「市川猿之助」について知りたいことや今話題の「市川猿之助」についての記事をチェック! (9/9)
市川由衣が大胆なベッドシーンに挑戦するなど公開前から話題の『海を感じる時』の完成披露試写会が8月25日(月)に開催。市川さんを始め、共演の池松壮亮、原作小説を手がけた中沢けい、安藤尋監督が舞台挨拶に登壇した。1978年、当時18歳の女子高生だった中沢さんが発表し「文学上の事件」と言われた「海を感じる時/水平線上にて」(講談社文芸文庫刊)を30年以上を経て映画化。充たされないままに高校時代の先輩である洋に体を差し出すヒロインの恵美子が、彼に必要とされたいと願い、寄り添いつつも反発し傷ついていくさまを繊細に描き出す。市川さんは、本作について「女優人生を懸けて挑んだ作品」と語り、完成にこぎつけたことに「感無量です」と充実感をにじませる。脚本を読んで「恵美子に惚れ込んだ」という市川さん。「最初に読んだ時はイタイ女だなと思い、女性としてそのイタさに共感しました。(ベッドシーンで)裸になるということで、悩む部分もありましたが、やらなかったら後悔する、ほかの役者がこの役をやっているのを見たくないという気持ちでした。いまやれることはやったと思います」と覚悟を覗かせる。市川さんと池松さんは初共演となった。池松さんは恵美子の気持ちに応えようとしないまま、それでも求めに応じて彼女を抱く洋という男について「みなさんにどう映るのか…?僕はすごく愛してますし、僕なんかよりずっと心がキレイで誠実な男だと思います」と評する。この言葉を受け、市川さんは池松さんについても「誠実です!」とニッコリ。「すごく魅力的でした。脚本を読んだとき、どうして恵美子はそこまで洋に惹かれたのか?と思いましたが、一緒に芝居をしていく中で『こりゃ惚れる!』と思うところがいっぱいありました(笑)。色っぽいし、寂しそうな眼をしてたり。あれは演技なのか…?」と称賛に次ぐ称賛。池松さんは慌てて「全然、寂しくないですよ!」と照れくさそうに笑みを浮かべていた。さらに、ベッドシーンの撮影について市川さんは「(池松さんが)前貼り(※局部を隠すための小道具のシート)をされてて『前貼りセンセイ』と呼ばせていただいてました」と明かし、「今日は着けてないんですか(笑)?」と撮影中もよく交わしていたという冗談交じりの問答を再現。池松さんも「今日は着けてないです(笑)」と返し、会場は笑いに包まれたが、市川さんは「緊張しましたが、そういう会話で和みました」と笑顔で感謝の思いを口にしていた。『海を感じる時』は9月13日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:海を感じる時 2014年9月13日よりテアトル新宿ほか全国にて公開(C) 2014「海を感じる時」製作委員会
2014年08月25日現役女子高生が書いたスキャンダラスな文学として、一躍話題を呼んだ中沢けいの小説を基に、市川由衣と池松壮亮を迎えて贈る映画『海を感じる時』。このたび、主演の市川さんがもがきながら少女から女へと変貌を遂げようとする様子が垣間見える予告編映像が公開された。恵美子(市川由衣)と洋(池松壮亮)。2人の出会いは高校の新聞部。授業をサボって部室にいた恵美子は、ある日、先輩の洋と顔を合わせる。突然、洋は恵美子にキスを迫るが、「決して君が好きな訳じゃない。ただ、キスがしてみたい」と彼は言う。衝動的に体をあずける恵美子だったが、あくまで洋は「女の人の体に興味があっただけ」で「君じゃなくてもよかった」と言い放つ。それでも愛を知らない恵美子は洋を求め、大切にされないと分かっていても会うたびに自ら体を差し出していく。恵美子は、そんな関係に寂しさを募らせながらも、次第に“女”として目覚めていく自分に気付いていく…。今回公開となった予告編は、恵美子演じる市川さんとその相手となる洋を演じる池松さんの満たされない心と、抑えきれない体に葛藤しながらも濃密に男女の愛を描いていく映像。市川さんは美しくも切ないラブシーンを披露するなど、大胆なシーンにも果敢に体現し、一途な想いながら葛藤する心の揺れを力強く演じる一方、池松さんは、恵美子を翻弄しながらも恵美子への想いを昇華させ、堂々たる演技で観る者を魅了する。本作で初共演となった2人だが、恵美子と洋の後戻りできない恋愛を見事に演じ切った。女と男、家族との繋がりを豊かな感性で描き、いまもなお高く評価されている原作。『blue』、『僕は妹に恋をする』を手がけた安藤尋監督の繊細な表現力と確かな演出力で、揺れ動く登場人物たちの心の機微に迫る。『海を感じる時』は9月13日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年05月29日歌舞伎俳優の市川猿之助と市川中車(=香川照之)が3月20日に会見を開き、「松竹大歌舞伎」巡業公演の製作発表を行った。「松竹大歌舞伎」チケット情報2012年に四代目を襲名した猿之助と、同じく九代目を襲名した中車の襲名披露として行われる今回の巡業公演。5月末から6月にかけて行われる中央コースでは『一本刀土俵入』のふたりの共演が話題に。猿之助は「お蔦は(中村)芝翫さんから最後に教わった人生の中で一番大切にしている役。猿之助になっても女方を大切にしますと報告したい」と胸中を明かした。中車も「亡くなった勘三郎さんからも(茂兵衛役は)ぜひやるべきだよと聞いておりました。父(市川猿翁)が芝翫さんと共演した時のDVDを参考に、父に教えてもらいながらやっていこうと思っております」と意気込みを語った。8月末から9月にかけて行われる西コースで、新橋演舞場での襲名披露の際演じた『小栗栖の長兵衛』に再び挑戦する中車。