小栗旬が声優を務めたアニメーション映画『グスコーブドリの伝記』の公開を記念した写真コンテストの結果がこのほど発表された。その他の写真本キャンペーンは、劇中で主人公が理想郷“イーハトーヴ”を守るべく行動することから、参加者が守りたい、大事にしたい“あなたのイーハトーヴ”を写真で募集するというもの。期間中、多くの写真が寄せられ、本作を手がけた杉井ギサブロー監督らが厳正に審査し、ブドリ賞、ネリ賞、監督賞が決定した。ちなみに監督賞に選ばれたのは、夕日に照らされた水田で作業する人を捉えた作品。杉井監督は「田植えという農家のひとにとっては大変な労働を美しさという視点で捉えているのが素晴らしい」とコメント。キャンペーンサイトには、入賞作品以外にも、応募者の“イーハートーヴ”が掲載されている。本作は、宮沢賢治の同名作を基に、冷害にみまわれた森で暮らす青年ブドリが、その脅威に向き合いながら、自身が愛する人々を守るために奔走する姿を描く感動作。『グスコーブドリの伝記』公開中
2012年07月24日宮沢賢治の小説をアニメ化した『グスコーブドリの伝記』が7月7日(土)に公開を迎え、声優を務めた小栗旬、忽那汐里、林家正蔵、林隆三、草刈民代に音楽を担当した小松亮太、そして杉井ギサブロー監督が舞台挨拶に登壇した。度重なる自然災害に見舞われながら家族を取り戻すべく各地を巡るグスコーブドリの成長と、彼のある決断を繊細で色鮮やかなアニメーションで描き出す本作。初日舞台挨拶には和装がすっかりおなじみとなった小栗さん。夏らしい涼しげな着物姿に、先日、賢治の故郷である岩手県花巻市の“賢治まちづくり課”の一日課長を務めた際に贈られた帽子をかぶって登場した。この日はあいにくの雨模様となったが、「雨ニモマケズ、全国の人に届くようにと願っています」と賢治の詩を引用した粋な挨拶。初の声優挑戦となった忽那さんは「最初の声優がこんな感性豊かな作品で嬉しい」と感慨深げに語る。林さん、草刈さんにとってもアニメ作品の声優を務めるのは今回が初めて。「敬愛する賢治の大好きな『グスコーブドリの伝記』に参加できて楽しかった」(林さん)、「このような素晴らしい作品に参加できて光栄」(草刈さん)と出演の喜びを明かした。正蔵さんは「モヤモヤした世の中ですが、この作品を観ると前向きな爽やかな風が胸をスッと吹き抜けていくと思います」と胸を張る。バンドネオンを持って登場した小松さんは「普段はアルゼンチンタンゴをやってますので『どうなるんだ?』と思われた方もいたと思いますが、こんな音楽になりました」とホッとした様子で作品を送り出した。長年、本作の企画を温めて来てようやく公開にこぎつけた杉井監督は「絵を作ったスタッフ、ここにいるみなさんがいまのような世の中に向けて全力投球してくれた」とスタッフ、キャスト陣への感謝の思いを口にした。七夕に合わせて、登壇陣は願いを書き入れた短冊を披露したが、小栗さんは「『グスコーブドリ』がたくさんの人に届きますように」と映画のヒットを祈願。さらに小さく「(月9もね)」と加えて、ちゃっかり主演ドラマのヒットもお願い。「あさってから始まりますので」と観客に向けてアピールし笑いを誘っていた。最後に再びマイクを握った小栗さんは「賢治の原作と同じように観る人それぞれにいろんな感じ方をもたらす作品です。多くの人に伝わり、ちょっとでも考えるきっかけになってくれたら嬉しい」と呼びかけ、舞台挨拶は幕を閉じた。『グスコーブドリの伝記』は丸の内ピカデリーほか全国にて公開中。■関連作品:グスコーブドリの伝記 2012年7月7日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012「グスコーブドリ製作委員会/ますむらひろし
2012年07月09日いよいよ今週末に公開を迎える日本アニメ界の重鎮・杉井ギサブロー監督の最新作『グスコーブドリの伝記』、そして『サマー・ウォーズ』の細田守監督が大沢たかお&宮崎あおいら豪華キャストを声優陣に迎えて贈る注目のアニメ『おおかみこどもの雨と雪』。公開を目前に控え、日本アニメーション界を背負って立つ2大クリエイターの夢の対談が実現した!青春アニメの代表格「タッチ」や「キャプテン翼」など、これまで数多くのファンを生み出してきた杉井監督と、気鋭のクリエイターとして世界中から注目を集めており、先日行われた映画のパリ上映会では満員御礼のスタンディングオベーションを受けた細田監督。童話・寓話の文豪、宮沢賢治の同名小説を原作にした『グスコーブドリの伝記』では家族愛を、『おおかみこどもの雨と雪』では“おおかみおとこ”と人間の女性の間に生まれた“おおかみこども”たちの成長と母親の子育て奮闘劇をファンタジックに描いており、共に「家族」をテーマにしている。この対談を迎えるにあたり、杉井監督と細田監督の両監督はお互いの最新作を鑑賞した。細田監督は、大先輩である杉井監督へ「(『グスコーブドリの伝記』は)この夏に観るべき映画だと強く感じました。ものすごくファンタジックな世界観で、これでもかと圧倒されるぐらいの美しい世界が本編中ずっと展開され、夏休みの爽やかな空気を感じるような素敵な映画でした」と“先制褒め”で口火を切ると、杉井監督も「ある生命が生まれて育てられて、一人前になっていく過程があって初めて成長する。そこにある細田監督の目線の厳しさと優しさがガンガン伝わってくる。珍しくホロっとしながら観て、感動させてもらいました」と返し、世代を超えてお互いの独特の世界観にすっかり魅了されたようだ。そして、話はそれぞれの作品の核心に触れるものへ――。『グスコーブドリの伝記』では劇中、主人公のブドリが自然災害から村を守るため、ある大きな決断を下すが、細田監督は「イーハトーヴの風景、素晴らしい世界というものがありながら、一方で今日的なテーマを深く描いている映画でもあり、僕らがこれから日本人として“どういうふうに生きていくのか”を考えさせられました」と解釈。物語と、昨年の東日本大震災を経験した日本人たちの姿を重ね合わせ心を打たれた様子。一方、杉井監督も若き才能の描き出すテーマに深く心酔している様子で「親と子、人間と動物が自分たちの生命を子供たちに託して、その子供たちがちゃんと受け継いで一人前になっていくのを必死で守っていく“母性”というものを楽しく、ある意味では厳しく、アニメーションなのに行間をリアルに伝えてくる作品だと思いました」と熱く語る。さらに、「今回はおおかみと人間ですがそれはシンボルであって、世の中にある宗教の違いや文化の違いとか、ミクロの差でしかない“つまらない違い”を、『いや、同じじゃないか』と監督が問いかけている作品だと思って観させてもらいました」とさすがは巨匠の鋭い読み解きで、細田監督に最大の賛辞を贈った。クリエイターらしい目線で、作品の裏に込められたメッセージについて熱弁が止まらない様子のふたり。同じ土俵で新しいものへと挑戦していくふたりだからこその共鳴、惜しみない賞賛が生まれた。日本を背負って立つ才能はガッチリと握手を交わし、満面の笑みで「これからもアニメーション監督として一緒に頑張っていきましょう!」と最後まで熱いエールを贈り合っていた。『グスコーブドリの伝記』は7月7日(土)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。『おおかみこどもの雨と雪』は、7月21日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:おおかみこどもの雨と雪 2012年7月21日より全国にて公開© 2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会グスコーブドリの伝記 2012年7月7日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012「グスコーブドリ製作委員会/ますむらひろし
