食べる量は変わらないのに、「最近なぜか太ってきた」「脂肪がやわらかくなってきたみたい」という40代女性に多い声。閉経後はますます体型の変化が予想できるけど、何をしていいかわからない……。そんな不安に、産婦人科医・漢方内科医の駒形依子先生が答えてくれました。閉経するとコレステロールがたまりやすくなる閉経すると、女性ホルモンのエストロゲンを生成しなくなりますが、エストロゲンの原料はコレステロール。つまり、エストロゲンをつくらなくなる分、コレステロール値が上がりやすくなります。そこで閉経後、それまでと同じ生活を続けるとコレステロールがたまり、太りやすくなってしまうのです。50代からの食べないダイエットは逆効果!50代になると急激に筋肉量が減り始めます。筋肉量が減ると、筋肉に行っていた血液量が減り、血液量が減ると体は冷えてしまうように。そこで体は、一番大切な内臓を冷やさないように脂肪で固めようとします。そのため、おなか周りに脂肪が付きやすいのです。つまり、内臓を冷やさないようにすることが必要なのですが、そのためには、体を温める食べ物をしっかり食べることが大切です。固形物を食べる吸収熱と消化熱で体は温まります。50代からは食べないダイエットは体を冷やす原因となり、逆効果になるので避けましょう。冷えやすい下半身の筋肉のストレッチから!閉経すると、子宮と卵巣への血流が減っていきます。すると、それまで子宮と卵巣に運ばれていた血液は、上半身に集中します。血液は下に下がるよりも上に上がる力が強いためです。その結果、のぼせたり、めまいがしたりといった更年期症状が出やすくなります。一方の下半身はというと、血流が悪く冷え切っています。そのため、上半身はのぼせているのに足の先は冷えているという現象が起きてしまいます。それを解消するためには、血流を下へ向けてあげることが大切です。効果的なのはスクワットなどの筋トレですが、大変ならばお風呂上がりのストレッチでもOK。まずは意識的に、下半身の筋肉を積極的に動かすことが大切です。まとめいかがでしたか? 筋トレはちょっと……という人も、ストレッチなら始めやすいのではないでしょうか。まずは、意識的に体を動かすこと。そして大切なのは、しっかり食べて体を冷やさないこと。できることから始めてみはいかがでしょうか。取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2020年12月24日40代になってから、「生理が今までと違う」と感じたことはありませんか? 更年期症状や閉経のことが気になる年代が抱えやすい生理の悩みについて、産婦人科医・漢方内科医の駒形依子先生に聞きました。生理がいつもと違う=閉経のサインではない!40代になると卵巣機能が低下し、ホルモンバランスが崩れ、生理が乱れやすいのは事実です。しかし、だからといって生理不順のすべてが更年期症状であり、閉経のサインというわけではありません。閉経の前後5年間、合計10年間を更年期と呼びますが、閉経前の生理不順が更年期によるものだったとわかるのは閉経になってから。生理不順の原因には、さまざまな病気が隠れていることもあります。閉経が近づくと回数が減っていきます閉経が近づくと、生理の回数が1カ月おき、2カ月おき……と少しずつ減っていくことが多くなります。その後、1年間継続して生理が来なければ閉経となります。ただ、8カ月なかったのに生理が来たという生理不順が潜んでいることもあります。それまで順調に生理が来ていたのに突然止まるというケースは少なく、多少なりとも不安定な時期を経て、閉経に向かっていくと言えます。量は多かったり少なかったり、人それぞれ回数は減っていきますが、量については個人差があります。閉経が近づくと量が減っていくと思っている人も多いようですが、必ずしもそんなことはありません。卵巣機能が低下してホルモンバランスが崩れることで急に多くなったり少なくなったりと、経血の量は乱れやすくなります。生理が今までと違うからといって慌てる必要はありませんが、年1回の健康診断は必ず受けてセルフチェックしておきましょう。そのとき、婦人科のがん検診とエコー診断を受けるとさらに安心です。まとめいかがでしたか? 閉経が近づくと、生理の回数や量がそれまでとは違ってくるということがわかりました。ただ、閉経とは関係ないケースもあるということも忘れずに。定期的に健康診断を受けて、セルフチェックすることが大切です。