タレントのモト冬樹が12日に自身のアメブロを更新。妻でミセスモデルの武東由美が作った凄い夕食を公開した。この日、モトは「妻が夕食を作り待っていてくれました」と述べ「今日の夕食はなんと妻が作ったガパオライス」と武東が作った夕食の写真を公開。「すごいね こんな物できるんだ」と感心した様子でつづった。続けて「焼いたアジ 成城石井の特選豆腐 油揚げと里芋のお味噌汁」とその他のメニューも写真とともに紹介し「妻とコンサートの話をしながらの楽しい夕食でした」とコメント。最後に「今日も美味しくいただけたことに感謝」とつづり、ブログを締めくくった。この投稿に読者からは「とても美味しそう」「目玉焼き、完璧」「作ってみたい」などのコメントが寄せられている。
2024年02月13日タレントのモト冬樹が11日に自身のアメブロを更新。妻でミセスモデルの武東由美も大好きな料理を堪能したことを明かした。この日、モトは「今日の夕食は」と切り出し「妻も俺も大好きな鴨鍋」と武東も大好きだという料理を堪能したことを報告。「鴨鍋専用の汁でツミレと肉を先に入れしばらく煮てから野菜を投入」と調理中の様子を写真で公開した。続けて「成城石井のお豆腐 こくがあって美味しい」とスーパーマーケット『成城石井』の品を絶賛。最後に「〆は卵を入れておじやにしました」と写真とともに報告し「美味しかったな 感謝」と満足した様子でつづり、ブログを締めくくった。この投稿に読者からは「とても栄養バランスが取れたお食事」「美味しそう」「いいですね」などのコメントが寄せられている。
2024年02月12日タレントのモト冬樹が4日に自身のアメブロを更新。アフリカから帰国した妻でミセスモデルの武東由美の肌の状態に驚いた日のエピソードをつづった。この日、モトは「素顔のママで」というタイトルでブログを更新。「妻がアフリカ旅行から帰ってきた時あまりに肌がツヤツヤしていたので驚いたんだけど」とアフリカから帰国した際の武東の肌の状態に驚いたことを明かし「10日間スキンケアだけで一回もお化粧しなかったそうだ」と説明した。続けて「なるほど自然治癒力がアップしたってことか」と述べ「素顔がこんなにきれいだったらずっとお化粧しなくてもいいのにね」と武東の姿を写真で公開し、ブログを締めくくった。この投稿に読者からは「お肌ツヤツヤでとっても綺麗」「素肌美人」「本当に素敵です」などのコメントが寄せられている。
2024年02月06日タレントのモト冬樹が3日に自身のアメブロを更新。妻でミセスモデルの武東由美と恵方巻きを堪能した日のエピソードをつづった。この日、モトは「節分の夕食」というタイトルでブログを更新し、愛犬を抱いた武東との2ショットを公開。「今日の夕食はやはりなんといってもメインは恵方巻き」と述べ「妻と半分づつにしました」(原文ママ)と堪能した恵方巻きの写真とともに報告した。続けて「イワシの煮付け イカと海老芋の煮転がし 沖縄のモズク」とその他に用意した料理の写真も公開し「俺がじゃがいもと大根で作った田舎風お味噌汁」も堪能したことを説明。「高島屋で買ってきただけあって恵方巻きもイワシの煮付けも美味しかったな」と述べ「今日も美味しくいただけたことに感謝」とつづり、ブログを締めくくった。
2024年02月05日タレントのモト冬樹が29日に自身のアメブロを更新。アフリカから帰国した妻でミセスモデルの武東由美を心配する様子をつづった。この日、モトは「休む暇もない妻」というタイトルでブログを更新。「昨日は朝から家の中を掃除してずっと家でロケをしていた」と武東の様子を報告し「昨日アフリカから帰ってきたばかりなのにちょっと心配」とつづった。続けて「まぁ元気な妻なんで大丈夫とは思うけど、、明日もあるんだよなぁ」とコメントし「夜お化粧をおとしてホッとしている妻です」とすっぴんの武東の姿を公開し、ブログを締めくくった。
2024年01月30日ミセスモデルの武東由美が21日に自身のアメブロを更新。アフリカのホテルで禁止されていたことを明かした。この日、武東は「ジンバブエのホテルに到着しました」とアフリカのホテルに到着したことを報告。「広大な敷地にあるリゾートホテルです」と宿泊するホテルについて説明し、ホテル内の様子を写真で公開した。続けて「アフリカのホテルで禁止されたこと」というタイトルでブログを更新。「アフリカでは1人部屋です」と述べ「虫がこないようにスプレーをして窓は絶対にあけないこと!」とホテルで禁止されていたことを明かした。また「猿がすぐにお部屋に入ってくるらしいです」と説明し「猿の親子がすでにこちらを見ている」とコメント。さらに「見たことない鳥も歩いている」といい「お外へ1人ではでれません」とつづり、ブログを締めくくった。この投稿に読者からは「流石アフリカですね」「遭遇したらパニックになりそう」「気をつけてね」などのコメントが寄せられている。
2024年01月23日タレントのモト冬樹が12日に自身のアメブロを更新。症状が改善せず妻でミセスモデルの武東由美と同じ病院を受診したことを明かした。5日のブログで、モトは「湿疹がひどいので妻は別の皮膚科に行ってきたみたいだ」と報告し、武東の症状について「原因がはっきりしていない」と説明。「俺も若干よくなっているとはいえ完治には程遠い感じ」と自身の症状について明かしつつ「もし妻の症状が改善してきたら俺もその皮膚科に行こうかな」とつづっていた。この日は「妻の症状が一週間でかなり改善した」といい「俺も一緒に妻が診てもらっている皮膚科に行ってきました」と病院を受診したことを報告。「要は何が原因というより妻も俺も年齢的に免疫が下がってきちゃってるからみたい」と説明し「確かになぁ」と納得した様子でつづった。続けて「俺も一週間で痒みが取れるといいんだけど」と願うようにコメント。最後に、武東との2ショットを公開し、ブログを締めくくった。
2024年01月13日タレントのモト冬樹が8日に自身のアメブロを更新。料理は苦手と言う妻でミセスモデルの武東由美が作った品に驚いたことを明かした。この日、モトは「すごいじゃん!」というタイトルでブログを更新し、武東について「昨日栗きんとんを作っていた」と説明。「他にもおなますとか大根の漬け物とかキンカンとか柚子の甘煮とか小豆まで」と複数枚の写真とともに述べ「お正月のいろんな物を作ってるんだよな」とつづった。続けて「それがみんな美味しいから驚いちゃう」とコメント。武東について「料理は苦手なんて言ってるけどすごいじゃん」と愛犬を抱える武東の写真とともに述べ、ブログを締めくくった。この投稿に読者からは「栗きんとん、美味しそう」「素晴らしい奥様」「羨ましいです」などのコメントが寄せられている。
2024年01月09日東京・帝国劇場にて上演中の『ムーラン・ルージュ! ザ・ミュージカル』原作映画のバズ・ラーマン監督と、訳詩を担当した松任谷由美の対談が、このほど実現した。同作はバズ・ラーマン監督による同名映画のミュージカル化作。2019年7月にブロードウェイで上演され、世界中でヒットしている。1899年のパリで激しい恋に落ちたアメリカ人作曲家クリスチャン(井上芳雄/甲斐翔真)と、ナイトクラブ ムーラン・ルージュの花形スター サティーン(望海風斗/平原綾香)の恋の物語を描く。世界7都市で開催されてきた同作の日本版ならではの試みとして、松任谷由実ら、ミュージックシーンで活躍するアーティスト達による日本語の訳詞提供が行われている。いしわたり淳治、UA、岡嶋かな多、オカモトショウ(OKAMOTO‘S)、栗原暁(Jazzin’park)、KREVA、サーヤ(ラランド)、ジェーン・スー、Jean-Ken Johnny(MAN WITH A MISSION)、Daoko、TAX(MONKEY MAJIK)、浪岡真太郎(Penthouse)、ヒャダイン、松尾潔、宮本亞門、Mayu Wakisakaといった計17名のそうそうたる顔ぶれが揃い、マッシュ・アップ・ミュージカルらしく、様々な個性や才能を集結させた。今回、原作映画『ムーラン・ルージュ』生みの親であるバズ・ラーマン監督は、日本プロダクション版ミュージカルの開幕を見届けるために来日し、松任谷との対話を実現。松任谷との対面は、ラーマン監督も今回の来日において楽しみにしていたという。ラーマン監督が「観客への伝わり方や日本語の選び方をわかっていらっしゃる。他国のプロダクションでは、アーティストによる訳詞はやったことがなく、画期的で素晴らしい挑戦になりました」と称えると、松任谷は「『Your Song』を訳詞することになって、私、燃えたんです。14、5歳の頃に衝撃を受けた歌だったので。実際に訳してみると、ものすごく繊細な歌詞なんですね。意訳しか出来ないけれどその心情を日本語にしたいと強く思いました」と熱い思いを明かす。松任谷はまた「70年代のシンガーソングライターにありがちな字余りの曲で、日本語に置き換えるのは難しかった。英語は1音節に1ワードだけど、日本語は1音節にカナ1文字しか乗せられない。けれど、受けとり手は、一つの言葉ですごく沢山の情報を得る感性を持っているので伝わると思いました」と振り返り、ラーマン監督は「どうするのかと案じていたけど、歌詞がメロディーに綺麗に乗っていて感動しました」と太鼓判。さらにラーマン監督は「映画で『Your Song』を選ぶにあたっては、ものすごく考えたんです。クリスチャンの才能が込められた曲で、サティーンとクリスチャンはこの1曲で恋に落ちなければいけない。シンプルで、オペラのように壮大に終わる曲が理想でした。もう一つ、映画を作った21年前は権利の問題からポップミュージックをミュージカルに使うなんてありえなかったんです。そこで僕は知り合いではないのにエルトン・ジョンに電話して、会いに行きました。映画に使いたいと話したところ、彼は直感で承諾してくれた。その上、他のアーティストに電話して説得までしてくれて。人気のポップミュージックをたくさん使えたのは、エルトンのおかげなんですよ」と映画の秘話も。松任谷は「そうだったんですね。私も影響力がそこそこあるので、今回私が参加したことで多くのアーティストが熱意を持って参加してくれたかと思います」と語った。華やかさと切なさが同居するラーマン監督の映画と松任谷の楽曲は世界観に重なる部分があり、松任谷も対談後に2人の描く世界の共通点を「うたかたの泡」と表現したという。共にハワイアンなテイストの装いで初対面を果たし、ラーマン監督は、松任谷のエンタテイメント・ショーを事前に映像でチェックしながら「AMAZING!」を連発、ショーの秘密についても尋ね、2時間の対談で、意気投合した。きょう12日18時30分からのフジテレビの音楽特番『FNS歌謡祭 夏』では、同作のキャストである平原綾香と井上芳雄が出演し、帝国劇場から日本語訳詞による「Your Song」をテレビ初披露する。
2023年07月12日ドラマ『大好き!五つ子』(TBS系)シリーズなどで知られる、俳優の森尾由美さんが2023年1月28日に自身のInstagramを更新。2022年6月に生まれた、初孫・香澄さんとのツーショットを公開し反響を呼んでいます。56歳で『おばあちゃん』に若々しい姿とのギャップに驚く声も初孫が誕生し、56歳で『おばあちゃん』になった森尾さん。Instagramでは、撮影現場を家族が訪れたことを報告し、香澄さんを抱っこした写真を投稿しました。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る 森尾由美(@yumimorio_official)がシェアした投稿 森尾さんの若々しい姿と、孫がいるおばあちゃんというギャップが反響を呼んだ、今回の投稿。ファンからは「『お母さん』のほうがしっくりくる」「56歳には見えない」と多くのコメントが寄せられました。・まだ『ママ』でも通りそうです。・本当におばあちゃん?まったく見えない!・この若々しさで『おばあちゃん』だと…?違和感しかない!すでに孫を溺愛している様子が伝わってくる、森尾さん。孫の香澄さんは、まだ言葉も満足に話せないほど幼いですが、成長したら森尾さんのことを『おばあちゃん』や『ばあば』と呼ぶようになるのでしょうか。[文・構成/grape編集部]
2023年01月29日’80年代を代表するアイドルの森尾由美さん(56)とつちやかおりさん(58)。現在は、お2人とも孫に恵まれ充実した日々を送っているそう。“おばあちゃん”として森尾さんより1年先輩のつちやさんですが、実はアイドル歌手としても1年早いデビュー。本誌では掲載しきれなかった、当時の思い出をWEB限定で公開!本編はこちら「堀ちえみ、小泉今日子、中森明菜など人気アイドルも数多く誕生したため、その年デビューのアイドルは“花の82年組”とよばれてきた。一方、翌1983年にアイドルデビューした森尾さん含む松本明子、桑田靖子などは“82年組”の活躍と対比され“不作の83年組”と呼ばれることも……。森尾:私は82年組みたいな、フリフリ衣装を着てみたかったけど、差別化を図るために着せてもらえなかったんです。ハイヒールとかも履かせてもらえなくて、バッシュでしたから。思い描いていたアイドル像と、私の売り出し方がかけ離れていたから、当時はやさぐれた感じでやってました(笑)。つちや:私もアイドル曲を歌わせてもらえなかった。制作チームがオフコースさんとか甲斐バンドさん、チューリップさんと一緒で、アルバム中心に売っていくというアーティスト系の売り方で。歌手としては、異端児的なイメージにして、ギャップを作りたかったんでしょうね。でも、私だってみんなみたいにフリフリ着たいーって思ってた。森尾:大人の戦略が渦巻いてて、何も教えられないまま、色々なことが進んでいきました。当時はレコード会社とか、レコード屋さんとかで、手売りもよくやっていました。つちや:地方なんかに行くと、くまなくレコード店を周ったりね。まあ、みなさんが想像する演歌歌手の方達のような営業スタイル。キョンキョンであろうが明菜ちゃんであろうが、みんなそれをやっていたと思う。今は多分、あまりないんだろうな。森尾:移動が大変で、ぎりぎりに夜行列車に飛び乗ったりしていました。つちや:地方で歌うときは、オープンリールのテープにカラオケ用の音を録音して、それを持ち歩いていたんですが、その音源をマネージャーが忘れてしまったことも。母に電話して、東京から名古屋まで届けてもらったこともありました。いまなら、スマホかなにかで、データで送れるんでしょうけど。森尾:とにかく忙しかったけれど、若くて体力があったからなんとかなった。とはいえ、マスコミの目もあるので、遊ぶときは気をつけないといけません。そんなアイドル時代、よく布川(敏和)さんとお付き合いできましたよね。つちや:22、23のときには同棲していて、その頃、ふっくん宛に、由美ちゃんからの留守番電話が入ったことがあったの。森尾:たしかに布川さんとは、いろんな友達と一緒に遊んでたんですよ。つちや:で、それを私がたまたま聞いてしまって……。それを知らないふっくんは、私に黙って遊びに行こうとするわけ。それで「じゃあ、私も行くって」って言い出すと、もうすごい剣幕で「お前は来なくていいよ、男だけの遊びなんだから」って、こんなスピードで走れるのっていうくらいの速さでマンションから出ていって(笑)。羽を伸ばしたかったんだろうな。森尾:今思えば、かおりさんとお付き合いされてて一緒に住んでるのに、よく遊びにきていたなって思うんですけどね(笑)。つちや:あの頃の仲間はみんな恩人。私は結婚してから20年ばかり、家事と育児に追われて仕事をお休みしちゃったりしてたんですけど、(松本)伊代ちゃんだったり(早見)優ちゃんだったりが、ずっと芸能活動を続けて、80年代アイドルのポジションを守ってくれていた。だから、子育てが終わって復帰したときも、私の居場所があったんです。
