でした。当時の銀幕スターは中村錦之助さん、大川橋蔵さん、市川雷蔵さん、勝新太郎さん。そんな偉大な方々の時代劇を見ていました。ですから、こんなバタ臭い自分が(数々の作品に)出られるようになったのも、おふくろのおかげかもしれませんね」実は草刈は昨年2月、北九州市の市制55周年アンバサダーに就任している。その任命イベントで、「最近は『ふるさとに帰りたい』とよく考えます」と郷土愛を熱弁。『朝日新聞』の取材でもこう語っている。「17歳で上京し、2年くらいしてお袋を呼び、(北九州には)縁がなくなりまして、もう帰ることはないのかなと思っていました。ただ、50代半ばを過ぎたころから、今、どうなっているのかな、と無性に恋しくなりました」この数年、Uターンを考える人口は着実に増えている。特にシニア世代のUターン相談件数は同世代の30%を占めると語るのは、認定NPO法人ふるさと回帰支援センター理事長の高橋公さんだ。「特に北九州市は有楽町に移住相談コーナー・北九州市東京事務所を開設したり、ここ4年ぐらい力を入れていると聞いています」実際、今年発売された移住ガイド本『田舎暮らしの本』(宝島社)で発表された「住みたい田舎ランキング」で、北九州市は人口10万人以上の都市が対象の全4部門のうち「総合」「シニア世代」の2部門で全国1位に。“安心して老後を暮らせる街”として定評のある北九州市。現在66歳の草刈が故郷へのUターンに引かれるのは当然のことなのだろう。「事実、Uターン、Iターンした有名人は少なくありません。おすぎさんと中澤裕子さんは福岡、柳葉敏郎さんは秋田、本上まなみさんは京都、パパイヤ鈴木さんは沖縄。皆さん、東京での仕事が入れば上京する生活スタイルです。これだけ出演作が相次いでいる人気者の草刈さんがすぐにUターンすることはないと断言できます。ただ、将来の人生の選択肢のひとつとして魅力的な場所なのは間違いないでしょう」(芸能関係者)“故郷に錦を!”草刈の郷土愛は年々、深まっている――。
2019年05月03日東京都内にある病院の前で、酸素ボンベの入ったバッグを右手に持ち、車から降りてきたのは俳優・渡哲也(77)だった。本誌が渡を目撃したのは4月上旬。実はその直前に驚きの証言をキャッチしていた。「渡哲也さんが、ついに俳優引退と、石原プロモーションの幕引きを決断したのです」そう語ったのは石原プロの関係者だった。石原プロは、故・石原裕次郎さんにより’63年1月に設立された。「’71年には渡哲也が副社長に就任。舘ひろし(69)や神田正輝(68)など人気俳優を擁し、その結束の固さから所属俳優たちは“石原軍団”と呼ばれたのです。’87年に社長の裕次郎さんが逝去した後は、渡が24年間にもわたり二代目社長を務めました」(芸能関係者)社長辞任後も、専属俳優や“相談取締役”として石原プロを支え続けてきた渡。なぜいま“石原軍団解散”を決断したのだろうか?前出の石原プロ関係者は次のように語る。「以前から“高齢化”は問題視されていました。現在、代表取締役会長を務めている石原まき子さん(※石原裕次郎夫人)が85歳、そして渡さんが77歳。渡さんが辞任してから8年になりますが、社長職は空席のまま。それは、まき子さんの『後継者が決まるまでは、社長の席は空けたままにしましょう』というご意向があったからです。しかし結局、裕次郎さん、渡さんの跡を継いで“三代目社長”に名乗りを挙げる人材は現れなかったのです」渡の体調の問題もあるという。渡は’91年に直腸がん、’15年に急性心筋梗塞と2度の大手術を受け、さらに肺気腫やぜんそくといった持病もある。「実はこの4月に幕引きを発表する予定だったのですが、移籍先がまだ決まっていない若手の所属タレントたちもおり、資産の整理もまだめどが立っておらず、公式発表はとりあえず延期することになりました」(前出・石原プロ関係者)設立から57年目、そして裕次郎さんから受け継いで32年で迎えた終幕について渡自身はどのような感慨を抱いているのだろうか。自宅付近で本人に取材を試みた。「渡さん、石原プロを閉めることを決断されたそうですが、いまのお気持ちをお聞かせください」と記者が問いかけると渡は目をつぶり、なんと語るべきか真剣な表情で黙考しているようだった。だが付き添っていた運転手に「事務所に連絡するように伝えなさい」と静かに言い残すと、自宅のなかに入っていった。石原プロで専務取締役を務める浅野謙治郎氏は本誌に次のように語る。「『石原裕次郎さんの名前を冠した“石原プロモーション”を傷つけてはいけない』、それは渡のみならず私たち社員が常に肝に銘じていること。また(渡のように)会社の舵取りをする立場なら、会社を存続させないという選択肢も頭の中にはあるでしょう。しかし現時点では、(幕引きは)決定事項ではありません。石原プロは映画・ドラマ・音楽について多くの版権を持ち管理していますから、会社自体を解散するということはできないのです」浅野氏の語った“石原裕次郎の名を傷つけない”ということを、誰よりも強く意識し、それを美学としているのが渡なのだという。石原プロの元幹部社員は言う。「石原プロを“自分の目が黒いうちにきれいに終わらせる”というのは、渡さんにとって長年の悲願でもありました。つまりほかの“スタープロダクション”のようにはしたくない、ということです」映画会社から独立したスターたちが、自分の名前をつけた個人プロダクションを相次いで設立した時代があった。石原プロのほかには勝新太郎の勝プロ、三船敏郎の三船プロ、中村錦之助の中村プロなど。だが石原プロ以外は、いずれも経営不振で倒産したり、分裂騒動を起こしたりしている。「渡さんとしては倒産とか分裂とかで、石原裕次郎の名前を汚したくない。それが彼の美学なんです。社長ではありませんが、渡さんが決定したとなればほかの社員たちも従います。幕引きを急いでいるのは、渡さんが自分の体調に自信を持てなくなっているからなのでしょうね」(前出・元幹部社員)渡は“20年までには石原プロの資産を、まき子さんにお戻しする”と、知人に語っているという。「おそらく今後、石原プロは芸能プロダクションとしての活動を休止し、裕次郎さんを中心にした映像や音源の権利を管理する会社へ移行していくのではないでしょうか」(芸能プロダクション関係者)渡哲也は肺気腫と闘いながら、自身の美学を貫く道を歩み続けている。
2019年04月16日『きっと、うまくいく』『PK』の巨匠ラージクマール・ヒラニ監督がインドに実在するスキャンダル王の栄光と挫折を描いた『SANJU/サンジュ』が公開決定。日本版ポスタービジュアルと場面写真が解禁となった。勝新太郎、内田裕也、萩原健一…映画界には数々の破天荒スターが存在してきた。浮世離れした言動や行動、そして数々の名演で人々を魅了してきた彼ら。そんな彼らを超える型破りなスーパースターが、インドにも存在した!インドの伝説的俳優“サンジュ”、それは現在も絶大な人気を誇るボリウッドの国民的スター、サンジャイ・ダットの愛称。彼の半生はまさに“映画より奇なり”の、ジェットコースター人生だった…。ドラッグ、幾度の逮捕…大スターにしてスキャンダル王の栄光と挫折25歳で俳優デビュー後、数々のヒット作に出演して栄光を手に入れるも、幾度の浮気、薬物中毒、更生施設からの脱走、そして銃刀法違反、さらにはテロ関与の冤罪で逮捕され、スター街道から転落。その度に彼を支え続けた家族と恋人の存在、本作はいまもなお国民に愛され続けるサンジュの栄光の裏に隠された挫折と再生の物語。観る者の心を揺さぶるストーリーがインドで“サンジュ旋風”を巻き起こし、インド公開週末興収オープニング成績NO.1を記録(MOJO調べ)。『パッドマン 5億人の女性を救った男』『バジュランギおじさんと、小さな迷子』『パドマーワト 女神の誕生』といった日本でも注目を集める話題作を超えて、「インド国内興収歴代6位」「2018年インド国内興収2位」さらに「世界興収約100億円」「インド映画世界興収歴代9位」となるメガ・ヒットを記録、インド版アカデミー賞(フィムルフェア賞)など数多くの映画賞を受賞した。主演は、『バルフィ! 人生に唄えば』のランビール・カプール、そのほかのキャストに『PK』のアヌシュカ・シャルマ、『パッドマン 5億人の女性を救った男』のソーナム・カプールといった豪華キャストを、日本でも大ヒットを記録した『きっと、うまくいく』のラージクマール・ヒラニ監督がまとめる。俳優人生も私生活もまさに規格外、インドを魅了し続けるボリウッド史上最大のスキャンダル王サンジュが、この夏、日本もとりこにする!『SANJU/サンジュ』が6月15日(土)より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2019年04月05日ピエール瀧容疑者(51・本名:瀧正則)逮捕の余波が止まらない。3月12日夜、麻薬取締法違反の疑いで逮捕された瀧容疑者。ミュージシャンから俳優とオールマイティに活躍していただけに、大きな波紋を広げている。出演中の大河ドラマ「いだてん」(NHK総合)は、17日放送分について出演シーンをカットして放送することが決定。さらに所属していたテクノユニット・電気グルーヴは3月16日、17日に予定していた30周年記念ライブ公演を中止するなど、各社が対応に追われている。そんななか、こうした状況に異を唱えた人物が。前東京都知事で国際政治学者の舛添要一氏(70)だ。舛添氏は14日に自身のTwitterでこう呟いた。「品行方正な芸人に魅力はない。ピエール瀧、新井浩文、勝新太郎。芸人はマージナルマンである。だから、常人に不可能な創造ができる。面白くもないエンタメは定義矛盾だ。品行方正でもやぶな医者は要らない。芸人も同じ。道徳が支配する国に芸術や文化は育たない。勿論犯罪を称賛しているのではない」瀧容疑者のほかに逮捕歴のある故・勝新太郎さん(享年65歳)や新井浩文被告(40)の名前をあげ、擁護ともとれる持論を展開。「犯罪を称賛しているのではない」と補足しているものの、この発言がネット上で物議を呼んでいる。《確かにそう思います……》と賛同する意見もわずかに見られたが、《人としての品行と芸を結び付けるのは違うと思う》《品行方正な人に面白いものはつくれない。多少危ないことをしないと面白くならない。っていう論、めちゃくちゃ嫌い》と批判する声が大半を占めていた。さらには《性犯罪を犯した新井さんと勝新太郎さんを同列に考えちゃダメでしょ》など、罪状の異なる芸能人を並列したことに疑問を呈する声も多く見られていた。ただツイートの後に「不祥事を起こした芸人が参加している作品、公共の電波ではクレームも出ようが、切符を買って視聴する映画、芝居、コンサートなどは、嫌なら行かなければよいので公演を中止する必要はない。宗教国家ではあるまいに、どの分野でも過剰な道徳は豊かな創造力を殺ぐ。道徳は優秀な才能を窒息させる」とも綴っていた舛添氏。この意見には《確かに今の日本社会は自粛しすぎ》《私もその気持ちわかる》と賛同する声も寄せられていた。
2019年03月15日俳優の飯島寛騎と鈴木勝吾が、舞台『ちょっと今から仕事やめてくる』でW主演を務めることが31日、明らかになった。同作は、70万部を超えるベストセラーとなり、第21回電撃小説大賞“メディアワークス文庫賞”を受賞した北川恵海の同名小説を初めて舞台化。17年には映画化もされた。ブラック企業で働く若手社員の青山隆(飯島寛騎)は、疲労のあまり駅のホームで意識を失い、電車にはねられそうになったところを幼馴染みのヤマモト(鈴木勝吾)と名乗る男に救われる。しかし、青山がヤマモトについて調べると、出てきたのは3年前に激務で鬱になり、自殺した男のニュースだった。飯島、鈴木に加え、元℃-uteメンバーの中島早貴が、常に優秀な青山の先輩・五十嵐を演じる。葉山昴、ケーナ奏者としても活躍をみせる実力派俳優の田中健が出演。劇団oneor8の田村孝裕が脚本、深作健太が演出を務める。公演はCBGKシブゲキ!!にて6月13日〜6月23日。
