新築マンションを購入した際に検討するインテリアオプション。実は、いろいろな会社、いろいろな商品から選べることを知っていますか?実際に見学会などに足を運んで、さまざまな商品を比較してみることが大切です。今回は、老舗家具店かねたやの『REZM』が、インテリアオプションを選ぶときの絶対外せないポイントと、おすすめ+人気のインテリアオプションをご紹介。理想のインテリアを一緒に見つけていきましょう!インテリアオプション、どう選ぼう……新築マンションを購入した後に待っているのは、インテリアオプション選び。オプションをつけずただ購入しただけでは部屋しかない殺風景な状態になってしまいますよね。いざどんな部屋にしようかとイメージするときに浮かぶのが購入の際にみたモデルルームという人も多く、同じように再現したいとご相談をいただくことがよくあります。そんなこだわりの住まいを叶えるためには、まず絶対に外せないオプション選びのポイントが2つあるんです!1. 限られた範囲の中で選ばないみなさんはマンションを購入した管理会社でしかインテリアオプションを選べないと思っていませんか?実は、管理会社だけでなく、工務店、リフォーム会社など他の会社からインテリアオプションのアイテムを購入したり、工事を依頼することができるんです。水回りだけしか対応しないなど工事を受けてくれる範囲が制限される会社もありますし、取り扱っている商品数やお得に購入できる割引率などもさまざま。できる限り広範囲で自由に工事してくれること、たくさんの商品の中から選べる会社を選ぶことが、理想の部屋に近づける大事な要素です。そのためには、いろいろな会社を比較検討してみましょう。2. 実際に見て検討する!次に大事なポイントは、実際にインテリアオプションを見に行くこと。各会社でオプション選びのための見学会が開催されるので、参加することをぜひおすすめします。カタログではなんとなくの色味がわかったとしても質感はわかりません。また実物のサンプルを確認できたとしても、実際に使う大きさで見て見ないと思っていたよりも色が濃くて圧迫感がある、オプション同士を組み合わせてみるとイメージと違った……、なんてことが起こることも十分にあります。長く住み続けるからこそ1回といわず、2回、3回と会場に足を運んで吟味してくださいね。REZMの公式サイトはこちら♪見て触れてイメージして!REZMだからこそできることもちろんREZMなら、前述した2つのポイントはしっかり抑えていますよ!ほかにもお客様の理想のお部屋を叶えるための準備はバンタンです。扱っている商品の幅が豊富♪インテリアオプションは、特設の会場に用意されたサンプルやアイテム、用意されたカタログの中でしか選べない場合もあります。REZMなら、ソファ、ダイニングテーブルセット、ベッドといった既製家具から、ダウンライトや間接照明、アクセントクロス、造作家具、オーダーカーテン、ブラインド各種まで対応。TV壁掛けや室内物干し、水廻り壁パネルなど、たくさんの商品を取り揃えています。インテリアオプションの自由度が高い造作家具は色や形、仕様部品などが限定されていますが、お客様の理想に合うようにあらゆる商材をお探ししますので、自由度が高いんです。例えば、食器棚のカラーバリエーションは500種類以上。上部の吊り戸棚の種類を選べるといったカスタマイズ性のある商品も。常設のショールームで何度も見学可能インテリアオプションを依頼する会社によっては見学会が1日だけ、しかも決められた時間のみという場合もあり、「予定があって行けなかった……」なんていうこともあるそうです。じっくり検討してほしいという思いからREZMではショールームを常設しています。だからいつでも、何度でも見に行くことができるんです。長く住み続けるからこそ、ご自身の都合に合わせて、2度3度と実物を見てオプションをどれにするかご検討してくださいね。工事と家具設置を一緒に対応!REZMで請け負ったオプション工事期間中に家具の搬入設置を代行するので、家具の設置と工事を別の業者で頼む必要がありませんよ。通常は、家具は購入したお客様が業者指定の時間に立ち会ったり、自分で組み立てたりしまければなりませんが、インテリアオプションの工事期間中であれば、日程の調整や設置までお客様の立ち合いなしでも承ります!サービスについて気になることはお問い合わせより、お気軽にご相談くださいね。お問い合わせはこちらまで♪老舗家具店だからこその安心感!価格もリーズナブル♪REZMは、老舗家具店としての長年のノウハウがあるので安心と好評いただいてます。さらに、さまざまな商品の価格がマンションのオプションと比較して安く手に入ることも♪一例として、照明器具は定価からの割引率が10~20%の安いことも。さらに、オプションで人気のエコカラット、オーダーミラーは30%前後のお値引きでお買い求めいただける場合もあります。無料駐車場のあるインテリアショップの中に、オプションを相談できるショールームが常設しているのも、お店に行きやすい魅力のひとつ。駅から近く、アクセスが便利なので、ぜひ足を運んでみてくださいね♪プロが選ぶ!おすすめオプションを紹介♪ここからは、REZMがおすすめするインテリアオプションをご紹介!『部屋が快適になる』『家事がしやすくなる』というポイントでオプションを選ぶことで、暮らしやすさがさらにアップしますよ♪臭いも湿気も気にならない!壁材『エコカラット』まずは、調湿や消臭機能のある壁材『エコカラット』です。REZMはエコカラットの展示量が全国屈指!特におすすめなのは、注文する方も多い玄関に『エコカラットとミラー』の組み合わせです。REZMのショールームには写真のように、玄関をイメージした展示があるので、施工後のイメージもつきやすくなっています。他にも、壁掛けテレビとエコカラット、間接照明とエコカラット、造作家具とエコカラットなどさまざまな組み合わせでも相談いただけます♪エコカラットの詳細や、施工事例はぜひこちらのアイデアをチェックしてみてください。【エコカラット施工事例5選】玄関、リビングなど湿気&ニオイ対策にカスタマイズ自由。作り付けカップボード『フレクシア』続いてのおすすめは造り付けのカップボード『フレクシア』。上下のキャビネットのカスタマイズしたり、細かな高さの加工が可能で自由度が高いため、限られたキッチンのスペースでデットスペースを限りなく作らないように設置できるのは大きな魅力です。中の棚の幅も細かく調整できたり、扉の開け閉めがスムーズにできたり、かゆいところに手が届くきめ細やかな機能性で日々の料理や片付けなどの家事をアシストしてくれます。また、扉をロックする感知式耐震ラッチが付いているので、もしもの備えにもなりますよ。新築の悩み。キッチンの食器棚は「据え置き」と「造り付け」どっちがいい?の公式サイトで詳細をチェック♪ショールームで生活のイメージを膨らまそう♪フロアコーティングや水回りコーティングといったオプションもREZMでは人気です。マンションを後々売却することも視野に入れている方は特に、水回りをコーティングするのがおすすめ。一般的なフッ素コーティングに対し、『無機ガラスコーティング』というものを使用するので、7~8年の耐久性があり、お手入れいらずで済みますよ!この他にも、さまざまなインテリアオプションをご用意しているので、ぜひ検討してみてください。REZMが、理想のインテリアを見つけるお手伝いをします♪ウェブからのお問い合わせはこちらからお電話でのご連絡もお気軽に!「LIMIAの記事をみました」とお声がけいただければスムーズです♪TEL043-296-1811REZM(リズム)幕張新都心店営業時間:10:30-18:00定休日:毎週水曜日かねたやREZMのサービスを見てみる♪
2020年08月15日こんにちは、婚活FP山本です。新築の不動産を購入した場合、大切になってくるものの一つに「火災保険」が挙げられます。しかし、中には初めて火災保険に加入するという方もいますから、「どれを選べばいいか分からない」と困ることもあるのが実情です。ぜひ最低限の知識を身につけて、賢く火災保険を選んでいきましょう。そこで今回は、新築不動産を購入した場合の火災保険についてお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。契約内容の前に「必要性」を強めに意識しようまずは、そもそもの火災保険の必要性についてお伝えします。結論からいえば、「絶対に入るべきもの」です。新築不動産を購入して火災保険に加入しないのは、新車を購入して自動車保険に加入しないのと同じくらい「ありえない行為」と考えることをおすすめします。火事そのものを考えても、誰が起こすか分かりませんし、誰に起こされるか分かりません。そして一度起きれば、住まいを失ったうえで住宅ローンを支払い続けなければならなくなります。このような事態になれば、本当に生活できなくなってもおかしくありません。それに火災保険は、「火事以外の生活上のさまざまなリスク」に備えることもできます。保険や契約内容を考える前に、「火災保険の必要性」を強めに意識して、そのうえで保険を選んでいきましょう。新築を購入するならセットで火災保険にも加入を実のところ、火災保険への加入率は全国で7~8割程度とされています。理屈のうえでは「皆が加入するのが当然」ですが、実際にはそうでないのが実情です。また加入している方でも、「補償内容・範囲」にはバラつきがあります。バラつきは当人の考え方や経済力にもよりますから当然ですが、少なくとも「加入は必要」です。特に新築を購入するなら、セットで火災保険にも加入しておきましょう。大まかな火災保険料はすでに決まっている?次に、多くの方が気にする保険料についてお伝えします。新築の火災保険の基本的な保険料というのは、以下の要素で決まってくるのが実情です。建物の構造や面積自然災害の多さ補償期間の長さや金額簡単にいえば、新築不動産の火災保険料というのは、「購入した時点ですでに大まかに決まっている」といえます。あとは当人の考え方や経済力次第で、どの程度の補償を得ておくかを考えるだけです。思った以上に簡単といえるかもしれません。ちなみに上記の要素は、中古不動産であっても同じです。そして中古不動産であっても、火災保険の必要性は変わりません。不動産を購入したら、しっかり火災保険に加入しましょう。補償内容より「再調達価格」を気にしよう補償期間の長さは「1年から10年」の範囲で選び、長いものほど割安です。そして補償金額は、もう一度同じ不動産を建てる場合の「再調達価格」を基準に設定します。安くするほどに保険料も割安になりますが、その分だけ本当に火事が起きたときには困りものです。どうしても保険料が気になる場合は、少しは安くするのも手ですが、ここは満額で加入することをおすすめします。まずは補償内容より「再調達価格かどうか」を確認しましょう。加入する際の一番のポイントは「補償範囲」今度は、火災保険に加入する際のポイントについてお伝えします。結論からいえば、一番のポイントは「補償範囲」です。具体的には、火災保険は火事だけでなく、以下のようなさまざまなリスクに備えることができます。風災:台風や大雪、雹(ひょう)や砂塵(さじん)への備え水災:主に「洪水」への備え、土砂崩れも爆発:主にガス漏れでの爆発・破裂への備え落雷:文字通り落雷への備え水濡れ:主に雨漏りや配管の破損への備え盗難:主に泥棒への備え、破損も賠償:他人に対する賠償責任への備えそして、このような様々なリスクに対して「どこまで備えるか」というところがポイントです。可能ならば全てのリスクに備えたいところですが、その分だけ保険料が割高になります。お金は他のことにも必要ですから、十分に考えて補償範囲を選んでいきましょう。オプションとなる特約も含めて考えよう火災保険では、「関連するリスク」についても備えることができます。たとえば、火事が起きたら家を建て直す間の仮住まいが必要になりますが、こういうリスクについても備えることが可能です。だからこそ火災保険では、オプションとなる特約をどうするかも考える必要があります。もちろん特約は、付けるほどにリスクに備えられる反面、保険料が割高です。「今後の人生で必要になるお金」をしっかり考え、余裕のある範囲でリスクに備えていきましょう。気をつけたいのが「地震保険」とハザードマップ今度は、火災保険を選ぶ際の注意点についてお伝えします。まず、大切になってくるのが「地震保険」です。地震・噴火・津波が原因となるリスクについては、火災保険の補償対象外になります。このため、できれば火災保険に加入する際には、セットで地震保険にも加入するのがおすすめです。また、必要な補償範囲を考えるときに大切になってくるのが「ハザードマップ」です。自然災害に遭いやすいかどうかなど、何もないところで考えていても結論はなかなか出ません。ハザードマップを「一つの根拠」として捉えて、そして補償範囲を考えることが大切です。いずれにしても、人生は何が起こるか分からない一方、まったく分からないものでもありません。分かる範囲でギリギリまで考えて、そしてリスクに対して備えていきましょう。同じ新築不動産でも一戸建てとマンションは違う同じ新築不動産でも、一戸建てとマンションは違うという点にも注意が必要です。たとえば「盗難」は、高層マンションほど入られにくいといえます。一方で高層マンションほど、「風災」を受けやすいかもしれません。加入するほどに安心ですが、その分だけ保険料が高くなってしまいます。「自分の場合はどんな補償が必要か」を十分に考えて、補償範囲や内容を選んでいきましょう。[adsense_middle]選び方のおすすめは「比較すること」に尽きる!最後に、火災保険のおすすめの選び方についてお伝えします。これは結論からいえば、「複数を比較して選ぶ」のがおすすめです。できれば3つ以上、少なくとも2つの火災保険を比較して、そうして納得のうえで加入することをおすすめします。というのも、やはり火災保険も損害保険会社によってさまざまです。選べる補償の範囲も違いますし、補償対象になっているかどうかも違うといえます。最終的に担当・対応してくれる人も違いますから、ともかく複数を比較して決めることが大切です。なお、新築なら住宅ローンを組む際に特定の火災保険をおすすめされることがありますが、それに加入する必要はありません。自分でじっくり複数を比較して決めましょう。最近では安いネット損保もあり、見積りも簡単最近では安いネット損保もあり、そして見積りもネットで簡単に取ることができます。つまり、比較することは簡単です。また、細かくいえば損保会社もさまざまですが、今回お伝えしてきたような「基本部分」は、各社とも似通っています。どんなに火災保険のことを知らない方でも、複数を比較すれば「違い」が見えてくるはずです。どうしても気になる方はFPに相談する手もありますが、まずは自分で色々と見て回りましょう。新築不動産を火災保険でしっかり守ろう!せっかく買った高額な新築不動産でも、基本的にリスクは中古不動産と変わりません。むしろ高額な分だけ、失うリスクが高いといえます。ぜひとも新築不動産を火災保険でしっかり守り、安心して新しい生活をスタートさせましょう。
2020年05月17日平均寿命は女性がおよそ87歳、男性がおよそ81歳。長い老後はそのまま介護の長さに直結する。“ホントのところ”いくらくらい費用がかかるのか。実例をもとに学ぼう!「老後の介護資金を考えるとき、施設のパンフレットに記載される入居一時金や月額利用料ばかりに目を奪われる人が多いです。しかし貯蓄、年金収入、自宅の売却、利用者の健康状態、家族のサポートなど、それぞれの家庭ごとに異なる事情も考慮して、計画を立てなければなりません」こう語るのは、介護施設コンサルタント業務を請け負うスターパートナーズ代表の齋藤直路さんだ。「長寿社会の現在、あなたの親やあなた自身の介護を考えるとき、90歳や100歳まで生きることを前提にした計画を立てることが必要になってきます。長生きすることはうれしいですが、結果、資金的に追い詰められるリスクも……。介護施設に入居した人が、資金が尽きて、ふたたび家庭に戻るという例も最近は聞くようになりました」人生には想定外のことが起こるもの。だからこそ、さまざまなケースを知る必要がある。そこで、介護経験のある家庭の聞き取り取材をもとに、具体例を作り、その総費用を算出した。介護費用はすべて自己負担が1割の場合の金額だ。「介護は本人ばかりでなく、家族全体の問題です。これを機に親子や夫婦で話し合ってほしいですね」【ケース1】母が「介護付き有料老人ホーム」に入居した場合埼玉県に住むAさん。数年前、父を亡くしてから、母がふさぎがちだと心配していた。「料理好きだったのに、“1人分をわざわざ作るのも面倒”と、スーパーでお弁当を買うように。外出する機会もめっきり減って、生活のハリがなくなり、一気に老け込んでしまった」そんな状況が3年ほど続いたが、幸いにして、Aさんが実家の近くに住んでいたため、母のサポートをすることができた。ところが母が82歳のときに、Aさんは夫の転勤で地方都市に引っ越すことに。認知症の症状が始まり、持病の糖尿病の薬を飲み忘れてしまう日も増えてきた母を、一人暮らしさせるのは無理だ。「ケアマネさんと相談した結果、実家近くの介護付き有料老人ホームへ入所することにしました。一時金は、貯蓄や実家の売却費用1,200万円などを充てました」施設生活では、母は気の合う仲間ができて、楽しく過ごしている。いちご狩りなど、月に1回の遠足も楽しみにしていたが、認知症と糖尿病が進行し、86歳で要介護2に引き上げられ、88歳のときに施設で亡くなったのだった。【介護でかかった費用】・入居金:730万円■82~85歳(要介護1)・介護費用:1万8,200円・施設の月額利用料(管理費・食費込み):16万4,000円・レクリエーション費:3,000円・合計(月額):18万5,200円■86~88歳(要介護2)・介護費用:2万300円・施設の月額利用料(管理費・食費込み):16万4,000円・合計(月額):18万4,300円・7年の総費用:2,282万4,400円(1年あたり326万629円)「長年連れ添った夫、または妻を亡くして、心身ともに衰えるケースは珍しくありません。そんなAさんの母は、介護付きホームに入居してからの7年間で、老後生活に約2,300万円ほどかかりましたが、実家の売却費用や貯蓄のおかげで、持ち出し金は1,100万円ほどで済んだ。貯蓄と毎月支払われる年金で、母の介護費用、生活費全般をまかなうことができました」(齋藤さん)具体例を紹介したが、齋藤さんはこう注意を促す。「あくまで概算なので、各ご家庭の事情に照らし合わせてください。さらにこのほかにも、予想外の医療費など“アクシデント”は起こるので、さらに余裕を持った資金計画が必要です」また“ついのすみか”を決める際、お金ばかりでなく“人”もしっかりと見極めなくてはならないという。「利用料が安くても、介護レベルが高い施設はあります。その逆の可能性もあります。入居候補先には事前に見学、施設長に面談をし、理念や施設内の日常の様子も見ておきましょう。さらに、スタッフの離職率なども参考にしてください。次々に人が入れ替わる施設は、介護レベルの低い人材も紛れ込むため、要注意です」絶対に後悔をしないために、ついのすみかは慎重に選びたい。「女性自身」2020年5月12・19日合併号 掲載
