「よかったときも悪かったときも、認めてくれたことを感謝したいと思っています」 2月19日、金メダル獲得後の会見で小平奈緒(31)は家族へ伝えたいことを問われこう答えた。今大会、500mで金メダル、1,000mで銀メダルに輝いた小平の母・光子さん(62)はこう語る。 「平昌に一緒に応援にきてくださった方々は、本当に喜んで頂いて、とてもありがたかったです。ただ、私にとっては、五輪でもどんな大会でも一緒。奈緒が楽しそうにスケートをしている姿をみているだけでいいんです。それは小さいときから同じです」 平昌の観客席から日の丸を身にまとう娘を観ても、光子さんが思い出すのは、ヨチヨチ歩きでスケート靴を履いて滑っていたあの日の姿だ。長野県茅野市に生まれた小平がスケートと出逢ったのは3歳のときだった。 「5歳と4歳年上のふたりの姉が小学校のスケートクラブに入ったんです。幼い奈緒を家に置いておくわけにもいかず、一緒にスケート場に連れて行ったら、ひとりで勝手に遊んでいました」 中学校では、学校でのスケート部の練習のあとに、車で1時間ほど離れた「宮田スケートクラブ」でも滑っていたという。そんな娘を光子さんは支え続けた。 「スケートクラブまでの片道50キロほどを毎日送迎していました。練習を終えて家に帰るのはいつも夜11時ごろ。それでも奈緒は、一度も弱音を吐いたことがありません。私も氷の上にいるのが楽しくて仕方がない奈緒を見ているのが楽しかった」 純粋なまでにスケートを愛する小平は高校卒業後、国立の信州大学教育学部に進学。 「大学卒業するとき、山梨県にあるスケートの強豪チームから誘いがあって、ずいぶん悩んでいましたが、長野県にとどまることを選びました。就職先がなくて、ようやく今も所属する『相澤病院』に決まるまでは、ニートになる覚悟も……」(光子さん) バンクーバー、ソチと2度の五輪出場を果たしたが、個人でのメダルには届かなかった。スポーツ紙記者が語る。 「小平が一気に世界のトップになれたのは、14年からのスケート大国のオランダでの“武者修行”が大きい。大好きな長野を離れ、食事や文化が全く異なるオランダの独り暮らしで、精神的な強さを身につけたのです」 母に支えられて追い続けたメダルを31歳でつかんだ小平。次なる夢は何なのか。光子さんはこう語る。 「(過去に教員になるという夢も語っていたが)教員免許はもっていますが、その時々で夢は変わっていっているのでしょう。将来的にはこうなりたいとか、今の時点ではそういう話はしていませんね。(結婚についても)前から“恋人はスケート”と言っていましたが、今もぶれていないようです。五輪のメダルは通過点とも話していますから、もう少し、氷の上で楽しむ姿を私に見せてくれるのかも」 ぶかぶかのスケート靴を履いていた時と同じ気持ちでーー。母は愛娘の活躍を見守り続ける。
2018年02月21日フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『TACOS Shop(タコスショップ)』のメキシカンタコスです。バインミーブームの次はタコスが来る。それもアメリカンタコスじゃなくて本場のメキシカンタコスだ。なんて無責任なことを言いたくなるのは吉祥寺の『タコス ショップ』と鮮烈な出合いを果たしたから。去年の冬、ハモニカ横丁の一角にオープンしたその店は、スタンディングのタコス屋だ。ふらっと入ってさくっと食べて。魅力的なバリエーションのタコスをお寿司感覚で、ナチュラルワインや燗酒と一緒に楽しめてしまう。味の要は一枚一枚手焼きするトルティーヤ。モサッと好きにはたまらない独特の食感と、マサ粉(とうもろこし粉)ならではの滋味深い香りが口いっぱいに広がって、ひゅーっとメキシコの風が吹く。店主の近藤輝太郎さんは、「なんとなくずっと気になっていた」タコスカルチャーを、現地オアハカで体験してますます惚れ込んでしまった人。「僕はナポリピザの店もやっていて、異国のソウルフードが好きなんです。現地では軽食的存在で、街のいたるところに屋台があり、昼夜問わず食べられる。そういう風景が魅力的で」。メニューはクラシックなもつ煮から白子ひじきなどの創作系まで幅広い。それぞれの味にあった新鮮なサルサソースをかけて、パクチーを散らし、ライムをギューッと搾れば「何をのせてもタコスになる」。自由なフォーマットに、気軽で奥深いおいしさ。南米ソウルフードの熱に今、浮かされている。ホルモンと白いんげん豆の煮込み¥300(奥)と、白子とひじき¥600(手前)。自家製サルサソースも数種類あり、メニューによって使い分ける。いくらでもギューッと搾ってOKな卓上ライムは、現地スタイル。東京都武蔵野市吉祥寺本町1-1-5TELなし17:00~26:00(土・日・祝日は13:00~)※営業時間は変更の可能性あり不定休営業情報はインスタグラム(@tacosshopk)を確認。ひらの・さきこ1991年生まれ。フードライター。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)。※『anan』2018年2月21日号より。写真・清水奈緒取材、文・平野紗季子(by anan編集部)
2018年02月14日スイーツライターのchicoさんがおすすめするスイーツをご紹介。今回は『PORT SINCERE(ポール・サンセール)』のレンヌです。青い海に三方を囲まれたフランス、ブルターニュ。このお菓子にはブルターニュの美しい街の名がついている。「レンヌには特に思い入れがあるんです」。そう話す細越誠シェフはレンヌの名店『ル・ダニエル』などで修業。フランスでの4年間の大半をその地で過ごした。ブルターニュの海の恵み「ゲランドの塩」といえば世界のシェフ御用達。塩を生かしたバターやキャラメルも名物。細越シェフは塩キャラメルとショコラのケーキに、大切な場所への思いをのせる。艶やかな一片を口にしたら途端に広がる、グラサージュのキャラメルの味わい。さらにミルクチョコムースとビターなショコラブリュレの豊かなカカオ感、ヘーゼルナッツの香ばしさが押し寄せる。そこに穏やかな塩気を連れてじわじわやってくる旨味の濃密なこと!それはとろり溢れる塩キャラメルソースの仕業で、ゲランドの塩が旨味の要に違いないけど、それだけじゃない。「通常のキャラメルでは砂糖を焦がしてから最後に入れる生クリームを、最初から砂糖と煮詰めるんです」。それって日本の生キャラメルに通ずる手法。クリームがぎゅっと凝縮したキャラメルは、乳味が濃く練乳みたいで優しくて。レンヌの思い出は、日本の私たちにもどこか懐かしい味だった。PORT SINCERE東京都港区芝浦3-13-9TEL:03・6809・658111:00~19:00不定休塩キャラメルとショコラ、ヘーゼルナッツがこっくりとろける、レンヌ¥537。底のヘーゼルナッツのダックワーズは、ローストした皮付きナッツを使い、さらに粗く砕いたものものせて焼いていて、たまらなく香ばしい!チコスイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。※『anan』2018年2月14日号より。写真・清水奈緒スタイリスト・中根美和子取材、文・chico(by anan編集部)
2018年02月09日ギフトコンシェルジュ・真野知子さんの「おいしいギフト」。今回ご紹介するのは、『おむすび 百千(ももち)』の47都道府県ふる里おむすびです。東京駅構内の京葉ストリートにリニューアルオープンした『おむすび 百千』は、47都道府県のご当地メニューを取り入れたおむすび専門店。たとえば北海道なら「じゃがバター」、栃木県は「揚げ餃子」、広島県の「広島菜」、長崎県は「豚の角煮」などなど。さらにベーシックな定番メニューもあって、ショーケースの中は目移りしてしまうほど。子供も大人も迷いに迷って選びぬく、そんな楽しさもある。中でもひときわ存在感を放っていたのは、愛知県の「えび天むす」。見て、このそびえ立つえび天!まるで名古屋城のシャチホコ?そんな圧巻のルックス。口に運ぼうとして、しばし眺める。いったいどこから食べ始めよう…ガブッとシッポから?それとも…と悩んだり(笑)。京葉ストリート店限定は、山形県の「牛沢米沢牛」。米沢牛のそぼろが詰め込まれたおむすびの上部には、コマ切れの米沢牛がのせられていて、甘辛いタレが絡まって、ご飯に合う~。お米は特Aランクの長野県飯山産みゆき(コシヒカリ)「幻の米」を使用。冷めても甘みがあるのが特徴で、海苔は九州有明産の最高級海苔。それらすべてが手作り製法でふっくら&やわらかく握られている。あなたのふる里の懐かしい味が、きっと見つかるはず。左から、広島菜¥230、京葉ストリート店限定の牛沢米沢牛¥290、1番人気のえび天むす¥290。背の高いえび天むすは専用ボックスもある。おむすび 百千 京葉ストリート店東京都千代田区丸の内1-9-1JR東京駅構内1F京葉ストリートTEL:03・6268・05188:00~22:00無休JR品川駅構内などにも店舗がある。「千葉県の『めざし』もえび天に負けじとそびえたっていて、ある種のエンターテインメント性を感じます」と真野さん。まの・ともこギフトコンシェルジュ。金沢の金箔メーカー、箔一の婚礼ライン「HAKUICHI Wedding」を監修。※『anan』2018年2月7日号より。写真・清水奈緒スタイリスト・中根美和子文・真野知子(by anan編集部)
