河瀬直美監督最新作で、樹木希林主演の『あん』の製作発表会見が12月11日(木)、都内で行われ、「全身がん」を公表している樹木さんだが、本作では元ハンセン病患者であんこ作りの名人の主人公を演じることが発表された。原作は河瀬監督の『朱花の月』にも出演しているドリアン助川の同名小説で、河瀬監督にとっては初の原作の映画化となる。どら焼きやの「どら春」の求人募集の張り紙を見て店で働くことを懇願する老女・徳江。彼女の手による粒あんのどら焼きは瞬く間に人気商品となるが、彼女がかつてハンセン病を患っていたことが噂となり客足が一気に遠のき、事情を察した徳江は店を去るが…。会場には主催者の予想を超える報道陣が詰めかけ、設置されていたイスを撤去してスペースを作るなど大盛況。和菓子職人の衣裳で登場した樹木さんは「(こんな盛況は)トム・クルーズの来日以来らしいですけど(笑)」ととぼけた口調で語る。『朱花の月』に続いての河瀬作品出演となる樹木さんだが『朱花の月』の際の報酬が5万円で交通費は自腹だったことを苦笑交じりに明かしつつも、そんな河瀬監督の演出や人間性に何かを感じたよう。あんの映画ということで、河瀬監督が地方の畑に赴き小豆作りから小豆を干してあんにしていくまでの過程をつぶさに観察し「小豆の声を聴く」と話していたことを明かしつつ、樹木さんは「いまの時代、私はそんなもの聞こえません(笑)!」とピシャリ。それでも「そんな映画作りに参加させていただき、70を過ぎて、50年も役者をやってて“感性”というものを要求されました」とふり返る。改めて河瀬組の撮影をふり返り「結果的にありがたい仕事になりました」と語り「役者であったら一度は河瀬監督の作品をやったらいいんじゃないかとお世辞ではなく思う」とも。「やり残したことは、ありませんか?」というのが本作のキャッチコピーとなっているが樹木さんは「何にもない。元々、期待がないから『もっと…』というのが一切ない」と自らの哲学を語り、撮影が終わると出演作の台本も捨ててしまうとも明かす、その一方で「この(『あん』の)仕事をやらせてもらった後で、もうちょっと心してやらないといけなかったんだなという思いになりました。役者というわが身を映し出す仕事を選んだのには、何かがあったんだと。『やり残したことがあったな』と思いました」としみじみと語った。実際に撮影前に樹木さんは、ひとりで鹿児島にあるハンセン病の患者の施設にも足を運んだという。また撮影でも国立のハンセン病療養施設の多磨全生園にも足を運んだそうだが、それを踏まえて「ハンセン病というものを実感しました。全生園で撮影して、広いけれどここから出られないというあの閉塞感…。あそこに何十年もいる人の思いを実感しました。同時に、(東日本大震災の)仮設住宅はもっと狭い。(避難者は)その仮設住宅に4年もいるんです。原発事故を身近に思いました」と憂いの表情を浮かべていた。映画の公開まで6か月ほどあるが、この段階での記者会見に樹木さんは「河瀬監督は『(樹木さんの)遺作ということで売りたいんじゃないか?』と言ってました」と笑い「遺作になることが望まれているのでなかなか次(の作品のこと)を言い出せないでいますが、いつ何が起こるか分からない。死ぬ死ぬって言ってて詐欺みたいだけど、私が言ってるわけじゃなくてお医者さんに『全身がん』という病名をいただいてる」と冗談めかした口調で続ける。体調については「ヘバる時はヘバりますね」と語るも現在は良好な状態のよう。「薬を一切飲まないのが元気の元」と語った。先日、高倉健、菅原文太という日本映画を背負ってきた大スターが続けてこの世を去ったが、この2人とのエピソードなどを尋ねられると「ありますけど(コメントを)留め置かれてます。せっかくの大スターに余計なこと言って水を差さないようにと夫から。深い深い話があるんですけど」と静かに微笑んでいた。『あん』は2015年6月公開。(text:cinemacafe.net)
