2013年11月に鼻のてっぺんに皮膚がんの一種“基底細胞がん”ができ、手術で取り除いたことを公にしていたヒュー・ジャックマン。昨年2月9日(現地時間)に「(4回目の)除去手術を受けた」とSNSでファンに報告してからわずか1年、再び手術を受けたことを月曜日(現地時間)に明かした。過去、肩にも同じがんができて手術を受けたことも告白しているので、実に6回目の手術であった。今回SNSに掲載した、鼻にガーゼとテープを貼った自撮り写真は、昨年の手術時よりもずいぶんと痛々しい。ヒュー本人もその姿を気にしたのか、「ガーゼを貼っている方が貼っていない状態より見た目がひどい!」とコメントを添えている。「頻繁な検診と、素晴らしいお医者さんたちのおかげで、すべて順調だよ。とにかく日焼け止めを塗ってね!」といつものようにファンに日焼け止めの必要性を訴えた。アメリカの皮膚がんに関する慈善団体「スキン・キャンサー・ファンデーション」によると、アメリカにおいて基底細胞がんは、年間300万人が診断を受けているという、珍しくないタイプのがんだそうだ。また、外科的手術で早々と対処すれば、転移することはほとんどないとのこと。(Hiromi Kaku)
2017年02月14日メディカルメイクアップアソシエーションはこのほど、「がん患者と一般生活者のがん治療における見た目の悩みに関する意識調査」の結果を発表した。同調査は2017年1月、がんの化学療法による治療を行っている・または治療を経験した515名と一般生活者520名を対象に、インターネットで実施したもの。がんの化学療法による治療を経験した人に、外見面でどのような変化が生じたか聞くと、58.3%が「頭皮の脱毛」と答えた。「皮膚の変色/色素沈着」「むくみ」「爪の変形」は約3割が経験している。がんの化学療法による治療を経験し、社会復帰をするにあたって困ったことを尋ねたところ、もっとも多かったのは「体力面の変化」(67.9%)だった。また、全体の48.5%が「外見の変化」と答えている。特に女性では59.5%と、約6割が外見の変化に困ったと回答している。がんの化学療法による治療を経験し、外見面に変化が生じたことで日常生活にどのような影響があったか尋ねたところ、「日常生活の活動に対してモチベーションが下がった」(38.3%)、「外出をためらうようになった」(36.8%)が多かった。がんの化学療法による外見の変化について、周りの人にはどのように接してほしいか聞くと、男性の74.9%、女性の70.6%が「これまでと変わりなく接する」と答えた。一般生活者に、身近な人が化学療法によるがんの治療(抗ガン剤治療)中に外見の変化を経験した場合、どのように対応するか尋ねたところ、「外見の変化があったとしても患者に変わらずに接する」が54.2%でもっとも多かった。一方で、「外見に触れないようにする」(36.0%)など、意識してしまう人も見られた。がんの化学療法を行った人を対象に、外見の変化に対して、対策をとっているか尋ねたところ、55.3%が「やっていない」と答えた。「やっている」と答えた人に具体的な対策方法を聞くと、女性は「医療用ウィッグ」、男性は「肌のケア」が最も多い結果になった。皮膚の変色に対しメイクアップをした結果、どのような変化があったか聞くと、47.5%が「精神的に明るくなった」、45.0%が「外出が積極的にできるようになった」と答えた。がんの化学療法による外見の変化に対応する方法について、どのように情報収集したか聞くと、女性では「インターネット検索」(50.0%)が多かった。情報収集の際に感じた課題について尋ねると、「治療についての情報を優先するため聞きづらい」(46.4%)、「どこで探していいか分からなかった」(37.7%)という回答が多くなっている。治療中の人に、がんの化学療法による外見の変化の悩みについて、もっと知りたいものを尋ねたところ、「適切な肌のケア」(46.8%)、「爪のケア」(44.3%)、「医療用ウィッグ」(39.2%)が多かった。
2017年02月13日質問:卵巣嚢腫と子宮筋腫の手術を受け、現在不妊治療中。妊治療しながらまた筋腫ができてしまったら、と不安。私自身のことですが、30歳の時に卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)と子宮筋腫の開腹手術をしました。今は、不妊治療中です。不妊治療しながらまた筋腫ができてしまったら、と不安になります。母や姉も子宮筋腫の手術をしていますが、子宮筋腫のできやすい家系なのでしょうか?また、妊娠しても筋腫が邪魔をするということを聞いたこともありますが、そうならないために自分自身でできる予防法はありますでしょうか?埼玉県:もちもちさん(36)回答:「子宮筋腫」についてお答えします。――子宮筋腫になる要因以前に卵巣嚢腫と子宮筋腫の手術を受けておられ、現在不妊治療中でいらっしゃるということですね。また、お母さまやお姉さまも子宮筋腫の手術を受けたことがあるということですね。確かに、近親者に子宮筋腫の方が複数おられ、ご自身も子宮筋腫を経験されていると、遺伝の関与も気になるところですよね。子宮筋腫は遺伝性はないといわれていますが、食生活など生活習慣が家族で似通ってくることが多いため、家系内に集積する傾向があると考えられています。子宮筋腫自体、30代以上の女性の2割から3割に見られ、近年の食生活の欧米化によりさらに増加傾向にあるという、とても頻度の高い疾患ですので、偶然ということももちろんあり得ます。<子宮筋腫の予防法>子宮筋腫は食生活の欧米化によって増加する傾向があること以外にも、女性ホルモンであるエストロゲンの影響を受けてできることや、一般に閉経後エストロゲンの分泌が減少すると小さくなることが知られていますが、子宮筋腫ができる原因はいまだにはっきり解明されておらず、したがって特別な、有効な予防策というものもありません。しかし、例えば身体を温め、血行をよくするようにつとめることは漢方的には子宮筋腫に効果があると考えられていますし、冷え予防や体調改善の観点からもおすすめできます。入浴の際はシャワー浴ではなく湯船にしっかりつかる、飲み物なども氷の入った飲み物ではなく、室温または温かい飲み物を選ぶようにする、あるいは軽い運動を生活に取り入れて血流を改善するよう工夫をしてみる、といったことも試してみる価値があると思います。また、肉や卵といった動物性のたんぱく質をとり過ぎることでも子宮筋腫ができる確率が上がるのではないかという説がありますので、これも心当たりがあれば、改善するとよいでしょう。いろいろと書きましたが、あまり神経質になり過ぎず、リラックスして過ごすことも子宮筋腫の再発を防ぎ、不妊治療を成功させるために必要なことと思います。一日も早く不妊治療に成功され、子宮筋腫についてもこのまま再発なく経過されることを願っております。どうぞお大事にしてくださいね。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:がんのごく初期でも何か自分で分かるようなサインはないのでしょうか?父方、母方両方の3親等以内の親族にがんで亡くなった方が複数います。皆さん気付いた時にはすでに手遅れ、というレベルでした。私自身も常に気を付けて検診も受けてはいますが、ごく初期でも何か自分で分かるようなサインはないのでしょうか?例えば、胃がんや大腸がんなどは全く無自覚のまま進行してしまうものなのでしょうか?東京都:そらまめさん(42)回答:「がん」の初期症状についてお答えします。――がんの初期症状として見られる症状親族にがんの患者さんが多いおうちを「がん家系」と呼びますね。確かにがんの中には遺伝性が強いものもありますが、ほとんどは体質(遺伝)と環境の組み合わせによって発症するといわれています。もちろん純粋に「○○がんになりやすい体質」というのもあるでしょうが、それ以外に家族の中で食習慣や運動習慣などを共有することが多いため、同じ部分に負荷がかかりやすい、ということもあるでしょう。がんの初期症状として見られる症状について、簡単にご説明したいと思います。ひと口にがんの初期症状といっても、場所により症状の出方が大きく異なりますので、今回はご質問にあった胃がんと大腸がんについて、お話ししましょう。1.胃がんもともと日本人に多いとされてきたがんですが、近年減少傾向にあります。初期症状としては、食欲不振、吐き気、胸やけ、胃部不快感、黒色便(胃からの出血の可能性があります)、体重減少、貧血などが挙げられます。症状自体、普段でもよくみられることなので、見分けがつきにくいことがありますが、何日か続くようなら胃がん、あるいは胃炎や胃潰瘍の可能性があります。2.大腸がん食生活の欧米化とともに最近増えてきているがんの一つです。本当に早期のがんは、便潜血が陽性であったり、他の病気で内視鏡検査を行って偶然見つかったりすることが多いようです。少し進行すると、便秘がちになる、便に血が混じる、便秘と下痢を繰り返す、下痢便しか出なくなる、貧血といった症状が出てくることがあります。早期の大腸がんでは自覚症状が出にくいので、40歳を過ぎたら定期的に健診を受けることが大切です。<定期検診の重要性>ご相談者さまはいつも検診も受けていらっしゃるとのこと、これは本当に大切なことですのでぜひ継続してください。多くの場合、検診を定期的にきちんと受けていれば、手遅れになるまで見つからないということはあまりありません。