「2年前にやらせていただきましたが、少しでも前進していると自分でも実感できるような作品にしたい」と話す。同じく西コースで「義経千本桜」『四の切』の狐忠信を演じる猿之助は「『義経~』については語る言葉はないです。猿之助イコールこれだと思ってもらっても過言ではない」と自信たっぷりに語った。襲名してから2年が経つが、感想を聞かれた猿之助は「ずいぶんまえから猿之助だったかのよう」と話し、気持ちは次のステップに向かっているようだ。「先輩からあずかった荷物を次へ渡す古典の継承とスーパー歌舞伎の次回作を考えなければ。ますます忙しくなりますが充実していて役者としてありがたい」。歌舞伎の世界に飛び込んだ中車にとっては全てが初めての経験だ。「この2年間で歌舞伎に対する思いが変わってきました。やっぱりもっと早くやりたかった。歌舞伎にひと月出させていただいてから映像の世界に戻ると実感するのですが、ひとつの動き、ひとつの音、ひとつの間、すべてが繋がっていたんだと。長い時間をかけて完璧に構築されてきた“完全体”をみせられると、理屈だけは理解してもそれが出来ない自分のもどかしさの中で、ある日1ミリだけ前進したような錯覚をうける。その錯覚を楽しみに今は前に進んでいます。(歌舞伎は)生きる実感をいただいているありがたい仕事です」。「松竹大歌舞伎」中央コースは5月31日(土)から6月27日(金)まで、西コースは8月31日(日)から9月26日(金)まで各地を巡演。チケットは一部を除き発売中。
2014年03月25日スーパー歌舞伎II(セカンド)『空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語―』が3月5日、東京・新橋演舞場で開幕。初日前日の4日には公開稽古と会見が行われ、市川猿之助、佐々木蔵之介が取材に応じた。スーパー歌舞伎II(セカンド)『空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語―』チケット情報三代目猿之助(現猿翁)の精神を受け継ぎ、四代目猿之助が挑むスーパー歌舞伎II。その第1作として上演するのが『空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語―』だ。若く才能に恵まれた仏師・十和(猿之助)と、その幼なじみで村の暮らしをよくするために官吏の道へ進む一馬(佐々木)の物語を、スーパー歌舞伎らしくスペクタクルに描く舞台。作、演出は気鋭の劇作家・前川知大が務める。猿之助は「全てを尽くしました。僕と前川さんとみんなが、好き放題作った舞台ですから、どうなるか楽しみ」と自信をのぞかせる。一方歌舞伎初挑戦となる佐々木は、猿之助とともに最大の見せ場の宙乗りにも挑む。「思ったほど恐怖感はなかった。隣に猿之助さんがいてくれるので、それは安心感がありました。ひとりだと怖かったかもしれませんね」。歌舞伎独特の立ち回りも体験。「見えを切るのは、ハマると快感ですね」と手応えを語る。そんな佐々木に対し猿之助は「なかなかいいです。見に来ないと損をしますよ」と太鼓判。ぜひ彼の勇姿を見に来てください」とアピールした。東京公演は3月29日(土)まで。その後、4月5日(土)から20日(日)まで大阪松竹座で公演。
2014年03月06日市川猿之助と片岡愛之助が初日を迎えた1月2日、東京・浅草公会堂で『新春浅草歌舞伎』鏡開きを行った。「新春浅草歌舞伎」チケット情報毎年若手花形が出演することで人気の興行。猿之助は亀治郎時代に12回出演、猿之助襲名後初めて浅草に登場する。猿之助は「浅草歌舞伎へご恩がえしの意味も込めて、今回出演させていただきます」と挨拶。ずらり居並ぶ若手俳優を指して、「彼らがこれからの浅草歌舞伎を背負って立っていきます。どうか、今まで以上に熱い声援を彼らに贈っていただけますよう」と呼びかけたあと、後ろ手にしていたものを眼前に広げると、観衆は大爆笑。広げて見せたのは若手人気俳優・中村隼人のカレンダーだ。「劇場で売っております。2600円です。これを僕は売りにやってまいりました」と会心の笑顔だった。一方の愛之助は「毎年卒業と言いながら、去年も今年も出演させていただいてます」と挨拶。ドラマ『半沢直樹』でオネエ言葉の国税局検査官役で大ブレイクした昨年を「紅白歌合戦の審査員にも出させていただくなど、すごくうれしい年になりました」と振り返りながら、「今年はオネエも卒業して片岡愛之助へ立ち返って頑張りたいと思います」と笑顔で新年の抱負を話した。今年の新春浅草歌舞伎は猿之助が『上州土産百両首』『博奕十王』、愛之助が『義賢最期』『新口村』に出演する。公演は1月26日(日)まで東京・浅草公会堂にて。
2014年01月07日東京、大阪、名古屋と各地で好評を博した、二代目市川猿翁 四代目市川猿之助 九代目市川中車 襲名披露興行が6月、いよいよ博多座に登場。襲名ならではの豪華な演目も話題だが、一日でスーパー歌舞伎と古典歌舞伎を上演するのは博多座でも初となる。その公演を前に、歌舞伎の世界に入って1年を迎える市川中車が思いを語った。六月博多座大歌舞伎 チケット情報「映像の世界で27年以上やってきて、厳しい現場を通過してきているという自負はあったけど、それでも歌舞伎には驚くべき難しさがあった」と、厳しい表情で語り始めた市川中車。その難しさを「数式を使って正解を求めなければいけない。物理を解くような感覚」と例えた。歌舞伎から映像の世界へ活動の幅を広げる役者は多いが、その逆はほとんどいない。しかも46歳という年齢であれば尚更だ。「映像と歌舞伎は基本的には違うものだと思う。間だったり、型だったり、といった正解があり、それは日本人にとって、とても気持が良い『間』であることがわかった。