「第11回 LITALICO 教育実践フォーラム 2017」開催!Upload By LITALICOニュース2017年11月18日(土)の13:30より、大阪・梅田の「AP 大阪梅田茶屋町」(D+E+F+Gルーム)にて、発達障害に対する学校教育での合理的配慮をテーマとしたイベント、「教育実践フォーラム」が開催されます。登壇者は、発達障害児への教育支援研究の第一人者である大阪医科大学LDセンター顧問 竹田契一先生、障害児のICT活用等の研究を進める関西学院大学教育学部教授 丹羽登先生、障害や不適応状態について「環境」と「個人」両方向からの心理的支援や教育を研究する鳥取大学大学院の井上雅彦教授ほか、小中学校・高校の教員、児童・生徒の保護者の方々。「障害のない社会をつくる」をビジョンに、児童発達支援事業や就労支援事業などを展開する株式会社LITALICOが主催し、教育を取り巻く課題と実践、未来の展望を考える「教育実践フォーラム」。2012年の初回企画から数えて、今回で11回目の開催となります。11回目のテーマは「合理的配慮」。どんな人々も個性を尊重され、過ごしやすい世の中になれば理想ですが、特定の個性や心身の症状を持っている人にとって生きづらい状況がまだまだ残っているのが現状です。たとえ障害のある方であっても、一人ひとりの困りごとや状況に応じた適切な配慮を受けることで、自分の力をより発揮しやすくなり、日常生活や社会生活を営むことが出来るようになる、という考えのもと進められているのが、「合理的配慮」です。今回は、専門家・現場の教員・保護者それぞれの立場から合理的配慮のあり方について考えていきます。第11回教育実践フォーラム専門家と保護者、それぞれの立場から語る教育現場の合理的配慮2016年4月に施行された「障害者差別解消法」(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)により、公立学校の教育現場でも合理的配慮が義務化されました。発達障害のある子どもにとって、学校生活における困りごととして、授業やテスト、成績評価、行事、さらには食事や排泄、友だちとの関わりなど、さまざまな場面が想定されます。フォーラムの基調講演では、発達障害に対する教育現場での合理的配慮に関して、発達障害児への教育支援研究の第一人者として長年ご活躍される竹田契一先生のお話を伺います。講師:大阪医科大学LDセンター 顧問 竹田契一先生Upload By LITALICOニュース竹田契一大阪医科大学LDセンター顧問、大阪教育大学名誉教授、一般財団法人特別支援教育士資格認定協会理事長。専門は発達障害児(LD・ADHD・高機能広汎性発達障害)への教育的支援など。主な著書は「高機能広汎性発達障害の教育的支援」(明治図書)他、多数。基調講演のあとは、障害児のICT活用について研究を重ねられている丹羽先生からお話を伺います。社会の情報化が急速に展開している中、授業の双方向性を高め、児童生徒の主体性・意欲・関心や知識・理解を高める効果があるとして、学校教育におけるICT活用が注目されています。指導内容や指導方法を変更・調整することが合理的配慮の1つとして求められていますが、お子さんによっては、タブレット端末等のICTの活用が効果的なことがあり、積極的な活用が望まれています。丹羽先生の講演では、教育現場での合理的配慮の手段としてのICT活用について考えていきます。講師:関西学院大学 教育学部 教授 丹羽登先生Upload By LITALICOニュース丹羽登特別支援学級や特別支援学校の教員として重度障害児教育に携わる傍ら障害児のICT活用等の研究活動を進める。文部科学省初等中等教育局特別支援教育課特別支援教育調査官を経て、関西学院大学教育学部教授。病弱教育や障害児のICT活用に関する著書・論文多数。最後に、専門家・保護者等それぞれの立場から教育現場の合理的配慮の実際と課題について語るパネルディスカッションです。コーディネーター: 鳥取大学大学院教授井上雅彦Upload By LITALICOニュース井上雅彦鳥取大学大学院 教授/LITALICO研究所所長(アドバイザー)応用行動分析学を理論的基盤として障害や不適応状態について「環境」と「個人」両方向からの心理的支援や教育を研究。ペアレントトレーニングシステムなどの支援プログラムの開発をはじめ、著書も多数。合理的配慮の導入を円滑にするためには、学校や本人・保護者が合理的配慮実現のための流れやしくみを共通理解し、コミュニケーションを密にすることが鍵となります。現場の教員の方々をパネリストに招き、保護者の方々にコメンテーターをしていただきながら、今現場で必要とされることについて考えていきたいと思います。第11回教育実践フォーラム詳細開催日時:11月18日(土) 13:30~18:45(受付開始 13:00)(教材等自由閲覧時間18:45~19:45)定員:240名参加費:無料(事前申込制)対象:小学校~高等学校、幼稚園、保育施設の職員、スクールカウンセラーなど子どもの教育や医療・福祉・行政機関など子どもの支援に関わられている方会場:AP 大阪梅田茶屋町 D+E+F+Gルーム(大阪府大阪市北区茶屋町1-27ABC-MART梅田ビル8F)アクセス:JR「大阪駅」御堂筋北口より徒歩約3分阪急電車「梅田駅」2F中央改札口より徒歩約1分地下鉄御堂筋線「梅田駅」北改札より徒歩約3分地下鉄谷町線「東梅田駅」北東改札・北西改札より徒歩約5分阪神電車「梅田駅」東改札口より徒歩約5分お申込み締切:2017年11月17日(金)13:00お問い合わせ:03-5704-7361(地域教育相談室 岡野)※お申込みは下部ボタンのお申込みフォームよりお願いいたします。主催:株式会社LITALICO(LITALICOジュニア)12:00~発達ナビ活用セミナー〈希望者のみ〉(50分)13:00~受付開始13:30~開会挨拶(30分)株式会社LITALICO執行役員 野口晃菜14:00~基調講演(60分)【講師】大阪医科大学LDセンター 顧問 竹田契一先生15:00~質疑応答&休憩(15分)15:15~講演(60分)【講師】関西学院大学 教育学部 教授 丹羽登先生16:15~質疑応答&休憩(10分)16:25~パネルディスカッション(120分)【コーディネーター】井上雅彦先生【パネリスト】小中学校・高校の教員など数名【コメンテーター】丹羽登先生、児童・生徒の保護者さま18:25~質疑応答、インフォメーション、閉会挨拶(20分)18:45~パネル展示・教材自由閲覧・発達ナビ活用セミナー〈希望者のみ〉(60分)19:45終了学校や幼稚園、保育園の先生やカウンセラーの方々、子どもの発達が気になる保護者様はじめ、学校教育における「合理的配慮」に関心のある方々はどなたでもご参加いただけます。たくさんの方のご来場をお待ちしております!
2017年10月06日こんにちは。コラムニストの鈴木かつよしです。義務教育で何年間も英語を学ぶのに、日本人ほど英語が身につかない国民は他に例がないといわれます。しかし、仕事で否応なしに英語を使う必要性に迫られれば誰でも英語ができるようになることを考えると、ビジネスマンたちがどんな方法で英語を習得しているかを参考にすることには意味があるように思えます。ここでは、「ビジネス英語を習得する」ということではなく、「ビジネスの世界で使われてきた知恵を応用して英語が苦手なお子さんでも社会生活の場で実際に英語が使えるようになる」ための方法をご提案させていただきます。キーワードは“映画”と“歌”です。●英語が苦手な人でも英語を習得する方法1:英語圏の映画をとことん観るこれから紹介させていただく英語を習得する方法“その1”は、「英語圏の映画をとことん観る」という方法です。みなさんも“都市伝説”として聞かれたことがあるかもしれませんが、日本の総合商社では英語圏への海外赴任が決まると赴任前の3か月は「通常の仕事はしなくていいから英語の映画を一日中観てきなさい 」と上司から命令されるというお話があります。もちろん、それで“ビジネス英語”が習得できるほど甘くないのが現実で、映画を観ることの他にも体系だったその企業特有の英語教育プログラムが盛りだくさんに用意されています。ただ、英語圏の映画を観ることによって、実際の社会で行われているやりとりや言い回しがかなり身につくということは、筆者の経験からいっても事実です。筆者は1980年代の中ごろ英国の芳香雑貨商品の輸入業を始めるための準備を兼ねて、まだ正式な修士課程になる前の早稲田大学ビジネススクール(WBS)という学校に通っていた時期がありました。その学校には大手のゼネコンや広告代理店、各分野の専門商社、銀行・保険会社などなど日本を代表するような大企業から優秀な人たちが企業派遣の形で学びに来ていました。いずれ英語圏の国々に赴任する可能性が高い彼らにWBSの英語教師陣が言っていたことは、『いざ赴任が決まれば各企業でその業種・業態に応じた専門的な英語教育がある。今はとにかく英語圏で暮らす普通の人たちと不自由なくコミュニケーションできるようになっておくこと。そのためには英語の映画を飽きるほど観るのが一番いい 』ということでした。その教えを筆者自身は信じて実践し、おかげさまでその後商事会社を経営するようになってから仕入れに訪れた英国や米国、カナダといった国々では、WBSの学生時代とその後のおよそ10年間にむさぼり観た映画で覚えた言い回しがずい分と役に立ったという実感があります。それでは筆者が何度も何度も繰り返し観て劇中の台詞のほとんどを覚えてしまった、おススメの映画を3つご紹介しましょう。【バック・トゥ・ザ・フューチャー(Back to the Future)】1985年公開のアメリカ映画。全編を通して使われている英語に“クセ”がないため、一般的な英語の言い回しを身につけるにはおススメの映画です。【フォレスト・ガンプ/一期一会(Forrest Gump)】1994年公開のアメリカ映画。主人公のフォレストに知的障がいがあるということもあってゆっくりとした英語で話してくれるため、とても勉強になります。【追憶(The Way We Were)】1973年公開のアメリカ映画。マツコ・デラックスさんもこよなく愛するという切ないラブストーリー。「Never.」とか「I can’t.」といったシンプルな表現がいかに使えるかを教えてくれます。●英語が苦手な人でも英語が使えるようになる方法2:英語圏の歌をとことん聴く英語の習得方法“その2”。それは、「英語圏の歌をとことん聴く」という方法です。今から40年ほど前、筆者が高校生のときでした。林育男さんという塾で英語を教えている英語講師の方が『ビートルズで英語を学ぼう』という本を出版されました。ビートルズの楽曲から168曲を選んでその歌詞を文法的に解説するとともに英語独特の言い回しについて教えてくれる本で、当時「寝ても覚めてもビートルズ」で学校にもギターを抱えて通っていた筆者はこの本をそれこそボロボロになるまで読みました。それまで歌詞カードを読んでも今一つその曲の本当の意味がわからずにモヤモヤしていた筆者は、林さんの説明を読むことによって英語の歌詞の理解を格段に深めることができました。文法的なことよりも英語独特の言い回しについての解説が特に役立ったように思います。これによってビートルズの主だった楽曲のほとんどを英語で歌えるようになった筆者ではありましたが、筆者が横着して書物で得たような英語の言い回しに関する知識は、インターネットがある今の時代であれば「もっと深く意味を知りたい英語の楽曲」がありさえすれば、自分で調べてどんどん自分のものにすることがより容易に可能であろうかと思います。こうなってくると今度はビートルズ以外の英語の歌も、好きな曲でさえあれば何度か聴けば意味がわかるようになりました。カーペンターズもクイーンもビリー・ジョエルもボストンもスティーヴィー・ワンダーも、何を歌っているのかが理解できるようになり、特に好きな楽曲は何度も聴くことによってやはり歌えるようになったのです。英語を学ぶのに、自分が大好きな英語圏の歌手の歌をとことん聴き歌う ことは他のどんな方法よりも有効です。これは大手の総合商社に勤めていて、商社マン生活の大半をアメリカやオーストラリアといった英語圏で過ごした筆者の学生時代の親友から聞いた話ですが、やはり実際に現地に赴く3か月ほど前からは、専門的なビジネス用の英語教育プログラムの他には“カラオケで英語の歌を歌いまくる ”ことで『とにかく、英語に慣れ、親しむようにした』(50代・男性/会社相談役)ということです。----------いかがでしたでしょうか。今回のお話は、英語の成績が抜群でTOEICのスコアも高いお子さんには特に読んでいただく必要はございません。ただ、どちらかというと英語は苦手なのだけれど海外の映画や音楽は大好きなため、英語ができるようになったらもっと楽しいだろうなあと感じているようなお子さんには、ぜひパパ・ママのほうから読ませてさしあげてください。一つの参考にはなろうかと存じます。【参考文献】・『ビートルズで英語を学ぼう―168曲を楽しみながらバッチリ,マスター!!』林育男・著●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)●モデル/倉本麻貴(和くん)
2017年07月25日「シュタイナー教育」をご存知ですか?お子さんに少しでもいい環境を与えたいと願い、さまざまな教育論を調べたことがあるママなら、一度はその名を目にしたことがあるかもしれませんね。シュタイナー教育とは、オーストリアの思想家ルドルフ・シュタイナーが20世紀始めに提唱した教育方法です。7歳までの子どもたちは夢の中にいるようなものだとして、音楽や絵画など感性に訴えるアプローチで接することを掲げています。音楽のリズムに合わせて動く「オイリュトミー」というダンス、「にじみ絵」と呼ばれる独特の水彩画法が特徴です。今回は、都内のシュタイナー系幼稚園で働くG先生(50代女性/幼稚園教諭)から、自宅でできる「ゆるシュタイナー教育法」を聞いてきました。●(1)刺激は「子どもが欲してから与える」シュタイナー教育と聞いて最初に思い浮かぶのが「テレビを見せない」ということ。音や光の出るオモチャ、テレビゲームなんてもってのほか。遊ぶ道具は、石、木、布、羊毛といった自然素材だけなんですよね。でも、子育てママならそのハードルの高さはわかるはず。どうしたらいいのでしょうか?『子どもが求めてくる前に、親が先回りして強い刺激を与えてしまうことを避けてみてください 。テレビは、子どもが積極的に見たがっていないなら、あえて見せる必要はありません。プラスチック製のおもちゃも同じ。最初に与える遊び道具は、自然素材のもので十分です。でも、よそで見かけたり、他の子が持っていたりして、お子さん自身が興味を持ったなら、少しずつ与えてもいいと思いますよ』そうはいっても、家事をやっているあいだに子どもがテレビを見ていると助かるんですよね。夕方の幼児番組、「ほら!もうすぐ○○が始まるよ!ママ忙しいから、観てて〜!」なんて率先して付けちゃってましたが……それすらNGなんでしょうか?『そのあたりは、ママの裁量でいいと思いますよ。無理をしてまでノーテレビ育児にこだわり続けることはありません。ただ、7歳までは体のリズムを作る時期です。生活リズムをテレビに支配されないようにするのが大切ですね。大人がテレビなしの生活をしてみせるのも、時には必要です』なるほど。ということは、大人が観たい番組があるときは、録画をして子どもが寝たあとに楽しむのがよさそうですね。●(2)生活リズムづくりは「ゆるやかに」がコツシュタイナーの教えでは、毎日の生活リズムを作ることも重要視されています。決まった生活リズムを繰り返していくことが、子どもたちの心の調和と安定につながると考えられているからです。『家庭でも、ぜひ規則正しい生活を送っていきたいですね。まずは一日のスケジュールを組んであげましょう。ある程度大きなお子さんなら、親子で相談しながらスケジュール決めをするといいでしょう』でも先生、子どもってこっちの希望通りに動いてくれませんよね。うちの子はいつもノロノロしていて、スケジュールなんか決めても絶対守れません。守れないことでカリカリしてしまう自分も目に見えてますが、どうしたらいいですか?『細かく時間を定めてしまうと後がつらいので、最初は起きる時刻・寝る時刻・食事の時間帯をゆるく決めるくらいでOKです。「○時」ときっかり決めるより、30分程度の幅がある「時間帯」でスケジューリングしていく のがおすすめですよ。また、スケジュールを守れなかったときにお互いを罰しないことも重要です。お子さんの様子や発達段階を見極めながら、無理のないスケジューリングに組み直していきましょうね』●(3)子どもに「遊びを教えない」勇気を!シュタイナー教育で忘れてはいけないのが、オイリュトミーやにじみ絵などの独特な遊び方。これらは子どもたちの感性を伸ばすためのアプローチ法ですが、家庭で取り入れるにはどうしたらいいでしょうか。『子どもの遊び方に自由を与えてあげましょう 。最近のママたちを見ていると、やり方が決まっているオモチャを与え、子どもが考える間もなく「ほら、これはこうやって遊ぶのよ」と教えてしまっている方が多いんですよね。中には「その遊び方は間違ってる」とお子さんを叱っている姿も。これでは、子どもたちの感性は育ちようがありません。何に興味を持ち、それをどうするかはお子さんに全て任せてあげましょう。口出ししないことは、ママたちにはちょっと勇気がいるかもしれません。でも、グッとこらえて見守っていると、子どもの思わぬ発想にこちらが驚かされることもよくありますよ』つまり、オイリュトミーなど有名な方法論を知って、その形だけをなぞっても意味がないということですね。そういった各方法論の裏側にある理念をよく理解し、無理のない形で実践していくことこそが重要なのでしょう。----------いかがでしたか?今回G先生に伺った「ゆるシュタイナー教育法」は、特別で特殊な子育て方法ではありませんでした。むしろ、わが国の昔ながらの子育てに通じるところが多くあったように感じます。生活に無理のない範囲で取り入れていくと、子どもたちの豊かな成長と自立を促すことができるのではないでしょうか。●文/パピマミ編集部●モデル/貴子(優くん、綾ちゃん)