2019年01月31日長い泰平の後、開国するか否かで揺れ始めた江戸時代末期の江戸近郊の農村を舞台に、時代の波に翻弄されるひとりの浪人と人々の姿を、池松壮亮、蒼井優らの共演で描いた『斬、』(11月24日より渋谷・ユーロスペースほか全国順次公開)。本作の監督、脚本、撮影、編集、製作を手掛けているのは、世界各国に熱狂的なファンを持つ塚本晋也だ。自身初の時代劇となった本作において、池松演じる杢之進を江戸、京都の動乱へと誘う浪人・澤村次郎左衛門も演じる塚本監督に、映画制作への思いをきいた。――『斬、』は長年温めていた企画だそうですね。あっという間だったので、自分としてはあまり長い期間温めていたという意識がないのですが、いざ数えてみると構想20年以上にはなりますね。――「いつか時代劇を撮りたい」と思われたのは、黒澤明監督の影響ですか?確かに、黒澤監督の『七人の侍』や『用心棒』は、高校生の頃に観て憧れましたね。『椿三十郎』のラストにすごい殺陣のシーンがあるんですけれど、それを友だちと一緒に真似したりして。あとは、大学時代にテレビで観た勝新太郎さんの『新・座頭市』に対する想いが強いです。でも、一番原初的なものとしては、中学生の時に観た市川崑監督の『股旅』かもしれない。いわゆるカッコいいチャンバラシーンは全然出てこなくて、萩原健一さん、尾藤イサオさん、小倉一郎さん扮する刀もロクに使えない3人が、しょうもない渡世人となって旅をする青春映画がすごく好きだったんです。――試写会で『斬、』を見た方から、「『鉄男』以降、塚本監督はずっと鉄に対する愛を持ち続けている」と指摘されていましたね。確かにその通りで、「鉄と人との関わりには変わりがない」ということに自分でも気づきました。とはいえ、普段僕が映画を作るときは、あまり理屈では考えていなくて、ほとんど感覚的に作っています。「こういうことを言うために、こういう筋にしよう」というものではなく、自分にとって一手一手が嘘にならないように、筋を書いていくという感じなんです。『斬、』に関しては「一本の刀をグーッと食い入るように見つめてしまう若い浪人の映画にしよう」という、一つの考えだけが最初に浮かびました。そこから「どうして彼は刀をそんなに過剰に見つめるのか?」という風に、段々と自分で紐解いていく。つまり「全て紐解き終わった時」こそが、映画が完成する瞬間なんです。――なるほど、とても興味深いです。ちょうど『野火』が終わった頃に「刀を過剰に見つめる浪人の姿」と「時代への不安感」がピュッと一緒くたになって、ボロっと作品に結実したものが『斬、』なんです。ストーリーも自然と頭に浮かんできて、言いたいことが中にスポッと入ったので、それ以上あまり膨らまさないようにして、原石のまま表に出したという感じですね。――これまでの作品と『斬、』の作り方に、何か違いはありますか?基本的には、僕の場合は一作一作、作品ごとに異なりますね。プロの脚本家の方のように決まった順序が無いので、漠然としたものを切り崩していくような作業になるんです。――『斬、』というタイトルがスクリーンに出てくる様子が、刀のようでゾクゾクしました。まさにあれは刀をイメージしているのですが、実は最初『一』というタイトルにしようかとも思っていたくらいなんですよ。でもいくら刀に見えるといっても、『一』だけじゃ意味がよくわからないし、物事の始まりみたいな前向き感が出てしまうかなという懸念もあって。どちらかというと陰惨な感じにしたかったんですよね。「ざん」なら、音からもなんとなく「残酷」な雰囲気も伝わりますし、刀で「斬る」という意味にもなるし。シンプルかつ響きの良いタイトル、ということで『斬、』になりました。――だからこそ、一画目が重要だったわけですね。そうですね。「一」への想いです。――ちなみに「、」の示す意味とは?「。」だと終わってしまうので、あえて「、」にしたんです。――句点ではなく、読点ということですね。僕としては「斬った後どうなるのか」みたいなことを表しているつもりだったんですが、「斬って出てくる血にも見えるし、涙にも見える」というようなことをスタッフが言っていて、「でしょ!」って(笑)。――ははは(笑)。それにしても、塚本作品にはこれまでも印象的なタイトルが多いですね。最初からタイトルが決まっている場合は良いんですが、いつまでも決まらない場合は見苦しいタイトルになりますね。――例えば……?『東京フィスト』なんて、「そりゃないだろう」っていまでも時々思うくらい(笑)。実を言うと『鉄男』もなかなか決まらなかった。――えぇ!? そうなんですね。『鉄男』に決まった理由とは?「皆に愛されるために名前で読んでもらえるようにしよう!」って。――いまや、世界中で愛される名前になったと考えると感慨深いですね。逆にすぐに決まったタイトルは?『六月の蛇』なんかはタイトルありきという感じで、自分としても納得がいくタイトルであると言えますね。あとは『BULLET BALLET バレット・バレエ』も気に入っています。「弾丸がバレエをする」という意味なんですが、UとAだけが違っていて、ちょっとフランス語風の響きでね。第2候補は「弾丸ダンス」だったんですが(笑)。――なるほど(笑)。そのタイトルからは、また違った作品が生まれそうですね。塚本作品といえば石川忠さんによる音楽も欠かせませんが、『斬、』の音楽は石川さんが亡くなられた後に、監督が自ら石川さんの過去の素材のなかから選んで編集されたそうですね。そうですね。石川さんが亡くなられたのがあまりに突然だったので、正直気持ちの収拾がつかないところもあったのですが、『斬、』の仕上げの期間、石川さんと長い対話が出来たような気がしています。これまで僕の映画に使用した石川さんの曲はもちろん、未発表の音源も石川さんの奥様からいただいて全部聴かせてもらったので、鎮魂的な意味あいの時間にもなりました。――本作では池松壮亮さんが主演を務められていますが、キャスティングのきっかけは?僕の中ではまさに池松さんありきで考えていたのですが、ビックリするようなタイミングで池松さんの事務所からお声がけいただいて、「これは何かの思し召しだ」と思って「今やるべきでしょ!」と走りだしたんです。――まさに相思相愛だったわけですね。確かに相思相愛というのも珍しいですが、タイミングが合うというのが奇跡的なことだったと思います。――ちなみに監督が「出て欲しい」と思う俳優さんとは?演技の型が決まっている俳優さんだと、ちょっと難しいかもしれないですね。いかようにも変化できるというか、透明感がある感じの俳優さんだったり、あるいは演技が上手いとか上手くないとか以前に、存在感がぷ~んと匂い立ってくるような俳優さんだったりすることが多いです。――なるほど。そういった意味では、本作にも出演されている中村達也さんは、まさに存在感の塊といえますね。中村さんには『バレット・バレエ』の時に初めて出ていただいたんですが、もちろん演技は見たことがなかったので、まさに「存在感のみ」ですね。打ち合わせにも現場にも必ずオートバイでいらっしゃるので、最初はちょっと怖かったですね(笑)。二人ともシャイな面があるので『バレット・バレエ』の撮影時はほとんど日常会話を交わすことはなかったのですが、いまではお互い年を重ねてアホみたいな会話もするようになりました。――『野火』では、中村さん自ら死体役も務められたとか……。人手が足りないシーンでは、自らすすんで入ってくださって。決して頼んだわけではないのですが、撮っていたら「あれ? 中村さんまで入ってる」という感じでしたね(笑)。――『斬、』の中でも「なんで村人たちは俺らを見て逃げるんだ」というようなセリフがあって、思わず「いや、そりゃ逃げるでしょ!」と突っ込まずにはいられませんでした。そう。ずいぶん大味なギャグなんですけどね(笑)。――『野火』の時は監督ご自身が「演じたくて演じたわけではない」という発言もされていましたが、『斬、』の澤村役は最初からご自分で演じようと思われていたんですか?『斬、』のプロットは大分前から作っていたので、「この役は自分かな」と思っていたんです。僕の映画においては、『鉄男』の頃から主人公のことを執拗に追いかけ回すストーカーみたいな役は、僕がずっとやってきたものですから(笑)。『野火』とはまた違う後味を残す映画にしたいと思いました。『野火』はひたすらに戦場の恐ろしさをお客さんに差し出して、ひたすらにいやだなあ、と思ってもらおうと思ったんですね。「斬、」では澤村のヒロイックな行動に胸にすくような思いをする面もある。その「いけいけ」と思っているお客さんの鼻先にいつの間にか刃が迫ってきているような映画にしたかったんです。――まさか、撮影時に「ぎっくり腰」を患っていたとは思えぬほどの、見事な殺陣さばきでした。殺陣の練習の最中、軽い竹光でよいシーンなのに、重い木刀を振り回していたら、「ピキッ」てなってしまったんですね。とはいえ、最悪の状態までには至らなかったので、おそるおそるやっていたという感じです。――『斬、』では、蒼井優さんの魅力も最大限に引き出されていると感じました。もともと1作品ごとに異なる面を見せて下さる女優さんではありますが、今回は1本の映画の中に「蒼井優のすべて」がつまっているような気がしたんです。きっと蒼井さんが台本を読まれたときに、「一人の人間としての整合性を求められてるわけではないんだな」と解釈されて、ご自身のなかで「いろんな女性を体現しよう」という演技プランがあったんだと思うんです。――塚本監督が演出されたというわけではないんですね。まぁ、そういった気持ちを込めて脚本を書いたというのはありますが、特に具体的な演出はしていないですね。とはいえ、3分の2くらいまで撮り終えたあとに「え!? そういうつもりだったの?」ということになるとお互い大変なので、さすがに一回だけ通し稽古はするんですが(笑)。大体の意思疎通をはかったら、あとは現場のお楽しみに取っておく、という感じですね。――過去のインタビューを拝見していて驚いたのが、塚本監督の記憶力の良さなんです。小学校時代のエピソードが克明に記されていて。あ、あれはね、小学生の時に日記を書いていたからなんです。日記を書くこと自体が記憶に残りやすくなりますし、時々見返すとその当時の感覚に戻れるんですよね。本当に小学校の時の気分はもちろん、香りまで匂い立ってくるんです。「俺は、スプライトが好きだ」みたいなことが書いてあるんですが(笑)。誰かに見せるためではなく、自分の心の叫びなんです。――その日記帳は、いまだに門外不出なんですか? どこかで企画展示したりする予定もなく……?断捨離をしているので、あるときに、ごく簡単な文にワード化して本体は処分してしまいました。ワードの文は自分が見れば記憶の引き出しを開けるようになっていますが、他の人が見てもチンプンカンプンなもので。――でもご自身で日記を辿ると、思春期の衝動がよみがえるわけですね。中学生の時の混沌とした想いとか、急に自分が悪役みたいになってクラスのみんなに波紋を投げかけていたときの不安定な精神状態なんかが、書いてあるので、タイムワープする感じですね(笑)。