アカデミー賞作品賞の有力候補と言われる『オデッセイ』の試写会が2月2日(火)に米国大使公邸で開催され、上映後には元宇宙飛行士の山崎直子、JAXA宇宙飛行士の野口聡一、NASA宇宙飛行士のクリス・キャシディ、マイケル・E・フォッサムによる質疑応答が行われた。第73回ゴールデン・グローブ賞で作品賞、主演男優賞(マット・デイモン)に輝き、オスカーでも7部門ノミネートの本作。事故で火星にたったひとり取り残された宇宙飛行士のサバイバル、地球への帰還に向けた孤独な戦いを描く。この特別試写会は学生を招待しており、映画を観終わったばかりの学生たちの質問に山崎さんらが答えた。最初に米国大使館を代表して挨拶に立ったキャロライン・ケネディ駐日米国大使は、偉大な宇宙飛行士の挑戦を称え、父のケネディ大統領の時代に月面着陸が達成されたことに触れ「父が月に人類を送ろうとしたのは、それが簡単だからではなく困難だからです」と語り、映画で描かれる火星での有人のミッションについて「危険かつ偉大な冒険ですが、ここにいる何人かが、いつか実現することを信じています」と語った。招待された学生の多くは高校生とあって、宇宙飛行士たちの学生時代について尋ねると、山崎さんは「子どものころは『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河鉄道999』、『スター・ウォーズ』を見て宇宙に感化されました(笑)」と明かし「中学でチャレンジャー号の事故を見て、いつか自分も宇宙飛行士にと思ったのですが、どうしたらなれるのかもわからず、高校時代はテニスに打ち込んでいました。その後、、エンジニアになり、1回目の(宇宙飛行士の)試験は書類審査で門前払いだったのですが、2回目で合格しました」と振り返った。ちなみに、山崎さんが落ちた試験で合格したのが、野口さん。「ごめん(笑)」と山崎さんを拝みつつ、野口さんは「僕は高校のときは、まさにみなさんと同じような感じでした。映画も学校も好きで『スター・ウォーズ』を見ましたね」と懐かしそうに語る。野口さんは、質疑応答を通じてたびたび「仲間」そして「チームワーク」の重要性を熱く語る。「宇宙飛行士の試験で何を見ているかというと、やる気とモチベーション。そして仲間とコミュニケーションを取って解決できるか?一緒に仕事をしてポジティブでいられるかということ。これは壁にぶち当たった時に大事なことと同じです。やる気の強さが壁を乗り越える力になるし、そのためには仲間とのコミュニケーション、ポジティブに楽しんでやれるかということ。宇宙はチームスポーツです!」と語った。映画ではひとり残されたワトソンが、ろくな音楽を聴くことができずに嘆くシーンがあるが、宇宙で恋しくなったものについては、野口さんは「ラーメン!」と即答。山崎さんは「シャワーとお風呂です。映画の中でも出てきますが、体を拭くことしかできず、シャンプーもできないので…(苦笑)」と明かした。映画に関しては山崎さんは「リアリティがあってハラハラしました」と称賛。火星での主人公のサバイバル生活が実際に宇宙ステーションで行われている実験に則していることに加え「チームワークで成り立っていることも描かれており、元気をもらいました」と語る。さらに「心理描写に関しての共感を覚えました」とも。主人公が生活を映像で日記のように記録する点について「私もそうなったら同じことするかなと思いました。ユーモアを取り入れてる点もそうです」と語った。映画の中で、嵐に巻き込まれて行方不明になった主人公を残したまま発つか否かの決断を迫られるシーンがあるが、野口さんは「難しい決断です。思い出したのは僕が初めて宇宙に行く直前にコロンビア号の事故が起きたこと。事故後、最初のフライトになったんですが、船長の女性飛行士が、自分たちが宇宙に行く上での目標について『行きと同じ人数で帰ってくることだけ』と語っていて、それはすごく心に残っています」と自身の経験と重ねて語った。改めて、学生たちとの触れ合いについて山崎さんは「自分が高校生だったころに比べてしっかりしてると思います。いろんな観点で考えていて、嬉しかったです」と積極的に質問を投げかけてきた高校生たちを称えていた。『オデッセイ』は2月5日(金)より公開。(text:cinemacafe.net)
2016年02月02日アカデミー賞7部門ノミネートの『オデッセイ』の特別試写会が2月2日(火)、米国大使公邸で開催。元宇宙飛行士の山崎直子、JAXA宇宙飛行士の野口聡一、NASA宇宙飛行士のクリス・キャシディ、マイケル・E・フォッサムが参加しての質疑応答も行われた。その他の写真リドリー・スコットがマット・デイモンを主演に迎え、無名作家がウェブサイトで発表し、大ベストセラーとなった小説を映画化。火星にひとりで取り残された宇宙飛行士の孤独なサバイバルを迫真の映像と緻密な人間描写で描いていく。米国大使館を代表して挨拶に立ったキャロライン・ケネディ駐日米国大使は、NASAとJAXAのパートナーシップと宇宙飛行士たちの勇気称えつつ、自身の父であるケネディ大統領がアポロ計画を推進した点に言及。「父が月面着陸を進めたのは、その計画が簡単だったからではなく困難だったから。火星にひとを送るというのは危険かつ偉大な冒険。ここにいる誰かがいずれそれを実現してくださるのを期待しています」と語った。学生たちからは、映画の内容にちなんだ宇宙飛行士としての活動や宇宙での生活について、また宇宙や地球の起源の謎についてまで様々な質問が飛ぶ。受験を控えた高校生から「困難やトラブルにぶち当たった時に大切なことは?」という問いに野口氏は、「大事なことは2つ。まず自分の能力を信じて冷静さを保つこと。焦ったり気持ちをダウンにして、できるはずのことができないのを避ける。2つ目は仲間と頑張ること。この映画は、主人公が秀でているように見えて、実はチームワークを描いてます。僕らの宇宙飛行もそうで、多くの仲間が支えてくれて乗り越えられるんです」と語った。この質問に限らず、野口氏も山崎氏も仲間の大切さ、チームワークの重要性をたびたび説く。山崎さんは自身のモチベーションを「メンバーの笑顔です。いい仕事をすれば笑顔で迎えてくれて、それが力になります」と語った。また宇宙から帰って大きく変化したことについて山崎氏は「風の匂い、緑や木々の匂いに心が動きました。自然があることを当然と思っていたけど、それは当たり前ではなく、いろんなバランスで成り立っていると感じ、感謝が大きくなりました」と明かした。また、宇宙飛行士だけでなく一般の人が宇宙に行けるようになる可能性についてキャシディ飛行士は「私たちが活動している時代は無理かもしれませんが、将来的にはそうなると思います。ライト兄弟も人類が国際宇宙ステーションで17年も過ごすとは思ってもいなかったでしょう」と語った。最後に野口さんは若き学生たちに「みなさんの未来が宇宙と共にあることを期待してます!」」とエールを送り、トークセッションは幕を閉じた。『オデッセイ』2月5日(金) TOHOシネマズスカラ座ほか全国ロードショー
2016年02月02日米航空宇宙局(NASA)は1月27日(現地時間)、米国の宇宙開発企業「スペースX」が開発している有人宇宙船「ドラゴン2」に装備される、パラシュートの展開試験が成功したと発表した。同宇宙船は2017年から国際宇宙ステーション(ISS)に宇宙飛行士を運ぶことが計画されており、実現に向けて開発は着実に進んでいる。この試験はアリゾナ州クーリッジ近郊で実施された。試験の実施日は明らかにされていない。試験では、ドラゴン2宇宙船と同じ質量の重りに4基の大きなパラシュートを装着し、輸送機から投下。そしてパラシュートは問題なく開き、試験は成功した。このパラシュートは、ドラゴン2の帰還時に大気中で減速させ、安全に海上に着水させるために用いられる。ただ、ドラゴン2は最終的に、側面に装備した「スーパードレイコー」と呼ばれるスラスター(小型のロケット・エンジン)を使って、SFに出てくる宇宙船のように地上に軟着陸することが計画されている。そのため、パラシュートが使用されるのは、宇宙船の運用初期や、また宇宙からの帰還前にスーパードレイコーに問題があり、着陸ができないことがわかったときのバックアップといった場合に限られることになっている。スーパードレイコーの開発も順調に進んでおり、昨年11月にはその噴射だけで宇宙船を空中で静止させる試験に成功している。(スーパードレイコーの空中静止試験について詳しくはこちら)なお、今回の試験は減速用のメイン・パラシュートのみが対象で、実際の帰還時に使用される、姿勢制御とメイン・パラシュートを引き出すための、より小型のドローグ・シュートに関しては搭載されていなかった。スペースXはNASAからの資金提供を受けてドラゴン2の開発を行っており、今回の試験はその開発の最終段階のひとつであり、またNASAに対する開発状況の証明という意味もあった。スペースXとNASAでは、今後も開発や試験を続けていくとしている。○着実に進むNASAによる宇宙開発の民間委託NASAでは2005年から、国際宇宙ステーション(ISS)への補給物資や宇宙飛行士の輸送を民間企業に任せる計画を進めており、すでに物資の輸送に関しては実現しており、スペースXと同じく米国の宇宙企業であるオービタルATKが補給を実施している。そして現在、スペースXと、米国の航空宇宙大手ボーイングの2社が、NASAからの資金提供を受け、有人宇宙船の開発を進めている。スペースXが開発しているのはドラゴン2という宇宙船で、ISSへの物資補給に使われている「ドラゴン」補給船を大きく改良したもの。最大7人の宇宙飛行士を乗せることができ、耐熱シールドなどを除く機体の大部分を再使用することが可能となっている。またISSとの往復だけでなく、いずれは火星への飛行や、さらには火星の地表への着陸も可能になるという。一方、ボーイングは「CST-100スターライナー」という宇宙船の開発を進めており、こちらも最大7人の宇宙飛行士を乗せることができ、機体の大部分を再使用することが可能となっている。スターライナーの開発や試験も順調に進んでいる両社ともすでに、NASAから宇宙飛行士の輸送を受注しており、今後開発が順調に進めば、スターライナーは2017年中に無人飛行と有人飛行を、一方のドラゴン2は、今年12月にも無人飛行を、2017年に有人飛行を実施する予定となっている。【参考】・SpaceX Tests Crew Dragon Parachutes | Commercial Crew Program・SpaceX Tests Crew Dragon Parachutes - YouTube・Boeing: Crew Space Transportation (CST) System
2016年01月29日6月から国際宇宙ステーション(ISS)で長期滞在を予定している大西卓哉宇宙飛行士が28日、東京・文京区の宇宙ミュージアム「TeNQ」(テンキュー)で行われたマット・デイモン主演『オデッセイ』(2月5日公開)のジャパンプレミアに、本作の宣伝大使を務める女子レスリング日本代表の吉田沙保里選手と共に登場した。大西氏は、宇宙飛行士の訓練について「冬のロシアで行うサバイバル訓練」が印象に残っていると話し、「宇宙船が不時着してことを想定し、2日間くらい寒い雪の中で宇宙船の中にあるものだけを使って生き延びなければならないという訓練」と説明。「高いG(重力)に耐えるという、グルグル回される訓練もありました」と振り返った。そして、火星に独りぼっちで取り残された宇宙飛行士のサバイバルを描いた本作について、「リアリティの高さがNASAの人たちの間でも評判になっていました」とコメント。「実際に火星で滞在する上で、こういうことをちゃんとやらないと火星で生きていけないというところを理論に裏打ちされたような装置をデザインし、宇宙船等もデザインされていた」と語った。もし火星に取り残されたら「映画を参考にし、ジャガイモを栽培して生き延びたい」と言い、火星に行きたいか聞かれると「行ってみたい」と即答。「人間という生き物は、行ったことのないところに行くということを通して文明のレベルを上げてきた生き物。これから先もそういった挑戦は続けていくべき」との考えを示し、「宇宙探査のミッションに関われたらうれしい」と意欲を見せた。さらに、宇宙の魅力について「まだまだ未開の領域。チャレンジングな世界」と伝えた。国際宇宙ステーションに滞在した経験のある宇宙飛行士の油井亀美井氏からのVTRも到着。「去年、私が設置した実験装置を使用して大西さんが実験を行って、私を超えるような成果を出していただければ」とエールを送られると、「非常にすばらしい活躍をされてこられたので、私も油井さんに負けないように頑張りたい」と意気込んだ。(c) 2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved
2016年01月28日女子レスリング日本代表の吉田沙保里選手が28日、東京・文京区の宇宙ミュージアム「TeNQ」(テンキュー)で行われたマット・デイモン主演『オデッセイ』(2月5日公開)のジャパンプレミアに、宇宙服姿で登場した。本作の宣伝大使を務める吉田選手は「火星という過酷な場所にひとりぼっちで生き抜いた姿に感動しました」と本作の感想をコメント。もし自分が主人公のワトニーのように火星に取り残されたら「小さいときからたくさん周りに人がいて、ひとりぼっちということがなかったので、絶対に生きていけない。すぐ死んじゃいそう」とさみしがりやな一面を明かした。そして、ワイヤーにぶら下がった重力が不安定な状態で、岩石(模型)とサンドバッグを制限時間内に移動させるというミッションをクリアし、「やってやりましたよ!」とドヤ顔。6月から国際宇宙ステーション(ISS)で長期滞在を予定している大西卓哉宇宙飛行士も登場し、「身体能力は私よりはるかに勝ってらっしゃる。いつでも宇宙に行けるのでは」と言うと、吉田選手は「宇宙に行ってみたい」と興味を示した。さらに、国際宇宙ステーションに滞在した経験のある宇宙飛行士の油井亀美井氏からの大西氏への応援メッセージVTRの中で、油井氏も「吉田さんであれば今すぐにも宇宙に行ける」と太鼓判を押すと、吉田選手は「宇宙飛行士を目指したい。世界から宇宙へ、大きく夢を持たないと」とノリノリ。また、4連覇の期待がかかる8月のリオ五輪について、大西氏が「宇宙から応援しています」とエールを送ると、「ありがとうございます!」と喜んだ。イベント後の囲み取材では、さみしがりやで甘えたいという発言について記者から「乙女キャラ?」と聞かれると、「キャラじゃないです、本当に乙女です! 男性には甘えたい」と照れ笑い。「男らしくしっかり、優柔不断じゃない人がいいです」と好みのタイプを明かした。リオ五輪についても「リオでどれだけ成績を残せるかが、2020年の東京オリンピックを応援してくださるかにつながる」と語り、「しっかり体調を整えて、調整をうまくやっていきたい」と気を引き締めた。リドリー・スコット監督とマット・デイモンが初めてタッグを組んだ『オデッセイ』は、火星に独りぼっちで取り残された宇宙飛行士の運命を描いたサバイバル・アドベンチャー。第73回ゴールデン・グローブ賞で、作品賞と主演男優賞(共にミュージカル&コメディ部門)の2冠を獲得し、第88回アカデミー賞では、作品賞、主演男優賞をはじめ7部門でノミネートされている。(c) 2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved
