長塚圭史、中山祐一朗、伊達暁による演劇プロデュースユニット「阿佐ヶ谷スパイダース」が、旗揚げ20周年の今年、2004年の作品『はたらくおとこ』を再演する。キャストは阿佐ヶ谷スパイダースの3人に加え、池田成志、中村まこと、松村武、池田鉄洋、富岡晃一郎と初演時のメンバーが再集結。女性キャストの北浦愛は今作で初出演。作・演出の長塚に話を聞いた。【チケット情報はこちら】20周年の公演に『はたらくおとこ』を選んだことについては「ひとつは『はたらくおとこ』を2016年に上演したらどういう反応が返ってくるのかなっていう興味。12年前とは世の中が全く変わってるわけで、今、どういう風にこの作品が響くのかという興味は大きくありました。それと、阿佐ヶ谷スパイダースを好きなお客さんから再演の希望がすごく高いこともあります。でも、成志さんもまことさんもいないってなったら、やらなかったかもしれないです。そのくらいにこの作品は彼らと作ってきたので。それで上演が決まって、気が付くと『20周年だ』みたいな」と、20周年は後からついてきたものだったそう。長塚は「僕ら10周年も15周年も見落としてきてるから」と笑う。再演については「楽しみですよ。僕は『失われた時間を求めて』(2008年)くらいから、『はたらくおとこ』時代のお客さんに随分敬遠されたんじゃないかと思ってるんです。わざわざ難しいことをやってるみたいに言われるんだけど。そんなつもりはなくて。でも言われ続けるわけですよ。『圭史くんの作品、変わった』って。で、まあじゃあそういうのを1回景気づけにやるか、みたいな。やるなら面白くしますよ、当然ですけど。前回以上の作品にしたいなって思うし。ギャグもやりますよ。この『はたらくおとこ』に笑いは絶対必要だから」再集結するキャストについては「みんな多分、阿佐ヶ谷スパイダースがどうとかっていう考えではないと思うんですよ。『はたらくおとこ』をどう面白くするかっていうことだけで向かってくると思うから。有意義なクリエイションができることは確信しています。でもまあ会ってみないとわからないですね。なんか盗賊みたいな人たちが1回わかれて、もう1回集まるみたいな。そういう感じあるんですよ(笑)。それも、集まって同窓会するんじゃなくて、同じかそれ以上のことしようっていうんですから。その盗賊が成志さんとかまことさんでしょ?おかしいよね(笑)」公演は11月3日(木・祝)から20日(日)まで東京・本多劇場にて。その後、福岡、大阪、仙台など全国6か所を巡演。取材・文:中川實穗
2016年09月08日2011年1月、ロンドンに留学中の阿佐ヶ谷スパイダース主宰・長塚圭史が手にし、号泣しながら読んだという三好十郎作の戯曲『浮標(ぶい)』。「万葉の時代から続く日本人の思想が全体に表現され、それでいて古臭くなくてセリフがモダン。そして知的。これを是非上演したいと強く思った」と語る長塚。帰国後、自身のソロプロジェクト葛河思潮社の第1回公演として2011年に上演。その後に起こった東日本大震災で日本が大きく揺らぐ中、翌2012年に東京、仙台で上演。こちらも大きな反響を呼んだ。3度めとなる今年は、神奈川を皮切りに西日本を中心に回り、三好十郎の出身地・佐賀での公演も実現。葛河思潮社『浮標』チケット情報「上演したら4時間になるらしいと聞いてたので、まずは自分が本読みで“久我五郎”をやったんですが、そこでも大泣きして(笑)。どれだけ好きなんだって話ですけど。それで自分の中でイメージが一番近かった田中哲司に台本を送りつけて。そしたら『これ、もし演るのだったらギャラなんていらない』と言われて。俺は何ていい人に声をかけたんだと(笑)。でも実際にやりだしたら、彼がみるみる痩せていったんですよ。初演は特に地獄だったみたいですね」日中戦争の影が忍び寄る時代を舞台に、自己の芸術を信じる洋画家・久我五郎(田中哲司)が、肺を病む妻の美緒(原田夏希)を看護しながら貧困と闘う姿を描く本作。 セットは木枠に敷き詰められた砂のみ。そのシンプルな舞台で繰り広げられるのは「生と死」だ。「生きる事とは?というテーマを徹底的に解剖する約4時間(1幕75分、2幕55分、3幕90分)。一瞬に人が死んでいく戦争というものを背景にしながら、美しい言葉を感じながら生と死に対する思考ができる。こんな豊かな時間はないと思います。久我夫妻と対峙する、市井の人々の生き方やセリフも素晴らしくて。4時間というと長く感じられるかもしれませんが、実際観てくださった方からは『あっという間だった』という感想を多く頂き、戯曲の力、そして役者の力も実感しましたね。こんな劇があるんだ、という事を知ってもらえたら嬉しいです」。劇作家としても、この三好十郎作品との出会いを大きかったと語る。「これまでの自分の作品に対する愛はもちろんありますが、劇作に対する考え方が大きく変わったかもしれないですね。これからまた、阿佐ヶ谷スパイダースの以前の作品を上演したりするのですが、そこにも影響があるかも。こんな風に後世に残せる作品を書きたい気持ちが強くなったと思います」今回で田中哲司の出演は最後になるらしく、長塚本人が寂しくて仕方ない、と嘆く。「ああ、あと何回だなあと終わる度に切なくなってます(笑)。今回3回めにして、よりよく熟成されたというか、言葉の輪郭みたいなものがより深く出せるようになりました。是非、新たな感動を味わって欲しいですね」公演は今後、三重、福岡、佐賀、東京で上演。チケットは発売中。
2016年08月17日長塚圭史のソロプロジェクト葛河思潮社の第五回公演『浮標(ぶい)』が、8月4日に神奈川で開幕した。本作は、1940年に初演された三好十郎の戯曲で、葛河思潮社の公演全5回のうち3回上演している作品。日中戦争の影が忍び寄る時代を舞台に、洋画家・久我五郎(田中哲司)が、自己の芸術を信じ、肺を病む妻の美緒(原田夏希)を看護しながら貧困と闘う姿を描く。舞台セットは、黒い木枠の中に白い砂が敷き詰められた、砂場のような造り。両側に椅子が並べられ、出演者は出番以外もその椅子に座り、砂の上で繰り広げられる芝居を見つめる。死にゆく妻を必死で看病する男・五郎を演じるのは、田中哲司。葛河思潮社の本作初演から3度目の出演で、最愛の妻が生き延びられるならどんなことでもする、というギリギリの精神状態で、約4時間(1幕75分、2幕55分、3幕90分)を演じ切る。そして、病床の妻・美緒を演じるのは原田夏希。長塚演出作品は2作目で、本作は初めての出演。最初から最後まで寝たきりの状態、つまりほぼ上半身だけで、死を目前にした人間の揺れ動く感情を豊かに演じていた。夫婦のそばには、耳は遠いがおしゃべりで明るい“小母さん”がいて、五郎と共に美緒の看病をしている。そこに訪ねてくるのが、美緒の親兄弟や、金貸しの友人、大家、腕利きの医者、兵隊の友人らだ。彼らは、五郎に画壇の話をして圧力をかけたり、美緒の財産を譲るように画策したり、出征が決まって挨拶に来たりする。しかしだからといって、単純なヒールやヒーローにはならない。夫婦を困らせるために存在しているのではなく、彼らは彼らで生きていくために今この場面に登場していると感じさせるのだ。生きることはきれいごとでは済まされない。しかし、きれいなこともちゃんとある。さまざまな想いが幾重にも重なった芝居で、生きることと切り離せない“生々しさ”を際立たせる。命が終わりつつある美緒にねだられ五郎が詠むのは『万葉集』だ。言わずと知れた、日本に現存する最古の和歌集。約1300年前の歌が今も詠み継がれていることに、美緒に残された「生」を見つつも、やはり「生きる」ことの絶対的な価値を突きつけられた。公演は、8月7日(日)までの神奈川・KAAT神奈川芸術劇場を皮切りに、愛知、兵庫、三重、福岡、佐賀、東京にて上演。取材・文:中川實穗