2017年06月30日スキンケアって、毎日なんとなく行っているけれども全く高揚感のない、ただの義務的な作業になってはいませんか?そんなスキンケアを、もっと愉しい体感に変える。新「DEW」が、「”キレイを楽しむ”を応援する会社」カネボウ化粧品より今年10月に誕生します。現代の女性は、忙しい毎日の中でも自分らしい喜びや愉しみが必要であるスキンケアにも喜びや愉しさ、気分の向上を今を生きる女性は忙しいもの。ですが、そんな毎日の中でも自分らしい”喜び”や”愉しみ”を求める傾向にあります。そして、日々の中からワクワクを求めるライフスタイルと価値観はEffortless(肩の力を抜いて頑張りすぎない)・pleasure (自分を高揚させるもの)。女性たちは、当然スキンケアにも、効果効能のみでなく、肌の触り心地の良さや感触、お手入れの愉しさや気分の向上を求めています。そんな女性たちのために、「義務的なスキンケア」から「愉しむスキンケア」へ、スキンケアを特別な体験に変える、新しい提案を新「DEW」はしてくれました。喜びや愉しみに敏感な”美しむひと。”へ美しむひと。とは、古語で「うつくしむ」 = 美しむ = 慈しむ・愛しむ自分のリズムで愉しみながら、自らを育み、美しむ。頭で理解する成分や効能だけでなく、お手入れ本来の感性的な愉しみと確かな手ごたえを感じ取る、麗しさがある人のことです。忙しさに流されることなく日常の小さな幸せにも気づく感性を持ち、家族や友人、仲間、周りのすべての人を大切にする。そして同じように、自分自身とも大切に向き合っている。肌を愛し、慈しみ、美しさを育んでいく。そんなやわらかな光を纏うような人。それが「美しむ人」。スキンケアを美しむ体験に変える。-Beautiful time experience-ビューティフル・タイム・エクスペリエンススキンケアというプロセスを、もっと愉しい体験に変える2017年10月16日新DEW誕生DEWとは滴のこと。美しい肌へと導く滴は「美滴」。カネボウ化粧品のヒアルロン酸研究と、五感に段階的にアプローチする五感設計が融合し、うるおって、肌に触れたときに、指を跳ね返すような弾力感と、みっちりとしたハリ、指がすべるようななめらかさのある肌「ハリ蜜肌」へと導いてくれるスキンケアブランドです。やわらかもっちりハリ密肌を目指す「DEW」と、ピンと弾力のあるハリ密肌を目指す「DEW スペリア」の2ラインで構成されています。「DEW」「DEWスペリア」中心商品「美滴化粧水」(「DEWローション」、「DEWスペリアローションコンセントレート」)中心商品となる化粧水は「とろける美滴化粧水」。ハリ密肌へ導いてくれるのみでなく、化粧水なのにまるでスイーツを食べている気分のような満足感で心までも満たしてきれます。美しい滴<美滴>が織りなる美の連鎖をイメージさせるデザイン、とろみのある高級感を感じるテクスチャー、トップノート・ミドルノート・ラストノートまで3段階で香るグリーンフローラルの香り、肌の喜び、これらに愉しみが溢れています。上質な”とろみ”の実現「効果効能のみでなく、肌の触り心地の良さや感触、気分の向上」をスキンケアに求めている女性たち。そこで、新DEWは、ハリ・うるおいのみでなく、気分まで満たされる感触である”とろみ”にこだわっています。“とろみ”は、肌に弾力やハリが出てうるおいが長続きしそう、高級感がある、気分まで満たされそうなどのポジティブなイメージがある一方で、使用後のベタつきや肌への浸透力にマイナスイメージを持っている方がいらっしゃるのも事実です。そこで、”とろみ”がありながらも肌へ浸透し、しっとりするのにベタつきにくい、そんな「高浸透ハリ実感とろみ技術」をDEWでは実現しました。新イメージモデル・松下奈緒さんブランドの世界感を伝えるイメージモデルは、女優・ピアニスト・作曲家として活躍する松下奈緒さん。「美しむ人」にぴったりの女性ですよね。すでに新DEWを使っているという松下さん。「ピンクのボトルがかわいい」とデザインもお気に入りのようです。気になる使用感については、「手に取るととろみがあるが、肌にのせると馴染む。ぜひ女性に使って欲しい。」とのこと。松下さんの透けるような美肌に近づくために、ぜひこちらでお手入れしたいと、会場の全女性が感じたに違いありません。最後に松下さんは、「女性にとってスキンケアは大切な時間で、DEWを使うことは自分へのご褒美。これからみんなと一緒に愛用し、綺麗になっていきたい。」と力強いメッセージを下さいました。これまで義務感のようになっていたスキンケアの時間を、新DEWを使い、自分自身と向き合うご褒美の時間へ、そして、未来への期待感へと変えていきませんか?どんなに忙しい毎日の中でもちょっとした”喜び”や”愉しみ”を求めている全ての女性たちへ。スキンケアも美しむ体感へと変えていく。それがDEWからの新しい提案です。「DEW」「DEWスペリア」商品概要2017年10月16日発売※金額は全て税抜(編集部調べ)となります。DEWローションさっぱり・しっとり・とてもしっとり6種150ml 3,500円/レフィル 150ml 3,300円DEWエマルジョンさっぱり・しっとり・とてもしっとり6種100ml 3,800/レフィル 100ml 3,600円DEWクリーム 2種30g 5,000円/レフィル 30g 4,600円DEWクレンジングクリーム1種125g 2,500円DEWクレンジングオイル1種150ml 2,500円DEWクリームソープ1種125g 2,500円DEWスペリアローションコンセントレートさっぱり・しっとり・とてもしっとり6種150ml 7,000円/レフィル 150ml 6,700円DEWスペリアエマルジョンコンセントレートさっぱり・しっとり・とてもしっとり6種100ml 8,000円/レフィル 100ml 7,700円DEWスペリアリフトコンセントレートクリーム2種30g 10,000円/レフィル 30g 9,500円DEWスペリアクリアコンセントレートクリーム2種100ml 5,000円/レフィル 100ml 4,700円
2017年06月28日小学校教育に新たな波がおとずれます。2020年より英語学習を前倒しする「早期化」と、5年生からの英語教育が成績のつく科目としての「教科化」がスタートすることになりました。英語が必要な時代が来ているとはいえ、この2点について親たちはどう考えているのでしょうか?Q.小学校の英語教育「早期化」「教科化」、どう思う?1.賛成 72.6%2.反対 7.2%3.わからない・どちらともいえない 20.2%小学校の英語教育「早期化」「教科化」に賛成という声が72.6%と大多数という結果になりました。グローバル社会で活躍する人材を育成するためには英語は必須と考える親が多くいるようです。■日常会話くらいは英語で話せる人に日本にもどんどん外国人が来るようになりますし、これから大人になるまでに海外に行くこともあると思います。そんなときにも日常会話くらいは英語で話せるようになってほしいというのが親の希望。そのための教育なのであれば賛成という声が多数です。「世界的に必要なこと。他国は母国語と英語、両方教えるのが普通」(東京都 40代女性)「日本語的英語ではなく、英会話力を伸ばしてほしいと思っています。聞き取った英語を素直に口に出せるようになったら最高だと思います」(佐賀県 40代女性)「英語に早くから親しむという点ではいいと思います。ネイティブの先生と英会話を経験する授業なら、導入としてはいいかもしれませんね」(千葉県 50代女性)■日本人なのだから英語よりもまずは国語反対派の多数の意見は、英語教育の前に日本語教育を学ぶべきというもの。美しい日本語や漢字などをしっかり学んでから英語を学んでも遅くはないという声や、学校の教員の英語レベルが気になるという声もありました。「単純に教科が増えるとすれば、他の教科がおろそかになる。PCやタブレットを使うために漢字の読み書きができない子が増えている。英語に力を入れるまえにもっとやらなければいけない課題がある」(静岡県 40代男性)「それ以前に日本人として正しい日本語を身につけさせることの方が重要なのではないかと思うのは私だけでしょうか?」(神奈川県 50代女性)■英語の早期教育のメリットとは音や発音は小さいうちにやったほうが効率的であることはすでにわかっています。苦手意識を持つまえに、自然と英語に触れて、話すことで英語力がついていくのが理想的。それが果たして小学校教育でできるのかが問題のようです。「英語教育は早ければ早いほど、国語と同じように自然に覚えられる利点があります。しかし、小学校教員の英語力には課題があるのが現状。映像やタブレット端末などを使用して、小学生のうちに日常会話には困らないようになってほしいです」(神奈川県 40代女性)Q.小学校の英語教育「早期化」「教科化」、どう思う?アンケート回答数:6408件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2017年06月06日安倍政権になって、最初に始めた議論は、大学入試改革、道徳や英語の教科化、そして幼児教育の無償化でした。幼児教育の無償化は、幼児期の義務教育化が期待されていましたが、現在は財源の関係で、年収要件を付けた経済的支援という形になっています。教育というよりは子育て支援の一つと考えた方が正しいでしょう。最近になって、「教育の無償化」として、高校や大学まで、希望する人すべてが進学できるように、義務教育の後も無償化すべきという意見も聞かれるようになりました。ただ、幼児教育を無償化する財源の8000億円ですらなかったのですから、全ての教育を無償化するために必要な5兆円を国が配分するとは思えず、これはあまり期待しない方がよいと思います。そして、子どもに習わせたいお稽古ごとの上位に入る「英語」。これは、3年後に5、6年生で教科化されることになりました。教科になるというのは、成績もつくということです。そなると、「中学受験でも英語が必要?」と不安になりますよね。これは基本的に受け入れる側の中学の判断になりますから、これからは中学受験のための英語を勉強しなくてはならないこともあるかもしれません。ただ、大学受験のための英語がそうであるように、「受験のための英語」を学ぶことは、将来、実践としてはほとんど役に立ちませんから、本当に必要なことなのかどうか、学校側も、また親もしっかりと判断することが必要です。また、今5、6年生が「外国語活動」として行っているものを、3,4年生に前倒しします。つまり早期に始めることで、より「使える英語」にするということを目指しています。道徳の教科化については、いじめ問題への対応として始まったものでした。これも英語と同じタイミングで教科になり、やはり成績もつくようになります。とはいえ、なかなか数値での評価は難しいので、記述式での評価になる予定。今、道徳の授業といえば、年間35時間は教えることになっているものの、運動会などの練習に振り替えられたり、お話を読んで考えるという授業方法から、国語との違いがわからないなど、真剣に取り扱われていない実態があります。教科にすることによって、物事の善悪を考えたり、思いやりの心を育てたりなどいう本来の道徳の教育がきちんと行われるようになることが、期待されています。大学入試は、4年後に大学生になる今の中学2年生が受験をするときから、新しい制度になる予定です。数年間の試行期間を経て、本格的に変わるのは、そのあとになるので、今の段階では、まだまだどうなるのか不透明。でも方向性としては、1回きりの試験から、通年で機会がある、マークシートだけでなく記述問題も出るなど、少しずつ固まりつつあります。講義式の一方通行の授業から、自分たちで課題を見つけ考える「アクティブラーニング」、コンピューターに早くから慣れ親しむためのICT教育など、小学校では3年後、中学校では4年後の本格実施に向け、今、様々な準備が進められています。ちょうど、子供がこの時期に差し掛かるという世代が多いみなさんにとっては、不安もことさら大きいことでしょう。今の教育も、ましてや自分たちが受けてきた教育は、全く参考にならないのではとも思ってしまいますね。親として、こんなにたくさんある変化を、どう受け止めればよいのか。私は、まず親が、自分の子どもが生きていく将来の社会の姿を、一生懸命想像し、考えることだと思っています。科学の進歩は目覚ましく、今、小学生の子どもたちが将来就く仕事の6割は、今ない職業だとも言われています。今の小学生が社会人になるのは、あと10年ちょっとのことです。進歩や変化は早いので、なかなか想像するもの難しいと思いますが、とにかく頑張って、一生懸命考えるのです。そしてその将来の社会で、どんな能力が必要になるのか、それをさかのぼって考えていくことで、今、子供に必要な教育も見えてくるはずです。また一方で、社会がどう変わろうとも、「人」として必要なことは、どの時代も大きく変わるものではありません。例えば、人の気持ちを考えることができる、約束を守るなど人間としての基本は普遍的なものです。親としての責任は、子どもの将来に責任を持つことができるかということに尽きると私は思っています。今、親である自分自身が持っている最大の力を尽くして、一生懸命考え、想像し、責任を持って子供たちを、将来へ導いていきましょう。春は別れと出会いの季節。進級や進学を控える子どもにとっては、一年間の締めくくりです。それを見守る親としても、なかなか感慨深い日々が続きます。新しい環境のスタートである4月の新学期よりも、親にとっては、「3学期の終わり」にこそ、子どもの成長を実感するように思うのです。そして私自身も、今年、小学校を卒業する子どもに、成長への感慨深さと共に、何だか整理できない寂しさも感じています。ランドセル姿を見るのもあと10日。そんな進学や進級を控えた「別れと出会いの季節」に、これからの子どもたちの教育や、生きていく社会はどのようになるのかを、改めて考えてみるのもいい機会です。
