「松本零士×ちばてつや 巨匠漫画家2人展」が、2020年4月29日(水・祝)から5月5日(日・祝)まで大丸東京店にて開催される予定だったが中止となった。「銀河鉄道999」や「宇宙戦艦ヤマト」など、一大アニメブームを巻き起こした漫画会の巨匠・松本零士と、ボクシング漫画の金字塔として知られる「あしたのジョー」のちばてつや。本展は、そんな日本漫画界の歴史を変えた2人が初めてコラボレーションした特別展示販売会だ。会場では、それぞれの作品を目の前で鑑賞し、実際に購入することができる。松本零士は、直筆の水彩画や、メーテルなど「銀河鉄道999」の主要キャラクターの版画約100点を出展。また、「宇宙戦艦ヤマト」の貴重な初期の漫画原稿が特別公開される。ちばてつやは、「あしたのジョー」の矢吹丈、力石徹など、圧倒的な世界観で描かれた版画約40点を用意する。さらに、ポストカードやクリアファイルといったグッズの販売や、ちばてつやによるサイン会も実施。誰もが一度は目にしたことのある名シーンが実際に手に入る貴重な機会となっている。【詳細】松本零士×ちばてつや 巨匠漫画家2人展※大丸東京店が当分の間臨時休業の為開催中止。期間:2020年4月29日(水・祝)~5月5日(日・祝)場所:大丸東京店11階催事場住所:東京都千代田区丸の内1丁目9−1価格例:・メーテル 40×28cm版画 132,000円(税込)・遥かなるアルカディア 45×35cm 版画 165,000円(税込)・アルカディア号と999号(イラスト入り) 49×34cm版画 176,000円(税込)・スターシャ(II)48×36cm 版画 165,000円(税込) ・燃える闘志(ジョー) 42×30cm 版画 132,000円(税込)・矢吹丈(S) 45×32cm版画 176,000円(税込)・葉子像 31×25cm版画 77,000円(税込)
2020年03月14日村上春樹が1994年に発表した『ねじまき鳥クロニクル』は、著者がプリンストン大学の客員研究員として渡米した頃から、4年半をかけて書かれた長編小説だ。村上作品の中でも初めて戦争など根源的な暴力について触れられた本作は、“Haruki Murakami”が世界的な評価を得るきっかけともなった。その記念碑的作品が、舞台化され、2月11日(火・祝)に初日の幕を開ける。今回、演出・美術・振付を手がけるのは、日本でも舞台『100万回生きたねこ』が絶賛を浴びたイスラエルの奇才インバル・ピントと、気鋭のアミール・クリガー。共同演出・脚本として、さまざまなジャンルのアーティストとタッグを組み、演劇の可能性を押し広げている、マームとジプシー主宰の藤田貴大が参加しているのが心強い。さらに音楽と演奏で、NHKのドラマ『いだてん』『あまちゃん』でのファンも多い、即興演奏家の大友良英が参加している。編集者として働く妻クミコと平穏な毎日を過ごす、無職の岡田トオル。ある日彼は、消えた飼い猫を探しに訪れた近所の空き地で、女子校生の笠原メイと出会う。メイとトオルの間に奇妙な絆が生まれる中、クミコが失踪し、クミコの兄・綿谷ノボルからクミコと離婚するよう連絡が届く。トオルは“水の霊媒師”と称する加納マルタとクレタによって、クミコの失踪にノボルが関わっていること、さらに自身がもっと大きな何かに巻き込まれ始めていることに気づくが……。〈演じる・歌う・踊る〉と表記されているキャストクレジットによると、高い演技力で多くの名作に出演してきた成河と、映像を中心に活動中の若手実力派・渡辺大知が、ふたりで岡田トオル役を務めるという。Wキャストではなく、ふたりでトオルという人間の多面性を表現する演出なのだとか。さらに“死”に興味をもつ少女メイには、若手女優の中でも独自の存在感を放つ門脇麦。さらにノボル役を務める大貫勇輔のほか、吹越満や銀粉蝶ら一筋縄ではいかない役者陣の共演も頼もしい限りだ。芝居とコンテンポラリーダンス、音楽が渾然一体となって、村上作品の真髄を表出させる本作。まさに世界基準で創り上げられる舞台を目撃すべく、劇場に足を運びたい。2月11日(火・祝)から3月1日(日)まで東京芸術劇場 プレイハウス、3月7日(土)・8日(日)に大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、3月14日(土)・15日(日)に愛知県芸術劇場 大ホールにて上演。文:佐藤さくら
2020年02月10日ゲストの食の話題から人生を掘り下げていく「人生最高レストラン」の1月25日(土)放送回に、俳優の村上虹郎がゲスト出演。モデル、俳優の村上淳を父に、歌手のUAを母に持ち、その才能を受け継いだ若手演技派俳優の華麗なる交遊録が今夜明かされる。1997年生まれ、両親の離婚後は母・UAさんのもとで沖縄に移住、カナダで高校生活を送り、2014年、第67回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作品『2つ目の窓』で映画初出演にして主演を務め、第29回高崎映画祭・最優秀新人男優賞を受賞。翌年放送の実写版「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」に宿海仁太役で主演。「仰げば尊し」の青島裕人役で多くの人々に鮮烈な印象を残すと、2017年公開の映画『武曲 MUKOKU』で第41回日本アカデミー賞優秀助演男優賞に輝いた村上さん。そんな彼が17歳の頃、先輩俳優の高良健吾と一緒に食べたふっくらホクホク絶品うな重や、同じく先輩の柳楽優弥に説教されながら食べたというアジア麺などを紹介。また「RADWIMPS」野田洋次郎や女優・成海璃子など華やかな交友関係も明かされる。そのほか父が過保護で母はロックだったという両親の意外な一面に、タレントのYOUが明かす素顔にも注目。グルメトークバラエティのMC初挑戦となる加藤浩次も参加して、食の話題からゲストの人生を深掘りしていく。映画にドラマに舞台にと多彩に活動する村上さんが、2月から上演されるブロードウェイ・ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」Season2にて主演を務めることが決定。村上さんは森崎ウィンとのWキャストでトニーを演じ、ヒロイン・マリアには多数のミュージカル作品に出演する宮澤エマと、ミュージカル女優として活動中の田村芽実。May J.、宮澤佐江、上口耕平、小野賢章、渡辺大輔、廣瀬友祐ら歌手、声優、2.5次元舞台で活躍する俳優らが集結する。ブロードウェイ・ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」Season2は2020年2月1日(土)~3月10日(火)IHI ステージアラウンド東京にて上演。「人生最高レストラン」は1月25日(土)23時30分~TBS系で放送。(笠緒)
2020年01月25日ポーター(PORTER)とアーティスト・村上隆のコラボレーションバッグから、新色のブラックが12月6日より順次発売される。© 2019 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.1983年に発表されて以来、ポーターの代名詞となっている「TANKER」シリーズをベースに、村上隆の代表的なアート“お花“を随所にあしらったコラボレーションバッグ。「セージグリーン」に続き、待望の「ブラック」が登場する。全型共通して“お花”のぬいぐるみを装着できる仕様や、外装の一部パーツには刺繍加工、内装生地と付属の巾着にも“お花”をプリントした特別な仕上がり。「TANKER」のディテールを踏襲しつつ、金具類は上品な光沢を出すため一つ一つを吊るしながら丁寧にメッキ加工を施したパーツを採用。ファスナーは入念に磨きをかけたYKKの高級ファスナー“エクセラ”を使用したコラボレーションアイテムならではの違いを演出している。© 2019 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.「リュックサック」(12万円)、「2WAYヘルメットバッグ」(11万円)、「ウエストバッグ」(8万円)がラインアップ。すべてに「お花」をプリントしたポーター製の巾着ポーチが付属する。コラボレーションバッグは数量限定につき、在庫がなくなり次第終了。取り扱いは、12月6日より、PORTER(OMOTESANDO・MARUNOUCHI・OSAKA)、PORTER EXCHANGE、PORTER STAND(品川駅店・東京駅店・京都店)、吉田カバンオフィシャルオンラインストア()にて。販売方法の詳細はオフィシャルサイト()をチェック。またTonari no Zingaroでは12月7日より発売となる。
2019年12月05日ペロタン東京で初開催となる村上隆の個展「スーパーフラットドラえもん」が、2019年11月19日(火)から2020年1月25日(土)まで開催される。「スーパーフラット」は、2000年から2001年に日本とアメリカで開催された村上隆キュレーションによる展覧会。後にシリーズ化され、世界各都市で開催されてきた。今回開催される「スーパーフラットドラえもん」では、藤子・F・不二雄の代表作品「ドラえもん」が美術史に落とし込まれた絵画作品14点を、日本国内で初めて展示する。村上の創作の根底にある江戸時代の奇想系画家たちの絵画や、マンガ・アニメといった二次元。概念が発展した先にあるサブカルチャーとハイカルチャー、ファインアートと広告の表現。村上は、そういった分類分けは本質的に意味がなく、等価であるという表現の平等性を訴えかけている。そういった村上の“フラット”な姿勢は、2017年に開催された「THE ドラえもん展 TOKYO 2017」の作品に表れている。メインビジュアルにもなった作品は、抽象表現主義だけではなく、異時同図法やヌード表現など、美術史的な仕込みがたくさん存在する。このアートワークがきっかけとなり、2018年のユニクロとのコラボレーションや本展に繋がっていくこととなる。村上の色鮮やかな作品から、”フラット”な表現を感じてみて。【詳細】スーパーフラットドラえもん会期:2019年11月19日(火)~2020年1月25日(土)場所:ペロタン東京住所:東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル1階開館時間:11:00~19:00休館日:日、月、祝日TEL:03-6721-0687
