来年1月にシアターコクーンの新芸術監督に就任する松尾スズキが、1999年に自身の劇団「大人計画」で上演、2010年には再演もされた舞台「母を逃がす」の上演が決定。瀬戸康史、三吉彩花、稲葉友ら出演、新演出で上演される。自給自足の共同生活を営んでいる架空の農業コミューンを舞台に、そこに生きる人々の切実な日常生活を痛烈な笑いで描き、話題となった本作。1999年には第3回鶴屋南北戯曲賞にもノミネートされた。今回、集落の頭目代行で住民たちをまとめるリーダー的存在・雄介役を演じるのは、近年では「パーフェクトワールド」「ルパンの娘」が話題となった瀬戸康史。「お話をいただいた時、この世界には足を踏み入れてはいけないような気がして、何とも言えない感情になった」と語る瀬戸さんだが、「見たことのない世界って足を踏み入れたくなるものです」とコメント。また、雄介の妹リク役には『ダンスウィズミー』で注目を浴び、今回舞台初出演となる三吉彩花。「また新たなる『初めて』を経験させて頂くことになり、緊張と興奮で震えます」と心境を明かし、「年々流行や物事の流れが早くなっている今の時代に良い意味で刺さる、そしてブレない戯曲を上書きしていけるよう、先輩方に教わりながら精一杯演じさせていただきたいと思います」と意気込んでいる。さらに、流れ者の葉蔵役に稲葉友、雄介の婚約者蝶子役に山下リオ、集落の医者赤痢役にマキタスポーツ、集落の女警備長島森役に峯村リエ、雄介の母ハル子役に高田聖子、雄介の兄地介役に六角精児。そのほか、家納ジュンコ、もう中学生、湯川ひな、武居卓に加え、町田水城、山口航太も参加する。なお、今回演出を手掛けるのは、劇団はえぎわの主宰ノゾエ征爾。「このとんでもなくモンスターな本とどう取っ組み合おうかと、考えたところで分かりそうになかったので、ひとまず無邪気に取っ組みあってくれそうな方々を呼ばせていただきました。揃いました、素晴らしき珍獣たち」とキャストについてコメント。松尾さんは「芸術監督ともなれば、新しい演出家をコクーンに呼びこむというような仕事もあり、そうなると、真っ先に頭に浮かんだのが、ノゾエ征爾なのだった。彼が私の教え子であることを差し引いても、コクーンという劇場の空間を埋めるスペクタクル演出のできる数少ない若手演出家なのに、なぜ早くコクーンに出てこないのだと思ってすらいた」とノゾエさんについて語っている。<ストーリー>“自給自足自立自発の楽園”をスローガンに掲げた架空の農業集落「クマギリ第三農楽天」。病に倒れた父に代わり村をまとめる頭目代行の雄介(瀬戸康史)は、リーダーシップのなさに悩みながら頭目代行としての存在感を示すために、仮想敵国との対立を演じたり、死刑を復活させようとしたりしている。たった一つの存在価値のあかしは婚約者の蝶子(山下リオ)。いまは刑務所に入っている兄・地介(六角精児)の婚約者だったが妊娠せず、地介入所後、雄介の子どもを身ごもった。しかし、住人たちは頭目代行を全く頼りにせず、妹・リク(三吉彩花)は兄に反抗して彼が統治するこの土地を楽園だと認めようとしない。その上、女警備長の島森(峯村リエ)とよからぬ関係。ある夜、集落は謎の男の襲撃を受ける。翌朝の集会で人を集め、雄介は敵国からの攻撃対策の自警団設立を提案するが島森は難色を示す。そんなことをよそに、捨て子のトビラ(湯川ひな)は壊された合同テレビの修理をしてほしく、外部から来る保険手続き代行人の一本(町田水城)の来訪を待ちわびるばかり。事あるごとに自信を喪失する雄介。そんな息子を、母・ハル子(高田聖子)は心配する。ある日、集落に2人の流れ者がやって来て、仮想敵国・シカノバルからのスパイ容疑で雄介に捕まえられる。力持ちだが頭の弱い万蔵(もう中学生)と、切れ者の葉蔵(稲葉友)だ。2人はいとこ同士で、万蔵がシカノバルで起した事件のために逃げてきたという。そしてもう一人、監獄に入っていた地介が故郷に戻ってきて――。シアターコクーン・オンレパートリー2020「母を逃がす」は2020年5月7日(木)~25日(月)Bunkamura シアターコクーンにて上演。※2020年6月上旬、大阪にて上演予定。(cinemacafe.net)
2019年12月04日大人計画主宰の松尾スズキが2000年に手がけたミュージカル作品「キレイ-神様と待ち合わせした女-」。100年もの間、三つの国による争いが続く“もう一つの日本” を舞台に、少女監禁、戦争、民族紛争などの設定・テーマを織り交ぜながら展開していくスペクタクル作品は、Bunkamura シアターコクーンでの初演後、2005年、2014年にも再演・再々演され、松尾スズキの代表作とも言える存在に。そんな同作が12月より4度目の上演をスタート。キャストには近年ミュージカル界で輝く生田絵梨花や、これが舞台初出演となる神木隆之介など注目の顔ぶれが揃った他、今回は、東京・大阪に加え、松尾の故郷でもある福岡・博多座での上演も。話題性充分な中、福岡公演のチケット発売を前に松尾が来福。今公演への思いを語ってくれた。【チケット情報はこちら】まず故郷でのロングラン公演について、「博多は大学生の頃よく遊んでいた街で、かつては素人演劇のようなものをやっていた場所。そこでこうした大きなカンパニーの芝居を打てるようになるとは思っていなかった」と喜びを見せつつ、今作については、「作ったのは僕が30代後半の頃。初めてシアターコクーンという劇場に進出するということで、今までやったことのないことをやりたい、ミュージカルの概念をぶっ壊したいという思いから、音楽はミュージカル経験のない音楽家に、舞台装置は漫画家に頼むなど、攻めながら作った作品でした。その後、回を重ねるごとに僕自身、ミュージカルの奥深さを知り、どんどん無駄を省きながら、今作は音楽的にもかなり充実した舞台になっていると思います」と続け、さらに「特にオープニングの『ケガレのテーマ』は名曲。日本発のミュージカルのスタンダードナンバーになっていくんじゃないかと思っています」と語ってくれた。キャストについては、「これまでの『キレイ』より、ミュージカル経験のある方が揃ったように思います。生田さんに関しては、橋本じゅんさんが出演した『レ・ミゼラブル』で共演されていて、手垢のついてない演技や素晴らしい歌声に惹かれてお声がけさせていただきました。神木くんは昔から注目していたんですけど、ハリコナという少年の役のフレッシュさが、彼の初舞台というコンディションに合致するのではないかと期待しています」と語り、「うち(大人計画)の俳優たちも博多が大好きで、博多公演と聞くと少しテンションが上がっています(笑)。僕も『やっと来れた』という思い。松尾もこれくらい派手なスペクタクル演出ができるんだということを感じていただけたら」と笑顔で締めくくった。福岡公演は、2020年1月13日(月・祝)から19日(日) まで博多座で上演。チケット発売は11月9日(土)、プレリザーブは11月7日(木)11:00まで受付中。その他、大阪公演も発売中。
2019年11月06日松尾スズキが監督・脚本・主演を務める妥協なきR18復讐コメディ『108~海馬五郎の復讐と冒険~』。この度、本作で主人公の復讐のきっかけを作った堀田真由演じる赤井美月の場面写真が到着した。本作は、愛する妻がSNSに投稿した浮気写真を見て激怒した主人公・海馬五郎が、投稿についた「いいね!」の数だけ女を抱き、たった1か月で資産1000万円を使い切るという復讐を始める…。堀田さんは、連続テレビ小説「わろてんか」では主人公の妹役を演じ、「チア☆ダン」「3年A組―今から皆さんは、人質です―」『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』などの話題作への出演も相次ぐ、いま注目の若手女優。今作で演じるのは、海馬に妻・綾子の浮気写真をリークし、海馬がとんでもない復讐を思いつくきっかけを作った売れない女優・赤井美月だ。到着した場面写真では、海馬に指をくわえさせ、ベッドに横たわり微笑む小悪魔的な一面が垣間見える。そんな清純そうな出で立ちで可愛い顔をしながらも、海馬にとってあまりに残酷な現実をこれでもかと突きつける美月役は、松尾監督曰く「見た目は癒し系、でもしたたかな女の子」というイメージでキャスティングを行ったそう。また「こういう子におじさんはイチコロになるのかな」と堀田さんの印象を語っている。20歳(撮影当時)とは思えない、強かな大人の表情も本作では注目だ。『108~海馬五郎の復讐と冒険~』は10月25日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:108~海馬五郎の復讐と冒険~ 2019年10月25日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開©2019「108~海馬五郎の復讐と冒険~」製作委員会
2019年09月13日松尾スズキが監督、脚本、そして主演までも務め、星野源が主題歌を担当する映画『108~海馬五郎の復讐と冒険~』。この度、本作に“ホスト役”で出演している俳優・大東駿介の場面写真が到着した。松尾さんが長編監督映画4作目にして初めて監督・脚本・主演全てに挑んだ本作は、“いいね!”の数だけ女を買いまくるという妥協なきR18復讐コメディ作品。本作で大東さんが演じているのは、そんな主人公・海馬五郎(松尾さん)の復讐計画に手を貸すNo.2ホスト・聖矢。彼の復讐計画に巻き込まれていく個性豊かな登場人物たちの中でも、群を抜いて大きく変貌を遂げたのが大東さんだ。「新・ミナミの帝王」や『クローズZERO』『曇天に笑う』などに出演し、現在放送中の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」では、平泳ぎの金メダリスト・鶴田義行を好演。同役を演じるにあたり、1日7食、週7回のジム通いで肉体改造を行い、その肉体美も話題に。しかし、今回到着した場面写真には、「いだてん」での硬派な鶴田とは180度違う、金髪メッシュの盛りに盛ったロン毛に白スーツ姿を披露!ホストクラブの宣材写真に加え、海馬に何やら怪しい薬を手渡す姿が切り取られている。2014年の舞台「もっと泣いてよフラッパー」で大東さんと共演した松尾さんが、その際「何でもやります!」と言っていたのを思い出し、今回聖矢役をオファー。今作では、心身ともにホストになりきっている。『108~海馬五郎の復讐と冒険~』は10月25日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:108~海馬五郎の復讐と冒険~ 2019年10月25日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開©2019「108~海馬五郎の復讐と冒険~」製作委員会