2017年03月10日社会的にも省エネ化がうたわれるようになり、家づくりのテーマのひとつとしても省エネが掲げられるようになりました。その中でしばしば聞かれるのが「省エネ基準義務化」という言葉。一体どのような義務で、住宅や生活はどのように変わるのでしょうか。詳しく見てみましょう。■省エネ基準義務化への対応2015年から、現代の住宅における「省エネルギー性」に関する基準が設けられ、省エネが義務化することが決定しました。法案の名称は「建築物の省エネルギー性能の向上に関する法律案」というものです。日本の省エネルギー基準は、当初「新省エネルギー基準」というものが設けられ、そこから「次世代省エネルギー基準」「改正省エネルギー基準」へと強化され、東日本大震災後の2013年、新たに「改正省エネルギー基準」というものに改正されました。そして、これまでは基準でしかなかった省エネルギー基準が2020年にはすべての新築住宅を対象に義務化することが求められるようになりました。つまり、国が定めた省エネルギー基準に則った家でないと建てられないことになっているのです。これまでの住宅では、石油やガスなどのエネルギーが多用されていましたが、国内におけるこれらのエネルギーの自給率はわずか4〜5%。そのため国としては少しでも住宅での消費エネルギー量を減らしたいと考えているのです。また、義務化されることで温室効果ガスの排出量の削減も狙えるため、こうした目的も考えられるでしょう。突如起こったことのようにも思えますが、海外ではすでに省エネ基準の義務化は進んでいて、アメリカ、イギリス、ドイツ、韓国などでは数十年前から適合義務がありました。冬に暖房が必要になる国でありながら無断熱が許されていたという日本の状況は、世界から見ても遅れた状態にあったのです。また、日本で特に弱点だったのが窓の性能。窓の断熱性能は「熱貫流率」が低いほど高性能と言われますが、日本ではこの数値が4を超えるアルミ複層ガラスを用いている住宅が多く見られます。実は窓は、暑さ、寒さの原因と言われるほどに重要なもので、ドイツでは数値が1.3を超えるものは使用禁止となっています。こうした点を考慮すると、これまでの日本は他国に比べると基準が低いと言わざるを得ない状況だったのです。■改正省エネルギー基準は前の基準とどこが違う?改正省エネルギー基準の義務化が重要であることはわかりましたが、省エネ基準自体は昔からあったものです。今回の改正省エネルギー基準が今までのものとどのように違うのかわからないという方も少なくないでしょう。以下では、以前の基準と比較してどのように変わったのかを見てみましょう。【一次エネルギー消費量基準を導入】もっとも大きな違いとしては、旧基準である次世代省エネルギー基準が、壁が開口部などの冷暖房する空間と外気を仕切る「外皮」を断熱性能だけで評価していたのに対し、改正省エネルギー基準では、外皮に加え「一次エネルギー消費量基準」というものを新たに導入した点が大きな変更点です。一次エネルギー消費量とは、住宅の燃費の良さを表すもの。これまでの住宅では主に断熱性能を評価していましたが、それだけでは家の中で使うエネルギー量を減らすには至りませんでした。そこで、設備機器を含めた全体の省エネ性能を評価することで燃費の良い家を増やそうと、一次エネルギー消費量の基準が設けられたのです。戸建住宅の場合、空調や冷暖房、換気、照明、給油、家電調理などの設備のエネルギー消費量を合計することで、一次エネルギー消費量は算出されます。その際、太陽光発電やエコキュートなどの高効率給湯器は、エネルギー削減量として差し引くことができます。こうして算出された一次エネルギー消費量が、旧基準の断熱性と標準的な設備を考慮して割り出された基準値を下回ることが求められます。【外皮の計算方法も新しいものに変更】一方、外皮の評価方法も従来のものとは変わります。これまでは床面積から算出した「熱損失係数」と「夏期日射取得係数」を活用していましたが、それに代わり、外皮表面積から算出する「外皮平均熱貫流率」と「冷房期の平均日射熱取得率」に変更されました。これは、室内の寒暖差によって急病を起こしてしまう「ヒートショック」や結露の防止など、エネルギー消費量だけでは測ることのできない室内温度分布の観点も考慮されています。そしてこれまであった「年間暖冷房負荷」の基準が廃止となりましたが、断熱性能については旧基準に相当する水準が引き続き求められます。【地域区分は6から8に変更】改正前は6つだった区分が8つに変更されました。また、すべての区分で「日射遮蔽性能(日射熱取得率)」「断熱性能(熱貫流率)」の基準が設けられていましたが、改正後は区分1〜4に属する寒冷地においては日射遮蔽性能の基準が設けられておらず、区分8に属する蒸暑地においては断熱性能の基準が設けられていません。省エネ基準の判定は、「建築主の判定」と「設計・施工指針」のふたつのルートで行われます。建築主の判定は複雑な計算を用いる必要があるため、特別な支援プログラムが用いられ、一方の設計・施工指針に用いられる「外皮性能簡易計算法」は、外皮の建材に関する仕様書を使うと簡単に算出することができます。■新しい基準では光熱費が以前と比べてどれくらい削減できる?新しい基準が定められたことで、光熱費にはどのような変化があるのでしょうか。改正省エネルギー基準をすべて満たしている家と無断熱の家で比較してみると、60%近くもの削減が予想されることがわかりました。また、国土交通省が発表している資料によると、昭和55年に建てられた無断熱の家の年間光熱費が133,000円なのに対し、平成28年に建てられた省エネ基準を満たした家の年間光熱費は52,000円という結果が出ています。年間費用で比較しても大きな差額だと言えますが、これが35年も積もると、その差額は2,835,000円にものぼることになるのです。それでは、具体的にどのような部分において費用が削減されるのか見てみましょう。家庭におけるエネルギー消費は「給湯」がもっとも多く、次いで「照明・動力」「暖房」「冷房」という順番になっています。そのため、空気中の熱を集めて熱に変えるヒートポンプ技術を使った「エコキュート」、これまで無駄にしていた排熱を使ってお湯をつくることができる潜熱回収給湯器「エコジョーズ」などを駆使することで、給湯にかかる光熱費をぐんと抑えることができます。また、照明はLEDへの切り替えが進んでいますが、これも省エネに効果的。LEDの消費電力量は白熱電球の4分の1〜5分の1と言われていて、電力の変換効率は最大で34%。蛍光灯が25%、白熱電球が10%なのに比べると節電性が高いことがうかがえます。LEDは寿命の長さも特徴のひとつで、白熱電球の寿命が1,000〜2,000時間、蛍光灯の寿命が6,000〜12,000時間なのに対しLEDの寿命は40,000〜60,000時間。圧倒的に長く、光熱費のコストダウンも狙えるのです。さらに、実際に家を建てる地域よりも1段階寒い地域での省エネ基準に合わせると、節約効果はぐんと向上します。こうした機能の高い住宅を昭和55年の無断熱の家と比べると、年間で光熱費に190,000円もの差が生じるという結果も見られました。この金額が15年積み重なると3,000,000円もの差額になります。省エネ基準を満たすためには初期費用がかかるという懸念がありますが、こうした光熱費の差額を考慮すると、最終的には省エネ住宅の方がずっとお得だと言えそうです。■ゼロエネルギー住宅とは?これからどんどん普及していく?住宅の省エネルギー化を進めるにあたって、政府が最終的な目標としているのが「ゼロエネルギー住宅」です。これは住宅で使用されるエネルギーをゼロにすることを目標としているもので、現在の計画では、2030年に新築住宅の平均をゼロエネルギー住宅に、2050年にすべての住宅がゼロエネルギー住宅となることを目指しています。ゼロエネルギー住宅では、これまで掲げられてきた省エネに加え「創エネルギー」の導入も推奨されています。そして自宅で消費するエネルギー量よりつくりだすエネルギーの方が多い家を「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」、ZEHには至らないものの近い状態の住宅を「NearlyZEH(ニアリー・ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」と呼んでいます。NearlyZEHの定義としては、「ZEHを見据えた先進住宅として、外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備え、再生可能エネルギーにより年間の一次エネルギー消費量をゼロに近づけた住宅」とされています。数値で言うと、100%以上の省エネを実現したものをZEH、75%以上100%未満の達成率のものをNearlyZEHと定めています。以下では、具体的にZEHと認可されるために必要な条件を見てみましょう。【外皮の高断熱化】ZEHを実現するには、屋根や壁など外皮の断熱性を高めなくてはなりません。「強化外皮基準」で8つに分けられた区分のうち、住宅が該当する区分が定める数値を下回らなくてはなりません。高断熱が実現し、夏は涼しく冬は暖かい家になると、冷暖房の利用が自ずと減ってきます。住宅における冷暖房によるエネルギー消費量は大きいため、この部分が減ることによってエネルー消費量はぐんと少なくなります。ZEHの目的として、単純にエネルギー面がプラスマイナスゼロになれば良いというわけではなく、使用するエネルギー量自体をきちんと減らすことも考慮されていることが窺えます。【高効率な省エネルギー設備】ZEHの住宅では、使用する設備に省エネタイプを選ぶことも重要です。前述のようなエコキュートやエコジョーズといった設備や電球などの設備をはじめ、工夫できるところはたくさんあります。住宅で使用する設備は給湯や照明のほかにも、冷暖房や換気に関するものなど多岐にわたります。これらのひとつひとつに省エネタイプのものを選ぶことで、住宅全体のエネルギー消費量が抑えられZEHの実現へとつながるのです。【再生可能なエネルギーを活用】上記でご紹介した方法のように、極力使用するエネルギー量を抑えることは大切です。しかし暮らしていく上で、エネルギー量を完全にゼロにすることは不可能でしょう。そこでZEHの住宅を叶えるために、消費量以上のエネルギーを生み出すことが求められるのです。ポイントとなるのが、「自然エネルギー」。自然エネルギーとは太陽光や地熱、風力、水力など自然の力を活用して起こすエネルギーのこと。エコキュートなども自然エネルギーを上手に活用した設備となっています。ほかにも屋根に太陽光パネルをつけて発電をしたり地中に管を通したりすれば、家で使う電力をまかなえるだけでなく、余った分は電力会社に売ることもできます。また、こうしたエネルギー量を測るために計測装置を設置することも、ZEHの条件のひとつと言えるでしょう。もし家を建てる際にZEHを希望する場合、高性能な設備などを用意するために追加費用として2,500,000〜3,000,000円ほどかかると言われています。やむを得ない費用とは言え、大きな額の出費となってしまうことが予想されます。そこで国ではZEHの補助金制度を設けています。対象となる設備は高断熱の外皮や窓、高効率の空調や給湯、換気、照明器具などで、2016年度の補助金の額は全国一律で1,250,000円、寒冷地仕様の住宅の場合は1,500,000円でした。この時注意しておきたいのが、ZEHにおいて不可欠な太陽光発電は補助の対象外であるということです。しかし、太陽光パネルの設置費用は補助金の額にほぼ相当しています。そのため、補助金は太陽光パネルの設置費用に充てると良いでしょう。また、対象となる住宅の条件は以下の通りなのでこちらも申請前に確認しておきましょう。・専用住宅で、補助金の申請者自身が常時居住する住宅であること。ただし、住宅の一部に店舗などの非住宅部分があっても、条件を満たせば認められます。・新築建売住宅の場合は、申請者が建売住宅の購入予定者でもあること。・既築住宅の場合は、申請時に申請者自身が所有していること。賃貸住宅や集合住宅は基本的に対象外となりますが、申請者が所有する賃貸住宅・集合住宅の一部に申請者自身が居住する場合、その部分にのみ申請することは可能です。■まとめ国は2020年までに省エネ基準の義務化やZEHの標準仕様化を目指しています。もちろんエネルギー消費量を考えたゆえのことではありますが、これによって私たちの住宅が快適で暮らしやすいものになることが予想されます。省エネ基準の義務化にともない、省エネと創エネを実現していきましょう。
2017年03月01日小学生になって義務教育がはじまると、保育園や幼稚園のときとはちがい家族旅行をいつにしたらいいのか悩むこともあります。学校を休んでまで家族旅行に行くのはありなのか、それともなしなのかをパパとママに調査してみました。頑なな反対派と思い出重視の賛成派、あなたはどっち?Q.学校を休ませて家族旅行、あり?なし?1.あり 43.5%2.なし 41.3%3.わからない・どちらとも言えない 15.2%あり派となし派がほぼ同率という結果になりました。対立する2つの意見の理由にはどんな考えがあるのでしょうか。親たちのリアルな声を聞いてみましょう。■学校優先が第一。家族旅行は休みに行くものなし派の人は学校が第一優先という考えの人が多いようです。夏休みや春休みもあるのに、なぜわざわざ平日の学校があるときに家族旅行に行くのかが信じられないという意見も。「絶対なしです。夏休みや春休みがあるのに、学校を休ませてまで旅行に行くのは神経を疑います。義務教育の授業を軽視しているとしか思えない」(佐賀県 40代女性)「我が家はなしです。学校休んで行楽できるなんて意識を子供が持ってしまったら嫌です」(神奈川県 40代女性)「平日は学校というルールを曲げてまで、旅行を選択することはありません。学校優先です。体調が悪くて欠席するのとはわけが違います」(神奈川県 40代女性)■家族との時間も貴重な体験賛成派の人たちは、家族との旅行も貴重な体験や思い出になるのでありという意見でした。もちろん、頻度や休んでいた時のフォローなどはするのが大前提。仕事の都合で平日しか休めない親もいるので、ある程度は許容範囲ということのようです。「親のお休みが平日しかないならいいのではないでしょうか。私は土日休みなので、休ませてまでは連れて行きませんが、家族と過ごすのも立派な勉強だと思うので賛成派です」(神奈川県 40代女性)「頻繁ではなく、学校に迷惑のかからない時期や、遅れる勉強のフォローができるのであれば、家族旅行も貴重な経験です。寛大であってほしいなぁ。むしろ先生は『いい思い出作ってきてね』と送り出してくれましたよ」(広島県 40代女性)「長い人生からすると数日間なんてほんの一瞬。その一瞬が家族にとって永遠の記憶に残るのであればまったく問題ない」(千葉県 50代女性)■中学生以上になると家族旅行にも行けない小学校は確かに義務教育だけれど、よろこんで親と旅行に行くのも小学生まで。そう考えると、子どもが小さいうちにもっと家族の時間を増やしておけばよかったと後悔している人もいるようです。「親と一緒に行動してくれるのも小学生までなので、ありだと思います。我が家は大学生がバイト、高2と中2が塾と部活と、今年は正月すら家族がそろいませんでした。今となっては子どもが小さいうちに色々行きたかったな。もう少しなんとかなったんじゃないのかなとちょっと後悔しています」(神奈川県 50代女性)Q.学校を休ませて家族旅行、あり?なし?アンケート回答数:8241件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2017年02月20日「子育てに取り入れるといいらしい」と耳にすることもあるモンテッソーリ教育が気になっているという方も多いのではないでしょうか。モンテッソーリとは、教具を使った「お仕事」(遊びの時間)や個別活動による自主性を重んじた教育活動が特徴の教育法のことです。保育所や幼稚園で取り入れられることもある“モンテッソーリ”がどんな教育方法なのか、家庭でも実践できるのか、など詳しくご紹介します。モンテッソーリとは? そもそもモンテッソーリとは、マリア・モンテッソーリ(1870〜1952年)というイタリア人女性医師が開発した教育方法のことです。「モンテッソーリメソッド」「モンテッソーリ教育」などさまざまな呼ばれ方をしますが、どれもマリア・モンテッソーリが提唱した教育方法のことを指しています。マリア・モンテッソーリは、女性医師として子どもと触れ合うなかで、ある物事に関して吸収力が大きくなる期間があることに気が付き、それを“敏感期”と呼んで注目し始めました。1907年にイタリアに「子どもの家」という保育施設を作り、子どもが本来もっている能力を適切な援助で引き出していくモンテッソーリ教育法を生み出しました。この教育法は、「子どもの発見」と呼ばれ、現在でもその考えを継承した教育を行う幼稚園や保育施設、学校は世界中に存在し高い評価を得ています。モンテッソーリ教育の目的 モンテッソーリ教育の主な目的は、子どもの自立にあります。モンテッソーリの教育法によって引き出していく自発的に行動できる力や考え学び続ける力などは自立によってかなえられるとされているためです。「子どもは自分で成長し発達する力をもって生まれてくる」ことがモンテッソーリの教育法の基本でもあります。そのため大人は“子どものサポート役として“援助”するだけで、子どもの自発的活動を妨げてはいけない”存在だとされています。これをマリア・モンテッソーリは「生命の援助」と呼び、いまでも大切な理念として根付いているのです。どんな方法で行うの? “ひとりでできるようになる”ために、環境を整えることと少しの援助を行うことが大人である親や先生には求められており、“子どもを見守る”ことが重要だとされているのがモンテッソーリの教育法です。自発的に活動できるよう、自由にやりたいことができるよう準備をすることが、“環境を整えること”です。その準備は、ただ教具と呼ばれるおもちゃなどを用意しておくだけでなく、成長過程に合わせた物を置くことや「やってみたいな」と思わせる物でなければなりません。大人は、あくまでその成長を援助する“人的環境要因”ではありますが、適切なサポートを行えるよう常に意識して子どもを見守っている必要があります。