今年の第65回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールに輝いたミヒャエル・ハネケ監督の『愛、アムール』が、2012年ヨーロッパ映画賞の主要賞4つを総なめにした。来年の3月9日(土)にも日本公開予定の本作は、主役の2人ジャン=ルイ・トランティニャンとエマニュエル・リヴァがヨーロピアン・アクター賞とヨーロピアン・アクトレス賞を、ミヒャエル自身もヨーロピアン・ディレクター賞を受賞し、さらに作品がヨーロピアン・フィルム賞に選ばれた。ソニー・ピクチャーズ・クラシックスが北米配給権を獲得している本作は、秋の映画祭シーズンで賛否両論を巻き起こした話題作だ。さらに『愛、アムール』は、来年に開催されるアカデミー賞で外国語映画賞の最有力との呼び声も高い。■関連作品:愛、アムール 2013年3月9日よりBunkamuraル・シネマ、銀座テアトルシネマ、新宿武蔵野館、シネ・リーブル梅田、伏見ミリオン座ほかにて公開© 2012 Les Films du Losange - X Filme Creative Pool - Wega Film - France 3 Cinéma - Ard Degeto - Bayerisher Rundfunk - Westdeutscher Rundfunk
2012年12月04日ノーベル賞に数学賞がないのをご存じでしょうか? ノーベル数学賞がない代わりに、数学のノーベル賞と言われているのが『フィールズ賞』です。天才が受賞するこのフィールズ賞の面白い話をまとめてみました。まずノーベル賞に数学賞がないのが不思議です。数学は数式で世界の森羅万象を表そうとするもので、最も美しい科学と言ってもいいでしょう。もし宇宙人と接触することがあったら、同じ宇宙に生きる者同士として、数式はきっと通じるに違いありません。では、なぜノーベル賞にこの重要な数学部門がないのでしょうか。これには諸説ありますが、ノーベルの個人的な恨みつらみがその原因とする説があります。■あいつに取らせたくない!スワェーデンにマグナス・グスタフ・ミッタク-レフラー(1846年~1927年)という数学者がいました。ノーベルさんは彼が嫌いで、彼にノーベル賞を取らせたくないのでノーベル賞に数学部門を設けなかったという説。■数学者に彼女をとられたノーベルは生涯独身を貫きましたが、ノーベルが好きだった女性を数学者に取られてしまったので、数学者に恨み骨髄。それでノーベル賞に数学部門を設けなかったという説。いずれにしてもあまりカッコのいい話ではありませんね(笑)。さてフィールズ賞です。これは1936年、カナダ人の数学者ジョン・チャールズ・フィールズ(1863年~1932年)が提唱して設立された数学賞です。4年に一度開催される世界数学者会議で選出されます。面白いのは年齢制限があることです。40歳までの素晴らしい業績を上げた数学者に贈られます。また人数制限もあって1回につき4人までとなっています。■日本人数学者は3人も受賞!日本人数学者もフィールズ賞を受賞しています。小平邦彦先生(1954年受賞)、広中平祐先生(1970年受賞)、森重文先生(1990年受賞)の3人です。小平邦彦先生(1915年~1997年)は『調和積分論、二次元代数多様体の分類』によって、広中平祐先生(1931年~)は『標数0の体上の代数多様体の特異点の解消、および解析多様体の特異点の解消』によって、森重文先生(1951年~)は『3次元代数多様体の極小モデルの存在定理』によって受賞されました。■14歳で独力で発見ノルウェーのアトル・セルバーグ(1917年~2007年)先生は1950年にフィールズ賞を受賞していますが、「栴檀は双葉より芳し」とはよく言ったもので、若い時から数学に素晴らしい才能を発揮していました。有名なエピソードですが、14歳の時にすでに独力でベルヌーイ(1700年~1782年)が考えた公式を独力で発見したというのです。第二次世界大戦時にはドイツがノルウェーに侵攻。先生も祖国のために戦いますが、投獄されてしまいます。しかし占領下のノルウェーでも研究を続け、戦後先生の業績が花開くことになったのでした。■隠居生活にフランスのアレクサンドル・グロタンディーク先生(1928年~)は1966年にフィールズ賞を受賞しています。1つの命題を突き詰めて考え続けるという数学の特性ゆえでしょうか、数学者には隠居生活に入る人が多いようです。グロタンディーク先生も変わった人で、今世紀最大の数学者と賞されながら1970年頃になると、自らが設立した『フランス高等科学研究所』も辞め、数学の世界と距離を置き、1991年には家族も振り捨てて隠居生活に入ってしまいました。現在も(生きているだろうけど)消息は不明とされています。■特別賞を出さなくちゃ!イギリスのアンドリュー・ワイルズ先生(1953年~)は年齢制限にひっかかりながらもフィールズ賞を受賞した唯一の学者です。というのは、360年もの長きに渡って幾多の天才たちの挑戦を阻んできた『フェルマーの最終定理』の証明をやってのけたからです。証明論文は1995年に発表されていますが、この時ワイルズ先生は42歳。フィールズ賞の規定に引っかかりますが、さすがにこの快挙に賞を出さないわけにはいかなかったのです。またこの歴史的証明には、岩澤健吉先生(1917年~1998年)の『岩崎理論』が決定的な役割を果たしました。日本人としても誇らしいことですね。■賞を根こそぎ辞退数学の面白いところは証明しなくてはならない点です。どんなに一見正しそうな命題、定理があったとしても、それが証明できなくては数学的な前進にならないのです。近年、数学界ではミレニアム懸賞問題の1つ『ポアンカレ予想』が解決されました。解いたのは、ロシアのグリゴリー・ヤコヴレヴィチ・ペレルマン先生(1966年~)です。ちなみにミレニアム懸賞問題とは、アメリカのクレイ研究所が2000年に発表した数学の7つの未解決問題のことで、それぞれに100万ドルの懸賞金がかけられています。ペレルマン先生は2002年、2003年に亘って論文を『arXiv』(アーカイブと読みます。数学、物理学などの論文が上げられるサーバ)に発表。約4年がかりでその証明が正しかったと認知されました(!)。結果、2006年にフィールズ賞に選出されましたが受賞を辞退。2010年には懸賞金をかけたクレイ研究所から、ポアンカレ予想の解決者として認定されましたが、それも辞退。ペレルマン先生の消息は不明で、新たなる問題に取り組んでいると言われます。フィールズ賞を受賞するような先生方は例外なく天才で、しかも天才ゆえに面白いエピソードに事欠きません。論文の方はとても理解できませんが、先生方の人間性には興味を引かれますね。さて、みなさんは数学は好きでしたか?(高橋モータース@dcp)
2012年10月31日テレビ界のアカデミー賞とも言われる米国エミー賞の結果が23日(日本時間24日)に発表され、注目のドラマ・シリーズ作品賞は『HOMELAND』が受賞した。その他の写真エミー賞は、世界の放送業界において顕著な実績のあった番組や俳優、プロデューサー、制作技術者に贈られる賞で、1949年にハリウッドで行われた第1回の授賞式以来、今年で64回目を迎える。授賞式の模様はアカデミー賞と同じく全米で放送される。今年の作品賞ではABC、CBS、NBCの3大ネットワーク局のドラマが1作品もノミネートされず、HBO、AMCなどのケーブル局作品が名を連ねた。中でも、5年連続で作品賞を受賞するかで注目を集めていた『MAD MEN』は、惜しくも逃し『HOMELAND』が受賞した。『HOMELAND』は、作品賞のほか脚本賞と、ダミアン・ルイスが主演男優賞を、クレア・デインズが主演女優賞をそれぞれ受賞し、ドラマ・シリーズの主要部門4冠を獲得した。コメディ・シリーズでは、『モダン・ファミリー』が3年連続で作品賞を受賞したほか、監督賞など4賞を受賞する結果となった。『HOMELAND』は、日本ではFOXCRIMEで10月よりリピート放送予定(10/18開始、毎週月~金曜17:00~18:00)、『モダン・ファミリー』はFOXチャンネルでシーズン2が現在放送中(毎週日曜23:30~24:00)。またエミー賞授賞式の模様は、日本ではAXNチャンネルで9月29日(土)20時よりノーカット完全版で放送される。第64回エミー賞(2012)主な受賞結果●ドラマ・シリーズ部門【作品賞】『HOMELAND』【主演男優賞】ダミアン・ルイス『HOMELAND』【主演女優賞】クレア・デインズ『HOMELAND』【監督賞】ティモシー・ヴァン・パタン『ボードウォーク・エンパイア 欲望の街』【脚本賞】アレックス・ガンサほか『HOMELAND』【助演男優賞】アーロン・ポール『ブレイキング・バッド』【助演女優賞】マギー・スミス『ダウントン・アビー』●コメディ・シリーズ部門【作品賞】『モダン・ファミリー』【主演男優賞】ジョン・クライヤー『Two And A Half Men』【主演女優賞】ジュリア・ルイス=ドレイファス『Veep』【監督賞】スティーヴン・レヴィタン『モダン・ファミリー』【脚本賞】ルイス・C・K『Louie』【助演男優賞】エリック・ストーンストリート『モダン・ファミリー』【助演女優賞】ジュリー・ボーウェン『モダン・ファミリー』●ミニシリーズ/テレビムービー部門【作品賞】『ゲーム・チェンジ大統領選を駆け抜けた女』