2012年07月05日7日(土)から公開される映画『グスコーブドリの伝記』を手がけた杉井ギサブロー監督と、21日公開の映画『おおかみこどもの雨と雪』を手がけた細田守監督がこのほど対面し、エールを交換した。その他の写真日本アニメ創生期から活躍し続ける杉井監督と、日本アニメ界の未来を担う才能として注目を集める細田監督は、互いの作品を観賞した後に対面。細田監督は『グスコーブドリ…』について「ものすごくファンタジックな世界観で、これでもかと圧倒されるぐらいの美しい世界が本編中ずっと展開され、夏休みのさわやかな空気を感じるような素敵な映画です」と言い、「イーハトーヴの風景、素晴しい世界というのがありながら、一方で今日的なテーマを深く描いている映画でもあり、僕らがこれから日本人として“どういうふうに生きていくのか”を考えさせられます。イーハトーヴというのは宮沢賢治が作り出したもうひとつの日本みたいなところですよね。そういったところと僕らのこれからの未来というものを照らし合わせて見られる、とても意義のある映画だと思います」と感想を述べた。一方、杉井監督は『おおかみこども…』について「人間であれ動物であれ、ある生命がうまれて育てられて、一人前になっていく過程があってはじめて成長する、そこにある細田監督の目線の厳しさと優しさががんがん伝わってくる。めずらしくほろっとしながら観て、感動させてもらいました。親と子、人間と動物が自分たちの生命を子どもたちに託して、その子どもたちがちゃんと受け継いで一人前になっていくのを必死で守っていく“母性”というものを楽しく、ある意味では厳しく、アニメーションなのに行間をリアルに伝えてくる作品だと思います」とコメント。最後にふたりは、同じ映画監督としてかたい握手を交わし、エールを交換した。美しい故郷を自然の脅威から守るために奔走する主人公ブドリの姿を描いた『グスコーブドリの伝記』と、ふたりの“おおかみこども”を女手ひとつで育てる人間の主人公・花の姿を描いた『おおかみこどもの雨と雪』。どちらの作品も今夏、幅広い層の観客から支持を集めそうだ。『グスコーブドリの伝記』7月7日(土)全国ロードショー『おおかみこどもの雨と雪』7月21日(土)全国ロードショー
2012年07月05日自身が出演した作品を「なんだかんだで10回は観る」という俳優も珍しいが、そこで見返した過去の自身の姿に対し「『つまんないな、この人』と思ってしまった」とピシャリと言い放つ俳優も少ないだろう。現在「自分自身の“構造改革中”」と明かす小栗旬。大ブレイクしたドラマ「花より男子2 リターンズ」が放送されたのは2007年、25歳のとき。その後も、固まりかけたイメージを塗り替えるがごとく、映画で舞台で常に異なる役柄に挑み続け多くのファンを魅了してきた。だがそんな周囲の評価に安住することなく、自らをひたすら冷静に眺め、改革の必要性を感じていたというのだ。まもなく公開の最新作『グスコーブドリの伝記』では、宮沢賢治の同名作品を原作に製作されたアニメーションで主人公に命を吹き込んだ。本作への出演をふり返りつつ、小栗さんが30歳を前に自らに求めた“変化”について聞いた。「自分を見たときに、『つまんないな』と思った」本作のメガホンを握ったのは、同じく宮沢賢治の名作「銀河鉄道の夜」の劇場アニメ化(’85)で絶賛を浴びた杉井ギサブロー。小栗さんは「僕にとって杉井さんと言えば劇場版『タッチ』。今回、プロモーションのDVDを企画書と一緒にお送りいただいたんですが、その世界観を見て『ぜひやらせてください』と返事をしました」と明かす。当初「厳しい人なんだろうと思っていた」杉井監督は予想とは正反対に驚くほど物腰の柔らかい監督だったという。「最初にお会いしたときから僕に対して『信用してます』という雰囲気で接してくださったのが印象に残ってます。『僕が描いたブドリは小栗さんの声だったんです』と。僕が映画などで見せているものはある意味、断片的な自分だと思っていたので、会う前から『キミで大丈夫』と感じられるというのはいったい何なんだろう?と考えさせられました。71歳になられますが、いろんな経験があるからこそ、そう言えるのかなと。演出に関してもほとんど細かい指示はなく、何度か試す中で『いまのが好きなのでそれでお願いします』と言ってくださる。自由を感じながらやらせていただきました」。収録前に改めて80年前に執筆された原作を読んだそうだが、賢治の瑞々しい感性に触れ、大いに刺激されるところがあったようだ。「賢治の作品を読んで何より感じるのは日本語ってこんなにいろんな使い方があるのか、ということ。例えば、クーボー博士(声:柄本明)が飛行船に乗って飛んでいってしまうくだりで、ブドリが『ほとほとあきれて見る』という表現があってそれが印象に残ってます。見とれて呆気にとられるようなニュアンスで『ほとほとあきれる』という言葉を使っているのがすごく面白い。こういうニュアンスでこんな言葉を使うのかと気づかせてくれるんですね」。冒頭の自らの“変化”にまつわる言葉は、アニメーションのアフレコ現場で役に入り込むことの難しさについて語る中で出てきたもの。実写作品や舞台では衣裳や小道具、共演者と作り出すシチュエーションのおかげで比較的役に入り込みやすいが、アフレコの現場ではそう簡単にはいかないという。「基本的に(役になりきるのが)すごく苦手なんです。特に声優は私服で、ギリギリまで素の自分ですから、急にテンション上げるのはすごく苦手で…。でも最近になってやっと、羞恥心のタガを外してすんなりと入っていけるようになりました」。この“羞恥心”とは、年齢を重ねていく中でいつの間にか身に纏うようになっていたものだという。「ある時期までは、ただがむしゃらに羞恥心なんて関係なくやってきたと思うんです。でも基本的に昔から恥ずかしがり屋だし、失敗することがすごく嫌いな人なんですよ(笑)。だからある程度の土台みたいなものが出来ていく中で『こういうことはしちゃいけない自分』というのを作ってしまったんでしょうね。そこに甘んじて過ごしていて、ふと傍から自分を見たときに『これ、つまんない。個性がない俳優さんになっちゃったな』と思ったんです」。「自分が一番したくない恥ずかしいことをするしかない」そこからの打開策は凄まじいの一言に尽きる。「この“つまらない自分”を壊すのにどうしたらいいか?と考えて、自分が一番したくない恥ずかしいことをするしかないだろう」という結論に至ったそうだ。繰り返しになるが、決して誰かに要求されたことではない。脂の乗り切った人気絶頂とも言える時期にもう一度、自らに向き合い、新しい自分を作り上げていく――それはとてつもない勇気を要することである。