俳優の古川雄大が、3日放送の日本テレビ系連続ドラマ『金田一少年の事件簿』(毎週日曜後10:30)の最終話「File07オペラ座館 ファントムの殺人」解決編に出演する。6月26日放送の第9話で、顔にやけどを負った姿でファントムを演じて以降、不幸な運命をたどった天才俳優・霧生鋭治を演じる古川にインタビュー。今作にかける思いを聞いた。なにわ男子・道枝駿佑が主演する今作は、1995年の初放送から幅広い世代の支持を得てシリーズを積み重ねてきた、謎解きミステリードラマの金字塔を8年ぶりにドラマ化。日本ならではの呪いや怪談を題材にしたミステリーを現代の視点で再構築。シリーズ史上最大のスケールで贈る、これぞ“金田一少年”の決定版といえる内容となっている。「オペラ座館殺人事件」は「金田一少年の事件簿 File28オペラ座館・第三の殺人」(講談社漫画文庫)の人気エピソードを初ドラマ化。先週の放送後、SNS上では「存在感がすごい」「ぴったりの配役」「舞台でファントムを見たい!」などの声が続々と寄せられ、注目が集まっている。まず同シリーズを、小学生の時に“初代”堂本剛(KinKi Kids)版から見ていたという古川。「『雪夜叉伝説殺人事件』の雪夜叉が監視カメラを壊すシーンなど鮮明に記憶に残っているシーンが多く、僕の中に色濃く残る作品です。今回のお話をいただいて、歴史がある名作に出演できてすごくうれしいです」と思い入れのある作品に参加することの喜びを語る。「幼いころは恐怖が強かったですが、ミステリーとしての見応えもあり、サスペンスとしてもすごく良い緊迫感のある作品で、特に、犯人を突き止めてから犯人の心情がすごく丁寧に描かれていて、そこが『金田一』の魅力だなと思います。今回の作品も一人ひとりの人物像が掘り下げて描かれているので、ドラマティックな内容になっています」と手応えを見せる。今回、演じたファントムと呼ばれた霧生鋭治については「天才俳優を演じるのは難しかったですが、カメラワークなど監督・スタッフの皆さんに助けていただきました。霧生鋭治は、すごく魅力的な人間で、登場シーンとしては多くはないのですが、常に霧生がどこかに存在しているように描かれているのがおもしろさだと思います」と力説する。顔にやけどを負った霧生の特殊メイクは「クオリティーが高い特殊メイクをしていただき、説得力が増して演じる上でとても助けられました。自分も違和感がなく演じることができました」と明かし、「名作『オペラ座の怪人』のモチーフが『金田一』でもとても魅力的に描かれ、改めてすてきな作品だなと感じました。今回の役を演じさせていただき、いつかファントムを演じてみたいと思いました」と掲げた。最後に、「純粋にストーリーを楽しんでいただきたいですし、犯人を突き止めてからが『金田一』のおもしろさだと思うので、美しく切ない人間ドラマを最後まで楽しんでいただけたらと思います。最終回にふさわしいボリューム感のある内容になっているので、ぜひご覧いただいたいです」とアピール。自身も舞台で活躍し、ミュージカル界のプリンスと熱い視線を浴びる古川が演じる“ファントム”、その謎が解き明かされる。
2022年07月03日実際に起きた連続殺人事件からインスピレーションを得て韓国で映画として制作され、日本でも『22年目の告白 -私が殺人犯です-』というタイトルでリメイクされヒットを記録した『殺人の告白』が舞台化! 6月17日に池袋のサンシャイン劇場で開幕したが、これに先立って同日行われたリハーサルの模様が報道陣に公開された。オリジナルの映画は韓国史上最悪の連続殺人事件と言われ、ポン・ジュノ監督の映画『殺人の追憶』の題材にもなった未解決事件「華城(ファソン)連続殺人事件」にインスピレーションを得て制作。時効を迎えた連続殺人事件の犯人を名乗る男が事件の内容を克明に記した告白本を出版し世間の注目を集め、事件を追い続ける刑事や被害者の遺族、TVをはじめとするメディアを巻き込んでの“犯罪ショー”へと発展していく。日本版リメイクでは藤原竜也と伊藤英明がW主演を務め、こちらも大ヒットを記録した。今回の舞台版で、自身が連続殺人犯であると告白するイ・ドゥソクを演じるのは「SUPERENOVA(超新星)」のリーダー・ユナク。事件を執拗に追う刑事チェ・ヒョングを歌手としての活動に加え、俳優としても活躍するCHEMISTRYの堂珍嘉邦。さらに、物語の途中で登場する“真犯人”を名乗る謎の男“J”を前川泰之、事件の被害者の父親であるウリ物産会長チョン・ウヌを岡田浩暉が演じている。舞台作品ではあるが、随所に映像表現を取り入れている演出が本作の大きな特徴。過去の殺害のシーンや、刑事ヒョングが犯人を追いかけるシーンなどが映画のように大きなスクリーンで映像として流されるのに加えて、人物の映像だけを舞台上の薄い幕に投影してホログラムのような形で、舞台上の生身の俳優と“共演”させる独特の表現も。物語自体はオリジナルの映画に沿った形で、次々と何かが起こるドラマチックな展開、深まっていく謎、そして事件の真相がシンプルかつ力強く描かれる。やはり注目は“殺人犯”ドゥソクを演じるユナク。なぜ今になって自分が犯人であると名乗り出たのか? という謎を呼び起こすミステリアスな男を見事に体現! オリジナルの映画ではパク・シフが、日本リメイク映画版では藤原竜也が演じたが、ユナクによるドゥソクは“妖艶”という言葉がぴったりの美しさと怪しげな雰囲気を併せ持っており、不気味ではあるが、ついつい引き込まれそうな魅力をも感じさせる(映像での表現がそれに拍車をかけている!)。事件を追いかける刑事・ヒョングを演じた堂珍にとって、本作はこれまでのミュージカルや音楽劇とは異なるストレートプレイへの出演であり大きな挑戦となったが、やさぐれた雰囲気をまといつつ、事件に対しては異常なまでの執念を燃やす刑事・ヒョングを好演している。ミステリあり、アクションあり、それぞれの立場で事件による喪失や哀しみに苦しむ人々の人間ドラマありの見応えたっぷりの舞台となっている。舞台『殺人の告白』はサンシャイン劇場にて6月26日(日) まで上演中。取材・文・写真:黒豆直樹
2022年06月20日人気グループ・なにわ男子の道枝駿佑が主演する、日本テレビ系日曜ドラマ『金田一少年の事件簿』(毎週日曜後10:30)。このほど19日放送の第8話『首狩り武者殺人事件』場面カット・あらすじが公開された。1995年の初放送から幅広い世代の支持を得てシリーズを積み重ねてきた、謎解きミステリードラマの金字塔を実写化。原作は、連載開始から今年で30周年を迎え、世界(12ヶ国)累計で1億部を超える発行部数を記録するなど、日本のみならず、世界市場で圧倒的な支持を集めている。およそ8年ぶりとなる新シリーズは、日本ならではの呪いや怪談を題材にしたミステリーを現代の視点で再構築。史上最大のスケールで贈る、これぞ“金田一少年”の決定版といえる内容となっている。■第8話あらすじ剣持警部(沢村一樹)の幼なじみで、由緒ある巽家に嫁いだ紫乃(仙道敦子)、の元に脅迫状が届いた。剣持警部は、一(道枝)と美雪(上白石萌歌)を連れ、巽家のあるくちなし村に向かうが、そこで見た鎧(よろい)武者姿の男達に戸惑う。巽家使用人の猿彦(田鍋謙一郎)によると、昔、巽家に首を斬られた落ち武者の霊を鎮める生首祭での仮装だという。「祭りの明ける明後日までに巽家の次の当主の生首頂戴(ちょうだい)しに参上つかまつり候」脅迫状は、“首狩り武者”を名乗る人物からで、巽家に恨みを持つ者からと思われたが…。紫乃の亡き夫は、財産と家督を先妻との子である長男の龍之介(吉村界人)ではなく、連れ子の二男、征丸(福山翔太)に継ぐと遺していた。そのため兄弟の仲は劣悪で、脅迫は龍之介の仕業だと疑う征丸。そんな中、亡き夫の友人だと名乗る客人の赤沼が、脅迫状の送り主を教えるからと、一をからくり部屋に呼び出す。行ってみると、回転扉の先に首のない赤沼の姿が。さらに、生首祭を訪れた一と美雪の前に“首狩り武者”が姿を現し、新たな首が転がることに。紫乃のために剣持警部が立ち上がる。旧家の血をめぐる驚がくの秘密が明らかになるが…。
2022年06月19日休憩タイムがまったくねえ!運動会では多くの保護者が我が子の頑張りをカメラにおさめようと張り切りますが、8人のお子さんを育てるパパの運動会は尋常じゃなく忙しい!8児の父・みやすみ(@miyasumi1031)さんは、小5長女、小4長男、小3次男、小1次女の出場する運動会に、未就学児2人(年中三女、1歳四女)を連れて参戦。そのバタバタ模様がTwitterに投稿されると、応援のリプライがたくさん寄せられました。手の甲には4人それぞれがリレーで走る順番やダンスの立ち位置をメモ。たしかに、こうでもしないとプログラムを見逃してしまいそうです!休憩タイムほぼゼロで必死に子どもたちを応援&撮影したみやすみさん。運動会当日のお話を聞いてみました。抱っこと肩車をしながらカメラを構えていた――運動会、おつかれさまでした!学校から配られるプログラムもあると思いますが、手の甲のメモはどんな意味があるのですか?みやすみさんメモには、子どもの出場するチームの色、リレーの走る順番、ダンスを踊る場所を書きました。しおりに子どもたちが記入してくれなかったので、直接聞いて手にメモしたんです。――年中さんとまだ1歳のお子さんを2人連れての撮影は壮絶だったのでは。みやすみさん撮影していても下の子たちが勝手にトラックに入ろうとしちゃいますし、お茶を飲ませるなど水分補給も必要ですし、大変でしたね。最終的には肩車と抱っこをしながら撮影して、しばらく背中が筋肉痛になりました。――想像以上に過酷です……!運動会に出場したお子さんたちの様子はいかがでしたか?みやすみさん我が子も他の生徒も一生懸命がんばっていて素敵でした。とくに小3の次男は軽度の発達障害があり、昔から手がかかる子で大変な思いもたくさんしました。立派にダンスを踊る姿を見て、過去の大変だった出来事などを次々に思い出し、成長したなぁと感動して、涙が止まりませんでした。周りから見れば不審者のように見えたかもしれません。――絶対そんなふうに見えてないです、愛情いっぱいのお父さんで素敵です。8人のお子さんとの生活は毎日忙しいですよね。みやすみさん基本的にバタバタしていて、毎日がパーティーみたいです。我が子といえど、みんな性格はバラバラなので、子ども1人ひとりに寄り添いながら、その子その子の良さを生かしてやれる親でありたいです。運動会や学芸会など、学校のイベントでは子どもの成長ぶりに驚かされますよね。みやすみさん、貴重なお話をありがとうございました。====================投稿主みやすみ 〜8児だョ!全員集合〜 さんTwitter@miyasumi1031(マイナビ子育て編集部)<関連記事>・「3歳児にカメラを渡して仕事に行ったら」言葉ではなく写真が伝える息子の今日の出来事に「うるっときた」「センスがありすぎる」・「ああ、あたし疲れてるのね」燃えるゴミを持ったまま改札通ろうとしたママに「あるよね」「ポカリの粉とミルク間違えた」・夢みたいに可愛い……! 子どもの描いたデザイン画を本物のお菓子にしてみた
2022年06月19日人気グループ・なにわ男子の道枝駿佑が主演する、日本テレビ系日曜ドラマ『金田一少年の事件簿』(毎週日曜後10:30)。来週6月19日は「File06.首狩り武者殺人事件」を放送する。「首狩り武者殺人事件」は、「金田一少年の事件簿 File09飛騨からくり屋敷殺人事件」(講談社漫画文庫)の人気エピソード。1995年に放送された、堂本剛が主演を務めた初代の第1シリーズ(1995年7月クール)で「首無し村殺人事件」というタイトルで放送されて以来、約27年ぶり2度目のドラマ化。本シリーズでは「学園七不思議殺人事件」「金田一少年の殺人」に続き、3本目のリメイクとなる。さらに、巽家の後妻役に仙道敦子、長男役に吉村界人、二男(養子)役に福山翔大、長女役に近藤華、使用人役に田鍋謙一郎、福井裕子、巽家の顧問弁護士役に八十田勇一、先妻役に葉山レイコの出演が決定。剣持警部(沢村一樹) の幼なじみで、由緒ある巽家に嫁いだ紫乃(仙道)の元に、「次の当主の生首をもらう」という「首狩り武者」からの脅迫状が届いた。剣持警部と巽家を訪れた一(道枝)達は、紫乃の連れ子の征丸(福山翔大)と先妻の長男の龍之介(吉村界人)が繰り広げる家督争いを目の当たりにする。そんな中、一は、からくり部屋で首のない死体を発見。さらに、村で行われている「生首祭」を訪れると、美雪がさらわれてしまう…。「首狩り武者」の復讐に隠された真実とは。
2022年06月12日事件発生から13年を迎えた秋葉原の交差点を行き交う人々。6月8日には犠牲者を弔う献花台が設けられた(’21年撮影)6月8日。この日は、日本中を震撼させた大きな事件がふたつ起きた日である。ひとつは、平成13年の大阪の附属池田小学校事件。もうひとつは平成20年に起きた秋葉原無差別殺傷事件だ。身勝手な動機から無関係の見ず知らずの人々を次々に殺傷したこの2つの事件で、犯人はいずれも死刑判決が確定しているが(附属池田小の加害者は2004年に死刑執行)、この事件までにもその後も無差別殺傷、通り魔事件というものは繰り返されてきた。昭和・平成・令和と時代の移り変わりとともに、過去の事件と浮き彫りとなった問題点を振り返ってみたい。繰り返されてきた凶悪事件通り魔殺人、というと若い世代の人々は秋葉原の事件を思い出すだろうが、昭和56年に起きた深川通り魔殺人は犯人の強烈な人格やエピソード、逮捕時のブリーフにハイソックスという姿、そして被害者に幼い子ども2人が含まれていたことなどから今なお語られる有名事件である。昭和の終わりから平成にかけて、3人以上が殺害されるという死刑待ったなしの事件においても、それが無差別、通り魔的犯行の場合、死刑が回避されるケースが多かった。そもそも無差別に通りすがりの人々を殺傷するなど到底理解できない事件であり、精神鑑定がなされた結果、犯人がいわゆる心神耗弱、心神喪失状態と認められることが多かったからである。深川事件でも、4人殺害ながら刑法39条に照らして求刑自体が無期懲役となっている。しかし、中には捜査段階で心神喪失と認められ、起訴すらされない事件もあった。1984年(昭和59年)に横浜で高校生4人が車にはねられ、降りてきた男に刃物で刺されるなどして一人が死亡した事件でも、犯人の男は心神喪失で不起訴となっていた。その後、遺族が検察審査会に審査を申し立て、不起訴不当の判断を得るも、再捜査を経てもなお、男の不起訴は覆らなかった。1985年(昭和60年)、下関市の民家で母親を殺害した男が、そのまま凶器の日本刀を手に近隣の家に押し入って家人らに斬りつけ、さらには表の通りを歩いていた通行人を斬りつける事件を起こした。幼児を含む11名を死傷(うち4人死亡)させるという、日本中を震撼させる事件だったわけだが、男には通院歴があった。これだけ大きな事件であるにもかかわらず、逮捕後の報道はほとんどない。