現在公開されている、スタジオジブリ・宮﨑駿監督(82)の長編アニメーション最新作『君たちはどう生きるか』。ストーリーや声の出演者といった情報が一切明かされないまま7月14日に公開されたものの、興行収入は初週で21億円を突破。さらに公開から約3週後の8月7日には興収54億8000万円、観客動員数は約361万人を記録。異例の大ヒットとなっている。映画をより理解する上での“副読本”としておなじみのパンフレットにおいても、常識破りの手法が取られていた。同作のパンフレットは“映画を事前情報のない状態で楽しんでほしい”という思いから、通例とは異なり、公開日には発売されず、後日、劇場もしくは通信販売されるという形式だった。「パンフレットは劇場で映画を鑑賞する前後に購入する人がほとんどのため、公開から時間をあけて販売するという手法はほとんど聞いたことがありません。売上面においても、下がることが予想されますしね。また、『君たちはどう生きるか』のストーリーはこれまでのジブリ作品と比べて、“抽象的”“難解”という声が多い作品。それゆえ、パンフレットを望むファンも非常に多かった。それでも先入観なしで映画を楽しんでもらうために、あえて後日販売という手法をジブリが取ったわけですから、パンフレットの内容に期待を寄せるファンも当然多くいました」(映画関係者)そんななか、パンフレットは公開から約1ヵ月後の8月11日に発売開始されることに。しかし、その内容はというと……。実際に購入して確かめたところ、パンフレットの総ページ数は40ページ。しかし、その内の27ページほどを劇中カットが占めており、パンフレット独自の要素といえば、宮崎駿監督が本作に挑むあたり2016年に書かれた「企画書覚書」とラフ画集がそれぞれ2ページあるのみ。残りはあらすじや、主題歌である米津玄師「地球儀」の歌詞やスタッフクレジットで、作品の具体的な解説などは掲載されていなかった。約7割を劇中カットが占めたパンフレットの内容に対して、“期待はずれ”と感じる人も多かったようだ。ネット上にはこんな声が。《君たちはどう生きるかのパンフ 1ヶ月も焦らしておいて中身がスカスカで絶句した パンフだけなら今年のワーストだよ》《目新しい読み物は、企画書の話くらいでした。読み物としてのパンフを期待してた人は肩透かし食らうかも……》《君たちはどう生きるかパンフ買ったけど、中身スカスカやないか!こんなんで820円取るな!》《「君たちはどう生きるか」のパンフのあの感じは流石にダメでしょ観客の期待値理解して無さすぎるし、理解しつつこれしか載せられないならそもそもパンフ作るべきではなかった》また、『メタルギア』シリーズや『DEATH STRANDING』などを手掛けた世界的ゲームデザイナーの小島秀夫氏も公式X(旧Twitterで)8月11日に、《「君たちはどう生きるか」のパンフ売ってたので購入。開けてみると解説、寄稿、インタビュー、ビハインドなどまるで無し》と投稿していた。これも“宣伝戦略”ということなのか?
2023年08月15日スタジオジブリアニメーション映画『君たちはどう生きるか』の主題歌、米津玄師による「地球儀」の特別ラジオ番組「地球儀ラジオ」が、オフィシャルYouTubeチャンネルにて公開された。番組では、宮崎駿作品の原体験、監督との出会いをはじめ、主題歌制作にあたり監督からもらった言葉や、歌詞中に込めたもの、映画打ち上げの様子、この体験を通してこれからどう生きていくのか、出会いから5年、制作期間4年間の中で起こったエピソードについて語っている。『君たちはどう生きるか』は全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:君たちはどう生きるか 2023年7月14日より公開©2023 Studio Ghibli
2023年08月14日現在公開中のアニメーション映画『君たちはどう生きるか』の主題歌、米津玄師による「地球儀」のライブ映像が公開された。オリコン週間デジタルランキング2週連続1位を獲得した楽曲「地球儀」。今回公開されたライブ映像は、4月から7月まで行われたツアー「米津玄師 2023 TOUR/空想」のファイナル公演を映像化したもの。全24公演の中で、ラスト2公演でのみサプライズ披露された「地球儀」の映像となり、監督は島田大介が担当した。樹々の間を風が吹きすさび、たくさんの鳥が飛び交うステージ演出の中、あたたかなバンドサウンドをホーリィなコーラスが包み込み、伸びやかな歌声が会場に響き渡る印象的なステージングとなり、来場者は息を呑むかのように新曲を体全体で受け取ろうと集中し、その空気感も相まって特別なステージとなったようだ。また、オープニングとエンディングを飾ったのは、スタジオジブリ制作のアニメーション。『君たちはどう生きるか』の作画監督・本田雄が手掛け、本作に登場する青サギがステージへ飛来し、曲の終わりとともに飛び去っていく姿を描き、まるで映画の世界と現実を交錯するかのような不思議な体験を創出している。『君たちはどう生きるか』は全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:君たちはどう生きるか 2023年7月14日より公開©2023 Studio Ghibli
2023年08月10日世界的ベストセラーを映画化した『ぼくは君たちを憎まないことにした』が11月10日(金)より公開されることが決定。特報映像とティザーポスターが解禁された。2015年11月13日金曜日の朝。ジャーナリストのアントワーヌ・レリスは息子のメルヴィルと一緒に、仕事に急ぐ妻のエレーヌを送り出した。エレーヌは息子のために健康的な朝食を手作りして体調管理に気を配り、おしゃれでユーモアのセンスもある最高の母であり、最愛の妻だ。しかしエレーヌは、突然、天国へ行ってしまった…。誰とも悲しみを共有できない苦しみと、これから続く育児への不安をはねのけるように、アントワーヌは手紙を書き始める。妻の命を奪ったテロリストへの手紙は、息子と2人でも「今まで通りの生活を続ける」との決意表明であり、亡き妻への誓いのメッセージだ。一晩で20万人以上がシェアし、新聞の一面を飾ったアントワーヌの「憎しみを贈らない」詩的な宣言は、動揺するパリの人々をクールダウンさせ、テロに屈しない団結力を芽生えさせていく…。パリ中心部にあるコンサートホールのバタクラン。アメリカのバンド、イーグルス・オブ・ザ・デスメタルのライブ中に3人の男たちが1500人の観客に銃を乱射し、立てこもった。少し前には、パリ郊外のスタジアムで行われていたフランス対ドイツのサッカー親善試合や周辺のレストランで過激派組織「ISIL」の戦闘員が自爆テロを起こしていた。バタクランには、アントワーヌの妻、エレーヌと友人がいた。安否確認すらままならないカオスの中で、2日後に判明したのは、友人は生き延び、エレーヌは犠牲となった受け入れがたい事実だった。混乱するアントワーヌの内面を映画化したのは、マラソンに挑戦する老人たちをほのぼのと描くコメディ『陽だまりハウスでマラソンを』(13)のキリアン・リートホーフ監督。アントワーヌの手記は、メルヴィンと同じ年頃の娘を持つリートホーフ監督の心を打ち、監督はすぐさま映画化を決断。ドイツ人の立場からフランスで実際に起きた悲劇を客観的に見つめ、平明な言葉で憎しみの連鎖を拒絶するアントワーヌに焦点を当てた。主演は、『万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-』(14)で綾瀬はるかと共演し、『エッフェル塔~創造者の愛~』(21)にも出演する実力派ピエール・ドゥラドンシャン。負の感情と自らの言葉の間で苦悩する、感受性豊かなアントワーヌを熱演。妻のエレーヌ役にはシンガーソングライターでもあるカメリア・ジョルダーナ。19年出演のアクション『レッド・スネイク』ではISILを征伐する女性特殊部隊の一員として出演している。お風呂と絵本が大好きなメルヴィルには、当時3歳だったゾーエ・イオリオ。子役コーチによる演技訓練や長時間にわたるリハーサルに耐え、ママの不在に悲しみの涙を流し、笑顔を忘れたパパを支える愛息を演じている。この度解禁された特報映像では、愛する妻を突然失って悲しみに暮れるアントワーヌが、それでも小さな息子と前を向いて生きていこうと決意する様子が映し出され、そのひたむきな姿に胸を打たれる。併せて解禁となったティザーポスターは、大きく記されたタイトルと、親子が抱き合う姿が配されたシンプルな1枚。こちらに背中を向けるアントワーヌから力強い意志が伝わってくるようなデザインとなっている。ちなみに、無差別襲撃の現場となったバタクランは事件から1年後の2016年11月12日に、エンターテインメントを愛する人々に支えられ、全面改装してスティングのコンサートで再オープン。2023年現在も人気の会場として営業を続けている。『ぼくは君たちを憎まないことにした』は11月10日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)
2023年08月09日現在公開中のジブリアニメーション映画『君たちはどう生きるか』の劇場パンフレットが、8月11日(金・祝)より販売されることが決定した。7月14日より公開中の本作は、宮崎駿が原作・脚本・監督を手掛け、書籍「君たちはどう生きるか」からタイトルを採用し、全く別のオリジナルストーリーとして完成させた冒険活劇ファンタジー映画。今回パンフレットは、各上映劇場のほか、TOHO animation STORE、三鷹の森ジブリ美術館オンラインショップでも購入することができる。ついに発売日が決定し、SNSでは「待ってました」、「絶対買います!」、「買って読んでぜひ再度劇場へ伺います」、「おおお!!!たのしみ!」、「パンフレット買いがてらもう一回見ようかな」、「やっときた!もう一度行かねば!!」と歓喜の声が寄せられている。『君たちはどう生きるか』は全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:君たちはどう生きるか 2023年7月14日より公開©2023 Studio Ghibli