「それはもうすごい勇気要りましたよ。元々、初めてのチャレンジをしたがらないタイプ(苦笑)で、『やってみなよ、楽しいから』と言われても『いや、おれはいいわ』と言う人だから(笑)。最近はそう言われたら必ずやってみるようにしてます。やっぱりもうボチボチ、一通りのことはやって来たと思うし、そろそろ内面を広げていかないといけないなと。もちろん、これまでも全ての作品で一生懸命やってるんですが、昔は0点取ることもあれば100点取ることもあるぐらいの思いでやってた。それが最近は60点から70点の平均点を取るような芝居ばかりしてたと思う。『失敗したくない』と『ある程度やっておけばどうにかなる』というところに落ち着いてたんだなと。それよりもつまんないときもあればすごく面白いときもある役者でありたいという気持ちが湧いてきて『もう一回、自分と会話しよう』って思いました」。厳しい自然に向き合いつつも理想郷“イーハトーヴ”に思いを馳せた賢治は激動の時代を生きたロマンチストと言える。小栗さんはロマンチスト?そんなこちらの問いに「はい、ロマンチストな方だと思います…具体的にどんなところがっていうのは出てこないけど…」と少し照れくさそうに微笑む。ここまで述べてきた真摯な言葉のひとつひとつがその証拠と言えるだろう。その心の内に潜む甘美な夢想をぜひ映画の中で形にして私たちを楽しませてほしい。(photo&text:Naoki Kurozu)■関連作品:グスコーブドリの伝記 2012年7月7日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012「グスコーブドリ製作委員会/ますむらひろし
2012年07月04日小栗旬が声優を務めるアニメーション映画『グスコーブドリの伝記』で音楽を担当した世界的なバンドネオン奏者の小松亮太が23日に都内で行われた本作の親子試写会に登壇した。その他の写真本作は、宮沢賢治の同名作を基に、冷害にみまわれた森で暮らす青年ブドリが、その脅威に向き合いながら、自身が愛する人々を守るために奔走する姿を描く感動作。小松は日本を代表するバンドネオン奏者、音楽家で、映画音楽を手がけるのは本作が初となる。小松は「どうやって映画音楽を作っていくのか…正直難しいんじゃないかと思いました。でも、やってみると本当に面白くて。いろいろな登場人物が出てくるのですが、それぞれのキャラクターが出てくる度に、各キャラクターのメロディと創造を働かせて作っていきました」と振り返り、集まった親子客の前で本作のメインテーマと、主題歌にもなっている小田和正作曲の『生まれ来る子供たちのために』を演奏した。小中学生が集まった客席に小松は「僕の普段のコンサートだとありえない感じです(笑)。僕も小学生と中学生の子供がいるのですが、本作を楽しみにしています」と“パパの顔”を見せつつ、「この映画を観て“何のために生きるのか”を考えてもらいたいです。80年前に本作を贈り出した、宮沢賢治のハートに触れるつもりでぜひ観てください」と作品をPRした。『グスコーブドリの伝記』7月7日(土)丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
2012年06月27日小栗旬が声優を務めるアニメーション映画『グスコーブドリの伝記』のTVスポット映像が放送よりもひと足早く公開された。『グスコーブドリの伝記』スポット映像本作は、宮沢賢治の同名作を基に、冷害にみまわれた森で暮らす青年ブドリが、その脅威に向き合いながら、自身が愛する人々を守るために奔走する姿を描く感動作。このほど公開されたスポット映像は全3パターン。“ストーリー編”は、小栗が声を演じた青年ブドリの物語を中心に本作の概要と世界観をコンパクトに伝える。“主題歌編”は、杉井ギサブロー監督が主題歌に熱望した小田和正の『生まれ来る子供たちのために』と映画の映像が見事に融合した内容で、“ネリ編” は、忽那汐里が声を演じたブドリの妹ネリと、消えてしまった妹を探すブドリの姿を描く。いずれの映像も短いものだが、宮澤賢治が創作した自然豊かな理想郷や、レトロフューチャーな都市、愛らしいネコのキャラクター、小田和正の透き通った歌声、そして映画が伝えようとする真っ直ぐなメッセージが凝縮された映像に仕上がっている。TVスポット映像は、明日23日(土)より順次、放映される。『グスコーブドリの伝記』7月7日(土)丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
2012年06月22日日本が世界に誇る作曲家・編曲者・シンセイサイザー奏者の冨田勲による新制作交響曲「イーハトーヴ」が、11月に世界初演されることが決定した。冨田勲新制作交響曲「イーハトーブ」世界初演の公演情報1950年代より、数々のテレビ番組、コマーシャルや映画、手塚治虫のアニメーション作品などで音楽を担当し、多くの名曲を生み出してきた冨田勲。また、日本の電子音楽の草分け的存在としても活躍。シンセサイザーを駆使した「管弦楽曲の電子音による再創造」という独自の芸術手法は、世界各国で高い評価を得、アルバム『月の光』(1975年)、『展覧会の絵』(1976年)、『惑星』(1977年)は全米ビルボードクラシカルアルバムチャート第1位を獲得。日本人で初めてグラミー賞にノミネートされ、多くのアーティストに影響を与えてきた。40年以上にわたり新たな音楽を開拓し続け、80歳の節目を迎えた冨田勲が、新たに世界に向けて発信する新曲は、宮沢賢治による造語「イーハトーヴ」(※)をタイトルにした交響曲だ。宮沢賢治の精神、東北の大自然、そして冨田勲の音楽が、フルオーケストラと大合唱が織り成す演奏で壮大に描かれる。冨田勲新制作交響曲「イーハトーヴ」世界初演は、11月23日(金・祝)に東京オペラシティ コンサートホール(東京都)で開催。指揮は大友直人、演奏は日本フィルハーモニー交響楽団が担当する。チケットの一般発売は6月23日(土)10時より。また一般発売に先駆け、6月16日(土)10時よりチケットぴあで最速先行が受付開始となる。※イーハトーヴ…宮沢賢治の造語。宮沢賢治の心象世界中にある理想郷を指す言葉で、故郷の岩手県をモチーフにしたと言われている。
2012年06月15日小栗旬が声優を務めるアニメーション映画『グスコーブドリの伝記』が夏に公開されるのを記念した写真コンテストが現在、特設サイトで行われている。その他の写真本キャンペーンは、劇中で主人公が理想郷“イーハトーヴ”を守るべく行動することから、参加者が守りたい、大事にしたい“あなたのイーハトーヴ”を写真で募集するというもの。応募作品は、杉井ギサブロー監督らが審査し、入賞者にはプレゼントがおくられる。杉井監督は「ブドリは沢山の人と出会い、沢山のものをもらって成長してゆきます。是非、今のあなたにとって忘れられない思い出として残っている景色や家族との写真などの心の記憶を投稿して下さい。皆さんの大切な想い出に出会えることを楽しみにしています」とメッセージを寄せている。応募は特設サイトで受け付けており、7月上旬に入賞者が発表される予定。本作は、宮沢賢治の同名作を基に、冷害にみまわれた森で暮らす青年ブドリが、その脅威に向き合いながら、自身が愛する人々を守るために奔走する姿を描く感動作。『グスコーブドリの伝記』7月7日(土)丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