そして1990年(平成2年)、松本市でゲートボールをしていた高齢者らを金属バットで襲い3人を殺害、1人に大けがをさせるという無差別殺傷事件が起きた。逮捕されたのは当時大学生だった21歳の若者。ほぼ即死だったという被害者の状況からも、強烈な殺意を見ることができた。しかし彼もまた、心神喪失で不起訴となった。遺族らは、「犯人を遠くへ連れ去ってほしいと願うだけ」と言うしかなかった。犯人に通院歴があるとわかるや否や、あたかも被害者であるかのように手厚い保護のベールに包まれてしまい、事件自体が報道されなくなってしまう、そんな時代が続いた。精神的な問題を抱える人やその家族もまた、こういった事件が起こるたびに偏見に晒され、十把一絡げにされてつらい思いを強いられていた。2005年(平成17年)、香川県で28歳の男性が刃物で襲われ殺害される事件が起きた。国道沿いのレストラン駐車場で白昼に起きた惨劇。逮捕された男は被害者と面識はなく、「誰でもいいから殺そうと思った」と話していた。男は精神科病院に入院中だったが、いわゆる開放病棟に入院しており、ある程度自由に外出ができる状態での犯行だった。男は懲役25年という判決を受けたが、遺族らは「病院が適切な判断をしていれば事件は防げた」として病院を提訴、その責任を問うた。それは、精神に問題を抱える人々が全員著しく危険なのではなく、適切に保護、治療し、状態に応じて対処することの重要性を問うたものとも言える。しかしその裁判で、病院側の責任は一切認められなかった。同じく2005年に愛知県の商業施設で起きた通り魔殺人では、幼児1人の命が奪われた。被害者に刺さった刃物が抜けなかったことで刃物による被害は一人だけだったが、もしも抜けていたらさらなる犠牲者が出ていた可能性があった。男は心神耗弱が認められ懲役22年が確定したが、この事件では、犯人の男が別の事件で服役していた刑務所を仮釈放となっていたこと、保護施設から抜け出していたのに捜索されていなかったことなどが問題視された。同時に、不足する保護司の実態そして、保護観察の身でありながら所在不明となっている仮出所者の多さなど、更生を支える人々の苦悩も浮き彫りとなった。出所前からある症状を見せていたという犯人の男だったが、医師による診察は行われないまま仮釈放となっていたことも仮釈放の審査の在り方に一石を投じた。通り魔に殺された被害者の死は無意味なのかーー。遺族が到底納得できない裁判が多いのは事実だが、長きにわたる戦いの末に一つの法律を成立させた父親がいた。1966年(昭和41年)、横浜市鶴見区生麦町で当時26歳の男性が見ず知らずの19歳の少年に刺され殺害された。いわゆる、生麦通り魔殺人である。被害者の男性は息を引き取る直前、父親に対し「敵を討ってくれ」と言い残した。父は当初、加害少年と刺し違える覚悟だったが、親しかった新聞記者らの支えもあって全国の犯罪被害者遺族と交流を重ねるようになった。そして、家族を理不尽に奪われ生活もままならない遺族のために、「犯罪による被害者補償制度を促進する会」を結成、10年以上にわたって人生のすべてを被害者救済のために捧げた。それこそが、息子の敵を討つ、ということだった。父は病に倒れ、1977年(昭和52年)にこの世を去ったが、その後1981年(昭和56年)から「犯罪被害者等給付金支給法」が施行された。取り残された被害者家族「誰でもいいから殺したかった」「死刑になりたいから」「大きな事件を起こすことで思い知らせたかった」通り魔、無差別殺人を起こした人間の動機はいろいろあれど、そのたびに原因は社会の構造にあり、加害者も被害者であるかのような主張も見受けられる。確かに、格差社会や自己責任論、少しの失敗も許されないような風潮にも問題はある。また、病を抱えているケースの場合は、病気への思わぬ偏見を生むことにもなりかねず、余計に複雑な思いを抱くのも自然なことだ。しかし、被害者の無念や遺族の苦しみを置き去りにするようなあり方には疑問を感じる。香川で息子を殺害された遺族は、弁護士から「あなた方は精神障碍者に罪をつけようとしましたね」という言葉を投げかけられた。苦しみのどん底にいるにもかかわらず、事件の詳細は濁され、そして世間も事件を忘れていく。1966年(昭和41年)に京都で拳銃を奪い3人を死傷させた少年の事件が1996年(平成8年)まで、また1995年(平成7年)に愛知で起きた祖父と孫が通り魔に殺害された事件が、2016年(平成28年)までその結末を見なかったことをご存じだろうか。いずれも、加害者の精神状態が問題となり、長きにわたって公判停止となっていたのだ。遺族は20年以上、苦しみ抜いた。その結末は、京都の少年事件が心神喪失無罪、愛知の事件は最高裁による「裁判打ち切り」。翌年に加害者は病死した。令和に入っても、川崎市登戸で通り魔事件が発生。2019年(令和元年)5月28日、スクールバスを待っていた小学生とその保護者らに男が刃物で襲い掛かり18人が負傷、そのうち小学6年生の女児と39歳の保護者の男性が死亡した事件だ。男はその場で自らの首を刺し、死亡した。犯人が自殺したためその真相究明は困難となったが、1991年(平成3年)にも埼玉県で10人を鎌で襲い死傷させた男が押し入った民家に放火し、自身も焼死するという事件があった。事件自体が未解決になってしまうケースも目立つ。有名な事件だと荒川連続自転車通り魔殺傷事件は公訴時効成立、京都の精華大生通り魔殺人は事件から15年が経過したが未解決である。1981年に札幌で起きた男性殺害事件も通り魔との見方が強く、8年後に近い場所で起きた別の通り魔事件で逮捕された犯人との関連も囁かれた(心神喪失で不起訴)が、結局時効成立となった。この事件では唯一の目撃者が幼い息子だったこと、そしてその息子の証言で描かれた犯人の似顔絵が、何度描いても亡くなったお父さんの顔になってしまうことで関係者は皆涙したという。何気ない日常の中で突然命を奪われただけでなく、その真相すら解明されない……被害者の無念、遺族の苦しみは想像を絶する。無差別殺傷など起きない社会を構築することが何よりではあるが、それが進まないならばせめて、被害者を置き去りにはしたくない。参考文献朝日新聞社1984年10月17日東京朝刊、1985年9月10日東京夕刊、1986年5月21日朝刊、NHKニュース1988年5月30日、9月19日北海道新聞1989年8月1日、1990年2月18日、1993年3月18日、1996年5月30日朝刊中日新聞社1990年2月18日朝刊、1995年5月4日、2014年3月21日、2015年7月12日、7月14日朝刊、11月16日夕刊、11月17日朝刊、2016年12月20日朝刊京都新聞1966年2月14日、1996年11月28日夕刊毎日新聞社1990年4月27日東京朝刊読売新聞社1991年7月15日東京朝刊四国新聞社2005年12月7日、12月8日、12月9日朝刊、12月18日朝刊「シリーズ追跡(324)揺らぐ精神障害者の開放処遇~殺人事件の波紋~」、2006年6月24日朝刊高知新聞社2006年2月24日夕刊矢野真木人殺人事件・裁判レポート事件備忘録@中の人昭和から平成にかけて起きた事件を「備忘録」として独自に取材。裁判資料や当時の報道などから、事件が起きた経緯やそこに見える人間関係、その人物が過ごしてきた人生に迫る。現在進行形の事件の裁判傍聴も。サイト『事件備忘録』: ツイッター:@jikencase1112
2022年06月08日掲示板に残されていた加藤の書き込み。ここに居場所を見いだし「家族同然」の存在だった日本中を震撼させた「秋葉原通り魔事件」から早くも14年。当時、逮捕された加藤智大が母親から虐待ともとれるスパルタ教育を受けていたこと、派遣労働や格差問題、ネットを通じた人間関係の稀薄さが浮き彫りとなり、そんな加藤を“神格化”する声も挙がった。人を凶行にまで走らせる“生きづらさ”とはーー?これまで2000件以上の加害者家族を支援してきたNPO法人『World Open Heart』理事長・阿部恭子さんが伝える。* * *2008年6月8日、当時、25歳の加藤智大氏が秋葉原の交差点にトラックで侵入し、通行人をナイフで切りつけ、7人が死亡、10人が重軽傷を負う大惨事となった。本件は、日本の犯罪史上に残る大事件となり、派遣社員の急増といった社会背景から、加藤氏が非正規社員だった事実に焦点が当たり、「格差社会から生まれた犯罪」とも報じられていた。筆者は加害者家族支援を通して犯罪者と多々、面会を重ねているが、その多くは男性である。事件の背景を見ていくと、多かれ少なかれ、男性としての生きづらさが影響していると思われる。優等生からの転落友幸(仮名・40代)は、加藤氏同様、東北で名門といわれる高校を卒業した犯罪者である。当時、拘置所の中で事件を知り、同世代の加藤氏の境遇に自らを重ねたという。「地元では○○高校というと一目置かれますが、問題は卒業後です。大学受験に失敗し、地元にはいられなくなりました」友幸は二浪の末、地元から逃げるように上京し、フリーター生活を始める。「地元ではみんなに“負け犬”と思われているような感覚がありました。東京では誰も地元の事情はわからないので、楽になったんです」ところが自由を満喫できたのも束の間、すぐに深い孤独に悩まされることになる。友幸は人とのコミュニケーションが得意ではなく、ひとり取り残されていく危機感を覚えるようになった。東京で初めて「仲間」に入れてもらえたと感じたのが、振り込め詐欺の集団だった。友幸にとって金銭は二の次で、仲間をクラスメートのように感じ、犯罪の現場が居場所になっていく。そして数か月後、友幸も逮捕されることになった。「国選弁護人から実刑を覚悟するように言われてパニックになりました。捕まってもすぐ出られるって聞いていたんです。まさか刑務所に行くなんて」友幸は国選弁護人に、すぐ家族に連絡を取ってもらうよう懇願した。「もう戻ることはないと言って出てきた実家ですが、もう強がる余裕はありませんでした」しばらくして、友幸のもとに弁護士が接見に来た。「友くん、覚えてる?」見覚えのあるその顔は、幼いころよく遊んでもらった親戚だった。国選弁護人から逮捕の知らせが行くと、親たちはすぐ東京で弁護士をしている親戚に連絡していた。友幸は安心のあまり大泣きし、生まれて初めて胸の内を吐露することができた。この親戚が弁護を担当することになり、親戚中からお金を集めて被害者に弁償した。公判には両親、兄弟も含め親戚一同が傍聴席に詰めかけ友幸の減刑を願った。友幸は、恥ずかしくも感動し、涙を止めることができなかった。そして無事に、執行猶予付き判決を得ることができ、釈放後は実家に戻り、現在は親戚が経営する会社で働いている。「当時はパワーゲーム(人と人との力の張り合い)に囚われていて、どうやったら敗者復活できるかばかり考えていた。地元にこんなに“支え”があり、“味方”がいることに気が付きませんでした」パワーゲームからの離脱受刑者を支援する特定非営利活動法人『マザーハウス』理事長、被害者と加害者が共に犯罪に巻き込まれた人々を支援する『inter7』共同代表を務める五十嵐弘志氏(58)は、20年以上服役した経験を持つ。五十嵐氏は47歳で出所し、2014年にマザーハウスを設立。現在は、24時間体制で受刑者や出所者の支援に尽力している。若い頃の五十嵐氏には、友幸のように家族や地域の支えはなく、面会に来てくれる人もいないまま、長い間、孤独な受刑生活を過ごしていた。「面会に来てくれる家族がいる人たちが羨ましかったです。たとえ出所できても、年齢を考えると自分が家族を持つことなど無理だと諦めていました」ところが、50歳を目前に結婚し、父親にもなった。五十嵐氏の人生は、受刑者に限らず、絶望の淵にいる人々にとって希望になっている。五十嵐氏の祖母は躾が厳しく、出来のいい親戚の子と比較されることが多かったという。中学生の頃に両親が離婚し、五十嵐氏は母方の家に引き取られることになった。この家には居場所がないと感じた決定的な出来事があった。従兄弟の下敷きが無くなったとき、たまたま同じ下敷きを持っていた五十嵐氏が家族中から「お前が盗った!」と犯人扱いされてしまったのだ。泥棒扱いされるというのはひどく自尊心を傷つけられることである。しばらくしてその下敷きは見つかり、疑いは晴れたはずだったが、誰も五十嵐氏に濡れ衣を着せたことを詫びる家族はいなかった。それから徐々に家を離れ、悪い仲間の中に居場所を求めるようになり、犯罪に手を染めていく。五十嵐氏が生きてきた世界もパワーゲームに支配され、他人を信用することなどできなかったという。その傾向は、刑務所生活によりさらに強くなる。刑務所は規則にがんじがらめにされ、受刑者同士の足の引っ張り合いから弱さをさらけ出すことなどとてもできない。立ち直りのきっかけは、同房の日系ブラジル人から聖書の存在を聞き、それからマザーテレサの本を通してキリスト教の精神に惹かれるようになった。聖書をさらに詳しく学びたいと、刑務所から手紙を出し、シスターに面会に来てもらうようになったのだ。今まで謝罪と反省以外求められることはなかったが、シスターとの会話を通して、五十嵐氏はありのままの自分が初めて受け入れられたと感じることができ、改心することができたと話す。しかし、更生したからといって犯した罪が消えるわけではない。どれほど真摯に、いいことをしようとしても、“前科者”という壁が立ちはだかることも少なくはない。犯罪者の家族への風当たりも厳しいのが現実であり、五十嵐氏にとって、償いの日々は続いていると感じる。甘えてもよい社会を人生は、いつ何が起こるかわからない。ある日突然、大切な人に出会うこともある。そのとき、後悔しないためにも犯罪で承認欲求を満たすようなことはしないに限る。満たされるのは一瞬で、その後、一生苦しむことになるのだ。秋葉原通り魔事件は、加藤氏の弟の自死という悲劇も招いた。「死ぬ理由に勝る、生きる理由がない」。彼は、取材した記者にそう語っていたという。生きる理由をひとりで見つけることは難しいかもしれない。筆者が運営する『加害者家族の会』も男性の参加者は少なく、男性は問題をひとりで抱え込む傾向があると感じる。同時に、問題を共有するより答えを求めがちである。SOSを出す力や、困ったときに頼る力こそ、男性たちに求められているのではないだろうか。阿部恭子(あべ・きょうこ)NPO法人World Open Heart理事長。日本で初めて、犯罪加害者家族を対象とした支援組織を設立。全国の加害者家族からの相談に対応しながら講演や執筆活動を展開。著書『家族という呪い―加害者と暮らし続けるということ』(幻冬舎新書、2019)、『息子が人を殺しました―加害者家族の真実』(幻冬舎新書、2017)、『家族間殺人』(幻冬舎新書、2021)など。
