爆笑問題の太田光と妻で所属事務所社長の太田光代が、13日放送のTBS系バラエティ番組『サンデー・ジャポン』(毎週日曜9:54~11:30)で、米大統領選に勝利した共和党のドナルド・トランプ氏と約20年前に遭遇していたエピソードを明かした。今回、大統領選のさ中にニューヨークにいたという太田光代社長がVTR出演。約20年前に夫の太田光らとニューヨークのステーキハウスを訪れたときのことを振り返り、「隣にいた人が『チャイニーズ?』と聞いてきて、『ジャパニーズ』と答えたら、『子供だね』と言われたのを覚えている。どうやらそれがトランプさんだったみたい」と話した。スタジオでは太田光も、「(太田光代)社長の誕生日で、取材スタッフが(店に)言っておいてくれたら、店中が『ハッピバーステー』って。その中にトランプがいたらしい」と説明。「トランプに誕生日祝ってもらったんです」と言うと、共演者たちから「すごいね」という声があがった。
2016年11月13日芸能事務所・タイタン社長の太田光代が、きょう10日に放送される読売テレビ・日本テレビ系バラエティ番組『ダウンタウンDX』(毎週木曜22:00~23:00)に初出演。夫である爆笑問題の太田光がちょっかいを出した女子アナを、ダウンタウンに明かす。今回、番組では、太田と松本伊代という、芸人の夫を持つ2人の自宅に潜入。伊代は、自慢のキッチンを紹介するが、撮影していた夫のヒロミから「いつもはこんなきれいじゃないけどね」と暴露される上、扉を開けっ放しにしてしまうといい、「パパ(ヒロミ)が閉めてくれるからいいかって…」と苦笑いする。一方の光代は、大好きなロボットたちに癒やされている様子を紹介。そして、夫・太田光の話題になると「浮気はしてないと思いますけど、アナウンサーが好きですよね」と発言し、ちょっかいを出していたという女子アナの実名を、ダウンタウンにぶっちゃける。
2016年11月10日2016年、タロットを重要なモチーフとしたファンタジー漫画『サングリアル~王への羅針盤~』が誕生!9月12日にその第2巻が発売されるということで、帯のコピーを手がけた鏡リュウジさんが、作者の寺山マルさん、監修協力をしている占い師の田波有希さんと初対面しました。漫画の舞台は中世ヨーロッパ。王族の姫君と、貧民街で暮らす謎めいたタロット占い師の出会いから始まる魅惑のストーリーに興奮を隠せない様子の鏡さんが、寺山さん、田波さん、そして担当編集者の瀬尾さんに様々な質問を投げかけます。作品づくりの舞台裏はもちろん、タロットの豆知識や歴史的背景、さらには占いとの上手な付き合い方にまつわるお話まで飛び出して…。最終回である今回、鏡先生、寺山さん、田波さん、それぞれのお気に入りのタロットの絵柄が判明します。理由を聞いて納得。なんとなく“らしさ”が出ているのも興味深いところです。他には、寺山さんのデビュー秘話や田波さんが経営する古書店のお話も。もちろん鏡先生ならではの、タロットにまつわる豆知識もたくさん教えていただきました。鏡リュウジ…心理占星術研究の第一人者、圧倒的な支持を受ける存在で、大学で教鞭をとるなど、アカデミックな世界での占星術の紹介にも積極的。寺山マル…2014年、新人コミック大賞で入選、デビュー。漫画を読むのとガムが好物。田波有希…プロとしての鑑定歴16年、1万人超の鑑定数を誇るタロットリーディングを中心とした占い師。最初は「死神」のカードはなかった?編集部:ここまで、いろいろなお話をしていただきましたが、座談会をしてみていかがでしたか?田波有希(以下/田波):鏡先生のお言葉に、ものすごくパワーをいただきました。寺山マル(以下/寺山):私もです。ありがとうございます!改めてタロットって面白いなと思いました。鏡リュウジ(以下/鏡):同感です。タロットは面白い!一同:(笑)田波:特に歴史は本当に興味深いです。私も本はたくさん読んできたけど、どの説がフィクションでどの説がノンフィクションか、というのは知らない部分も多かったので、鏡先生のお話を伺えてよかったです。鏡:これからまた新説が出て、変わっていくかもしれないですけどね。タロットは誤読の歴史なので。ジェブラン(※1)のタロットエジプト起源説以降、いろいろな人が誤読を積み重ねてきました。実は、タロットに関するきちんとした研究が始まったのは1980年代以降なんです。田波:歴史の長さを考えると、80年代以降って、つい最近って感じがしますね。ところで「ヴィスコンティ版」(※2)のタロットが、もともとは観賞用だったって本当ですか?鏡:観賞用だったという説があります。確かに「ヴィスコンティ・スフォルザ版」は遊ぶにはだいぶ大きいし、現存するカードの上部にはピンで留めたような穴が残っていますから。ただ、ルネサンス期にはカードで遊ぶ女性の姿を描いた絵もあるので、遊戯にも用いられていたデッキがあったのも事実でしょう。田波:そうなんですね。そういえば、消失してる部分は縁起が悪いカードだから、もともとなかったのかも?という説もありますよね。鏡:「死神」のカードはあるのに「悪魔」と「塔」の2枚がないんですよね。もとからないのか、後で焼失したのか、そこは謎に包まれています。田波:その2枚がないっていうのが意味深ですね。編集部:絶対に引きたくないからと、取り除いてしまったのでしょうか?鏡:そこは二通りの説があるんです。最初はあったのにたまたまなくなったり、貴族が破いたりしたのか。もしくは初めはなくて、後に「悪魔」や「塔」がプラスオンされたんじゃないか、という二つの考え方ですね。縁起が悪いからなくしたという説もあるけど、「死神」はあるからなんとも言えなくて。田波:確かに。2枚はもともとなかったとも考えられますね。鏡:ええ。さっきもちらっと言ったけど、タロットは必ずしも22枚と決まっているわけではなくて、ヴィスコンティと同時代の「キャリー・イェール版」のカードはもっと枚数が多いし、もう少し後に出た「ミンキアーテ」というカードなんかは97枚もあります。つまり、もとからなかったとしても不思議ではないんです。田波:なるほど。3人が好きなタロットカードは?瀬尾亞佑(以下/瀬尾):ところで、鏡先生は大アルカナの中ではどのカードが一番お好きですか?鏡:そうですね。ベタですけど、「フール(愚者)」や「マジシャン(魔術師)」かな。でも、みなさん好きだから「フール」ってあんまり言いたくないんです(笑)。田波:好きな人多いんですか?私は好きと言う方にお会いしたの、鏡先生が初めてです。瀬尾:私も。鏡:えっ!本当に?田波:前に説話社さん(※3)がタロットの意味を「〇△×」で表すランキングを作ったのですが、それを見たら「愚者」に「△」がついていました。それでスタッフさんに「何で△なの?」って聞いたら、「愚者」は何者でもない存在だから良くも悪くもないし、好き嫌いもあまりないって言ってたんです。鏡:そうなんですね!田波:鏡先生は、深い知識をお持ちだからこそ好きと言えるような気がします。鏡:そうなのかなぁ。でも、男性は「フール」が好きな人、結構いるイメージがあります。田波:確かに男女の違いはありそうですね。「フール」は自由な感じがしますし。鏡:崖から飛び出してて危なっかしいから…。女性はもっとロマンチックなカードが好きなのかもしれませんね。何がお好きですか?瀬尾:私は「太陽」が好きです。田波:私は「審判」。編集部:きれいに分かれましたね。鏡:女性には「フール」は人気ないのか…。ベタすぎてみなさんと同じになっちゃうかと思ってました。田波:ベタではないですね(笑)。鏡:でも、ビートルズに「The Fool on the Hill」って曲があるし、海外で、いろんな人が描いた「フール」のカードを集めた画集も出てるんですよ。瀬尾:そんなに人気があるとは…。田波:今日の今日まで知りませんでした。鏡:そうか、わかった!タロットが世界的に本当にブームになったのが70年代なんですね。当時はヒッピー・ジェネレーション。ヒッピーと「フール」って相性がいいから人気が出たのかもしれません。田波:新しい時代を作りたい若者にとっての象徴になったんですね?鏡:そう。既存の社会にはハマんねーよ!と思ってるような人たちにウケたんだと思います。瀬尾:今のお話、すごく腑に落ちました。寺山先生はどのカードがお好きですか?寺山:「隠者」ですね。鏡:それは珍しい。でも、なんとなくお好きなのわかる気がします。田波:先生が描いたタロットの中でも、「隠者」のカードは素敵ですよね。寺山:ありがとうございます。「隠者」ってなんだか落ち着くんです。鏡:そういえばレッド・ツェッペリンの「天国への階段」というアルバムがあるのですが、開くと「隠者」が出てきますよ。一同:へぇー!編集部:タロットっていろいろな所で使われてるんですね。鏡:そうなんですよ。占いの専門家はトンデモ本がお好き?鏡:「審判」がお好きなのは何でですか?「審判」の解釈って人によってずいぶん違うので気になります。田波:「タロットストーリー」の中で、「審判」について“最後の最後まで残ってしまった人も救いましょう”というようなことが書かれていたんですね。そこがすごく好きなんです。鏡:どなたの「タロットストーリー」を読まれたんですか?田波:私が読んだのは東条真人さんの『タロット大事典』です。あと、子どもの頃に読んだ弦エニシさんの『タロットスター』が、最初のタロットの記憶として残っています。鏡:タロットの入門書や教本って、その人独自の世界観の表れですよね。言ってみれば、それぞれがその人の「タロットストーリー」。田波:『タロット大事典』はすごくイマジネーションが膨らむ本だなと思いました。井上敦子さんの『タロット象徴事典』も面白かったですね。もちろん鏡先生の本も拝読しています。タロットじゃないけど『アニマの香り』なんか大好きです。鏡:ありがとうございます。マニアックですね。田波:本の虫というかオタクなので。鏡:田波さんが経営する本屋さんに置かれている本も、占い関係のものがメインなんですか?田波:いえ、どちらかというとトンデモ本が多いですね。鏡:トンデモ本?どんなのを扱っているんですか?田波:そうですね。例えば、戦後の安い紙でできている、恋を叶えるおまじないの本だとか、不思議な絵が描かれた奇門遁甲(※4)の本だとか。民俗学やオカルトの本も結構あります。鏡:へぇー、行ってみたいな。僕も年季の入ったトンデモ本好きです。田波:いいですよね。ちなみに、うちは古本屋なんですけど、占いの本だけは新刊があります。もちろん鏡先生の本も置いてますよ。鏡:ありがとうございます。寺山先生、漫画家デビュー秘話編集部:聞きそびれていたのですが、寺山先生と瀬尾さんはいつ頃から一緒にお仕事をされてるんですか?瀬尾:ええと、最初はクリスマスイブに作品を持ち込まれたんですよね。寺山:そうそう。鏡:それはロマンチックな!(笑)瀬尾:私たちは「クリスマスですね」「そうですね」って感じで、全然ロマンチックさはなかったですけどね(笑)。持ち込みを受け、魅力的な作品だなと思って、弊社の新人賞に出していただいたら受賞して。読み切り漫画を2本くらい掲載し、その後すぐに連載が始まりました。連載まで、かなり早かったですね。鏡:すごい。「ROAD OF THE KING」だ。(※5)ジェブランの幻想的なタロットエジプト起源説では、Taortという言葉が「王の道」の意味であると解釈されていましたが(もちろん、これは間違い)、そんなスピード展開を聞くと、まさに「王の道」を地でいかれているという感じもしますね。瀬尾:そうなんです!田波:寺山先生は本当に才能豊かなんですけど、ものすごくピュアな方で、心がずっと子どものように清らかだなっていつも感じています。寺山:え?そんな、そんな…。鏡:漫画家さんってそういう方多いですよね。瀬尾:そうですね。だからこそ面白いものが描けるんだと思います。鏡:これからが楽しみですね。『サングリアル』も、寺山さんご自身も。寺山:ありがとうございます。精進します。一同:今日はありがとうございました。【編集部註】※1アントワーヌ・クール・ド・ジェブラン。1781年に『原始世界』を刊行し、「タロット=トートの書」説を発表。※2ヴィスコンティ・スフォルツァ版タロット。15世紀後半にミラノ公によって作られた、様々な博物館、図書館、世界中の個人コレクションに散らばる約15デッキのタロットの総称。※3占い専門の老舗出版社。※4古代中国で生まれた方位術。周の軍師・太公望や三国時代に活躍した諸葛亮孔明が戦に用いたと言われる。※5『サングリアル』の表紙に「ROAD OF THE KING」と書かれている。陰謀と闘え。運命を選べ。弱い自分を打ち破れ。禁断の王宮ブラッディー・ファンタジー、誕生。『サングリアル~王への羅針盤~ 1』 (ビッグコミックス)9月12日 第2巻発売!『サングリアル~王への羅針盤~ 2』 (ビッグコミックス)鏡リュウジ1968年、京都生まれ。国際基督教大学大学院修了。占星術研究家・翻訳家。京都文教大学客員教授。平安女学院大学客員教授。日本トランスパーソナル学会理事。英国占星術協会会員。著書に『鏡リュウジ 星のワークブック』(講談社)、『オルフェウスの卵』(文春文庫)、共著 角田光代『12星座の恋物語』(新潮文庫)、訳書にヒルマン『魂のコード』(河出書房新社)、サバス『魔法の杖』(ヴィレッジブックス)ほか多数。寺山マル2014年、新人コミック大賞で入選、デビュー。「月刊!スピリッツ」で『あいのあいだに(前後編)』掲載後、本作が初連載作品となる。漫画を読むのとガムが好物。田波有希多摩美術大学卒業。同大学染織デザイン研究室助手を経て、美術作家として活躍しながら占い師に。プロとしての鑑定歴16年、鑑定人数10000人以上。東京、雑司が谷にて古本と占い「JUNGLE BOOKS」を拠点に活動。下北沢「FUTURE DAYS」などでも鑑定を行う。「サングリアル~王への羅針盤」「神軍のカデット」監修中。
