グローバル化の流れの中、日本で働く外国人が増えると同時に、日本人の海外赴任機会なども増加している。それに伴い、従来は銀行で行われていた海外送金サービスを独自に行う事業者が続々と登場している。今回は、個人向けの海外送金サービスを独自に行っているNTTドコモ、SBIレミット、セブン銀行の担当者に聞いた、各社のサービスの特徴を紹介する。海外送金サービスの拡大は、銀行以外の事業者による送金サービス提供を認める、新しい「資金決済に関する法律(資金決済法)」が2010年4月に施行されたことを背景にしている。NTTドコモ、SBIレミットはこれによって海外送金サービスを行うことが可能になった。SBI傘下のSBIレミットは2010年12月から、NTTドコモは2011年7月から、同サービスを開始した。セブン銀行は銀行なので、同法の施行とは直接関係はないが、新たなビジネスチャンスを狙い、2011年3月から海外送金サービスを開始した。それぞれに特徴のあるサービスを行っているが、まず、NTTドコモの海外送金サービスを紹介したい。NTTドコモではもともと、日本国内では、ケータイ送金というサービスを行っていた。一つの電話番号にいわゆる「ドコモ口座」というアカウントを持つことができ、アクティベートすれば、お金をデポジットしてショッピングやドコモ同士のケータイ送金に使うことができる仕組みを持っていた。同社では、この仕組みの上に、海外にも送金できるサービスを行うという形で、同サービスを行うことになった。「ドコモ口座」に一旦入れたお金を、海外にも送れるようにしたというわけだ。海外送金サービス参入のきっかけは、さきほど述べた資金決済法の施行以外に、同社が国内に抱えている約6,000万のユーザーに対して、「海外送金という利便性を提供できるのではないか」(同社国際事業部 国際サービス担当部長 石井良宗氏)との思いがあったという。だが同社では、海外に送金できるネットワークを持っていたわけではなかったため、米マイクロファイナンス・インターナショナルのシステムを通じて、同サービスを開始することとなった。利用するには、携帯電話で送金金額、受取人氏名、受け取り方法などを入力する方法をとっている。受け取る方法は、口座入金のほか、銀行や両替店、ポーンショップ(質屋さん的な店舗)などで受け取ることができる。NTTドコモの送金手数料は、「なるべく安く、分かりやすく」(石井氏)をモットーとし、1回の送金につき一律1,000円としているのが特徴だ。石井氏によると、携帯から非常に簡単な操作で送金でき、銀行の窓口の営業時間や曜日に関係なく送金できることから、利用者からは大変使いやすいと評判だという。送金対象国は、2012年3月に21の国・地域に拡大した。在日外国人以外にも、日本人留学生に親が送金するケースも多いといい、米国への送金が伸びているという。マネーロンダリングなどの不正対策にも力を入れており、毎回の送金ごとに受取側のスクリーニングをしている。また、今年3月からはスマートフォンからも送金できるようにした。「入力が楽なので、口座番号なども打ちやすく、慣れると大変使いやすい」(石井氏)。石井氏はサービス開始からこれまでの状況について、「2011年度は目標としていた利用者数には届かなかったが、確実に手ごたえは感じている」とし、「携帯電話は、おサイフケータイなどにも代表されるように、金融サービスと相性がいい。海外送金サービスについても、1回一律1,000円という分かりやすさと携帯で手軽に送れるというメリットがあるので、外国人の皆さんや留学生のお子さんを持つ親御さんらに、ぜひ利用してほしい」と話している。SBIレミットは、2010年4月に施行された資金決済法に基づく資金移動事業者として、同年12月7日に金融庁に登録、13日にサービスを開始した。「それまで、SBI証券での株式売買手数料の引き下げなど金融サービスの価格破壊による顧客還元と利便性向上を先駆的に手掛けてきたSBIグループとして、従来、銀行だけが行うことができた国際送金業務の自由化に利して海外送金ニーズをもつ個人や中小事業者、また、日本在住外国人に対して、安全、迅速、低価格な国際送金サービスの提供を目指している」(SBIレミット 営業部マネージャーの栗田貴善氏)。事業開始に先立つ実地調査でも、日本で働く多くの外国人から、便利な送金手段がないという声を聴いており、そうした声がSBIレミットのサービス構築の原動力となった。業界最低水準の手数料の実現にあたっては、「SBIグループのノウハウを生かし、スケールメリットが効率よく働く事業インフラを狙ったシステム構築を行った。」(栗田氏)。同社が海外送金サービスを行う上で提携したのが、国際送金事業会社大手の一角である米国のマネーグラム社。「複数の国際送金事業者との提携を検討したが、日本の顧客層に合ったサービス提供に柔軟に対応しようとする姿勢を最も強く感じた」ことが同社との提携の決め手となった。サービスの特徴は、送金依頼をSBIレミットのウェブサイトから24時間365日行うことができ、同社に入金が行われると”最短約10分”で、マネーグラム社の持つ190カ国、25万カ所の取扱店で受取人がキャッシュを受け取れるというもの。しかも、従来の銀行送金に比べると、速さ、費用において飛躍的な利便性の向上を消費者に提供している。また、資金移動業者は送金資金の取り扱いに応じた金額を、送金受取りが行われるまで法務局に供託する義務を課せられており、安全性も極めて高いものとなっている。具体的な送金方法は、主にSBIレミットへの送金依頼の仕方、入金方法の違いによって「フリコミ送金」「インターネット送金」「ゆうちょ振替払込みカード送金」「コンビニ送金」の4つがある。日本人顧客はインターネットによる送金依頼をネットバンキングと併用して送金を行うケースが多い。一方で日本在住の外国人顧客に最も利用されているのは、「ゆうちょ振替払込みカード送金」。仕送り送金のように、常に一定の送金受取人に送金する場合、その受取人をあらかじめSBIレミットに登録しておき、その”ゆうちょ振替払込カード”でゆうちょ銀行のATMまたは窓口でSBIレミットの口座に入金するだけで、Webサイト上での手続きなしに登録した受取人への送金が実行できる。外国人顧客にこの方法が最も多く利用されている理由について、栗田氏は「ネット環境のない方や苦手な方、最寄りの金融機関が郵便局である方が多いことに加え、自分のカードで入金を行うことによる安心感という消費者心理を持たれることが理由ではないでしょうか」。「フリコミ送金」は、送金に際してのSBIレミットへの入金に銀行を利用するお客様で、同じ送金受取人に複数の送金を行う予定がある場合、「ゆうちょ振替払込みカード送金」と同様に、事前に受取人の登録をしておくことにより会員サイト上での手続きなしで送金が実行できる。上記2つの送金方法では、SBIレミットが顧客からの入金を確認した時点で即送金されるのに対し、「インターネット送金」は、顧客がSBIレミット内に持つ「送金準備金口座」に送金用資金を一時的にプールすることが可能。その残高から必要な金額を、必要な時に、機動的に送金することができるため、海外にお子様を持つご両親などの個人に加えて、海外への支払いを機動的に行いたい法人が多く利用している。「コンビニ送金」は、SBIレミットがファミリーマート社と日本で初めて開始したコンビニエンスストアでの入金による国際送金。インターネットで送金依頼を行った後、提携するファミリーマート内のファミポートを利用して、レジで入金が行える。365日7時から21時まで海外送金を行うことができ、金融機関の営業時間外の送金を容易にしている。栗田氏は、こうした顧客の視線に立ってサービスを常に改善して”進化”していくことが、SBIレミットの最大の特徴と強調。常に顧客の声に耳を傾けながらサービスの改善を心がけているという。サービスを開始して1年半の状況については、「着実に伸びているのは間違いない」(栗田氏)。今後については、「どういうプロダクツを作ったらお客さんに喜んでもらえるかが全て。数字はこのような地道なサービス改善の結果として後からついてくると思っている」と話している。セブン銀行の海外送金サービスは、従来の海外送金の仕組みで利用者が感じていた不具合や不満をなんとか改善したいという思いが、開発のきっかけとなった。従来は銀行や郵便局から海外に送金する場合、「窓口が少なく、長時間待つ必要がある」、「送金したくても店舗が平日の15時までしか営業していない」、「手数料が高め」、「書類記入の手続きが煩雑」など、より便利なサービスへの意見や要望があった。また、労働力人口の減少で、就労のために海外から日本に入国・在留している外国人が増えていることや、企業のグローバル化による日本人の海外勤務が増えていることから、日本から海外への送金ニーズは、今後ますます増加していくと考えた。セブン銀行 商品サービス部の廿浦(つづうら)隆次長によると、同社では、それまでのサービスへの改善や、事業の多角化という観点から、2009年に海外送金サービスに関するプロジェクトを立ち上げた。プロジェクトでは、(1)便利なサービス、(2)いつでもどこでも使えるサービス、(3)長期にわたって繰り返し使うことができる安定したサービス、の観点からサービス内容を検討。2011年3月22日、インターネットバンキング、モバイルバンキングでの海外送金サービスを開始。さらに同年7月19日からは、日本国内に現在1万7,000台以上設置されているセブン銀行ATMからも、同サービスを利用できるようになった。セブン銀行の海外送金サービスは、(1)原則24時間365日送金可能、(2)シンプルかつリーズナブルな送金手数料、(3)受取拠点が豊富、(4)送金から最短数分で受取可能、などの特徴がある。廿浦氏は、サービス開始にあたって重視したことについて、「多くの取引を無人で安定して処理するためのしっかりしたシステムのインフラ作り」と、「犯罪に使われるリスクの除去」を挙げた。セブン銀行の海外送金サービスを利用するには、同社の口座を作らなければいけないが、犯罪のリスクの除去という点において、非常に有効だという。手数料は、1万円までの送金手数料は990円、5万円までの送金手数料は1,500円。「従来の銀行での手数料は金額に関係なく数千円がかかっていた。例えば、少額のお金を送るのに数千円かかっていては、かなり高い。そうした意味では、個人向けの手数料としてはリーズナブルになっている」(廿浦氏)。また、提携しているのは、世界約200以上の国と地域に45万カ所以上の拠点を有する世界最大の送金サービスネットワークを持つウエスタン・ユニオン。ウエスタン・ユニオンに決めた理由について廿浦氏は、「圧倒的なブランド力と拠点の数が魅力で、なおかつそれだけのインフラを持っているということは、多くのノウハウを持っているということ。安定したサービスの仕組みを作るには、最大手と組む必要があった」と話す。さらに、セブン銀行の海外送金サービスの最大の”売り”はATMで手続きができること。一旦口座を作り、海外送金サービス契約の申込みをすれば、送金が全てATMなどでできるので、従来は都度煩雑な手続きが必要だった海外送金サービスの利便性を格段に増している。時間を問わずに送金できるのもメリットで、廿浦氏によると、セブン銀行の海外送金サービス利用者の9割近くが、ATMを利用しての送金だという。昨年は、1年間で約3万件の利用があったが、今年はすでに4~6月の3カ月間で昨年1年間と同じ3万件を突破している。同社は今後4~5年のうちに年間100万件の利用を目指しているそうだ。廿浦氏は、「日本で働く外国人や、海外に在住・在留する日本人が増え、グローバル化が進んでいる。