2023年08月07日「ジブリをめぐる冒険」と題した特集雑誌『スイッチ(SWITCH)』9月号が、2023年8月20日(日)に発売される。宮﨑駿の新作『君たちはどう生きるか』制作過程やインタビュー雑誌『スイッチ』9月号では、スタジオジブリを特集。「スタジオジブリをめぐる冒険」と題して、10年ぶりの宮﨑駿の新作アニメーション映画『君たちはどう生きるか』を主軸に、その制作過程をスタジオジブリプロデューサー鈴木敏夫が語る3万字ロングインタビューや、主題歌「地球儀」を手掛けた米津玄師へのインタビューを掲載する。また、宮﨑駿過去作品の振り返りや、宮﨑駿と建築、ジブリパークにまつわる作家池澤夏樹による2本のコラム、鈴木敏夫がスタジオジブリを語る「ジブリ論」のロングインタビューなどを収録。「ジブリをめぐる冒険」が80ページにもわたって特集されたボリューム満点の内容となっている。【詳細】『スイッチ Vol.41 No.9』(2023年9月号)特集 ジブリをめぐる冒険発売日:2023年8月20日(日)価格:1,100円内容:全80ページ・鈴木敏夫 宮﨑駿の新作『君たちはどう生きるか』を語る 訊き手 池澤夏樹・池澤夏樹コラム 宮﨑駿と建築など―アニメーションの原理を追って・制作スタッフインタビュー 主題歌 米津玄師/作画監督 本田雄・宮﨑駿作品振り返り・池澤夏樹コラム ジブリパークの旅、ならびにいくつもの脱線・鈴木敏夫 ジブリ論 鈴木敏夫こそジブリである!~後の巻~ 訊き手 池澤夏樹
2023年08月04日8月3日深夜に放送された『ハライチのターン!』(TBSラジオ)で岩井勇気(37)が、宮﨑駿監督(82)の最新作『君たちはどう生きるか』について、感想を語った。都内の映画館で作品を観たという岩井は、「(観客が)あんま入ってなかったね。10人ぐらいだった」と話し始め、率直な感想として「理解できなかった」とコメント。岩井の分析では、作品の“宮﨑駿濃度”が濃すぎたせいか、観客にはわからないセリフが全編で続き、ついていけなかったという。「わかった風な口をきくのは監督への冒涜な感じがする」とも語っていた。また、別の見立てとしてあくまで“仮説”とことわったうえで、「(宮﨑監督は)普通にみんな楽しめる作品を作ろうとして、ドンズベリした」と、『君たちはどう生きるか』が失敗作ではないかという持論を展開。相方の澤部は「そんなパターンないでしょ」と制したが、岩井は「ドンズベリしてイジってもらえないパターン」と続けた。これまでヒット作を連発してきた宮﨑監督だって失敗するときはあるのだから、監督のためにも「イジらないとダメ」と語った。7月14日に公開された映画『君たちはどう生きるか』の観客動員と興行収入の流れは、公開4日間で観客動員135万人/興行収入21.4億円、公開10日間で観客動員232万人/興収36億円、公開17日間で観客動員数305万人/興収46.9億円となっている。
2023年08月04日雑誌「SWITCH」8月20日発売号では、現在公開中のアニメーション映画『君たちはどう生きるか』の「スタジオジブリ」を特集している。今回の特集は、全80ページで構成された“ジブリをめぐる冒険”。新作『君たちはどう生きるか』などを語る、鈴木敏夫の合計5万字ロングインタビューや、主題歌「地球儀」を手掛けた米津玄師のインタビューが掲載予定となっている。SNSでは、早くもファンから「予約しました!」、「予約完了」といった報告や、「米津玄師のインタビューとな?!!」、「楽しみすぎる」、「絶対欲しい」、「買わねばああああああ」といった興奮のコメントも見られる。「SWITCH Vol.41 No.9」は8月20日(日)発売。『君たちはどう生きるか』は全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:君たちはどう生きるか 2023年7月14日より公開©2023 Studio Ghibli
2023年08月02日7月14日より公開中のスタジオジブリ映画『君たちはどう生きるか』のサウンドトラックが、8月9日(水)にリリースされる。宮崎駿監督10年ぶりの最新作『君たちはどう生きるか』。『千と千尋の神隠し』の初動4日間の興行収入を超え、好発進となっている。音楽は久石譲が手掛けており、そんな本作のサウンドトラックアルバムが来週発売。発売日まで、久石さんの音楽作りの過程が明かされる。リリースを控え、SNSではファンから「はい予約ー」、「映像なしで聞くとどうなんだろう、楽しみ」、「すごく楽しみです!」、「待ってた!絶対買う」などとコメントが寄せられている。『君たちはどう生きるか』サウンドトラックは8月9日(水)リリース。『君たちはどう生きるか』は全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:君たちはどう生きるか 2023年7月14日より公開©2023 Studio Ghibli
2023年08月01日米津玄師と菅田将暉のスペシャル対談「僕たちはどう生きるか」が、米津玄師のYouTubeチャンネルで公開された。2017年に発表した米津と菅田の初タッグ曲「灰色と青(+菅田将暉)」から6年、20代から30代へと歩んできた二人のつながりとそれぞれの変化、この作品でまた出会うという奇跡を祝福し今回の対談が実現した。スタジオジブリ最新作、宮﨑駿監督『君たちはどう生きるか』では、菅田が声優として「青サギ」を演じ、米津が主題歌として「地球儀」を制作。同じ作品に携わったのは、2017年公開アニメ映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』、2016年公開映画『何者』以来3作品目となる。二人はプライベートでも親交が深く、その時々のエピソードを菅田のレギュラー番組であった『菅田将暉のオールナイトニッポン』でも放送してきたが、同時に音楽の分野では米津が楽曲「まちがいさがし」を菅田に提供するなど、深い友情を育んできた。今回の対談では、映画『君たちはどう生きるか』に二人とも関わっていることが発覚した際の感動や、映画制作中のエピソード、宮﨑監督と鈴木敏夫プロデューサー二人の姿、幼少期に宮﨑さんから受け取ってきたものや、50年後のふたりに至るまで話が及び、二人の関係性だからこそ実現した幸せな対談となった。主題歌「地球儀」のシングルは今週リリースとなり、米津名義の作品として100曲目を迎えた。米津と宮﨑監督、鈴木プロデューサーとの5年間に渡る制作ドキュメンタリー写真集160ページが同梱し、写真で綴られた制作ストーリーが大きな反響となっている。米津玄師×菅田将暉「僕たちはどう生きるか」対談<リリース情報>米津玄師 ニューシングル『地球儀』発売中●初回版(CD+写真集 160ページ):4,800円(税込)●通常版(CD+写真集 160ページ):2,200円(税込)「地球儀」左より)初回版、通常版配信リンク:特設サイト:<作品情報>映画『君たちはどう生きるか』公開中映画『君たちはどう生きるか』ポスタービジュアル (C)2023 Studio Ghibli公開劇場一覧:
2023年07月29日スタジオジブリ最新作、宮崎駿監督『君たちはどう生きるか』にて主題歌「地球儀」を制作した米津玄師と声優として「青サギ」役を演じた菅田将暉のスペシャル対談「僕たちはどう生きるか」が、7月28日(金)20時より米津玄師YouTubeチャンネルで公開となった。2017年に発表した米津さんと菅田さんの初タッグ曲「灰色と青(+菅田将暉)」から6年、20代から30代へと歩んできた2人のつながりとそれぞれの変化、この作品でまた出会った奇跡を祝福し今回の対談が実現した。映画『君たちはどう生きるか』に2人揃って携わるのは、2017年公開アニメ映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』、2016年公開映画『何者』以来3作品目。2人はプライベートでも親交が深く、その時々のエピソードを菅田さんのレギュラー番組であった「菅田将暉のオールナイトニッポン」でも放送してきたが、同時に音楽の分野では米津さんが楽曲「まちがいさがし」を菅田さんに提供するなど、深い友情を育んできた。今回の対談では、映画『君たちはどう生きるか』に2人とも関わっていることが発覚した際の感動や、映画製作中のエピソード、宮崎監督と鈴木敏夫プロデューサー2人の姿、幼少期に宮崎さんから受け取ってきたものや、50年後の2人に至るまで話が及び、2人の関係性だからこそ実現した対談となった。今週リリースされた主題歌「地球儀」のシングルは、米津玄師名義の作品として100曲目を迎えた。米津さんと宮崎監督、鈴木プロデューサーとの5年間に渡る制作ドキュメンタリー写真集160ページを同梱、写真で綴られた制作ストーリーが大きな反響を呼んでいる。『君たちはどう生きるか』は全国にて公開中。米津玄師New Single「地球儀」はデジタル配信中、シングルCD発売中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:君たちはどう生きるか 2023年7月14日より公開©2023 Studio Ghibli
2023年07月28日トロント映画祭のオープニング作品に宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』が選ばれたと発表された。英語のタイトルは『The Boy and the Heron』。すでに日本で公開されているため、ワールドプレミアではなくインターナショナルプレミアとなる。上映日は9月7日。トロント映画祭では、過去に『レッドタートル ある島の物語』、『かぐや姫の物語』、『風立ちぬ』、『コクリコ坂から』、『千と千尋の神隠し』、『もののけ姫』が上映されている。『君たちはどう生きるか』は、今年後半の北米公開が予定されている。『君たちはどう生きるか』全国公開中©2023 Studio Ghibli文=猿渡由紀