その『間』を映像の世界に持ち帰っても、スパーンとハマったりする。きっと日本人が遺伝子レベルでもっている心地良い間なんでしょう。歌舞伎が長く愛されてきたのもわかります。碁盤の目のような整然とした印象で、その様式美を表現するのは非常にハードルが高いものです」(中車)。厳しい稽古の中、父である市川猿翁からもいくつかアドバイスがあったそう。一番、心に残っている言葉は「もっと突っ込め」という言葉。「突っ込むというのは、12割、15割の気持をそこにいれるということ。映像の現場でも80%の演技ではOKが出ない、100%だとOKが出るかもしれないけど、監督やカメラメンが嬉々として喜ぶカットというのは150%の演技を出した時だ、ということを元々僕も思っていた。『芝居を突っ込む』という父の言葉を聞いた時、同じ考えなんだ、と。たった何秒だったけど、僕達父子にとって確かな交流になった瞬間でしたね」(中車)。今回は、注目の襲名披露興行ということもあり、これまで歌舞伎を観たことがない方が劇場に足を運ぶことも多そうだ。「実はまだ歌舞伎を観たことがないという方は芸能界にも意外に多くて、ナイナイの岡村さんもそうだった。でも観て頂いた後、すごくハマってもらえて。客席の反応のひとつとしてすごく自信になりましたね。とは言え、完成された様式美でありながら演じる役者によって違いがあるのが本当の歌舞伎の面白さ。これまで歌舞伎をやってきて、どれだけ自分が完成されてないかということを日々痛感してますが、(歌舞伎の)長い歴史の中のエポックメイキング的な出来事として、この不完全な感じも見届けて頂ければ嬉しいですね」(中車)。公演は6月2日(日)から26日(水)まで、福岡・博多座にて。チケットは発売中。
2013年05月30日12月15日(土)から東京・ル テアトル銀座 byPARCOで開幕する舞台『助太刀屋 助六 外伝』。映画監督の岡本喜八生前最後の作品『助太刀屋 助六』をもとにG2が書き下ろしたもので、底抜けに明るく憎めない助太刀を生業とする男、助六の活躍を描く痛快活劇だ。主演に猿之助襲名後、歌舞伎以外では初の舞台となる市川猿之助、共演には元宝塚歌劇トップスター朝海ひかる、映画・ドラマで活躍する吉沢悠、忍成修吾らが名を連ねる。開幕を前に稽古中の吉沢、忍成のふたりに話を聞いた。助太刀屋 助六 外伝』公演情報まずは、役どころについて吉沢が「路之丞という剣の達人の役です。剣豪という大まかな設定だけでなく、細かいところを演出のG2さんと相談しなから、役作りをしてます。ただ剣が強くて、ワッといくようなタイプではなく人間としての余裕もある。そんな役作りをしつつ、2幕は殺陣が中心になってくる役なので、殺陣の稽古にも力を入れてます」、忍成は「虎松という番太の役。番太というのは町の夜警というか門番ですね。身分は低いけど、この町はオレひとりで守っていると思い込んでるような明るい人物です」と紹介。続けて吉沢は「恋仲とまではいかないが、朝海さんとは心を通じあわせている間柄。そのことを一瞬で表現してくれとG2さんに言われて…。今の時代ならコンタクトすればいいのでしょうけど。朝海さんとふたりで相談しながらやってます」と時代劇ならではの苦労話も明かした。主演の猿之助について話が及ぶと、忍成は「振り幅の広い演技をしながら、助六というキャラクターの芯がぶれないところがすごい。だから自分がちょっと路線からぶれたかなと思ったときも、他人まかせじゃないですけど、安心して芝居ができます」、吉沢は「本番では裏を向いているとき、笑わすからなと言われました。すごくユーモアのある方で、セリフにないこともボンボン出てきて、ライブ感がすごい」とそれぞれ絶賛。「人情もあり、ドラマもある。稽古をして本から読み取れなかったものもたくさん出てきた。お客さんが観てお客さんの熱でこの舞台がどう変わっていくか楽しみ。お客さんと一緒にいい舞台にしたい」(忍成)、「人情もので、難しい話じゃない。いいやつと悪いやつがいて、ドンチャンして、最後はスカッとできる舞台。気楽に楽しんでもらえたら」と最後にそれぞれ舞台をPRした。公演は、東京・ルテアトル銀座 by PARCOにて12月15日(土)から12月24日(月・祝)まで。チケットは発売中。
2012年12月14日舞台「助太刀屋助六 外伝」の初日を前に12月14日(金)、主演の市川猿之助を始め、共演の朝海光、吉沢悠、忍成修吾、石橋直也、鶴見辰吾が報道陣の取材に応じ、舞台稽古の模様を公開した。岡本喜八監督が原案となる漫画讀本「助太刀屋助六」を発表し、その後「仇討ち・助太刀屋助六」としてテレビドラマ化。2002年には真田広之、鈴木京香らが出演して映画化もされ、岡本監督の遺作となった。この原案を演劇界の奇才・G2の手で舞台化したのが本作。底抜けに明るく憎めない助太刀屋の助六が、ある武士の敵討ちを手伝いながら裏にある藩の陰謀を暴いていく。今年6月に四代目・猿之助を襲名して以来、初めての歌舞伎や舞踊以外の外部の舞台への出演となるが「こういう機会でないと鶴見さんや朝海さんとご一緒できないので」と歌舞伎以外の世界から受ける刺激を明かす。元々、石橋さんが立案し公演が決まったという本作。猿之助さんが石橋さんに言ったという「いつか一緒にやろう」という言葉が10年越しで実現したそうだが、猿之助さんは「『瓢箪から駒』ですね。社交辞令でそう言ったんだけど、得てしてそういうところから名作が生まれるもの」とうなづく。先日、亡くなった中村勘三郎さんもこの舞台を見に来るのを楽しみにしていたという。石橋さんは「帰ってきた浅草パラダイス」で勘三郎さんと共演し、その後、勘三郎さんの誘いを受けて、歌舞伎役者でないにもかかわらず20代にして「コクーン歌舞伎」や歌舞伎座さよなら公演で上演された宮藤官九郎作の「大江戸りびんぐでっど」にも出演した。