「老後資金をどう作ろうか」とお悩みの人も多いだろう。会社員なら、公的年金と退職金が老後資金の中心になるだろう。そんな退職金は、会社を辞めるとドンと手に入る。人は大金を持つと、気が大きくなって使いたくなるものだが、定年後の人生はおおよそ30年。もらってすぐ派手に使うのはNGだ。「ムダ遣いしないように、小分けして支給して」と考え、年金型での受取りを選ぶ人もいるかもしれない。「退職金の受け取り方は、よく考えて!」と、税理士の板倉京さんは助言する。「退職金には『退職所得控除』という大きな非課税枠がありますから、これを最大限活用するのがお勧めです」退職所得控除は、勤続年数で決まる。勤続20年以下の方の退職所得控除は40万円×勤続年数。勤続20年超なら、40万円×20年+70万円×(勤続年数-20年)。「退職所得国所を最大限活用するなら、退職金は、年金型より一時金で受け取るほうがよいでしょう。そのほうがお得になる方が多いと思います」たとえば22歳で入社、38年勤めあげ、60歳で退職するAさんを例に考えよう。「Aさんは勤続38年ですから、退職所得控除として2,060万円もの非課税枠があります。これを活用するのです」非課税枠が2,060万円ということは、そもそも退職金が2,060万円以下なら、税金は不要だ。たとえ2,060万円を超えていても、退職金から非課税枠である2,060万円を差し引いた額の2分の1に税率をかけて納税額を算出するので、税額はかなり抑えられる。「逆に、年金型で受け取った場合は、退職所得控除は使えません。1年間の退職金の受取額と公的年金を合わせた額から『公的年金等控除』を差し引き、税額を計算することになります。公的年金等控除は、退職所得控除と比べると額が少なめなので、納税額が多くなってしまう傾向があるのです。さらに、年金型で受け取る退職金は、公的年金と合わせて『収入』とみなされ、この収入を元に、社会保険料が計算されます。退職金が上積みされている分、収入が増え、社会保険料も高くなりがち。さらに、収入が高いと、高齢の低所得世帯への優遇措置などを受けられないこともあります」会社に預けておくと、比較的高利回りで運用してくれるという好条件があっても、退職所得控除を最大限活用できる一時金で受け取ったほうが、メリットが大きいのだ。板倉さんは「知らないと大損する!定年前後のお金の正解――会社も役所も教えてくれない手取りを増やす45のコツ」(ダイヤモンド社刊)を上梓。お得ワザを知って、老後資金をがっちり貯めよう。
2020年12月24日「コロナ禍以降、経済の先行きが不透明になり、会社員でも雇用や収入に不安を抱く方が増えています。こうした状況では老後の資金確保にも焦りを感じやすいものですが、目先の利益に飛びつくと失敗を招いてしまいます」こう話すのは、お金にまつわるセミナー開催やコンサルティングを請け負う「ぜにわらい協会」会長の吹田朝子さん。吹田さん自身も、これまで3,300件以上の相談を受け、さまざまな家庭のお金の使い道を設計してきた。「お金に振り回されやすい人は、老後のお金でも失敗しがち。一度ご自身のお金にまつわる考え方をチェックしてみましょう」老後資金にまつわる代表的な不安といえばまっさきに浮かぶのが「老後2,000万円問題」。’19年、金融庁が公表した報告書の中で、夫65歳、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯で、今後20〜30年生きるとした場合、年金を受給しても約1,300万〜2,000万円が不足すると報告され、議論を呼んだ。吹田さんは、こう指摘する。「誤解されている方が多いのですが、この数字はあくまで統計上の平均値であって、必ずしもすべての家庭に当てはまるわけではありません。家族構成や家庭の事情によって、必要な老後資金は変わってきます」特にリタイア後の生活資金は家庭によって大きな差が出る。都市部か地方なのか、旅行などのレジャーに積極的に出かけたいのか、家庭菜園を楽しみながら自宅中心の生活を送りたいのか、それだけでも違うのは明らかだ。「ですから、2,000万円と聞いて慌てて貯金に走る前に、老後にどんな生活を送りたいのか、そのためには毎月どれくらい生活費が必要なのかをあらかじめ夫婦で話し合い、具体的にイメージしておくことが大切です。金額だけを目標にしてしまうと、途中で挫折したり、節約のストレスから浪費がふくらみがち。『こんな生活を送りたい』という目的をはっきりさせましょう」必要な金額がイメージできれば、根拠のない不安から焦ることも少なくなる。老後資金についても、家計と同様に見える化して考えよう。特に資金を「守りのお金=年金・保険」と「攻めのお金=投資・運用」の2つに分けると、具体的に何をすべきか見えてくる。その結果、不安が減り、失敗が少なくなるのだ。「50歳以上なら、毎年誕生月に送られてくる『ねんきん定期便』で、将来受け取る年金の見込額を確認できます。その金額さえわかれば、夫婦でイメージしている老後の暮らしを送る場合、毎月の不足分がいくらになるのか、おおよそ予測できるでしょう。不足額がわかれば、投資計画が立てやすくなります。不足分を補うには、どんな金融商品が適しているか、毎月いくらを何年間ほど積み立てればいいのかといったことも見えてくるはずです。そうすれば、焦ってリスクの高い金融商品に投資したり、あやしい投資話に引っかかったりする可能性はぐっと低くなります」(吹田さん)投資と聞くと「難しそう」「損をするんじゃないか」と苦手意識を抱く人も多いが、失敗する理由がわかれば、怖がる必要はない。投資・運用のアナリスト、石川紀子さんと、多くの顧客の資産形成に携わる丸山哲也さんの2人が“攻めのお金” の攻略法を伝授。「投資の失敗でありがちなのは、資金が貯まってから一気に始めようというケース。実践経験がゼロの状態で大金をつぎ込むことになるので、大失敗につながります。投資を始める際は、目安として生活費の半年分程度の貯金があれば大丈夫。まずは少額の投資から始めて、少しずつ勉強していきましょう。毎日、株価をチェックするだけでも、どんなときに値動きがあるのか、徐々にわかるようになってきます」(石川さん)さらに丸山さんは、最初は少額でも長く続けることの重要性を力説する。「投資には、複利効果があります。たとえば投資信託で一定額を積み立てていくと、収益が発生します。この収益を元本に組み込み、同じことを繰り返していくと、その額は雪だるま式に大きくなっていく。これが複利効果です。最初は小さくても、長く続けるほど大きくなるので、早めに始めたほうが大きな成果が出やすいのです」老後資金対策として、初心者にも始めやすい投資の代表が「つみたてNISA」と「iDeCo(個人型確定拠出年金)」だ。つみたてNISAは、年間40万円の積立額を上限として、最長で20年間、得られた利益が非課税となる。そのメリットを最大限生かすため、20年間、換金しないことを前提に運用しよう。「商品は、信託報酬が低めのインデックスファンドがおすすめ。過去3年以上の運用実績があり、100億円以上の資産残高があるものを選びたいですね。信託報酬とは、管理・運用のために証券会社に継続して支払う手数料のこと。信託報酬が2%前後と高報酬の商品は、利益が出ても相殺され、元金が増えないケースもあるので注意して」(石川さん)iDeCoの場合は運用の利益が非課税になるだけでなく、掛け金の全額が所得控除の対象となり、所得税と住民税が軽減される。ただし60歳まで引き出せないので、無理のない金額で投資しよう。商品は、日本株、世界株、世界債券、REIT、ゴールドなど4〜8種類に分散させて。「積み立ては自動的に行われますが、定期的に途中経過をチェックするようにしましょう。一時的な増減で一喜一憂せず、なぜ上がったのか、下がったのかを運用報告書やネットの情報を調べるなどチェックして。将来性に疑問を感じたなら、ほかの商品への乗り換えも検討すべきです」(丸山さん)いざ老後生活に突入すれば、準備してきた資金を引き出すときがやってくる。間違っても、運用中の口座を一気に解約しないように気をつけたい。「所得控除が受けられるなど、税制上のメリットのある口座から解約を。投資の利益が元金に対して50%以上出ているときは、全体の3分の1程度の金額を取り崩し、その後も運用を続けましょう。たとえば、100万円を元金として50万円の利益が出ている場合は、利益分の50万円だけ取り崩します。利益がそこまで出ていない場合は、そのまま運用を続けたいので、銀行の預貯金口座から引き出していきます」(石川さん)複数の銀行口座、証券口座を持っている場合は、万が一のときに整理しやすいよう、使い勝手のいい口座5つ程度を目安に、徐々に絞っていこう。数字を見える化して分析できれば、投資・運用だって怖くない!「女性自身」2020年11月10日号 掲載
2020年11月19日年を取ってくると“いまさら人に聞けない”話が増えてくるものですが、ことお金にまつわる話題は特にそうなりがち。でも、老後のお金の話こそ“知ったかぶり”は厳禁ですーー!「コロナ禍以降、経済の先行きが不透明になり、会社員でも雇用や収入に不安を抱く方が増えています。こうした状況では老後の資金確保にも焦りを感じやすいものですが、目先の利益に飛びつくと失敗を招いてしまいます」こう話すのは、お金にまつわるセミナー開催やコンサルティングを請け負う「ぜにわらい協会」会長の吹田朝子さん。吹田さん自身も、これまで3,300件以上の相談を受け、さまざまな家庭のお金の使い道を設計してきた。「お金に振り回されやすい人は、老後のお金でも失敗しがち。一度ご自身のお金にまつわる考え方をチェックしてみましょう」次のチェックリストで、該当する項目が5個以上ある人は、「老後資金」を間違える可能性大!□ 安物買いを後悔することが多い□ 元が取れないと悔しく感じる□ あのとき、投資をしていれば……とよく思う□ 結婚相手に望むのは高年収と安定□ 家を買うならマンションより一軒家□ 他人の貯蓄額が気になる□ 子どもは私立に行ったら、その分一生懸命に勉強してほしい□ 週3日で月収20万円ならけっこういいと思う□ 働くなら福利厚生を重視する□ 老後は年金だけでは不安だ老後資金については、家計と同様に見える化して考えよう。特に資金を「守りのお金=年金・保険」と「攻めのお金=投資・運用」の2つに分けると、具体的に何をすべきか見えてくる。その結果、不安が減り、失敗が少なくなるのだ。「50歳以上なら、毎年誕生月に送られてくる『ねんきん定期便』で、将来受け取る年金の見込額を確認できます。その金額さえわかれば、夫婦でイメージしている老後の暮らしを送る場合、毎月の不足分がいくらになるのか、おおよそ予測できるでしょう。不足額がわかれば、投資計画が立てやすくなります。不足分を補うには、どんな金融商品が適しているか、毎月いくらを何年間ほど積み立てればいいのかといったことも見えてくるはずです。そうすれば、焦ってリスクの高い金融商品に投資したり、あやしい投資話に引っかかったりする可能性はぐっと低くなります」(吹田さん)吹田さんは、“攻めのお金”のオプションとして、“ライフワーク副業”を提案する。「ライフワーク副業とは、ご自身の趣味や得意分野を生かして、老後もライフワークとして続けられるような副業のこと。たとえば、長年ペットを飼育してきた方ならペットシッター、話を聞くのが得意な方ならカウンセラーなど。無理のない範囲で長く続けることが大事です。80歳程度まで、夫婦で月3万円でも稼げれば、老後の資金計画はかなり改善します」老後も年金に加えて月3万円の副業収入がある場合と、年金しか収入がない場合では、どの程度、収支に差が出るのか。吹田さんが次の条件で試算した。■65歳時の貯蓄額が1,800万円(住宅ローンなどはゼロ)■年金収入が夫婦で月額20万円(年間240万円)■年間生活費が65〜69歳まで300万円、70歳以降270万円(食費や医療費・健康管理費は年1%程度の上昇を見込む)「年金だけで生活する場合、100歳になる前に貯蓄残高が赤字に。病気や事故など不測の出費があれば、もっと早く貯金が尽きてしまいます。いっぽう、月3万円の副収入がある場合、80歳までは貯蓄残高をほぼ取り崩さずに生活でき、100歳まで生きたとしても約400万円貯蓄が残せる計算です」投資でお金を増やしつつ、早いうちに副業を始めて慣れていけば、メインの収入が年金に変わっても、大きく生活を変えずに100年人生を送れる。大病をすると大きな出費となるので、健康に気を使って生活していきたい。「これからの時代は常識が変わる可能性もあり、先入観にとらわれない柔軟な考え方が重要になります」「女性自身」2020年11月10日号 掲載
2020年11月18日「コロナ禍以降、経済の先行きが不透明になり、会社員でも雇用や収入に不安を抱く方が増えています。こうした状況では老後の資金確保にも焦りを感じやすいものですが、目先の利益に飛びつくと失敗を招いてしまいます」こう話すのは、お金にまつわるセミナー開催やコンサルティングを請け負う「ぜにわらい協会」会長の吹田朝子さん。吹田さん自身も、これまで3,300件以上の相談を受け、さまざまな家庭のお金の使い道を設計してきた。「お金に振り回されやすい人は、老後のお金でも失敗しがち。一度ご自身のお金にまつわる考え方をチェックしてみましょう」老後資金にまつわる代表的な不安といえばまっさきに浮かぶのが「老後2,000万円問題」。’19年、金融庁が公表した報告書の中で、夫65歳、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯で、今後20〜30年生きるとした場合、年金を受給しても約1,300万〜2,000万円が不足すると報告され、議論を呼んだ。吹田さんは、こう指摘する。「誤解されている方が多いのですが、この数字はあくまで統計上の平均値であって、必ずしもすべての家庭に当てはまるわけではありません。家族構成や家庭の事情によって、必要な老後資金は変わってきます」特にリタイア後の生活資金は家庭によって大きな差が出る。都市部か地方なのか、旅行などのレジャーに積極的に出かけたいのか、家庭菜園を楽しみながら自宅中心の生活を送りたいのか、それだけでも違うのは明らかだ。「ですから、2,000万円と聞いて慌てて貯金に走る前に、老後にどんな生活を送りたいのか、そのためには毎月どれくらい生活費が必要なのかをあらかじめ夫婦で話し合い、具体的にイメージしておくことが大切です。金額だけを目標にしてしまうと、途中で挫折したり、節約のストレスから浪費がふくらみがち。『こんな生活を送りたい』という目的をはっきりさせましょう」(吹田さん)必要な金額がイメージできれば、根拠のない不安から焦ることも少なくなる。逆に『足りないかも』と潜在的な焦りがあると“おいしい話”に引っかかりやすい。多くの顧客の資産形成に携わる丸山哲也さんは、こう警鐘を鳴らす。「老後資金の用意が間に合わないかもと、焦りから一気に投資に手を染める人が後を絶ちません。特に相続などでまとまったお金が手に入って、気が大きくなっているようなときは気をつけて。予備知識がないまま投資セミナーに参加し、営業マンにすすめられる商品にそのまま投資してしまうケースが少なくありません」特に不動産投資にはリスクがつきもの。賃貸物件として貸し出しても、空室が続いて賃料収入が途絶えたり、環境が変わって不動産価値が急落することもある。手放したくても売却先が見つからず、赤字に転落というシナリオも。「会社員の場合、ローンが組みやすく、契約のハードルが比較的低いことも引っかかりやすい理由の1つ。預貯金の半分ほどが一気に出ていく高額な金融商品は、失敗したときのリスクが大きいので慎重になるべきです」(丸山さん)ほかにも丸山さんは“あやしい投資話”にはいくつかの共通した傾向があると続ける。「仮想通貨や自然エネルギーなど話題のテーマを絡めた投資話や著名人とのつながりをアピールするもの、金融機関以外が元本保証や極端な高金利をうたったものなどは要注意。また、配当金にかかる所得税など、税制上の扱いについて質問をしても、すぐに返事がないものは疑うべき。20〜30代までと違って、50代以降の損失は取り返しがつかないと心得ましょう」投資初心者は、まずは少額から、信頼できる金融商品に長期的に投資するつもりで始めましょう。いっぽうで、毎月の家計からコツコツと老後資金を積み立てるのも忘れずに。投資ができるのも、地道な貯金があってこそだ。そこで吹田さんが提案するのが、「住まい費:生活費:将来準備費=3:4:3」の黄金比率。「貯金を増やそうと無理に生活費を切り詰めたり、コスパ重視の節約法に夢中になったりするとストレスがたまって挫折しがち。家計支出を住まい費、生活費、将来準備費の3つに分けたときに、その比率が3:4:3になるようバランスを調整すると、生活を楽しむ余裕が生まれ、安定して貯金を続けられます」住まい費とは、住居費、車費、水道光熱費。生活費は、食費などの日常生活費、通信費、レジャーや被服費、小遣いなど。最後の将来準備費に、貯蓄と投資、保険料、子どもや自分への教育費といったものが含まれる。「住まい費がふくらむとほかの2つにしわ寄せが行くので、バランスに注意しましょう。コロナ禍以降、リモートワークにより出勤の回数が減った家庭は、家賃の安い郊外への住み替えを検討してもいいかもしれません」(吹田さん)「女性自身」2020年11月10日号 掲載