2023年07月28日スタジオジブリ最新作、宮崎駿監督『君たちはどう生きるか』が、第48回トロント国際映画祭で“邦画初”、そしてアニメーションとしては“世界初”のオープニング上映作品に決定した。本作は公開4日間で、2001年公開の同監督作品『千と千尋の神隠し』の初動4日間の興行収入を超え、観客動員135万人、興行収入21.4億円を突破。7月26日(水)までの公開13日間では観客動員数261万人、興行収入40.1億円を超える大ヒットスタートとなっている。そんな本作のトロント国際映画祭オープニング上映作品への選出は、邦画としては初めて。アニメーション作品としては世界初でオープニングを飾る。カナダ最大の都市で毎年開催されるトロント国際映画祭といえば、受賞作品が米国アカデミー賞をはじめとする、そのほかの主要な映画祭でも快挙を成し遂げていることから、今後の賞レースの行方を占う重要な映画祭として知られており、“アカデミー賞前哨戦“とも呼ばれている。2002年には『千と千尋の神隠し』が第27回に出品され、その翌年の第75回アカデミー賞で長編アニメーション映画賞を受賞。そのほかスタジオジブリ作品としては、『風立ちぬ』『かぐや姫の物語』『レッドタートル ある島の物語』など計6作品が同映画祭に出品されており、本作で7作品目となる。同映画祭CEOキャメロン・ベイリー氏は本作品の選出理由に関して、「第48回トロント国際映画祭を、偉大なる映画のアーティストの中の一人の作品によって開幕することを光栄に思います。日本ではすでに傑作として賞賛されている宮崎駿の新作は、喪失と愛というシンプルなストーリーから始まり驚異的な想像の作品に昇華されています。トロントの観客が、そのミステリアスな作品に出会うことが楽しみであり、唯一無二の斬新な体験をお約束します」とコメントを発表している。第48回トロント国際映画祭は現地時間9月7日(木)から9月17日(日)までの11日間開催され、オープニング作品の上映は映画祭初日となる9月7日(木)、ロイ・トンプソン・ホール(Roy Thompson Hall)にて行われる。『君たちはどう生きるか』は全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:君たちはどう生きるか 2023年7月14日より公開©2023 Studio Ghibli
2023年07月28日宮崎駿監督の最新作『君たちはどう生きるか』の主題歌として米津玄師が書き下ろした「地球儀」。屋久島の大自然で撮影されたミュージックビデオ(MV)が公開され、米津玄師名義として発表された曲が、今作「地球儀」で100曲目を迎えたことが発表された。映画『君たちはどう生きるか』は、宮崎監督原作・脚本によるオリジナルストーリーの“冒険活劇ファンタジー”。タイトルは、宮崎監督が少年時代に読んで感動した吉野源三郎の著書(1937年刊)からとられている。今回の「地球儀」MVは、世界自然遺産の島・屋久島で撮影が敢行された。原生林が生い茂る森や、樹齢数千年といわれる屋久杉が立ち並ぶ中、その圧倒的な生命の豊さを感じる映像となっている。生命力溢れる大地に、伸びやかに響く「地球儀」が堪能できる。MV監督は、映画監督の奥山大史が担当。奥山監督は、米津玄師が作詞・作曲・プロデュースを手掛けたFoorin「パプリカ」の「あしたにたねをまこう!」MVを監督した縁があり、米津玄師としては今回が初タッグ。監督は、20代でサンセバスチャン国際映画祭の最優秀新人監督賞の最年少記録を持ち、「地球儀」をみずみずしい視点で構築した。米津玄師名義として「地球儀」で100曲目を迎えたことがSNSで発表されると、スタジオジブリからもアオサギのイラストと“「地球儀」100曲目おめでとうございます”との祝福メッセージが寄せられている。7月26日(水)に発売を迎えた「地球儀」シングルCDパッケージは、「初回版」、「通常版」の2形態で展開。商品内容は「地球儀」1曲を収録したCDに、米津さんと宮崎監督、鈴木敏夫プロデューサーとの楽曲制作に纏わる5年にもわたるドキュメンタリー写真集160ページが収められた。巻末には米津さんと鈴木敏夫プロデューサーとの対談が収録。装丁はそれぞれ異なり、「初回版」はモスグリーンのハードカバーに、彫刻版で葉の絵柄やサギの絵が施され、クラフト紙のケースに収納。「通常版」はソフトカバー仕様となっている。『君たちはどう生きるか』は全国にて公開中。米津玄師New Single「地球儀」はデジタル配信中、シングルCD発売中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:君たちはどう生きるか 2023年7月14日より公開©2023 Studio Ghibli
2023年07月26日※この原稿では、公開中の映画『君たちはどう生きるか』の内容に一部触れています。テレビCMなし、出演者発表なし、映画公式サイトなし、ストーリー紹介なし、パンフレットは後日発売予定……、“ないない尽くし”の映画『君たちはどう生きるか』を見るために多くの人々が映画館に足を運んでいる。映画コメンテーターの有村昆さんは、公開から1週間で、すでに2回見たという。「公開から4日間の興行収入は21億4千万円。宮﨑駿監督作品で316億8千万円という最高収益を記録した『千と千尋の神隠し』(’01年公開)は4日間で19億4千万円でしたから、それを上回るペースです。興収100億円以上は間違いなく、『千と千尋』の記録を塗り替える可能性もありますね」7月24日には10日間で36億円を超えたことが発表され、WEB上でも“200億円超え”といった言葉が散見されている。公開まで、あらすじすら明らかにされなかった作品が、なぜここまで話題を集めているのか?同作を初日にチェックしたという映画ライター・よしひろまさみちさんはこう語る。「実は事前に“宣伝をしない”という方式自体は珍しいものではありません。『スター・ウォーズ』シリーズや、マーベル作品でも前例があります。ただ、プロットや場面写真すら公表しないという徹底ぶりには驚かされました。それでもヒットしているのは、スタジオジブリの“ブランド力”につきます。宮﨑監督が10年ぶりに手がけたジブリの長編作品に、皆さんが期待していたのだと思います」作品の評価は割れている。「さすが宮﨑作品!」と絶賛する声もあれば、「よくわからなかった」という声も聞こえてくる。まさに“真っ二つ”という状態なのだ。「終了したとき客席もなんだかドヨドヨしていましたが、実は私も初めて見たときは『何を訴えたいのか、よくわからないな』という感想を抱きました(笑)。そして2回目を見て、なるほど、と……」(有村さん)「わかりづらい作品という評価があっても仕方がないかもしれません。宮﨑監督ご本人もキャスト・スタッフ限定の試写会の際に、『おそらく訳がわからなかったでしょう。私自身、訳がわからないところがありました』と、コメントしているほどです。監督も、わかりやすいようには作っていない気がしました。ただ私は“後世に残る傑作”だと思います。日本の映画は説明過多の作品も多いですが、その風潮のなかで珍しく“答えを出さない映画”と言えます。多くの人が議論できる、深みのある作品です」(よしひろさん)■母親の姿を追いかけていた宮﨑監督『君たちはどう生きるか』には、美しい風景描写、走るシーンの躍動感、食事シーンへのこだわり、反戦メッセージといった、これまでの宮﨑作品の要素が詰め込まれている。「宮﨑映画の集大成といいますか、監督が『やりたいことを全部やった作品』という印象を受けました」(有村さん)主人公は牧眞人(まひと)という少年で、入院中だった母親を火事で失い、軍需工場を経営する父とともに東京を離れるところから物語は始まっている。「宮﨑監督も主人公の少年と同じように戦時中の疎開経験があり、お父さんは航空機部品製造会社を経営していました。主人公は監督をモデルにしているのでしょう。過去の宮﨑作品の多くでは女性がキーパーソンになっており、それは監督が母親の姿を追いかけていたからだと思います。『君たちは~』にも、そういった女性が登場します」(よしひろさん)多くの要素が複雑にからみ合うこの作品で、際立っていたのが、主人公の生母と継母の存在感だ。映画関係者はこう語る。「宮﨑監督の母、美子(よしこ)さんは病弱でした。監督が小学校に入学したころ、美子さんは結核菌が脊椎に入り、脊椎カリエスを発症、9年間も闘病生活を余儀なくされたのです。’08年に放送された『プロフェッショナル仕事の流儀 宮崎駿のすべて~「ポニョ」密着300日~』(NHK)では、幼い駿少年が、『おんぶしてほしい』と美子さんにせがんだとき、母から『できない』と涙ながらに断られたというエピソードも明かされています」寝たきりの時期も長かった美子さんだが、やさしい女性であるだけではなく、勝ち気で活発な面もあったという。「その後、美子さんは回復しましたが、’83年に監督が『風の谷のナウシカ』(’84年公開)を製作中に逝去。それは監督にとって大きな痛手となったそうです。以降、実母を投影したキャラクターを作品に登場させることになったのです」(前出・映画関係者)宮﨑監督は、母の喪失についてインタビューでこう語っている。《おふくろが死ぬときに、僕は“死”ということについてまったく触れることができなかったんです。親父のときもそうでしたけれど、やっぱりそのときに“死”について真正面から向き合って話ができなかったってことが、一種の悔やみとして残っているんです》(’02年出版の『宮崎駿の原点―母と子の物語』より)映画作りを通して、亡き母と向き合い、愛を捧げ続けた宮﨑監督。『天空の城ラピュタ』(’86年)の空中海賊の女首領・ドーラ、『となりのトトロ』(’88年公開)のサツキとメイのお母さんも、そうして誕生したキャラクターだ。「82歳となった宮﨑監督が、自分のすべてを注ぎ込んだのが『君たちは~』です。宮﨑監督は10年前に一度引退を表明しており、年齢的に“最後の長編”になる可能性もあるといわれています。“母”が子を抱きしめるシーンも描かれていますが、病気のために息子をおんぶすることができず涙を流したという美子さんへの“ラブレター”も秘められているのだと思いました」(前出・映画関係者)見た人ごとに、さまざまな感想を抱くという『君たちはどう生きるか』。あなたならこの作品をどう見ますか。