2022年06月08日※画像はイメージです連日発生する殺人事件。その加害者にも当然、家族がいる。もし、自分の親が殺人犯となったら。その子どもが辿る運命とはーー。これまで2000件以上の加害者家族を支援してきたNPO法人『World Open Heart』理事長・阿部恭子さんが、その現状を伝える。友達にお別れも言えずに転校麻子(仮名・30代)は、平凡だが幸せな日々を送っていた。真面目で子煩悩な夫と、わんぱくな息子との3人の生活。麻子も働いており、多忙な日々ではあったが、不自由のない穏やかな日常がずっと続いていくと思っていた。ある日突然、警察から電話があり、夫に話を聞きたいという。近くで殺人事件が発生し、その地域では、この話題で持ちきりだった。犯人はまだ逮捕されておらず、警察は、近隣住民に聞き込みをしているらしい。殺人事件など自分たちには縁のない出来事で、警察署に向かう夫はすぐ戻ってくるだろうと不審には思わなかった。ところが、夫の任意の事情聴取は1日では終わらず、連日、朝から晩まで続いたのである。「大丈夫?」夫に尋ねると、「心配ない」というが、何らかの形で事件に関与しているのではという疑惑は日々深まっていた。数日後、警察署から戻ってきた夫は麻子に言った。「申し訳ない。取り返しのつかないことをしてしまった……」夫は、捜査中の殺人事件の犯人だったのだ。麻子は夫に尋ねたいことが山ほどあったが、夫の逮捕と同時に自宅はマスコミに取り囲まれる。その前に避難しなければならず、すでにそのときは迫っていた。夫には借金があり、金銭トラブルから知人を殺害するに至ったと報道されていた。自宅も車もすべて手放さなければならなくなってしまった。麻子はなんとか転居先を見つけ、夜な夜な自宅から荷物を移動させた。麻子が自宅に出入りするとマスコミが騒ぐので、昼間は自宅に近づかないようにと近所の人々から厳しく言われていた。自分の家にもかかわらず、夜中に裏口から忍び込んで、まるで泥棒のようにこっそり荷物を運び出さなければならなかった。麻子は夫の逮捕によって、自分まで犯罪者になったような、惨めな気持ちになった。わんぱくだった小学校の息子は事件後、すっかりおとなしくなっていた。母親がうろたえている姿から、よからぬ事態が起きていることを悟っていたようで、ただ黙って母親の言うことを聞いていた。ところが、学校を転校しなければならないと話した途端、クラスメートに会えなくなると泣き出してしまった。麻子は息子の通っている小学校に電話をし、転校の意志を伝え、短い時間で構わないので息子からクラスメートにお別れを言わせてほしいと頼んだ。しかし、電話に出た教頭は、麻子に息子を二度と学校に来させないでほしいというのだ。事件後、一部の報道陣が通学路で、犯人の子どもと同じ年齢の小学生にインタビューをしていたことから、学校に苦情が寄せられているのだという。事件後、周囲の人々は手のひらを返したように麻子から離れていった。罪のない息子にだけは同情的に接してくれると期待していた人々にも、次々と裏切られてしまった。息子は、この土地を離れる前に、どうしても学校を見に行きたいという。麻子は、夜中であれば人目に付くことはないと考え、誰もいない真夜中の学校に息子を連れて行った。小雪が散らつく春の夜、外は気温が下がり、凍てつくような寒さだった。それでも息子は喜んで、小雪が舞う学校のグラウンドを駆け回った。「みんなにさよなら言えたよ」息子の言葉に、麻子は涙が込み上げてきた。私の中の偏見麻子が心配したのは、「人殺しの息子」といった情報が拡散されてしまうことだった。2人の人柄を知ることができれば、彼らに罪はないと判断する人の方が多いかもしれない。しかし、「殺人犯の家族」という情報が先行することによって、関わりを避けたいと思う人が出てくるからである。こうした殺人犯の家族への偏見を、筆者である私自身も過去に持っていたことがあった。30年程前、中学生の頃、私は慕っていた先生の手伝いとして、外国籍の子どもたちに日本語を教えるボランティアに参加したことがあった。子どもたちは複雑な家庭環境で育っており、学校に通うことが難しく、学習が不十分だった。そこにいたひとりの男の子が、私の向かいに座っている男の子、ケン(仮名・15歳)を指さして、「あいつの父さん、人殺しなんだって」と耳元で囁いたのだ。私はあまりの衝撃に、彼と目線を合わせることができなくなってしまった。当時の私は殺人どころか、罪を犯した人と会った経験さえなく、いきなり同じ空間にいる子どもの親が「人殺し」だと告げられ、パニックになってしまったのだ。私はいたたまれなくなり、慕っている先生にすぐに相談した。すると先生は、「なぜ、彼が怖いの?」と私に尋ねた。「お父さんが殺人犯っていうことは、もしかしてあの子も将来そうなるんじゃないかって……」私はあからさまに偏見を口にしてしまった。すると先生は「君も両親と同じようになる?」と聞くので、私は「なるかもしれないし、ならないかもしれない」と答えた。「じゃあ、あの子もお父さんと同じようになるかもしれないけど、ならないかもしれないよね」私は先生の言葉にハッとした。彼が父親と同じ道を歩むかどうかは、私たちの「視線」にかかっているのではないかと思い始めたのだ。ケンの父親は外国人で、母親とその交際相手を殺害していた。父親といってもほとんど家にはおらず、ケンとはろくに話をしたことさえなかった。母親は、男性を家に連れてくることがあり、ケンに外で遊んで来るようにと小銭を渡すことがあった。その日も言われたとおり、時間まで暇をつぶして自宅に帰ると、家の前にはパトカーや救急車が止まっており、母親は病院で息を引き取った。ケンはこのとき11歳で、田舎の遠い親戚に預けられることになった。親戚の家には子どもが3人おり、余裕のある家ではなかった。ケンに与えられる食べ物は、他の子どもたちの半分。1日に2食だけで、給食のない日はいつもお腹をすかせていた。まるで使用人のように家の仕事を手伝わされ、耐えられなくなったケンは、13歳で家を飛び出し東京に戻ってきた。ケンの外見は日本人とは違い、背も高く大人びていた。年齢を偽って繁華街で働くなどして生き延びてきたのだ。ケンは私に、これからは真面目に働いて、自分の作る家族には苦労をさせたくないと熱心に話してくれた。私は差別をしたことを謝罪すると、「気にしなくていい」と笑顔で許してくれる優しい男の子だった。加害者家族をタブーにしないこと欧米諸国では、子どもに「逮捕」や「刑務所」を説明するための絵本やカードが販売されており、アメリカの人形劇「セサミストリート」にも父親の収監に悩む子どもを友達が勇気づけるというストーリーが作られている。このように、犯罪者の家族という存在が社会にオープンであることが、凄惨な事件が発生した際の、周囲の過剰な反応を抑制することにつながるのだ。犯罪が少ない日本といえども、殺人犯の子どもたちは存在している。ときに、殺人犯の子どもにも厳しい目が向けられる社会で、不運にもそういった境遇に置かれることになった子どもたちの中には、息を潜めて暮らしている者もいる。彼らを加害者として遠ざけるのではなく、第二の被害者として地域で守っていく社会にしていきたい。阿部恭子(あべ・きょうこ)NPO法人World Open Heart理事長。日本で初めて、犯罪加害者家族を対象とした支援組織を設立。全国の加害者家族からの相談に対応しながら講演や執筆活動を展開。著書『家族という呪い―加害者と暮らし続けるということ』(幻冬舎新書、2019)、『息子が人を殺しました―加害者家族の真実』(幻冬舎新書、2017)、『家族間殺人』(幻冬舎新書、2021)など。
2022年06月03日先月末、米アラバマ州で殺人犯ケイシー・ホワイト(38)と矯正施設の看守ヴィッキー・ホワイト(56)が共謀して逃亡した事件は、いまだ多くの人々の耳目を集め続けている。2人は看守と囚人という関係でありながら、実は深く愛し合っていたことがその後の捜査で明らかとなった。ヴィッキー・ホワイトは事件前に自宅を売って逃亡資金を調達。11日間も逃避行を続けていた。NBC NEWSによると、2人が逮捕前に隠れ家としていたモーテルの1室に、現在予約が殺到しているという。その部屋とは、インディアナ州エヴァンスヴィルの「Motel 41」150号室。2人はホームレスに金を渡して代理でチェックインさせるなど、顔を見られないように注意を払っていた。2週間滞在の予定だったが、結局1週間で足取りを掴まれてしまった。Motel41の受付係は、予約やキャンセル待ちの問い合わせが途切れないとNBC NEWSに語っている。「普通の部屋は1泊63ドルです。しかし現在150号室は、予約時に75ドルから100ドルほどで申し受けています」(受付係)確保直前、NewsNationが入手した911の通報記録には、捜査車両に追突されて脱輪した車の中で、ヴィッキー・ホワイトが「ここから出て逃げて!」と叫んだ後、銃声が鳴り響く様子が収められていた。ケイシー・ホワイトは車から出ると、「俺の妻を助けてくれ!自分で頭を撃っちまった!」と捜査官らに助けを求めたとCBS NEWSは伝えている。しかし、2人が正式に結婚した記録は見つかっていない。
2022年05月24日※写真はイメージですある日突然、家族が事件に巻き込まれて、自分が“遺族”になったらーー。加害者に謝罪を求めて会おうとしても、簡単には叶わないという現実。一方で、加害者になってしまった場合もまた、直接謝罪したくても“制約上”できないという「高い壁」が立ちはだかっていた。NPO法人『World Open Heart』理事長で、犯罪加害者と被害者、双方の支援団体『Inter7』の発起人でもある阿部恭子さんが伝える。事件に奪われた日常もし、家族が他人に殺害されたとしたら、犯人に求めるべきは死刑なのか。死刑を求めない家族は、被害者とはいえないのだろうか。被害者遺族を経験しながら死刑廃止の立場を表明し、被害者と加害者の対話の意義を訴えてきた原田正治さんは、一部の人々からは「理想的な被害者」として注目され、また一部の人々からは「理想的な被害者ではない」と、時に批判を浴びてきた。事件後、原田さんが歩んできた遺族としての道のりは過酷である。当時、助けてくれる人も、相談に乗ってくれる機関もなく、次々と降りかかる試練に、すべて家族だけで対応しなければならなかった。1983年、原田さんの弟・明男さんが30歳のとき、突然、仕事中に亡くなり、居眠り運転による自損事故と判断された。ところが1年3か月後、雇用者による保険金殺人だった事実が判明。当時、36歳だった原田さんの人生も一変する。犯人逮捕に伴い、報道陣が自宅付近を取り囲むようになり家族はしばらく外出ができなくなった。原田さんがようやく仕事に出られるようになると、帰宅を待ち構えていた記者がいきなり物陰から飛び出してきたこともあった。地域は騒然となり、周囲の人々の態度は明らかによそよそしく感じ、これまで親しかった人たちとも次第に疎遠になっていった。穏やかな日々は、緊張と不安に変わってしまった。対応に苦慮したのが、事故として支払われていた保険金の返還請求だった。葬儀代、墓代等、弟が亡くなったことに要する出費としてすでに使用していたからである。「返還しないと不当利得です」と書かれた保険会社からの手紙は、まるで家族が騙し取ったと責められているように感じた。行政や弁護士に相談しても取り合ってもらえず、借金をして支払うほかなかった。マスコミ対応や検察庁からの呼び出し、裁判など、会社を休まなければならない日も出てくるが、原田さんが勤務していた会社の対応は、ひどく冷淡だった。不条理な出来事ばかりが続く中、家族の間でも徐々に精神的な距離が生まれ、家庭も壊れていった。一度は求めた死刑弟を殺害した加害者は、通夜や葬儀にも訪れ、事件が発覚するまで、何食わぬ顔で家族に接していたのである。人として、なぜそんな惨いことができるのか、直接会って問い質したい感情が日に日に強くなっていた。そこで唯一、加害者に直接感情をぶつけられる機会は、刑事裁判だった。被害者への公的支援が一切ない時代、ある日突然被害者になった原田さんに、裁判の仕組みを説明してくれる人もなく、付き添いもないまま報道陣が詰めかける法廷にひとりで向かわなければならなかった。どんな処分を望むかという検察官からの質問に、原田さんは「極刑以外に考えられない」と答える。つまり、死刑である。加害者は塀の中で食事も睡眠も保証され、守られているにもかかわらず、被害者はさまざまな対応に時間を取られ、経済的にも精神的にも追い詰められていく。その原因を作った相手に、最も厳しい罰を求めたとしても不思議ではない。加害者との面会裁判が続く中、原田さんのもとに加害者から手紙が送られてくるようになった。最初はとても読む気になどなれず、開封せずに捨てていた。ところがある日、好奇心から開封してみたことをきっかけに、加害者との交流が始まる。加害者は、弁護士の影響で洗礼を受け、罪と向き合うことを始めていた。そして事件から10年後、原田さんは、周囲の反対を押し切って、拘置所にいる加害者との面会を決意する。憎しみや怒りが薄れたわけではなく、なぜ弟が殺されなければならなかったのかを問い、遺族がこれまでどんな思いで生きてきたのか、思いをぶつけたかったからだ。原田さんが「長谷川君」と呼ぶ加害者は、原田さんの訪問を喜んだ様子で迎え、「申し訳ございません」と謝罪をした。原田さんは、長谷川君と対面した瞬間、肩の力が抜けたという。アクリル板を挟んでいても、対面が叶ったことで、被害者加害者という枠を超え、人間同士のコミュニケーションが可能となったのだ。これまで何百通という手紙を受け取ってきたが、20分の面会にはかなわなかった。彼の謝罪の意志は本心だと感じ、直接、謝罪の言葉を聞いたことによって、どんな慰めの言葉より、心が癒されていくのを感じたという。「長い間、孤独の中で苦しんできた僕の気持ちを真正面から受け止められる存在は長谷川君だけだと感じた」と話す。しかし、面会をしたからといって、彼を許したわけではない。「事件によって僕や家族は崖の下に突き落とされました。世間の人々は、崖の上から高みの見物です。誰も崖の上に引き上げようとはしてくれず、長谷川君やその家族をバッシングして崖の下に突き落とすことで、僕たちに『これで気がすむだろう』と言っているかのようです」長谷川君こと長谷川敏彦氏の息子及び姉は自殺をしている。事件後、被害者だけでなく、加害者家族もまた、生き地獄を強いられたであろうことは想像に難くない。「僕は彼と面会したことが、自分自身の快復への道につながると感じました。僕が求めているのは、彼や家族をさらに奈落の底に突き落とすのではなく、僕が崖の上に這い上がることです。死刑が執行されてもされなくても、僕の苦しんできたことは消えませんし、弟が生き返るわけでもありません」原田さんは、納得できるまで長谷川君と面会したいと死刑執行停止を求める嘆願書を法務省に提出し、法務大臣に直接会い上申書を提出したが、その後まもなく、長谷川俊彦氏の死刑は執行された。原田さんは、自らの体験をもとに、2006年に「Ocean被害者と加害者の出会いを考える会」を立ち上げ、2021年12月に結成した被害者加害者が共に支援を行う団体「Inter7」の共同代表を務めている。加害者が謝意を伝えられない“高い壁”Inter7の共同代表の五十嵐弘志さんは、計20年服役した経験を持つ。長谷川君のように、獄中でのキリスト教との出会いをきっかけに更生し、出所後は受刑者の更生支援に尽力してきた。Inter7には、加害者被害者双方の家族などから相談が寄せられており、被害者に償いたいという受刑者からの相談も多い。受刑者が刑務所から直接被害者に手紙を送ることは許されておらず、弁護士など被害者との間をつないでくれる人が不在の場合、謝意を伝えることは叶わず、被害者から「謝罪がない」と残された家族に苦情が寄せられることもある。原田さんは、死刑囚となった長谷川君との面会を特別許可されたが、死刑囚との面会は基本、親族に限られている。謝罪したい加害者と謝罪を求める被害者の間には、制度上の高い壁がある。「被害者に謝りたい、償いたいと思っても、管理重視の日本の刑務所ではトラブルをおそれるあまり、あれもダメ、これもダメとあまりに制約が多く、何もしないほうがいいのではという気持ちにさせられてしまうのです」直接、加害者と話をしたいというニーズは、Inter7の共同代表で交通事故被害を経験した片山徒有さん、弓指寛治さんも主張する。原田さんは、決して加害者に甘い被害者ではない。被害者と向き合うことは、加害者にとっても恐怖であり、勇気がいることでもある。「塀の中で、孤独に犯した罪と向き合い続けることは苦しいことです」五十嵐さんは、生きる苦しさこそが償いではないかと語る。犯罪報道では、被害者と加害者は分断され、対立する姿ばかりが強調される。しかし、Inter7が対立と分断を超えた先に目指す社会とは、世間が押し付ける被害者・加害者像から解放され、自分らしい生き方を選択できる社会である。阿部恭子(あべ・きょうこ)NPO法人World Open Heart理事長。日本で初めて”犯罪加害者家族を対象とした支援組織を設立。全国の加害者家族からの相談に対応しながら講演や執筆活動を展開。著書『家族という呪い―加害者と暮らし続けるということ』(幻冬舎新書、2019)、『息子が人を殺しました―加害者家族の真実』(幻冬舎新書、2017)、『家族間殺人』(幻冬舎新書、2021)など。