2012年09月24日笑いを生業とするこの男の瞳の奥の“哀しい光”に惹かれて、熊切和嘉監督は主演をオファーしたという。「僕は元々決して明るい方ではなく、どちらかというとネクラ。それを監督に見抜かれたのかな?」。お笑いコンビ「チュートリアル」として活躍する徳井義実は少し自虐的な笑みを浮かべる。映画は『莫逆家族 バクギャグファミーリア』、役柄はかつては関東一の暴走族のアタマを張り、いまは家族のために建設作業員として働く男・鉄。中学、高校とヤンキー的な要素が全くなかったという徳井さんはオファーに戸惑い、一度は断ろうとしたが「監督の人柄」を理由に出演を決める。この決断がこれまで思いもよらなかった自身の中の様々な思いや感情を発見させることになった。撮影を通して芽生えた「父親」の思い「正直、ヤバいな」――。元・不良という設定に加え、玉山鉄二、阿部サダヲ、大森南朋に倍賞美津子といった実力派の共演陣。オファーを受けた当初の徳井さんの偽らざる心情である。さらに、人気漫画が原作であるということも「オレでホンマに大丈夫か?」という不安を増幅させた。「(原作者の)田中宏先生には現場でも何度かお会いしましたが、『僕で大丈夫ですか?』という言葉が出かかりましたよ。その段階で聞いて『本当は…』とか言われたらシャレにならないんで聞けませんでしたが(苦笑)。僕もレベルは違えどモノを作る人間。僕らは自分が書いたネタを自分でやるけど、もし他人がやることになったら『この人じゃないのに』とか『こんな言い方じゃない』っていう思いは絶対にあると思うんです。あとから先生に聞いたら(徳井さんが主演ということに)最初は『えっ?』って思ったらしいです。そりゃそうだと思います(笑)。出来上がった映画を観て『よかった』と言ってくださいましたけど」。「メンタルの部分での役作りというのもなく、ワンシーンワンシーンを積み重ねていった」と徳井さん。これまで体験したことのない不良の世界に身を置く中で「自分はこういうとき、こんな声を出すのか?とか、自分で感じたことのない感情を初めて体験することが多い作品だった」とも。特に“父親”を演じることで強く感じる部分があったという。「どちらかというと役になりきるというよりも冷静に演じてる感じだったんですが、父親ということに関しては、撮影が進むにつれて自分の中に“父”としての感情が徐々に芽生えてくるのを感じました。林(遣都)くんのことが本当に息子のように思えてきて…。ラストの遊園地での林くんとの2人きりのシーンはグッとくるものがありましたね。あれは撮影の最初の頃だったらできなかっただろうと思います」。演じながら自身の10代の頃の父親との関係に思いを馳せることも。「何となくコミュニケーションがうまくいかなかったり、ピリピリしたものがあるという意味では、うちのオヤジとの関係に近かったです。演じながら“中1のときにタバコ吸ってどつかれたとき、親父はこんな気持ちだったのかな?”なんて思いながらやっていた部分もありますね」。父とのギクシャクした関係は20歳を超えても続いた。当初、徳井さんの父は息子がお笑いの道を志すことに対し、あまりいい顔をしなかったという。「面と向かって『お前、そんなのやめろ』とか言うわけではないんですよ(笑)。オカンを通して『やめさせた方がええぞ』とか言ってたらしいです。こっちも黙って続けてたんですがあるとき、オヤジが僕らの舞台を見に来たらしくて、それを見て納得してそこから何も言わなくなりましたね。それも後からオカンに聞いたんですが」。ちょっとした父と息子の感動の和解のドラマだが、それを語る徳井さんの口調は淡々としている。「僕自身、割と冷静な方であまり感情的になることがないんですよ。だから『あのオヤジに認めさせてやろう』みたいな気持ちもなかったし(笑)。どちらかと言えば、当時から『オヤジもそりゃ反対するよな』と当然のような気持ちでいたので」と何だか申し訳なさそうに語る。俳優・徳井義実の次なる野望は?しかし、それだけ冷静に自分も周りも見渡せる男が、決して“カタギな世界”とは言えないお笑いの道をなぜ選んだのか?そう尋ねると「友達に誘われて…(笑)」とまたも申し訳なさそうに、しかしあっさりと答えが返ってきた。「でも素人なりに自信があったんですよ、『おれは面白い』って。ただ、まさかプロになろうとは思ってなかったし、浪人することも決まってたんです。なのに友達がNSC(吉本総合芸能学院)の願書を持ってきて『あとはお前の名前とハンコだけや』って(笑)。浪人しながらでいいからと言われてNSCに行くことになったんです。でもその後で、僕を誘ったその友達がお笑いをやめてしまって(苦笑)、僕もお笑いをやめて大学に行ったんです。『何なんやろうな、おれは?どうせ大したとこに就職もできんやろうな』って思ってたときに、やっぱり俺はお笑いが好きなんだって思えたんです。そこから福田(充徳)と組んでようやくやり始めて、それが僕らにとっての就活でしたね」。劇中の鉄は時の流れの中でいつの間にか熱いものを失っていた自分に気づき忸怩たる思いを抱くが、徳井さん自身は一度は手放し、再びつかんだ大切なものの大きさを自覚しているだけに「僕は『あの頃はああだったのに』という思いや後悔、『いつから俺はこんな風になったんだ』と思うことがないように生きてきた」と力強くうなずく。俳優の仕事もきっとこの男の確固たる選択の結果なのだ。では“俳優”徳井義実としての野望は?「そうですね…大河ドラマとかはカツラつけるの嫌だし待ち時間もエグそうですしね…(笑)。オカマの役とかやってみたいかな」。(photo/text:Naoki Kurozu)■関連作品:莫逆家族バクギャクファミーリア 2012年9月8日より全国にて公開© 2011「莫逆家族」製作委員会
2012年09月06日映画『莫逆家族 バクギャクファミーリア』の“完成披露祭”と銘打って30日、主演の徳井義実(チュートリアル)をはじめ、林遣都、中村達也、新井浩文、村上淳、ちすん、井浦新、倍賞美津子、熊切和嘉監督が浴衣姿で集結。記者会見と舞台あいさつに臨んだ。その他の写真田中宏の人気漫画を映画化した本作。かつては関東一の暴走族のトップだったが、いまは建設作業員として働く中年男が、ある事件をきっかけに家族や仲間を守るべく立ち上がり、戦う姿を描く。映画初主演にして人生初の金髪、肉体改造、さらに初の父親役と「初モノづくしでした」と振り返る徳井。「普段はバラエティで下ネタを言って金を稼いでますが、今回は真剣に取り組ませていただきました」と強い思いを明かす。だが、そんな真剣さを覆すかのように、現場のムードや空き時間の会話の話題になると、出てくるのは下ネタに関する思い出ばかり…。村上は「(徳井との会話は)たいていは下ネタなんですが、幅が広くて感動しました。ダッチワイフの話とか」と細かい内容まで暴露。息子役を演じた林が「徳井さんの生の下ネタを聞けるかと楽しみにしてたんですが、人見知りなので…。1回だけ盗み聞きしたけど、異次元の内容でした(笑)」と明かすと、徳井は父親らしい気遣いで(?)「遣都くんにはまだ早かった」と語り、笑いを誘っていた。林同様に人見知りで話しかけられなかったという新井は「下ネタ大好きなので話したかった。今度、教えてください!」と懇願。一緒のシーンがなかった井浦も「僕も下ネタを話したかったけど残念」と語り、妻役のちすんまで「意外と話してくれなかったけど、下ネタなら話してくれたんだ…」と悔しさをにじませるなど、晴れの完成披露の場がまさかの“下ネタ”づくしとなった。劇中、徳井の育ての親を演じた倍賞が徳井をビンタで張り飛ばすシーンがあるが、実はこれは徳井に黙って倍賞がアドリブで付け加えたもの。「パーンっとやった方がいいと思って気持ちよく殴らせてもらいました」と明かし、殴られた徳井の方は「素晴らしいビンタで愛とぬくもりを感じました」と感激した面持ちで語っていた。また浴衣にちなんで、この夏、浴衣で出かけたり、祭に行った思い出を尋ねられた徳井。真剣な顔でしばし思案の末に出てきた答えは「大阪の方で、キャバクラの浴衣祭りに行きましたね(笑)」。倍賞はそんな“男子”たちのやりとりを眺めつつ「今日の話を聞いたら、男優として出たかったなと思います。男たちがみんな生き生きしてる」とうらやましそうに漏らしていた。『莫逆家族 バクギャクファミーリア』9月8日(土)全国ロードショー
2012年08月30日お笑いコンビ「チュートリアル」の徳井義実の初主演映画『莫逆家族バクギャクファミーリア』の完成披露試写会が8月30日(木)に都内で開催され、徳井さんを始め林遣都、倍賞美津子、中村達也、村上淳、新井浩文、ちすん、井浦新、熊切和嘉監督が出席。撮影の様子や徳井さんの主演ぶりについて語り合った。原作は400万部を突破する田中宏の人気漫画。かつては暴走族のヘッドだったが、いまは息子からもバカにされる建設作業員の男を中心に、不良たちの“その後”の人生を過激に描き出す。撮影は1年半前の2月に行われたが、お披露目の日を迎え徳井さんは「やっと来たかという気持ち」と晴々とした表情。「普段はバラエティで下ネタを言って金稼いでますが、今回は真剣に取り組ませていただいた」と真摯に語る。だがそんな真剣な顔つきを見せたのも束の間、撮影現場の空気に話が及ぶと、出るわ出るわ!徳井さんと切っても切り離せない“下ネタ”にまつわるエピソード。村上さんは「会話の中身はたいてい、下ネタですが、その幅が広いのに感動しました!ダッチワイフの話とかしましたね」と嬉しそうにふり返る。それを聞いた新井さんも「うちは人見知りなので一言も話せなかったけど、下ネタ大好きなので話したかった…」と残念そう。息子役の林さんも「徳井さんの生の下ネタを楽しみにしてたけど、僕も人見知りなので。1回だけ会話を盗み聞きしたけど、異次元の内容でした」と首を振った。中村さんは、徳井さんと深い因縁を持つ男を演じただけあって「現場で話はしていない。(徳井さんを)ぶちのめさないといけないんだから、生易しい気持ちではいられなかった」と役柄になりきって現場に参加していたことを明かす。熊切監督さえも「中村さんは怖かった」と漏らしていたが、中村さんは「そんなに怖くないんだよ」と心外そう。「普段は心優しいドラマーとして活躍しています」と笑顔で“安全”をアピールしていた。井浦さんは回想シーンにおける徳井さん演じる鉄の父親を演じたが、普段から飲み友達でもある熊切監督の作品に出演するのはこれが初めて。「同い年の大好きな監督の作品に参加で来たことが何より嬉しい」と語り、「僕の撮影は2日しかなかったけど、にもかかわらずクランクアップしたとき監督と抱き合ってボロボロに泣いた」と意外な熱い一面を覗かせた。ちすんさんは、撮影初日の苦い思い出を告白。「クランクインの最初のシーンがみんなでの家族写真だったんですが、私ごときが大遅刻をしてしまいまして…。撮影に行く前から『死んでしまいたい』と思って、笑顔で写らないといけない写真のシーンもガチガチでした」と苦笑いを浮かべていた。倍賞さんは「素敵な青年、素敵な紳士になるだろう若者に囲まれて嬉しいです」と満面の笑み。“男”たちのやりとりを見守りつつ、「今日の話を聞いてたら、男優としてこの映画に出たかったと思う。男たちが生き生きとしててうらやましい」とも。熊切組についても「監督、スタッフ一同素晴らしかった」と称賛を送っていた。この日は“完成披露祭”と銘打たれ、登壇陣は全員浴衣姿。これにちなんで「今年の夏、浴衣を着たり、祭に行った思い出は?」と尋ねられた徳井さんは、「キャバクラの浴衣祭りに行ったくらいですね」と申し訳なさそうに答え、会場は笑いに包まれた。『莫逆家族バクギャクファミーリア』は9月8日(土)より公開。■関連作品:莫逆家族バクギャクファミーリア 2012年9月8日より全国にて公開© 2011「莫逆家族」製作委員会
