2006年より上演されてきた『滝沢歌舞伎』。昨年、滝沢秀明演出、Snow Man出演で新たに『滝沢歌舞伎 ZERO』として生まれ変わった舞台だが、さらにそれを映像と融合させた『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』が、新たに全国のスクリーンで公開されることが決まった。公開時期は年内を予定しているという。京都四条南座、新橋演舞場(東京)で上演され、チケットが即日完売となった舞台『滝沢歌舞伎ZERO』。今年7月~8月に新橋演舞場での公演も発表されたが、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスの影響により数々の舞台が中止や延期となる中、この舞台作品も同様に公演を見合わせることとなった。そんな状況の中、ジャニーズ事務所と松竹は協議を重ね、舞台と映画を融合させた舞台映画を製作するということで、双方の意見が一致した。舞台『滝沢歌舞伎 ZERO』の初映画化となる本作は、ダンス、アクロバット、腹筋太鼓、鼠小僧といった舞台骨子を生かしつつ、映画ならではの物語を組み込んでいくという。主演は、昨年の舞台に続いて本作が単独での映画初主演となるSnow Man。監督は滝沢が務める。また振付は、舞台と同じく五関晃一(A.B.C-Z)が担当することも決定。撮影は夏を予定しており、舞台パート部分は無観客で撮影されるという。監督の滝沢は本作について、「2020年滝沢歌舞伎ZEROが実現出来ず大変残念な気持ちと同時に、こんな時だからこそエンタメの力が必要だと強く感じました。滝沢歌舞伎はどんな状況でも舞台を続ける、止まる事は考えてはいけないと今まで教わってきましたので、緊急事態宣言が解除され、お客様の安全を確保出来次第、ベストな形で公開したいと考えております。今年は映像という形でお届け致しますが、滝沢歌舞伎を一番理解している私が、Snow Manの魅力を全面的に引き出し、見たことのないSnow Manの形を立体的に表現致します。変化ではなく進化した滝沢歌舞伎ZEROをご覧頂き、エンターテイメントの素晴らしさを皆様とともにもう一度感じていきたいと思います。これは映画でも舞台でも無い、新たなる幕開けです」とコメントしている。『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』年内公開予定
2020年05月28日舞台「滝沢歌舞伎 ZERO」が、『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』として映画化されることが決定。年内の公開を予定している。ジャニー喜多川が企画・構成・総合演出を務め、2006年より始まった「滝沢歌舞伎」。昨年には滝沢秀明演出、「Snow Man」出演で「滝沢歌舞伎 ZERO」として新たに生まれ変わった。しかし、新型コロナウィルスの影響により数々の舞台が中止や延期に追いやられ、本舞台も同様に公演を見合わせることに。今回舞台を離れ、より多くの人たちに楽しんでもらうべく、ジャニーズ事務所と松竹で協議を重ねた結果、舞台と映画を融合させた新時代舞台映画を製作することで双方一致。映画では、ダンス、アクロバット、腹筋太鼓、鼠小僧といった舞台骨子を生かしつつ、映画ならではの物語を組込み、「滝沢歌舞伎」の持つ日本の美、日本人の力強さ、悲しみや喜びを描き出す。また、観る人自身が舞台にいるかの如くリアルな映像を作るための施策を現在検討中だという。主演は、「Snow Man」深澤辰哉、ラウール、渡辺翔太、向井康二、阿部亮平、目黒蓮、宮舘涼太、佐久間大介。本作で映画単独初主演を果たす。また、監督は滝沢秀明。今回初めての映画監督となる。「Snow Man」は「僕たちはジャニーズとして、エンターテイナーとして、どんな時でもショーをお届けして皆さまを楽しませたい。このような事態だからこそ生まれたこの新しい挑戦を、2020年日本で1番熱いパフォーマンスにするんだ、と期待で胸が高鳴っています」と心境を明かし、「監督としてご一緒する滝沢くんから今まで学んできたことや今回吸収することを全て発揮しSnow Man単独初主演の映像作品としても成功させたいです。本作品で演じられる演目の全てに、映像でも生で舞台を見ているかのような漢気・迫力・臨場感をお届けできる自信があります」と意気込みを語る。そして、滝沢監督も「滝沢歌舞伎はどんな状況でも舞台を続ける、止まる事は考えてはいけないと今まで教わってきましたので、緊急事態宣言が解除され、お客様の安全を確保出来次第、ベストな形で公開したいと考えております。今年は映像という形でお届け致しますが、滝沢歌舞伎を一番理解している私が、Snow Manの魅力を全面的に引き出し、見た事のないSnow Manの形を立体的に表現致します」とコメントを寄せている。なお、振付は舞台と同じく「A.B.C-Z」五関晃一が担当。撮影は夏を予定しており、舞台パート部分は無観客での撮影を行う予定だ。『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』は2020年全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2020年05月28日“STAY CONNECTED" vol. 3NARSの、日本の伝統芸能 歌舞伎の洗練された芸術性にインスパイアされたブラシコレクション。どのブラシもコンセプトと機能の両面において、伝統とモダンさを融合させ、何世紀にも渡る伝統的なフォルムに現代的な解釈を加えて生まれました。■『NARS カブキ イタ』6,500円ミニマルかつユニークなシェイプの『カブキ イタ』は、チークの輪郭を際立たせ印象的な立体感をつくります。チーク、ハイライト、コントゥアーにおすすめ。「毛足の短い直線的なブラシが、広がりすぎる事なく頬骨にピタッとフィット。シェープに見せたいときのシェーディングにおすすめです!」ー NARS シニアメーキャップアーティスト 青木 睦■『NARS カブキ クドキ』 4,900円独特な角度の『カブキ クドキ』は、目もとの輪郭を際立たせたり、まつ毛の際に使用してスモーキーアイを作るのに最適。スムースでソフトタッチな柄は持ちやすさも抜群で、思いのままにモダンな目もとへと仕上げます。「アイシャドー用のブラシですが、実はアイブローにもとても便利なんです! 斜めにカットされたブラシで、難しい眉頭のぼかしも簡単にでき、ノーズシャドーを入れたような立体感が出せます。」ー NARS シニアメーキャップアーティスト 茂登 春奈■『NARS カブキ ヤチヨ』 6,500円プロフェッショナルの愛用率も高い多機能ブラシ。チークにはもちろん、ハイライトを入れたり、目もとのカラーをなを馴染ませたり、ぼかしたりとマルチに使用可能なドーム型ブラシです。ユニークなシェイプの柄を、短く持つか長く持つかで力の加減も自由自在にコントロールできます。「毛が柔らかく、ブラシ先端がラウンド型にカットされているので、肌なじみの良い色から鮮やかな発色まで自然に頬に馴染ませることができる万能なブラシで重宝しています。藤で巻かれた柄が、まるで芸術品のように美しく、手に持つたびに気分が上がります。 」ー NARS コミュニケーションマネージャー 福島 まどか企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年05月26日年に数回開催されている落語会「よみらくご」。4月に開催予定だった第18回公演「わるいヤツら」が6月4日(木)にぴあライブストリームにて、オンラインで配信される事が決定した。【チケット情報はこちら】よみうり大手町ホールの定例落語会である「よみらくご」が、ネット上で配信されるのは初めて。今回は「わるいヤツら」をテーマに、落語に登場する”悪党”にスポットを当てる。出演はほかに、今年5月に真打昇進したばかりの瀧川鯉八、チケットが取れない当代きっての人気落語家・春風亭一之輔、若手ながら品のある高座で古典落語の実力派・古今亭文菊、一之輔の師匠で本寸法の江戸落語の名手・春風亭一朝という豪華メンバー。どこか憎めないならず者から、稀代の大悪党まで、お江戸の「わるいヤツら」の大暴れは必見だ。この配信はライブ動画配信サービス「PIA LIVE STREAM」を通じて実施。「PIA LIVE STREAM」は新型コロナウイルスの感染拡大防止対策の一環として、政府からの大規模イベント自粛要請を受けて、様々なライブやコンサート、イベントが開催の中止・延期を余儀なくされている中、「アーティストやクリエイターの表現の場を守りたい」という思いから、動画配信でアーティストのパフォーマンスをファンの皆さんに広くお届けすることはもちろん、有料コンテンツとすることでアーティストや関係者の方々に収益源としてもらえるサービス。チケットは発売中。■よみらくご第18回公演「わるいヤツら」配信日:6月4日(木) 18:30出演・演目:瀧川鯉八「にきび」、春風亭一之輔「鈴ヶ森」、古今亭文菊「居残り佐平次」、林家正楽 紙切り、春風亭一朝「黄金餅」 ※出演順