2023年01月25日菅田将暉主演の人気ドラマを映画化する『ミステリと言う勿れ』で描かれるエピソードが、ファン待望の通称“広島編”であることが解禁され、原作者・田村由美が描き下ろしたイラストが公開された。放送終了後のSNSでは続編を期待する多くの声があげられ、さらに2022年日本民間放送連盟賞・番組部門 テレビドラマにて「優秀賞」を受賞したドラマ「ミステリと言う勿れ」。昨年、映画化発表がされた際には「続編を待ち望んでいました!めちゃくちゃ楽しみ!」「大好きな整くんにスクリーンで会えるなんて最高です!」など映画化を喜ぶ多くの声でSNSは盛り上がった。原作コミックス2巻から4巻で描かれている通称“広島編”では、広島を訪れた主人公の久能整(菅田将暉)が狩集家の一族の遺産相続の謎に巻き込まれるというストーリー。ドラマシリーズでも描かれなかったエピソードを、映画ならではのスケールの大きさと繊細かつ見ごたえのある濃厚な物語で紡ぐ。原作ファンの間でも特に高い人気を誇るエピソードであり、映画化が解禁された際にもSNSでストーリーに関する予想合戦が繰り広げられ、広島編の映画化を望む多くの声が挙げられていた。また、今回の広島編の解禁につき、広島の路面電車の前に佇む整のバックショット、さらには田村由美描き下ろしイラストも公開。後ろ姿の整と広島の街を走る路面電車・広電の哀愁が漂う雰囲気は漫画の中からそのまま出てきたかのように錯覚するほどの完成度で、見る人の心を温かく解きほぐすようなビジュアルに。描き下ろしのイラストでは整と広島編で描かれる狩集家をはじめとした個性豊かなキャラクターたちが大集合した豪華なイラストとなっており、今後解禁される俳優陣にも期待が高まる。『ミステリと言う勿れ』は秋、全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ミステリと言う勿れ 2023年秋、全国東宝系にて公開予定©田村由美/小学館©フジテレビジョン
2023年01月24日’80年代を代表するアイドルの森尾由美さんとつちやかおりさんは、現在、孫に夢中。メロメロすぎて、ときに甘やかしてしまうことも……。でもそんな孫の存在が、50代を明るく楽しく生きる糧になっているのだとか。つちやかおりさん(以下・つちや):お孫さん、まだ6カ月でしょ。(紙袋を渡しながら)これ、よかったらどうぞ。森尾由美さん(以下・森尾):わあ、ベビー服ですか。すっごくうれしい!かおりさん、ありがとうございます。ちょうど1年前、松本明子ちゃんプレゼンツの昭和アイドルのイベントがあって、布川(敏和)さんとご一緒したんです。そのときに「お孫さんおめでとうございます」ってお話をしたんですが「うん、まあね」とクールな対応。男性ってこんな感じなのかなって思ったんです。つちや:えー、全然クールじゃないと思う(笑)。昨年、コロナで延期になっていた子供たちの結婚式に出席したときは『孫はオレが抱くんだ』と言い張っていたくらい。それでギャーと泣かれて(笑)。離婚したとはいえ、子供の親で、孫のおじいちゃんだからね。何かあれば家に集まるし、撮った写真をSNSでアップしまくっているし。森尾:なんだ、ふっくんもしっかりお孫さんに夢中なんですね。――中森明菜、堀ちえみ、小泉今日子、早見優らが同期の“花の’82年”に歌手デビューしたつちやかおりさんと、その翌年にデビューした森尾由美さんは、高校の先輩後輩で’80年代のアイドル全盛期を支え合ってきた存在。今も若々しく、そしていきいきと女優やタレントとして輝く一方、プライベートでは“おばあちゃん”になっているのだ。森尾:夕結(ゆい)ちゃんは、いくつになったんですか?つちや:一昨年の5月に生まれたんで、今、1歳7カ月。由美ちゃんのところの香澄ちゃんより、ちょうど1歳くらいお姉さん。インスタで写真を見たけど、香澄ちゃんを見る由美ちゃんは、ヨダレが出るほどの笑顔になっているね。森尾:もう舐めんばかりに見入つちや:う。私、孫の名前を呼ぶときの声のトーンが、犬を呼ぶときと同じように、一段、高くなるんです。だから孫を呼ぶと、犬が間違えて来ちゃったりするんです(笑)。主人には「あんまりデレデレになるな」と注意されるくらい。つちや:なんで?全然、いいじゃない。森尾:ですよねえ。でも、娘たちには娘たちの育て方もあるから、あまりグイグイいかず、彼女の考えを尊重しつつサポートするって心がけています。つちや:孫は子供以上にかわいいって言われているくらいだから、しょうがないよね。■娘だけでなく父になる娘婿もサポート森尾:娘が生まれたときも、もちろんかわいかったけど、出産したばかりで必死さとか責任感のほうが先に出てしまいますもんね。孫の場合、やっぱりそういうところの違いなのかな。つちや:私の場合、最初はあえてクールに「なんか困ったら手伝ってあげるわ」くらいに言っていたんだけど……。会うたびに成長を感じて、反応もどんどんかわいくなっていく。だからやっぱりデレデレになって、いろんなものを買っちゃう。森尾:やっぱりそうなりますか。つちや:クリスマスとは別に、クリスマス前のプレゼントとか。そしたら娘から「何回クリスマスがあるの」って怒られたりして(笑)。森尾:ベビー服は、娘の趣味もあるから一存では決められないんです。でも、彼女たちなりにつましく生活しているようなので「これ欲しいけど、高いな」って迷っているものがあれば、即、もうほんとに即、買ってしまいます。娘の妊娠生活や出産の際には、“母親の先輩”として支えた2人だが、コロナ禍ということもあり、感染対策にはかなり気を使ったという。つちや:娘ちゃんは順調に妊娠期間を過ごせたの?森尾:切迫早産で、お医者さんから入院かもって言われてたんです。つちや:でも、コロナ禍じゃお見舞いにいけないよね。森尾:その不安がすごくあったみたいで、先生と相談し、絶対安静にするという約束で自宅で妊娠生活を送ったんです。いざ出産となったときは、私たち夫婦で病院へ連れていくことになっていたから、私も、夫もコロナに感染しないよう、十分、気をつけていました。つちや:私の娘はつわりがひどくて、それが治ったと思ったら恥骨を痛めて、トイレに行くのも一苦労。だから、コロナ禍でも、私が手伝わないわけにはいかず、マスクを三重くらいにして、ご飯を作りに行ったり。森尾:私もご飯の準備をしていました。娘から「今日はおうどんが食べられたから」って聞いて、翌日におうどんを買っていくと、「見たくもない」って(笑)。私は娘の気持ちを理解できるけど、旦那ちゃん(娘婿)が大変そう。「妊婦は気持ちの浮き沈みもあるし、本人はつらいから寄り添ってあげてね」って、フォローしていました。つちや:今の若い男性の子育てに対する意識って、昔とだいぶ変わってきてると思う。娘の体調が悪そうなときは、すぐに「有休取るから」って言ってくれるの。森尾:主人が昭和かたぎなタイプなので、すぐに有休取る旦那ちゃんを見て心配な部分もあるようなんですが、女性から見ればこんなに優しくて、家事も育児も積極的な旦那さんはうらやましい!つちや:だよね。だから旦那ちゃんにはおいしいご飯を作ってあげたいし、一緒にお酒飲もうよって言ってみたりしているの。森尾:わかります、わかります。娘夫婦がケンカすると、旦那ちゃんの肩ばっか持っちゃう。娘は怒るんですけど(笑)。つちや:娘にとっては、自分の母親なら気を使わず頼りやすいし。近くに引っ越してきてよかったなと思います。■「おばあちゃん」と呼ばれることに抵抗は?森尾:イベントごとも増えました。いまは誕生日ばかりじゃなくて、生まれて半年を祝うハーフバースデーとかもあるんですね。だから家族で集まる機会が増えました。つちや:YouTubeで家族の様子を公開すると再生回数が何十万回とかになって。森尾:やっぱり、家族だんらんが見たいんですよ。ふっくんもよく参加しているみたいですしね。つちや:そう、家族の集まりのたびに、「オレも」ってやってくる(笑)。恐る恐る、孫を抱いたりして。森尾:お孫さんにはなんと呼ばれたいですか。やっぱりおばあちゃん?つちや:私は“かかちゃん”なの。かおりの“か”をとって、かかちゃんって。今は、「かか、かかー」って呼んでくれる(笑)。森尾:かわいい!私は“おばあちゃん”でよかったんですけど、娘が「さすがに申し訳ない」と気を使ってくれて……。その結果、孫の前では“グランマ”と呼んでくれています。つちや:私もおばあちゃんでも、ばあばでも、全然、平気。ただ、ちょっとオリジナリティをつけたかっただけ。ちなみに元夫は「ふっくんって呼ばせる」って、ずっと言い張ってて。森尾:うちの夫も、なぜか「お兄さん」って呼ばせようとしてたんですよ。つちや:男性陣の発想はおもしろい。でも「ふっくん」は子供たちにやめてって言われて、けっきょくは“じいじ”で落ち着きそう。森尾:なんと呼ばれようと、孫がいるだけで楽しいですからね。つちや:孫や子供たちと一緒にご飯を食べてワイワイできたりして、今がいちばん楽しい。年をとるのも悪くはないな、と。ただ、体はいろんなところにガタが来て、あちこちが痛い(笑)。森尾:私も孫と一緒にいるためには、やっぱり体力は必要だなって思いました。娘に「公園に一緒に行ってきて」と頼まれたとき、パーッと行けるフットワークだけは維持しておきたいですね。孫は夫婦で頑張って育てていくと思うので、私たち夫婦は、そのフォローをしていきたい。つちや:50代をどう過ごすかで、その後の人生が変わるって聞くけど、孫のおかげで、明るく楽しい日々を送っています。今が充実してるって思えることが、すごくうれしいです。森尾:孫の力は偉大ですね!【PROFILE】森尾由美’66年、東京都生まれ。’82年のドラマ『ねらわれた学園』に出演。『オールナイトフジ』の司会などバラエティ番組でも活躍し、’94年から改題を経て続く『はやく起きた朝は…』は放送開始29年目。現在放送中のドラマ『三千円の使い方』(東海テレビ・フジテレビ系/毎週土曜23時40分~)では主人公の母・智子を演じるつちやかおり’64年、東京都生まれ。’79年、『3年B組金八先生』の第1シリーズで女優デビュー。’91年の結婚を機に20年ほど芸能界から離れるも、1男2女の子育てが落ち着いたことから、’12年に復帰。現在は舞台を中心に女優として活躍。YouTube「つちやかおりチャンネル」では料理・ライブ・ファミリーの様子を配信中
2023年01月21日人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。3月のお客様は、ブライダルデザイナーの桂由美さんです。’60年代に仕事を始めた桂さん。以来日本も大きく変わりました。第4回は、そんな桂さんが令和の日本、そして若い世代に思うことについて語ってくれました。個人であること、社会の一員であること。令和4年を生きるみなさんにお伝えしたいのは、今の日本は昔に比べると、本当に男女平等になったということ。あの頃は「女のくせに」という言葉が普通にはびこっていましたし、私はファッション業界でしたから少なかったほうですが、それでも随分いろんな経験をさせられました。だからみなさんはご自身たちのことを、本当にハッピーな世代だと思ってほしい。とはいえ、日本は昨年のジェンダーギャップ指数のランキングでは156か国中120位…。正直ここはもうちょっとなんとかしなくてはいけないと思います。自分自身のことは大事です。でもそれだけではなく、例えば自分の仕事や活動が、住んでいる地域、社会、日本という国、もっと言えば世界に対してどんな意味があるのかを、考えてみてください。小さなことでも、絶対に関係があります。自分の存在が社会と繋がり、なにかの役に立っていると知ることは、生きるうえでとても大事だと思います。婚姻数が低下する今、私が思うことは…。私がブライダルの仕事を始めて57年、いろんなことが変わりました。当時は97%の人が和装だったのが、ドレスを着る人が圧倒的に増加。最初の1年、たった30着しかオーダーがなく、私が毎日経済的に行き詰まっていたことを考えると、隔世の感があります。また日本の男性のフォーマルも、かつてはタキシードとモーニングだけだったのが種類も増えました。私がヨーロッパで学んできたフォーマルの文化が浸透したこと、嬉しく思います。でも同時に、婚姻数は大きく減少しています。もちろん日本は人口自体が減っており、価値観が多様化しているのは重々承知ですが、’70年代には年間110万組あった結婚が、今は53万組くらい、約半分になってしまったのは、ちょっと悲しいですね。結婚に少しでも興味がある人は、前向きに考えてみてほしいです。とはいえ、結婚は一人ではできないもの。女性側だけでなく、お相手になるみなさんにもぜひよろしくお願いしたいです(笑)。かつら・ゆみブライダルデザイナー。1965年の創業以来、パリコレを含む世界30以上の都市でショーを開催。4月には日本のウェディングドレスの変遷がわかるミュージアム「YUMI KATSURA MUSEUM WAKASA」を福井県にオープン。※『anan』2022年3月30日号より。写真・中島慶子(by anan編集部)
2022年03月26日人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。3月のお客様は、ブライダルデザイナーの桂由美さんです。1965年に、桂さんは自身の店を赤坂に開店します。しかしそこに至るまでも、また踏み出した後も苦難が。決してへこたれなかった、その理由とは?第3回目をお届けします。自分の足で立とうと決めた、雨の銀座の帰り道。ウェディングドレスのデザイナーになることは決めましたが、いきなり自分で起業するのはリスクが高い。まずはどこかの会社と一緒にできないだろうかと思案し、当時まだデパートにブライダル部門がなかったので、とあるデパートにお話しに行ったんです。「日本で初めてのブライダル専門店を開いたら話題になりますよ」と。しかし返ってきたのは、「うちは婚礼呉服がドル箱だから、ドレスはできない」という答え。しかも、そうおっしゃったのは婦人服部長さんでした。「申し訳ないけれど、私も社員だから」と…。帰り道、雨がそぼ降る街を泣きながら歩きました。デパートでドレスが買えたらみんな喜ぶだろうし、靴や小物など、関連するものもきっとたくさん売れると思ったのに…。そのときに、自分でやるしかないと心に決めました。そこで“私が始めたこと”という責任感を持てたから、どんなにつらいことも乗り越えられたのかな、と思います。切り開くのは大変だけれど、同時にとても楽しいです。1965年、私は自分のお店を『桂由美ブライダルハウス』とし、自分を「ブライダルコーディネーター」と呼ぶことに。そしてオープン後すぐに「第1回ブライダルコレクション」を開きますと、マスコミに手紙を出しました。反響は上々、でも皆口々に「ブライダルって何?」「え、ウェディングドレス?ならそう書けばいいのに!」…。“ブライダル”という言葉の知名度のなさに落ち込み、ファッション評論家の林邦雄さんに「ウェディングに言い換えるべきか」と相談をしたんです。でも林さんは、「バカなこと言いなさんな!みんなが“これは何?”と興味を持つこと自体が大きなPRになっている。変える必要ない!」と言ってくださった。嬉しかったし勇気が出ました。ゼロから始めたブライダルの仕事、何度も既成概念に阻まれ、そのたびに戦ってきました。でも物事を新しく変える戦いには大きなやりがいが。今も昔も、落ち込んでいる暇はありません!かつら・ゆみブライダルデザイナー。1965年の創業以来、パリコレを含む世界30以上の都市でショーを開催。今年4月には日本のウェディングドレスの変遷がわかるミュージアム「YUMI KATSURA MUSEUM WAKASA 」を福井県にオープン。※『anan』2022年3月23日号より。写真・中島慶子(by anan編集部)
