【ママからのご相談】初めまして。近所の幼稚園の教育方針に惚れ込んで、息子を通わせることにしました。赤ちゃんのころからお世話になってきた保育園を退園し、この春晴れて、年少組からスタートです。私はプロダクトデザイナーの仕事をしており、独身のころから長年、大手家電メーカーに勤務していますが、子どもは1人と決めていることもあり、息子が幼稚園に通う3年間は仕事を休職し、期間限定で専業主婦になることに決めました。初めての専業主婦生活と幼稚園ライフということで、楽しみな半面不安もたくさんあります。ネットではママ友トラブルの話題が尽きることは無いし、今までほとんど親同士の交流がない保育園に居たので、園の雰囲気についていけるか心配です。幸い息子は社交的な性格なのですが、どちらかというと私の方がとまどってしまいそうです(笑)。たった3年間の専業主婦生活になりますが、幼稚園ママとして楽しく過ごせるよう、アドバイスをお願いいたします。●A. 保育園と幼稚園、ママ友付き合いはまったく異質。スイッチを切り替えて上手に楽しんじゃいましょう!ご相談ありがとうございます!ライターの月極姫です。よほど魅力的な幼稚園を見つけたのでしょうか?息子さんのために、いったんママさんのキャリアを中断してまでの入園。潔い、カッコいい決断だと思います。筆者も保育園・幼稚園の両方を経験しましたが、じつは保育園と幼稚園のママ友付き合いはかなり異質なものです。もちろん介護や家庭の事情など、仕事以外の理由で保育園を利用するケースもありますが、基本的に保育園は「ママが働いていること」を前提とした機関。子どもの保育時間も長く、なによりママが忙しいのでママ友付き合いが活発ではないケースが多いのです。また、幼稚園のママと保育園のママでは、話題や行動パターン、行事への取り組み方もまるで違っています。ご相談者様の場合、期間限定だからこそ両者の違いをよく心得ておいた方が賢明でしょう。幼稚園とは基本子どものためのものですが、ママも最低限の心得があった方が楽しく過ごせることは間違いありません。元保育園ママがスイッチを切り替えて、楽しい幼稚園ライフを送るための秘訣を挙げてみました。●楽しい幼稚園ライフを送るための秘訣5つ●(1)キャリアを振りかざさない保育園時代は、たまにママ同士顔を合わせても、自然と職場・上司・お給料・資格などの話題になってしまうことが多かったのではないでしょうか?しかし、長年キャリアを積み重ねてきた女性であっても、幼稚園の中では“園ママの中の1人” 。過去にすごい職歴を持っている人、すごい学歴の持ち主はどこの園にもいるものですが、わざわざその点をアピールするのは考えもの。園生活にそうした要素は不要だし、かえって浮いてしまいますよね。そもそも幼稚園は子どもが楽しく通うための場所なのですから、ママが優秀な人材であるかどうかはあまり関係ないのです。とはいえ、女性の情報伝達力はすごいですから、ご相談者様が雑誌やネットなどに露出している人であれば、「あの人、有名な人らしい」という噂くらいは立つかもしれません。それはそれで、「尋ねられたらサラッと答える」程度にしておいて、つねに母親業に徹するくらいでいい のです。せっかくの専業主婦期間です。積み上げてきた栄光はいったん倉庫にしまっておいて、育児と主婦業に淡々と精を出すくらいの方が好感を持たれます。●(2)頑張りすぎず、手は抜かずデキる女性と言うのは基本的に仕事熱心なので、どんな局面でも仕事を与えられると真面目に、完璧にこなそうとする傾向があります。幼稚園でもさまざまな役割があって、園行事などのためにママ同士力を合わせてプロジェクトに取り組むこともあるでしょう。キャリア組のママが気をつけなければならないのは、ヘンにプロ意識を持ちすぎないこと です。仕事の精度はもちろんですが、それ以上にチームワークと和気あいあいとした雰囲気が大切。みんなが気持ちよく動けるよう、「1人で30分でできちゃうことも、皆にお願いして楽しんでこなす」という余裕を持ちましょう。子どもの安全管理や経費の管理など気を抜けない役割もありますが、ビジネスと違い、実績を上げて上司に認められる必要はないのです。つねに「子どももママも楽しければOK」 くらいのスタンスでいきましょう。