2020年05月21日国立新美術館にて開催予定の『古典×現代2020—時空を超える日本のアート』展。新型コロナウイルスの影響により、現在は休館中だが、先日行われた内覧会から展示の様子をレポートする。江戸時代以前の絵画や仏像、陶芸や刀剣の名品が、現代を生きる8人のアーティストの作品と組み合わせて紹介される同展。展示室は8つの部屋にしきられ、それぞれの部屋でペアとなった新旧アーティストの作品が展示される。その興味深い組み合わせは、「仙厓×菅木志雄」「花鳥画×川内倫子」「円空×棚田康司」「刀剣×鴻池朋子」「仏像×田根剛」「北斎×しりあがり寿」「乾山×皆川明」「蕭白×横尾忠則」の8組。現代アーティスト側には、美術家、写真家、彫刻家、建築家、漫画家、デザイナーと錚々たる顔ぶれが並ぶ。最初の部屋に登場するのは、「仙厓×菅木志雄」だ。仙厓義梵(1750〜1837)は、「円」で悟りの境地を示す禅画で知られる江戸時代の禅僧。菅は仙厓の《円相図》に呼応するように、亜鉛板で示した円形に木や石などを配置した過去作を再制作。「人とものの在り方」についての新旧の思想が、最もシンプルな形で立ち現れる。古典×現代2020時空を超える日本のアート( )
2020年04月13日お笑いコンビ・TKOの木下隆行が、所属事務所の松竹芸能を15日で退所することが5日、明らかになった。松竹芸能が発表した。今後はフリーとして引き続き芸能活動を行っていく予定。TKOは解散ぜず、相方の木本武宏は引き続き松竹芸能に所属する。松竹芸能は「今までご支援いただきましたファンの方々や、関係者各位の皆様には心より感謝申し上げます」とコメントした。木下は、週刊誌などで後輩芸人へのパワハラ行為が報じられ、テレビ出演もなくなっていた。
2020年03月05日木ノ下歌舞伎の『三人吉三』が5~6月に上演される。出演者の大鶴佐助に話を聞いた。【チケット情報はこちら】今回の出演を「ワクワクします」と喜ぶ大鶴。歌舞伎や文楽など日本の古典演目を現代演劇として上演し、役者にもファンの多い木ノ下歌舞伎。その中でも『三人吉三』は代表作で、演目自体の初演(江戸時代)から約150年ぶりという「地獄の場」を含む三幕・5時間に及ぶ完全通し上演も話題を呼んだ作品だ。演じる側になると大変なことも多そうだが、「上演時間が5時間以上になる作品は初めてです。でもそんな作品ってやりたくてもやれないことのほうが多い。それを自分がやってどういう心境になるのかも楽しみですし、歌舞伎もやってみたかったので」と語る。歌舞伎をやりたかったのは、唐十郎の息子である大鶴のルーツと重なる理由。「僕はテント(芝居)をやっているのですが、テントって現代歌舞伎みたいな感じだと思っているんです。今は伝統芸能になってますけど、きっと江戸時代とかはこういう感じだったんじゃないかなって。だからやりたかった。あとは純粋に、どうなるかがわからないからやってみたかったというのもありますけどね」今回「まず楽しみ」と言うのが、木ノ下歌舞伎の特徴“完コピ稽古”。演目をより深く理解・研究するために、まずは実際に上演された歌舞伎の所作や台詞回しを出演者が“完コピ”し、そこからどう現代的に解釈し演じるかクリエイションしていくという稽古スタイルだ。「役をやるうえで“真似る”って普段は遠ざける気持ちがありますが、逆に完コピして、その型を破っていく。そこでどんなものが芽吹くのか…面白そうです」作品については「今まで三人の吉三郎の話だと思っていたのですが、木ノ下歌舞伎では群集劇だと感じました。すべての因果が絡み合い、因果応報ってこういうことか、というラストに繋がっていく…残酷だけど面白い」。その中で大鶴が演じるのは三人の一人・お坊吉三。「彼は身を持ち崩しているけど、ところどころで自分に甘いところがある(笑)。坊ちゃんだからなって、かわいらしく思います。ただ僕も少し坊ちゃんなところがあるので(笑)、そこがどうリンクしてくるかは稽古場で、ですね」。これまで蜷川幸雄や福原充則、木野花ら幅広い演出家の作品に出演し、3~4月には新生PARCO劇場オープニング作品第一弾 舞台『ピサロ』への出演も控えるなど、変幻自在の魅力を持つ大鶴。今作でどんな姿を見せるのか楽しみにしたい。今回、木ノ下裕一が再補綴に取り組み、演出は初演から引き続き杉原邦生が手掛ける『三人吉三』は、5月30日(土)から6月7日(日)まで東京・東京芸術劇場 プレイハウス、6月に長野・まつもと市民芸術館にて上演。取材・文:中川實穂
2020年02月18日「型が決まっている歌舞伎はセリフをほぼ観客に向かってしゃべるけれど、現代劇は相手と向き合う。歌舞伎では感じられない、会話の重要性と難しさを実感しました」昨年末に新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』での好演が話題を呼んだ歌舞伎界の新鋭・尾上右近(27)。「新しい年もチャレンジングな1年にしたい」という言葉どおり、次に挑戦するのは、現代劇。’17年放送のNHKドラマ『この声をきみに』のスピンオフ舞台『この声をきみに〜もう一つの物語』(大阪公演/3月6〜8日、サンケイホールブリーゼにて。東京公演/3月12〜22日、俳優座劇場にて)だ。本作は、ある朗読教室に集まり、声で心を開放していく人たちの交わりを描く心温まる大人のラブストーリー。専門外のジャンルにも果敢に挑む姿が頼もしい。祖父と父は六代目・七代目清元延寿太夫。清元という古典音楽の宗家に生まれた右近が、歌舞伎役者を志したのは3歳のとき。初舞台は7歳、そして12歳で二代目尾上右近襲名と、彼は歌舞伎の道を邁進していく。「お稽古とか歌舞伎の世界のことに没頭しすぎてあまり友達ができなかった(笑)。学校も早退したり遅れていったり。そんななかでもできた何人かの友達は今でも仲よしで、公演を見にきてくれます」取材で語ったふだんの生活ぶりからも、勉強熱心な一面が垣間見える。「歌舞伎の資料に囲まれて生活するのが、めちゃめちゃ好きですね。歌舞伎役者の家じゃないから、自分で勉強しないと勝ち目がないので。僕の部屋は3面にぎっしり歌舞伎関連の本が並んでいます。地震が起きると心配だから、寝てるときに揺れたらすぐ飛び起きて倒れないように押さえる(笑)。基本的には純粋に歌舞伎が好きなオタクなんだなぁと思います」自らの立場について尋ねると、独特の答えが返ってきた。「歌舞伎役者って、人を喜ばせたり、何かを与えるというオプションがついてるお坊さんだと思います。ずっとこの道を歩んでなきゃいけないから。オン・オフって別にないんです」「女性自身」2020年2月11日号 掲載
2020年02月03日昨年末に新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』での好演が話題を呼んだ歌舞伎界の新鋭・尾上右近(27)。「新しい年もチャレンジングな1年にしたい」という言葉どおり、次に挑戦するのは、現代劇。’17年放送のNHKドラマ『この声をきみに』のスピンオフ舞台『この声をきみに〜もう一つの物語』(大阪公演/3月6〜8日、サンケイホールブリーゼにて。東京公演/3月12〜22日、俳優座劇場にて)だ。「型が決まっている歌舞伎はセリフをほぼ観客に向かってしゃべるけれど、現代劇は相手と向き合う。歌舞伎では感じられない、会話の重要性と難しさを実感しました」(右近・以下同)今作は、ある朗読教室に集まり、声で心を開放していく人たちの交わりを描く心温まる大人のラブストーリーだ。専門外のジャンルにも果敢に挑む姿が頼もしい。祖父と父は六代目・七代目清元延寿太夫。清元という古典音楽の宗家に生まれた右近が、歌舞伎役者を志したのは、3歳のときだった。「おばあちゃんの家に行ったときに、映画監督の小津安二郎さんが父方のひいおじいさん(六代目尾上菊五郎)の『春興鏡獅子』を撮った映画を見たんです。で、歌舞伎の魅力に取りつかれて、『あの役になりたい!』と。あの日の様子をすごく鮮明に覚えていますね。部屋に西日が差していて……あれは僕のなかに残っているいちばん古い記憶です」「女性自身」2020年2月11日号 掲載