2023年07月25日82歳となった宮崎駿監督の10年ぶりの新作『君たちはどう生きるか』が公開中だ。ネット上では連日様々な感想や推測が行き交っている。作中に登場する吉野源三郎の小説「君たちはどう生きるか」(1937年)、設定に共通点が多いジョン・コナリーの児童文学「失われたものたちの本」(2006年)、景観が似ているアルノルト・ベックリンの絵画『死の島』(1880年~1886年)など、様々な影響が語られており、多事争論の様相だ。それらの指摘も賛否の声もそれぞれ興味深く、一方向に評価が収斂されるより健全で新鮮だ。全ては鈴木敏夫プロデューサーの「事前宣伝・制作者側の情報発信なし」の破天荒な方針を貫いた成果と言える。本作は鮮烈な火災シーンで幕を開け、主人公の少年・牧眞人の丁寧な日常描写を経て、幻想的な異界へと進む。以降は旅とも冒険ともおぼつかない迷宮の如きイメージが交錯する。そこに監督自身の生い立ちや戦中の栃木県宇都宮市への疎開経験、「宮崎航空機製作所」の工場長であった父、戦後病床に臥せていた母の面影などを見出すことも可能だが、本稿では触れない。宮崎監督は自作を肯定的に語る際、度々「漫画映画」という用語を使用して来た。宮崎監督は生来アニメーターであり、脚本家でも演出家でもない。映画制作は常に絵作りと一体である。本稿では「漫画映画」という観点から本作にアプローチしてみたい。「描きたい」というアニメーターの衝動が最優先少年が慣れない地で不思議な生き物に異界へと誘われ、異常な体験を通して成長を遂げ、元の世界へ帰還する。本作の骨子は御伽噺に通じる古典的ファンタジーそのものだ。入口と出口は定形であり、要諦は中盤の異界表現である。不可解・不条理に満ちた絢爛豪華なイメージの断片を「これでもか」と詰め込み、その総和で「成長した」と納得させる。個々の場面の分散的突出が、戯作的順列や脈絡を突き破り、動く画の特異な活力が押し寄せる。この進行は、複雑な設定や物語のカタルシスを楽しむ「アニメ」よりも、プリミティブな「漫画映画」に近い。「漫画映画」は元々即興的な短編からスタートしており、長編制作が開始されてからも、脚本よりも絵作りが先行する「骨子明快+末端肥大」型だった。かつてのディズニーも東映動画(現東映アニメーション)も、アニメーターたちが「イメージボード」に奇抜・滑稽・華麗なアイディアを描いて持ち寄り、そのリレーによって長編が形成されていた。時に作品の統一感を破壊する個性的な断片まで混在し、それが本筋を食ってしまうほど強烈なインパクトを残しても良かった。トーキングアニマル(しゃべるマスコット)の活躍、歌と踊りのミュージカルシーンなどはその典型だ。脚本・演出主導の整合性や統一感よりも絵作りの総合力で勝負していたとも言える。それは数百人の分業による集団創作という制作工程にも適合していた。過去の「漫画映画」と本作が大きく異なるのは、集団創作でありながら監督の個性が濃厚に反映されている点だ。「こういうシーンを描きたい」というアニメーターとしての衝動が最優先されている点は同じだ。かつて宮崎監督はアニメーター志望の若者に向けて、以下のように記している。「ある種の気分、かすかな情景の断片、なんであれ、それは君が心ひかれるもの、君が描きたいものでなくてはならない。他人が面白がりそうなものではなく、自分自身がみたいものでなくてはならない」(宮崎駿「発想からフィルムまで(1)」『月刊絵本別冊アニメーション』1979年7月号)作品の中盤以降は、生と死・秩序と混乱・破滅と再生など寓意的詩的な「情景の断片」が錯綜する。それらは「漫画映画」の境界線を踏み越える危うさに満ちており、子供向けの直截な素朴さはない。しかし、どれほど世界が混乱しようが、主人公たちは刹那的な多幸感に包まれて帰還を果たす。つまり、明快な「漫画映画」の枠組みは最後まで守られている。宮崎監督は「少年少女に対する善意」「世界の楽観的肯定」を制作の動機に挙げており、常にそこに立ち返る重要性を語って来た。それは、かつて自身の進路を決定づけた日本初のカラー長編漫画映画『白蛇伝』(1958年)やロシア(ソ連)の『雪の女王』(1957年)といった先行作品の志を受け継ぐものでもある。『白蛇伝』の演出を担当した薮下泰司は次のような言葉を遺している。「漫画映画の殆どすべては(略)先ず少年たちに対する善意から出発する」(藪下泰司「漫画映画とその技術」島崎清彦編『映画講座4 映画の技術』1954年)本作は「漫画映画の志」を後世に手渡す一作であったと考える。日本を代表するアニメーターをはじめとする精鋭スタッフによって、制作作業が担われた意義も大きい。つじつまを無視した「クルミわり人形」との出会い2011年、東日本大震災と福島第一原子力発電所事故を経て宮崎駿監督は以下のように記していた。「今ファンタジーを僕らはつくれません。子どもたちが楽しみに観るような、そういう幸せな映画を当面つくれないと思っています」(宮崎駿著『本へのとびら──岩波少年文庫を語る』2011年)この発言の2年後、『風立ちぬ』(2013年)が公開された。『風立ちぬ』は、確かに「子供向けのファンタジー」ではなかった。以降、本作までの10年間に、宮崎駿監督が最も精力的に取り組んだ仕事が三鷹の森ジブリ美術館の企画展である。特に「クルミわり人形とネズミの王さま展」2014~2015年)「幽霊塔へようこそ展」(2015~2016年)は、その規模・内容に於いて圧巻であった。この二つの展示に関わる作業が実質的に本作を準備したと考える。筆者私物「クルミわり人形とネズミの王さま展」、「幽霊塔へようこそ展」パンフレット宮崎監督は2013年にE・T・A・ホフマンの「クルミわり人形とネズミの王さま」(1816年)を初めて読んだという。イメージの洪水と言うべき小説で理屈では読み解けない部分が多く、その魅力の解析に宮崎監督は頭を悩ませた。しかし、それらの整合性よりも、まろやかなイメージそのものを楽しむことの重要性に気づいたという。「ホフマンが「君、何でつじつまがそんなに必要なんだね」と言っている感じなんです。そうすると「つじつまというやつは本当に愚劣な行為なんだな」とか、僕も思い始めるようになりましたね(中略)初めからルールは見ないという感じでやっている(笑)。そういう考え方があるんだと思ったら、それはそれで僕は納得しました、確かにそうかもしれないと(中略)僕は以前アニメーションでファンタジーはもう無理だと言っていましたが、ファンタジーはあり得ると思うようになりました」(宮崎駿インタビュー「クルミわり人形との出会い」「熱風 2014年7月号」)「ホフマンは幻想と現実が入り乱れて境目が判らなくなる めくるめく世界を書きました。まるでクリスマスツリーの中にまよいこんだようです。そしてやっとツリーの幹がまん中にまっすぐのびているのに気がつきました」(「クルミわり人形とネズミの王さま展」パンフレット 2014年)ホフマンの作品と生涯に触発された宮崎監督は、王道の骨子を堅持しつつ、つじつまを無視して個々のデコレーションをとことん追求する、新たなファンタジーの模索を開始したと思われる。それは一アニメーターの初心に戻ることでもあったのではないか。宮崎監督は、この結語と同様の内容を35年前に記している。「マンガ映画はクリスマスツリーのようなもので、一番目につくデコレーションのキラキラピカピカをだれもが楽しむし、つくり手も力を入れたがる。しかし、デコレーションは枝と葉がなければつけられない。その枝葉も外からは見えない幹と根があってはじめて繁る」(前述「発想からフィルムまで(1)」)余談だが、本作に登場するインコ大王が率いる大群は、「クルミわり」のネズミの群れと王様を彷彿とさせる。江戸川乱歩の「幽霊塔」と縦型の密室宮崎監督は、『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)のカリオストロ伯爵の城から『千と千尋の神隠し』(2001年)の湯屋「油屋」まで、迷路のような高層建築物を好んで舞台に採用して来た。作中ではキャクターが上下に動き回り、螺旋階段・橋・地下牢など各階層に異なる見せ場が用意される。本作にも奇怪な円筒形の塔が併設された廃墟が登場し、中盤以降の舞台はほぼその内部だ。こうした「縦型舞台」の源泉がフランスのポール・グリモー監督の社会派漫画映画『やぶにらみの暴君』(1952年)であったことはよく知られている。宮崎監督は、この作品と出会ったことで「縦型の密室こそ、漫画映画にふさわしい舞台である」と気づいたという。その影響は早速『長靴をはいた猫』(1969年)の魔王ルシファーの城に活かされ、以降何度も応用・活用された。このアイディアにはもう一つ源泉が存在する。古い時計塔のある邸宅を舞台に起きる殺人事件を描いた江戸川乱歩の推理小説「幽霊塔」(1937年)である。アリス・マリエル・ウィリアムソンの小説「灰色の女」(1898年)を黒岩涙香が翻案した小説「幽霊塔」(1899年)を、乱歩が日本を舞台としてリメイクしたものだ。宮崎監督は、少年時代に涙香版と乱歩版の双方に強い刺激を受けたという。2015年開催の「幽霊塔へようこそ」展では、宮崎監督自らデザインした巨大な時計塔のセットが展示され、「映画化するなら」と、一部シーンの絵コンテまで描き下ろした。「カリオストロの城は幽霊塔の子孫です」と記された自筆の解説まで展示された。乱歩版は、吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」と同年の発行である。そこには、当時の風俗も含めて深い共振があった筈だ。「涙香も乱歩も、時計塔の構造には矛盾が多いんです。たとえば、真ん中に建っている建築物は、塔だと思っていると塔じゃない。どう考えても、建築工法からいって、そんな木造漆喰仕立ての3階建ての上でも平気な塔なんか建てられるわけないんです。さらに、そこに筒抜けで地下までトンネルの穴が開いているわけで、どう考えてもあやしいんです(中略)時計塔にしても、時計塔と呼ばれるほど立派なものなんて、昔はなかったですね」(宮崎駿インタビュー「途切れることのない通俗文化の大きな流れ」「熱風 2015年7月号」)かつて「時計塔」は時間を支配する権力の象徴であり、物語の舞台としても神秘的な魅力を放っていた。しかし、日本には欧州のような高層の塔はなく、時計の意義も異なる。展示の出口は時計塔が破壊される絵であった。本作の舞台が「時計」のない「塔」であったのは、こうした展示の成果と考える。「笑い」の復活と引き継がれる志最後に「漫画映画」の大切な要素である「笑い」について記す。本作で繰り返されるアオサギ男の奮闘シーンでは、劇場内に笑い声が聞かれた。台詞や設定で笑わせるのではなく、ドタバタしたアクションの滑稽さに於いて、アオサギ男は「漫画映画的」だ。そして、味方のようでなかなか加勢しない不安定な存在感は、「クルミわり人形」のドロッセルマイアー(作者のホフマン自身が投影されているとされる)にも似ている。そこには、前後の脈絡もつじつまも棚上げした脱力と解放感があり、同情や共感も滲んでいた。