2019年11月21日村上春樹の長編『ねじまき鳥クロニクル』が、イスラエル出身のインバル・ピントと藤田貴大の演出により舞台化。そこで主人公の岡田トオルを演じる、渡辺大知に話を聞いた。【チケット情報はこちら】ミュージシャンでデビューし、近年では俳優としてドラマ、映画と活躍の幅を広げている渡辺。舞台への出演は、『かもめ』(2016)以来3度目となる。「舞台の面白さといえば、やはり空気があるということだと思います。同じセリフを放つのでも、いい空気になったり、悪い空気になったり。映像の場合、カメラや照明がその空気をつくる面も大きいですが、舞台はそこに立っている人の息遣いがすごく重要になってくる。それが楽しいと思える反面、底知れない壁みたいなものも感じていて…。今回、その壁に少しでも足をかけられたらなと、覚悟をもって出演させていただこうと決めました」演出・振付・美術のインバル・ピントは、『100万回生きたねこ』(2013年、2015年)や百鬼オペラ『羅生門』(2017年)などを手がけ、近年日本でも非常に注目度の高いアーティスト。「今からすごくワクワクしています。原作を読んで、インバルさんにこそやってもらいたい題材だと思えましたし、普通にやっても小っちゃくなっちゃう話のような気がして。人間の外側よりも内側に、精神に迫っていく内容なので、そこをどうインバルさんが表現されていくのか。自分もどんどんアイデアを出しつつ、少しでもいいスパイスになれたらなと思います」また原作の魅力について訊ねると…。「自分の中のふたりが追いかけっこし続けているような、破壊と再生が繰り返されているような、そういう循環性が面白いなと思いました。そしてそれは自分にとってのスタートラインであり、自分がいいなと思ったぐらいのポイントはやれて当たり前。ここからどれだけ掘り進めることが出来るのか、それが肝心だと思います」音楽を手がけるのは、現在大河ドラマ『いだてん』も話題の大友良英。「もともとはノイズ畑の、クレイジーミュージシャンですからね(笑)。本当に“音楽”というか、“音”が好きで、人と楽しむことが大好きな方人。大友さんと一緒に楽しい音が出せたらいいなと思いますし、楽しい音を鳴らすことで、それがいつの間にか音楽になっていくと思います」かつてない才能の集結が、未知なる傑作を生み出しそうな予感。「普段の生活の中で観られないものを欲している人、とにかくヤバいものに出会いたい人は、全員観逃さないで欲しいなと思います」取材・文:野上瑠美子
2019年10月28日村上虹郎と森崎ウィンが、ブロードウェイ・ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」Season2の主演を務めることが決定(Wキャスト)。ほか、Season2に出演するキャストも発表された。本作は、世界中で再演を重ねているミュージカルの金字塔「ウエスト・サイド・ストーリー」の日本キャスト版。アジア初の没入型エンターテインメント施設「IHI ステージアラウンド東京」で本年11月から2020年5月まで、7か月にわたるロングラン公演を3シーズンに分け、異なるキャストで上演する。この度、来年2月から始まるSeason2のキャストが発表!メインキャラクター(トニー、マリア、アニータ、リフ、ベルナルド)は各シーズンそれぞれWキャストとなっており、主役のトニーは、『ディストラクション・ベイビーズ』「仰げば尊し」に出演、ミュージカル初挑戦となる村上虹郎と、『レディ・プレイヤー1』への出演が話題となった森崎ウィン。ヒロイン・マリア役は、多数のミュージカル作品に出演する宮澤エマと、ミュージカル女優として活動中の田村芽実に決定。「『大丈夫かな?』っていまだに思っているくらい、僕にとっては大挑戦」と心境を明かした村上さんは、本作への参加について「この作品のファンの方も、ミュージカルファンの方も、僕みたいに普段あまりミュージカルに触れていない方々も、映画や舞台もそんなに見たことないという方々にも、本当に大満足していただいてそこからミュージカルおたくになるくらいハマっていただけるように、僕がまずその努力をしてみなさんに心底楽しんでいただけたらいいなと思っています」と力強い意気込みを見せる。また同じくトニー役の森崎さんは「ちょっとずつプレッシャーを感じている自分がいます。一方で、こんなに大きなミュージカル作品は初めてなので、楽しみでしかないという想いもあります。“初”ってわくわくするのですが、その分緊張もします。でも、まさに人生の新たな一歩を踏み出そうとしているこの感じがなんとも言えない。言葉では言い表せない興奮と緊張とわくわくが止まらない、そんな感覚です」と様々な感情が入り交じる現在の心境を語った。さらに、ヒロイン役の宮澤さんと田村さんは「マリア役をやらせて頂くなんて未だに夢の様ですが、無垢な優しさの中に凛とした強さを持つ、ヒロインの中のヒロインに全身全霊で応えたいと思っています」(宮澤さん)、「オーディションには“何としてでもこのチャンスを掴みたい”という強い気持ちで挑みました。数日後、マネージャーから、『マリア決まったよ!』と言われた日は発熱してしまう程嬉しかったです。この作品に出演できる喜びを噛み締め、マリア役を演じる責任を受け止めながらステージに立ちたいと思います」(田村さん)とそれぞれ思いを明かしている。また、アニータ役は本作が女優デビューとなるMay J.と元「AKB48」宮澤佐江。リフ役は舞台を中心に活動する上口耕平と声優で俳優の小野賢章。ベルナルド役は舞台「逆転裁判2」の渡辺大輔と舞台 「戦国BASARA」の廣瀬友祐が演じる。そのほか、田山涼成(ドク役)、山口馬木也(シュランク役)、辰巳智秋(クラプキ役)、岩崎う大(グラッドハンド役)も本作に参加する。ブロードウェイ・ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」Season2は2020年2月1日(土)~3月10日(火)IHI ステージアラウンド東京にて上演。(cinemacafe.net)
2019年10月02日今、Twitterで話題のハッシュタグ「#村上春樹で語る育児」をご存知ですか? このハッシュタグと共に、村上春樹氏を思わせる文体で綴られた「子育て中の出来事」が続々と投稿されています。ハイクオリティな“作品”の数々に、「特徴をよく捉えている」「パパママたち文才ありすぎ」「じっくり読んでしまう」と注目が集まりました! 今日は、そんな人気投稿の一部をまとめて紹介します。 離乳食を食べてくれない「ここに暖かな離乳食がある。鮭を柔らかく煮てあるんだ。」僕が言うと彼女はほんの少し首を傾げた。「どうかしら」という風に。「カブとそぼろの中華風は?ブライアン・ウィルソンだってこれを食べたらウクレレを弾きだす」でも彼女は口を2ミリくらいすぼめただけだった。#村上春樹で語る育児— maitake55 (@maitake55) August 29, 2019 おむつ替え「何故こんなになるまで放っておいたのよ」「慣れちゃったんだ。おむつが重い事にも、泣かないでいる事にもね。それに遠くから見れば」僕は言った。「大抵のものは綺麗に見える」「ねえ」彼女は器用に僕のおむつを替えながら首を振った。「一生そんな風に生きていくつもり?」#村上春樹で語る育児— 雅樹 (@masazeroque) August 29, 2019 抱っこの嗜好「嫌よ」「どうして?君が好きなのを選んだつもりなんだけど」「それはいつの私の話?」「いつのって、君は君だろ?」気怠げな視線が、僕を見る「横抱きはもう卒業、今は縦抱きが一番なの。いつまで赤ちゃんと思ってるのかしら」君はそう言うが、その姿は赤ちゃんそのものだった#村上春樹で語る育児— ちぃ®︎@5m (@pefupefuchi_san) August 29, 2019 こんなことになるなんて「それで」妻は言った。「どうして貴方は寝かしつけもせずに際限無くあの子と歌っていたのかしら」「それは見解の相違さ」僕は控えめに言葉を紡いだ。彼女にとってこれはすでに弾劾裁判なのだ。「僕だって知らなかったよ。夕食後に一緒に歌を歌うだけで興奮して眠らないなんて」#村上春樹で語る育児— 月光ほろほろ (@horohoro_g) August 29, 2019 最初からなかったのかもしれない「できる事ならそうしていたさ、もちろん。」僕は言った。その声は自分のものとは思えないほど疲れ切って聞こえた。「けれど、売り切れていたんだ。夏の働きアリのようにそこらじゅう探したけれど、どこにもなかった。」特売の粉ミルクなんて最初からなかったのかもしれない。#村上春樹で語る育児— たかざと @8M 保育園 (@takazato3) August 28, 2019 クレヨンが浮き彫りにしたこと「それで」と妻は部屋を見回して言った。「あなたは何を見ていたのかしら」壁に広がったクレヨンは、ジャクソン・ポロックの前衛絵画に似ていた。「見ていたよ、ずっと」「いいえ、見ていないわ。結局のところ、あなたは何も見ていないのよ」妻の言うことはもっともだった。#村上春樹で語る育児— ぐでちちwith6y♀1y♀ (@gude_chichi) August 28, 2019 いかがでしたか? 子育て中の日常の様子が文学的に綴られていて、何だか新鮮に感じられますね。子育てに家事に仕事に……と息つく間もなく多忙な方も、このツイートを思い出すとちょっと冷静になれるかも!? Twitterで「#村上春樹で語る育児」と検索すると、文才に富んだ作品がたくさん見つかります。子育ての息抜きにぜひ読んでみてください♪
