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ハック大学ぺそ著『会社員のまま経済的自由を手に入れる ハック大学式 超現実的で超具体的なお金の増やし方』2023年1月26日刊行株式会社あさ出版(代表取締役:田賀井弘毅、所在地:東京都豊島区)は著『会社員のまま経済的自由を手に入れる ハック大学式 超現実的で超具体的なお金の増やし方』 を2023年1月26日(木)に刊行いたします。会社員としての「ポテンシャル」と「時間」を武器にYouTubeチャンネル登録者数27万人超の人気YouTuberであり、外資系金融機関でマネージャーを務めるハック大学ぺそ氏の一番の得意分野とも言える「資産形成」の話。本書には、会社員のまま自身の市場価値を上げつつ経済的自由を手に入れてきたぺそ氏の超現実的で超具体的な資産形成術がたくさん詰め込まれています。読めば、よくわからないお金のこと(会計の知識であったり、運用の知識であったり)を自分事として身近に感じ、考え、理解し、資産形成ができるようになります。「会社員のまま経済的自由を手に入れる」とはどういうことか?会社員として安定収入を得ているみなさんが、それぞれの経済的なポテンシャルを最大限に開花させ、精神的にも金銭的にも豊かになることを目的としています。その具体的な方法を3つのStepに分け解説しています。Step1 自分のお金の現状を知るStep1 自分のお金の現状を知る自分が資産として持っているものすべてを洗い出し、今の自分のお金の実力が、どれだけあるかを把握する方法を解説していきます。Step2 目標を設定するStep2 目標を設定する焦らずしっかりと、目標とするゴールを見据え、資産形成をスタートさせる、ゴールベース・アプローチを基本とした考えをここで身につけていただきます。Step3 資産形成のための道筋を描くStep3 資産形成のための道筋を描く本書で描く道筋とは、ポートフォリオの構築です。本書を読んだ全員が適切な道筋を描けるように、ポートフォリオの組み方をわかりやすく解説しました。本書では、「つみたてNISA」「DC/iDeCo」「生命保険料控除」「セルフ・メディケーション税制」など会社員が資産形成を進めるうえで、役に立つ知識や制度も詳しく紹介しています。資産形成をするにあたり、押さえておきたいポイントもケーススタディで紹介!※以下書籍より一部抜粋結婚3年目、それぞれ別財布のCさん夫婦の場合Cさん夫婦結婚して一緒に生活している2人が資産形成を計画するときに最初にアドバイスしたいのは、バランスシートの考え方です。それぞれではなく、世帯全体のバランスシートで考えることが重要です。資産形成を世帯全体のバランスシートから考えるという視点に立つと、想像する以上にお金の実力があることに気づけるだけではありません。資産形成のために、最低限やるべきこともはっきりしてきます。例えば、生命保険です。夫と妻とで分けて考え、それぞれに保険加入の有無を検討すると、入院保障はともかく、死亡保障は不要という判断になりがちです。でも、バランスシートを世帯全体で考えると、大きくはありませんが節税効果のある保険料の支出も、非常に有効な選択肢となります。保険もまた、“リスクを取らずにお金を増やせる”、数少ない武器の1つなのです。Cさん夫婦のバランスシート書籍情報表紙タイトル:会社員のまま経済的自由を手に入れる ハック大学式 超現実的で超具体的なお金の増やし方著者:ハック大学ぺそページ数:224ページ価格:1,540円(10%税込)発行日:2023年1月26日ISBN:978-4-86667-423-0書籍紹介ページ: amazon: 楽天: 目次PART1会社員であることを強みに変えるハック大学式資産形成術Chapter1まずはお金に対する考え方と自分の資産をとらえなおすChapter2ゴールイメージを明確にして無理せず十分な資産を築く方法Chapter3お金の不安を解消するハック大学式ポートフォリオの組み方PART2お金にもっと強くなる! 会社員のためのマネー講座Chapter4リスクを取ってお金を増やす会社員のための投資のポイントChapter5リスクを取らずにお金を残す会社員のための節税策付録会社員として稼ぐ力を上げる仕事術10選著者プロフィールハック大学ぺそ(はっくだいがくぺそ)著者:ハック大学 ぺそYouTubeチャンネル「ハック大学」を通じて、キャリアやマネーなどの教育テーマを中心にビジネスパーソンに有益な情報を発信し、チャンネル登録者数は27万人超を誇る。事業会社やコンサルティングファームを渡り歩き、その経験を生かして現在は外資系金融機関のマーケティング部門のマネージャーを務め、投資・資産運用業界で年収約2,000万円を叩き出す現役の会社員。終身雇用や年功序列が崩壊していく中で、会社員が持つべき資産形成の方法など、目先にとらわれない「本質的」な情報を発信し続けている。 著書に『行動が結果を変える ハック大学式最強の仕事術』(ソシム)や『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』(アスコム)、『「超」メタ思考頭がよくなる最強トレーニング57連発』(KADOKAWA)がある。【報道関係各位】『会社員のまま経済的自由を手に入れる ハック大学式 超現実的で超具体的なお金の増やし方』リリース.pdf : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年01月19日快眠寝具比較メディア「眠ハック」を運営するActlever(所在地:福岡県福岡市、代表:今 真一)は、各個人が自分に最適なマットレスをより探しやすくするために、上級睡眠健康指導士監修の「マットレス無料診断ツール」の提供を2022年11月29日(火)に開始します。診断ページURL: ■マットレス無料診断ツールの概要簡単な概要画像上級睡眠健康指導士監修のマットレス無料診断ツールでは、「性別」「身長」「体重」「重視したい機能」を選択することで、あなたの体型や目的に合ったマットレスを自動ですぐに選出してくれます。各項目入力後、1位から3位までのランキング形式で表示されます。表示された各マットレスは、その下部ボタンの先へ進むと詳細を確認することが可能です。上級睡眠健康指導士であるメディア運営者自身が実際に体験評価し、硬さや寝心地などをすべてデータ化したものを診断ツールへ反映し、「身長」「体重」から算出されるBMI値をもとに「男女」それぞれと「重視したい機能」を選んでいただき診断します。診断結果はよりパーソナライズ化された内容となります。眠ハックのコンセプトでもある「あなたの好みではなくあなたの身体に合った寝具選び」実現のサポート的ツールです。■マットレス無料診断ツールリリースの背景●取り扱いマットレスの数が増えた「眠ハック」は上級睡眠健康指導士が運営するマットレス比較メディアです。マットレスを実際に体験・評価し、ユーザーの皆様方のマットレス選びがスムーズにおこなえるようサポートしてきました。ただ運営歴が長くなればなるほど、ご紹介しているマットレスの数が増え、いつのまにか30種類を超えました。「あまり数が多くては訪問してくださった方々が、どのマットレスが本当に良いのかわからなくなるのではないか」と危惧したため、利便性改善の一手として開発いたしました。●ユーザーの体型に合ったマットレスを選んで欲しいマットレスの硬さの選び方で「体型」が基準に出されることは多いです。しかし実際には自分の体型を把握してそれに合った硬さのマットレスを探し当てるのは非常に困難です。自己の「身長」と「体重」を入力するだけでそれを簡単にし、体型に合ったマットレスを選んで欲しいという運営者の想いがあります。●インターネット販売でのマットレス需要拡大インターネット販売におけるマットレス需要は年々拡大しています。実店舗を持たないECサイト販売のみの寝具ブランドも増えてきました。それに伴いネット検索でマットレスを探す人が急増しています。そういった方々に向け、より簡単に質が高く信頼性のあるブランドとの出会いを果たせるようなツールになるよう、開発を進めました。以上のような背景があり、眠ハック専用のマットレス診断ツールを開発する運びとなりました。今後も新たに評価したマットレスを追加しアップデートしていきます。■マットレス診断4つのメリット●簡単かつ「スピード」診断ができます4項目を入力するだけなので1分もかかりません。●「個々人の体型」に合ったマットレス選びができますあなたの性別と身長体重(BMI)から、あなたの体型に合ったマットレスを見つけられます。●重視したい機能性をもった「目的」に合ったマットレスを探せますどんな機能性を持ったマットレスが良いかを選ぶことであなたの目的に合ったマットレスを探せます。●知らなかったり思いもよらないマットレスを「発見」できます自分では見つけられなかったマットレスを発見でき、マットレス探しの視野を広げることができます。■マットレス無料診断ツールの利用方法実際の診断画面使用方法はとても簡単です。まず自身の性別と、現在の身長・体重をタブから選んでください。続いて、重視したい機能を4つの選択肢の中から選び、「診断する」をクリック(タップ)すると診断結果が表示されます。診断ページURL: ■眠ハックについて上級睡眠健康指導士(第782号)が運営するWebメディア。2020年から運営を開始し、マットレス30種類以上、枕20種類以上を実際に体験してレビュー評価しています。睡眠のプロによる正しい知識で、寝具選びをするユーザーサポート、寝具の紹介をメインとしています。眠ハックURL: ■運営元概要屋号 : Actlever代表 : 今 真一所在地 : 福岡県福岡市中央区小笹2-12-52ホームページURL: ■本件に関するお問い合わせお問い合わせフォーム: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年11月29日Twitterで47万人超のフォロワーをもつ大人気の現役の男性保育士「てぃ先生」をご存知でしょうか? 現役保育士11年目、その専門性から他園でも顧問保育士をしているというてぃ先生のツイートは、子育て中のママ、パパの役に立つ目からウロコな育児ハック情報がたくさん!いくつかピックアップしてご紹介します。 つい「落とさないで!」って言いがちだけど子どもの望ましくない行動は否定でなく、望ましい行動を伝えると改善が早い。お部屋を走っていたら「走らないで!」→「歩こうね」、何か持ちながらよそ見していたら「落とさないでね!」→「しっかり持ってね」など。大声を出した時は「静かに!」→「これくらいね」と具体的な声量を伝えると最高。— てぃ先生 (@_HappyBoy) April 25, 2019「こぼさないでね」「散らかさないで」など、てぃ先生の言う「望ましくない」行動をつい言ってしまいがちですが、たしかに具体的な望ましい方法を教えてあげるほうが、子どももわかりやすそうです。 ルーティンは、とっても大切子どもは3歳くらいまでは特に、周りの変化によって気持ちが乱されやすい。抱っこやトントンのされ方、お着替えの順序やお散歩のコースなどで、いつもと違うことをされると言葉にはできない不快感を覚えて泣く。理由も分からず泣き始めた時は「いつもと同じか」確認すると解決しやすいので要チェック!— てぃ先生 (@_HappyBoy) April 30, 2019「いつもと同じか」が子どもにとっては重要なんですね。ママじゃないと泣き止まない、ママが良い!って泣いちゃうのも、このせいかも。 子どもが喜んでくれる方法子どもが描いた絵を褒める時、ただ「上手だね!」と言うよりもさらに喜んでくれて、やる気が上がる簡単な方法。それは「ここ綺麗だねー!」「ここの形が好きだな〜」「色が混ざってるところ素敵」なんて具合に、自分が感じた“その絵の好きなところ”を伝えるだけ。褒める大人側も楽しく、嬉しくなる!— てぃ先生 (@_HappyBoy) February 23, 2019ママやパパ、周りの大人がどこをどういう風に感じてくれたか、わかるとうれしいんですよね、きっと。参考になります! 子どもが自分で動いてくれる必殺技!保育園でもよく使う手なんだけど、自分が何か別のことをしながら子どもにお支度やお片づけをしてほしい時、「さぁ!先生は今、散歩の準備をしています!リュックにタオルを入れているところです!みんなはどうでしょうか!」と自分の実況をしながら子どもの確認をすると面白いほどテキパキ進む。ぜひ。— てぃ先生 (@_HappyBoy) October 2, 2018保育園登園準備に毎朝苦戦するわが家でも、子どもたちに試してみました。3歳女児は「いま くつしたはきまちた!ちゅぎは うわぎ きるとこ!」と自分から次の行動を教えてくれました。これは良い方法! 遊びのなかで、学びましょう小さな子どもが歩くようになったら、成長を喜ぶと共に「止まる」ことを教えてあげよう。お部屋の中を一緒にグルグル歩きながら、時々「スト〜ップ!」と言って止まる。これを繰り返す。楽しい遊びにもなるのでオススメ。靴を履いて外へ出るようになると危険もいっぱい。いざという時、止まれるように。— てぃ先生 (@_HappyBoy) April 23, 2019子どもが事故に合わないために、遊びのなかで、危険から身を守る方法を教えてあげられます。「止まる」遊び、おうち遊びに取り入れたいところです。 水たまりで足止めされたときに早く帰る方法子どもが水たまりで遊び始めるとなかなか帰らなかったり、「その靴ではやめて…」だったり。そんな時は「ん?その水たまり、お魚いない?」と言うと踏んじゃいかんと出てくれて、どこだ?と探したあとスマホで水たまりを撮影し「お家で写真見て探してみよ!」と言うと結構帰る。保護者から好評の裏技。— てぃ先生 (@_HappyBoy) November 19, 2018長靴じゃないのに水たまりに突入しそう…!なんてあるあるな状況も、これで解決できそう! にんじん嫌いはこれで克服!4歳児クラス担任の時、半分ほどの子が「人参嫌い」で、保護者からも克服のご要望。栄養士と「伝説の人参が手に入った!」と、ハイテンションで土のついた普通のニンジンを子どもたちと観察。その後の給食中は「これ伝説の人参!?」「僕のは!?」と大盛り上がりで全員完食だった。観察と伝説は強い。— てぃ先生 (@_HappyBoy) December 8, 2018クラスの半分の子どもたちが苦手だったにんじんを、見事完食させたという方法。「伝説」の言葉ががわかる年齢ごろから、試してみたいテクですね。 片づけてほしいときの魔法の言葉がけ子どもに何かしてほしい時は「あなた」ではなく「わたし」を使った方が行動してくれる。例えば「いつまで遊んでるの?早く片付けて」は相手を対象にしたものだけど、「ご飯をテーブルに出したいから、おもちゃ片付いてると嬉しいな」は自分が対象。これを意識してから、かなりスムーズなのでぜひー!— てぃ先生 (@_HappyBoy) February 13, 2019「早く片付けて!」って言ってしまいがちだけど、子どもは「ママが困ってる」「ママがこうすると喜んでくれる」とわかるほうが、指示や命令されて動くよりもずっと気持ちよく動けそうですね♪ 言葉づかいをどうにかしたいなら「なにぬねの」「子どもに話す感じがわからない」という人に簡単でオススメの話し方がある。それは語尾を「なにぬねの」にすること。「〜したい?」→「〜したいのかな?」、「〜に行って」→「〜に行こうね」なんて具合。こうすると子ども自身の話し方も優しいものになっていくので、言葉遣いが気になる場合もぜひ!— てぃ先生 (@_HappyBoy) April 13, 2019言葉は語尾の「なにぬねの」でこんなに印象が変わるんですね! なるほど、保育園では先生たちが「~しようね」「~したかったのかな?」と園児たちに話しかけているのをよく目にします。親も取り入れたい言葉技です。 これでみんな寝る!寝かしつけテクトントンしても子どもが寝ない時、僕がよくやるのは、眉間を指で上から下に優しく撫でること、コメカミから耳にそって頭を撫でること、前髪を後ろにかきあげながら頭を撫でることで、この3つを使っても寝なかった子は経験上あまりいない。子どもは「寝かせよう」とすると絶対に寝ないので自然体で!— てぃ先生 (@_HappyBoy) August 26, 2018早く寝てほしいときほど、子どもって寝ないんですよね……。やさしくなでなでされると、落ち着くのかもしれませんね。寝かしつけでお困りのママさん、ぜひ試してみて! 目からウロコがこぼれ落ちまくりの育児ハックがいっぱい! てぃ先生の実践するアイディアや育児のテクニックをご紹介しました。どれもすぐにできる、参考になるものばかり。参考にしてみてはいかがでしょうか。著者:協力/てぃ先生(Twitter:@_HappyBoy)関東の保育園に勤める保育歴11年目の現役男性保育士。現在は保育士の専門性を生かし、子育ての楽しさや子どもへの向き合い方などをメディアなどで発信。全国での講演活動も年間50本以上。他園で保育内容へのアドバイスを行う「顧問保育士」など、保育士の活躍分野を広げる取り組みにも積極的に参加している。