2014年12月11日国内外の映画人が注目する『萌の朱雀』『殯の森』などで知られる、女流監督・河瀬直美の最新作『2つ目の窓』が、2015年1月21日(水)にBlu-ray&DVDでの発売が決定。これを受け、河瀬監督と監督直々に見出され、主演を務めた村上虹郎と吉永淳がコメントを寄せた。自然と神と人が共存する奄美大島を舞台に、母の死、家族の再生。そして繋がっていく命を描いた力作。河瀬監督は「奄美大島の自然は世界一です。朝日の神々しさ、満月の夜の神秘、そのどれもがフィルムに刻まれている。そこに少年少女のほとばしる生命力。言葉では言い表せないものの数々を繰り返しBlu-ray&DVDで体感してください」とコメント。島の高校生・界人(かいと)役の村上さんは、「奄美大島の大いなる自然で少年少女がまた自然と一部として痛く切なくもがく。静かに、時に荒々しく震う波。どうしようもないなんてことないんだって、少し先しか見えないけど、必死に向き合い続けた先に瞳の奥で光るそのなにかを信じて生き生きと、香りのする一秒一秒をどうかお見逃し無く」と見どころを語る。同じく島の杏子(きょうこ)役の吉永は、「わたしは、出演していながら、この作品から多くを学びました」と回想した上で、「この映画は、人生を通して光り続けるためのエネルギーをわたしに分けてくれました。ぜひ、みなさんもこの作品に出てくる界人と杏子の息吹に耳を澄ましてくだされば幸いです」とコメント。村上さんとともども爽やかな演技は必見だ。セルDVD/BDは特典映像満載の2枚組仕様で、初回版にはスペシャルアウターケースとブックレットを封入予定。河瀬監督の世界観を美しい映像で堪能してみて。<『2つ目の窓』Blu-ray&DVDリリース>【セル】ブルーレイ¥5,500(本体)+税【セル】DVD¥4,500(本体)+税発売日:2015年1月21日(水)発売元・販売元:ポニーキャニオン(C) 2014“FUTATSUME NO MADO” JFP, CDC, ARTE FC, LM.(text:cinemacafe.net)■関連作品:2つ目の窓 2014年7月26日より全国にて公開(C) 2014“FUTATSUME NO MADO” JFP, CDC, ARTE FC, LM.
2014年11月05日盛況のうちに幕を閉じた「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」において、各賞を受賞したコンペ出品作品と並び、センセーションを巻き起こしたのがフォアキャスト部門で上映された『瘡蓋譚 -カサブタタン-』。監督の上野遼平はなんと、現役の“高校生”である。『瘡蓋譚』は39分のショートフィルム。妻の傷口にできたカサブタをある夜、夫は妻が寝ている間に衝動的にはがして食べてしまう。夫は罪悪感を感じつつも妻のカサブタを食べ続け、やがて妻もそれに気づくが、彼女は夫の期待に応えることに快楽を覚え始めるという、シュールかつエロティックな世界が展開する。上野監督は1996年生まれの現役高校生。奈良在住で、同じく奈良を拠点に世界的な活躍を見せる河瀬直美監督(『萌の朱雀』『殯の森』)のワークショップで学び、本作も河瀬監督のプロデュースで完成した。本作について、上野監督は「高1のときに(脚本を)書いて、高2で撮影した」と明かすが、その世界観はとても高校生のものとは思えず、早熟の才気を感じさせる。自ら“童貞”であることを公言しているが、劇中では夫婦のセックスシーンや、主演の花岡芙喜子が演じる妻がヌードで屋外で踊りを舞うシーンも。この舞のシーンは1月の撮影初日、奈良の山奥で撮影されたそう。映画祭の舞台挨拶で上野監督は「母親の裸しか見たことなかったので、知らない女性の裸見るというのはすごかったです(笑)」と語り、会場は笑いに包まれた。若き監督は映画祭期間中、物怖じすることなく、映画祭に参加した映画関係者に積極的に話しかけていたそうで、最新作を出品していた井口昇監督や「ニューウェーブアワード」を受賞した宮藤官九郎らにも自作をアピールしていたという。クロージング作品『野のなななのか』の大林宣彦監督は現在76歳だが、クロージング作品の舞台挨拶やパーティの席でも60歳ほど年の離れた若き才能との出会いについて言及。