オリジナルのエイジングケア商品を展開するアンファーは、10月8日午前10時より、創業25周年を迎えることを記念して「アンファー25周年 大感謝祭」を同社ウェブストアで開催している。同キャンペーンでは、期間中に新規会員登録した人全員に、同社ウェブストアで使えるポイントを250ポイントプレゼント。ポイントは、1ポイント=1円として使用できる。また、10月12日、19日、26日の21時から、25周年特別セットを販売。男性向け、女性向けそれぞれ2500セット限定で販売する。価格は2,500円(送料無料)。なお、特別セットの商品内容は毎回変更され、各販売日の21時から同社ウェブストアで確認できるとのこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月09日今年11月に米大統領選挙での再当選を狙うバラク・オバマ現大統領が、『ダークナイト ライジング』の中でアン・ハサウェイが「一番のキャラクター」だとして、アンの演技を手放しで褒め称えた。映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタイン氏がコネチカット州の自宅で今月6日(現地時間)に開いたオバマ大統領の再選キャンペーンで同作に触れたオバマ大統領は、アンの演技を絶賛している。「バットマンの新作を観る機会があったんだ。アンは映画の中で一番のキャラクターだと思うよ。それが僕の個人的な意見だね」。ワインスタイン氏が開いた資金調達イベントにはジョアン・ウッドワードやアーロン・ソーキンらも参加しており、大統領からお褒めの言葉をもらったアン自身も参加していた。一皿3万5,800ドル(約280万円)分という豪勢なパーティには、ほかにも名司会者ジェリー・スプリンガーやUS版「VOGUE」誌編集長アナ・ウィンターらも出席している。アンは、トム・フーパー監督の新作ミュージカル映画『レ・ミゼラブル』で演じたファンテーヌ役のために髪をショートカットにしたが、その経験をキャットウーマンに扮した『ダークナイト ライジング』でのアクションスタント以上に「怖かった」と明かしている。「本当に怖かったわ。(『ダークナイト ライジング』では)窓からバク転したり、ビルから飛び降りたり怖いことも全部やったけど、自分の髪をあれだけ切られることが一番恐ろしいなんて思ってもみなかったわ」。■関連作品:レ・ミゼラブル 2012年12月28日(金)よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開ダークナイト ライジング 2012年7月28日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC. AND LEGENDARY PICTURES FUNDING, LLC
2012年08月13日韓国出身の俳優で歌手のユン・サンヒョンが3月10日、TOKYO DOME CITY HALLにて初の全国ツアー「BLACK MOUNTAIN」の最終公演を行い、約3000人を熱狂させた。ユン・サンヒョンの初ツアーの写真同ツアーは、登山が趣味であるユン・サンヒョンが「山頂に登った時に見た景色や感じた風などをみなさんと共感したい」という思いで準備をしてきたもので、バンドやオーケストラの生演奏にコーラス隊を率いるなど、こだわりぬいたステージとなった。ヒョンビンとハ・ジウォンが主演するドラマ『シークレットガーデン』のオスカー役で日本でも人気を集めるユン・サンヒョン。出演作のオリジナル・サウンド・トラックにも積極的に参加しており、この日も、同作の楽曲『見つめる』『Here I am』、ドラマ『お嬢さまをお願い!』から『愛はどうすることもできないね』を熱唱。また、「聴いたときに一番心に響いた曲だった」という、2月15日に発売したシングルで、安全地帯のリメイク曲『悲しみにさよなら』を含む全18曲を披露した。「また僕を呼んで!」とあっさりステージを去ったものの、ダブルアンコールに応えて再登場したユン・サンヒョンは「みなさんとこの曲でひとつになりたい」とMr.Childrenの『Tomorrow Never knows』をはじめ、杉山清貴&オメガトライブの『ふたりの夏物語 -NEVER ENDING SUMMER-』などのJ-POPを歌い上げた。尾崎豊の『I LOVE YOU』では「この曲を聞くと20代の頃の彼女を思い出します。冬にカラオケでよく歌ってあげていました。今日は、みなさんが彼女だと思って心をこめて歌いました」と話すと、会場からはため息まじりの歓声が湧いた。最後に「次は、さらに良い企画と演出で、もっと楽しい時間を過ごしていただけるように準備したい」と話し、ファンと一緒に「ファイティン!」という言葉で元気よくコンサートの幕を閉じた。
2012年03月12日夏の疲れを存分に癒し、秋の夜長をゆっくりと堪能したい。そんな方にお勧めなのが「伊東温泉 アンジン」が提供するムーンエナジーステイ・プラン。月の満ち欠けは、人の体と密接に関係しているという。女性の月経周期は、月の満ち欠けのサイクルとほぼ同じであるというほど、月は女性との結びつきが深いらしい。他にも新月にかける願いなど、そのエナジーは近年でも大いに注目されているところ。滞在中はそんな月のパワーを最大限に享受できるよう、ここでしか味わえない特別メニューがふんだんに盛り込まれている。到着後はウェルカムドリンクでお出迎え。月が満ちていく時期はアップルミントやフェンネルを。欠けていく時期には美肌に良いローズヒップや若返りのブラックベリー。月の周期に合わせてブレンドされた“ムーンティ”が供される。ひと息ついた後はムーンスパへ。ここで用意されているのが月の満ち欠けに合わせた2種類のプログラム。月が満ちていく「陽」の時期(9/28~10/12、10/28~11/11、11/27~30)は、疲れた体にミネラルや水分をたっぷりと補給させる「チャージコース」を。デコルテ&陽のフェイシャルスパに始まり、仕上げは豆乳パックで美肌成分をたっぷり吸収させる。おすすめは、最も体に吸収しやすいといわれる満月の日。月が欠けていく「陰」の時期(~9/27、10/13~27、11/12~25)には、溜まった老廃物を排出させる「デトックスコース」。フットバスで温まったら陰のレッグス・トリートメントで血行促進。肩から背中にかけての老廃物がより排出されやすくなるのだとか。こちらのコースも、浄化に最適なのは新月の日。自分の体の状態を、月の暦を照らし合わせて、プランをたてよう。ムーンスパでキレイになったら、オープンしたばかりという屋上の「サン・ブエナ・デッキ」へ。相模湾を臨む月明かりの下で、伊豆の新鮮な魚貝を使った本格和懐石がいただける。極めつけは限定デザートの満月ブリュレと月をイメージしたというムーンカクテル。デッキチェアの上で心ゆくまで月のエナジーを体感できる。ムーンパワーで身も心もリフレッシュ。本来の自然な体を取り戻した翌朝は、かつてない爽やかな目覚めが待っていることだろう。癒しとビューティーを求める女子にぴったりの「ムーンエナジー ステイ」。アンジンならではの極上プランは1日1組だけが堪能できる。お問い合わせ:伊東温泉 アンジン tel.0557-37-3111 公式サイト 「ムーンエナジー ステイ」実施期間:11月末日(予定)まで、1泊2食¥29,800~。取材/栗丘とまこ
2011年09月21日日本で最も読まれている小説のひとつ、村上春樹の同名ベストセラーをベトナム系フランス人監督、トラン・アン・ユンの手によって映画化した『ノルウェイの森』が6月22日(水)よりDVD&ブルーレイとなって発売される。このリリースを記念して、主演の松山ケンイチと水原希子のクランプアップの様子を収録した特別映像がシネマカフェに到着した。高校時代の親友・キズキの自殺をきっかけに心に傷を負ったワタナベ(松山さん)は、東京の大学に進学し空虚な日々を過ごす中、偶然にもキズキの恋人・直子(菊地凛子)と再会する。空っぽな心を埋めるように深く関わっていく一方で、ワタナベは小動物のように瑞々しい緑(水原さん)と知り合う――。「原作の静謐な美しさを映像化するのは不可能」と言われる中、トラン監督が見事に表現。その完成度の高さが世界各国で絶賛され、昨年のヴェネチア国際映画祭ではコンペティション部門に正式出品された。本作が女優デビュー作となったモデル出身の水原さんは“村上春樹の名作の映画化”というプレッシャーの中、見事大役を果たした。こちらの映像では、クランクアップの声で、そんな彼女が「不安だらけだったんですけど、みんなのおかげで支えられて強くなりました」と心境を語るうちに、安堵したのか思わず涙が流れる一幕も…。一方、松山さんはトラン監督とスタッフへの感謝の気持ちを表しながら、自身の今後にふれ「違う現場、作品でもみなさんの力にこたえられるような仕事をしていきたい」とさらなる飛躍を誓った。これを受けトラン監督も「日本で初めて仕事してうまくいった」とコメントを寄せている。DVD&ブルーレイの特典にはこちらに加えて、そのほかのキャスト陣のメイキングの様子や国内外のプロモーションイベントの様子など、ファンにはたまらない映像がたっぷりと収録されている。『ノルウェイの森』DVD&ブルーレイは6月22日(水)より発売開始。※こちらの特別映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY<セル>ノルウェイの森【コンプリート・エディション3枚組】 [Blu-ray]価格:5,990円(税込)ノルウェイの森【スペシャル・エディション2枚組】 [DVD]価格:3,990円(税込)発売元:アスミック、フジテレビ販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント発売日:6月22日(水)© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:第5回アジア・フィルム・アワード開催。登壇者から日本の被災者にお見舞いのコメント『ノルウェイの森』ドバイ映画祭で作曲賞受賞松山ケンイチ「ジョニーさん、万歳!」松山ケンイチの逆質問に取材陣ドキッ!?『ノルウェイの森』が台湾上陸松山ケンイチ『ノルウェイの森』自信の初日舞台挨拶「大ヒットするつもり」『ノルウェイの森』配役に7割以上が「イメージと合ってる」松山ケンイチに絶賛の声