2022年03月19日人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。3月のお客様は、ブライダルデザイナーの桂由美さん。おとぎ話好きだった少女は演劇に心をときめかせます。プロデューサーを夢見たものの、なぜブライダルに?!第2回目は、そんな桂さんの紆余曲折のお話です。実は過去に、演劇の道を志そうとしたことが。小学校を出た私は今の共立女子中学校に入学します。しかしここでも裁縫の先生に、「親の仕事を継ぐの?それにしては不器用ね!」と言われ、全然裁縫に気が向きません。そんなときに友人たちと樋口一葉の「たけくらべ」の演劇をやることになり、お話好きだった私が脚本と演出を担当。それが大好評で演劇の虜になりました。高校卒業時にはこっそり文学座研究生に応募し、合格!が、すぐに母親に見つかり、話し合いの結果「1年だけなら」となり、大学と劇団研究生の二足のわらじを履くことに。しかし同じ劇団の芥川龍之介氏のご子息・芥川比呂志さんに「今の演劇界で大事なのは知性。卒業後に戻ってきて」と言われ、1年後に大学に復学。その後私は授業を通じファッションに興味を持つのですが、あれは、“才能がないから諦めなさい”という意味だったのか、本当に知性が大事と言ってくださったのか…。どっちだったのか、今となってはわかりません(笑)。学校の先生を経て、いざブライダルの世界へ。大学で学ぶ中で、洋服づくりも学校の先生も、裁縫が上手い必要はないのかもしれない、と気が付きました。つまり私が考えた服を、私より上手に縫える人はいる。人には向き不向きがあり、自分に向いている道で頑張るべき、ということに気が付きました。それで、結果的には母の学校で先生になりました。当時2000人ほどいた生徒のうち300人から「あと1年学びたい」という希望があり、新たに特別専攻科を作り、卒業制作にウェディングドレスの課題を出したんです。しかし、生徒たちと材料を買いに町に出たものの、生地もなければ靴や手袋や下着などの小物もない。でもそりゃそうで、’60年代、結婚式を挙げた人のうちドレスを着た人は、たった3%程度、まったく根付いてなかった。その状況を見た生徒たちの、「先生がお店を開き、ドレスを着たい人を助けてあげればいいのに」という言葉から、私はブライダルの道に踏み出す勇気をもらったのかもしれません。かつら・ゆみブライダルデザイナー。1965年の創業以来、パリコレを含む世界30以上の都市でショーを開催。今年4月には日本のウェディングドレスの変遷を展示するミュージアム『YUMI KATSURA MUSEUM WAKASA』を福井県にオープン。※『anan』2022年3月16日号より。写真・中島慶子(by anan編集部)
2022年03月13日水泳、ピアノ、英語は、子どもの習い事の定番と言えるでしょう。最近では、プログラミング教室が人気沸騰中なのだとか。そして、習い事のジャンルが増えたことで、複数の習い事をかけもちするお子さまも増えています。送り迎えをするお父さん、お母さん、本当にごくろうさまです。そんな忙しい日々のなか、子どもから「もうやりたくない。やめたい!」と言われたことはありませんか?子どもが「習い事をやめたい」と言ったとき、親はどう答えるのが正解なのでしょう。今回は専門家の意見を参考にしながら、その答えを探っていきます。子どもの「習い事やめたい」、どこまで本気!?子どもの年齢や性格、習い事の種類によって、やめたい理由はさまざま。親は、そのやめたい理由によって、「やめるのか」「続けるのか」を考えていかなければいけません。やめたい理由としては、以下のようなことが挙げられるでしょう。飽きた、楽しいと思わなくなったからお友だちとけんかしたからお友だちにいじめられたから先生が怖い、嫌いだからレベルが上がってついていけなくなったからスケジュールが詰まりすぎていて体力的に限界だからほかにやりたいことができたから とはいえ、やめたい理由が「ほかにやりたいことができたから」ということであっても、「習い事を始めて1ヶ月の子ども」と、「3年以上続けている子ども」では、親の対応も変わってくるはず。また、「本当にもうやめたい」のか「なんだか面倒だからやめたくなった」のか、本人の気持ちによっても対応は異なります。では、専門家の意見に耳を傾けてみましょう。■習い事の継続期間によって対応を変える(家庭教育専門家・田宮由美氏)『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』の著者で家庭教育専門家の田宮由美氏によると、習い事の継続期間に応じて、以下のように対応の仕方を変えるのがよいのだそう。【始めたばかりの習い事】→できるだけ続けられる工夫と努力をすぐにやめさせるのはちょっと待ったほうがよさそうです。やめたい理由を聞いたうえで、親がその原因を解消する努力をします。たとえば、「いじわるなお友だちがいるから」という理由ならば曜日やクラスを変える、体力の問題や「思っていた内容と違ったから」という理由なら、子どもの気持ちを優先し、いったん休ませるといった対応がよいでしょう。そして、頃合いを見てもう一度チャレンジさせてみるなど、臨機応変な対応で子どもを見守ります。【長く続けている習い事】→やめることも選択肢に入れて子どもが長く続けている習い事をやめたいと言い出したときは、よりしっかり理由を聞くことが大切です。なぜならば、深刻な問題が隠れていることが多いから。人間関係が原因で行きたくないのかもしれませんし、周りのレベルについていけなくなり習い事の時間が苦痛なのかもしれません。ですから、問題が解決しない場合は、やめることも選択肢に入れるべきです。もしやめる選択をしたのであれば、次の目標について親子で話し合ってみましょう。■「やめたいレベル」を見極めて対処すべき(臨床心理士・福田由紀子氏)臨床心理士の福田由紀子氏は、子どもの「やめたいレベル」を見極めて、それによって対処を考えるべきと言います。レベルは次の3段階です。【やめたいレベル1:習い事が面倒くさい】やめる決断を急がず、習い事を始めたときの楽しさを思い出させるような会話をしたり、ときには休ませたりしてもいいでしょう。「もっと試合で活躍したいのに地味な練習ばかりでつまらない」「難しくなってきたから行きたくない」などのスランプかもしれません。子ども自身が積極的にやめたいと思っているわけではない状態ですので、様子を見つつ、子どもの「やりたい」気持ちを引き出すようなサポートができるといですね。【やめたいレベル2:習い事がイヤだ】“黄色信号” の「積極的拒否」の段階です。子どもの気持ちをじっくりと聞いてみてください。「やりたいけど、うまくいかない」「頑張ったのに評価されない」など、気持ちが揺れているのかもしれません。気持ちが不安定なときなので、「すぐにやめたいと言うなんて、あなたはダメな子ね」など、人格を否定するような言葉は絶対にNG。子どもの気持ちに共感することがなによりも大切です。担当の先生に相談してみるのもいいでしょう。【やめたいレベル3:習い事がつらい】「習い事に行くのがイヤ」なのか「習い事に行くのがつらい」のかを子どもに聞いて、 “赤信号” の状態かどうかを確認しましょう。つらいのであれば、すぐにやめることも考えるべき。ここまで状況が進行してしまうと、子どもの自尊心は低下し、意欲が大幅に落ちてしまっているからです。親はとにかく子どもの気持ちを受け止めてあげましょう。完全にやめるのではなく、「一時休会」という決断もありですよ。さまざまな角度からのアプローチがありますね。すべてに共通するのは、「状況次第ではやめてもいい」という考えでしょうか。しかしそうはいっても、実際には、「やめグセがついたら困るから、もう少し続けなさい!」と言う親御さんも多いかもしれません。そこで、次項では「やめグセって本当につくの?」という疑問について考えてみます。「やめグセ」がつくなんて嘘!子どもから「習い事をやめたい」と言われても、「『飽きっぽい』『忍耐力が足りないから』と、無理やり続けさせるのは要注意」だと、教育評論家の親野智可等氏は警鐘を鳴らします。では、どう対応すればいいのでしょうか。■「やめグセ」がつくなんて嘘!我慢はしないで(教育評論家・親野智可等氏)親野氏は、「やめグセがつくというのは嘘」と断言。「やりたくないことを我慢してやり続ける」のは、メリットよりもデメリットのほうが大きいと言います。「脳が急激に発達中の子どもの1年は、大人の5年に相当する」ので、子どもにとって我慢している時間は、大人が想像する以上に長く、苦痛なのだそう。その状態が定期的に続くことで、子どもが鬱になることも。また性格形成にも悪影響が及ぶ危険性があります。親野氏の「ダメならさっさとやめて、ピッタリハマるものに出会うまで、どんどん新しいことを試したらいい」という言葉は、親にとって安心できる助言ですね。■「やめたい」は好奇心旺盛な証拠。やめさせてあげて!(心理学者・植木理恵氏)テレビでも活躍中の心理学者・植木理恵氏は、「やめさせるのは悪いことではない。むしろ子どもがやめたいと言うのなら、親の感情で無理に続けさせるよりも、やめさせてあげたほうがいい」と述べています。好奇心旺盛な子どもがいろいろなものに目移りしてしまうのは、健全な証拠。たとえ習い事をやめてしまっても、子どもはその体験から、技術以外にもいろいろな学びを得て、ちゃんと成長しています。「根性が足りない」「モノになるまでやめるのはもったいない」などと思わずに、「興味が増えた」とプラスにとらえて、子どもの背中を押してあげるくらいの気持ちで対応しましょう。その習い事、合わなければやめてもいい!「こどもちゃれんじ」「進研ゼミ小学講座」を提供するベネッセの「やめた習い事はどのくらいの期間続けたか」という調査(2009年)では、全体の47%が2年未満で習い事をやめていることがわかりました。しかも、なんと全体の25%は1年未満でやめています。やめた理由のトップは、「習い事との相性」。継続1~2年未満でも32%とその割合は高いですが、継続半年未満を見てみるとなんと「習い事との相性」が問題でやめた子どもの割合は44%です。「習ってみたら、あまり夢中になれなかった」というところでしょうか。しかし、習い事を2年以上続けると、相性の問題は解消されるようです。そして今度は「習い事のレベル」や「レッスン時間」の問題に問題が移っていきます。子ども時代は興味を探るとき。いろいろ試して合うものが見つかれば、続けられる。それが自然なことなのですね。では最後に、10歳までの「自己肯定感×非認知能力」に重点を置いた『究極の子育て』著者で教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏からのアドバイスを紹介します。■エンディングを決めてから習い事を始める(教育ジャーナリスト・おおたとしまさ氏)おおたとしまさ氏は、「習い事を始めるときに、『どういう状態になったらやめるか』ということまで決めておくといい」と言います。「何年生までやる」「〇月の試合(発表会)までやる」など、目標となる節目を意識して始めることで、子どものモチベーションが保たれるからです。さらに、節目のタイミングごとに、「やめるか、続けるか」を考えるようにすると、一時の感情だけで「やめたい」と思うことが減り、「やめる」と言い出したときも、親は子どもの気持ちを理解しやすくなるでしょう。「我慢は美徳」「継続は力なり」という概念にとらわれすぎずに、臨機応変に対応したいもの。子どもたちが、心身ともに健やかに、習い事を楽しみながら、成長できるように、「合わなければ、やめていい!」――そう確信してよさそうですね。最近は、送迎不要のオンラインレッスンが人気です。以下の記事では、人気のプログラミングやピアノ教室以外にも、ミュージカル・マインドフルネス・アート(制作、鑑賞)など、編集部が厳選した「未来につながる習い事」を紹介しています。↓↓↓『【2021年版】子供の能力を上げるオンラインの習い事|プログラミング・ピアノ・アート・作文など』***習い事について、親が気をつけるべき点がもうひとつあります。それは「下心をもたないこと」。おおたとしまさ氏は「成果を求めて、期待しすぎても、子どもは親の下心を見抜いて逆効果になる」と実体験を交えて語っています。あくまでも子どもの興味が最優先。すべてはそこから始まり、そこに終わるのです――お子さまは、いま、どんなことに興味をもっていますか?(参考)Hapimama「習い事を辞めたい」は止めるべき?心理学者が教える子どもの心理と対処法」日経DUAL|「習い事をやめたい」と言われたら、やめさせるべき東洋経済ONLINE|多くの親が「子どもの習い事」でしくじる理由東洋経済ONLINE|子どもの習い事は、「やめ時」が肝心!ベネッセ教育情報サイト|2年未満で習い事をやめる理由は「お子さまと習い事の相性」All About|子供の習い事は無理にでも続けさせた方がいい?All About|子どもが「習い事をやめたい」と言い出したら
2021年02月22日2020年10月1日に、女性ボーカルユニット『PUFFY』の大貫亜美さんがInstagramを更新。メンバーの吉村由美さんと、元夫である歌手の西川貴教さんのツーショット写真を公開し、反響を呼んでいます。元夫婦の吉村由美と西川貴教のツーショットが話題同年9月30日に放送された音楽番組『テレ東音楽祭2020秋』(テレビ東京系)に、それぞれ出演した『PUFFY』と西川さん。楽屋と思しき場所で、大貫さんは元夫婦である吉村さんと西川さんのツーショット写真を撮影しました。その様子がこちらです! この投稿をInstagramで見る PUFFY 大貫亜美(@ami_onuki)がシェアした投稿 - 2020年10月月1日午前5時09分PDTキュートなポーズをきめて、写真を撮る2人に対し、大貫さんは次のようなコメントを添えています。昨日のテレ東音楽祭にて、全ての人がなんとなく待ち望んだキセキのコラボレーション。ami_onukiーより引用また、続けて楽しそうにお揃いのポーズをとる吉村さんと西川さんの姿も投稿。 この投稿をInstagramで見る PUFFY 大貫亜美(@ami_onuki)がシェアした投稿 - 2020年10月月4日午前12時26分PDT貴重なツーショット写真に対し、ネット上ではさまざまなコメントが寄せられています。・素敵。仲よしな様子が伝わってきます。・すごいツーショット!これは大貫さんにしか撮れない写真ですね。・待ち望んでいた1枚です。最高すぎる。ありがとうございます!形は変化しても、お互いにいい関係を築いていることが伝わってくる写真ですね。楽しそうな吉村さんと西川さんの写真は、多くの人を喜ばせました。[文・構成/grape編集部]
