学而図書(所在地:神奈川県横浜市、代表:笠原 正大)は、巨大津波を生み出す「海底地すべり」の実態解明など、最新の防災研究の成果を収録した電子書籍『TEN Selected Papers 津波災害を根絶する 海底防災技術の確立をめざして』を、2024年9月20日(金)より国内の電子書店にて発売いたします。『TEN Selected Papers 津波災害を根絶する』書影■『TEN Selected Papers 津波災害を根絶する 海底防災技術の確立をめざして』書籍情報ページ: ■巨大津波を生み出す「海底地すべり」の実態解明が、津波災害の根絶へと結びつく。『TEN Selected Papers 津波災害を根絶する』は、3.11以後に蓄積された知見に基づいて地震・津波のメカニズムを再考し、津波による災害の根絶を実現するための方策を提示した、今後の世界の防災・減災を考える上で不可欠の一冊です。近年になって、津波の原因とされてきた「プレートの跳ね上がり」では説明できない津波災害が、東日本大震災や令和6年能登半島地震などでも発生していたことが明らかになっています。こうした状況のもと、津波の発生要因となる「海底地すべり」等に注目し、その実態の解明と新たな対策技術の確立を目指す研究が、これまで12年以上にわたって積み重ねられてきました。国際津波防災学会の機関誌として創刊された『TEN (Tsunami, Earth and Networking)』は、こうした議論や研究の中心的な場となってきた防災研究誌です。本書には、この『TEN』上で展開されてきた、貴重かつ重要な論説を精選し収録しています。■緒言「なぜ、どのようにして東北地方太平洋沖地震と津波災害は発生したのか」丸山 茂徳(東京工業大学 名誉教授)ほかによる、書き下ろしの緒言を収録しました。大規模な海底地すべりを原因とする津波発生のメカニズム、「力学境界」に注目した地震発生原理の再検討、GPSの観測データに基づく地震発生地域の予測、海底土木技術の開発による津波災害の事前対策、いま危険視すべき地域など、これからの防災研究・災害対策事業に欠かせない議論が展開されています。<目次>『TEN Selected Papers 津波災害を根絶する』目次■なぜ,どのようにして東北地方太平洋沖地震と津波災害は発生したのか丸山 茂徳(東京工業大学 名誉教授)戎崎 俊一(理化学研究所)小野寺 清(国際津波防災学会)■海底地すべりによる津波災害戎崎 俊一(理化学研究所)丸山 茂徳(東京工業大学 名誉教授)村田 一城(港湾空港技術研究所)■日本周辺海溝域の海底地すべりと津波発生に関する地球科学的研究の現状と課題小川 勇二郎(筑波大学 名誉教授)川村 喜一郎(山口大学)■津波地震とは何か?戎崎 俊一(理化学研究所)丸山 茂徳(東京工業大学 名誉教授)■津波地震とは何か?(2)戎崎 俊一(理化学研究所)丸山 茂徳(東京工業大学 名誉教授)■1923年関東地震前後の海底地形変化について村田 一城(港湾空港技術研究所)佐々 真志(港湾空港技術研究所)高(※)川 智博(港湾空港技術研究所)※機種依存文字「はしごだか」 → 常用漢字「高」に変更戎崎 俊一(理化学研究所)丸山 茂徳(東京工業大学 名誉教授)■大正関東大震災の津波村田 一城(港湾空港技術研究所)■火山噴火に伴う津波の実態解明と関連する災害の軽減に向けて石峯 康浩(山梨県富士山科学研究所)■フンガトンガ・フンガハアパイ火山の2022年噴火とそれに伴う津波の概要(速報)石峯 康浩(山梨県富士山科学研究所)■2022年トンガ噴火で発生した火山性津波馬場 俊孝(徳島大学)村田 一城(港湾空港技術研究所)石峯 康浩(山梨県富士山科学研究所)戎崎 俊一(理化学研究所)■現地聞き取り調査に基づくトンガ王国における2022年津波災害への対応石峯 康浩(山梨県富士山科学研究所)■ソーシャル レジリアンス:人間からインフラまで山中 燁子(国際津波防災学会)■津波漂流物と構造物の衝突評価へのMPS法の適用に関する基礎研究増田 光一(日本大学 名誉教授)相田 康洋(日本大学)居駒 知樹(日本大学)■ハザードチェーンを考慮した沿岸建築物に対する耐津波設計に関する基礎的研究増田 光一(日本大学 名誉教授)居駒 知樹(日本大学)相田 康洋(日本大学)■水産地域における災害発生後の事業継続実現に向けた取り組み後藤 卓治(漁港漁場漁村総合研究所)■濱口梧陵,その精神の脈流をたどる小野寺 清(国際津波防災学会)■令和6年能登半島地震のメカニズムと,防災事業への提言丸山 茂徳(東京工業大学 名誉教授)<書籍概要>タイトル: 『TEN Selected Papers 津波災害を根絶する海底防災技術の確立をめざして』著者 : TEN出版委員会(戎崎 俊一、増田 光一、丸山 茂徳)編価格 : 1,320円(税込)発売日 : 2024年9月20日(金) ※日本国内の各電子書店にて取扱ページ数: 166ページ仕様 : 電子書籍ISBN : 978-4-911072-03-5発行元 : 学而図書URL : <編者プロフィール>戎崎 俊一(えびすざき・としかず、理化学研究所 客員主管研究員)1958年山口県生まれ。NASA研究員、神戸大学助手、東京大学助手、同助教授を経て、1995年から理化学研究所主任研究員、2024年より同研究所客員主管研究員。天体物理学、計算科学を専門とし、Gordon Bell Prize, Peak Performance Categoryなどを受賞。『ゼミナール宇宙科学』(東京大学出版会)、『銀河の世界』(エドウィン・ハッブル著、岩波書店)ほか著書・訳書多数。増田 光一(ますだ・こういち、日本大学 理工学部海洋建築工学科 名誉教授)1951年千葉県生まれ。1988年日本大学助教授、1993年同教授、2020年より日本大学理工学研究所上席研究員。専門は海洋建築工学、水波・浮体工学、津波防災工学。津波来襲時の港内係留船舶の挙動シミュレーション等を近年の研究トピックスとする。日本沿岸域学会文化賞、功労賞 PACON Internationalなどを受賞、国際津波防災学会副代表。丸山 茂徳(まるやま・しげのり、東京工業大学 名誉教授)1949年徳島県生まれ。スタンフォード大学、東京大学などを経て、1993年から2019年まで東京工業大学教授および特任教授。地質学、地球惑星科学を専門とし、地質学会賞、アメリカ科学振興会フェロー、紫綬褒章、トムソンサイエンティフィックリサーチフロントアワード、アメリカ地質学会名誉フェロー、瑞宝中綬章ほか受賞・受章、著書多数。<事業者概要>事業者名: 学而図書(代表者:笠原 正大)所在地 : 〒222-0011神奈川県横浜市港北区菊名1丁目4-2 第一橘ビル220 SOLO妙蓮寺設立 : 2021年4月事業内容: 教育書を中心とした書籍の企画・編集・出版・販売URL : 【本件に関するお客様からのお問い合わせ先】本書の内容・著者に関するお問い合わせ先TEN出版委員会 事務局TEL : 045-550-7057(学而図書内)お問い合わせフォーム: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年09月20日学而図書(所在地:神奈川県横浜市、代表:笠原 正大)は、津波発生メカニズムの再検証など、最新の防災研究の成果を収録した電子書籍『TEN Selected Papers 津波災害を根絶する 海底防災技術の確立をめざして』を、9月13日(金)より国内の電子書店にて発売いたします。『TEN Selected Papers 津波災害を根絶する』仮書影■『TEN Selected Papers 津波災害を根絶する 海底防災技術の確立をめざして』書籍情報ページ: ■津波の発生原因「海底地すべり」再検証により、新たな防災技術の必要性が明らかに本書は、東日本大震災以降、巨大津波の原因となる「海底地すべり」に注目し、津波災害の根絶をめざして実践を積み重ねてきた研究者たちの歩みと成果をまとめたものです。関東大震災の後、小川 琢治(湯川 秀樹の実父)によって論じられながら、十分に議論されないまま黙殺された、津波発生原因の「海底地すべり」説。しかし、3.11から蓄積された新たなデータや、令和6年能登半島地震の津波などによって、この「海底地すべり」説を再検証する重要性は、日々高まっています。津波・地震の発生メカニズムの再検討や、それに基づく災害の発生予測・対策技術の提言など、災害対策のために重要な文章を数多く収めた本書は、これからの世界の防災のあり方を考える上で欠かせない一冊です。■緒言「なぜ、どのようにして東北地方太平洋沖地震と津波災害は発生したのか」丸山 茂徳(東京工業大学 名誉教授)ほかによる、書き下ろしの緒言を収録しました。大規模海底地すべりを原因とする津波発生のメカニズム、新たな知見に基づく地震発生原理の再検討、GPSの観測データに基づく地震発生地域の予測、海底土木技術の開発による津波災害の事前対策、いま危険視すべき地域など、これからの防災研究・災害対策事業に欠かせない議論が展開されています。■「TEN Selected Papers」について国際津波防災学会(ITDPS)の機関誌として創刊された科学誌『TEN (Tsunami, Earth and Networking)』から、テーマごとに精選した論稿を収録する特別増刊です。『TEN』は、斬新な意見を科学的議論を通じて検証する気鋭の防災研究誌として各界から高い評価を得ており、第4巻より国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)科学技術文献データベース「JDream III」および「J-GLOBAL」への収録対象誌にも選定されています。<目次>■なぜ、どのようにして東北地方太平洋沖地震と津波災害は発生したのか丸山 茂徳(東京工業大学 名誉教授)戎崎 俊一(理化学研究所)小野寺 清(国際津波防災学会)■海底地すべりによる津波災害戎崎 俊一(理化学研究所)丸山 茂徳(東京工業大学 名誉教授)村田 一城(湾空港技術研究所)■日本周辺海溝域の海底地すべりと津波発生に関する地球科学的研究の現状と課題小川 勇二郎(筑波大学 名誉教授)川村 喜一郎(山口大学)■津波地震とは何か?