つまり、自由になんでも好きなようにさせるのではなく、そのとき個々人に必要だと思われる物を適切な時期に“自分で”選び取れるよう援助するのがモンテッソーリの教育方法なのです。モンテッソーリの特徴 モンテッソーリの教育法には、大きく分けて3つの特徴があります。モンテッソーリの特徴1.個別活動モンテッソーリといえば“個別活動”が大きな特徴です。集団で行動するためには、”だれか”に合わせて動かなければなりませんが、一人ひとり興味やそのとき必要としていることは異なります。そのためモンテッソーリの教育法では、個別活動を基本としています。個別活動が基本ではありますが、子ども同士が一緒に遊ぶことを禁じてはいるわけではありません。子どもたちが一緒に遊びたいという気持ちをもっていれば、それがその子どもたちの活動になります。大切なのは、“子どもが自主的に活動しているか”にあるため、「個別活動ばかりで友だちと遊ばせてもらえないのでは」という心配はいらないでしょう。モンテッソーリの特徴2.自発性を重んじる個別活動の前提でもありますが、モンテッソーリの教育法は“子どもの自発性を重んじる”ものです。自発的に「これがしたい」と考え行動できるようになることもモンテッソーリの目的のひとつであるため、大人(先生)は自発性を妨げないよう、環境を整えています。また、遊びのことを“お仕事”と呼んでいることも大きな特徴として覚えておきましょう。モンテッソーリの特徴3.集団生活をするときには縦割りが基本幼稚園や保育所、学校でモンテッソーリの教育法を取り入れるときには、“縦割り”でクラス編成を行います。これは、社会性や協調性を身につけるために、大体3歳程度の年齢幅でクラスをまとめているのも特徴のひとつです。幼稚園では3・4・5歳児が混ぜられた異年齢クラスになり、保育所では0・1・2歳児と3〜5歳児の2段階でクラス編成されるケースが多く見られます。モンテッソーリの教育法5分野って? モンテッソーリの教育法は、5つの分野にわけられています。それぞれに適した教具があり、発達に沿った教具のレベルも分けられていますが、“大人が考えたカリキュラムの順番通りに進めていく”のではなく個々人に合わせて活動していきます。モンテッソーリの教育法1.運動運動=身体を動かす体育、ではなく、日常生活を営むうえで必要な動きを身につける分野が運動です。“思った通りに身体を動かして、自分のことは自分でできるようになる”ことを目的としています。大人の真似をしたがる主に2〜3歳頃を運動の敏感期と呼び、自立心や独立心といった基本となる心を養う時期として、適切な環境や援助を行っていきます。モンテッソーリの教育法2.感覚モンテッソーリの教育法では、2〜4歳頃を“感覚の敏感期”と呼び、他者との比較から自我の芽生えを援助する時期と考えています。生活のなかで自然と“持ち物の比較”などから自分と他者との違いを感じ始めたら、比較をテーマとした感覚教具を用意し、“同じ・違う”といった仲間分けなどを理解できるように援助していきます。モンテッソーリの教育法3.言語子どもが言語を習得するときには、“物には名前がある”ことを認識し、“性質を表す言葉”があることに気づき、“物をつなげて考えられる”ようになるという段階を踏むというのがモンテッソーリ教育法の考え方です。言語習得の流れの援助を行うために、適切な時期に絵や文字のカード(教具)を使って、話す・読む・書く力を身に着けていくのが言語分野です。モンテッソーリの教育法4.算数量=具体的な物、を理解することから始まり、徐々に“抽象的・論理的”な物の考え方ができるように導いていくのが算数分野で、そのための教具は細かな段階に分けられています。あくまで難しい計算ができるようになるのは結果であり、まずは考え方を身につけていくことを、モンテッソーリの教育法では大切にしています。モンテッソーリの教育法5.文化他の4分野の集大成ともいえるのが“文化”です。基礎的な力が身についたところで、歴史・地理・音楽などから、“文化を学び吸収する力”をつけていく分野となっています。モンテッソーリの“教具”モンテッソーリの教育法では、“教具”と呼ばれる道具が使われています。モンテッソーリ教育のおもちゃと言われることもありますが、正式には教具です。時期や子どもの成長に合わせて選んだものを“環境”のひとつとして置き、子ども自身が自主的に手に取るようにしなければなりません。本来“教具”は、おもちゃでも教育のためのアイテムでもないという扱いなのですが、感覚的には、おもちゃと教育グッズの中間に位置しているような存在と考えていてもいいでしょう。大切なのは、その“教具”を使うことを目的とするのではなく、“子どもが自発的に教具を使って遊び(=お仕事をする)、成長や発達のサポートになっている”ことにあります。その点をしっかりと押さえたうえで、教具を取り入れるようにしましょう。モンテッソーリ教育には資格が必要? モンテッソーリの教育法を行うための資格やモンテッソーリ教育が受けられる場所をご紹介します。モンテッソーリ教育の資格厳密には、モンテッソーリ教育を行うために必要な資格はありません。民間資格がいくつかあり、就職時に“○○資格の取得”が求められる可能性はありますが、保育士や幼稚園・小学校の教諭免許とは異なり、“絶対になくてはいけない”というものではないのです。ただし、モンテッソーリの教育法は、通常の“保育・教育”の勉強だけではなく専門的に学んだほうがよい部分もあるため、モンテッソーリ教育を行うプロになりたいと思ったときには、民間資格を取得するのがおすすめです。民間資格が受けられる機関日本で初めてモンテッソーリ教育の教師養成校を設立した公益財団法人才能開発教育研究財団/日本モンテッソーリ教育綜合研究所の「モンテッソーリ教育教師養成通信教育講座卒業資格」 モンテッソーリ教育 教師養成通信教育講座 | 公益財団法人 日本モンテッソーリ教育綜合研究所 国際モンテッソーリ協会公認の一般社団法人モンテッソーリ教育研究会で認定される「ディプロマ資格」 モンテッソーリ教育研究会 モンテッソーリ教育を受けられる場所日本では、モンテッソーリの教育法を取り入れている保育所・幼稚園・学校に通うことで、モンテッソーリ教育を受けることができます。保育所や幼稚園は、各地域にモンテッソーリ教育を取り入れているところがあり、近隣で探すと見つかることが多いですが、小学校になると数が少なくなるため、小学校でもモンテッソーリの教育法を受けさせたいと考えている方は、事前にしっかり調べておくことをおすすめします。小学生になると、アフタースクールや習い事として、モンテッソーリに触れるパターンもあるので、学校が見つからないときにはそちらも検討してみましょう。家庭でモンテッソーリ教育を行うコツ家庭でもモンテッソーリ教育を行うことはできます。その際は、“手を出しすぎない”ことを意識するのがコツです。モンテッソーリのもっとも大きな特徴が“自発性・自立”です。ついつい家庭だと、見守りきれずに手や口を出したくなってしまいますが、大人は援助をするのみ、“見守る”ことを常に意識して過ごすようにしましょう。また、モンテッソーリの教具は“おもちゃ”として販売されています。一度にすべてをそろえるのは大変なので、気になったものだけを取り入れてみるのもおすすめです。特に感覚教具や算数の教具は、モンテッソーリならではな特徴を感じられるものも多いため、最初の一歩として購入する物にピッタリです。「買ったのだからやって!」ではなく、家のなかに置いておき子どもが自然と手に取れるようにして、モンテッソーリの教育法の基本を押さえたうえで取り入れるようにしましょう。<参考> モンテッソーリ教育研究会 公益財団法人 才能開発教育研究財団 日本モンテッソーリ教育綜合研究所 モンテッソーリ学芸大学子どもの家オフィシャルサイト Mirai Kindergarten モンテッソーリ教育
2017年01月12日こんにちは。子育て研究所代表の佐藤理香です。教育業界では、これまでの教科的な教育を超えて、プログラミング教育や表現力を高める教育など、数々の新しい取り組みが始められています。最近では、幼児段階での取り組みも多くみられるようになりました。今回は“感性教育”についてお伝えしたいと思います。●感性教育とは?“感性教育”とは、明確な定義はありませんが、子どもの感性を育む教育のことです。“感性を育てる”とは、ものの感じ方を育てる ことです。感性そのものに正解や間違いはありません。『Nikon』が行った「こどもの感性教育に関する調査」では、興味深いことがわかりました。約9割以上のママが「感性教育は重要である」と考えている一方で、7割以上が「感性がどのように伸びるかを知らない」と回答しているのです。これは、感性が可視化できないために、教育方法が難しく、成長実感を得にくい ことと関連しています。特に、幼児は言語の力(話し言葉、書き言葉)がまだ乏しく、感じたことを絵や創作物で表現できるほど巧緻性(器用さ)が発達していません。そのため、子どもが瞬発的に感じたこと、直感で感じたことを表現するのが難しいのです。教育の分野では、感性の重要性が指摘されるものの、伸ばし方は課題のひとつになっています。●感性の伸ばし方子どもの感性を伸ばすためにおススメの方法を3つご紹介します。●(1)五感で季節を感じる五感とは、視覚、触覚、味覚、聴覚、嗅覚です。これは経験したことに起因するため、一気に育てようと思ってもなかなか難しい感覚です。日々の生活の中でも、ちょっとしたことで感性は育ちます。四季折々に、自宅の周囲でも景色が変わります。「夏に緑だった葉っぱが今は黄色だね。この後、どんな色になるかな?」「あんなに暑かったのに、今は寒くてほっぺが赤くなるね」など、親が感じたことを子どもに声掛けしてみましょう。子どもも素直にいろいろと感じてくれますよ。●(2)生き物や植物を育てる生死を教えることは難しく、子ども自身が参加してみて初めて気づくことも多いです。おススメなのが、生き物や植物を育てること。マンションなどの住宅事情もありますので、必ずしも大きな生き物でなくてもいいのです。例えば公園で見つけたダンゴ虫を飼ってみる、ヒヤシンスを育ててみるなど、ちょっとした工夫で子どもの感性を伸ばすことができます。筆者の例として、金魚すくいでとった金魚を飼っていました。子どもは図鑑で調べ、一生懸命に世話をしていましたが、ほどなく死んでしまいました。もちろん大泣きで、お別れの言葉まで述べて、お墓を作り埋めました。悲しい現実ではありますが、命と対峙する というかけがえのない経験と感性を育めたと思います。●(3)一緒に食事を作る子どもが2歳くらいになると、ちぎる、割く、こねるなどの作業ができるようになります。徐々に包丁などの道具も使えるようになるので、親子で一緒に食事を作るのも効果的です。食材の色や形、切り口、感触に味、調理したときに変わっていく形や色。味の変化はまるで実験だと思います。合わせて、食材の生産などにも触れれば、子どもは一段上のものの感じ方を身につけると思います。----------幼児の感性を可視化するのは難しいとお伝えしました。最後に、筆者がやっている方法のひとつをご紹介します。筆者は子どもにお古のカメラを持たせて、好きなように撮影させています。子ども自身が撮影を通して、発見や感動を写真として記録できます。カメラを近づけたり離したりと好きなように操って、あちこち動き回り、新たな発見を促すこともできます。カメラは、子どもが五感で感じた好奇心や感動の瞬間を表出させる一つの手だて として有効です。親としても、子どもが感じている視点を写真として確認でき、アドバイスをしたり、認めたりして感性の成長に繋がります。何よりも、このようなコミュニケーションが、子どもの社会性を育み、感性の成長を後押しするのかもしれませんね。【参考リンク】・ニコンイメージングジャパン、「こどもの教育に関する意識調査」を発表 こどもの育て方について「感性」を重視する母親は73.5% | 株式会社ニコンイメージングジャパン()●ライター/佐藤理香(株)●モデル/藤本順子(風悟くん)、ココア
2016年11月24日インクルーシブ教育は「すべての子どものための教育」出典 : インクルーシブ教育とは、子どもたち一人ひとりが多様であることを前提に、障害の有無にかかわりなく、誰もが望めば自分に合った配慮を受けながら、地域の通常学級で学べることを目指す教育理念と実践プロセスのことをいいます。つまり、「一人ひとり丁寧に」と「みんなで一緒に学ぶ」の両方の実現を目指す教育理念であるといえます。英語ではinclusiveと表記され、「包括的な」「包み込む」という意味です。障害の有無によって学ぶ場所が分けられるのではなく、一人ひとりそれぞれの子どもの能力や困りごとが考慮された、すべての子どものための教育という意味で使われています。インクルーシブ教育という言葉が広まり始めたのは、1994年にUNESCOによって開かれた国際会議がきっかけです。この国際会議で「Education for All(万人のための教育)」がうたわれ、可能な限りすべての子どもの能力や困りごとに応じた教育を行っていく方向性が公に打ち出されました。インクルーシブ教育の実現に向けて歩むのは日本だけではなく、国際的な流れだといえます。これまでは、障害のある人は必ずしも社会参加できるような環境にありませんでした。障害のある人が積極的に社会で活躍できる環境づくりの一環として、一人ひとりの子どもに丁寧に向き合う理念に基づいたインクルーシブ教育が推し進められています。通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児 童生徒に関する調査結果について|文部科学省初等中等教育局特別支援教育課HP障害のある子どもを取り巻くこれまでの教育出典 : 日本における、障害のある子どもの学ぶ環境は時代が進むごとに段階的に発展してきました。「一人ひとり丁寧に」「みんなが一緒に学ぶ」というインクルーシブ教育が唱えられるまで、障害のある子どもへの教育の考え方や、彼らをとりまく学習環境はどのようなものだったのでしょうか。ここでは、時代ごとの障害のある子どもをとりまく教育の移り変わりについてお伝えします。出典 : 明治時代以前、障害のある子どもは、教育の対象と見なされておらず、教育を受ける機会が十分与えられていませんでした。障害のある子どもにも教育が必要だといわれ始めたのは明治時代以降です。今よりも国の強制力が強かったために、本人や保護者の意志は尊重されることはなく就学先を選ぶことは許されなかったものの、明治時代から、盲、聾、知的、肢体不自由の学校が設立され、障害のある子どもの一部が教育を受けることができるようになりました。そして昭和時代の終わりには、養護学校の義務化により、それまで就学を免除されていた重度の障害のある子どもに対しても平等に教育の機会が保障されることになり、全ての子どもが教育を受ける仕組みができました。しかし、そのような状況の中で、障害のある子どもを地域の学校から離れた就学先に通わせることを、障害のある子どもを通常学級から隔離し、分離しているという非難の声も市民の中から生まれました。出典 : 年の「国際障害者年」において、「全ての子どもを通常学級へ」というメッセージがうたわれました。それがきっかけとなり、「すべての子どもが通常学級で学ぶこと」を第一の重要事項として、新たな教育の方向性が定められました。これをインテグレーション教育といいます。この過程では、これまでの時代の分離教育の反省から、障害のある人もない人も、分け隔てのない仲間として渾然一体の場所で学ぶことがもっとも重要だとされていました。しかしながら、同じ環境で学ぶことばかりを推し進めるあまり、支援の必要な子どもに対して、十分なサポートをする体制の準備は不十分なままでした。その結果、子ども一人ひとりの個性やニーズに合った教育を受けることができず、障害のある子どもは授業についていけなかったり、いじめや中傷の対象となったり、逆に腫れもの扱いをされてしまったりしたという問題が起こりました。出典 : このような批判が国内であがっていた1994年に、スペインのサラマンカで「特別なニーズ教育に関する世界会議」が開かれ、新しい考え方としてインクルーシブ教育の理念が唱えられました。障害の有無にかかわりなく、適切な配慮を受けながら、誰もが望めば地域の通常学級で学べること、つまり、「ひとりひとり丁寧に」と「みんなで一緒に学ぶ」の両方を実現する教育のはじまりです。その後、インクルーシブ教育の理念は日本にも導入されていきます。国際的にインクルーシブ教育の理念が唱えられてから16年後の2010年、日本においても文部科学省によってインクルーシブ教育理念の方向性が示されました。それまでの時代の教育で起こっていた問題について、環境の整備や、支援の必要な子どもに対する配慮の必要性などの具体的な改善の案が打ち出されました。