トイレトレーニングをして日中はおむつが外れるようになっても、小さな子どもは「おねしょ」をしてしまうことがあります。成長とともになおるものですが、あまりにも長く続くと「小学校入学までになおるの?」と心配になるのではないでしょうか。昔は「親の育て方の問題」などといわれたものですが、これは誤っているのだとか。今回は、おねしょの原因について紹介します。■おねしょと夜尿症の違いまずは、おねしょと夜尿症の違いについて。どちらも寝ている間に尿をしてしまうことですが、年齢によって言い方が異なるようです。未就学児の場合は「おねしょ」、小学生以上は「夜尿症」というのだとか。おねしょをしなくなる年齢には個人差があり、年の近いきょうだいの場合は、上の子がおねしょをしていても、下の子はしないこともあります。「妹はおねしょを卒業したのに!」とママが感情的になると子どもがストレスを感じ、おねしょがなおらなくなることも。年齢にこだわりすぎず、その子に合わせたケアをしてあげましょう。ただし、「夜尿症」といわれる年齢になってもなおらないときには、原因をつきとめて改善へ導いてあげたほうが子どものためにもなります。■おねしょの原因が「ママ」にある場合もおねしょの原因は1つではなく、複数の要素から起きると考えられています。1.夜に抗利尿ホルモンの分泌が少ない尿は通常、昼に多く、夜は抗利尿ホルモンの分泌によって少なくなります。おねしょをしてしまう子は、このホルモンのリズムがまだ整っていないのかもしれません。2.膀胱の容量が小さく、尿をためることができない膀胱の成長の遅れがおねしょを引き起こすことも。年齢とともに成長しますが、おねしょを予防しようと昼間からこまめにトイレへ行くように促していると、膀胱が育たなくなることがあるようです。3.夜に水分や塩分を摂りすぎている寝る前にお茶などの利尿効果の高い飲みものをたくさん飲めば、おねしょをしやすくなるのは当然です。果物やゼリーなどの水分が多い食品にも要注意。また、塩分をとりすぎると体に水分を蓄積しやすくなるので、夕食の献立を見直しましょう。4.季節的な影響水分をたくさんとる夏や、汗をかきにくい冬にはおねしょをしやすくなります。また、体が冷えることでおねしょを誘発することもあるようです。5.ストレスの影響ストレスによって自律神経が乱れてしまうこともおねしょの原因に。いじめなどの悩みを抱えている可能性もあるので、心のケアもお忘れなく。6.膀胱や腎臓機能の異常尿に関する器官に問題がある場合も、おねしょをしやすくなります。小学校入学前になおらなければ、医師に相談してみましょう。食生活やトイレなどの習慣を見直すことで、改善できるケースは少なくないようです。とはいえ、きょうだいがいる場合は、おねしょをする子だけデザートにフルーツを与えないと不公平になります。その子に合わせた献立を考えてあげるといいかもしれませんね。■お泊り対策はどうすればいい?家族旅行のときには親がケアできますが、「お泊り保育」の場合は悩むところですよね。一時的に抑えるには、スプレー状の点鼻薬などもありますので、小児科医で相談してみましょう。ただし、子どもが薬を扱うには危険も伴います。家で練習することもできますが、保育士などにお任せするのが安心です。このとき、ほかの子はもちろん、ママたちにも聞かれないように相談したほうがいいでしょう。周囲の子がおねしょを卒業したと聞くと、焦ってしまうかもしれません。でも、手をかけて育児をできるのは今のうちだけ。「ママにお世話をさせてくれている」と思うだけでも、気が楽になりますよ。
2016年06月05日妊婦から血液を採取して、胎児の先天性異常を診断することができる『新型出生前診断(NIPT)』が大きな注目を集めています。従来の出生前診断と比べて、・早期(妊娠10週前後)に診断できる・母体への影響が軽減される・診断の精度が80〜90%と非常に高いなどの利点があり、より確実に胎児の先天性異常を発見することができるようになっています。しかし、その一方で問題視されているのが、『NIPTコンソーシアム』(新型出生前診断を実施している病院グループ)が発表した「出生前診断で異常が発覚した場合の中絶率は96.5%」というデータ。これを受けて、「出生前診断を受けることは命の選別であり、道徳に反する」という批判が数多く飛び交っています。人によって正解が大きく異なる難しい問題ではありますが、実際にママたちはどう考えているのでしょうか。そこで今回は、パピマミ読者のママに「出生前診断で子どもに異常が出たらどうするか」というアンケートを取ってみました!●出生前診断で子どもに異常が出たらどうしますか?■出生前診断で子どもに異常が出たらどうしますか?・1位:そもそも診断を受けない……47%(150人)・2位:中絶する……42%(134人)・3位:事実を受け入れて産む……10%(32人)※有効回答者数:316人/集計期間:2016年4月27日〜2016年4月29日(パピマミ調べ)●『そもそも診断しない』が約半数『たとえ異常が見つかっても絶対に産むから診断なんて意味ない』(20代ママ)『子どもは天からの授かり物。それを選別するなんて非人道的な行為 です』(30代ママ)多くのママに共通して見られたのは、「どんな結果であっても産むから診断は意味ない」という意見でした。たしかにそういうママにとっては、事前に異常を知っても不安に思う期間が長くなるだけですよね。深刻に悩んでいるうちに体に大きなストレスがかかり、赤ちゃんに悪影響があるという見方もあります。また、出生前診断は35歳以上の高齢出産ママを対象に行われるため、「妊活で苦労の末授かった命を大切にしたい」という人、「異常と診断されると中絶しそうだから受けない」という人もいました。出生前診断を受けないということは、「わが子を産む」という強い意思表示 とも取れますね。さらに一部コメントでは、出生前診断を受けることを「罰当たり」などと厳しく批判するものもありました。●『中絶する』という人は約4割『正直ダウン症と診断されたら、育てていける自信がない。子どものためにも中絶してしまうかも……』(30代ママ)『私が生きてる間はいいけど、死んだら誰が面倒みてくれるの? っていう不安があるから』(30代ママ)『中絶する』と答えた方の多くは、「産み育てる自信がない」という理由で中絶を選択してしまうようです。たしかに障がい児は通常の子どもと比べて育児の苦労が大きいとも言われており、精神的・金銭的な余裕がなければ過酷な家庭環境になる可能性は高いです。