2016年11月07日プロダクトデザイナーの角田陽太と鈴木啓太による特別展示が、10月31日から11月6日まで渋谷ヒカリエ内コワーキングスペース・Creative Lounge MOV内のSHOWCASE-aiiima 2にて開催される。角田陽太と鈴木啓太は、世界的に注目されるアンダー40のデザイナーを表彰する「HUBLOT DESIGN PRIZE 2016」にて、日本人として初めてファイナリスト8人に選ばれたデザイナー。今回開催する展覧会では、角田と鈴木が手掛けた様々なアイテムの他、モノを生み出す過程で作られたプロトタイプなども展示され、その過程や手法などについても知ることができる機会となっている。角田陽太は、07年ロイヤル・カレッジ・ オブ・アートを修了後、08年より無印良品のプロダクトデザイナーを経て、11年YOTA KAKUDA DESIGNを設立。家具、家電、生活用品、パッケージなど国内外で高い評価を受けている。鈴木啓太は、多摩美術大学卒業後、12年にPRODUCT DESIGN CENTERを設立。自ら手掛けるブランド「THE」では東京駅のKITTEに 「THE SHOP」を展開。これまでには、レッド・ドット・デザイン賞、iFデザイン賞など世界中のデザイン賞を受賞。【イベント情報】「YOTA KAKUDA + KEITA SUZUKI “Industrial Design”」会場:渋谷ヒカリエ Creative Lounge MOV SHOWCASE-aiiima 2住所:東京都渋谷区渋谷2-21-1会期:10月31日~11月6日時間:12:00~19:00
2016年10月31日会社へ出社・退社を繰り返す日々……。「自分にはもっと別のことができるんじゃないか?」「もっとやりたいことがあるんじゃないか?」と思うことはありませんか?そんな悩める女子にオススメの、脱サラ・ソロ女子が活躍する小説3選をご紹介します!女性の自立を考えさせる『私の中の彼女』Photo by Amazon何も知らない主人公の和歌は、大学生になり、仙太郎という物知りで魅力的な男性と付き合いだします。最初は純粋に仙太郎への恋心を抱いていた和歌。仙太郎が表現者となり、和歌がその姿に憧れて後を追うように会社を辞め、同じく表現者としての作家を目指すようになっていくことで、ふたりの生活や関係が変化していきます。和歌は、作家の仕事に没頭してしまい、掃除や洗濯、食事といった普段の生活ができなくなり、仙太郎が家事の一切を請け負うようになってしまいます。そのことに罪悪感を抱く和歌は……。物語は、醜女と呼ばれながら物書きを志した和歌の祖母の過去を辿り、その生き様が徐々に見えてくることと和歌の生き様が絡まり、展開していきます。女性が誰しも感じたことのある「女性はこうであるべきだ」という、暗黙の押し付けのようなものがリアルに描かれた作品。和歌の感情には、きっと多くの女性が共感するはず。女性が自立して生きていくことを、リアルに深く考えさせてくれます。自分に合う仕事を考える『窓の向こうのガーシュウィン』Photo by Amazon2016年の”本屋大賞”を受賞した宮下奈都さんの『窓の向こうのガーシュウィン』。主人公の佐古さんは、未熟児で育ち、いつも周囲に馴染めず、「自分には何かが足りない」と思いながら生きています。仕事もうまくいかず、ようやくヘルパーの資格をとり働いていました。そんなある日、仕事先で”額装家”の男性と出会います。額装の仕事を手伝うようになることで、他人と関わるようなっていき、自身を肯定していけるようになって……。佐古さんの視点で描かれる世界は、どこかいびつで、それでいて柔らかな景色で、その不思議な感覚に惹き込まれます。独特の視点で世界を見ている佐古さんだからこそできる額装の仕事は、自身の胸もときめかせていきます。そしてその感覚に、読者も優しく満たされていくような気持ちになれるはず。自分に本当に合う仕事や人に出会えたときに「生きている」充実感を得られるということを、教えてくれるような作品です。新しくはじめた仕事への覚悟とは『パンとスープとネコ日和』Photo by Amazon出版社に勤めていたアキコは、人事異動と母の死をきっかけに仕事を辞め、母親がやっていた食堂を改装し、再オープンすることを決意します。『かもめ食堂』で一躍有名になった群ようこさんのこの作品は、やはり美味しそうなサンドイッチやスープ、サラダ、フルーツそして目に浮かぶ可愛い食器たちが出てきます。主人公のアキコが再オープンさせたお店には、母親の頃に通っていた常連客のおじさんや、母の知り合いだという年配の女性、向かいの喫茶店のママなどが訪れます。様々な人から「それじゃダメだ、良くない」とお店を非難されますが、アキコは反論もせず、静かに聞き、頭を下げます。どんなに「変えたほうが良い」と非難されても「自分の気持ちがぶれてはいけない」と、強く踏ん張り続けるアキコの姿は、新しく始めた仕事に対する覚悟や誠実に向き合うことの大切さを教えてくれます。生きていくために絶対的に必要な「仕事」。「女性が働くとは」、「自分に合う仕事とは」、「新しい仕事にチャレンジする勇気とは」。小説を読んで、一度自分自身の働き方を考えてみるのはいかがでしょう。参考:『私のなかの彼女』新潮社・角田光代、『窓の向こうのガーシュウィン』集英社・宮下奈都、『パンとスープとネコ日和』角川春樹事務所・群ようこ
2016年10月23日2016年、タロットを重要なモチーフとしたファンタジー漫画『サングリアル~王への羅針盤~』が誕生!9月12日にその第2巻が発売されるということで、帯のコピーを手がけた鏡リュウジさんが、作者の寺山マルさん、監修協力をしている占い師の田波有希さんと初対面しました。漫画の舞台は中世ヨーロッパ。王族の姫君と、貧民街で暮らす謎めいたタロット占い師の出会いから始まる魅惑のストーリーに興奮を隠せない様子の鏡さんが、寺山さん、田波さん、そして担当編集者の瀬尾さんに様々な質問を投げかけます。作品づくりの舞台裏はもちろん、タロットの豆知識や歴史的背景、さらには占いとの上手な付き合い方にまつわるお話まで飛び出して…。前回まではタロットの歴史や背景にまつわるお話を伺ってきましたが、今回は漫画家・寺山マルさんの過去・現在・未来にスポットを当てていきます。『サングリアル』のマル秘エピソードや気になる今後の展開についても、ちょっぴり聞けるかも?鏡リュウジ…心理占星術研究の第一人者、圧倒的な支持を受ける存在で、大学で教鞭をとるなど、アカデミックな世界での占星術の紹介にも積極的。寺山マル…2014年、新人コミック大賞で入選、デビュー。漫画を読むのとガムが好物。田波有希…プロとしての鑑定歴16年、1万人超の鑑定数を誇るタロットリーディングを中心とした占い師。次なる夢は舞台化、映像化?鏡リュウジ(以下/鏡):『サングリアル』は初の連載作品とのことですが、これまではどんな漫画を描かれてきたんですか?瀬尾亞佑(以下/瀬尾):前の作品とは全然、作風が違うんですよ。以前は現代の日常的な物語を読み切りで描いたりしていて。鏡:ずいぶん幅が広いんですね。寺山マル(以下/寺山):そう言っていただけるとうれしいです!鏡:『サングリアル』は歴史大河ロマンですよね?田波有希(以下/田波):歴史大河!私たちもそう言ってたんですよ。瀬尾:初めての連載なのに、こんな大変な作品を頑張って描いてくださって…。鏡:描き込みが細かいですよね。すごく時間がかかりそうだなと思いながら読んでいました。寺山:タロットが持つパワーに負けない世界観をつくりたいと思って、洋服ひとつ取っても、なるべく細部までこだわって描くようにしてます。編集部:てっきり、最初からそういう作風の方なのかと思っていました。瀬尾:今回の作品で大化けしたんです。鏡:絢爛豪華な世界ですよね。お嫌でなければ映像化してほしいです。個人的にはCG実写、希望です(笑)。田波:CG実写いいですね!舞台化も憧れます。鏡:確かに舞台もいいなぁ。宝塚でやってくれたら合いそうな気がします。瀬尾:実は作品づくりの過程で宝塚を観に行ったんですよ。2回くらい行きましたよね?寺山:はい。素敵でした。鏡:やっぱり観たんですね!宝塚っぽさがあるなと思いました。田波:寺山先生は、一度対面鑑定を受けただけでストーリーが浮かんでくるほど感受性が豊かだし、とにかく吸収力が高いので、舞台を観に行ったりすると、ものすごく反応してくれるんですよね。寺山:ありがとうございます。田波:本当に苦労して、3人とも作品に潜って潜ってつくってるので、舞台や映像になったら涙が出ちゃいそう。寺山先生なんて泣きながら絵を描いてるんですよ。それも、嫌だからではなく感動して泣いてるんです。いい話やーって(笑)。鏡:ご自身が納得できるまで力を出しきってるってことですね?寺山:そうなんだと思います。『サングリアル』は愛の物語!?編集部:これは伺っていいのかわからないのですが…。「ココロニプロロ」は恋愛がテーマのサイトなので、今後、主人公2人の間に恋愛の展開があるのか、差し支えない範囲で教えていただけないでしょうか。寺山:そうですね。あったらいいなと思います!瀬尾:恋愛、恋愛はしていない2人ですが、何者でもなかった男の子アンが王を目指し、その斜め後ろに女性であるキルケがいて背中を押して、一緒に王座へ登っていくというお話なので、何かしら愛の形は出せたらいいなと考えながらつくってますね。田波:まず、2人の出会いについて考えたとき、アンはバックグラウンドが何もわからないキルケをいきなりお城に連れて来るじゃないですか。そのときアンの中で恋のような気持ち…自分にとってのものすごいインパクトがなかったら連れては来ないだろうという感覚のもと、みんなでお話をつくってるんです。瀬尾:そうですね。そしてこの物語の発端は、実は愛の話なんです。寺山先生は2人の愛の話っていうところからイメージをつくりあげてるので、見え方としてはラブストーリーではないけど、根底には愛があります。鏡:思うに最初、アンにとってキルケはお母さん的な存在ですよね。これはユング心理学では「アニマ」と言うのですが、そこから彼女が性の対象としての女性に変容するってことは、アン自身が男の子として成長していくこと。つまり愛の形の変容そのものが、アンの成長ストーリーを物語ることになるのかなという気がします。寺山:わー!その解釈、すごくうれしいです!田波:うれしいですね。ところで話は戻りますが、タイトルにある「サングリアル」という言葉について、どこまで広げたらいいか悩んでいるんです。先ほど言ってた「聖杯」としての意味も持たせられたら面白いなと思うのですが。鏡:聖杯って、シンボリックに言うと「かけがえのない自分のアイデンティティ」の象徴だから、この作品自体がある意味、聖杯探しの物語ですよね。それから、王というのは自分自身の元型、基本的な存在の在り様そのものの象徴なんです。この作品の主人公は、実際に王を目指すわけですが、何者でもなかった若者が自分自身になっていくという意味では、あらゆる物語の雛形をたどってると言えますよね。そういう意味でも『サングリアル』って深いなー。寺山:本当ですか?瀬尾:私たち、本当に血を吐くようにしてつくってるので、そう言っていただけると最高にうれしいです!漫画、舞台…作品づくりはインプットが命編集部:『サングリアル』は今までとは作風が違うというお話でしたが、この漫画を描くにあたって影響を受けた作品はありますか?寺山:そうですね。いろんなところから影響を受けてると思うんですけど、きれいなものが好きなので、よく画集を見たりはしています。あと、小さい頃に星の神話の本を眺めるのが好きで、読めなくても絵だけ見て楽しんでいました。寺山:星座のハンカチなんかも好きで集めてましたね。そういうものが蓄積されてこの作品につながったんじゃないかと思います。宝塚も観ましたし。漫画だったら、ジョージ朝倉先生の作品をよく読んでいました。『ベルサイユのばら』や『キャンディ・キャンディ』のような女の子っぽい漫画も好きです。そういう、ありとあらゆるものから影響を受けてるんじゃないかなと思います。瀬尾:『エリザベート』を観たときは寺山先生、感動して「これだ!」って言ってましたよね。田波:その後、上がってきた絵がすごく良かったのを覚えてます。瀬尾:そしてミュージカルみたいな漫画を描きたいって。ババーンと音楽が聞こえてくるような、豪華絢爛な雰囲気の漫画を描きたいって言い始めたんですよね。寺山:『エリザベート』は本当に感動しました。ヒロインが王家を思って歌い、でも息子には反発されて…というシーンの二重唱が素晴らしくて。素敵!切ない!と感じました。「ママは僕の鏡だから」って曲かな?編集部:インプットが大事なんですね。漫画はもちろんですが、作品のイメージ的に、神話やミュージカルから影響を受けてらっしゃるのも、とても納得がいきました。第2巻の見どころをちょっとだけ…!編集部:『サングリアル』の第2巻は、第1巻とガラッと変わっていくのかなと想像しています。見どころやキーパーソンを教えていただけますか?瀬尾:簡単にお話すると、第1巻ではアンが「僕は王になるんだ」と覚悟を決めましたよね。でも、その時点ではまだ弱いし、口で言ってるだけなんです。そんなアンが実際、どうやって強くなっていくのか、どのように現実に立ち向かい、戦っていくのか、というのが第2巻で描かれています。キルケの謎もだんだん明らかになっていくので、そこも楽しみにしていただきたいですね。編集部:キルケにそんな裏があるとは思っていなかったので、ちょっとドキドキします。鏡:それにしても、これだけ細密な漫画を描き続けるのは大変ですよね?寺山:そうですね。でも、最近は1人でやってる感覚がないんです。正直なことを言うと、瀬尾さんも有希さん(田波さん)も本当にいい方なので、もう力になっていただけるものなら、どんどんそうしてもらおうと思ってたくさん協力を仰いでいます。