がんの初期症状は、自分の身に起こるとなかなかそれとは気付きにくいものです。何か変だなと思ったら、早めに受診してくださいね。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:子宮頸がん検診で「異形成」との診断。3カ月ごとの定期検診で経過観察と言われました。28歳の女性です。先日、子宮頸がんの検診に行ったところ、「異形成」だと診断されました。私にはパートナーがおり、1~2年後には結婚・出産を考えています。3カ月ごとに定期的に検診をして経過を追っていくように言われましたが、経過を追っていくうちに異形成が消失することもあるのでしょうか?また、もしがん化した場合にはどのような治療が必要になるのでしょうか?その後、赤ちゃんを産むことはできるのでしょうか?海外在住:neneanoneさん(28)回答:子宮頸部の「異形成」についてお答えします。――「異形成」と「がん」の違い子宮頸がん検診で異形成を指摘されたとのこと、ご心配ですね。ご相談者さまの人生において大きな問題ですし、異形成の程度など個々のケースにより、扱いが異なることがありますので、詳しいことは実際に診察をされている主治医の先生にお尋ねになることをおすすめしますが、私の方からは一般的なことについてのみお話しさせていただきますね。子宮頸部の異形成についてですが、これはがんとは異なるので、すぐに治療を行うことは少ないと思います。経過の中で異形成がどうなっていくか、あるいはどのタイプのヒトパピローマウイルス(HPV)に感染しているかなどによって、全体を見て判断されます。子宮頸部の異形成が軽度であれば、9割以上が自然治癒するとされています。ご相談者さまが主治医に指示されたように、数カ月おきに細胞診(あるいは組織診やコルポ診と呼ばれるもの)を行って経過を見る方法が一般的です。多くは自身の免疫力によってHPVを自然に排除していくと考えられますので、異形成が軽度であれば、必要以上に心配せず、規則正しい生活や栄養バランス、適度な運動や休息を心がけて、定期的な受診を続けられるのがよいと思います。異形成が中等度と判断された場合、中等度の中でも異形成の程度や、HPVのタイプなどによって対応が異なりますが、多くは軽度異形成と同様に経過を見てから、必要に応じて治療を考慮することになります。高度異形成の場合、子宮頸がんの上皮内がんと呼ばれる、0期のがんを含むこともあるので、予防的に手術を行い、病理診断などを行うこともあります。<「異形成」と診断された後の妊娠・出産>子宮がん検診で認められたほとんどの異形成、および子宮頸がんの0期では子宮摘出の必要はなく、将来的な妊娠・出産は可能です。高度異形成および上皮内がんでは、円錐切除術といって、異常部分を円錐型に切り取る方法が広く行われていますが、その他にもレーザーを用いたり、電気伝導性のワイヤーを用いたりする治療も行われます。がん化した場合でも、1a期までであれば、大抵は将来の妊娠・出産に備えて子宮を残すことは可能ですが、医師の判断により残せないこともあるようです。今回は、きちんと検診を受けておられたということで、異形成の段階で見つかって本当に良かったと思います。このまましっかり経過を見ていけば、今後の妊娠・出産に影響が出る可能性は低いと思います。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:男女・年齢などでがんになる確率は違うものなのでしょうか?祖父をがんで亡くしており、義父にもがんが見つかりました。医療の進歩により、かつては致命的だった他の病気などで命を落とすことが少なくなった分、がんになる確率はとても高いと思いますが、男女・年齢などで確率は違うものなのでしょうか?がんの治療は昔と比べてだいぶ進歩していると聞きますが、治療で助かる人と助からない人の違いはありますでしょうか?また、治療にお金をかければかけるほど治りやすくなるものでしょうか?東京都:たもさん(32)回答:「がん」についてお答えします。――性別や年齢で「がん」になる確率は変わるのか?ご家族にがんにかかられた方が複数いらっしゃるということで、ご心配でしょうね。やはり、身近でがんの宣告・闘病を目の当たりにすると、いろいろな不安や疑問も湧いてくるかと思います。ご相談のなかに複数のご質問があるようなので、ひとつずつお答えしたいと思います。まず、性別や年齢などでがんになる確率は異なるのかというご質問についてですが、これは大きく異なるというご返答になるかと思います。最近発表された日本の統計によると、がん全体で見ると男女とも50歳前後からがんにかかられる方が増加し、高齢になるほど確率が上がります。また、30代の後半から40代では女性の方がややがんの罹患率が高いのに対し、60代以降になると女性よりも男性の罹患率の方が明らかに高い、という特徴もあるようです。また、がんの種類についても、食道がん、胃がん、肺がんなどは男性に多い傾向があり、女性はがんのなかでも肺がんや大腸がんなどに加え、乳がん、子宮がん、卵巣がんなどに罹患される方が多くおられます。従って、年齢によってがんの罹患率は大きく異なりますし、男女でもがんの確率や部位などはやや差がある、ということはいえるかと思います。<「がん」は早期発見・早期治療が大事>次に、治療で助かる人と助からない人の差についてのご質問ですね。これは、非常に難しいご質問ですが、主に治癒率、生存率の差は、がんの種類とステージ、つまり進行度によって変わってきます。確かにおっしゃるように、医学は日々進歩しており、例えば胃がんの場合では胃の粘膜下層と呼ばれる比較的浅い層までにとどまっているがんであれば、9割以上という高い確率で治癒が望めます。しかし、全身に転移が広がっている症例では1割前後とかなり厳しい生存率になります。従って、がんの早期発見、早期治療が、治療で助かるための一番のポイントということになります。また、お金をかけるほど治りやすくなるのか、ということに関しては、日本では多くのがん治療が保険診療で行われており、お金を多くかければ治療に変化がある、という状況ではありません。ただ、一部保険適用になっていない治療法を自費診療で行っている医療施設もありますし、患者さんによっては日本で行っていない新しい治療法を試みるために海外に渡航される方などもいますので、お金をかけることで、選択肢としては広がるかもしれません。ご参考になれば幸いです。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:子宮腺筋症は子宮内膜症と同様に薬で散らすことができるのでしょうか?20代の中頃に「子宮内膜症」にかかったことのある者です。その際は、婦人科で薬を処方してもらい、治療しました。最近になってまた月経痛がひどくなり、再発について調べていたところ、月経量が多い場合は「子宮腺筋症」という病気があることを知りました。万一、子宮腺筋症だった場合、子宮内膜症と同様に薬で散らすことができるのでしょうか?また、併発するようなこともあるのでしょうか?東京都:Santaさん(32)回答:「子宮腺筋症」についてお答えします。――「子宮腺筋症」とは子宮内膜症および子宮腺筋症に関するご質問ですね。以前、子宮内膜症にかかられ、治療したご経験があり、最近また月経痛が強くなったということでご心配でしょう。子宮内膜症は子宮内膜やそれに類似した組織が子宮内腔や子宮体部以外の骨盤内に増殖する病気です。また、月経がある限り再発することがあり、完治はなかなか難しい病気としても知られています。子宮腺筋症は、子宮の筋肉になんらかの原因で子宮内膜が入り込む病気です。本来できるべきではないところに子宮内膜ができるという点で、子宮内膜症と子宮腺筋症はよく似ています。過去にはそれぞれ外性内膜症、内性内膜症と呼ばれていたこともあります。おっしゃるように、子宮腺筋症では月経痛を呈することが多く、月経量が増えたり腰痛や貧血が見られたりすることもあります。月経痛が強いというだけでなく、目に見えて出血量も増えているということであれば、子宮腺筋症や子宮筋腫などを疑ってみる必要があります。<「子宮腺筋症」の治療法>ご質問にあった、子宮内膜症と子宮腺筋症の併発ということもありえます。また、子宮腺筋症であった場合の治療法ですが、軽度である場合は経過観察のみということもありますし、痛み止めを服用して様子を見ることもあります。症状が強い場合や、腺筋症によって子宮が大きくなるときは治療を行います。薬物治療を希望する場合は、女性ホルモンを抑えて、偽の閉経状態を作ることで腺筋症の部分を小さくするような治療を行います。閉経間近の方の場合は、そのまま閉経に持ち込むことを目指すこともあります。経口避妊薬を用いてホルモンをコントロールすることもあります。もちろん、手術療法を選択する場合もあります。最近、若い世代でも子宮腺筋症にかかる患者さんが増えていることもあり、いくつもの選択肢がありますので、かかられた婦人科の先生にご相談者さまの状態をよくご相談されることをおすすめします。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:がんは遺伝すると聞いたことがあります。生活習慣が異なってもがんは遺伝するのでしょうか?現在、第一子を妊娠中の30歳です。夫の母がぼうこうがんに、私の母が卵巣がんになり、手術は成功したものの、転移の恐怖や、後遺症で苦しんでいます。がんは遺伝するとも聞いたことがあります。