石橋さんは「『浅草パラダイス』で目をかけていただき、コクーン歌舞伎でもかわいがっていただきまして…。1月にご挨拶に伺い『助太刀屋助六』が実現しますとご報告したら、『おめでとう。必ず見に行くからね』と仰って下さいました」と俳優としての“恩人”に晴れの舞台を見せることができずに残念そう。猿之助さんは改めて勘三郎さんの急逝について「悲しいけど事実だからね」と受け止めつつ、「輪廻転生があると思うから、孫の七緒八(なおや)くんの子供くらいで生まれ変わってくるときに歌舞伎がなくなっていたら大変。我々が受け継いでいかないと」と伝統を継承していく覚悟を口にした。吉沢さんは「個性的な人たちが持ち寄った演技がぶつかることなく、『高めよう』という空気感を持った仲間が集まった」と歌舞伎に宝塚、現代劇と様々なジャンルの俳優が集まっての化学反応を楽しんでいるようだ。鶴見さんは映画『助太刀屋助六』にも出演しているが、今回の舞台版について「かなり洗練されていて音楽とのマッチングもいい。ニューヨークに持っていきたい」と語る。奇しくも勘三郎さんが歌舞伎のニューヨーク公演で大成功を収めており、猿之助さんは「じゃあ、こっちはフランスあたりにしとこうか?」と海外進出に向けても意欲満々。「毎日違うことをやります。結末も変わるかも(笑)」と舞台の幕開けを待ちわびていた。「助太刀屋助六 外伝」はル テアトル銀座にて12月15日(土)より上演。公式サイト:
2012年12月14日歌舞伎俳優の市川猿之助と市川中車が12月4日、都内で会見を開き、来年1月の大阪・松竹座「壽初春大歌舞伎」への意気込みを語った。大阪・松竹座「壽初春大歌舞伎」チケット情報今年6月、7月に東京・新橋演舞場で襲名披露興行が行われたが、来年からいよいよ大阪を皮切りに全国を回るツアーがスタートする。大阪・道頓堀で元旦から歌舞伎の幕が開くのは実に50年ぶり。四代目を襲名した猿之助は「襲名と正月のおめでたさを味わっていただきたい」とコメント。俳優・香川照之として活動しながら九代目を襲名した中車は「無事に初舞台を勤めることができましたのも四代目(猿之助)のおかげ。引き続き、精進していくことに変わりはございません」と歌舞伎俳優としての決意を語った。昼の部の『吉野山』、夜の部の『義経千本桜』(「四の切」)で狐忠信を演じる猿之助は「三代目(猿之助)の『四の切』は神業に近いと思っているので、それをやらせていただくことは非常にありがたいです。ただ、考えてみたら襲名で人間の役をひとつもやっていない。鬼か狐か鳥か」と笑わせ、「どこまでこの役を深めていけるか挑戦したいです」と意欲を見せた。中車は昼の部『楼門五三桐』で石川五右衛門役に挑戦する。同演目は7月の新橋演舞場で市川猿翁の真柴久吉、市川海老蔵の五右衛門で上演されたばかり。そのときは、父・猿翁の後ろで黒子として付いていた中車だが「海老蔵さんのハリのある声を後ろで聞いていたわけですが、まさか自分があそこに立つとは。いま、稽古をしながら古典の壁の高さを感じています。本当に未熟ではございますが、なんとか頑張っていま勉強している最中です」と心境を明かした。また猿翁との初共演については「いざそうなってみるとそういうことかという感覚ですね。大本にある役者としての感情は、6・7月の舞台や稽古を通して父と確認しあいました」と話していた。襲名興行だけにチケットの売れ行きを気にする猿之助は、中車が演じる五右衛門のセリフ“絶景かな”にひっかけ、「空席があると“絶景かな”とはなかなか言いにくいのですから、宣伝をよろしくお願いします」とマスコミに依頼する場面も。一方で、多くの観客に歌舞伎を見て欲しいという気持ちから「若者向けの芝居も必要。いろんな公演の形態があってもいい」と話す猿之助。映像の仕事が多かった中車は「(歌舞伎の舞台に立って)初めて舞台が面白いと思いました。猿之助の美しさとこの細いからだで背負っているものの大きさ。そういったものを見ると理屈でなく感動します」と歌舞伎の面白さをアピールしていた。公演は1月1日(火・祝) から1月26日(土)まで。チケットは発売中。
2012年12月07日おしゃれで個性的、今年輝いた有名人は?28日、東京・渋谷のセルリアンタワー東急ホテルにて、恒例の「第41回ベストドレッサー賞」授賞式が開催された。毎年、その年を彩った、おしゃれで個性的な有名人らに贈られる注目の賞だが、今年は各部門8人が選出されている。最大の注目を集める「芸能部門・女優」は剛力彩芽に決定。また、「インターナショナル部門」を、モデルでアーティストのきゃりーぱみゅぱみゅが受賞した。このほか「MFU推薦枠」で女子プロ野球選手の川端友紀も受賞している。授賞式も華やかにベストドレッサー賞は、一般社団法人日本メンズファッション協会・MFUが、ファッション意識の向上を目指して1972年から発表している歴史のある賞だ。この日も授賞式の会場には、数多くの来賓を含め、華やかな衣装に身を包んだ出席者らが顔をそろえ、ベストドレッサーの授賞イベントにふさわしい輝きの感じられる雰囲気となった。今年大活躍で、芸能部門を受賞した剛力は、紫のカラーが印象的なドレスで登場。落ち着いたシックな雰囲気が漂うスタイルで、これからさらにおしゃれ研究も重ねたいとコメントした。同賞の選考は、メディアジャーナリスト、これまでのベストドレッサー受賞者、メンズファッション協会会員によるアンケート結果などをもとに、選考委員会が最終的に推薦。外見だけでなく、魅力のある人間性を備えた人であることを基本に据え、時代に左右されない主張あるお洒落をみせている人、ファッション性のある着こなしをしている人、時代性のある人などを基準に選んでいるとされている。先述の授賞者のほかには、「政治経済部門」をネスレ日本株式会社代表取締役兼CEOの高岡浩三、「学術・芸術部門」を歌舞伎俳優の市川猿之助、「芸能部門・俳優」を藤木直人、「スポーツ部門」をなでしこジャパン監督の佐々木則夫、「特別賞」を知的障害児通園施設「しいのみ学園」の園長であった106歳の昇地三郎が受賞となった。(文中・敬称略)元の記事を読む