その分、絵の部分では私は精いっぱい頑張ろうと思って、歌いながら描いてるような感じです(笑)。鏡:歌いながら描いてるんですか?ミュージカル的な世界観の作品だから合ってますね(笑)。寺山:はい。もし今、日常的な物語の漫画を1人で描いてたら、連載するのが逆にキツかったかもしれません。もちろん今も苦しいことはあるけど、楽しさの中に苦しさがある、という感じがします。編集部:産みの苦しみの中に楽しさがあるって素敵ですね。ところで、鏡先生は今回、帯のコピーを書かれたとのことですが、その際、何か意識されたことはありますか?鏡:帯を書かせていただく機会は結構多いのですが、短くキャッチ―にしなくちゃならないから難しいんですよね。僕、長く書く癖があるから申し訳なくて。本当は大きいフォントで「読んで!」「買って!」って書きたいんですけどね(笑)。一同:(笑)鏡:でも、そうもいかないし、タロットに携わる立場からすると、このタイトルを見ただけでも語りたいことがたくさん出てくるから、どうしても情報量が多くなるんですよね。『サングリアル』という作品自体が一つのタロットのストーリーになってるということも書きたいし、とにかく言いたいことがいっぱいあって、絞るのが本当に難しかったです。それで帯にありえないルビを振ってもらっちゃいました(笑)。編集部:難しい漢字が出てくるんですか?瀬尾:いえ、かっこよくルビを振っていただいたんです。それはぜひ書店でご覧ください!次回予告タロットを勉強したい方に朗報!占いの専門家による、おすすめの本をご紹介します。そして、鏡先生、寺山さん、田波さん、それぞれのお気に入りのタロットの絵柄も判明しちゃいます♪鏡リュウジ1968年、京都生まれ。国際基督教大学大学院修了。占星術研究家・翻訳家。京都文教大学客員教授。平安女学院大学客員教授。日本トランスパーソナル学会理事。英国占星術協会会員。著書に『鏡リュウジ 星のワークブック』(講談社)、『オルフェウスの卵』(文春文庫)、共著 角田光代『12星座の恋物語』(新潮文庫)、訳書にヒルマン『魂のコード』(河出書房新社)、サバス『魔法の杖』(ヴィレッジブックス)ほか多数。寺山マル2014年、新人コミック大賞で入選、デビュー。「月刊!スピリッツ」で『あいのあいだに(前後編)』掲載後、本作が初連載作品となる。漫画を読むのとガムが好物。田波有希多摩美術大学卒業。同大学染織デザイン研究室助手を経て、美術作家として活躍しながら占い師に。プロとしての鑑定歴16年、鑑定人数10000人以上。東京、雑司が谷にて古本と占い「JUNGLE BOOKS」を拠点に活動。下北沢「FUTURE DAYS」などでも鑑定を行う。「サングリアル~王への羅針盤」「神軍のカデット」監修中。
2016年10月12日2016年、タロットを重要なモチーフとしたファンタジー漫画『サングリアル~王への羅針盤~』が誕生!9月12日にその第2巻が発売されるということで、帯のコピーを手がけた鏡リュウジさんが、作者の寺山マルさん、監修協力をしている占い師の田波有希さんと初対面しました。漫画の舞台は中世ヨーロッパ。王族の姫君と、貧民街で暮らす謎めいたタロット占い師の出会いから始まる魅惑のストーリーに興奮を隠せない様子の鏡さんが、寺山さん、田波さん、そして担当編集者の瀬尾さんに様々な質問を投げかけます。作品づくりの舞台裏はもちろん、タロットの豆知識や歴史的背景、さらには占いとの上手な付き合い方にまつわるお話まで飛び出して…。今回はタロットの歴史やカードの意味にまつわるエピソードなど、占い好きにはたまらない話題がテンコ盛り。トランプについてのちょっとびっくりなお話も飛び出します。鏡リュウジ…心理占星術研究の第一人者、圧倒的な支持を受ける存在で、大学で教鞭をとるなど、アカデミックな世界での占星術の紹介にも積極的。寺山マル…2014年、新人コミック対象『フタゴのコ』で入選、デビュー。漫画を読むのとガムが好物。田波有希…プロとしての鑑定歴16年、1万人超の鑑定数を誇るタロットリーディングを中心とした占い師。☆漫画家の寺山マルさんからスペシャルプレゼントもあるので、ぜひ最後まで読んでくださいね!『サングリアル』というタイトルが生まれたワケ鏡リュウジ(以下/鏡):もしかしたらネタバレになるかもしれないから聞いていいのかわからないのですが、タイトルの「サングリアル」という言葉は相当、重要なキーワードなんですか?僕からすると、これは実はかなり衝撃的なタイトルなので、うわ~っと興奮しちゃいまして。寺山マル(以下/寺山):そうですね。あまり詳しくはお話できないのですが、「サングリアル」…つまり「王家の血筋」というのは、今後の展開の中で大きな位置を占めていきます。「血」がキーワードですね。瀬尾亞佑(以下/瀬尾):タイトルをつけるときは、かなり悩みました。寺山先生と田波さんと私、3人がそれぞれ何十個も案を持ち寄って。田波有希(以下/田波):1人50案は出しましたよね?瀬尾:その中で、寺山先生が出した「サングリアル」は、ダブルミーニングもあってかっこいい!ということで、こちらに決まりました。鏡:なるほど。「サングリアル」は「血」「王家の血」の意味ですが、「サングラール」というと「聖杯」のことですよね。だから聖杯伝承と関わっているのかな?と。それからマニアックな話をすると、イギリスに「サングラール・ソサエティ」というタロットを作っている秘密結社があったりもします。そして、何と言っても「ウェイト版」のタロットを作ったウェイト(※1)が、「聖杯伝承はタロットのルーツだ」と言ってるんですね。そういうことも背景にあるのかな?と思いました。田波:そのあたりのことが簡単に書かれた本があったので、寺山先生にお渡ししました。先生はそれを読んでからストーリーを作ってくださったんです。寺山:はい、いろいろと参考にさせていただきました。謎の占い師キルケの人物づくり編集部:こちらの作品では、主人公のアンを導く占い師のキルケが重要な存在として描かれていますよね。キルケを女性にしたのはなぜですか?彼女の人物づくりについて、きっかけなどあれば教えてください。寺山:アンは王子だけど最初は女の子として登場し、王座を目指すことになっても、やっぱりどこか女の子っぽいところがあります。そんなアンの傍にいて背中を押してあげる、斜め後ろの微妙な存在は強い女性であってほしいなと。そんな私の憧れを込めて描きました。編集部:キルケという名前の由来は?寺山:ギリシャ神話の女神の名前です。鏡:ホメロスの『オデュッセイア』にもキルケという魔女が登場しますね。(漫画を)読んでいて、キルケは裏の主人公という印象を受けました。アンと表裏になっているような。寺山:そうです、そうです。編集部:ちなみに、『サングリアル』はどんな方に読んでほしいと思いますか?瀬尾:この漫画を連載している「月刊!スピリッツ」は男性読者さんが多い雑誌ではありますが、女性の読者さんも結構多いんです。占いを題材としていますし、ロマンチックな内容なので、20代・30代ぐらいの女性に読んでいただきたいという想いはありますね。占いに興味がある方はもちろん、ない方にも「占いっていいな」と思ってもらえたらうれしいです。アンと同じように悩んでいる人が、一歩前に進むために背中を押せたらと考えて作っています。タロットは占いのツールではなかった?編集部:キルケは主人公のアドバイザー的な存在として描かれていますね。歴史において占い師が権力者に寄り添い、アドバイスをするというケースはたくさんあったと聞きますが、実際、タロットはいつ頃からどのような使われ方をしてきたのでしょうか?田波:現存する最古のタロットカードは15世紀頃のものと言われていますよね?鏡:そうですね。ただ、もともとタロットは、占いではなくゲームや観賞用のものとして使われていました。15世紀頃から占いに使われていたという説もあったのですが、それは後世の人が勘違いして流布した、誤った情報のようです。今は、占いのツールとして使われ始めたのは18世紀以降と考えられています。だからカードそのものには歴史があるけれど、占いのツールとしては比較的新しい存在です。一方、占星術師は古くから政治と深く関わっていました。鏡:18世紀、フランス革命の頃にカードが占いに使われるようになり、その時期に「ルノルマン・カード」(※2)で知られるルノルマンという女性が、王家の人々やナポレオンの奥さんなどを占ったという話が残っています。とはいえ、具体的にどれくらい政治との関わりがあったかは不明です。恐らく、当時の貴族の大半は占星術を支持していたのではないかと思います。編集部:最初は占いのツールではなくゲーム用のものだったんですね?田波:「マルセイユ版」は、ずっとトランプ的な扱いをされているみたいです。鏡:そう。今でもカードゲームとして使われていて、イギリスの田舎に行くと、おじいちゃんが将棋を指すような感じで遊んでいるんですよ。一同:へぇ~。鏡:ゲームと占いって構造としては似ていますから、占いのツールに発展していったのは当然と言えば当然かもしれません。ちなみにタロットには大アルカナと小アルカナがありますが、もともとは小アルカナと呼ばれるトランプのような数札(かずふだ)が先に存在したんですよ。寺山:え?小アルカナが先にあったんですか?鏡:はい。イスラム起源の4つのスートのカードなんです。それが今のトランプに進化していく流れの中で、イタリアで20数枚の絵札(※3)が加えられ、タロットが発明されました。そして15世紀頃に今と同じようなタロットが登場したのですが、その時に絵札として選ばれたのは、当時ルネッサンスで大流行していた、抽象概念を絵にした、誰が見てもわかる花札みたいな絵柄でした。なお、ルネッサンス期には、それこそディズニーランドのパレードみたいに、タロットの「恋人」のモチーフなんかを山車に乗せて行進したりしていたそうです。一同:ほぉ~。トランプはゲームの名前ではなかった!鏡:当時、タロットという言葉はまだなくて、「トライアンフ」や「トリオンフィ」と呼ばれていました。勝利を表す言葉ですね。これが今のトランプの語源で、「切り札」「勝ち札」といった意味があります。鏡:トランプは英語では「プレイング・カード」と呼ばれ、「トランプ」と言って通じるのは日本だけです。要するに江戸時代、ポルトガル人が「UNO」のように「トランプ、トランプ」と言っていたのを聞いた日本人が、「なるほど、これはトランプと言うのか」と勘違いしたわけです。寺山:面白いですね!鏡:あと、ルネッサンス期にフランチェスコ・ペトラルカという詩人がいたのですが、彼は「トリオンフィ」という詩を書いています。その詩には、最初に「愛」が登場するのですが、「愛」は「死」に負けちゃうんです。でも「死」は「名声」に負ける。瀬尾:「死」は「名声」に負けるんですか?鏡:「死」の後に「名声」が残るじゃないですか。一同:あー!鏡:「名声」の後には「時」が出てきます。「名声」も「時」には負けてしまう。そのように順番に勝っていくんですよ、というシリーズがあるんです。寺山:すごい哲学的ですね!鏡:そこに出てくるモチーフが、ほぼタロットと共通しているんです。タロットには「隠者」のカードがありますが、昔あのカードには「時間」という意味があったんです。田波:なるほど。謎に包まれるタロットの真実鏡:トランプの語源はわかるけど、「タロット」の意味は、実は未だにわかっていないんです。謎の言葉だったので、昔、ジェブラン(※4)という人物が古代エジプト語だと誤解し、その説が広まりました。田波:私もそれ、何かの本で読みました。鏡:ジェブランは1781年にその説を発表し、この年はタロットの歴史の決定的な転換点となりました。当時パリでは古代エジプト文明が大流行していたため、何でもエジプトに結びつけて考える風潮があったんです。鏡:そのときに生まれたタロット・エジプト起源説がいろいろな人のインスピレーションをかき立て、そこから占いに使われるようになったり、魔術に使われるようになったりしました。実際のところ、当時は古代エジプト語が解読されていなかったので、ある意味、好き勝手言える部分があったんですよね(笑)。田波:あはは。確かに。その時代の話は調べていくと本当に面白いなと思います。ウェイトが所属していた「黄金の暁団(黄金の夜明け団)」にまつわることなんかも興味深くて。私は歴史が好きでいろいろな本を読んできたのですが、その中で占いに関係あることはもちろん、それ以外も参考になりそうなものがあったら、寺山先生にお渡ししているんです。編集部:なるほど。では、寺山先生も結構、歴史的な背景について学ばれているんですか?寺山:そうですね。いただいた資料を一生懸命読んでいます。鏡:「黄金の暁団」、つまり「ゴールデン・ドーン」の話が出たので補足説明しますね。ウェイトというのは、先ほど言っていた「ウェイト版タロット」をつくった人物ですが、彼は独自の思想を持つ学者だったし、ヘブライ語やラテン語の翻訳も得意だったそうです。田波:それはすごい!鏡:だからアカデミックな分野で尊敬され、結社とは関係のない人たちにも一目置かれていました。あと、「ゴールデン・ドーン」にはノーベル賞を獲ったイェイツ(※5)もいましたね。田波:私は占いの学校などで学んだわけではなく、独学で占い師になったので、どのカードが優れているか、というのを教えてもらったことはないんですね。でも、いろいろ使ってみたところ、「ウェイト版」はすごく完成度が高いなと感じました。田波:一つ一つの絵柄にきちんと意味が収まっているのに、デザイン力も高くて、解説も一本筋が通った感じがするし、本当に良くできたカードだなと思います。鏡:僕も「ウェイト版」、好きです。スミスさんという人が絵を描いたから「ウェイト・スミス版」とも言いますね。ところでみなさん、あまりマニアックなタロットの話になっても難しいんじゃないかと思うのですが、大丈夫ですか?瀬尾:いえ、とても面白いです。寺山:もっと聞きたいです!