――新たに脚本を書くときに日記を読み返したりすることも?自分にとっての映画作りは「整理すること」だと思っているんです。身の回りにあるぐちゃぐちゃになっているものを整理しているうちに、いまどうしても自分が作るべきものが「プリッ」と1本出てくる感じなんです。新たに映画を作り始める時は、いろんなものが整理されていて。だから何かを作り始める前には、いらない本を処分して必要なものを浮き彫りにして、その時の気持ちに合うように並べて、創作ノート全部にひととおり目を通してやり忘れていることがないかを確かめてから始めます。――昨今の日本の映画界においては、「原作モノ」がほとんど占めているという状況に成りつつありますが、塚本監督はオリジナルに対して強いこだわりをお持ちですよね。自分の中にあるわけのわからないものを、ものすごくわけのわかる形にするのが自主映画の醍醐味でもあるんです。オリジナルというのは、自分が抱えるモヤモヤしたものが、自分の問題だけではないんじゃないかと考えて、時代的なものと連関するのかどうかを探ったり、手繰り寄せたりしながら、徐々に形にしていく作業でもありますね。『野火』の場合は「素晴らしい原作に近づきたい」という気持ちで映画を作っていたので、他の作品とはかなりアプローチの方法が違うんですが、「自分の得意技を出す」という部分だけは共通していましたね。――塚本監督は常々「映画はお金を出している人のもの」とコメントされていますね。高校生くらいの時から「最終的にはお金を出している人が全て決められるものだ」と自然と感じていましたから。自分の作りたい映画を撮るためには、自分でお金を集めてくるのが一番手っ取り早いんです。プレゼンテーションが上手い人なら違うんでしょうけど。そういう人は相手の喜ぶポイントをしっかり押さえたりして。僕は自分の思いのたけを全部喋っちゃうからダメなんだな、といま気づきました。どっきりカメラみたいなことは、自分には絶対できないんです。「本当はこんな映画なのに……」と「嘘の時間」をずっとやり続けることは、僕にはとうてい無理ですね。最初から「こういう魂胆で作ってます!」って正直に言っちゃうから、「うわぁ、それは困る!」ということになってしまって、なかなか企画が成立しないんです……。――塚本監督は、嘘が付けないタイプなんですね。どちらかというと「後でガッカリされるくらいなら、最初から全部見せておいた方がいい」という感じですかね(笑)。(C)SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER
2018年11月17日森新太郎演出×中山優馬主演の舞台『The Silver Tassie 銀杯』の制作発表会見が9月26日に開催。森、中山をはじめ、矢田悠祐、横田栄司、浦浜アリサ、安田聖愛、三田和代が出席した。【チケット情報はこちら】アイルランドの劇作家ショーン・オケイシーによる“反戦悲喜劇”と言われる本作。中山演じる有望なフットボール選手だったハリー・ヒーガンの人生が、戦地へ赴いたことで一変していくさまを描く。1928年の執筆当時、市民を批判的に描いた内容から上演を拒否されたという本作。森は戯曲を読んで「パワーに圧倒された」と明かす。特にハリーが戦地から戻って感じる疎外感や孤独に言及し「人を叩きのめし排除、支配していくという野蛮な状況は、実は戦場と地続きにある」と戦争と日常が別次元の存在ではないと説き「“戦争反対”と誇らしげに言ったところで、“自分を見てみろよ”と言われているような挑発的な作品」といま、本作を上演する意義を訴えた。中山の起用について森は、中山が殺人犯を演じたドラマ『北斗 -ある殺人者の回心-』を見て「ピュアさとすさんだ心があって、ハリーと同じだと思った」と説明。中山は「戦争にぶつかって心がネガティブな方に行くけど、そこでもシャレの利いた皮肉を言ったり、ネガティブな時もポジティブな時も口が達者なのが魅力」と語る。精神的な強さが求められ、さらにウクレレの名手という設定で、こちらも練習中だが「(心が)折れても立ち上がっていこうと思います! (新しいことに)挑戦できることがありがたい」と意気込みを語った。矢田はハリーの戦友で、やがて恋敵にもなるバーニーを演じるが、歌唱シーンについて森から「きれいな歌声じゃなく、喉から血が出るような芝居を味わわせたい」と宣言されると「身を委ねます。メチャクチャにしていただきたい」と覚悟を口にした。一方、横田に関して森は「横田さんは蜷川(幸雄)さんと文学座のものだと思いこんでた(笑)」と冗談めかしつつ今回、意を決してのオファーだったと告白。特に「演出家の腕が問われる」(森)という戦地のシーンで「横田さんを頼りにしたい」とも。横田は、ここまでの5日間の稽古で感じた森の脚本への深い洞察と解釈への驚嘆を口にし「言葉ひとつひとつに重みと説得力がある」と称賛。「森さんも想定していないビックリするようなことを発見したい」とうなずく。女優陣が演じる女性キャラクターたちも三者三様。三田は自らが演じるハリーの母親役を「普通の人」と称し、だからこそ「本当に難しい!」と楽しそうに語る。モデル出身の浦浜は「セリフで感情を表す難しさに直面してます」と苦笑し、自身の起用について「森さんのギャンブラー精神にビックリしてます」と笑う。安田はハリーの恋人のジェシーを演じるが「ひと言で表すとひどい女(苦笑)。気持ちいいくらいひどい女を演じたい」と言葉に力を込めた。『The Silver Tassie 銀杯』は11月9日より世田谷パブリックシアターにて開幕。取材・文・撮影:黒豆直樹
2018年09月28日演出家・森新太郎と中山優馬の初顔合わせにより、東京・世田谷パブリックシアターで上演される『The Silver Tassie銀杯』のメインビジュアルが公開された。【チケット情報はこちら】本作は、アイルランドの劇作家ショーン・オケイシーが第一次世界大戦から第二次世界大戦へと変遷する激動の時代のなか、1928年に発表した戯曲で、1929年にロンドンで初演。ダブリンを舞台に、第一次世界大戦中、輝かしい将来を嘱望されたひとりのフットボール選手・ハリーが戦争の犠牲となっていく様を描いた反戦ドラマ。公開されたメインビジュアルのデザインコンセプトについて、制作側より次のようなコメントが寄せられた。「モチーフとして大きいものは、上部の当時の戦争を彷彿とさせる写真、中央の主人公・ハリー(中山優馬)の横顔、下部のフットボール場と思われる芝生。人生を大きく一変させていく過酷な戦地と、平和で希望に満ちていた頃に駆け抜けた芝生との間に挟まれた、青年ハリーが見つめる視線の先にあるものとは?絵の具を飛ばしたように散らばる模様は、過去、現在、未来に及ぶ様々なハリーの思いや、不安定な時代の中に生きる人々の無数の思いを表し、そんな数多の感情が交差していく中に深く静かに侵食されていくハリーの横顔をとらえています。ですが、この横顔の青年はハリーに限定されない、当時の市井に生きる人々の象徴的な横顔、つまり登場人物全員の横顔としてもとらえて頂ければと思います。制作時の意図は上記のイメージになりますが、こちらはあくまで解釈の一例に過ぎません。ご覧になるお客様にご自由に発想して頂き、ハリーの視線の先にあるものを無限にご想像頂ければ幸いです」共演は矢田悠祐、横田栄司、三田和代のほか、20曲以上の歌唱シーンがあることから演技力、歌唱力が評価されたキャスト22名が集結。歌あり、笑いあり、涙ありの賑やかな“反戦悲喜劇”を立ち上げる。公演は11月9日(金)から11月25日(日)まで東京・世田谷パブリックシアターで上演。チケットは9月9日(日)より一般発売開始。
2018年09月06日V6の岡田准一(37)が8月27日、都内で行われた時代劇映画「散り椿」(木村大作監督、9月28日公開)の完成報告会見に出席したと各スポーツ紙が報じている。岡田が演じるのは藩の不正を暴こうとして、藩を追われた武士役。会見で木村監督は岡田の殺陣を「スピードに関しては、三船敏郎、高倉健、仲代達矢、勝新太郎を上回る。殺陣はひとえにスピード。斬新で、斬った後の姿も美しい」と絶賛したという。見事に“名優超え”を果たした岡田だが、次回の主演作は「来る」(12月7日公開、中島哲也監督)。同作は「第22回日本ホラー大賞」(2015年)に輝いた作家・澤村伊智氏による小説「ぼぎわんが、来る」(角川ホラー文庫刊)が原作で、岡田にとってホラー初挑戦作。演じるのは、フリーライター・野崎役。周囲に不可解な出来事が次々に起こり、“何かに狙われているのでは”と恐怖に陥る夫婦から助けを求められる役どころだ。「夫婦役を演じるのは、妻夫木聡さんと黒木華さん。野崎の恋人で霊感の強い女性役を小松菜奈さん、恋人の姉で国内一の霊媒師役を松たか子さんが演じるなど豪華キャスト。先日、血まみれの岡田さんが床にはいつくばってあまりの恐怖におののくビジュアルが公開されました。直接何かに襲われるのではなく、最大限に恐怖感情を表現しなければならない難しい役どころ。武士役の後にこの役で演じる役の幅の広さを見せているだけに、映画賞への期待が高まります」(映画業界関係者)岡田の演技が劇場の観客たちを恐怖に陥れそうだ。
2018年08月28日岡田准一(37)が8月27日、都内のホテルで行われた主演映画「散り椿」完成報告会見に出席。各スポーツ紙によると会見中、同作の木村大作監督(79)が岡田の殺陣について「スピードに関して言ったら、三船敏郎、高倉健、仲代達矢、勝新太郎を上回るスピード」と絶賛する場面があったという。木村監督といえば黒澤明監督(享年88)の撮影助手として就き、その腕前から絶大な信頼を得ていたという“生ける伝説”。そんな監督に評価された岡田の名演に、早くも期待が高まっている。過去にも14年の大河ドラマ「軍師官兵衛」や17年の映画「関ヶ原」で殺陣を披露している岡田。その殺陣演技は常に大評判だ。「岡田さんの殺陣を支えるのは、何と言っても豊富な歴史の知識量でしょう。小学校低学年のころから歴史本を読みふけり、高学年になれば司馬遼太郎さん(享年72)の作品に触れていたほど。当時から『司馬さんの書かれているものが本当に正しいのか』と自ら仮説を立て、読み進めるほどだったそうです」(映画関係者)殺陣といえば肉体的鍛錬も重要となるが、岡田には格闘技マニアという一面も。「知れば知るほどハマってしまったようで、世界中の格闘技を知っているといいます。さらにインストラクターの資格もいくつか持っており、指導できるほどの腕前。こういった点が『殺陣で岡田准一の右に出る者はいない!』と評されるゆえんなのでしょう」(前出・映画関係者)殺陣の評判もあり時代劇への出演が続く岡田。先輩俳優たちからのアドバイスも、支えになっているようだ。「岡田さんは俳優として活躍し始めたころから『時代劇を演じることのできる俳優になってくれ』と期待をかけられていました。というのも、時代劇には“強さ”を見せる演技が必要だからです。『等身大の演技をするだけだと役柄が狭まってくるぞ』という先輩たちからのアドバイスを、今も大切にしているようです」(前出・映画関係者)今回の作品で、さらに評価が高まりそうだ。