実際のところ、生活習慣が異なっても遅かれ早かれがんは遺伝するのでしょうか?愛知県:とちおとめ♪さん(30)回答:「ぼうこうがん」と「卵巣がん」の遺伝性についてお答えします。――「ぼうこうがん」の遺伝性ご妊娠中とのことで、おめでとうございます。また、義理のお母さまがぼうこうがん、実のお母さまが卵巣がんにかかられたということで、大変でしたね。がんの原因に関しては、さまざまな研究が進められていますが、子宮頸がんなどのようにウイルスとの関連がある程度明らかになっているものもありますが、多くは遺伝的なものと生活習慣の組み合わせで生じるものとされています。義理のお母さまがかかられたぼうこうがんに関しては、遺伝性のものは少ないとされており、喫煙との関連性が非常に高いといわれています。それ以外に、特定の染料を使う職業や皮革製品の製造などに携わる人の発症率が高いことも指摘されていて、職業による発がんも見られるとされています。<「卵巣がん」の遺伝性>一方、お母さまがかかられた卵巣がんに関しては、一部遺伝性があることがはっきりしています。およそ5~10%の卵巣がんは、「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)」によるものと考えられており、BRCA1遺伝子、BRCA2遺伝子という遺伝子の変異が関与するといわれています。これらは、遺伝子検査で調べることができます。遺伝性乳がん卵巣がん症候群が疑われる場合としては、若くして乳がんを発症していること、両方の乳房に乳がんを発症すること、乳がんと卵巣がんの両方を発症すること、家系内に乳がん・卵巣がん・すい臓がん、または男性の乳がんの患者さんがいるなどといったケースが挙げられます。ご相談者さまの場合は、家系内に卵巣がんの患者さんがお母さまだけであり、ある程度お年を召してからの発症ということならば、遺伝性のものである可能性はそう高くはないでしょう。ご心配であれば念のため検査を受けてもよいかもしれません。また、卵巣がんは原因がはっきりしないものが多くを占めますが、初経(初潮)が早かった人(12歳以下)、閉経が遅かった人(55歳以上)、30歳以降に出産した人、妊娠や出産経験がない人、排卵誘発剤による不妊治療を受けた人などが、相対的にリスクが高いとされています。がんの多くは遺伝性ではありませんし、その後の生活習慣が発症に大きな影響を与えると考えられています。食事のバランスや運動習慣、生活のリズム、禁煙などに気をつけて生活することで多くは予防できると思われます。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:子宮内膜症対策、食事や生活習慣で何に気をつければよいのでしょうか?現在独身で、出産経験がありません。若いときから、生理不順気味で37日周期です。子宮内膜症を発症し、1カ月入院した知り合いがいてとても不安になったので、私も何か対策しなければならないと思っていますが、食事や生活習慣で何に気をつければよいのでしょうか?また、出産経験がないこと、生理周期が長いことで、子宮内膜症になるリスクはどのぐらい高くなるのでしょうか?東京都:ゆるゆるさん(42)回答:「子宮内膜症」についてお答えします。――「子宮内膜症」の予防子宮内膜症に関するご相談ですね。お知り合いが子宮内膜症で1カ月入院をされたとのこと、大変でしたでしょう。子宮内膜症の予防を心がけたいということで、生活習慣に関するご質問ですね。ほかの多くの病気同様、食事のバランスや適正カロリーに気をつけること、十分な睡眠をとり生活リズムに気をつけること、運動習慣を身につけ持続することなどは、子宮内膜症の予防にもつながると考えられています。また、鉄分を意識的にとることで貧血を防ぐことや、ホルモンバランスを適正に保つ上で、脂肪の多い動物性食品のとり過ぎに気をつけることなども有効といわれています。加えて、身体の極端な冷えもよくないといわれていますので、身体を冷やす食品や冷房の効きすぎも避けた方がよさそうですね。経口避妊薬を用いて、子宮内膜症を予防していくという考え方もあるようです。<「子宮内膜症」の原因>子宮内膜症は、生殖年齢にある女性の3~10%が発症するともいわれている病気です。まだ、なぜ起こるかについては明確にはわかっていませんが、月経時に起こる月経血の卵管からの逆流が関係しているのではないかといわれています。もちろん体質にもよりますが、子宮内膜症は月経が繰り返し起こることで発症するため、頻回の妊娠や出産、授乳により生涯における月経の回数が少ない方がなりにくいことが知られています。しかし、子どもを産まないこと、あるいは産んだ数によってどれだけリスクが下がるのかについて、はっきりした数字は示されてはいません。ただ、多産の人が多かった40年前に比べ、少子化の現在では子宮内膜症の発症が30倍に増えているともいわれています。一方、ご相談者さまのように月経の周期が長く全体として回数が少ない方や、あるいは一回の月経の持続期間が短い方などは子宮内膜症になりにくいと考えられています。同様の理由で、初経(初潮)が早かった場合は、リスクが上がります。もし子宮内膜症およびほかの婦人科疾患に今後かかられたとしても、やはり早期に発見して適正にコントロールして行くことで、大事に至らなくて済むということは大いにあります。月経の状態および体調に留意し、定期的に婦人科健診を受けられることをおすすめします。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:がんは遺伝するものと聞くのですが、わたしにも同じ部位に遺伝でがんができますか?先日祖父が脳梗塞で倒れました。幸い脳梗塞は軽いもので、発見も早かったので大事には至りませんでしたが、詳しく検査してみると胃がんが発見されました。ある程度進行したがんのようで、祖父は胃を全摘出する手術を受けました。がんを摘出したことにより、祖父は元気を取り戻し、今では以前より元気に過ごしております。がんは遺伝するものとよく聞くのですが、わたしにも同じ部位に遺伝でがんができるものなのでしょうか?福島県:クローバーさん(26)回答:「がん」の遺伝性についてお答えします。――「がん」の遺伝性おじいさまが脳梗塞で倒れられて、脳梗塞は軽症であったものの、検査によって進行胃がんが発見され、胃の全摘手術を受けられたということですね。短期間の間に大きな病気に二つもかかられて、ご本人はもちろんのことご家族も大変に心配されたことでしょう。ご質問いただきました、がんの遺伝性についてお答えしたいと思います。がんには数多くの種類がありますが、発生するがんの中で明らかに遺伝によるものと認められるのはわずかに約1%であるともいわれます。ずいぶん少ないように思いますが、実際には同じ家族の中で数人が同じタイプのがんにかかったという話を耳にすることも多いですよね。では、なぜ同一家系内に同じがんが多いような印象があるのでしょうか。これは、食事の好みや運動習慣をはじめとする生活習慣が、家族や親戚内で共通する場合が多いためと考えられています。多くのがんはいわゆる遺伝子による遺伝と、環境・生活習慣の微妙なバランスで発生することがわかっています。家族として生活していると、どうしても食事や運動習慣などの選択基準や好みは似通ってくることが多いものです。<「がん」の予防法について>がんのなかでも、胃がんは、スキルス胃がんと呼ばれる若年女性に多いタイプを除き、遺伝性よりも食生活やピロリ菌感染の有無の方が発病に関連が深いとされています。具体的には、塩分量の多い食事を避け、野菜や果物を多くとり(一日400g以上が望ましいといわれています)、熱い食べ物や飲み物は避け、またピロリ菌が陽性の場合はしっかり除菌を行うことで、ご家族に胃がんの方がいても多くの場合、胃がんを予防することができると考えられています。また、過度のストレスは万病の元になります。忙しい現代においてなかなか難しいこととは思いますが、できればある程度若いうちに、心からリフレッシュできるストレス解消法を見つけておきたいものです。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日乳がん闘病中のフリーアナウンサー・小林麻央が13日、自身のブログを更新し、「がんこな人はがんになりやすい」と言われていることについて、「私も、たぶん、がんこです笑」と明かした。麻央は「今日、乳がんの方と会って、お話しをしたのです!私にとっては、初めてのことです」と報告。「同じ病でも病状によって、全く違いますし、同じ治療をしていても、副作用の出方によって、全く違います」とした上で、「でも、今日は、そういうところを超えた、心のお話しができて、とても癒されました」と伝えた。そして、「がんこな人はがんになりやすいと、よく聞くけれど、私も、たぶん、がんこです笑」と打ち明け、「主人には不動明王ならぬ、不動麻央(まおう)と呼ばれます」と夫で歌舞伎俳優の市川海老蔵とのやりとりを告白。「もっと心を柔軟に解放してあげたいです」と記した。さらに、「いつも思っていたことがあるのです。主人は、縛られるものが多いのに、いつも自由です。私は、自由なのに、いつも何かに縛られています」と夫と比較。「『結婚しても、あなたの人生だから、あなたの好きに生きてください』と、言われたのを思い出します」と振り返り、「自分の本当の『好き』を見つけるつもりです」とつづった。