2019年05月28日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、ポーランド発の育児がラクになるアイデア本の紹介です。 赤ちゃんとの生活はハッピーで楽しいけど、時に大変なこともあります。そんな日々のピンチをユニークアイデアで乗り越えたパパ・ママの知恵が集まった『毎日が楽しくなる子育てハック』(フォレスト出版)をご紹介します。 世界は広くても子育てに国境はなし! これを読めば毎日の育児が楽しくなるはずです。 「子育てハック」とは?「子育てハック」とは、日々の子育てで直面するピンチに対する独創的で意外な解決策のことです。それは賢い応急処置、インスピレーションで沸いた時短術、手っ取り早い手段などなど。 このアイデアたちが育児の流れをガラリと変えてくれて、毎日の子育てを楽しくしてくれるスパイスになります。 子育てコミュニティから生まれたアイデアこの本は、全米のママに支持されてきた子育てコミュニティ「ParentHacks.com」に集まったアイデアから122の選りすぐりの裏ワザをまとめたもの。著者のアーシャ・ドーンフェストは、私自身が新米ママだったころにどうしても知りたかったことをきっかけにこの子育てコミュニティをつくりました。 世界中のママたちに支持されてきた、妊娠後期、出産、育児初期に役立つヒントをこの本では紹介しています。おうちの整理整頓から子どもたちの食事や着替え、外出や旅行をスムーズにするコツなど、いろんなアイデアを読みやすいイラストと一緒にお伝えします。 ちょっとしたテクでラクになる裏ワザがいっぱいトイレットペーパーの無駄遣いを減らすテク こんなふうに軽く潰して芯を楕円にするだけで、トイトレ中の子どもが大量にトイレットペーパーを使うのを防ぐことができるとは! これなら0円でできて効果もありそうです。 左右は絵合わせで覚えよう! 子どもの靴は左右を見分けるのが大人でも難しいものもあります。そんなときにはこのアイデアがおすすめ! 大きめのシールを半分にカットして中敷に敷くだけで、子どもでもパッと見て左右がわかるようになります。 こんなユニークで楽しいアイデアが122も詰まった『毎日が楽しくなる子育てハック』。購入者プレゼントとして、「お誕生日・特別イベントのハック」(pdfファイル)のダウンロードもあるので、ハーフバースデーや1歳のお誕生日に合わせて買うのもいいですね。 著者:ライター サトウヨシコ大学卒業後、大手食品会社に勤務。未経験から編集者を目指し転職。その後、結婚と出産を経て妊娠・育児雑誌のディレクターに。WEBメディアの新規事業立ち上げをし、2017年に株式会社フラミンゴミンゴを設立し、現在は数々のメディアに携わっている。
2019年05月22日ハックとは、物事を上手く進めるテクニックやコツのこと。本来は仕事の生産性向上のために使われる用語ですが、日常でも馴染みの深い言葉になりました。ここではパピマミ編集部が、子育てにおいて利用できる生活術を紹介します。乳児期のお世話は親の手際の見せ所はじめて子育ては誰でも戸惑うもの。しかし、どんなにはじめてでも回数を増やせば慣れてくるので安心してください。おむつやお尻ふきをまとめたおむつ替えセットを赤ちゃんのそばに用意しておけば、慌てずにおむつ交換もできます。家の中は快適なので、動きやすい服装で過ごさせてあげましょう。注意しなければならないのはいつもと違うと感じたとき です。いつもよりぐずる、便の様子がおかしいなど、気になる症状があるときには迷わず小児科 を受診しましょう。何時からどんな症状があるのか、メモしておくと診察がスムーズにできます。幼児期を親子一緒に楽しく過ごす出来ることが一つずつ増えていくのが嬉しい一方で、子どもは自我の芽生えと共に親を手こずらせるようになります。全てを禁止する必要はありませんが、駄目なことは駄目としっかり教えてあげましょう 。危険なことや他人に迷惑をかける行為などを注意するときには、子どもの目を見て話すことで子どもなりに「してはいけないことなんだ」という理解ができます。イヤイヤ期になると主張が増えて振り回されがちですが、一息ついて子どもと同じ目線になってみましょう。意見を聞くことで子どもは意外と落ち着くものです。それでも駄目なら、予定を全部切り上げて家に帰ってしまいましょう。そうなったとしても子どもを責めないでください。次のお出かけで、どうしたら良いかを親子で約束 すると良いでしょう。目からうろこの子育てハック子育てで困ったことで、多く聞くのが夜泣きです。沢山の対処法がありますが、どれが自分の子どもに効くのかはやってみないとわかりません。泣き止んだと思ったらまた泣いての繰り返しで、睡眠不足に陥ってしまいイライラもたまります。そんなときには無理をせず、子どもと一緒にお昼寝などで乗りきりましょう 。長い睡眠は取れないかもしれませんが、少し寝るだけでもイライラは収まります。余裕が出来たら、じっくり子どもを観察してみてください。・室温が適温でも着させすぎなどで汗をかいていませんか?・起きている間に子どもにとって刺激的な体験をしませんでしたか?お世話をする人がイライラしていると、それを感じ取っていることもあります。一時的にでも預けることができるなら、少しだけ一人の時間を作ってみるのもいいかもしれません。子どもがくれるご褒美を見逃さない子育ては大変なことも多く、子育てをしている間は特に生活の変化も大きいのでイライラしてしまうことがあるかもしれません。しかし、子どもの笑い声や寝顔にほっこりする時間が子育ての醍醐味 ではないでしょうか。駆け寄ってくる小さな体を抱きしめるとき、疲れが吹き飛ぶことでしょう。こんな素敵なご褒美があるから、私たち大人は親として頑張れるのです。毎日の生活で忙しいでしょうが、少しだけ、その手を止めて子どもと向き合ってみてください。子どものつたない言葉をしっかりと受け止めてみましょう。子ども達はきっと、沢山のご褒美をあなたに与えてくれるはず です。子育てハックを上手に利用して、子どもの成長を見守ってあげましょう。まとめ子育ては子どもの数だけあるので「これなら絶対に解決する!」という方法はありません。しかし、子どもをしっかり観察していれば、解決策はあるものです。困ったときには子育てハックも参考にしながら、あなたらしい子育てを実践してください。数ある体験談や情報のなかに、問題解決のヒントが転がっているはずです。子育ては大変ですが、周囲の協力を得ることで社会復帰も可能です。周りを頼ることを悪と思わず、あなたらしい行き方を子どもに見せてあげましょう。●文/パピマミ編集部
2018年10月05日『めんどくさくて、「なんだかやる気が出ない」がなくなる本』(西多昌規著、SBクリエイティブ)は、数々のベストセラーを生み出してきた精神科医・医学博士による最新刊。今回のテーマは、ずばり「めんどくさい」。人間なら誰しもが持っている「めんどくさい」「やる気が出ない」という気持ちに焦点を当て、やる気を取り戻すための方法を指南しているわけです。きょうはそのなかから、「100%を目指そうとするからいけない」という考え方をご紹介しましょう。■強迫的だとまじめさに疲れることも人間は、とても些細なことにも、妙にこだわってしまうところがあるもの。日本人は特に几帳面ですが、それはよいクセでもあり、悪いクセでもあると著者は指摘しています。そして、そのような、あまりに「きっちり」「まじめすぎる」性格のことを「強迫的」と呼ぶのだそうです。料理のレシピは1グラム単位で正確に量ってつくりたいとか、あるいは仕事でもミスなく完璧に仕上げなければならないと思い込み、完全主義を貫いているような人がこのタイプだとか。強迫的な正確も、ほどほどであれば「きちんと仕事をする人」というプラスの評価を受けることになります。しかし完全主義がオーバーになったり、不完全に陥ることを恐れて後ろ向きになったりするなど、度がすぎると自分の「まじめさ」に疲れてしまうことになります。たとえば複数の仕事を同時に抱えるビジネスパーソンが、そんな心理状態で仕事に取り組めば、どんどん自分を追い込んでいくことになるわけです。失敗を恐れるあまり、あるいは承認欲求が満たされないあまり、不安や抑うつ、自分へのいらだちが高まっていくということ。そしてワーキングメモリが一気にパンクし、ヤル気を失ってしまう状態に陥ることに。無理が続けばやる気を失うだけではなく、うつ病の発症、果ては自殺へとつながっていく可能性もあるのだそうです。■失敗を恐れず思い切ることも必要!しかし大事なのは、まず失敗を恐れないことだと著者はいいます。「不完全を認めるスタンスを持つ」ということが、過度の完全主義から脱出するポイントだというのです。完全なクオリティを求めることだけがゴールではないわけです。だから、完全に仕上げなければ周囲から認められないという誤解にも、できるだけ早く気づくべきだといいます。とはいっても、融通の利かない強迫的な考えを変えるのは決して簡単なことではないでしょう。そこで意識したいのは、目標をゆるめて、失敗を恐れない態度を持つこと。仕事にしても完全だけを求めるのではなく、ある程度のところで「エイヤッ」と提出してしまう、そんな思い切りも必要だということ。何故なら100%を求めてイライラしていても、結果はあまり変わらないものだから。■悩みや不安を脇に置く効果的な方法では、具体的にどうすればいいのでしょうか?この問いに対して著者は、「悩みや不安があっても、いったんそれは脇において、ほんの少しの間でも別のことを考えてみてはいかがでしょうか」と提案しています。仕事のことしか考えられないような人だったとすれば、無理やりにでも温泉旅行の計画でも考えてみようということ。仕事の悩みや不安以外のテーマで頭を使う時間を、少しずつ長くしていくという発想です。往々にして、強迫的な人ほど型にはまることを得意とするため、悩みや不安以外のテーマを考える時間をパターン化するのは簡単だといいます。悩みや不安を「脇に置く」ためのもっとも効果的な方法は、考えることも行動も、やりすぎないように80%で抑える訓練をすること。常に100%を目指すのではなく、「80%できれば上々」だという思い込みを持つべきだというのです。■80%主義はパレートの法則と同じ「パレートの法則」をご存知でしょうか?全体の20%のなかに重要なものが80%あるという経済理論。たとえば最新型のパソコンの機能のうち20%を使いこなせれば、本来の目的の80%は達成したと考えられ、他の80%の機能は知らなくてもいいという考え方。それと同じことで、たった20%をマスターして、目的の80%が達成されたと考えるのなら、さほど難しくないわけです。だからこそ、こうした考え方を知るだけでも、過去の強迫的な行動のなかに「やりすぎ」だったものがあると気づくはず。そして、こうしたスタンスを持つことができれば、パンクしていたワーキングメモリも少しずつ回復し、徐々にやる気も戻ってくるだろうと著者は結論づけています。*著者の表現は今回も柔らかく、親しみやすいもの。押しつけがましさがないからこそ、無理なく心に入り込んできます。「やる気が出ない」ときに目を通せば、気持ちをうまく切り替えられるかもしれません。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※西多昌規(2016)『めんどくさくて、「なんだかやる気が出ない」がなくなる本』SBクリエイティブ
2016年09月17日『超・箇条書き―――「10倍速く、魅力的に」伝える技術』(ダイヤモンド社)の著者・杉野幹人氏は、米シリコンバレーで、そして外資系のコンサルタントとして、グローバルビジネスの第一線の人たちと仕事をしてきたという人物。世界最高峰のビジネススクールとして知られるINSEADのMBAプログラムでは、世界60カ国から集まった次世代のリーダー達と一緒に学んだそうです。そんななかで「伝えること」が傑出してうまい人たちと出会ったといいますが、彼らには共通することがあったのだとか。それは、「箇条書きが抜群にうまい」ということ。■忙しくて時間がないときこそ箇条書き事実、外資系コンサルのプレゼン資料の最初のページに図やグラフはなく、十中八九、箇条書きなのだといいます。理由は簡単。クライアントの多くは企業の経営者なので忙しい、そして時間がない。だから図やグラフによる分析や背景を聞くよりも、要点をすぐ理解したい。そのためコンサルタントは、伝えなくてはいけない要点を、短く、魅力的に伝える必要がある。そこで、その手段として、箇条書きが選ばれているというわけです。■同じ内容でべた書きと箇条書きを比較では、箇条書きにはどのような機能があるのでしょうか? それを知るために、ベタ書きと箇条書きを比較してみましょう。【ベタ書き】チェーンの牛丼はとても安くて、多くの人にとって買い求めやすいものだ。このため、お金のない学生であっても気軽にお店に入ることができる。そして、チェーンの牛丼はとても速くつくられて、速く提供される。だから、ビジネスパーソンにとっては、あまり時間がなくても、次に予定があっても気兼ねなく食事ができる。また、小さい子ども連れのファミリーにとってもありがたいだろう。待ちきれない子どももいるからだ。そして、チェーンの牛丼はとてもうまい。何度食べても飽きがこない。だから、朝に食べたとしても、夜にも食べることができる。【箇条書き】チェーンの牛丼のすばらしさは3つ。(1)安い(2)速い(3)うまいベタ書きは情報量が多く説明もていねいですが、なかなか頭に入ってきません。しかし箇条書きはシンプルで、すぐ理解することが可能であるわけです。■箇条書きで「10倍速く」伝わる理由いわば箇条書きは、ベタ書きにくらべて文章量が少ないことが特徴。すなわち、情報量が少ないわけです。つまり相手に届けることのできる情報量だけで考えれば、ベタ書きのほうが箇条書きよりも優れていることになります。しかしベタ書きは情報量が多いだけに、相手がそれを処理しきれなくなる、すなわち読み切ってくれない可能性があるわけです。あるいは中途半端に処理され、「情報は届くが、意味は伝わらない」ということも起こりうるということ。一方で箇条書きは、本来なら相手がすべき情報処理を、送り手が代わりに「短く」まとめています。ですから相手は情報処理が楽になるため、送り手の伝えたいことがより正確に伝わることになるのです。箇条書きの機能を理解すると、「箇条書きを使うのに向く状況」と「そうではない状況」がわかるようになるそうです。箇条書きが向くのは、相手に情報処理の手間をかけさせたくないとき。相手が忙しい場合などがそれにあたり、たとえば目上の人への報告などがその典型。また売り込みのプレゼンテーションなど、相手がこちらに対してあまり関心を持っていないときにも効果的なのだとか。■要点を「3つにまとめること」が大切ところで経営コンサルタントは「なんでも要点を3つにまとめる」とよくいわれるのだそうです。ただし重要なポイントは「3つ」ではなく、2つでも4つでもよいのだとか。いってみれば大事なのは「まとめること」、短く、箇条書きにすることだというわけです。経営コンサルタントが向き合うのは、時間に制約がある忙しい人たち。そのため、情報処理の負担を減らすことができる箇条書きで伝わることが求められるということ。■相手が勉強家だと箇条書きが向かないしかし、逆に箇条書きが向かないときもあるといいます。相手が情報処理の負担をいとわない場合は、箇条書きよりもベタ書きのほうが適しているわけです。相手は勉強家で、時間もあり、熱心に読んだり聞いたりしてくれるときには、情報量の多いベタ書きのほうが伝わるということ。また学んで実行に移そうとしてくれる相手には、あえて箇条書きにまとめず、じっくり時間をかけて説明することもあるでしょう。箇条書きとベタ書きは対立するものではなく、場面や相手に応じて使い分けるものだということです。*実際に目にしてきた多くの実例がベースになっているだけあり、著者の主張には強い説得力があります。本書を参考にしながら箇条書きを取り入れてみれば、ビジネスがよりスムーズになるかもしれません。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※杉野幹人(2016)『超・箇条書き―――「10倍速く、魅力的に」伝える技術』ダイヤモンド社
