日産自動車は3日、新世代タクシー「NV200タクシー」のプロモーションの一環として、同タクシーに使用可能な「初乗り無料チケット」を都内6個所で配布(サンプリング)すると発表した。NV200タクシーは、グローバルで高い評価を得ている多目的商用車「NV200」(日本名 : NV200バネット)を基に開発されたモデル。同様のタクシーはすでに米国・ニューヨーク市の次世代イエローキャブとして約700台が導入されており、スペイン・バルセロナ、オランダ・アムステルダムを始めとする欧州では、電気自動車「e-NV200」をベースとしたタクシーも約200台がサービスを開始している。日本でも6月8日に出発式を行い、初期導入企業46社による同タクシーが営業を開始した。今回のプロモーションでは、グローバル感を演出するため、日本人と外国人のモデルを起用しサンプリングを実施。都内でも有数の繁華街である6カ所にて、5週間にわたりタクシーチケットのサンプリングを行い、あわせてNV200タクシーの魅力を伝えるカタログも配布し、新しい価値観の提案・訴求を効果的に進めていくことを狙いとしている。
2015年07月03日○シェアードメモリとキャッシュメモリの構造の違いシェアードメモリの場合は、デバイスメモリからデータをコピーしてくると、それは単なるデータ(値)であり、元のデバイスメモリのアドレスとは関係が切れてしまう。したがって、シェアードメモリのデータは、シェアードメモリに付けられたアドレスを指定してアクセスすることになる。一方、キャッシュの場合は、値だけではなく、元のデバイスメモリのアドレス、そして、値がGPUコアによる書き込みで変更されているかなどの属性を示すタグが付けられている。そして、キャッシュの内容をアクセスするには、キャッシュメモリアレイの中の位置ではなく、元のデバイスメモリのアドレスを使う。そのため、図3-23に示すように、シェアードメモリはシェアードメモリのアドレスを使って単純にデータメモリのアレイをアクセスすれば良いが、キャッシュの場合は、まず、タグアレイを読み出し、それとアクセスするデバイスメモリアドレスのタグ部を比較して、一致していれば正しいアクセスでHitである。この場合は、データメモリアレイから読み出されたデータは指定したデバイスメモリアドレスのデータである。一方、タグが異なっていれば、グローバルアドレスのインデックス部は一致しているが、タグ部は異なる別アドレスのデータであるのでMissであり、読み出されたデータは意味が無い。図3-23のキャッシュはタグとデータメモリアレイが1組のダイレクトマップ方式のキャッシュであるが、実際には複数のウェイ(Way)を持つセットアソシアティブキャッシュが用いられる。なお、NVIDIAはL1Dキャッシュの内部構成を発表していないので、筆者の推定であるが、図3-24に示すように、複数セットのタグマッチ回路を持ち、アクセスに際しては、まず、タグを引いて、ヒットしたway番号を求める。そして、そのway番号をデータメモリをアクセスする下位のアドレスとして正しいデータを読み出すと考えられる。このようにすれば、シェアードメモリとのメモリアレイの共用がやり易いと思われる。なお、ここでは、各wayのヒット情報をエンコードしてバイナリのアドレスビットを出力する絵になっているが、メモリアレイのデコーダを細工して、One-Hotのヒット信号でそれぞれのwayを選択することができるようになっている可能性もある。どのタグマッチもヒットしなかった場合は、キャッシュ全体としてMissであり、目指すデータはキャッシュには入っていないので、L2キャッシュをアクセスすることになる。なお、この図では書き込み側の制御は省略している。そして、GPUのキャッシュはWarpやWavefrontと呼ばれるスレッドグループのアクセスを処理する必要があるが、図3-20のシェアードメモリのように、スレッドごとに独立にアドレスを指定できるようにするのはハードが膨大になってしまう。従って、図3-25に示すように、一時には横1行のアクセスに限定され、シェアードメモリのようにバンクごとに異なる段をアクセスすることはできない。そのため、32スレッドがアクセスするアドレスを調べて、横1行に含まれるアクセスをまとめるコアレス(Coalesce)ユニットが必要となる。すべてのスレッドのアクセスが横1行の128バイトに含まれる場合は、1回のメモリアクセスで済むが、アドレスが複数の行にまたがっている場合は、コアレスユニットは32スレッドすべてのアドレスがカバーされるまで複数回のアクセスを行うことになる。最悪の場合は、32スレッドのアクセスがすべて異なる行になっていると32回のアクセスが必要となり、メモリアクセスに32倍の時間が掛かってしまう。このようにシェアードメモリと1次データキャッシュはどちらもコア内の小規模メモリであることから、NVIDIAのFermi GPUやKepler GPUでは、1つの32バンクの64KBのメモリアレイを使い、一部をシェアードメモリ、残りの部分をキャッシュとして使うようになっている。シェアードメモリの量は、以前のGPUに装備されていた16KBに加えて、新たに32KBと48KBの指定が可能になっている。16KBを指定すれば以前のGPUと同じ容量であるので、以前のGPU用に書いたプログラムがそのまま動くが、32KBや48KBを指定して、増加したシェアードメモリを有効に使って性能を向上させようとする場合は、プログラムを修正する必要がある。一方、残りのキャッシュ部分は、自動的に、グローバルメモリやローカルメモリのアクセスされたアドレスのデータを保持して、以降のアクセスを高速化するので、プログラムの修正なしに自動的に利用することができる。
2015年07月03日写真編集ソフトの定番「Photoshop」が、今年で25周年を迎えます。そこで、フォトグラファーやデザイナー、イラストレーターなど、このソフトを愛用している各界のクリエイターに、アニバーサリーイヤーを記念して、ご自身とPhotoshopに関するエピソード、そしてPhotoshopへのお祝いの言葉を寄せていただきました。今回ご登場いただくのは、6月16日にリリースされたばかりの「Adobe Creative Cloud 2015年リリース」を象徴するグローバルIDビジュアルを手がけた、グラフィック/アートコレクティブ「NAM」のグラフィックデザイナー・中沢貴之さんと、フォトグラファー・間仲宇さんです。――はじめて触れたPhotoshopのバージョンと「第一印象」は?中沢さん: 私はアナログ時代とデジタル時代の両方を知っている最後の世代で、Photoshopはその過渡期に初めて触れました。かなり初期のバージョンのはずです。その頃は、PCは事務所に置物のようにあるだけで、映画『2001年宇宙の旅』のモノリス状態(笑)という、そんな時代でした。たまにアプリケーションをちょっといじったりして、でも結局何に使ったら良いかよく分からなくて、また手作業に戻るみたいな。まさに、あの映画の猿人の様な状態でした。間仲さん: まだ学生の頃に、授業で体験したのが初めてでした、バージョンは覚えていないのですが、まだフィルム撮影全盛のころなので、撮影したフィルムをスキャンして出力して…と、アナログより手間と時間がかかる、そんな印象でした。ですが、クオリティーの高いデジタルカメラの登場で、一気にPhotoshopユーザーになりました。――普段の業務・活動におけるPhotoshopの使い方を教えてください。中沢さん: NAMにおいては、主にカンプの制作で使用します。「最終イメージの確認」、「細部を含めた美術の発注」、「セットアップ時の設営スタッフとの意思疎通」などの進行がスムーズになるため、最近では緻密なカンプ制作が必要不可欠になりつつあります。また、各工程においてシュミレートすることで、私自身がビジュアルを把握することにもつながっています。現場で詳細なカンプに全てを引っぱられたくはないけれど、事前の極限までいったん詰める作業が、ビジュアルを作る上で思考に深みを与えてくれるんです。矛盾した言い方になってしまうのですが(笑)間仲さん: 主に撮影後の写真をフィニッシュに向けて、ブローアップするために使用させていただいています、"Photoshopにどれだけ頼らずに良い写真を撮影できるか?"がポイントだったりするのですが、現場の状況に応じて後処理で対応した方が良い場合も多く、いつも助けてもらっています。――最もよく使う/気に入っているPhotoshopの機能は?間仲さん: 以前からある機能ですが、レイヤーに分けて作業を進められるというのは画期的だと思っています、作業ごとにあとで戻ったり、調整したり、自由自在ですからね。――最後に、25周年の節目を迎えたPhotoshopへの激励の言葉をお願いします。間仲さん: 25周年おめでとうございます。アナログからデジタルへ移行して、Photoshopに触れていくことで、逆に写真というメディアを理解できた部分があります、デジタルでは物理的には何でもできてしまう訳ですが、写真というメディアの中で考えると、手を入れすぎると「写真」でなく「絵」になってしまう瞬間があって…そのはざまを行き来することで写真であるためにはどうすれば?などと考えるようになり、いまではそれが自分の考えの重要な部分になっています、Photoshopが無かったらまた違う考えをしてたかもしれませんね。これからもさらなる進化を期待しております。中沢さん: 25周年おめでとうございます! Photoshopがビジュアル世界に与えた影響は非常に大きく、それ以前・以降でビジュアルのありかたを変えた画期的な発明と言って良いと思います。クリエイター側の意識にまで進化を促したといえると思います。もともと、私たちのテグスを使った作品も、「テクノロジーで何でもできる時代に、人力でそれらを再現したらどうなるんだろう?」というシンプルで逆説的な発想から生まれました。そもそも、Photoshopが存在していなければそんなこと自体考えなかったはずです。個人的な話で脱線しますが、私は映画を見るのが好きで、テクノロジーを考える時のひとつの参考として、クリストファー・ノーラン監督の『インセプション』をNAMの制作中によく思い浮かべるんです。この作品はリアルセットにこだわり、CGは最小限にして、双方を絶妙にミックスさせた表現を用いています。それはポストテクノロジーにふさわしい観たことのない世界観で、強い現代性を感じました。これは、テクノロジーが促し可能にさせた、クリエイティブにおける進化の最良の例のひとつだと思います。私はあんな関係性が理想だなと、いつも思っているんです。「Photoshopの進化と共に、クリエイターの意識も一緒に進化していく」。このふたつの領域の駆け引きの中に、誰も見たこともない、新しいビジュアルクリエイトのヒントがまだまだ隠されている気がしてなりません。これからも、さらなる進化を続けてください。○最新の「Creative Cloud」グローバルビジュアルを制作今までにない革新的な進化をとげてリリースされた、「Adobe Creative Cloud 2015年リリース」のグローバルIDビジュアルを手がけました。新しいCreative Cloudの描く世界観をストーリーに仕立て、実際にリアルセットを組みビジュアライズしました。制作の模様はアドビのWebサイトに詳しく掲載されています。世界中の皆さんに気に入ってもらえたら嬉しいですね。