2022年05月16日平和なマンションに隠された住民たちの秘密とは……!?株式会社SCRAP(本社:東京都渋谷区代表:加藤隆生)は、新作オンラインリアル脱出ゲーム『封鎖された殺人マンションからの脱出』を2022年5月12日(木)より販売することを発表いたします。■『封鎖された殺人マンションからの脱出』イベント特設サイト 謎解きを通して参加者がまるで“物語の登場⼈物”になったかのような体験ができる「リアル脱出ゲーム」。累計940 万⼈以上を動員する、今⼤⼈気の体験型エンターテインメントです。そんなリアル脱出ゲームの興奮を⾃宅から味わえる「オンラインリアル脱出ゲーム」の最新作として『封鎖された殺人マンションからの脱出』が登場︕ スマホなどの端末からWEB にアクセスし、参加者⾃⾝がサスペンスドラマの主人公になったような体験ができるオンラインゲーム・イベントです。本作の舞台は、とあるマンション。プレイヤーは住民として、マンション内で起きた殺人事件の解決を目指します。容疑者は、同じマンションに住む一癖も二癖もある住民たち。今話している相手が黒幕かもしれないという緊張感の中、ビデオ会議を通じて住民たちと協力し、黒幕が仕掛けた謎を解いていきます。謎を解いていく中で次々暴かれていく住民たちの秘密。少しずつ明らかになる黒幕の陰謀。そして衝撃の真実。その全てはプレイヤーの手に委ねられます。本ゲームには制限時間がなく、お好きな⼈数でプレイいただけるため、1 ⼈でも家族やご友⼈と⼀緒でも⼼ゆくまでご堪能いただけます。マンションという日常を舞台に繰り広げられる、隣人が殺人犯かもしれないという非日常体験を、ぜひご堪能ください。<プレイイメージ>+++【『封鎖された殺人マンションからの脱出』概要】+++■イベント特設サイト ■CM ■ストーリーあなたが新居に選んだのは、とあるマンション。ある日、郵便受けに一通の怪文書が届く。『今夜、緊急住民会議を行います。このURLからビデオ会議にご出席ください』不自然に思ったものの、指定の時間にビデオ会議を繋ぐ。しかし、そこには住民たちに混じって一つだけ知らない名前があった。いったい誰なんだ?そう思っていると、そのカメラがオンになる。画面に映ったのは目を疑う光景だった。住民の一人、三条さんがナイフで刺されて死んでいる!そこに、ひび割れたアナウンスが響く。「三条さんを殺した犯人は、この中にいる。朝が来るまでに見つけ出せ。それまで、このマンションから出ることはできない」謎の人物の細工により、警察への通報は封じられ、唯一の出入り口であるエントランスさえも封鎖されていた。謎の人物の正体とは?三条さんを殺した犯人とは?そして平和の虚飾に隠蔽された、このマンションの過去とは?すべての謎を解き明かし、封鎖された殺人マンションから脱出せよ!■プレイ形式・制限時間:なし(想定所要時間:150分〜240分)・人数制限:なし(推奨プレイ人数:1~3人)・必要なもの:スマホ/タブレット/PCなどの端末いずれか1つ■販売情報・販売スケジュール少年探偵SCRAP団(FC)団員先行:2022年5月12日(木)12:00〜2022年5月13日(金)23:59一般:2022年5月14日(土)12:00〜・料金いますぐプレイ版:3,000円(税込)特典付きパッケージ版:3,300円(税込)オリジナルステッカー(55mm×55mm)と脱出成功ステッカー(55mmφ)に加えて、脱出成功カード(A5サイズ)が付属した限定キット。プレイした証を手元に残したい方にはこちらがおすすめ!SCRAP GOODS SHOP並びに東京ミステリーサーカス、全国のSCRAP常設店舗で販売します。各店舗の営業時間や住所は下記よりご確認ください。※お手元に商品が届くまでゲームができません。購入後、すぐにゲームをプレイされたい方は、「いますぐプレイ版」をお買い求めください。※「特典付きパッケージ版」に付属するオリジナルステッカーと脱出成功ステッカー、脱出成功カードの個別販売はいたしません。※購入前に必ず注意事項をご確認ください。・販売場所いますぐプレイ版:スクラップチケット特典付パッケージ版:SCRAP GOODS SHOP(EC)/店頭(東京ミステリーサーカス、およびリアル脱出ゲーム常設店)※店頭においても、団員先行期間中は団員限定の販売となります。■クレジット主催、企画制作:SCRAP■ゲームページイメージ+++++【以下補足情報】+++++■SCRAPとは2008年、株式会社SCRAPを設立。遊園地やスタジアムを貸し切ってリアル脱出ゲームを作ったり、本やアプリ、TV番組にも謎をしかけ、企業の謎解きプロモーション企画をお手伝いしているうちに、すっかり謎イベントの制作会社として世間に認知されてしまった京都出身のフリーペーパー制作会社(しかもフリーペーパーは絶賛休刊中)。勢いに乗ってファンクラブ「少年探偵SCRAP団」も結成。テレビ局・レコード会社などともコラボレーションを行い、常に新しいエンターテインメントを生み出し続けています。★公式サイト: ■リアル脱出ゲームとは2004年に発表された「クリムゾンルーム」というネットの無料ゲームを発端に、爆発的に盛り上がった「脱出ゲーム」。そのフォーマットをそのままに現実世界に移し替えた大胆な遊びが「リアル脱出ゲーム」。マンションの1室や廃校、廃病院、そして東京ドームや六本木ヒルズなど、様々な場所で開催されている。07年に初開催して以降、現在までで940万人以上を動員している。日本のみならず上海、台湾、シンガポールやサンフランシスコなど全世界で参加者を興奮の渦に巻き込み、男女問わずあらゆる世代を取り込む、今大注目の体験型エンターテインメントである。※「リアル脱出ゲーム」は株式会社SCRAPの登録商標です。★公式サイト→ ★ツイッターアカウント→@realdgame 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年05月12日現場のバス停には花が。ベンチは狭く仕切りもあるので横になれない(事件直後に撮影)「びっくりしました。被告が亡くなったこともそうですが、あんな酷い殺人をしておきながら保釈されていたとは……」被告の自宅近くの住民はそう語った。’20年11月、東京都渋谷区のバス停でホームレスの大林三佐子さん(当時64)が、何者かに殴られて死亡するという事件が起きた。事件発生から5日後、現場近くの酒店の一人息子・吉田和人被告(48)が最寄りの交番に母親とともに出頭。「犯行前日に“お金をあげるからどいてほしい”と頼んだが、断られた。腹が立ったので、石を詰めたペットボトルで殴ったが、こんな大事になるとは思わなかった」と供述。吉田被告は傷害致死の疑いで逮捕されたのだ。被告の一家は祖父母の代から続く老舗酒屋で、マンションやアパートも所有する資産家でもあった。被告宅の近隣住民によると、「彼は中学校で不登校になって以来、ひきこもりになってしまった。20歳ぐらいで一度就職したが、すぐに辞めて……。それでも事件を起こす数年前、常連さんへの配達をしていた父親が亡くなって一人で酒店を切りもりする母親の手伝いはしていた」景観を壊す“異物”に見えたのかそんな被告は近所ではちょっとした有名人だったという。「実家の2階にひきこもって、そこから見える景色に特異なこだわりがあった。近所の人がパラボラアンテナを設置したり、自宅のシャッターなどを替えたりすると、文句をつけていたそうですから。もしかしたら、バス停で寝泊まりする大林さんが景観を壊す“異物”に見えたのかもしれない」(社会部記者)吉田被告は’20年12月に起訴され、来月17日に初公判が開かれる予定だった。てっきり拘置所で公判を待っていると思われたが、実は保釈されていた。「どうやら今年の3月ぐらいに保釈されていたようですね。反省の色も見せていたし、逃亡する恐れもなかったので、そういう判断になったんでしょう。ですが、人目があるから、外にも出られなくてまたひきこもっていた」(被告の知人)そして4月8日の午前中、被告が近所で倒れている姿が発見され、間もなく死亡してしまう。近くのビルから飛び降り自殺を図ったとみられている。被告宅を訪ねると、母親は出てきてはくれたものの、両手を合わせてお辞儀をしながら、「申し訳ありません……」と呟くのみだった。母親の銀縁の眼鏡の奧の目元には、クマのようなものが見えた。一方、被害者が亡くなったバス停は事件後、多くの女性が献花する場所となっていた。「亡くなった大林さんは若かりしころ、アナウンサー志望でしたが、夢が叶わず、地元の広島で結婚式の司会業などをやっていました。5年ほど前に上京して、スーパーなどでバイトをして生計を立てていたそうです。だが、その仕事を失いホームレスになって、あんなかたちで殺されてしまった。非業の死を遂げた大林さんに多くの女性たちが同情、共感しているんだと思います」(ウェブメディア記者)ありし日の大林さんを見たことがある住民は、彼女の印象について、「事件の5か月ほど前から、大林さんが夜中1時になるとバス停のベンチに座って朝方まで寝ていました。女性だから安全面を考えて、その場所を選んでいたんじゃないかな」身長150センチメートルぐらいだった大林さんは比較的、小綺麗な服装をしていたという。人の助けはいらない「服装も靴も毎日替えていて、スカーフをしているときすらも。だから最初はホームレスだとは思わなかったんです」(同・住民、以下同)ときどき声をかけてみると、「“大丈夫ですか”“食べ物をあげましょうか”“毛布はいらないですか”と言っても、返事はいつも決まって“いえ、大丈夫です”と。人の助けはいらない、迷惑をかけないといった、凛とした強いものを感じました。生活保護も受けられたでしょうが、それも嫌だったんでしょうね」家族にも、自身の困窮ぶりをいっさい伝えていなかったという大林さん。吉田和人被告によって虫けらのように命を奪われてしまったが、矜持を持って生き抜いたその姿は大林さんの“遺言”となって人々の心に生き続けている。雨の中、バス停脇には2束の献花があった。「あれは、今回、自殺と思われる被告の死亡報道を知った方が、それを大林さんに報告するための献花と聞きました」(近所の住民)だが、被告が死亡したことで、この事件の真相は永遠に閉ざされてしまった……。
2022年04月16日亡くなったヴォ・ティ・レ・クインさん(フェイスブックより)「2年ほど前にご主人と引っ越してきてね。言葉は交わさんけど、挨拶をすればきちんと会釈してくれる愛想のええ人やったよ……」被害者の自宅近くの住民は言葉を失った。4月3日の午後、大阪府大阪市淀川区の『ほっかほっか亭三津屋店』の店主が、「アルバイトの女性が戻ってこない」と大阪府警に通報をした。店内の防犯カメラには、午前8時35分ごろ、ベトナム国籍でアルバイトのヴォ・ティ・レ・クインさん(31)が、同店の2階に住む男と店を出ていく様子が映っていた。その夜、警察官が男の部屋を訪ねると、その男は刃物で自らの首を切っていて、血まみれで倒れているのを発見。病院に緊急搬送されて、命に別状はなかった。布団圧縮袋に詰められていたヴォさんの遺体「警察は翌日にあらためて男の部屋を調べると、テレビ台の裏に隠された布団圧縮袋を発見。粘着テープで縛られた袋の中からヴォさんの遺体が見つかったのです」(全国紙社会部記者)死因は首を絞められたことによる窒息死だった。2階の男、トラック運転手の山口利家容疑者(59)が逮捕されたのは、事件発覚から2日後の6日。本人の回復を待って、自供を聞いた上での逮捕で、強盗殺人と死体遺棄の疑いだった。警察の取り調べに対して容疑者は、「生活が苦しく、金を奪おうとしたが、大声で騒がれたので首を絞めた」と容疑を認めていて、ヴォさんの手提げカバンなどを盗んでいた。山口容疑者はどんな人物だったのか。「いつも迷彩服の上下を着ている変わった男。階下で営業している同店に“シャッターの開け閉めの音がウルさい”とクレームをつけていたみたいですよ。近隣の人によれば、“事件前日の夜にも、男と外国人女性の怒鳴りあうような声が聞こえた”って」(近所の主婦)ヴォさんが夫に話していた“将来の夢”被害者のヴォさんは、ベトナムの大学で日本語を勉強したのち、6年前に結婚。5年前に夫とともに来日した。同弁当店には1年半ほど前から勤務していたが、「外国人の女性が働いていることは知っていたんやけど、奥のほうで調理していたし、マスクをしているから、顔まではようわからんかったね。でも、テレビで若いころの写真が出とったけど、美人さんやったんやねぇ」(弁当店の常連)同店から2キロメートルほど離れた同市西淀川区の借家に夫とふたりで住んでいたヴォさん。冒頭の近隣住人は、「日本人とのつきあいはほとんどなかったみたい。でも、お宅の前によく自転車が停まっていて、ベトナム人のお友達が遊びに来ていたね」夫婦ともども社交的だったことがうかがえる。ヴォさんの夫の悲しみは、計り知れない。「“日本は安全な国だと思っていたのに……。妻の夢は日本で働くことと、そして将来はベトナムの子どもに日本語を教えることでした。容疑者は厳しく処罰してほしい”と泣きじゃくっていましたね」(前出・社会部記者)捜査関係者はこう話す。「ヴォさんがなぜカバンを持って容疑者の住む2階の部屋へ上がっていったのか。そもそも、容疑者がアルバイトのヴォさんを強盗目的で襲うものなのか……。まだまだ不可解な点が多い」夢を抱いて渡ってきた日本で、無惨にも命を奪われたヴォさん。彼女の無念を少しでも晴らすためにも、真相の解明が待たれる。