2016年01月28日米国の宇宙開発企業「スペースX」は1月21日(現地時間)、「ドラゴン2」宇宙船を自身のスラスター(小型のロケット・エンジン)だけで空中に静止させる試験の動画を公開した。ドラゴン2はスラスターを使って地上に着陸することが可能で、その性能を証明するために実施された。同宇宙船は2017年から国際宇宙ステーション(ISS)に宇宙飛行士を運ぶことが計画されている。同社によると、この試験は昨年11月24日に、テキサス州マクレガーにある同社の試験施設で行われたものだという。ドラゴン2はワイヤーで空中に吊るされた状態で、そこから宇宙船の側面に装備された8基の「スーパードレイコー」スラスターを噴射し、約5秒間空中に静止した。米国の「アポロ」やロシアの「サユース」など多くの宇宙船は、地球の帰還時にパラシュートを使って減速し、陸上や海上に着地するが、ドラゴン2はスーパードレイコーを噴射しながら軟着陸する方式をとっている。これにより、宇宙飛行士の乗り心地が良くなるほか、地上の狙った位置に正確に着陸することができるようになるため、回収に掛かるコストが安くなるという利点もある。なお、スーパードレイコーに問題が起きた場合に備え、パラシュートも装備している。またスーパードレイコーは、打ち上げ時にロケットに何らかの問題が発生した際、宇宙船をロケットから脱出させる「脱出ロケット」としての役目ももっており、着陸と脱出をひとつのシステムで兼ねることで、宇宙船全体の軽量化やコスト・ダウンも図られている。昨年5月6日には、スーパードレイコーを使って発射台から脱出する試験も行われている。すでに運用中のドラゴン補給船には姿勢制御用のより小さな「ドレイコー」スラスターが装備されており、ロケットから分離後の飛行や、姿勢制御、軌道離脱時の噴射で使われている。ドレイコーはまた、ドラゴン2でも姿勢制御や軌道制御に使われる。スーパードレイコーはドレイコーをもとに2012年から開発が始まり、当初は鋳造で造られていたが、その後3Dプリンタでの製造に変わった。スーパードレイコーはドラゴン2の側面に8基が装備されている。8基をすべて最大出力で噴射した際の推力は534kNで、ドラゴンを2秒で100m、5秒で500mもの距離へ飛ばすことが可能だ。推力は20%から100%の間で可変させることができる。また、最低4基だけでも脱出は可能な余裕がある。○ドラゴン2ドラゴン2はスペースXが開発中の有人宇宙船で、最大7人の宇宙飛行士を乗せることができ、ISSとの往復だけでなく、いずれは火星への飛行や、さらには火星の地表への着陸も可能になるという。スペースXはすでに、同じドラゴンという名前をもつ無人補給船を開発しており、これまでに8回、水や食料、実験機器などの補給物資をISSに送り届けている。米航空宇宙局(NASA)ではISSへの物資の輸送を民間に任せる計画を続けており、ドラゴン補給船はその中で開発、運用されている。NASAではまた、物資だけではなく、宇宙飛行士の輸送も民間企業に担わせる取り組みも進めており、これまでに数社に開発資金を援助して、提案や設計、開発などを競わせ、その中から米航空宇宙大手のボーイングの宇宙船「CST-100スターライナー」と、スペースXのドラゴン2が選ばれた。両社はNASAからの資金提供を受け、現在も開発に取り組んでいる。開発が順調に進めば、スターライナーは2017年中に無人飛行と有人飛行を、一方のドラゴン2は、2016年12月に無人飛行を、2017年に有人飛行を実施する予定となっている。【参考】・SpaceX Tests SuperDraco Descent Landing Capability | Commercial Crew Program・Dragon 2 Propulsive Hover Test - YouTube・"Hover test of our Dragon 2 spacecraft that can carry cargo and crew "
2016年01月25日米国の宇宙開発企業「ブルー・オリジン」は1月22日(現地時間)、昨年11月に打ち上げと着陸に成功した「ニュー・シェパード」ロケットを、再び打ち上げて宇宙まで飛ばし、地上に着陸させることに成功した。垂直に離着陸する形式の再使用ロケットが、実際に再使用され、宇宙空間に到達した後に着陸に成功したのは史上初で、大きな快挙となった。ロケットは1月22日(現地時間、時刻は不明)に、西テキサス地方にある同社の試験場から離昇した。ロケットは高度101.7kmまで上昇し、先端に積んだ無人の宇宙船カプセルを分離。その後カプセルはパラシュートで地上に帰還し、一方のロケットは、エンジンを逆噴射しつつ、地上に垂直に着陸した。ニュー・シェパードは昨年11月23日、今回の打ち上げに使ったものと同一の機体を打ち上げ、その際も宇宙空間まで達した後、垂直に着陸することに成功している。その後同社は、機体を再使用するために必要な点検や整備を行い、また11月の飛行で得られたデータなどを基にソフトウェアの改良なども実施。そして先端に再びカプセルを搭載し、今回の再打ち上げを成功させた。なお、カプセルも前回の飛行と同様のものが再使用されたかどうかは明らかにされていない。同社では発表の中で、「我々は今年、ニュー・シェパードを、さらに何度も何度も飛行させるつもりだ」と語っている。○ブルー・オリジンとニュー・シェパードブルー・オリジンは2000年9月に、ネット通販大手のAmazon.comを設立したことで知られるジェフ・ベゾス氏によって立ち上げられた。同社は旅客機のように何度も飛行ができる「再使用ロケット」の研究開発を行っており、これまで試験機の打ち上げを続けてきている。ニュー・シェパードは単段式のロケットで、垂直に打ち上げ、高度100kmの宇宙空間まで上昇した後、そのまま垂直に着陸し、整備と推進剤の補給を行い再び打ち上げることができる能力をもつ。ロケット・エンジンには液体酸素と液体水素を使う「BE-3」を使う。人工衛星を打ち上げることはできないが、ロケットの先端に人や実験装置などを積んだカプセルを搭載することができ、宇宙観光や簡単な宇宙実験などを行うことができるようになっている。初の試験飛行は2015年4月に行われ、高度93kmまで到達したものの、ロケットの着陸に失敗。そして同年11月23日に行われた飛行試験では、高度100.5kmまで到達した後、地上に帰還することに成功した。ブルー・オリジンでは今後もニュー・シェパードの試験飛行を繰り返し行い、2年以内にも同ロケットを使った宇宙観光や宇宙実験を、ビジネスとして展開したいとしている。また、人工衛星を打ち上げられる大型の再使用ロケットの開発も進められており、2019年ごろの初打ち上げを目指すという。再使用ロケットの開発をめぐっては、同じ米国の宇宙企業である「スペースX」も挑戦を続けており、両社の競争がよりいっそう激化することが予想される。参考・Blue Origin | Launch. Land. Repeat.・Launch. Land. Repeat. - YouTube
2016年01月25日ワイスリー(Y-3)と、宇宙旅行ビジネスを行う英国のヴァージン・ギャラクティック社が、世界初の民間宇宙旅行用アパレルデザインに取り組むため、提携したことを発表した。“今まで手が届かないと思われていたものを現実に変える”宇宙旅行ビジネス会社ヴァージン・ギャラクティック社と、先見性に優れイノベーションの最前線に立ち続けてきたワイスリー。この度発表された提携により、ヴァージン・ギャラクティック社のパイロットや将来の宇宙飛行士、スペースポート アメリカのオペレーションチームに向けたスペース・アパレルを展開していく。両者はヴァージン・ギャラクティック社の本拠地であるニューメキシコ州のスペースポート アメリカにて、同社の宇宙飛行士用フライトスーツとブーツの試作品を公開した。今回のフライトスーツは、ヴァージン・ギャラクティック社のパイロットチームとのテストやトライアルを繰り返して製作したもので、パイロットの自然な座位姿勢をしっかりとサポートしてくれるアイテムに仕上がっている。また、フライトブーツは機能性を重視し、アウトソールにはグリップ力に優れたTRAXIONを、ヒールインサートにはadiPRENE(R)を採用した。ヴァージン・ギャラクティック社のデザイン部門をまとめるアダム・ウェルズは、「我々は製品開発の物語を、ヴァージン・ギャラクティック社が商業運航へ近づいていくステップのひとつとして、皆様にお伝えする日を楽しみにしています」とコメントしている。現在開発が進められているフライトスーツとブーツのほか、既にオーダーメイドの限定版「Y-3&ヴァージン・ギャラクティック パートナーシップ・ジャケット」が公開されている。同ジャケットのデザイン、製造、販売は、ヴァージン・ギャラクティック社による初の民間宇宙飛行の乗客となる「未来の宇宙飛行士達」に向けて行われる予定。動画引用元: (adidas Y-3オフィシャルYouTube:
2016年01月15日春のキーワードは「もずく」石垣島からフェリーで10分の場所にある宿泊施設「星のや 竹富島」では、3月1日~5月31日の期間、海の恵みを用いた特別プラン「もずくキレイ滞在」を提供する。同プランは、春に旬を迎える天然もずくをメインとした海の恵みでミネラルをチャージし、心身共に美しくなる滞在をテーマにしている。スパも食事ももずく!たとえば、もずくに含まれるフコイダンのローションパッティングや「海草と海水」ジェルマスクなどを使った【もずくスパ】、海藻特有の成分が入った【もずくバスソルト】などで、良質なミネラルを肌にもたらす。食事では、もずく・アーサー・ハイビスカス塩を練り込んだ 星のやオリジナルの3色麺に、ミネラル・食物繊維が豊富な海藻をトッピング。シークヮーサーポン酢でさっぱりと食べられる、ヘルシーなもずくメニューが提供される。南の島ならではのハイビスカス塩麺も、一度は食べておきたい絶品メニューだ。他では体験できないメニューそのほか、市場に流通しにくい希少な天然もずくの収穫体験、アメニティではもずく・海藻エキスを含んだクチャ海藻パックが用意されるなど、何から何までもずくづくし。もずくのヌメリに含まれている成分には、血液をサラサラにしたり新陳代謝を高めたりする効果もあるという。体の中と外からもずくパワーを吸収し、健康と美を得られる旅行をしてみては。(画像はプレスリリースより)【参考】・株式会社星野リゾートプレスリリース
2016年01月13日ロシア連邦で1月1日、ロシア連邦宇宙庁が解体され、新たに国営宇宙開発企業「ROSKOSMOS」が設立された。これは2015年12月28日にプーチン大統領が署名し、1月1日に発効された大統領令に基づくもので、ロシアでは近年、ロケットの打ち上げ失敗や衛星の故障といった問題が相次いでいることから、この改革によって宇宙産業の立て直しを図る意図がある。宇宙庁を国営企業化する動きは昨年1月から始まり、7月13日にはロシア議会で、ロシア連邦宇宙庁とロシアのすべての宇宙企業を1つにまとめ、新たに国営企業とする設立することを定めた法律が成立。今回の大統領令はこれに従うものとなる。また8月には、ROSKOSMOSの初代CEOに、宇宙庁の長官を務めていたイーガリ・カマローフ氏が就くことも発表されていた。ロシア連邦宇宙庁は2004年に、それまでのロシア宇宙庁(1992年~1999年)、またロシア航空宇宙庁(1999年~2004年)を引き継ぐ形で設立された機関で、「ロシア版NASA」のような存在として、宇宙開発を取り仕切ってきた。また2014年3月5日には、ロケットを製造しているRKTsプラグリェース社やGKNPTsフルーニチェフ、有人宇宙船を製造しているRKKエネールギヤなど、それまで独立していたロシアの宇宙関連企業を一挙に束ねる形で「統一ロケット・宇宙会社(ORKK)」が設立されたが、同社もこのROSKOSMOSに組み込まれることになる。ロシアの省庁が企業化するのは今回が初めてではなく、2007年にはロシア連邦原子力庁がROSATOMに再編されている。同社はロシア国内における原子力発電所の建設を進める一方、国外に対しては原子力の輸出を積極的に行っており、着実に成果を残している。メドヴェージェフ首相は2015年1月、このROSATOMの成功を例に挙げ、ROSKOSMOSの成功にも期待をしていると語っている。○ロシアの宇宙産業は立て直せるかロシアではここ数年、ロケットの打ち上げ失敗や人工衛星の故障などが相次いでおり、抜本的な対策の必要性が叫ばれていた。昨年だけでも、4月には「プラグリェースM-27M」が打ち上げに失敗し、5月には「プラトーンM」ロケットが打ち上げに失敗。7月には日本人の油井宇宙飛行士が乗った「サユースTMA-17M」が、打ち上げ後に太陽電池パドルの片方が開かないという問題を起こした。12月には「サユース2.1v」ロケットが衛星の分離に失敗する事故を起こしている。その原因として、ソヴィエト連邦崩壊後の混乱やロシア連邦の財政難による、技術者の頭脳流出や、経験者の不足、後継者の育成失敗などが挙げられる。こうした状況を受けて、ロシアでは数年前から宇宙庁長官や宇宙企業社長の交代や、産業構造の再編といった対策が打たれてきたが、目立った改善は果たせなかった。2014年に設立されたORKKも、当初は宇宙計画を進める宇宙庁と、実際にロケットや衛星を開発、製造するORKKで、完全に役割を分けることで改革が図られたが、責任の所在や主導権をどちらが握るかといった問題で揉めることとなり、結局良い成果は出なかった。今回のロシア連邦宇宙庁の解体と、それに伴う国営企業化は、この一連の改革の中でも最も大きなもので、これによりロシアの宇宙産業の立て直しと強化ができるかに注目が集まっている。【参考】・・Executive Order abolishing Federal Space Agency • President of Russia・The Russian space agency, Roskosmos・・