戎崎 俊一(理化学研究所)丸山 茂徳(東京工業大学 名誉教授)■津波地震とは何か?(2)戎崎 俊一(理化学研究所)丸山 茂徳(理化学研究所)■1923年関東地震前後の海底地形変化について村田 一城(港湾空港技術研究所)佐々 真志(港湾空港技術研究所)高川 智博(港湾空港技術研究所)戎崎 俊一(理化学研究所)丸山 茂徳(東京工業大学 名誉教授)■大正関東大震災の津波村田 一城(湾空港技術研究所)■火山噴火に伴う津波の実態解明と関連する災害の軽減に向けて石峯 康浩(山梨県富士山科学研究所)■フンガトンガ・フンガハアパイ火山の2022年噴火とそれに伴う津波の概要(速報)石峯 康浩(山梨県富士山科学研究所)■2022年トンガ噴火で発生した火山性津波馬場 俊孝(徳島大学)村田 一城(湾空港技術研究所)石峯 康浩(山梨県富士山科学研究所)戎崎 俊一(理化学研究所)■現地聞き取り調査に基づくトンガ王国における2022年津波災害への対応石峯 康浩(山梨県富士山科学研究所)■ソーシャル レジリアンス:人間からインフラまで山中 燁子(国際津波防災学会)■津波漂流物と構造物の衝突評価へのMPS法の適用に関する基礎研究増田 光一(日本大学 名誉教授)相田 康洋(日本大学)居駒 知樹(日本大学)■ハザードチェーンを考慮した沿岸建築物に対する耐津波設計に関する基礎的研究増田 光一(日本大学 名誉教授)居駒 知樹(日本大学)相田 康洋(日本大学)■水産地域における災害発生後の事業継続実現に向けた取り組み後藤 卓治(漁港漁場漁村総合研究所)■濱口梧陵,その精神の脈流をたどる小野寺 清(国際津波防災学会)■令和6年能登半島地震のメカニズムと,防災事業への提言丸山 茂徳(東京工業大学 名誉教授)<書籍概要>タイトル: 『TEN Selected Papers 津波災害を根絶する 海底防災技術の確立をめざして』著者 : TEN出版委員会(戎崎 俊一、増田 光一、丸山 茂徳)編価格 : 1,320円(予価、税込)発売日 : 2024年9月13日(金)予定 ※日本国内の各電子書店にて取扱ページ数: 144ページ(予定)仕様 : 電子書籍ISBN : 978-4-911072-03-5発行元 : 学而図書URL : <編者プロフィール>戎崎 俊一(えびすざき・としかず、理化学研究所 客員主管研究員)1958年山口県生まれ。NASA研究員、神戸大学助手、東京大学助手、同助教授を経て、1995年から理化学研究所主任研究員、2024年より同研究所客員主管研究員。天体物理学、計算科学を専門とし、Gordon Bell Prize, Peak Performance Categoryなどを受賞。『ゼミナール宇宙科学』(東京大学出版会)、『銀河の世界』(エドウィン・ハッブル著、岩波書店)ほか著書・訳書多数。増田 光一(ますだ・こういち、日本大学 理工学部海洋建築工学科 名誉教授)1951年千葉県生まれ。1988年日本大学助教授、1993年同教授、2020年より日本大学理工学研究所上席研究員。専門は海洋建築工学、水波・浮体工学、津波防災工学。津波来襲時の港内係留船舶の挙動シミュレーション等を近年の研究トピックスとする。日本沿岸域学会文化賞、功労賞 PACON Internationalなどを受賞、国際津波防災学会副代表。丸山 茂徳(まるやま・しげのり、東京工業大学 名誉教授)1949年徳島県生まれ。スタンフォード大学、東京大学などを経て、1993年から2019年まで東京工業大学教授および特任教授。地質学、地球惑星科学を専門とし、地質学会賞、アメリカ科学振興会フェロー、紫綬褒章、トムソンサイエンティフィックリサーチフロントアワード、アメリカ地質学会名誉フェロー、瑞宝中綬章ほか受賞・受章、著書多数。<事業者概要>事業者名: 学而図書(代表者:笠原 正大)所在地 : 〒222-0011 神奈川県横浜市港北区菊名1丁目4-2 第一橘ビル220 SOLO妙蓮寺設立 : 2021年4月事業内容: 教育書を中心とした書籍の企画・編集・出版・販売URL : 【本件に関するお客様からのお問い合わせ先】本書の内容・著者に関するお問い合わせ先TEN出版委員会 事務局TEL : 045-550-7057(学而図書内)お問い合わせフォーム: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年08月14日2024年8月8日、気象庁が、南海トラフ地震臨時情報の『巨大地震注意』を発表しました。同月9日現在、今後1~2週間は、特に地震への備えが大切になります。『緊急地震速報』が出たら、どうする?大きな揺れの地震が発生した際、『緊急地震速報』とそれに伴う『津波警報』という言葉をよく見聞きします。しかし、きちんと意味を理解していない人も多いのではないでしょうか。内閣府大臣官房政府広報室は、運営するウェブサイト『政府広報オンライン』を通じて、『緊急地震速報』と『津波警報』について詳しく説明しています。そもそも『緊急地震速報』とは、最大震度5弱以上の揺れが予想される時に、震度4以上の揺れが予想される地域に対して発表されるそうです。緊急地震速報は、最大震度5弱以上の揺れが予想されるときに、震度4以上の揺れが予想される地域に対して発表されます。また、令和5年(2023年)2月1日からは、長周期地震動階級3以上を予想した場合にも緊急地震速報が発表されます。政府広報オンラインーより引用長周期地震動とは、大きな地震で生じる周期が長い大きな揺れのこと。遠くまで伝わりやすい性質があり、 地震が発生した場所から数百km離れた場所でも大きく長く揺れることがあるといいます。では、『緊急地震速報』が発表された時、我々はどうのように動けばよいのでしょう。『政府広報オンライン』はシチュエーション別に、『緊急地震速報』が発表された時に取るべき行動を公開しています。家庭で屋内にいる時慌てて外に飛び出さないことや、火の始末に注意が必要です。・家具の移動や落下物から身を守るため、頭を保護しながら大きな家具から離れ、丈夫な机の下などに隠れる・慌てて外に飛び出さない・料理や暖房などで火を使っている場合、その場で火を消せるときは火の始末、火元から離れているときは無理に火を消しに行かない・扉を開けて避難路を確保する政府広報オンラインーより引用閉じ込められないために、扉を開けて避難路を確保することも忘れないでください。人が大勢いる施設(大規模店舗などの集客施設)にいる時係員や従業員から指示があれば、従いましょう。・慌てずに施設の係員や従業員などの指示に従う・従業員などから指示がない場合は、その場で頭を保護し、揺れに備えて安全な姿勢をとる・吊り下がっている照明などの下から退避する・慌てて出口や階段に殺到しない政府広報オンラインーより引用屋外にいる時は、ブロック塀や建物のそばから、できるだけ離れてください。倒壊の危険や、割れた窓ガラスが落下してくる危険があるためです。自動車運転中自動車運転中は、後続の運転手が緊急地震速報を聞いているとは限らないため、慌てて急ハンドルや急ブレーキをかけず、ゆるやかに速度を落とすことが大切だといいます。ハザードランプを点灯して、周りの車に注意をうながし、道路の左側に停止させましょう。津波警報が出たら、どうする?また、海に囲まれた日本では、地震に引き続いて津波が発生することがあります。『巨大な津波』または『高い津波』という表現で、大津波警報や津波警報が発表された場合は、東日本大震災のような巨大津波が襲って来る可能性がある非常事態だそうです。『政府広報オンライン』によれば、津波が伝わるスピードは、水深が深いほど速く、場合によっては、ジェット機並みの速さになるとのこと。遠くではなく、少しでも高いところを目指して逃げることが大切だといいます。※写真はイメージ地震や津波に油断は禁物です。「大丈夫だろう」という考えで、準備を怠ったり、避難の初動が遅れたりすると、取り返しの付かないことになる恐れがあります。引き続き災害に十分、注意していきましょう。[文・構成/grape編集部]
2024年08月09日2024年8月8日の午後4時43分頃、宮崎県南部で最大震度6弱を観測する地震が発生。その数時間後、気象庁は南海トラフの臨時情報として『巨大地震注意』を発表しました。南海トラフとは、駿河湾から日向灘沖にかけてのプレートが接する、海底に溝状の地形がある区域のこと。限界に達したプレートが跳ね上がることで発生する地震が『南海トラフ地震』とされており、日本では過去にも100~150年間隔で観測されています。赤色と白色の『津波フラッグ』を見たら、すぐに海から離れて!もちろん『巨大地震注意』の臨時情報が出たからといって、確実に大きな地震が発生するわけではありません。とはいえ、備えが必要なのは間違いないでしょう。今回の事態を受け、ネット上では行政を始め、多くの自治体や団体が防災にまつわる情報を発信しています。警視庁や株式会社LIXILなどのアカウントが以前から呼びかけているのは、海の周囲で目にしたらすぐに逃げるべき目印。以下の写真のような、赤色と白色でデザインされた旗は『津波フラッグ』と呼ばれています。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る LIXIL × SDGs NEXT STAGE(@lixil_sdgs)がシェアした投稿 2011年3月に発生した東日本大震災では、誰もが津波の恐ろしさを再認識したはず。もし南海トラフ地震が発生した場合、規模や地域によっては同様の危険に襲われるでしょう。この津波フラッグは、そういった緊急事態に備えて海水浴場などに用意されている旗。津波警報等が発表された際、周囲にいる人たちへ視覚的に危険を伝えることができます。警視庁や自治体などは、緊急事態に1人でも多くの人の命を守るため、「津波フラッグを見たらすぐに海から離れ、高い場所に逃げて!」と注意喚起。津波フラッグを今回で初めて知った人も多いようで、ネット上からはさまざまな声が上がっています。・津波フラッグの存在を初めて知った。確かに、泳いでいたら聞こえないもんね…。・この情報は広まるべき!多くの人が知っていないと、せっかくのサインも意味がない。・確かに、サーフィンなどをやらない人は知らないかも…。拡散されますように。緊急事態に見舞われた際、1つの情報が今後の命運を大きく左右するかもしれません。日頃から可能な限りの備えを意識しておけば、自分と大切な人を守る未来につながるはずです。[文・構成/grape編集部]