審査員として映画祭に参加した俳優の斎藤工も、自身の初監督作品の上映時の舞台挨拶で「今年は10代の監督も参加してますが」と語るなど、大いに映画関係者の中でも話題になっていたよう。2回の映画祭での上映には一般の観客はもちろん、多くの報道陣や映画関係者の姿も見られた。舞台挨拶に上野監督は上半身裸で、ズボンのファスナーからはゴム製の男性性器のおもちゃをぶら下げた姿で登壇し、主演で夫役の加門功もなぜかパンツ一丁で出席。上野監督は「ここ(ゆうばり映画祭)に来ている人は(セックスに)飢えている人が多そうなので(笑)」と挑発的に自作のエロティックな描写をアピールし、作品について「賛否は分かれるかもしれませんが、一生懸命作りました」と語り、会場を沸かせていた。映画祭公式パンフレットや公式サイトのプロフィールには、ピースした監督の写真が掲載されており「秋元康氏を勝手に心の師と仰ぐ」との一文も。いまどきの若者の感覚と早熟した感性を同居させる若き才能が今後、どのような作品を作り上げていくのか、注目を集めそうだ。(黒豆直樹(cinema名義))
2014年03月04日今年デビュー25周年を迎えた歌手の田村直美が、7月16日(月・祝)にSHIBUYA O-EASTで自身のキャリア初であるアニソンライブを開催する。東方神起がアンドロイドに?!最新シングルのジャケ写解禁このライブでは自身の最大のヒット曲である『ゆずれない願い』をはじめとした、今まで発表してきたアニソンは歌うのはもちろん、他にも有名アニソンのカバーなども行うとのこと。オープニングアクトは今年の5月にCDデビューしたばかりのSweetyが行い、さらにシークレットゲストの出演が決定している。ライブ終了後には田村直美とSweetyによるハイタッチ会も実施されるとのことで、ファンには楽しみなライブになりそうだ。7月11日(水)には現在放送中のアニメ「クイーンズブレイド リベリオン」のオープニングテーマである『命のうたが聞こえる』も含めた彼女のこれまでアニメに使用された楽曲と、『残酷な天使のテーゼ』や『CHA-LA HEAD-CHA-LA』など、この作品のために新たに収録したアニメの名曲カバーも収録したアルバム『リスペクト フォー アニソン』をリリース予定。こちらもライブと合わせてチェックしよう。■-アニROCK★2012 OPEN WATER- 田村直美祭り!2012年7月16日(月・祝)会場:SHIBUYA O-EAST料金:1Fスタンディング 5,000円(別途ドリンク代500円)出演:田村直美、Sweety(オープニングアクト出演)時間:開場16:00/開演17:00
2012年06月15日ビヨンセのものまね芸で人気の渡辺直美が初主演を飾った映画『SPOTLIGHT』が、現在開催中の第4回沖縄国際映画祭・地域発信型プロジェクト部門にて上映され、渡辺をはじめ浜崎綾監督、小林星蘭、木村祐一が舞台あいさつを行った。舞台あいさつの模様地域発信型プロジェクトは、昨年から始まった新プログラムで、全国各地で映画を撮影し、その土地の良さや魅力を世界へ発信しようというもの。浜崎監督が選んだ地域は“東京都”。昭和12年に開業した歴史あるキャバレーでダンサーになることを夢見る女性が、挫折しながら自分の夢に立ち向かっていく姿を描く人間ドラマ。浜崎監督は「歌手になりたいとかサッカー選手になりたいとか夢を持っていても、実際には難しく、いまひとつ頑張れない弱さを誰もが持っているもの。この映画では、夢が叶ったか叶わなかったかではなく、寄り道すること、自分の弱さに向き合うこと、そうやって成長していくことを説教くさくなく伝えたかった」と、映画に込めた想いを語った。浜崎監督は、フジテレビの『新堂本兄弟』『ミュージックフェア』などの音楽番組を担当、2010年に『ピカルの定理』の立ち上げに加わるなど、人気番組で経験を積んできた有望株だ。ヒロインに大抜擢された渡辺は、「まさか自分が映画の主演を務めるとは思わなかった。