2020年11月18日2,000万円必要といわれる“老後のお金”問題を解決するために、資産の切り札である「持ち家」を活用する手段を紹介。“老後の理想の暮らし”を思い描きながら、持ち家の活用術について考えてみようーー。「年をとったら家をバリアフリーにリフォームしたい」「将来は高齢者住宅に住み替えたい」などと、セカンドライフの希望はたくさんあるが、ネックとなるのが“お金”。特にコロナ禍の今、収入が減少して老後の資金計画が狂ったという人も少なくない。「定年後、主な収入源は公的年金のみとなってしまいます。手元資金を使ってリフォームや建て替え、住み替えをするとその後の生活に支障をきたしてしまうことがあります。また、保有している資産は主にマイホームだけ、という人は意外と多く、“持ち家”を活用してセカンドライフの希望をかなえる『リバースモーゲージ』という方法に注目が集まっています」そう語るのは、ファイナンシャルプランナーの菱田雅生さん。「リバースモーゲージ」とは、高齢者向けの貸付制度のひとつで、所有する自宅などを担保に金融機関などから融資を受けて、亡くなったときにその自宅を売却して一括返済する仕組み。【リバースモーゲージのしくみ】(1)金融機関・社会福祉協議会などに、利用者が自宅を担保として提供(2)金融機関・社会福祉協議会などから、利用者に融資(3)死亡後、担保を売却などで返済【リバースモーゲージが向いている人】・自宅をリフォームしたいが、資金がたりない・持ち家はあっても年金が少ない・高齢者住宅に引っ越したいが、資金が不足している・子どもがいない。または、家を継ぐ子どもがない【リバースモーゲージのメリット】・住宅や土地を担保にして、借り入れができる(ただし、資金用途は金融機関によって限定されていることが多い)・毎月の支払いは利息のみ。借入人が亡くなったら売却する・自宅を子どもに残す必要がない人は相続税対策になる【リバースモーゲージのデメリット】・相続人の同意が必要・建物、土地の価値が下落すると、融資限度額を見直されることがある・変動金利なので金利上昇リスクがある・長生きすると融資がたりなくなることがある持ち家を活用した、セカンドライフの夢のかなえ方を菱田さんに教えてもらった。【ケース】年金しか主な収入がないA子さん夫妻(60代後半)都内に住むA子さん夫妻(60代後半)は、子どもたちが巣立った後、夫と将来について考えていた。「収入は年金しかなく、貯金は介護が必要になったときのためにとっておきたい。問題なのは家で、子どもは独立したので継ぐ人がいない、バリアフリーにして住み続けるか、高齢者住宅に移り住むのかまだ決めていませんが、いずれにしても先立つもの“お金”が足りないので、どうしたらいいのか悩んでいます」(A子さん)リバースモーゲージはメガバンクなどの金融機関や社会福祉協議会といった公的機関でも融資を行っている。「金融機関のリバースモーゲージは銀行によって条件に差がありますが、年齢は主に55歳以上が融資の対象で、一括でまとまった金額を受け取れる一括融資方式、決められた金額内であればいつでも融資が受けられる随時融資方式などがあります。金利は変動金利で、毎月利息を返済する、融資する金額に利息を組み入れるコースがあります。また、お金の使い道は、趣味や旅行など自由に使えるものから、住み替えや家のバリアフリーの資金にも使えるものまで。一方、公的機関が扱うリバースモーゲージは65歳以上が対象で、毎月定額しか受け取ることができません。融資の対象となる不動産も一軒家に限定されることが多く、資金の使い道も生活費などに限られているので、セカンドライフを決めてから金融機関を比較することをおすすめします」(菱田さん)金融機関によっては、借入金の用途や担保となる不動産が、マンションは不可など、制限されていたり、保証人が必要となったりすることもある。さらに、いつまでも元気で長生きなのは喜ばしいが、借入額が融資限度額を上回ってしまい、追加融資を受けられないため、自宅を売却せざるをえないケースも出てくる。地価が下落して担保割れすると、途中で一括返済を求められるといったリスクもあるので、メリット・デメリットをよく確かめよう。「女性自身」2020年11月17日号 掲載
2020年11月11日「定年=老後」と考える時代はもう終わり。現代の60歳はまだ若く、少しだけ働きながら、好きなことに時間を費やせる最高の時期です。老後は80歳からでいい。月15万円で豊かに暮らす、60代夫婦のカタチを紹介ーー。■「5年前、養鶏場にカフェを併設。趣味だったコーヒーと、物々交換で手に入れた食材をメニューにして」齋藤博さん(66)、直子さん(65)養鶏業を営んでいる齋藤さん夫妻が、敷地内にカフェをオープンしたのは5年前。「これから先、だんだん体力が落ちていくことを考えると、養鶏だけじゃなく、ほかにも何かせなあかんな、と思ったのがきっかけでした」と、直子さん。カフェを併設するにあたり、養鶏業は縮小。現在は、150羽のニワトリを平飼い、ときどき放し飼いで育てている。飼料は健康を考えた自家配合で、卵は有精卵。直売所で販売するほか、近所にある牧場で物々交換したり、もちろんカフェでも使用している。そもそも、「安心して食べられるものをつくりたい」と、夫妻が大阪からここ、千葉いすみ市に移住したのは20代のころ。移住者の多いいすみ市でも先駆者的な存在で、今では土地の人と移住者をつなぐ存在だ。カフェは、そんな人々の憩いの場にもなっている。「以前からいろんな人が遊びに来ていたので、いっそカフェにしたらいいんじゃないか、と思ったのも理由のひとつでした。計画したのは15年前ですが、設計から施工まですべて自分でやったので、けっこう時間がかかってしまって。まだまだ“カフェごっこ”のような感じです」とは、博さん。じつはカフェだけでなく、自宅も鶏舎も「モノづくりが大好き」という博さんの自作なのだ。「素人ですから時間はかかりますが、着実に上達していて、次はこんなふうにしよう、と考えるのも楽しいですね。カフェも思い描いた感じの空間に仕上がりました。自作したり、もらったり、拾ったりといろいろですが、好きなものばかりが詰まっています」メニューも同様だ。コーヒー、ココア、チャイ、ハーブティー、ピザ、オムレツと、好きでこだわっているもの、得意なもの。そして、自宅でとれた卵や野菜、物々交換した乳製品をふんだんに使用し、安心して食べられるものを届けたい、という思いも生きている。気になる家計のことを博さんに尋ねてみた。「メインの収入は養鶏です。あとは、少しずつですがカフェの収入と年金。畑もやっていますし。トイレは循環させるなど工夫が必要ですが、そのぶん土地の賃料はリーズナブル。もともと生活費のためというより、やりたいことのために働いている感覚なので、月15万円もかからず楽しく暮らしています。そうそう、最近、楽しみがまたひとつ。日本みつばちが来てくれるようになったんです。来年あたり、ハチミツがとれるんじゃないかな、と期待しているんですよ」「女性自身」2020年11月10日号 掲載
2020年10月30日「定年=老後」と考える時代はもう終わり。現代の60歳はまだ若く、少しだけ働きながら、好きなことに時間を費やせる最高の時期です。老後は80歳からでいい。月15万円で豊かに暮らす、60代夫婦のカタチを紹介ーー。■「“週末のみの田舎暮らし”から始め、今は畑仕事をメインに生活。いずれは完全移住を予定しています」遠藤節夫さん(73)、みどりさん(69)「老後を漫然と暮らすのはイヤでしたし、いつかは農的な暮らしをしたい、というのが新婚当時からの夫婦共通の夢でした」そう話すのは、遠藤節夫さん。忙しい仕事の合間を縫って50代から土地探しをスタートし、“週末田舎暮らし”を始めたのが60代目前。10年前に自営業をたたんだのを機に、田舎での畑仕事がメインの暮らしにシフトした。「どんなに疲れていても土をいじるだけでリフレッシュできていましたから、今の暮らしが楽しみで仕方ありませんでした。とはいえ畑仕事は初めてで、最初はへっぴり腰を笑われましたが、失敗しては本や先達から学び、なんとか納得のいく作物ができるようになってきました。土も手をかければかけるほどよくなる。畑仕事の合間に果樹を育てたり、薪小屋をつくったり、とにかく毎日が発見です」畑を担当しているのが、節夫さん。その作物をどうおいしく調理し、ときに加工し、保存するかを考えるのが、妻のみどりさん。「育てた作物から、かんぴょうやこんにゃくづくりにも挑戦していますが、手前みそながら、これが本当においしくて。その手間をかけられるのも、この年代だからこそですよね。畑でとれる野菜も、土がよくなるにつれてどんどんおいしくなり、それをいただく私たちも元気になっていく。食の大切さを、今さらながら感じています。2人とも食いしん坊で、現役時代はストレスもあったのでしょう。節夫さんは体重が100キロもあったんです。病気にならないかとハラハラしていましたが、この暮らしを始めてから、ダイエットもしていないのに30キロ減って。これもいいごほうびですね」現在、生活費のメインは年金で、2人で15万円ほど。「畑からの収穫があるので、食費は最低限です。水は井戸水、暖房は太陽光を利用した床暖房と薪ストーブ。薪は近くの方からいただいた木材を利用しているので、光熱費もそれほどかかりません。限りある資源をどう有効活用するかを考えるのも楽しみのひとつですし、本当に必要なものしか買わなくなりました。」と、みどりさん。作物は少量多品目、コンポストで安全な肥料をつくり、果樹を植え、住まいは平屋の1LDK。「これが、必要十分。『ときを貯める』という言葉が好きで、土もそうですが、お金ではなく時間をかけることで豊かになることを実感しています」と、節夫さんは言う。朝の散歩と食事は夫婦一緒に、あとはお互いの自由時間。それぞれのときを、存分に楽しんでいる。「女性自身」2020年11月10日号 掲載
2020年10月30日お笑いコンビ・霜降り明星のせいやが16日、コンビの公式YouTubeチャンネル「しもふりチューブ」に公開された動画で、老後のビジョンについて語った。「老後のビジョンはある?子供は欲しい?60歳以降の夢が意外すぎる!!【霜降り明星】」と題して公開された動画で、せいやは「老後のビジョン」として、「芸人ももちろん頑張るっていうのは大前提。師匠になったり、劇場に出たりしたい」としたうえで、「大学の客員教授がしたい」と語った。せいやは「俺、大学めっちゃ好きやねん、大学に行ってたし。先生になろうと思ってん、もともと。教壇に立ってみたいねん。教壇に立って、今から何にでもなれる可能性のある人たちと歳とってから関わりたいのよ」と熱弁。「だから、どこかで本とか出したり、自分なりに論文を書いたり、客員教授になるためのステップを踏まなあかん」と、具体的なプランも明かした。そして、「おもろい大学の先生」になりたいと述べ、「おっさんになって大学の名物講師になるのが夢やな」と願望を口にした。
2020年10月17日住宅の購入の援助、孫の教育資金、孫一家を連れての旅行など思わぬ出費で老後資金が底を尽く。社会のひずみが生み出している側面もあるが「孫かわいさ」はほどほどにーー!「孫にお金を使っているうち、老後資金がいつの間にか消える『孫破産』という悲劇が増えていることをご存じでしょうか?」こう話すのは、老後資金の問題にくわしいファイナンシャルプランナーの長尾義弘さん。孫で破産する?にわかに信じられないが、多くの祖父母世代に「孫破産」は忍び寄っていると、長尾さんは警告する。「第一生命経済研究所の『シニア夫婦世帯の別居家族との交流に関する調査』(’16年)によると、孫と一緒に旅行した場合、8割以上が祖父母が多く費用負担をしたという結果が出ています」この調査では、自分の老後資金について「家計にゆとりはなく、多少心配である」または「家計が苦しく、非常に心配である」と答えた人でも、75.8%の人が費用負担をしていると答えている。「6人分(祖父母、親夫婦、孫2人)の旅行費は、1回30万円以上。海外旅行だと100万円近くかかります。こんな使い方をしているうちに、老後資金と思って準備しておいたお金がドンドン減っていき『孫貧乏』になっているシニア世代が増えている。これがなにかのきっかけで『孫破産』へと転落してしまうのです」こうした「孫破産」を防ぐにはどうしたら、よいか?長尾さんは3つの提案をする。【1】見えを張らない「子ども夫婦の相手親と競うことはありません。自分の余裕資金の限度で付き合うべきです」【2】孫に使う限度額を設定「外食や旅行で年間30万円までなど、家計に『孫枠』を作っておけば使いすぎは防げます」【3】子どもや孫は介護してくれないと心得よ「老後、いま手元にある資金から、今後の生活費を除いた金額が余裕資金と考えがちですが、介護になったら、お金はいくらでも必要。そう考えると、孫に回せる資金はほとんどないと考えるべきです」孫と一緒にいるのは、生きがいにもつながる大切なこと。しかし生活が苦しくなるまで老後資金をつぎこむのは本末転倒。すべてはほどほどが無難のようだ。「女性自身」2020年10月27日号 掲載
2020年10月17日「孫にお金を使っているうち、老後資金がいつの間にか消える『孫破産』という悲劇が増えていることをご存じでしょうか?」こう話すのは、老後資金の問題にくわしいファイナンシャルプランナーの長尾義弘さん。孫で破産する?にわかに信じられないが、具体的な例をもとに、長尾さんに解説してもらおう。■孫のために住宅支援贈与をしたばかりに、自宅売却!50代のAさん夫婦には2人の息子がいた。ともに独立、結婚し、孫も誕生。Aさん夫婦は毎月、どちらかの孫と週末を過ごす幸せな日々を送っていた。「先に長男が住宅の購入のため、お金の援助を求めてきました。いまは住宅取得資金贈与の特例で500万円までは非課税になります。長男の嫁の両親は、これを利用して500万円支援してくれるというのです。相手の親に対する見えもあり、Aさん夫婦も老後資金から500万円を長男夫婦に贈与せざるをえませんでした」すると、続けて次男から「実家の近所に住むから、これからは毎日、孫と会えるよ」と、住宅購入支援の話がくる。長男に500万円贈与したので、当然、次男からも同じ金額を期待され、老後を万全にと貯めていた虎の子の1,000万円が泡のように消えた。貯金が底をついたその矢先、新型コロナ不況が直撃。Aさんの仕事先が倒産。自宅のローンが払えなくなってしまったという。「長男、次男も自分たちの生活にきゅうきゅうとしていて、とても親を助けられる状況にはありません。やむなく、Aさんは自宅を手放すことになったのです」これが典型的な「孫破産」。新型コロナがなければこうした悲劇は起きなかったかもしれないが、そもそも孫かわいさから、老後資金を使ってしまわなければ、自宅を手放すこともなかったのだ。「アットホーム『住宅購入時の“親の資金贈与”実態調査』によると、親からの平均贈与額は平均564万円。親が同じ地域に住む場合は、さらに増えて平均642万円です。贈与額500〜600万円が全体の22.9%で、1,000〜1,500万円も13.0%にのぼります。近くに家を建てると、支援額が増えるのは、これは孫がそばに住んでくれるということや自分の介護を頼みやすいからということの表れでしょう。決して、Aさんの事例はひとごとではありません」孫と一緒にいるのは、生きがいにもつながる大切なこと。しかし生活が苦しくなるまで老後資金をつぎこむのは本末転倒。すべてはほどほどが無難のようだ。「女性自身」2020年10月27日号 掲載
2020年10月17日少子高齢化が進み、公的年金だけでは老後の生活が成り立たないと、ほとんどの人が不安を感じています。特に、国民年金だけで厚生年金のような上乗せがない自営業者は、より一層不安が大きいことでしょう。今回は、自営業者の人の老後の支えになる公的年金の基礎知識と、老後のための自助努力について解説します。自営業の公的年金制度についての基礎知識厚生労働省ホームページ国民年金の年金額はどのくらい?公的年金でもらえる金額は?では、国民年金の年金額は厚生年金に比べてどのくらい少ないのでしょうか。厚生労働省が公開している「平成30年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、会社員などの第1号厚生年金被保険者に対する厚生年金の平均支給額は、月に143,761円です。これに対し、国民年金の平均支給額は月に55,809円です。夫婦ともに国民年金の世帯では、月当たりの年金額が10万円強ということになります。これでは、住宅ローンなどもなく質素な暮らしをしたとしても、生活していくことは難しいでしょう。もちろん、健康であれば働けるだけ働くことも可能ですし、それが自営業のメリットでもあります。ただ、将来にわたって健康である保証はなく、若いうちから年金増額対策をコツコツ積み重ねることは必須といえます。自営業者が加入できる年金の上乗せ制度とは?それでは、具体的に自営業者が年金上乗せの自助努力として利用できる制度について見ていきましょう。自営業者が利用できる年金対策の制度は主に以下のようなものがあります。iDeCo(個人型確定拠出年金)小規模企業共済国民年金基金[adsense_middle]iDeCo(個人型確定拠出年金)iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、個人である加入者が掛け金を積み立て、自分で選んだ商品で運用を行い、60歳以降に年金または一時金として受け取ることができる私的年金制度です。運用の成果によって、将来受け取る年金額は変化します。iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入条件iDeCoは原則として日本在住で20歳以上60歳未満、国民年金や厚生年金などの公的年金に加入している人であれば加入できます。iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛け金iDeCo(個人型確定拠出年金)は月々5,000円以上1,000円単位の掛け金から始めることができます。掛け金には上限額があり、自営業者の場合は月額68,000円が上限となっています。iDeCo(個人型確定拠出年金)のメリット掛金が全額所得控除iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛け金は全額、所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象となります。この節税メリットはiDeCo(個人型確定拠出年金)の最大の魅力といっても過言でありません。個人の税引き後の資金で運用するのに比べ、断然有利になります。運用益に対して非課税個人の資金を投資信託などで運用した場合、運用益に対して所得税が課税されますが、iDeCoでの運用益には課税されません。受取時にも税制優遇60歳以降にiDeCoの積立金を受け取る場合、分割して受け取る年金方式と一括で受け取る一時金方式、または両者の併用から選ぶことができます。年金の場合は公的年金等控除、一時金の場合は退職所得控除の対象になります。インフレ対策が可能iDeCoでは株式や不動産(リート)などに分散投資が可能となっており、老後までに徐々にインフレが起ったとしても対策することができます。iDeCo(個人型確定拠出年金)のデメリット60歳まで引き出しできないiDeCo(個人型確定拠出年金)の積立金は原則として60歳になるまで引き出しはできません。iDeCo(個人型確定拠出年金)は老後資金を自助努力で準備する制度であるため、税制が優遇されています。それゆえ、目的外の資金の利用は制限されるのです。また、一度加入すると、掛金の減額はできますが脱退はできません。元本保証ではないiDeCo(個人型確定拠出年金)の運用は加入者が自ら行います。運用商品の中には元本保証でない投資信託も含まれます。