2016年08月10日上川隆也を主演に、山崎豊子の最高傑作といわれる原作を初めてテレビドラマ化したWOWOWの連続ドラマW「沈まぬ太陽」。このほど、未曽有の航空機墜落事故から幕を開ける第2部より出演する、総勢8名の実力派キャスト陣が解禁となった。国民航空の労働組合委員長・恩地元(上川さん)とその同志で副委員長の行天四郎(渡部篤郎)は、袂を分かち、恩地は海外の僻地に左遷。一方、行天は幹部に取り入り、自らの理想の会社像を追い求め出世していく。やがて、空の安全を軽視した国民航空は、大型旅客機の墜落事故という未曽有の惨劇を引き起こす。事故当時、日本に戻っていた恩地は遺族係となり、遺族たちの深い悲しみと怒りに真摯に向き合うことに。そんな中、日本政府は国民航空の建て直しのため、関西紡績の国見正之にトップ就任を要請。会長に就いた国見は、恩地を会長室部長として呼び寄せ、組織にはびこる不正の数々を調査させる。恩地は失墜した会社の再生を信じて奔走するも、その前に立ちはだかったのは、常務にまで上り詰めた行天だった…。第1部には上川さんほか、渡部篤郎、夏川結衣、檀れい、板尾創路、小泉孝太郎、草刈民代、若村麻由美、古谷一行、國村隼ら豪華キャストが集結し、海外ロケを敢行するなど、かつてないスケールで描かれる連続ドラマW「沈まぬ太陽」。第2部からは、長塚京三、陣内孝則、高嶋政伸、石丸幹二、佐野史郎、升毅、平幹二朗、橋爪功という、日本を代表する実力派俳優がなんと8名も参加。今回、国民航空を建て直すために会長職に就任し、恩地を会長室部長に抜擢する国見正之を演じる長塚さんからもコメントが到着。ほかのキャストの役柄は、これから随時発表されていくという。<長塚京三コメント>ドラマWも大河ドラマのようになったなと思いました。だって随分前ですよ、国見役のオファーを戴いたのは。 恩地の前に、まるで「救世主」のように現れるのはいいが、その分、視聴覚的な実在感が微妙で、とても悩ましい準備期間を過ごしました。ま、案ずるより産むが易し、ですが。 なん人(びと)も所詮、欲で動く者のパワーには適わないのだろうか。国見という役を通して、正義を貫くことの空しさ、索莫とした非達成感、といったものを感じ取っていただけたら幸いです。WOWOW開局25周年記念連続ドラマW「沈まぬ太陽」は、毎週日曜22時~WOWOWにて放送中(※第1部:1話~8話/第2部:9話~20話)。(text:cinemacafe.net)■関連作品:沈まぬ太陽 2009年10月24日より全国東宝系にて公開(C) 2009 「沈まぬ太陽」製作委員会
2016年05月08日長塚圭史作・演出、古田新太主演の舞台『ツインズ』が12月6日(日)、東京・PARCO劇場にて開幕する。『LAST SHOW』(2005年)以来、実に10年ぶりの両者のタッグが話題のほか、多部未華子、りょう、石橋けい、葉山奨之、中山祐一朗、そして『SISTERS』(2008年)に続いての出演となる吉田鋼太郎と、魅力の顔が揃った注目作である。気になる長塚の新作について「圭史君の作品では『SISTERS』が最高傑作だと思っているんですが、あの系統ですね」と語る吉田に、稽古場にて話を聞いた。舞台『ツインズ』チケット情報「個々のシーンは過激なのに、作品の根底に流れるものは静けさなんです。そこが怖い。テンションの高い題材を、緩やかに、穏やかに書いていく。長塚圭史がまたひとつ成長したように感じました」時代は現代なのか、近い未来なのか。海辺の家に集まった人々の会話を追ううちに、彼らが家族であることがわかってくる。一見たわいもない言葉のやりとりにしばしば頬が緩むが、つねにじんわりと場を覆うのは妙な緊迫感だ。「ゆっくりと彼らは破滅に向かって動いている。そんな時間が取り囲んでいますよね。この海はかなり汚染が進んでいるのかもしれない。危険区域に近い海なのか……、そこはあえてはっきりさせていないんです。会話には謎が散りばめられていて、観る者にどうとらえますか?と投げかけ、本当の現実を見てほしい、目をそらしてはいけないのでは?と突きつけている気がします」吉田が演じるのは一家の長男であり、古田扮するハルキの兄リュウゾウだ。海に消えた妹のことを思い、海に還る日のことを夢見ている…、そんな不思議な一面をのぞかせる。「圭史君が俺に書く役には、いつも狂気の部分があるんですよ(笑)」立ち稽古はハルキを中心とした諍いのシーンから始まった。物が散乱している室内で、激しい言葉を重ねる古田がいる。吉田はそれをいさめるでもなく諦観の様子。ひょうひょうと割って入る中山は、普通のようでどこか不気味な存在だ。多部扮するハルキの娘イラは、傍若無人な父親のふるまいに呆れ、思いもかけない行動に出る。古田の怪演に爆笑した後、多部の動きにあっと息を飲んだ。空気の切り替わりが激しいこのシーンを、長塚は多方向からじっと見つめて「じゃあ、もう一度」。四度は繰り返しただろうか。「すぐに結果を求めず、じっくり確実に進めています。不協和音を抱える人たちのドラマだけれど、心地良く、美しい。長塚圭史の独特の世界をきっちりお見せしたいと思います」(吉田)不穏だけれど心地良い。矛盾をはらんだ寓話から受けとめるものは、現実を知る覚悟かもしれない。東京公演は12月6日(日)から30日(水)まで。その後、福岡・新潟・長野を巡演。取材・文上野紀子■吉田鋼太郎 TV出演情報12月4日(金)夜11:00~TBS「A-Studio」