2012年06月14日東北が生んだ国民的作家・宮沢賢治の代表作を80年の時を経て、アニメーション映画として蘇らせた『グスコーブドリの伝記』。6月12日(火)に世界最速となるジャパン・プレミアが行われ、ボイスキャストを務めた小栗旬を始め、忽那汐里、草刈民代、そして杉井ギサブロー監督と音楽担当の小松亮太が宮沢さんゆかりの地、岩手県花巻市で舞台挨拶を行った。美しきイーハトーヴの森を舞台に、厳しい自然と向き合う主人公・ブドリが家族と故郷を守るために奮闘する姿を描く本作。原作は三陸沖地震や大規模な冷害に何度も見舞われるという厳しい環境の中でも故郷を愛した宮沢さんの思いが込められた傑作である。まず現地に到着した一行を出迎えたのは、花巻市の幼稚園児たち。サプライズとばかりに本作の主題歌である「生まれ来る子供たちのために」(小田和正)を園児たちが大合唱するという歓迎を受けた。さらに今春、花巻市では「(宮沢)賢治まちづくり課」という新しい課が設立されたが、小栗さんはこのセレモニーに駆けつけた花巻市・大石市長から「ぜひ『賢治課』課長を務めていただきたい!」と告げられ、宮沢さんが愛用していた帽子のレプリカが贈呈された。これに小栗さんは大感激の面持ちで「とても光栄です!“小栗賢治”として、賢治が愛した岩手の土地を1日ですが、映画と共にPRしたいです!」と語った。次に向かったのは、ジャパン・プレミアの会場となった宮沢さんの母校・花巻農業高校。本作を鑑賞した生徒たちからの割れんばかりの歓声の中、舞台挨拶に登壇した小栗さんは「まんず、花巻さ来るごとできだじゃ(ようやく、花巻に来ることができたな~)。みなさん、映画は楽しんでいただけましたか?熱気ムンムンの体育館ですね(笑)」と岩手訛りを交えて挨拶。さらに、「教科書にも“花巻農業高校”と出てきて、テストのために暗記しました。その学校に来ることになるなんて、思ってもいませんでした」(忽那さん)、「27年前の『銀河鉄道の夜』の映画化から、久しぶりに花巻に来ました。ただ、この学校は初めてです。こういう自然の中で、賢治が作品を作っていたと思うと感慨深いですね」(杉井監督)とそれぞれに思いを口にした。劇中では愛する家族を守ろうとするブドリの奮闘を通して、家族の絆の大切さが描かれているが、役を通じての感想を聞かれ、先日結婚したばかりの小栗さんは「うちは仲の良い家族なので、自分と全く違うブドリのようになったらどうなるんだろうと思ったり…未来に生まれ来る子供たちのことを考えたりしました」。草刈さんは「子供たちへの愛情から来る重みのある一言一言を、セリフとして伝えることがいままでにない経験でした」と改めてふり返った。そして、最後に小栗さんは「花巻からこの映画をスタートできたことがとても嬉しいです。ここから全国に届けていきたいと思います」と挨拶し、宮沢賢治ゆかりの地でのPRを締めくくった。『グスコーブドリの伝記』は7月7日(土)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。■関連作品:グスコーブドリの伝記 2012年7月7日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012「グスコーブドリ製作委員会/ますむらひろし
2012年06月13日小栗旬が声優を務めるアニメーション映画『グスコーブドリの伝記』のジャパンプレミアが12日に岩手県花巻市で行われ、小栗、忽那汐里、草刈民代、音楽を手がけた小松亮太と杉井ギサブロー監督が登壇した。その他の写真プレミア上映前に行われた歓迎セレモニーで、花巻の幼稚園児たちから花束をプレゼントされ、花巻市長より“一日賢治課 課長”に任命された小栗は「機会があれば来たいと思っていたので、今日来られてよかったです。大自然の中で気持ちよい場所で、リラックスできました。賢治が愛した岩手の土地を一日ですが、映画とともにPRしたいです」とコメント。宮沢賢治の母校である花巻農業高校で行われたプレミア上映では「僕らは作品を通して、イーハトーヴに触れてきたけれど、その場所で、映画を観てもらえたことがとてもうれしいです」とあいさつした。杉井監督は「27年前の『銀河鉄道の夜』の映画化から、久しぶりに花巻に来ました。ただ、この学校は初めてです。こういう自然の中で、賢治が作品をつくっていたと思うと感慨深いですね」と言い、「震災があって、自然と人間の関係を考えさせられ、僕らができることはこの映画をきちんと作り上げること、賢治の想いを伝えることだと思いスタッフみんなで力を出し切りました」と集まった学生たちに語りかけた。本作は、宮沢賢治の同名作を基に、冷害にみまわれた森で暮らす青年ブドリが、その脅威に向き合いながら、自身が愛する人々を守るために奔走する姿を描く感動作。『グスコーブドリの伝記』7月7日(土)丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
2012年06月13日小栗旬が声優を務めるアニメーション映画『グスコーブドリの伝記』のオリジナル“読書ポスター”が、全国約4万の小中高校に掲出されることが決定した。その他の写真本作は、宮沢賢治の同名作を基に、冷害にみまわれた森で暮らす青年ブドリが、その脅威に向き合いながら、自身が愛する人々を守るために奔走する姿を描く感動作。傑作アニメ映画『銀河鉄道の夜』のスタッフが再集結して作りあげた作品で、小栗が主人公ブドリの声を演じるほか、忽那汐里、柄本明が声のキャストを務める。本作は、その完成度の高さから先ごろ、文部科学省 特選(青年向き)と文部科学省 選定(少年・成人・家庭向き)に認定。全国学校図書館協議会とのタイアップが決まり、本作のポスターと、オリジナル“読書ポスター”が全国の学校に掲出される。原作者の宮澤賢治の作品は、学生を中心に読み継がれている名作が多く、本ポスターも多くの学生の目にとまることが予想される。『グスコーブドリの伝記』7月7日(土)丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