2012年08月30日2012年度「渡邉暁雄音楽基金」音楽賞・特別賞の発表記者会見が、6月7日に都内にて行われた。音楽賞は山田和樹(指揮者)、特別賞は中藤泰雄(株式会社ジャパン・アーツ代表取締役会長)が受賞した。「山田和樹」の公演情報本基金は、日本フィルハーモニー交響楽団の創設者で、戦後の音楽界の発展に大きく貢献した指揮者・渡邉暁雄の業績を後世に引き継ぐため、1992年6月に誕生。毎年、次代の音楽界を担う優秀な指揮者、およびオーケストラ界に貢献した関係者の顕彰を行っている。今回5年ぶりとなる音楽賞受賞となった山田和樹は、いま最も目覚しい活躍を続ける若手指揮者のひとり。現在NHK交響楽団副指揮者、オーケストラ・アンサンブル金沢ミュージック・パートナーなどを兼任するほか、今年9月にはスイス・ロマンド管弦楽団首席客演指揮者、日本フィル正指揮者に就任する。現代の音楽シーンの潮流とは一線を画す個性、オーケストラを豊かに“ドライブする”才能などが評価された。特別賞を受賞した中藤泰雄は、1976年に株式会社ジャパン・アーツを設立。文化事業を通じ、世界一流の舞台芸術を日本に紹介するほか、日本人演奏家の海外への紹介も行うなど、クラシック音楽の普及、演奏家の育成、文化事業の活性化と団結を図り、国際発信力を強化したことなどが評価された。記者会見で受賞者のふたりは、「僕の師である松尾葉子、小林研一郎両先生の師匠だった渡邉先生のお名前を冠した賞ですから、本当に嬉しいです。指揮者のある種のDNAのようなものを受け継げたのかなと。この賞を励みに今後も頑張っていきたいと思います」(山田和樹)、「これからも日本と外国の文化交流に貢献できるよう、良い仕事を続けてきたいです」(中藤泰雄)と、喜びと今後の抱負を語った。
2012年06月08日小泉今日子「第49回ギャラクシー賞」個人賞を受賞4日、女優の小泉今日子(46)が都内で開催された「第49回ギャラクシー賞」授賞式に出席した。小泉はフジTV・木曜劇場「最後から二番目の恋」、WOWOW・連続ドラマW「贖罪」の演技が認められて個人賞を受賞し、「世の中に明るいニュースはないですけど、景気の良い時代を知ってる私たちが元気に生きて、若者を先導していきたい」と、コメントした。(スポニチより)小泉スタッフからのコメント本日はギャラクシー賞の授賞式でした!皆様の応援や、共演者、スタッフの皆様のおかげで、テレビ部門の個人賞を受賞させて頂きました。本当にありがとうございます!今日の模様は恐らく明日以降新聞やテレビなどで見かけることになると思いますので気にかけておいて下さいませ。(staff)ギャラクシー賞とは?1963年に放送批評懇談会が日本の放送文化の質的向上を願い、優秀番組・個人・団体を顕彰するために創設。テレビ、ラジオ、CM、報道活動の四部門からなる。第49回ギャラクシー賞受賞作品は個人賞の小泉今日子、テレビ部門・大賞のNHK・連続テレビ小説「カーネーション」、マイベストTV賞第6回グランプリ日本TV「妖怪人間ベム」などが受賞している。また、優秀賞に選ばれた長谷川博己主演のテレビ東京・ドラマ「鈴木先生」は映画化も決定している。元の記事を読む
2012年06月06日4月4日、第37回菊田一夫演劇賞と、第3回岩谷時子賞が発表された。菊田一夫演劇賞は、大衆演劇の中で優れた業績を残したスタッフ、キャストに贈られる、日本有数の演劇賞。今回は『国民の映画』『ベッジ・パードン』『90ミニッツ』の作・演出が認められ、三谷幸喜が演劇大賞に選ばれた。そのほか、演劇賞には米倉涼子、石丸幹二、瀬奈じゅん、宝塚星組の柚希礼音。演劇賞特別賞には、こまつ座、司葉子が選出された。また、岩谷時子賞は日本の音楽・演劇界の明日を担う人材や、その向上・発展に功労のあった人物・団体に授与されるもの。こちらは現在、世界的に注目が集まっている由紀さおりが受賞。また岩崎宏美、平幹二朗が特別賞を、瀬奈じゅんが奨励賞を受賞した。瀬奈じゅんは、菊田一夫演劇賞と岩谷時子賞をW受賞したことになる。
2012年04月04日熊切和嘉監督、徳井義実(チュートリアル)主演の映画『莫逆家族 バクギャクファミーリア』が、第4回沖縄国際映画祭の最終日3月31日にワールドプレミア上映され、主演の徳井、熊切監督、林遣都が上映前の舞台あいさつに登壇した。その他の写真阿部サダヲ、玉山鉄二、新井浩文、倍賞美津子、村上淳、大森南朋など演技派が揃うなかで主役をつとめた徳井は、「主演させてもらっていますが、共演者がすごい人たちばかりなので、これはやばいぞ!本気の映画なんだなと思いました。プレッシャーでしたね」と語り、撮影現場のエピソードについて「倍賞さんにびんたされるシーンはものすごい気迫でした。元アントニオ猪木さんの奥さんのびんたはすごいっ!」と芸人ならではのコメントで場を盛り上げた。伝説の暴走族のトップを演じるにあたっては、約1ヶ月半かけて加圧トレーニングに挑み肉体改造している。そんな徳井の起用理由を熊切監督は「華と影があって切なさを感じた。初めて会ったときも捨て犬のような感じでした(笑)」と明かした。徳井の演じる火野鉄の息子、周平を演じた林は、徳井の印象を「普段、テレビで見ている(芸人としての)徳井さんとは違って、想像以上に迫力がありました。下ネタを堂々と語るところとかは、男としてカッコいいです」と語り、また実際に鉄のような男性がいたら?という質問には「惹かれますね」と即答。この回答に徳井は、「全然、頼ってくれていいんですけどね。まあ、(林くんに携帯の)アドレスは聞かれなかったですけど(笑)」と、うれしそうだった。本作は、田中宏の同名漫画が原作。元暴走族の男たちが、ある事件をきっかけに再集結し、彼らのルールで仲間や家族を守ることを決意して戦う、家族の愛と絆を描いた感動ありバイオレンスありの人間ドラマだ。男性はもちろん女性にも観てほしいと言う願いを込めて徳井は、「草食系男子が増えている昨今、この映画には肉食系男子がたくさん出ています。“あたし、やっぱりこういう男が好きなんだわ!”と思うような、子宮に響く映画です!」と、徳井らしいアピールで舞台あいさつを締めた。取材・文・写真:新谷里映
2012年04月02日累計発行部数400万部を誇る田中宏の人気漫画を原作に、チュートリアル・徳井義実を主演に迎えて映画化された『莫逆家族バクギャクファミーリア』が完成し、3月31日(土)、第4回沖縄国際映画祭の長編プログラム「peace」部門に出品された。上映前には徳井さんと共演の林遣都、そして熊切和嘉監督が舞台挨拶を実施し、映画祭のフィナーレを飾るクロージングイベントにも参加した。一般の方への初披露は、映画祭最大の収容数を誇る800名キャパのシアターで行われた。同映画祭には毎年参加しているという徳井さんは、「僕は今回主演ですが、本当に周りの方々がすごい!特に、ドンばー役を演じる倍賞美津子さんにビンタされるシーンがあるのですが、そのビンタは正に大女優のビンタ!というくらい深いものでした」と主演作をアピール。伝説の元不良を演じるため金髪に染め上げ、筋力トレーニングを行ったそうだが、「加圧トレーニングジムに通って、プロテインを飲む生活を1か月半~2か月続けました。ホントに『なかやまきんに君』みたいな生活でしたが、いまはもう止めているので、オッパイが膨らんできています」とふり返り、会場の笑いを誘った。そんな徳井さんの現場での印象について、林さんは「徳井さんの演技は、普段テレビで見ている感じとは全然違いました。ゴツくて迫力があり、現場では無口で近寄りがたい感じ」と明かした。熊切監督も徳井さんを「華も陰りも切なさもある男」と称賛しつつ、「この映画のメッセージは…ただ体感してほしい!本当に良い役者が暴れまわる映画です!」と自信作を送り出した。『莫逆家族バクギャクファミーリア』は9月8日(土)より全国にて公開。■関連作品:莫逆家族バクギャクファミーリア 2012年9月、全国にて公開© 2011「莫逆家族」製作委員会第4回沖縄国際映画祭 [映画祭] 2012年3月24日から31日まで開催■関連記事:森田芳光の名作で芸能界デビューしていたエド・はるみ女優志望だった30年前を回想ともさかりえ、沖縄国際映画祭で夫・スネオヘアーをしっかりアピール「EXILE」AKIRAが父親役に初挑戦!沖縄国際映画祭プログラム発表30代限定!『莫逆家族バクギャクファミーリア』モニター試写会に10組20名様をご招待