2015年12月03日長塚圭史さんが約10年ぶりに古田新太さんと組んで舞台『ツインズ』(PARCO PRODUCE)を描く。このコンビといえば、岸田國士戯曲賞候補にもなり、傑作との呼び声の高い舞台『ラストショウ』のタッグ。しかし数年前から、長塚さんはそれまでの作風を封印し、脚本家というより演出を主軸にした舞台作りへとシフトしている。ただ今度の新作は、人間関係はグロテスクで、過激な描写もありながら、どこか哀切さを感じさせる、“長塚節”が発揮された物語になるらしい。脚本家・長塚圭史が帰ってきた!と、思い切って言ってしまおう。古田:そろそろまた一緒にやりたいね、ってとこから始まったんだよね。長塚:うん。その会話のなかで、古田さんから「家族の嫌な話を書いてくれ」という要望が出てきて…。古田:だってオイラ、ほっこりとか、そういういい話に興味ないもん。あと、いちファンとしては、圭史がかつて描いていた“父親ってほんと腹立つ”とか“兄妹って気持ち悪いよな”っていうような感じ悪いものを見たかったってのもある。長塚:(笑)。ここしばらく、芝居の可能性を追っかけたい時期が続いていたんだよね。演劇をやっていくうえで、そこを素通りしては先に進めない気がして。でも、こうやって古田さんにチャンスをもらったことで、この間に培った要素を使って、嫌な話を(笑)、昔とはまた違う形で面白くできるのかなと思って。古田さんから、現代においての家族っていうテーマをふられたので、いまの僕が思う家族のあり方を、どっちかといえば甘くない視点で描いたんです。終末的な世界だけど、非常に日常的なやり取りのなかで人間の怖さを感じさせるような恐怖劇。古田:表層的には不気味な話なんだけど、読了感は意外にも「家族っていいね~」だった(ニヤリ)。長塚:そうなんだよね。互いにいがみ合って、何も和解してなくても食卓を囲むのが家族だから。古田:オイラと(吉田)鋼太郎さんが、めちゃくちゃ仲悪い兄弟だったり、結構バイオレンスな部分もあるんだけど。そういや圭史は、最初の話し合いの段階から、鋼太郎さんを呼びたいって言ってたよな。長塚:古田さんとの2ショットがどうしても見たくて。だって…ふたりが兄弟だったら鬱陶しいじゃない。古田:脂っこいオジさんふたりだからね。鋼太郎さんとは、お酒好きで女好きってところで共通項もあるし(笑)、酒場ではたまに顔を合わせるんだけど、がっつり芝居するのは20年前のラジオドラマ以来。で、今回一緒にやって、鋼太郎さんは剛腕投手だってことがわかった。長塚:そうそう(笑)。古田:すごい変化球を投げるんだけど、じつは本人は全然狙ってないっていう(笑)。でも、それが確実にストライクになる。オイラはキャッチャータイプだから、一緒にやっていて、すっげー面白れぇの。長塚:今回、手練れな役者さんたちばっかりだから、変な機微を端折っても、ちゃんとゴールに辿り着ける安心感がある。極端な飛躍もできるし、試してみたいことが次々と出てきて、僕もすごく楽しいですね。◇information 海辺の大きな家で、その家族は一見穏やかに暮らしているように見えていた。しかし、そこに東京から次男とその娘が帰省してくると、徐々に不穏の色が濃くなっていく―。12月6日(日)~30日(水)渋谷・パルコ劇場作・演出/長塚圭史出演/古田新太、多部未華子、りょう、石橋けい、葉山奨之、中山祐一朗、吉田鋼太郎全席指定9500円U‐25チケット6000円 (観劇時25歳以下対象、要証明書)パルコ劇場 TEL:03・3477・5858www.parco-play.com大阪、北九州、長岡、松本公演もあり◇ながつか・けいし作・演出・出演を担う演劇プロデュースユニット・阿佐ヶ谷スパイダースと、ソロプロジェクト・葛河思潮社を中心に活動。俳優としても、ドラマ、映画などで活躍。◇ふるた・あらた劇団☆新感線所属。来年1月放送のドラマ『坊っちゃん』(CX系)、1月公開映画『信長協奏曲』、2月公開映画『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』などに出演。※『anan』2015年12月9日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・望月リサ
2015年12月02日「EXILE」のパフォーマーKEIJIこと黒木啓司が映画初出演にして主演を務め、本音でぶつかり合う青年海外協力隊員を描く爽快な感動作『クロスロード』。この度、公開日が11月28日(土)に決定。併せてポスタービジュアルと予告映像が公開された。カメラマン助手になったものの、目標の見えない日々を過ごしていた沢田(黒木啓司)は、自分を変えようと青年海外協力隊に飛び込む。だが、訓練所でもボランティア精神を地で行く羽村(渡辺大)と対立したり、規則を破ったりと、何かと問題を起こしてしまう。彼らの仲を取り持つ助産師隊員の志穂(TAO)と共に、フィリピンに派遣される二人。沢田は観光省での仕事に不満を抱くが、羽村は失敗しながらも田舎の村でドジョウの養殖を順調に進めていく。そんな優等生タイプの羽村を沢田が好きになれないのは、反発していた亡き父の面影を見るからだった。ある日、野心的な写真を撮ろうとバギオの街を訪れた沢田は、少年ノエルと姉のアンジェラと出会い、この国の現状に胸を痛めるが、無力感のうちに帰国する。それから8年、協力隊での体験は2人をどう変えたのか?震災後の東北での久しぶりの再会に思わぬ答えが待っていた――。公開されたポスターは、「ボランティアなんて偽善だ」という強烈なメッセージとともにカメラを携え険しい表情の黒木さんを大きく捉えている。“理想でもきれいごとでもない”まさにいまのリアルな青年海外協力隊員たちを描いた青春グラフィティの誕生を期待させるビジュアルだ。さらに、予告編では黒木さん演じるボランティア活動に懐疑心を懐きながらもその実、熱きハートを持ち揺れ動く隊員・沢田と、渡辺さん演じるボランティア精神の塊で理念が先に出てしまう羽村隊員が激しくぶつかり合う様子や、赴任先のフィリピンの現地の人の助けになろうとする隊員たちの成長する姿が描かれる。フィリピンでの撮影が本作のスケール感に華を添え、主題歌である中島みゆきの名曲「ヘッドライト・テールライト」も相まって、胸が熱くなる予告編となっている。常に対立する沢田、羽村を共に理解し仲を取り持つ野村志穂隊員役には、人気ファッションモデルでありハリウッド大作映画でも大きな役を演じ、本作で日本映画初出演となるTAO。沢田が赴任先のフィリピン・マニラでボランティアとは何か?と自問自答をするきっかけを作ったフィリピン女性、アンジェラ役に世界一有名なコスプレイヤー、アローディア。訓練所の名物所長の堺顕二役として長塚京三ら豪華キャストが脇を固めているが、今回、DDT・プロレス、新日本プロレスで活躍する飯伏幸太が本作で銀幕デビューを果たしたことが明らかとなった。昨年実施されたシナリオコンテストで大賞に選ばれた作品を基に、監督には『マリリンに逢いたい』『秋桜』のすずきじゅんいち、脚本監修・脚本に『闇金ウシジマくん』『映画ひみつのアッコちゃん』の福間正浩という協力隊経験を持つ2人が強力なタッグを組み製作された本作。「2005年・フィリピン」「2015年・岩手」と時間と空間が交差した道程に待つ感動のラストとは…?まずはこちらの映像から映画初主演となる黒木さんの演技に注目してみて。