3月15日(金)より開催される、第2回新潟国際アニメーション映画祭のイベント上映のラインアップが決定。湯浅政明監督の短編特集が行われることが分かった。昨年3月の第1回映画祭は、世界で初の長編アニメーション中心の映画祭として、また多岐にわたるプログラムとアジア最大のアニメーション映画祭として、世界で大きな反響を呼んだ新潟国際アニメーション映画祭。イベント上映として、先に発表された『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に続き、新作公開のたびに話題を集め、『犬王』ではゴールデングローブ賞ノミネートも大きな話題となった湯浅政明監督の貴重な短編特集が決定。また湯浅監督の映画祭来場も決定した。<上映作品>【湯浅政明とアニメーションの動き 短編特集】『なんちゃってバンパイヤン』『なんちゃってバンパイヤン』英題:Vampirians - Just Kidding制作年:1999年作品時間:約20分© 1999 Production I.G小学校4年生の男の子・虹(コー)くんは霧に迷い不思議な洋館に辿り着く。館にはスーちゃんという女の子とそのパパが住んでおり、虹くんを豪華な料理でもてなしてくれたが、なんと2人はバンパイヤだった。「私たちはベジタリアンなので、肉は食べないのだ」というが、スーちゃんパパはすきをうかがい虹くんを襲おうとする。そこへバンパイヤハンターと名乗る男が乱入してきて…。『夢みるキカイ』『夢みるキカイ』英題:Happy machine制作年:2007年作品時間:15分©Genius Party温かいお家やママは、からくり仕立ての機械だった――。赤ん坊はひとり、殺伐とした荒野へとはき出される。4本足のバイクに乗って、旅の途中に出会うのは、火の子、小植物、空飛ぶ多羽根、巨大な自然現象の数々…。そして歳月を重ねた主人公がたどりついた、旅路の果てに見たものとは…。『キックハート』『キックハート』英題:Kick-Heart制作年:2012年作品時間:12分©2012 湯浅政明・Production I.G実はドMの売れない覆面レスラー「マスクマンM」は、もっと感じる相手を探していた!そこへ現われた、実はドSの売れっ子覆面レスラー「レディS」!SはMに出会ってドS心に火がつき、Mも自分のドM力のポテンシャルに目覚める!そしていま、究極の愛のゴングが鳴る!『「アドベンチャー・タイム」 フードチェーン』『「アドベンチャー・タイム」フードチェーン』英題:ADVENTURE TIME -FOOD CHAIN-制作年:2014年作品時間:11分映像提供:カートゥーン ネットワーク© 2024 Warner Bros. Discovery, Inc. or its subsidiaries and affiliates. All rights reserved.「アドベンチャー・タイム」はカートゥーン ネットワークのオリジナルのアニメシリーズで少年フィンと、相棒で犬のジェイクが主人公。特別エピソ ード「フードチェーン」は湯浅政明が監督・脚本・絵コンテを務め、フィンとジェイクの“食物連鎖”体験でストーリーが展開する。「フードチェーン」自然史博物館を訪れたフィンとジェイクは食物連鎖の展示物を見学し、バブルガムから説明を受けるが、フィンは自然の法則の素晴らしさがさっぱり理解できない。その様子を物陰から見ていたマジックマンはフィンに魔法をかける。気がつくとフィンは小鳥になっていた。小鳥のフィンはやがて大きな鳥→バクテリア→植物→イモムシに変わり…。※他作品調整中(上映スケジュール:3月16日(土)場所:日報ホール 湯浅政明監督によるトークあり)『犬王』また3月15日(金)には、スペシャル企画として、湯浅政明監督が登壇する『犬王』応援上映も決定。発声、鳴り物、光り物、紙吹雪もOKだという。湯浅政明監督コメント「新潟久しぶり!!特に街中は酷く久しぶりなので楽しみです!!ぷらぷらしたい!!これまで作った短編と、「犬王」を上映していただける事になりました。「犬王」は応援上映になるらしく、どうなるかまだ分かりませんが、自分も楽しんで見れればと思います。ぜひ遊びに来てください!!」第2回新潟国際アニメーション映画祭は3月15日(金)~20日(水)開催。(シネマカフェ編集部)■関連作品:犬王 2022年5月28日より全国にて公開©“INU-OH” Film Partners
2024年02月10日湯浅政明監督によるアニメーション映画『犬王』が、2023年11月17日(金)より全国の映画館にてリバイバル上映される。湯浅政明によるアニメ映画『犬王』全国でリバイバル上映映画『夜は短し歩けよ乙女』や、TVアニメ『映像研には手を出すな!』『四畳半神話大系』などで知られる人気アニメーション監督・湯浅政明。今回は同氏がチェ・ウニョンと共同設立し、多くの名作を世に送り出してきたアニメーション制作会社「サイエンスSARU」の10周年を記念して、映画『犬王』が全国76館の大スクリーンで上映される。変幻自在に彩る狂騒のミュージカルアニメーション2021年に公開された『犬王』は、古川日出男による原作『平家物語 犬王の巻』をアニメーション化した作品。歴史に消えた能楽師「犬王」の物語をベースに、湯浅監督らしい変幻自在のイマジネーションで描かれるミュージカルアニメーションだ。主演にアヴちゃんと森山未來を迎えたほか、キャラクター原案に漫画家・松本大洋、脚本に『アンナチュラル』の野木亜紀子、音楽に『あまちゃん』の大友良英と、多くの豪華クリエイターが集結している。アニメシリーズ『DEVILMAN crybaby』全10話も一挙上映また、11月24日(金)からは、永井豪による漫画作品『デビルマン』を原作にしたアニメシリーズ『DEVILMAN crybaby』も上映。2018年にNetflixオリジナルアニメーションとして限定配信された同作は、漫画版『デビルマン』の筋書き忠実に映像化した初のアニメーション作品だ。今回の上映では、途中休憩を挟みつつ、約4時間をかけて全10話が一挙上映される。上映情報■『犬王』公開日:2023年11月17日(金)より期間限定上映公開劇場:全国76館料金:1,600円均一(各種サービスデーや他の割引サービスは利用不可)※各劇場サイトにて順次チケット販売。※歌詞字幕付き上映。※一部劇場にて応援上映実施あり。詳細は各劇場WEBサイトまで。<『犬王』公開劇場>[北海道]札幌シネマフロンティア[宮城]MOVIX仙台、ユナイテッド・シネマ フォルテ宮城大河原[山形]ソラリス、フォーラム東根[福島]フォーラム福島[茨城]MOVIXつくば、ユナイテッド・シネマ水戸、シネプレックスつくば[栃木]MOVIX宇都宮、ユナイテッド・シネマアシコタウンあしかが、フォーラム那須塩原[群馬]MOVIX伊勢崎、ユナイテッド・シネマ前橋、イオンシネマ太田[埼玉]MOVIXさいたま、ユナイテッド・シネマ新座、ユナイテッド・シネマ春日部、ユナイテッド・シネマ ウニクス上里[千葉]キネマ旬報シアター、京成ローザ10[東京]MOVIX亀有、新宿ピカデリー、MOVIX昭島、ユナイテッド・シネマとしまえん、池袋HUMAXシネマズ、イオンシネマ シアタス調布、イオンシネマむさし村山、イオンシネマ多摩センター、イオンシネマ日の出[神奈川]シネプレックス平塚、小田原コロナシネマワールド、イオンシネマ港北ニュータウン、イオンシネマ新百合ヶ丘、イオンシネマみなとみらい、イオンシネマ茅ヶ崎[新潟]イオンシネマ新潟南[石川]イオンシネマ金沢[福井]福井コロナシネマワールド[長野]イオンシネマ松本[岐阜]イオンシネマ各務原[静岡]MOVIX清水、イオンシネマ富士宮[愛知]ミッドランドスクエア シネマ、ユナイテッド・シネマ阿久比、ユナイテッド・シネマ岡崎、豊川コロナシネマワールド、イオンシネマ名古屋茶屋、イオンシネマ・ワンダー[三重]イオンシネマ東員、イオンシネマ津[滋賀]イオンシネマ近江八幡[京都]MOVIX京都、イオンシネマ京都桂川[大阪]MOVIX堺、なんばパークスシネマ、ユナイテッド・シネマ岸和田、ユナイテッド・シネマ枚方、イオンシネマ シアタス心斎橋[兵庫]塚口サンサン劇場、kino cinema神戸国際、OSシネマズ 神戸ハーバーランド[奈良]ユナイテッド・シネマ橿原[岡山]イオンシネマ岡山[広島]福山コロナシネマワールド、イオンシネマ広島[徳島]イオンシネマ徳島[香川]イオンシネマ綾川[愛媛]ユナイテッド・シネマ フジグラン今治[福岡]福岡中洲大洋、ユナイテッド・シネマ トリアス久山、小倉コロナシネマワールド、イオンシネマ福岡[長崎]ユナイテッド・シネマ長崎[熊本]熊本ピカデリー[沖縄]ユナイテッド・シネマ PARCO CITY 浦添©2021 “INU-OH” Film Partners■『DEVILMAN crybaby』(Blu-ray上映)公開日:2023年11月24日(金)より期間限定上映公開劇場:全国14館料金:2,500円均一(各種サービスデーや他の割引サービスは利用不可)※上映時間約4時間の一気見上映(途中休憩あり)となる。※各劇場サイトにて順次チケット販売。<『DEVILMAN crybaby』公開劇場>[北海道]ユナイテッド・シネマ札幌[千葉]キネマ旬報シアター[東京]新宿ピカデリー、ユナイテッド・シネマ豊洲[神奈川]イオンシネマ海老名、イオンシネマ茅ヶ崎[静岡]イオンシネマ富士宮[愛知]ミッドランドスクエア シネマ[京都]MOVIX京都[大阪]なんばパークスシネマ[兵庫]kino cinema神戸国際[香川]イオンシネマ綾川[福岡]ユナイテッド・シネマ福岡ももち[熊本]ユナイテッド・シネマ熊本©Go Nagai-Devilman Crybaby Project
2023年11月03日OverviewMEDEL GALLERY SHUでは、8月29日より9月10日まで湯浅万貴子の個展「肯う地平」を開催いたします。「湯浅万貴子の作品は点描の密度と色箔の面の空間の対峙で構成されている。しかし、近年は対峙/拮抗だけではく、双方の時間軸の関係性をより見出す為、より鑑賞者を基点にした時間軸を取り入れようとする試みが見える。「普遍的なものや能動的なもの(身体のモチーフ)をデフォルメするということは、言葉にすると無茶な気がするが、アートに関して言えばとてもイージーなものになる。」と湯浅は語っている。前回の弊廊での個展は2021年12月でした。およそ1年半ぶりに出会う、静寂とダイナミズムが共存する作品の数々をお楽しみください。湯浅万貴子個展「肯う地平(うけがうちへい)」会期:2023年8月29日(火)〜2023年9月10日(日)会期中無休時間:11時〜19時(最終日は17時まで)会場:MEDEL GALLERY SHU住所:東京都千代田区内幸町1-1-1帝国ホテルプラザ東京2F*入場無料展示告知ポストカード出品作品個展に寄せて湯浅万貴子は、点描と箔で構成された絵画を制作するアーティストである。点描画として描かれる図像は、《さようならの亡骸》(2019)などに顕著に示されるように、しばしば人間の身体をデフォルメした形象をモチーフにしている。いくつかの外見的特徴から、その人物は女性であると推測することができる。だが、湯浅の作品に現れる人体のようなイメージは多くの場合で顔を欠いていることもあり、そのアイデンティティは意図的に不明瞭にされている。そうした行為には、これまで絵画の領域のなかで女性の身体、特に女性のヌードが暴力的に男性の視線によって——男性芸術家には制作の対象として、そのほか多くの男性には鑑賞や窃視の対象として——領有されてきた歴史を踏まえると、ひとりの女性作家が女性の身体を点描というユニークな手法で描くことに意義を見出すことができる。だが、芸術において女性自身が自らの身体を奪取することの重要性だけではなく、湯浅の実践はより普遍的な美術史的・芸術学的考察に刺激的な示唆を与える。例えば、アクリル絵の具と色箔で作られた背景と点描画の図像を備えた彼女の絵画は、「図と地」の構図を形成しているとみなすことができる。いわゆる「ルビンの壺」に象徴されるように、20世紀前半に発展したゲシュタルト心理学の重要概念とされる「図と地」だが、学術的な概念として言語化される以前から絵画の構図として至るところに見られる。そのひとつが、湯浅自身も影響を受けていると語る、グスタフ・クリムトらを代表とする「ウィーン分離派」における「ジャポニズム」の絵画である。クリムトが1895年に制作した《愛》という絵画では、縦長の外面の両サイドに金箔を想起させる金地が施されており、明らかに日本画の様式的影響が感じられる。湯浅はウィーン分離派のジャポニズムを自己流で再解釈しており、ウィーン分離派のジャポニズム自体が日本画を自己流で再解釈したものであると考えると、そこには「再解釈の再解釈」という創造的な連鎖を発見することが可能だ。