2015年07月02日ハッキング、データ漏えいと政府や企業のサイバーセキュリティ事件が後を絶たない。コンテンツデリバリネットワーク(CDN)で構築した土台を基にクラウドベースのセキュリティサービスを提供する米Akamai Technologiesによると、「残念ながら当面の間状況は改善しそうにない」という。サイバーセキュリティで何が起こっているのか。Akamaiでセキュリティ部門担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるStuart Scholly氏Scholly氏に「脅威や攻撃のトレンド」と「Akamaiの提案」について聞いた。○Akamaiのセキュリティ部門は急成長――セキュリティビジネスの展開はいつからか? どのようなソリューションを揃えるのか?Akamaiがセキュリティ分野に拡大したのは4年前だ。インターネットアプリケーションでは高速、信頼性、安全性が必要となる。Akamaiのネットワークは最も高速で、最も信頼性がある。そしてセキュリティの要素が必要だと気がついた。当初は小規模だったが急速に成長している。2014年にProlexicを買収した時、Akamaiのセキュリティ事業とProlexciはほぼ同じ規模でともに年間7000万ドル事業だった。合わせると1億4000万ドルとなり、クラウドベースでは最大級のセキュリティ事業に成長している。我々は3つの面で保護できる。1つ目として、Webアプリケーションの保護として「KONA Site Defender」を提供する。DDosとWebアプリケーションの一貫性問題(データ窃盗)の両方で保護し、常時アベイラブル、性能、安全性を実現する。2つ目は「Prolexic Routed」で、HTTP/HTTPSだけでなく、VPNアプリケーションや電子メールなどすべてのプロトコルやポートをサポートするものだ。3つ目は「Fast DNS」で、DDoS攻撃から守る堅牢DNSソリューションだ。――セキュリティベンダーは多数あるが、Akamaiの強みは?Akamaiは常時、世界中のインターネットトラフィックの15~30%をみている。これにより、脅威についての全体的な視点を得ることができる。我々は、毎日2PBのログイン情報をみており、その中から攻撃のデータを検出できる。その結果、KONAなどの既存製品の品質改善が可能となるだけでなく、クライアントレピュテーションといった新しい製品も開発している。クライアントレピュテーションは、全てのIPアドレスからDDoS攻撃に関連しているIPアドレス、Web攻撃に関連しているIPアドレス、脆弱性スキャンを行っている、(Webサイトから情報を抽出する)Webスクレーピングに関与しているなどの点を評価して1-10でスコアをつけるもので、顧客にこの情報を提供できる。自社にやってきたトラフィックからIPのレピュテーションを見て、対応する。Akamaiはインターネットにおける信頼された場所であり、このポジションは他にはないと自負している。――セキュリティ事業が伸びている背景は何か?攻撃が増えているからだ。政治的なもの、純粋なビジネス目的のものと攻撃の種類もさまざまで、規模の大小を問わず、あらゆる企業がターゲットになっている。SQLインジェクションなど、Webアプリケーションを狙った攻撃に遭う企業は4社に3社と予想されるなど、状況は悪化している。最新のトレンドで言えばDDoS for Bitcoinがある。これまでのDDoS攻撃はWebサイトをダウンさせることを目的としていたが、攻撃を仕掛けて"身代金"としてBitcoinを要求するという攻撃だ。期日までに払わなければ求めるBitcoinの数を増やし、攻撃の帯域を増やすと脅すもので、数週間前に我々の顧客3社が被害にあった。この攻撃はあちこちで起こっており、最悪の場合には攻撃に気づいていない企業もあるかもしれない。これ以外の要素として、これまで企業が社内で講じていたセキュリティ機能がクラウドに移行しているというトレンドがある。5~6年前までのDDos攻撃は大企業を乗っ取るほど大きくなかった。帯域が十分でなく、対応できるデバイスも限られていた。だが現在、どのような企業でもDDoS攻撃のターゲットになりうる。企業はクラウドでの攻撃に対応するためのクラウド戦略が必要だ。Akamaiは顧客の対策を支援できるだけでなく、攻撃に関するデータを持っているため、対策ルールをチューニングして顧客に精度の高い対策を提供できる。false positiveとfalse negativeの両方の誤検知率が低い。このように、クラウドで提供されるセキュリティ機能が増えており、Akamaiは専門知識が利用できることから様々なセキュリティ対策がクラウドに移行している。これがAkamaiのセキュリティ事業の後押しとなっている。――モバイルのトレンドはセキュリティにどのような影響を与えている?モバイルはセキュリティ分野にとっても大きなインパクトを持つ。Akamaiはモバイルでは、アプリのパフォーマンスにフォーカスしている。モバイルアプリは標準的なWebアプリよりパフォーマンスが劣ることが多いが、インフラが原因であることがほとんどだ。Akamaiはトラフィックの加速化を実現する。今後は性能からセキュリティに拡大し、モバイルユーザーをより安全にすることにもフォーカスする。モバイルに特化した製品はまだ提供していないが、モバイルと標準的なWebの保護は重点分野だ。――IoT(モノのインターネット)はどうか? スマートホーム、スマートカーなどの立ち上がりとともにセキュリティの懸念も見られるがIoTはセキュリティにとって大きな問題だ。Akamaiではすでに、典型的なコンピューター端末ではないものがDDoS攻撃に使われているのを観測している。例えばARMプロセッサーを搭載した端末、プリンターなどだ。これらのデバイスはこれといったセキュリティ対策を講じておらず、悪意ある人が攻撃プラットフォームとして利用できる。CPUが入っているものならなんでも攻撃プラットフォームになりうる。我々はこの分野での動向を注意深く観測しており、どのようにしてIoTを安全にするかを考えているところだ。今後IoTのセキュリティ問題は大きくなってくるだろう。私は自宅で(Google傘下の)NESTを利用しているが、プライマリーネットワーク上では利用していない。あらゆる技術は良いことと悪いことに使える。IoTにより、製品が故障する前に状態を知らせることが可能になるが、これは効率化につながる良い面だ。このような「メリット」と「リスク」にはバランスが必要で、本当にこれを自動化する必要があるのか、導入前にハッキングされるリスクを考えるべきだ。例えば、セキュリティカメラがハッキング可能であることがわかっている。セキュリティのためであるはずなのに、ハックして家の中を見ることができるとなると、本末転倒だろう。――Akamaiのセキュリティ事業で、今後どのような分野を揃えていく予定か?我々の伝統的な役割は、インバウンドのトラフィックを安全にすることだった。これに加えて、現在アウトバウンドのトラフィックのセキュリティも検討している。これにより、顧客のユーザーの保護も可能となるため、面白いチャンスだと見ている。幸いAkamaiのプラットフォームは柔軟性があり、新しいセキュリティ機能を容易に動かすことが可能だ。――日本市場での取り組みは?今年は企業として日本市場に強化する。Akamaiを利用する顧客はグローバルに展開しているところが多いが、日本のグローバル企業にもっとリーチしたいと思っている。日本とポーランドにセキュリティ・オペレーション・センター(SOC)を新たに立ち上げ、日本では日本語でサポートを提供する体制を整えた。
2015年07月02日アヴネットおよびアヴネット・イーエム・ホールディングス・ジャパンは7月1日、同日付で両社の代表取締役社長に、これまで最高財務責任者や人事担当役員などの戦略的職務に就くとともに、資産管理やロジスティクスなどのバックオフィス・サポート部門を統括する責務も担ってきた茂木康元氏が就任したと発表した。同氏は、今回の社長就任により、日本における戦略的方向性、事業運営および業績についての責任を担うこととなる。また、これには、現在アジアにおいて日系のOEM企業およびEMS企業にサービスを提供している8つの海外拠点も含まれるとする。今回の人事について同社は、「日本で成長してゆく次のステップ」と説明している。また、前社長となるトム・マッカートニー氏は、米国本社へと移り、グローバルおよび戦略アカウント・プログラム担当のバイスプレジデントとして、同社のティア1顧客であるEMSおよびOEMグローバル企業に高いレベルのサービスとサポートを提供する任に就くほか、同社のサプライチェーン・サービスプログラムの責務も担う予定としている。
2015年07月01日GMO TECHは6月30日、モバイルゲームパブリッシャーのKick9 CO.,LTD.(Kick9)と戦略的パートナーシップに関する業務提携契約を締結した。GMO TECHとは、ゲームアプリを含むスマートフォン向けの広告配信サービスや、モバイル向けのSEO対策サービスなど、顧客の集客を支援するモバイルマーケティング事業を展開する企業。同社によると、近年、モバイルゲーム市場は世界的に拡大し、中でも中国は、2015年にモバイルゲームユーザーが6億人を超え、市場規模は7,000億円にのぼると予測される。こうした背景を受け、日本国内のアプリデベロッパーにおける、中国市場への進出ニーズが高まっているという。しかし、中国には200以上のアプリストアが存在しており、ゲームアプリの広告配信といったプロモーションの仕組みも日本とは異なり独特なため、参入には現地法人とのパートナーシップが重要となるようだ。このたび業務提携を行うKick9は、元DeNA China最高経営責任者(CEO)の王勇氏が2014年春に創業したモバイルゲームのグローバル・ディストリビューション・サービスを提供する企業。中国モバイルゲームのグローバル展開を支えるほか、他国のモバイルゲームが中国市場に上陸する際の支援サービスも展開する。同業務提携によりGMO TECHは、国内アプリデベロッパーの中国進出と広告配信を支援するとともに、中国アプリデベロッパーによる日本向けスマートフォン広告プロモーションを支援していく考えだ。
2015年07月01日メタップスとデジタルガレージ(DG)は6月30日、スマートフォンアプリの運用型広告を主要事業とするデジタルサイエンスラボを合弁で設立したことを発表した。同社の設立は、既存のセオリーを超える新しい視点や広告効果指標を提供し、より収益性の高いアプリ広告ソリューションを提供することを目的としたもの。DGのデジタルマーケティング領域におけるノウハウと、メタップスのグローバルな営業力とデータ解析技術を組み合わせることにより、両社の強みを活かしたスマートフォンアプリの広告ソリューションを提供する。今後は、取扱いメディアの領域拡大や広告商品の新規開発を行い、国内外のクライアントの収益化とグローバル展開を支援していく考えだ。
