元欅坂46で女優の今泉佑唯が28日、千葉・幕張メッセで開催された「Rakuten GirlsAward 2019 AUTUMN/WINTER」に出演した。今泉は、藤田ニコルがプロデュースするアパレルブランド「NiCORON」のステージに登場。カーキのミニスカートに黒のトップス、カーキのブルゾン、さらにショルダーバッグを身に着けたコーディネートを披露した。そして、笑顔でランウェイを歩き、先端ではクールな表情で手を口元に近づけてポーズを決め、すぐに笑顔全開に。会場から大きな歓声が沸き起こった。「GirlsAward」は、2010年から年2回、「渋谷からアジアへ。そして世界へ。」をスローガンに開催している日本最大級のファッション&音楽イベント。20回目となる今回は幕張メッセにて、“女の子のわがままが全部詰まったKIRA KIRAの魔法に包まれる夢のような空間”という意味を込めた「KIRA KIRA CELEBRATION」をテーマに、人気モデルによるファッションショーやアーティストによるライブステージなどを開催した。撮影:蔦野裕
2019年09月29日田中圭が『愛がなんだ』の今泉力哉監督のもと主演する恋愛群像エンターテインメント『mellow(メロウ)』が、2020年1月17日(金)に公開決定。花屋を演じる田中さんの“花ラッピング”映像が解禁となった。俳優として長いキャリアを持つ実力派として知られ、2018年の連続ドラマ「おっさんずラブ」での大ブレイク、2019年1月から異例の2クール連続ドラマ「あなたの番です」での好演もあり、いま最も勢いのある俳優・田中圭。本作で演じるのは、独身、彼女なし、好きな花の仕事をして、穏やかに暮らしているオシャレ花屋の店主・夏目誠一。ヒロインには、ドラマ「パーフェクトワールド」で見せたナチュラルな演技が記憶に新しい注目の若手女優・岡崎紗絵を迎える。演じるのは、父親から代替わりし、いまでは廃業寸前のラーメン屋を営む女店主・木帆。そのほか、ピュアな女子中学生役に、これまでの今泉作品でも起用され、透明感のある演技が魅力の志田彩良、本作が映画初出演となる松木エレナらのフレッシュな演技にも注目。さらに「凪のお暇」の白鳥玉季や、SUMIRE、山下健二郎らが個性的なキャラクターを演じて脇を固め、ともさかりえ、小市慢太郎の演技が物語に深みを与える。監督・脚本は、深川麻衣主演『パンとバスと2度目のハツコイ』で恋愛こじらせ女子の恋模様を描いて多くの若者に支持を得て、4月公開の『愛がなんだ』では連日満席、立ち見が続出し公開館が拡大される大ヒット。9月20日(9月13日宮城県先行)に公開が控える伊坂幸太郎原作、三浦春馬、多部未華子出演の『アイネクライネナハトムジーク』にも期待がよせられる今泉力哉。恋愛映画の旗手と呼ばれる今泉監督と田中さんとの初タッグに期待が高まる中、街で一番オシャレな花屋と廃業寸前のラーメン屋を舞台に様々な恋愛模様が描かれていく、まさに今泉ワールド全開の“不器用な片想いたちの物語”となっている。この度、解禁となった特報映像では、花屋の中でバラを一輪一輪、丁寧にラッピングする田中さんの静寂のシーンに、“不器用な片想いたちの物語。”というコピー。そこから一転、新星・並木瑠璃の主題歌「花になる」が響き、“その想い、この花とまれ”という、まっすぐなメッセージが。さらに、女性たちが次々に愛を告白するシーンがテンポよく続き、最後に田中さんの温かい笑顔に心癒やされる映像となっている。田中圭、今泉監督は「それこそ存在がmellow」今泉監督とは初タッグで、お会いした時に独特の空気感を感じ、それこそ存在がmellowでした。台本を読んで、本当にmellowだと思いましたし、花屋とラーメン屋で繰り広げられる人間模様、人が人を想う気持ちの愛しさ、登場するキャラクター。なんだか全部がmellowでした。オリジナルなので、やり甲斐がありましたし、撮影スケジュールは全然mellowではありませんでしたが、流れている空気感はずっとmellowでした。みなさんにも、僕がmellowを連発する理由が伝わると思うので、是非見に来てください!岡崎紗絵「『愛がなんだ』が大好きで何度も観に行った」今泉監督の『愛がなんだ』が大好きで何度も観に行った作品だったので、今回ご一緒させて頂ける事になって本当に嬉しかったです。実際に撮影をしてみて、セリフや仕草や間の取り方など、日常を切り取って積み重ねているようで今泉監督はリアルを大切にされているなと思いました。私が演じる木帆は優しさの中に芯があってまっすぐな女性です。そんな木帆に同じ目線で寄り添ってくれる夏目さんと関わっていく中で、木帆自身も成長していきます。人と人との関わり方、愛の形、私たちの日常を優しい時間の流れで感じることの出来る映画になっていると思いますので是非沢山の方に観て頂きたいです。監督・脚本:今泉力哉「好き勝手に書いたら、やっぱり片想い祭りに」田中圭さんの安定感と遊び心、岡崎紗絵さんの明るさとひたむきさに頼って、オリジナル脚本の恋愛映画を撮らせていただきました。好き勝手に書いたら、どうしてでしょう、やっぱり片想い祭りになってしまいました。お洒落な花屋の店主・夏目誠一とその周辺の人々のたくさんの実らない恋。それでも一切暗くなることなく、いっそ美しく面白おかしな物語になっていったのは、やはりこの映画の真ん中に田中圭さんがいたからだと思います。「誠一おじさんはどうして男なのに花屋になったの?」花屋の男とラーメン屋の女。アイデア段階ではこんなにモテる予定じゃなかったんだけどなあ、夏目誠一。田中圭を筆頭に登場人物、全員かわいい映画です。あ、怒られるかな。ぜひ、お楽しみください。『mellow』は2020年1月17日(金)新宿バルト9、イオンシネマ シアタス調布ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2019年09月13日『愛がなんだ』『アイネクライネナハトムジーク』の今泉力哉監督最新作『街の上で』が7月末にクランクアップし、本日8月28日(水)より「MotionGallery」にてクラウドファンディングがスタートする。本作は、下北沢の古着屋で働く荒川青のもとに訪れる「自主映画への出演依頼」という非日常的な出来事、いざ出演することにするまでの流れと、出てみたもののそれで何か変わったのか分からない数日間、またその過程で青が出会う女性たちを描く物語。本作の主演を務めるのは、『GANTZ』『南瓜とマヨネーズ』『パンク侍、斬られて候』などに出演、『愛がなんだ』に続き今泉監督とは2度目のタッグとなる若葉竜也。主人公・荒川青役で単独初主演を果たす。オファー前から監督が映画を撮るといううわさを聞いていたという若葉さんは「へー。どんな映画だろ?誰がやるんだろー。と完全に他人事でした。と、思っていたら僕の元に5ページほどの企画書が。ラブレターをもらった気持ちです」とふり返る。作品については「溢れ落ちそうな生活の粒を丁寧に切実に、1カット1カット撮影しました。面白い映画になったと思います」とコメントしている。本作は「第11回下北沢映画祭」のプログラムの一環で10月13日(日)にプレミア上映を予定しているが、現時点で劇場公開は未定。なお、本作完成及び国内外での上映に向けたクラウドファンディングでは、プレミア上映への招待のほか、クレジット掲載、共同脚本も務める漫画家・大橋裕之の描き下ろしイラストがデザインされた特製Tシャツなどのリターン(特典)が用意されている。(cinemacafe.net)
2019年08月28日大阪市の淀川文化創造館シアターセブンにて、今泉力哉監督の過去作を上映する「今泉力哉監督 特集」が、6月29日(土)より開催されることが分かった。現在上映中の岸井ゆきの主演『愛がなんだ』に続き、三浦春馬主演『アイネクライネナハトムジーク』が9月に公開を控える“恋愛映画の名手”今泉監督。今回シアターセブンでは、監督の過去作より、“特別ではない人々”の愛や関係性に迫る作品群をスクリーン上映!代表作『サッドティー』をはじめ、韓国のアイドルグループ「NU’EST」のメンバーが出演する『知らない、ふたり』、福島と東京を舞台にした群像劇『退屈な日々にさようならを』、「乃木坂46」脱退後の深川麻衣初主演映画『パンとバスと2度目のハツコイ』の長編4作品を日替わり上映。さらに、「今泉監督セレクト」として、今泉監督が本特集に合わせて選んだ短編3作品『TUESDAYGIRL』『微温(ぬるま)』『最低』をまとめて観れるプログラムも用意されている。<今泉力哉監督コメント>微温(ぬるま)は、"のろま"の語源らしい。最低、サッド、知らない、退屈。。。ネガティブワードのオンパレード。映画「愛がなんだ」をきっかけに今までの私の映画がこうして見てもらえること。とても嬉しいです。パンとバス、そして、アイネクライネナハトムジーク(ちいさな夜の音楽)まで。どれもこれも大好きな映画。ちなみにTUESDAYGIRLはナンバガのあの歌からつけたタイトルです。火曜日の記憶。「今泉力哉監督 特集」は6月29日(土)~シアターセブンにて開催。(cinemacafe.net)