●(3)相手によって距離感を大切にどこのコミュニティにも、“他人の悪口が多い人”や“やたら図々しい人”というのはいるものです。ママ友に限らず、職場にも少なからずいませんか?今後3年間はご自宅にいる時間も多くなる分、園ママ同士仲良くなるとさまざまなお誘いがあるでしょう。もちろん、楽しめる範囲でどんどん交流し、お友だちを増やしていくことをおススメします。しかし、負担になるほど無理をする必要はありません 。自分の生活リズムが狂うほど押しかけてくる人、頻繁に長電話する人などは、上手に距離を置くようにしてよいと思います。また、集まれば悪口大会になるような人たちは、基本的に誰の悪口でも言っています。そうした集まりからは、相手を刺激しないようスッと身を引く方が賢明 です。逆に、ポジティブでステキなママもたくさんいるはずなので、そうした方々と仲良くなっていくのがベスト。お互いが気持よく過ごせるよう、徐々に距離を縮めていきましょう。基本的にママ友同士の共通事項は「同じ年代の子どもがいる」ということくらいなのですが、それでも中には一生の親友に発展することもあります。毎回とはいかなくても、園外のランチ会や飲み会も相手を知る絶好の機会。支障のない範囲で、楽しんで参加されることをおススメします。●(4)SNSは楽しく、ほどほどにママ同士がSNSでつながる機会も、幼稚園時代がもっとも多いのではないでしょうか?幼稚園時代の子どもたちは言動がユニークでシャッターチャンスに満ちあふれているため、仲間どうし面白い画像や動画をアップするのも楽しいものですよね。SNSの機能によっては数人でグループチャットができるなど、園ママ同士の打ち合わせなどにも使えてとても便利な面があります。楽しんで出来るぶんには良いのですが、今まで仕事で忙しくしていたご相談者様にとっては「頻繁すぎてついていけない」「いまひとつノリがわからない」などというとまどいもあるかもしれませんね。中には「SNS上での悪口大会がツラくて、グループから抜けた」「SNS自体をやめてしまった」という深刻なケースもあるようですが、何も不愉快な話題に、無理をしてまで付き合う必要はない のです。仲間同士の打ち合わせや交流には、SNSをどんどん活用してよいと思います。しかし、やってみると専業主婦というのは驚くほど忙しいものです。「すぐに反応しなければ」とか「私も何か送らなくちゃ」などと気負っても、優先すべきは育児と家事。ときにはなかなかチェックできない日もあるでしょう。たとえ返信するのが遅れてしまっても、「今日は○○していて忙しかった、ごめんね!」のひと言があればOKです。また、万一SNS上で悪口大会が展開されたら、さりげなく話題を変えてみるのも有効ですが、しつこい愚痴大会などには無理に反応しなくても構わないと思います。ただでさえ、メールやSNS上の発言というのは細かなニュアンスが伝わりにくく、誤解を生みやすい性質を持つもの。本当に深刻な事態なのであれば、こうしたツールに頼らず直接話すことの方が大切 です。SNSはとても便利なものですが、付き合いを重要視するあまり、ネガティブな方に流されない心がけも忘れないようにしましょう。●(5)“専業主婦の強み”をガッチリ吸収!ご相談者様がたまたまプロダクトデザイナーというお仕事に携わっているので申し上げますが、専業主婦期間はご相談者様のキャリアをさらに高める絶好の機会 だと思います。多くの場合、家庭の中で家計を管理し、消費の中心となっているのは主婦です。「どれを選ぶか」「何を購入するか」「どんな商品の登場を望んでいるか」。ママ友の皆さんは、ご相談者様にこうしたヒントをたくさん授けてくれる先生 になるでしょう。せっかくなので一定期間ご自分自身もお家のことに集中し、料理、掃除、インテリア、節約やハンドメイドなどに徹底的に凝ってみる。先輩専業主婦のママさんたちをよく見習うことで、今まで無かった発想が生まれる可能性もあると思います。兼業主婦と専業主婦、どちらも経験できることはとてもラッキーなことです。ちょっとしたスイッチの切り替えで、これからの幼稚園生活はとても楽しい、充実したものになるはず。ママがいきいきしていることは、そのままお子さんに幼稚園生活に良い影響を与えると思います。春からの幼稚園ライフ、母子ともに楽しんでくださいね!【参考文献】・『デキる女は「仕上げ」がうまい』臼井由妃・著・『自分を100%好きになるシンプルな習慣』青山華子・著●ライター/月極姫(フリーライター)●モデル/大上留依