2015年06月30日●なぜ、大手ものづくり企業で採用されたのか○来場者の注目を集める「リアル形状検索」6月24日~26日に東京ビッグサイトで開催されている世界最大級のものづくり専門展「第26回 設計・製造ソリューション展(DMS)」では、生産管理システムに関するものが多く見受けられた。今回はその中から、すでに欧米などでシェアをのばしている部品情報検索システム「PARTsolutions」を提供しているキャデナス・ウェブ・ツー・キャド(以下、CADENAS)のブースをレポートしよう。まずブースを訪れると、実部品の山から同じ部品のペアを見つけ出すイベント「リアル形状検索」が注目を集めていた。実際に挑戦してみると、これがなかなかに難しい。スタッフの方からは「これを部品データの管理に置き換えて想像してみてください」とコメントをいただいたが、なるほど、カオス状態のファイルサーバを整頓する煩雑さや、欲しいデータがすぐに手に入らない設計者の苛立ちは容易に想像できる。このような部品データの管理や検索の課題を解決するのが、今回の展示のメインとなる部品情報管理システム「PARTsolutions」とのこと。ERPやPDMなどのシステムを統合し、形状検索をはじめとしたユニークな検索機能で、メーカー部品を含めた必要な情報にアクセスできる同製品について、ブースにて詳しい解説を受けることができた。○プロダクト管理の本場で成熟したシステム同社マーケティングチームの高橋氏によれば、同システムが生まれた背景には、世界の大手ものづくり企業が社内システムの標準化やコスト削減を目指して、各社独自に行ってきたシステム開発への取り組みがあったという。プロダクト管理への意識が高いドイツをはじめとする欧米企業では、従来から部品標準化の促進や部品点数の削減、制作部品の再利用率向上、部署を横断した部品情報の見える化などの実現を求めて試行錯誤が繰り返されてきた。そんなものづくりの先端企業各社のノウハウを結集し、キャデナスが確立してきた膨大な部品メーカーのデータベースと融合する形で生まれたのが同システムだ。設計現場の意見を受け止めて鍛え上げられたサービスだけに世界の一流ブランドからの評価も確固たるものがある。自動車業界ではポルシェ、コンシューマ・エレクトロニック業界ではブラウン、航空業界ではエアバス、工作機械ではトルンプ、鉄道業界ではSNCFなどで既に導入され、ほかにも工業プラント、造船、軍事など枚挙にいとまがなく、業界も多岐にわたっている。日本のトップメーカーの間でも採用が進んでおり、その度に国内特有の要望やグローバルに活用するために必要な要素をノウハウとして取り込み、さらに進化を続けているという。○設計と購買がつながることで生まれるメリットでは、これだけの企業に支持を受けているのは何故か。高橋氏によれば、“製品のトータルコストの70%が、開発段階で決定してしまう”という事実に向き合いソリューションを提示しているからだという。つまり同システムの真骨頂は、本来は後工程となる購買の視点も巻き込みつつ、コストが決定される設計段階において削減の意思決定を実現できる点にある。ものづくりの流れにおいて、設計部門と購買部門の思惑は往々にして分断されてしまう。これは、ERPやPLMなどの管理システムが標準化されていないことが大きな要因だ。システムが連動していないため、採用実績や在庫情報、価格情報などを横断して把握することができず、情報の更新も他システムに反映されない。パーツ登録時の用語の不統一や人的ミスも発生しやすくなる。これらの問題を解決するとしてCADENASが提唱するのが同システムだ。ERP、PLM、CADシステムの「楔」となることで、部品についてのIDと名称と各種情報が統合された「きれいなマスターデータベース」ができあがる。これにより、コスト決定に関わる情報が設計段階から見える化し、最適な部品選定や無駄な新規設計の防止、部品点数の低減につながる。またグローバル化の競争下においては、「生産国での調達は可能か?」「各工場でのストック状況は?」「調達価格は?」など“調達可能な部品/調達すべき部品”を正確に知ることでアドバンテージを得ていくことができるだろう。当然、設計自体の効率化や管理部門のシステムの簡素化、データの正確性の向上にも大きく貢献してくれる。●隙のない部品管理を可能にしているもの○3種類のパーツを「面」で管理前段では管理すべきシステムに触れたが、高橋氏は、管理すべき部品に着目してほしいとも述べた。ものづくりにおいて管理すべき部品は3種類に分類することができるが、それぞれにおいて管理上の課題がつきまとうようだ。1つは、JISなどで規格化された「一般購入部品」。汎用性の高さと重要度合からデータ整備が進みやすい部品だが、特殊な形状のボルトなどデータ未登録の部品が選定されると、設計者が無秩序にモデルを作成しはじめてしまうというリスクをはらんでいる。2つ目は、自社で新たに図面を起こして作成する「製作・加工部品」。こちらはPDMなどで管理されることが多いが、検索時にテキスト情報しか利用できないのが問題だ。部品名称や設計者名などからの検索には限界があり、検索自体が「○さんが××を作ったらしい」といった人的データベースに依存してしまっては本末転倒だ。3つ目は、部品メーカー各社が作成している「メーカー部品」。管理対象となるのがあくまで採用実績のある部品に限られてしまうのが難点だ。市場に無数の部品が出回る中で、そのほんの一部にしかアクセスできないのであれば、それはもはやデータベースとして価値を成していないのと同義だろう。いずれかの部品に「穴」があっては、全体の管理が水の泡となりかねない。そんなシビアな要求に対して、同システムは隙のない「面」での管理を提供しているという。国内ではCADENASのみが持つ、国内の主要70社以上、国外を含めると300社以上のメーカー部品データベースが、設計時の選択肢を大幅に広げてくれるわけだ。また、データベースが膨大になると、すぐに必要な部品にアクセスできるのかという点が気になるが、こちらは形状検索やスケッチ検索、トポロジ検索などCADENASが強みとするユニークな検索機能によって、素早く効率的な情報取得が可能になっている。こちらは是非、ブースのデモンストレーションで体感してみてもらいたい。これ以外にも単純な検索エンジンとデータベースとしてだけではない価値も提供してくれる。モデリングした製作部品と似た形状のメーカー部品を探し出せる「Make or Buy機能」、設計に対して適切な素材を提示してくれる「素材検索」、複数のモデルから重複/類似した複数の部品を“多対多”で探しだす「重複検索」、“ドンピシャ”な部品ではなく少し違った形状から求める部品に近づいていく「インスピレーション検索」など、いずれもアプリケーションレベルで機能する便利なものばかりだ。最後に高橋氏は、「部品情報管理の効率化には、設計段階でのコスト意識を持った取り組みが重要になります」と改めて部品管理のポイントを強調してくれた。これまで設計者のためのポータルサイト CADデータ無料ダウンロード「PARTcommunity」などを通じ、日本の3D CAD業界を盛り上げてきた同社に、今度は同システムによって、日本製造業界にさらなる発展を遂げてほしいという思いがあるようだ。ブースにはさまざまな資料や導入事例があり、CADENASのスタッフも詳しく質問に答えてくれる。自社の部品管理を一歩先に進めたいという方は、ぜひCADENASのブースに立ち寄っていただきたい。
2015年06月25日さらなるグローバル化の伸長が予想される2018年、国内の18歳人口が再び減少し始める。教育機関関係者のあいだでは、これを"2018年問題"と呼ぶ(2018年問題をご存知ない方は、前回から読んでいただくことを推奨する)。グローバル化の波を受けた育成人材の変化、アジアを中心とした海外大学の台頭、18歳市場の縮小という時代を背景に、大半の有識者が予測することは、数多くの大学の倒産である。国内の多くの私立大学は総収入の7割~8割を学納金収入に頼っており、学生数の減少が経営に与えるインパクトは大きい。また、学納金収入以外の収入も大半が国や自治体からの補助金であり、学納金収入の減少を補うビジネスモデルも存在していない。加えて、コスト側面でも固定的支出、B/S(貸借対照表)側面でも固定資産が大半を占めており、総じて状況変化に極めて弱い財務体質を有している。この状況を踏まえると、将来起こり得るマイナスの状況変化に対して、多くの大学が経営危機に見舞われると考えることが自然である。一方、アクセンチュアは、国内大学がこの難局を転機として捉え、この先数年間で急速に経営モデル・事業方針を大きく変えるのではないか、そして国内大学の持つ力をもってすれば、2018年問題の影響を感じさせないほど、大きく成長を遂げることが可能なのではないかと考えている。その理由をより容易に理解いただくことを目的に、1980年代に米国の大学を襲った危機と米国の大学の対応についてまずは触れておこう。米国では、1980年代中盤から1990年代に掛けて、今の日本と同様に18歳人口の激減に見舞われた。この時、米国内で予想されていた大学の倒産数は200超。しかしながら、(当然M&Aなどの倒産回避策もあったものの)実際の倒産数は60前後という結果であり、いい意味で予想を裏切った。それ以上に感心すべきは、その後の "世界をリードする米国大学"というイメージを確立する礎を築いたことだ。18歳人口の減少に見舞われた米国の大学では、学生獲得難の克服に向けて、経営モデルそのものを大きく変化させ、各大学で補助金や教育収入に頼らない企業的なモデルを確立した。変革内容はデリバティブなどを利用した投資収益の増加施策や保有する有形固定資産や人的資産を活用した営利事業の展開、国外からの留学生や企業とコラボレートした社会人の受け入れを活性化など多岐にわたった。つまり、それまで培った教育事業を柱に置きつつも、収入源の多角化を積極的に推進したのである。また、支出面でもアウトソーシングなどの外部リソースの活用を積極的に推し進め、コスト圧縮とコスト体質の転換(変動費化)を両立させた。結果、米国の大手大学では総収入に占める学納金(授業料)収入の割合を30%前後まで圧縮させる事に成功し、コスト面も変動コスト割合が高まり、学生数の減少に伴う経営に対するインパクトを極小化させた。加えて、他事業から得た収益を教育に投資する好循環モデルを確立し、現在の"世界をリードする米国大学"の基盤となるROI(投資対効果)を高めたビジネスモデルに転換したのである。では、国内大学も米国の大学同様に事業の多角化を基軸としたビジネスモデルに転換が出来るのだろうか。その可能性については否定こそしないものの、実現までには相当の時間を要すると考えられ、実質的にはよりマーケットの変化に順応することに主眼が置かれたパラダイムシフトになると考えられる。主に以下の4つ側面から、国内大学は大きく転換していくと予測している。○1. 教育プログラムの転換学生獲得競争の激化を背に、各大学は差別化を目的として自学に見合う領域に経営資源を集中的に投下し、"戦える武器"を創りあげる。その結果、現在は主流となる経済学部や法学部、工学部などの汎用性の高い学部は一部の上位大学に残る程度で、多くの学部は就職先の業種や業態、企業、進学先などに直結する極めて専門性の高い内容で構成され、授業内容もこれに沿って実践・実学教育に大きくシフトする。一方、従来は自学で提供していたリベラルアーツ的な教育は、上位大学から先端技術を駆使してクラウド的に提供される。また、卒業などの各種認定においても、汎用的なスキル証明というこれまでの位置づけが崩れ、より細分化された領域・レベルに対して単位や修了を認定するかたちに転換していく。○2. 対象マーケットの転換グローバル化・少子化の煽りを受け、国内の18歳人口を対象とした学生獲得競争が崩壊する。学生獲得競争は社会人や企業研修にまで広がりを見せるとともに、その範囲も東南アジアやBRICS (ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)などの諸外国にまで拡大し、Inboundでのグローバル化が進展する。○3. 提供場所の転換昨今の急速なデジタル化を背景に、従来のキャンパスに軸を置いた教育スタイルから、大部分の教育の場をインターネットに転換していく大学も増加する。デジタルを活用した授業スタイルとはVirtual Class Roomを指しており、これまでの片方向でコンテンツを提供するeLearningとは一線を画し、教員や他の履修学生と双方向でコミュニケーションを行え、自身の環境があたかも教室にいるような錯覚に陥る環境になる。○4. 経営モデルの転換マーケットの流動性が高まることで、特に小規模の大学は保有していた固定資産の大部分を手放し、自治体や企業などと連携したレンタルキャンパスに移行する。また、人材においても必要最小限の精鋭部隊のみを有し、不足人材はアウトソーシングなどを活用することで経営状況に合わせて柔軟に最適量を調達する。この転換は学生にとって大きな意義をもたらす。学生ひとりひとりが世界中に溢れる多様なコンテンツを自由に組み合わせ、最適な教育を自分自身で確立することができるようになる。そしてそれらのコンテンツは教室だけでなく、バーチャルな世界からもアクセスが可能となり、コンテンツに対する満足度は瞬く間にインターネットを通じて拡散し、次の受講生の重要なインプットとなる。これが学生視点からみた将来の国内大学である。大学経営も企業同様、生き物であり、マーケットの状況が変われば、柔軟に対応をしていく必要がある。国内大学は、グローバル改革やガバナンス改革といった目先の改革も必要ではあるが、中長期を見据えた大きな変化を追求する事も必要になってくるのではないだろうか。実際、近年の大学改革ではこの動きを予兆するかのように、出口戦略に焦点を当てた学部再編や経営改革が相次いで生じている。次号ではこれらの事例を紹介しつつ、2030年に向けた国内大学転換についてさらに深堀していく。(次回は7月下旬の掲載予定です)著者プロフィール根本武(ねもとたける)アクセンチュア株式会社 公共サービス・医療健康本部 マネジャー入社以来、数多くの大学改革案件を主導。経営戦略や教育改革、組織・業務・IT改革に至るまで幅広い分野に精通。保有資格は中小企業診断士、システムアナリスト、テクニカルエンジニア(ネットワーク)など