不安の方が大きかったけれど、浜崎監督とは仕事をしたことがあるので仲のいいスタッフさんも多く、楽しい現場でした。初のお披露目は緊張しますね」と、芸人としてではなく“女優”として淑やかにあいさつし、「渡辺直美のいろいろな顔が詰まっています。ダンスも注目してほしい」とアピール。そんな渡辺の女優っぷりを共演の木村は、「彼女は主演顔ですよ、だって脇にいたら邪魔ですからね(笑)。ビーチの大きなスクリーンでも耐えられると思います」と、冗談をまじえながらも絶賛し「映画は芸術なので、好きか嫌いかでいいと思うんです。僕はこの映画好きです!」と監督を称えた。また、同映画祭の第1回目からすべて参加している木村は、「毎回、僕ら(芸人)が来て笑いを届けていると言われていますが、実際はその逆。声援をもらって、握手を求めてもらって、沖縄で映画祭が開催されることを心から喜んでもらって、僕らの方が感動と元気をもらっています」と、感謝を伝えた。第4回沖縄国際映画祭3月31日(土)まで開催取材・文・写真:新谷里映
2012年03月29日タレントの渡辺直美が12月22日(木)、都内で行われた人気海外ドラマ「glee/グリー」シーズン2のDVD発売イベントに出席。同作に出演するクリス・コルファー(カート役)が大好きだという渡辺さん。しかし「ウィキペディアで調べたら、(役柄と同じく)本当にゲイでした。恋愛関係になれないなんて…」とショックを隠しきれない様子だった。オハイオ州の片田舎・ライマにある、ウィリアム・マッキンリー高校のグリークラブ(合唱部)を舞台に、落ちこぼれ負け犬部員と新米教師が州大会優勝を目指す青春ストーリー。シーズン2では、実力不足を痛感した部員たちが、新戦力のスカウトに奔走。州大会にリベンジし、ニューヨークで開催される全国大会出場に照準を合わせるが…。今回も新旧ヒット曲のオンパレード。グウィネス・パルトロウやブリトニー・スピアーズら、有名スターの出演も大きな見どころになっている。“ビヨンセ”ネタで大ブレイクした渡辺さんのアンテナにも、「glee/グリー」はしっかり届いていたようで、「シーズン1のDVDを何度も何度も見ていたので、ずっと待っていました」とシーズン2のリリースに大喜び。「個性的なキャラクターに、『これからどうなるんだろう?』というストーリー。それに感動するシーンもある」とアピール。さらに「私も出演したい。どうにかならないですかね…」と自ら立候補し、「出させていただければ、美空ひばりさんを歌います」と早くも出演する気満々だ。そんな渡辺さんがいま一番会いたいのが、来日中のレディ・ガガ。「すっごく会いたい。もし、今日の模様をテレビで見て『ちょっと、この子、クールじゃない?』ってことになれば(笑)。ガガさん、これを見てたら、吉本まで連絡ください!」と猛烈アピールだ。この日は、ガガのヒット曲「Born This Way」に乗せてダンスも披露しただけに、ひょっとするとガガ様の目に触れるかも?最後に「クリスマス、冬休みにご家族、カップルで楽しめるドラマ。私もずっと応援します」とドラマをPRしていた。「glee/グリー」シーズン2はDVDレンタル中、発売中。『glee/グリーザ・コンサート3Dムービー』DVD&ブルーレイは、2012年1月7日(土)に発売。「glee/グリーシーズン2」DVDレンタル中<セル>「glee/グリーシーズン2DVDコレクターズBOX」価格:18,480円(税込)発売中「glee/グリーシーズン2ブルーレイBOX」価格:23,100円(税込)発売中「glee/グリーザ・コンサート・ムービー3枚組3D・2Dブルーレイ&DVD&デジタルコピー(初回生産限定)」価格:5,990円(税込)発売日:2012年1月7日(土)発売元:20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン公式サイト:© 2011 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.