2016年03月31日わが子が初めて集団生活をする幼稚園。ママは不安でいっぱいかもしれません。そこで、現役の幼稚園の先生に聞いた、入園してからのママたちの悩みと、その対処法を紹介します。友だちと遊べている?これまでなら、わが子がひとりぼっちになっていたら、ママが声をかけてあげることができました。しかし、ママの目は幼稚園までは届きません。「子どもが困っていないか? 寂しい思いをしていないか?」と心配でたまらないという思いから、帰宅後の子どもにあれこれと聞き過ぎてしまうママがいるようです。また、入園当初は一日中、子どものことばかりが気になって、外出もままならないことのあるママもいると聞きます。でも、ママがあまり心配し過ぎると、かえって子どもが不安になってしまうことがあります。ママは子どもが幼稚園に行っている間は心配せず、自分のことをするのがよいそうです。どうしても皆の輪に入れない子どもがいたとしても、先生はそんな子どもと一緒に本を読むなどして、過ごしてくれるのだとか。入園シーズンはたくさんの先生が子どもたちを見守ってくれて、1日でも早く幼稚園に慣れるようにと工夫してくれています。ですから、安心しておまかせしましょう。それでも心配なときは、子どもにあれこれと聞くのではなく、先生に直接聞いてみましょう。お弁当が残っているのはなぜ?子どもの好きなものを詰めて、一生懸命につくったママのお弁当。そのお弁当に残りものがあると、「どうしたのだろう?」と心配になるかもしれません。体調不良で残すときもありますが、元気なのに残っているときの一番の理由は、友だちとのおしゃべりに夢中になってしまい、食べきる時間がなくなってしまったとき。だけどその理由を、ママの「どうして残っているの?」という質問に対して答えることは、この年齢の子どもには難しいことです。お弁当が残っていても元気そうであればあまり気にせず、それでも食べ残しが続くようならば、先生に相談してみてください。ほかのママたちと、どうつき合えばいい?子どもの初めての集団生活は、ママにとっても初めての幼稚園ママ友とのおつき合いが始まります。子ども同士の遊びの約束や、情報交換などのためにも、話せる友人をつくることは大切です。けれど、ママ同士が必要以上に仲良くしなければいけないことはありません。小学校に通うようになると、子どもは子ども同士で遊ぶ約束をし始めます。また、学校であったこともある程度は伝えることができるようになります。ママ同士のおつき合いもそれほど必要ではなくなります。したがってこの時期は、子どもがスムーズに幼稚園生活を送れるようにすることが一番大切です。変に意識することなく、ママ同士がほどよい距離感が保てるよう、最初から自分のスタイルをつくっておくこともひとつの方法です。幼稚園ママ友とのつきあい方は難しいという話も耳にしますが、先入観をもたずに、同じ幼稚園に通う子どものママとして、気持ちよくおつき合いができたらよいですね。<のりこ(フォークラス)>
2016年03月23日前回 、幼稚園や保育園の保育形態の違いが、子どもの学力格差につながるという話をしました。さらに、保育形態の違いは、運動能力にまで影響を及ぼしてしまうのだそうです。保育形態の違いによって学力や運動能力に差が出てしまうのはなぜか、発達心理学や保育学が専門の内田伸子先生にお話を伺いました。幼児期に運動指導を受けている子どもは、かえって運動能力が低い「東京学芸大学の杉原隆先生が、全国9,000名3~5歳の子どもを対象に、運動能力に関する調査を実施しました。すると、体育の時間を設けている幼稚園や保育園に通っている子どものほうが、子どもの自主性や主体的な遊びを大切にしている子ども中心の保育の幼稚園や保育園に通っている子どもたちよりも運動能力が低いという結果になりました。さらに、運動の指導を受けている子どもたちは、運動嫌いになっていることが多かったのです」運動指導を受けることで、かえって運動能力が下がってしまうとは、驚きの事実です。なぜ、そんなことになってしまうのでしょうか。「特定の部位を動かす運動をまるで強制的なトレーニングのようにくり返していると、それ以外の動きをする機会を失います。