2015年06月25日贅沢なやすらぎの時間に株式会社グローバルビューティは6月16日、Argan AYA Moroccoより美容大国モロッコの豊富な美容原料と伝統的な美容法を受け継いで作られたベーシック スキンケア ラインの販売を開始すると発表した。Argan AYA Moroccoはモロッコの豊富な美容原料と伝統的な美容法を受け継ぎ、心と身体をいやし、贅沢なやすらぎの時間、自分の身体と向き合い問いかけながらケアをする喜びを提供したいという思いから生まれた、ラグジュアリーなライフスタイルをおくるためのコスメ&雑貨ブランドである。アルガンオイルのチカラで今回発売となる基礎化粧品はクレンジング、化粧水、乳液の3商品で、モロッコ原産の貴重な認定オーガニック アルガンオイルをベースに、自然界より栄養価の高い多種多様な美容成分を配合した。アルガンオイルは保湿効果、抗酸化力が高いビタミンEを豊富に含んでおり、肌にハリを与える脂肪酸・ポリフェノールなどを多く含み、水和性が高く肌に浸透しやすい。アルガンオイル以外にも、アラリアエクスレンタエキスというアミノ酸やミネラルを豊富に含んだ海藻エキスやヒアルロン酸Naの10倍の保守威力を持ち、お肌のバリア機能を助けるスイゼンジノリ多糖体、皮膚細胞の活性化を促すコメヌカエキスなどを配合した。silk oil of morocco店内での取り扱いで、有楽町マルイ店、エキマルシェ大阪店、京都キュ-ブ店、横浜ジョイナス店にて販売される。(画像はプレスリリースより)【参考】・株式会社グローバルビューティのプレスリリース・Argan AYA Morocco
2015年06月24日6月10日・11日に、東京流通センターで物流関連の展示会「アジア・シームレス物流フォーラム2015」が開催された。今回は、ワールドワイドでサプライチェーン・マネジメント・ソリューションを展開するマンハッタン・アソシエイツのブースを訪れ、“真のオムニチャネル”実現のために必要なソリューションとは何かを探ってみた。同社は、業界でも珍しい物流系ソフトウェアの開発・提供に特化した、サプライチェーン・マネジメント・ソリューションのカンパニーだ。同社 日本・韓国代表の清水博氏は「弊社では物流系ソフトウェアに関して、年間約50億円の開発投資を続けており、製品の完成度には自信があります」と、同社の強みについて語る。○複雑性を増す物流倉庫と市場変化同社のサプライチェーン・マネジメント・ソリューションで中心となっているのが、倉庫管理システム(WMS)だ。近年はアパレルや流通、小売などの各業界において、物流倉庫の業務が複雑性を増している。特にアパレルは品目数の多さに加えて、プロダクトライフの短さ、そして季節の移り変わりで返品も多いことなどから、倉庫の負担が一般の製造業より高くなるという。こうした複雑性の高い倉庫にも対応できるよう、同社のWMSには多彩かつ細かい機能が備わっているのである。くわえて、これらを標準機能として提供しているのも、企業にとって大きなメリットといえる。標準で詳細な部分までカバーしていれば、倉庫内のプロセスに特殊性があってもシステムをカスタマイズする必要がない。結果として、トータルコストを低く抑えられるというわけだ。清水氏によると「WMSに関しては2000年代前半に、自社開発の古いメインフレームからパッケージ製品へ置き換えていくという大きな波が到来しました。そこから10年ほど経過した現在、ハードウェアのサポート切れなどでまた新しい動きが見え始めています」と、市場全体に変化が見られているという。さらに、企業の考え方についても「オムニチャネルをはじめ、物流倉庫に対する重要性が今までとはまったく異なる位置づけになってきたように感じます」と続けた。従来の倉庫管理では、店舗向けにある程度大ロットで商品を出庫するのが一般的だった。しかし近年はEコマースの普及により、商品を1個単位で出庫する必要が出てきたほか、返品対応など倉庫の業務がより複雑化しているという。また、競争が激しい小売業界では、いかに店舗スタッフが顧客対応の時間を増やし、購買につなげるかに注力しており、店舗における荷受から陳列までの手間を可能な限り減らしたいという流れも出てきている。そこで、従来店舗で行ってきた作業を上流へと移行し、効率化を図る動きが見られるのだ。そのほか、特にグローバル展開をしている流通・小売企業では、オムニチャネルを見据えた動きが活発化している。従来は情報物流サービスに関して物流業者へ丸投げしていた企業も多かった。ところが、倉庫管理の複雑性が高まってきたこともあり、各国で物流業者やシステムが異なると、オムニチャネルの構築に支障が出てくる。このような背景下で、グローバルでシステムが統一されていることの有効性が徐々に認識されてきたそうだ。○“真のオムニチャネル”の実現を目指すこうした市場変化に対し、同社ではWMSを中心として、オムニチャネルに対応したトータルソリューションを提供できる点を大きな強みとしている。オムニチャネルを実現するには、オーダーの引当が非常に重要な役割を担う。企業は顧客のニーズに合わせて引当をかける必要があるが、商品をいつ届けなければならないのか、顧客が店舗へ直接取りに来るのかなどの条件によって、商品の引当を行う場所が大きく変わってくる。たとえば顧客が店舗での早期受け取りを希望した場合、倉庫だけでなく店舗の在庫状況までをリアルタイムに把握し、なおかつその商品を顧客が来るまでに店舗スタッフがピックアップしておく必要がある。「そこまで実現するためには、倉庫および店舗の在庫管理はもちろん、注文の引当、店舗からの出荷指示、店舗スタッフへの指示まで、一連の流れに対応した機能がすべてそろっていなければいけません。ここまでできてこそ、“真のオムニチャネル”といえるわけです」と清水氏は語る。また、Eコマースで返品が発生した際も、払い戻し対応なのか、別の商品と交換するのか、交換の場合は店舗での受け取りもしくは送付になるのかなど、数多くの選択肢が出てくるだろう。返品をスムーズに完了するには、顧客からの連絡を受けるコールセンターが、情報をすべて一元管理できている必要があるわけだ。この点についても清水氏は「弊社のソリューションでは、コールセンターの担当が顧客と会話をしながら、最適な選択ができるように情報提供する機能も備えています」と語る。近年、オムニチャネルという言葉自体の認知度が上がり、取り組みを強化する企業も増えてはいる。しかし実際のところ、日本においてリアルタイムに倉庫と店舗の在庫が確認できるシステムを導入している企業はまだごく少数だ。「真のオムニチャネルとは、たとえば店舗に在庫がなかった場合、店舗スタッフがその場でタブレットから倉庫と他店の在庫を確認し、リアルタイムでの取り置きや別店舗へのピックアップ指示まで行える、そういったものです。米国ではこれを実現できている企業が結構あるのですが、日本ではまだそこまでのレベルに達していない現状があります」と清水氏は語る。○日本での“真のオムニチャネル”実現に向けて同社では現在、日本市場向けにWMSと、グローバル規模で在庫の一元管理が可能な「EEM(Extended Enterprise Management:拡張サプライチェーン管理)」を中心に展開している。これらを中心に、同じプラットフォーム上で輸送管理や在庫の最適化、在庫の引当、在庫計画、注文管理といった各種ソリューションが利用可能だという。「弊社では米国と同じように、日本でも真のオムニチャネルに挑戦してくださるパートナー企業を募集しています。大手流通業とパートナーを組み、理想的なオムニチャネルの実現に向けた取り組みを加速していきます」と、清水氏は今後の展開をアピールした。
2015年06月22日●「テラスハウス」など2つのオリジナルコンテンツ今秋からの日本国内参入を予定しているNetflixは17日、フジテレビとオリジナルコンテンツ制作で合意に達したと発表した。第1弾としてリアリティーショー「テラスハウス」の新作と連続ドラマ「アンダーウェア」を制作、グローバルで配信を行う。当初Netflix向けに独占配信を行い、その後地上波、動画配信「FOD・フジテレビオンデマンド」でも配信を行う予定。Netflixの国内での利用料金、サービス開始日は未定のままだ。テラスハウスの新作「TERRACE HOUSE NEW SEASON COMING(仮)」は、シェアハウスで同居する男女の模様を描いたリアリティーショー。6月17日から世界中で出演者の募集を行ってキャストを決定する。全18話の予定。アンダーウェアは英題が「Atelier」となり、「下着業界で働く女性のサクセスストーリー」(フジテレビジョン常務取締役・大多亮氏)だという。キャストは現時点では未定で、全13話になる予定だ。いずれも制作はすべてフジテレビが行い、著作権もフジテレビが所有する。Netflixは配信権を購入する形で、出演者や使用曲など、すべての契約はグローバルでの配信を前提としたものとする。各番組の制作費は「地上波の番組制作費と同等」(同氏)だという。Netflixでは基本的に同社がサポートする50カ国で配信できるが、各市場に向けて字幕がいいか、吹き替えがいいかなどのローカライズの関係もあり、どの規模での配信になるかは決まっていないという。「アンダーウェア」の英題を「Atelier(アトリエ、仕事場)」としたのはNetflix側で、海外での配信向けにはそれが適していると判断したとのことで、少なくとも英語での配信は行う方針のようだ。Netflix日本法人のグレッグ・ピーターズ社長は、「(テラスハウスが)日本で大ヒットした番組でファンも楽しみにしている。日本の素晴らしい番組を世界に発信していく大きなチャンス」と強調する。Netflixでの配信に続いて、地上波やFODなど「あらゆるメディアを使って多くの人に見てもらいたい」(大多氏)としており、特定のメディアに依存しない展開を行う予定。この2番組以外にも「ちょっとジャンルの違う、“え、そうきたか”という企画も準備中」と大多氏は話し、さらなる展開も示唆した。●「有料放送」が日本で根付くか○1年弱の交渉期間を経て実現両社は、今回の共同制作に関して「1年弱」の交渉期間を経ての発表で、Netflix側からオリジナル番組の制作についての提案があったという。