2011年06月21日先日公開を迎えた『ノルウェイの森』が、アラブ首長国連邦を構成する首長国のひとつ、ドバイ首長国の首都・ドバイで開催中の第7回ドバイ国際映画祭で、最優秀作曲賞を受賞した。ドバイ国際映画祭は、中東地区で活躍する映画人にとって晴れの舞台ともいえる映画祭。アラブ、アジア、アフリカの映画産業の繁栄を目的に開催されてきた。今回、『ノルウェイの森』はアジアアフリカの長編映画部門に出品され、長編部門15本の中から最優秀作曲賞を受賞した。世界中で読まれている村上春樹のベストセラーを映画化した本作。主題歌にタイトルの由来となっているザ・ビートルズの「ノルウェーの森」の原盤が使用されていることが大きなニュースとして取り上げられてきたが、加えてレディオヘッドのギタリスト、ジョニー・グリーンウッドが音楽を担当していることも話題に。いま、世界で最も高い人気を誇るバンドのひとつ、レディオヘッドでトム・ヨークと共に作曲を手がけ、中核を担うマルチプレイヤーのジョニーだが、2007年には映画『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の音楽を担当。英国アカデミー賞やグラミー賞の候補に名を連ねるなど、すでにその能力の高さは証明済み。そんな彼が、ギターソロから室内楽、ノイズやオーケストラまで様々な音楽を使い分けながら作品の世界観を見事に構築。それが今回、見事に認められた形となった。映画祭に出席していたトラン・アン・ユン監督は「ジョニーの美しいスコアは受賞に値する素晴らしいものでしたから、ここドバイ国際映画祭で評価されたことをとても嬉しく思います。おめでとう、ジョニー!」とコメント。壇上では笑顔でトロフィーを掲げた。主人公のワタナベを演じ、その演技、表現力をジョニーが絶賛していた松山ケンイチは受賞の一報に「ジョニーさん、万歳!」とシンプルかつ気持ちのこもったコメントを寄せてくれた。すでに日本国内でも賞レースが動き始めているが、クリスマスも近いこの時期に砂漠の国から届いた今回の朗報。今後の国内外での評価および興行成績も気になるところだ。『ノルウェイの森』は全国東宝系にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)特集『ノルウェイの森』■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:松山ケンイチの逆質問に取材陣ドキッ!?『ノルウェイの森』が台湾上陸松山ケンイチ『ノルウェイの森』自信の初日舞台挨拶「大ヒットするつもり」『ノルウェイの森』配役に7割以上が「イメージと合ってる」松山ケンイチに絶賛の声松山ケンイチが菊地凛子抱きしめキス…『ノルウェイの森』コラボCMが到着!水原希子インタビューモデルから『ノルウェイの森』大抜擢「もっと自分を愛したい」
2010年12月22日映画『ノルウェイの森』が12月11日(土)、初日を迎え主演の松山ケンイチ、共演の菊地凛子、トラン・アン・ユン監督らが東京・有楽町のTOHOシネマズスカラ座で初日舞台挨拶を行った。鑑賞後の観客約650人の大きな拍手を受け、松山さんは「みなさんがそれぞれの表情をしていて、いろいろなものを感じているんだなと。それだけいろいろなものを与える作品なんだといま、実感しました」と手応えを得ている様子。司会者から「完璧な作品とおっしゃってきましたがその手応えはどのあたりに?」と聞かれ「観てもらえれば分かります」と即答。会場から拍手が沸き起こると「拍手が起こるってことは、分かってもらっているということですね」と満足げな笑顔を見せた。8日には、本作の世界50か国での公開決定の“朗報”が発表されたばかりだが、松山さんは「愛をテーマにした作品だから原作がずっと読まれてきている訳で、だからこそ観れば分かります」。国際派として海外での人気も高い菊地さんは、「この撮影に入る前に海外の映画祭に行ったとき、『ノルウェイの森』が映画化されると、ものすごく注目があったんですね。文学的な素晴らしい映画になっているので応援していただければ」と、それぞれ世界の映画ファンに向け、メッセージを送った。また今後も本作を携えて世界各国を回る予定の監督は「日本でみなさんがこの映画を観た響きが、外国に伝わっていくのではと思う。一番期待するのはそれ」と日本の観客の反応に興味津々。ほかに演技初挑戦の水原希子、玉山鉄二が出席。最後に『ノルウェイの森』大ヒットのプレートをキャスト陣で掲げて写真撮影。松山さんは「僕らは大ヒットするつもりなんで。それで初日からこうやっているので」と改めて仕上がりに自信をのぞかせた。『ノルウェイの森』は全国東宝系にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)特集『ノルウェイの森』■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:『ノルウェイの森』配役に7割以上が「イメージと合ってる」松山ケンイチに絶賛の声松山ケンイチが菊地凛子抱きしめキス…『ノルウェイの森』コラボCMが到着!水原希子インタビューモデルから『ノルウェイの森』大抜擢「もっと自分を愛したい」あなたが映画に期待するのは何?『ノルウェイの森』プレスシートを3名様にプレゼント妻夫木&松ケンの新旧“大河コンビ”共演『マイ・バック・ページ』ビジュアル解禁
2010年12月12日刊行以来、20年以上にわたって世界中で愛されてきた村上春樹の長編小説を映画化した『ノルウェイの森』。2008年に映画化決定が報じられてから約2年の歳月を経て、ついに今週末公開を迎える。熱烈なファンを持つ村上作品、中でも“最高傑作”と称される原作の映画化とあって、当初からキャスティングやその世界観について、ファンの期待や不安の入り混じった様々な声が聞かれた。果たしてその仕上がりは?シネマカフェでは映画の公開を前に、ブロガーおよびTwitterユーザーを招待しての試写会を実施。そこで上映後に行ったアンケートの結果を大発表!高校時代の親友を自殺で失い、その後、東京の大学に進学したワタナベ。死んだ親友の恋人だった直子との再会や同じ大学に通う緑との出会い、周囲の人間と交わりを深めていく彼の姿を通じて、青春時代の喪失や魂の再生の物語が綴られる。アンケート回答者のうち、原作をすでに読んでいるという人は、ほぼ全体の50%。原作が上下2巻による長編ということを考えると、かなり高い数字と言える。原作小説がどれほど愛されているかがうかがえるが、その分、ハードルも高そう…。まず最初の質問はキャスティングについて。ワタナベを松山ケンイチが、直子を菊地凛子、そして緑を映画初出演となる水原希子が演じているほか、ワタナベの先輩の永沢を玉山鉄二、その恋人のハツミを初音映莉子が演じている。すでに原作を読んでいる人を対象にした「キャスティングはイメージに合っていましたか?」という質問では、回答者の7割以上が「とても合っていた」、「まずまず合っていた」と回答。一方、原作を読んでいないという人への「映画を観て、キャストのイメージはいかがでしたか?」という質問では、実に90%以上が「とても良かった」もしくは「良かった」と回答している。驚くべき高い率でのキャスティングに対する好印象が明らかに!ちなみに、メガホンを握ったトラン・アン・ユン監督は、ベトナム生まれのフランス人。基本的にキャスティングはオーディションで決定していったそうだが、日本語を理解できなくとも伝わるものがあるのか、監督の“慧眼”ぶりがうかがえる。さらに、アンケートでは特に印象に残った俳優を記入してもらったが、圧倒的な支持を集めたのは松山さん。「素朴で迷っていて全てを受け入れようとするワタナベらしかった」(20代・女性)、「感情を表に出さないワタナベの、誰よりも揺れている内面が細やかな表情で表現されていた」(40代・女性)、「表情がとても良かったです」(30代・女性)など、その“表情”を中心に絶賛の声が多く寄せられた。次に高い支持を集めたのが菊地さん。恋人を失い、その後ワタナベと再会して関係を深めるも、その距離を縮めようとすればするほど心は闇に覆われていく、という難しい役どころだったが「次第に病んで追いつめられていく。彼女の個性を活かしつつ、行動と表情で繊細な直子になりきっていたと思う」(40代・女性)、「大切な人を失ったことで、自分の感情、人格が壊れていってしまう表現がとてもすごく、真に迫っていて鳥肌が立った」(20代・女性)とその高い演技力に称賛の声が。また、「春を迎えて世界に飛び出したばかりの小動物のよう」と形容される瑞々しさを持つ、緑を演じた水原さんについても「透明感があってよかった」(20代・女性)、「映画、原作の世界観にピッタリと合っていた」(30代・女性)と物語の中での存在感を高く評価する意見が多数!登場人物たちの独特のセリフが印象的な本作。ポスターに掲載されるコピーが公募されるなど“言葉”が強い力を持つ作品だが「この映画をひと言で表すなら?」という設問に対しても様々な“言葉”が寄せられた。「苦しいけど、もっと深くその先を感じたい」(20代・女性)、「愛すれば愛するほど哀しい」(30代・女性)、「美しい映画。痛みすら美しい」(20代・女性)など、それぞれ独特の表現でこの映画の世界観を表してくれた。「ひと言で言い表せない映画」(30代・女性)――もしかしたらこれが、観終わった人にとって、一番ぴったりくる表現かも…。『ノルウェイの森』は12月11日(土)より全国東宝系にて公開。特集『ノルウェイの森』■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:松山ケンイチが菊地凛子抱きしめキス…『ノルウェイの森』コラボCMが到着!水原希子インタビューモデルから『ノルウェイの森』大抜擢「もっと自分を愛したい」あなたが映画に期待するのは何?『ノルウェイの森』プレスシートを3名様にプレゼント妻夫木&松ケンの新旧“大河コンビ”共演『マイ・バック・ページ』ビジュアル解禁ブロガー、twitterユーザー限定『ノルウェイの森』特別試写会に40名様ご招待
2010年12月10日自分自身も気づいていない才能が、とあるきっかけで開花することがある。数々のファッション誌などで活躍するモデルの水原希子にとっては、女優デビューを飾った『ノルウェイの森』が、新しい自分との出会い、新たな才能の気づきの瞬間となった。だが、もともと彼女のライフプランに“女優”という選択肢が存在していたわけではなく、彼女が載っている雑誌を偶然目にした映画会社の人間が所属事務所にオーディションを持ちかけ、監督のトラン・アン・ユンのもとに導いた。そして、その偶然の出会いは19歳の少女に女優という未開拓地を与えた──。「撮影中は毎日がむしゃらで、ものすごく辛かったけれど、今は楽しかったと言えますね」と、無邪気に語る水原希子、現在20歳。女優としての一歩を踏み出したばかりの彼女の“今”をインタビューした。「大変な世界に飛び込んじゃったなと…」映画の原作は日本の国内小説累計発行部数歴代1位の記録を更新し続けている村上春樹の「ノルウェイの森」(講談社刊)。あまりにも有名な原作の映画化は役者にとっても大きなプレッシャーだ。しかし、演技未経験の水原さんが最初に抱いたのは「映画に出る」という漠然とした感覚だけだった。「もちろん、プレッシャーはありました。松山ケンイチさんや菊地凛子さんといった役者の中に加わるわけですし、大変な世界に飛び込んじゃったなと(苦笑)。いざ現場に入ってみると、人の目の前で演技をすることが怖くて、苦しくて、毎日逃げ出したいって思っていました。でも、私を選んだのはトラン監督。だから監督にも(水原希子を選んだ)責任があるんだ!って、そう自分に言い聞かせたりもしました(笑)」。