2018年02月04日歌手の中島美嘉(34)と夫でバレーボールの北京五輪日本代表の清水邦広(31)が2日に離婚したことが3日、わかった。清水が自身のツイッターを更新し、中島との連名で報告した。「この度、私たちは2月2日に離婚届けを提出しましたのでご報告させていただきます」と報告し、「2人でしっかり話し合いを続けてきた結果、別々の道という選択肢がお互いの将来のために最善であると考えました」と説明。「東京と大阪でのそれぞれの生活が多く家族としての時間を作ることが難しかったですが、これまで一緒に過ごした時間はかけがえのないものですし、感謝しています。今後もお互いに夢を追いかけ、お互いの人生を応援していきたいと思います」とつづり、「皆様これからもよろしくお願い致します」と呼びかけた。2人は、中島がバレーボールの試合を見て一目ぼれしたことをきっかけに2011年夏頃に交際を開始し、2014年に結婚した。
2018年02月03日レストランジャーナリスト・犬養裕美子さんの「今日、どこで何、食べる?」。今回ご紹介するのは、『Ode(オード)』のグレー2018年冬です。この料理を見た時のインパクトは鮮烈だった。グレーの皿にグレーの料理!グレーの色は何の素材から?と考えても、すぐにはわからない。「青魚の頭と骨と、アンチョビなどをミキサーにかけると灰色になります。これに竹炭を少し加えて色を調整して、泡立てた卵白を合わせて焼くと、サクサクしたグレーのメレンゲができるんです」昨年秋に独立して、センスある店づくりと料理でたちまち話題をさらった『オード』の生井祐介シェフ。なかでもこの料理は、初めてのゲストには必ず出される。「何か印象的な青魚の前菜をと考えていたんですが、偶然この形に仕上がった。とても評判がよくて」。メレンゲの色とアイデアも面白いが、その下にはさまざまなアイテムが折り重なっている。ローストしたレモンのクリームを敷き、ローズマリーの花と牛肉、ローズマリーの香りでスモークをかけたイワシ、黒ニンニクのマヨネーズ、フヌイユのサラダ、ポワローのピクルス、そしてメレンゲ…。どの部分をすくうかによって、味わいも香りも異なる。さわやかな酸味、青っぽいハーブの香り、コクのある牛肉、香ばしい青魚。旨味が凝縮したメレンゲのはかなげな食感もエレガント。身も心もグレーに染まる気がして、斬新です!メレンゲの下にはイワシ、牛肉、フヌイユのサラダが隠れている。ランチのコース¥6,000、ディナー¥13,000の中の前菜として、季節ごとに青魚を替えて登場する。東京都渋谷区広尾5‐1‐32 ST広尾2FTEL:03・6447・7480ランチ12:00~13:00LO 、ディナー18:00~21:00LO日・祝日休いぬかい・ゆみこレストランジャーナリスト。東京を中心に、国内外の食文化、レストラン事情をレポート。※『anan』2018年1月31日号より。写真・清水奈緒取材、文・犬養裕美子(by anan編集部)
2018年01月30日フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『M.Santa(エム サンタ)』の全粒粉ミートパイ「黒毛和牛のパテ」です。パイの実から高級フレンチのパイ包み焼まで。パイと名のつく食べ物は押しなべて人を幸せにするものだけど、『エム サンタ』のパイはちょっと特別だ。「ひとつのものを徹底的に追究したいんです」と、ご店主の三田真穂さん。数々の名パティスリーで経験を積んだ彼女がオープンさせたのは、パイの専門店だった。ミートパイに、アップルパイに、ミルフィーユ。小さな店内には様々なパイがずらりと並び、焼きたての豊かな香りが立ち込める。かじればわかるのは圧倒的なパイのクオリティ。「とにかく店で粉を挽きたかったんです」と言う全粒粉のパイ生地は、香ばしさの彩度が違う。鮮やかに広がるその香りは、発酵バターのコクと連れ立って豊かな味わいを醸し出すが、それでいて重たさは皆無。その妙は、繊細な温度管理で丁寧かつ迅速に仕上げる技術ゆえ。もちろん素晴らしいパイ生地には素晴らしい具材が伴走。ミートパイ「黒毛和牛のパテ」など、その本格の味わいにひれ伏したくなる。黒毛和牛を100%使用した逸品は、肉の旨味が直球で飛び込んでくるのだ。「素材の力を引き出すために、シンプルな味わいを追求しています。だからうちのアップルパイにはシナモンはいれません。その方がりんごの香りを楽しめる」。パイの持つ幸福なイメージに甘んじず、自分を信じて美味しさの核心をまっすぐに射ぬき続ける人が、そこにいる。ひらの・さきこ1991年生まれ。フードライター。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)。M.Santa東京都世田谷区玉川2-1-16TEL:03・5797・915310:00~18:00月曜(祝日の場合は翌火曜)、第1火曜休イートインあり。三田さんのご実家であるsantaふぁーむの黒毛和牛を100%使用した信頼と極上のミートパイ「黒毛和牛のパテ」¥650(手前)。国産りんごが華やかに香るアップルパイ「ポム」¥480(奥右)、じゃがいものグラタンをこんがり焼き上げた「ドフィノワ」¥350(奥左)など、食事からスイーツまで様々なパイが並ぶ。※『anan』2018年1月24日号より。写真・清水奈緒取材、文・平野紗季子(by anan編集部)
2018年01月21日いつの世も私たちを魅了してやまない媚薬のようなお菓子、チョコレート。今回は、詩人・最果タヒさんに自分用のとっておきと贈り物にしたいひと品を、たっぷりのチョコレート愛とともに披露してもらいました。本能?刺激を求めて?チョコ愛は謎に包まれて。チョコレートほど「どうして好きなのかわからない」食べ物もない。いつの間にか好きになっていたし、いつの間にか欠かせない存在となっていた。カカオが刺激物と聞いて、妙に納得もしてしまった。私より、私の身体が、本能的な部分が、チョコレートを愛しているのだろうなと思う。けれど、私は本能だけで生きているわけでもないから、できればそうした刺激以外でも、私に何か強い印象を残してくれるチョコを求めている。どうして好きなのだろう、といつまでも疑問に思うのはなんだか虚しく、一瞬の刺激だけではなく、もっと文脈を持ったチョコレートの楽しみ方をしたい。それは、とても矛盾しているのだけれど、意外であって王道の、複雑であって単純にも飲み込めるチョコレート。私にはそれが理想です。『テオブロマ』の「アントニオ」は、バジルの香りのするチョコレート。申し訳程度の「…バジル」ではなく、極めてそれは「バジル!」で、けれどどこまでもチョコレートでもある。むしろバジルの存在が強烈であるため、チョコレートの刺激的な要素が際立ち、より濃いチョコレートを食べた気がするんだ。ミュゼ・ドゥ・ショコラテオブロマアントニオ1粒¥290土屋公二シェフを代表するショコラのひとつ。他のボンボンとのセットでオンラインでも購入可能。●渋谷本店/東京都渋谷区富ヶ谷1-14-9グリーンコアL渋谷1FTEL:03・5790・2181また、私にとって『ジャン=ポール・エヴァン』はもはやアイドル的存在で、チョコレートのまさしく真ん中(それは決してベーシックという意味ではなくて、これぞと誰もがイメージする理想という意味)だと思う。特に「サフィル」は誰が食べても新鮮に美味しいと思えるチョコだと思います。ジャン=ポール・エヴァンサフィル¥314薄焼き生地にアーモンドとヘーゼルナッツを合わせ、ミルクチョコレートでコーティング。他のボンボンとのセットで、オンラインでも購入可能。●伊勢丹新宿本店/東京都新宿区新宿3-14-1伊勢丹新宿本店B1TEL:03・3352・1111(代)さいはて・たひ1986年生まれ。中原中也賞・現代詩花椿賞などを受賞。詩集『夜空はいつでも最高密度の青色だ』(リトル・モア)が、石井裕也監督により映画化された。その他エッセイ集、小説など著書多数。※『anan』2018年1月17日号より。写真・清水奈緒スタイリスト・堀江直子文・最果タヒ(by anan編集部)