2012年04月01日3月2日(金)、第35回日本アカデミー賞の授賞式が行われ、成島出監督の『八日目の蝉』が最優秀作品賞を始め、監督賞、主演・助演女優賞を含む最多10部門を獲得し、圧倒的な強さを見せつけた。角田光代の同名ベストセラー小説を原作に、『ミッドナイト イーグル』や『孤高のメス』など硬派な人間ドラマを得意とする成島出監督がメガホンを取り、映画化した本作。不倫相手の子供を誘拐し育てた女性と、彼女に育てられた女性の壮絶な逃亡劇とその後の運命を描いていく。昨年G.W.に劇場公開されて以来、口コミが口コミを呼び、息の長いヒットを記録した本作だが、その壮絶なドラマを迫真の演技で魅せたのが、共に昨年は映画・TVドラマと飛躍的な活躍を見せた井上真央と永作博美。井上さんは誘拐犯の元で幼少期を過ごし、心に傷を負ったまま不倫相手の子供を宿す女性役で最優秀主演女優賞を獲得、幼い彼女を不倫相手の家庭から連れ去り、育てる女性を見事に演じた永作さんが最優秀助演女優賞を獲得した。永作さんは同役で2011年度ブルーリボン賞主演女優賞にも輝いている。男優部門では、昨年闘病の末逝去された名俳優、原田芳雄(『大鹿村騒動記』)に最優秀主演男優賞が授与された。最優秀助演男優賞には、スマッシュヒットを記録した園子温監督による衝撃作『冷たい熱帯魚』で狂気の演技を見せたでんでんが選ばれた。さらに、最優秀アニメーション作品賞にはスタジオジブリ作品『コクリコ坂から』、最優秀外国作品賞には昨年のアカデミー賞を総なめにし国内でも大ヒットを記録した『英国王のスピーチ』が選ばれた。■最優秀作品賞『八日目の蝉』■最優秀アニメーション作品賞『コクリコ坂から』■最優秀監督賞成島出(『八日目の蝉』)■最優秀主演男優賞原田芳雄(『大鹿村騒動記』)■最優秀主演女優賞井上真央(『八日目の蝉』)■最優秀助演男優賞でんでん(『冷たい熱帯魚』)■最優秀助演女優賞永作博美(『八日目の蝉』)■最優秀外国作品賞『英国王のスピーチ』■関連作品:八日目の蟬 2011年4月29日より全国にて公開© 2011「八日目の蟬」製作委員会大鹿村騒動記 2011年7月16日より全国にて公開© 2011「大鹿村騒動記」製作委員会冷たい熱帯魚 2011年1月29日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© NIKKATSUコクリコ坂から 2011年7月16日より全国東宝系にて公開© 2011 高橋千鶴・佐山哲郎・GNDHDDT英国王のスピーチ 2011年2月26日よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開© 2010 See-Saw Films. All rights reserved.■関連記事:99歳日本最高齢の現役監督に、永作博美、小池栄子らがスタンディング・オベーション第66回毎日映画コンクール最高賞は『一枚のハガキ』、男優賞に『モテキ』森山未來第35回日本アカデミー賞発表!女優陣の健闘で『八日目の蝉』最多12部門受賞永作博美「報知映画賞」主演女優賞を受賞し号泣「押しつぶされそうだった」ヒロイン役は誰の手に?S・ヨハンソン、T・スウィフトらがヒロイン役候補で競合
2012年03月03日第84回アカデミー賞は『アーティスト』が作品賞に輝き、同作を手がけたミシェル・アザナビシウス監督が監督賞を受賞した。その他の写真『アーティスト』は、映画がサイレントからトーキーへと移行する時期のハリウッドを舞台に、大スターとして活躍する男性俳優と、彼に見そめられた端役女優の栄光と転落をモノクロ&サイレントで描いた作品。本年度のアカデミー賞は、名作が数多く誕生した1920年代のハリウッドを舞台にした『アーティスト』が“本命”と評され、映画黎明期のフランスを舞台に“映画という夢の発明”の輝きを描いた『ヒューゴの不思議な発明』が最多部門で候補になっていた。その結果、『アーティスト』が作品、監督、主演男優賞など5部門に、『ヒューゴの不思議な発明』が同じく撮影、美術など本年度最多タイとなる5部門に輝いた。ミシェル・アザナビシウスはフランス出身の映画監督で、デジタル全盛の現代にあえてモノクロの映像とサイレントの語り口で、移り行く時代に翻弄される男女の物語を描き、アカデミー協会員から高い評価を得た。一方、アメリカ映画界を代表する巨匠監督マーティン・スコセッシは『ヒューゴ…』で最新のデジタル技術と3Dを駆使して映画黎明期を生きた名映画作家と孤独に暮らす少年の物語を描き、その映像と作品の世界観が高評価を集めた。近年、デジタル技術の発達により映画の撮影・製作・上映の環境はめまぐるしい速度で変化しつつあるが、本年度のアカデミー賞では改めて、“技術が変化しても、変わらない映画の魅力”を備えた作品が多く評価されたのではないだろうか。■第84回アカデミー賞受賞【作品賞】『アーティスト』【監督賞】ミシェル・アザナビシウス『アーティスト』
2012年02月27日いよいよ佳境に入ってきた今年のアカデミー賞授賞式。監督賞に続き、『アーティストの』のジャン・デュジャルダンが栄えある主演男優賞を獲得した。トーキーへの移行期を迎えるハリウッドの黄金時代を舞台に、映画産業の変革により没落していくスター俳優を見事に演じているジャン。これまでの賞レースも含め、下馬評でも受賞を有力視されてきたが、今回の受賞でフランス人の俳優としては初の主演男優賞受賞、さらに母国語が英語でない受賞者としても『ライフ・イズ・ビューティフル』(’97)のイタリア人俳優ロベルト・ベニーニ以来の受賞となる快挙を果たした。壇上に上がるやガッツポーズを見せ、「この国が大好きです」と挨拶したジャン。劇中では声なき声を見事に表現しているが、「声にするなら…メルシー・ボクー!(ありがとう)」と叫び、フランス語でこの上ない喜びを露にした。特集:第84回アカデミー賞 Ikei / ©A.M.P.A.S.■関連作品:第84回アカデミー賞 [アワード] 2012年2月26日(現地時間)、ハリウッド・コダックシアターにて授賞式が開催© AMPASアーティスト 2012年4月7日よりシネスイッチ銀座、新宿ピカデリーほか全国にて公開© La Petite Reine - Studio 37 - La Classe Americaine - JD Prod - France 3 Cinema - Jouror Productions - uFilm■関連記事:【アカデミー賞】華麗なるレッドカーペットファッション!~クラシック編~【アカデミー賞】華麗なるレッドカーペットファッション!~セクシー編~【アカデミー賞】華麗なるレッドカーペットファッション!~ホワイト&メタリック編~【アカデミー賞】最高栄誉はハリウッド愛を贈るフランス映画『アーティスト』へ!【アカデミー賞】会場総立ち!メリル・ストリープが3度目のオスカー受賞!
2012年02月27日続々と授賞が発表されている本年度アカデミー賞。栄えある監督賞を手にしたのは『アーティスト』のミシェル・アザナヴィシウス監督!最有力視されてきた巨匠、マーティン・スコセッシ監督は受賞を逃した。トーキーへの移行期を迎えるハリウッドの黄金時代を舞台に、白黒のサイレントで描いた異色ラブストーリー。錚々たる巨匠を押しのけて初の快挙を果たしたアザナヴィシウス監督は、「世界一幸せの監督です」と喜びを露にし、キャスト&スタッフに感謝。さらに「(出演の)犬のアギーにも感謝してます。私の言うことは理解できないと思いますが…(笑)。映画にも感謝しています。この作品は喜びをもたらしてくれる映画だと思います」と改めて映画に対する愛を語った。特集:第84回アカデミー賞■関連作品:第84回アカデミー賞 [アワード] 2012年2月26日(現地時間)、ハリウッド・コダックシアターにて授賞式が開催© AMPAS■関連記事:【アカデミー賞】華麗なるレッドカーペットファッション!~クラシック編~【アカデミー賞】華麗なるレッドカーペットファッション!~セクシー編~【アカデミー賞】華麗なるレッドカーペットファッション!~ホワイト&メタリック編~【アカデミー賞】最高栄誉はハリウッド愛を贈るフランス映画『アーティスト』へ!【アカデミー賞】会場総立ち!メリル・ストリープが3度目のオスカー受賞!
2012年02月27日第84回アカデミー賞授賞式で、『人生はビギナーズ』のクリストファー・プラマーが助演男優賞を獲得した。マイク・ミルズの実体験を基に、晩年に突然ゲイであることをカミングアウトする父親と息子の愛と人生の再スタートを描いた本作。クリストファーは、自身に正直に自由を謳歌する父親をユーモアたっぷりに演じている。現在82歳、その俳優歴は半世紀以上にのぼる大御所中の大御所。『サウンド・オブ・ミュージック』(’64)のトラップ大佐役など数々の作品で名演を見せてきた彼だが、意外にもオスカーノミネートは2009年の『終着駅-トルストイ最後の旅-』が初めてで、今回の受賞は同賞において最高齢での初受賞となった。今回の助演男優賞部門は、同い年のマックス・フォン・シドー(『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』)や、ニック・ノルティ(『Warrior』)などベテラン勢が揃ったが、クリストファーがこれまでの映画賞レースと順当の強さを見せた。手にした金のオスカー像に向かって「あなたは私より2歳しか年上じゃないんだね。母の種にいたときからこのスピーチを予定してました」と冗談を飛ばすや、ほかの候補者に称賛を贈り「(共演の)ユアン・マクレガーとこの賞を共有したい」と語った。特集:第84回アカデミー賞 Harbaugh / ©A.M.P.A.S.■関連作品:第84回アカデミー賞 [アワード] 2012年2月26日(現地時間)、ハリウッド・コダックシアターにて授賞式が開催© AMPAS人生はビギナーズ 2012年2月4日より新宿バルト9、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2010 Beginners Movie, LLC. All Rights Reserved.■関連記事:【アカデミー賞】華麗なるレッドカーペットファッション!~クラシック編~【アカデミー賞】華麗なるレッドカーペットファッション!~セクシー編~【アカデミー賞】華麗なるレッドカーペットファッション!~ホワイト&メタリック編~【アカデミー賞】最高栄誉はハリウッド愛を贈るフランス映画『アーティスト』へ!【アカデミー賞】会場総立ち!メリル・ストリープが3度目のオスカー受賞!