この案により、研修会や勉強会が行われるなど、学校の先生たちの意識を変えるような取り組みが行われています。このように、障害のある子どもを取り巻く環境は時代の流れの中で少しずつ改善されてきています。2016年5月、タレントの菊池桃子さんがインクルーシブ教育を進めることに協力的な姿勢を示すなど、社会の関心も高まりつつあります。億総活躍国民会議菊池桃子発言全文「インクルージョンな日本が構築される…」 | 産経ニュースHP髙橋純一・松﨑博文/「障害児教育におけるインクルーシブ教育への 変遷と課題」2014年/『人間発達文化学類論集』第 19 号 p13-26野崎泰伸/「分離教育か共生共育かという対立を越えて ─「発達」概念の再検討─」2010年/『立命館人間科学研究』第21号p25-41インクルーシブ教育における具体的な取り組み出典 : インクルーシブの実現に向けて、文部科学省をはじめ、国や都道府県、市町村などの行政機関が主体となって行うべきことの1つが、多様な子どもが共に学ぶための基礎的な環境を整備することです。例えば、肢体不自由があり車いすに乗って通学する子どもにとって、校舎内が階段ばかりでは自力での移動が困難です。ですが、校内の段差を減らしたり、スロープやエレベーターを設置することで移動することの障害を解消していくことができます。他にも、市町村が主体となって、支援の必要な子どもが困ることのないようにボランティアスタッフを配置するシステムを作ることで、学習や行動面に困難のある子どもも、適切な支援を受けながら通常学級での集団授業に参加することができるようになります。このように学校の設備や教育の体制の整備が整っていくことで、障害のあるなしに関わらず、多様な子どもが通い学びやすい学校環境を作っていくことができるようになります。学校現場で進めるべき基礎的環境の整備には他にも様々なものがあります。・子どもの障害の程度、能力に合わせて特別支援学校、特別支援学級、通常学級など多様な学び場を用意し、行き来できる体制を整えること・専門性のある支援体制や教員の育成・特別支援学級と通常学級の間で共同学習を行うこと・個別の支援計画の作成などなど…インクルーシブ教育の達成に向けて、現在も環境整備が進められている途上です。基礎的環境整備について(現状及び国・都道府県・市町村の役割分担)|文部科学省出典 : 国や都道府県、市町村などの自治体が整えた基本的な環境をベースとして、学校や教員が主として行っていく「合理的配慮」というものがあります。合理的配慮とは、一人ひとりの特性や場面に応じて発生する障害・困難さを取り除くための、一人ひとりに合わせた調整や変更のことです。障害のある人が障害のない人とが平等にいられるために作られた仕組みです。例えば、文字の読み書きが困難な子どもへの合理的配慮を一例にして考えてみましょう。読み書き困難な子どもに対して、みんなと同じ教科書やノートをそのまま使わせていては、授業内容の理解や問題の回答がとても難しくなります。そこで、読み書きの困難さを取り除くための配慮として、教科書やプリントを拡大したり、黒板の板書を色分けして見分けやすくしたり、タブレットやカメラを使って板書を撮影・印刷することを許可したり、試験時間の延長や問題の代読を行うなどが考えられます。その子どもの特性と、子どもが過ごす環境や場面ごとに発生する具体的な困難に対して、適切で十分なサポートや変更を加えることが合理的配慮です。■教室や授業で行われている工夫例えば、教室や授業で行われている工夫には以下のようなものがあります。・水筒や帽子、体操服などを置く場所が決めて、誰でも持ち物の整理がしやすいようにする。・掲示物を減らしたり、授業中に紙や布で掲示物を覆うことより、視覚刺激に敏感な子どもでも授業に集中できるようにする。・廊下は走らない、チャイムが鳴る2分前には席に着く、などルールを明確にすることで、行動の切り替えをしやすくする。・一日の最初に、今日はどのようなスケジュールで進めるかを示されることで、時間の見通しをもてるようにする。・先生は情報を伝えるときには、口頭だけではなく、目に見える文字や絵で視覚的に示して、理解をしやすくする。・先生はゆっくりとした口調で話すとともに、大事なことは、繰り返したり、黒板に書いたりして、理解をしやすくする。・授業の中で、簡単な問いに答える機会を作り、全員が参加できるような授業にしている。・難易度別のプリントを作り、子どもが自分の力に合わせて選べるようになることで、それぞれのレベルに合わせた教育が行われている。共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)概要|文部科学省HPインクルーシブ教育の実現に向けて、就学先決定の仕組みも変わりました出典 : インクルーシブ教育の理念に基づき、就学先決定の仕組みの改善も進められています。障害のある子ども自身や保護者の意思を尊重した上で就学先決定がなされるようになりました。Upload By 発達障害のキホン平成25年までは、障害のある子どもは、原則、特別支援学校に就学することとなっていました。現在においても最終的に就学先の決定をするのは教育委員会となりますが、それを決めるまでに、本人と保護者の思いが最大限に考慮されるような改善が行われました。また、幼少期の段階から発達についての相談の機会や情報提供が積極的に行われるようになったことも改善点です。一歳半検診や、三歳児検診の際に、発達の遅れが見受けられる場合にも、専門家からアドバイスや情報を得ることができます。また、教育委員会は、幼稚園、保育園、子ども園における子どもの様子をふまえて、就学するまでの間に、子ども一人ひとりに合わせた個別の支援計画書を作成することも推奨されています。このような計画書は、就学先を決定する際の資料として活用されたり、就学後の子どもへの教育支援の手立てとして活用されたりします。インクルーシブ教育の今とこれからの展望出典 : インクルーシブ教育が学校に導入されてから数年が経ち、学校の授業や教員の心構えも変化してきています。ですが、インクルーシブ教育は、「すべての子どものための教育」という理念は共有されているものの、具体的にどのように授業を行い、環境を整えていくかについてはまだまだ課題があります。学校側が通常学級に通わせることに力を入れることにとどまり、子どもの能力や困りごとに合わせたサポートが必ずしも達成されてはいない現実があります。通常学級で過ごすことが絶対であるわけではありません。インクルーシブ教育では、共に学ぶことが大切とされていますが、子どもの困難に応じて、環境を変えることも必要です。大切なのは、子どもの力が最大限発揮できる環境で過ごすことです。担任の先生や特別支援学級の先生と連携をとりながら、子どもの力や思いに合わせた環境を整えてあげることが大切となります。2001年、WHOの障害についてのとらえ方が変化し、できないことを見つけてそれを治すという観点から、まわりの人がどう手助けしたらスムーズに社会参加ができるかという考え方へ大きく舵を切りました。特別支援教育の目標は、障害のある幼児・児童・ 生徒の自立や社会参加に向けた主体的な 取組を支援するという視点に立っており、子どものもちうる力を高め、生活や学習上の困りごとを克服するために、適切 な指導や必要な支援を行うものです。つまり、自立や 社会参加をできるようにするためには障害を克 服・軽減するしかないとされており、多くの学校では、その目標をかなえることに意識をおいています。もちろん、障害のある子どもの適応の度合いを高めることも重要ではありますが、多様な特性のある子どもを社会がいかに受容していき、助け合っていけるかがどうかがこれからますます大切になっていきます。それを後押しするひとつの力としてインクルーシブ教育が機能しているといえるでしょう。インクルーシブ教育についてもっと知るためのおすすめ映画インクルーシブ教育についてもっと知りたい、またはイメージをもちたいという方に向けて、おすすめの映画を2本紹介いたします。理念を聞くだけではなかなか実感がつかみにくいインクルーシブ教育について、その具体的な様子について知ることができるだろうと思います。Upload By 発達障害のキホンインクルーシブ教育の理念を体現したといわれる大阪の公立小学校を取り上げたドキュメンタリー映画です。第68回文化庁芸術祭大賞など数々の賞を受賞した作品です。この学校では、障害のある子も障害のない子も、すべての子どもが同じ教室で学んでいます。この学校では一人ひとりの個性が大切にされ、誰もとりこぼされたり、置いていかれることがありません。校長先生を中心として、教師、地域の保護者が手をとりあいながら子どもに関わる中で、誰もが通い続けられる学校を作り上げました。全国で上映会が開かれており、子どもをもつ保護者や学校関係者、また一般の人々にも大きな反響を呼んでいる作品です。不登校ゼロを目指す学校の先生の息遣いや葛藤、子ども同士の関係、先生と子どもの関係がリアルに描かれています。教育とは何か、あるべき学校の姿とはどういうものであるべきなのか、この映画はさまざまな問いを投げかけてくれます。映画『みんなの学校』公式サイト<作品情報>監督:真鍋俊永(2014年・日本)Upload By 発達障害のキホン文部科学省がインクルーシブ教育の理念を普及させるために、タイアップした作品がこの『レインツリーの国』です。有川浩による原作小説をもとにした、聴覚障害のある女の子と、耳の聞こえる男の子との恋愛物語です。恋愛の話でありながら、聴覚障害者の苦悩も描かれており、それがヒロインの言葉として示されます。また障害のない人の意見や声も代弁されているのです。この映画では、決して障害のある人に一方的に肩入れすることなく、あくまで障害のある人と障害のない人の立場を公平に描かれています。葛藤や悩みを抱えながらぶつかりあっていく二人の姿に、障害のある人と障害のない人の間に生まれる葛藤や、それを越えて共に生きていくことの大きな意味を感じられる作品です。<作品情報>監督:三宅喜重出演:玉森裕太・西内まりや(2015年・日本)映画「レインツリーの国」公式サイトレインツリーの国×インクルーシブ教育システム|文部科学省レインツリーの国 通常版 [DVD]まとめ出典 : ここでは、学校の中で取り入れられているインクルーシブ教育について、教育についての今までの流れや、新たに取り入れられたサポート、就学先決定の仕組みの変更と、インクルーシブ教育の課題についてご紹介しました。インクルーシブ教育が目指すのは、障害のある人とない人が、 単に「場」を同じにするということではありません。インクルーシブ教育が目指すのは、「ひとりひとり丁寧に」個別最適な支援を提供すること、そして「みんなで一緒に学ぶ」ことができる環境をつくること、この両方を実現することです。その先に立ち現われてくるのは、「共に生きる社会」であり、すべての人が暮らしやすく誰もこぼれおちることのない社会です。現在、課題ややるべきことが積み残されている状態ではありますが、少しずつインクルーシブの理念の達成までの過程を歩んでいるのです。
2016年09月20日●連載の目次は こちら から●「小学校受験って、どうなの?」特集も今回は最終回。早期英才教育は有効なの? という素朴な疑問を、幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんにぶつけてみた。■早期英才教育は有効なのか?「お友だちが文字を書けるようになった」「英語教室に通い始めた」そんな話を聞くと、「うちも何かしなきゃ!」と気持ちは急く。育脳やバイリンガル、早期英才教育といった言葉にも、無関心ではいられない。そこで、「早期英才教育は有効なの?」という素朴な疑問を、浅木さんにぶつけてみた。「私の回答としましては、『子どもへの接し方が好ましいものであれば有効。好ましくなければ、やらないほうが良い』ということです。お子さまが嫌々やるのであれば、早期教育は百害あって一利なしだと考えています」難関私立中学受験指導をしていた(1本目にリンク貼る)という経歴から、小学校受験が苦い経験となり、学業でつまづいてしまった生徒を数多く見てきたからこその思いなのだろう。■焦らないほうが、良い結果が出ている今回の取材を通じて、浅木さんがとても強調していたことは、「どうか、お母さま方、焦らないで欲しい」ということ。この記事を書いている私は息子の中学受験を体験したことがあるが、受験準備中は、「志望校に合格しないと、この子は(私は)、その先、どうなってしまうのだろう?」という気持ちになりがち。それが「合格しなければ!」となり、準備が思うように進まないと、「何かしなければ!」という、やみくもな焦燥感に繋がり、子どもをせっついてしまう。「すんなり合格を手にするお子さまなど、1人もいません。志望校に合格した先輩を見て、『志望校に合格して、うらやましい』と思われるかもしれませんが、そんな方でも必ず、苦しい時期を過ごされています。『焦らないで欲しい』と申し上げても、焦ってしまうお気持ちは、現場にいればよくわかります。けれども、私の経験から鑑みても、焦らないほうが、良い結果が出ていることが多いのです」(浅井さん)小学校受験は、対策期間は平均して1年~2年。親や指導者に怒られないために努力することで、何とか志望校には合格をする。けれども、そういった子どもたちのその後の学校生活は、苦しいものになりがちだそう。 ■大切なのは心の安定と自己肯定感「すべての学年のお子さまを見てきて、真に思うことは、大切なのは心の安定と自己肯定感です」(浅木さん)親の焦燥感から、嫌がっているにも関わらずに無理に課題をこなすことを強いられ、、何とか合格を手にしても、子どもの心には大きな傷が残る。不合格だったらなおさらだ。それが、子どもが自己肯定感を持てない原因になってしまうこともよくあることだという。思春期に入っても自己肯定感が不足し、心が安定していない子どもは、成績が上がるまでに本当に時間がかかる。また学年が上がるほど、親も焦りを感じてしまい、子どもの心が満たされ自主的に努力するようになるまで待つことができないし、親子関係の立て直しも難しくなる。「そうならないために、幼少期に健全な親子関係を育んで欲しい、そのためにお子さまに接するお母さまのサポートにも力をいれております」(浅木さん)■子どもの人生を長い目で考えてみて欲しい「つい子どもを叱り過ぎてしまうママに伝えたいこと」(リンク貼る)でも記事にしたが、現代は子育ての負荷がママに集中してしまい、追いつめられた気分になりやすい。だからこそ、私たちは「そういう時代に子育てをしている」ということを、きちんと意識する必要がある。小学校受験をするとなると、ママ、あるいはパパたちは、「私が頑張らなければ!」とより一層、自分を追い込んでしまうこともあるだろう。私自身、「中学受験ママ」をやっているが、悲しいかな、すぐにテンパってしまう。最近、そんなときは浅木さんが取材で話してくれたことを思い出すようにしている。「小学校受験で花開く子もいれば、中学校受験や高校受験で花開く子もいます。子どものモチベーションを含めた適切なサポートができるよう、どうか子どもの人生を長い目で考えてみてあげてください。そして、焦ってしまうということは、それだけ真剣にお子様のことを考えていること。立派に母親業をこなしている自分をまずは認めてあげてください」受験は、親子にとってひとつの試練。でも、それを乗り越えた先には大輪の花が咲くと信じて、ゆったりと構えていられる親でありたいものだ。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月27日投資教育先進国といわれるアメリカでは、子どものころからお金について学ぶ機会が多いのをご存じでしょうか。 幼稚園から高校までの義務教育でお金にまつわることを学習するのはあたりまえ。お金にシビアなアメリカならではの、子どものマネー教育について紹介します。■ローン大国アメリカアメリカ人はお金にシビアだといわれます。それはクレジットカード、ローン大国であることが影響しています。健康保険や医療費もほかの国と比べてかなり高額。個人がしっかりファイナンシャルプランを身につけていないと簡単に破産してしまう社会です。厳しい社会のなかで財産を得て資本主義社会のなかで勝ち残っていくために、投資に関する知識を深める人も多いのです。そんななか、幼稚園から子どもの年齢に応じてお金に関する教育が行われています。親からお金を増やすための株式投資などの知識を得るケースもめずらしくありません。■日本でマネー教育をしない理由一方、日本では、子どもがお金の話をするのはあまりよくないという風潮があります。株式投資はリスクのあることだと敬遠する人も多く、なかなか学ぶ機会がないのが現状です。考えられる理由としては、貯金文化が定着していることがあげられます。堅実にコツコツためる、まじめな日本人の気質ともいえるでしょう。■おこづかい制のメリットみなさんは子どもにお金を管理させていますか? 将来の金銭感覚を養っておくためにも、早めにお金に関する知識を身につけることが大事です。さまざまな考え方があるものの、たとえば、定期的におこづかいをあげることで、子どもは自分のお金を管理し、計画的に使うことを学べます。おこづかい制にするか悩んでいる方は検討してみてください。また、お手伝いの報酬としてお金をあげるのも方法のひとつです。自分の労働によってお金を得ることができ、何もしなければお金を得られないという仕組みを学べます。お金を計画的に使う感覚は、将来役に立ちます。子どもが大きくなったら、家庭の予算立てに参加させてみるといいかもしれません。