人が動くということはお金も動くということであり、海外送金サービスは今後不可欠なものになっていく」と話している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月21日1990年代初頭以降、IT(情報技術)等の技術革新による通信・交易手段の発達、東西冷戦の終結による世界交流の活発化、さらに、巨大な新興国の台頭などが見られ、グローバル化が急速に進みました。そして、ヒト、モノ、カネ、技術、情報の流れが拡大すると、アジアなどを中心に国際的な分業が進み、資源の効率的な配分・活用とそれに伴なう生産性の向上などを通じて、世界規模での経済拡大が鮮明になりました。このような環境のもと、強い追い風を活かし、新興国地域が成長率を著しく高めました。同地域も世界的な金融・経済危機の影響を受け、08、09年に成長率が鈍化したものの、90年代の危機時と比べ強固になった経済の枠組みや迅速な政策対応などにより、先進国地域発の外的ショックの影響を緩和し、好調な内需を牽引役にいち早く回復に転じました。足元では、欧州政府債務問題の影響も見られるものの、今後も新興国の成長が先進国の成長を引き続き大きく上回ると見込まれます。(※グラフ・データは過去のものおよび予想であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。)(2012年8月16日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。→「楽読」【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月21日1990年代初頭以降、IT(情報技術)等の技術革新による通信・交易手段の発達、東西冷戦の終結による世界交流の活発化、さらに、巨大な新興国の台頭などが見られ、グローバル化が急速に進みました。そして、ヒト、モノ、カネ、技術、情報の流れが拡大すると、アジアなどを中心に国際的な分業が進み、資源の効率的な配分・活用とそれに伴なう生産性の向上などを通じて、世界規模での経済拡大が鮮明になりました。このような環境のもと、強い追い風を活かし、新興国地域が成長率を著しく高めました。同地域も世界的な金融・経済危機の影響を受け、08、09年に成長率が鈍化したものの、90年代の危機時と比べ強固になった経済の枠組みや迅速な政策対応などにより、先進国地域発の外的ショックの影響を緩和し、好調な内需を牽引役にいち早く回復に転じました。足元では、欧州政府債務問題の影響も見られるものの、今後も新興国の成長が先進国の成長を引き続き大きく上回ると見込まれます。(※グラフ・データは過去のものおよび予想であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。)(2012年8月16日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。→「楽読」「ヘッジファンド」【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月20日グローバル化の流れの中、日本で働く外国人が増えると同時に、日本人の海外赴任機会なども増加している。それに伴い、従来は銀行で行われていた海外送金サービスを独自に行う事業者が続々と登場している。今回は、個人向けの海外送金サービスを独自に行っているNTTドコモ、SBIレミット、セブン銀行の担当者に聞いた、各社のサービスの特徴を紹介する。海外送金サービスの拡大は、銀行以外の事業者による送金サービス提供を認める、新しい「資金決済に関する法律(資金決済法)」が2010年4月に施行されたことを背景にしている。NTTドコモ、SBIレミットはこれによって海外送金サービスを行うことが可能になった。SBI傘下のSBIレミットは2010年12月から、NTTドコモは2011年7月から、同サービスを開始した。セブン銀行は銀行なので、同法の施行とは直接関係はないが、新たなビジネスチャンスを狙い、2011年3月から海外送金サービスを開始した。それぞれに特徴のあるサービスを行っているが、まず、NTTドコモの海外送金サービスを紹介したい。NTTドコモではもともと、日本国内では、ケータイ送金というサービスを行っていた。一つの電話番号にいわゆる「ドコモ口座」というアカウントを持つことができ、アクティベートすれば、お金をデポジットしてショッピングやドコモ同士のケータイ送金に使うことができる仕組みを持っていた。同社では、この仕組みの上に、海外にも送金できるサービスを行うという形で、同サービスを行うことになった。「ドコモ口座」に一旦入れたお金を、海外にも送れるようにしたというわけだ。海外送金サービス参入のきっかけは、さきほど述べた資金決済法の施行以外に、同社が国内に抱えている約6,000万のユーザーに対して、「海外送金という利便性を提供できるのではないか」(同社国際事業部 国際サービス担当部長 石井良宗氏)との思いがあったという。だが同社では、海外に送金できるネットワークを持っていたわけではなかったため、米マイクロファイナンス・インターナショナルのシステムを通じて、同サービスを開始することとなった。利用するには、携帯電話で送金金額、受取人氏名、受け取り方法などを入力する方法をとっている。受け取る方法は、口座入金のほか、銀行や両替店、ポーンショップ(質屋さん的な店舗)などで受け取ることができる。NTTドコモの送金手数料は、「なるべく安く、分かりやすく」(石井氏)をモットーとし、1回の送金につき一律1,000円としているのが特徴だ。石井氏によると、携帯から非常に簡単な操作で送金でき、銀行の窓口の営業時間や曜日に関係なく送金できることから、利用者からは大変使いやすいと評判だという。送金対象国は、2012年3月に21の国・地域に拡大した。在日外国人以外にも、日本人留学生に親が送金するケースも多いといい、米国への送金が伸びているという。マネーロンダリングなどの不正対策にも力を入れており、毎回の送金ごとに受取側のスクリーニングをしている。また、今年3月からはスマートフォンからも送金できるようにした。「入力が楽なので、口座番号なども打ちやすく、慣れると大変使いやすい」(石井氏)。石井氏はサービス開始からこれまでの状況について、「2011年度は目標としていた利用者数には届かなかったが、確実に手ごたえは感じている」とし、「携帯電話は、おサイフケータイなどにも代表されるように、金融サービスと相性がいい。海外送金サービスについても、1回一律1,000円という分かりやすさと携帯で手軽に送れるというメリットがあるので、外国人の皆さんや留学生のお子さんを持つ親御さんらに、ぜひ利用してほしい」と話している。SBIレミットは、2010年4月に施行された資金決済法に基づく資金移動事業者として、同年12月7日に金融庁に登録、13日にサービスを開始した。「それまで、SBI証券での株式売買手数料の引き下げなど金融サービスの価格破壊による顧客還元と利便性向上を先駆的に手掛けてきたSBIグループとして、従来、銀行だけが行うことができた国際送金業務の自由化に利して海外送金ニーズをもつ個人や中小事業者、また、日本在住外国人に対して、安全、迅速、低価格な国際送金サービスの提供を目指している」(SBIレミット 営業部マネージャーの栗田貴善氏)。事業開始に先立つ実地調査でも、日本で働く多くの外国人から、便利な送金手段がないという声を聴いており、そうした声がSBIレミットのサービス構築の原動力となった。業界最低水準の手数料の実現にあたっては、「SBIグループのノウハウを生かし、スケールメリットが効率よく働く事業インフラを狙ったシステム構築を行った。」(栗田氏)。同社が海外送金サービスを行う上で提携したのが、国際送金事業会社大手の一角である米国のマネーグラム社。「複数の国際送金事業者との提携を検討したが、日本の顧客層に合ったサービス提供に柔軟に対応しようとする姿勢を最も強く感じた」ことが同社との提携の決め手となった。サービスの特徴は、送金依頼をSBIレミットのウェブサイトから24時間365日行うことができ、同社に入金が行われると”最短約10分”で、マネーグラム社の持つ190カ国、25万カ所の取扱店で受取人がキャッシュを受け取れるというもの。しかも、従来の銀行送金に比べると、速さ、費用において飛躍的な利便性の向上を消費者に提供している。また、資金移動業者は送金資金の取り扱いに応じた金額を、送金受取りが行われるまで法務局に供託する義務を課せられており、安全性も極めて高いものとなっている。具体的な送金方法は、主にSBIレミットへの送金依頼の仕方、入金方法の違いによって「フリコミ送金」「インターネット送金」「ゆうちょ振替払込みカード送金」「コンビニ送金」の4つがある。日本人顧客はインターネットによる送金依頼をネットバンキングと併用して送金を行うケースが多い。一方で日本在住の外国人顧客に最も利用されているのは、「ゆうちょ振替払込みカード送金」。仕送り送金のように、常に一定の送金受取人に送金する場合、その受取人をあらかじめSBIレミットに登録しておき、その”ゆうちょ振替払込カード”でゆうちょ銀行のATMまたは窓口でSBIレミットの口座に入金するだけで、Webサイト上での手続きなしに登録した受取人への送金が実行できる。外国人顧客にこの方法が最も多く利用されている理由について、栗田氏は「ネット環境のない方や苦手な方、最寄りの金融機関が郵便局である方が多いことに加え、自分のカードで入金を行うことによる安心感という消費者心理を持たれることが理由ではないでしょうか」。「フリコミ送金」は、送金に際してのSBIレミットへの入金に銀行を利用するお客様で、同じ送金受取人に複数の送金を行う予定がある場合、「ゆうちょ振替払込みカード送金」と同様に、事前に受取人の登録をしておくことにより会員サイト上での手続きなしで送金が実行できる。上記2つの送金方法では、SBIレミットが顧客からの入金を確認した時点で即送金されるのに対し、「インターネット送金」は、顧客がSBIレミット内に持つ「送金準備金口座」に送金用資金を一時的にプールすることが可能。その残高から必要な金額を、必要な時に、機動的に送金することができるため、海外にお子様を持つご両親などの個人に加えて、海外への支払いを機動的に行いたい法人が多く利用している。「コンビニ送金」は、SBIレミットがファミリーマート社と日本で初めて開始したコンビニエンスストアでの入金による国際送金。インターネットで送金依頼を行った後、提携するファミリーマート内のファミポートを利用して、レジで入金が行える。365日7時から21時まで海外送金を行うことができ、金融機関の営業時間外の送金を容易にしている。栗田氏は、こうした顧客の視線に立ってサービスを常に改善して”進化”していくことが、SBIレミットの最大の特徴と強調。常に顧客の声に耳を傾けながらサービスの改善を心がけているという。サービスを開始して1年半の状況については、「着実に伸びているのは間違いない」(栗田氏)。今後については、「どういうプロダクツを作ったらお客さんに喜んでもらえるかが全て。数字はこのような地道なサービス改善の結果として後からついてくると思っている」と話している。セブン銀行の海外送金サービスは、従来の海外送金の仕組みで利用者が感じていた不具合や不満をなんとか改善したいという思いが、開発のきっかけとなった。従来は銀行や郵便局から海外に送金する場合、「窓口が少なく、長時間待つ必要がある」、「送金したくても店舗が平日の15時までしか営業していない」、「手数料が高め」、「書類記入の手続きが煩雑」など、より便利なサービスへの意見や要望があった。