2012年02月27日第84回アカデミー賞オリジナル脚本賞に『ミッドナイト・イン・パリ』、脚色賞には『ファミリー・ツリー』が授与された。プレゼンターのアンジェリーナ・ジョリーは、足元の大きく開いたセクシーなドレスで登場、受賞者の名前を読み上げた。まず、共同脚本も務めた『ファミリー・ツリー』のアレクサンダー・ペイン監督は「保育園を休んで映画に連れて行ってくれてありがとう」と自身の少年時代をふり返り、母親に感謝を述べた。『ミッドナイト・イン・パリ』のウディ・アレン監督はこの日は欠席した。『ファミリー・ツリー』、『ミッドナイト・イン・パリ』、2作ともにここにきて初受賞となった。特集:第84回アカデミー賞■関連作品:ミッドナイト・イン・パリ 2012年初夏、新宿ピカデリー、Bunkamura ル・シネマほか全国にて公開© 2011 Mediaproducción, S.L.U., Versátil Cinema, S.L. and Gravier Productions, Inc.ファミリー・ツリー 2012年5月18日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2011 Twentieth Century Fox第84回アカデミー賞 [アワード] 2012年2月26日(現地時間)、ハリウッド・コダックシアターにて授賞式が開催© AMPAS■関連記事:【アカデミー賞】華麗なるレッドカーペットファッション!~クラシック編~【アカデミー賞】華麗なるレッドカーペットファッション!~セクシー編~【アカデミー賞】華麗なるレッドカーペットファッション!~ホワイト&メタリック編~【アカデミー賞】最高栄誉はハリウッド愛を贈るフランス映画『アーティスト』へ!【アカデミー賞】会場総立ち!メリル・ストリープが3度目のオスカー受賞!
2012年02月27日第84回アカデミー賞授賞式で、助演女優賞に『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』のオクタヴィア・スペンサーが輝いた。1960年代のアメリカ南部の町を舞台に、作家を目指す一人の若き白人女性と黒人メイドが手を取り黒人差別の実態を本にしたため世に訴えていく姿を描いた感動作。オクタヴィアは、料理上手でパワフルな黒人メイド、ミニーを演じる。アカデミー賞俳優部門のゆくえを占う第18回全米映画俳優組合賞では共演のヴィオラ・デイヴィスと並んで受賞を果たしていたオクタヴィア。プレゼンターとして登場したクリスチャン・ベイルに呼ばれると、涙を浮かべ、家族全員への感謝の言葉を述べ「あらゆる人に感謝したい」と喜びのスピーチを見せた。特集:第84回アカデミー賞■関連作品:第84回アカデミー賞 [アワード] 2012年2月26日(現地時間)、ハリウッド・コダックシアターにて授賞式が開催© AMPASヘルプ~心がつなぐストーリー~ 2012年3月31日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開© 2011 DreamWorks II Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.■関連記事:【アカデミー賞】華麗なるレッドカーペットファッション!~クラシック編~【アカデミー賞】華麗なるレッドカーペットファッション!~セクシー編~【アカデミー賞】華麗なるレッドカーペットファッション!~ホワイト&メタリック編~【アカデミー賞】最高栄誉はハリウッド愛を贈るフランス映画『アーティスト』へ!【アカデミー賞】会場総立ち!メリル・ストリープが3度目のオスカー受賞!
2012年02月27日2月13日(現地時間)、“犬”版アカデミー賞と言われる第1回ゴールデン・カラー賞(金の首輪賞)が発表され、アカデミー賞に向けて快進撃を見せる『アーティスト』での名演で喝采を浴びているジャックラッセルテリアのアギーが最優秀俳優犬賞を受賞した。トーキーへの移行期を迎えるハリウッドの黄金時代を舞台に、白黒のサイレントという大胆な手法で描き上げた異色ラブストーリー。先日発表された英国アカデミー賞では7冠の快挙、26日(現地時間)発表のアカデミー賞では10部門にノミネートされている。TVや映画作品に貢献した犬たちの名演を称える賞として、今年初めて開催されたゴールデン・カラー賞。その記念すべき第1回目の映画部門では『人生はビギナーズ』のコスモ(ジャックラッセルテリア)や『ヤング≒アダルト』のハンマー(チワワ)らが候補入りしたが、強豪ライバルを制して見事栄冠に輝いたのが、アギー。昨年の第64回カンヌ国際映画祭パルムドッグ賞を受賞して以来、その目覚しい活躍は人間以上(?)に盛り上がりを見せており、一部ではアギーのアカデミー賞ノミネートを叫ぶ運動が展開されたほど。さらに先日、新携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS(Nintendo 3DS)」のPR大使にも任命されるなど、その影響力は絶大だ。そんな最中、アカデミー賞授賞式を最後に俳優引退を発表したアギー。貴重な晴れ姿に注目が集まる中、この日の授賞式には赤い蝶ネクタイに黒いタキシードの正装で現れ、その愛くるしい姿で場内を大いに盛り上げた。さらに、共演の名優ジェームズ・クロムウェルも登壇し、世界一に輝いた名犬を祝福した。本作以外にも『ワサップ!』(’05)や『恋人たちのパレード』など数々の作品で名演を見せているアギーは現在9歳。人間の年齢にすれば52歳と、ベテランの域への突入で世界一有名な犬の称号を得たわけだが、今回の快挙に続いて気になるのは当然、アカデミー賞授賞式での登場。俳優引退前にどんな勇姿を見せてくれるのか?『アーティスト』は4月7日(土)より全国にて公開。©Splash/AFLO■関連作品:ヤング≒アダルト 2012年2月25日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開© 2011 Paramount Pictures and Mercury Productions, LLC. All Rights Reserved.人生はビギナーズ 2012年2月4日より新宿バルト9、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2010 Beginners Movie, LLC. All Rights Reserved.アーティスト 2012年4月7日よりシネスイッチ銀座、新宿ピカデリーほか全国にて公開© La Petite Reine - Studio 37 - La Classe Americaine - JD Prod - France 3 Cinema - Jouror Productions - uFilm第84回アカデミー賞 [アワード] 2012年2月26日(現地時間)、ハリウッド・コダックシアターにて授賞式が開催© AMPAS■関連記事:“こじらせ女子”を反面教師にすべし?『ヤング≒アダルト』に見る、女性の本音第65回英国アカデミー賞発表、『アーティスト』が作品賞ほか7冠で圧勝!『人生はビギナーズ』M・ミルズ監督インタビュー「終わり=始まり」に込めた想い『マネーボール』のジョナ・ヒル、ダイエット成功の鍵は「日本食」『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』のテイラー監督、WGAWポール・セルヴィン賞受賞
2012年02月14日12日、第65回オレンジ英国アカデミー賞授賞式が開催され、これまでの賞レースでも圧勝のフランス発のモノクロのサイレント映画『アーティスト』が作品賞のほか、主演男優賞(ジャン・デュジャルダン)、監督賞(ミシェル・アザナヴィシウス)など全7部門を制覇、2週間後に発表されるアメリカのアカデミー賞に王手をかけた。トーキー移行期のハリウッドを舞台にした『アーティスト』は作品賞、主演男優賞、監督賞のほか脚本賞、音楽賞、撮影賞、衣裳デザイン賞を受賞した。主演女優賞を獲得したのはメリル・ストリープ。『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』で英国初の女性首相となったマーガレット・サッチャー女史を熱演、ゴールデン・グローブ賞映画ドラマ部門に続く快挙となった。助演男優賞は『人生はビギナーズ』のクリストファー・プラマー、助演女優賞は『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』のオクタヴィア・スペンサーが受賞。マーティン・スコセッシ監督の『ヒューゴの不思議な発明』は音響賞と美術賞を受賞、またスコセッシ監督は英国映画テレビ芸術アカデミーから名誉賞を贈られた。外国語映画賞はペドロ・アルモドバル監督、アントニオ・バンデラス主演の『私が、生きる肌』が獲得。自国作品を対象にした優秀英国映画賞はゲイリー・オールドマン主演の『裏切りのサーカス』が受賞、同作は脚色賞にも輝いている。『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』は視覚効果賞を受賞した。主な受賞結果は下記の通り。<作品賞>『アーティスト』<監督賞>ミシェル・アザナヴィシウス(『アーティスト』)<オリジナル脚本賞>ミシェル・アザナヴィシウス(『アーティスト』)<脚色賞>ブリジット・オコナー、ピーター・ストローハン(『裏切りのサーカス』)<主演男優賞>ジャン・デュジャルダン(『アーティスト』)<主演女優賞>メリル・ストリープ(『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』)<助演男優賞>クリストファー・プラマー(『人生はビギナーズ』)<助演女優賞>オクタヴィア・スペンサー(『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』)<オリジナル音楽賞>リュドヴィク・ブルス(『アーティスト』)<撮影賞>ギヨーム・シフマン(『アーティスト』)<美術賞>ダンテ・フェレッティ、フランチェスカ・ロスキアーヴォ(『ヒューゴの不思議な発明』)<衣裳賞>マーク・ブリッジス(『アーティスト』)<優秀英国映画賞>『裏切りのサーカス』<メイクアップ&ヘア賞>マレーズ・ランガン、マーク・クーリエ、J・ロイ・へランド(『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』)<音響賞>フィリップ・ストックトン、ユージン・ジーティ、トム・フレッシュマン、ジョン・ミッジリー(『ヒューゴの不思議な発明』)<視覚効果賞>ティム・バーク、ジョン・リチャードソン、グレッグ・バトラー、デヴィッド・ヴィッカリー(『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』)<英国映画脚本、監督、プロデューサー新人賞>『Tyrannosaur』(原題)<外国語映画賞>『私が、生きる肌』(スペイン)<アニメーション作品賞>『ランゴ』(text:Yuki Tominaga)■関連作品:第84回アカデミー賞 [アワード] 2012年2月26日(現地時間)、ハリウッド・コダックシアターにて授賞式が開催© AMPASアーティスト 2012年4月7日よりシネスイッチ銀座、新宿ピカデリーほか全国にて公開© La Petite Reine - Studio 37 - La Classe Americaine - JD Prod - France 3 Cinema - Jouror Productions - uFilmマーガレット・サッチャー鉄の女の涙 2012年3月16日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開© 2011 Pathe Productions Limited , Channel Four Television Corporation and The British Film Institute.