しかし、一方では「中絶した罪悪感は一生消えない」 と言われるほど、女性のわが子への愛情は深いものです。人によっては「中絶する人は命を軽く見ている」などと批判したりしますが、そんなことは決してないでしょう。本当は産みたいという気持ちを抱えながら、子どもの心情や将来のことを隅々まで考え尽くした結果の答えが”中絶”なのであれば、誰にも責めることはできません。●『事実を受け入れて産む』というママは約1割という結果に自分の子どもに先天性異常が見つかっても、「事実を受け入れて産む」と答えたママは約1割となりました。異常が発覚した場合の中絶率は9割を超えますが、なぜ彼女たちは「産みたい」と思うのでしょうか。『どんな障害が見つかろうと自分の子には命が宿っている。中絶なんてできないよ……』(20代ママ)『むしろ育てがいがある 、そうポジティブに捉えると思います』(30代ママ)コメントを見ていると、もはや理屈ではなく“愛情”を信じて産みたいと思っている人が多いように思います。金銭的に余裕がある、子どもの面倒を見てくれる親兄弟が多いなど、環境によっては決断しやすいこともあるかと思いますが、それでも先天性異常を抱えていると知りながら産む勇気はとても偉大だと言えます。----------あなただったらどんな決断を下しますか?どの選択肢を取るにしても、決して間違った決断ではありません。子を思ってこその判断であれば、全てが正解だと言えます。「異常が発覚したらどうするか」という出生前診断の話は、命に関わる問題であるため、議論をすることが非常に難しいテーマです。しかし、障がい者や中絶をする女性への偏見をなくすためには、一人ひとりがこの問題について真剣に考えていく必要があると思います。家族と、ママ友と、同僚と、この問題についてぜひ討論してみてください。【参考リンク】・【アンケート結果(3択)】出生前診断で子どもに異常が出たらどうしますか?()(文/パピマミ編集部・上地)
2016年05月05日■子どもをきちんと叱れない親が増えている最近、子どもをきちんと叱れない親が増えています。たとえば、危ない場所で、危ない遊びをして、ケガをしそうなとき。たとえば、ほかのお友だちをケガさせてしまいそうなとき。あるいは、幼稚園や保育園、小学校の職員室に、誰もいないときに、子どもがこっそり入ったとき…。このようなどう見ても「ダメ」なことを子どもがしているときでも、子どもに「ダメ!」と禁止することができない親が増えているのです。なぜ、このようなことが起きているのでしょうか。それは「子どもとの関係をこじらせたくない」と考える親が増えているからです。「ダメ!」「それをしてはいけません!」と厳しく禁止すると、子どもによっては、「どうして? いいじゃないか!」「だって、したいんだもん」などと反発して、親の言うことを聞きません。すると、親としては、ますます厳しく叱らざるを得なくなります。それに対して子どもは反発する…。こうやって、子どもの扱いがますます難しくなってしまうのをおそれます。そして、「友だち親子」のような仲良し関係でいられるために、子どもの行動を厳しく禁止することのできない親が増えているのです。■禁止すべきは子どもの「行動」また、子どもを厳しく叱ることの弊害を論じるメディアも増えています。たしかに、子どもに対して「おまえは、だめな子だね」「まったく、何度言ってもわからないんだから」「バカなんじゃないの」などと親から否定的な発言をされ続けると、「そうか、ぼくはダメな子なんだ」と、自己否定感を募らせていく子どももいます。そして「どうせぼくは、何をやっても、無駄なんだ…」と、意欲を失ってしまう子どももいます。電車などで、子どもをヒステリックなまでに、大声できびしく叱り飛ばす親の姿を見ることもあります。「ほんと、あんたはどうしてまたそんなことするの!バッカじゃないのぉ!」と、大声で怒鳴るのです。これは叱っているというよりも、「プチ虐待」と言ってもいいと思います。子どもの心に傷がつき、前向きに生きる意欲を失います。その結果、大事なときにも頑張ることのできない子どもになってしまうのです。では、子どもに「ダメ!」と言ってはダメなのでしょうか。私の答えは、ノーです。つまり、子どもが禁止すべき行動をとったときに、親は「ダメ!」と言って、行動を押さえるべきなのです。これをしないと、自分をコントロールできない子どもになってしまいます。重要なのは、「行動の禁止」と「人格の禁止」を区別することです。「人格の禁止」は×です。「あなたは、まったくダメな子ね!もう!」などと厳しく叱り続けると、子どもの中に「ぼくはどうせダメな子なんだ」と、自己否定感を募らせ、生きる意欲を奪ってしまいます。一方、「行動の禁止」は〇です。してはいけない行動を抑制するしつけは重要です。このとき、大切なポイントは、「人格を否定された」と子どもが感じないように、穏やかに、説明的に「なぜ、〇〇をしてはだめなのか」を理性的に子どもに、それがダメな理由が理解できるように、説明しながら、語りかけることです。「だめでしょ、それは! あんたはまったくもう!」などと、大声で怒鳴りながら叱っていると、親の側は「行動の禁止」をしているつもりでも、子どもの側からすると「人格を否定された」と感じて、生きる意欲を奪うことになってしまうのです。■いい子育て=手間ひまかけた子育てここまで、読まれて「なんだか。たいへんだな」「説明するって大変なんだよな。面倒くさい」と思った方もいることと思います。そうです。いい子育てには「手間ひまかける」ことがいちばん大切なのです。子どもと「友だち親子」になって、ダメなことも「ダメ」と言わない子育ては省エネ子育て。逆に、いつも「あんたはダメな子ね!」と感情的に怒鳴り続けるのも、省エネ子育て。一見、真逆でも、どちらも「手抜きの子育て」なのです。子どもに、なぜそれがダメなのかをわかるように、ていねいに説明するのは、かなり骨の折れる作業です。時間もエネルギーもかかります。しかも、「人格の否定」と伝わらないように、穏やかに、かつ、真剣に、話してわかってもらう必要があります。もう一度言います。よい子育ては「手間ひまかけた子育て」です。