また、労働力人口の減少で、就労のために海外から日本に入国・在留している外国人が増えていることや、企業のグローバル化による日本人の海外勤務が増えていることから、日本から海外への送金ニーズは、今後ますます増加していくと考えた。セブン銀行 商品サービス部の廿浦(つづうら)隆次長によると、同社では、それまでのサービスへの改善や、事業の多角化という観点から、2009年に海外送金サービスに関するプロジェクトを立ち上げた。プロジェクトでは、(1)便利なサービス、(2)いつでもどこでも使えるサービス、(3)長期にわたって繰り返し使うことができる安定したサービス、の観点からサービス内容を検討。2011年3月22日、インターネットバンキング、モバイルバンキングでの海外送金サービスを開始。さらに同年7月19日からは、日本国内に現在1万7,000台以上設置されているセブン銀行ATMからも、同サービスを利用できるようになった。セブン銀行の海外送金サービスは、(1)原則24時間365日送金可能、(2)シンプルかつリーズナブルな送金手数料、(3)受取拠点が豊富、(4)送金から最短数分で受取可能、などの特徴がある。廿浦氏は、サービス開始にあたって重視したことについて、「多くの取引を無人で安定して処理するためのしっかりしたシステムのインフラ作り」と、「犯罪に使われるリスクの除去」を挙げた。セブン銀行の海外送金サービスを利用するには、同社の口座を作らなければいけないが、犯罪のリスクの除去という点において、非常に有効だという。手数料は、1万円までの送金手数料は990円、5万円までの送金手数料は1,500円。「従来の銀行での手数料は金額に関係なく数千円がかかっていた。例えば、少額のお金を送るのに数千円かかっていては、かなり高い。そうした意味では、個人向けの手数料としてはリーズナブルになっている」(廿浦氏)。また、提携しているのは、世界約200以上の国と地域に45万カ所以上の拠点を有する世界最大の送金サービスネットワークを持つウエスタン・ユニオン。ウエスタン・ユニオンに決めた理由について廿浦氏は、「圧倒的なブランド力と拠点の数が魅力で、なおかつそれだけのインフラを持っているということは、多くのノウハウを持っているということ。安定したサービスの仕組みを作るには、最大手と組む必要があった」と話す。さらに、セブン銀行の海外送金サービスの最大の”売り”はATMで手続きができること。一旦口座を作り、海外送金サービス契約の申込みをすれば、送金が全てATMなどでできるので、従来は都度煩雑な手続きが必要だった海外送金サービスの利便性を格段に増している。時間を問わずに送金できるのもメリットで、廿浦氏によると、セブン銀行の海外送金サービス利用者の9割近くが、ATMを利用しての送金だという。昨年は、1年間で約3万件の利用があったが、今年はすでに4~6月の3カ月間で昨年1年間と同じ3万件を突破している。同社は今後4~5年のうちに年間100万件の利用を目指しているそうだ。廿浦氏は、「日本で働く外国人や、海外に在住・在留する日本人が増え、グローバル化が進んでいる。人が動くということはお金も動くということであり、海外送金サービスは今後不可欠なものになっていく」と話している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月20日三菱自動車は1日、新型グローバルコンパクトカー「ミラージュ」を31日に発売すると発表した。同車は6月26日より予約受付を開始し、7月末時点で5,000台を超える注文を受けている。グレードと価格は、基本装備の「E」グレードが99万8,000円、実用装備の「M」グレードが118万8,000円、、快適装備の「G」グレードが128万8,000円。同車は、コンパクトカーに求められる普遍的価値である、低燃費・コンパクト・低価格を基本コンセプトとし、”先進国における環境対応車”と”新興国におけるエントリーカー”というニーズを両立させたというグローバルコンパクトカー。全グレードに、新開発1.0L DOHC12バルブ3気筒MIVECエンジンと新型INVECS-III CVT(副変速機付)を搭載し、駆動方式は2WDを採用する。乗車定員は5名。また、GとMグレードには低燃費化技術「自分でエコする賢いエンジン エコサポート」を採用。アイドリングストップ機能「オートストップ&ゴー」などの搭載により、ガソリンエンジン登録車ではトップクラスという27.2km/L(JC08モード燃料消費率)を実現し、エコカー減税によって自動車取得税と自動車重量税が免税となる。Eグレードも、アイドリングストップ機能非搭載ながら、23.2km/L(JC08モード燃料消費率)を実現しており、自動車取得税と自動車重量税が75%減税となる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月01日日産自動車は19日、全国の日産ギャラリーにて「夏休みファミリーイベント」を開催すると発表した。開催期間は、日産グローバル本社ギャラリーが7月21日~9月2日、日産札幌 / 名古屋 / 福岡ギャラリーが7月26日~9月2日。同イベントは、夏休みに家族で楽しめるコンテンツとして、賞品を用意したクイズラリーを実施。さらに抽選プレゼントとして、日産リーフの「トミカ」が用意されている。また、日産グローバル本社ギャラリーでは特別イベントとして、「エコドライブセミナー&体験試乗会」のほか、タカラトミーやスクウェア・エニックスとのタイアップ展示、横浜市のイベント「ダンス・ダンス・ダンス ヨコハマ 2012」のパフォーマンスを8月4日と5日に行う予定。「エコドライブセミナー&体験試乗会」は、エコドライブを実践するための知識やテクニック紹介したり、エコドライブ診断やアドバイスを行う特別企画。開催日は7月21日で、セミナー1回目は14:00から、2回目が15:30から。体験試乗会は12:00~17:20を予定し、試乗車は「マーチ」「エクストレイル」「ジューク」「フーガハイブリッド」。試乗会の参加者にはオリジナルグッズをプレゼントする。スクウェア・エニックスとのタイアップとなる「超速変形ジャイロゼッター NISSAN GT-R ロボ特別展示」は、6月稼動開始のカードバトルゲーム及び、10月よりTVアニメが放送される「超速変形ジャイロゼッター」に登場する、日産GT-Rをモチーフにしたロボットを実車とともに展示。開催期間は7月21日~9月2日。タカラトミーとのタイアップとなる「みんなで発電体験! 日産リーフを走らせよう!」は、乾電池を使わないRCカー「EDASH」(イーダッシュ)の体験コーナーや、EDASHの手回し発電器を使って実際の日産リーフをギャラリー内で走らせるイベント(9月2日を予定)などを実施する。開催期間は8月1日~9月2日。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月19日6月29日、「楽天の社内公用語英語化 正式スタート」に関する記者会見が行われた。同社では2年間にわたる準備期間を経て、ついに7月1日より、社内公用語の英語化が正式にスタートするという。今回の会見では、これに踏み切った背景や移行期間の成果などが、同社代表取締役会長兼社長・三木谷浩史氏から英語で報告された。現在同社では、海外にも子会社を構える。海外企業買収は13カ国にもおよび、さらに展開させる予定とのこと。新卒採用の30%以上は外国人で、日本の大学で学んだ外国人はもちろん、海外の大学生や中途採用の外国人も多いという。同社が急速にグローバル化を進める背景には、日本のGDP比率の低下も一因だと三木谷氏。2006年には日本のGDP比率は約12%だったが、2050年には3%にまで落ち込むことが予想されているという。GDP比率が高かった時代は国内サービスのみでもよかったが、今後は世界に目を向ける必要があると語った。その際、英語は必須であり、ビジネスにおいては英語でコミュニケーションができなければならない。また、海外の子会社の従業員たちとやりとりをするために通訳を使うのは非効率的であり、日本語だけでは海外の子会社が孤立する可能性もある。これを避け、ともに成長するためにも、社内共用語を英語にする必要があったという。また、携帯電話を例に挙げ、優秀な技術を持っていても、それをグローバルスタンダードに設定できなかったのは、英語力が問題ではないかと指摘。英語力がないから製造業が苦しみ、ガラパゴス化が進んでいるとも語った。もちろん、従業員たちに英語を勉強させ、コミュニケーションを習得させるには、さまざまなハードルがあることは予想できる。しかし、三木谷氏は自身の体験に後押しされて社内公用語の英語化に踏み切ったそうだ。「外国人従業員たちは、採用時には日本語が話せない。しかし彼らは速やかに日本語を学び、3~6カ月も経つと、流ちょうな日本語を話せるようになる。それなら日本人も同じことができるのではないか。十分な時間をかけて、習熟すればできるだろう」しかし、社内公用語の英語化を決定後、従業員たちが英語を勉強する時間がないという悩みを抱え、それがストレスになっていることに気づいたという。そこで、無料の英語クラスを提供し、勉強する時間を与えたそうだ。このような取り組みもあり、2010年10月にはTOEICの平均スコアは526.2点だったが、2012年5月には687.3点に。161.1点もアップさせることに成功している。また、同社では、役職レベルに応じてターゲットスコアを設定。その達成率を下からレッド、イエロー、オレンジ、グリーンのカラーでゾーンごとに色分けしているという。達成率の推移はスライドで紹介された。それによれば、ターゲットスコアを達成したグリーンゾーンは、2011年3月には29%だったのに対し、2012年5月には79.5%にも上るという。それに伴いレッドゾーンも2.2%にまで減少している。「日本人は英語をとても難しいものだと思い込んでいる」と三木谷氏。英語の習熟レベルに関係なく、勇気を持って自分自身を英語で表現しようとするガッツが重要だという。三木谷氏は海外の会議で3,000人を前に話すことがあるそうだ。その経験をもとに、「スピーチのなかで文法を間違えることがあっても、自分自身の言葉でスピーチすることが重要。おそれずに、多くの人の前で話す機会を設けてほしい」と語った。また、英語を中学から大学まで3,000時間以上勉強しているのに話せないのは時間の無駄だと指摘した。同社の社内公用語の英語化によって、日本の英語教育プログラムを”使える”形にかえられるよう、刺激したいという。さらに、この取り組みが成功すれば、同社がロールモデルとなり、他企業が追従することで日本のビジネス界の目を覚ますことになるとも語った。なお、同社の取り組みについては、三木谷氏の著書「たかが英語!」(講談社刊・本体価格1,000円)で詳しく紹介されている。収益は東日本大震災の寄付にあてられるという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月02日世界最大級のオンライン英会話スクールEF Englishtown(EF イングリッシュタウン)は、米国のプロダクトレビューサイト「TopTenREVIEWSTM」(TechMediaNetwork社運営)にて、グローバルオンライン英語学習サイトの中で最も優れたサイトとして2年連続で金賞を受賞した。EF イングリッシュタウンはApple社とのコラボレーションから始まった、革新的な学習メソッドをもつ世界最大級の24時間オンライン英会話スクール。現在120カ国に1,500万人以上の会員を有し、1,200社以上のグローバル企業に語学研修プログラムとして利用されている。また、同スクールを評価した米レビューサイト「TopTenREVIEWSTM」は消費者の購入プロセスをシンプルにするために、各カテゴリーで一番優れたサービス・商品を評価・推薦するサイト。同サイトにおいてのオンライン英語学習サイトカテゴリーの評価基準は4つで、「教師や学習ツールの良さ」「学習エクササイズ、ゲームなどのバラエティーさ」「コミュニティーやソーシャルメディアとの連携性」「使い勝手の良さ」からなっている。金賞受賞の理由としては、オンラインを通じての優れた指導や総合的な英語学習コース、バラエティーに富んだ学習オプション、音声認識テクノロジーや24時間利用可能なライブレッスン、また他の生徒とつながることができる機会を提供しているなど、各カテゴリーから最も優れたサービスと高く評価されたことが挙げられる。獲得点数は10点満点中9.78得点という高得点だった。同スクールの金賞は2011年に引き続き、2年連続となる。
