今回は昨年の個展に出した作品からお気に入りをひとつ 「Aji Shimi Chan」 こちらおでんの「だいこん」です。私の絵は女の子やお花や星など、わりとラブリーなものをモチーフにすることが多いので、その意外性もあってなのか、個展では一番人気になっていました。 最近は絵を描くときに、スッと思いつく時もあれば全然出て来ないときも多々あります。そんなとき、前回アイデアの源としてインスタグラムのストーリーを挙げましたが、もう一つ頼るのがiPhoneのメモに書き溜めているポエム的な言葉たち。 外を歩いているときに大抵思いつくのですが、思いついたら忘れないうちにすぐメモしています。後々読むと、「何これ・・!」みたいなことも多々ありますが、言葉から発想するのもとても面白いです。 この絵の時は、プライベートでしばらく悪い状態が続いていて、何回やっても変わらないなあとため息をついていたときにメモした言葉。 あまり良くない状況にあっても、一瞬光が射すようにポジティヴシンキングになるときがあります。今現在染みてる最中だから、美味しくなるまでの途中経過なのだと前向きに捉えることができました。 ちなみにこちらは1枚目に描いたもの。 おでんの大根を描きたいけど、ぱっと見それには見えないようにしたいな、と思い、最初はむらさき色に。でもあまりにも大根には見えないな、と思い描き直しました。 レモンに見える人、最初から大根と分かる人、いろいろで面白かったです。 「あじしみちゃん」 もしかすると、まずは自分を元気にするために絵を描いているのかも?と最近感じています。
2019年01月31日MICHU COQUETTEといえば、小花のvintageカボションを思い浮かべて下さる方も多いかと思います。ピアスやブレスレットなどのアクセサリーを始め、巾着やポーチなどの袋物、雑貨などにもポイントにつけたりしています。カボションは、1950年代海外に向けて作られたセルロイドの日本製ヴィンテージパーツ。ひとつひとつ手作業でハンドペイントされていますので、同じパーツでも色が濃かったり薄かったり、はみ出ていたり逆にちょっとしか塗られてなかったり…とハンドメイドの味が感じられ、とても繊細な作りになっています。発色もネオンカラーっぽくとてもきれいなものもあるので、日本で、しかも戦後間もない時に作られたものだなんてとても思えない、パリのクリニャンクール蚤の市ででも置いてあるかのような趣です。 形は、バラやデイジーなどのflower型、犬や鳥や魚などの生き物、苺やチェリーやバナナなどのフルーツなど様々で、数えきれない程すごくたくさんの種類があります。 このvintageカボション(※以下カボション)を初めて見た時のことは、今から10年以上も前のこと。 ですが、最近物忘れが激しめの私でも、どこで誰と一緒にいたかまで覚えているほど!一瞬で恋に落ち、脳内一面にぱっと花が咲き、心をまるっと持っていかれました。 小さな雑貨屋さんで、このお花のカボションを5~6個ずつ可愛い台紙に入れて売ってありました。「なに!この可愛いお花のやつ!」と、一緒にいた友達と発奮し、その時私は特に好みのものが入っているものを選んで2袋だけ購入して帰りました。それから私がこのカボションを使ってアクセサリーを作るようにまでは3~4年空白の時があったのですが、その間はこれらを宝箱にしまって、時々眺めては心をときめかせていました。 最初にどんなアクセサリーから作り始めたかは、また次のお話で。 ▲2019年と2016年のMICHU COQUETTEの年始のご挨拶ヴィジュアル 悲しいのは、これらはもう市場からどんどん姿を消し、だんだんと手に入りにくくなっていること。ヴィンテージなのでそれもしょうがないですよね。そして、今でもずっと変わらず、本当に可愛くてかわいくてしょうがないです。今手元にあるものは、使ったら使っただけ減っていき、増えることもないかと思うととても切ないのですが、それ以上にこのカボションを使ったMICHU COQUETTEのアクセサリーを手にして下さる方が、キュンとときめいて下さると良いな、という思いでひとつひとつ大切に、心を込めてハンドメイドしています。そんなmichuの熱い想いが届くといいな。
2019年01月29日今回は函館にあるアトリエを紹介します。 函館にご縁ができたのは、2016年のこと。個展のお誘いをいただき、初の北海道へ行くことに。 函館は港町ということもあるのか、わたしの地元の横浜と街の雰囲気がどこか似ていて、自然も豊かでとても落ち着き、さらには展示で関わってくれた方々がみんな柔らかくて、それから函館の虜に。 今はご覧の通りスノーワールドですが、東京にいると雪を見る機会があまりないので、真っ白な光景はとても美しくて癒されます。そして夏は東京から逃亡し、心地よく。(←これ重要!) アトリエはインスピレーションにしている本たち、だいすきなアンティークのものたちに囲まれ、ここに居るだけで幸せ。 表紙のビジュアルが不思議でインパクトのあるこちらは、GIUSEPPE PINOのポートレート写真集。その時の気分で書見台に飾る本を変えてみたり。 そして最近、兵庫にあるアンティークショップ「Sibora」さんからお迎えしたマリア様と、神保町にあるセレクトショップ「FESTINA LENTE」さんから、人型オブジェも仲間入り。 ああ、かわいいな。 こうして、どんどんすきなものが増えてゆくアトリエ。そろそろ壁の色もまた増やそうと企み中です。 WEB
2019年01月27日寒い冬にぴったりな「織りとニット」、そして前回好評を博した「刺繍」の2つに焦点を当て、2週連続での開催となります。 先週1月18日(金)〜1月20日(日)の「冬晴れ織りとニット展」では、まだまだ寒い冬の日に、家の中を明るく彩ってくれる織り物や、冬晴れの一日のお出かけを嬉しくする暖かなニットのアイテムをはじめ、これからやってくる春を楽しくする、軽やかなストールやかぎ針のアクセサリーなど、冬から春へと移り変わる季節にぴったりなアイテムが揃います。そして、今回は、手芸をこよなく愛する人たちに向けて、7組の出展者による、色とりどりの個性豊かな「糸」を集めた新フロアもオープン!様々なワークショップが開催されました。 そして2週目の今週、1月25日(金)〜2018年1月27日(日)の「春待ち刺繍展」では、アクセサリーやテキスタイル、インテリアアイテムなど、幅広い“刺繍”の作品がラインナップ。刺繍の花でいっぱいになった会場は、まるで一足早く春が訪れたかのようです。また、珠玉の作り手たちによる小さな宝石が集う「ブローチ博」も同時開催されるので、こちらも合わせてチェックしてみてくださいね! 今回は、新たに約20組の出展者を迎え、総勢約70組が集う“冬の布博”。布博のファンはもちろん、これまで布博に行ったことがない人も、ぜひ、この機会に出かけてみて。 「布博 in 東京 vol.12」 期間:WEEK1 / 2018年1月18日(金)〜2018年1月20日(日) WEEK2 / 2018年1月25日(金)〜2018年1月27日(日) 時間:10:00〜18:30※日曜 ~18:00 会場:町田パリオ 住所:東京都町田市森野1-15-13 入場料:¥500※小学生以下は無料 WEB:より
2019年01月22日こんにちは、コラージュアーティスト・グラフィックデザイナーのM!DOR!です。 以前、PeLuLuさんでインタビューを掲載していただいたご縁もあり(記事はこちら→ )、これからコラムを書かせていただくことになりました。 制作のこと、すきなもの、インスピレーションなどなど、いろいろなことを書いていきますので、よろしくお願いします! わたしは普段、主に1700~1940年ごろの紙ものを素材に作品を制作しています。 制作しているときは、自然と机の上もコラージュ状態。当時の紙ものをコピーせず、そのものを使用しているので、使えるのは一度きり。ひとつずつ丁寧に、ひたすら切る!切る!切る!の繰り返しです。 制作している間に、影と素材で遊んでみたり。 平面作品はもちろん、数年前から立体作品も作るようになり、楽しさ倍増。ガラスドームや木箱などを使い、そのなかに小さな世界を作っています。 立体作品にした時の影遊びが、またすきな時間。光を当てる角度や間隔によって変わる、もうひとつの世界。 次回はアトリエについて書こうと思いますので、どうぞお楽しみに。 WEB
2019年01月20日はじめまして、MICHU COQUETTE(ミチュコケット)のデザイナーのmichuと申します。50年代のvintageカボションを使ったアクセサリーや、ポーチなどの袋物、またイベントの時などは時々絵を描いたり、雑貨なども作ったりします。 この文だけ見ると、あれ?違うジャンルの事をあれこれと、なんだなんだ?となってしまうと思いますが…、向かうところはひとつ。そして主人公もひとり。 MICHU COQUETTEは2007年に立ち上げ、ソーイングから少しずつ始めました。 その時から既に“Aimée(エメ)”はいました。Aiméeとは、「MICHU COQUETTEをこよなく愛し、MICHU COQUETTEのお店に通い、いつも愛用している」というパリ在住の架空の女の子。 『MICHU COQUETTE』をどんなブランドにしようかな?というよりは、Aiméeのイメージ(外見や性格、住んでるところ、年齢、家族構成、趣味etc)の想像がどんどん膨らんで、彼女の方が先に誕生し、そんな女の子が大好きなブランドにしたい!という思いで、私の名前を掛けた“michu“と、ブランドテーマでもある"coquettish"を入れて『MICHU COQUETTE』としました。10年以上経った今も変わらぬテーマと熱い思いで現在も進行中です。 『MICHU COQUETTE』の実店舗はありませんが、Aiméeのストーリーの中では実在します。 ガラスのショーウィンドウから中を覗くと、店内にはアクセサリーやポーチやバッグの他に、香水瓶も見える。奥の方にはステキなランジェリーも置いてある。扉を開けるとベルガモットの香りがお出迎え。そして小さな花柄のラベルの付いたvintageスタイルのperfumeボトルが目に飛び込んでくる。「Bonjour」と声を掛けられ、Aiméeはそこでひと時の至福の時間を過ごす…。 こちら、2007年に作ったHPのトップ画像。 製作の際に使用するvintageカボションなどもいくつかお渡しし、イメージなどをお伝えして、webデザイナーさんに作っていただきました。当時、これがもう嬉しくてうれしくて、大好きでたまりませんでした。 今は時代がSNSに変わり、自営のウェブショップもブログもやっておらず、『MICHU COQUETTE』のロゴもすべて大文字表記にしたり、と長い月日が経過した為、こちらのHPも閉じてしまったのですが…。 今はインスタグラムとTwitterをやっています。年に一度はsolo showを行い、時々グループ展に参加し、その時のテーマに沿ったアイテム作りをしています。普段は、ECサイトUSAGI ONLINEにて毎月2回ずつ、新作や人気商品等の追加販売をしています。 コラム第1回目はほぼ自己紹介になりましたが、次からは制作秘話や、その他なるべく読んでいただける方に有益になるような事なども時々はUP出来るよう、それと同時にMICHU COQUETTEがより愛されるブランドになっていけるよう、私自身も日々精進しながらこちらのコラムをありがたく続けさせて頂きたいと思っておりますので、どうぞよろしくお付き合いくださいませ。 MICHU COQUETTEInstagram:
2019年01月18日はじめまして。イラストレーターの岡崎マリーと申します。今回からこちらでコラムを書かせていただくことになりました。今の私なりの目線から、日々考えていることや、発見、制作についてなど、お伝えしていけたらと思っています。 今回は一番最近のお仕事、ルミネエスト新宿店のウィンドウディスプレイについて。 初売りセールが一段落したその次ということで。まだ寒い時期ですが、春めいている雰囲気を感じられるようなものにしたいということと、HAPPY感、ボタニカルの雰囲気がほしいとのことでした。それ以外はもう自由に、と言ってくださったので毎日ふんわりと考えだしました。 ここ最近のアイデアの源はインスタグラムのストーリーで作っている写真や動画+ペイントです。朝の通勤途中や、何気ないときに撮ったものをその場でペイントツールで絵を描き、ストーリーにアップしています。 頻繁にそれをするうちに、デスクに向かってアイデアを練るのとは違うアイデアが浮かんでくることがわかりました。その場で撮った写真ということと、無意識なのがきっとポイントなんだと思います。 学生のころ、油絵を描くときにまずクロッキー帳に鉛筆で無意識のドローイングをたくさんしてそこから本番に向かう、という方法を取っていましたがそれに近い感じなのかなと思います。 今回のウィンドウも、そこから生まれています。また、そのストーリーにGIFのアニメーションを使うことで動きが生まれ、それもまたアイデアのヒントになります。 今回はそこから女の子が春の息吹をふーっと吹きかけているイメージが浮かんできて、それをベースに好きなものを肉付けしていきました。 ウィンドウディスプレイは1月いっぱいまで展示されているので、ぜひ早めの春を感じに来てください。 ルミネエスト新宿店ウィンドウ(新宿駅中央東口改札を出てすぐ)にて。ウィンドウディスプレイ:〜1月31日(水)同時期にルミネエスト4Fでは「HELLO,NEW ME!」のキャンペーン開催中のほか、東口タクシー乗り場近くでは同キャンペーンのデジタルサイネージも放映中。
2019年01月16日今年、最も光り輝いた日本のクリエイターたちを称える「Pen クリエイター・アワード 2018」が12月3日(月)に東京・有楽町のザ・ペニンシュラ東京にて開催され、受賞者として俳優の稲垣吾郎、吉田鋼太郎、女優の松岡茉優らが登壇した。創刊以来、新しい世界の扉を叩く表現者たちに注目してきた雑誌「Pen」は昨年に続き、特集「クリエイター・アワード2018」を組み、12月1日(土)に発売。なかでも活躍の目立った6組のクリエイターを招いて、同誌・安藤編集長より賞状が授与された。■吉田鋼太郎、「おっさんずラブ」が流行語大賞逃し「残念きわまりない!」受賞の気持ちを聞かれた吉田さんは「ドラマ『おっさんずラブ』が評判になり、田中圭くんや林遣都くんをはじめ、監督やスタッフなどとアツいチームワークがありました。みんなでいただいた賞だと思います」とコメント。2018年最もうれしかった“時”をふり返り、「『おっさんずラブ』は、連続ドラマになる前のスペシャル枠で放送された直後から反響があって、ヒットの予感がしていました。いまは放映した直後から、あるいはその最中に、観た人の感想がネット上で見られるじゃないですか。あれすごいですね」と語った。社会現象化した「おっさんずラブ」は今年の「新語・流行語大賞」トップテンにも選ばれたが、「できるなら、僕ら役者は続編をやりたいですね」と意気込みを明かし、「今年の流行語大賞を逃しちゃいましたけど、残念きわまりない!」と悔しそうだった。■松岡茉優、カンヌをふり返り「スローモーションみたい」『勝手にふるえてろ』『ちはやふる-結び-』『万引き家族』など、大活躍を見せた松岡さんは「こんな素敵な賞をいただいたので、また来年も再来年も『Pen』さんのページに呼ばれるような女優になれればいいなと思います」とコメント。2018年の最もうれしかった“時”は「やっぱりカンヌ」と言い、「私は緊張してふるえていたんですけど、是枝監督、樹木希林さんや作品に登場した主役のふたりがとても楽しそうに笑っていたので、スローモーションみたいに映像が思い出に残っています」とふり返った。来年への意気込みを聞かれると、「今年は言語の壁とか、カルチャーの壁を超えて、人の気持ちとか人間同士のつながりというものが映画で表現できることを痛感した年でした。私はテレビも大好きだからドラマもバラエティも頑張りたいですが、来年も映画という分野で、世界の方々と交流できるような女優さんになっていきたいと思います」と力強く語っていた。■稲垣吾郎、映画『半世界』がターニングポイント「自分じゃないような感じ」稲垣さんは「知的で夢のような賞をもらえて。本当に感激しています」と喜びを語り、「ちょうど去年のいま頃なんですが、『新しい地図』というものを香取(慎吾)くんと草なぎ(剛)くんと3人で始めさせていただいて。本当にゼロからのスタートだったのですが、多くのファンの方がついてきてくださって、そして多くのメディアやスタッフに注目していただいて、まさか去年のいま頃から考えると、この場に立ったり、お仕事に恵まれているなんてことは夢にも思っていなかった」と胸の内を告白。2018年の最もうれしかった“時”として「映画『半世界』の試写を観たとき」を挙げた稲垣さんは、「いままでやってきた役とはタイプが違って、山にこもって備長炭をひたすらつくり続ける炭焼き職人の役で、その試写を観た時に、自分じゃないような感じがして。俳優にとって、そういう自分が映った映画が完成したっていうことがとてもうれしかったんです」と語り、「映画がひとつのターニングポイントになるんじゃないかな」と自信を込めた。2019年はどんな年にしたいかとの問いには、「今年1年はみなさんも贔屓目に見てくださるところがあったと思いますが、来年は評価される年だと思います。僕らは、応援してくださる方皆様を“NAKAMA”と呼ばせていただいていますが、“NAKAMA”の皆様と地図を広げて、高みを目指していきたいと思っています」と熱くコメント。かと思えば、今年の流行語は「(吉田さんのほうを見て)やっぱり『おっさんずラブ』かなあ(笑)?」と笑顔を見せていた。また、「Pen」の表紙を飾ったことにも触れた稲垣さんは、「男性の憧れるものやライフスタイルを提案する雑誌の表紙を飾らせていただけるというのはすごくうれしいことですし、これからも男性の方々にも支持していただけるようにがんばっていきたいなと思っています」と、改めて喜びを噛みしめていた。そのほか授賞式には、受賞者の建築家・石上純也氏、彫刻家・名和晃平氏、「チームラボ」(ウルトラテクノロジスト集団)代表・猪子寿之氏が登壇。さらに、今年2月に「Pen」で特集した「バズる美女。2018」でフォーカスした美女インフルエンサーの記事が好評を博したことをきっかけに、PenOnlineで連載が始まった「#バズ美女」を代表して、モデルで実業家の佐藤マクニッシュ怜子、「リムアーク(RIM.ARK)」クリエイティブ・ディレクター/デザイナーの中村真里、スタイリストの丸林広奈、モデルの村田倫子の4人が登場した。(text:cinemacafe.net)
2018年12月04日自ら栽培した綿花で布ナプキンなど小物を製作するコットンクリエイター・桑名聖子さん。栽培から収穫、種をとり、紡いでいく……と工程の多いお仕事だけに、専用の工房をお持ちかと思いきや「生活のなかで仕事をしたいから」と、作業は専ら自宅でするのだそう。そんな桑名さんのご自宅におじゃましてきました。手探りで始めた綿花の栽培富山市新庄町に暮らす桑名さんは、種から無農薬で育てて糸を紡ぎ、布に織り、縫製まですべてを手作業で行なっています。桑名さんが綿花の栽培を始めたのは2012年のこと。友人たちと畑を共同で借りることになり、自分はなにを植えるかを考えたとき、ふと思いついたのが“綿花”だったのだそう。もともと手芸など手仕事が大好きだったという桑名さん。「最初は、綿花から布になる工程を知りたいと思ったのがきっかけでした。ちょうどそのときが4月で、綿花の時期で『綿を植えよう!』と思い立ち、種を買って植えました」綿花を育てるのは初めてだったという桑名さん。当時は、綿花の育てかたに関する本も少なく、ネットで検索しても情報を得ることができなかったため手探りでスタート。その年は、多くの綿花が虫にやられてしまい、実がひとつ、ふたつ育っただけでうまくいかなかったのだそう。2年目に向けて古い文献をあさり、育たなかった原因を調べて試行錯誤を繰り返した結果、綿花を育てることに成功。たくさんの綿を収穫することができたのだそうです。そして翌年も、たくさんの綿花を育てることができました。たくさん育った綿花。桑名さんは、これだけの量をひとりで収穫するのは大変だと思い、綿摘みのイベントを企画。綿摘みを手伝ってくれた人のなかに、染物と織物をやっている方がいて、その方から糸車を借りたのだそうです。桑名さんはそこから綿糸を紡ぐことも覚えていきました。