2012年11月30日鼻の下に裂傷を負ったモデルで歌手のきゃりーぱみゅぱみゅが28日、都内で行われた『第41回ベストドレッサー賞』授賞式の場でキュートなつけひげを披露した。ファッション性や話題性に富んだ人に贈られる同賞のインターナショナル部門を受賞したきゃりーは、持ち前のファッションセンスでピンチをチャンスに昇華。「TPOに合わせておひげをつけさせてもらった。今、かわいいばんそうこうを集めてるけど、ひげ付けてドレッシー感が上がったかな? 性別不明な感じですけど」と元気な姿をみせた。【写真】剛力彩芽、藤木直人ら受賞者26日に行われたイベント降板時に転倒し、持っていたトロフィーで鼻の下を3針縫うけがを負っていたきゃりーは「階段からこけた時に激痛が走って、前歯が終わった(折れた)と思った」と負傷当時の心境を報告。翌日に抜糸する予定で「紅白の時までは治ってると思う」と期待した。この日もトロフィーを贈与され、会場に敷かれたレッドカーペットを歩いたきゃりーは「最近ドジと言われてたので、足をくじかないように歩いた。トロフィーの角に気を付けて抱っこしてました」とニッコリ。現在は「ブラックジャックのよう」な傷跡があると言い「残らないように祈ってる」と願っていた。独創的なメイクとファッション、そしてユニークな名前も注目のきゃりーだけに、賞状贈与者が名前を言えないというハプニングに見舞われ、場内からは笑いが起こっていた。今年の『紅白歌合戦』初出場も決め「2013年のテーマは世界征服。ワールドツアーが2013年から始まるので、攻めて行こうかな。日本元気ですっていうパフォーマンスができたら」と展望を語っていた。きゃりーのほか、政治・経済部門にネスレ日本の高岡浩三社長、学術・文化部門に市川猿之助、芸能部門に剛力彩芽と藤木直人、スポーツ部門になでしこジャパンの佐々木則夫監督、MFU(日本メンズファッション協会)推薦枠に川端友紀(女子プロ野球選手)、特別賞に昇地三郎氏がそれぞれ選ばれた。
2012年11月28日歌舞伎俳優・市川猿之助が四代目を襲名後、東京・明治座に初登場する舞台『十一月花形歌舞伎』が11月3日に開幕した。明治座『十一月花形歌舞伎』チケット情報明治座は、1993年に再開場した際、当時の三代目猿之助(現市川猿翁)の宙乗り用に天井にレールが取り付けられた、猿之助縁の劇場。その劇場に襲名後、初めて立つ猿之助は「三代目の伯父(猿翁)は、明治座でたくさんの復活通し狂言を初演してきました。その様子をずっと見て来ましたから、明治座は私にとっても非常に思い出深い劇場です。今回は明治座の特別な宙乗り機構も駆使して、大仕掛けあり、早替りありの澤瀉屋(おもだかや=猿之助の屋号)らしいスケール感あふれる演目で臨みます。伯父が創り上げた“四十八撰”があるからこそ、それを受け継ぎ練り直すことができる。これは非常に有り難いことだと思っています。新たな“猿之助歌舞伎”の始まりとして、まずはこの1か月、お客様に喜んでいただける舞台になるよう精一杯つとめさせていただきます」とコメントを寄せた。猿之助は、昼の部の変化舞踊『蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)』で、童や薬売りなどさまざまな役に六変化する。めまぐるしく変わる役を早替わりでみせるのが最初のみどころ。その後、女郎蜘蛛の精が本性を現す場面では、対峙する源頼光たちとの立廻り、そして蜘蛛の糸が舞台いっぱいに放たれる圧巻のクライマックスと観客を楽しませる工夫が随所にある。また夜の部では、通し狂言『天竺徳兵衛新噺(てんじくとくべえいまようばなし)』で日本転覆を目論む異国帰りの天竺徳兵衛を演じる。奇抜な発想と斬新な仕掛けでみせる本作は、蝦蟇(がま)の妖術を駆使して徳兵衛が活躍する物語に、歌舞伎の怪談話でおなじみの小幡小平次の幽霊譚を織り交ぜた大胆な展開で、早替りや葛籠抜けの宙乗りがみどころ。澤瀉屋が得意とするケレン味あふれる演出が堪能できる。公演は11月27日(火)まで、明治座にて上演。チケットは一部を除き発売中。
2012年11月06日歌舞伎俳優の市川猿之助が9月22日、都内で会見を行い、出演する『明治座十一月花形歌舞伎』への意気込みを語った。『明治座十一月花形歌舞伎』チケット情報今年6月と7月に東京・新橋演舞場で襲名披露興行を行なった猿之助は襲名後、初めて東京・明治座に登場する。昼公演では6役を早替わりで演じる『蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)』に、夜公演では宙乗りを勤める『天竺徳兵衛新噺(てんじくとくべいまようばなし)』に出演する。会見で猿之助は「明治座は子どものころ、一番楽屋で遊んでいた劇場なので個人的な思い入れはすごくあります」と語り「(3代目の)猿之助さんから(歌舞伎で使う)蜘蛛の糸をもらった覚えがあります」と想い出話を披露。また襲名後、初の東京公演で『天竺徳兵衛新噺』を選んだ理由として「明治座は、今はあまり歌舞伎が浸透していないので、定着させるためにもコンパクトな演目が良いと思い選びました」と説明しつつ、「劇場の中では一番お弁当が美味しいので、お芝居を観てご飯を食べて楽しんで欲しい」と気軽さをアピールしていた。