大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(72)が、読者からの相談に答える!【Q】「3人の子どもと感染予防で在宅勤務している夫。5人で狭い家で過ごしているとウツになりそう。買い物に付いてくる夫は、刺身をカゴに勝手に入れるし、あ~、イライラする!!」(マシャ萌えさん・47・主婦・東京都)【A】「今はイライラしたら負け。ただ淡々と過ごすべし」(蛭子能収)今は、イライラしたら負けですよ。平然と過ごしたほうがいいかもしれません。夫には「ムダ遣いしたくない」とやんわり言ったら違う反応があるかもしれませんよ。オレも閉じこもっています。出無精になって太って腹が苦しくなりました。そしたら女房がイトーヨーカドーで1,400円の大きいズボンを買ってきました。すごく安いけど、思えばズボンなんてはければ十分ですよね。3月上旬に、無観客レースが行われているボートレース住之江でロケをしました。スタッフに頼めば、ネットで舟券も買えたので、貸し切り気分で満喫できると思ったら、後ろめたい気分で楽しめませんでした。レースは負けましたが、その悔しさは半減していました。冷静に考えてみると、たぶん勝ったときも「どうだ!」と周囲にわかるようにオーラをかもしながら換金するのがたまらないんですよね。ギャンブルの奥の深さに気づきました。ふだんとは異なる生活ですが、いろんな気づきを見つけて、オレは淡々と生きています。「女性自身」2020年5月12・19日合併号 掲載
2020年05月11日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】家族が新型コロナウイルスにかかると、お見舞いもできないし、死に目にも会えないと聞きます。火葬にも立ち会えません。こういう状況で、どのように感染してしまった家族に寄りそえばいいのでしょうか?また、どのように自らの心を整理すればよいのでしょうか?逆もまたしかりで、自分が患者になると、家族にも会えなくなります。もしかしたら、そのまま死んでしまうかもしれません。そういう状況で、どのように心の平安を保てばいいのでしょうか?(番外編・編集部から)【回答】おっしゃるとおりですね。私が勤務している緩和ケア病棟でもご家族の面会が制限されています。最後の時間を一緒に過ごせないというのは、本当になんと申し上げてよいか……。さて、あなたさまが今リアルにそういうご状況に面しておられるのか、もしそうなったらを想定してご心配なさっているのかによってお伝えすることが異なりますので、二通りにわけてお伝えいたします。いま、まさにそういうご状況でいらっしゃるとしたら、本当にお辛いことと思います。おかけする言葉が見つかりません。会うことすらできないのにどのように寄りそえばいいのか、胸が痛みます。私は、ご家族との面会ができなくなってしまったご本人さまとお話をさせていただいているので、そのご様子をご参考までに。みなさま病室でテレビをご覧になったり、スタッフから情報を聞いたりして世の中の状況をよく把握していらっしゃいます。そして、みなさんご自分のことより、ご家族のことを心配していらっしゃいます。見舞いに来る道中で感染したら大変だと。また、ご家族と直に会えないのならと携帯電話のビデオ通話でお話をされたり、手紙のやりとりをなさったりする方もいらっしゃいました。厳しい制限の下ではありますが、みなさま懸命に過ごしていらっしゃいます。そのお姿を拝見するにつけ、お見舞いに行くこと、死に目に会うこと、火葬場でたたずむこと、これらのことだけが「寄りそう」方法ではないと教えられる日々です。寄りそうとは、どういうことなのか。私たちは、あらためて真摯に考えるべきときを迎えたのかもしれません。また、ご自分が感染してしまった場合。ご家族にも会えない、そして、死んでしまうかもしれない。そうなれば当然、心は乱れます。平安を保ってなどいられないでしょう。現代医学は、精一杯奮闘してくれていますが、最期のジャッジがどうなるかは、もはや祈るしかないのが現実です。人間は無力ですね。本来、無力なのです。すべての人がその人の望みどおりに在ることができるように、心から祈るばかりです。さて、もしそうなったらどうしようという“たられば”でご心配されていらっしゃるのなら、即考えるのをやめましょう。いますぐに、です。そんなことを考える時間があったら、しっかり食べて、しっかり寝て、しっかり動いて、免疫力をあげていきましょう。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年05月08日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】非常事態宣言を受けて仕事が完全に在宅勤務となった夫がずっと家にいます。結婚してこのかた、平日も休日も、朝から晩まで家で一緒に過ごすということがなかったので、かなり疲弊しています。食事も朝昼晩と三食用意しなくてはならず、メニューを考えるのも億劫で……。いまこの状況なら、定年退職したあとはどうなってしまうのかと途方に暮れています。(女性・48歳・専業主婦)【回答】狭い犬小屋に多くの犬を閉じ込めておくと、次々と争いや病が生じるそうですよ。おっと、ワンちゃんの例えなんかで失礼。つまり、最初にお伝えしたいのは、平日も休日も朝から晩まで家で一緒に過ごすことになって、いまのような気分におなりになるのは、生物としてしごくあたりまえのことだということです。心の問題ではなく、物理的な環境の問題です。まずは、そこをしっかりとわかっておきましょう。べつに、お互いの愛が冷めたわけでもなんでもないってことをね。あとは、その物理的問題の解決策ですね。ふたつほどご提案させてください。ひとつめ。「定年退職したらどうなってしまうのか…」と途方に暮れていらっしゃるようですが、定年退職後までお二人ともお元気でずっと一緒にお過ごしだと保証書でも出ていますか?まだお若いから、定年はあと20年くらい先のお話かしら。いやいや、20年後は定年が80歳になっているかもしれませんよ。ね、いまと同じ世界が続いているかどうかですら、私たちにはわからないのです。自分勝手に作り上げた未来像に、勝手に途方に暮れるのは、なんだかいろんなものがもったいない気がします。ふたつめ。これはすぐにでも実行できますよ。食事も朝昼晩三食用意しなくてはならず、メニューを考えるのも億劫なら、一日やめてごらんになったら?「そんなことできるわけがないでしょう」って、怒られそうですけど、本当にできない?なぜ、できないのかしら?できないって思い込んでいるだけじゃない?お相手が0歳児だったらそりゃできませんけれど、旦那さまはおいくつかしら?あなたさまをがんじがらめにして追い詰めているのは、あなたさま自身かもしれないってことに気がついてください。でもすこし、安心もしています。非常事態宣言のなかで定年後の心配ができているのですもの。あなたさまのメンタルは、ある意味強靱です。非常事態宣言に負けてなんかいません。お互い、しっかりと乗り切りましょうね!【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年05月01日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(72)が、読者からの相談に答える!【Q】「月2回の宝塚(歌劇団)の観劇に友達と出かける妻を妬ましく見送り、ひとりでボーっと家にいるオレ。趣味をつくろう、と思っても……。このまま老いていくんだろうなぁ」(今日海利夫さん・59・会社員・神奈川県)【A】「いつかコロナが落ち着いたら競艇場の空気を胸いっぱいに吸いに行く」(蛭子能収)オレなら麻雀に行きますね。何歳からでも覚えられるし、健康麻雀がいろんなところで行われていますよ。今は濃厚接触になるからできませんけどね。この手の夫婦は多いですよ。女は社交的ですからね。いっそのこと宝塚歌劇団を奥さんと見に行けばいいんですよ。おもしろさや刺激が見つかるかもしれませんよ。最初は煙たがられるでしょうけど、反発せずに黙って奥さんについて行けば、いつかいいことがありますよ。オレは、女房の趣味の神社巡りに、いや応なしに連れ出されます。これまでいろんなところにお参りしましたが、おもしろかったり、刺激を受けたりしたことは一度もありません。それに、オレにはいろんなものを手で触るクセがあるんですが、今の時期は感染予防から、女房に「蛭子、アウト!」と注意されてばかり。気がめいります。それでも我慢できるのは、自粛させられている競艇に行くことをいつか許してくれるからです。耐え忍んだ末に、胸いっぱいに吸い込む競艇場の香りは格別ですよ。「女性自身」2020年5月5日号 掲載