2024年08月09日「公益財団法人 鎮守の森のプロジェクト」は、東日本大震災によって被害を受けた沿岸部を中心に、[浸水域に津波からいのちを守る防災の森]をつくる活動をしています。これまでに宮城県岩沼市、福島県南相馬市、三重県明和町などで約63万本の苗木を約6.5万名のボランティアと共に植えてきました。来る令和6年6月9日(日)福島県南相馬市において植樹祭を実施いたします。この植樹祭は2013年にスタートし12回目となりました。東日本大震災で犠牲になった人々を慰霊し、震災の経験や教訓をいつまでも後世に継承する場をつくるとともに、津波を緩衝するための「いのちを守る防災林」の実現のために集まるボランティアによる植樹の模様をぜひ取材をしていただきたく、ご案内申し上げます。植樹の様子植樹ボランティアと南相馬市長(写真右)【概要】日程 :令和6年6月9日(日)場所 :福島県南相馬市小高区塚原地内海岸防災林規模 :植樹本数20,000本・募集人数1,500名程度主催 :南相馬市鎮魂復興市民植樹祭実行委員会後援 :福島県等予定 :11:00~ 受付開始12:00~ 開会式・植樹15:00 終了予定出席 :門馬和夫 南相馬市長ゲスト:相撲芸人 あかつ(福島県いわき市出身)司会 :藤原カズヒロ(福島県伊達郡出身)※詳細は南相馬市のホームページでもご覧いただけます。〈南相馬市 ホームページ〉 〈植樹祭 PDF〉 ※ご来場いただきましたら受付テントにお立ち寄りください。植樹する樹種は、南相馬市の自然植生種 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年06月04日東京工芸大学芸術学部(学長:吉野 弘章、所在地:東京都中野区、以下 本学)は、東日本大震災時に宮城県石巻市大川小学校で起きた津波事故を題材にした映像作品を公開します。この作品は地震発生から津波襲来までの51分間の出来事と事故後の行政対応を多角的に探る作品で、本学中野キャンパス6号館地下1階ギャラリーで3月17日(日)まで展示しています。51分と13年本作品は、東日本大震災時に宮城県石巻市の大川小学校で起こった津波事故を題材としたアートプロジェクトであり、本学芸術学部インタラクティブメディア学科の野口靖教授と、映像作家の三行英登氏の共同研究の成果です。彼らは、地震発生から津波襲来までの51分間に、大川小学校で何が起こったと考えられているのか、また事故後の行政対応について、報道記事や書籍など事故後十数年のあいだに蓄積された様々な資料を丹念に調べるとともに、関係者への取材を重ねてきました。これらの調査を通して得られた「事実」をベースとしながら、独自の解釈を含む映像作品が完成しました。本作品では、大川小学校事故に内在する問題について多角的な視点を提示します。この取り組みは、工学部と芸術学部を有する本学の特色ある教育研究活動の発展に寄与し、「工芸融合研究(成果公開型)」事業の一環として制作されています。本作品は、2024年3月2日(土)から3月17日(日)まで本学中野キャンパス6号館地下1階ギャラリーで公開されます。複数の映像を並置する映像インスタレーション手法を用い、場所や空間全体を通じて体験ができます。これにより、大川小学校の事故に関する多角的な視点からの社会的認識と理解を深めることが期待されます。詳細は以下のとおりです。■「51分と13年」会場 : 東京工芸大学 中野キャンパス6号館 地下1階ギャラリー(6B01)展示期間: 2024年3月2日(土)~3月17日(日)休館日 : 月曜日開館時間: 12:00~18:00入場料 : 無料作品形態: 映像インスタレーション展示施工: 株式会社 O.D.A【展示詳細URL】 ※本展示作品には津波事故に関する事故現場の風景や語りによる具体的な描写が含まれます。ご了承の上ご覧ください。6号館アクセスMAP■東京工芸大学東京工芸大学は1923(大正12)年に創立された「財団法人小西寫眞(写真)専門学校」を前身とし、創設当初からテクノロジーとアートを融合した無限の可能性を追究し続けてきた。2023年に創立100周年を迎えた。【URL】 ■野口靖東京工芸大学芸術学部インタラクティブメディア学科教授過去にも、福島第一原発事故から10年経った際に風評被害防止を目指し、放射性物質の食品影響を時間経過と共に示す地図をウェブサイトに公開。【研究室URL】 ■三行英登映像作家、グラフィックデザイナー。舞台・映像・美術など様々な場で美術家や音楽家、詩人、ダンサー、研究者との共同創作を数多く行う。2003年から2008年まで高山明主宰のPort Bに参加し、舞台映像や宣伝美術を担当する。2015年より河崎純主宰の音楽詩劇研究所に参加し、ロシア、アルメニア、トルコ、ウクライナ、カザフスタンなど国内外の公演を共同でプロデュース。ドキュメンタリー、舞台作品の映像のほか、近年はビデオインスタレーションなど美術作品の制作も行っている。【URL】 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年03月04日2022年1月15日午後1時頃、南太平洋のトンガ付近で大規模な火山噴火が発生。その影響により、同月16日未明に日本の広い範囲で津波警報や注意報が発令されました。避難指示を受け、『びっくりドンキー』の店員が…?各地で津波警報や注意報が発令された時、宮城県に住む、まな(@ron_lily0126)さんは飲食チェーン店『びっくりドンキー』で食事をしていました。店がある多賀城市は、2011年の東日本大震災の際、市の3分の1が浸水被害を受けた地域。海までの距離が2kmほどということもあり、この日もまなさんがいた場所では、避難指示がいい渡されました。食事を終えたまなさんに対し、同店の店員はこのように告げたといいます。「お代は結構ですので、とにかく急いで避難してください」びっくりドンキー多賀城店様完食してしまったのにも関わらず食事代金は本日要らないのでと避難指示を優先していました。私達は代金お支払いすると言いましたが、とにかく避難して下さいと人命を優先する従業員さんには頭が下がります。感謝しかありません。また利用してお礼を伝えます。— まな@仙台鷲 (@ron_lily0126) January 15, 2022 人命を最優先し、迅速な避難をうながした『びっくりドンキー』の店員。そのおかげもあり、まなさんは速やかに避難をすることができたといいます。後日、まなさんは食事の代金を払い、お礼を伝えるため、店を再び訪れました。つづき仕事終わり、お礼と代金を支払いにびっくりドンキーさんに来ました。会社の決まりで人命優先により代金は頂けないとの事です。伝票も破棄したので本当にお受けできないと丁重にお断りの対応でした。お礼だけはお伝え出来ました!また利用させて頂きます!! pic.twitter.com/akaxOrAGA5 — まな@仙台鷲 (@ron_lily0126) January 16, 2022 店員からは「会社から人命優先との指示が出ているため、代金はいただけません」と伝えられたため、感謝の気持ちを伝えたまなさん。会社と店員の素晴らしい対応に心打たれ、一連のエピソードをTwitterに投稿しました。【ネットの声】・神の安売りはしたくないが、これはまさに神対応という言葉がふさわしい。・きっと、客と店員の命を守るための決まりなんだろう。素晴らしい!・実際に被災したからこその、迅速かつ適切な対応なんだろうな。涙が出た。津波からの避難は一秒一刻を争います。東日本大震災で多大な被害を受けたからこそ、店側は迅速な対応の重要性を知っていたのでしょう。一連の投稿には、30万件を超える『いいね』が寄せられました。人命と思いやりの心の大切さを、投稿を通して多くの人が再認識したようです。[文・構成/grape編集部]
2022年01月17日「2階のあの部屋が、自分も学んでいた5年生の教室でした。下校の『さよなら』の寸前に揺れが来た。『津波が来るよね』とみんなで言い合っていたんですが……」校舎を見上げてこう振り返るのは、’11年3月11日の東日本大震災による津波にのみこまれながら生還し“奇跡の生存児童”といわれた只野哲也さん(20)だ。現在は東北学院大学2年生で、津波の“語り部”としても活動している。宮城県石巻市・大川小では児童74人が死亡・行方不明となった。地震から約50分もたった後に、教職員の指示で避難し、津波にのまれたのだ。そのなかには哲也さんの妹で3年生だった未捺さん(享年9)もいた。また、哲也さんは妹に加え、母・しろえさん(享年41)、祖父・弘さん(享年67)と津波で家族を3人も亡くしている。あの日から9年。仲間が眼前で流されていくという壮絶体験をした哲也さんが、忘れられない体験を振り返る。「あの地震後、校庭に出て学年順に並びました。気持ち悪くなったのか、吐いている子もいた。その後に地元の住人の方や保護者が来て、引き取りも始まったんです。そのあと『50分くらい』ですか、結構な時間がたって、先生の誘導で避難を始めた。自分は裏山に行くと思っていたんですが、実際は『(河川堤防の近くの)三角地帯に行きます』と言われたんです」移動開始直後、教頭に「津波が来たので早く移動してください」と言われ、小走りに進もうとしたが……。「砂煙がパーッと上がるように波がこぼれ、飛行機の轟音のような音がした。自分は踵を返して走って山に登ろうとし、3~4メートルほど登ったあたりで首になにかがぶつかり、気絶してしまったんです」哲也さんは失神したが、山の斜面で体が半分ほど土砂に埋まった状態で救出され、山で住民や市職員らと合流して夜を明かした。亡くなった祖父、母、妹には、次のような思いを抱いている。「祖父は『地震が来たら、山さ逃げろよ』が口癖でした。地震直後、自分もその言葉が頭をよぎっていたんです。母は一度校庭に引き取りに来てくれたんですが、忘れ物を取りに自宅に戻ったのが、生前に見た最後でした。自分がヘルメットを渡そうとしたら『あんたがかぶってなさい』と押し戻された。あれがなければ自分は助からなかったかもしれない。妹は、生きていれば18歳。でも自分の中では、あのころの9歳のままの姿で変わらないんです……」震災から9年たって、変わってきたこともある。「大川小の敷地で50回以上ガイドしてきましたが、見学者の中には観光気分で、校舎をバックにピースして集合写真を撮る人もいる。どんな場所かくらいは予習してきてほしいんです」校舎は’16年3月に「震災遺構」として保存されることが決定。「校舎を残してほしい」と訴えてきた哲也さんの願いはかなったが、「どんな形で残るか」の具体的説明はないまま工事に入り、嵩上げなどが進んでいる。「『校舎を見ると思い出してつらい』という方もいるため“公園化”も悪くないんですが、教訓を伝えられるように、景観を一変させないでほしい。自分は被災を『千年後にも伝えたい』という思いでいます。『復興』だけではなく、忘れずに振り返ることも必要です」哲也さんは成人式も終え、自身の将来像をこんなふうに描く。「芯が強く、人の恩を忘れず地元で信頼されている祖母(=アキ子さん・73歳)の影響も強いんですが、緊急時や災害で人を助ける仕事に就きたいと思っています。地域密着で仕事したいので警察か消防でしょうが、この巨体(95キロ)では火災時に閉所にも突入しなくてはいけない消防士は不向きでしょう(笑)。柔道(二段)を生かせる警察官を志望しています」(取材・文:鈴木利宗/撮影:加藤順子)「女性自身」2020年3月24・31日合併号 掲載