2020年05月13日賃貸でも、自分らしい暮らしが楽しみたい。そんな方たちに支持される、「DIY可能賃貸」。募集中のお部屋と、実際に自分でDIYして住みこなしているお部屋の実例を、合わせてまとめてみました。 東京・関東の要注目DIY可能賃貸アウトドア、畑、DIY。暮らすことで、自分も成長していけるカスタマイズ賃貸「いろどりの杜」団地を一棟まるごとリノベーション、自由度の高い間取りに、屋久島地杉を用いたフローリングなど、細部までこだわった空間がある綾瀬の「いろどりの杜」。居室スペースの壁はベニヤで仕上げられていて、壁を塗ったり、棚をつけたり、DIYで部屋を作り上げていくことができるようになっています。 講習会に参加したり、アドバイザーさんによる個別レクチャーを受けることも可能なので、全く初めての方でも気軽に野菜作りを楽しむことができる「シェア菜園」や バーベキューのできる広場、シェアして利用するアウトドアグッズなど。こういう暮らしがしてみたかった!と思うポイントがいっぱい詰まった場所です。 いろどりの杜の詳細はこちら大阪・関西の要注目DIY可能賃貸「団地でオモシロイことがしたい」人がぞくぞく集まる茶山台団地 「茶山台としょかん」や「ちゃやマルシェ」、「やまわけキッチン」など、団地の中でコミュニティを生む仕掛けが続々誕生している茶山台団地。 実は茶山台団地の住戸では、DIYした部分について原状回復義務が緩和された「団地カスタマイズ」制度が導入されていて、事前に届け出を出せば壁に色を塗ったり、シートを貼ったり、入居者が自分で自由に好みの部屋を作ることができるようになっています。団地の中には、DIYを支援してくれる工房スペースもありますよ。 茶山台団地の詳細はこちらこんなお部屋を待っていた!『千島団地』のプチDIY住宅大正区にあるUR賃貸住宅の「千島団地」では、、新しく募集中の多くの住戸は原状回復義務ナシのプチDIYルームとして貸し出されています。(写真はモデルルーム、実際にDIY可能な範囲は異なります) DIY好きにとってはおなじみの壁紙や床材を扱うWebショップ「壁紙屋本舗」のショールームが、ここ千島団地の1階に入居しているのも嬉しい!お店の人に相談しながらDIYプランを練りましょう。 千島団地の詳細はこちらDIY可能賃貸を住みこなす!壁づけの収納を多用して、日用品を楽しく飾る通常の賃貸のお部屋では使いづらい、壁づけの収納や棚。釘打ちOKのお部屋なら、こんな風にうまく使いこなすことができます。 壁にしっかり固定されている分、余計な柱がなくすっきり見える収納。日用品を飾るだけでも、とても整って見えますね。 ベッドルームの収納もご覧のシンプルさ。棚板をブラケットをうまく使って浮かせてみせることで、スタイリッシュに整います。 このお部屋の詳細はこちらすっきりした見た目と、照明にこだわってカフェ&バーのような空間に壁にグラスを並べるための棚を取り付けたり、照明にもこだわってカフェ&バーのような空間に仕上げたお部屋。 リビングは、テレビを壁づけに。配線などもうまく隠してすっきりした見た目に整えています。 このお部屋の詳細はこちら 最後は、お二人暮らしの事例を。天井の高い木造家屋の開放的な空間に、ソファ上の本棚や、雑貨の収まる棚など、自分たちの持ち物にぴったりの収納をつくりつけ。そんなことができるのも、DIY賃貸ならでは。 お風呂やキッチンなどの水回りはすでに使いやすくリフォーム済みだったこともポイントだったそう。お二人が手を加えたのは、壁を白く塗装したり、器を収納するための棚を取り付けたりといった部分。 寝室として使っている畳の小上がりは、落ち着くブレーグレーの塗料を塗って、緩やかに空間を区切っています。 このお部屋の詳細はこちら部屋探しと引越しのヒントを見る *出典: goodroom journal 記事提供元:リノベーション・デザイナーズ賃貸 goodroom(グッドルーム)デザイナーズ、リノベーションなど、おしゃれな賃貸サイト・アプリ「goodroom」を運営しています。インテリアや、ひとり暮らし、ふたり暮らしのアイディアなど、賃貸でも自分らしい暮らしを楽しむためのヒントをお届けします。おしゃれ賃貸サイト・アプリ goodroom journal journal 暮らしの実例
2020年04月09日毎日、食事をとるダイニング。狭い1DKやリビングとつながった1LDKで、快適に、そしておしゃれに使いこなすにはどうしたら?おしゃれなお部屋の実例をまとめました。 縦長LDKのダイニングテーブルソファを真ん中に、あえて明るい窓際にダイニングテーブルを配置したLDK。 お部屋の中で一番明るい特等席を食事の場所に。 このお部屋をもっと見る こちらのお部屋も、窓際にダイニングテーブルを配置。 無地のテーブルクロスを使うことで、すっきりとした空間になっています。 このお部屋をもっと見る たくさんのグリーンに囲まれたリゾートのようなLDK。 ふだんは2人で、お客さんが来たら4人でも使える「ちょうどいいサイズ」を求めて、自分で天板と脚を用意してDIYしたダイニングテーブル。カウンターキッチンにくっつけて、家事動線をスムーズに。 このお部屋をもっと見る キッチンを含めて13畳ほどのLDKに、DIYのダイニングテーブル、ローテーブル、ソファを配置した例。 長野のリビルディングセンタージャパンで購入した古材を使って、ダイニングテーブル、キッチンカウンターをDIYしています。間仕切りがあることでキッチンが丸見えにならず、カフェのような落ち着いた空間に。 このお部屋をもっと見る 横長LDKのダイニングテーブル窓に対して横長のLDK。半分をダイニング、もう半分をリビングとして使用します。下にちょっとした物を置くスペースがあって便利なダイニングテーブルはunicoのもの。 二人の好きなものをたくさん飾った壁が自然と目に入る配置です。 このお部屋をもっと見る リビングとダイニング兼用の配置ブルックリンスタイルのリノベーション1LDK。ダイニングとキッチンの間はラックなどで簡単に間仕切り。 古材とアイアンのダイニングテーブルに、チェアと一緒に革張りのソファを合わせて、リビングとしてもダイニングとしても使える空間にしています。 このお部屋をもっと見る 仕切りのないワンルームで二人暮らし。 ダイニングはあえて大きな天板のものを選び、デザイナーズチェアを合わせて、リラックスして使えるように。 このお部屋をもっと見る ワンルーム・1DKのダイニングテーブル一人暮らしのワンルームでも、ローテーブルは置かず、ダイニングテーブルを中心に生活するのもなかなか良いです。 コンパクトなサイズのものを選び、壁にぴったりと寄せれば動線を邪魔しません。 このお部屋をもっと見る 丸い形のものを選ぶと、柔らかい雰囲気で圧迫感が出にくいというメリットがあります。 椅子もたくさん置ける! このお部屋をもっと見る *出典: goodroom journal 記事提供元:リノベーション・デザイナーズ賃貸 goodroom(グッドルーム)デザイナーズ、リノベーションなど、おしゃれな賃貸サイト・アプリ「goodroom」を運営しています。インテリアや、ひとり暮らし、ふたり暮らしのアイディアなど、賃貸でも自分らしい暮らしを楽しむためのヒントをお届けします。おしゃれ賃貸サイト・アプリ goodroom journal journal 暮らしの実例
2020年03月28日キッチンまわりの収納をスッキリさせるために、食器棚はお家にぴったりなものを選びたいですよね。特に新築で家を購入する方は後悔がないよう、慎重に検討しているのではないでしょうか。食器棚には据え置きと造り付けの2つのタイプがありますが、それぞれにメリットがあり、悩むところ……。そこでおすすめなのが、機能面もバッチリ、どんな間取りにもフィットさせられる、いいとこどりの『フレクシア』という食器棚。キッチンがもっと快適になるポイントがいっぱいなんです♪食器棚は『据え置き』か『造り付け』か?キッチン空間を快適にするには、大きなスペースをとる食器棚をいかにストレスなく使うかが鍵!据え置きタイプの食器棚なら、ホームセンターや家具屋、ネットなどで購入しすぐに置くことができます。また持ち運べるので、転勤や引越しなどの予定があるなら据え置きの食器棚がいいでしょう。しかしどうしても壁や天井との間に隙間ができてしまうので、ホコリがたまり掃除の手間がかかります。また、ピッタリのサイズを探すのは至難の技。固定しない分、地震の備えも必要です。実際に『REZM』のお客様の中には、据え置きタイプの食器棚が地震で転倒し中身のほとんどが飛び出してしまったという経験をしたという方がいらっしゃいました。据え置きと造り付けでそれぞれメリットはありますが、いまの家に長く住むのであれば地震のときの安全性はもちろん家事の時短にもつながる造り付けの食器棚にしてみてはいかがでしょうか?細かなとこまで気が利く食器棚、フレクシア造り付けの食器棚の中でも高品質な食器棚のブランド『綾野製作所』が手がける食器棚、『フレクシア』が機能のバリエーションはもちろんのこと、サイズやカラーも豊富でおすすめです。まず注目してほしいのが食器棚の要である、収納スペースの使い勝手です。上キャビネットは、棚板を30mmと細かい間隔で調整することができます。「平皿はこの段、深めのお皿はこっちに……」と、食器のサイズや量に合わせてフレキシブルに棚の幅を変えることができるので、収納スペースの無駄を省くことができるんです。また棚板を支えるダボはねじ込み式になっているので、しっかりと棚を支えてくれます。勢いよく閉まる食器棚の扉にヒヤッとした経験はありませんか?『フレクシア』は食器に与える衝撃が少なくなるよう、開き戸は優しく静かに閉まり、引き戸は滑らかに動くように設計されています。引出しも同様に、たくさんの食器をいれても、軽い力で引き出せ、軽い力で押すだけで閉じることができます。毎日のように使う収納家具だからこそ、このような細かなストレスを感じさせないのは大事なポイントです。扉の地震対策には、揺れを感知して扉をロックする感知式耐震ラッチを採用。各ユニットを壁面にしっかり固定するので地震に強く、食器棚裏のホコリ掃除の手間も不要ですね。豊富なバリエーション!理想の組み合わせで設置できる♪『フレクシア』のさらなる魅力は、それぞれのご家庭の間取り環境や、叶えたいキッチン像に合わせてカスタマイズができること。ここからは実際に、フレクシアを設置されたお客様のキッチンをのぞいていきましょう。Iさんは、上キャビネットに扉を同時に開けて全体を見渡せる開き戸タイプを選択。さらに、カウンター天板に接するように、縦長の引き戸を組み合わせて収納スペースを増やしています!フレクシアの引き戸はガラス扉が採用されており、見た目も明るくスッキリした印象に。下キャビネットも、引き出しやゴミ箱収納のスペースなど各家庭の生活動線に合わせてカスタマイズ。食器棚の仕様に合わせるのではなく、自分たちの生活に合わせることで、より作業効率をアップさせることができるのです。また、お部屋の雰囲気に合わせて前板やサイドパネルは、ブラウン木目やパールホワイトなど、ナチュラルな10色のラインアップから選べます。そのほかメラミン化粧板仕様なら60色もの展開があり、鮮やかな色もお選びいただけます!「色がたくさん選べて様々な組み合わせができるからフレクシアを選んだ」というお客様の声もあるほどです。さらに上の写真のキッチンのように、梁があっても問題ありません。細かな高さ変更やカット加工もできる『フレクシア』は、さまざまなキッチンの間取りにもぴったり合います。無駄なスペースがないすっきりとしたキッチンは見た目にも美しいものです!暮らしをより豊かに♪『REZM』で実物をチェックしよう最後に、食器棚の購入のさいはぜひ実物を見て、触って体感してみることをおすすめいたします。また家具選びは、その空間に、そのご家族の暮らしにいかにフィットするかが大切なポイントです。家具を見るだけでなく、インテリアに詳しいアドバイザーにも相談できる、老舗の家具専門店『かねたや』が発信するリフォームブランド『REZM』の実店舗やショールームにお越しください!私たちが惚れ込んだ食器棚『フレクシア』の見た目の美しさや、スムーズに開閉する扉を体感いただき、さらに最適なカスタマイズのアドバイスもさせていただきます。お問い合わせは、公式サイトより。お気軽にご連絡ください。暮らしのお悩みをトータルにサポートする『REZM』公式サイトお問い合わせ先はコチラ(メール・お電話・フォーム)
2020年01月27日テレビを置く場所って、どんな風に飾っていますか?ちょっと存在感が出てしまう場所だからこそ、おしゃれにしたいですよね。今週は、「テレビボード」周りのインテリア実例をまとめました。DIYのアイディアもありますよ! 部屋全体の雰囲気に合うものを選ぶ北欧ヴィンテージの素敵な雰囲気ににあう家具は、楽天の家具店「クロロス」のオリジナル。(このお部屋はこちら) お部屋のイメージを決めている天然石の天板が印象的な、IDEEのMACTAN LOW TABLE。それに合うものを探して見つけたTVボードはunicoのもの。(このお部屋はこちら) こちらのお部屋では、たくさんの植物やコンクリート打ちっ放しの壁と合うように、作家さんにセミオーダーで作ってもらったアイアント木材の棚を活用。(このお部屋はこちら) 和室のお部屋に合う、木の風合いの良いボードは「WOODPRO」で購入されたもの。(このお部屋はこちら) 部屋の雰囲気に合わないな?と思ったら、塗料やワックスを塗ってみるのもあり。こちらはニトリの家具を自分で塗って仕上げたもの。(このお部屋はこちら) 部屋のコーナーに配置ソファの正面にテレビを置くと、生活動線が遮られてお部屋を狭く感じてしまうことも。コーナーに置くと、窓からの光や風も遮らず、インテリアもまとまって見えますよ。(このお部屋はこちら) このお部屋でも、テレビは隅っこに。なるべくコンパクトなローボードを選ぶのがポイント。(このお部屋はこちら) 無印良品の「スタッキングシェルフ」が使える!自分の好きな組み合わせで使える無印良品の「スタッキングシェルフ」をテレビボードに使ってる人も多し。こちらはミニマムな2マスの組み合わせ。中に入れる引き出しを足せば、機能的な棚になります。(このお部屋はこちら) こちらのお部屋では3マス利用。テレビの大きさに合わせて作れるのがいいですね(このお部屋はこちら) こんな風に、壁一面を棚にしてその中にテレビを配置するのもいいですね。(このお部屋はこちら) 木箱を活用真っ黒で無機質なテレビだから、柔らかい印象にするには木箱を合わせるのもおすすめ。こちらのお部屋は、ワイン箱を活用。(このお部屋はこちら) こちらのお部屋では「りんご箱」を活用。(このお部屋はこちら) ブロックとボードでDIYホームセンターで手に入るブロックとボードを使って簡単DIY。テレビは布で隠し、中にしまうものも全てカゴや布で隠して生活感をなるべく感じさせないように。(このお部屋はこちら) こちらのお部屋では、同じくホームセンターに売っているという盆栽用のブロックとボードを活用。(このお部屋はこちら) ボードをおかず、壁づけに金具を使って壁につけているという方も。でも、賃貸なのにどうやって?実は、壁自体を自分で立てているんです。 こちらのお部屋では、スチールラックの背面に木材を設置、その上に釘付けしてモニターを設置していました。テレビが浮いていると、見た目もスッキリしますし、掃除も楽ですね。(このお部屋はこちら) シンプルに、柱だけを立てて支える方法もありますよ。(このお部屋はこちら) *出典: goodroom journal 記事提供元:リノベーション・デザイナーズ賃貸 goodroom(グッドルーム)デザイナーズ、リノベーションなど、おしゃれな賃貸サイト・アプリ「goodroom」を運営しています。インテリアや、ひとり暮らし、ふたり暮らしのアイディアなど、賃貸でも自分らしい暮らしを楽しむためのヒントをお届けします。おしゃれ賃貸サイト・アプリ goodroom journal journal 暮らしの実例
2020年01月05日写真スタジオからヒントを得てフードスタイリストとして活躍するつがねゆきこさん。4年前に建てた新築の一軒家は、仕事関係の人も多く訪れるため、1階のLDKをパブリックにも使えるようにと考えた。「注文住宅なのですが、こちらのリクエストをたくさん聞いてもらい、わがままを叶えました」。仕切りは設けずワンフロアのLDKに。水まわりも2階に配置して広々と取った空間は、ダイニングとリビングの間をレースのカーテンで仕切れるように。「引き戸をつけようか悩んでいたとき、仕事で伺った写真スタジオで見かけたアイデアなんです。スタジオの白くて広い空間が好きで。どこかイメージソースになっていますね」。ステンレスのアイランドキッチンに古材やアンティーク。古いものと新しいものがうまく調和したLDK。ダイニングとリビングの間はレースのカーテンで仕切った。普段は開け放しているが、子どものお昼寝の時などに便利。「引き戸にしなくて正解でした」。古いものと新しいものをMIX大きなステンレスのアイランドは、どうしても使いたかった食洗機を入れるために、業務用のメーカーにオーダーしたものだそう。「お鍋もフライパンも全部入るし、乾燥も強力なんですよ」。建築当初はキッチンの背面には、吊り戸棚を取り付けていた。「重たい感じがしたので取り外してオープンシェルフに代えました。後から色々と手を加えるつもりだったので、キッチンまわりの壁には下地材を入れてもらっているんです」。オープンシェルフの棚板には錆びた金具の取っ手がついていて、どうやら古材のよう。「お気に入りのアンティーク家具屋さんがあって、そこの修復士さんに背面側のリノベーションをお願いしました。壁ももともとブルーに塗っていたのをグリーンに塗り替えてもらいました」。壁の一部分だけにあしらったヘリンボーンの板は、修復士さんからすすめられたものなのだそう。「私の好みをよく知ってくださっていて、ヘリンボーン張りのアンティークの板がある、と教えてくれたんです。珍しいのですぐに購入して、余った材でTV台をつくりました」。「古い味のあるものが好き」というつがねさん。新築の新しくてきれいな雰囲気とどうなじませるかで頭を悩ませた。「建具や床材、壁材などは用意された何パターンかの中から選んだのですが、ベースは主張のないシンプルなものにしました。そうしておくと、古材などを合わせたときになじんでくれると思うんです」。アイランドキッチンは業務用厨房機器メーカーの北沢産業にオーダー。使い込むうちに味の出る、ツヤ消しのヘアライン仕上げに。キッチンは、つがねさんの身長に合わせて高さを設定。側面にはお子さんの“やること”、”やったこと”マグネットが。ドイツのASKOの食洗機がどうしても使いたかったもの。「お鍋、五徳、まな板、全部一度に入れられて大容量なんです」。アンティーク家具の修復士さんに依頼した背面側。オープンシェルフにはアンティークの扉を棚板として渡している。IKEAのキャビネットは施工時からのもので、右側の引出し式ゴミ箱は、つがねさん考案で夫が初めてDIYで作ったもの。ヘリンボーン状に張られていた古材の板を購入し、部屋のアクセントとして再生。つがねさんのお仕事グッズ。器やキッチンツールをRIMOWAのスーツケースに詰めて出動。作家ものやアンティークなど、自宅で使う食器類もたくさん保有している。家族の理想のライフスタイル「玄関を入ってすぐのところに手洗いが欲しい、というのと、リビングに造り付けのカウンターテーブルを設けることもリクエストしました。後から変えられないところは、ゆずれませんでしたね」。シンクは海外からの輸入ものをセレクト。リビングのテーブルに古材を渡し、古さをほどよくミックスした空間は、現在の使い勝手や、将来の住まい方も考えている。「子どもたちが小さいうちは家族みんなでほとんどの時間を1階で過ごし、2階は寝るだけ。大きくなっても帰ってすぐ自分の部屋にこもるのではなく、必ずリビングを通って少しでも一緒の時間を過ごすというのが理想です。今は私のワークスペースにしているカウンターテーブルも、いずれは子どもたちが勉強する場所にしたいと思っているんです」。リビングの一角に設けたワークスペース。いずれは子どもの勉強スペースにも。玄関を入ったところもディスプレイスペースに。ドアも1枚1枚場所に合わせて選んだ。家に帰ってすぐ手洗いができるよう玄関の近くに。TOTOの輸入もののシンクをセレクト。階段下の収納スペースは扉を設けず、オープンに。濃いブルーをDIYで塗り、外出時に必要なものを置いている。古材+アイアンのテーブルに一脚一脚違うアンティークのイス、手づくりのドライフラワーがシックな雰囲気。家族の成長に合わせてつがねさんは5歳の長男と2歳の長女、夫の4人暮らし(+猫2匹)。2階は寝るだけと割りきってシンプルに。「1階はやり尽くしてしまったので、最近は2階の子ども部屋を改装したくなってきて。長男側のスペースはブルーに、長女側はピンクにDIYで壁を塗ったところなんです。子どもの成長に合わせて、色々と変えていくつもりです」。壁を塗ったり、小さな棚板を取り付けたり、家族の写真を飾ったり。家にいるほとんどの時間をキッチンで過ごしながら、少しずつ手を加えているというつがねさん。「竣工時には最低限やりたいことはやらせてもらえました。これからはちょこちょこと変えていくのが楽しみですね」。階段には家族の思い出の写真をディスプレイ。長男側の子ども部屋は、夫と長男のふたりで塗装。長女・なつめちゃんと猫の小麦。なつめちゃん側のスペースはロマンチックに。見晴らしのよい屋上にはウッドデッキ、人工芝を敷き、子どもたちが遊べるように。BBQをすることも。1階のテラスにもDIYでウッドデッキと目隠しの壁を設けた。ガーデニングも進行中。外壁は2種類の素材を組み合わせて。ひとつひとつ考え抜いて完成。フードスタイリストつがねゆきこさんとなつめちゃん。