2019年09月10日関ジャニ∞・村上信五(37)が20年に開催される東京オリンピックのメインキャスターをフジテレビ系で務めると8月15日に発表された。大役を務める村上に、ネットでは祝福の声が上がっている。各メディアによると村上は今回の大抜擢について「うれしさ半分、やはりドキドキ半分。いつもとは違うプレッシャーを抱えながらの挑戦ではあるのかなと思っています」とコメント。さらに「アスリートの方が少しでもホッとできるようなインタビューや、リラックスした表情を引き出せるようなキャスターになれるといいなと思います」と意気込んでいるという。「村上信五∞情熱の鼓動」や「村上信五のスポーツ奇跡の瞬間アワード」(ともに同局)といったスポーツ番組に出演し、体操・内村航平選手(30)やゴルフ・錦織圭選手(29)といった数々の名アスリートたちを取材してきた村上。特にサッカー好きで知られており、「2018FIFA ワールドカップロシア」のプレゼンターをテレビ朝日系で務めた際も大きな話題となった。Twitterでは「村上信五」だけでなく、村上のニックネーム「ヒナちゃん」もトレンド入り。さらに祝福する声が上がっている。《世界の村上信~~~!!!!!おめでとう村上くん!!!!!》《村上さんすごくない?どこまでBIGになれば気が済むの彼は笑 とにかくおめでとう!!》《ヒナちゃんおめでとう日本で開催されるオリンピックでメインキャスターとかほんっとすごい!ヒナちゃんの今までの努力の賜物ですね》
2019年08月15日村上春樹作家活動40周年となる今年、公開が決定している『ドリーミング村上春樹』。ちょうど40年前(1979年)の本日7月23日、村上氏が小説「風の歌を聴け」(講談社)で鮮烈な作家デビューを飾ったことを記念し、本作の予告編が解禁された。デンマーク出身、今年6月より群馬県桐生市に在住する翻訳家のメッテ・ホルム。1995年に「ノルウェイの森」と出会って以来、「海辺のカフカ」「1Q84」「騎士団長殺し」など、20年以上にわたり村上春樹の作品をデンマーク語に翻訳してきた。村上春樹の作品はこれまで世界50言語以上に翻訳されてきたが、そのほとんどが英語からの翻訳、メッテのように“日本語から直接翻訳”することは珍しかった。本作は2016 年、村上春樹がアンデルセン文学賞を受賞し、デンマークを訪れて王立図書館でメッテと対談する瞬間と、同時期にメッテが村上春樹のデビュー小説「風の歌を聴け」の翻訳に挑む貴重な姿を捉えていく――。本作では映画のカメラとは別に、村上春樹の短編小説「かえるくん、東京を救う」(短編集「神の子どもたちはみな踊る」に集録)の“かえるくん”の視点で追うメッテ・ホルムの姿も捉えており、この度解禁となった予告編にも“かえるくん”が登場する。監督のニテーシュ・アンジャーンは、村上春樹の「1Q84」の世界観を例えに、人が誰かを愛し、誰かに愛された瞬間に世界が変わって見えるという。映画では、メッテが村上春樹の翻訳に没頭すると“かえるくん”が現れ、村上春樹との対談が近づいた瞬間に2つの満月が現れることに。本作品で使用されているビジュアル・エフェクトは、デンマークの鬼才ラース・フォン・トリアー『ハウス・ジャック・ビルト』や、ニコラス・ウィンディング・レフン『ネオン・デーモン』のビジュアル・エフェクトを制作した北欧最新のVFXチーム「TGBVFX」が手掛けている。また、本作の公開を記念し、公開劇場である新宿武蔵野館で、村上春樹原作の初めての映画化となった『風の歌を聴け』35mm版(大森一樹監督作品)の一夜限りの特別上映会の開催が決定。当日はメッテ・ホルム本人とスペシャルゲストを招いた上映後イベントも実施される。『ドリーミング村上春樹』は10月19日(土)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2019年07月23日ポーター(PORTER)と、アーティストの村上隆による初のコラボレーションバッグ「村上隆×ポーター」が数量限定で登場。ポーター 表参道・丸の内・大阪、ポータースタンド 品川駅店・東京駅店では、7月16日(火)21:00まで事前応募を受け付け、抽選販売される。「村上隆×ポーター」は、ポーターの代名詞であるバッグ「タンカー(TANKER)」の発表35周年を記念したコラボレーション。村上隆の代表的なアート“お花”を融合させた、ダイナミックでポップなデザインが特徴だ。「タンカー」と同様にナイロンツイルを採用したリュックサック、2WAYヘルメットバッグ、ウエストバッグの3型を用意し、それぞれに立体的な“お花”のぬいぐるみを装着することができる。また、本体のフラップやポケット部分には、刺繍で“お花”を表現し、ポリエステルタフタで仕立てられた内側と付属の巾着にはプリントが施されている。また、高級感のあるエクセラファスナーもこだわりのポイント。歯の部分を1つ1つ研磨することによって、滑らかな開閉を実現している。【詳細】村上隆×ポーター・リュックサック 120,000円+税・2WAYヘルメットバッグ 110,000円+税・ウエストバッグ 80,000円+税※完全数量限定につき、在庫がなくなり次第終了。予約、取り置きなし。展開店舗:・ポーター 表参道・丸の内・大阪、ポータースタンド 品川駅店・東京駅店/事前抽選販売※入場整理券の抽選販売は、デジタルチケットサービス「PassMarket」より申込。応募締切は、7月16日(火)21:00まで。※入場整理券は購入を約束するものではなく、来店時に希望商品が完売している場合もある。※抽選参加条件に「ドレスコード」あり。当選の場合は「ポーター製品(コラボレーションアイテムを含む)」を持参の上、当該店舗に来店のこと。※1人1店舗のみ、各アイテム1点までの購入制限あり(1人最大3点まで購入可能)。※複数店舗・複数回の申込みをした場合は、抽選対象外。・吉田カバンオフィシャルオンラインストア/2019年7月20日(土) 12:00~発売・Tonari no Zingaro/2019年7月27日(土)~発売【問い合わせ先】ポーター 表参道TEL:03-5464-1766
2019年07月19日ポーター(PORTER)が、ブランドの代名詞である「TANKER」の発表35周年を記念し、日本を代表するアーティスト・村上隆との初となる「村上隆×ポーター」コラボレーションアイテムを発売する。今回のコラボコレクションには、「リュックサック」(12万円)、「2WAYヘルメットバッグ」(11万円)、「ウエストバッグ」(8万円)がラインアップ。村上隆の代表的なアートである“お花“を融合し、それぞれに“お花”のぬいぐるみが装着できる仕様が特徴的。本体のフラップやポケット部分には、非常に細かな刺繍で表現し、さらに内装と付属の巾着にもプリントを施したスペシャルアイテムだ。ファスナーパーツには高級感があり、ムシの1つ1つを研磨して滑らかな開閉が特徴のエクセラファスナーを使用した。「リュックサック」(12万円)販売は、店舗ごとに発売日や販売方法が異なり、PORTER OMOTESANDO・MARUNOUCHI・OSAKA、PORTER STAND 品川駅店・東京駅店は、事前抽選での販売。7月16日の21時が応募締切となっている。申し込みや詳細は、ウェブサイト()にて確認できる。また吉田カバンオフィシャルオンラインストア()では7月20日の12時より、Tonari no Zingaro()では7月27日より発売する。いずれも数量限定につき、在庫がなくなり次第終了となる。©︎2019 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.
2019年07月16日プロフィギュアスケーターでタレントの村上佳菜子が9日、都内で行われた「2019年度"納豆クイーン"表彰式」に出席した。2002年より行われている全国納豆協同組合連合会主催の同イベントは、毎年7月10日の"納豆の日"をPRすることを目的に、健康的で納豆好きな著名人を「納豆クイーン」として選出。歴代クイーンには初代の菊川怜をはじめ、和田アキ子や上戸彩、吉田羊などがおり、今年の納豆クイーンには村上佳菜子が選ばれた。表彰式の朝も納豆を食べてきたという村上は「小さい頃から納豆が大好きで、毎日食べています。納豆クイーンに選ばれるなんて思ってもいなかったので、すごくうれしいですね」と笑顔を見せ、「小さい頃は納豆ばかり食べていましたが、自分で色々と組み合わせて考えながら食べるのが楽しみなんです」とイベントでは"やみつきヘルシー納豆佳菜子スペシャル"と題したオリジナルメニューも披露。また、納豆クイーンとしての意気込みについては「最近は腸活とも言いますが、納豆は身体にもいいということで話題にもなっています。納豆は発酵食品の代表的なもの。日本の皆さんに納豆をたくさん食べていただいて健康になっていただき、海外の人にも発信できたらと思っています」と力強く語った。イベント中は、自身のインスタグラムに掲載した写真を披露。日本酒を抱えてにっこりした写真について「日本酒が大好きで、お酒の中で唯一日本酒が身体に合うんです。この前も2人で6合飲んだんですが、全然大丈夫でした。その時は十四代という貴重な日本酒を飲んで浮かれましたね(笑)」と明かしつつ、「すごく飲ん兵衛みたいな感じになっていますけど、大丈夫ですか?(笑)」と苦笑い。そんな彼女に納豆クイーンということで「納豆のように粘り強い男性は?」と投げかけると「粘り強い人は大事ですよ。一回でめげず頑張る人はすごい大事だと思います。粘り気は大事ですね!」と好印象の様子だった。なお、この日は9代目ミス納豆も発表され、長沢美月、菖蒲理乃が選ばれた。