2020年10月05日みなさんのなかには、子どもを「甘やかす」ことに抵抗を覚える人も多いはず。たしかに、「甘やかしてばかりいると子どもはわがままになる」と誰もが言うように、過度な甘やかしは子どものためにもよくありません。では、「甘えさせ」はどうでしょう。親にたっぷり甘えた子ほど、成長後によりよい人生を歩むケースが多いことはご存じですか?今回は、「甘やかしと甘えさせの違い」や「正しい甘えさせ方」について考えていきます。親にたっぷり甘えた子ほど、しっかり自立する親に甘えたくない子どもはいません。自分のすべてを受け入れてくれる親だからこそ、子どもは甘え、優しくしてもらいたくなるのです。そして、親に甘えることは、子どもの心の成長に大きな影響を及ぼします。親にたっぷり甘えることができた子は、自立した人間に育ちます。児童精神科医の故・佐々木正美先生は、「幼少期にたっぷり甘えさせてあげた子どもほど、早く自立して、大きくなっても親に心配をかけない人間に育つ」と述べていました。佐々木先生によると、「子どもというのは、本来自立したいもの」であり、「自立をするために、甘えとわがままを繰り返す」のだそう。発達心理学・幼児教育の専門家である東京学芸大学の岩立京子先生も、「子どもが十分に甘えられる関係をつくることで、子どもは母親以外の人とも信頼関係を築けるようになる」と述べており、それが自立へとつながるのです。一方で、ずっと甘えられ続けると、「いつまでも甘えて親離れできなくなるのでは?」という不安もよぎります。しかし、ここで子どもを突き放してしまうと逆効果になってしまうので要注意。家庭教育の専門家である田宮由美さんによると、「『いつまでも甘えてちゃダメ!』と突き放すと、子どもは『いったんお母さんから離れると、二度と受け入れてもらえない』と感じて、いつまでも自立しようとしなくなる」そう。子どもの心は、「安心」と「不安」、「依存」と「自立」を行ったり来たりしながら、少しずつ成長します。すぐに結果を求めたり、「もう○歳なんだから」と決めつけたりせずに、子どもが甘えてきたときはしっかり甘えさせてあげましょう。ちゃんと親に甘えられた子は自己肯定感を手に入れるカリスマ保育士としてメディアなどでも活躍中のてぃ先生は、子どもの「甘え行動」について、「『基地』の安全を確かめる行動」だとコメントしています。お母さんやお父さんの存在は、子どもにとって「基地」であり、基地が安全だからこそ、外に出たときにいろいろなことにチャレンジできるというわけです。なにかに失敗したり、つらいことがあって落ち込んだりしたとき、基地で母親や父親にたっぷり甘えることができれば、安心感を得られます。それにより、弱った心が満たされ、元気になってまた挑戦できるようになるのです。もしそこで、「子どものため」と思って「甘えないの!」と突き放したり、「○◯くんは頑張ってるじゃない。あなたも頑張りなさい」と十分に甘えさせないまま背中を押したりすれば、子どもは「基地は安全ではない」と認識します。すると外に出ていく勇気が出なくなり、基地の安全を確かめるために延々と甘え行動を繰り返すように……。子どもを信じて励ますことと、甘えたい気持ちを無視して背中を押すことは違います。てぃ先生は、「子どもが甘えてきたときには十分に甘えさせればいい。ただそれだけのことです」と述べています。さらに、普段から「大好きだよ」「いつも応援しているよ」といった言葉をかけてあげていると、子どもの自己肯定感も上がり、親に甘えやすくなります。必要以上に甘やかすのではなく、子どもが自分から甘えてきたときには否定したり突き放したりせずに、子どもの気持ちに寄り添ってあげることが大切なのですね。子どもの願いを叶えることが「甘えさせ」子どもが親に「甘える」ことは、子どもの心の成長によい影響を与えるばかりでなく、子ども自身の将来にプラスに働くことがわかりました。しかし、実際には「“甘えさせる” ことと “甘やかす” ことの線引きが難しい」「本当はたっぷり甘やかしたいけど、どうやったらいいかわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。まず、「甘やかし」と「甘えさせ」の違いについてまとめます。■甘やかし・お菓子やおもちゃなど、「モノ」を欲しがるままに与える・子どもが自分でできることを、親の都合でやってしまう・「心配だから」「できないだろうから」と先回りしてやってしまう■甘えさせ・かまってほしがったり、スキンシップを求めてきたりする気持ちを満たす・いままでできていたことをやってもらいたがるなど、子どもから「やって」と言われたら突き放さずにやってあげる・子どもを信じて、助けを求めてきたら一緒に解決策を考えるこのように、「甘やかし」は “大人の都合” によって引き起こされることが多い一方で、「甘えさせ」は “子ども発信” であるという違いがあります。子どもが求めてもいないのに甘やかすのは、単なる「甘やかし」です。●子どもをたっぷり「甘えさせる」には?幼児教室コペル代表の大坪信之さんは、「『安心』を与えることが『甘えさせる』ということ」だと述べています。ですので、「抱っこして〜」と寄ってきたらちゃんと抱き上げて、「ねえ、お母さん(お父さん)聞いて」と話しかけてきたら、別のことをしていても手を止めて、「なあに?」と子どものほうを向いて話を聞いてあげましょう。しかし、忙しいときに限って子どもは甘えてくるもの。そこで「忙しいからあとでね」「(ほかのことをしながら)はいはい」と適当な対応をしていると、子どもは敏感に気づきます。どんなに忙しくても、1分だけでもしっかりと話を聞いてあげましょう。「子どもの気持ちを理解し、スキンシップを図るなど心理的な要求を受け入れてあげて」と話すのは、保育士として長年保育業務に携わる市川由美子先生です。たとえば、下の子が生まれてかまってもらえない寂しさから、面倒な要求をしてくるなどわがままが増えるケースもあるでしょう。そのような行為は、自分のわがままをどこまで受け入れてくれるのか、愛情を確認しているからであり、決して親を困らせようとしているのではありません。市川先生は、「子どもの気持ちを理解し、叱らずに、抱っこしたりひざの上で一緒に遊んだりして、スキンシップをとりながら子どもとの時間をつくってあげて」と述べています。また、前出の佐々木先生は、甘えさせるのが苦手な親御さんに対して、「食事で子どもの願いを叶えてあげるとよい」とアドバイスしています。たとえば、朝ごはんで食べる卵は目玉焼きがいいかゆで卵がいいか、子どもの要望を聞いてつくってあげるといいそう。佐々木先生いわく、「毎日の食事というのは、生きていくうえで欠かせない重要な要素。そういう大事な場で、自分の願いが受け入れられることが、子どもの自信につながる」のだそうです。***幼少期に親やまわりの大人に十分甘えてきた子は、思いやりのある人間に育ちます。反対に、そのような経験が乏しいと、人に要求ばかりする人間になる傾向が強くなります。甘えることによって子どもは親の愛情を実感し、周囲の人にも愛情をもって接することができるようになるのですね。(参考)HugKum|【今も心に響く佐々木正美さんの教え】子どもが自立するには「甘え子育て」が必要ですベネッセ教育情報サイト|自立する子に育てる!幼児の甘えさせ方【前編】甘えとわがままの違いとはAll About|子供を自立させる甘えと、ダメにする甘やかしの違いSTUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|子どもが甘えん坊すぎて困るなら、親はシンプルにコレをすればいい【てぃ先生インタビューpart2】幻冬舎ゴールドオンライン|子どもを「甘えさせること」と「甘やかすこと」の違いとは?ベネッセ教育情報サイト|甘えてくる子どもの心理とは?思い切り甘えさせてあげよう!
2020年09月08日みなさんは、わが子にどのような人間に育ってほしいと願っていますか?生まれる前は、「とにかく健康で元気な子だったらいい」と漠然と考えていたかもしれません。しかし、成長を追うごとに「勉強ができてスポーツが得意だったらいいな……」「誰からも好かれてお友だちがたくさんできたらいいな……」と、期待が膨らんでいっていませんか?今回は、「親の期待が子どもに与える影響」について考えていきましょう。イライラするのは、子どもに「期待」してるから子育てをしていると、わが子に対して「どうしてこんなこともできないの?」とイライラしたり、口うるさく注意したりすることもありますよね。ですが、みなさんが子どもに「どうして○○できないの?」と感じていることの裏側には、「あなたが子どもに期待していること」が隠されているのです。たとえば、モジモジしておとなしいわが子に対して、「どうして自分からお友だちに遊ぼうって言えないの?」とイライラしがちなのであれば、子どもが「社交的で積極的であること」を期待しています。日本メンタルヘルス協会公認カウンセラーのマツダミヒロさんによると、「人は、相手にかけた期待が外れたときに、怒りを感じたりイライラしたりする」とのこと。そして「思い通りに動いてくれない子どもに、自分の価値観を押しつけて、自分の望む反応を求めている」とも述べています。私たちは親として、わが子によりよい人生を歩んでほしいと願う一方で、自分が想像する幸せの型に子どもをはめ込もうとしているのかもしれません。教育評論家の石田勝紀先生は、「親が子どもへの理想のイメージをもつこと自体は問題ない」としながらも、「“こうあるべき” 姿を押しつけて、親の価値観や思考の枠からはみ出た子どもを、強制的に戻させようとすることが問題」と述べています。自分が理想とする「こうあるべき姿」をわが子に押しつけていないか、いま一度思い返してみましょう。自分ではそんなつもりがなくても、子どもが本来望んでいることとかけ離れているようなら、少し立ち止まって考え直す必要があるかもしれません。親の期待は「子どもの自己肯定感」を低下させる親が子どもに期待しすぎることで、子ども自身にはどのような影響が及ぶのでしょうか。専門家の意見や、いくつかの事例を挙げていきます。■わかったフリをするようになる親が子どもの「現時点での能力」をちゃんと理解できずに、高いレベルばかり要求した結果、子どもの脳は “ある状態” に陥るのだそう。『100万人が信頼した脳科学者の絶対に賢い子になる子育てバイブル』(ダイヤモンド社)の著者、ジョン・メディナ氏は、「自分の脳にはまだその準備ができていないのに、親からの期待が高くなるほど子どもは窮地に追い込まれる。すると脳は強制的に『低次思考』のレベルへと思考力を戻す」と述べています。その結果、子どもはその場ではわかったようなフリをするものの、本質的には理解できていないので、何も身につかないというわけです。■妥協するようになるメディナ氏によると、親の過剰な期待は、子どもが本来もつ好奇心までも奪ってしまうとのことです。子どもは好奇心をかき立てられると「これってどうなっているのかな?」と自問し、それにより成長するもの。しかし、親の期待に応えようとする気持ちが強くなると、「どうすれば親を満足させられるだろう」と妥協するようになります。つまり、親の反応ばかりを気にするようになるのです。■自己肯定感が下がる家庭教育の専門家である田宮由美さんは、「親が子どもの可能性を信じることは、親子の信頼関係を深めることにもつながる」としつつも、あまりにも期待が大きすぎることで弊害も生まれると言います。親が常により高いレベルを求めることで、子どもは「いまの努力」を認められずに報われない気持ちになるでしょう。すると、期待に応えられない自分を卑下し、「自分はダメなんだ」と自信をなくして、自己肯定感の低下を招いてしまうのです。■いい子症候群になる「大人の顔色をうかがい、先回りして親の期待に応えようとする自主性のない状態」は、「いい子症候群」になっているサインです。『ほめると子どもはダメになる』の著者で心理学博士の榎本博明先生は、「親の言いなりに動く “いい子症候群” の子は、自立できない心配がある」とし、自分で考えて動くことができないので、判断力や実行力が欠けたまま大人になる恐れもあると述べています。■反動で反抗的になる『女の子の学力の伸ばし方』などの著者で、進学塾VAMOSの代表でもある富永雄輔先生は、「子どもに期待をかけすぎるのは、父親より母親が多い傾向がある」と述べています。特に娘に対して、母親はより大きな期待をかけることがあるそう。彼女たちは幼いが故に、親の期待が自分にとってつらいものになってきてもそれを表現する力がありません。だから、なおさら親はそれを押しつけてしまい、あるとき、親と子どものパワーが逆転したときに、大きな反抗となって返ってきます。(引用元:ダイヤモンドオンライン|娘に「自分の人生のリベンジ」をさせる子育てをしてはいけない)親の期待に押しつぶされてしまうことは、子どもにとっても親にとっても、望まない結果を招いてしまうのです。自分の「親としての評価」を気にしていませんか?いくら「子どもに期待するな」と言われても、愛するわが子に期待してしまうのは当然のことです。しかし先に挙げたように、過剰な期待は子どもの人生に悪影響を及ぼします。どうしたら子どもに過剰な期待をせずに、適度な距離感で見守ってあげられるのでしょうか。前出のジョン・メディナ氏は、「子どもは大人の成功の代用品ではない」と述べています。自分の親としての評価を上げるために、子どもを立派に育てようとしていませんか?まわりの人たちからほめられたいという理由だけで、子どもに無理を強いていませんか?親はつい、自分の子どもをまるで自分の分身のように考えがちですが、どんなに小さくても子どもは自分とは違う人間だということを忘れてはいけません。ですから、自分の人生でやり残したことをやらせようとしたり、自分が経験して失敗したことを頑なにやらせなかったりするのではなく、本人が望めば好きなようにやらせてあげるのがベストです。また、子育ては競争ではありません。「あの子に比べて優秀」「あの子に比べて劣っている」といった評価を自分の子どもに下すことは、わが子の本来の姿を見ていないのと同じです。まずは、親の自分だからこそわかる「わが子のよいところ」をしっかりと認めてあげましょう。現役東大生の西岡壱誠さんによると「東大生の親は子どもに過度な期待をしない」とのこと。しかし、子どもが「自発的に考えて、努力すること」を全力で応援する親が多く、プレッシャーを与えずに子どもの可能性を引き出すことに成功しているケースがよく見られるそうですよ。***わが子に期待してしまうのは、愛情をもって育てている証拠です。大事なのは、子どもの気持ちを無視して親の期待を押しつけたり、親の期待に沿うように子どもを誘導したりしないこと。子どもを信じ、適度な距離感を心がけましょう。(参考)マツダミヒロ(2014),『“質問”に答えるだけでイライラがニコニコに変わる!魔法の子育てしつもんBOOK』,カンゼン.東洋経済オンライン|子どもを追いつめる、親たちの「願望と正論」ダイヤモンドオンライン|「期待しない子育て」が脳にとてつもなくいいワケAll About|子どもの自己肯定感が低いのは親のせい?NG言動5つと高める子育てSTUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|心理学者が指摘する“いい子症候群”たちの未来ーー自主性のない子どもの特徴5つPHPファミリー|親がかける言葉で、子どもの人生が変わるダイヤモンドオンライン|娘に「自分の人生のリベンジ」をさせる子育てをしてはいけない東洋経済オンライン|東大生の親に「お受験ママ」が異様に少ないワケ
2020年07月06日以前、運動会のかけっこで順位をつけず、最後はみんな手をつないで一緒にゴールした小学校が話題になったことがありました。有名なモンテッソーリ教育も、“競争させない” のがポリシーです。仲良し教育を是とする風潮に、「今の子どもたちは昔に比べて競争心がない」とも言われ、子どもに競争させることの良し悪しはいまだ賛否両論あります。一方で、「負ける」ことに意義を認める日本の伝統競技があります。将棋です。「負けました」と敗者が自ら宣言し勝敗が決まるものは、勝負事としてほかにはないでしょう。期待の若き棋士藤井聡太7段(*)は、将棋を通して今も成長し続けています。その成長には、“負ける” という経験が大きく作用しているそうです。勝敗を競うべきか否かには一長一短ありますが、今回は「負けることの意義」にフォーカス。そこから得られる学びについて詳しく検証してみましょう。*…2020年4月現在子どもの「負け」を成長につなげるために負けると誰でも悔しいものです。その “負” の感情をどう自分の中で処理するかに成長の鍵が潜んでいます。負けを成長につなげるためのポイントは2つです。■負けを認める「自分の弱さを認めることで、どんな困難も乗り越えられる」とは、アメリカ国防総省現役官僚のカイゾン・コーテ氏の言葉。その心理ステップは次の通りです。自分の弱さを受け入れると、本当の自分が見えてくる本当の自分が見えてくると、自分を正しく機能させることができる自分を正しく機能させることができると、最善の選択ができる(引用元:STUDY HACKER|“負け”から成長できる人とできない人の決定的な差。一流営業パーソンは失敗しても〇〇を言わない。)つまり、負の感情を認めることで、自分の気持ちが一度リセットでき、ストレスのない状況で冷静な判断と落ち着いた行動ができます。負の感情をいつまでも引きずらずに前に進むための第一歩が、「負けを認める」ことなのです。しかし、子どもにとって「負けを認める」のはなかなか難しい。そんなときは、親が共感してあげるとよいのだそう。モンテッソーリ教育を掲げる「吉祥寺こどもの家」の百枝義雄先生は、親が「悔しいね」と共感するだけで、子どもは負けてしまったにもかかわらず「自分の持っている感情は間違っていない」「自分の経験は間違っていない」と自信をつけると言っています。■負けを乗り越える弱い自分を受け入れることで第一段階はクリア。しかし、負けを認めるだけでは成長はありません。その後に悔しい思いを糧に努力することが大事です。将棋の世界では、負けを宣言することにはもうひとつ重要な意味があります。それは、負けを口にできる精神的強さを証明したことになり、メンタルでは勝者を上回ったと認められるということなのです。「負けることの意義」は、まさにここにあります。「負けるのはダメなことではない、強さにつながる過程なのだ」と学び、負けを恐れず積極的にチャレンジできる人になれるのです。