2019年09月02日賃貸の小さなお部屋の中で、特に使い方に困りやすいバスルームやサニタリースペース。すっきりと、おしゃれに見せるアイディアとアイテムを、おしゃれなインテリア実例の中から集めてみました。 小さなスペースこそ、「色」を揃える 白と黒ですっきりとまとめられたサニタリースペース。バスタオルや、ボトルなど、細かいところまできっちり揃えるのがポイントです。(このお部屋はこちら) 収納スペースは「上」につくる シャワールームや、トイレの床もなるべく物を置かずにおくとお掃除が楽です(このお部屋はこちら) 3点ユニットのお部屋でも、棚を増やしたり、突っ張り棒を活用してしっかりとものを置くスペースを確保。(このお部屋はこちら) 脱衣所がないお部屋の場合、こんな風にバスマットも突っ張り棒を利用してかけておくと便利です。(このお部屋はこちら) 3点ユニットはDIYでひと工夫 サイズを測ってすのこを敷き、その雰囲気にあったペーパーホルダーなどを自作。ちょっとリゾートホテル風の雰囲気になります。(このお部屋はこちら) ぴったりサイズの木枠をつくり、ミラーの縁に引っかければ、簡易的な棚になります。真似したいアイディア。(このお部屋はこちら) 味気ない雰囲気のユニットバスのドアは、こんな風に剥がせるシートを貼ってカスタマイズ。(このお部屋はこちら) 光の入らない場所にはフェイクグリーンを活用 洗濯機の周りやトイレ、お風呂など光の届かない場所は、本物の植物が育たないことも。そんな時にはフェイクグリーンが活躍します。(このお部屋はこちら) 賃貸でも壁につけられるフックを使って、小さな棚を設置。雰囲気のあるスペースが作れます。(このお部屋はこちら) グッドルーム錦糸町店では、日の当たらない場所に最適な『Brown.』のフェイクグリーンを取り扱っています(アイテム紹介はこちら) サニタリースペースで活用したい便利アイテム タオルをしまう場所がないとき活用したいのが、山善のキャスターワゴン。細々としたものをすっきりしまえます。(このお部屋はこちら) こんなの欲しかった!と思わず手に取る人続出のおしゃれな突っ張り棒、DRAW A LINE。様々なラインナップから選んで、自分好みの収納を作ることができます。(アイテム紹介はこちら) さらに手軽に、収納スペースを増やせる優れもの。towerのタオル掛け上ラックも便利です。(アイテム紹介はこちら) 出典: goodroom journal 記事提供元:リノベーション・デザイナーズ賃貸 goodroom(グッドルーム)デザイナーズ、リノベーションなど、おしゃれな賃貸サイト・アプリ「goodroom」を運営しています。インテリアや、ひとり暮らし、ふたり暮らしのアイディアなど、賃貸でも自分らしい暮らしを楽しむためのヒントをお届けします。おしゃれ賃貸サイト・アプリ goodroom journal journal 暮らしの実例
2019年07月01日今回ご紹介するのは、日刊Sumaiでも取材させていただいた静岡県裾野市に自社工場&店舗を構えるソファブランド「マニュアルグラフ」のオーナー鈴木さん邸。家族と友人と、生活の一瞬一瞬をとことん楽しむ住まいは、ブランドコンセプトの「FUN! SOFA!」ならぬ、「FUN! HOUSE!」を実現しています。■ 「暮らしを楽しむ」に妥協は無し!鈴木さん一家は、夫妻と3人の子どもの5人家族。夫の実家の隣にあった、祖母が住んでいた築50年ほどの家を建て替えることになったことがこのFUN HOUSE誕生のはじまり。ものづくりのプロであるご主人は、「同世代の建築家と一緒に家づくりをしたい」と、インターネットでインテリアなどのテイストが合う建築家を探したそう。そして設計の依頼を受けたのは、「こぢこぢ一級建築士事務所」の小嶋良一さん。「FUN! SOFA!(ソファを通じて暮らしの楽しみを届ける)」というマニュアルグラフのブランドコンセプトを家づくりでも実現したいと、「FUN! HOUSE!」をテーマとする住まいをリクエストされました。要望を受けてまず小嶋さんが提案したのは、1階南側にウッドデッキとつながるLDKを配し、リビングとその吹き抜けを中心に各室がつながる大らかなプラン。リビングには薪ストーブやオリジナルのソファが置かれ、家族が集う空間は楽しい雰囲気に包まれています。子どもの友達とママ友が集まり、料理を持ち寄ってパーティを開くことも多いという鈴木さんの家。この日も彩り鮮やかなサラダやパエリアなど子どもたちが大好きなメニューが、次々と並べられていきます。ダイニングテーブルは天板にオークを使用したオリジナル。パーティに慣れているだけあって、盛り付けも美しい!テーブルと横並びに配されたキッチンは、カウンターを備えたオープンスタイル。子どもと一緒に盛り付けをしたり、みんなでテーブルに料理を運んだりと、ひとつなぎの空間はとにかくにぎやかです。■ 賢さが命!機能性抜群なキッチン鈴木さん邸が毎日FUNである理由。それはゆったり、そして機能性抜群なキッチンから生まれているようです。「調理スペースが広いことやシンク下にゴミ箱を入れられること」キッチンは、使い勝手を重視した具体的な要望を伝えたという奥様。そこで小嶋さんは、機能性に富み、コストパフォーマンスに優れるシステムズヤジマのシンプルなオーダーキッチンを採用しました。キッチンは片側が壁に接したペニンシュラ型で、対面式のテーブルカウンターをプラスしたスタイルです。カウンターでは子どもたちが宿題をしたり、ご主人がノートパソコンで仕事をしたりしながら、キッチンに立つ奥様と自然と会話が生まれます。ステンレスの天板には傷が目立ちにくいバイブレーション仕上げを採用。コンロは本格調理が楽しめる高火力ガスコンロ!プロ仕様のデザインで料理のモチベーションがあがります。奥様のご要望のシンク下のダストボックススペース。通路がゆったり使えることで動きもスムーズ!キッチンの側面はタイル仕上げ。100角タイルをあえてずらして貼ることで、味わいのある雰囲気を醸し出しています。さらに玄関からホールを通らずに直接入れるドアを設置。重ーい荷物を持って帰宅しても、食材をすぐに置けるのでとっても便利!これはまさに主婦であれば誰もが欲しがるドアですね。リビング側からキッチン&ダイニングを眺めると、その空間が“ひとつなぎ”であることが分かります。リビングの吹き抜けにより2階のセカンドリビングや子ども室、ロフトともつながっていて、キッチンにいても家族の気配を感じることができます。【Kitchen Data】キッチン本体……オーダー(システムズヤジマ)シンク……特注BO08885NO+水栓金具……KVK KM708Gガスコンロ……ハーマン DW35F2JTKSTレンジフード……アリエッタ SBARF-901LS食洗機……パナソニック NP-45MD6WAA■ 自然とFUNが生まれる!家族が集う空間家の隅々に広がるFUNを見ていきましょう。リビング中央にはこの家のためにデザインされた特製ソファが配置され、まさにここは家族のくつろぎの場!「最近新体操を始めた長女は、薪ストーブの前のスペースで練習していますし、子どもたちが2階のセカンドリビングで遊ぶのを見上げるのも楽しい」とご主人。リビング南面に配されたウッドデッキも、家族のお気に入りのスペースです。ウッドフェンスやパーゴラにはつる性植物が絡まり、自然を身近に感じさせ、気持を落ち着かせてくれるそう。ウッドデッキの植物の成長を楽しみつつ、夏にはプールやテントを出して遊んだり、ろうそくの明かりで夕涼みしたり……。お家でアウトドアな感性を存分に養うことができそうですね。吹き抜けに面した2階セカンドリビングは、天窓から明るい日差しが降り注ぐ空間。正面に子ども室が3つ並び、左手に寝室が配されています。床は1階と同じく幅広のオークフローリング、天井は構造材表し。木の温もりに包まれて心までゆったり。FUN HOUSEは、適度な“こもり感”をも感じられるスペースが。ご主人の趣味室兼納戸として利用しているロフトは「ひとりになりたいときは最適」なんだとか。2階寝室の床には落ち着いた雰囲気を演出するカーペットを採用。壁に飾られている絵や無造作に吊されているように見える照明にもセンスが光ります。あらゆるFUNであふれる、鈴木さん邸の外観は、レッドシダー縦張りの外壁が特徴的。パーゴラのつる性植物が成長し、緑の庇となるのが待ち遠しく、道行く人も楽しめるように道路側にも緑を配しているんだそう。リビングを中心に、家族がお互いの気配を感じながら楽しく過ごしている様子が存分に伝わってくる鈴木さん邸。「FUNHOUSE」はとにかく楽しい!友人も自然と集う家、というのも納得です。いかがでしたか?今の時代、ただ楽しめる家づくりなら簡単かもしれません。しかし住まいのプロである鈴木さん邸は、単に楽しいだけではなく、そこに確かな家族の繋がを感じさせてくれます。そして奥様がストレスを感じないように作業できるキッチン、個を大切にするスペースなど、表向きはFUNでありながらも家族への思いやりで溢れた住まいとなっていました。もっと詳しく見たい方は「住まいの設計2017年11-12月号」を参考にしてみてくださいね。設計/小嶋良一(こぢこぢ一級建築士事務所)撮影/桑田瑞穂住まいの設計2017年11-12月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「自然とつながる家づくり光と風、緑を取り込む家」 【第二特集】「Happiness Kitchenみんなのシアワセキッチン&ダイニング」
2019年05月02日夫妻と2人の元気な男の子、そして愛猫(てんてんオス/9歳)が、仲よく暮らすOさんの家。東京の住宅密集地にありながら、家の中は光が満ち、開放感にあふれています。プライバシーがしっかり守られた中で、家族みんながのびのび&リラックス。L字型の敷地を生かしたストレスフリーな住まいを実現しました。■ L字型の敷地に沿った壁を設けて、安全・安心!結婚後、夫の実家が所有していた築30年ほどの戸建てで暮らしてきたOさん一家。子どもも誕生し手狭になってきた頃、アパートが建っていた隣の敷地が運よく売りに出されます。そこでOさん夫妻はその土地を買い取り、家を建てることを決意しました。合筆したことで敷地はL字型に。敷地面積は約55坪となりました。設計の依頼を受けたアトリエA5は、敷地の形状をそのまま建物としてL字の中央にLDKを配し、両端に中庭を設けました。Rのある外壁で中庭や駐車場を丸ごと包んでいます。こちらは外壁の内部で、駐車場のある南側の中庭です。モミジの木の奥に玄関扉がありますが、右手の窓からリビングに直接入ることもできます。外壁に設けられた扉とシャッターを閉めれば、プライバシーが保たれた空間に。「プライバシーを守りたい」というご夫妻の思いですが……、O邸は戸建てや集合住宅が密集する住宅地にあり、周囲を見回すと昼間でもカーテンやシャッターを閉めている家が目立っていました。やはり、周囲を気にせずのびのびと過ごしたいもの。ご夫妻は、プライバシーと開放感の両方を望んだのです。■ 両端に中庭を配し、光あふれるLDKに新居では暮らしが一変。外観は窓が少なく閉じられた印象ですが、内部は白い壁に光が反射する明るい空間となっています。さらに壁に囲われているので、子どもが騒いでも心配無用となりました。「うちは男の子2人なので、とにかく動き回るし大声で騒ぐので大変。でも、今は騒いでもご近所に迷惑がかからないと思うので、イライラ怒らなくてもよくなりました」(妻)と、ホッとした様子。広いLDKや中庭でサッカーやフリスビーなどもでき、頻繁に公園に行かなくてもよくなったといいます。完全にプライバシーが守られているので、子どもたちも思い切り遊ぶことができますね。広いリビングを希望した夫も、大きな吹き抜けと中庭に面した開放的な空間に大満足。壁面の窓は最小限に抑えているため、トップライトから採光を得ています。大きなソファに座って外を見れば、木々が風にそよぐ様子も目に入ってきます。安心してくつろげる空間ですね。リビングと同じく、Rを描く有機的な白い壁が印象的な階段。こちらは専用のバスコートを備えた浴室です。他の中庭と同様に外壁で囲われているので窓を開けて、オリーブの木を眺めながらゆったりとバスタイムを楽しめます。リビングの吹き抜けに面した子ども室。隣にもうひと部屋子ども室が用意されており、個室ごとに異なる色のアクセントウォールが採用されています。■ 工夫いっぱいの家で、猫もストレスフリー子猫のときに保護団体からO家に迎えられたてんてん。家づくりの際には、てんてんへの配慮も忘れてはいません。猫は高いところが大好き。大きく湾曲したリビング壁面の棚の上をさっそうと歩きます。てんてんが外を眺めるのに、ちょうどいい窓も設けられています。キャットウォークを兼ねる棚には右手のステップから上り下り。網戸に取り付けるタイプの猫ドアで、テラスと室内の出入りも自由。リビングにも猫用ドアを。好きなときに好きな場所に行けるから、てんてんもストレスフリー。2階テラスの網戸にも猫扉を設置していますよ。素材にもひと工夫。床には猫の毛が目立ちにくいアカシアのフローリング、壁には引っかき傷がつきにくいビニールクロスを採用しました。以前に比べると、壁での爪とぎは劇的に減ったそうです。「以前は壁や襖がボロボロだったのですが、爪が引っかからないので面白くないらしく、壁では爪とぎをしなくなりました」(妻)。アウトドア用ソファを設置した中庭は、外からの視線を気にせずにくつろげる、憩いのスペース。外光が白い壁に反射するから、シマトネリコの緑も鮮やかです。外の空気に触れられる中庭は、てんてんの大好きな場所のひとつ。高い壁で囲まれているので脱走の心配はありません。「ふと見ると、中庭のソファで日向ぼっこをしていたりするんですよ」(妻)。猫の食事場所は、お皿を洗ったり水をくんだりするのに便利な洗面室に。猫用トイレですが、当初は人間のトイレに近い洗面室に置く予定でした。しかし、全自動洗浄トイレを採用したことで砂を流したりする必要がないため、静かで落ち着ける玄関収納に置くことになりました。子どもが走り回っても近所迷惑にならないので、親もストレスフリー。そして、猫の世話や室内の掃除は、壁材や床材を工夫したことで、傷や汚れを気にせず、人も快適で安心して暮らせます。家族みんながハッピーになる家ができ上がりました。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2019年2月号」を参考にしてみてくださいね。設計/清水貞博+松崎正寿+清水裕子(atelierA5 建築設計事務所)撮影/山田耕司(扶桑社)住まいの設計2019年2月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「猫だってハッピーにしてほしい!猫と一緒に暮らすための家」 【第二特集】「自分らしいインテリアと暮らしています」
2019年04月29日都市部から郊外ののどかな地域に移り住んだHさん夫妻。若いお二人が建てた家は、どの部屋からも庭が眺められる、ゆったりとした平屋でした。木と塗装で仕上げたシンプルな内装が庭の緑と調和し、なんとも心地よい空間が広がっています。■ 各室から庭が眺められる平屋でゆったりHさんの家は名古屋市内から車で30分ほど。周囲には田畑が広がり、のどかな雰囲気が漂っています。「岐阜の田舎で育ったので、人が多い場所が苦手。この土地は、見た瞬間に『のんびりしていていいな』と思い、即決しました」と夫は話します。設計をお願いしたのは、松原建築計画の松原知己さんでした。「作品を見たらどれも素敵で、自分の好みを数多く説明しなくてもお任せできると思いました」(妻)。松原さんは、「庭を眺めながらゆっくり過ごしたい」というご夫妻の要望を汲み、建物と塀で庭を囲む平屋のセミコートハウスを提案。敷地形状に合わせて東西に伸びた建物は中央で折れ、各室から庭が眺められます。そんな気になる平屋の外観がこちらです。左官とガルバリウム鋼板で仕上げた外壁は、周囲に溶け込む落ち着いた色味。右手の塀は高さを抑えて圧迫感をなくしています。家から庭の気持ちよさをより堪能できるのが、縁側のようなデッキ。芝生の庭は夫のゴルフの練習場であり、バーベキューを楽しむ場でもあるとか。建物が“くの字型”になっているのがよく分かりますね。小さなベンチが設けられたアプローチは、ホッと和める空間。庇があるので雨が降っても傘を差さずに駐車場に行けるんです。玄関から心地よさを感じられるH邸。玄関扉を開けると、さっそく正面に庭の緑が見えてきます。■ シンプルな空間に経年変化する素材を室内はシンプルな内装とし、素材感や庭の緑を楽しむことを大切にしています。ですので、LDに置く家具は必要最小限に。壁に棚などは設けていません。ゆとりが感じられる各居室をご案内しましょう。ご覧のように、LDKは一体の空間でスッキリ。床の無垢フローリングはナラを選び、全体をやさしい色合いでまとめています。どこからも見える庭と平屋ならではの勾配天井が開放感を感じさせますね。キッチンからは空間全体が見渡せます。オリジナルの木製サッシは隠し框とし、より温かみのある雰囲気に。リビングの奥には小上がりになったペットのうさぎのコーナーがあり、その上の窓からは駐車場が見えます。妻は料理をしながら夫が帰ってきたのが分かるそう。玄関ホールからLDK側を見たところです。一直線ではなく、リビングとダイニングの境目で折れて角度がついているので、不思議な奥行き感があります。こちらは将来、子ども室として使う予定。柱の部分で2室に区切ることを想定しています。手前が洗面室で、奥が脱衣&洗濯物の乾燥室となっています。その横に浴室があり、寝室そばのウォークインクロゼットにもつながるので、使い勝手もいい。その寝室がこちら。右手の扉の向こうがウォークインクロゼットで、浴室につながっています。寝室からも庭が見えることが分かりますね。玄関ホール近くにコンパクトな書斎を設けました。庭に面した窓が開放感をもたらし、癒しを与えてくれます。■ 余白を楽しむ生活感のないキッチン「生活感のないシンプルで美しいキッチン」。それがH邸のキッチンの印象です。オープンスタイルのキッチンは、夫婦二人が立てるように設計しました。キッチンのデザインは、腰壁のモルタル塗りがポイントに。「機能性を追求するより、劣化や経年変化を楽しみたい」と妻。手仕事の味わいも感じられ、空間のアクセントになっています。そして、もう1点特徴的なのは、目線の高さの壁面には、飾り棚などの収納を設けていないこと。「棚をつくってものを飾るより、余白を楽しみたいと思っています」(妻)。ものが多くなりがちなキッチンですが、とってもスッキリ!天板にはバイブレーション仕上げのステンレス、そこに木目の美しいナラ突き板を組み合わせています。全体を見ると温かみがありながら、シンプルでとても洗練されていますね。飾り棚を設けなかったけれど、背部には腰高の収納、左手奥にはパントリーを備えているから、収納は十分。では収納の工夫を拝見しましょう。コンロ下には、鍋やフライパンを収めています。扉を付けずに、出し入れしやすくしています。薄型のIH調理器(三菱電機のユーロスタイルIH)なので、すぐ下も引き出し式の収納スペースに活用。アルミホイルやヘラなどが収納できます。背面には電子レンジを組み込んでダイニングから隠し、調味料専用の引き出しにはスパイスなどを入れる小さな引き出しも内蔵。細かく分類できるから散らかりにくく、どこに何があるかのかすぐに分かります。壁面カウンターのほかにパントリーも設けて、生活感の出やすいものを徹底的に隠しています。大きな冷蔵庫もパントリーに。使い勝手を優先し、建具は設けずオープンに。勝手口から光が入り、通風も抜群!よって、調理作業もスイスイ!この日はジェノベーゼの冷製パスタとビシソワーズを作っていただきました。夫も慣れた手つきで料理をサポートし、ササッと料理が仕上がっていきます。キッチンで作業をしながら……、食事をしながら……、くつろぎながら……。どこからも庭が見えるという贅沢。Hさん夫妻のお宅は、開放感とやすらぎに満ちていました。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2018年10月号」を参考にしてみてくださいね。設計/松原知己(松原建築計画)撮影/川辺明伸住まいの設計2018年10月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】編集部がオススメ!あなたの「好き」を実現する家、教えます。 【第二特集】使いやすい。片付けしやすい。楽しい。そんなキッチンと暮らしませんか?
