昨年9月に75歳で亡くなった女優の樹木希林さん。そのドキュメンタリー映画「樹木希林を生きる」が10月4日から公開されることを、一部スポーツ紙が報じた。希林さんを長期密着取材し、昨年9月26日に「NHKスペシャル・樹木希林を生きる」として放送されたたドキュメンタリーに未公開映像を加えて再編集。希林さんの出演映画で昨年公開された「モリのいる場所」のプロデュースを手がけた吉田憲一氏が上映プロジェクトで動き、全国公開が実現したという。「NHKで放送された際の視聴率は13.9%を記録。視聴者の関心の高さがうかがえました。見逃した希林さんのファンが、劇場に足を運ぶことになりそうです」(芸能記者)希林さんといえば生前のインタビューなどで語った人生観や結婚観、仕事観がまとめられた「一切なりゆき樹木希林のことば」(文芸春秋)が大ヒット。出版取次のトーハンと日本出版販売(日販)が発表した今年の上半期のベストセラーランキングで両社とも1位を獲得した。昨年12月に発売された同書だが、ランキングが発表された時点で発行部数は120万部を突破。また希林さんの関連本では「樹木希林120の遺言死ぬときぐらい好きにさせてよ」(宝島社)が日販で3位、トーハンで5位にランクインしている。「大規模の上映館ではないと思われますが、注目度はケタ違いです。同じ公開規模の映画と比べて異例のヒットを記録するのではとみられています」(映画関係者)希林さんは、多くの国民に愛されていたようだ。
2019年08月20日昨年9月に亡くなった女優・樹木希林さんのドキュメンタリー映画『“樹木希林”を生きる』が10月4日(金)より公開されることが決定。予告編とポスタービジュアルも到着した。2018年9月15日に75歳でこの世を去った樹木さん。1961年に文学座に入り、“悠木千帆”名義で女優活動をスタートさせ、「七人の孫」で一躍人気を博し、「寺内貫太郎一家」「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」『あん』『そして父になる』『万引き家族』など、TV・映画・演劇と様々な作品に出演した唯一無二の女優。現在公開中の『命みじかし、恋せよ乙女』は世界デビュー作であり遺作となった。今回10月に公開が決定したのは、樹木さんに長期密着取材し、大反響を呼んだドキュメンタリー番組に、未公開映像を加えて再編集したもの。初めて許された長期の密着取材から見えてくる、様々な樹木さん。家族との複雑な関係、歯に衣着せぬ物言いと、周りの人々にみせる細やかな気遣い、溢れ出るユーモア。独自のスタイルを持っていた樹木さんの生き様と心に響く言葉には、私たちが生きるヒントが詰まっている。公開決定と同時に到着した予告編では、いきなり“ギャラ”の相談をするシーンからスタート。自ら運転する様子や、「せっかくできたシワだからもったいない」と語る様子など、樹木さんの心に響く言葉と共に密着の様子が映し出される。<あらすじ>死期を覚悟したからなのだろうか。「4本の映画に密着すれば何とかなるわよ」と樹木希林さんへの1年間の長期取材が許された。ルールは一人で取材すること。ディレクターを家まで自家用車で迎えに行き、撮影現場までの間、自ら運転し語り続ける。現場ではスタッフでも、監督でも言いたいことはちゃんと伝え、ひとつひとつの映画と、役柄と向き合っていく。そして、取材も半年が経過し、少しずつ身体に不調がみえてきた頃、「あなたはこれをどうしようと思っているのよ?」と樹木さんはディレクターに問いかけた…。自分らしく、どう人生を終えるのか。誰もが迷うこの問いに、自分にカメラを向けさせながら答えを出そうとしているようにさえ思える。仕事、家族との関係、そして大切にしていた日々の暮らし。“樹木希林”の最後の日々を追う珠玉のドキュメンタリー。映画『“樹木希林”を生きる』は10月4日(金)よりシネスイッチ銀座ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2019年08月20日日本映画界が世界に誇る名女優のひとりといえば、昨年惜しまれつつこの世を去った樹木希林さん。映画と人々の心のなかで生き続ける樹木さんが、女優人生の最後に選んだ作品がいよいよ公開を迎えます。それは……。感動に満ちた『命みじかし、恋せよ乙女』!【映画、ときどき私】 vol. 251ドイツのミュンヘンで、仕事も家族も生きる希望さえも失っていたカール。酒に溺れ、どん底だった彼のもとに突然ユウと名乗る風変りな日本人の女性が現れる。彼女と過ごすうちに、カールは人生を見つめ直しはじめ、新たな一歩を踏み出そうとしていた。ところがその矢先、ユウが忽然と姿を消してしまう。そこで、カールはユウを探すため、彼女の故郷である神奈川県の茅ケ崎へと降り立つことに。たどり着いた旅館で年老いた女将と出会い、カールは知られざる真実を知ることとなるのだった……。本作は、樹木さんにとっては遺作であり、世界デビューを果たしたかけがえのない1本。今回は、現場での様子を誰よりも知るこちらの方にお話を伺ってきました。監督・脚本を務めたドーリス・デリエ監督!ドイツでもっとも成功した女性監督のひとりとして名前があがるデリエ監督。これまで日本を舞台にした映画を5作品も制作するなど、日本を愛してやまない監督が本作を通して伝えたいメッセージや樹木さんとの思い出について語ってくれました。―まずは、心に傷を負った人物が再生するという題材を取り上げようと思ったのはなぜですか?監督今回は、主人公のカールが自分のアイデンティティをいかに見つけていくかというストーリー。彼はマッチョというわけでも、女っぽい部分があるというわけでもないので、その間にあるアイデンティティを模索している間に、自分の“形”を探していくという物語にしました。―日本に関する作品を撮り続けるだけでなく、監督はこの30数年の間に、30回以上も日本を訪れているそうですが、日本に興味を持つようになったきっかけはありますか?監督まだ映画学校に通っていたとき、小津安二郎監督の作品を授業で見させられていたんですが、当時はまだ20歳くらいだったので、正直に言うと家族の話はつまらないと思っていました。というのもそのくらいの年齢のときは、家族という題材にはなかなか興味を持つことができないものですよね。なので、若いときはどちらかというと、アクションがあってテンポが早い黒澤明監督のほうが好きでした。ただ、母親になってから改めて小津作品を観てみたら、家族がテーマだからこそ、すごく心に響いたんです。そんなふうに、映画を通じて自然と日本への興味を持つようになったのかなと思います。―では、日本の文化から影響を受けたことなどがあれば教えてください。監督この作品で言うなら、日本の「幽霊」をテーマとして入れたこと。西洋の考え方だとあの世とこの世がはっきりとわけられていますが、日本の文化ではその境目があいまいなところがありますよね?現代においては「机は机だし、人は人」といった具合に全部がわけて考えられていますが、世界というのは、本当はお互いに影響し合っていて、すべてのものは繋がっているんだと私は思っています。樹木さんの生き方から学びたいと思ったことは?―監督にとって、樹木さんは長年憧れていた存在でもあったそうですが、一緒にお仕事をされてみて、学んだことはありましたか?監督「私が彼女から学んだこと」と言うのはおこがましいので、「私が彼女から学びたいと思っていること」にしますが、まずは仕事に対する深い献身ぶりと役者として物語を綴っていこうとする思い。あとは、超がつくほどのプロフェッショナルイズム。そして、本当に謙虚な姿勢です。たとえば、アメリカの女優さんのなかには、10人のマネージャーと10人のアシスタント、さらに10人のメイクを引き連れてきたり、食べ物をリクエストしてきたりする人もいますが、樹木さんはそのどれもまったくありませんでした。私たちが「何か特別な食事をご用意しましょうか?」と何度たずねても一切なく、逆に「何を食べているの?私もそれを食べるわ」とおっしゃるほどだったのです。樹木さんはスーパースターなので、いろいろと心の準備をしていましたが、何も要求されることなく、スタッフとキャストに家族の一員が加わったくらいの感覚でした。そんなふうに、何も求めないところや謙虚なところは、尊敬していると同時に学びたいと思っています。―樹木さんが多くの人から尊敬されている理由がわかるようなエピソードですね。そのほかにも、印象に残っている樹木さんの思い出はありますか?監督あとは、すごくいろいろな物がクリアに見えていらっしゃる方だと思いました。病気についてもそうですが、病状についてもオープンで、自分の命が短いということも理解されているようでした。この痛みを抱え、歳を重ねた肉体こそが自分の体であり、アイデンティティだと。だから、「病気に縛られる必要はないんだ」「自由に私自身でいるんだ」という感じでいらっしゃるところもステキだなと思いました。もちろん、痛みを抱えていらっしゃるのは見ていてわかりましたが、それについて何も言わずにいるところも彼女の素晴らしさ。あと、樹木さんといえば、やはり独特のユーモアの持ち主ですよね。多くの人が経験している苦しみを描いている―確かに、樹木さんのユーモアのセンスは魅力のひとつだと思います。また、劇中ではカールが本当の自分へと解放されていく姿も印象的ですが、周囲の期待に応えようとがんばるあまり、自分を見失っていく男性が多いのも事実。今回、そういう男性を主人公に描こうと思った理由は何ですか?