入園したばかりの子どもが泣いて登園したがらないというケースは珍しいことではありませんが、「数か月たってもその状況がいまだに続いている」という悩みを抱えているママも少なからずいるようです。登園する時間になると泣いて「行きたくない」「ママがいい」「嫌だ」と園に行きたがらない子どもを持つママは、毎日がつらく、大変な思いをしていることでしょう。そこで今回は、園を嫌がる子どもについて、保育者側からの意見と対策を紹介していきます。長年幼児保育に携わっていベテラン保育士さん にお話しを伺ってきました。■子どもがいつまで経っても園に慣れてくれない「よその子は毎日楽しそうに元気に園に行っているのに、うちの子だけ…」と母親としては悲しく思うかもしれませんが、子どもの個性を尊重してあげること、そして我が子は我が子、よその子はよその子と割り切って考えることが大切です。まだまだ小さい時期なので、早生まれや遅生まれが関係している部分もあるでしょう。ただし、ここで「お友達はできているのに、なんであなたは…」などという言葉は絶対に言ってはいけません。少し時間はかかるかもしれませんが、愛情を持って接することを怠らなければ、必ず明るく登園してくれる日が訪れるはずです。■ママは先生とのコミュニケーションを密に取ろう登園を嫌がる子どもの対処法として重要なのは、先生とのコミュニケーションを密に取ることです。園での様子、家での様子の情報交換をするのはもちろん、これまで先生が携わってきた子どもの例を教えてもらったり、ママが今できることのアドバイスをしてもらったり、しっかりとしたコミュニケーションを図ることが必要です。また、ママのストレスや不安が子どもに反映されてしまっている部分も少なくありません。「今日も泣くんだろうな」という気持ちが子どもに伝わり、子どもの気持ちも不安定になってしまうのです。ママの気持ちを安定させるためにも、先生との関わりは大切です。保育園や幼稚園で一日中泣いている子はまずいないので、「今日は●●ちゃんとこんなことをして遊んでいましたよ。」「今日はこんなお話しをしてきてくれましたよ」と、先生から園での様子を伝えてもらうことで、ママも安心することができるはずです。少しでも気持ちが楽になっていけば、徐々に子どもも落ち着いてくるでしょう。■早く子どもに気持ちを切り替えてもらうために方法は?子どもが泣いているのがかわいそうだからと、いつまでも子どもの傍を離れないのはよくありません。早く子どもの気持ちを切り替えるためにも、先生に子どもを預けたらすぐに園を出るようにしておきましょう。極端に言えば先生に「お願いします!」と子どもを抱っこさせて、有無をいわさずに帰るくらいの気持ちが大切。いつまでもママがいてくれると思って、駄々をこねるようになってしまうので、ママの強い気持ちが必要になります。■ママの子どもへの対応で少しずつ変化が見られる園から帰ってきたら、子どもとたくさんスキンシップを取りましょう。園でどんなことがあったのか、誰と何をして遊んだのかなど、子どもがお話しをしてくれることには、しっかりと耳を傾けましょう。特に、下の子がいる場合、ママと過ごす時間が少ないため、精神的に不安定になってしまいがちなようです。「●●のことが大好きよ」という気持ちを伝えて、愛情を持ってコミュニケーションを取りましょう。どんなに登園を嫌がったとしても、休ませることだけは控えてください。嫌がればママが一緒にいてくれると認識してしまい、問題を長引かせてしまうことに繋がります。子どものためと思ってしたことが、結果的に良くない方向に進んでしまうので気を付けておきましょう。いまだに登園を嫌がっていることを心配しているママは、それも子どもの個性、自己表現だと思って、寛大な心で受け入れてあげてくださいね。小学校に行っても泣くなんてことはないので、今だからこそできるコミュニケーションを大切にしておきましょう。