2016年01月08日©Tourism Authority of Thailand サーフィンも楽しめるカタビーチ冬から春にかけてオンシーズンなのが、アンダマン海に浮かぶタイの島々。ポピュラーなリゾートから、自然が主役のネイチャー系まで、どの島も個性的。そして島特有のユルい空気が流れています。ここでは数ある島のうち、ステキなリゾートのあるところをピックアップ。バックパッカー向けのハードな島旅ではなく、リゾーター向けの優雅な島旅を満喫できます。穴場な島なら、行ったことが自慢にもなる!?寒い日本を脱出して、のんびりリゾートしましょ!プーケット©keemala ユニークな世界観が話題のリゾート、キーマラタイ最大の島にして、この国を代表するアイランド・リゾート。おもに西海岸にビーチが続き、それぞれでキャラクターが立っています。お祭り騒ぎのパトン、隣接しながらパトンよりも落着きのあるカロン、さらに静かでサーフィンができるカタ、隠れ家感のある夕日の名所のナイハン、豪華リゾートのラグーナなど、雰囲気でビーチが選べます。ここ数年は東側にも、ステキなリゾートがお目見え中。また、ノスタルジックな風情の歴史的建物群が並ぶプーケットタウンや、奇岩が水面からそびえるパンガー湾など、リゾートホテル以外にもお楽しみが。著者撮影 世界遺産の登録を目指すプーケットタウンおすすめリゾートホテル/キーマラプーケットのビーチの詳細はこちらラチャ島著者撮影 プーケットから約40分の移動で透明度がグンとアップするラチャ島プーケット南端近くの港から約40分、まぶしいほどの白砂ビーチと遠浅の海が広がるラチャ島。ほんの少しの移動なのに、ここまで自然の色が変わるのかと驚くはず。ダイビングスポットとしてもポピュラーな海域なので、スノーケリングも期待できそう。おすすめリゾートは絶景ビーチを前に、木々に埋もれるように真っ白なヴィラが点在するザ・ラチャ。リゾートから内陸へ続く道をゆくと、裏のビーチへ行くこともできます。おすすめリゾートホテル/ザ・ラチャピピ島著者撮影 次から次へとボートが訪れ、人がやってきては去る、大人気のマヤビーチ本土のクラビから南へ約42キロ。6つの島々からなるピピ諸島のうち、メインはピピ・ドン島とピピ・レ島。ピピ・ドン島が滞在の拠点。中心地のトンサイベイは迷路のような小道にレストランやダイビングサービス、バンガローがずらり。夜遅くまでに賑わっている。静かに過ごしたいならば、船で向かう南部のレムトンビーチへ。またピピ・レ島には映画『ザ・ビーチ』の舞台となったマヤビーチがあります。著者撮影 レムトンビーチの隠れ家リゾート、ジボラおすすめリゾートホテル/ジボラヤオ島©Sixsenses Yao Noiパンガー湾の多島美をリゾートから眺められるシックスセンシズヤオノイプーケット島と本土クラビの間、パンガー湾の中心に浮かぶ、ヤオ・ノイとヤオ・ヤイの2つの島。ヤオ・ノイにシックスセンシズがオープンしたことで一躍注目の的に。とはいえ、漁業とココナッツ産業が主産業の自然あふれる島であることは変わりなし。ヤオ島周辺にはパンガー湾特有の石灰岩でできた、粘土細工のような不思議な形の島々が浮かび、リゾートからの眺めが素晴らしい!おすすめリゾートホテル/シックスセンシズヤオノイランタ島著者撮影 南西部にあるクロンニンビーチクラビからワゴン車で陸路とカーフェリー移動合わせて、約2時間30分。2000年初頭のアジアンリゾートブームで一躍名前が広まった、隠れ家アイランド。ランタ・ノイ島の西海岸にビーチが連続しています。デザイン系や大人オンリーなど、スタイリッシュなリゾートで優雅な休日を。著者撮影 クロンダオビーチに面したツインロータス・コ・ランタおすすめリゾートホテル/ツインロータス・コ・ランタクラダン島著者撮影 島の東側は遠浅の海。ゲストの荷物はスタッフがかついで運びますトラン沖に位置し、国立公園内にある秘島。南北約2キロ、幅約600メートルほどの小さな島で、バンガローが数軒とリゾートが1軒あるのみ。ネオンも車もない、ネイチャー・アイランド。島の東西でビーチの雰囲気が異なり、東側は浅瀬が広がるモルディブに似た海、一方の西側はアダンの木々に包まれた沖縄の離島のような雰囲気。著者撮影 プールや雰囲気のいいバーもありますおすすめリゾートホテル/ザ セブン シーズ リゾートリペ島著者撮影 一周しても1時間足らずのリペ島マレーシアの国境近くにある、国立公園内に浮かぶ最果ての島。バンコクからは移動に1日かかるけれど、マレーシアのランカウイからはボートで約1時間。こぢんまりとした島はほとんどがラフロードで、滞在の拠点は3つのビーチに分かれます。メインはカフェや土産物店が並ぶ目抜き通りも走るパタヤビーチ、バンガローが急増中のサンライズビーチ、パッカー系を見かけるサンセットビーチ。これからブレイクしそうな予感がする島です。著者撮影 サンライズビーチに面したアイデリック・コンセプト・リゾートおすすめリゾートホテル/アイデリック・コンセプト・リゾート : 古関 千恵子)ビーチ&リゾートコラム「アジアンビーチ☆マニア」その他の記事はこちら>
2015年12月27日40年近くもの間、「プラグリェース」と名付けられたロシアの無人補給船は、「サリュート」や「ミール」、そして国際宇宙ステーションといった宇宙ステーションに向けて、「宇宙の定期便」として運用に必要不可欠な補給物資を送り届けてきた。プラグリェースは有人宇宙船「サユース」をもとに開発され、サユースが改良されると共に、プラグリェースも改良を、あるいはその逆もまた然りと、両者は常に一心同体となって、宇宙開発の歴史を歩み続けてきた。そして12月21日、最新の、そしておそらく最後となる改良が施された「プラグリェースMS」が宇宙に飛び立った。プラグリェースMSとはどんな補給船なのか、従来のプラグリェース補給船から何が変わったのか。そして、その先にどんな意味があるのかについて見ていきたい。○プラグリェースMSロシア連邦宇宙庁は12月21日、新型補給船「プラグリェースMS-01」を搭載した「サユース2.1a」ロケットの打ち上げに成功した。2日後の23日には国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングにも成功し、2436kgの補給物資を送り届けた。ロケットは日本時間12月21日17時44分39秒(カザフスタン時間12月21日14時44分39秒)、カザフスタン共和国にあるバイカヌール宇宙基地の第1発射台(通称「ガガーリン発射台」)を離昇した。ロケットは順調に飛行し、約9分後にプラグリェースMS-01を軌道に投入した。プラグリェースMS-01はその後、太陽電池パドルやアンテナの展開に成功。そして約2日間の飛行を経て、23日19時27分にISSの「ピールス」モジュールにドッキングした。プラグリェースMS-01はこの後2016年7月までISSに係留される。プラグリェースMSはロシアのRKKエネールギヤ社が開発した新しい補給船で、今回が初めての飛行であった。シリーズとしては初期型、M型、そして現行のM-M型に続く第4世代になる(厳密にはもう少し細かい種類がある)。MS型の外見は従来のプラグリェースとあまり変化はない。しかし部品から機体の構造全体に至るまで、さまざま箇所に改良が加えられている。ロシア国産の自動ランデヴー・ドッキング・システム「クールスNA」プラグリェースも、また有人のサユースも、宇宙ステーションとのランデヴー(接近)とドッキングには「クールス」と名付けられた装置を使用している。この装置は「2AO-VKA」、「AS-VKA」、「2ASF1-M-VKA」、そして3基の「AKR」の、合計6基のアンテナからなり、電波を使ってドッキング相手のステーションとの相対的な距離や速度、角度などを測り、そのデータをコンピューターで処理。その結果に基づき宇宙船は自動で操縦される。これまでサユースやプラグリェースに使われていたクールスは、正確には「クールスA」と呼ばれているが、このクールスAは大きく2つの欠点がある。まず1つはアンテナが展開式、あるいは可動式であり、故障によってアンテナの展開や格納、可動ができなければ、ランデヴー・ドッキングができなくなる危険性を抱えている。実際に、大きな失敗や事故にはつながらなかったものの、アンテナが展開できない、あるいは格納できないという問題が過去に発生している。また、クールスAの電子機器を製造しているのはウクライナの企業であり、ロシアにとっては入手しづらいという問題もあった。クールスが開発されたのはまだソヴィエト連邦が存在したころであったが、ソ連崩壊後に独立したウクライナは、ロシアに対してクールスAの価格を吊り上げるようになった。クールスAはサユースやプラグリェースにとって必要不可欠な装備であり、ロシアは言い値で購入しなければならない状態となり、かつては一度使用したクールスAの電子機器を取り外し、スペースシャトルで持ち帰って再使用するといったことも行われていた。そこでロシアは2003年から、クールスAと互換性をもたせつつ、部品をすべてロシア製にし、かつ可動部を少なくした、「クールスNA」の開発に着手した。外見も大きく変わり、クールスAの2AO-VKAと3基のAKR-VKAの合計4基のアンテナが、AO-753Aと呼ばれる1つのアンテナに置き換えられている。AO-753は機体に固定されているため、展開機構に起因する問題が起こり得なくなる。さらに測定誤差も小さくなり、消費電力も少なくなるなど、性能も向上している。クールスNAは2012年に打ち上げられた「プラグリェースM-15M」と、2013年の「プラグリェースM-21M」に試験的に搭載され、実際にISSとのドッキングで使われた。このときの試験結果は芳しくなく、何度かの試験の中で失敗と成功が半々ぐらいというものだったが、今回のプラグリェースMS-01では問題は起きず、無事にISSとのドッキングを果たした。新型飛行制御システム「ASN-K」新型の飛行制御システム「ASN-K」は、ロシアの全地球測位システム「GLONASS」を利用し、自身の軌道を測定することができる。これまでプラグリェースやサユースにそうした機能はなく、地上から軌道を観測し、そのデータを送るしかなかった。また、このASN-Kと、サユース2.1aロケットの高い軌道投入精度とを組み合わせることで、打ち上げからISS到着までの所要時間を、最短で4時間ほどにまで短縮することも可能だという。新型通信システム「EKTS」従来のプラグリェースやサユースは、ロシア国内にある地上局のアンテナとしか通信ができなかったため、ロシアの上空を通過すると通信ができなくなるという制約を抱えていた。しかしプラグリェースMSでは新たに衛星通信用のアンテナを装備し、静止軌道に配備されたロシアの通信衛星「ルーチ5」を中継することで、1日のうち83%ほどは、ロシアの地上局と通信ができるようになるという。また、従来の「クヴァーントV」と呼ばれる通信システムはウクライナ製だったが、EKTSはロシア製となる。この他にも、次のような点が改良されている。新しい太陽電池パドルによる出力の向上。外部に超小型衛星を搭載、放出できるコンテナーを搭載(10 x10cmのキューブサットで最大24機まで搭載可能)。尾部にある軌道変更用スラスターを改良。エンジンを4基搭載し、そのうち1基が壊れてもドッキング可能に、また2基が壊れても安全に軌道離脱が可能。映像システムが新しくなり、外部カメラからの映像がより鮮明に。新型のバックアップ制御システム「ブーク」の追加。スペース・デブリ(宇宙ゴミ)や宇宙塵などとの衝突に備えたシールドの強化。LEDを使った照明システムの搭載。角速度センサーの改良。ドッキング機構にバックアップ系統を追加し、ISSのドッキング面との結合の信頼性が向上。これらの改良点は有人宇宙船のサユースにも採用されることになっている。改良されたサユースは「サユースMS」と呼ばれ、2016年6月に初飛行を行う予定となっている。サユースMSではまた、以下の改良も施される。これらはプラグリェースMSには必要ないため、サユースMSだけの改良点となる。GLONASSと米国のGPS受信機を装備し、大気圏再突入後の帰還カプセルの位置を正確に測定可能に。また予定外の地域に着陸した場合の捜索活動も容易になる。宇宙飛行士が船外を見るための光学式のペリスコープ(潜望鏡)を廃止し、映像を見て操縦する形に。○ロシア宇宙開発、復活の狼煙となれるか新技術をふんだんに盛り込んだプラグリェースMS-01の成功は、実は完璧なものではなかった。サユースとプラグリェースには、クールスが問題を起こした場合に備え、「TORU」という手動のドッキング・システムが搭載されているが、プラグリェースMS-01がISSに接近する際、このTORUが使えなくなるという問題が発生した。もしクールスNAがなんらかの問題を起こしていれば、ドッキングができなかった可能性もある。もちろん、宇宙船という複雑なシステムであればひとつやふたつの故障は起こるものであり、そのために冗長系と呼ばれる、予備の部品や装置が用意されている。今回もクールスNAのバックアップであるTORUの故障だったからこそ、ドッキングそのものには影響は出なかった。それでも本来は起こるべきものでなく、やや不安は残る。現在、ロシアの宇宙技術が低迷していることは、すでに多くの人が認識している。