とはいえ、子どもには少々難しいかもしれません。日本ストレスマネジメント学会事務局長である小関俊祐先生は、「いいチャレンジだったよ!」「毎日頑張っていたよね」と、結果ではなく、毎日の行動や努力を親がほめてあげることで、再び挑戦する力を身につけられると話しています。子どもが思った結果を出せなかったときこそ、日々の努力や頑張りをたくさんほめてあげましょう。競争しない教育を受けた子どもは「攻撃的な大人」になる!?逆に、「負けないこと(競争しないこと)」のデメリットはあるでしょうか。反競争的な教育は、成績に優劣をつけないことで、仲良く協働できるようになること、そして競争に惑わされずに本来の学びに集中することを目指しています。しかし、経済学者で大阪大学大学院経済学研究科教授の大竹文雄氏の研究では、「反競争的教育を受けた子どもは、利他性が低く、非協働的、攻撃的な大人になる」という驚くべき結果がでたのです。本来、人の能力には生まれながらの素質がそれぞれあり、誰しも得意・不得意がありますよね。しかし、競争をしてこなかった子どもは、「能力は誰しも平等で、努力すれば等しく向上できる」と思ってしまうのだそう。もし能力に劣った人がいると、「努力を怠ったから」と断定し、困っている人がいても、助けてあげない傾向があると言うのです。負ける悔しさや、克服する大変さを身をもって知るからこそ、人を思いやり、協働できる人間力が育まれるのだとすると、楽しいこともつらいことも含めた多様な体験こそが、子どもの将来のために何よりも必要なものなのではないでしょうか。「いい子でなきゃいけない!」と思っている子ども子どもは自分の気持ちにきちんと向き合ったり、人に伝えたり、感情をうまくコントロールしたりする術をまだ完全には身につけられていません。消化できないもやもやを分析してみると、負けを認めない子どもの心理には大きく2つ原因があるようです。要因1:生まれつきの性格生まれ持った性格は皆それぞれ。アメリカの精神科医であるトーマス博士が研究発表した「9つの気質」(活発さ・集中力・粘り強さ・環境対応力・規則正しさ・順応力・五感の敏感さ・感情表現・ベースの気性)が混じり合うことによって、子どもは、負けず嫌いの子、のんびりした子、几帳面な子などの性格になります。そして、そこに家庭環境などが影響し、“負け” をどうしても受け入れられない子が出てくるのです。要因2:親からの “いい子” プレッシャー子育て支援士の田宮由美さんによると、どんな子にも保身の気持ちはあるので、親から感情的に叱られたりすると、つい自分の負けを人のせいにしてしまうことも。また、日頃から保護者や先生に「いい子にしなさい」と言われて育つと、「いい子でいなければ受け入れてもらえない」という不安を抱くことに。「負け=悪い子」という構図ができ上がり、どうしても負けを受け入れられない気持ちになってしまうのだといいます。これらの子どもの心理には、やはり親の接し方が大きく関わってきます。注意点を2つ見てみましょう。「レジリエンス」を育むための2つの方法レジリエンスの言葉の意味は「回復力・弾力性」。心理学的には「折れない心・しなやかな強さ」という概念で使われています。つまりは「負けてもへこたれない打たれ強さ」のことで、「生きる力」には不可欠な要素。負けを恐れないレジリエンスを育むためには、どんなことが必要なのでしょうか。以下の2つは、つい「言ってしまう・やってしまう」親の対応ともいえるのでは?NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事の菅原裕子さんのアドバイスを参考に、ポイントをまとめてみました。■子どもを否定しない親は、子どもの気質や思考のクセをできるだけ正確に把握し、常に意識しておく必要があります。特に気をつけたいのが、ネガティブ思考に陥るときのパターン。几帳面で正義感が強い子は、ほかの子がルールを破ったりすると許せず、怒ってしまうことも。そんなときは、親がフォローしてあげましょう。ここで重要なのは、決して子どもを否定や非難してはいけないということ。子どもの気持ちを受け止めたうえで、「Aちゃんはどうしてあんなことをしたのかな?たぶん〇〇だったんじゃない?」と相手の気持ちを慮ることを促すなど、いろいろなものの見方があることに気づかせてあげるのが大事です。ひとつの考えに固執しないことに慣れていくことで、子どもの気持ちも楽になり、視野も広がっていくでしょう。■子どもを人と比べない「〇〇君には負けないで」「お兄ちゃんは一番だったんだから、あなたも頑張って」など、特定の人と比べる言葉をお子さんに投げかけてしまうと、子どもは周りの人に対して偏った競争心を持ってしまい、本来の勉強や競技に集中できなくなってしまいます。対象が身近であるほど、負けることでコンプレックスを抱えてしまうことにも。競争心は特定の人物にではなく、自分の目標に対して抱くべきものなのです。たとえば、一緒にサッカーを練習しているお友だちのほうが上手で、いつもレギュラーで試合に出ているとしたら、子どもは悔しいと思うと同時に、自分にコンプレックスを抱くでしょう。そんなとき、努力のモチベーションを、友人に対する負の思いではなく、自分に向けるべく親が誘導してあげましょう。「目標はレギュラーになること」と定め、そのための手段として「ひとつずつ技を着実に身につけること」とし、具体的なトレーニングメニューを考えます。自分のレベルアップにフォーカスするのです。そうすることで、競争心は前向きな力となります。親は、子どもの意識を他人ではなく自分の内側に向けるガイドの役割を果たすことが求められます。正しい努力をして負けたなら、子どもは負けを受け入れられるようになっているはずです。そこからたくさんのことを感じ取って、成長してくれることでしょう。***長い人生、競争を完全に避けることは不可能ですよね。大小さまざまな優劣、勝敗によって傷ついてしまうこともあるでしょう。目標は、「負けることは悪いことじゃない」と子どもが思えるようになること。負けることにへこたれない強さと、挫折をプラスに転じる力がつけば、自己肯定感も高まります。「子どもの頃にたくさん負けて人間力アップ!」という気持ちで、親子一緒にいろいろなことにチャレンジしてみましょう!(参考)STUDY HACKER|“負け”から成長できる人とできない人の決定的な差。一流営業パーソンは失敗しても〇〇を言わない。JCER 日本経済研究センター|2014年8月14日 反競争的な教育が助け合いを減らす?公益社団法人 日本将棋連盟|将棋コラム|将棋で負けた子供へはどう接すればいい?「負けました」から得られる心の成長【子供たちは将棋から何を学ぶのか】SHINGA FARM|子育てのコト|自分の過ちや失敗を「人のせい」にする子どもの心理と対応法STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|「おしごと」と「集中現象」とは?“親にしかできない”もっとも重要なことSTUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|我が子はどのタイプ?個性がわかる「9つの気質」の組み合わせから、子どもを伸ばす方法が見えてくる!さぽナビ|子どものココロジー 競争心の弱い子・すぐあきらめる子STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|子どもの「レジリエンス」を高めるのは、親子の会話。結果ではなく“挑戦”を褒める!
2020年04月27日幼稚園や保育園と違い、毎日の時間割に加えて学習用具も増え、持ち物の管理が課題になってくる小学生。「小学校に入ったら、忘れ物ばかり」「お友だちはこんなに忘れ物していないみたい」などと頭を抱えている親御さんの声もよく耳にします。だからといって、我が子のためと思って親がすべてを管理したり、また忘れ物しがちなことを悲観しすぎたり叱ってばかりいたりするようでは、改善の余地はありません。大人である自分だって忘れ物をすることはあるのだから……と大きな心で、原因と対策を考えていきましょう。忘れたことを責めるのはもってのほかうちの子は特別に忘れ物が多い子なのでは?と思い悩んでいる親御さんは少なくないと思いますが……そもそも、多くの子どもは忘れ物をするもの。そういうものだ、と割り切って考えることも必要です。何かに夢中になっていると、忘れ物をしてしまう子どもたちはたくさんいます。気を配らなければいけないことがたくさんあると、忘れてしまうこともあります。忘れてしまったことを叱るよりも、どうしたら忘れないか、考えることが大切です。(引用元:小笠原恵著(2011年),『うちの子、なんでできないの?親子を救う40のヒント』, 文藝春秋.)また、低学年の子どもの場合、子ども自身でも忘れ物を減らしたいとは思っているけれど、忘れ物をしないための対処法がわからず繰り返してしまうということもあります。だからこそ、好き好んで忘れ物をしたわけではないのに厳しく責められたら、子どもは「自分はダメな子なんだ」と自信を失くしてしまう場合があるので要注意です。忘れたこと自体がショックなのに、さらに叱責までされるのは、大人でも子どもでもひどく落ち込んでしまいますから。忘れ物対策が学力向上にもつながるもう小学生なのだから、勉強や運動、習い事などほかのことに意識を向けたいのに。忘れ物のことばかりで思い悩むなんて……と気落ちするのはもったいないことです。忘れ物への対策を練る時間は、決して無駄ではありません。「忘れ物をなくそう」という意識がウッカリすることやケアレスミスを減らし、忘れ物をしないようになることで、学習や物事への取り組みが積極的になり、先を読む力も養われ、子どもにとってプラス面がたくさんあります。(引用元:SHINGA FARM|忘れ物と学力は関係する!? 子どものタイプ別で正しい対応法をご紹介!)子ども能力開花くらぶ代表の田宮由美氏によると、忘れ物を減らそうとする努力は学力向上にもつながるのだそう。次の日の持ち物をしっかり確認する、朝にもう一度持ち物チェックをするなどが習慣化されると、テストのときも「最後に答えを確認しておこう」となるのです。いつも取りこぼしていたケアレスミスがなくなれば、テストの点数はもちろん上がりますよね。続いてご紹介する忘れ物対策は、学習環境を整える・親子での意識を高めるという意味でも有効なものばかり。具体策を講じて忘れ物が減った頃には、生活面も学習面もよりよいものになっているはずです。忘れ物をなくすために親子でできること東京学芸大学教育学部特別支援科学講座准教授の小笠原恵氏は、忘れ物も「子どもが大きく成長するチャンス」と言います。「次はどうしたら失敗しないで済むか、具体的に教えてあげることは、ただ叱るより有効な場合が多くあります」とのこと。忘れ物ばかりする子どもを叱るよりも、どうすればいいのかを教えたり一緒に考えたり、親子で具体的に策を練って実行に移してみましょう。■朝に持ち物を点検できるくらいの余裕を持つ夜にしっかりと準備をしていたとしても、朝になって時間に追われドタバタと玄関を出るようでは、忘れ物をする可能性も大きくなります。ランドセルの中身はそろっていても、上履き袋を持って出るのを忘れたり、体操着袋を置いていってしまったり。玄関を出る直前にもう一度手荷物を確認することができるくらいの時間の余裕が必要です。■日頃から整理整頓を心がける机の周りやランドセル置き場などは、定位置を決めたり、学習教材を教科ごとに分類したり、よく使うものが取り出しやすいようにしておいたりということが重要です。見た目上はスッキリしていたとしても、重要なプリントが適当なノートに挟まっていたり、毎日のように学校に持っていく教科書が引き出しの奥に入っていたりするようではNG。一度親子で片付けをしながら、いろいろな物の置き場所の見直しをしてみるのもいいかもしれません。■否定的な言葉を使わず、頑張っていることを褒める日頃から「いつも忘れるんだから」「うっかりしてばかり」などという決めつけの言葉は使わないようにしましょう。親がそう言い聞かせることで、子ども自身が「自分は忘れ物ばっかりする子どもなんだ」と思い込んだり、周りからもそのような先入観で見られるようになったりしてしまうことも。ただ忘れ物をするだけの事実よりも、その思い込みから脱却することのほうが、子どもにとっては困難なもの。「忘れ物しないように、最近頑張っているね」など、前向きになる言葉かけを心がけましょう。親が学校まで届けるかどうかは臨機応変に子どもが登校したあとに忘れ物をしたことに気がついたら、届けるか届けないか……。悩みどころだと思いますが、届けてしまえば、忘れた当人は「次は忘れないようにしよう」という意識が低下します。保育士として15年以上保育業務に携わる市川由美子氏は、「忘れ物をすると自分が困るといった経験をしておかないと、『忘れ物をしないぞ』という責任感が芽生えません。とはいえ、忘れ物の種類によっては、届けてあげないと周りに迷惑がかかる物もありますので、臨機応変に対処しましょう」と言っています。お弁当や水筒などの貸し借りができない必需品や、衛生的に困るものなどは届けないと大変なことになりますが、教科書などは隣の席の子に見せてもらうなどして切り抜けられます。また、上履きや体育の帽子などは、学校側が忘れた子ども用に用意している場合も多いものです。事前に「もしも忘れてしまったら」の対処法を親子で確認し合っておく、というのもいいかもしれません。肯定し、前向きに捉えることも大切忘れ物の原因と対策についてまとめました。親があまりにも思い詰めたり、子どもへの関わりが忘れ物のことばかりに集中しすぎてしまったりするのは、親の精神衛生上もよくありませんし、親子関係を悪化させる原因にもなりかねません。花まる学習会代表でNPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長の高濱正伸氏と、花まるグループ西郡学習道場代表の西郡文啓氏は、共著書『ちゃんと失敗する子の育て方』で、「しょっちゅう忘れ物をするのは『それくらい抜けているほうが、世の中生きやすい』というように、注意したくなるようなことも見方を変えれば『良いところ』かもしれません」と述べています。心配だからと言って、子どもの人生の道筋をつけてやったり、親の言う通りに生きて行くように育てたりすることが親の役目ではありません。めざしたいのは、子どもが自分で考えて正しい道を選択できるように、失敗しながらも自力で立ち上がって歩いていけるようにすること。もし「自分は心配しすぎる傾向にあるかも?」と思ったら、いっそのこと、ちょっと子どものことを考えるのをやめてみましょう。(引用元:楠本佳子(2016),『12歳までに「勉強ぐせ」をつけるお母さんの習慣』, CCCメディアハウス.)そして忘れ物をせずに過ごせた日は子どもにとって「あたりまえ」の日ではく、花マルの日。「今日は忘れ物しなかったね」と褒めてあげれば、忘れ物で困ることもないだけでなく成功体験だと認識するようになり、忘れ物をしないよう自発的に心がける姿勢を見せてくれるようになるはずです。***「子どもの忘れ物だけに目を向けるのではなく、整理整頓を促したり、日頃から関心を持ち、親子の会話があれば、持ち物や授業に必要な教材などについて、忘れることを予防できるはず」と言うのは、前出の田宮由美氏。親子のコミュニケーションを密に取りながら、少しずつ忘れ物を減らして自立へとつなげていけるといいですね。文/酒井絢子(参考)All About|子どもの忘れ物が多いのは親の責任?! 親子の会話3STEPで忘れ物対策ベネッセ 教育情報サイト|子どもの忘れ物、防止するコツとやってはいけないこととは?SHINGA FARM|忘れ物と学力は関係する!? 子どものタイプ別で正しい対応法をご紹介!楠本佳子(2016年),『12歳までに「勉強ぐせ」をつけるお母さんの習慣』,CCCメディアハウス.小笠原恵(2011年),『うちの子、なんでできないの?親子を救う40のヒント』,文藝春秋.高濱正伸・西郡文啓 (2018年),『ちゃんと失敗する子の育て方』,総合法令出版.