『蜘蛛絲梓弦』については、「セリ(舞台の一部が上下に動く機構)に飛び込むなど色々工夫をしてやりつくした結果、工夫しすぎない方がいいと思ったので、今回はシンプルにやります」と構想を明かす。明治座の設備の中にあるワイヤーについては「宙乗りのワイヤーが見えないようになっているんです。(3代目)猿之助の宙乗りのために造ってくれたようなものだったんですけど、(1993年に建て替えて)新装になってから猿之助は出演していないんです」と語った。さらに、明治座の歌舞伎公演にはこんな工夫も。「ほかの歌舞伎公演に比べると値段を安くしていただきました。2幕構成になっているので、若い方でも見やすくなっていると思います」。舞台のみならず映像でも幅広く活躍する猿之助だが「テレビなどで僕を知っていただいた人が、『歌舞伎をやっている人なんだ』と思って見に来ていただけたら嬉しいです」と話していた。公演は11月3日(土・祝)から11月27日(火)まで明治座にて上演。チケットは9月28日(金)より一般発売開始。
2012年09月25日2010年の本屋大賞に輝いたベストセラー小説を映画化した『天地明察』の完成披露試写会が8月30日(木)、都内で開催され、主人公・安井算哲役の岡田准一を始め、共演する宮﨑あおい、中井貴一、佐藤隆太、市川猿之助、横山裕、渡辺大、原作者の冲方丁、滝田洋二郎監督が舞台挨拶に登壇した。江戸時代の前期に、それまで800年にわたって使用されてきた暦の誤りを見抜き、日本独自の暦を作り上げた天文歴学者・安井算哲(後の渋川春海)の奮闘を描く。美しく気丈な武家の娘で、算哲の妻・えんを宮﨑さんが演じた。岡田さんと宮崎さんは『陰日向に咲く』(’08)に続いての共演となる。岡田さん演じる算哲は実在の人物とあって「独特のプレッシャーがありました」とふり返る。それでも「プロフェッショナルなみなさんとご一緒でき、僕自身も30歳の転機として真剣に取り組んだ。少年が男へと成長する物語です」と作品への思いは格別の様子。一方の宮﨑さんも「私が参加したのは最後の2週間でしたが、とても温かい現場だった。映画を愛するみなさんが集まった現場に参加できて、嬉しく幸せでした」としみじみ語っていた。えんの兄である算術家の村瀬義益を演じる佐藤さんは、「准一くんとも久しぶりだし、滝田監督は憧れの監督だったので光栄」と感無量。「魂が響きあった現場」(猿之助さん)、「算哲は男が惚れる男。本来難しい役柄を、岡田さんがあふれる人間性で演じられた」(渡辺さん)、「この映画を観て、改めて日本人で良かったなと実感した」(横山さん)とキャスト陣が挨拶する中、最年長の中井さんは「いつの間にか、挨拶の順番が最後になる年齢になったと思うと感慨深い。後輩たちが素晴らしい挨拶をするので、『この映画には助さんも角さんも出てきません』なんて言おうとしていた自分が恥ずかしい」と笑いを誘っていた。そんなキャスト陣に対し、第81回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞した『おくりびと』以来のメガホンとなった滝田監督は、「原作の精神を映像にするのに苦労したが、素晴らしいキャストのみなさんが作品に“色”と“息吹”を吹き込んでくれた」と手放しで絶賛。原作者の冲方さんも「原作の息吹と、映画ならではの感性を同時に感じた。まるで同じ星を違う場所から見たような思い」と感激しきりだった。『天地明察』は9月15日(土)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。■関連作品:天地明察 2012年9月15日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012「天地明察」製作委員会
2012年08月30日歌舞伎俳優の市川海老蔵が、東京・新橋演舞場の『八月花形歌舞伎』(夜の部)にて、約50回もの早替りや宙乗りで人気の演目『伊達の十役』に再び挑戦する。海老蔵が公演を前に現在の心境を語った。新橋演舞場の『八月花形歌舞伎』チケット情報『伊達の十役』は仙台・伊達家のお家騒動をもとに創られた作品で、1815年、七代目市川團十郎が江戸河原崎座で初演した。その後上演が途絶えていたが、三代目市川猿之助(現猿翁)が1979年、実に165年ぶりに復活上演した伝説的舞台。これを海老蔵が2010年1月に初演、歌舞伎のエンタテイメント性あふれる演出で大当たりを取った。今回、2年7か月ぶりに務める海老蔵は「もっと早く再演したかった」と話す。「セリフが300以上もあって、専門的な言葉や古い言葉も多いですから。早くやって身につけておきたかった。みなさんはどうか判りませんが、僕の場合は完全に忘れているんで」とはにかむ海老蔵。演出は三代目猿之助が最後に上演したもの(1999年)とほぼ同じにするという。口上も團十郎家は柿色の裃を着るが、猿翁の希望で浅葱の裃に鬘も袋付(後ろがふっくらと袋状になっている髪型)でと考えている。「夏ということもありますし、面白い試みなのでやろうかと」。今月はその猿翁と共演している。「ご一緒させていただいて(猿翁の)情熱や思いをひしひしと感じています。先日、舞台が終わった後に『伊達の十役、君ね』とおっしゃってくださって、これはヤバいぞと、感動ですよ」。海老蔵にとって猿翁の存在は、歴史に名を残した名優と同列だと語る。「九代目團十郎や五代目菊五郎といった方々と同じくらい。絶対共演できないと思ってましたが、まさかご一緒できるなんて。本当に嬉しくて言葉に表せない喜び。日々勉強させてもらってます」。昼の部では『桜姫東文章』の釣鐘権助を演じる。桜姫の寝所に忍び操を奪うが、その後姫と夫婦になる。だが実は姫の父と弟を殺した悪党という男の役だ。「権助は(自分と)ちょっと似てるところがあると感じますね。父(市川團十郎)に教わっています。父の権助は色気があって、よいところを吸収したい」。一昨年の暴行事件から昨年復帰するまで、休んでいた期間の心境については「必要じゃない経験は与えられないと考えています。残った命があって、僕はこの体験をどういう風にとらえ歌舞伎に取り組んでいくのかって、自然と考えました」と明かす。今は「やりたい事が増えた」と歌舞伎への思いを語った。『八月花形歌舞伎』公演は8月4日(土)から23日(木)まで東京・新橋演舞場にて上演。チケットは発売中。なお、チケットぴあでは桟敷席+うな重セットのチケットを限定発売する。