2019年06月24日元欅坂46で女優の今泉佑唯が2日、東京・台場のヴィーナスフォートでDVD&ブルーレイ『今泉佑唯の出逢いの旅~20歳の再出発 アイドルから女優へ~』(ともに6月5日発売 DVD:5,400円税込 ブルーレイ: 6,480円税込 発売元:エイベックス)の発売記念トーク&握手会を行った。同DVDは、欅坂46卒業後に女優の道を歩み始めた今泉佑唯の本音と素顔に迫った北海道限定の番組(5月26日に放送)をDVD化。初舞台『熱海殺人事件 LAST GENERATION46』の本番を迎えるまでの姿に密着したほか、北海道に住む同世代の女性たちとの出逢いやDVDでしか見ることができない「日が昇るまで」を熱唱した姿を収録するなど、今泉の現在をとらえている。そんな同DVDの発売を間近に控えたこの日は、ヴィーナスフォートに集った多くのファンを前にして発売記念イベントを開催。北海道で放送された同番組について「SNSで『もっと好きになりました』というコメントをいただきすごくうれしかったです」と反響が大きかったようで、北海道に住む女性に出逢ったことに「同世代の女性が今どういう生活をしてどういう生き方をしているのかすごく気になったので、北海道に行かせてもらいました。彼女たちに出逢って、自分らしく生きようと前向きになるようになりました。ポジティブになりましたね」と刺激を受けた様子だった。同DVDでは欅坂46として最後の曲でもある「日が昇るまで」を熱唱している。「大切な一曲ですね。ライブとか皆さんの前で歌わせてもらったことが一度もなく卒業したので、どこかで歌いたいと思っていました。今回初披露させていただいてすごく嬉しかったです」と満足げで、「秋元先生と連絡を取り合い、相談した内容が歌詞になっています。本当に自分のことを歌った歌なので、より気持ちが入りますね」と今泉にとっては想い出深い曲だという。今後は女優としての活躍に期待が集まる今泉。4月には初めての舞台『熱海殺人事件 LAST GENERATION46』に挑み、熱演して大きな話題を集めた。「今終わってみて寂しい気持ちですね。またやりたいなって思っています。稽古の時は、お芝居に向き合うのが初めてだったので言われたことに対して何も答えられず、気持ちが落ちて休憩の度に逃げ出しちゃいました」と後ろ向きだったようだが、「本番はめちゃくちゃ楽しかったです。稽古の辛かったのが一体何だったんだろうと思うぐらい(笑)。本番はすごく楽しくて、女優としてやっていきたいと思いました」と女優魂に火が点いたとか。観客から「今後やってみたい役は?」と質問されると、「サイコパスとかすごくブリブリに可愛い役をやってみたいです」と回答。イベント中にはプライベートについても言及し、マイブームについて「最近、夜に鶏肉を蒸してそのまま置いておくのが好きなんです。朝食べるのが楽しみで、夜に3つぐらい蒸しておきます」と話し、「もうすぐ夏だし、今年は水着を着たいと思っているので、身体を絞っています」とその理由を明かしていた。
2019年06月03日角田光代の小説を今泉力哉監督が映画化した『愛がなんだ』が先ごろから公開をスタートし、大ヒットを記録している。動員を増やしている理由のひとつは(おそらく)観客が抱く感想がそれぞれで、観終わると誰かと本作について話したくなるからではないだろうか。今泉監督と主人公・テルコを演じた岸井ゆきのも「観終わった後の感情が人によってバラバラなのは豊かなこと」「作品を観た後、きっと誰かと話したくなるはず」と語る。本作は、友達の結婚式の二次会で山田テルコ(岸井)と田中マモル(成田凌)が偶然に出会うところから物語が始まる。マモルにアッという間に惹かれたテルコの日常は急変し、彼女は“マモちゃん”のためだけに行動するようになる。彼からの電話を待つためだけに時間をつぶし、何があっても呼び出しには駆け付け、ついには仕事を辞め、友達の助言にも耳を貸さない。テルコの内面は彼のことだけで埋まっているが、田中との連絡は途絶えがちになっていく。それでもテルコは走り続ける。なぜ? 何のために?これまで数々の恋愛映画を手がけて高評価を得てきた今泉監督だが、角田の小説を読み「本当に面白くて映画化したいけど、本当に難しいだろうなぁと思いました」と振り返る。「僕がこれまでやってきた映画は恋愛の温度が低い話だったんですけど、テルコの好きの温度は高いんですよ。それに小説には“地の文”があってテルコの内面やテルコから見た話が描かれるんですけど、映画で“テルコにはそう見えているけど、周囲からはそうは見えない”場面や決断をどう描くのか?」一方の岸井は周囲から“テルコにぴったり”と言われて原作を読んだが「待って! これ、私と全然違うぞ! と思った」と笑顔を見せる。「私はテルコと違って、好きな人のために何かを捨てることはできない。でも、いったんテルコの中に入り込んで彼女の視点で世界を見ると、すごく筋が通っているんです。テルコは“マモちゃんが好き”という太い幹があって、彼がいるから仕事も捨てる……それはテルコ的にはすごく真っ当なことで。客観的には『いやいや、仕事辞めないで』とか思ったりもするんですけど(笑)すごく純粋に演じることができましたし、私自身が捨てられない分、テルコに捨ててもらおうぐらいの気持ちでした」好きな人のためにすべてを捨ててしまうテルコを描く上で今泉監督は“共感を超える”存在として描くことを重視したという。「テルコに共感する人もいるだろうし、まったく理解できない人もいる。でも、そういうことを超越して彼女が魅力的な人物だと感じてもらえたり、存在する可能性があってほしかったんですよ。だから単純に“好きか嫌いか”だけで彼女を見られてしまうと、テルコが単にイヤなヤツだと思われてしまう可能性があったので、映画の前半でテルコのまっすぐな部分を肯定したり、羨ましがる人を登場させようと最初から決めていました」しかし、そんな人物を実際に人間が演じるのは簡単なことではない。岸井は「撮影中、監督に“わからない”って言われたことはすごくビックリしました」と笑顔を見せる。「これまでは役やシーンについて悩むと現場で監督と話をして、最終的には監督に決定してもらってきたんですけど、今回は“わからない”と(笑)。でも、よく考えたら人類がこれだけ生きてきても“愛”についてはいまだに答えが出ていないわけだから、そりゃわかるわけはないよなって(笑)。だからこそ、この映画は監督と一緒に悩みながらテルコを作っていきました。今泉監督とこのタイミングでガッチリとやれたことは本当に良かったと思っています」愛とはなんだ? 愛のためにとる行動に正解はあるのか?私たちは本当にテルコのような行動に出ないと言い切れるのか? 映画『愛がなんだ』は終始、言葉では説明しきれない、正解がないドラマが展開される。「性別や年齢に関係なく“自分はテルコと同じだ”と思う人もいるでしょうし、登場人物の誰かしらの中に自分を見つけられる映画だと思います。作品を観たあと、きっと誰かと話をしたくなるはずです。」(岸井)「観終わった後の感情が人によってバラバラなのは豊かなことですよね。だからこそ、映画をどうやって終わらせるのかについては考えました。何かが解決したわけではないけど、映画は終わらないといけない。脚本を書いているときに思い出したのは、ジュリー・デルピーが監督した『パリ、恋人たちの2日間』で、あの映画も男女が離れたり、くっついたりして、映画は強引に終わる。角田さんの原作は本当にいいラストなので映画でも描こうと思ってましたけど、そこで映画も終わるのか、何かを足すのか……完成した映画で描いた“あのラスト”が思いついてからは、これで間違いない! と思ってやってましたね」(今泉監督)テルコの物語は終わらない、解決しない。だからこそ、観終わると誰かと映画について話したくなる。映画『愛がなんだ』はこれからも観客を増やしていきそうだ。『愛がなんだ』公開中