運用がうまくいけば高い収益を得ることができる半面、場合によっては元本割れを起こす可能性もあります。ただ、iDeCoの毎月定額での運用商品の買い付けは長期で続けるほど平均購入単価が下がり、リスクを抑えることにつながります。小規模企業共済小規模企業共済とは、個人事業主や会社役員などが事業を廃止・会社を退職する際に、それまで積み立てた掛金に応じて給付金を受け取る退職金制度のことです。独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営しており、全国で約132万人の加入者がいます。小規模企業共済の加入資格常時使用する従業員が20人以下(商業・サービス業では5人以下)の個人事業主および会社の役員小規模企業者たる個人事業主に属する共同経営者(個人事業主1人につき2人)一定規模以下の企業組合・協業組合及び農業組合法人の役員常時使用する従業員が5人以下の弁護士法人、税理士法人等の士業法人の社員なお、加入年齢の制限はありません。小規模企業共済の掛金毎月1,000円以上で500円単位で自由に設定可能で、上限は月額70,000円です。増額、減額も可能です。小規模企業共済のメリット積み立てた以上の金額が受け取れる事業の廃業や退職時に、それまで積み立てた金額を「共済金」として受け取ることができます。20年(240ヶ月)以上積み立てていれば、掛金の支払額以上の給付が見込めます。掛金が全額所得控除小規模企業共済の掛け金は全額、所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象となります。受取時にも税制優遇小規模企業共済の共済金を受け取る場合、分割して受け取る年金方式と一括で受け取る一時金方式、または両者の併用から選ぶことができます。年金の場合は公的年金等控除、一時金の場合は退職所得控除の対象になります。契約者貸付制度あり払い込んだ掛金の範囲内で、無担保・無保証人にて事業資金の貸付けが受けられます。小規模企業共済のデメリット掛け捨てと元本割れのリスクあり納付月数が12ヶ月(1年)未満で解約となった場合は掛け捨てになります。また、加入期間が20年未満の場合は、元本割れしてしまいます。国民年金基金国民年金基金とは、国民年金の第1号被保険者が任意に掛金を拠出することによって将来の年金受給額を増やす制度です。各都道府県ごとに設立された「地域型国民年金基金」と、同じ職種ごとに全国規模で設立された「職能型国民年金基金」があります。国民年金基金の加入資格20歳から60歳になるまでの間の人で、国民年金の保険料を納めている第1号被保険者日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の国民年金任意加入被保険者国民年金基金の掛金掛金月額は加入時に選択した給付の型、口数、年齢、性別に応じて変わりますが、将来も一定です。国民年金基金のメリット掛金が全額所得控除国民年金基金の掛け金は全額、所得控除(社会保険料控除)の対象となります。将来、受け取る年金額が確定している国民年金基金では加入時の予定利率が将来にわたって変わらないため、将来受け取る年金は運用状況などによって変動することはありません。終身年金を選択できる国民年金基金に加入する場合、少なくとも最初の1口目は、終身年金を選択することが必要です。終身年金は一生涯、年金を受け取ることができます。そのため、長生きのリスクに対応することが期待できます。国民年金基金のデメリット一度加入すると解約できない国民年金基金への加入後は原則として解約できません。掛金の支払いが困難な場合は、減額や支払い猶予を利用できます。インフレ対応ができない国民年金基金の予定利率は加入時から将来にわたって変わらないと述べました。これは、将来の年金額が確定しているということであり、インフレによる物価上昇には対応できません。国民年金基金は遠い将来のための制度ですが、将来のインフレリスクに対応できないことは大きなデメリットといえます。自営業者の年金に関するまとめ自営業者の老後の公的年金は国民年金しかないため、それだけで生活していくことはほぼ不可能です。対策としては働けるうちは働き、働いている間に国民年金だけでは足りない部分を自助努力で準備することが考えられます。自助努力のために活用できる主な制度は、iDeCo(個人型確定拠出年金)、小規模企業共済、国民年金基金があり、それぞれにメリット、デメリットがあります。加入を検討する際は、自分が重視する点は何かなどをよく考えましょう。
2020年09月02日2019年6月に金融庁の報告に端を発した「老後2000万円問題」ですが、老後資金について不安に思ったり、対策を考えたりする機会になった人もいる一方、よく分からないのでそのままという人もいらっしゃると思います。 今回は、「老後2000万円問題」と老後に必要な金額の考え方について、子育て世帯の皆さんが老後資金を考えるきっかけにしていただければと思います。 「老後2000万円問題」とは?「老後2000万円問題」とは、金融庁が2019年6月3日に提出した報告書の中で、95歳まで生きるには平均的な夫婦で約2000万円が必要になるとの試算を示したことに麻生太郎金融担当大臣が金融庁に対して撤回を求め、後に金融庁が撤回したことが話題になり、老後資金が年金だけでは不足することが問題とされた事柄です。 メディア等で「老後に2000万円足りない」のフレーズだけが繰り返し伝えられたため、老後は年金だけでは足りないとの印象が多くの人に残りました。実際には、老後に2000万円足りないかどうかは、ご家族の構成や退職時の年齢、退職金の有無や老後にかけたい費用など条件はそれぞれ異なりますので、2000万円で足りない人もいれば、半分の1000万円でも足りる人もいます。 老後に必要な金額の考え方は?子育て中のご家庭は、お子さんの教育や生活に費用がかかるため、老後まで目が向かないことも多いのですが、ライフプランにおける三大費用(準備資金)は、「教育費用」「住宅費用」「老後費用」の3つといわれています。お子さんが小さいころは「教育費用」「住宅費用」の割合が高いのは問題ありませんが、お子さんの成長とともに「教育費用」から「老後費用」に割合を変えていけるかどうかを早いうちから考えることができるとよいでしょう。老後に必要な資金の考え方は、月の老後の想定生活費(想定できない方は現在の生活費の60%~80%程度)×老後の年数×12カ月+老後の生活費以外のイベント費用(家のリフォーム・旅行費用など)となります。例えば、現在の月額生活費が25万円、老後の生活費を70%の17.5万円と仮定し、老後の年数を25年、老後のイベント費用を300万円とした場合、17.5万円×12カ月×25年+300万円=5,550万円となります。これをすべて用意する必要はなく、年金と退職金を差し引いて不足した金額が老後に必要な金額となります。例として、夫婦で受け取れる年金が年額180万円、退職金が500万円とした場合、180万円×25年+500万円=5,000万円となりますので、不足している金額は550万円となります。 これを一度に用意すると大変ですが、これを30年で用意できるとしたら、利息を0とした場合でも月15,300円の積立で可能です。 上記の計算はあくまでも一例ですので、実際の金額や年数はそれぞれ異なりますので、ご自身やご家族の状況を踏まえて判断しましょう。 現状と将来の予定を確認しましょう老後に必要な金額は人それぞれですが、これを把握するためのポイントは以下のとおりです。【1】現在の生活費を確認しましょう(老後の生活費を想定する場合は子どもの教育費・生活費は含まず計算しましょう) 【2】老後の年数を確認しましょう(年数を決められない場合は、退職から90歳までの年数を目安にしましょう) 【3】老後のイベントを確認しましょう(リフォーム、旅行、趣味、介護など費用から必要なものを設定しましょう) 【4】年金の金額を確認しましょう(ねんきん定期便やねんきんネットで確認・試算をしましょう)【5】退職金制度を確認しましょう(退職金は約8割の企業で実施しています。金額や制度を確認しましょう) 【6】老後までの年数を確認しましょう(不足している老後資金を積み立てできる年数となります) 【1】〜【6】のポイントを前項の計算例に置き換えると、ご自身の老後に必要な概ねの金額が計算できますので、ご参考になさってください。 子育て世代は目の前の教育費や住居費の割合が高いのは一般的ですが、老後はいずれやってきます。お子さんが独立してから準備しても間に合う人もいれば、同時進行で老後資金を準備する必要がある人もいます。この記事をきっかけに老後に必要な金額を確認いただければと思います。 監修者・著者:ファイナンシャルプランナー 大野高志1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等 多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。
2020年08月07日老後2,000万円が不足するとの報道が出て以降、老後資金について心配する人が増えているようです。実際のところ、老後にはどのくらいの金額が必要になるのでしょうか。本記事では、老後のために備えておくべき金額の目安や考え方、具体的な貯蓄方法について、実際の事例を紹介しながら詳しく解説します。老後資金の蓄えはなぜ必要か老後の生活資金というと、真っ先に年金を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。「老後は年金をもらうから、老後資金の準備なんて必要ない」、なんて思っている人は少なからずいるのではないかと思います。そんな風に思っている人に質問です。みなさんは老後にいくら年金をもらえるかご存知でしょうか。年金事務所などから定期便で支払い状況が送られてきますが、見てもイマイチいくらもらえるのかわからない、と思っている人は多いのではないかと思います。ここからは平成29年度厚生年金保険・国民年金事業の概況をもとに解説します。共働き世帯の夫婦が定年退職後もらえるお金夫婦が共働きの会社員だった場合、もらうことができる年金は次のようになります。ちなみに、20歳から60歳までもれなく保険料を納めた場合の金額です。男性:平均受給月額165,000円女性:平均受給月額103,000円会社員の場合は、国民年金のほかに厚生年金がもらえるので、自営業者に比べるともらえる年金額が多くなります。内訳としては、国民年金で約56,000円が支給され、残りの部分が厚生年金部分です。厚生年金部分は収入に応じて金額が変化するため、女性よりも男性の年収のほうが高い傾向になるので上記のように差が出ます。夫婦合わせればある程度の生活は可能かもしれませんが、仮に独身者だったとすると新卒の初任給にも満たないような金額ですから、現役時代を比べてかなり生活レベルは落ちてしまうことが予想されます。自営業者1人世帯の年金額とは年金額で注意が必要なのが自営業者の方です。自営業者は厚生年金に加入していないので、月額の受取額は約56,000円しかありません。正直なところ金額的にはバイト代のような水準なので、とても生活費が足りるとは思えませんよね。貯蓄などの蓄えが一切ない状態で老後を迎えてしまうと、事実上生活していくことができないと思う必要があります。資産形成か生涯現役かかつての老後生活というと、定年退職して悠々自適の生活を送るイメージがあったかもしれませんが、現在では退職金制度がない企業も増えてきたこともあり、定年退職せずに生涯現役で働くことが想定されてきています。そのため、定年退職後に楽しく気ままに余生を送りたいと考えているのであれば、若いうちからしっかりと資産形成しておくことが必須なのです。このように国民年金の水準が非常に低いのは、事前の資産形成か生涯現役のどちらかを国民に迫っているからといえるでしょう。定年後までに準備すべき金額の目安事前の準備なくして悠々自適な老後はないことがお分かりいただけたところで、次に具体的な金額について考えてみましょう。一体老後はいくらの収入があれば、問題なく暮らしていけるのでしょうか。老後必要になる金額についてはさまざまな推計がされていますが、大前提として考えなければならないのが今現在の消費支出額です。よく年収別に必要となる消費支出の目安について論じられることがありますが、実際のところ消費支出額を考える上で大切なことは、自分自身の生活水準を把握することにあります。夫婦共働きしていた世帯なのか、自営業者の1人世帯なのかによって受け取れる年金額に大きな差が生じることから、準備すべき目安となる金額は世帯によって変わってきます。夫婦2人暮らし世帯の必要額平成29年の総務省「家計調査報告(家計収支編)」によると、高齢者夫婦世帯が1ヶ月に消費する金額の平均は合計で263,717円だそうです。夫婦が現役時代に共働きだったとすると、年金月額は268,000円なのでギリギリ足りる可能性がありますが、医療費が変動する可能性も踏まえて考えると、予備費として毎月3万円程度は確保しておきたいところです。そうすると年間で36万円、老後生活20年と仮定して720万円程度が事前に準備すべき必要額といえます。自営業の単身世帯の必要額自営業で単身者となると、年金額は国民年金の約56,000円なので生活費としては全く足りなくなります。仮に年間200万円で生活すると仮定したとしても、年金で賄えるのは672,000円だけで、残りの1,328,000円は別で準備しなければならないのです。ここまでの金額になると、貯蓄を切り崩すだけでは非常に厳しいので、老後もある程度の収入が得られるような対策が必要になってきます。そうはいっても、現役世代の方からすると、老後資金の不足と聞いてもなかなか実感が湧かないのではないでしょうか。そこで次項では、老後生活を甘く見ていたせいで生活が破綻しかけてしまった事例についてご紹介したいと思います。下流老人が増えるわけ最近下流老人が増えているという報道を時々耳にします。下流老人とは生活水準が低い老人のことで、悠々自適とはほど遠い老後を送っている人たちのことをいいます。下流老人と聞くと、現役時代もあまり高給取りではなかったのではないか、と思うかもしれませんが、実は下流老人の多くは年収800万円以上稼いでいた一流サラリーマンだったケースも多いのです。では、なぜそんな人まで下流老人になってしまうのでしょうか。[adsense_middle]下流老人の実例私が実際に聞いた実例についてお話ししたいと思います。現役時代は年収1,000万円という高給取りだったXさんが定年退職された後の話です。結論からいうと、この方は最終的に自己破産のスレスレまで行ったのですが、その原因がなんだったのかについて探ってみましょう。高額の退職金が出たのに一流企業に勤務していたXさんは、定年退職する際に2,000万円ほどの退職金が支給されました。これだけでもかなり高額ですが、そのほかにも現役時代の預金として500万円を蓄えていたそうです。一見すると老後の好スタートを切っているように見えるかもしれませんが、Xさんは退職金と預金の一部を使い、老後の住まいとして都心部のタワーマンションを購入したのです。そして、これがのちに大きな痛手となります。引越した当初は、年金と貯蓄で十分生活ができていて何不自由ない生活を送っていたのですが、あることをきっかけに少しずつ歯車が狂い始めます。妻の認知症が発覚老後生活を始めた間もなく、奥さんが認知症になってしまい、自宅での介護が難しいと考えたXさんは奥さんを介護施設へ入所させることを選択したのです。介護施設は費用が安いところはなかなか入所ができない状況で、契約したところは月額10万円以上するような施設しか見つかりませんでした。それでもXさんは年金でまかなえるだろうと見込んで、奥さんの介護施設への入所を決断したのです。増える医療費で生活が維持できない奥さんの介護施設への費用を支払うと、生活に当てられる金額はわずか数万円だったそうです。それでもなんとか人並みの生活はできていたそうですが、Xさんを次なる不幸が襲います。持病の腰痛が悪化し、病院への定期的な通院が必要になり、月額の医療費がかさみ始めたのです。若いうちは医療費といっても、大きな手術をしなければそこまで多くの金額がかかることがないため、真剣に向き合う機会が少ないかもしれません。老後の医療費というのは若いころとは違い、治療して終わりというものではなく、数年や一生涯治療を継続していかなければならない持病にかかってしまうことがよくあるのです。今は医療が進歩しているので、かなり多くの病気は治療によって助かるようになりましたが、その一方で助かるが故の継続的な医療費負担という問題が出てきています。例えば、がんでも手術で除去して終わればよいのですが、継続的に薬などで治療が必要になるケースでは、医療費がランニングコストとして重くのしかかるのです。医療費は健康や命に関わる部分なので、支出の中でもどうしても削ることができません。Xさんの事例のように、自身や家族が病気になったことで生活が維持できなくなったという人は少なくないのではないでしょうか。消費者金融からの借り入れは危険結局Xさんは年金だけでは生活が維持できなくなったせいで、ついに消費者金融から借金をすることになってしまいました。最初は数万円程度で軽い気持ちだったようですが、毎月のキャッシュフローが赤字だと、借金も毎月積み重ねていくことになってしまうので、気がついたときには数百万円の借金ができてしまったのです。子供に相談すればよかったのではと思う人もいるかもしれませんが、現役時代にそれなりの収入があった人ほど子供に頼りたくないと強く思う傾向があります。この方も子供に迷惑をかけたくないという理由から、相談はしなかったそうです。自宅を売却して賃貸にXさんは最終的には老後の住まいとして購入したタワーマンションを売却し、それで得たお金を使って借金を完済し、自身は家賃6万円程度のアパートに引越したそうです。しかも、売却価格は購入時の7割くらいにまで落ちてしまったため、実質的には退職金をほぼ失ったような形になってしまいました。幸い自己破産を免れたそうですが、人によってはこのような状況で自己破産に追い込まれてしまう人は少なくないのではないでしょうか。老後生活の困窮を回避する3つのポイントXさんの実例をもとに、老後安定した生活を送るためのポイントについて考えてみたいと思います。ポイント1:退職金を一気に使い切らない退職金が出る人は非常にラッキーですが、今回の事例のように一括でマンションを買うなど一気に消費してしてしまうと、その時はよくてもXさんのように奥さんの認知症など後発的な状況に対応できなくなる可能性があります。