2019年07月10日今年の再々演でラストステージを迎えた、村上春樹原作、蜷川幸雄演出の舞台『海辺のカフカ』。それに続く村上文学の舞台化第2弾、『神の子どもたちはみな踊るafter the quake』が今夏、上演される。【チケット情報はこちら】原作は阪神淡路大震災をモチーフに、地震のニュースに触れた人々の心の動きが綴られた作品を集めた短編集で、その中から『かえるくん、東京を救う』『蜂蜜パイ』の2編を取り上げて構成。脚本は『海辺のカフカ』を手がけたフランク・ギャラティ。演出は、蜷川演出の舞台『私を離さないで』(2014年、カズオ・イシグロ原作)で脚本を担当した倉持裕が担うこととなった。今回、『海辺のカフカ』のナカタ老人役で海外からも多くの賞賛を得た木場勝己が、“かえるくん”役で出演。再び村上ワールドに挑む思いを聞いた。「『海辺のカフカ』パリ公演の時に村上春樹さんのトークショーがあって、10代の若い女性ファンが作品のテーマなどを質問するんですね。村上さんはテーマのことはおっしゃらずに“僕は物語を作るんです”と主張されていました。僕ら俳優の場合は物語を作るというより、その瞬間、瞬間の場で起こったドラマをつなげることで、最終的に物語になると考えていて。そこが作家とは違うなと思っていたら、さらに“僕は、プロットは作らない。登場人物を置いた後、彼らがどう動くかは書いてみないとわからない”とおっしゃった。その感覚はちょっと近いかな、なんて思いましたね。豊かな物語に負けないよう、その瞬間、瞬間のつなぎをちゃんとやらなきゃと思っています」蜷川との思い出を「ああしろ、こうしろと言われたことは皆無。だから自分の好きなようにやって、それを蜷川さんがニヤニヤして見ていた」と笑いながら振り返る。倉持との舞台作りは今回が初。その期待とともに気になるのは、自身が担うキャラクターである。「何しろ人間じゃなくて、蛙だからね。蛙の気持ちは知らないけれど(笑)、未知な分だけ面白いと思います。村上さんは“総体としての蛙”という言い方をしていたかな。かえるくんは、信用金庫に勤める片桐さんに「みみずくんが東京に大地震を起こそうとしている。一緒に闘ってくれ。あなたでなければいけない」と頼むんです。その片桐さんというキャラクターがとても興味深いんですよ。風采があがらず、腕に覚えもないのに、ヤクザの前でも動じずにこちらの要求を通したりする。そういう嫌な仕事を押し付けられるんだけど、きちんとやり遂げていて。そんな片桐さんを、かえるくんはなぜシンパシーを感じて選んだのか。そこが1番、僕のモチベーションの核になるだろうと思います。僕自身、そういう人がちょっと好きですから」地震をモチーフに人々の繊細な心の揺らぎを描く本作について、「ラストは再生に向かっている、と感じられます」と穏やかな表情で見据える。共演する古川雄輝、松井玲奈、川口覚ら瑞々しい才能たちの頼れる支柱となることは間違いない。“ナカタさん”から“かえるくん”へ、魅惑の村上ワールドを飄々と泳ぐ、熟達の味わいに期待せずにはいられない。取材・文上野紀子
2019年07月05日人気作家・村上春樹氏(70)が作家デビュー40年を記念し、東京・千代田区のTOKYO FM HALLで、村上氏がDJを務める同局「村上RADIO」の公開収録イベント「村上JAM~村上RADIO SPECIAL NIGHT~」が26日に開催された。各スポーツ紙などによると村上氏はもともと国内であまり公の場に出ることがなく、公開収録は作家人生で初。約1万2,000通の応募から抽選で約150人が無料で招待されたという。ジャズ好きとして知られる村上氏だが、ジャズピアニストの大西順子(52)、ジャズサックス奏者の渡辺貞夫(86)、ジャズクラリネット奏者の北村英治(90)らレジェンドが集結して演奏を披露。また村上氏作品の大ファンを公言する俳優の高橋一生(38)、歌手のスガシカオ(52)もゲストで登場したという。「観客はジャズ界のレジェンドたちの演奏に聞き入っていました。高橋さんは村上さんの作品をあの美声で朗読。スガさんはSMAPに提供して大ヒットした『夜空ノムコウ』を弾き語りで熱唱。出演者たちは村上さんとの軽快なトークで盛り上がり、3時間以上のイベントがあっという間でした」(イベント関係者)村上氏といえば“ハルキスト”と呼ばれる熱狂的なファンがいることでも知られているが、イベントはかなりファン・ファーストだったという。「取材に来たマスコミや出版関係者は会場に入れず、別室でモニター観覧。さらに終了後にはフォトセッションが行われましたが、マスコミよりも前にファンの撮影タイムが設けられました。当選したファンにとっては夢のような時間だったでしょう」(前出・イベント関係者)収録内容は8月25日と9月1日の2夜に分け、いずれも午後7時からTOKYOFMなど全国38局で放送。再びファンたちを沸かせることになりそうだ。
2019年06月27日アイドルグループ・関ジャニ∞の村上信五が27日、自身がパーソナリティを務める文化放送『村上信五くんと経済クン』(毎週土曜 9:00~10:00)で安倍晋三首相と面会し、インタビュー取材を行った。インタビュー冒頭、村上は安倍首相と名刺の交換を行い、和気あいあいとした雰囲気でインタビューは始まった。初めて日本で行われる「G20」のホスト国・議長として臨む安倍首相に意気込みを聞き、米中貿易摩擦の収束をどうリードするか、直球で質問を投げかけた。また、デジタル課税問題への取組みや海洋プラスチック問題についての取り組みも質問。安倍首相からは日本が議長国として新たなルール作りの主役となる決意表明を引き出した。また村上は、日米首脳会談や日露首脳会談での課題と問題点についても聞き、安倍首相からは2国間の首脳会談の難しさと面白さについて語られた。インタビューの様子は29日の番組内で放送される。
2019年06月27日村上春樹の長編小説が原作の脚本を蜷川幸雄が演出するという、世界が認める日本の才能の“コラボレーション”によって2012年に初演され、以来世界各地で上演が重ねられてきた『海辺のカフカ』。今年2月のパリ公演も好評のうちに幕を閉じた作品の、およそ5年ぶりとなる東京公演が明日5月21日(火)、TBS赤坂ACTシアターにて開幕する。「世界で最もタフな15歳になる」と心に誓って東京の家を飛び出し、分身ともいえるカラス(柿澤勇人)に導かれて旅を始めた「僕」。田村カフカ(古畑新之)と名乗ることにした「僕」は、四国・高松の甲村記念図書館で、司書を務める大島(岡本健一)と管理をしている佐伯(寺島しのぶ)と巡り合う。一方、猫と会話ができる不思議な老人ナカタさん(木場勝己)もまた、何かに導かれるように東京から四国へ。カフカが長距離バスの中で出会う美容師さくら(木南晴夏)、ナカタさんと道中をともにするトラック運転手の星野(高橋努)、星野と高松で出会うポン引きのカーネル・サンダーズ(鳥山昌克)。重なるはずのない時間、出合うはずのない人々は、いつしかひとつの点を結びつつあった――。独特の春樹ワールドを、度肝を抜く視覚的な仕掛けと繊細な演技で描き出す舞台は、今回が“ラストステージ”とのこと。心して目に焼き付けたい。文:町田麻子
2019年05月20日阪神・淡路大震災からの再生を描いた、村上春樹の短編小説集が今夏、舞台『神の子どもたちはみな踊る after the quake』として上演される。舞台版では原作より『かえるくん、東京を救う』『蜂蜜パイ』の2編を取り上げ、ひとつの物語として編み直す。主演の古川雄輝は出演が決まり、初めて村上春樹の小説に触れたと話す。「シンプルで読みやすい反面、かえるくんて何?と、正直分からないことも多くて。じつは何かの比喩で、別に意味があるんじゃないかとか。読み手に考えさせる解釈の多さがハマる部分なのかなと思います」。「神の子どもたちはみな踊る after the quake」チケット情報信用金庫に勤める片桐(川口覚)は、見ず知らずの巨大な“かえるくん(木場勝己)”から突然、「一緒に闘ってほしい」と頼まれる。神戸の震災で眠りを妨げられたみみずくんが怒って東京に大地震を起こそうとしている、というのだ。しかし、片桐はその後病院のベッドで目覚めることになる。一方、小説家の淳平(古川雄輝)は大学時代の友人、小夜子(松井玲奈)に恋をしていた。小夜子とは彼女が共通の友人、高槻(川口覚・二役を演じる)と結婚、離婚を経て母となった今も友人関係が続いていた。原作では別々の短編だが、舞台版では“かえるくんの物語”は淳平が描いた小説という設定だ。「例えば小夜子を演じる松井玲奈さんが、片桐が目覚めた病院のナースとして登場したり、僕も淳平として物語を語りながら、気づけば小説の中の登場人物として存在している。出演者が出ずっぱりで色々な役を演じていく印象です」。淳平との共通点を尋ねると、「自分の思いを伝えるのが苦手。好意がある女性には何となくのニュアンスは伝えられても、ガツガツとはいけないですね」。一方、(古川が)理系という意味では淳平とは真逆とも。「理系は答えを求めるので、今回も演出の倉持さんにお会いするなり『この台詞はどういう意味ですか?』と正解を求めました(笑)」。舞台は役者として成長できる場と捉える。「今回も大変な現場になると思っています。でも苦手意識ばかりでは辛くなるので、“楽しむこと”をテーマに頑張りたい」。観客にも一期一会の舞台を見届けてほしいと話す。「テーマにある震災については、人によって感じ方もさまざまだと思っています。僕が何かを伝えるというよりは、それぞれに思いを持ち帰っていただければいいのかなと。淳平の告白できない様とかは、身近な物語としても楽しめると思います。原作とはひと味違う世界観を、ぜひ観に来ていただきたいなと思います」。公演は7月31日(水)から8月16日(金)まで東京・よみうり大手町ホール、8月21日(水)・22日(木)愛知・東海市芸術劇場 大ホール、8月31日(土)・9月1日(日)兵庫・神戸文化ホール大ホールにて。チケットは発売中。取材・文:石橋法子
2019年05月17日村上龍の小説をハリウッドで映画化、世界各国の映画祭を騒然とさせセンセーションを巻き起こした『ピアッシング』(原題:Piercing)が、6月に日本公開決定。併せて場面写真も到着した。主人公は自分の幼い娘をアイスピックで刺したいという衝動に駆られる男。彼はその衝動を抑えるため、SM嬢をホテルに呼び出して殺害する計画を立てる。しかし、計画は滑稽なほど思い通りにはいかない。ホテルにやってきた女は、いきなり自分自身を傷つけて倒れこんでしまう。これはリアルな悪夢なのか、シュールな現実なのか?刃を外に向ける者と内に向ける者は、磁石のプラスとマイナスのように交わり、やがて共鳴していくのだろうか…。本作は、愛する者にアイスピックを向ける衝撃的なシーンで幕を開け、ラスト1秒まで緊迫感が持続する、殺人衝動を持つ男と自殺願望を持つ女を描く衝撃のサイコスリラー。原作から強烈なインスピレーションを受けたのは、米インディーズ界の新鋭ニコラス・ペッシェ。デビュー作『The Eyes of My Mother』が2016年のサンダンス映画祭で絶賛され、ファンタスティック映画祭の5部門を受賞。『呪怨』のリブート版に取り組むなど、日本文化を敬愛する監督が、今回洗練されたスタイルで原作のテイストを映像化した。出演には、「GIRLS/ガールズ」『ファースト・マン』のクリストファー・アボットと、『アリス・イン・ワンダーランド』シリーズでアリス役を演じたミア・ワシコウスカ。端整な顔立ちと静かな表情の中に抑えきれない狂気を混在させた男と、些細なことで壊れてしまいそうな危うさと美しさと孤独を抱えた女。2人が繊細かつ圧倒的な演技で魅せる。2018年のサンダンス映画祭では再び衝撃に包まれ、熱狂的な評価が徐々に拡散。