綿花の栽培にのめりこんでいくなかで、桑名さんは布についての知識も深めていきました。そのなかで、布が体に害を与えるケースがあることを知り、食べ物にこだわるように、衣類も安全にこだわりたいと、本格的に布作りをスタート。現在は、春に種を撒き、秋に収穫。綿花から種を取り除き、糸車で紡いで糸にして、織りは知人が手がけますが、縫製は桑名さんが行っています。無農薬、無化学肥料で綿を育てて自分の手で紡ぎ、織り上げられた布。桑名さんはこれを生理用布ナプキンへと仕立てていきます。リビングと“ミシン部屋”がワークスペース桑名さんのワークスペースは自宅に2ヶ所。リビングの一角と、桑名さんが“ミシン部屋”と呼ぶ2階の部屋です。「いただきものの足踏みミシンは重くて動かせないのでリビングに置いています」と桑名さん。ふだんは、電動ミシンやロックミシン、道具箱などは別の部屋のクローゼットにしまっているそうです。足踏みミシンで縫製をする桑名さん。この日は、明日からのイベント出店に向けて布ナプキンづくりをしています。ミシン台の脇にある棚は、桑名さんの手作り。ネットでいろいろ調べ、どんな棚がいいのか考え、長さもビシッと測ってつくったというだけあって、ぴったりフィットしています。使い勝手もとても良さそうです。ミシンを使う際は、すぐ後ろにあるダイニングテーブルに道具一式を移動させ、ワークスペースを確保します。「手を伸ばせばものがとれるので便利です。夕飯はここで食べるので、そのとき道具はいったん、片付けます」収穫した綿から紡ぐ作業もここで行います。紡ぎ車を使い、ひたすら紡いでいくのだそう。「チマチマとする作業がとても好きです。一度始めると止まらなくて、気づくとすごい肩が凝っていたりします(笑)」と桑名さん。完成した布ナプキンやマスクなどは(市販の布も使います)、パッケージし、カゴにまとめていきます。「こうしておくと、イベントなどに出店するときはこのまま持って行けるし、店先に並べるときもこのまま置いて販売できるので便利なんです」かさばるものは2階のミシン部屋へ2階の寝室の奥にある部屋が、桑名さんのもうひとつのワークスペース“ミシン部屋”です。もともとここは、洗濯を干すランドリー部屋でしたが、桑名さんがゆくゆくはこの部屋をもの作りする場所として使えるように確保していたそうです。部屋に入ると左手に作業台があります。ここで作業をすることもあるのだそう。「ものすごく集中して作業をしたいときはここでやることもありますが、小さい犬がいるので、目の届くところで作業をしないといけないので、だいたいの作業はリビングですることが多いです」と桑名さん。部屋のコーナーを上手に利用して、道具の収納スペースをつくっています。古い裁縫箱を解体して壁に取り付け、糸を並べたり、L型受け金具の上に板をのせ、縫製道具を置いています。パッケージするときなどによく使うマスキングテープ。散らばらないように、そしてカットしやすいようにと、空き箱に穴を開けて棒を通し、マスキングテープがくるくる回るようにして“テープカッター”を自作。カッターの部分は、サランランプの箱についているカッターを剥がし、ここに貼り付けています。作業台の下には縫製道具や書類などをしまっています。カラーボックスを横置きにし、ファイルや本などを整理。作業台になにか付いている、と思い桑名さんに聞いたところ「これは、メジャーを貼り付けています。ここに貼っておくと、布を裁断するときなどに便利なんですよ」とのこと。なるほど!これはぜひ取り入れたいアイデアですね。たくさんの布は、このミシン部屋で管理しています。棚に並べ、カバーをかけて窓からの日差しで焼けないようにします。この棚も桑名さんの自作。スノコを組み合わせてつくったそうです。壁が珪藻土なので、擦れて粉で布が汚れるのを防ぐために、スノコに布を貼って対策をしています。棚の下段には、むかし着物などを入れていたのではないかという、いただきものの衣装箱を置き、そこに道具や布などを収納しています。部屋の奥から、布団屋さんで綿打ちしてもらったという綿布を出して来て見せてくれました。「いい香りがしますよ」と桑名さん。かがせてもらうと、青い草木の香りがほんのりしました。それにしても……これだけ綿や布、道具がたくさんあると、家で作業をするには少々しんどいのではないかと思い、桑名さんに「どこかに工房をつくって、そこに通って作業をするということは考えないのですか?」と尋ねてみました。すると桑名さんからこんな答えが返ってきました。「日常の延長というか、家のことをしながら隙間の時間で、家族をどこかに感じながら作業をするのが自分には合っているのだと思います」と。桑名さんは以前に生死をさまようほどの大きなケガをしたことがあり、そのときを境に、自分のなかで大切にすべきことの優先順位が大きく変わったのだそうです。工房を構え、もっと大きく仕事をしたいという想いがないわけではないけれど、桑名さんにとっていちばん大切なのは“家族”。「家の人たちには『ミシンがじゃまだ』って言われていますけどね」と微笑みながら糸を紡ぐ桑名さんの視線の先には、リビングで思い思いにくつろいでいる家族の姿がありました。綿工房Sentoko●取材協力綿工房Sentoko●写真・文忍章子
2018年11月28日雑誌『Pen』は27日、今年活躍したクリエイターをたたえる賞「Pen クリエイター・アワード 2018」の受賞者6組を発表。稲垣吾郎(俳優)、松岡茉優(女優)、吉田鋼太郎(俳優)らが選出された。稲垣吾郎松岡茉優吉田鋼太郎同賞は、アーティスト、俳優、クリエイティブ・ディレクター、デザイナーなど、さまざまなジャンルにおいて、今年目覚ましい活躍をみせた話題の人々をたたえる賞。2017年に新設され、今年で2回目となる。今年は、稲垣吾郎(俳優)、松岡茉優(女優)、吉田鋼太郎(俳優)、チームラボ(ウルトラテクノロジスト集団)、名和晃平(彫刻家)、石上純也(建築家)の6組が選出された。『Pen』12月15日号(12月1日発売)では、「Pen クリエイター・アワード」を特集。また、昨年に引き続き今年も授賞式を開催し、受賞者を表彰する。チームラボ(ウルトラテクノロジスト集団)※代表の猪子寿之名和晃平石上純也
2018年11月27日テーマは「夏を楽しむ純白ガール」資生堂ジャパン株式会社が、有名クリエイターとのコラボキャンペーン「純白専科純白ガールズギャラリー」を2018年6月29日(金曜日)より特設サイトで公開しています。「純白ガールズギャラリー」は、「純白専科」シリーズの基幹商品である「すっぴん白雪美容液」のオンライン先行発売を記念した企画。魅力的な女性を描かせたら右に出る者はいないと評判の人気漫画家やイラストレーターによる「夏を楽しむ純白ガール」を描いたオリジナル作品を公開。制作者のコメントや、女性たちへのメッセージも掲載されます。キャンペーン第1弾は、数々の人気漫画を手掛けイラストレーターとしても活躍する江口寿史氏と、さまざまなメディアで活躍するイラストレーター・白根ゆたんぽ氏の作品を公開。7月下旬に公開予定の第2弾では、映画化された作品で話題の人気漫画家や、数々の雑誌の表紙を手掛けるイラストレーターの作品が公開されます。ワンランク上の「すっぴん」をかなえる「純白専科すっぴん白雪美容液」は透明感あふれる白雪のような肌へみちびく美白美容液。白くコクのあるクリーム状の美容液が、みずみずしくなめらかに肌にフィットし、うるおいが長時間持続します。雪がとけるように角層のすみずみまで浸透し、肌あれ・乾燥ダメージを防ぎます。無香料・無着色・アレルギーテスト済み(※)なので安心です。※すべての人にアレルギーが起きないというわけではありません。(画像はプレスリリースより)(画像は特設サイトより)【参考】※株式会社資生堂のプレスリリース/PR TIMES※「すっぴん白雪美容液」特設サイト※株式会社資生堂
2018年07月13日これまでも様々な形で次世代を担う若きクリエイターの支援を行ってきた「ジョルジオ・アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」から、その支援の最新プロジェクト「ARMANI/LABORATORIO(アルマーニ/ラボラトリオ)」の詳細が発表。日本でも大ヒット中の『君の名前で僕を呼んで』のイタリア人監督ルカ・グァダニーノがその指揮をとる。本プロジェクト「アルマーニ/ラボラトリオ」は映画の世界に進むことを夢見る学生を支援するもので、第1シーズンは昨年11月に始動、その際は8名の若きクリエーターが選出された。彼らは定期的なレッスンを受け、今年2月のミラノコレクション期間中に完成作品『UNA GIACCA -A JACKET-』がお披露目。1着のジャケットを軸に時空を超えて展開されるストーリーは、短編映画としての高いクオリティが話題となった。今回、その注目プロジェクトの第2シーズンが立ち上がり、現在、参加クリエイターを募集中。応募は世界中から可能で、もちろん日本からの応募も可能となっている(応募フォームやレッスンは英語)。第2シーズンの指揮をとるのは、シチリア生まれの映画監督ルカ・グァダニーノ。現代社会の複雑さを切り取る鋭い目線と優れた美的感覚で、世界的に高い評価を得ており、『君の名前で僕を呼んで』は本年度アカデミー賞に作品賞、主演男優賞(ティモシー・シャラメ)など4部門にノミネート、最新作『Suspiria』(原題)にはダコタ・ジョンソンやクロエ・グレース・モレッツ、ティルダ・スウィントンらが出演する。これまでにヴェネツィア国際映画祭で審査員を務めた経験もあり、彼の代表作の1つ『ミラノ、愛に生きる』(ボルダー国際映画祭で最優秀作品賞を受賞)は、その名のとおりミラノを舞台とした作品で、ミラノへの強い愛を持つ人物として知られている。グァダニーノ監督以外に各分野のプロフェッショナルとして学生の指導にあたるのは、『胸騒ぎのシチリア』で監督と組んだデヴィッド・カイガニック/David Kaganich(脚本)ほか、Lucas Gath(撮影技術)、Walter Fasano(編集)、 Giulia Piersanti(衣装デザイン)、Fernanda Perez(メイクアップ)、Manolo Garcia(ヘアスタイル)といったメンバー。ジョルジオ・アルマーニ氏は、「映画はファッションのように、ビジュアルを駆使して私たちを魅了します。制作に関わる全ての人たちの仕事が最終結果に結びつく、究極のチームワークです。『アルマーニ/ラボラトリオ』は、映画業界のトップとして活躍するキープレーヤーたちの指導と支援を得て、生徒が一緒に作業を行う場です。この場のことを私は-フィルムアトリエ-と名付けたいと思います。今年は、イタリアや国際映画シーンで最もオリジナリティが高くエレガントな監督の1人であるルカ・グァダニーノとこのプロジェクトを行えることを非常に嬉しく思います」とコメント。また、グァダニーノ監督は「アルマーニ氏に最も敬意を表するのは、彼が彼の時代を作り上げてきたということです。今回、新世代の映画ファンをサポートする彼の熱い思いに心から共感し、私はこの招待状を喜んで受け入れました」とコメント。「優れた専門家をプロジェクトに参加させることで、非常に魅力あるチームを結成しました。今回は成長、アイデンティティ、女性の新しい世界、といったことをテーマに作品を作り上げます。そう、非常にアルマーニらしいキーワードをテーマに選んだのです」と、“いま”にふさわしいテーマを掲げている。(text:cinemacafe.net)■関連作品:君の名前で僕を呼んで 2018年4月27日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開© Frenesy, La Cinefacture