さらに、運動のための説明を聞いている時間が長く、肝心の動き回る時間が少なくなっていることも問題です。また、トレーニングのように行う運動は面白くありませんから、子どもは飽きてしまいます。またこのトレーニングについていけない子どもはつらくなり、落ちこぼれてしまうのです。そのうえ、子どもは5歳ころになると、『展示ルール』が確立されてきます。展示ルールとは、他者の気持ちを考えて自分のふるまいを決めるルールのことです。つまり他人の目を気にしはじめるのです。すると、友だちより自分ができないことは嫌だと思うようになります。そして、運動嫌いになってしまうのです」運動能力を高め、運動を好きになる方法「運動能力を高めるために大切なことは、自由遊びです。子どもは遊びを通して、走ったり、登ったり、運んだり、自由にたくさんの種類の運動を経験します。それが運動能力を高めることにつながるのです。体を使って楽しく遊べるよう、ときどき保育者が誘ってあげるといいですね。たとえば、あひるさんになって向こうまで行こうとか、踏み台を使って高いところにあるものを取るのを手伝うとか」それなら運動を楽しみながら、運動能力を伸ばしていけますね。運動神経と学力を伸ばすポイントは「自由保育」「この調査結果から、杉原先生は、遊びを大切にする自由保育(※1)がいいとおっしゃっています。私たちが行った子どもの学力に関する研究結果もまったく同じでした。自由保育を行っている幼稚園や保育園に通っている子どもの語彙得点は非常に高く、一斉保育(※2)を行っている幼稚園や保育園に通っている子どもの語彙得点は低く、その差は年齢が高くなるほど開いていくことがわかっています。(詳しくは 前回の記事 をご覧ください)」(※1) 自由保育とは:自由遊びの時間が長く、子どもが主体となって自発的にやりたいことに取り組む、子ども中心の保育形態のこと。放任とは違い、子どもの自主性を尊重しつつも、幼児期に学んでほしい目標や狙いを達成できるよう保育士が誘導する。国立大学附属幼稚園や公立幼稚園や私立幼稚園の一部、社会福祉法人の保育所では子ども中心の保育であり、子どもたちは好きな遊びに主体的に取り組み保育者は援助者として子どもの学びに寄り添い、子どもが困っているとき助けてあげる「わき役」である。(※2) 一斉保育とは:全員に同じこと(体育や音楽、お絵かきなど)をさせる、カリキュラム中心の保育形態のこと。小学1年生の準備教育や英会話などを取り入れ、体操選手をつくるということなどを教育目標にかかげる私立幼稚園や私立保育園の一部にみられる。 遊びを通して子どもは学習するのですね。「そういうことです。幼児にとって遊びとは『自発的活動』であり、頭がイキイキと活発に働いている状態です。扁桃体が快感状態にあるので、吸収力が大きくなるのです」考える力と運動能力を高められるよう、子どもをたくさん遊ばせてあげましょう。(佐々木月子)今回取材に協力してくださったのは内田 伸子先生十文字学園女子大学特任教授・お茶の水女子大学名誉教授・学術博士。専門は発達心理学、認知心理学、保育学。国立教育政策研究所「幼児の論理的思考の発達調査プロジェクト会議」(主査)、最高裁「裁判員制度の有識者会議」(委員)、文化庁国語審議会委員なども務めるほか、NHK Eテレの「おかあさんといっしょ」の番組開発やコメンテーター、ベネッセの子どもチャレンジの監修、しまじろうパペットの開発、創造力知育玩具「エポンテ」(シャチハタ)の開発なども担当。著書は、『発達心理学―ことばの獲得と教育』(岩波書店)、『よくわかる乳幼児心理学』(ミネルヴァ書房)、『 子育てに「もう遅い」はありません 』(冨山房インターナショナル)など多数。