今年だけでも、4月には「プラグリェースM-27M」が打ち上げに失敗し、5月には「プラトーンM」ロケットが打ち上げに失敗。7月には日本人の油井宇宙飛行士が乗った「サユースTMA-17M」が、打ち上げ後に太陽電池パドルの片方が開かないという問題を起こした。12月には「サユース2.1v」ロケットが、衛星の分離に失敗する事故を起こしている。ロシアのロケットや衛星の打ち上げ数の多さは考慮する必要はあるが、しかし、ほぼ同じ打ち上げ数である米国や中国の失敗の少なさを考えると、ロシアの失敗数の多さは際立っている。ロシアでは数年前から宇宙産業の改革が始まっているが、今のところ目立った変化はまだ現れていない。とくに新しい技術は失敗の原因となりやすいことを考えると、今後プラグリェースMSが2号機、3号機、4号機……と、今回のTORUの一件のような問題を起こさず成功を重ねることができるか、そしてサユースMSの運用も無事に軌道に乗るかが、この改革が成功したか否かを見極める試金石となるだろう。また、現在ロシアはサユースに代わる、まったく新しい宇宙船「PTK NP」の開発も進めており、プラグリェースMS、サユースMSの技術も活用されることになっている。PTK-NPの初飛行は2021年ごろに予定されている。プラグリェースMS、サユースMSが成功するかどうかは、PTK NPにたすきをつなぐためにも、そして何よりロシアの宇宙開発の威信回復のためにも、重要な意味をもっている。また、ISS計画に参加する米国や欧州、そして日本にとっても他人事ではない。とくにサユースMSの1号機には大西卓哉宇宙飛行士が搭乗することになっており、その後も日本人が搭乗する機会があるだろう。なにより、有人宇宙船は人の命がかかっていることもあり、今後の動向を注意深く見守っていく必要がある。【参考】・・・Progress-MS cargo ship・Progress MS Spacecraft begins Debut Mission to ISS with successful Launch atop Soyuz Rocket | Spaceflight101・Kosmonavtika - par Nicolas Pillet - Le système radar de rendez-vous Kours
2015年12月25日2016年の宇宙、どうでしょう? ということで、予測が秒単位でできることから、どーなるかわからんことまで「素人でも手軽に観察・参加できる」宇宙に関わるあれこれを、サクっと紹介しちゃいます。今回は、2016年1~6月の半年分をば。なお、1年分のデータが入っている年鑑、手帳などが1000~3000円程度で売られています。データ量を考えるとリーズナブル。どんなのがあるのかは、昨年の記事をみてくださいませ。○1月~2月東京、名古屋、大阪など太平洋側の大都市では、天気もよく、星を見るベストシーズンです。特に東京周辺は、連続10日快晴とかになる時期ですなー。雪に閉ざされる日本海側は、しんどいところはありますが、共通することがあります。明るい星が多いんです。晴れさえすれば、ともかく、明るく、星が見えるのです。ボヤーっとながめても、もちろんOKですが、ちょっと名前がわかるとうれしいですな。形に特徴がある「オリオン座」をみつけて、そこから展開するのが定番でございます。図を参照くださいませ。オリオン座の真ん中に三つ並んだ星のならびを、延長していくのがポイントでございます。あ、実際にはずっとデッカく見えますよー。1月7日は、明け方に注目。月と金星と土星が接近します。さらに9日は金星と土星が手を伸ばした先にある5円玉の穴に入るくらいの大接近があります。金星は、メチャクチャ明るいのですぐにわかりますよ。あ、明け方。夜明け前ですのでくれぐれもお間違えなく! 夕方には見えません。さて、宇宙探査の方に目を向けてみます。日本ネタがありますよー。2月12日、日本のX線天文衛星ASTRO-Hが打ち上げられます。X線は、天体から出てくる光の大半を占めていますが、大気がジャマして地上ではとらえられません。そこで、人工衛星の登場ってわけです。この分野では日本が世界のトップを走っています。打ち上げは午後6時ごろを予定。成功を期待しましょー。米・欧・インド・ロシアもそれぞれ衛星の打ち上げ予定がありますが、海洋衛星のジェイソン3(米)とセンチネル3A(欧)が目を引きます。米欧の2機、目的がほぼ同じ地球海面の監視なんですよ-。ふーむ。また、インドは独自の航法衛星を打ち上げ予定です。○3~4月3月9日の午前10時すぎ~正午すこし前まで日食があります。11時ごろに見るのがいいでしょう。わずか2割欠ける程度ですが、日食めがねとか遮光板で見られます。前に買っておいたのがある方は、ぜひ探しておいてください。なお、この日食、インドネシアの一部からグアムの沖合で皆既日食になります。ツアーは「インドネシア日食」でググるとたくさんでてきます。30万円くらいから、豪華客船を使う200万円なんてのもあります。皆既日食は見ると「日食病」になるほど魅力的な現象だそうですが、お金以前に、休みとれないなー(お金もない)。3月半ばから木星がみごろになります。東に見えます。これはもう7月くらい(このころは西)までオッケー。とても明るい白っぽい星ですのですぐにわかると思いますよ。4月18日には、夕方の空に水星がみごろになります。ほぼ2016年ベストですかね。これは、また近くになったらご紹介しますねー。水星は肉眼で十分見えるのですが、見えるタイミングがきびしくて、そのぶん難易度が高いんですよ。4月22日は満月です。まあ、満月は29.5日ごとにあるので、年に12~13回あるんですけど、この日の月はこの年で一番地球から遠いんですね(平均より1割ほど遠い)。その分小さく見えます。デッカい場合はスーパームーンという言い方が広まってますが(学術用語じゃないです)、小さい場合は、サテ、プリティムーンとかリトルムーンとでも言うんでしょうかねー。あと4月18日~24日は科学技術週間です。この前後、各地の大学や研究所が一般公開されたりしますよ。特に、茨城県の筑波地区はすごく楽しいらしいです。詳しくは科学技術週間のWebサイトで。毎年科学ポスターの無料配布もありますが、2016年はどんなネタなんでしょうね。ノーベル賞がらみで生物由来有用物質かしらん?さて、宇宙探査では大ネタ。3月14日にヨーロッパ&ロシアのエクソマーズ2016火星探査機が打ち上げられます。2017年末に火星に到着して大気を調べ、着陸テスト機を分離させます。さらにおっかけて2018年に打ち上げられるエクソマーズ2018の中継基地の役割も果たします。こちらは、着陸して自走できる探査機、ローバーなのでございます。火星は2年ごとに地球に追い越され、そのときに接近になるのですが、このときが、観察および宇宙探査機打ち上げのチャンス。近いからね。2016年はまさに接近の年なのです。なお、日本は、先日金星到達に成功した、金星探査機あかつきが、このころから本格観測に移行します。○5~6月5月7日の明け方、みずがめ座エータ流星群の活動がピークになります。日本では観察しにくい(見えますけどね)のですが、南半球で早起きをするとよく見えます。2016年の条件では最良。連休で南半球に旅行に出かける方は、ちょっと意識してもいいかもですね。まあ、海外の夜、外に出るのは怖いので安全な場所が確保できる場合に限られますな。5月31日、2016年のビッグニュース! 火星が最接近となります。地球に追い抜かれ、非常に近くなるんですな。2016年の接近度合いは5点満点で4点くらい。かなーり、近づくのです。8時には東の空から異様に明るくて赤い星が見えます。で、実際に観察しやすいのは、接近の後6~8月になります。しばらく火星が楽しめます。各地で観察会も開かれるはずですので、望遠鏡で見てみると、火星の極の氷が白く輝いている様子など見られると思いますよー。なお、このころから土星も見ごろになっています。火星の近くにある星ですが、このころの火星を見なれちゃうと、ちょっとひかえめに感じちゃうかも。6月21日には、国際宇宙ステーションにソユーズ宇宙船が向かいます。中には日本人飛行士の大西卓哉さんも搭乗。大西さんの初宇宙になります。大西さんは東大を出て、全日空のパイロットだった人でございます。もっと高い空を目指したということですなー。チョイとはみ出して、7月4日には米国の木星探査機ジュノーが、木星に到達します。たぶん、その前から木星の画像が発表されると思いますよー。その後ジュノーは木星を南北に周回する衛星となり、北極から南極まで、木星を詳細に探査する予定となっています。しかし7月4日ですか、インディペンデンス・デー(独立記念日)ですな。好きですなー、こういうの米国は。ということで、来年も宇宙を楽しんでいきましょー。著者プロフィール東明六郎(しののめろくろう)科学系キュレーター。あっちの話題と、こっちの情報をくっつけて、おもしろくする業界の人。天文、宇宙系を主なフィールドとする。天文ニュースがあると、突然忙しくなり、生き生きする。年齢不詳で、アイドルのコンサートにも行くミーハーだが、まさかのあんな科学者とも知り合い。安く買える新書を愛し、一度本や資料を読むと、どこに何が書いてあったか覚えるのが特技。だが、細かい内容はその場で忘れる。
2015年12月23日油井亀美也さんら、3人の宇宙飛行士が乗ったロシアの宇宙船「サユースTMA-17M(ソユーズ)」が、12月11日(現地時間)、141日間にわたる国際宇宙ステーション(ISS)での長期滞在ミッションを終え、地球に帰還した。同宇宙船は日本時間12月11日18時49分、アリェーク・カノネーンカ宇宙飛行士(露宇宙庁)、油井亀美也宇宙飛行士(JAXA)、チェル・リングリン宇宙飛行士(NASA)の3人を乗せて、国際宇宙ステーションの「ラスヴェート」モジュールから分離。単独で飛行した後、21時19分から軌道離脱のための噴射を開始し、完了後に各モジュールを分離した。宇宙飛行士が乗った帰還モジュール部分は21時49分ごろに大気圏に再突入し、パラシュートを展開しつつ降下。そして22時12分(カザフスタン時間19時12分)ごろに、カザフスタン共和国のジェズカズガンの北東にある平原地帯に着陸した。当時、現地の天候は悪く、着陸の瞬間の映像などはなく、宇宙船との通信もできない状態が続いたが、約5分後に無事に着陸に成功したことが確認された。その後、回収部隊が到着し、宇宙飛行士らは船外へ出ることとなった。3人の健康状態は正常だという。油井飛行士は帰還後「ただいま。体調は大丈夫です。重力を感じます。寒いけれど、みなさん大丈夫ですか? 宇宙も素晴らしいけど、地球も素晴らしい。冷たい風が心地よい。ゆっくりシャワーでも浴びたいが、ツイッターをフォローしている人がたくさんいるので、発信していきたい」と語った。同宇宙船は2015年7月23日に、今回帰還した3人を乗せて打ち上げられた。3人は到着後、141日間にわたってISSに滞在し、さまざまな実験や、ISSにやってくる補給船の運用などを行った。帰還は当初、12月22日と計画されていたが、11月に予定されていた新型のプログレス補給船の打ち上げが12月21日に延期となり、宇宙船の到着や出発が集中し、運用が大変になることから、帰還日の前倒しが決まった。また今回の着陸は、2012年以来の夜間着陸となった。サユース宇宙船がISSとの往復で使われるようになって以来、着陸が夜間になったのは、サユースTM-34(2002年)、サユースTMA-4(2004年)、サユースTMA-5(2005年)、サユースTMA-7(2006年)、そしてサユースTMA-05M(2012年)で、今回で6例目となる。○12月15日には新しい飛行士が出発、21日には新型補給船の打ち上げも油井飛行士らが帰還したことで、現在ISSにはスコット・ケリー飛行士(NASA)、ミハイール・カルニエーンカ飛行士(露宇宙庁)、シルゲーイ・ヴォールカフ飛行士(露宇宙庁)の3人が滞在している。今後、12月15日には、ユーリィ・マレーンチェンカ士(露宇宙庁)、ティモシー・コプラ飛行士(NASA)、ティモシー・ピーク飛行士(欧州宇宙機関)の3人の宇宙飛行士を乗せた「サユースTMA-19M」宇宙船が打ち上げられ、ISSは再び6人体制となる。この3人はISSの第46/47次長期滞在員として、約半年間滞在する予定となっている。また12月21日には、ロシアの新しい無人補給船「プラグリェースMS」の打ち上げも予定されている。プラグリェースMSには新型の航法システムや、自動ランデヴー・ドッキング・システムなど、多くの新しい技術が採用されており、ミッションが成功するかどうかが注目される。○現在のISS滞在員第43/44/45/46次長期滞在員(2015年3月23日~2016年3月)スコット・ケリー(NASA)ミハイール・カルニエーンカ(露宇宙庁)第45/46次長期滞在員(2015年9月2日~2016年3月)シルゲーイ・ヴォールカフ(露宇宙庁)参考・РОСКОСМОС. МЕЖДУНАРОДНЫЙ ЭКИПАЖ КОРАБЛЯ «СОЮЗ ТМА-17М» ВЕРНУЛСЯ НА ЗЕМЛЮ・NASA Astronaut Kjell Lindgren Safely Returns to Earth | NASA・JAXA | 油井宇宙飛行士搭乗のソユーズ宇宙船(43S/TMA-17M)の帰還について・ソユーズ宇宙船(43S)着陸!:油井宇宙飛行士ISS長期滞在 - 宇宙ステーション・きぼう広報・情報センター - JAXA
2015年12月12日日経ナショナル ジオグラフィックは、11月16日に、写真集「うさぎ島 会いに行けるしあわせ動物」を発売した。○野生のままに暮らすうさぎたち本書は広島県竹原市大久野島に暮らすうさぎの姿を、「しあわせ動物写真家」の福田幸広さんが撮影した、癒やしの写真集。大久野島は「うさぎ島」とも呼ばれ、日本では珍しいアナウサギの仲間が約700匹暮らしている。島には民家が無く駆除されることが無いので、うさぎたちは野生のままに暮らしており、野生でありながら人間への警戒心が無い。そのため、巣穴から顔をのぞかせるかわいらしい姿や、無防備な寝姿、縄張り争いをするシーンなど、自然のままのうさぎたちの姿が数多く写真に収められている。うさぎファンにはたまらない「うさくち」「うさけつ」の特集ページや、こうさぎのショットなども掲載。さらに「うさぎ島」へのアクセス方法や、「抱っこをしない」「追いかけない」などうさぎへの接し方や島に訪れた際のルール、宿泊施設の情報も収録されている。定価は1,600円(税抜き)。