2018年08月27日黒澤明監督に従事した名キャメラマンとして名高い巨匠・木村大作監督にとって3本目の監督作となる『散り椿』の完成報告記者会見が8月27日(月)、都内で行われ、木村監督をはじめ、主演の岡田准一、西島秀俊、黒木華、池松壮亮、麻生久美子が出席した。■『散り椿』とは?享保15年。藩の不正を訴え出たために、時の権力に負け藩を追放された男、瓜生新兵衛(岡田さん)は、病に倒れた妻の篠(麻生さん)から死の直前に「藩に戻りて、榊原采女様(西島さん)を助けてほしい」という願いを託される。新兵衛にとって采女は、かつては良き友であり良きライバルであり、また篠を巡る恋敵でもあった。因縁を抱えた二人は再会を果たし…。木村監督にとっては、初めての時代劇演出となる。主演の岡田さんは、木村監督が撮影を手がけた『追憶』以来の再タッグで「伝説…と言うと、大作さんに怒られるんですが、また誘っていただいたのは光栄。日々戦うつもりで、しびれる現場を体験させていただいた」と感無量の面持ち。「自分の代表作になることを願っている」と格別の思いを語っていた。■名俳優と並び称され、「クラクラしています」(岡田さん)「美しい時代劇」を目指し、メガホンをとった木村監督は「美しいというのは、映像や風景だけじゃなく、日本人の心の美しさを撮りたくて言った言葉」と力説。キャスティングも「僕がぴったりだと思うキャスティング。なのに、東宝の人から『ああしろ、こうしろ』といろいろ言われまして。そんなこと言う必要あるんですかね!」と雑音にも耳を傾けず、自らが望む俳優陣の起用を貫いたのだとか。まさに“大作節”ともいえる発言に、岡田さんは感激しきりだ。また、劇中の大きな見せ場については「殺陣師は年寄りで、口だけ(笑)。殺陣は岡田准一さんが全部つけてくださって、それに西島さんが対応してくれた」と明かした。さらに「殺陣のスピードは三船敏郎、高倉健、仲代達矢、勝新太郎を上回る」と絶賛すると、当の岡田さんは「すごいお名前ばかりで、クラクラしています」と恐縮していた。■西島秀俊、岡田准一にまさかのクレーム?西島さんは、岡田さんとの初共演の感想を問われ「一番ひどかったのが、一騎打ちのシーン」とまさかのクレーム?実は3か月稽古を重ねた殺陣のシーンを、本番当日、岡田さんが「変更したい」と言い出したのだとか!「ヒリヒリしましたよね。2回くらい聞き流れて、3回目で『わかったよ!』って」(岡田さん)、「せめて前日に言ってくれたら。移動中、メイク中に変えたいって言われて、『そうかな?そのままでいいと思うよ』って流していたんですけど」(西島さん)。それでも、岡田さんは「西島さんだからできること。(殺陣の変更を)粘って良かったです。とても、気持ちよくお仕事をされる方ですし」と全幅の信頼を寄せていたことを明かした。『散り椿』は9月28日(金)より全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:散り椿 2018年9月28日より全国東宝系にて公開Ⓒ2018「散り椿」製作委員会
2018年08月27日9月28日公開の映画『散り椿』の完成報告会見が27日、都内で行われ、岡田准一、西島秀俊、黒木華、池松壮亮、麻生久美子、木村大作監督が出席した。数々の名作にカメラマンとして日本映画に携わってきた木村大作監督の最新作となる本作は、直木賞受賞作家・葉室麟の同名小説を映画化。木村監督にとって初めてとなる本格時代劇で、藩を追放されるも妻の願いを胸に藩の不正や権力に立ち向かう瓜生新兵衛(岡田准一)の姿を描く。木村監督とは昨年公開された映画『追憶』(木村は撮影を担当)以来となる岡田。「大作さんは監督の時、鬼らしいというのは映画界で有名な話。『追憶』と時はカメラマンでご一緒したので(今回は)鬼の部分が出るんだろうな、と思っていましたが、今回は鬼にならず楽しそうに現場で撮影されていたのが印象的でした」と明かし、木村組初参加となる西島も「ピリピリした現場だと思ったんですが、実際に入ると緊張感はありましたけど、理不尽な厳しさは全くなかったので、素晴らしい現場でしたね」と好印象だった。西島と同じく、木村監督とは初めての仕事となる黒木と麻生。黒木が「撮影中もご自身がムードメーカーで楽しそうに見えました。本当にいやすい現場でしたね」と語れば、麻生も「私は現場で色々と言われたら心が折れるタイプなのでどうしようとドキドキしながら入りましたが、そういうこともなく良い緊張感で良い現場でしたね」と安堵した様子だった。本格的な時代劇ということで、殺陣が見どころの本作。木村監督は「殺陣は岡田さんがつけてくれました。スピードに関しては三船敏郎、高倉健、仲代達矢、勝新太郎を上回るスピードだね」と岡田の殺陣を絶賛するも、岡田の殺陣を受けた西島は「一番ひどかったのは、一騎打ちのところで練習してきた殺陣を当日に変えてきたんです。前日に言ってくれてもよかったのに」と思わず本音も。西島の不満を苦笑いで聞いていた岡田は「大作さんは空気を撮りたい方なので、予定調和にならない方がいいのかと」と西島に詫ながら「西島さんだからできることだったし、本当に先輩として受け止めてくださいました。本当に気持ちよくお仕事をされる方で、見習わせていただいています。こういう風になりたいと思いながら現場にいましたね」と西島に感謝していた。映画『散り椿』は、9月28日より全国公開。
2018年08月27日俳優の高杉真宙が23日、都内で行われた主演映画『世界でいちばん長い写真』(公開中)の初日舞台挨拶に、武田梨奈、水野勝(BOYS AND MEN)、草野翔吾監督とともに登場した。同作は誉田哲也の同名小説を実写映画化。目標もなく、冴えない毎日を送る主人公・宏伸(高杉)が、祖父のリサイクルショップで世界一長いパノラマ写真が撮れるカメラを見つけ、だんだんと人生が変わっていく。互いの印象を聞かれると、水野は「真宙くんは物静かで人見知りするタイプなんですけど、すごくチャーミングで、すごい天然なんですよ。つつけばつつくほど色々な面が出てくる」と語る。高杉はその言葉に「フラグですね」と、今後の展開を予感させるように苦笑しながら頷いていた。その後、武田が15日に誕生日を迎えたことからサプライズでケーキが登場。出演者陣は「えっケーキがあるんですか!」「ちょっとこれ聞いてないよ!」「嘘〜!!」と口々に驚きを表し、会場も一体となってハッピーバースデーの歌を歌う。しかし武田は「本当だったら泣いてるはずなんですけど、実はある人がやらかしてしまって」と告白。「打ち合わせをする前に『はい梨奈ちゃん、台本』と渡されたんですけど、私が見てはいけない台本だったんですよ」と明かす。水野が「思いっきり赤字で『バースデーケーキをここで投入』って。誰かさんがね、お配りしたんですよね」とたたみかけると、下を向いていた高杉は「本当に、誰ですか!」ととぼけるが、客席にも伝わった様子。武田が「思わず私さっき、真宙くんの左腕パーン! って」と攻めると、高杉は「やっちゃったんですよね〜。みなさん、すいませんでした」と謝罪した。草の監督も「バレてから、スタッフも一切ケーキを隠さない」と苦笑。水野が「袖に置いてありましたもん。世界で一番驚かないサプライズ!」と作品名にかけて表すと、会場からも「うまい!」と拍手が起こった。フォトセッションでは、約2mのパノラマ写真が登場。実際に作中では145mのパノラマ写真が登場するため、「この173倍」という説明に、観客も驚いていた。
2018年06月23日●キラキラムービー観づらくなる世代漫画や小説をもとに実写化される「原作モノ」が全盛の中、「絶対に観客の心をつかむ」という揺るぎのない気概でオリジナル映画に挑む人々を取材する連載「オリジナルの担い手たち」。第3回は、吉田羊の主演作『ラブ×ドック』で映画監督デビューを飾った鈴木おさむ氏に話を聞く。これまで、数々のバラエティ番組の構成や映画『ハンサム★スーツ』(08)ほか数多くの脚本を手掛けてきた鈴木氏。公式サイトのコメントには「放送作家としての経験も映画の中に入れたつもり」と記されていたが、今回の取材では彼の仕事に対する根幹の部分が明らかになった。映画は、吉田羊演じる人気パティシエ・飛鳥が、ある女医から「危険な恋愛をストップできる薬」を処方され、3人の男性と恋に落ちる姿を描く。鈴木監督は、なぜこの作品でメガホンをとる決意をしたのか。そして、オリジナルであることの必然性とは。○妻・大島美幸の妊娠中から執筆――ブログには映画の話がたくさん書かれていました。2015年1月から脚本を書き始めたそうですね。今回の映画のプロデューサーが、恋愛系のショートムービーをCSでやっていたんです。「恋愛の悲喜こもごもの総決算となる映画ができないか」という話があって、じゃあやってみましょうかと。プロットを作ったんだけど、恋愛だけだと持たない。そこで「ラブドック」という設定を作って、一人の女性が3人と恋をする物語を考えました。脚本は2015年1月1日から1日に1時間ずつ書いていって。いつもなら妻と旅行する時期だったんですが、妊娠中だったので、家で過ごすことにしたんです。お正月休みはとっていたので、妻のお腹に子どもが宿っている間に、何か記念になることをやろうと。そこで「1日1時間台本を書く」をお正月から日課にしました。プロットは結構細かく考えていたので、1月31日には初稿が上がりました。――その時点で監督は決まってなかったんですね。『ハンサム★スーツ』の時もそうだったんですが、脚本を書いてから「監督を誰にしようか」というパターンが多くて、今回もそうでした。ただ恋愛だと、どうしても自分の主観が入ります。例えば、監督から「こんなこと言わないよ」とか「こんな恋しないよ」と言われても、反論したくなるんです。恋愛って、特にそうじゃないですか? これは確実に揉めると思ったんです。プロデューサーとの話し合いの中で、尺の調整や登場人物の変更などはいいんですが、恋愛の価値観や哲学の違いで直していくのは嫌だなと思って、自分でやることにしました。○恋愛邦画にお金を払う文化がなかった日本――「映画監督をやりたい」わけではなく、この作品だからこそ監督をやる決断をされたんですね。30代以上が楽しめる恋愛映画ということですが、対象設定も早々に決められていたんですか?そうですね。僕が高校ぐらいの頃、邦画を観に行くことがダサいみたいな、そんな風潮があったと思います。それを『踊る大捜査線』とジブリが変えた。邦画にお金を払うという地盤が、それらで築かれたと思います。その後の潮流でいうと、日本人は邦画の恋愛映画にお金を払う文化があまりないなと思っていて、『世界の中心で、愛をさけぶ』(04)は大ヒットしましたが、どちらかというと涙を誘う方。そんな中で、漫画原作を中心とした「十代のキラキラムービー」が当たったのは、僕の中では大きなトピックでした。でも「十代キラキラムービー」がヒットするようになってから、実はもう10年以上経ってるんですよ。初期の頃にキラキラムービーを観ていた人たちは、そこそこいい年齢なんじゃないかと。だとしたら、その頃に観ていた人たちは、年齢が合わなくて、キラキラムービーを観づらくなる時代がそろそろ来るんじゃないか。そんな読みがあって、「大人向けのラブムービー」を作ってみようと。僕は『ブリジット・ジョーンズの日記』(01)とか好きなんですよね。ハリウッドでは大人も行けるラブムービーは多いですけど、日本では大人の女優主演でのラブコメ作品はあまりないですよね。――そこから吉田羊さんの起用は、どのように繋がるんですか?オファーをしたのは、もう3年前になるんですかね。やっぱり独身であることが結構大事だと思っていて。結婚していたりすると、そこが透けて見えたりするじゃないですか。吉田羊さんは2014年に『HERO』でブレイクされて、その頃からすごくいい女優さんだなと感じていました。普段のお芝居はもちろん、コメディがとても上手なことも大切でした。あとは年齢が非公表であることも、重要なポイントです。