2019年05月17日元欅坂46で女優の今泉佑唯が、松本穂香と渋川清彦のダブル主演映画『酔うと化け物になる父がつらい』(2019年公開)で映画初出演を果たす。同作は、秋田書店のWEBサイト・チャンピオンクロスで連載されたノンフィクションコミックエッセイ(菊池真理子著)を実写化。毎日アルコールに溺れる父(渋川清彦)、新興宗教信者の母(ともさかりえ)のもとに生まれた主人公・田所サキ(松本穂香)は、酔って「化け物」になった父の奇行に悩まされ、母の孤独に触れながら、未来を見つけていく。今泉が演じる田所フミは、崩壊していく家庭の中でも笑顔を絶やさず、父の奇行を前に動揺する姉・サキを明るく支え続ける役柄。快活さと利発さで周囲からも人気を集めるフミが、中学生から大人の女性へと成長していく姿を体当たりで演じる。昨年、欅坂46を卒業した今泉。女性ファッション誌『ar』のレギュラーモデルを務めるほか、TBS系ドラマ『グッドワイフ』の第6話で秘書役を演じるなど、卒業後は女優としても活動の幅を広げている。初の映画撮影を終え、「分からないことだらけで初日から躓いてしまい、不安でいっぱいでしたが、無事に終えることができて少しほっとしています」とコメント。「自分自身とほんの少しだけ重なる部分があり、共感できたり、でもいつも明るく振る舞うフミちゃんにどこか胸が苦しくなってしまう場面もありました」と役柄と撮影を振り返った。また、姉妹役で共演した松本穂香については、「緊張している私を見て優しく声を掛けてくださったり、アドバイスをしてくださって嬉しかったです。本当のお姉ちゃんのような存在でした」と感謝。「お酒が好きな人、そうでない人。人それぞれですがこの映画を観てきっと共感できる部分がたくさんあると思います。ぜひ、観ていただけると嬉しいです」と呼びかけている。
2019年03月20日3月28日(木)に開幕する『熱海殺人事件』LAST GENERATION 46の制作発表会が行われ、出演者の味方良介、今泉佑唯、佐藤友祐、石田明、演出の岡村俊一が登壇し、MCを久保田創が務めた。【チケット情報はこちら】『熱海殺人事件』は、1973年に文学座に書き下ろされ、再演を重ねられてきたつかこうへいの代表作。46年目そして平成最後の年の上演となる今回は“LAST GENERATION 46”と銘打ち、3年連続で主演を務める味方、昨年欅坂46を卒業し本作で本格的な女優デビューを果たす今泉、ダンス&ヴォーカルユニット「lol-エルオーエル-」の佐藤、昨年に続いて出演するお笑いコンビ「NON STYLE」の石田が出演する。キャスト登場シーンの披露から始まった会見。岡村は今年の『熱海殺人事件』は特に若いキャストが揃ったことに触れ「この作品はつかさんが22、23歳のときに着想したものなんです。つまり大学生の発想なんですね。そういう若い人の考えた寂しさとか幸せとかは、本当に若い人がやるのが1番いいんじゃないかと常に思っています。リアルな若さから出てくるもの、若者にしか出せないエネルギーがあると思うので楽しみにしています」と話した。さらに今回の演出について「今泉が歌えるということで、ミュージカルシーンをふんだんに盛り込んで歌い踊る『熱海殺人事件』にしていければ」と明かした。木村伝兵衛部長刑事役の味方は「今年は、(去年に続き)石田さんがいるのでその安心感があります。2年目ならではの石田さんとの戦いをみせていけたらと思います。そして今年は新しい若い力が入ってくるので、その力を最大限に引き出せるようバックアップしたいです」と3度目ならではのコメント。水野婦人警官役の今泉は初舞台ということで「今、イチからお芝居を学んでいます。本当にやるしかないので、この期間でひと回りもふた回りも成長した姿を皆さんにお届けできたら」と笑顔をみせた。犯人・大山金太郎役の佐藤は「演出の岡村さんに僕の身を捧げて、どれだけこの役を演じられるかというところが勝負になってくるかなと思います」と意気込み、2年連続で熊田留吉刑事役を演じる石田は「イチから見直して、さらに上の熊田留吉を演じていきたい」と語りつつ「途中で脱線部分のコメディがあるのですが、そこは完全に僕作になります。そちらも楽しみにしていただけたら!」と新たな演出に意気込んだ。公演は3月28日(木)から31日(日)まで大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール、4月5日(金)から21日(日)まで東京・紀伊國屋ホールにて上演。東京公演は追加公演も決定した。取材・文:中川實穗
2019年02月15日昨年11月に人気アイドルグループ・欅坂46を卒業した今泉佑唯が、劇作家つかこうへいの代表作と言える舞台『熱海殺人事件』に出演することが分かった。今泉は本作で、女優として本格的な一歩を踏み出す。どんな思いなのか。今泉と、演出を手掛ける岡村俊一に話を聞いた。【チケット情報はこちら】『熱海殺人事件』は1973年に初演され、映画やドラマにもなった。つかが2010年に亡くなってからも、つか作品を数多く手掛ける岡村の演出で上演され続けている。今年で46年目となり、春の風物詩とも言える舞台だ。2019年版では、昨年に引き続き、木村伝兵衛部長刑事を味方良介、富山から来た刑事熊田留吉をNON STYLEの石田明が演じ、今泉は過去に内田有紀や黒木メイサらが演じてきたヒロインの婦人警官・水野朋子役に挑む。今泉は「アイドルを卒業したら、絶対に演技をやりたいと思っていたので、やっとはじめの一歩を踏み出せます。長年愛されてきた作品で、平成最後となる上演に出演させていただけることがとても嬉しいです」と出演を喜ぶ。「タイトルに『殺人事件』とあるので怖い舞台なのかなと想像してしまっていたのですが……実際の過去の舞台映像を見たら、踊りのシーンがあったり面白いシーンがあったりしました。稽古が今から楽しみです」と期待に胸を膨らませた。そんな今泉を、演出の岡村は「堂々としているし、気が強そうだから大丈夫でしょう」と評価する。毎年脚本を書き変えているという岡村は、舞台の構想について「時代に即した『熱海殺人事件』にしたい。そのために、現代のヒロイン・今泉が必要。彼女のファン必見の作品にしたいですね」と答えた。「ひとつのことに縛られずにどんな役でも演じられる女優さんになりたいです」と夢を語る今泉。「きっと私のことを知らない方がたくさん見に来てくださると思うので、この作品をきっかけに私自身のことを知っていただきたいです。今まで応援してくださっていたファンの方にもぜひ見ていただけたら嬉しいなぁと思います」と話した。「『熱海殺人事件』LAST GENERATION46」は3月28日(木)から31日(日)まで大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール、4月5日(金)から18日(木)まで東京・紀伊國屋ホールにて。ぴあでは、2月6日(水)19:00より先着先行受付開始。文:五月女菜穂
2019年02月06日編集部:学研キッズネット編集部学研キッズネットfor Parentsの記事からわかった、すくすく伸びる子どもたちのために本当に大切なことをふり返る特集最終回。今回のテーマは、保護者にとってもナナメの関係となりえる、没頭して生きる大人たちの様々な「言葉」。学研キッズネットfor Parentsの記事との出会いが、子どもたちだけでなく大人の心もあたため、明日への活力となることを願っています。このページの目次没頭して生きる大人たちの言葉。保護者へのメッセージ平和を願う大人たちから、子どもたちへのメッセージ1.没頭して生きる大人の言葉。保護者へのメッセージ作家・上橋菜穂子が語る今のわたしを育んだもの 【第2回】作家になるために貫いたこと作家・上橋菜穂子さんわたしの学びたい心を伸ばしていたのは、実は母だったのだろうな、と、いまは思います。好奇心旺盛な人で、わたしの話を芯からおもしろがって聞いてくれましたから。たとえば「パレスチナの悲劇は、実は英国の三枚舌政策が……」というような話をすると、「ちょっと待って。ノートに書くから」って、メモを取りながら「へぇ。全然知らなかった。そうなのね」と、聞いてくれる。わたしは母が喜んでいる姿をみて、知識が喜びに変わる瞬間を自然に体験していたのです。