2020年03月11日活発化する前線の影響による記録的な豪雨により、西日本を中心として大変な被害が広がっており、筆者がこの記事を書き始めた時点では、西日本豪雨での死者が72人、安否不明が63人でした(7月20日現在、死者225人、行方不明13人)。自然災害はいつどこで発生するかわからないものですが、災害に遭いやすい場所と比較的安全な場所があることも事実です。自然災害から身を護るため、今回は先人たちが残してくれた「言伝え」について書いてみます。■ 神社は津波から逃れた!意外な内容の論文が話題に「スサノオを祀る神社は東日本大震災で津波の被害を逃れた」という論文が数年前にマスコミに取り上げられて話題になりました。naonao / PIXTA(ピクスタ)こちらは東工大の研究グループによるまじめな論文で、決してオカルトや超常現象を扱ったものではありません。東日本大震災発生時に大津波が襲来した宮城県沿岸部の神社を調べてみると、津波が押し寄せた境界上に、津波が川を上流へ遡上した場所では遡上範囲を縁取るように、多くの神社が位置していたといいます。スサノオノミコトを祀った神社の大半はたとえ海の近くに位置していても津波の被害を受けず、スサノオと関係の深い熊野信仰に基づく熊野神社もその多くが津波被害を逃れた場所に位置していました(一方でアマテラスを祀る神社や稲荷神社は多くが被災しています)。tomaya / PIXTA(ピクスタ)■ 古代の人々は自然災害に強い場所を知っていた神話によるとスサノオはアマテラスの弟で、乱暴者であったため天上界を追放されて出雲に向かい、そこでヤマタノオロチを斬ったとされています。ヤマタノオロチは出雲の国を流れる斐伊川をイメージしたものとされ、これを斬ったということは斐伊川の治水に成功したという事をあらわします。斐伊川maso11 / PIXTA(ピクスタ)つまりスサノオは水をコントロールする力を持った神だとされていたのです。スサノオノミコトnagi0406 / PIXTA(ピクスタ)水害や疫病に対する力をもったスサノオノミコトは非常時における神であり、伝統的地域社会において人々はスサノオを祀る神社を自然災害発生時に最も安全な場所に建てていたと論文では結論付けています。つまり古代の人々の間では、自然災害に遭いにくい場所が伝承されていたことになり、それにより神社の周囲に人々が集まり、何かあった場合は神社に避難したと考えてもおかしくありません。■ 地名に込められている過去の災害の歴史先人たちが残してくれた「言伝え」の一つに地名があります。筆者がかつて勤務していたマンション会社では新しい物件が販売開始になると必ずその地域の地名の由来を調べていましたが(プラスの時は営業で使った)、地名にはその地域の古代の姿を物語る要素が隠されているものです。「川」「池」「浜」といった水に関係する文字が使われていれば津波や洪水などの水害に遭ったことが考えられ、「蛇」「竜」「龍」などが使われている地名には過去に大規模な土砂災害が発生したと思われます。福井県・九頭竜川ひろゆき / PIXTA(ピクスタ)「鷹」は「滝」の意味を持ち、がけ崩れの恐れの強い場所とされています。長崎県長崎市鳴滝skipinof / PIXTA(ピクスタ)最近では行政主導による住居表示変更が相次ぎ、由緒ある地名が次々と消滅していますが、自分が住んでいる地域の過去の地名を調べてみることも大切かもしれません。■ 先人たちの「言伝え」が津波から街を救った我が国はこれまでの歴史において何度も自然災害を受けてきていて、その中で培われた先人たちの知恵が現在まではっきりと見える形で受け継がれている場所が数多くあります。岩手県宮古市姉吉地区はこれまで何度も津波の被害を受けてきた場所ですが、その記憶を風化させないため海抜約60mの山腹に石碑が建てられています。姉吉・大津浪記念碑animangel / PIXTA(ピクスタ)そこには「高き住居は児孫の和楽想え惨禍の大津浪此処より下に家を建てるな」と刻まれており、実際に石碑の下には1軒の家もありません。東日本大震災時で発生した大津波は石碑から50mの地点まで到達しましたが、集落は石碑の上にあったため津波による建物被害はなかったといいます。■ 科学だけじゃない!先人から聞いた過去を知れば、将来の災害も予測できるその地域の過去がわかれば、将来に起きることもある程度予想がつきます。将来発生するかもしれない自然災害から身を護るため、自分が住んでいる地域のことをよく調べてみてはいかがでしょうか。ここまで書いて再びNHKをつけてみると、西日本豪雨の犠牲者の方の人数が随分と変化していました。yuayua / PIXTA(ピクスタ)渇水も困りますが、豪雨も困ります。被災地の方々が一刻も早く日常の生活に戻ることができることを願ってやみません。
2018年07月22日9月1日は防災の日です。いつ大きな災害が起きてもいいように、地震や火災などの対策は万全にしておきたいものです。特に非常食は防災グッズの中でも重要なアイテムのひとつ。今回はどんな非常食があり、味がどんなものなのかをご紹介します。これを機に防災について考えてみませんか。地震大国である日本にとって、防災グッズの完備は必要不可欠です。その中でも、非常食は重要なアイテムのひとつですが、「おいしくない」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。一方で「最近の非常食はおいしい」という意見も。本当のところどうなのか、代表的な3種類を実際に食べてみました。また、賞味期限が近くなった非常食のアレンジにも挑戦しました。■目次1.非常食を食べる前に2.水戻り餅を食べてみた3.アルファ米を食べてみた4.即席パスタを食べてみた5.賞味期限対策のアレンジをしてみたまとめ1.非常食を食べる前に皆さんは、非常食を、どの程度の量、どんな基準で選んで備蓄していますか?東日本大震災以前は、家族全員の3日間分の備蓄が推奨されていたのですが、現在は1週間分の用意が望まれています。非常食選びのポイントは、できるだけ普段でも食べられる、おいしいものを選ぶこと。そうすれば被災時に食欲がなくても食べられますし、賞味期限が近くなれば普段の食事にアレンジして楽しめます。今回は、非常食として代表的な水戻り餅・アルファ米・即席パスタの3種類を、実際に食べて味を試してみました。実験には、災害時で熱湯が入手できない状況を想定し、常温の水を使用しています。2.水戻り餅を食べてみた今回挑戦したきなこ餅の作り方は以下の通りです。(1)2分割のトレーの半分に餅を入れ、ひたひたになるまで水を注ぐ(2)1分ほど待つ(3)餅に水がしみこんだら、トレーの残り半分に餅を移し、きなこをかけて完成水を注いでたった1分、厳密に時間や水の分量を量らなくても大丈夫です。しかも、味や食感が普通のきなこ餅と全く変わらないので驚きました。添加の粉末アルコールの影響か、舌に雑味が残りましたが、十分においしい非常食と言えるでしょう。小さめとはいえお餅ですので、小さなお子様や高齢者の場合のどに詰まらせるおそれがあります。食事の際は十分に注意して下さい。3.アルファ米を食べてみた主食となる白飯の作り方は以下の通りです。(1)袋を開け、脱酸素剤とスプーンを取り出し、底を広げる(2)水を袋の内側の注水線(今回は160ml)まで注ぎ、スプーンでよく混ぜる(3)チャックを閉め、水を使用した場合は60分置いて完成常温の水でも、1時間後にはふっくら仕上がっていて感動しました。ただ、計量カップで厳密に160ml計って注いだところ、水位が注水線より若干下になり、仕上がりが少し硬めのご飯になってしまいました。計量カップよりも、注水線を目安に水を注いだ方がよいようです。味はごく普通の常温のご飯です。水で戻したという違和感もなく、無添加なので食後の雑味もありません。ラップに包んでおにぎりにしたり、汁物やおかずと一緒においしく食べられそうです。4.即席パスタを食べてみた続いて、カルボナーラのパスタを作りました。(1)袋を開け、脱酸素剤とスプーンを取り出し、底を広げる(2)水を袋の内側の注水線(今回は150ml)まで注ぎ、スプーンでよく混ぜる(3)チャックを閉め、水を使用した場合は20分置く(4)チャックを開き、仕上げによく混ぜて完成水を注いだ時点では、パスタと底の方にあるソースが完全には混ざらないので、食べる前にもう一度よく混ぜるのがコツです。食べてみたところ、「ぬるいパスタ」いう感想です。味は悪くないのですが、やはりお湯を使って、温かいものを作った方がおいしく食べられそうです。1袋分でかなり食べごたえがありますので、家族で分け合って食べるというのも良いですね。5.賞味期限対策のアレンジをしてみた備蓄の方法には、ローリングストック法というものがあります。普段の食事で定期的に非常食を食べては買い足し、常に新しい非常食を備えておく方法です。今回は、アルファ米の簡単なアレンジをご紹介します。作り方は以下の通りです。(1)コンソメ5gほどを、少量のお湯で溶かす(2)(1)で作ったコンソメ液を、アルファ米を戻す際にお湯と一緒に袋に注ぐ(3)袋の表示通りの時間待って完成簡単なうえに、味はピラフのようで大変おいしかったです。コンソメ少々で丁度よい味つけになるので、調味料を計量する手間もありません。被災時にも実践できそうです。同じく非常食になるソーセージの缶詰と、冷蔵庫にあった玉子や野菜で、カフェのワンプレートディッシュ風に仕上げてみました。ケチャップで味に変化がついてさらにおいしく食べられました。まとめ今回試した非常食のうち、常温の水で作ってみておいしかった順は以下の通りです。第1位水戻り餅第2位アルファ米第3位パスタ日本の文化として、餅やご飯は冷めた状態でも食べることがあるのに対し、パスタはアツアツか冷やした状態で食べるもの、という認識があるせいだと考えられます。白飯のアルファ米は常温でもおいしく食べられ、様々な応用がききますので、多めに備蓄しておくことをオススメします。非常食選びの一助になれば幸いです。