2015年11月25日宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11月24日、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中の油井亀美也 宇宙飛行士が搭乗するソユーズ宇宙船の帰還予定日が12月11日午後10時10分頃(日本時間)に決まったと発表した。同宇宙飛行士は7月23日にカザフスタン・バイコヌール宇宙基地から宇宙に出発し、第44/45次長期滞在クルーとして国際宇宙ステーション(ISS)に滞在。滞在中は8月19日に種子島宇宙センターからHII-Bロケット5号機により打ち上げられたISS補給機「こうのとり」5号機(HTV5)のロボットアームによるキャプチャ(把持)を担当するなどした。なお、帰還日時は、帰還予定日の数日前に開催される飛行準備審査会で最終決定されることとなる。
2015年11月24日沖縄への島旅、なかでも「デージチュラウミ(ものすごく美しい海)」と呼ばれているのが小浜島。周囲をペパーミントブルーのラグーンに囲まれた絶景と、朝のドラマで一躍人気になった知る人ぞ知るリゾートアイランドです。「冬のシーズンがベスト!」と島の人が断言するほど。温暖な時期の島滞在は最高の贅沢だといえます。■日本であって日本でない「星野リゾート リゾナーレ小浜島」そんな小浜島にある楽園リゾートがリゾナーレ小浜島。ブルーラグーンをのぞむ広大な敷地にはリゾート棟やプール、各種施設が点在。隣接してリゾナーレ小浜島カントリークラブが広がり、ゴルファー天国でもあります。冬でもトロピカルな花が咲き、カジュアルな服装で過ごせる異国情緒あふれる空間は、まるで南仏かカリブ海のリゾート地のよう。日本ではないような「非日常」のバカンスムードに旅気分も盛り上がります。■ヴィラタイプの客室でゆったりと流れる時間に浸るヴィラタイプの客室はエキゾチックなアジアンテイストが魅力。そのなかでもお薦めがロイヤルスイート。95平方メートルの客室はリビングルームとふたつのベッドルームに分かれ、外にはプライベートプールにジェットバス、お休み処になるガゼボを備えるというラグジュアリーさ。さらに開放的なバスルームにはサウナも。贅沢すぎる空間に思えますが、冬の季節は料金も手ごろ。最大4名での滞在ができるので仲のいい女友達同士でちょっと豪華な冬バカンスを過ごすのが大人の遊び方。満足度が違ってくるはずです。■琉球の夜をエレガントに演出。レストラン「ディープブルー」リゾートでの麗しい夜を楽しむとっておきの場所が、レストラン「ディープブルー」です。「琉球エレガンス」と名付けたコースメニューは、まさにその名にふさわしい華やかさを感じさせるもの。■琉球文化とイタリアンの調和を味わう「琉球エレガンス」イタリアンをベースに沖縄の食材を組み合わせた個性派の料理はひと皿ずつとのマッチングを吟味したソムリエによるワインとあわせることでさらに引き立ちあいます。女性のゲストのための美的効果を考慮した宿泊パッケージ「ウルイウルイ スパ滞在」ではディナーにコース料理「Cenone(チェノーネ)」をアレンジ。ミネラル、コラーゲンを豊富に含んだ食材をたっぷりと使った特別メニューで、食べることで体をキレイにします。気心の知れた女友達とのおしゃべりを楽しみながらゆっくり、ゆるやかに。島時間の美食体験が五感を解き放ちます。■美しい海を望みながらリラックス「リゾナーレ 琉球スパ」リゾナーレ小浜島の「リゾナーレ 琉球スパ」は、全室オーシャンビューのスパ専用施設。滞在中、一度はトリートメント体験をしたいものです。この冬、登場するのが「ウルイウルイ スパ滞在」。小浜島のある八重山諸島で精製される黒糖を使ったパックを使用する内容で、ここならではの独特な体験。黒糖の精製シーズンはまさに冬。原料となるサトウキビにはカルシウム、鉄分、マグネシウムなどミネラルやビタミンが豊富。体内の糖質分解をサポートするほか、含まれる天然オリゴ糖が排泄を促進してくれます。黒糖パックでしっとり潤ったあとは、ビタミンCたっぷりのハイビスカスのエキスを入れた露天ハイビスカススパへ。老廃物をデトックスし、美肌と美ボディをめざします。また、「ウルイウルイ スパ滞在」のゲストの客室には黒糖入浴剤、黒糖ティーと黒糖チョコレートのセットが届けられ、リラックス&快眠をうながします。■波音が穏やかな時間を演出してくれる「島Books&Cafe'」柔らかい太陽の光にきらめく海を眺めながらのんびりと。そんなとっておきの過ごし方を提案してくれるのが、ビーチハウスの一角にある島Books&Cafe'。海や自然をテーマにセレクトされた美しい写真集や本が並び、気持ちのままにお気に入りの一冊と淹れたてのコーヒーを片手に自由な時間を。旬によって、カフェではシークワサー入りハイビスカスソーダや、パイナップルスムージー、黒糖アイスラテ、塩ちんすこうアイスなど沖縄の食材を使ったスイーツやドリンクが味わえるのも魅力。目の前には美しいビーチが広がり、そのまま海辺で読書をしたり、ハンモックのあるガジュマル広場でなごんだり。ゆるやかに流れる島時間に身をゆだねる心地よさを実感するはずです。■木漏れ日の中ハンモックに揺られる「ガジュマル広場」裸足のままビーチに向かえば、そこにはとっておきの隠れ家空間が。ガジュマル広場は巨大なガジュマルの木陰でくつろぐ憩いのスペース。ハンモックに寝ころんで、ゆるやかな潮風を受けているといつの間に読書タイムからお昼寝タイムへまどろみます。■珊瑚礁と白砂の「イルマーレビーチ」星野リゾート リゾナーレ小浜島のマリンアクティビティの中心となるのがイルマーレビーチ。リゾート内からは巡回バスが送迎。純白のビーチが広がり、その先にはソーダ水のような透明なペパーミントブルーの海。おだやかな海はシュノーケリングやウインドサーフィンのレッスンや、最近人気急上昇のスタンドアップパドル体験などに挑戦できます。リゾートではチェックイン時にリゾートドレスを無料で貸し出してくれて、これが女性ゲストに大好評。カラフルなドレスでビーチ散策するのもお薦めです。■波音だけが響く早朝の幻想的な時間「朝焼けCafe'」イルマーレビーチは実は朝日を望む小浜島でもとっておきのベストスポット。「朝焼けCafe'」は朝陽がのぼるタイミングで淹れたてのコーヒーを楽しむ無料のイベント。水平線から上がる太陽の美しさには言葉もありません。ひとりで、あるいは母娘や友人同士で。体を開放し、美食を味わい、たくさん笑い、たっぷり癒される。美しいラグーンときらめく太陽の下、小さな宝石のようなピュアな小浜島の島時間に溶け込む喜びは、大きな満足感をもたらしてくれます。
2015年11月20日沖合約50メートルまで遠浅の海が広がるボラカイ島のホワイトビーチ(著者撮影)フィリピンのビーチリゾートといえば、日本から行きやすいセブがおなじみ。けれど、7000あまりも島々があるのだから、もっといろんなところへ旅してみたい。たとえば、海外旅行口コミサイトでアジアのナンバー1に輝いたボラカイ島、スタッズのように円錐の山がツンツン尖る不思議な景観のボホール島、どれもインパクト大&絶景ビーチが待っています。知っているようで、知らないフィリピン。今回はそんな一歩先の島々をご紹介します。約4キロ続くビーチがアジアのナンバー1に選ばれたボラカイ島世界最大の旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」のユーザー投票によるランキング”トラベラーズチョイス”で、アジア部門第1位を昨年に引き続き連取しているのが、ボラカイ島のホワイトビーチ。島の西側に位置し、サラサラの白砂のビーチと輝くような遠浅の海が約4キロも続いています。ビーチ沿いはヤシの木々が縁取り、バンガローやレストラン、ダイビングセンターなどがずらりと並んでいます。ボートステーション3周辺。ローカルも海遊びにはしゃぐ、のんびりした雰囲気。(著者撮影)特に境界線があるわけではないのですが、北からボートステーション1・2・3とエリアが分かれ、緩やかに個性が立っています。1はおしゃれなリゾートホテルが多く、2はオープンエアのショッピングモール「Dモール」があって賑やか、3はローカルも集まるのんびりとした雰囲気。お気に入りの場所を探しながら、ビーチを散策してみてはいかがでしょう。夕映えが迫るボートステーション1。ビーチにバーが出現します。(著者撮影)また、ホワイトビーチがユニークなのは、サンセットが近づくと、日光浴や水遊びを楽しむビーチがロマンティックなバーに変身する点。パラソルやビーチチェアが片付けられ、巨大なクッションやゴザ、テーブルが出現。白砂の上でビールなどを片手にサンセットが眺められるのです。ホワイトビーチ以外にも、北側には島随一の豪華リゾート、シャングリ・ラ ボラカイ リゾート&スパが占有するビーチや、人気のプカシェルビーチがあります。セブ島から行きやすい、世にも不思議な風景と会える島約15分もあれば踏破できるパングラオ島のアロナビーチ。(著者撮影)セブ島からフェリーで約2時間のボホール島。そしてボホール島の南西部から橋で渡るパングラオ島。どちらもダイバーの間ではおなじみの存在です。美しい白砂ビーチでのんびりとした時間を過ごしたいならば、拠点をパングラオ島に置くのがおすすめです。なかでも、南西部にある長さ500メートルほどのアロナビーチは、アジア特有の肩の力が抜けたユル~い空気が心地いい!アロナビーチと並行した道は、アジア特有のユルい空気。ビーチに面してレストランが並んでいます。(著者撮影)遠浅の海にはアメンボウのようなバンカーボートが無数に浮かび、サラサラの白砂ビーチに沿ってヤシの木々が茂り、木陰ではマッサージのおにいさん&おねえさんがスタンバイ。浜と並行して走る道路は未舗装で、ダイビングサービスやサリサリストア(よろずや)、海側にカフェやレストランが並んでいます。アロナビーチでの楽しみ方はダイビング。人気のダイビングスポット、バリカサグやカビラオへの拠点として、滞在する人も多数。もちろん、ビーチで何もせずに過ごすのもゴキゲンです。ちょっとスペシャルな体験をするなら、沖のサンドバンクへ出かけてみてはいかがでしょう?これが、絶景!アイスブルーの浅瀬に白砂の小さな島がぽかりと浮かび、まるでモルディブのよう。巨人が喧嘩し、岩を投げ合った形跡だという伝説が残るチョコレートヒル。(著者撮影)一方、ボホール島では海以外にもユニークな体験ができます。その筆頭が、円錐形の山々が続くチョコレートヒル。標高30~50メートルの小高い山が1268座も立ち上がり、4~6月の乾季には草木が茶色に変わることから命名されています。山並みを一望できる展望台では、ホウキにまたいでジャンプする瞬間をパチリと撮るのがお約束。まるで魔法使いが空を飛んでいるような一枚が撮影できます。大きな瞳のメガネザル、ターシャ。フィリピン・ターシャ・ファウンデーションでは約100匹が保護地域の中で暮らしています。(著者撮影)また、ボホール島の名物といえば、小さなメガネザルのターシャ。大人でも100グラム足らず、夜行性のため、日中はいつも大きな瞳がちょっぴり眠たそう。その様子がなんともキュート!ターシャは、フィリピン・ターシャ・ファウンデーションという保護施設で出会えます。(photo & text : 古関 千恵子)ビーチ&リゾートコラム「アジアンビーチ☆マニア」その他の記事はこちら>
2015年10月25日東京・神楽坂に、国内約40の島々の伝統料理や食器などが集う「離島キッチン」プロジェクトの拠点となる飲食店型アンテナショップ(東京都新宿区神楽坂6-23)がオープンした。雄大な自然を背景に、素晴らしい資源や産品で溢れる一方、物流コストの高さや労働人口の現象などといった特有の問題を抱えている、離島。「離島キッチン」プロジェクトは、全国の島々と手を結び、それぞれの魅力を集結させることで離島の持つ問題を解決し、活性化させていくことを目的に立ち上がったものだ。島根県・隠岐諸島のひとつ、海士町が09年にキッチンカーでの行商からスタートさせ、これまでに兵庫県の淡路島、新潟県の佐渡島、東京都の小笠原諸島、新島、鹿児島県の屋久島、奄美大島、沖縄県の石垣島など40を超える地域との交流を行っている。今回オープンした「離島キッチン神楽坂店」は、神楽坂に元々あった一軒家を改装して造られ、まるで凛と佇む離島のような存在感と重厚感のある外観が特徴で、神社工事の足場に使用された廃材を採用するなど内装にも細やかなこだわりが施されている。ランチタイムには、日替わりの定食、どんぶりの他、月替わりで全国の島のメニューを提供する「島の特別コース」(2,500円)が用意されている。オープン時は、海士町の特別コースとなっている。ディナータイムには、屋久島の「鯖スモーク」や、五島列島の「鯛茶漬け」、海士町の「サザエのつぼ焼き」などの料理(350円~1,280円)の他、淡路島の「あわぢびーる」、日本酒「杯千酒」、佐渡島の日本酒「北雪」などのアルコール類や、屋久島の「ジンジャーエール」、周防大島の「ほっとハチミツ」などのドリンク(500円~)が提供される。また、各島の食材や伝統工芸品、食器などの物販も実施。名水百選の水が流れ込む湾の海水で作られた「海士乃塩」を始めとした各離島の塩(500円~)や、屋久島の無農薬の生姜を使った「ジンジャーシロップ」(980円)、海士町の純米大吟醸「承久の宴」の酒粕を配合した完全無添加の「酒粕石鹸」(1,200円)などの特産品も販売されている。