スイスのヌーシャテル国際ファンタスティック映画祭では国際批評家賞と未来イメージ賞の2部門に輝いたほか、世界各国で数多くの賞にノミネートされた話題作は、原作者の村上氏も大絶賛。また、劇中のインテリアに荒木経惟の写真を使い、和洋芸術の絶妙な親和性が作品に不思議な深みを与え、オリジナリティあふれる世界観を形作っている本作。到着した場面写真では、本作の世界観が少し覗くことができ、静かな怖さが感じられる。『ピアッシング』は6月28日(金)より新宿シネマカリテほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2019年03月28日いよいよ妊婦さんとしての日々が始まり、出産の日を迎えたこてつさん。最後に改めて、3年間の治療を振り返って感じたことを綴っています。不妊治療を2005~8年に受けた中村こてつさんの体験談。最終回です。妊娠から出産までの日々2009年7月20日。干し梅のような姿だった透明の卵が、人間の赤ちゃんとしてこの世に現れました。4回目の移植で妊娠した私は、不妊治療中にもそうであったように、ネット検索魔に変身。妊娠中にとったほうがいいサプリメント、カフェインはどこまで摂取していいのか、おすすめ食材・おすすめしない食材、体重の増加について怒られないようにする方法(笑)、妊娠線の出ない方法、安産のためにやらねばならない運動など、ありとあらゆる方法を調べました。コーヒーを飲み過ぎではととがめるオットと険悪な雰囲気になったり、栄養士さんの話を聞いてから昆布やいりこでだしをとるようになったり、黒酢たくさん飲んだりしました。安産のためにとにかく歩こう! と愛犬と一緒に散歩しまくり、10km近く歩く日もありました。頭でっかち、おなかでっかちな妊婦になりました(笑)。 妊娠5カ月になってから周囲の人には伝えました。それまでは「何があるかは分からないから」とずっと秘密にしていました。マイナートラブルはあるものの妊娠経過は順調。力を合わせて産道をくぐり抜け、産声をあげる我が子と対面することを何度も想像し、安産に向けて毎日毎日歩きました。出産予定日。うんともすんともいいません。そのまま予定日を1週間超過しようかというとき陣痛がきました。陣痛は進みが遅く、徐々にひどくなる痛みに2日間耐え抜きました。子宮口がやっと全開近くになり、最後は先生におなかを押さえつけられながらいきんだものの…生めませんでした。不妊治療(特に体外受精・顕微授精など)で妊娠した子は「貴重児」と呼ばれていました。万が一のことがあったとき次の妊娠が難しい、妊娠するまでにかなりの労力を費やしている、という理由からそう呼ばれるようです。そのほか、不育症であった、流産・死産の経験がある、なども貴重児と分類されるとのこと。初めから帝王切開をすすめられるケースもあったと聞いています。バースプランを決めるとき、なるべく普通分娩で生みたいと言いました。さんざん人工的な不妊治療をしてきたのだから、出産くらいは自然な形で普通に生みたいと思っていました。だけど、自然に生むことが普通? 治療中も初めは「できれば自然に」と考えていました。自然=普通? なんで普通になりたいんだろう、私。…普通って、なんだっけ? 数人がかりでサポートされながらいきんだ後、帝王切開を提案されました。「せっかく不妊治療してまで授かった命だからこそ、最後の最後でリスクを背負うことはないよ」。先生が言いました。このまま頑張れば普通分娩で生めるかもしれないけれど、万が一のために帝王切開で安全に取り出したほうがいいとのことでした。手術が決まるとあれよあれよと準備が進み、私は手術台の上で張りつけの状態に。始まって数分、泣き声が聞こえました。「へその緒が2重巻きで回旋異常だったよ。だから出てこられなかったんだねぇ」と先生。あー、そうだったんだ~。帝王切開でよかった…無事でよかった…。出産くらいは普通がいい。そう思っていた気持ちはなくなっていました。(この後しばらくして、「おっぱいくらいは普通にあげたい!」となるのですが…こりない私。苦笑)視線の先に、助産師さんに体を拭かれながら泣きじゃくる声と我が子の足が見えました。まだ手術台に張りつけにされたままの私の手に頭が触れるよう、計測等をすませた赤ちゃんを連れてきてくれました。その頭は、まだシットリ湿っていました。「久しぶり~」心の中で声をかけました。なぜ「久しぶり」かというと、0.1mmの受精卵以来の再会だったから。こうして私の不妊治療は幕を閉じました。自分の中のさまざまな気持ちに苦悩し、はいつくばって進むような日々。夫婦で本音をぶつけ、泣いたり、笑ったりした日々。いろいろなことを知り、いろいろなことを感じました。女性として生む・生まないを真剣に考えること。子どもがいることだけで幸せか不幸せかは決まらないこと。自分の体を知ること。家族の体を知ること。心と体はつながっていること。妊娠は思い通りにならないこと。自分の気持ちを奮起させて挑戦すること。失敗が続くとどんどん落ち込むこと。周囲の何気ない一言に疲弊すること。人の感じ方は自分の感じ方と違うこと。赤ちゃんはキラキラしていること。他人を妬む私がいること。平静を装う私がいること。他人のことは他人のことだと割り切ること。流れに身をまかせること。命が止まること。悲しみは他人と比べるものではないこと。夫婦にとって一番大切なこと。自分の心を掘り下げてみること。自分を認めてあげること。想像力を持って思いやる心、人も自分も大切にする生き方。3年間の不妊治療の体験を通して知りました。はっきりと思います。私には必要なプロセスだったと。そして時々、妄想します。不妊治療に挑んだけれど、結局子どもを持たなかった私の人生を。その人生を生きている私も、きっと幸せであるだろうと。※私が長男を妊娠するために不妊治療をしていたのは、2005年11月~2008年10月のことです。また、この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。
2019年01月23日3回目の受精卵移植失敗の後、心理カウンセリングを受けたことにより、新たな心持ちになれたこてつさん。4回目の移植に臨みました。不妊治療を2005~8年に受けた中村こてつさんの体験談。4回目の受精卵移植を行いましたカウンセリングを受けた後日、4回目の移植をしました。前回のように管が子宮に入らないなどのトラブルはなく、スムーズに終わりました。今回も2個移植で、受精卵(1)はグレードBB、受精卵(2)は「収縮中」。当時、担当してくださった培養士さん曰く、胚盤胞は収縮と拡張を繰り返しながら大きくなっていくとのこと。収縮したまま移植した卵は、時間がたてば普通の卵と同じようになるかもしれないし、ならないかもしれない。すでに移植して子宮の中なので見ることはできない、などの説明を受けました。そっか~…。残りの凍結卵は1回分です。それは今回のものよりも状態は良くないとのこと。グレードは関係ないというけれど、やっぱり気にしてしまいます。とりあえず、今回のものが着床してくれるよう、今は卵の持つ力を信じよう。その後、黄体補充の注射をして帰宅しました。4回目ともなると心穏やかに…待てるわけもなく、そわそわしながら迎えた判定日前日。夕方に出血しました。少量でしたが、見た瞬間ガーンとなって、冷静ではいられなくなりました。またか。なんで私だけ。そんな思いがグルグルと頭の中をかけめぐります。油断すると涙が出そうになりました。腹痛もありました。生理痛とにている痛み…。今までの移植でホルモン補充をやめる前にリセットすることは一度もなかったので、心の準備もできていませんでした。飲み会だったオットが帰ってきて、出血があったことを説明したら我慢できなくなって涙が出ました。そのまま翌朝になり、重い気持ちでクリニックへ。診察室に呼ばれ、ドクターから妊娠判定の結果が言い渡されました。 結果は「陽性」。え? 前日、リセットと思って泣いたはずが…。…そうか、よくよく考えたら着床出血とも考えられるんだよね。陰性続きで、まさか自分が妊娠するとは考えられずパニックになってしまい、その可能性を微塵も思い出しませんでした…(苦笑)。すっかり出血は生理だと思っていたオットも「ええっ!!」とビックリしていました(笑)。出血はこの時期よくあることだそうです。HCG(※)=78。まだ胎嚢すら見えません。次回は3日後、HCGがググっと上がっていなければなりませんが、今の時期はどうなるにしても卵の力次第。再び、妊娠しました。自分の中では、喜びもあるし、戸惑い・ためらいもあります。それは、妊娠で得るものもあるけれど、失うものもあるから。カウンセリングで教えてもらえていたので穏やかに受け止められました。どっちも自分の本当の気持ち。でも、それでいいんだよね。それが今の私。I'm OK. I'm OK.※=ヒト絨毛性ゴナドトロピン。妊娠中にのみ産生されるホルモン。※私が長男を妊娠するために不妊治療をしていたのは、2005年11月~2008年10月のことです。また、この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。