そんな不安でいっぱいの彼女の心の支えとなったのは、キャストやスタッフの温かな愛。「松山さんは、私が何回ミスをしても大きな心で見守ってくれるし、トラン監督は細かい指示を出すけれど、それもまた愛で…。キャストにもスタッフにも恵まれているからこそ、100%自分の力を出し切らなきゃって思ったんです」。期待に応えたいという真面目な姿勢、新しい分野へのチャレンジ精神、水原さんのそんな人間性をトラン監督は会った瞬間に見抜き、彼女を緑役にキャスティングしたのだろう。明るく行動的な緑のキャラクターは、どこか水原さんと重なる。「緑は、光・太陽・ひまわりみたいな女の子。けれど、深い傷も負っていて、孤独でもある。その孤独感をワタナベくん(松山さん)にみせていくんです。緑以外のキャストがみんなネガティブなので、彼らのネガティブさに引っぱられないようにという意識は常に持っていました。直子(菊地さん)のことを想像しろと言われても絶対にできないけれど、緑の性格は想像しやすかったんですよね。それは自分が緑のような性格だったからで──本当は悲しいのに悲しいとは言わずに明るく振る舞う、自分はそういう性格だったんだと完成した映画を観たときに気づいたんです。自分自身も知らなかった性格をトラン監督はよく見抜いたなって驚きました」。そして、緑を演じたことで「(心が)解放された」と微笑み、過去の自分について懐かしそうに語り出す。「これまでは、さっき言ったように、悲しいことを感じないようにしたり、自分が傷ついていることに気づかないふりをしていたりしていたんです。でも、いまは悲しいときには泣いていいし、自分の意見を言ってもいいんだ、そう思えるようになりました」。緑というキャラクターについて深く尋ねるほど「緑は大人で完璧!緑のかわいさを真似したい!」と水原さんの声は弾み、いかに緑を気に入っているのかが伝わってくる。また、緑を演じたことで恋愛観も変わったのだと、流れはガールズトークに。「以前は自分が相手のことを愛しているだけでいい、相手のことを想像できるだけで幸せだと思っていたけれど、やっぱり反応がほしくて。そのために必要なのは──たとえば、好きって言ってよとか、カワイイわがままが言えることなのかなって。緑を見習って実践しましたよ。効果ですか?ありました(笑)。恋人に対しても友達に対しても自分の気持ちを伝えることは大切なことなんですよね」。躊躇しがちな話もストレートに語る、きっとこんなふうに自分のことを話せるようになったのも、『ノルウェイの森』との出会いのおかげなのかもしれない。女優の仕事はモデル業に活かされている本作はヴェネチア国際映画祭で約6分間のスタンディング・オベーションを受け、もちろん新人女優・水原希子への関心も高まっている。これからの20代をどんなふうに活動していきたいのかも気になるところだ。「私はこの『ノルウェイの森』の現場しか知らないので、正直、女優という仕事がどういうものなのかまだ分からないんです。実はモデルをやっていることが今回、役者として足を引っぱってしまって──希子の歩き方は格好良すぎるってトラン監督に言われたりもしたけれど、女優の仕事はモデルの仕事にプラスに。トラン監督から教わった繊細な目の動き、息遣い、呼吸の仕方…1ミリ単位での顔の動かし方(表情の作り方)は、モデルの仕事にすごく活かされている。だから、モデルと女優、お互い高め合えたらいいなといまは思っています」と話す水原さんの表情は確かに豊かだ。さらに自分への愛も生まれたと嬉しそう。「昔は仕事が忙しいと家に帰ってそのまま眠ったりしていたけれど、いまは自分の身体をもっと愛してあげようと思うようになりました。この身体があるからモデルができるわけで、モデルをしていたからこの場にもいられる。この身体に感謝しなくちゃいけないなって。毎日お風呂に入って、ボディクリームを塗って、今日もお疲れ様でしたって自分を愛してあげる。その後はヨガをしたり映画を観たり…。もちろんそれをやることで睡眠時間は多少減ってしまうけれど、翌朝目覚めたときのモチベーションが全然違うんですよね。昔から映画を観るのは好きなんです。1日1本ペース。最近は途中で寝ちゃうことも多いけど(笑)。ホラー以外はどんなジャンルも観ます。でも、オファーがきたらもちろん引き受けますよ!」。引き受けるというその一言に、女優として歩んでいく水原希子の決意が垣間見えた。『ノルウェイの森』という翼を得て映画界に飛び立ったミューズが、今後どんな活躍をみせてくれるのか期待は膨らむばかりだ。(photo:Toru Hiraiwa/text:Rie Shintani)特集『ノルウェイの森』■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:あなたが映画に期待するのは何?『ノルウェイの森』プレスシートを3名様にプレゼント妻夫木&松ケンの新旧“大河コンビ”共演『マイ・バック・ページ』ビジュアル解禁ブロガー、twitterユーザー限定『ノルウェイの森』特別試写会に40名様ご招待【シネマモード】唯一無二の村上ワールドを描く、『ノルウェイの森』松山ケンイチ『ノルウェイの森』撮影中に「凛子さんを思わずハグしました」
2010年12月08日映画を観ていると、作品を観終わった後の気持ちを言葉に置き換えることが難しいと感じることがあります。『ノルウェイの森』もまさにそう。その圧倒的な世界観と、その中で提示される愛と生に、何があっても生きていく人間の姿に、ついぼんやりとしてしまいました。試写室を出ると、出口調査さながらに、宣伝担当者に呼び止められて「いかがでした?」と尋ねられることもあるのですが、今回、それがなかったことを本当によかったと思っています。「おもしろかった」、「楽しかった」、「凄いですね」などと、簡単な言葉で語り始めることができる作品なら問題ないのですが、『ノルウェイの森』を観た後の第一声は、なんと発したらいいのかいまも思い浮かびません。あえて選ぶなら主人公ワタナベの言葉を借りて「ちょっと事情が込み入っていて、うまく説明できないんだ」となるのかもしれません。私の込み入っている事情とは、“作品は素晴らしかったけれど、やはり小説とは別物として考えるべきなのだろうと自分を納得させていいのかどうか決めかねていた”というところでしょうか。そもそも、映画化の話を聞いたときには、すでに小説の世界で完璧な姿をしている「ノルウェイの森」であるだけに、そんなことをして何になるのだろうかとか、そんなことが可能なのかということを考えました。村上春樹作品を愛する者のひとりとして。ファンタジックな中にも、とことん現実的で哲学的なテーマが潜んでいる彼の作品。力強いのに繊細で、美しいのに悲しくて、刹那的なのに永遠で、激しいのに静謐で…という独特な空気感と深さゆえ、村上作品の映画化は不可能と言われ続けてきました。もちろんそれが意味するところは、物理的な不可能性ではなく、その世界観を映像として表出させることが極めて難しいということ。私は日頃から、できることと、やっていいことは違うと考えていますが、優れた小説を映像化することにも慎重であるべきだと思ってきました。ここ数十年、映像技術の発達により、かつて映像化は不可能だとされてきた作品が続々と映像化されてきましたが、その流れにもちょっと眉をひそめてきた私。しかも、今回は、唯一無二の世界観を持つ村上作品。つまり、映像化した途端に、それは全くの別物になるということは分かりきったことなのです。これは常に原作ものにつきまとう議論ではありますが、やはり村上春樹という特別な作家については、その議論がひときわ白熱しても不思議はないのでしょう。たしかに、映画は別物でした。でも、面白い発見となったのは、村上ワールドに寄り添うかのようにトラン・アン・ユン監督の世界が共存していたこと。「『ノルウェイの森』という作品は自分にとって特別な作品であり、映像化は無条件でOKというわけにはいかない。でも、トラン監督の作品は好きで、とにかく会ってみようと思った」というのが、村上氏本人の言葉。村上春樹ファンの全員が、その映画化作品に納得することなどありえないのでしょう。でも、村上氏が自ら“特別だ”と語る作品の映像化にOKを出した背景には、「トラン監督ならば」という信頼があったはず。その信頼のほどを、出来上がった映像から汲み取ることは難しいことではないし、それが転じて、「トラン監督しかいなかった」という気持ちにさせてくれることも事実なのです。学生運動が華やかなりし時代に多感な青春時代を送った若者たちの物語や複雑な事情や感情が絡み合った恋愛物語について描かれた小説や映画は多くありますが、それでも村上春樹の作品は別格。彼が生み出す独特の空気感は、やはりその言葉選びとリズムに由るところも大きいわけですが、その文学的な言語表現をどのように映像として表現するのかは、ひとつの見ものでもありました。最大の難所のひとつとして私が注目していたのは、主人公たちの発する言葉。彼の作品に登場する人々は、言葉をきちんと選びながら独特のリズムで話をします。それが何か重いものを背負ってきた登場人物たちのひとつの特徴でもあり、悲しみから生まれた優しさのようなものを漂わせてもいるのですが、主人公たちは、言葉を省略することなく、語尾を曖昧にすることもなく、しっかりと気持ちを伝えようとするのです。それがなぜ難所なのかといえば、それこそが最大の村上作品の特徴のひとつでもありながら、音にしてしまうと違和感を覚える種類のものであるのも事実だったから。やはり懸念していた通り、俳優たちが繰り出す言葉が、“いかにもセリフ”に聞こえてしまう瞬間が何度かあって、それについては残念だなと思ったものです。やはり村上作品は、文字の世界でこそ完璧でいられるのだと確信した瞬間でもありました。ただ、そこまで考えさせてくれるものこそ、村上ワールドならではなのかもしれません。矛盾しているかもしれませんが、そんなことに気づかせてくれたこともあり、トラン監督が“映画化するなら日本人のキャストで”とこだわってくれたことのありがたさ、そしてその理解の深さには感謝するばかりです。「原作がある映画化をする際には、映画はその原作に似ていなくてはならない。それは肖像がと同じようなことで、本人に似ていなくては意味がない」。これがトラン監督の言葉。確かに映画『ノルウェイの森』は、小説「ノルウェイの森」本人ではないけれど、似ています。監督の言葉を借りるなら、映画『ノルウェイの森』は、トラン・アン・ユンという画家が描いた、小説「ノルウェイの森」の肖像画と言えるのかもしれません。(text:June Makiguchi)■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:松山ケンイチ『ノルウェイの森』撮影中に「凛子さんを思わずハグしました」松山ケンイチ監督の美的演出に学ぶ「貴族っぽくやってくれ」『ノルウェイの森』音楽の「レディオヘッド」ジョニー、松山ケンイチを「完璧」と絶賛『ノルウェイの森』ポスターに松山ケンイチのラブシーン!愛と涙の公募コピーも発表高良健吾、今度は鈴木杏とW主演!中上健次の最後の長編『軽蔑』が映画化