2015年10月08日宇宙飛行士の古川聡氏が代表を務める研究プロジェクト「宇宙からひも解く新たな生命制御機構の統合的理解(宇宙に生きる)」のキックオフミーティングが10月6日に都内で開催された。宇宙空間では無重力による骨格筋の萎縮、体液シフト、閉鎖環境による体内リズムの不調、宇宙放射線被ばくなど、人間の身体にとってさまざなリスクがある。古川宇宙飛行士は2011年に約5カ月半、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在し、宇宙酔いや地球帰還後の平衡感覚の喪失などさまざまな身体の変化を実際に体験した。その経験を通じて宇宙における生物学的リスクが「相乗的に作用するのでは?地上でも関連する問題があるのでは?」と感じたことが、同プロジェクトの発足を決意した理由だという。キックオフミーティングで登壇した古川宇宙飛行士は「これまで人類は宇宙に挑戦するためにさまざまな物理的障害を克服してきました。今、宇宙滞在最大のテーマは、無重力などの生物学的障害の克服です。宇宙という極限環境で地球生命体はどこまで恒常性を維持できるのか、それは"人類コスモ化"への挑戦、そして地上での問題へもつながっていると考えられます。」とプロジェクトの意義を語った。同プロジェクトの期間は2015年度から2019年度までの5年間で、宇宙という極限環境での生命制御機構の解明を目指し、無重力、閉鎖環境、放射線という3つの要素が生命体に与える影響について研究を行うほか、これら3つの要素を横断的につなぐ研究テーマを公募する。
2015年10月06日青菁社より、9月28日に、日本全国の「島ねこ」を集めた写真集「島ねこぽん」が発売される。○島で暮らす猫たちの写真集本書の著者は「猫だって鼻提灯くらいできるもん。」で知られる、自称サラリーマン猫写真家のあおいとりさん。余暇を見つけては島を巡り、1年強の撮影期間を経て、納得したショットのみを集めて写真集にしたという。日本各地の島で暮らす猫たちの「島ねこ」らしさを写しだしており、都市部とは違う環境の中で、活き活きと生きる猫、恋するLOVEねこ、ジャンプ猫など、「島ねこ」らしさが詰まった一冊に仕上がっている。「島ねこ」たちの暮らす美しい自然も、見どころ満載だ。
2015年10月05日マレーシアのマレー半島東海岸の沖には絶品ビーチをもつ島々が点在しています。そのひとつ、レダン島の水面下には濃厚な魚影にハード&ソフトコーラルの園が広がっています。島にはセレブリティがお忍びで訪れるラグジュアリーなリゾートも。ただし、11~2月の雨期はNG。レダン島へ、急ごう!ソフトコーラルの色鮮やかな群落に、テンジクダイの群れがカスミソウのように群れ、まるで巨大なブーケのよう世界各国からリゾーターが訪れ、バカンスを楽しむ「レダン島」アジアであることを忘れせるビーチの美しさ。こちらは島の東側、リゾートホテルやバンガローが集まるロングビーチマレー半島東海岸、トレンガヌ沖約45キロに位置するレダン島。周囲の海は海洋公園に指定され、透明度の高い海と真白な白砂ビーチに恵まれています。そんな絶品ビーチを求めて、世界各国からリゾーターが訪れ、バカンスを楽しんでいるもよう。気になる水面下は?レダン島周辺には8つの島々が点在し、30カ所以上のダイビングスポットを数えます。基本的にはボートダイブ。ほとんどのスポットへの移動時間は15~30分程度です。海の特徴としては、多彩なハードコーラル&ソフトコーラルの森が広がっていて、スケルトンなテンジクダイの仲間がたっぷりと群れている、夢見心地な風景。ガラスハゼや甲殻類、ウミウシ、イカ&タコも数多く生息しています。運が良ければ、アオウミガメやバラクーダの群れ、ナポレオンにも会える!視界のかぎり続くハードコーラルの森北側にある代表的なダイビングスポット「タンジュン・トコン」では水深5~10m付近の浅場に、泳いでも、泳いでもハードコーラルが広がっています。ただし、潮流がやや強いのでご注意を。憧れリゾート「ザ・ターラス・ビーチ&スパ・リゾート」レダン島のあこがれリゾートは、テロッ・ダラムという入り江を占有する「ザ・ターラス・ビーチ&スパ・リゾート」。高みから絶景ビーチを見下ろすクリフエリアと、ビーチまで徒歩1分のビーチエリアに客室が分かれ、どちらも魅力的!ビーチ近くと、海を見下ろす高台に展開するザ・ターラス・ビーチ&スパ・リゾート。レダン島Pulau Redang■レベル:浅い水深のところにサンゴ礁が広がっているので中性浮力が必要。レギュレーター類はコンパクトにまとめておくこと。■ダイビングスタイル:ボートダイビングが主流。午前中に2ダイブ、午後に1ダイブのケースが多い。■ベストシーズン:オンシーズンは3~10月。雨季の11~2月はリゾートがクローズしているところが多い。年間平均気温は26~27℃、日中は31~33℃まで上昇する。ウエットスーツは3~5mmでOK。情報、画像提供:マリンダイビング日本で最初に創刊されたスクーバダイビングの専門誌『マリンダイビング』(毎月10日発売)。アジアをはじめ、国内外のダイビングエリア紹介、海辺の生き物、ダイビングスクールガイドのさまざまな情報を盛り込んでいます。これからダイビングを始めたいと思っている人はもちろん、すでにダイビングを楽しんでいるダイバーの皆さんや、ダイビングに関わるすべての方々に向けた雑誌です。女性向けの姉妹誌『La SCUBA』も要チェック!水中の楽園 Diving in ASIA supported by マリンダイビングその他記事を読む>
2015年09月11日軍艦島上陸・周遊ツアーを企画実施する「軍艦島コンシェルジュ」は、「軍艦島デジタルミュージアム」を9月中旬にオープンする。開館時間は9:00~20:00(年中無休)。入場料は一般1,800円、中学生・高校生1,500円、小学生800円、幼児(3~6歳)500円、3歳未満無料。「軍艦島デジタルミュージアム」は、1974年に炭鉱の閉山に伴って無人島となり、徐々に風化・劣化していく「軍艦島」の"記憶"を残す目的で設立されるもの。今に残る当時の資料や写真、元炭鉱作業員として採掘に従事した人々の体験談をもとに、CGや映像投影(プロジェクションマッピング)、デジタルサイネージなど最新のデジタル技術を用いて、軍艦島への上陸を疑似体験できるような展示が行われる。総合企画/制作・プロデュースはZero-Tenが行う。具体的には、UAV(無人飛行体)による空撮で当施設用に撮り下ろした映像をもとに、軍艦島の今を3Dモデリング技術で再現した「映像ギャラリー」、日本で初めて鉄筋コンクリートアパートが建てられたという軍艦島の中でも最大の「65号棟」の一室を再現した「65号棟の暮らし」、全長30mの壁面にプロジェクションマッピングで映像を投影し、今に残る写真や動画資料をもとに当時の島の空気感を再現する「軍艦島シンフォニー」、新進気鋭の日本画家・絹谷香菜子氏が、軍艦島で実際に採掘された石炭を用いて描き下ろした幻想的な水墨画を映像と共に展示する「Wonder Island」などの展示が公開される。なお、「軍艦島」は、長崎県野母半島の西方、長崎港から約18kmの海上に浮かぶ小島。正式名称は端島(はしま)だが、北西から見たときの島影が戦艦「土佐」に似ていたことから「軍艦島」と呼ばれるようになった。海底炭鉱の島として栄え、日本の近代化を支えたことから、2015年7月に世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産~製鉄・製鋼、憎戦、石炭産業~」として正式登録された。
2015年09月07日軍艦島上陸・周遊ツアーを企画実施している軍艦島コンシェルジュ(ユニバーサルワーカーズ)は9月中旬、Zero-Tenの総合企画/制作・プロデュースのもと「軍艦島デジタルミュージアム」を長崎県長崎市にオープンする。「軍艦島デジタルミュージアム」は7月5日に「明治日本の産業革命遺産」として世界文化遺産に登録された「端島炭鉱(通称:軍艦島)」を体感できる施設。軍艦島は炭鉱の閉山に伴い昭和49年(1974)に無人島となり、徐々に風化・劣化していくことが危惧されている。同施設では軍艦島の記憶を残すため、今に残る当時の資料や写真、元炭鉱夫として採掘に従事した人々の体験談のもと、最新のデジタル技術を用いて往時の軍艦島の文化や雰囲気、海底炭鉱の知られざる姿を体験できるようになっている。施設内ではCGや映像投影(プロジェクションマッピング)、デジタルサイネージなど最新のデジタル技術を用いることで、軍艦島への上陸を疑似体験できる効果を狙っている。映像ギャラリーでは、UAV(無人飛行体)による空撮で当施設用に撮り下ろした映像をもとに、軍艦島の今を3Dモデリング技術を用いて再現した。また、日本初の鉄筋コンクリートアパートが建てられたという軍艦島の中で、317戸を有した島内最大のマンモス棟「65号棟」の一室を再現したコーナーも設ける。そのほか、デジタル技術を用いた地上から採炭現場までの道のりの再現や、プロジェクションマッピングによる当時の島の空気感の演出、軍艦島の謎に迫るパネル、1/150サイズの軍艦島ジオラマ、軍艦島で実際に採掘された石炭を用いて書き下ろした幻想的な水墨画などを展示する。住所は長崎県長崎市松が枝町5-6で、開館時間は9:00~20:00(年中無休)。入場料は一般1,800円、中学生・高校生1,500円、小学生800円、幼児(3~6歳)500円、3歳未満は無料となる。
2015年09月07日サピ島世界で3番目に大きな島、ボルネオ島。鬱蒼と繁茂する熱帯雨林や蛇行する雄大な河、東南アジア最高峰のキナバル山、そしてオランウータンやテングザルなどのユニークな動物たちのイメージが強いですよね。どちらかというと、山派というか。けれど海の魅力だって、たっぷり!今回は中でもボルネオ島北部、マレーシア・サバ州コタキナバルのリゾートアイランドについて、ご紹介しましょう。コタキナバルの中心地から行きやすいトゥンク・アブドゥル・ラーマン公園スノーケリングやシーウォークなどマリンスポーツが楽しめるサピ島ボルネオ島の玄関口といえば、サバ州の州都コタキナバル。その中心地の桟橋、ジェッセルトン・ポイントからボートでわずか15分の海域に、5つの島々が点在する保護区があります。ガヤ島、サピ島、マヌカン島、スルグ島、マムティック島からなるトゥンク・アブドゥル・ラーマン公園です。ブーゲンビリアの花で彩られたガヤナ・エコ・リゾート。スパや生け簀もあり、リゾートとネイチャー体験、どちらも楽しめます日帰りでスノーケリングを楽しむツアーがポピュラーですが、リゾートステイも可能です。公園内で最大のガヤ島には全室水上コテージの「ガヤナ・エコ・リゾート」や姉妹ホテルでワンランク上の「ブンガラヤ・アイランド・リゾート」、そしてマレーシアで展開するYTLラグジュアリー・リゾートの一員の「ガヤ・アイランド・リゾート」の3軒があり、とっておきのハイダウェイ感を味わえます。ガヤ島のガヤナ・エコ・リゾートにはすべて水上コテージ。ジャイアント・クラムの保護研究施設も併設していますガヤナ・エコ・リゾートでは、タヒチのカヌーブレックファストのように、朝食を海から運ぶサービスも“ハイビスカス”の意味をもつ「ブンガラヤ・アイランド・リゾート」。プライベートプール付きのロイヤルヴィラはこちらの最上位のお部屋他にもマヌカン島にはシャレーやレストランがあり、サピ島やスルグ島ではキャンプが可能。サピ島はスノーケリングやシーウォークなどマリンスポーツが楽しめ、干潮時にはサンドバンクが浮かび上がり、ガヤ島とつながります。最も小さく、本土に近いマムティック島も、上質なスノーケリングスポットです。トゥンク・アブドゥル・ラーマン周辺の海域は手厚く守られているので、サンゴが豊か。ジャイアント・シャコガイを保護・研究している場所もあります。また、年末にはジンベエザメが回ってくることもある、魅力的なスポットのひとつなのです。(text : 古関 千恵子)※画像:マレーシア政府観光局(サピ島)、古関千恵子(その他)ビーチ&リゾートコラム「アジアンビーチ☆マニア」その他の記事はこちら>
2015年09月05日●宇宙行きはゴールではなく夢に向けた第一歩宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2015年8月26日、金井宣茂(かない・のりしげ)宇宙飛行士を、国際宇宙ステーション(ISS)の第54/55次長期滞在搭乗員に任命したと発表した。出発は2017年11月ごろ、滞在期間は約半年間が予定されている。それを受け、8月27日には記者会見が行われ、宇宙飛行士になろうと思ったきっかけや、このミッションに向けた意気込みなどが語られた。金井さんはISSでどのような活動を行うのか。そしてそれに対する意気込み、また自身を「"もぐり"の宇宙飛行士」と呼ぶ理由、さらに金井さんの後の、日本の有人宇宙活動について、見ていきたい。金井宇宙飛行士に関連する記事・【インタビュー】ISS長期滞在が決定した金井宇宙飛行士が語る - 宇宙旅行が当たり前になるためにロケット以外で重要なものとは・【レポート】海底から火星を見据えて - JAXAの金井宣茂 宇宙飛行士が語った宇宙へのリハーサル・JAXAの金井宣茂宇宙飛行士、ISS第54次/55次長期滞在搭乗員に決定○「宇宙行きはゴールではなく夢に向けた第一歩」金井さんは1976年生まれで、現在38歳。2002年に海上自衛隊に入隊し、医師の資格を有する幹部自衛官(医官)を務めた。金井さんは特に、水に潜って作業を行う隊員(潜水員)の健康管理を専門とする、潜水医学の医師(潜水医官)でもあった。そんな中、JAXAは2008年3月31日に、新しい日本人宇宙飛行士を募集すると発表した。それまでの宇宙飛行士が「日本人が宇宙に行くこと」や、「日本人がスペース・シャトルを使ったミッションを行うこと」を目的として選ばれたのに対して、このときは「国際宇宙ステーション搭乗宇宙飛行士」、つまりISSで働き、その利用によって新しい成果を生み出す飛行士を選ぶことを目的としていた。これに金井さんは応募し、厳しい選考を経て、2009年の2月に宇宙飛行士候補者の補欠として選ばれ、同年9月には正式に採用されることになった。同期には、現在ISSに長期滞在している油井亀美也(ゆい・きみや)宇宙飛行士や、2016年6月に打ち上げ予定の大西卓哉(おおにし・たくや)宇宙飛行士がいる。医師から選ばれたのは向井千秋さん、古川聡さんに次ぐ3人目、また自衛隊出身は油井さんに次ぐ2人目となった。宇宙飛行士候補者に選ばれた後、2009年からは油井さんや大西さん、また米航空宇宙局(NASA)とカナダ宇宙庁の宇宙飛行士候補者らと共に、宇宙飛行士になるための訓練が始まった。そして、2年後の2011年に、ISS搭乗資格をもつ宇宙飛行士として正式に認定され、さらにそれ以降も、実際に宇宙へ飛び立つ日を目指し、米国やロシア、日本で訓練を積み重ねていた。