母が聞いてくれることによって、知識が、単なる知識ではなくなっていったのです。子どもと親の関係は、家庭によってさまざまだと思いますが、わたしはこうした家庭に育ったことが、すごくありがたかった。学ぶことや知ることが、やがて豊かな人生に結びついていくかもしれないということを、喜びとともに実感することができたので。テレビを観てもマンガを読んでも、それがやがて何かに結びついていく。こうした経験を積ませてくれた親には、感謝しかありません。→掲載ページを見る リアルな体験からの感動が、学びの原動力 大平貴之さん(プラネタリウム・クリエーター)プラネタリウム・クリエーター・大平貴之さん僕は子どものころ、科学実験に夢中だったけど、そういうことには全然興味を持てない子も当然います。でもそういう子は、もしかしたらサッカー選手になるかもしれない。また、熱中しているものが何もなくても、友だちから信頼されていて、いつも学級委員に選ばれる子もいます。子どもっていうのは、ある程度、生まれついての特性があるような気がします。神様から授かったベクトルのようなものです。なるべく早いうちに自分でその方向に気づくか、あるいは親がその方向に自然に向かうよう導いてあげてほしいですね。そのためには片っ端からいろんなものに出会って、おもしろいなと思ったらグワッと入っていくのがいいと思います。→掲載ページを見る とにかく「やってみる」ことが自分だけの「発見」につながる窪寺恒己さん(海洋生物学者)海洋生物学者・窪寺恒己さんとダイオウイカ今の世の中だと、研究することによって人の役に立つってことがないとならない風潮があるけれど、研究に実学を求めちゃいかんという人もいるんです。宇宙なんかもそうですけど、重力波が観測されたからどうなの?それで宇宙の姿の見え方が違ってくるっていうけどそれがどうしたの?何か人間の役に立つの?われわれの生活に役立つの?って言われると、そりゃ絶対に役立つとは言えません。ただ、それは人間の好奇心を満たすためのひとつの努力と言ってもいいと思うんです。その努力をやめちゃうと人間じゃなくなっちゃうんじゃないでしょうか。(中略)子どもが一見どうしようもないことに夢中になっていたりすると、親としてはそんなことやっても何の役にも立たないと言いたくなりますが、役に立つか立たないかはその人の人生の最後まで見ないとわかりゃしないんです。→掲載ページを見る 「かわいそう」と大人の感情を押しつけず、子どもの好奇心を見守ってほしい今泉忠明さん(動物学者)動物学者・今泉忠明さん「価値感」を教えることは、子どもの教育にとってとても大事なことだとぼくは思っています。……「価値感」というと難しそうですが、要するに親が今までに学んできたことや、正しいと思っていることそのものです。各家庭にはそれぞれの考え方があって、昔で言う「家風」のようなものでしょうか。それを教えこめばいいんですよ。多少、世間とずれていたり、間違っていても大丈夫。人間がすごいのは、あとでちゃんと軌道修正できるところです。友だちとの交流や社会生活を通して変わることができますから、今は恐れずに、正しいと思っていることを教えてあげてください。親子で価値感を共有していると、安心して子どもを見ていられます。→掲載ページを見る 好奇心や独創性を伸ばした子ども時代が、今の自分の大切なルーツ 篠原ともえさんタレント・篠原ともえさん子どもが興味を持ったことを見守りつつも、あまり何でも助けようとしたりせず、ほどよくサポートしてくれる両親だったので、今こういうオリジナルな自分になれているんだなって感謝しています。きっとわたしのありのままを認めてくれていたんでしょうね。人と違うことは恥ずかしいことじゃない、むしろ素敵なことだって幼少のころから思うことができたのは両親のおかげだなって。人と違うのって良いことなんだって子どものころに学んだことで、そう在るためには何が必要かを考えるようになりました。一方で人と違うってことは他にはないってことだから、他にはないものを生み出すために自分で作ろうっていう発想にたどり着けたんだと思います。→掲載ページを見る 自然の不思議さを感じる心は、だれもが持っている 福岡伸一博士(生物学者)生物学者・福岡伸一博士もともとわたしが虫を好きになったのは、その色に不思議さを感じたからです。空や海のような青い色が、たとえば南米のチョウや、ルリボシカミキリのような小さな虫の背中にきゅっと集まっているのが、すごいなと思いました。そういう自然の精妙さや世界の成り立ちに対する驚きを感じる時期が、子どもには必ずあるはず。その驚きは必ず何かの行動に向かうと思うんです。今の子どもでも、昔の子どもでも、未来の子どもであっても。そして大人も、子どものころに感じた不思議さに、大人となった今も支えられて生きているはず。だから、子どもの目線に戻ってその驚きを思い出してみてはどうでしょうか。現代社会では、自然の不思議さになかなか出会えないと思うかもしれない。しかしどんなに周りが人工的なものであっても、自分が生きているこの生命現象は自然なわけです。生まれるときや死ぬとき、病気になるときは自分で決められない。そういった生命現象に驚くというのは、自分自身が生きていることの不思議さに気がつくということ。その延長線上に、自分の興味の持てるものがやってくる時期が、必ずあります。→掲載ページを見る 子どもの可能性が広がる自由研究へと導く声かけ城戸真亜子さん(「学研・城戸真亜子アートスクール」主宰)「学研・城戸真亜子アートスクール」主宰・城戸真亜子さん子どもって興味のあるところでストッと終わっちゃうんです。大人は「もう少し描けばいいのにな」と思うのですが、あとから見るとむしろその未完成さが想像力をかき立てて、見る人を感動させたり、その子の才能を感じさせたりっていうことがあって、その未完成さがいいときもあるんです。大人から見て完成してなくても、子どもの作品は芸術として完成しているのかもしれません。だから、教室では作品のよいところを見つけるのが先生の課題です。(中略)わたしも、旅先で心が震える景色に出会ったとき、ただ漠然と眺めるのでなく、絵を描く目的で〈見つめる〉と、「ここにこんな色が眠っている」とか「ここの映り込みはこんなにきれいだったんだ」とか、眺めていただけの時には気づかなかった発見があります。描くというアウトプットをすることで、見る目が研ぎすまされていくんです。→掲載ページを見る オタクならではのこだわりで、楽しんで取り組んだ自由研究 春風亭吉好さん(落語家)落語家・春風亭吉好さんマイペースで、自分の好きなことに熱中した子ども時代ですが、それは中学、高校へと進んでも変わりませんでした。もともと目立ちたがり屋だったこともあって、ずっと演劇部に所属していました。中学の演劇部なんて部員は女子ばっかりで、男子はぼくひとり。でもそういうのは全然気になりません。「オタク」についても同じです。小学生時代はだれでもアニメや漫画が好きですが、どこかで卒業するかしないかが「オタク」への分かれ道なんだと思うんです。ぼくはとうとう卒業しないまま、どんどん深く入りこんでいった(笑)。「オタク」という言葉にありがちなイメージも、やっぱり気にしませんでした。だって好きなものは好きなんですから。そんなぼくに対して、両親は特に何も言いませんでしたね。社会的なルールを守って、他人に迷惑をかけなければ、何でも自由にやらせてくれていたと思います。中学3年の夏休みには、友だち3人と「青春18きっぷ」で山口県まで行ったんですよ。時刻表を自分たちで調べて、大人のいないはじめての旅。高校受験を控えていましたが、へんに安心してくれていたようです。母がよく言っていたのが「あんたはわたしの子どもだから大丈夫」(笑)。その根拠がどこにあったのか、よくわからないんですけどね。→掲載ページを見る 親もいっしょに、子どもと自由研究を楽しんで!岡田ひとみさん(ねんど造形作家/エデュテインメントアーティスト)ねんど造形作家/エデュテインメントアーティスト・岡田ひとみさんそんなわたしに母は手出しも口出しもしませんでした。母自身、子どものころ、絵を描いていたとき先生に手直しされたことが、すごく嫌だったらしいのです。誰かに手を入れられたら、もう自分の作品じゃないと…。なので、母はわたしが作るものに否定的なことは一度も言ったことがないし、手を貸そうとしてくれたこともありません。「作品のよしあしは見る人によって違うのだから、あなたが好きなように作ればいいのよ」というスタンスでした。