2022年04月08日妻の両親を殺害し家の裏庭に埋めた夫婦が15年後に逮捕されるという、イギリスで実際に起きた事件を『チェルノブイリ』の製作陣と英SKY&米HBOがドラマ化したクライムドラマ『ランドスケーパーズ 秘密の庭』(全4話)が、4月1日(金)より「スターチャンネルEX」で国内独占配信開始される。『女王陛下のお気に入り』でアカデミー賞を受賞したオリヴィア・コールマンと『ハリー・ポッター』シリーズのルーピン先生役でお馴染みのデヴィッド・シューリスが夫婦役で共演。二大実力派俳優のふたりが、殺人を犯しておきながらその現実から逃避し15年も普通に生活していたという、一見地味で平凡だが謎多き中年夫婦を見事に演じている。妄想と現実の境界線が分からなくなってしまった主人公スーザンを見事に演じたオリヴィア・コールマンは、The Guardian紙から「キャリア最高の演技」と賞賛され、夫を演じたデヴィッド・シューリスと「二大俳優の共演」として高く評価されている。英Sky&米HBOオリジナルの本作は『チェルノブイリ』の製作会社「シスター」と、オリヴィア・コールマンが夫エド・シンクレアと設立した「サウス・オブ・ザ・リバー・ピクチャーズ」の共同製作で、夫妻のプロダクションにとっては初めての作品。脚本を手がけたシンクレアは、スーザン役に妻コールマンを想定して執筆した。監督を務めたのはシスター製作のNetflixドラマ『Giri/Haji』に出演した日系イギリス人のフィルムメーカー、ウィル・シャープ。大学で法律を学び、人はなぜ犯罪を犯すのかに興味があったというエド・シンクレアと、自身も双極性障害を抱えることから過去のTVシリーズ監督作で精神疾患を扱い高い評価を得たウィル・シャープは、本作のモデルとなった実在の殺人事件により人間的な形でスポットライトを当てたいと考えた。妻のスーザンに承諾を得た上で、現実の裁判では認められなかった彼女の主張に基づくストーリーをフィクションとして膨らませている。スーザンの回想や白昼夢を、西部劇やモノクロ映画風の映像で挿入し、極端な色使いのライティング効果でシュールに演出。夫婦の内面世界を通して、実在の殺人事件を、新たな角度から秀逸に描いた。堅い絆で結ばれたふたりの独特な愛の世界はファンタジー・ラブストーリーと言っても過言ではない。「2021年最も面白い作品」(The Newyorker)との呼び声も高く、Rotten Tomatoesでは批評家から98%の高評価を獲得している。また、実際15年間に渡り、殺した両親の年金など約4000万円を横領していた夫婦は、そのほとんどをハリウッドスターのポスターやサイン入りアイテムなどに注ぎ込んでいた。ドラマでは主人公が大好きなゲイリー・クーパーの『真昼の決闘』が本編に挿入されたり、ジェラール・ドパルデューとの手紙のやりとりや、ふたりの初めてのデートで見たジェラール・ドパルデュー出演の『終電車』の挿入、西部劇風のエンドロール(最終話)など、クラシック映画好きの視聴者も楽しめる要素が溢れている。キャスト、クオリティともに映画級のドラマでありながら、起承転結がはっきりした全4話構成で一気見しやすく、テンポの速い展開も気持ちの良いミニシリーズだ。イギリス人の中年夫婦スーザンとクリスは、人には言えない事情がありフランスで慎ましい生活を送っていた。仕事がなかなか見つからずついに経済的に行き詰まったクリスは援助を頼むためイギリスに住む継母に電話をかけ、秘密を告白してしまう。すると継母は彼の自白を警察に通報してしまい、往年の名画のような妄想の世界に生きていたスーザンとクリスは 突如現実の世界に引き戻され、厳しい現実とそれぞれの辛い過去と向き合うことになる。本日からの配信開始にあわせ、予告映像が公開された。寂しげな表情で「さよならなんて嫌よ」「さよならじゃないよ」と身を寄せ合うクリス(デヴィッド・シューリス)とスーザン(オリヴィア・コールマン)夫妻が映し出されると、そのロマンチックなシーンから一転、彼らが自白のために向かった先には、数多もの警察に取り囲まれ、厳しい眼差しを浴びるのだった。彼らの記憶やトラウマがフラッシュバックするかのような、独特の内面世界をも映し出した鮮烈な予告映像となっている。「息をのむほど美しい」(デイリー・テレグラフ)、「滑稽であり感動的だ」(ファイナンシャル・タイムズ)と海外の批評家も絶賛のコメントを寄せている。『ランドスケーパーズ 秘密の庭』【配信】スターチャンネルEX<字幕版・吹替版>4月1日(金)より配信開始 毎週金曜更新【放送】BS10 スターチャンネル<STAR1 字幕版>5月16日(月)より放送開始 毎週月曜23:00ほか★5月8日(日) 第1話先行無料放送<STAR3 吹替版>5月18日(水)より毎週水曜22:00ほか作品公式サイト:
2022年04月01日道枝駿佑(なにわ男子)が5代目・金田一一を演じる新ドラマ「金田一少年の事件簿」の初回のエピソードが「学園七不思議殺人事件」に決定。ゲストも発表された。事件の舞台となるのは、一たちが通う不動高校。学園七不思議と呼ばれる謎があり、七つ目の謎の真相を知った者は、旧校舎に潜む怪人“放課後の魔術師”に呪い殺されるという噂があった。そこで、美雪(上白石萌歌)が所属するミステリー研究会が、その謎を探っていく中で、次々と事件が引き起こされていく――。27年前の1995年4月、堂本剛主演の初代シリーズの幕開けとなるスペシャルドラマとして放送された同エピソード。今回、現代の視点から内容を再構築し、27年ぶりに令和版として放送される。合わせて、その第1話に登場するゲストも発表。不動高校の仲間で、ミステリー研究会の先輩・桜樹るい子を大友花恋。現役高校生の推理作家としても活躍する真壁誠を細田佳央太。ミステリー研究会の同級生・尾ノ上貴裕を前田航基、不動高校の警備員を杉本哲太、物理教師を光石研が演じる。「金田一少年の事件簿」は4月24日(日)22時~日本テレビにて放送開始(初回30分拡大)。※毎週日曜日22時30分~放送(cinemacafe.net)
2022年03月31日一般社団法人深海洋燈(東京都中央区)主催による、『熱海殺人事件~売春捜査官~』が2022年6月6日 (月) ~2022年6月15日 (水)に新宿スターフィールド(東京都新宿区)にて上演されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて4月29日(金)10:00より発売開始です。カンフェティにて4月29日(金)10:00よりチケット発売開始 公式ホームページ 公式Twitter 今年2月、惜しくも中止となった 深海洋燈 初のつかこうへい作品早くも延期公演決定!部長さん李先輩の墓を対馬海峡の見渡せるアリランの花の咲き乱れる岬に造ってやってくれねぇか深海洋燈の代表、申大樹の恩師であるつかこうへい氏の不朽の名作、熱海殺人事件「売春捜査官」。本作品はつかこうへい氏が生前、いくつものバージョンであらゆる役者によって社会に対するメッセージを伝えている。つか氏が伝えたかったメッセージ、社会、祖国への想いを申大樹が抉り出し色濃く投影する。つか氏が他界し10年。今でも数多くの団体により上演される作品を、深海洋燈はこれからの10年、更にその先を見据え新たな挑戦を行う。深海洋燈(しんかいらんぷ)とは2020年8月結成。深海=光の届かない暗闇。まだ誰も踏み入れたことのない未知の世界。洋燈=灯りを燈し、無限の可能性を模索する。長年の芸術経験を持つ、多様性に富んだ俳優やクリエイターたちから生まれた集団。まだ見たこともない景色、独創的な世界観から紡がれる心理描写を用いて、劇場の枠組みをも飛び越えた作品を生み出す。【過去作品】2021年2月オフオフブロードウェイの名作を斬新な演出と母子の愛・記憶を軸に描いた『小鳥の水浴』原作:レナード・メルフィ翻案・演出:申大樹2021年9月チャールズ・チャップリン「キッド」、「独裁者」より着想を得て血の繋がらない親子の在り方・人身売買・ストリートチルドレン等の社会問題を織り交ぜたオリジナル作品『KID~キッド~』脚本:演出:申大樹2021年10月不朽の名作を独自の目線で切り取り、また出演者全員を女性のみで構成した『天井桟敷の人々~LES ENFANTS DU PARADIS~』翻案・演出:申大樹2021年12月深海洋燈の新たな派生団体としてKakuriyo projetを設立。遊郭の豪華絢爛さの裏に隠されたLGBTの繊細な想いを描いた『男おいらん~月下紫苑~』脚本:内藤みか/申大樹演出:申大樹公演概要深海洋燈『熱海殺人事件~売春捜査官~』公演期間:2022年6月6日 (月) ~2022年6月15日 (水)会場:新宿スターフィールド(東京都新宿区新宿2-13-6 光亜ビルB1)■出演者傳田圭菜 / 松田優(ワイルドシング) / 荻野貴継 / 藤内正光 / 史椛穂 / 後藤晴香 / 正井雪香 / 小寺絢 / 手塚早愛■スタッフ作:つかこうへい演出:申大樹美術・衣装プラン:野村直子照明:仲佐真梨香(空間企画)音響:小林由尚/加藤一博(minimumanti)舞台美術:深海洋燈振付・ステージング:史椛穂殺陣指導:五代新一衣装製作:前田和美舞台監督:小林由尚現場衣装:井口香小道具:深海洋燈劇中映像:大橋一文劇中詩:本山由乃(劇団ロオル)映像撮影・編集:坪井俊樹(劇団スクランブル)/藤岡至央宣伝美術:野村直子/真夢宣伝スチール撮影:染野弘考制作:傳田圭菜制作協力:揖斐圭子当日制作:大岸明日香(劇団ドガドガプラス)/井口香企画・製作一般社団法人深海洋燈協力つかこうへい事務所/オフィスカザマ/有限会社ワイルドシング/株式会社ピュアハーツ/株式会社トレジャーハート/空間企画/株式会社クィーンズアベニュー/劇団ドガドガプラス/宮崎絵美子/塚原希代/渡会久美子/岡村好明/水上ゆか/PSYCHOSIS/(敬称略・順不同)■公演スケジュール6月6日(月) 19:006月7日(火) 19:006月8日(水) 19:006月9日(木) 14:00/19:006月10日(金) 19:006月11日(土) 14:006月12日(日) 14:006月13日(月) 19:006月14日(火) 14:00/19:006月15日(水) 14:00※受付開始は開演の45分前※開場は開演の30分前■チケット料金一般前売:4,500円/当日:4,800円学生(前売り・当日共):3,500円※要学生証・深海洋燈申し込みのみ(全席自由・税込) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年03月26日新鋭チョン・ビョンギル監督が、韓国史上最悪の連続殺人事件とも言われている実際に起きた「華城(ファソン)連続殺人事件」からインスピレーションを得て描いたサスペンス映画『殺人の告白』の初舞台化が決定した。15年前に起こった連続殺人事件の犯人だと名乗り出た男、イ・ドゥソクは、時効が成立しているために無罪となった上、自分の犯した殺人について詳細に記した本を出版。その衝撃的な内容と美しいルックスが相まって、ドゥソクは一躍時の人となる。しかし、15年間事件を追い続けていた刑事チェ・ヒョングは、本の中に最後の未解決失踪事件の真相が書かれていないことに気づく。そんな中、自分こそが真犯人だと主張する人物が現れ…。映画は、2012年に韓国で公開後、270万人突破の大ヒットを記録し、日本でも公開。その後、2017年には藤原竜也と伊藤英明のW主演により『22年目の告白-私が殺人犯です-』としてリメイクもされた。時効成立後、突然自らの罪を告白し世間の注目を集める連続殺人犯と、事件を執拗に追う刑事、そして愛する人を失った残された者たち、それぞれの思惑がぶつかり、国を揺るがす犯罪ショーへと発展するストーリー。連続殺人犯のイ・ドゥソクを演じるのは、「SUPERNOVA(超新星)」のリーダー・ユナク。ドゥソクを追う刑事チェ・ヒョングは、ブロードウェイミュージカル「アナスタシア」や「RENT」などに出演し俳優としても活躍する「CHEMISTRY」の堂珍嘉邦。ユナクは「過去にダブルキャストとしてご一緒した堂珍さんと、今作では共演することができとても嬉しいです。観て頂く皆さんが作品に入り込み、楽しんでいただけるよう精一杯演じさせていただきます」と意気込み、堂珍さんも「期待や不安が混ざりながらだと思いますが、演出家や、共演者の皆さんと良い舞台になるように励みたいと思います」とコメント。また、連続殺人事件の真犯人を名乗る人物Jを前川泰之、ヒョングの婚約者スヨンの父でウリ物産会長チョン・ウヌを岡田浩暉、出版社の女社長・チャン・ミジャを大林素子、ヒョングの相棒・グァンスを小南光司、ヒョングの婚約者チョン・スヨンを岡田夢以。ほかにも日向野祥、白又敦、加藤里保菜らが出演。前川さんは「お客様にとっても、未知の前川泰之を見ていただけると確信しています」とアピールし、岡田浩暉さんは「スタッフ、キャスト一丸となって息呑む時間をお過ごし頂けるように頑張りたいと思います」と話す。大林さんは「新たな挑戦の役を、体当たりで臨みたいと思います」と力を入れ、岡田夢以さんは「映画『殺人の告白』韓国版と日本版、両方とも以前から拝見していたので、今回の舞台版に出演させていただけることを本当に嬉しく、光栄に思っております」と出演を喜んでいる。脚本・演出・映像は、「HEDWIG AND THE ANGRY INCHSPECIAL SHOW」の演出も担当したヨリコ・ジュン。本作同様に「華城(ファソン)連続殺人事件」を題材とし、20年以上にわたり繰り返し上演され続けている韓国の人気舞台「私に会いに来て」を2019年に日本で上演した際にも演出を担当し、型にハマらない演出が観客の高評価を得て話題となり、この舞台の評判は韓国の新聞にも紹介されている。なお、本公演のチケットは、オフィシャル先行販売が行われている。舞台「殺人の告白」は6月17日(金)~26日(日)サンシャイン劇場にて上演。(cinemacafe.net)■関連作品:殺人の告白 2013年6月1日シネマート新宿ほか全国にて公開© 2012 DASEPO CLUB AND SHOWBOX/MEDIAPLEX ALL RIGHTS RESERVED.