2018年07月05日次世代クリエイターの発掘イベントが開催中!(c) NEWVIEW PROJECT(Psychic VR Lab / PARCO / Loftwork)「DESIGN YOUR ULTRA EXPERIENCE(超体験をデザインせよ!)」をテーマに、ファッション・カルチャー・アート分野のVRコンテンツを募る「NEWVIEW AWARDS(ニュービュー アワード) 2018」が、2018年6月1日(金)~7月31日(火)の期間開催中です。ゲームやイベントなど幅広い分野で使われることが多くなり、より身近なものとなりつつあるVRを使った作品を募る本アワードは、これまでにない新しい表現やライフスタイルを追求し、“超体験”をデザインする次世代のクリエイターを発掘することを目的としています。(c) NEWVIEW PROJECT(Psychic VR Lab / PARCO / Loftwork)審査員には、“グリッチ”を表現に取り入れ、CGアニメーションに革命を起こしたと言われるアイルランド出身のクリエイター「David OReilly(デビッド・オライリー)」氏も参加。2018年に活動20周年を迎える「m-flo」や、イエロー・マジック・オーケストラにプログラマーとして参加し、“YMO第4の男”の異名を取る「松武秀樹」氏、映画制作者兼デザイナーとして活躍する「René Pinnell」氏らを迎え、国内外問わずクリエイターによる作品を募集中。腕に自信のある方、新しい時代を築いてみたい方などはぜひ、「NEWVIEW AWARDS 2018」に挑戦してみてください!David OReillym-flo松武秀樹René Pinnell「松武秀樹賞」「PARCO賞」「DELL賞」の3つの賞松武秀樹賞松武秀樹賞は、受賞者が音楽家、シンセサイザー・プログラマー松武秀樹氏に自身の作品のための作曲を依頼できるというコラボレーション作品制作の権利+副賞に決定。松武賞は、音楽が使われた作品(松武氏の音源でなくても可)であることを条件に、目と耳に刺さるVRコンテンツを選出します。今回の賞に合わせて、松武秀樹氏は、2曲のオリジナル音源「NEWVIEW1」「NEWVIEW2」を、クリエイターに無償で提供します。そのうちの「NEWVIEW2」は、ドラムやベースなど、音源をパーツに分解した形でも提供し、クリエイターがDAWで自由に編曲したり、VR空間に自由に音源パーツを配置したりといった実験的で自由な使用ができるように提供されます。音源はNEWVIEWのWEBよりダウンロードが可能です。PARCO賞PARCO賞は、パルコとタイアップしてVRコンテンツを制作できる権利に決定。パルコは、現在エンターテインメントで普及が進むVR技術 のファッション・リテール分野での活用方法を開拓する試みとして、ファッション×VRコンテンツを開発し、米・オースティンで毎年開催されるSXSWをはじめ、様々なデモンストレーションを実施しております。受賞者はパルコとタイアップしてVRショッピングコンテンツを制作し、ファッション・カルチャー業界にアピールすることができます。DELL賞DELL賞は、インテル® Core™ i9 プロセッサーと最新のGeForceグラフィックスを搭載する新世代の ALIENWAREノートブック「ALIENWARE 15」。Cryo-tech V2.0と呼ぶ独自の冷却機構の搭載で、長時間安定したハイパフォーマンスを実現します。ゲーム用途のみならず世界中で多くのクリエイターにも愛用されている製品です。NEWVIEW AWARDS 2018 概要募集対象(c) NEWVIEW PROJECT(Psychic VR Lab / PARCO / Loftwork)VR空間を駆使した新たな表現・体験を生み出せるクリエイティブプラットフォーム「STYLY」を使って制作・公開されたVRコンテンツ作品が対象です。制作プロセスにおいてSTYLY以外のツール(3DCG、ゲームエンジン、DAW etc.)を使用することは構いません。すでに発表済みの作品も応募可能です。賞についてゴールド/Gold(1作品)賞金 20,000USDシルバー/Silver(3作品)賞金 5,000USD・PARCO賞(1作品):パルコとタイアップしてVRコンテンツを制作できる権利・Kaleidoscope賞(1作品):Kaleidoscope賞の受賞証明書、1ヵ月のインターンシップ・松武秀樹賞(1作品):松武氏に作曲を依頼できる権利。応募クリエイターのために音源の無償提供も。・DELL賞(1作品):プレミアムゲーミングノートブックALIENWARE 15・CINRA賞(1作品):後日発表スケジュール・募集期間:2018年6月1日(金)~ 2018年7月31日(火)12:00(日本時間正午)・一次審査結果発表(ファイナリスト40作品選出予定):2018年8月末予定・ファイナリスト作品展示会:2018年8月末予定会場:GALLERY X BY PARCO・最終審査結果発表:2018年10月上旬予定イベント情報イベント名:NEWVIEW AWARDS 2018催行期間:2018年06月01日 〜 2018年07月31日住所:ファイナリスト作品展示会:東京都渋谷区宇田川町13-17 ライズビル「GALLERY X BY PARCO」
2018年06月26日現代のクリエイターも刺激してやまない「琳派」の魅力に迫る「【特別展】琳派―俵屋宗達から田中一光へ―」が山種美術館で開催されている。江戸時代に俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一らを中心に花開いた「琳派」の伝統をたどりながら、現代まで受け継がれるデザイン性にも注目した展覧会。俵屋宗達の≪風神雷神図屏風≫や、尾形光琳の≪燕子花図屏風≫など、誰しも一度は目にしたことがあるだろう名作を生み出した琳派だが、狩野派のように同じ一族でもなければ、フランスの印象派のようにある時代の芸術運動というわけでもない。前出の3人も、実は生きた年代は重なっておらず、それぞれが先人に影響を受けながら、リスペクトしつつ画風を継承したという関係性なのだ。特徴は、大胆な構図などに見られる、どこかグラフィカルな装飾性。そこに影響を受けた近・現代の日本画家や芸術家は少なくなく、20世紀を代表するデザイン界の巨匠・田中一光もその一人。本展では、琳派のエッセンスを取り入れた田中一光のポスターも展示され、琳派が今日も息づいていることを感じられる。俵屋宗達が金銀泥で鹿の絵を描き、本阿弥光悦が新古今和歌集の和歌を選んで書いた。もとは22mの巻物で、鹿のさまざまな姿が描かれている。俵屋宗達(絵)・本阿弥光悦(書)≪鹿下絵新古今集和歌巻断簡≫17世紀(江戸時代)紙本・金銀泥絵・墨書山種美術館日本美術研究家で、古筆や絵巻の模写を数多く手がけた田中親美。この原画は平家一門が厳島神社に奉納した経典で、国宝に指定されているもの。田中親美≪平家納経 願文見返し(模本)≫20世紀(大正―昭和時代)紙本・彩色東京国立博物館Image:TNM Image Archives≪平家納経≫の構図を引用したポスター。田中一光がどれほど琳派に触発されたかが分かる。田中一光《JAPAN》1986(昭和61)年紙・シルクスクリーン東京国立近代美術館©Ikko Tanaka 1986/licensed by DNPartcom山種美術館東京都渋谷区広尾3-12-36開催中~7月8日(日)10時~17時(入館は16時30分まで)月曜休一般1200円ほかTEL:03・5777・8600(ハローダイヤル)※『anan』2018年5月30日号より。文・黒澤 彩