観客は感情移入しやすいと思います。実際、今回は36歳から40歳すぎまで演じてもらっています。●妻をイジメていた女性の無意識――確かに『HERO』後は作品数が急増しましたね。1カ月で初稿が完成し、その後はどのような流れだったのでしょうか?脚本は多少縮めたりしましたが、そのみずみずしくて勢いが詰まった脚本を各役者に見てもらうことにしました。そして配役が決まってから、その人に当てて書いていきます。僕、役者さんに当て書きをするのが結構好きなんですよね。羊さんは、「おさむさんはなんでここまで女性の気持ちが分かるんですか?」とおっしゃってくれて、「今の自分がやるべき」と感じてくれたそうです。○うちの奥さんをずっと下に見てたんだろうな――恋は冷めると過去の出来事の見え方も変わりますよね。劇中では「魔法」という言葉が使われていました。飛鳥が千種に恋人を奪われる描写ですよね。千種役が大久保(佳代子)さんに決まってから、より強くなりました。もとは女優さんでやるつもりだったんですけどね。大久保さんに決まってから、「奪われる」ということがより痛みがますように直しました。うちの奥さんは昔いじめられていたんですけど、その当時いじめていた側の友だちと今は仲良くやってるんですよね。だけど、ふとしたことで電話でケンカしたことがあったんです。その会話を聞いていたら、やっぱりその友だちはうちの奥さんをずっと下に見てたんだろうなと。その人がまた、美人なんですよね。やっぱり女性って、すごいなと思いましたよ(笑)。千種が、「ずっと私のこと下に見てたんでしょう」と言いますが、あの部分は相当リアルかなと思っています。意外と飛鳥側は無意識だったりするんですよね。――実生活の出来事もヒントになっているわけですね。吉田羊さんを実際に起用してみていかがでしたか?いやぁ、めちゃくちゃうまかったです。お芝居はもちろん上手だし、皆まで言わずとも全部表現してくれる。集中力や表現力が、とにかくすごいんですよ。もっと恋愛ものやればいいのにと思っていたんですが、先に誰かに撮られてしまわなくて良かったです。クールなキャラクターや上司役、最近は母親役が多いみたいなので、今まで見たことがない吉田羊が見られると思います。――そして、ラストは詳しく言えませんが吉田羊さんの演技力が光っていましたね。本当に。今撮れる吉田羊をすべて詰め込んだ感じになったと思っています。突出した演技力がありながら、まだそこまで色がついてないのが彼女の魅力です。だからこそ、恋愛で色をつけてみたいと思いました。○ビートたけしの迫力はFRIDAY襲撃事件があったから――初監督作になりますが、演出面の工夫もあったのでしょうか。現場ではそんなに演出をつけませんでした。自分で物語を考えて全て脚本を書いているので、それに寄せていってもらうだけ。何か提案があったら、どうぞどうぞ。そうやって役者さんの判断で変更することで、より「自分」が出るのであればそれがいいなと。飛鳥という役にアプローチしながら、「吉田羊」にも近づけてほしかったんです。お芝居が上手い人はたくさんいますが、自分の芯が強い人というか、存在が強い人の方がどちらかというと好きなんです。たけしさんが何で怖い役の迫力が増すのかというと、やっぱりFRIDAY襲撃事件があったからだと思うんですよ。――納得してしまいます(笑)。絶対そうだと思いませんか(笑)? やっぱり人間力が凄まじいと思うんですよ。だから吉田羊さんも、もちろん飛鳥という役に近づけてほしいんだけど、その中でも「吉田羊」が見え隠れして、結果的に飛鳥と同一化するのが最良だと思います。 それを嫌がる役者さんもいるかもしれませんが。●SMAPと仕事をした財産――そういう役者観は以前から変わらないんですか?ずっと変わりません。大竹しのぶさんが大好きなんですけど、それを本人が望むかどうかは別にして、「明石家さんまと別れた」過去を女優として背負いながら役と向き合っているから迫力があると、僕は勝手に思っています。役者としてカメレオンになることは大事なんだけども、バックボーンが重要で。例えば大泉洋さんはそれがあるんですよ。「大泉洋」という強い芯がある。羊さんもそうであってほしいというか。究極は勝新太郎さん。樹木希林さん、西田敏行さんも役を本人が超えていく。だからこそ、本人に近づけてほしいと思うんです。「吉田羊」が端々で見え隠れするのは、僕にとってはすごく大事なことです。お芝居の作り方としてはよくないのかもしれませんが、僕は放送作家ですから。最近あらためて、自分は物語を作るのが本当に好きなんだなと感じます。最近も小説を書き終えたり、漫画の連載をしたり。今回も、自分が監督をした方が絶対にいいものになると考えたり。たとえば、すごいアクションが必要な物語であれば、やっぱり監督は僕じゃないほうがいい。自分が表現した方が面白くなるんだったら、自ら監督という選択をすべきだと今も思います。――そうやってオリジナルの作品が生まれているんですね。『ハンサム★スーツ』の時もそうだったんですが、どこかにファンタジー要素がある物語が好きなんです。海外でリメイクされやすかったりするのは、やっぱりファンタジーは万国共通なんですかね? だから今回も「ラブドック」というファンタジー要素を入れました。でも……「ブームを作りたい」というのが根底にあるのかもしれないですね。○世の中を動かすモチベーション――ブームというと?小説を今年の秋に出すんですけど、「男性不妊」がテーマになっています。自分たち夫婦が妊活をやったからこそ分かる、男性不妊のことを書いたんです。たぶんこれから男性不妊って大事なテーマになってくると思うんですよ。男性不妊を考えるきっかけとなる作品を自分が発表することによって、ちょっとだけ世の中が動いたらいいなと思っています。妻が休業をする時に、「妊活」という言葉を使いたいと言い出したんです。その当時、「妊活」はそこまで使われてなかったんですよ。「妊活」が認知されれば、世の中の人が「不妊治療」という言葉を使わなくてよくなる。彼女は発表することによっての賛否両論は覚悟の上でした。けれど、結果、「妊活」という言葉を一般に広めることが出来たかなと思っています。そのほかの仕事もこれと同じで、自分が作るものでちょっとだけ世の中が動くといいなと思っています。この映画もどのくらいヒットするのか分かりませんが、10代キラキラムービー全盛から30代向けラブムービーへブームが起きたら、映画評論家の方が、10年後ぐらいに「あれがきっかけだね」と言ってくれるとうれしいです。○オリジナル映画を撮る意味――働く上での核となる部分ですか?そうですね。オリジナル作品を作る意味って、そこじゃないですかね。何年か前から今田耕司さんと舞台をやっているんですが、今田さんにめっちゃ番宣出てもらっているんですよ。普段はあまりゲスト出演はしないのに。チケットも売れちゃうからそこまでやらなくていいんだけど、見に来る人は5000人でも、舞台をやっていることを50万人に知ってほしい。だから羊さんも番宣がんばってもらってますけど、これをきっかけに、ちょっとだけでも世の中が動かないかなと思っています。――その職業観は何をきっかけに形成されたんですか?SMAPと仕事をしたのが大きかったですね。彼らと何かをやることで、世の中が必ず動いていく。そういうパワーを常々感じました。しかも、メインストリームだけじゃなくてね。彼らは結構サブカル的なことにも積極的に挑戦していた。そうやって、一緒に番組をやっていって世の中が動いていくことを肌で感じて勉強させてもらえたのは、すごく大きかったです。彼らとの経験は、自分の中では本当に貴重な出来事です。■プロフィール鈴木おさむ1972年4月25日生まれ。千葉県出身。大学在学中に放送作家デビュー。多数の人気バラエティ番組を担当。これまで、『ラブ★コン』(06)、『ハンサム★スーツ』(08)、『ONE PIECE FILM Z』(12)、『新宿スワン』(15)などの映画で脚本を担当。現在公開中の『ラブ×ドック』が初の映画監督作品となる。また現在配信中のAbemaTV開局2周年記念連続ドラマ『会社は学校じゃねぇんだよ』の脚本も担当。
2018年05月23日元SMAPの草なぎ剛が8日、自身のツイッターを更新。元SMAPのメンバーでオートレーサーの森且行の通算600勝を祝福した。森は11月17日にオートレースで通算600勝を達成。草なぎは「森且行さん。森君。600勝おめでとうございます!おめでとう」と3週間遅れでお祝いした。この投稿に、「森くんおめでとう」「森くん!600勝 おめでとう」「森且行選手600勝おめでとうございます」「森くん凄いよね。600勝おめでとう」「森くん600勝おめでとうございます!!!!!!」「森くんも本当にすごいおめでとうですね」とファンからも祝福コメントが多く寄せられている。森は1996年にグループを脱退し、オートレーサーに転身。先月4日にインターネットテレビ局・AbemaTV『72時間ホンネテレビ』で元SMAPの稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾と21年ぶりに共演し、大きな話題を呼んだ。
2017年12月08日「プロポーズ自体は、1年前にしていました。執行猶予も今年3月に明けたし、仕事が落ち着いたあたりで入籍を……、と考えていたらこの時期になりました」と語るのは、俳優・若山騎一郎(52)。父は若山富三郎さん、叔父は勝新太郎さんという彼が、覚せい剤取締法違反で逮捕されてから4年の月日がたつ。 「偉大な父や叔父がいるという驕りがあった。いま世間では、次々に二世俳優・タレントたちが不祥事を起こしているのも、みんな驕りが原因じゃないかな。でも“この人”のおかげで、自分の馬鹿さ加減が身に染みてわかるようになりました」 若山が“この人”と呼ぶのは、A子さん(45)。若山と彼女は、いい夫婦の日である11月22日に入籍予定なのだ。A子さんはテレビ制作会社勤務後、クラブで歌手として働いていた。 「亡くなった安岡力也さんの行きつけの店で、初めて出会ったときは、いまより20キロ近く太っていたね(笑)。有罪判決を受けて、いろいろな人が僕から離れていったけど、彼女は以前と変わらず接してくれたのが嬉しかったです。“どん底”状態で、落ち込んでいる僕を励ますために、食事に誘ってくれて……、嬉しかった」 彼女は若山の復帰舞台も手伝ってくれ、交際が始まったが、若山はなかなか結婚には踏み切れなかったという。若山は同じ“二世”の元女優・仁美凌(37)と、二度の結婚・離婚を経験しているバツ2だった。 「執行猶予中でもあったからね。でも兄貴分の千葉真一さん(78)が、『そんなこと関係ないだろ』と、言ってくれたこともあり、プロポーズしました」 3度目の結婚となるが、新婚旅行は計画しているのだろうか? 「彼女の偉いところは、両親、叔父、先輩の力也さんとか、僕の尊敬する方たちの命日を把握していること。入籍後は、父・富三郎も含めて、ゆかりの人たちの墓前に報告して回るつもりだけど、それが新婚旅行代わりになるのかな。父との思い出の地である京都や、僕が子供のときに住んでいた神戸にも連れて行ってあげたいね」 天国の富三郎さんも、待ちわびていることだろう。