2010年11月24日映画『ノルウェイの森』の一般向け初披露となる完成披露試写会が11月23日(火・祝)、東京・新宿区の早稲田大学大隈講堂で行われ、主演の松山ケンイチ、ヒロインの菊地凛子、共演の高良健吾らキャスト陣7人とトラン・アン・ユン監督が上映前にレッドカーペットを歩き、舞台挨拶に立った。村上春樹が1987年に発表し、現在までに単行本・文庫本合わせて累計売上が1,000万部以上というロングベストセラー小説の映画化。大学生のワタナベ(松山さん)が自殺した親友の彼女だった直子(菊地さん)、大学で知り合った緑(水原希子)らタイプの違う女性たちの間で揺れるさまを描く物語。村上さんの母校で本作のロケにも使われたことから、同所が初披露の場に選ばれた。舞台挨拶で、本作に関わり一番テンションが上がった瞬間を司会者から尋ねられ、松山さんは「撮影に入って中盤に直子との本当に重要なシーンがあり、1テイク、2テイクやって、翌日3テイク目でOKが出たとき、テンションが上がり、思わず凛子さんをハグしました」と会心の瞬間をふり返った。同じ質問に菊地さんは「最初、直子役のオーディションを受けたいと申し出たら監督は乗り気じゃなかったので、ビデオを送ったら『会いたい』と言ってきてくれた。でもホテルで会ったら『原作はいつ頃読んだの?』とか質問ばかり。私はそのために来たんじゃない!と思い、『役をくれるの?くれないの?』って聞いたら『あげるよ』って…無理やり言わせた形で」と苦笑い。「あきらめないことと、本人に聞くのが一番だなと思った」と役を掴むまでの経緯をテンション高めに説明。会場の笑いを誘った。聞き入っていた監督は「直子を演じてくれたビデオを見て、儚さ、脆さを素晴らしく表現していたので、直子は菊地さんだと会う前に決めていたんです」と笑顔で“弁明”した。一方、ワタナベの自殺した親友・キズキ役の高良さんも「別の映画で死ぬシーンを撮ってクランクアップした翌日からノルウェイの撮影でしたが、その日の朝5時ごろ、電話がかかってきて『死ぬシーンを今日撮る』と言われ、テンション上がりましたね。違う現場で2日連続で死ぬって、そうないな、と」と妙な偶然を明かし、観客を笑わせた。締めくくりでマイクを握った松山さんは「撮影に入る前、監督から『きみは大恋愛をすることになるだろう』と言われ、ワタナベを追体験し、出来上がった作品を観て、その意味が分かった。みなさんも大恋愛をしてください」とメッセージを送っていた。先に行われたレッドカーペット・イベントには、ファン1,000人が集結。「ケンちゃーん、早くから来て待っていたのよー!」、「こっち来てー」などと、松山さんに握手とサインを求める女性ファンの熱狂的な声援が飛び交った。『ノルウェイの森』は12月11日(土)より全国東宝系にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:松山ケンイチ監督の美的演出に学ぶ「貴族っぽくやってくれ」『ノルウェイの森』音楽の「レディオヘッド」ジョニー、松山ケンイチを「完璧」と絶賛『ノルウェイの森』ポスターに松山ケンイチのラブシーン!愛と涙の公募コピーも発表高良健吾、今度は鈴木杏とW主演!中上健次の最後の長編『軽蔑』が映画化森三中・黒沢と“夫婦”役の松山ケンイチ小雪との結婚の質問には…
2010年11月23日村上春樹のベストセラーを映画化した『ノルウェイの森』の完成披露会見が11月23日(火・祝)、東京・新宿区の早稲田大学大隈講堂で行われ、主演の松山ケンイチ、ヒロインの菊地凛子、共演の水原希子、トラン・アン・ユン監督らが出席した。親友を自殺で失った悲しみを抱えた大学生のワタナベ(松山さん)が、親友の恋人だった直子(菊地さん)に惹かれて深い関係になる一方、大学で知り合った緑(水原さん)にも心揺れる姿を描く物語。松山さんは「言葉で言い尽くせないすごい作品ができました。お芝居も、自分たちで言うのもなんですが完璧です」と仕上がりに自信。一方でベトナム出身、フランス育ちで国際的評価の高いトラン・アン・ユン監督との初手合わせをふり返り「草原で直子と寝転ぶシーンで転がってみたら、『いや違うんだ、そういう自然さは必要ない。貴族っぽくやってくれ』と言われ、貴族か…と。その後、かろうじてOKをもらいました」と苦笑いしつつも「そういう美が溢れています」と監督のスタイリッシュなセンスに感銘を受けた様子。「自然にやるだけではだめ。例えば吐くシーンで、監督は『普通に吐くな。吐くならきれいに吐けよ』と。そういうことはいままで全く考えずに演技してきたので、教えられました」と収穫を口にした。一方、オーディションでワタナベの先輩・永沢役を得た玉山鉄二は「オーディションではいつも妻夫木聡、玉木宏に負けてきて、8年ぶりくらいのオーディションで受かり、こんな大きな作品に出られた。ハンカチ王子じゃないけど、俺、何か持っているな、と思いました」と喜色満面。直子役を監督に自らのビデオを送るなどし熱望して得た菊地さんは「私はどちらかと言えば、何か持っているというより、自分から掴みにいく、持ちに行くタイプ。監督が『イメージが違う』と言っても、いや、そんなことないって言うしつこさがあり、『役をくれるんですか?くれないんですか?』って聞いたりしましたし」。共演陣と会場の笑いを誘っていた。『ノルウェイの森』は12月11日(土)より全国東宝系にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:松山ケンイチ『ノルウェイの森』撮影中に「凛子さんを思わずハグしました」『ノルウェイの森』音楽の「レディオヘッド」ジョニー、松山ケンイチを「完璧」と絶賛『ノルウェイの森』ポスターに松山ケンイチのラブシーン!愛と涙の公募コピーも発表高良健吾、今度は鈴木杏とW主演!中上健次の最後の長編『軽蔑』が映画化森三中・黒沢と“夫婦”役の松山ケンイチ小雪との結婚の質問には…
2010年11月23日村上春樹の同名人気小説を映画化した『ノルウェイの森』の、ラブシーンを取り入れた新たなポスタービジュアルと「涙は涸れても、愛は枯れない」という一般公募によるコピーが発表された。自殺した高校時代の親友の恋人だった直子と、大学で出会った緑という2人の全く異なる女性の間で揺れ動くワタナベの姿を通じて、青春時代における葛藤や喪失、愛すること、生きることの意義を静かに描き出した本作。『青いパパイヤの香り』、『シクロ』など、その色彩、映像の美しさで日本にもファンの多いトラン・アン・ユン監督がメガホンを握るだけに、どのような映像世界が展開されるのかと期待が高まるが、ポスタービジュアルからもその世界観の一端が明らかに!今回新たに公開されたポスターは2種類。原作小説の装丁と同じ印象的な赤と緑のものと、もう一つは森を背景に、松山ケンイチ演じるワタナベのラブシーンをイメージさせるデザインのもので、後者は書店で使用される予定となっている。赤と緑のポスターに刻まれているコピーは、一般からの応募から選ばれた言葉。3,000を超える応募の中から大賞に選ばれたのは、大阪在住の名引佑季さんが投稿した「涙は涸れても、愛は枯れない」というコピー。ちなみにこちらのキャンペーンでは、反響の大きさから急遽、電通のCMプランナーでソフトバンクモバイルの「ホワイト家族24 予想外な家族」などのCMを手掛けた澤本嘉光氏も審査員として参加することになり、白熱した審査の結果、今回の大賞が決定した。東宝宣伝部の菊地裕介氏は「“涙”という文字が感動を、“枯れる”という文が森を連想させて、なおかつ映画の持つ深さもうまく表現している」と称賛のコメント。なお、このコピーに加え、ポスターの背景には、宣伝部に届いたほかのコピーがうっすらとプリントされている。また、今回寄せられたコピーに優秀なものが多いことから、急遽、予定外の特別賞、審査員特別賞が追加され、東京都在住の日野原良行さんが投稿した「愛は、どんな森よりも深い」が特別賞を受賞。こちらは、先述の松山さんの写った書店用ポスターに起用されている。また、澤本氏が絶賛したという「どうにもならない。」を投稿した高知県在住の小原麻衣さんが審査員特別賞に選ばれた。澤本氏は審査を終えて「個人的には上手なコピーよりは、映画的ではなくても強いコピーが好きなので審査員特別賞を作っていただきましたが、大賞も、特別賞も、映画の内容をうまく想像させるとても良いものだと思っています」との論評を寄せている。なお、11月23日(火・祝)には映画の舞台となった早稲田大学で、ジャパン・プレミアが開催されることが決定しており、この場で一般の観客向けに初めて本作が披露されることになる。『ノルウェイの森』は12月11日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:高良健吾、今度は鈴木杏とW主演!中上健次の最後の長編『軽蔑』が映画化森三中・黒沢と“夫婦”役の松山ケンイチ小雪との結婚の質問には…松山ケンイチ&瑛太が初共演コメディで“鉄ちゃん”コンビ結成!「運命的な感じ」『ノルウェイの森』に糸井重里、YMO細野晴臣&高橋幸宏が出演坂本龍一は凛子絶賛『ノルウェイの森』の撮影が行われたレストランで“赤”と“緑”の特別メニュー誕生
2010年11月12日「次々と話題作に出演」という言い方はもちろん間違いではない…が、より正確に言うならば彼女が出ている作品とその役柄が、そして何より“菊地凛子”という存在が話題を呼ぶのである。11日(土)より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開となる『ナイト・トーキョー・デイ』では、バルセロナ出身で日本でも高い人気を誇る女性監督イザベル・コイシェとタッグを組み、築地の魚河岸で働きつつ、殺し屋としての裏の顔を持つ女・リュウを演じている。世界的な監督が東京を舞台に紡ぎ出した本作で、菊地さんは何を考え、どのような刺激を受けたのか――?実業界のある大物の娘の自殺。父親はその悲劇の責任を彼女のスペイン人の夫に求め、リュウに彼の暗殺を依頼する。だが、こともあろうにリュウは自らのターゲットと知りつつも、そのスペイン人・ダビと恋に落ちてしまう――。“異邦人”コイシェ監督の目を通して、普段、我々が見慣れているはずの“トーキョー”はエキゾチックに、メランコニックに彩られ、全く違う表情を見せる。「イザベルならではの危険で美しい作品に仕上がったな、と思います。すごく野生的で繊細で、官能的で――。彼女は自分でカメラを覗き、演出もするという特殊な監督なんですが、そもそも脚本も、ト書きの説明に至るまで、すごく“詩的”でしたね。だからすごく美しいんですけど、決して説明的ではなくて、意味に関してはお客さんに投げちゃってる。東京の描写にしても、そこにあるのがリアリティである必要はなくて…。例えば、地下鉄の中を足の生えた木が歩くシーンであれ、女体盛りのシーンであれ、ラブホテルの描写にしろ、『実際の日本では…』とか『どうしてこうなるのか?』と言う人はいると思いますが、彼女の視線を通して描くからこそ成立するのが映画であり、そもそも映画自体が虚構みたいなもの。そのミステリアスな部分が面白いんだと思う」。では菊地さんの視線を通して“トーキョー”という街はどう映るのか?