2014年08月24日数年前から話題になっている、モンスターペアレント。子どもの通う保育施設や学校などに対して理不尽な要求をする親を意味する言葉ですが、その数は決して少なくないよう。現在3歳~5歳の子どもたちをあずかる、保育園、幼稚園勤務の先生3人にお越しいただき、現場のリアルな話を聞いてみました!※プライバシー保護のため、名前は伏せています。今回登場するのは、いずれも20代の保育士であるAさん、Bさん、Cさん。■幼稚園の外でのけんかなのに……皆さんは、勤務する保育園や幼稚園で、モンスターペアレントに遭遇したことはありますか?Aさん「正直、モンスターペアレントの定義が定かではないので、モンスターと言えるか分かりませんが、理不尽なクレームはよく言われますね」Bさん「私は一度、園外で別の幼稚園に通う子どもとけんかをし、けがをさせた子どもの親に、『幼稚園でちゃんと子どもの教育をしていないからだ!』と言われたことがありました」え、幼稚園内じゃないのに?Bさん「そうです。でも、親の言い分としては『お金を払っているのだから、子どものしつけを行うのも当然だ』と……。もちろん、普段からやってはいけないことは教えているけど、子どものしつけは親もすべきこと。それに、園外で起きたけんかなら、親がしかるのが当たり前だと思います」Cさん「子どものしつけを幼稚園に委ねようとする親って、結構いますよね。自分の子どものしつけは自分でしなさい、と言いたくなります。絶対に言えませんけど(笑)」■わきがで集中できない? 理不尽な言動の数々……これまで遭遇した中で、一番やっかいだった保護者はどんな人ですか?Aさん「運動会でビデオを撮る際、かけっこをしているレーンにまで出てきて撮影する親。危ないので注意したところ、『これを撮影しないと、将来思い出を懐かしむことができなくなる。その責任を負えますか!?』って……(笑)」Bさん「親御さんの中に、わきがの人がいるのですが、参観日が近くなると『わきがの○○さんが参観に来ると、子どもが集中できないので来させないでほしい』と言う親がいます。親同士でいじめをしないでほしいですね」Cさん「子どものけんかに口出しをする親が一番やっかい。自分の子どもが『○○くんにたたかれた』と話したといい、幼稚園に怒鳴り込みに来た親がいました。相手の子ども(しかも年下)に聞いたところ、先に手を出したのはその子だったことが分かったのですが、それを聞いても『殴られたから殴り返すなんておかしい』と……。そもそも、年下に手をあげた自分の子どもを叱るべきだろ!と思ってしまいました」■それでもやっぱり言い分を聞くことが必要?そういった保護者に対して、対処法はあるのでしょうか?Aさん「なかには、けんか腰で怒鳴る人もいますが、最後まで言い分をしっかり聞くことだと思います。どんな理屈でそう思ったのかを聞き、保育園側はなぜそれができないのかを説明すること。それでも主張が変わらない保護者に対しては、この保育園では望むような教育はできないのかもしれないと、やんわりと伝えた方がいいですね」Bさん「そうそう。話を聞いてあげることって意外に大事ですよね。一概には言えませんが、理不尽なクレームを言ってくる母親の中には、育児ストレスがあったり、家庭や仕事の悩みを抱えていたりする人も。クレームの内容だけじゃなく、家庭での過ごし方などを聞いてあげて、共感してあげることも大事です」Cさん「私は、味方を増やすことかな。できるだけ多くの保護者に『今年はいい先生だ』と思ってもらうことで、クレーマーも空気を読んで言ってこなくなるので」ありがとうございました。子ども以上に大変な親たち。子どもを大事に思う気持ちは理解できますが、エスカレートしすぎて、子どもが教室にいづらくなる……ということは避けたいものですね。(山本莉会/プレスラボ)
2012年11月19日気象予報士の試験は難関として知られています。非常にステータスの高い資格であることも確かです。では、気象予報士になるにはどうすればいいのでしょうか? またそのためのコストは? 一般財団法人 気象業務支援センター 気象予報士試験事務担当 常務理事の迫田優一さんにお話を伺いました。――そもそも気象予報士の資格ができた経緯は?平成6年(1994年)から始まった資格です。それまで一般向けの天気予報というのは、気象庁が作ったものをマスコミなどに配布していたわけです。というのは、気象予報というのは「防災」という側面が強いものですから。――なるほど。平成5年に気象業務法が改正されて予報業務が自由化されることになり、独自の気象予報というのを気象庁以外で作ってもいいよ、と決められたんですね。ただし、重要な条件が2つありました。1つは気象庁が発表する警報などの防災に関する情報と矛盾しない予報とすることです。もう1つは「気象予報を出すのは必要な知識と技能を持った人でなければならない」ということです。――この2つ目の条件を満たすための資格が気象予報士なんですね?そういうことですね。独自の気象予報を発表することができる資格です。この資格を認定する業務は気象庁長官が行なうのですが、現在は「一般財団法人 気象業務支援センター」が指定試験機関として長官の指定を受けて、(気象庁長官に代わって)その業務を行なっています。