【編集部註】※1アーサー・エドワード・ウェイト。数秘術・魔術などの文筆家。「ウェイト版タロット」の制作者として著名。※2ルノルマンの名を冠したオラクル・カード。※3「20数枚の絵札」…現在、大アルカナは基本的に22枚と考えられているが、明確な決まりはなく20数枚とされている。※4アントワーヌ・クール・ド・ジェブラン。1781年に『原始世界』を刊行し、「タロット=トートの書」説を発表。※5ウィリアム・バトラー・イェイツ。アイルランドの詩人、劇作家で、イギリスの神秘主義秘密結社「黄金の夜明け団」のメンバー。次回予告というわけで、マニアックなタロットのお話がもう少し続きます。ぜひお付き合いください!漫画に登場するオリジナル・タロットにまつわる秘話もお届けする予定です。陰謀と闘え。運命を選べ。弱い自分を打ち破れ。禁断の王宮ブラッディー・ファンタジー、誕生。『サングリアル~王への羅針盤~ 1』 (ビッグコミックス)9月12日 第2巻発売!『サングリアル~王への羅針盤~ 2』 (ビッグコミックス)鏡リュウジ1968年、京都生まれ。国際基督教大学大学院修了。占星術研究家・翻訳家。京都文教大学客員教授。平安女学院大学客員教授。日本トランスパーソナル学会理事。英国占星術協会会員。著書に『鏡リュウジ 星のワークブック』(講談社)、『オルフェウスの卵』(文春文庫)、共著 角田光代『12星座の恋物語』(新潮文庫)、訳書にヒルマン『魂のコード』(河出書房新社)、サバス『魔法の杖』(ヴィレッジブックス)ほか多数。寺山マル2014年、新人コミック大賞』で入選、デビュー。「月刊!スピリッツ」で『あいのあいだに(前後編)』掲載後、本作が初連載作品となる。漫画を読むのとガムが好物。★Twitter@terayamamaru田波有希多摩美術大学卒業。同大学染織デザイン研究室助手を経て、美術作家として活躍しながら占い師に。プロとしての鑑定歴16年、鑑定人数10000人以上。東京、雑司が谷にて古本と占い「JUNGLE BOOKS」を拠点に活動。下北沢「FUTURE DAYS」などでも鑑定を行う。「サングリアル~王への羅針盤」「神軍のカデット」監修中。
2016年09月20日セミがわんわんと鳴き、うだるような暑さが続く。クーラーの効いた部屋でアイスやかき氷を頬張り、涼を取る、そんな人も多いはず。でも、音楽でだって涼は取れる。今回は、この夏に聞きたい”クールダウンミュージック”をご紹介。選者は、カセットテープ専門店waltz代表の角田太郎氏。今年リリースされたものの中から、5つのアルバムを選んでもらった。カセットテープならではの、耳障りのやさしい音楽が出揃った。今夏は、耳から、涼しくーー。DAVID BAZAN/デイヴィッド・バザン『BLANCO』アメリカはシアトルを拠点とするシンガーソングライター、デイヴィッド・バザン(DAVID BAZAN)の3rdソロアルバム。もともとPedro the LionやHeadphonesといったインディーバンドの中心メンバーとして活躍していた彼の3枚目となるソロアルバムは、夕涼みに聞きたいフォークトロニカ。けだるい低音ヴォイスがゆったりと流れてゆく。カセットにはダウンロードコードが付く。『BLANCO』デイヴィッド・バザン(DAVID BAZAN)Plush/プラッシュ『PLEASE』サンフランシスコの4ピースバンド(女3・男1)プラッシュ(Plush)の3rdアルバム。囁くように歌う、透明感のある女性ヴォーカルに思わずうっとり。そして、ふわふわと浮遊感のあるポップなギターサウンドが、火照った体をじんわり癒していく。そんなどこか懐かしい、思い出の琴線に触れる楽曲が5曲。眼鏡の男の子が謎のポーズをキメている、シュールなジャケットもかわいい!『PLEASE』プラッシュ(Plush)不逞社『Alegrias y duelos de mi alma』マンガのようなジャケットと漢字のネーミングから、日本人かと思わせるが、実はイタリア人ギタリストのソロユニットFUTEISHA。オリエンタルなギターサウンドは、時にノスタルジックに、時に荘厳に鳴り響く。アヴァンギャルドで実験的なアンビエントサウンドも盛り込み、まるでディヴィッド・リンチのサウンドトラックのような世界が広がる。『Alegrias y duelos de mi alma』不逞社(FUTEISHA)ADELINE HOTEL/アデリン ホテル『It’s Alright Just The Same』NYブルックリンを拠点とするシンガーソングライターDaniel Knishkowyによるソロ・プロジェクト、アデリン ホテル(ADELINE HOTEL)。2作目となる本作は、とっても懐かしい、古き良きアメリカを感じるフォークサウンド。早く起きた朝、暑くなる前の涼しい時間帯に聞きたくなるような、静かでやさしい曲ばかり。穏やかな気持ちで一日を迎えられるはず。『It’s Alright Just The Same』アデリン ホテル(ADELINE HOTEL)Bitchin Bajes And Bonnie Prince Billy/ビッチン バジェス アンド ボニー・プリンス・ビリー『Epic Jammers And Fortunate Little Ditties』現代アメリカを代表するシンガーソングライターのひとり、ボニー・プリンス・ビリー(Bonnie Prince Billy)と、シカゴの実験音楽ユニット、ビッチン バジェス(Bitchin Bajes)の共演作。両者の即興演奏が織りなす、魅惑のサイケデリアが展開する。幻想的で雄大な、アメリカのプリミティブな原風景のような、静かな音世界に身を委ねて。『Epic Jammers And Fortunate Little Ditties』ビッチン バジェス アンド ボニー・プリンス・ビリー(Bitchin Bajes And Bonnie Prince Billy)【店舗情報】waltz住所:東京都目黒区中目黒4-15-5-101営業時間:13時~20時(月曜定休)電話:03-5734-1017
2016年08月15日カセットテープ専門店が話題だ。スマートフォン保有率が6割を超えるこのデジタルの時代に、だ。もしかしたらティーンエイジャーたちにとっては「カセットテープ?何それ美味しいの?」かもしれない。しかし、とにかくクリエイティブ界隈では話題となっている。昨年8月に、中目黒にオープンしたカセットテープ専門店「waltz」。中目黒駅を出て山手通りを目黒方面に向かう右手、都内でも指折りの高級住宅街の片隅に店を構える。大きなガラスの引き戸が連なった扉から、自然光がたっぷりと入り込む店内。配管や天井裏がむき出しになった店内には、想像性を掻き立てられるような空間が広がる。整然と佇む棚には、タイトルを背にしたカセットテープがぎっしりと並べられ、手が差し伸べられるのを待っている。ジャンルは、往年のジャズから、90sヒップホップ、そして若手アーティストたちによるインディーミュージックなど様々だ。もちろん再生機器であるいわゆる“ラジカセ”の品揃えも充実している。当時を知る人であれば思わず「懐かしい!」の一言がこぼれるだろう。その他には、希少なレコードやカルチャーマガジンのバックナンバーなどのビンテージブックも展開する。しかし、ここは閑静な住宅街。駅からもちょっと歩くのだ。ここでもまた一つハードルが上がる。しかし、このハードルこそが店主の角田太郎さんの狙いの一つだ。■デジタルの隆盛を逆手に取る実は、店主の角田さんは世界的なECサイト「Amazon」の日本法人で働いていた。「店を立ち上げて1年くらいしか経っていないのですが、テレビ、ラジオ、雑誌、webなどメディアの取材がひっきりなしです。なんでこういう状況になったかというと、僕が独立した後、インターネットビジネスをやってないからなんですよ。実際にここに来てはじめて目に見える“リアルな世界”を作っていて、そこに共感して、面白いと思ってくれる人が多いということなんだと思います」このご時世、カセットテープを専門に扱っているお店は世界でも稀な存在だろう。その証拠に、イギリス発のライフスタイル誌「Wallpaper」からも取材を受けた。「そういうお店が、中目黒の住宅地を歩いてくると突然現れるということ。また、Amazonというインターネットビジネスに長年携わってきた僕が、全く真逆のことをやっていること。双方含めてこの店のバリューになっているんです。そんな“ストーリー”も含めて、面白がってもらっている状況でしょう」■オープンのきっかけはある1冊の本との出会いデジタル化の波を肌で感じることができる最たるものの一つが音楽だろう。それまではラジオを通じて聞いていた音楽が、レコードになり、カセットになり、CDになり、データとなり、無形化した。「音楽が無形化した結果、アートではなくなってしまったんだと思います。自分自身、初めてiPodを手にした時、持っている何千枚ものCDをデータ化してやろうと思ったんですけど、あっという間に挫折しました。若いころから音楽を聞いてきた身からすると、やっぱり音楽ってデータじゃないよねと、気づく瞬間でもありました」「カセットテープに行きついたのは2004年頃、ある1冊の本がきっかけです。それがこの『mix tape』というタイトルのアートブック。著者が知人に、昔作ったミックステープを持ってきてと声をかけて、集めたものを収めてアートブックとして紹介しているんです。ミックステープを作った本人は、それがアートだなんてことは思っていないでしょう。ですが、ジャケットやインデックスの作り方に注目すると面白いんです。凝ったコラージュが施されていたり、タイポグラフィーの作品集にも見えます。この1冊の中では、カセットテープというものがアートとして表現されてるんです。この本でスイッチが入りました」■カセットテープのほうが“音がいい”それこそ「ハイレゾ」なんていう言葉もよく聞くようになった。音質もどんどん良くなっているような気もする。「音がいいっていうのは、すごく定義が難しい話です。技術的に“高音質”ということと、耳に聞こえる“心地よさ”っていうのは全然話が違うんですよ。それは例えば、高級メゾンのスラックスがいいのか、古着のリーバイス501がいいのかっていうのと同じ。ハイレゾみたいなものは高級メゾンのスラックスなんです。デジタルの音は固いんですよね。それに対して、周波数を上下でカットしたレコードやカセットは聴こえる範囲が狭いんです。だから高音質ではないという言い方もできるんですけど、でもその分パンチが効いてるんですよ。音は温かく聞こえるんです。加えてアナログ盤はノイズを含んでいます。ノイズを含んだ音は生々しく聞こえるんです」■デジタル=冷たい、アナログ=温かい、という二元論を超えて角田さんは「デジタルにはデジタルのよさがある」と前置きした上で、「アナログを古臭いものだと勘違いしている人も多い」と語る。「カセットは現在進行形のカルチャー。音楽業界全体が衰退していくなかで、音楽を伝えるメディアも弱体化している。だから若いアーティストたちが、カセットで新譜を出していることを知ることができない。今は、世界各国のカセットレーベルから直接扱ってほしいという問い合わせが来るようになりました。僕は常に『音楽には形がある』と言っているんです。それはモノを目で見て、触れることによって、音楽が聴きたいって衝動が生まれることにリンクします」「今は配信や動画サイトで、あまりお金を掛けずに音楽を聴くことができる。ですが、ありがたみが失われると、興味が損なわれるっていうのは音楽もファッションも同じで、ファストファッションが隆盛するとファッション全体がしらけてしまう。今また古着が流行していますよね。あれってカセットテープの再評価と同じなんだなって思います。珈琲だってスターバックスが流行っている一方で、サードウェーブ系が盛り上がっているじゃないですか。スタバはマジョリティだけど、サードウェーブを良いと思う人も多くいるんです。しかも、彼らはより文化的なこだわりをもった人種。アナログメディアの再評価が世界レベルで進んでいると実感しています」■そして音楽業界の再生へAmazon入社前は六本木WAVEで働いていた角田さん。六本木WAVEといえば、80年代文化の象徴ともいえるCDショップだ。地下には“尖った”単館系映画がかかる「シネ・ヴィヴァン」があり、美術書店「アール・ヴィヴァン」があり、ビル全体が一大カルチャー発信拠点となっていた。今ではそこに六本木ヒルズがそびえ立つ。時の流れは、早い。一度下降線を辿った文化が再び息を吹き返すということは、本当に難しいことのように思える。「このビジネスを巨大化しようとは思っていません。とはいえ、音楽レーベルの人たちもリサーチに来ますし、大手家電メーカーの社長さんがうちのお客さんだったりします。今の音楽業界に関して言うと、配信主流の状況を誰も良しとしてないんですよ。どんどん売り上げは落ちていき、アーティストは新作をリリースしにくい状況になっている。ビジネスのヒントを、みんなここで探ってるんです」「僕にとってこの店は、手始めのプレゼンテーションなんです。結果的には、音楽業界や家電業界の再生につなげるための大事な一歩と言えるような店にしていきたい。それはすごく大きな夢でもありますけどね。前例のないことだし、音楽のバックグラウンドを含めた“自分にしかできない”見せ方をすることによって、カルチャーにすらなりうると、そう思っています」私たちが肉体から離れて“デジタル化”することは絶対にない。もしくは相当遠い未来でのことだろう。フィジカル(=アンチデジタル)な体験は、これからもっと“ありがたみ”のあるものになっていくはずだ。懐かしがってなんかいられない。カセットテープカルチャーは、実はまだ始まったばかりなのだ。【店舗情報】waltz住所:東京都目黒区中目黒4-15-5-101営業時間:13時~20時(月曜定休)電話:03-5734-1017【イベント情報】みらいの夏ギフト’16「思い出」を贈ろうISETAN meets waltz send happy memories場所:伊勢丹新宿店本館3階=ステージ#3期間:16年8月3日~9日waltzからセレクトしたカセットテープと、時代を感じる雑誌のアーカイブやTシャツや小物を組み合わせて「思い出」と共に贈るギフトをwaltz × ISETANで提案する。