そのため、退職金はできるだけ全額を使うことはせず、ある程度の金額を手元に残しておくことをおすすめします。また、どうしても新居の購入やリフォームなどでまとまったお金を支出する際には、事前に人間ドックを受けるなどして自分や家族の健康状態を把握してから判断するほうがよいでしょう。ポイント2:医療費を甘く見ない老後生活を脅かす1つの原因が医療費負担です。若いころはそこまでかからなくても、定年後の医療費は非常に大きな負担となります。特に注意が必要なのが薬です。がん治療などで使用する薬は高額なものも多く、1粒数万円というものもよくあるので、たとえ命が助かったとしても生活が助からないということも十分ありえます。ポイント3:家族に相談するさまざまな対策をとったとしても、何らかの事情で生活が回らなくなることも十分考えられます。このような場合、Xさんのように1人で抱え込んでしまうとさらに傷口が広がってしまうので、できるだけ家族に早い段階で相談して解決させることが大切です。老後生活資金を準備する方法老後生活を豊かに安定的に過ごすためには、やはり準備が必要なことは間違いないでしょう。ただ、準備といってもただ貯蓄しておけばいいという単純な問題でもありません。老後のためにできることには、大きく分けて次の3つがあります。[adsense_middle]年収の3倍程度の貯蓄人によって個人差はありますが、できれば最低でも年収の3年分程度の貯金があると非常に安心です。実際はもっと必要になることのほうが多いですが、あまり多くの金額を貯蓄に回そうとすると、現役世代のときの生活レベルが落ちてしまうので、無理をしすぎない範囲で3年分を目安にしましょう。なお、退職金制度がある会社であれば、その分貯蓄に回さなければならない金額は減ります。ただ、途中で転職する可能性も含めて考えると、あまり退職金ありきの資産形成はお勧めではありません。医療保険に加入する30代後半くらいからは、高額な医療費リスクをヘッジするために医療保険への加入も検討しましょう。若くして手術をしたり入院したりすると、医療費はもちろんですが収入が途絶えることになるので老後どころではありません。特に40歳を過ぎると持病なども発覚し始めるころなので、できれば保険料が安くて加入できるうちに加入しておくと、将来の医療費に対してリスクヘッジできるでしょう。収入源を作る今の日本で老後を迎える場合、最も重要といえるのがこれです。老後の収入源が年金しかないと、生活レベルはどうしても落ち込みますし、医療費が賄えなくなる危険性もあります。人生100年時代をいわれる昨今、65歳の定年退職後も何らかの収入源を確保しておくことが、老後資金対策としてとても大切です。例えば、現役時代の収入があるときに賃貸物件を購入しておき、老後はその家賃収入を生活費にあてるやり方がよく用いられます。そのほかにも株式投資による配当金や個人年金など、老後も定収入を生み出す方法がいくつかありますので、ぜひ早めから実践してみるとよいでしょう。専門家に相談することが大切これらの対策を講じる際には、必ずファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談してから始めることが大切です。ベストな対策はご家庭によって変わってきますので、より効果的に老後資金対策をするには、まず専門家に自分自身の家計をベースに診断してもらうことから始めるとよいでしょう。対策のベースとなる情報が違っていたら的外れな対策になってしまうので、必ず何かを始める前に現状把握から始めることが大切です。老後資金にいくら必要かに関するまとめ今回は老後資金対策について解説してきました。年金だけで老後がやりくりできると考えていると、気がついたときには下流老人になっている可能性があります。早いうちから対策をとることで、老後も現役時代と同じくらいの水準で余生を送れる可能性がありますので、まずは早めに専門家に相談してみましょう。
2020年07月25日9月18日(金)の公開を予定していた天海祐希主演の『老後の資金がありません!』が、公開時期を来年に延期することが発表された。今回、昨今の新型コロナウイルスに関連する社会状況を鑑みて協議をした結果、公開時期を来年に延期することが決定。今後の公開予定については、決定次第、速やかに告知される。本作は、天海さんが老後資金問題をはじめ、あらゆる問題が立て続けに襲ってくる中、悩みもがき奮闘しながらも逆境に立ち向かう主婦を演じ、コメディエンヌぶりを発揮していることでも話題。浪費家の姑を名女優の草笛光子、定年間近で会社が倒産し失業に陥る夫役を名バイプレイヤー・松重豊が演じるほか、突然結婚相手を連れ、派手婚を報告する娘役を新川優愛、その結婚相手を加藤諒、大学生の息子役を瀬戸利樹が演じるなど、豪華キャストが集結している。『老後の資金がありません!』は2021年公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:老後の資金がありません! 2021年、全国にて公開©2020映画『老後の資金がありません!』製作委員会
2020年07月13日天海祐希が老後資金問題をはじめ、あらゆる問題が立て続けに襲ってくる中、悩みもがき奮闘しながらも逆境に立ち向かう主婦を演じる映画『老後の資金がありません!』。この度、本作初の映像となる特報、第2弾キャストとして草笛光子、松重豊、瀬戸利樹、加藤諒、高橋メアリージュン、三谷幸喜ら19名が発表された。今回新たに発表された19名が演じるのは、天海さん扮する主婦・後藤篤子を翻弄する(!?)個性的な登場人物たち。まず篤子の家族には、篤子たちと同居する浪費家の姑・芳乃役を、日本を代表する名女優の草笛光子。定年間近で会社が倒産し失業に陥る夫・章役を、現在放送中のミニドラマ「きょうの猫村さん」が話題の名バイプレイヤー・松重豊。突然結婚相手を連れ、派手婚を報告する娘・まゆみ役を新川優愛。家庭内のムードメーカーで大学生の息子・勇人役を瀬戸利樹が演じる。また、まゆみの結婚相手でヘビメタバンドマン・松平琢磨を加藤諒、篤子の主婦友達・神田サツキを柴田理恵、篤子と対立する章の妹・志津子を若村麻由美、志津子の夫・秀典を石井正則。そのほか、葬儀社の社員役で友近、ヨガ教室の講師役でクリス松村、シングルマザーのキャバ嬢役で高橋メアリージュン、琢磨の両親役で佐々木健介と北斗晶、篤子の両親役で竜雷太と藤田弓子、章の元同期役で哀川翔、本作のキーともなるサツキの父役で毒蝮三太夫、区役所委員役で三谷幸喜、本人役で荻原博子(経済ジャーナリスト)が出演する。篤子を振り回す最大の原因でありながらも、どこか憎みきれない姑を演じた草笛さんは「前田監督と最初にお会いした時に『草笛さんは役作りせずそのままで』と言われました。女優にとってこれほど難しい注文はありません。続けて『そのままで十分おかしいですから』と。劇中ではとんでもない姿をお見せするのですが『もうどうにでもなれっ』と飛び越えてしまった感じ。私の姿を見てみなさんはどう思われるでしょうか、私も早く見たいような怖いような」と話し、「色々な意味でこんな作品は初めて。私にとっては恐ろしい映画です」とコメント。前田哲監督は「80歳を過ぎても現役バリバリのザ・女優である草笛光子さんには、今までやられたことのない、ありえない!ことにトライしてもらいました。時に大胆に時に繊細に全身全霊で役に取り組み、いきいきと楽しんで演じるチャーミングな姿に、スタッフもキャストも、まるで『映画の女神』のようだと驚嘆でした」と草笛さんの出演について語っている。また同時に到着した特報映像では、頭を悩ます主婦・篤子をはじめ、その悩みの原因ともなる家族たちが登場。さらに篤子が、浪費家の姑の高額なカフェ代にストレス爆発!「お安くないんじゃ!」とブチ切れるシーンも映し出されている。『老後の資金がありません!』は9月18日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:老後の資金がありません! 2020年9月18日より全国にて公開©2020映画『老後の資金がありません!』製作委員会
2020年05月14日平均寿命は女性がおよそ87歳、男性がおよそ81歳。長い老後はそのまま介護の長さに直結する。“ホントのところ”いくらくらい費用がかかるのか。実例をもとに学ぼう!「老後の介護資金を考えるとき、施設のパンフレットに記載される入居一時金や月額利用料ばかりに目を奪われる人が多いです。しかし貯蓄、年金収入、自宅の売却、利用者の健康状態、家族のサポートなど、それぞれの家庭ごとに異なる事情も考慮して、計画を立てなければなりません」こう語るのは、介護施設コンサルタント業務を請け負うスターパートナーズ代表の齋藤直路さんだ。「長寿社会の現在、あなたの親やあなた自身の介護を考えるとき、90歳や100歳まで生きることを前提にした計画を立てることが必要になってきます。長生きすることはうれしいですが、結果、資金的に追い詰められるリスクも……。介護施設に入居した人が、資金が尽きて、ふたたび家庭に戻るという例も最近は聞くようになりました」人生には想定外のことが起こるもの。だからこそ、さまざまなケースを知る必要がある。そこで、介護経験のある家庭の聞き取り取材をもとに、具体例を作り、その総費用を算出した。介護費用はすべて自己負担が1割の場合の金額だ。「介護は本人ばかりでなく、家族全体の問題です。これを機に親子や夫婦で話し合ってほしいですね」【ケース1】母が「高級有料老人ホーム」に入居した場合東京都内に住むEさんの母親は、ローンを完済した一戸建て住まい。十分な貯蓄もあり、遺族厚生年金と基礎年金を月15万円受給していた。そのため、75歳の母が「一人暮らしが不安。建物がきれいで、食事もおいしい介護付き有料老人ホームを見つけたので入りたい」言いだしたときも、Eさんは特に心配しなかった。実家を売って作った3,000万円と2,000万円の貯蓄と合わせて5,000万円の資金とし、念願の高級有料老人ホームに入ったEさんの母。75歳から80歳までは要支援2をキープし、楽しい毎日を過ごしていたが、物忘れが目立ち始めた81歳で要介護1に。そのころからレクリエーションに参加する機会も少なくなった。その後、83歳で要介護2、85歳で要介護4と上がり、87歳で天寿をまっとう。資金残高がゼロになり、年金で足りない分はEさんが資金援助する結果になった。【介護でかかった費用】・入居金3,000万円■75~80歳(要支援2)・介護費用:1万2,000円・施設の月額利用料(管理費・食費込み):25万4,000円・レクリエーション費:3,000円・合計(月額):26万9,000円■81~82歳(要介護1)・介護費用:2万円・施設の月額利用料(管理費・食費込み):25万4,000円・合計(月額):27万4,000円■83~84歳(要介護2)・介護費用:2万2,500円・施設の月額利用料(管理費・食費込み):25万4,000円・合計(月額):27万6,500円■85~87歳(要介護4)・介護費用:2万7,500円・施設の月額利用料(管理費・食費込み):25万4,000円・合計(月額):28万1,500円・13年の総費用:7,271万4,000円(1年あたり559万3,385円)「余裕を持った資金でしたが、13年という長期間の入居になると、5,000万円の資金は87歳の途中で底を突き、Eさんはおよそ70万円の金銭的負担をしなければなりませんでした。88歳以降もお母さんが生きていた場合、この生活を続けるために、Eさんは毎月13万1,500円の負担を強いられることになります。長寿時代の長い老後には、豊富な資金があっても、注意しなければならないのです」(齋藤さん)具体例を紹介したが、齋藤さんはこう注意を促す。「あくまで概算なので、各ご家庭の事情に照らし合わせてください。さらにこのほかにも、予想外の医療費など“アクシデント”は起こるので、さらに余裕を持った資金計画が必要です」また“ついのすみか”を決める際、お金ばかりでなく“人”もしっかりと見極めなくてはならないという。「利用料が安くても、介護レベルが高い施設はあります。その逆の可能性もあります。入居候補先には事前に見学、施設長に面談をし、理念や施設内の日常の様子も見ておきましょう。さらに、スタッフの離職率なども参考にしてください。次々に人が入れ替わる施設は、介護レベルの低い人材も紛れ込むため、要注意です」絶対に後悔をしないために、ついのすみかは慎重に選びたい。「女性自身」2020年5月12・19日合併号 掲載
2020年05月13日健康寿命が延びるのと同時に私たちが直面するのが、老後に必要となる生活費のこと。まずは現状でもらえる額を把握して、不安があれば50代からでもできる受給額アップのための対策に着手しようーー。「昨年6月、金融庁から報告書が出てからは『老後はそんなにお金が必要なのか』『どうやってお金をためたらいいのか』と、戸惑った人も多いでしょう。そもそも報告書は、総務省の家計調査がもとになっています。『高齢夫婦無職世帯』の毎月の赤字額は約5万円なので、年金で暮らす期間を30年とすると、約2,000万円資産の取り崩しが必要、とされていました。『老後に不足する額はライフスタイルなどによって大きく異なる』ともあり、2,000万円もかからない人もいれば、もっとかかる人もいます。一喜一憂しないことです」そう解説するのは『受給額が増える!書き込み式得する年金ドリル』(宝島社)の著者で、ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さん。総務省家計調査(’18年)を見ると、高齢夫婦無職世帯の年金を含めた実収入は月額22万2,834円で、支出は26万4,707円。4万1,873円の不足だ。「ここでよく見ておきたいのは、実収入の大半を占めるものは年金収入であるところです。公的年金は会社員か自営業か、夫婦共働きかなど現役世代の働き方によって受け取る年金額にかなりの差が出てきます。一方で、年を重ねると食事の量が減って食費がかからなくなったり、行動範囲も自宅の周囲に限られて交際費などの支出が減ってきたりすることも考えられます。家計調査の支出ほど使わないという人もいるでしょう。住宅ローンを完済していない人、賃貸住まいの人は居住費がかかるので、収入が減る分、支出の負担が大きく感じられるでしょう。老後の生活費を把握するためには、受け取れる年金額を知っておくことが大切です」(井戸さん・以下同)いまや人生100年時代。健康で長生きしたいと思うと同時に、老後も安心した生活が成り立つのか不安がどうしてもつきまとう。そこで井戸さんに「年金を増やすワザ」を教えてもらった。■「付加年金」で増やす!(※第1号被保険者のみ)自営業者やフリーランス、アルバイトなど、国民年金の加入者(第1号被保険者)は、毎月支払う国民年金の保険料に400円プラスして支払うと、将来、年額に「200円×納付月数」を上乗せした額を終身でもらえる制度が「付加年金」。「たとえば20歳から60歳まで40年間付加保険料を払い続けたとします。40年間で支払う付加年金の保険料は400円×12カ月×40年(480カ月)で19万2,000円。これに対して年金を受給開始後1年間に受け取る額は、200×12カ月×40年で9万6,000円。2年間受け取れば元が取れます」付加年金の保険料は、社会保険料控除の対象になるので、納めている期間は所得税と住民税が安くなる。申し込みは市区町村の窓口で手続きをする。ただし、申し出があった月からの加入となり、さかのぼって加入することは不可。また、第2被保険者の会社員と公務員、第3号の専業主婦は付加年金に加入することはできない。■「国民年金基金・小規模企業共済」で増やす!(※第1号被保険者のみ)第1号被保険者の人も年金を“2階建て”にすることは可能だ。「1つ目は、国民年金に上乗せする形の公的な年金制度の『国民年金基金』で、都道府県ごとに設置されている国民年金基金に加入します。65歳から一生受け取れる終身年金(2種)と、一定の期間支給される確定年金(5種)があり、選択した給付の型と加入口数、加入時の年齢、性別によって掛金が決まります。2つ目は中小企業基盤整備機構が運営する『小規模企業共済』です。毎月掛金を積み立て、将来事業をやめたときに一括か分割で受け取る仕組みです。個人事業主やフリーランスのための共済で、専業主婦やアルバイトの方は利用できません」掛金の上限は国民年金基金が月額6万8,000円(確定拠出年金に加入している人はその額の合計)、小規模企業共済は月額7万円。掛金全額が所得から控除され、所得税や住民税が安くなるメリットがあるので上手に活用したい。「女性自身」2020年4月14日号 掲載
2020年04月08日健康寿命が延びるのと同時に私たちが直面するのが、老後に必要となる生活費のこと。まずは現状でもらえる額を把握して、不安があれば50代からでもできる受給額アップのための対策に着手しようーー。「昨年6月、金融庁から報告書が出てからは『老後はそんなにお金が必要なのか』『どうやってお金をためたらいいのか』と、戸惑った人も多いでしょう。そもそも報告書は、総務省の家計調査がもとになっています。『高齢夫婦無職世帯』の毎月の赤字額は約5万円なので、年金で暮らす期間を30年とすると、約2,000万円資産の取り崩しが必要、とされていました。『老後に不足する額はライフスタイルなどによって大きく異なる』ともあり、2,000万円もかからない人もいれば、もっとかかる人もいます。一喜一憂しないことです」そう解説するのは『受給額が増える!書き込み式得する年金ドリル』(宝島社)の著者で、ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さん。総務省家計調査(’18年)を見ると、高齢夫婦無職世帯の年金を含めた実収入は月額22万2,834円で、支出は26万4,707円。4万1,873円の不足だ。「ここでよく見ておきたいのは、実収入の大半を占めるものは年金収入であるところです。公的年金は会社員か自営業か、夫婦共働きかなど現役世代の働き方によって受け取る年金額にかなりの差が出てきます。一方で、年を重ねると食事の量が減って食費がかからなくなったり、行動範囲も自宅の周囲に限られて交際費などの支出が減ってきたりすることも考えられます。家計調査の支出ほど使わないという人もいるでしょう。住宅ローンを完済していない人、賃貸住まいの人は居住費がかかるので、収入が減る分、支出の負担が大きく感じられるでしょう。老後の生活費を把握するためには、受け取れる年金額を知っておくことが大切です」(井戸さん・以下同)いまや人生100年時代。健康で長生きしたいと思うと同時に、老後も安心した生活が成り立つのか不安がどうしてもつきまとう。そこで井戸さんに「年金を増やすワザ」を教えてもらった。■「定年後も働いて」増やす!60歳以降も会社勤めをする人は、70歳まで厚生年金に加入することができる。「継続雇用で同じ会社で働く人や、ほかの会社に転職して働く人も増えています。その分、将来受け取る年金額は増えるので確認しましょう。たとえば、定年後の年収が400万円だとすると、増える年金の額は年間約11万円に。ただし、給料と年金の合計額によっては年金が受け取ることができないケースがあるので注意しましょう」60歳から64歳までの人は、1カ月の収入が、年金月額と給料をあわせて28万円を超えると、一定額または年金の全額が支給停止となる。65歳以上は47万円を超えた分が調整される。退職後に自営業、アルバイトなどで働き、厚生年金に加入していない人は、年金はカットされない。カットされた年金は1円も戻ってこないため、1カ月の働く時間は慎重に決めよう。■「任意加入」で増やす!国民年金の加入期間のうち、保険料を納めなかった期間に応じて、その分年金額は少なくなる。60歳から65歳未満の5年の間に、納付月数480月に達するまで保険料を納める「任意加入制度」があり、65歳から受け取る老齢基礎年金を満額にすることができる。「1991年3月までは20歳以上の大学生は加入が任意でした。老齢基礎年金の額を満額にすることができますが、厚生年金の加入者はこの制度が使えないので、定年退職してから納付することになります」「女性自身」2020年4月14日号 掲載