監督ユウが重ね着しているさまざまなタイプの服を徐々に脱いでいくシーンで表しているように、女性は服装を変えるだけでもいろいろな女性像になることができますが、それに比べると男性は多くのことが限定されがち。それがこの作品の最初の問いかけになりました。劇中で、カールはサラリーマンという役割を当てられても、家族思いの父親の役割を当てられても居心地が悪くなってしまいますが、その理由は自分で見つけた道ではなく、周りに与えられているものだから。それゆえに、カールは周りから求められる役割が本当の自分とは違うことに苦しみ、不幸せに感じてしまうのですが、こういった気持ちは彼だけではなく、多くの人が経験していることなのではないでしょうか。―そんなふうに、周りから与えられる理想と現実に悩んだ経験は、誰にでもあると思います。監督もそういった葛藤を味わったことがありますか?監督もちろん、私にもそういう経験がありますが、それは34歳で母親になったとき。私の人生のなかでも一番変化したときでもあり、その変化が怖いと思っていた時期でした。というのも、それまでの私はスタッフのなかに女性ひとりでいるような一匹狼タイプ。現場から現場へと移り、世界中の好きなところに行っては自分の好きなことをしていました。それが母親になることによって、「この先の自分はどうなってしまうのか?」と悩むようになったのです。なかでも一番怖かったのは、社会が「映画監督であり作家である自分」と「母であり妻である自分」そのどちらかしか選ばせてくれないのではないかと思ったとき。つまり、これをきっかけに仕事ができなくなる可能性があったらどうしようかと考えてしまったのです。社会が決めた役割をよしとしないことも必要―その恐怖はどのようにして乗り越えていったのでしょうか?同じ悩みを抱えている女性たちに向けて対処法があれば教えてください。監督私の場合、当時は友達がよく居候したりしていたこともあったので、子どももそのうちのひとりだと思えばいいんだと考えるようにしました。そんなふうに「誰かと共同生活するだけ」と思えるようになったことで、そんなに怖くないなと感じるようになったと思います。つまり、社会が「こうあるべき」と決めている役割をよしとするのではなく、ときにはそう思わないことも必要だということです。哀しくもあり、美しくもあるのが人生!人生で繰り返される出会いの喜びや別れの悲しみ、そして理想と現実との葛藤。それでも、人は生きている限り、幸せにならなければならないと感じるはずです。誰の背中も優しく押してくれる樹木さんの心揺さぶるメッセージから、“人生を愛するヒント”を受け取ってみては?心に触れる予告編はこちら!作品情報『命みじかし、恋せよ乙女』8 月 16 日(金)より、 TOHO シネマズ シャンテ他にて全国順次公開配給:ギャガ©2019 OLGA FILM GMBH, ROLIZE GMBH & CO. KG
2019年08月15日樹木希林の世界デビュー作にして、女優として遺作となった『命みじかし、恋せよ乙女』が、まもなく8月16日(金)より公開。この度、黒澤明監督『生きる』にも登場する有名な大正歌謡「ゴンドラの唄」を、樹木さんが口ずさむシーンの本編映像が解禁となった。樹木さんが、ドイツから来たカールが訪れる茅ヶ崎館の老女将役を演じる本作。撮影は、2018年4月にドイツで、7月6日~16日に日本で撮影を実施。日本パートのロケは、主に神奈川県茅ケ崎市に実在する有形文化財にも指定された旅館「茅ヶ崎館」で行われた。この度公開された映像は、胸に迫る本編映像。茅ヶ崎館を訪れたカール(ゴロ・オイラー)の様子を見に来た老女将(樹木希林)は、彼が着物の合わせを左右逆に着ていることに気がつく。「これは死んだ人だけ、あなた幽霊じゃないんだから」と伝え、「ゴンドラの唄」を口ずさみながら着物を着付けし直すと、歌を聴いたカールは何かを察したような反応を見せる。また、カールが心に何か傷を抱えていることに気づくと、深く事情は聞かずに、ただ「あなた生きてるんだから、幸せになんなきゃだめね」と、私たちの背中をもそっと押してくれるようなセリフを放ち、部屋から出ていく樹木さんの姿も印象深い。ドーリス・デリエ監督は「樹木さんの歌は、まるで彼女が私たちに遺してくれた最後のメッセージのようでした。樹木さんの存在はとても大きく、どの国の人でも心を揺さぶられる普遍的な存在で、非常に聡明な女性です。このキャラクターもそのように演じられていたと思います」とふり返っている。『命みじかし、恋せよ乙女』は8月16日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:命みじかし、恋せよ乙女 2019年8月16日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開予定©Constantin Film Verleih GmbH/ Mathias Bothor
2019年08月13日映画『命みじかし、恋せよ乙女』が、2019年8月16日(金)よりTOHO シネマズ シャンテ他にて全国順次公開される。樹木希林海外デビュー作にして最後の出演作『命みじかし、恋せよ乙女』は、ドイツと日本を舞台に、生きる事の美しさと残酷さを描いた感動ドラマ。物語は、ドイツ・ミュンヘンで、酒に溺れ仕事も家族も失ったカールの元へ、突然ユウと名乗る日本人女性が訪ねてくることから始まる。風変りな彼女と過ごすうちに、人生を見つめ直し始めるカールだったが、その矢先彼女は忽然と姿を消してしまう。ユウを捜し訪れた日本で、カールがユウの祖母から知らされたのは、驚きと悲哀と感動に満ちた物語だった―。カールが日本で訪れる旅館の老女将を務めるのが、2018年9月に死去した女優・樹木希林。日本でのロケが行われたのは2018年7月6日から16日。本作は、樹木にとって初の海外出演作であり、女優として最後の出演作品となった。スクリーンには、観るものの心をぐっとつかんで離さない樹木希林最後の姿が映し出される。主演は日本人舞踏家の入月絢ら主演を務めるのは、第87回アカデミー賞において衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、作曲賞を受賞したウェス・アンダーソン監督作品『グランド・ブダペスト・ホテル』で好演したゴロ・オイラー。酒におぼれ、人生を見失ったカールを演じる。また、突如カールの前に現れる日本人ユウは、日本人舞踏家の入月絢が扮する。監督は、ドイツ人のドーリス・デリエが務める。【詳細】『命みじかし、恋せよ乙女』公開日:2019年8月16日(金)よりTOHO シネマズ シャンテ他にて全国順次公開監督・脚本:ドーリス・デリエ出演:ゴロ・オイラー、入月絢、樹木希林原題:Cherry Blossoms and Demons配給:ギャガ
2019年06月14日年の離れた“親友”が遺してくれたのは45年ぶりの主演映画作品だった。映画『エリカ38』の女詐欺師役で新境地を開いた浅田美代子(63)が、樹木希林さん(享年75)への感謝の思いを明かす――。「今でも、『美代ちゅあん』と、ばあばから電話がかかってくるような気がします。いつもそばにいてくれていると思うんです」そうほほ笑むのは、今月7日に公開された映画『エリカ38』(東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国で上映中)で、主演を務める女優の浅田美代子。デビューとなったドラマ『時間ですよ』(TBS系・’73年)で共演以来、樹木希林さんとは、45年の長きにわたり、「ばあば」「美代ちゅあん」と呼び合う仲だった。昨年9月に亡くなった希林さんが人生最初で最後の“企画”を務めた映画『エリカ38』は、’17年4月に投資詐欺で国際手配され、タイで逮捕された女性詐欺師の事件がモチーフだ。日本でだまし取った金を、タイで同棲中の若い男性ホストに貢いでいたこの女性詐欺師。“聖子ちゃんカット”に、生脚&ショートパンツ姿で38歳を自称していたが、じつは62歳だったことで話題を呼んだ。映画では、浅田が女性詐欺師・エリカ役、希林さんがその母親役を演じている。日ごろから浅田の自宅で過ごすことの多かった浅田さんと希林さん。2人でこの事件を報じるワイドショーを見ながら、希林さんが「美代ちゃんはこういう悪女役をやったらいいのよ」と言ったという。「『やりたいけど、誰も私にこういう役、オファーしないでしょ?』『そうなんだよね、イメージがねぇ……』と話していたんですが、2カ月ほどしてから、『美代ちゃん主演で、監督も決まったから。低予算だけどがんばりなさい』と、ばあばから電話があって。驚きと、あまりのうれしさに涙が出ました」浅田の知らないところで希林さんは、プロデューサーや監督をこう口説いていたという。「あの子には60歳になってもアイドルの色香、艶があるのよ。女性詐欺師の事件、浅田がやったらおもしろいと思わない?」こうして浅田の45年ぶりとなる映画主演が決まったのだ。そんな希林さんも当初、自身が映画に出演することは迷っていた。「ばあばは『“企画”として私の名前がクレジットされるから、出演までするとウチウチの映画っぽく見えちゃう』と渋っていました」マネージャーを付けず、自分で仕事を決めていた希林さん。断るときは、即決だったそう。「すぐに断らないのは迷っているのだろうと思っていました。あるとき、『私が演じると、作品の格が上がるからねえ』と、ばあばが冗談っぽく言い出したんです。私が『そうなんだよね~ばあば』と答えると、『でしょう?じゃあやるよ』って(笑)」