2012年07月19日歌舞伎俳優の市川亀治郎が四代目市川猿之助を、俳優の香川照之が九代目市川中車を襲名する『六月大歌舞伎』が6月5日、東京・新橋演舞場で開幕した。新橋演舞場のチケット情報本興行では、同時に当代猿之助が二代目市川猿翁に、香川の長男政明君も五代目市川團子(だんこ)を襲名。昼の部の『口上』では、猿翁、猿之助、中車、團子と幹部俳優が揃って襲名披露の挨拶を行った。満員の客席から大きな拍手が沸き起こる中、まずは猿之助が挨拶。関係者をはじめ、先祖にも感謝したいと気持ちを述べたあと「亀治郎という名にまだまだ愛着がございます」と前置きし、『ヤマトタケル』の作者でもある梅原猛から「フリードリヒ・ニーチェという大哲学者が『運命愛』ということは外に起こった運命、外側から降りかかった運命をさも自分が欲したかのように愛すること。君はその『運命愛』に従ってこれから生きなくちゃいかん」という言葉をもらったと明かした。「今までは色々なインタビューなどでまだまださみしさ6分、嬉しさ4分と申しましたが、今日、猿之助を襲名致しまして、嬉しさ100%でございます」と挨拶。続いて中車が「この(中車の)名跡は、戦前に大活躍なさいました七代目、私の曽祖父の初代猿翁の弟、私の大叔父にあたる八代目が幅広い役柄を演じてきました由緒ある名前です。この大きな名前を曽祖父、祖父の50回忌追善で襲名させていただきますことは誠にありがたく感無量の思いが致します。同時に歌舞伎の舞台に初めて御目見えいたす私は、生涯をかけ精進し、九代目中車を名乗らせていただきます責任を果たしてまいりたい」と終始頭を深々と下げて挨拶。感極まった表情で、目には涙を浮かべていた。團子は、緊張した面持ちながら「猿翁のおじい様よりずっと立派な俳優になる事が私の夢でございます」と大きな声で挨拶すると、客席から笑いと拍手も。そこへ台座に座り登場した猿翁が口上を述べると、客席の中には目頭を押さえる人の姿も見られた。また、夜の部の『ヤマトタケル』でもスーパー歌舞伎では初めてとなる劇中での口上が行われ、猿之助と中車が登場。猿之助が「前例がなければ作ればいいというのがモットーで、不可能を可能にするのが『澤瀉屋』(猿之助の屋号)」と一門を立て、スーパー歌舞伎の創始者である三代目猿之助は「偉大な存在」と語った。中車は1986年の初演を学生時に見た記憶を話し、「まさか『ヤマトタケル』で初めて歌舞伎の舞台に御目見得させて頂くことになるとは、本当に有難く夢のようです」と、熱のこもった口上を述べた。『ヤマトタケル』の舞台では、きらびやかな衣裳を纏った中車が威厳のある帝を演じ、続いて小碓命役の猿之助が颯爽と登場。同じ舞台での共演を果たした。團子はワカタケル役を堂々と演じていた。クライマックスのヤマトタケルの宙乗りでは、観客も大興奮。劇場は感動のるつぼと化していた。最後のカーテンコールには、作者の梅原と猿翁も登場し、会場はスタンディングオベーションとなり熱気と興奮に包まれた。公演は6月29日(金)まで同劇場にて上演。
2012年06月06日6月と7月に東京・新橋演舞場の『六月大歌舞伎』と『七月大歌舞伎』で四代目市川猿之助を襲名する市川亀治郎と、九代目市川中車(ちゅうしゃ)を襲名する俳優の香川照之らが、5月11日、東京・浅草寺で襲名披露興行の成功を祈願してお練りを行った。平日にもかかわらず、浅草寺には大勢のファンが詰めかけ、雷門前に亀治郎、香川と五代目市川團子(だんこ)を襲名する香川の息子政明君、二代目猿翁を襲名する当代市川猿之助が登場すると「おもだか屋!」と猿之助の屋号がそこかしこからかかり、大きな拍手と声援が飛んだ。亀治郎は襲名の実感はまだないそうだが、「わたくしはこの浅草で育てられたと思っております。10年間、浅草公会堂で大役をやらせていただきました。猿之助になっても一門全員でここでお芝居をやらせていただきたい」と浅草の地でのお練りに感慨もひとしおの様子。集まったファンや観光客には「今日写真を撮った方は新橋演舞場に来ていただきたい。twitterでも呟いてください。ぜひ『ヤマトタケル』を観に来てください」とまだチケットが買える6月の夜の部をアピールしていた。歌舞伎の舞台は初めてとなる香川は緊張した様子で、「まさかここでこのようなお練りをさせていただくとは夢にも思いませんでした。感謝しております。少しでも精進し、ご迷惑をおかけしませんように、この大名跡を継がしていただく責任を果たしていきたい」と決意を表していた。政明君は「市川團子を襲名しますけど、どうか宜しくお願いします」と挨拶した。襲名披露興行は6月5日(火)から29日(金)までの『六月大歌舞伎』と7月4日(水)から29日(日)までの『七月大歌舞伎』の2か月、新橋演舞場にて上演される。チケットは6月興行は発売中、7月興行は6月12日(火)より一般発売開始。