2020年04月08日健康寿命が延びるのと同時に私たちが直面するのが、老後に必要となる生活費のこと。まずは現状でもらえる額を把握して、不安があれば50代からでもできる受給額アップのための対策に着手しようーー。「昨年6月、金融庁から報告書が出てからは『老後はそんなにお金が必要なのか』『どうやってお金をためたらいいのか』と、戸惑った人も多いでしょう。そもそも報告書は、総務省の家計調査がもとになっています。『高齢夫婦無職世帯』の毎月の赤字額は約5万円なので、年金で暮らす期間を30年とすると、約2,000万円資産の取り崩しが必要、とされていました。『老後に不足する額はライフスタイルなどによって大きく異なる』ともあり、2,000万円もかからない人もいれば、もっとかかる人もいます。一喜一憂しないことです」そう解説するのは『受給額が増える!書き込み式得する年金ドリル』(宝島社)の著者で、ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さん。総務省家計調査(’18年)を見ると、高齢夫婦無職世帯の年金を含めた実収入は月額22万2,834円で、支出は26万4,707円。4万1,873円の不足だ。「ここでよく見ておきたいのは、実収入の大半を占めるものは年金収入であるところです。公的年金は会社員か自営業か、夫婦共働きかなど現役世代の働き方によって受け取る年金額にかなりの差が出てきます。一方で、年を重ねると食事の量が減って食費がかからなくなったり、行動範囲も自宅の周囲に限られて交際費などの支出が減ってきたりすることも考えられます。家計調査の支出ほど使わないという人もいるでしょう。住宅ローンを完済していない人、賃貸住まいの人は居住費がかかるので、収入が減る分、支出の負担が大きく感じられるでしょう。老後の生活費を把握するためには、受け取れる年金額を知っておくことが大切です」(井戸さん・以下同)いまや人生100年時代。健康で長生きしたいと思うと同時に、老後も安心した生活が成り立つのか不安がどうしてもつきまとう。そこで井戸さんに「年金を増やすワザ」を教えてもらった。■「iDeCo」で増やす!50歳前半であれば、60歳を迎えるまでの数年間で、自ら年金を増やす方法もある。「個人型確定拠出年金・iDeCo(イデコ)」は60歳まで毎月一定額を積み立てて、投資信託や預貯金など自分が選んだ金融商品で運用。60歳以降から70歳までに年金や一時金として受け取る。「個人型のメリットは大きく2つ。1つは積み立てた掛金が所得から全額控除されて、今年の所得税、翌年納める住民税が安くなります。さらに、運用で増えたお金は非課税に。そして年金で受け取るときには公的年金等控除が適用される点も魅力です」たとえば、月1万円の掛金を払うと、年間12万円の積み立てになる。所得税率が20%(課税所得330万円超695万円以下の場合)の人の場合は、住民税10%と合わせて税金が年間3万6,000円安くなる(復興特別所得税を除く)。年利換算で「年約30%」のリターンが得られる計算だ。自治体によっては均等割が加算されることがあるが、およその目安になる。「銀行の定期預金の利率と比較しても、税金の負担が少なくなるのは大きなメリットです。ただし、掛金の限度額は働き方によって異なり、いくら掛けてもいいというわけではありません。積み立てた金額は原則60歳になるまで引き出すことができないほか、専業主婦などそもそも所得税がない人はこの恩恵が得られないので、やみくもに加入するのはオススメできません」掛金の限度額は働き方によって異なる。フリーランス、自営業などの個人事業主は月額6万8,000円が上限。会社員は勤務先の企業年金制度によって1万2,000円〜2万3,000円。公務員は1万2,000円、専業主婦(夫)は、2万3,000円となっている。たとえば、48歳のときに加入し、60歳まで毎月2万円積み立てると288万円。額面どおり受け取るには運用次第となる。「iDeCoは銀行、保険会社、証券会社などの金融機関に専用口座を開くことから始めます。開設した口座には管理手数料など毎月コストが発生しますから、いくつかの金融機関を比較することをオススメします。金融機関を選ぶ際には口座管理料、商品の品ぞろえ、投資信託を保有するコストの3つからよく検討しましょう」「女性自身」2020年4月14日号 掲載
2020年04月08日いまや人生100年時代。健康で長生きしたいと思うと同時に、老後も安心した生活が成り立つのか不安がどうしてもつきまとう。「老後に2,000万円必要と言われても、退職金もアテにできそうもないので、将来が不安で……」そう語るのは専業主婦のA子さん(52・都内在住)もその1人だ。一人息子はすでに社会人になり独立。住宅ローンは完済のめどが立っているものの、夫(54)が管理職から外れる役職定年を目前にして、老後の生活が気になり始めた。「昨年6月、金融庁から報告書が出てからは『老後はそんなにお金が必要なのか』『どうやってお金をためたらいいのか』と、戸惑った人も多いでしょう。そもそも報告書は、総務省の家計調査がもとになっています。『高齢夫婦無職世帯』の毎月の赤字額は約5万円なので、年金で暮らす期間を30年とすると、約2,000万円資産の取り崩しが必要、とされていました。『老後に不足する額はライフスタイルなどによって大きく異なる』ともあり、2,000万円もかからない人もいれば、もっとかかる人もいます。一喜一憂しないことです」そう解説するのは『受給額が増える!書き込み式得する年金ドリル』(宝島社)の著者で、ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さん。総務省家計調査(’18年)を見ると、高齢夫婦無職世帯の年金を含めた実収入は月額22万2,834円で、支出は26万4,707円。4万1,873円の不足だ。「ここでよく見ておきたいのは、実収入の大半を占めるものは年金収入であるところです。公的年金は会社員か自営業か、夫婦共働きかなど現役世代の働き方によって受け取る年金額にかなりの差が出てきます。一方で、年を重ねると食事の量が減って食費がかからなくなったり、行動範囲も自宅の周囲に限られて交際費などの支出が減ってきたりすることも考えられます。家計調査の支出ほど使わないという人もいるでしょう。住宅ローンを完済していない人、賃貸住まいの人は居住費がかかるので、収入が減る分、支出の負担が大きく感じられるでしょう。老後の生活費を把握するためには、受け取れる年金額を知っておくことが大切です」(井戸さん・以下同)まずは、年金に関して基礎からおさらいしよう。公的年金は職業などによって種類が異なり、自営業者やフリーランス、学生が加入する第1号、会社員や公務員は第2号、会社員や公務員の配偶者がいる妻(または夫)は第3号に分類される。20歳になると、全員が国民年金(老齢基礎年金)に加入する。会社員と公務員はさらに厚生年金(老齢厚生年金)にも加入するため、受け取る年金額は多くなる。国民年金は保険料が一律で、加入期間(保険料を納めている期間や保険料を免除されている期間)の長さに応じて支給額が決まるが、厚生年金は収入によって保険料が異なるため、支給額は加入期間と平均年収によって決まる。将来、年金がいくら受け取れるのかは日本年金機構から送られてくる「ねんきん定期便」で確認できる。年に1度の誕生月にははがきで、35歳、45歳、59歳の年には封書で届く。「最初に加入期間を見てみましょう。特に女性の場合、20歳で国民年金に加入したら第1号、就職して厚生年金に入ると第2号、結婚退職して夫の扶養家族になったら第3号と、立場が変わるたびに、加入する年金の種類が変わってきます。過去に会社員や公務員だった期間が1カ月でもあれば、この期間に応じた額の厚生年金が支給されるので、加入歴がきちんと反映されているかどうかご自身の職歴とあわせて必ず確認しましょう。また、50歳以上の人に届く『ねんきん定期便』には、現在の収入のまま、60歳まで保険料を支払った場合の年金見込み額が記載されています。この金額が65歳以降に受け取ることのできる年金額の目安になります」Aさんの夫は、20歳から国民年金を納めて、22歳から60歳まで厚生年金に加入。平均年収は500万円。65歳から受け取れる老齢基礎年金は年額78万円(月額6万5,000円)、老齢厚生年金は年額105万円(月額約8万7,500円)だ。一方のAさんは国民年金に未納の期間はなく(受取額が月額6万5,000円)、7年間会社員だった期間がある。老齢厚生年金は年額13万4,750円で月額1万1,230円。1カ月の年金収入は夫婦合わせて約22万8,000円となった。「概算した金額に不安があるという人は、積み立てをしたり、受給開始を先延ばしすることで受け取る年金を増やすことが可能です」「女性自身」2020年4月14日号 掲載
2020年04月08日「『老後2000万円問題』で不安や疑問を覚えた今こそ、年金について学び始めるチャンスです」と言うのは、ファイナンシャルプランナーの横山光昭さん。学び始めると言われても、何をどうやって考え始めればいいの? 最初の1歩がわかりません!! そんな人のために、「2000万円より必要な人、少なくて済む人」の具体例を教えてもらいました。この記事は、 第1回「『老後が不安』で終わらせていいの?」 第2回「じつは『老後に2000万円必要』とは報告されてなかった!?」 の続きです。■そもそも「2000万円が不足」って、何?前回の記事で、 「2000万円問題は、ある一組の夫婦の資産の(例)にすぎない」 と、書きました。(例)となっている家計は、下記です。ポイントを3つあげておきましょう。●「2000万円問題」のモデルとなった家計のポイント3つ1)夫が65歳以上で妻も60歳以上。二人とも無職2)年金収入が約21万円なのに対し、支出は約26万円3)月額5万円の赤字が出る筆者作成家計の内訳は、次のとおりです。ご自身の家計と比べてみて、いかがですか? たとえば、この家計の住居費は、月額13,656円です。この金額ですと「家賃」というよりは、「持ち家でローンは完済。固定資産税などを月額割にした数字」なのではないでしょうか?■「どんな生活をしたいか?」で必要な金額は変わるこんなふうに、モデルとなった家計と、「わが家の家計」を照らし合わせてみる作業を、まず始めてみると良いと思います。その上で、「では、自分自身の老後をどんなふうにしたいか?」を、考え始めてみましょう。「まずは自分の老後のビジョンを決めることから始めましょう。そうでないと老後の必要額はわかりません」(横山さん)そう言われても、多くの人は「心配のない老後にしたい」というくらいしか、イメージが沸かないかもしれませんね…。そこで、23,000件以上の家計をみてきた、家計のプロ横山さんの出番です! 今回は、「2000万円」を基準にして、2000万円以上老後資金が必要な人、2000万円までなくても大丈夫な人の、「ありがちな収支パターン」を教えていただきました。●ありがちな収支パターン4例1) Aさん:2000万円では全然たりない人 2) Bさん:2000万円までなくても足りる人 3) Cさん:年金のみでもいける人 4) Dさん:Aさんのバージョン違いの「2000万円ではたりない人」 ※Dさんは、わりとよくみられるパターンだそうです。ここで、今回の「試算の条件」のポイント整理しておきましょう●今回試算条件1)「将来の収支予想の収入」は年金のみの収入で、年金のみで生活した場合2)年金受給額は、今後の加入状況や収入の状況を予測した概算3)予備費用は、リフォーム、介護、病気、旅行費用に充てるための金額筆者作成▼パターン1)Aさん 2000万円では全然たりない人【診断】 高支出メタボ家計Aさんは、こんな人 → ちょっといいもの症候群Aさんは、現役時代の年収が1100万円と非常に高いので、いわば「ちょっといいもの症候群」です。消費では、「ちょっといいもの」を選びがちなので、生活コストがかかります。また、資産形成は、「賢くできるはず!」という気持ちで堅実路線とは言い難いチョイスをしていますが、思うような結果は得られていません。▼パターン2)Bさん 2000万円までなくても足りる人【診断】 無駄のない節約家計Bさんは、こんな人 → 堅実な生活者Bさんの現役時代の年収は500万円で、「堅実な生活者」です。そもそも、現役時代に使えるお金が特別高いわけではないので、消費は、「地に足がついた感じ」です。普通の収入なので、生活もごく質素です。もっとも「質素」と「貧乏くさい感じ」は、まったく違います。家計の収支について、きちんと考えています。▼パターン3)Cさん 年金のみでもいける人【診断】 年金を貯蓄に回せる理想家計Cさんは、こんな人 → 老後は実家の田舎で暮らす予定の人Cさんの現役時代の年収は、600万円。老後は実家に戻って田舎暮らしを始める可能性があるそうです。住宅ローンは返済中ですが、これを完済して持ち家を売れば、1000万円くらいの資産になるかもしれません。田舎に戻ったあとは、親と変わらない近所付き合いをし、食材はもらったり安く買えたりしそうなので、生活コストは低そうです。▼パターン4)Dさん 2000万円より多く必要な人人【診断】 賃貸住宅が老後にも響く赤字家計Dさんは、こんな人 → 「老後の家賃」が厳しいタイプDさんの現役時代の年収は、700万円。比較的慎重派で、何千万もの住宅ローンを組んで持ち家にすることは考えていません。家は必ず買わなくてはいけないというものではありませんが、老後の限られた収入の中でやりくりするときには、家賃は、かなり負担の大きな支出となります。あなたの家計は、どのパターンが近かったですか? この記事をキッカケにして、老後というのは、「どこかの国の誰かの話」ではなく、「今日の私の地続きにある話」というイメージを持つことが、年金を自分事として考える第1歩なのだと筆者は考えます。■老後対策の柱は、3つ「老後生活を送っている自分」のイメージが持てるようになると、ようやく自分年金づくりのスタートラインに立ったということなのだと思います。では、スタートラインに立ったら、何から始めれば良いのでしょうか? 横山さんは、言います。「老後対策は、総じていえば、次の3つのアプローチから手をつけていくと、良いでしょう」●老後対策の柱3つ1)年金以外の収入の道を探る2)支出は現役世代のうちからコントロールする習慣をつける3)運用もできるだけ早いうちから始める出典: 『横山先生! 老後までに2000万円ってほんとうに貯められますか? 人生100年時代でも豊かに暮らす、資産と年金への向き合い方』(横山光昭著/KADOKAWA刊)より抜粋) ●「老後までに2000万円貯められる?」第3回のまとめ1)「2000万円問題」のモデルケースを知り、自分の家計と比べてみる2)老後は、「今日の私の地続きにある話」である3)「老後対策の柱3つ」を知っておく次回は、いよいよ「自分年金の作り方」について、具体的に考えてみます。※本連載で紹介する制度などに関する情報は、2020年2月26日時点のものです。■今回、取材を受けてくださった横山光昭先生の書籍 『横山先生! 老後までに2000万円ってほんとうに貯められますか?人生100年時代でも豊かに暮らす、資産と年金への向き合い方』 (横山光昭/KADOKAWA ¥1,540円(税込み))横山 光昭(よこやま・みつあき)さん家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー。株式会社マイエフピー代表取締役。お金の使い方を改善する独自の家計再生プログラムで、これまで23,000万人以上の家計を再生。書籍・雑誌への執筆、講演も多数。>> 「老後までに2000万円貯められる?」連載 記事を見る 第1回「「老後が不安」で終わらせていいの?」 \おすすめ動画もぜひご覧ください!/ 母ちゃんTVはコチラ チャンネル登録お願いします♪