2019年06月13日樹木希林さんの世界デビュー作であり、遺作となったドイツ映画『Cherry Blossoms and Demons』が、『命みじかし、恋せよ乙女』の邦題で8月16日(金)より日本公開されることが決定。予告編とポスタービジュアルが到着した。本作は、ドイツ人俳優ゴロ・オイラーと、日本人舞踏家の入月絢が主演を務め、酒に溺れ人生を見失ったカール(ゴロ)と、かつて彼の父と親交があった日本人女性ユウ(入月さん)が、人生を取り戻すために共に旅をする物語。樹木さんは、カールが訪れる茅ヶ崎館の老女将役を演じている。今回到着した予告編では、日本を訪れたカールを迎える老女将役の樹木さんが、「あなた生きてるんだから、幸せにならなきゃ駄目ね」と、まるでいまを生きる全ての人へ向けたようなセリフが収録。また、酒に溺れるカールや、彼とユウの不思議な出会いが描かれている。そして予告編と併せて、茅ヶ崎館の美しい庭を背景にスノードームを見つめる老女将と、茅ヶ崎の海で抱き合う2人、そしてドイツの森の中で目を閉じるカールの3場面が1枚に合わさたポスタービジュアルも到着した。生きることの美しさと残酷さを描いた感動ドラマの中で、最後の演技となった樹木さんの姿を目に焼きつけて。『命みじかし、恋せよ乙女』は8月16日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)■関連作品:Cherry Blossoms and Demons(英題) 2019年8月、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開予定©Constantin Film Verleih GmbH/ Mathias Bothor
2019年06月11日家の中で楽しめるエンタメや流行を本誌記者が体験する“おこもりエンタメ”のコーナー。今回は樹木希林さんの遺作のひとつになった映画『日日是好日』のBlu-ray&DVDをご紹介します。■『日日是好日』(6月4日発売。Blu-ray通常版5,184円、DVD通常版4,212円〔ともに税込み〕。販売元:ハピネット)本作で第42回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を黒木華が、優秀助演女優賞を樹木希林さんが受賞しました。“お茶”の魅力に惹かれていった女性たちの、約20年の人生が描かれます。黒木さん演じる主人公の大学生・典子は、家族からの勧めで樹木さん演じる武田先生の元を訪れるようになり、しだいに武田先生が作り出すお茶の空間に引き込まれていきます。地味な性格で冒険もしない典子の人生には、基本的に大きな動きは見られません。就職の失敗や交際相手の裏切りと、約20年の間にそれなりに波乱も起こりますが、そんな中でも典子はお茶に通い続けます。湯を沸かす、お茶をたてる。目の前のことにしっかりと集中することで、煩雑な気持ちを昇華させていくのです。見どころは、どこを切り取っても趣きがある茶室でのシーン。歴史が感じられる茶器には「素人から見ても価値が高そう」と見惚れ、四季折々の和菓子には「かわいいっ!」と心の中で声をあげてしまいます。そして、風や雨など自然の心地よい音にも、心が癒されるのです。全編にわたって茶道の神髄を体験しているかのようで、観賞後は穏やかな気持ちになっている、ヒーリング効果抜群の作品でした。
2019年06月03日女優の寺島しのぶが、5日に放送されたトーク番組『密会レストラン』(NHK総合 23時~)で、昨年9月に亡くなった女優・樹木希林さんの言葉を振り返った。同番組は、寺島とKing & Princeの岸優太がゲストを招き、恋愛遍歴を聞くトークバラエティ。その中で、夏木マリと「歳を重ねた夫婦の愛の育み方」のテーマで対談するコーナーがあり、寺島は「結婚って難しい」と吐露しながら、樹木さんとのエピソードを語り始めた。2007年にフランス人と結婚した寺島。発表後に会った樹木さんは、「結婚したんだってね。異国の人だって?」と反応しながら、「しのぶちゃん。これだけは言っておくけど、誰と結婚しても一緒だから」「結婚したからにはその人を極めた方がいい」とアドバイスされたという。寺島は、「違うと思って結婚するのもあるけど、『結局自分は変わらないから一緒だと思うよ』と言ってくださって」と今でも支えとなっている樹木さんの言葉を思い出し、夏木も「名言ですね」と感激していた。
2019年05月06日内田裕也さん(享年79)の逝去から数日が経った3月中旬。樹木希林さん(享年75)が眠る東京都港区・光林寺の墓前には、鮮やかなピンク色のチューリップが供えられていた。供花には珍しいチューリップは、2人の型破りな夫婦生活をどこか彷彿とさせる――。3月17日、裕也さんが肺炎により都内の病院で息を引きとった。一夜明けた18日、裕也さんの自宅には長女の也哉子(43)や孫の雅樂(22)ら家族たちがせわしなく出入りしていた。そのなかには裕也さんにとって“特別な女性”、Aさんの姿も――。「Aさんは16年前から裕也さんのマネージャーを務めていました。裕也さんは4年ほど前から体調を崩し自宅で療養生活を送っていたのですが、その身の回りの世話をすべて1人でこなしていたのがAさんです。希林さん以上に一緒にいる時間が長かったため、一部では“Aさんは裕也さんの愛人ではないか”と噂されてきました」(Aさんを昔から知る芸能関係者)裕也さんが元交際相手への強要未遂と住居侵入の疑いで逮捕された11年5月。その釈放直後にも、裕也さんとAさんが東京・銀座のカフェで談笑している現場を本誌は目撃している。ちょうどこのころ、Aさんと裕也さんの不倫疑惑がマスコミの間で話題になっていたのだ。しかし希林さんは当時、そんなAさんを称賛しきっていたという。希林さんの知人はこう明かす。「Aさんが愛人と噂されていたことは希林さんも知っていたのですが、希林さんは『彼女と内田(裕也さん)がもしそういう関係だったとしても、彼女には本当に感謝しているの。私ができないことまで内田のためによくやってくれている方。感謝の気持ちしかありません』と話していました」Aさんに感謝していたのは希林さんだけではない。葬儀・告別式を終えた22日の夕方。義理の息子で俳優の本木雅弘(53)が囲み取材に応じた。「私の妻、也哉子と裕也さんの関係は、微妙なところがありました。極端な話、それは家族全体がそうなんですね。実際、私たち家族は、裕也さんの闘病には深く関わっていないんです。16年来、ずっと付き添ってくれたマネージャーさんを中心に、バンドマンのみなさんがケアをしてくれていました」希林さんと裕也さんの夫婦関係は、他人にはなかなか理解しがたい奇妙なものだった――。2人は73年の結婚後わずか1年半で別居。76年には也哉子が誕生するも、翌76年に裕也さんは大麻取締法違反の疑いで起訴猶予処分に。81年には裕也さんが勝手に離婚届けを提出し、希林さんがこれを認めず訴訟に発展したこともあった。「裕也さんが常連だった店の支払いも、すべて希林さんがしていました。酔っぱらった裕也さんが他の客と揉めることも多く、希林さんが謝りに来ることは日常茶飯事。それでも希林さんは『救われたのは私のほうだ』と言い切り、決して別れようとはしませんでした」(夫妻の知人)希林さんは昨年5月のインタビューで裕也さんへの愛をこう語っている。《私と夫は(中略)四六時中一緒にいるわけではないけれど、本質は変わらないわね。いつも頭のなかに彼のことがありますから》(『婦人公論』18年5月22日号)そんな最愛の夫を残して、自分が先に逝ってしまうかもしれない。そうした不安があったのか、希林さんは亡くなる直前、もっとも信頼できるAさんに裕也さんのことを託していたという。「最後の1年くらいは2人とも満身創痍で、お互いの介護どころか簡単に会うことすらできない状態。そこでAさんは裕也さんの看病だけではなく、希林さんとの連絡係も務めていたそうです。希林さんは昨夏、もう自分が長くないと悟ったときに改めてAさんに『内田をよろしくね』と伝えたといいます」(前出・希林さんの知人)希林さんとの“約束”を守るべく、Aさんは最後の最後まで裕也さんに尽くし続けたのだ。内田家の墓前に手向けられていたチューリップの花言葉は“思いやり”。希林さんと裕也さん、そしてAさんの“常識を超えた三角関係”は、慈愛と思いやりの心で溢れていた――。