2016年04月06日こんにちは、ママライターの木村華子です。“キレる子ども”が問題視されて久しいですが、実際に子育てをしてみると、なるほど確かに、子どもたちによる感情のコントロールがまだまだ幼いものだということを実感させられます。大の大人であっても日々感情を揺さぶられながら暮らしてるわけですので、ネガティブな感情が生まれること自体に問題はないのですが……、「私が子どものころって、こんなにキレてたっけ?」「反抗期って年でもないと思うのに、子どもがやたらとキレる……」と、わが子のブチ切れ問題にお手上げ状態のママも少なくはないはず。成長の過程として必要なキレ方(反抗期) なのであれば、こちらとしても納得がいくもの。しかし、なんらかの原因からわが子の性格が“キレやすい”というものに変化しているのであれば、親としてなんとか食い止めてあげたいですね。人がキレるとき、その原因はさまざまです。トラブルに巻き込まれたときや、そういうお年頃であるケースなどなど……。実はその原因のひとつとして、どのご家庭にも存在しているアノ調味料が関わっていることをご存知でしょうか?今回は、全国民が持っているであろう“白い麻薬” についてお話しします。●近年、キレる小学生が急増中!平成26年に文部科学省が公開した「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」では、近年の子どもたちによる暴力行為の増加が浮き彫りになりました。このデータの中でも特に注目したいのは、まだ反抗期に入っていない年頃の小学生による暴力行為 です。なんと、ここ7年間のあいだに約3倍まで増えているのだとか。「私が子どものころって、こんなにキレてたっけ?」というママの不安は、記憶違いではなさそうです。キレる小学生について、2〜3歳ごろに表れる第一反抗期(イヤイヤ期)と中学生から高校生ごろにかけての第二次反抗期の間に存在すると言われる“中間反抗期”なのでは? という声もあります。しかしそれならば、もっと以前からキレる小学生たちが存在したはず。近年の増加を裏付ける理由にはならないのではないでしょうか。なぜ子どもたちはこんなにもキレるようになってしまったのか……その理由は子どもたちを取り巻く環境の変化にあるはずなのです。●白い麻薬=お砂糖!? 砂糖中毒の悪影響とは冒頭でお話しした“白い麻薬”。その正体は、お砂糖です。消化吸収の早いお砂糖を過剰に摂取すると、血糖値が急激に上昇します。この変化を埋め合わせるため、血糖値をコントロールする“インスリン”というホルモンが大量に分泌され、このインスリンによって、今度は血糖値が一気に下がります。血糖値の低下による影響を受けるのは、ブドウ糖をエネルギー源に機能している脳 です。脳がエネルギー不足に陥ると、“集中できない”“ボーッとする”などの症状が現れます。このような低血糖の状態を改善させるために、脳は“アドレナリン”というホルモンを分泌させるのです。アドレナリンといえば、気分の高まりや攻撃性を司る、別名“攻撃ホルモン” 。お砂糖と“キレる子ども”がつながってきましたね。低血糖症が起こると、以下のような症状が現れます。・キレる・疲れやすくなる・物忘れが多くなる・無気力になる・眠たい・不安になる・頭痛・筋肉がこわばる・手や足が痺れるなどなど。暴力的になったり、反社会的になったりするとも言われています。子育て中のママにとって、回避するべき症状ばかり!実際にアメリカ・バージニア州の少年院で行われた調査では、お砂糖の摂取量を少なくコントロールされた少年たちに、以下のような変化があったのだそうです。・反社会的行動……46%減少・暴行……82%減少・盗み……77%減少・命令への服従拒否……55%減少さらにその後、カリフォルニアやワシントンなどの少年院に収容される少年たち(8,000人)に対して同じ調査が行われ、反社会的行動が47%も減少した という結果が得られたのだとか。お砂糖の悪影響といえば、メタボリックなど体への作用がメジャーどころですが、実は心や性格にまで影響を及ぼしているのです。また、脳に直接影響を及ぼすお砂糖は依存性が大変高く、口にしたときに得る快感までの仕組みは、ドラッグを服用したときと同じものなのだとか……。「やめたくてもやめられない!」とお悩みのダイエッターが大勢いらっしゃることもうなずけます。●砂糖も含めた、すべての食べ物・調味料との付き合い方を見直してみませんか現代を生きている子どもたちに“お砂糖を全く摂取しない生活”を強いることは不可能だともいえます。いくら家庭で徹底していても、お友達のお宅でオヤツをご馳走になるシーンだってあるでしょう。あまりにも極端な食生活を送らせることで、わが子が偏った常識を持ってしまうことも避けたいところ です。身に付けたいのは、砂糖にだけ固執した考え方ではなく、やはり“食生活全体”のバランス。日本人の食生活が以前よりも粗悪なものに変化していることは、砂糖に限ったことではありません。イライラの原因として有名なものに、“カルシウム不足”“ビタミン・ミネラル不足”なども挙げられますね。ジャンクフードやインスタント食品、菓子パン、スナック、チョコレートなどでお腹を満たすのではなく、健康的な献立を考えてみてください。また、飲み物が毎回ジュース!というご家庭は、そこをお水やお茶にするだけでも違ってくるのではないでしょうか。子どもたちを取り巻く環境は、時代によって目まぐるしく変化します。体や心に悪影響を及ぼすものもあるでしょう。しかしその変化の中には、大人たちのさじ加減でコントロールしてあげられるものもあるはずです。「時代が違うんだから……」と諦めず、ぜひ正しい食事の楽しみ方を示してあげてください。【参考リンク】・児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査 | 文部科学省(PDF)()●ライター/木村華子(ママライター)