2012年06月29日ベルリンを拠点に活動するポストシアターが、7月4日(水)から東京・青山円形劇場にて公演を行う。すでに来日し、公演準備に入った代表のマックス・シューマッハーに話を訊いた。『Heavenly Bento』公演情報演劇に映像やダンスを交えた複合的な舞台を展開するポストシアターは、1998年に始動した。シューマッハーによると、「妻の棚橋洋子とニューヨーク大学で知り合って、“西洋的でも東洋的でもない、グローバルな作品を作ろう”と旗揚げしたんです」。そして、「当初は“ポストタイタニック”という名前でした」と笑い混じりに話す。国際的な顔ぶれで、ジャンルを越境した表現をする。彼らのそんなコンセプトが結実したのが、今回日本で上演される『Heavenly Bento』だ。2004年にドイツのボンで初演され、その後、ベルリン、シンガポール、NYでも公演をおこなった。日本人にとって興味深いのは、本作が、ソニーを創業した中心人物、井深大と盛田昭夫を描いていることだろう。人に薦められ、ソニー成功の裏側に迫るドキュメンタリーを棚橋洋子と本で読んだシューマッハーは、自らの脚本・演出によって舞台化しようと思い至る。「ソニーは、技術的に優れているうえ、グローバルな精神を忘れない。まさにポストシアターの手本となる存在だと感じた。『Heavenly~』は、最初ベルリンでアイデアが生まれましたが、その後NYでオーディションを行い、東洋人のキャストを選ぶという、まさに国際的な展開が実現しました」。四方を客席に囲まれた舞台に登場するのは、井深、盛田を演じるふたりの俳優と女性ダンサーの3人。時に“重役会議のテーブル”に見立てられ、時にビデオ投影のスクリーンとしても使用される立方体のステージが、日本の弁当箱のイメージから生まれたというのが面白い。そう、『Bento』とは弁当のことで、タイトルを訳すと“天国の弁当”になる。「井深さんと盛田さんは、言ってみれば弁当の中身。それに井深さんは、トランジスタ・ラジオを作る際、サウンドを詰め込んだ弁当を意識したといいます。日本の食の文化を音響機器に応用したんです」。「今の日本はあまり元気がないようですが、井深と盛田の生き方に触れれば、皆さんもきっと何かを得られると思います」とシューマッハーが語るように、チャレンジをためらわず、ひたむきに夢を追い求めた彼らの生き方に,学ぶことは多いかもしれない。東京・青山円形劇場にて7月4日(水)から8日(日)まで上演。
2012年06月29日日興アセットマネジメントはこのほど、同社が運営する投資ゲーム「世界の投信王」に関連し、学生のための講演会『グローバル人材になろう!』を開催した。同講演会では、”グローバル人材”になるためにはどのような資質・行動が必要であるかという視点から、グローバル化が進む世界経済の流れについて説明がなされた。講演会はパネルディスカッション形式で行われ、モデレーターとして、「タダコピ」を運営するオーシャナイズの小林直樹氏、パネリストとして、日興アセットマネジメントの妹尾園子氏と野村学氏が参加した。冒頭では、小林氏が、「グローバル化」について説明した。小林氏は、自身が大学を卒業した1996年が、デフレ、大震災直後、就職氷河期などの点において、「今の環境にそっくりだ」と指摘。そのころのキーワードの一つに「産業空洞化」があるとし、バブル後の不況でデフレ化し、消費者物価が下がるのと同時に流通支配力が上がる中、コスト削減のため、「製造拠点のグローバル化」が起きたと説明した。その後に起こったのが、「市場のグローバル化」と「金融のグローバル化」。市場がグローバル化された世界では、原料の調達や生産、加工を世界中で最適化して生産活動を行い、それを発達したサプライチェーン(物流)を活用して売ることになる。こうした流れの中、日本企業でも多くの企業が「グローバル化」して、世界で活躍していると述べた。また、金融もそれに応じてグローバル化し、資金調達も世界視野で行われるようになった。小林氏によると、小林氏が学生の頃は、「グローバル化」ではなく、「国際化」という言葉が使われていた。だが小林氏は、「国際化」の場合は、あくまで日本を中心に物事を考えていたのに対し、「グローバル化」は、”世界”という観点から物事を見ていくことだと分析し、「国際化」ではなく、「グローバル化」することの重要性を説いた。また小林氏は、「グローバルスタンダード(世界基準)」についても言及。冷戦終結後、すでに自国企業がグローバルに展開していた欧米が、世界の市場が一体化する中で、会計などの基準を統一して決めていこうというもので、日本もそれに巻き込まれざるをえなかったと話した。同氏は、こうした「グローバル化」の進展に関し、日興アセットマネジメントの妹尾氏に、日本の企業のグローバル化の現状について質問した。妹尾氏は、現在の日本企業について、売上高の約半分を海外で売り上げていると説明。しかも、大手電機メーカーなどの輸出関連企業だけでなく、世間的には内需型といわれる企業も海外売上高を伸ばし、「グローバル企業化」していると述べた。例えばある醤油メーカーでは、55年前から海外展開をし、米国に早い時期から進出。米国の家庭の半分の家庭には、醤油が置いてあるという。妹尾氏によれば、そのメーカーは和食を持ち込むのではなく現地の食材にあった醤油の使い方を提案することで、現地に浸透していった。妹尾氏は他にもゲーム機メーカーや調味料メーカーを挙げ、「多くの日本企業が、先を見て行動していることを知ってもらいたい」と話した。また、社会に貢献している日本企業として、ある化学メーカーを挙げた。同メーカーは、電子部品のフィルムやプラズマディスプレイをきれいに見せるための塗料など、高収益事業を世界規模で展開する一方、年間5億人が発症し100万人以上が命を落としている「マラリア」の感染を防ぐため、マラリアを媒介する蚊を防ぐ「蚊帳(かや)」を生産し、サハラ砂漠を中心にアフリカ諸国に提供していることを紹介。ただし、無償では同社が生産するのを止めてしまうことを懸念し、世界銀行が有償で購入しているという。さらに、ある化学繊維メーカーでは、水をきれいにしたり、海水を淡水に変えるための膜(フィルター)を、水不足に悩む国に提供していることも示し、日本企業が海外で稼ぐだけでなく、社会貢献している実例を具体的に説明した。妹尾氏は、前述の醤油メーカーの人から、知識やノウハウ、技術などは全て日本国内にあると聞いたとし、「皆さんはすでにグローバル化の中にいる」と話した。次に、日興アセットマネジメントの野村氏は、自らの人生の「幸せの曲線」について説明。同氏はもともと、資金運用をやりたかったので同社に就職、これまで転職をせずに同社一筋で勤務してきた。20代のころは、主なマーケットが日本国内で、顧客も運用も日本国内であり、好きな仕事をできて「幸せ曲線」は右肩上がりが続いた。だが、30代になり、「エンロン・ショック」などの金融危機で社員が多く辞め、外国の方が社長になるなど、社内で”グローバル化”が進展した。この時点で、野村氏の「幸せ曲線」は下降をたどり始めたという。野村氏は、講演会に参加している学生に、「なぜだと思う?」と問いかけた。学生の一人から「言語」との答えがあったが、同氏は「言語ではなかった」と述べ、「一番大変だったのは、『コミュニケーションの方法』だった」と説明した。同氏によると、ずっと同じ会社で働いてきた仲間同士であれば暗黙の了解で済むものが、バックグラウンドの違う相手と仕事をする場合、「これはいつまでに、ここまでやるということでいいですよね?」などときちんと相手に合意を得ながら進めていく必要があり、ここが大切だと強調。この「お伝え力」が、グローバル人材になるためのスキルであると述べた。この「お伝え力」を身に付けることで、野村氏の「幸せ曲線」は再び急上昇。現在に至っているという。これについて小林氏も、「グローバル化と言う以前に、人に対するときに相手の立場をいかに気遣うかなどの『地頭のよさ』が必要」と賛同。いろんな国の人々のバックボーンを知った上でコミュニケーションを行っていく能力が必須になると話した。野村氏は今度は、「グローバル化に成功している企業は、なぜ成功しているか?」とのテーマを提示し、インドにおける冷蔵庫の話をした。インドの冷蔵庫には、暑さでだめにならないように、化粧品や医薬品を入れるボックスがあったり、盗難を防ぐための鍵があることなどを紹介。日本の冷蔵庫などにはないこうした冷蔵庫の特徴の必要性を、同国の冷蔵庫市場で高いシェアを占める韓国企業がどのようにつかんだかについて、野村氏は、「その国や地域に行って、現地に”潜る”ことでしか分からない」と説明。自らを「グローバル化」するためには、TOEICの点数を上げたりすることもいいけれども、日本と他の国の違いを知るために現地に行くことも大切だと述べた。小林氏はこれについて、「これこそが現地のマーケティングである」と強調。どんな会社に入ろうが、どんなビジネスをしようが、「生活者」のことを知り、その課題を解決するための商品やサービスを提供することが必要であると訴えた。さらに、日本の企業は、前述の醤油メーカーのように昔は現地に潜って「現地化=生活者のマーケティング」を実践していたのが、最近は海外に行っても「駐在員」という形で、いずれは日本に戻ってくることを前提にした「縦の組織体質」になっているのではないかと問題提起。真の「グローバル化」のためには、現地組織にどんどん意思決定の権限を移していくべきではないかと話した。さらに妹尾氏は、グローバル化している世界経済の現状と今後の方向性について説明。世界の名目DGPは、2000年に32兆米ドルだったのに対し、2016年には91兆ドルと、約3倍になることが見込まれている。特に新興国の勢いがすごくて、人口も増え、どんどん豊かになっていると話した。その中でも中国の勢いが突出しており、2010年に5.9兆ドルだった名目GDPは、2016年には12兆ドルとなることが見込まれ、2010年時点での中国が、2016年にもう一つの中国ができることと同じであると説明した。妹尾氏は、こうした状況について、「今や日本だけでなく世界を見ないとどうにもならない時代になっている」とした上で、「これだけ経済規模が拡大するということは、どの国の企業にとっても”収益獲得のチャンス”があるということ」と強調した。野村氏は、金融商品についても、こうした世界経済の流れを受けて、以前と比べてどんどん投資先が変わっていると説明。「これから先を考えると、日本以外の国のことを考慮していかなければいけない時代になっている」と述べた。一方、妹尾氏は「グローバル化」の弊害についても言及。