2019年03月26日昨年9月惜しまれつつ亡くなった樹木希林さんの世界デビュー作にして、女優として最後の出演作となったドイツ映画『Cherry Blossoms and Demons』(英題)の日本公開が、8月に決定した。■ストーリードイツ・ミュンヘンで1人暮らしをする男性カール。酒に溺れた彼は、仕事を失い、妻は幼い娘を連れ家を出てしまった。孤独に苦しみ、泥酔の末に「モノノケ」を見るようになるカール。そんなある日、彼の元を日本人女性のユウが訪れる。ユウは10年前に東京を訪れていたカールの父親ルディと親交があり、いまは亡きルディの墓と生前の家を見に来たのだと言う。しぶしぶ彼女に付き合うカールは、次第にユウに惹かれていく。2人は人生を見つめなおすため、ユウの祖母に会いに日本へと向かうが――。■小津安二郎や是枝裕和、そして樹木希林さん自身も縁ある旅館でロケ主演を務めるのは、ドイツ人俳優ゴロ・オイラーと日本人ダンサーの入月絢。この2人が、人生を取り戻すために共に旅をする物語で、樹木さんは2人が訪れる茅ヶ崎館の女将役を演じている。本作は、2018年4月にドイツで撮影がスタートし、7月6日~16日に日本での撮影を敢行。日本パートのロケは、主に神奈川県茅ケ崎市に実在する「茅ヶ崎館」で行われた。もともとは、茅ヶ崎館が1950年代に小津安二郎監督が滞在し、脚本を書いた宿であり、近年では是枝裕和監督も執筆のために宿泊する場所だと知った本作のドーリス・デリエ監督が、彼女の前作『フクシマ・モナムール』(16/桃井かおり出演)のジャパンプレミア上映後に宿泊。高齢の女将に、かつて小津監督が滞在した部屋を案内してもらった際に、本作のインスピレーションを得たという。樹木さんも茅ヶ崎館とは縁があり、訪れたのは小津監督の遺作となった『秋刀魚の味』(62)の撮影時に、女優・杉村春子の付き人として現場に参加して以来のこと。当時、樹木さんが小津監督と一緒に過ごしたまさにその部屋で、今回の撮影は行われた。また、本作のラストには、樹木さんが庭を眺めながら「ゴンドラの唄」を歌うシーンがある。「ゴンドラの唄」といえば、黒澤明監督の『生きる』(52)にも登場する有名な歌で、「いのち短し恋せよ乙女 朱き唇褪せぬ間に 熱き血潮の冷えぬ間に明日の月日はないものを」と歌うこのシーンが、本作撮影から2か月後、9月15日に亡くなった樹木さんの女優としての最後の映画出演シーンとなった。■ドイツ人監督からコメント到着「心温かく、オープンで、非常に情に厚い存在」愛、喪失、家族、生きることの美しさと残酷さを描いた本作において、この樹木さんの歌は、まるで彼女が私たちに遺してくれた最後のメッセージのようだったと、デリエ監督は思いを寄せる。「私は長年にわたり日本が誇る名女優・樹木希林の演技に魅了されてきました」という監督は、「『歩いても 歩いても』から始まる是枝裕和監督の作品群や、河瀬直美監督の『あん』などの彼女の演技がとても好きです。今回の役に関しては、彼女以外に考えられませんでしたので、彼女が今回の役を受けてくださった時には、深く深く光栄だと思いました。また本作で、最後の演技を見ることは、哀しくもあり、同時にとても美しさに満ちた体験となりました。本作中での樹木希林は、心温かく、オープンで、非常に情に厚い存在であり、それゆえに観客は彼女にぐっと心を掴まれ、強烈な感動を感じるのです」とコメント。さらにデリエ監督の『HANAMI』『フクシマ・モナムール』に出演し、本作でも主演を務める入月さんもまた、「今作中で忘れる事ができないのは言うまでもなく樹木希林さんの存在です。作中での存在感は勿論ですが、惜しくも遺作となってしまった事実、また日本へ紹介される大きな架け橋となって下さったこと、撮影中私達に残して下さったかけがえの無い体験や時間を思うと、感無量で言葉に詰まります。人への愛情、生きること、死ぬこと。人生という旅を深い深い部分で体験させられる映画です」とコメントを寄せている。映画『Cherry Blossoms and Demons』(英題)は8月、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:Cherry Blossoms and Demons(英題) 2019年8月、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開予定©Constantin Film Verleih GmbH/ Mathias Bothor
2019年03月19日「第42回日本アカデミー賞」授賞式が3月1日(金)に開催され、最優秀助演女優賞部門で『万引き家族』の樹木希林が受賞。享年75、2018年9月15日に永眠した樹木さんについて、司会の名優・西田敏行が語り掛ける場面があった。優秀助演女優賞には樹木さんのほか、『北の桜守』の篠原涼子、『空飛ぶタイヤ』の深田恭子、『孤狼の血』の真木よう子、『万引き家族』の松岡茉優と人気女優陣がそろっていた。樹木さんの名前が告げられると、4人は一様に温かい笑みを広げ、名優をたたえ、しのんだ。日本を飛び越え、世界で話題になっている是枝裕和監督の『万引き家族』にて、樹木さんは、家族の中で唯一、定収入があった年金受給者の母・初枝を演じた。作中では、自身の入れ歯を外し、白髪を伸ばし、人が朽ちる様子を外見からも見せる演技を披露した。同賞において、一緒に司会をした経験もある西田さんは、樹木さんについて「あなたを真似たいんですが、あなたの真似はできません。唯一無二、本当に素晴らしい先輩でした。ありがとうございました」と心情を絞り出した。ブロンズ像は、樹木さんの娘である内田也哉子が受け取った。スピーチにて、内田さんは「6年前、最優秀(主演女優賞)をいただいた母が、この舞台で『これをいただくと来年司会でしょ、私、冗談抜きで全身がんなので約束できない』と口を滑らせました。何で、こんな祝いの場で言うのとクレームをつけましたが、本人は平然と『いつ死ぬかわからないから、ちゃんと断らないと先方にもご迷惑でしょう』と。なんてまっとうな心を持ったアナーキーストなんだろうと」と、樹木さんへの想いをとうとうと語った。さらに、「不思議だったのが、がんがわかって真っ先にしたのが父に会いに行き、それまでのすべてを謝りに行くことでした。残された時間がわずかだと知ったときに、関わった人たちに謝ってから逝きたい、と。自分勝手な謝罪ですが、実に母らしいなと」と思いを馳せた内田さん。「58年の役者人生において、映画作りという真剣勝負の現場で、彼女の言動がときに人を傷つけたりもしたと思います。すべての映画関係者に彼女に変わって深くお詫びを申し上げます。ひとつひとつの稀なる出会いに心より感謝申し上げます。長い間本当にお世話になりました。ありがとうございます」と御礼の言葉で締めると、会場からはこの日一番の盛大な拍手が送られていた。(cinamacafe.net)■関連作品:万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.
2019年03月01日「樹木希林さんにスタッフが『何か飲みますか?』と聞くと、『飲みたかったら自分で頼むわよ』とおっしゃって。気遣いの形も、みなさんを心配させないような、さりげなさがありました。一方で孤高の、簡単に声はかけられない、人を寄せ付けない空気もありました」そう振り返るのは、ドイツをはじめ海外で活躍する舞踏家・ダンサーの入月絢さん。’08年にドイツで公開された映画『HANAMI』に準主役のミステリアスな日本人少女でダンサー役として出演。その続編『満開の桜と妖精』(来年3月にドイツで公開。日本では配給会社が未定)で、尊敬する希林さんとの共演を果たした入月さんが、本誌に貴重な撮影時の思い出を語ってくれた。本作では、日本でビジネスマンとして働いていたが、ドイツに帰国後、生き方を見失った青年(ゴロ・オイラー)の前に、かつて日本で会ったダンサーのゆう(入月)が現れて、ともにゆうの祖母(希林)のいる日本に向かう……。「希林さんは私の祖母で、旅館『茅ヶ崎館』の女将役でした」(入月さん・以下同)撮影現場も、出演者やスタッフが宿泊したのも、神奈川県にある和風旅館「茅ヶ崎館」だった。全身がんを患いながらも、希林さんの役に向きあう姿には、すごみがあったそう。「カメラが回っていないと、とてもしんどそうなのがわかるんです。椅子に静かに腰をかけて、おしゃべりもせず、じ~っと一点を見つめて、芝居について考えられていました。つらさを覆すような、その集中力がすごくて。芝居をはじめるときには、監督がいろいろ言っても、じっくり考えた後に『じゃあ、やってみましょうかね』と、ご自分の中で消化してから演じられていて。真摯に生きている姿がひしひし伝わってきました」最後まで女優を貫いた、希林さん。この映画でも、魂を揺さぶる渾身のセリフがあるという。「生き方の指針を見失ったドイツ人の主人公の男性に向けて、女将役の希林さんがたった一言、『ロンリー(寂しい)?』と、カタコト英語で手振りをつけて言うんです。希林さんの、優しさ、悲しみ、切なさと人生のあらゆるものが含まれた一言に、共演者、スタッフもみんな『すごかった』と号泣していました。また、スノーボールを手に持ち『ゴンドラの唄』を歌われる場面の演技にも、みんな感動して泣いていました」撮影の合間には、『万引き家族』の撮影が寒かったこと、カンヌ映画祭にも、「私はコロコロ(おばあちゃんが持つ小さなカート)一つでカンヌまで行ったわ」と、楽しく語ってくれたという。だが、旅館の部屋も隣だった入月さんは、撮影中の希林さんの体調が気になっていた。「夜遅くに何度もせき込まれていました。深夜もお部屋に明かりがついていて。スタッフも皆、希林さんを気遣い、静かに過ごしました」撮影を終えた希林さんを、関係者総出で廊下に並び見送った。「希林さんは、撮影終了後に人に話しかけることはないそうですが、主演のゴロに、『あなたのように若いのに熱心な俳優さんとお仕事できてうれしかったわ』と、声をかけていて。私は、彼がうらやましかったです(笑)」撮影からわずか2カ月後の9月15日、希林さんは家族に見守られ永眠した――。「ダンサーの私が、希林さんと同じスクリーンに登場するのは楽しみ半分緊張半分です。希林さんは、一言で人の感情を揺さぶる異次元の人。希林さんとご一緒したこの体験を宝物に、表現者としてやっていきたいです」希林さんの遺作で見せた渾身の演技――。日本での公開が待たれる。