加えて、不明瞭なデフォルメ化された形象が前景化するとき、湯浅の絵画においては「図と地の逆転現象」とでも呼べる事態が起こることは視覚文化研究の観点から眺めて非常に興味深い。今回の個展に際して、湯浅はこれまでの取り組みを軸に据えながらも、いくつかの新しい試みに挑戦しているという。そのひとつが、人体的なモチーフを微妙にずらして重ね合わせ、まるで「連写」のような視覚効果を生成させる試みである。美術史的な視座から分析すれば、そこにはイタリア未来派の画家たち——ウンベルト・ボッチョーニ、ルイジ・ルッソロ、ジャコモ・バッラなど——が挑んだ、動的ダイナミズムの静的メディア(すなわち、時間を含む4次元性を表現することのできない媒体としての絵画)における描出の試みとも近接性を見出すことができる。あるいは、類似の関心になるが、キュビズムの画家たち(特に、ジョルジュ・ブラック)が試みた、4次元性の平面における再構築への探究とも共鳴するように思われる。このように、湯浅万貴子の芸術実践が問いかける地平は限りなく広い。山本浩貴(文化研究者、金沢美術工芸大学講師)参考作品参考作品Profile湯浅万貴子|Makiko Yuasa1988年新潟市出身2011年東北生活文化大学家政学部生活美術学科退学主な個展2014年Shounandai MY Gallery MY Gallery2020年s+arts「静かな荒野」2021年s+arts「不変の前兆」2021年MEDEL GALLERY SHU「身に悖ること勿れ」2022年金沢アートグミ 「eimi ousia」主なグループ展2011年GEISAI♯15ランキング展/ Hidari Zingaro gallery2012年Roppongi a Art Week/ Shounandai MY Gallery2015年「MY duo」/ Shounandai MY Gallery2016年「WILL」/ Shounandai MY Gallery2018年「Composition」/ Shounandai MY Gallery2019年「amrta」/ s+arts2020年「荒地のアレロパシー」/ Mitsukoshi Contemporary Gallery2021年「ストレンジャーによろしく」/ 金沢市内各所2022年「s+arts summer exhibition」/ s+artsアートフェア2012年ULTRA005(東京)2015年 YOUNG ART TAIPEI(台湾)アワード2011年YOUNG ARTIST JAPAN vol.4 TOGBOAT/山本美知子賞2011年GEISAI #15 来場者ポイントランキング第3位レジデンス2021年金沢市「CORN」山本浩貴、齊藤恵汰・招待作家掲載2012年月刊アートコレクター9月号「新人アーティスト300人」2018年美術の窓5月号「新人大図鑑2018」2020年Webレビューとレポート(みそにこみおでん)家船参加作家インタビュー2021年月刊アートコレクター7月号「ヌード 愛の美のちから」2021年中日新聞にてレジデンスインタビューGallery InformationMEDEL GALLERY SHU|愛でるギャラリー祝東京都千代田区内幸町1-1-1帝国ホテルプラザ東京2F info@medelgalleryshu.com 11:00〜19:00(最終日は17時まで)MEDELとは、日本語で「物の美しさをほめ味わうこと」を意味する「愛でる」からきています。唯一無二のアートを賞美し、慈しむという行為を介して、アーティストと鑑賞者、ギャラリーの間に喜びの行き交いが成立してほしいという想いを込め名づけました。“時代を共にする人々にとっての財産であり、未来の社会を照らす火である”とアーティストの活動・作品を定義し、人々の心に残る独創性に富んだスタイルの作品を鑑賞者と共に愛でつつ、次世代に残るようなマーケットや美術史的評価を確立してゆくことが当ギャラリーのミッションです。そのような私たちの活動を通して、独創的な表現を受け容れる多様な社会的風土の醸成に資することができれば、これに勝る喜びはありません。The word “MEDEL” is from the Japanese word “めでる,” which means "to praiseand appreciate beauty" in Japanese.We named the gallery MEDEL to create a pleasant exchange between the artist, and the appreciator,through the unique artwork.We define artists’ activities and works of art as "an inheritance for the people who share the same era and a fire that will light up the society of the future”, and we hope to establish a market and an art historical reputation that will last for the next generation while appreciating works of art with the viewers, which are full of originality and style that will remain in people’s minds.Through our activities, we are more than happy to contribute to the development of a diverse social culture that accepts creative expression.: 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年08月02日“アニメーションのアカデミー賞”とも呼ばれる第50回アニー賞のノミネートが、日本時間1月18日深夜に発表。湯浅政明監督の『犬王』が長編インディペンデント作品賞と脚本賞(野木亜紀子)にノミネートされた。本作は、「平家物語 犬王の巻」(著:古川日出男)を原作に、室町時代に人々を熱狂させた実在の能楽師・犬王と、そのバディである琵琶法師・友魚との強烈な友情と“能楽”の世界を鮮烈な視点で描いた作品。湯浅監督×野木亜紀子(脚本)×松本大洋(キャラクター原案)×大友良英(音楽)らクリエイター陣にくわえ、犬王役には、「女王蜂」として音楽活動をはじめ止まらない躍進を遂げるアヴちゃん。友魚役は、カテゴリーに縛られない表現者として卓越した演技力・歌唱力を持つ森山未來が演じている。2022年5月28日に全国121館で封切られ、観客動員数24万人、興行収入3.5億を突破。公開から7か月を超えるいまもロングラン上映を続けている。また、アニー賞は1972年、国際アニメーションフィルム協会(International Animated Film Association)によって設立。年に一度、世界中の優れたアニメーション作品・スタッフ・キャストに贈られる賞で、“アニメーション界のアカデミー賞”とも呼ばれる。湯浅監督作品が同・長編インディペンデント作品賞にノミネートされるのは『きみと、波にのれたら』(2021)以来2度目。「アドベンチャー・タイム」でのTV部門監督賞へのノミネートも併せると3度目となる。受賞した場合、日本製作の作品としては2018年の『未来のミライ』(細田守監督/スタジオ地図)に次ぐ快挙に。脚本賞は宮崎駿監督/スタジオジブリ『千と千尋の神隠し』(2002)、『風立ちぬ』(2013)以来のノミネート。長編インディペンデント作品賞には、A24が北米配給したストップモーションアニメ『Marcel the Shell with Shoes On』(原題)やNetflixアニメ映画『エルマーのぼうけん』などがノミネートされている。受賞作品は日本時間2月26日(日)、現地時間2月25日(土)にロサンゼルスで予定されている授賞式で発表。主なノミネートは以下の通り。『私ときどきレッサーパンダ』第50回アニー賞主要ノミネート作品賞『私ときどきレッサーパンダ』『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』『長ぐつをはいたネコと9つの命』『ジェイコブと海の怪物』『ウェンデルとワイルド』長編インディペンデント作品賞『Charlotte』(原題)『犬王』『Little Nicholas, Happy As Can Be』(原題)『Marcel the Shell with Shoes On』(原題)『エルマーのぼうけん』監督賞(長編)ドミー・シー『私ときどきレッサーパンダ』ギレルモ・デル・トロ、マーク・グスタフソン『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』ディーン・フライシャー・キャンプ他『Marcel the Shell with Shoes On』(原題)ノラ・トゥーミー『エルマーのぼうけん』ヘンリー・セリック『ウェンデルとワイルド』脚本賞(長編)ドミー・シー、ジュリア・チョー『私ときどきレッサーパンダ』ジェイソン・ロフタス『ETERNAL SPRING(長春)』野木亜紀子『犬王』ディーン・フライシャー・キャンプ、ジョニー・スレイト他『Marcel the Shell with Shoes On』(原題)(text:cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-犬王 2022年5月28日より全国にて公開©“INU-OH” Film Partners私ときどきレッサーパンダ 3月11日よりディズニープラスにて見放題で独占配信開始©2021 Disney/Pixar. All Rights Reserved.長ぐつをはいたネコと9つの命 2023年3月17日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 DREAMWORKS ANIMATION LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
2023年01月18日“アニメーションのアカデミー賞”とも呼ばれる第50回アニー賞にて、湯浅政明監督による劇場アニメーション『犬王』が長編インディペンデント作品賞に、野木亜紀子が脚本賞にノミネートされた。本作は『平家物語 犬王の巻』(著:古川日出男)を原作にした変幻自在のミュージカル・アニメーション。室町時代に人々を熱狂させた実在の能楽師・犬王と、そのバディである琵琶法師・友魚との強烈な友情と“能楽”の世界が鮮烈な視点で描かれ、公開から7か月を越える今もロングラン上映を続ける話題作だ。メガホンを取ったのは『夜は短し歩けよ乙女』の湯浅政明監督。さらに脚本をドラマ『MIU404』などの野木亜紀子、キャラクター原案を松本大洋、音楽を大友良英が手がけるなど豪華クリエイター陣が集結している。声の出演は、女王蜂のアヴちゃんが犬王を、森山未來が友魚を演じており、共に圧倒的な存在感で作品を彩っている。『犬王』©2021 “INU-OH” Film Partners日本時間1月18日(水)深夜1時頃、第50回アニー賞で『犬王』が長編インディペンデント作品賞に、野木亜紀子が脚本賞にノミネートされたことが発表された。湯浅監督作品が長編インディペンデント作品賞にノミネートされるのは『きみと、波にのれたら』(2021)以来2度目。TVアニメ『アドベンチャー・タイム』でのTV部門監督賞へのノミネートも併せると3度目となる。受賞した場合、日本製作の作品としては、2018年の『未来のミライ』(細田守監督/スタジオ地図)に次ぐ快挙となる。脚本賞は宮崎駿監督によるスタジオジブリ作品『千と千尋の神隠し』(2002)、『風立ちぬ』(2013)以来となる。受賞作品は日本時間2月26日(日)(現地時間2月25日)にロサンゼルスで予定されている授賞式で発表予定だ。劇場アニメーション『犬王』DVD&Blu-ray発売中/公開中配給:アニプレックス、アスミック・エース