2016年08月02日角田明子の写真展「REGENBOGEN~a walk around Chiang Mai」が、7月30日から8月14日まで東京・南青山にあるミュベール(MUVEIL)の旗艦店GALLERY MUVEILにて開催される。同展は、角田明子がライフワークとして訪れた旅先での出会いをZINEとしてまとめた冊子シリーズ『レーゲンボーゲン(REGENBOGEN)』をもとに開催されるもの。同作では、今までにラトビア、エストニア、メキシコ、スウェーデン、デンマークと続き、角田ならではのやさしい光と色彩で世界の魅力を表現してきた。この春刊行したシリーズ初のアジア号タイ・チェンマイ編では、山岳民族たちのハンドクラフトとその暮らし、無数のコムローイ(ランタン)が空に舞うイーペン祭(ロイクラトン)の幻想的で美しい夜など、タイの“北方のバラ”とも言われる美しい古都・チェンマイの魅力溢れる情景が紹介されている。同展では、角田明子が旅先で出会った魅力あふれる世界のグランマ(おばあちゃん)たちの写真によるミニ展示コーナーも登場。また、角田明子がチェンマイを訪れるきっかけとなった、HIVに母子感染した孤児たちの生活施設としてスタートしたBan Rom Saiで作られた雑貨や、ミュベールのミューズでもあるグランマチャームの限定商品の販売も行われる。その他、8月4日には角田明子とNPO法人バーンロムサイジャパン代表である名取美穂による、“チェンマイ”をテーマにしたトークイベントも開催される予定だ。【イベント情報】「REGENBOGEN~a walk around Chiang Mai」会場:GALLERY MUVEIL住所:東京都港区南青山5-12-24 シャトー東洋南青山地下1階会期:7月30日~8月14日時間:11:30~20:00
2016年07月27日角田明子写真展「REGENBOGEN~a walk around Chiang Mai」が開催。2016年7月30日(土)から8月14日(日)まで南青山にあるミュベール(MUVEIL)のコンセプトショップ、ギャラリー ミュベールにて行われる。フリーランスのフォトグラファーとして広告、雑誌や書籍、CDジャケット、写真展開催など、さまざまな分野で活躍する角田明子。彼女が2012年から刊行しているZINE「レーゲンボーゲン」は、彼女が訪れたエストニア、メキシコ、スウェーデンなど、世界各国での出会いを記録しているシリーズだ。本展ではタイ・チェンマイを舞台に、山岳民族たちのハンドクラフトとその暮らしや、無数のランタンが空に舞うイーペン祭の幻想的で美しい夜など、美しいチェンマイの魅力を紹介する。彼女ならではのやさしい光と色彩があふれる作品に映し出されるチェンマイ人々や街並みは、あたたかくゆったりとした空気感に包まれている。さらに同展では、彼女が世界各地で出会った素敵なおばあちゃんを捉えた、グランマたちの写真のミニ展示コーナーも登場。会場では角田がチェンマイを訪れるきっかけとなった、HIVに母子感染した孤児たちの生活施設、Ban Rom Saiで作られた雑貨や、ミューベルのグランマチャームも限定販売される。また、8月4日には角田とNPO法人バーンロムサイジャパン代表、名取美穂による、「チェンマイ」をテーマにトークイベントも開催。【開催概要】REGENBOGEN~a walk around Chiang Mai会期:2016年7月30日(土)~8月14日(日)開催時間:11:30~20:00会場:ギャラリー ミュベール住所:東京都港区南青山5-12-24シャトー東洋南青山 B1F■角田明子・名取美穂 トークイベント開催日:2016年8月4日(木)開催時間:18:30~【問い合わせ先】TEL:03-6427-2162
2016年07月26日「八日目の蝉」「紙の月」でも知られる人気作家・角田光代の「キッドナップ・ツアー」がドラマ化、8月に放送されることが6月17日(金)に発表された。小学5年生のハルを“ユウカイ”したのは2か月前に家からいなくなったお父さんだった。好きなところに連れて行くという“ユウカイ”に心を躍らせるハル。しかし、お父さんはハルを人質に、お母さんとなにやら取引をしている。お父さんとの旅路はお母さんとの馴れ初めや昔の恋人に会うこともあった。その中でお父さんのこれまで知らなかった一面をしっていくハル。やがてお父さんの資金は底を尽いてしまう…。果たして、この父娘の旅の結末は――。娘を“ユウカイ”し、つかの間の旅路をする父親を演じるのは、妻夫木聡。本作ではじめての父親役を務める。その娘役には連続テレビ小説「ごちそうさん」で主演・杏の幼少期を演じた豊嶋花。ほか、木南晴夏、夏帆、新井浩文、ムロツヨシ、満島ひかり、八千草薫といった人気と実力を兼ね備えたキャストが登場、演出は芸術祭大賞にも輝き初監督作『二重生活』の公開を控える岸善幸が手がける。夏休みドラマ「キッドナップ・ツアー」は8月2日(火)19時30分~総合テレビで放送。(text:cinemacafe.net)
2016年06月17日小さな失敗でいつまでも凹んでしまう。そんなときは、世界レベルを体感できる読書が最適!思いがけない切り口だったり、遠い国の話を読めば、人生観や、価値観を揺さぶるような発見を得られるでしょう。本好き有名人のみなさんに“器の大きな人間になりたいときに読む本”を選んでいただきました。書評家・藤田香織さん、ライター・三浦天紗子さん、演劇作家・藤田貴大さん、ライター・瀧井朝世さんのおすすめです。≪藤田さんおすすめ!≫■『一瞬の雲の切れ間に』砂田麻美痛ましい死亡事故をめぐる人間模様、生の不確かさやきらめきを、映画『エンディングノート』の監督として高い評価を受けた著者が描く。「時間が経過していくなかで、決して拭いきれない痛みや哀しみや苦しみを抱えて、それでも生きていく主人公たちの姿が実に胸に迫ります。安易な“再生”物語ではなく、“払拭”できなくても希望はあるし持っていていいのだと信じさせてくれる。個人的上半期ベスト本です」。ポプラ社1400円≪三浦さんおすすめ!≫■『Because I am a Girlわたしは女の子だから』角田光代 訳各国の作家7人が、教育の不平等や人身売買など、女性差別を抱えた発展途上国を訪ね、現地の少女たちの声を小説やルポに綴ったアンソロジー。「国際NGOが発信している、タイトルと同名のキャンペーン活動の一部として生まれた本書。『トレインスポッティング』の著者アーヴィン・ウェルシュによる『送金』は、“伝統”のひとことで片付けられてきた問題によって、運命を分かつことになった姉妹の物語。傑作」。英治出版1600円≪藤田さんおすすめ!≫■『奇妙な孤島の物語私が行ったことのない、生涯行くこともないだろう50の島』ユーディット・シャランスキー鈴木仁子 訳風変わりなストーリーを持つ50の孤島を、史実を基に綴り、美しい地図とともに収録。「最近いつも持ち歩いています。疲れた帰りの電車でパラパラして、1ページに贅沢に描かれた、世界のどこかに浮かぶ孤島の絵を眺めていると落ち着くし、自分というちっぽけさを心地よく想うことができて、トイレに置いておく用にもう一冊、買おうかなあと考えています。不思議と人生みたいなものを感じる一冊」。河出書房新社2900円≪瀧井さんおすすめ!≫■『人生最後の食事』デルテ・シッパー川岸 史 訳ホスピスの料理長と、入居者たちの日常を追った感動のノンフィクション。「食というものが人生にどんなに彩りを与えるかを再認識。一食一食を大切にしようという気持ちになると同時に、自分も誰かの人生を豊かにしようと心がけたくなるはず。また、死に穏やかに向き合う入居者たちの姿は尊く、人間とその人生を大切に思う気持ちが強まってきます」。シンコーミュージック・エンタテイメント1200円◇ふじた・かをり書評家、エッセイスト。著書に『だらしな日記』シリーズ、杉江松恋氏との共著『東海道でしょう!』(共に幻冬舎文庫)、『ホンのお楽しみ』(講談社文庫)など。ツイッター@daranekos◇みうら・あさこライター、ブックカウンセラー。小誌ほか雑誌やウェブで作家や漫画家のインタビュー、女性の健康などを手がける。著書に『そろそろ産まなきゃ』(CCCメディアハウス)など。ツイッター@asatian◇ふじた・たかひろ演劇作家。劇団「マームとジプシー」主宰。8月にワークショップ公演『ドコカ遠クノ、ソレヨリ向コウ或いは、泡ニナル、風景』を予定。「本は、日常に立ち止まる時間を与えてくれます」◇たきい・あさよライター。小誌をはじめ、雑誌、新聞、WEBで書評や作家インタビュー、対談企画などを担当。TBS系『王様のブランチ』のブックコーナーのブレーンも務める。ツイッター@asayotakii※『anan』2016年6月15日号より。写真・多田 寛(DOUBLE ONE)文・熊坂麻美
2016年06月08日モデルでタレントの押切もえ、新川優愛が25日、都内で行われた「2017 MISS TEEN JAPAN」開催決定記者会見に出席した。2011年から行われている同コンテストは、応募資格を13歳以上17歳以下の女の子を対象にしたティーン向けのコンテスト。今年も全国各地で地方大会を行い、そこで選ばれたファイナリストが9月18日に開催される決勝大会に挑む。初めての大会からアンバサダーを務めている押切は「毎回レベルが高くて、皆さんの魅力から元気をもらっています。可愛さはもちろん、自分らしい特技や度胸の良さなど女の子の色んな面が見られる大会なので、自分自身も励まされる大会です」と刺激を受けている様子。昨年からアンバサダーを務めている新川は「私はこのお仕事をさせてもらってから、まずは自分が楽しむことを日頃からモットーにしています。緊張するとは思いますが、自分の笑顔に自信を持ってハッピーを振りまいて欲しいです」と応募者にアドバイスを送った。押切といえば、21日に発表された著書『永遠とは違う一日』が山本周五郎賞にノミネートされて話題を集めた。それについて問われ、「本当に栄えある賞にノミネートされただけでうれしいです。後は祈るのみなので、温かく見守っていただければと思います」と自然体を強調するも、「作家の角田光代さんから『賞が欲しいと言った方がいい』とアドバイスをいただいたので、欲しいです(笑)。獲らせてもらいたいです」と本音もチラリ。熱愛中の涌井秀章からも優しい言葉をかけられたようで「すごく喜んでくれたので、喜びも増しました。応援の言葉は力になりますね」と幸せオーラを漂わせ、会場を去る際に報道陣からの「順調?」という問いには「はい」と小さくうなずいていた。
2016年04月26日フォトグラファー・角田明子による写真展「ノルウェーのサンタさんを訪ねて」が、12月15日から25日まで東京・青山にあるミュベール(MUVEIL)の旗艦店GALLERY MUVEILにて開催される。角田明子は「穏やかで優しい時間と希望の光」をテーマに、広告や雑誌、CDジャケットなどを手掛けるフォトグラファー。プライベートワークとして、サンタクロースを撮り続けている。同展では、そんな角田明子が昨年、友人のサンタクロースを訪ねたノルウェーでの旅の様子を写した数々の作品を出展。ノルウェー語でユーレニッセン(Juleniss=妖精)と呼ばれるサンタクロースは、小柄な姿で農家の納屋に住むとされており、家や土地の守り神として国民から愛されている。今回は、角田明子がそんなユーレニッセンたちから教わったクリスマスの過ごし方や、旅で出会ったノルウェーの美しい情景を紹介。なお、写真の展示に合わせて、写真集やグッズの販売も行われる。また、12月11日から25日まで、大阪では異文化体験スペース・SAAにて、「サンタさん in OSAKA」を開催。真夏のコペンハーゲンで行われた「世界のサンタクロース会議」にて撮影した写真を始めとしたサンタクロースの様々な写真が展示される。【イベント情報】「ノルウェーのサンタさんを訪ねて」会場:GALLERY MUVEIL住所:東京都港区南青山5-12-24 シャトー東洋南青山 地下1階会期:12月15日~25日角田明子写真展「サンタさん in OSAKA」会場:SAA住所:大阪市西区江戸堀1-16-32 E-BUILDING 1階会期:12月11日~25日休館日:日曜日入場無料