裏切りのサーカス 2012年4月21日TOHOシ ネマズシャンテ、新宿武蔵野館ほか全国順次公開© All rights reserved. © 2010 StudioCanal SA.ヒューゴの不思議な発明 2012年3月1日よりTOHOシネマズ 有楽座ほか全国にて公開© 2011 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.私が、生きる肌 2012年5月26日よりTOHOシネマズ シャンテ、シネマライズほか全国にて公開© Photo by Jose Haro © El Deseoヘルプ~心がつなぐストーリー~ 2012年3月31日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開© 2011 DreamWorks II Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.■関連記事:クロエ・G・モレッツ独占映像インタビュー到着!巨匠との初競演は「夢みたいだった」究極の問題作で描かれるのは“究極の愛”?『私が、生きる肌』ポスター解禁!メリル・ストリープ圧巻の演技!『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』試写会に10組20名様ご招待『マネーボール』のジョナ・ヒル、ダイエット成功の鍵は「日本食」『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』のテイラー監督、WGAWポール・セルヴィン賞受賞
2012年02月13日選ばれたのは長澤まさみ!2012年1月24日、第54回ブルーリボン賞の助演女優賞に「モテキ」の長澤まさみさんが選ばれたことが分かった。ブルーリボン賞はサンケイスポーツなどの在京スポーツ7紙の映画記者が選ぶ。長澤まさみさんは「世界の中心で、愛をさけぶ」で2004年にもブルーリボン賞の助演女優賞を受賞している。今回は「モテキ」での雑誌記者の役でこの賞に選ばれた。image by AMAZON今までとは違う長澤まさみに、「モテキ」もくる!激しいラブシーンや、今までとは違う役どころに、長澤まさみさんは「世界の中心で、愛をさけぶ」とは、また違う一面を見せた。「見た方から『イメージが変わった』といわれることが多くて、見たことのなかった自分が求められていたんだなと感じました」と女優として「モテキ」に入った長澤まさみさんは語っていた。元の記事を読む
2012年01月26日巨匠マーティン・スコセッシ監督が初3D作品となる最新作『ヒューゴの不思議な発明』で、第69回ゴールデン・グローブ賞の最優秀監督賞を受賞した。その他の写真本作は、1930年代のパリを舞台に、親を失い、時計台に隠れ住んでいる少年ヒューゴが、父が遺した機械人形に隠された秘密と、世界の運命を変えてしまうほどの秘密のメッセージをめぐって壮大な冒険を繰り広げる様を描いたファンタジー。1944年に創立され、68年の歴史を持つゴールデン・グローブ賞で、スコセッシ監督は、『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002年)、『ディパーテッド』(2006年)と、過去に2度監督賞の受賞歴を持つが、今作は、これまでの重厚な人間ドラマとは異なる、少年を主人公にしたファンタジー作品。3Dに初挑戦し、映画界の大先輩たちに捧げるオマージュを盛り込んでいるという。70歳にして新たな新境地に挑み、“映画愛”を捧げた本作が、最優秀監督賞を獲得したのも納得の結果と言えるだろう。全世界の各映画賞において27部門を受賞、85部門でノミネートされているが、アカデミー賞を占う上で最も重要だと言われている本レースを制したことで、1月24日(水)に発表されるアカデミー賞にノミネートされるのは固いだろう。『ディパーテッド』に続き、スコセッシ監督2度目のオスカーとなるか、期待がかかる。『ヒューゴの不思議な発明』2012年3月1日(木)TOHOシネマズ 有楽座ほか全国ロードショー※3D/2D同時公開(C)2011 Paramount Pictures. All Rights Reserved
2012年01月16日2012年前期の連続テレビ小説「梅ちゃん先生」のスタジオ取材会が12月20日(火)、東京・渋谷のNHK放送センターで行われ、“朝ドラ”ヒロイン・梅子を演じる女優の堀北真希を始め、共演する高橋克実、南果歩、ミムラ、小出恵介、鶴見辰吾、倍賞美津子が出席した。連続テレビ小説の第86作目にあたる「梅ちゃん先生」。戦後復興期の東京・蒲田で、命と向き合う女性医師“梅ちゃん先生”の奮闘を描くオリジナル作品だ。優秀な姉・松子(ミムラさん)と兄・竹夫(小出さん)の下で「しょせん私は松竹梅の“梅”よ」とコンプレックスを抱える梅子が、やがて自信に目覚め、地域医療に生きようと決意する“前向きさ”が物語のテーマになっている。「梅ちゃんはみなさんが思っている以上にドジなので、激動の時代の中でちょっと取り残されちゃうんです。そんな梅ちゃんがどういう風に人生を歩むのか、ぜひ見てほしいですね」と堀北さん。一方、ミムラさんは「おっちょこちょいで失敗することもあるから、私たちもつい『もう、梅ちゃんたら』って。それでも自分を見放さず淡々と前を歩き続ける。その健気さに胸キュンしちゃう」と優しい眼差し。小出さんは「僕ら姉兄は、梅ちゃんのことをまるで相手にしないときもあって、まあひどい仕打ちなんですよ(笑)。それなのに、よく素直に育ったなって思います。心を込めてやっている(演じている)ことなので、僕のこと恨まないで」と梅ちゃん=堀北さんに平謝りだ。そんな3兄弟を育てるのが、高橋さん演じる梅子の父・建造と、南さん演じる梅子の母・芳子。「見どころは梅ちゃんの頑張り。そして堀北さんの頑張りですね。本当に粘り強い」(高橋さん)、「家族の中では忘れられがちな位置にいますが、芯の強さをメキメキ発揮する。ちょうど梅の木が育っていくようで、みなさんにも梅の花が咲くところを見てほしい」(南さん)と役柄そのままに、目を細めていた。鶴見さんは建造の弟で梅子の叔父にあたる立花陽造、倍賞さんは梅子の祖母・正枝を演じている。「梅ちゃんには真実を見抜く力がある」(鶴見さん)、「15分という放送時間の中で、少しずつ成長していく。素敵じゃないですか」(倍賞さん)とこちらも梅ちゃんにゾッコンの様子だ。そんな温かな家族に囲まれ、堀北さんも「ベタベタしているわけではなく、でもしっかり心の拠りどころになっている。家族がかけがえのない存在だと改めて感じていただければ」とアピールしていた。NHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」は2012年4月2日(月)より全156回(予定)にて放送される。■関連作品:ALWAYS三丁目の夕日‘64 2012年1月21日より全国東宝系にて公開© 2012 「ALWAYS三丁目の夕日‘64」製作委員会■関連記事:妊娠9か月の小雪、深紅のドレスで登場!母になる実感「ひしひしと感じる」NHK来年の朝ドラの堀北真希の共演陣に南果歩、ミムラ、小出恵介、松坂桃李ら
2011年12月20日年末の国内外の映画賞レースがスタートする中、先陣を切ってこのほど「第36回報知映画賞」の全9部門が発表された。栄えある作品賞・邦画部門に選ばれたのは角田光代原作、成島出監督の『八日目の蟬』。本作の主演を務めた永作博美が主演女優賞に輝き、本作が2冠を達成した。『八日目の蟬』と同じく2冠に輝いたのはスマッシュヒットを記録した衝撃作『冷たい熱帯魚』。本作以外にも『恋の罪』、『ヒミズ』と次から次へと話題作を繰り出す園子温監督が監督賞、本作で猟奇的な演技を見せたでんでんが助演男優賞を獲得した。主演男優賞の堺雅人(『武士の家計簿』、『日輪の遺産』、『ツレがうつになりまして。』)は2008年の助演男優賞に続き2度目の受賞。同じく、主演女優賞の永作さんも2007年の助演女優賞に続き2度目、さらに助演女優賞の宮本信子(『阪急電車片道15分の奇跡』)は1984年の特別賞に続き2度目の受賞を果たした。新人賞を獲得したのはドキュメンタリー『エンディングノート』で余命宣告された自身の父親をユーモアを交えて映し出した女性監督の砂田麻美。新人賞に監督が選ばれるのは12年ぶりの快挙となる。さらに、『大鹿村騒動記』が遺作となった名優・原田芳雄、日本最高齢の現役監督、新藤兼人監督(『一枚のハガキ』)に特別賞が授与された。そして、先日のブラッド・ピット来日で注目を集めた最新主演作『マネーボール』が作品賞・海外部門に選ばれた。今後の賞レースに顔を並べるメンバーはいかに?これからの展開が楽しみなところ。同賞表彰式は12月21日(水)、ザ・プリンス パークタワー東京にて開催される予定。第36回報知映画賞 受賞一覧作品賞・邦画部門:『八日目の蟬』監督賞:園子温監督主演男優賞:堺雅人主演女優賞:永作博美助演男優賞:でんでん助演女優賞:宮本信子新人賞:砂田麻美監督作品賞 海外部門:『マネーボール』特別賞:新藤兼人監督、原田芳雄■関連作品:マネーボール 2011年11月11日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開大鹿村騒動記 2011年7月16日より全国にて公開© 2011「大鹿村騒動記」製作委員会一枚のハガキ 2011年8月6日よりテアトル新宿ほか全国にて公開© 2011「一枚のハガキ」近代映画協会/渡辺商事/プランダスエンディングノート 2011年10月1日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2011「エンディングノート」製作委員会阪急電車片道15分の奇跡 2011年4月29日より全国東宝系にて公開© 2011「阪急電車」製作委員会武士の家計簿 2010年12月4日より全国にて公開© 2010「武士の家計簿」製作委員会ツレがうつになりまして。 2011年10月8日より公開© 2011「ツレがうつになりまして。」製作委員会日輪の遺産 2011年8月27日より全国にて公開© 2011『日輪の遺産』製作委員会冷たい熱帯魚 2011年1月29日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© NIKKATSU八日目の蟬 2011年4月29日より全国にて公開© 2011「八日目の蟬」製作委員会■関連記事:ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリー、新たな養子縁組を計画中?ベン・スティラー、次回主演作の通行人役をチャリティ・オークションで募集ブラッド&アンジー、息子・パックスの故郷ベトナムを家族で訪問ブラッド・ピット、若者に「常識を疑え」とメッセージ!ブラピ&アンジー揃い踏みに4,800人熱狂!一家で野球をやるならポジションは?