2018年12月26日3回目の受精卵移植失敗後、心理カウンセリングを受けたこてつさん。深い自己分析をすることで、治療に対する意識にも新たな発見があったようです。不妊治療を2005~8年に受けた中村こてつさんの体験談。心理カウンセリングで見えてきた「自分の本音」前回のカウンセリングの続きです。姉弟間の関係で、両親から「必要とされていない感」をずっと感じていた私…。 高校での部活の話もしました。私はキャプテンでしたが、監督は厳しく、何かあると「お前にその資格はない!」とすぐにキャプテンを交代させられました。しかも私は上手いほうではなく、キャプテンなのに補欠というポジション。プレイが上手くないうえに、部員を力強く引っ張ることもできず、「監督は別の人に本当はキャプテンになってほしいんだろうな…」と、劣等感と自分が必要とされていない感を強く感じていました。実際、両親や監督がそんな風に思っていたわけではないのかもしれません。でも、私の受け取り方はそうであったことは事実。ずっと自分を必要としてくれる人、愛情に飢えていたのかもしれません。そんな中、オットに出会いました。年が一回りも離れたオットに対して、私はとても安心感を持ちました。自分に自信がないから、同年代と付き合うことはありませんでした。「若い」分、捨てられないはずという歪んだ考えがあったのです。愛情に飢えていた分、オットと出会ったことで今までの人生を『生き直して』いるのかもしれませんね、と心理士さんが言いました。だから、すごく2人の生活が幸せで、満足している。そんな中に、「赤ちゃん」という存在がやってきたら? オットはその子をとても愛するだろう。そしたら私は? 私の幸せな生活が壊れてしまう? せっかく私を必要としてくれる人が現れたのに…。…心理士さんは教えてくれました。妊娠することで喜びや希望を得る反面、失うものもある、と。それは、2人の楽しい生活だったり、経済的な余裕であったり、好きに人生を謳歌できる自由であったり。それを「喪失」と言うのだそう。「喪失」という言葉は「毎周期、妊娠できなかったときに感じる気持ち」としても以前学んでいました。でも、妊娠した場合も、喪失を感じるとは…。だから私は妊娠できたとき、激しく動揺し、怖かったのかもしれません。だから私は子どもを強く求めないのかもしれません。心理士さんから言わせれば、私が生まれて育ってきた環境を考えると、そういった思考になることは当たり前のことであるとのこと。妊娠して流産して、気付くことができたことは、かえって良かったのかもしれないと。ずっと、嫌われないように、丸く収まるように、気付かないうちに自分を犠牲にしてきたことも多かったのでは?あなたは他人にはOKを出すけど、自分自身にはOKを出さない人。他人にNOを出すことに罪悪感を感じる人なのでは? と聞かれました。本当にその通りです。だからイヤなことがあっても「でも、これがあるからいいか~」と、別の良い面でカバーしてイヤなことを放置してしまう。 イヤなことはイヤだなと感じることも必要。「○○がイヤだ~っ!」と思っていいんですよ、そこに罪悪感を感じる必要はないんですよ、と心理士さんは続けます。 良い面でイヤな面を隠すことは、見えなくなるだけで結局解決してはいないのです。争い事は嫌い。だから少しくらい自分が不満でも丸く収まるほうがいい。そうやって首尾よく生きてきたのに、不妊治療を始めたときに、頭では分かっているのに、心がついていかなかったのでしょう。初めて「なんだかイヤだな」とモヤッと思い、そこから矛盾を感じました。 「この時点で気付けたことは幸いだった。OKだった」と言われました。今後どうしていけばいいかには、まず自分をほめましょう。自分にOKを出しましょう、と。思考をプラスに変えていくことは、とても大事だと気づかされました。自分でも薄々感じていましたが、私はかなりのマイナス思考らしいです。それを隠したいので、反動でおちゃらけているのです、いつも。寝る前に、今日1日を振り返り、あんなことをした、これができた、OK! OK! よくやった自分! と、ほめることから始めてみてはと提案されました。寝る前に1日を振り返るのは私の癖です。けれども、今までは振り返って「あぁ言わなきゃよかった~」とか「あの行動はまずかったな…」など反省と後悔ばかりしていました。まったく真逆のことをしていたようです…(苦笑)。自分で自分にOKを出す。これまで30年間、マイナス思考で生きてきているから、案外難しい…。でも、過去と他人は変えられないけれど、自分は変えられるのだ…。それから「矛盾していると感じたままの治療には、旦那さんを理由にしてもいいんですよ」と言われました。「オットが欲しがっているから」と旦那さんのせいにしちゃえばいいんですよ、と。今まで私は、それは責任転嫁・罪悪だと感じていたのです。そっか、そういう理由があってもいいのか…。心にストンと落ちるものを感じました。40分の予定が結局、1時間30分くらい話しました。話しているうちにモヤッと感じていることが形になってきて、自分というものが少し理解できて、カウンセリングを受けてすごく良かったと思いました。心理士さんは、最終的に「今日は悩みはないんだけど~」と世間話に来てくれるのが理想。とおっしゃっていました。人に話すことって大事なんだなあとすごく感じました。このカウンセリングのおかげで、これまでとは少し違った心持ちで4回目の移植を受けられそうな気がしました。※私が長男を妊娠するために不妊治療をしていたのは、2005年11月~2008年10月のことです。また、この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。
2018年12月12日3回目の受精卵移植が失敗。回を重ねるごとに気持ちが凹む。そこで、心理士さんにカウンセリングを受けたこてつさん。そこで納得のいく分析をしてもらい…。不妊治療を2005~8年に受けた中村こてつさんの体験談。心理カウンセリングを受けました3回目の受精卵移植が失敗に終わってから3日後。生理がきました。4回目の移植に向けて始動です。子宮内膜をふかふかにすべく、内服薬を飲み始めます。めそめそしている暇もない(苦笑)。でも、それくらいがちょうどいいかな…。前回の卵も「いい卵」と言われていました。その前も。その前も。子宮内膜も問題なく厚くなりました。それなのに、どうして上手くいかないのか。まだ3回しか移植していないのに、そんなことを考えるのは気が早いのでしょうか。1度は着床しているわけだし、回数をこなすしかないのかな。人工授精のときもそうだったけれど、回を重ねるごとに凹み方が激しくなります。この頃、心理士によるカウンセリングを受けました。病院と提携した先生だけど、希望がない限りクリニックには内容を伝えないとのことでした。40代くらいの女性の心理士さんでした。悩みというわけではないけれど…と自分の今の気持ちをポツポツと話しました。…なぜ自分が子どもが欲しいのか理由がないまま、すごく欲しいと思えないのに治療に通っている、それは矛盾しているのではと思う。前回、妊娠できたときにヤッタ! というよりどうしよう…という動揺の気持ちが大きかった。結局流産して、とても悲しい気持ち。欲しくないわけではない、生まれたらきっとかわいい。子どもを求める気持ちが100%ないのは、夫婦2人でも充分楽しいのに、その生活を否定するような気がするのかもしれないと思っている…。などなど、会話を挟みながら話しました。心理士の先生はそれを聞きながら、「今まで達成感を感じたことがないのでは?」と私に聞きました。たしかに、それはありました。成功したことでも何かしら後悔・反省点を見つけて、いつまでもマイナスな方にウジウジ考え続けるタイプです…自分に設定するハードルが高いのか、低いはずなのに高く見えてしまっているのか、どちらにしろ自分を過小評価してしまうところがあるようですねぇと先生。それを言われて、それなら思い当たることがあると自分の家庭環境を話しました。私は、姉・姉・私・弟の4姉弟です。両親は男児を切望していて、男の子が生まれるまで生み続けるつもりだったと冗談交じりに聞いたことがあります。加えて姉から、弟が生まれたとき母は泣いて喜んでいた、と聞きました。「あれ? じゃあ三女の私って残念な子…? ハズレだった?」 ずっとそんな気持ちを心の中に持っていました。「必要とされていない感」をすごく感じていました(だいぶ後に、そうではなかったと誤解は解けましたが)。それを聞くと先生は納得したようで、「きょうだい葛藤」という言葉を教えてくれました。生まれたポジションによって感じる私のような気持ちを、そう呼ぶのだそうです。長子は長子なりに、末子は末子なりに、間の子は間の子なりに、いろいろな葛藤があるそうです。長子は初めての子だからかわいがられる、末子はやはり一番小さいからかわいい。そんな中、中間子は、親になんとか注目されようと目立ちたがり屋だったり、変な子と言われるタイプが多いとのこと。当たっています(笑)。そして、よっぽど秀でた才能(一般的に認められる、勉強やスポーツなど)がない場合、「褒められた」と感じることが少ないそうです。カウンセリングは続きます。※私が長男を妊娠するために不妊治療をしていたのは、2005年11月~2008年10月のことです。また、この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。
2018年11月28日様々な分野の第一線で活躍する人物に迫るドキュメンタリー「情熱大陸」の11月25日(日)オンエア回は、俳優の村上虹郎に密着。“サラブレット”として輝きを超え、いまひとりの俳優として強い存在感を放ち出した期待の俳優の知られざる素顔とは!?1997年、俳優の父・村上淳とミュージシャンの母・UAの間に生まれた村上さん。東京に生まれ神奈川県のシュタイナー学園で学び、沖縄暮らしを経てカナダ留学。その留学中に河瀬直美監督の『2つ目の窓』で俳優デビューを飾ると同作でカンヌ国際映画祭デビューを果たし、第29回高崎映画祭・最優秀新人男優賞を受賞。その後2016年夏クールのドラマ「仰げば尊し」では不良グループのリーダー格を演じ新田真剣佑、北村匠海、太賀、佐野岳らと共演、多くの視聴者に感動を巻き起こし、2017年には映画『武曲 MUKOKU』で第41回日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞。この夏に放送された「この世界の片隅に」では戦火に翻弄される青年を熱演、来年には映画『チワワちゃん』、舞台「ハムレット」も控えるなど、いま期待の若手俳優だ。村上さんは自身の生まれや育ちについて「親の七光りですか?僕、虹郎っていうくらいなので俳優として七色以上に光りたいです」と明るく答える。母・UAさんの持つ独特でエキゾチックな雰囲気と、父・淳さんの端正な顔立ちを受け継いで若手俳優の中でも群を抜いた存在感を放つ村上さんは、その強い存在感ゆえにとかく「そのままの自分」を求められることが多いのだとか。“自分”を保ったまま“役”という別人格になるというというのは容易ではないが「フィクションを作っているから本当は自分を曲げないといけない。本来、フィクションは全部曲げているって思うんです。でも、だからこそ僕は特に、一番“自分の真ん中”にいなきゃいけないと思う」と語る村上さん。彼にとって演技することや表現することとは何か?若手実力派俳優の知られざる素顔をカメラが追う。村上さんが主演、父・淳さんとの共演も話題となっている映画『銃』は現在公開中。原作は芥川賞作家・中村文則のデビュー作で、同作を数々の伝説的作品を生み出してきた奥山和由がプロデュース、『百円の恋』『嘘八百』の武正晴監督がメガホンをとり映画化。村上さんが拳銃を拾ったことで、その銃に支配され狂気に駆られていく主人公の大学生・西川トオルを演じ、トオルの大学の友人・ヨシカワユウコに広瀬アリス、トオルのもとを訪れる刑事にリリー・フランキー、そのほか日南響子、新垣里沙、岡山天音ら個性派俳優が揃った。「情熱大陸」は11月25日(日)23時~TBS系で放送。(笠緒)