「私にとっては慣れ親しみ過ぎてて、すでに“自分の体の中に流れている”ような感覚だから、よく分からないというのが正直なところです。でも、今回の映画を観て感じたのは東京という街の“音”ですね。『MAP OF THE SOUNDS OF TOKYO』というのがこの映画の原題だけど、首都高、商店街、渋谷の交差点とものすごい音にあふれた街なんだっていうことは改めて意識させられましたね」。「リスキーなチャレンジ」であり、「どこかでやらなくてはいけないと思っていた」と彼女が語るのが英語での演技。その難しさをこうふり返る。「どんなに感情を作ってもセリフに感情が伴わなければ台なしになる可能性もある。だから、感情や感受性だけで挑むのではなく、テクニックの部分も強く意識しましたね。イザベルには、英語で話すときに声が高くなりがちで、そこで弱さやかわいらしさが見える、と指摘されました。でもそれは今回の作品には要らないから、もっとローボイスで話してほしい、と。でも低い声だと発音しにくい単語もあって、そこばかり意識すると逆にセリフに感情が乗らなかったり…。それぞれの発音や流れに関してしっかりと定着させた上で、(感情を)開放すべきところは開く、というやり方で。これまで、少し英語を話す作品はありましたが、どこかでしっかりとやらないとまた避けてしまい、新しいことが入ってこなくなると思って臨みました」。最初に作品について彼女が言った「野生的」、「繊細」そして「官能的」という言葉はそのまま彼女が演じたリュウそのものである。どのようにキャラクターをつかんだのか?という質問に対し、コイシェ監督の現場でのスタイルを挙げてこう説明する。「彼女の現場はリハーサルは多くて3回。だから徐々に(気持ちを)作るという工程は取れないんですよ。だから、最初から持っていかなくちゃいけないんだけど、そうすると逆にストップが効かなくなることもあって、集中して入り過ぎて涙が止まらなくなってイザベルやスタッフに『凛子、これ映画だから』って言われてハッとなったり。変に酔っちゃうんですけど、それが彼女のテクニックなんじゃないかと思います。映像に関しては詩的なものを撮ろうとする人なのに、俳優に対してはすごく動物的なアプローチをさせる。ある意味、すごくバランス感覚を持った監督ですし、そういうやり方をする人はいままで会ったことがなかったです」。“動物的”という部分は、「菊地凛子」という女優へのアプローチとして最適の方法と言えるのでは?「そうかもしれない(笑)。多分、最初は直感で(役に)入っていくんですね。今回、暗殺者を演じるに当たって、自分ならどういう状況に至れば人を殺すか?とか考えたり、心理についての本を読んだりもしました。こういう取材で言葉で説明し、伝えることに手馴れてきたな、とも思いますが(笑)、でもやっぱり直感なんですよね。これ、説明するのは本当に難しいんですけど(苦笑)」。今回のコイシェ監督にアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(『バベル』)、トラン・アン・ユン(『ノルウェイの森』)など、世界的な監督と組んで、他の者には真似できないキャラクターを作り上げてきた菊地さん。彼女自身は「“海外の監督”とか“邦画”といった分け方は好きじゃない」と前置きした上で、今後についてはこんな言葉を。「どんな監督ともやってみたいですね。大事なのは監督が役者を信用して、挑戦させてくれること。メキシコ人にスペイン人、アメリカ人、フランス人とこれまで一緒にやってきて、いろんな国の文化を知れたというのもすごく面白かった。決して日本映画を無視しているわけではないので、お話があればやらせていただきたいですし、インド人とかイタリア人とかとも一緒に映画作ってみたいですね」。天衣無縫――。東京で、地球の裏側で、彼女が誰と一緒に何を作ろうがもはや驚くまい。確かなことは彼女が常に挑戦し続けるということである。■関連作品:ナイト・トーキョー・デイ 2010年9月11日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開© 2009 MEDIAPRODUCCION, S.L. / VERSATIL CINEMA, S.L.ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:村上春樹原作『神の子どもたちはみな踊る』ポスタービジュアル解禁!『ノルウェイの森』にスタンディング・オベーション松山ケンイチ「確信」得た!『ノルウェイの森』に質問続出! 凛子、松山ケンイチと「楽屋にこもって話し合った」村上春樹原作の“逆輸入”短編映画でナスターシャ・キンスキーの娘がヌード披露今度の菊地凛子は殺し屋!『ナイト・トーキョー・デイ』試写会に5組10名様ご招待
2010年09月10日開催中の第67回ヴェネチア国際映画祭で9月2日(現地時間)夜、コンペティション部門に出品されている『ノルウェイの森』の公式上映が行われた。主演の松山ケンイチに菊地凛子、水原希子、そしてトラン・アン・ユン監督らは、大勢のファンと報道陣が見守る中、レッドカーペットを通り、公式上映が行われるサラ・グランデに入場。イタリアでも広く読まれている村上春樹のベストセラーの映画化とあって、夜の9時半過ぎという時間にもかかわらず、1,016席の会場はほぼ満席。松山さんらは早速、観客のスタンディング・オベーションで迎えられた。上映中、原作でも印象深いワタナベ(松山さん)と緑(水原さん)のやりとりにクスクス笑いが起こることも。そして、エンドロールでビートルズの「ノルウェーの森」が流れると、観客は立ち上がって称賛の拍手。エンディングの途中から場内は明るくなり、そのまま数分にわたって拍手が鳴り響いた。松山さんは「終わってお客さんに拍手していただけて、大成功と感じました。すごく嬉しいし、これから海外でも配給されることを思うと、たくさんの方に観ていただけるだろうなと確信できました。最高の一日となりました。(お客さんの反応は)全然予想とは違いましたね。ヨーロッパの人たちと一緒に観るのは初めてだったので、すごくいい経験をさせてもらいました」と充実した表情で語った。菊地さんも「これまでも映画祭に来る機会は多かったのですが、日本の製作する日本の映画で来たいという願いがあったので、今回、村上春樹さんの原作を、トラン・アン・ユンとキャストのみなさんと作ることができ、このような反応が自分の元に届いてきたのはとても嬉しかったです。これからどうやって広がっていくのかすごく楽しみです」と現地の観客の反応を喜んだ。水原さんは「私は映画に観入ってしまい、自分のシーンでも泣いてしまいそうになり(笑)、正直、映画が終わってみなさんが拍手してくれてホッとしたというか、言葉が何も出てこないというか、感動してボーッとしてしまいました。すごく幸せでした」と感動を素直に口にし、喜びの表情。現地の反応はというと「映像がすごくきれいでよかった。話は重かったが、脚本が気に入った」(20代・女性)、「日本の男女の関係は分からないところもあるが、非常に入り込めた」(30代・女性)、「シニカルなラブストーリーで楽しかった。映像美も含めて入り込めた」(30代・男性)とおおむね高い評価で、特に映像表現に関して称賛の声が多く寄せられているという。映画祭はまだ始まったばかりだが、コンペティションの行方も気になるところ。トラン監督にとっては『シクロ』以来となる2度目の金獅子賞受賞なるか?そして松山さん、菊地さん、水原さんらキャスト陣への評価は?『ノルウェイの森』、日本での公開は12月11日(土)より全国東宝系にて。■関連作品:第67回ヴェネチア国際映画祭 [映画祭]ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:『ノルウェイの森』に質問続出! 凛子、松山ケンイチと「楽屋にこもって話し合った」ヴェネチア国際映画祭開幕!ナタリー・ポートマン、過激なシーンも「覚悟してたわ」村上春樹原作の“逆輸入”短編映画でナスターシャ・キンスキーの娘がヌード披露ヴェネチア国際映画祭、「ヴェネチア3Dアワード」審査委員長に清水崇が就任ナタリー・ポートマンがダークサイドに?主演作がヴェネチアでオープニング上映決定
2010年09月03日9月2日(現地時間)昼、第67回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション出品作『ノルウェイの森』の公式記者会見が行われ、松山ケンイチ、菊地凛子、水原季子、監督のトラン・アン・ユンらが出席した。世界中で読まれている村上春樹のベストセラー小説の映画化であり、各国の記者たちから熱心な質問が矢継ぎ早に飛んだ。原作ではリアルに書かれていたワタナベ(松山さん)と、直子(菊地さん)の性描写が、詩的な表現になっているのはどうしてか?という質問に対して監督は「具体的に描くよりも、キャラクターの表情に焦点を当てたかった。特に最初にワタナベと直子が関係を持つシーンは大切なので」と説明。 また、香港の演技派トニー・レオンが20年後のワタナベを演じるといううわさがあったことに関しては、「トニー・レオンの起用を考えていたのは事実。だが、村上さんから許可を得られなかった」と認めた。香港の記者から、セックスシーンの心の準備をどうしたか?と聞かれた松山さんは「監督からは表情を中心に撮ると事前に説明されていたわけではなかったので、原作通りなら過激だろうと覚悟をしていました。けれど、時間をかけて作り上げることが出来た」と答えた。また菊地さんは「松山さんは、役に対して真摯に向き合う方。(セックスシーンについては)楽屋に2人でこもって、いろいろ話し合いました。気持ちだけではなく、どう見えるべきか、といったテクニカルな話もしました」と語った。プレス試写の反応は、賛否両論。アジア系記者からは好意的意見が聞けたが、ヨーロッパの記者からは厳しい声も。あるイタリアの女性記者は「映像は美しいけれど、セックスについて言葉で語りすぎている」と語っていた。さて、夜の公式上映での反応はいかに?(photo/text:Ayako Ishizu)■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン第67回ヴェネチア国際映画祭 [映画祭]■関連記事:『ノルウェイの森』にスタンディング・オベーション松山ケンイチ「確信」得た!ヴェネチア国際映画祭開幕!ナタリー・ポートマン、過激なシーンも「覚悟してたわ」村上春樹原作の“逆輸入”短編映画でナスターシャ・キンスキーの娘がヌード披露ヴェネチア国際映画祭、「ヴェネチア3Dアワード」審査委員長に清水崇が就任ナタリー・ポートマンがダークサイドに?主演作がヴェネチアでオープニング上映決定