2019年04月23日今までの日本は新築を購入するのが一般的でしたが、現在は中古の物件を手に入れてフルリノベーションするという流れも多くなってきています。どういったところにメリットがあるのでしょうか?費用面や機能面、将来性もふまえてご紹介します!中古戸建てのフルリノベーション物件が流行!?以前、練馬区にある築47年の中古一戸建てを購入してフルリノベーションした方から住宅相談を受けたことがあります。30代の若いご夫婦でしたが、ご夫婦ともにスタイリッシュな方だったことを今でもはっきりと覚えています。新築住宅の値段と中古一戸建てを比較検討した結果、中古住宅をフルリノベーションした方が自分たちの希望に合致した暮らしを手に入れられるとの結論にいたったとのことでした。「予想より少し予算がオーバーしましたが(笑)」とのことでしたが、フルリノベーションゆえに見た目はまるで新築そのもの。事情を知らない人が見れば「これが中古住宅なの?」と驚くことは必至です。良質な中古住宅が大量に出回っているという事情に加え、古い家を再生させて大事に使うという欧米式の考え方がかなり浸透してきているのが今の状況です。【費用】戸建てフルリノベーションor新築戸建て大まかな話にはなりますが、結論からお話しすると新築戸建てにかかる費用を100とすると、中古一戸建てを購入してフルリノベーションした場合は60~80といった数字で収まるはずです。もちろんドイツ製の高級キッチンを入れ、ドアは無垢材の1枚物を全室に入れ……と、贅沢をいえば予算は高騰します。でも、一般的なものを選んでいけば値段が大きくなることはあまりないと思います。もちろんおしゃれ感の演出は絶対条件ですよ。このポイントをしっかり押さえても上記の値段感におさまるということです。新築同様に戸建てリノベーションでも住宅ローンが使えます。とくに小規模のリフォームとは違いますので、なかなか全額を現金でまかなうのは難しいでしょう。ただ、金利に関しては新築ローンの方が安く設定されています。また、返済期間も新築よりリノベーションは短期の設定となっていますので各金融機関に確認をしてください。政府が行っている『住宅ストック循環支援事業』という補助金制度があるのでご紹介しておきましょう。あなたが良質な中古住宅を購入する前提としてですが、住宅の劣化状況や欠陥の程度を診断するインスペクション費用として5万円の支給制度があります。良質な中古一戸建てが増えてきたとはいえ、なかには粗悪な一戸建てがあるのも事実です。ですから、購入する前の段階でプロに住宅を診断してもらうのを私はおすすめします。その時の費用の一部が補助金として支給されるのです。断熱、エコ設備、バリアフリー、耐震改修など現状よりも良質な住宅にリフォームすると補助金の対象となり、が該当しますが、30万円を上限として支給されます。ただし、耐震改修に関しては上限は45万円となります。【機能性】フルリノベーションマンションor新築戸建て防犯も機能の一部。重要ですよね。特に女性として関心事の高い事柄の一つですが、防犯に関してはマンションが有利。新築一戸建てではドアのみならず、すべての窓に防犯機能を付けなければ、侵入されるリスクは消えません。それに比べてマンションの3階以上であれば、入り口と廊下に面する窓だけ防犯機能を持たせれば安全性は飛躍的に高まります。これは新築一戸建てに軍配があがるでしょう。新築一戸建てはフリー設計であるかぎりすべてが自由になります。それに比べてマンションは枠が決まっているだけに制約がかかります。とくに水回りは配管の関係があるので、自分好みの家事動線が構造上無理なケースが出てきます。【将来性】フルリノベーションマンションor新築戸建てマイホームを取得した時はまったく想定していなくても、事情が変わってそれを売却することもありえます。その際には1円でも高く売りたいのは当然ですよね。一戸建ても建ててすぐは新築という冠がついているのですが、10年も経過すれば新築一戸建ては中古一戸建てになってしまいます。これに比べてリノベーションしたマンションも中古には変わりませんが、リノベーションをしている分有利な扱いになります。マンションフルリノベーション物件と新築一戸建て物件の資産価値比較はとても難しいのですが、比較的好立地に建っているマンションであれば、売却時の有利性は高いと判断できます。こう考えると、条件付きながらもリノベーションマンションが売却時には有利だと私は判断します。【まとめ】フルリノベーションマンションor新築戸建て基準とする軸を何にするかで大きく判断は異なりますが、やはり立地条件だけは最低限押さえてください。この立地によってすべては大きく変わるといえるでしょう。もちろん、そこに永住することを決めているならば話は別です。しかし、これから20年、30年という永いスパンを考えると、立地によって判定は大きく異なるとしか言いようがありませんね。立地条件を考慮しない場合ですが、庭があるライフスタイルを良しとするか否かも重要でしょう。犬を飼いたいという絶対的な希望があるならば庭が欲しいところですし、そもそもマンションでは犬を飼うことができないかもしれませんので。【無料】見積もり・比較でリフォームが安くなる!フルリノマンションorフルリノベ戸建てマンション好きか一戸建て好きかはさておき、フルリノベマンションで注意してほしいのは、マンション自室内は綺麗に生まれ変わるものの、マンションの外観は古いままだということでしょう。これが意外な盲点で、マンションをフルリノベーションした人から聞かれる後悔ポイントの1つです。ただ、この手のことが一切気にならないのであれば、マンションのフルリノベーションはすべてがワンフロアーにコンパクトに収まり、使い勝手の良い住まいとなるでしょう。その反対のフルリノベーション戸建てですが、建て替えが不可能な地域の物件を所有している、あるいはそのような土地を購入したケースにおいては極めて有効な手法となるでしょう。また、一戸建てはマンションと違いお隣や上下階との接点がないので騒音などのトラブルが少なく快適な暮らしができます。ところで、よく言われるように、日本は欧米と比べると極端な新築信仰文化でここまで来ました。これに対してヨーロッパなどは築400年、500年というとんでもない物件がたくさんあり、新築よりもその古さを競い合う傾向があります。建物の構造が違うことや地震の多さが影響してはいるのですが、とにかく日本は異常なほどの新築信仰が跋扈(ばっこ)してきたのです。しかし、一戸建てフルリノベーションやマンションフルリノベーションは、その中身は全くの新築と同様。構造部分だけが古いままなのですが、その構造が耐震性などに対して全く問題ないと判断されれば、ヨーロッパなどのようにリノベーションを積極的にするのも現代の流れにはあっているといえるでしょう!フルリノベーションはお得か?「お得か?」というのは軸にする価値基準を定めなければ答えは出しようがありません。ただ、確実に言えるのは、費用面を軸にすれば新築戸建てよりもフルリノベーションが間違いなくお得と言えるでしょう。既述したように工事費用が30%程度は安くなると思われますので、浮いたお金を他のことに回すことができるからです。あとは、それぞれの優先事項や価値判断に基づいてじっくりと検討してみてください。このアイデアの監修者森住宅コンサルタント株式会社代表取締役森雅樹名古屋生まれ。法政大学卒業後、大手ハウスメーカーに就職し戸建て住宅営業を経験。退職後は都内の零細工務店において戸建て営業とリフォーム営業に従事。その後、森住宅コンサルタント㈱を興して独立。現在は住宅会社と消費者向けの講演、執筆、コンサルティング活動を行う。買う側、売る側双方の立場を熟知したうえでのアドバイスを行っている。住宅購入者向け、住宅販売者向けの単行本20冊以上。森住宅コンサルタント(株)【無料】見積もり・比較でリフォームが安くなる!
2019年04月02日T邸は、ビルや店舗が建ち並ぶ大通りから少し入った住宅地の一角に建ちます。JRのターミナル駅から徒歩数分の立地なので、将来周りが建て込む可能性も大いに考えられる場所。すでに南と西には隣家が迫り、東の隣地ではマンションの建設も始まっていました。どうすれば快適な住まいができるのか……?これが今回の設計の大きなテーマとなりました。■ 光と風を呼び込む、東と西に配した2つの庭群馬県に暮らすTさんは、夫婦と高校生の息子さんの3人家族。これまでTさん一家が暮らしていたのは夫の実家で、両親が亡くなったあとその古家を引き継ぎ、手直ししながら住み続けてきました。しかし、子どもが成長するにつれて手狭になり、建て替えようにも土地が狭く、限界があったといいます。どうしようかと悩んでいたとき、チャンスが巡ってきました。今の敷地の半分が売りに出たのです。もともと残り半分は駐車場として所有していた土地で、隣地を買い足せば、車道から距離を置いた場所に、より広い家が建てられるというわけです。しかし、将来にわたって建物が建たないのは北側だけという悪条件の土地。そんな難問を解決してくれるのは建築家しかいないと、縁あって出会った佐久間徹さんに設計を依頼しました。外観はシンプルなボックス型。将来を見越してか、大きな開口部は見当たりません。1階は中央にピロティ形式の駐車場があり、右手に玄関、左手に茶室を配置しています。では家の中へ。外観からは想像できない展開です!佐久間さんが提案したのは、2階LDKの東と西の両方に庭を設けること。「光庭」と名づけたその外部空間は、LDKを穏やかな光で満たし、風も通してくれます。右手に薪ストーブコーナーがありますが、それを出窓のように飛び出させることで、開放的なLDKとなりました。光庭、階段室、薪ストーブの上の高窓など、あちこちから光が入っているのが分かります。こちらはダイニングから見た東の光庭。デッキを敷いた光庭は「使う庭」。キッチンで淹れたコーヒーを片手に一息つくのもいいですね。西の光庭側を見たLDKは、木製サッシの色に合わせて塗装した長いフローリングが広がりを演出しています。西の光庭の足元には苔が植えられ、和庭の趣です。木製サッシに目がいきますが、木製サッシは見た目に美しいだけでなく、気密性や断熱性、防火性も兼ね備えているんです。ちなみにメーカーは、アイランドプロファイルの「プロファイルウインドー」です。光庭そばのキッチンは、対面にカウンターを設けたセミオープン型。夫も息子も料理好きで、3人それぞれがキッチンに立つそうです。■ ちりばめられた居心地のいい場所2階以外にも、多様な居場所が随所にちりばめられているT邸です。しっとりと落ち着いた空間のこちらは、お茶をたしなむ妻の希望で設けた1階の茶室。手前には水屋もあります。茶室は1階にありながら2階から専用階段でアクセスするので、離れのような趣があり、ゲストルームとしても活用しています。茶室の地窓からは、植えられたトクサが眺められます。風情がありますね。家族全員、お風呂にこだわりが。朝風呂が習慣の一家の要望で、3階南の一等地に浴室は設けられました。奥の緑は2階西側の光庭から伸びた木の梢です。自然光がそそぎ、緑も楽しめる、最高の浴室ですね。一方洗面室は……。まるで照明のような明るい光が天窓から降り注いでいます。プライべートルームもご紹介しましょう。コンパクトな3階主寝室は、地窓から緑がチラリと見えています。ホッとできますね。一角には仏壇もスマートに納まっています。子ども室のベッドコーナー。窓辺には長男が生育中の苔類などがずらり。ベッドそばには、勉強がはかどりそうなデスクが。右手には家族共有のライブラリーと連続しています。そのライブラリーがこちら。子ども室とは引き戸で仕切れますが、普段はほとんど開放しているそうです。机の前の開口部は2階東の光庭の吹き抜けに面しているから、ごらんの通り明るい光が入ります。3階から階段を見下ろした様子。窓から入った光は、階段の吹き抜けにより階下にも明るさを届けます。■ 自然素材と薪ストーブでやすらぎをT邸がこんなにもやすらぎが感じられるのは、ひとつに自然素材を使用していることが大きいようです。主にどんな素材が使われているのか見ていきましょう。床はやわらかな杉の無垢フローリングです。「杉の無垢板はやわらかくて足触りがよく、座りやすく、寝っ転がることもできる。そういう意味では畳に近く、畳よりは掃除もしやすい」と佐久間さん。杉や檜などの国産針葉樹のフローリングは、4mの長さが生かせるのも魅力。薪ストーブコーナーには、独特の味わいを持つ大谷石を壁と床に張りました。特に冬場はここで長居する家族の様子が目に見えるよう。収納の扉にはラワン合板を多用。うまく活用すると空間にメリハリがつくと佐久間さんは言います。ソファも木のぬくもりが感じられるものを選びました。落ち着きのあるインテリアに馴染んだホワイトオークのローソファ。飛騨産業の製品です。座面の低さもくつろぎ感を高めてくれるのではないでしょうか。自然素材を生かした落ち着いた空間で、息子が巣立つまでの時間をゆったりと過ごすTさん家族。条件の厳しい土地でも、アイデア次第で心地いい家は建つのだと教えてくれる好例です。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2017年9-10月号」を参考にしてみてくださいね。設計/佐久間 徹(佐久間徹設計事務所)撮影/目黒伸宜住まいの設計2017年9-10月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「住む人に優しい 木の家、自然素材の家」 【第二特集】「緑と一緒に暮らしたい!ビューティフルガーデンハウス」
2019年03月27日中村邸は、陶芸家の妻のアトリエと建築家の夫のアトリエを兼ねた職住一体の住まい。こうした機能をもたせながら、敷地面積は約16坪、さらに間口の狭い細長い敷地という厳しい条件でした。設計をした夫の高淑さんはどのように、これら条件をクリアしたのでしょうか。あらゆる面で興味深い中村邸をご紹介しましょう。■ キッチンに隣接する陶芸アトリエ中村さん夫妻の家は、間口わずか2.77m。南北に長い建物は、3階建て。その2階に妻、直子さんの陶芸アトリエがあります。まずは気になる陶芸アトリエをご案内しましょう。妻の陶芸アトリエは、2階のダイニングキッチンと同じフロアにあります。写真奥がダイニングキッチン、手前がアトリエスペースになっています。ダイニングキッチンとアトリエを仕切っているのは、視線の通るガラス。その部分に棚をしつらえてギャラリーとして活用しています。こちらが陶芸アトリエです。西側の大きな窓から光が注ぐ明るい空間。閉じこもって没頭するよりも、暮らしと創作が緩やかにつながる直子さんのスタイルが伝わってきますね。音や光、人の気配が伝わり、家事と創作の切り替えもスムーズだそうです。ここでこだわりのものといえば?無垢ブラックウォールナットの作業テーブルだそうです。塗装した天板で粘土を練るとくっついてしまうため、無塗装の板を探し、銘木の店で見つけ出しました。「陶芸は孤独な作業ですが、私の場合ひとりだと寂しくなってしまうんです。案外、人が近くにいたほうが集中できる気がしますね」「陶器は、生活で使うものがつくれるのが楽しい」と器や陶壁、アクセサリー、花器なども広く制作。ペンダントライトは高淑さんのオーダーで、高淑さんが設計した住宅に納品したもの。ドットからこぼれ出る光が楽しめます。ギャラリーとして使用する棚は、近づくとこんなふう。ガラスなので、ダイニングキッチン側からも作品を見ることができます。ちなみに直子さんは東京・自由が丘で陶芸教室を主宰しているそうですよ。■ 細長い敷地を最大限に使う間口の狭い地上3階建ての外観は、ショップのようなたたずまい。「時代や用途に合わせて住宅以外にも転用できる設計で、長く生きる建築を目指しました」と高淑さん。右隣の建物も高淑さんが設計しただけあり、2棟の建物はぴったり調和が取れています。木とコンクリート、ガラスのミックスが共通していますね。さて、どのように難しい土地の形状を克服したのでしょうか。間口は2.77mで、縦に長く、奥行きがあります。特徴としては、ガラス面が多いことが分かりますね。やはり構造がポイントでした。細長い敷地を有効に使うため「薄肉ラーメン構造」を採用しています。左右に見える偏平な木製壁柱がフレームになって支えるため、室内に柱型や梁型、耐力壁が現れず、広く使えるのです。構造体である壁柱以外の壁はすべてガラスを使い、間仕切り壁も最小限に。どこにいても視線が抜け、広がりを感じさせてくれます。では、他の部屋はどのようになっているのでしょう。3階はプライベートなフロア。主寝室にも、窓からたっぷり光が注ぎます。寝室側から北側を見たところ。ガラス窓とまっすぐな廊下により視線が抜けます。廊下の右手にゲストルーム、奥の扉の先にバスルームとトイレがあります。バスルームと洗面室、トイレは壁や廊下を設けずワンルームに収め、狭さを感じさせない設計に。洗面室は2面をガラスにして光を取り入れ、広がりも演出。カウンター下に洗濯機をビルトインし、背面に室内干しスペースを設けて家事動線に配慮しました。日当たりがよくて、愛猫もウトウト。「お気に入りはベッドの上。窓から光が入ってポカポカするの」■ ギャラリーも兼ねる多目的ガレージ1階はガレージとガレージ奥に高淑さんのアトリエ、という構成。1階はRC造です。柱型が現れないため、間口が狭いながらも愛車のポルシェが収まるガレージを実現しました。ガレージはギャラリーやイベントスペースも兼ね、夫妻で2人展を開催したりガレージセールを開いたこともあるそうです。黒い螺旋階段が、より空間をシャープでおしゃれな印象に。右手の壁は、直子さん手焼きの陶壁で、微妙に色の違う陶板が繊細なグラデーションを描きます。ポルシェの赤が映える空間ですね。こちらは1階奥の高淑さんのアトリエ。コンパクトながら収納するものを徹底的に採寸し、ぴったり合う家具を造作しているため必要十分な空間。打ち合わせには2階のダイニングを使うこともあります。設計から引っ越しまで2年を要したという高淑さん。間口の狭い敷地をいかに有効に使うか、何度も模型をつくって検討を重ねたそうです。敷地を存分に有効活用したお宅ですが、ガレージがイベントスペースになったり、ダイニングが打ち合わせ場所になったりと使用目的を定めないことでも、実際の面積以上の広がりを感じさせるんですね。練りに練った設計によって、仕事も暮らしも快適かつスムーズな中村邸でした。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2017年7-8月号」を参考にしてみてくださいね。設計/中村高淑(unit-H 中村高淑建築設計事務所)撮影/桑田瑞穂住まいの設計2017年7-8月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「安心!安全!高品質! 信頼で選んだハウスメーカーの家」 【第二特集】「毎日元気になれる『趣味の家』」