2018年11月25日アイドル離れした抜群のトーク力で人気を集める関ジャニ∞の村上信五(36)。その能力が“ある議論”を呼んでいるという。舞台となったのは11月9日放送の『ミュージックステーション(以下Mステ)』(テレビ朝日系)。乃木坂46や桐谷健太(38)といった豪華メンバーが顔を揃えるなか、この日の目玉は椎名林檎(39)とエレファントカシマシ・宮本浩次(52)による“夢の共演”だった。『NEWS ZERO』(日本テレビ系)のエンディングテーマとしてもおなじみのコラボ楽曲「獣ゆく細道」をテレビ初披露ということもあって、放送前から大きな注目を集めていた。そんななか、出番前のトークコーナーで事件は起きた。司会のタモリ(73)が「どこでそういう話になったの?」とコラボの経緯を尋ねると、少ししどろもどろになる宮本。すると、宮本の真後ろに座っていた村上がすかさず「宮本さん!どこでかを言ってください!」と勢いよくツッコんだのだ。さらに、椎名からのオファーが17年の紅白歌合戦出演時にあったことを明かし「『来年宮本さんどうされてますの?』と林檎さんから聞かれたんです。あ、来年って要するに18年のことなんですけど」と天然トークが炸裂。それに対し「みんなわかってますって!」と村上がまたもやツッコみ、スタジオが笑いで包まれる一幕も。村上が見せた名ツッコミを、関ジャニとエレカシ両ファンも《場を盛り上げようとした村上くんさすがのMCスキル!》《宮本さんのことフォローしてくれてありがとう!》と高く評価していた。しかし、そんな村上に一部エレカシファンが激怒。《MCうまいのはわかるけど、宮本が喋ってる時にしゃしゃりでないでほしい》《村上くんさすがにちょっとうるさい!》と村上が宮本の会話を遮ったと捉えたファンも少なからず登場。ネット上で議論になっていたのだ。「たしかに宮本さんが村上さんに『ちょっとあんた黙んなさい』と言った瞬間は、私も『大丈夫かな?』と思いました。エレカシファンからすると村上さんがしゃしゃり出たように見えるのも仕方ありません。ですが、宮本さんのトークはかなり独特でコントロールするのが難しいのも事実。放送ではタモリさんも少し困っているように見えました。そこで別の音楽番組で共演経験もある村上さんが助け舟を出したのだと思います。実際、去り際に宮本さんが村上さんに向かって『ありがとう』と声をかけていましたが、フォローを感謝してのことなのでしょう」(レコード会社関係者)
2018年11月13日作家の村上春樹氏がラジオDJを務める、『村上RADIO』の第3弾が「村上式クリスマス・ソング」をテーマに、12月16日(TOKYO FM/19:00~ ※各局放送時間が異なる)に放送される。第3弾の放送は、 平成最後のクリスマス目前の12月16日であることから、「クリスマスソング特集」がテーマとなり、村上氏自身が選曲を担当する。村上氏は「クリスマスだからって、 とくに楽しいことなんて何もないよ、 とおっしゃる方もたくさんおられると思います。 それから『クリスマスだからクリスマス音楽をかけるっていうのは、 あまりにも月並みじゃないか』とクールに構えている方もきっとおられることでしょう。 ほんとにそのとおりですね。 僕もそう思います。 この季節になると、 明けても暮れてもクリスマス・ソング…疲れちゃいますよね」としつつも、「でもそういうときこそ、 あまり月並みとはいえない、 クールなクリスマス・ソングをしっかりまとめて聴こうではありませんか」と呼びかける。さらに「だいたいクリスマスにクリスマス・ソングを聴かずして、 いったいいつ聴くんですか?うちにある、 僕の気に入ったクリスマス・ソングを、 ここでまとめて『冬の虫干し』します。 どうかご期待下さい」とコメントした。
2018年11月13日俳優の村上虹郎とモデルで女優のSUMIREが、「ベイクルーズグループ」創業40周年を記念した企業CMで共演。CM楽曲は、村上さんの母・UAの曲を、SUMIREさんの父・浅野忠信がボーカルを務めるバンド「SODA!」がカバーしていることが分かった。アパレルの枠を超え、カフェなどの飲食事業や、家具やインテリア事業などライフスタイルに関わる幅広い事業を展開している「ベイクルーズグループ」。今回初めてとなるTVCM「Not Smart, But Creative.」では、相反する2つの価値観や強い意志が、ぶつかり合い、混ざり合い、1つに溶け合うことで新たな価値が生まれる、というコンセプトを村上さんとSUMIREさんが表現した。村上さんといえば、先日の東京国際映画祭にて期待の若手俳優に贈られる「東京ジェムストーン賞」に選ばれたばかり。「日本映画スプラッシュ」部門にて上映された最新作『銃』(11月17日公開)は、武正晴監督が同部門・監督賞を受賞した。また、「装苑」専属モデルであるSUMIREさんは、映画デビュー作『サラバ静寂』、行定勲監督作『リバーズ・エッジ』に続き、2019年2月には「BABEL LABEL」の藤井道人・山田久人プロデュースによるオムニバス映画『LAPSE』の公開を控えるなど、女優としても活躍の場を広げている。音楽は、村上さんの母として知られるシンガーソングライター・UAさんの楽曲「太陽手に月は心の両手に」を、SUMIREさんの父・浅野さんのバンド「SODA!(そーだ!)」が今回のために特別にカバー。“2つの要素が混ざり合って、新たな価値が生まれる”というストーリーを深め、時代を築き上げてきた“親世代”と、これからの時代を担っていく若き2人のコラボレーションが実現した。監督を務めたのは、人気アーティストのミュージックビデオをはじめ、世界的大企業のコマーシャル、ドラマや短編映画などのディレクションを行い、人間のリアルを捉えることで名高い山田智和。最近では「MTV VMAJ2018」年間最優秀ビデオ賞を受賞した米津玄師のMV「Lemon」を手掛けている。■談笑から一転、役に入り込む切り替えの早さを披露今回のCM制作にあたり、撮影中の村上さん、SUMIREさんの「Not Smart, But Creative.」な様子も到着。2人は直前まで談笑をしているのにもかかわらず、撮影がスタートした瞬間に、役に入り込み、役者としての切り替えの早さを披露。メイキング中の村上さん、SUMIREさんの言葉からは、彼らがこだわって、悩んで、がむしゃらに生きている様子が伝わってくるかのよう。撮影自体も海の中に飛び込むなど、一切の妥協をゆるさないハードな内容ではあったが、村上さん、SUMIREさんは終始、真摯に取り組んでいた。「服は好きですか?」の問いに、SUMIREさんは「好きです。必需品というか、今はつけてないですが、普段はピアスをずっとしていて、どんなジャンルのスタイルの服を着ててもアクセサリーは付けているのでそれらは欠かせない」とコメント。一方、村上さんは「ぱっと見たときにほとんど顔以外服じゃないですか。そうなってくるとその人の、もしかしたら9割くらいの印象を決めるのは服ですよね。だからそこにもちろん無頓着なときもあれば、でもやっぱり服の美意識みたいなものはあるかもしれませんね」と持論を語っていた。BAYCREW’S 40周年企業CM「Not Smart, But Creative.」は11月7日(水)よりオンエア。(text:cinemacafe.net)
2018年11月07日2回目の受精卵移植が着床せず、続いて3回目にトライ。今回は2個を戻すと先生に言われたものの、見せられた写真には1個しか見当たらず、不安になるこてつさん。不妊治療を2005~8年に受けた中村こてつさんの体験談。受精卵移植3回目「初めての2個同時移植」前回の妊娠(その後、初期流産)から買い続けているものがありました。それは…「たまごクラブ」。バカだよなぁ~、と思いつつ買うのをやめられません。予習のつもりもありましたが、現役妊婦さんたちが1カ月ごとに妊娠経過を紹介する妊婦日記の企画があり、その方たちが無事に産めるのか、どんな名前をつけるのか。一番楽しみなページでした。この頃は妊活雑誌「赤ちゃんが欲しい」と「たまごクラブ」を両方購読していました。いつか、たまごクラブだけを買う日がくることを信じて。両方ともまとめて買うのは少し恥ずかしかった記憶があります。3回目の移植が始まりました。グレードの良い卵があと1個残っているけれど、これまでの結果から考慮して、3回目は少しグレードの落ちる2個を戻すことになりました。多胎のリスクもありますと言われ、「まぁそれも運命でしょう」と悟りきった老人のような返答をしてしまいました(笑)。これまで同様、薬で子宮内膜を厚くしました。加えて、今回は初めて子宮内膜刺激というものを行うことになりました。移植の2日前に子宮の壁に少し傷をつけ、その傷が修復する働きを着床にも利用するとのこと。傷をつけるといっても、移植のときのカテーテルを挿入するのと同じことで、痛みはほとんどないと言われました。実際、カテーテルを挿入し、つんつんと当たったな~と思ったらもう終了でした。その後も注射を続け、移植日になりました。昼過ぎ、クリニックに到着後、すぐに診察室に呼ばれます。ドクターから1枚の写真を見せられ、「これが今回移植する胚盤胞です」。見ると1個、すでに脱出中の卵が。…あれ? 1個???たしか前回の診察で、次回は2個って言われたよなぁ…。それとも2個融解したけど1個はダメだった?? でもそれならそう説明するよなぁ…。頭の中に「?」マークがたくさん浮かんでいるうちに、さっさと移植室に移動させられます。診察室を出たあと付き添ってくれているオットと「…1個だったね??」と言い合います。看護師さんに疑問をぶつけました。「今回2個と聞いてたんですが、私の勘違いだったんでしょうか?」それを聞いた看護師さんは慌てて確認をとりに行き…また診察室へ呼ばれました。どうやら私の勘違いではなく、病院の手違いだったようです。