2023年01月18日アカデミー賞の前哨戦とも言われる『第80回ゴールデングローブ賞』の授賞式が現地時間1月10日(火) にアメリカ・ロサンゼルスで開催。アニメ映画賞にノミネートされた『犬王』の湯浅政明監督と後藤幸浩(琵琶監修)が出席し、惜しくも受賞を逃したが、翌11日(水) には本編上映とQ&A、琵琶演奏のイベントが実施された。『犬王』は、『平家物語 犬王の巻』(著:古川日出男)を原作に、室町時代に人々を熱狂させた実在の能楽師・犬王(女王蜂・アヴちゃん)と、そのバディである琵琶法師・友魚(森山未來)との強烈な友情と《能楽》の世界を鮮烈な視点で描いた作品。昨年5月28日に全国121館で封切られ、観客動員数は24万人、興行収入は3.5億円を突破。公開から7カ月を超える今もロングラン上映を続けている。イベントでは、本作において琵琶監修のみならず、劇中曲の演奏、作譜、さらには友魚の師匠・谷一の声優まで多岐にわたる活躍を見せる後藤が薩摩琵琶で、谷一と友魚が壇ノ浦で出会うシーンから千人琵琶に連なる楽曲を新しいアレンジで演奏。全米から詰めかけた満席の観客・メディアが熱狂した。またQ&Aで湯浅監督は「歴史から消えてしまったものをやることに意味があると思ったんです」と話し、歴史的な時代背景と現代のロックオペラの融合については「琵琶の後ろ弾きに関しては、1600年前の中国の壁画にも琵琶の後ろ弾きが描かれていたと知って“ギターや琵琶を持つと必ず後ろ弾きする人が現れるんだ”と思いました(笑)」と明かし、会場の笑いを誘った。音楽だけでなく世界中の様々なスタイルのダンスについても称賛を受け、「世界中で、犬王たちのように色んなことにチャレンジしてきた人がいることを表現したかった」と全米に向けて熱い想いを語り、大きな歓声と拍手の中、イベントは幕を閉じた。<作品情報>『犬王』公開中『犬王』ポスタービジュアル (C)2021 “INU-OH” Film Partners原作:『平家物語 犬王の巻』古川日出男著/河出文庫刊声の出演:アヴちゃん(女王蜂)森山未來/柄本佑津田健次郎松重豊監督:湯浅政明脚本:野木亜紀子キャラクター原案:松本大洋音楽:大友良英関連リンク公式サイト:公式Twitter:
2023年01月13日第80回ゴールデン・グローブ賞のノミネーションが発表され、日本のアニメ『犬王』(湯浅政明監督)がアニメ映画賞にノミネートされた。作品賞(ドラマ部門)に、ジェームズ・キャメロン監督の渾身作『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』や大ヒット作『トップガン マーヴェリック』といったエンターテイメント超大作がノミネート。キャメロン監督は監督賞にもノミネートされたが、同賞には女性監督のノミネートはなかった。『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』最多は『スリー・ビルボード』マーティン・マクドナー監督の最新作『イニシェリン島の精霊』が8部門で、A24作品の『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が6部門で続いた。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』非英語映画賞には、カンヌ国際映画祭監督賞を受賞した韓国パク・チャヌク監督の『別れる決心』や、『バーフバリ』S・S・ラージャマウリ監督による『RRR』も選出された。『別れる決心』受賞者・受賞作品は2023年1月10日に開催される授賞式にて発表。昨年は、主催する「ハリウッド外国プレス協会」ことHFPA(=Hollywood Foreign Press Association)の人種差別や特権体質が問題視され、トム・クルーズら俳優やAmazon、Netflix、ワーナー・メディアがボイコットを表明。授賞式は無観客開催で米NBCがテレビ中継を取りやめたが、今回は同局にて授賞式の放送が決定している。※主なノミネートは以下のとおり【映画部門】作品賞(ドラマ部門)『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』『エルヴィス』『フェイブルマンズ』『TÁR』『トップガン マーヴェリック』作品賞(ミュージカル・コメディ部門)『バビロン』『イニシェリン島の精霊』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』『逆転のトライアングル』監督賞ジェームズ・キャメロン『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』バズ・ラーマン『エルヴィス』マーティン・マクドナー『イニシェリン島の精霊』スティーヴン・スピルバーグ『フェイブルマンズ』脚本賞『TÁR』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『イニシェリン島の精霊』『ウーマン・トーキング 私たちの選択』『フェイブルマンズ』主演男優賞(ドラマ部門)オースティン・バトラー 『エルヴィス』ブレンダン・フレイザー『ザ・ホエール』ヒュー・ジャックマン 『The Son/息子』ビル・ナイ 『生きる LIVING』ジェレミー・ポープ『The Inspection』(原題)主演女優賞(ドラマ部門)ケイト・ブランシェット『TÁR』オリヴィア・コールマン 『エンパイア・オブ・ライト』ヴィオラ・デイヴィス『The Woman King』(原題)アナ・デ・アルマス 『ブロンド』ミシェル・ウィリアムズ 『フェイブルマンズ』主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)レスリー・マンヴィル 『ミセス・ハリス、パリへ行く』マーゴット・ロビー 『バビロン』アニャ・テイラー=ジョイ 『ザ・メニュー』エマ・トンプソン『Good Luck to You, Leo Grande』(原題)ミシェル・ヨー 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)ディエゴ・カルバ『バビロン』ダニエル・クレイグ 『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』アダム・ドライバー『ホワイト・ノイズ』コリン・ファレル『イニシェリン島の精霊』レイフ・ファインズ 『ザ・メニュー』助演男優賞ブレンダン・グリーソン『イニシェリン島の精霊』バリー・コーガン『イニシェリン島の精霊』ブラッド・ピット『バビロン』キー・ホイ・クァン『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』エディ・レッドメイン『グッド・ナース』助演女優賞アンジェラ・バセット『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』ケリー・コンドン『イニシェリン島の精霊』ジェイミー・リー・カーティス 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』ドリー・デ・レオン『逆転のトライアングル』キャリー・マリガン『SHE SAID/シー・セッドその名を暴け』アニメ映画賞『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』『犬王』『Marcel the Shell with Shoes On』(原題)『長ぐつをはいたネコと9つの命』『私ときどきレッサーパンダ』非英語映画賞『西部戦線異状なし』(ドイツ)『アルゼンチン1985 ~歴史を変えた裁判~』(アルゼンチン)『CLOSE/クロース』(ベルギー・フランス・オランダ)『別れる決心』(韓国)『RRR』(インド)主題歌賞「Carolina」『ザリガニの鳴くところ』「Ciao Papa」『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』「Hold My Hand」『トップガン マーヴェリック』「Lift Me Up」『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』「Naatu Naatu」『RRR』【テレビ部門】作品賞(ミュージカル・コメディ部門)「アボット エレメンタリー」「一流シェフのファミリーレストラン」「Hacks」(原題)「マーダーズ・イン・ビルディング」「ウェンズデー」作品賞(ドラマ部門)「ベター・コール・ソウル」「ザ・クラウン」「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」「オザークヘようこそ」「セヴェランス」主演男優賞(ドラマ部門)ジェフ・ブリッジス「ザ・オールド・マン~元CIAの葛藤」ケヴィン・コスナー「イエローストーン」ディエゴ・ルナ「キャシアン・アンドー」ボブ・オデンカーク「ベター・コール・ソウル」アダム・スコット「セヴェランス」主演女優賞(ドラマ部門)エマ・ダーシー「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」ローラ・リニー「オザークヘようこそ」イメルダ・スタウントン「ザ・クラウン」ヒラリー・スワンク「アラスカ・デイリー」ゼンデイヤ「EUPHORIA/ユーフォリア」主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)ドナルド・グローヴァー「アトランタ」ビル・ヘイダー「バリー」スティーヴ・マーティン「マーダーズ・イン・ビルディング」マーティン・ショート「マーダーズ・イン・ビルディング」ジェレミー・アレン・ホワイト「一流シェフのファミリーレストラン」主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)キンタ・ブランソン「アボット エレメンタリー」ケイリー・クオコ「フライト・アテンダント」セレーナ・ゴメス「マーダーズ・イン・ビルディング」ジェナ・オルテガ「ウェンズデー」ジーン・スマート「Hacks」(原題)助演男優賞ジョン・リスゴー「ザ・オールド・マン~元CIAの葛藤」ジョナサン・プライス「ザ・クラウン」ジョン・タトゥーロ「セヴェランス」テイラー・ジェームズ・ウィリアムズ「アボット エレメンタリー」ヘンリー・ウィンクラー「バリー」助演女優賞エリザベス・デビッキ「ザ・クラウン」ハンナ・アインビンデル「Hacks」(原題)ジュリア・ガーナー「オザークヘようこそ」ジャネール・ジェームズ「アボット エレメンタリー」シェリル・リー・ラルフ「アボット エレメンタリー」作品賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)「ブラック・バード」「ダーマーモンスター:ジェフリー・ダーマーの物語」「ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女」「パム&トミー」「ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル」主演男優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)タロン・エジャトン「ブラック・バード」コリン・ファース「ザ・ステアケース -偽りだらけの真実-」アンドリュー・ガーフィールド「アンダー・ザ・ヘブン 信仰の真実」エヴァン・ピータース「ダーマーモンスター:ジェフリー・ダーマーの物語」セバスチャン・スタン「パム&トミー」主演女優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)ジェシカ・チャステイン「George & Tammy」(原題)ジュリア・ガーナー「令嬢アンナの真実」リリー・ジェームズ「パム&トミー」ジュリア・ロバーツ「ガスリッド 陰謀と真実」アマンダ・セイフライド「ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女」(text:cinemacafe.net)■関連作品:トップガン マーヴェリック 2022年5月27日より全国にて公開©2019 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.犬王 2022年5月28日より全国にて公開©“INU-OH” Film Partnersエルヴィス 2022年7月1日より全国にて公開© 2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reservedアバター:ウェイ・オブ・ウォーター 2022年12月16日より全国にて公開© 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.RRR 2022年10月21日より全国にて公開警官の血 2022年10月28日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2022 ACEMAKER MOVIEWORKS & LEEYANG FILM. All Rights Reserved.イニシェリン島の精霊 2023年1月27日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開©2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.バビロン(2022) 2023年、全国にて公開© 2022 Paramount Pictures. All Rights Reserved.エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.フェイブルマンズ 2023年3月3日より全国にて公開© 2022 Universal Pictures. ALL RIGHTS RESERVED.別れる決心 2023年2月17日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM. ALL RIGHTS RESERVED