2015年12月30日2010年7月、文部科学省の幼稚園課が気になる調査結果を公表しました。「幼稚園卒の子どものほうが、保育園卒の子どもよりも、学力テストの成績が高い」というものです。本当でしょうか? 本当だとしたら、なぜでしょうか?この発表を受けて、発達心理学や保育学が専門の内田伸子先生が詳しい調査を行いました。親の経済格差が子どもの学力格差につながる?文部科学省の発表に対し、一部で「学力格差は経済格差を反映している。保育園に通わせる家庭は低所得者が多いため、学力も低いのではないか」という意見が出されました。そこで内田先生は、経済格差が子どもの発達や親子のコミュニケーションにどのような影響をもたらしているのか、日本、韓国、中国、ベトナム、モンゴルにて各国の3~5歳児3,000名を対象に調査しました。「日本では、世帯所得が700万円以上を高所得、700万円未満を低所得とし、子どもの『読み書き能力』を比較しました。その結果、文字を書く能力、読む能力のどちらにも、親の経済力による差はありませんでした」子どもの教育に配慮している家庭の子どもは、語彙が豊富「ただし、知能テストと相関が高い『絵画語彙検査』では、所得の高い家庭の子どものほうが成績が高いという結果になりました」「絵画語彙検査」とは、絵を見せ、その絵が示す言葉を知っているか尋ねるテストです。語彙の豊かさは知能と相関しているので、語彙の多い子ほど知能が高いと言われています。「所得が高い家庭は子どもに習い事をさせていることが多いので、それが影響しているのではないかと思い、調べました。すると、習い事をしている子のほうが、していない子より絵画語彙検査の得点が高いという結果がでました。ただし、運動系の習い事をしている子と、学習系の習い事をしている子の間に成績の差はありませんでした」ということは、習い事の内容が知能を高めているわけではないようです。習い事によって、友だちや先生などとコミュニケーションを取る機会が増えるため、語彙も増えるのではないかと推察されます。「自由保育」の幼稚園や保育園に通っている子どもは学力が高いさらに、保育形態によって子どもの語彙得点に大きな差があることがわかりました。「自由保育(※1)で、子ども中心の保育を行い、自由遊びの時間が長い幼稚園や保育園に通っている子どもの語彙得点が非常に高かったのです。反対に、一斉保育(※2)で、小学校一年生の授業を先取りして準備教育を行っている幼稚園や保育園に通っている子どもは得点が低い結果となりました。しかも、子どもの年齢が高くなるほどその差が開いていきました。幼稚園か保育園かは、まったく関係がありませんでした。韓国、ベトナム、モンゴルでの調査も同じ結果でした。唯一、中国は保育園での一斉保育しかないので、比較ができませんでした」 (※1) 自由保育とは:自由遊びの時間が長く、子どもが主体となって自発的にやりたいことに取り組む、子ども中心の保育形態のこと。放任とは違い、子どもの自主性を尊重しつつも、幼児期に学んでほしい目標や狙いを達成できるよう保育士が誘導する。国立大学附属幼稚園や公立幼稚園や私立幼稚園の一部、社会福祉法人の保育所では子ども中心の保育であり、子どもたちは好きな遊びに主体的に取り組み保育者は援助者として子どもの学びに寄り添い、子どもが困っているとき助けてあげる「わき役」である。(※2) 一斉保育とは:全員に同じこと(体育や音楽、お絵かきなど)をさせる、カリキュラム中心の保育形態のこと。小学1年生の準備教育や英会話などを取り入れ、体操選手をつくるということなどを教育目標にかかげる私立幼稚園や私立保育園の一部にみられる。園種より保育形態が語彙力と関連する(内田・浜野,2012より)「文部科学省の調査の対象となった国立大学付属幼稚園はすべて自由保育を行っています」つまり、子どもの学力格差は幼稚園と保育園の違いによるものではなく、自由保育か一斉保育かの違いによるものだったのです。保育形態の違いによって差が出てしまうのはなぜなのか、次回の記事で詳しくお伝えします。(佐々木月子)今回取材に協力してくださったのは内田 伸子先生十文字学園女子大学特任教授・お茶の水女子大学名誉教授・学術博士。専門は発達心理学、認知心理学、保育学。国立教育政策研究所「幼児の論理的思考の発達調査プロジェクト会議」(主査)、最高裁「裁判員制度の有識者会議」(委員)、文化庁国語審議会委員なども務めるほか、NHK Eテレの「おかあさんといっしょ」の番組開発やコメンテーター、ベネッセの子どもチャレンジの監修、しまじろうパペットの開発、創造力知育玩具「エポンテ」(シャチハタ)の開発なども担当。著書は、『発達心理学―ことばの獲得と教育』(岩波書店)、『よくわかる乳幼児心理学』(ミネルヴァ書房)、『 子育てに「もう遅い」はありません 』(冨山房インターナショナル)など多数。