2020年03月17日2019年は、公的年金だけでは「2000万円足りない」問題が注目されたことにより、「老後について、本気でどうにかしなきゃ!」と、危機感を感じた人も少なくなかったのかもしれません。「老後に2000万円足りないって、本当?」お金の超プロフェッショナルである横山光昭さんにお話しを伺ってきました! この記事は、 第1回「『老後が不安』で終わらせていいの?」 の続きです。横山 光昭(よこやま・みつあき)さん家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー。株式会社マイエフピー代表取締役。お金の使い方を改善する独自の家計再生プログラムで、これまで23,000万人以上の家計を再生。書籍・雑誌への執筆、講演も多数。■老後2000万円足りなくなるって、本当?取材の冒頭、「老後資金が、2000万円足りないって、本当ですか?」という、素朴な疑問を横山さんにぶつけてみました。横山さん曰く、「結論から言えば、ウーマンエキサイトのパパママ世代の方は今から、『自分の場合は?』と、年金を自分事として考え始めれば大丈夫です」とのこと。ほッ! 良かった! では、年金を自分事と考え始めるためには、何が必要なのでしょうか? いわゆる「老後2000万円問題」の整理から始めましょう。コトの発端は、6月上旬に公表された金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の報告書です。全51ページの、たった一文(太線部分)だけが切り取られ、大騒ぎになりました。●金融審議会「市場ワーキング・グループ」報告書年金だけが収入源となる無職のある高齢夫婦(夫65歳以上、妻60歳以上)。夫婦の年金収入が約21万円なのに対して、支出は約26万円かかっています。その収入と支出の差となる不足額が毎月5万円。これが20年間続くとすると、30年間で約2000万円が必要になるという試算です。参考文献: 金融審議会「市場ワーキング・グループ」報告書 (全51ページの21ページ目)■「絶対に2000万円が必要だ」などとは書いていない報告書は、ネット上で誰でも目をとおすことができます。「私も報告書が公表されてすぐに目をとおしましたが、あの報告書では、『老後の生活に、絶対に2000万円が必要だ』とは書かれていません。紹介されていたのは、ある平均的な夫婦の老後の資産(例)です」(横山さん)「ある平均的な夫婦の老後の試算(例)」についての解説は次回行うとして、ここでは、この報告書のポイントを整理しておきます。とても大切な報告書なので。●ウーマンエキサイト世代のパパママが知っておくべき3つのポイント1)長寿化はこれからどんどん進んでいく。2)充実した人生を送るためには年金だけでは足りない。3)自分事として準備しましょうと「自助努力」を促す。筆者作成ところで。皆さんは自分の年金について、「いつから」「どのくらい」もらえるのか知っていますか? 年金について、今、何か準備していることはあるのでしょうか?「自分の年金について考えたことのなかった方、これまで誤った情報に惑わされていた方に、この連載を通じてメッセージをお伝えしたいと思っています」(横山さん)■キーワードは、「人生100年時代」年金の問題を考える時、キーワードは、「人生100年時代」です。今では当たり前のように使われている「人生100年時代」というフレーズですが、そのキッカケは、『LIFE SHIFT~100年時代の人生戦略』(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著/東洋経済新報社刊)という本がよく売れたことにあります。この本の初版は、2016年10月なので、約3年前、にわかに「人生が100年になった」=「長寿化が現実味を帯びた」といったイメージでしょうか。『LIFE SHIFT』の中では、「人生の組み立て方が、今までとは違ってくる」と提言されています。端的に言えば、「教育→仕事→引退」という三つのステージで人生を考えるのは、長寿社会では無理だということなんです。100年という時間を、自分らしく生ききるためには、「学び直し」をしたり、「複数の仕事を同時に持つ」など、これまでの違う考え方で、人生を捉えていく必要があるとされています。■年金だけで暮らせる人は1割私たちの親世代は、「教育→仕事→引退」というライフステージを送り、仕事を引退した後は年金だけで暮らしている人も多いでしょう。けれども、私たちが仕事を引退する頃は、高齢化が進んでいます…。「端的に言っておきましょう。これからの日本では、年金だけではほとんどの人は暮らしていけません。ほとんどいうのは全体の8~9割くらいの人です」(横山さん)つまり、年金だけで暮らせる人は1割。「老後は年金があるから何とかなるだろう」という発想があるとしたら、それ自体、今の現役世代にとっては現実的ではないのです。「この記事をキッカケにして、ぜひ、その考え方から離れて欲しいと思います」(横山さん)■老後に向けて、今、私たちがやるべきこと2つでは、どうしたら良いのでしょうか? 横山さんより、私たちがやるべきことをポイントを絞って2つ教えてもらいました。●今、私たちがやるべきこと2つ1)自分自身の年金受取額の見込みを把握すること2)今とこれからの社会状況を認識した上で、『将来の自分の場合はどうなのか』を知っておくこと出典: 『横山先生! 老後までに2000万円ってほんとうに貯められますか? 人生100年時代でも豊かに暮らす、資産と年金への向き合い方』(横山光昭著/KADOKAWA刊)より抜粋) 1)の自分自身の年金受取額の見込みを把握する方法については、今後詳しく説明します。まずは、上記の2つをクリアした上で、「自分は将来どういったライフスタイルを目指すのか?」を考え、「そのためには、どうしていけばいいのか?」を、各人が探っていく必要がありそうです。「人に勧められるままに内容を理解せず投資をしたり、極端な節約生活を続けていくのは老後の生活が危ういだけでなく、長続きしません」(横山さん)●「老後までに2000万円貯められる?」第2回のまとめ1)「老後資金2000万円問題」、年金を自分事として考えるキッカケにする2)「人生100年時代」は、今までとは違った生き方をしていく必要がある3)「今、私たちがやるべきこと2つ」を知っておく次回は、年金を自分事として感じられるよう「2000万円より必要な人、少なくて済む人」について、具体的に考えてみます。※本特集で紹介する制度などに関する情報は、2020年2月26日時点のものです。<参考サイト>金融庁: 金融審議会「市場ワーキング・グループ」報告書 『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』 リンダ グラットン (著), アンドリュー スコット (著), 池村 千秋 (翻訳)■今回、取材を受けてくださった横山光昭先生の書籍 『横山先生! 老後までに2000万円ってほんとうに貯められますか?人生100年時代でも豊かに暮らす、資産と年金への向き合い方』 (横山光昭/KADOKAWA ¥1,540円(税込み))>> 「老後までに2000万円貯められる?」連載 記事を見る 第1回「「老後が不安」で終わらせていいの?」 \おすすめ動画もぜひご覧ください!/ 母ちゃんTVはコチラ チャンネル登録お願いします♪
2020年03月16日■「老後2000万円問題」は老後が不安になっただけ?こんにちは! ライターの楢戸ひかるです。私は20年ほどマネー記事を書いていますが、昨年の「老後2000万円問題」は、マネー史に残る、インパクトのある「事件」だったと思っています。ママの毎日は、忙しい! いっぱいいっぱいの毎日のなかで、とてもじゃないけれど、老後のことなんて考えられませんよね? それなのに、不安だけ、ポトリと滴のように落とされてしまった……。私個人の感想としては、多くのママにとって、2000万円問題が、「ただ、老後のことが不安になっただけ」なことが、すごく残念です。■老後資金、「知らないから不安」を払拭するにはまずは、「知らないから不安」にエネルギーを奪われないよう、必要な情報を知ることから始めてみませんか? 「知っておく」こと、老後に対してのひとつの有効な備えだと私は思っています。 「老後2000万円問題」については、ァイナンシャルプランナーの横山光昭先生に取材させていただき、詳しい解説をこの後の記事で行っていきます。記事を読んでいただければわかりますが、2000万円問題は、いいキッカケだと思うのです。そういう意味で、一般の人が話題にするレベルまで反響があった、この「事件」を、無駄にしたくないと思いました。■老後資金貯める余裕がないのに、不安がない理由私自身、今、老後資金を貯める余裕は、ほとんどありません。高校生2人、大学生1人の息子の教育費がピークだからです。けれども、「老後が不安だから、お金を貯めなきゃ!」といった感じの漠然とした不安は、それほどないです。なぜ、漠然とした不安がないのか? それは、「知っている」からです。私が何を知っているのか、書き出してみますね。●「老後の漠然とした不安がない」私が知っていること1)1ヶ月いくらあれば、足りるのか? 具体的な毎月の生活コストを把握している2)家電の買い替えやリフォームなど、大まかな生活サイクルと必要額を把握している3)わが家が、いつから老後資金を貯められる家計なのか? ライフプランニング表を書いて、予測がついている4)取材を通じて、「介護」や「老齢期の医療」のイメージを持てるようになりつつある5)投資を経験したことがあり、自分なりの投資方針があるこんなところでしょうか? 情報は力です。30代、40代は、住宅ローンや教育費負担が重い時期。「老後資金を余裕を持って貯めています」というご家庭の方が少ないのでは? と感じます。「知らないから不安」ということ、結構あると思うのです。それだったら、漠然とした不安にシャドーボクシングをしているよりも、具体的に考えてみませんか?■今回、取材を受けてくださった横山光昭先生の書籍 『横山先生! 老後までに2000万円ってほんとうに貯められますか?人生100年時代でも豊かに暮らす、資産と年金への向き合い方』 (横山光昭/KADOKAWA ¥1,540円(税込み)) >> 「老後までに2000万円貯められる?」連載 記事を見る\おすすめ動画もぜひご覧ください!/ 母ちゃんTVはコチラ チャンネル登録お願いします♪
2020年03月15日天海祐希主演、映画『老後の資金がありません!』が、2021年10月30日(土)に公開される。「どうする?!老後資金」天海祐希が頭を抱える主婦に『狗神』以来、19年ぶりの単独主演を務める天海祐希が演じるのは、どこにでもいる普通の主婦・後藤篤子。子育ても落ち着き、幸せな老後生活が待ち構えているかと思いきや、娘の派手婚、舅の葬式、夫婦そろって失職、高級志向の姑との同居......と、予想外のハプニングが身に降りかかる。老後資金に2,000万円が必要といわれる現代社会で、篤子もまさしく、かさむ一方の出費に気苦労の絶えない日々を送る国民のひとり。悩みもがき奮闘した先に、平穏な老後生活を手に入れることができるのかー⁈誰もが身近で重要な“老後の資金問題”のリアルと、篤子やその家族、友人たちが奮闘する姿を映し出した、笑って泣けてるコメディ・エンターテインメントを、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』の前田哲監督が描き出す。その他の登場人物&キャスト天海祐希を支えるキャストは、個性豊かな面々。実力派俳優からフレッシュな新人まで、多彩なキャストが物語を紡ぐ。・浪費家の姑・後藤芳乃役...草笛光子主人公の篤子と同居する浪費家の姑・後藤芳乃役は、芸能生活70周年を迎える草笛光子。テレビや映画にとどまらず舞台女優としても活躍する草笛が、嫁いだ先の老舗和菓子屋をたたんでからも浪費癖が抜けない姑をいきいきと演じる。・篤子の夫・後藤章役...松重豊また、定年を眼の前にして失業に陥る篤子の夫・後藤章を演じるのは、ドラマ「孤独のグルメ」シリーズに出演し、ミニドラマ「きょうの猫村さん」では猫まで演じ分ける松重豊。天海とともに、長年寄り添ってきた本当の夫婦のように息の合った演技を見せる。・篤子の娘・後藤まゆみ役...新川優愛突如親のもとに結婚相手を連れて派手婚を報告する篤子の娘・後藤まゆみ役には、女優やモデルとして活躍する新川優愛。・篤子の息子・後藤勇人役...瀬戸利樹篤子の息子・後藤勇人役には、「仮面ライダーエグゼイド」で仮面ライダーブレイブ役を演じ、『カイジ ファイナルゲーム』などに出演してきた瀬戸利樹が抜擢。娘の結婚相手である低収入のパンクロッカー...加藤諒正論を振りかざすインテリ主婦の義妹...若村麻由美篤子の長年の友人であるサツキ...柴田理恵義妹の夫...石井正則葬儀屋の社員...友近篤子が通うヨガ教室の先生...クリス松村キャバ嬢...高橋メアリージュン娘の結婚相手の両親...佐々木健介、北斗晶経済ジャーナリスト...荻原博子篤子の両親...竜雷太、藤田弓子夫の元同僚...哀川翔サツキの父...毒蝮三太夫区役所委員...三谷幸喜天海祐希コメント主演を務めた天海は、公開されたティザービジュアルについて、「何だか、私の顔面がうるさくてすみません(笑)。映画『老後の資金がありません!』のポスターなんですが......この激しいポスターが、全てを表現してくれてます(笑)。こんなに切羽詰まった主人公なんです。次々起こる困難や悩みにどの様に立ち向かうのか。きっと何かしらは、皆様共感して頂けるのではないかと思います」とコメント。主婦の生きる知恵を詰め込んだ本作は、不安を抱える現代人にヒントを与えてくれるかもしれない。『老後の資金がありません!』あらすじ主婦・後藤篤子は悩んでいた。家計は妻に任せきりの夫・章の給料と篤子がパートで稼いだお金をやりくりして、娘と息子を育て上げた。節約をモットーに、老後の資金をコツコツ貯めてきたはずなのに…親の葬式に 330 万、子供の派手婚に 300 万!そんな中、夫が失職!と次々とお金の災難が襲い掛かる!なんとかしてやりくりするものの篤子の努力はむなしく出費はかさむばかり。いよいよ姑・芳乃への仕送りさえ捻出できなくなった篤子は、義理の姉夫婦との話し合いの席で、芳乃を引き取ると口走ってしまう。しかし、元・老舗和菓子屋 女将は、超がつくほどの浪費家だった・・・!貯金0円が目の前に迫る!【詳細】映画『老後の資金がありません!』公開日:2021年10月30日(土)出演:天海祐希、草笛光子、松重豊、新川優愛、瀬戸利樹、加藤諒、柴田理恵、石井正則、若村麻由美、友近、クリス松村、高橋メアリージュン、佐々木健介、北斗晶、荻原博子、竜雷太、藤田弓子、哀川翔、 毒蝮三太夫、三谷幸喜原作:垣谷美雨『老後の資金がありません』(中公文庫、2018年)主題歌:氷川きよし「 Happy! 」監督:前田哲配給:東映
2020年03月12日天海祐希、19年ぶりの単独主演映画『老後の資金がありません!』より、天海さん演じる主人公が預金通帳を手に笑い泣く、コミカルなティザービジュアルが到着した。老後の生活への不安を、緻密な取材を基にした具体的な金額と立派な様で実は問題ばかり抱えた親族たちを通して描く26万部突破のベストセラー小説「老後の資金がありません」を、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』の前田哲監督が映画化する本作。天海さんが本作で演じているのは、どこにでもいるような普通の主婦・後藤篤子。子育ても落ち着き、老後は安泰のはずだったが、娘の派手婚、舅の葬式、夫婦揃って失職など、お金はどんどん出ていくばかり…。そんな老後の資金問題に直面した篤子。到着したティザービジュアルでは、「2000万円なんてとてもじゃない!」とばかりに通帳残高に大ショックを受ける瞬間が切り取られている。そんな今回のビジュアルについて天海さんは「何だか、私の顔面がうるさくてすみません(笑)映画『老後の資金がありません!』のポスターなんですが...この激しいポスターが、全てを表現してくれてます(笑)」とまさにこのビジュアルに集約されていると言い、「このポスターが貼られ出したら街を歩けるのか。楽しみで幸せでありつつも少々の恐怖を感じております。(笑)」と少し複雑な心境も明かしている。また「こんなに切羽詰まった主人公なんです」「次々起こる困難や悩みにどの様に立ち向かうのか。きっと何かしらは、皆様共感して頂けるのではないかと思います」と作品へ自信をのぞかせている。『老後の資金がありません!』は9月18日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:老後の資金がありません! 2020年9月18日より全国にて公開©2020映画『老後の資金がありません!』製作委員会