取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2020年12月20日40代になるとそろそろ気になってくるのが閉経。早く終わってほしい、終わるのは寂しい……と感じ方は人それぞれですが、閉経とはどういう状態なのか、何歳くらいで訪れるものなのか、閉経の基礎知識を産婦人科医・漢方内科医の駒形依子先生に聞きました。卵がなくなり、1年生理が来なければ閉経閉経とは、生理が1年来ない状態になったことを言い、最後の生理から1年以上たってから判断します。年齢とともに卵巣の機能が低下し始め、また、出生時に約200万個あった卵子のもととなる原始卵胞の数も少なくなってきます。そのため、更年期に入り閉経が近づくと生理周期が乱れたり、生理があっても無排卵月経が増えたりしてきます。原始卵胞がなくなった時点で閉経となります。閉経の平均年齢は50.5歳。実際は個人差が大きい日本人女性の平均的な閉経年齢は50.5歳ですが、個人差があります。40代で閉経する人もいれば、50代後半まで続く人もいます。40~50代のライフスタイルはさまざまで、体質や体力、気質や性格も千差万別です。閉経へのプロセスは、卵巣機能低下による女性ホルモンの減少由来以外にも、仕事、子育て、夫婦関係、介護、嫁姑関係、経済状況、もともとの健康状態などと複雑に絡み合っています。閉経がいつ訪れるか、事前に特定する方法はない!残念ながら、閉経の年齢を特定することはできません。ただ、閉経前後の5年間を更年期と呼びますが、この時期はホルモンバランスが崩れ、体調も崩しやすくなります。健康診断や検査では問題ないのに体調不良が治らない場合、更年期症状が考えられますが、閉経後に「あれがサインだったのか」と思うことも多いです。また、徐々に月経回数が減っていくこともサインの1つです。ただ、月経回数が減ってからしばらく続く人もいます。まとめ「卵がなくなれば閉経」という先生の言葉に改めて納得。妊娠・出産の条件がなくなることが閉経と感じました。閉経時期を特定する方法はありませんが、サインがないわけではないので、自分の体に向き合ってみる機会と捉えても良いかもしれません。取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2020年12月17日産婦人科医と美容家による「閉経」のホント閉経や更年期について、産婦人科医師と美容家が解説している新刊『「閉経」のホントがわかる本』が発売された。著者は産婦人科医師で医学博士、対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座院長、NPO法人女性医療ネットワーク理事長の対馬ルリ子氏と、美容家でオーガニックスペシャリストの吉川千明氏である。四六判256ページ、1,700円(税別)の価格にて集英社より発売中である。キーワード検索や「わたしカルテ」も全ての女性に訪れる更年期。更年期は閉経前の5年間、閉経後5年間の計10年間のことをいい、心身に変調をもたらす。閉経や更年期という言葉は口にしづらく、その時期にある女性でも考えたくないと思ってしまうが、不調に直面し、相談しづらいことから1人で悩むことになってしまう。新刊では貴重な10年間とその後の人生を左右する閉経、更年期、女性ホルモンの正しい情報を紹介。様々な不調に対し、なぜそうなるのか、対処法、相談先などがわかりやすくまとめられている。120以上の用語については、キーワード検索で該当のページを探すことが可能となっている。また、検診データなどを記録できる「わたしカルテ」が収録され、記載のQRコードによりダウンロードも可能。何枚でも継続的に「わたしカルテ」を作ることができる。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※「閉経」のホントがわかる本~更年期の体と心がラクになる!/対馬 ルリ子/吉川 千明 - 集英社の本 公式