2020年04月27日恋の相談は、同性ならきっと気持ちを分かってくれるはず!そう思って女友達に何でもかんでも相談していませんか?何でも話してしまうのは、友達を失いかねないリスクがあるのです。親しき仲にも礼儀あり!相談される側の気持ちも考えて「気心の知れた仲だし、どのようなことでも相談して大丈夫」なんて思っていませんか?付き合いが長ければ長いほど何でも話せてしまうでしょう。しかし、相談される側の気持ちを考えたことはありますか?例えばあなたが、「最近彼氏とうまくいっていない」と友達に相談したとしましょう。そのとき、友達も同じ状況だったらどう思いますか?自分と同じ状況ならば、気持ちを分かち合えると思うかもしれません。でも、友達は友達なりに考えていることがあります。友達は、彼氏とうまくいっていないことを誰にも知られたくないかもしれません。また、自分のことで精一杯で、あなたの相談が全く入ってこないこともありえます。このように、たとえ同じ悩みを抱えていたとしても、共感し合えるかは分からないものです。相談に見せかけたのろけはやめましょう恋をすると、誰もが浮かれやすくなります。浮かれていると「彼氏が電話中に寝落ちした」とか「ラブソングを聴くと歌詞に共感しすぎて泣いてしまう」など、くだらないことまで悩みとなりがちです。それを相談されたところで返答に困るだけですし、悩みというよりのろけにしか感じません。特に、友達に彼氏がいない場合は、「彼氏がいる自慢にしか聞こえない」と嫉妬されてしまうこともあります。一度冷静になって、友達に相談するほどの悩みなのかをよく考えましょう。命の危機を感じるときは、警察や相談機関へ!彼氏から暴力を受けていたり、暴言を吐かれて困っているというときは、警察や相談機関で悩みを打ち明けましょう。友達に相談してはいけないわけではありません。正義感の強い友達であれば、警察や相談機関へ一緒に行ってくれるかもしれません。そういった点では心強いですよね。しかし正義感が強すぎると、間を取り持って当人たちだけで解決を試みる可能性も出てきます。これは、彼氏による暴力や暴言の対象が自分だけではなく友達も入ってしまうため、非常に危険な行為となります。心身にかかわる深刻な悩みは、決して当人たちだけで解決しようとしないでください。恋、友情だけではなく、命まで失いかねませんよ。男心は女性には分からない彼氏から言われた言葉や、メールの文章がどうしても気になってしまう。そんなとき、「彼氏はどう思っているのかな?」と女友達に相談したところで、正直男心は分からないものです。女同士で男心について解決するのは難しいので、男友達に相談することも選択肢にいれましょう。
2020年04月25日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】83歳の父親についての相談です。父親は非常にしっかりしていて肉体的にも健康です。ただ、いつガタっと来るかわからないので、子供一同、車の運転は止めてほしいと思っており、それとなく伝えています。でも、本人は車の運転が好きで、かつ現状では心配なこともなにもないので、その気がありません。住んでいるのは首都圏で、徒歩圏内には店もあり、ターミナル駅まではバスで5分。車がなくても困ることはありません。ちなみに75歳の母親と2人暮らしで、買い物はおもに父親が担当しています。車の運転をやめてもらう、良い方法はないものでしょうか?(49歳・女性・会社員)【回答】いやあ、これは頭の痛い問題ですね。ご本人がしっかりなさっていらっしゃるのであれば、なおさらでしょう。これまでの生活スタイルを変えるというのは、なにかアクシデントがない限り本当にむずかしいものです。でも、アクシデントがあってからでは遅いですものね。自損事故も困りますけれど、人様の命を奪うようなことになったらそれこそ取り返しがつきません。83歳というご年齢を考えると、私も親に免許返納を進言します。さて、どう事を進めるかですが、「それとなく伝えて」いらっしゃるというのが、滞る原因では?私たちの耳は「選択的透過性」という特徴を持っています。「すべてを聞く」わけではなく、「聞きたいものを聞く」のです。つまり、それとなく「そろそろ車の運転をやめたら」と伝えている言葉は、お父さまには完全にスルーされていますね。どこにもひっかかっていません。望んでいないことを聞いてもらうためには、事実を示し、はっきり明確に、根気よく何回も、伝える必要があります。研究をするとき「事実は3つ並べよ」と教わりましたから、高齢者の運転事故の記事などを3件用意し、はっきり明確に「警察に行って返納するといいよ。かわりの身分証明書はくれるんだよ」と伝え、顔を見るたびに言ってみましょう。途中、ちょっと怒るかもしれませんが、それにつられて怒っちゃだめですよ。あくまでも、冷静に。そして、なによりも、運転を続けたいと思っていらっしゃるお父さまのお気持ちに耳を傾けてください。その理由は、単なる「不便になるから」だけではないはずです。なにかを捨てるって、どんなことでもなかなかできないものでしょう? たかだかお菓子の箱だってとっておきたいじゃないですか。運転免許なんて大きなもの、いろんな思いがあって当然です。その思いを、たっぷり聞いてさしあげてください。そして、それを捨てたところで、お父さまのなにも欠けはしないと、お伝えください。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年04月24日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(72)が、読者からの相談に答える!【Q】「説教癖が出てきた夫。先日、料理がマズかったことから『若いときから……』と過去をほじくり返してネチネチ。うんざりした顔をするとキレだします。どうすればいい?」(ポコポコリンさん・52・自営業・岐阜県)【A】「でかい態度をとりたがる人は、自分に自信のないかわいそうな人」(蛭子能収)面倒くさいですね。話半分にして聞き流すか、離婚する覚悟で「うるさい!」と言い返してみたらどうですか。オレにも以前、心当たりがあって、あるテレビ局のプロデューサーは、収録が終わると、オレが酒を飲めないことを知っているのに「おい親父、行くぞ」と銀座によく連れ出されました。そういえば、このプロデューサーは最初「蛭子先生!」とオレを呼んでいましたが、次第に「蛭子さん!」から「蛭子!」、最後には「おい親父!」と呼ぶようになっていました。わかりやすい人ですね。銀座のホステスの前で「おい親父!」と収録中のミスを持ち出して説教し始めます。仕事だから我慢していましたが、この人は単に女のコの前でふんぞり返りたいだけ。自信がないから、立場の弱い人の前で態度をでかくしたいだけでした。かわいそうな人ですよ。オレも競艇で負け続けて自信を失っているときは、マネージャーに負けた理由を延々と語ります。相手がうんざりした顔をしていても、ちっとも気がつきません。「女性自身」2020年4月28日号 掲載
2020年04月20日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】1年前に主人を病気で亡くしました。本人の意思により無治療を貫き、自宅で看取りました。それはそれは壮絶な最期で、あまりにも悲しくて、1年経った今も遺影の写真や生前の写真を見ることができません。絶対に既読にならないメールを亡き主人に送り続け、泣き続け、何とか正気を保つような毎日。主人の最期を思い出しては、「ああすればよかった。こうすればよかった」と沢山の後悔に苛まれています。このような後悔と現実に、どう向き合っていったらよいのか教えてください(57歳・女性・美容師)【回答】すでに、とても上手に向き合っていらっしゃると思います。ご主人にメールを出し続けていらっしゃること。泣き続けていらっしゃること。こうしてご相談してくださっていること。すべて、うまく向き合っていらっしゃる証の行動だと思います。ご主人と過ごした年月を、そしてさらに濃密だった最期の時を消化(昇華)するには時間がかかります。たとえば、風邪をひいて3日寝込めば、体の完全回復にはひと月かかると言われているのですよ。体がそうなら、心だって同じこと。回復には時間がかかるのです。焦る必要はありません。大切なのは、「きちんと悲しみきる」ことと、「良い後悔をする」こと。「きちんと悲しみきる」というのは、「毎日泣いてばかりじゃだめだ」とか、「もっとしっかりしなくちゃ」などと悲しい気持ちを抑え込まずに、きちんと悲しみの穴の底まで沈みきるということです。底に足がつけば、底をけって浮上する力が生まれます。中途半端に上がろうともがくから、よけい苦しいのです。大人はどうもこのあたりが不得意のようです。真っ当にきちんと悲しみきりましょう。そして、「良い後悔をする」。私たちは、どうがんばったって後悔せずにはいられない生きものです。だからこそ、こうして発展してきたとも言えるでしょう。良い後悔というのは、時間軸を今にもどす思考回路がある後悔です。「ああすればよかった」「こうすればよかった」だけで終わってしまっては、時間軸が過去にいきっぱなし。「だからこうしよう」と、時間軸を今に戻して考えましょう。ご主人がまさに命がけであなたに伝えてくれたのはなんですか。悲しみだけではないはずです。たっぷり涙を流したら、心の耳を澄まして聴いてみてください。大切なご主人からの、大いなるメッセージを。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年04月17日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(72)が、読者からの相談に答える!【Q】「東京で一人暮らしの21歳の娘は、専門学校を卒業後、キャバクラで働いているようです。キャバクラ嬢をやめさせて、実家に帰ってこさせること以外考えられません!」(トッチーサワーさん・48・パート・新潟県)【A】「自分で稼いだお金を好きなことに使う。それこそが人生の醍醐味」(蛭子能収)キャバクラで働いていてもなんら問題ありませんよ。お金が稼げているのならどんな仕事でもいいし、親が口出すことはありません。オレの息子がホストだったとしてもまったく気になりません。というか、オレに似ている息子がホストだったら面白いですよね、ウヒヒ!ずっと前ですが、オレもテレビ局のプロデューサーに連れられてキャバクラに行ったことがあります。人と話をするのが苦手なオレはヘラヘラしていただけですが、一緒に行った川合俊一さんや林家こぶ平(現・正蔵)さんはテレビで見るよりも面白いことをして、隣に座った女の子を盛り上げていました。会社勤めよりも、そんな男たちから学ぶことが多いかもしれませんよ。稼いだお金はどう使おうが本人の勝手ですが、それでも心配なら稼いだ金を使うなら自分が本当に好きなことに使いな、と伝えたらどうですか。それを探すのが人生の醍醐味だと思いますよ。オレの場合は競艇につぎ込むことです。というか競艇以外考えられません!「女性自身」2020年4月21日号 掲載