2016年09月17日「もっと仕事のパフォーマンスを上げたいのに、気分が乗らず、はかどらない」こう考えるのは、向上心のある、真面目な人。そう指摘しているのは、『気力より体力 一流のコンディションを手に入れる』(KADOKAWA)の著者・吉越浩一郎氏です。仕事に一生懸命で、「もっと仕事ができるようになりたい」と考える人ほど、「気力をもう少し出せれば、もっと成果を上げられるのに……」と悩んでしまうということ。しかし“もっと気力が欲しいビジネスパーソン”に欠けているものは、気力でも仕事の能力でもないというのです。なぜなら、そこには大前提=土台となるものが欠けているから。それはなにかといえば、ずばり体力。自身のビジネス経験、そして成果を出しているビジネスパーソンの共通点を探った結果、そのような結論に至ったのだそうです。つまり仕事に必要な体力がわかないのだとすれば、「とりあえずやる気を出そう」などという無謀な試みをするのではなく、仕事に必要な「体力」を整えればいいだけだというのです。だとすれば気になるのは「体力をどうつけるか」ですが、このことについてのキーワードは「8時間睡眠」「赤身肉」「1万歩」なのだそうです。■1:悩むヒマがあったら「8時間寝る」体をリセットする究極の方法は、毎日の睡眠。つまり誰にも毎晩、自分をリセットするチャンスが訪れるということです。そして睡眠の基本は「十分な時間」をとること。枕を変えたり睡眠に関する本を読んだりするよりも、とにかくまず「8時間眠ること」が大切だというのです。では、なぜ8時間なのでしょうか? 著者によれば、それは「自分に最適な睡眠時間」を知るため。もっと短い時間で十分な睡眠が取れる人もいるでしょうが、まず8時間眠ってみることで、その時間が自分に合うか否かがわかるというわけです。それを続けてみて、もし辛ければ、少し短くすればいいという考え方。そこで著者は、「早速今夜から8時間寝ることを自分に課してください」と勧めています。そしてそれだけで、疲労感が激減するというのです。8時間寝るためのコツはなく、大切なのは夜、早くベッドに入ること。もしもそのせいで朝早く目が覚めたら、ゆっくり二度寝を楽しめばいいのだとか。ちなみに著者は、トリンプ・インターナショナル・ジャパンの社長を務めていた人物。「いいリーダーの条件は『よく寝ること』」を持論とし、現役時代から8時間睡眠を自らに課していたといいます。時間に追われる企業のトップにとって、8時間睡眠をキープすることは現実的になかなか難しかったはず。しかしその意義を理解していたからこそ、続けることができたのでしょう。■2:赤身の肉を食べる日本人の肉の消費量は少しずつ増えているといいますが、それでもまだまだ少ないと著者は考えているそうです。そして、日本人が欧米人にくらべて体力がないといわれるのも、肉不足が大きく影響しているのではないかと推測しています。「肉は太る」「体に負担をかける」などという人もいますが、それは牛肉でいえば、脂たっぷりの霜降り肉をイメージしているから。しかし、探せば本当においしい赤身があるので、そういった脂の少ない部位を食べれば問題はないといいます。また、そもそも肉に一部は含まれる「脂」も、一概に悪いとはいい切れないもの。牛肉や豚肉の脂肪に含まれるアラキドン酸の一部は脳の内部でアナンダマイド遠いう物質に変わるそうですが、このアナンダマイドには「至福物質」という別名があるのだといいます。つまり、肉の油は幸せな気持ちをもたらすともいえるわけです。肉を食べたいと思うのは、「幸せになりたい」という思いの表れともいえるかもしれないと著者。だとしたら、それを禁じる必要などあるはずがないわけです。もちろん食べすぎるとまた別の問題が出てくる可能性はありますが、消費量がまだまだ少ない日本人は、むしろ積極的に食べたほうがいいといいます。ただし、脂を油で調理するトンカツや唐揚げよりは、ステーキや焼き肉など、余計な油はあまり使わず、脂を落とす料理法を選んだほうがいいそうです。■3:毎日1万歩歩く著者は会社をリタイアしてからジムに通っているそうですが、そんな時間が取れなかった現役時代は、普段の生活の延長で体のメンテナンスを行っていたのだといいます。そのうちのひとつが、歩くこと。代謝がよくなり、運動習慣も身につくので「1日1万歩歩こう」とよくいわれますが、それを実行したというわけです。でも、1万歩歩くためには、大人ならざっと1時間40分=100分、100歩には1分、1,000歩には10分が必要。「自由に使える時間が1日に5時間しかないのに、100分間も歩くなんて無理だ」と思われるかもしれません。しかし国民健康・栄養調査によると、日本人(成人)の平均歩数は男性で7,043歩、女性で6,015歩だというのです。つまり毎日すでに平均分は歩いているわけですから、あと3,000~4,000歩プラスして歩けば、1万歩を実現できるわけです。時間になおすと、30~40分余計に歩けば、目標を楽々クリアできることがわかります。しかもウェアを着て腕を振ってのウォーキングである必要はなく、ただただ歩けばいいのだそうです。この40分は、通勤時間のなかでも捻出することが可能。エスカレーターを使うのをやめて階段を使ったり、目的地の一駅前で電車を降りて歩いたりすれば、無理なく実現することができるわけです。*「体力をつける」というと難しいこと脳ようにも思えますが、このように、ちょっとした工夫で大きな効果を生み出せるもの。本書を参考にして、体力をつけてみてはいかがでしょうか?(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※吉越浩一郎(2016)『気力より体力 一流のコンディションを手に入れる』KADOKAWA
2016年09月17日『オラクル流 コンサルティング』(キム・ミラー著、夏井幸子訳、日本実業出版社)の著者は、オラクル社に置いて独自のコンサルティングスキル研修を開発し、さまざまなアイデアとスキルを活用しながらオラクルの販路拡大に貢献してきたという人物。本書においてはまず、オラクルという会社が持つ大きな特徴を紹介しています。オラクルでは、ITソフトウェア業界で必要な技術的スキルとソフトスキルの研究を全社員に提供していて、コンサルタントが、クライアントやパートナー企業向けのどんな研修も無料で受けられるようにしているというのです。つまりオラクルのコンサルタントが優秀だといわれるのは、競合企業も利用する教材にいち早く触れられるからだということ。社員教育に力を注ぎ、社員の意欲と満足度の向上に重きを置いているわけです。そんな社風に基づいて、オラクル独自のコンサルティング論を明かした本書から、「オラクルのコンサルタントの“30秒”の生かし方をご紹介しましょう。■エレベーターピッチを徹底的に練習せよコンサルタントなら、エレベーターピッチを徹底的に練習することが必要だと著者はいいます。ご存知の方も多いと思いますが、エレベーターピッチとは、自身のことや自社の製品、プロジェクトの方法論、テクノロジーなど、聞き手が知りたがることを簡潔にまとめたセールストークのこと。この出来不出来が、製品乗っ取り弾きや口コミにつながることもあるといいます。■エレベーターピッチは30秒間に伝えるエレベーターピッチと呼ばれる理由は、エレベーターで最上階まで上がる「30秒」ほどの間に説明を済ませられるように、いいたいことを要約するから。そのため、どんな状況にもマッチするように、エレベーターピッチは何種類も用意しておくことが大切だといいます。エレベーターピッチの目的は、役職名と仕事内容、そして会社の業務内容を聞き手に伝えること。そこで、十分な情報を盛り込み、最後にどんな用件か必ず伝えることが重要。そうすれば、聞き手も話しやすいわけです。そして車内での肩書き関わったら、エレベーターピッチの内容もその都度変えることが大切。■オラクルがどんな会社か30秒で答える仕事と製品について話を聞いた相手は、会社のことも知りたくなるもの。著者もオラクルについてよく聞かれるため、次のように答えるようにしているそうです。「オラクルは、データベース、ミドルウェア、ハードウェア、アプリケーションを扱う世界最大手企業のひとつで、社員にとっても働きがいのある職場です。オラクルの製品は、ほぼすべての業界で使われています。ここ数年、吸収合併を繰り返して事業を拡大していますが、それは、ゼロベースでつくり上げるよりコスト効率が高いからです。それで、本日のご用件はどのようなものでしょうか?」なるほどここには、オラクルという会社の将来性や企業買収に熱心な理由が凝縮されています。相手からすれば聞きづらい質問でも、こちらから先に情報を提供すれば、相手の質問をしやすくなるわけです。■事前に用意をすべきエレベーターピッチまた、自分の専門外のことについて聞かれてもあわてないように、次のようなエレベーターピッチを用意しておくことも大切だといいます。「申し訳ありませんが、その製品は私の専門外ですのでわかりかねます。我が社では専門分野のエキスパートの養成に力を入れているものですから。給与業務に関しては私でお役に立てますが、その後質問に関しては、担当のAを紹介させていただいてもよろしいでしょうか?この者からお電話を差し上げるよう手配いたしますので、お電話番号を押せていただけますか?私の名刺をお渡ししておきますね」わからないことはわからないと正直にいって構わないけれども、あとで勉強して自分の知識不足を補っておくこと必要だそうです。これらは一例にすぎませんが、つまり状況に応じたさまざまなエレベーターピッチを用意しておくことが大切だというのです。■いいエレベーターピッチは先輩から盗めいいエレベーターピッチをつくる最大のコツは、マネジャーやベテランコンサルタントからヒントをもらうこと。経験豊かなコンサルタントがクライアントと交わす話に耳を傾けていれば、会話のどこにセールストークを織り交ぜればいいのかわかるようになるといいます。自分の個性や経験談を盛り込みたい場合は、先輩たちの話をベースにし、そこに自分らしさをプラスすればOK。そして自分のスキルが上がったら、エレベーターピッチも更新することが大切。さらにいえば、なによりも大事なのは、完璧に暗記できるまで、練習に練習を重ねること。なぜなら、しどろもどろでは、相手に誠実な印象を与えることなどできないからです。*もちろんこれはほんの一例ですが、ここからもわかるとおり、本書の内容はオラクルでの時連れに基づいているだけにとても実践的。あらゆる会社の、あらゆるシチュエーションに応用できるはずです。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※キム・ミラー(2016)『オラクル流 コンサルティング』日本実業出版社
2016年09月04日『47原則―――世界で一番仕事ができる人たちはどこで差をつけているのか?』(服部周作著、ダイヤモンド社)のもとになっているのは、マッキンゼー・アンド・カンパニーでさまざまなプロジェクトに従事してきた著者によるメモ。ただ書きためるだけではなく、おぼえやすいように工夫した図表をつけて記憶するという方法でつくられたもので、「ルールブック」と呼んでいるのだとか。つまり本書は、著者がルールブックに書きためて実践し、「成果が上がった」と実感した仕事の進め方や、社内外のリーダーがさりげなくこなしている効果的な手法を聞き出し、「47原則」にまとめたもの。きょうはそのなかから、「3秒」の重要性に関する記述をご紹介したいと思います。■わざと立ち止まって3秒待つべしビジネスにおいて、大きな利害が関わっている場合は、質問への回答に迷うことがあるものです。「(こう答えたら)さらに難解な質問を浴びせかけられるのではないか」と不安になってしまったり、はるか上の上司たちの視線が背中に突き刺さるのを感じたり、あるいは、「全員に印象づけなければ」と焦ってしまうこともあるでしょう。しかも、相手が経営幹部レベルの重役や、重要なクライアントである場合は特にプレッシャーが大きくなるため、「さっさと答えてしまいたい」衝動にかられもします。しかし、そんなときこそ、わざと立ち止まり、「1、2、3……」と3秒数え終わるまで待つことが大切だと著者はいいます。■答える前には間をおくといい理由著者がマッキンゼーで教わった最善のアドバイスのひとつが、「難しい質問に答える前には必ず間をおくこと」。そして間をおく理由は、おもに3つあるそうです。(1)反応し、考え、最良の回答を考えるための時間を稼ぐ(2)沈黙はあなたの回答の重みを増すので、聞き手はより高い価値を感じる(3)劣勢の場合や緊迫した状況では過剰に反応しやすいため、間をおいて気を静めるまた、質問を分類ごとに把握しておくことが、常に聞き手に先回りするコツ。たとえばプレゼン後の典型的な質疑応答の場面では、質問はだいたい次の4つに分類できるといいます。(1)事実確認・情報収集型「X社の市場占有率は何%ですか?」「稼働率が75%未満の工場はいくつありますか?」(2)発見型「いますぐとるべき行動はなんですか?その優先順位は?」「『デジタル化したほうがいい』とおっしゃるなら、当社にどんな能力が必要ですか?(3)評価・比較型「2つのベンチマークを比較する場合、成功の主要因はなんですか?」「Cに与えるインパクトをどう評価しますか?」(4)挑戦型「なぜXについて調べなかったのですか?」「なぜもっと洞察力に優れた成果を出せなかったのですか?」■100%正しく回答しなくていい事実確認のための質問から、発見型、評価型、最後の挑戦型の質問に移るにつれて、回答にかける時間を増やすよう調整するといいそうです。そうすれば、適切な見地から回答することができ、「経験豊かで信頼できる」という印象を強く抱いてもらえるから。なお回答がいちばん難しいのは、理由や正当性を求める質問。そして陥りやすい落とし穴は、防戦に回ってしまうことだといいます。また、「その場で100%正しく回答する必要のない質問もある」ということを頭に入れておくといいそうです。マッキンゼーではこれを「回答の術(art of evasion)」と呼んでいたのだとか。大切なのは、難しい挑戦的な質問に対しても、まごつかずに答えられること。いかにも難しそうですが、著者によれば、これは誰にでも習得できるスキル。ただし、忍耐力と自信が必要。■相手の本当の望みを見抜くべし!たしかに、挑戦的な質問をしてくる人は、その場で正しい解答を期待しているとは限りません。むしろ大切なのは、相手の本当の望みを見抜けるようになることで、それが成熟したリーダーとしてひと皮むけるために必要なことだといいます。質問にすぐ飛びついて中途半端な解決策を提示するよりも、先送りするほうが賢明だということ。より優れた判断と適切な言い回しを使って、できるだけ好印象を与えるように回答することが重要なのです。そして最後の大切なポイントは「自信」。なぜなら、言葉に説得力をもたらすものは、得てして自分に対する自信だから。そういう意味では、会議室に足を踏み入れた瞬間から、自信に満ちた態度を示すべき。結局のところは、それがいちばん重要なことかもしれないと、著者は記しています。*他にも「心の持ち方」「考え方」「コミュニケーション法」「思いやりの持ち方」など、「47原則」は多岐にわたっています。だからこそ、役に立つ部分が必ず見つかるはず。ぜひ一度、手にとってみてください。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※服部周作(2016)『47原則―――世界で一番仕事ができる人たちはどこで差をつけているのか?』ダイヤモンド社
2016年09月02日9月1日は防災の日。今年は熊本地震や台風などで大きな被害があり、多くの人が普段とは異なる生活を余儀なくされています。『子どもを守る防災手帖』(MAMA-PLUG著、KADOKAWA)は、東日本大震災や熊本地震などで被災した1,089人のママの体験談をまとめたもの。テレビなどで報道される情報とは違う「生の声」を知ることで、自分や家族にとって必要なものはなにか、災害が起こったときはどうするべきかが見えてくるはずです。今回は本書のなかから、体験談をもとにした緊急時の備えをご紹介します。■1:避難バッグは「3種類」用意しておく避難バッグは、「常時持ち歩くもの」「緊急時に持ち出すもの」「備蓄用(自宅の安全が確保できたら取りに帰るもの)」の3種類に分けておくといいそうです。食料は緊急持ち出しのバッグは3日分、備蓄用は2~3週間分を用意しましょう。自分と家族の1日の生活を振り返って、必要なものを備えます。子どもがいる人は以下の項目をチェック!(1)乳児震災後は母乳が出なくなったり、量が少なくなったりしたという人も多くいます。母乳育児をしていても「哺乳瓶粉」「粉ミルク」「乳児用の飲料水(軟水)」は必ず備えておきましょう。紙コップを使ってスプーンで飲ませることも可能です。離乳食を食べる赤ちゃんは、ベビーフードも必要。大人用の食事は塩分や脂肪分が多いので注意しましょう。ベビーカーでの避難は危険なのでNG。抱っこ紐などを使い、歩ける子の場合は靴をバッグに入れておくのを忘れずに。(2)幼児子どもは食べ慣れないものを受けつけないこともあるので、腹持ちするお菓子などを普段からバッグに入れておきましょう。お気に入りのおもちゃや絵本があると安心につながることも。(3)小学生はぐれてしまったときのために、最低限の非常グッズをリュックに入れて背負わせましょう。非常食や、水、好きなお菓子のほか、名前や血液型、連絡先、アレルギーなどを書いた「パーソナルカード」や母子手帳・保険証のコピーも入れておきます。ただし、防犯上名前は外から見えないところに記入します。■2:生理用品や尿漏れシートも用意しておく女性の体験談では「プライバシーがない」「女性の必需品がない」「女性特有の疾患になった」という3つが被災後に困ったこととしてあげられています。震災のストレスから急に生理になったり、尿漏れが起こったりということもよくあるそう。生理用品とは別に尿漏れシートを用意しておくとよいでしょう。しばらくシャワーを浴びることができないと、下半身の疾患にもかかりやすくなるため携帯用ビデがあると便利だそうです。また、「サイズのあるもの」は遅れてくる支援品のため、ブラジャーも忘れずに。■3:非常用トイレの使い方を練習しておく非常グッズとして用意したものを使ったことがない人も多いはず。非常用トイレは、簡易的なものだと子どもが使いづらいということもあるので、一度試しておくとよいでしょう。実際に使ってみると、目隠しが必要だということにも気づくはず。テントがあればいいですが、ない場合はレインコートやポンチョなど代用できるものを探しましょう。また、救助を呼ぶためのホイッスルは小さい子どもだとうまく音が出せないことがあるので、練習しておきましょう。少ない息でも音が出るものや、子ども用のものもあります。■4:非常食が好みに合うか確認しておく「避難所での食事は偏りがあった」「ぐちゃぐちゃになった家のなかで食べ物を探すのが大変だった」という声があります。災害の発生当日から避難生活をイメージして、家族にはどんな非常食が必要か検討しましょう。乾パンやシリアルバー、ゼリー飲料など「そのまま食べられるもの」、アルファー米など「水があれば食べられるもの」、インスタント麺や粉末スープ、レトルト食品など「熱源があれば食べられるもの」の3種類を用意します。家族の味の好みに合っているか、腹持ちはするかなどを、試食して確認しておきましょう。温かい食事は消化吸収がよく、心を安定させるのでガスバーナーやカセットコンロがあると安心です。また、防災訓練の一環として「昼食をおにぎり1個で過ごす」という日をつくり、子どもと一緒にチャレンジしてみるのもよいでしょう。*非常時に必要な備えは、それぞれの家族によって異なるもの。ある人にとっては便利なものが、他の人には不要なこともあります。いろいろなケースの体験談を読み、自分ならどうするのか、子どもをどうやって守るのかを一度じっくり考えてみてはいかがでしょうか。(文/平野鞠) 【参考】※MAMA-PLUG(2016)『子どもを守る防災手帖』KADOKAWA