2016年07月16日子どもを授かると、親としていちばん最初に考えるのが「教育費の準備」ですよね。できる範囲で希望の教育を受けさせてあげたい。親ならば誰もが思います。そこで最初に検討されるのは「学資保険」ではないでしょうか?学資保険は、いろいろある生命保険のなかでは、比較的好印象な保険ではないかと思います。しかし、この学資保険、本当に教育費の準備になるのでしょうか?なぜ日本人が学資保険に対して好印象なのかといえば、学資保険が積立代わりだと思っているからでしょう。■学資保険でいくら戻ってくるのか計算すべしその昔、郵便局で学資保険に入ると、満期の時に倍ぐらいになって戻ってきた時代がありました。インフレ率等を考えてきても相当な戻り率です(そのぶん住宅ローン金利も高かったので、差し引きしてどれくらい恩恵を受けている人がいるかは微妙ですが)。そのイメージがついてはなれないのか、「学資保険は得だ」と思ってしまうようです。しかし実は、ご相談に見える方の実の70%以上は、得にならない学資保険に入っているといったら、みなさん驚かれるのではないでしょうか。もしすでに学資保険に加入しているのであれば、一度計算してみてください。「いくら払って」「いくらの満期で戻ってくるのか」を。210万円払って、200万円の満期なんてケースは結構あります。なかには、払った以上に戻ってこないことをわかった上で加入している人もいるかもしれません。そんな人は決まって、「保険がついているから仕方がない」なんていい方をします。たしかに、学資保険・こども保険という名称の保険のなかに、育英年金などの保険機能がついているものもあります。学資保険払込中に契約者(ほとんどのケースで父親)が死亡した場合に遺族に教育費の援助ということで育英年金が支払われるという内容です。内容の話を聞くと、とってもいいような気がします。しかし、よーく考えてください。なぜなら、教育費等必要な保障額は、ご主人の生命保険できっちり計算してリスクヘッジさせてあるはずです。■200万円もらえる学資保険じゃないとダメつまり、わざわざ学資保険でプラスしてその部分にお金を払う必要はないはずなのです。その他に、子どもの医療保険がついていることを理由にあげられる方が多いのですが、それもいかがなものでしょうか?乳幼児医療制度が整っている今、ある一定の年齢まで、医療費は無料です。自治体によって違いますが、長いところですと中学校卒業するまで、医療費無料なんていう自治体もあるほどです。そのなかで、どれだけの保険料をそこに払うのが適当なのか、考える必要がありそうです。学資保険は、純粋の貯蓄であるべきではないかと思います。180万円ぐらいの払い込みで200万円の満期がもらえる。最低でもこれくらいでないと、月々積立預金をしたほうがマシなことになってしまうのではないでしょうか?現段階で、払ったより戻ってくる金額が少ない学資保険に入っている方は、がっかりしてしまったかもしれません。でも、あきらめずに、計算することをお勧めします。現在加入中の学資保険を解約すると、いくら損をするのか。そのことについて計算するのです。ほとんどのケースで保険の途中解約は損が出ます。しかし、いまやめた損のほうが、満期まで払い続けたときの損にくらべて少ない場合は、思い切って解約をすることをお勧めします。その上で、貯蓄性の高い学資保険に入りなおして損が少しでも埋まるのであれば、入りなおしを検討してみてもいいのかもしれません。(文/ファイナンシャルプランナー・岡崎充輝)
2016年07月05日小中学校での教育内容が、いわゆる“ゆとり教育”として行われたのが2002〜2010年度。この教育を受けた世代を広く“ゆとり世代”と呼びますが、いろいろな面で批判の対象とされることが多いのはみなさんもご存知の通りです。学力だけにとどまらず、「ゆとりだから……」という言葉で人間性まで否定されかねないこの問題。今回はパピマミ読者の皆さんに「ゆとり教育で問題だったと思うこと」 についてアンケートを実施しましたので、その結果を発表したいと思います。同時に行った『ゆとり教育で評価できたところは?』というアンケートでは、「デメリットしかなかった」という回答が半数近くを占めたようですが、いったい何が問題と感じられているのでしょうか。●ゆとり教育で問題だったと思うことは?・1位:学力の低下……23%(23人)・2位:競争意識の低下……19%(19人)・3位:コミュニケーション能力の低下……16%(16人)・4位:とくに問題はなかったと思う……13%(13人)・5位:自主性の低下……11%(11人)・同率6位:精神年齢の低下……10%(10人)・同率6位:協調性の低下……10%(10人)※有効回答者数:102人/集計期間:2016年6月20日〜2016年6月21日(パピマミ調べ)●「学力の低下」がトップという結果に『ゆとり教育中に行われた学習調査では、日本の順位が下がってましたよね。勉強なんてやったぶんだけ伸びるんだから、学習時間が減ればそういう結果になるのは当然のことでしょう』(40代パパ)『思考力を鍛えるための学習を増やすといっても、それらしい成果があったとは思えませんね。大学受験なんかも結局は暗記勝負じゃないですか。遠回りしただけのように思えます』(30代ママ)最も問題だったと感じられているのは、やはり学習面。OECDが行っている生徒の学習到達度調査では、ゆとり教育中の日本の点数低下が顕著となり、教育の見直しに着手するきっかけともなりました。知識を暗記する詰め込み型の教育から脱却するためのゆとり教育で、“総合的な学習”などの思考力を付けるための教育が推進されたものの、目に見える結果が出たとは言いづらい でしょう。脱ゆとり教育を果たした現在の教科書は、当時より4割ほど分厚くなっていると言われています。●次いで「競争意識の低下」がランクイン『運動会の徒競走で、手をつないでゴールすることがあるなんて本当なんですかね?いくらみんな平等にって言ったって、さすがにそれはやりすぎだと思いますよ』(40代パパ)『何でもかんでも優劣をつければいいってもんじゃないけど、競い合うことを良しとしない環境では、育たなくなるものもあるのかもしれませんね』(20代ママ)実際にゆとり教育を受けた20代の人たちからも、競争意識の低下を招いたことに対する批判が聞かれました。人と競い合うからこそ生まれる、「悔しい!」や「勝ちたい!」という強い気持ちは、ゆとり教育の中では育ちにくいと言えるかもしれません。さらに、競争意識がないことから「覇気がない」と思われる ことも多いようですが、決して不真面目というわけではなく、自分のやるべきことを黙々とこなすことができる特徴を持ちます。●コミュニケーション能力にまで影響『話題が合わないっていうだけじゃなく、人と交流することを避けているような印象があります。四六時中スマホを見て、人と会話する楽しさを知らないんじゃないかと思いますね』(40代ママ)『ゆとりってのは、勉強だけじゃなくて会話もできなくなっちゃったのかね。毎年新入社員が入ってくるけど、声は小さいし何言ってるのかわからない。会社の飲み会を断るやつなんて見たのは、最近になってからだよ』(50代パパ)新入社員と上司が噛み合わない“ゆとりエピソード”を聞くことは、珍しいものではなくなりました。プロセスを重視する教育を受けてきたことから、頑張ったことよりも結果が求められる仕事の場 では認められづらいこともあるようです。この他、怒られ慣れていなかったり、積極性に乏しかったりすることで、対人関係が苦手だと感じさせてしまうこともあります。仕事よりもプライベートを優先させ、会社の人間とは距離を保とう とするのもゆとり世代の特徴と言えます。----------いかがでしたか?実際に、ゆとり世代と言われる人たちの上の世代からすると、信じられないような価値観を持った若者に遭遇することもあるかもしれません。しかし、それは柔軟な思考によって生まれた新たな考え方というだけで、批判されることなのかは疑問でもあります。お互いの違いを認め合い、それぞれの良さを高め合っていくような関係を築くことが最適と言えるのではないでしょうか。【参考リンク】・【アンケート結果(1位〜6位)】ゆとり教育で問題だったと思うことは?()●文/パピマミ編集部
2016年06月26日こんにちは、ライターの渦マキです。近年、耳にするようになったフィンランドの教育“フィンランド・メソッド” 。どのような内容なのか、そして日本の教育現場においてフィンランドを見習うことはできるのかを考えてみたいと思います。●2000年に入って注目されはじめたフィンランドの教育2000年に入って、『OECD(経済協力開発機構)』の学習到達度調査『PISA』でフィンランドが上位に入ったことを機に、“フィンランド・メソッド”と呼ばれるようになり、フィンランドは教育先進国 として注目されるようになりました。しかしながら、実際のところフィンランドにおいては、“フィンランド・メソッド”という教育法は存在しません。『PISA』の結果に衝撃を受けた教育関係者たちがそのように呼び始めただけのようです。●フィンランド教育で注目すべき点●(1)国をあげての教育制度の改革「今、不況の中で一番投資が必要なものは子どもの教育である」という意見の教育大臣指揮のもと、教育改革が始められました。そこには企業への投資よりも、これから成長して行く子どもたちへの投資が最も有効だ という理念があります。授業料が小学校から大学まで無料だそうです。●(2)学校の順位付けがない(学校間のレベルの差がない)フィンランドの基礎学校は、6年間の初等教育と3年間の中等教育の9年一貫制 。卒業後は全員が進学資格をもっています。卒業後は、入学試験などは行わずに後期中等教育(高校か職業専門校)に進むことができます。基礎学校での評価で学校が決められます。また、学校に格差がない ので、子どもたちは大抵は地元の学校に通います。さらに、地域の格差ができにくい環境作りがされています。成績が本意ではなかった場合、10年生として無料で教育を受けることができます。●(3)教師の質が高い日本のように大学の教育学部を卒業し、教育職員検定に合格した者が教師になれるといったものではありません。大学で専門教科を学び、その後教師用のトレーニングを受け、特定の修士号を取得しなければ教師にはなれません。教師になったら、教材や授業のカリキュラムを独自に作るということも全て任され、教科書も教師が選ぶという徹底ぶりです。教師への全幅の信頼がなければ、こうした権利は与えられないのではないでしょうか。●(4)学習に遅れが生じる子どもは授業の前後で補習を行う教え合ったり、話し合ったりすることで子どもたちに協調性を育ませる。クラスの学習についていけない子どもに関しては、授業が始まる前後に補習で補います。教師の采配でフレキシブルにクラスを能力によってグループ分けして授業をすすめていきます。たとえば読み書きが苦手な子どもたちを教師だけではなく、それを得意とする子どもたちにも協力してもらって同じレベルに伸ばしていきます。クラスも少人数制です。子どもたちの協調性も培います。●日本でフィンランド式教育法は有効か日本でフィンランドの教育体制を見習い、同じように変えて行くことはできるのでしょうか?フィンランドの教育では、学習は大切なもの。しかし、その前に人間としての成長が最も大切なことだと社会全体が認識しています。それには子どもに十分な“遊び時間” を与えることが重要だと考えられています。日本における学歴社会では、学校での勉強時間の他にも塾などで子どもの自由時間は減って行くことになります。「いい大学を出て、いい会社に入社する」といった学歴信仰が子どもにとって本当に幸せなのかをよく考え直してみる時期なのかもしれません。現在の日本の社会を考えてみると、フィンランドのような教育体制を目指すことは今は難しいかもしれませんね。日本も国をあげて子どもの教育に投資していかなければ、将来国家全体に関わってくるという認識が求められます。【参考文献】・『フィンランドの教育力ーなぜ、PISAで学力世界一になったのか』リッカ・パッカラ(著)●ライター/渦マキ(フリーライター)
2016年06月16日音楽教育が、子供の情緒や感受性、社会性や知能の発達にとても良い影響を及ぼすことは、すでに広く知られている事実です。また、子供たちが音楽を集中して聞くことで、言語を聞き取る能力もアップし、語彙力や語学力がつきやすくなるとも言われており、昨今ますます幼児のための音楽教室の人気があがっているようです。「音楽教室に通わせたいけれど、経済的な事情や、時間的な問題で難しい」というご家庭は、ぜひ家庭で音楽教育をしてみてはいかがでしょうか。今回は、家庭でもできる音楽教育についてご紹介したいと思います。つけっぱなしのテレビを消して、良い音楽を聞かせよう音楽教育というと楽譜を読んだり、楽器を弾いたりすることを想像しますが、 幼児期の子供にはまだまだ難しいもの。さらに楽器を演奏するにも、手が小さすぎますよね。ですから、乳幼児期はよい音楽をたくさん聞かせて、「耳つくり」をしてあげることが最も重要な音楽教育なのです。普段、リビングで子供と過ごすときなど、テレビをつけっぱなしにしているママも多いかもしれませんが、これからはテレビの代わりに良い音楽を流してみませんか。では、どんな音楽が子供にとって「良い音楽」なのでしょうか。クラシック音楽やジャズ・ポピュラー・日本の伝統音楽・童謡など、音楽といってもさまざまなジャンルがあります。もちろん、どのジャンルにもすばらしい音楽は存在していますが、子供におすすめなのが、それぞれの国の歴史とともに、長く生き続けてきたような音楽です。いくら流行しているとしても、機械的な音楽では、子供の想像力や情緒を育てることは難しいのです。手始めに、ママやパパが小さいころから聞いていた日本の昔ながらの童謡や、モーツアルトのクラシックなどの歴史ある音楽を選んで、部屋でゆっくりするときや、食事中のBGMとして流してみませんか?日常生活や遊びの中に音楽に取り入れる音楽教室ではなく、家庭で音楽教育をするメリットは、遊びや生活の一部として自然に音楽に親しめる点ではないでしょうか。子供が遊んでいるときに音楽を流してあげていると、無意識に子供の心に音楽が刻まれていきます。他にも食事中、寝かしつけの際、朝起きるときなど、その状況に相応しい音楽を選んで、自然な形で生活に取り入れていきましょう。また、子供が元気のないとき、イライラしているときは、まずは静かな音楽を流し、気持ちを落ち着けてから、活発な音楽を流すようにすると、子供たちの気持ちが明るくなったり いらだちをやわらげたりする効果があるとも言われています。このように、子供の気分を変えたり、気を紛らわせたりする手段として音楽を使ってみても良いでしょう。家族で一緒に音楽を楽しもう!子供の情緒や知能の発達に役に立つからと、一方的に子供に音楽環境を与えるだけでは、家庭での音楽教育は物足りないものになってしまいます。大切なのは、ママやパパの心にも、音楽を楽しむ余裕を持ってもらうことなのです。親子一緒に、童謡を歌ったり、音楽を聞きながらリズムを取ったりして、「音楽は楽しいものだ!」と子供が思えるようにしてあげましょう。ママやパパがピアノなどの楽器が弾けるのであれば、童謡やクラシックを演奏して子供に聴かせてあげることができますが、楽器が苦手だったとしてもハーモニカや鈴など、かんたんに演奏できる楽器を用いて、家族で歌いながら合奏するのもおすすめです。また「とんとんとんとんひげじいさん」や「いとまきまき」など、子供たちが大好きな手遊び歌を一緒に歌ったり、音楽に合わせて飛んだり跳ねたりすることも、立派な音楽教育です。このように、家族で音楽に親しみ、楽しんでいるという環境こそが、子供の音楽的感受性を育ててくれるのです。いかがでしたか?音楽が子供の心や脳に良い影響を及ぼすからといって、一方的に楽器を与えたり、子供が嫌がる音楽を聞かせようとしたりするなど、やみくもに「音楽」を押しつけることはやめましょう。子供たちが音楽に親しみを感じ、楽しめるようになってこそ、音楽が子供に良い影響を与えてくれるのです。まずは、親子で音楽を楽しみながら、子供が音楽に興味が持てるような環境づくりから始めてみましょう!