2012年05月11日1月2日、東京・浅草公会堂の正面玄関にて、初春の風物詩『新春浅草歌舞伎』の初日鏡開きが行われた。沿道には多くの報道陣と、一般客が集まり、出演の市川亀治郎、片岡愛之助、市川男女蔵、中村亀鶴らが登場、初日を賑やかに祝った。『新春浅草歌舞伎』チケット情報6月に四代目市川猿之助を襲名する亀治郎は「この浅草で“亀治郎”の名前でご挨拶するのは今月が最後です。10年間以上お世話になった浅草(歌舞伎)とも今年で一区切りです。長い間本当に育てていただいてありがとうございました」と挨拶。また「どうか僕らがいなくなってもこの若手に変わらぬ熱いご支援をお願いします。今度は彼らを育てていってください」と後輩たちを気遣う場面も。毎年のように出演している愛之助は「今回は、昼の部は犬飼現八と吉田屋の伊左衛門、夜の部は東間三郎右衛門を、力の限り務めたいと思います」と自身の役どころをアピール。また同じく浅草歌舞伎常連の男女蔵は「去年1年お休みで、また戻って参りました。オメッティーと呼んでください。1度ならず2度、3度と観に来ていただいて、オメッティーを探していただければ嬉しいです」とコメント。亀鶴は「皆さん、そろそろ亀鶴という名前覚えていただけましたでしょうか?まだメールが来る度に“つるかめさん”と読まれる方が多いのですが“きかく”と覚えておいてください」と話していた。今年は同じ浅草の地で『平成中村座』も上演されており、例年以上に賑わいを見せている中、「千秋楽まで盛り上げていきたい」と一座を代表して亀治郎が締めた。公演は1月26日(木)まで上演。チケットは発売中。
2012年01月04日歌舞伎俳優の市川亀治郎が9月27日、都内で会見を行い、来年6月と7月に東京・新橋演舞場の『初代市川猿翁(えんおう)・三代目市川段四郎五十回忌追善興行』で、四代目市川猿之助を襲名すると発表した。同時に、当代猿之助が二代目猿翁に、また猿之助の長男で俳優の香川照之が九代目市川中車(ちゅうしゃ)を襲名することが判った。さらに、香川の長男政明君も、五代目市川團子(だんこ)として初舞台を踏む。会見には亀治郎の父、市川段四郎も登壇した。亀治郎は、自身の人生計画の中では一生名前を変えるつもりはなかったと話したが、伯父・猿之助から「僕のやってきた事を継いで欲しい」という希望を受けて「伯父への恩返しになれば」と襲名を決意したいきさつを語った。隣に座っていた香川は緊張した様子ながら「歌舞伎の世界とは無縁に過ごしてきました。2004年に長男の政明が誕生した事で、この船に乗らなければならない」と140年に渡って続いている名跡を守っていきたいという強い思いがあったことを明かした。香川は現在、45年間無縁であった父・猿之助と今年の春から同居していることも打ち明けた。記者から母(浜木綿子)はどう思っているかと問われると「僕がやろうとしていることにたいしてはエールを送ってくれています。母が許してくれなければ前に進めなかったかもしれない。『ごめんね』と言いました。感謝しています」と答えた。会見の最後には、公の場が久しぶりとなる猿之助も登壇し、記者に手を振るなど愛嬌を振りまいた。弟、息子、甥、孫に囲まれた記念撮影でも、終始楽しげな様子の猿之助は「ありがとうございます。隅から隅まで、ずず、ずいーっと宜しくご宣伝ください」と大きな声で挨拶すると、記者たちから拍手が送られた。なお、同興行は東京公演のほか、2013年1月に大阪・松竹座、3月に名古屋・御園座、6月に九州・博多座、12月に京都・南座で上演される。
2011年09月27日新橋演舞場10月公演『芸術祭十月花形歌舞伎』夜の部にて、市川亀治郎が伯父・市川猿之助の当り狂言に挑むこととなった。演目は、猿之助四十八撰の内『當世流小栗判官』。猿之助スピリットあふれるこの舞台に、亀治郎が小栗判官、浪七、お駒の3役に初挑戦する。上演に先駆け、亀治郎が小栗伝説にゆかり深い遊行寺(神奈川県藤沢市)を初めて訪れ、舞台の成功祈願を行った。『芸術祭十月花形歌舞伎』チケット情報小栗判官の物語は中世の説経節の代表的な作品で、近世以降は浄瑠璃や歌舞伎に取り上げられてきた。今回上演する『當世流小栗判官』は、様々な〈小栗物〉の集大成として、昭和58年に当代猿之助により初演されたもの。時宗の総本山である遊行寺(清浄光寺)の法主は“遊行上人”ともいわれ、伝説や劇中においても、この藤沢の遊行上人が登場し、亀治郎扮する病みついた小栗を熊野で湯治し復活させる。現在も、遊行寺の山内には、小栗の死後、照手姫が小栗を弔うために仏門に入り建立したといわれる長生院(小栗堂)があり、長生院には、小栗の墓、照手姫の墓、そして小栗が乗りこなした荒馬の鬼鹿毛の墓と伝えられる遺跡も残っている。亀治郎は、補綴・演出を担当する石川耕士氏と共に遊行寺の山内にある長生院を訪れ、自身が演じる小栗判官、そして照手姫、鬼鹿毛の墓へ墓参りをした。続いて、遊行寺の本堂で成功祈願を行った。亀治郎は「『當世流小栗判官』は、いつかやるだろうと思っていました。この演目は『加賀見山再岩藤』、『伊達の十役』と合わせて猿之助四十八撰の中で3強と言われている作品で、小栗判官、浪七、お駒を3役早替りでやるのは、東京では初演以来です。脚本も演出も見直して、単なる再演ではなく、進化した再演にしたいと思っています。お芝居としてはお駒、役者ぶりとしては小栗判官、浪七は立廻りと、歌舞伎の面白さがそれぞれ具現化されているのが、この3役ですので、やりがいもありますし、頑張ってやっていきます。ここ藤沢も含め、遠いところからも観にいらしていただければと思います」と公演への思いと意気込みを語った。公演は東京・新橋演舞場にて10月2日(日)から10月26日(水)まで上演される。チケットは発売中。
2011年09月21日