2019年08月26日「与党が消費税10%の増税を掲げる一方、それに野党はオール反対とわかりやすい選挙でした……。この選挙結果は、格差が急激に拡大する最悪のシナリオの序章になるかもしれません」こう語るのは、経済アナリストで獨協大学経済学部教授の森永卓郎さんだ。7月21日に投開票が行われた参議院選挙で与党が多数を占めた。これにより10月から消費税は8%から10%に引き上げられることがほぼ確実となった。「安倍晋三首相は選挙中もアベノミクスによる経済成長の実績を強調していましたが、その実態は、格差を拡大させただけです」そう語るのは、立命館大学経済学部教授の松尾匡さん。社会保障や介護・教育分野などに大胆に政府支出を求める「反緊縮」を唱えてきた松尾さんが、こう続ける。「安倍政権になってから“世界でいちばん企業が活躍しやすい国”とのスローガンを掲げ、大企業に有利な政策を始めました。’90年代には5割だった法人税の税率が、’18年には3割を切るまで引き下げられました。所得税においても富裕層に対する優遇措置をおこない。’70年代に75%だった最高所得税率は、安倍政権になって45%になっています。その一方、5割を超える人が“生活が苦しい”と答えています。アベノミクスが、富裕層と庶民の格差を大きくさせてきたのは明らか。しかも、参院選の結果を受けて、これまでの政策はこれからも続くでしょう」今後、その格差が広がっていくのは確実だと森永さんはみている。「1億1,000万円以上投資可能の資産を持つ億万長者は急増し、’17年に国内に約316万人。その数は前年から9.4%も増えており、今後も増加していくことが予想されます。ところが庶民の実質賃金は累積で4%下がっています。富裕層が庶民の所得を奪う形で、いっそう、金持ちになっていくでしょう」持てる者と持たざる者の差が開いていく状況をさらに悪化させるのが、アメリカとの貿易交渉だという。元・神戸大学大学院教授で「暮らしと経済研究室」主宰の山家悠紀夫さんが語る。「再選を目指し、これから本格的に選挙戦を繰り広げるトランプ大統領としては、日米貿易交渉での成果を自国民に示したいところ。一方、トランプ大統領に参議院選挙の影響を考慮されて“参院選後にやろう”と交渉を延ばしてもらった安倍首相。勝敗はおのずと見えています」森永さんも、日米貿易交渉の見通しは暗いと警鐘を鳴らす。「昨年9月の日米首脳会談のあと、安倍首相は“ウインウインの関係を築く合意”だと自賛しましたが、実態は惨敗です。アメリカが日本から輸入する自動車に25%の関税をかけると脅され、日本はTPP(環太平洋経済連携協定)に参加する国と同じ水準まで関税を下げることを約束してしまったのです。日本は自動車を守るために、農業を生け贄に差し出すことになるでしょう。アメリカから安い農産物が入ってくるようになれば、日本の農業や畜産業は壊滅してしまいます」日米貿易交渉によってもたらされる格差は経済だけではないと松尾さんが語る。「農業が立ちゆかなくなると、地方はますます疲弊します。若者は都会を目指し、東京の一極集中が進むことに。安倍政権が頼みの綱にする東京五輪も地域格差を拡大します。東京オリンピック・パラリンピックまでは、首都圏に人も仕事も集中。東京にいると、しばらくの間は、消費増税の景気の落ち込みは感じにくいかもしれません。しかし、五輪特需の恩恵を受けられない地方経済は衰退に拍車がかかります」
2019年07月25日与党の勝利で、引き続き推し進められるアベノミクス。不況に入りつつあるいま、広がり続ける格差はどうなるのか。消費増税も含め、私たちの家計にどんな影響があるのか専門家に聞いた。「与党が消費税10%の増税を掲げる一方、それに野党はオール反対とわかりやすい選挙でした……。この選挙結果は、格差が急激に拡大する最悪のシナリオの序章になるかもしれません」こう語るのは、経済アナリストで獨協大学経済学部教授の森永卓郎さんだ。7月21日に投開票が行われた参議院選挙で与党が多数を占めた。これにより10月から消費税は8%から10%に引き上げられることがほぼ確実となった。元・神戸大学大学院教授で「暮らしと経済研究室」主宰の山家悠紀夫さんはこう語る。「所得の低い人ほど負担が重くなる消費税は、税にとって最も大切な原則である、所得に応じて税を負担する『応能負担』に反する不公平税制です。増税後は消費が落ち込み、物価が下落し、企業業績も悪化。社員の賃金が減らされるため、さらに消費が冷え込む“デフレ・スパイラル”に陥ります。そのしわ寄せは庶民にいくのです」社会保障や介護・教育分野などに大胆に政府支出を求める「反緊縮」を唱えてきた立命館大学経済学部教授の松尾匡さんもこう語る。「海外の状況も悪化しています。米中貿易戦争に、イラン情勢による原油高の懸念、泥沼化する日韓関係など、世界経済が不透明なとき。これまで日本経済を支えてきた外需に期待できません。そんな状況での増税は、風邪のひきはじめに冷水に飛び込むようなもの。とくに体力の弱い商店、中小企業は、消費税が上がっても価格に転嫁できません。自腹を切るしかなくなり経営が悪化。倒産したり廃業したりするケースも増加します。それにともない、職を失う人も増えていくでしょう」森永さんが語る。「消費増税以外にもアベノミクスのさまざまな政策が積み重なり、’08年のリーマンショック以上のダメージを日本経済に与える可能性も。現在は全世代の失業率が2%台と安定していますが、’08年のレベルまで悪化していくことが考えられます。倒産件数も、リーマンショック級の悪い数字を示すことになるでしょう」老後の生活を支える年金の手取り額も減っていくと、山家さんはこう予想する。「年金の手取り額は、額面から国民健康保険料や介護保険料が引かれます。不況による財政悪化で社会保険料がアップするなど、悪条件が重なると手取りで月5,000~6,000円減っていくことも考えられます。さらに、物価が上がっても年金が増えない『マクロ経済スライド』が続くことで、今後も年金受給額を減らしていくことが予想されます。政府は、低年金者向けに最大年6万円を給付する増税対策をするようですが、焼け石に水となるでしょう」未曽有の大不況は待ったなしの状況のようだ。「消費税対策として、安倍政権は消費増税分をポイントで還元するなどの対策を立てています。しかし、その多くが1年ほどの期限付き。東京五輪の特需も含めて、高い“崖”を作っているようなもの。五輪が終われば、日本全体がその高い崖から一気に真っ逆さまです」と松尾さん。最後にこう語る。「庶民は『年金2,000万円不足問題』があったことで、消費を抑えて貯蓄を増やそうとしています。そのうえで、景気が悪くなると、さらに消費を減らすので不況を悪化させてしまうのです。不況のスパイラルから脱するには、一般庶民にもっとお金が回るような、格差をなくす政策が必要です」庶民に厳しい政策がこれからもとられるのか、注視する必要がある。
2019年07月25日「与党が消費税10%の増税を掲げる一方、それに野党はオール反対とわかりやすい選挙でした……。この選挙結果は、格差が急激に拡大する最悪のシナリオの序章になるかもしれません」こう語るのは、経済アナリストで獨協大学経済学部教授の森永卓郎さんだ。7月21日に投開票が行われた参議院選挙で与党が多数を占めた。これにより10月から消費税は8%から10%に引き上げられることがほぼ確実となった。「安倍晋三首相は選挙中もアベノミクスによる経済成長の実績を強調していましたが、その実態は、格差を拡大させただけです」そう語るのは、立命館大学経済学部教授の松尾匡さん。社会保障や介護・教育分野などに大胆に政府支出を求める「反緊縮」を唱えてきた松尾さんが、こう続ける。「安倍政権になってから“世界でいちばん企業が活躍しやすい国”とのスローガンを掲げ、大企業に有利な政策を始めました。’90年代には5割だった法人税の税率が、’18年には3割を切るまで引き下げられました。所得税においても富裕層に対する優遇措置をおこない。’70年代に75%だった最高所得税率は、安倍政権になって45%になっています。その一方、5割を超える人が“生活が苦しい”と答えています。アベノミクスが、富裕層と庶民の格差を大きくさせてきたのは明らか。しかも、参院選の結果を受けて、これまでの政策はこれからも続くでしょう」安倍政権の政策が景気を回復させるのならいいのだが、すでに景気悪化の兆候が出てきている。今年に入って、アベノミクスの成果といわれてきた「新規求人数」が減少。松尾さんがこう指摘する。「下落しているのは新規求人数だけではありません。’18年11月ごろからあらゆる経済指標からみても景気が後退しています。とりわけ消費意欲を示す『消費者態度指数』が9カ月連続で下落しているのが気がかりです。購買意欲が冷えているうえに、消費税の増税が追い打ちをかけることで、ますます格差が広がってしまうのです」元・神戸大学大学院教授で「暮らしと経済研究室」主宰の山家悠紀夫さんもこう語る。「所得の低い人ほど負担が重くなる消費税は、税にとって最も大切な原則である、所得に応じて税を負担する『応能負担』に反する不公平税制です。増税後は消費が落ち込み、物価が下落し、企業業績も悪化。社員の賃金が減らされるため、さらに消費が冷え込む“デフレ・スパイラル”に陥ります。そのしわ寄せは庶民にいくのです」松尾さんもこう語る。「海外の状況も悪化しています。米中貿易戦争に、イラン情勢による原油高の懸念、泥沼化する日韓関係など、世界経済が不透明なとき。これまで日本経済を支えてきた外需に期待できません。そんな状況での増税は、風邪のひきはじめに冷水に飛び込むようなもの。とくに体力の弱い商店、中小企業は、消費税が上がっても価格に転嫁できません。自腹を切るしかなくなり経営が悪化。倒産したり廃業したりするケースも増加します。それにともない、職を失う人も増えていくでしょう」今後、所得がどれだけ下落するのか山家さんに予想してもらった。「厚生労働省の『国民生活基礎調査』の世帯所得のなかでも、より実態に近い中央値を見ると、第2次安倍政権が発足してから9万円も減っているのです。これに消費増税が追い打ちをかけると、最悪のケースで世帯所得は100万円も下落してもおかしくありません。中央値とは、全体のちょうど真ん中の値。つまり半数の世帯が年収320万円以下になってしまうのです。所得が下がる世帯が多いにもかかわらず、自民党の公約を見ても格差対策と言えるものはほとんどありません」与党の勝利で、引き続き推し進められるアベノミクス。不況に入りつつあるいま、広がり続ける格差はどうなるのか。