資金・ノウハウ・物(資源など)がある国は発展していっているが、新興国の中には、そうした要素がない国もあると指摘。「頑張れる国」と「取り残される国」があり、取り残される国をどのように救っていくかについても、学生を含む多くの人が考えていかなければいけない課題であると話した。講演会の後は、「グローバル人材の定義」や、「グローバル化のイメージと現実のギャップ」などについて、三氏と学生の間で活発な質疑応答が行われた。その後、日興アセットマネジメントが提供している投資体感ゲーム「世界の投信王」についての説明があった。「世界の投信王」は遊びながら「グローバル」な経済感覚を身につけられるオンライン投資体感ゲームであるが、これまで数多くの学生が参加してきているという。今年は日中国交正常化40周年ということで、新たに日本と中国の学生がチームで参加する「日中学生団体対抗戦」が2012年7月から開催される。世界の投信王「日中学生団体対抗戦」は、3人一組で構成される日本と中国の学生チームが、日中学生No.1の座を賭けて戦うもの。参加チームは7月2日から8月31日の2カ月間、仮想の10億円/1億人民元を使って、世界35カ国の株式と連動する架空のインデックスファンドに投資し、その運用成績や分析能力、報告能力を競い合う。全参加チームの中から審査で日中各3組(計6組)の代表チームを選出し、9月27日に日本と中国で同時開催する決勝戦で、日興アセットマネジメントグループの、日中のプロフェッショナルの厳しい審査のもと、日中学生No.1のチームを決定する。決勝戦は日本側の会場となる日興アセットの東京オフィスと中国側の会場となる香港オフィスをテレビ会議システムでつなぎ、日中双方で同時審査することになっている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月22日ユニクロは、日本の夏の文化から生まれたステテコの快適さや利便性を手軽に体験してもらうべく、今年からステテコを本格発売する。ステテコは、スーツなどのボトムスや着物の下に履くアンダーウェアとして、明治以降の日本の近代化にともない一般に広く普及したアイテム。スーツの裏地に肌が直接触れず、ステテコが汗を吸い取るので、汗で裏地が肌に張り付くことを防ぎ、快適に過ごすことができる。昨今はスーツだけでなく、チノパンなどさまざまなアイテムのアンダーウェアとしても取り入れられているほか、下着の上にステテコを部屋着として着用するなど、カジュアルなファッションアイテムとしても楽しまれている。ユニクロでは、ステテコの快適さをより多くの人に知ってもらうため、80色柄以上のバリエーションを用意。世界へ向けても初めて展開していく。また、東京・銀座のグローバル旗艦店、ユニクロ銀座店の10階に「ステテコBAR」がオープン。通常のバーテンダーが来店客に合ったカクテルを選ぶように、ステテコBARカウンターに配置されたステテコバーテンダーが出迎え、その人に合うステテコや、ステテコに合わせたコーディネートを提案するという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月12日再選挙を控えるギリシャを巡る警戒感の高まりやスペインの金融システム不安など欧州債務問題に対する懸念が再燃する中、欧米をはじめ世界経済の先行き不透明感が台頭したことなどを受け、世界的に株式などのリスク資産が下落しています。そうした中、各国・地域のREITと世界株式のパフォーマンスを見ると、グローバルREITのパフォーマンスが総じて堅調であることがわかります。この背景には、FRB(米連邦準制度備理事会)やECB(欧州中央銀行)が、これまで実施した金融緩和策などの効果によって、短期金融市場が安定傾向にある中、REITの業績や相対的に高い分配金利回りが注目されたことなどがあると考えられます。リーマン・ショック後の世界的な景気後退局面では、短期金融市場が混乱したため、REIT各社の資金繰り悪化に対する懸念がREIT価格の下落要因のひとつとなりました。しかしながら、足元ではREIT各社の資金繰りに対する懸念は現在のところ浮上しておらず、欧州債務問題がREITの資金調達環境に与える影響は限定的であるとみられます。その上、REIT各社は増資や社債発行による資金調達を続けていることから、今後物件の取得による収益力の向上に対する期待が高まりやすい状況にあります。こうした状況下、主要国の国債利回りが大きく低下していることもあり、グローバルREITの相対的に高い分配金利回りの魅力が高まっているとみられます。なお、各国・地域のREITのパフォーマンスは、市場毎によって異なっており、2012年以降では、アジア太平洋のREIT市場が特に好調です。また、直近1ヵ月では、欧州債務問題に揺れる欧州のREIT市場の下落が小さくなっているという興味深い動きがみられています。(※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。)(2012年6月8日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。→「楽読」【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月11日ビジネスシーンにおいて、「英語力が必要だ」と感じている人は多いのではないだろうか。2010年にユニクロを運営するファーストリテイリング、楽天が英語の社内公用語化を決定したことが話題になったように、これからはますますグローバル化が加速すると予想されている。この流れを受けるかのように、2011年度から、小学校高学年の英語教育が義務化された。彼らのような教育を受けた世代が社会人デビューする前に、英語力を身につけることは、さらに求められるだろう。このような状況下において、社会人はどのような英語学習をしていけばいいのだろうか。はじめに、英語力のニーズが高まる現在、ビジネスパーソンは英語力について、どのように考えているのかをみていこう。クロス・マーケティングが実施した「英会話スクールに関する調査」によれば、日本のビジネスパーソンは、普段、ビジネスで英語を使う機会は少なく、ビジネスレベル以上の英語力を自覚している人は、1割程度にとどまるという。ただし、ビジネスシーンにおける英語力のニーズは高く、現在ビジネスで英語を使用していない人でも、その4割は「仕事の場で英語を使ってコミュニケーションができるようになりたい」と回答。今後、日本はグローバル化し、英語でのコミュニケーションが必要になるという漠然とした危機感から、英語力をつけたいと思っている人も多いようだ。同社では、すでに英語力を身につけている人たちにも、そのスキルについて調査している。その結果、日常レベルの英語力があると自覚している人でさえ、6割が「言いたいことが言いきれない」「会話のスピードについていけない」など、実際のコミュニケーションでは英語力が不十分だと回答。現在、すでにビジネスにおいてある程度のコミュニケーションがとれる人ですら、半数近くが「自分の言いたいことが全部言いきれていない」という悩みを抱えているという。英語の上級レベル者においても、実際のコミュニケーションシーンでは、議論の流れに即した発言や、主導権を握るコミュニケーションができるとはいえない実態が浮き彫りになった。このように、英語力が必須であると感じている人が多い反面、実際に英語力を身につけている人は少ないことがわかった。また、対話力やコミュニケーション力を身につけなければ、ビジネスシーンにおいて英語を「話せる」とはいえないようだ。前述のとおり、ビジネスシーンで「使える」英語力を習得するには、「対話力」と「コミュニケーション力」がキーになるといえそうだ。それを実現する場として、ニチイ学館が「COCO 塾」という、一風変わった英語のスクール事業を開始した。“COCO”は「Communication Competence(伝達能力)」の頭文字。外国語でのコミュニケーションスキルを磨くために絶対不可欠な3つの能力を養い、「使える英語」とその先の「対話力」が身につくスクールにしたいとの思いが込められているという。この3つの能力とは、「Linguistic Competence(言語能力)=音声・単語・文法を習得してセンテンスをつくる能力」、「Discourse Competence(談話能力)=センテンスをつなげ、会話にする能力」、「Sociolinguistic Competence(社会言語能力)=社会的に適切な言語を選択して使える能力」のことだ。この能力を高めるために、大手英会話スクールでは例を見ない、2インストラクター制によるきめ細かい指導によるグループレッスンを中心としたコースを設定。「聞く」「話す」「読む」「書く」の4つの語学能力を養うという。さらに、異文化や国際的なテーマなどを「英語で考え、英語で学ぶ」ことで、国際人として必要な知識や教養も同時に身につけ、真の「対話力」を磨くことを目標としている。コンセプトは「英会話から英対話へ」。英語で聞いた内容を、日本語に訳してから理解するのではなく、英語で考え、発言できる能力を養成するためのレッスンを展開している。また、英語を単なるコミュニケーションツールとして学ぶのではなく、異文化や国際的なテーマなどを英語で学ぶことにより、必要な知識や教養も同時に身につけ、真の国際人としての「対話力」を磨くことができるという。すでに、新宿校、川崎校、松戸校など、24校を開校(※6月5日現在。順次開校予定)。順次、開講教室数・エリアを全国に広げ、初年度は92校の開講を予定しているそうだ。このように、ただ英語を話すだけではなく、対話力が求められている現在、ビジネスパーソンにはどのような英語学習が有効なのだろうか。英語学習におけるポイントについて、社会人を対象とした英語学習の通信講座を企画制作している、株式会社デルタプラス・代表取締役の湯川彰浩氏に話をうかがった。同氏は「社会人のための97%失敗しない最後の英語学習法」(エール出版社)という著書を上梓している。「加速する国際化に伴い、昇進の条件としてTOEICでもある程度のスコアが求められることも多いですね。したがって、社会人における英語学習者の割合は、年々増加の一途をたどっています。ただし、単純な英語力だけが求められるケースの方がまれです。コミュニケーション力や文章力なども実際の現場では必要ですし、こうした対話スキルは、普段用いる日本語の使い方と相関している部分が大きいものです。当社の通信講座の受講生は、大学院受験を目指す社会人が多いのですが、入試で出題される問題は和訳や英訳がほとんど。つまり、英文を読解して日本語でまとめたり、逆に複雑な日本語をわかりやすい英語に変換したりする力が試されているわけです。英語学習というと『英会話』と考える方も多いかもしれませんが、目的によって求められる英語力はさまざま。英語に加えて日本語の使い方も意識して、英語を使った現場でも生かせる対話スキルを磨いてほしいですね」同氏の言うように、英語力を高めるためには、「対話スキル」の向上も必然的に求められている。そのためには、日本語についても見直す必要があり、これから英語を学習する人にとっては無視できないだろう。これからは、対話力という視点で、英語だけでなく、日本語も含めて見直してみてはいかがだろうか。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月08日人気の美容液にベーシックスキンケア製品をセットシスレーは、すっきりとした輪郭、弾力のある肌に導く人気の美容液「シスレイヤ グローバル ファーミング セラム」(現品30mL49,350円)に、ベーシックスキンケア製品のミニ サイズをセットした「シスレイヤ ファーミングケアセット」(49,350円)を5月1日~5月20日の期間限定・数量限定で発売中。若々しいフェイスラインと美しいネックラインに「シスレイヤ グローバル ファーミング セラム」は、肌の土台となる真皮に集中的にはたらきかける優れた作用で、若い頃のようなふっくらと厚みのある肌へと導く美容液。優れた植物成分の相乗効果で肌のたるみをあらゆる方向から改善、肌をふっくらさせて、若々しく引き締まったフェイスラインへと導くという。「シスレイヤ ファーミングケアセット」には、美容液「シスレイヤ グローバル ファーミング セラム」(現品30mL)に加えて、クレンジング「リィスレデマキアン」(30mL)、ローション「フローラルトニックローション」(30mL)、美容液「シスレイヤグローバル ファーミング セラム」(3mL)、保湿美容乳液「イドラグローバル」(10mL)、デイ&ナイトクリーム「シスレイヤ」(4.9g)、デイプロテクト乳液「オールデイ オールイヤー」(10mL)がセットされ、シスレーのアンチエイジングケアをラインで試すことができる。元の記事を読む