2012年06月06日宮沢賢治『銀河鉄道の夜』『風の又三郎」』を原作とした映画、『グスコーブドリの伝記』が7月7日より全国公開される。『あらしのよるに』の杉井ギサブローが監督、声の出演は小栗旬、忽那汐里、佐々木蔵之助など実力派が勢ぞろい。その『グスコーブドリの伝記』とコラボして絵本を制作したのが清川あさみ。「Zipper」「CUTiE」などで人気雑誌のモデルを務めながら、女優たちに刺繍をほどこし動物に変身させる「清川あさみの美女採集」など、アーティストとして人気を博している彼女。その華麗で繊細な世界観が、若い女性を中心に大きな支持を集めている。今回、映画を清川あさみ流に絵本にした「宮沢賢治作『グスコーブドリの伝記』」は、彼女の第五作目にあたり、6月27日(予定)に発売される。これを記念して、絵本の原画を展示した“清川あさみ展Another World~宮沢賢治「グスコーブドリの伝記」~”が同時開催されるので注目したい。“清川あさみ展Another World~宮沢賢治「グスコーブドリの伝記」~”では、清川の絵本の原画だけでなく、映画の原画も公開される。また、清川は映画をイメージした限定コラボビジュアル『budori』も制作。美しい繊細な刺繍が、映画の世界をより魅力的に引き出してくれる。映画『グスコーブドリの伝記』を観て、清川は次のコメントを寄せた。「この物語はひとりの小さな勇気あるブドリという男の子が立派に成長していくお話。自然というものは最も美しく、最も厳しいという事をこの物語に教えられました。このようなタイミングで日本の美学を表現出来た事を嬉しく思います。イーハトーブの森と幻想的な美しい日本の風景を愛に溢れるブドリと一緒に体感して下さい」【ストーリー】イーハトーヴ森の木樵りの息子として両親と妹と穏やかに暮らしていたブドリは、森を襲った冷害のため家族を失くし、一人ぼっちに。それでもブドリは、生きるために一生懸命働き、やがて成長し火山局に勤めるようになる。そこに再び襲ってきた大きな冷害。あの悲劇を繰り返さないため、ブドリは決心する。みんなのために、自分ができることを行いに―。作品情報声の出演:小栗 旬、忽那汐里、柄本 明ほか原作:宮沢賢治監督・脚本:杉井ギサブロー主題歌:小田和正「生まれ来る子供たちのために」公開:7月7日(土)、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー 映画公式サイト
2012年05月25日すれ違い生活が原因か女優の宮沢りえが元プロサーファーで実業家の夫と離婚することが分かった。2人は2009年4月に結婚、子どもも設けていたが、その生活は3年でピリオドが打たれることとなったようだ。近しい関係者の証言によると、互いに多忙な生活を送っていたため、すれ違いが生じたことが原因という。夫はサングラスメーカーの責任者として、ハワイを拠点に活動しており、女優活動を行う宮沢とのあいだには、互いに距離が生じてしまったとみられる。(出演中の舞台「THE BEE」より参考画像)新たな一歩で前向きに女優業へ所属事務所は、離婚報道について否定しなかったものの、8日昼現在のところ正式なコメントは出していない。近く本人による会見があるのではともいわれている。長女出産後、CMに、ドラマに、舞台にと、積極的に女優として再び活躍している彼女。現在も舞台「THE BEE」で警官、リポーター、ストリッパーというそれぞれ大きく異なる3役を体当たりで演じている。変わらぬ美しさはもちろん、その演技力には定評がある。離婚は彼女から提案したとも報道されており、ひとつの節目となる決断として、新たな一歩を踏み出したのではないだろうか。女優として、前向きに挑み続ける今後の彼女に期待したい。元の記事を読む
2012年05月09日小栗旬が声優を務めるアニメーション映画『グスコーブドリの伝記』の最新予告編とポスター画像がこのほど公開された。『グスコーブドリの伝記』予告本作は、宮沢賢治の同名作を原作に、冷害にみまわれた森で暮らす青年ブドリが、その脅威に向き合いながら、自身が愛する人々を守るために奔走する姿を描く感動作。傑作アニメ映画『銀河鉄道の夜』のスタッフが再集結して作りあげた作品で、小栗が主人公ブドリの声を演じるほか、忽那汐里、柄本明が声のキャストを務めている。このほど公開された予告編は、イーハトーヴと呼ばれる森で暮らすブドリとその妹ネリの姿を捉えた映像を冒頭に置き、以降で物語のダイジェストシーンを紹介。丁寧に描きこまれた美しい映像と、小栗らキャスト陣の声の演技を短い時間ながら楽しむことができる。また、ポスター画像はブドリの姿が中央に配置され、“ボクにも、きっとできることがある”というコピーがデザインされたもの。繰り返し人々の生活を苦しめる冷害や自然の猛威を前に、ブドリがとった行動とは? 物語の展開が気になる仕上がりだ。本作は、7月7日(土)から全国公開される。『グスコーブドリの伝記』7月7日(土)丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
2012年05月02日アニメーション映画『グスコーブドリの伝記』の完成報告会見が4月4日(水)、東京の明治記念館で行われ、ボイスキャストを務めた小栗旬、忽那汐里、柄本明、杉井ギサブロー監督が出席した。1985年に宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」をアニメ化した杉井監督×ますむらひろし(キャラクター原案)のコンビによる新作で、「銀河鉄道の夜」と同じく原作は宮沢賢治の小説。美しきイートハーブの森を舞台に、厳しい自然と向き合う主人公・ブドリの成長を描き出す。子供の頃に『銀河鉄道の夜』を観て、さらに杉井監督の手による「タッチ」シリーズも大好きだったという小栗さんは「『銀河鉄道の夜』のジョバンニがすごく印象に残っていて、お話をいただいたときは嬉しい反面、『(自分で)大丈夫かな?』という気持ちでしたが、監督にお会いできるというのが嬉しかった」とふり返る。実際に会った杉井監督の印象について「怖い人なんじゃないかというイメージがあったんですが、すごく物腰が柔らかくてびっくりしました」と明かした。忽那さんは本作で声優に初めて挑戦したが「地声が普段から低いので、監督からは『とにかく幼く』と言われて不安でしたが、画面と向き合うという作業は新鮮でした」と笑顔で述懐。作品については「いろんなキャラクターが登場しますが、犠牲の上での“何か”が描かれていて、それをメッセージとして受け取りました」と真摯に語った。柄本さんは「監督の作った世界で、監督に導かれながらやりました」と語るが、杉井監督は「賢治作品は2度目ですが、みんなが賢治の世界を自分で取り込んでやってくれるので、僕はほとんど何もしていないです」と穏やかな笑みを浮かべた。さらに「現代は音がとても多いけど、人の声は“言霊(ことだま)”として魂を持っている。みなさんの気持ちが入って、映画が大きくなっていくのを実感し、声に力があるんだということを久々に感じました」と声優陣を称えた。またこの日、主題歌が1980年に小田和正が「オフコース」時代に発表した「生まれ来る子供たちのために」に決定したことが発表され、小田さんの歌声が入った特別映像も上映された。杉井監督は、企画段階からこの曲を主題歌として念頭に置いていたことを明かし「詞そのものが、まさに賢治が童話に込めた思いとシンクロしている」と語る。小栗さんや忽那さんが生まれる前に発表された楽曲だが、曲と詞が伝える世界観について小栗さんは「この作品のために作った曲ではないのに、そうなっているのがすごいですね」としみじみと語った。報道陣からは新婚の小栗さんに対し、曲のタイトルと引っかけて「自分が父親になったら子供に映画を見せたいか?」、「“生まれ来る子供”に対しての思いは?」という質問も飛んだが、小栗さんは「きっとそう来ると思ってました」と動じることなく「僕の心の中に(答えは)ありますが、言わないですよ」とかわしていた。『グスコーブドリの伝記』は7月7日(土)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。■関連作品:グスコーブドリの伝記 2012年7月7日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012「グスコーブドリ製作委員会/ますむらひろし■関連記事:小栗旬の母親役に草刈民代!『グスコーブドリの伝記』豪華声優陣が続々発表小栗旬&忽那汐里が兄妹役で共演!宮澤賢治原作『グスコーブドリの伝記』声優に挑戦