2020年02月03日5月5日(火・祝)より赤坂ACTシアターで上演される「赤坂大歌舞伎」の製作発表会見が都内で行われ、主演の中村獅童、中村勘九郎、中村七之助が登壇した。約3年ぶりの6度目となる今回は、三大怪談噺のひとつと呼ばれ、明治25年に歌舞伎化されこれまで何度も公演されてきた人気の演目『怪談 牡丹燈籠』を上演。脚本と演出に昨年放送されたテレビドラマ版でも脚本・演出を手掛けた源孝志をむかえ、原作落語にある人間模様の面白さを再発掘し、新たな解釈も加えた新作に挑む。【チケット情報はこちら】二役演じる獅童は「赤坂大歌舞伎の出演は7年ぶりとなるが、気心の知れた仲間との共演が非常に楽しみ。」自身の役どころについては、「放蕩野郎と小悪党」と話し、「今の時代の新たな『怪談 牡丹燈籠』お見せしたい。稽古の流れによってそれぞれのキャラクターが変わることもあるので、人間の欲というところに共感していただけるよう、あまり決めつけないで自分なりに工夫して役を作っていきたい」と意気込んだ。同じく二役演じる勘九郎は「2013年に3人(中村獅童、中村勘九郎、中村七之助)でやった時に、赤坂大歌舞伎はいろんな方向にいけると確信した。3人なら怖いものはない」と話し、「(演じる)新三郎は、ドラマでは七之助が演じていた役なので、参考にしながら役作りをしていきたい。」と笑わせながら、「『牡丹燈籠』は怪談だけでなく男女の因果因縁、敵討ち、親との師弟の関係も含まれているので、どのように膨らんでいくかを楽しんで頂きたい」と語った。異なる三役の女役を演じる七之助は「演じがいがある。きっと早替わりになると思う。プロジェクションマッピング等デジタルが発展している中、歌舞伎の早替わりは、走って着替えて、メイク変えてと原始的で体力勝負。」と話し、「ドラマ出演時に、深いところまで描いてる素晴らしい作品だなと思い、歌舞伎にしたら面白いのではないかと話していたら、こんなに早く決まった。自分が言い出しっぺのため良い作品にしなきゃと思っている。」と述べた。3年前に初めて赤坂歌舞伎を観劇したという源は、「赤坂大歌舞伎ではここまで新しいことが出来るのかと感じた。今回の作品でも、歌舞伎のかっこいい所を生かし、ある意味挑戦的な演出をしたい。」と語り、「今は七之助(演じるお露)をどうやって焦がれ死にさせようかと考えている。」とニヤリとした。公演は、5月5日(火・祝)~5月24日(日)まで、東京・TBS赤坂ACTシアターにて。2月1日(土)より、チケットぴあにて、いち早プレリザーブ受付開始。
2020年01月29日選手も観客もワンチームで熱く燃えたラグビーワールドカップの開幕式で、『連獅子』の勇壮な毛振りを披露した市川右團次・市川右近親子。「獅子は我が子を谷底に落とし、這い上がってきた子だけを育てる」という中国の故事に習った、歌舞伎界屈指の人気舞踊だ。2分半の抜粋編ながら、その本質を踏まえた親子舞踊で、父・右團次の懸命な指導のもと9歳で見事に踊りぬいた息子・右近。これをきっかけに初の親子共演ツアーが決定した。演目は、右團次の弟子たちが踊る江戸時代の廓の雰囲気を描いた舞踊『吉原雀』、市川九團次と大谷廣松が連れ舞う歌舞伎舞踊の名作のひとつ『二人椀久』、そして『連獅子』と、それぞれ違う魅力を持った歌舞伎舞踊を3演目用意し、全国10ヵ所を巡演する。「近頃、親バカで通っています(笑)」とうれしそうな右團次が、「伝統芸能 華の舞」について語った。「伝統芸能 華の舞」チケット情報ワールドカップの開幕式での『連獅子』は「2019年の我々親子最大のトピックスで、永遠の思い出です。当然のごとく、ラグビーファンになりました」と笑顔の右團次。ラグビーW杯公式マスコット・レンジーは、『連獅子』をモチーフにしたもの。親子で『連獅子』をと、右團次・右近に白羽の矢が立った。右近は右團次が46歳の時に授かった最初の子で長男。「『連獅子』を早くやりたいなと思っておりました。ただ、せがれはまだ9歳ですから、ちょっと無理かなと思ったんですが、親子で勤めさせていただき、『連獅子』の本質を全世界に発信しようと懸命に指導しました。せがれもついてきてくれて、堂々と踊っていました。それで、『これはイケそうやな』と(笑)。かくなる上はたくさんの人たちにその姿を見ていただきたいなと思っていたところ、このような機会をいただき本当にありがたいと思っています」。演目については「華やかな『吉原雀』は右團次の一門の三名、ワンチームで。華麗でちょっと幽玄な『二人椀久』は、九團次さんと廣松さんに頑張っていただく(笑)。そして『連獅子』。同じ歌舞伎舞踊でありながら、全部色目が違うのはおもしろいと思います」。見どころは、右近初となるフルバージョンの『連獅子』だ。「前半は狂言師として登場してストーリーテラー的な役目を務め、後半は獅子の精になって勇壮な毛振りをご覧いただく。親子でありながら、話の語り部にならないといけない前半が非常に難しい。今回、せがれができるかどうかと思いながらやってしまうのは、ひょっとすると谷から突き落とすようなところがあるかもしれないですね。懸命に指導して、谷からあがってきてくれるよう祈っています」。取材・文:高橋晴代
2020年01月27日日本を代表するチェロ奏者で指揮者の鈴木秀美率いる“オリジナル楽器集団”オーケストラ・リベラ・クラシカによるシリーズ7回目の公演テーマは「古典派の弦」。プログラムには、モーツァルトの「ディヴェルティメント」&メンデルスゾーンの「弦楽のためのシンフォニア」といった弦楽アンサンブルの名曲中の名曲が並び、作曲家が生きた時代の音色を味わう素敵な時間が披露される。2001年に鈴木秀美の主宰によって結成された同オーケストラは、オリジナル楽器演奏とその研究を旨とするプロフェッショナル集団だ。普段聞き慣れた音楽が、彼らの演奏によってガラリと趣を変えた姿で浮かび上がる様はまさに目からウロコの連続。作品本来の旨味を味わう絶好のチャンスがここにある。●公演概要1月11日(土)パルテノン多摩小ホール「鈴木秀美KLASSIKの世界vol.7」●鈴木秀美(チェロ)神戸生まれ。「18世紀オーケストラ」「ラ・プティット・バンド」等のメンバー及び首席奏者として活躍した。鈴木雅明の主宰する「バッハ・コレギウム・ ジャパン」では創立から2014年まで首席チェロ奏者として、J.S.バッハの全宗教曲の演奏及び録音で通奏低音を務めた。ヨーロッパ各地、オーストラリア、中国、韓国、ベトナム等で演奏する他各地の講習会で講師を務め、94年に新設されたブリュッセル王立音楽院バロック・ チェロ科に教授として招聘され、2000年に日本へ帰国するまで務めた。 91年9月《バッハ/無伴奏チェロ組曲全曲》日本全国ツアーの好評により同年度の村松賞大賞を受賞。99年より2008年まで、水戸芸術館専属の弦楽四重奏団「ミト・デラルコ」としても活動した。「ガット・サロン」「ガット・ストリーム」等の室内楽シリーズを行うほか、楽遊会(らくゆうかい)弦楽四重奏団としても活動している。録音では、バロック~初期ロマン派までのソロ・室内楽を多数録音し、数多くの独奏者と通奏低音として共演。95年には日本人としては 初めてのオリジナル楽器による《バッハ/無伴奏チェロ組曲全曲》を録音し (DHM、現ソニー)平成7年度文化庁芸術作品賞を受賞、05年に 新録音をリリース(レコード芸術誌特選)。以降同レーベルで日本人初の専属アーティストとして 《シューベルト/アルペジオーネ・ソナタ》《ベートーヴェン/チェロ作品全集》《ロマンス》(ピアノ小島芳子)などのCDを発表し、《ハイドン/チェロ協奏曲集》では1998年、 第36回レコード・アカデミー賞(協奏曲部門)を、また2000年にはベートーヴェンの初期作品のCDでフランスのディアパゾン金賞を受賞した。平井千絵との「メンデルスゾーン: チェロとピアノのための作品集」で06年文化庁芸術祭優秀賞受賞。08年秋には同じく平井千絵と「ショパン・チェロ作品集」をリリースした。2001年に古典派を専門とするオーケストラ・リベラ・クラシカを結成、ハイドンを中心としたプログラムで年に2~3回の公演を行い、《アルテ・デラルコ》レーベルよりそのライヴ録音を続々とリリース。同レーベルにはソロや室内楽のほか声楽アンサンブル《ラ・フォンテヴェルデ》の録音も含まれ、既に50タイトルを超える。指揮活動も活発になりつつあり、オーストラリア、ポーランド、ベトナム等に招かれるほか、日本各地のシンフォニー・オーケストラへの客演指揮・チェロ独奏も好評を博している。山形交響楽団首席客演指揮者。著書に「『古楽器』よ、さらば!」とその改訂版(音楽之友社)、「ガット・カフェ」、「無伴奏チェロ組曲」(東京書籍)、「通奏低音弾きの言葉では」(アルテス・パブリッシング)がある。第37回サントリー音楽賞、第10回斎藤秀雄メモリアル基金賞を受賞。東京音楽大学チェロ科客員教授、東京藝術大学古楽科非常勤講師。雑司谷拝鈍亭終身楽長。●オーケストラ・リベラ・クラシカオリジナル楽器で古典派音楽を専門に演奏するオーケストラ。 チェロ奏者・指揮者の鈴木秀美が主宰・音楽監督をつとめ、2002年5月に旗揚げ公演を開催。 高いレベルのアーティスト三十数名が国内外から集結、表現力の高さと楽曲への斬新なアプローチが話題になっている。 決して広く知られてはいないハイドンの初・中期の交響曲に新たな光を当て、 また《パリ交響曲集》やモーツァルトの名交響曲・セレナーデ等を今までに演奏、現在はハイドンの後期作品、さらにベートーヴェンの交響曲も演奏している。鈴木自身のチェロをはじめ、若松夏美のヴァイオリン、S. ホッホランドやK. ベゼイデンホウトのフォルテピアノ他、 多数の奏者を独奏(唱)に招いて協奏曲や歌曲を演奏した。浜離宮朝日ホールなどでの定期公演はライヴ収録され、アルテ・デラルコ・レーベルからリリース、演奏会とあわせて好評を博している。定期公演は浜離宮朝日ホールから東京文化会館を経て、2011年10月からは上野学園 石橋メモリアルホールで行われる。