2016年10月14日がんは今や誰にとっても他人事とはいえない病気。国立がん研究センターが発表した「2016年がん統計予測」によると、2016年のがん罹患数予測は101万200例(男性57万6,100例、女性43万4,100例)で、昨年よりも約28,000例増加しているといいます。今回ご紹介する『がんは治療困難な特別な病気ではありません!』(真柄俊一著、イースト・プレス)の著者は「がんと食」「自然治癒力」を軸に置いたがん専門クリニックで多くの患者さんのがんを治すのに成功しています。そこで本書の中から、あまり知られていないがんに関するデータをご紹介します。■日本と欧米の「がん死亡率」には大きな差があるイギリス、フランス、アメリカ、日本の「がん死亡率」の推移を比較すると、1950年の時点では、日本人のがんでの死亡率は最も少なく、トップのイギリスの40%程度でした。その後各国ともに死亡率が上昇しますが、1990年頃を境に日本以外の3カ国はがん死亡率が軒並み下がり始めます。しかし日本だけはぐんぐん死亡率が上昇し、90年代半ばでアメリカを抜き、2000年代に入るとフランスを抜き、主要先進国の中でがん死亡率が1、2を争う国になってしまいました。もし他の3つの国のように日本も死亡率が下がっていたとしたら、10万人以上が亡くならずにすんだという計算になります。■アメリカではがん死亡率が20%も減少しているアメリカでは1970年代から国をあげてがんの対策を行ってきました。そのため、1990年を境にがん死亡率が年々減少しています。アメリカがん協会は2013年版の発表で、ピークとなった1991年から20%減少したと述べています。著者は、日本とアメリカではがん医療の違いがはっきりあるといいます。日本では臓器転移のあるがんの場合、治癒は困難で「がん放置療法こそが最善である」という風潮があります。しかし、アメリカの医療現場でそんな指導をする医師がいれば、医師免許が剥奪されてもおかしくありません。■肉の発がん性はタバコ並みに高いことが明らかに2015年10月、IARC(国際がん研究機関)が「肉にはアスベストやタバコ並みの発がん性がある」と発表しましたが、うやむやのうちにこの話題は消えてしまいました。しかし、WHO(世界保健機関)の傘下であるIRACが肉や肉加工品の発がん性をはっきり認めたということは極めて重要です。動物性食品の危険性に関する研究は進んでおり、イギリスの研究論文では「赤身肉の大量消費は体内のDNAにダメージを与え、がんの発生を引き起こす」と発表しているのです。■じつは移民労働者は高齢者ほど元気に生きているイギリス王立会議の医師トロウエル博士は、「先進国民は動物タンパク狂」だと指摘しています。肉食中心の食生活が現代病の原因だということです。同じように食生活と病気の発生について指摘している医師は大勢いるといいます。1972年にアメリカ人医師がハワイに赴任した際、ハワイの農園で働く日系人は高齢者ほど元気だということに気づきました。アメリカ本土では同じ年代の老人たちは心臓疾患やがん、リウマチなどの何かしらの病気を抱えているのが普通でした。しかし、ハワイの農園で働くアジア系の高齢者たちは病気とは無縁。90歳になっても元気に働いている人もいました。ところが、そんな移民の人たちも第2世代になるとやや不健康、第3世代以降では本土のアメリカ人と同様、肥満や糖尿病、心臓病などを抱えていました。さらに彼らの食生活について調査すると、上の世代では出身地で食べていた米と野菜を多く食べていたものの、子どもたちの世代になると食生活が欧米化していました。やがて食事を植物性食品から動物性食品に変えるととたんに病気になるとわかりました。実際、彼のもとを訪れた乳がん患者が動物性食品と油脂分をやめ、穀物は全粒粉、果物や野菜を多くとる食事に変えたところ、がんを克服し、トライアスロン選手になって30年経った今も活躍しているそうです。*本書では病院で治らないといわれたがんが「自然療法」によって完治した事例も掲載されています。がんには特効薬がなく、未だ解明されていないことも多いです。しかし、いつ誰がかかってもおかしくない病気だからこそ、最新の情報やデータをチェックしておきたいものです。(文/平野鞠) 【参考】※真柄俊一(2016)『がんは治療困難な特別な病気ではありません!』イースト・プレス※2016年のがん統計予測-国立研究開発法人国立がん研究センター
2016年10月11日俳優のベン・スティラー(50)が、2年前に前立腺がんと診断されていたことを明かした。医者に前立腺がんと診断された際、ベンはその予期せぬ診断にあっけに取られたという。4日にラジオ局シリウスXMの『ザ・ハワード・スターン・ショー』に出演したベンは「予期していなかったよ。そんなこと考えたこともなかったんだ」「まずはじめに一体何が起きるのかわからなかった。だからすごく怖かったね。全てが止まってしまったよ。だって将来何があるのかわからないから、映画に出演する計画も立てることができないからね」と当時の胸中を語った。ベンが前立腺がんの闘病生活について明かすことを決めた理由は、前立腺がん抗原検査を受けることへの意識を高めるためだという。妻クリスティン・テイラーとの間に娘エラ(14)、息子クイン(11)を持つベンは「前立腺がん抗原検査について話したかったんだ。このテストによって僕の人生は救われたと思うからね」「死亡する原因となるがんの中でこれは2番目なんだけど、完治することのできる可能性が高いがんの1つでもあるんだよ」と続ける。そんなベンは、『スクール・オブ・ロック』のマイク・ホワイトが脚本を手掛け、ブラッド・ピットの製作会社プランBがプロデュースを務める新作コメディ映画『ブラッズ・ステイタス』に出演することが決まっている。同作品の中でベンは、幸せな家庭を築き、素晴らしいキャリアを持ちながらも昔の同級生の生活に嫉妬心を抱く主役のブラッドを演じる。その一方でベンは、ダスティン・ホフマンとアダム・サンドラーと共演した『ザ・マイロウィッツ・ストーリーズ』の撮影が終了したばかりだ。(C)BANG Media International
2016年10月06日受精卵を着床させ、出産まで赤ちゃんを育む場所である子宮。妊娠・出産のためにはなくてはならない器官ですが、どんな女性も、子宮を持っている以上、子宮の病気にかかるリスクと無関係とはいえません。病気が原因で子宮を摘出すると、妊娠できなくなるだけでなく、女性の精神面にさまざまな影響が生じる可能性があります。○子宮摘出のリスクがある病気は?では、どんな病気になると、子宮摘出に至る可能性があるでしょうか。進行期(ステージ)や症状、年齢などによって判断は異なりますが、次に挙げる病気の治療では、子宮を手術で摘出する場合があります。・子宮筋腫子宮の筋肉にできる良性の腫瘍で、女性のほとんどが子宮筋腫を持っており、成人女性の4~5人に1人の割合で、内診や超音波検査によって子宮筋腫を認めることができるといわれるほどよくある病気です。症状がないケースが多いのですが、過多月経や激しい月経痛、頻尿、腰痛といった症状に悩まされる人もいます。また、筋腫が流産や不妊の原因となることもあります。症状が軽く筋腫が小さいうちは、治療では経過観察や薬物療法が中心ですが、筋腫の大きさや進行度合いによっては手術をすることも。手術では、筋腫だけをとって子宮を残すこともありますが、筋腫が大きい、数が多い場合などには子宮摘出術が必要になることもあります。・子宮内膜症本来は子宮の内側にしかできないはずの子宮内膜が、腹膜や卵巣などの別の場所にできて、炎症や癒着を起こす病気です。激しい生理痛や過多月経、性交痛、不妊などのつらい症状を引き起こします。治療方法には、低用量ピルをはじめとしたホルモン療法と手術療法があります。手術の場合、子宮内膜症の病変部だけを取り除くのが一般的ですが、生理痛などの症状が重い場合や、がんへの悪性変化が疑われる場合は、子宮や卵巣を摘出することがあります。・子宮がん子宮がんには、子宮頸部(子宮の入り口)にできる「子宮頸がん」と、子宮の奥の方にできる「子宮体がん」があります。子宮頸がんの場合、初期に発見できれば、子宮頸部の組織だけを取り除く「円錐切除術」で治療が可能な場合もあります。しかし、子宮体がんや進行した子宮頸がんでは、状況によって、卵巣をはじめ卵管や靭帯、リンパ節、腟(ちつ)の一部まで切除する「広汎子宮全摘出術」が必要になることがあります。・卵巣がん卵巣にできる悪性腫瘍。初期に発見できた場合は、がんになった卵巣のみを摘出する手術で済みますが、周囲の組織への播種(はしゅ: がん細胞が種をまいたように散らばること)や転移が疑われた場合は、子宮やリンパ節まで切除するのが一般的です。○手術後は、性生活に影響も子宮を摘出した後の生活でもっとも大きな変化は、生理がなくなるということです。もちろん、妊娠・出産もできなくなります。子宮を摘出しても、通常、セックスは可能ですし、感じ方も特に変わりません。ただし子宮の摘出手術では、腟の子宮とつながった部分を切開・縫合するため、セックスのときに違和感を覚える人もいるようです。また、両方の卵巣をとった場合は、女性ホルモンの分泌がなくなり、のぼせやほてり、イライラ、発汗といった更年期症状が出ることがあります。もちろん子宮がなくなれば、子宮筋腫や子宮がんになる可能性がなくなるというメリットもあります。しかし、その女性の年齢やライフプランによっては、子宮を失うことが悲しみや喪失感につながり、後の人生を大きく左右することもあるでしょう。子宮摘出のリスクを最小限にするためには、過多月経や下腹部痛、不正出血などのトラブルを放置せず、早めに受診すること、そして、1年に一度は子宮がん検診を受けることが大切です。※画像は本文と関係ありません○記事監修: 鈴木俊治医師葛飾赤十字産院 副院長日本産婦人科医会 副幹事長1988年長崎大学医学部卒業、日本医科大学付属病院産科婦人科学教室入局、葛飾赤十字産院産婦人科派遣をへて米国ロマリンダ大学胎児生理学教室へ研究留学。帰国後、日本医科大学産科婦人科学講師、学助教授、東京臨海病院産婦人科部長を経て、現在は葛飾赤十字産院にて副院長を務める。