2016年03月30日慶應義塾大学(慶大)は4月21日、マウスを用いた実験で、アトピー性皮膚炎は黄色ブドウ球菌などの異常細菌巣によって引き起こされることを解明したと発表した。同成果は慶大医学部皮膚科学教室と米国National Institutes of Healthの永尾圭介 博士(元慶應義塾大学医学部専任講師)との研究グループによるもので、4月21日(現地時間)に米科学誌「Immunity」電子版に掲載された。アトピー性皮膚炎は気管支喘息、食べ物アレルギー、花粉症などのアレルギー疾患を合併することがあるため、アトピー性皮膚炎そのものもアレルギー性の疾患だと考えられている。しかし、生体が何に反応して皮膚炎を発症しているかはわかっておらず、原因となるアレルゲンは特定されていない。血液検査で強い抗体が検出されることからダニやホコリが原因と考えられているが、それを裏付ける臨床的な証拠は存在していない。一方、アトピー性皮膚炎がひどくなると皮膚表面の細菌の種類が減少し、過半数が黄色ブドウ球菌によって占められることは知られていたが、黄色ブドウ球菌がどのようにアトピー性皮膚炎に関係しているかはわかっていなかった。同研究では、アトピー性皮膚炎を発症するマウスに皮膚細菌巣を培養したところ、生後4周からC. mastitidisという菌の出現に続いて黄色ブドウ球菌が出現し、最終的にはC. bovisという菌と黄色ブドウ球菌が皮膚細菌巣を支配することがわかった。このモデルマウスに対し離乳直後から、異常細菌巣に効果を発揮する抗生物質2種類で持続的な抗菌治療を行ったところ、正常な皮膚細菌巣を保ち、皮膚炎を発症しなかった。さらに、離乳後無治療で10週目に抗菌治療を開始したマウスと、離乳直後から抗菌治療を実施し10週目で抗菌治療を中止したマウスの症状の推移を観察したところ、前者は皮膚炎がほぼ治癒したのに対し、後者は正常だった細菌巣が一気に黄色ブドウ球菌とC. bovisに置き換わり、激しい皮膚炎を発症した。そこで、治療を止めて皮膚炎を発症したマウスの細菌を、治療により一時的に炎症が寛解していたマウスに接種した結果、黄色ブドウ球菌が最も強い皮膚の炎症を誘導した。また、C. bovisはIgEという抗体の上昇をもたらす免疫反応を誘導し、それぞれの細菌が異なった役割を果たしていることがわかった。今回の成果は、偏った異常細菌巣を正常化することでアトピー性皮膚炎を治療する新しい治療法の開発につながる可能性がある。研究では抗生物質を使用したものの、腸内細菌への悪影響もあるため、今後、抗生物質に頼らずに正常な細菌巣を誘導する方法の検討が期待される。
2015年04月22日昼間、仕事中に異常な眠気に悩まされている方、疲れがたまっていませんか?今はただの疲れでも、進行するとある病気になる可能性もあります。健康を害し、仕事に支障が出てしまう前に、ちょっとチェックしてみましょう!日中に異常な眠気がある方へ朝起きてもなんだかスッキリ目覚められない、全身がだるくて起き上がりたくない。仕事もすぐに疲れてしまい、異常な眠気が襲ってくる。そんな状態になっていたら、あなたはただの「お疲れぎみ」ではなさそうです。特に、しっかり休みは取っているのに疲れがとれなかったり、日中、極度の眠気に襲われる、もしくは、夜は寝付けず眠りも浅い感じがするといった状態が起きていたりするのであれば、ある症候群が疑われます。「慢性疲労症候群」とは?それは、「慢性疲労症候群」。全身が重く、体を動かせなくなるほどの疲労が半年以上の長期間に及ぶもので、日常生活に支障が出る病気です。しかし、血液検査や内臓の検査をしても一向に異常が見つからないのが特徴で、実際、特に大きな疾患は見られないようです。自分ではただ体調が悪い、疲れ気味と感じているかもしれません。この「慢性疲労症候群」の原因は不明といわれており、日本人のうち約0.3%の人が患っていると推定されています。疲れが改善しないことから、仕事への意欲が低下するなど、精神的にも不調になるといわれています。「慢性疲労症候群」の症状を知ろう慢性疲労症候群の症状としては、微熱や悪寒、のどの痛み、頸部やワキの腫れ、筋力低下、筋肉痛、全身の倦怠感、頭痛、関節痛、集中力・思考力の低下、抑うつ、物忘れ、過眠や不眠などの睡眠障害などがあります。これらの症状が6ヶ月以上続き、全身の検査でも異常が見つからないのであれば、慢性疲労症候群を疑われるといわれています。もし似たような症状があるという方は、早めにお医者さんに相談しましょう。日中に異常な眠気が襲ってくるのは、仕事にも差し障ることなので、できるだけ早めに対処したいものですね。【参考】総合南東北病院「何とかしたいこの疲れ~慢性疲労症候群~CFS」林鍼灸院「慢性疲労症候群と中国鍼灸治療」東京脳神経センター「完治された患者の体験記:慢性疲労症候群が治り日常生活へ復帰」
2015年01月29日生理学研究所(生理研)などの研究グループは12月9日、遺伝性てんかんのひとつである常染色体優性外側側頭葉てんかん(ADLTE)の原因がタンパク質の構造異常に基づくことを見出し、薬剤で異常タンパク質を修復することによりてんかんが軽減することを明らかにしたと発表した。同成果は同研究所の深田正紀 教授、同 深田優子 准教授、同 横井紀彦 特任教授、北海道大学医学部の渡辺雅彦 教授、蘭Erasmus大学のDies Meijer 教授、東京大学先端科学技術研究センターの浜窪隆雄 教授らの共同研究によるもの。12月9日付け(現地時間)の米科学誌「Nature Medicine」に掲載される。同研究グループは、遺伝性側頭葉てんかんの原因遺伝子LGI1に注目し、ヒトの側頭葉てんかん患者で見られる22種類のLGI1変異を体系的に解析し、「分泌型」と「分泌不全型」の2種類に分類した。その後、「分泌型変異」あるいは「分泌不全型変異」を有する変異マウスを作成し、LGI1の変異がどのようにしててんかんを引き起こすのかを調べた。その結果、分泌型変異マウスでは、LGI1は細胞外に分泌されるが、受容体との結合が阻害されることを見出した。一方、分泌不全型変異マウスでは、LGI1がタンパク質の構造異常のため細胞内で分解されてしまい、脳の中で正常に働くLGI1が減少してしまっていることがわかった。これらの結果により、いずれの場合も、LGI1が本来の作用点である受容体と結合することができないことが、同てんかんの分子病態であると考えられるという。さらに、同研究グループは、たんぱく質の構造を修復しうる低分子化合物が分泌不全型LGI1の構造異常を改善し、分泌を促進することを突き止め、てんかん感受性が改善することを発見した。今回の成果は、タンパク質の構造異常に基づくてんかん治療に広く応用されることが期待される。