2020年01月06日東京・新橋演舞場では本日1月3日から24日(金)まで市川海老蔵を中心に初春歌舞伎公演が行われる。昼の部は『祇園祭礼信仰記 金閣寺』と『御存 鈴ヶ森』、そして新作歌舞伎『雪蛍恋乃滝』。『金閣寺』では、片岡孝太郎が三姫のひとつ、雪姫を初役で勤める。見どころは、縄で縛られた雪姫が、足元に散った桜の花びらを寄せ、足指で鼠の絵を描こうとする場面。『鈴ヶ森』は江戸時代に刑場だった鈴ヶ森で幡随院長兵衛と白井権八が運命の出会いを果たす話。「お若いの、お待ちなせえやし」のセリフが有名だが、両者が初対面で相手の力量を測るように駆け引きをする緊迫感や、やがて心を許し合い太い絆に変わっていく様子が名作と言われるゆえんだ。今回は市川海老蔵の長兵衛に対し、権八は中村莟玉。襲名してから大きな役が続く莟玉が、権八の陰影をどこまで演じられるか注目される。昼の部最後は、秋元康の作・演出、田尾下哲・演出による新作歌舞伎『雪蛍恋乃滝』。「NINJA KABUKI」と銘打ち、照明デザインは、トニー賞ミュージカル照明デザイン賞に13度ノミネートされ、『ライオンキング』などで2度受賞をはたしたドナルド・ホルダーが手がけるなど話題満載。海老蔵の息子・堀越勸玄も出演が決まっている。夜の部は『神明恵和合取組 め組の喧嘩』と、『雪月花三景 仲国』。『め組の喧嘩』は、品川の遊所島崎楼で力士に恥をかかされた鳶頭辰五郎以下め組の面々が、相撲の千秋楽を待って命がけの喧嘩に向かう。喧嘩を前に息子又八と別れを惜しむシーンを、海老蔵と勸玄が実の親子で演じる。『雪月花三景』は「小督(こごう)物」のひとつで、高倉院と相愛ながら宮廷を出た女性・小督局と、彼女を探し出すよう院の命を受けた臣下・源仲国との物語。小督局は児太郎が勤める。仲国は海老蔵。娘の市川ぼたんも出演する。文:仲野マリ
2020年01月03日浅草新春歌舞伎が東京・浅草公会堂で、1月2日(木)に開幕する。“若手歌舞伎俳優の登竜門”として40年の歴史があり、浅草の正月の風物詩として親しまれている。通常の大歌舞伎公演に比べると上演時間が短く、初詣のついでにお正月イベントとして初めて歌舞伎を観るという人も多い。そんな人たちを意識して、各回冒頭につくお年玉〈年始ご挨拶〉では、演目のあらすじをわかりやすく話してくれる。マイク片手に楽しいトークを入れるなど、若者らしい工夫もこの公演の特徴だ。第1部最初の演目は中村橋之助による『花の蘭平』。刃物を見ると狂気の奇病を起こすという『蘭平物狂』を舞踊化したものだ。続いて菅丞相(菅原道真)の政治的失脚をめぐる『菅原伝授手習鑑』から『寺子屋』で、菅丞相に忠義を尽くす松王丸と、命懸けで偽首を差し出す源蔵の緊迫感みなぎる「首実検」の場面がハイライト。松王丸に尾上松也、もう一人の主人公とも言える源蔵は中村隼人が勤める。源蔵は失脚した主人・菅丞相の子息を我が子と偽り匿って寺子屋を営んでいたが、「首級を切って渡せ」と言われて身替わりに教え子の少年を殺そうとする。夫と共に運命を引き受ける妻・戸浪に中村米吉。松王丸の妻・千代は坂東新悟。第1部ラストの『茶壺』は狂言をもとにした舞踊劇だ。茶壺を持った男(中村歌昇)とすっぱと呼ばれる盗人(坂東巳之助)の掛け合いをユーモラスに見せる。第2部は時代物の義太夫狂言が2本。武智光秀(明智光秀)の謀反によって起こる光秀一家の悲劇を描いた『絵本太閤記』の『尼ヶ崎閑居の場』では中村歌昇が武智光秀を勤める。光秀の妻・操が坂東新悟。初陣にて命を散らす光秀の息子・十次郎が隼人、その許嫁・初菊が米吉。もう一本は『仮名手本忠臣蔵』全十一段のうちの七段目『祇園一力茶屋の場』。松也は第1部の松王丸に続き、「一力茶屋」でも大星由良之助(大石内蔵助)という大役を担う。いずれも、忠義心がありながらそれをひた隠しにして行動する人物だ。その肚(はら)が、安易に観客に見破られてはならないという難役でもある。お軽は米吉、お軽の兄・寺岡平右衛門は巳之助が勤める。浅草新春歌舞伎は1月26日(日)まで。 第1部が午前11時開演、第2部が午後3時開演。1月19日(日)第2部は恒例の「着物で歌舞伎」の回で、着物で観劇した人に記念品が贈呈される。文:仲野マリ
2019年12月31日お正月の風物詩であり、若手歌舞伎俳優の登竜門としても知られる『新春浅草歌舞伎』。今回は第1部に『花の蘭平』『菅原伝授手習鑑寺子屋』『茶壷』、第2部に『絵本太功記尼ケ崎閑居の場』(以下『太十』)『仮名手本忠臣蔵祇園一力茶屋の場』(以下『七段目』)を上演する。出演する尾上松也、中村歌昇、坂東巳之助の3人に話を聞いた。【チケット情報はこちら】歌舞伎初心者にも気軽に楽しんでもらおうと、古典の名作から、華やかで、クスっと笑えるような演目までがそろう浅草。『寺子屋』で松王丸を、『七段目』で大星由良之助を演じる松也は、「『寺子屋』は現代ではなかなか理解し難い状況ではありますが、逆にそこで親や兄弟、主人への忠誠心がより濃く滲み出ている作品だと思います。また『七段目』も『寺子屋』同様、人気演目のひとつ。お客様も心構えが必要かもしれませんが、その分僕らも熱い思いをもって取り組ませていただきます」と意気込む。『寺子屋』で春藤玄蕃、『茶壷』で田舎者麻胡六、『太十』で武智光秀、『七段目』で赤垣源蔵を演じる歌昇は、「『太十』は光秀が謀反を起こしたことによって、どういう悲劇を辿っていくのか。光秀の家族それぞれにスポットが当たっていく作品なので、ひとつの家族のドラマとしてお見せ出来たら」と語る。また『茶壷』で熊鷹太郎を、『七段目』で寺岡平右衛門を演じる巳之助は、「『茶壷』は本当に説明不要と言いますか、現代にも通じる、日本古来のコントのような作品です。どんな方でも肩肘張らずに楽しんでいただける演目だと思いますし、第1部の締めくくりなので、“歌舞伎って面白かったね”と思っていただける最後のひと押しとして機能してくれれば」と期待を寄せる。同世代ならではの和気あいあいとした雰囲気を見せる3人に稽古場での様子を聞くと「仲がいいだけに、このままの空気感でやってしまうと緊張感がなくなってしまう。みんな初役でもありますし、どの劇場よりも緊張感があるかもしれません」と松也。それに歌昇が頷き、巳之助も「若いからこそ本当に真面目ですよ」と笑う。また「町ぐるみで楽しんでいただける公演」と松也が語るように、上演時間が短め(その分観劇料も抑えめ)に設定されているため、芝居の前後にお正月感あふれる浅草を散策出来るのも楽しい。さらに「歌舞伎といえどもなかなか見られない景色。浅草のお正月らしくて素敵です」と巳之助が推すのは、恒例の「着物で歌舞伎」(1月19日(日)第2部に実施)。観客はもちろん、劇場スタッフも着物で出迎え、華やかな雰囲気の中で歌舞伎を堪能することが出来る。公演は2020年1月2日(木)より26日(日)まで、東京・浅草公会堂にて上演。チケットは発売中。取材・文:野上瑠美子
2019年12月20日令和2年目となる2020年。東京オリンピックも控え、日本はどんな年になるのか興味津々。2020年のスポーツ、芸能について、どんな質問にもタロットで詳しく答えてくれると評判の彌彌告(みみこ)さんに聞きました。活躍しそうなアスリートやタレントは!?来年の日本は、「前半はかなり明るいカード。オリンピックも世界的な評価が高く終われそう。特に5~7月は景気も好調。9月になると状況は一変。平和ムードから激動の時代に突入しそう」と予測。様々な価値観がガラッと変化していきそうな一年になるとか。気になる東京オリンピックでメダルを取れそうな競技は?「柔道は金貨のカードが出ていて、メダルを取れそうな気配です。特にウルフ・アロン選手の調子が良さそう。ラグビーや女子バドミントンも、いいところまでいくでしょう。個人ですと、BMXの内野洋平選手、スケボーの堀米雄斗選手、野球ならソフトバンクの高橋礼選手の活躍も期待できそうです」不祥事や電撃婚などの芸能ニュースが相次いだ’19年。来年は、「2.5次元系からブレイクする俳優が。九州出身や伝統芸能からもスターが生まれそう。『天気の子』の声優を務めた森七菜さんは九州出身で、相手役の醍醐虎汰朗さんともどもいいカードが出ました。伝統芸能で注目なのは、落語家の笑福亭希光さん」。ユーチューバーは引き続き人気で、「ライブ配信アプリの『BIGO LIVE』や『17 Live』からもTVに進出するスターが飛び出す」との予言も。みみこ代官山の占いサロン『kotodama処 彌彌告』の人気占い師。評判のタロットは40分¥10,000~。西洋占星術のメニューも。完全予約制。TEL:080・2030・7078※『anan』2019年12月25日号より。イラスト・SANDER STUDIO取材、文・さかいもゆる(by anan編集部)