「Netflixはドラマを得意としているのでドラマに決めた」(大多氏)。Netflixとの共同制作を決めた理由について大多氏は、「コンテンツに対する愛が深い。ネットビジネスの中でもここまでコンテンツを深く考え愛情を持っているのはいいなと感じた」という。さらに、Netflixがまずターゲットとしている年齢層が10~20代と若く、そこに同社との親和性の高さもあるということで、「一気に話が進んだ」そうだ。ピーターズ社長も、フジのコンテンツ制作力に加え、「テレビのあり方の未来におけるビジョン、革新的なことに挑戦していこうというチャレンジャー精神に共感して組むことを決めた」とコメント。番組について、「テラスハウスのファンは熱い。若い層に支持されている番組」という点に魅力を感じたと話す。○「有料」であることが懸念材料今回のNetflix配信では、有料契約が前提であり、従来「無料放送」に慣れた日本の視聴者に訴求できるかが懸念材料としてある。ピーターズ社長は、有料ならば見たくないという人もいるかもしれない、として「時間はかかるかもしれない」としつつ、コンテンツを充実させ、内容を知ってもらって視聴者を獲得していくことに力を入れていく意向を示す。大多氏は、「WOWOWでもCSでも払う人はいる。何が売りか。素晴らしいコンテンツを見たいという人はお金を払う」と強調し、視聴者が魅力に感じれば有料配信でも視聴者を獲得できるという考えを示した。●若者のテレビ離れにどう対応するか○テレビ離れが加速?Neftlixの参入で、日本市場でもテレビの視聴者離れを懸念する声に対して大多氏は、「若者のテレビ離れを加速させる懸念は、もちろん社内的にも持っている人もいるし色んな意見もある」と認めつつ、「こういうことをやっていかないとさらに若者がテレビ離れする」と強調する。まずは「テレビ局が作った番組」に触れてもらうことで、番組の魅力を知ってもらうことが必要だと大多氏は言う。「(地上波の)放送前に配信をやると(地上波の)テレビを観てもらえない」という考え方では「テレビは取り残されるという危機感がある」と大多氏。「リアルタイムのテレビ視聴に戻ってもらうのが一番」(同)ではあるものの、こうした配信に加えて若者向けの5分番組、15分番組といった、従来とは異なるコンテンツ作りができるように地力をあげていく必要があると訴える。Netflixは、「グローバルの企業を目指している」(ピーターズ氏)会社であり、日本市場は規模としてもコンテンツ作成としても重要な市場と位置づけ、今後もローカルコンテンツの充実を図るとともに、そうしたコンテンツを世界に配信することも目指す。利用料金についてピーターズ社長は、まだ「リサーチ中」と述べるにとどまり、サービス開始も今秋という以外「具体的な日程は決まっていない」としかコメントしていない。今回、国内での共同制作としてフジテレビを発表したが、それ以外にも同様の施策を行うかどうかについても明言はしなかった。(記事提供: AndroWire編集部)
2015年06月18日三井住友フィナンシャルグループはこのたび、2014年12月25日の発表のとおり、SMBC信託銀行(以下SMBC信託)によるシティバンク銀行のリテールバンク事業取得について、関係当局の許認可などが得られることを前提として、2015年11月1日(予定)の統合日に向けて統合準備を進めており、統合日以降、SMBC信託は、シティバンク銀行から取得するリテールバンク事業を、新たなブランド「PRESTIA(プレスティア)」として展開すると発表した。○新ブランド「PRESTIA(プレスティア)」創設SMBC信託は、シティバンク銀行がこれまで培ってきたリテールバンク事業の独自性を維持し、SMBC信託の既存の商品・サービスと明確に区別するため、統合日以降、新たなブランド「PRESTIA」として同事業を展開するという。具体的には、承継事業に関する商品・サービス、店舗などに統一ブランドを冠することによって、顧客にわかりやすく、安心してサービスを利用できるようにするとしている。「PRESTIA」というブランドネームは"Prestige"(名声、威信、一流などの意)を由来としているという。SMBC信託が、統合後も引き続き顧客から高い評価をもらえるよう、グローバルでプレミアムな商品・サービスを専門のスキルを有する担当者を通じて提供していくという決意を、「PRESTIA」というブランドに込めているとしている。○「PRESTIA」による商品・サービス提供「PRESTIA」は、日本国内のほか海外でも利用可能なキャッシュカード、豊富な外貨運用商品ラインナップ、取引量・口座残高に応じた優遇サービスなど、シティバンク銀行の独自性の高い商品・サービスを、しっかりと承継するとしている。また、シティグループとの包括的な契約締結により、グローバルな商品・サービスも引き続き提供するとしている。現「Citigold(シティゴールド)」は「PRESTIA GOLD(プレスティアゴールド)」、現「Citibank Online(シティバンクオンライン)」は「PRESTIA Online(プレスティアオンライン)」といったように、承継する事業に関する商品・サービス・店舗などに、統一的なブランド名称を冠することによって、顧客にとって分かりやすく安心して利用してもらえるようにするとしている。さらに、SMBCおよびグループ各社との連携を強化して、さらなる商品・サービスの向上に努めていくとしている。
2015年06月17日HOYAサービスとディーバ・ビジネス・イノベーションは6月16日に、MicrosoftのDynamics AX分野で協業し、グローバル展開する製造業向けに、生産管理テンプレートと会計テンプレートを組み合わせた共同ソリューションの提供を開始することを発表。2015年7月に提供開始予定となっている。HOYAサービスは、HOYAグループへのERPパッケージ(Microsoft Dynamics AX)導入の経験・ノウハウを元に生産管理テンプレートを保有し、ディーバ・ビジネス・イノベーションは会計分野における多数の導入実績を元にERPパッケージ(Microsoft Dynamics AX)ベースの会計テンプレートを保有しているという。今回の協業によって、ビジネスのグローバル展開を支援する基幹システムの提供や、ASEANを中心としたグローバル拠点へのスピーディなロールアウト、ローコストかつ短期間での各拠点展開のサポートを提供していく構えだ。
2015年06月16日PostgreSQLグローバルデベロップメントグループは6月12日(ノルウェー時間)、「PostgreSQL: PostgreSQL 9.4.4, 9.3.9, 9.2.13, 9.1.18 & 9.0.22 Released!」において、バグ修正を実施したPostgreSQLの最新版を公開したと伝えた。今回のリリースは不具合の修正を主な目的としている。データベースを更新できるタイミングで、アップデートを実施することが望まれる。公開されたバージョンは次のとおり。PostgreSQL 9.4.4PostgreSQL 9.3.9PostgreSQL 9.2.13PostgreSQL 9.1.18PostgreSQL 9.0.22PostgreSQLグローバルデベロップメントグループがこれほど短い周期でリリースを繰り返すことは珍しい。2つ前のアップグレードの後で複数のバグが発見されたことが、今回の2回にわたる短周期でのリリースにつながっている。今回のリリースでは前回のリリースで解消できなかったバグが修正されており、今後、致命的なバグや脆弱性が発見されない限り、PostgreSQLは通常のリリースサイクルに戻るものと見られる。
2015年06月15日インスタグラムは6月10日、ブラウザからアクセスできるウェブページのデザインとユーザーインタフェースの更新を発表した。このアップデートにより、インスタグラムのモバイルアプリとの統一感が増し、より早く美しく、インスタグラムの写真や動画コンテンツをウェブ上でも閲覧できるようになる。このリニューアルは、まず北米(米国・カナダ)から順次展開され、今週中にグローバル全域で更新が完了する予定となっている。日本でもすでにリニューアルが行われている。また、最近では、米国のニュースメディア、「タイム(TIME)」やバズフィード(Buzzfeed)、ハフィントンポスト(Huffington Post)で、インスタグラムのウェブページへの埋め込み(Embed)機能の活用が進んでいる。5月のみで計測すると、ウェブページに埋め込まれたインスタグラムのコンテンツのインプレッション数は、47億にものぼったという(グローバル数値)。
2015年06月11日IDC Japanは6月10日、国内IoT(Internet of Things)市場のグローバル主要事業者分析結果を発表した。今回の調査では国内IoT市場において製品/サービスを提供する外資系事業者にフォーカスした上で、その業績動向、ビジネス戦略、顧客動向、販売戦略、今後の展望などを中心に調査を行っている。また、調査をもとに、外資系事業者のIoTに対する取組みについて、特に日系事業者との比較の観点からその類似性と相違性を分析。なお。IDCではIoTを「IP接続による通信を、人の介在なしにローカルまたはグローバルに行うことができる識別可能なエッジデバイス(モノ)からなるネットワークのネットワーク」と定義している。国内IoT市場が継続的に成長する中、同市場を形成する外資系事業者は「導入産業分野の拡大」「導入目的/導入用途の拡大」「導入機器/導入地域の拡大」という3つの方向性に向かっており、日系事業者との比較の観点からも類似した傾向にあるとIDCではみている。その背景として製造業や運輸業といった長年にわたってIoTを利用してきている市場がある程度一巡してきていることや、分析技術の高度化に伴ってこれまでは実現が難しかった用途にも採用が広がっていること、そしてデバイス技術の標準化推進やセキュリティ強化に加えグローバルなIoTプラットフォームが増加していることなどが挙げられる。国内IoT市場の将来展望として、各事業者のエコシステムにおいては、長年にわたってIoTを利用してきている産業分野の市場が一巡することにより、これまでIoTの活用に対してあまり積極的でなかったロングテールの産業分野における競争が加速すると見込まれ、ビジネスモデルの創造力やその実行力が勝負の鍵を握る大きなポイントとなると考えられる。加えてデバイス/コネクティビティに関わるセキュリティへの懸念も徐々に高まるとIDCではみている。この中で特に外資系事業者は、ビジネスモデルの構築の巧みさ、新しい技術に対する先見性と、その実用化のスピード感、スケールメリットやオープン性を生かしたアプローチ、セキュリティに対する理解と経験の深さなどの面で市場をリードしていくものと見込まれる。IDC Japanコミュニケーションズ マーケットアナリストの鳥巣悠太氏は「国内IoT市場において、外資系事業者がビジネスを展開していく上では、スケーラビリティとローカリゼーションのバランスを加味したビジネス開発や、IoT向けセキュリティの事前組み込みと啓蒙の強化が重要になる。また日系事業者がビジネスを展開していく上では『地の利』を生かしたエコシステム形成や、『Fail Fast』の精神を基軸にビジネスモデルの明確化を進めていくことが肝要になる」と述べている。