2018年05月28日人気ドラマ「SHERLOCK/シャーロック」のクリエイターであるスティーヴン・モファットとマーク・ゲイティスが「The Game Is Now」と呼ばれるシャーロックの「新しいアドベンチャー」を企画しているという。2人は「シャーロック・ホームズデー」の5月22日(現地時間)、「The Game Is Now」について語った動画をアップ。「新しいエピソードでもなく、新しいシリーズでもなく、新しい映画でもない…だけど、新しいアドベンチャーだ。ちゃんとしたね」と「The Game Is Now」は抽象的な表現で語られた。出演者については明らかになっていないが、モファットは「シャーロックの冒険に期待されている人たちが参加する」と約束している。さらに、「傍受された通話音声-マイクロフト&シャーロック・ホームズ」とのタイトルが付けられたもう1つの動画も公開され、そこではゲイティス演じるマイクロフトとベネディクト・カンバーバッチ演じるシャーロック・ホームズが皮肉の効いた会話を繰り広げている。マイクロフトが秘密クラブに「現実を生きる人たちをスカウトしようかと思う」と言えば、「現実を生きる人たち?マイクロフト、わかってるだろ。あんなやつらは信じられない。高タンパクヨーグルトとか、食べ物の写真とか、投票とか、変なものばかりに夢中になっているやつらだぜ?」と現代人を否定するシャーロック。音源のみのこの動画を観たファンたちの中には「The Game Is Now」はファンが参加・体験できるリアルゲームかもと予想する人も。ドラマ「SHERLOCK/シャーロック」は現在シーズン4まで製作されており、シーズン5については未定。今年3月にワトソンを演じているマーティン・フリーマンが「みんなの期待が大きすぎて、『SHERLOCK』に出演するのがつまらなくなっちゃった」とぼやき、カンバーバッチはこの意見を批判した。ドラマとは違ってプライベートの2人は決して親友同士とは呼べないようだ。(Hiromi Kaku)■関連作品:SHERLOCK/シャーロック [海外TVドラマ]© Colin Hutton Hartswood Films 2010 John Rogers © Hartswood Films 2010
2018年05月24日ー 女性ならではの繊細な感性で、様々な美しいプロダクトを生み出す女性クリエイターたち。連載【Creation by Ladies】では、そんな彼女たちの作品...そしてその作品に込められた想いや背景を紹介していきます。 ——————————————— 第二回目は、イラストレーターの岡崎マリーさん。 柔らかなタッチと優しいカラーリングで描かれる、花や空、そして女の子のイラスト。どこか懐かしさを感じる、イラストレーター 岡崎マリーさんの作品たち。 現在ルミネエストのキャンペーン広告のデザインや個展の開催、オリジナルのプロダクトの製作など、活躍の場を広げる彼女。そんな彼女はこう語る。 — 「子どもの頃から描き続けてきた『女の子』が土台になっています。4歳の頃の手作り絵本、小学校の頃に友達と作っていた『りぼん』的な雑誌や付録、中高の頃の友達との手紙交換の絵やひたすらお互いの妄想を描く交換絵日記など。その時々にやりたいことを夢中でやっていましたが、思えばほとんどのモチーフは『女の子』でした。今自分に起きている事を表現するのが私の中で一番自然な方法なので、絵のほとんどは実体験から生まれるものが多いです。」 ー 「『窓を拭くように、空を拭いてみる。そうすると自分の見たいものが見られる。』そんなイメージがふっと浮かんできました。いつも、どちらかというとネガディヴなところから脱出するというか、そこから自分で変えていくことが「生きてるな」と感じます。意味もなく憂鬱になったり、ちょっとしたことで一喜一憂したり、コロコロ気分が変わったり、自分をコントロールするのは本当に大変だな、と日々思っていて、でもこれは女の人特有なものなのかな?と思ったときに、それに対して何か特別な魅力を感じました。」 『True Colors』ー 「これを描いていた頃、もう何年も前になりますが、恋愛で、もう本当に髪の毛からも気持ちが溢れちゃうようなイメージがあって…笑。一度イメージが浮かぶと、そのイメージを次の日も保っていられるかが不安で、その日のうちに『描き留める』感覚で描いています。絵を描いて客観的に自分は今こうなんだな、と見ることもあります。」 ー 「2014年に友人が制作したZINE用に描きおろした挿絵です。シェアハウスで自由に暮らす女の子たちがテーマのZINEだったので、人と人とが交差する感じとかじんわり溶け合う感じを意識して描いていた記憶があります。この頃からラメを使いだし、スキャンで出来る光り具合とか印刷したときの変化などを楽しんでいました。」 『Tough swimmer』 ー 「2017年の秋に描いた作品で、その時、本当は出来るのに、何縮こまってるの?という自分へのある思いがあり、水面ギリギリのところで出ようとしている女の子を描きました。いつも思う事ですが、『私はこうだから、きっと無理かな』と自分の範囲を勝手に決めてしまって、実際やってみたら出来たりして、『あれ?なんだ出来るじゃん』みたいなことがあります。自分の知らない自分はたくさんいて、何か挑戦する事でそれが発見出来るから、飛び出そう、という気持ちを込めた作品です。」 『WARM BIG COAT』 ー 「先にイメージがあったわけではなく、ちょっとしたラクガキ感覚で描きました。ふとしたときに描いた絵に、新たな発見があったりします。出来上がってから『なんかコートみたいだなぁ』というゆるい感じで、こういうのが制作の合間の気持ちのリセットになったりします。」 『Drama』 ー 「“モノクロにチラっと色”が昔から好きで、これは2014年の冬の作品ですが、今もモノクロシリーズは続けています。この絵は珍しく文字を入れたくなり、少しストーリー仕立てです。観る人がそれぞれのストーリーを想像してくれたらなと思います。」 『with my favori.』 ー 「ハンドメイドアクセサリーブランドのイベントのキービジュアルを制作したときの作品です。(noodさん、sAnさん)イベントのテーマは『Parfum et Fleur(香りとお花)』ブランドのイメージから、可愛くなりすぎず、でも大人すぎず、というところを目指しました。依頼されて描く事は、何を気に入って頼んでくださったのかということを考えるので、自分の特性を再認識することでもあります。依頼してくださった方の要素と、自分の個性とのバランスは本当にいつも難しく、葛藤するポイントですが、仕上がってみると、一人では描けなかったものに仕上がる。それがいつも面白いです。」 『cherish each day』 ー 「これは2016年の春に熊本地震があったときに描いた作品です。何かが起こったときにSNSでこういった発信をすることはあまりなかったのですが、インスタグラムのフォロワーが増えてきて、たまにコメント等で『絵を見ると元気になる』とか『いつも楽しみにしています』というコメントをいただくようになって、この小さな部屋で籠って描いてる絵で、どこかで誰かがそんなふうに思ってくれてることがなんてすごいことなんだろうと思いました。微力でも、もしかしたら誰かが少し元気になってくれるかも、という思いで描いてすぐにアップしました。私が好きなアーティストの作品を見てパワーがみなぎるように、やっぱりアートってこういう時のためにあるのかな?と思ったりもします。」 『KIMAGURE GIRL』 ー 「今年1月の個展のメインに選んだ作品です。描きながら色を考える絵もありますが、この作品は色からイメージして描いていきました。他の作品にも言える事ですが、表情がつかめない子を描いていることが多いです。そうすることでいろいろな見え方になって面白いかな?と思います。観る人のその時の気分によって見え方が変わるかもしれないし、2回目観たらまた感じ方が変わる。そんな余白を作りたいなと思っています。」 『Summer Dreams』 ー 「ポストカードセットを制作する際、パターンを集めたポストカードセットを作りたい、と思い、描いたそのうちの一枚です。お花を描くのはあまり得意ではなく、いつも気に入ったお花が描けなくて、しっくりきていなかったのですがこれはそれが珍しくうまくいった作品です。黄色の入り方も気に入っています。」 左上から時計回りに『FRAMBOISE』『BLUE SALT』『MANGO』『PISTACHIO』 ー 「1月の個展で展示した作品です。普段の自分の顔色や気分を4種のジェラートのフレーバーに見立てています。真っ白なキャンバスや画用紙に向かうとき、どうしても変な力が入ったり、堅くなったりするので、いつもどれだけ無意識なゆるさを作れるかということを考えています。スポーツでもそうですが、最初は身体も慣れなくて筋肉も固まっているけど、時間が経つと馴染んで、考えなくても身体が動くようになる。それと同じで、最初は『うまく描こう』という気持ちがどこかにあるけど、何枚も運動のように描いているとそのうち良い意味で気の抜けた作品が出来てきます。これはそれを実感した作品です。これからもっとこういったことが出来てくるといいなと思っています。」 ガーリーな世界観のイラストの中には、想像以上に大きい、秘められた想いがあった。自分の思った事に対して、まっすぐな気持ちでキャンバスに向かうマリーさん。 「自分の創作欲を満たすように始めた今の活動ですが、作り出すもので周りの人が喜んでくれたり、刺激になったと言われたりすると、本当に心底喜びを感じます。一人で完結する作品ではなく、人との関わりで変わっていく制作をしていきたいなと思っています。」 イラストレーター:岡崎 マリー多摩美術大学の絵画科を卒業後、雑貨の企画会社に就職。その後広告関係の企画会社に転職。雑貨デザイナーをしている頃の2010年あたりから会社の仕事と平行して自身の制作を続けており、現在はルミネエストなど駅ビルのキャンペーン広告やヘアサロンのアートワークなどを手掛けるほか、オリジナルのプロダクト制作(MARY,mon raw.)でも活動中。グループ展、個展、イベント参加もしている。 HP::
2018年03月22日俳優の高橋一生が、雑誌『Pen』による「Pen クリエイター・アワード 2017」に選出され1日、都内で行われた授賞式に出席した。高橋一生創刊以来、クリエイティブな人々に注目し続けてきた『Pen』が新設した同賞。アーティスト、俳優、クリエイティブ・ディレクター、デザイナーなど、さまざまなジャンルにおいて今年目覚ましい活躍をみせた話題の人々、"2017年の日本のクリエイター"をたたえる。第1回の受賞者に選ばれた高橋は「栄えある第1回、愛する『Pen』さんのこの賞をいただき、心よりうれしく思っています」と喜び、その上で「ただ、人によってとらえ方はあると思いますが、僕は自分のことをクリエイターとは思っていません。0から何かを作り出す方がクリエイターだと思っています」と、自身が考える"クリエイター"の定義を説明。そして、「今日同じく受賞されている方を見ると、0から何かを生み出されている方が多くて大変恐縮ですが、僕をそれでもクリエイターと表彰してくださることを心からうれしくに思います」とその重みを感じている様子で、「きっと僕のことを支え、俳優として立ち上げてくださったスタッフさんや共演者の方々、みなさんがいたからだと思います。その方たちに心より感謝を申し上げます」と周囲の支えに感謝した。高橋のほか、岩崎貴宏(アーティスト)、最果タヒ(詩人)、 Suchmos(ミュージシャン)、土屋太鳳(女優)、長谷井宏紀(映画監督)、原野守弘(クリエイティブ・ディレクター)、村松亮太郎(クリエイティブ・ディレクター)、森永邦彦(ファッション・デザイナー)、ヨシダナギ(フォトグラファー)が受賞。『Pen』12月1日発売号(12月15日号)では、アワード受賞者10組を大特集している。なお、授賞式には最果、Suchmosは欠席。また、『フィガロジャポン』特別賞も発表され、福士リナ(モデル)が受賞した。