2012年05月04日株式会社アルクは、アルクの「グローバル英語」シリーズ新刊『グローバルビジネス英会話 Advanced』を刊行した。A5版216ページ、CD1枚(約73分)付き。価格は1,890円。自分とは異なる文化の人たちと英語でビジネスをするとき、物事を日本の「常識」で見ると判断を誤ってしまうことがある。ビジネスで成果を上げるためには「相手や状況をどう見るか(=グローバルマインドセット)」と「どんな言い方をするか(=発信力)」がカギを握る。この2つのカギを解説の柱に位置づけ、同書は多様でリアルな20のケースを題材に、日本人のための実践的なビジネス英会話力を鍛える内容としている。例えば「早口の英語でまくしたてる、イスラエルのIT企業の営業を、どんな表現でこちらのペースに持ち込むか」、「合意事項の変更をかたくなに認めようとしないドバイの役人と、どうやってWin-Winの関係を作っていくか」、「遅刻が常習化しつつあるフィリピン子会社のデキル社員を、どうやってやる気にさせるか」、「完成予定日1週間前に『間に合わない』と報告してきた中国子会社のチームリーダーにどう対処するか」など。これらのような状況で、どのような言い方が効果的か、それはなぜなのか、をケーススタディー形式で学習する。また同書籍は、明星大学教授でビジネス社会における英語でのコミュニケーションの研究を専門とする田中宏昌氏、明星大学准教授で社会言語学、日中異文化コミュニケーションの研究を専門とする張暁瑞(ジャンシャオルイ)氏の共著となっている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月27日海外進出企業のメンタルヘルスケアを行うMD. ネットは、2006年より提供している海外勤務適応力検査「グローバルIQ(R)」を、日本と中国の大学生に実施しその結果を発表した。海外適応力は、日本人大学生より中国人留学生の方が高いという結果になった。このほど実施した検査「グローバルIQ(R)」とは、海外業務適応力とメンタルリスクを同時に測定できる、精神科医監修のテストのこと。「予測できない課題、変化に臨機応変に対応する力」「結果を出す力」「葛藤を乗り越える力」などの資質の評価ができるという。今回の検査は2011年11月~3月に、日本と中国の対象者それぞれに対して実施。日本は東京都内の私立大学に通う大学生262人(男性202名、女性60名)、中国は東京都内の大学(国公立、私立)に通う中国人大学生246人(男性153名、女性93名)。年齢は日本人・中国人とも18歳~22歳を対象に行った。調査結果からは、日本人大学生に比べて中国人留学生の海外環境適応力が高いことが明らかとなった。「グローバルコミュニケーション能力」「身体健康度」「精神健康度」「環境適応性」「レジリアンス」をそれぞれ比較した結果、「身体健康度」は日本人大学生と中国留学生では同様だったが、他はすべて中国人留学生が上回るという結果に。また、中国人留学生は目標に向かう意欲が高く、チャレンジ精神も旺盛であることもわかった。これは海外に勤務し一定の成果をあげているグローバルビジネスパーソンと比較しても遜色ない結果であるという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月26日A.T. カーニーとシカゴ国際問題評議会はこのほど、共同調査「グローバル・シティ・インデックス(グローバル都市指標)2012」を実施し、世界の都市のグローバル度ランキングを発表した。同調査は世界66都市について、「ビジネス活動」「人的資源」「情報流通」「文化的経験」「政治的関与」の5項目を総合的に評価し、ランキング化したもので、2年ごとに実施され、今回で3回目となる。その結果、トップ2は前回(2010年)の調査に引き続き、1位が「ニューヨーク」、2位が「ロンドン」。以下、3位「パリ」(前回4位)、4位「東京」(同3位)、5位「香港」(同5位)、6位「ロサンゼルス」(同7位)、7位「シカゴ」(同6位)、8位「ソウル」(同10位)、9位「ブリュッセル」(同11位)、10位「ワシントンDC」(同13位)と続いた。なお、「大阪」は前回同様47位にとどまっている。4位の東京について項目別に見ると、「ビジネス活動」は前回1位のニューヨークを抜き2位から1位にランクアップしたほか、「人的資源」も6位から5位に順位を上げた。しかし、「情報流通」は8位から14位、「政治的関与」も5位から9位にランクダウン。総合スコアについても、東日本大震災後のデータは含まれていないにも関わらず、上位10都市の中で東京だけが順位を下げ、「日本の世界への影響度低下が示唆された」(A.T. カーニー、シカゴ国際問題評議会)。世界の地域別に見てみると、ドイツは20位に「ベルリン」、23位に「フランクフルト」、31位に「ミュンヘン」と、上位35都市に3都市がランクインし、昨今のドイツの成功を反映する結果となった。アジアの都市に関しては、毎回トップ10に3都市(東京、香港、シンガポール、ソウルのうち3都市)がランクインし、安定した力を示している。BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の都市については、共通の特徴として「ビジネス活動分野」が強いことが挙げられ、同社は「他の分野でもグローバル化が進めば、国際的な文化組織や政治機関が拠点を置くようになり順位も上昇するだろう」と分析している。一方、新興国の都市の有望度ランキングでは、総合14位の「北京」が1位を獲得。次いで、2位「上海」(総合21位)、3位「台北」(同40位)、4位「重慶」(同66位)、5位「広州」(同65位」との順となった。調査では、「上位の新興都市は、今後10年~20年以内に、現在の上位都市の強力なライバルになる可能性がある」と分析。さらに中国の各都市は、「経済発展、中間層増加、インフラ投資拡大を背景に存在感を高めている」とし、中でも「『北京』は医療制度の改善により順位上昇の可能性が最も高い」としている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月25日日産自動車は、中国で23日から5月2日の期間に開催される『北京モーターショー』において新型グローバルセダンを公表したほか、電気自動車(EV)のコンセプトカー3台を出展したと発表した。今回公表された新型グローバルセダンは、中国における「シルフィ」(中国名 : 軒逸)の次期型モデル。従来型車が持つ高い機能を継承しながら、デザイン、感性品質、室内の広さ、優れた燃費性能など、1クラス上の車格感を持つ新しいセダンとのこと。ロングピストンストロークとツインCVTC(吸排気可変バルブタイミングコントロール機構)により燃焼を最適化した新型1.8リッターエンジン、遊星ギヤを用いた副変速機と小型プーリーを組み合わせて効率を高めて変速比幅を拡大した副変速機付エクストロニックCVT(無段変速機)を搭載する。同車は、東風日産乗用車公司の花都工場で生産予定となっており、2012年半ばに中国で発売、その後約120カ国で順次発売していく予定とのこと。そのほかに出展される電気自動車は、近未来の都会派スマートEVという「PIVO3」、後輪駆動のゼロ・エミッションスポーツカー「エスフロー」、ゼロ・エミッションの多目的小型商用バン「e-NV200」となっている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月23日「商品・美容情報」は、“watashi+(ワタシプラス)”で展開資生堂では、公式サイト「資生堂ウェブサイト」を2012年4月21日リニューアルした。「商品・美容情報」と「企業情報」にすっきりと整理され、「商品・美容情報」は、“watashi+(ワタシプラス)”において情報内容や会員サービスの充実をはかり、また「企業情報」では、資生堂グループ全体のグローバル化を意識したサイトに改編されている。資生堂2,600品目が購入できる「オンラインショップ」OPEN「watashi+(ワタシプラス)」は、商品・美容情報のみならず、オンラインで美容相談が受けられる「Webカウンセリング」、24時間買い物ができる「オンラインショップ」、全国の資生堂化粧品の取扱店を検索できる「お店ナビ」などのサービスを拡充。「企業情報サイト」では、国やブランドの垣根を越えた内容とし、日本向けサイト(日本語)とグローバル向けサイト(英語)を基本的に同一の内容となった。また、これまでは紹介していなかった「“資生堂を冠さないブランド”を含め、全事業・ブランド」へのリンクも新設している。元の記事を読む