2019年03月21日小さな商店街の途中にある、3層から成る間口の狭い建物。ここは、設計事務所のアトリエ+二世帯住宅です。1階は建築家の清水貞博さん、松崎正寿さん、清水裕子さんの3人が共同で営む「atelierA5建築設計事務所」。2・3階には清水さん夫妻と中学生の長女、貞博さんの両親が二世帯で暮らしています。たくさんの要素が詰まった建物ですが、その敷地は間口が狭い31坪、さらに三方に隣家が迫った「うなぎの寝床」。「室内はさぞコンパクトなのでは?」と思いながらドアを開けると、そこには驚くほど明るく開放的な空間が広がっていたのです。■ RC造と木造でパブリックとプライベートを切り替える2つの世帯の住宅、そして事務所。3つのスペースが快適さとほどよい距離感を保っている秘密は、プランと構造の工夫にあります。1つが、1階のアトリエはRC造、その上に木造2階建ての住まいが載る混構造にしたこと。2階の住まいには、玄関からアトリエ隣の階段を上がってアクセスします。「2階から1階に下りてくるとスイッチが切り替わります」と裕子さん。コンクリート打ち放しのアトリエは両サイドの壁に扁平な柱が入った特殊な構造で、室内に柱や梁の出っ張りがないトンネル状の大空間を実現しています。■ 「外」を挟んで光と風を採り入れ、適度な距離感をつくる構造上、1階左右の壁に開口部は少ないですが、中央に中庭がありガラス越しに光が入るため、閉塞感はありません。この中庭を挟んで手前が打ち合わせ室、奥が設計室になっています。2階に上がると、中庭の上はグレーチング(金属の格子)を張ったテラスになっていて、テラスを挟んで道路側に親世帯、奥に子世帯のLDKをレイアウトしています。まるで路地を挟んで2軒の小さな家が建っているような佇まい。テラスは両世帯と階下のアトリエにも光と風をもたらし、世帯間のほどよい緩衝帯にもなっています。「上下で完全に分離した二世帯住宅は、ろくに顔も合わせない生活になりがちですよね」と貞博さん。テラスを挟むことで「おいしそうなものを食べてるなとか具合が悪そうだなとか、相手の様子がちらちら見えるぐらいがいいと思いました」と裕子さんが続けます。普段の暮らしは別々ですが、子世帯のダイニングで一緒に食事をすることもあるそう。こちらは親世帯のLDKからテラスを見たところ。長女が2階にひとりでいるときも、テラス越しに見守ってくれる祖父母の存在に安心できそうですね。■ 特殊な構造で室内がぐんと広く、伸びやかにもう一つの工夫が、住宅部分の構造です。周りに見える斜めの柱で建物を支えることで邪魔になる柱や壁をなくし、木造ながらここまで開放的な空間を叶えました。テラスに面して全面開口があるうえ、残り3面にも高窓があるので2階全体が半戸外のよう。バスルームは使う時間帯がずれるため、二世帯共有にすることでゆとりある広さを確保しました。正面のハイサイドライトや左手にある小さなテラス越しに入る光で、明るさも十分です。家具のようにシンプルで美しいキッチンは二世帯で同じデザインに。こちらは親世帯のキッチンです。■ プライベートスペースは広がりと落ち着きの空間にガラス張りの開放的な2階とは対照的に、寝室などプライベート空間を集約した3階はガルバリウム鋼板張りに。子世帯の3階にあるプライベートリビングは高い天井高を確保し、開口部を抑えて広がりと落ち着きを両立しています。子世帯の主寝室は、上に予備室のロフトを作ったため天井高を抑えてコンパクトに。正面に見える壁際の配管スペースをニッチとして活用しました。主寝室の隣は中学生の長女の部屋。トップライトから吹き抜け越しに光が注ぎ、コンパクトながら開放的です。寄棟状の屋根の形を表しにした親世帯の寝室は、伸びやかで気持ちのいい空間です。シャワールームを設ける案も検討したそうですが、清水さんの妹や弟一家が頻繁に泊まりにくるため、部屋の広さを優先しました。外部空間をうまく織り交ぜることで適度な距離を保ち、自然に気配を伝え合う住まい。職住近接に二世帯同居と、これからの暮らしを考えるヒントになりそうですね。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2018年3-4月号」を参考にしてみてくださいね。設計/清水貞博+松崎正寿+清水裕子(atelierA5建築設計事務所)撮影/桑田瑞穂住まいの設計2018年3-4月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「だって大好きなんだもん!猫と暮らす、犬と暮らす幸せな家のつくり方」 【第二特集】「家にも働いてもらおう!併用住宅と二世帯住宅」
2019年03月20日新築戸建ての住宅物件を購入された際に、通常一緒に検討されるのが火災保険となります。ところが、住宅購入資金だけでも多額の出費となるにもかかわらず、住宅ローンを借りた金融機関から紹介された火災保険の見積もりをみると数十万円!?となっていて、非常に驚いたという体験談もあるようです。今回は新築戸建て物件の火災保険に安く入る方法について具体的に紹介していきたいと思います。火災保険の基本と選び方まず最初に戸建て物件の火災保険の基本的な内容と選び方についてご説明しましょう。その次に新築物件という観点から火災保険に安く入る方法についてご紹介していきたいと思います。対象は建物(不動産物件)と家財まず火災保険の対象です。火災保険は損害保険の一種類ですから、対象物が損害を受けた時に保険金が支払われるという保険です。その損害を受ける対象として、火災保険では建物と家財とに区分しています。火災保険の対象の選び方建物のみ建物と家財家財のみ新築の物件に対して火災保険を検討するのですから、上記3の家財のみということはないと思いますので、1建物のみ、か、2建物と家財、のどちらかを火災保険として選ぶことになります。ここで火災保険を安くする方法の1つ目となります。新築の火災保険を安くする方法①:火災保険の対象は建物のみとするもちろん家財に対しても補償されていた方が安心ですが、その分保険料は高くなります。人間は家財がないと暮らしに不自由するだけですが、建物が無ければ暮らしていけません。このように原点まで立ち返ると自ずと優先するのは建物である、ということがお分かりいただけると思います。ただし高級な家財があるというご家庭は例外です。家財も火災保険の対象として、必要最小限度の補償を手当てしておきましょう。補償内容、補償金額および建物の構造火災保険の対象が決まった後は、どんな損害(被害)の補償で加入するかということと、その補償金額について決める必要があります。また建物の構造についても注意をすることが必要です。火災保険の基本補償(必須補償)ほとんどすべての戸建て用の火災保険に共通する補償(基本補償)は、以下の通りとなっています。火災落雷による災害破裂・爆発の災害風災雹(ひょう)災雪災火災保険のオプション補償(任意補償)次に任意で補償をつけられるものを挙げておきましょう。建物のある地域特性や周辺環境によっては、付けておきたい補償もあると思います。水災外部からの物体の衝突による損害水濡れによる損害騒擾(そうじょう)や労働争議等による損害盗難による損害破損・汚損等災害時の諸費用ただし、火災保険を安くするという観点からは、これらの任意補償の加入は厳しく考えておく必要があります。付けておきたいケースがあるとすれば、洪水の恐れがある地域特性なので水災を付けたいということであったり、大通りに面しているため騒擾の補償は手当てしておきたい、というような場合に限っておいたほうがよいでしょう。新築の火災保険を安くする方法②:原則として基本補償のみとする補償金額は安易に下げないただし、損害が発生して支払われる金額のもととなる補償金額は安易に下げてはいけません。この補償金額を下げることで火災保険を安く出来るため、つい補償金額を引き下げようと誘惑がおきるのですが、これを下げてしまうと、同じ程度の建物を建て直ししようとしてもお金が足らず、火災保険に加入していた意味がなくなってしまいます。補償金額は建物の再調達価格(新価)として定めた金額の最大限に設定しておきましょう。建物の構造をしっかりチェックする新築の戸建ての火災保険の場合に必ず確認して欲しいのが建物の構造です。建物の構造が強固であるほど、火災保険は安くなります。とはいえ一番安くなる構造は「T構造」といってコンクリート造や鉄骨造の建物となります。通常の戸建て物件であれば木造が一般的であり、木造だと「H構造」に該当するため安くなるわけではありません。ただし、木造であっても、省令準耐火建物というものに該当するツーバイフォー住宅などであれば「T構造」に分類されて火災保険が安くなる可能性があるのです。新築の火災保険を安くする方法③:建物の構造を確認する新築戸建ての火災保険を安くするポイントここまで戸建て物件の火災保険の基本的な内容と安くする方法について確認をしてきました。ここからは新築物件という観点での火災保険を安くするポイントを紹介していきます。新築物件の火災保険を高くしないための注意点となりますので、よく確認していただけたらと思います。金融機関からの提案内容をチェック新築戸建ての火災保険をまず最初に検討するきっかけとしてあげられるのが、住宅ローンを借りた金融機関からの紹介です。念願の新築戸建ての購入するにあたって住宅ローンを利用される方が一般的ですし、その住宅ローンで購入資金を借りた金融機関には恩義を感じてしまうのが人情です。そうした金融機関の担当者から住宅ローンの手続きに合わせて、必要不可欠な火災保険を提案されると、「じゃあついでにお願いしようかしら」となってしまいがちです。手厚い補償の火災保険を勧められる事が多いもちろんそうした金融機関からの提案内容が良くないということではありません。金融機関からの火災保険は団体扱ということで保険料が割引になっていることも多くあります。しかしながら一方で、これまで説明してきたような観点で必要最低限の補償となっているかというとそうではないことが多いのも事実です。火災保険を提案する立場から考えると、加入後災害が起こってから、なぜこの補償を付けてくれなかったのか!とトラブルになることもあるため、どうしても手厚い補償での提案になることが多いということを押さえておきましょう。金融機関からの提案は一旦保留にしておくまた金融機関によっては数多くの保険会社と提携しているわけではないため、提案の火災保険がそもそも限れていることもあるので注意が必要です。したがって金融機関からの提案はその場で申込をせず、一旦保留にして他の火災保険と必ず比較検討を行うようにしてください。その結果、金融機関に内容を変更した提案は出来ないのかと問い合わせることも出来ますし、それが可能であれば、そうした金融機関経由で火災保険に加入することも何ら問題はありません。新築の火災保険を安くする方法④:金融機関の提案は一旦保留にしてチェックする新築用の割引を活用する各種割引の制度もしっかりと確認したうえで火災保険を選ぶことが大切です。新築戸建ての火災保険を選ぶ際に活用したい各種割引制度を紹介していきましょう。新築割引火災保険の対象となる物件が建築月の11ヶ月後までであれば適用される割引で多くの保険会社で取扱がある制度です。各社によって異なりますが、概ね新築から11ヶ月以内となっています。新築戸建ての火災保険には是非活用したい制度です。オール電化割引火災保険はその成り立ちから火災のリスクに備えることを主眼にしてきました。そうした火災のリスクを減らせる物件であれば保険料を減らすことが可能となります。そうした観点で注目したいのが、このオール電化(住宅)の割引制度です。数社での取扱となりますが、新築物件がオール電化住宅であれば、ぜひ活用したい割引となります。ノンスモーカー割引オール電化割引とともに火災のリスクを減らせるという観点から設けられている割引制度がノンスモーカー割引です。喫煙者がその物件に居住していないことが条件となります。なお喫煙での火災となった場合に、保険金額に対するペナルティ(保険金額の減額など)が存在しますので、適用する場合には十分内容を確認してください。長期割引長期割引の活用も検討しましょう。長期割引とは保険期間を複数年~10年間までで設定することで火災保険が安くなる制度です。これは新築物件に限ったことではありませんが、新築物件で最初の火災保険を検討する際には重要な割引となります。各社によって割引率が異なりますので、後ほど説明する見積もりの際にチェックするようにしてください。新築の火災保険を安くする方法⑤:新築割引などを活用するネット見積もりの比較は必ず行うここまで新築戸建ての火災保険を安くする方法について説明をしてきました。最後のポイントとして、ネット見積もりの比較は必ず行うようにしましょう。各社のホームページでも見積もりが可能ですが、複数の商品を一つずつ確認していくのはかなり煩雑となります。そこで活用したいのが一括見積りが出来る比較サイトです。確かに一部個人情報の入力が必要とはなりますが、数多くの火災保険を比較して、自己の新築物件に適した火災保険を安く選ぶ手段としては必須となったといえるでしょう。先程ご説明した金融機関から提案された火災保険の内容をチェックする際の比較資料としても有効です。一括見積りのサイトで比較検討して、気になった火災保険に絞ってその後のコンタクトや詳細をつめていくことをお勧めします。新築の火災保険を安く入る方法まとめ新築戸建ての火災保険に安くする方法を確認してきました。まず火災保険として補償範囲を必要最低限度に設定しましょう。次に新築物件としての割引を上手に活用することが重要です。各社によって火災保険は異なるため、ネットの見積もりサイトを上手に活用してください。
2019年03月19日ブラジルやアフリカで生活した経験から、海外の家のつくりを自宅に再現した坂本さんご家族の家。リビングから丸見えにならないキッチンは生活感を感じさせず、さらに家事スペースを一か所に集約することで炊事から洗濯の同時進行を可能にしています。その見えないけどつながりを感じるキッチンのある空間をご紹介いたします。■ キッチンを奥に配置したことが最大のオススメポイント!「お客さまからごちゃごちゃしたと生活感のある場所が目に入らないようにしたい」そんな奥様の要望に建築家の仲亀清進さんは、キッチンを完全に”独立”させるのではなく、キッチンを”奥に配置”することを提案しました。キッチンをいちばん奥に配置しながらその存在を目立たせない。しかし、リビング・ダイニングとの空間の連続性はキープする。ゾーンの区切りを「く」の字にすることで、これを実現したのです。この設計により、玄関からリビングに入ったときにはキッチンがまったく目に入らないけど、ダイニングとは適度につながっているためキッチンに立つ人との会話がスムーズになるんだそう。「僕がやるよ!」「何作ってるの?」思わずそう声をかけたくなるダイニングとつながるキッチンの配置で、家族の時間はギュッと密になっているようですね。■ 洗濯もキッチンでできる!?妻がセレクトしたオールステンレス製のシステムキッチン、サンワカンパニー「コントルノ」(廃番)は、コンクリート、モルタルの飾りすぎない印象との相性もいい。シャープなデザインで、下部はオープンタイプにしています。オープンタイプは、ワンアクションで出したりしまったりしやすいという”炊事の作業効率重視”に見えますが、「見えているときれいにしなくてはという意識が働き、本当に必要なもだけを入れるようになる」(妻)と”自然と整うキッチン”になるんだとか。食器や食材の収納は、奥行きたっぷりの取っ手や枠がない扉付きの収納にイン。扉を閉めると壁のようになるから、もちろん生活感も出ず、存在感すら消してしまうというところはさすがです。キッチン奥にある広いパントリーには、大容量の収納スペース、さらに洗濯機も置くことで家事動線を集約しています。もちろん一番端にあるので、間仕切りなしでも生活空間からは見る心配もありません。海外の家のように家事スペースを一か所に集約することで勝手口からすぐに外の物干し場へと出ることもでき、キッチンで洗濯も完了!無駄な動きがまったく必要ないのがいいですね。■ 玄関だけ共有の「独立型二世帯住宅」坂本さん邸は、ご主人の両親と暮らす二世帯住宅。1階を子世帯、2階を親世帯に振り分け、”玄関だけ”を共有しています。各世帯が自立しつつ、お互いの気配を感じられるような構成で、キッチンをはじめ、水回り設備はそれぞれに備えています。それでは、子世帯と親世帯のリビングとダイニングを見ていきましょう。子世帯1階のLDKは床をモルタル塗りに。床暖房を入れ、冬も快適、夏は素足でひんやりした感触を味わえるそう。壁はラワン合板をブラウンに染色、床の凛とした雰囲気と壁の大らかな素材感で、部屋全体からキリッとした個性があふれ出ています。廊下はなく、それぞれの個室へはなんとLDKから直に出入り!間に収納を設けることで音などが干渉しないようにするとともに、個室の入り口を一歩奥まった場所にすることで距離感が演出されています。廊下がない家というのも驚きのポイントですが、坂本さん宅はトイレスペースまでも特徴的。洗面脱衣室と軽く壁で隔てただけの一室空間となっており、通常は個である空間が独立ではなく”つながり”を魅せています。上下階間取りはほとんど同じという2階の親世帯のLDKは、床を温かみのあるフローリングにしています。2階であることのメリットを生かすため、傾斜天井にしてのびやかさを演出。照明はダウンライトに統一することで、すっきりした天井の広がりをみせ、より解放感を感じられる空間を実現しています。外壁は落ち着いた色のガルバリウム鋼板張り。あえて塀を設けずオープンな形にしているのは、車通りの少ない交差点に向かって開くことで、遠くまで視線が抜ける効果をねらうため。庭に様々な樹木を植え込むことでプライバシーが守られ「窓の外が森のようになるといいなと思っているので、これからもっと植栽を増やす予定です」と妻。海外生活で気に入った家の作りをそのまま生かし、さらにそれを二世帯住宅に応用している坂本さん宅。キッチンとダイニングの”つながり”、上下階の”つながり”という、独立と共有の絶妙なバランスであたたい家づくりを実現されています。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2018年5-6月号」も参考にしてみてくださいね。設計/仲亀清進建築事務所撮影/桑田瑞穂住まいの設計2018年5-6月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「あなたはどんなスタイルがお好み? 自分らしいキッチン&くつろぎのバスルーム」 【第二特集】「HOUSE WITH SMALL SHOP 小さな店のある暮らし」