2015年12月15日湊かなえ、三浦しをん、角田光代という現代を代表する女性作家の短編小説を映像化するオムニバスドラマ「女性作家ミステリーズ 美しき三つの嘘」が2016年1月4日(月)にフジテレビにて放送されることが決定。それぞれのドラマの主人公に永作博美、土屋太鳳、鈴木京香、そして全話に三浦友和が登場することが明らかになった。「女性作家ミステリーズ 美しき三つの嘘」は、これまで多くの作品が映像化されてきた湊氏、三浦氏、角田氏のいまだ未映像化の短編小説を題材に、“短編”ならではの長さをそのまま活かして映像化。“大人の鑑賞に堪えうるミステリー”をテーマに、現代を生きる様々な世代の女性たちが抱える“秘密”と“ウソ”にまつわる珠玉のミステリードラマが全3作品で紡がれる。第1話は、湊氏原作の「ムーンストーン」(ハルキ文庫刊「サファイア」所収)。主人公の私は、市議会議員の夫が県会議員選挙で落選したことをきっかけに彼からDV被害を受け、抵抗したはずみで夫を殺してしまう。逮捕され警察の取り調べを受ける私のもとに、ある女性が現れて…。主人公の私には永作博美、私を訪ねる女性に檀れい、私を取り調べる刑事役に村上淳、私の夫に滝藤賢一、夫側の弁護士に柄本明という豪華キャスト陣が集結。また、監督は『神様のカルテ』シリーズ『トワイライト ささらさや』などで知られる深川栄洋が務める。永作さんは本作が深川監督とは初タッグとなるが「ある意味、挑戦的な、とても新しいアプローチで描く作品です。深川監督と一緒に、“新しい表現”をお見せできるよう頑張りたい」と撮影を楽しみにしている様子。第2話は、三浦氏原作の「炎」(新潮文庫刊「天国旅行」所収)。毎朝、通学バスで登校する高校生の香川亜利沙の日課は、憧れの先輩・立木尚吾の横顔を眺めること。図書委員の亜利沙は、図書室で仕事をしながらも、テニス部で練習に励む立木の姿を追ってしまう。そんな憧れの立木がある日突然、学校のテニスコートで…。主人公・亜利沙に土屋太鳳、立木の元彼女・初音に門脇麦、立木に村上虹郎、亜利沙の担任で社会科教諭・木下に柄本佑と最旬若手俳優がずらり。土屋さんは「誰の心の中にも“炎”のような何かが必ずあると思いますが、この作品で亜利沙という役としての“心の炎”と一緒に、いまの私自身がこの作品と出会って生まれた“心の炎”を監督や、共演の麦ちゃんをはじめとした素晴らしいキャストの方々に引き出していただいたので、是非この“熱”を感じていただけたら」と熱いコメントを寄せた。そして第3話は、角田氏原作の「平凡」(新潮社刊「平凡」所収)。宮本紀美子は、結婚生活も20年を越えた主婦。紀美子の中高校の同級生・榎本春花は人気料理研究家で、テレビに出ない日はないほどの有名人。彼女の活躍を見るにつけ自分が地味で不幸に思えてしまう紀美子は、春花に会えば、退屈な毎日から脱却できるのではと考え20年以上ぶりに再会を果たす。しかし突然、春花が「わたし、人を殺したかも」とつぶやき…。「平凡」には、主人公・紀美子に鈴木京香、榎本春花に寺島しのぶ、紀美子と春花の高校時代の教育実習生・宮本に染谷将太、紀美子の夫に寺脇康文と、豪華実力派キャスト陣を迎え、『64-ロクヨン-』前編&後編の公開を控える瀬々敬久がメガホンを取る。本作で初共演となる鈴木さんと寺島さんだが、それぞれの印象について「“春ちゃん”のイメージ通りで、台本で描かれているように快活で活発、そして才能あふれる女性ですので、ご一緒していてとても楽しいです」(鈴木さん)、「鈴木京香さんは、いつまでも本当にきれいな方だなと思って、現場でも見とれていました。日傘を差している姿がとても似合う方です」(寺島さん)と明かした。さらに、3作それぞれに、三浦友和が刑事として出演。三浦さん演じる刑事が全く異なる3作品を連結させる役割を担い、各作家の独立した短編作品が、まるでリレー小説のように一連のドラマとして連なりを見せることもこのドラマの見どころの一つといえるだろう現代を代表する女性作家たちの短編を、それぞれの世代のトップランナーと言っても過言ではない女優陣を主演に迎え紡ぎ出す、新春にふさわしい豪華絢爛な本格ミステリードラマの本作に期待が高まる。「女性作家ミステリーズ美しき三つの嘘」は2016年1月4日(月)21時よりフジテレビ系にて放送。(text:cinemacafe.net)
2015年11月25日最近スマホをいじるばかりで、全然本を読んでないなーと思ってませんか?マンガでもいいので、たまには本も楽しみましょう!今回は、20代だからこそ読んでほしいオススメ4冊をご紹介します。■1.「東京タラレバ娘」(東村アキコ・著)33歳の未婚女性3人が繰り広げるコメディーマンガ。コメディーなのかホラーなのかは読む人次第・・・。「話題だから読んだけど、まだ20代なのに恐怖で震えた・・・本気で婚活を始めようと決意!!」(25歳/メーカー)「まさに独身アラサーの私には破壊力がありすぎました。辛さを分かち合おうと独身同僚たちに貸したら、みんな一週間くらい立ち直れなくなっていた」(31歳/編集)特に「彼氏いないけど、まぁそのうちできるでしょ~」と若さにだけ腰掛けて余裕ぶちかましている女子に読んで頂きたいです。きっと翌日から真剣に合コン行くなり婚活を始めるなりするに違いありません。それくらい、20代の女子にも「このままじゃヤバイ」と思わせる破壊力があります。30代となると、もう心抉られます。■2.「おひとり様物語」(谷川史子・著)事情様々な「おひとり様」を主人公に、それぞれの日常を描く短編マンガ。「私も長らく彼氏のいないおひとり様だから、わかるわかる~と共感しまくり。」(25歳/営業)「一人でいることに劣等感を持っていたけど、これを読んで元気が出た!」(28歳/秘書)『タラレバ娘』で心を抉られたあとはこちらを読んで、「ひとりでも大丈夫かも」と癒されましょう。優しさと可愛さが溢れる世界に浸れば明日からの活力も沸くことでしょう。■3.「この人と結婚していいの?」(石井希尚・著)一見、現在の彼氏で本当にいいのかを考える本なのか?と思いがちなタイトルですが、本書のテーマは『男女の違い』。相手が誰であろうが、普遍的に起こりうる「男女のすれ違い」をわかりやすく解説してくれる本。「思いやりがない、きつい性格だと思っていたことが、ただの『男の特性』だとわかってよかった。知らないで結婚していたら喧嘩ばかりになっていたかも・・・」(30歳/主婦)「自分はあまり女っぽくないと思っていたけど、これに書いてある『女の特性』そのままだった・・・。自分をよく知る上でとても勉強になりました」(27歳/メーカー)結婚したい相手ができたら是非読んで頂きたいのがこちら。ラブラブだったカップルも、夫婦になるとぶつかる時も来るでしょう。「こんな冷たい人だと思わなかった!」・・・だけどそれは性格の違いではなく、単なる男女の違いなのかも。その特性を知っていれば、よりお互いを深く知り、理解し合うことができるかも。未婚の方も既婚の方も、筆者一番のオススメ本です!■4.「対岸の彼女」(角田光代)直木賞を受賞した角田光代の代表作。専業主婦の小夜子とバリバリ働く葵の二人を主人公に女性の人生を描く小説。「学校でも会社でも、女社会を味わったなら共感できる。もやもやした思いが少し救われる気持ちになる」(28歳/事務)「年齢ごとで読み返していきたい本。20代で読むのと30代で読むのとではまた感想が変わるはず。」(32歳/マスコミ)いわゆる専業主婦VSバリキャリ女性、という単純な構成ではありません。緻密な心理描写や複雑な人間関係、女社会の本音と建前など、巧みな文章力、構成力で一気に読ませてくれます。女の人生はまだまだこれからな20代のうちに是非一度読んで頂きたい小説です。■おわりにいかがでしたでしょうか?内容はそれぞれまったく違いますが、20代すべての女子にオススメの厳選4冊をご紹介しました。秋の夜長をゆっくり楽しむお供にぜひ手にとってみてくださいね。(福井優/ライター)(ハウコレ編集部)(平尾優美花/モデル)(柳内良仁/カメラマン)
2015年11月09日上野樹里が、2年ぶりの主演作となる映画『お父さんと伊藤さん』で、リリー・フランキーと20歳差の年の差カップルを演じることがこのたび明らかとなった。書店でアルバイトをして自由気ままに暮らす34歳の彩。付き合っている彼氏は、20歳の年の差で、給食センターでアルバイトをしているバツイチの男・伊藤さん。二人は流れるままに付き合うことになり、同棲している。そんなある日、息子の家を追い出された彩のお父さんが、突然転がり込んできた。伊藤さんの存在を知り、驚くお父さんだったが、「この家に住む」と頑として譲らない。そしてこの日から、彩とお父さんと伊藤さんの、ぎこちない共同生活が始まる――。原作は、石田衣良に「台詞の上手さは出色」、角田光代に「思わず家とは何かを考えさせられた」と言わしめ、「第8回小説現代長編」新人賞を受賞した中澤日菜子の同名小説。中澤氏にとっては本作が初の映画化となる。定職につかず書店でアルバイトをしている34歳の彩を、『陽だまりの彼女』以来2年ぶりの映画主演となる上野さん。また、彩よりも20歳も年上で給食センターのアルバイトで生計を立てている伊藤さんを、『凶悪』や現在公開中の『バクマン。』に出演し、役者として独自の地位を築いているリリー・フランキーが演じる。二人の住むアパートに転がり込んでくるお父さん役を北野武監督の最新作『龍三と七人の子分たち』で圧倒的な存在感を見せつけた藤竜也が好演する。このたびの公開決定にあたり、上野さんは「登場人物たちのセリフの掛け合いがとても面白く感じました。20歳差の恋愛をしている二人のところに、実の父親が転がり込んでくる、という特殊な設定ですが、凄くリアリティを感じました」と現実にもありえなくはない話だと語る。また「彩というキャラクターは、キラキラした単純なヒロインではなく、自分の価値をそこまであげず、彼女なりに現実を見据えて生きている等身大の女性です。伊藤さんとの互いに自立した恋人関係や、どこか憎めない愛らしいお父さんとのコミカルな掛け合いを楽しんでいただけたら嬉しいです」と自身の役どころを明かした。またリリーさんは、「私の周りでは伊藤さんよりダメな人間はたくさんいますね(笑)。僕も同じような年齢ですが、ちゃんとしていない50代が若い人と付き合うとまわりはどよめくんだと、今回演じてみて改めて身につまされる気がしました(笑)」と自身と照らし合わせたコメント。そして、彩の父親役を演じた藤さんは「今回演じたお父さんというキャラクターは、すぐキレるし、言いたい放題の頑固親父ですが、決して嫌な人物として描かれていない、すごく人間らしい人物ですね」と役どころを語り、「上野樹里さんはとても感受性とこだわりが強く、一生懸命な方で、リリー・フランキーさんはすごくチャーミングなので、今回の役どころは彼のバックグラウンドが効いてきそうですね。それぞれのキャラクターがとても魅力的」と語った。そして本作の監督を務めたのは、『ふがいない僕は空をみた』『四十九日のレシピ』『ロマンス』などを手掛け、今最も注目される女性監督のタナダユキ。タナダ監督は、「原作を読んだ時、彩の“人の好き嫌いが激しい”という自己分析に、この人は信用できるなと思いました(笑)。居場所を無くし老いていく父に対して、空回りながらも彼女なりに生真面目に向き合おうとする、そんな彩という人物を私は尊敬しています。みなさん真摯に役に向き合ってくださり、今回のスタッフ、キャストとともに、映画という、決して正解のない中での正解を探す作業は、とても贅沢な時間だったと思います」と喜びのコメントを寄せた。歳の差結婚も珍しくはなくなってきた現代人だからこそ、共感できるところもあるはず。特殊な設定にも関わらず、どこかリアリティのある本作の続報に期待したい。『お父さんと伊藤さん』は2016年、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2015年10月16日憧れの彼は私のことが好き?そろそろ転職してもいい?今日の運勢は?自分自身や周りの人の運勢を、いつでも気軽に占えたら楽しいと思いませんか?せっかくなら、見ているだけでもハッピーな気分になれる、かわいい占いアイテムで。9月9日「世界占いの日」に、そんな欲張りな女性のみなさんにご紹介したいのがこちら。世界中でブームを起こしつつある「ルノルマン・カード」です!◆ルノルマン・カードってどんなもの?「ルノルマン・カード」は、フランス革命からナポレオンの時代にかけて、パリで活躍した伝説の占い師、マドモアゼル・ルノルマンの名前を冠した占いカード。一部の専門家の間で密かに伝えられてきましたが、近年、改めてその魅力が評価され、国内では占星術研究家の鏡リュウジさんが、1冊丸ごと「ルノルマン・カード」の解説にあてた『秘密のルノルマン・オラクル』(夜間飛行)を出版しました。1700年代、フランス生まれのルノルマンは、占い師としてパリの社交界で一世を風靡したと言われています。あのマリー・アントワネットやナポレオン妃ジョセフィーヌも熱心な顧客だったという言い伝えも。このルノルマンという名高い占い師がカードを使ったことで、カード占いが世界中に普及。ヨーロッパからアメリカへと伝わり、長い時間を経て21世紀の今、再び注目を集めるようになりました。◆ルノルマン・カードの魅力実際に見ればよくわかるのですが、まずはとにかく絵柄がキュート。そしてシンプル!ステキな恋を思わせる「ハート」や幸運の前触れを連想させる「クローバー」、ずる賢そうな「キツネ」など、知識がなくても意味をイメージできるものばかりなので、すぐに物語が浮かんできます。全36枚のルノルマン・カードの最大の魅力は、そのシンプルさと正確な予言力なのだそう。初心者でもゲーム感覚で、スッと占いに入っていけるのです。◆実際にカードで占ってみたここで試しに、ワンオラクル(1枚だけカードを引く占い方)に挑戦!まずは自分の象徴カード(男性なら28の≪紳士≫、女性なら29の≪淑女≫)を選びます。筆者は女性なので≪淑女≫をチョイス。29≪淑女≫質問は「あのギフトセット、当たりますか?」前日、ある景品の応募ハガキを出したところだったので「当たるかな?当たるといいな!」と思いつつ、カードを1枚めくってみると…31≪太陽≫お、良い予兆っぽい?『秘密のルノルマン・オラクル』の解説によると≪太陽≫のカードの総合的な意味は、「さんさんと輝く太陽のカード。誰がみても、幸運のカードだということがわかります。あなたに祝福の光が降り注いでいます。」なんともハッピーなコメント。これは期待が持てますね。当たるかも!ちなみに、恋愛運の解説も読んでみたら「幸福な状態。これからの輝かしい未来に希望を寄せている状態。結婚、婚約、二人の関係を公にする。シングルの人にはまばゆい恋、理想的な相手との出会いを予感する。祝福された状態」あら、こんなに良いメッセージをくれるなら、景品なんてチャチなことを言わないで、恋愛運について占っておけば良かった…。