2019年12月19日展覧会「古典×現代2020ー時空を超える日本のアート」が、東京・六本木の国立新美術館にて2020年6月24日(水)から8月24日(月)まで開催される。古典×現代作品で迫る日本美術の“豊かさ”「古典×現代2020ー時空を超える日本のアート」は、日本の古い時代の美術と現代美術を合わせて紹介することで、日本美術の豊かさと魅力を新しい視点から探る展覧会だ。古典と現代の作品計8組会場では、葛飾北斎や尾形乾山、伊藤若冲といった江戸時代以前の巨匠による作品を、しりあがり寿、皆川明、河内倫子といった現代日本を代表するクリエイターの作品と組み合わせた8組を展示。中には、横尾忠則や菅木志雄らの作品も登場する。世界観や主題、造形、制作方法など、時代を超えた共通点を探る。光をあてるのは“古き”と“新しき”の共通点だけではない。北斎を代表する〈冨嶽三十六景〉をもとに、ユーモアや社会批評的な視点を加えて再解釈したしりあがり寿の〈ちょっとおかしなほぼ三十六景〉など、インスピレーションやパロディを通して、過去の美術に現代的な息吹を注ぐ作家たちの姿にも焦点を当てる。デザインや陶芸など幅広く紹介また本展では、狭い意味での美術に限らず、多彩な分野に目を向け、日本の創造性の豊かさを横断的に紹介。近世以前からは、仙厓義梵の墨絵《円相図》や若冲の鮮やかな花鳥画《紫陽花白鶏図》といった絵画だけでなく、尾形乾山の装飾的な陶芸や、江戸時代の僧・円空が手掛けた木彫りの仏像などを展示する。一方現代のクリエイターは、ミナ ペルホネン(minä perhonen)のデザイナー・皆川明や、日本の新国立競技場コンペで出した“古墳スタジアム案”などで知られる建築家・田根剛をはじめ、美術だけでなく建築やデザインの領域からも選出されている。新作やインスタレーションもそうした現代のクリエイターが生み出す、新作や新しいインスタレーションにも注目。破天荒で大胆な作風で知られる江戸時代の絵師・曾我蕭白に着想を得た新作を出品する横尾忠則をはじめ、古典作品に多彩なかたちで応答する現代作家の世界に触れることができる。展覧会概要展覧会「古典×現代2020ー時空を超える日本のアート」会期:2020年6月24日(水)〜8月24日(月)※当初3月11日(水)〜6月1日(月)の開催を予定していたが変更会場:国立新美術館 企画展示室2E住所:東京都港区六本木7-22-2休館日:毎週火曜日開館時間:10:00〜18:00※入場は閉館の30分前まで観覧料:一般 1,700円(1,500円)、大学生 1,100円(900円)、高校生 700円(500円)、中学生以下 無料※( )内はおよび20名以上の団体券※障害者手帳を持参の方(付添1名を含む)は入場無料※都合により掲載作品が出品できない場合あり※会期中、一部作品の展示替えあり※最新情報は公式サイトを確認【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2019年12月16日平成3年に哲学者の梅原猛と市川猿翁(当時は三代目猿之助)が創り上げた伝説のスーパー歌舞伎『オグリ』。その伝説の作品が、スーパー歌舞伎II(セカンド)『新版 オグリ』として生まれ変わる。来年の博多座(福岡)、南座(京都)公演に向けた取材会に市川猿之助(四代目)と中村隼人が出席し、意気込みを語った。【チケット情報はこちら】猿之助は、遠方地域から来場する観客にも配慮しつつ、東京公演よりも「時間を短縮します」と宣言。と言っても、もちろん無理やり削るわけではなく「(東京で)2か月やって、ここはいらない、ここは増やしたいというところが見えてきました。初演は“あれもやりたい”“これもやりたい”といろいろ詰め込むけど、今度は凝縮していきます」とより洗練した『オグリ』を見せるべく意気込む。束縛を嫌い、心のままに生きる小栗判官が、地獄や現世を渡り歩くさまを描く本作。伯父の手による、もはや“伝説”と化している舞台と比較されることになるが猿之助は「こだわりは“前作にとらわれないこと”。過去って美化されがちだけど、“昔はよかった”という言葉は気にしないように」と独自の世界の構築に自信をのぞかせる。猿之助、隼人が小栗判官と遊行上人を交互に演じるが、互いの小栗判官の印象を尋ねると、猿之助は「等身大の飛ぶ鳥を落とす勢いのある若さが(役と)重なる」と隼人を称賛。一方、隼人は「猿之助兄さんの小栗判官を見て、自分にはまだまだ及ばないと感じるのは、人々の心を煽り立て、幸福をかき乱し、リーダーシップをとって、考えの違う人も変えてしまうようなところにあるんだと思います」と、そのカリスマ性を改めて感じている様子。物語について、隼人が作品中でスマホが出てくることに触れ「誹謗中傷をする人たちって相手がどうなるかって考えずにやることが多いですよね。これは現代のネット社会を描いているのかなと。直接手を下さなくてもそうなるツールを持っている事に、何かを感じてもらえたら」と語る。一方、猿之助は「この作品では、本当に今の生き方でいいんですか? あなたは今、本当に幸せ?と問いかけている」と語った。取材会では猿之助が、九州から来た記者に博多のなじみの店の名をあげつつ「いま、街の賑わいはどうですか?」と逆質問するひと幕も。「(自身の公演をいい流れに)つなげられたら」と語るなど、自身の公演や歌舞伎だけにとらわれず、福岡、そして九州のエンターテイメント全体を盛り上げていこうとする強い気持ちを感じさせた。福岡公演は、2月4日(火)から25日(火) まで博多座で上演。チケット発売は12月14日(土)、プレリザーブは12月12日(木)11:00まで受付中。その他、京都公演は12月13日(金)発売。
2019年12月11日本日12月2日に初日を迎える東京・歌舞伎座の十二月大歌舞伎。昼の部ではトリプルキャストの『阿古屋』が話題だ。『壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)』のハイライト「阿古屋」は遊君阿古屋が恋人・景清の居所を知っていて隠しているかを確かめるため、尋問の場で琴・三味線・胡弓の3曲を弾かされるという場面。阿古屋を演じるということは、おのずと舞台の上で実際に3つの楽器を自在に操れなければならない。そのため「女方屈指の大役」と言われ、20年以上、坂東玉三郎だけがこの役を担ってきた。昨年玉三郎が若手の中村梅枝と中村児太郎に稽古をつけ、舞台にも上げてから一年。今回もBプロは梅枝と児太郎が8日ずつ阿古屋を勤める。Aプロは初日と千穐楽を含む9日間で、阿古屋は玉三郎。Aプロでは梅枝と児太郎は『村松風二人汐汲(むらのまつかぜににんしおくみ)』、Bプロでは玉三郎が『保名』を踊る。玉三郎が『保名』に出演するのは1993年の歌舞伎座以来、26年ぶりとなる。A・B共通の『たぬき』は市川中車主演。死んだと思ったが焼き場で息を吹き返した商家の婿養子・金兵衛は、家に帰らず妾と第二の人生を送ろうとするが、待っていたのは描いた青写真と違う未来。可笑しくもほろ苦い人情喜劇だ。夜の部の『本朝白雪姫譚話(ほんちょうしらゆきひめものがたり)』は、グリム童話『白雪姫』を翻案したもの。玉三郎が白雪姫で、鏡の精が梅枝、野分の前(継母)が児太郎という配役だ。2007年5月に歌舞伎座で行われた俳優祭でも『白雪姫』を上演しており、その時も玉三郎は白雪姫役で出演したことがあるが、今回は本格的な歌舞伎として作り直すという。夜の部もう1作品は、『神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)』。江戸時代に多分野で活躍した才人、平賀源内が「福内鬼外」のペンネームで描いた浄瑠璃の傑作で、渡し守頓兵衛の娘お舟の悲恋を描く。お舟を梅枝、お舟が一目惚れする義岑に坂東亀蔵、義岑の命を狙うお舟の父親・頓兵衛を尾上松緑が勤める。12月26日(木)まで。文:仲野マリ
2019年12月02日歌舞伎俳優の市川海老蔵が監修・主演を務める「スター・ウォーズ歌舞伎」に、長男・堀越勸玄くんも出演し、親子共演が実現することが19日、明らかになった。「スター・ウォーズ」シリーズ完結編『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(12月20日日米同時公開)の公開を記念して開催される「スター・ウォーズ歌舞伎」は、「スター・ウォーズ」の世界観を表現する映像演出と、日本の伝統芸能である歌舞伎が融合した1日限りのスペシャルパフォーマンス。映画シリーズの根幹をなすスカイウォーカー家の「家族の愛と喪失」をテーマに描く。海老蔵が演じるのは、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』より登場し、祖父ダース・ベイダーの遺志を受け継ぎ、銀河の圧倒的支配者となったカイロ・レンを歌舞伎の世界で描く“魁 煉之介(かい れんのすけ)”。魁煉之介は父親である半蔵(ハン・ソロ)との親子関係に葛藤し、上司である敷能角(スノーク)との確執、そして唯一無二のジェダイマスターにして師でもある琉空(ルーク・スカイウォーカー)との関係に悩み、正義と悪の狭間で揺れ動く人物。勸玄くんは、海老蔵演じる魁煉之介の幼少期を演じる。家柄と世襲という実際の血縁関係によって演技の技が受け継がれる歌舞伎では、劇中の人物の内面の葛藤を表現するために、主演俳優の実際の親や子の俳優をその人物の分身として登場させて、その役柄の心理を象徴的に表現する。大の「スター・ウォーズ」ファンとして知られる海老蔵は、父である市川團十郎さんと初めて映画館で観た作品が「スター・ウォーズ」であったこと、そして実の息子である勸玄くんが今回出演するということで、父から子へ世代を超えて受け継がれる「スター・ウォーズ」とのさらなる深い縁を感じさせる。海老蔵は「この度、息子の堀越勸玄が11月28日に開催するSTAR WARS歌舞伎に出演する運びとなりました。彼が演じるのは私が演じる魁煉之介の幼少期になります。映画でも描かれる事のなかった、あのカイロ・レンの揺れ動く幼少期の心情を表現する難しい役どころになります。スター・ウォーズは我々家族にとっても大切な作品であり、『最後のスター・ウォーズ』のプロモーションに親子で出演させて頂くことに、この上ない喜びを感じています。是非、ご期待くださいませ」とコメントしている。同公演は、11月28日に都内某所にて開催予定。(C)2019 ILM and Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