2022年03月22日山田悠太郎容疑者が事件を起こした自宅兼美容室「事件の2日前の朝、おじいちゃんが日課の散歩をされていてね。少し前までは犬と一緒だったんですが、死んでしまってね。“お元気そうですね”と声をかけたら、ニコッと笑っておられたのに……」と、近所の主婦は突然の不幸に言葉をなくしていた。3月8日の夜9時35分ごろ、静岡県浜松市中区の閑寂な住宅街でとんでもない事件が起きた。「家族でトラブルがあるので、来てほしい」と、男性からの110番通報が入った。静岡県警浜松中央署の署員が現場に駆けつけると、無職の浦山毅さん(79)と妻の秀子さん(76)、さらには孫で会社員の山田健人さん(26)の3人が倒れていた。すぐに病院へ搬送されたが、3人とも死亡が確認される。事件の夜に起きた家族間トラブル「警察が被害者の家族に事情聴取をし、事件翌日になって毅さんの孫で健人さんの弟である山田悠太郎容疑者(22)を殺人の疑いで逮捕した。司法解剖の結果、3人とも死因は頭部外傷による損傷死。のちに自宅周辺から犯行に使用したと思われるハンマーや、結束バンドなどが発見されていることから、犯行は計画的だったと言えるでしょう」(全国紙社会部記者)事件が起きた家は自宅兼美容室になっており、母屋に毅さん秀子さん夫婦と40代の息子、別棟に娘夫婦と孫の悠太郎容疑者が住んでいた。「元々は秀子さんが長年、この店で美容師をやっていたんですが、娘と娘婿も美容師で店を継ぎました。だから秀子さんは最近、ほとんどお店に出ていませんでしたね」(近所の主婦)周囲からは円満に見えていた一家だが、事件の夜は家族間で問題が生じていた。そのため、結婚してすでに実家を出ていた健人さんと、もう一人の兄もかけつけての家族会議が行われていた。事件時に110番通報した男性はこの兄だった。兄弟3人で仲よくセミとり悠太郎容疑者について、近所の住民はこう話す。「幼いころは、兄弟3人で仲よくセミとりをしていてね。この辺りでは虫とりなんてする子はほとんどいなかったので、珍しいなと。子どもらしいなと微笑ましく思っていました」容疑者の小・中学校の同級生の保護者は、「ちょこっとだけやんちゃな子でしたね。悪さをして、先生に叱られているような子。とても活発で、とくに運動神経は抜群でした」地元の高校を卒業後、容疑者は実は警察官になっていた。「1年3か月で辞めていますね。警察学校に1年間通ってから、県東部の派出所に配属されたが、わずか3か月で辞職しています」(捜査関係者)その後、容疑者はいわゆるニート状態だったようで、「おじいちゃんも、おばあちゃんもいい人ですが、厳格なところもあった人たち。若い孫が自宅でぷらぷらして仕事をしていなければ、小言を言うのは当たり前じゃないですか。でも、それくらいのことでこんな事件を起こしてしまうものなのか」(前出・近所の主婦)また、近隣住民からはこんな話も。「悠太郎くんが無職だったから、美容室を継がせようとしていたんじゃないかな。少し前から、彼に店を手伝わせていたようなので」現場周辺150メートル四方は、事件から10日目まで規制線が張られ続けるほどの異様さだった。家族3人を惨殺するという凶行に走った元警察官の心の闇はまだ解明されていない。
2022年03月22日※写真はイメージです家族が家族を殺害ーー。またひとつ、悲しい事件が起きた。今、日本で起きる殺人の半数は「家族間での殺人」だという。守られるべき家庭内で、いったい何が。『家族間殺人』(幻冬舎新書)の著者で、2000件以上の加害者家族を支援してきたNPO法人『World Open Heart』理事長・阿部恭子さんが解説する。家庭は戦場になる静岡県浜松市中区の店舗兼住宅で、70代の夫婦と20代の孫が死亡しているのが発見され、79歳の祖父を殺害した疑いで同居する22歳の孫が逮捕された。凶悪事件が少ない日本では、本件のような家族間殺人が目立つ。2018年、鹿児島県日置市で、加害者が自身の親族4人と近隣住民1人を殺害する事件が起きており、加害者は裁判員裁判で死刑判決が言い渡されている。同年、宮崎県の高千穂町でも一家5人が殺害される事件が発生し、犯人と思われる親族は自ら命を絶ち、真相は闇に葬られたままである。いずれも家庭の中で、複数の人間が家族の手によって無残に殺害されているのである。筆者はこれまで約120件の家族間殺人の支援を行なってきたが、ほとんどの事件は大々的に報道されることなく、家族殺害に至る背景が掘り下げられることのないまま、社会的には幕引きとなっている。【家族関係が密で起こるケース】介護疲れや育児ノイローゼ、引きこもり問題など、家族の将来を悲観して心中。その過程で起きる殺人は、家庭内殺人の特徴ともいえる。家族関係が密であったからこそ、自他の境界線が見えにくくなり一線を越えてしまう。かつては関係の良好な家族であっても、さまざまな社会的・経済的環境の悪化によって引き起こされるケースがある。日本では、家庭が上手くいっていないことを恥だと考え、世間体を気にして他人に相談することをためらう人々が多く、精神的限界を迎えてしまうケースは少なくないと思われる。【家族関係が希薄で起こるケース】家族間殺人であっても統計上、犯行動機としてもっとも多いのは「憤まん・怨恨」であり、ほかの殺人の主たる動機と同じだという 。社会的に「家族」と呼ばれる関係であっても、家族間に交流がないケースも多々ある。親の再婚によって急にきょうだいができたケースや、経済的事情から親の実家で祖父母と同居するようになったケースなど、共に暮らしていく中で家族としての情が湧くケースばかりではなく、溝が埋まらないままの関係もある。祖父母と同居していたが、ほとんど会話したことがないという孫たちもいる。たいてい家庭内で人は無防備であり、金銭を目的として狙いやすかった家族が犠牲になっているケースもある。社会的には家族でも、加害者にとって被害者は他人同様であり、特別な感情はないのである。悪意が芽生えたとき、身近に暮らす家族はもっとも被害に遭いやすい存在ともいえるのだ。加害者の身元引受人になる家族も家族間殺人の遺族は、被害者家族であると同時に加害者家族でもあり、どちらのアイデンティティが強いかは被害者加害者双方との関係性によって実にさまざまである。事件後、当然、加害者に対して厳しい処罰を望む家族もいる。その心境は複雑であるが、家族間殺人事件であっても、事件を起こした加害者の身元引受人を残された家族が担っているケースも少なくないのが現状である。家族たちは、社会に迷惑をかけたという罪責感から、更生の担い手を断ることが難しく、更生支援も十分ではない社会事情から、加害者との関係維持を余儀なくされてきた。 「家族の問題は家族で解決すべき」という無理な価値観こそが、事件を繰り返す悪循環を生んできた。もっとも安全な場所であるはずの家庭が、命を奪われる現場となってきたにもかかわらず、防犯の手立てがないのが家族間殺人である。事件は決して特殊な人々の間でだけ起きているわけではない。人の成長とともに家族も日々変化しており、長寿社会となった現代では、従来予想だにしなかった問題を抱えたとしても不思議ではない。家族間の事件を防ぐためには、家族それぞれが、いざというとき、経済的自立ができることと、家族間の精神的距離を保つことだと考える。他人に対してであれば堪えたであろう感情を家族ゆえに爆発させてしまい、後悔した経験は誰しもあるのではないだろうか。家族間であればすべての行為が許されて当然と考えるのは大きな間違いである。同居していたとしても、血が繋がっていようとも、家族は自分ではない。自分は我慢できることであっても、家族が同じように我慢できるとは限らない。他人にしないようなことは家族にもすべきではない。家庭の問題は利害関係のない専門家に相談を家族間で問題が生じた際は、親族を巻き込まず、家族とは利害関係のない第三者に相談しておくことを勧める。仲裁役として、関係が近い親族が適当だと考えるかもしれないが、親戚も利害関係を有している可能性があり、むしろ親戚を巻き込むことで問題をこじらせるリスクが高いのである。他人であっても、家族と関係が近い人は問題に巻き込むことになりかねず、家族の問題を専門とする相談機関に相談を持ち込むことを勧めたい。社会で利用できるサービスは積極的に利用し、社会にさまざまなつながりを作っておくことが、家族依存の予防となりリスクを減らすことに繋がる。加害者家族支援の現場で、数多くの殺人事件を見てきた立場としては、家族間で起きる事件こそ、多くの人が加害者及び被害者になるリスクを孕んでおり、同様の悲劇を防ぐため、時間をかけて十分な検証が行われることを願うばかりである。阿部恭子(あべ・きょうこ)NPO法人World Open Heart理事長。日本で初めて犯罪加害者家族を対象とした支援組織を設立。全国の加害者家族からの相談に対応しながら講演や執筆活動を展開。著書『家族という呪い―加害者と暮らし続けるということ』(幻冬舎新書、2019)、『息子が人を殺しました―加害者家族の真実』(幻冬舎新書、2017)、『家族間殺人』(幻冬舎新書、2021)など。
2022年03月12日春匠主催、『定本 熱海殺人事件』が2022年5月25日 (水) ~5月31日 (火)に中野・テアトルBONBON(東京都中野区)にて、2022年6月3日 (金) ~6月5日 (日)に神戸三宮シアター・エートー(兵庫県神戸市)にて上演されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて発売中です。カンフェティにてチケット発売中 公式ホームページ 公式Twitter(@harutakumi2018) 【あらすじ】集団就職で上京してきた大山金太郎(喜多川2tom)は、幼馴染のアイ子を熱海の海岸で殺害してしまう。熱海で起きた平凡な事件を、東京警視庁捜査一課の木村伝兵衛部長刑事(春田純一)は、型破りな捜査法で自分が望む一流の事件へと導こうとする。そこに富山県警から花の東京警視庁に意気揚々と赴任してくる熊田留吉(貴山侑哉)。伝兵衛とその部下片桐ハナ子(大下順子)と共に熊田の想像をはるかに超えた捜査法が目の前で繰り広げられる。伝兵衛の捜査法に翻弄されながらもいつしか、その中に参画して行く熊田であった。1974年に岸田國士戯曲賞を最年少で受賞したつかこうへいの不朽の名作である。春匠(はるたくみ)とは春田組。『リアル』『生』を軸として映像のような舞台表現、斬新かつオリジナルなもの創りを目指し春田が主演・演出し、大下(前田)がプロデュースで活動。公演概要春匠『定本 熱海殺人事件』【東京公演】公演期間:2022年5月25日 (水) ~2022年5月31日 (火)会場:中野・テアトルBONBON(東京都中野区中野3-22-8ザ・ポケット2F)5月25日(水) 18:005月26日(木) 18:005月27日(金) 18:005月28日(土) 14:00※アフタトーク有(ゲスト:志穂美悦子)5月29日(日) 14:00※アフタトーク有(ゲスト:西岡徳馬)5月30日(月) 18:005月31日(火) 14:00※受付開始は開演の60分前、開場は30分前です。【神戸公演】公演期間:2022年6月3日 (金) ~2022年6月5日 (日)会場:神戸三宮シアター・エートー(兵庫県神戸市中央区琴ノ緒町5丁目6-9)6月3日(金) 18:006月4日(土) 14:006月5日(日) 14:00※受付開始は開演の60分前、開場は30分前です。■出演者木村伝兵衛/春田純一(春田純一事務所)熊田留吉/貴山侑哉(ノックアウト)片桐ハナ子/大下順子(春田純一事務所)大山金太郎/喜多川2tom(Japan Action Enterprise)■スタッフ原作:つかこうへい監修:錦織一清演出:春田純一照明:【東京】鈴木冴子【神戸】村上泰児音響:古岡基秀舞台監督:村上泰児制作統括:菱田信也制作:木村仁美・御子柴頼子宣伝美術:村上泰児協力つかこうへい事務所株式会社ジャパンアクションエンタープライズ株式会社バイモスター株式会社enchante株式会社オフィスレン9PROJECTノックアウト神戸三宮シアター・エートー(株)サワダアートプランニング春田純一事務所Atelier chez mariemuraboNACフィールドワークスぐんぐんフラワー神戸(株)オフィス・ライスフィールド片山大輔■チケット料金一般:4,500円U-25:3,500円U-18:2,000円シニア(60歳以上):4,000円(全席指定・税込)※学割(U-25、U-18)、シニア(60歳以上)をご購入された方は、当日学生証もしくは年齢がわかるものをご持参ください。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年03月05日事件現場となった大和市にある上田綾乃容疑者の自宅アパート「雄大は素直ないい子だったよ。うちには大きな水槽があって、そこにいる金魚をよく見に来ていた。だけど、自宅にいるより、児童相談所(以下、児相)にいる期間のほうが長かったかな……」男性は戸惑いの表情を浮かべていた。容疑者に代理ミュンヒハウゼン症候群の疑い2月20日、神奈川県警捜査一課と大和署は、同県大和市の自称看護助手の上田綾乃容疑者(42)を逮捕した。19年8月6日、自宅アパートで次男・雄大くん(当時7)の鼻と口をなんらかの方法で塞ぎ、窒息死させた殺人の疑いだった。事件が起きた日、容疑者みずからが“(子どもが)突然、苦しみだした”と119番通報したのだが、「司法解剖の結果、口などの皮膚にはがれたような跡があり、後頭部には強い力が加えられたような皮下出血があった。さらに、雄大くんに異常があってから、通報までには40分ほど時間が経過していたという不審な点もあった」(全国紙社会部記者)取り調べに、綾乃容疑者は容疑を否認しているという。「実は雄大くんは生後4か月のときにも心肺停止で病院へ搬送されて一命をとりとめています。その後はしばらく児相に引き取られていた」(同・社会部記者、以下同)20年ほど前、容疑者には前夫がいて、その間に2人の子どもがいたのだが、「長男は生後5か月でミルクの誤えんで、長女は生後1か月で乳幼児突然死症候群で共に亡くなっていた。その後、前夫と離婚して、現在同居する男性との間に雄大くんが誕生したんです」2子の死を不審に思っていた児相が、雄大くんの命を守るために一時保護。「その後、雄大くんは自宅に戻るも、同居の男性との間に生まれた第4子が1歳5か月で死亡し、再び児相が雄大くんを一時保護しました」児相が横浜家庭裁判所に施設入所措置を申し立てるも却下。一時保護が解除された9か月後に、雄大くんは死亡。「県や市は、容疑者に“代理ミュンヒハウゼン症候群”の疑いがあるとみていたが、結局は命を守ることはできなかった」(前出・社会部記者)刑事責任は問われてしかるべき代理ミュンヒハウゼン症候群とは、いったいどのようなものなのか。児童虐待や犯罪学に詳しい南部さおり・日本体育大学教授はこう説明する。「77年に小児科医が発表した虐待の一種。子どもに対する複雑な虐待で、人格障害などがベースにある人もいれば、精神的な問題のない人もいます。虐待で何らかの精神的な満足を得るとされていて、子どもに危害を加えて医療者には虚偽の報告をしてバレないように細工する知性があり、冷静沈着に行動することもできます」この特徴からも“代理ミュンヒハウゼン症候群は精神疾患ではない”と南部教授は断言。「刑事責任は問われてしかるべきです。今回は、突発的に雄大くんを殺害した上で、自分が疑われないために救急車を呼び、病死を装っていると考えられます」(南部教授)容疑者と同居の男性と交流があった冒頭の知人男性は雄大くんについて、「雄大は人見知りでね。最初はこちらが挨拶しても返事してくれなかったけど、お母さんに“ちゃんと挨拶しなさい”と言われて、小さな声で“こんにちは”って」児相の施設から2年半ぶりに戻ったころには、「雄大がまだ生まれたばっかりの三男(第4子)をベビーカーに乗せて押していたのよ。どこの親子とも変わらない光景だったんだけど」(知人男性、以下同)雄大くんの父親である同居の男性は、今も容疑者と住んでいたアパートに籠もり、報道陣に沈黙を保っている。「“女房(容疑者)のことを信じている”と言っていた。“3年前の事件を今になって逮捕するのはおかしい”と警察に不信感を抱いているよ」事件の真実はどこにあるのか。いま確かなのは、幼く尊い命が消えたことだけだ。南部さおり教授日本体育大学スポーツ文化学部武道教育学科教授・医学博士。専門分野は法医学・刑事法学・スポーツ危機管理学。児童虐待に関する著書もある