2017年12月01日創刊以来、クリエイティブな人々に注目し続けてきた雑誌『Pen』が、今年活躍したクリエイターをたたえる賞「Pen クリエイター・アワード」を新設。その受賞者が1日に発表され、俳優の高橋一生、女優の土屋太鳳ら10組が選出された。同賞は、アーティスト、俳優、クリエイティブ・ディレクター、デザイナーなど、さまざまなジャンルにおいて、今年目覚ましい活躍をみせた話題の人々"2017年の日本のクリエイター"をたたえる賞。第1回目となる今年は、岩崎貴宏(アーティスト)、最果タヒ(詩人)、 Suchmos(ミュージシャン)、高橋一生(俳優)、土屋太鳳(女優)、長谷井宏紀(映画監督)、原野守弘(クリエイティブ・ディレクター)、村松亮太郎(クリエイティブ・ディレクター)、森永邦彦(ファッション・デザイナー)、ヨシダナギ(フォトグラファー)が選出された。『Pen』12月1日発売号(12月15日号)では、アワード受賞者10組を大特集。また、12月1日に都内で授賞式が行われる。
2017年12月01日焼き肉、ステーキ、トンカツなどなど、肉をメインにした料理は食欲をそそるもの。クリエイターの中にも肉料理を好む「肉食」な人は多いかもしれません。そんな「肉」について、そのおいしさだけでなく、健康面について考えていますか?この連載では、忙殺され身体を酷使しがちなクリエイターが「健康的に創り"続ける"」ための知識を公開。敷居が高いイメージになってしまった「健康」を広く手の届くものにすべく活動されている鍼灸師・若林理砂さんが、忙しいクリエイターにもできる「健康への第一歩」につながるエピソードを語ります。第13回は、クリエイターに最近人気がある「肉」の上手な食べ方を考えます。若林理砂1976年生まれ。鍼灸師・アシル治療室院長。高校卒業後に、鍼灸免許を取得し、エステサロンの併設鍼灸院で、技術を磨く。早稲田大学第二文学部卒。2004年、アシル治療室開院。著書に「養生サバイバル」「安心のペットボトル温灸」など。好きな漫画/アニメは「進撃の巨人」「FSS」「おそ松さん」。一昔前は腐っていました。「どの宮崎アニメにも必ず出演している」顔立ちといわれています。夫はクーロンズ・ゲートの人。TwitterID:@asilliza一昔前まで、ミュージシャンやクリエイティブ職の方々には、ベジタリアンの方が多かった記憶があります。これはヒッピームーブメントの流れを汲んだもので、インドの土着宗教・民間医学が結びついたものの影響を受けていました。でも、現代のクリエイターはどちらかと言えば肉食系であるようですね。このコラムの担当編集から、肉料理をはじめ、ガッツリしたものを食べたことをTwitterで発信するクリエイターは多くいる、と聞いたこともあります。余談ですが、インドの医学というと、アーユルヴェーダを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はアーユルヴェーダでは肉食を禁じてはいません。また、東洋医学においても肉食は禁忌ではありません。アーユルヴェーダでも東洋医学でも、肉類は体を温めて衰弱した体を復活させるものと考えられています。かつてはがんリスクの面から肉食を忌避する動きもありましたが、2015年に国立がん研究センターが発表したがんリスクについての見解によると、日本人の肉類の平均摂取量は世界的に最も低いレベルでがんリスクへの影響はきわめて低く、総合的な健康への影響を鑑みると「ある程度摂取すべき」と言及されています。ですが、食べるタイミングについては注意が必要です。アーユルヴェーダや東洋医学では、あまりに疲労困憊した場合は肉を煮込んでスープにし、肉本体は食べずにエキス分だけを摂取するようにと指導されます。疲労している場合は消化能力も落ちていて、肉を固形で食べると胃腸に対する負担が大きすぎるため、これは一理ある考えです。例を挙げれば、徹夜明けにいきなり「焼肉!!!焼肉!!!」と勢い込んで肉を食べに行くのは避けた方がよい、ということです。肉料理の多くはハレの性質を持つので、つい打ち上げの席で食べたくなるのはわかるのですけどね。○修羅場を生き抜く「上手い」肉の食べ方修羅場の最中はたいてい炭水化物過多の食生活に陥りがちで、タンパク質が足りなくなります。タンパク質不足は中枢神経系の働きを弱らせるのですが、クリエイターにとって一番問題なのはセロトニン不足で鬱々とした気分になること。肉類や乳製品に多く含まれるトリプトファンがセロトニンの原料となりますので、意識的に食べることは作品のクオリティを保つために役立つともいえるでしょう。また、豚肉にはビタミンB1が多く含まれていますが、こちらもクリエイターには必須の栄養素。脳を酷使する人は、脳内でぶどう糖を燃焼させる量が多いため、糖代謝に必須であるビタミンB1を多く消費するのです。甘いものは脳の栄養……と言ってスイーツをたくさん摂る方は多くいらっしゃいますが、ビタミンB1を多く含む食品も同様に摂取しているかというと疑問です。ブドウ糖が体内にたくさんあったとしても、ビタミン不足の状態では燃焼し、「脳の栄養」として使うことができないのです。このように、肉類を摂取することは体に良い影響がある反面、食べ過ぎると問題が出てきます。ほとんどの肉類は油脂も多く含むため、タンパク質補給というよりも油の過剰摂取になりがちであり、カロリー過多の原因にもなってしまうのです。また、ご存じの通り、おいしい肉ほど油分が多いもの。ささみや、皮を除いた鶏むね肉よりもも肉の方が柔らかくてジューシーですし、好みによるところはあるものの、ステーキはひれ肉よりサーロインの方が美味しいと思われる方が多いのではないでしょうか。特に、ごちそうの代表格である霜降りの牛肉や、焼き鳥では単体でも食べられている鶏皮の部分などは油の塊です。クリエイターの創作をサポートしてくれる肉類。ですが、肉に限らず単体の食品「ばかり」食べるのは、栄養のバランスを崩すもとです。食べる量、そして脂質の量には気をつけてくださいね。食事のバランスについては、連載第4回の「脳の働きを一定に保つ食事の方法」を参考にしてみてください。
2016年03月24日デジタルハリウッドは、講座「ネット動画クリエイター専攻」の連携イベントとして、UUUMとYouTubeクリエイター・ABTVnetwork氏によるセミナー「クリエイターのための動画マーケットと今後の動向解説 ~ デジタルハリウッド×UUUM ~」を開催する。開催日は1月20日 19:30~21:30。会場は神奈川県・横浜市西区のデジタルハリウッドSTUDIO横浜(横浜スカイビル22階)。参加費無料(予約制、定員15名)。同セミナーでは、UUUMと、幅広い映像作品を制作するYouTubeクリエイター・ABTVnetwork氏が登壇し、Web時代の新しい動画クリエイターとして活躍するための秘訣や、最先端の動画制作、ネット動画業界で求められるクリエイターなどについて解説する。また、内容については、"YouTuber"と呼ばれる、自らが動画に出演するタイプの人材育成に向けたものではなく、企画や編集といったクリエイティブスキルを駆使して活躍する「動画クリエイターを目指す人」が対象となっている。なお、参加対象は、デジタルハリウッドの「ネット動画クリエイター専攻」へ入学検討をしている人のみならず、未経験者、ネット動画業界への就職・転職を検討している人、クリエイティブな仕事に興味のある人まで幅広く参加できるということだ。セミナーへの参加希望者は、申し込みページより申し込む。定員15名(先着順)。
2016年01月14日竹尾は、100人のクリエイターから届いた年賀状を展示する『「クリエイター100 人からの年賀状」展 vol.11』を開催する。会期は1月21日~2月26日(土日祝休廊)、開館時間は10:00~19:00(1月21日は17:00まで)。会場は東京都・神保町の竹尾見本帖本店2F。入場無料。同展は、竹尾が毎年開催している恒例の新春企画で、同社に届いた100人のクリエイターからの年賀状を一般公開するもの。それぞれの年賀状では、「紙とデザインにのせた、クリエイターからの新年のメッセージ」が楽しめるとのこと。参加クリエイターは、相澤千晶、秋山孝、池上直樹、池澤樹、犬塚達美、井上庸子、井山高秀、内田繁、エマニュエル・ムホー、遠藤享、原研哉、北川一成、太田徹也、大谷有紀、奥村靫正、グエナエル・ニコラ、工藤強勝、窪田新、隈研吾、groovisions、小泉均、左合ひとみ、佐藤晃一など120組以上となる予定。なお、同社の展示会Webページでは、参加クリエイターのリストが公開されているほか、随時更新も行われるということだ。
2016年01月12日面白法人カヤックは、卒業文集に「エンジニア」、「デザイナー」、「ディレクター」、「クリエイター」などのクリエイターになるということを書いた人を募集する「卒業文集採用」を本日22日より実施している。このたび実施を開始した「卒業文集採用」は、卒業文集に「エンジニア」「デザイナー」「ディレクター」「クリエイター」などのクリエイターになるということを書いた方を募集する採用キャンペーン企画。同社の経営理念や行動指針を背景とするオリジナルの採用手法や「面白法人」に込めたメッセージを体現するべく、誰でも楽しめるユニークな採用キャンペーンを同社の株主から募集し、寄せられたアイデアのひとつを採用したもの。前回の"佐藤さんを積極的に採用する「佐藤採用」"に続く第2弾となる。応募希望者は、自分の卒業文集の写真を撮り、「卒業文集採用特設ページ」からリンクされている応募ページのエントリーシート右側の「あなたの写真3枚目」にアップロードするとともに、卒業文集採用に応募する旨を「その他」欄に記載する。なお、同社代表・柳澤大輔氏は、同社株主向けPDF「おまけ短信」において、「卒業文集にエンジニアになると書いていた人や、デザイナー・ プランナーになると書いていた人、もともと自分の仕事が、天職という人しかいない 組織をつくりたいと思っていますので、とても良いと思います。」とコメントしている。