2016年06月08日楽天銀行は4月1日、「楽天銀行教育ローン」の提携大学として、新たに早稲田大学を追加した。○優遇金利で教育ローンが利用できる楽天銀行が提供する「楽天銀行教育ローン」は、提携大学に優遇金利を設定している。このたび、新たに早稲田大学が提携校となり、同大学に入学を予定している人または在学生が優遇金利の対象となる。なお、早稲田大学の関連校として、早稲田大学高等学院、早稲田大学本庄高等学院、早稲田大学高等学院中学部、早稲田大学芸術学校についても優遇金利を設定。提携大学は、東京理科大学、明治大学(在校生のみ)、日本大学芸術学部などがあり、早稲田大学で24校目となる。楽天銀行によると「提携大学の優遇金利の数値は開示していないが、提携大学以外の教育ローンの金利は、4月4日現在、固定で年3.900%、変動で年3.250%。提携校はこの数値よりは低くなる」とコメントしている。「楽天銀行教育ローン」の申し込みは、楽天銀行ホームページの申し込みフォームから入力する形式となっている。必要書類はスマートフォンのカメラで撮影し、「楽天銀行アプリ」で送付。申し込みから最短で翌営業日に融資する。
2016年04月04日楽天銀行は3月8日、東京理科大学と「楽天銀行教育ローン」の提携を開始したと発表した。○優遇金利で教育ローンが利用できる楽天銀行が提供する「楽天銀行教育ローン」では、提携大学に優遇金利を設定。このたび、新たに東京理科大学または諏訪東京理科大学が提携校となり、両校に入学を予定している人もしくは在校生は優遇金利の対象となる。なお提携は、東京理科大学で23校目となる。楽天銀行によると「提携大学の優遇金利の数値は開示していないが、提携大学以外の教育ローンの金利は、9日現在、固定で年3.90%、変動で年3.277%。提携校はこの数値よりは低くなる」とコメントしている。「楽天銀行教育ローン」の申し込みは、楽天銀行ホームページの申し込みフォームから入力する形式となっている。必要書類はスマートフォンのカメラで撮影し、「楽天銀行アプリ」で送付。申し込みから最短で翌営業日に融資する。
2016年03月11日ソニー・グローバルエデュケーションは3月8日、ロボット・プログラミング教育分野に向けた教育キット「KOOV」を発表した。KOOVは自由な形を作ることができるブロックと電子基板に、作った形をロボットとして動かすプログラムで構成されており、2016年夏の商品化を予定している。同製品は、同社が2015年秋に策定した教育カリキュラム「STEM101」を構成するThink(思考力)、Make(創造力)、Feel(探求力)の3つのプログラムのうちMakeを具現化したもの。開発は学校教材メーカーであるアーテックと共同で進めた。同社は「情報を察知し論拠を挙げながら種々の課題を解決する、21世紀型スキルを有するSTEM人材育成にKOOVが寄与するよう積極的に活動してまいります」とコメントしている。
2016年03月08日人工知能を活用することで英語教育を可能としたロボット「Musio」の開発を手がけるAKAは2月5日、成基およびGLOBAL VISIONの2社と 「教育効果の実証実験並びに教材開発実施に関する協力覚書(MOU:Memorandum of Understanding)」を締結したと発表した。今回のMOUは、2016年6月に予定しているMusioの正式販売前に成基およびGLOBAL VISIONが日本で蓄積してきた英語教育に関する知見やノウハウをもとに、 Musioを日本の英語教育向けに最適化していくことを目指したもの。具体的には、 成基が運営する英語学童教室「GKC(グローバルキッズ倶楽部)」ならびに個別指導塾「ゴールフリー」などにおけるMusioのパイロット導入および実証実験を通じて、 Musioを活用したより効果的な学習方法を開発するとしている。 また GLOBAL VISIONは、 実証実験で得られた知見をもとにAKAと共に英語学習コンテンツの開発を行い、同社のネットワークを通してMusioを公的・私的教育的機関へ販売する予定としている。なお、MusioはすでにAKAのWebサイトにて予約受付を開始している。
2016年02月06日英会話のGabaは、小学生または中学生の子どもを持つ20代~50代の男女1,000人を対象に実施した「子どもの受験と英語教育に関する調査」の結果を発表した。調査期間は2015年12月9日~13日。○英語教育改革をどう思う?英語教育改革として、「小学校3年生から外国語教育が開始となり、従来、外国語教育が始まる学年であった小学校5年生からは英語を正式な教科として扱うように変更する」といった計画が進められている。この教育改革について尋ねたところ、90.9%が「賛成」と回答した。また88.7%が「英語教育改革で英語の4技能を習得できたら、子どもの将来の選択肢が広がる」と答えている。外国語教育の早期化については、91.0%が「幼いころから英語に慣れ親しむのは、良いことだと思う」と回答した。もしも、子どもの英語教師を選べるとしたら、どのような能力や経験に秀でた先生を選びたいか聞くと、53.9%が「英会話力を伸ばす、コミュニケーション重視の授業を行うことができる先生」と回答した。次いで「ネイティブの発音で話すことのできる先生」(52.3%)、「留学などで、海外で過ごした経験のある先生」(40.1%)となっている。英会話を楽しく教えてくれそうな"理想の英語教師"(芸能人)はだれか聞いたところ、トップは「関根麻里さん」(40.1%)だった。2位は「パックン(パトリック・ハーラン)さん」(32.5%)、3位は「厚切りジェイソンさん」(31.9%)という結果になった。○95.3%の親が「受験期は子どもの感じるストレスが増す」受験期の不安について聞いたところ、受験期は「子どもの感じるストレスが増す」と思う保護者は95.3%だった。68.6%は「受験期の子どもとの接し方に不安」と回答している。受験期における金銭面の不安では、「受験期は金銭的な負担が増える」と思う保護者は93.0%だった。受験期の子どものサポートについての考えを聞くと、94.6%が「受験期の子どもをなるべくサポートしたい」と回答した。子どもが難関校への進学を目指したいと希望したら、どのようなサポートをしてあげたいと思うか尋ねると「学習塾に通わせる」(67.2%)が最も高く、「勉強を促す声かけをする(25.2%)」や「直接勉強をみる・教える(22.3%)」が続いた。子どもが現在行っている習い事について聞いたところ、「算数・数学」(22.7%)が最も高く、次いで「国語」(17.0%)や「英語」(16.2%)が続き、「英会話」(7.5%)は全体で7位となった。現在行っている習い事のうち、入試の教科に関係しなくとも受験期に続けさせたい習い事は何か聞くと「英会話」が64.0%で最も高かった。次いで「音楽・楽器」(62.4%)や、「国語」(57.6%)、「ダンス・バレエ」(56.1%)となった。
2016年01月28日2015年12月1日から施行された、改正労働安全衛生法に基づくストレスチェックの義務化。実際にどんな制度でなにが変わるのか、説明できますか? まわりから質問されたときに戸惑わないよう、今のうちにチェックしておきましょう。■そもそもストレスチェックってなんのため?今回のストレスチェックの法制化の背景にあるのは、近年のメンタルヘルス不調による長期休業者や労災申請件数の増加です。メンタルが原因で仕事に影響がでることは、本人にとっても会社にとっても大きな問題。そこで、それらを未然に防ぐため、一定規模の事業者にメンタルヘルス管理を義務づけることになりました。うつ病などの原因を割りだし、労働環境の改善に努め、ストレスの要因を減らすことを目的としています。■ストレスチェックが義務づけられる対象は?ストレスチェックが義務づけられているのは常時50名以上の労働者がいる事業場(法人・個人)です。この労働者には、継続して雇用していれば、週一勤務のアルバイトも対象となります。ただし、ここで知っておいて欲しいのは、義務があるのは事業者のみということ。労働者は受検を義務づけられていないため、強制されることはありません。すでに心療内科にかかっていたり、メンタル面が不調の人にとっては、この受検自体がストレスになる可能性もあるので、そういう場合は拒否できます。■実際にチェックって何をするの? どんなことをきかれるの?ストレスチェックは、医師または保健師による質問調査という形でおこなわれます。どんな質問がされるのか? 一例を、厚生労働省が作成して利用を推奨している、職業性ストレス簡易調査票などからいくつか挙げてみましょう。■あなたの仕事について非常にたくさんの仕事をしなければならない時間内に仕事が処理しきれない一生懸命働かなければならない自分のペースで仕事ができる■あなたの最近の状況についてひどく疲れたへとへとだだるい気がはりつめている■あなたの周りの人について上司と気軽に話ができる職場の同僚と気軽に話ができる困った時、上司は頼れる困った時、同僚は頼れる出典: 厚生労働省「こころの耳 職業性ストレス簡易調査票」 上記のような質問に「そうだ」「まあそうだ」「ややちがう」「ちがう」などの選択肢から選んでマークします。実際の質問事項はもっと多くなるでしょう。それらを専門家が分析して、あなたが高ストレスかどうかを判断します。■高ストレスと判断されたらどうなるの?質問調査の結果、高ストレス状態と診断されても、すぐにそれが会社に伝わるわけではありません。結果はまず個人へ知らせられ、受検者のあなたの同意なく会社へ通告はされません。また、高ストレス者本人が希望すれば、会社は医師との面談を提供しなくてはならず、医師が必要と判断すれば高ストレス者の労働時間短縮や配置換えを会社へ指示できます。ここで、ひとつ心配なのが「高ストレス者だ」と会社に告げることで、仕事を取り上げられたり、望まぬ異動をさせられたり、あるいは遠まわしに退職勧告されないか? という点です。そんな心配は無用。この検査結果に基づいた、不利益取り扱いは法律で明確に禁止されています。高ストレスだという結果がきたら、無理をせず、なるべく会社へ申告してヘルスケア改善につとめるようにしましょう。
2016年01月06日モンテッソーリ教育は、シュタイナー法と並び「世界2大幼児教育法」と称される教育法です。根底にあるのは、子どもの「敏感期」がどういうものかを知り(→知る)、子どもをきちんと観察し(→見守る)、子どもに適切に声がけ、働きかけをする(→ときどき助ける)という子育てメソッド。欧米で実績のある手段なのだそうです。『知る、見守る、ときどき助けるモンテッソーリ流「自分でできる子」の育て方』(神成美輝著、百枝義雄監修)は、そんなモンテッソーリ教育を子育てに取り入れるためのコツを紹介した書籍。3章「『観察→発見→見守る』から始まる、今すぐできる10のこと」から、要点を引き出してみましょう。■1:観察する観察の目的は、子どもの「興味の中心」を見つけること。たとえば電車の名前をおぼえるのが好きだった子は、そこから、駅、地図、そこで働く人など、興味を広げていくもの。つまり子どもの興味の中心さえ見つけることができれば、そこから広がりを得ることができるということです。そこで、まずは子どもがなにに本当に興味があるのか、じっくり観察してみることが大切だと著者はいいます。■2:自由に選択させる「~しなさい」と親が決めたことをさせるだけでは、子どももやる気を失うもの。そうではなく、大切なのは「選択肢」を与え、判断力を育むこと。具体的には、小さいうちは「2択」。大きくなるにつれ、選択肢の数を増やしていくといいそうです。選択するという行動は、考える力につながるもの。なにかの困難にぶつかったときにも、「どうすればいいのだろう」と考えることができるようになるわけです。■3:見守り、挑戦させる子どもの方から「手伝って」「助けて」というサインを見せるまでは、大人はじっと待った方がいいのだと著者はいいます。なぜなら失敗をして、新たなやり方を見つける、もう一回最初からやってみるというようなことを繰り返すことによって、子どもは自分でいちばんいい方法を見つけ出すことができるから。「教えない教え」によって、やる気と自信、気づきの機会を与えるべきだということです。だからこそ、子どもの方から「手伝って」「助けて」のサインを見せるまでは、大人はじっと待った方がいいのだと著者はいいます。■4:ゆっくり見せる子どもにとって、大人の動きは早送りのDVDを見ているようなもの。普通のスピードでなにかを教えたとしても、まったくついていくことができないのだそうです。また子どもは、手と耳を同時に働かせることが苦手。口で説明をしながらなにかを教えても、混乱するばかりだといいます。子どもの動き方を教えるときには、(1)子どもがわかるように、ゆっくり見せる。(2)見せるときと聴かせるときを区別する。言葉での説明を同時にしない。ということを意識すべき。■5:子どもを待つ大人から見て、子どものペースが「のんびり」に見えたとしても、子どもは大人が思っている以上に考えているもの。順番を守ったり、習慣にこだわったりするなど、子どものなかには「厳しい秩序」があるので、そう簡単には進められないということです。そこで待ち時間は、「考える力」が伸びる時間であると心得ることが大切。■6:察するのをやめるお茶がほしいと目で訴えれば、なにもいわなくても用意してあげるなど、子どもの気持ちを察して先回りして動くことが多いのが大人。でも「察してしまう」ことが、意思を自分で伝える訓練の妨げになっているとか。知らんぷりをすることも、「伝える力」を伸ばすものであるということ。■7:ルールを設ける自由のなかに、ルールを持たせることも大切。きちんとルールがあり、それを破ると楽しめなかったり、トラブルになったりするということが学べるわけです。大切なのは、ルールをきちんと伝え、あとは見守ること。■8:オーバーにほめない子どもがなにかを「できた」と伝えてきたとき、大人は「やった~。すごいね~」とオーバーにほめてしまいがち。しかし子どもは何度も失敗してようやくできるようになったので、「これだけ練習したんだから、できて当たり前」「そんなにすごくはない」と思っているのだとか。しかし子どもは、「ほめられる」より「認められたい」もの。そこで、オーバーにほめずに、認めてあげることが大切だといいます。■9:共感する1歳半~3歳くらいまでの子どもは、なんでも「イヤイヤ」というイヤイヤ期。そんなときの対処法のひとつは、「イヤなのね。でも、いまから○○するからお片づけしよう」というように、“やりたくない気持ち”を受け入れることが大切。うれしいことも、イヤなことも共感することで、子どもとの心の距離がぐっと近くなり、「チャレンジ精神」が向上するそうです。■10:失敗させる子どもは失敗しながら多くのことを学ぶもの。だからこそ、間違っているときに教えてしまうのではなく、あえて失敗を「見せる」勇気が学力向上につながるのだと著者はいいます。*これらはほんの一例で、他にも「知る、見守る、ときどき助ける」ためにおぼえておきたいことが満載。子育てに四苦八苦している方は必読です。(文/書評家・印南敦史)【参考】※神成美輝(2015)『知る、見守る、ときどき助けるモンテッソーリ流「自分でできる子」の育て方』日本実業出版社
2015年12月05日はじめにほとんどの生命保険では、契約する際に、医師の診断や過去の傷病歴、現在の健康状態、職業等について、事実をありのままに告げる「告知」が必要になります。以下、告知義務と告知義務違反の内容についてみていきます。告知義務について告知義務とは、保険の対象になる人が保険会社に対して、過去の傷病歴や現在の健康状態、職業等について、事実をありのままに告げなければならない義務のことです。保険会社では、大数の法則を用いて各年代における死亡率や、罹患率(病気になる率)を計算し、それをベースに保険料を算出しています。告知義務には、死亡するリスクの高い人、病気などで入院するリスクの高い人、職業上ケガをするリスクの高い人等が、そうでない人と同じ条件で保険に加入することを防ぐ目的があります。上記のようなリスクの高い人が無条件に加入してしまいますと、保険料負担の公平性が保たれなくなります。また、保険金の支払いが増え、それにより保険会社が集めた保険料と支払う保険金のバランスが崩れてしまい、その保険契約を継続できなくなる危険性も発生します。そのようなことを防ぐために告知義務があります。保険商品には、別途、持病や既往症のある人向けに告知する項目を絞り、保険加入へのハードルを下げた「引受基準緩和型」や、告知義務のない「無選択型」等の商品があります。ただし、このような商品では、保険料は告知義務が必要な生命保険に比べ、一般的に高くなります。また、死亡保険の引受基準緩和型では、契約から一定期間(1年程度)は、死亡保険金の支払金額を通常の50%に削減したり、告知義務のない無選択型の商品では、契約から一定期間(2年程度)については、死亡保険金の金額を既払込保険料相当額に設定したりしています。引受基準緩和型や無選択型保険は、保険金の支払条件等について、商品選択時に特にしっかり確認しておきましょう。一方、健康状態、喫煙歴等の状況、その他所定の基準を満たす場合、保険料を割り引く保険商品や特約を用意している保険会社もあります。告知義務違反について告知義務違反とは、契約者または被保険者が故意または重大な過失により事実の告知を怠ることや、事実と異なる告知を行うことをいいます。この場合、保険会社は約款で定めた期間内で保険契約を解除することができます。また、保険金や給付金の支払事由に該当して死亡した場合や、病気・ケガをした場合でも、告知義務違反があったことが分かれば、保険会社は保険契約を解除することができ、保険金・給付金が受け取れないことがあります。また、既に保険金や給付金を受け取った場合でも、告知義務違反があったことが判明した場合、保険金の返還請求をされることもあります。まとめ以上、告知義務と告知義務違反についてみてきました。告知義務に対してストレスを感じる方もおられると思いますが、生命保険契約で確実に保険金を受け取るための第一歩と考え、正確な告知を行いましょう。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年11月10日「自分で考える力を養う」ことが教育の目標として掲げられ、欧米の教育が脚光を浴びています。そのための効果的な学習について、フランスやアメリカの例を取って、以下にまとめてみました。他人からの学びこそが、すべての基礎自分で考える力を養うためにまず重要なことは、「他人から学ぶ」こと。自分で考えるためには材料が必要であり、そのほとんどは他人から生み出される知識です。ごくごく一部の天才的なひらめきを除いて、新たなアイデアや発想、イノベーションのほとんどは、先人による知識の蓄積から学んだことが土台にあるといいます。そのため、アメリカの大学では学生に専攻分野で必読書となるものを徹底的に読み込ませ、論文を書かせます。週に1,000ページぐらい読むのは当たり前で、ほぼ毎週、何本も論文を書きます。読んで、書いて、読んで、書いてを繰り返すことで、先人が蓄積した知識を十二分に吸収し、それについて考え抜いた後で、ようやく自分で新たなアイデアを生み出すことができるようになると考えるからです。フランスでも同様に、大学への入学資格となるバカロレアは論述試験となりますが、これまで学んできたことを基にして自分の考えを理論的に展開する力が問われます。特に哲学の試験では、教科書をはじめ、数々の哲学書に書かれている内容を上手く整理し、最後に自分の考えを述べるようにしないと、高得点は得られないといわれています。実際に書いてみることが最良のトレーニング学びを基に自分の考えを深化させる上で最も確実な方法は、「書くこと」。自分の頭の中だけで整理してまとめることができる人も中にはいますが、ほとんどの人は、書いているうちに思考が深まり、考えがまとまるようです。書き始めると、論旨の展開や表現にも配慮するようになります。書くからには自己満足で終わらず、相手に理解して納得してもらいたいもの。特に、試験で高得点を得ようと思うと、学んだことを単に列記するだけではなく、重要な点をしっかりハイライトし、説得的に述べることがマストです。アメリカやフランスをはじめ、欧米の学校の試験は、ほとんどが論述式です。正しい回答を得ることよりも、それに到達するプロセス、つまり思考のプロセスを見ることが重要だと考えるからです。世の中には回答のない問題が山積みです。正しい答えが存在しない中、自分で回答を導き出すには、思考のプロセスが試されます。そして、最終的に正しい考えとして世の中の人々に受け入れられるためには、周囲が納得してくれるよう自分で説得していかねばらないからです。このように見ていくと、読書などを通じて、まずは「他人の考えについて学ぶこと」が重要であり、それを踏まえて、「自分の考えを説得的に述べることができるようになること」こそ、教育の集大成であり、「考える力を養う」ことであるということがわかります。(タベ真美)