2017年11月21日「おとなの大映祭」が2017年6月24日(土)より、角川シネマ新宿他にて開催される。市川雷蔵、勝新太郎、船越英二、京マチ子、山本富士子、若尾文子、中村玉緒、渥美マリ他昭和を代表する映画俳優を数多く輩出した映画会社・大映株式会社。その設立75周年を記念した「おとなの大映祭」では「おとな」をテーマにした作品群がラインナップする。セレクションは、大映作品を彩った数多くの中から、女性が主人公の「女優主演」の作品に特化。日本の映画史を彩る女優達の艶やかで美しい姿を存分に楽しむことができる作品群に、旧映画への造詣の深さにかかわらず映画ファンなら惹きこまれてしまうだろう。今回の映画祭のほか、12月には「大映女優祭」、2018年春には「大映男優祭」も開催予定。大映作品を心ゆくまで堪能できる一年になりそうだ。【開催概要】「おとなの大映祭」公開日:2017年6月24日(土)~公開劇場:角川シネマ新宿ほか順次公開作品数:ラインナップ21本ラインナップ詳細:・若尾文子『卍』『十代の性典』『不倫』・江波杏子「女賭博師」シリーズ 5本・関根恵子(高橋惠子)「レモンセックス」路線作品3作・渥美マリ「軟体動物」シリーズ2作■谷崎潤一郎原作「痴人の愛」1949年度版:京マチ子×宇野重吉×森雅之1960年度版:叶順子×船越英二×田宮二郎1967年度版:安田(大楠)道代×小沢昭一×田村正和
2017年04月30日「関根(勤)さんと一緒にコントを始めたばかりのころは、何もわからないけど、自分たちがウケないことはわかった。お客さんも3人くらいしかいなかったから、暗転するとすぐ帰ろうとするから暗くできないし……」 そう語るのは、隔週連載『中山秀征の語り合いたい人』第76回のゲスト・タレントの小堺一機さん(61)。中山がデビュー時にとてもお世話になったという小堺さんと2人、「何が出るかな」でおなじみ『ごきげんよう』さながら、トークたっぷりの時間を過ごしました。 中山「もともとは勝新太郎さん主宰の『勝アカデミー』に入られてましたよね。役者志望だったんですか?」 小堺「大学生のときにね。役者を目指すなんてかっこいいものじゃなくて、ただテレビに出たかったんだよね。勝アカデミーを卒業して、縁あって浅井企画に入れたんだけど、何もしないでいたら怒られて。関根さんも暇にしてるから一緒にコントをやれって言われたの」 中山「2人で頑張るんですね」 小堺「関根さんも僕もハングリー精神がないの。実家だし、食にも困らない」 中山「気負いがないんですね」 小堺「ううん、なんにもない。永六輔さんに会ったときも『君たちには何もない』『火花も飛ばない』って言われた」 中山「それを言われても……?」 小堺「『ほう』という感じだったから、さすがに怒られたよ(笑)。今度は事務所から『合宿しろ』って。外出禁止っていうのは守ってたけど、温泉入って、ビール飲んで、テレビ見て寝て、朝10時に起きてた」 中山「ダラダラですね(笑)」 小堺「関根さんは『小堺くんが“朝5時から起きて頑張りましょう”っていう人だったらどうしようかと思ってた』って。そんな合宿中にネタなんてできないから、また怒られて、毎週ライブハウスで新ネタをやることになったんだよね。それでも、関根さんとケンタッキーに行って『できないね』って話してそのまま帰ったりしてた」 中山「結局できない(笑)」 小堺「どうしようもなかったんだよね。そんなある日、関根さんを変な人にしたら面白いと思ったの。僕が面白いと思ったことをやってもらおうと」 中山「今の2人のカタチですね」 小堺「ラジオのピンチヒッターをしたときも、初めはハガキが全然こなくて。関根さんが『自分たちからクビにしてくれとは言えないから、クビになるようなことをしよう』って(笑)。それで適当なことをしたらハガキが増えたり」 中山「ネタ作りのときと一緒ですね」 小堺「2人のカタチが定着してきて、ライブでもウケるようになって、道が見えてきた感じかな。ただ、テレビでできないネタばかりだったから『欽どこ』では、困ったことにはなるんだけど」 中山「つながっていくんですね」 小堺「あそこで嫌がって何もしなかったら『欽どこ』に呼ばれなかったかもしれないし、やってみてもできなかっただろうしね。とにかく、そのころは文化祭に呼んでもらったり、音楽もできたし、十分楽しかった」 中山「満足するタイミング、早いですね」 小堺「ハングリー精神ないから(笑)」
2017年03月04日世界有数のアート都市でもある東京では、2017年も刺激的な展覧会が目白押し!エルメス財団が運営する銀座メゾンエルメス フォーラムや東京都写真美術館、岡本太郎美術館などエッジの効いたアート作品に触れられる場所が至るところにある。その他、横浜、金沢、青森でも魅力的な展示が開催中。アートに触れて、心身をリフレッシュしよう!■オブジェと身体の共犯、銀座メゾンエルメス フォーラムで「曖昧な関係」展世代や国籍、表現方法の異なる3人のアーティストの作品を通して、作品と身体との間に生まれる関係性について考察した「曖昧な関係」展が、2月26日まで銀座エルメス フォーラムで開催される。気鋭の現代アーティストが生み出す珠玉の作品をお見逃しなく。■森山大道、ホンマタカシ、畠山直哉らが様々な視点から“東京”の街を切り取った写真展東京都写真美術館が“東京”をテーマに収蔵品で構成するコレクション展「TOPコレクション 東京・TOKYO」を1月29日まで開催する。「東京を表現、記録した国内外の写真作品を収集する」という収集方針の一つのもと、荒木経惟、森山大道らの作品を展示する。■ターナー賞受賞、15人の建築家集団アセンブルの展覧会が表参道でスタート現代美術界で最も重要な賞の1つといわれるターナー賞を受賞した建築家集団のアセンブル(Assemble)を紹介する「アセンブル_共同体の幻想と未来」展が、2月12日まで東京・表参道のEYE OF GYREにて開催中。建築に留まらず活動する彼らの作品に触れてみよう。■舘鼻則孝が岡本太郎記念館をジャック!「舘鼻則孝 呪力の美学」展開催東京芸術大学の卒業制作「ヒールレスシューズ」がレディー・ガガの目にとまり、一躍アートシーンに躍り出た舘鼻則孝の展覧会「舘鼻則孝 呪力の美学」が、3月5日まで東京・南青山の岡本太郎記念館にて開催中。岡本太郎記念館をジャックした最大規模の展覧会となる。■「篠山紀信展 写真力」が横浜美術館で開幕、ゆずや草笛光子など新出展作を含む約120点を公開全国25会場を巡回し75万人を超える人々を魅了してきた「篠山紀信展 写真力THE PEOPLE by KISHIN」が2月28日まで横浜美術館にて開催される。ジョン・レノン(John Lennon)、三島由紀夫、勝新太郎など著名人の写真の他、東日本大震災を映した作品も公開。■金沢21世紀美術館で「工芸とデザインに境目はあるか」を探る展覧会開催。監修は深澤直人「工芸」と「デザイン」の曖昧さに注目した「工芸とデザインの境目」展が、3月20日まで金沢21世紀美術館で開催される。プロダクトデザイナー深澤直人が監修を務め、「プロセスと素材」「手と機械」などのテーマから、工芸とデザインの境界を浮き彫りにしてゆく。■写真家トーマス・ルフが東京に続き金沢へ。東京展でも未発表の新作を含む約160点を公開現代の写真表現をリードしてきた写真家のトーマス・ルフによる日本初の回顧展となる「トーマス・ルフ展」が東京に続き、12月10日から17年3月12日まで石川県の金沢21世紀美術館にて開催される。初期作品から代表作「Portrats」などを含む大規模な展示となる。■ヨーガン レールが最後に残したメッセージ。海辺のゴミで制作した光のオブジェなど約140点を十和田市現代美術館で公開衣服、インテリア用品、家具、キッチンウェアなど、ライフスタイル全般のデザイナーとして知られるヨーガンレール(Jurgen Lehl)。没後初の回顧展となる「On the Beach ヨーガン レール 海からのメッセージ」が、2月5日まで青森の十和田市現代美術館で開催される。
2017年01月07日横浜美術館で「篠山紀信展 写真力THE PEOPLE by KISHIN」が開催されます。期間は2017年1月4日(水)から2月28日(火)です。篠山紀信の50年余年にわたる歴史の中から、彼自身が厳選した約120点の写真が展示されます。大迫力の大型パネル!美術館で「体感する」篠山紀信の写真写真家・篠山紀信の50余年にわたる膨大な仕事の中から彼自身が選んだ写真約120点が集結。大型パネルに仕立てられ、美術館の空間に展示されます。手元でひらく本のサイズでなく、メートル単位の巨大な大きさに仕立てられた写真の数々は圧巻です。ダイナミックな作品は観る人の思い出を生き生きと呼び覚まし、展示室を新たな出会いの場へと変えていきます。美術館の大空間と、圧倒的インパクトのある写真との対決、「写真力」対「空間力」の世界を堪能しましょう。5つのセクションで作品を味わおう●GOD鬼籍に入られた人々ジョン・レノン、三島由紀夫、勝新太郎、美空ひばりなど、多くの人にその死が惜しまれ、今もなお人々の心の中に生き続ける著名人が集められたセクションです。写真を撮る行為そのものが相手をリスペクトすることだと語る篠山紀信は、相手の最良の姿を写真にする姿勢を一貫して堅持しています。モデルが瞬間的にみせる絶妙なしぐさなど、決定的な偶然が作用した写真の美を堪能しましょう。●STARすべての人々に知られる有名人山口百恵、吉永小百合、AKB48、松田聖子など、1970年代から現在まで、その時々のグラビアや写真集を彩ったスターたちが題材のセクション。「写真は時代の映し鏡」と語る篠山紀信の仕事のベースはここにあります。撮影された時のモデルの顔つきやファッション、構図などから、撮影のコンセプトやストーリーがにじみでる作品です。スターたちのあのころのイメージに、観る人自身の過去を重ねることもできるでしょう。●SPECTACLE私たちを異次元に連れ出す夢の世界東京ディズニーランド、歌舞伎など、現実の中にありながら、そこには日常を超えた世界が展開する場も、篠山紀信の重要なレパートリーの一つです。観客が一人もいないディズニーランドに独自キャラクター「シノラマン」に扮して潜入した篠山紀信。そこで写したキャラクターたちの「休日」は、誰もが知るディズニーランドの、誰も知らないもうひとつの夢の世界です。複数の写真をつなげる篠山紀信独自のパノラマ写真「シノラマ」も見どころの一つ。複数のカメラを同時にリリースしたり、自在に遠近を使い分けて奥深い世界観を表現したり、制作の手法はさまざまです。情感豊かで新しい写真の世界を味わいましょう。●BODY裸の肉体-美とエロスと闘い樋口可南子、宮沢りえ、浅岡ルリ子などが被写体となっているヌード作品。写真にとって、ヌード作品は発明以来の重要なモチーフです。1968年に発表された「The Birth」をはじめとして、さまざまなヌードを手がけてきた篠山紀信。単身、集団、女、男、大都会、大自然。モデルとロケーションの組み合わせひとつひとつが濃密な絵巻となって、それぞれの時代に新たな美学が提示されてきました。その中でも、篠山紀信選りすぐりのショットを集めたセクションです。●ACCIDENTS2011年3月11日-東日本大震災で被災された人々の肖像2011年3月11日の東日本大震災で被災された人々を写した作品です。人知を超えた一瞬の大震災で家族、大切な人を失い、家をなくした数多くの人々。普通ではない理不尽を体験した人々の表情を、その時代を、写真家として残さないわけにはいかなかったと篠山紀信は語っています。写真は、話を聞いて心を開いてくれたと思う人にのみ同意を求め、撮影されました。背景をぼやかし、ピントを人物に集中させた写真は、大震災を人と人、人と場のつながりからとらえた作品です。