2020年09月11日通常、生理が終わるのは50代に入ってからと言われていますが、「早期閉経」といって、若くして閉経してしまうことがあるというウワサを聞いたことはありませんか?そんな話を聞くと、もともと生理が不規則な人は不安になりますよね。そこで、本当にそんなことが起きるのかどうか専門家の先生にお話を伺ってきました。 答えてくれたのは……三鷹レディースクリニック院長天神尚子(てんじんひさこ)先生日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。 早期閉経(早発閉経)とは?「閉経とは1年以上無月経の状態で、かつ脳から指令を出すホルモン(性腺刺激ホルモン)が高値で女性ホルモンのエストロゲンが低値を満たす場合をいいます。通常は50代前半が多いとされています。早期閉経はホルモンの条件は同じですが、40歳未満で4~6カ月無月経の場合をいい、自然発生率は1%ほどです」 Q.生理がいきなり終わることってある?A.ない「女性ホルモン(エストロゲン)は30代後半から減りはじめ、40代に入ると卵巣機能が少しずつ低下してくるために排卵や生理も不規則になります。また、エストロゲンが減少することで子宮内膜が薄くなるため経血量も減っていき、大体50代で閉経を迎えます。生理はいきなり終わるというより、じょじょに不規則になって、量も少なくなって閉経に移行するという感じです」 Q.20代で閉経することもある?A.ない「普通はありません。あるとすれば、手術で両側卵巣を摘出したり、脳下垂体の手術をして女性ホルモンを出すための指令を脳が出せなくなった場合です。また、卵巣がんや子宮がんの化学療法や放射線治療によって卵巣の働きが低下して生理がこなくなることもあります。この場合は将来の妊娠に備えて治療の前に採卵して卵を冷凍保存することもあります。あとは染色体異常や遺伝的なものも言われていますが、実際には原因がよくわからないことが多いです。早期閉経が起こるのは、30代後半くらいからですが、それによる低エストロゲン状態が続くとホットフラッシュなどの更年期の症状や骨量低下、高脂血症などのリスクが出てくるためホルモン補充療法を行います。これによって卵巣機能が復活することもあります」 20代~30代前半の健康体であれば、早期閉経の可能性はほとんどないということが分かりました。また、早期閉経になってもホルモン療法で復活することもあるそうなので、ちょっと安心ですね。もし20代で急に生理が来なくなったり明らかに量が減っている場合は、妊娠や病気の可能性が高いということなので、迷わず受診することをおすすめします。 監修者:医師 三鷹レディースクリニック院長 天神尚子 先生日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。
2020年05月27日一般的に女性は10代前半で生理が始まり、年齢を重ねると卵巣の機能が次第に衰え、生理が完全に止まる閉経を迎える。閉経の目安は50歳前後とされている一方、最近では卵巣機能の異常から「早期(早発)閉経」になってしまう20代や30代の女性も出始めており、問題視されている。ただ、最新の研究は食事によってそのリスクを低減できる可能性を示唆している。海外のさまざまなニュースを報じる「MailOnline」にこのほど、「ビタミンDと閉経の関係」にまつわるコラムが掲載されたのでその内容を紹介しよう。閉経を迎えると骨粗しょう症や心臓疾患のリスクが高まり、妊娠の機会が減る。生理が止まった後、生理がない状態が1年間以上続けば、閉経したと診断されるのが一般的だ。ビタミンDは女性の卵巣の老化ペースを緩やかにすると考えられており、今回の研究によって、ビタミンDが含まれている脂っこい魚や卵を食べれば早期閉経リスクを17%低減できることが判明。さらに、カルシウムの豊富な食べ物でも卵巣老化リスクが13%低くなることも明らかになっている。ハーバード大学を含むアメリカの研究チームは、20年以上にわたり11万6,430人の女性医療従事者を分析した。研究期間中に5回の食生活アンケートを行い、2,041人の女性が閉経期を迎えた。その結果、最も多くビタミンDを摂取していた人たちは早期に閉経を迎えるリスクが17%低かったとのこと。また、カルシウムを多く摂取していた人たちも早期閉経のリスクが13%低かったそうで、この結果は牛乳に閉経を遅らせるホルモンが含まれていたのが主因と考えられている。「早期閉経は心血管疾患や認知症、骨粗しょう症のリスクが高くなることと関連しているだけではなく、女性の妊娠機会にも影響を及ぼします。たとえば、43歳に閉経期にはいる女性は33歳から妊娠が難しくなる可能性があります。科学者は、早期閉経のリスクを下げるものを探しています。食生活のように簡単に変更できるものでリスクを下げられるのであれば、女性にとっては朗報です」と研究をまとめた論文の筆頭著者であるマサチューセッツ大学のアレキザンドラ・パードゥ-スミス氏は語る。そのうえで「女性はビタミンDとカルシウムが豊富に含まれている乳製品や、脂っこい魚を食べることで早期閉経のリスクを減らすことができます」とパードゥ-スミス氏は続ける。ビタミンDは日光をもとに生成できるが、脂っこい魚や卵黄、強化シリアルなどから摂取できる。ビタミンDのサプリメントが早期閉経予防に効果があるのか否かに関しては、今後の研究が必要だと研究者グループは結論づけている。※写真と本文は関係ありません○記事監修: 杉田米行(すぎたよねゆき)米国ウィスコンシン大学マディソン校大学院歴史学研究科修了(Ph.D.)。現在は大阪大学大学院言語文化研究科教授として教鞭を執る。専門分野は国際関係と日米医療保険制度。