2020年04月08日「なぜ自分で決められないの」「それくらいひとりでやりなさいよ」——こうした言葉を日常的に子どもにかけてはいませんか?心当たりのある方は、おそらく我が子の自立を強く願っているからこそ、厳しく接しているのでしょう。子どもの自立を促すことは、親の重要な役割のひとつです。ですが、何でもかんでもひとりでやらせたり、決めさせたりする必要はありません。もっと気楽に構えてよいのです。今回は、その理由を説明します。子どもが決められないなら、親が決めてもいい親の過干渉は、子どもの自立心を奪うといわれています。たとえば、子どもが洋服を選んでいるとき、「こっちがいいんじゃない?」と先回りして口出しすると、子どもの自立心は育ちません。子どもがじっくり選んでいるなら、時間がかかっても決まるまで待つべきです。ですが、子どもが「お母さんが選んで」とお願いしてきた場合は別です。そこで、「ダメよ。自分で選びなさい」と言ってしまったら、いつまでも決まらないか、投げやりな気持ちで適当に選ぶかのどちらかになるのではないでしょうか。子どもが自分で決めたり行動したりできる、もしくはしたがるかどうかは、その子の成長段階にもよります。教育ジャーナリストのおおたとしまささんは、「幼い子どもにはまだはっきりした自我も判断力もありませんから、なんでもかんでも子ども自身で選ぶことはできません」「ある程度、親が決めてしまっていい」とコメントしています。また、同様に子どもの性格にもよります。人間関係研究家の稲場真由美さんによれば、人間の性格は大きく4つに分けられ、そのうちの2つのタイプは、「相手のために頑張ることによろこびを感じる」タイプなのだそう。それに該当する子どもは、自分より親の意見を優先したいと考えるのだといいます。つまり、すべての子どもに対して、何でもかんでも自分で決めさせるのが適切とは限らないのです。自立とは、素直に助けを求められるようになることそもそも、親が目指している子どもの「自立」とは、どういうものなのでしょうか。一般的には、「自分のことは自分でできる」など、親に依存していない状態を示すイメージがあります。しかし、実際のこの言葉の捉え方は多様です。たとえば、脳性まひによる障害を抱える、東京大学先端科学技術研究センター准教授の熊谷晋一郎さんは、上記イメージとは真逆といえる捉え方をしています。「自立」とは、依存しなくなることだと思われがちです。でも、そうではありません。「依存先を増やしていくこと」こそが、自立なのです。これは障害の有無にかかわらず、すべての人に通じる普遍的なことだと、私は思います。(引用元:全国大学生活協働組合連合会|大学生協の保障制度)たしかに、大人でも周囲の人たちの力を借りずに生きている人はいません。むしろ、自分の力だけでは解決できないことに直面したとき、「手を貸してください」「教えてください」と素直に助けを求められることが大事なのです。ここで、先ほど例に出した、「子どもが『お母さんが選んで』とお願いしてきた場合」を今一度思い浮かべてみましょう。親が「ダメよ。自分で選びなさい」と言ってしまったら、次から親に素直に助けを求めることはできなくなってしまうかもしれません。子どもが親以外の「依存先」をたくさん増やせるようになるまでは、親が手を差し伸べるべきではないでしょうか。もちろん、子どもがアドバイスを求めているときに限りますが。どんどん「甘え」を受け入れよう!では、子どもの自立を目指す親は、子どもにひとりでやらせたり、決めさせたりする以外に何をすべきなのでしょうか。多くの専門家が、意外なことに「甘えさせること」が子どもの自立を促すと言います。そのなかで、精神科医の佐々木正美さんの意見をご紹介しましょう。むしろ、幼少期にいうことをきいてあげ、たっぷり甘えさせてあげた子どもほど、早く自立して、大きくなっても親に心配をかけない人間に育ちます。その反対に、しっかり甘えられなかった子どもほど、いつまでも手がかかります。それは私の50年余りの臨床体験をはじめ、多くの子どもたちを見てきて実感していることです。(引用元:Hugkum|【今も心に響く佐々木正美さんの教え】子どもが自立するには「甘え子育て」が必要です)なぜ、「甘え」を受け入れられた子どもほど自立するのでしょうか。その理由について、佐々木さんは、「甘えやわがままを受け入れてもらうことで、子どもは自分に自信を持てるようになり、それが自立を促す力になるから」と述べています。また、「子ども時代にそういう受け入れ経験がないと、自立するのが難しくなって、人に要求ばかりする人間になる」とも話しています。しかし、ここでいう「甘え」には、物質的要求や金銭的要求は含まれません。子どもが「あれ買って、これ買って」と言ってくるのをすべて聞き入れるのは単なる「甘やかし」です。子どもの自立を促す「甘え」とは、精神的要求のことを示します。「抱っこして」「話を聞いて」や、先ほど例に出した「お母さんが選んで」もそれに当てはまります。最後に、こうした「甘え」はいつまで受け入れればいいのでしょうか。家庭教育の専門家である田宮由美さんは、「子どもは心が自立していくと、自然に親から離れ、甘えてこなくなる」としたうえで、「強いて時期を言うとすれば、9歳か10歳くらい」と言います。ですが、これはあくまでも目安であり、「子どもが甘えてこなくなるまで、充分甘えさせてよい」のだそうです。***これまで子どもを自立させようとひとりでやらせたり、決めさせたりすることに頑張りすぎていた親御さんは、少し力を抜いてみてもいいのかもしれませんね。そのぶん、子どもの「甘え」に向き合う時間を増やしてみましょう。また、ご紹介した佐々木正美さんは、「親御さんも人に甘えることが必要」と述べています。疲れたときは、家族や友人に愚痴を聞いてもらったり、頼ったりできるといいですね。(参考)こどもまなび☆ラボ|なんでも「自分で決めさせる」親が、子どもを追い詰めているかもしれない理由こどもまなび☆ラボ|子どもが言う「なんとなく……」に、親が「どうして?」と聞いてはいけないわけ。PHPファミリー|子どもにとって「自立」って何?全国大学生活協働組合連合会|大学生協の保障制度Hugkum|【今も心に響く佐々木正美さんの教え】子どもが自立するには「甘え子育て」が必要ですAll About暮らし|子供を自立させる甘えと、ダメにする甘やかしの違い
2020年04月04日マンガ『レッド・ベルベット』の著者・多田由美さんに、作品に込めた思いを聞きました。絵を読み、物語の世界に浸る映画のようなマンガ体験。‘86年にデビューし、現在活躍しているマンガ家にも一目置かれている多田由美さん。現在は大学でマンガを教える側にも回っているのだが、待望の連載である『レッド・ベルベット』は、以前からのファンはもちろん、多田さんのマンガを初めて手に取る人にも、独特の体験を与えてくれるような作品となっている。「古いファンが読んで、作風が全然違うとびっくりするかなと思い、昔と差が出ないようにしたら、暗い話になってしまいました(笑)」登場するのは、アールとランディというふたりの少年。物語は映画の回想シーンのように、ケーキ店を営む幼いアールの母親が急死する場面から始まる。時が過ぎ、高校生になったアールは、母が残したケーキのレシピを集めることに執着し、幼なじみのランディは母の入院費を稼ぐべく、窃盗団と関わりを持つようになり、どんどん深みにハマっていく。「問題を抱えている人を描くのが好きなんです。一生懸命生きようとしているけど困難に立ち向かえず、言い訳をして逃げちゃうような弱い人が、なぜか放っておけないんですよね。アールとランディは、ふたりでようやくひとりの真人間になれるような関係性。どちらも自分のほうが強くて、しっかりしていると思っているのかもしれないですね」お互いのことを思いやるあまり、自分の弱さを見せられないふたりの成長が描かれていくのだが、ぜひとも注目してほしいのが、独特のマンガ体験を可能にしている、その表現力。ナレーションや擬音のような状況説明を極力排し、絵で見せることに重きを置いているのだが、ロサンゼルスという舞台設定も相まって、ノスタルジックなアメリカ映画を観ているような気分に浸ることが。「まず頭に映像が浮かぶので、カメラをコントロールする感覚でカットを考えながら、見たままを描いていくんです。構図はかなり気にしていますね。言葉に関しても語りすぎるとぼやけてしまう気がして、大事なところを目立たせるために、前後をあえて省いたりしています。伝わるかどうかギリギリだなと思いつつ、画力頼みというか、絵で頑張ったらいけるかなと必死に描いてます」物事が思うようにいかないふたりの姿は、見ていて苦しくなってしまうが、やはりそれも物語の醍醐味。「暗い始まりで、暗い途中で、暗い終わりだったら描く意味がないですよ!ただ暗いだけなのは、作品ではないような気がするんですよね」その言葉を信じて、彼らの選択を見守っていこう。多田由美『レッド・ベルベット』2犯行計画に巻き込まれるランディと、母のケーキ店を再開すべく動きだすアールの行く末は……。約15年ぶり、かつ多田さん史上最長の連載作としても話題。講談社1150円©多田由美/講談社ただ・ゆみ1986年『月刊ASUKA』でデビュー。以後短編集を多く手がけ、イラストレーターとしても活躍。現在は神戸芸術工科大学で教鞭をとる。※『anan』2020年3月4日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・兵藤育子(by anan編集部)
2020年02月27日「可愛いチュチュを着て舞台で踊ってみたい」「レオタードを着てバーにつかまってみたい」――このように、華やかなバレエの世界に憧れる子どもは多いことでしょう。しかし、実際に習い始めると、「なかなかトウシューズをはかせてもらえない」「レッスンが厳しくてついていけない」といった壁にぶつかる子もいるかもしれませんね。35年以上バレエ界の第一線で活躍してきた草刈民代氏は、自身のエッセイ本『バレエ漬け』で、「バレエの舞台は華々しいが、ダンサーの日常は地道なことの積み重ねだ」と述べています。憧れの世界の舞台裏には、さまざまな悩みや苦労があることが伺える言葉ですね。では、もしも子どもから「バレエの練習がつらい」「バレエを辞めたい」と言われたら、親はどのように対応すればいいのでしょうか?親ができる声かけや対処法について説明します。子どもが「バレエを辞めたい」と言ったら、まずはこう声かけをバレエに限らず、習い事には練習がつらい時期や辞めたくなる時期があります。小学館の子育てサイト『HugKum』が、子ども(0~10歳ぐらい)に習い事をさせている保護者115人を対象に調査したところ、46.1%と約半数の子が、一度は「習い事を辞めたい」と言ったことがあるとわかりました。習い事が嫌になる時期というのは、ほぼ2人に1人が通る道。では実際に子どもがバレエなどの習い事を辞めたそうにしたら、親はどうしたらいいのでしょう?『子どもの能力を決める 0歳から9歳までの育て方』の著者で、家庭教育の専門家・田宮由美氏は、子どもにまずは次のような声かけをすると良いといいます。■「なぜ、辞めたいの?」と理由を聞く「どうしてバレエのお教室に行きたくないの?」「なぜ、お稽古がつらいの?」など、まずは子どもがバレエの練習がつらいと訴える理由を聞いてあげましょう。バレエの練習がつらい理由が「通うのに時間がかかり体力が持たない」「先生や友だちと合わない」であれば、レッスンの曜日を変えたり、別の教室を探したりすれば解決する可能性があります。「脚が上がらない」といったテクニック的なことであれば、親からも先生に相談することで解決の糸口が見つかるかもしれません。人間関係の悩みを抱えている場合など、時には子ども側にも歩み寄りが必要なこともあるでしょう。しかし、まずは「そうだったのね」と共感することが大切だと田宮氏は言います。そのうえで、どうすれば改善できるのかを親子で考えていくのが理想的です。■「よく頑張っているね」と子どもの努力を認める「こんなに上達したんだね」「ここまでよく頑張ってきたね」など、子どものこれまでの頑張りを認めてあげましょう。たとえバレエが嫌になってしまっても、親から努力を認めてもらい褒められると、子どものやる気が復活することもあると田宮氏は言います。「アン・オー(手のポジション)が指先まできれいね」といったように、具体的に褒めるとよりよいとのこと。そのためには、親もバレエにこれまで以上の関心を持つことが大切ですね。■「発表会まで頑張ってみようか」と目標を話し合う前向きな声かけをしても、子どものバレエを辞めたい意志が強いこともあります。しかし、「イヤなら辞めればいい」というのが当たり前になると、逃げ癖がつきかねません。そこで田宮氏は、辞める前に目標を設定して、それを達成したら辞めるように話し合うといいと言います。バレエなら、「次の発表会まで頑張ろう」といったような目標を決めることができますね。目標達成の過程でスキルが向上すれば、もっと頑張りたいと考え直すこともあり得ます。特に、トウシューズをまだ履いたことがない子どもなら、初めてトウシューズを履くお許しが出たときこそ心境が変化するチャンス。「辞めたい」といくら強く思っていても、考えが変わる可能性はあるのです。これらの声かけは、バレエの習い事に限らず有効です。子どもに習い事を辞めたい様子が見られたら、ぜひ実践してみてください。「上達できないから辞めたい」子には、レッスン外で親がサポートを「バレエがうまくならない」「練習がつまらない」などの理由で子どもがバレエを辞めたがっている様子なら、親が練習のサポートをしたり、バレエのレッスンが好きになれるように働きかけたりすることで、子どもの気持ちは変わるかもしれません。バレエの上達に必要なのは、お稽古場でのレッスンだけではありません。レッスン以外の時間で培った経験が能力を高めたり、バレエへの情熱を強くしたりする可能性があります。お父さん・お母さんがお子さんと一緒にできる、バレエの練習が好きになる対処法を説明しましょう。■読書で集中力を高めるパリ・オペラ座バレエ学校などでバレエ教授法を学んだ千田裕子氏によると、レッスンの悩みで多いのは「コンビネーション(アンシェヌマン)がなかなか覚えられない」「体が思い通りに動かない」「すぐに反応できない」といったことなのだそう。レッスンを重ねてもこれらの悩みが解決されない場合、集中力が足りない可能性があると千田氏はいいます。レッスンのときは、自分の意思で体をきちんと動かそうとしなければ、なかなかじょうずになりません。レッスンに集中できるかできないかが、あなたの上達に大きく影響するのです。(引用元:千田裕子著(2009),『きれいをつくるバレエ習慣』, 新書館.)※太字は筆者が施した頑張って練習しているつもりでも、うまくなったという実感がなければ、モチベーションが下がるのも無理はありませんよね。モチベーションが下がれば、集中力がさらに落ちて悪循環に陥ることも考えられるでしょう。だからこそ、子どもがバレエの練習に集中できるよう、親がサポートする必要があります。そのために千田氏がすすめる身近な方法は読書です。文字や絵など、本から得た情報は脳を刺激し、考える力を高めます。考える力が高まると、レッスン中も「膝がゆるむ癖があるから、腰をまっすぐ伸ばすように意識しよう」といったように、自分で上達に必要なことを考えられるようになり、同じ失敗を繰り返さないようになります。このように、自分で考え、意識して体を動かすことこそが「集中力」であり、それを高めるには読書が有効だと、千田氏は言っているのです。本を読みながら頭の中で情景を思い浮かべると、想像力がつき、バレエの表現力を高めることにもつながるので、一石二鳥ですね。■五感を鍛え、表現力をつけるバレエに必要な表現力を養うには、日常生活で五感(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)を鍛えることも大切です。夜空を見上げる、川のせせらぎに耳をすませる……こうしたことでも子どもの五感は鍛えられると千田氏は言います。たとえば、花に触れて花びらの柔らかさを知っていると、『ジゼル』に出てくる花占いの表現に役立ちます。このように、日常の体験がバレエに役立つこともあるので、練習がつらいときは少し足を止めて、五感を刺激する経験をさせてあげるのもよいでしょう。より実践的なことをしたいなら、「マイム(身体や表情による表現)」の練習が有効です。『白鳥の湖』など有名な作品には長いマイムがあり、言葉に頼らないぶん、より高度な表現力が求められます。名門イングリッシュ・ナショナル・バレエ・スクールでは、友だち同士での「おはよう」のあいさつにもマイムを用いるほど重要視されているそうです。ジャンプや回転と違い自宅でも練習しやすいので、「わたし・あなた」「愛」といった基本的な表現を子どもに見せてもらいましょう。子どもがマイムで何を表現しているのか、どんな感情を込めているのか、お父さん・お母さんが想像してみると、親子で楽しい時間が過ごせそうですね。■バレエの名作を鑑賞し、作品について勉強するバレエ講師の厚木彩氏は、多くの作品を積極的に見て、たくさんの踊りに触れることが大切だといいます。特に、『白鳥の湖』や『眠れる森の美女』『ドン・キホーテ』『ジゼル』といった有名な作品の見どころを知っておくことは、踊るうえでの必須項目とのこと。たとえば『眠れる森の美女』では、オーロラ姫が4人の求婚者からバラの花を受け取りながら踊るローズ・アダージオなどの見どころがあります。これらの作品をスクールの発表会で見るのもいいですが、プロのダンサーが集まるバレエ団の公演で見てほしいと、前出の千田氏は言います。最高の舞台を見ることで、本当のバレエがどんなものか知ることができ、バレエを見る目が養われるためです。また、緊張感あふれるプロの舞台を見てバレエ鑑賞のマナーが身につくと、会場全体の雰囲気を感じられるようになるとのこと。たとえば、演目によっては幕が下りるまで拍手をせず、余韻を楽しむこともあるのだそう。そのようにしてプロの舞台ならではの雰囲気を全身で味わうことは、バレエの上達に役立つだけでなく、バレエへの憧れの気持ちを再燃させることにもつながるでしょう。***華やかそうに見える裏で、地味な練習や悩みも多いバレエの習い事。しかし、親の声かけや対処法によっては、子どもが改めてバレエの良さに気づき、より練習熱心になる可能性があります。もちろん、無理強いはしないように。子どもの様子を見ながら適切に対処してあげてくださいね。ぜひ、親子でバレエの世界と向き合ってみましょう。文/かのえかな(参考)草刈民代著(2006),『バレエ漬け』, 幻冬舎.HugKum|子どもが「習い事を辞めたい」と言ってきたら・・・続けるべき?辞めるべき?対処法は?ママパパに徹底調査!All About|子どもの習い事は無理にでも続けさせた方がいい?ARUHIマガジン|「習い事やめたい! 」と言われたら!? 親がサポートする時のポイント千田裕子著(2009),『きれいをつくるバレエ習慣』, 新書館.ジェーン・ハケット著, 白川直世訳(2008),『Ballerina―バレエのためのステップ・バイ・ステップ・ガイド』, 文園社.厚木彩監修(2017),『ジュニアのための バレエ上達 パーフェクトレッスン』, メイツ出版.