開催されるコンテンツをチェックしよう●篠山紀信のアーティスト・トーク写真家・篠山紀信によるアーティスト・トークが開催されます。日程:2017年1月7日時間:15:00~16:30(開場14:30)会場:横浜美術館レクチャーホール定員:240名※当日13時30分より総合案内で整理券が配布されます。●学芸員によるギャラリートーク学芸員によるギャラリートークが開催されます。日程:2017年1月28日、2月11日、2月25日時間:15:00~15:30会場:企画展展示室●夜の美術館でアートクルーズ閉館後の美術館を参加者だけで独占できる特別な展覧会です。学芸員の解説とともに贅沢な時間を楽しみましょう。申し込みはウェブサイトの専用申込みフォームで可能です。日程:2017年2月4日時間:19:00~21:00会場:企画展展示室定員:18歳以上・60名参加費:3,000円コレクション展も合わせてチェック!横浜美術館では、「篠山紀信展 写真力」の開催に合わせて「写真」に焦点を当てた特集展示を行います。商業写真発祥の地・横浜に設立された美術館として、写真をコレクションの大きな柱に掲げて収集活動を行ってきた横浜美術館。横浜美術館開館以来の試みとして、全館での写真展示が行われます。「写真力」のチケットを持っている人は当日に限り、コレクション展を無料で観覧できます。ぜひ合わせて観覧してみてください。●昭和の肖像-写真でたどる「昭和」の人と歴史1926年から1989年の長きに渡った「昭和」の時代。関東大震災からの復興に始まり、二度に渡る世界大戦、敗戦からの再びの復興、高度経済成長を経てバブルへ。日本の歴史の中で最も揺れ動いた「昭和」を無数の写真とともに振り返ります。いきいきとした表情をうつしだす人物のポートレート、風景や風俗写真など興味深いものばかりです。●“マシン・エイジ”の視覚革命-両大戦間の写真と映像第一次・第二次大戦間はアメリカで「マシン・エイジ」(機械の時代)と称されます。この間に飛躍的進化と爆発的普及を遂げた写真と映像。この時代だからこその写真・映像芸術について、2つのメディアの関係性に焦点をあてながら振り返ります。●関連イベントもチェック●アーティストトーク沖縄在住の女性写真家、石川真生氏によるアーティストトークです。講師: 石川真生(写真家)日時: 2017 年2 月24 日(金) 18:30~20:00(開場18:00)会場: 横浜美術館レクチャーホール申込み・参加費: 不要(240 席)、無料●ギャラリートークさまざまな切口で学芸員やエデュケーターが作品の見どころや楽しみ方を紹介します。日時: 2017 年1月13日、1月27日、2月10日、2月24日いずれも金曜日、14:00~14:30会場: コレクション展展示室申込み・参加費: 不要、無料(当日有効の観覧券が必要)イベント概要名称:篠山紀信展 写真力THE PEOPLE by KISHIN開催期間:2017年1月4日(水)~2月28日(火)開催場所:横浜美術館開催時間:10:00~18:00※2月23日(木)は16:00、2月24日(金)は20:30まで(入館は閉館の30分前まで)休館日:木曜日※ただし1月5日、2月23日は開館チケット:一般1,500円(1,300円)、大学・高校生900円(700円)、中学生600円(400円)、小学生以下無料、65歳以上1,400円※()内は2017年1月3日(火)までの前売り価格※65歳以上は要証明書、美術館券売所でのみ対応公式サイト:名称:横浜美術館コレクション展2016年度第3 期開催期間:2017年1月4日(水)~2月28日(火)開催場所:横浜美術館開館時間 10:00~18:00 (入館は閉館の30 分前まで)※2月23日(木)は10:00~16:00、2月24日(金)は10:00~20:30休館日 木曜日 *2017年1月5日、2月23 日を除く観覧料 一般 500(400)円 大学・高校生300(240)円 中学生100 (80)円 ※小学生以下無料※企画展ご観覧当日に限り、企画展の観覧券でコレクション展もご覧いただけます。
2016年12月27日写真家の篠山紀信の巡回展「篠山紀信展 写真力THE PEOPLE by KISHIN」が、17年1月4日から2月28日まで横浜美術館にて開催される。12年の開幕以来、全国25会場を巡回し75万人を超える人々を魅了してきた「篠山紀信展 写真力THE PEOPLE by KISHIN」。巡回スタートから5年を経て横浜で開催される同展では、美術館の空間を5つのセクションに分け、篠山の50余年に渡る膨大な作品の中から篠山自らが選んだ写真作品約120点を大型パネルに仕立てて展示する。「GOD」のセクションでは、有名人の肖像作品が仕事の中心を占めてきた篠山による、多くの人にその死が惜しまれ、今も人々の心の中に生き続ける著名人の肖像作品を展示。ジョン・レノン(John Lennon)、三島由紀夫、勝新太郎、美空ひばり、大原麗子などの作品が展開される。「STAR」のセクションでは、山口百恵、吉永小百合、AKB48、松田聖子、小林旭、南沙織、舟木一夫、長崎茂雄、ピンク・レディー、北野武などの著名人を写した作品が展示される。また、「SPECTACLE」では複数の写真を横につなげる篠山独自のパノラマ写真「シノラマ」を公開。東京ディスニーランドや、後藤久美子が遊ぶメルヘンの舞台軽井沢、歌舞伎、草間彌生などのインスタレーション作品がラインアップされる。「BODY」では、18歳の宮沢りえをはじめ、樋口可南子や浅丘ルリ子、舞踏家のウラジーミル・マラーホフ(Vladimir Malakhov)などのヌード写真を展示。単身や集団、女や男、ダンサーやアスリート、スタジオや室内、大都会や大自然など、様々な種類のヌード写真が並べられる。また、「ACCIDENTS」では、東日本大震災で被災された人々の肖像作品を出展。日本社会全体を揺るがした大震災を、人と人、人と場のつながりからとらえた写真作品となっている。その他、今回は横浜展のための特別セレクションとして、横浜出身の草笛光子や、横浜・伊勢佐木町の途上ライブから出発したゆずなど、横浜にゆかりの深い著名人の作品なども新たに加えて展示される予定だ。さらに、17年1月7日の15時から16時30分までは、篠山本人を迎えてアーティストトークを開催。17年1月28日、2月11日、25日には15時から15時30分まで学芸員によるギャラリートークが、17年2月4日には19時から21時まで、閉館後の美術館を参加者だけで独占できる特別な鑑賞会「夜の美術館でアートクルーズ」が行われる。なお、17年4月5日まで箱根の彫刻の森美術館で開催されている「篠山紀信展写真展KISHIN meets ART」との連動企画として、それぞれのチケットを提示すると相互の観覧料が割引となるサービスも行われている。【イベント情報】「篠山紀信展 写真力THE PEOPLE by KISHIN」会場:横浜美術館住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1会期:17年1月4日~2月28日時間:10:00~18:00(2月23日は16:00まで、24日は20:30まで、入館は閉館の30分前まで)料金:一般1,500円、高大生900円、中学生600円、小学生以下無料休館日:木曜日(ただし1月5日、2月23日は開館)
2016年12月03日主演・市川海老蔵、演出・三池崇史による六本木歌舞伎の第2弾としてリリー・フランキーの脚本で「座頭市」を新解釈で上演することが決定。11月28日(月)に記者会見が行われ、海老蔵さん、三池監督、そして共演の寺島しのぶが出席した。第1弾では宮藤官九郎の脚本で「地球投五郎宇宙荒事」が上演されたが、今回は勝新太郎のTVシリーズや映画のイメージが強い盲目の按摩師にして最強の剣士である「座頭市」を歌舞伎にすることに。海老蔵さんは、前作の「地球投五郎」のアイディアが「勘三郎兄さん」と慕ってきた故・十八代目中村勘三郎から「お前は地球を投げるくらいの荒事をしないとダメだ」と叱咤された思い出に端を発することを明かし「今回もまた、勘三郎兄さん(が発端)なんですが、以前、勝さんと勘三郎兄さん、あるお笑い芸人さんが飲んでて、そのお笑い芸人さんが『俺は“座頭二”をやりたい』と言い、勘三郎兄さんが『じゃあ俺は“座頭三”をやりたい!』と言った」という思い出から、前回、共演した中村獅童に「次は『座頭市をやったら?』と言われた」とのこと。海老蔵さんと言えば、その“目力”が魅力だが、盲目の座頭市を演じるとなると、その目力を封印することになる。海老蔵さんは、坂東玉三郎から言われたという「声がつぶれたら、声が出ないなりの芝居をしたら、また新しい世界が見えてくる」という言葉を紹介し「これまで目をつぶって芝居したことはないけど、それを封印して芝居したら何が出てくるのか?僕も発見はあると思うし、第三者が見て何か言ってもらえるものがあると思う」と新たな挑戦への意気込み、新境地の開拓への期待を口にした。寺島さんとの共演は、映像では大河ドラマ「武蔵 MUSASHI」以来、舞台に至っては新派の特別公演以来、22年ぶり。海老蔵さんは、寺島さんについて「子どもの頃からお世話になってて、お姉さんのよう」と語り、さらに以前の共演では「ソファでキスするシーンがあったんですが、前の日にニンニクを食べ過ぎて、ものすごく怒られたのを覚えています(苦笑)」と寺島さんも「覚えていない(笑)!」という思い出を明かし、笑いを誘っていた。三池監督は、映画、そして前回の公演と続く海老蔵さんとのタッグについて「一度、ガッツリやると、半年くらいは拒絶反応が出るんだけど、その後、『海老蔵がほしい!』という飢餓感が出てくる(笑)。酒やたばこ、ドラッグのような、そういう類の人」と、抗しがたい魅力を力説。今回の「座頭市」がどんな物語になるかは「いずれ、リリーさんから情報が…」と語るなど、監督自身もまだまだはっきりと語れるような全体像を描き切ってはいないようだが「リリーさんは『色っぽいものにしたい』と言ってて、悲恋の物語になると思います。アクションを見せるのがテーマではない」と従来の「座頭市」シリーズとは一線を画す作品になるとの展望を明かした。報道陣からは、闘病中の妻・小林麻央に関する質問も飛んだが、海老蔵さんは、娘さんと麻央さんと3人で海老蔵さんの服を買いに外出したことを明かし「でも結局、散歩して帰りました」と家族でのほのぼのとしたエピソードを明かす。麻央さんは、自身のブログで、今後の治療に関して夫婦で真剣に話し合いをしたこと、また、その際に娘さんが麻央さんの耳元で「パパに何も言わないで。パパはママのこと愛してるんだから」とささやいたというエピソードを明かしているが、海老蔵さんは娘さんの気遣いについて「大人なんですよ。僕よりも年上な感じ」と笑みを浮かべて語っていた。六本木歌舞伎は2017年2月4日(土)から20日(月)まで東京・EXシアター六本木にて上演。(text:cinemacafe.net)