2019年03月17日フランス育ちである建主の妻・島岡令央奈さんが“フランスの家庭で老若男女が毎日食べるようなパンを地域の人々に届けたい”という思いから2017年12月にオープンした街のパン屋さん。板張りの住まいの外壁からポコッと突き出した左官壁の円筒形の部分は、小麦粉を連想させ、パン屋さんらしさが溢れています。毎日開店と同時に自転車や徒歩で近所の人が続々と訪れている、住まいに併設したこの小さな愛らしいお店をご紹介しましょう。■ 「パンの島」が届けるフランスの家庭のパン吉祥寺のビルが林立する大通りからほんの30mほど入った、繁華街と住宅街の境目に建つこのお店の名前は「リールオパン」。フランス語で「パンの島」というそう。朝9時半の開店時間には、近所の住民がやってきて、棚に並んだパンは見る見るうちに減っていきます。ひとりで店番をしつつ、令央奈さんはすきまを縫って手を動かしては、次なるパンの仕込みにかかり、大忙し。「朝4時半頃起きて、12~13時間立ちっぱなしですが、全然つらくはないです」と令央奈さん。当初は朝にまとめて焼いていたパンも、午後に来たお客さんにも焼きたてを食べてもらいたくて、今は2度に分けて焼いているそう。結婚前の20年以上、フランスに住んでいた令央奈さん。パン屋であれば日本にたくさんありますが、多種多様でなくても凝ったものでもなく、”毎日変わらぬ味の定番のパン”、この懐かしい味を再現し、食べてもらいたい、と自分でパンを作っているうちにだんだんとお店を持つ夢が膨らんでいったそう。「一度店に立つと大忙し、それでもフランスの街角にあるパン屋さんのように、お客さんとの会話を楽しむひとときを大切にしたい」と令央奈さんは語ります。■ パン屋を始める背中を押してくれた”建物の設計”建物の設計を依頼したのは、ニコ設計室の西久保毅人さん。テレビや雑誌でニコ設計室が手掛けた住宅を見てご主人が気に入り、令央奈さんも賛成する形に。当初は、パン屋開業の前に修行や準備を……と迷いもあった奥様ですが、設計が進むにつれて、「ここで今お店をしなかったら、いつ、どこでするんだろう」という気持ちになったとか。ご主人だけでなく、西久保さんの設計が背中を押してくれたことも大きかったようです。実は、竣工後しばらく夫のバイクガレージとして使っていた場所を約1年後に手を加え、店舗としてオープンしたというから驚き!可愛らしいお店の看板は、もちろんニコ設計室のデザインのもの。住まいの玄関は店舗右手の奥。緑豊かなアプローチを抜けると、左手の店舗の外壁に、可愛らしい鳥や葉のレリーフが目につきます。「規模が大きな建物には目が行く細かな要素があったほうが大味にならない」と西久保さん。このレリーフは、室内の左官壁にも同様にあしらっています。■ 外と連続した開放的な室内円筒型の店舗、そして曲面の左官壁に目を引く島岡さんの家。室内は一体どうなっているのか気になりますよね?中2階のリビングからダイニングを見上げてみると、表しの構造材の梁が伸び、気持ちいいくらいの天井の高さと空間のスケールに感動してしまいます。反対に、2階のダイニングからリビングを見てみると、両側の開口部は全開でき、明るい陽射しがよく降り注ぎます。右は公園に面したテラス、左は中庭に通じ、写真中央の曲面壁は上階はブリッジでつながる子ども室、下はご主人の書斎に。曲面壁がなんだか隠れ家のようになっていてワクワクしてしまいますね。壁と天井の黄色い塗装はポーターズペイント、なんと夫婦で塗装をされたそう。ナチュラルな風合いが空間にやさしく溶け込みます。キッチンは正面の窓から中庭の緑が眺められる構造に。大きなオープンキッチンの背後の壁面にはガスオーブンをビルトインし、左奥にはパンをこねる作業台としても使える人造大理石のカウンターも造り付けています。キッチンに立つと正面の窓からは緑が眺められ、季節の移り変わりも楽しめ、ここでも外との連続が感じられます。■ プライベート空間を豊かにリビング・ダイニング以外のスペースも、様々な”技”が。来客時に、お客さんとの話が楽しめそうな広い玄関ホール。天井はレッドシダー羽目板張りで、外の軒天も同材を張り、連続性を持たせています。左手の開口部は中庭、右手の障子は和室に通じます。客間として使う和室は、3種類の和紙を貼り、他の部屋とは雰囲気が一変!涼し気で美しい壁は和紙職人のハタノワタルさんが手掛けたものです。2階の洗面室とトイレ、パントリーをつなぐスペース。上部にトップライトがあり、正面の格子戸も開放して風を通すことができるという優れもの。洗面室から浴室を眺めるとカラフルなタイルの2色が目につきます。なんと1色だと在庫が不足していたために色違いをランダムに交ぜたんだとか。偶然がもたらす楽しさに感動してしまいます!■ 快適な住まいのカギは”視線”結婚前、密集地に建つ集合住宅でひとり暮らしをしていて息苦しかったという令央奈さん。解放感が味わえる快適な住まいを手に入れるカギは、”視線”をうまく利用することでした。島岡さん宅の敷地は裏手に竹林が美しい公園が接する点は魅力ですが、大通りが近く隣に駐車場があるなど、商業地と隣り合わせゆえの難点も否めません。そこで西久保さんは街からの視線を遮ったうえで、竹林の借景や中庭の緑を取り入れ、各部屋をスキップフロアでつなぐことで、落差が大きい繁華街と住宅地のはざまに建つ家の内部に、グラデーションのような変化が楽しめる空間を生み出したのです。また、プランが台形状になった理由は、道行く人の視線を南から北へといざなうため。北側は低層の小住宅が続く住宅地であるため、南からの視線はカットする必要があり。しかし、北側の住宅地から見たときに要塞のようにならないように「南は大きく、北は縮め」、駅から帰宅する人の視線も自然と低い北側へ向かうようにしているそう。「お子さんと過ごす時間を増やしたいのでいずれは人を雇いたい」と令央奈さん。そして今後の目標は「みなさんの朝食に間に合わせたいから、7時から営業することです」とは驚き!快適な住まいを手に入れるためには、間取り、部屋の広さ、設備のスペック……などその条件は様々。今回ご紹介した島岡さん宅は目に見えない”人の視線”が快適な住まいをつくるカギの1つになっています。理想の住まいを実現するということは、”他”を通じなければ成り立たないもの。島岡さん宅は、そんな大切なことを気づかせてくれるお家でした。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2018年5-6月号」も参考にしてみてくださいね。【SHOP DATA】L’ile aux pains■住所東京都武蔵野市吉祥寺東町1-17-6年12月にオープン。1~23歳までフランスで育った島岡令央奈さんが、フランスの家庭で老若男女が毎日食べるようなパンを地域の人々に届けたいという思いから始めた。設計/西久保毅人(ニコ設計室)撮影/伊藤美香子住まいの設計2018年5-6月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「あなたはどんなスタイルがお好み? 自分らしいキッチン&くつろぎのバスルーム」 【第二特集】「HOUSE WITH SMALL SHOP 小さな店のある暮らし」
2019年03月15日夫婦とひとり娘、そして家を建ててからやってきたトイプードルのルル(メス/2歳)が暮らすのは、素材にこだわり、そして間取りには細やかな気配りが随所に施されているナチュラルな家。いろんなところに家族の居場所があり、年を経るごとに味わいが増す、魅力あふれる住まいです。■ 自然素材を使い、一緒に年を取れる家にSさんが家を建てたのは、夫の実家の敷地内。母が暮らす母屋とはつかず離れずの距離にあります。その近隣の集合住宅に暮らしていたSさん家族ですが、父親が亡くなり母親がひとりになってしまったこと、そして娘の小学校入学をきっかけに家づくりを考え始めたといいます。設計は名古屋の家具店で紹介された建築家の松原知己さんに依頼。「一緒に年を取れる家を」との希望を伝え、そのほかは松原さんに一任しました。「プランは模型で説明を受けたんですが、当初から心をわしづかみにされました」(夫)。1階にはLDKと洗面・浴室、2階に寝室と子ども室というシンプルな間取りながら、身体感覚に寄り添うちょうどいいスケール感。木と塗装の仕上げなど、自然素材を使用した空間は理想通りでした。明るい色味の床はナラ材を採用。キッチンの面材と相まって、木の温もりが感じられるやさしい空間です。柱・梁などもできるだけ自然のものを選び、家族とともに一緒に年を重ねていけるよう考えられています。また、敷地内にはSさんの母が暮らす母屋が建っているため、母屋との距離感を大切にしました。気軽に行き来ができるように、リビングの大開口を母屋側にするなどの配慮をしています。キッチン内部はこちら。家具工事によるオリジナルのキッチンの面材はオークが用いられ、LDK空間と調和しています。収納量も十分ですね。リビングは長女とルルのプレイグラウンドです。ソファに乗れば長女と目線が近くなるので、ルルのお気に入りの場所です。ダイニングは家族団らんの場所。「ルルは寝るのも一緒。3人と1匹で布団を分け合っています。夫がたまに自分の食事からおすそ分けしちゃうので、食卓では夫の膝に乗ってることが多いかな」(妻)。心地よい家で、ルルもごきげん。■ 愛犬と暮らすための便利な場所がいろいろあるルルがS家に家族として迎えられたのは、家が建って1年後のこと。設計段階でルルを想定した間取りの工夫はとくにありませんでしたが、ルルもうれしい便利な場所があちこちにみられます。玄関扉の外はアルコーブ型で、屋根のかかった半屋外のような空間になっています。実はここが大変便利。小さなベンチがあって、散歩の行き帰りにグルーミングしたり、雨の日にはルルの体を拭いたりと大活躍。正面の壁まで奥行きを長く取っているので、玄関扉を開けたときにルルが表に飛び出しにくくなっています。広々とした玄関土間は洗い出しの床が印象的。暑さが苦手な犬にとって、土間のひんやり感は気持ちいいもの。「さあ、散歩に行ってきま〜す」。ところで、真っ黒な外観に目がいきませんか?素材はなんだろう…?外壁はスギ板張りの墨色塗りなんです。散歩から帰ってきたら、足を洗わなくちゃ。玄関脇には水場が設けてあります。もともと草木の水やりのために設けたのですが、散歩帰りのルルの足を洗うのに重宝しています。ちなみに、庭も広いので走り回ることもできますね。■ 暮らしに彩りを添えるちょっとしたコーナー「読書コーナーと、リビングのデッキは僕の昼寝場所です」と夫。ちょっとしたコーナーを設けているのがS邸の特徴でもあります。リビングにつながるデッキにはハンモックを吊るして。ゆったり時間を過ごすひと時は、ゆらゆら揺れてリラックス。リビングの東側にある小上がりの和室は読書コーナーに。座って本が読める造り付けの机が北側に備わっています。傾斜した天井と壁によって、心地よい囲まれ感を演出。畳敷きだから、お昼寝にも最適ですね。2階、階段を上がった空間はオープンなファミリールーム。南側の窓際には机、北側には本棚が備わるスタディースペースです。今はダイニングテーブルが勉強机だけれど、長女にとってここはお気に入りの場所のひとつのよう。インナーバルコニーは、晴れていればもちろん雨が降っていても心地よい空間。「休日にここで飲むビールは最高ですよ」と夫。ひらけた風景が見えるのは……。インナーバルコニーの南側です。道路を挟んでSさんが所有する畑の景色が広がっています。2階の子ども室にもこんな空間が!ロフトベッドがしつらえられているんです。ここもちょっとした隠れ家のよう。下部は収納として活用。キッチンと隣接した洗面・浴室。北側に位置しているがハイサイドサッシから光を取り込み、明るい印象の空間です。キッチンから回遊できるので家事がはかどりそうですね。思いを形にした「家」が家族みんなをしあわせにし、ルルが仲良し家族のつながりをさらに強めてくれました。暮らしを楽しむSさんのお宅には、いつも笑顔があふれています。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2018年3-4月号」を参考にしてみてくださいね。設計/松原知己(松原建築計画)撮影/日紫喜政彦住まいの設計2018年3-4月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「だって大好きなんだもん!猫と暮らす、犬と暮らす幸せな家のつくり方」 【第二特集】「家にも働いてもらおう!併用住宅と二世帯住宅」
2019年03月14日小学生の子どもをもつ齋藤さん夫妻は、のびのび子育てをしたいと、借景の緑を眺められる土地を購入。そんなご夫妻の思いを受け、建築家の布施木綿子さんは「林の中にいるような空間づくり」を目指したといいます。樹種を多く使うなど、特徴的な斎藤邸。どんな住まいができ上がったのでしょう。■ 「林の中にいるような」空間づくり齋藤さん夫妻が設計を依頼したのは、「アーティスティックだけど派手ではなく、シンプルな感じ」が好みに合うと感じた、佐藤・布施建築事務所でした。一般の住宅と少し異なるのは、いわゆる玄関はなく、ウッドデッキからリビングへダイレクトにアプローチすること。デッキから木製サッシを開けるとすぐにタイル貼りのリビングが広がります。こちらがそのリビングです。日当たりのいい明るいリビングは、長男の遊び場にもなっています。その先に進むと、木をたっぷり使用したダイナミックな空間が広がります。見上げる吹き抜けは下見板張りの壁で囲まれ、天窓から光が降り注いでいます。布施さんが目指した「林の中にいるような空間」が実現しました。深呼吸をしたくなるような爽やかさを感じますね。もちろん木の香りにあふれています。もうひとつ特徴的なのが、多種多様な樹種を使用していること。ダイニングの床は木目が強く主張するミモザ。吹き抜けの壁はベイ杉。カウンターの天板や柱は国産のスギ。また扉類はマコレー等を使用しています。「住まいは生活の場ですから雑多なものが入ってきます。素材に幅を持たせることで、雑多なものを置いても受け止められる大らかさが空間に備わるのです」(布施さん)。■ 家全体をひとつの部屋のように共働きの夫妻が望んだのは、「家全体がひとつの部屋のような」住まい。家族がしっかりとコミュニケーションを取れるように間取りが考えられています。上下階が吹き抜けでつながる構成は、お互いの声や気配が伝わりやすいだけではなく、高低差が空間にダイナミックな躍動感を与えています。キッチンは家じゅうを見渡せる位置に。「リビングの大きな高窓から一面の緑が見えて気持ちがいいんです」(妻)。妻は毎朝、お気に入りのキッチンに立つのが楽しいとか。多忙な日々、この家から活力をもらっていると話します。右手にキッチンを見つつステップを上がれば、家族団らんの場所、ダイニングです。公園に向かって開かれたダイニングは明るく、まるで広い庭があるような開放感。ミモザのフローリングが、インドネシア製のダイニングセットの存在感と調和しています。先ほどご覧いただいた大らかな吹き抜けは、2階から見ると、このとおり。「ごはんよ〜」「すぐ行くよ〜」。声もはっきり聞こえます。「共働きだから、家族で一緒にいられる時間が短いので、どこにいても気配を感じられる家が希望でした」(妻)。2階主寝室は吹き抜けに面しています。左手壁の向こうの大型ウォークインクロゼットに、家族の衣類を集中収納。和室は両親が泊まりにきたときのための部屋で、縁なし畳の下には布団などを収納できるよう工夫しました。右の障子を開ければ、吹き抜けにつながります。その和室は子ども室とつながっています。現在は和室と子ども室の2部屋をオープンに使っていますが、将来は建具で隔てられるように、溝を彫ってあります。ちなみに、1階にも子どもの勉強のためのコーナーを作りました。小学生なので、個室ではなく家族の目が届く場所で勉強をしているそう。限られた面積の中にも、家族の成長に合わせて変えられるフレキシブルな空間が確保されているのはうれしいですね。■ 公園の緑を借景とし、風通しも得る実は、不動産会社からは隣の土地を案内され、南面する学校の緑が気に入って決めかけていたといいます。しかし、現地を訪れた佐藤さんと布施さんは、道路から奥まった公園側の土地を勧めました。「齋藤さんは明るく風通しのいい家を希望されていたので、3方向に抜けのあるこちらのほうが有利でした。それに、敷地延長の路地を駐車スペースにすることで、家の前に庭もつくれると考えました」と佐藤さん。南西側が学校(写真手前)、北側が市の公園(写真左側)に接する敷地環境を生かし、プライバシーを守りつつ緑を借景として最大限取り込めるように窓を配置しました。旗竿敷地を選んだおかげで、建物の前を駐車スペースでふさがれず庭を設けることができました。「庭を抜けて家に入ると、ホッとしますね」(夫)南西側正面は高校の敷地で、鬱蒼と樹木が茂ります。こんなところにも緑を望める窓が……。在宅で仕事をすることもある夫妻のため、1階にワークスペースを設けました。パソコンから目を上げれば北側の公園の緑が見えます。2階浴室の窓は公園側を向いており、開放的。洗面・脱衣室は、間仕切りをガラスにしたことで浴室からの光をたっぷり採り入れます。床は足触りがひんやりしないパインの無垢材を採用しました。差し込む光と木のぬくもりで、とてもリラックスできそうな浴室空間ですね。木々に囲まれ、吹き抜けがつなぐ大らかな空間は、自然の中に溶け込んでいるような齋藤邸。家族全員がリラックスでき、疲れも癒されるような家でした。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2017年9-10月号」を参考にしてみてくださいね。設計/佐藤哲也+布施木綿子(佐藤・布施建築事務所)撮影/伊藤美香子住まいの設計2017年9-10月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「住む人に優しい 木の家、自然素材の家」 【第二特集】「緑と一緒に暮らしたい!ビューティフルガーデンハウス」