2016年09月01日『短時間で「完全集中」するメソッド』(佐々木正悟著、大和書房)の著者は、20代後半から30代にかけてアメリカに留学し、実験心理学を専攻してきたという心理学ジャーナリスト。その際、「ブラック・ルーム」という無音で真っ黒な部屋に被験者を閉じ込め、自分にお好きなことを徹底的に考えてもらうという実験をしてみたことがあるのだそうです。その結果としてわかったのは、どんな人でも、その気になればわずか1分で極端な集中状態に入ることができるということだったのだとか。そこで本書においても、「ブラック・ルームほど大がかりではないけれど、しかし『たった1分』で自分を変えられる集中法」を紹介しています。■まずは1分だけ集中してみるべしこの話題について語るにあたり、著者は、ある瞑想の指導者が「1分間瞑想法」というものを提唱したときのエピソードを引き合いに出しています。いうまでもなく「1分間だけ瞑想してみましょう」ということで、それだけでも効果があるというのです。しかし当然のことながら、彼のセミナー参加者からは「たった1分の瞑想で効果があるわけがない」という疑問が出たのだといいます。すると、その瞑想の指導者は、次のような説明をしたのだそうです。「瞑想の習慣を持っていない人に対して、『毎日30分、1時間瞑想しましょう』といったところで、そんな習慣はつきっこない。だったら、全然やらないよりは、1分間でも毎日やったほうがいい」このエピソードを通して著者が訴えようとしているのは、「瞑想をしない人は、『瞑想なんて、たいして意味がない』と思っていること。そして、同じことが「集中」にもいえるというのです。つまり「集中力」も、くだらないと思われがちなのです。だからこそ、「1分間だけ」集中してみることをおすすめしたいというわけです。1分間だけであれば、その内容がどうであれ、集中することはさほど難しくはないはず。しかも、特別な技能やツールも必要ないわけです。たとえ1分だけでも、毎日「集中しよう」と思って実践するなら、そこには大きな意味があるということです。■次は1分プラスして2分集中するさて、「1分だけ集中する方法」に続き、本書では集中を続ける時間を2分にしてみることも心がけてみようと提案しています。そして、ここで興味深い指標として紹介されているのが、ブログやオンラインマガジンを「文章を読ませたい」と思っている人たちが調べている「直帰率と滞在時間」。読者はそれらの文章を読むか読まないかを一瞬で判断し、わずかな時間を割いて情報を汲み取っていくということです。しかしじっくり読んでいる時間はないので、約8割の人は一瞬記事を眺めただけで読まずに他へ移動してしまうもの。これが直帰率ですが、直帰率はよくても70%、悪ければ90%を超えるというのです。つまり大半の人は、インターネット使用時に集中などしていないわけです。■直帰率と平均滞在時間が示すものでは、直帰しなかった人は、どのくらいの間、文章を読んでくれるのでしょうか?これは、「平均滞在時間」で計ることができるといいます。具体的には、1記事につき2分読まれれば「非常によい」といわれているというのです。インターネットは比較的新しい技術環境ですが、人間の自然な欲求をかなり満たしてくれるものでもあると著者はいいます。私たちは、よほど自分にマッチしたものでない限り、自然に集中して取り組んだりはしない。そのことを、「直帰率と平均滞在時間」という統計が教えてくれるということ。そして、それはおそらく新聞や雑誌についても同じだろうと著者は推測しています。■2分間だけ集中することに価値がしかし、そこで重要な意味を持つのが「2分間」です。つまり逆にいえば、2分間だけ同じものに集中していられるのであれば、それは「集中力が持続している」と考えることができるわけです。著者が「1分間」と同時に「2分間」にもこだわるのは、そんな理由があるからです。なんに対しても一瞬でどんどん目移りしてしまう習慣になんとか歯止めをかけ、「2分間だけ」集中して読んだり書いたりすることができるのであれば、それが意味を持つということ。集中力に関してはそこから一段階、新しいゾーンに踏み込むことができるというわけです。*本書で著者がその重要性を強調しているのは、「時間を忘れるほど没頭してしまうこと」の意味。そこにはたしかに、短時間で完全集中するためのヒントがありそうです。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※佐々木正悟(2016)『短時間で「完全集中」するメソッド』大和書房
2016年08月29日『マッキンゼーで25年にわたって膨大な仕事をしてわかった いい努力』(山梨広一著、ダイヤモンド社)の著者は、世界最高のコンサルティングファームであるマッキンゼー・アンド・カンパニーのトップコンサルタントとして25年にわたり活躍してきた人物。ほんの数年勤務しただけで「マッキンゼー出身」を謳う人も少なくないだけに、このキャリアには特筆すべき価値があるのではないでしょうか?ところでそんな著者は本書において、「努力」の本質的な意味をとらえなおしています。一般的に「努力することはいいことだ」と思われているし、もちろんそれはよいことなのだけれど、「努力をすればいい」と思った瞬間に大事なことを見失ってしまうというのです。つまり「努力をすればいい」のではなく、努力の質が重要だということ。同じ時間をかけるのであれば、すべて「いい努力」に転換したほうがいいという考え方です。たしかにそのとおりですが、だとすれば「いい努力」とはどのようなものなのでしょうか?著者によれば、それは7つあるそうです。■1:「成果」につながるものたとえば3年の再月をかけ、手塩にかけてリンゴの木を育てたけれども、ひとつも実らなかったとしたら、それは「いい努力」ではないと著者はいいます。「いい努力」とは、その努力をした結果、成果が出るもの。リンゴの木を育てるのなら、リンゴを実らせるのがいい努力だということです。■2:「目的」が明確なもの成果とは結果であって、すぐに出るものではありません。「なにをすれば成果につながるのか?」、そんなこと100%はわからないのが当たり前だということです。その状態で努力をするのだから、大切なのはいちばん先に目的を意識し、明確にすること。つまり、目指す成果がどんなものであるか、それを明確にすることだというわけです。いってみれば「いい努力」とは、目的が明確なもの。「自分はなんのために努力をするのか?」と、常に考える必要があるのです。■3:「時間軸」を的確に意識しているもの目的がはっきりしていても、「いつまでに」が漠然としていたのでは意味がありません。「5年以内に県内ナンバーワンのリンゴ農家になる」ことが目的なのか、「来年、リンゴを100個つくる」ことが目的なのかによって、努力の仕方は変わってくるということ。目的を達成する時間軸を的確に捉えていない努力は、「いい努力」とはいえないわけです。■4:「生産性」が高いもの「成果が出ることは出るけれども、そのためには膨大な時間と労力を要する」という努力も、「いい努力」とはいえないと著者はいいます。同じ成果を導けるのであれば、かかる時間やコストは小さいほうが望ましい。より短い時間と小さな労力で高い成果を出せるほうが、よりよい努力といえるわけです。■5:「充実感」を伴うもの「いい努力」をしている最中は、フラストレーションや挫折感を意識することは少ないもの。逆にいえば、「悪い努力」の場合、やってもムダなことをしたり、本当は必要のない障害を乗り越えるためにエネルギーを費やしたり、進んでいた道が行き止まりで戻るはめになったりするので、ネガティブな感情が生じてしまうということです。しかし「いい努力」には、余計な動きが少ないと著者はいいます。ムダなことに振り回されることなく、手応えを感じながら進んでいる状態になるのだということです。■6:「成功パターン」が得られるもの「いい努力」を続けていると、「高い成果を出すには、このパターンの努力がいい」ということが自然にわかってくるもの。「いい努力」をすればするほど、その蓄積によってたくさんの成功パターンを会得でき、さらにいい努力ができるようになっていくということ。また、自分自身の経験のほかに、うまくいっている人から学んで真似ることによって、成功パターンを増やしていくことも大切だといいます。■7:「成長」を伴うもの生産性が高く、高い成果が出るというだけで、それは十分に「いい努力」。しかし「いい努力」のあとには、「成長」といううれしい副産物がついてくるものだというのです。明確な目標に向かって、期限を意識し、生産性を高める「いい努力」をすれば、自分自身も身のまわりの環境も進化、成長するもの。「いい努力」をする人は、試行錯誤しながら成果に結びつくパターンをつかんでいけるし、まわりの環境がその人の働きかけによって変わっていくということです。成長した人が進化した環境で働けば、次はさらに高い成果を出すことができるという考え方。1年間でリンゴを5万個つくるパターンをつかんだ人が、そのパターンを使ってさらにいい努力をすれば、翌年には7万個生産できるようになっていくというわけです。*こうした“基本”をもとに、本書ではさらに奥深く「いい努力」のあり方を考えています。先にも触れたとおり、努力は有形無実になりがちなもの。だからこそ、その本質を見逃さないためにも本書を読んでおくといいと思います。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※山梨広一(2016)『マッキンゼーで25年にわたって膨大な仕事をしてわかった いい努力』ダイヤモンド社
2016年08月24日日本勢が大活躍していることもあり、リオ五輪が連日盛り上がりを見せています。そんなときだからこそ読んでおきたいのが、『メダリストに学ぶ 前人未到の結果を出す力』(松原孝臣著、クロスメディア・パブリッシング)。スポーツ総合誌『Number』編集部に10年間勤務したのちに独立し、以後はノンフィクション、スポーツをメインとしたライター兼編集者として活躍している著者が、多くのスポーツ選手や指導者50名の言葉を選び抜き、その背景とともに紹介した書籍です。「スポーツはあらゆる要素が凝縮された世界であるだけに、そこで生きている彼らの言葉には、あらゆる体験や心情が凝縮されている」という著者の主張には、とても力強いメッセージが込められています。きょうはそのなかから、数字に関わる印象的なストーリー「10の力が、20、30にもなる」を抜き出してみたいと思います。■不利な条件「低長差」を団結力で克服ロンドン五輪でのバレーボール全日本女子の銅メダルは、実に28年ぶりのオリンピックのメダルでした。でも、なぜ28年もの歳月が経過してしまったのでしょうか?理由は明快です。バレーボールは、身長差が競技の優劣につながりやすい競技だから。つまり全日本がメダルから遠ざかっていたのは、平均身長が低いという不利な条件を克服できずにいたからだということです。ロンドンでも参加12チーム中、下から3番目の平均身長だったため、その差を克服しての銅メダルだったというわけです。ちなみに大会のあと、勝てた理由として選手たちの口から出たのは「チームワークのよさ」だったのだとか。また眞鍋政義監督自身も、「団結力」が強みだったと語っているそうです。そして、そのチームワークが築かれた背景には、「ぶれないチーム」強化の方針が関わっているというのです。■目指す方向が一致するからまとまる!試合中にiPadを片手にしていたことから、眞鍋監督は「データの駆使」を特徴として挙げられていました。しかも漠然とデータを用いるのではなく、「日本のチームにとってなにが必要か」という観点から利用していたというのです。それが指し示すように、「どのような戦い方をしてメダルを目指すか」について明確な戦略があり、そのうえで戦術を立て、データも利用したということ。当然のことながら選手にも、「どのようなプレーを重点的に行うか」を明示したそうです。つまり、一貫した方針があり、「なにをすればいいのか」がはっきりすることで、選手には迷いがなくなるということ。みんなで目指す方向が一致するからこそ、まとまりが生まれるというわけです。■方針ひとつで真のチームワークが発生そして眞鍋監督はそのうえに立って、情熱を持って個々の選手と接していったのだとか。それが必要不可欠なことだということは誰にでもわかりますが、ここにも見逃せないポイントがあるようです。つまり、その姿勢が効果を発揮したのも、あくまでもチームの方針がはっきりしていたからだということ。だからこそ、単なる「まとまろう」というような精神面での協調ではなかったし、本当の意味でのチームワークが生まれたということです。■ビジネスでも応用できる3つの考え方しかしそれは、スポーツチーム以外の組織についても応用できることだと著者は主張しています。会社の一組織であれ、プロジェクトであれ、「目指す方向とそこに至る方針」がはっきりしていなければ、構成員はバラバラな方向を見てしまい、まとまりが生まれることはないということ。いってみれば、情熱を説くよりも前に、それがあるかどうかが重要な鍵になってくるという考え方です。そして、このことに関連して、著者は次の3点を読者に対して投げかけています。(1)目標と方針は明確か(2)精神論でごまかしていないか(3)目標と方針を周囲と共有できているか私たちにとっても、非常に重要な意味を持つ言葉だといえるのではないでしょうか?*ここにも明らかなとおり、アスリートたちの真実の姿を浮き彫りにした本書には、もうひとつの側面があります。単なる「すごい人たちの名言・ドラマ集」ではなく、彼らがやってきたことを、ビジネスの現場に応用させようという意図が込められていること。しかも、成功も失敗もくぐり抜けてきた人たちの言葉だからこそ、ひとつひとつが心を打つはず。なんらかの理由で落胆していたり、仕事で壁にぶつかったりしている人にも、強い力を与えてくれる一冊だといえます。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※松原孝臣(2016)『メダリストに学ぶ 前人未到の結果を出す力』クロスメディア・パブリッシング
2016年08月17日リオデジャネイロオリンピックで、日本は連日メダルラッシュ。トップアスリートたちの華々しい活躍が報道されています。彼らは4年に1度の大舞台で、どのように自分の持つ力を出し切り、大きな記録を打ち立てているのでしょうか?『限界の正体 自分の見えない檻から抜け出す法』(為末大著、SBクリエイティブ)の著者は、『侍ハードラー』の異名をもつ元プロ陸上選手。現在は会社経営やアスリートの社会的自立支援、陸上競技の普及活動など、幅広く活躍されています。本書で著者は、「限界」とは人間がつくり出した思い込みであり、人は自分でつくった「限界の檻」のなかに入り込んでしまっていると主張しています。「限界の檻」から抜け出すことができれば、自分の才能をもっと発揮できるのです。今回は本書から、「限界の檻」に囚われないための目標設定の仕方をご紹介します。仕事で伸び悩んでいる人、努力しているのになかなか結果がでない人はぜひ参考にしてみてください。■結果を出す選手ほど小さな目標を優先するオリンピック選手というと、小さなころから夢に向かって一心不乱に努力を重ねてきた人というイメージがありますよね。しかし、実は初めからオリンピック選手を目標にしていたという人は40%以下だそうです。結果を出しているアスリートほど「遠くにある大きな目標よりも、目の前の小さな目標を優先している」と著者はいいます。やみくもに大きな目標を立てるのではなく、その日の目標を立ててトレーニングを積み重ねるなかで、次第に「オリンピックに出る」「メダルを獲る」という目標が見つかっていくものだということです。■目標を「下方修正」すれば力を出し切れる目標設定を誤ると、せっかく立てた目標が逆に「限界の檻」となって成長を妨げてしまうことに。目標が「限界の檻」に変わるのには3つのパターンがあります。(1)目標にこだわりすぎる→自分を見失う(2)目標が遠すぎる→続かない(3)大きな目標を達成する→燃え尽きるたとえば、「インターハイで1位になる」という目標を立てた選手がいるとします。しかし、彼の実力を客観的にみると決勝に進出できるかどうかというレベル。そんな選手が「1位になる」という目標にこだわると、意識と体にズレが生じて力を出しきれなくなることがあるわけです。彼の場合は「1位」よりも「決勝進出」を目標に置く方が、力を発揮することができるのです。著者もこのような「目標の下方修正」を柔軟に行っていたといいます。■届きそうだと思える目標にすれば頑張れるモチベーションをキープするためには、一生懸命がんばれば手が届きそうな「ちょうどいい高さ」に目標を設定することが大切。「届きそう」だと思えれば具体的な対策を考えることができますが、「届かない」と感じると、なにをすればいいかわからずモチベーションが下がってしまうというのです。著者は大学時代、世界一のタイムからは差があるレベルでした。けれど「世界3位」なら手に届くかもしれないという実感があったそう。全体のタイムは速くなくても、スタートから1台目のハードルまでのタイムは世界と比べても遜色がなかったからです。「うまくスピードを持続できれば世界3位は夢ではない」と思えたからこそ、モチベーションを保ち、挑戦し続けることができたということです。■実は「自分らしさ」が限界を生んでしまう現代では「自分らしくある」ということが推奨されていますが、実は「自分らしさ」にこだわる人ほど「限界の檻」に入りやすいので要注意だとか。自分らしさを見つけることは、自分の限界を設定することに似ているのです。「私は◯◯なタイプ」「自分とは、こうなんだ」と自分で自分を決めつけてしまうと不自由になることがあるからです。著者は20代のころは自分のことを「考えるより先に行動するタイプ」だと思っていたそうですが、海外に出てみると自分よりもはるかに無鉄砲な人たちに出会ったといいます。もし海外に行くことがなければ、「自分は行動派」という間違った認識を捨て切れなかったのかもしれません。同じコミュニティにいる間は、「自分らしさ」も似たような人との比較でしかありません。自分が知っている自分はほんの一部であり、年齢や環境、状況によっても変わっていくものだと考えるべき。それに自分ではマイナスだと考えていたことが、外から見るとプラスに見えることもあります。「自分はこういうものだ」と決めつけずに、周りからのニーズに応えていくと「自分らしさの檻」から出るきっかけになるでしょう。*限界は目の前に立ちはだかる「壁」や「ハードル」ではなく、四方を囲む「檻」のようなもの。檻のなかでの生活に慣れると、挑戦する前から「やってもどうせ無理」などと考えるようになってしまいます。限界の檻から抜け出すのは簡単なことではありません。しかし、いまの自分に適切な目標を立て、全力で取り組めば必ず結果を出すことができるはずです。(文/平野鞠) 【参考】※為末大(2016)『限界の正体 自分の見えない檻から抜け出す法』SBクリエイティブ