2016年11月28日2015年に、市川海老蔵と中村獅童が出演した「六本木歌舞伎」。その第1作『地球投五郎宇宙荒事』(宮藤官九郎書き下ろし)に続き、第2弾の上演が決定した。演出は前作に続き“日本一忙しい映画監督”の異名をとる鬼才・三池崇史、脚本は多才な肩書を持ち、超売れっ子マルチタレントのリリー・フランキー。演目は三池崇史が一度舞台で演出をしている『座頭市』。「海老蔵の代名詞とも言える眼力を封印」してしまうという三池らしい趣向にあふれた作品だ。六本木歌舞伎 チケット情報さらに三池からの熱望により、寺島しのぶの出演が決定。歌舞伎界を牽引する海老蔵と、日本を代表する女優 寺島しのぶ。平成7年の新派特別公演以来22年ぶりの共演となる。それぞれの強い個性がぶつかり合う豪華な顔合わせに期待がかかる。以下、出演者からのコメント。●市川海老蔵(出演)三池監督とは映画で以前からご一緒させていただいておりますが、二年前の六本木歌舞伎で初めて歌舞伎公演での演出もして頂き、私自身、新鮮な気持ちで取り組ませていただきました。今回テーマの座頭市は、勘三郎さんが勝新太郎さんと座頭市についてお話されたことを教えてくださり、その印象が強烈だったのでいつか自分もしてみたいと思っていました。そして、今回初めてご一緒させて頂きますが、脚本はリリー・フランキーさん。どのような変化球が来くるのか楽しみです。こちらも準備をしておかないと、と思っています。そして、何と言っても幼馴染みのしのぶさんが六本木歌舞伎に参加してくださり、共演出来る喜びがとても大きいです。私も精一杯勤めさせて頂きますので、どうぞよろしくお願いいたします。●寺島しのぶ (出演)リリーさんが書いて三池さんが作り海老蔵さんと久しぶりにお芝居できることを楽しみにしております。リリーさんにはリリータイムがあっていつ台本が出来上がってくるのかスリルにあふれていますが当て書きをしてくださるとのことなので楽しみです。みんなでいろんな知恵を振り絞って最高のエンターテイメントにしたいと思います。●リリー・フランキー (脚本)市川海老蔵の座頭市。演出、三池崇史。六本木歌舞伎。そして、寺島しのぶ。こんな傾き(かぶき)まくった歌舞伎がおもしろくないはずがない。まだ、脚本を書いていない私が思うのだから、間違いない。●三池崇史 (演出)歌舞伎の超人たちと六本木で暴れることになろうとは…。しかも『座頭市』。心して臨みます。楽しみにお待ち下さい。六本木歌舞伎 『座頭市(仮)』は、2017年2月4日(土)から2月20日(月)まで東京・EX THEATER ROPPONGIにて上演。チケットぴあでは、10月26日(水)昼12時よりWEB先着先行「プリセール」を受付。
2016年10月25日歌舞伎俳優・市川海老蔵が、主演を務めるテレビ東京系ドラマ『石川五右衛門』(10月14日スタート 毎週金曜20:00~)の取材会に、共演の國村隼、比嘉愛未とともに出席した。同作は、2009年に海老蔵主演で公演が行われた新作歌舞伎『石川五右衛門』に潤色を加え、映像化。テレビ東京で、ゴールデンタイムで連続放送の時代劇が復活するのは、8年ぶりとなる。原作・脚本は、漫画『金田一少年の事件簿』『神の雫』原作者である樹林伸が手がけた。1話を視聴した海老蔵は「今までにない時代劇だなというのが、率直な意見でした」と述懐した。撮影は「12月から今年の夏手前まで大変長期」だったため、どのように仕上がっているか不安を持っていたが「時代劇なのに笑っちゃう。言葉は悪いんですけど、こんなバカバカしい時代劇はないなと」と同作の魅力を説明した。さらに海老蔵は「妻の麻央もずーっとそれを見て、ゲラゲラ笑っていました」と、現在乳がんで闘病中の妻・小林麻央も1話を楽しんで見たことを明かし、「ちなみに視聴率は3%くらいを目標に頑張りたいと思います」と宣言。國村は「私は視聴率はもうちょっと上でも、倍の6%くらいでもいいんですけど」と苦笑していた。また、記者からの「奥様はどこで笑っていたのか」という質問に対して、海老蔵は「プライベートな質問はやめてください」とニヤリと笑いつつ、「全体的に面白いですよ」とアピール。海老蔵は「時代劇というと、勝新太郎とか市川雷蔵さんとか、片岡知恵蔵さんとか、大河内傳次郎さんとかがスターで、今だと播磨屋のおじさん(中村吉右衛門)の鬼平犯科帳とか、王道を行ってる感じですよね」とイメージを示しつつ、『石川五右衛門』は「いくらなんでもこんな風にならないだろという結末とか。ドン引きするくらいの雰囲気があるんですよ」とドラマについて語った。そして海老蔵は「傾いてるんですよね、このドラマ」と表現し、「そういう行き過ぎてる部分で妻は笑ってたんですよね。内容じゃなくて、映像で『ええ!!』っていう笑いですね」と説明。新ドラマの演出に期待を持たせた。
2016年09月27日「神勝寺 禅と庭のミュージアム」が2016年9月11日(日)、広島・福山に誕生する。広島・福山の山間に位置する天心山神勝寺。その広大な敷地内に広がる禅庭の散策をはじめ、数々の伽藍や茶室に展示された禅画や墨蹟の鑑賞ができるのが、本ミュージアムの魅力の1つだ。また、古典建築だけでなく、現代建築や名和晃平によるアートパビリオン「洸庭(こうてい)」も注目の施設。伝統的なこけら葺きを応用し、全体を木材で包んだ柔らかい印象の船型建造物だ。物質感のある石の海を抜け、緩やかなスロープを上がり小さな入り口から中へ入ると、暗がりの奥には海原が広がり、静かに波立っている。さらに訪れる人がそれぞれのペースで歩き、休みそして考えるひとときを提案。座禅や写経の体験、修行僧が食べていたうどんや湯豆腐などの食事体験のような寺社らしいものから、1,500点にも及ぶコレクションから選ばれた禅の書画を鑑賞できる、ミュージアム的要素まで、幅広い体験が用意されている。他にも、建築家・藤森照信の設計による寺務所「松堂」や、滋賀の国宝多宝塔を模して建立された建物、滋賀の永源寺より移転再建した含空院など、歴史的に見ても興味深い建築が多数配置。現代的な「洸庭」とそれらの建物が共存する空間を、ぜひ体感してみては。【概要】「神勝寺 禅と庭のミュージアム」オープン日:2016年9月11日(日)住所:広島県福山市沼隈町大字上山南91開館時間:9:00〜17:00(最終入場は、16:30まで)入館料:未定休館日:不定休【問い合わせ先】寺務所TEL:084-988-1111
2016年06月10日広島県福山市の山間に9月11日、「神勝寺 禅と庭のミュージアム」(広島県福山市沼隈町大字上山南91)がオープンする。同市の山間に佇む天心山神勝寺の広大な敷地内に広がる禅庭の散策や、数々の伽藍や茶室に展示された禅画・墨蹟の鑑賞などが楽しめる「神勝寺 禅と庭のミュージアム」。中でも注目なのが、SANDWICHの名和晃平が手掛けたアートパビリオン「洸庭(こうてい)」。伝統的なこけら葺きを応用し、全体を木材で柔らかく包んだ舟型の建物となっている。また、境内の諸堂には、1,500点に及ぶ禅の書画コレクションの中から、江戸時代に斬新で特異な方法で禅を表現した白隠墨蹟を中心に随時20点から30点を展示。さらに、寺務所 松堂では資料の展示、関連書籍やグッズ、お土産の販売も行われる他、座禅や写経、雲水の食事なども体験できる。
2016年06月10日佐野瑞樹、大樹の兄弟ユニットによる公演WBB vol.10『懲悪バスターズ』が5月に上演される。作・演出・出演をする佐野大樹と、佐野の舞台に初出演する鈴木勝吾が、作品にかける想いを語ってくれた。WBB vol.10『懲悪バスターズ』チケット情報「今作は子供にも観に来てほしい。家族で楽しめる舞台にしたいです」と話す佐野。瑞樹演じる天才科学者と、田村亮(ロンドンブーツ1号2号)演じる悪霊によるハートフルコメディ。「落ちこぼれの悪霊とそれを退治する気難しい天才科学者が、お互いを知って仲良くなっていくストーリーです。今回のテーマは『知ること』。病気にしても何にしても知ることで怖くなくなるじゃないですか。未知なものにみんな恐怖を感じるから、そこを描けたらいいなって」鈴木は悪霊役。佐野は「色んなチラシ見るたびに(鈴木の)名前があるんですよ。きっとみなさんお願いしたがる方なんだろうなと思って」と話す。鈴木は「コメディはそんなに体験してきてないのですが、年々『勝吾くんっておかしいよね』って共演者から言われるようになって…(笑)。自分のズレてるところが出せたらと思っています」今作の構想を「お祭りのイメージ。普段はやらないダンスを取り入れたり、いつもより派手に。身体と体力で見せたいですね。どれだけ演劇的に表現できるか」と佐野が語ると、鈴木も「絶対そっちの方が楽しいと思います。演劇でしかできないことだから」と目を輝かせた。記念すべきWBB10作目。佐野は「今作の目標として、最後の最後までこだわり続けたい。どこまで追求できるか、その勝負はしたいです。大人になるとできないこともわかってしまうから、わがままを言わなくなったりもするんですけど、その時期を経て、それじゃだめだよなと思いました。嫌われてもいいからギリギリまで詰めていきたいです」。それに対し鈴木が「すごく共感します。それをやってこそ、ですよね。観客の前に出すものであること以前に、自分が選んでやっていることだったりするので、やっぱり納得いくまでやりたい」と話すと、佐野は「素晴らしい!」と笑顔を見せた。「大樹さんの想いを聞いて、僕ももっと頑張んなきゃなと思いました。夢が詰まった楽しい作品に必ずしようと思います。がんばって踊ります!」(鈴木)「今回は先輩方が多いのでプレッシャーはありますけど、そこは信じて、自分のやりたいものをまっすぐぶつかっていけたらなって思います」(佐野)WBB vol.10『懲悪バスターズ』は5月19日(木)から5月22日(日)まで東京芸術劇場 プレイハウスにて。その後、兵庫にて上演。チケットは発売中。取材・文:中川實穗
2016年04月25日タレントの小堺一機(60)が司会を務めるフジテレビ系トーク番組『ライオンのごきげんよう』(毎週月~金12:55~13:25)が31日の放送をもって終了。1984年10月にスタートした前身の『ライオンのいただきます』を含め、31年半の歴史に幕を下ろした。最終回は生放送で「31年半の大感謝!小堺一機独り舞台!」と題し、小堺が1人で出演。大きな拍手に迎えられて登場した小堺は「31年と6カ月、今日が最終回となりました」とあいさつし、「放送回数7,847回、サイコロ投数1万9,459回、延べ出演者数1万9,000人以上大勢」と31年半の記録を紹介した。そして、これまで多くのゲストが振ってきたサイコロを小堺が振り、そのお題についてトーク。「忘れられない話」では、番組の依頼を受けた時は「ドッキリだと高をくくっていた」と明かし、発表会見が終わってやっと「マジだ!」と理解したと話した。また、当時のプロデューサー故・横澤彪さんに「この番組いつから面白くなるんですか?」と本番5秒前に言われたこともあったそうで、「毛根が死ぬ音がした。そこから開き直ってやり出したら面白くなった」と振り返った。「初めて○した話」では、勝新太郎さんや田中邦衛とのエピソードを披露。「恋の話」では、妻との出会いを照れくさそうに話し、「よく恋がしたいと言う人がいますけど、恋はしちゃうもの。するものではないんです。わかりましたか?」と呼びかけた。その後、番組のキャラクター・COROZOも登場し、声を担当していたのが小堺自身だったことも明かされた。エンディングでは、「会場に来ている皆さん、スタッフの皆さんに支えられてやってきました」と感謝し、「最初ドッキリと思って始めたこの番組が31年も続きました。今日で長~いドッキリが終わります」としみじみ。「本当にこの番組でいただいたことは財産ですし、何が一番すごかったかというと、10年くらい過ぎてからは、いろんなところに行って『はじめまして』と言われなくなりました」と語り、「充実した31年と半年。ありがとうございました。これからも頑張ります」と笑顔で番組を締めた。
2016年03月31日