2020年04月13日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】子どもが同級生だった縁で、時々お茶を飲んだり、出かけたりする友人が2人います。そのうちの1人が買い物中によく、小銭を貸してくれと言ってくるのですが、貸しても返してくれません。一緒に買い物に行ってくれと頼まれて車に乗せてあげても、お礼の一言がないこともしばしばで……。最近は距離を置いていました。ところが、その友人が「筋ジストロフィー症」(身体の筋肉が壊れやすく、再生しにくい病気)になったらしいと、共通の知り合いから聞きました。昔からの友人であり、何か力になってあげたいと思う反面、本人から病気のことを告げられておらず、かつてのように足代わりにされても困ります(63歳・主婦・女性)【回答】「かつてのように足代わりにされても困る」とお思いになっていらっしゃるのなら、関わらずにいたほうがよいと思います。むしろ、なんで迷われるのかしら。ものすごくシンプルなことだと思いますよ。もし、あなたがご自分の思いとしてその方を助けてさしあげたいのであれば、感謝されなくても、足代わりにされても、そんなことは関係なく手をお貸しになるでしょう。でも、たとえば「手助けもしない人だと思われたくない」といった体裁を気にされてということであれば、当然、感謝されなければ割が合わないし、足代わりにされるのはご勘弁でしょうね。人は3秒もあれば損得を考えはじめるそうです。だから、熱いやかんにうっかり触って「あちっ!」と手を引っ込めるように、間髪入れずに動かないとできないことはたくさんあるのです。損得を考えるのがいけないと言っているわけではありません。損得を考えるくらいなら、手を出さないほうがいいと言っているのです。それが、お互いのためです。あなたの躊躇はご友人に伝わってしまいますし、迷いを抱えながらの行動はあなたの心に今よりもっと大きな荷物を増やします。それに、実際に手を出して動くことだけが、ご友人にしてさしあげられることではありません。体がすこしでも楽なように、心がすこしでも穏やかであるようにと、ご友人のために祈ることだってできるのです。「祈り」の遠隔的効果(病人の回復に対して効果的であること)は、もう米国の研究で明らかになっていますからね。しかも、他の人の幸せのために祈ると、あなたの体の中はオキシトシンというホルモンで満たされます。オキシトシンは“回復ホルモン”ですから、あなたの免疫力もあがるという一石二鳥です。ね。無理はやめましょう。あなたが穏やかで幸せでなければ、ご友人も含めてあなたの周りの人が幸せであるはずないのですから。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年04月10日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(72)が、読者からの相談に答える!【Q】「夫の実家には山のようにトイレットペーパーが積まれています。義母がデマに踊らされて、大量に買い込んだようです。デマに騙されないようにするにはどうしたらいいですか?」(サエッチさん・42・会社員・愛知県)【A】「オレは『濃厚接触はスケベなこと』という『デマ』に踊らされた」(蛭子能収)オレの家は、幸いなことにトイレットペーパーが残っているようですが、変な情報に右往左往した人に買い占められて、どこでも買えなかったようですね、ウフフ。デマに騙されるかどうかはわかりませんが、トイレットペーパーがなくてもなんとかなると思えば、変な情報に惑わされないと思いますよ。少なくとも、オレはトイレットペーパーがなくてもなんとかなります。水洗トイレに流さなければ新聞紙だっていいし、手で拭いてもいい。なんなら葉っぱや荒縄だっていいですよ。トイレットペーパーが本当に必要かどうか自分で考えれば、間違った情報に騙されることはないと思いますよ。そういえば、新型コロナウイルスで「濃厚接触を避けよう」とか言われていますが、オレはエッチなことを想像していました。バス運転手とバスガイドが「濃厚接触」したとニュースで聞いて、「スケベなことを言うんだ」とあたふたしてしまいました。「濃厚接触」という言葉にいちいち反応したオレも「デマ」に踊らされました!「女性自身」2020年4月14日号 掲載
2020年04月06日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】今年80歳になる母の主治医から「お母さんには軽度の認知症の兆候があります」と聞かされて心配でたまりません。まだ介護いらずで、足腰が達者なのもよいのですが、散歩が大好きな母は一人で隣町まで買い物に出かけたりします。これがいつか、迷子になったり、事故にあったり、お金を取られたりといったトラブルを招くようになるのではと思うと、だんだん不安になってきて……。頭ごなしに「一人であまり遠くに出かけないで」とは言えないし、健康にとっても良いことだと思うのですが、“徘徊と捜索”で苦労した友人の話を聞くと、何かしら対策を考えなきゃと思っています。(55歳・女性・主婦)【回答】最初に共有しておきたいのは「“軽度認知症の兆候”って、80歳以上の8割以上がそうなのでは?」ということです。人間としてごくあたりまえのありようは、医学の世界だとこのような言葉になってしまう。まずは、あまり悲観的にならないようにいたしましょう。とはいえ、ご心配なのはごもっともです。でも、「頭ごなしに言えない」「何か対策を考えなければ」とおっしゃっていらっしゃるのには、ほっとしました。そのとおりだからです。お母さまにとって、買い物や散歩はお楽しみのひとつでしょう。もちろん足腰の鍛錬のためにも、続けていただきたい習慣です。でも、それを「安全に」続けていただくためには、やはり「対策」が必要です。軽度の認知症の場合、やっかいなのは周りから見て、その状況が把握できないということ。つまり「普通」に見えてしまうということです。かといって「軽度認知症」とハタを立てて歩いていただくわけにもいきません。そこで、最近は各自治体が工夫をしています。私の地元では「お守りキーホルダー」をお配りしていて、身につけていただくことで、いざというときにサポートできるようにした仕組みがあります。お母さまがお住まいの地域にも何かあると思いますので、まずはそういった仕組みの利用をおすすめします。同時に、お母さまが暮らす地域の地域包括ケアセンターにご相談しておくとよいと思います。介護福祉のサービスはこちらから動かないと始まらないものですから、早速に動きましょう。「こんなこと相談してもいいのかしら?」と躊躇されることもあるかもしれませんが、相談を受ける側は、むしろ早めに相談していただくことを望んでいるので、即行動でOKです。ご友人の苦労話をお聞きになったりすると、お気持ちが沈むこともあるでしょう。でもね、人間は順繰りなのですよ。小さい頃はなんやかんやと親の手を煩わせながら、育ててもらいましたものね。今度は、子が親に手をかける番なのです。そして、それはず〜っと続く時間ではありません。たとえ望んだとしても、いずれ終わりがくるのです。大変なご状況だと重々わかっていますが、あえて言いますね。どうぞ“今”を楽しんでください。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年04月03日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(72)が、読者からの相談に答える!【Q】「美人で笑顔も素敵で、愛想がよくてお客さんの評判もいい先輩にこれまで2回、1万円ずつ貸しています。その返済もまだなのに先輩から『2万円を貸して』と。どうすればいい?」(腸〜ワンピーさん・23・美容師・宮城県)【A】「貸した金は帰ってこない。勉強代と思ってあきらめる」(蛭子能収)先日、テレビ局のトイレで手を洗っていたら、番組スタッフに「見かけによらず、蛭子さんはせっけんを使うんですね」と。外見は信用できません。ましてこの先輩は、容姿など関係なくて単にお金に汚ない人です。それに借金はクセになります。しかもアナタを借りやすい相手と思っているから、これからずっと続きますよ。もし断れないタイプだったら、2万円渡して「返さなくてもいい。もう私に構わないで」と言えばいいですよ。オレもテレビに出るようになってから、いろんな人から借金を申し込まれるようになりました。みんな、すごく困った顔をして借りにきますが、お金が返ってきたためしがありません。勉強代だと思ってあきらめています。そんなオレでも、新婚時代に、絶対に大もうけできる競艇の必勝法を発見して、軍資金をつくるため消費者金融を回ったことがあります。どこも貸してくれなかったんですが、1軒だけ「奥さんを担保にするなら」みたいに言われて真剣に迷ったことがあります。テヘッ!「女性自身」2020年4月7日号 掲載