2015年12月22日クリエイターの需要が高まる昨今ですが、その給与はどのくらいなのでしょうか?今回は『Biz3.0』の記事を参考に、クリエイターの年収ランキングをまとめました。各国でも状況が異なるので、世界版ランキングを見てみましょう。■グラフィックデザイナーの年収が高い国トップ101位:スイス96,306ドル(約1,170万円)2位:スペイン59,598ドル(約726万円)3位:ベルギー54,298ドル(約661万円)4位:オランダ54,144ドル(約660万円)5位:アイルランド40,867ドル(約498万円)6位:日本40,006ドル(約487万円)7位:イタリア39,846ドル(約485万円)8位:ニュージーランド35,549ドル(約433万円)9位:イギリス31,783ドル(約387万円)10位:ドイツ24,052ドル(約293万円)グラフィックデザインは、やはりデザインの本場・ヨーロッパが強い印象です。1位はデザイン大国と名高いスイス。アジアからは日本が6位とかなりいい順位につけています。■ウェブデベロッパーの年収が高い国トップ101位:オーストラリア87,000ドル(約1,060万円)2位:日本85,929ドル(約1,047万円)3位:アメリカ76,000ドル(約926万円)4位:カナダ60,000ドル(約731万円)5位:イタリア52,218ドル(約636万円)6位:ドイツ52,163ドル(約635万円)7位:デンマーク50,770ドル(約618万円)8位:オランダ50,218ドル(約612万円)9位:アイルランド47,451ドル(約578万円)10位:ニュージーランド46,610ドル(約568万円)デベロッパーはクリエイティブのなかでもプログラマーに近いので、グラフィックデザインとはかなり顔ぶれが違い、オーストラリアやアメリカ、カナダなど、ネイティブ英語圏が強くなっています。プログラミング言語が基本的には英語をベースとしていることとも関係があるかもしれません。そんななか、日本の2位は出色の順位だといえるでしょう。■シニア・ウェブデベロッパーの年収が高い国トップ101位:オーストラリア115,000ドル(約1,400万円)2位:アメリカ107,000ドル(約1,300万円)3位:スイス97,617ドル(約1,190万円)4位:ドイツ71,540ドル(約871万円)5位:デンマーク69,225ドル(約843万円)6位:アイルランド61,159ドル(約745万円)7位:オランダ57,438ドル(約700万円)8位:スペイン52,697ドル(約642万円)9位:イギリス52,134ドル(約635万円)10位:香港34,638ドル(約422万円)シニアになっても1位2位はオーストラリア・アメリカですが、今度はヨーロッパ勢が勢いを伸ばしてきます。シニアデベロッパーになるとプログラミング技術だけではなくデザインそのものに対する深い理解も求められるため、グラフィックデザインとも共通した国名が並んでいるのでしょう。10位に香港が入っていることも印象的です。■ソフトウェア・デベロッパーの年収が高い国トップ101位:オーストラリア106,000ドル(約1,290万円)2位:アメリカ94,000ドル(約1,150万円)3位:スイス69,741ドル(約850万円)4位:カナダ64,000ドル(約780万円)5位:デンマーク58,237ドル(約710万円)6位:ドイツ57,581ドル(約701万円)7位:オランダ56,680ドル(約690万円)8位:ニュージーランド50,423ドル(約614万円)9位:アイルランド46,959ドル(約572万円)10位:ベルギー46,647ドル(約568万円)ソフトウェア・デベロッパーも、基本的にはプログラマーなので、ウェブデベロッパーと顔ぶれは似ています。現在のソフトウェアのインターフェースは、シンプルでユニバーサルなデザインが基本となっているため、モダンデザインの力が強いスイスやデンマーク、ドイツ、オランダなどが上位を占めています。■ウェブデザイナーの年収が高い国トップ101位:オーストラリア74,000ドル(約901万円)2位:アメリカ64,000ドル(約780万円)3位:日本61,604ドル(約750万円)4位:ニュージーランド57,629ドル(約702万円)5位:イタリア52,218ドル(約636万円)6位:ベルギー51,844ドル(約632万円)7位:カナダ51,000ドル(約621万円)8位:オランダ42,737ドル(約521万円)9位:デンマーク39,863ドル(約486万円)10位:アイルランド36,763ドル(約448万円)ウェブデザイナーは一見デザインの美しさが求められる仕事に思えますが、上位をデベロッパーと共通の国が占めているところを見ると、プログラミング技術も重要なようです。5位のイタリアは美しいデザインを生み出していることで有名なので、審美性との両立が鍵になるのかもしれません。■シニア・ウェブデザイナーの年収が高い国トップ101位:オーストラリア106,000ドル(約1291万円)2位:アメリカ94,000ドル(約1145万円)3位:カナダ59,000ドル(約719万円)4位:スペイン54,770ドル(約667万円)5位:ドイツ42,940ドル(約523万円)6位:イギリス40,830ドル(約497万円)7位:マレーシア14,452ドル(約176万円)8位:インド13,700ドル(約167万円)9位:フィリピン7,190ドル(約87万円)10位:該当なしシニアになっても上位はそれほど変わりませんが、7位8位9位にアジアの国がランクインしてきていることは見逃せません。6位以上に大きく金額で差をつけられてしまっているのは、アウトソース先として比較的人件費が安いこうした国々が選ばれているからなのでしょう。高付加価値のデザインを生み出す国と、安価なアウトソース先の国が二極化している現状が浮かび上がっています。*平均給与というくくりではありますが、ウェブデベロッパーなどは特に高水準の給与をもらっていることがわかりました。クリエイターといっても幅広く、デザインするだけ、書くだけ、など特定のスキルを超えた魅力を持つ人材は、かなり高い給与をもらっているようです。ぜひ、今後の職業選択の参考にしてみてください。(文スケルトンワークス)【参考】※Average Salaries of Web Developers in India, the Philippines, USA and around the World-Biz3.0
2015年11月13日ネットショップ開設サービスを運営する「BASE(ベイス)」は7日、クリエイターが同ショップ専用のデザインテンプレートを販売できるマーケットプレイス「BASE デザインマーケット」をオープンした。デザインテンプレートを販売したクリエイターには、販売額の70%が支払われる。同サービスは、ネットショップを無料で簡単に開設できるサービスである「BASE」で開設された約20万のネットショップの運営者向けに、クリエイターが制作したデザインテンプレート(テーマ)を販売できるシステム。BASEではこれまで、シンプルな11種類の無料テンプレートを提供してきたが、ショップコンセプトの表現に限度があるという課題を解決すべく、ネットショップ運営者とデザインテンプレート制作者の双方にメリットのある仕組みとして、「BASE デザインマーケット」が誕生した。これにより、HTML等を知らないネットショップ運営者は、第三者がデザインしたデザインテンプレートを購入することで、ショップコンセプトの表現の幅を広げることが可能となる。また、デザインテンプレートの販売を希望するクリエイターは、申し込みページにて申請すると、デザイン制作で使用する「HTML編集App」が案内される。その後、制作したデザインを申請すると、3営業日ほどで審査のフィードバックが届き、最終的な審査をクリアすると「BASE デザインマーケット」にて販売が可能となる。なお、テンプレートの販売価格帯は500円~10万円で、制作したクリエイターには、テンプレート販売額から手数料(30%)を除いた額(70%)が支払われるということだ。
2015年10月07日デジタルハリウッドは16日、さくらインターネットの協力のもと、クリエイターの成長を支援していく「オープンクリエーションプロジェクト」を始動することを発表した。同プロジェクトの第1弾として、さくらインターネットが汎用jpドメインと同社のサーバー環境(レンタルサーバースタンダード)を1年間の期間限定で、デジタルハリウッドの在校生を対象として無償で提供する。対象となるのは、デジタルハリウッド専門スクール、デジタルハリウッドSTUDIO、G’sAcademy在校生。また、学生たちのオンラインセルフブランディングのサポートを目的とした在校生向けイベント「オープンクリエーションをはじめよう!」を開催。開催日時は10月18日 17:30~18:00~、10月18日 18:45~19:15、10月21日 17:45~18:15、会場はデジタルハリウッド東京本校。なお、今後はプロジェクトの対象をデジタルハリウッド在校生に限定せず、将来的にクリエイターを目指す人からクリエイターとして活躍している人まで、幅広いクリエイターに対する支援を予定しているということだ。