2018年12月17日「私が出演する映画で、祖母役に樹木希林さんが決まったとドリス・デリエ監督から聞いてうれしくて大興奮しました。ただその後、監督から『ただ条件があるの』と聞かされて……。希林さんの出された条件、それは『(私が)生きていたらね』だったんです」そう振り返るのは、ドイツをはじめ海外で活躍する舞踏家・ダンサーの入月絢さん。’08年にドイツで公開された映画『HANAMI』に準主役のミステリアスな日本人少女でダンサー役として出演。その続編に、尊敬する希林さんとの共演を喜んだ入月さんだが、その条件を聞いて息をのんだ。希林さんが、人生最後の撮影に臨んだのが、この映画『満開の桜と妖精』(来年3月にドイツで公開。日本では配給会社が未定)だった。遺作となる映画で共演を果たした入月さんが、本誌に貴重な撮影時の思い出を語ってくれた。「初めての出会いは、庭園の美しい旅館の廊下でした。西日が差しこむ7月10日午後3時ごろ、希林さんの撮影終わりを待ってご挨拶したんです。思っていたよりも、小さくか弱くて、歩くのもつえを突かれてゆっくりで大変そうでした。『孫役の……』とご挨拶をすると、『そうね、こんにちは』と、パッと優しい笑顔になられて。でもお部屋へ戻るのも一歩一歩ゆっくりと歩かれていました」(入月・以下同)撮影現場も、出演者やスタッフが宿泊したのも、神奈川県にある和風旅館「茅ヶ崎館」だった。「希林さんは私の祖母で、旅館『茅ヶ崎館』の女将役でした。でも本当に出演していただけるかは、7月ギリギリまでわからなかったんです。その姿を見ながら、『生きていたらね』と、おっしゃった言葉の重みを感じました」今年の夏は暑さも特に厳しかったが、撮影現場となる旅館の廊下や食堂には冷房はなかったという。「女将役の希林さんは、常に首にタオルを巻かれていました。旅館の台所のシーンなら汗を拭きながらお芝居できますから」希林さんとは3日間、一緒にすごした。朝食後に1度だけじっくり会話ができたことも、大切な時間となった。「朝ごはんを、みんなでご一緒したあと1時間くらい、ざっくばらんな話をしてくださって。誰かが、うちのドイツ人の夫のことを『絢ちゃんは、旦那がカッコよくていいわね』と言ったとき。普通なら謙遜するところを、つい『はい。夫のこと大好きです』と返した私に、希林さんが『あら~いいわね~』と、ふわ~っと柔らかな笑顔で言ってくださったんです」そして、こう続けたという。「『結婚しなきゃダメよ。籍に入ることは人をつくりあげるの。(籍という)縛りが人をつくるのよ』。この言葉からも、希林さんの“哲学”や、ご主人の内田裕也さんへの愛が伝わってきました」
2018年12月17日本年度の映画賞に先駆けて「第43回報知映画賞」の各賞受賞者が発表された。スポーツ報知によると助演女優賞は、今年9月に75歳で亡くなった樹木希林さんが受賞。「モリのいる場所」、「万引き家族」、「日日是好日」に出演していた。「『モリのいる場所』では山崎努さんげ演じた画家の妻を、『万引き家族』では安藤サクラ演じる主人公の母親を、『日日是好日』では黒木華演じる主人公が通う茶道教室の先生役を担当。それぞれ独特の味を出して演じきっていました。生前、数々の映画賞を受賞している樹木さん。どうしても関係者はその演技に目が行き、魅了されてしまいます。それもあって、映画のオファーが絶えませんでした」(映画業界関係者)先日ノミネート作品と各部門賞が発表された「日刊スポーツ映画大賞」でも、樹木さんは助演女優賞の候補者5人のうちに入っている。さらに、本年度の映画賞の目玉になりそうだという。「『報知』と『日刊』の映画賞の結果は、その後に続々と発表される映画賞へ影響を与えるといわれています。もともと演技力は誰もが認めるところですし、これら2つの賞を両方とも受賞すれば、その後の賞レースを総なめにする可能性が高いといえるでしょう。受賞しても天国の樹木さんは出席できませんが、内田裕也(79)や本木雅弘(52)らが代理で出席すれば盛り上がりそうです」(芸能記者)亡くなっても人々の記憶に残る樹木さん。その作品の動向に、注目が集まりそうだ。
2018年11月29日女優・樹木希林さんを偲ぶ写真展「愛・樹木希林」が、東京・渋谷で開催中のアート・イベント「ARIGATO SAKURGAGAOKA Produced by ART PHOTO TOKYO」にて特別展示が行われている。9月15日、75歳で亡くなった女優の樹木さん。本写真展は、9月に行われた「なら国際映画祭2018」の会期に、奈良県で期間限定で展示されていたもので、東京では今回が初展示。会場となったのは、渋谷再開発につき今年末に取り壊されるビル一棟全てが丸々アートに染まったイベント「ARIGATO SAKURAGAOKA Produced by ART PHOTO TOKYO」。ここには50名以上のアーティストが集結している。会場では、2015年から樹木さんと親交があった世界的フォトグラファーのレスリー・キーが立案者となり、レスリー・キーがイベントや道端などで出会った樹木さんの自然な姿を捉えた写真を展示。さらに、映画『あん』に出演したときの現場写真や、娘・内田也哉子と孫の内田伽羅を加えた貴重な3ショットの撮りおろし作品など、多数のポートレートを展示中だ。なお、展示ブースには妻夫木聡、斎藤工、別所哲也、田中麗奈、風吹ジュン、松坂桃李、竹中直人、浅田美代子など、故人と親交のあった著名人から樹木さんへの「愛」が語られている特別映像も上映されている。スケジュールや参加アーティストなど、詳細はぜひイベントオフィシャルウェブサイトを確認してほしい。<著名人追悼映像メッセージ一部>レスリー・キー2015年、僕たちは「あん」の映画で一緒にカンヌ映画祭へ行きましたよね。初めて会った時に樹木希林さんが私を見て「あなたって日本人じゃないのね」と笑いながら優しい目で見てくれたは今でも忘れません。僕が初めて希林さんの作品を見たのは25年前、まだ日本に来る前のことでした。あれから私はずっと、いつか希林さんを撮影したいと思って、2015年に夢が叶いました。あれから4年間、希林さんとは撮影現場で会ったり、映画祭で会ったり、ばったりと会ったり、必ずいつも私といろいろな話をしてくれて、私にとっては全て大切な思い出になってます。あなたは私が日本で一番敬愛する女優さんです。あなたは素晴らしい女優さんです。素晴らしい母です。素晴らしい人間です。私は希林さんからたくさんのことを教えてもらいました。私にとっては今でも大切なものです。今回の「愛・樹木希林」という写真展、心から愛を込めて、、、天国から見てくれたらいいなと思います。希林さんは、本当に日本の誇りです。そして、映画界のミューズです。私は希林さんが教えてくれたこと全て、ずっと一生大切にします。この写真たちをたくさんの希林さんのファンたち、そして希林さんの愛する人たちが見て、希林さんの輝く姿を一生忘れません。浅田美代子女優って言われることは好きじゃなかったですね。「『女』が『優れる』と書いて、私は女として優れてないし、派手な感じで嫌だ」とよく言っていました。「自分は役者なんだ」と。私も昔、眉毛を整えたりしている時に、よく怒られましたね。「美代ちゃんはどうしてそうやって眉毛をいじるの。眉毛は大事なんだよ。ダメだよそんなことしちゃ」ってよく怒られてました。でも、もう抜いたりしてたから生えなくきちゃったので、書いたりしてますけども、それはすごく後悔してます。とにかく、人を見ることが大好きで、それは電車の中だったり、バスの中だったり、ワイドショーやニュースに映る人だったり、ドキュメンタリーだったり、そういう人たちを面白可笑しく見ているのが好きでしたね。だから、彼女の中の引き出しがいっぱいになって、お芝居をするっていう事じゃなくて、役、その人、そのものになりきれたんだなと思ってます。とにかく普通であること、特別じゃないんだっていうこと、それが彼女のポリシーだったんだと思います。情の深い人でしたね。こんな私の師であり、母であり、姉であり、親友でいてくれたことに本当に感謝しています。斎藤工樹木さんの存在感があまりにも強くて、今もこれからも、樹木さんの居た時間っていうものがなくなる事はないと思います。僕は映画ファンとしても、一俳優としても、樹木さんに多くのことを作品を通じて教え続けられていると思ってます。背伸びをしすぎるんじゃなくて、かかとをしっかり付けて、自分の目高で、自分の半径、自分の本当に大切にするべきものを見つめる、そういった僕たちの日本人の美徳を僕は樹木さんに教えられました。日本の誇りです。邦画のミューズであり象徴だと思ってます。僕らは樹木さんと新しい作品を共にすることはできませんが、そういった樹木さんの心や魂をしっかりとバトンとして引き継いで作品に踏襲する義務があると思います。あなたと同じ時代に、同じ世界に居れたことを心から誇りに思っています。安らかにお眠りください。お疲れ様でした。「ARIGATO SAKURAGAOKA Produced by ART PHOTO TOKYO」は12月2日(日)までヤマハエレクトーンシティー渋谷跡地にて開催中(※月・火・水曜は休館)。(cinemacafe.net)