そしてついに、それが叶う日が決まったのである。金井さんは記者会見で、「私の夢は、より宇宙が身近になり、まるで海外旅行に行けるような感覚で、誰でも宇宙旅行を楽しめるような時代が来ることです。それを実現するために活躍したいと思っています。今回、宇宙飛行という大任を受けましたが、これは自分にとってゴールではなく、その先の夢に向かって進むための第一歩であると考えています」と語った。○滞在期間は半年間、さまざまな実験を予定現在の予定では、金井さんは2017年の11月ごろに、地球を出発し、ISSの第54/55次長期滞在員として約6カ月間にわたって滞在。ISSの運用や科学実験を行うことになっている。往路、復路ともに、ロシアのサユース宇宙船に搭乗する予定となっている。また2016年1月からは、打ち上げに向けて、サユース宇宙船への搭乗や、ISSの長期滞在に必要な訓練を開始するという。ISS滞在中に、金井さんが具体的にどのような実験を行うのかは、まだこれから決められることになっているが、金井さんは医師であり、また潜水医学の専門家でもあることから、JAXAでは医学や医療に関する実験への貢献を大いに期待しているという。たとえば「きぼう」の大きな利用テーマのひとつに「健康長寿社会の貢献」というものがある。宇宙空間では、筋肉の老化や骨の密度の減少が、地上より速く進むことがわかっており、その研究によって、日本が直面している高齢化社会への、何らかの貢献ができないかということが考えられている。金井さんがこのテーマに関する研究を行うことは大いに考えられる。また、打ち上げまで時間が十分にあることから、「金井さんならでは」のミッションも考えていきたいという。記者会見で金井さんは、次のように期待を語った。「現在『きぼう』では、ダークマターの謎を追う実験や、生きたマウスを飼育して、そのまま地球に持ち帰る実験、また超小型衛星の放出などを行っていますが、これらは『きぼう』を造っていた段階では、まったく想像していなかった新しいアイディアだったり、夢物語だったりしたものが、現実になったものです。私のミッションは2年後。2年後になると、宇宙産業だけではなく、他の産業からもたくさんの研究者が宇宙に参入してきたり、より低価格に、より手軽で、よりスピーディに宇宙空間を使うような動きがさらに加速していると思います。今現在、世界中の誰もが想定していないようなおもしろい実験、最先端の科学を切り拓くような実験が、2017年には待っていると思います。それに向けて全力疾走でがんばりたいと思います」。○"もぐり"の宇宙飛行士にしてネモ船長ところで、金井さんのように、潜水医学を専門としているお医者さんの間では、初対面の人に「私、"もぐり"の医者なんです」と自己紹介するという、伝統的なギャグがあるのだという。もちろん、この場合の「もぐり」の本当の意味は、ブラック・ジャック先生のような「モグリ」ではなく、「潜り」のことである。そこで金井さんは、それに引っ掛けて、自身を「"もぐり"の宇宙飛行士」と呼び、会場の笑いを誘った。また、金井さんは宇宙飛行士の仲間たちから、「NEMO」(「ニーモ」、もしくは「ネモ」)というコール・サインで呼ばれているという。これは、ジュール・ヴェルヌの名作『海底二万里』や『神秘の島』に登場する潜水艦「ノーチラス号」のネモ船長、また『ファインディング・ニモ』に登場するクマノミの「ニモ」(ネモ船長に由来)にちなんでおり、金井さんが潜水医学の専門家であることから名付けられたのだとされる。ちなみに、金井さんは今年7月20日から8月2日にかけて、米フロリダ州の沖にある海底実験室「アクエリアス」で、NASA極限環境ミッション運用訓練に参加したが、この訓練がNASA Extreme Environment Mission Operationsの頭文字から「NEEMO」(「ニーモ」)と呼ばれていることから、関係者の間では「NEMO in NEEMO」(ニーモの中にニーモ(ネモ)がいる)というギャグが流行ったという。"もぐり"の宇宙飛行士であり、現代のネモ船長でもある金井宇宙飛行士が、ISSでどんな活躍を見せてくれるのか。それはきっと『海底二万里』と同じぐらい、あるいはそれ以上におもしろく、驚異に満ちた冒険譚になるに違いない。●日本人宇宙飛行士と、日本の有人宇宙活動の未来○金井さんがサユースに乗る最後の日本人宇宙飛行士に?ところで、金井さんはもしかすると、サユース宇宙船に搭乗する最後の日本人宇宙飛行士になるかもしれない。2011年にスペース・シャトルが引退して以来、NASAは新型宇宙船が完成するまでのつなぎとして、ロシアからサユース宇宙船の搭乗権を購入し続けており、そこにNASAの宇宙飛行士を乗せて飛ばしている。また、金井さんを始め、これまでサユースに搭乗した日本人宇宙飛行士の搭乗権も、このNASAがロシアから購入した分の中から割り当てられている。しかし現在のところ、NASAは2018年の打ち上げ分までしか購入していないため、2017年11月に地球を出発し、2018年の春ごろに帰還する金井さんが、サユース宇宙船に乗る最後の日本人宇宙飛行士になる可能性がある。なお2017年には、米国の民間企業2社(ボーイング社とスペースX社)が開発している新型の宇宙船が完成し、NASAやJAXA、欧州宇宙機関(ESA)やカナダ宇宙庁などの宇宙飛行士は、サユースではなく、この新型宇宙船によって打ち上げられる予定となっている。つまり、金井さんの次に飛ぶ日本人宇宙飛行士は、この民間の新型宇宙船に乗りこむことになる可能性が高い。ただ現在、予算不足などが原因で開発に遅れが出ており、また今後、開発中に問題などが発生することも考えると、2017年に間に合わない可能性は十分考えられる。そうなると、NASAはまたサユースの座席を購入せざるを得なくなるため、金井さんが最後ということにはならないかもしれない。○9年後のISS金井さんの宇宙飛行が決定したことで、現在の日本人宇宙飛行の中で、宇宙飛行を経験していない人はいなくなる。現在のところ、ISSは2020年まで運用されることが決まっているが、米国などはそれを2024年まで延ばすことを提案している。すでにロシアやカナダはこの提案に賛同しており、日本と欧州は2016年まで決定を先送りするとしている。仮に2024年まで運用を延長することになったとしても、金井さんが現在38歳ということを考えると、9年後でも十分に現役として活躍できる年齢だ。実際にJAXAは、2013年11月に、宇宙飛行士の新規採用を当面の間凍結する、と明言している。この当面、というのが、具体的にどれぐらいの期間を指すのかはわからない。もっとも、それはJAXA自身も知らないし、決められることでもない。現在の日本の宇宙開発は、内閣府の中に設置された「宇宙開発戦略本部」が取り仕切っており、また同様に内閣府に設置されている「宇宙戦略室」が、計画の企画や立案、調整を、そして「宇宙政策委員会」が審査や意見などを行っている。しかし現在、これらの中では有人宇宙計画の評価はあまり高くなく、今の段階で決まりつつあることといえば、コストを削減した上での「きぼう」の継続的な運用や、宇宙ステーション補給機「こうのとり」の改良ぐらいで、ISS"以降"の、日本の有人宇宙計画については、何も具体的なことは決められていない。金井さんの例にみるように、新しい宇宙飛行士を育成するには年単位の時間がかかり、さらに新しい有人宇宙計画を立てるのにはそれ以上の時間がかかる。ISSの運用終了まで長くともあと9年、残された時間は多くはない。○米欧は火星や小惑星へ、ロシア、中国は新宇宙ステーション建造ところで、他国はISS以後の世界を、どのように見据えているのだろうか。まず米国NASAは、かねてより月や火星、小惑星を有人探査を行う計画を進めており、現在はそのための新型宇宙船「オライオン」と、新型の超大型ロケット「スペース・ローンチ・システム」(SLS)の開発を行っている。オライオンは2014年12月に無人での試験飛行に成功し、2018年11月にはSLSの初打ち上げも兼ねて、月まで行って帰ってくる無人の試験飛行を行う予定を立てている。有人飛行は2021年以降に予定されており、月の近くまで運んできた小惑星に宇宙飛行士を送り込んで探査が行われる。そして2030年代には、火星への有人飛行が計画されている。また欧州は、この米国の計画に参加する意向を示しており、オライオン宇宙船の「サーヴィス・モジュール」と呼ばれる、エンジンやバッテリー、生命維持装置などが搭載されている部分の開発と製造は、欧州側が担うことになっている。これは計画の首根っこを押さえているのと同じであり、計画の内容などに対して、ある程度の口出しができる権利をもつ。一方ロシアは、ISSに結合されているロシア側のモジュールの中から、比較的新しいモジュールだけを分離して独立、さらにそこに新しいモジュールを結合させて、新しい宇宙ステーションを造る構想を持っている。ロシアが主導権を握る形にはなるものの、欧米にも参加を呼びかけてはおり、第2の国際宇宙ステーションのような存在になる可能性もある。また、その先には月の有人探査も視野に入れているという。ただ、ロシアは近年、宇宙産業の力が低下しており、また連邦予算も厳しい状況にあるため、今後計画がどうなるかはまだわからない。中国は2003年に「神舟五号」宇宙船によって有人宇宙飛行に成功し、2008年には「神舟七号」によって船外活動(宇宙遊泳)にも成功している。さらに2011年には、宇宙ステーション「天宮一号」の打ち上げにも成功し、無人の神舟宇宙船によるドッキング試験を経て、有人の「神舟九号」と「神舟十号」が訪れ、「天宮一号」の内部で科学実験などが行われるなど、ゆっくりとではあるが、着実に有人宇宙開発を進めている。そして現在は「天宮二号」の開発を進めると同時に、より大型の宇宙ステーション「天宮」の開発も進めており、2018年に最初のモジュールを打ち上げ、2022年以降に完成させる予定とされる。もし予定通り計画が進めば、2022年から2024年にかけて、宇宙にISSと「天宮」の、2つの大型宇宙ステーションが存在することになる。また、最近ESAは、中国との宇宙開発における協力体制を強化することを検討しており、たとえばESAの宇宙飛行士が「天宮」を訪れる、ということもあるかもしれない。その他、インドも独自の有人宇宙船の開発を進めており、2014年12月には無人でのサブオービタル(軌道に乗らない)飛行試験に成功している。いずれは実際に人を乗せ、地球をまわる軌道に打ち上げることが計画されている。また、イランも有人宇宙船の開発を進めており、数年のうちにサブオービタル飛行を行うとしている。○日本はどの選択を採るかこの状況の中で、まずロシアや中国の宇宙計画に参加することはまず考えられないし、ましてや、日本が独自に何らかの有人宇宙計画を立ち上げることも考えにくいため、米国と歩調を合わせるか、あるいは有人宇宙活動そのものを止めてしまうか、という選択肢しかないだろう。しかし前者の場合、欧州がオライオンのサーヴィス・モジュールの開発で、計画の根幹を握っているのと比べると、日本がこれから参加を表明したところで、貢献できる部分は少ない。たとえば「はやぶさ」のような無人探査機で、有人探査の露払いをすることなどは考えられるが、それは日本でなければできないことではない。また、そもそもミッションの内容からして、参加できる宇宙飛行士の人数はISSより少なくなるため、日本人宇宙飛行士が搭乗できる機会も必然的に少なくなる。そのため、貢献に見合うだけの利益が得られるかはわからない。参加するにしても、「どういう形で参加するのか」が重要となり、大きな議論となるだろう。たとえば年間何百億という予算を使いながら、アポロ計画以来初めて月に降り立つ宇宙船に、日本人宇宙飛行士が乗っていなければ、大きな批判を受けることになるかもしれない。毛利衛宇宙飛行士がスペース・シャトルで宇宙を飛んでから、今年で23年になる。以来、宇宙開発事業団(NASDA)、そして現在JAXAは、有人宇宙船を持たないながらも、有人宇宙活動に関する知見を着実に蓄積してきている。その実績をどう生かすのか。あるいは、捨ててしまうのか。選択のときが迫っている。国際宇宙ステーションを越え、月や火星、小惑星、そしてさらにその先の世界で挑みたいと夢見ている少年・少女たちは、今も日本中に大勢いるはずだ。たとえ困難な道でも、何らかの形で、彼らに夢を叶えるチャンスが訪れ、そして油井さんや大西さん、金井さんらの跡を継ぐ、新しい世代の宇宙飛行士が生まれることを切に願いたい。参考・・・・・