2022年02月27日ケネス・ブラナーが名探偵ポアロを演じ、監督を務める『ナイル殺人事件』で事件のカギを握る重要人物ジャクリーンを演じたのは、大人気Netflixシリーズ「セックス・エデュケーション」で知られるエマ・マッキー。この度、彼女の役作りの秘話が明らかになった。本作は、ナイル川をゆく豪華客船内で起きる殺人事件を巡る、愛と嫉妬、そして欲望が絡み合うトライアングル・ミステリー。新婚旅行中の美しき大富豪リネットが何者かによって殺されてしまうことで端を発する事件は、リネットの夫サイモンや、リネットの親友であるジャクリーンを巻き込みながら謎を深めていく。物語の重要人物の1人であるジャクリーンを演じたエマは、本作の三角関係について「ガル(・ガドット)とアーミー(・ハマー)が演じるキャラクターとの関係性はとても重要なので、それぞれの関係性をきちんと確認しました」と明かす。「例えば、リネットとジャクリーンは、どれぐらいの頻度で会っているのか、サイモンとジャクリーンは、婚約してどれくらい経ったのか、といったバックストーリーを細かく作っていました。こんな風にキャラクターを模索できるのは、私にとって新鮮な経験でした」と語り、自身のキャラクターを深掘りするために物語の核となるリネット、サイモン、ジャクリーンの3人の関係性を深く考察したという。エマといえば、イギリス発の「セックス・エデュケーション」の主要キャラクター・メイブ役で人気を博している注目俳優。名著「嵐が丘」の著者エミリー・ブロンテの伝記映画『Emily』(原題)の主演が決定するなど、出演作が続いている。快進撃を続けるエマについて、本作の監督を務めるケネス・ブラナーは「エマは、感情をはっきりと表に出すキャラクターを見事に演じられる役者です。彼女は、情緒不安定、弱さや嫉妬などの感情をしっかりと演じ分けていました。そのおかげで、ガルとアーミー、3人が一緒になると、素晴らしい化学反応が起きました」と語り、複雑なキャラクターを見事に演じきったエマの演技に太鼓判を押している。『ナイル殺人事件』は2月25日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ナイル殺人事件 2022年2月25日より全国にて公開©2020 20th Century Studios. All rights reserved
2022年02月26日2月25日(金)についに公開される『ナイル殺人事件』。この度、ケネス・ブラナー監督が、本作の特徴である圧倒的な没入感と映像美に関しての想いを明らかにした。原作は、今もなお全世界で愛されるアガサ・クリスティの“名探偵ポアロ”シリーズの中でも、アガサ自身が“旅行物のミステリーで史上最高傑作”と称する『ナイルに死す』。これを前作『オリエント急行殺人事件』に続き、ケネス・ブラナー監督が映画化した。“世界一の名探偵”ポアロが挑む、エジプトの神秘ナイル川をめぐる極上のミステリー・クルーズ。大富豪の美しき娘の新婚旅行中に、クルーズ船内で殺人事件が起こる。容疑者は、結婚を祝うために集まった乗客全員……。豪華客船という密室で、誰が何のために殺したのか?そして、ポアロの人生を大きく変えた「衝撃の真相」とは?愛と嫉妬と欲望が複雑に絡み合う、禁断のトライアングル・ミステリーの幕が開く。本作の撮影には65ミリのフィルムが用いられ、スクリーンいっぱいに広がる豪華客船やエジプトを舞台に、没入感と旅情感溢れるミステリー・クルーズが完成した。監督を務めたケネス・ブラナーは、本作について「しばらくの間、実際に旅することが叶わない観客に、素晴らしいシネマチックな旅とエキゾチックなロケ地の映像美を楽しんでもらい、現実逃避してほしかったのです。以前と異なる世界の状況の中で、私にとって重要なのは、映画製作で最善を尽くし、人々に娯楽を提供し続けたいと思っています」と語り、世界的に自粛を求められている中でも、観客に映画を通してまるで世界を旅しているかのような疑似体験ができる機会を作りたいという強い想いがあったことを明かした。また、「エジプトが舞台であるだけに、その歴史について意識せざるを得ないものです。クレオパトラやナポレオンなどこの国につきまとう幻影に思いを馳せないわけにはいきません。観客はナイル川を下る旅をして、エジプトの荘厳な輝きに飛び込み、心から楽しめることができると思っています」と語り、本作が単なるミステリーに留まらず、没入感たっぷりの旅情感豊かな体感型ムービーに仕上がっていることを明かした。さらに本作には、エジプトの観光地としても有名なアブ・シンベル神殿が登場するが、なんとこのセットは実物大で建設されたという。40人に及ぶ彫刻師が4か月かけて高さ約21.3メートル、幅約30.5メートルという圧巻のサイズで神殿を再現。本作で豪華客船に乗り合わせた歌手の養女でありマネージャーであるロザリーを演じたレティーシャ・ライトは、撮影について「グリーンスクリーンで処理してそこにいるふりをするだけではなく、セットまで徹底して創り上げられていて実際に感じることができました。実際にその場にいてこの世界がよくわかり信じることができるのは全然違うものであり、本当に見事なものでした。解体されないとよいと思うほどです(笑)」と語り、ブラナーの創り上げたゴージャスな世界に感嘆していた。アブ・シンベル神殿の前にそびえたつのはラムセス2世の巨像。ラムセス2世は、王妃ネフェルタリを深く愛し、この神殿を捧げたとされている。本作では、第一被害者となるリネット(ガル・ガドット)と夫のサイモン(アーミー・ハマー)、そしてジャクリーン(エマ・マッキー)の愛と欲望にまみれたトライアングル・ミステリーが描かれるが、エジプトの歴史に刻まれた二人が、劇中の情熱的な愛のドラマをさらに趣深いものにしている。『ナイル殺人事件』2月25日(金)全国ロードショー
2022年02月25日“ミステリーの女王”アガサ・クリスティの傑作ミステリーを、ケネス・ブラナー監督が『オリエント急行殺人事件』に続いて映画化する『ナイル殺人事件』。この度、ケネス・ブラナーが創り出す唯一無二の世界観の秘密が明らかとなった。これまで、ディズニーの名作アニメーションを実写化した『シンデレラ』やマーベル作品『マイティ・ソー』、シェイクスピア俳優の真髄を魅せた『ヘンリー五世』『から騒ぎ』『ハムレット』、1818年に出版されたゴシック小説を忠実に映像化した『フランケンシュタイン』など、幾多の世界を描き出してきたケネス。本作でも、ミステリーの女王として文豪史に名を刻む作家アガサ・クリスティが1937年に発表した推理小説「ナイルに死す」の世界を、見事に再現した。ケネスは「セットのスペクタクルや豪華さに加えて、本作のようなミステリーの核となるのは人の心です。ですから、本作のゴールはアガサ・クリスティの世界の中でなるべく自由な演技を取り入れることだと思いました。そのことをクルー全員が理解し、大切にしながら、助け、支えていきました」と、ゴージャスなセットの中で、キャストや製作陣に自由な表現を与える環境づくりを何よりも大切にしたことを明かす。本作で最初に殺害されてしまう美しき大富豪の娘リネットを演じたガル・ガドットは、「ケネスとの仕事は私にとって驚異的に素晴らしい経験でした。彼は準備を整え秩序立っているから、彼がミスを犯す余地なんて少しも残されていませんでした。と同時に演者がやりたいと思ったことを何でも試させてくれる自由をくれるのです」と語り、ケネスの自由な演技へのこだわりを証明する。また、容疑者の1人で、リネットとかつて婚約していた医師ライナスを演じたラッセル・ブランドは、「ケネスはとても優雅に僕らをリードするんです。現場に創造性をもたらし、集中しやすい雰囲気を作りあげながら、とても陽気に振る舞ってくれるんですよ」と語り、監督への絶対的な安心感を明かした。一方ケネスは、本作の世界観を創り上げたキャスト陣について「俳優陣はみな心から素晴らしいと思う役者たちです。彼らと共演したいという思いが実現して、とても光栄です」と絶賛する。監督とキャストたちの信頼関係は、撮影の現場に良い空気を作り、それが作品の世界観にも影響を及ぼす。セットや美術へのこだわりに留まらない、総合的な演出がケネスならではの高い世界観の再現に繋がっているようだ。『ナイル殺人事件』は2月25日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ナイル殺人事件 2022年2月25日より全国にて公開©2020 20th Century Studios. All rights reserved
2022年02月21日事件現場となった被害女性の自宅アパート「ライブ配信者と視聴者の関係に戻りましょう」被害女性からそんなふうに諭されたという男は、包丁を構え凶行に走った。事件は1月27日午後6時ごろから同23分ごろにかけて発生。埼玉県越谷市のアパートで暮らす無職・岩渕未咲さん(33)が、室内で男に腹部などを包丁で刺された。数分後に部屋を訪れた岩渕さんの母親から「娘が刺された」と119番通報があり救急搬送されたが、病院で死亡が確認された。現場近くの主婦が当日の様子を振り返る。「救急車のほかパトカーが7、8台駆けつけ、何事かと人だかりができていたんです。救急隊員が懸命に被害女性の心肺蘇生措置を続けていましたが、顔は真っ白でぐったりしており、これはもう手遅れなのではないかと思いました」救急通報とほぼ同時刻に近くの交番に自首したのが、岩渕さんを殺害した疑いで埼玉県警に逮捕された専門学校生・古川大輝容疑者(25)だった。取り調べに容疑を認め、「岩渕さんと以前交際していた」などと“元カレ”を名乗ったという。しかし、そう言い切れる関係でなかった可能性が浮上している。■事件前に会ったのは一度だけ「岩渕さんは無職といっても自宅などからライブ動画を配信して臨時収入を得ていたとみられ、視聴者である古川容疑者と知り合ったようだ。一部報道によると、岩渕さんとは事件前に一度しか会っておらず、配信者と視聴者の関係に戻る提案を受け、“ほかの男のモノになるなら殺してしまおうと思った”などと犯行動機を述べているという。単なる復縁話のもつれではないかもしれない」(全国紙社会部記者)岩渕さん宅から北東方面に約36キロメートル。県境を越えた茨城県牛久市に容疑者宅はある。庭先の広い洋風な一戸建て住宅で、周辺住民によると事件後から窓のカーテンはすべて閉められたままという。■ほとんど近所付き合いがない近所の女性は「ほっそりしたごく普通の若い男性に見えた」と話す。「数年前の日中、バイクか自転車に乗ってどこかに出かけるところを見かけたぐらい。母親と祖母と暮らしていたようだが、ほとんど近所付き合いのない一家だったので専門学校に通っていたことすら知らなかった」(同・近所の女性)一家が引っ越してきたのは約8年前。自宅を新築し、庭に天使のオブジェを飾るなど、近隣住民の目にはおしゃれな家族と映った。しかし、引っ越しの挨拶もなく、特に古川容疑者の姿を外で見かけることは少なかったという。「小型犬を飼っていて、母親はひとりで犬の散歩に出かけていました。どうも近所付き合いが得意ではないみたいで、散歩する時間帯は朝早かったり夜遅くだったり。おばあちゃんは近所の人に資産家と匂わせることもあったようですが、数年前に倒れてから姿を見かけなくなりました。息子さんは高校生ぐらいのときに制服姿を見かけただけ。ヤンチャそうには見えませんでした」(近所の住民)近所付き合いをしない一家のなかでも、古川容疑者は遠い存在だったという。「自宅の庭の芝生をはがしてコンクリートに張り替えたので、息子さんが車を持つ年齢になったのかなと思ったぐらいです。自宅には250cc以上のバイクが停まっていました」(同・近所の住民)事件後、自宅からはバイクが消えていた。古川容疑者と岩渕さんのあいだでどのようなやり取りが交わされてきたのかは、捜査の進展を待つほかない。現場アパート周辺では、平日の日中に出歩く岩渕さんが目撃されており、時間に余裕のある生活を送っていたようだったという。岩渕さんと面識のある女性は、「いい人でしたよ。やさしい人でした」とポツリ。女性を“モノ扱い”して身勝手な犯行におよんだ古川容疑者。間違った考え方を指摘する人はいなかったのだろうか。
2022年02月15日2月11日から13日にかけての週末、北米のボックスオフィスで首位を獲得したのは、この週末にデビューしたケネス・ブラナー監督の『ナイル殺人事件』だった。しかし、数字はわずか1280万ドル。コロナの中、大人の女性がまだ映画館を敬遠していること、今週末はスーパーボウルでただでさえ映画館に足を運ぶ人が少ないことなどが影響していると思われる。2位は、先週1位だった『Jackass Forever』。3位はこの週末デビューしたジェニファー・ロペス主演のロマンチックコメディ『マリー・ミー』。4位は『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』、5位はこの週末デビューのリーアム・ニーソン主演作『Blacklight』だった。次の週末は、マーク・ウォルバーグ、トム・ホランド主演の『アンチャーテッド』が公開される。文=猿渡由紀