2015年06月11日メタップスは6月10日、セガゲームスと業務提携し、データ解析ツール「Metaps Analytics」とアプリのマーケティング支援ツール「Noah Pass」を融合したアプリ開発者向けデータ解析ツールの提供を開始すると発表した。セガゲームスは、アプリ開発者向けに、アプリのマーケティング支援ツール「Noah Pass」を提供している。今回の提携により、Noah Passの持つノウハウにメタップスのデータ解析ツールである「Metaps Analytics」を融合させることで、アプリ内のユーザ構成や推移、マーケット情報や効果分析など、ゲーム運用に有用なデータを一括して開発者に提供できるようになった。両社は、今後グローバルでのマーケティング戦略においても連携を行い、セガゲームスの提供する事業やサービス展開のサポート、共同開発など、メタップスの持つグローバルネットワークを活用し幅広く連携していくという。
2015年06月10日中国大手の検索エンジンBaidu(百度)の日本法人であるバイドゥは6月8日、ネイティブ広告配信プラットフォームなどを手がけるpopInとの経営統合を発表した。バイドゥはpopInの全発行済み株式を、同社VCとなる東京大学の産学連携本部やGMOベンチャーパートナーズ、フリークアウトなどから取得する。なお、popInは引き続き独立して日本国内における事業運営を行っていくとしている。バイドゥは、検索エンジン事業など、周辺サービス事業において、収益を広告よりあげている。そのため、グローバルでWeb広告ビジネスや技術に注目しており、2014年2月にネイティブ広告事業をpopInがスタートしたことで目をつけていたという。今後は、グローバルで広告プラットフォームにpopInの広告技術を組み込み、日本国外でもpopInのサービス展開を行っていく。○独自技術"READ"で世界に勝負会見では、バイドゥ 代表取締役社長のチャールズ・ジャン氏とpopIn 代表取締役 程 涛氏らが登壇。今回の経営統合の狙いについて語った。ジャン氏によると、ネイティブ広告はグローバルで急速な拡大が続いており、昨年から今年にかけても全世界で54億ドルから79億ドル(予測)になるという。日本国内においても、2014年に38億円の市場規模が今年は一気に150億円、2017年には350億円(Cyber Z/シード・プランニング予測)にまで拡大すると見られている。こうした状況から、ネイティブ広告事業を持つpopInに目をつけたバイドゥだが、その中でも同社の独自技術といってもいい「コンテンツレコメンドエンジン」と「コンテンツ読了指標"READ"」が決め手になったようだ。そもそもpopInは、程氏が東京大学情報理工学系研究科の修士課程での発明の特許のビジネス化が礎となっており、社員数12名ながら、Webメディア200社以上が「READ」を導入している。この技術は、実際にユーザーがどこまでWebページを閲覧したのか、時間やスクロール範囲などを総合的にアルゴリズムで判断して媒体社に読了時間や読了率として通知する。この"熟読度合い"がわかることで、「ユーザーが記事に対してどれだけ満足したか」が間接的にわかることから、更なるコンテンツ強化や熟読されやすい記事の再レコメンドによってWebサイト内の回遊性向上に繋がる形になる。「通常の広告では、コンバージョンレートに目が行くが、ネイティブ広告については、コンテンツの魅力が重要になる、どれほどしっかり読み込まれているか、興味関心を得られているかが重要だと思う」(程氏)競合には、米国のOutbrainやヤフーとも提携するタブーラなどが存在しているが、程氏は「競合との競争という形ではなく、それぞれの企業にそれぞれの強みがある。メディアに最大限貢献することがミッションだし、競合というよりは共存になると思う」と、拡大するマーケットを1社で独占する形ではなく、メディアのニーズに沿った企業が残るとの見解を示す。ただ、その一方で程氏は「READはうちのユニークな技術であり、効果測定ツールのユーザーインタフェースも作りこんでいる。その一方で、競合はPCに強みを持つところもあるが、うちのようにモバイルに最適化が進んでいない」とも話し、グローバル展開で勝ち残る意欲も示していた。バイドゥは日本においてインバウンド事業など、日本企業の中国進出サポートを行っているほか、2011年に買収した日本語入力アプリ「Simeji」を提供している。Simejiは現在、iOSとAndroid合計で1500万ダウンロードを記録している。
2015年06月08日ServiceNow Japanは、野村證券が同社のサービスマネジメント・プラットフォームを活用し、ITサービスマネジメントのグローバル最適化を実現したと発表した。野村證券では、12,000人の法人事業社員が24時間365日利用するIT環境のサービス品質を向上させるため、世界3,000人のIT部門スタッフがサービス提供を行うときに利用するITサービスマネジメントのプロセスおよびツールの標準化を進めている。ServiceNowを活用したITサービスマネジメントが適用される対象は、サーバ約2万台、クライアントPC約2万4,000台、1,500種類のアプリケーションからなるグローバルに展開されたシステム。2014年4月にServiceNowの利用をグローバルで開始し、2015年4月時点ではリクエスト管理、問題管理、インシデント管理、変更管理、リリース管理、サービス管理が利用可能になっている。野村證券 グローバル・インフォメーション・テクノロジー部インフラストラクチャー課でエグゼクティブ・ディレクターを務める亀倉龍氏は、導入効果について、「クラウド上に単一データソースを持つことによって、レポーティングのスピードと精度が大きく向上した点があります。障害のトレンドと稼働率への影響、システム変更の件数や範囲などが一目でわかるようになりました。サービス品質を維持・向上させるために、どのポイントを押さえておくべきか、どのような手を打つべきか、意思決定の迅速化に結びついています。その結果として、システムの安定稼働に貢献できていると言えるでしょう」と述べている。
2015年06月08日PostgreSQLグローバルデベロップメントグループは6月4日(ノルウェー時間)、「PostgreSQL: PostgreSQL 9.4.3, 9.3.8, 9.2.12, 9.1.17 & 9.0.21 Released!」において、サポート対象になっているすべてのバージョンに対してそれぞれ最新版を公開したと伝えた。公開されたバージョンは次のとおり。PostgreSQL 9.4.3PostgreSQL 9.3.8PostgreSQL 9.2.12PostgreSQL 9.1.17PostgreSQL 9.0.21前回のバージョンで発生した起動に関するバグを修正するのが今回のリリースの主な目的とされているが、いくつかのマイナーなバグが修正されている。PostgreSQLグローバルデベロップメントグループでは、前回のバージョンをリリースしてからすでにいくつかのバグが見つかっており、近いうちにもう一度、バグの修正を目的としたアップデートを実施すると説明している。大規模なアップデートとは異なり、バグ修正を目的としたアップデートであることから、PostgreSQLを停止し、バイナリを入れ替えて、再びPostgreSQLを実行するといった簡単な置き換えでアップデートを実施できるという。
2015年06月05日クレディ・スイスが主催するクレディ・スイス・サロンと同時に東京で開催された「プライベート・イノベーション・サークル」。これは、革新的なテクノロジーを持つ世界110以上の企業から選ばれた8社が自社の魅力を来場者にアピールするイベントで、今回が2度目の開催だ。日本からはPepperを開発したソフトバンクロボティクスが選出された。クレディ・スイス・サロンが日本で開催されたのは初めてで、今回が15回目の開催。世界有数の銀行であるクレディ・スイスが、同社の顧客や有力な意思決定者を招き、社会・経済・政治の重要テーマについて、世界のオピニオン・リーダーやクレディ・スイスの経営陣と意見交換を行っている。プライベート・イノベーション・サークルでは、事業アイデアの革新力と「コンセプト実証」をすでに通過していること、収益創出の可能性や経営実績などを基準に110社以上から8社を選出している。前回のロンドンに続き、日本で開催された影響もあるかもしれないが、こうした企業の中で選ばれたソフトバンクロボティクスは、世界的に見ても注目の存在ということだろう。そのほか、サイバーセキュリティ分野で、ヒトの免疫機能を模したセキュリティ防御サービスを提供し、この6月より日本オフィスも設立した英DARKTRACE、ライブ攻撃インテリジェンスで、他のシステムで防ぐことのできない脅威阻止を支援する米Norse、衛星による地上の動画撮影を行い、商用ベースで高品位なリアルタイムの動画配信を目指す米SATELLOGIC、天候やエネルギー関連のビッグデータを多角的に処理・分析し、先物価格を正確に予測するシステム構築を目指すイスラエルのMeteo-Logicの代表者が登壇した。○Pepperの法人向け販売は秋にある意味で日本代表となったソフトバンクロボティクスの事業推進本部長である吉田 健一氏。Pepperについて、これまでのデジタルデバイスとは異なる魅力についてこのように話す。「人はPepperを人として認識できる。だから、ほかのスマートデバイスとの差別化につながる」(吉田氏)胸にこそディスプレイが備え付けられているPepperだが、基本的には頭部や手の動き、そして音声認識と発声によってコミュニケーションを取っている。ディスプレイの中に閉じ込められた二次元的な情報のやりとりが、三次元でよりリアルに対話という最も自然なコミュニケーションでつながる。そこが「人として認識できる」という表現に現れているのだろう。ほかにも、開発者が柔軟にアプリケーション開発を行える点や、クラウドを介してデータの蓄積、さらには性能向上につながるアップデートなど、技術的側面でも優れていると説いたうえで、日本では既に一般企業によるPepperの導入が始まっている点をアピール。紹介された事例は、弊誌でも取り上げたネスレで、年内に1000店舗、1000台のPepper導入を進めている。実運用の概況では、Pepper1台当たり、1日に100人の応対を行っており、売上も導入前と比較して20%程度の向上が見られたという。今まではセールス担当者が存在しなかった場所に、人を配することなくPepperを据え置いたことで「人を雇うより少ないコストで売上向上に貢献した」(吉田氏)のだが、「コストが重要なわけではない」とも話す。「こうした店頭では、ビッグデータ収集が重要。来店者の性別や年齢、感情、顔を読み取り、統計分析が可能となる。ビッグデータとして分析ができるのであれば、はじき出された数値からセールスパフォーマンスの改善にも容易につなげられる。例えば、Pepper AとPepper Bがいたとして、別々の顧客対応スピーチを試してみる。人間ではそうしたABテストはなかなか難しいかもしれないが、Pepperならそれが実現できる。小売業界にとって、革新的な取り組みであり、Eコマースにも対抗できる」(吉田氏)その後のトークセッションで、「日本には素晴らしいテクノロジー、イノベーションが生まれてきたが、必ずしも世界に広がることはなかった。ソフトバンクは世界を狙うのか?」と尋ねられた吉田氏。これに対して以下の様な回答を行っていた。「GoogleやAmazonを見ればわかるように、プラットフォームビジネスが今の戦場だが、日本ではソフトウェアやクラウドにおけるパワーが足りない。その一方で、人工知能やマシンラーニング(機械学習)、クラウドに私たちはフォーカスを合わせている。ソフトバンクは決してハードウェアの企業ではなく、Foxconnなどとパートナーシップを組んでPepperに取り組んでいる。クラウドに注力することで、ほかのジャイアントと競合し、グローバルな競争を目指していく。Pepperは、実際にかかっている製造コストよりも価格設定が安い。パーソナルなロボット市場を確保して、利益よりもシェアを取り、そこから追加的な売上を目指す。それはアプリストアの拡大を図り、アプリから収益を得るという考えだ。一度Pepperを使い始めたら、容易に使うことはやめられないと思う。それは、アプリの購入やそれに伴うデータの蓄積から、データを消去しづらいという心理が働くからだ。こうした考えから、将来的な売上、継続的な収入をもって、収益化を進める。だから最初は市場シェアを取りたい。一般消費者向けは近いうちに、法人向けは秋以降に正式ロンチしたいと考えている。グローバル展開もいずれという形で考えているので、興味があればぜひ相談してください(笑)」Pepperは3月にみずほ銀行が導入を発表。IBM Watsonとの連携なども予定されている。