2010年09月03日9月1日(水)よりイタリア・ヴェネチアで開催される第67回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門への出品が決まった『ノルウェイの森』、『十三人の刺客』の監督およびキャストの喜びのコメントが到着した。『十三人の刺客』は、暴政の限りを尽くす将軍の弟を討つべく送り込まれた13人の男たちが文字通り、命を懸けて戦う姿を描いた本格時代劇。数々のヒット作を世に送り出し、海外でも高い評価を受ける三池崇史監督がメガホンを握り、役所広司をはじめ、山田孝之、伊勢谷友介、松方弘樹、松本幸四郎に稲垣吾郎など錚々たるメンバーがキャストに名を連ねる。三池監督は「やったね。ヴェニスをサムライの血で染めてあげましょう」と短い言葉に喜びと決意を込める。監督と共に現地入りする予定の主演の役所さんは「(出品の知らせを聞いたときは)『やったー!』と。ヴェネチアのお客さんに日本の時代劇を楽しんでもらうことが一番ですね。映画の初号上映後のスタッフ・キャストの異常な盛り上がりが、ヴェネチアの映画祭会場でも見られるのではないかと期待しています。日本映画のお家芸である時代劇が海外で評価されるのは本当に嬉しいことです」と喜びを語る『ノルウェイの森』は、いわずと知れた日本を代表する作家・村上春樹の大ベストセラーの映画化作品で、すでに『シクロ』でヴェネチアの最高賞である金獅子賞を受賞しているトラン・アン・ユンが監督を務めるとあって、公開前から世界的な注目を集めている。映画祭には、監督に加え主演の松山ケンイチに菊地凛子、水原希子らがヴェネチア入りする予定だという。トラン・アン・ユン監督は「私が是枝裕和監督とお会いしたのはヴェネチア映画祭のときでした。後に、ロッテルダムで再会し、そこで橋口亮輔監督と知り合うことになりました。そのとき、3人で語り明かしたことが、いまでも素晴らしい思い出です。私たちは2人の“村上氏”(※村上春樹と村上龍)について語り合い、私は『ノルウェイの森』、2人は『69 sixty nine』と『限りなく透明に近いブルー』の話をしました。まさか、数年後に日本映画を出品するためにヴェネチアの地に戻り、その作品が『ノルウェイの森』になろうとは思ってもみませんでした!」と感慨深げ。松山さんは「光栄なことです。一足早く海外の方に観てもらうのですが、どんな反応を示すのか興味津々です。きっと素晴らしい経験になると思います」と期待に胸を膨らます。すでに発表されているように、今年の審査員長を務めるのは、日本映画、そして三池作品のファンとして知られるクエンティン・タランティーノ。三池監督作品にはイタリアでも多くのファンが存在し、また、小説の「ノルウェイの森」は同国でも出版されて、こちらも高い評価を得ているとあって、おそらく現地での期待も高く、金獅子賞受賞の可能性は十分にあると言える。世界最古の歴史を誇る国際映画祭で、この2作がどのように受け止められるのか?ヴェネチア国際映画祭は9月1日(水)より11日(土)までの日程で開催。『十三人の刺客』は9月25日(土)より、『ノルウェイの森』は12月11日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン十三人の刺客 2010年9月25日より全国東宝系にて公開© 2010「十三人の刺客」製作委員会■関連記事:ヴェネチア国際映画祭ラインナップ発表。『ノルウェイの森』など日本映画3本が登場異例!『ノルウェイの森』主題歌にザ・ビートルズ原盤の「ノルウェーの森」が決定高良健吾初のフォトブックが発売撮影現場&箱根プライベート旅行の様子も!あのシーンも原作の種田そのまま!『ソラニン』高良健吾の落書き顔公開2010年、最も活躍すると思う俳優は?1位は不動のジョニー・デップ!
2010年07月30日29日(木)、9月1日(水)から11日(土)まで開催の第67回ヴェネチア国際映画祭のラインナップが発表になり、日本から村上春樹原作、トラン・アン・ユン監督の『ノルウェイの森』と三池崇史監督の『十三人の刺客』がコンペティション部門に、『愛のむきだし』の園子温監督の『冷たい熱帯魚』がオリゾンティ部門に選出された。今年のコンペティション部門の特徴は、エントリー作品を撮った監督の平均年齢が若いこと。平均年齢47歳というのは同映画祭史上最年少だという。その中にはオープニング上映作である『Black Swan』(原題)のダレン・アロノフスキー(41歳)、『Somewhere』(原題)のソフィア・コッポラ(39歳)が含まれる。ほかにはポール・ジアマッティ、ダスティン・ホフマン主演の『Barney’s Version』(原題)、ドイツのトム・ティクヴァ監督の新作『Drei』(原題)が上映される。ベン・アフレックの監督第2作『The Town』(原題)はコンペティション外で上映、弟のケイシーが俳優引退後のホアキン・フェニックスに密着したドキュメンタリー『I Am Still Here: The Lost Year of Joaquin Phoenix』(原題)も上映される。今年のコンペティション部門の審査員長は、日本映画、加えて三池ファンとしても知られるクエンティン・タランティーノ。最高賞・金獅子賞の行方が早くも気になる。ちなみに金獅子功労賞は、これもタランティーノが大好きなジョン・ウー監督に贈られることが決定している。(text:Yuki Tominaga)■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン十三人の刺客 2010年9月25日より全国東宝系にて公開© 2010「十三人の刺客」製作委員会■関連記事:ヴェネチア出品決定で松山ケンイチ、役所広司らの喜びのコメント到着!異例!『ノルウェイの森』主題歌にザ・ビートルズ原盤の「ノルウェーの森」が決定高良健吾初のフォトブックが発売撮影現場&箱根プライベート旅行の様子も!あのシーンも原作の種田そのまま!『ソラニン』高良健吾の落書き顔公開2010年、最も活躍すると思う俳優は?1位は不動のジョニー・デップ!
2010年07月30日村上春樹の大ベストセラーを映画化した『ノルウェイの森』の主題歌に、タイトルの由来にもなっているザ・ビートルズの「ノルウェーの森」の原盤が使用されることが決まった。世界配給の日本映画で、ビートルズの原盤が主題歌として提供されるのは初めてのこととなる。1987年に刊行されて以来、日本のみならず世界中で出版されている村上さんの代表作を映画化した本作。原作では、学生運動が盛り上がりを見せていた時代、主人公であるワタナベと彼の死んだ親友の恋人であった直子、同じ大学に通う緑らを中心に、若者たちの喪失や再生、青春の苦悩が綴られる。デビュー作『青いパパイヤの香り』以来、常に質の高い作品を送り出しているトラン・アン・ユン監督の下、松山ケンイチ、菊地凛子、玉山鉄二といった俳優陣で映画化されることが2008年に発表され、注目を集めてきた。原作の「ノルウェイの森」というタイトルは、ザ・ビートルズが1965年に発表した名盤「ラバー・ソウル」に収められている「ノルウェーの森」に由来しており、劇中でも登場人物が同曲を弾き語りで演奏するなど、作品の中で重要な役割を果たしている。一見、同曲を主題歌で使用することは当然のことのように思えるが、さにあらず。ビートルズの楽曲の原盤をこうした形で使用するのは容易ではなく、撮影前の段階から交渉は難航。本作の小川真司プロデューサーは、一時、原盤ではなく「ノルウェーの森」のカヴァー曲を主題歌にすることも検討したというが、同曲を仮あてした編集を見て、やはり原盤以外にありえないと思い直し、1年以上の交渉を経てようやく使用許諾を得たとのこと。ビートルズのカヴァー曲が映画に使用されることは多々あるが、彼らの演奏による原盤の使用許可が出るのは非常に稀なことで、日本での窓口であるEMI MUSIC JAPANのシニアプロデューサーである藤村美智子さんも「1999年にザ・ビートルズの制作担当になって以来、様々なビートルズ楽曲使用に関するオファーをいただきましたが、実現したことも、実現に近づいたことさえもなかったので今回の主題歌使用に許諾が出たことは、正直大変驚きました」と驚きを隠さない。さらに藤村さんは「交渉を始めた時点で、(本国)EMI-UKの担当者は既に原作を読んでいたようで、“『ノルウェイの森』は素晴らしい作品だ”とコメントしていたので、村上春樹さん、そして彼の小説の素晴らしさがイギリスでも知られているのだと思ったのを記憶しています。楽曲使用の許諾にもきっと大きな影響があったのではないでしょうか?」とも語っている。トラン・アン・ユン監督は「原作における『ノルウェーの森』という曲の重要性から、原盤を起用するのは必然的な事でした。映画をご覧になった観客が、たったいま体験したドラマの余韻に浸るための空間作りが出来るように、特定の場所にこの曲を使用しました」とファンの期待をあおる。小川プロデューサーも「まだ村上さんから映画の許諾をいただく前、一番最初にトラン監督にメールを送ったときに、原作映画化の許諾と同じぐらいビートルズの原盤を使うのは難しいよ、と書いたのを覚えています。自分の中ではそれぐらい、この曲と原作が分かちがたい印象を持っていたので実現できてよかったと思っています。原作では冒頭でビートルズの曲が流れ、主人公のワタナベはそれまでの出来事の全てをふり返り、時の流れを思い起こします。映画で生のビートルズのメロディを聞くと、原作の大人になったワタナベのかき乱されるような感情を実感できると思います」と監督同様、自信をうかがわせるコメント。果たしてどのシーンでどのように使用されているのか――?そのシーンがもたらすのは寂寥感か?青春の苦味か?それとも…。映画『ノルウェイの森』は12月11日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:高良健吾初のフォトブックが発売撮影現場&箱根プライベート旅行の様子も!あのシーンも原作の種田そのまま!『ソラニン』高良健吾の落書き顔公開2010年、最も活躍すると思う俳優は?1位は不動のジョニー・デップ!2010年、最も活躍する俳優は?『かいじゅうたちのいるところ』Tシャツを3名様プレゼント“堕天使”ジョシュ・ハートネットが語る『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』