2022年12月13日10月6日から16日にかけて開催された第55回シッチェス映画祭にて、湯浅政明監督が名誉賞となるタイムマシン賞を受賞、クロージングイベントにて、授賞式が開催された。タイムマシン賞はファンタスティックジャンルへの貢献をたたえる賞で、過去にクエンティン・タランティーノ、テリー・ギリアム、ギレルモ・デル・トロ、ロン・パールマン、ジョー・ダンテ、イライジャ・ウッド、エドガー・ライトなど錚々たる映画人が受賞している。湯浅監督の受賞は、黒沢清、塚本晋也らに続き日本人監督5人目の快挙となった。授賞式では、湯浅監督のこれまでの作品をまとめた映像が流れ、司会者から名前が読み上げられると、会場は大きな拍手と歓声につつまれ、多くの人が立ち上がって受賞を祝した。登壇した湯浅監督は「昔から好きな芸術家が多くいるカタロニアで開催されるシッチェス映画祭でこのような賞をいただけて大変光栄です。シッチェスの海の景色は素晴らしく、『きみと、波にのれたら』のワンシーンのようにも感じました」と2019年に同映画祭で最優秀長編アニメーション賞を受賞した自身の映画を交えて感謝を述べ「またこの映画祭に呼んでもらえるよう作品づくりに励みたい」と語った。同映画祭では、『犬王』の公式上映も開催、当初2回で予定されていた上映のチケットが早々に売り切れとなり、急遽追加の上映も行われた。上映前の舞台挨拶に登壇した湯浅監督は「600年前の日本を舞台にした映画ではありますが、現代の私たちにとっても、また、どの国でも同じように感じるようなことがあると思います。日本の歴史で理解するのが難しそうな内容もあるかもしれませんが、それらは多くの日本人にとっても難しいので、あまり気にせずに楽しんでもらえると嬉しいです」と語り、会場を和ませた。1400人の会場を埋め尽くす観客は劇中のステージシーンが始まる前にも本編内の室町時代の観客と一緒になって拍手をするなど、まるでライブを観るように一体となった盛り上がりを見せた。『犬王』は、室町の知られざるポップスター・犬王から生まれた物語を、監督・湯浅政明×キャラクター原案・松本大洋×脚本・野木亜紀子のタッグで描いたミュージカル・アニメーション。古川日出男による『平家物語 犬王の巻』を原作に、室町時代に人々を熱狂させた実在の能楽師・犬王と、そのバディである琵琶法師・友魚の友情を描く。犬王役を女王蜂のアヴちゃん、バディの友魚役を森山未來が担当した。
2022年10月18日先着50名様限定で湯浅町の特産品「金山寺味噌」をプレゼント株式会社ブランジスタ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:岩本恵了、証券コード:6176)の子会社・株式会社ブランジスタメディア(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:井上秀嗣、以下、当社)が発行する旅行電子雑誌「旅色」と、東京・大阪をはじめ全国に飲食店などを展開する株式会社バルニバービ(本社:大阪市西区、代表取締役会長:佐藤裕久、以下、バルニバービ社)は、食で地域活性化を図る共同プロジェクト「TRAVELING DISH ACTION」の第2弾を開始いたします。6月27日より和歌山県・湯浅町協力のもと、同町の食材を使用した、温めるだけで食べられるグルメコースセットの予約販売を開始いたします。「旅色」×バルニバービ地域活性化共同プロジェクト第2弾和歌山県・湯浅町とタイアップした旅するグルメ予約販売開始■ 食で地域活性化!「旅色」×バルニバービ社共同プロジェクト第2弾「紀州・湯浅町を旅するグルメコースセット」 当社が発行する旅行電子雑誌「旅色」と、全国に94店舗のカフェ・レストランを展開し、お取り寄せ通販サイト「CANDLE TABLE」や、食をベースとした不動産開発・地方創再生プロジェクトを行なっているバルニバービ社と展開している共同プロジェクト「TRAVELING DISH ACTION」の第2弾が始動。醤油や味噌づくり、柑橘類の栽培が盛んで、一度は途絶えた伝統野菜・湯浅なすが復活し、ワイナリーや新しいブランド牛が誕生するなど、特産品が豊富な和歌山県の湯浅町が第2弾の舞台に。バルニバービ総料理長が現地に赴き、生産者の方とふれあいながら誕生したメニューは全5品。多彩な食材を生かした、記念日やハレの日の食卓が華やぐコースセットを用意しました。鍋やオーブンで温め直すだけで、おウチで手軽にレストランシェフが作る本格的なメニューをお楽しみいただけます。■ TRAVELING DISH ACTION vol.2紀州・湯浅町を旅するグルメコースセット2名用14,580円(税込)セット内容・金山寺味噌と紀州きのこのキッシュ・紀州鴨のスモークと湯浅産柑橘のマーマレード・紀州和華牛 湯浅産⾚ワインのトマトすき焼き・湯浅産釜揚げしらすの焼きリゾット・湯浅なすと紀州鴨のクロックムッシュ仕立てなお、それぞれ単品でもお買い求めいただけます。詳細は、以下専用ページをご覧ください。TRAVELING DISH ACTION vol.2紀州和華牛 湯浅産⾚ワインのトマトすき焼きTRAVELING DISH ACTION vol.2金山寺味噌と紀州きのこのキッシュTRAVELING DISH ACTION vol.2紀州鴨のスモークと湯浅産柑橘のマーマレードTRAVELING DISH ACTION vol.2湯浅産釜揚げしらすの焼きリゾットTRAVELING DISH ACTION vol.2湯浅なすと紀州鴨のクロックムッシュ仕立て ■ 先行予約特典!和歌山特産品の「金山寺味噌」を50名様にプレゼント 第2弾のキッシュに使用している金山寺味噌は、和歌山県推薦の優良土産品に指定されている特産品。チーズを使用せずに、チーズを使用したかのような複雑で豊かな味わいを表現できると、バルニバービ総料理長が惚れ込んだ「垣内みそ店」の金山寺味噌は、大豆・米・麦の麹になす、赤紫蘇、生姜を加えて熟成させた具沢山のお味噌で人気の逸品です。このたび「紀州・湯浅町を旅するグルメコースセット」の販売を記念して、こちらのセットをご注文の先着50名様にご家庭でもお楽しみいただけるよう「垣内みそ店」の金山寺味噌をプレゼントいたします。「旅色」×バルニバービ地域活性化共同プロジェクト第2弾「金山寺味噌」を先着50名様にプレゼント■ 食で地域活性化!「旅色」×バルニバービ社共同プロジェクト概要「旅色」で推進する地域活性化プロジェクトの一環として、バルニバービ社が展開する地方創再生プロジェクトを融合させた共同プロジェクト「TRAVELING DISH ACTION」。当プロジェクトでは、全国各地で愛されているさまざまな食材に注目し、その食材の新たな魅力を表現できる料理を開発・販売いたします。当社においては販売手数料などの新たな収益源を獲得するだけでなく、2007年から発行している「旅色」で掲載してきた日本全国の旅行情報と、全国8拠点で培ってきた各地の宿泊施設、飲食店、お取り寄せ販売企業、生産者、自治体とのネットワークを活用し、コース料理に使用する食材の発掘・供給支援を行うとともに、電子雑誌やSNS、読者コミュニティなどを活用したPRを実施いたします。両社の資源やノウハウを活用し、開発した料理を活用した観光誘致・ふるさと納税返礼品への採用を支援し、生産の拡大によって移住者の獲得にもつながる雇用の創出、フードロスの一因にもなる規格外食材の活用など、地方の社会課題解決に寄与する取り組みへ拡大させてまいります。今後も、地域との持続的な関わりを作りながら、日本全国の自治体・企業の活性化に寄与することで、持続可能な魅力ある地方の実現に向けた支援をしてまいります。「旅色」×バルニバービ社共同プロジェクト「TRAVELING DISH ACTION」<株式会社ブランジスタメディア会社概要>URL: 本社所在地:〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町20-4ネクシィーズスクエアビル代表者:代表取締役社長井上秀嗣事業内容:電子雑誌出版・電子広告株式会社ブランジスタメディアは、株式会社ブランジスタ(東証上場6176)のグループ企業です。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年06月27日現在公開中のミュージカル・アニメーション『犬王』が6月13日から18日(現地時間)に開催された「アヌシー国際アニメーション映画祭2022」で、オフィシャルセレクションとして上映された。また、湯浅政明監督がさまざまなイベントに登壇。大熱狂の現地の様子をレポートする。本作は監督・湯浅政明×脚本・野木亜紀子×キャラクター原案・松本大洋×音楽・大友良英という豪華クリエイターが集結し、室町の知られざるポップスター「犬王」から生まれた物語を、変幻自在のイマジネーションで描く“狂騒のミュージカル・アニメーション”。『平家物語 犬王の巻』(古川日出男著 / 河出文庫刊)を原作に、カリスマ性と歌唱力、そして野心を抱く主人公・犬王を人気バンド・女王蜂のボーカル担当・アヴちゃんが演じ、その相棒となる琵琶法師・友魚(ともな)を実力派俳優・森山未來が演じる。世界最大規模のアニメーション映画祭である「アヌシー国際アニメーション映画祭」は、これまでにも『夜明け告げるルーのうた』が長編部門最高賞であるクリスタル賞を受賞、『日本沈没2020』がテレビシリーズ部門審査員賞を受賞するなど、湯浅監督にとっても縁深い映画祭のひとつ。アヌシーの観客が、湯浅監督の現時点での集大成となる『犬王』の上映をいかに待望していたか、その並みならぬ熱気は連日のイベントからもうかがえた。湯浅監督の登壇は30名限定のサイン会からスタート。激戦のサイン枠を勝ち取った来場者ひとりひとりからキャラクターのリクエストを聞き、会話も交わしながらイラストを添えたサインを描いていく。続いてのイベントでは、ミッシェル・オスロ監督(『キリクと魔女』)、ギレルモ・デル・トロ監督(『シェイプ・オブ・ウォーター』)、ジョー・ダンテ監督(『グレムリン』)、ジェニファー・リー監督(『アナと雪の女王』)、ジョルジュ・シュヴィッツゲベル監督(『ロマンス』)といった、世界の名だたるクリエイターとともに湯浅監督の姿が。実は、アヌシーにもハリウッドさながらの名声の歩道(Walk of Fame)の設置が決まり、そこに手形が設置される最初のクリエイター6人のうちの1人に選出されたのだ。野外の会場では和やかな雰囲気で石膏の手形が取られ、名監督らもにこやかな姿を見せた。左奥から、ジョー・ダンテ監督(『グレムリン』)、ジェニファー・リー監督(『アナと雪の女王』)、湯浅政明監督、ジョルジュ・シュヴィッツゲベル監督(『ロマンス』)さらに湯浅監督は、映画業界を代表する監督が、若手アニメーターや学生向けに行う「MIFAキャンパスマスタークラス」の講義を担当するゴッドファーザーとして登場。湯浅監督がアニメーションを志したきっかけに始まり、『マインド・ゲーム』、『ピンポン』、『夜明け告げるルーのうた』、『犬王』などの作品で使われている手法について、実際の映像を見せながら解説した。学生から「監督、脚本、絵コンテなどさまざまな領域を手掛けているが、一番得意なのは?」と問われると、監督は「それぞれの行程はそれぞれに楽しいので難しいが……。全体を切り盛りする調整が得意なのかもしれない。たとえば脚本で『こうしたい』と言ったことがさまざまな理由で実現できない場合、後の工程でどうそれを実現するか。脚本を書いている人、絵を描いている人、各パートに『何でこうなるんだ』と思う部分がある。それをどうにかする。ピンチを逆手にとって、寧ろより良い作品に繋げていくのがディレクターの仕事だと思っています」と回答。