もっともわたし自身も人に助けてもらわず、自分で考えて作りたいと思う子どもでしたけれど(笑)。→掲載ページを見る 「ふしぎ」をとことん調べた自由研究、発見と感動の種はいまでも無限にある――大西琢磨「しんかい6500」パイロット「しんかい6500」チーフパイロット・大西琢磨さん自由研究のために普段行けないようなところに連れて行ってもらえたり、普段は見られないような生き物の姿に出会えたりしたので、年に1度の大イベントとしてとても楽しみでもありました。学校ではみんなの自由研究が体育館に並べて展示されるのですが、苦労した分思い入れがあり、自分のものが一番よくできていると思えて、自信になりました。当時は自分自身で自由研究を進めてやり遂げたと思っていましたが、今振り返ってみると家族をはじめ、親戚、調べ物のために訪ねた先の人など、いろいろな人が協力して見守ってくれていたことがわかります。母もそんなに昆虫が好きではなかったと思うのですが、いっしょに観察しながら自由にやらせてくれました。みんな、わたしが「自分でやった」と思えるような形で協力してくれていたのですね。そういう人とのつながりが自然にできるのも、自由研究の良さだと思います。→掲載ページを見る2.平和を願う大人たちから、子どもたちへのメッセージ子どもといっしょに考えたい-ノンフィクション作家・井上こみちが語る戦争と平和ノンフィクション作家・井上こみちさん人間の戦死も空襲での爆死も、これからの世界にあってはならないことです。弱い立場の人や動物の命が守られてこそ平和な世のなか。声をあげられ弱い立場のものを守ることが平和につながるのだと思います。人と動物どちらの命も大切なのです。犬や猫を奪われた人にとっても、殺さなければならなかった人にとっても、心の傷は今も消えてはいないのです。動物にも命はひとつしかない。たったひとつの命を人間がむやみにうばってはいけないと、胸をはって子どもに言える大人でありたいものです。わたしはこれからも平和の基本である、命あるものと強い絆で結ばれている人たちの話を書いていこうと思っています。恒久平和を祈りつつ・・・。→掲載ページを見る いわさきちひろ生誕一〇〇年 ~ちひろの目を通して考える「戦争」と「平和」ちひろ美術館・東京私が力がなくて無力なとき(いつもそうなのだろうけれど)、人の心のあたたかさに本当に涙ぐみたくなる。この全く勇ましくも雄々しくもない私のもって生まれた仕事は絵を描くことなのだ。たくましい、人をふるいたたせるような油絵ではなくて、ささやかな絵本の絵描きなのである。そのやさしい絵本を見たこどもが、大きくなってもわすれずに心のどこかにとどめておいてくれて、何か人生のかなしいときや、絶望的になったときに、その絵本のやさしい世界をちょっとでも思いだして心をなごませてくれたらと思う。それが私のいろんな方々へのお礼であり、生きがいだと思っている。→掲載ページを見る学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2018年12月28日第31回東京国際映画祭(10月25日〜11月3日)の“コンペティション部門”にて、阪本順治監督『半世界』、今泉力哉監督『愛がなんだ』の出品が決定したことが21日、明らかになった。コンペティション部門は、9つある主要部門の中で映画祭の顔となる部門。2018年1月以降に完成した長編映画を対象に、世界109の国・地域、応募作品1,829本の中から、厳正な審査を経た16本の作品を期間中上映する。今回邦画では2作の出品が決定された。1作目は、阪本順治監督作品『半世界』。『エルネスト もう一人のゲバラ』『北のカナリアたち』などを手がけた阪本順治が、稲垣吾郎主演で贈る完全オリジナルストーリーとなる。かつて一緒に過ごした3人組(稲垣・長谷川博己・渋川清彦)のうちのひとりが前触れもなく田舎へ戻ってきたために、「これから」を考えるきかっけになっていく。「人生半ばに差し掛かった時、残りの人生をどう生きるか」という、誰もが通るある地点の葛藤と、家族や友人との絆、そして新たな希望を描くヒューマンドラマとなっている。2作目は、『パンとバスと二度目のハツコイ』等で話題の今泉力哉監督作品『愛がなんだ』。角田光代同名小説を映画化する。28歳のOL・テルコ(岸井ゆきの)は、想いを寄せているマモル(成田凌)に自分の時間のすべてを捧げてしまう。全力すぎる片思いの末に、テルコが下した思いがけない“決断”とは……「片思い」を徹底的に考察する、可笑しく切ないラブストーリーとなった。○『半世界』 阪本順治監督コメント『半世界』は、私が以前から書き溜めていた異なる2本のあらすじを融合させ、さらに換骨奪胎に臨んで作り上げた物語です。ある地方都市の同級生3人と、その家族や背景を淡々と紡いだものです。グローバリズムが叫ばれて久しいけれど、世界の一体化なんぞ、たかが経済のため。紛争も経済のひずみから。飯喰って働いて子孫を作って、こっちも世界じゃないのかよ。そんな想いが、この作品への動機となりました。そして、製作過程において、映画作りは自分の居場所を見つける作業ではなく、自分の中に他者の居場所を見つける作業だということを、あらためて知ることができました。新しい地図を携えて、未知なる土地へと。そんな私たちの新たな道行きを、ぜひご堪能ください。○『愛がなんだ』 今泉力哉監督コメント誰かを心から好きだ、という感情を持ちながらも、それを伝えずにいる、という人はたくさんいると思う。それはやはり伝えないからこそ保たれている関係性が壊れるのを恐れているからだ。「好き」という言葉から逃げながら、それでもマモちゃんのそばにいたいテルコ。それは角度によってはストーカーやサイコパスに見えるかもしれない。でもストーカーやサイコパスになる可能性がない恋愛なんて存在するのだろうか。それを愛と呼べるのだろうか。テルコをはじめとした、〈誰かを思いきり好きな登場人物たち〉に嫉妬しながら、また、その好意が持つ温度に気をつけながら、この映画を作りました。みなさまにも楽しんでもらえれば幸いです。○プログラミング・ディレクター 矢田部吉彦 コメント『半世界』は阪本順治監督のオリジナル脚本が素晴らしく、3人の友情物語を軸に、複数のエピソードを交えながらやがて命の通った夫婦のドラマとしても見事に結実していく。家族は少し面倒だなと思いつつ父から継いだ仕事に意地で向き合う主人公の姿には崇高なリアリティーが備わっている。自然な佇まいの稲垣吾郎は天性の映画俳優としての演技力をいかんなく発揮し、池脇千鶴が絶品の存在感で脇を固める。『愛がなんだ』は、ロマンティック・コメディー群像劇でキャリアを築いてきた今泉力哉監督が角田光代の原作を映画化した。恋愛ゲームは基盤にあるが、好きな相手に対する想いが究極の形を取るに至り、『愛がなんだ』は並の恋愛映画の枠を超えてゆく。女性作家の視点を得て、今泉ワールドが深化した。コケティッシュな魅力が溢れる岸井ゆきの、ふてぶてしい説得力の成田凌の演技も特筆に値する。両作品ともに本年の日本映画を異なる形で代表する作品である。(C)2018「半世界」FILM PARTNERS(C)2019映画「愛がなんだ」製作委員会