2020年02月22日国連の「世界幸福度報告書」における日本の幸福度は、2017年で51位、2018年は54位、2019年にはさらに4つ順位を下げ58位になってしまったそうです。世界から眺める日本はとても豊かな国ですが、所得水準と幸福度が必ずしも相関しないことは、1970年前後から指摘されているのだとか。そんな背景を踏まえて行なわれたある調査研究では、日本人の幸せに「自己決定」が重要であると示されました。今回は、子どもが幸せになるための「自己決定力」について探ります。所得、学歴よりも「自己決定」が幸福感に強い影響神戸大学社会システムイノベーションセンターの西村和雄特命教授と、同志社大学経済学研究科の八木匡教授は、日本国内の2万人に対するアンケート調査をもとに、次の5つの項目と、幸福感とのかかわり合いを分析したとのこと。所得学歴自己決定健康人間関係ちなみに、3番目にある「自己決定」の評価は、自分の意思で進学や就職(中学→高校への進学、高校→大学への進学、初めての就職)を決めたか否かによって行われました。その結果――健康、人間関係に次いで、「自己決定」が幸福感に強い影響を与えていると明らかになったそうです。つまり、所得や学歴が高いより、「自己決定度」が高いほうが、幸福感が高くなるということ。これを受け、神戸大学社会システムイノベーションセンターは次の見解を述べています。自己決定によって進路を決定した者は、自らの判断で努力することで目的を達成する可能性が高くなり、また、成果に対しても責任と誇りを持ちやすくなることから、達成感や自尊心により幸福感が高まることにつながっていると考えられます。(引用元:国立大学法人 神戸大学 (Kobe University)|所得や学歴より「自己決定」が幸福度を上げる2万人を調査)※太字は編集部が施した国連の世界幸福度報告書では、日本は「人生の選択の自由度が低い」国であると述べられているのだとか。そうしたことからも同センターは、今回の分析結果が注目に値すると述べています。この調査研究からわかるのは、自分の子どもを将来幸せにするためには、ただ勉強して学力をつけさせればいいというわけではなく、「自己決定力」も育んであげるべきだということ。では、「自己決定力」とはどういうものでしょう?児童における「自己決定力」とは?子どもの判断や決断は、ほんの些細なことから始まります。どのおもちゃで遊ぶか、何を買ってもらうか、どの宿題から始めるか……。この些細な決断の繰り返しが、とても重要です。なぜならば、「ほんの些細なことを考える・判断する・決める」ことができなければ、とうてい進路や就職先といった「大きなことを考える・判断する・決める」ことなどできないから。当然「自分の考え」も定まらないでしょう。岩手県立総合教育センターによる「小学校キャリア教育の推進に関する研究(2005年)」では、小学校からのキャリア教育(=自らの生き方を考える力を育む教育)で目指す児童の理想像のなかに「自己の考えを確立できる人間」を挙げています。その理想像に近づくためには、「人生や進路を、主体的に選択できる力を培うこと」が必要なのだそう。進路を自分で決められるということと、自分なりの考えをしっかり深められるということは、表裏一体だということです。玉川大学の大豆生田啓友教授いわく、子どもの「自分で決める力」を育てるためには、「子ども自身が自分で考えて、自分で物事を決める経験」を重ねることが必要。つまり、幼いころから小さな自己決定を重ねていけば、自分の考えを打ち立てられるようにもなるし、ゆくゆくは大きな自己決定も可能になるのです。もしも、その経験が不足したまま成長してしまったら、自分で考えられない、判断もできない、決めることもできない「困った人」になってしまうかもしれません。そんな人では、自分の進路について満足の行く決断を下すことなど、きっとできないでしょう。「自己決定力のある子ども」を育てるためにすべきことでは、我が子を「自分で考え自分で決められる子ども」にするために、親はどんなことをするべきでしょうか。専門家や有識者の言葉を参考にしながら、3つ紹介していきます。1. 小さなことを自分で決めさせる子どもに「自己決定する経験」を積ませるために、「小さな決断の機会」をたくさん用意してあげましょう。就学前~小学4年生の子どもを持つ保護者に向けた、茨城県教育委員会の『子育てアドバイスブッククローバー』によれば、「服を選ぶ」「おもちゃを選ぶ」などの場面は小さな決断に最適だとのこと。その際、子どもの決断が親の考えと多少違っていても、口出しせず見守るようにするといいそうですよ。ちなみに、日本小児学会会長で医学博士の高橋孝雄氏によると、子どもはだいたい2歳になるころには、二者択一できるようになっているそうです。ですから、小さな子どもが着る服で迷っている様子なら、「どれを着る?」ではなく「青のお洋服と黄色のお洋服、どっちがいい?」と聞くようにすることで、決断力が養われるでしょう。子どもがもう少し大きければ、親が判断に役立つ条件を子どもに伝えてあげるといいでしょう。家庭教育の専門家・田宮由美氏いわく、なかなか子どもが決断できない場合、頭の中の決断材料が整理しきれていない可能性があるのだとか。たとえば、「半袖のシャツと長袖のシャツ、どっちを着る?」だけではなく、「今日は少し寒くなるみたいよ」と条件を加えると、子どもは「寒くなるなら長袖にする」と、自分なりに条件をクリアして決断することができます。また、前出の大豆生田教授のアドバイスは、ちょっとした応用編になるかもしれません。単に「どっちの服を選ぶか」ではなく、たとえば、その日の服のコーディネートを考えるその日の気温を自分で考慮し服を選ぶといったことにチャレンジさせるのです。「このスカートに何を合わせる?」「今日の温度はどうかなぁ?」などと言葉をかけ、きっかけを与えてあげましょう。こうした経験を重ねて「自己決定力」が育つと、同時に自信や自己肯定感も育つそうですよ。2. 宿題に手出し口出ししない子どもに「自己決定力」をつけさせたければ、宿題を手伝ってあげるのはやめましょう。元新聞記者で臨床心理士の西脇喜恵子氏は、たとえば夏休みの宿題で子どもが困らないようにと親が先回りしてやってあげるなどしていると、子どもが自分で考えたり感じたりする力を弱めてしまう、と注意を促します。また、社会学者キース・ロビンソン氏とエンジェル・ハリス氏らによれば、小学生時代に親がつきっきりで宿題を手伝っているほど、年齢が上がるにつれ学業成績が低下してしまうのだとか。その理由は、「親が手伝ってくれることに慣れてしまい、自分で考えたり工夫したりする力が培われないため」。子どもを案じるあまりあれこれ手出し口出ししていたら、かえってよくない結果を招いてしまうようです。だからといって、子どもの宿題を全くもって放置していいわけではないと、子育ち研究家の長岡真意子氏はいいます。いつもギリギリまで宿題をしない子どもであれば、常に締め切りの段階で徹夜をするなど、勉強内容が身につかない行動を繰り返しかねないからです。長岡さんいわく、大切なのは宿題を手伝うことではなく、足場づくりをすること。たとえばこうです。【宿題をする理由を伝える】→「なーんだ、そうだったのか」「なるほど」「あ、これ知ってる」が増えて楽しいよ!【宿題の計画を一緒に立てる】→おやつタイムを加味した、宿題スケジュールを一緒に考えてみる【宿題をする環境を整える】→気分を尊重し「今日はどこでやる? このテーブル? それともあっちの机にする?」と聞いてみる【宿題の答えは教えず思考を促す】→たとえば「これをママに説明してみてくれる?」などと、子どもが自ら答えにたどりり着くのを助けるこうした宿題への取り組み方が、「自己決定力」を養うことにつながるのですね。3. 子どもの意見に「どうして?」と尋ねる2019年3月まで筑波大学附属小学校の副校長を務め、卓越した算数指導や教員指導の実績からカリスマ教師とも呼ばれる田中博史氏は、子どもならではの口癖に「どうして?」というものがあるけれど、じつは大人が子どもに向かって発するべき言葉でもあると述べます。いくら子どもに考えさせたいと思っても、「しっかり考えなさい」といくら子どもにいい聞かせたところで、実際に子どもが考えているかどうかはわかりません。しかし、子どもの発言に親が「どうして?」と声をかけることで、より深く考えさせることができるとのこと。たとえばAとBのぬいぐるみがあり、子どもに「どっちが好き?」と聞けば、子どもはAかBかを選ぶはず。あるいはどちらも選ばないかもしれません。いずれにせよ、その時点で子どもはまだ深く考えていないでしょう。そこで親が「どうして?(それを選んだの?)」と聞いてみれば、子どもは「なぜその選択をしたのか」「なぜ選ばなかったのか」と考える機会を得ます。たとえ「好きだから」「嫌いだから」といった単調な答えが返ってきたとしても、「そっかぁ、じゃあ、どんなところが好き(嫌い)?」と聞いてみましょう。こうした「どうして?」の繰り返しが、子どもの「自分で考え、決める力」を伸ばすのです。***「自己決定力」が高ければ幸福感も高まることを背景に、「自己決定力」を育むために親ができることなどを紹介しました。イエール大学で心理学を教えるローリー・サントス教授によると、幸福感は仕事のパフォーマンスや寿命などにも影響するそうです。子どもが幸せになれるよう、小さな決断の機会をたくさん与え、時には「どうして?」と言葉をかけながら、あとはあれこれ手出し口出しせず、やさしく見守ってあげてくださいね。(参考)ハフポスト|「世界幸福度ランキング」2019年版が発表。日本の順位はどうなった?国立大学法人 神戸大学 (Kobe University)|所得や学歴より「自己決定」が幸福度を上げる2万人を調査エキサイトニュース|日本の低い“幸福度”…原因は「選択の自由度」の低さ?現代ビジネス|「夏休みの宿題を全部やってあげる親」が子どもの思考を止めていた茨城県教育委員会|子育てアドバイスブッククローバー前川岳詩(2005),「将来を見つめ自らの生き方を考える力を育てる小学校キャリア教育の推進に関する研究- 進路発達にかかわる諸能力の育成を軸とした特別活動の指導計画を中心として -(第1年次)」,岩手県立総合教育センター.All About|小学生の宿題をつきっきりで手伝うのはNG!自主性を育む親サポートStudyHackerこどもまなび☆ラボ |子どもが着る服、自分で選ぶと「自己肯定感が上がって頭も良くなる」!?StudyHackerこどもまなび☆ラボ |富裕層の家庭はやっている “ある習慣”。「決められない大人」にならないためにStudyHackerこどもまなび☆ラボ |“考える力”を伸ばす、子どもの「どうして?」と親の「どうして?」
2020年02月15日子どもを十分に「甘えさせる」ことは、育児をするうえで重要だと言われていますよね。しかし、子どもを「甘えさせる」のと「甘やかす」のでは、大きく意味が異なります。「甘やかす」ほうに偏ってしまうと、子どもの成長に悪影響を及ぼす可能性もあるのです。今回は、子どもに対する「甘やかし」と「甘えさせ」の違いについて紹介しましょう。「甘やかし」と「甘えさせ」を間違えることのリスク子どもを甘やかすことで、「親からの愛情で満たされてほしい」「自己肯定感を高めてほしい」と考える人は珍しくないでしょう。「子どもをかわいがるゆえに、ついつい甘やかしてしまう」という人もいるかもしれません。しかし、「甘やかし」と「甘えさせ」は意味が違い、子どもに与える影響にも差があります。発達心理学・幼児教育の専門家である東京学芸大学の岩立京子先生によると、子どもを「甘えさせる」ことによって、親子の愛着形成や子どもの自立心が芽生えるきっかけとなり、やがて子どもが家族以外の人との信頼関係を築くことにもつながるそう。一方で、「甘やかしてしまう」と、子どもは自分の要求は何でも応えてもらえると認識してしまい、わがままになってしまいます。いつまでもパパ・ママを頼り、精神的にも社会的にも自立できなくなってしまう恐れも。「甘やかし」と「甘えさせ」の違いでは、実際のところ「甘やかし」と「甘えさせ」は、何が違うのでしょうか?「自己肯定感を高めることの大切さ」を広める活動をしている、一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会によると、「甘やかし」は、大人の都合で子どもに何かを促したり、言うことを聞かせようとしたりすることだそう。「心配だから」「どうせできないだろう」と子どものやることなすことすべてに手を出す、過保護や過干渉と言われるような行動も含まれます。対して「甘えさせ」は、あくまでも子どもが主体となって、子どものペースが守られている状態で、どうしてもできない場合に親がサポートしてあげることだそう。たとえば、「お友だちのおもちゃを貸してほしいと思っているものの、恥ずかしくてうまく言えないときに、親が先回りしてお友だちにおもちゃを貸してもらえるよう頼むのではなく、子どもと一緒に『貸して』とお願いする」といった状態です。同協会によると、親や祖父母にしっかりと甘えさせてもらった子どもは、自己肯定感が高まったり、失敗してもまた頑張ろうと思えたりするそうです。さらに、人に助けを求めたり、自分の弱い部分を見せたりすることもできるようになるとのこと。加えて、人を信じる力も強くなり、相手に対する思いやりも深くなるとか。「甘えさせ」は、子どもが強く生きていくための力や、人間関係を構築するうえでの基礎を育むといえるでしょう。子どもを伸ばす「甘えさせ」3つ子どもを「甘えさせる」ためには、具体的に何をすればいいのでしょうか。家庭でもすぐに取り入れられる方法を3つご紹介しましょう。「体と心のコミュニケーション」を大切にする子どもの心を育む家庭教育の専門家・田宮由美氏によると、子どもが親にスキンシップを求めてきたり、「お話し聞いて」と言ってきたりするのは「精神的要求」であり、「自立に必要な甘え」だそう。もし「いつまでも甘えちゃダメ!」と突き放してしまうと、子どもは「一度お母さん(お父さん)から離れると、もう二度と受け入れてもらえないかもしれない」と不安になり、自立しようとしなくなると言います。子どもがこうした行動をとった際には、十分に時間を確保して、甘えさせてあげましょう。何かを欲しがったときは「約束」で対応する子どもがおもちゃやお菓子を欲しがり、スーパーで泣きわめいてしまう……といった場面は、多くの保護者が経験していることでしょう。周囲に迷惑がかかるし、泣き止んでくれるのなら……と買ってあげたくなってしまう方も多いかもしれません。しかし、「買わないと泣き止まないから」と、すべての物質的要求に応えてしまうのは、子どもに悪影響を及ぼす「甘やかし」でしかありません。田宮氏いわく、こうした状況に陥った場合は「これはお誕生日に買おうね」「お菓子とジュース、両方は買えないから、どちらかひとつだけだよ」と約束するなどして、節度を持って対応することが重要だそうです。断るときは「理由」を話す「弟や妹が生まれたばかり」「親の体調が悪い」といった場合は、「甘えさせ」の時間が十分にとれないこともあるかもしれません。前出の岩立京子先生によると、子どもの「抱っこしてほしい」という要求に応えられない場合は、「お母さん具合が悪いから、少し休んでから抱っこしてあげるね」などとできない理由を説明し、我慢できたらしっかり褒めると良いそう。子どもの気持ちに寄り添いつつも、親が無理しすぎることのないよう、上手に甘えさせていきたいですね。***似ているようでまったく違う「甘やかし」と「甘えさせ」。違いをしっかりと認識して、子どもを十分に甘えさせてあげましょう。文/田口 るい(参考)一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会|子どもを「甘やかす」と「甘えさせる」の違いは?All About|子供を自立させる甘えと、ダメにする甘やかしの違いベネッセ教育情報サイト|「甘え」と「甘やかし」の違いを知って自立心を育てよう!ベネッセ教育情報サイト|自立する子に育てる!幼児の甘えさせ方【前編】甘えとわがままの違いとはベネッセ教育情報サイト|自立する子に育てる!幼児の甘えさせ方【後編】こんな時はどうする?NHKエデュケーショナルすくコム|甘えと甘やかし、どう違う?