2018年11月21日「お茶の師匠を演じた樹木希林さん(享年75)には撮影前、私が、お正月用のお点前(お茶をたてる茶道の一連の手順)を2回お見せしました。その後、2人で“エア”で手順を3回練習しただけで、流れがすべて頭に入っていました。撮影もすごい集中力でお点前をされていました」そう語るのは、茶道をテーマにした大ヒット中の映画『日日是好日』(大森立嗣監督)の原作者・森下典子さん(62)。黒木華演じるヒロインの典子は、茶道を学び、作法を身につけていくなかで、季節の風や雨を味わい五感を研ぎ澄ませ、和の文化の素晴らしさに目覚め成長していく。師匠の武田先生を9月15日に亡くなった樹木希林さんが演じ、話題を呼んでいる。森下さんは、映画の現場でお茶指導、茶道具や掛軸などのコーディネーターも務めたという。「昨年末の撮影中に樹木さんは台詞一回一回、声の調子や言い方に変化をつけられていて。主人公に『あら、典子さん』と声をかける場面一つとっても、一言にご自身の思いをどう込めるかを考えて繰りかえされていて、見ているだけで心に染みました」お茶室は、横浜市の広い芝生の庭のある家にセットをつくった。「そこは樹木さんの妹さんの嫁ぎ先の空いているお家で、庭に茶室を建て増し、茶庭、板塀。路地まで作ったんです」20歳でお茶を始めた森下さん。お茶を通して学んだことを綴った『日日是好日-「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』(新潮文庫)は、’02年に単行本出版以来版を重ね、映画化とともに話題を呼び、現在累計46万4,000部を突破。10月に出版された続編『好日日記―季節のように生きる』(PARCO出版)も好評だ。映画の後半、樹木希林さん演じる武田先生は、こう語る。《私、こう思うんですよ。こうして毎年、同じことができることが幸せなんだって》「樹木さんは、『お点前は“演技”としてやります。お茶の心を理解してのお点前はあきらめました』と、おっしゃっていましたが、撮影前に1カ月、秘密の特訓をされたようで、袱紗さばきもとても滑らかに身につけていました。不思議と私の師匠のお点前と似ていました」
2018年11月01日たとえ離れて暮らしていても、夫婦になった二人には特別な絆がある…。数々のスキャンダルで世間を騒がせた内田裕也さんと樹木希林さんは、問題を抱えながらも“夫婦”であり続けました。当人たちにしかわからない夫婦の絆に憧れを感じるアラサー女性も多いはず。今回は、別居婚をテーマに、切っても切れない縁を持つカップルのホロスコープを分析します!形に縛られない二人の恋愛・結婚観や、ホロスコープの特徴などを占いサイト『前世からの約束』の監修者である占い師・波木星龍先生に解説いただきました。■離れて暮らす夫婦を結びつける絆現代における「夫婦」の形はさまざまです。夫婦は生活を共にするものというイメージが一般的ですが、二人が別々の家に暮らす「別居婚」という形も多々あります。入籍はしているけれど平日は別居して、休日のみ同居する「週末婚」や、夫婦どちらかの転勤による「単身型別居婚」は少なくありません。また若い人たちに多いのは「半同棲型の別居婚」です。完全に同棲してしまうのではなく、一応、どちらも“自分の部屋”を持ちながら、都合のいいときだけ片方の家で過ごすというパターン。いろいろな事情ですぐ入籍できないようなときに用いられがちです。これらすべてを「一応の別居婚」と見立て、ホロスコープから“共通のデータ”を探りました。その結果、いくつかの興味深い特徴が浮かび上がってきたのです。■「別居婚」カップルの共通点離れて暮らしながらも夫婦関係が長く続く人のホロスコープには以下のような共通点が見られました。★「180度」「90度」「150度」のアスペクトが多い。この場合、どの惑星同士に多いかという点は必ずしも共通していません。★「ヨッド」と呼ばれる“3惑星がつながる”三角形アスペクト・150度―60度―150度の二等辺三角形アスペクト・90度―180度―90度の直角三角形アスペクト・120度―60度―180度の直角三角形アスペクト★上記の“三角形アスペクト”には、水星が関与しているアスペクト、金星が関与しているアスペクトが多く見受けられました。他に多いのは土星や海王星やドラゴンヘッドです。★夫婦のホロスコープを重ね合わせると、結婚に主要な役割を果たす惑星同士が120度や60度の“協調的アスペクト”と、180度や90度の“離反的アスペクト”と両方とも見受けられます。それではこの辺で、みなさんもご存じの著名人カップルのホロスコープを解説していきましょう。■別居40年超…夫婦の絆とは?◎内田裕也さん×樹木希林さんの場合まず注目するのは、先ごろ全身がんで亡くなられた女優・樹木希林さんと、現在は車いす生活のロック歌手・内田裕也さんです。40年以上別々に暮らしながらも、夫婦であり続けたお二人。その理由を占星学的に探ってみました。◎基本の相性お二人の相性は、共に水星と金星とが0度で一体化。兄弟や親戚との関わりが強く、作詞・作曲に向いた素質を持っています。さらにお二人とも金星と土星のアスペクトを所有し人一倍“仕事を愛する人”ですが、プライベートでは“義務的な愛情観”の持ち主で、愛情と引き換えに何らかの“犠牲を必要とする”運命です。共に火星と木星のアスペクトも見受けられます。大胆な行動力と“血の気の多いところ”を秘めています。太陽と土星のアスペクトも所有していて、これは“慎重でネガティブな性質”を意味するもの。このように様々な“共通アスペクト”があって、実際には意外なほど「似た者同士」なのです。相性として決して悪くはありません。◎運命的なつながりは…?お二人の「先天的な縁・絆」はどうなのかといえば、お互いの太陽と太陽とが60度、ドラゴンヘッドとドラゴンヘッドとが60度です。さらにお互いの太陽とドラゴンヘッドとが90度というところで、先天的な“結びつき”としては若干“弱い方”といえるかもしれません。次に、それぞれのホロスコープで目立つのは“直角三角形”や“二等辺三角形”を持つことです。樹木希林さんのほうは、金星―土星―冥王星による“直角三角形”、及び水星―土星―冥王星による“直角三角形”が出現。一方、内田裕也さんのほうは、土星―太陽―海王星による“二等辺三角形”、及び海王星―火星―土星による“二等辺三角形”が出現。それぞれのホロスコープで目立つ“二つの三角形”が、ぶつかり合って一緒に暮らすことを許さなかったのかもしれません。続きは明日公開>>高須克弥さん×西原理恵子さんのホロスコープを分析します。~古今東西のあらゆる占いに精通し、確かな実績と実力を持つ本格占い師~波木星龍(なみきせいりゅう)公式サイト:鑑定暦30年以上、延べ5万人以上の鑑定実績をもつ本格占い師。古今東西のあらゆる占術に精通している。対面鑑定のほかに「正統占い教室」という占い教室を主宰し、数多くの有名占い師を生み出している。『占星学秘密教本』(魔女の家BOOKS)、『江戸JAPAN極秘手相術』、『神占開運暦』、『この占いがすごい!―神聖開運占術大全〈2017年版〉』(八幡書店)など著書・監修書籍も多数。★鑑定所「波木星龍」波木星龍による本格鑑定を受けられる鑑定所です。あなたの悩める「人生&運命」と真摯に向き合い、各種の占術を通じ“最良の選択肢"をアドバイスいたします。住所:札幌市中央区南1条東7丁目2-2 ラピスアクアシティー大通1205※札幌地下鉄東西線「バスセンター前」駅10番出口から徒歩3分。▼鑑定のご予約はこちら電話:011-231-3344メール:namiki.s@jcom.home.ne.jp
2018年10月19日黒木華、樹木希林、多部未華子が初共演し、茶道を通してひとりの女性が成長する姿を描く映画『日日是好日』。この度、公開に先駆け9月15日に亡くなった樹木さんが本作について語るインタビュー映像が公開された。■原作者と接し、役柄像が変化到着した映像は、昨年12月中旬、樹木さんがオールアップした際に撮影したもの。本作で樹木さんが演じたのは、お茶の先生という枠を超え、“人生の師匠”として大きな包容力で黒木さん演じる主人公・典子、多部さん演じるいとこの美智子たちを導いていく武田先生。そんな先生の役作りについて樹木さんは、台本を見て最初は「大変かな」と思ったそうだが、原作者・森下典子と接したことで、「普段は普通のおばさんでもいいかな、と肩の力が抜けました」と語る。本作で重要な初釜のシーンの撮影については、「それがおかしいんだけどね」と言い始めると、「私よりも、主だったスタッフ全員が私以上に練習しているの。だからすごく捌きがいいの。進行もいいの。スタッフがあれだけお茶をやったというのは大変な収穫だろうと」と言い、「それはきっと画面に出るだろうと思ってます」と作品への期待感をにじませる。■主演・黒木華について――「一番理想的な役者の姿」今回初共演となった黒木さん(典子役)については、「思った通りの、実に柔らかくてすべてのものをスイっと受け取って自分の中で消化してスイっと出す。そして自分の肉体というものを固めない。普通の女優さんだと普段の顔をいろいろ、かたち作っちゃう。普段は淡泊にしておいて、役のときに変わるという、一番理想的な役者の姿じゃないかなと」と印象を明かし、また「黒木さんが典子をやると言った段階でこの作品は成立したなと思いました」と絶賛した。■「見どころは自分で見つけて」本作の見どころについて尋ねると、「よく、そういうおんぶにだっこの質問をするの。見どころは、なんて。見どころは自分で見つけてください、というのが観た方へのお願いなんですけど」と笑う。そんな苦言を呈しつつも、「“こんなふうに何でもないことを、毎年同じことができるということが本当に幸せなんですね”という武田先生のセリフがありますが、やはりそこに行きつく、今の時代に必要な作品になればいいなと思いました」思いを明かす。■「誰でも踏み迷う」心に響く言葉――さらに、それぞれの考え方で生きる道に悩み迷う典子と美智子になぞらえてか、「みんな誰でも踏み迷うのね。若くても年とっても。75歳、後期高齢者になった私が踏み迷わないかというと、とんでもない。毎日、あっと言って踏み迷うわけでしょ。そんなの当たり前、人間としてはね」と年齢関係なく踏み迷うのだと言い、「そんなときに、みなさんのそれぞれ生活の中に、長く続けているもの、趣味と言うかな、そこへ行くとあまり無理しなくても自分をふと置ける場所を作っておくといいかもしれませんよ」とメッセージを寄せている。『日日是好日』は10月13日(土)よりシネスイッチ銀座、新宿ピカデリー、渋谷シネクイント、イオンシネマほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:日日是好日 2018年10月13日よりシネスイッチ銀座、新宿ピカデリー、イオンシネマほか全国にて公開©2018「⽇⽇是好⽇」製作委員会