2020年03月30日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】会社の人事異動により新しい取引先を担当することになりました。その取引先の責任者であるAさんは非常にくせのある性格で、私の会社だけでなく他の会社の担当者も人間関係で苦労していると聞いていました。実際、仕事を始めてみると、言いがかりのような難癖を毎回言われて精神的に参っています。さらに私の会社の前の担当者だったBさんはAさんと非常にうまく人間関係を築いていたため、毎回「Bさんの頃は良かった」「Bさんに比べてあなたは…」とAさんから責め立てられてしまいます。このままでは精神的に限界なのですが、一体どうすればいいでしょうか。(44歳・会社員・男性)【回答】本当は、「離れる」のが一番なのですけれどね。お仕事ですから、そうはいかないのですよね。お辛いお気持ち、お察しいたします。人間関係はいつの時代も、どこの場所でも、私たちの最大の問題です。まず、決定事項として申し上げられるのは「Aさんは変わらない」ってことでしょうか。だから、Bさんのように「Aさんとうまくやれる」ようになる、というのも期待薄です。Aさんという方は、他の会社の担当者さんからもぼやかれているくらいの強者ですもの。うまくやろうと力を使うより、どれだけこちらのダメージを少なく抑えて仕事をするか、ということに頭を使ったほうがよさそうです。私だったら、私だったらですよ、(1)Aさんと会う時間、話す時間を必要最低限に抑える(2)会社に直談判して担当を変えてもらう(3)職場を変える、の順番でやってみます。もしかして「そんなこと、簡単にできないよ!」って思われましたか。なら、できないのはどうしてでしょうか。まだ余力がある? それとも、逃げ出す気力もなくなってしまっている? 後者だったら危険信号が点滅しています。この際、何よりも大切なのは「自分」と心得てください。Aさんとの関係で心と体を壊しても、誰も責任なんて取ってくれません。自分のことは自分で守らないといけませんよ。今のご時世、ときどきね、いらっしゃるのです。頑張って付き合ってはいけない人が。原因は、あなたが「関係づくりが不得手」とか、「仕事ができない」とか、そういうことではないのですよ。そこの見極めがついたら、やっぱり可能な限り「離れて」ください。どうかうまくいきますように。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK総合『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS系『グッとラック!』(火曜)にコメンテーターとして出演する。4月1日よりニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務めることが決定。
2020年03月27日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(72)が、読者からの相談に答える!【Q】「芸人を目指し、3万円安アパートに住んでいます。大金持ちになって億ションに住むことを夢見ていますが、建て替えるから出ていけと大家さん。どうすればいい?」(ららぽー弦さん・22・フリーター・静岡県)【A】「芸人だけでは食えないなら、違う道でも金を稼いでみたら?」(蛭子能収)芸人をめざすのはいいけど、売れて大金持ちになれるのはごく一部ですよ。高級マンションに住みたかったら、違う道を選択したほうがいいかもしれませんよ。大家が出ていけというからには立退き料が出るはず。それを繰り返して「安アパート」から「普通のアパート」。「普通のアパート」から「マンション」と立退き料で、次々と住み替えていけば「億ション」にたどり着きますよ。オレも漫画家になる前は、東京郊外の三鷹台にある家賃1万2,000円のアパート「小島荘」に住んでいました。当時、漫画雑誌『ガロ』に応募した作品が入選。50円のケーキを買ってお祝いしたことがあります。それでも金もうけよりも、面白い作品を作りたいと思って漫画を描き続けていました。もちろん、漫画では食えないのでチリ紙交換もしていました。一応、トラックで回るエリアは決まっていましたが、いつも戸田競艇場を目指していました。大勝ちした記憶はありませんが、目指していた方向は間違っていないはずです。「女性自身」2020年3月24・31日合併号 掲載
2020年03月23日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】最近、大切な母を亡くしました。この2年間は寝たきりで…意思疎通もできない状態でした。そうなる前は多少の認知症があったものの、まだ会話はできていました。ある日、肺炎にかかり命の危険もあったので、何とか生き延びてもらいたいと胃ろうおよび器官切開を選択したんです。その結果が2年間の寝たきり状態で。生きる屍のようでした。母が亡くなった今、2年前の私の選択が果たして正しかったのか、繰り返し自問自答しています。このような状態になるなら、そのまま逝かせてあければよかったなと…。でも、あの時点でそういう選択ができたかどうか。私の判断は間違っていたのでしょうか?(57歳・主婦・女性)【回答】間違っていません。過ぎたことはすべてベストチョイスだったのです。私は看護師なのでいろいろ拝見してきましたけれど、つくづく「人の寿命は決まっている」と思うのです。現代医学の粋を尽くして治療をしても効なく逝ってしまった人もいれば、すべての治療をやめて「このまま逝きます」と言って何年も生きた人もいました。たぶん、私たちは生まれたときに、「〇年〇月〇日まで」と決められているのでしょうね。だからお母様は、胃ろうだとか気管切開だとかに関係なく、その日までこの世にいらっしゃるお約束だったのだと思います。それは、私たちたかだか人間ごときに、伸ばしたり縮めたりできるものではないのですよ。なにをどうしようと、その日と決まっていたことなのです。だから、あなたのせいではないし、間違っていたということもありません。ところでお母様、今ごろどうしていらっしゃるでしょうね。つかいきったからだをお脱ぎになって、さぞかし身軽になっていらっしゃることでしょう。「あ、今、近くにいるな」ってお感じになることなんてないですか。私の夫は9年前に逝きましたが、しばしば「ハエ」になって会いに来てくれるんですよ。「ハエ」ってところがあれですけれど、ま、そのへんはご愛敬で。あなたの周りにもいらしていませんか、お母様が。2年前の選択が正しかったかどうかなんて自問自答を繰り返すより、お顔を上げて周りを見ていただきたいわ。きっとお母様からのメッセージが届いているはずなんですけどねえ。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK総合『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS系『グッとラック!』(火曜)にコメンテーターとして出演する。4月1日よりニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務めることが決定。
2020年03月20日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】新型コロナウイルスによる商品不足に母親が敏感になりすぎて困っています。マスクやトイレットペーパーが品薄状態になっているのを見て心配になったようで、何軒もお店をはしごしていました。使うぶんだけ買ってくればいいのですが、「またいつ無くなるかわからないから」と必要以上の量を買いだめ、お米や缶詰の備蓄までどんどん増やしていく始末……。毎日落ち着かない様子で、母親の相手をするのにも疲れてきました。(36歳・会社員・女性)【回答】やらせてあげておいたらいいじゃないですか。お母さまの思うように。報道をご覧になってご存じのとおり、今回の新型コロナウイルスは高齢者のほうがリスクが高いのですよ。お若いあなたよりお母さまのほうが切実な問題なのです。昭和生まれの方というのは備蓄しておくことで多大なる安心を得ます。私の両親も同じです。加えて、この日々の報道。煽られないでいるほうがむずかしいです。トイレットペーパーも、マスクも、お米も、すぐ腐ってしまうものではありませんから、事態が無事収束したあとにでも、ゆっくり消費していけるでしょう。それに、まだ先は見えていませんからね。これからますます事態が悪化し、最悪のシナリオにならないともかぎりません。そうなれば、お母様が心血を注いで集めてくださった物資が大いに役立ちます。そうです。すべてはそうなのです。アリとキリギリスです。夏の間、せっせと働いて食料を運び込んでいたアリさんを、キリギリスはせせら笑って見ていました。食料のない冬なんて来るはずがないってね。でも、冬は来ました。食料をためていなかったキリギリスは瀕死の状態に。優しいアリさんに食料を分けてもらえなければ、助からなかったのです。キリギリスはお礼にバイオリンを演奏しましたが、あなた、バイオリンは弾けますか?とはいえ、多くのアリさんが買いだめをして、いろんなものの需要と供給のバランスがくずれてしまうのは、たしかにいただけませんね。お母さまには、ほどよいアリさん行動をお願いしましょうか。そのためにはまず、お母様の話を聞くことです。どんな苦労をして重いお米を運んできたのか。トイレットペーパーひと袋買うのにどれくらい並んだのか。まずはその労力と功績を十分にたたえます。そして最後に、遠慮がちに「でも、やり過ぎはよくないよ。お母さんの身体も心配だし。無理して感染しちゃったら元も子もないしね」と言うのです。だいたい10分聞いて30秒話す程度。そのくらいを意識してお伝えしてみてください。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK総合『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS系『グッとラック!』(火曜)にコメンテーターとして出演する。4月1日よりニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務めることが決定。「女性自身」2020年3月24・31日合併号 掲載