■関連作品:glee/グリー踊る♪合唱部!? [海外TVドラマ]© 2009-2010 Twentieth Century Fox Film Corporation.All Rights Reserved.glee/グリーザ・コンサート3Dムービー 2011年9月23日よりTOHOシネマズ六本木ほか公開TM & © 2011 Twentieth Century Fox. All rights reserved.■関連記事:シネマカフェ的海外ドラマvol.220大人気「glee」の舞台裏に潜入!第4回シネマカフェ的海外ドラマvol.219大人気「glee」の舞台裏に潜入!第3回シネマカフェ的海外ドラマvol.218大人気「glee」の舞台裏に潜入!第2回シネマカフェ的海外ドラマvol.217大人気「glee」の舞台裏に潜入!第1回ヒロイン役は誰の手に?S・ヨハンソン、T・スウィフトらがヒロイン役候補で競合
2011年12月22日『殯の森』で2007年にカンヌ国際映画祭のグランプリに輝いた河瀬直美監督の発案で、世界中の名だたる映像作家21名が、3月11日の東日本大震災の被災地に捧げるために製作した3分11秒のショートフィルムを集めた『3.11 A Sense of Home Films』。先日より開催中の「第24回東京国際映画祭」と「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)」の連動企画として10月27日(木)より開かれる「フォーカス・オン・アジア&ワークショップ」において本作が上映される。同時に本イベントにおいて、山田孝之主演の『指輪をはめたい』の岩田ユキ監督が、クリエイター育成を目的としたワークショップを行うことも決定した。『3.11 A Sense of Home Films』は、タイトルにもある“A Sense of Home(「家」という感覚)”をテーマに、「家族・ふるさと・祖国への想いを世界中の人と考えること」を目的として、河瀬監督の発案で企画がスタート。女優で監督経験も持つ桃井かおりを始め、スペインが生んだ名匠ヴィクトル・エリセに国際映画祭の常連である中国のジャ・ジャンクー、『母なる証明』、『殺人の追憶』などを手がけ日本でも高い人気を誇る韓国のポン・ジュノら21名が賛同し、それぞれが3分11秒の作品を手がけている。ポン・ジュノ監督は参加に際し「私は、自分のカメラを通して、慰めの言葉を届けられればと思いました」とコメント。震災から6か月の節目となる9月11日には、河瀬監督のホームタウンである奈良県・吉野の金峯山寺にて奉納野外上映が行われた。「信じよう。映画の力。」をスローガンに掲げる東京国際映画祭では、今年もアジア最大級の国際短編映画祭である「SSFF & ASIA」とのコラボレーションで「フォーカス・オン・アジア&ワークショップ」を開催。東京都美術館にて10月27日(木)から10月30日(日)までの日程で行われ、『3.11 A Sense of Home Films』の東京初上映に加えて、今年の「SSFF & ASIA」の受賞作品、さらに『オールド・ボーイ』で知られるパク・チャヌク監督がiPhone4で撮影し、ベルリン国際映画祭2011にて短編映画金熊賞を受賞した『波瀾万丈/Night Fishing』なども上映される。ワークショップは最終日の10月30日(日)に開催。スキマスイッチの楽曲「8ミリメートル」のミュージックビデオを手がけ、今年の映画祭にも出品された『指輪をはめたい』のメガホンを握った岩田監督が、映画製作のノウハウについて講義を行う。長編映画だけでなく、ショートフィルムでも世界の錚々たる名匠たちの作品が東京に集結!彼らが“Home”に込めた思いを体感してみては?「フォーカス・オン・アジア&ワークショップ」は東京都写真美術館にて10月27日(木)から30日(日)まで開催。岩田ユキ監督によるワークショップ概要日時:10月30日(日)14:00〜18:00(予定) ※途中休憩あり参加費:無料(※事前登録制、定員になり次第受付終了)会場:東京都写真美術館(東京・恵比寿)※申し込みは公式ホームページにて。