「今日は優秀な学生が集まっているが、国際的なコラボなどの可能性はあるか?」と聞かれたのに対し、「言葉がそんなにできないハードルはあるが、できるだけいろんな人と仕事がしたい、力のある人と仕事がしたいと思っています」と答え、会場を沸かせた。続く質疑応答のコーナーでは、2D・3D問わず各ジャンルから参加した若手クリエイターから多くの質問が寄せられた。「立体や実写に対する憧れは持っているので、いいなとなった部分は取り込むし、自分が今後立体や実写を撮ることもあると思います。逆に2Dのときは2Dにしかできないことを意識しています。『認識』って実は皆違うのに、同じだと思っている人が多いので、クリエイターは周りからいろいろ言われても、人の言うことは気にしない方がいい」、「作品を作るときはまず根源的なことを考えます。たとえば『アニメーション映画』は、『皆が暗いところに集まって、絵が描いてあるものを見て、何かを感じるものである』という風に。マンガを読む、読書をする、映画を見る、それぞれの行為の中で、見た人の中で何が起きているか?どの媒体にも長所と短所があるので、できるだけ長所を生かして短所をなくす作り方をしようと思っています」、「テーマがないとストーリーができない。自分がやっているテーマは、『解放されたい、自由になりたい』ということなのかもしれない。自分の考える『自由』を作品にしています」といった監督の言葉に、勇気づけられたクリエイターも多かったようだ。そしてフェスティバルの最終日には、朝からボンリューのメインシアターで『犬王』が上映された。前日に約300席の会場で行われた上映に加え、約1,000席あるメインシアターのチケットも発売とほぼ同時にソールドアウト。上映前に監督がステージに登壇すると、運よくプラチナチケットを手に入れた観客たちが万雷の拍手と歓声、指笛で迎える。監督が「ボンジュール!コマンサヴァ?」とフランス語で挨拶すると、「ウィーーー!サヴァ!」と、会場中に響く大合唱で返事が。ロックコンサートのような熱気の中、「またアヌシーに新作を持ってくることができて嬉しい。毎年楽しみな映画祭で、今年もいい時間を過ごしています」、「『犬王』は600年前の話だけど、ふたりの若い男性のミュージシャンがのし上がっていく話。一人は琵琶を弾いてバンドを組んでいく。もう一人は能を踊り、霊となって昔の人の逸話を語る。バンドで宣伝して、そのあと犬王が踊るという構成になっていて、それだけ理解していれば大丈夫!後半の音楽はノって楽しんで!」と挨拶した。上映中は「腕塚」などのライブシーンから手拍子が上がり始め、中盤のハイライトである「鯨」では会場中が「ドンドン・パン!」のリズムに乗り、作中の室町の観客と一体となった。エンドロールが始まった瞬間に拍手と喝采がわき、あわせて10分ほどのスタンディング・オベーションに。湯浅監督の「ホーム」であることを強く印象付け、今年のアヌシーを締め括った。『犬王』公開中
2022年06月20日現在公開中のミュージカル・アニメーション『犬王』の副音声(オーディオコメンタリー)の冒頭一部が公開された。湯浅政明(監督)×野木亜紀子(脚本)×松本大洋(キャラクター原案)×大友良英(音楽)といった常に新作が期待されるクリエイターが集結し、室町の知られざるポップスター【犬王】から生まれた物語を、変幻自在のイマジネーションで描く“狂騒のミュージカル・アニメーション”である本作。『平家物語 犬王の巻』(古川日出男著 / 河出文庫刊)を原作に、カリスマ性と歌唱力、そして野心を抱く主人公・犬王を人気バンド「女王蜂」のボーカル担当・アヴちゃんが演じ、その相棒となる琵琶法師・友魚(ともな)を実力派俳優・森山未來が演じた。物語は当時人気を博しながらも歴史に名が刻まれなかった実在の能楽師・犬王を大胆不敵な解釈、イマジネーションを駆使して描いた痛快無比なサクセスストーリーにして、切ない諸行無常を描く。第78回ヴェネチア国際映画祭でも“ロックオペラ”と評され好評を得たことも記憶に新しい。5月28日の公開初日後、早くも13万人以上が劇場に訪れ、興収ランキングでは新作邦画1位、SNS上でも熱い感想があふれている。「Filmarks」の初日満足度ランキングでは新作アニメ映画で1位に輝いている。一部公開されたオーディオコメンタリーは、制作現場でも最強のコンビネーションでバディを組んだW主演の犬王役・アヴちゃん(女王蜂)と友魚役・森山未來、そして湯浅政明監督が本編を見ながら和気あいあいと収録したものだ。制作秘話や設定のディティールについても語られ、アヴちゃんと森山未來が湯浅政明監督と共に作品を考察する様子を垣間見ることができる。『犬王』公開中アヴちゃん(犬王役)、森山未來(友魚役)、湯浅政明監督・副音声上映音声ガイド、日本語字幕HELLO!MOVIEで配信中
2022年06月17日室町時代、大衆を熱狂させた異形の能楽師・犬王と盲目の琵琶法師・友魚(ともな)。二人の友情を描く長編アニメーション映画『犬王』の湯浅政明監督と脚本を担当した野木亜紀子さん、超人気クリエイター同士の対談をお届け!人気クリエイターの才能が共鳴!能楽×ロックの新感覚アニメ映画。――本作以前、お互いのどんな作品をご覧になっていましたか?湯浅政明:『重版出来!』(松田奈緒子原作)を見て、久々に面白いドラマだと思い調べたら、野木さんが脚本で。ご一緒したいと思っていたら、今回野木さんのお名前が出て、「それはもうやりたいです」と。野木亜紀子:『四畳半神話大系』『マインド・ゲーム』が衝撃的に面白かったですね。物語やキャラの心情を超えて、湯浅さんの謎のアニメパワーで、すごいものを見させられたという感覚になれたんです。スケジュール的にはかなり厳しかったんですけど、キャラクター原案は松本大洋さんだと。夢のコンビが手掛ける作品に乗っておかないと、死ぬまで後悔しそうだったのでお受けしました。制作の序盤は、湯浅さんもお忙しくて、魂が半分抜けてましたよね(笑)。湯浅:見抜かれていましたか(笑)。すみません!ぐわっとこの作品に入り込めるようになり、絵コンテを一度描いた段階で、それからは…。野木:戦いが始まった(笑)。実写の場合、絵コンテはあくまでガイドで、現場で変えたりもできるんですけど、アニメは絵コンテを切った段階ですべて決まっちゃうんですよね。台詞を戻したいから尺をちょっと伸ばすということができないのを知らなくて、今までにない作業の連続でした。湯浅:何万枚もの絵を大人数で分担作業しているアニメは横並びで一斉に作業しているので、何かをちょっと変えるにも大きなラインごと変更することになるんです。野木:だからびっくりしちゃって。でも、私は諦めが悪いので(笑)、「この台詞はここにつながるから消しちゃダメだったんです」「もう入れられない」「ならこっちに入れよう」みたいな攻防が何度もありましたよね。湯浅:最初から完全なものを作れたらいいんですが、なかなか…。野木:音楽の大友(良英)さんと話して、湯浅さんがやろうとしていることはご本人以外、誰もわかっていなかったんじゃないか説が出ましたよ(笑)。湯浅さんから出ていた、作品のキーとなる“ポップスター”や“フェス”という言葉を、ずっとたとえだと思っていたけれど、湯浅さんにとってはたとえじゃなかった。それがわかった時は衝撃でした。湯浅:音楽は大友さんに言われて、自分の中で音楽を想定して絵を先に作り、そこに歌をハメてもらうことになったんです。口の動きや展開に合わせて作曲するのは、精密さが求められて大変だったと思います。でも、大友さんのおかげで、すごく良い音楽シーンがたくさんできました。若い二人が情熱を燃やす舞台を劇場の大画面と大音量で楽しんでほしいです。野木:600年前のいち観客になれる体験はまずないので、臨場感を味わえる劇場で!各演目の演出は脚本になくて、観客だけでなく脚本家の想像も超えた「湯浅ワールドここにあり」の迫力なので、何度観ても違う楽しみを発見できるはずです。――犬王と友魚は、既存の枠を壊し、自由な表現によって民衆を虜にしていきますよね。お二人は表現者として、どんなことを大切にしているのでしょう。野木:湯浅さんは「枠を壊す」という意識すらなく壊している人ですよ。湯浅:僕はみなさんに寄り添ってますよ(笑)。ただ、みんなが言う「できない」「無理だ」ということをあまり信用してないです。人がそう言っても自分ができると思っていることなら、うまくいかない状況になっても、実現できる方法を考え出すので、大概のことはできるんです。野木:私は、自分が面白いと思えるかどうかを一番大切にしています。他人軸でいると、何が面白いのかわからなくなっちゃいますから。湯浅:人から「面白くない」と言われて、気づくことはあるんですか?野木:その前に、ダメなときは自分で気づいちゃいますね。湯浅:人の言うことを聞きすぎて、上手くいかなかった経験はない?野木:そういうのはほぼないかなぁ。35歳を過ぎて脚本家になったこともあって、デビュー当時から偉いプロデューサーのアイデアに「全然面白いと思えない」と言っては、生意気だと陰口叩かれてました(笑)。湯浅:「面白くない」って言える現場がいいですよね。野木:つまらないのに、誰も言えないままなあなあで進んでいく…みたいなのが一番気持ち悪い。私自身、言われなくなる怖さがあるんですが、湯浅さんはいかがですか?湯浅:意見を尊重しすぎて、破綻しそうになったことがあってからは、やっぱり自分を信用するしかないと思っています。野木:キャリアを積むとね。湯浅:でも、どんな現場でもできるだけ人の言葉には耳を傾けて、必ず一回考慮しますね。野木:誰も何も言えない現場なんて、おかしいですもんね。『犬王』がただのアニメーションではないワケ1、室町時代の能楽×ロックオペラ。いまだ見ぬ唯一無二の世界観!現存する世界最古の総合舞台芸術といわれる、室町時代に生まれた能楽。特異な身体を活かした舞を踊る犬王と、ド派手に琵琶をかき鳴らす友魚は、時代の寵児となる。その自由な魂のパフォーマンスで民衆を熱狂させる様は、さながら現代のロックフェスのようで、本作がヴェネチア国際映画祭で“ロックオペラ”と評されたのも納得!2、キャスティングの妙に溢れた個性爆発の豪華声優陣!室町時代の“ポップスター”犬王を演じるのは、現代を生きるポップスター・女王蜂のアヴちゃん。劇中歌の作詞も手掛けた。犬王のバディで、琵琶法師の友魚役には森山未來さん。2人のパフォーマーが、犬王と友魚のように互いの才能をぶつけ合う!他にも、柄本佑さん、津田健次郎さん、松重豊さんと、魅力的な俳優が作品を彩る。3、稀代のクリエイターが集結し、イマジネーションを具現化!原作は、古川日出男さんが手掛けた「平家物語」現代語訳のスピンオフ的作品『平家物語 犬王の巻』(河出文庫)。キャラクター原案は松本大洋さん。湯浅監督とは自作漫画のアニメ『ピンポン THE ANIMATION』でもタッグを組んだ。音楽は、朝の連続テレビ小説『あまちゃん』や映画『花束みたいな恋をした』で知られる大友良英さん。『犬王』平家の呪いによって盲目になった琵琶法師の少年・友魚と、顔を瓢箪の面で隠された異形の能楽師・犬王。都で出会った二人が、まったく新しい舞と音楽を生み出し、乱世を独自の表現で生き抜く。第78回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門に選出されるなど、すでに国際的にも高い評価を受けている。5月28日より全国公開。ゆあさ・まさあき1965年3月16日生まれ、福岡県出身。2004年、『マインド・ゲーム』で初監督。’10年、『四畳半神話大系』が話題に。’17年、『夜は短し歩けよ乙女』で日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞受賞。のぎ・あきこ1974年生まれ、東京都出身。2009年、「さよならロビンソンクルーソー」でフジテレビヤングシナリオ大賞を受賞。『逃げるは恥だが役に立つ』『アンナチュラル』『MIU404』などヒットを連発。※『anan』2022年6月1日号より。写真・岩澤高雄(The VOICE)取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2022年05月29日映画『犬王』が2022年5月28日(土)公開。古川日出男原作の「平家物語 犬王の巻」が、湯浅政明監督によって、長編アニメーション化される。平家物語で描かれた能楽師・犬王がアニメーション映像化映画『犬王』は、実在の能楽師・犬王をモデルに、 “能楽”をミュージカルアニメーション化した長編作品だ。主人公の犬王は、観阿弥・世阿弥とともに、南北朝~室町時代を生きた能楽師であるが、彼が描いた作品は、現在にまでいっさい残されておらず、謎に包まれた人物。三代将軍・足利義満の愛顧を受け、観阿弥、世阿弥よりも贔屓にされていたといも言われているが、その詳細は明らかになっていない。