2016年10月03日●まず注意したい子宮・卵巣の病気はコレ仕事での責任が重くなる上に、結婚や出産を経験する人も増える30代。充実している反面、たまった疲れやストレスが体に出やすい時期でもあります。予防や早期発見のために、30代の女性がなりやすい病気について知っておきましょう。○子宮や卵巣の病気は30代でぐっと増加まず注意したいのが、次に挙げる婦人科系の病気です。がん以外の卵巣や子宮の病気は、多くの場合、命に関わることはありません。しかし、放置すると不妊の原因になる可能性があるので、早めの発見・治療が重要です。・子宮内膜症「子宮内膜症」は、子宮内膜に似た組織が子宮以外の場所にできて増殖し、炎症や癒着を起こす病気。主な症状は激しい生理痛で、生理のたびにひどくなるのが特徴です。子宮筋腫とともに、30代になると、ぐっとリスクが高まる病気です。・子宮筋腫子宮内にできる良性腫瘍(しゅよう)のことを「子宮筋腫」と言います。主な症状は、生理痛の悪化、生理の長期化、生理のときの出血量の増加など。腫瘍ができた位置によっては妊娠に影響することもあります。・卵巣のう腫「卵巣のう腫」は、卵巣にできる良性腫瘍のことを指します。子宮筋腫は30代で増え始め、40代にもっとも多くなるのですが、卵巣のう腫は、20・30代の若い女性にもよく見られる病気です。卵巣は小さな器官なので、腫瘍が小さいうちはほとんど自覚症状がありません。しかし腫瘍が大きくなると、下腹部に痛みや違和感、しこりが生じることも。腫れた卵巣がねじれて(卵巣茎捻転)激しい痛みを起こし、緊急手術が必要になることもあります。30代になると、女性特有のがんになるリスクも高まります。あまり知られていない甲状腺の病気や、ストレスが引き金になって起こる不調にも注意が必要です。特に、次に挙げる病気には気をつけましょう。●女性特有のがんは早期発見が鍵・子宮頸がん、乳がん「子宮頸がん」は、子宮の入り口付近にできる悪性腫瘍で、近年、20・30代の女性の間で増加しています。原因は、主に性交渉によって感染する「HPV(ヒトパピローマウイルス)」で、性交渉の経験が1回でもある女性であれば、誰にでも感染リスクはあります。ただし、感染しても自然に排除される人がほとんど。一方で、持続感染をするとがんへと進行する場合があるので、20代を過ぎたら、1年に1回の子宮頸がん検診で調べることが大切です。通常、初期には症状はまったくありませんが、進行すると、不正出血が起こったり、性行為のときに出血したりすることがあります。「乳がん」は、乳房の組織にできる悪性腫瘍で、発症のピークは50歳前後ですが、30代から増え始めます。進行すると、乳房にしこりやひきつれ、炎症などの症状が見られることがあります。がんが乳管内にとどまっているか、とどまっていても広範囲かどうか、さらにはリンパ節に転移があるかなどで、乳房切除術や治療の内容も変わってくるため、早期発見が鍵になる病気と言えます。・バセドウ病、橋本病甲状腺は、のどぼとけの下にある蝶が羽を広げたような形の器官で、甲状腺ホルモンを分泌し、代謝を正常に保つ役割を担っています。甲状腺ホルモンの分泌が過剰になり、甲状腺の腫れのほか、疲れやすい、発汗、口がかわく、眼球が出てくるなどの症状が見られるのが「バセドウ病」。逆に甲状腺の機能が低下して、むくみや体重増加、眠気などの症状が出るのが「橋本病」です。これらの甲状腺の異常によって起こる病気は、圧倒的に女性に多く、特に20代から40代によく見られます。・若年性更年期障害(プレ更年期)女性が閉経を迎える50歳前後に、女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減ることによって起こるさまざまな不調を「更年期障害」と呼びます。ところが最近では、30代の若い女性にも、ホルモンバランスが乱れて動悸(どうき)やめまい、発汗、イライラ、気分の落ち込みなど、更年期障害に似た症状が出る人が増えています。原因には、無理なダイエットや不規則な生活のほか、ストレスも大きく関係していると考えられています。そのほか、高血圧や糖尿病などの生活習慣病は、一般的には40代以上で増加しますが、原因となる生活習慣の乱れは、多くの場合、20・30代から既に始まっています。不規則な生活や偏った食事、運動不足は、今のうちから改善しておきたいですね。病気を放置して重症化すると、妊娠に影響したり、治療が長引いたりして、ライフプランが大きく狂ってしまうこともあります。30歳を過ぎたら、今まで以上に体の異変に注意し、年に一度の健康診断を欠かさないようにしましょう。※画像は本文と関係ありません○記事監修: 鈴木俊治医師葛飾赤十字産院 副院長日本産婦人科医会 副幹事長1988年長崎大学医学部卒業、日本医科大学付属病院産科婦人科学教室入局、葛飾赤十字産院産婦人科派遣をへて米国ロマリンダ大学胎児生理学教室へ研究留学。帰国後、日本医科大学産科婦人科学講師、学助教授、東京臨海病院産婦人科部長を経て、現在は葛飾赤十字産院にて副院長を務める。
2016年06月28日美しい女性でいるためのキーワードのひとつが「健康な子宮」。子宮が元気だと、美肌や精神の安定など心身ともに良いこと尽くし。逆に子宮が冷えていて元気がない場合には、肌のツヤがなくなり、精神的にも不安定な状態が続くなど、心とからだの「老い」をどんどん加速させる原因にもなりかねません。そこで今回は、自分の子宮の状態を知るための「子宮の冷えチェックポイント」に加えて「子宮を温める方法」についてご紹介。ポカポカで健康な子宮作りを行って、からだの内側も外側も健康で美しい女性を目指しましょう!子宮が冷えるとどうなるの?子宮の冷えは、女性の心とからだに様々なアンハッピーな悪影響をおよぼします。冷えることで体内の血流が滞り、それによって子宮や卵巣が正しく機能できなくなってしまいます。その結果、子宮筋腫や子宮ガン、卵巣ガンなど、婦人科系の病気やガンになるリスクが高まるのです。それに加えて、ホルモンバランスの崩れや自律神経の失調などが引き起こされるケースもあり、心身ともにボロボロ……という状態にもなりかねません。また将来妊娠を希望している場合、子宮の冷えは不妊症の原因にも。想像以上に、子宮の冷えが女性の心とからだに与える影響は大きいのです。いくつ当てはまる?子宮の冷えチェックポイントそこでまずは、自分の子宮が冷えているかどうかを知るために、以下の項目をチェックしてみてください。1.お菓子やスイーツなど、甘い食べ物をよく食べる2.普段の飲み物は冷えているものが多い3.不規則な生活を送っている4.寝不足が続いて疲労がたまっている5.ストレスがたまっている6.普段のお風呂は湯船よりもシャワー派7.お腹やお尻に手で触れると冷たいこれらのチェック項目のうちひとつでも当てはまっているものがあれば、あなたの子宮は冷えている可能性が……!また、生理や生理痛が人よりも重い、(ホルモンバランスが崩れて)普段からイライラしたり落ち込むことが多い、疲れがとれない、(免疫力が低下して)風邪をひきやすいなど、子宮が冷えていることが何かしらのサインとしてからだにあらわれている可能性もあります。今日から実践!子宮をポカポカに温めよう!ちょっとドキドキするようなことばかりをお伝えしてしまいましたが、子宮を温めるのは、意外と簡単。ここでは、ほんのひと手間だけでできて、すぐに取り入れられる方法をご紹介します。腹巻きを巻く暑い季節に腹巻きを巻くのは抵抗があるかもしれませんが、長時間冷房の効いた室内にいることは、子宮にとってはかなりの負担。夏でも腹巻きを巻いて、子宮が喜ぶ温かい環境を整えてあげてください。腹巻きを持っていない場合は、使い捨てカイロをお腹にはって温める方法でも代用できます。約38〜40度の湯船に20〜30分浸かる毎日のお風呂で湯船に浸かることも、子宮の温めには効果的。全身の血の巡りが良くなり、子宮もポカポカに温まります。湯船に浸かることが難しい場合は、タライにお湯をはって15分程度の足湯をするだけでも、からだと子宮を温めることができます。ふくらはぎマッサージ第二の心臓とも呼ばれるふくらはぎをマッサージすると、血流が良くなり子宮への血の巡りも良くなります。マッサージをするタイミングは、お風呂上がりの血行が良くなっているときがおすすめです。痛気持ち良い位の強さで、ふくらはぎ全体をもみほぐしてください。上記でご紹介した方法以外にも、骨盤を動かすエクササイズをする、リンパマッサージをする、食生活を改善するなど、気軽にトライできる方法がたくさんあります。いずれにしても、一時的な温めでは意味がないので、毎日継続してできる自分に合った温め方法を見つけることが大事です。毎日少しずつでも子宮を温めて、心身ともに健康で美しく、ハッピーな毎日を過ごしましょう!