2016年08月14日ラグビーの五郎丸選手の活躍により、一躍有名になった「ルーティーン」という言葉。一流アスリートが集中するために行うアクションのことですが、これは私たちの仕事にも取り入れることができます。朝起きたときや通勤中、仕事の途中にルーティーンを行うことで集中力を高めたり、気持ちを切り替えたりすることが可能になるのです。『ダラダラ気分を一瞬で変える 小さな習慣』(大平信孝&大平朝子著、サンクチュアリ出版)には、具体的なシチュエーションに合わせて使える50種のルーティーンが掲載されています。今回は本書のなかから、気持ちを切り替えるときに使える、数字を使ったルーティーンをご紹介します。■1:出かける前に10秒でベッドメイキングをするバタバタしがちな朝は、あえてベッドメイキングをすることで気持ちが切り替わり、清々しい気持ちで1日をはじめられます。軽く布団を整えるだけでもOK。それにベッドを整えておくと、夜帰宅したときも気持ちがよく、快眠につながるでしょう。毎朝起きた時に聞く「オープニングテーマ」を決め、その曲を聞きながらベッドメイキングすると、さらに効果的。リズムに合わせて踊りたくなるようなアップテンポの曲を選びましょう。■2:理想の人に3秒間なりきる「自分がどういう人間か」というセルフイメージは、その人の行動や人格にも影響を及ぼします。毎朝、駅の自動改札を抜けるときに理想の自分になりきってみましょう。改札に「ピッ」とする瞬間、胸を開いて姿勢を正し、颯爽と歩くのです。胸を開いた姿勢は心が上向きで、物事がうまくいっていることの表れ。この姿勢をとるだけでもセルフイメージは高まります。また落ち込んだときなども、3秒間この姿勢をとるルーティーンを取り入れると気持ちを切り替えるのに役立つでしょう。■3:パソコンに「10秒コマンドメモ」を貼っておく仕事中になんとなく休憩をとったあと、そのままだらだらしてしまって仕事モードに切り替わらないという経験のある人は多いのではないでしょうか。休憩後に仕事に集中できないのは、コマンドが不明確かつ、選択肢が多くあるから。明確なコマンドを1つだけ決めておけば、迷うことなく仕事に戻れます。そのためには休憩をする前に「いますぐ、◯◯の書類を見る」「いますぐ、Aさんにメール送信」など、次に取り組む仕事を1つメモしておくのが効果的。10秒あれば着手できる内容にするとスムーズに仕事に取りかかれます。ふせんなどにメモを書き、パソコンやマウスなどすぐ目につくところに貼っておきましょう。■4:人間関係で悩んだら「その人との5年後」を考える人間関係で行き詰ったときの対策のひとつに、「時間をずらす」というものがあります。それを応用したルーティーンが、「5年後はその人とどんな関係になってる?」と問いかけるというもの。いまはその人との関係にモヤモヤしているかもしれませんが、来年には自分が異動しているかもしれないし、他の人が異動してきて関係性が変化するかもしれません。5年もたてば、お互いに転職している可能性もあります。そう考えるといまの関係性は一時的なもので、長く続くものではないと実感できるはずです。もしそれでも気持ちが切り替わらないなら、「5年前はどんな人間関係で悩んでいた?」「5年前に悩んでいた人間関係にいまも悩んでいる?」と問いかけてみましょう。おそらく、なにを悩んでいたか思い出せないことの方が多いのではないでしょうか。いま悩んでしまうことも、5年後に成長した自分なら理解できることもある。そう信じて気持ちを切り替えてみましょう。■5:いまの自分の状態を「10点満点」で評価するいつでも100%調子がいい人はいません。調子がよくないと感じた日は自分の体と心の状態が10点満点で何点か、採点してみましょう。たとえば体の状態が6点で、心の状態が2点なら「体の疲れというより、心が落ち込んでいるな」と客観的に自分を把握でき、対策を立てることができます。また、2点の状態から10点にするのは難しくても、3点を目指すことはできるでしょう。体調が悪いのに、気合だけで乗り切ろうとするのはリスクが高い行為。自分の「現在地」を知り、そこから少しだけよくするための手を打つことが大切です。*本書には「緊張をゆるめる」「緊張を高める」「気持ちを切り替える」という3つのタイプに分けてルーティーンが掲載されています。自分に必要なルーティーンをいくつか用意しておくと、いろいろな場面で活用できるはずですよ。(文/平野鞠) 【参考】※大平信孝&大平朝子(2016)『ダラダラ気分を一瞬で変える 小さな習慣』サンクチュアリ出版
2016年08月13日『世界一受けたい心理学×哲学の授業』(嶋田将也著、ワニブックス)の著者は、やや重たい過去の持ち主です。なにしろ中学生時代にいじめられたことが原因で、うつ病を発症してしまったというのですから。しかし、それは可能性をも切り開いたようです。具体的にいえば、その経験をきっかけとして「心」の問題に関心を抱くようになり、高校では独学で心理学を学びはじめたというのです。さらに大学では哲学に出会い、さまざまな見方や考え方を身につけ、最終的には心理学と哲学を掛け合わせた独自の思考法を開発したのだといいます。そして、「昔の自分のように人間関係で悩む人の手助けがしたい」という思いから、『世界一受けたい心理学×哲学の授業』というブログを開設することに。読者は約8ヵ月で2,000人を超え、人気ブロガーになったのです。本書は、そのブログを書籍化したもの。そんな著者いわく、私たち人間は、外部の状況に関係なく自分の心をよい方向に持っていける「三種の神器」を持っているのだとか。それは「言葉」「表情」「態度」であり、魅力は次の2点に集約されるといいます。(1)才能のあるなし・年齢・男女差を問わず、万人が持っていること(2)いかなる場所でも使用可能であること自分の心を操ることができる人は、間違いなくこの三種の神器を持っているそうです。■1:心の三種の神器~言葉~話をするとき、言葉を選ぶときに大切な事があると著者はいいます。それは、自分の心がよい方向に向かう言葉を、自分で決めるということ。「大丈夫」「リラックス」「がんばらなくてもいい」など、今後の日常生活でよい気分になれる言葉があれば、それらをピックアップしてみるのもいいといいます。逆に、「よい気分になる言葉」がひとつもあげられないとしたら、それは普段“言葉を選べていない”証拠なのだそうです。しかし現実的に、自分にとって有意義な言葉を選ぶことはとても重要。たとえばイチロー選手はインタビューにおいて、言葉を選びながら話しています。それも、「自分の心の状態をいつもよい状態」にするために、どんな言葉を使えばいいか考えているから。ところで「食べたもので体がつくられる」いわれますが、著者は「発した言葉で心がつくられる」とも考えているのだそうです。だからなんにせよ、「自分の発言によって心はどうなるのか」を考えてほしいのだといいます。しかしそれは特別なことではなく、自分が発言する言葉を選ぶことは、「ダイエットをする人が肉を食べるか、野菜を食べるか」を選ぶのとなんら変わりはないのだそうです。■2:心の三種の神器~表情~感情がなんであろうと、その主導権を握っているのは表情。たとえば笑顔のまま怒ることはできないわけです。車でいえば、「感情」は目的地で、「表情」はハンドル。目的地があっても、ハンドルをそちらの方向に動かさない限り、いつまで経っても到着することはありません。当然の話です。でも感情=目的地を「喜び」にしたいのであれば、表情=ハンドルを「笑顔」の方向に回す。そうすることで初めて、実際に心が喜ぶのだといいます。しかし、ここで誤解されやすいのが、「だったら、嫌なことがあっても笑顔になればいいのか?」ということ。しかし、それは単なる「無理やりポジティブシンキング」でしかありません。そうではなく、普段から「自分がいい気分になれる表情」を選ぶ習慣をつけるということ。嫌なことがあってから無理に笑顔をつくるのではなく、普段から笑顔を心がけておくことが大切だという考え方です。■3:心の三種の神器~態度~「態度」も「表情」と同じで、“感情のハンドル”の役割があるといえるそうです。だからこそ「態度」も無意識に出すのではなく、普段から意識して選ぶようにすることが大切だという考え方。そうすることで、「態度」によってよい気分を引き出せるようになると著者はいいます。そして、態度に関連してもうひとつ大事にすべきなのが「呼吸」だそうです。悪気分のとき、人は浅く速い呼吸になってしまうというのです。そして、その浅い呼吸のせいで、余計に悪い気分になってしまうというスパイラルに陥るのだとか。しかし、普段から深呼吸をするように呼吸を整えておくことで、リラックスして自分のパフォーマンスをあげられるようになるということです。*先に触れたとおり、この三種の神器はいつでも、どこでも使える万能な存在。1日、2日で使いこなせるようになるものではないかもしれませんが、結果を焦らず、毎日少しずつ練習すれば、やがて思いどおりの感情が呼び起こせるようになるといいます。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※嶋田将也(2016)『世界一受けたい心理学×哲学の授業』ワニブックス
2016年08月13日ビジネスシーンでは、「仕事が速い」という表現を使うことがあります。仕事のクオリティも重要ですが、それ以上に評価されるポイントとなるのがスピード。「仕事が速い」ということは「仕事の効率がよい」という評価につながるため、「仕事がデキる人」と思われやすいのです。実際、『マイナビニュース』が会員300人に仕事がデキる人の条件を調査したところ、「仕事が速くて正確なスピードタイプ」がそのひとつにあがっています。石川和男さんも「間違いなく、仕事の速さは、仕事がデキることを占うバロメーターです!」と語ります。石川さんはいま、建設会社総務経理担当部長、大学講師、大原簿記専門学校講師、セミナー講師、税理士など、5つの仕事を掛け持ちしている人物。これだけ仕事を抱えていると、かなりの多忙かと思いますが、「仕事が速い!」ため、思ったほど多忙ではなく仕事もプライベートも充実しているとのこと。先述の調査で、自分は仕事がデキると思っている人はわずか17.7%ということもわかっています。大体6人に1人しかいないということは、デキる人になる極意が気になるはず。今回は、「仕事のスピード」をテーマに話を伺います。■速くこなすには部下に仕事を任せることが大事以前にくらべ、プレイングマネージャーが増えたように思います。プレイングマネージャーとは、部下の育成を行う「マネージャー」としての役割と、売り上げに貢献する「プレーヤー」としての役割を担うポジションのことを指します。私の周りにもプレイングマネージャーとして働いているリーダーが多くいますが、「仕事が終わらずに残業続きだ」という話をよく聞きます。このような立場にある方は、どのようにして仕事を速く片づければよいのでしょうか。経験のある人であればわかると思いますが、プレイングマネージャーの仕事は決して楽ではありません。いつも数字を追いかけ、部下の板挟み。そしてなにより、マネージャーでありながらプレーヤーとしても成果を上げなければなりません。このように激務なリーダーが仕事を速く終わらせるためには、仕事の効率を追求する必要があるのです。「仕事の効率を追求しても限界が生じます。まずは部下を一人前に育てあげることが大切です。それは部下に仕事を任せることです。失敗と成功を繰り返しながらでしか部下は成長しないからです。ところが仕事が遅いリーダーは、部下に仕事を任せません」(石川さん)これには、上司の心情やスタイルが影響を及ぼすように感じます。有能な部下がついた場合、部下に仕事を任せると自分の仕事がなくなります。また、部下が成長して自分が追い抜かれるのが心配などの理由で任せられないこともあります。また、別の理由もあるでしょう。仕事ができない部下がついた場合、任せてミスをされるのが心配、自分でやった方が速いなどの理由で安心して任せられません。結局、仕事が遅いリーダーは、どんな部下がついても仕事を任せず、ひとりで抱え込んでしまうことになるのです。「部下を一人前に育て上げるという重要な仕事を放棄したうえに、なにからなにまで自分でやろうとするために時間もかかり、仕事が遅くなってしまうのです」(石川さん)■部下を有効活用すると自らの評価も高められる仕事が遅いリーダーは、どんな部下がついても有効活用するどころか、仕事を任せようとしません。そのため部下の成長も、自分の仕事の時間も長引かせてしまいます。ところが、仕事のキャパが増えれば同時に処理能力も高める必要が生じます。仕事が遅いリーダーは、仕事を自分で抱え込むので毎日遅くまで残業しています。一方、仕事を任せてもらえない部下は、モチベーションが下がります。「仕事を任せられる」ことは、部下にとっては上司から信頼されたということでもあります。ここは、気持ちよく仕事を任せるしかないようです。「仕事が任せられなければ、現状の仕事に忙殺されて、いつまでもワンランク上の仕事ができません。ワンランク上の仕事=ジョブサイズが上がりませんから、悪循環のスパイラルに陥ってしまうのです」(石川さん)そうならないためにも、部下に仕事を任せることは必要です。しかし仕事を知らない部下に任せるのは時間と手間がかかるため、これも大きなストレスになります。たしかに教えるコツや、日ごろの部下との人間関係性も必要ですから、最初は時間と手間がかかります。しかし、はじめて自転車に乗る練習をしたときは転んで身体が傷だらけになりますが、上達すれば歩くより格段に速く移動できるようになります。仕事と自転車の練習を一緒にすることはできませんが、部下が育つまでの長期的視点が必要になるのかもしれません。*「パソコンをはじめたときはキーボードを叩いて文章をつくるのが大変ですが、上達すれば手書きより格段に速く仕上がります。部下に仕事を任せたときは、最初は遅くても、最終的には、任せることで仕事が格段に速くなることを期待しながら待つしかありません」(石川さん)また、仕事をともにするなかで、部下から仕事のノウハウを学ぶ機会があるかもしれません。知らないことを部下から謙虚に学ぶ姿勢も大切でしょう。プレイングマネージャーだとしても、できることは部下に任せ、マネジメントに力を注ぐことで好循環のスパイラルを生む。それが「仕事が速いリーダー」になるコツかもしれません。(文/コラムニスト・尾藤克之) 【取材協力】※石川和男・・・建設会社総務経理担当部長、大学講師、大原簿記専門学校講師、セミナー講師、税理士など5つの仕事を掛け持ちするサラリーマン。6月に上梓した、『仕事が「速いリーダー」と「遅いリーダー」の習慣』 (明日香出版社)が、発売3週間で4刷のベストセラーに。 【参考】※「仕事ができる人」ってどんな人?→「仕事が速いスピードタイプ」「コミュ力が高い」-マイナビニュース