2020年03月13日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(72)が、読者からの相談に答える!【Q】「実家で暮らす独身の私が90歳になる認知症の母の介護をしています。嫁に出た姉はたまにやってきて『もっと優しくしなよ』と好き勝手言います。ムカつく心をどう抑えよう!」(カズカズロンさん・50・パート・大阪府)【A】「きょうだいは他人。ドライに接すればいい」(蛭子能収)ヘルパーさんに来てもらったり、施設にいれたりしたほうがいいと思いますが、その分、金がかかりますからね。ツラかったら地域の相談窓口に連絡したほうがいいですよ。姉が悪いことはわかりますが、それにムカついているとアナタが損するだけ。姉でも他人ですから関係を断つなりお金を請求するなどドライに接すればいいですよ。オレは介護経験がないから大変さはわかりませんが、競艇でスッカラカンになったときは「漫画のネタになる」と思えば、そのツラさも和らぎます。介護にも人間観察のネタがあればいいんですけどね。オレの女房は19歳年下。オレが寝たきりになったときは面倒見てくれるんやろか、と心配になることがあります。その不安を解消するのは、とにかく稼いで金を家に持って帰ること。先日、「ボートピア横浜」のイベントに出たときに、ひさしぶりに競艇をしました。イベントの出演料もつぎ込んで買った舟券はすべて紙切れになってしまいました……本当にムカつきます!「女性自身」2020年3月17日号 掲載
2020年03月09日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】私は東京の下町で長く居酒屋をやっているんですが、最近は若い人を雇っても、ちょっと厳しいことを言うとすぐやめてしまうんです。SNSで紹介されて店の人気が出てきたこともあって、ホントは系列店を増やしたいと思っているんですが、任せられる人材がまったくいない。若手を育てたいのに、「パワハラ」のようなことを言われたら、もう何も教えられません。おまけに、ウチで1年しか働いてないのに“愛弟子だった”みたいなことを言って独立する調子のいいやつもいる。どうしたらいいんでしょう。(42歳・男性・飲食業)【回答】思い返せば私たちの世代も「新人類」なんて言われたものです。遠く遡れば明治時代には、むしろ今は堅いイメージのある「小説」が軽蔑の対象になったこともあったそうです。つまり、いつの時代でも自分より若い世代には「違和感」を覚えるのですね。ましてや、社会が刻々と変わっていく現代においては、10年離れたらもう新人類どころか「別の惑星の人」ですよ。私もしばしば若い連中と交わりますが、正直あなた様と同じように戸惑っている部分もあります。なんといっても、まったく価値判断基準が違うのです。昔だったら10年も20年も修行をして、やっとこ“のれん分け”が許されたのでしょうけれど、1年で“愛弟子”ですものね。もう、時間の流れ方さえも違うのですよ。本当に。でも彼ら、すごいところもあります。まるで息をするようにSNSを使いこなすし、人と争うことを好まず優しいです。コミュニケーションは下手だけど、よく観察はしています。スピリチュアリティも高く、物質文化に流されない独自の価値観も持っています。ところで、あなた様のお店には外国の方もいらっしゃるでしょう。例えば英語しか話せない方がいらっしゃったとき、どうされていますか? たぶん、あなた様のほうが英語を話して意思疎通を図ろうとしていらっしゃるのでは? まさか、お客様に対して「ここは日本だ。日本語の話せねえやつは帰んな!」なんて言ってないですよね。つまり、そういうことかなあ。今どきの若い人をお客さん同様、「大事な人」だと認識すれば、私たちは彼らの使う言葉、彼らの持っている感覚に合わせてコミュニケーションを取ろうとするのです。でも、そう思えず自分の言葉と価値観を変えることなく接すると、結果、つながらないコミュニケーションにイラついて「最近の若い奴は!」と言うのですよ。「バブバブ」言っている赤ちゃんに、「はっきり言えよ。言わないとわかんないよ!」って言うのと同じです。ね、歩み寄るのはいつだって「大人」のほうなのです。彼らより長いことこの地球にいる私たちは、間違いなく彼らより「大人」。彼らの言葉と感覚に沿って、付き合っていってやろうではないですか。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』火曜のコメンテーターを務める。
2020年03月06日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(72)が、読者からの相談に答える!【Q】「昔好きだった人と10年ぶりに再会。一緒にいた友達のほうだけに『全然変わってないね~』と笑顔で。私は昔より老けてしまったってこと?……ショック。どうすれば立ち直れる?」(やまこさん・50・公務員・広島県)【A】「周りの評価は気にしない。自分のモノサシだけで生きるべし」(蛭子能収)ずっと落ち込んでいたらどうですか、ウフフ……。たしかに昔好きだった人に「若いね」と言われたらうれしいけど、周りの評価ばかり気にしていると、自分を測るモノサシが外を向いてしまいます。それで認められなかったら、世の中を恨むようになってしまいますよ。この人には、若く見られている、という変な自信があるんでしょうね。そういう思い込みは持たないほうがいいですよ。それより自分をちょっと低く見積もっておくと、何を言われてもショックを受けることはありません。オレも、タレントの加藤紀子さんに「結婚できるとは思えない」とか元おニャン子クラブの新田恵利さんに「庶民的だね」とロケ中に言ったことがあります。オレは思ったことを口にしただけ。彼女たちは自分のなかにモノサシがあるから、オレの評価を上手に受け流していました。競艇場のトークイベントにオレが出ると「おまえは競艇がヘタクソだ」とヤジが飛んできます。そんなときはショックで、しばらく立ち直れませんけどね、テヘッ!「女性自身」2020年3月10日号 掲載
2020年03月02日cakes史上、最も読まれた連載が書籍化されました! ガンを宣告された写真家・幡野広志さんによる人生相談です。幡野さんのところには、なぜか多くの人からありとあらゆる人生相談が集まるのですが「悩み相談を受ける中で、親子や家族関係で、悩んでいる人が多い」とのこと。「親子関係」は、人間関係の原点で悩みも深いテーマなのかもしれません……。親子の「距離感」は難しい幡野広志さん(以下、幡野):本のタイトルにもしましたが、人生の悩みを『なんで僕に聞くんだろう』とずっと思ってました。おそらく、相談者の方は「親に相談できる」という選択肢や人間関係を持てていないのかなぁ…と。自分の親に相談しても、納得のいく答えが出ないと思っているんでしょうね。編集部(以後、―)自分が母親になってみると、耳が痛い話です。幡野:多くのお母さんの子どもに対しての距離感、僕は「不思議だなあ」と、感じます。少し距離をとっているお父さんのことをdisっちゃったりして。― 夫が、自分と同じくらい子育てに「一生懸命」でないのが腹立たしくなるんですよね…幡野:子どもからすれば、お父さんまで、お母さんと同じ距離感になってしまったら、逃げ場がなくなってしまいます。あまりよくないと思います。― 母親にとっては、「自分」と「子ども」の精神的な線引きが、難しいのかもしれません。幡野:子育て以外に何かアイデンティティを持ってないと危ないですよ。子どもが生まれると、自分の仕事や趣味を諦めてしまう人は多いですが、僕は逆じゃないのか? と、思うんです。子どもができた人ほど、色々なことをやってみるべきだと思います。ストーカーみたいな親にならないためにもね(笑)。― 子育て以外のことをしていい…。なかなか、そうは思えない人が多いように思います。幡野:とりわけお母さんと息子のパターンは、恋愛にかなり似たようなものを感じます。下手な恋愛みたいになっている親子を見てると、逃げられない子どもは可哀想だと思います。恋愛上手な人って、恋人との距離感の取り方が上手だと思います。― 子どもとの距離感について、幡野さんはどう考えてますか?