2016年06月28日「日本人の2人に1人ががんになる時代」といわれますが、このフレーズは、国立がん研究センターの「がん統計」がもとになっているのではないかと推測できます。■2人に1人は「がんになる」は間違いない実際の統計データ「がんに罹患する確率~累積罹患リスク(2011年データに基づく)」を見てみても、生涯でがんに罹患する確率は“男性62%(2人に1人)、女性46%(2人に1人)”。そのため、2人に1人の確率でがんになるというのは間違いではないことがわかります。また、胃がんは男性が11%(9人に1人)、乳がんが9%(12人に1人)と書かれているので、男性は胃がんが、女性は乳がんが多いことも同時にわかります。もうここまでくれば、りっぱな国民病といってもいいのでしょう。こんな統計を見させられると、やっぱり「がんへの備えをしておかないと!」と考えてしまいますよね。それはきっと、「がんを患うとお金がかかる」というイメージがあるからではないでしょうか?だとすると、「やはり、がん保険に入ったほうがいいのか?」と考えることになるでしょう。■30~50歳で「がんになる確率」は低いしかし、どうなのでしょうか?別の統計データ「現在年齢別がん死亡リスク」を見ると、0歳の男性が、50年後の50歳までにがんになる確率は、なんと2%しかありません。一生涯では、女性にくらべて男性の方ががんになる確率が高いのですが、60歳までをくらべると、女性ががんになる確率が高いこともわかります。つまり、がんを患う確率は50歳以降一気にあがるのです。いいかえれば、おもに子育てをしている30歳から50歳の間にがんを患うケースは、確率的にはとてもまれなのです。「日本人の2人に1人ががんになる時代です。がん保険に入っては?」と勧誘されるのと、「お子さんが成人するまでにがんになる確率は2%程度です。それ以降のためにがん保険に入っては?」と勧誘されるのでは、ずいぶん印象が変わりませんか?数字は使う側に都合のいい部分だけが切り出されています。振り回されないで判断しましょう。(文/ファイナンシャルプランナー・岡崎充輝) 【参考】※最新がん統計-国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター
2016年04月14日子宮委員長はる恋愛・性愛アドバイザーとして、年齢問わず多くの女性を魅了している「子宮委員長はる」が、自分を愛するための幸運習慣を書いた書籍『願いはすべて、子宮が叶える引き寄せ体質をつくる子宮メソッド』を2016年4月9日(土)に発売した。周囲の子宮に関するトラブルや性の悩みの多さに関心を持ち、自身も子宮頸がんや中絶などを経験。性に関する講演活動を全国各地で開催する彼女のブログは1日で最多約19万ものアクセスがある。子宮の声にしたがう子宮をしめつけないような下着をつけて、あたためるようにするなど、大切だけど普段は意識してケアできない子宮に着目している点がとても興味深い。そしてなんと幸運のカギは、すべて“子宮”が握っているという。子宮を大切にして、「本当のあなた」を生きるとき、出会い、お金、仕事、健康など、すべてのことが好転していくという委員長はるの経験が詰まった一冊。忙しくて忘れがちな自分の体に耳を傾けるという行為。体の内側だと余計に意識しないと気をつけられない。本を読むと自分を見直すいい機会がもらえそう。もっともっと自分をいたわろう!(画像はプレスリリースより)【参考】・願いはすべて、子宮が叶える
2016年04月12日ほけんの時間が運営するウェブサイト「家計の時間」はこのほど、「子宮と女性の心と体アンケート」の結果を発表した。同調査は3月7日~10日、20代以上の既婚女性487名を対象にインターネットで実施したもの。子宮が女性の心や体に影響を及ぼしていると思うものについて尋ねたところ、もっとも影響があるのは「体調の良しあし」(90.3%)だった。次点には「気分の良しあし」(72.3%)、「肌の状態」(68.2%)が続いている。一方、「あてはまるものがない」と答えた人はわずか1.6%で、98.4%が「子宮が女性の心や体に影響を及ぼしている」と実感していることがわかった。具体的に影響があると感じた点を聞くと、「生理前後はイライラしたり、涙が出たり、気分の浮き沈みが激しい」「排卵日は、気になる人に大胆になる」「子宮を温めるようにしたら、体調だけでなく人生もうまくいくようになった」などのコメントが寄せられた。恋愛や結婚のパートナーを選ぶとき、子宮(女性の本能)の影響があると思うか尋ねると、54.2%が「はい」と回答。「頭ではやめた方が良いと思う男性でも、本能的に魅力を感じてしまうことがあった」「本能で人付き合いの良しあしを決めている気がする」という声も寄せられている。今のパートナーは子宮(女性の本能)で選んだと思うか尋ねたところ、64.1%が「いいえ」と回答した。約4割の人が本能を重視している一方で、約6割の女性は本能だけで選ぶことはないようだ。子宮と上手に付き合うために必要なケアについて聞くと、最も多い回答は「温める」(81.5%)だった。2位は「食事改善」(48.7%)、3位は「睡眠」(43.3%)となっている。
2016年04月08日質問:家族で「がん」になった人はいないので「がん保険」に加入しなくても良いのでは?「がん」発症の要因の約70%は生活習慣に起因するものといわれています。ご家族で「がん」になった方がいらっしゃらなくても、一定の割合でリスクがあると考えるべきですので、がん保険への加入をおすすめします。遺伝的要素は50%程度さまざまな研究が進むなかで、がんを誘発する遺伝子の存在が明らかにされてきました。これがいわゆる「がん家系」という言葉を生み出した一因ではないかと思います。実際、「大腸がん」や「乳がん」の発症例のなかに、遺伝的要素が認められるものがあるようです。国立がん研究センターがん情報サービスのサイトに掲載されている「人のがんにかかわる要因」によると、ハーバード大学のがん予防センターの推計で、喫煙、食事、運動、飲酒という代表的な生活習慣要因が68%を占めるようです。また、全部のがんのうち「遺伝するがん」は5%以下といわれ、「大腸がん」「乳がん」「前立腺がん」など遺伝素因の強いこれらのがんでも、たとえ遺伝子が100%一致している人がいたとしても、同じがんになる確率は10%~20%にすぎないとまとめています(出典:国立がん研究センターがん情報サービス)。したがって、ご家族のなかに複数のがん経験者がいらっしゃる場合、ご本人もがん発症への注意が必要といえますが、ご家族のなかに発症者がいらっしゃらない場合でも、安心できるとはいえないでしょう。「喫煙」の有無や食生活など、生活習慣の要因が上位を占める「喫煙」と「がん」との因果関係が深いということが指摘されてからずいぶんたちました。若くして喫煙を始めた場合や喫煙年数が長く、喫煙本数が多いほど「がん」のリスクを高めるといわれています。日本においては「喫煙」に続く因子として「肝炎ウイルス(B型、C型)」や「ピロリ菌」、「ヒト・パピローマ・ウイルス」などの「感染性因子」、そして「飲酒」が続きます。他にも「塩分摂取」や「過体重・肥満(BMI25以上)」などが指摘されています(出典:国立がん研究センターによる「科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究」ホームページ )。まだ十分な研究結果が揃っていないとはいえ、今現在「喫煙」や「飲酒」や「食生活」など、身近な生活習慣が遺伝的要素より高い確率で「がん」につながるため、日々の生活習慣を見直すことで「がん予防」が可能であるといえるでしょう。日本人の3人に1人が「がん」で死亡、2人に1人が「がん」を経験する時代。突然の告知に対応できますか?厚生労働省の資料によると、日本人の2人に1人は「がん」を経験するといわれています。早期発見や医療技術の進歩で「治せるがん」が増えているといわれますが、治すためには適切な治療が必要です。がんが発見されたら初期段階のうちに治療を開始することで、治癒の確率をあげるといわれていますが、がんの治療には多大な費用がかかる場合があります。そんなときに役立つのが「がん保険」ではないでしょうか。ご自身の生活習慣を振り返るとともに、がん保険などの保障内容が十分か、見直してみてはいかがでしょうか。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2016年04月05日妊娠後期に入ると、ますます子宮が成長し、それに伴っておなかは大きくせり出してきます。妊娠8カ月のときの子宮底長は27cm。このとき、子宮内の羊水量がピークとなり、約800mlの量が子宮内にあります。妊娠9カ月で子宮底長は約30cm、臨月には33cmとなります。妊娠9カ月から徐々に羊水の量は減少し、臨月には500mlほどになりますが、その分胎児が成長し、大きくなるため、おなかは羊水が減った分小さくなるどころか、大きくなり続けます。そのため、大きくなった子宮によって胃が押しあげられたり、骨盤を圧迫したりするようになります。この時期にまた初期のつわりのような状態になることがあり、俗に後期つわりなどといわれていますが、原因は初期のつわりとは違い、子宮による圧迫です。これは臨月になって胎児が骨盤の中へ降りるまで続きます。また、子宮の圧迫によって、腸の動きが制限されるため、便秘にも留意が必要です。みんなどうだった? 妊娠後期の「子宮」の体験談胃痙攣のような痛みや、みぞおちにひどい痛みがあり、翌日、子宮口が少し開いていました。病院で診てもらうとお腹の張りが強いということでしたが、自分ではさほど感じなかった。しかし子宮口が開いてきてしまい自宅安静になりました。それでも歩きで片道5分の長男の園送迎だけしていました。結果妊娠32週目に切迫早産の危険が高くなり、36週目まで入院となりました。一度、明け方に左の脇腹が猛烈に痛くなり、起き上がれないほどになって病院に行ったところ、子宮が大きくなって腸が圧迫されたことによる便秘とのことでした。少し恥ずかしかったけれど、本当に痛くて会社を休んだほどだったし、妊婦は便秘との戦いだよと先生に言われ、侮れないなと実感しました。 赤すぐ妊娠情報