『クロスロード』は11月28日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2015年08月09日昨年12月28日、女優の国仲涼子と婚姻届を提出したばかりの向井理が主演する「新春ドラマ特別企画 わが家」が、いよいよ今夜、1月4日(日)21時より放送される。新たな門出を迎えた向井さんにとって、“新年初仕事”となる本作の放送を前に、父親役で共演した長塚京三と妹役の村川絵梨から祝福のコメントが到着した。人材レンタル会社「友情物語」のスタッフ・桜木一歩(向井理)は、都会の片隅で他人の孤独や心の傷を埋める稼業をこなす日々を送っていた。器量がよく、人受けもよい一歩だが、子どものころに父・武士(長塚京三)が突然家を出て行った過去があるためか、30歳を過ぎても家庭を持つ気は全くなかった。そんな一歩の実家は、三浦半島の海辺。いまは母・鯛子(田中裕子)が一人で暮らしている。バスガイドをする妹・ほの香(村川絵梨)がいるが、同じ東京にいながら互いに連絡先さえ知らない。そんなある日、鯛子のもとへ、ほの香から「結婚するので先方の家族と会って欲しい」との連絡が入る。同じころ、常連客のお年寄り・琴子(草村礼子)のもとで疑似家族を演じていた一歩にも、“ある仕事”が舞い込んでいた――。音信不通の父と、故郷と距離を置くようになった子どもたち。そして、彼らがいつ戻ってきてもいいように、「わが家」をひとり守り続ける母。そんな4人があるきっかけから再び集い、家族の絆を取り戻してゆく本作は、まさに家族を築き始めた向井さんにとっても記念すべきドラマとなった。結婚の知らせを聞いた父・武士役の長塚さんは、「向井さん、国仲さん、おめでとう。役の上での親子だったりだけど、何だか本物の息子や娘に幸せが巡ってきたようで、とっても嬉しい。今度、幸せいっぱいの笑顔を見せてください」とコメント。劇中では、体を張った激しいぶつかり合いも見せた息子の結婚を祝福した。また、明るい性格で、家族再会のきっかけとなる結婚話をもたらす妹役の村川さんからも、「ご結婚、おめでとうございます。ドラマ『わが家』ではお兄ちゃんと妹の関係だったので、結婚のお話を聞いたとき、身内のような気持ちでとても嬉しかったです。素敵な家庭を築いて下さい!」と、喜びの声が届いている。バラバラだった家族が再び顔を合わせる中、長男として、父親との葛藤を繰り返しながら成長する主人公を好演した向井さん。本当の家族のような愛情に包まれた現場で、改めて家族の大切さをかみしめていたのかもしれない。「新春ドラマ特別企画 わが家」は1月4日(日)21時よりTBS/MBS系全国ネットにて放送。(text:cinemacafe.net)
2015年01月04日『娚の一生』『S -最後の警官-』など2015年も話題作の出演を控える中、先日結婚間近と報じられるなど、公私ともに輝きを見せる向井理が主演を務める「新春ドラマ特別企画 わが家」。この度、バラバラになった家族の絆を取り戻してゆく様子が分かる予告編が公式サイトにて公開された。人材レンタル会社「友情物語」のスタッフ・桜木一歩(向井理)は、都会の片隅で他人の孤独や心の傷を埋める稼業をなんとなくこなす日々を送っていた。器量がよく客からの人気も高い一歩だが、30歳を過ぎても、自らは家庭を持つ気は全くない。その理由は、子どもの頃に父・武士(長塚京三)が突然家を出て行ったという過去があるからだ。そんな一歩の実家は三浦半島の海辺にあり、いまは母・鯛子(田中裕子)が一人で暮らしている。一歩にはバスガイドをする妹・ほの香(村川絵梨)がいるが、同じ東京にいながら互いに連絡先さえ知らない。鯛子は音信不通の夫や子どもたちがいつ帰ってきてもいい様に気丈に家を守っている。そんな鯛子のもとへほの香から「結婚するので先方の家族と会って欲しい」と電話が入る。同じ頃、常連客の一人暮らしのお年寄り・琴子(草村礼子)のもとで疑似家族を演じていた一歩にも“ある仕事”が舞い込んでいた。今回解禁された予告編では、体を張った激しい父子のぶつかり合いから始まり、家族揃って東京観光するシーン、さらに向井さんが涙を流しながら父親を引き止めるシーンなど見どころがギュッと詰まった映像となっている。また、映像の中で流れる涙誘う歌声を披露しているのは、NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」『バンクーバーの朝日』などに出演している演技派女優・高畑充希。歌手としても活躍する高畑さんが、中島みゆきの「ホームにて」を、尺八・ピアノ・チェロのトリオ「KOBUDO-古武道-」とのコラボレーションでカヴァーしている。故郷への想いを綴る切ない歌詞と美しいメロディが、本作の世界観とリンクする予告編。豪華キャストが演じる“家族”は再生を目指し歩み寄ることができるのか…それぞれの葛藤する表情に注目したい。「新春ドラマ特別企画 わが家」は、2015年1月4日(日)21時よりTBS/MBS系全国ネットにて放送。(text:cinemacafe.net)
2014年12月04日現在公開中の『小野寺の弟・小野寺の姉』で不器用な姉弟役を好演した向井理が、2015年1月4日(日)より放送される「新春ドラマ特別企画 わが家」で父親とぶつかり合う長男を演じることが明らかになった。現代社会でバラバラに暮らす4人の家族「桜木家」。大人になって故郷と距離を置くようになった兄と妹。20年前に突然家を出て行った父、そして海辺の「わが家」をひとりで守り続ける母。そんな4人があるきっかけで「わが家」に集い、家族の絆を取り戻してゆく――。「花嫁の父」「母。わが子へ」など、心に残るヒューマンドラマを手がけてきたベテラン、井沢満が脚本を担当。単身世帯が増加する現代日本をテーマに、一歩の生き様や桜木家の日常を、ユーモアいっぱい、愛情たっぷりに描く。主演は映画、ドラマ、CMと引っ張りだこの向井理。東京で、心寂しい客の元に友達・恋人・家族などを派遣する“人材レンタル会社”に身を置く主人公・桜木一歩を演じる。向井さんがTBS/MBS系の新春SPドラマに出演するのは、「花嫁の父」以来3年ぶり。今回は離れ離れだった“父と子の葛藤”を軸に「家族とは何か」「本当の親孝行とは何か」を考える長男として、家族の絆を描く珠玉のヒューマンドラマに挑戦する。家族を捨てて家を出て行きながら、20年ぶりに舞い戻ってきた父・桜木武士には、日本映画界、ドラマ界には欠かせない名優の長塚京三。ある想いを秘めながら「わが家」を守り続ける母・桜木鯛子役は国民的女優・田中裕子。向井さんにとって長塚、田中は初共演となる。そして、明るい性格で、家族再会のきっかけとなる結婚話をもたらした妹・桜木ほの香は、若手実力派女優の村川絵梨が務める。魅力的な組み合わせの豪華俳優陣が、優しく、恋しく、時には激しくぶつかり合いながら、日本の家族の心の機微を演じ上げる。