2014年12月09日仕事中の異常な眠気。今寝てはいけないと分かっていても、どうしてもタイミング悪く眠気が襲ってくることはあるものです。大事な会議中などに寝てしまわないように、日頃からどのような対策をすればいいのでしょうか。それにはまず、その異常な眠気の程度を知ることが必要です。仕事中の異常な眠気病気の可能性は?昼間の異常な眠気には、病気が潜んでいることがあります。しかし、「ただの寝不足だろう」と特に重大なことと捉えていない方も多いのではないでしょうか。そこで、もっと自分の眠気を客観的に知ることのできる方法を紹介します。それは、眠りに関する尺度を利用することです。簡単にいえば、眠りや生活習慣についての簡単な問いに答えていき、その合計点数によって自分の眠気の程度を把握するというものです。過眠症をはかる尺度エップワース眠気尺度眠気をはかる尺度としては、エップワース眠気尺度と、スタンフォード眠気尺度が挙げられます。エップワース眠気尺度とは眠気について調査するもので、8つの設問に対して、「ない」は0点、「時々ある」は1点、「よくある」は2点、「いつもそうだ」は3点と、点数をつけていき、合計します。問いは、読書やテレビ、映画館、会議中、車の中、人と話しているとき、昼食後などに眠ってしまうかどうかを問う内容になっています。合計点数が11点以上の場合、何かの病気が疑われます。しかし、自分ではなかなか判断ができないので、家族に協力して評価してもらうのがいいようです。スタンフォード眠気尺度とは?一方、スタンフォード大学で作成されたという眠気の自己評価尺度であるスタンフォード眠気尺度は、次の7つの状態のうち、どれがもっとも自分の眠気に近いかを選ぶことで、自分の状態が分かるというものです。・やる気があり、活発で、頭がさえていて、眠くない感じ【点数1】・最高とはいえないまでも、頭の働きが活発、集中していられる【点数2】・くつろいで起きているが、どちらかというと少し頭がぼんやりし反応が悪い【点数3】・すこしぼんやりしていて、何かしたいと思わない【点数4】・ぼんやりしている、集中していられない、起きているのが困難【点数5】・眠いので横になりたい、ぼうっとしている【点数6】・まどろんでいる、起きていられない、すぐに眠ってしまいそうだ【点数7】点数が日中、慢性的に3点以上のときがある場合、過眠症の可能性も考えられます。1~2点であれば覚醒状態は良好、2点以上は睡眠不足を抱えている指標になるようです。これらの眠気尺度を試してみて、ちょっと異常な数値だと思ったら、早めにお医者さんに相談しましょう。Photo by 19melissa68
2014年11月22日不眠症の解消にはさまざまな方法があります。今回は、そのうちの1つである認知行動療法をご紹介したいと思います。これは不眠の原因を理解し、その原因を断ち切るというもの。具体的にはどのような方法があるのでしょうか?不眠症の定義とは?今回は「不眠症の認知行動療法」を取り上げたいと思います。認知行動療法を説明する前に、まずは不眠症についてしっかり学習をしたいと思います。不眠症とはどのような状態のことを指すのでしょうか?この定義は非常に難しいと言われていますが、一般的には次の3つの存在があげられています。1.寝ても回復感がないなど、主観的に睡眠の質が悪い状態2.布団に入っていても眠れない状態が長く続く3.日中に眠くなる、または機能低下などがある当てはまるものはありましたか?悪循環を断ち切る不眠は以下の4つの機能が相互に作用している問題と考えられています。1.生理:交感神経系の亢進2.情動:布団に入るだけでネガティブな気持ちになる3.認知:今日も眠れないかもしれないと不安になる4.行動:不眠を解消するためにさまざまな試みをする1の交感神経の亢進は、多忙や体調不良など、ちょっとしたことで簡単に起こると言われています。それをきっかけに眠れなくなり、不眠を解消しようと焦っていろいろと行動を起こして、また眠れないと不安になるという悪循環に入ることがある、ということですね。この悪循環を断ち切ることが不眠の解消につながると考えられています。認知行動療法の紹介不眠症の認知行動療法にはさまざまな方法がありますが、そのいくつかをご紹介したいと思います。・睡眠制限法布団に入ったらすぐに眠れるように、あえて就寝時間を遅らせる。それによって睡眠効率をアップさせる。・刺激統制法寝室=睡眠のためのスペースと意識するため、寝るとき以外は寝室を使わないようにします。・リラクセーション呼吸法などのリラックスできる方法を日頃から練習・習得し、寝る前にも行うように習慣化します。ほかにもさまざまな方法があるようなので、気になる方は一度調べてみるとよいかもしれません。Photo by Rory MacLeod
2014年11月16日「突然キリキリと胃が痛んだり、もたれたりする」「胸やけしてげっぷが出る」などの症状が続くも、内視鏡検査をしたら「異常なし」と言われたことはないだろうか。原因不明のこれらの症状は、ストレスによって生じている可能性がある。強いストレスや緊張が胃に与える悪影響とそのメカニズムについて、桐和会グループの精神科医・波多野良二先生に話を伺った。事例介護関係の職場に勤務するAさん(30代女性)は、仕事の仕方の方針転換を強引に進める新しい上司としばしば対立し、きつい言葉を浴びせられることもあった。ある日、突然強い胃の痛みを感じ、胃潰瘍が疑われて内視鏡検査をしたところ、胃の粘膜はきれいで異常はなしという診断だった。「(原因は)精神的なものかもしれない」と医師に言われ、心療内科を受診。抗うつ剤の一種で、ストレスによる胃の痛みなどに効く薬を処方された。幸い、症状は良くなって数日後には勤務できるようになった。「このAさんの場合は激しい胃痛でしたが、そのほかにも胃もたれやおなかの膨満感、胸やけなど、なんらかの胃の不調を抱えて内視鏡検査をしたけれど、胃潰瘍などの異常はなかったというケースは多くあります。その後も不調が続く場合には、職場などで強いストレスを感じていないでしょうか。こうした場合、可能であれば職場の理解を得てしばらく仕事を休む、休んでも改善しないのであれば配置転換を願い出る(環境調整)とよいでしょう。環境調整が難しい場合や、環境調整でも症状が良くならない場合、一般的な胃薬で良くならない場合は心療内科(精神科)を受診して、適切な治療を受けていただきたいと思います」。○自律神経のバランスが崩れるのが原因人は強いストレスや緊張を感じると、自律神経系に悪影響が出ることが多いという。「自律神経は心臓や血管、筋肉などの働きを、自分の意志とは関係なくコントロールする神経です。緊張時に働く交感神経と、リラックス時に働く副交感神経に分かれ、シーソーのように交互に働きます。バランスが大切で、どちらが優位だとよいというわけではありません。この神経を調整しているのは、『ノルアドレナリン』や『アセチルコリン』などの神経伝達物質です。強いストレスがかかると、そのバランスがくずれてしまいます」。