さておき、この占い方なら、おみくじを引く感覚で手軽に結果がわかるので、初心者でも全く心配ナシです!≪さらに本格的な占いに挑戦!≫せっかくなので、複数枚のカードを使う占いにも挑戦してみましょう。「運命のアン・ドウ・トロワ」という方法では、今気になることの、過去から現在、現在から未来がわかるのだそう。使うカードは、象徴カード(≪紳士≫または≪淑女≫)プラス3枚。シャッフルしたカードを直感で選んで並べ、左から(1)過去・(2)現在・(3)未来を占います。今度はベタに、恋愛の質問を。「運命の人はどこにいますか?」本の解説から、恋愛に関する部分だけピックアップしてみます。(1)過去≪18:犬≫「友情から始まる恋愛。あなたにたいして、純粋な気持ちをもってくれる相手。男女間の友情。プラトニックな関係。ソウルメイトのような相手の出会い。あなたを守ってくれる人。」(2)現在≪4:家≫「すぐそばでの出会い。同郷の人、地元での恋愛。気取ることが必要のない恋。同棲、同居を始める。二人の安心できる地盤を作る。家族に紹介する。家を構える。凶札が一緒に出ると、家族や親せきからの横やりの暗示かも。」(3)未来≪34:魚≫「交際して益することが大きい相手と出会う。物心ともに豊かになれる恋愛や結婚が可能。これからたくさんのものを生み出しそうな、生産性の高い恋をする。子どもが何人か生まれる。スムーズに恋が育っていく。」この結果から読み解くと、(1)過去「運命の相手となりえる男友達に、既に出会っている」↓(2)現在「その人は身近にいて、気取らない関係で恋愛を始められそう。すぐに同棲の可能性あり?」↓(3)未来「彼と一緒にいれば身も心も豊かになれる。バラ色の人生が待っている!」こんな感じ?結果が良かったから、というのもありますが、自分が主人公の物語を妄想するの、かなり楽しいです。前述した通り、カードがかわいいので見ているだけでウキウキするし、シンプルだから、初めてでも「こういう意味かな?」と簡単にイメージを膨らませることができます。みなさんにもぜひ体験していただきたいな!◆カードは占星術ともつながっている?ところで、ルノルマン・カードは占星術とも関係があるということで、鏡リュウジさんの『秘密のルノルマン・オラクル』の各カードの解説には、関連惑星も記されています。例えば、さっき登場した≪太陽≫のカードと対応するのは「太陽」と「獅子座」、≪犬≫のカードと対応するのは「木星」と「土星」なのだそう。結果を読み解きつつ、自分の星座や守護星とのつながりを感じられるなんてステキ!占星術好きの人も大満足できそうですね。入口はとことんオープンで、突き詰めればどこまでも奥深そうなルノルマン・カードの世界。背中を押してほしいとき、進むべき方向に迷ったとき、もっとポジティブな気分になりたいとき…楽しみながらカードのメッセージを読んでみてはいかがでしょうか?鏡リュウジ1968年、京都生まれ。国際基督教大学大学院修了。占星術研究家・翻訳家。京都文教大学客員教授。平安女学院大学客員教授。日本トランスパーソナル学会理事。英国占星術協会会員。著書に『鏡リュウジ 星のワークブック』(講談社)、『オルフェウスの卵』(文春文庫)、共著 角田光代『12星座の恋物語』(新潮文庫)、訳書にヒルマン『魂のコード』(河出書房新社)、サバス『魔法の杖』(ヴィレッジブックス)ほか多数。【PCサイト】鏡リュウジのルノルマン・オラクルカード
2015年09月09日『対岸の彼女』な私たち(c)チェコ好き男女ともにアラサーになってくると、中学高校大学時代にできた友人たちと、ちょっと話が合わなくなってきたりしますよね。結婚、出産などはその理由としては定番ですが、私の場合はそれに加え、仕事に対するモチベーションのちがいが原因になっていることも多い気がします。文化系女子である私の究極の夢は「高等遊民」なんですけど、おかげでキャリアウーマン系を目指す女性とは話が合わないことが多いし、もちろん専業主婦志望のゆるふわ女子とも話が合いません。昔は一律「女子高生」「女子大生」でいられたから何とかなったのに、大人になるとクラスタが変わって話が合わなくなってくるんですね。(というか、「高等遊民」の部分はあまり突っ込まないでいただくとしても、キャリア系でもゆるふわ系でもない中間層の女性ってけっこういるはずなんですけどね、いかがでしょう)角田光代『対岸の彼女』文藝春秋社刊 友人同士とはいえ、話が合わなくなってくると自然と疎遠にもなっていくわけで、学生時代に培ってきた友情は、30歳前後を境に変容していかざるを得ません。このあたりの感覚は角田光代さんの『対岸の彼女』という小説によく描かれていますので、興味のある方は読んでみては。昔の友人と心が離れていくのは、どうしようもないこととはいえ、やっぱり少しさみしいものがあります。そして、いくら一人の時間が充実していようと、現在の社会状況からして30歳前後からの人生は、一人でいる女性にとってはなかなか過酷なものがあります。世間の目も気にならないといえば嘘になるし、自分の人生の選択は正しかったのだろうかとか、私は人生をナメていたんじゃなかろうかとか、人によってはとてつもなく孤独で、精神的につらい経験をすることになるかもしれません。でもですね、ちょっと視点を遠くに投げてみましょう。30歳になりました、40歳になりました、50歳になりました、60歳になりました、さらに進んで70歳になった自分と周囲を、ちょっと想像してみてほしいのです。転機は70歳になったらやってくるその頃にはおそらく、どんなキャリア系女子も、仕事に一区切りついているはずです。また、どんなママであっても、さすがに子供から手が離れているでしょう。そして私のような、どこにも属せないかんじの人も、適当に遊びつくして一息ついている……はず。そうなんです。70歳になれば、またもう一度、全員が「女子高生」「女子大生」だったあの頃のように、一律「おばあちゃん」になれる。そうしたら、今疎遠になってしまっているあの子やその子とも、またみんなで集まってワイワイやれるんじゃないかって、私は夢見てしまうのです。もちろん、現実には自由にできるお金に格差があったり、昔の友人と連絡をとろうにも難しかったりして、「高校の頃のあのメンバーがそっくり揃って大集結!」ってわけにはいかないでしょう。要は「一度形成されたクラスタが高齢者になることによって解体される」という話で、「キャリア」とか「恋愛」とか「子供」とか、今私たちが悩んでいることが完全に過去のものになる日が、いつか必ずやってくると思うんですよね。いってみれば、キャリア系もママ系もアウトロー系も、プレイしているゲームがちがうだけです。そこに価値や難易度の高低はない。だから70歳になって、ほぼすべてが片付いて「アガった」ら、重要なのは「自分がしてきたゲームからいかに面白い話を引き出せるか」、これだと思うんですよ。関係がフラットになったら、話が面白くて気の利くヤツがいい思いをするに決まっています。そこから逆算すると、おひとりさまもおひとりさまじゃない人も、今の私たちがやらなければならないことは、結婚するとかしないとか、子供を産むとか産まないとかの「正しい(とされる)生き方を選ぶ」ことじゃなくて、「話が面白い人になる」ことじゃないでしょうか。話が面白いっていうのは、笑いをとるということだけじゃなくて、相手の好奇心をいかに引き出せるかってことです。仕事でも、育児でも、趣味でも、恋愛でもなんでもいいのだけど、とにかく目の前のことに夢中になって、工夫して、解像度を上げて、思いっきりめちゃめちゃ楽しまないと、きっと「話の面白い人間」にはなれません。それで、その「話の面白い人」になるための具体的な方法はなんかないんかというのを私はみなさんと一緒に考えていきたいのですが……それはまた次の機会に。Text/チェコ好き
2015年08月20日女優の宮沢りえが、来秋に公開される映画『湯を沸かすほどの熱い愛』に主演することが10日、明らかになった。宮沢が今回演じるのは、会う人すべてを包みこむような、豊かな母性にあふれた女性・双葉。ある日突然、余命宣告を受け、"終活"として4つの行動を決意する。それは、「失踪した夫を連れ帰り、休業していた家業の銭湯を再開させること」「気が優しすぎる娘を独り立ちさせること」「娘をある人に合わせること」で、残りの1つは家族も知らない秘密だった。笑いあり涙ありな家族愛を描く。本作で監督を務めるのは、自主製作映画『チチを撮りに』が、ベルリン国際映画祭ほか、国内外10を超える映画祭で絶賛された中野量太氏。中野監督にとってはこれが商業用長編デビュー作となり、脚本も自ら手がけたオリジナルで挑む力の入れよう。宮沢の娘役には、日経トレンディが選ぶ「2015年の顔」に選出され、今年は『トイレのピエタ』、『愛を積むひと』など立て続けに出演映画の公開が続く若手女優・杉咲花を抜てきした。脚本に引かれて出演を決めたという宮沢は、「中野監督の思いのこもった脚本に私の心も沸かされました」と振り返り、「すてきな共演者の方々と、この作品に携われる喜びをガソリンにし、タイトルに負けないくらい燃え尽きたいと思います」と作品にかける熱い思いを語った。一方の宮沢と初共演となる杉咲も、「脚本を読みながら、"お母ちゃん"のセリフがどんどん、りえさんの声として身体に響いてきました。すてきなお母ちゃんの娘になることができて、光栄に思います」と喜び、「きっと、誰かのお母さんである方々にとっては、お母ちゃん(双葉)は羨ましくて、尊敬できるひとだと思います。お母ちゃんは、最高です」とその役柄も褒め称えた。中野監督は、「いつか宮沢さんと一緒に映画を作りたいと思っていました」と念願がかなったことを明かし、「熱い愛と深い哀しみを背負った双葉役を、宮沢さんがどう演じるのか? 想像できる様でできないんです。それはきっと想像してもその想像を超えてしまうだろうと思っているから」と分析。「宮沢さん演じる双葉を一番見たいのは、僕です」と撮影に向けて期待を寄せている。宮沢は、『八日目の蝉』で知られる小説家・角田光代の小説を『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督が映画化した『紙の月』(2014年)で、東京国際映画祭・最優秀女優賞や日本アカデミー賞・最優秀主演女優賞をはじめ、2014年の賞レースを総なめに。それに続く映画出演作には、大きな注目が集まっていた。映画は、6月7日からクランクイン。7月2日にクランクアップする予定だという。
2015年06月10日森永製菓は5月下旬から、「ミルクキャラメル」「あずきキャラメル」、6月2日新発売の「ココナッツミルクキャラメル」に、直木賞作家の角田光代氏、朝井リョウ氏による書き下ろし小説が掲載された限定品を発売する。価格は各・税込123円。期間は8月までを予定今回の小説コラボでは、角田氏、朝井氏という年代と性別が異なる直木賞作家の2人が「森永ミルクキャラメル」の魅力を表現。ミルクキャラメルと自分の思い出を投影できる、心温まるストーリーが繰り広げられているとのこと。一つの物語は3話で完結し、合計6種類のパッケージがある。
2015年05月22日2014年邦画映画賞で最多29冠を獲得した『紙の月』が、5月20日(水)よりBD&DVDで発売される。これを受けて“最も美しい横領犯”を演じた宮沢りえと吉田大八監督のコメントが届いた。原作・角田光代、監督・吉田大八、主演・宮沢りえという日本映画界最高のコラボレーションが実現した本作。そのBD&DVD化にあたって宮沢さんは、「『映画は、映画館で観て欲しい。』と、思っている私ですが、この『紙の月』は、私の本物の宝物になった作品です。大八監督と、スタッフ、キャストと惜しみないエネルギーを注いだ結晶が永遠に残る形となって、DVDとなって、これからもみなさんのココロを揺さぶる可能性がある事が、とても嬉しいです」と感激をコメント。また、吉田監督は、「ヒロインを応援したくなるか、絶対許せないと思うか、観た人どうしで話せば相手の意外な一面を知ることができるかも。責任は取れません(笑)」とコメント。劇場公開時に宮沢さん演じる横領犯・梅澤梨花が取った行動の是非について、さまざまな意見が飛びかったことを受けて、ユーモアを交えてメッセージを贈る。豪華版BD&DVDには、宮沢りえ×吉田大八監督による音声コメンタリーを収録するほか、特典ディスクにはメイキング映像、舞台挨拶集などを収録。また、豪華ブックレットや初回限定版には“ミニ台本”も付属される永久保存版。豪華な特典とともに、日本中が興奮したサスペンス大作を、もう一度堪能したい。『紙の月』ブルーレイ&DVDは発売中。※レンタルBD&DVD6月2日(火)より開始<『紙の月』ブルーレイ&DVDリリース情報>【セル】ブルーレイ豪華版¥6,700(本体)+税【セル】DVD豪華版¥5,800(本体)+税【セル】ブルーレイ通常版¥4,700(本体)+税【セル】DVD通常版¥3,800(本体)+税全アイテム発売元:ポニーキャニオン(C) 2014「紙の月」製作委員会(text:cinemacafe.net)■関連作品:紙の月 2014年11月15日より全国にて公開(C) 2014「紙の月」製作委員会
2015年05月20日宮沢りえ7年ぶりの映画主演作となる『紙の月』のブルーレイ&DVDが本日リリースされ、宮沢がコメントを寄せた。その他の写真映画『紙の月』は、角田光代の同名小説を原作に、『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督がメガホンを執り、ごく平凡な主婦・梨花が起こした巨額の横領事件を通して、彼女の抱える心の闇を描くヒューマンドラマ。宮沢は「『映画は、映画館で観て欲しい。』と、思っている私ですが、この『紙の月』は、私の本物の宝物になった作品です。大八監督と、スタッフ、キャストと惜しみないエネルギーを注いだ結晶が永遠に残る形となって、DVDとなって、これからも皆さんのココロを揺さぶる可能性がある事が、とても嬉しいです」とコメント。本日リリースされたブルーレイ&DVDの豪華版には、本編のほか、メイキング映像や舞台あいさつ集が収録された特典ディスク(約110分)が収録。さらに初回限定版には“ミニ台本(全130ページ)”が付属される。『紙の月』ブルーレイ&DVD 発売中ブルーレイ豪華版 6700円+税DVD豪華版 5800円+税ブルーレイ通常版 3800円+税DVD通常版 4700円+税※ブルーレイ&DVDレンタル6月2日(火)開始発売元・販売元:ポニーキャニオン