2015年12月29日幼稚園・保育園口コミサイト「幼稚園・保育園こだわりナビ(園ナビ)」を運営するうるるは10日、保育士・幼稚園教員の求人情報に特化したスマホの人材紹介サービス「園ナビ求人」の提供を開始、また同サービス開始に先立って実施した「保育園・幼稚園の待遇に関する意識調査」の結果も発表した。同調査は、2015年11月、全国在住の保育園・幼稚園で働く20~39歳の男女102人を対象に、インターネット調査で実施した(調査企画:エポックシード)。同調査によると、子どもの成長に仕事のやりがいを感じているが、「低い給与」や「休みが取りづらいこと」が原因で、87.3%が辞めたいと思ったことがあると回答。保育園・幼稚園での仕事を辞めたいと思うほど大変なことについて聞いたところ(複数回答、n=102)、働く環境や待遇が、辞めたい理由として上位を占めていることが分かった。給与については、年収200万円未満が全体の47.1%を占め、96.1%が「月収が足りない」と感じていることが分かった。今の金額に満足している人は3.9%にとどまり、78.4%が、月収がさらに10万円未満くらいは必要だと回答した。(※)参考:平成26年度厚生労働省賃金構造基本統計調査で保育士平均月収は、34.7歳で21万円さらに、「今後のキャリアとして保育園・幼稚園で働き続けたいか」という質問をしたところ、全体の68.8%が転職や退職など現状を変えたいと回答。「園でのキャリアを辞めたい」と回答した人のうち、75%の人が「低い給与」が原因で辞めたいと回答しており、うるるでは、「月収があと10万円あれば、やりがいのある保育を続けられる方がいることが想定できる」としている。
2015年12月10日共働きの家族が多くなり、子どもを長時間預かってくれる保育園に通わせる人も多い昨今。認可園、認証園、認可外園など、何件の保育園に申し込んでも、どこにも受け入れてもらえず、あえなく高額な認可外保育園に入園させたり、泣く泣く仕事を辞めたりというママもいるかもしれません。こんな難保育園時代を迎えているのは日本だけなのでしょうか? 他国のワーキングマザーは、どうしているのでしょう? 今回は、働くママが多いと言われる、フランスとシンガポールの保育園事情をご紹介します。フランスでは、妊娠初期から保育園の待機リストに名前を連ねられる子どもを出産した後でも働くママが多いフランスは、近年、出生率が急激にアップしたことが知られています。おもな理由は、子育てのための各種手当が充実していること、そして、最長3年ほどの育児休暇が認められるなど、行政機関が手厚い子育て支援をしてくれることだそうです。しかし、どうやらその急激な子どもの増加によって、0~3歳までの子どもを預けることのできる保育園の数が不足しているようです。とは言え、多くの都市では、公立保育園の待機リストに、なんと妊娠初期のうちから名前を入れさせてもらえるのだとか。公立保育園への入園確率は日本同様、倍率が高いのでかなり難しそうですが、私立の保育園でも公的補助金が出るので、費用はそれほど変わらないようです。また、専門職以外であれば、日本のように残業がある会社もほとんどないので、時間通りお迎えにいけるのも、ママとしては嬉しいところですよね。保育園にするか、それともベビーシッターにするか、悩むシンガポールこちらの想像以上に働くママが多いシンガポール。公立の保育園だけではなく、私立の保育園も多く、日本語と英語のバイリンガル保育が可能な保育園もあるようです。20年以上前までは、保育園に入園できるのは2歳児以上の子どもからでしたが、少子化対策の一環として、国が生後2ヵ月からの入園を可能にしました。シンガポールでは現在、フル・デイケアの場合、7:00~19:00までの12時間、預かってくれる保育園も多いようです。それだけの時間、子どもを預けるとなると、高額な保育園料が痛いところですが、保育園料に関しては国から補助金の支給があるので助かるのだとか。ただし、シンガポールでは、英語や中国語を就学前に読み書きできるようにするといった就学前教育が一般的なので、保育園や幼稚園のうちから、しっかり宿題も出ます。これが、働くママにとっては、ちょっぴり悩むところ。ちなみに、乳児であれば保育園に通わせないで、タイやフィリピンから住み込みのナニー(乳母)さんを雇う家族も多いようです。ナニーさんを雇いながら社会性を身につけさせるために半日保育園に通わせるというのも、教育意識が高い、働くママたちの選択肢のひとつのようです。社会保障が充実しているフランス、経済&教育大国でもあるシンガポール。どちらも日本と同じような悩みがあるものの、国が働く女性へ配慮した政策を積極的に行っているところは、勉強になるかもしれませんね。(徳武加奈子)