2019年03月10日愛猫のサバ(オス/5歳)が、中尾家の一員になったのはひょんな事から。数年前、建設会社を営む中尾さんの会社の倉庫で、野良猫が子猫を4匹産みました。夫妻は子猫の里親探しをしましたが、最後の1匹は行き先が決まりません。そこでその1匹を、当時住んでいた賃貸住宅で飼うことにしたのです。ここから中尾さん夫妻の家づくり計画が始まりました。■ タテにヨコにキャットウォークを張り巡らせて…「サバがいなかったら、今でも賃貸のままだったかも。家づくりのいいきっかけになりました」と語る夫。夫妻は、サバがのびのびと暮らせる家を望みました。猫が縦横無尽に動き回れるように、家じゅうにキャットウォークを張り巡らせました。吹き抜けによって1・2階がワンルームのようにつながっているので、大空間をぐるぐると回遊できるのです。2階まで吹き抜けたリビングには様々な長さのキャットウォークが設置されており、梁の上も猫たちの通り道に。夫が座っているのは猫用に設けられたロフトで、窓から通りを眺められる気持ちのいい場所。「人間もひなたぼっこができますよ」(夫)。2階も中庭に面して大きな窓を設けています。右手にはオープンな書斎が。書斎のデスクも棚もキャットウォークになっています。2階の廊下はグレーチングを採用。視線が抜けるので、1階からも2階からもお互いの気配が伝わります。サバと弟分のウリ(オス/3歳半)は、キャットウォークで追いかけっこをしたり仲よくお昼寝したりしているそう。2匹のそんな姿に、中尾さん夫妻は毎日癒やされているといいます。動きを見ているだけで飽きないですね。■ 中庭を囲う居室は光と風が満ちわたる中尾さんの家の敷地があるのは、閑静な住宅地のT字路の突き当たりです。建築家の岸本貴信さんは、道路から1.5mほど高くなっていた敷地を利用して中庭を設けることを提案。中庭を道路との緩衝地帯としつつ、テラス部分をオープンにして風の抜けを確保しました。プライバシーは外壁によって守られています。駐車スペースの植栽は、そら植物園が担当。アガペ、ユッカロストラータ、ローズマリーなどを配し、スタイリッシュなガーデンとなっています。内部は、中庭を囲んで各居室が配されている形です。1・2階とも中庭に面してオープンなので、開放感は抜群です。ウッドデッキの中庭は窓を開けると室内と連続します。視線を気にせず、バーベキューを楽しむこともできますね。リビングとダイニングの間に配されたキッチンは、アイランドスタイル。明るい中庭側に向かって作業ができるなんて気持ちいいでしょうね。ちなみに正面奥はパントリーで、そこに冷蔵庫も収納しているそうですよ。足場板で製作したテーブルを設置したダイニング。中尾邸では蓄熱暖房機「ユニデール」を採用しており、冬でも土間の冷たさはあまり気にならないといいます。南に向いていることもあり、中庭から光も十分に差し込みます。中庭を見て、何かを思うウリ。ウリはこの家が完成してからやって来ました。■ 様々な素材の採用で、快適さを追及建設会社を営む中尾さん夫妻が建てたこの家は、会社のショールームも兼ねています。中庭に面したダイニングはガラス張りで、まさに“ショールーム”。要所要所に合った様々な素材を採用し、快適さを実証しているんですよ。訪れた人は素材を体感できます。造作のキッチンの素材は、独特の質感を持つ左官材「モールテックス」を使用。「熱にも水にも強く、お手入れもラクです」(妻)ダイニングとキッチンの床はモルタル仕上げの土間に。「掃除がラクですね。夏は冷たくて気持ちいいから猫たちは床にゴロリ。いいことだらけですが、食器を落とすと確実に割れます(笑)」と妻。モルタルの土間は、夏涼しいだけでなく、冬は日が当たって蓄熱するからほんのり暖かいんです。「ボクたちもお気に入り!」(ウリ?)。キッチンの奥のリビングはダイニングから見えないように配されており、床材をオークのヘリンボーン張りに替えることでプライベート感を演出。「ここからはこだわりの水回りと2階個室だよ!」猫の爪とぎにも使われるサイザル麻を敷いた階段を上ると、2階は中庭の吹き抜けをロの字に囲む回遊空間となっています。右側に見えるのが寝室。左側の扉か寝室を通り抜けると2階デッキに出られます。猫たちが外気に触れられるデッキテラスです。ゲストルームになったり猫の遊び場になったりするスペース。寄木張りの床がおしゃれですね。1階洗面室から浴室とウッドデッキを張った物干し場を見たところ。洗面室の床は、天然素材のサイザル麻の採用でさらりとした感触。置き型の鋳物ホーロー浴槽を設置した浴室は、ガラス張りなので明るく開放的。お湯を張っていると猫たちは浴槽の縁に乗ってお風呂番をしたり、浴槽につかっていると天窓からのぞき見することもあるそうです。微笑ましい光景ですね。浴室からつながる腰高の白いタイル貼りの壁にはダークグレーの目地を採用。黒い縁が空間を引き締めます。猫用トイレは階段下を利用して人間用トイレの中に設置。トイレに流せるタイプの砂なら処理が簡単で、臭いも気になりません。ウリはタンクの水を飲むのが好きで、水を流すとすかさず駆けつけるそうです。猫が自由に行き来できる猫用ドアは、ドイツ製の「キャットメイト」を使用。ドアの上に描かれたイラストもキュートですね。吹き抜けによってできた大空間でサバとウリの2匹の猫が縦横無尽に動き回る中尾邸。人以上に猫ちゃんにとって暮らしやすい家かもしれませんね。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2018年3-4月号」を参考にしてみてくださいね。設計/岸本貴信(一級建築士事務所CONTAINER DESIGN)撮影/西岡潔住まいの設計2018年3-4月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「だって大好きなんだもん!猫と暮らす、犬と暮らす幸せな家のつくり方」 【第二特集】「家にも働いてもらおう!併用住宅と二世帯住宅」
2019年03月07日ガルバリウム鋼板で仕上げた三角屋根が印象的な松角さん夫妻の住まい。3人の子どもたちと暮らすこの家は、訪れた誰もを驚かせます。玄関扉を開けると、なんとバスケットコートがあるのです!■ 天井高6mのバスケットコートを住まいの真ん中に!住まいの中心にあるバスケットコートは、実際のサイズの4分の1弱。2階まで吹き抜けた空間は天井高6mと開放的です。壁には本物のゴールリングが設置されています。「ボンッ、ボンッ」とボールが弾む音を聞いていると、まるで本当に体育館にいるかのよう。夫は、大学バスケ部の監督。新築を決めたときイメージしたのが、「広いリビングとバスケのリング」でした。設計を担当した小泉秀一郎さんは、大胆にも家の中にバスケットコートがあるプランを提案。吹き抜けのコートの左右に部室のように部屋が配され、壁には有孔ボードと、まるで小さな体育館のような家が生まれました。ラワン合板の壁も体育館らしさを盛り上げます。床の仕上げはカバ桜の無垢材で、白いラインは自分たちで引きました。■ 家族の未来を豊かにしてくれる場所夫は仕事で帰宅が遅めですが、毎朝、必ずこのコートで子どもたちと過ごしています。早起きして長男はバスケ、長女は練習しているダンスを見せてくれます。4歳の次男もパパと遊びたくて、早起きして加わるそう。「時間は短くても、子どもとじっくり向き合えるようになりました。成長するにつれ、ますます重要な場になると思います」と夫。北側のダイニングキッチンとの間はメタル製のフェンスで仕切ることができ、ここを閉めて子どもたちがコートで遊ぶ様子を見ながらママ友とお茶を飲むこともあるのだそう。フェンスを開けるとDKとコートが一体に。友人や親戚など人が集まることが多い松角邸では、この広々とした空間が大活躍しています。キッチンやダイニングにいても、子どもと自然にコミュニケーションが取れますね。■ コートを囲む空間にも魅力がいっぱい!ダイニングのテーブルは、間柱とスチールの脚を組み合わせた小泉設計室オリジナルのシステム家具。壁側には下部が収納になった奥行き65cmと深いベンチを置き、上部に棚を設置して収納もしっかり確保しています。キッチンはサンワカンパニーと無印良品がコラボした「MUJI+KITCHEN」に。背面の収納棚は、無印良品のユニットシェルフを間柱を使ってカスタマイズしたものです。各室の扉のマークも小泉設計室がデザインしました。洗面室はシンプルなカウンターに、洗髪もできる大きめの洗面ボウルを設置しています。階段の両側に並ぶ扉は体育館にある部室のような雰囲気ですが、扉のひとつを開けるとトイレになっています。室内は奥行きが深く、上部の窓から光が降り注いでいます。コートを見下ろすように配された2階の廊下は観覧席のような雰囲気。壁面いっぱいに配置した棚は、壁や天井のクロスの色を合わせてぴったりと収めているので造作したかのようですが、意外にもIKEAの棚を活用しています。こちらは潔くコンパクトにした2階の個室。窓を上部に配置してプライバシーを守りつつ、光を取り込んでいます。階段は壁にボルダリングのホールドを設置していて、どこでも運動ができるようになっています。こちらの外観からは、想像がつかないような遊び場がたくさん設けられている松角さんの家。取材中も、家じゅうが遊び場から、子どもたちの笑い声が響いていました。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2018年10月号」を参考にしてみてくださいね。設計/小泉秀一郎(小泉設計室)撮影/松井 進住まいの設計2018年10月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】編集部がオススメ!あなたの「好き」を実現する家、教えます。 【第二特集】使いやすい。片付けしやすい。楽しい。そんなキッチンと暮らしませんか?
2019年03月06日2歳、3歳、5歳。まさに遊びざかりの子どもたち3人と暮らす吉川さん夫妻が家づくりをスタートしたのは2年前のこと。夫は現役保育士、妻も元保育士という夫妻が思い描いたコンセプトは「家族みんなが遊べる家」です。そしてできたのが、大きな「ハコ」を子どもたちの居場所にした家。そんな遊び心いっぱいの空間をご紹介しましょう。■ 子どもたちの自由な発想で空間の使い方を変えられる!「サイトを見て、面白い家をつくってくれそうだと直感して」と、設計は村井之俊さん+村井藍さんのユニットに依頼。設計にあたり、夫妻は「村井さんと一緒に子育てについてたくさん話をしました」と振り返ります。そうして完成した2階建ての住まいは、1階にLDKと水まわり、2階に子ども室と寝室を配置したプランです。なかでもユニークなのが2階の子ども室。約18畳の広い空間に、木製の大きな「ハコ」が3つ置かれているのです。「ハコは1人1つ。中はベッドで、ハコごと自在に移動できます」と村井之俊さん。ハコはキャスターつきなので自由にレイアウトを変えられるうえ、壁に大小の穴が開いていて、くぐったりハコからハコへと移動したり、子どもの遊び場としても大活躍。ハコの配置や並び順によって、子どもたち自身で空間の使い方を決められるというわけなのです。ハコは合板のラフな表情をそのまま生かして。3人の子どもたちは、みんなハコが大好き。「自分の場所」ができたのがうれしくて、夜はきちんとそれぞれのベッドで眠るようになったそう。「ハコの上からベッドに飛び降りるなど、体を動かせるのもいいですね」と妻。壁面にハコを縦置きすると、それぞれの開口が向かい合うのでにぎやかに。将来は柱の位置で間仕切りをつければ、小さな個室が3つできるプランです。さらに反対側の壁面には、造り付け収納と机が3つ並んでいます。机と収納の上部を階段のように上がればロフトに上がれる仕掛けで、家の中なのにアスレチック感覚!ロフトは夫の書斎スペースで、なんと夫は南西側のボルダリング仕様の壁から上り下りしているそう。2階の子ども室を見守れるよう、ロフトに壁は設置していません。■ 遊び場に団らんに、多彩に使える土間LDK1階のLDKにも、子どもが上って行き来できる全長9mの壁面収納が。この棚の上は、遊ぶのにもぴったりのスペースです。きょうだいのお出かけグッズが、1人ずつ整理して置かれているのもかわいい。広いキッチンは右奥に容量たっぷりのパントリーを配置し、見える場所はスッキリ収めています。そしてリビング脇には、アールのついた広い土間!外のデッキと合わせて庭のように使えるうえ、キッチンからも目が届きやすいので子どもの遊び場にも安心です。「土間は丸いので、来客時に何人も段差に腰掛けられて重宝します。子どもだけでなく大人も楽しめる家ですね」と夫妻。遊び心あふれる住まいですが、外観は黒い箱のようにシンプルに。外壁には彫りの深いガルバリウムスパンドレルを採用し、道路側はプライバシーに配慮して開口を少なくしています。子どもはもちろん、大人も毎日が楽しくなる住まいです。まさに子どもにとっては、家全体が遊び場のような吉川さん邸。取材中、ずっと3人の子どもたちのはしゃぐ声が聞こえていたのが印象的でした。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2018年10月号」も参考にしてみてくださいね。設計/村井之俊+村井 藍(アトリエ奏建築設計事務所)撮影/伊藤美香子住まいの設計2018年10月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】編集部がオススメ!あなたの「好き」を実現する家、教えます。 【第二特集】使いやすい。片付けしやすい。楽しい。そんなキッチンと暮らしませんか?
2019年03月01日Oさんは、主に本の装丁を手掛けるグラフィックデザイナー。公私ともに膨大な本を所蔵しており、「象徴的な本棚」が欲しかったといいます。「設計の労力の8割方をこれにかけた気がします(笑)」と設計をした関本竜太さん。「象徴的な本棚」……。それは、3層吹き抜けの壁一面に造られた、迫力に満ちた本棚となりました。■ 本への愛が詰まったダイナミックな本棚絵本の中から抜け出してきたような愛らしい佇まいの家、こちらが東京に建つOさん家族の住まいです。切妻屋根にドアと四角い窓があるだけのシンプルな外観は夫の希望だったそうです。外から見ると小さな家ですが、一歩入ると予想外の光景が!その室内ですが、床を掘り下げ、天井高を確保した一室空間のLDKが広がっています。玄関脇の北側には3層を貫く吹き抜けがあり、吹き抜けに面した壁一面が天井近くまで本棚になっているのです。本棚には手前に文庫本が置ける奥行きがあったり、横置きできるスペースがあったりと、工夫が満載。妻や娘の本も仲よく同居しています。上部の本はどうやって出し入れするのだろう?そんな疑問が生まれますよね。関本さんは、左手の腰壁状の手すりを倒して床板とし、本棚に手が届く仕掛けをつくりました。手すりは軽い力で上げ下げできるアシストするダンパー付きに。使い勝手もしっかり考えられています。手すりは3分割され、写真は中央のみ倒した状態です。1、2階とロフトの3層をつなぐ吹き抜けの見上げは圧巻。天井高はロフトまで7.6mもあるそうですよ!手すりを床板にする工夫の他に、屋根までの梯子など、一部の隙もなく本棚を使うための機能が搭載されています。本棚の前には玄関の床とフラットにつながったモルタルの通路が。右手の床が一段下がっているので、ベンチとしても使えます。■ 街に開かれた共有の「中庭」この家のもうひとつの魅力は、南側の外部のつくり。敷地は南も細い路地に面していて、建て替え時には道路中心線から2m後退させる必要がありました。幸い向かいの家が先に家を後退させて建て、植栽も施していたため、こちらも同様に路地に開くことで、共有の中庭のようなスペースが出現しました。塀を開けると向かいの家の前庭と路地が。そこにO邸の庭がつながって、広場のようなスペースが生まれました。夫は最初に敷地を見たときから、この余地を生かしたいと考えたそうです。「子どものプールを出して遊ばせることも。流しそうめんもいずれやりたいですね」(夫)。塀を閉じればプライバシーは守られるから安心です。手前の板塀は可動式で、2枚の引き戸をすべて引き込むとLDKの開口部と同じ間口分が開きます。開口部の外には夫の要望だった縁側を設けました。■ 家としての質を保つ細部へのこだわり本棚や空間のダイナミックさに目を奪われがちですが、細部にまで配慮の行き届いた設計と丁寧な施工にも注目ください。DKの天井は構造材を表しにすることで、オープンな空間に変化とリズムを生み出しました。玄関とLDKの間にはガラス戸が建て込まれ、閉めると室内窓のような趣に。ガラス戸なので開放感も得られ、明るい光も入ります。ロフトは家型のブルーの壁が印象的。内窓からも本棚が見えます。いろんな使い方ができそうで、なんだか楽しげな空間ですね。2階は寝室、浴室などのプライベートな空間でまとめました。こちらは家事動線を考慮し、回遊できるプランに。主寝室へは右手前の通路からだけでなく、浴室の右手前にあるクロゼットからも行くことができます。先ほど出てきた「倒れる手すり」ですが、3分割された手すりを全部倒し、吹き抜けをふさぐと写真のようになります。床面積が増える分、主寝室に広がりが出ますね。手すりは閉めると遮音効果があり、本棚の本を出し入れするときばかりか、静かに寝たいときもこの状態にするそうです。このように、本棚だけではなく細部にも細かなこだわりのある設計をしているOさんの家。そのおかげで、Oさん一家がどの場所にいても楽しくくつろげる空間になっているのかもしれません。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2018年10月号」を参考にしてみてくださいね。設計/関本竜太(リオタデザイン)撮影/澤﨑信孝住まいの設計2018年10月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】編集部がオススメ!あなたの「好き」を実現する家、教えます。 【第二特集】使いやすい。片付けしやすい。楽しい。そんなキッチンと暮らしませんか?