2012年04月04日時代を超えて愛され続ける作家・宮澤賢治の名作を、映画『銀河鉄道の夜』の製作チームが5年越しで完成させたアニメーション映画『グスコーブドリの伝記』。先日、ボイスキャストとして小栗旬と怱那汐里が主演を務めることが発表されたのに続き、声優初挑戦となる草刈民代を始めとする豪華キャストの参加が新たに発表された。イートハーヴの森で両親と妹と穏やかに暮らしていたグスコーブドリ。しかしある日、森を襲った冷害で家族を亡くしたブドリはひとりぼっちになってしまう。生きるために火山局で一生懸命働くようになるブドリだったが、そこに再び大きな冷害が立ちはだかり、ブドリはある決心をする――。本作で声優初挑戦となる草刈さんが演じるのは、小栗さん演じる主人公・ブドリの母親役。さらに、イーハトーヴの大学で科学を教えるクーボー博士役兼ナレーションに柄本明、大きなマントをまとい子供を連れ去っていく謎の男、子取り役に佐々木蔵之介、そして心優しいブドリの父親役に林隆三と、個性豊かな俳優陣が宮沢賢治の創り上げた世界観をより一層盛り上げる。アフレコに参加したキャストからそれぞれ充実したコメントが寄せられる中、アフレコ初挑戦となった草刈さんからは「声優はぜひ挑戦したいと思っていました。登場人物たちに深みのある作品で、私が演じた主人公・ブドリの母はとても繊細な女性なので緊張しました」とのコメントも。宮沢賢治が描く、優しくも独特の風刺が効いた世界観をこの豪華キャストがどう盛り上げてくれるのか期待される。『グスコーブドリの伝記』は7月7日(土)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。■関連作品:グスコーブドリの伝記 2012年7月7日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012「グスコーブドリ製作委員会/ますむらひろし■関連記事:小栗旬&忽那汐里が兄妹役で共演!宮澤賢治原作『グスコーブドリの伝記』声優に挑戦
2012年03月19日主演の阿部力を筆頭に、ケンドーコバヤシやカンニング竹山らお笑い芸人たち、鈴木亜美、栗山千明と異色のキャスティングが注目を集めている『ゴーストライターホテル』。公開を目前に控えた本作で、夏目漱石の幽霊という難役に挑んだ“世界のナベアツ”こと桂三度のコメント映像がこのほどシネマカフェに到着した。偉大なる文豪たちが執筆のために泊り込んだというホテルを舞台に、小さい頃から見ていた小説家への夢を捨てきれない主人公・内海と、宮沢賢治や太宰治ら文豪たちの幽霊との奇妙な出会いを描いた“幽霊コメディ”エンターテインメント。映像の冒頭から「役づくりのために、夏目(漱石)さんの『こころ』を読ませていただきました!」と語り、自身の演技にご満悦の様子の三度さん。監督の演出や印象に残ったシーンについては、スタッフや主演の阿部さんに称賛を贈り、ボケることもなく淡々と答えてくれたのだが、太宰治の幽霊を演じた後輩芸人、フルーツポンチ・村上健志の演技について聞かれるとなぜか突然のダメ出し!「モタモタしとったねぇ…」と渋い顔をしつつ、役者目線のコメントで“演じる”ことについてとつとつと語る。世界のナベアツとして一世を風靡した三度さんだが、芸人としてでなく役者として決して妥協を許さない。とは言いつつも、芸人の血が徐々に疼き出してきたようで、撮影時のおもしろ話や今後やってみたい役柄に話題が及ぶと、芸人・桂三度としての話芸も十分に見せてくれている。TVでは見ることのできない、俳優・桂三度の一面を覗いてみては?『ゴーストライターホテル』は3月17日(土)よりシネマート新宿ほか全国にて公開。※こちらの映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:ゴーストライターホテル 2012年3月17日よりシネマート新宿ほか全国にて公開© テレビ朝日/吉本興業■関連記事:抱腹絶倒“幽霊コメディ”!『ゴーストライターホテル』試写会に10組20名様をご招待ケンドー・コバヤシ、ヒット祈願のはずが頭の中は「彼女できへんかな…」
2012年03月16日未曾有の大震災から1年。現在も続く復興状況の中、“鎮魂と復興協力への新たな思い”を舞台から届ける朗読プロジェクト、朗読『宮沢賢治が伝えること』が発表された。『銀河鉄道の夜』や『風の又三郎』で知られる、詩人で童話作家の宮沢賢治の言葉を、朗読劇として上演する。プロジェクトに賛同したのは総勢38名の“舞台人”。舞台で活躍している俳優、演出家、劇作家らが1公演に3名ずつ、ステージごとに様々な組み合わせで出演する。出演者は蒼井優、麻実れい、伊藤蘭、内山理名、大竹しのぶ、貫地谷しほり、木村佳乃、黒木メイサ、小池栄子、小泉今日子、小林聡美、白石加代子、鈴木杏、鈴木京香、戸田恵子、広末涼子、宮沢りえ、本谷有希子、井上芳雄、浦井健治、江口洋介、風間杜夫、篠井英介、笑福亭鶴瓶、鈴木浩介、高橋克実、段田安則、堤真一、中川晃教、長塚圭史、野村萬斎、平幹二朗、星野源、松尾スズキ、松坂桃李、三谷幸喜、八嶋智人、山本耕史(男女別・50音順)。演出は栗山民也が務める。日本の演劇界を代表する錚々たるメンバーが顔を揃え、宮沢賢治の言葉の力をエネルギーに、舞台から被災地へ思いを届ける。公演は東京・世田谷パブリックシアターにて5月9日(水)から6月3日(日)まで開催。チケットは4月7日(土)より一般発売開始。キャストの組み合わせ・出演日詳細は、シス・カンパニーのホームページ(で追って発表される。なお、公演の収益の一部を東日本の被災地へ義援金として寄付する。
2012年03月13日『銀河鉄道の夜』『風の又三郎』など、数々の名作を送りだした宮澤賢治原作の映画『グスコーブドリの伝記』の主役ブドリ役を俳優の小栗旬が務め、妹のネリ役を女優の忽那汐里が演じることが発表された。その他の写真本作は、美しいイーハトーヴの森で両親や妹と穏やかに暮らしていた主人公のブドリが、突然森を襲った冷害で家族を失うが、それでも希望を失わずに精一杯生きていく姿を描いた感動の物語。『銀河鉄道の夜』のアニメ化を手がけた杉井ギサブローが監督を務めている。原作者の宮澤は東北岩手出身者であり、その生涯で数々の災害に見舞われた。それでも故郷を愛し続けた彼は、作中で東北の森を題材に自身が経験してきた自然の脅威や被害を描いている。今回主役を演じる小栗は、宮澤作品ならではの日本語の豊かさ溢れる原作のファンだそうで、映画の仕上がりにも惚れ込んでいるとのこと。希望を失わず立ち向かっていく主人公の役柄について、「想いがすごく強いキャラクターなので、台本をもらった時に彼のまっすぐさ、ひたむきさが声のトーンに出ればと思った」と意気込みを語っている。また、昨年放映されたドラマ『家政婦のミタ』で注目を浴びた忽那が演じるのは、寂しくても兄に愚痴をこぼさない健気な妹役。今回が声優初挑戦で、「本当に声だけで演技するのが初めてなのでとても緊張しましたが、楽しく演じさせていただきました」とコメントしている。本作は、7月7日(土)より全国で公開する。『グスコーブドリの伝記』7月7日(土)全国公開