主演の向井さんは本作に参加して「最近はこういうストレートな家族の物語があまりないので、そういう中で挑戦するのって面白いことですし、すごくハードルが高いと思っています。(撮影期間中は)僕のというよりは周りの方のセリフにすごく、古きよき日本だったり、家族っていうのを思い出させてくれるワードが多いので、ほんとにいいセリフだなぁと思いながら、ジーンとしながら毎日現場に来ていました」と感慨深げ。初共演となる長塚さんのことを“理想の父親”のようと語る向井さんは、「長塚さんは初共演なんですが、『こういうお父さんがいたらいいな』と思う方。ぶつかることが多い設定なので、仲むつまじいシーンは少ないんですけど、それがまたもどかしくもありますが…。田中さんも初めて共演させていただきますが、なんだかすごくいとしい方。安心感。ちょっとした感情のゆれがすぐに出てくる方なので、のほほんとしたシーンでも気を引き締めていかないと、と思いました。村川さんはもう、あのままというか、明朗な、闊達な方なので、現場に明るい空気を持ってきてくれるので、ありがたかったです」とコメント。それを受け長塚さんは「向井君とも一回ご一緒したかったし、あと、田中さんとも久しぶりにやってみたかったし。今回の武士という役は、ちょっと一言では言えないような感じですかね。今時こういう人いるの?というのもあるんだけど、型にはまった古臭さがない。風通しがいい自由な作風なので、演じていてとっても楽しいですよ。向井君とは身長も同じだし。『こっちゃ年食って1cm縮んだんだけどな』というセリフもあるくらいでね」と笑顔で語った。向井さんと長塚さんは、ケンカのシーンも度々あるようで、プロデューサーの竹園元氏は、「向井さんと長塚さんがガチンコの殴り合いをする長いシーンは必見です!」とコメント。親が子を想う気持ち、そして子が親を想う気持ち、それはなかなか言葉には表せないもの。「家族」に対してそれぞれが向き合い、人生で大切なものを取り戻してゆく「桜木家」の姿を見て、“わが家”で過ごす何気ない日常の幸せに気付かされるに違いない。「新春ドラマ特別企画 わが家」は、2015年1月4日(日)21時よりTBS/MBS系全国ネットにて放送。(text:cinemacafe.net)
2014年11月07日2014年度の米国アカデミー賞「最優秀外国語映画部門」の日本代表作品に選出された『舟を編む』を手がけた石井裕也監督の最新作『ぼくたちの家族』が来春公開となる。先日、妻夫木聡と池松壮亮が兄弟役で出演していることで話題となったが、このほどこの家族を取り巻く人々を、板谷由夏やユースケ・サンタマリアらが演じていることが明らかとなった。60歳を過ぎ、物忘れが激しくなった母・玲子。だが、そんなことは誰でもあるものと、兄・浩介も弟・俊平も父・克明も全く気にしていなかった。しかし、あることをきっかけに病院で検査を受け、結果は「脳腫瘍」と判明、余命わずか1週間。「家族がバラバラになるのは、あたし怖いよ」、その一言を最後に母はそれまでの母ではなくなってしまう…。いま出版業界が注目する新進作家・早見和真の原作を映画化した本作。小さな会社の社長だが、やがて多大な借金を抱えてしまった父親役に長塚京三、突然の脳腫瘍に襲われ、少女化していく母・玲子に原田美枝子。その母の病気に奔走する長男・浩介に妻夫木さん、家族なんて茶番だと決め付けている弟に池松さんが扮し、現代に生きる家族の形を描き出す。そして今回、新たなキャストが発表。浩介の事情を汲んで、優しくフォローする浩介の上司役を演じるユースケさんを始め、義母の病気による自分たちの家族への影響を心配しながらも、夫の支えになろうと務める浩介の妻役に黒川芽以。俊平が母の病気を治そうとまわった病院先で出会った医師役には鶴見辰吾と板谷由夏。俊平を励ます友人に市川実日子など、個性豊かなキャストが脇を固めている。多額のローンに、生活破綻、親への不信、子への依存。脳腫瘍を患った母が、包み隠さず本音をさらけ出し始めたことで、浮かび上がってきた家族の問題…。“がん”というテーマを明るく描き、現在の家族像を見事に浮かび上がらせている。今回、発表された追加キャストたちがこの問題山積の一家をどう支えていくのだろうか?『ぼくたちの家族』は2014年春、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ぼくたちの家族 2014年、全国にて公開
2013年10月16日劇作家・演出家で俳優としても活躍する長塚圭史が、2009年の英国留学後に立ち上げた「葛河思潮社」。国内外の名戯曲を取り上げ、ワークショップやリーディングを含めた稽古で作品づくりを目指す、長塚のソロプロジェクトだ。一昨年と昨年(再演)に上演した『浮標』(三好十郎作)は、休憩を含めて4時間という長丁場ながら、緊張感あふれる劇場空間を示して高い評価を得た。第3弾となる『冒した者』も、同じ三好の長編戯曲。演出と出演を兼ねる長塚と、『浮標』に続き『冒した者』でも主人公を演じる田中哲司に話を聞いた。舞台『冒した者』チケット情報みたび三好作品に挑むことになった理由を、長塚はこう語る。「初演の『浮標』で三好さんが描く“死を前にした生の物語”の力をつくづく感じました。東日本大震災の後に再演した時、その想いは一層強まって、もっと多くの人に三好作品を体感してほしいと思った。今回の『冒した者』は、主人公の妻の最期を描いた『浮標』の後に書かれていて、内容も作品世界の“その後”を思わせるもの。どちらも私小説ならぬ“私戯曲”ながら、『冒した者』は三好さんのもうひとつの魅力である社会への冷徹な批評眼が作品を覆っているんです。もしかしたら『浮標』よりも、演じる側は手こずるかもしれないですね」妻を亡くした主人公の“私”(田中)は、戦争で焼け残った大きな屋敷に、数組の家族と共同生活をしている。旧知の医師・舟木(長塚)や亡き主の庶子である柳子(松雪泰子)、株屋の若宮(中村まこと)、管理人の浮山(吉見一豊)、盲目の少女モモ(木下あかり)ら、住人たちの仲も悪くない。そんなある日、“私”を慕ってたびたびやってきていた須永(松田龍平)が、フラリと屋敷を訪れる。須永の秘密は、やがて住人たちの隠された現状に影響を及ぼし…。「僕が演じる“私”は、妻を亡くした後に屋敷へ引っ越してきた作家で、今は“死んでいるのか生きているのかわからない”状態なんです。幕開きの膨大なセリフも、モノローグなのかト書きなのか曖昧で、途中から住人たちの説明が入ったりする。その振れ幅の大きさというか、自由さがすごく面白いんです。ただなにしろ“度が過ぎている”と感じる長さなので必死です」と話す田中。だがその表情は、言葉とは裏腹にどこか楽しんでいるようだ。長期的な視点で作品に携わる「葛河思潮社」。すっかり長塚組ともいえる田中が「圭史くんとは一緒に作っていく楽しさがある」と言えば、長塚も「哲司さんは経験も技術もあって、でも新しいことには一緒に乗っかってくれる貴重な存在」と返す。「『浮標』に続いて出ていただく松雪さん、ずっと一緒にやりたかった松田さんと、キャストも揃いました。『葛河~』の作り方は確かに面倒くさいけれど(笑)、それだけ豊かさがあると信じています」と話す長塚。演出家と俳優が名戯曲に真っ向から対峙することで作られる、芳醇な舞台。観る側としては、こんなに贅沢なことはないだろう。9月5日(木)からKAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ、9月20日(金)から東京・吉祥寺シアターにて。ともに現在先行販売中。