2019年11月20日昨年の新開場から1年を経た京都・南座。令和元年の「吉例顔見世興行」は、一周年記念を祝うにぎやかな演目と華やかな出演者がズラリと並ぶ。今回は昨年に引き続き、十五代目片岡仁左衛門が、息子・孝太郎、孫・千之助とともに、松嶋屋三代で出演するのが見どころのひとつだ。昼の部で『仮名手本忠臣蔵』「祇園一力茶屋の場」の大星由良之助、夜の部では『堀川波の鼓』で小倉彦九郎を勤める仁左衛門が、取材会で思いを語った。當る子歳 吉例顔見世興行」チケット情報『仮名手本忠臣蔵』は、討ち入りで有名な忠臣蔵の事件をモチーフに全十一段で描く物語で、「祇園一力茶屋の場」は通称“七段目”。討ち入りが噂されるなか、祇園の一力茶屋で遊びにふける大星由良之助のもとへ、息子・力弥が密書を届けに来る。遊女となって店にいたお軽が、それを盗み読みしているのに気付いた由良之助は…という物語だ。由良之助の仁左衛門に、お軽の孝太郎、力弥を初役で千之助が演じる。「役者の家に生まれてこの配役でできるのは本当にうれしいです。おそらく、三代そろっての七段目でこの組み合わせは歌舞伎史上初めてだと思うので、これまでにない楽しみがありますね」と喜びながら、千之助を心配する。「忠臣蔵の中でも、七段目の力弥が一番やさしそうに見えて一番難しい。どれだけやれるか、ひとつの試金石になります。まだこれからだから、荷が重い。でも、役者は経験していかないと成長しないものですから」。伸び盛りの千之助の演技にぜひ注目を。また、由良之助の役については「雰囲気が必要。遊興に浸っている雰囲気を、作るのではなく醸し出せるように。演技力ではなく、身に付いたものがものを言うので非常に難しいですね」と語る。9回演じてきたが「七段目は完成度が高く、特に変えようと思って変えたところはないですね。やっている間に、その時の自分の気持ちで自然と変わっていくんです」という仁左衛門の至芸を堪能したい。夜の部『堀川波の鼓』も仁左衛門が好きな狂言だ。夫・彦九郎が単身赴任中、酒の勢いで過ちを犯した妻・お種を軸に描く人間ドラマ。「彦九郎はお種に怒りはなく、同情も哀れみもある。しかし、武士として成敗しないといけない。そこにドラマの深さがあります。彦九郎の心が凝縮された最後の一言に、お客様も涙してくださるんじゃないかな」。夜の部最後の演目は『越後獅子』。昨年は中村鷹之資とふたりで『千社祭』を演じた千之助が、今年は中村隼人、橋之助、梅丸改め莟玉(かんぎょく)の若手4人で勤める。仁左衛門は「こんな企画をこれからもどんどんやっていただきたい」と、若手の成長に期待し応援している。取材・文:高橋晴代
2019年11月13日歌舞伎役者の市川海老蔵(41)が11月28日に東京都内で「スター・ウォーズ歌舞伎」を上演すると発表された。本作は海老蔵が監修・主演を務め、映像技術と歌舞伎を融合させた特別パフォーマンスだという。この意外なコラボレーションが、ネットで反響を呼んでいる。《スターウォーズ歌舞伎、海老蔵さんがカイロレンやるのもびっくりだし、タイトルが『煉之介光刃三本』なのも良いな…… レン之介》《スター・ウォーズ歌舞伎?面白そうじゃないか。 元々、スターウォーズは日本の影響受けているというし、相性良さそう》《スターウォーズ歌舞伎めっちゃくちゃ面白そうだな……》海老蔵が演じるのは祖父ダース・ベイダーの遺志を受け継ぎ、銀河の圧倒的支配者になった「カイロ・レン」。ハン・ソロを父親に、ルーク・スカイウォーカーを師に持つ正義と悪の狭間で揺れ動くキャラクターだ。本作はシリーズ第7、8作目のポイントとなった3シーンを中心に、「家族の愛と喪失」をテーマに3部構成で上演するという。そんな海老蔵は4日にブログを更新し、本作を上演することを報告した。《この度私、スターウォーズさんから白羽の矢が立ちまして、シリーズ完結編の公開記念にスターウォーズ歌舞伎つとめる事になりました。私自身 監修 主演を仰せつかり身の引き締まる思いです。是非見に来てくださいませ》海老蔵といえば、スター・ウォーズファンとしても広く知られている。また海老蔵は、父・團十郎さん(享年66)と初めて映画館で観た作品が本シリーズ1作目だったという。さらに、18年に公開された「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」では、日本語吹替版に声優でのカメオ出演も果たした。このような新たな試みに期待が高まるいっぽうで、本作は12月20日公開予定のシリーズ完結編「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」の公開を記念した1日限りのパフォーマンスだ。そのためにこんな声も上がっている。《1日だけ!?もったいないー!》《観たい。でも1日限りではチケットも到底手に入るまい》《スターウォーズ歌舞伎って1日だけなんか!激レアすぎるな!》
2019年11月04日歌舞伎俳優・尾上菊之助が新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』に挑む。宮崎駿の全7巻の漫画を原作に、映画版では描かれなかったすべてのストーリーを、昼の部・夜の部通しで上演。あの壮大な物語がどう歌舞伎になるのか。座頭として一座を率いながらナウシカを演じる菊之助の挑戦に、期待が募る。【チケット情報はこちら】宮崎駿が『風の谷のナウシカ』の連載を始めたのが1982年。原作の2巻の途中までを映画化して話題となったのが1984年だった。描かれているのは、戦争によって産業文明が滅んでなお、人間同士が争う世界。主人公の少女ナウシカは、人々が恐れる巨大な蟲や有毒な瘴気を発する腐海と親しみながらその世界に希望を求めていく。「宮崎監督が原作を書かれてから30年以上経ちましたが、このディストピア(反理想郷)のなかで描かれる、環境、エネルギー資源、遺伝子操作、核、戦争といった問題は、変わらず考えていかなければいけない普遍的なテーマだなと改めて思います。歌舞伎もまさしく普遍的なテーマを持つものが古典として残ってきました。また、歌舞伎には『仮名手本忠臣蔵』『菅原伝授手習鑑』『義経千本桜』など丸1日かけて上演する通し狂言という上演方法があり、この物語のスケールの壮大さはそれに匹敵すると思ったんです」。この作品を歌舞伎にしたいと考えた理由を菊之助はこう語る。確かに、歌舞伎と『風の谷のナウシカ』、意外に遠くないのかもしれない。では、具体的にどのように進めてきたのか。「たとえばナウシカの衣裳に関しては、パッと観た瞬間にナウシカだとわかるように漫画に寄り添っていこうと思っています。漫画そのままではなく、青い色、ブーツ、手袋などのエッセンスを抽出して歌舞伎と上手く融合できればと思っています。それから、王蟲や巨神兵といった大きな生き物たちは、歌舞伎でもキツネや猪などのいろんな生き物が出てきますので、その延長線上の表現方法で考え、登場させようかと考えています。また、映画版に登場した音楽も、古典歌舞伎の黒御簾音楽をベースに、一部和楽器の編成で演奏します」と、菊之助のなかにはすでに構想がある様子。そして何より頼もしいのが、「古典の技法が必ず力になると思っているんです」という言葉だ。「新作歌舞伎を創作するときに助けになるのは、やはり古典の蓄積だと思っています。『風の谷のナウシカ』のあらすじをざっと大づかみして来ていただければ、あとはもう歌舞伎の世界にどっぷり入って楽しんでいただけるはずです」。400年もの間、様々な人間と物語を表現してきた歌舞伎である。『風の谷のナウシカ』の真髄がそこに見えてきても不思議はない。公演は12月6日より新橋演舞場にて。チケットは10月19日(土)より一般発売。取材・文:大内弓子