2011年11月29日アカデミー賞の特別賞を授与する第3回ガヴァナーズ賞授賞式が12日、ロサンゼルスで開催され、名誉賞を受賞したジェームズ・アール・ジョーンズが舞台出演中のロンドンから衛星中継で喜びを語った。80歳のジョーンズは『ボクサー』(’70)でアフリカ系アメリカ人としてシドニー・ポワティエに続くオスカー主演男優賞候補となった名優であり、『スター・ウォーズ』シリーズのダース・ベイダーの声を務めたことでも知られている。アレック・ボールドウィンやグレン・クローズらの祝辞の後、舞台「ドライビング・ミス・デイジー」を上演しているロンドンのウェストエンドのウィンダム劇場でイギリスの名優、サー・ベン・キングズレーからジョーンズに名誉賞が贈られる様子が会場に衛星中継された。ジョーンズはスピーチで「俳優にとっての悪夢が、裸でステージに立ち、しかも自分の台詞を忘れてしまうことだとしたら、いまの私の状況はどう呼べばいいだろう?服は着ている。自分の話す言葉も分かっている。舞台袖からサー・ベン・キングズレーが現われてオスカー像を渡してくれる!これを俳優の夢精と呼ばずして何と言えばいいのか…。非常に光栄で、とても感謝しています。たまげています」と率直な表現で喜びを語った。名誉賞は『ゴッドファーザー』シリーズや『タクシー・ドライバー』などを手がけ、『アマデウス』(’84)でオスカー受賞経験もある89歳の特殊メイクアップアーティストのディック・スミスも受賞。人気司会者のオプラ・ウィンフリーは長年の功績と慈善活動を評価され、ジーン・ハーショルト友愛賞を受賞した。(text:Yuki Tominaga)© ロイター/AFLO
2011年11月14日来年のNHKの連続テレビ小説「梅ちゃん先生」で主演の堀北真希の家族や周囲の人々を演じる共演陣8人が発表!父親を高橋克実、母親を南果歩、姉をミムラ、兄を小出恵介が演じるほか、幼なじみとして若手人気俳優の松坂桃李が出演することも明らかに。9月13日(火)、NHK放送センターで堀北さんらが会見を行った。86作目となる「梅ちゃん先生」の舞台は終戦直後の東京・蒲田。大学病院に勤める父を持ち、優秀な姉と兄の下でコンプレックスを持って育ってきた梅子(堀北さん)が、町医者となって地域の人々に向き合い、成長していく姿を描く。一家の父・建造役の高橋さんは「昭和20年あたりから物語が始まるということで、当時のいまとは違う親子の関係が出せれば」と語る。これまで演じたことのない厳格な父親ということで「プロデューサーからは『笑いは一切なく、ハードルが高い』と言われました。『もしハードル越えられなかったら?』と聞いたら『入院してもらうかも』って(笑)。堀北さんの足を引っ張らないように頑張ります!」と戦々恐々。おおらかな母親・芳子を演じる南さんは東日本大震災発生後、たびたび現地入りしたそうで「みなさんと話すと『ドラマが見たい』とよく言われた。だからいま一番出たいドラマが朝ドラだった」と明かした。ミムラさんは「現実では末っ子なので長女がうまくできるか不安ですが、家族のみなさんに支えていただいて頑張りたい。今日、真希ちゃんに初めて会って『かわいい!守ってあげたい』とお姉ちゃんエンジンがかかりました」と気合十分。小出さんは逆に男兄弟の中で育ち、姉や妹に憧れていたそう。初共演の堀北さんを「凛としてて姿勢も良い」と絶賛。「僕は『自分探しの旅に出る』ということになっているそうで、2週目でいきなり家を飛び出るといううわさもあるんですが、(堀北さんと)関わりたい、家族ドラマに出たいです」と少しでも長い共演を願っていた。梅子の祖母・正枝役には倍賞美津子。「家族、お隣さんと会えて嬉しいです。最年長だと思いますので体力つけておかなきゃと思っています」と語った。また、建造の弟で、梅子に影響を与えるおじの立花陽造を鶴見辰吾が演じる。堀北さんとはドラマ「アタシんちの男子」(フジテレビ)に続いての共演で、前回はギャンブル狂の父親役を演じたが、本作では「闇市で一発当てようとするお調子者」(鶴見さん)ということで「今度もダメなおじさんですが何とかサポートしたい」と語っていた。下村家の隣で町工場を経営する安岡家の家長・幸吉を演じるのは片岡鶴太郎。息子の信郎は梅子の幼なじみということで、2人が結婚する可能性も?片岡さんは堀北さんを「ザ・朝ドラ。朝ドラのために生まれてきた」とクランクイン前にもかかわらず絶賛。「息子をよろしくお願いします。ぜひ、親戚になりたい」とノリノリだった。朝ドラ初出演の松坂さんはそんな“父”を尻目に「当時の人たちの力強さを演じられたら」と真摯に語り、同い年の堀北さんについては「同い年とは思えないくらい落ち着いてる。足を引っ張らないようにしたい」と緊張気味に語っていた。「梅ちゃん先生」は11月クランクイン予定。放送は2012年4月2日(月)よりNHKにて放送開始。■関連作品:僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia. 2011年9月23日より全国にて公開© 2011「僕たち」フィルムパートナーズスイッチを押すとき 2011年9月17日より新宿武蔵野館ほか全国順次公開© 2011山田悠介/「スイッチを押すとき」製作委員会家族X 2011年9月、ユーロスペースほか全国順次公開© PFFパートナーズ天国からのエール 2011年10月1日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2011『天国からのエール』製作委員会ALWAYS三丁目の夕日‘64 2012年、全国東宝系にて公開© 2012 「ALWAYS三丁目の夕日‘64」製作委員会■関連記事:向井理、流暢な英語でスピーチ!海外オファーは「なきにしもあらず」?向井理、“母校”明治大学で『僕せか』PR…なぜかTBS安住アナが乱入『天国からのエール』監督が語る「夫婦ならではの気遣い、苦難を乗り越える瞬間」向井理主演『僕たちは世界を変えることができない。』試写会に100組200名様をご招待向井理、芦田愛菜、武井咲、中山優馬が「ほんとにあった怖い話」でホラー初挑戦!
2011年09月13日感動の実話をベースにした映画『ロック 〜わんこの島〜』の初日舞台挨拶が7月23日(土)、東京・お台場シネマメディアージュで行われ、主演の佐藤隆太をはじめ、麻生久美子、子役の土師野隆之介、倍賞美津子、岡田義徳、柏原収史、中江功監督が登壇した。家族の絆がテーマの本作。舞台挨拶では息子役を演じた隆之介くんが、サプライズで両親役の佐藤さん&麻生さんに感謝の手紙を朗読し、佐藤さんは「父ちゃんも同じ気持ちだから。ありがとうな」と感激しきり。麻生さんは「初めての母親役で、最初は子役の子とどう付き合っていいのか分からなくて。でも隆之介くんはすごく素朴でかわいくて、大好きになっちゃった。いまは離れたくない気持ちでいっぱい」と思わず涙ぐんだ。2000年に発生した大噴火で、全島民が島外に避難した伊豆諸島の三宅島。そこに置き去りとなった犬のロックと、離ればなれになってしまった飼い主家族の奇跡的な再会を通して、いまこそ大切にしたい生きる力、そして絆の尊さが描かれる。実際に三宅島で40日間にわたって撮影が行われた。佐藤さんは「印象に残っているのは天候が悪かったこと。最初は20日間で撮影を行う予定だったが、悪天候のせいでずいぶん延びてしまった。だからこそ、嘘のない家族の絆が深まったし、いまでは天候に感謝ですけどね」。一方、麻生さんはロックにおしっこをかけられるシーンで披露した“絶叫”がいまも気がかりだといい「みなさん、あのシーンって大丈夫でした?あんなにエコーをかけるなんて、本当に恥ずかしい」と客席のリアクションを気にしつつ、中江監督に抗議(?)する場面もあった。もちろん舞台挨拶には犬のロックも登場!たくさんの観客を前に最初こそ緊張していたが、佐藤さんら“家族”との再会にすっかりリラックスし、ステージ上でゴロゴロ転がる一幕も。「お利口だしかわいい。見ているだけ幸せです」(佐藤さん)、「そばにいてくれるだけでニコニコしちゃう」(麻生さん)とその癒しパワーはいまも健在だ。当日は一年で最も暑さが厳しいといわれる“大暑の日”ということで、等身大のロック氷像、その名もロックアイスがお目見え。場内に涼しさを届けていたが、当のロックだけは自分そっくりの氷像に不思議そうな表情だった。『ロック 〜わんこの島〜』は全国東宝系にて公開中。■関連作品:ロック 〜わんこの島〜 2011年7月23日より全国東宝系にて公開© 2011 フジテレビジョン東宝FNS27社■関連記事:麻生久美子インタビュー豪快な母ちゃんを熱演!「この家族自体が私の理想」新宿コマ劇場の跡地に地上130メートルのシネコン&ホテル建設“三宅島一日観光大使”佐藤隆太の元へ石原都知事が電撃訪問!佐藤隆太×麻生久美子が新鮮な役に挑戦『ロック』親子試写会に10組30名様ご招待佐藤隆太、三宅島で倍賞美津子と真夜中のサシ飲み!麻生久美子は無念の熟睡