映画『犬王』では、600年の時の中で消えつつも、今にまでその名を残す犬王のわずかな歴史を着想源に映像化。軍記物の名作「平家物語」全訳のスピンオフ作品とも言われる、古川日出男の『平家物語 犬王の巻』を日本のトップクリエイターたちが、映像として蘇らせる。世界最古のミュージカルとも言われる「能楽」に、現代のロックンロールやオーケストラサウンド、野外フェスの仕掛けなどを掛け合わせて、新感覚のミュージック・アニメーションを作り出す。映画『犬王』登場キャラクター■犬王(声:「女王蜂」のボーカル・アヴちゃん)謎に包まれた実在の能楽師。猿楽能の一派・比叡座の棟梁を父に持ち、能楽の一座に生まれるが、生まれたときから異形の子であったため、その顔は瓢箪の面で隠され、犬のように屋外に放り出され育てられる。琵琶法師の少年・友魚(トモナ)と出会い、力強い舞で自らの人生を切り拓いていく。■友魚(声:森山未來)平家の呪いによって盲目になった少年。琵琶法師・谷一(たにいち)と出会い、弟子になり都に向かう。能を舞う犬王と出会い、意気投合した二人は型破りな演目と自由奔放な演奏スタイルで、独自のパフォーマンスを披露。名を友有(トモアリ)に改め、犬王とともに、唯一無二のエンターテイナーとしての人生を紡いでいく。■足利義満(声:柄本佑)室町幕府の将軍。犬王・友有を招き、能楽のステージを用意する。■犬王の父(声:津田健次郎)猿楽能の一派・比叡座の棟梁。異形の子である犬王に稽古をつけず、犬のように屋外に放り出して育てる。■友魚の父(声:松重豊)平家と共に海に没したという三種の神器の一つ「剣」を探し、海に出るも、その剣に宿る呪いを浴びて命を落とす。映画『犬王』あらすじ室町時代、平家の骸と遺物が今も海中に眠る壇ノ浦に、ひとりの少年・五百の友魚(イオノトモナ)が暮らしていた。ある日、友魚とその父親は、平家と共に海に没したという三種の神器の一つ「剣」を探しに海に出た。しかし、友魚の父はその剣に宿る呪いを浴びて命を落とし、友魚は両目の視力を失ってしまう。都には、またひとり別の少年=犬王がいた。能楽の一座に生まれながらも、異形の子であったその少年は、瓢箪の面でその顔を隠され、犬のように屋外に放り出され育てられていた。稽古をきちんと受けず、見よう見まねで能を学び、その特異な体つきを活かして人とは違う舞を舞う。ある日、琵琶法師になった少年・友魚と犬王が出会う。名よりも先に、歌と舞を交わす二人。友魚は琵琶の弦を弾き、犬王は足を踏み鳴らす。一瞬にして拡がる、二人だけの呼吸、二人だけの世界。「ここから始まるんだ俺たちは!」壮絶な運命すら楽しみ、力強い舞で自らの人生を切り拓く犬王。そして、琵琶法師となり、琵琶を掻き鳴らして、異界と共振する友魚。乱世を生き抜くためのバディとなった二人は、お互いの才能を開花させ、唯一無二のエンターテイナーとして人々を熱狂させていく。頂点を極めた二人を待ち受けるものとは――?歴史に隠された実在の能楽師=ポップスター・犬王と友魚の時を超えた友情物語が描かれる。「女王蜂」アヴちゃん×森山未來がW主演犬王役は「女王蜂」のボーカル・アヴちゃんが、友魚役は俳優の森山未來が務める。2人が共演するのは、映画『モテキ』以来10年ぶりのことだ。アヴちゃんコメント普段女王として生きているわたしが、今回「王」として生きる機会を頂きました。「犬王」。まっすぐに、運命の映画だと言い切ることが出来ます。森山未來コメント現存する能楽が確立される前なのだから自由な発想で演じられていい、という考えのもとに湯浅監督が生み出したぶっ飛び能楽アニメーション「犬王」。琵琶法師、友魚として、これまたぶっ飛んだアヴちゃん演じる、艶やかな犬王に寄り添う。必然、ジェットコースターのような現場でした。世界最古のミュージカルと言われる「能楽」の豊かな可能性を感じられる映画になっているのではないでしょうか。映画『犬王』アヴちゃん×森山未來にインタビューQ:「歴史に隠された能楽師」犬王はこのキャッチコピーがかっこいいですよね。森山:年齢も何もかも不明なんですけど、「犬王」という存在がいたということはわかっている。能を大成させた観阿弥・世阿弥と同じ時代に一世を風靡していた、その史実が残っていることだけでも、やっぱり尋常じゃない表現者だったのだろうと妄想が膨らみますよね。アヴちゃん:名前しか残っていない。でも、名前を残すことができたっていう強さ、これにすごくロマンを感じます。史実には何も残っていないけど、犬王という存在によって(能の世界に)何かが生まれているように思いますね。Q:表現者として見たときに、犬王の好きなところは?森山:犬王には、特別な身体的・音楽的な表現があったんだろうなということが想像できます。犬王と観阿弥・世阿弥の関係性を考えると、能というものを言語化・システム化したのが観阿弥・世阿弥だったとしたら、他には絶対できない表現や、独自の言語を発掘しようとしていたのが犬王。現代においても、アンダーグラウンドやサブカルチャーでうごめいているものって、下から突き上げる強いエネルギーがあって、それが吸い上げられて、メジャーカルチャーに影響を与えていると思うんです。このメインカルチャー・サブカルチャーの構図を(犬王の世界に)当てはめると、犬王という存在に、観阿弥・世阿弥たちが突き動かされていたんじゃないか…って想像して、ワクワクしてしまいます。Q:アヴちゃんは、同じ表現者として犬王をどう見ていましたか。アヴちゃん:(ここからは映画のネタバレになってしまうのですが…)約1時間半のアニメーションの中で、犬王がこれまで培ってきたものを全て捨てるシーンが紹介されます。主観性の塊のような存在だった犬王が、他者に認められ、客観的な成功を手に入れた後、全てを捨ててみせる。いまの自分だったら、この速度で同じように捨てることはできない。この潔さが素晴らしいなと思いました。(補足:アヴちゃん演じる犬王は、将軍・足利義満の前で芸を披露した後、能楽師としてのストーリーに幕を下ろす。)Q:今回、アヴちゃんは、本格的な声優のお仕事が初めてですよね。アヴちゃん:はい。実は撮影前、(声優)アカデミーに通おうかなって思うほど、アフレコに対してビクビクしていたんです。「アーティストが声優って、どうなの?」と感じる人は一定数いると思うので、自分はアニメーションが好きだからこそ、特にそこで嫌われるのが嫌だったんです。役作りという言葉とは違うんですけど…内省的な部分に思考を巡らせて、自分が(声優として)呼ばれた意味を考えてみたんです。そのときに「あ、選ばれた意味ってここかも…」ってふっと腑に落ちて、自分の役回りを理解できて、うまく自分の舵を切れました。ここからは、聴衆を巻き込んで、先導していく犬王の歌唱ってどんなものだろうと考えて。マイクが無い時代にマイクがない状態で歌を歌い続けるということは、喉がつぶれる→スレスレの声で歌うという流れが見えてきて、最終的には、どこまで血の匂いがする歌にするかを意識しました。聴衆を圧巻させるってやっぱり声量が全てのところもあるんです。犬王は、声による波動の大きさがとてつもないキャラクターだったので、マイクなしでどこまで高められるか考えることが、役作りだったかもしれません。でも収録前に、未來氏が琵琶を習っていると聞いて、「役へのリーチの仕方がすごい!絶対負けたくない!自分も何か習わなっ!」と思ったこともありました(笑)。Q:(笑)。森山さんは、劇中の演奏も担当している琵琶奏者(後藤幸浩さん)に稽古をつけてもらったそうですね。森山:役作りとか大層なことは考えていなくて。琵琶を触るなんて通常の生活ではなかなかないことじゃないですか。自分のやってみたいことと役がハマるときは、とりあえず手を出してみるクセがあるんです。今回、声優のお話をいただいた段階では、どんな音楽になるのかが具体的に決まっていなかったからこそ、琵琶法師の役として、琵琶をやっておいたほうがいいんだろうなっていうぐらいの思いから稽古を始めました。Q:実際に琵琶を体験してみて感じたことは?森山:面白かったのは、琵琶というものの扱われ方です。琵琶は、歌うことと弾くことを同時に行う楽器で、琵琶を弾くだけの人、琵琶に合わせて歌うだけの人も基本的にはいません。なので、語りと演奏が全部一体になっている。ドレミファソラシドのような音階もあるにはあるのですが厳密ではなく、抑えた弦の調子・出た音に合わせて、声を出していく。すごくシンプルでありながらも、楽器と歌が一体化する不思議な感覚。琵琶を歌い弾くという行為は、中で起きるグルーヴみたいなものを感じやすいのかもしれませんね。Q:琵琶法師に関して発見はありましたか。森山:映画『犬王』の中では、みんなで合わせて弾き、歌うシーンがありますが、本来琵琶は、誰かと弾いて歌うようなものではなかったのだと思います。日本は、文字というものが入ってくるのが遅かったので、口承の文化が絶対に強かった。琵琶法師の持つ役割は、いろんなところを旅してまわって、起こっていることを語って聞かせることだったのだと思います。そこに伴奏用弦楽器として、琵琶の存在があったのだと思います。Q:琵琶を聞いたのは、今回が初めてだったのでしょうか。森山:一度宮内庁で雅楽をきちんと聴いたことがあります。その時感じたのは、日本古来の楽器は、今僕らが「この楽器はこういう風に演奏する」って思っている使い方と全く違う形で、過去に演奏されていたということ。今は室内楽になっていますが、昔は屋外で弾いていたんだろうなと想像ができて。その音色に合わせて、お偉いさんが踊ったり、舞というものとセットで披露されたり。風の音、木々のざわめきなどと共鳴して、音の在り方としては、とても現代音楽的だったと思うんです。Q:自身の音楽観と通じるものはありましたか。森山:コンテンポラリーダンスを志向し始めた頃から、音楽と関わるときに、自分の身体と音の距離感やコンポジションみたいなものを意識するようになりました。グルーヴしている音にただ身体を揺らすのではなく、音に惹きつけられるように身体を動かしたり、身体に対して音が反応するような感覚。それはある種、日本的あるいは東洋的な間の取り方であり、こういった自分の踊りのスタンスは、雅楽の在り方と通じる部分があるのかもしれません。Q:女王蜂のボーカルとしても活躍する、アヴちゃんにとって音楽とは?アヴちゃん:とても危険なもの、自分の中では魔術であり、祈りであり、とても軽いものだとは思えなくて。自分が1曲作ったら、そのテーマや音楽は避けて通るようになりますからね(同じテーマ・音楽を作ることはしない)。何もない中で、ゼロから1を作るってすごく大変なことです。自分にとって、曲を作り歌うことは特別なこと。初めて自分で歌を書いたとき、稲妻が落ちるみたいにスパークして「うわ、ものすごく得意」って思っちゃったんです。それまで誰かの歌を歌って褒められても、「うん、ありがとう。」って思うくらいだったんですけど、自分で書いた歌を歌った時、「これを一生やっていきたい」って心から思えました。初めて自分の形を知ったような感覚ですね。劇中では、古典楽器の音色に、ロックンロールのサウンドが混じり、さながら音楽フェスのような盛り上がりに。海外の映画祭では「ロックオペラ」と呼ばれるほど、挿入歌も注目されている。Q:映画『犬王』では、アヴちゃん作詞の劇中曲がたくさん用意されていますね。アヴちゃん:アニメーターの方々など、本当にたくさんのスタッフさん、出演者さんが作品に関わっているので。平家の魂じゃないけど、彼ら全員の気持ちを成仏させる音楽にしたいなと思っていました。作詞をするにあたり、頼りになったのは湯浅監督と脚本家・野木さんのメモ。ふたりがポエティックに言葉を点で置いてくれていたので、どうやってわたしの線として描くか…と考えていました。曲を作っているときは、一から新しいことを生み出している劇中の犬王・友魚と同じようなことをしているなと感じていました。Q:今回、アヴちゃんが歌唱ディレクションも担当したそうですね。歌唱シーンのポイントは?アヴちゃん:喧嘩!(笑)Q:喧嘩?!森山:歌は喧嘩だと、僕はそのように教わりました(笑)。Q:ますます作品が気になっちゃいますね。他にも映画『犬王』の面白いポイントがあれば教えてください。アヴちゃん:(森山さん演じた)友魚の歯並びが本当にがちゃがちゃなんです。口元の寄りとか執拗にアップするシーンがあって、すきっ歯系もあれば、そびえたつ系もあるし、観ていてもう逃げられなくなりますよ。森山:収録の順序を考えると、最初は詳細な映像がないので、どんな表情で友魚が話して歌って…ってわからないような状況だったんですけど。後半の本撮りになると、映像のディテールがどんどん明らかになって、友魚の表情がわかったとき「歯がガッタガタ」だって盛り上がったよね。アヴちゃん:本当に最高!アニメーションを描くときって整えられたもので作画を描く方が楽だと思うんですよ。「ブリーチ何回やったらこの色入るの?」って思うような髪の毛ピンクのキャラクターとか、「そのプロポーション、あばら骨抜かないとできないよね。」って突っ込みたくなるようなキャラクターとか、たくさんいるじゃないですか。その感覚で友魚を見ると、カウンターパンチを食らったようなインパクト。森山:60年代のロックバンドのボーカルをちょっと彷彿とさせる。昔のPVやライブの映像とあわせて「友魚の歯は、あの中の誰かだったかもしれない」なんて想像して観てみると、面白いかもしれません(笑)。湯浅政明×松本大洋×野木亜紀子の最強クリエイタートリオで製作へ監督は、2017年に『夜は短し歩けよ乙女』と『夜明け告げるルーのうた』を続けて製作し、2019年に『きみと、波にのれたら』を公開した湯浅政明。本作は、湯浅にとって初の“能楽”アニメーションとなる。また、『ピンポン THE ANIMATION』で湯浅とタッグを組んだ漫画家の松本大洋がキャラクター原案を手掛ける。脚本を担当するのは自身初のアニメーション映画への挑戦となる野木亜紀子。ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」「アンナチュラル」など数々のヒット作を世に送り出している彼女が、湯浅、松本とともに“歴史に消えたポップスター”犬王の物語を紡ぐ。音楽は「あまちゃん」『花束みたいな恋をした 』の大友良英音楽は「あまちゃん」「いだてん〜東京オリムピック噺〜」『花束みたいな恋をした 』の大友良英。湯浅政明監督と初タッグとなる。【詳細】映画『犬王』公開日:2022年5月28日(土)声の出演:アヴちゃん(女王蜂)、森山未來、柄本佑、津田健次郎、松重豊原作:「平家物語 犬王の巻」古川日出男著/河出文庫刊監督:湯浅政明脚本:野木亜紀子キャラクター原案:松本大洋アニメーション制作:サイエンスSARU配給:アニプレックス、アスミック・エース