これまでも、宮崎作品には『もののけ姫』(1997年)のジコ坊や『風立ちぬ』のカプローニなど、主人公を誘うトリックスターが度々登場して来た。しかし、劇的展開の緊張感や深刻さに比重が置かれ、意図して笑いを誘うシーンは影を潜めていた。彼らは『長靴をはいた猫』の魔王シルファーや「未来少年コナン」のダイス船長のようなコメディリリーフではなかった。かつて高畑勲監督は、宮崎監督のアニメーションを全身の誇張を駆使して迫真性と実在感を伴って笑わせる「肉体の軽業師」と称賛していた。(解説・高畑勲『「ホルス」の映像表現』1983年)しかし、後年の『千と千尋の神隠し』には「奇想天外なものが次から次へと出てくるのに、劇場で笑う人がほとんどいません」「笑う、ということも、少し引いたところから見るのでなければ不可能なことだから」と記し、「日本のアニメ」全般が主観的緊張感に観客を巻き込む作風に傾倒していることへの懸念を訴えていた。(高畑勲「『漫画映画の志 『やぶにらみの暴君』と『王と鳥』」2007年)その高畑監督は2018年4月5日に死去した。そして、「懸命に動き回るほど、周囲からは滑稽に見える」キャラクターは、アニメーター大塚康生が『少年猿飛佐助』(1959年)で描いた夜叉姫の最期が元祖であったといわれる。大塚は宮崎監督に作画の基礎を教えた恩師であり、盟友であった。大塚は2021年3月15日に死去した。本作は単に宮崎監督個人の総括でなく、歴史の産物である。宮崎監督の言葉を借りれば、文学・絵画・映像のジャンルを超えた「通俗文化の巨大な流れ」の一部だ。本作を「漫画映画」への回帰と考える根拠は、共に歩み続けた先達の遺志が継承されていると感じるからでもある。高畑は「楽しみつつ考えさせる」絵作りと物語を同時に追求する稀有なアニメーション監督であった。大塚は、縦横無尽に空間を飛び回る活力あふれるアニメーションを描く職人だった。二人共『やぶにらみの暴君』に魅せられ、宮崎監督ら後輩を巻き込んでその継承と発展の方法を模索した。今回は宣伝も取材も皆無なので、現時点では宮崎監督の去就も白紙だ。「漫画映画」に絶滅の悲壮感は似合わない。その灯火が、本作から世界に拡散することを願う。(叶 精二)■関連作品:君たちはどう生きるか 2023年7月14日より公開©2023 Studio Ghibli
2023年07月21日宮崎駿監督の最新作『君たちはどう生きるか』(公開中)が、14日の公開から4日間で観客動員135万人、興行収入21.4億円を突破したことが、わかった。宮崎監督の10年ぶりの最新作となる同作は、宮崎監督が少年時代に読み、感動したという吉野源三郎氏の同名小説にインスパイア・制作されたオリジナルストーリーによる“冒険活劇ファンタジー”だ。14日に公開された同作は、17日までの4日間で、同じく宮崎監督が手掛けた『千と千尋の神隠し』(01)の初動4日間の興行収入を超え、観客動員135万人を突破し、興行収入は21.4億円を記録。2013年公開『風立ちぬ』との興行収入対比150%を超える好発進となった。
2023年07月19日皆さんは、義両親の行動で困ってしまった経験はありますか? 今回は義父の勝手な行動で困ってしまった男性のエピソードを紹介します!仕事も妻との関係も順調突然、義弟夫婦が一緒に住むことに強引に話を進められる妻の限界は近い…いくら義実家の敷地に建っている家とはいえ、相談なしで勝手に決めてしまうのはよくないかもしれませんね。誰かに過度に負担が偏っている状況は、いい関係とは言えないのではないでしょうか。
2023年07月19日宮崎駿監督最新作映画『君たちはどう生きるか』が公開中の「スタジオジブリ」が監修する、8月10日(木)刊行の「子どもりょうり絵本 ジブリの食卓 天空の城ラピュタ」が、ネット書店予約を開始した。本作は、スタジオジブリの作品から生まれた料理レシピ絵本の3作目。これまで、『アーヤと魔女』、『となりのトトロ』のレシピ絵本が刊行された。子どもりょうり絵本 ジブリの食卓 天空の城ラピュタ画像:amazon.co.jp今回、作品に登場した食べ物や、作品世界からイメージして制作したオリジナルレシピを掲載。どうくつの中でシータとパズーが食べた目玉焼きパンや、かいぞくたちがタイガーモス号で夢中で食べたシチューなど、数々の食シーンをふり返りながら、家で作るための調理プロセスを紹介している。「子どもりょうり絵本 ジブリの食卓 天空の城ラピュタ」は8月10日(木)発売。(シネマカフェ編集部)
2023年07月18日宮崎駿監督10年ぶりの最新作『君たちはどう生きるか』が、7月14日(金)の公開から7月17日(月・祝)までの4日間で、観客動員135万人、興行収入21.4億円を突破した。この数字は、2001年公開の宮崎監督作品『千と千尋の神隠し』の初動4日間の興行収入を超えるもの。2013年7月20日(土)公開の前作『風立ちぬ』との興行収入対比では150%を超える好発進となっている。宮崎駿が原作・脚本・監督を手掛けた本作は、監督が少年時代に感銘を受けた書籍「君たちはどう生きるか」からタイトルを採用し、まったく別のオリジナルストーリーとして完成させた冒険活劇ファンタジー映画。山時聡真、菅田将暉、柴咲コウ、あいみょん、木村佳乃、さらに木村拓哉、大竹しのぶらが声優として出演し、米津玄師が主題歌「地球儀」を書き下ろしている。『君たちはどう生きるか』は全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:君たちはどう生きるか 2023年7月14日より公開©2023 Studio Ghibli
2023年07月18日7月14日(金)、7月15日(土)、7月16日(日) の全国映画動員ランキングは、『君たちはどう生きるか』が初登場1位となった。2013年公開の『風立ちぬ』以来約10年ぶりとなる宮崎駿の監督作。映画タイトルは吉野源三郎による同名児童文学の題名を冠するが、内容はそれに準じずオリジナルの物語が展開される。『風立ちぬ』以降には、長編映画の制作から引退するとの話があったが、本作は宮崎駿が監督・脚本を務め、スタジオジブリのファンのみならずとも期待の1作だ。先週1位だった『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』は2位に後退した。3位は初登場の『五等分の花嫁∽』。2023年夏に放送されるTVスペシャルを上映する。春場ねぎの同名漫画を基に、TVアニメシリーズでは描かれなかったエピソードを映像化したラブコメディ。問題ばかりの五つ子と家庭教師のアルバイトをしている男子高校生が迎える、高校最後の夏休みを描く。監督は宮本幸裕。声の出演は松岡禎丞、花澤香菜、竹達彩奈、伊藤美来、佐倉綾音ら。4位は、先週2位だった『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』が2ランクダウン。先週5位だった『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』はそのまま順位をキープした。公開6週目の『リトル・マーメイド』は6位に、公開2週目の『交換ウソ日記』は3位から7位へとダウンした。今週は『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』『おそ松さん〜魂のたこ焼きパーティーと伝説のお泊り会〜』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『君たちはどう生きるか』2位『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』3位『五等分の花嫁∽』4位『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』5位『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』6位『リトル・マーメイド』7位『交換ウソ日記』8位『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』9位『それいけ!アンパンマンロボリィとぽかぽかプレゼント』10位『怪物』
2023年07月18日7月14日に公開された宮崎駿監督(82)の10年ぶり長編アニメ『君たちはどう生きるか』。事前のPRを一切行わないという異例の封切りが功を奏したか、Twitterでトレンド入りするなど大きな話題となっている。予告編もなかったため、内容とあわせて声優のキャスティングもさまざまな憶測を呼んでいた。特に注目されていたのが木村拓哉(50)だった。木村は昨年末にインスタグラムで《久しぶりにお会いする監督の元、とある作業へと向かいます》《久々の都内郊外のスタジオ。最初は緊張したなぁ…》などと投稿。さらにスタジオジブリの公式ツイッターが、木村が以前演じた『ハウルの動く城』の主人公・ハウルの画像とともに『ありがとう』と投稿したため、新作の打ち合わせではないかと言われていたのだ。「木村さんの投稿がちょうど『君たちはどう生きるか』の公開日が発表された時期だったので、“キムタクが主役!?”とも言われていました。しかし、ふたを開けてみれば、木村さんは“特別出演”という形で、演じたのは主人公の父親でした。ほかにも菅田将暉さん、柴咲コウさん、大竹しのぶさんなど有名俳優たちが声を担当しています」(映画関係者)ややもすればアニメファンから批判をあびがちな“芸能人声優”。だが今作の木村はかなり役に馴染んでいるという。「木村さんに関しては事前に出演がなんとなくですがわかっていたので、誰を演じているのか探しながら観ていたのですが、正直まったくわかりませんでした。劇場を出てからネットで調べて驚きましたよ」(前出・映画関係者)ネット上でも木村拓哉らしさが封印された名演に高い評価の声が上がっている。《えっキムタクいたの?全部声優さんだと思って観てたから…そのくらいすごい演技力!》《キムタクすげぇ声優上手いです。ハウルの時よりもキムタク感が出ない役なのも良かったのかと思いますが上手いです》《この声、もしかしてシャア(cv池田秀一)か!?と思ったら木村拓哉だった。最近はあんまりキムタクっぽい演技なさらないのですね》《キムタクはやっぱりもっと声優の仕事してくれ》デビューから30年以上が過ぎ、完全に定着したと思われていた木村拓哉のイメージだが、本人は“ちょ待てよ!”と言いたいに違いない。