2022年02月14日事件現場となった被害者の自宅「人に心配りをしてくれる、優しい人やったんじゃけどね。母の日には私に手作りのプレゼントもくれてねぇ……」近所の主婦は、被害者を襲った突然の不幸を悼んでいた。■元夫が元妻を包丁で刺殺事件が起きたのは、5日の夕方6時10分ごろ。広島県安芸高田市の看護師・熊谷菜美さん(36)が自宅の玄関先で腹や胸などを包丁で刺された。事件直後に家族が刺された菜美さんを発見し、110番通報。殺人未遂の疑いで現行犯逮捕された元夫の無職・熊谷良三容疑者(41)だった。事件の3時間後、菜美さんは搬送された病院で帰らぬ人に。「その日はめったにない大雪の日やった。パトカーが何台も来て、警察が大勢いると思っていたけれども、何があったのかはわからなかった。翌朝、テレビのニュースを見て、殺人事件だと知って、驚いたねぇ」(近所の住民)警察の取り調べに対して容疑者は、「自分が刺したことに間違いはありません」と容疑を認めている。また、容疑者の名前はのちに通名(外国籍の者が日本国内で使用する通称名)だということが判明。「中国籍を持つ付成亮という名前が容疑者の本名。数十年前から日本に住んでいたようです」(捜査関係者)地元紙社会部記者は、事件について次のように説明する。「容疑者と被害者は数年前に離婚していましたが、元夫は元妻に強い恨みや殺意を抱いていたようで、犯行時に包丁を持参していた。一昨年の秋ごろ、菜美さんの親は安芸高田署に“押しかけてくるかもしれないので、パトロールを強化してほしい”と相談していました」同署は菜美さんの自宅周辺の防犯対策を強化していたのだが、「容疑者は事件まで一度も元妻の自宅を訪れたことはなかった。そんな矢先、容疑者がいきなり押しかけて凶行に走ってしまったわけです」(前出・捜査関係者)■約1年前にあった不可解な出来事菜美さんと長男、長女、両親が現在の一軒家に引っ越してきていたのは3、4年前。「一家5人揃って、挨拶回りにきてくれた。その時は容疑者ともう離婚しとったんでしょうね。ご両親も菜美さんも勤め人じゃけん、深い近所付き合いはしてないけど、町内会の集まりにはお父さんが必ず来ていた。きちんとした家族よ」(別の近所の住人)一方、容疑者は菜美さんの自宅から50キロメートルほど離れた東広島市の新興住宅地にある戸建てに住んでいた。そこは約6年前、容疑者と菜美さんが結婚して間もない頃に購入した新居。「3、4年前に奥さんが子どもを連れて出ていったのは覚えています」(近所の住人)以降、容疑者は独り暮らしになったのだが、「近所をぷらぷら徘徊していた。仕事をしている様子はなく、危ない薬でもやっているかのように挙動不審で怪しかった。ときどき容疑者の親族らしき人が家を訪ねてきていたが、本人はだいたい不在。すると、その人は心配して警察を呼んで容疑者を一緒に捜すなんてことも何度かあったようです。近所の人は厄介そうだから、みんな近づかないようにしていた」(同・近所の住人)昨年3月13日、そんな危ない元夫と菜美さんはなぜか会っていた。しかも、なんとも不可解なことが起きていて……。地元のタクシー運転手はこう話す。「容疑者のお宅から“熊谷ですけど”という女性の声でタクシーの呼び出しがあった。それで、女性を東広島駅まで乗せたが、支払いになって“今は持ち合わせがないから、あとでうちまでお金を取りにきてください”と」熊谷と名乗った女性が菜美さんである可能性は非常に高い。「その後、お宅を何度訪ねても留守で、いまだに料金4700円はお支払いいただいておりません」事件が起きるちょうど3日前、容疑者はSNSのプロフィール写真を変更。その顔写真には薄っすらと笑みが浮かんでいた。二人の間に一体何があったのか。不憫でならないのは、残された2人の子どもたちだ。犯行動機の解明が待たれる。
2022年02月12日WOWOWの大人気クライムサスペンス「殺人分析班」シリーズに、待望の新章が誕生。「殺人分析班」シリーズの主人公・如月塔子(木村文乃)の頼れる先輩バディとして、これまでシリーズを支えてきた敏腕刑事・鷹野秀昭。『連続ドラマW 邪神の天秤 公安分析班』では、塔子らがいる警視庁捜査一課十一係を去り、公安部へ異動した鷹野が物語の主人公に。新しい環境で新しい仲間とともに、新たな事件に挑む彼を待ち受ける運命とは……?過去3作に続き、鷹野を演じる青木崇高に話を聞いた。──鷹野秀昭を主人公にした新シリーズの制作が決まったときの感想を教えてください。青木めちゃくちゃ嬉しかったですね。今までのシリーズでも鷹野というキャラクターをしっかり作ってきた自覚はあるので、それを評価していただけての今回だと感じています。僕が演じてきた役の中では珍しくかっこいいとも言われていますし(笑)、作品自体も大好きなので、同じスタッフの皆さんと新章を描けるのが嬉しかったです。──青木さんの目から見た鷹野の“かっこよさ”とは?青木一風変わっていて、刑事部の捜査方法とは別のアプローチを取ったりもしますが、それには理由があり、きちんと本質を突いているのが鷹野です。突飛な行動を取っているように見えて、実は相手の話を漏らさず聞き、頭に入れ、思ったことを捜査に反映し、違和感を覚えたときは口にする。自分の中の正義、価値観をしっかり持ち、納得していく人なんですよね。ただ、それをゴリゴリと押しつけるのではなく、周りの意見にも耳を貸す。ハイブリッドに次の一手を提案していくのがかっこいいなと思います。──役者としての演じがいも、そういった部分に見出していますか?青木やっぱり役のことを好きになれた方が、パワーは出しやすいです。自分にないものをたくさん持っている人なので、同世代の男としてこうありたいとも思いますし。「この台詞には自分自身の日常を投影できるな」「この台詞は鷹野じゃないと言えないな」と臨機応変に役と向き合っていくんですが、鷹野に関してはそういったことをひとつひとつ考えていくのが楽しいです。──そんな中、新しく見えてきた鷹野の顔はありますか?青木今回のシリーズで、鷹野は公安という特殊な部署へ異動します。そこで戸惑うこともありますし、揺らぐ気持ちが出てくるんですよね。信頼関係のないところに身を置くことも今まではなかったですし。物語にも、「鷹野はどうするんだろう?」という面白さが出てくると思います。──新しい同僚から「お前は公安に合わない」と指摘された鷹野が、「なので学びます」と言います。鷹野らしさが見えると同時に、今まではあり得ないシーンでした。青木彼を象徴するような台詞ですよね。感情的になっているわけでもなく、自分がやるべきことを自覚する。その考え方が鷹野らしいですし、言い方もそう。なんて言うか、理屈っぽいんです。女性にはあまり好かれないタイプかもしれませんね(笑)。内片(輝)監督ともよくそんな話をしていました。例えばペットボトルのお茶をもらったら、「そもそもお茶とは急須から淹れ、香りを楽しむのが理想的であり……」なんて言いそう。「つべこべ言わずに飲めや」とも思いますけど(笑)。公安のオフィスは暗いけど、演じる皆さんは明るい方ばかり──今回、監督からはどんな演出がありましたか?青木エピソードが進むにつれ、鷹野は自身の過去と対峙していくことになります。それにより、感情的になることもあって。でも、そのシーンの撮影で、監督が「ここには空気が読めない鷹野のトーンを入れよう」とおっしゃっていたのが印象的でした。展開としては疑問も伴う描写ですが、そこから生まれる鷹野らしさが必要だったんです。これまでのシリーズを知る視聴者の方々も安心するでしょうし。僕自身すらも正解が分からない鷹野の顔を見せることで、彼を主人公にしたドラマであることの意味も出てきます。言ってしまえば、終始きっちり鷹野である必要もないのかなと。──確かに、鷹野のつかめなさが少し増しているような?青木全10話の中でいろいろなことが起きますからね。あまり早目につかまれるのも面白くないですし。舞台となる公安自体、ドラマにしにくいほどシークレットなことだらけですから。──公安部と言えば、部署内シーンの映像が非常に暗いですね。青木映像上の調整もなされていますが、撮影現場自体もまあまあ暗いです(笑)。公安の捜査における大きな特徴のひとつが、内部で情報を共有し、外には決して漏らさないこと。明るい照明の中でそんなやり取りが行われても、緊張感が薄れますから。でも、キッチンには少しだけ光が差していたりもして、光が設定や展開の中で意味を持ってくることもあります。美術にせよ、照明にせよ、画作りに深さとこだわりがあるので、見れば見るほど面白いと思います。──慣れ親しんだ捜査一課での撮影ではない寂しさはありましたか?青木ありましたよ!その孤独感も、現在の鷹野に欠かせないものですし。前シリーズのキャラクターたちもたまに登場しますが、(元上司役の)渡辺いっけいさんが撮影現場にいらっしゃるだけで懐かしさがこみ上げました。でも、松雪(泰子)さんをはじめ、公安メンバー役の皆さんもすごく心強くて。オフィスは暗いですが(笑)、演じる皆さんは陽気な方ばかりで楽しく撮影していました。──公安部の皆さんの魅力も、エピソードを重ねるごとに見えてくるのでしょうか?青木捜査メンバーそれぞれの個性も、このシリーズの魅力ですから。それに、鷹野って他の登場人物たちから愛されているキャラクターだと思うんです。たしか監督だったと思うんですが……、「鷹野って結局は愛されているよね」とおっしゃっていて。彼は自分のペースを貫いているのに、周りがいろいろ力を貸してくれるようになる。それは、彼の行動原理に高い純度があるからでしょうね。そういった意味でも、公安メンバーと彼の関係に注目してほしいです。まあ、仮に新しい仲間が力を貸してくれたとしても、本人は「ありがとうございます」とあっさり言うくらいでしょうけど(笑)。──鷹野と青木さんも相思相愛ですしね。青木どうでしょう?向こうの愛は分からないですけど(笑)。一番の理解者として、寄り添っていきたいなとは思っています。取材・文:渡邉ひかる撮影:川野結李歌スタイリスト:小泉美智子ヘアメイク:NANA『連続ドラマW 邪神の天秤 公安分析班』2月13日(日)放送・配信スタート毎週日曜夜10時(全10話)第1話無料放送【WOWOWプライム】無料トライアル実施中【WOWOWオンデマンド】ぴあアプリ限定!アプリで応募プレゼント青木崇高のサイン入りチェキを1名様にプレゼント!【応募方法】1. 「ぴあアプリ」をダウンロードする。こちら() からもダウンロードできます2. 「ぴあアプリ」をインストールしたら早速応募!
2022年02月09日事件が起きた女子大生の自宅アパート「1月28日は、大勢の警察官がアパートを取り囲んでいました。埼玉の立てこもり事件があった日だったので、何が起きたのかなと怖かったです……」被害者が住んでいたアパートの近隣住民はこう話した。その前日の夜、警視庁は東京都多摩市の会社員・丸山一平容疑者(42)を殺人の疑いで逮捕した。容疑者は東京都小金井市の女子大生・米丸怜那さん(23)を彼女の自宅アパートで暴行し、殺害したというのだ。全国紙社会部記者は次のように説明する。■19歳年下の元不倫相手を絞殺「丸山容疑者は米丸さんを殺害後、多摩市にある自宅マンションに車で帰宅するのですが、自責の念にかられたのか、同居する妻に犯行を告白。妻が“夫が人を殺したと言っています”と110番通報するという非常に珍しいケースでした」警察の取り調べに対して容疑者は、「首を絞めて殺しました」と自供し、被害者とかつて交際していたとも。二人の年の差は19歳、さらに丸山容疑者には妻子がいたため、不倫関係でもあった。「いったんは別れたのですが、容疑者は米丸さんのことが諦め切れず、事件のときは復縁を迫って米丸さん宅を訪れた。しかし、それを拒まれたため、カッとなって犯行に及んだようです」(前出・全国紙社会部記者)容疑者とその家族は数年前、多摩市のマンションに引っ越してきたという。広さは3DK、家賃は月8・5万円ほどで、容疑者の部屋は最上階だった。■イクメンが起こした凶悪犯罪「奥さんと3、4歳の娘さんは事件以降、ずっと実家にいるみたいですよ。夫婦は共働きのようでしたが、奥さんだけの稼ぎで毎月の家賃を支払っていくのは大変だと思う。事件のこともあるし、近いうちに出て行くんじゃないかな……」(同・マンションの住民)容疑者について、別の住民はこう話す。「今でも信じられません。あの人がいくらカッとなったにせよ、こんな残酷なことをするなんて……」容疑者は会えばちゃんと挨拶し、今日の天気など他愛もない話もするような気さくな人柄だったという。「毎朝、スーツを着て出勤する姿も見ていたし、帰宅時間もだいたい同じで、夜遅くになっていた印象はないです。それでも不倫していたんでしょ。しかも、そんな年下の相手と……」(同・住民、以下同)娘の保育園の送り迎えもしていたようで、「子育てに協力的ないいお父さんという感じ。すごく可愛らしいお子さんだから、パパはベタベタだったんでしょうね」凄惨な事件を起こした凶悪犯とはかけ離れた、容疑者の子煩悩な一面。だが、その犯行理由はなんとも幼稚で身勝手極まりない。未来ある23歳の命を無惨にも奪い去った罪は重い。
2022年02月05日送検のため、埼玉県警東入間署を出る渡辺宏容疑者(写真/共同通信)「今日も解除されることはありません」事件現場を警備する警察官はそう答えた。発生から5日目を迎えた今も、容疑者宅付近200メートル四方ほどは規制線が張られたままで、事件がどれだけ世間を震撼させたのかを表している。1月27日の夜9時ごろ、埼玉県ふじみ野市の郊外で猟銃を乱射し、3人を人質にとった立てこもり事件が発生した。■母親に関わった医療関係者を呼び出して…無職・渡辺宏容疑者(66)は前日、2人暮らしでみずからが介護をしていた母親(92)を亡くす。すると、母親のかかりつけ医だった鈴木純一医師(44)とその関係者7人を、「線香をあげに来い」と自宅に呼びつけた。そして、「まだ蘇生するかもしれないから、心臓マッサージをしろ」と指示。鈴木医師が拒否すると、いきなり猟銃を3発発砲。うち2発が鈴木医師と医学療法士(41)に当たる。以降は3人を人質にして籠城し、駆けつけた警察とのじりじりとした神経戦が続いた。「猟銃を持った立てこもり事件だったため、近所の住人200人以上が最寄りの中学校に避難していました」(近所の住人)発生から約11時間後の翌朝8時ころ、防弾チョッキを着た埼玉県警の特殊部隊が強行突破して渡邊容疑者を確保し、殺人未遂の現行犯で逮捕した。容疑者は取り調べに対して、「母親が死んで、1人で生きていく価値がないと思った。1人では死ねないから、医師たちを殺して、自分も死のうと思った」などと供述している。被害に遭った鈴木医師は事件後間もなく死亡が確認され、理学療法士は重体。もう1人の介護士は軽症だった。「鈴木医師は365日昼夜を分かたずに在宅の患者さんを診察して回っている、医師の鑑のような素晴らしい人物でした。このコロナ禍の中も、自宅で療養している患者さん宅に往診していましたからね」(全国紙社会部記者)渡邊容疑者は、およそ3年前に、現在の自宅へ母親とともに引っ越してきた。「町内会費は払っていますが、集会には一度も来ていないので、顔も見たことがないですね。“介護で忙しいから、近所づきあいはできない”と言っていたようですから」(近所の主婦)■生活保護で散弾銃を所持現在の自宅は家賃月5万円ほどの借家で、母親とともに生活保護を受けていたという。付き合いのあった別の近所の住民はこう話す。「1人あたり10万円を切る程度もらっていて、ここへ来る前から生活保護を受けていたんじゃないかな。彼らは家財道具や何やら物が多い人たちで、アパートやマンションだと入りきらないから、一戸建てを借りたんだと思います。築50年弱で古いんですけどね」容疑者の性格は大人しくて、母親にとにかく優しいという。「私と話をしていても“あっ、いま母が呼んだかな?”とか“そろそろおむつを替えないと”などと容疑者は常に母親のことを考えているんですよ。生活保護であれば、特別養護老人ホームなどへ優先的に入所できるんですが、“自分で面倒をみたい”というタイプで母親思いではありました。まさかあんな酷いことをするとは……」(同・別の近所の住民)犯行に使用された猟銃は、容疑者が20数年前から所持しているものだった。前出の社会部記者によると、「銃の免許は何度も更新していた。以前は、埼玉県の西北部にある射撃場で練習していたようです」生活保護とは、国や自治体が“健康で文化的な最低限度の生活”を保障するための公的扶助制度。銃の免許更新にも費用がかかり、散弾銃などはある程度価値があるものだ。財産とみなして、自治体などが没収しなかったのだろうか。ふじみ野市福祉課に尋ねると、「価値があるものについては、売却して生活に当ててくださいと言います。価値がないものについては、こちらが処分してくださいとは言えません」結果として、その猟銃が尊い命を奪ってしまった。
2022年02月02日