2018年01月17日スイーツライターのchicoさんがおススメのギフトをご紹介。今回は『廚(くりや)otona くろぎ』のくろぎサンドです。なんて品の良い佇まいのホットサンドだろう。独特なフォルムは見覚えがあった。和食の名店『くろぎ』のロゴマークだ。そう、これは昨年11月オープンのカフェ&バー『廚 otona くろぎ』で早くも評判を呼んでいる、その名も「くろぎサンド」。フィリングをパンに挟んだら、型を使い練り切りの要領でグイッと抜くのも、和菓子店もやっているこちららしい。そもそも焼くとカリッとする水分量のパンを特注しているが、このやり方で抜くと、空気が押し出されてさらにクリスピーに感じられる。香ばしく焼かれたパンからとろりと溢れる餡バターや抹茶クリームチーズもまたひと味違った。柔らかな甘さにほのかな塩気が心地よく、独特の旨味がじんわり舌に染み渡るよう。ヒミツは餡に醤油(抹茶餡には塩)が入っていること。「和食のさしすせそ」がちゃんと息づく甘味は、甘じょっぱさが後を引き、コーヒーを片手に朝食がわりやおやつにいただくのはもちろん、お酒のアテにするのもいい。なにしろお店は朝7時から深夜2時までずっとやっていて、猿田彦珈琲とコラボした和菓子に合うコーヒー「絹ゆらぎ」から、珍しい焼酎や日本酒まで完備。一日中いつだって焼きたてのホットサンドが、ゆるりとしたひと時を運んでくれる。カリ、ふわ、まったりの軽い口どけと、甘じょっぱさがクセになる、くろぎサンド(右・餡バター、左・抹茶クリームチーズ)各¥600。イートインは2個セットで¥1,100。廚 otona くろぎ東京都台東区上野3‐24‐6パルコヤ上野1FTEL:03・6284・27967:00~翌2:00無休(施設に準ずる)チコスイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。※『anan』2018年1月17日号より。写真・清水奈緒スタイリスト・中根美和子取材、文・chico(by anan編集部)
2018年01月13日今回、スイーツライター・chicoさんが紹介してくれるのは、いつの世も私たちを魅了してやまない媚薬のようなお菓子、チョコレート。自分用のとっておきと贈り物にしたいひと品を、たっぷりのチョコレート愛とともに披露してもらいました。創造性が詰まった小宇宙。胸躍るひと粒を楽しみに。スイーツ専門のライターとして仕事を始めたばかりの頃。チョコレートとはかくも香り高く、深い味わいに満ちたものなのかと衝撃を受けたのが、『ラ・メゾン・デュ・ショコラ』のチョコレートでした。とりわけ印象深く、今でも大好きなのが、ロシェ。香ばしいナッツと濃厚なプラリネ。パリッ、カリッ、まったり、の食感の取り合わせに、ほのかな塩気と甘み。絶妙なバランスとはこういうことだと、口にするたびに思います。ボンボンのロシェも好きですが、直径4cmはあろうかという「ブシェ ロシェ」は、テンションの上がるとっておき。ひときわ仕事を頑張ったときに、ミルクと一緒にいただきます。ラ・メゾン・デュ・ショコラブシェ ロシェ レ¥575通常のボンボンの4~5倍の大きさ。ほかにダークチョコレートを使ったブシェ ロシェノアールも。●丸の内店/東京都千代田区丸の内3-4-1新国際ビル1FTEL:03・3201・6006秋冬の新作発表時期に毎年楽しみにしているもののひとつが、小山進シェフのボックス。とくに「エスコヤマ インターナショナルチョコレートアワード」は、京都に生まれ、本物の和の食材に触れて育った小山シェフならではの、斬新なおいしさに満ちています。新作も、濃厚な堅豆腐の味噌漬けの燻製や柚子酒などの和素材とチョコレートの、緻密に計算されたマリアージュ。この驚きを体験してほしくて、贈り物にしたくなるのです。チョコレートは、こうしてワインのように繊細な味わいの違いを楽しめるものですが、一方で誰もが子どもの頃から親しんできた身近なお菓子でもあります。懐が深く、あらゆる人を笑顔にできる。それが、チョコレートの最大の魅力だと思います。パティシエ エス コヤマSUSUMU KOYAMAʼS CREATION INTERNATIONAL CHOCOLATE AWARDS2017¥1,620国際的なチョコレートコンクールで高評価を受けたボンボンから、「味噌漬けスモーク豆腐」「柚子酒」「カシス畑の1日」「プーアル茶」の4粒をセットに。オンラインでも購入可能。●兵庫県三田市ゆりのき台5-32-1TEL:079・564・3192チコ各ジャンルのお菓子に精通。本誌連載「Food news」で「chicoのお菓子な宝物」を担当するなど女性誌を中心に活躍。共著に『東京最高のパティスリー』(ぴあ)。※『anan』2018年1月17日号より。写真・清水奈緒スタイリスト・堀江直子文・新田草子(by anan編集部)
2018年01月11日媚薬のようなお菓子、チョコレート。食べても贈っても、幸せを運んでくれる“とっておき”を、ライター・トミヤマユキコさんに紹介していただきました。高級だけれどさりげない。甘く小さな幸福のタネ。お腹がいっぱいになるわけではないのに、たったひと粒で幸せになれる。チョコレートの魅力は、その「ひと口あたりの幸福含有量の高さ」にあると思います。この小さな幸福を求め、チョコレートに関してだけは己にちょっとした贅沢を許しています。普段も何かしらバッグに入れているのですが、ポータブルなチョコで好みのものがなかなか見つかりませんでした。けれどあるとき、紀ノ国屋で『ゴディバ』の「パールミルク」を発見。小さな缶入りで持ち運びやすいうえに高級感があって、なんといってもベルギーの名ブランド『ゴディバ』ですから味は間違いなし。これは理想的!とすぐに購入し、それから定番に。ひと粒が小さいので食べる量をコントロールしやすいし、容器がミントタブレットサイズなので、仕事先で食べてもおやつだとばれにくい点も気に入っています(笑)。ゴディバパールミルク¥723(税込み)ベルギーを代表するチョコレートブランド。口に含むとさらりと溶ける真珠のような粒状のチョコレートは、ほかにダーク、ミントなど全4種。全国に約290ある店舗のほか、オンラインで購入可能。●ゴディバジャパンTEL:0120・116811贈り物には、珍しいチョコレートや、1店舗しかないお店のものを選ぶことが多いです。『クラフトチョコレートワークス』は散歩中にたまたま見つけた、ビーントゥバーの専門店。もはやカウンセリングといえるほど接客が丁寧で、初めて訪れたときも、お酒好きの私にぴったりの一枚を選んでくれました。以来よく利用していて、贈る相手にどんなチョコレートが合うか相談することも。一枚一枚に物語があり、包装も素敵。男女を問わず差し上げやすいお菓子です。クラフトチョコレートワークスエクストラカカオ¥1,400(税込み)ローストしたナッツを思わせる香りとほのかな甘みが特徴の、カカオ分85%のチョコレートバー。このほか常時10数種類のバーが揃い、いずれもオンラインでも購入可能。●東京都世田谷区池尻2-7-4TEL:03・5787・6528トミヤマユキコさん早稲田大学文化構想学部助教として、少女マンガ研究を中心としたサブカルチャー関連の講義を行う。著書に『パンケーキ・ノート おいしいパンケーキ案内100』(リトル・モア)ほか。※『anan』2018年1月17日号より。写真・清水奈緒スタイリスト・堀江直子文・新田草子(by anan編集部)