自律神経のバランスがストレスで崩れ、体のデリケートなところに症状として現れるというわけだ。○胃もたれと胸やけのメカニズムストレスがきっかけとなる胃の症状は、「ぜん動運動」の不調や胃の粘膜を守る「防御因子」の低下などが原因であるという。強いストレスや緊張によって、交感神経が副交感神経よりも優位になると、心臓や骨格筋が強く働く一方で消化器は動きが悪くなり、流れる血液の量も減る。胃が内容物を消化し、十二指腸へと送り出す「ぜん動運動」が低下し、胃がもたれたりおなかに空気がたまって張る感じがしたりする。胃の粘膜に血液がいきわたらないため、胃の粘膜を保護する機能も低下して胃が痛くなる。また副交感神経が強く働きすぎる場合は、胃酸が多く出て胸やけがしたり、胃が動きすぎて痛くなったりすることがある。ストレスが胃の不調の原因だった場合、胃酸を抑える薬や胃の粘膜を保護する薬を飲むだけではなかなか治らない。すぐに環境を変えるのは難しくても、スポーツや趣味など自分なりのストレス発散法を持つだけで、気分も違ってくるはず。日ごろストレスをためている人ほど、自分の時間を大切にして自律神経のバランスをとることを心がけてほしい。写真と本文は関係ありません○記事監修: 波多野良二(はたの りょうじ)1965年、京都市生まれ。千葉大学医学部・同大学院卒業、医学博士。精神保健指定医、日本精神神経学会専門医、日本消化器病学会専門医、日本内科学会総合内科専門医。東京の城東地区に基盤を置く桐和会グループで、日夜多くの患者さんの診療にあたっている。
2014年10月15日異常な眠気に襲われるという場合、いろいろな原因がありますが、その原因が鉄欠乏性貧血であることも考えられます。貧血が原因と疑われた場合、どのような対処が必要なのでしょうか?今回は、貧血による眠気についてご紹介します。その眠気、貧血かも!?鉄欠乏性貧血の症状には、疲れやすい、肌に血の気がない、だるい、異常な眠気がある、頭痛、めまい、動悸、息切れ、耳鳴りなどがあります。また、身体的に表れる症状の特徴として、爪が反り返って中心がくぼんでしまうということがあるようです。もしこれらの症状に思い当たる節があれば、鉄欠乏性貧血を疑う必要がありそうです。鉄欠乏性貧血とは、ヘモグロビンの主な材料となる鉄の不足によってヘモグロビンが作られなくなるために起きる貧血のことをいいます。鉄欠乏性貧血だとわかったら、まずその鉄分不足の原因をはっきりさせることが大事だといわれています。鉄欠乏性貧血を治すには?鉄欠乏性貧血の原因は、鉄分摂取量の不足、鉄需要の増加、過剰な鉄の喪失、吸収障害の4つに分けられるといわれています。特に鉄分摂取量の不足は、無理なダイエットや偏食、インスタント食品を多く食べている人などに起こりやすいようです。鉄欠乏性貧血を治すためには、食事の改善をする必要がありそうです。もちろん鉄を摂取することは大事ですが、鉄だけとっていればいいというわけではありません。基本的には必要な栄養素をバランスよくとることが肝心。1日3食規則正しく食べることや、主食、主菜、副菜を組み合わせる、良質のたんぱく質をとるなども大事でしょう。ポイントは鉄の吸収率!鉄分摂取の際にポイントとなるのは、吸収率の高いものとそうでないものがあることをよく知っておくことです。例えば、豚レバーに含まれる鉄分はヘム鉄といわれる吸収率の高い鉄分です。一方、納豆やほうれん草などに含まれる鉄分は非ヘム鉄といって吸収率のあまりよくない食品です。また、鉄分は良質な動物性たんぱく質や、ビタミンCと組み合わせることで吸収率が高まるといわれています。非ヘム鉄もこれらと一緒にとるようにしましょう。不足した鉄分を積極的に摂取することで、日中の異常な眠気が改善されるかもしれません。気になる方は、上記を参考に鉄分を摂取することを意識してみてはいかがでしょうか。Photo by Avenue G
2014年10月05日日中、頭がぼーっとして仕事にならないということはありませんか?異常な眠気を伴うときは、脳疲労の可能性があります。この脳疲労の原因やメカニズムを知れば、自らの対策に役立てることができます。異常な眠気、頭がぼーっとする原因は?仕事中に襲われる異常な眠気。どう対処していますか?眠気がそれほど強くないときも、頭がぼーっとしてしまうことってありますよね。そんなとき、脳はある状態に陥っている可能性があります。それは、脳疲労。過剰なストレスが長時間続くと、脳の働きが低下するといわれているのです。この脳疲労の原因といわれているのがアンモニアです。脳は酷使し続けると、アンモニアが大量に発生し、脳にどんどんたまってしまうのだそうです。アンモニアは、脳を酷使するだけでなく、イライラすることによってもたまってしまうそう。アンモニアは体にとって毒です。それがどんどんたまっていくなんて、想像しただけで恐ろしいものですね。アンモニアでやる気が下がる!?脳にアンモニアがたまるとどうなるのでしょうか。本来、アンモニアは有毒なので、肝臓で無毒化されてから最終的には尿素として体外へ排出されます。しかし、大量発生した毒であるアンモニアに対して危険を察知した脳は、アンモニアをこれ以上増やさないために、脳を疲れさせることでやる気を低下させるのだそうです。なんだかぼーっとする、やる気が起きないというときはアンモニアがたまっているのかもしれないですね。また、血糖値が下がり、脳にエネルギーが足りないときにも脳疲労は起こります。その他、眠気や生あくびが多くなる場合は、酸欠状態が疑われます。脳疲労の対策は?脳疲労には色々な原因がありますが、中でもアンモニアがたまっていることが疑われる場合、どのような対策があるのでしょうか。アンモニアをグルタミンというものに変換して解毒してくれるのは、アミノ酸のグルタミン酸だといわれています。このグルタミン酸を供給するのが、BCAAと呼ばれる分岐鎖アミノ酸。肉や魚、卵、大豆製品、乳製品に多く含まれているそうです。また、アンモニアが無毒化されて体外へ排出されるのを助けるアルギニンというアミノ酸も大事です。肉や魚、大豆製品などに多く含まれているので、意識的に摂取してみてください。また脳の機能を復活させるために必要な、エネルギーの源であるビタミンB群を補給するのも忘れずに。脳疲労が疑われる人は、ぜひトライしてみてはいかがでしょうか。Photo by UGL_UIUC