2018年09月21日アイドルグループ・欅坂46の今泉佑唯(19)が7日、公式ブログを更新し、グループを卒業することを発表した。卒業後は、タレントとして芸能活動を続けるという。ブログではまず、「数ヶ月前からライブやイベントなどをお休みしてしまい関係各所、そしてファンの皆様にご心配、ご迷惑をお掛けしてしまい大変申し訳御座いませんでした」と謝罪。「握手会やイベントなどで大好きなファンの皆さまに会いたい。その気持ちがあるのにできない、もどかしい気持ちでした」「この状態が続いてしまっていることはファンの皆様、グループ、スタッフの皆様にとって良いことではないという思いをずっと抱いていました」と胸中を打ち明けた。そして、「こんな私でも応援してくださるファンの皆様、いつもそばにいてくれる家族のためにまだまだ頑張りたい。前を向きたい。前を向かなきゃ…そう思っていました」と前を向こうとしたという今泉だが、「この度、私なりに悩んだのですが、とても心苦しい決断をせざるを得なくなってしまいました。私は、欅坂46を卒業します」と卒業を決意。「迷っていたとき、この決断をするきっかけを作ってくれた数名のメンバーの子達には感謝の気持ちでいっぱいです!!!」と相談にのってくれたメンバーに感謝した。続けて、「欅坂46としてシングルに参加するのは今回が最後になります」と前置きしてから、「7枚目シングルでは表題曲に参加することができなかったため、ソロ曲だけでもというお話をスタッフからいただきました。いただいたソロ曲の『日が昇るまで』。これが私の気持ちです。一語一句、心を込めて大切に歌わせていただきました」と明かし、「どこか胸が締め付けられるようなそんな曲です」と説明。「いつもすてきな歌詞を書いてくださる秋元先生、素敵な楽曲を制作してくださる皆様、本当にありがとうございます」と感謝した。さらに、「幼稚園の頃から憧れていたこの世界。歌のお仕事に携わることができたこと。たくさんの方々との出会い。本当にたくさんの大事な経験をさせていただきました」と振り返り、「まだ欅坂46として活動したい気持ちはありましたが、これからはグループを卒業して、タレントとして活動を続けていきたいと思っています」とタレントとして芸能活動を継続すると発表。「そこでも大好きなファンの皆様と触れ合える場所を今後も絶対に作っていきたいです。作っていきます!!! 約束です!!」と意気込みをつづった。そして、「こんな私を応援してくださるファンの皆様のことが本当に、本当に大好きです。いつもありがとうございます」とファンに感謝。「残り少ない期間ではありますが、今、自分にできることを精いっぱい行い、感謝の気持ちを持って最後までやり切ります」と誓った。なお、具体的な今後の活動については、改めて発表するという。
2018年08月07日全国12万人以上の子どもたちが投票した『小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙』の結果発表が行われ、『おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』が第1位を獲得しました。本作は“生き物の残念な部分”に光を当てた初めての本。第4位にランクインした続編と合わせて、160万部突破の大ブームとなっています。「ウーマンエキサイト」では、同シリーズの監修を手掛けた動物学者・今泉忠明さんにインタビュー。本制作の裏側とともに、子どもの「なぜ?」、「どうして?」を伸ばす方法を教えてもらいました。■『ざんねんないきもの事典』大ヒットの理由とは?――『ざんねんないきもの事典』はベストセラーとなりました。初めからこの盛り上がりを予想されていましたか?いえいえ、まったく考えていませんでした。でも、これが売れたと聞いて「子どもたちのことは侮れないな」と思いました。テレビゲームだけじゃなく、本を読む力もすごくあるんだっていうことが証明された感じがします。だから留守番をさせるときなどにも、「ゲームでもやってなさい」と言わないで欲しいですね。ぜひそこは「本でも読んでなさい」にしていただきたいなと(笑)。――肝に銘じます(笑)。今泉先生は、なぜこの本がこれほどまでに支持されたと思われますか?おそらく「残念でもがんばって生きている生き物がいるんだ」というところかな。この本は“残念”であることをテーマにはしていますが、進化の話をしているんです。優れた進化をしなくても、生き延びている動物がたくさんいるっていうところを感じてくれたのかなとも思いますね。「優れていること」ばかりが注目を集めますけど、優れていなくても生きる価値は十分ある。そんなことが伝わればいいなと思います。――『こどもの本総選挙』表彰式で、子どもには“うんち”や“おしり”がウケるという話もありましたね。そうですね。やっぱり幼稚園から小学校の低学年のうちに、そこを越えていかないと大人になれないんですよ。だから大人は「汚い」などと止めては絶対にダメ。いずれ必ず卒業しますから、心配しなくても大丈夫(笑)。みんなが通るべき通過点なのだと思いますよ。――そんな子どもの興味を引く内容が盛り込まれていることも、人気の秘密かもしれませんね。「子どもたちに読んでもらうには、どうすればいいのか」というのは常に考えていますね。だから、100コ以上ネタがあれば、どこか引っかかるのではないかなって。「すべて興味がある」ではなくても、「ひとつ気になること」が入っていれば、それでいいと思うんです。そうすれば「ほかもちょっと読んでみようかな」と広がって、おもしろさを発見することにつながるんだと思います。■大人の感覚で“子どもの好奇心”を止めちゃダメ!――今泉先生ご自身は、小さな頃から「なぜ」と疑問を抱くお子さんでしたか?その気持ちは、子どものみなさんは全員持っていると思うんです。でも、僕はその疑問の持ち方が少ししつこかったのかもしれませんね(笑)。(疑問に思ったら)自分で「バラしてみよう」と考えるような子でした。――「なんでだろう?」で終わらないということですね。そうそう。当時は、まだそれほど“動物愛護”という流れもなく自由自在でした。だから、たとえばトンボを捕まえたら、おなかを抜いて代わりにわらを入れてしまう。そうなってもバランスよく飛べるのかというのを観察していました。トンボがどういう風にバランスを取って飛んでいるのかということが知りたかったんですよね。ですから、子どもが興味を持ったら、親としては止めないでやらせることが大事です。“残酷な子”になるんじゃないかと親は心配するけれど、そんなことはありません。僕は小さな頃、「アリの巣穴に水を入れ続ける」ということもしました。そういった子どもの好奇心を大人の感覚で「やめなさい」と言うのは、よくないんじゃないかと思います。――親としては、どうしても「かわいそうだからやめなさい」と声をかけたくなってしまいます…。そうかもしれないですね。でもそこを通過することで、足が折れちゃったアリを見て、いつしかかわいそうだと思えるようになるんです。子どもは、大人と違って“残酷”という概念がありません。それを理解した上で、一生懸命育ててあげた方がいいと思います。そうすれば、きっと曲がることなく大きくなってくれるはずですよ。■子どもに「なぜ?」と聞かれたら…?――子どもから「なぜ?」、「どうして?」と聞かれたとき、親としてどう返すべきかというのも難しいところです。そういうときには「一緒に調べよう」というのがいいと思います。教えようとせずに、レベルを子どもに合わせればいいんです。子どもにとって大事なのは、調べる方法。だから、「私なら図書館で本を調べるわ」とか調べ方の手順を教えてあげて、一緒に調べることが大切ですね。――いまはスマートフォンなどですぐに検索できてしまう時代です。それでもやはり図書館に行くことが大事ですか?指は脳とつながっているので、紙の感触やめくるっていう作業が重要なんです。スマートフォンは画面をなぞるだけですから、進歩はしないですね。“皮膚感覚から書物を知る”ということが大事だと思います。――たしかに、同じ知識でもスマホで観ると「そうなんだ」とその場で終わってしまうような気がしますね。そうですね。もちろん、大人になってから仕事で調べ物をするときにはいいと思うんです。ただ子ども時代には、やっぱり本がいいですね。■「生き抜く知恵」を付けるために親ができること――今泉先生も、小さな頃から本を読まれていましたか?『シートン動物記』や『ファーブル昆虫記』を読んでいました。家にそれしか本がなかったというのもあるんですけどね(笑)。気づいた時には、パラパラとよく本をめくる子どもだったと思います。ただ、僕は「鉄砲玉」とも呼ばれていたんですよ。一回家を出たら、暗くなるまで帰って来ない(笑)。毎日、秘密の小屋を作ったり、田んぼや原っぱで遊んだりしていたので、いざというときに「生き抜く知恵」が付いたと思います(笑)。遊びをとおして「これは危ないぞ」と予測がつくようにもなるんです。だから本だけでなく、外遊びも大事でしょうね。――親は先回りして注意してしまいがちですが、子どもの好奇心や行動力を大人が抑えつけてはいけないということですね。そうです、そうです。子どもの頃のケガは当たり前で、ケガをして痛さを知るんです。そうすることで、思いやりもわく…全部がつながっているんですよ。それなのに、思いやりだけを育てようとするから無理がある。痛みがなければ、思いやりの心は生まれませんからね。――それでは最後に、読者へのメッセージをお願いします。いまのお母さんは時間がなくて大変だと思うけれど、できるだけアナログで子育てすることが大切だと思います。すべては本人のヤル気が問題なので、どうすれば子どものヤル気が出るかを親は考えなくてはいけません。