2018年01月11日食べてうれしい、贈って幸せ。あの人が愛するチョコレート。今回は、文筆家・甲斐みのりさんに、オススメの2つのチョコとともに、溢れんばかりの“チョコ愛”を語っていただきました。ひいきにしたいのは、すべてがチャーミングな一箱。台所の一角に、チョコレート用の籠がある。板チョコ、球体、動物型、宝石のようなもの。そのときどきで種類は違うけれど、ほぼ空になったことがない。仕事に出る前にのぞき込み、“今日はこれ”と、ポケットに差し入れる。私のお腹は隙間が余すほどあるのか、人前でよくグーと鳴る。それをどうにか治めるため、チョコレートを持ち歩くようになった。道を歩きながら。信号待ちや駅のホームで。行儀が悪いことを気にして人に見られぬよう、こっそりと口へ運ぶ。そうして何事もない顔で、甘い塊を少しずつ溶かす。張り詰めた緊張を和らげてくれるのもチョコレート。もう何年も仕事の相棒で、頼もしい縁の下の力持ち。日頃ひっそり付き合う分、家の中では堂々と。時間をかけて目と舌で味わう。チョコレート選びの基準は複数あり、その一つが愛らしい箱。箱がいいと味もいい。手をかけ仕上げた我が子を、見目好く飾り送り出すのも職人愛。6種のチョコレートが“おうちBOX”に入った、鎌倉『ショコラテ ロミ・ユニ』の「おやつチョコ」は、自分用のとっておき。甘さも酸味もほろ苦さも身体中に染み渡り、見慣れた景色が麗らかに色づく。ショコラテ ロミ・ユニオランジェット¥790シトロネット¥790おうちBOX入りはこの2種のほか、「コロコロ」など全6種。4箱入り、6箱入りのセットも。『ロミ・ユニ コンフィチュール』『メゾンロミ・ユニ』でも販売。3月下旬まで。オンラインでも購入可能。●神奈川県鎌倉市西御門2-1-14TEL:0467・38・7071大切な人への贈り物に選びたいのは、ホワイトとミルクのチョコクリームが可憐に結びつく冷菓、夙川『エルベラン』の「生チョコふたつ」。コロンとまるく優しい気持ちを、うっとりするほどなめらかな口溶けに託して。エルベラン生チョコふたつ「金のはちみつ」 5個との10個入りセットで¥1,150(税込み)フランス・ヴァローナ社のチョコレートを生クリームで練り上げた、口溶けの良い2色のクリームをボール状に。オンラインでは、タスマニア産のはちみつを使ったお菓子「金のはちみつ」とのセットで購入可能。冷凍商品。●兵庫県西宮市相生町7-12TEL:0120・440・380かい・みのり旅や散歩、お菓子、雑貨と暮らしなどをテーマに、書籍や雑誌で執筆。歌手・声優の中島愛さんとの共著『音楽が教えてくれたこと』(ミルブックス)が、今月末に発刊予定。※『anan』2018年1月17日号より。写真・清水奈緒スタイリスト・堀江直子文・甲斐みのり(by anan編集部)
2018年01月10日猫好きにとってはブームであろうがなかろうが、猫は無条件に愛おしい存在。自分の飼い猫はもちろん、よその家の猫や野良猫でも、姿を見ればついカメラを向けてしまう…。そんな猫好きの心をくすぐる一冊が『猫の撮リセツ』。「猫は宇宙一かわいい」がもはや口癖というフォトグラファー、清水奈緒さん初の著書だ。「世の中にはさまざまな猫の本や写真集があるのに、猫の撮り方のおしゃれな実用書はない。あれば楽しいのに…とずっと思っていたんです」そんな長年の秘めた思いから生まれた本書のテーマは、“飾りたくなる猫の写真を撮ること”。「猫って姿もしぐさもすごく絵になるんです(笑)。だから、日々の記録やSNS用にスマホでラフに撮るだけじゃなく、せっかくならちゃんと撮って部屋に飾ってほしいなと」この本にはそのためのアイデアがぎっしり。雑誌や書籍でおしゃれな猫写真をたくさん撮ってきた清水さんのテクニックを、マニアックなまでに余すところなく紹介している。「飼い猫を撮るのは基本的には家の中。必ずしも好条件ばかりではありません。でも、おしゃれで片付いた空間じゃなくても、工夫次第でフォトジェニックな写真は撮れます。今回は実例を挙げていろんな提案をしていますが、まずトライしてみてほしいのが、高い場所にいる猫を下から見上げる構図。背景となる天井は白がほとんどですし、情報量を減らせるのですっきりと見せられます。あとは、ペンなどをゆっくり動かして目線をもらうワザもおすすめ。首を傾げたり、いい表情が撮れるはず」まさに猫を飼っている人はすぐに試したくなるアイデアが満載だが、ページをめくるごとに目に飛び込んでくるのは、思わずキュンとする猫たちの愛らしい姿や表情。猫を飼っていない人にとっても、写真集として十分楽しめる内容に。いや、むしろ愛猫とフォトセッションをするような幸せな暮らしを夢想して、身悶えすることになるかも!?しみず・なお写真家。京都市生まれ。同志社大学文学部英文科卒業。シカゴ美術学院で写真の基礎を学び、大阪で内池秀人氏に師事。現在は東京を拠点に雑誌、書籍等で活動。愛猫デコと暮らす。飾りたくなる猫写真を撮るテクニックを、かわいい実例写真とイラストとともに紹介。猫好きは必見の、おしゃれで使える一冊。エクスナレッジ1500円本書の写真から。2枚目・首傾げポーズはペンで興味をひきつつ撮影。3枚目・高い所が好きな猫の習性を生かして下から撮影。覗き込む顔にはドヤ感も。※『anan』2018年1月3・10日号より。写真・清水奈緒文・野尻和代(by anan編集部)
2018年01月04日ギフトコンシェルジュの真野知子さんがおすすめするギフトをご紹介。今回は『山壽杉本商店』のティーバッグです。2018年の干支は戌。こま犬のイラストと紅白カラーで、新年のめでたさ満載のこのルックス。まずはそこにひと目惚れ。かわいくないですか?お菓子が入ってそうな佇まいだけど、中身は日本茶。ティーバッグの持ち手が猫のシルエット型や力士に侍など、ユニークなデザインで人気の『山壽杉本商店』の、干支をパッケージモチーフに使用したシリーズ。左のお守り型と右のプチ缶は緑茶のギフト。手前は、正方形の袋3つを束にして紐で縛ったコンパクトな「ひと揃え」。そのパッケージには熨斗紙のように、こま犬柄の紙が袋の上から巻いてあり、いちいち丁寧なのだ。お茶の淹れ方の説明書まで付いている。袋を開けてみると、ティーバッグが1つだけ!なんという心の配りよう。そんないたれりつくせりの仕様に好感度がさらにアップする。こちらの茶葉は抹茶入りの玄米茶と丁寧に焙煎された緑茶、香ばしほうじ胡麻ほうじティーバッグがセットになっている。焙煎黒胡麻を加えられたほうじ茶は香り立つ味わいで、焙煎した黒胡麻に一番茶のみを使った浅炒り棒、浅炒りと深炒りの茶葉がブレンドされている。日本のお正月にはやっぱり日本らしいものがふさわしい。親戚や友人、職場の方へのお年賀や新年のご挨拶ギフトにいかが?奥左・戌年お年賀 お守り型ティーバッグ(7個入り)¥750奥右・プチ缶ティーバッグ(5個入り)¥750手前・茶ひと揃え(3個入り)¥620山壽杉本商店静岡県静岡市葵区錦町19 静岡県産の高級茶の一番茶をたっぷり詰め込んだティーバッグ。『東急ハンズ』新宿店4階ほかで取り扱い。まの・ともこギフトコンシェルジュ。金沢の金箔メーカー、箔一の婚礼ライン「HAKUICHI Wedding」を監修。※『anan』2018年1月3・10日号より。写真・清水奈緒スタイリスト・中根美和子文・真野知子
2017年12月31日レストランジャーナリスト・犬養裕美子さんの「今日、どこで何、食べる?」。今回は『l ’intemporel(ランタンポレル)』の鹿のロティ 杏のソースです。いよいよジビエ料理のシーズン到来。ジビエは今や特別な素材ではない。フレンチやイタリアンのレストランでは定番の季節メニュー。とはいえ、ジビエは扱いがなかなか難しい素材で、どこで、どんな方法で仕留められたのかを理解し料理する、スペシャリストとしての知識と技術、そして経験が重要になる。11月にオープンしたばかりの外苑前『ランタンポレル』の内藤和敏シェフは、長野県生まれのベテラン。蓼科高原にいたときはシーズンになると猟に同行していたので、今でもその季節には「気持ちがざわつく」という。「好きな組み合わせは、鹿と杏」。杏は信州ならではのフルーツだから、信州の野山を走る鹿は食べているはず。「ジビエはシンプルにロティ(フランス語で“ロースト”に相当)するのがいちばん。ソースはその動物が食べている木の実や果物を使うというのがセオリーだと思う」。見て、見て!鹿のヒレの清らかな肉質を。ナイフを入れるとスーッと切れて、ドリップもない。キノコとゴボウのつけ合わせからほんのりと立ち上る土の香り!杏、エシャロットをバターで炒めてたっぷりのブランデーで仕上げる甘いソースがよく合うこと。鹿のフィレがまた、赤身ならではのすっきりした後味。これぞジビエ・ド・ジャポネ。未体験の方、絶対に挑戦してみて!コースは選ぶ料理の値段の合計によって金額が異なる。肉料理はプラス¥3,500。この料理は3月いっぱいまで。注文の際は5日前までに予約を。l’intemporel東京都港区南青山4-9-3VIVRE AOYAMA 1FTEL:03・5413・5750ランチ12:00~15:00、ディナー18:00~23:00月曜休コースの値段は¥3,800から¥15,000。いぬかい・ゆみこレストランジャーナリスト。東京を中心に、国内外の食文化、レストラン事情をレポート。※『anan』2017年12月27日号より。写真・清水奈緒取材、文・犬養裕美子(by anan編集部)