2010年07月14日僕は基本的に吹き替え映画が嫌いである…というか嫌いだった。できれば演じた人の生の声を聞きたいという願望がどこかにあったのだ。しかし、その吹き替えが、このところ好きになってきている。海外の映画館に足を運ぶことが多くなったことが大きな原因だと思う。イタリアでブラッド・ピッドが「チャオ!」と言って登場したり、ロシアでマイク・マイヤーズが「スパシーバ!」などと言っているのは、それだけで楽しい気持ちにさせてくれる。先日もタイ滞在中、邦画『フラガール』のタイ語吹き替えをテレビで観た。松雪泰子が「サワディカ〜」と言い、豊川悦司が「コップンカ」と言っていた。ベトナムのリゾート地・ニャチャンで現地在住の人たちと飲みながら、こういった吹き替えの話をしていた。僕がその日の晩、ホーチミンに深夜特急で移るので送別会と称して飲み会を開いてくれたのである。そのとき、一人の男性がベトナムの映画館の吹き替えは面白いですよと教えてくれた。「どこが面白いんですか?」と聞くと、「明日、ホーチミンに到着したら、行ってみてくださいよ」と言って詳しくは教えてくれなかった。そういえば、ベトナムに来てから一度も映画館に入っていなかった。どこかベトナムの街は映画館の存在が薄い。映画館だけではなく、映画自体のイメージが薄いのかもしれない。ハリウッド製作のベトナム戦争映画は度々、耳にするが、ベトナムが製作に携わった映画となると『夏至』や『青いパパイヤの香り』(共にトラン・アン・ユン監督作)といった名作は思い浮かぶが、どれもかなり前の作品である。ニャチャンから深夜特急でホーチミンまで移動すると、早速、ホーチミンの映画館を探し始めた。水上人形劇やミュージカル、サーカス小屋など劇場は見つかるのだが、映画館は意外に見つからない。かなり歩き回って、コメディが上演している劇場の隣でひっそりと香港映画を上映している映画館を見つけた。中に入ると客席には怪しい空気が漂っていた。カップル専用の2人用の椅子が並び、50名程度の小さな劇場でアベックが一組だけ目に入った。いかにもイチャついている感じである。そんな中で映画は始まった。香港の時代劇アクション映画は、暗い声の中年女性の吹き替えのナレーションから始まった…いや、ナレーションが長すぎる。しばらくして、この女性一人で全ての声を吹き替えていることがわかった。若い女性の声が中年女性の声になるのはまだいいが、若い男性の声も中年女性の声なのである。しかも僕がナレーションと思っていたほど、彼女の吹き替えの声は抑揚がなく、テンションが低いのである。刀で斬りかかる掛け声でさえも、抑え気味の声で進行していくのだ。まぁ、アベックがいちゃつくことに集中するには、これくらいの邪魔にならないテンションの方がいいのかもしれないけど。(photo/text:ishiko)
2009年11月18日オスカー候補になったあの『バベル』への出演以降、菊地凛子の活躍は世界へ広がっている。ライアン・ジョンソン監督、エイドリアン・ブロディ共演の『The Brothers Bloom』、イザベル・コイシェ監督の『Map of the sounds of Tokyo』、マイケル・ハフストローム監督、渡辺謙共演の『Shanghai』、村上春樹のベストセラーを映画化するトラン・アン・ユン監督の『ノルウェイの森』──待機作のいずれも海外の監督との仕事だ。そして、国際女優として一歩、また一歩、前進していく彼女が新たに興味を示したのは、第77回アカデミー賞で脚本賞に輝いたアメリカ映画の名作『サイドウェイ』を日本人キャスト、外国人スタッフ、オール海外ロケで作った異色の日本映画である。「タフになるために作品を選んでいきたい」「海外だからという理由で作品を選んでいるわけではないんです。ただ、自分ができないなと思うものや、怖くてイヤだなと思うような演技に挑戦したい時期なんですよね。海外の作品は海外であるだけで大変な思いがあるから…タフになるために国内外問わずそういう作品を選んでいきたい。でも、個人的には日本食が好きなので、撮影が終わって美味しいものが食べられる日本が本当は一番いいんですけどね(笑)」と、穏やかな口調、やわらかな物腰で話すが、その志はかなり高い。今回の『サイドウェイズ』でももちろん挑戦はあった。彼女が演じるミナ・パーカーという役は、生まれも育ちもアメリカという設定。流暢な英語とたどたどしい日本語を会話に混ぜ込む演技は「すっごく大変でしたね」とふり返るが、そんな苦労を微塵も感じさせない演技はさすがだ。さらに、言葉だけでなく細かな動きも研究したのだという。「向こうの人の独特な動きがあるので、撮影現場にいたミナっぽい女性の動きを参考にしたり、ハーフの友達に『このセリフ言ってみて』と微妙なアクセントを聞いたりしました。難しい役柄ではあったけれど、ミナは前向きで明るい女の子。痛みや辛さがない分、楽しかったですね」。「大変だったけれど、楽しかった」と笑顔を見せる背景には、小日向文世、生瀬勝久、鈴木京香という実力ある俳優が共演陣に揃っていたこと、やり甲斐のある環境だったことも挙げられるだろう。「ほんとに。日本映画でこれだけ有名な俳優さんと仕事をするのは久々だったので、最初はちょっと緊張しましたけど、小日向さんが笑うとみんながフワ〜っとして心地いい気分になったり、生瀬さんは役柄通り英語もすぐに覚えて積極的に話していたし、京香さんはマイペースに生きている面倒見のいいお姉さんという感じで、すごくいい現場でした」。撮影は約1か月間カリフォルニアで行われ、「時間があるときはみんなでご飯を食べに行ったりしました」と、キャラクター同様に密な関係を築けたと語る。「毎日美味しいワインが飲めて、いい現場!」特に共演が多かった生瀬さんについては、彼のアドリブ力に「新鮮な気持ちになれた」と驚きを隠さない。「生瀬さんのアドリブはすごいんです。セリフは一緒なのに毎回動きとかちょっとしたことを変えてくる。『この人、すごいなぁ』って思っていました」。中でも笑えるのは、大介とミナの喧嘩シーンだ。「生瀬さんがお兄ちゃん的な優しい方だったので、遠慮なくブッていこうと思ってブッたら赤くなっちゃって。あっ、でも(打つ瞬間は)本当のフライパンじゃないですよ。あのシーンを本物のフライパンを使っていたら殺しかねないですからね(笑)」と、撮影時のエピソードを語ってくれた。「洋酒全般は何でも飲みますね」という菊地さん。今回の撮影を通してカリフォルニア・ワインの美味しさを知り「毎日美味しいワインが飲めて、いい現場でした!」と幸せな笑顔を見せる。そして、“菊地凛子”流の映画『サイドウェイズ』の見方をこう提案する。「この映画を観るとワインを飲みたくなると思うんです。だから、ワイン好きな人は夕方頃に映画を観て、その後に1本のワインを誰かと開ける…そういうのもひとつの見方かなって思います。あと、ナパ・バレーはワイナリー以外何もないところですけど、観たらナパに行きたくなる人、多いと思いますよ」。(text:Rie Shintani/photo:Hirarock/stylist:Yuta Kaji/hair & makeup:Yasushi Miyata)■関連作品:サイドウェイズ 2009年10月31日より全国にて公開© 2009 Twentieth Century Fox Film Corporation and Fuji Television Network, Inc.■関連記事:菊地凛子&鈴木京香、仲良くぶどう柄でペアルック?『サイドウェイズ』舞台挨拶菊地凛子、流暢な英語で「ワイン大好き」『サイドウェイズ』、本場ナパで大盛況舞台挨拶&生演奏付き!『サイドウェイズ』プレミア試写会に25組50名様ご招待ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!
2009年10月14日悪の組織に属する忍者がなぜ全身真っ白?日本の観客からはそんな声が聞こえてきそうだが、そんなことは問題ではない!この男には不思議と白が似合う。案の定と言うべきか、イ・ビョンホンはインタビュールームにも全身白で、甘い笑顔を携えて現れた。念願のハリウッド進出作となった『G.I.ジョー』では冷酷な暗殺者に扮し、激しいアクションを披露。気負いや緊張などまるで感じさせず、クールにパリの街を壊滅に追い込んでいる。来年で40歳を迎えるが、その人気はとどまるところを知らぬビョンホン。人々を魅了してやまない笑顔を封印して挑んだ本作、さらに今後について話を聞くために韓国へ飛んだ。3作品に連続出演。「かなり疲れました」作品との出会いは2005年のカンヌ。主演作『甘い人生』が映画祭で上映され、各国メディアから絶賛を浴びた翌日だった。「それより前に、トラン・アン・ユン監督(『夏至』、『ノルウェイの森』)が直接、韓国にいらしてくださり『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』への出演の交渉をしていたんです。でも、出演を決断するまでに1年ほどの時間を要しました。その間にカンヌで『甘い人生』が上映され、エージェントから『こういう映画があるが、出てみないか?』とお話をもらったんです」。奇しくも、『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』と本作『G.I.ジョー』は同じ年に立て続けに公開されることに。「撮影の順番で言うと、まず『グッド・バッド・ウィアード』(※8月29日より公開)があって、次に『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』。『G.I.ジョー』は最後でした。『グッド・バッド・ウィアード』でかなり体を作っていたので、続く2作での準備が容易になった部分はあります。でも、立て続けの撮影だったこともあり、かなり疲れていたのも事実です」。これまでになく、ハードなアクションが求められた本作。撮影中にひざの靭帯を損傷するという大ケガを負っている。「空中でキックするというシーンがあったんです。テコンドーの技を応用したものなんですが、なかなかいい映像が撮れず、僕の方からもお願いして十数回やり直したんです。緊張のせいか、(靭帯が)切れた瞬間は分かりませんでした。でも、少しして足が言うことを聞かなくなってきまして…。いよいよおかしくなって病院に行ったら、お医者さんからは『俳優だか何だか知らないけど、2〜3週間は安静にしてなさい』と言われました。幸いなことにその後しばらくはアクションシーンの撮影はなく、プラハで無事に撮影を終えることが出来ました」。ビョンホン自身が求めたファイトシーンのインパクト「実は、その病院でちょっとおもしろい話がありまして…」。いたずらっぽい笑顔を浮かべ、そのときのエピソードを語ってくれた。「行った先の病院は、看護師さんも医師もみんな日本人だったんです。看護師さんは私に気づいて大喜びしてくれたんですが、その医師は私のことを全く知らず『本当に映画俳優なの?』という表情でしたね(笑)。たまたま、近くに置いてあった雑誌に僕の写真が載っていて『これ、僕です』と見せたら『本当だったんですね』とようやく納得してくれまして、なかなか楽しい時間を過ごすことができました」。また劇中、忍者の衣裳を脱ぎ捨て、その美しき肉体を惜しみなく披露しているが、これは彼自身のアイディアだという。「ラストのファイトシーンは、もう少しインパクトがあった方がいいのではないかと考え、僕からも様々なアイディアを出しました。例えば、彼の武器はいかにも“近未来”という感じですが、これについても監督とかなり話し合いました。その流れの中で『服を破って脱ぎ捨ててはどうか?』と提案したんです」。激しいアクションに加え、最新のVFXを駆使した刺激的な映像が魅力の本作。中でも、ビョンホン演じるストームシャドーは、一撃でエッフェル塔を倒壊させてしまう。ちなみにビョンホン自身は2年前にパリの街で撮影された写真集、その名も「パリイ」をリリースしており、折に触れてパリへの並々ならぬ思いを語っていたのだが、その胸中やいかに…?「もう、僕は二度とフランスに行けないんじゃないかと思ってます。この作品がフランスで公開されて、僕がパリの街を歩いていたら、危険な目に遭うかもしれないですね(苦笑)」。