2017年05月24日12歳前後で始まって以降、毎月やってくる生理。しかし女性が年齢を重ねると、やがては「閉経」し、生理が来ることはなくなります。閉経の前後には、さまざまな症状や体の変化が起こるといわれています。それらは、いつ頃、どのように起こるのでしょうか。今回は、どんな女性にも訪れる閉経の基礎知識をお伝えします。○閉経年齢の目安は「50歳前後」閉経とは、卵巣の機能が次第に衰え、生理が完全に止まること。生理が止まった後、生理がない状態が1年間以上続けば、閉経したと診断されるのが一般的です。閉経する時期には個人差がありますが、日本人の平均的な閉経年齢は50歳前後といわれています。若い女性は、まだ先のことのように思えるかもしれません。しかし最近では、20代や30代で卵巣機能の異常により閉経してしまう女性も増えています。これは「早発閉経」と呼ばれ、多くの場合は原因不明ですが、ストレスや無理なダイエットが関係していると考えられています。そのほか、遺伝や免疫の異常などが早発閉経を引き起こす可能性もあります。○閉経前に起こる兆候閉経に向けた体の変化は、30代後半からすでに始まっています。女性の体の中では、35歳を過ぎたあたりから、卵巣の加齢が少しずつ進み始め、妊娠や生理に大きな影響を与える女性ホルモン「エストロゲン」の分泌も減り始めます。45歳前後になると、エストロゲンの分泌は急激に減少します。するとホルモンバランスが不安定になり、生理の周期が長くなったり短くなったりと、不規則になりやすくなります。また、ホルモンバランスの崩れが自律神経の乱れを引き起こすため、不眠や肩こり、冷え、頭痛のほか、のぼせやほてりとともに大量に汗をかく「ホットフラッシュ」と呼ばれる症状が起こることも。イライラや憂うつなどの精神的な症状に悩まされる人もいます。なお、閉経前後の約5年間を「更年期」といい、先に挙げた閉経の予兆といえるさまざまな症状を「更年期症状」と呼びます。40代半ばになって生理不順が続いたら、そろそろ更年期に入り、閉経に近づいているのだと考えて、心の準備をしておくとよいかもしれません。ただ、更年期症状には個人差も大きく、人によっては、特に予兆がなく、突然生理が終わることもあるようです。また、不正出血(生理時以外の出血)がある場合は、子宮筋腫や子宮がんなどの病気の可能性もあるので注意が必要です。○閉経後はどうなる?閉経すると、卵巣の機能が止まるため、妊娠しなくなります。ただし、いったん閉経したと診断されても、その後1年ほどは、妊娠する可能性がゼロではありません。妊娠を望まないのであれば、避妊を続けた方がいいでしょう。そのほかの体の変化としては、卵巣から分泌されていた女性ホルモン(エストロゲン)がほとんど分泌されなくなるため、おりものの量がぐっと減ります。腟のうるおいも少なくなるため、セックスのときに痛みを感じることもあるでしょう。また、エストロゲンは、骨や血管の健康を維持する役割を担っているため、閉経してエストロゲンの分泌が低下すると、骨粗しょう症や動脈硬化などの病気にかかるリスクも高まります。○更年期症状に悩んだら、婦人科へ閉経前後に生じる更年期症状は、婦人科で、女性ホルモンを補う治療(ホルモン補充療法)や漢方療法などを受ければ、改善する可能性があります。先述のように、症状の陰に病気が潜んでいる可能性もあるので、症状がつらいときや気になることがあれば、必ず医療機関を受診してください。更年期から閉経後にかけての性生活では、パートナーとよく話し合って、無理のない範囲で工夫しながら楽しむことが大切です。セックスのときの痛みがある場合は、ホルモン補充療法で改善することもありますし、潤滑ゼリーを使う方法もあるので、婦人科を受診した際に相談するといいでしょう。何かと不調が多い更年期ですが、更年期症状が落ち着くと、精神面でも体調面でも安定した時期がやってきます。閉経後の50代や60代になっても、多くの女性が仕事や趣味を楽しみながらアクティブに過ごしています。若いうちは「閉経なんてまだまだ先」と思いがちですが、更年期を前向きに乗り切るためにも、今のうちから知識を身につけておきましょう。※画像は本文と関係ありません○記事監修: 星合明医師星合勝どきクリニック 院長1986年獨協医科大学・医学部医学科卒業。1992年獨協医科大学大学院卒業。同年獨協医科大学付属病院産婦人科臨床助手。1994年より獨協医科大学産婦人科教室非常勤講師。その後、文京区星合産婦人科病院副院長を経て2001年2月より、東京都中央区勝どきにて「星合勝どきクリニック」を開設、医長を務める。