2017年12月20日フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『si.si.Nibotan(シシニボタン)』のにぼたんです。「新しい御馳走の発見は人類の幸福にとって天体の発見以上のものである」というのはあまりに手垢のついたブリア・サヴァランの名言だが、それでもやはり新しい味とその発見者の存在は尊い。昨今、“熟成肉”という美味を世に知らしめた『カルネヤ』の高山いさ己シェフが新たに生みだしたのは、にぼしのパスタだ。にぼし×パスタ…と聞けば、一見おかんの創作料理的な危うさを感じてしまうが、そこはプロ中のプロ。高山氏ならではの技術と論理によって完璧な味となる。そんなにぼしパスタ=通称にぼたんの専門店『シシニボタン』が日本橋にオープンしたのは10月末。食券機とカウンターから成る空間こそ見慣れた街のパスタ屋だが、そこで現れるにぼたんはあまりにオリジナルだ。「にぼしは旨味の塊。チーズの感覚でパスタと和えたとき、これはいけると確信しました」と高山氏。にぼしフレークとバターが絡まり旨味が炸裂する太麺のパスタは、唯一無二の新しさと普遍的な美味しさを兼ね備えた最強の食べ物だ。更に特筆すべきは食べ終わりの軽やかさ。「ソースに柑橘を忍ばせています。にぼしの酸が分解されて、胃に重くならないんですよ」。あらゆる要因で胃にズシっとくるのがパスタランチの宿命だと思っていたのに、この後味はささやかな革命だ。にぼたんの登場以降、界隈企業の午後の生産性は軒並み上昇している。かもしれない。にぼたん(中)¥850。うずらの卵、岩海苔、赤タマネギ、それから燻製パプリカパウダー(高山氏いわく“万能パウダー”)をまとわせた低温調理の焼き豚らがパスタを賑やかす。卓上にオイルとともに置かれた煮干しのペペロンチーノ炒めは、料理が来るまでの間、スナック感覚でつまむこともできる。si.si.Nibotan東京都中央区日本橋小舟町4‐9TEL:なし10:30 ~15:30(土曜11:00~15:00)日・祝日休店舗情報はInstagram(@si.si.nibotan)参照。ひらの・さきこ1991年生まれ。フードライター。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)。※『anan』2017年12月20日号より。写真・清水奈緒取材、文・平野紗季子(by anan編集部)
2017年12月19日スイーツライターのchicoさんがおすすめするスイーツをご紹介。今回はホテル雅叙園東京 PATISSERIE『栞杏(りあん)1928』の紅玉のタルトです。きらきら透けるりんごチップが小さな帆船みたいな『栞杏1928』の紅玉のタルト。カワイイのはさておき、この時期あちこちのパティスリーで出てくる秋冬の定番だよね、なんて何気なくいただくと、目がさめるほどの衝撃!口いっぱいにりんごの甘酸っぱさ、滴るような果実味、可憐な香り、火を入れたりんごの奥深い旨味……りんごのあらゆるおいしさが溢れ出す。「直径6cmほどのタルト1個に紅玉を1.5個使います」と生野剛哉シェフ。聞けばただりんごがたっぷりなだけではない。4つの調理法で紅玉の魅力を引き出すという。まずはりんごジュースで煮た紅玉でりんごの旨味と甘さをアピール。その奥にはシナモンとカルバドスでバターソテーした紅玉をゴロンと塊で入れて、果肉を齧る喜びを忍ばせる。表面にフレッシュのりんごを並べて焼けば、鮮やかな赤いストライプが出現。りんごチップは極薄にしたりんごをシロップで真空調理、味を染み込ませてからオーブンで乾燥させたもの。よくあるスカスカなドライアップルとはまるで別モノで、ぬかりなく味わい深い。どのパーツも余分な甘さをつけず、シナモンもクレームダマンドも控えめにして、りんごを前面に。一口いけば、フルスロットルのりんごのおいしさが押し寄せる!紅玉のタルト¥450(2/28までの期間限定)。4つの手法で引き出されたのは味だけにあらず。シャリ、サク、くにゅ、じゅわり、りんごのいろんな食感も楽しんで。ホテル雅叙園東京PATISSERIE『栞杏1928』東京都目黒区下目黒1-8-1ホテル雅叙園東京1FTEL:03・5434・5230(直通)10:00~20:00無休今年9月にオープン。チコスイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。※『anan』2017年12月13日号より。写真・清水奈緒スタイリスト・中根美和子取材、文・chico(by anan編集部)
2017年12月12日マリオン ヴィンテージ(MALION vintage)は、シェル(cher)でデザインとバイイングを担当していた粕谷栄莉子と販売を担当していた清水亜樹が始めた日本のファッションブランドだ。2017年よりスタートし、2018年春夏コレクションで2シーズン目を迎える。古着を“魔法のように”蘇らせるマリオン ヴィンテージのユニークさは、ヴィンテージアイテムを使って商品がデザインされていること。テキスタイル作り・探しから始まる通常のファッションブランドとは異なり、クリエーションは買い付けからスタートする。粕谷栄莉子、清水亜樹が共に行うという買い付けは、ツイードジャケットやデニムといったメンズライクなものも対象となり、中にはデットストックのシーツなど洋服とは縁遠い斬新なものも存在する。それらを持ち帰りデザイン。男性らしいものを女性らしく、反対にフェミニンなものはメンズライクに形を変えるのが彼女たちのモットーだ。始まりは「コルセットベルト」からマリオン ヴィンテージはシェル内でスタート。彼女たちが務めていたシェルでは当時、裾をカットオフしたものやスリットを入れてアレンジしたデニムが人気だった。このため、オフィスには、リメイク時にどうしても出てしまうデニムの端切れが溢れていたという。そこに目をつけた二人は、このデニムの切れ端を使ってパッチワークコルセットベルトを製作。これが結果マリオン ヴィンテージの初めての商品となり、店頭販売すると瞬く間に売れた。2017年3月シェルの解散と同時に、粕谷と清水はマリオン ヴィンテージを立ち上げる。古き良きヴィンテージの生地を活かして“誰かが大切に着ていた古き良きものに新しい息吹を与える”ことをキーワードに生まれたマリオン ヴィンテージの商品は、全て国内で生産されている。「昔の生地は手が込んでいて丁寧に作られている」と粕谷の言葉からもわかるように、彼女たちが作る洋服はヴィンテージ生地の良さを生かしたものが多い。例えば、真っ白なフィッシャーマンニット。肉厚で暖かな印象はそのままに、ニットトップスからニットボトムスへと転換される。この際フェミニンに解釈することをスパイスにリメイク。出来上がったのは、フィッシャーマンニット特有の網目模様の残したミニ丈のスカートだ。2018年春夏コレクションは18年1月より発売新作となる2018年春夏コレクションは、2018年1月より伊勢丹新宿店を中心に展開。ホワイトのレースやコットン、シースルー素材を多用したワンピースやショートパンツなどが多く登場している。リメイクの名残を感じさせるパッチワークの手法も多く起用され、ももやひざの位置で切り替えを施したワイドパンツも誕生。ヴィンテージならではの趣あるレースから覗く肌が、暖かな季節の訪れを感じさせる。また、ファーストプロダクトの素材となったデニムは進化。ストラップを配したガータータイプ、キラキラと輝く箔プリントを添えたスリットスカートやパンツに。どちらも濃淡異なるデニムをミックスさせ“味のある仕上がり”になっている。1周年を祝うランウェイショーもマリオン ヴィンテージは、18年春夏コレクションの展開に先駆けランウェイショーを開催。全18ルックから成るショーは新作に交えて、このために特別に作られたデニムドレス、50年代のデットストックシーツで作られたオフショルダードレスも組み込まれた。またジュエリーブランド「EICA」とのコラボレーションアクセサリーもランウェイに。会場には1日限定のショップも設けられ、新作を始め、粕谷と清水が買い付けたヴィンテージ品、復刻した人気商品などが販売された。【アイテム詳細】マリオン ヴィンテージ 2018年春夏コレクション展開時期:2018年1月取扱店舗:伊勢丹新宿店ほか住所:東京都新宿区新宿3丁目14-1<アイテム例>・ギャザーワンピース 38,000円+税・クロシェ レース パンツ 38,000円+税・デニム ガーター 19,000円+税・デニム タイト スカート 35,000円+税【問い合わせ先】MALION vintageTEL:03-5787-8911