2023年07月18日映画『君たちはどう生きるか』の主題歌である米津玄師「地球儀」が7月17日(月)0時、配信リリースを迎え、そのジャケットが宮崎駿監督による“レイアウト原画”であることが米津さんのSNSにて発表。また、主題歌制作を追ったドキュメンタリー写真集がシングルに同梱されることが分かった。本作は、宮崎監督が少年時代に書籍「君たちはどう生きるか」に強い感銘を受け、いまでも大切な本として映画のタイトルに採用し、まったく別のオリジナルストーリーとして完成させた冒険活劇ファンタジー映画。この度、初公開となった「地球儀」のジャケットは、机に向かう少年の後ろ姿を切り取ったカットとなり、本作のワンシーンにあたる。絵コンテを読み込んだ米津さん自ら宮崎監督へ直々にオファーして決定したカットで、宮崎監督の直筆により描かれた鉛筆のタッチからは、映画制作中の息づかいが感じられる、大変貴重なジャケットとなった。また同ジャケットを表紙に飾った、「地球儀」シングルCDの商品写真も公開。「初回版」「通常版」2形態のシングルは、どちらの形態にも、「地球儀」1曲を収録したCDにA5版160ページの写真集が同梱。この写真集は、米津さんと宮崎監督、鈴木敏夫プロデューサーとの5年に渡るドキュメンタリー写真となっており、撮影はスタジオジブリ石井朋彦氏が手がけた。本作『君たちはどう生きるか』の主題歌制作における過程が記録され、米津さんが主題歌を宮崎監督に提出した際の緊張感や、監督が楽曲を聴いて涙するシーンなど、臨場感そのままの写真が収められている。さらに巻末には、米津さんと鈴木プロデューサーの対談も収録。初回版CD+写真集 160ページ(A5版ハードカバー仕様+ケース)「地球儀」シングルは、宮崎監督の想いに捧げ、主題歌を制作した大切な時間を、形に残るものとして1冊の本として作り上げたことがうかがえる。それぞれ装丁が異なり、「初回版」はモスグリーンのハードカバーに、彫刻版で葉の絵柄やサギの絵が施され、クラフト紙のケースに収納。「通常版」はソフトカバー仕様となり、7月26日にリリースとなる。『君たちはどう生きるか』は全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:君たちはどう生きるか 2023年7月14日より公開©2023 Studio Ghibli
2023年07月17日米津玄師が、監督・宮﨑駿によるスタジオジブリのアニメーション映画『君たちはどう生きるか』の主題歌となる新曲「地球儀」を発表。2023年7月17日(月)に配信リリース、7月26日(水)にシングルCDが発売される。米津玄師の新曲「地球儀」かねてより、監督・宮﨑駿のことを敬愛し、作家としても道標のような存在として大きな影響を受けていることを公言していた米津玄師。自身の幼少期から現在に至るまで大きな祝福を受けてきた宮﨑駿との制作が、今回4年の歳月を経てついに形となった。宮﨑駿監督『君たちはどう生きるか』の主題歌として書き下ろし“宣伝をしない宣伝”として、その内容やキャスト、スタッフなど、あらゆる情報が伏せられたまま公開を迎えた『君たちはどう生きるか』。米津玄師が作詞・作曲・歌唱の全てを手掛けた「地球儀」は、オリジナルストーリーによる冒険活劇ファンタジーをどう彩るのか。ぜひ劇場でも体験してみてほしい。劇中のワンシーンをジャケットに「地球儀」のジャケットには、映画『君たちはどう生きるか』のワンシーンにあたる、机に向かう少年の後ろ姿を切り取ったカットを採用。同カットは、絵コンテを読み込んだ米津玄師自ら宮﨑駿へ直々に提案して決定したカットだという。今回のシングルは、「初回版」「通常版」の2形態で7月26日(水)より展開される。どちらの形態にも、「地球儀」1曲を収録したCDに、A5版160ページの写真集が同梱。それぞれ装丁が異なり、「初回版」はモスグリーンのハードカバーに彫刻版で葉の絵柄やサギの絵を施し、クラフト紙のケースに収納。「通常版」はソフトカバー仕様になっている。写真集には、スタジオジブリの石井朋彦が撮影を担当した、米津玄師・宮﨑駿・鈴木敏夫の5年にわたるドキュメンタリー写真を掲載。映画『君たちはどう生きるか』の主題歌制作における過程が記録されており、米津玄師が主題歌を監督・宮﨑駿に提出した際の緊張感や、宮﨑駿が楽曲を聴いて涙するシーンなど、臨場感そのままの写真が収められている。さらに巻末には、米津玄師と鈴木敏夫の対談も収録した。米津玄師によるコメント「君たちはどう生きるか」の主題歌として「地球儀」という曲を作らせてもらいました。 お話を頂いたのはもう4年ほど前のことです。一番最初は驚愕すると同時に「何故自分なのか」と困惑しました。曰く、宮﨑さんがFoorinのパプリカをラジオで耳にしたのをきっかけにわたしに白羽の矢が立ったようです。5冊分にもなる重たい絵コンテを頂き、宮﨑さんから説明を受け、恐る恐る作曲に取り掛かりました。今や遥か遠い昔の出来事のように感じています。 この4年間のあいだ、幾度か小金井のスタジオへと足を運び、宮﨑さんや鈴木さんとお話をさせて頂いたのですが、その殆どが不思議なくらい気持ちよく晴れた日でした。近所にいる園児の声を聞きながら、黒々と落ちた木陰の中を歩いたのをおぼえています。常日ごろ狭い部屋で独り過去の記憶を辿りながら作曲をしている身からすると、それは豊かと呼ぶ他ない体験でした。 小さな子供の頃から宮﨑さんの映画を見て育ちました。いつしかわたしは大人になり、音楽を作る人間になりました。その音楽を沢山の人に受け取ってもらえるようにもなりました。まだ至らぬ部分も数え切れないほどありますが、至らなさも含めて確かにここまで生きてきたのだと思えます。 「地球儀」は「君たちはどう生きるか」の為の曲であり、わたしが今まで宮﨑さんから受けとったものをお返しする為の曲でもあります。今まで映画を作り続けてくれてありがとうございました。そしてこれからもずっと作り続けてください。作品情報米津玄師 新曲「地球儀」配信リリース日:2023年7月17日(月)シングルCD発売日:2023年7月26日(水)CD価格:[初回版]CD+写真集 160ページ 4,800円[通常版]CD+写真集 160ページ 2,200円宮﨑駿監督『君たちはどう生きるか』主題歌©2023 Studio Ghibli
2023年07月17日7月14日に公開を開始した、宮崎駿監督によるスタジオジブリの最新長編映画『君たちはどう生きるか』。’16年夏ごろから企画がスタートしていたという本作品は、宮崎駿監督の10年ぶりの最新作となった。ただ今回は、’17年10月に宮崎監督がタイトルを明らかにして以降、あらすじやキャストなどの予告が一切ないまま公開を迎えるなど、その異例ぶりが注目を集めている。とはいえ、本作品は全く情報がないながらも、ネット上では公開を期待する声が多くあがっていた。それはひとえに、過去に公開された数あるスタジオジブリ作品の多くが高い評価を得ていることが、理由としてあげられるだろう。果たして、過去作品の中でも評価の高いジブリ作品とはどのようなものなのだろうか。今回は「好きなジブリ作品」と「苦手なジブリ作品」についてアンケートを実施。今回は「好きなジブリ作品」の結果を公表する。3位に選ばれたのは『千と千尋の神隠し』。’01年7月に公開された本作品は、’20年6月から8月までの再上映を含めて、国内興行収入は316.8億円を突破。スタジオジブリ作品として最高額であり、今もなお日本の歴代興行収入ランキング2位を記録している。本作は、主人公である10歳の千尋が両親とともに引っ越し先へと向かう道中、八百万の神々が住む異世界へと迷い込んでしまうところからストーリーが始まる。異世界の食べ物によってブタへと変えられてしまった両親を救うため、千尋は魔女の湯婆婆が経営する神様のための銭湯で働くことになるのだ。人間界と対照的な、神々の住む異世界に加えて、その中で浮かび上がる登場人物のキャラクター性が精巧に描かれていたことが、ファンからも高く評価されたようだ。《映画の世界観が壮大で好き。異世界に連れて行ってくれる印象がある》《話の内容も面白かったし、背景も懐かしいような印象深かったです》《人物の設定、舞台となる世界観、ストーリーが良かった》《全てが面白かった。ストーリー・登場人物などすべてが面白く楽しかった》2位に選ばれたのは、『天空の城ラピュタ』。原作のないアニメオリジナル作品としては初となるスタジオジブリ作品であり、’86年8月に公開された。興行収入は11.6億円と、“千と千尋”ほどではないものの、何度もテレビ放映されていることから見たことがあるという人も多いだろう。本作は、架空の存在とされていた天空の城ラピュタと、その存在を復活させるという不思議な飛行石をめぐって物語が展開される。飛行石を狙うのは、ムスカ大佐が率いる政府機関と空中海賊のドーラ一家。ラピュタの存在を信じる主人公の少年パズーは、飛行石を持つ少女シータと偶然出会ったことをきっかけに、自ら渦中へと飛び込んでいく。年齢を問わず楽しめる非現実的な設定や冒険物語を評価する声は多く、また、ストーリー性に沿った音楽によってより没入感が高まるという人も少なくないようだ。本作品の主題歌『君をのせて』に関しては、作詞を宮崎監督自らが手がけており、歌を担当した井上あずみは、後のスタジオジブリ作品でも数多くの主題歌や挿入歌を担当していた。《空に浮かぶ島、という奇想天外な設定で、ドタバタしながら解決に向かっていくのが楽しい》《何度観ても新鮮に感じてのめり込んでしまうところ》《ストーリーに入り込みやすい、映画音楽が素晴らしくて何度も口ずさんでしまう。毎回テーマが有ってその内容に圧倒されてしまいます》《音楽とストーリーがマッチしていて見入ってしまう》そして、堂々の1位に選ばれたのは『となりのトトロ』。’88年4月に公開され、興行収入は11. 7億円。国内で数多くの映画関連の賞を受賞している。昨年18回目のテレビ放映がなされた際の平均世帯視聴率が13.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)となるなど、根強い人気をもつ不朽の名作である。病弱な母親をもつ一家が、療養のために田舎の一軒家へと引っ越してきたところからストーリーが始まる。小学6年生のサツキと4歳のメイの二人姉妹は、「お化け屋敷」と呼ばれた新しい家の中やその付近の森で、たくさんの不思議な生きものに出会っていく。マックロクロスケやトトロ、ネコバスなど、存在自体は不思議ながらも可愛らしいキャラクターたちや、サツキやメイを取り巻く田舎ののどかな環境を美しく描いた本作品は、何度見ても飽きないと評価する声が多く寄せられた。《何度観ても飽きない。昔懐かしい村の風景と人々の暮らし、トトロとのかかわりの温かみが素敵》《ストーリーの内容、画像ともに新鮮で、日本アニメの代表格になると感じた》《トトロが大っきくてかわいい》《ジブリ映画も色々見ましたが、色んなドラマがありどれも良いと思いましたがキャラクターでトトロを選びました》《何回見ても飽きないし、完コピできるくらい覚えているけど、ついついみてしまうコワイシーンがない》【好きなジブリ映画ランキング】1位:となりのトトロ2位:天空の城ラピュタ3位:千と千尋の神隠し4位:魔女の宅急便5位:その他(具体的に入力してください)6位:ハウルの動く城6位:紅の豚8位:火垂るの墓9位:劇場版 アーヤと魔女10位:もののけ姫調査日:2023年7月4日調査対象:20~60代の男女400人調査方法:WEBでのアンケート(クロス・マーケティングのセルフアンケートツール『QiQUMO』を使用)