2022年05月27日『夜明け告げるルーのうた』『映像研には手を出すな!』など数多くの作品を手がける湯浅政明監督の最新作『犬王』がいよいよ今月28日(土)から公開になる。本作は古川日出男の小説を基に、室町時代に生きたふたりの少年の生き様を描いた作品だが、物語の随所にこれまで湯浅監督が描いてきたモチーフやテーマ、映像表現が垣間見える“現段階での集大成”的な傑作になった。「これまでを総括している感じがある」と語る湯浅監督は本作で何を描き出すのか? 公開前に話を聞いた。本作の原作は古川日出男の小説『平家物語犬王の巻』で、異形の能楽師・犬王と、盲目の琵琶法師・友魚が出会い、友情を育みながら、それまでの芸能の常識をぶち破るパフォーマンスで人々を魅力していく様と、その顛末を描いている。「最初に原作を読んだ時は表層的な部分しか追えない方なんですけど、能と琵琶が中心になって、犬王をアニメーションで面白く描けるだろうな、という印象でした」と振り返る湯浅監督は「琵琶法師や能楽師が平家や過去の物語を語り、その琵琶法師や能楽師の物語をまた古川さんが小説で語られて、それをまたアニメーションとして語る。それは大変意義があると思えましたし、つくる意味を感じた」と語る。平家の没した後、何かの呪いによって盲目になってしまった琵琶法師の友魚と、見よう見まねで能を学んで自由に舞う犬王は、それぞれが自分の表現で物語や過去を語る。ふたりは当時の“伝統芸能”からは外れてしまうが自分だけの表現を求めて行動する。「野木さん(本作の脚本を手がけた野木亜紀子)が”いまはもう歴史に残っていないけど、この時代にこういう若者がいた、ということを見てもらえる映画にしましょう”と話して、それはいいなと思って、原作ではバラバラの短編集の様なエピソード達をひとつの流れにまとめていきました。歴史に名前が残らないというのは普通のことで、大抵の人は歴史に名前が残ることもない。それに世阿弥にしても自分の表現や文化を後世に残そうという意識もなかったと思うんです。彼らは自分の座が他に負けないように活動して、結果としてそれを残してゆく人が続いたため名前が残った。逆に言うと、それしか残っていない。犬王も友魚もさほど歴史に名を残さなかった存在なわけですけど、ふたりは人気を博し、お互い分かり合った存在であったわけです。ラストシーンから推察するに、おそらく彼らが生きる時代に、つまり同時代に想いを分かち合える人がいたというか、認め合える人がいたということ。それこそが最も大事なことではなかったか?と思ったので、それが鮮明になる様、歴史に残らなかった人たちが、エネルギッシュに力いっぱい、置かれた環境をものともせずにやりたいことをやり遂げている姿を描ければ良いなと思いました」周囲の流れや多数派からは外れてしまうかもしれないが、自分の進みたい道がある、自分の表現したい想いがあるキャラクターは、これまでの湯浅作品にたびたび登場してきた。彼らは時に“周囲に理解してほしい”という気持ちを抱えて迷い、時に逆境に立たされる。しかし、本作では犬王と友魚は出会い、想いを分かち合い、意気投合した“その後”が描かれる。「そうですね。これまでの一歩先に行こうと思いました。世の中に疎外感を感じている人も沢山いると思いますが、自分はいままでそういう人に会ってこなかったと思ってたんですけど、最近、トップメジャーなところで活動している人でも、実はそういう想いがあったりするんだなと色々知る機会もあって、“ああ、傍目にはそういう気持ちってわからないものなんだな”って思ったんですよ。皆を喜ばせられる能力があった上での事ですが、状況を把握する力も、強いハートもある。アレコレ言われても腐らず貫き通す力って凄いなと思って。犬王は特に極端で、どんな逆境であっても腐らずに明るくまっすぐに行動する。初期衝動に従順というか、単純な考えで一生を生き抜こうとしている。そこはすごく魅力的に感じましたし、自分もこういう人でありたい、と思える感じでした」室町時代を生きたふたりを “現代につながる物語”として描く『犬王』(c)2021“INU-OH” Film Partners何が起こっても我が道を行く犬王と友魚の姿は、現代を生きる観客に共感や熱狂をもたらすことになるだろう。本作は物語の舞台は過去だが、単なる時代劇ではない“現代につながる物語”として描かれている。「なぜ、室町時代を描くのかと考えた時に、何かしら現代とつながっているものにしたい。これは自分たちの物語で、それを過去に投影して描いている。だから映画を観終わった後に、自分たちも歴史に名前の残らない存在だけど、ふたりのように自由に生きているのか? ふたりのように相手のことも考えられているのか? という問いかけまでいければいいなと思っていました。初めて監督した頃はテーマとかお客さんに何を渡すか?なんてことは考えもしなかったんですけど、いろんなものを作っていく中で“なんでつくるのか?”とか“なんで原作がよくできているのに、わざわざアニメーションにするのか?”ってことを考えていく中で、何か理由がいると思うようになったんです。そうすると“なんで?なんで?”って問いが全ての場面でたくさん出てくる様になって。“なんで能と琵琶なんだろう?”とか、そういうことを考えるのが楽しみになってきたかもしれないですね」本作は、湯浅監督が初の長編映画『マインド・ゲーム』から様々な作品で描いてきた映像表現やモチーフ、テーマが折り重なり、さらに“その先”を描こうとしているのではないだろうか。自分の生き方を貫いた結果、周囲と摩擦を起こすキャラクター、そこで感じる苦しみや疎外感、そして自分の想いを分かち合える存在との出会いとその行方……本作はこれまで以上に多くの観客を魅了することになりそうだ。「ここ最近の作品の中では『犬王』はこれまでの流れがまとまったものになった気がしています。ちょっと戻っている部分や封印していたことをまたやっている部分もあって、これまでを総括している感じがありますね。これまでやってきたことを全部入れつつ、作品を面白くすることに力を注ごうと思ってつくった映画です」『犬王』5月28日(土) 全国ロードショー(c)2021“INU-OH” Film Partners
2022年05月26日映画『犬王』開幕直前!先行上映会舞台挨拶が5月6日、新宿バルト9にて行われ、主人公・犬王の声を務めたバンド「女王蜂」のヴォーカル・アヴちゃん、犬王の相棒となる琵琶法師・友魚(ともな)役の森山未來、そして湯浅政明監督が登壇した。映画『夜は短し歩けよ乙女』などの湯浅監督が、室町時代に実在した能楽師「犬王」をポップスターとして描いた本作。脚本には、ドラマ「アンナチュラル」「MIU404」などを手掛けた野木亜紀子、キャラクターデザインを漫画家の松本大洋が務める。第78回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門出品をはじめ、世界各国の国際映画祭にて注目を集めている本作。湯浅監督は犬王の魅力について「かなりの逆境にありながら、全く動じないようなまっすぐな気持ちで、自分のやりたいことを貫きつつも、友のためにはすんなりと諦めることができるところ」と述べると「理想的な人物。こういうキャラクターに出会えて良かったと思います」と笑顔を見せる。主演に大抜擢されたアヴちゃんは「最初は声優としてのキャリアがほとんどないなか、かなりビビっていたのですが、未來氏が相手をやってくれると聞いて大丈夫かなと思ったんです」と明かすと「エンドクレジットの最初に自分の名前が出てきたときは泣いちゃいました」としみじみ語っていた。アヴちゃんから絶大なる信頼を受けて臨んだ森山は「10年以上前からプライベートでも親交があって、いつか一緒にやれればいいなと思っていたんです」と森山自身もアヴちゃんとの共演を望んでいたことを明かすと「能は世界最古のミュージカルと言われていますが、この作品は一番大切な言葉や思いが、音楽と踊りのなかにぶつけられているんです。お話しも大事ですが、色彩や音楽、ムーブメントすべてが波動のように押し寄せてきます」と唯一無二の作品であることを強調する。ボイスキャストのほかにも、そうそうたるクリエイターたちが集結した本作。湯浅監督は音楽を担当した大友良英に「とても大変な苦労を掛けてしまったと思います」と苦笑いを浮かべると、キャラクターデザインを担当した松本には「松本さんの絵はリアルでありながら、ユーモアがある。感覚的に伝わりやすい絵を描いてくださいました」と感謝を述べていた。最後に湯浅監督は「室町時代に生きたエネルギッシュな若者の姿を観ていただけると嬉しいなと思います」と語ると「それを演じた現代に生きる表現者たちの力も楽しんで」とアヴちゃんと森山の魂の歌や表現も作品の見どころに挙げていた。取材・文・写真=磯部正和『犬王』5月28日(土)公開
2022年05月06日ミュージカル・アニメーション『犬王』が5月28日(土)に公開となる。この度、本作より『新予告 バディ編』の映像公開された。湯浅政明(監督)×野木亜紀子(脚本)×松本大洋(キャラクター原案)×大友良英(音楽)といった常に新作が期待されるクリエイターが集結し、室町の知られざるポップスター【犬王】から生まれた物語を、変幻自在のイマジネーションで描く“狂騒のミュージカル・アニメーション”である本作。『平家物語 犬王の巻』(古川日出男著 / 河出文庫刊)を原作に、カリスマ性と歌唱力、そして野心を抱く主人公・犬王を人気バンド「女王蜂」のボーカル担当・アヴちゃんが演じ、その相棒となる琵琶法師・友魚(ともな)を実力派俳優・森山未來が演じる。当時人気を博しながらも歴史に名が刻まれなかった実在の能楽師・犬王を大胆不敵な解釈、イマジネーションを駆使して描いた、痛快無比なサクセスストーリーにして、切ない諸行無常の物語。第78回ヴェネチア国際映画祭では“ロックオペラ”と評された本作は、ヒップホップやロックが入り混じり、歓喜する民衆の様子はまるで狂熱の野外フェスの様だ。新たに公開された映像では、異形として生まれたために瓢箪のお面をかぶりながらも人並外れた能楽師の才能を持つ犬王と、平家の呪いによって視力を失い、琵琶法師として生きる友魚の出会いから描かれる。友魚が奏でる琵琶の音を聞いた犬王は自由に舞い、踊り、一瞬にして魂を共鳴させる両者。それぞれに芸の道を歩みながら、型破りで都の人々を熱狂させてやまない彼らのパフォーマンスは、ついに時の将軍・足利義満の耳にも入り、ふたりは一世一代の大舞台に立つことになる。犬王が意味深に語る「最後の舞台になるかもしれない」という言葉の意味とは、そして、ふたりを待ち受ける運命とは。この『新予告 バディ編』は5月6日から、全国の『犬王』上映劇場で上映されるという。また『犬王』を一足早く体験できる先行上映会のチケットの一般販売が4月29日(金)朝10時よりスタート。さらに『犬王』を映画鑑賞料金1,100円で利用できる「auスマートパスプレミアム会員特典」も実施される。『犬王』5月28日(土)公開