2016年07月17日『リストマニアになろう!理想の自分を手に入れる「書きだす」習慣』(ポーラ・リッツォ著、金井真弓訳、飛鳥新社)の著者は、テレビ界のアカデミー賞とも称される「エミー賞」の受賞歴を持つアメリカの著名TVプロデュ―サー。それだけでも特筆に値しますが、さらに注目すべきは「リストマニア」であること。「いまの自分があるのはリストのおかげ」と信じて疑わないとすらいうのです。リストマニアといわれてもいまひとつピンときませんが、これは「リストづくりへの情熱を持っている状態」「リストづくりに異常なほど惹かれる状態」と定義されているのだとか。「たかがリストで大げさな」と思いたくもなりますが、著者は「エミー賞を受賞できたのもリストがあったから」だとすら断言しています。そればかりか、締め切りに追われていても、リストを使うことでさらに多くの仕事を進めることができ、海外での結婚式を計画し、引っ越し先を見つけることもできたのだというのです。リストを書くだけでそこまで変わるというのは、驚きではあります。ちなみに、リストをつくるプラス面は6つあるのだそうです。■1:不安が減って時間が増えるやらなければならないことが山積みになっていて、どうしたらいいかわからない。しかしそんな不安も、リストをつくれば和らぐということ。やるべきことを紙に書きはじめて(またはスマートフォンに入力しはじめて)頭から追い出したとたん、ストレスのレベルが下がるということです。それに、そもそも人は忘れる生き物。だからこそ、なにかを思いついたら、目立つように書いておくことが大切だといいます。■2:脳のパワーが高まるリストをつくるときに使う脳の一部は、普段は使わない部分なのだそうです。だから、人生をきちんと整理しながら、脳の力をアップさせて冴えた状態でいられるというわけです。別な表現を用いるなら、脳を活性化できるということになるのでしょう。■3:目的に集中できるたとえば、いろんなところから次々とメールが届いたり、忙しい生活を送っていると、物事に集中することが難しくなってくるもの。しかしリストがあれば、邪魔が入ったとしても、それまで自分がやっていた作業に戻るのが簡単になるそうです。つくったリストを手引きにすれば、目的を確認し続けられるということ。焦点をはっきりさせられるため、1日にやるべきことを前よりもたくさんできるようになり、しかも心から好きなことをする時間もあるということに気づくといいます。■4:自信が高まるやり終えた項目をリストから外していくと、達成感という素晴らしい感覚が味わえるといいます。そしてそれが自信につながるため、やる気も計画性も持続できるわけです。積極的に自分の人生に参加すると、さらに力を得られるもの。多くのことを片づけられるようになれば、「自分は成果をあげられる人間で、より有能だ」と思えるよいうになるだろうという考え方です。■5:思考を整理できる困難な決断をしなければならないときや、休暇の計画を立てるといったときも、著者は思いついたことのすべてを紙に書くことにしているのだそうです。リストを書き、目標の達成に役立つあらゆるステップを考えると、これから待ち受けているものに立ち向かう用意ができたように感じるのだといいます。そして当然のことながら、リストをつくって心のなかを片づければ、混乱状態になることも減っていくわけです。■6:心の準備ができるこのことを解説するに際して、著者はガールスカウトの公式モットーを引き合いに出しています。それは、「備えよ、常に」というもの。ガールスカウトに入っていようがいまいが、このモットーはとても大切だというのです。人生は、いつ、なにが起きるかわからないもの。だからこそ、自分にとっての優先事項をチェックできるリストが必要だということです。ちなみに著者は本書において、独自の「リストフル・シンキング(リスト活用思考)」を克明に解説しています。そして、それを身につけると、たとえば次のようなメリットがあるといいます。・職場でも家庭でも、もっと生産的で効率よくなれる・新しい戦略がわかり、悪いリストづくりの習慣が改められる・心からやりたいと思っていることに使える時間をより多く確保できる・いつもなにもかもやらなくてもいいように、人生のさまざまな面をアウトソーシングする方法がわかる・時間ができるので、もっとすてきなプレゼントをしたり、もっとすばらしいパーティを開いたり、もっとなにかに打ち込めるようになる・ストレスが減る*いわば本書を通じて著者が訴えかけているのは、より快適で効率的なライフスタイルの実現。そしてそのためには、リストを活用することがとても大きな意味を持つということです。本書は、日々のタスクに追われて疲れ切っている方の強い味方となってくれそうです。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※ポーラ・リッツォ(2016)『リストマニアになろう!理想の自分を手に入れる「書きだす」習慣』飛鳥新社
2016年07月15日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。この記事を読まれている方のなかには、講師やライターなど、“なにかを伝えること”を仕事にしている方もいらっしゃることでしょう。そんな方々とお話していると、ある共通の悩みがあることがわかります。それは、「話す(書く)ネタがなくて困っている」というもの。なにを喋ったらよいかわからない。なにを書いていいかわからない。私もそのような仕事をしているので、気持ちはよくわかります。しかし、私はこれまでネタに困ったことはほとんどありません。実際、よく周囲の人にも「深沢さんはなぜそんなに本を書き続けられるのですか?」「よくそんなにコラムのネタがありますね?」という言葉も頂戴します。そこで、そんな私がどうやってネタをつくっているのかをご紹介したいと思います。ビジネス数学の専門家ですから、たとえばここでは「方程式」を例に説明してみたいと思います。■1つのテーマにネタを最低3つつくるなぜ「方程式」を勉強するのか?これがテーマだとします。多くの方が、1つテーマを決めたら、それについて話すことや書くことは1つだと思ってしまうようです。しかし、私はそう考えません。私は1つのテーマを設定したら、最低3つはネタをつくるようにしています。いったいどのようにつくっているのか?その答えはとても簡単。着地を変えるのです。どういうことか、ご説明しましょう。■1テーマにつき3つの着地点を考えるたとえば、このテーマをいろんな角度や切り口で眺めてみるのです。次の方程式を解きなさい「X+5=10」仮にこんな問題があったとします。中学校で学ぶ数学、懐かしいですね。もちろん正解はX=5となります。しかし、実はこの「方程式」にはいろんな側面があります。たとえば筋道を立てて結論を導く行為、ミスなく正確に作業する行為、いつか理系ビジネスパーソンとして活躍するための基礎固め……。(1)筋道を立てて論述し、結論を導く論理思考のトレーニング(2)正確に作業をするトレーニング(3)ビジネスの問題解決に使われている思考法のトレーニング要するにテーマは「方程式」であっても、その定義や意味づけはいかようにもできるということ。つまり、伝える内容の着地のさせ方も複数あるのです。私が普段ネタを増やすときに、1テーマにつき複数の着地点を考えています。具体的には、1テーマにつき3つの着地を考えます。「1×3=3」というわけです。どんなテーマでも、ひとつネタを考えたら、次はまた別の視点を考えてみたり、違う切り口で取り上げてみたりすれば、ネタがどんどん増えていくものなのです。*このようにしてネタを増やすことで、伝えられる側も「なるほど。前に聞いた方程式の話は、そういう解釈もできるのか。おもしろいな」と感じることができます。実際、物事には表があれば裏があります。いろんな角度から見ることで、新たな発見や気づきが得られるもの。そして、人はそのような話を「おもしろい」と感じるのです。テーマは同じでも、着地を変えれば違うネタになる。言い換えると、かけあわせるものが大きく変われば、同じテーマでも全く違う内容になる、ということ。「ネタ欠乏症」になりがちな方は、ぜひ試してみてください。かけ算とは、こうやって使うものなのです。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年06月27日働いている人なら誰でも一度は「この仕事は自分に合っているのだろうか?」「もっと自分に合う仕事があるのではないか」と考えたことがあるでしょう。株式会社マクロミルが今年4月から働き始めた全国の新社会人を対象に行った調査によると、5月上旬の時点ですでに30%の人が「会社を辞めたいと考えたことがある」と答えました。特に会社に入ったばかりの頃は自分が思い描いていた仕事と違う、本職とは違う雑用ばかりやらされるなど、不満を抱える人も多いでしょう。今回ご紹介する『まんがでわかる 松下幸之助の人生を拓く教え』(竹内一正著、宝島社)は、「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助の思想や哲学をまんがで解説したもの。まんがの主人公もまた、置かれた境遇に疑問を持ちながら、自分の道とは何かを模索していきます。「今のままでいいのかな」と思ったとき、松下幸之助の教えが人生を切り拓くヒントになるかもしれません。■割に合わない仕事は将来のための「預金」である主人公は実家である豆腐屋で手伝いをしていますが、その仕事に自信を持てず、「もっと割のいい仕事があるのではないか」と悩みます。しかしそんなとき、店で修行しているスタッフの「お金をもらうことだけがすべてではない」という言葉にハッとさせられるのです。会社員として働いていても、自分の給料が割に合わないと感じる人は少なくないでしょう。松下幸之助は若い社員に今の給料で満足かどうかをよく尋ねていたそう。そして彼らに「今は給料の倍くらいの働きをしていると思っても、その分は”社会銀行”に預金していると思いなさい」と語ったといいます。先に社会に”預金”をしておけば将来自分の人生を導いてくれるものになる。つまり、”社会銀行”に預けたお金には大きな利子がついて戻ってくるというのです。これは苦労続きの人生を送ってきた松下幸之助の人生哲学ともいえるものです。また、幸之助は「給料の3倍働いているか自問自答する必要がある」といいます。これは自分を犠牲にしてでも会社の利益を確保しろという意味でも、単純作業を長時間行えという意味でもありません。自分のポジションよりワンランク上の仕事にチャレンジしなさいと言っているのです。仕事では「今を生きる」のではなく、「将来に生きる」イメージを持つことで成長につながっていくのです■仕事に線引きをしないことが成長へとつながる!幸之助は社会の中でお互いを生かし合う、「自他共栄」という価値観を大切にしていました。誰かが私利私欲に走れば、相互に繁栄することができません。これでは社会に本当の幸せは訪れないというのです。与えられること、得ることだけを追求し、奉仕や投資することをしなければ、争いごとが起きるだけです。会社の組織の中でも「自分の仕事はここまで」と線引きし合っていると成果は出ないもの。異なる部署のメンバーがお互い気をくばりながら、「良い仕事をしよう」と心がけることで成果が上がり、個人の成長も生まれやすくなるのです。■「この仕事が好き」と暗示をかけると楽しくなる主人公は憧れの業界への転職を思い描きながらも、次第に豆腐屋での仕事をもう少し頑張ってみようという気持ちが芽生え、これが自分に与えられた道だと考えるようになっていきます。松下幸之助は成功する人とそうでない人の違いは、「与えられた運命を、自分なりに前向きに生かそうとしてきたかどうか」だと言っています。彼もまた、貧しく恵まれない人生を送りながらも、他人と比較することなくその運命を受け入れ、前に進もうとしてきた人。「丁稚奉公に出たことで、幼いうちから世の中の辛酸を味わうことができた」「病弱だったおかげで、人に頼んで仕事をしてもらうことを覚えた」「学歴がなかったおかげで、人に教えを請うことができた」こんなふうに逆境を前向きに受け止めたからこそ、成功を手にすることができたのです。誰もが望んだ人生を歩めるわけではありません。その状況を受け入れるには「無理にあがいても仕方がない」という開き直りの心と、「この道を歩いて行けば、必ず自分だけの道につながる」と自分を信じる心が必要なのです。まずは今の自分の仕事を好きだと思い込むこと。幸之助は、社員が家族に「とてもよい会社だから、ここで頑張りたい」と言えることが大切だといいます。自分に暗示をかけ、しばらくはここで頑張る。そう決意を固めることで仕事の魅力や意義を見つけやすくなり、自分の力も発揮されやすくなるというのです。*最初から「これが自分の天職だ!」と思える仕事に就く人はなかなかいないもの。それならば今自分がいる場所で精一杯やってみることが大切なのではないでしょうか。不満ばかり言っているときには気づかない、今の仕事の魅力ややりがいが見えてくるかもしれません。(文/平野鞠) 【参考】※竹内一正(2016)『まんがでわかる 松下幸之助の人生を拓く教え』宝島社※2016年 新社会人の意識調査-株式会社マクロミル
2016年06月16日女性なら誰だって、より若く、より美しく見られたいもの。でもどんなにがんばってみても、服装や行動が見た目の年齢に合っていなかったら、周囲からは痛々しい若づくりと見られ、敬遠されたり、陰で笑われたりしてしまいます。そこで、“恋愛つやコンサルタント”としてテレビで活躍する一方、普通の人を芸能人のようなオーラに磨き上げる“魅力の法則”をセミナーや講演会を通じて指導している、おかざきななさんに「何歳になっても愛される見た目を作るコツ」について教えていただきました。■見た目は3つの要素から成り立っている「見た目」というと、どうしてもルックスのよさ、つまり美人かどうか、スタイルがいいかどうか、ということを考えてしまいがちです。もちろん、美人でスタイルがいいに越したことはありません。でも、それ以上に大事なことが実はあるとおかざきさんはいいます。「実は、『見た目』というものは3つの要素で成り立っているんです。それは、『容姿』『服装』『振る舞い』。この3つです。この3つのトータルの印象で、周りはその人のキャラクターを感じるんです」(おかざきさん)計算式で表すと見た目 = 容姿 × 服装 × 振る舞い3つの要素にどれかひとつでもNGがあれば、トータルでの印象がガクっと下がってしまいますね。極端な話、ひとつがゼロだとトータルの見た目もゼロの評価になってしまうのです。逆に、ひとつでも高得点があれば、全体としてのスコアもグッと上がります。なにか、すぐにできるテクニックはないでしょうか……?■スターと庶民の歩幅は15センチも違う「普段、歩幅を意識して歩いていますか?おそらく、多くの人が歩幅なんて意識したことがないんじゃないかと思います。だからこそ、歩幅をちょっと意識して歩くと、周りと一気に差をつけることができますよ」(おかざきさん)なるほど。歩幅を変えることなら、いますぐにでもできそうです。おかざきさんによると、歩幅のパターンは大きく分けて以下の3つ。(1)15センチ:「悩める小心者の歩幅」この歩幅だと、猫背になり、なんとなく暗い「悩める小心者」のような印象になってしまいます。(2)30センチ:「庶民の歩幅」多くの人がだいたいこの歩幅です。周りと同じなので、特に印象にも残りません。(3)45センチ:「スターの歩幅」この歩幅だと、背筋も伸び、速度もついて軽快になります。■見た目が変わると不思議と内面も変わる45センチで歩いてみると、不自然な大またのように感じてしまいますが……?「じゃあ、私が45センチの歩幅で歩いてみますね。どんな風に感じますか?」(おかざきさん)と、目の前で歩いて見せた45センチ歩幅のおかざきさんは、はつらつとして、歩いているだけでとても楽しそう。そして、堂々としていて、本当にスターのオーラをまとっているように見えます。「自分では不自然なくらい大まただと思っていても、周りから見ると不自然じゃないばかりか、背筋が伸びて、明るく元気で自信のある人に見えるんです。そうなると、不思議と本人も、内面がポジティブに変化してきますよ」(おかざきさん)実際に鏡の前でくらべてみたら、45センチに歩幅を広げるとさっそうと歩いているように見えます。自分ではちょっと大げさに感じるくらいでいいのかもしれません。庶民の私は、普段の1.5倍の歩幅を意識して歩くとちょうどいいようです。■振る舞いを磨けば「何歳でも愛される」見た目を磨くために、まずは振る舞いを変えてみるのが効果的だということがとてもよくわかりました。ちなみに、おかざきさんは今年55歳。失礼ながら、とてもそうは見えない愛らしさです。どうしたらおかざきさんのように、いつまでも「若くて美人」と思わせることができるのでしょうか?「男性が女性を見て『若くて美人』と感じるのは、やはり第一に『振る舞い』です。歩き方や座り方はもちろんのこと、笑顔や声の出し方も含めて振る舞いを磨いていけば、何歳になったとしても『若くて美人』と愛されますよ」(おかざきさん)*普段の無意識の行動が、周りから見た自分のイメージを作っているのなら、無防備なままではいられませんね。「振る舞い」はちょっとの意識でぐんと差が出ます。まずは振る舞いを意識して、いつまでも「若くて美人」を目指しましょう!(取材・文/宮本ゆみ子) 【参考】※自分を魅力的に魅せるアクションも学べる「ビジュアルトレーニング」ベーシックコース※おかざきなな(2016)『男が選ぶオンナたち 愛され女子研究』講談社