2015年06月05日NECは6月4日、SAPの「SAP S/4HANA」に対応したグローバルERPテンプレート「NECマルチカントリモデル」を販売開始した。価格はテンプレート500万円から(税別、システム構築費は別途必要)。「SAP S/4HANA」は、インメモリープラットフォーム「SAP HANA」専用に開発されたERPで、膨大な経営データの高速処理・分析を可能としており、現在は会計機能(SAP Simple Finance)が提供されている。新製品では、複数国における販売・生産・会計などの経営データの統合管理(グローバルワンインスタンス)が可能。また、「SAP Fiori」を用いて、直感的な操作による多様な切り口での分析や、経営状況を一目で把握するための数値データのビジュアル化などが可能なユーザーインタフェースを採用している。そのほか、アジア・米州を中心に日本企業が多数進出する15カ国・地域の税制および商習慣に対応し、また、自動車部品業、組み立て製造業、プロセス業向けの標準業務プロセスを備えるとともに、NEC自身の「SAP ERP」による基幹システム全面刷新のノウハウを基にしたグローバル導入・展開方法論を提供する。これらにより、「SAP S/4HANA」の導入期間を最大で2分の1に短縮可能にするという。
2015年06月05日NRIセキュアテクノロジーズは6月4日、企業向けWebサイト管理サービス「Webサイト群探索棚卸しサービス GR360」のメニューを拡充し、危険性があるWebサイトに関してクラウド型のWebアプリケーション・ファイアウォール(クラウド型WAF)でセキュリティ対策を施すサービスを追加した。GR360は、企業が世界中に開設している自社グループ関連のWebサイトを、NRIセキュアの独自技術を用いて探索・棚卸しすると共に、簡易的なセキュリティ・チェックを行う現状把握のためのサービス。同サービスにより発見した脆弱性が疑われるWebサイトのセキュリティ対策を検討する際に、従来は専用WAFを導入したり詳細なセキュリティ診断を実施するといった選択肢があったが、これらに加え、今回新たに提供するクラウド型WAFを組み合わせた防御が可能になる。クラウド型WAFは専用WAFサービスと異なり、短期間かつ安価に導入できる。そのため、脆弱性を発見した各Webサイトの重要度や利用頻度といった特性に合わせ、必要なセキュリティ対策を迅速に実施できるとしている。新たに提供するクラウド型WAFサービスでは、米Impervaの「Imperva Incapsula」(インパーバ インカプスラ)を採用。同製品のアクセス・ポイントは世界中に分散配置し、かつハードウェアやコンポーネントを冗長化しており、世界中のどこからアクセスしても遅延無く可用性の高いサービスを受けられるという。さらに、100Gbpsを超えるDDoS攻撃にも耐えられるとする大容量のバックボーン・ネットワークで構成している。これらにより、グローバル展開する企業が世界各地で運営する大量のWebサイトについて、統一したセキュリティ対策のもとで効率的な管理が可能になるという。その他にグローバル企業向けの新サービスとして、GR360にレポートの英語出力機能を追加した。NRIセキュアは今回のメニュー拡充により、Webサイトの管理に関するPDCA(計画・実行・評価・是正)サイクルをワンストップで支援可能にしたとしている。
2015年06月05日ビッグデータ基盤としてクラウド型データマネージメントサービスを提供しているトレジャーデータは6月4日、同社の事業戦略説明会を開催した。同社のサービスの特徴は、データの収集、保存、分析をワンストップで提供しており、クラウドサービスのため、導入期間が短く、初期費用がかからないため、小さく始められ、大規模なシステムもすばやく開始できる点。米トレジャーデータ CEO 芳川裕誠氏は、ここ1年の実績として、「ヤフー、パイオニア、電通、博報堂との提携が非常に大きい。また、資金調達ができ、成長の準備ができた。お客様が保存されているデータサイズは1年前の6兆から18兆と3倍になり、トレジャーデータを信頼していただいている」と説明。そして、今後の日本の事業については「デジタルマーケティング、IoTにフォーカスしていく。これらの分野は、IT部門ではなく、ユーザー部門と直接取引できていることが大きい。こういった人たちは、自分たちがデータをどう使い、どう活かしていくかを深く考えており、業績を伸ばす基盤としてトレジャーデータを使っていただいている。こういう人にどのように使ってもらえるかが成長の鍵になる。そのための製品開発を続けていきたい」と述べた。また、グローバルでの事業については、日本以外の顧客が増えており、新たにアジアパシフィフィック担当を設置し、ソウルに新たに支社を作ったという。その上で同氏は、「今後は上場を目指して、成長を続けていく。そのために新たなCFOとしてDan Weirichを迎えた。これにより、会社が成長モードになってきた。案件も、大企業などが増え、大型化している。グローバル企業は、その分野での知見をもっているが、それほど大きなビッグデータ基盤を持っていない。しかし、市場では巨大インターネット企業と勝負していかなければならない。そのときに、トレジャーデータを活用していただければ、お客様はデータ分析だけに注力できる。それにより、巨大企業に対抗できる基盤を担保できる。そのお手伝いを今後もやっていきたい」と述べた。巨大企業に対する優位性について同氏は、「データの入手先やプロセスがたびたび変わるような場合に、パイプラインでスキーマレスでできる点がトレジャーデータの大きな優位点だ。そのため、すぐに生データが貯められる。トレジャーデータはデータ収集のハブになりたいと思っている。それが差別化になる」と語った。今後の技術戦略については米トレジャーデータ CTO 太田一樹氏が説明。同氏は、「企業では、IT技術者を確保できない、プロジェクトに時間がかかる、初期投資がかかるという課題抱えている。それを解決するためにトレジャーデータがある。ビッグデータにおいては、多くの企業がデータ収集に工数がとられている。そこを世界に通用するプロダクトによって変えていきたい。いろいろの所からデータを集め、3-5分で分析できる世界を築いていきたい」と抱負を述べた。また、同社の日本法人の社長である三橋秀行氏は国内のIoT向分野の戦略について、「IoTがどういう分野で役立つかを市場に還元し、IoTを有効活用していけるようにしていきたい。分野としては、新たなマーケティング、Quality of Lifeの向上、製造現場の改善という3つの方向性がある。そのため、センサーの組み込みソフトを開発しているアットマークテクノと協業しており、実際の導入事例としては3Dプリンタの予防保守(故障の事前察知)、風力発電タービンの予防保全(遠隔地のモニタリング)がすでにある。今後は、新しい事例を出して、マーケットを拡大していきたい」と語った。そのほか、カスタマーサポート部門でのアクセス強化に向けた支援を強化していくという。具体的には、導入支援、活用支援、コミュニティ支援を行っていくという。
2015年06月05日NTTドコモは4日、Android 5.0へのアップデート対象となる15機種を発表したが、「Xperia Z1 SO-01F」や「Xperia Z SO-02E」などは含まれていなかった。グローバル版の同機種では、すでにアップデートが提供されているだけに、ツイッター上では「オワタ」「解せない」など残念に思うツイートが散見される。「Xperia Z1 SO-01F」は2013年10月に、「Xperia Z SO-02E」は2013年2月にドコモから発売されたソニーモバイルコミュニケーションズ製のAndroidスマートフォン。約2年前に発売された機種だが、今年の1月に開催された「CES 2015」でソニーは「全てのXperia ZシリーズをAndroid 5.0へアップデートさせる」と明言していた。実際、「Xperia Z1」、「Xperia Z」などのグローバル版の端末はすでにアップデートが提供されている。「Xperia Z」シリーズ以外にも、「Disney Mobile on docomo SH-02G」が2014-2015冬春モデルで唯一、アップデートの対象となっていない。アップデート対象とならない機種について同社広報部に問い合わせると、「ドコモの提供しているハードウェアとソフトウェアを含めたサービスを総合的に判断した結果」とコメントした。(記事提供: AndroWire編集部)
2015年06月04日●1,277もの案から新社名を選出美容室向けヘアケア製品の製造・販売を主力事業として展開するビューティーエクスペリエンスは3日、六本木ヒルズクラブにおいて同社のブランディングプロジェクト・新製品 体験型発表会「beauty experience expo」を開催した。会場では、同プロジェクトの総合プロデュースを手がけた佐藤可士和氏を迎えてのトークセッションが行われたほか、各ブランドイメージに合わせた衣装を着たスタッフの案内で商品を実際に体験できるブースが設営されるなど、ユニークな試みが見られた。ここでは、トークセッションの模様を中心にレポートする。今回のイベントは、同社が創業40周年を機に、ヘアケア製品の販売のみならず、"美"にかかわるさまざまな分野への事業拡大を図るべく導入した、コーポレートブランディングプロジェクトおよび新製品の体験型発表会。同プロジェクトの総合プロデュースは、セブン-イレブンやユニクロなどこれまでにも数多くのブランディングプロジェクトを手がけてきたクリエイティブディレクター・佐藤可士和氏(サムライ)が担当し、イメージ映像の音楽を音楽プロデューサー・中田ヤスタカ氏(CAPSULE)が制作するという、日本を代表する2名のトップクリエイターが顔をそろえる豪華な顔ぶれとなっている。続いてゲストの佐藤可士和氏が登壇し、同社代表取締役社長 福井敏浩氏とのトークセッションへと移った。まずは同プロジェクトについて福井氏は「佐藤可士和さんの書籍やTVなどを拝見し、"伝える技術"がとても素晴らしいと感じ、"当社の40周年を機に何か新しいことをやりたい"という趣旨のメールを送ってみた」と明かした。そして、初対面の際、佐藤氏から「"福井さんにとって最も重要なブランドは何ですか?」と質問されたエピソードを語った。セブン&アイの鈴木会長は「セブン&アイ」、楽天の三木谷社長は「楽天」、ファーストリテイリングの柳井社長は「ユニクロ」だと即答したということだが、福井氏は即答できなかったという。「自社の製品ブランドがまず先に頭に浮かんでしまい、社名は出てこなかったんです。そこで"会社の世界観が構築できていない"と気づかされ、次第に"社名を変えたい"という思いが強くなってきました」とコメント。