たとえば子どもに本を読んでほしければ、自分が本を読んで笑ってみたり、おもしろさを伝える演技をしてみる。そうすれば、陰で見ていた子どもがその本を手に取るかもしれません。子育てには、子どもと接する時間、そして、子どもをだます演技力も必要だと思いますよ!■お話を伺った今泉忠明さん監修書籍『おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』(左)、『おもしろい! 進化のふしぎ 続ざんねんないきもの事典』(右)● 『おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』 今泉忠明/監修 高橋書店生き物の“ざんねんな進化”にスポットを当てた事典。「どうしてそうなった!?」と思わずつっこみたくなる、愛おしき「ざんねんないきもの」122種を紹介する。『こどもの本総選挙』第1位。● 『おもしろい! 進化のふしぎ 続ざんねんないきもの事典』 『ざんねんないきもの事典』第2弾。オールカラーで、恐竜などの絶滅種についても紹介する。笑えて、ちょっとためになる“ざんねん"な生き物の真実がたっぷりつまった1冊。『こどもの本総選挙』第4位。今泉忠明さん1944年東京都生まれ・動物学者。東京水産大学(現東京海洋大学)卒業。国立科学博物館でほ乳類の分類学・生態学を学ぶ。文部省(現文部科学省)の国際生物学事業計画(IBP)調査、環境庁(現環境省)のイリオモテヤマネコの生態調査などに参加。上野動物園の動物解説員を経て、「ねこの博物館」(静岡県伊東市)館長。
2018年05月24日赤ちゃんの頃は「元気に育ってくれれば、それで十分」と思っていたのに、子どもが成長するにつれ「あれもこれもできる子になってほしい」とついつい願ってしまうのが、親の常。でも、世の中にはさまざまな幼児教育があふれ、どれを選べば正解なのか、わからなくなりますよね?そんなママのお悩みを、シンプルに解決してくれるのが、『「賢い子」に育てる究極のコツ』(文嚮社)が10万部を超えるベストセラーとなった脳医学者・瀧靖之先生。つねづね「子どもを賢く育てるには、図鑑が一番!」と話し、自らも図鑑を使った子育てを6歳の息子さんに実践している瀧先生が総監修した「MOVEはじめてのずかん みぢかないきもの」(講談社)が発売されました。「図鑑を作るのが夢だった」と話す瀧先生の「こんな図鑑が欲しかった」のエッセンスがたっぷり入ってできあがった一冊。制作での思いや、図鑑の効果的な使い方などを瀧先生にお聞きしました。瀧靖之先生 プロフィール1970年生まれ。医師。医学博士。 一児の父。東北大学大学院医学系研究科博士課程卒業。東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター 副センター長・加齢医学研究所 教授。東北大学加齢医学研究所および東北メディカル・メガバンク機構で脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達、加齢のメカニズムを明らかにする研究者として活躍。読影や解析をした脳MRIはこれまでに16万人にのぼる。「脳の発達と加齢に関する脳画像研究」「睡眠と海馬の関係に関する研究」「肥満と脳萎縮の関係に関する研究」など多くの論文を発表。学術誌はじめ新聞・テレビなど、マスコミでも数多く取り上げられ注目を集めている。『「賢い子」に育てる究極のコツ』(文響社)は10万部を超えるベストセラーに。■「はじめてのずかん」が子どもの好奇心の入り口にまずは最初に、瀧先生が提唱する「どうして図鑑が脳にいいのか?」をご紹介しましょう。・「わくわくする」好奇心を育てれば、自分の力で学べる「ぐんぐん伸びる子」に育つ。・いろいろな情報に触れられる図鑑は子どもの好奇心を育てる。・絵や写真があるので、言葉をつかさどる領域だけでなく、図形や空間を認知する領域など複数の脳の領域を同時に活性化できる。・図鑑で見たもの(バーチャル)を実際に見る(リアル)ことが子どもの好奇心を広げ、知識を定着させる。上記をふまえたうえで、インタビューはスタートしました。── 今回、図鑑の総監修をしてみていかがでしたか?瀧靖之先生(以下 瀧先生):小さな子どもでも楽しめるけれど、中身は本格的という図鑑があればいいのにとずっと思っていました。子どもは暗記力もすごいし、大人以上に好奇心が旺盛なので、はじめて触れるからこそ本物を見せたあげたいという気持ちを出版社と分かち合えました。今回、まだ形のない段階から関わり、何度も何度も出版社とやりとりを重ね、かなりイメージ通りの「図鑑の入り口となる図鑑」ができあがりました。── 「はじめてのずかん」というだけあって、図鑑に触れる入り口となる図鑑なんですね?瀧先生:図鑑というと小学校入学のプレゼントというイメージがあり、そのくらいの時期に初めて手にするお子さんも多いと思います。今までは、小学校入学前後の子どもに向けた本格的な図鑑か、子どもっぽいおもちゃのような図鑑しか出ていませんでした。昔の僕みたいに図鑑が好きな子どもは初めから本格的な図鑑から入ればいいけれど、そうではない子どもでも興味をもって手に取り、図鑑の入り口になる1冊があればと思っていました。ここから先は、恐竜や昆虫、動物などの図鑑につながっていける「初めての図鑑」を作りたかったんです。そのためにも、ただ「チョウ」とか「ゾウ」とかではなく、「クロアゲハ」とか「アフリカゾウ」などきちんと名前を伝えて、興味を持ってもらえるようにしています。子どもは機会的な暗記力がすごいので、あっという間に覚えてしまいますから。そして、デザインもほかのシリーズとそろえ、本格的な図鑑にしました。── 「2歳からの脳に効く!」と帯にありますが、2歳くらいでこの図鑑を手にするのがいいのですか?瀧先生:言葉を吸収し、周りに対する好奇心もどんどん出てくるのが2歳くらいですが、もちろん、0歳からでも1歳からでも、3歳、4歳でも図鑑を楽しんでもらって構いません。ただ、「好き嫌い」がまだあまり出ていない早い時期からいろいろ見ておくと、大きくなってからも好奇心の対象を広く保てます。できれば早い時期から図鑑でいろいろな情報に触れていただきたいと思っています。■図鑑が苦手な親子だから楽しめる“しかけ”が満載──「読み聞かせ図鑑」というのもおもしろいですね。図鑑というと見るイメージがありますが、読み聞かせができるんですね。瀧先生:子どもが楽しむためには親がまず楽しむことがとても大切なのですが、世の中のお父さんお母さんがみんな図鑑好きというわけではないと思うので、今まで図鑑にあまり触れてこなかった方でも気軽に子どもと楽しめる工夫にこだわりました。── それは世の中のパパママにとてもありがたいですね。瀧先生:好奇心だけではなく、乳幼児期に愛着形成をすることは、その後の精神安定に非常に大切だと言われています。ぬくもり、声、笑顔など親子の愛着掲載がとても大事な時期なので、子どもひとりで読むのではなく、親子でコミュニケーションをとりながら楽しめるようになっています。── 具体的にはどのようなしかけがあるのでしょうか?瀧先生:ほかの図鑑ではあまりないと思うのですが、写真の動物が吹き出しで話しています。もともとMOVEシリーズの特長である動きのある写真も子どもを引きつけますが、生き物が話すことで子どもの興味をよりひきつけやすくしています。そして、その吹き出しを読めば、誰でも簡単に読み聞かせができるんです。それ以外にも、親子の会話のきっかけづくりになるコラムがあったり、子どもが大好きなクイズが載っていたりして、親子の愛着形成や言葉を覚えるコミュニケーションが簡単にできるようになっています。── たしかに「ゾウの足音ってどんな音」というコラムなど自分も知らないことが載っていておもしろかったです。 ■知的好奇心を育てるのは「図鑑で見たアレ」を「実際に目にする」── 親子のコミュニケーションのほかにこだわったことはなんでしょうか?瀧先生:図鑑に載っていた動植物を目の前で見られたら「これが図鑑で見たアレなんだ」と興味が深まりますね。知的好奇心をいかに伸ばすかを考え、あえて身近なところを前半に取り上げました。── パッと目をひきそうなパンダやキリンなどではなく、ダンゴムシとかチョウなど「まちのいきもの」から始まっているところに挑戦を感じます。