幡野:今、僕の子どもは3歳ですけど、とても魅力的な存在です。子どもが生まれて、子どものことが何よりも大事になるのはわかります。あそこまで純粋無垢に自分のことを大好き!と言ってくれる存在は、他にはいませんから。「ママ大好き! パパ大好き!」という「大好きでいてもらえること」が嬉しくて、それに依存してしまうんでしょうね。―親が「子どもという存在」に依存してしまう…。わかります。幡野:でも、子どもが、大きくなれば親がどういう人間なのかというのはバレます。いずれ、こう、何というか……例えば依存が強い親だったらそういう人間だってことが子どもにバレちゃうんです。僕だって、子どものころは「大人は立派で偉い人」と思っていた時期もありました。でも、大人が立派なわけではなくて、立派な人もそうでもない人がいることが自分が大人になるとわかりますよね。僕が子どもの頃、偉ぶっていた学校の先生がいましたけれど、今考えると大したことなかったと思います。いずれバレるんだから、あんまり子どもに偉そうな態度はしないほうがいいんじゃないかなと僕は思っちゃいます。力の弱い人間に対して、どんな態度をとるかで人間性は出るー著書の中で、「力の弱い人間に対して、どんな態度をとるかで人間性が出る」と。幡野:すごく出ると思います。これは、子どもに対しての話だけでもなく、たとえば、会社の後輩や、弱い立場の人に対する態度で人柄ってわかると思います。もちろん、これは男性だけでなく、女性も一緒です。― 反省しかないです…。家庭という密室の中で、どうしても子どもに対してイライラをぶつけてしまうことがあって…たとえば、出ないといけない時間なのに子どもがダラダラしている…とか、そういう些細なことなのですが。幡野:でも、子どもは、そういうもんなんじゃないですか? 僕は36歳で、もう36年も人間をやっているから、ある程度のことはできます。でも、3歳の息子は、地球に来て3年ですから。まだ新人ですよ。そんな人に怒ってもしょうがないかな~、と僕は思うんです。怒って子どもが成長するのだったら話は別ですけど、怒ったところであまり効果はないと思うので。― 怒っても何もいいことないのは、頭ではわかっています。でも、毎日の生活の中で、子どもと接していると、合理的な判断ができなくなってしまう瞬間もあって…幡野:そりゃそうですよね。その感じもわかります。お母さんの中には、完璧を求めている人が、多くいる気がします。無意識に「絵に描いたような家庭」や「良妻賢母なみたい自分」を目指してしまっているんだと思います。そんな「絵に描いた餅」を目指したって、無理なんじゃないですか?― どうして、母親は「「絵に描いた餅」を目指してしまうのでしょうね? 幡野:う〜ん…人の目を気にしているからじゃないですか? 僕は、人の目を全く気にしないから、あまり子どもに怒らないんだと思うんです。たとえば、「オムツが早くとれることは、良いことだ」と、思っていませんか? 無理にオムツを取ろうとして、それでおもらしをして子どもにイライラして、ストレス抱えるぐらいなら、オムツが自然に取れるのを待てばいいんじゃないかなと思います。きっと、「他の子よりも早くオムツがとれる」とか「喋り出すのが早い」とか「立つのが早い」とか……。無意識に他の子と比較しちゃうんでしょうね。次は、学校の成績や習い事の上手い下手、進学先や就職先、結婚相手……と比較ばかりしていると、その先にあるのは「自分のことを他の誰かと比較する人間」のできあがりですよ。―幡野さんは、比較とは無縁そうですね…(笑)幡野:僕自身、誰かと比べられるのが嫌いなので、自分の子どもを他の子どもと比較するなんて絶対に嫌です。妻の実家に行くと、「早くオムツ取れるといいわね」と言われるんですけれど、「関係ねえよ」と、僕は大きい声で言っちゃいます。人は比較する生き物だというのはわかっているんですが、あまり巻き込まれたくないので、面倒くさい人に釘を打つのは、大事な仕事かなぁと。僕は、1人の子どもを夫婦2人で育てていて、かなりギリギリだと感じています。これは僕もやってみてわかったことです。もし、ワンオペでやらざるをえないんだったら、よっぽど他の部分を切り捨てないと無理です。家事なんか、無理。バッサリと割り切って、合理的にやっていかないと難しいと思います。― ワンオペ育児でも「家事をきちんとやらないと」と思う人は多いですよね…。幡野:毎日の食事を自分で作らなければいけないと思っている人は多いですが、「そんなにがんばらなくていいんじゃないかな?」と、思います。もちろん好きで楽しんで食事を作ってる人はいいのですが、うちはかなりウーバーイーツに頼っています。子育てという、あんな大変な仕事を、1人でなんて、絶対に無理です。何度も言いますが、ウチは1人の子どもを夫婦2人で育てていてギリギリです。子どもが泣き止まない。僕はそんな時、音楽を聴いている― 幡野さんみたいに、「合理的」+「人と比べない」だと、だいぶ楽になれそうです幡野:そうですよ。人の目を気にするより、自分の子どもからの目を気にした方がいいですよ。僕は、子どもが泣き止まないとき、イヤホンをつけて音楽を聴くこともあります。「泣き声」でイライラするくらいだったら、イヤホンをつけて自分の好きな音楽を聴いていた方がいいじゃないですか。―泣き声は、自分が責められている気がしてしまうんですよね幡野:泣き声は生理的に不快だから、ですよね。それだったら僕は自分が耳栓をしたり、イヤホンで音楽を聴いて自分の気持ちを落ち着けてから子どもの対応したほうがいいと思うんです。「子どもが泣いているのにイヤホンで音楽を聴いているなんて、何て、ひどい人!」と言う人もいると思いますが、僕は「合理性に欠けるな」と、思っちゃいます。楽するところと、がんばるところを分けて考えればいいのに。親の方が立場が強い期間なんて一瞬― 楽をしていいところを見極める……。そういう「境地」になかなかたどり着けないです幡野:まず、人のことを気にするのをやめたらいいと思うんですよね。周りの人のことより、自分と自分の子どものことを気にした方がいい。あとね、最終的に「子どもの評価」を「自分の評価」にすり替えちゃう人がいるんです。― 子どもは、自分とは切り離して考えた方がいい? 幡野:そりゃそうですよ。想像するのが難しければ、「先輩」「後輩」ぐらいの関係性で考えてみたら、どうでしょう。 自分が何もできない新人の時に、「ガミガミ怒る先輩」と、「優しくいつも待って教えてくれた先輩」、どちらに信頼を置きますか? おそらく、感情的に「ガミガミ怒る先輩」を尊敬することって難しいですよね。それは親子関係でも、同じだと思います。今、子どもは自分よりも弱い存在ですが、15年ぐらいで抜かれますから。親がよっぽど成長する人でない限り、そのうち絶対に抜かれます。親の方が立場が強い期間なんて人生で圧倒的に一瞬ということを意識した方がいいと思います。幼少期は、自分と子どもの信頼関係を積み重ねる時期― 著書の中の「言葉で人の歩みを止めることも、背中を押すこともできるならば、できるかぎりぼくは背中を押す人でありたい」という言葉が印象に残りました。子どもの背中を押すことができるママになるために、どうすればいいですか? 幡野:子どものことを、否定しないことじゃないですか? たとえば、うちの息子がyoutubeを見て「これ、欲しい」と言った時、僕はいつも「いいね! 今度、探しにいこうか」と、言うんです。3歳の子どもが「これ、欲しい」というのは、少し噛み砕けば、「これ、いいな」ということでしょう? それを、大人の都合で「いらない」とか「すぐ飽きちゃうよ」と決めつけるのは、子どもの感情の否定だと思うんです。買う、買わないは、別の話として、「いいね! 今度、探しにいこうか」って言えばいいと思うんです。―どうして、幡野さんは、そういうセリフがサラっと出てくるのでしょうか?幡野:そうだなぁ、そうですね……。いずれ評価をするのは、子どもだと思ってるからですかね。最後は自分の人間性が子どもにバレるんです。だから僕は子どもに自分の価値観をできるだけ押しつけないようにしています。幼少期は自分と子どもの信頼関係を積み重ねる時期なんだと僕は思ってるんです。幡野さんの人生相談が人気の理由詳しくは本書を読んでいただきたいのですが、恋愛相談から家族のこと、病気の悩みなど多種多様な人生相談に幡野さんが答えています。「家庭のある人の子どもを産みたい」「娘がイジメられていて自殺を考えている」「2歳半の息子の子育てがツラい」「娘が非行にはしった」「中2の息子の成績が悪い」「友人と同じ人を好きになった」「夫の浮気が判明し、自分の病気も発覚した」ヘビーな相談も多いのですが、幡野さんは、子どもや立場の弱い人に徹底的に寄り添いつつ、合理的――そして、問題の本質をさらっと見抜きつつ本音で生きることの大切さを伝えてくれます。合理的で優しい…このバランスの絶妙さが幡野さんが人気の秘密だと思いました。…本の帯には「言葉で人の歩みを止めることを、背中を押すこともできるならば、できるかぎりぼくは背中を押す人でありたい」と書かれています。幡野さんが誰かの背中を優しく(時に強く)押している言葉をぜひ読んでみてください。子どもとの関係に役立つ言葉はもちろん、人生のヒントがたくさん散りばめられています。ガンになった写真家になぜかみんな、人生相談をした。 Amazonで詳細を見る 『なんで僕に聞くんだろう。』 幡野広志著/幻冬舎刊 定価(本体1500円+税)