2016年06月09日戦場取材78回、戦場カメラマンになって23年。世界中の戦場で、そのリアルな状況とそこに住む市井の人々の生活を写真で伝えてきた、戦場カメラマンの渡部陽一さん。いまではマスコミでも活躍され、誰もが知る有名カメラマンのひとりでもあります。最近出版された『戦場カメラマンの仕事術』(光文社)には、戦場取材の作法や秘訣、戦場のリアル、命拾いをした体験、先輩ジャーナリストとの対談などが盛りだくさん。渡部さんの人柄や、仕事に対する真摯な姿が詰め込まれています。今回は、渡部さんが経験して学んできた「戦場カメラマンが伝える、仕事をする上で大切なこと」を伺ってきましたので、ご紹介したいと思います。■1:仕事の極意は「マメに動くこと」仕事では、「マメであることは力」と渡部さん。これは日本でも世界でも同じだそうです。「海外の外交官でも取材許可をくれる内務省の役人でも、マメに連絡をし続けると、決して許可証を出さなかった鉄壁も破れることがあるんです」海外のキーパーソンへのインタビューのときも、情報提供者に会い、その人の紹介の紹介の紹介の……と進んでいき、やっと意中の人に会える。まさに、マメに動き、粘り強く待つ、の繰り返し。しかし、そんなアナログな手法が一番効果を発揮したようです。また日本に帰国すると、渡部さんは戦場で撮ってきた写真を売り込みに、複数のメディア会社に何度も足を運んだといいます。最初はまったく見てくれなかった担当者さんも、3回、5回、10回と粘り強く何回も連絡をとり続けることで、少しずつ心を開いてくれるようになったとか。そうやって信頼関係を構築していったわけです。そして現在、渡部さんは写真集、著書、テレビ、ラジオ……多方面でご活躍中です。渡部さんいわく「マメさは武器」。仕事の内容問わず、マメに行動するスキルはぜひ身につけたいものです。■2:「石の上にも15年」の心意気でいること「どんな職種であっても、自分で悩み、納得をして決断したのであれば、努力を続けることが大切です。粘り強く待つこと、繰り返すこと、耐えることで道が開く。まさに『石の上にも15年』だと思います」と渡部さん。なかなか形にならないと焦るけれど、自分のペースでコツコツと動いていくことが重要。それでも続けていれば、どんな小さなものでも、必ず日の目をみられるものが出てくる……。経験から導き出された真実のようです。この「石の上にも15年」とは、写真の師匠でもある山本皓一さんからいただいた言葉で、渡部さんの座右の銘でもあるといいます。「若いときはみんな手探りだと思うんです。でも、その手探りこそが原動力でもあります。『これだけは続ける』と決めたことは粘り強く毎日続ける。その貯蓄が自分の支えになってくれるでしょう」仕事ですぐにくじけそうになったり、気持ちが折れそうになったりしてしまう人は、心に留めておくといいかもしれません。■3:たくさんの人と出会うこと&自分から会いにいくこと「人との出会いは爆発的な力を生み、支えてくれます。コツコツとたくさんの人に会いに行くことが大事です」渡部さんは人との出会いを本当に大事にしているようです。いろんな人との出会いのなかでたくさんのことを学び、行動の指針にもしてきたそう。取材相手はもちろん、現場で働いた仲間や指導して貰った先輩方との繋がりがあったからこそ、これまで戦場カメラマンとしてやってこられたのだといいます。渡部さんおすすめは、自分で「一週間で◯◯人の方に会う」とリズムをつくり、それを継続して、必ずその通りに動くこと。これがご縁や自信につながるそうです。■4:使命や夢をもつこと仕事に使命感をもつと強くなれる。これは、渡部さんのお話でよくわかります。「戦場に行くと、血だらけで、必死な目で訴えてくる子どもたちがいます。戦場の悲惨さをもっと日本や世界のたくさんの人々に知ってもらえれば、少しでも状況がよくなっていくのではないか、と。この可能性に自分の使命をかけています」“ここにいる子どもたちの声を伝えなければ”という気持ちが渡部さんの仕事の原動力になっているとのこと。使命をもって仕事をしている人は、やはり強い。へこたれそうなときにも心の支えとなってくれているようです。また、夢も仕事を支えてくれる大事なツールです。夢があればがんばれる。渡部さんの夢は、「戦争や紛争、争いが世界からなくなっていき、『戦場カメラマンはもういらない』となること」だそうです。辛い現場を目の当たりにしているからこその願いであり、その分、使命を感じて仕事をしているのでしょう。ちなみに戦場カメラマンがいらなくなったあとの夢は、『世界の学校カメラマン』なのだそう。仕事問わず、自分なりの使命と夢をもって仕事をしてみる。すると、やりがいが生まれて、気持ちも強くなれるようです。働くすべての人が参考にできることではないでしょうか。*世界中を飛び回り、仕事の仕方でも人間関係でも、いままでたくさんの発見や学びがあったという渡部さん。シビアな現場をたくさんみてきた渡部さんの言葉だからこそ、心に伝わるものがあります。今回の著書は、渡部さんの経験から導き出された人生の極意が詰まった本ともいえそうです。ぜひたくさんの方に読んでほしいと思います。(文/齊藤カオリ) 【取材協力】※渡部陽一・・・戦場カメラマン。学生時代から世界の紛争地域を専門に取材を続ける。戦場の悲劇、そこで暮らす人々の生きた声に耳を傾け、極限の状況に立たされる家族の絆を見据える。イラク戦争では米軍従軍(EMBED)取材を経験。これまでの主な取材地はイラク戦争のほかルワンダ内戦、コソボ紛争、チェチェン紛争、ソマリア内戦、アフガニスタン紛争、コロンビア左翼ゲリラ解放戦線、スーダン、ダルフール紛争、パレスティナ紛争など。 【参考】※渡部陽一(2016)『戦場カメラマンの仕事術』光文社
2016年04月22日『社会人1年目からの「これ調べといて」に困らない情報収集術』(坂口孝則著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、「フレッシュパーソンのためのあたらしい教科書」と銘打って創刊された「やるじゃん。」ブックスのなかの一冊。タイトルからもわかるように、「情報収集術」に関するノウハウがわかりやすく解説されています。きょうはそのなかから、大切な基本について解説された「情報収集5つの鉄則」をご紹介したいと思います。■1:情報収集は、上司へのヒアリングから社会人になると、上司から「◯◯について調査して報告しなさい」と要求されることがあります。しかし、ネットで検索しただけではよくわかりませんし、誰に聞いたらいいのかも検討がつかないもの。それどころか、資料が世の中のどこに存在するのかすらわからなかったりします。そんな新社会人に対して、著者は自らの経験値をもとにアドバイスをしています。資料を作るに際しては、次の表の項目を明確にすることが大事だというのです。・いつまでにつくればいいのか・資料の目的は明確になっているか・対象者は上司だけか、あるいは、さらに上の役員なども見るものか・報告手段はなにを求めているか・できれば、どういう結論を導きたいのか・上司はどのくらい詳しいのか︎特に重要なのは、「できれば、どういう結論を導きたいのか」。上司の意見を尊重しつつ、上司の仮説をていねいに修正し、適切な資料をつくることが大切だということです。■2:資料は「会社に役に立つもの」でなくてはならない情報収集とは、調べる行為だけではなく、考えることでもあり、さらには仮説を検証し続ける行為でもあると著者。しかも仕事でつくった資料は、会社のなかで使われるもの。だからこそ、会社が得するのか、効率化するのか、コスト削減できるのか、売り上げが伸びるのが、社員の職場環境が改善するのかなどの「実利」を追求することが必要。そこで資料をつくる前には、次のことを意識して情報収集をすることが大事。・ネットだけのつぎはぎ資料になっていないか・そのほか、情報源として信頼のおけないソースに拠っていないか・書籍、雑誌、テレビといった情報の単なるまとめになっていないか・あまりに原則論の、誰でもわかっている情報ばかりになっていないか大切なのは、その情報から新たな発見を導くことだといいます。■3:情報には「種類」がある著者によれば、情報には、一次情報、二次情報、三次情報があるそうです。一次情報とは、その情報源に直接当たったもの。誰かについて調べるとき、その人と会話したりインタビューすることです。二次情報は、新聞や書籍、テレビ、ラジオ、論文などから得た情報。誰かの発言を間接的に得る場合もあてはまるのだとか。一次情報を元につくりあげられているだけに密度は濃いものの、一次情報の「次」にあたるということを意識する必要があるといいます。そして三次情報は、情報源すらわからなかったり、何重にも編集しなおされたりしたもの。正式かつ厳格さを求められる資料であれば、避けるべきだということです。また、どの情報であれ、それが「事実」なのか「分析」なのか「希望」なのかを意識しなくてはならないわけです。■4:情報は常に疑おう!一次、二次、三次に限らず、その情報が信頼に足るものかどうかを意識することはとても大切。そして一次情報を使うときは、それを裏づける他の一次情報か二次情報を探すべき。つまり、重要なのは二重で確認すること。そのうえで大切なのは、直感的にも正しいかを常に自問すること。新しい内容に接するときは、「ほんとかな」と5回くらい疑うべきだといいます。■5:情報収集は「時間」が命資料提出に際しては、なによりも「期限」を守ることが大切。期限ぴったりに資料を報告したら及第点、期限より早ければ得点は3割増し、遅延は3割減だと著者はいいます。さらにもうひとつ重要なのは、情報の鮮度。つまり「いつの時点の情報を使うか」。常に資料の趣旨・目的をとらえ、多くの人たちが納得してくれるかを自問するとよいそうです。*情報収集は社会人に必須のスキルであるだけに、目を通してみればきっと役立つはず。また新社会人のみならず、すでに相応のキャリアを身につけている中堅ビジネスパーソンにとっても、忘れかけていたことを再確認するのに最適だと思います。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※坂口孝則(2016)『社会人1年目からの「これ調べといて」に困らない情報収集術』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2016年04月21日こんにちは、深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。私は仕事柄、多くの企業から社員研修のご依頼をいただきます。そのような研修の場では、参加者のみなさまからたくさんのご質問をいただくのですが、実はそのなかでとても多いもののひとつが「グラフ」に関することです。■グラフの正しい選び方とは?「たとえば会議資料などをつくるとき、何グラフを使えばいいのか迷うんです」もしかしたら、みなさんにも思い当たる節があるかもしれませんね。そもそもグラフというものは、伝えたいことがあるから使うものです。ですから、何グラフを使うべきか迷われたときは、この基本に立ち返ってください。「伝えたいことは、なんだ?」それが決まれば、必然的に使うグラフも決まります。たとえばある会社の従業員は男性が34人、女性が146人だとしましょう。この数字を使ってグラフをつくるとき、ただ漠然とグラフ化してはいけません。グラフを使うということは、なにか伝えたいメッセージがあるはずです。そのメッセージが伝わりやすくなるようなグラフを選択しましょう。たとえば、次のようなメッセージの場合。「女性従業員の人数は男性の4倍以上です」「従業員のおよそ2割が男性です」伝えたいメッセージが変われば、それにあわせて使うグラフも変わります。前者は人数の大小を伝えたいので、大小を表現できる棒グラフを選択。後者は「2割」を伝えたいので、シェアを表現できる円グラフを選択しましょう。■伝えたいことでグラフを選ぶ「何グラフを使えばよいかわからない」というのは、たいていが「なにを伝えたいのかが決まっていない」ケースです。特に伝えたいことがないときはどうすればいいか?簡単です。グラフにする必要などないのです。もっといえば、そのデータ自体、見せる必要などありません。なぜなら、そのデータにはメッセージがないのですから。みなさんは、そのデータでなにを伝えたいのでしょうか?どうか、データをグラフ化する前に少しだけ自問自答してみてください。そうすれば見違えるほど、資料は見やすく、わかりやすいものになりますよ。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年04月06日「自分は本番に強い」と断言できる人もいるにはいるのでしょうが、しかし現実的には「ついつい緊張してしまう」というタイプのほうが圧倒的に多いはず。『緊張しても乗り切る!「あせらない自分」のつくり方』(森川陽太郎著、大和書房)の著者も、それは決して特別なことではないのだといい切ります。どれだけ焦らないように準備をしたとしても、本番になれば少なからず緊張してしまうものなのだと。現在はメンタルトレーナーでありながら、「元サッカー選手」という変わった経歴を持つ人物。26歳での引退後に心理学やメンタルトレーニングを学び、これまでに多くのビジネスマンやトップアスリートのメンタルトレーニングを受け持ってきたのだといいます。興味深いのは、「自分の力を正しく把握する」ことこそが大切なのだという考え方。まずは「焦りがあって当然なのだ」と自覚し、そのうえで「焦らない人」ではなく「焦ってもできる人」を目指す。そうするにあたっては、「自分の力」と向き合うことが大切だと主張するのです。そしてその際、意識しておくべき大切なことがあるといいます。■「0か100か」の完璧主義は危険著者によれば、自分の力を発揮することが苦手な人の多くは、完璧主義の傾向があるのだそうです。そしてこのことを考えるにあたって無視すべきでないのは、完璧主義の人は「0か100か」という尺度で自分を評価してしまいがちだということ。そういうタイプは、すべてが完璧であれば満足できるものの、少しでも間違ったりミスがあったりすると、自分を「0点評価」してしまうというのです。たとえば、会議の時刻までに間に合わせようと思って資料をつくったところ、図表のデータを間違ってしまったとします。そんなとき完璧主義の人は、「やっぱり焦るとダメだな」「焦って失敗してしまった」という具合で落ち込み、自分の能力そのものを否定してしまうということ。しかし、この考え方に問題があることを著者は指摘しています。■間違えても現実的に評価してもよいそもそも、物事はすべて完璧にいくとは限らないもの。データを間違うくらいのことは、誰にでも起こりうることであるわけです。なのに、そういうところでいちいち自分を0点評価していたら、いつまでたっても自分に満足できなくて当然。もちろんミスはないに越したことはありませんし、資料のデータは正しいほうがいいに決まっています。しかし図表のデータをひとつやふたつ間違えたとしても、会議自体は成立するはず。間違った箇所については、「すみません。間違えました」と告げ、正しい数字を口頭で伝えれば支障なく乗り越えられます。つまり、「焦ってちょっとデータを間違ってしまったけれど、それ以外の部分で伝えたいことはひととおり話せたから、70パーセントの出来かな」と現実的に評価してもよいということです。■細かく数値化した自己評価が大切!では、焦った状況において、自分がどれだけのパフォーマンスを発揮できたのかについては、どのように判断すればいいのでしょうか?そのためには、その時々の自分の出来を、具体的な数字で表してみることが大切なのだと著者はいいます。「焦っても60パーセントはできた」「75パーセントはできていたと思う」というように、細かく数値化して自己評価してみることが大切だというのです。著者は「焦った自分」を受け入れるための手段として、一週間に一度、10分程度でもいいので、自分が焦っているときのことを考える時間をつくってみることを勧めています。そして「今週の焦ったことベスト5」をノートに書き出してみると、自分の焦りのパターンや傾向がつかめるようになるというのです。それに加え、同じノートに、「焦っても何パーセントできたのか」も記入しておくのもひとつの方法だといいます。■実際どれだけできたのかを把握する失敗したとき、「ダメだった」のひとことで片づけるのは、もしかしたらいちばん簡単なことなのかもしれません。ただし簡単であったとしても、そこから前向きななにかが生まれる可能性は著しく低いと考えるべきでしょう。つまり大切なのは、たとえ失敗したとしても、「実際にはどれだけできたのか」を把握しておくこと。それこそが次のステップへとつながり、ひいては「あせらない自分」を形成していくということです。*他にも本書では、さまざまな角度から「あせらない自分」をつくるためのメソッドを公開しています。緊張しがちだという方は、ぜひ参考にしてみてください。(文/書評家・印南敦史) 【参考】※森川陽太郎(2016)『緊張しても乗り切る!「あせらない自分」のつくり方』大和書房