2015年10月10日武蔵野銀行は23日、顧客の様々な教育資金ニーズに対応するため「教育サポートキャンペーン」を開始した。○一定の条件を満たすと通常標準金利から年1.40%の金利を差し引きする「教育サポートキャンペーン」は、2016年4月30日までのキャンペーン期間中に「むさしの教育ローン」または「プレミアム教育ローン」を申込みをした顧客(申し込み方法の条件あり)が、一定の条件を満たした場合、通常標準金利から年1.40%の金利を差し引きするとしている。今後も武蔵野銀行は、顧客へのより一層のサービス向上に努めていくとしている。
2015年07月27日●SIMロック解除によるメリットとデメリットとは5月よりキャリアによるSIMロック解除が原則義務化された。これに伴って、NTTドコモとKDDI、ソフトバンクの大手キャリアはSIMロック解除に関するルールをそれぞれ公表しており、SIMロック解除ににわかに注目が集まっている。とはいえ、「そもそもSIMロックって何?」「SIMロック解除によって何が変わるの?」などと疑問に思っている人も多いだろう。本稿では、SIMロック解除についてあらためて解説するとともに、そのメリットとデメリットを紹介していく。また、キャリア以外の選択肢として最近人気となっているMVNOサービスとあわせ、SIMロック解除の義務化によって、今後スマートフォン市場で何が起こるのかを考察してみたい。○そもそも"SIMロック"って何?まずは、そもそも"SIMロック"とは何かについて解説していこう。NTTドコモやKDDI、ソフトバンクといった主要キャリアが販売するスマートフォンや携帯電話では、SIMロックという制限がかけられている。スマートフォンなどでは、SIMカードと呼ばれる小型のICカードを装着することでデータ通信や通話を行えるが、一般的にキャリアが販売する端末の場合、そのキャリアのSIMカードしか利用できず、他社のSIMカードは利用不可となる。これがSIMロックだ。たとえば、ドコモのSIMカードをKDDIやソフトバンクのスマートフォンに装着しても認識されず、データ通信や通話はできない。そのため、MNP(携帯電話番号ポータビリティ)などで他のキャリアに乗り換えた場合、SIMロックがかかっている限り、以前のキャリアで使っていたスマートフォンは利用できず、移行先のキャリアで新たに端末を購入する必要が生じる。実際には、MNPのキャンペーンによって端末代金や月額料金が割引されることも多いが、SIMロックは"2年縛り"などの契約期間の制限とあわせて、キャリア間の柔軟な乗り換えを阻害する要因になっていたと言えるだろう。○SIMロック解除によるメリットSIMロック解除とは、このSIMロックをユーザーが自身の希望に応じて解除できるというものだ。これまでもNTTドコモが同社のAndroidスマートフォンでSIMロック解除に応じていたほか、ソフトバンクでもごく一部のAndroidスマートフォンでSIMロック解除が可能であった。しかし、総務省が昨年12月に発表し、5月より適用されたSIMロック解除に関する新ガイドラインでは、キャリアが販売するすべての端末で原則としてSIMロック解除に応じるように改められた。また、SIMロック解除の手続きについては、ユーザーがインターネットや電話を使って簡単に解除手続きができるようにし、なおかつ無料で解除が行えるものとした。4月22日にNTTドコモとKDDI、ソフトバンクがそれぞれ公表したSIMロック解除に関するルールは、同ガイドラインに沿ったものとなっており、5月1日以降に発売される機種について、購入日から180日経過後にSIMロック解除の手続きを受付けるとしている。また、3社ともWebサイトから申し込むことで無料でSIMロック解除が可能となっている。このように各キャリアでSIMロック解除が可能になるメリットとしては、まず以前のキャリアで使っていたスマートフォンなどを、乗り換え先のキャリアでそのまま利用できることが挙げられる。現在利用中のキャリアのサービスや料金に不満がある場合に、端末を変えることなく、キャリアのみ乗り換えることが可能になるわけだ。ただし、後述するように端末がサポートする通信方式や周波数帯によっては、乗り換え先のキャリアで利用できない可能性があることに注意が必要だ。また、SIMロック解除のもう一つのメリットは、スマートフォンの海外利用が可能になることだ。SIMロックを解除した端末であれば、海外旅行先などで現地の安価なSIMカードを購入し、端末に装着して使うことができる。割高なローミングサービスを利用したり、海外用の端末をレンタルしたりする必要がないため、旅行や出張で海外によく出かける人にとっては、大きなメリットと言えるだろう。○SIMロック解除によるデメリット一方、SIMロック解除が原則義務化されることにはデメリットもある。もっとも懸念されているのは、端末代金が高騰することだ。たとえばiPhoneなどが実質0円から購入可能となっているように、キャリアは端末代金の一部を肩代わりして、ユーザーの端末購入のハードルを下げる代わりに、月々の料金から回収するというビジネスモデルを採用している。このビジネスモデルは長期利用を前提としており、キャリアにとっては、端末代金を肩代わりしたユーザーが、早期に他キャリアへ移行してしまっては端末代金を回収できず損失となる。SIMロック解除によってビジネスモデルが成り立たなくなるのであれば、キャリアによる端末代金の肩代わりがなくなり、ユーザーの端末代金の負担額が増加する可能性があるわけだ。また、SIMロックを解除した端末だからと言って、必ずしも他のキャリアで利用できるわけではなく、それによるトラブルや混乱が起きることも懸念される。各キャリアのネットワークの通信方式や周波数帯は同一ではなく、端末がサポートする周波数帯も各キャリアごとに異なるため、SIMロックを解除して他キャリアに乗り換えても、移行先のキャリアで使えない可能性がある。そのため、SIMロック解除がスタートしても、解除した端末を用いた他キャリアへの乗り換えが増えるかと言えば、実際にはそうはならないかもしれない。●SIMロック解除でMVNOへの移行が加速する?○SIMロック解除でMVNOへの移行が加速する?それでは、いわゆる"格安SIM"と呼ばれるMVNOサービスへの移行についてはどうだろうか。キャリアよりも低料金で利用できるMVNOサービスだが、その大半はドコモのXi・FOMA網に対応した通信サービスとなっている。実は、ドコモのXi・FOMA網に対応したMVNOのSIMカードの場合、ドコモ端末であれば、SIMロックを解除することなく利用することが可能だ。そのため、ドコモのスマートフォンを利用しているユーザーにとっては、SIMロック解除義務化の前後で変わりなく、様々なMVNOサービスから好みのものを選んで、低料金のMVNOサービスへ移行することができる。一方、KDDIやソフトバンクのユーザーの場合、SIMロック解除によって、自身の端末でドコモのXi・FOMA網に対応したMVNOサービスへの移行が可能になるため、低料金でスマートフォンを利用する選択肢がかなり広がると言える。ただし、前述したような通信方式や周波数帯の問題は残るため、端末がサポートする周波数帯などをよく確認する必要があるだろう。これらのことから、SIMロック解除でMVNOサービスへの移行がしやすくなるのは、直接的にはKDDIとソフトバンクのごく一部のユーザーに限られそうだ。しかし、SIMロック解除によって、キャリアのスマートフォンの端末代金が高騰すれば、高額な端末代金を嫌うユーザーのMVNOサービスへの移行を後押しする要因になるかもしれない。MVNO各社では、格安SIMとSIMフリースマートフォンをセットで提供するスマホセットプランを提供しており、安価で魅力的なSIMフリースマートフォンも続々と登場している。SIMフリースマートフォンとは、最初からSIMロックがかかっていないスマートフォンのことで、海外でも利用できるのはもちろん、他のMVNOサービスやキャリアに乗り換えても使い続けることが可能だ。たとえば、U-NEXTのMVNOサービス「U-mobile」では、5機種のSIMフリースマートフォンとのセットプランを提供している。ASUS製の5インチAndroidスマートフォン「ZenFone 5」の場合、高速データ通信が使い放題となる「LTE使い放題2プラン」(1年契約)とのセットプランでは、端末代金の分割支払金を含む24カ月の月額料金は3,830円(以下、金額は税抜)。25カ月以降は、音声SIMカード単体の月額料金2,730円で利用することが可能だ。なお、端末は一括購入も可能で、価格は26,400円となる。キャリアの新料金プランでは、通信容量が月間2GBの最低料金のプランでも、月額6,500円となるため、U-mobileがいかにリーズナブルか分かるだろう。ZenFone 5をはじめとする人気のSIMフリースマートフォンでは、キャリアが販売するハイスペック端末と比較しても、通常利用する上では性能差はさほど感じられない。「@docomo.ne.jp」などのキャリアメールは使えないものの、LINEやTwitter、FacebookなどのSNSはもちろん快適に利用できる。また、U-mobileでは5月16日よりZenFone 5の次世代機にあたる「ZenFone 2」の取り扱いを開始しており、こちらについては4GBメモリ+eMMC 32GBを搭載と、非常に高い性能とコストパフォーマンスを有している。SIMロック解除でキャリアのスマートフォンが高騰すれば、これらのSIMフリースマートフォンがますます注目を集めることになりそうだ。***キャリアによるSIMロック解除の義務化のメリットやデメリットについて見てきた。ハイスペックな端末を実質0円などで提供し、長期契約による月々の料金で回収するというキャリアのビジネスモデルはSIMロック解除によって崩れつつあり、スマートフォン市場は転換点に差し掛かっていると言える。主要キャリアが昨年、相次いで提供した新料金プランは各社横並びとなり、キャリア間の競争は停滞している。しかし、SIMロック解除がスタートしても、キャリアがユーザーにとって魅力的な料金プランを用意できないようであれば、U-mobileをはじめとするMVNOサービスが最良の選択肢となるかもしれない。
2015年05月21日20世紀初頭、オーストリアの神秘思想家、ルドルフ・シュタイナーが考案した、自由と芸術、そして創作を基調にした教育が「シュタイナー教育」です。近年、日本では、教育熱心な親御さんたちが注目している、オルタナティブ教育といわれるジャンルの1つです。現在、シュタイナー教育を行っている学校は、日本で8校。全世界では91ヵ国、1,000校以上に及ぶそうです(2015年4月時点)。今回はそんな世界に広がるシュタイナー教育の中から、注目のシュタイナー教育校を4校ご紹介します。■世界のシュタイナースクール(1)San francisco Waldorf school (北アメリカ、サンフランシスコ)カリフォルニア州は、全米でもっとも公的資金によるシュタイナー教育を行っている学校が存在している、オルタナティブ教育が盛んなエリアです。その中で35年間の歴史が在る、サンフランシスコ・ウォドルフ・スクールは、幼稚園から高校までウォドルフ教育を一貫して行っている、北アメリカで一番大きな私立のシュタイナースクールです。芸術や実践を重視するシュタイナー教育は、いわゆる一般的な教育を行っている学校との学力の差についてしばしば話題になりますが、サンフランシスコ・ウォドルフ・スクールは、Western Association of Schools and Colleges (WASC)(※)にも認定されていて、それぞれの学年でしっかり学力も学べる学校です。 (※)WASCは、アメリカに本部がある教育認定機関。WASCの認定資格は、世界的な資格として有用とされ、WASC認定校で12年の課程を修了した18歳以上の者は大学入学資格あり=高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められています。■世界のシュタイナースクール(2)Panyotai Waldorf School(タイ、バンコク)タイで一番初めに設立されたシュタイナースクールです。創設者である Porn Panosot医師が、自分の子どもを通わせたいと思う学校がなかったため、「いっそのこと自分で学校をつくってしまえ」と考えたことが、設立の理由の1つです。 Porn Panosot医師は、その後、医者を辞めて、アメリカまでシュタイナー教員の資格を取りに行き、1996年にPanyotai Waldorf School学校が開校されました。Panyotai Waldorf Schoolは学校法人認定校であり、タイ国内では、国内の有名大学のほか、海外の有名大学に進学する率がとても高い学校としても知名度があります。現在は、定員がいっぱいの状態。長いウェイティングリストに名を連ねなければ入学できない人気校です。 ■世界のシュタイナースクール(3)Rudolf-Steiner-Schule Schwabing (ドイツ、ミュンヘン)シュタイナー教育の生みの親ルドルフ・シュタイナーの出身国であるドイツ。1970年代に、日本に初めて「シュタイナー教育」を紹介した、子安美知子氏の著書「ミュンヘンの小学生」で、著者の娘さんが通っていた学校がRudolf-Steiner-Schule Schwabingです。系列校に、高等教育まで学べるRudolf-Steiner-Schule München-Schwabingという学校もあります。 ■世界のシュタイナースクール(4)Moscow Waldorf School Nr. 1060 (ロシア、モスクワ)ゴルバチョフ大統領が起こした政治改革運動、ペレストロイカ時代に行われたロシアの教育システム改善によって、ロシアにやってきたシュタイナー教育。全校生徒400名ほどのMoscow Waldorf School Nr. 1060は、1996年に公立の学校に認定されたシュタイナー教育校です。世界各国のシュタイナースクールには、ユネスコのプロジェクト校に指定されている学校も多くあります。興味のある方は、世界中の学校をネット検索してみるのもおもしろいかもしれませんね。
2015年05月20日「子どもが生まれたら学資保険に入りなさい」親からそう言われて教育資金づくりを意識するようになった人は多いのではないでしょうか。でも、教育資金を準備できるものは学資保険だけではありません。本コラムでは学資保険以外の保険を活用して教育資金を準備する方法をわかりやすく解説します。また、昨年(2014年)国会で可決された保険業法の一部改正により、保険加入の際に受けるアドバイスに変化の兆しがみえています。保険選びがどのように変わっていくのか。その方向性についてもお話しします。教育資金を効率よく貯めるために必要な4つの要素皆さまはデヴィッド・バックという人をご存じですか?アメリカで活躍している資産コンサルタントです。彼の著書「自動的に大金持ちになる方法[オートマチック・ミリオネア]」には、資産形成を成功させるには次の要素を満たす必要があると書かれています。日常のちょっとした無駄(コーヒーやたばこなどの「ラテマネー(注:著書に出てくる言葉)を節約する毎月の給与から一定割合を積み立てる積み立ての一部を投資にまわす長く続ける教育資金という資産形成をする場合、必要となる時期・金額がほぼ明確です。学費を払うタイミングで資金が足りないのは困るので、そうならないようにゴール設定を明確にして、積み立てを行うことになります。また、貯金が苦手な人は「続ける」ことが苦手なことが多いので、上記の要素を教育資金づくり向けに、次の言葉に置き換えてみました。小さな無駄を節約して、積み立てにまわすお金を捻出する毎月の給与から一定額を積み立てる必要な時期に資金が用意できるものを選ぶ解約しにくい金融商品を選ぶ教育資金づくりのための金融商品を選ぶときは、まず、4.解約しにくい商品を選ぶこと。特に貯金が苦手な人はこの要素が外せません。学資保険や貯蓄性のある生命保険の場合、短期間で解約すると解約控除(解約の手数料のこと)がかかる仕組みになっているので、解約しにくい(=続けやすい)ところがいいですね。なかでも低解約返戻金型終身保険は、保険料の払込期間中の解約返戻率を通常の7割以下に抑えてあります(図1)。しかも、「保険設計書」に解約返戻金の推移表が記載されているので、何年後に解約した場合にいくら戻ってくるかがあらかじめわかります。必要なタイミングで解約することを前提に利用することができます。図1 低解約返戻金型終身保険のしくみ資料:執筆者作成保険料の払込期間と解約返戻金をチェックする低解約返戻金型終身保険を教育資金づくりに活用する場合、真っ先に確認したいのは保険料の払込期間と解約返戻金の推移表です。家計に無理のない設定になっているか、その積み立てで必要な資金を用意することができるのかをみるようにしましょう。お子さまが生まれた年(お子さま0歳)で契約した場合、経過年数とお子さまの年齢が一致します。例えば、0歳のお子さまのいる30歳男性が、払込期間10年の低解約返戻金型終身保険に加入した場合、保険料の払い込みが終わるのはお子さまが10歳のときです。10歳は小学4年生になる年齢ですので、私立中学受験のために進学塾に通うことになったとしても、それまで支払っていた保険料を塾の費用に充てることができます。なんとかなりそうな積立計画といえるのではないでしょうか。保険料の払い込みが早くに終われば、それまで支払っていた保険料相当分を再び教育費に充当することができます。それも含めて、無理のない計画かどうかをチェックしてください。一般的に、契約年数の経過とともに解約返戻率は増加していきます。しかし、低解約返戻金型終身保険では、保険料払込期間中の返戻率を通常の終身保険より抑えてあります(その分保険料も抑えられています)。一方、保険料の払い込みが終わった後は、解約しなければ解約返戻金は年々増加していきます(図1参照)。一般的に支払った保険料の累計を上回りますが、この保険に加入する際は、解約返戻率が低く設定されている保険料払込期間中に解約することのないように、十分注意して計画をたてる必要があります。もちろん、解約返戻率は保険会社によって設定が異なります。複数の保険会社に見積りをとり、比較検討するとよいでしょう。保険募集時に義務付けられた「意向把握」と「情報提供」。保険業法改正で保険提案はこう変わる!保険業法では、これまで虚偽の説明等、「不適切な行為の禁止」に限定された募集規制が明記されているだけでした。しかし、今回の改正で新たに「積極的な顧客対応」が追加されることになりました。顧客ニーズを把握して提案すること(意向把握義務)や、お客さまが判断するのに必要な情報提供を行っていくこと(情報提供義務)が求められることになります。保険を提案する人(保険募集人)は、お客さまのニーズをくみ取ることと、保険加入にかかわる判断材料を適切に提示することを求められるようになります。これらは喜ばしいことですが、契約者である私たちが保険の内容を理解しようとしなければ、せっかくの制度改正も絵に描いた餅にすぎません。自分の意向を整理して担当者に伝えることと、複数の保険から比較して選ぶ努力を惜しまないこと。この2点に注意して保険を選びたいものです。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年05月12日