瀧先生:あまりにも遠い世界のことを入れてもつながらないので、図鑑を見た後に身近なところで本物を見る、あるいは本物を見て「これは何だろう」と図鑑を見る、ということを双方向で繰り返すことで、知的好奇心は伸びるんです。そして題材は身近だけど内容は本格的。子ども扱いして幼稚じゃないことが大事です。■図鑑の正しい使い方、NGな使い方── ついつい、脳への効果を期待してしまいますが、この図鑑はどうやって使ったらいいでしょうか?瀧先生:一番大切なのは、親自身が楽しむこと。「子どもに興味を持たせなければいけない」と重荷を感じる必要はまったくなくて、親自身が興味を持つところをパラパラめくって、ペンギンが好きならペンギンを、猫が好きなら猫をと興味をもったページを楽しんでいれば十分です。── 大人が楽しんでいれば、子どもも「楽しそう」と思ってくるわけですね。反対に、NGな使い方もありますか?瀧先生:子どもに押しつけることは避けたいですね。勉強もそうですが、「やりなさい」というと子どもは嫌になりますから。あとは、本棚の飾りにせず、テーブルなどいつでもパッと手に取れる場所に置いておくことです。そうすれば、外でチョウを見かけたり水族館に行ったりしたら、帰ってから「なんだろうね」とすぐに調べられます。本棚にしまいっぱなしでは、「なんだろうね」と疑問を持ちながらも調べずに終わってしまうので、せっかくの好奇心が伸びずにもったいないですよね。── やはり「疑問に思ったことを調べる」ということが大切なんですね。忙しい時などつい子どもの「なんだろう」を聞き流してしまう自分としては反省します。瀧先生:疑問に思ったことを調べる、というのは一生使える勉強の基本ですよね。「調べようね」と言って調べるのは、子どもにとってとても楽しいことです。まだ「勉強を勉強と思わない」小さな頃から調べる習慣がつくと、勉強しなければいけなくなった時に自分からどんどん調べることに抵抗がなくなります。── 最後にこの図鑑をぜひ手に取ってほしい、乳幼児のお父さん、お母さんにメッセージをお願いします。瀧先生:いろいろなことに好奇心を持てるようになると、将来どんな道に進んでも、きっと役立ちます。身近な動物や植物にもちゃんと名前がついていて、おもしろい特徴があったりする。そんなことを教えてくれるのが図鑑で、図鑑は世の中の広がりを知り、世の中に興味を持つ最初の一歩になります。その「最初の一歩」として楽しめる図鑑が完成したので、ぜひ親子で楽しんでみてください。参考図書: 「MOVEはじめてのずかん みぢかないきもの」 (講談社)総監修に脳研究者・瀧靖之先生、生きものの監修に動物学者の今泉忠明先生をむかえ、読みきかせできる図鑑として親子で楽しむこともでき、小学校低学年のひとり読みにも最適です。 ファースト図鑑として、小さなこどもが出会う身近な生きものを網羅。 カブトムシ、ダンゴムシ、ゾウ、キリン、ドングリ、はっぱ…子どもたちの好きなものが詰め込まれています。 クイズやコラム、巻末には生きものが登場する昔話も! はじめて出会う自然の世界を、季節を感じさせる本格的なイラストとダイナミックな写真、NHKの貴重なアーカイブ映像で紹介します。文・取材/まちとこ出版社 石塚由香子
2018年04月30日こんにちは。臨床心理士の今井千鶴子です。みなさんのお宅に図鑑はありますか?もしかしたら、図鑑に対して、”ちょっと難しい”というイメージをもたれ、敬遠しているママもいるかもしれません。私も以前は図鑑に対してなんとなく近寄りがたい印象をもっていました。でも今では、私の図鑑へのイメージは“難しい”から“楽しい”に180度変わりました!図鑑を活用することによって、子どもたちが“楽しく学べる”ことを実感しています。そこで今回は、親子で楽しめる図鑑についてご紹介します!●図鑑の魅力図鑑にはさまざまなよさがあります。その1つが、学校で授業を受ける前に“なにげなく”学べることです。たとえば、学校で『川』の勉強をする時、地球で最も長い川が”ナイル川”であることを知っていたら、お子さんの授業への関心はずいぶん変わってくると思います(地球で最も長い川については、『いちばん!の図鑑(今泉忠明 (監),2010 )』や『信じられない現実の大図鑑(ドーリング・キンダースリー(編),2014』の中でも紹介されています)。多くの子は、自分の知っていることが授業で出てくると「知ってる〜!!」とワクワクします。また、他の子が知らないことを知っていると、勉強への自信にも つながります。そのワクワクや自信が、「もっと知りたい」といったさらなる知的好奇心を引き出して いきます。●図鑑を読み始める時期それでは、図鑑を読みはじめる最適な時期はあるのでしょうか?図鑑によっては、対象年齢が明記されているものもありますので、それも1つの目安になるかと思います。ちなみにわが家の場合は、夫の提案で長男が2歳の時、動物図鑑デビューをしました。正直なところ、その時の私は「2歳で分厚い図鑑は早いのでは?」と思っていたのですが、結果的には大正解でした!動物の写真(イラスト)を見て十分楽しむことができました。また、わが家は2歳差兄弟のため、必然的に次男は0歳で図鑑デビューをしたのですが、一緒に楽しんでいました。ただ、分厚く重い図鑑をお子さんに与える場合、安全面には十分に気をつけましょう。●さまざまな図鑑定番の図鑑からマニアックな図鑑まで、驚くほど多くの図鑑が刊行されています。お子さんによって興味の対象はさまざまですが、ここでは私がこれまで読んだ中からいくつかの図鑑をご紹介します。●あたまがよくなる!図鑑(篠原菊紀 (監), 2017)ズバリなタイトルが目をひくと思うのですが、特に就学前のお子さんにオススメの図鑑です。たとえば、“かず・かたち”の章では、お寿司を使って数の大小を考えたり、クレパスで順序数を学んだりするなど、小学校1年生の算数で習う内容を楽しく学ぶことができます。また、ビスケットの作り方やだんごむしの飼い方など、子どもの興味をひきそうなトピックもたくさん紹介されています。ちなみに、算数への興味を広げたいなら『算数の図鑑(キャロル・ヴォーダマン, 2017)』も面白いと思います。●ひとりでできるよ!図鑑(横山洋子(監), 2012)お子さんの自立をそっとサポートできる図鑑だと思います。たとえば、料理やお箸の並べ方、トイレのきれいな使い方、紐の結び方、お金の使い方などが紹介されています。1つ1つのトピックが写真などでわかりやすく紹介されているので、お子さんにも伝わりやすいと思います。また、『くふうの図鑑(鎌田和宏(監),2013)』や『げんきの図鑑(中村裕(監),2012』を合わせて読んでみても面白いと思います。●だんめんの図鑑(断面マン(監),2016)「この中はどうなっているんだろう?」というお子さんの疑問を解決してくれる図鑑だと思います。この図鑑では、ハーモニカや掃除機、ボールなどの中をのぞくことができます。普段目にしている“表面”部分だけでなく、“中身”についても「どうなっているんだろう?」と考えるきっかけになると思います。●日本の火山図鑑(林信太郎,2017)日本には、たくさんの活火山があります。この図鑑では、さまざまな火山の特徴や私たちの生活との関わりなどがわかりやすく紹介されています。日本のシンボルである富士山のことも丁寧に説明されています。●信じられない現実の大図鑑(ドーリング・キンダースリー(編),2014)この図鑑では、「アリの強さは?」「地球上の水はどれだけあるか?」「人間が一生ではく息の量は?」などが紹介されています。大人でも楽しめる内容だと思います。----------いかがでしたか?今回ご紹介した図鑑以外にも『いちばん!の図鑑』をはじめ、興味深い図鑑がたくさんあります。是非お子さんと気になる図鑑を探してみてくださいね!文献今泉忠明 (監)いちばん!の図鑑学研マーケティングドーリング・キンダースリー(編)増田まもる(監訳)信じられない現実の大図鑑東京書籍篠原菊紀 (監)あたまがよくなる!図鑑学研プラスキャロル・ヴォーダマン著算数の図鑑:小学生のうちに伸ばしたい数&図形センスをみがく誠文堂新光社横山洋子(監)ひとりでできるよ!図鑑学研マーケティング鎌田和宏(監)くふうの図鑑小学館中村裕(監)げんきの図鑑小学館断面マン(日本切断研究所)(監)どうなっているの?だんめん図鑑小学館林信太郎(監修・著)知っておきたい日本の火山図鑑小峰書店●ライター/今井千鶴子●モデル/貴子
2017年11月14日