2023年07月16日7月14日、スタジオジブリの宮崎駿監督の新作映画となる「君たちはどう生きるか」の公開が始まった。宮崎監督による新作作品の公開は10年ぶりとなる。日本のアニメーションを代表する制作会社であるスタジオジブリからは、これまでに23作品の長編アニメ映画が発表されている。’01年に公開された『千と千尋の神隠し』は日本国内で当時の歴代興行収入を塗り替える大ヒットとなったうえ、海外でも絶賛。第75回アカデミー賞ではアカデミー長編アニメ映画賞を受賞した。このように、歴史に残る名作を生み出すスタジオジブリだが、全ての作品がヒットしてきたわけではない。観客がジブリに求めるものとはどのようなものなのだろうか。そこで、今回は「好きなジブリ作品」と「苦手なジブリ作品」についてアンケートを実施。今回は「苦手なジブリ作品」の結果を公表する。3位に選ばれたのは『劇場版 アーヤと魔女』。監督は宮崎駿氏の長男、宮崎吾朗監督。原作は『ハウルの動く城』の著者でもある、ダイアナ・ウィン・ジョーンズだ。孤児院で育った10歳の少女・アーヤは太った魔女のベラの家に引き取られることに。ベラの元で魔法を教えてもらうことを条件に、助手として働き始めるアーヤの立ち回りを描く。’21年8月に劇場公開された本作はスタジオジブリ史上初の3DCGによるアニメーション作品にもかかわらず、初週の興行収入ランキングでは8位に留まった。実はコロナ禍のため’20年に先んじてテレビ放送がなされていたのだが、その際の評価がイマイチだったことも要因かもしれない。また、ジブリに求める映像要素と、CGアニメの相性も悪かったようで“絵が苦手”という感想も。観客が期待するジブリの作品とは良くも悪くもかけ離れてしまったことが、低評価の一因なようだ。《二番煎じ感が拭えないです》《絵が苦手》《CGは好きではないから》2位に選ばれたのは『ゲド戦記』。宮崎吾郎氏の初監督作品。父親である国王を殺してしまい国を飛び出したアレンは、世界に起こる災いの原因を探すゲドに出会い、共に災のもとを探す旅に出ることになる。原作はSFの女王・アーシュラ・K・ル=グウィンの小説『ゲド戦記』。全6巻のうちの第3巻『さいはての島へ』部分が、使用されている。さらに、宮崎駿氏による絵物語『シュナの旅』も原案とするという複雑な構成だ。興行収入は78.4億円と報じられるなどヒットしたといえる本作だが、ストーリーの難解さから苦手、がっかりしたと感じる人が多かったようだ。実は原作者のル=グウィンも自身のWEBサイトで、吾郎氏からこの映画を気に入ったか聞かれた際に、「はい。これは私の本ではありません。あなたの映画です。良い映画です」と答えたことを明かすほど、原作との乖離があるという。ル=グウィンは、自分の本の映画だと思ってこの作品を見ると、“映画の多くの部分は支離滅裂だと感じた”と語っている。そもそも非常に長い話の一部を映画として切り取った本作。それだけでもストーリーをまとめるのは容易ではないうえに、別の作品のコンセプトを取り入れてしまったことで“支離滅裂”加減が高まってしまったのだろうか。《いまいちストーリーがわかりにくかった》《内容が難しかった》《内容が良くわからなかった》《意味不明》第1位は『火垂るの墓』。’88年に公開され、高畑勲さんが監督を務めた。原作は野坂昭如さんの戦争体験をもとにした同名小説で、戦時下の日本をリアルに描く作品だ。主人公の清太とその妹・節子は、空襲で母と家を亡くし親戚の家に疎開するものの、邪魔者扱いをされてしまう。そのため清太は家を出て妹と二人きりで暮らすことを決意し、懸命に生き抜こうとする。当時の興行収入こそ伸び悩んだものの、その後13回もテレビ放映されたこともあり、見たことがあるという人はかなり多い本作。映画内で登場したサクマ式ドロップスを覚えている人も多いのではないか。節子が空になった缶に、水を入れて飲むシーンやドロップと勘違いしておはじきを食べる場面は戦後の食糧難の悲惨さを際立たせる。当時の時代描写なども含め、非常にリアルに描かれた本作。だからこそ観ると“落ちこんでしまう”という声が寄せられた。今回は苦手な作品として1位になってしまったが、それは見る人の心に強く訴えかける作品だったということだろう。《戦争で気分が下がってしまう》《戦争物は悲しい、つまらないことはないけど、現実的にあったと考えると辛くなってくる》《決してつまらない訳では無いが、やはり見たあとに心が重くなるから》《戦争のシーンがとてもリアルに描かれていて怖かったから》宮崎駿監督の最後の作品とも噂される『君たちはどう生きるか』は、果たしてどのような評価をなされるのだろうか。【苦手なジブリ映画ランキング】1位:火垂るの墓2位:ゲド戦記3位:劇場版 アーヤと魔女4位:平成狸合戦ぽんぽこ4位:ホーホケキョ となりの山田くん6位:紅の豚7位:崖の上のポニョ8位:もののけ姫9位:ハウルの動く城9位:天空の城ラピュタ調査日:2023年7月4日調査対象:20~60代の男女400人調査方法:WEBでのアンケート(クロス・マーケティングのセルフアンケートツール『QiQUMO』を使用)
2023年07月16日宮崎駿監督10年ぶりの長編映画『君たちはどう生きるか』が、7月14日(金)よりついに公開。宣伝をしない宣伝として、事前にポスタービジュアルが発表されたのみ、予告映像などは一切なく、内容やキャスト・スタッフなどの情報が伏せられたまま公開日を迎えたが、声優として参加した豪華俳優陣やアーティストが公式SNSを通じて本作への出演をファンに知らせている。本作は、宮崎監督が自ら原作・脚本を手がけたオリジナルストーリーによる“冒険活劇ファンタジー”。タイトルは、宮崎監督が少年時代に読んで感動した吉野源三郎の著書(1937年刊)からとられたもので、同作は2017年に刊行された漫画版も話題となった。まず、主人公・眞人役を務めたのは、『約束のネバーランド』『ラーゲリより愛を込めて』『CUBE 一度入ったら、最後』などに出演し、日本テレビ系新土曜ドラマ「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」にも生徒役でレギュラー出演する山時聡真。「エンドロールで名前を見つけて、とても驚きました」「今年の夏は山ちゃんに注目が集まるかも」と、ファンからも驚きと喜びの声が寄せられている。山時さんと『CUBE 一度入ったら、最後』で“兄弟”役で共演した所属事務所の先輩である菅田将暉、同じく木村佳乃も出演。菅田さんは公式Twitterで「公開おめでとうございます。カヘへッ。」とコメントを寄せている。また、ヒミの声を朝ドラ「らんまん」の主題歌も話題のあいみょんが担当していることが明らかに。さらに、木村拓哉が「宮崎駿監督、スタジオジブリの皆さん、『君たちはどう生きるか』初日おめでとう御座います」と自身のInstagramに投稿。そして、あいこ役で出演した大竹しのぶは、「宮崎駿さんの作品『君たちはどう生きるか』。私も参加しています。宮崎駿監督は、やはりすごい存在感」と記し、「参加できて嬉しかったなあ」とコメントを寄せている。『君たちはどう生きるか』は全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:君たちはどう生きるか 2023年7月14日より公開©2023 Studio Ghibli
2023年07月15日2022年末に鳥のような絵のポスターが公開され、反響を集めた、宮崎駿監督の長編アニメ映画『君たちはどう生きるか』。宮崎監督がおよそ10年ぶりに手掛けた、スタジオジブリの新作です。しかし、情報解禁がされてから公開日である2023年7月14日まで、『君たちはどう生きるか』についての事前プロモーションは一切なく、謎に包まれた作品として世間をざわつかせています。『君たちはどう生きるか』の主題歌が判明同日、歌手の米津玄師(よねづ・けんし)さんがTwitterを更新。『君たちはどう生きるか』の主題歌として、『地球儀』というタイトルの楽曲を制作したことを明らかにしました。米津さんが主題歌の話をもらったのは、4年も前のこと。米津さんが作詞・作曲・プロデュースを担当した、小・中学生の5人で構成された男女混合ユニット『Foorin』の『パプリカ』という曲を、宮崎監督がラジオで聞いたことがきっかけになったそうです。オファーを受けた時の心境や、その後の4年間を、米津さんは次のように振り返っています。お話を頂いたのはもう4年ほど前のことです。一番最初は驚愕すると同時に「何故自分なのか」と困惑しました。曰く、宮﨑さんがFoorinのパプリカをラジオで耳にしたのをきっかけにわたしに白羽の矢が立ったようです。5冊分にもなる重たい絵コンテを頂き、宮﨑さんから説明を受け、恐る恐る作曲に取り掛かりました。今や遥か遠い昔の出来事のように感じています。この4年間のあいだ、幾度か小金井のスタジオへと足を運び、宮﨑さんや鈴木さんとお話をさせて頂いたのですが、その殆どが不思議なくらい気持ちよく晴れた日でした。