2012年03月09日岩手県が生んだ文豪・宮澤賢治原作のアニメーション作品『グスコーブドリの伝記』で、主人公・ブドリの声を小栗旬、ブドリの妹・ネリを声優初挑戦となる忽那汐里が務めることがこのほど明らかになった。イートハーヴの森の木こりの父親と母親、そして妹と穏やかに暮らすブドリ。しかし、突然の天災で家族を失くした彼は一人ぼっちになってしまう。それでも希望を失わず、妹・ネリを探し続けるブドリの長い長い旅が描かれる。主人公・ブドリ役に抜擢された小栗さんは、「想いがすごく強いキャラクターなので、台本をもらったときに彼のまっすぐさ、ひたむきさが声のトーンに出ればいいなと思いました。(原作は)宮澤賢治の日本語の豊かさがあふれていて大好き」と、作品の出来に惚れ込んでいる様子。また、寂しくてもお兄ちゃんのブドリに愚痴をこぼさない健気な妹・ネリを演じた忽那さんは、「本当に声だけで演技をするのが初めてなので、とても緊張しましたが、楽しく演じさせていただきました」と、初挑戦ながらもアニメーションに命を吹き込む“声優”という仕事を満喫したようだ。名作『銀河鉄道の夜』のスタッフによって描かれる本作。原作ファンにとどまらず、映画ファン、アニメファン注目の作品となりそうだ。『グスコーブドリの伝記』は7月7日(土)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。■関連作品:グスコーブドリの伝記 2012年7月7日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012「グスコーブドリ製作委員会/ますむらひろし
2012年03月09日『スマグラーおまえの未来を運べ』や『ワイルド7』など話題作への出演が続く阿部力を主演に、吉本芸人たちが競演する“幽霊コメディ”エンターテインメント『ゴーストライターホテル』。本作の公開記念イベントが、1月31日(火)、東京・湯島天神で行われ、阿部さんを始め、鈴木亜美、桂三度(世界のナベアツ)、ケンドーコバヤシ、伊東寛晃監督が出席し、快晴のなか大ヒット&合格祈願を行った。偉大な文豪たちが執筆のために泊り込んだというホテルを舞台に、小さい頃から見ていた作家への夢を捨てきれず、妻にも愛想を尽かされた内海(阿部力)とかつての文豪たちの幽霊との奇妙な出会いを描いたコメディ。この日イベントが湯島天神は、学問の神様として知られる菅原道真に縁のある厳かな場所。阿部さんは「いままでとは違う新鮮な気持ちになりました」と清々しい表情を見せた。紅一点の鈴木さんは内海のライバル作家のアシスタントを演じているが、「映画がヒットしてくれるように心を込めて、ついでに自分の気持ちも清めてもらおうと願ってきました(笑)」。伊東監督も「文豪たちに縁のある場所であると聞いて、厳かな気持ちになりました」とヒットに向けて各々の思いが語られるなか、ケンドーさんだけ「映画のヒットを祈願してたんですけど、気づいたら途中から『彼女できへんかな…』とか思ってたんで、僕の邪念のせいでヒットしないかもしれない…」と打ち明け、笑いを誘った。撮影期間が約1週間というハードな撮影だったようだが、阿部さんは「すごく楽しい1週間を過ごせました。みなさんが度々アドリブを出してくるので、笑ってしまうのをこらえるためにテストで慣らしてから本番に臨むような、笑いがある現場でした」と、吉本芸人たちのアドリブに苦しめられながらも充実した様子。その元凶は桂さんとケンドーさんの2人だったようだが、監督からは「(桂さんの)外見が夏目漱石っぽい」、「映画を撮ってる間に『宮沢賢治はケンコバだったんじゃないかな』と思うくらいでした」と太鼓判が押された。これに気を良くした2人は、「監督もおっしゃったように、“(夏目漱石)そのまま”みたいなところがあるんで、ストレートにやらせていただききました」(桂さん)、「あんまり知られてないけど、宮沢賢治は春画集めが趣味やったらしいんです。春画はいまでいうAV。僕もAV2,000枚ぐらい持ってるので、ピッタリやったんやないかな」(ケンドーさん)と揃って自画自賛を並べた。最後に、キャストたちが願い事を書いた絵馬を披露。「『ゴーストライターホテル』大ヒット」と真摯にヒット祈願に勤しむ阿部さんをよそに、「資格を取るぞ」(鈴木さん)、「チカンアカン!!」(桂さん)、「彼女をひとつ、お願いします」(ケンドーさん)とそれぞれ映画と全く関係ない願い事を堂々と披露し、最後まで笑いの絶えないイベントとなった。『ゴーストライターホテル』は、3月17日(土)よりシネマート新宿ほか全国にて公開。■関連作品:ゴーストライターホテル 2012年3月17日よりシネマート新宿ほか全国にて公開© テレビ朝日/吉本興業
2012年02月01日10月7日に岩手県花巻市からスタートした演劇集団キャラメルボックスの『賢治島探検記』東北応援無料ツアーが10月13日、福島県いわき市・小名浜市民会館で最終日を迎えた。東日本大震災の被災者の方々に少しでも演劇の力で元気になってもらいたい……劇団の想いはもとより、日頃から彼らを応援する数多くの人たちのサポートで実現した今回のツアーは、被災地域を中心に7日間毎日場所を変えての強行軍ともいえる日程で敢行された。短期間ながら各地で出会った沢山の観客の気持ちを受け止めてきた俳優たちの成長ぶりは著しく、最後は、大千秋楽にふさわしい喝采のカーテンコールで終幕した。無料公演ということで費用的にも限られたスタッフしか同行することができないため、俳優たちも総出でセットや道具の積み下ろしから準備まですべてのことをこなさなければならない。また、できるだけ被災地域の近くで上演したいという観点から、彼らが普段慣れているような劇場ではなく、中には満足な設備も整っていない会場を使用することもあった。公演が終われば撤収して次の公演地へ向かう、そんな旅一座のような経験は劇団にとっても初めてのことで苦労も多かっただろう。一方、初めて生で演劇を体験する観客がほとんどで、舞台と客席がどこか探り合いながら幕が開いても、すぐに演劇空間に変わっていく様子が印象的だった。それは、宮沢賢治という東北では特にゆかりのある題材が用いられ、キャラメルボックスならではの“人が人を想う気持ち”がまっすぐに表現されたていたからこそ。もちろん、出演者たちの抜群のチームワークと熱のこもった演技がなければ、観客たちを演劇の世界に引き込むことができなかったのは言うまでもない。どの会場にも沢山の観客が訪れていたが、それでも今回の公演を観ることができたのは様々な形で被災された方のほんのごくわずかというべきだ。しかし、今回のツアーで演劇の力によって人を励ますことができると確信した彼らは、これで終わりにはしないだろう。今後も、彼らのみなぎる力でひとりでも多くの人が笑顔になることを願いたい。一方、東北ツアーの最終日となった10月13日、東京で留守を守っていたカンパニーはエーリッヒ・ケストナーの原作を元に構成した『飛ぶ教室』の初日を迎えた。10月23日(日)まで池袋・あうるすぽっと、10月29日(土)・30日(日)葛飾区のかめありリリオホール、11月5日(土)・6日(日)福岡県・北九州芸術劇場 中劇場にて上演。チケット発売中。取材・文:本田裕一郎