2020年02月26日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(72)が、読者からの相談に答える!【Q】「5歳年下の部下と長年不倫していましたが、先日、別れを切り出したら『奥さんにすべて関係をばらして、会社もやめさせてやる』と大泣きされました。どうすればいいですか?」(ストークさん・45・会社員・愛知県)【A】「不倫は、倫理的にどうかではなく金銭的に損をするからオレはしない」(蛭子能収)大変ですね、ウフフ……。その女性との交際を続けるか、お金を払って解決するしかありませんね。オレは不倫をしたことがありません。それは外でエッチするより家なら女房とタダでできるからです。それに、たとえ見つからなくても不倫は、誰が考えても損をするものだからです。東出(昌大)さんが不倫をして話題になっていますが、倫理的にどうだとか、奥さんの杏さんがかわいそうとか関係ありません。テレビやCMに出られなくなって収入が減ることが大問題です。わざわざ割の合わないほうを選ぶ、それなりの覚悟があればいいけど、想像力がなく、金銭的にも損失を被る腹づもりがないのなら、浮気なんかしなければいいだけの話。オレは損しない道を歩いてきました。でも競艇は別です。大穴狙いがやめられません。本命ばかり狙っていれば、ここまで負け続いていなかったと思います。でも当たれば、その分喜びも大きい大穴狙いは、損だとわかっていてもやめられません。どうすればいいですか?「女性自身」2020年3月3日号 掲載
2020年02月24日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(72)が、読者からの相談に答える!【Q】「65歳で定年退職ですが、できればずっと働きたい。ただ、若い人と一緒に仕事するといろいろ気を使わなければと不安に。蛭子さんは、どのような気配りをしていますか?」(すみまつさん・61・会社員・東京都)【A】「仕事場では年齢にこだわるべからず。プライドでは一銭も稼げない」(蛭子能収)引き際が大事だとよくいわれますが、オレも変な意地をはらずに稼ぐことにこだわりたいです。そのためにはプライドを持たないほうがいいですよ。テレビ局のスタッフは年下ですが、言われたことは「ハイハイ」と聞いています。芸能界で食えなくなったら、自分のマンションの掃除をしようと考えています。自分に値打ちがあると思い込んでいる芸能人は嫌がるかもしれませんが、プライドでは一銭も稼げませんからね。そういえば昨年末で、太川陽介さんとバスで旅をする『太川蛭子の旅バラ』が最終回となりました。あのロケはよく歩かされるのでホッとしていますが、ギャラがなくなるのは困ります。できれば次は楽な旅番組がやりたいですよ。歩かないで、知らない人と会話せずに、その土地のファミリーレストランでミックスグリルを食べて、全国各地の競艇場を巡る。競艇で勝ったら、その分はギャラに上乗せ。それだったら勝つ気がします!テレビ東京さん、「蛭子の甘い旅」をやりませんか?「女性自身」2020年2月25日号 掲載
2020年02月17日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(72)が、読者からの相談に答える!【Q】「私の男友だちは携帯電話を持っていません。それでいて毎日のように会いたがることも困るし、急に連絡をとれないときの苦労も。もっと、いい男友だちが欲しいです!」(スラリンガルさん・33・会社員・山梨県)【A】「いいこともあれば悪いこともある。競艇以外は欲をかくべからず」(蛭子能収)オレもこの男友だちの気持ちがわかります。携帯を持てば、それなりに便利になるかもしれませんが、それと引き換えに、他人や仕事から拘束されているような居心地の悪さを感じます。友だちも、いい面と悪い面があって、いい面が少しでもあれば、悪い面は目をつぶって付き合えると思います。あなたにとってその人との付き合いがいいか悪いかだけで判断すればいいだけですよ。そういえばオレのマネージャーが先日、競馬で73万6,000円も勝ちましたが、そのあと、バス旅のロケで10キロ近く歩いて左足の甲を疲労骨折してしまいました。どんなものにも表と裏があって、いいこともあれば悪いこともあるから、あまり欲をかかないほうがいいですよ。オレは競艇でこれまで1億円以上負けています。悪いことばかりでも、いいことがいつか起こると信じているから大好きです。だから次のレースで100万円の大当たりを当てさせてください。1億円も負けているんだから、そのぐらい言ってもバチは当たりませんよね。てへっ!「女性自身」2020年2月18日号 掲載
2020年02月09日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(72)が、読者からの相談に答える!【Q】「小説家になる夢がありましたが、かなわないまま70歳。今からでも作品を残したいなと思いますが原稿用紙を前にすると書けません。夢半ばにして死んでいくのでしょうか……」(すし道士さん・70・無職・宮城県)【A】「伝説を残すなら、漫画の傑作よりギャンブルの大勝ちで残したい」(蛭子能収)オレも、もっとうまい絵が描けたらなと思ったことがありますが、50歳を過ぎてから、どうでもよくなりました。ちょっと肩に力が入りすぎだと思いますよ。絵とはちがうかもしれませんが、気楽な気持ちで小説を書けばいいんですよ。オレは、自分の絵を面白いと思う人がいればいいけど、いなくても別にいいやと思っています。そもそも作品が残っても、どうってことありませんよ。オレにも展覧会用に描いた2メートルぐらいの絵が6枚あるんですが、その保管が大変。倉庫代が年間100万円もかかるから、もう捨ててしまおうかと思っています。作品を残すなら、その分で、競艇場に行ったほうが有効です。あっ、競艇といえば100万円の大当たり舟券を当てていないことは心残りです。ギャンブルが好きな芸能人はみんな100万円以上の高配当を当てて伝説になっています。どんなにつらい思いをしてでも大勝ちして、帯がついたままの100万円の札束を受け取りたいんです。オレは作品よりも伝説を残します。「女性自身」2020年2月11日号 掲載
2020年02月03日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(72)が、読者からの相談に答える!【Q】「好きな女性はいますが結婚したくありません。同じ人とずっと生活していくことに自信がないし、飽きませんかね?それと嫌なやつだと思うともう気がうせてしまう性格です」(一人がいいさん・42・自営業・埼玉県)【A】「結婚は0が100では測れない。51対49でもメリットが勝てば御の字」(蛭子能収)オレにとって結婚の難点は、自由に競艇場に行けなくなったこと。それ以外は別に不満がありません。女房と一緒にいても、飽きたり嫌になったりしたこともありません。結婚相手に求めるのは、0か100ではなくて、51対49でもいいから少しでもメリットがあればいいですよ。そもそも結婚するときに、自分の思いどおりの人と一緒になれた人なんて1割もいません。あとは妥協ですよ。オレのマネージャーはこの前40歳になりましたが、この人と同じ考えですね。結婚生活や相手に折り合いがつけられないみたいです。いつか忠告しようと思っていましたが、去年の暮れに、競馬で73万6,000円を当て、3,900円の叙々苑の特選ロース弁当をおごってくれたので黙っています。ごちそうになった焼き肉は別格です。先日も、また高級焼き肉をおごってもらおうとマネージャーに声をかけたら「焼き肉ばかりで飽きますよ」と。自分の金では行かない叙々苑ですが、ごちそうされるなら毎日でも大丈夫。おごられるメシを妥協してはいけません。「女性自身」2020年2月4日号 掲載
2020年01月27日反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(72)。本連載で同じページに収まるのは、その霊能力のために、楽屋では霊視を求める先輩芸人たちが行列をつくることもあるという、よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属の“霊がよく見える”ピン芸人・シークエンスはやともさん(28)。「蛭子さんの大ファン」というはやともさんの念願がかない、初対面した2人。今回は、はやともさんが蛭子さんからの相談に答える!【Q】「競艇を50年以上していますが、帯付き札束(100万円)を当てたことがありません。憧れの帯付き札束、どうすれば当てられるの?」(蛭子能収さん・72・漫画家)【A】「競艇で勝つには……ギャンブルに強いご先祖様に祈ってみては?」(シークエンスはやとも)はやとも「おこがましいですが、今回は蛭子さんの悩みを解消できたらと思っています」蛭子「オレには心残りがあって、50年以上、競艇をやっていますが、帯がついた100万円以上の配当金を当てたことがないんですよね」はやとも「ギャンブルですか……。競馬では吉本新喜劇の座長の小籔(千豊)さんや爆笑問題の田中(裕二)さんは100万円以上の配当金を取っていますね」蛭子「そうなんですよ、ギャンブル好きの芸能人はみんな帯付きの札束を当てているんですよ。オレの最高は80万円ですよ」はやとも「先日、パチンコ番組に出たとき、3万円の出演料なのに、自腹で5万円負けそうに。そこでパチンコが大好きだった亡くなったおばあちゃんに『なんとかしてくれ!』