公式ホームページ:■関連作品:指輪をはめたい 2011年11月19日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2011 Kino Films/Kinoshita Management Co.,Ltdショートショート フィルムフェスティバル & アジア2011 [映画祭] 2011年6月16日から6月19日まで表参道ヒルズスペース オー、6月22日から6月26日までラフォーレミュージアム原宿ほかにて開催第24回東京国際映画祭 [映画祭] 2011年10月22日から10月30日まで六本木ヒルズをメイン会場に都内各所にて開催© 2011 Tokyo International Film Festival All Rights Reserved.■関連記事:あなたは見つけられる?『指輪をはめたい』特製デコトラ“迷走”中!【TIFFレポート】岡田将生&原田泰造通訳付き映画祭公式上映にハイテンション!【TIFFレポート】加瀬亮、デニス・ホッパーの息子と朝4時までの付き合いを明かす【TIFFレポート】山田孝之、司会者に「本当の恋愛って何ですか?」と逆質問【TIFFレポート】小栗旬「毎日、逃げ出したいと思ってた」と監督経験を述懐
2011年10月26日いよいよ今週末に閉幕となる第64回カンヌ国際映画祭。「コンペディション」部門には河瀬直美監督の『朱花の月』、三池崇史監督の『一命』、「監督週間」には園子温監督の『恋の罪』がエントリーし、日本映画への注目度も高く、各賞のゆくえも気になるところだ。映画祭には今年も、『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』をひっさげたジョニー・デップ、『ツリー・オブ・ライフ』、『カンフー・パンダ2』とそれぞれの出演作が出品されたブランジェリーナをはじめ、豪華な顔ぶれが揃った。ここでは写真と共に映画祭に華を添えた女優、俳優たちをご紹介しよう。ブラピ主演の『ツリー・オブ・ライフ』の公式上映に参加したアンジェリーナ・ジョリーはアトリエ・ヴェルサーチのチョコレート色のシルク・ドレスを着用。前面には深いスリットが入り、背面には複雑なドレープが波打つゴージャスなデザインだ。自身の出演作『カンフー・パンダ2』のフォトコールではサルヴァトーレ・フェラガモのヌード・ベージュのシンプルなワンピース姿で自然体の魅力をふりまいた。『Sleeping Beauty』(原題)のダイアン・クルーガーはカルバン・クラインのシャンパンゴールドのドレス、監督作『The Beaver』(原題)の公式上映に主演のメル・ギブソンを伴って登場したジョディ・フォスターはジョルジオ・アルマーニのワンショルダーのドレス。ネイビーブルーがお気に入りらしく、『Melancolia』(原題)の公式上映出席時は同系色のバレンシアガのホルターネックのドレスを着ていた。アトリエ・ヴェルサーチ、オスカー・デ・ラ・レンタ、エリー・サーブを着こなし、連日注目を集めたのは中国出身のファン・ビンビン。とりわけ目立ったのはオープニング・セレモニーのときに着た赤のドレス。鶴の刺繍が入った着物風のデザインは彼女のスタイリストによるものだという。若手女優たちは清楚な装いで勝負。アストリッド・ベルジェ=フリスベはシャネルのアイボリーのドレス、ミア・ワシコウスカはフィロソフィ・ディ・アルベルタ・フェレッティのローズのシルクドレスや、ヴァレンティノのピンクのドレスで爽やかさを演出した。16日(現地時間)にはスーパーモデルのナオミ・キャンベルが東日本大震災被災者支援のチャリティ・ファッションショー「Fashion For Relief: Japan」を開催、ゾーイ・サルダナやロザリオ・ドーソン、そして70歳を超える名女優のジェーン・フォンダらがモデルとしてランウェイに立った。会場ではドルチェ&ガッバーナがデザインしたチャリティTシャツも販売された。