2016年04月03日物事を習慣化するのは、現実的にとても難しいこと。何度もチャレンジするも、そのたびに失敗してしまうという方もいらっしゃるのではないでしょうか?しかし、習慣化がうまくいかないことには理由があるのだと説くのは、『自分を変える習慣力』(三浦将著、クロスメディア・パブリッシング)の著者。人材開発コンサルタント・エグゼクティブコーチであり、「コミュニケーションの質が企業を変える」という観点から、アドラー心理学やコーチングコミュニケーションに基づいた手法によって企業の人材育成や組織開発をサポートしているのだそうです。そんな著者によれば、習慣化がうまくくいかないのは、自分自身が意識していない心の奥底の深いレベルで、潜在意識の強烈な抵抗を受けているから。気持ちは前に進もうとしているのに、心の奥では気づかないうちにブレーキがかかっている状態だというのです。そこで潜在意識の特性を理解して抵抗を受けない状態にし、潜在意識を味方につける。それこそが、習慣化を進めるために大切だということ。ただ理屈ではわかっていても、ついつい三日坊主になってしまいがち。だとすれば私たちは、どのように三日坊主を回避すればよいのでしょうか?■自分を観察してやり方を見つける取り組むべき習慣が見つかり、その習慣化の具体的な目標が決まったら、次は「自分に合ったやり方を見つける」段階。その際に大切なのは、「自分を知る」ことだと著者。そのためには、自分のクセや行動パターンを観察することが肝心。自分を観察しながら、もっとも快適な状態で習慣化に取り組める環境をつくることが大切だというわけです。たとえばダイエットを例に挙げるなら、「運動で何割、食事コントロールで何割減らすか?」というような詳細を考えてみるべきだということ。■行動と快の感情と毎日結びつける習慣化の行動をすることと、快の感情を結びつけることも大切なポイント。たとえば誰にとっても、よい思い出と結びついた曲があるもの。そんな曲を、習慣化の行動をしているときに聴くことが効果的なのだそうです。朝のジョギング中に聴くなど、「その行動の最中に聴く」ことによって、快の感情が高まっていくことに。そしてそれを毎日繰り返すことで、潜在意識が「習慣化の行動をしていること=快」と認識しはじめるというわけです。すると潜在意識が安心し、深い結びつきができてくる。そして、行動の持続のために潜在意識が力を貸してくれるようになるというのです。また、そのお気に入りの曲を、習慣化の行動をしているときだけ聴くというルールをつくっておくと、さらに効果的だそうです。■行動しやすいパターンを見つけるもうひとつ重要なのは、「行動しやすいパターンを見つける」こと。たとえば、「その日にあった“よかったこと”を、毎晩寝る前に1行以上日記につけておく」ということを習慣化したいとします。しかし寝る前といっても、お風呂から上がったあと、歯磨きをしたあと、床に着く直前などさまざま。そのなかから、どの行動をする前や、どの行動をしたあとが自分にとっていちばん行動しやすい時間なのか、パターンを試してみるべきだということ。■目標が同じパートナーを見つけるそして、習慣化の種類によってはもっとも強力な方法が、「一緒に習慣化に取り組むパートナーを見つける」ことなのだといいます。なぜならダイエットや運動、英語の上達など、同じ目標を持つパートナーと一緒に進めていくことによって、やる気が高まり、中だるみを防ぐこともできるから。さらにもうひとつのメリットは、習慣化のやり方について、お互いの意見や実体験からのアイデアを交換できること。それにパートナーがいると、お互いに刺激し合うことができたり、楽しく進めたりすることが可能になるわけです。なお経営者やグループリーダーの方は、会社ぐるみやグループ全体で習慣化に取り組むのもよいそうです。昼休みの20分程度のジョギングや、有志だけの朝食ミーティングなど、ダイエットや早起きの習慣をみんなで促進していけるアイデアは数多いので、やってみる価値はあるということです。*習慣化にとって大切なのは、「がんばらない」「無理をしない」ということだと著者はいいます。習慣化に関するひとつひとつの活動が負荷のかかりすぎるものだと、長続きしないわけです。だからこそ、最初は成果が出ることを期待せず、定着に重きを置く姿勢が大切。それが、習慣化の成功につながるということです。(文/書評家・印南敦史) 【参考】※三浦将(2016)『自分を変える習慣力』クロスメディア・パブリッシング
2016年04月01日「文章なんて書けない」「文章を書くのは嫌い」と思っている人でも、たった40分で小説が書けてしまうというのが、『たった40分で誰でも必ず小説が書ける「超ショートショート講座」』(田丸雅智著、キノブックス)。著者は、若手ショートショート作家の田丸雅智さん。新世代を担うショートショートの旗手として活躍中です。本書は、田丸さんが小学生から年配者までを対象に実施している「ショートショートの書き方講座」を一冊にまとめたもの。文章に縁がなかった人も、作文嫌いの人も、田丸式メゾットのワークを行えば、たった40分で小説が書けるといいます。著者の田丸さんに、ショートショート創作の秘訣と、そのワークによって磨かれる能力について聞いてみました。■ショートショートは短くて不思議な物語ショートショートとは、一般的定義では原稿用紙20枚程度以下。新鮮なアイデア、完全な筋書き、意外な結末の3つの条件を満たしていることが条件で、田丸さんはそれを「短くて不思議な物語」だと表現します。さらに、「『構想はあるけれど小説は書いたことがない』という声をよく耳にします。小説を書くことはハードルが高いようですが、そんなことはありません。作文を書く際には『書かないといけない』という意識が働きますが、ショートショートならなにを書いても自由。書きたいという衝動に基づきワクワクしながら書いていると、いつの間にか文章になるのです」と、田丸さんはいいます。こうしたメソッドに従って書くと、40分で小説がつくることができるというのです。そんなショートショートの書き方は次のとおり。【事前ワーク】制限時間7分[1]名詞を探して書く(3分)太陽・タコ・発電・傘など、なんでも思いつく名詞を20個記入。[2]名詞から思いつくことを書く(4分)最初に書いた名詞からひとつを選び、その言葉から思いつくことを書きます。(「太陽」の場合、「ぽかぽかする」「発電に使える」「夕焼け」など)■ショートショート創作の「3ステップ」いよいよ書き方の実践。次の3つのステップに従って書いていきます。【ステップ1】制限時間5分:不思議な言葉を作る「発電に使えるタコ」や「ぽかぽかする傘」など、日常では耳にしないような言葉を考えます。事前ワークで書いた名詞と思いつくことを組み合わせてつくります。【ステップ2】制限時間8分:不思議な言葉から想像を広げるステップ1で作った不思議な言葉から1つを選び、「それはどんなものなのか」説明します。次に「それは、どこで、どんな時にどんないいことがあるか」、また「どこで、どんな時にどんな悪いことがあるのか」と、メリット、デメリットを書きます。【ステップ3】制限時間20分:想像したことを短い文章にまとめるここまで書いた内容をまとめれば、超ショートショートの完成です。所要時間は40分、文章は短くても長くてもOK、その文章がいいか悪いかも関係なし。■ショートショートで磨かれる4つの能力田丸さんの実施する講座は、仲間と見せ合いセッションしながらワークを行います。「人と言葉などを見せ合い、意見を論じ合うことが大事なのです。人のアイデアや発想を知ることで、自分の作品への相乗効果をもたらすからです」そして40分で書き上げた超ショートショート作品を膨らませて、少し長い文章にも挑戦していきます。ここまで行くと、小説を書くことも夢じゃないですよね。田丸さんは「このプチ成功体験で、作文が苦手な人でも文章が書けるという創作の楽しみを味わってほしい。体験を通して、自分が表現したいという欲求から文章力はどんどんついていきます」とおっしゃいます。このショートショート創作のワークを継続して行うことで、(1)文章力、(2)発想力、(3)論理的思考力、(4)コミュニケーション力の4つの能力が磨かれるともいいます。また、「ワークでは、アイデアを考えて広げる発想力と、考えたことの整合性を合わせて論じる論理的思考力の2つの力が同時に問われます。いいかえると、発想をつかさどる右脳と論理をつかさどる左脳が、ワークをしている間フル回転しているわけで、脳のトレーニングにもなるのです」とも。さらに、コミュニケーション力の強化にもつながると強調します。「書いたことを人に伝えること、また何人かとワークをし、アイデアを出し合ってセッションすること、この2つでコミュニケーション力が磨かれます。よってビジネスシーンにも応用することが可能です。広報や企画、開発に携わる方は、このメソッドを活用してみてほしいですね」(田丸さん)*ショートショート講座のワークは、言葉遊びの感覚で自由に楽しくできるのが魅力です。アイデアの考案からまとめて文章にするまで、40分とは短いようですが、制限時間の中で一生懸命考えるからできてしまうのです。普段は使わない頭を活用するのも健康面でいいのでしょう。講座の終了後は、「まるで私の頭じゃないみたい」「こんなに簡単に書けるなんて」という驚きの声が上がっています。名詞を書き出し、そこから不思議な言葉を発想するところなどは、仕事場で革新的なアイデアを考案するときにも役立ちそうです。物語を書きたい人、アイデア不足に嘆く人は、手に取ってみてはいかがでしょう。(文/森美奈) 【取材協力】※田丸雅智・・・1987年、愛媛県生まれ。東京大学工学部、同大学院工学系研究科卒。2011年12月『物語のルミナリエ』(光文社)に「桜」が掲載され作家デビュー。12年3月には、樹立社ショートショートコンテストで「海酒」が最優秀賞受賞。新世代ショートショートの旗手として精力的に活動している。主な著書に、『海色の壜』(出版芸術社)、『ショートショート・マルシェ』(光文社)、『日替わりオフィス』(幻冬舎)などがある。 【参考】※田丸雅智(2015)『たった40分で誰でも必ず小説が書ける「超ショートショート講座」』キノブックス
2016年02月29日『飛び抜けたアイデアを出す人がやっている ブレイクスルー思考トレーニング』(ひもとあやか著、日比野省三監修、日本実業出版社)は、「普通」の思考法から抜け出して、「飛び抜けたアイデア」や「突き抜けた発想」を得るためのメソッドを紹介した書籍。「この発想はなかった!」と大勢の人から称賛されるような商品やサービスを考えたい人に“使える”思考習慣がつまっています。監修を担当しているのは、1990年に南カリフォルニア大学のG.ナドラー教授とともに「ブレイクスルー思考」を発表して世界的に注目を集めたという人物。そして、ブレイクスルー思考研究に従事、企業・行政・学会等での講演、研修の講師を務めている著者が、その考え方をまとめています。まず意識しておくべきは、「いかに賢く考え選択するか」を意識的に行うことでブレイクスルーを可能にする選択者たちを「スマートセレクター」と呼んでいる点です。人間だれしも、「あの選択は間違いだった」という後悔の一つや二つはあるもの。プライベートでもそうですが、ビジネスでも選択肢を間違えて大損するのはよくあることです。しかし、賢い選択ができるようになれば、そんな失敗はなくなります。自分自身がスマートセレクターになって飛躍するためには、「3つの選択力」が重要な意味を持つのだといいます。■第1の選択力:セルフメイド選択私たちは、上司や親、先輩、友人、歴史上の人物、著名人、世間の同世代などがうまくやってこられたことを、「みんなできたんだから、きっと安全に違いない」と考えてしまいがち。たとえばビジネスの世界でも、「競合他社が成功したのだから、我が社もきっと大丈夫だ」というような話はよくあります。しかしこれは、著者によれば「レディメイド選択」。レディメイドとは大量生産される既製服のことですが、つまりは前例や成功例に依存しきった選択方法だということ。たしかに誰かがやってうまくいったのであるなら、楽で安全なように思えても無理はないでしょう。しかし、実はそこが落とし穴。なぜなら誰かがうまくいったとしても、主役や場所や時が違えば当然のことながら同じ結果は生まれないはずだから。いわば、そんな状況下で「同じような問題だから、同じように解決できるはずだ」と楽観視し、選択してしまうのがレディメイド選択だということです。いっぽう、違いを見落とさないだけでなく、違いを最大限に活かすのがスマートセレクター。どんなときにも、「万物にはユニークな差がある」ということを前提として選択するわけです。どれだけ状況が似ていたとしても、関わる人や目的、価値観、場所、時が違えば、「似て非なる問題」と考える。そして、どんな場合にもあてはまる「ほどほどの解」ではなく、特定の場(主役、場所、時)にとって最適な解決策を考え抜いて選ぶ「セルフメイド選択」をするべきだということ。■第2の選択力:目的情報選択当然といえば当然ですが、人は「より多くの情報を収集してから分析するほうが、適切な答えを得られる」と考えてしまいがち。しかし、主役・目的が違えば、必要な情報も違ってきます。だからこそ、「誰が主役で、目的はなんなのか」を明確にしないまま、情報を集めることだけにとらわれてしまうと、混乱してしまうだけ。しかしスマートセレクターは、闇雲に多くの情報を集めるのではなく、問題解決に必要な、解決策に関する情報を“最小限”集めるもの。まず「セルフメイド選択」で場を設定し、主役の視点から目的を明確化。次いで「目的のためにはどうあるべきか」を考え、必要最小限の情報を効果的に集める。それが、スマートセレクターの第二の選択である「目的情報選択」。■第3の選択:ズームアウト選択スマホやカーナビで地図を検索したとき、目的地にズームインしすぎると周辺の道やお店はわかっても、現在地からの道順がわからなくなってしまいます。だからそんなときはズームアウトして、全体を確認する必要が出てくるわけですが、物事についても同じことがいえるそうです。全体が見えていない場合は、選択そのものを誤ってしまう可能性があるということです。そこで必ずズームアウトし、目的性・連動性・全体性を見ることが大切。現実的には、安全だと思っていたルート(手段)がなくなってしまうことも少なくないでしょう。だからこそズームアウトして全体を見渡しながら事前に危険を察知し、柔軟にルート変更できるようにしておくことが重要。そうでないと衝突・沈没したり、行き詰まったりしてしまうわけです。著者によれば、「夢や理想があっても叶えられない人」と、「次々と実現していくスマートセレクター」との違いはここ。そこで、行き詰まったら、ズームインしすぎていないかを確認してひとまずズームアウトし、「目的を達成するためには、どんな仕組みが必要なのか?」を考えてみることが大切だということ。*さまざまなキャラクターを設定し、彼らの考え方や行動に沿って「ブレイクスルー思考」が解説された内容。「突出したなにか」にたどりつくためのヒントを、ここから見つけ出すことができるかもしれません。(文/書評家・印南敦史) 【参考】※ひもとあやか、日比野省三(2016)『飛び抜けたアイデアを出す人がやっている ブレイクスルー思考トレーニング』日本実業出版社
2016年02月28日毎日、残業続きで疲れていませんか?『Vorkers』の調査によれば、会社員の平均残業時間は平均47時間。41.2%の人が20時間から40時間の残業をしていることがわかっています。残業を減らすためには、作業効率を上げることが必要です。しかし、どのようにすれば作業効率は上げられるのでしょうか?今回、『itv』を参考に作業効率を上げるためのポイントを10個にまとめました。■1:残業しない疲れているときに2~3時間仕事をしたところで、成果は上がりません。残業すると、なんとなく仕事をしたような気持ちになりますが、実際には集中して定時までに仕事を終えたほうが能率はいいのです。仕事はダラダラ長時間するのではなく、メリハリをつけて短時間で終わらせる習慣をつけましょう。■2:5分休憩してリフレッシュする人間の集中力は25分から、せいぜい45分くらいまでしかもちません。30分に一度くらいを目安に、休憩するようにしましょう。コーヒーを飲む、立ち上がってストレッチする、外を眺めるなど、少しデスクから離れるだけで、集中力が回復します。■3:体を動かす立ち上がって少し体を動かすことで、脳に血液が送られ、気持ちがリフレッシュされます。疲れがたまって思考が鈍ってきたら、15分ほど体を動かしましょう。ストレッチや、フロアを歩き回るのも効果的です。■4:短いミーティングを行うやることが山積みになっている状態では、なにがいちばん大事なことかわからなくなってしまいがち。毎日チームで重要事項を共有するミーティングを行うことで、仕事の優先順位を確認しながら効率よく仕事を進めることができます。こまめに短いチームミーティングを行うと、会議を短時間に収めることもできるようになります。■5:メールの処理に時間をかけないビジネスで本当に大切なことは、すべてメールの受信トレイの外で行われています。メールの処理は時間をかけずに、必要なものだけ迅速に行うようにしましょう。メール処理に時間を取られるのはナンセンスです。■6:「イヤなこと処理時間」を設定するクレーム処理などのイヤな仕事、気が重くなるような仕事を後回しにしていませんか?仕事を後回しにしても、結局1日中そのことで頭がいっぱいになってしまうもの。どうせやらなければならないことなのですから、業務開始後の1時間を「イヤなこと処理時間」として設定し、はじめにすべて終わらせてしまいましょう。■7:やるべきことは覚えずメモする人の脳には限界があります。自分の頭で覚えなくてもいいことは、外部メモリに頼りましょう。やるべきことやスケジュールなどはメモしてしまい、考える作業だけに脳を使うのです。便利なアプリもありますし、普通のメモ帳でも構いません。それだけで作業効率がぐっと上がります。■8:考える時間をつくる仕事中に黙って考え込んでいると、「ボンヤリするな」と怒られてしまいそうですが、実はこうした「考える」時間こそが重要なのです。いま優先すべきことはなんなのかと考えたり、また、新しいアイディアなどを生み出したりするためにも、「ただ考える」時間は重要です。■9:会議に出席しない議題や終了時間が明確でない会議はもちろんですが、こうしたことがハッキリしている会議でも、基本的には時間の無駄です。欠席する旨を伝える謝罪メールを打ったほうが、よほど時間を有意義に使えます。■10:自分の言葉を意識する言葉は自分にも相手にも影響を与えるもの。言葉の使い方ひとつで、仕事へのモチベーションも変わってきます。後輩を注意するときでも「なんでこんなミスをしたのか」と言うより、「このミスは次回からしないように」と言ったほうが素直に聞いてくれるでしょう。言葉も仕事の道具のひとつです。意識して使うように心がけましょう。*仕事は長時間すればいいというものではありません。大切なのは、効率を上げること。短時間で、よりよい成果を上げるように心がけましょう。(文/スケルトンワークス) 【参考】※Top 10 tips to increase productivity in the workplace-itv※約6万8000件の社員クチコミから分析した’残業時間’に関するレポート-Vorkers
2016年02月25日