2019年07月25日昨年12月に大人計画が旗揚げ30周年を記念してイベント『30祭』を大々的に行ったのは記憶に新しいが、31年目に主宰の松尾スズキが起こした行動は劇団ならぬ“演劇部”の設立だった。「思いかえせば、学生演劇をやっていた頃が一番楽しかったのではないか?」という「自戒のような」思いから、その名は「東京成人演劇部」。部員は松尾のみで、7月4日(木)にザ・スズナリで開幕する第1弾『命、ギガ長ス』は、相手役に安藤玉恵を迎えて贈る二人芝居だ。認知症を抱える母とアルコール依存症でニートの息子。ドキュメンタリー作家とゼミの教授。松尾自身が「演劇をやっていなかったら、東京に来ていなかったらなっていたかもしれない自分を投影させた」作品になるという。大人計画はいまや、日本でも指折りの劇団だ。その主宰たる松尾が突然ちいさな芝居をやることと、ザ・スズナリという劇場から思い出すのは2012年の一人芝居『生きちゃってどうすんだ』だ。転換を繰り返す歌手やゾンビ役者など、クセのある人物を代わる代わる松尾が一人で演じきり、「スズちゃん」という一人の男の人生を浮かび上がらせるという趣向だった。突飛な設定やファンタジックな展開もありはしたが、これもやはり松尾自身が投影されていたものだったのだと思う。「生きちゃってどうすんだ」とつぶやいてから7年、「命、ギガ長ス」とやはり人生の長さを憂う松尾。その作品はどう変化しているのだろう。一人芝居は単発であったが、今回は新たなプロジェクトのスタートだ。“演劇部”と言いつつ、全国5都市をまわり、台湾での上演も決定している。56歳の松尾スズキが、こうして新たな挑戦をする姿を、喜んで享受したい。松尾スズキプロデュース 東京成人演劇部vol.1『命、ギガ長ス』は、7月4日(木)から21日(日)までザ・スズナリにて上演した後、富山、大阪、北九州、宮城、札幌、そして台湾で公演を行う。文:釣木文恵
2019年07月04日12月からスタートする松尾スズキ作・演出舞台「キレイ-神様と待ち合わせした女-」より、出演者8名の撮り下ろしビジュアルとメインビジュアルが公開された。本作は、「大人計画」主宰の松尾さんが2000年に初の本格的ミュージカルとして、Bunkamuraシアターコクーンにて初演し、2005年に再演、2014年に再再演。そして4度目となる今回は松尾さんは出演せず、演出に集中し、濃密で重層的な作品世界を構築する。松尾スズキ作品初出演の生田絵梨花を主人公・ケガレ役に迎えたほか、神木隆之介、小池徹平、鈴木杏、橋本じゅん、皆川猿時、阿部サダヲ、麻生久美子が出演。こちらに向ける眼差しが印象的なビジュアルも到着した。ほかにも、本作には「大人計画」の村杉蝉之介や荒川良々、伊勢志摩、猫背椿、宮崎吐夢、近藤公園に加え、乾直樹、香月彩里、伊藤ヨタロウ、片岡正二郎、家納ジュンコ、岩井秀人らも参加する。併せて公開されたメインビジュアルは、2005年の再演、2014年の再再演に引き続き、寺田克也が本作のために描き下ろしたイラストを使用している。なお、チケットは東京公演が10月5日(土)10時から、福岡公演は11月9日(土)10時から(※博多座チケット売り場は10日から)、大阪公演は10月27日(日)10時から発売スタートする。詳しい日程はぜひ公式サイトでチェックしてほしい。<あらすじ>三つの国に分かれ、100年もの間、民族紛争が続く“もう一つの日本”。その争いのさなか、民族解放軍を名乗るグループに誘拐され、監禁されていた少女が、10年ぶりにソトの世界に脱出する。全ての過去を忘れた少女(生田絵梨花)は自ら“ケガレ”と名乗り、ダイズでできている兵士“ダイズ兵”の死体回収業で生計を立てているキネコ(皆川猿時)、頭は弱いが枯れ木に花を咲かせる能力を持つ少年ハリコナ(神木隆之介)たち“カネコ組”と出会い仲間に加わる。回収されたダイズ兵を食用として加工するダイダイ食品の社長令嬢・カスミ(鈴木杏)と奇妙な友情で結ばれていくケガレ。戦場をうろつき、死体を拾って小銭を稼ぐ、そんな健気なケガレを見守るのは成人したケガレ=ミソギ(麻生久美子)だった。その後、ケガレはカスミの身代わりで背中に銃弾を受け5年間昏睡状態に陥っていたが、目覚めたと同時に、同じく頭に銃弾を受け、頭脳明晰なゲイに変貌した青年ハリコナ(小池徹平)と結婚する。死ぬことに憧れつつもなかなか死ねないダイズ兵のダイズ丸(橋本じゅん)、誘拐・監禁することでしか女性と一緒にいられないマジシャン(阿部サダヲ)らと出会い、過去、現在、未来が交錯する時間のなかで、ケガレは忘れたはずの忌まわしい過去と対決することになる。Bunkamura30周年記念シアターコクーン・オンレパートリー2019+大人計画「キレイ-神様と待ち合わせした女-」は2019年12月4日(水)~Bunkamuraシアターコクーン(東京公演)、2020年1月13日(月・祝)~博多座(福岡公演)、2020年1月25日(土)~フェスティバルホール(大阪公演)にて上演。(cinemacafe.net)
2019年07月03日星野源が歌う「夜のボート」が、松尾スズキが監督・脚本・主演する映画『108~海馬五郎の復讐と冒険~』の主題歌に決定した。今回明らかになった主題歌「夜のボート」は、松尾さんが作詞、星野さんが作曲を手掛けた楽曲で、2008年上演の松尾さん作・演出舞台「女教師は二度抱かれた」で、星野さんと市川実和子が歌った劇中歌だ。今回、星野さんが新たにレコーディングし、主題歌として使用される。星野さんは「松尾さんから、11年前に上演された舞台で僕が作った歌を『映画の主題歌にしたい』と連絡を頂きました。このとんでもない『108』という作品の主題歌にこの哀しい歌を選ぶあたり、松尾スズキ!って感じがしてとても好きです」とコメントしている。また、脚本を書き始めたときからこの「夜のボート」を使用したいと思っていたという松尾さん。特に、主題歌が使われている“衝撃的なあるシーン“には力を入れており、楽曲が流れる様子を想像しながら脚本を書いたそう。なお、「夜のボート」はリリースの予定はなく、本作でしか聞くことができない貴重な楽曲となっている。『108~海馬五郎の復讐と冒険~』は10月25日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:108~海馬五郎の復讐と冒険~ 2019年10月25日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開©2019「108~海馬五郎の復讐と冒険~」製作委員会
2019年07月02日松尾スズキをはじめ「大人計画」の全員が出演する特番「朝まで『大人計画テレビ』~松尾スズキと25人の仲間たち~」の収録が先日行われ、その模様を写した写真が到着。番組内容も明らかになった。30周年を迎えた超人気集団「大人計画」の魅力を、6時間10分のノンストップで放送する本番組では、「平成を貫いた“劇薬”~笑いに懸けた30年の歩み~」と題し、全6章に渡り、大人計画30年のレアな映像を交えながら、各メンバーが笑いと共に当時を述懐していく。NHKアーカイブスより彼らの貴重な番組を届ける「大人計画 名作選」では、「トップランナー」や2006年に行われた「大人計画フェスティバル」の模様などを含む当時話題になった番組を放送。加えて、メンバーが「松尾スズキ・ランキング」や「お互いに聞きたいこと」をゆるやかに発表するミニコーナーや、全メンバーによる事前アンケートをもとにした「朗読コーナー」、大人計画の魅力を様々な角度から探る「大人計画データ」のコーナーなど濃厚なラインアップとなっている。先日行われた「大人計画」の全員が初めて一堂に会したこの特番の収録では、貴重なトークが展開され、スタジオは彼らならではの空気、そして穏やかな笑いに包まれていたという。「大人計画」主宰・松尾さんは「みんなが集まる機会なんて、本当に滅多にないのに、(舞台本番後の収録で)こんなにくたびれていて、感動もままならなくて、でもそれが大人計画らしいなっていうか、いつもなんかこう、形が完璧じゃないんですよ」と収録を終えた感想を語る。また30年をふり返る昔の映像を見て、「ひたすら恥ずかしかった」と話す松尾さん。「やっぱり、自意識がギラギラ見えちゃって。でも、それを見返す機会は多分もう無いだろうから、そういうのも含めて、肝に銘じました。自分のなりふりというのが、永遠に残るんだって」といい機会だったとコメント。そして「トークでテレビに出たいとかいう欲は、もうそれほど無いんですけど、それが縁じゃないともはや集まれないし。本当に、次は法事かなって、思いますけど」と冗談を言いつつ、「節目にこの機会、ありがとうございました」と特番放送に感謝した。なお、番組のタイムテーブルなどが後日公開予定だ。「朝まで『大人計画テレビ』~松尾スズキと25人の仲間たち~」は3月31日(日)22時50分~BSプレミアムにて放送。(cinemacafe.net)
2019年03月13日松尾スズキ、松たか子、瑛太をはじめとする豪華キャストが、岸田國士戯曲賞受賞の作家・岩井秀人が1年ほどかけて書き上げた台本に挑むことで注目を集める音楽劇『世界は一人』が2月24日、幕を開けた。なお、本作の音楽・演奏はミュージシャンの前野健太が手がけ、実際に舞台上に前野が登場・演奏することも話題だ。環境汚染が進んだ海のそばの街で生まれ育った、小学生からの幼馴染である森吾郎(松尾)、田辺美子(松)、佐々木良平(瑛太)を中心に、吾郎のどうしようもない「運命」を描くという本作。舞台冒頭では、彼らの小学生時代を垣間見ることができる場面も。本作について、自身も岸田國士戯曲賞を受賞している劇作家としての一面を持つ松尾が、「この芝居のオリジナリティに、身を捧げたい」とコメントを寄せて期待を煽ると、松も、「また新しい芝居が生まれる、その世界にいられることを、とっても幸せに思っています」とアピール。瑛太も「岩井秀人は天才だ!」と続き、「この作品に対する皆様の期待と想像をいい意味で裏切っていくと思います」(瑛太)と、作品の出来栄えに自信をのぞかせた。作・演出を手がける岩井自身も「なんだか相当なものができたようなので、楽しみにしててください」と太鼓判を押す音楽劇『世界は一人』。公演は3月17日(日)まで東京・東京芸術劇場 プレイハウスにて。チケット好評発売中。東京公演の当日券は、各公演前日16時~18時まで専用ダイヤル(0570-55‐0252)にて受付。