2017年12月07日俳優でありコメディアンであり、「日本スタンダップコメディ協会」の会長でもある清水宏。その活動が海外にも広がっていることを知っている人も少なくないだろう。イギリスを皮切りに、アメリカ、カナダ、台湾、韓国などでエネルギッシュなスタンダップコメディを披露してきた。そして今年、いよいよ乗り込んだのがロシアである。果たしてかの地は清水をどう受け止めたのか!?『清水宏の世界を笑わせろロシア編~ロシアからホワィをこめて!~』と題し、12月15日(金)・16日(土)に東京・CBGKシブゲキ!!にて、その報告会が開催される。【チケット情報はこちら】「自分は世界に通用するのか」。表現者であれば胸によぎらせずにはいられないそんな思いを抱えていた清水が、初めて海外に出たのが2011年。イギリス・エジンバラフェスティバルフリンジに5年連続で参加し、評価を得てきた。以来、世界に飛び出して孤軍奮闘するその姿を、「ドキュメンタリーコメディトークライブ」として、映像を取り入れながらハイテンショントークで綴ってきた清水。「自分では『ひとり情熱大陸』と呼んでますが(笑)、僕が全部語るんです。海外での情景、そのときの自分の心情、相手の気持ち。“急に来たってできるわけないんだよ。なんでわからねーんだ”みたいなことを、やっぱり向こうは思うわけですね。僕が強引に行ってるから。そういう窮地に陥ったときにどうするか。僕と一緒に傷つきながら(笑)、喜怒哀楽をリアルに感じてもらいながら観ていただける、“同時体感ドキュメントコメディ”です」。なかでも、9月中旬から8日間、サンクトペテルブルクとモスクワで13回のステージに立った今回のロシアの旅は、日々起こることにハンパない緊張感があったらしい。そもそもフェイスブックで「ロシアに知り合いのいる人いませんか」と呼びかけるところから始めたというのだから、現地での壁の大きさも推して知るべし。「小さくて寒くて暗くて客も無愛想な小屋で、僕のロシア語がまったく通じず白けてて、っていうところから始まりました。あの環境でよくあきらめなかったと自分を褒めたいです」。そう。結論を言ってしまえば、それでも光に辿り着くのだ。「だから、前半はもう手に汗握る苦難の連続をどんどん笑いにして、後半はロシアという底知れないエネルギーを持つ国を好きになる入口になるようなものをお届けできるんじゃないかと思ってるんです。ひいては、自分の日々の生活や人生にもつながるよねと、観てくださる方に思っていただけるようなものになれば」。胸を撃ち抜く清水の熱いコメディ、ぜひとも体験したい。チケットは発売中。取材・文:大内弓子
2017年12月06日覚せい剤取締法違反容疑で逮捕・起訴されたものまねタレントの清水良太郎被告(29)の初公判が12月15日、東京地裁で行われる。 良太郎被告は10月10日、都内のホテルで覚せい剤を吸引。一緒にいた風俗嬢が「薬物を飲まされた」と通報し、翌11日に覚せい剤取締法違反で逮捕。その後、起訴されていた。 「大々的に報道され社会的制裁は十分に受けた。おそらく、初公判で結審し、執行猶予付きの刑が言い渡されるだろう」(司法担当記者) 初公判に向けて注目されるのが、父・清水アキラ(63)の言動。逮捕直後には会見を開き、集まった報道陣に対し涙ながらに謝罪。自身と同じ事務所をクビにすることを宣言し、後日解雇した。 その後も拘留されている警察署に面会に訪れ、集まっていた報道陣に対応。「初公判まで保釈しない」と良太郎被告に伝えたことを明かすなど、かなり厳しい態度で“不肖の息子”に対峙していた。 「父が身元引受人として良太郎被告を更生させることになるでしょうから、初公判には情状証人として出廷する可能性が高い。もし出廷しない場合でも、何らかの対応をすると思われます。二度と不祥事を起こさせないよう、厳格に更生させることになりそうです」(芸能記者) 父の思いがしっかり良太郎被告に伝わればいいのだが……。
2017年12月05日ギフトコンシェルジュの真野知子さんがおすすめするギフトをご紹介。今回は『茅乃舎』のおかきです。米菓といえば、塩っ気が前面に出てくる印象だったけれど、別格な物に出合いました。だしブームの火付け役だと私が思っている『茅乃舎』。次々と店舗が増えている中でも東京駅・グランスタ丸の内にオープンした新店には、一部店舗だけの限定商品があった。そのひとつが米菓の専門店『赤坂柿山』による茅乃舎別誂えのおかき。「薄焼きだしおかき」と「かきもち」の2種類、6つの味が揃う。だしおかき?どんなだろう?誂えという響きもなんだか好印象。せっかくなら全部食べてみたくなる、ということで36枚入りのボックスをセレクト。糯米のつぶつぶの食感を生かした薄焼きのだしおかきは、鰹昆布だしの風味を生かしたあっさりしたもの、国産の真昆布を混ぜ込んだ旨味の深い味わいのもの、青柚子胡椒の香りがふわっと広がる軽やかな辛さが余韻を残すものの3種類。そして昔ながらの製法でサックリと焼き上げられた、かきもちも3種類。大豆がぎっしりで豆々しい香ばしさに、野菜昆布だしの優しい風味のもの、特製だれに青柚子胡椒の爽やかな辛みを効かせたもの、さらに見た目も存在感ある黒胡麻は鰹昆布だしの風味と合わさった味わい深さ。上品なだしの風味を纏いながら、全く違う面白さや、新しさ。存分に味わってみてほしい。茅乃舎 東京駅店(グランスタ丸の内)東京都千代田区丸の内1‐9‐1 グランスタ丸の内TEL:03・6551・2322月~土曜・祝日8:00~22:00(日曜・祝日最終日~21:00)無休JR東京駅構内地下1階改札外。おかき 36枚入り¥3,456(税込み)。写真左上から時計回りに、慶長薄焼きだしおかき(昆布)、胡麻かきもち(鰹昆布だし)、豆かきもち(野菜昆布だし)、豆かきもち(青柚子胡椒)、慶長薄焼きだしおかき(鰹昆布だし)、慶長薄焼きだしおかき(青柚子胡椒)。6種各6枚、箱入り。慶長薄焼きだしおかき、豆かきもち共に2種×3枚ずつ入った、12枚入り¥1,296(税込み)も。まの・ともこギフトコンシェルジュ。金沢の金箔メーカー、箔一の婚礼ライン「HAKUICHI Wedding」を監修。※『anan』2017年12月6日号より。写真・清水奈緒スタイリスト・中根美和子文・真野知子(by anan編集部)
2017年12月04日レストランジャーナリスト・犬養裕美子さんの「今日、どこで何、食べる?」。今回は『DAOLMO (ダ オルモ)』の豚の血のタリアテッレ グラウケーゼ添えです。血のパスタと聞いてちょっと引いたあなた。どうか驚かずに食べてみて。もともと動物は人間にとって貴重な栄養源で、血液もそのひとつ。一般には“食材”としてカウントされにくいが、血液を食材とする食文化を持つ国や地域だってちゃんとある。日本では沖縄。チーイリチャーという「血の炒め煮」は家庭でも作られる肉と野菜の炒め物。韓国では「スンデ」といって、豚の腸にもち米や野菜、春雨、そして豚の血を入れて蒸して食べる。フランスの「ブーダン・ノワール」、ドイツにも「ブルートヴルスト」(文字通り血のソーセージ)がある。そしてイタリアでは、パスタになって登場する。北の郷土料理がお得意な神谷町『ダ オルモ』の北村征博シェフの最新作は、この春、北イタリアに行って出合った「豚の血のタリアテッレ グラウケーゼ(チーズのこと)添え」。現地でも出しているところは少なく、“絶滅危惧種”のパスタだ。だが、北村シェフにとっては北イタリアらしい力強いパスタの“発見”。帰国してさっそく再現に取り組んだ。ゆであがったパスタの上に、溶かしバターとチーズ、そして細かくカットしたシブレットをかけて提供する(パスタには沖縄の島豚の血を使用)。肝心のパスタはどんな味か?酸味や生臭さはなく、コクが感じられる。食べ終えると、イタリア的血中濃度が高まる気がするのは私だけ?DA OLMO東京都港区虎ノ門5‐3‐9ゼルコーパ5-101TEL:03・6432・4073 11:30~14:00LO(火~金曜のみ)、18:00~23:00日・祝日休タリアテッレは、手打ちパスタ。毎日打っているが、豚の血のタリアテッレを注文する場合は予約の際、確認のこと。ランチでもディナーでも食べることができる。¥2,400いぬかい・ゆみこレストランジャーナリスト。東京を中心に、国内外の食文化、レストラン事情をレポート。※『anan』2017年11月29日号より。写真・清水奈緒取材、文・犬養裕美子