2017年09月01日災害時には、飲料水や熱湯が確保できない、スマホや携帯が充電できない、といった事態が予想されます。防災グッズで、本当にライフラインの代わりになるのでしょうか?実際に使って性能を試してみました。グッズ選びに迷われている方必読です。日本は災害の多い国です。災害で水道・ガス・電気が絶たれても、一定期間生き延びるためには、飲み水や熱湯、連絡用の機器の充電が必要になります。一般に出回っている防災用品には、非常用持ち出し袋に入れられるコンパクトサイズで、飲料水やお湯の入手、携帯の手動充電が可能という、便利なグッズが出回っています。実際使ってみて、どのくらい簡単にできるのか、注意点はないのかを検証しました。■目次1.浄水器を使ってみた2.お湯を沸かしてみた3.どれだけ頑張れば充電できるかやってみたまとめ1. 浄水器を使ってみた災害時には、飲料水が尽き、お風呂の水や川の水しか手に入らないかもしれません。そんな時に役立つのが浄水器です。様々な種類がありますが、携帯しやすいストロータイプを試しました。使用法は、殺菌された水(水道水など)の場合は、水の中に入れて口で吸うだけです。ストロー内部に水が満ちるまで水が上がってこないため、少し時間がかかり、また吸う力も必要でした。小さなお子様や高齢の方では難しいかもしれません。殺菌されていない川の水などには、飲用の前に粉末除菌剤をいれます(200mlに対し、付属の計量器すりきり一杯)。よくかき混ぜて2分以上待ち、ストローで吸います。魚が棲める程度の淡水ならば飲めるそうです。ストロー本体は約100リットルの水を浄化でき、付属の粉末除菌剤もコップ600杯分の除菌が可能なため、衛生的な水がくるまでは十分しのげそうです。2. お湯を沸かしてみた赤ちゃんのミルクや、温かい食事など、被災地でお湯は大切な資源です。ガスコンロが使えればいいのですが、火が使えない状況も考えられます。そんな時も、アルミニウムの水酸化反応を利用し、火を使わずに熱湯を作れる防災グッズを試してみました。熱湯を作る際には、別途フタつきのアルミボトルを用意する必要があります。今回はコーヒーの缶を使って400mlの水を沸かします。実験前の水温は約28℃でした。作り方は以下の通りです。(1)赤い加熱袋を立てて底を広げ、黄色い袋から発熱材を取り出し、底に入れる(2)その上にふたを閉じたアルミボトルを入れる(3)発熱材が入っていた黄色い袋を使い、水(川の水や海水でもOK)を計量し、赤い袋の中に注ぐ(4)赤い袋のチャックを閉め15分~20分待つ激しい化学反応が起き、注いだ水が沸騰しています。約20分後、ボトルは素手では持てないほど熱くなっていました。タオルで包んでふたを開け、温度を測ると、約76℃でした。熱湯を湯飲みに注いだ時の温度が約80℃前後ですので、問題なく料理などに使えます。注意点としては、化学反応中には特に臭いはしなかったのですが、可燃性の水素ガスが発生しているそうです。使用中は換気に注意し、火気に近づけないようにする必要があります。3. どれだけ頑張れば充電できるかやってみた被災時に救助依頼を出したり、情報を集めるのに、携帯電話やスマートフォンは非常に重要なアイテムです。防災グッズには手動で携帯を充電できるものもありますが、実際どれくらい頑張れば充電できるのか試してみました。用意したのは、LEDライトと携帯電話の充電機能の2つがついたシンプルなものです。使い方の基本は、充電ハンドルを本体から引き起こし、くるくる手で回すだけ。作業負荷を日常の動作に例えるならば、大根をおろすのとほぼ同程度です。短時間ならばたいしたことはありませんが、長時間だと疲れてきます。説明書には、何分回せばどの程度充電できるのか書いてありませんでした。試しに、5分間手動で本体を充電したところ、ライトがつきました。7分後ぐらいから徐々に光が弱くなり、20分でほぼ消えました。5分充電の場合、灯りとして使えるのは10~15分程度のようです。続いて、携帯電話です。充電の仕方は以下の通りです。(1)本体の差込口に付属のコードを挿入する(2)使用している携帯電話のアダプターを選んでコードに接続する(3)アダプターに携帯電話をつなぐ(4)ハンドルを回す携帯は完全に電池切れで、電源も入らない状態です。まず、10分間手動充電すると、起動しました。しかし、「充電切れ」を示す、空の赤い電池の表示が出ています。合計1時間充電し続けました。しかし、1時間後も「充電切れ」表示のままでした。1時間分の充電量で、メールが送れるか試しましたが、2行書こうとしたら途中で電池が切れました。文章が「助けて」のみならば、かろうじて送れるかどうか、というところです。携帯でこれならば、消費電力の多いスマホの場合は、1時間ではほとんど充電されないことでしょう。手回し充電器よりも、バッテリーを備蓄する方が現実的と思われます。まとめ実際に試してみると、被災時に大活躍しそうな便利グッズから、現実的にはなかなか難しいグッズまで、様々なものがあることがわかります。肝心なのは、ご家族みなさんが苦労せず使えるものを選び、備えておくこと。後悔しないために、事前に「どんな防災グッズが必要か」、「使いこなせそうか」など情報を集めること。余裕があれば実際に試してみることも大切です。
2017年09月01日突然の災害時になくてはならない防災グッズ。できるだけ難しくなく簡単に作れるものを選びたいですね。どのくらい組み立てが難しいか、組み立て式トイレと非常用テントを実際に作ってみました。また、100円ショップの材料で簡単な防災頭巾を作りました。地震などの災害は、本当にいつ起こるのか分かりません。防災グッズを買いそろえて「これで安心」と思っていると、実際の被災時には気が動転して「作り方が分からない…」ということになってしまうかも。できるだけ組み立てが難しくないものを常備しておきたいところですね。被災してやむを得ず野外で過ごす際に必要な”組み立て式トイレ”と”非常用テント”を、設営がどのくらい難しいか実際に試してみました。また、100円ショップのグッズで簡単な防災頭巾作りにもチャレンジしました。■目次1.トイレを作ってみた2.寝る環境を作ってみた3.防災頭巾をつくってみたまとめ1. トイレを作ってみた災害時に衛生的に過ごすために欠かせないのがトイレです。お子様や高齢の方のことを考えると、座れるトイレが望ましいですね。大人が座ることができる段ボール製の組み立て式トイレを実際に作ってみました。説明書に従って組み立てたところ、初めてでも難しくなく”10分かからず”に完成しました。作り方は以下の通りです。(1)葉っぱの柄のついている段ボールを、写真のように箱型に組み立てる(2)細長い段ボールを”口の字”になるように折り、切れ目をあわせて(1)に差し込む(3)下までしっかり差し込んだら、座る部分の段ボールをかぶせてツメを4か所に差し込む。真ん中の穴部分を下に押し込む(4)使用時は汚物袋を便器にかぶせる。使用後は付属の凝固剤をかけ、汚物袋を閉じて捨てる耐荷重量は約100kg。実際に座ってみましたが、しっかりしたつくりで安心感があります。わざと変な乗り方をしない限りは問題なく使えそうです。2. 寝る環境を作ってみた家からの避難を余儀なくされた際、雨風や寒さをしのぐ最低限の寝場所が必要です。雑木林で、非常用テントの設営に挑戦しました。外国製の非常用テントを使用しましたが、設営方法が何も書かれていませんでした。長方形の大きなシートと、ひもが1巻入っているだけです。ひもの両端を2本の木に結び付け、シートを垂らして両端を重いもので固定しようとしました。ですが、なかなかうまくいきません。悪戦苦闘していると、立ち会ってもらった人に「そのシートは2枚重なっているのではないか」と指摘されました。その通り、このシートは筒状で”筒の中にひもを通して”使う仕組みでした。災害時に1人で設営したら、最後まで使い方が分からなかったかもしれません。悪戦苦闘した時間を含めて約15分で完成しました。テントの他にも、・ひも・テントを固定するための洗濯バサミ・固定用のピンがあるといいでしょう。道路等の上に設営する場合は、ガムテープがあるとよさそうです。外からテント内は見えませんが、薄いので中からは外の景色が透けて見えます。土の上は思ったほど寝心地も悪くなく、一晩程度ならしのげそうです。保温性の高い100円ショップのアルミ温熱シートを体の上にかければ、肌寒い季節でも大丈夫そうです。何日か過ごすのであれば、寝袋や敷布が必要になるでしょう。3.防災頭巾をつくってみた最後に、100円ショップの材料で”防災頭巾”を作ってみました。裁縫に不慣れな者が、手縫いに挑戦して約1時間かかりました。要領がよければもっと早くできるでしょう。材料は以下の通りで、費用は400円(+税)です。・クッション36cm×36cm…2枚・カバンテープ(幅25mm)…約1.2m・糸…1巻次の方法で作成しました。(1)クッションを外表にして、ひもの部分をそろえて右側にして2枚重ねる(2)2辺を、写真の矢印の通りにL字型に縫い合わせる。クッションについているひものうち、右上にくるものは切り取って下のものは残す。下のひものところまで縫う(3)残した下のひもで、クッションにカバンテープを結びつける(4)(2)で切りとったひもを10cmほどの長さに切り、両端を1cmほど折り返して縫い合わせる。同じものを2本作る(5)(4)をクッションの左側の両サイドにベルト通しとして縫い付け、カバンテープを通して完成クッションは、36cm×36cmでは少し小さいので、できれば40cm×40cm以上のものが望ましいです。厚手クッションなので座布団には向きませんが、リビングでくつろぐ際の枕によいです。仕事場用には薄手・リビング用には厚手のものと複数個作り、大地震の時にさっと被れるようにしておくとよさそうです。注意点として、”肩が守れない”点と”化学繊維で燃えやすい”点があります。最近は1000~2000円程度で難燃性の防災頭巾も売っていますので、非常用持ち出し袋にはそちらを入れておくことをお勧めします。まとめ3つのグッズの作成を通じて、防災グッズは実際に組み立てることが大切だと分かりました。特に外国製の防災グッズは、全く説明がない場合もありますので”事前の使用法の確認”が大切です。いざという時に組み立て方が分からないと困るので、組み立て式のものは一度組み立ててみた方が安心かもしれません。日ごろから防災に関心を持ち、いざという事態にも慌てずに対処できるようにしておきたいですね。