近所にいる園児の声を聞きながら、黒々と落ちた木陰の中を歩いたのをおぼえています。常日ごろ狭い部屋で独り過去の記憶を辿りながら作曲をしている身からすると、それは豊かと呼ぶ他ない体験でした。@hachi_08ーより引用5冊分の絵コンテをもらい、作曲に取り掛かったという、米津さん。東京都小金井市にある株式会社スタジオジブリに何度か足を運び、宮崎監督や鈴木敏夫プロデューサーと話したそうです。米津さん自身、宮崎監督の作品を観て育ったそうで、宮崎監督や鈴木プロデューサーと過ごした時間を「豊かと呼ぶほかない体験」とつづっていました。最後に、米津さんは、自身が手掛けた『地球儀』という曲について、このように明かしています。「地球儀」は「君たちはどう生きるか」の為の曲であり、わたしが今まで宮﨑さんから受けとったものをお返しする為の曲でもあります。今まで映画を作り続けてくれてありがとうございました。そしてこれからもずっと作り続けてください。@hachi_08ーより引用『君たちはどう生きるか』を同日に観た人たちからは、米津さんの歌に関する絶賛のコメントが数多く寄せられました。・映画の最後に優しい米津さんの声が響き渡り、思わず涙してしまいました。『君たちはどう生きるか』に、とてもぴったりな曲だと思います。・たった今映画を観てきました。作品が楽しかったのはもちろんのこと、米津さんの歌声が流れて、とても嬉しかったです。・なんとも優しい歌。最後に心がふわっと、優しさに包まれました。この『地球儀』という曲で締まった気がします。宮崎監督と米津さんの想いが込もった作品と歌声を、映画館で堪能してみてはいかがですか。[文・構成/grape編集部]
2023年07月14日宮崎駿監督の10年ぶりの長編映画『君たちはどう生きるか』が、本日7月14日(金)に公開を迎えたということで、何度でも繰り返し観たくなる、監督がこれまで手掛けてきた「スタジオジブリ」の長編映画を一挙ご紹介。『天空の城ラピュタ』(1986年8月2日公開)『ルパン三世 カリオストロの城』、『風の谷のナウシカ』に続き、監督と脚本を手掛けた『天空の城ラピュタ』。ムスカ率いる謎の男たちによって連れ去られた少女・シータと、落下するシータを発見する少年・パズーが、かつて栄えた空の王国・ラピュタを探す冒険に出る、好奇心と夢にあふれた伝説的名作だ。『となりのトトロ』(1988年4月16日公開)サツキとメイの姉妹と、森で出会う不思議ないきもの“トトロ”との交流を描くファンタジー『となりのトトロ』。トトロのほかにも、小さくて真っ黒なオバケ“マックロクロスケ”、不思議なネコバスなど魅力的なキャラクターの登場も必見。昨年は、イギリスの名門演劇カンパニー、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)と日本テレビの共同制作で、舞台化されたことも話題に。『魔女の宅急便』(1989年7月29日公開)魔女の女の子・キキが、人間社会での様々な出会いを通して、成長していく物語『魔女の宅急便』。魔女のおかあさんと人間のおとうさんに育てられたキキは、“13歳になったら一人前の魔女になるために知らない街で一人暮らしをする”という魔女の掟に従い、相棒・ジジと共に故郷を旅立つ…。「名探偵コナン」シリーズでお馴染みの高山みなみと山口勝平、さらに戸田恵子と、豪華キャストの参加、荒井由実の名曲にも注目。アニメーション映画のほかにも、2014年には、小芝風花を迎えて原作小説が実写映画化。また、上白石萌歌、福本莉子ら出演で何度も舞台化されるほど人気作品となっている。『紅の豚』(1992年7月18日公開)監督が自らを投影したキャラクターを主人公に、空を飛ぶことへのこだわりと思いを込めた『紅の豚』。誇りと、女と、金をかけて、ポルコ対カーチスのロマン溢れる男同士の空中対決がスタート!「カッコイイ」とは、何か――?哀愁漂うオトナなファンタジー作品だ。ヒロインのマダム・ジーナを演じた加藤登紀子が歌う主題歌「さくらんぼの実る頃」にも注目。スタジオジブリ史上初めて、ヒロインを演じた役者が主題歌を歌った作品となっている。『もののけ姫』(1997年7月12日公開)公開当時の日本の興行収入記録を塗り替え、日本だけではなく世界中で絶賛された『もののけ姫』。自然界と人間との関わりについて描いた壮大な物語は、自然と人間は共に生きることができるのかという、人類の命題とも言える大きなテーマに挑んでいる。石田ゆり子、田中裕子、小林薫、西村雅彦、森光子ら俳優陣が声優を務めているのも見どころのひとつだ。『千と千尋の神隠し』(2001年7月20日公開)第75回アカデミー賞長編アニメーション映画部門賞、2002年ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞した『千と千尋の神隠し』。少女・千尋が、両親と共に不思議なトンネルで迷い込んでしまうところから始まる物語。両親はブタにされてしまい、戻るための道もなくなった千尋は、神々の集う湯屋である「油屋」で働くしかなく――。舞台化は、昨年に引き続き、橋本環奈&上白石萌音の続投で再演が決定しており、大きな注目を集めている。『ハウルの動く城』(2004年11月20日公開)魔女の呪いで老婆に変えられてしまった少女ソフィーと、美しい魔法使いの青年ハウルが心を通わせていく、真実の愛の物語『ハウルの動く城』。生きることの素晴らしさ、戦うことの愚かさが描かれている。ボイスキャストには、ソフィーを倍賞千恵子、ハウルは木村拓哉が演じているほか、美輪明宏、神木隆之介、大泉洋らが声をあてた個性的なキャラクターたちも登場する。『崖の上のポニョ』(2008年7月19日公開)さかなの子・ポニョと、人間の男の子・宗介の間に生まれた絆を描く、全編手書きで製作された『崖の上のポニョ』。海辺の小さな町に住む5歳の男の子・宗介は、ジャムの瓶に入り込んでしまったポニョと出会う。瓶を割って助け出すと、ポニョは宗介が大好きになり、宗介もポニョを好きになる。父・フジモトによって海の中に連れ戻されてしまったポニョだったが、「人間になりたい」と強く願うように。ポニョは、妹たちの力を借りてフジモトの魔法を盗み出すと、宗介の元へと向かっていく――。主題歌と共に日本中で社会現象になった本作。どこまでもピュアな2人の大冒険に、心が弾むこと間違いなし。『風立ちぬ』(2013年7月20日公開)これまでの宮崎監督作品とは異なる“大人のラブストーリー”『風立ちぬ』。第二次世界大戦時、零戦の設計者として活躍した堀越二郎をモデルに、堀辰夫の同名小説をリンクさせ、主人公とヒロインとの恋、そして恋から愛へと成熟していく夫婦の絆が描かれている。宮崎監督の“最後”の長編映画として当時話題となった本作。主人公役は庵野秀明、ヒロイン役は瀧本美織が務めたほか、西島秀俊、竹下景子、大竹しのぶ、志田未来らが出演していることにも注目。『君たちはどう生きるか』(公開中)『風立ちぬ』から10年、宮崎監督最新作『君たちはどう生きるか』。原作・脚本も務めた本作のタイトルは、宮崎監督が少年時代に読んで感動した吉野源三郎の著書から借りたそう。スタジオジブリ作品としては初めてとなる、IMAX上映も行われる。なお、昨年11月には、スタジオジブリ作品の世界観を表現した公園施設「ジブリパーク」が開園し話題に。7月は、『コクリコ坂から』、『もののけ姫』の金曜ロードショー放送も決定しており、こちらも要チェックだ。(シネマカフェ編集部)■関連作品:崖の上のポニョ 2008年7月19日より全国東宝系にて公開© 2008 二馬力・GNDHDDT風立ちぬ 2013年7月20日より全国東宝系にて公開© 2013 二馬力・GNDHDDTK魔女の宅急便 2014年3月1日より全国にて公開© 2014「魔女の宅急便」フィルムパートナーズハウルの動く城 2004年11月20日より日比谷スカラ座ほか全国東宝洋画系にて公開©2004二馬力・TGNDDDTとなりのトトロ 1988年4月16日より公開もののけ姫 1997年7月12日より公開紅の豚 1992年7月18日より公開君たちはどう生きるか 2023年7月14日より公開©2023 Studio Ghibli
2023年07月14日シンガーソングライターの米津玄師が、宮崎駿監督の最新作『君たちはどう生きるか』(公開中)の主題歌を担当することが14日、わかった。宮崎監督の10年ぶりの最新作となる同作は、宮崎監督が少年時代に読み、感動したという吉野源三郎氏の同名小説にインスパイア・制作されたオリジナルストーリーによる“冒険活劇ファンタジー”だ。同作の主題歌「地球儀」は、かねてより宮崎監督のことを敬愛し、作家としても大きな影響を受けていることを公言していた米津が書き下ろした。17日にデジタル配信、26日にCD発売される。SNSに投稿されたコメント全文は以下の通り。■米津玄師『君たちはどう生きるか』の主題歌として「地球儀」という曲を作らせてもらいました。お話を頂いたのはもう4年ほど前のことです。一番最初は驚愕すると同時に「何故自分なのか」と困惑しました。曰く、宮崎さんがFoorinのパプリカをラジオで耳にしたのをきっかけにわたしに白羽の矢が立ったようです。5冊分にもなる重たい絵コンテを頂き、宮崎さんから説明を受け、恐る恐る作曲に取り掛かりました。今や遥か遠い昔の出来事のように感じています。この4年間のあいだ、幾度か小金井のスタジオへと足を運び、宮崎さんや鈴木さんとお話をさせて頂いたのですが、そのほとんどが不思議なくらい気持ちよく晴れた日でした。近所にいる園児の声を聞きながら、黒々と落ちた木陰の中を歩いたのをおぼえています。常日ごろ狭い部屋で独り過去の記憶を辿りながら作曲をしている身からすると、それは豊かと呼ぶほかない体験でした。小さな子供の頃から宮崎さんの映画を見て育ちました。いつしかわたしは大人になり、音楽を作る人間になりました。その音楽を沢山の人に受け取ってもらえるようにもなりました。まだ至らぬ部分も数え切れないほどありますが、至らなさも含めて確かにここまで生きてきたのだと思えます。「地球儀」は『君たちはどう生きるか』のための曲であり、わたしが今まで宮崎さんから受けとったものをお返しする為の曲でもあります。今まで映画を作り続けてくれてありがとうございました。そしてこれからもずっと作り続けてください。
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