2019年02月25日3連休最終日となった2月11日の午後3時半、東京・歌舞伎座。「二月大歌舞伎」昼の部が終わり、観客たちで賑わう出入り口に乙武洋匡氏(43)と、18年3月に真剣交際が報じられたA子さん(23)の姿があった。「A子さんはフィギュアスケート選手のアリーナ・ザギトワ(16)似のハーフ美女。5カ国語を操る国際派でもあり、現在は大学を休学して経営者として活躍しています。乙武さんとは彼が主宰する私塾で出会い、意気投合。交際は順調だと聞いています」(知人)乙武氏は16年3月に5人の女性との不倫を報じられ、同年9月に元妻と離婚。以降、公私ともに大きなダメージを受けて引きこもりがちな彼を励ましてきたのがA子さんだったのだ。歌舞伎観劇後、2人は近くのカフェへ。道中、A子さんが慣れた様子で電動車椅子の移動を手伝う姿が印象的だった。「乙武さんと彼女は隣同士に座ると、彼女が2人分のコーヒーを買いにカウンターへ向かいました。戻った彼女と乙武さんは肩をくっつけながらスマホの画面を覗き込み、終始ラブラブでしたね」(居合わせた客)小1時間経ったころ、乙武氏とA子さんは一緒に多機能トイレの個室に入って行った。「2人は交際当初から同居していると聞いています。A子さんは毎日、乙武さんの身の回りの世話をすべて1人でこなしています。彼女は謙虚で『物理的には助けているかもしれないけど、ほかの面では乙武さんに支えられています』というのが口癖だそうです」(前出・知人)カフェを後にした2人はシチューの名店で夕食を堪能すると、乙武氏がレギュラー出演する『AbemaPrime』(AbemaTV)の収録へ向かった。「A子さんのご両親にも乙武さんを紹介済みで、家族公認の仲となっているそうです」(前出・知人)彼女の献身的な愛が成就する日も近そうだ――。
2019年02月20日松尾スズキ率いる超人気集団「大人計画」の特番、『朝まで「大人計画テレビ」~松尾スズキと25人の仲間たち~』が3月31日(日)に放送されることが決定した。1988年に松尾さん作・演出の舞台「絶妙な関係」で旗揚げされ、30周年を迎えた「大人計画」。放送中の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」で脚本を務める宮藤官九郎をはじめ、阿部サダヲ、皆川猿時、荒川良々、平岩紙、三宅弘城、星野源など、映画や舞台、CMで活躍する多くの才能が所属している。今回放送決定した6時間10分の特番では、そんな超豪華メンバー全員が大集結!「大人計画」の歴史と魅力を、貴重な映像とトークを交えて放送。「大人計画」が愛されるワケがきっと分かる、そんな内容になっている。『朝まで「大人計画テレビ」~松尾スズキと25人の仲間たち~』は3月31日(日)22時50分~NHKBSプレミアムにて放送。(cinemacafe.net)
2019年01月25日東京・新宿の歌舞伎町にあるシネシティ広場にて、12月23日と24日日の2日間、アーティストの髙橋匡太によるプロジェクションマッピング作品「たてもののおしばい 歌舞伎町の聖夜」が上演される。「たてもののおしばい 歌舞伎町の聖夜」は、シネシティ広場を囲む建物に映像を投影する新しい形のアート作品。普段は夜でも明るい歌舞伎町の一角の照明を可能な範囲で落とし、各建物に顔の映像を投影。建物同士が人格を持って語り出すといった内容となっている。投影される映像には、吉本工業のひょっこりはんや、小川暖奈(スパイク)、EXITらが出演する。【イベント情報】たてもののおしばい 歌舞伎町の聖夜会期:12月23日〜24日会場:歌舞伎町シネシティ広場時間:18:00〜、18:30〜、19:00〜、19:30〜、20:00〜、20:30〜 (各回約30分)料金:無料
2018年12月21日平成30年の今年は、松尾スズキさんがその名を名乗り大人計画を旗揚げして30周年のメモリアルイヤー。それを記念し、「30祭(SANJUSSAI)」なるイベントが開催される。このイベントの見どころ、そして、いまや多方面で大活躍する劇団員の方々の推薦コメントを、旗揚げ3年目から27年間を共に歩んできた社長の長坂まき子さんに伺ってきました。「口火を切ったのは、松尾さんの、30周年を記念したゴージャスでダンディなコンサートがやりたい、との言葉。そこから劇団員にやりたいことを募り、面白そうな企画を考えていたら、こんなお祭りになりました。そもそも大人計画は、松尾さんを筆頭に、演劇だけで生きてきた人たちの集団じゃないし、それも“らしい”のかな、と(笑)。我々が面白がって考えた企画の数々、一緒に楽しんでいただけたら幸いです」大人計画大博覧会12月18日(火)~ 27日(木)入場料2500円音声ガイド付入場券3000円大人計画と松尾さんの軌跡を展示で振り返る。舞台写真や、所属メンバーの歴代アーティスト写真などの展示で30年の歴史を振り返るほか、突如、劇団員が登場して行われる出し物も。「目玉は松尾さんの原画展。初期作から描き下ろしまで見応えあります」松尾スズキ30周年記念ファミリーコンサート“なんとかここまで起訴されず”12月25日(火)・26日(水)指定席9000円立見8500円上手いのに、松尾さんが歌うと途端に面白い。「わちゃわちゃしていない…結局するんでしょうけれど(笑)、ドリンク片手に、ゆったりと歌とトークを楽しんでいただきます。6人編成の生バンドをバックに、松尾さんがミュージカルナンバーなどを披露予定」名作上映会と愉快なトーク12月28日(金)・29日(土)全席指定3500円大人計画のエポック的舞台、全5作品を映像で。社長自ら「これを観せずして何を観せるというくらいの初期の代表作」と語る『愛の罰』をはじめ、松尾さんセレクトの『サッちゃんの明日』など過去作品5作を上映。上映後には出演者たちのトークも。「いまのお客さんにお見せしたい作品ばかり。臨場感のある大きいスクリーンで、若い松尾さんや劇団員をご堪能ください」宮藤官九郎と伊勢志摩の感動ドキュメント“伝説の先輩を訪ねて”12月29日(土)・30日(日)全席指定5500円意外に感動!? 大人計画版「あの人は今」。宮藤さんと伊勢さんが、大人計画を辞めたメンバーに会いに行く様子を映像で上映。「会いに行った側も来られた側も、嬉しくなっちゃってる感じが最高です」エンディングセレモニー“また逢う日まで、生きてたら”12月30日(日)全席指定5800円大人計画の天才ふたりがトークする貴重な機会。松尾さんと宮藤さんのふたりを中心に、思い出話などで繰り広げるトークイベント。「詳細はまだ秘密。劇団員もそこそこ登場しての企画も用意しています」「30祭」12月18日(火)~30日(日)表参道・スパイラル大人計画 社長長坂まき子さん1964年生まれ。’91年より大人計画に携わる。現在、所属俳優のマネジメントと舞台制作の両輪で活躍する。※『anan』2018年12月19日号より。写真・土佐麻理子(長坂さん)取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2018年12月18日テレビ朝日の松尾由美子アナウンサー(39)が、指揮者の川瀬賢太郎氏と結婚したことが27日、分かった。松尾アナは、司会を務めた「第26回出光音楽賞」の授賞式(2016年7月)で、受賞した川瀬氏が初めて顔を合わせ、17年3月の同局系番組『題名のない音楽会』の2,500回記念の際に再び同じ舞台に立つなどして知り合うように。その後、昨年8月ごろから交際が始まり、今月になって婚姻届を提出した。松尾アナは「いつも応援いただきありがとうございます。一社員の身でありながら大変恐縮なのですが、ご報告させてください。指揮者の川瀬賢太郎さんと結婚しました。音楽に対する真摯(しんし)な姿勢はもちろん、家族の仲の良さなどもあり、笑いが絶えず自然体でいられる日々です。これからはお互い支えあいながら家庭内のハーモニーも大切にしつつ、これまで以上に仕事に精進していければと思っています。今後ともどうぞよろしくお願いします」とコメント。今後も仕事を続け、現在担当する『グッド!モーニング』『林修の今でしょ!講座』『題名のない音楽会』などは引き続き出演する。
2018年09月28日初老に差しかかった個性派俳優・海馬五郎は、フランスの一風変わった文化賞の授賞式に出席するため、パリ行きを決意。それがトホホな道行きになっていく松尾スズキさんの『もう「はい」としか言えない』。同じく海馬五郎の語りで、幼少時より自意識でがんじがらめになっていた自らの生い立ちをたどる「神様ノイローゼ」。松尾ワールドにどっぷり浸る快感!“本人成分たっぷり”の2編を収録。読み進めるうちに、じわじわ気づくはずだ。「これ、かなり私小説的なんじゃ?」。松尾スズキさんも「僕の分身みたいな存在」と認める海馬五郎を主人公に据えた2編をカップリング。最新刊『もう「はい」としか言えない』が面白いのなんの。「『少年水死体事件』と名づけて新聞連載していた随筆にフィクションを加味して書き直したのが『神様ノイローゼ』。自意識と妄想でこんがらがっていた子ども時代の自分の話です。いままでインタビューなどでもしゃべってきたことなんですが、一度体系づけてまとめておこうと思ったんですね。もうこれを読んで、わかってくれと。僕という人間のマニュアルです」末恐ろしいほどシニカルで、冷めた思考の五郎少年。子どもが苦手だという松尾さんだが、作中に見る、あんな記憶があればさもありなん。「あいつらは自由にやってるくせに、いざ攻撃されると子どもという鎧に逃げ込むんですよ。僕もそういうガキでした(笑)」表題作もまた、松尾さんに起きた実際のエピソードや、周囲から聞いたリアルな悩みを投入してできた作品だという。道に迷いやすいという五郎のキャラもご本人と同じらしい。「でも迷ってる時間って自由だなと思うんですね。自分がどこにいるのかもわからずさまよえば、誰にも捕まえられない。究極の自由でしょう。僕が表現をやっているのも、結局は自由になりたいからだと思います。現実に対して感じている違和感を笑いに変えて、既成の価値観から逃れたい。僕の小説はドタバタしていると評されることが多いけれど、僕の中ではそれがリアルなので、そう言われるのは心外なんですよ」息苦しいルールを押し付けられていた五郎は逡巡の末、自由欲しさに、通訳を同行させるならと苦手な外国行きを承諾。しかし通訳となる斎藤聖の紹介者が、彼を〈少し新しいタイプの人間〉と説明していたわけを、五郎は行く先々で味わうことになる。