2019年10月18日展覧会「西洋近代美術にみる 神話の世界 ―生き続ける古典古代―」が、群馬県立近代美術館にて、2020年2月8日(土)から3月22日(日)まで開催される。ルネサンス以降、宮廷人や君主の宮殿や邸宅を飾る美術の主題として人気を博したギリシャ・ローマ神話。市民階級が主役となる近代においても、各時代に合わせて多彩な作品を生みだす土壌を育み続けてきた。「西洋近代美術にみる 神話の世界 ―生き続ける古典古代―」では、18世紀半ばから20世紀にかけての作家に焦点をあて、ギリシャ・ローマ神話や古典古代を主題とする絵画や彫刻、版画を紹介する。古代遺跡の発掘が進んだ18世紀において、ヨーロッパ文明のルーツとしての古代ギリシャ・ローマの重要性が再認識される。その後19世紀の美術制度では、神話は歴史・聖書とともにもっとも正統な主題の1つとなる。本展では、日本初公開となるレイトンの《月桂冠を編む》をはじめ、アングルの《ユピテルとテティス》などを展示し、甘美な古典の世界を紹介する。20世紀に入るとヨーロッパの人びとは、失われた自然への郷愁、そして2つの世界大戦による分断を経験する。会場ではデュフィの《アンフィトリテ(海の女神)》やピカソ、ルノワール、シャガールらの作品を通し、神話や古代の理想郷へと馳せた人びとの思いを垣間見られるだろう。【詳細】展覧会「西洋近代美術にみる 神話の世界 ―生き続ける古典古代―」会期:2020年2月8日(土)~3月22日(日)休館日:毎週月曜日(ただし2月24日(月)は開館)、2月25日(火)開館時間:9:30~17:00 ※入館は閉館30分前まで会場:群馬県立近代美術館住所:群馬県高崎市綿貫町 992-1入場料:一般 820円(650円)、大高生 410円(320円)、中学生以下 無料※( )内は20名以上の団体料金※障害者手帳を提示の本人と同伴者1名は無料【問い合わせ先】群馬県立近代美術館TEL:027-346-5560
2019年10月12日梅原猛と市川猿翁が平成3年(1991年)につくり上げ、演劇界に新風を巻き起こした伝説のスーパー歌舞伎『オグリ』。令和元年の今年、スーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)『新版 オグリ』として装いも新たに上演される。注目は、市川猿之助・中村隼人の二役交互出演だ。芸の引き出しが豊富な猿之助が、猿翁の築いた『オグリ』の世界観を熟知した上で自らの構想をどのように展開するのか、その猿之助により主演に指名された若手・隼人が、旬の勢いでどこまで猿之助に肉薄できるのか?競演によってそれぞれの魅力が浮き彫りになるだろう。前作のスーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』は動員40万人を超える大ヒットとなった。今回も各ジャンルから精鋭のクリエイティブスタッフが集結している。脚本は『八犬伝』や『カグヤー新竹取物語ー』などのスーパー歌舞伎を手がけた横内謙介、演出は「木ノ下歌舞伎」で多くの古典歌舞伎を新解釈で換骨奪胎させている杉原邦生。客席左右同時の両宙乗りのスペクタルな演出も楽しみの一つだ。キャストも歌舞伎俳優以外から多数起用。『ワンピース』で活躍した浅野和之や下村青のほか、蜷川演劇でおなじみの高橋洋やベテラン俳優・石橋正次の初参加も注目を集めている。物語は、武芸学問に通じた美貌の若者・藤原正清(後に小栗判官=オグリ、市川猿之助・中村隼人のWキャスト)が、「なんでも手に入る」勘違いから地獄に落とされ、逆に「持たざる者」として現世に送り返され生き直すという構成。輿入れ行列から奪取した照手姫(坂東新悟)と強く惹かれ合い夫婦となることを誓ったものの、姫の父に拒否されてオグリは殺されてしまうのだった。顔も手足も重い病に侵された姿で生き返ったオグリは、遊行上人(市川猿之助・中村隼人のWキャスト)の導きで善意の人が曳く土車に乗り、熊野を目指す。道中偶然にも照手姫と再会するが、姫はオグリに気づかない……。一見奇想天外なオグリと姫の人生に、恵まれ過ぎる現代の若者たちの、本当の自由や幸せを探し続ける満たされない思いを重ねていくという。衣裳などにもストリートファッションを取り入れるとか。江戸時代の庶民なら誰もが知っていたという説経節「小栗判官ストーリー」が、現代の若者の物語としてどのように展開していくのか楽しみだ。公演は10月6日から11月25日まで東京・新橋演舞場、来年2月に福岡・博多座、3月に京都・南座で上演される。文:仲野マリ
2019年10月06日2000年(平成12年)の東京・浅草に始まり、大阪、名古屋、さらには日本を飛び出してニューヨークなどでも上演されてきた「平成中村座」。いよいよ11月、令和最初の公演として九州に初お目見えする。創設者である父・十八世中村勘三郎の思いを受け継ぐ中村勘九郎が、会場予定地に隣接する小倉城で意気込みを語った。【チケット情報はこちら】「父は常々、歌舞伎をまだ観たことがない多くの方々にも面白い芝居を見せたいと言っていました。特設劇場の平成中村座ならどこへでも行けるし、舞台と客席の距離も近い。浅草で初演した時の本当に嬉しそうな父の横顔を今でも覚えています。あれから19年、試行錯誤を重ねながら、父の夢をみんなで形にしてきました。今回、ようやく九州での公演が決まってとても楽しみですし、身の引き締まる思いです」昼の部は、歌舞伎の醍醐味が詰まった見取り狂言。『神霊矢口渡』では中村七之助が初役でお舟を勤める。「いつか七之助で観たいと思っていた情念溢れる作品」と勘九郎も期待を寄せる。続く『お祭り』は清元節による華やかな舞踊が楽しめる演目だ。「なかなか祖父のようにできないと言っていた父が、ようやく汗をかかずにできるようになったのが50歳を過ぎてから。僕はまだ37歳ですが、今できる僕の『お祭り』をお見せしたい」と表情を引き締める。そして三本目は『恋飛脚大和往来封印切』。「第2回平成中村座で、本興行とは別の若手の試演会で(中村)獅童さん、七之助と『義経千本桜』を演じました。大役を終えた時、またやりたいねって握手して。18年後にまたこの3人で本興行の舞台に立てるのは感慨深いですね」夜の部は、ご当地小倉のお家騒動を描いた通し狂言『小笠原騒動』。本水を使った大立ち回りや早替りがあるケレン味あふれる作品だ。「小倉でやると決まった時に、これしかないと思いました。おじの芝翫が演じるのを観てすごく感動したんです。水がかかるよう(笑)、最前列で観たこともあります。」勘九郎や七之助が二役を演じ分けるのも見どころで、「僕は大悪党・犬神兵部と、彼に翻弄される小悪党・岡田良助を演じます。良助一家の愁嘆場は皆で相談しながら作りあげたいです」“江戸の芝居小屋”にタイムトリップしたかのような気分が味わえる平成中村座。お客様を楽しませる仕掛けも満載で、十八世にちなんだ十八個の勘三郎の目が場内のあちこちに描かれた“隠れ勘三郎”もそのひとつ。また、小屋の周りには、平成中村座最多の店舗数となる「二十軒長屋」が設けられ、一般客にも開放される。「チケットがなくても江戸の文化に触れることができます。『お祭り』と『小笠原騒動』では、舞台の後ろを開けて外が見えるという演出があるので、中の方も外の方も(笑)どうぞお楽しみに!」「平成中村座小倉城公演」は11月1日(金)から26日(火)まで北九州市・小倉城勝山公園内特設劇場にて開催。チケットは9月21日より発売。
2019年09月17日NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』に出演している中村勘九郎が来阪。弟・中村七之助とふたりが中心となり、中村屋一門で行う毎年恒例の全国巡業公演「錦秋特別公演2019」の会見に臨んだ。今回、関西では堺、京都、神戸で上演、全国14か所を巡演する。歌舞伎を観る機会の少ない地方に「自分たちが全国各地に足を運び、たくさんの方に歌舞伎を観てもらおう」とスタート、15周年を迎えた今年で47都道府県制覇となった。「中村勘九郎 中村七之助 錦秋特別公演 2019」チケット情報今回のプログラムは『芸談』から始まり3演目を上演。幕開きは、勘九郎と七之助がスーツ姿で登場し、素顔で語る人気のトークショー『芸談』だ。観客の質問コーナーもあり、芸談からプライベートな話まで楽しく盛り上がる。「初めて歌舞伎をご覧になる方の緊張を少しでも和らげ、リラックスした状態で後の演目をご覧いただきたい」。そして、まずは中村屋の門弟一同でにぎやかに踊る『艶紅曙接拙 紅翫(いろもみじつぎきのふつつか べにかん)』を上演。「江戸の風物詩を織り込み、物売りもたくさん出て来て、さまざまな役が登場する、ビジュアルで楽しんでいただける演目です」。次に『三ツ面子守(みつめんこもり)』。背負った子供をあやすため、子守の娘がおかめ・えびす・ひょっとこの3つのお面を素早くかけ替えて軽妙に踊る。「歌舞伎を代表する舞踊のひとつで、子守の役として踊り分けをするというテクニック的にも難しい踊りです」。この公演でおなじみの中村鶴松が修行を重ね、「うまくなってきました。大抜擢で踊ってもらいます」。最後は、羽衣伝説をもとにした『松廼羽衣(まつのはごろも)』。松の枝にかけられた天女(七之助)の羽衣を取った漁師の伯竜(勘九郎)が、羽衣を返す代わりに舞を所望し、天女は優美に舞いながら天へと帰って行く。「ファンタジーにあふれたお話を、常磐津でしっとり踊ります。常磐津舞踊の中でも本興行でかかることが少ない演目。この公演ではそういうものも大事にしていきたいと、チョイスしました。七之助とふたりでしっかり踊るのは約1年半ぶりなので、楽しみです」。錦秋特別公演をきっかけに、歌舞伎に興味を持ち、南座や大阪松竹座へ足を運ぶようになった人も増えている。「続けてきてよかった」と言いつつも「どの劇場でも、初めて生で歌舞伎を観る方が7割ぐらいいらっしゃるので、まだまだだな、と。今年、15周年を迎えましたけれど、やはり初心を忘れずにやってくことが一番ですね。マラソンランナーの役をやっていたので持久力がつき、体力的には結構上がったんじゃないかな。番組をきっかけに来てくださるお客様も多いと思いますので、いい意味で期待を裏切りたいと思っています」。公演は10月18日(金)大阪・フェニーチェ堺 大ホール、10月19日(土)京都・ロームシアター京都 メインホール、10月20日(日)兵庫・神戸国際会館 こくさいホールにて上演。その他、全国を巡演。取材・文:高橋晴代