2017年03月22日ファイザーはこのほど、「閉経後の女性の骨粗しょう症に対する意識・実態調査」の結果を発表した。同調査は2月5日~7日、50代以上の閉経後女性3,090人を対象にインターネット上で実施したもの。はじめに「骨粗しょう症」の認知度について調査を行った。その結果、「どのような病気か詳しく知っている」(76.6%)、「名前を聞いたことはあるが詳しくは知らない」(23.2%)をあわせると、99.8%が骨粗しょう症について認識していることがわかった。そこで、骨粗しょう症について認識している人にいくつか質問をした。まず「骨粗しょう症の具体的な症状や情報について知っていること」を聞くと、「骨がスカスカになる」が91.0%で最多となり、次いで「骨がもろくなりちょっとしたことで骨折しやすくなる」(88.2%)、「骨折して寝たきりの原因にもなる」(76.0%)が続いた。一方、「糖尿病などの生活習慣病と関連がある」(12.9%)、「放っておくと悪化し寿命が短くなる」(19.3%)、「骨折しても痛みや自覚症状がないことがある」(34.7%)、「治療すると骨折をある程度防ぐことができる」(45.7%)などについては、半数以上の人が知らないことがわかる。また、「もし骨粗しょう症で病院を受診するとしたら、どこへ行くと思うか」と尋ねたところ、「整形外科(診療所 / クリニック)」(38.7%)、「整形外科(大きな病院)」(24.2%)、「内科(診療所 / クリニック)」(12.5%)の順で多い結果となった。一方、14.9%の人は「どの診療科に行けばよいかわからない」と回答し、特に50代の回答者では19.0%と約2割を占めている。次に「自身が骨粗しょう症になると思うか」を尋ねたところ、72.1%が「骨粗しょう症になる可能性があると思う」「今はないが、将来なる可能性があると思う」と回答。しかし、その中で骨粗しょう症の検査を受けたことがない人は35.7%にのぼっている。一方で「骨粗しょう症になる可能性はないと思う」と答えた人も20.8%おり、その理由を聞いたところ、「食事に配慮しているから」(49.2%)、「適度な運動をしているから」(47.7%)という回答が上位にあがった。さらに「骨粗しょう症の検査を受けたことがあるか」との質問については、「受けたことがない」人が33.3%。50代では51.0%と半数以上にのぼっている。エリア別で見ると、検査を受けたことがない割合は九州エリアでは46.2%、中国エリアでは41.7%と4割以上に達し、関東エリアの30.5%、中部エリアの32.1%、近畿エリアの32.9%と比べて1割程度高くなっている。なお、「身近な人(親族、知人問わず)で、骨粗しょう症になった人がいる」人(29.7%)であっても、23.9%が検査を受けたことがないことがわかった。「検査を受けたことがない」と回答した人に未受診の理由を聞くと、「気になる症状がなかったから」が44.8%で最多となった。次いで「検査を受けに行くきっかけがなかったから」(44.6%)があがっている。続いて、全回答者に対して「若い頃より身長が低くなったか」との質問をした。その結果、「身長が2~3cm縮んだ」は35.4%、「身長が4cm以上縮んだ」は3.7%と、あわせて約4割の人が2cm以上身長が縮んでいたことがわかった。なお、「2cm以上の身長低下の場合は、50%以上の可能性で背骨の骨折がある」という報告もあるという(「Siminoski, K. et al.: Osteoporos Int 16(4): 403, 2005」より)。それを踏まえて、「若い頃より身長が2cm以上縮んだ」と答えた人に「骨粗しょう症の治療をしたことがあるか」と尋ねたところ、73.2%の人が「骨粗しょう症と診断されておらず、治療もしていない」と回答。骨粗しょう症の症状が放置されている可能性が示唆された。
2015年03月10日