2019年02月28日ラブラドールレトリバーのミスター(オス/10歳)と暮らすHさん夫妻。「以前の家は、冬は寒いし、夏はとても暑かったんです。特に夏場は暑がりのミスターのため冷房を入れっぱなしにしていたので、電気代が月3万円ほどになることもありました」(夫)。愛犬と暮らす中で多くの課題を感じていたご夫妻は、お互いにストレスなく過ごせる場を求めて新築を決意しました。さて、どんな家ができたのでしょう。■ 夏涼しく冬暖かな家にミスターもご満悦!?設計を依頼された建築家の堀部直子さんは、高気密仕様に加えて、夏の日射を遮る深い庇や、風と光を制御する吹き抜けを採用しました。快適な温熱環境をかなえ、太陽光発電+エネファームのダブル発電で光熱費の削減にも成功。また以前の家はリビングが2階にあり、階段が苦手なミスターの大きな体を抱えての上り下りが大変だったといいます。そこでLDKを1階にし、デッキで庭とつなげました。リビング上部を吹き抜けにしているから、視覚的な広がりも得られ開放感いっぱい。冬場はリビングに床暖房を設置することで床座も心地よく、輻射熱で2階の寝室まで穏やかに暖められるそうです。写真は2階寝室から、吹き抜け越しにリビングを見下ろしたところ。ケージにいるミスターを寝室から確認できます。キッチンは行き止まりをつくらないアイランド型。床は硬めで傷つきにくいアカシア材を、壁には消臭・調湿効果がある西洋漆喰を採用しています。キッチンの奥にはパントリーがあるため、背面のカウンター収納と棚は控えめ。モノは極力表に出しておかない方が、ミスターのためにも安心ですね。キッチンそばの飾り棚も同様、ミスターがイタズラをしないように高めの位置に造作しています。自然素材の家で、ミスターも居心地よさそう。■ 愛犬のための工夫も万全!愛犬と暮らすための、便利で楽しい仕掛けはまだまだあります。散歩から帰って直接ドッグシャワーへ行けるよう、玄関から庭へ抜ける通り土間を設けました。勝手口にはミスターが出入りできるペットドアを併設し、人感センサー付き防犯カメラでセキュリティを確保。壁は消臭機能を持つ焼き杉板と内装モイス、個室の建具は強化障子紙ワーロンシートを採用。土間に面してペットグッズなどを入れる引き出し収納も完備しています。また土間の天井に空気清浄機を搭載して、臭い問題も解消しました。そして、勝手口の前にはドッグシャワーを設置。ミスターは、散歩から帰ると自分から進んで行くほど水浴びが大好きなんです。横には排水口を備えたトイレスペースも併設しました。軒下なので雨に濡れず世話ができ、ドッグランを兼ねた庭でそのままミスターが走り回ることもできます。キッチンに併設したパントリーは土間側からも出入りでき、まとめ買いした食材をそのまま持ち込む保管庫として重宝。ミスターの歯磨きガムも多種類を余裕でストックできます。■ 夫妻の好みのスタイルも細部に反映愛犬だけでなく、もちろん “人の暮らしやすさ”も大切!夫はアウトドア派で、妻は読書が大好き。そんなふたりの希望から導き出されたプランが、敷地を広く大屋根で覆うというものでした。大きく張り出した軒下は、雨に濡れず夫が車やバイクの手入れができ、天気がよければデッキテラスでバーベキューが楽しめます。吹き抜けを設けたリビングは、ハイサイドライトから自然光を取り込みます。んん?天井から吊るされたシンプルな照明、なにかに似ている?こちら、釣り好きの夫が選んだイカ釣り照明。LEDに付け替えてアレンジしたそうです。曲線を描く吹き抜けが、なんとも癒やされる1階和室。窓辺は掘りごたつ式の読書スペースとして活用しています。ミスターの寝場所や客間にもなるため、普段は床を閉じてカウンターを折り上げ、広く使えるように設計。床は傷つくことを想定して、畳ではなくラワン合板を採用しました。大きな窓を設けたハーフユニットバスは、夫の希望でミストサウナやタブレット置き場を設置しました。洗面室は、間接照明を兼ねた物干しバーやラジエントヒーターを備え、室内干し場としても機能します。2階寝室は、正面の室内窓を開けると階下のリビングとつながります。屋根の形状をそのまま生かした天井も、デザインのポイントですね。今日はチーフでおめかしをして出迎えてくれたミスター。完成した家は家族みんなが満足するものになりました。ここに住み始めてからミスターの肌荒れは改善し、以前よりも毛並みがよくなったそうですよ。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2018年3-4月号」を参考にしてみてくださいね。設計/堀部直子(Horibe Associates)撮影/桑田瑞穂住まいの設計2018年3-4月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「だって大好きなんだもん!猫と暮らす、犬と暮らす幸せな家のつくり方」 【第二特集】「家にも働いてもらおう!併用住宅と二世帯住宅」
2019年02月24日神奈川県横浜市に二世帯住宅を新築したHさん一家。長年マンション住まいだったご両親が庭のある暮らしを叶えるため実家のリフォームを計画していたところ、息子家族から同居の申し出を受け、二世帯住宅への建て替えを決めたのでした。建築家の岸本和彦さんに伝えた要望は、「互いの視線が合わないようにしたい」「音に気を使う上下の住み分けは避けたい」「リビングは庭に近い位置がいい」と、一見相いれないもの。それらを叶えるべく岸本さんが提案したのが、「人工の丘」のある庭を介するプランです。そんな二世帯をつないで仕切る「人工の丘」のある庭をご紹介いたしましょう。■ 丘の頂上とふもとに2世帯の縁側が向かい合うHさん宅を道路から見ると左右2棟をブリッジがつなぎ、その下をくぐるように石段のある上り坂が続いています。「奥はどうなっているんだろう?」と足を進めて振り返ると、目の前にはこんもりとなだらかな芝生の丘!この丘は基礎工事で出る残土を活用してつくられていて、頂上に子世帯の縁側、ふもとには親世帯の縁側が突き出しています。床のレベルも外壁の色も異なり、丘を挟んで2軒の家が建っているかのよう。高さと向きを変えているため正面に向かい合わず、お互いの視線は気になりません。こちらが丘を見上げる親世帯の1階。L字型の開口部を全開すると室内と庭が一体になる気持ちのいい空間です。■ サンルームと屋上テラスで室内外が一体に親世帯の屋上テラスから一段高い場所にあるのが、2世帯をつなぐブリッジです。内部はサンルームになっていて、子世帯の夫(息子)が趣味で集めた多肉植物や観葉植物がぎっしり!植物好きの母の血を引いて結婚前からコレクションしていたもので、このサンルームも設計の要望のひとつだったそう。子世帯の2階寝室からブリッジを見たところ。窓の外の左手に見えるのは、親世帯の屋上テラスです。庭に面した子世帯のリビングは、縁側と同じ高さのL字型のベンチに囲まれた落ち着けるスペースです。丘と開口部の高さを揃えるため基礎を高くし、玄関から1.5m上がった位置にLDKを設けています。庭の緑が眺められるアイランドキッチンは、大勢で囲めるサイズになっています。■ 表情が違う2つの庭が楽しめる!この配置とランドスケープがもたらしたのが、しっとりした半日陰の北の庭と、陽光あふれる南の庭という対照的な2つの庭。北側の庭はプライバシーを守る役割も果たしています。ガーデンデザインを手がけたのは、造園家の徳光充子さん。北側に道路がある敷地の場合、北側に建物、南側に庭を配置すると、せっかくの庭の緑も通りから見えませんが、親世帯と視線をずらすため子世帯側を半階持ち上げたことで、両者をつなぐブリッジの下に道路と庭をつなぐ通り道が生まれました。「両者をつなぐ風穴を介して、道行く人が『ちら見』したくなる庭にしたかった」と岸本さんが話せば、「2棟の間をすり抜ける気持ちのいい空気感が出せたらと思って施工しました」と徳光さん。2つの世帯を見守る庭は、時とともに自然の丘のようなたたずまいに変わっていくことでしょう。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2018年12月号」を参考にしてみてくださいね。設計/岸本和彦(acaa)撮影/伊藤美香子住まいの設計2018年12月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「だから選びました!ハウスメーカーで建てたこだわりの詰まった家」 【第二特集】「毎日緑に触れられる幸せ…ガーデンハウスで暮らそう!」
2019年02月21日妻の母を迎え、これから生まれる子どもとともに暮らす次のステージ、それがKさん夫妻の新たな住まい。家族4人が心地よく暮らすことをベースに、ご夫妻は趣味空間にとことんこだわり、その思いをギュギュッと詰め込みました。インナーガレージ、書庫、書斎…、そのこだわりの趣味の空間をご紹介いたします。■ いつも愛車が眺められる「インナーガレージ」敷地は坂の上にあり、桜の植樹が見事な場所です。建築家の中村高淑さんはその眺望をゆったりと楽しめるよう、2階に主な生活空間を配置。1階にインナーガレージと書斎、書庫をつなげる形にして、Kさんの要望を実現しました。まず目がいくのがやはりこちら! インナーガレージです。オーバースライダーのドアを上げると夫の愛車、真っ赤なポルシェが登場します!インナーガレージは、壁2面をガラス張りにし、書斎からいつでも愛車を眺められるように計画しました。手前側が書斎です。またガラス壁には飾り棚を設け、夫の趣味であるカートレースのトロフィーなどを飾っています。デッキ下にももうひとつガレージが。こちらのガレージには普段使いのクルマを収め、さらに建物前にはゲスト用の駐車場を用意しています。■ 大容量の書庫と書斎を連続させたもの読書家の夫婦のこだわり!夫婦とも読書家で、膨大な数の本を所有。そこで書斎の脇に念願の書庫を設置しました。ガレージ、書庫、書斎と、この1階には趣味空間がギュギュッと詰まっています。書斎から直接ガレージに出ることもできるんですよ。3つの空間がつながっているから、行き来しやすくとても便利!書庫はガレージ側をガラス壁とし、程よく光が差し込むように。書棚は大容量で一生分の本を収納できそうですね。壁面には折り畳み式のテーブルが添えられるなどこまやかな工夫もみられます。「テーブルは、取り出した本を置いてちょっと読むのにとても便利」と妻。時間を忘れてずっといたくなる空間です。■ 二世帯が快適に暮らす工夫がいっぱい2階のデッキを挟むように、西側にLDK、東側に母の部屋などを配置しました。LDKはデッキと広く面して開放感が格別。デッキの正面には桜の木が葉を茂らせ、春は家にいながらにして花見ができるそう。最高ですね。また、キッチン奥の小部屋は妻の仕事スペースに。将来エレベーターを設置する場合はこの空間を使う予定になっています。LDKの天井にも注目を。垂木を表しとした勾配天井がなんともダイナミック!リビングは小上がりの畳敷きで、子どものお昼寝など多用途に使えそう。よく目が届くデッキは、子どもの遊び場にもピッタリです。LDKと向かい合うのは母の部屋で、互いの気配をさりげなく伝えるレイアウトとなっています。母はこの家では菜園づくりなども楽しんでいるそうですよ。2階北側の浴室は、ハーフユニットバスを採用。壁は板張りでトップライトをつけるなど自由度を高めました。くつろぎ度は満点です!1階の玄関もとてもおしゃれ。玄関引き戸を開けると玄昌石が貼られた土間があらわれます。左の入り口は主寝室ですが、モルタルの飛び石から入るなんてなんとも粋ですね。そして、右側ののれんの奥は何か気になりませんか?こちらは玄関収納なんですね。ベビーカーなどもしまえそうです。ポーチ(写真右)は、壁に大谷石が張られたり、トップライトから光が注いだり表情豊かな空間となっています。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2018年10月号」を参考にしてみてくださいね。設計/中村高淑(unit-H中村高淑建築設計事務所+マスプラスデザイン)撮影/桑田瑞穂住まいの設計2018年10月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】編集部がオススメ!あなたの「好き」を実現する家、教えます。 【第二特集】使いやすい。片付けしやすい。楽しい。そんなキッチンと暮らしませんか?
2019年02月16日玉川上水や井の頭公園に近い住宅街の一角に建つM邸。「雑木林のような庭を眺めながら、外で朝食を食べたい」という要望から、Mさん夫妻の家づくりは始まりました。そのため、住宅設計時に造園家が入って庭づくりも同時に進行。日々の暮らしの中に、雑木の庭を見事に取り込んだM邸をご紹介しましょう。■ 庭の奥行きを最大限に生かしたプラン焼杉の外壁と緑のコントラストが美しいM邸です。建築家の佐久間徹さんは、約53坪の敷地の北側にL字型の家を配し、建物に対して約45度振った四角いテラスを南側に配置しました。限られた敷地の南の角まで長い距離が確保でき、奥行きある庭の眺めが楽しめます。テラスはよく見ると角が欠き取られ、そこにシンボルツリーのソロが植えられています。こちらは造園家・栗田信三さんの発案です。「建築家はとかく四角くしたがるのですが、栗田さんはそれを崩したかったんでしょうね。また、われわれは平面で考えがちですが、造園家は空中にある枝や葉がどう広がっているのかを意識する。おかげで普段できないような、いいコラボレーションができました」(佐久間さん)ソロは将来は大きく生長し、テラスをすっぽり包み込む予定だとか。数年後の庭の変化が楽しみですね。こちらは敷地の南側の庭。中高木、低木、下草を合わせて、まさに雑木林のように。奥に高木のヤマモモが植えられ、奥行きを感じさせます。■ テラスと庭、室内の心地よいつながりのある空間テラスは、LDKがある1階から斜めに張り出すように設けられています。テラスに面したコーナーには大開口を設け、外とのつながりを強めています。L字のコーナーに設けた開口部の木製建具は、2面ともすべて引き込めるようになっています。外の空気を、室内に存分に取り込めるのもいいですね。キッチンからも庭の奧まで視線が通ります。左手の書斎からも、窓のすぐ外に植えられた低木越しに庭が見通せるように設計。栗田さんは工事中に何度も現場に足を運び、それぞれの窓からの見え方を確認しながら樹木を入念に選んで植えてくれたそうです。LDの吹き抜けにも注目を!2階の予備室や寝室からも、吹き抜け越しに庭が眺められるのです。「大開口だから、周囲から室内が見えないかな?」と思われるかもしれませんが、その点は大丈夫。隣家が迫っているけれど、こちらの庭に向いた大きな窓がないので、視線はほとんど気にならないとのことです。ちなみに、こだわりの薪ストーブは妻たっての希望で設置しました。庭を囲むようにL字型に配した建物の右袖部分には浴室があります。庭が見える窓によって、さながらリゾートホテルのようにくつろげるバスルームです。窓のそばに植えた低木はプライバシーを守りつつ、低木越しに庭を見通すことで、より奥行きが感じられるとのこと。右の写真は低木のハナユズ。実のなる木があると収穫の楽しみも増えますね。■ 訪れる人をワクワクさせる玄関からのアプローチ敷地入り口から玄関へ誘うアプローチは、「手前の左隅にツリバナの木を植え、アプローチを曲線にすることで、導入部の印象をやわらかくしたかった」と栗田さん。右手のテラスとの間には目隠しの塀を設けました。テラスにつながる入り口の塀はレッドシダー製で、風通しのよい「大和張り」。足元も透かせて、手前と奥の庭の一体感を出しています。アプローチの正面は借景の緑で、「栗田さんはお隣の緑とのつながりにも、すごく気を使ってくれました」と妻は話します。草木を眺めながらゆっくりと歩きたくなるアプローチです。もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2018年12月号」を参考にしてみてくださいね。設計/佐久間徹(佐久間徹設計事務所)造園/栗田信三(彩苑)撮影/伊藤美香子住まいの設計2018年12月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】「だから選びました!ハウスメーカーで建てたこだわりの詰まった家」 【第二特集】「毎日緑に触れられる幸せ…ガーデンハウスで暮らそう!」
2019年02月12日愛知県・豊田市のNさん夫妻の家づくりの大前提は「夫が所有する膨大な蔵書やCDを収める場所を確保すること」。そこで設計の依頼を受けた廣部剛司建築研究所の廣部剛司さんは、専用の書庫を作るのではなく”生活空間の一部”にライブラリーを作ることを考案しました。玄関から奥のLDKにつながる廊下を「ライブラリーコリドー」と名付け、家族の歴史と文化を育む夢の空間が完成しました。その圧巻の空間をご紹介いたします。■ まだまだ”増殖”できる!壁一面の書棚「ライブラリーコリドー」13mの長い廊下。その片側の壁は斜めに傾き、吹き抜けの上部は三角形に閉じられています。対面する壁は一面が本棚に覆われ、まさに圧巻の眺め。ライブラリーコリドーのスケールに驚かされます。書棚の縦のラインは、壁の強度を担う構造体としても機能しており、横のラインは棚板を必要に応じて上に増設が可能。最下段には扉をつけることで、おもちゃや雑貨を収納できるようにしているんだとか。収納量が増やせる書棚は、写真をディスプレイするとまるでギャラリーのよう。子たちの成長とともにその表情を変える壁面は、眺めるだけで家族のストーリーを語ってくれます。こちらはライブラリーコリドーを2階から見下ろした様子。その廊下の長さに気付かされます。11歳のお子さんは登校前に読書をするほどの本好きで、その好みもご主人似。「学校の図書館よりもウチの書棚の方が好みの本が揃っているみたい」と妻が言うように、このライブラリーコリドーは家族をつなぐ大切なスペースになっています。コリドーの突き当たりには三角形の高窓があり、その明るさに視線が導かれ、まるで光の奥へ誘われるような不思議な感覚に。階段からの風景は斜めの壁がよりはっきりと映え、そのダイナミックさは感動もの。2階に見える扉は寝室、その右を奥へ進むと子ども室があります。■ 全開放可能な窓で大空間LDKを実現「親子で料理ができるように」という妻の思いから、キッチンはゆったりとしたスペースを確保しています。天板に黒の人造大理石をあしらったキッチンは造作で製作し、リビングの家具の雰囲気とマッチ。一体化しているリビングとダイニングは、家族の今がギュッと集まる団らんの場となっています。道路側には平屋のお茶室があるため、それが目隠しになって通りからの人目を気にせず中庭が利用できることも子育て世代のファミリーには高ポイントです。さらに窓は全開放可能で、解放することでリビングとの一体感もアップ。床がタイル敷きのためストライダーやプール遊びももちろん可能です。サッシは開けたときにフレームが残らないように設計されており、閉めた状態でも上下の枠が見えにくいような収まりになっており、細部までこだわりが感じられます。■ 部屋が広く感じられる”斜め壁”マジック三角形のライブラリーコリドーを実現した壁は、他の部屋でもそのまま”斜めの表情”として生かされています。例えば2階の子ども室。斜めの壁で空間的な広さはアップ、さらに壁の開口越しに書棚を利用できるんです。1階の洗面室と浴室も、”斜め壁”をそのまま。ちょっと不思議な空間は「スライドドアも斜めの壁に沿わせるため、特別のディテールを考案しました」と廣部さん。ボーダータイルをあしらった明るいバスルームにも、設計のワザが光ります。可愛らしい小窓を配置し、バスタブにつかると、ちょうど中庭のグリーンが見えるようになっています。解放感が広がり、そこで過ごす時間はまさに贅沢の一言です。■ “離れ”のお茶室はちょっとした隠れ家に将来、茶道教室を開く夢を持つ妻のために、お茶室は生活エリアと切り離した玄関横に配置しています。他の部屋とは違う雰囲気の”離れ”のようなお茶室は、子どもたちも、ちょっと一人になりたいときに利用するんだとか。気分転換や隠れ家には最適な場所になっているようです。三角形のライブラリーコリドーを実現した外観はどのようになっているのでしょうか?外観は全体的にボリュームを抑え、あの三角形は突き出したような形になっており、エントランス周りの象徴的な存在となっています。家族の”好き”を外さない家づくりの実現は、自然と家族の”輪と和”を育む家となっていました。もっと詳しく見たい方は、「住まいの設計2018年10月号」も参考にしてみてくださいね。設計/廣部剛司建築研究所撮影/桑田瑞穂住まいの設計2018年10月号豊富な実例ときめ細やかな情報で快適・便利な住スタイルを提案。家作りの夢が広がる!住まいのお役立ちマガジン【巻頭特集】編集部がオススメ!あなたの「好き」を実現する家、教えます。 【第二特集】使いやすい。片付けしやすい。楽しい。そんなキッチンと暮らしませんか?
2019年02月09日