2015年09月01日●自衛隊時代に培った知識を宇宙に国際宇宙ステーション(ISS)第54/55次の長期滞在搭乗員に決定した金井宣茂宇宙飛行士は東京都生まれの38歳。同宇宙飛行士は、防衛医科大学校を卒業後、自衛隊呉病院などを経て、海上自衛隊 第一学術科学校 衛生課に所属し、2009年に日本人宇宙飛行士候補者として選抜された。自衛隊時代は潜水艦などに搭乗し、乗組員の精神状態を管理していたという。2年後に予定されているミッションに向けて意気込む金井宇宙飛行士に話しを伺った。○水中医学というユニークな経歴を宇宙へ持っていく-- このたびはISSへの長期滞在決定、おめでとうございます。金井宇宙飛行士が、宇宙飛行士を目指したきっかけは何だったのでしょうか?もともと子供の頃に宇宙に興味があったわけではなく、当時は毛利さんとか向井さんのミッションが取り上げられていて「スペースシャトルってすごいな」くらいに思っていたので、まさか自分が宇宙飛行士になるとは想像していませんでした。大人になって海上自衛隊で仕事をするうちに、水中医学という特殊な環境での医学運用やオペレーションのサポート作業をしていくと、それが有人宇宙飛行のミッションサポートや医学的問題に通じることが多い事に気づきまして、だんだん宇宙飛行という潜水とは全く違う世界に自分がこれまで勉強してきたことを持っていったら何か面白い仕事ができるんじゃないかなと感じ始めたところから宇宙飛行士を目指すようになりました。--そうすると自衛隊に入隊されてからある程度時間が経った後に宇宙飛行士を目指したということになりますが、目指し始めてからどれくらいの期間で実際に宇宙飛行士になれたのでしょうか?私は2005年から2006年にかけて半年ほど米海軍に勉強に行かせてもらっていて、日本に帰ってきたくらいから宇宙飛行士を目指そうということを決めて勉強をしたり情報集めたりしていました。それから2008年4月に宇宙飛行士の応募があって、タイムリーに「宇宙飛行士になってみませんか」という話が舞い込んできたわけです。本当にご縁がご縁を呼んで、いつの間にかこの場所にいるという感じです。--金井宇宙飛行士の場合はタイミングもかなり良かったということなんですね。宇宙飛行士になるにあたって訓練などで、自衛隊時代の経験が活きているなと感じますか?自衛隊で仕事をしていて良かったなと思うのは、集団生活が全然苦にならないとうことです。ほかには入隊したばかりの新人教育でわざと理不尽なことを言われたりなどしたことは、メンタル面での鍛錬につながったと感じます。--そういったご経験は宇宙飛行士の選抜でも有利に働いたのでしょうか?私は採用する立場ではないのでなぜ選ばれたのかはわからないですが、「私は普通の人では体験できないような経験をもっているので、この経歴を宇宙業界でうまく使ってください」ということをアピールしたので、ユニークな経歴という点を買っていただいたのかなとは感じています。○普通の人が宇宙に安心して行けるように--そのユニークなご経験についてもう少し詳しくお伺いさせてください。海上自衛隊時代は潜水艦乗組員の健康状態や精神状態をチェックされていたそうですが、これまでの宇宙飛行士の訓練の中で、潜水艦と共通する点はあるのでしょうか?(海上自衛隊時代は)将来に不安を抱いている若い幹部候補生の悩みを聞いたり、人間関係に悩みを抱いて船を降りたいという隊員の心理状況を確認して、配置を変わってもらったりといったことをやっていました。なので閉鎖環境でどういう気の持ちようでいたらいいのかとか、孤独になったり寂しくなったりしないためにどうしたら良いのかという知識や自分なりの対処法などは、過去に学んだものが使えているんじゃないかなと思います。--逆に宇宙と深海で違う部分はあるのでしょうか?宇宙がユニークなのは無重力ということで、無重力がゆえのいろいろな体の問題があります。例えば体液シフトといって、地上では体の下半身にたまっている体液が相対的に上半身に分布するので、顔がむくんだり、ずっと鼻づまりがしているような感じがしたり、ひどい人では頭が痛くなったりします。そういう宇宙ならではの体の変化というものを自分で経験してみないとと思っています。宇宙にはこれまで限られた人しかいっていなくて、全てのデータがきちんと残っているわけではないし、昔は研究していなかったことが実は問題があるということがわかって、最近になって調べ始めたりしています。宇宙医学はまだ始まったばかりで、もっと色んな人が宇宙に行ってそこでどういうことが起きるのかを調べる必要があります。その始まりの部分に私は携わらせてもらっているので非常に面白いです。また、これは記者会見でも述べさせてもらったことなのですが、地球低軌道を色々な人に使ってもらうこと、もっと言うと海外旅行に行くような感覚で普通の人が宇宙空間に行って帰ってくることを考えると、「高血圧があるんだけど大丈夫なの?」「体に障害があるんだけどそれでも宇宙を楽しめるの?」と聞かれたときに「もちろんです!」と言えるだけの宇宙医学のバックグラウンドであったり安全な宇宙技術というものを先に進めたいと思っています。●「宇宙医学」は日本宇宙開発の強みとなり得る○アメリカとロシアは日本と違う感覚を持っている--宇宙旅行の実現というと、どうしてもロケットなどハードの部分が注目されがちですが、それを利用する人に対してのケアも重要なのですね。話は変わりますが、金井宇宙飛行士はソユーズロケットでISSへ飛び立つことになります。ロシアでは少し前に事故が続きましたが、同国の宇宙開発についてはどのような印象をお持ちでしょうか?宇宙飛行士の感覚としては非常に信頼感がある開発と言えますね。事故は続きましたが、それは有人ではないロケットでの事故でした。ロシアはそこを割り切っていて、全てのロケットを有人飛行と同じレベルでやろうと思うとすごいお金がかかってしまいます。(無人ロケットでは)そこまで求めずに、ある程度リスクは許容して安く、たくさん打ち上げると。逆に有人の方は多少お金がかかっても安全性をきちっとやります。特にソユーズは昔から使われている宇宙船で信頼性は高いと感じます。面白いのは米ロは失敗を悪いと思わないんですね。日本の場合は失敗すると大問題になりますが、彼らは「ロケットは難しいんだから落ちて当たり前でしょ」と、落ちても大丈夫なようなスケジューリングであったり安全管理をしています。もちろん、なぜ落ちたのかという点は厳しく追究して次に活かします。そういったところが合理的というか日本人とは違う感覚だなと感じますね。--日本と米ロでは宇宙開発に対する感覚の違いがあると。以前ある日本人宇宙飛行士の方が「アメリカの宇宙船は飛行機で、ロシアの宇宙船は潜水艦のようだ」と仰っていましたが、金井宇宙飛行士はそういった感覚はお持ちですか?空気清浄機であったり二酸化炭素を取らなきゃいけないとか、たしかに宇宙船と潜水艦ってテクノロジーの部分で似てますよね。またソユーズは信頼性の高い古典的な技術が使われているので、潜水艦でも使われている技術がソユーズでも使われていることも考えられます。あとソユーズには船長の足下に潜望鏡がついていて、それを覗きながらドッキングをします。そういった意味でも「ロシアの宇宙船は潜水艦のようだ」という比喩は面白いですね。○宇宙医学を日本宇宙開発の強みに--それでは最後のトピックについてお話を伺っていきたいのですが、医学分野のご出身という観点から、ISSでのミッション全体を通じて、どのようなことを期待していらっしゃいますか?宇宙開発は国際協調であると同時に国際競争でもあります。NASAとかロシアは組織の大きさであったり予算の多さでこれまで非常に良い仕事をどんどんやってきました。それ自体は非常に良い事なんですが、その中でJAXAが光っていくためには何をすれば良いのかと考えたときに、宇宙医学という分野で日本の強さを見せることができるのではないかと考えています。(宇宙医学という分野は)先輩宇宙飛行士の向井千秋さんが立ち上げて、古川さんが中心となって世界レベルの研究を推し進めようとしています。チームジャパンとして勝負していく中で、宇宙医学を宇宙飛行士としてサポートできれば良いなと思います。--「宇宙医学が日本の強みとなる」と仰るのはどのような技術が根拠となるのでしょうか?日本はタンパク結晶実験というのをスペースシャトルの時代から続けてきました。NASAもやっていたのですが、あまりうまくいかなかったので途中でやめてしまいました。日本だけが地道に続けてきて、それが今花開いてタンパクが実は筋ジストロフィーや歯周病の薬になるんじゃないかといった成果に結びつきつつあります。このノウハウは日本しか持っていないもので、この知見をもとにもっと効率良い方法でできないかというところを急ピッチで進めています。こうした強みを伸ばしていくということをやっていかなければならないと思います。また、マウスを宇宙へ連れて行って戻すという実験を油井さんが今やっていますが、2年後は宇宙でマウスの子供を作って、大人になってから地球へ戻すということができるかもしれません。ほ乳類は宇宙で生育できるのかということを検証するということは、月の周りにコロニーを作ってそこで人間が繁栄する、といった昔アニメで見たような世界が近い状況にあるということになって、そういう実験を担当するかもしれないと思うと非常に楽しみです。--2年後の科学技術の進歩によって可能性はさらに広がりますね。無重力って面白くて、例えばiPS細胞などでは3Dの臓器を作る上で重力が難しさを生んでしまっているところがあります。もし重力が無いことで機能する臓器をより手軽に作ることができれば、そのノウハウを重力下での臓器作成に活用できるかもしれません。アイデア次第で宇宙は色んなことに使えますので、より多くの研究機関を惹き付けるような営業活動もやっていかなければいけないと思います。実際、時代の流れとしてそういう方向に行っていますので、2年後いろいろな産業が宇宙に入ってくることで今では想像できないようなイノベーションが起こるんじゃないかなと期待しています。
2015年08月31日圧倒的な自然の豊かさで有名なボルネオ島。688種類もの鳥が生息するこの島で毎年開催される「Borneo Bird Festival(バード・フェスティバル)」は、珍しい「鳥」が主役の祭典。ユネスコ世界遺産Kinabalu Park(キナバル自然公園)にて2015年10月23日~25日に開催。鳥たちのパラダイス!ボルネオ島の魅力© cedeprudente.com マレーシアのボルネオ島(サバ州)は、その豊かな自然で知られ、この時期は動植物愛好家の間でも特にバードウォッチングに適していると評判の地。それは、一年中温暖な気候が、北半球の冬に近づく寒気から逃れてくる渡り鳥達が集まって来るのに適した場所だから。ここに集まる鳥たちは全688種、その内この地にしか生息しない固有種が60種も。圧倒的な種類の多さは、鳥たちにとってこの地がいかに居心地がいいかを物語っている。フェスティバルの会場となるキナバル自然公園は、東南アジア最高峰のキナバル山を中心とし、2000年にはマレーシアで初めて「ユネスコ世界遺産」に登録された公園。保護されている75,370ヘクタールという広大な土地は、標高差もあり、あらゆる鳥たちが更に集まりやすい立地だ。園内だけでもボルネオ緑カササギや、ヘキサン、キヌバネドリなどの17の固有種を有する。世界でも珍しい鳥が主役のフェスティバル© Borneo Bird Festival 20153日間に渡って開催される鳥の祭典。その内容は、写真コンテストや鳥レース、野鳥観察のガイドツアー、子供向けのゲームなど盛り沢山。単なる研究者たちのバードウォッチングのためのイベントではなく、熱帯雨林や鳥の生態を1から学べる、素人にも開かれた祭典になっている。© Borneo Bird Festival 2015会場までは、コタキナバル空港から車で2時間。アメリカやヨーロッパからもファンが集まるこのイベントは2015年で7回目を迎える。子供から大人まで楽しめるフェスティバル、ぜひ家族で参加してみては?
2015年08月28日ペナン島の世界遺産の街「ジョージタウン」。ショップハウスが軒を連ね、どこかノスタルジックなこの街の散策は、ペナン島を訪れたら必ずやりたいこと。近年は古いショップハウスをリノベーションしたハイセンスなカフェも続々とオープン。散策中に立ち寄るのもお楽しみの一つに。そこで、一休みするにも、食事を楽しむにもぴったりな、今知っておきたいカフェをご紹介。Soul Caféひときわ目を引くショプハウスの一角にあるのが、写真をテーマにした個性派カフェ&レストラン「Soul Café」。店内では若手フォトグラファーの個展を随時開催していて、アートな気分でお茶や食事を楽しめる。コーヒーにもこだわりがあり、おすすめのコーヒーを月替わりで味わえる。食事は、素材にこだわった健康志向のイタリアンがメイン。Soul Café住所:12, Jalan Kek Chuan ,Georgetown, Penang電話:(+60) 4 226 8200営業時間:11:00~23:00(日休み)HP: Magshot café地元の人や、駐在外国人に人気のベーカリー「レインフォレスト」が経営しているカフェ「The Magshot café」。店内には、大きな石釜があり焼き立てのベーグルサンドを味わえる。ふわふわでもっちりとしたベーグルはペナンで一番美味しいとの声も。ハイセンスで洗練された雰囲気は、正に「ペナンの今」を感じる空間。The Magshot café住所:302 Chulia Street, George Town, Penang電話:(+60) 12 405 6276営業時間:8:00~24:00HP: dessert Penangペナンの中で一番美味しい!と呼び声高いフルーツタルトが味わえるケーキ店「Dolce dessert Penang」。店内は、遊び心溢れる可愛らしいペイントが至ところにあり、乙女心をくすぐる。カラフルなお店の外観に負けず劣らず、ショーケースにも色鮮やかなスイーツが並ぶ。Dolce dessert Penang住所:No. 18 , Jalan kek chuan, Penang電話:(+60) 16 441 9120営業時間:火-木12:00~22:30金土11:00~23:30日11:00~22:30HP: Alleyお洒落なカフェが集まるスチュワート通りに佇むカフェ「The Alley」は、観光名所の観音寺からも程近く、散策の途中で立ち寄りたい一店。焼き立てチュロスとアイスカフェモカで一休みして、散策の続きに出発しよう。The Alley住所:5, Stewart Lane, George Town, Penang電話:(+60) 4-261 3879営業時間:12:00~24:00HP:情報&写真提供:きゆ*ひろ)
2015年08月25日8月19日に種子島宇宙センターからHII-Bロケット5号機により打ち上げられた宇宙ステーション(ISS)補給機「こうのとり」5号機(HTV5)は24日、ISSに到着し、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の油井亀美也 宇宙飛行士が操作するISSのロボットアームによってキャプチャ(把持)された。ISSのロボットアームを操作して「こうのとり」をキャプチャしたのは、同宇宙飛行士が日本人としては初めてとなる。キャプチャに成功した油井宇宙飛行士は「宇宙開発の中では1つの小さな歯車だが、自分の仕事をしっかりできて、この瞬間だけは一等星並に輝けたかと思います。」とコメント。また、若田光一 宇宙飛行士がアメリカ航空宇宙局(NASA)のミッション管理センターでリード・キャプコムとして、油井宇宙飛行士をサポートした。「こうのとり」には食料や衣服、実験装置などの物資が搭載されており、物資を届けたあとはISSの不要品を積み込んでISSへ再突入する。
2015年08月24日