2014年09月21日東京大学(東大)は、ショウジョウバエを用いて、正常な老化に伴い嗅覚神経細胞死が生じると、特定の匂いを感じることができず、異常な行動をとる原因となることを発見したと発表した。同成果は、同大大学大学院薬学系研究科 薬科学専攻の千原崇裕 准教授、同 三浦正幸 教授、米カリフォルニア大学サンディエゴ校のJing Wang教授、米スクリプス研究所のRonald Davis教授らによるもの。詳細は「PLOS Genetics」に掲載された。老化に伴って記憶学習や認識などの脳機能が低下することの要因の1つとして、老化に伴う神経細胞の細胞死が挙げられるが、正常な老化と神経変性疾患の双方において起きており、神経変性疾患における細胞死の研究は行われてきたものの、正常な老化の過程における細胞死の研究はこれまで、ほとんど研究されていなかった。今回、研究グループはショウジョウバエをモデル動物として用いて、正常な老化における脳内の細胞死の観察を試みた。その結果、老化したショウジョウバエの神経細胞のうち、特に匂いを感知するのに重要な神経細胞「嗅覚神経細胞」で細胞死に必要な酵素「カスパーゼ」が活性化していることを確認した。ショウジョウバエには約50種類の嗅覚神経細胞があり、それぞれの神経細胞ごとに感知する匂いが異なるが、カスパーゼの活性は、「リンゴ酢や酵母の匂い」を感知する「Or42b神経細胞」に見られ、実際に老いたショウジョウバエでは、同神経細胞の数が減少していることも確認したほか、嗅覚中枢の活性化とショウジョウバエのリンゴ酢に対する行動の調査では、老化したショウジョウバエではリンゴ酢を与えても嗅覚中枢がほとんど活性化せず、リンゴ酢がある場所に集まらない(誘引されない)ことを確認したとする。また、Or42b神経細胞でカスパーゼが活性化できないようにしたショウジョウバエでは、たとえ老化してもリンゴ酢の方向へ誘引されることも確認したとする。一般に、老化に伴って匂い感覚能(嗅覚機能)は低下するほか、パーキンソン病を含む神経変性疾患においても運動機能障害に先だって嗅覚機能低下が現れることが知られている。そのため研究グループでは今回の成果について、正常な老化における神経細胞の細胞死の意義、分子機構に迫るとともに、神経変性疾患時における神経細胞の細胞死の原因、ひいてはその発症機序の理解にもがることが期待されるとコメントしている。
2014年07月03日シミの原因は何ですか?と聞かれると、『日焼け』と答える方が多いと思います。確かに紫外線による外因性のシミは多いですね。しかし、シミの原因はそれだけではありません。実は、シミには内因性のものもあるので、それぞれの原因にあったケア方法が必要なのです。今回は、シミの原因別に、適切な対処法をお伝えいたします。■1.紫外線によるシミこれはみなさんもご存じのとおりの、日焼け(紫外線)が原因で起こるシミです。紫外線に当たると私たちの肌は、メラニン色素を作って紫外線を防御しようとします。このメラニン色素がシミの正体。通常、肌が入れ替わるターンオーバー(28日間)が行われれば肌の色はもとに戻るのですが、それが乱れてうまくいかないとメラニン色素が色素沈着を起こし、これがシミになります。ケア方法は簡単です。日焼けしない事。日焼けしなければメラニンは作られませんから。美白化粧品は色々でておりますが、即効性のあるものなどありません。一番シミのない綺麗な肌になるには、日焼けしない事なのです。つまり、日焼け止め、特にUVA(紫外線A)を防止する事。日焼け止めを購入するときはUVA防御指数を表す、PA値の高いもの(最高値 PA++++)を選んでください。そして一度塗ったから大丈夫と安心せずに、外出している間はコマメに塗り直す(PA++++でも2時間置き)ことがポイントです。■2.ストレスによるシミストレスで肌荒れすることをご存知の方は多いと思いますが、ストレスでシミが出来ることをご存知の人はまだ少ないのではないでしょうか?実はストレスで肝機能が弱まったり、ホルモンの分泌が少なくなると、頬骨から頬の中心あたり、額全般にシミが出来やすくなります。そんなときはまずはストレスを解消することが重要。抗ストレス作用のあるビタミンCを含む食材(ブロッコリー・キウイ・トマト等)を積極的に摂るようにしましょう。■3.内臓トラブルによるシミ眉間のあたりや頬の外側にできるシミは肝機能が弱っているときに出やすい場所です。そのような場合は肝臓を強くすることが大切。肝臓を強化する成分タウリンを含む食材(ホタテ・イカ・タコ等)がおすすめです。内臓のトラブルは体調にも影響を及ぼすので一時的な不調でない場合は病院へ。■4.女性ホルモンの乱れによるシミ女性ホルモンの働きが衰えると、眉の上や目の下にシミが目立ち始めます。目の周りが黒ずむ場合は、子宮系の機能が弱くなっていることも。女性ホルモンに似た働きを持つ成分のイソフラボン(納豆・豆腐・豆乳等)を日ごろから摂るようにしましょう。■5.自律神経の乱れによるシミ口の周りのシミは、自律神経が乱れて出来ることが多いです。また、腰には自律神経が沢山存在するため、腰痛のかたはストレッチやマッサージをして腰のコリをほぐすことも効果的です。心身をリラックスさせると共に、ビタミンB12を含むあさりやシジミ、サンマなどは乱れたバイオリズムを回復させる働きがあるためおすすめです。■おわりにあなたのシミの原因はわかりましたか?それぞれの原因にあった予防、ケアをしてくださいね。(下山一/ハウコレ)
2014年03月24日子どものころの行動癖が、大人になっても抜けないということはよくあるもの。中には意味不明な行動だったり、みんなとは違う一風変わった行動を取ってしまうこともあったりするようで……。マイナビニュース読者に「大人になっても抜けない子どものころからの行動癖」をアンケートしました。調査期間:2012/6/5~2012/6/10アンケート対象:マイナビニュース会員有効回答数 1,000件(ウェブログイン式)■抑え切れない衝動的行動「間違えをごまかすために、激しく踊ってしまう」(26歳/女性)「感情が高ぶっていると、飛び跳ねてしまう」(23歳/女性)「考えが詰まると、トイレにこもってしまう」(25歳/男性)「タダでもらえるものをどうしてももらいにいこうとする」(29歳/女性)「鳩を見かけると追いかけてしまう」(22歳/女性)冷静になれなくなる瞬間っていっぱいありますよね。