2016年04月04日妊娠初期の子宮は、まず妊娠1カ月では、妊娠前とほぼ変わらない大きさ。長さは約7cm、幅が約4cmくらいで、よくニワトリの卵くらいの大きさと言われます。妊娠2週で排卵が起き、精子と卵子が受精する頃、子宮内膜は厚みを増します。妊娠3週頃の厚みを増した子宮内膜に受精卵が着床します。それから受精卵は子宮内膜の中へ3日ほどかけてもぐりこみます。このときに少し月経様の出血が見られることがありますが、生理的現象なので心配はありません。妊娠2カ月の5週頃には、子宮内に胎のうが確認できるようになります。7週頃には胎盤の形成も始まります。妊娠3カ月の11週では子宮の大きさは、男性の握りこぶし大となります。妊娠4カ月の終わりになると、自分でも少し下腹部がふっくらしてきたことがわかるようになります。このとき子宮は子どもの頭くらいの大きさ(小児頭大)になっています。妊娠15週頃の子宮底長は約12cmで、子宮の中では胎盤が完成しています。妊娠初期には見た目では、まだ子宮が大きくなっていることはわかりません。しかし、子宮が大きくなるときに周囲を圧迫する痛みや、子宮を支える靱帯が伸びる痛みなどで子宮が成長していることがわかります。 赤すぐ妊娠情報
2016年04月04日慶應義塾大学、日本医療研究開発機構(AMED)、科学技術振興機構(JST)は3月22日、乳がん、卵巣がん、肝がん、肺がん、膵臓がんなどの難治性がんを含む多くの悪性腫瘍で高発現している膜結合性ヘムタンパク質「PGRMC1」の構造を解明したと発表した。これにより、がん細胞が増殖を活性化する仕組みと、抗がん剤に対する耐性を獲得するメカニズムが明らかになった。同成果は、慶應義塾大学 医学部 医化学教室 加部泰明講師、末松誠教授(研究当時、現:AMED理事長)らの研究グループによるもので、3月18日付けの英科学誌「Nature Communications」オンライン版に掲載された。今回の研究では、X線結晶構造解析を行うことにより、PGRMC1がタンパク質中のチロシン残基を介した珍しい様式でヘムと配位することがわかった。この配位したヘムはタンパク質表面上に突出した構造を取っており、PGRMC1は分子中のアミノ酸残基をほとんど介さずに突出したヘム同士が重なり合った特異なヘム重合体構造を形成している。PGRMC1はヘムのない状態ではアポ体としてモノマー構造で存在するが、今回の生化学的な解析から、ヘムと結合することにより二量体化することが明らかになった。このようなタンパク質中のヘムを介した重合化が見い出されたのは、真核生物では初めてだという。また、生体内ガス分子である一酸化炭素(CO)は、がん細胞が抗がん剤や放射線治療、低酸素などにさらされると増加することが知られているが、同研究グループは今回、このCOがPGRMC1上のヘムに結合すると、ヘム同士の重合が解離してPGRMC1の機能が消失することを見出した。さらに解析を進めた結果、PGRMC1はヘムにより重合化し、がん増殖に関わる上皮成長因子の受容体(EGFR)と会合して、これによるがん増殖シグナルを増強することが明らかになった。重合化したPGRMC1は薬物代謝酵素であるシトクロムP450とも会合し、抗がん剤の分解活性を増強して、がん細胞の薬剤耐性を促進することもわかった。以上の結果からPGRMC1は、がん細胞内のヘム濃度に応答し重合化することによって活性化し、がん細胞の増殖促進や抗がん剤耐性獲得に関与するという、ダイナミックな構造変換によって機能していることが明らかになったといえる。同研究グループは、PGRMC1に結合してその機能を阻害する化合物が見つかれば、新たな抗がん剤の開発につながる可能性があると説明している。
2016年03月22日エムティーアイが運営する、女性のカラダとココロの健康情報サイト「ルナルナ」はこのほど、「子宮頸(けい)がんについて」の調査結果を発表した。同調査は2月、「ルナルナ」「ルナルナLite」ユーザー8,132名を対象にインターネット上で実施した。まず、「子宮頸がん」という病気をどの程度知っているか尋ねた。その結果、「名前だけ知っている」(61.3%)と「名前だけでなく病気についても知っている」(38.4%)をあわせると、疾患名はほぼ100%認知されていることがわかった。年代別で見てみると、30歳以上で「名前だけでなく病気についても知っている」の回答が高くなる傾向が見られる。特に35歳以上のユーザーにおいては半数以上と、年齢が高くなるにつれ原因や予防など疾患に対する理解が進んでいることがわかった。続いて、子宮頸がんの原因を知っているか聞くと、「よく理解している」(6.9%)、「大体知っている」(25.9%)をあわせても、3割程度にとどまった。一方で、「あまり知らない」という回答が47.9%、「まったく知らない」という人も19.2%と、半数以上のユーザーが原因については、正しく理解できていないことも明らかになった。予防方法について聞くと、「知っている」という回答は3割程度。年代別で見てみると、45歳以上の人は4割以上が知っていると回答した。子どもが子宮頸がんワクチンの接種対象と思われる母親世代の認知度が高くなっている。自身がワクチン接種の対象となる10代後半の認知度も33.6%で、20~30代前半より高かった。そこで予防方法について「知っている」と回答した人に、どのような予防方法を知っているか聞いたところ、1位は「子宮頸がんワクチンの接種」(80.6%)。次いで、2位は「避妊」(20.6%)、3位は「子宮頸がん検診」(15.8%)だった。子宮頸がんのほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因だという。HPVは、主に性交渉で感染することが知られており、約80%の女性がこのウイルスに感染していると考えられている。多くの場合、ウイルスは自分の免疫力などで自然に排除されるが、排除されず数年から数十年にわたって持続的に感染してしまった場合には、子宮頸がんの前がん病変(がんになる前の病変)や、子宮頸がんになることがあると考えられている。子宮頸がん検診の受診について聞くと、「1年に1回受診している」(15.2%)と「2年に1回受診している」(7.3%)をあわせて、22.5%が定期的に検診を受けていることがわかった。「不定期だが受診している」(10.6%)と「過去に1回だけ受診したことがある」(20.5%)を含めると、受診経験率は53.6%と半数を超えた。子宮頸がん検診の受診経験のあるユーザーに、初めて受診したきっかけについて尋ねた。その結果、「自治体からのお知らせ・クーポン」(40.4%)が最も多く、次いで「婦人科ですすめられて」(20.6%)、「自分の職場の健康診断の項目にあったため」(20.0%)と続いた。子宮がん検診を「受診したことがない」と回答した人に理由を聞くと、32.0%が「なんとなく面倒で」と回答。「婦人科に行くことに抵抗がある」(28.3%)という回答も多く、それぞれ約3割を占めている。
2016年03月09日北海道大学病院(北大病院)は3月2日、「がん遺伝子診断部」を開設したと発表した。同部署は、がん患者のがん遺伝子情報を解析し、患者個々人に最も適した抗がん剤の情報を提供する専門部署で、同部署にて「がん遺伝子診断外来」が開始される。開始時期は4月1日を予定。同外来では、自由診療で、研究ではなく医療サービスとして網羅的ながん遺伝子検査を行う。同院によると、独自の院内がん遺伝子解析システムを利用することで、高い検査精度を担保しつつ、検査結果が得られるまでの期間が2週間にまで短縮されるところが特徴であるとしている。最終的な治療については、遺伝子解析担当医、主治医、腫瘍内科医などからなる専門チームがカンファレンスにて決定し、患者が納得したうえで行うという。