2017年09月01日9月1日は、「防災の日」です。昭和35(1960)年の内閣閣議によって定められました。大正12(1923)年のこの日、関東大震災が起こり、過去にはこの時期にたびたび大きな台風が日本各地を襲い多くの被害があったことから、防災の日に定められました。こうした大惨事を忘れないため、毎年各地で防災訓練などが実施されています。わが息子が通う小学校ではこの時期、防災訓練が行われます。わたしが子どものときも9月に避難訓練があり、そのときだけは近隣に住む子ども同士のグループで集団下校をしていた記憶があります。そんな行事を通して「わが家も防災に備えなければ」と気持ちがあらたまりますが、高い意識でキープするのはなかなか難しいことかもしれません。■防災意識に変化? 約半年で災害に備える意識が大幅減少マクロミルが行った大災害に対する調査によると、「日頃からどの程度、防災を意識しているのか」という質問に対して「意識している」という回答が58%。今年2月に行った同調査の69%よりも11ポイントも低下しました。これは「とても意識している」と「やや意識している」をどちらも合わせた数値ですが、「とても意識している」に限定すると15.1%から8.2%と約半数に減っていることがわかります。さらに、「災害に対する備えは強化していますか?」の質問には、「強化はしていない」が53%で、前回より15%も上昇。災害への意識は平穏に毎日を過ごすなかで、徐々に薄れてしまう傾向があるのかもしれません。「恐れている災害は?」の質問には、1位が地震で91%と圧倒的なトップとなっています。そして、7月の九州を襲った豪雨が記憶に新しいせいか、2位は54%で豪雨・洪水、3位は44%で暴風・竜巻と続きます。 ■年に1度は必ずチェック! 防災のためにできる3ヶ条「万が一の時のために、日ごろから何かしら防災対策を」と考えるママは多くても、きちんと定期的に行動を起こすとなるときっかけがつかめず、どうしていいかわかりませんよね。そこで、もうすぐ防災の日をむかえるこの時期に、以下の3つをやってみてはいかがでしょう。1.家のなかの危険な場所をチェック地震の際は、倒れてきた家具の下敷きになるけがをしたり逃げ遅れたりするケースが少なくありません。そのため、高さのある家具には、転倒防止グッズの取りつけをおすすめします。また、高い家具はベッドや扉の位置から離して置くなど工夫すれば、万が一のとき被害を最小限におさえることができます。2.非常時に役立つグッズはいつも手に取れるところに常備年に一度は必ず、非常用持ち出しグッズや非常食などをチェック。それ以外に、リビングでいつも自分が座る定位置の近くには懐中電灯やホイッスルをおいておきましょう。災害はいつ起こるかわかりません。自宅にいた場合、手にとれる場所に準備しておけば、懐中電灯で暗い室内をすぐに照らすこともできますし、動けない・外に出られない状態になってもホイッスルでほかの人に知らせることができます。3.災害時の連絡方法を、家族同士で確認しておくまた、家が全壊するなど万が一の場合、家族で集まる際の集合場所を決めておきましょう。それ以外に、安否確認の方法を共有しておくことも大事です。たとえば災害時、家族と連絡がとりにくくなった場合には、声の伝言板「災害用伝言ダイヤル(171)」やネットを通じて安否確認ができる「災害用伝言板(web171)」といったサービスを連絡手段のひとつとして覚えておきましょう。これらは毎月1日と15日 に無料で体験利用できるので、事前に試してみて使用方法を覚えておくといいですね。防災意識を防災行動にうつすことで、逃れられない災害被害を最小限におさえることができるかもしれません。防災行事をきっかけに、ぜひ家族で話し合ってみてくださいね。<参考> 「防災意識と備えの実態に関する定点調査 第2回」(マクロミル調べ)
2017年08月21日小倉智昭キャスター(69)が、27日に放送されたフジテレビ系トーク番組『ワイドナショー』(毎週日曜10:00~11:15)で、津波警報時の各局のアナウンスについて苦言を呈した。22日早朝、福島沖を震源とする地震が発生し、震度5弱の揺れを観測。仙台港では東日本大震災以降で最大となる1.4メートルの津波が到達した。地震発生時、各局のアナウンサーは「今すぐ避難してください」「東日本大震災を思い出してください」などと強い口調で呼びかけていた。このことが番組内で取り上げられると、「ちょっと嫌だなと思っているのは」と表情を曇らせる小倉。担当している同局系情報番組『とくダネ!』では、緊急地震速報に合わせてすぐに原稿が届くが、梅津弥英子アナウンサーと笠井信輔アナウンサーが読み、「僕には読ませてくれない」という。その理由は、「僕がその言葉通り読まないことを(スタッフが)分かっているから」。小倉は「その時の情報をできるだけ分かりやすく伝えたい。紋切り型に、頭ごなしに『逃げてください』『東日本大震災を思い出してください』という言い方は嫌」とキャスターとしてのこだわりを主張する。「各局それをやって、これからあのクラスの地震のたびにこれをやるのか。そうなると、いざ大きな地震が来た時にまた逃げ遅れたりする人が出てくるんじゃないか」と危惧する小倉。「普通の言葉で伝えたい」と言い、「どちらがいいかは、受けとめる皆さんの考え方」と最後は視聴者に判断をゆだねた。
2016年11月27日・・・大きな津波がやってくる夢を見ました。私は津波が来るのがわかっているのに遠くに逃げようとせず、でもドキドキしながら「津波の最初の衝撃に耐えられれば、あとはだいじょうぶだろう」と思って、そこに立ったまま津波を見ていました。これは私の著作で紹介した当時15才の女の子の夢です。ちょうど進学を控えた彼女の人生のポジティブな姿勢をあらわしています。この年頃からの経験はすべて劇的な変化の始まりです。まるで津波のように、「人生最初の衝撃」になります。「あとはだいじょうぶ」というのは受験に臨む彼女の強い意思と前向きな意識をあらわします。変化を象徴する津波の夢は、大人になるにつれそのイメージを変えていきます。いつかまた津波の夢を見る時は、逃げたり慌てたりするイメージに変わっているかもしれません。やがて守らなければならないものが自分一人ではなくなるからです。それでも津波と対峙するポジティブな姿勢はいつまでも持っていたいものです。では劇的な自然現象にまつわる夢のシンボルのいくつかをご紹介します。■・地震の夢・・・自宅のリビングで主人と食事をしていると、突然地震がやってきました。床が揺れているイメージはあまりないのですが、周囲の柱や壁、食器棚が激しく動いています。リビングにいるのに、なぜか近所のマンションや高い建物が見え、それがグラグラと大きく揺れている光景が目の前にあります。激しく揺れているのに、物が壊れたり、食器も割れたりせず、ただ建物の壁や柱だけが大きく動いていました。それを見ているうちに気持ち悪くなってきて目が覚めました。これは30代兼業主婦の夢の実例ですが、このような地震の夢はとてもポピュラーです。これは心的な夢の一種で、家族の将来への心配や不安をあらわします。自宅は自身を取り巻く環境を象徴し、家事・育児と仕事のバランスが悪く不安定になっている時期の夢です。基本的に地震の夢が本当の予知夢・正夢になることはまれです。現実に地震は大小の規模で毎日起こっているので、それを夢見と併せてタイムリーに体感した時にだけ、心理的に正夢と勘違いすることはあると思います。このような夢はけっして不吉なものではありません。■・竜巻の夢巨大な竜巻の夢は、地震のイメージと違い警告夢になることがあります。思いがけない事故やトラブルを暗示することがあります。空にまつわるトラブルの暗示になることがあるので、外出や旅行の予定がある時に、もしも嫌な予感がしたら注意をはらってください。■・津波の夢津波の夢は「変化」の象徴です。津波にのみこまれる夢は、職場の異動や生活状況の過渡期など、人間関係の大きな入れ替わり、生活環境の急激な変化の時期をあらわすことがあります。ただ、自身が津波にのみこまれるイメージでなければ、体力や身体機能などの生理的な変化、または生活習慣の変化をあらわし、環境や運勢上の変化をあらわす予知夢の可能性は低くなります。■・嵐と強風の夢・・・高校2年の時の夢です。私は家の裏の神社の境内にいて、傘のようなものを持っていました。突然、強い風にあおられ、体がクルクル回りメリー・ポピンズのように空に舞い上がりました。私が実際に暮らしている屋敷と古い南側の家の屋根が見えました。そのまま高く飛んでいきそうになりましたが、なぜかそれが夢だとわかっていて、「ここで目を覚まさないと死ぬんだ」と思い、目が覚めました。・・・実はその日、翌日の部活の大会のレギュラーを外され夜遅く帰ったことで、親にひどくしかられ、本当に「明日など来なければいい。明日が来るのが怖い」と思いつつ眠りました。これは私の著作で紹介したある女性の夢の実例です。不安定な心身の状態や一時的なストレス・緊張状態の結果、偶発的に自覚夢を引き起こしています。強風や嵐などの夢は心身の状態が一時的に緊張状態にあるか、強いストレスが続いていることをあらわします。自覚夢でない場合、心身のバランスの乱れ、または運気の波乱を暗示します。■・「怖いもの知らず」の怖さ「見えているときのライオンは怖くない、姿を隠したときのライオンが一番怖い」これは勇猛果敢で知られるアフリカのマサイ族のことわざです。不運な出来事があると、つい神仏に頼りお祓いをしたくなるかもしれません。でも恐れや心配は生命を保つうえで、実はとても大切な感情です。それは恐れが現実になった時の備えが事前にできるからです。例えるなら車を運転する時の安全確認、事前予測とハンドルを握る覚悟です。これを忘れていると、事故を起こすリスクを高め、損害を最小限に抑えることはできません。■「まさか我が身に起こるなんて・・・」災害や事件・事故に巻き込まれた人からよく聞かれる言葉ですが、マサイ族の狩りと同様、危険と隣り合わせの仕事をする人たちはいつもこのようなことを想定しています。「まさか」という不運は、本当に怖いものを忘れてしまう、平穏・平和な心のすきを突いてくるものなのかもしれません。恐れや心配は大いに受け入れて、あなたの心と運気を強くしてください。いっけん怖そうに思えても、見えているものならまったく恐れることはありません。見えないもの、静まりきった平穏のほうが怖いのです。(梶原まさゆめ/ライター)(ハウコレ編集部)