2012年04月22日そんなルール、許されるの?今どきは小学校でこんなことをするのです!という話を聞いて、驚いた経験はありませんか?自分たちの小学生時代では想像もつかなかったことが、現代では普通になっているようです。「それって本当なの?」と疑問に思ってしまう方もいるかもしれませんね。ということで、今回は今どきの小学校で驚かされることを、女性マイナビ会員581名の方にお尋ねしてみました!>>男性編も見るQ、イマドキの小学校で驚かされることは?(複数回答)1位ピーターパンが5人、というように主役がたくさんいる劇をやる35.8%2位電卓を使って計算する29.6%3位男女の区別をしないように敬称はすべて「さん」24.4%4位英語の授業がある23.8%5位運動会は勝ち負けを決めない20.1%■ピーターパンが5人、というように主役がたくさんいる劇をやる・「主役が5人もいて劇が成り立つのかなと思ったので」。(26歳/その他)・「なんでも平等にすればいいのは大間違い」。(30歳/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)・モンスターペアレントのせいかなと思ってしまう(23歳/機械・精密機器/事務系専門職)・「主役ばかりの劇なんてやる必要はないと思う」(26歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)■電卓を使って計算する・「計算力がつかないからダメだと思う」(26歳/マスコミ・広告/事務系専門職)・「そろばんの方が良いと思います」(27歳/自動車関連/秘書・アシスタント職)・「ちゃんと暗算できるのか心配」(27歳/ホテル・旅行・アミューズメント/クリエイティブ職)■男女の区別をしないように敬称はすべて「さん」・「神経質すぎると思います」(23歳/金融・証券/事務系専門職)・「平等の定義がおかしいと思う」(31歳/商社・卸/秘書・アシスタント職)■英語の授業がある・「小さい時からやっておいた方がよいと思う」(25歳/機械・精密機器/技術職)・「グローバル化に役に立つのが楽しみです」(25歳/食品・飲料/技術職)・「英語より日本語を勉強しないと」(23歳/人材派遣・人材紹介)■運動会は勝ち負けを決めない・「社会に出たら競争社会なのにあきれる」(48歳/小売店/事務系専門職)・「優劣をつけないように、とても気を使っていると感じる」(27歳/情報・IT/技術職)・「勝ち負けを決める経験も大切だと思う・・・」(27歳/食品・飲料/営業職)総評いかがでしたか?1位は、「主役がたくさんいる劇をする」でした。自分たちの小学生時代との差に驚く意見がとても多いようでした。2位は、「電卓を使って計算する」でした。計算力がどんどん下がってしまうのではないか・・という心配の声が多く寄せられていました。確かに、便利な道具に頼りすぎるのもいかがなものかと思います。英語の授業の導入に関してはグローバル化を実感したり、うらやましかったりという肯定的な意見と、日本語も十分にできていないのに早すぎるといった否定的な意見で二分されているようです。否定的な意見も、子どもたちのことを思っての愛のムチなのかもしれないですね。(文・OFFICE-SANGA鈴木彩夏)調査時期:2012年2月24日~2012年2月29日調査対象:マイナビニュース会員調査数:女性581名調査方法:インターネットログイン式アンケート■関連リンク【男性編】小学生のころ大好きだったマンガランキング【男性編】小学生の夏休みで嫌な思い出ランキング【男性編】小学校時代にブルーになりがちだったことランキング完全版(画像などあり)を見る
2012年04月19日ボディのあらゆる老化にグローバルにはたらきかけるシスレーは、エイジングケアの“シスレイヤ”シリーズより、ボディのあらゆる老化に対応する、シスレー初の、グローバルな効果をもたらす優れたボディ用エイジングケア製品「シスレイヤ ボディ コンセントレート」(149g 42,000円)を、4月23日に発売する。セラムのようにパワフルで極上のクリームの心地よさ「シスレイヤ ボディ コンセントレート」は、19種類の植物由来の有効成分を贅沢に配合。肌のたるみやハリの衰えなど、肌に現れたエイジングサインにはたらきかけ、若々しくハリのある引き締まったボディへと導く、他にはない、機能性、効果、心地よい使用感が融合された五感に訴えるボディケアクリーム。ハリのある素肌に欠かせない主要な成分を活性化させて保護し、肌組織の活力を高め、肌をなめらかに整え、ボディラインを引き締める。セラムのようにパワフルでありながら、極上のクリームの心地よさを追究したコクのあるテクスチャーで、日々、肌を美しく整えながら、やさしく包み込むという。元の記事を読む
2012年04月06日ナイキ スポーツウェアカテゴリーにおけるグローバル広告契約を結んだプロゴルファーの石川遼選手が、同カテゴリーのプロダクトを身につけ、第1弾のビジュアルとしてナイキスポーツウェアのホームページに登場している。ナイキ スポーツウェアは、スポーツにインスピレーションを受けたカジュアルシューズやカジュアルウェアを展開し、普段履き・普段着として世界中の人々に広く着用されているナイキ唯一のライフスタイルカテゴリーだ。今回は同カテゴリーが掲げる”ONLY THE STRONG”のコンセプトの下、石川選手がナイキスポーツウェアの2012年SUMMER COLLECTIONのアイテムを身につけ、撮影が行われた。世界の頂点に立つため、全力で走り続ける彼の思いを表現したマニフェストもあわせて公開されている。石川選手が登場するこのキャンペーンでは、「夢を実現するためには自分に勝たねばならない、心の強い自分であらねばならない」というメッセージを伝えていく。今後さまざまな出版物や映像、デジタル、またナイキの店頭ツールなどにも石川選手が登場する予定。さらに、本契約はグローバル契約となるため、世界各国でナイキ スポーツウェアを着用した石川選手を見られるかもしれない。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月06日日興アセットマネジメント(日興アセット)は4日、世界の資産運用会社が加盟する事業者団体であるICIグローバルに、2012年4月1日から加盟したと発表した。ICIグローバルは、米国投資信託協会(the Investment Company Institute; ICI)が昨年設立した業界団体で、米国だけでなく世界中の主要な資産運用会社が加盟し、英国を拠点に活動をしている。加盟企業の共通利益の推進ならびに投資信託業界への社会的理解の促進を目的に、世界各国で提供される投資信託、その運用会社、投資家にかかるさまざまな規制や市場環境に焦点をあてた活動を行なっている。日興アセットは同団体に加盟する、初のアジアの資産運用会社となるという。また日興アセットのCLO(最高法務責任者)であるデビッド・モンロー氏は、ICIグローバルの運営委員会に参加。アジアの資産運用業界における10余年の法務コンプライアンスの経験を背景に、アジアそして世界の資産運用業界に影響をおよぼすような規制動向や市場構造、その他法令などに関する知見を提供していくとしている。ICIグローバルのマネージングディレクターであるダン・ウォーター氏は次のようにコメントしている。また、モンロー氏は、次のように述べている。ICIの加盟企業が運用している投資信託の総額は、16.38兆米ドルで、これは全世界の投資信託・ETFの約6割にあたるという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月04日三菱UFJニコスは4月1日から、プラチナ会員限定のポイント移行サービス「マイレージプログラム」に、韓国の航空最大手、大韓航空が運営するマイル「スカイパス」を追加すると発表した。「スカイパス」は、有効期限が10年でマイルを家族で合算できることが特徴。貯めたマイルは、同社の航空券への交換や座席のアップグレード、提携ホテルの宿泊代金の割引などに利用できる。プラチナ会員、つまりMUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カードの会員は、同カードの利用金額に応じて貯まるポイントプログラム「グローバルポイント」の利用が可能。各種商品との交換以外に提携マイルへの移行(「マイレージプログラム」利用)などができる。従来のマイル移行の対象は、日本航空の「JALマイレージバンク」、シンガポール航空の「クリスフライヤー」、デルタ航空の「スカイマイル」だったが、今回、大韓航空の「スカイパス」が追加された。スカイパスの換算率は「グローバルポイント」1ポイントがスカイパスの8マイルとなる。移行単位は200ポイント以上、100ポイント単位。参加年会費は3150円(税込)。移行手数料は1回の申し込みにつき6300円(税込)。1回の申し込みで移行できるポイントの上限は3800ポイント。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月30日「グローバル・プレミアム・ブランド」の地位確立を目指すファンケル(FANCL)は、新たに制定したコーポレートロゴおよびブランドステートメントを掲げ、6つのスキンケアラインを一斉発売したほか、「グローバル・プレミアム・ブランド」としての地位確立を目指し、ブランドコミュニケーション戦略も本格的に始動。その一環として、無添加の新しい世界観を発信する「FANCL総合サイト」を正式オープンした。*画像はニュースリリースよりブランドの価値浸透を目指し多角的に情報発信ファンケルはこれまで、「ショッピングサイト」をメインサイトとした情報発信をWEB上で展開してきたが、今回のリブランディングを契機に、総合サイト、ショッピングサイト、キャンペーンサイトそれぞれのサイトの特徴を活かしたWEB展開を実施、ブランドの価値浸透を目指し多角的に情報発信するとしている。元の記事を読む
2012年03月27日経済キャスターの鈴木ともみです。連載『経済キャスター・鈴木ともみが惚れた、”珠玉”の一冊』では、私が読んで”これは”と思った書籍を、著者の方へのインタビューを交えながら紹介しています。第14回の今回は、藤原敬之さんの『日本人はなぜ株で損するのか?~5000億円ファンド・マネージャーの京大講義~』(文春新書)を紹介します。「話を聞いているだけで鳥肌がたった」(京都大学経済学部3年)、「『情報処理』ということの大切さが分かりました」(京都大学大学院2年)、「ものすごい量の知識、見識、分析力に圧倒された」(京都大学経済学部3年)、「教科書にのっていない、非常に価値ある時間」(京都大学 経済学部3年)、「『このような考え方もあったのか』と思うことの連続」(京都大学3年)、「実体がなく実感の薄い株というものに対して『生命』を吹き込むような思考に感激」(京都大学 大学院1年)。上記は2011年5月に京都大学経済学部で開催された公開講座に対する受講生(1年生から院生まで)たちの感想です。講師はファンド・マネージャーの藤原敬之さん。講義テーマは「株式運用。アクティブ・ファンドマネージャーとは何か」。今回ご紹介する『日本人はなぜ株で損するのか?~5000億円ファンドマネージャーの京大講義~』は、その講義内容を余すことなく再現した書籍になっています。これからの日本を担うであろう若き英知が集まる京都大学で、その内容に、多くの学生が刺激を受け、心を震わせ、感動したと言う講義です。いったいどんな講師の方がどのような講義をしたのでしょうか?まずは、その答えの本質が垣間見える最終章「第六章「日本人とは何か?」最後に伝えるべきこと」からご紹介しましょう。上記のメッセージは、京大生たちの心に深く強く響いています。きっと、社会に出る前の心構えと覚悟を認識したのだと思います。この本を読んだ私自身も実感し納得し痛感しました。直接、自分の心に響かせたいという思いもあり、このメッセージの意味について、藤原さんご本人にうかがいました。「このメッセージに託した不条理への対処の仕方については、学生さんたちよりも(若い)社会人の皆さんの方が理解しやすいかもしれません。ビジネス・組織の世界においては、必ずと言って良いほど、不条理が存在する。ちょうど今、まさにその不条理を目の当たりにしているという方もいると思います。上司だから同僚だから分かってくれる…というのは甘えで、そういう考え方は捨てたほうが良い。ある意味それは自分を捨てることでもあります。常に相手をどう満足させるかを考える。人間は常に自分のことばかり考えていますから、それくらいの意識を持ってちょうどよいのです。他者を認識するうちに、社会のなかでの自分の進み方や生き方も次第に見えてきます。まずは、(相手を、物事を、社会を、世界を)「知ろう」という気持ちを持って「閉じる」ことなく「開く」ことを意識して毎日を過ごしてもらいたいと思います」実際にお話を伺うと、重みあるメッセージの一つひとつがじわじわと心の奥底に浸透してきます。これほどまでに人の心を動かすことのできる言葉と知識が詰まった藤原さんは、カリスマ・ファンド・マネージャーとして、いったいどのような足跡を歩み、どのようなことを体得してこられたのでしょうか?その点については、第一章「ファンド・マネージャーとは何か?」を読めばわかります。