――独自の天気予報を発表する「気象予報士」になりたいのであれば、気象予報士試験にまず合格しなければダメだということですね?そうです。まず合格して頂かないといけません。合格した人には気象業務支援センターから合格証明書が交付されます。あと、気象予報士となるには、合格しただけではダメですよ(笑)。「私は合格しました」と合格証明書の写しを添えて気象庁長官に登録を申請しないといけません。そうして初めて気象予報士として働けることになります。――資格を取って、実際に働かないとお金にはならないですもんね。そうです。気象予報士の資格だけ取ってもお金にはならないですよ(笑)。普通二種免許だけ取ってもタクシー会社に勤めないとお金にならないのと一緒です。――気象予報士資格試験はいくらかかるのでしょうか?11,400円です。――そんなに高くないですね。気象予報士資格試験(平成24年度第1回の試験案内書による)学科試験予報業務に関する一般知識 : イ.大気の構造ロ.大気の熱力学ハ.降水過程ニ.大気における放射ホ.大気の力学ヘ.気象現象ト.気候の変動チ.気象業務法その他の気象業務に関する法規予報業務に関する専門知識 : イ.観測の成果の利用ロ.数値予報ハ.短期予報・中期予報ニ.長期予報ホ.局地予報ヘ.短時間予報ト.気象災害チ.予想の精度の評価リ.気象の予想の応用実技試験の科目気象概況及びその変動の把握局地的な気象の予報台風等緊急時における対応――見るからに難しそうですね(笑)。実技試験というのは何か特別なことをやるのでしょうか?いえ記述式の設問です。学科試験の方は多肢選択式(5択)です。――合格基準はどうなっていますでしょうか?合格基準は、学科は15問中正答が11問、実技は正答率70%としていますが、平均点により調整される場合があります。たとえば、第37回の試験では、学科試験は、予報業務に関する一般知識が15問中11問以上、専門知識は15問中10問以上が正解であること、実技試験では総得点が満点の66%以上でした。――試験は年に何回あるのでしょうか?年2回です。始まった平成6年度だけ3回開催されましたが、後は現在までずっと年2回開催です。――1回でどのくらいの人数が受験していますか?たとえば直近の、平成24年1月29日に行なわれた第37回の試験では、男性3,234名、女性718名、計3,952名の方が受験しています。――では合格した人数は?男性156名、女性28名の計184名でした。合格率で言うと、男性4.8%、女性3.9%、全体で4.7%になります。――かなり狭き門である印象ですね。そうかもしれません。ただ、基準に達していない人の合格を認めるわけにはいきませんから。今まで開催された37回の試験の合格率を累計して見ますと、男性で6.2%、女性で4.2%、全体で5.8%です。――資料を拝見しますと、受験資格にはまったく制限がないんですね。そうですね。誰でも受けられます。何歳の人でも受けて頂けますよ。――今まで最年少で受かった人は何歳ぐらいですか?平成21年1月の試験で合格した13歳7カ月の男性が最年少です。――それはスゴイですね。みなさん、大体何回目ぐらいで合格してるんでしょうか?それは一概に申し上げられないですね。合格率は先ほど申し上げた通りですので、なかなか1回で受かるというのは難しいかも知れません。このため、何回も挑戦続けている方もおられるようですよ。――受験回数の回数制限というのがありませんから、何回でも、受かるまで受けてもいいわけですね?そうなります。受験生を励ますお話をしますとね、毎回毎回、全部の科目を受けなければならないわけではありません。学科試験には一般知識、専門知識の2つの科目がありますが、このどちらか、あるいは両方に合格していれば、合格発表から1年以内に行なわれる試験においては、その科目の学科試験は免除されますよ。――残った試験にだけ集中すればいいと。そういうことです。免除されるのは1年以内ですけどもね。試験に合格され、登録を済ませて晴れて「気象予報士」となられるよう、ご健闘を願っています。気象予報士になるには、資格試験に受かればいいわけですから、そのコストは試験代金の11,400円です。ただし一発合格が難しいようですので、これを何回受けるかはあなた次第。また合格のための努力はプライスレス……ですね。(谷門太@dcp)【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月07日