2015年11月29日半導体市場調査会社の米IC Insightsはこのほど、「2015年は世界半導体業界にM&Aの"津波(tsunami)"が押し寄せている(Tsunami of M&A Deals Underway in the Semiconductor Industry in 2015)」と題するレポートを発表した。有力半導体企業がM&Aに力を入れはじめたのは、(1)マーケットシェアを拡大するため、(2)品ぞろえを豊富にしてモノのインターネット(IoT)時代にチャンスを掴むため、(3)高騰する研究開発費に対処するため、(4)中国が最近急に半導体産業振興に力を入れ始めてきたことに対処するため、などの背景があるとIC Insightsはみている。同社は、世界半導体産業における買収企業がM&Aに要した額を過去数年にわたり集計した(図1)。例年、170億ドル以下だったM&A費用が、今年は上半期だけで720億ドル超に急増し、例年の4倍以上にも達している。2015年だけで、過去5年分のM&A費用を越える費用が使われていることになる。○世界の半導体産業で起こるM&AのTsunamiまず最初に、2015年3月にオランダNXP Semiconductors(元Royal Philipsの半導体部門)が米国Freescale Semiconductor(元Motorolaの半導体部門)を110.8 億ドル(1ドル=125円換算で約1.4兆円)で買収することを発表した。この買収により、車載半導体分野で、NXPはルネサス エレクトロニクスを蹴落とし、世界No.1企業に躍り出る。同時に、IoT分野での品ぞろえを充実し、顧客にトータル・ソリューションを提供できるようになる。また5月末には、米国・シンガポールAvago Technology(元米Hewlett-Packardの半導体部門、その後、米AT&Tの半導体子会社と合併し、さらに米LSIを買収した企業)が売上高ではるかに格上の米国Broadcomを370億ドル(4.6兆円)で買収することを決めた。AvagoのCEOのHock Tan氏は、「この買収によって有線・無線の半導体で世界最強の半導体企業になる」と宣言した。つまり、両社の技術や製品を持ちよれば、IoT時代に必須のセンサ端末からコンピュータ・通信ネットワークまで広範な品ぞろえでトータルソリューションを提供できるようになるということだ。なお、Avagoの買収費用370億ドルは、半導体産業の歴史上、とびぬけた額であり、AvagoがなにがなんでもBroadcomを買収したがっていたことを示唆している。背後に、世界規模の有力投資家集団が付いていると言われている。AvagoのBroadcom買収発表の4日後の6月1日には、米国IntelがFPGAベンダの米Altera(FPGA業界でXilinxに次いで2位)を167億ドル(約2兆円)で買収することで合意したと発表した。PCビジネスが衰退する上に、モバイルビジネスに入り込めず苦戦するIntelが、最後に死守しようとしているデータセンター向けビジネスをAlteraのFPGAが侵食し始めたので、防衛に出て、敵を味方にしてしまった。もしもAlteraが買収に応じなければ、Intelは敵対的買収も辞さなかったと関係者は漏らす。IC Insightsは、「2015年は、買収や合併の嵐が吹き荒れているが、これは、既存の半導体市場の伸びが頭打ちになってきたため、投資家の要望で、有力半導体企業がビジネスの範囲を今後成長が予想される領域へ広げる必要があるとみているのが一因だろう。製品開発および先端技術開発のコストがうなぎ上りでとても一社だけで賄えなくなってきたことも一因だろう。さらに大きな企業になってより高いレートで成長を続けようとしている。IoTと言う新成長分野の出現で、広大な新市場が拓けようとしているが、そのため、大手企業は従来の戦略をリセットしてIoTに向けてポートフォリオの欠けている部分を迅速に埋めようとしていることもM&Aの一因だ。さらには、中国が、外国企業からの半導体の輸入を減少させて半導体自給率を挙げ基幹産業に育てるという新たな国策のもとで、中国企業や投資家による海外半導体企業の買収が始まっている」とM&Aラッシュを分析する。事実、中国では、6月末、米国Cypress Semiconductorが買収提案をしていたメモリ企業の米ISSIを、中国のファンド集団Uphillがまるで横取りするかのように高値で買収することを決めた。さらに、下半期に入ったとたんに、中国清華大学グループの紫光集団が米国Micron Technology(2013年に日本のエルピーダメモリを買収した企業)に対して、230億ドル(約2.9兆円)の買収提案を行った。中国政府は2014年秋に、国家集積回路産業投資ファンド(資金2兆円規模)を設立したので、中国資本の海外半導体企業買収は今後、さらに活発になるだろう。いわば半導体産業界における爆買いのはじまりである。IC insightsのBill McClean社長は、「このように半導体企業が買収や合併を積極的に行うことによって、企業数が減少してしまい、ユーザーからみれば、半導体供給元が減る結果となる。さらには、半導体製造への参入がしにくくなり、ファブライト・モデルへの移行が加速することになる。これは、設備投資の対売上比率の低下をもたらし、5年以内に半導体産業の景色をすっかり変えてしまうかもしれない」と述べている。○日本の半導体業界にもTsunamiは押し寄せるのか?なお、IC Insightsは日本の半導体業界には全く言及していないが、M&Aがないわけではない。ただし、津波からはほど遠く、さざ波もたたぬ程度でしかない。2015年3月、富士通セミコンダクターとパナソニックのシステムLSI事業の統合が完了し、日本政策投資銀行も出資して新会社「ソシオネクスト」として事業を開始した。かつてのエルピーダメモリ、ルネサス テクノロジ、あるいはルネサス エレクトロニクスなどと同様のいわば弱者連合であり、まったくなじみのない横文字の新社名をつけて(Avagoが買収したBroadcomのほうが名が通っているのでBroadcomに名称変更するのとは対照的)、しかも、先に述べた欧米のケースのような一方的な買収ではなく合併であるため、経営のかじ取りが難しい。また5月には、件のAvago Technologiesが買収を視野にルネサスに接触したという話題で、一時ルネサスの株価が急騰したがその後、AvagoのBroadcom買収のニュースが流れ、この話はしぼんだように見える。しかし、今秋、ルネサスのロックアップ(一定期間株式売却を禁止する契約)が解除されるので、ルネサスの大株主が、トップ交代などで将来の成長に期待感を持たせて株価を吊り上げて売りぬけるのではないかとの噂は消えていない。さらに7月23日にはローム(2008年にOKIの半導体部門を買収した京都の半導体メーカー)がアイルランドの電源制御ICベンチャーであるPowervationを7000万ドル(87億円)で買収を決めたほか、7月30日には、京セラがパワー半導体メーカーである日本インターを108億円で買収すると発表した。このほか10月には、半導体製造受託企業のフェ二テックセミコンダクターがヤマハ鹿児島セミコンダクタを買収する予定である(買収額は未公表)。これをもってヤマハは半導体製造から完全撤退する。これらは、欧米に吹き荒れるメガトレンドとしてもM&Aとは無縁の、中堅企業の業務拡大の一環である。今後、日本にもM&Aの"津波"が押し寄せ、欧米や中国の半導体企業(あるいは投資家)が日本の大手半導体企業あるいはその一部門(買い手にとって魅力ある製品を持っている部門のみ)を買収する動きがでてくるだろう。
2015年08月04日東北大学と富士通研究所は2月27日、スーパーコンピュータで実行可能な高解像度の津波モデルを共同で開発したと発表した。同研究では、東北大学災害科学国際研究所が高解像度計算のためにモデルの整備を行い、富士通研究所が高効率の並列化手法を実現した。同成果は2月24日付け(現地時間)の米地球物理学会の論文誌「Geophysical Research Letters」オンライン版に掲載された。東日本大震災では、地震発生から3分後に出された津波の高さの予報値が過小評価となり、リアルタイムでの推定法に大きな課題が残った。また、波高だけでなく浸水範囲などの情報の必要しも指摘されていた。津波の浸水シミュレーションは現在では広く用いられ、防災において実務上重要ようなツールとなっている。しかし、計算に時間がかかり、リアルタイムでの解析は一般に行われていなかった。両者が開発した津波モデルでは、地震発生時に、沖合での津波の波形や陸地での地殻変動の観測データを用いて推測される、津波の根源となる海面変動を入力することで、短時間で津波の浸水状況を予測することが可能となる。例えば、東日本大震災では地震発生の1時間後に津波が仙台市に浸水し始めたが、同技術により最短約10分でおおよその浸水域を推定することができる。また、震災の際に実際に見られた、仙台東部道路の盛り土が津波をせき止める様子や道路下の通路を津波が通り抜ける様子も再現することに成功。高解像度のリアルタイム解析を通じて、具体的な災害のイメージを事前に人々に伝えることで、より適切な避難行動につながることが期待される。