2015年05月20日映画『迷宮カフェ』の初日舞台あいさつが7日、東京の角川シネマ新宿で行われ、女優の関めぐみ、市川由衣、角田信朗らが登壇した。同作は、自殺願望や骨髄移植という重い題材を軸に、サスペンスと少しのユーモアを交えて紡ぎ出す心温まるヒューマンドラマで、「過去が謎に満ちている美しき店主・マリコが営む人里離れた一軒のカフェ。そこを訪れる客が次々に失踪するという噂を聞きつけて真相を探りにきた週刊誌記者・榎木田。そして秘密を抱えた3人の常連客。それぞれの心が『骨髄移植』を通してひとつに繋がっていく…」というストーリー。主演のカフェの店主役を務めた関は、今回の役を演じるにあたり「役をいただいたときに、女性としての強さと柔らかさを持ち合わせた人だなというイメージだったので、感情の起伏を出さずにフラットなテンションでいました。自分とは違うタイプですが、現場で個性豊かなキャラの中にいるときは、冷静でテンションを上げないようと思っていました」と気を付けたという。一方、自殺願望があるボディビルダー役を演じた角田は、「今回の映画のテーマが『骨髄移植』と『自殺』ということで、僕はK-1という大きな舞台で一緒に戦った、白血病で亡くなったアンディ・フグと、自らの命を絶ってしまったマイク・ベルナルドという2人の偉大なファイターに導かれるように、この映画にたどり着いたような気がするので、彼らにこの映画を捧げたいなと思いました」としみじみと語った。また、映画の内容にかけて、自身の14歳の頃の様子を聞かれた関は、「『入っちゃいけない』って書いてあったら入りたくなって、『熱い』って書いてあっても触ってみないと分からないということで、ケガはたくさんしていたらしいのですが、今も変わっていないと、最近、両親から聞きました」と意外な一面を明かし、市川は「ちょうどグラビアでデビューした年で、初めての仕事がオーストラリアでバンジージャンプをやるという仕事だったことが印象に残っています(笑)」と笑顔。角田は「いじめられっ子で仲間外れにされて過ごしてきて、14歳のときに『空手バカ一代』というマンガを読んで、このマンガに出てくるすごい空手家になりたいと思いました」と空手家になったキッカケを明かした。このほか、舞台あいさつには藤原薫、大迫一平、荒川ちか、帆根川廣監督が登壇した。映画『迷宮カフェ』は3月7日(土)より角川シネマ新宿ほかで公開中。
2015年03月08日宮沢りえが主演を務め、昨年の邦画映画賞で最多29冠(2月20日時点)を獲得した映画『紙の月』のブルーレイ&DVDが5月20日(水)にリリースされることが決定し、豪華な特典内容が発表された。その他の画像映画は、角田光代の同名小説を原作に、『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督がメガホンを執り、ごく平凡な主婦・梨花(宮沢)が起こした巨額の横領事件を通して、彼女の抱える心の闇を描くヒューマンドラマ。5月20日(水)に発売されるブルーレイ&DVDの豪華版には、本編ディスクに宮沢と吉田監督による音声コメンタリーが収録され、特典ディスク(約110分)には、メイキング映像と、観客賞と女優賞を受賞した第27回東京国際映画祭でのレッドカーペット、記者会見、舞台あいさつの模様を含む特別映像が収録される。さらに初回限定版には“ミニ台本(全130ページ)”が付属される。本作が映画主演7年ぶりとなった宮沢は、東京国際映画祭のほか、報知映画賞、日刊スポーツ映画大賞など、国内の映画祭で女優賞を総なめにしており、本年度の日本アカデミー賞では優秀作品賞、主演女優賞を含む11部門で優秀賞を獲得。本日発表となる日本アカデミー賞受賞にも期待が高まる。『紙の月』ブルーレイ&DVD 5月20日(水)発売ブルーレイ豪華版 6700円+税DVD豪華版 5800円+税ブルーレイ通常版 3800円+税DVD通常版 4700円+税※ブルーレイ&DVDレンタル6月2日(火)開始発売元・販売元:ポニーキャニオン
2015年02月27日ベストセラー作家・角田光代が実際にあった事件の三面記事を元に執筆した異色の意欲作を、2月公開の映画『娚(おとこ)の一生』の監督を務める廣木隆一が映像化した「三面記事の女たち -愛の巣-」(フジテレビ)。この度、心の闇にトラウマを抱えた変わり者の新聞記者に田中麗奈が演じることが明らかになった。田中さんは今回フジテレビ2時間ドラマ初主演となる。18年前、ごくごく普通の主婦だった自分の母が、父を殺害するのを目撃してしまった章子は、ずっとそのトラウマを抱えて生きてきた。「明日私も人を殺すかもしれない」と、絶えず自分の中の狂気におびえる章子の心の闇は、18年の時がたったいまでもそのままだ。当時、事件を担当し、現在は警視庁捜査一課の刑事である梨山里衣子は、章子の心の闇を理解し、章子とは刑事と新聞記者以上の関係で協力し合いながら、事件を解決していく――。主演を演じる田中さんと事件に挑む刑事の梨山役には、『あなたへ』『ぼくたちの家族』などに出演するベテラン女優・原田美枝子。さらに今回のストーリーの核となる、姉妹を演じるのは、寺島しのぶと板谷由夏の実力派女優の2人。夫婦とは?姉妹とは?心の中に多くの闇をしまい込み、“幸せ”を演じきる姉妹の心の葛藤を迫力のある演技で魅せる。男性俳優陣には、千葉雄大、林泰文、柏原収史、宅間孝行、西村雅彦が集結している。以前から角田氏の作品を読んでいたという田中さんは「主演でお話をいただけて驚きました。ストーリーに出てくる女性たちが大人で、すごく思いが深くて…、人間ドラマだけど事件もあるという大人のドラマに出演させていただけることがうれしかったです」とコメント。さらに共演者については「猛獣の中に一人飛び込んでいる感じですよ~。素晴らしい女優さんの中に一人小僧(小娘)が入っている感じです(笑)。原田さんとは10代のころ母娘役でご一緒しました。今回は、新聞記者と刑事という対等な役なので、うれしい反面、大好きな女優さんと共演する怖さも感じます。寺島さんの映画はよく拝見していて、今回ご一緒するのを楽しみにしていました。板谷さんは初共演ですが、板谷さんの演じる房江という役は人間味があって、でもちょっと怖い役なのでどんなふうになるのか楽しみです。寺島さんと板谷さんの姉妹のシーンは、1シーン見るだけでも2人の関係や心情が伝わってきてグッときます」と興奮気味に語った。そんな田中さんと久々の共演を果たした原田さんは「麗奈ちゃんとは、昔映画で一度共演したことがあって、あのころはまだ10代の可愛い女の子でしたけど、すごく女優さんとして成長されていて、うれしいですね」。また、板谷さん演じる妹・房江と憎しみ合う小林美枝子役の寺島さんは、「お互いの幸せをいちいち嫉妬する屈折した姉妹の話で、そういう気持ちは分からなくはないけど、これだけ姉妹で憎しみ合うにはそれなりの背景があるはずだと監督や板谷さんと相談しながら演じました」と“姉妹像”を作り上げることに苦労した様子。妹役の板谷さんは「私が演じる房江は、すごく狂っているようでどこにでもいる普通の女性です。必死にバランスを取っていたのが、旦那さんの浮気や姉への嫉妬で少しずつほころびていってしまう…共感はしないでほしいですが、ぜひ多くの女性に見ていただきたいです」とメッセージを送った。「三面記事の女たち -愛の巣-」は2月20日(金)21時~フジテレビにて放送。(text:cinemacafe.net)
2015年01月29日「AneCan」の専属モデル・押切もえが、昨年夏に書き下ろした長編小説「浅き夢見し」に続く2作目となる短編小説「抱擁とハンカチーフ」を発表。12月22日(月)に発売の「小説新潮」1月号で掲載され、今回で文藝雑誌デビューを果たしていることが明らかになった。内容は、自分の才能に疑問を抱く41歳の画家・彩未が、前夫である人気画家や、16歳になる娘や、8つ年下の青年との関係に悩みながら新たな絵の創作に向かっていくというもの。押切さんのデビュー作「浅き夢見し」は、「聞く力」を世に送り出した作家でエッセイストの阿川佐和子氏に「ずっと書き続けてほしい」と絶賛されたほど。その実力も評価され今回はプロの小説家が発表の舞台とする文藝雑誌へ初登場となった。「浅き夢見し」を読んで執筆を依頼した担当編集者は、「40歳過ぎても現実との折り合いがつかず、いわば“こじらせ”ている彩未の内面の変化を鮮やかに描いています。彩未は、押切さんとは年齢も境遇も違う女性なのに、その心理や悩みや成長を具体的なエピソードで語り切って、見事に小説として完成させました。人物造形や物語の構成の巧みさは、『小説新潮』の編集長が舌を巻いたほど。文章もいい。彩未は画家ですが、『絵を描く』ということを文字で表現することは難しいのに、そこも達成しています」と讃嘆している。それを受け、押切さんは「昨年初めて書いた『浅き夢見し』に続き、また小説新潮で新しい作品を発表させていただくことになりました。今度は短編連載です。著名な作家さんたちの作品が並ぶ『小説新潮』の中に自分の初の短編が掲載されるなんて嬉しくて胸が一杯です。たくさんの方に読んでいただければ幸いです」とコメント。押切さんはこの作品を皮切りに、「やりたいこと現実の間で悩んだり、格闘したりしている女性に寄り添う」連作小説を発表していく予定とのこと。「小説新潮」は新潮社が発表している老舗文藝雑誌で1月号では押切さんのほか、林真理子氏、角田光代氏、独特な世界観をもつSF作家・筒井康隆氏らが短編小説を発表している。「小説新潮」1月号は発売中。(text:cinemacafe.net)
2014年12月22日宮沢りえ7年ぶりの映画主演作となる『紙の月』が第32回トリノ映画祭の“Festa Mobile”部門で公式上映され、吉田大八監督が公式上映と記者会見に出席した。その他の写真公式上映前に行われた記者会見には世界各国から記者が参加。溝口健二や小津安二郎など日本の名監督が自身の描く女性像を作品の重要なポイントに置いていることから、「日本の古典的な映画の要素、女性像を取り入れているか?」と質問されると、吉田監督は「かつての映画の中の女性像というのは、実際、それらの映画を通じて、私も経験していますし、影響はおそらく受けていると思います。しかし、『紙の月』は、2014年の今に作っている映画です。私が普段に接している女性たち、そして、原作の小説の中で生きていた女性たちのことを考え作りましたので、あえて、過去の作品のどれかの女性像をモデルにしたということはありません」と回答。主人公の梨花が劇中で起こす出来事の原因について質問されると「私の考えでは、光太との出会いというのは、あくまできっかけで、彼女の行為は、彼女が本来の自分自身に戻っていく過程、プロセスだったと思っています」と分析した。また、「日本では賛否両論です。梨花を絶対許せないという女性はすごく多いし、反対に、とても共感するという女性も多い」という吉田監督が「イタリアの人がどう思っているのかすごく興味があります」と語ると、記者から「梨花に共感します」の声があがり、吉田監督が笑みを見せるひと幕もあった。その後に行われた公式上映のチケットは完売。上映前に登場した吉田監督は「女性がお金を使っていく中で、どう変化をしていくか、そういうことを表現したくて作りました。楽しんでください」とあいさつ。上映後には観客から大きな拍手があがった。映画は、角田光代の同名小説を原作に、『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督がメガホンを執ったヒューマンサスペンス。ごく平凡な主婦・梨花(宮沢)が起こした巨額の横領事件を通して、彼女の抱える心の闇が描かれる。『紙の月』公開中
2014年12月01日女優の宮沢りえが、主演映画『紙の月』(公開中)の撮影中に描いたという吉田大八監督の似顔絵が21日、公開された。本作は、直木賞作家・角田光代の同名小説を原作に、『桐島、部活やめるってよ』(2012年)などで知られる吉田大八監督がメガホンをとった作品。宮沢は、『オリヲン座からの招待状』以来となる7年ぶりの主演を務め、不倫関係の中で次第に横領に手を染めていく主婦で銀行契約社員の梅沢梨花を熱演した。銀行シーンの撮影の合間、真剣に何かを描いていた宮沢をスタッフが発見。「見つかっちゃった(笑)」と笑顔で見せたのが、銀行の封筒に描かれていた吉田監督の似顔絵だった。「もう(監督の顔を)見なくても描けるようになった」と自信をのぞかせるほど何度も描いたそうで、イラストは監督の現在に始まり、20年前と10年後の姿まで表現されていた。似顔絵は、自身が演じた梨花のイラストと共に吉田監督にプレゼント。本人は何気なく描いたものだったが、スタッフが「芸術的」と感動したことから、計3点のイラストが公開される運びとなった。今月15日の初日舞台あいさつでは、吉田監督からの「現場を引っ張っていってくれたのはあなたです。女優とは思えない程、不器用で必死でどこまでも真剣な想いを感じ、うれしさを通り越して苦しいくらいだった。また一緒に、大きなものを捕まえる旅に出ましょう」という手紙に涙した宮沢。今回のイラストは、手紙の文面と同様に互いの信頼関係を物語っている。
2014年11月21日