2018年10月10日11月9日公開の映画『アンクル・ドリュー』のジャパンプレミア試写会が9日、都内で行われ、9月15日に死去した樹木希林さんの夫でミュージシャンの内田裕也が出席した。妻・樹木希林さんの告別式以来、初めて公の場に登場した内田裕也。樹木さんを亡くした悲しさと体調が優れないせいか、終始しどろもどろで「家族に不幸もありまして、ちょっと元気がない」と苦しい胸の内を明かしつつ、「こういう時こそこの映画のプロモーションに必ず出ますと約束したので、ちゃんと出演するのがロックンロール魂だと思っています」と胸を張った。イベント中には家族の話題も口にし、サンフランシスコにいるという一番上の孫について「ずっとバスケットのチームで頑張ってやっています。まだ実力は大したことはありませんが、身長が2m越して、ルックスも本木雅弘で内田裕也の血を引いた者。やたら背が高くスタイルも良い。バスケットはルックスではないですけど、花形プレーヤーになる環境は整っていると思います」と語り、「ジャニーズ関係ではなく、必ずや今までにないスターになってくれることを確信しています」と期待を寄せた。アメリカ本国のペプシコーラが制作した一本のCMから人気が飛び火し、映画版も製作された本作。現役NBAスター選手のカイリー・アービングが伝説のプレーヤーだった老人を演じ、仲間とともに伝説のチームを復活させて大会に挑むというストーリーだ。カイリーのほか、レジー・ミラーやシャキール・オニールといったNBAのレジェンドたちが出演している。そんな本作について内田は「実際に全編ロックンロールで、躍動感に溢れていました。面白いかどうかは俺が保証します。マジに面白いです」と好印象の様子で「俺がああだこうだ言ってもアレなんで、ぜひ見てやってください」とアピール。PRコメントの最後には「早く見てもらえよみんなに。もういいよ。あまり喋らせるなや」と"内田裕也"節も全開だった。映画『アンクル・ドリュー』は、11月9日より全国公開。
2018年10月10日9月30日(日)放送のフジテレビ系「ボクらの時代」は急きょ予定を変更して、先日享年75歳で惜しまれながら逝去した女優・樹木希林さんの追悼特別企画をオンエア。これまでに樹木さんが本番組に出演した映像を再編集し“特別版”としてお届けする。1943年、東京に生まれた樹木さんは文学座の研究生を経て、1973年に内田裕也と結婚。70年代には人気ドラマ「時間ですよ」や「寺内貫太郎一家」で人気になると1977年、樹木希林に改名。「ムー」「ムー一族」の挿入歌「お化けのロック」と「林檎殺人事件」で当時トップアイドルだった郷ひろみとデュエットすると、「林檎殺人事件」では音楽番組「ザ・ベストテン」で12週連続ランクイン&4週連続1位を獲得。その後も今日に至るまで数々の作品に出演。『東京タワーオカンとボクと、時々、オトン』『わが母の記』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を、『半落ち』『悪人』では最優秀助演女優賞をそれぞれ受賞したほか、『あん』では日本人女優初となるアジア太平洋スクリーンアワードも女優賞を受賞。その演技は国内のみならず世界でも高く評価された。かねてから全身がんを公表していた樹木さんだが9月15日に自宅で家族に見守れながら息を引き取った。今回は2008年6月22日と29日に放送された「樹木さん×YOU×是枝裕和」、2016年5月15日に放送された「阿部寛×樹木さん×是枝裕和」、2017年5月21日に放送された「橋爪功×小林稔侍×樹木さん」の計4回分の放送を再編集。フジテレビの塩田千尋プロデューサーは「いつも自然体で周囲の方たちに接しているお姿と言葉は番組にとっても宝物。感謝と追悼の思いをこめて今回の企画となった」と今回の特別版について説明。また「最後のご出演となった昨年5月、収録でも仰っていましたが“次いつ会えるか分からない、これが最後かもしれない”と、撮影が終わっても名残惜しそうに小林稔侍さんといつまでもお話しされていました」と収録時をふり返ってコメントしている。「ボクらの時代」は9月30日(日)7:00~フジテレビ系で放送。(笠緒)
2018年09月29日今月15日に亡くなった女優・樹木希林さん(本名:内田啓子、享年75)の夫で歌手の内田裕也(78)が20日、所属事務所を通じて、コメントを発表した。内田は「最期は穏やかで綺麗な顔でした。啓子 今までありがとう」と感謝。「人を助け 人のために祈り 人に尽くしてきたので 天国に召されると思う。おつかれ様。安らかに眠ってください。見事な女性でした」と追悼の言葉を贈った。
2018年09月20日9月17日、樹木希林さん(享年75)の遺体を収納した棺が自宅から霊柩車で運び出された。出棺の際、娘婿である本木雅弘(52)は集まった報道陣に深々と頭を下げたという。樹木さんが亡くなる直前、イベントに登壇した本木は樹木さんについて「気管支の弱さやガンの影響から一時危篤状態にあった」と家族を代表して明かしていた。「本木さんと樹木さんの信頼関係は揺るぎないもの。内田也哉子さん(42)と本木さんが結婚する際、樹木さんは『内田家を絶やさないでほしい』と本木さんに婿養子をお願いしました。本木さんのご実家は代々農家でしたが、本木さんは快諾。以来、樹木さんは本木さんに絶大なる信頼を置いていました」(芸能関係者)生前の樹木さんは本木を実の子のように寵愛していたが、本木も母への愛を絶やさなかった。01年9月に本木はバリアフリー仕様の家を建て、一階すべてを樹木さんに充てた。すべては老いゆく“母”のためだった――。「樹木さんは、『自宅で最期を迎えたい』という願いも本木さんに託していました。さらに乳がんを宣告された当初から“死に支度”を整えていた樹木さんは、遺書や遺影も用意していました。そんな樹木さんの願いを、本木さんは『できることがあれば』と最大限支え続けていたのです」(前出・芸能関係者)ついに最期を自宅で迎えた樹木さん。母の願いを受け入れサポートし続けた本木は、“息子”としての役目を果たし切った――。
2018年09月19日女優の綾瀬はるかが、18日に放送されたTBSラジオ『伊集院光とらじおと』(毎週月曜~木曜 8:30~)にゲスト出演し、15日に亡くなった女優・樹木希林さん(享年75)からの"教え"を明かした。樹木さんとは、映画『海街diary』(15年)で共演した綾瀬。樹木さんとの思い出を問われると、「『モノをとにかく持たない生活をする』ということを教えていただきました」と振り返った。さらに綾瀬は「洋服も樹木さんは4着しか持っていないとおっしゃっていて。シャンプーもない、本当に石けん1個だけしかないともおっしゃって。引っ越すときに段ボール1個に収まる生活をすることと、お聞きしました」と語った。これに対して伊集院は、かつて同番組にゲスト出演した樹木さんに、お土産としてコーヒーセットを渡そうとしたものの、「そういうのいらない」と断られてしまったエピソードを引き合いに出し、「すごく合点がいく」と納得した様子だった。また、綾瀬は樹木さんの演技について、「『力が入っちゃダメだから』とおっしゃっていました。合間におしゃべりさせていただいていて、『よーい、スタート』と始まっても、変わらない印象が強いです」と明かしていた。
2018年09月18日9月15日に亡くなった女優・樹木希林の訃報を受け、映画『日日是好日』(にちにちこれこうじつ)で共演した黒木華、多部未華子、そして監督の大森立嗣から追悼のコメントが到着。さらに、希林さんの“茶道指南”の声がいまにも聞こえてきそうな場面写真も公開された。今年『モリのいる場所』『万引き家族』に続く、希林さんの出演作となった本作。演じた茶道の武田先生は、「習い事の先生」という枠を大きく超えた“人生の師匠”として、大きな包容力で黒木さん演じる主人公の典子、多部さん演じるいとこの美智子たちを導いていく存在となった。黒木華「かけがえのない時間でした」突然すぎて、なんと言えばいいか本当に言葉が浮かびません。希林さんとお仕事をご一緒できたことはとても光栄でしたし、かけがえのない時間でした。もっと、もっと、お話ししたかったです。多部未華子「2人で膝掛けを分け合いながら…」突然のことで言葉がどうしてもつまってしまいます。寒い撮影の中、樹木さんの控え室にお邪魔して、2人で膝掛けを分け合いながらお話ししたこと、忘れません。今はただただ、ご冥福をお祈りいたします。大森立嗣監督「出会えたことは僕の財産」公開初日にお会いできると思っていたのに、残念です。昨年12月、撮影しながら希林さんのことが大好きになっていきました。大事なことをひょうひょうと語る姿が目に浮かびます。出会えたことは僕の財産です。今はただご冥福を祈るばかりです。『日日是好日』は10月13日(土)よりシネスイッチ銀座、新宿ピカデリー、イオンシネマほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:日日是好日 2018年10月13日よりシネスイッチ銀座、新宿ピカデリー、イオンシネマほか全国にて公開©2018「⽇⽇是好⽇」製作委員会