とお願いしたら、とたんに出はじめて、なんとか勝つことができたんです。蛭子さんの先祖でバクチに強い人がいたら、その霊に祈ってみたらどうでしょう」蛭子「あっ、兄貴だ。オレが小学生のときに競輪で大勝ちして『これで家を増築せんね(しなさい)』と300万円をちゃぶ台にたたき置いたことがあるんですよ」はやとも「では、お兄様の霊に……」蛭子マネジャー「お兄さんはまだ死んでないですよ!」蛭子「あっ、そうやった!」はやとも「あっはは!では神頼みはどうでしょうか?」蛭子「神社好きの女房に連れられて行ったときに『競艇で勝ちますように』と手を合わせるけど、心は込めていませんね」はやとも「神社はパワースポットでいいことが起きると思われていますが、本来、悪いことしか起きない人が行って、その悪いモノを持っていってもらうところ。欲深く『もっといいことが!』と願うと、逆に悪いモノが跳ね返ってくるといわれています」蛭子「はあ〜。じゃあ、オレの場合、テキトーでいいんですね」はやとも「あとは吉本興業の先輩たちから聞いた話ですが、ギャンブルに当たることだけではなく『その後、当たらなくてもいいから』と願うといいそうです。狙ったレースを決めて『これで100万円勝ちますように。来年は当たらなくてもいいので』とお願いしてみたらどうですか?」蛭子「へえ〜、でも、オレは100万円も当てて、その後も、ずっと勝ち続けたいんですけど……」はやとも「はあ。蛭子さんの悩みを解消したかったんですが……」蛭子「テキトーでいいんですよ」はやとも「それでも、いつも読者の方からの悩みを解消している蛭子さんのすごさを実感しました」「女性自身」2020年1月28日号 掲載
2020年01月20日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(72)。本連載で同じページに収まるのは、その霊能力のために、楽屋では霊視を求める先輩芸人たちが行列をつくることもあるという、よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属の“霊がよく見える”ピン芸人・シークエンスはやともさん(28)。「蛭子さんの大ファン」というはやともさんの念願がかない、初対面した2人。蛭子さんがはやともさんからの相談に答える!【Q】「人が死んだら自分がもっとも楽しかった場所に霊となって戻ると言われています。蛭子さんは死後の世界を信じますか?」(シークエンスはやともさん・28・芸人)【A】「死ぬのは怖いけど、あの世でも平和島競艇場に行けると思ったらラッキーかも」(蛭子能収)はやとも「蛭子さんがすごいと思うのは、タレントと漫画家とマルチで活躍されているところです」蛭子「働くことで大切なのは、好きかどうかではなく、楽に稼げるかどうかだと思いますけどね。お金が一番ですよ!」はやとも「今の時代《お金がすべてじゃない》という人が多いですが、そこまでストレートに言われると……。そんな蛭子さんなら、自分で動画を発信する『ユーチューバー』になれば人気になって、もっと楽に稼げますよ」蛭子「失敗したら怖いですね。今、うまくいっていたら新しいことには手を出しません」はやとも「蛭子さんの欲が深くないところは見習いたいです。自分のできる範囲で、お金を稼ぐというブレない軸をしっかり持ち続けているということですね」蛭子「とにかく、オレが怖いのは、食えなくなることと競艇場に行けなくなることだけです」はやとも「競艇をするためにお金を稼いでいるんですか……」蛭子「競艇場には50年以上通っていますがまったく飽きません」はやとも「人が死んだら自分がもっとも楽しかった場所に霊となって戻ると言われています。だから、遊園地や映画館など楽しいところに幽霊は集まりやすいんです。きっと蛭子さんは……」蛭子「えっと、オレは死ぬのは怖いけど、あの世でも平和島競艇場に行けると思ったらちょっとラッキーかもしれませんね」はやとも「すべてにブレない強さがある。蛭子さんがどんな仕事でもこなせる秘密がわかりました」「女性自身」2020年1月21日号 掲載
2020年01月13日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(72)。本連載で同じページに収まるのは、その霊能力のために、楽屋では霊視を求める先輩芸人たちが行列をつくることもあるという、よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属の“霊がよく見える”ピン芸人・シークエンスはやともさん(28)。「蛭子さんの大ファン」というはやともさんの念願がかない、初対面した2人。蛭子さんがはやともさんからの相談に答える!【Q】「霊能力がある芸人です。漫画家でタレントとマルチに活躍している蛭子さんのように、多方面でも際立った仕事ができるようになりたいのですが?」(シークエンスはやともさん・28・芸人)【A】「働くことで大切なのは、好き嫌いではなく稼げるかどうか」(蛭子能収)はやとも「蛭子さんがすごいと思うのは、タレントと漫画家とマルチで活躍されているところです」蛭子「はあ、どうも」はやとも「僕はお笑い芸人とは別に心霊体験を怪談にしてお話しする仕事をしていますが、どちらも一生懸命やろうと思うと、ときどきつらくなることがあるんです」蛭子「オレは、人に望まれているわけではないから、タレントも漫画家もどこかで手を抜いて居ます。どうせはやともさんには誰も期待していないから、どっちもテキトーにやったらどうですか」はやとも「えっ?(苦笑)でも蛭子さんのお話を聞くと、肩の力が抜けた気がします」蛭子「オレがタレントになったのは、ちょうどテレビで「素人」が持てはやされていた時代があって、たまたまその流れに乗っただけです。今は芸能界にとどまっていますが、稼げなくなったら、すぐに違う仕事にチェンジします」はやとも「芸能界に憧れる人が多いなかで、蛭子さんはあまり固執していないですね。タレントは目的ではなくて、あくまでお金を稼ぐ手段ということですね」蛭子「働くことで大切なのは、好きかどうかではなく、楽に稼げるかどうかだと思いますけどね。お金が一番ですよ!」「女性自身」2020年1月21日号 掲載
2020年01月13日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(72)。本連載で同じページに収まるのは、その霊能力のために、楽屋では霊視を求める先輩芸人たちが行列をつくることもあるという、よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属の“霊がよく見える”ピン芸人・シークエンスはやともさん(28)。「蛭子さんの大ファン」というはやともさんの念願がかない、初対面した2人。蛭子さんがはやともからの相談に答える!【Q】「タレントとしてテレビに出たいと思っていますが、できれば長いこと活動したいと思っています。ずっと続けていくコツはありますか?」(シークエンスはやともさん・28・芸人)【A】「芸能界で生き残る秘訣は薬物をやらないこと」(蛭子能収)はやとも「はじめまして。小学生のときに、テレビで蛭子さんがいるだけでスタジオが大爆笑になる場面を見て以来、憧れていました」蛭子「あっ、どうも」はやとも「蛭子さんは今でもタレントとして成功されている。今回はその秘訣を知りたいと思います」蛭子「オレが成功しているかどうかはわかりませんが……」はやとも「めちゃくちゃ成功していますよ。霊視しても、蛭子さんにはまったく霊が憑いていません。大企業の社長や売れている芸能人は、霊が憑いていない人が多いんです」蛭子「霊が見えるんですか?それは怖いな。10年くらい前には、亡くなった前の女房がいると霊能者に言われたことがあります。今はなにも憑いていないんですか?」はやとも「心残りがなくなり、思い残すことなく向こうに逝かれたかと思います。蛭子さんは体質的に霊が憑きにくい、まさに成功するタイプです」蛭子「はあ」はやとも「そこで相談があるのですが、僕はタレントとしてテレビに出たいと思っていて、できれば長い間、テレビの世界にいたいと思っています。第一線にずっと残るには、どうすればいいですか?」蛭子「最近、芸能界で薬物問題がすごく多いじゃないですか。あのようなことはやめること……」はやとも「えっ?(爆笑)僕、薬物やっていないですよ」蛭子「やっていないの?芸能人はみんなやっていると思ってた」はやとも「手に入れ方もわかりませんよ(笑)」蛭子「そうですよね。でも、とにかく犯罪をしないこと。1回でも逮捕されたら、もう二度とタレントに戻れませんから……」はやとも「あの、蛭子さんは賭け麻雀で捕まったことが……」蛭子「あっ、そうだ!だから、悪いことでも「これはしょうがない」というのがあるんですよ」はやとも「なるほど(笑)。でも今の時代は難しいですよね」蛭子「あとは、いつも低姿勢でいることとすぐに謝ることです。ケンカになって刺されて殺されるのが本当に怖いんです。だから、オレはどんなことがあってもすぐに謝ります。道でぶつかったときも、相手が悪くても『すみません』と真っ先に謝ります」はやとも「そんな優しい人は幽霊が憑きやすいはずですが……」蛭子「ただ、なんでも謝っておけばいいと思っているだけで、まったく心を込めていませんけどね」はやとも「なるほど!罪悪感を抱かない人には霊が憑きにくいんです。成功の秘訣がわかりました」「女性自身」2020年1月1日・7日・14日号 掲載
2020年01月05日