「日仏ハーフの聖君が出てきた途端に、五郎がこの子によってもっと混乱に陥れられることがわかって、話に弾みがついてしまいました(笑)」自由に焦がれに焦がれた先で五郎を待っていた事態を見届けてほしい。『もう「はい」としか言えない』 妻に浮気がバレた海馬五郎。離婚回避のための誓約に汲々としていた彼は、わらにもすがる気持ちで「エドゥアール・クレスト賞」の授賞式へ旅立つ。表題作が3度めの芥川賞ノミネートとなる。文藝春秋1450円まつお・すずき1962年生まれ、福岡県出身。今年、旗揚げから30周年を迎えた「大人計画」主宰。12/18~SPIRALで「30祭」開催。作家、演出家、俳優、映画監督とマルチに活躍。※『anan』2018年9月5日号より。写真・土佐麻理子(松尾さん)大嶋千尋(本)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2018年09月02日TVドラマや映画、舞台などで活動する永瀬匡が、所属事務所「研音」から離れることを発表。9月1日より“Freelance artist”として活動する彼は、先ほど自身のInstagramにて「事務所に挨拶を済ませ、明日から新しい日々が始まります」と改めて報告した。2011年に「桜蘭高校ホスト部」でドラマデビューし、その後「仮面ライダーウィザード」、連続テレビ小説「べっぴんさん」、『HiGH&LOW』シリーズなどに出演した永瀬さん。人気ドラマ「おっさんずラブ」に出演したことも記憶に新しい。また、今年6月にはモデル・岩本ライラと結婚したことでも話題に。3日前、突如Instagram(@tasuku_nagase)にて「急な報告になりますが、この度、7年間所属させていただいている研音から離れることになりました」と発表。さらに本日、「事務所に挨拶を済ませ、明日から新しい日々が始まります。手探りではありますがこれからも皆さんとお会い出来るように様々な経験を求めて精進して参ります」と“お世話になりました。”という写真付きで投稿された。ファンからは「また、お会いできるのを楽しみにしています!これからずっと応援し続けます!頑張ってください」「お疲れ様です。これからも応援しています」「匡くんはいつどこでなにをしていても匡くんです。これからも応援し続けます!」「寂しいけど、これからの活動も応援するよ!!!」といった、応援コメントが多数寄せられている。なお、8月31日をもってSNSオフィシャルサイト、全てのコンテンツが終了し、9月1日からはすでに開設されている新Instagram(@real_tusk)にて情報を発信していくという永瀬さん。新アカウントでは、「Freelance artistとして様々な形で自己表現をしていきたいと考えています。これからもっと色々な方と繋がり物作りを通して考えを発信していきたいです」と今後についてコメント。また、「今まで僕のことを応援して下さっているファンの方々にはいい意味で期待を裏切っていくつもりです」と書かれており、今後、益々活躍していくであろう彼の活動に目が離せない。(cinemacafe.net)
2018年08月31日アップサイクルとハンドメイドをコンセプトに掲げるブランド、ビームス クチュール(BEAMS COUTURE)と、ジップロック(Ziploc)によるコラボレーションアイテム全9型が発表。あわせて、女優の永野芽郁が出演するウェブムービーが公開された。 コラボレーションアイテムは、ジップロックのバッグシリーズを用いたトートバッグ(1万1,000円)や、サコッシュ(1,800円)、リュックサック(1万3,000円)、エプロン(1万円)、キャップ(9,000円)、傘(9,200円)、ウエストポーチ(8,800円)、サンバイザー(8,400円)、ポーチ(1,200円)、全9型をラインアップ。ジップロックのバッグが持つ魅力をそのままに、ビームス クチュールのデザイナー・水上路美のユニークなアイディアによって、身につけられるアイテムに生まれ変わった。取り扱いは、8月15日より東京・新宿のビームス ジャパン 1階にて展開されるポップアップショップの他、ビームス 名古屋、ビームス ストリート 梅田、ビームス 広島、ビームス 福岡にて。またビームス公式オンラインショップでは、8月20日より展開される。詳しくは、特設サイト()にてチェック。また永野芽郁と松尾諭が出演する、コラボレーションの世界観を表現したウェブムービーも公開。監督は、サカナクションや星野源などの話題のMVを数多く手掛ける映像ディレクター・関和亮。「BEAMS テレビショッピング」と題し、海外通販番組のMCに扮する永野芽郁と松尾諭の2人が、外国人も顔負けのオーバーリアクションとテンポのよい掛け合いで、ユーモアたっぷりにコラボアイテムを紹介する。さらに、目にすると思わずキュンと胸が苦しくなるような、レトロでセクシーな女の子やカップルをシンプルなラインで描き出す人気イラストレーター・たなかみさきが、同コラボレーションのために5作品を描き下ろし。東京・新宿のビームスジャパンにて原画を展示する他、ビームス公式サイト内「ビームス クチュール」のページでも公開される。【イベント情報】たなかみさき イラスト展示会期:8月15日〜9月11日会場:ビームスジャパン 1F住所:東京都新宿区新宿3-32-6
2018年08月15日元フジテレビで現在フリーの松尾翠アナウンサー(34)が8日、自身のブログを更新し、7日に第2子となる女児を出産したことを報告した。松尾アナは「昨日、6月7日17時8分に2994gの女の子を出産しました。母子共に元気です!」と報告。「今回は平日に陣痛がきてくれたので主人の立会いの中命の誕生の瞬間を迎えることが出来た事を大変嬉しく思っています」と喜びをつづった。そして、「私たちが産まれてくるときに、こうして産んでくれた両親への感謝や2人目の子が出来た事で、1人目の子がより愛しく感じる事本当に、出産を通してまたかけがえのない心と体の経験をさせてもらったなぁと噛みしめています」としみじみ。「新米2児の母も誕生これからも笑顔多めの毎日を家族と過ごせるように私もたくさん笑って過ごしていきたいと思います!!」と記し、「不定期更新なブログではありますが…これからもどうぞよろしくお願い致します」と呼びかけた。松尾アナは、2013年8月にJRAの福永祐一騎手(41)と結婚。2014年3月に第1子となる女児を出産した。
2018年06月08日混沌として複雑。だけど心に響く、松尾スズキ流時代劇『ニンゲン御破算』。「初演の印象というと、みんながやたらと水の中に入ってビショビショになっていたとか、荒川(良々)君が黒人の役をやっていたとか、出てくるのはそんなのばっかり(笑)」苦笑か、思い出し笑いか、阿部サダヲさんがおかしそうに話すのは、所属する大人計画の主宰・松尾スズキさんが2003年に手がけた舞台『ニンゲン御破産』のこと。「出演していた僕らも説明できないくらい複雑な脚本だったんです。でも、15年経って読み直してみるとすごいんです。書いた当時の松尾さんは30代。いまの僕より若いのに、こんなに難しくて面白いものを書いていたかと思うと本当にすごいです」物語の舞台は幕末。歌舞伎好きが高じ、侍ながら狂言作者を志す、阿部さんが演じる加瀬実之介と、彼をとりまく人々が描かれる。複雑と評されるだけあって、時空は縦横無尽に行ったり来たり。次々とアクロバティックな展開を見せていく。「実之介の目線で読むと、狂言作者の弟子志願としてしゃべっているところもあれば、自分の語る物語に入っている場面もあったり。物語が多重構造になっていて、面白いけれど、やる側は相当難しい。すごくふざけた話のようにも見えるんだけど、物語が展開していくと、じつは悲しさもあるんですよね。でも、出てくる人たちがみんな狂ってるから、悲劇っぽくはならないし、笑いの要素もたくさん入っているのが、さすが松尾さんだなって思います」曰く、「一回観ただけじゃ、どんな話かわからない」。けれど、そこも松尾作品の面白さだとも。「僕、松尾さんの世界って、全部わかる必要なんてないと思うんです。むしろ、全部わかっているのって…嫌。“なんで?”ってのみ込めないまま観ていると、たまに“わかる”っていうセリフが急に出てきて、それがズシンって残るものがある。正直、演じている僕らが、わからないままやってることも多いです。でも、わかってやっている人のお芝居が面白いのかといったら、そうとも限らないですよね。大人計画の俳優がテレビに出始めた頃、僕らは普通にやってるつもりなのに、世間からは、おかしな人たちの集団だと思われていたのと同じ。計算してやっているより、無意識なのに面白いほうがいいのかなって」15年前の初演で実之介を演じたのは、歌舞伎界でも屈指の人気を誇った故・十八代目中村勘三郎(当時は勘九郎)さん。「歌舞伎っぽい言い回しのセリフも多く、脚本は完全に勘三郎さんへのアテ書きですが、今回もそこは変わりないです。でも考えてみれば、実之介は狂言作者を夢見ている人だから、“歌舞伎っぽく”でいいのかな、と。前回との大きな違いは、稽古で松尾さんがミザンス(舞台での立ち位置)という演劇用語を頻繁に使うこと。最近覚えて、使いたくて仕方がないんだと思います(笑)」あべ・さだを1970年生まれ、千葉県出身。グループ魂のボーカルとして9月にはライブも決定。主演映画『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』が10/12公開。狂言作者を志し、鶴屋南北(松尾スズキ)、河竹黙阿弥(ノゾエ征爾)に弟子入りした加瀬実之介(阿部サダヲ)。成り行きから、南北たちの前で、自らの人生を語り始めた彼は…。6月7日(木)~7月1日(日)渋谷・Bunkamura シアターコクーン作・演出・出演/松尾スズキ出演/阿部サダヲ、岡田将生、多部未華子、荒川良々、皆川猿時、小松和重、村杉蝉之介、平岩紙、菅原永二、ノゾエ征爾、平田敦子ほかS席1万500円A席8500円コクーンシート5500円(すべて税込み)Bunkamuraチケットセンター TEL:03・3477・9999(10:00~17:30)大阪公演あり。初演時の阿部さんの役は、侍を夢見るマタギ・灰次。今回は岡田将生さんが演じる。写真左が、勘三郎さん演じる実之介。©細野晋司※『anan』2018年6月6日号より。写真・岡本 俊(まきうらオフィス)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2018年06月08日松尾スズキ活動30周年、「大人計画」も30周年を迎えることを記念して、12月18日(火)~30日(日)の期間に「松尾スズキ+大人計画30周年イベント」を開催することが決定した。1988年に松尾さん作・演出の舞台「絶妙な関係」で旗揚げされた「大人計画」。その後、来年の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」を手掛けることでも話題の宮藤官九郎や、その主演を務める阿部サダヲ、さらに皆川猿時、荒川良々など、現在も幅広く活躍する多くの才能を輩出してきた。2018年は、松尾さんが“松尾スズキ”の名で活動を開始してからちょうど30年、また「大人計画」が旗揚げして30周年、さらに平成も30年。この“30”が揃った本年に、今回記念の一大イベントを開催!本イベントでは、メンバーの年齢に見合った、年相応の“何か”が起きるのだとか。一体何が…。「目の前の仕事ばかりこなすうち、30年たってしまった」とこれまでをふり返った松尾さんは、「30という数字に思い入れはなかったが、40年目があったとしてもなにかやる元気はとうていなさそうな気がすると、30年でなにかやらねばという気に急になった。松尾スズキ55歳。なんだかまだうっすら元気があるようです」と今回のイベント開催理由を語っている。松尾スズキ+大人計画30周年イベント「タイトル未定」は12月18日(火)~30日(日)SPIRALにて開催。(cinemacafe.net)