2019年09月12日11月5日(火)から25日(月)までBunkamuraシアターコクーンにて、市川海老蔵第五回自主公演「ABKAI 2019~第一章FINAL~『SANEMORI』」が上演される。その製作発表会見に十一代目市川海老蔵が登壇した。【チケット情報はこちら】「ABKAI(えびかい)」は、海老蔵が“伝統の継承”と“新時代の歌舞伎の創造”の融合を目指し、2013年夏に初めて自らが企画・製作を行った舞台。歌舞伎を縁遠く感じていたり、舞台を観る機会の少ない方々でも、気軽に足を運んで歌舞伎を楽しめるよう、日本昔話や古事記など、幅広い世代に馴染みのある題材を扱ってきた。十一代目市川海老蔵として最後の「ABKAI」となる今回は、『SANEMORI』と題し、「源平布引滝 (げんぺいぬのびきのたき)」より「実盛物語」を主軸とした、新たな歌舞伎の舞台を創り上げる。「実盛物語」は、平家に仕えながらも源氏に忠を尽くさんとする斎藤実盛の生き様や、ドラマ性があふれる、時代ものの名作と称される作品だ。舞台を中心に活躍するジャニーズJr.の人気急上昇中ユニット「Snow Man」から宮館涼太と阿部亮平が出演するのも見どころのひとつ。若い世代にも歌舞伎の楽しさや醍醐味を感じてもらう狙いがある。FINALの演目として「実盛物語」を選んだことについて海老蔵は、「源平の戦いの中での白旗の重み、それを守るために命を懸ける人々の様をクローズアップした作品。歌舞伎の良さが詰まった作品だが、その面白さがなかなか分かりづらく、もっと分かりやすい演目に仕立てたいと以前から考えていた」とその理由を語った。真剣に見どころを語る一方で、「『ABKAI』という名前は海老蔵だからではなく、自分自身がAB型であることが由来で、市川團十郎を襲名しても『ABKAI』は続く」と発言し、会場の笑いを誘う場面も。共演する「Snow Man」の宮館、阿部については、「立ち回り、動きの面での活躍を楽しみにしている。彼らから学ぶことが沢山あると思っている」と、期待を滲ませた。最後は、「多くのお客様に来ていただけるよう努力をしながら、古典を継承していくことが歌舞伎界にとって1番大事。また、弟子たちが活躍できるような公演を企画することで、若手にも希望のもてる歌舞伎界にしていきたい」と公演の意義を語り、会見を締めくくった。チケットぴあでは、9月8日(日)から一般販売が開始される。取材・文:松崎 優美子
2019年09月04日鶴屋南北の怪談物の代表作、通し狂言『東海道四谷怪談』が9月の南座に登場。片岡愛之助、中村七之助、市川中車の豪華初共演で、関西では26年ぶりの上演となる。「南座新開場記念 九月花形歌舞伎」チケット情報初演は文政8年(1825年)、江戸中村座。当時は赤穂義士討ち入りの時代物『仮名手本忠臣蔵』の外伝として互いのエピソードを交互に上演することで、より時勢に翻弄される人間ドラマが浮き彫りとなり、階級社会の不条理や人間の業が際立つ効果をもたらした。その上で、『東海道四谷怪談』は毒を飲まされたヒロインお岩が、櫛で髪をすくたび毛が抜け落ちる有名な「髪梳き」の場面、戸板に縛られた男女ふたりの遺体をひとりの演者が早替えで見せる「戸板返し」、さらに恐怖をあおる演出「提灯抜け」など、歌舞伎ならではの仕掛けがたっぷり。エンタテインメント性溢れる歌舞伎入門編としても、今日まで不動の人気を集めている。「非常に生々しい人間の思いが描かれた、鶴屋南北ならではのキャラクター。七五調に流されない台詞も独特で、言葉から役の真意が伝わってくる」とは、ヒロインを邪険にする夫、民谷伊右衛門役の愛之助。塩谷判官(浅野内匠頭)の元藩士の娘お岩と結婚しながらも、後に藩取り潰しの背景もあり、敵対する高師直(吉良上野介)の家臣の孫娘お梅と再婚。刹那的に己の欲に生きる悪役だ。「同時にお梅が惚れるような素敵さも必要になってくる代表的な色悪。見得や立廻りではなく、存在自体で魅せるような重要なお役なので難しい」。一方、夫が犯人とは知らず、伊右衛門に父親殺しの仇討ちを頼み献身的に尽くすお岩役の七之助は、前半の役作りが肝になると言う。お岩は100%伊右衛門を愛していた。そこを前半でしっかり描くことで、裏切られたと知った後半からの爆発が生きてくる。『恥ずかしい』と泣くのは、武士の娘のプライドだと思います」。悲劇の背景にあるのは、上層部の事件以来一変した生活の貧しさだ。「お岩は産後の病で死にそうだし、子供は泣き叫ぶ。人間強くはないですから。伊右衛門のイライラは現代にも通じるものだと思う。お岩もあの時代、女ひとりが子連れで家を出ればのたれ死ぬほかない。殴られても伊右衛門に頼るしかなかった。その意味では全員に共感できるお芝居かもしれません」。七之助はその他、男女3役を演じ分ける。市川中車との三者初共演も話題の本作。近年、中車とは夫婦か恋人役が多いという七之助は、「目を瞑ってでも芝居のキャッチボールができる。今回は3人でどんな化学変化が起きるのか楽しみ」と笑う。愛之助は3人で物語を日々進化させたいと意気込みつつ、七之助の美貌にも触れる。「美しさと怖さは紙一重。視覚的な怖さはもちろん、人間の精神的な怖さも見どころのひとつです」。公演は9月2日(月)から26日(木)まで、京都・南座にて上演。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2019年08月27日ファッションやカルチャー雑誌に連載を持ち、ラジオパーソナリティーも勤める次世代の歌舞伎俳優、尾上右近。名優六代目尾上菊五郎を曾祖父、往年の映画スター鶴田浩二を祖父に持ち、父親は清元節の宗家・清元延寿太夫。昨年、自身も七代目清元栄寿太夫を襲名。現在、歌舞伎俳優にして清元の太夫でもある、初の“二刀流”を貫くパワフルな開拓者だ。「第五回 研の會」チケット情報「20代は特に限界を超えることで伸びしろが出てくる時期。無理と分かっていることも存分にチャレンジしたい」と右近。実践の場として、2015年より毎年上演するのが自主公演『研の會』だ。今年は第5回の節目とあって、四代目市川猿之助が芸術監督を勤める京都芸術劇場春秋座を会場に、シリーズ初となる東京・京都、2都市での開催を実現する。演目は、右近が弁天小僧を演じる『弁天娘女男白浪』と、猿翁十種より舞踊『酔奴』。『弁天娘~』は高祖父の五代目菊五郎が19歳で初演後、代々の菊五郎に受け継がれる音羽屋のお家芸だ。右近が10代前半で今の菊五郎の元へ勉強に入り、舞台袖から初めて観たのもこの芝居だった。「これから自分は尾上右近としてやっていくのだと、子供心にも意識した憧れの根本にあるようなお芝居です」。物語は痛快な義賊もの。5人の盗賊が七五調で名乗りをあげる演出は、秘密戦隊ゴレンジャーなど後のヒーロー番組にも影響を与える。片や『酔奴』は、雪の中で酔っぱらった男がいろんな人間に扮する様を踊りで表現する。右近の義太夫の師匠、鶴澤藤蔵ら文楽座の特別出演で贈る。「猿之助のお兄さんに澤瀉屋のお家芸をご提案いただき、春秋座でやらせていただけることに。ご縁として繋がりがあってありがたいなと。技術としては難しいですが、踊りは見る人の解釈に委ねられるのが最大の魅力。散々おどけていた男が最後はふと正気に戻ったような顔になる。流れる胡弓の音色も絶妙で。僕は田舎育ちの男の寂しさがほんのり香って切なくなるけど、どう感じていただけるのか楽しみです」。共演に中村梅丸ら後輩が出演するのも今回が初めて。20代後半となり、いずれは後輩を引っ張る立場になることも「ほんのり意識し始めた」と笑う。自身の生まれる以前と以後の2つのルーツに由来する演目を得て、さらなる高みを目指す。「『弁天娘~』は何百年も続く歌舞伎の古典が、現代の漫画にもありそうな面白さだったり、衣裳や舞台に見る色彩の美しさなど、歌舞伎を初めてご覧になる方にも楽しめる要素がいっぱい。チラシは『弁天娘~』が東映の任侠映画、洒落の踊り『酔奴』が三枚目なのに色気がある藤山寛美さんのイメージです。まったく違う面白さがあるので、存分に楽しんでもらえたらと思います」。公演は8月28日(水)・29日(木)京都芸術劇場春秋座、9月1日(日)・2日(月)東京・国立劇場小劇場にて上演。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2019年08月23日