2020年01月18日12月10日、東京・コットンクラブで開催される「由美かおる『Jewel Box Live』」のチケットが、10月19日より発売される由美は1966年、NTV『11PM』に西野晧三氏の企画・構成・振付の歌と踊りでプリマドンナとしてデビュー。現在まで歌手・女優として活躍しており、1986年から2010年までの『水戸黄門』シリーズの出演でも知られる。その彼女が今年3月に37年ぶりにリリースした新作アルバムが『Jewel Box』だ。オリジナル新曲4曲にセルフカバー2曲、カラオケ4曲という内容だが、このなかで由美は歌だけにとどまらず、パリで見かけた女性奏者に触発されて練習を再開したというアコーディオンも演奏。この楽器との再会は「音楽への情熱が再度燃え上がる感じ」だったと自身で語っている。コットンクラブでの公演は、この新作を踏襲したステージ。トロンボーン、トランペット、サックス×2という豪華なホーンセクションを率いて、往年の楽曲や新曲『スパドゥパランデブー』を始め、セルフカバー『いたずらっぽい目』『誘惑』、さらに今歌いたいカバー曲として『テネシー・ワルツ』等を歌唱予定だ。由美はこの日アコーディオン奏者としてもデビュー、弾き語りも披露するという。いくつになっても美しく、チャレンジ精神を忘れない由美の貴重なワンマンライブをお見逃しなく。■公演情報「由美かおる『Jewel Box Live』」日時:12月10日(火)1st stage 開場17:00開演18:302nd stage 開場20:00開演21:00場所:丸の内・ライブレストランコットンクラブ由美かおる公式サイト: 購入: 音楽配信:
2019年10月18日小学4年生前後の子どもたちが直面しがちな「10歳の壁」。教育界ではよく知られた言葉なので、聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。劣等感が生じ、自己肯定感が低下する……といったマイナスのイメージの強い「10歳の壁」ですが、保護者がきちんとサポートしてあげれば、「飛躍のチャンス」になり得るものでもあります。今回は、「10歳の壁」にぶつかった子どもたちのための「挑戦する心を育む言葉かけ」をご紹介しましょう。「10歳の壁」とは「10歳の壁」は、「小4の壁」「9歳の壁」とも呼ばれています。9〜10歳頃の子どもが勉強面や心理面で壁にぶつかる現象を指した用語です。文部科学省は、小学校高学年の発達段階の特徴について、以下のように説明しています。9歳以降の小学校高学年の時期には、幼児期を離れ、物事をある程度対象化して認識することができるようになる。対象との間に距離をおいた分析ができるようになり、知的な活動においてもより分化した追求が可能となる。自分のことも客観的にとらえられるようになるが、一方、発達の個人差も顕著になる(いわゆる「9歳の壁」 ) 。身体も大きく成長し、自己肯定感を持ちはじめる時期であるが、反面、発達の個人差も大きく見られることから、自己に対する肯定的な意識を持てず、劣等感を持ちやすくなる時期でもある。(引用元:文部科学省|3.子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題)※太字による強調は編集部が施した引用の通り、9〜10歳頃の子どもたちは、大きな成長を遂げると同時に、自分の能力を客観的にとらえられるようになり、個人差も目立つようになっていきます。そのため、「お友だちは○○が上手にできるけど、自分はできない」などと自分と他者を比較してしまい、劣等感を抱きやすくなるのです。また、学習においてつまずきやすいのもこの時期。たとえば、低学年の頃は「りんごが4個あります。2個食べたら残りはいくつでしょう」といった具体的に状況をイメージできるような問題が中心です。しかし、小4頃からは、「がい数」「角度」といった、実体験に重ねづらく、イメージするのが難しい問題が増えていきます。子育て・教育の専門家の鈴木邦明氏によると、このように、学習内容が大きくレベルアップし、勉強面でつまづく経験が増えることも「10歳の壁」の要因のひとつなのだそう。「10歳の壁」は、悪いものではない一見厄介な存在に思える「10歳の壁」ですが、大きな成長の証であり、飛躍のチャンスでもあります。『子どもの「10歳の壁」とは何か?乗りこえるための発達心理学』の著者である、法政大学教授 渡辺弥生氏は、「自分はなんでもできる」という根拠のない万能感を抱いたままでは、社会にスムーズに適応できないと述べています。自分とお友だちを比較できるようになるからこそ、広い視野で物事をとらえたり、「もっと頑張ろう」と高みを目指したりできると言えるでしょう。また、同氏は、「10歳の壁」について内面が深化する時期とも述べています。たとえば、悲しい事故のニュースを目にして、会ったこともない人の心情に思いを馳せることができるようになったり、自分の内面を客観視して「僕はこういうところが良くないからなおそう」とコントロールできるようになるのがこの時期です。10歳の壁は一概に悪いものとは言えません。親は、子どもの成長をしっかりと見守り、過度に自己肯定感が損なわれないよう、導いてあげることが大切ですね。「10歳の壁」に負けずにチャレンジするための言葉かけでは、具体的にどのような言葉をかけてあげれば、「10歳の壁」に負けることなく飛躍できるでしょうか。子どもの自己肯定感を高め、やる気を引き出す言葉をご紹介します。×NG「何があったの?じゃあこうするべきだよ」○OK「疲れちゃったね。ゆっくり休もうね」お子さんが劣等感や自己否定感で悲しい思いをしているときに、「○○をするべき」と理詰めで教えても、より追い詰めてしまうことになりかねません。大人の目線で解決策を教えたくなる気持ちも分かりますが、気持ちに寄り添った言葉をかけ、お子さんを安心させてあげることが大切です。×NG「お姉ちゃんはいつも満点だったよ」○OK「前より10点も上がったね!」子どもをほかの兄弟やお友だちと比較するのは、子どもの自尊心を傷つけ、自己肯定感を下げることにつながります。家庭教育の専門家である田宮由美氏によると、このような場合には「前より上手になったね」と、過去の自分と比べることが大切だそう。×NG「だからダメだって言ったのに!」○OK「お母さんも小さいとき同じ失敗をしちゃったんだ」東京都市大学人間科学部教授の井戸ゆかり氏によると、「失敗してもいい」(=たとえ何かあっても、お父さんとお母さんのところに行けば大丈夫)という安心感が子どもの挑戦心を高めるのだそう。子どもが失敗してしまったときには、自分の失敗談も話してあげることで、「失敗してもいいんだ」と失敗を恐れずにチャレンジする力が育っていきます。×NG「あなたが悪いよ。○○ちゃんに謝っておいで」○OK「お母さんだったらこうするかもしれないな」お友だちと揉め事があったとき、大人の目線で「あなたが悪いから謝ったほうがいい」と一方的に言うのは子どものためになりません。「こういうときには、謝ったり、話し合ったりすると仲直りできるかもしれないよ」「お母さんだったらこうするかもしれないな」と自分で考えさせる教え方をしましょう。渡辺弥生教授いわく、いじめなどの深刻な場合を除いて、自分で解決する経験をさせ、子どもの伸び代が増えるよう手助けするのが大切だそう。×NG「100点なんてすごい!」○OK「よく頑張ったね!」子どもがテストでいい点をとったときには、「○点なんてすごい!」と言ってしまいがちですが、このように結果だけを褒めるのはNGです。カウンセラーの福田由紀子氏によると、結果ばかりを褒められた子どもは「100点以外意味がない」と感じ、自分を否定するようになってしまうのだとか。結果ではなく、そこに至るまでの頑張りを褒めることで、努力が報われなかったときにも折れない子どもに育つのだそう。***「10歳の壁」は、決して悪いものではありません。親御さんが温かくサポートしてあげれば、成長のチャンスにもなり得るものです。「10歳の壁」を自己肯定感を下げる厄介な壁ととらえず、お子さんが大きく跳躍するための踏み台のようにとらえてみてはいかがでしょう。(参考)文部科学省|3.子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題All About|「10歳の壁」子供がぶつかる勉強の見えない壁への対策3つベネッセ教育情報サイト|「10歳の壁」この時期の子どもの内面に起こる変化や成長とは?【中編】ベネッセ 教育情報サイト|「10歳の壁」子どもを飛躍させるための保護者のサポートとは【後編】All About|子供の自己肯定感を低くする親のNG言動5つと高める方法こどもまなびラボ|「失敗を恐れない力」の育て方。子どもに「挑戦したい!」と思わせる、効果抜群な言葉かけこどもまなびラボ|「10歳の壁」ではなくて「10歳の飛躍」!親が我が子の10歳をもっと面白がるべき理由All About|ほめてるつもりでほめてない?NGな子どものほめ方
2019年08月19日何をするにしても「私には無理……」「こんなのできないよ……」と自信のないそぶりを見せる子どもに、私たち親はどう接していけばいいのでしょうか。「どんなことにもチャレンジして、困難や壁も自分で乗り越えていける力を身につけてほしい」と願う親御さんは特に、そんなお子さんの姿を前に気を揉んだり、もどかしく思ったりしていることでしょう。「自分にはできない」と思ってしまうのは、生まれ持った性格なのでしょうか。それとも、何かきっかけがあったのでしょうか。子どもたちが自信を持てない理由を探りつつ、親が子どもに自信をつけさせるために効果的な方法を3つご紹介します。自信のない子は、こんな経験をしていることがある「やってごらん」と声をかけてみても、お子さんから「そんなのできっこない」と最初から諦めているような言葉を返されたことはありませんか。自信のなさそうな顔をしているわが子を見て、この先を案じてやきもきしてしまう方も多いはず。「やりたくない」というはっきりした拒否の意思表示ではなく、「自信がない」と言う子どもの胸の内には、どのような思いがあるのでしょう。教育評論家の親野智可等さんは、次のような可能性を挙げています。特に親にたくさん叱られたというわけでなくても、生まれつき慎重な性格であるとか、用心深くて心配性であるとか、マイナス思考であるとかの理由で、こういう言葉が多くなっているのかもしれません。または、何でもうまくやりたいという完璧主義的な気持ちが強いのかもしれません。あるいは、自分の不安や緊張を解放するために、つまり一種のストレス発散として言っているのかもしれません。(引用元:ベネッセ教育情報サイト|自分に自信がない子[教えて!親野先生])一方、生まれ持った性格からくる「自信のなさ」ではなく、周りの人たちの態度や言葉で自信をなくすこともあります。たとえば、以下のような言葉かけはNGです。×NG×「やってもいないのに、どうしてできないなんてわかるの?もっと自信を持たないとダメでしょう」→親野氏いわく、このような言葉をかけると、子どもには「自分は、自信のないダメな子なんだ」という意識が残り、否定的な自己イメージができあがってしまうそう。×NG×「泣いたって仕方ないでしょう」→泣いてもどうしようもない場面で泣く子どもに対して歯がゆく思い、ついこんな言葉を言ってしまったことのある人もいるかもしれません。でも、子どもの感情を否定するのはNGです。家庭教育の専門家である田宮由美氏によると、子どもの感情を否定したり、子どもの感情を受け止める前に「こうしたらよかったじゃない」と解決策を言ったりするのは、子どもの自己肯定感を下げてしまうそう。子どもに「正しい自信」をつけさせるコツ何事にも果敢にチャレンジできる「自信」を子どもにつけさせるためには、どのようなことに気をつけたらいいのでしょうか。岡山県で「こどもみらい塾」の塾長を務める楠本佳子さんは、子どもは「正しい自信」を抱くことが大切だと言います。「まず、『正しい自信』とは『自分は何でもできる!』といった自惚れ的なものとは違います。大人もそうですが、私が考える『自信』とは、やる前からムリだと思って諦めるのではなく、何事も失敗を恐れずに取り組む力がある、そういう姿勢でいられるということです。そして、それでもしも失敗したり、100%思い通りの結果にならなかったりしても、次にどうすれば成功できるのか、少しでも完璧に近づけられるのかを考えて、常に挑戦する気持ちを持ち続けられるということが大事なんです」(引用元:マナトピ|子どもに「正しい自信」をつける方法とは?12歳までに「自信ぐせ」をつけよう)つまり、子どもに身につけさせたい「正しい自信」とは、「自分はやれば何だってできる!」という過度な自負ではなく、たとえ失敗したりうまくいかなかったりしても、イメージするゴールに向かって、前向きに取り組む心の強さといえるでしょう。自信をつけさせるには「ひとつずつ確かめる」「できたことを認める」「他人と比べない」子どもに「正しい自信」をつけさせるためには、「自信を持ってやりなさい」と声をかけるだけでは十分とはいえません。これは、裏を返すと「自信がないとできない」と受け止められかねないからです。私たち親が子どもに自信をつけさせるために大切にしたいことは「ひとつずつ確かめる」「できたことを認める」「他人と比べない」の3つです。ここでは、「くり上がりのある筆算ができない」ケースを例にして考えてみましょう。ひとつずつ確かめるまずはお子さんのことをよく知りましょう。「くり上がりのある筆算ができない」のは何が原因なのか、ひとつずつ探っていきます。このとき「どこがわからないの?」と聞くのはNG。いろいろな角度から子どもをよく観察して、1桁のくり上がり足し算はできるか、筆算の書き方や計算の仕方は理解できているか、計算途中でミスをしていないか、文章題から筆算の式が起こせるかなどを一緒に確認していきます。できたことを認めるひとつずつ原因を探っていくと、「ここまでは理解できている」というラインが見つかります。1桁の繰り上がり足し算はミスなくでき、筆算の立て方も分かっているなら、「ここまではわかっているね」と子どもと一緒に確認します。「まったくできない」のではなく「ここまではできているんだ」という感覚が、次のステップを乗り越える自信につながります。15年以上保育業務に携わっている市川由美子氏によると、親に認められることは、子どもにとって「頑張ろう」という自信につながるそう。子どもができていることは、些細なことでも認めるのが大切です。他人と比べないお友だちや兄姉と比べて、「○○ちゃんは、もっと上手なのに」「お兄ちゃんは○歳にはできていたわよ」などと言ってはいけません。「子どものやる気を引き出せれば……」という一心で言っている人もいるかもしれませんが、前出の田宮氏いわく、言われた子どもは比較された相手に比べて自分は劣っていると解釈し、自己肯定感が下がってしまうそう。ただし、過去の自身と比べて「以前よりできるようになった」という実感は、子どもの自信につながります。子どもに成長が見られたら、前と比べてどれくらい成長したか、上達したかを言葉で伝えましょう。この3つに加え、もうひとつ大切なことは「否定的な言葉をぶつけない」ことです。できていないところにばかり目が行ってしまいがちですが、自信をつけさせるためには、否定的な言葉は封印しましょう。***子どものできている部分を認め、励ますことが「正しい自信」につながります。また、親御さん自身も「ここまではできる」「前より上手になった」ことを意識すると、お子さんに声をかけるときに前向きで肯定的な言葉が出やすくなりますよ。(参考)ベネッセ教育情報サイト|自分に自信がない子[教えて!親野先生]ベネッセ教育情報サイト|「自信がない」と言う子どもにかける言葉[やる気を引き出すコーチング]マナトピ|子どもに「正しい自信」をつける方法とは?12歳までに「自信ぐせ」をつけよう家庭学習研究社|自分に自信を持てない日本の子どもたち家庭学習研究社|子どもに自信を植えつける方法~その1~All About|子供の自己肯定感を低くする親のNG言動5つと高める方法ベネッセ教育情報サイト|上手に子どもを褒めて、自信をつけてあげよう!
2019年08月17日