2018年06月07日NHK連続テレビ小説『ひよっこ』『わろてんか』をはじめ、ドラマに映画に大活躍中の個性派俳優・松尾諭が、草なぎ剛とともに戯曲家エンダ・ウォルシュによる『バリーターク』の舞台に出演。松尾は草なぎ演じる男1と日常生活を送る男2の役で、バリータークという村の話をひたすら語り続け、奇妙な共同生活を送っているという、ある種特異な物語だ。「もともと端のほうでギャーギャー言っているほうが性に合っている」と自己分析する松尾だが、今回は草なぎとのほぼ二人芝居というメインキャスト。数々の映画や朝ドラ効果について「でも、いまきている感はないですね(笑)」と謙遜するが、引く手あまたとなった人気俳優に、今回の舞台ことや今後の活動のことなど、俳優としての今に迫った。○高橋一生から聞いていた白井晃演出――今回の舞台『バリーターク』ですが、最初の感想はいかがでしたか?最初、わけわからんと思いました(笑)。ただ、演出の白井さんとは一度仕事をしてみたいと思っていて、白井さんの舞台に出てみたいともかねてから思っていました。高橋一生君と仲が良くて、彼がよく白井さんの舞台に出ていて。一生君の舞台を観に行くと白井さんの舞台ということが多く、彼からも白井さんのことはよく聞いていて、そういう意味でも楽しみなことが多かったですね。――具体的には?セリフがすごく多かったり、その意味が難解だということも含めて、楽しみだなということが最初の印象ですかね。いろいろな人に出ることを言いたかったけれど、発表するまで待たなくてはいけなかったので、待っている間誰にも言えなかったことがストレスでした(笑)。人に言いたくてしょうがなかったのですが。――今作も難解そうですが、そういうタイプの作品が好みですか?そうですね。以前出たドイツの劇作家の舞台も難解で、デヴィッド・リンチの映画も難解で、そういう作品が好きなんだと思います。答えはないだろうけれど、余白が多いので、そのスキマをこっちで埋めていくという作業が好き。今回もそれに近そうなイメージです。最初、白井さんに会って話を聞いた時に、デヴィッド・ボウイが原作のエンダ・ウォルシュと親交があったと聞いて、デヴィッド・ボウイはリンチの大ファンで作品にも出ているくらいですから、彼が好きだったと思いながら読み進めると入りやすくなった。確かに世界観などが共通していそうで、最初はわけがわからないと思っていた台本が、興味を持って読めるようになりましたね。――高橋一生さんのアドバイスはありましたか?「白井さんは俳優にとってとてもいいよ」と。「すごく好きだし、体育会系だから松尾君と合うと思う」と。その意味がいまいちよくわからなかったのですが(笑)、稽古が始まってわかったんですけど、白井さんは休憩をまったく取らない。一生君なりにオブラートに包みながら言ったことが、体育会という表現だったのかと。先日、野間口徹さんに会った時にも、「白井さんでしょ? 休憩全然取らないでしょ?」と言われて、そういうことかと。でも、白井さんもよく言われるみたいで、気をつけるようにはしていると言っていました。僕ももともと体育会系なので、楽しみながらやっています(笑)。○新鮮な中心人物を演じてみて――以前の会見で「もともと端のほうでギャーギャー言っているほうが性に合っている」と言われていましたが、こういうメインを務めることで何か思うことはありますか?最初、真ん中に出て行くほどセリフが多くなるので大変だなと思いましたけど、方法論が違うだけで、人様に見せるという意味ではやっていることは同じなんですよね。相手に対してセリフを投げるなど、根本的なことも一緒ですよね。端っこでギャーギャー言っていることも、内側でギャーギャー言っていることも、そうは変わらない。「こんな番手で無理です」ということもなかった。「おっしゃ、やったるで!」という意気込みも、端っこでも思っていることなので同じでしたね。――なるほど。来てみたら同じだったと。まあ何年も前であれば、もうちょっとビビっていたかもしれないですけど、いまはこういう機会を与えていただいて、十分楽しめるようになりましたね。幕が上がってみないとわからないですけど、すごく面白くなるんじゃないかなという期待も多いです。今回、小林勝也さんもいらして、3人で面白いものができればいいなと思っています。ちょっときれいごと言っていますけど(笑)。○朝ドラでの成長と反響――ところで、いまのご活躍ですが、二期連続で朝ドラにも出られて、朝ドラ効果も感じているところでしょうか。それはまったくないです(笑)。大阪で撮影していたので信号待ちなどをしていて、大阪のおばちゃんは見かけるとすぐ声をかけてくれることはありましたが、街中を歩いていてすぐ話しかけられるほどの反響はないですよ。ただ、『わろてんか』では広瀬アリスちゃんとふたりで漫才をやっていたので、今回も草なぎさんとのふたりの会話劇があって。どこか漫才ではないけれど、かけあいみたいなことがあったほうがいいみたいな話になった時に、直前まで『わろてんか』をやっていたので、同じ流れでできそうだなとは思いました。あのテンポ感はやっていてよかったなと思いました。――『シン・ゴジラ』の時は、「まずは君が落ち着け」がブームになりました(笑)。街中でペットボトルを渡されて、いきなり頼まれたことはありましたけど(笑)。だいたい僕のほうが落ち着いていないので、なんなら僕にやってほしいくらいです(笑)。『シン・ゴジラ』の時は現象としても凄かったので、そういう反響はありましたね。でも、今でも多いのは、実は『SP』なんです。10年くらい経っていますけど、『SP』のことを言われることは多いんです。人によってイメージが違うんですよね。――大注目されて、意識も変わったのではないでしょうか?仮に自分が主演ならと思うこともありますが、朝ドラの主演は無理です。負担がすごい。毎日膨大なセリフの量で、それを10カ月続けるなど無理(笑)。ちょっと無責任なほうがいいというか、もちろん責任をもって仕事をしていますが、主演は全然違う。『わろてんか』の葵わかなちゃんを見ていて、19歳なのにすごいですよ。守ってあげたいなとも思いつつ、10カ月も。僕42歳ですが無理ですね(笑)。――また、俳優としての経験値については、朝ドラを経て思うところはありますか?今まできれいな女優さんとの距離が近い役どころがなかったんですけど、仮にあっても「僕みたいなものが見つめてすみません」みたいなコンプレックスがひどくて、でも今回はアリスちゃんで免疫がつきましたね。性格的に合ったということもあって、ついに美人に慣れたなあと。後は大阪の美味い店をさらに知ることができてよかったです(笑)。○草なぎと役柄チェンジで再演希望――『バリーターク』を経て、今後、どういう作品に挑戦したいですか?僕は作っている過程が好きで、ひとつの作品をじっくりと時間をかけて作り込みする作業は舞台ならではで、大好きです。舞台はライブ感ってよく言いますが、作り込みに惹かれます。ただ、舞台をやりたいとは思っていますが、実際時間がかかるし、稽古前にストレッチをよくするので、健康的にやせていくんですよね。あまりやせると不都合というか、イケメンと競合してしまうじゃないですか(笑)。――そんな心配が(笑)。いえ(笑)。作品は、いろいろな喜劇、シェイクスピアなども挑戦してみたい。この舞台を経て好評だったらアイルランドでも公演してみたいですし、草なぎさんの役柄とチェンジして再演もしてみたい。見えている世界が変わるような気がするんです。草なぎさんの視点になると、またセットも作品も違って見えそうで。本当に対照的なふたりなんですよ。機会があれば、僕の役柄を演じている草なぎさんの姿をみてみたいですね。舞台『バリーターク』は、4月14日から5月6日まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場、5月12日から6月3日まで東京・シアタートラム、6月16・17日に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールにて上演。■プロフィール松尾諭1975年生まれ、兵庫県尼崎市出身。2001年、映画『忘れられぬ人々』で俳優デビュー。2007年、フジテレビ系列のテレビドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』で主要SP役の人、山本巡査部長役に抜擢され、大きな注目を集め、以降、映画『テルマエ・ロマエ』(12)、『進撃の巨人』(15)、『シン・ゴジラ』(16)など、多数の映画・ドラマで存在感ある脇役として活躍中。NHKの連続テレビ小説には、2017年前期『ひよっこ』、2017年後期『わろてんか』と二期連続で出演。お茶の間にも強烈な印象を残す。現在、文春オンラインにて、「拾われた男」を好評連載中。■著者プロフィール鴇田崇映画&ディズニー・パークスを追うフリーライター。年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートをひたすら取材しまくる。ジョン・ラセター、アラン・メンケン、キャスリーン・ケネディ、バイロン・ハワード、ティム・バートンなど、ディズニー映画関連人物のインタビュー経験も豊富。世界のディズニー・パークスでは東京だけでなく、アナハイムも偏愛している。instagram→@takashi.tokita_tokyo※草なぎのなぎは弓ヘンに前の旧字の下に刀