すぐにもう1個融解することになり、さらに遅い時間で移植をするはめになりました。しかも今度融解するのは2個同時に凍結している分で、ということは卵が1個余ります。「それはどうなるの??? 捨てられちゃうの???」と不安になりましたが、よい状態なら再度凍結するとのことでホッとしました。近くの電気店で時間をつぶします。テレビ、洗濯機、掃除機…欲しい。でも治療にお金がかかるから我慢我慢。電話がありクリニックに戻ります。今回移植する2個の卵の写真を見せてもらいます。1個は最初の胚盤胞、さっきより成長しています。後から融解した1個は、アシステッドハッチングをしているものの、まだ脱出していません。グレード「回復中(4割)」と書いてありました。凍結時にグレードABだったから、それよりちょっと悪いくらいなのかな。ちなみに今回移植しない胚盤胞は凍結時グレードCB。融解後の感じは、移植できるかどうか…というくらいの状態で、結局再凍結は無理でした。これで、3回目の移植で妊娠できなかったら、凍結胚は残り2回分です。消毒後、カテーテルを挿入…のはずが、子宮が左に曲がっているらしく(たまにあることだそう)、柔らかいチューブが入っていきません。なかなか長い時間グリグリされましたが、やはり入らなかったようで硬いチューブに変更しました。ちょっと子宮をひっぱりま~すと言われ、ピンセットみたいなもので引っ張られました。痛い…。ドクターがなにやら苦労している様子でしたが、ようやくチューブも入り、やっと胚盤胞を移植することができました。そんなこんなで普段より移植時間もかかり(約40分)、終了したのは19時前。下半身むき出しの体に、エアコンがガンガン効いた移植室は寒かったです。その後、注射をしてお会計をしました。約8万円也。電化製品はまだまだ新調できそうにありません(笑)。不妊治療、本当にお金がかかる!!初の2個移植、いろいろハプニングはありましたが無事にすみ安心しました。判定日までなるべく無理せず、ゆっくり過ごすことにしました。※私が長男を妊娠するために不妊治療をしていたのは、2005年11月~2008年10月のことです。また、この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。【お知らせ】第38話 「不妊治療中「一生忘れない!」怒りにふるえたオットの一言」 の記事下アンケート「Q1. 夫の何気ない一言が「許せない…」と思ったことはありますか?」のアンケート結果はこちら↓≫ 「夫の気遣いの方向性完全間違ってます! 夫が妻に言ってはいけない一言」
2018年10月24日流産を乗り越え、2回目の受精卵移植にトライしたこてつさん。結果そのものよりも、オットの態度に落ち込んでしまい…。不妊治療を2005~8年に受けた中村こてつさんの体験談。2回目の受精卵移植「我慢の日々、かさむ費用…」2回目の移植に向け、準備を始めました。まずは子宮内膜を厚くするための投薬開始。今回、前回と続けて生理周期が普段より少し長めでした。まだ卵巣が回復していないのではと気になり、この状態で移植をしてもいいのかと質問しました。ドクター曰く、ホルモン補充していくので問題はないとのこと。それに、排卵までの期間が長くなるのは、PCOS(多嚢胞)の人にはよく見られる傾向だそうです。 「卵巣がサボりだしたんでしょうねぇ」とドクター。これからも段々周期が長くなる可能性もありますよ、とのこと。でも体質だからしょうがないですねと言うと、そうですねとの返答でした。移植予定日が決定しました。それにより、オットの会社のイベントに合わせ、ついて行こうと企んでいた旅行もキャンセルが確定しました。移植後の飲酒は禁止なので、夫婦で飲みに行きました。もし妊娠できたら2年近くアルコールとはオサラバか。参加予定だったスポーツ大会も移植後になってしまうので、キャンセルしました。今はすべてにおいて治療が優先ですが、悲しい…。いやいや、いっときの我慢。子どもができたら我慢することはもっとあるはずだしね。世の中のお母さんたちは本当にえらいなー。今は最優先すべきことに集中しよう…。そう自分に言い聞かせ、移植日を迎えました。移植前に融解した胚盤胞の写真を見せてもらいます。成熟胚盤胞グレードAA。おぉ、いい感じ。受精卵は優秀です、とドクター。アシステッドハッチング(胚を包む透明帯という膜を少し破ったり薄くしたりして、着床率の向上を図る生殖補助技術)をしているので、そこからドロリといった感じ(ただのイメージです)で中身が出てきていました。その部分から着床していくとのこと。子宮内を消毒します。これが毎回地味に痛いのです。看護師さんがおなかから超音波をあて、ドクターはカテーテルを使って子宮内へ受精卵を送ります。その様子は頭上のモニターで確認できます。管を通って前進する白い光が見えました。受精卵だ。まるで蛍みたい。 カテーテルが抜かれると、白く光る受精卵だけが子宮内に残りました。その輝きが続くのか、季節とともに去っていくのか、知っているのは神様のみ。1回目の移植を参考にお金を準備していました。が、料金が足りませんでした。クリニックの階下には銀行もあるけど、あいにくすぐに下ろせる口座の残金は480円…(マジです)。ということで1万円未納にしてもらいました。しかもお金のことで頭がいっぱいだったのか、座薬や飲み薬を入れた紙袋を置き忘れ、途中まで帰っていたのだけど、気づいて引き返しました。いろいろ恥ずかしい…。なんだかドタバタした移植後となってしまいました。そして、10日後の判定日。グレードAAの輝かしい胚盤胞は…着床していませんでした。2回目だし、本当はもっと凹まないはずだったのです。はずだったのに…。実際、家に帰るまでは、そんなに落ち込んでもいませんでした。それなのに、帰宅してオットと口けんかになりました。オットはなにをどう勘違いしたのか、「私が暗いのは、旅行に行けないことを不満に感じているのだ」と思ったのでした。それなのに(会社のイベントなので)自分は行かねばならないことに後ろめたさもあったのか、理不尽に怒っていました。 その怒りの矛先は私には向けられないので、物に当たって、すごい音がして、なんだか妙にそれがショックで…。どちらかというと着床しなかったことより、けんかのことがショックで、2日ほど思い出しては泣いていました。移植に失敗して暗いのは当たり前に想像がつくでしょ、普通…。私は凹んでいる(と気づかってくれてもいい)のに、そんな日になんでそんなにキレるんだよぉ。ダブルショックだよぅ。そんな思いでいっぱいで、さめざめと泣いた結果、まぶたがはれてひどい顔になりました。「今回は、残念ながら妊娠しなかったみたい」とドクターに言われ「まぁ、そういうこともあるだろうなぁ」と素直に受け止めることができました。判定後、今後の治療方針について看護師さんと話し合い、2回連続で移植しているし、しばらくお休みにしようと決めました。身体的には、すぐ次周期で3回目の移植をしても問題はないとのことでした。でも精神的に、少し休憩したい気分です。帰宅後のけんかでその思いはいっそう強くなった、というか、そのときは「もうやめたい」と思いました。旅行も大会もキャンセルしたのに、妊娠せず。オットにはキレられ、いい思い出のない2回目の移植は幕を閉じました。※私が長男を妊娠するために不妊治療をしていたのは、2005年11月~2008年10月のことです。また、この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。
2018年10月10日子どもを授かるために、禁煙に努めていた夫。しかしある日、つらい治療に励むこてつさんにとっては聞き捨てならない言葉が飛び出し…。不妊治療を2005~8年に受けた中村こてつさんの体験談。「たばこは精子の運動率を下げる」とドクターに言われて以来、オットは1年近く禁煙をがんばっていました。杜仲茶(とちゅうちゃ)の葉を使ったニコチンレスのたばこを吸ってみたりしたけれど、完全にはやめられませんでした。「まず買わない」という作戦もとっていましたが、飲み会などではどうしても吸いたくなるらしく、同僚にもらっていました。また、私と口げんかをしてイライラしたときには吸っていました。採卵が終わったくらいから、徐々に増えてきているような気がしていました。自分の役割はもう終わったと?(怒)やめられるのは本人の意思のみだと思っているので、私もあえてやめてとは言いませんでした。そんな禁煙に努力している中、オットは私が一生忘れないであろう言葉を言ったのです。やめようやめようと努力しても、なかなかやめられず困っていたオットに、私は「病院に行ってみれば? 禁煙外来とかあるらしいよ」と提案してみました。すると、「それは絶対に嫌だ」と言います。「どうして?」と聞いて返ってきた言葉が…言葉が…今思い出しても腹が立ちます(笑)。オットは言いました。 「(通院するのは)ストレスになる!!」と…。 …絶句する私。数秒後、「なぁぁぁにぃぃぃぃ?! 今、何と言ったぁぁ、ごるぁぁぁ!」と、叫…べたらよかったのですが、あまりのショックに言葉まで引っ込んでいました。心の中で叫びます。「どの口でそんな言葉が言えるんじゃぁっ!? 毎日のように治療に通っている妻の目の前で! ストレスを理由に病院行かなくていいんなら、私だって行ってないわ!! このボケカスがぁぁぁぁぁっっ!!」この時は信じられない気持ちと怒り、ショックでぐっちゃぐちゃになり、私の思考回路はショート寸前(笑)。目を見開いたまま突っ立っていた気がします。言った本人は全く気にしていません。それは私が言わない・怒らないから当たり前なのですが。今思えば、この時に言葉にして言えばよかったのですよね。私の悪いクセです。嫌ならそれをすぐに伝えれば、相手に分かってもらえることは多いのに。しかし、怒らないけど忘れない。私はじっくり怒りを熟成させるタイプです(暗)。「このことは一生、絶対に忘れないからな! いつかこの仕打ちに対する仕返しはさせてもらうからな!」…と、心で叫んでいました。(笑)そして、10年後…。今、こうしてインターネットでオットをさらす私がいます。さらしてもなお、この一言は一生忘れないでしょう。※私が長男を妊娠するために不妊治療をしていたのは、2005年11月~2008年10月のことです。また、この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。
2018年09月26日