2015年11月06日お子さんが2歳ぐらいになると頭をよぎる…「幼稚園選び」。働くママ需要から4年保育の幼稚園も増えてきていますが、多くのママは3年保育を選ぶようです。お受験しよう! という明確な目標があるなら別ですが、幼稚園の特長が際立ち、多様化しているので「どんな幼稚園を選んだらいいのか?」「いつから、どんな準備をすればよいの?」と悩むママたちはとても多いです。■プレ幼稚園が鍵! のところも増加2歳~満3歳までの3歳児対象に行われるプレ幼稚園。プレ幼稚園は、実際に幼稚園がどんなところか? どんなことをするのか? 雰囲気や教育方針を感じることができる機会で、週1回、月に2~3回など幼稚園によって実施スパンは様々です。特に人気の幼稚園は、プレ幼稚園に通学しているお子さんを優先する、という実態も増えているようです。このプレ幼稚園の募集は、11月末~というところが多く、夏ぐらいから情報収集をして興味ある幼稚園をピックアップし、見学に行くスケジュールを立てることが望ましいようです。■先ずは、情報を集めよう!プレ幼稚園でも幼稚園でも、情報収集が要。先ずは、近所や通える範囲にどんな幼稚園があるのか、調べましょう。行政が発行している幼稚園ガイドなど役所や関連事務所で手に入れることや市区町村別にある私立幼稚園協会のホームページをチェックするのが手っ取り早いでしょう。そこで、園の教育方針、ママが重視するところを確認し、見学に行くところをリストアップしましょう。■百聞は一見に如かず! どんどん見学に見学に行きたい幼稚園をリストアップしたら園に見学したい旨の連絡をし、見学方法を確認しましょう。実際通っている園の先輩ママがいたら話を聞いてみるのもよいでしょう。ただし、すべての話を鵜呑みにすることはおススメできません。他のお子さんには合っているところでも自分の子どもはどうなんだろう? という視点を忘れずに、あくまでママ自身が判断するひとつの材料として参考にしてくださいね。実際に、先輩ママに聞いてみると「近所のお子さんが通っていて勉強にとても力を入れていて、幼稚園児で漢字が書けるなどの成長に感銘を受けたが、実際に見学に行くとやんちゃな息子には、向いてないなぁ~と実感。結局、今は遊んで学ぶことが大切! と思って、遊びの経験重視の幼稚園にしました」という経験も。こういう時のママの直感はとても大切です。■結局は、こんな理由で選びました! 先輩ママ談「お弁当づくりが苦手だったので、自営の給食があるところを第一優先に決めました!(年中・男の子)」「2人目を考えていたのですぐに迎えに行ける近いところを…(年少・男の子)」「お寺系の幼稚園なのですが、イマドキ体験できない和の行事を経験できることに惹かれた(年少・女の子)」「私が働いているので、夏季保育や延長保育の料金がリーズナブルなところ!(年中・女の子)」「幼稚園ながら学力に力を入れていて、論語を学んだり、少人数制で目の届く保育に魅力を感じた(年長・男の子)」「パパも幼稚園のことに積極的に参加したい! 願望があったのでパパ会が盛んなところがポイント?!(年中・女の子)」「父母会の活発さ。あまり活発でない方が良かったので!(年長・女の子)」など。お子さまの性格やママがお子さまの成長で重視する点などと照らし合わせて、多角的に判断できるとよいと思います。