2018年04月19日NHK連続テレビ小説『ひよっこ』『わろてんか』をはじめ、ドラマに映画に大活躍中の個性派俳優・松尾諭が、戯曲家エンダ・ウォルシュによる『バリーターク』の舞台で草なぎ剛と共演。松尾は草なぎ演じる男1と日常生活を送る男2の役で、バリータークという村の話をひたすら語り続け、奇妙な共同生活を送っているという、ある種特異な物語だ。「これは男が同棲している話です(笑)」と語るように草なぎとの共同作業がメインの作風で、実際草なぎの存在に「助けられています」と語る松尾。共同作業を経て輪郭がはっきりしてきた作品のこと、そして草なぎとの共演の感想を聞く。○草なぎの声の魅力を発見――まず本作に出ると決まった時、率直に何を思いましたか?僕にとっては5~6年ぶりの舞台だったので、まずそれがうれしかったですね。内容を知る前にテンションが上がりましたが、次に内容を聞いて草なぎさんとほぼ二人芝居だと知って「え!?」って、びっくりしました。僕は端っこのほうでわーわー言っているほうが性に合っていると思っていたので、衝撃は大きかったですね。舞台のチラシを見ていただいてわかるように、ほぼ真ん中にいますので(笑)。――草なぎさんとほぼ二人でメインを務めることについては、いかがでしたか?以前、ちょっとだけ仕事をしたことがあるのですが、それは本当にちょっとだけで、しかも草なぎさんは覚えていなくて、「初めまして」と言っていました(笑)。のちのち「そういえばあの時に(笑)」みたいな話にはなりましたが。以前、草なぎさんの舞台を観に行ったことがあって、すごく魅力があるお芝居をする方だなという印象が強かったですね。ご本人自体に魅力がある人だなという印象も含めて。――実際、今回の稽古などを通じて、それまでのイメージと違う点などありましたか?以前拝見した舞台では、男らしさもありながら、ちょっと中性的な役柄で、その感じがすごく素敵だったんです。でも今回、ご一緒していて、声がすごく印象的だと思いました。だからひとりで活字の台本を読んでいるのと、人の声を通して聞くのとでは全然違いますが、「ああそういうことか」と。草なぎさんも僕としても完全には物語を解釈してはいないですけれど、解釈とかそういうことではなく、男1として草なぎさんがしゃべっている姿を見ているだけで、話の世界にグッと近く入っていけた。それはすごく発見でしたし、びっくりしましたね。――向こうのほうから、歩み寄って来てくれている?どうでしょうか。「僕に歩み寄っていますか?」などと聞いたことないのですが(笑)。ただ、ここをこうしよう、ああしようとか、そういう会話はまったくしていないんです。そもそも、ふたりしてべちゃくちゃしゃべったりもしていないんですけど、立ちだしたら自然ですね。抽象的な台本なのでちょっとした動きの違いで、やっぱりセリフも変わってくるから、試そうと思って違う動きを毎回するのですが、草なぎさんもするんです。僕がすれば草なぎさんもついてきてくれるし、その逆もある。そういうことがスッとできるって、草なぎさんだからなのかなと。もしかすると、歩み寄って来てくれているのかもしれないですね(笑)。○草なぎの独特な感性と柔らかさ――『バリーターク』は、これという答えがないタイプの作品ですよね。ここがこうなってこうみたいなわかりやすい作品が多いなか、それとはまったく逆のタイプの作品で、ここにふたりの男がいて、もう一人男が来ます、あとはご自由に、みたいな感じですよね。観る側の人もちゃんと感じることができる作品なので、漫画よりも小説よりも文芸に近い作品かもしれないです。でも僕はすごく世界観が好き。僕は漫画も好きですが、どこかジョジョっぽかったりもするんです。そこまで小難しい話ではなくて、すごく通っているものが普遍的だったりもするんですけど、頭だけで考えるとわけがわからないかもしれない。ガチガチにならず、草なぎさんと僕が変なことしてしゃべっていると思えば、ラクに観られる。考えるよりは感じたほうがいい感じの作品だと思いますね。――お話をうかがっていると、草なぎさんとは相性が良さそうですね。草なぎさんはどう思っているかわからないですが、いままでに会ったことがないタイプの人ではありますね。感性も普通の人とは違う。僕はけっこうディスカッションなどが好きなので、演出の白井さんにもバカなふりをしていろいろと言うんですけど、草なぎさんは黙って聞いていて、あまり自分から言い出すことはないんです。でも先日、めずらしく、「これって実はこの人とこの人がグルなんじゃないですか?」って。そんなこと誰も考えたことがなかったのに、ああ意外にそうかもと。着眼点がまるで違うんです。考え方も柔軟ですし、芝居の対応もやわらかい。僕のほうが年上の役柄ですけど、草なぎさんのほうが年上でキャリアも上ですから、僕はもう安心して心の中ではお兄ちゃんと(笑)。でも、幕が上がるとギスギスするかもしれないですけどね(笑)。――休憩中など、どういう会話を?「それはどこのお茶なの?」とか「何を読んでいたんですか?」とか、わりと普通ですかね。球を投げたらパッと返ってきてすぐ終わり、みたいな感じで。おいおいもっと話すようにしようかなとは思いますが、かといってどういう話をするかはわからないですけどね。すごく優しいんです。もうちょい、プライベートに食い込んでみたいですね。――そういうほぼ二人だけのお芝居を経て、何か新たな発見はありましたか?これがひとりの芝居であれば、あわあわしていたかもしれないですね。でも逃げの発言じゃないけれど、全部ひとりで背負いこまなくていいんです。共有していける。草なぎさんもスッとそこに立っていて、そこも僕にはありがたい。やってみると、意外に気を使わずにやれているんです。でも始まったら、緊張でぐちゃぐちゃになるかもしれないですけれど(笑)。○「男たちが同棲している話です(笑)」――最後にうかがいますが、『バリーターク』は、どういうお話だと個人的に受け止めていますか?男たちが同棲している話です(笑)。でも、そうなんです。そこで生が死がと言い出すとややこしくなるんですけど、本当にふたりの男が一つの部屋で生活して、毎日を営んでいるところに、ある日波風が立つ。その生活を壊すことが幸せなのか、続けることが幸せなのか、そう考えると難しくなるんですけど。兄弟でもない、他人でもない、血もつながっていない、友情みたいなものは、もちろんあると思いますが。――人生で時に起こる大きな変化を受け入れる、というお話かもしれませんね。二人だけの生活を何十年もやってきたけど、他人ですからいつしか破たんがくる。日々同じように暮らしていることが幸せなのか、変化を求めてたとえば仕事を辞めることが幸せなのか、会社に骨を埋めるか転職するか、みたいなことですかね。そういう意味だと、普遍的なところもあって、難しい話ではない。ちょっと言葉の端々を捕まえて考えると、世界観が広まっていくとは思います。最初はゆるく観始めて、観終わった後に、いろいろと考えてほしい。そのほうが面白いと思う。描写がちょっと変わっているだけで、ごくごくありふれた人たちと、その男たちをとりまく話ですから。舞台『バリーターク』は、4月14日から5月6日まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場、5月12日から6月3日まで東京・シアタートラム、6月16・17日に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールにて上演。■プロフィール松尾諭1975年生まれ、兵庫県尼崎市出身。2001年、映画『忘れられぬ人々』で俳優デビュー。2007年、フジテレビ系列のテレビドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』で主要SP役の人、山本巡査部長役に抜擢され、大きな注目を集め、以降、映画『テルマエ・ロマエ』(12)、『進撃の巨人』(15)、『シン・ゴジラ』(16)など、多数の映画・ドラマで存在感ある脇役として活躍中。NHKの連続テレビ小説には、2017年前期『ひよっこ』、2017年後期『わろてんか』と二期連続で出演。お茶の間にも強烈な印象を残す。現在、文春オンラインにて、「拾われた男」を好評連載中。■著者プロフィール鴇田崇映画&ディズニー・パークスを追うフリーライター。年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートをひたすら取材しまくる。ジョン・ラセター、アラン・メンケン、キャスリーン・ケネディ、バイロン・ハワード、ティム・バートンなど、ディズニー映画関連人物のインタビュー経験も豊富。世界のディズニー・パークスでは東京だけでなく、アナハイムも偏愛している。instagram→@takashi.tokita_tokyo※草なぎのなぎは弓ヘンに前の旧字の下に刀
2018年04月18日肌を乾燥から守る「米ぬか・りんご・はちみつパック」元フジテレビアナウンサーの松尾翠は、2017年12月7日、自身のオフィシャルブログ「京都のお嫁に行きました」の中で、肌の乾燥対策として、米ぬか、りんご、はちみつを使用したナチュラルパックについて紹介。このパックを使用すると、肌の明るさと透明感がアップするという。「米ぬか・りんご・はちみつパック」の作り方自然素材を使ったナチュラルパック1回分の材料は、米ぬか大さじ1杯、りんごのすりおろし大さじ1杯、はちみつ大さじ1杯。敏感肌の人は、はちみつを小瓶に移してから30分湯煎するのがオススメ。これらの材料をボウルなどに全て入れて、混ぜ合わせたら、りんごとはちみつの香りがするナチュラルパックの完成だ。米ぬかが無い場合は、小麦粉でも代用することができる。出来上がった「米ぬか・りんご・はちみつパック」は、肌にのせて3分から5分程度置き、肌がピーンと張ってきたら、洗い流す。松尾は、このパックを自宅で使用。顔と手を同時にケアしているという。松尾翠のプロフィール元フジテレビアナウンサーの松尾翠は、1983年8月11日生まれ。千葉県出身。現在は、京都在住。アスリートフードマイスター3級の資格を保有。料理教室の講師も務める。(画像は松尾翠 オフィシャルブログ「京都のお嫁に行きました」より)【参考】※松尾翠 オフィシャルブログ「京都のお嫁に行きました」※ホリプロ