ドルチェ&ガッバーナの人気は高く、サラ・ジェシカ・パーカーや本年度コンペ部門の審査員を務めるユマ・サーマンらがプレミアやフォトコールで白に刺繍の入った2011年春コレクションのドレス(サラ・ジェシカはたっぷりとしたマキシ丈、ユマは身体にフィットした膝丈)を着ていた。ちなみに、審査員全員のフォトコールでユマと並んだ審査員長のロバート・デ・ニーロのよれよれの普段着姿は、ある意味究極の外しの美学かも。さて、あなたが選ぶ今年のカンヌのベストドレッサーは?(text:Yuki Tominaga)特集「カンヌ国際映画祭現地から最新ニュースお届け」■関連作品:第64回カンヌ国際映画祭 [映画祭]カンフー・パンダ2 2011年8月19日より新宿ピカデリーほか全国にて公開KUNG FU PANDA 2™ & © 2010 DreamWorks Animation LLC. All Rights Reserved.ツリー・オブ・ライフ 2011年8月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2010 Cottonwood Pictures, LLC. All Rights Reserved一命 2011年10月、公開© 2011映画「一命」製作委員会恋の罪 2011年公開© 2011「恋の罪」製作委員会朱花の月 2011年9月、渋谷ユーロスペース、TOHOシネマズ橿原 ほか全国にて順次公開© 「朱花の月」製作委員会パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉 2011年5月20日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.■関連記事:【カンヌレポート7】瑛太、初カンヌに緊張監督は時代劇に3D起用理由を説明ジョニー・デップの膨大な帽子コレクションに危機!ヴァネッサが断捨離を迫るジョニーもペネロペも欲しがる…?「手に入れたい泉」の投票結果を大発表!海賊たちが可愛い人形に!『パイレーツ・オブ・カリビアン』フィギュアを2様プレゼントジョニーの横断幕はストで届かずも、日本人キャスト・松崎悠希、渾身のボケかます
2011年05月20日空き巣に入った家で、カップルを衝動的に殺した死刑囚。彼の元に面会に訪れる一人の女性。彼女は被害者の男性の婚約者であり、被害者男性は別の女性との逢瀬の最中に殺害されたのだった。死刑囚と婚約者を殺された女性。その2人の間に愛が芽生えたら――。『真幸くあらば』はまさに“究極”と呼ぶにふさわしい、純愛を描いた作品。タイトルはかつて謀反の罪で捕らえられた有間皇子が刑死間近に詠んだという歌から取られている。自分の婚約者の命を奪うと同時に、その不実をも明かした死刑囚に心惹かれていくヒロインを演じたのは尾野真千子。深遠なる感情表現と共に、体を張ってこの純愛を体現した。一見、ありえないと思えるこの2人の関係を、演じた尾野さん自身はどのように捉え、表現したのか?まずは尾野さん自身について質問。1997年のデビュー作『萌の朱雀』(河瀬直美監督)以来、本作を含め人間の“命”、“生きる”ということをテーマにした作品への出演が数多くみられるが、作品を選ぶ上での本人の意思なのだろうか?「いや、実は私自身というわけではないんです。あえて言うなら事務所や周りのみなさんがそうした作品をすごく大切にしていて、私のところに持ってきてくれる。それはすごく幸せなことですし、人の生や死というとても大切なことに向き合える作品に出られるのは嬉しいです。私自身で言えば、やはり原点が『萌の朱雀』にあるのは確かです。どこかで道を外れたら、『原点に戻ろう』という自分がいますね」。では、本作『真幸くあらば』について。最初に脚本を読んで、出演すると決めるまでの経緯を尋ねた。「脚本を読んで、すぐに『やります』とは言えなかったです。やろうか?どうしようか?できるか?できないか?かなり悩みました。死刑囚という存在にどう向き合うのか。しかも、そこで恋に落ちる…。どう向き合えばいいのか全く分からなかった。