中学生の頃の日記の1ページ目に書いたのは…本格アクション大作で、ハリウッド進出を果たしたが、自らに訪れた“変化”についてこう語る。「確かに『G.I.ジョー』は、これまで出演してきた心理を細かく描くような作品とは大きく方向性が異なります。ではなぜこの作品への出演を決めたのか?と考えたとき、思い当たったのは、子供の頃から映画館という空間が大好きだったということ。アニメやアクション映画を観て、新しい世界、希望を感じ取っていました。自分もそうした作品に出ることで、希望を与えられるのではないかと思ったんです。少し美化し過ぎた言い方かもしれませんが。子供の頃のアクションヒーローですか?ブルース・リーはもちろんですし、ジャッキー・チェンとはいまでは義兄弟のような関係ですが、中学の頃から思い出があります。中学生のときに『酔拳』を観て、その帰りに買った日記帳の1ページ目に『ジャッキーのようになりたい』って書いたんです(笑)。彼にその話をしたら面白がってました」。来年“不惑”と言われる40歳を迎えるビョンホンだが、今後思い描く俳優人生について聞いてみた。「ありきたりな答えかもしれませんが、年齢を意識したことはありません。そのせいで、いまだに子供っぽいところが残っていたりして、突拍子もない行動をしてしまうのかもしれないですね(笑)。(ハリウッド進出を果たし)新たな段階に足を踏み入れたのかな、とも思いますが、自分は俳優として長く韓国を拠点としてきました。それは今後も変わらないでしょう。もちろん、この映画を気に入っていただけて、ハリウッドの方に再び声を掛けていただけるなら、断る理由はないですね」。スクリーンの中での“狂気”をも漂わせる姿とは打って変わって、笑みを絶やさず気さくにこちらの質問に答えてくれるビョンホン。日本のエンターテイメントに話が及ぶと、こんな打ち明け話も!「中学生の頃に初めて(映画雑誌の)『SCREEN』や『ROADSHOW』に出会いました。といいますか、映画の1シーンとしてセクシーな写真が載っていて、みんなで破れそうになるくらい奪い合ってました(笑)」。にわかに想像しがたいが…この男、我々に見せていない秘密をまだまだ抱えているのかも――?今後、日本での活躍にもぜひ期待したい。■関連作品:G.I.ジョー 2009年8月7日より丸の内ルーブルほか全国にて公開©2009 by Paramount Pictures■関連記事:ビョンホン登場にファン熱狂夏の超大作『G.I.ジョー』豪華キャストが大挙!シエナ・ミラー、ラジオDJの不躾な質問に激怒!オンエア中に罵倒劇中より刺激的?セクシー・ボンデージの美女軍団が『G.I.ジョー』を応援!パリ崩壊の決定的瞬間!新型ウイルスが猛威、革命記念日のパリで大規模テロ発生?この夏、最強のアクション『G.I.ジョー』衝撃映像到着!ビョンホン暴走でパリが…
2009年08月06日国際的な喝采を浴びた『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』に、『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』など研ぎ澄まされた映像世界で多くの観客を魅了してきた押井守の、自身の監督作としては8年ぶりの実写長編作品となる『アサルトガールズ』の公開が決定。主人公の3人の女ハンターたちを黒木メイサ、菊地凛子、佐伯日菜子が演じることが発表され、黒木さんが写った場面写真が公開された。押井監督が『Avalon(アヴァロン)』以来となる長編実写映画の舞台として選んだのは、熱核戦争後の荒廃した砂漠の戦場、巨大モンスター<スナクジラ>の群れが地を這い、強襲揚陸艦が宇宙を飛ぶ世界。黒木さん、菊地さん、佐伯さんの3人は、突然変異の超大物<マダラスナクジラ>を仕留めようと、アサルトライフル(突撃銃)やパワフルな銃器を手にフィールドを駆け巡る。今回解禁となったのは、銃弾を体に巻いた黒木さんが写った写真のみ。いまだ物語の詳細については不明だが、話題の映画への出演に加え、歌手としてもめざましい活躍を見せる黒木さんに、カンヌ招待作『Map of the sounds of Tokyo』(原題)に、トラン・アン・ユン監督による『ノルウェイの森』と邦画という枠を超えて注目を集める菊地さん、ドラマ、映画、さらには舞台と各方面での活躍が光る佐伯さんの3人が、押井監督の下でどのような化学変化を見せるのか、期待が集まる。『アサルトガールズ』は12月19日(土)よりテアトル新宿、池袋テアトルダイヤほか全国にて順次公開。■関連作品:アサルトガールズ 2009年12月19日よりテアトル新宿、池袋テアトルダイヤほか全国にて順次公開© 2009八八粍・デイズ/ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントスカイ・クロラ The Sky Crawlers 2008年8月2日より渋谷東急ほか全国にて公開© 森博嗣/「スカイ・クロラ」製作委員会■関連記事:【ヴェネチアレポート09】あの三巨匠だけじゃない!世界で活躍する日本人俳優たち【ヴェネチアレポート08】凛子「私にとっては金」『スカイ・クロラ』公式上映【ヴェネチア映画祭】いよいよ開幕!オープニングはブラピ&ジョージ×コーエン兄弟『スカイ・クロラ』に続き、押井守が初の実写TVシリーズ「ケータイ捜査官7」を制作!『ポニョ』興収100億突破の次は1,000万人動員、ヴェネチアでの活躍にも期待!
2009年07月22日いま、世界で最も注目を集める映画監督のひとり、トラン・アン・ユンの最新作『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』がついに公開を迎えた。この俊英ベトナム系フランス人監督は、物語の中心に“痛み”と“狂気”をまとった3人の男たちを据えたが、木村拓哉、イ・ビョンホンという日韓のスターと共に、アメリカから監督の招集に応じたのはジョシュ・ハートネット。ハリウッドの大作に背を向け、己の道を突き進む姿は自らが演じた探偵・クラインそのもの。何が彼を突き動かすのか?その柔和な笑顔の奥に迫った。「監督は独特の“声”を持っている」今回の出演の決め手を「何よりトラン・アン・ユン監督の存在」と語るジョシュ。以前から監督の作品を観て、その表現力に心酔していたという。「独特のユーモア、“声”を持っている監督だと感じて、前から一緒に仕事がしてみたいと思ってたんだ。でも、最初の段階では、クラインは45歳という設定。当時27歳の僕には無理だと思っていたよ。初めて監督と会って5分くらい話をしたとき、彼はただ、ニヤニヤしてるだけでほとんど喋らなかった。そのミーティングが終わって車に戻るまでにエージェントから『君に決まったらしい』って電話があったんだ」。何ともこの2人らしいやり取りとも言えるが…。では実際に監督の演出はどうだったかというと?「彼は現場でもすごく優しくて、知的な人間だよ。いつもいろんなことを考えていて、僕の演技を見終わるとこう言うんだ。『うん、少し違うことをやってみようか。もうちょっと面白いことをやってみない?』ってね。演出というよりは、僕にもっと実験することを求めているような感じかな。物腰はすごくソフトで静かなんだけど、鉄の意思を持ってる。アーティストとして確固たる自信を持っていて、何が正しいかということをよく分かっているんだ」。今回演じたクラインは、かつての殺人の記憶に苦悩する元刑事の探偵。木村さん扮する青年・シタオを始め、捜している人物に“同化”するという独特のアプローチ方法をとるが、ジョシュ自身はこの男にどうやってなりきったのだろうか?「監督が現場で物語をどんどん変えていくというタイプだったので、僕としてはまず、どんな変更があっても自分のキャラクターから離れないように心がけたよ。昨年、自分でプロデュースした作品では、徹底的なリサーチを基にキャラクターを自分で作り上げていったけど、今回に関しては“狂気”を秘めた男なんて周りにいないからリサーチのしようもなかった。想像力を武器に作っていったよ」。この世の地獄に舞い降りた堕天使と悪魔と救世主クライン、シタオ、そしてビョンホンが扮したス・ドンポと非常に複雑な内面を抱えた3人を、ジョシュはどのように捉えたのか?その考察は興味深い。「クラインに関して、“狂気”と表現したけど、もちろんそれだけじゃなく、彼は捜している人物にあまりにも共感し、同化してしまうところがある。それは欠点であり、自らを痛めつける原因になってしまうけど、そうせずにはいられないんだ。作品自体、非常に宗教的で、監督が描いているのはこの地球上に存在する地獄だと思う。クラインは、そこで苦悩し、迷う“堕天使”とも言うべき存在なんだ。ドンポはまさにこの世の“悪”を体現している人物だ。でも冷血な彼にも一つだけ弱点があって、それはある女性を愛し過ぎているということ。彼の執着心は、まさに人間が持つ欲望を象徴している。そして、シタオは現世におけるイエス・キリスト、救世主と言える。とはいえ、簡単にカテゴライズできないのがこの映画、キャラクターたちの特徴。観る人に全ての解釈を委ねているんだ」。この説明を聞いただけでも、本作がハリウッドのブロックバスター(莫大な予算で作られた作品)とは一線を画した作品だとお分かりいただけるだろう。ハリウッドでの“成功”に背を向け、こうしたアート志向の作品への出演を続けることについて、彼はこう語る。「確かに、ハリウッドで仕事をしていれば、いろんな監督と仕事をするチャンスがある。もちろん役柄もね…例えばヒーローの役だったり。でも、僕自身は一人のアーティストとして、もう少し実験的なことに挑戦していくのが好きなんだ。エージェントから何か言われないかって?実際、解雇したヤツも数人いるよ(笑)。まあ、僕の存在が忘れられないように、もう少しバランスを取る必要があるとは自分でも思っているんだけどね。でも、こういうことをやってるときの方が楽しいんだ。中でも今回の作品は、もう二度と経験できないだろうっていうぐらい、ユニークなものになったし満足してるよ」。最後にお気に入りのシーンを尋ねると、とびっきりの笑顔を浮かべながら「ドンポが部下をハンマーで殴り殺すところ!」との答えが…。ハリウッドという大きなエネルギーの中心にいながら、常に新たな“実験”に挑み続ける、そんな男の素顔が垣間見えた。■関連作品:アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン 2009年6月6日よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国にて公開© Lam Duc Hien, Photographerノルウェイの森 2010年秋、全国東宝系にて公開■関連記事:“ホスト”キムタクのもてなしでビョンホン、ジョシュ揃い踏み3,660人が悲鳴!キムタク最新作、日本でワールド・プレミア開催決定前売特典にポスターも!キムタク×イ・ビョンホン競演作6月公開監督が明かす「かつてない拓哉」の姿とは?原作ファンの賛否やいかに?村上春樹の「ノルウェイの森」が遂に映画化!
2009年06月07日