2015年02月27日三菱電機は2月17日、研究開発成果披露会を開催し、17件の成果展示を行った、新規の開発案件として、「レーダーによる津波監視支援技術」が発表された。同技術は、海表面の流速から津波成分を抽出して津波流速を可視化することで、監視員による津波検知時間の短縮を実現するとともに、津波の早期検出により避難時間を確保し、沿岸地域の防災・減災に貢献する。加えて、レーダー向けに拡張した津波の方程式(浅水長波理論)により津波の波高をリアルタイムに推定することで、津波の規模把握を支援し、避難時間の確保に貢献する。同社は2015年度以降に、同技術を製品化する予定。
2015年02月18日東邦大学はこのほど、2011年3月の東北地方太平洋沖地震に伴う巨大津波によって、大規模な撹乱を受けた仙台湾沿岸の海岸林において、「津波によって生み出された多様性」があると発表した。これは同大学理学部生命環境科学科を2014年3月に卒業した遠座なつみ氏および同 西廣淳 准教授らの論文で報告されたもので、2014年11月発行の日本生態学会の研究誌「保全生態学研究」に掲載された。遠座氏、西廣准教授らは、2013年7月および10月に津波による撹乱を受けた海岸林の管理方針の検討に資することを目的として、津波の影響を受けた海岸林の植生調査を実施した。その結果、調査対象となった地域では、津波により「倒木した場所」と倒木せずに「残存した場所」が50m程度の幅で交互に成立しており、「倒木した場所」では草原の植物が、「残存した場所」では撹乱以前と共通した植物が生育していた。また、津波以前より存在した湿地はほとんどダメージを受けていなかった。このように、海岸林として環境が均質であった場所が、撹乱によって環境の異なる場ができたことで、全体として多様な種の育成が可能となったことがわかった。さらに、海岸林を構成していたクロマツが津波により倒れたことで生じた窪地が、イヌセンブリなど絶滅危惧種の生育場所になっていた。現在、このような海岸林では、2-3m程度の盛土をし、新たにクロマツを植林する事業が進められている。同研究の結果は、生物多様性保全の観点からは植林事業が問題が大きいことを示している。
2015年01月07日大阪府はこのほど、マグニチュード(M)9.1規模の南海トラフ地震が発生した場合の津波浸水想定を設定し、ホームページに公表した。想定では、JR大阪駅周辺の梅田(大阪市北区)で最大2メートル、関西空港(泉佐野市)で最大3メートル、内陸部のJR京橋駅(大阪市城東区)周辺でも最大2メートル浸水すると予測している。府は、大阪府沿岸に最大クラスの津波をもたらすと想定される津波断層モデルとして、内閣府の「南海トラフの巨大地震モデル検討会」が公表した11のモデルのうち、大坂府域に最も大きな影響を与えると考えられる4ケースのモデルを選定。これら4ケースごとに、防潮堤の沈下を考慮し、防潮施設の開閉状況に応じた3つのシミュレーション結果を重ね合わせた。それによると、浸水面積は計1万1,072ヘクタールとなり、2012年8月に内閣府が公表した被害想定3,050ヘクタールと比べて約3.6倍に拡大。市区町村別に見ると、最も浸水面積が広かったのは大阪市住之江区で1,174ヘクタール。次いで、堺市西区の928ヘクタール、大阪市西淀川区の840ヘクタール、同此花区の816ヘクタール、同淀川区の756ヘクタールとなった。このほか、JR大阪駅のある大阪市北区は322ヘクタール、内陸部の同城東区でも259ヘクタール、同都島区でも101ヘクタール浸水すると見込んでいる。最大津波高について市区町村別に見た場合、最も高かったのは大阪市住之江区で5.1メートル。以下、堺市西区の4.9メートル、高石市の4.8メートル、大阪市大正区の4.6メートル、大阪市港区の4.5メートルと続いた。津波の最短到達時間については、岬町(最大津波高3.8メートル)が最も早く54分。次いで、阪南市(同3.6メートル)の1時間8分、泉南市(同3.2メートル)の1時間15分、田尻町(同3.3メートル)の1時間20分、関西空港のある泉佐野市(同3.8メートル)の1時間21分となった。なお、今回の想定では、地下街や地下鉄などの地下空間、および管渠等への流水の浸入やその影響は考慮していない。また、地面の凹凸や建築物の影響、地震による地殻変動などにより、浸水域外で浸水が発生したり、浸水深がさらに拡大する場合があるとしている。津波浸水想定の詳細は、大阪府のWebサイトにて閲覧することができる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年08月21日東海旅客鉄道(JR東海)は12日、5月30日に公表された南海トラフ巨大地震に伴う津波浸水想定域図(愛知県)を踏まえ、同社の「津波危険予想地域」を7月末に見直すと発表した。新たに愛知県内の東海道線および武豊線の4区間約5キロメートルを追加する。今回追加される区間は、東海道線が逢妻~大府、大高~熱田の2区間約3キロメートル、武豊線が尾張森岡~緒川、乙川~半田の2区間約2キロメートル。これらの区間には「津波警標」を設置するとともに、「津波避難地図」を作成して乗務員に常時携帯させる。なお、東海道新幹線に対する津波危険予想地域の指定はない。同社はこれまで、自治体によるハザードマップを基に津波到達が予想される地域を津波危険予想地域に指定。現在の津波危険予想地域は、静岡県内の東海道本線が吉原付近や由比付近など約23キロメートル、三重県内の関西本線が弥富~河原田約17キロメートル、参宮線が宮川~鳥羽約15キロメートル、紀勢本線が下庄~徳和、梅ケ谷~新宮約91キロメートル、名松線が松阪~伊勢八太約5キロメートルの合計約151キロメートルとなっている。津波警報発令時には、同地域内に新たに列車を侵入させないようにするほか、指令による指示または乗務員の自主判断により乗客を誘導するよう指導。また、地震等により停車した際には、運転士の安全確認により、津波の恐れのないところまで迅速に列車を移動させることを明確にしている。同地域内の線路には、約100メートルごとに避難場所までの方向を示した「津波警標」を設置。地域内を乗務する全ての乗務員に避難場所やルートを示した「津波避難地図」を常時持たせているほか、全編成に「発電機能付き携帯ラジオ」を搭載している。現在は全編成に「避難橋子」の備え付けを進めている途中で、津波避難に対応した「避難場所案内図」も地域内の全駅に掲示する予定だという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年06月13日ナオミ・ワッツが、2004年のスマトラ沖地震を描いた新作『The Impossible』(原題)で津波の深刻さを実感したようだ。2004年のスマトラ沖地震と津波に翻弄される家族の姿を実話に基づいて描いた同作で、ナオミはユアン・マクレガーと共にタイで3人の子供たちと一緒に休暇中の夫婦、マリアとヘンリーを演じている。感情面でチャレンジの連続だったという難役をこなしたナオミは、「この実話は私たちに津波がどれほど深刻なものであったかを痛感させるものだったの。これほど深刻なことがなかったとしても、人々に色々な考えや問題を提起する上でとても教訓となる話だわ」と語っている。またナオミは、劇中で自身のキャラクターを公平に演じきって、作品をより真実に近づけることに“プレッシャー”を感じたとも明かしている。「この映画に関わって、『被災者の方々はこんな経験をしたんだ。当時その方々が感じていたことに忠実であるように、その経験を尊重しなければいけない』って感じたの。それに私がこの映画でやったことは被災者の方々が経験したものとは決して同じではないけれど、できるだけ再現したいと感じたわ」。ユアンとナオミは2005年のサイコスリラー作品『ステイ』でも共演しており、もう一度ユアンと共演できたことにナオミは「幸せだった」ともコメントしている。
2012年09月24日JR西日本はこのほど、東海・東南海・南海地震に備えた地震・津波対策について発表した。対策費用の概算は総額1,000億円。耐震補強対策を進めるとともに津波対策も行う。とくに紀勢本線(きのくに線)の津波対策に力を入れ、迅速な避難が可能な環境を充実させるとのこと。同社は阪神淡路大震災(1995年)以降、高架橋柱や橋脚、トンネル、鉄道駅の耐震補強対策、列車の線路からの逸脱防止対策、地震計の観測体制強化などを進めてきた。しかし東日本大震災で鉄道構造物などに被害が生じ、津波発生時の早期避難も必要なことから、現在施工中の対策の継続に加え、今後発生が予想される三連動地震に備えた耐震補強対策と津波対策に取り組むことに。新幹線においては、曲げ破壊先行型の高架橋柱約2,500本、盛土約1km、鋼製橋脚約20基、駅舎など約20カ所において耐震補強対策を実施。在来線(アーバンエリア)でも、曲げ破壊先行型の高架橋柱約4,600本、駅舎など約150カ所、その他にも鉄筋コンクリート造の橋脚、無筋コンクリート・レンガ積・石積造の橋脚、鋼製橋脚で耐震補強対策を行う。対策実施期間は自社で整備できるところで5年程度、高架下を利用する関係者との協議が必要な場所ではおおむね10年を見込んでいる。紀勢本線は三連動地震が発生した場合など、非常に短い時間での津波の進来が予想されることから、迅速に避難できる環境を整える。駅への緊急地震速報および津波警報の自動放送、指令からの遠隔自動放送、地域の防災無線の整備のほか、階段や昇降設備などの避難誘導設備も整備。これらの津波対策をおおむね2年で完了したいとしている。同路線ではせん断破壊先行型の高架橋柱約420本、橋脚約150基、駅舎など約10カ所の耐震補強対策にも取り組む。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月25日