2018年09月18日タレントの伊集院光が、17日に放送されたTBSラジオ『伊集院光とらじおと』(毎週月曜~木曜 8:30~)にて、15日に亡くなった女優・樹木希林さん(享年75)とのエピソードを明かした。16年12月、同番組に樹木さんがゲスト出演したときのことを「あの時、聴いてた人は痛烈に覚えていると思うんですよ」と振り返った伊集院。ゲストコーナーに出演した樹木さんに、コーナー最後にお土産としてコーヒーセットを渡そうとしたものの、「いらないいらない、そういうのいらない」と断られてしまったと語った。放送前に伊集院は、当時の番組プロデューサーがかつて樹木さんに粗相をして怒られた話を聞いていたため、おびえていたという。その緊張が樹木さんに伝わり、「なに緊張してるの?」と問われると、伊集院は「実はこういうことで、実は怖いんです」と正直に明かした。「そうしたら、優しくていろんな話をしてくれた」と語る伊集院だが、「結果、俺がちょっと調子に乗ったっていうか。『よし、これでいける』というのを、樹木希林さんは察知したと思う」と言い、「ビビッていたくせにトークが楽しくなったということで安心してるのを見て、ちょっといたずらしたくなったと思う。それで『いらない』っていう(笑)。肝を冷やしたね(笑)」と振り返っていた。そして「特に代えのきかない人ですからね、もっと聞きたいことがいっぱいあったんですが」と故人を偲んだ。
2018年09月18日9月16日、樹木希林さんが都内の自宅で亡くなっていたと各紙が報じた。75歳だった。各紙によると樹木さんは、家族に看取られながら息を引き取ったという。13年の日本アカデミー賞表彰式で全身がんであると明かした樹木さん。先月13日に左大腿骨を骨折し、入院。その際に娘婿である本木雅弘(52)が気管支の弱さやがんの影響から「一時は危篤の状態だった」とイベント内で発言し、心配の声が上がっていた。乳がんの後、がんが副腎と脊椎に転移。さらに今年3月には、骨にも転移していたという。そういった自らの宿命を受け入れるには、想像を絶する覚悟が必要だと思われるが――。「樹木さんは、がんのおかげで自分の死と向き合うようになったそうです。自分の人生を改めて振り返る機会にもなり、『むしろ、がんに感謝している』とも話していたほどでした。生活習慣を慎ましくすることで、新たな発見があったとも明かしていたとも。そこには、どんな苦境に立たされても楽しむという樹木さん独自の哲学がありました」(芸能関係者)現実を受け止め、最後まで自分らしさを貫いた樹木さん。Twitterでも《闘病中だとあっけらかんとおっしゃいながら元気にお仕事されていた印象。まだまだ演じていただきたかったのに残念です》《樹木希林さんだけは死なないと思ってた……長い間本当にお疲れ様でした》《ガンと共存しながら自分らしく生きる。何度勇気もらったかわからない。ありがとうございました》との声が上がっている。長い闘病生活を終え、今は心安らかに眠っていることだろう――。
2018年09月17日女優の樹木希林さんが9月15日に都内の自宅で亡くなっていたことが16日、わかった。75歳。家族に看取られながらの旅立ちだった。16日に近親者のみで通夜が執り行われ、30日に告別式が行われる予定だという。■2018年、希林さんの様子は?5年前に「全身がん」を告白していた希林さんだが、その後は容体も安定し、映画を始め、さまざまな場面で、まさに“引っ張りだこ”の大活躍を見せていた。今年だけでも、山崎努との初共演が実現した『モリのいる場所』(沖田修一監督)、第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、最高賞のパルムドールを受賞した『万引き家族』(是枝裕和監督)が公開。そして、茶道教室の先生を演じた『日日是好日』(大森立嗣監督)が10月13日に公開される予定だ。一方、先月8月13日に左大腿骨を骨折して入院し、手術を受けていた。同30日には娘婿で俳優の本木雅弘がイベントに出席し、希林さんが一時危篤状態だったことを明らかにした。その際、「細い糸1本でやっとつながってる声一言もでないのしぶとい困った婆婆です」という希林さん直筆のメッセージが紹介されたと報じられ、大きな話題を集めた。■愛され続けた日本映画界の宝1943年東京生まれの希林さんは、61年に文学座に入り、テレビドラマを中心に活躍。その代表作のひとつが、やはり今年亡くなった西城秀樹さんと共演した「寺内貫太郎一家」だった(当時はデビュー時の芸名・悠木千帆で出演)。また、70年代後半には「美しい人はより美しく、そうでない方はそれなりに」の名コピーで知られる富士フイルムのCMも人気を博した。その後は徐々に活躍のメインステージを映画に移し、『東京タワーオカンとボクと、時々、オトン』と『悪人』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、『半落ち』で最優秀助演女優賞に輝き、不動の地位を確立。日本映画界に欠かせない存在として、幅広いジャンルの作品に出演し、多くのファンと映画人に愛され続けた。個性派、演技派、実力派…。それら、どの言葉も適切でありながら、「それだけでは言い表せない」希林さん独自の存在感は、やはり日本の宝だったと言わざるをえない。■記者も翻弄する“希林劇場”は名言の宝庫だった常に次回作が待たれる希代の女優であった希林さん。決して万全ではない体調と向き合いながら、出演作のプロモーションにも積極的に参加し、数多くのイベントや舞台挨拶をこなす姿も、記者としては印象に残っている。マイクを握れば、その瞬間から希林さんの独壇場。ときには同席する共演者の熱愛報道をタイムリーにいじったり、目の前の報道陣に苦言を呈したりと、場を大いに盛り上げてくださった。取材が終わってみれば、誰もが“希林劇場”に魅了され、希林さんの“名言”が見出しを飾ることも多かった。ときには毒舌と称されることもあった希林さんの発言だが、その裏には、日本映画界、そして日本の社会全体への愛にあふれていた。その鋭い感性と奔放な性格が切り取る、さまざまな疑問や矛盾…。閉塞しきった時代に対する、希林さんのカウンターパンチは、生きづらさを感じる現代人にとって、多くの気づきをもたらしたものとなった。晩年は、大病を患ったからこその希林さん流の死生観もクローズアップされた。あくまで飄々と、わが道を歩み続けた希林さんの功績が、今後の日本映画をより豊かなものにしてくれることを期待したい。(text:Ryo Uchida)
2018年09月17日女優の樹木希林さんが15日に75歳で亡くなったことを受け、女優の夏木マリ(66)が17日深夜、ブログを更新。樹木さんへの思いをつづった。夏木は「私が仕事を始めた頃、ジーンズで結婚式をしたお二人に驚かされ、お名前を売ったことにも驚かされ、数々の演技に驚かされ、名言に驚かされ、病気との共存に驚かされ、死生観に驚かされ」と樹木さんの語り継がれるエピソードを回顧。「そしていつしかファンになり目標でした」と大きな存在だったようで、「一度ご一緒させていただきたかった」と心残りも。「安らかにお眠りください。合掌」と追悼している。
2018年09月17日女優・樹木希林さんが15日に亡くなったことを受けて、遺作となった映画『日日是好日』(10月13日公開)に出演する黒木華、多部未華子、大森立嗣監督が追悼の言葉を寄せた。人気エッセイストの森下典子が茶道教室に通う日々を綴ったロングセラーエッセイ『日日是好日「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』を、『まほろ駅前多田便利軒』(2011年公開)や『セトウツミ』(2017年公開)などの大森立嗣監督が映像化した本作。茶道を通してひとりの女性の成長する姿を描く。樹木さんは、黒木や多部らのお茶の先生を演じているが、体調不良のため、5日に行われた完成披露試写会も欠席していた。黒木は「突然すぎて、なんと言えばいいか本当に言葉が浮かびません。希林さんとお仕事をご一緒できたことはとても光栄でしたし、かけがえのない時間でした。もっと、もっと、お話ししたかったです」と語った。多部は、「突然のことで言葉がどうしてもつまってしまいます。寒い撮影の中、樹木さんの控え室にお邪魔して、2人で膝掛けを分け合いながらお話ししたこと、忘れません。今はただただ、ご冥福をお祈りいたします」と思い出を振り返る。また、大森監督は「公開初日にお会いできると思っていたのに、残念です。昨年12月、撮影しながら希林さんのことが大好きになっていきました。大事なことをひょうひょうと語る姿が目に浮かびます。出会えたことは僕の財産です。今はただご冥福を祈るばかりです」と思いを表した。
2018年09月17日