2017年12月11日京都の陶芸作家・ 松尾直樹(まつおなおき)さんの輪花のうつわたち が自社サイトのみ先行で再入荷します。販売は11/3(金)朝8:00〜アンジェのあきいろ作家市でも大人気だった松尾直樹さんのうつわたち。今回も数が少なめです。気になる方はぜひ早めに手に入れてくださいね。■ 置くだけでテーブルが華やぐ、松尾直樹さんの輪花のうつわこげ茶色を帯びた趣のある黒に、揺らぎが美しい白。松尾さんの輪花のうつわたちがどこかスタイリッシュに瞳に映りこむのは、きっと、そのふたつの色のせい。松尾さんが丁寧に作ってきたその黒と白には特別な存在感が漂います。花びらの一枚一枚に陰影を纏った、松尾直樹さんの輪花のうつわたち。心をこめて作ったものはもちろんのこと、ちょこんとのせるだけで昨夜の残り物や買ってきたお惣菜までとっておきのご馳走にしてくれるうつわは、インスタグラマーのt_ammyさんもご愛用中です。アンジェ自社サイトのみの先行再入荷。置くだけでテーブルが華やぐ 松尾直樹(まつおなおき)さんの輪花のうつわたち をぜひこの機会にどうぞ。=写真:t_ammyさんご提供、宮城文:宮城=【ご紹介したアイテムはこちらから】 松尾直樹(まつおなおき)さんの輪花のうつわたち 食のはなし 器のはなし 新商品・モノのはなし
2017年11月02日松尾スズキ率いる演劇ユニット、日本総合悲劇協会(ニッソーヒ)が今夏開幕の第6回公演『業音』を発表。2002年に第3回公演として上演された舞台の、実に15年の時を経ての再登場である。初演で荻野目慶子が怪演した主人公の座を、今回は平岩紙に託しての“封印解除”だとか。作品の衝撃度が伝わる物々しい響きに「僕が封印したかったわけじゃない」と苦笑する松尾(作・演出・出演)と、覚悟のバトンを渡された平岩に話を聞いた。日本総合悲劇協会 vol.6『業音』「やりたかったけれど受けてくれる女優さんがいなかった。それで平岩に直談判したんです。“まかせろ!”と半ば強引に(笑)」(松尾)「フフフ。私も初演に出たので、荻野目さんの演技を間近で感じていましたし、カラダを張る、張らないはともかく……いえ、それもありますが(笑)、とにかく尋常な役ではない。自分に務まるだろうかと悩みましたが、まかせろと言っていただいたので胸をお借りしようと思います」(平岩)「『ふくすけ』の再々演(12年)で平岩は目の見えないサカエという役を演じたんですが、それをやり通したことで僕の中で平岩という女優の幹が太くなり、いつか彼女が主役の舞台をやりたいと思った。どうせやるなら生温いものではなくガツンとしたものをと」(松尾)売れない歌手である主人公を中心に、貧困や老人介護、売春、エイズ、交通事故など、まさしく悲劇的なキーワードが縦横無尽に舞台を駆け巡る。醜悪なまでに人間の業がえぐり出される容赦なきドラマに、今回は主宰する劇団、大人計画の面々でほぼキャストを固め、立ち向かう。「僕はこれを平岩たちに、何年もやり続けられる普遍的な作品にしてもらいたい。僕はどうしても貧しさとか弱さに目がいってしまうんですが、当時に描きたかった社会が15年経ってもそんなに変わってなくて、むしろ悪い方向に行っている気がする。だから、その頃はスキャンダラスな気持ちで書いていたけど、意外と普遍的な話を書いたんだなと気づいたんです。大人計画の人たちは“自分の気持ちに残酷になるレッスン”を積んできています。悲しいシーンのすぐ後にギャグを放つといったことを平気でやる。笑いとは残酷なもので、どんなに不幸な現実においても、その人が間抜けなことをしたら笑いになる。それこそが人間の本質だと思うんですね」(松尾)夏から秋にかけての全国公演の後には、あのアヴィニヨン演劇祭と双璧を成すパリの舞台の祭典、フェスティバル・ドートンヌに招かれて上演する。「海外の反応が気になりますが、テーマは共通していると思うんです。悲劇だけど希望はある。結局は“人が生きる”ってことなんだと」(平岩)人間の本質を突く松尾流悲劇、悲惨から沸く笑いに浸ってその真髄を味わいたい。「悲劇と喜劇は表裏一体。僕は“存在していることに対する不幸”が入ってこないと、筆が乗らないんですよね。ただただ幸せだったら芝居なんかやっていませんから」(松尾)8月10日(木)東京芸術劇場 シアターイーストで開幕。その後、名古屋、大阪ほか全国を巡演。取材・文:上野紀子
2017年06月07日芸能界での不倫騒動が数多く報道されていますが、中でもバッシングの大きかったのが『ゲスの極み乙女。』の川谷絵音さんと、作家でタレントの乙武洋匡さんの2人。川谷さんは音楽活動を自粛することになり、乙武さんは選挙への出馬を断念するなど、 その代償は小さくありません。とはいえ、いまだバッシングの声はあるものの不倫発覚から1年以上が経過しており、批判の声が薄まりつつあるのも事実です。もう批判する気持ちはないという人も少なくないはず。そこで、パピマミ読者のみなさまに「ゲス川谷と乙武洋匡、そろそろ不倫が許されてもいいと思うのはどっち?」 という究極の二択アンケートを実施しましたので、その結果を発表したいと思います!●【究極の二択アンケート】ゲス川谷vs乙武洋匡! そろそろ不倫が許されてもいいと思うのはどっち?・乙武洋匡……65%(74人)・川谷絵音(ゲスの極み乙女。)……35%(40人)※有効回答者数:114人/集計期間:2017年3月24日〜2017年3月28日(パピマミ調べ)●乙武洋匡さんを選んだ理由『不倫発覚後は反省しているようにも見えるし、もう十分罰は受けたんじゃないでしょうか。少なくとも、川谷よりはマシだと思いますよ』(20代女性/大学生)『ちょっと言い過ぎてしまうようなところはありますが、またテレビで見たいという思いの方が強いですね。番組に出れば言いたくなくても話すことを求められるでしょうし、仕方ない部分もあると思います』(30代女性/主婦)ベストセラー作家であり、オープンな性格や聡明な語り口によって優等生的なイメージもあっただけに、乙武さんの不倫報道には多くの人が驚いたのではないでしょうか。5人の女性と不倫関係にあったことが明るみに出るなど、小学校で講師として勤務していたこともある 姿からは想像できない情報も少なくありませんでした。さらに、謝罪する場面においても、被害者であるはずの妻の謝罪文をサイトに掲載したことで、さらなるバッシングを受けることになり、その後離婚が成立。あらゆる言動が炎上するという状況ではありましたが、メディアで見せるコメントには共感する人も多く、Twitterを再開した直後は批判の声も多く寄せられていたようですが、それも次第に沈静化しています 。『ワイドナショー』をはじめとしたテレビ番組への出演が増えていることも、世間の風当たりが弱まっていることの表れではないでしょうか。果たして、選挙への出馬が実現する日はやってくるのでしょうか。●川谷絵音さんを選んだ理由『周りが何を言っても本人は何とも思ってなさそうだし、もう批判するのはやめていいんじゃない?』(30代男性/営業)『不倫は許されることではないけど、音楽は好きだし、活動できなくなって歌が聞けなくなるのは残念。できれば早く復帰してほしいなと思っています』(30代女性/編集者)所属するバンド名からとった“ゲス不倫”という言葉が流行語大賞でトップ10に選出されるなど、2016年を代表する存在に。激しいバッシングを受け反省しているかと思われた川谷さんですが、その後、タレントのほのかりんさんと交際し、彼女が未成年であったときに飲酒していた ことが発覚。これをきっかけにバンド活動を自粛することが決定されました。不倫はもちろん、その後の対応や言動も反省が感じられないものが多く、批判の声は日に日に強くなっていったと言えるでしょう。しかし、ファンにとっては音楽が第一で、不倫によって川谷さんの作る音楽への評価が変わることはない ということもあるのかもしれません。バンド活動は休止しているものの、楽曲提供などは引き続き行っている川谷さん。曲に対して良い印象を持っているかどうかで、彼に対する評価も大きく変わるのではないでしょうか。----------いかがでしたか?不倫したという事実が同じでも、その背景やその後の対応によって世間に与える印象は大きく変わってしまいます。今後2人が取り上げられる際には、ぜひともポジティブな話題で注目を集めてほしいものですね。【参考リンク】・【究極の二択アンケート・結果】ゲス川谷vs乙武洋匡! そろそろ不倫が許されてもいいと思うのはどっち?()●文/ぶるーす(芸能ライター)●モデル/藤沢リキヤ
2017年03月29日2017年1月26日に放送された、インターネットテレビ局のAbemaTV『アベマショーゴ~キテる人フカボリSHOW~』に作家の乙武洋匡さん(40)が出演しました。番組で乙武さんは、女性視聴者からの生電話で「乙武さんはもう浮気しないか?」という質問を受け、 「不倫にならないように、もう結婚しません」と宣言。また、夫の携帯を見て浮気を確信したという話に対しては、「携帯を見ても幸せはない」と回答しました。複数の女性と不倫関係にあったことが発覚し離婚することとなった乙武さんですが、この発言が“浮気容認”とも受け止められるとして、批判の声があがっています。●乙武氏に不倫反省の色ナシ?番組で「不倫にならないように、もう結婚しない」と発言した乙武さんに対しネット上では、『どういう意味?不倫じゃなければ浮気はOKってこと?』『今後も女遊びはしますよって言ってるようなものじゃん』『そもそもあんたなんかと結婚したがる女性はもういないよ。上から目線ムカつく』『浮気前提の回答。結婚してなければ何でもアリだと思うなよ?』『不倫したことまったく反省してないのがわかったね。もう出てこないでほしい』『それ子どもの前でも言えますか?』『やっぱりこの人の発言はズレてると思う。結婚してるしてないの問題じゃないでしょ。いい加減黙ってたほうがいい』『元奥さんはこれ聞いてどう思うんだろう。かわいそうだよ…』『こいつ番組で「結婚ってそんなにいいもんじゃない」とかも言ってたけど、お前が家庭生活壊しただけだろ!』『ただただ気持ち悪い』など、考え方に疑問を持つ人が多く見られました。番組終了後は、キングコングの西野亮廣さんと写った画像をTwitterに投稿し“炎上仲間”とコメント。自身の炎上を楽しんでいるような面もあるのかもしれません。【画像出典元リンク】・乙武 洋匡(@h_ototake)(Twitter)/●文/ぶるーす(芸能ライター)
2017年01月27日