■人には見せられない行動「鼻くそをほじってこねこねしてしまう」(25歳/女性)「イライラしているとつめをかんでしまう」(27歳/女性)「体のあかを丸めて団子にする」(39歳/男性)好きな人の前では絶対にやらないようにしたいですが。■謎すぎるマイルール行動「マンホールを右足で踏む」(28歳/女性)「マンホールは左足で乗る」(60歳/男性)「階段は左足から上る」(29歳/女性)「階段の2段目は踏まない」(30歳/女性)「横断歩道では白線を踏まない」(28歳/女性)理由はよくわかりませんが、ジンクスみたいなもの?■食にまつわる行動「みかんの薄皮をきれいにはぐ。そのまま食べればいいのに」(32歳/女性)「ヤクルトのアルミぶたに小さく穴をあけて時間を掛けて飲む」(30歳/男性)「寝る前に必ずチョコパイを食べる」(30歳/男性)「冷蔵庫を開けて、中を確認して何もせずに閉める」(24歳/女性)最後の方の行動は私もよくやってしまうので分かります。■そのほかの行動「薄い生地のものを人さし指と中指の間に挟んでピロピロする」(31歳/女性)「街頭で配っているチラシを持って帰る。絶対に見ないのに」(36歳/男性)「ビックリマンシールのファイリング」(33歳/男性)「車の中で対向車が来るとつま先を上げる」(25歳/女性)「飛行機を見ると指で捕まえてしまう」(28歳/女性)「葬式の前を通るときに親指を隠す」(37歳/女性)「同性に対して恋心を持ってしまう」(22歳/男性)癖といっていいのか、難しいコメントもありましたが……。「三つ子の魂百まで」とは言いますが、体に染み込んだ癖は、自覚していてもなかなか変えられませんよね。体は大人になっても、中身はそんなに子どものころと変わるものじゃないのかもしれません。(根岸達朗/プレスラボ)
2012年09月17日キリンMCダノンウォーターズは、4~10歳の子どもと母親400組に対し、「子どもの体温異常に関する調査」を実施した。調査の結果、約4割の子どもが体温異常を抱えており、睡眠や便通などの生活習慣が乱れている子が半数近くいることが明らかとなった。調査は、4月14日~16日・18日・19日・21日に、イオン大宮店 ファンタジーキッズーナに来店した親子(4歳~10歳の子ども、ならびにその保護者400組)を対象に直接回答方式で実施した。アンケート実施時の子どもの体温は、36℃未満の子どもが18%、37℃以上の子どもが19%。調査を行った時間帯(昼過ぎから夕方まで)の子どもの適性体温は36~37℃であるため、実に4割近くが何らかの体温異常を抱えていることがわかった。また、子どもの運動頻度・運動時間と体温との相関関係についても調査。その結果、運動している子どもほど高体温になりにくい傾向があることもわかった。特に1回の運動時間が1時間以上・3時間未満の子どもは標準体温である割合が高く、体温異常を防ぐには適度な運動が有効と考えられる。さらに、水分摂取させる頻度が多い(1日に9回以上)子どもほど体温異常になる割合が低い傾向にあることもわかった。特に、1日11回以上水分を摂取している子どもは、体温異常を抱えている割合が27.3%と、全体平均よりも10ポイント程度低い。水分補給の回数は子どもの健康を守る上で大切であると考えられる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月31日子ども時代は、今考えると意味不明な行動を取っていたもの。「あれって何だったんだろう?」というような行動を取っていたにも関わらず、それを胸のどこかに閉まったまま、大人になって立派な社会人として活躍しているという方も多いんじゃないでしょうか。マイナビニュース読者に「今考えれば意味不明すぎた子ども時代の行動」をアンケートしました。調査期間:2012/3/6~2012/3/10アンケート対象:マイナビニュース会員有効回答数 1,000件(ウェブログイン式)■マイルール行動「白線からはみ出たら死ぬルールで、白線の上を歩き続けた」(27歳/女性)「マンホールの端っこを踏まないと死ぬ!」(28歳/女性)「車道と歩道の間にある縁石の上を落ちないように歩かないといけない」(29歳/男性)「兄弟と自宅で『床踏んじゃダメゲーム』。じゅうたんやマットの上はいいけど、フローリングの床の上は一度に10歩以上歩いてはいけない」(27歳/女性)謎すぎるマイルールですが、筆者もこういうのは経験があるので理解できます。それにしても、ルール違反をすると「死ぬ」というのはひどすぎるような……。■収集行動「使用済み乾電池を集めていた」(28歳/女性)「ダンゴムシをビニール袋いっぱいに集めていた」(30歳/男性)「日焼けでむけた皮を集めていた」(29歳/男性)謎のコレクター魂を発揮する子どもたち。このほかにも「消しゴムのカス」や「せみの抜け殻」を集めていたなんて声も聞かれました。■家庭行動「家出するわけでもないのに、意味もなく荷造り」(23歳/女性)「寝ている間に全裸になる」(24歳/女性)「トイレは全裸で入る」(29歳/女性)意外に多かったのが「全裸」エピソード。生まれたばかりの姿に戻りたいという気持ちでもあったのでしょうか。■不毛な行動「洗濯物を畳んでは投げて、を繰り返す」(33歳/男性)「かめはめ波を打てるようになるまで練習する」(26歳/男性)「壁に何時間ももたれていると異次元に行けると聞いてずっと壁にくっついてた」(40歳/女性)やり続けたら新しい境地に突入しそうです。■そのほか「数字の『4』が不吉だと感じて、時計で『4』を見ると『7』を見て、目を清めていた」(26歳/女性)「体内時計で1分間を正確に測れるまで延々と繰り返していた」(32歳/男性)「砂壁の砂を毎日少しずつ削っていた」(39歳/女性)「ジャイアンツの帽子を常にかぶっていた」(25歳/男性)「意味もなく、ティッシュを水にぬらしてピチャピチャしていた」(23歳/男性)「テレビから流れる音楽のリズムに合わせてまばたきをしていた」(23歳/女性)「通学中に必ず会うおじさんがいて、無駄に毎日時間を聞いていた」(32歳/女性)「ゆで卵を食べる際、黄身だけ先に食べて残った白身を器に見立てていた。そこにつくだ煮とかおひたしとかを入れて、しばらく食べずにめでていた」(35歳/男性)何だかすごくクリエイティブな感じがするのは筆者だけ?子ども時代の行動は今振り返るとなかなか新鮮に感じるもの。いちいち意味があるかないかなんて考えずに、子どものころと同じように純真な気持ちで行動できる大人でありたいものですね。(根岸達朗/プレスラボ)
2012年05月13日