2013年07月23日長塚圭史主宰のユニット・阿佐ヶ谷スパイダースが、豪華キャストを得て約2年ぶりの新作「シアターコクーン・オンレパートリー2013+阿佐ヶ谷スパイダース『あかいくらやみ~天狗党幻譚~』」を発表する。山田風太郎の歴史小説『魔群の通過』をベースに長塚が作・演出を手掛ける本作は、幕末期の水戸藩に実在した尊皇攘夷派・天狗党の残党である“さいみ党”の報復を描く。原作では天狗党の悲劇の後日譚として語られているに過ぎないさいみ党をフィーチャーし、オリジナルのキャラクターや設定を交えた長塚流の異色時代劇となる。第二次世界大戦後の世界からやって来る青年・長谷川作太郎役の小栗旬と、さいみ党大将の武田金次郎役・小日向文世に話を聞いた。『あかいくらやみ~天狗党幻譚~』チケット情報両者とも長塚作品には、念願の初出演となる。「長塚さんとは飲み仲間で、出たいとずっと伝えていたんです。特に(プロデュース公演ではなく)阿佐ヶ谷スパイダースに参加したかったので、やっとできるという感じですね。阿佐ヶ谷スパイダースの前作『荒野に立つ』の作風がすごい好きで『こういうのがやりたい』と言ったら、『こういうのでいいんだな?』と確認されましたけど(笑)。今回どうなるのか、楽しみです」(小栗)。「僕は前にも何度か声掛けていただいてたんだけどスケジュールの都合で実現しなくて、ようやく一緒にできるタイミングが来たなって。長塚君は、直接話した印象ではものすごく物腰の柔らかい楽しい人。でも作品からは、僕の勝手な思いだけど、心の中のドロドロとかが見えるような気がする(笑)。見えない部分を、きっとまだいっぱい持っている人だよね。こういう人の作品作りに参加したら楽しいだろうなと思っていました」(小日向)ソフトな印象の下に凄みを垣間見せるというところに長塚との共通点を見出せそうな小日向は、凄惨な復讐に己の正義を見つけようとする男を演じる。「こういう血生臭い殺戮が実際にあったって初めて知ったんですけど、『長塚君、やっぱりこっち(こういう題材)にくるんだな』って。ますます楽しみ」と、台本の完成を心待ちにする。対する小栗演じるのは、原作にない長塚創作のキャラクター。「前の舞台(『髑髏城の七人』)からちょっと間が空きましたけど、アイドリングなしでイケそうです」と準備万端の彼が、数奇な運命を背負ってタイムスリップし、武田(小日向)の復讐劇に巻き込まれてゆく青年の心情をいかに表現するか。長塚と実力派キャストが今描き出す、“報復の連鎖”の行方を見定めたい。公演は、5月5日(日・祝)から26日(日)までBunkamuraシアターコクーンにて。チケットぴあでは、いち早プレリザーブを2月17日(日)18:00まで、プレリザーブを2月19日(火)11:00まで受付。取材・文:武田吏都
2013年02月15日小栗旬が来年5月、『髑髏城の七人』以来2年ぶりに舞台出演する。作品は、山田風太郎の異色の歴史小説『魔群の通過』を原作に、長塚圭史が書き下ろす新作『あかいくらやみ~天狗党幻譚~』。小栗と長塚は今回初顔合わせとなる。小日向文世など『あかいくらやみ~天狗党幻譚~』出演者の写真維新前夜、尊王攘夷の志を胸に決起し、京を目指した水戸藩天狗党の過酷な行軍を描いたのが原作。舞台では天狗党の残党による復讐集団、さいみ党にスポットを当て、目的も志も見失い復讐の幽鬼と化しながらも尚、正義を求める男たちの姿を描いていく。共演に小日向文世、白石加代子、小野武彦ら実力派を揃え、来年5月、東京・Bunkamuraシアターコクーンで上演。■「あかいくらやみ~天狗党幻譚~」日程:2013年5月5日(日)~26日(日)予定※その後、大阪公演も予定。会場:東京・Bunkamuraシアターコクーン出演:小栗旬、小日向文世、白石加代子、原田夏希、小松和重、古舘寛治、横田栄司、福田転球、中山祐一朗、伊達暁、長塚圭史、中村まこと、大鷹明良、小野武彦他チケット発売:2013年2月24日(日)
2012年12月14日映画『あなたへ』の完成披露試写会が21日に東京国際フォーラムで開催され、6年ぶりの映画主演となる高倉健をはじめ、田中裕子、草なぎ剛、綾瀬はるか、長塚京三、ビートたけし、降旗康男監督が上映前に舞台あいさつを行なった。その他の写真本作は、亡くなった妻から届いた手紙に書かれた言葉の真意を確かめるべく、妻の故郷である長崎県・平戸へと旅立つ刑務官の男が、旅先での出会いを通じ、妻の思いを感じ取っていく様を静かに描いた物語。高倉らが客席脇の入り口から登場すると3千人の観客は総立ちで拍手。高倉は大歓声に感激した面持ちで壇上へ。マイクを握ると「お暑い中をこんなに大勢…感動しています」と短い言葉の中に喜びと感謝の思いを込めた。高倉にとっては6年ぶりの主演作。“最後の銀幕スター”のスクリーンへの帰還を待ちわびたファンへの披露を前に「緊張してます。一生懸命やりました。やっと最近、降旗監督がどういうメッセージを込めたのか分かった。情けない俳優です」と照れくさそうに言葉をつないだ。そんな高倉と『ホタル』に続いて夫婦を演じた田中は「緊張の連続でした。夫婦の何でもない感じを出すのが難しくて…でも、貴重な時間を過ごさせてもらいました」と穏やかな笑顔を浮かべた。一方、『夜叉』以来の共演を果たしたたけしは、高倉がオフの日に極寒の撮影現場を訪れてもストーブにあたらなかったというエピソードや、自身がラジオで暴露した高倉は撮影現場でイスに座らないといった“伝説”に触れ「おれがラジオで言っちゃったから、健さんに『あんたのおかげで座れなくなった』と怒られた(笑)」と告白。改めて高倉は「訂正します。全部タケちゃんの作り話です。迷惑してます」と抗議し会場は笑いに包まれた。草なぎは憧れの高倉と同じ舞台に並んで立つということで「人間、緊張しすぎると緊張しなくなるんですね」と妙なテンション。「健さんの隣にいるだけで役者にならせてもらいました。お芝居は全然してません(苦笑)」と撮影をふり返った。綾瀬も「気さくにいろんな話をしていただき、すごくおいしいコーヒーもごちそうになりました」と子供のように目を輝かせていた。降旗監督は「健さんは僕のアイドル」と独特の言葉で半世紀に及ぶふたりの関係性を表現。「ぜひまたもう1回、“アイドル映画”を撮る機会があれば」とさらなるコンビ作に意欲を燃やし、客席は期待を込めた温かい拍手に包まれた。『あなたへ』8月25日(土)全国ロードショー