2011年07月25日2000年8月の三宅島大噴火により避難を余儀なくされた一家と、彼らの飼い犬・ロックの絆を描く『ロック 〜わんこの島〜』。情報番組「めざましテレビ」(フジテレビ)の人気コーナー「きょうのわんこ」に登場した犬、ロックの実話をモチーフに、家族の在り方と故郷への愛を見つめる感動作で、たくましく愛情深い一家の“母ちゃん”、野山貴子を演じた麻生久美子が、撮影の裏側や母親役を通して芽生えた思い、理想の家庭像について語ってくれた。山場のシーンで込めた思い「私は私の仕事をするんだ」麻生さん演じる“母ちゃん”こと貴子は、夫と共に民宿を切り盛りするたくましい母。明るく豪快な母ちゃんは、思いがけない言動で周囲を驚かすこともある。実写での母親役は初めてだという麻生さんだが、ここまで豪快な女性役も初めてなのでは?「そうですよね(笑)。貴子を演じるにあたって、まず監督に言われたのは『シーンごとに別人に見えるくらいでいい』ということ。なので、あまり深く考えずに演じていきましたね。とは言え、貴子が思いっきり叫ぶシーンは、撮影のときも出来上がりを観たときもすごく恥ずかしかったです。監督から野太い声で『うおおおお!』と叫んでくれる?と言われまして…。『またまた冗談を』と思っていたんですが、どうやら目が本気。『あれくらいやっておけば、貴子のキャラクターを分かってもらえるから』って監督はおっしゃるんです。思い切ってやりましたけど、いまでも恥ずかしいですね(笑)」。さすがは監督と言うべきか、その甲斐あってと言うべきか、パワフルな母ちゃんの明るさは一家を照らすと同時に、観る者に温かい笑いをもたしていく。息子の芯を演じた土師野隆之介くんとの親子ぶりもナチュラルで素敵だ。麻生さん自身、困ったように垂れ下がった眉がチャーミングな隆之介くんにメロメロなのだそう。「土師野くんの眉毛が大好きなんですよ。子役ということもあって最初はどう接していいか分からなかったんですが、本当に純粋な良い子なので、自然に仲良くなれましたね。撮影が中盤にさしかかる頃には飛びついてくるくらい懐いてくれて、私、ちょっと恋してましたね。本当にうちの子になってくれないかなって。あの子、チェブラーシカに似てません(笑)?クランクアップのとき、私にチェブラーシカの人形をくれたんです」。そんな2人にとって忘れがたいシーンがある。東京に避難することになった芯と、彼を見送ろうとする母ちゃんがそれぞれ感情を溢れさせるシーンだ。泣きじゃくる芯の元に、母ちゃんが駆け寄る。「あのシーンにはリハーサルも含めて3〜4日かかりましたね。私も山場のシーンになるなと思っていましたし、監督からは『できるまでやりますから。芯のところに駆け寄りたい気持ちになるまで動かないでください』と言われました。だから、私も『本当にその気持ちになるまで動かないでおこう』と思って。芯に申し訳ないなと思いつつ、“私は私の仕事をするんだ”と自分に言い聞かせていました。そうしたら、自然と駆け寄れる瞬間が来ましたね。と言うのも、感情が乗っているときの土師野くんのお芝居って本当に素晴らしいんです。そういう撮影方法も初めてでしたから、とても面白かったですね」。意外な発見?「実はわりと普段の私っぽいんですよ」ところで、その頃父ちゃんは…。一家の優しい父・松男は、麻生さんとは初共演の佐藤隆太が演じた。「佐藤さんの明るく元気なイメージはそのままだったんですが、撮影が進むにつれ、繊細な一面も見られるようになって。周囲にもすごく気を遣われるし、本当に素敵な方でしたね。実は撮影中、ちょっとしたシーンでなぜかぐっときてしまったことがあったんですよ。避難先のアパートに家族3人でいるとき、芯が『いつ帰れるの?』って言うシーンでのことなんですけれど。そうしたら、佐藤さんはそんな私のお芝居を受けての演技を返してくださって。あのときは本当に、この仕事をやっていて良かったなと思いましたね。化学反応というか、これがお芝居だなって思いました」。作品という名の絆で結ばれた共演者共々、母、そして妻を演じ上げた麻生さん。「あの役、実はわりと普段の私っぽいんですよ」と笑いながら、撮影を通しての意外な発見、自覚した理想の家族像を明かしてくれた。「きっと子供がいたら、私も貴子みたいになるんじゃないかなって。しつけもきちんとしますし、怒るときは怒りますし。自分で言うのもなんですけど、厳しいけれど愛情深い母親になるだろうなって思います。ただ、観終わってびっくりしたんですけど、貴子ってうちの母親にそっくりなんですよね(笑)。全く意識せずにお芝居をしていたらそうなったので、ちょっとびっくりしました。そんな貴子はもちろん、あの家族自体が私にとっては理想的。私が将来もし子供を持つなら、ああいう家族になりたいですね。あと、倍賞(美津子)さんが演じているお姑さんと貴子の距離感も好きなんですよ。仲はすごくいいんだろうけど、ちょうどいい距離感を保っていてすごく好き。本当にいい家族になったなって、演じている自分でも思いますね」。(photo:Toru Hiraiwa/text:Hikaru Watanabe)■関連作品:ロック 〜わんこの島〜 2011年7月23日より全国東宝系にて公開© 2011 フジテレビジョン東宝FNS27社■関連記事:新宿コマ劇場の跡地に地上130メートルのシネコン&ホテル建設“三宅島一日観光大使”佐藤隆太の元へ石原都知事が電撃訪問!佐藤隆太×麻生久美子が新鮮な役に挑戦『ロック』親子試写会に10組30名様ご招待佐藤隆太、三宅島で倍賞美津子と真夜中のサシ飲み!麻生久美子は無念の熟睡
2011年07月20日2000年の三宅島大噴火を題材にした映画『ロック 〜わんこの島〜』公開を前に、東京都庁で「三宅島パネル展」が開幕。このオープニングイベントが7月1日(金)に開催され、主演の佐藤隆太が“三宅島一日観光大使”として来場。監督の中江功、三宅島の平野祐康村長らが出席したが、途中、石原慎太郎都知事が突如、登場し映画をPRするひと幕もあった。全島避難の中、飼い主一家と離ればなれになり、島に残った犬のロックと、飼い主一家の絆を描いた本作。実際に三宅島で40日間にわたって撮影が行われた。“一日大使”に任命された佐藤さんは、当初、20日間ほどの予定だった島での撮影が、悪天候などの影響で40日ほどに伸びたことを明かし「結果として長く滞在できて良かったと思っています。作品にとっても良かったし、経験としてもプラスだったと思います。自然の厳しさを知ると同時にその温かさや美しさを肌で感じることができました。島の人々は、自然の下で、全てを受け入れて生活しているんですね。映画の中に『島は生きている』というセリフがありますが人々が島と一緒に呼吸していることを実感しました」とふり返った。そして「島の人々と触れ合えたことは大切な経験になりました。自分にとっては忘れられない第二の故郷です」と島への強い思いを口にした。中江監督も厳しい条件の中での撮影を苦笑交じりにふり返りつつ「苦労はしましたが、結果的に現在の美しい島が映画に映っているのではないかと思います」と充実の表情。パネル展を主宰する三宅島の観光協会の代表・浅沼徹哉氏は、噴火以前に8万人だった観光客が、昨年で4万人と半減している現状を明かし、映画が復興の起爆剤となることを期待。当時を知る島民として「私たちの苦しみや悲しみ、苦労を細かく調査され、よく描かれています。あきらめなければ何とかなるという希望を与えてくれる映画」と感謝の気持ちと共に称賛を送った。都庁は全島避難当時、臨時の村役場となった場所であり、平野村長は4年5か月にわたった避難生活に思いをはせ、感慨深げな表情。改めて当時の支援に感謝すると共に、いま現在、避難所生活を強いられている東日本大震災の被災者への悲痛な思いを吐露。すでに村長は被災地を訪れ、当時の実体験を被災地の方々に伝えているそうで「大変な苦労はあるけれど、しっかりやれば必ず帰れる、ということを伝えたい」と語った。映画についても「目に見えないものを信じろ。どんなに離れてても繋がってる」というセリフを挙げ「当時を思い出して泣けました」としみじみと語った。そして、会場に石原都知事が到着!いまなお復興が続く三宅島の現状を訴え「本当に美しい島です。東北も大変ですが、こっちも頑張っているので友情を感じてください!映画がそのきっかけになれば嬉しい」と挨拶し、佐藤“大使”とガッチリと握手を交わした。突然の知事の来訪に佐藤さんも「びっくりしました」と目を丸くしていた。『ロック 〜わんこの島〜』は7月23日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ロック 〜わんこの島〜 2011年7月23日より全国東宝系にて公開© 2011 フジテレビジョン東宝FNS27社■関連記事:佐藤隆太×麻生久美子が新鮮な役に挑戦『ロック』親子試写会に10組30名様ご招待佐藤隆太、三宅島で倍賞美津子と真夜中のサシ飲み!麻生久美子は無念の熟睡
2011年07月01日感動の実話をベースにした映画『ロック 〜わんこの島〜』の完成披露試写会が東京国際フォーラムにて、“ロックの日”6月9日(木)に開催され、上映前に主演の佐藤隆太をはじめ、麻生久美子、子役の土師野隆之介、倍賞美津子、中江功監督、臼井裕詞プロデューサーが完成報告会見に臨んだ。大噴火で全島民が島外に避難した伊豆諸島の三宅島に残された犬のロックと飼い主の奇跡の再会の実話をベースに、家族の絆が描かれる本作。「子供と正面から向き合う父親役は初めてだった」という佐藤さんは、完成した作品を鑑賞し「静かに、それでも力強く前を向いて進む家族像を描き切れた」と充実の表情。さらに「改めて、家族といる時間を大切にしたいと思った」と自身の家族への思いを明かした。撮影後に東日本大震災が発生したが、災害に見舞われつつも希望を失わない家族の姿を描いた作品とあって「自分としても、どういう気持ちで初日を迎えることになるのかとずっと考えていた」と心中の複雑な思いを吐露。「少しでも、力になれば嬉しい」と語りかけた。本物の兄弟のようにロックと共に成長していく少年・芯(しん)を演じた隆之介くんがマイクを握ると、佐藤さんと麻生さんはすっかり“父母”の顔となり、温かいまなざしで見守っていたが「みなさんが支えてくれたおかげで映画が出来上がったと思います。ぜひ家族で観に来てください」という、大人顔負けの挨拶にはびっくりした様子。佐藤さんも麻生さんも誇らしげに手を叩いていた。麻生さんは、佐藤さん(父)、隆之介くん(息子)、倍賞さん(祖母)、そしてロックと共に築いた野山家について「私の中で、こうなりたいという理想の家庭です」と語り、「私には子供はいませんが、何気ない空気感が温かくて楽しかった」と強い思い入れを明かす。そして「家族の存在だけでいろんなことが頑張れます」と家族の大切さを語った。三宅島での撮影について、何度も同じ中華料理屋に通った思い出や、隆之介くんがイタチを目撃したといったエピソードが明かされたが、佐藤さんは倍賞さんとの真夜中のサシ飲みのエピソードを披露。「夜、寝ようと思ったらコンコンと音がして、ドアを開けたら倍賞さんが『ビール飲もうか?』と。(悪天候などで)撮影がなかなか進まない中で倍賞さんが気を遣ってくださいまして。翌日、『昨夜はありがとうございました』と言ったら『酔っ払ってたからあんまり覚えてない』と言われました(笑)」と貴重な語り合いがあったことを明かしてくれた。実は、倍賞さんは麻生さんも誘おうとしたのだが「この方、一度寝たら起きないから!」(倍賞さん)、とのこと。麻生さんは「悔やまれます…」と苦笑していた。『ロック 〜わんこの島〜』は7月23日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ロック 〜わんこの島〜 2011年7月23日より全国東宝系にて公開© 2011 フジテレビジョン東宝FNS27社
2011年06月09日