2020年03月04日今回は老後破綻という事をテーマに解説していきます。メディア等でたまに聞く言葉で、高齢者による破産が増えていっていますが、どんな実態なんでしょう。もし自分が老後を迎えた時に貧困な生活を送っている事は考えたくないですが、今頑張っておかなければ、家賃や生活費が払えないかもしれません。今の話題を自分に置き換えてみて考えて頂きたいテーマです。年金生活者の実態は?内閣府発表の資料ですが、調査は総務省が行っています。60歳以上の貯蓄の割合をグラフにしたもので、平均額は2,396万円となっているようです。4,000万円以上の貯蓄を持っている割合も高く、資料を拝見すると老後破産ってあり得るのか?と疑ってしまいますね。十分な老後資金があっても破産する事は考えられるここまでは必要な平均的な支出、収入、貯蓄に関して解説してきました。現在の高齢者の実態がイメージできたのではないかと思います。先程の解説にもありましたが、4,000万円以上もの資産を保有している割合は非常に高く、返って余裕のある生活が出来ると考えられますよね。しかし、実際に老後破綻する方の中には高額な資産を持っている方も含まれていたりします。次にその事例をご紹介していきたいと思います。[adsense_middle]現実に起こった実例:Aさんの話ここからは実際に起きた事例を元にお話しします。もしも皆さんがこの方達の立場だったらどうしますか?読みながら考えてみてください。Aさんは大手の会社に勤続し、60歳で定年を迎えました。退職金も1,000万円ほどあり、子供もみんな結婚し巣立っていきました。定年後にご夫婦で生活をするにあたって、新居を現金で購入する事にしました。立地は良く、スーパーや病院も近いので年を重ねても問題無いと判断したようです。程なくして、Aさんの奥さんが認知症を発症し、自宅での介護が始まりました。しかし、一人で介護するとなると大変です。そこで、老人ホームを検討しましたが、費用の安い施設は順番待ちの状態となっており、いつ入所できるか分かりません。同時にAさんも通院が必要な病気になり、待つことに限界が近づいてきました。子供に相談しようにも他県へ移っており、孫も小学校、中学校と転校したくない様子。家族の支援を諦め、高額な介護付きマンションへの入居を決断しました。入居するにあたり一時金で2,000万以上の費用負担が発生。これまで住んでいたマンションを売却するも思っていた以上に低い価格で売れ、蓄えと合算して何とか入居する事ができましたが、この時点で貯蓄は底をつきました。奥様の体調は日々進行する一方で、生活にかかる費用だけでも月に20万円ほどかかると。とくにおむつ代等消耗品費がかさみ、予想していた資金繰りがうまくいかない事に気づきました。この段階で誰かに相談でもしていれば良かったのですが、子供を頼れないAさんは遂に消費者金融から軽い気持ちでお金を借りる事になります。気づけば借り続け借金は膨れ、返済出来ずに破産宣告といった事例です。破産の原因破産するまでの経緯ですが、少し辛口な解説になります。これまでの生活が続くと思い込んで、60歳以降の健康不良を考えて無かった点は少々甘い様に思います。確かに結果論ですので、仕方ないと思う事もあるでしょう。しかし、お金が手元に多く残っているとこれ位大丈夫だろうと、つい自分に甘くなるのが人間です。想定が甘くなった原因でもあります。子供などの近親者を頼る事が出来なかった事も原因の一つでしょう。現在は核家族化が進み、老々介護という言葉があるくらいです。そして最後にキャッシングをしてしまった事です。私もかつては金融機関に勤務していました。その時に借りる方を数多く見てきました。一度借りると、10万円でも返済は大変なんです。そして借りる癖がついてしまい、「借りれば凌げる」という思考になってきます。この思考って物凄く大変で、我慢する事などで抑制しますが、脳内の事ですので、ついつい甘くなってしまうんです。その結果借金が膨らみ返済不能に陥ってしまったという事です。現実に起こった実例:Bさんの話Bさんは自営業を継ぐ2代目として家業を切り盛りしていました。次に継ぐ方もいない為、自分の代で終わるだろうと考えていました。また自宅も代々住んできた自宅で、ご両親と同居していましたが、ご両親は他界。お墓などを守る事で供養を続ける律儀な性格のBさんです。子供も巣立ちましたが、ある日、子供が離婚し帰省する事に。子供は親権も相手方に取られ、住宅なども渡す格好で帰ってくる事になりました。子供も離婚がショックなのかふさぎ込んでしまい、結果引きこもりの生活を送る事になりました。こうなると子供の生活費の面倒まで見なければなりません。しかし、高齢のBさんは体に異変を感じており、商売をそろそろ辞めようと考えていた矢先の事です。遂にBさんの体も限界に達し、入院する事になりました。幸いにして命に別状はありませんが、もう仕事が出来る体ではありません。これまで自営業としてやってきたので、国民年金だけでの生活になり、日々の生活費は限られ、節約に節約を重ねる日々になったそうです。住宅も傷んでおり、改修も出来ず、子供の復調の様子も無く、毎日が辛い日々になったそうです。Bさんの原因Bさんの場合蓄えを十分に出来なかった事、子供の帰省が重なってしまった事が原因です。商売という事ですので、退職時期は自分で決められます。しかし、体調を崩してしまったので、収入源である商売は行う事が出来ず、という事が原因でしょう。この時、キャッシングにまでは手を出す事はありませんでしたが、固定資産税の支払い、お墓の維持費等の負担がかさんでいたそうです。加えて医療費等も発生するので、一気に目の前が暗くなったと仰っていました。AさんBさんとお二人の事例をお話しましたが、皆さんならどうしますか?とはいえ、事が起きてからの対策と事が起きる前の対策とでは違ってきますね。老後破綻しないための対策は?では老後破産しない為に何をするべきなのか解説します。対策のお話をする前に、こんな方が破産し易いですという解説を挟みます。[adsense_middle]破産しやすい方は次の様な方どんぶり勘定な方借り癖のある方健康に気を付けていない方貯蓄出来ない方物事を自分で解決しようとする方上記のような方は老後破綻し易いかもしれませんので注意しておきましょう。それぞれの理由を解説しますと、どんぶり勘定は論外でしょう。沢山お金を持っている場合は勘定が緩くなってしまうので、シビアになるべきです。借金などの借り癖のある方は癖を治すのは非常に大変です。健康に気を付けていない方も注意が必要です。病気は選ぶ事は出来ません。そして、いつどんな病気になるか分かりません。風邪の様に2~3日で治れば良いですが、毎日、毎月の通院が必要な病気であれば医療費が膨れるでしょう。予防出来る事はしっかりと予防したいですね。貯蓄できていない方はまず家計から見直しましょう。無駄な費用を削りしっかりと貯蓄出来る体力を作る事が先決です。最後に物事を自分で解決しようとする方は、誰にも相談できない性格かもしれません。相談する事で解決出来る事だって沢山ありますので、抱え込まない様にしてもらいたいです。老後への対策最後に老後への対策となりますが、やはりお金を準備する事が大きな要素である事は間違いありません。お金には魔力もあり、魅力もあります。使う人によってはいい方向へ向かったり、最悪な結果を生むこともあります。まずはお金を貯めるに当たって、しっかりと計画を立てる事は重要ですし、使う際にも計画は必要です。おすすめの貯め方としては今の時代であれば投資信託を活用する事でしょう。もちろんその他に預金や、保険でリスクを分散させる事も大事です。なぜ投資信託がおすすめなのか次に理由を解説します。投資信託の特徴投資信託は一言で言えばほったらかしで良い積立のようなものです。運用商品ですが、運用はプロが行ってくれます。毎日の株価や円相場を気にする必要が無いのもおすすめの理由の一つです。また50代の方でも始める事は可能です。時間を要する商品ですが、長期に渡って運用する事が出来れば、結果は必ずついてくるでしょう。利回りも平均すると最低でも2%~、高い利回りだと8%前後もあり得ます。金利の力を借りてお金に働いてもらう事で、毎月の積立負担を軽減できると共に複利の効果で増やせる力があるからです。老後破綻に関するまとめ今回は老後破綻をテーマに解説しましたが、破産する方は、予期せぬ出来事やどんぶり勘定が原因の場合が多く見受けられます。回避するためには、しっかりとお金の使い道を考えておく事、しっかりとお金の準備をしておく事は非常に重要です。この記事を通じて老後に備える方が1人でも増えれば幸いです。
2020年01月28日今回の記事は少しテーマが重ためです。老後の生活を想像した時にお金は非常に重要な要素となりますが、実際のところはどうなんでしょう。ご自身が高齢者になり暮らす際、イメージは付きますか?実感こそ湧く事が無いかもしれませんね。そこで、今回は老後の生活について現状をお伝えする事、そして、もしもの際の生活保護に関して解説していきたいと思います。年金暮らしの実態を解説このグラフは平成29年度に内閣府が作成した高齢者白書より引用した資料になります。60歳以上世帯の貯蓄平均額は2,396万円となっており、4,000万円以上の蓄えを保有している方は18.2%を占めている事が分かります。これだけの蓄えがあれば老後の生活は安心だと言えそうですが、対照的に、60歳以上で100万円未満の貯蓄額の割合が8%いらっしゃる事も分かりました。全ては貯蓄、定期預金、保険、投資信託、株等を含んでおり、準備している世帯や準備が困難な世帯等様々です。これから先の時代はこのグラフがどの様な推移になるのか興味があると共に、しっかりと将来を考えなければならないという事が伝わりますね。生活保護の受給条件を解説しますそれではここから、セーフティネットでもある生活保護に関して解説していきたいと思います。まずは受給する為の条件から解説していきます。生活保護は「資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限の生活を保障し、その自立を助長する制度です」となっています。憲法で保障されている事を忠実に守る為の制度で、「資産や能力」とありますが、この点が受給条件に絡んできますので詳しく見ていきましょう。[adsense_middle]資産や能力の活用とは?その他の要件も解説生活保護を受給する要件に資産や能力の活用とありますが、具体的に解説すると次の様になります。資産の活用とは、お手持ちの預貯金があればそれを活用して下さい。土地・家屋を所有しているのであれば売却して生活に充てて下さいという事になります。能力の活用とは、仕事が出来る健康な体があるのであれば、仕事に就いて稼いで下さいという事になります。他にはこんな要件もあります。あらゆるものの活用とありますが、年金や手当等他の制度で給付金を受け取る事が出来るのであればそちらを優先的に利用して下さいという事です。そしてこの様な要件もあります。扶養義務者の扶養とあり、親族などから援助を受ける事が出来るのであれば、援助を受けて下さいという事です。お分かりの様に、生活保護は税金から支払われる事になります。そして生活保護は本当の意味で最終手段になりますので、預貯金の有無や資産保有の有無、また負債の有無、親族への調査、健康状態の確認や就業の可否を判断するために役所から調査が入る事になります。決して誰でも簡単に請求できるものでは無いという事を知っておきましょう。持ち家を所有している方は生活保護を受けられない!?先程資産の活用について解説しましたが、原則として持ち家を所有している方の生活保護は認められません。まして、住宅ローンを抱えている場合は難しいでしょう。理由として税金からの支払いであり、国からの補助になります。国から補助を受けて住宅ローンを支払うという事になりますので、このケースではまず認められません。しかし、所有している自宅の資産価値にもよりますが、売却しても値が付かない等の場合は例外として認められる場合もありますので、一度自宅の資産価値を確認しておく事も大事です。その他資産価値のあるものは処分?他にもマイカー等所有している場合は売却を勧められます。もちろん価格にもよりますし、車が無ければ、特別に困難な事由等あれば認められる事もあります。また預貯金など、多くの資産を保有している場合は認められません。この場合市区町村によって最低生活費という金額が設定されています。この生活費を賄う為の水準に達しているかいないか等が調査されますので、隠す事など無いようにしておいて下さい。高齢者の生活保護受給率は?生活保護は高齢者だけに限った保障ではありません。中には病気などで、仕事をする事が困難な方や母子家庭等も該当します。しかし高齢者での受給割合は全体の半数を超えており、年々増加の傾向にあるようです。年金だけでは生活できず、また病気、ケガが原因で働きたくても働けない等の状況があるからです。もちろん年金と言っても、生活できる水準以下の年金額では生活を維持する事が困難な為、受給世帯が増加しているものと思われます。先々生活保護受給が増えるかもしれない理由についてここからは私の私見を述べますので、参考にして頂ければと思います。私の考えではこれから先々生活保護を受ける割合は増えるのではないかと予想しています。理由として、現在国民年金の免除者や未納者が増加している事が一つの要因ではないかと思っています。つまり受給資格を満たす事が出来ず、満額受給に届かない事で、老後の生活水準を割り込んでしまう事も考えられるからです。実際に納付している割合は国民年金加入者の51%になっており、残りの未加入、免除者は49%にも上ります。将来の年金を悲観し、支払わないといった理由もあるようですが、支払えるうちはしっかりと納めたいですね。老後の生活保護に関するまとめ今回は老後の生活に関して、生活保護というテーマを絡めて解説しました。生活保護は最後の砦でもありますが、それ以上に生活する上で制約がかかる事があります。余裕ある老後を迎える為に、今から出来る事や改善できる事を見つめ直したいですね。
2020年01月26日老後の不安は尽きませんが、今回のテーマは「いくらあったら大丈夫」という事で解説していきたいと思います。極論を言うと、お金が潤沢にあれば老後困る事も無いですし、対策する必要はありません。しかし、宝くじが当たるほどの金額を準備している方は少ないのも現実です。老後の備えとしてどれくらいの貯蓄を目安にすればいいのか、また老後資金を確保するための方法も解説しますので、お付き合い下さい。老後必要な金額はいくらなのか?はじめに、老後に必要な金額について解説していきます。金額と言っても、昨年国が2,000万円は必要ですと回答した事が波紋を呼びましたね。本当に2,000万円あれば大丈夫なんでしょうか?もっと少ない金額だと貯める方も助かりますよね。早速必要な金額を算出していきましょう。老後の平均的な生活費を解説しますまず老後の平均的な生活費から解説すると、総務省の調査では毎月236,000円が平均的な生活費であるという結果が出ています。この金額は65歳の男性、60歳の女性で共に仕事をしていない場合の必要生活費です。あくまでも平均という言葉を使用していますので、元々所得の高い世帯は生活水準も高い為、平均値よりも高くなる事が予想されます。またこの金額がいつまで続くのかという点において、日本の平均寿命から考えても、夫婦共に80歳を超えるまでは続く事も予想できるでしょう。平均値から考えると年間2,832,000円の金額が最低限必要な生活費であるという事が分かります。また単身者の場合は1ヶ月当たり約150,000円となっているようです。いくらあれば安心?夫婦で過ごす、ゆとりある生活費はいくら?先程の平均値の話は、実際に生活していらっしゃる方々のリアルな金額でもあります。では余裕だと感じる事の出来る毎月の生活費っていくらなんでしょうか?ここでは生命保険文化センターが調査した結果を元にお話ししますが、夫婦でゆとりある生活費として361,000円があればという回答が出ています。もちろんご家庭によっては金額の差異があるでしょう。このアンケートで次に回答が多かったのは、月500,000円以上と答えた割合でした。確かに毎月50万円あれば悠々自適に暮らす事はできそうです。老後のゆとり資金はどんな事に使う?先程解説のゆとりある生活費ですが、使い道についてアンケートを行ったところ、旅行やレジャーに行きたいと回答した方が最も多かったです。次に趣味や教養、生活費の充実に充てたい、身内との付き合い、車両等の買い替えに充てたい、子供やお孫さんへの資金援助に使いたいと続きます。アンケート結果から分かる事は、老後に入ると、時間に余裕が出てきます。それもそのはずです。これまで一日の殆どを仕事で過ごしていましたが、その仕事が明日から無くなるので、何をしたら良いのか、どう過ごしたいのかという事も悩みの一つになってくるようです。これまで中々行けなかった旅行が一番に来るのも頷けますね。受給額を知る前にもっと重要な事次に受け取る年金の金額について解説します。この年金受給額が減る、少ないかもしれない、少なくなるだろうという事が大きな不安材料になっていると思います。この受け取れる年金の金額が判明しなければ、いくらを目標に貯めれば良いのかゴール設定が出来なくなりますよね。私が提唱している事は、実は受給額も大事ですが、それ以上にゴール設定とスタートラインの設定は非常に重要なんです。[adsense_middle]ゴール設定と早めのスタートの重要さこのゴール設定は非常に重要な部分になります。マラソンで考えてみましょう。フルマラソンやハーフマラソン、5キロ、10キロマラソンとそれどれ距離が決まっていて、必ずゴールが設置されています。貯金や資産運用も同じで、どこを目標にすれば良いのかという事を設定しなければ、ゴールの無いマラソンを延々と走らされるようなものです。考えてみただけでも想像を絶します・・・。しっかりとゴール設定する事は重要な訳です。そしてもう一つ。スタートはなるべく早めに切る事が重要です。現在では定年退職が65歳という会社も増えてきました。しかし中には60歳定年という会社も存在します。つまり、お給料を貰って稼ぐ事が出来る期間中に貯め始めなければ、年金を受け取る頃には間に合いません。例えばですが、60歳定年の会社に勤務しているとします。50代の方は貯める事が出来る期間は10年未満です。仮に老後2,000万円必要だとするならば、単純に1年間で200万円を貯め続けなければ60歳定年まで間に合いません。この会社に勤めながら、40代でスタートを切るのか30代でスタートを切るのかでは使える「時間」が大きく異なり、負担も違ってきます。なぜそこまで重要なのか?これは私の仕事で感じる部分が往々にしてあるからです。私もクライアントさんを抱えて仕事をしていますが、老後資金の相談に来る方も多くいらっしゃいます。必要な金額を計算し、早めのスタートを促しますが、一向に一歩目が出ない方が非常に多いです。これ実は情報過多の時代にいる為、A案、B案、C案と様々な情報収集や相談を行った結果、どれで始めれば良いのか迷ってしまう事に他なりません。ネットでは情報が溢れ、相談所も乱立しています。情報収集する事は決して悪い事ではありませんが、迷う事が無いように、決断する力を持っておきましょう。でなければいつまで経ってもスタートは切れず仕舞いになってしまいます。平均受給額について解説します話が少し横道に逸れましたが、スタート、ゴールの重要性は分かって頂けたかと思います。では今の高齢者がどれくらい年金を受給しているのかという事について解説します。国民年金と厚生年金で金額は異なる前回解説した記事に国民年金と厚生年金の事が詳しく書いてあります。是非そちらも読んで頂ければと思いますが、ここでも改めて受給額の違いを解説します。人によっては個人事業をやっている方、サラリーマンをやっている方と、違いはあります。国民年金は1階部分で、厚生年金は国民年金に更に上乗せできる部分となりますので、サラリーマンの方の方が年金受給額は多くなる事になります。国民年金はいくらもらえる?ご存知の様に個人事業主が加入する国民年金は年間約78万円(一人分)の受給額となっており、1ヶ月あたり、65,000円になります。しかし、厚生労働省が発表している平均受給額は1ヶ月55,000円との回答があり、満額受給できていない事が分かりました。そもそも年金制度は20歳から60歳までの間に納める制度ですが、未納期間や支払った期間(これを受給資格期間と言います)が不足している事も考えられます。いずれにせよ年金額が少ない事は分かっていますので、個人事業主でやっていくなら早めのスタートは肝心ですね。厚生年金はいくらもらえる?厚生年金に関しては受け取っているお給料水準によって異なります。一概に言えない為、ここでは平均受給額として解説します。厚生年金を受け取っている方の平均受給額が1ヶ月約145,000円(一人分)となっている様です。年収や受給資格期間によって差はありますので、あくまでも平均値として参照しておいて下さい。また男女別でも平均額が異なり、男性の平均は1ヶ月約166,000円、女性は1ヶ月約104,000円という回答が得られています。男女で差が出る要因としては、女性は出産、育児と子育てに専念する事が多く会社を退職し専業主婦になる事もあります。その場合受給資格期間が少なくなる事もある為、この様に差が発生する事になる訳です。