2012年08月22日高倉健の6年ぶりの主演作『あなたへ』の完成披露試写会が8月21日(火)に都内で開催され、高倉さんを始め、田中裕子、草なぎ剛(SMAP)、綾瀬はるか、長塚京三、ビートたけし、降旗康男監督が舞台挨拶に登壇した。『単騎、千里を走る。』以来、久々にスクリーンに帰ってきた高倉さんを観客はスタンディングオベーションでお出迎え。高倉さんは穏やかな笑みを浮かべ、大歓声に応えながらレッドカーペットを歩いた。壇上に上がりマイクを握った高倉さんは「お暑い中をこんなに大勢…感動してます」と挨拶。そしてこれから初めて映画を観る観客を前に「とても緊張してます。一生懸命やりました。降旗監督がどういうメッセージを込めたのか?主演でありながら最近やっと分かってきました。情けない俳優です」とユーモアたっぷり告白。高倉さんの一挙手一投足に会場が反応し、笑いと拍手に会場が揺れ動いた。田中さんは高倉さんとの共演は3度目だが「緊張の連続でした」と述懐。「夫婦の何でもない感じを出すのが難しかったです。でも貴重な時間を過ごさせてもらったと思います」と静かに微笑んだ。たけしさんは本作と同じ降旗監督の『夜叉』以来、26年ぶりの高倉さんとの共演となったが、以前の共演の際に高倉さんがオフでも現場に現れ、寒い中をストーブに当たらずに見学していたというエピソードを披露。「健さんが『みなさん働いていらっしゃるのに、僕は当たれません』と言うから誰も当たれない(笑)。『お願いですから帰ってくれませんか?』と言ったことがある」と明かす。さらに「おれがラジオで『健さんは現場で座らない』って言ったので、『あんたのおかげで座れなくなった』と怒ってました。それくらい現場に気を遣うし温かい人です」と毒舌交じりに高倉さんとの思い出を語る。これに高倉さんが「訂正します。全部、たけちゃんの作り話で迷惑してます」と割り込み、会場は笑いに包まれた。長塚さんは意外にも今回が初共演だが、妻役の原田美枝子さんとの撮影最終日の思い出に触れ「高倉さんはオフで『ゆっくりされてるでしょう』という話をしてたら、西日をバックに懐かしいシルエットが現れて。オフの日にわざわざ僕と原田さんの最終日のために花束を届けてくださいました。そういう方です」と嬉しそうに語った。若い2人も高倉さんとの共演は忘れられない思い出になったよう。これまで幾度となく大観衆の前で歌や踊りを披露してきたはずの草なぎさんだが「人間、緊張しすぎると緊張しなくなるものなんですね」とぎこちない笑みを浮かべる。撮影についても「健さんの隣にいるだけで役者にならせていただいた感じで、お芝居は全然してないです」と苦笑していた。綾瀬さんも「気さくにいろんな話をしてくださり、おいしいコーヒーをごちそうになりました」と感激した面持ちで語った。東映の助監督時代以来の高倉さんとの付き合いで、これが20作目のコンビ作となる降旗監督は作品について「一昨日、78歳になりましたが、遅ればせながら年を取るとはどういうことか考えながら作りました」と語る。そして「健さんは僕のアイドルで、僕はアイドル映画を撮ってきた。またぜひもう1回、アイドル映画を撮る機会があればいいなと思います」と次回作への意欲を口にすると、客席からは期待を込めた大きな拍手が沸き起こった。『あなたへ』は8月25日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:あなたへ 2012年8月25日より全国東宝系にて公開© 2012「あなたへ」製作委員会
2012年08月21日昨年1月に上演され、大きな反響を呼んだ長塚圭史・演出の『浮標』が今秋再演される。『浮標』は戦前から戦後にかけて活躍した劇作家、小説家の三好十郎の傑作戯曲で、初演は1940年だった。70年以上も前の戯曲だが、長塚はそこに新たな命を吹き込み、観客を大きく突き動かした。再演では、主人公の久我五郎を演じる田中哲司など一部は初演と同じキャストだが、新しく松雪泰子、木村了などが加わる。改めて本作に取り組む長塚に話を訊いた。『浮標』チケット情報「初演の時、稽古に入るだいぶ前に、上演時間を計るために少人数で本読みをしたんですが、その時僕自身が久我五郎のパートを担ったんです。そしたらもう気持ちがぐらぐらになってしまって。(読むのが)とても大変だったんだけれど、それくらい、強烈な戯曲なんです」。物語の舞台は、1930年代末の千葉県郊外の海岸。ここで暮らす洋画家・久我五郎は、病気の妻を懸命に看護しているが、貧困にあえぎ、画壇からは遠ざけられ、さらに唯一の親友は戦地へ送られようとしている。妻の容体は悪く、余命は短い。全ての支えがなくなろうとする中、五郎は自らの芸術、人生、生命と死を根源まで突き詰めていく。「大切な人が目の前で消えようとしている時に、徹底的に生きることを見つめ、現実とも真摯に向き合う五郎のエネルギーがすごい。そして画家としての五郎を通して浮かび上がる三好十郎という劇作家の魂を前に、自分だったらと考えてしまう部分もありましたね」。長塚は、1930年代へと観客を誘うため、ひとつひとつの役、背景についてなど全員でディスカッションを繰り返す稽古を行った。「最初はみんな驚いてました(笑)。ところが途中から、どんどん発言するようになってきて。今回もこの方法は実践しようと思います。俳優がイメージを広げておかなければ成立しないんです、特にシンプルな抽象的セットの中でこうした芝居をやろうと思ったら」。砂と回廊を使う舞台美術などは前回と基本的に変わらないが、これには長塚のある思いが込められている。「劇というのは、何か大きなセットがなくても成立するのではないかと。とりあえず俳優がいるというところから始まる、そうした根本的なところに立ち返ってみたいと思ったんですね。何もない空間から何かが生まれて来るなら、演劇も捨てたもんじゃないなって。それは、観客の想像力を信じることでもあります。青空と言ったら、俳優も観客も青空が見える、そこにないものを思い浮かべる力を一緒に体験してほしいと思う」。長塚と俳優たち、さらには観客との相互作用で、『浮標』の世界がより濃厚に立ち上がることだろう。公演は9月20日(木)から30日(日)まで東京・世田谷パブリックシアターにて上演。チケットは8月11日(土)より一般発売開始。なお、チケットぴあでは7月22日(日)18時まで先行先着・プリセールを受付中。取材・文:沢美也子