2014年07月25日森ビルは2012年8月に完工した「アークヒルズ 仙石山森タワー」に、港区の認可保育園「まちの保育園 六本木」を12月1日に開園する。施設内への認可保育園の設置は同社が初となる。同園はナチュラルスマイルジャパンが運営。以前には、園併設の地域に開かれたカフェや近隣の大学・商店街などと連携した都認証保育園、「まちの保育園 小竹向原」を手掛けている。「まちの保育園 六本木」は同社初の認可保育園であり、近隣住民の方々との交流に加え、どもたちを育むことを目指すという。また、文化的で国際的な地域の特性を生かし、森ビルや大使館、近隣文化施設・商業施設との連携、オフィスワーカーとの取り組みなどを視野に入れていくという。同園の対象年齢は生後57日~未就学児。保育定員は0歳児6名、1歳児8名、2~5歳児各9名。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月28日在宅ワーク事業を展開する「うるる」は、幼稚園・保育園通園者のリアルな口コミを集め、その情報をもとにユーザーが園を探すことができるサイト「幼稚園・保育園こだわりナビ」をオープンした。待機児童問題で、多くの人が保育園に入れたくても入れらない状態が続いている。しかし、人気の園に希望者が集中する一方で、定員割れを起こしている保育園や幼稚園も存在する。従来、幼稚園や保育園を探す際には、所属する地方自治体のWEBサイトに載っている園を一件一件見たり、近所の人の口コミなどを直接聞いたりするしかなかった。しかし幼稚園と保育園は管轄省庁が異なるため同条件での比較検索が難しく、また引っ越したばかりでご近所付き合いが少ない人にとっては、口コミでの情報収集も思うようにいかなかった。「幼稚園・保育園こだわりナビ」は、自宅や職場近くの幼稚園や保育園をデータベース化し、幼稚園と保育園を同時に検索できるほか、早朝保育の有無や英語教育をしているかなど、詳細条件による選択も可能。実際に通園したユーザーからのリアルな口コミや評価も紹介する。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月23日ソニー損害保険はこのほど、NPO法人「そらべあ基金」の「そらべあスマイルプロジェクト~ご当地版・被災地支援編~」を通じて、3つの幼稚園・保育園に太陽光発電設備「そらべあ発電所」を1基ずつ寄贈したと発表した。「そらべあスマイルプロジェクト」は、そらべあ基金の活動に賛同する企業・個人からの寄付をもとに、「そらべあ発電所」を全国の幼稚園・保育園に贈るプロジェクトで、「そらべあスマイルプロジェクト~ご当地版・被災地支援編~」は、寄贈先の幼稚園・保育園を東日本大震災被災地域に限定している。ソニー損害保険は、同プロジェクトを支援するため、保険契約者の走行距離を契約時に確認する仕組みを活用した寄付活動「幼稚園にソーラー発電所を☆プログラム」を運営している。今回「そらべあ発電所」の寄贈先として選ばれたのは、岩手県初の設置となる盛岡市立つなぎ幼稚園(岩手・盛岡市)、アルゴ幼稚舎保育園(福島・郡山市)、ほなみの杜保育園(宮城・大崎市)の3施設。これにより、同プログラムによる同社の「そらべあ発電所」の寄贈数は計8基となったという。今回の寄贈を記念し、3、4月に「そらべあ発電所寄贈記念式典」を計画。同社は今後もプログラムを継続し、「多くの幼稚園・保育園に『そらべあ発電所』を設置していくことで、子どもたちの環境に対する関心を高めるための一助となれば」としている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年02月24日「そらべあ発電所」設置幼稚園・保育園を募集ソニー損保はグリーン電力普及啓発活動を行う、NPO法人「そらべあ基金」への寄付をもとに、太陽光発電施設「そらべあ発電所」を寄贈する幼稚園・保育園の募集しています。「そらべあ発電所」は一般の方の寄付や賛同企業からの協賛金をもとに、太陽光発電設備を全国の幼稚園や保育園に寄贈していく取り組みで、子どもたちをはじめ多くの人達に、環境への関心を高めてもらうことを目指しています。ソニー損保は「幼稚園にソーラー発電所を☆プログラム」を通じて「そらべあ発電所」を3基寄贈しており、今回の寄贈は4・5基目となります。そらべあ発電所」の寄贈数としては、今回で22基目・23基目となる予定です。「幼稚園にソーラー発電所を☆プログラム」とは、ソニー損保の「保険料は走る分だけ」保険の契約を継続した際に、前年の実際に走った距離が予想年間走行距離を下回っていた場合、走らなかった距離の総合計100kmにつき1円をソニー損保が「そらべあ基金」に寄付するものです。
2010年11月05日