2016年03月03日国立がん研究センター(国がん)は2月15日、がん患者の免疫状態(ADCC活性)を測定する新手法を開発したと発表した。同成果は、同先端医療開発センター臨床薬理トランスレーショナルリサーチ分野の濱田哲暢 分野長の研究グループと、同中央病院先端医療科の北野滋久 医員の研究グループの共同研究によるもの。英科学誌「Scientific Reports」に1月27日付けで掲載された。抗体薬には、がん細胞の表面に発現する標的分子に結合し抗腫瘍効果を示す直接的な作用のほか、患者自身の免疫細胞を介して抗腫瘍効果を発揮する作用がある。そのため、標的分子の発現量だけでなく、患者自身の免疫状態、特に抗体薬ががん周囲に呼び寄せた免疫細胞を活性化するADCC活性をどの程度誘導できるかが治療効果に大きく影響すると考えられている。現在、抗体薬の投与においては標的抗原の発現量や遺伝子変異を確認することで治療効果の予測が行われているが、従来のADCC活性測定法は測定結果が不安定のため患者の免疫状態を把握することは困難だった。同研究グループが開発した測定方法では、あらかじめ標的がん細胞に緑色色素を取り込ませて、標的がん細胞(緑色色素を取り込ませたもの)と免疫細胞(緑色色素取り込みなし)を区別できるようにする。さらに、生きている細胞と死滅した細胞を区別できる色素で標識し、フローサイトメーターという装置を用いて測定することで、がん細胞と免疫細胞をそれぞれ別々に、生きている細胞と死んだ細胞に細胞一個単位で区別することができるようになった。同手法は、従来の測定法と比べて1/100以下の低濃度の抗体でADCC活性が測定可能だという。また、従来の測定法では血液検体をいったん凍結保存してしまうと測定結果のバラツキが大きくなり、不安定で再現性が乏しくなってしまっていたが、新しい測定法では凍結検体を用いても1カ月以上にわたり再現性をもってADCC活性が測定することができた。新しい測定法は、従来の測定法よりも高感度にADCC活性を検出できることから、個々の患者の免疫状態をより詳細に把握することで、抗体薬の治療効果予測に役立つことが期待されるほか、凍結保存した検体でもADCC活性を安定して測定できるため、他施設で採取した血液検体をいったん凍結した後、国立がん研究センターに輸送し、後日、測定することが可能となる。また、新規薬剤開発の面からも多施設共同臨床試験が可能となるため、効果の期待できる患者の選別や開発を進めるか中止するかの判断などに役立ち、抗体薬の効率的な開発につながることが期待される。
2016年02月16日2013年11月に鼻に皮膚がんの一種“基底細胞がん”ができ、手術で取り除いたことを公にしていたヒュー・ジャックマン。それから鼻3回、肩1回のがん除去術を受けたことを「People」誌に明かしていたが、今月9日(現地時間)、鼻にがんが再発し、5度目の手術を受けたことをSNSでファンに報告した。大きな絆創膏を鼻に貼った画像をインスタグラムとツイッターに投稿し、「日焼け止めを塗らないとこうなっちゃうっていう見本だよ。お願いだから日焼け止めを使ってね!」とファンに日焼け止めの使用を呼びかけている。また、ヒューは呼びかけるだけでなく、小さい子どもでも積極的に日焼け止めを塗るよう、容器に『スパイダーマン』や『アナと雪の女王』がペイントされた日焼け止め「Pure Sun Defence」の販売にも携わっており、日常での紫外線ケアの重要性を訴えている。日本形成外科学会のHPによると、基底細胞がんは皮膚がんの中で最も頻度が高いものの、悪性度は低く転移は稀とのこと。誘発因子として紫外線が挙げられるという。始めは撮影中にできたちょっとした傷だと思っていた鼻のできものが、まさかのがんでとてもショックを受けたというヒュー。彼が勧める予防策は、日焼け止めを塗るという決して難しくないことなので、私たちでもすぐに始められそうだ。(Hiromi Kaku)
2016年02月09日国立がん研究センター(国立がん研)は2月4日、朝食摂取回数が少ないと脳出血のリスクが高くなることが明らかになったと発表した。同成果は、国立がん研究センター がん予防・検診研究センターと大阪大学の研究チームによるもので、米科学誌「Stroke」2016年47巻に掲載された。これまでに、朝食を欠食すると肥満、高血圧、脂質異常症、および糖尿病のリスクが上がることが多くの研究で示されてきたが、脳卒中および虚血性心疾患のリスクを上げるのかという点に関してはほとんど研究されていなかった。そこで同研究チームは、朝食欠食と脳卒中および虚血性心疾患との関係を検討するため、1995年に、岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、1998年に、茨城県水戸、新潟県長岡、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古の9保健所管内に在住していた45~74歳の男女のうち、循環器疾患およびがんの既往がなく、アンケートの朝食に関する項目に回答した8万2772人(男性:3万8676人、女性:4万4096人)に対して調査を行った。同調査では、週に0~2回、週に3~4回、週に5~6回および毎日という4つの群に分けて、その後の脳卒中および虚血性心疾患発症との関連を分析。2010年まで追跡した結果、3772人の脳卒中発症と870人の虚血性心疾患発症が確認された。朝食を毎日摂取する群と比較して、朝食を週に0~2回摂取する群の発症リスクは、脳卒中と虚血性心疾患を合わせた循環器疾患で14%、脳卒中全体で18%、脳出血で36%高くなっていたという。同研究チームは、脳出血の最も重要なリスク因子は高血圧だが、朝食を欠食することで朝の血圧が上昇し、毎日朝食を摂取する人に比べて脳出血のリスクが高くなっていた可能性が考えられるとしている。
2016年02月05日国立がん研究センター(国がん)は1月20日、食道がんの前がん病変だと考えられているバレット食道での幹細胞の存在を明らかにしたと発表した。これまでがんの前がん病変において組織を維持する働きを持つ幹細胞の存在は明らかになっていなかった。同成果は国がん研究所分子細胞治療研究分野の山本雄介 主任研究員によるもので、1月19日に米科学誌「Nature Communications」に掲載された。バレット食道とは、食道と胃上部の接合部に発生する粘膜組織の変化で、主に逆流性食道炎などによる炎症が原因で発生する。これまで統計的な解析や病理学的な知見により、バレット食道が食道がんへ進行していくことは知られていたが、実際の細胞がどのように遺伝子異常を蓄積し、悪性度の高い細胞へ進展していくかはわかっていなかった。今回の研究では、さまざまな進行状態の12症例のバレット食道から内視鏡で生検組織を採取し、新しく開発した培養手法を用いて、幹細胞を単離・培養することに成功。培養したバレット食道由来の幹細胞と正常食道由来の幹細胞にがん遺伝子を導入し、強制的にがん化させたところ、バレット食道由来の幹細胞は食道腺がん様の腫瘍を形成したのに対し、正常食道由来の幹細胞は食道扁平上皮がんに類似した腫瘍を形成した。これにより、バレット食道は食道腺がんの前がん病変であることが確認され、前がん病変においても幹細胞が存在し、病変を維持している可能性が示された。また、ゲノム変異解析を行った結果、より進行したバレット食道においてより多くの変異が認められた一方で、25%の症例においてゲノム変異が認められなかったことから、バレット食道の発症に遺伝子変異は必須ではなく、その後進展していく過程でゲノム変異が蓄積し、より悪性度の高い腫瘍へとなっていくと考えられるという。今回の成果をベースに、さらに前がん病変の性状明らかにすることで、前がん病変の早期検出による早期診断や、前がん病変の幹細胞の除去など新たな治療の開発につながることが期待される。
2016年01月20日国立がん研究センターは1月20日、「全国がん(成人病)センター協議会」(全がん協)の協力を得て、加盟施設での診断治療症例に関する部位別10年相対生存率を集計したと発表。その結果を全がん協のホームページ上にて公開したと明らかにした。同センターによると、国内においてこれほどの規模でがんの10年相対生存率が公表されるのは初めて。がんの生存率は治療による効果を表す指標で、がん診療評価などにおいて重要な要素となる。一方で、信頼できる生存率を算出するには、精度の高い予後調査の実施などの課題があった。同センターの研究開発費に基づく研究班は、1999年診断症例より部位別施設別5年生存率を公開。さらに2012年からは、グラフを描画する生存率解析システム「KapWeb」を公開するなどしていた。今回、部位別施設別5年相対生存率については、2004年から2007年に診断治療を行った14万7,354症例を集計。10年相対生存率については、1999年から2002年に診断治療を行った3万5,287症例を集計した。個々の数値をみていくと、全部位全臨床病期の5年相対生存率は68.8%で、1997年の62.0%から徐々に改善している傾向にあるという。同センターは「化学療法、放射線治療や早期発見技術の進歩が貢献していると考えられます」としている。生存率が高いのは「前立腺(100%)」「乳(92.9%)」「甲状腺(91.6%)」など。一方、「胆のう胆道(28.9%)」「膵(9.1%)」は3割以下にとどまっている。今回が初集計となる全部位全臨床病期の10年相対生存率は、58.2%だった。同じデータベースの5年相対生存率は63.1%となっており、5年間で4.9%の減少がみられる。10年生存率において高い生存率をみせた部位は、「甲状腺(90.9%)」「前立腺(84.4%)」「子宮体(83.1%)」など。逆に「食道(29.7%)」「胆のう胆道(19.7%)」「肝(15.3%)」「膵(4.9%)」などは低い数値となっていた。国内において死亡者数が多い部位に関しては、「胃(69.0%)」「大腸(69.8%)」「気管・肺(33.2%)」「乳(80.4%)」という結果が出ている。なお、研究班は今回の結果をKapWebに反映させて公開。「がんの種類」「病期」「治療法」などの条件設定で検索でき、5年もしくは10年までの生存率年次推移をグラフで見られるようにしている。
2016年01月20日