2012年07月20日長塚京三、麻実れいらが出演する舞台『みんな我が子』。12月2日(金)に開幕するこの作品の稽古場に11月某日、訪れた。『みんな我が子』チケット情報はこちら作品は、アーサー・ミラーのトニー賞受賞作。現代社会を鋭く風刺する作風が特徴で、本作以外にも『セールスマンの死』『橋からの眺め』などは日本でもたびたび上演されている、現代アメリカ演劇を代表する作家だ。この戯曲を、今回は33歳の若さながらあのハロルド・プリンス(『オペラ座の怪人』や『キャバレー』などの演出家)の一番弟子と言われるダニエル・カトナーが演出を手がけるのも話題だ。当日の稽古で集中的に行われていたのは、1幕後半のシーン。舞台はある一家の裏庭だ。一家のあるじジョーと妻ケイトには、戦争に行ったまま戻らない次男ラリーがいる。この日はラリーの婚約者アンが訪ねてきた。実はアンはラリーの兄クリスと密かに愛し合っているのだが、ラリーの帰還を信じるケイトにはそれは到底認められない……。長塚演じるジョーは工場を経営し、成功を掴んでいるかのように思える男。長塚のダンディさと朗々たる声は、成功者らしい堂々とした存在感を生む。だが心の底に隠した秘密や小心さが、言葉を重ねるたびに浮き彫りになっていくよう。麻実もケイトを上流階級の夫人らしいフレンドリーさ、真実から目をそらす母親としての愚かさと悲しさを巧みに演じる。このベテランふたりがやはり稽古場の空気を牽引しているようだ。そこにアン役の朝海ひかる、クリス役の田島優成が若者ならではまっすぐな悩みを清潔感をもってぶつけていく。ダニエルの演出は「その足で一歩奥に入ってください」「“ラリーのことは忘れたわ”というセリフはもっとクリアに」等々、細かい。だがその一言一言に、次男の生存を信じる母、すでに諦めているが母にそれを言えない父と長男、そしてその真実を突きつける存在である来訪者、という緊張感ある人間関係が、ビジュアル的にも明確になっていくのがわかる。さらに「先ほどは歩きながらセリフを言いましたが、今度は止まって言いましょう」など様々なトライアルを繰り返す。その柔軟さに呼応するように、俳優たちも積極的に演出家に質問を出していく。特にベテラン・長塚が「どちらのパターンが良いか」など、フットワーク軽くダニエルとディスカッションしている。とても知的な創作現場という印象だ。この日は他に、アンの兄・ジョージ(柄本佑)がやってくる2幕冒頭のシーンの稽古もあった。ジョーの隠していた真実を糾弾する彼の存在は、一家の崩壊の種を爆発させる。1幕とは別の緊張感があり、物語は急展開を見せる。作劇的にもスリリングなこの作品、気鋭の演出家と充実した俳優陣が創り上げる本番が楽しみだ。公演は、東京が12月2日(金)から18日(日)まで新国立劇場 小劇場、大阪が12月20日(火)・21日(水)にサンケイホールブリーゼにて。チケットはともに発売中。
2011年12月01日長塚京三、麻実れいらが出演する舞台『みんな我が子』の制作発表が10月28日都内で行われ、長塚、麻実に加え田島優成、朝海ひかる、柄本佑、演出のダニエル・カトナーが登壇した。『みんな我が子』のチケット情報本作は『セールスマンの死』などで知られる現代アメリカ演劇の劇作家アーサー・ミラーによるトニー賞受賞作。ブロードウェイでの初演は1947年、その後2008~2009年に再びブロードウェイで、2010年にはウエストエンドでも話題となった。今回の日本公演では『オペラ座の怪人』『キャバレー』の演出でおなじみのハロルド・プリンスの一番弟子であるダニエル・カトナーが作品を手がける。舞台は第二次大戦後のアメリカのとある家族の一日。父・ジョー(長塚)は家族の前では強い父親として生きてきたが、戦争中のビジネスにおいて他人に明かせない秘密を持っていた。そんなジョー一家を元ビジネス・パートナーの娘で、ジョーの次男の恋人であるアン(朝海)が訪ねてくる。アンの来訪を機に絶望へと突き落とされるジョー。やがて家族は崩壊して……。麻実から舞台共演のラブコールを受けた長塚は、ミラー作品の無骨な父親像に思い入れがあると言う。「芝居を始めた19~20歳の頃、いつかこういう役をやる日が来るのかな」と思っていたそうで、早くから手に職をつけ事業を興した長塚自らの父親にも重ね合わせ、オールドタイマーだが魅力的な父親たちへのレクイエムの意味も込めるとか。また麻実演じるジョーの妻・ケイトは夫に従順だが、戦争中に行方不明になった次男の帰りを待ち続けている役。「ケイトの心の中は何層もの思いに強いられ、それぞれの思いが同時に進行していく。演じる者として難しい。今は一語一語、一行一行確認中だが、(刺激的なカンパニーで)素敵な何かが先に見えるような気持ち」と心境を語った。演出のダニエルは「まだ稽古2日目だが、既にこの作品はアメリカの文化を超えたクロスカルチャーで普遍的な作品になっている」と手ごたえを感じているそう。また、「この作品を悲劇と受け止める方も多いと思うが、コメディの部分や心温まるシーンもあり、バラエティに富んでいる」とも語り、観劇後に必ず良いサプライズがあるだろうとアピールも欠かさなかった。『みんな我が子』は12月2日(金)から18日(日)まで、新国立劇場 小劇場にて上演。その後、12月20日(火)・21日(水)には大阪・ サンケイホールブリーゼでも上演される。チケットはいずれも発売中。
2011年10月31日2010年4月9日に永眠した井上ひさしの70近い戯曲の中から8作品を、蜷川幸雄、栗山民也、鵜山仁、長塚圭史の4人が演出し、『井上ひさし生誕77フェスティバル2012』として開催されることが決定した。なお、長塚は井上戯曲初挑戦となる。『十一ぴきのネコ』チケット情報このフェスティバルは、2011年11月16日に井上ひさしが77歳の誕生日を迎えることを祝い、2012年に喜寿のフェスティバルとして開催を予定していたが、趣向を変えて“生誕77年のフェスティバル”として開催することとなった。生前、井上ひさし自身もこのフェスティバルについて「それは、大変おもしろいね」と楽しみにしていたそうで、今回、井上戯曲とつながりの深い演出家や、生前に親交のあった関係者らが協力する形での実現となる。なお、フェスティバル参加作品は以下のとおり。公演は1年を通じて上演される。・長塚圭史…『十一ぴきのネコ』紀伊國屋サザンシアター1月・鵜山 仁…『雪やこんこん』紀伊國屋サザンシアター2月、『芭蕉通夜舟』紀伊國屋サザンシアター8月・栗山民也…『闇に咲く花』紀伊國屋サザンシアター4月、『藪原検校』世田谷パブリックシアター6月、『組曲虐殺』天王洲・銀河劇場12月・蜷川幸雄…『しみじみ日本・乃木大将』彩の国さいたま芸術劇場7月、『日の浦姫物語』Bunkamuraシアターコクーン11月チケットは東京・紀伊國屋サザンシアターの『十一ぴきのネコ』が10月29日(土)より発売。上演スケジュールは2012年1月10日(火)から31日(火)まで。その他の公演は詳細が決定してからの発売。
2011年10月11日