2011年10月14日演劇集団キャラメルボックスの『賢治島探検記』東北応援無料ツアーが10月7日、作品のタイトルにもなっている宮沢賢治の郷土・岩手県の花巻市交流会館で初日を迎えた。前夜には大雨警報が発令されるほど荒れた天候も、朝にはすっかり回復。どこまでも晴れ渡る空の下、平日の午後にもかかわらず、この日を待ち望んでいた200名近い観客が詰めかけた。宮沢賢治をこよなく愛する地元の人たちの心にもキャラメルボックスが放つ演劇のパワーはしっかりと受け止められたようで、会場は笑いと涙で包まれた。宮沢賢治を題材にした同劇団の代表作『ブリザード・ミュージック』にも楽曲を提供している音楽ユニット・ZABADAKの吉良知彦が応援に駆け付け、開演前にはミニライブが開催された。ツアー初日の期待が高まる中、「賢治島」を探しにやってきた大学の文学部のゼミの一行を率いる教授(坂口理恵)の第一声で観客は一気に物語の世界に引き込まれていく。作者ゆかりの地ということも俳優たちに影響したからだろうか、全員の演技に自ずと熱が入っていくのが手に取るようにわかる。劇中劇として演じられる『セロ弾きのゴーシュ』をもとにした『ゴーシュ弾かれのセロ』は、終始コミカルな雰囲気で展開され、この公演の発案者でもある坂口の演技力、いや“人間力”とも言うべき魅力にあふれていた。一転、『銀河鉄道の夜』をもとにした『光速銀河鉄道の夜』では、原作の世界観はそのままに、ジョバンニ(畑中智行)とカンパネルラ(岡内美喜子)による細やかな演技表現が日本語の持つ言葉の美しさに改めて気付かせてくれる。『銀河鉄道の夜』で波にのまれた人たちが天上に行く行(くだり)は、今年3月の震災による津波の被害とオーバーラップするところもあり、花巻の地でも未だに沿岸部からの避難生活を強いられている人がいる状況下でどのように受け止められるのか。天候や災害に憂慮した生涯を送った原作者だからこそ描くことのできた作品に敢えて取り組んだキャラメルボックスの想いは間違っていなかったということを、食い入るような目で舞台を見つめ、涙し、割れんばかりの拍手を送った観客が証明していた。キャラメルボックスが少しずつ、しかし着実に、東北に元気を届け始めている。東北応援無料ツアーは10月8日(土)岩手県の沿岸北部・田野畑村アズビィホールへ。その後、宮城県・気仙沼市、仙台市、塩竃市、南三陸町、福島県・いわき市まで続く。詳細は公式サイトにて。取材・文:本田裕一郎
2011年10月08日宮沢賢治の作品に着想した短編で構成される演劇で東北に元気を届けたい……。エンターテインメント演劇に定評のある演劇集団キャラメルボックスが行う東北応援無料ツアーに先駆けて、10月4日・5の2日間、「キャラメルボックス東北ツアー壮行会『賢治島探検記』東北バージョンin BRAVA!」が大阪・イオン化粧品 シアターBRAVA!にて開催された。2日目には1日3回公演を敢行。秋雨の降りしきる中を最終回に駆け付けた観客からは、渾身の演技を魅せた俳優たちに割れんばかりの拍手と声援のエールが贈られて、壮行会の名にふさわしい一夜となった。舞台は街の片隅にある小さな空き地。そこにやってきた大学の文学部のゼミの一行を率いる教授(坂口理恵)が「ここが賢治島だ」と主張し、自説を証明するために学生たちと宮沢賢治の童話を芝居として上演する。劇中劇では『セロ弾きのゴーシュ』をもとにした『ゴーシュ弾かれのセロ』と、『銀河鉄道の夜』をもとにした『光速銀河鉄道の夜』が、歌や楽器の生演奏を交えて、心地よい疾走感と共に展開される。本作は彼らの第二のホームタウン・神戸を襲った阪神淡路大震災の後に、坂口が「被災地の路上でも上演できる作品を」と提案して作られた。それゆえ東北バージョンはいたってシンプルな舞台美術に最小限の照明と音響で、だからこそ俳優の表現力が欠かせないわけだが、実力派揃いの面々にそんな心配は無用。また、文学的な難しさなどは全く感じられず、観終わった後に宮沢賢治の作品を読み返したいという思いにさせるのは、構成(成井豊)と演出(成井・真柴あずき・大内厚雄)のなせる業なのだろう。しかし、時間に余裕がない中で決定された壮行会ながら、多くの観客が詰めかけたというのは、キャラメルボックスがファンに恵まれている証だ。が、それは彼らがこれまで真摯にがむしゃらに演劇に取り組んできたからこそのことで、さらには実際に行動することを決めた彼らに、東北の人たちへ何かしたいと思う関西の観客も気持ちを託したかった表れなのかもしれない。カーテンコールで坂口が「元気を届けてきます」、大内が「行ってきます」と言うと、場内は観客たちの「行ってらっしゃい」の声であふれた。キャラメルボックスにとっての『賢治島探検記』が沢山の人たちの想いを携えてついに東北の地でスタートする。応援無料ツアーは10月7日(金)岩手県・花巻市交流会館からスタートし、岩手県・田野畑村、宮城県・気仙沼市、仙台市、塩竃市、南三陸町、福島県・いわき市で開催。詳細は公式サイトにて。取材・文:本田裕一郎
2011年10月06日演劇集団キャラメルボックスによる『賢治島探検記』東北応援無料ツアーのスタートが、いよいよ10月7日(金)に迫った。また、それに先がけ、10月4日(火)・5日(水)には大阪・イオン化粧品 シアターBRAVA!にて、"壮行会"として、『賢治島~』東北バージョンが披露される。『賢治島~』は、阪神大震災の経験を踏まえ、キャラメルボックスが"路上でも上演できる芝居"を準備しておこうとの考えから作り上げたレパートリー。小さな空き地にやってきた大学の文学部のゼミの一行が、そこで宮沢賢治の童話を芝居として上演する、という劇中劇のフレームを持つ作品だ。その宮沢の故郷である岩手を含む東北地方が被害にあったということで、「この作品を東北に届けたい」という声が後押しとなり、今公演は実現する運びとなった。ツアーの費用には、"キャラメルボックスを東北に送ろう!!キャンペーン"で集まった資金と、大阪で行われる"壮行会"の売上げが充てられる。大がかりな美術や照明には一切頼らない。作品を支えるのは、俳優の表現力ひとつだ。劇中劇として今回は『セロ弾きのゴーシュ』をもとにした『ゴーシュ弾かれのセロ』と『銀河鉄道の夜』をもとにした『光速銀河鉄道の夜』を展開する。歌や生演奏を交えてハイスピードに駆け抜ける80分。観る者を元気にしてくれるエンターテインメント演劇の圧倒的なパワーを信じたい。東北応援無料ツアーの日程と公演地は次のとおり。10月7日(金)岩手県・花巻市交流会館、10月8日(土)岩手県・田野畑村 アズビィホール、10月9日(日)宮城県・気仙沼市 はまなすホール、10月10日(月)宮城県・仙台市 尚絅学院高等学校 礼拝堂、10月11日(火)宮城県・塩竃市遊ホール、10月12日(水)宮城県・南三陸町 南三陸ホテル観洋、10月13日(木)福島県・いわき市 小名浜市民会館。観劇の事前申し込みを受付中。詳細は公式サイトまで。
2011年10月03日