この4月、社名を旧社名の「モルトベーネ」から「ビューティーエクスペリエンス」へと変更した経緯を明かした。佐藤氏は「企業ブランディングはネーミングが非常に重要です。どこに理念を込めてやっていくのかなどをお伺いしていたら、次第に社名ごと変更するのがベストではないかという結論に至りました。大切なのはミッションをブレないでやっていくことで、それを再構築するのがこのプロジェクトの真の狙いです」と述べた。プロジェクトを始動するにあたり、佐藤氏が「モルトベーネとはどういう会社ですか?」と福井氏や同社社員に尋ねると、"品質"や"挑戦"、"プレミアム"といった言葉に混じって"ワクワク"というキーワードが多く含まれていた点に着目した。「今まで色んな企業と関わってきたが、"ワクワク"というキーワードが出てくる企業はこれまでになかった」という佐藤氏。そこで「製品作りを通じて新しい体験を作っていく」ということから、まずはミッション・ステートメントとしてまとめ、その内容を表す社名をさまざまな角度から1,277案を捻出。そのなかから「新しい美の体験」というミッションをそのまま英訳した「ビューティーエクスペリエンス」をネーミングとして採用したそうだ。●佐藤可士和流、企業ロゴの発想フロー次に、新しい「企業ロゴ」を作成するにあたり、さまざまなアイデアを出したという。例えば、新社名の頭文字である"B"や"BE"を図形にしたらどうなるか、または"beauty experience"をそのまま形にしたらどうか、あるいは美の象徴とも言える"花"や"輝き"をモチーフにしてみてはどうかといったアイデアを出したが、今後のグローバルな展開も見据えて、漢字の"美"という文字をモチーフにすることに決めたという。ブランドカラーにはユニークな"紫"を採用し、プロジェクトの始動から約1年半かけて新社名とロゴが決定したということだ。佐藤氏は「会社が生まれかわって次に何をしていくのかということが、そのまま社名となり、そのままロゴになるという、すべてが一体化されたこのやり方は、コーポレート・アイデンティティとして新しい方法だと思う」と述べた。シンプルでわかりやすいことがスピード感につながっているという。また、今回のプロジェクトでは、同社のコンセプトの中でもキーワードとなっている「体験」のひとつとして、映像と音楽とのコラボレーションにも挑戦したという。佐藤氏の表現したイメージから生まれた同社のブランドコンセプトをもとに、ASOBISYSTEM(アソビシステム)が映像を制作。サウンド制作にはPerfume、きゃりーぱみゅぱみゅ等のプロデュースを手がける、音楽プロデューサーの中田ヤスタカ氏が担当するなど、2人のトップクリエイターによる夢のコラボが実現している。佐藤氏は「今後グローバルに展開していくには、イメージで伝えることがコミュニケーションには非常に大切」だと述べ、「せっかくアソビシステムさんと仕事をするなら、(同社に所属する)今の日本の新しいポップカルチャーを率いる中田さんとコラボレーションできないかと、僕のほうからオファーを出しました」と明かした。中田ヤスタカ氏には、今回のプロジェクトの経緯を説明した上で、イメージが花や光、記号などの断片であることを伝え、それをもとにしたサウンドが出来上がったということだ。完成した楽曲を聴いたとき、「中田さんらしいような、らしくないような、とても新しい印象を受けた」と述べ、「新しい会社のサウンドをデザインするのは良いことだと思う」と語った。ちなみに、このイメージ映像は、ビューティーエクスペリエンスのWebサイトで視聴できる。最後に今回手がけたプロジェクトに関して、佐藤氏は「ミッションを練り直すということは非常に重要な作業で、今回の社名変更はタイミングとしては良かったと思っている」と述べ、「社名を変えるというのは企業にとっては一大事。これから長く使うものなのだから、一週間では決められない。最も大切なことは何かということをずっと考察した結果、1年半という長い期間を要した」と語るとともに、福井氏には「日本を代表する新しいビューティーカンパニーとして、新しい美の文化をグローバルに展開していくことを期待しています」とエールを送り、壇上をあとにした。なお、会場の隣に設けられていたブースでは、トークセッションのあと発表された同社の新製品「ロレッタ デビル(Loretta DEVIL)ブラックヘアケアシリーズ」や「Honeyce’(ハニーチェ)スタイリングシリーズ」などを、実際に製品を手に取ったり試したりできる体験型のブースが用意されていた。スタッフはそれぞれのブランドイメージに合わせた衣装を身にまとい、まるでアミューズメントパークに遊びに来たかのような気分で、同社の製品について知ることができた。
2015年06月04日半導体および電子部品のディストリビュータであるMouser Electronicsは6月3日、日本のカスタマサービスセンターを東京に開設したと発表した。同センターは6月上旬より本格稼働を開始する予定だという。同社の代表取締役社長兼CEOのグレン・スミス(Glenn Smith)氏は、「我々の設計・開発エンジニアにアプローチしていくというビジネスモデルは、大量生産よりも設計が重視されるようになってきた日本という地域のニーズにマッチしている」と説明。実際に2014年の日本地域の売上高は前年比で36%増であり、アジア・太平洋地域におけるシェアは11%に及んでいる。「我々の顧客は幅が広く、上は大企業から下はホビイストのような個人だったり、学生だったり。どのような位置づけの人であっても、我々のサービスを必要としている人であれば、同じように対応していく」とのことで、成長が続く日本地域においては、技術的サポートが重要と判断し、同社21カ所目となるサポート拠点を開設することを決定したとする。また、こうした成長を受けて、同社Senior Vice President,EMEA and APAC businessesのマーク・バーロノン(Mark Burr-Lonnon)氏は、「この数年、全社業績は右肩上がりで成長を続けており、2007年から2014年までの7年間で7億ドル増加した。2015年の予測はさらに成長を見込んだもので、これが達成されれば、グローバルのトップ10ディストリビュータに入ることも夢ではない」とし、日本市場での成長に期待を寄せる。日本市場における売り上げの半数は半導体/組み込み関連だという。購入している層としてはメーカーのエンジニアが多く、そのうちの半数以上が産業機器関係だとし、「我々の生命線は、新製品をいち早く提供するということ。この点については、ほかのディストリビュータは我々ほど価値を提供できていない。日本の顧客もその点に価値を見出してくれているから、我々を活用してくれているのだと思う」(同)と日本の顧客の購買背景を分析する。なお同氏は、「これまでは各地域の銀行口座での取引はできなかったが、今回を機にできるようになった。日本地域には日本地域に根差したマーケティング活動を行っていきたいと考えており、日本の半導体や電子部品メーカーが販売する製品の世界に向けた販売活動の支援も強化していきたい」とも話しており、サポートセンターの立ち上げは単なる購買顧客に対するサポートの充実だけではなく、日本のエレクトロニクス企業のグローバルでの躍進の手助けにもつながることであることを強調していた。
2015年06月04日資生堂と「バーバリー(BURBERRY)」が、化粧品分野での提携を発表。今後バーバリー社が製造するメイクアップ及びフレグランス商品の日本への輸入販売を資生堂が手掛けることになった。資生堂はこれまでにも、高級フレグランスなどを手掛ける子会社の「ボーテ プレステージインターナショナル(Beaute Prestige International)」を通じてバーバリーのフレグランスの輸入販売業務を一部の国で行っていたが、日本でのバーバリーのフレグランス及びメイクアップの取り扱いは初めてとなる。今後は、バーバリーの新フレグランス「My Burberry」の日本発売にあたり資生堂が国内のディストリビューターを担当。資生堂は6月3日より阪急うめだ本店、阪急オンラインストア、バーバリー直営店の5つの路面店及び13のショップインショップでのディストリビュージョンを手掛けることになる。なお、今回の提携はバーバリー社が日本で進めているグローバル商品の拡大の一環。バーバリーは今秋、東京と大阪のデパート2店に“ギフト”をコンセプトにフレグランスやメイクアップを含むビューティーアイテムを取り扱うカウンター「Burberry Beauty Box」も設置する予定だ。今回の提携について、資生堂代表取締役執行役員常務の坂井透は「近年、ファッションとビューティーの境界線が曖昧になりつつありますが、当社の事業領域の軸足は、デザイナーズフレグランスなどを除けばビューティーに特化しています。そのような中で、バーバリーのようなグローバル・ラグジュアリーブランドと提携し、その商品を販売ポートフォリオに加えられることは、資生堂グループのハイプレステージ市場におけるプレゼンスの強化という側面できわめて意義深いと捉えています」とコメント。バーバリー・ビューティー・シニア・プレジデントのシモーナ・カッターネオは、「バーバリーが今夏以降グローバルコレクションの展開を加速するなか、この提携は英国発のバーバリーのブランド体験を提供する上で大きな役割を果たすと思います」と語っている。
2015年06月03日NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は5月28日、NTTグループにおけるセキュリティ関連各社が共同で編集、編纂した「グローバル脅威インテリジェンス・レポート 2015年」の日本語版を公開した。このレポートは、NTT Com Security AG、Solutionary,Inc.、Dimension Data Holdings plc、NTT Data Inc.、NTTの研究所の協力を得て、NTT Innovation Institute(NTT I3)がとりまとめたもの。2014年のITセキュリティに関わる脅威のグローバル全体でのトレンドや対策方法、関連技術などを取り上げており、12日に発表された英語版「2015 Global Threat Intelligence Report」の全文日本語訳となる。レポートでは、依然として多くの企業や組織があまり高度ではない脅威に対してさえも十分な準備ができていない状況と、サーバなどのシステムだけではなく、システムを利用するエンドユーザーを防衛線として認識すべきであることを調査結果として解説している。また、それらの調査結果を踏まえた効果的な対策を、ケーススタディも交えて紹介している。例えば、企業内システムにおいて検出された脆弱性のうち、76%は公表後2年以上が経過したものであり、その多くはエクスプロイト・キットによって容易に攻撃が可能なものだったという。また、2014年において頻度の多い脆弱性上位10位のうち7種類が、エンドユーザーが利用する端末で検出されており、また、休日などでエンドユーザーである従業員が出社していない週末に、攻撃の頻度が下落していることからもエンドユーザーを攻撃対象としていることがわかる。さらに、攻撃対象としては昨年と同様に、金融機関が18%と最も高い割合を占め、マルウェアを用いた攻撃では、大学などの教育機関でのイベント検知が全体の3分の1と高い割合を占めている。グローバルにおけるNTTグループの顧客企業に対する攻撃のうち、56%は米国内のIPアドレスを攻撃の起点としており、これにより、攻撃者が高度にネットワーク化された米国のリソースや、標的となる企業に近いシステムを悪用し、地理的フィルタリングによる防御を回避して、攻撃を行っていることが予測できる。
2015年06月02日