2015年09月16日アドビ システムズは、YouTubeクリエイターを対象に、同社とYouTube Space Tokyoとのコラボレーションによるワークショップ「YouTuberのためのAdobe Creative Cloudワークショップ」を開催する。日時は8月31日 18:30~21:00。会場は東京都・六本木のYouTube Space Tokyo。参加無料(事前申込制)。同ワークショップは、YouTube クリエイター向けのワークショップを定期的に開催しているYouTube Space Tokyoとアドビ システムズとのコラボレーションにより実現するもの。スマホ向けの無料アプリ「Adobe Shape CC」や「Adobe Photoshop Mix」などを使って、ユーチューバーが自分のスマホカメラで画像を合成したり、手書きの文字をスキャンしたり、顔や立体物、イラスト等を撮って動画素材やアイコンを作る方法を解説する内容となっている。講師は、アドビ システムズのエバンジェリスト・仲尾毅氏が務める。また、ワークショップで作成した画像は、YouTubeチャンネルページのサムネイル画像やロゴとしてそのまま使用できるということだ。なお、同ワークショップはYouTubeクリエイターを対象としており、「YouTube チャンネルを所有していること」、「YouTube パートナープログラムに参加していること」、「チャンネルが良好な状態であること」、「過去6ヶ月間に1本以上の動画を公開していること(限定公開を除く)」といった参加条件が設定されている。さらに、参加の際には各アプリの事前ダウンロードとAdobe IDの事前登録が必要となる。参加希望者は、申請フォームから申し込む。ちなみに、参加者には特別なプレゼントが用意されるとのことだ。
2015年08月27日サンタフェ ナチュラルタバコ ジャパンはこのほど、クリエイターとの共創プログラム「FUTURE CULTIVATORS(フューチャー・カルティベーターズ)」を展開。7月より東京にて、アーバンアート作品の展示を開始する。○プロアマ問わずクリエイターの作品を募集同プログラムは、社会課題をクリエイティブな視点で解決することを試みるクリエイター集団「REBIRTH PROJECT」とともに、クリエイターを対象にしたアーバンアート作品を公募し、7月より作品を展示するというもの。REBIRTH PROJECTは、「人類が地球に生き残るためにはどうするべきか?」という命題のもと、私たち人間がこれまでもたらした環境や社会への影響を見つめなおし、未来における生活を新たなビジネスモデルと共に創造していくために活動している。同社と活動理念に共通点が多いことを受け、共創プログラムの実現に至ったという。公募タイトルは、「"FUTURE CULTIVATORS" PROGRAM#1『NEW RECYCLE』 curation by REBIRTH PROJECT」。公募テーマは「NEW RECYCLE」。展示期間は、第一期が7月上旬~10月上旬、第二期は未定。期間内1カ月程度の展示を想定。応募資格者は次世代のクリエイターを目指す21歳以上の男女(職業、プロ・アマ経験は問わない)。公募期間は12月31日まで。なお、各種内容は変更される場合がある。応募は氏名、年齢、職業、プロフィールを付記し、作品の写真・デジタルデータ1~3点をメールで送付。各作品のタイトル、コンセプト、サイズもあわせて記載のこと。総データは10MB以内。詳細は「サンタフェ ナチュラルタバコ ジャパンのニュースリリース」で確認できる。
2015年06月12日Behance Japan Tokyo Communityは、第7回目となるクリエイターのコミュニティイベント「Behance Portfolio Reviews #7 」を開催する。開催日時は2015年7月4日。会場は、東京都・渋谷区の代官山T-SITE GALLERY。参加費は無料(事前予約制)。「Behance Portfolio Reviews」は、"Connect and get feedback on their creative work (クリエイティブな繋がりから、様々なフィードバックを)"をテーマに、世界各国の都市で開催されている作品プレゼン&レビューイベント。クリエイターにとっては、来場したレビュアーや専門家から有益なフィードバックを得る機会となり、クリエイティブワークを求める企業などの来場者にとってはクリエイターとの出会いの場となる。当日は参加クリエイターによる作品紹介が各所で行われ、専門家とレビュアーによる投票が行われる。その結果、高評価を得た上位4名のクリエイターが最終的な受賞者に選定され、ポートフォリオSNS「Behance.net」を通じて世界中に紹介されるとのこと。会場では、レビュアーの評価を視覚化したプロジェクションマッピングや、ひらがなピアスの3Dプリント実演、フォントお試しブースなどが展開されるほか、来場者プレゼントも用意される。なお、参加希望のクリエイターは、当日のプレゼンテーションに使用するため、これまで制作したプロジェクトの画像や動画などの事前提出が必要となる。締切は6月16日23:00。一方、クリエイターを評価する一般来場者の参加申込は7月3日23:00まで。いずれも詳細および申込はイベントページから。
2015年06月11日ワコムは、人気クリエイターによる作品のPSDファイルやブラシなどをダウンロード可能な「Create more」キャンペーンにて、イラストレーター・おはぎ氏のebook配布を開始した。同キャンペーンは、同社のペンタブレット「Intuos Pro」で創作活動をしている、あるいはこれから行う人に向けて展開されるもの。国内外から参加する人気クリエイターが制作したオリジナル作品のPSDデータのダウンロード提供に加えて、その作品の制作ポイントが学べるチュートリアルeブックや、作品で使用したブラシや素材なども入手可能だ。今回配布が開始されたのは、ニコニコ動画やpixivにおいて活躍し、小林幸子「吉原ラメント」イメージイラストなどを手がけたイラストレーター・おはぎ氏のチュートリアルつきebook。同氏が描く"かわいい"テイストのイラストができる過程を動画で解説している。ebookは無料配布されており、同キャンペーンサイトでメールアドレスを登録した全員に進呈される。そのほか、同キャンペーン期間中に「Intuos Pro」シリーズのいずれかの製品を購入した人全員には、本格的な作品を制作できるスケッチソフトウェア「Autodesk SketchBook Pro」の1年ライセンスおよびWindows専用ペイントソフトウェア「openCanvas」を進呈。なお、キャンペーンサイト内では、人気バンドDIR EN GREYやthe GazettEなどのCDジャケットを手掛けるクリエイティブディレクターの依田耕治氏も登場しており、日本のみならず海外からも著名クリエイターが順次登場、ebookなどを配布するということだ。
2015年05月29日アドビは、同社の提供するクリエイター向けSNSに登録している約500万人のクリエイターの作品を対象として、全世界の業界トレンド調査"Adobe Digital Index「New Creatives Mashup」"を実施。その調査結果を発表した。このたび公開された調査結果は、アドビが提供するクリエイター向けソーシャルネットワークサービス「Behance」に登録している約500万人のクリエイターの作品を対象にデータ収集を行い、分析結果をまとめたもの。この調査結果によると、「新世代のクリエイター」である18~22歳のクリエイターの間では、クリエイティブワークのモバイル化が進む一方で、アナログ的な着想によるデザインワークも注目されているという結果となった。○クリエイティブワークのモバイル化新技術や最先端のプラットフォームの導入によりクリエイターたちは作業スペースを拡大し、「セカンドスクリーン」としてのモバイル端末が、若手クリエイターたちのワークフローにこれまで以上に密接に取り込まれるようになった。特に、Behanceで作品を投稿している100万人近い18~22歳のクリエイターの間では、モバイル利用が顕著に進んでいる。過去1年間でモバイルでのログインが36%増加しており、若年層のクリエイターは全体と比較してモバイルでのデザインワークに従事している割合も2倍以上高くなっている。また、この年代がモバイルで行っている新規プロジェクトは、ブランディングのほかタイポグラフィー、漫画などが挙げられる。今後、モバイルプラットフォームからのデザインワークへの従事・制作が増え続けることが予想されるということだ。○場所を問わないクリエイティブな着想世界的にクリエイティブワークはかつてないほど増加傾向にあるが、アイデア創出やプロジェクトが行われている中心地域は、ブルックリン、ハンブルク、ロンドン、サンフランシスコといった主要都市ではなくなったことが明らかとなった。現在、クリエイターが集中しているのは、ブラジル、中国、英国、インド、メキシコ、ロシア、カナダとなっている。さらに、特定の年齢層でクリエイターが増えつつある国は、ドイツ、フランス、インドネシア、エジプトが挙げられる。○触覚ベースのクリエーションへのシフトAdobe Digital Indexによると、デザインワークにアナログ要素や非加工要素が復活してくる傾向を示している。Behance上の新世代クリエイターたち(18~22歳)は、前世代のクリエイターたちによく見られたデザインテーマやデザイン要素(「デジタル」、「アプリ」、「ブランディング」、「ウェブ」、「ロゴ」など)と、デザインの物理的な要素や触感のある要素から得られるインスピレーションの両方をうまく活用している。また、新世代のクリエイターは線描とタイポグラフィーで他の世代を圧倒しており、「ポートレート」や「スケッチ」をより多く制作している。注目すべきは、上の年代に比べて「インク」や「鉛筆」をより多く使用している点である。しかし、デザイン制作におけるベーシックな要素への探究心は、若年層に限定されているわけではなく、年代ごとに最も重視しているプロジェクトのトップ3を調査したところ、すべての年代でハンドレタリングがランクインしたということだ。このように、アナログ的な着想によるデザインワークが突如として注目され、若年層クリエイターたちの間でフリーハンドデザインなどの分野への関心が急速に高まっていることから、ネットワーク化時代において、このような意識が広まり、触覚ベースのクリエーションへのシフトが今後続くことが予想できると分析している。
2015年05月01日