理想的な貯金額はいくら?ここまでに受け取る金額と、出ていく金額を解説しました。では平均値を使用して差額を計算していきます。[adsense_middle]平均値を使用した差額の計算試算の条件計算するにあたり、以下の条件で試算します。老後のスタートは65歳から。平均寿命を用い男性81歳、女性87歳で計算。必要生活費は前述の平均値を使う。また離別後の6年間は平均値の8割で試算する事とする。受給額に関しては男女別の平均値で試算する。尚離別時の遺族年金は考慮しないものとして試算する。必要生活費必要生活費は次の計算式となります。夫婦で生活時236,000円×12カ月×(81歳-65歳)=45,312,000円離別後236,000×0.8×12カ月×(87歳-81歳)=13,593,600円合計58,905,600円(以下①とする)ゆとりある生活費ゆとりある生活費については次の通りです。夫婦で生活時361,000円×12カ月×(81歳-65歳)=69,312,000円離別後361,000×0.8×12カ月×(87歳-81歳)=20,793,600円合計90,105,600円(以下②とする)受給額(夫婦共に国民年金の場合)次に受給額について計算します。夫婦共に国民年金の場合は次の通りです。夫婦で生活時55,000円×2人×12カ月×(81歳-65歳)=21,120,000円離別時55,000円×12カ月×(87歳-81歳)=3,960,000円合計25,080,000円(以下③とする)厚生年金厚生年金の場合は次の通りです。男性166,000円×12カ月×(81歳-65歳)=31,872,000円女性104,000円×12カ月×(87歳-65歳)=27,456,000円合計59,328,000円(以下④とする)差額を計算では差額を出します。まず最低限必要な生活費から解説します。最低限必要な生活費国民年金の場合①-③=32,126,400円不足厚生年金の場合①-④=422,400円の余裕が発生ゆとりある生活の場合国民年金の場合②-③=65,025,600円不足厚生年金の場合②-④=30,777,600円不足上記のような試算結果になりました。平均値から算出すると、最低限の生活に関しては辛うじて厚生年金受給者がプラスとなりますが、決して余裕があるとは言い難いでしょう。また国民年金の場合差額が大きくなっており、何も対策を打たなければかなり厳しい老後生活になる事が予想されます。何度も言いますが、あくまでも平均値を使った試算ですので、皆さんに必ず当てはまるものではありません。しかし、目安となる金額は判明したのではないでしょうか。これは私の独断ですが、理想的な老後資金を確保するためには積立できるギリギリの範囲で2,000万円が妥当なラインだと考えます。老後資金対策のおすすめは何?この2,000万円を貯める場合、いつから始めるかによって、また貯める手段によって毎月の負担が変わってきます。65歳までに2,000万円とするなら、30歳から始めたとして35年間の積立期間はあります。その場合金利ゼロの商品なら毎月47,619円でゴール到達です。金融商品を変えて投資信託等の商品で運用し、年利4%であれば毎月の負担は約23,000円で済みます。この様にゴールとスタートが分かったら、選ぶ商品によって結果が変わりますので、商品選びも吟味してリスクを恐れずやる事も必要です。老後の貯蓄に関するまとめ今回は老後資金確保について解説しました。結果を見る限り大きな金額を準備しておかなければならない事がお分かり頂けたかと思います。いつから始めるのかは皆さん次第です。また平均値のシミュレーションよりも、リアルな自分の生活費と年金受給額を分かった上で試算するとより明確になりますので、お時間を作って計算してみてはいかがでしょうか。
2020年01月25日人生100年時代。これから迎える長い老後に、独り身ならなおのこと「お金はもつのか」と不安に思う人も多い。そんななか、老後の安心を得ようと結婚相談所に駆け込む50代女性が増えてきているというーー。「50代以上の会員数は’06年に4,700人でしたが、’19年には1万3,000人と約3倍に増えました。女性の会員数も同じく2,100人から5,900人に増加しています」こう語るのは、中高年専門結婚相談所「アイシニア」代表の池田淳一さんだ。今、さまざまな結婚相談所で50代以上の会員数が増えている。創業60年の中高年専門の結婚相談所「茜会」では10年間で会員数が3,000人から4,000人に増加。業界大手の「ツヴァイ」でも、女性会員数に占める50代以上の割合が’08年の3.6%から’18年に11.3%と約3倍になったという。「以前は躊躇しながら相談所に訪れる人も多かったのですが、今は多くのお客様が気軽に説明会や見学パーティに参加されるようになりました」(茜会・広報担当)さらに、注目したいのは結婚したい理由。「’18年に行った結婚意識調査では、50代女性で最も多かったのが、同率で『経済的に安定したい』『老後の安心を得たい』だったんです」(ツヴァイ・広報担当)■50代【結婚したいと思った理由トップ5】(1)経済的に安定したいから……66.7%(1)老後の安心を得たいから……66.7%(3)好きな人と暮らしたいから……54.7%(4)人生・生活を変えたいから……46.7%(5)寂しさから解放されたいから……29.3%■20代【結婚したいと思った理由トップ3】(1)自分の家族を持ちたいから……62.1%(2)子どもが欲しいから……58.3%(3)好きな人と暮らしたいから……55.0%■年代別結婚相手に「収入」を求める人の割合20代……43.1%30代……45.7%40代……54.9%50代……53.3%結婚相手に求めることも年齢層が上がるごとに「収入」を挙げる人の割合は増える。50代女性では「性格・人柄」と「相性」の次に「収入」を条件にする人が多い。経済的な安定を求めて増える50代の結婚相談。池田さんはその理由を次のように話す。「男性に比べて女性は、低賃金で収入が安定しにくい非正規雇用に就いている人が多いので、収入面で老後への不安を抱えやすい。それに、今は人生100年時代。50代はまだ折り返し地点で、『残りの人生をより豊かにしたい』『独りでは寂しい』と思う人が増えているのも理由でしょう」では、実際に50代で新たなパートナーを見つけるのはどんな人たちなのか。池田さんに、今まで見守ってきた方のお話を聞いた。■パート勤務で認知症の父も抱えていたけどーー「お義父さんも一緒に支えます」とプロポーズが「離婚の経験がある55歳のA子さんは、子どもがおらず、ずっとパートで働いていたため収入面に不安を抱えていました。なおかつ、認知症の父親の介護もあって、精神的にも疲弊していたようです」そこで、A子さんは経済面と精神面の両方を支えてくれる人を探そうと、アイシニアへ入会。「1年間で約20人の男性とお見合いをされていました。通常、お見合いのペースは平均月1回なので、とても積極的に活動されていましたね」こうした努力の結果、A子さんは会計事務所を経営する70代男性と出会った。「2人とも趣味が旅行で同じだったこともあり、交際に発展。男性は頼りがいのある人で『お義父さんも含めてあなたを支えます』と、A子さんにプロポーズしました。一方で、A子さんに恋愛感情はまったくなかった。でも、男性は彼女が抱える問題に真摯に向き合っていて、どんなことでも話し合える『人として信頼できる』ことが決め手だったようです」こうして入会から1年後、A子さんは、経済面と精神面の両方を支えてくれる年上の男性と、新たな人生を歩み始めた。池田さんは50代も結婚のチャンスはあると話してくれた。「訪れる人は10人中10人が『自分の年齢でも大丈夫ですか』と質問されますが、当社では4割の人がパートナーを見つけて退会されています。もし、結婚のお気持ちがあるようでしたら、勇気を出して一歩踏み出してみてください」「女性自身」2020年2月4日号 掲載
2020年01月25日多くの皆さんが迎える事になる老後。その老後が今問題になっています。どんな問題なのかと言うと、お金の問題です。私も25年後には65歳を超え働いているのか、それともセカンドライフに入っているのか想像できません。今回は老後のお金について必要な知識や目安などを解説していきます。年金はいくらもらえるの?平均的な支給額を解説します老後に備える為には、自分たちがどれ位の年金をもらえるのか、ある程度知っておく必要があります。まずはどれ位受給できるのか等解説しておきます。国民年金と厚生年金の違いでは国民年金と厚生年金の違いから解説しておきます。この年金の違いにより受給額が大きく異なってきます。概要として、厚生年金はサラリーマン等が加入する年金制度となっており、国民年金は個人事業主が加入する制度になっています。それぞれの違いについて次に詳しく触れていきますね。国民年金について国民年金は日本国内に住む20歳以上60歳未満の方全て加入する事になっている年金制度の事です。一般的に個人事業主、農業、漁業等に従事している方が対象となります。国民年金を自ら加入し、保険料を自ら納めている方を「第1号被保険者」と呼びます。また様々な説明の中で言われています、年金の1階部分が国民年金に該当しますので、憶えておいて下さいね。厚生年金について厚生年金は会社勤めのサラリーマンや公務員が対象となっており、「第2号被保険者」と呼ばれています。国民年金部分の支払いは直接行う事は無く年金の2階部分に該当します。日本全国を見渡した時に、国民年金の加入者が約1,600万人(平成29年度)に対し、厚生年金は約4,300万人(平成29年度)となっています。厚生年金保険料を納める事で、国民年金部分+厚生年金部分の年金額を受給する事ができるので、一般的にはサラリーマンである方が年金部分は手厚くなると言われています。また厚生年金で配偶者の方に扶養されている方は「第3号被保険者」と呼ばれており、直接年金保険料を納付する事はありません。年金は何階建てまであるの?先程の解説で1階、2階と例えましたが、年金は他の制度も含めると3階建てまでとなります。改めて整理すると、1階部分は国民誰でも受け取れる基礎年金部分(国民年金)となります。2階に関しては、サラリーマン・公務員が対象になりますが、上乗せ部分(厚生年金)となり、3階に関しては、企業年金や確定拠出年金等の分野が該当しますので、3階建て部分をする・しないは会社によっても異なりますし、個人の意思によっても異なります。また個人事業主など国民年金に上乗せする場合の付加年金や国民年金基金等は2階部分に相当します。目視で整理するため図解したものが次の図になります。2階建て、3階建て部分を補足しておきます図で見る限り、2号被保険者が手厚い年金である事が言えます。また1号、3号被保険者は自分で上乗せ部分を作る、若しくは過去に2号被保険者として勤務があればその期間分上乗せされます。ここでは付加年金、国民年金基金、厚生年金基金などについて解説しておきますので、知識としてもそうですし、年金の補てんとして考えておいて下さい。付加年金2階建て部分の付加年金ですが、第1号被保険者と任意加入保険者が付加年金に加入する事が可能です。任意加入被保険者について解説を挟んでおきますね。任意加入被保険者とは、国民年金を受給するための受給資格期間を満たしていない場合などの理由で、60歳を超えても資格を満たす為に加入する方を言います。この付加年金は国民年金の保険料に追加して月額400円を支払う事で将来の年金額を増額させる事が可能になります。追加する事によって、200円×納付月数分の金額が年金に毎年加算される為、お得な制度だと言えます。計算例として20歳から60歳まで付加保険料を支払ったとすると、400円×12カ月×40年間=192,000円支払う事になります。では受取は200円×12カ月×40年間=96,000円が1年間の年金に加算され、受給し続ける限り96,000円を受け取れますので、計算上は2年間で元が取れる仕組みです。国民年金基金国民年金基金に関しては、付加年金同様に第1号被保険者のみ対象となっている制度で、将来の年金額を増やす為の仕組みです。少々複雑な為、ざっくり解説しますが、付加年金と併用する事はできませんので、加入するのであればどちらかになります。毎月の掛け金の上限は68,000円までと決まっており、もしiDeCoと併用するのであれば、68,000円以内に掛け金を抑える必要がありますので、注意して下さい。加入のプランが複数ある為、ご自身の受け取りたい方法を検討して加入する必要があります。厚生年金基金次に厚生年金基金です。厚生年金と言葉が似ていますが、実際は異なり、次の様になります。厚生年金は公的年金制度であり、国が運用する制度です。厚生年金基金は私的年金制度で、企業年金に分類されます。つまり、厚生年金基金は導入している会社かそうでないかという事で加入の可否が決まります。また対象者は第2号被保険者となり、将来の年金受給額を増やすための制度です。現在(令和元年9月現在)では基金自体8社となっており、ほとんどの基金が解散し確定拠出年金に移行しています。確定拠出年金確定拠出年金は3階建て部分に該当し、最近では個人版確定拠出年金としてiDeCoが登場しました。これまでは企業版確定拠出年金しか無く、また導入している企業に勤務していなければ加入する事はできませんでした。しかし、2017年1月より、導入企業以外でも加入できる個人版確定拠出年金としてiDeCoがスタートしました。これにより第1号被保険者、第3号被保険者も3階建て部分に着手する事が出来る様になり、税制面のメリットを受けながら資産運用する商品で年金を増やす事が可能になり、現在では加入者が増加しています。一般的な受給額を解説しますここまでは国民年金と厚生年金の仕組みについて概要を解説しました。では実際にどれくらい受給できるのかという点に触れていきます。まず国民年金ですが、40年間しっかり保険料を支払ったとして満額受給できる金額は年間77万9,300円となっており、1月あたり65,000円となります。しかし、厚生労働省発表の平均受給額は55,000円となっているようです。では次に厚生年金ですが、こちらは年収によって様々ですので、厚生労働省発表の平均受給額で解説しますと1月約145,000円となっているようです。毎月の受給金額の平均をご覧になってどの様に感じましたか?老後資金として十分なのか、足りないのか、恐らく判別はついていると思います。私は「足りない」と感じますし、危機感さえ覚えます。夫婦で受給した場合は?では夫婦で受給した場合はどうでしょう?先程の平均を用いると共に国民年金であれば1ヶ月11万円となり、共に厚生年金であれば1ヶ月29万円になります。比較してもこの金額差は大きく、特に個人事業主の方は早めに年金の対策を打っておくべきだと言えます。それともう1点お伝えしたい事は、皆さんの寿命が年々伸びている事です。日本は世界トップクラスの長寿国です。男性、女性も長生きし、平均でも80歳をかるく超えてきます。このどれだけ生きる事が出来るのかという点がスッポリ抜けてしまっている為、月の受給額に焦点が行きがちになってしまいます。受給金額の総額を計算してみますそれでは先程の平均値を元に、男女の平均寿命から単純に計算してみることにします。最初に平均寿命ですが、小数点以下を切り捨てますので、男性81歳、女性87歳とします。迎える老後は65歳から、以降仕事をしないものとして計算します。そして夫婦同じ年齢でシミュレーションすると次の様になります。[adsense_middle]夫婦共に国民年金の場合男性55,000円×12カ月×(81歳-65歳)=10,560,000円女性55,000円×12カ月×(87歳-65歳)=14,520,000円合計25,080,000円夫婦共に厚生年金の場合男性145,000円×12カ月×(81歳-65歳)=27,840,000円女性145,000円×12カ月×(87歳-65歳)=38,280,000円合計66,120,000円必要な生活費は?入ってくる年金額を平均より割り出しました。次にかかる生活費(支出)を計算してみます。老後平均的な生活費(居住費含む)ですが、生命保険文化センターの調べでは、夫婦で毎月23.8万円が平均支出となっているようです。単身者で14.2万円が平均だそうです。ではこの平均値を元に支出を計算します。夫婦の期間:23.8万円×12カ月×(81歳-65歳)=45,696,000円1人になった期間:14.2万円×12カ月×(87歳-81歳)=10,224,000円合計55,920,000円シミュレーションで気を付けておく事上記の結果を元に改めて解説しますが、あくまでも平均値を元に計算しました。計算した結果、国民年金では生活費と受給額の開きが約3,000万円近くに上ります。厚生年金ではどうでしょう。今回のシミュレーションでは夫婦共に20歳から60歳まで、途切れることなく厚生年金を支払い続けた結果のシミュレーションです。ここで気を付けるべきは計算上は足りていますが、女性は出産、育児などの観点から、退職やパートになる事も考えられます。その場合、厚生年金を納める期間から外れる事になるため、上記のシミュレーション通りの金額に到達するかは分かりません。つまり、少なからずとも、出産、育児の事を想定した上で、何かしら老後に対して対策を打っておくべきであるという事が分かります。やはり年金だけでの生活は厳しい結果でもお分かりの様に、年金だけをアテにした生活は厳しい事が想像できるかと思います。老後を迎えた時点で、取り崩せる資産を形成しておくのか、不労所得が入ってくる仕組みになっているか、または65歳以降も仕事に携わっていくのかを検討しておかなくてはなりません。老後に備える為に有効な手立ては?将来的な老後不安を解消する手立ては自己防衛であり、貯蓄する事が必須だと言えます。その中でも、FPである私が推奨したいのは投資信託での運用です。時間さえかければ投資信託は増やせる確率が上がってきます。以前の記事で解説していますので、そちらを参考にして頂けると良いかと思います。預貯金だけでは運用はままならない為、今の時代は運用をしっかりと考える時なのではないでしょうか。老後の年金に関するまとめ今回は年金で生活できないかもしれないので、お金の基礎について解説しました。細かい点はあるにせよ、今出来る事を始めなければ、来る老後に備える事が出来なくなります。明日からセカンドライフが始まるといった場合に、何の準備も無いまま迎えるのは不安が募った毎日になるでしょう。不安を解消し、活き活きと生活できるようにしたいですね。
2020年01月24日