セリフなんて言ってしまえばいいけど、そのセリフを言うためにどんな顔をしたらいいのか?そこですごくあやふやな感情でいたんですが、御徒町監督に会って、私たち俳優の気持ちをすごく大切にしてくれる方で、この人になら付いていけるかも、という気持ちで出演を決めました」。その御徒町監督の現場作りや演出は、これまで経験したことのないものだったと明かす。「本読みの段階で、脚本は横に置いておいて、私と監督と(死刑囚役の)久保田(将至)くんの3人で気持ちを作るレッスンをしました。例えば、場所は喫茶店で、私と久保田くんは昨夜初めて会ったばかり、という状況を与えられて自由に演技してみたり。いま、持っている気持ちをどうやって演技として引き出し、表現するかということを練習したんです。本番でも、監督は自分がOKやダメ出しをするのではなく、私たちに聞いてくるんです。『どうだった?互いの気持ちは繋がっていた?』って。こっちが『できてました』と言うと、『じゃあOKだね』とそこでOKが出る。ある意味、すごく怖かったです」。そんな中で尾野さんが薫という女性を自分のものにした瞬間は?そう尋ねると、クスリと笑って、柔らかい口調でこんな答えが返ってきた。「私は普段から、あまり考えてないんですよ(笑)。現場に入らないとよく分からなくて…。例えば、リハーサルで何もないところで演技しても何の感情もわいてこない。現場で相手と向き合って、ようやく相手の感情が見えてきて『こんなこと考えてるのかな』という気持ちになって涙や笑いがこみ上げてくる。今回も、“掴んだ”のは現場。久保田くんは今回が映画初主演で、どういう演技してくるのか分からなかった。『こうしてくるかな?』とか思ったら、全然違うことしてくる。そういうのがドキドキする瞬間ですね。順撮りだったんですが、久保田くんが徐々に変わってくるのが目に見えて分かるんです。こっちが鳥肌立つくらい。そこに気持ちを入れるのはすごくやりやすかったです」。そして、ラスト近く。差し入れの聖書への書き込みで互いの思いを伝え合った2人が、遠く離れていながらも結び付き、交わるという場面。尾野さんは月の光の下にその美しい肉体を露わにする。最終日に撮影されたというこのシーンについても語ってくれた。「私自身、このシーンがあることはもちろん知っていたんですが、“覚悟”を決めたという瞬間はなかったです。むしろ、ずっと不安で考えないようにして、目の前のシーンに集中していましたね。当日は、普通なら、体を隠す“前張り”というのをするんですが、私はできなかったんです――。ここで隠してしまえば、“彼”にも隠しているような気がして、そうしたら一緒になれないように思えて『隠しません』と言って、生まれたままの姿で撮影に臨みました。なりきれていたからこそできたんだと思います」。「普段の私は“女優”じゃないですよ(笑)」、「素の自分を知られるのは恥ずかしいですね」と屈託のない笑顔で話す尾野さん。スクリーンの中で見せる表情とのギャップに少し驚きつつ、まぎれもなく彼女が“女優”であることをまざまざと感じさせられた。今年、20代最後の年を迎える彼女のさらなる活躍に期待したい。■関連作品:真幸くあらば 2010年1月9日より新宿バルト9ほか全国にて順次公開©2009「真幸くあらば」製作委員会殯の森 2007年6月より全国にて公開©KUMIE / Celluloid Dreams Productions/ Visual Arts College Osakaクライマーズ・ハイ 2008年7月5日より丸の内TOEI1ほか全国にて公開© 「クライマーズ・ハイ」フィルム・パートナーズ■関連記事:堺雅人が語る太宰、そして『人間失格』――。「近代文学と“再会”できました」阿部寛「役をもらえたのが奇跡」、仲里依紗は涙!「毎日映画コンクール」表彰式日本アカデミー賞『おくりびと』が独占追うは『母べえ』&『クライマーズ・ハイ』堤真一&堺雅人、快挙!『クライマーズ・ハイ』コンビが報知映画賞ダブル受賞福山雅治「堤さんは普通の関西のおっさん」柴咲コウはセクハラトークに献身の日々!
2010年01月08日