このように、藤原さんは日本を代表する成功者として人生を歩んでこられました。外資系金融機関のMDになり、多くの外国人を部下に従え、数字の上でもしっかりと実績を残してきました。言わば、世間が羨望する「グローバルエリート」として生きてきたわけです。真の勝ち組・成功者になれた理由はどこにあったのでしょうか?実際に藤原さんに伺いました。「実は、私は就職する時もグローバルに活躍したいとか、金融の世界で成功しようなどとは全く思っていませんでした。一時は映画監督やテレビのディレクターを夢見たこともあり、できれば早く帰れて趣味の映画を観る時間が確保でき、楽で給料の良い働き先はないかと探した結果、農林中金にたどり着いたわけです。でも、現実は悲惨な残業の連続でした(笑)。ただ、農中で働くなかで、経済のファンダメンタルズをしっかり勉強する機会に恵まれましたし、本物の天才と言える上司との出会いもありました。『プロの情報のやり取りとは互いの切り口の交換なのだ』という極めて重要なことを彼から教わり、その言葉を実践することで私は四半世紀も相場の世界で生き抜くことができました。」「自分で考え、自分のオリジナルな意見を持つ。それがプロの務めであるということを若い時代に習得できたことは幸運でした。確かにファンド・マネージャーは天職だったと思いますが、私の場合、成功者になりたいという野心や計画から始まったわけではなく、多くの価値ある出会いのなかで、目の前にある命題を自分のオリジナルな思考でクリアーしてきた先に、今のような結果がついてきた、という感じです。ですので、実は私自身が、この本の第五章で紹介しているような典型的な日本人と言えるのかもしれません。2年前にファンド・マネージャーを引退して、今年から作家で生きていこうとしているのも計画などではなく、幸運と出会いに恵まれたからだと思っています。」意外や意外…。「世界を舞台に名を馳せたファンド・マネージャー」というと、もっと『俺ってすごい、俺って一番、俺って最高!』的な”オレ祭り”体質の方かと思っていたのですが、お会いした瞬間からとても謙虚でいらっしゃいました。その自らを「典型的な日本人である」と認める謙虚さがあったからこそ、同書の本題でもある「日本人はなぜ投資が下手か?」の理由を探究し続け、その意味と対策を生みだすことができたのでしょう。その結果、藤原流のオリジナル思考が確立し、カリスマ・ファンド・マネージャーになれたのだと思います。ではその同書の本題とも言える第五章ついてご紹介しましょう。とても興味深い内容です。なるほど。投資とは「将来」を前提とした長期的な行動であり、その鍵となるのは「情報の収集」である。わかっているつもりでも、なかなか実践できないのが、この「情報の収集と整理」です。この点については第三章「情報をどう処理すべきか?」にて「情報整理のコツは細分化と集中化」「日経の切り抜きを149の項目に分ける」「SBL(スクエア・ブロック・ルーズリーフ)への書き写し(9マスノ―トを使った情報整理術)」「情報を『次元認識』した上で、『三元次情報』を創る」など、そのノウハウがわかりやすく解説されています。第三章については、前後にある第二章「株式運用の基本とは?そして独自の運用とは?」と第四章「株価とは何か?」とを照らし合わせながら、しっかり理解しつつ読み込んでいくことをおすすめします。特に第四章「株価とは何か?」の締めの部分「株価に適正価格は存在しない」には、投資家のみならず、多くのビジネスパーソンにとって、ビジネスの判断基準を見誤らずに済む実践的メソッドが記されています。このように、人生の多くのシーンで使えるメソッドが数多く詰まった珠玉の一冊。結果が全ての世界で生きてきた藤原さんが語る、その過程で得た手法や処方術だからこそ、言葉の一つひとつが説得力を持って心に飛び込んでくるのだと思います。一冊読破することで、(1)「世界を舞台に活躍したファンド・マネージャーの成功物語」、(2)「個人投資家にも役立つ実践的投資術」、(3)「明日を担う若者たちへのメッセージ集」と、少なくとも三冊分の良書を読み終えた気分、充実感を味わうことができます!【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月22日日興アセットマネジメントは21日、追加型投信「ピムコ・グローバル債券ファンド(為替ヘッジあり)/(為替ヘッジなし)」を4月6日に自己設定し、運用を開始すると発表した。同ファンドは、ゆうちょ銀行が新たに開設する会員制オンラインサービス「ゆうちょ投信WEBプレミア」の第一弾商品として、5月7日から販売を開始することが決定している。「ピムコ・グローバル債券ファンド」は、主に日本を除く先進国の高格付債券(ソブリン債、モーゲージ債、投資適格社債)および新興国の米ドル建てのソブリン債を投資対象とし、基本投資比率を先進国債券と新興国債券で50%ずつとする。かつては「安定的で安心」と捉えられていた先進国の中では、近年、財務問題が顕在化した国もある一方、「成長ポテンシャルはあるけどリスクも高い」というイメージであった新興国の中には、潤沢な外貨準備や健全な財政力を持つ国も出てきている。今回の「ピムコ・グローバル債券ファンド」では、これからの世界経済の成長をけん引すると予想される新興国の投資比率を50%にすることで、リスク分散を図りながら魅力的な利回りを追求する、債券ファンドの定番商品になるような商品設計を目指しているという。(※上記は、「PIMCO グローバル債券ストラテジーファンドJ(JPY)」を50%、「PIMCO エマージング・マーケット・ボンド・ファンド」を50%の割合で合わせ持った場合の2012年1月末現在の比率。上図は過去のものであり、実際の組入れを示唆するものでも将来の運用成果を約束するものではない)。為替ヘッジありのコースは、外債ファンドに付随する為替変動リスクを低減しながら、インカムを中心とした債券本来の安定性を追求する。また為替ヘッジなしのコースは、為替変動リスクを取りながらも、外国債券の相対的に高い利回りを狙う。同ファンドが投資する外国投資信託においては、債券運用最大手の一社である米国のPIMCO(パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー・エルエルシー。以下、ピムコ)が運用を行なう。これは日興アセットが外部運用会社の運用力を活用する「ワールドシリーズ・ファンド・プラットフォーム」を活用したもので、債券運用において実績のあるピムコと、日興アセットのコラボレーションにより実現した。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月21日世界最大のグローバル旗艦店「ユニクロ 銀座店」が16日、銀座のメインストリートである中央通り沿いにオープンした。ユニクロは2006年以降、最高の店舗運営とサービス、クリエイティビティを結集した「グローバル旗艦店」を世界7都市に8店舗出店。そしてユニクロが誕生した日本において、ファッションの中心地といえる東京・銀座で、いよいよ世界一のグローバル旗艦店が登場する。地上12階建て、売場面積約1,500坪。そのすべてがユニクロという世界最大の店舗には、メンズ、ウィメンズ、キッズ&ベビー、さらにUTなどなど全てのカテゴリーを取りそろえ、”今”のユニクロが実現できる最新・最旬の商品とVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)、最高のサービスを用意している。銀座店初のサービスとして、「コンシェルジュカウンター」の設置、保育士の常駐、6カ国語に対応するネイティブスピーカーの配置など、新たな取り組みにも注目だ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月16日ナイキは5日、プロゴルファーの石川遼選手と、「ナイキ スポーツウェア」カテゴリーにおけるグローバル広告契約を結んだことを発表した。石川選手は3月下旬以降、出版物や映像、デジタル、ナイキの店頭ツールなどにおいて、同カテゴリーのプロダクトを身につけて登場する予定だ。「ナイキ スポーツウェア」はナイキ唯一のライフスタイルカテゴリーで、スポーツにインスピレーションを受けつつ、普段履き・普段着として世界中の人々に広く着用されるカジュアルシューズやカジュアルウェアを展開している。今回の石川選手との契約は米国のナイキ本社とのグローバル契約となるため、日本のみならず世界各国で同カテゴリーのプロダクトを着用し、登場する可能性があるという。「ナイキとスポーツウェアの契約を結ぶことができ、うれしく思っています。普段でもスニーカーはナイキを履いていました」と石川選手はコメントした。彼が登場するキャンペーンでは、「夢を実現するためには自分に勝てねばならない、心の強い自分であらねばならない」というメッセージが込められているという。自分に勝って夢を実現すべく、ランニングやクロスカントリーなど厳しいトレーニングに励む石川選手の姿を伝える一方、オフの時間に大好きなサッカーの練習をするなど、充実感やさわやかな達成感も表現されるという。今回のグローバル広告契約に、石川選手は、「この機会をバネにして、『世界のRyo』といわれるように、これからも精進していきたい」と述べている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月06日世界の株式市場においてエネルギー関連企業の存在が大きくなっています。先頃、英FT社(フィナンシャル・タイムズ)が発表した「FTグローバル500」によると、世界の株式市場において、最も時価総額の大きい企業は米国のエクソン・モービル、次いでアップル、3位に中国の中国石油天然氣(ペトロチャイナ)、4位に英国のロイヤル・ダッチ/シェルとなり、石油・ガスが上位に位置する結果となりました。「FTグローバル500」は、各国企業の株式時価総額を四半期毎に集計し、その上位500社をランキングしたものです。その中でも時価総額の特に大きい上位100社で見ると、石油・ガス、石油製品・サービスおよび鉱業のいわゆるエネルギー関連企業は、時価総額合計が2兆8,796億米ドルと、100社の合計(約11兆6,500億米ドル)の約25%を占め、世界の株式市場で大きな存在感を示しています。時価総額は、その企業の株価を発行済み株数で掛け合わせたもので算出され、その企業の価値をあらわす指標のひとつです。時価総額が大きいことにより、世界の投資家などから重要な投資対象として選好される傾向にあることや、企業自身も、自社株を利用した企業買収を行ないやすくなるなどスケールメリットを活かすことが可能となります。また、時価総額の大きい企業は、世界規模で巨大なビジネスを展開している企業が多く、まさに「世界経済」という大舞台で活躍する企業として注目を集めています。「FTグローバル500」の企業は、その年毎に大きく入れ替わり、また、時価総額だけで企業の良し悪しを判断することはできませんが、新興国を中心とした急速な経済成長に伴なうエネルギー需要の高まりなどを背景に、今後もエネルギー関連企業の躍進が期待されます。(※上記銘柄について、売買を推奨するものではありません。)(※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。)(2012年3月1日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。→「楽読」【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月02日