2017年11月27日京都にあるコミュニティストア トゥー シー(Community Store TO SEE)で、京都・清水焼のブランド・トキノハとのエキシビジョン「TO SEE ? 展」が12月10日まで開催している。コミュニティーストア トゥー シーは、京都御所西の閑静な一角にある1棟のビル。写真家の中島光行(nakajimamitsuyuki.jp/)により2016年12月にオープンした。1階にはコーヒースタンドとストアスペースを、2階は展示やポップアップストア、ワークショップをするための空間となっている。開催中の「TO SEE ? 展」は、1階と2階のフロアを使用した企画展となる。日本の“写し”という文化に習い、カタチの美しい道具や日常生活の中にあるカタチを陶器で表現した。例えば、アイスクリームのパッケージを白い陶器に変化させることで、そこに際立って見えてくるカタチの美しさに気づく。さらに、その美しいカタチは機能と実用性のある“入れ物”として生まれ変わるのだ。また、期間中はトキノハのスタンダード商品や新作も店頭に並ぶ。キャンバスのような白を基調とした空間で見る作品は、ユーモアと奥深さを独自の視点で体感することができるだろう。丁寧に淹れた珈琲を味わいながら、ゆっくりと流れる時間を堪能してほしい。「トキノハ」清水大介・友恵の陶芸家夫婦が営む清水焼のブランド。“生活に寄り添う器”をコンセプトにどんな生活スタイルにもすっと溶け込むような器作りを目指す。また、“手でつくる”ということにこだわり、全ての工程を手作業でおこなう。清水焼団地に工房・ショップを構える。 【イベント情報】「和菓子とTO SEE × トキノハ」会期:11月23日「和菓子店 青洋」店主・和菓子職人の青山洋子をゲストに招き、和菓子とTO SEE ×トキノハの器のスペシャルイベントを開催。参加自由 ※和菓子が無くなり次第終了「題名のない写真館 2」会期:12月9日、10日■13:00〜Community Store TO SEEの1周年イベント「題名のない写真館」を1日限定で同時開催する。写真館では写真家であるCommunity Store TO SEE主宰の中島自らが店主となり、希望者にその場でポートレートを撮影。TO SEE × トキノハ限定の写真立てに入れて納品する。■20:00〜22:00トキノハ店主の清水大介とCommunity Store TO SEE主宰の中島光行による特別バーを営業。<取材協力>Community Store TO SEE住所:京都市中京区衣棚通竹屋町上ル玉植町244電話:075-211-7200営業時間:11:00〜19:00定休日:火曜日&不定休www.t-o-s-e-e.jp
2017年11月22日現在、日本テレビ系にて放送中のディーン・フジオカ&武井咲W主演ドラマ「今からあなたを脅迫します」に、松下奈緒が出演することが決定。松下さんは、後半戦の重要な鍵を握る登場人物として、11月26日(日)放送の第6話から登場する。本作は、ディーンさんが“脅迫屋”千川完二を演じ、武井さんがお人よしのお嬢様・金坂澪を演じる、新感覚“脅迫”エンターテインメント。今回新たに発表された松下さんが演じるのは、千川のいまは亡き恋人・来栖稚奈。それまで一匹狼の脅迫屋として日陰で孤独に生きてきた千川に、人生のターニングポイントとなる大きな影響を与えた人物という役どころだ。松下さんがが参加しての撮影初日は、脅迫稼業で怪我を負った千川を稚奈が偶然見つけ、自宅で介抱するという過去の回想シーンを撮影。稚奈はオリジナルTシャツをつくるデザイナーで、自分の店をひらいているが、お人よしすぎるのと独特なデザインのせいで、売り上げはいまいち。稚奈と知り合うことで、荒んでいた千川は自分の仕事のやり方や生き方を考え直し始めていくというストーリー。また過去のシーンでは、稚奈と出会って変わる前の現在軸とは一味違った千川の姿も。服装も現在のジャケットスタイルとは異なり、タンクトップや革ジャンなど、ディーンさん曰く「ギザギザハート」のワイルドでやさぐれた見た目で、現場スタッフからは「かっこいい!!」「男らしい!!」という声が上がっていたそう。これまでの放送を見ていたという松下さんは、「あの千川さんがどういう人を好きになるのかな?と思っていました。現在の千川さんは虚勢を張っているのかな?という匂いはしていて。それが今後もっと怖い方向に行くのかマイルドな方向に行くのかは視聴者的にはすごく楽しみにしていました。千川さんの人生に絡めるというのは非常に嬉しいです」とコメント。また千川について「一見何を考えているかわからない不思議な感じがあってチャラチャラしているようにも見えるけれど、いざというときに絶対頼れる何かを持っている、スーパーマンみたいな人ですよね」と印象を話し、ディーンさんも「(稚奈は千川に)愛されている感覚、包まれている感覚をくれた人。千川の歴史をもっと遡るとギザギザハートにならざるをえなかったバックグラウンドがあると思うんですけど、稚奈との出会いで人間が本来持っているような軽さが戻ってきたというか、一人に慣れ過ぎてしまった千川にぬくもりみたいなものを教えてくれた人というんですかね」とお互いの役について語っている。いよいよ第6話から千川の過去が徐々に明らかになってくる本作は、「やさぐれた千川」「好きな人と一緒にいる千川」など、いままでと違った新たな千川の一面や胸キュンシーンも必見。さらに、千川のことを心配しつつもなかなか素直になれない澪が千川の過去に触れ、現在軸の2人の関係性がどのように変わっていくのか、稚奈の謎に包まれた死が今後物語にどう絡んでくるのかも重要な鍵となってくるようだ。「今からあなたを脅迫します」第6話は11月26日(日)22時30分~日本テレビ系にて放送。(cinemacafe.net)
2017年11月22日フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『ガストロノミア シチリア屋』の惣菜4種盛りです。白山駅のすぐそばに小さな惣菜屋さんがオープンした。しかもシチリア料理に特化した、少し風変わりなお店だ。ポルペッティーノにコッツェペパーテ…?ショーケースには聞きなれない名前の惣菜が並ぶ。それらは決して華美ではないけれど、ものすごくおいしそうな顔をしている。店を開いたのは大下竜一さん。白山の人気シチリア料理店『シチリア屋』のご店主。「僕は家庭の中のシチリア料理を伝えたい思いが強いんです。だからレストランの次にお惣菜屋さんを開くのは自然な流れでした」。シチリアでの修業時代、大下さんが心を奪われるのはきまって素朴な郷土料理だったという。「老舗レストランのまかないやマンマの作る煮込み料理が本当においしかった。そんな優しくて滋味深い味わいをより多くの人に伝えたくて」。おいしさのあまりマンマにレシピを聞き出したこともある。「茄子のソットオーリオは、村の屋台で農家のマンマが手作りしていた味を受け継いだものなんです」。茄子のおしんこのような爽やかな味付けは、食べ手を疲れさせない。「郷土料理って、食べても食べても飽きがこないんです」。店一番の素朴メニュー、モミナのクタクタ煮は、大根の葉をオリーブオイルでじっくり煮込んだ、ザ・南イタリアの味。噛みしめるごとに染み入るおいしさは、食べる人それぞれの田舎を想い起こさせるような優しい郷愁に満ちている。ガストロノミア シチリア屋 東京都文京区白山1-32-5K2白山101TEL:03・6801・517511:30~14:30、17:30~21:00(売り切れ次第終了)月曜休(不定休あり)惣菜の内容は日替わり。「青く美しい海、オレンジの風、おいしい魚介においしい料理、それから人の優しさ。シチリアって本当に天国なんです」と大下さん。そんなシチリアの風景を夢想できる惣菜4種盛り¥950(手前右・茄子のソットオーリオ、手前左・牛肉とアーモンドのポルペッティーノ、奥右・コッツェペパーテ、奥左・モミナのクタクタ煮)。ひらの・さきこ1991年生まれ。フードライター。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)。※『anan』2017年11月22日号より。写真・清水奈緒取材、文・平野紗季子(by anan編集部)
2017年11月21日音羽山 清水寺では、2017年11月11日(土)から12月3日(日)まで、秋の夜の特別拝観が開催される。音羽山 清水寺は、随一の京都観光名所だ。そこを舞台にして、春、夏、秋の年3回行われる「夜の特別拝観」。期間中は、境内が約500基の照明によってライトアップされるだけでなく、本尊である観音菩薩の慈悲を表現した青いサーチライト「観音慈悲光」で、上空を横切るように照らし出される。この幻想的な風景は、季節の風物詩として多くの人に親しまれている。「秋の夜の特別拝観」では、美しく色づく何千ものもみじが、伽藍とともにライトアップされる。その情景はまさに圧巻。通常時には非公開になっている成就院も、この期間は特別公開となる。「月の庭」の異名で知られる京都屈指の名庭・成就院庭園の静寂に包まれた夜の景色も見所のひとつだ。【詳細】清水寺 秋の夜の特別拝観日程:2017年11月11日(土)〜12月3日(日)時間:17:30〜21:00(受付終了)観覧料:大人(高校生以上) 400円、小・中学生 200円、小学生未満は無料
2017年11月13日スイーツライターのchicoさんがおすすめするスイーツをご紹介。今回は『シャンドワゾー グラシエ ショコラティエ』のプラックショコラと量り売りチョコレートです。『シャンドワゾー』にショコラとアイスの店がオープン!そんなニュースに心躍らせ川口へ。『シャンドワゾー』は元々ショコラトリー&パティスリーだけど、新店に生菓子はなく、潔くチョコとアイスだけ。なかでも量り売りのチョコレートに目を奪われた。「山盛りのチョコから好きなだけ選んでもらい量り売りする気軽なスタイルがいいなって」、イメージしたのは村山太一シェフがベルギーでの修業時代によく見かけた庶民的なチョコレート屋。豪快に割る大きな板チョコ「プラックショコラ」をはじめ、いろんなチョコレート菓子が皿にこんもり並んでいる。プラックショコラを齧ると、厚みのあるチョコレートにフルーツやナッツがザクザク。ホワイトチョコの一枚はその独特の甘さをゆずの香りと甘酸っぱさで和らげ、まろみと酸味がいい具合に調和する。ミルクチョコならレモンピールの風味とヘーゼルナッツの香ばしさで、柔らかなチョコの味を引き立てて、と具とチョコが見事に相乗。気さくなおやつながらパティシエの繊細なバランス感覚が息づいている。量り売りゾーンにはアマンドショコラもロッシェもマンディアンもと10種ほど並んで迷うけど全て100g840円、あれもこれもちょっとずつ、チョコレートの活気ごと楽しみたい。左から、ロッシェノワール、プラックショコラ(レ、ブラン、ノワール)、キャラメル各種。全て100g¥840。プラックショコラのフルーツはブラッドオレンジやレモンピールなど愛媛の農家から届くもので、季節で変わる。量り売りは10月~4月頃のみ、そのほかの期間は包装されて販売予定。シャンドワゾー グラシエショコラティエ埼玉県川口市栄町2-2-21TEL:048・299・218910:00~ 20:00(売り切れ次第終了)不定休チコスイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。※『anan』2017年11月15日号より。写真・清水奈緒スタイリスト・中根美和子取材、文・chico(by anan編集部)
2017年11月08日ギフトコンシェルジュの真野知子さんがおすすめするギフトをご紹介。今回は『パーク ハイアット 東京 デリカテッセン』のホームグローンです。土産やギフトとして人気の高い品揃えに定評がある、『パーク ハイアット 東京』のデリカテッセン。この秋からホテル館内のレストランによる特製メニューが手軽に買えるようになると聞き、とびついてしまった。第1弾として登場したのは『ニューヨーク グリル』から、料理長、ステファン・ヘアット氏のエスプリが効いた3品だ。まずはその見た目からもフレッシュなテイストが伝わってくるタコのマリネ。タコのほどよい弾力が旨味を引き出し、玉ねぎの風味にパッションフルーツやピンクグレープフルーツが加わって、爽やかな酸味がマリネにさっぱりした軽さを与えている。シャンパンや白ワインとも相性が良さそうな、品の良い味わい。シーザーサラダは店のシグネチャーディッシュのひとつ。特製のドレッシングがレタスによく絡み、チーズのコクがこの薄さでも口の中で風味を増して存在感を放つ。そこへベーコンの旨味が合わさると、なんとも味わい深い。そしてオリジナルソースでマリネした牛頬肉を、丁寧に燻製したパストラミ。シェフのおすすめは、マスタードやピクルス、刻んだホースラディッシュなど好みの食材と一緒にライ麦パンで挟んだサンドイッチだとか。何枚も重ねて、思いきり頬張りたい!まの・ともこギフトコンシェルジュ。金沢の金箔メーカー、箔一の婚礼ライン「HAKUICHI Wedding」を監修。パーク ハイアット 東京デリカテッセン東京都新宿区西新宿3-7-1-2-1FTEL:03・5323・363511:00~19:00無休第2弾には、オールデイダイニング『ジランドール』のメニューが登場予定。シーザーサラダ¥1,340、タコのマリネサラダ¥1,400、国産牛頬肉のパストラミ¥1,500(写真は1パックの半量)。3品ともランチブッフェの前菜に並んでいるもの。※『anan』2017年11月8日号より。写真・清水奈緒スタイリスト・中根美和子文・真野知子(by anan編集部)
2017年11月01日レストランジャーナリスト・犬養裕美子さんの「今日、どこで何、食べる?」。今回は『CHINA CIRCUS(チャイナ・サーカス)』のLIUMA BAO(リュウマバオ)です。11月はケヤキが黄金に色づき、12月にはイルミネーションが輝く日本一美しい並木道・表参道。その坂道の真ん中のビル2階にある『チャイナ・サーカス』は、全面ガラス張りの窓からそのナイスビューを独り占めできる穴場チャイニーズ。ロンドンの飲茶レストランのような店内で楽しめる料理は、単品メニューもOKで意外にリーズナブルだ。ここで今、2月からメニューに加わり、注目されているのが、中国・大連生まれの劉玉栄さんが作る水餃子、「LIUMA BAO(劉媽包)」。大連は水餃子が有名。来日して19年目の劉さんは料理上手なお母さん(媽)の水餃子(包)を思い出し、日本の食材で作ったらもっとおいしくなると思い、手作りに挑戦。うに水餃は北海道産のうにと庄内豚ロース、大葉を包んだ贅沢な一品。レンゲにのせて出てくるので、一口で一気に食べるか、ふた口で大事にいただくか…悩む時間がもったいない!アツアツをつるりと頬張ると口の中いっぱいにうにの甘味が広がる。その薄い皮のデリケートなこと!これぞ手作りならでは。脂ののった金目鯛水餃も他では味わえない濃厚さ。イカ海鮮水餃もパツパツした食感が心地よい。合わせたいのは日本ワインのリストから、広島のシャルドネ「トモエ」をどうぞ。前列左、後列右・うに水餃¥1,200/2個、前列中、後列左・金目鯛水餃、前列右、後列中・イカ海鮮水餃共に¥600/2個。昼は2個ずつ、夜は6個ずつのセット売り。CHINA CIRCUS東京都渋谷区神宮前5-8-5ジュビリープラザビル2 FTEL:03・6712・6920ランチ11:30~14:30LOディナー17:30~21:00LO(土・祝日は17:00~20:00LO)日曜休いぬかい・ゆみこレストランジャーナリスト。東京を中心に、国内外の食文化、レストラン事情をレポート。※『anan』2017年11月1日号より。写真・清水奈緒取材、文・犬養裕美子(by anan編集部)
2017年10月27日フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『陽記』のおしどり腸粉セットです。どうして、その穴を掘り続けたの?そう聞きたくなるような専門店はいつだって興味深い。今年の7月に西大島に登場した『陽記』はなんと、腸粉と中華粥の専門店。腸粉といえば中国料理の中でもわりとマイナーな広東式点心。お皿の上にぺろんと横たわる乳白色の物体は、米粉の蒸し春巻きのよう。そんな隠れキャラを主役に据えたのは一体なぜ?「妻が広州出身で。“故郷の味を日本でも食べたい”というので、家で作り始めたのがきっかけでした」と、店主の竹内亮さん。なんて微笑ましいエピソードなの。元々飲食の仕事をしていた竹内さんは腸粉作りに奮闘、帰省の度に本場広州の腸粉を食べ歩くほどのめり込んでいった。「現地では朝ごはんで気軽に食べられる屋台料理なんです。でも、日本ではなかなか出合えないから」。もっと気軽に腸粉を食べられる場所を、という思いが専門店のオープンにつながった。いざ店を開いてみると予想を超えた好反応、ご近所さんだけでなく東京中の腸粉ファンが集う場所に。人気の秘密は本場の味。ちゅるんともちもちの食感を追求した皮は、食べるというより吸引する感覚で何皿も食べられてしまう(恐ろしい)。タレの味付けも重要で、中国醤油にピーナッツオイルを混ぜた独特の甘さがやみつきになる。広東式のさらりとしたお粥に合わせれば尚おいしく、ヘルシーで風通しのいい食事が約束されている。陽記東京都江東区大島2-38-16TEL:070・1187・426610:00~20:00不定休店休日の情報はTwitter(@yeungkee0701)に掲載。好みの腸粉2種類にサラダと前菜、デザートが付く鴛鴦(おしどり)セット¥850。右・八角の香りがふんわり漂う牛腩(広東風牛バラ煮込み)と、左・香港でも珍しい広東ローカルな卵の腸粉。2種類選べるセットを現地では「おしどり」というのだそう。かわいいね。ひらの・さきこ1991年生まれ。フードライター。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)。※『anan』2017年10月25日号より。写真・清水奈緒取材、文・平野紗季子(by anan編集部)
2017年10月21日