2022年04月28日劇場アニメーション『犬王』が5月28日(土)に公開となる。この度、本作の公開を記念して、数多くの話題作を手掛けてきた湯浅政明監督とキャラクター原案の松本大洋にまつわる人気3作が5月19日(木)、新宿バルト9で特集上映されることが決定した。本作は湯浅政明(監督)×野木亜紀子(脚本)×松本大洋(キャラクター原案)×大友良英(音楽)による“狂騒のミュージカル・アニメーション”。室町の知られざるポップスター「犬王」から生まれた物語を、変幻自在のイマジネーションで描いていく。原作は『平家物語 犬王の巻』(古川日出男著 / 河出文庫刊)。カリスマ性と歌唱力、そして野心を抱く主人公・犬王を人気バンド「女王蜂」のボーカル担当・アヴちゃんが演じ、その相棒となる琵琶法師・友魚(ともな)を実力派俳優・森山未來が担当。世界最大のアニメーションの祭典「アヌシー国際アニメーション映画祭2022」でも上映が決定し、早くも世界中から注目を集めている。今回発表された企画は、国内最大級の映画やドラマ、アニメのレビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」による名作を映画館で観るプロジェクト「プレチケ」によるもの。『夜は短し歩けよ乙女』、『MIND GAME マインド・ゲーム』、『鉄コン筋クリート』の3作が上映予定だ。『夜は短し歩けよ乙女』、『MIND GAME マインド・ゲーム』は湯浅監督の登壇付き、『鉄コン筋クリート』は来場者特典付き。なお開催1週間前の5月12日(木)までに、50名以上の参加で本企画は開催確定となるという。さらに人気声優・悠木碧による琵琶歌が話題となった『平家物語』と、能楽をロックオペラとして新解釈した映画『犬王』両作の原作 / 全訳を手掛けた作家・古川日出男と、両作に琵琶監修・演奏として参加した正統派薩摩琵琶奏者・後藤幸浩による対談イベントも5月27日(金)、六本木文喫にて開催決定。無数の琵琶法師によって語られた『平家物語』を、現代に語り直すとはどういうことか。さらに原作・アニメ、それぞれの執筆・制作中のエピソードなども展開するトークイベントだけでなく後藤幸浩による琵琶の生演奏も。喜怒哀楽にあふれた語り・歌、楽器のさまざまな表情・技術が、独りの演者の中で絡み合う琵琶ならではの世界が楽しめるイベントとなるもようだ。また同会場では4月29日から6月5日まで『犬王』公開の記念展示も実施。映画の世界観を本によって表現する展示となっており、物語の力、語りの魔力、歌と音楽、銀幕を躍動する異形の身体表現、『犬王』の魅力に活字という入り口から没入する体験を楽しめる展示会となる。『犬王』5月28日(土)公開■企画情報「『犬王』公開記念!湯浅政明・松本大洋特集上映」5月19日(木)会場:新宿バルト9※5月12日までに各回50名以上の参加で開催が確定。※『犬王』の上映はなし。『鉄コン筋クリート』(来場特典付き)16:00~17:55上映・111分※来場者の方へもれなく特製ポストカードをプレゼント定員:251名(全席指定)チケット価格:1,600円(税込)※別途システム利用料160円がかかります購入ページ: 『夜は短し歩けよ乙女』(湯浅政明監督登壇付き)18:30~20:05上映・93分20:05~20:35上映後トーク(約30分)登壇:湯浅政明監督、MC:吉田尚記(ニッポン放送アナウンサー)定員:251名(全席指定)チケット価格:2,000円(税込)※別途システム利用料160円購入ページ: 『MIND GAMEマインド・ゲーム』(湯浅政明監督登壇付)21:05~21:35上映前トーク30分21:35~23:20上映・103分※青少年育成条例により『MIND GAMEマインド・ゲーム』の回は上映終了が23時を過ぎる為、18歳未満の方は保護者同伴でも入場不可。登壇:湯浅政明監督、MC:吉田尚記(ニッポン放送アナウンサー)定員:251名(全席指定)チケット価格:2,000円(税込)※別途システム利用料160円購入ページ: 「琵琶歌と『語り』の魔術」5月27日(金)時間:19:00~20:30(開場18:00)会場:六本木 文喫登壇:古川日出男、後藤幸浩入場料:【現地参加・ムビチケつき・早割】『犬王』ムビチケ付参加チケット+文喫入場料4,000円 (4月30日まで)(文喫 入場料1,650円+イベント参加料850円+ムビチケカード1,500円)【現地参加・ムビチケつき】『犬王』ムビチケ付参加チケット+文喫入場料4,500円(5月1日から)(文喫 入場料1,650円+イベント参加料1,350円+ムビチケカード1,500円)【現地参加】イベント参加チケット+文喫入場料3,000円【オンライン参加】イベント視聴チケット1,500円(アーカイブ配信あり)※ムビチケの引き渡しは5月27日のイベント当日。【購入ページ】 (チケット販売は5月27日17:45まで、枚数に限りあり)
2022年04月21日5月28日(土)に公開となる劇場アニメーション『犬王』が、世界最大のアニメーションの祭典であるアヌシー国際アニメーション映画祭2022のオフィシャルセレクションとして招待、上映されることが決定。また、湯浅政明監督が、MIFAキャンパスのゴッドファーザー(Mifa Campus Patron)に就任することも発表された。『犬王』は、湯浅政明(監督)×野木亜紀子(脚本)×松本大洋(キャラクター原案)×大友良英(音楽)といった常に新作が期待されるクリエイターが集結し、室町の知られざるポップスター【犬王】から生まれた物語を、変幻自在のイマジネーションで描く“狂騒のミュージカル・アニメーション”。『平家物語 犬王の巻』(古川日出男著 / 河出文庫刊)を原作に、カリスマ性と歌唱力、そして野心を抱く主人公・犬王を人気バンド「女王蜂」のボーカル担当・アヴちゃんが演じ、その相棒となる琵琶法師・友魚(ともな)を実力派俳優・森山未來が演じる。昨年9月のヴェネチア国際映画祭でのワールドプレミア、トロント国際映画祭での北米プレミアを皮切りに、これまで、国内外10カ所以上の映画祭に選出されてきた本作が、先日のアングレーム国際漫画祭での仏プレミア上映に続き、世界最大のアニメーションの祭典であるアヌシー国際アニメーション映画祭2022のオフィシャルセレクションとして招待、上映されることが決定。また、これまでに、本映画祭で最高賞となるクリスタル賞、TVシリーズ部門審査員賞を受賞している湯浅政明監督が、MIFAキャンパスのゴッドファーザー(Mifa Campus Patron)に就任することも発表された。アヌシー国際アニメーション映画祭では、毎年アニメーション界を代表する人物が若手アニメーターや学生に向けた特別なマスタークラスを開催、これまでに『シェイプ・オブ・ウォーター』『ナイトメア・アリー』のギレルモ・デル・トロ監督、『クリスマス・キャロル』の短編や『ロジャー・ラビット』でも知られるリチャード・ウィリアムズ監督、『ブレンダンとケルズの秘密』『生きのびるために』で2度米アカデミー賞長編アニメ映画賞にノミネートされたノラ・トゥーミーら世界の名だたる監督たちが任命されてきた大役を、日本人の映画監督として初めて担うこととなる。同映画祭のアーティスティック・ディレクターであるマルセル・ジャン氏は「アヌシーで最も受賞実績のある監督のひとりである湯浅監督とアヌシー国際アニメーション映画祭の絆は大変強いものです。アートの自由を謳歌する湯浅監督の待望の新作『犬王』を上映できることを光栄に思っています。動きの名手であり、ビジュアルストーリーテリングの革新者である湯浅政明氏の贅沢な世界に飛び込んでみてください」とコメント。また、湯浅監督は「アヌシー国際アニメーション映画祭は私にとっても大切な映画祭です。今年もアヌシーに参加できること、そして、皆さんと最新作『犬王』を一緒に観れることを楽しみにしています。また、MIFAキャンパスのゴッドファーザーとしてお招きいただき有難うございます。若いアニメーターの方に自分の話をするのはあまり得意ではないですが、もし聞きたいと思う方がいらっしゃれば、お話したいと思いますし、逆に皆さんのお話も聞きたいと思っています。そういった機会があることを大変嬉しく思っています」と語っている。今回のアヌシー国際アニメーション映画祭に加え、新たに、ウディネ・ファーイースト映画祭のベスト・オブ・ベスト部門、シアトル国際映画祭でのUSプレミア、シュトゥットガルト国際アニメーション映画祭コンペティション部門への選出も発表された『犬王』。作品の舞台となる京都にて4月21日(木)より開催される松本大洋によるキャラクター原案の展示は、初解禁資料もお披露目となる貴重な機会となる。来月の劇場公開に向けて国内外問わず様々な場所で同時多発的に放たれる“白熱と狂騒”に期待したい。《TVアニメ「平家物語」高野文子と映画『犬王』松本大洋キャラクター原案展示》【開催期間】4月21日(木)~6月27日(月)【会場】京都国際マンガミュージアム2階ギャラリー4(一部)(京都市中京区烏丸通御池上ル)【料金】大人900円、中高生400円、小学生200円共催:「平家物語」製作委員会,『犬王』製作委員会,京都国際マンガミュージアム映画『犬王』5月28日(土)より公開
2022年04月14日湯浅政明監督アニメーション映画『犬王』が、世界最大のアニメーションの祭典「アヌシー国際アニメーション映画祭2022」のオフィシャルセレクションとして招待、上映されることが決定した。湯浅政明監督×脚本:野木亜紀子×キャラクター原案:松本大洋×音楽:大友良英が集結した本作は、室町の知られざるポップスター【犬王】から生まれた物語を、変幻自在のイマジネーションで描く狂騒のミュージカル・アニメーション。昨年のヴェネチア国際映画祭でのワールドプレミア、トロント国際映画祭での北米プレミアを皮切りに、これまで、国内外10か所以上の映画祭に選出されてきた。また、過去に本映画祭で最高賞となるクリスタル賞、TVシリーズ部門審査員賞を受賞している湯浅監督が、MIFAキャンパスのゴッドファーザー(Mifa Campus Patron)に就任することも明らかに。同映画祭では毎年、アニメーション界を代表する人物が、若手アニメーターや学生に向けた特別なマスタークラスを開催しており、ギレルモ・デル・トロ、リチャード・ウィリアムズ、ノラ・トゥーミーら世界の名だたる監督たちが任命されてきた。今回この大役を、日本人映画監督では初めて担うこととなる。今回の決定を受けて湯浅監督は「今年もアヌシーに参加できること、そして、皆さんと最新作『犬王』を一緒に観れることを楽しみにしています」と期待を寄せ、「MIFAキャンパスのゴッドファーザーとしてお招きいただき有難うございます。若いアニメーターの方に自分の話をするのはあまり得意ではないですが、もし聞きたいと思う方がいらっしゃれば、お話したいと思いますし、逆に皆さんのお話も聞きたいと思っています。そういった機会があることを大変嬉しく思っています」とコメントしている。なお、映画の舞台となる京都では、4月21日(木)より「京都国際マンガミュージアム」にてキャラクター原案の展示も開催される。(cinemacafe.net)■関連作品:犬王 2022年5月28日より全国にて公開©“INU-OH” Film Partners
2022年04月13日5月28日(土)に公開される映画『犬王』がフランスで行われた第49回アングレーム国際漫画祭にて日本の作品として初めてプレミア上映とアート展を同時開催。さらにあわせて開催された湯浅政明監督登壇のトークイベントの様子をレポートする。本作は監督・湯浅政明×脚本・野木亜紀子×キャラクター原案・松本大洋×音楽・大友良英という豪華クリエイターが集結し、室町の知られざるポップスター「犬王」から生まれた物語を、変幻自在のイマジネーションで描く“狂騒のミュージカル・アニメーション”。「平家物語 犬王の巻」(古川日出男著/河出文庫刊)を原作に、カリスマ性と歌唱力、そして野心を抱く主人公・犬王を人気バンド・女王蜂のボーカル担当・アヴちゃんが演じ、その相棒となる琵琶法師・友魚(ともな)を実力派俳優・森山未來が演じる。1974年から開催され、フランス最古の漫画関連イベントとして“漫画界におけるカンヌ”とも評される第49回アングレーム国際漫画祭が3月17日から20日(現地時間)に開催された。3月18日(金 / 現地時間)にはCinéma CGRにて『犬王』プレミア上映が実施され、超満員の約400名の観客を前にフランスで初めて本作が上映されると、まるで作中で犬王や友魚を囲む民衆のように曲に合わせて手拍子や足でリズムをとっている観客も見られ、上映終了と共に大きな拍手が巻き起こった。続いて湯浅監督が登壇するQ&Aイベントが実施されると、本編を見終わったばかり観客からは続々と質問の挙手が。『犬王』は室町時代の設定でありながら音楽にロックやヒップホップなど現代の音楽を使ったことについて監督は「当時の人たちがびっくりしたであろう音楽を鳴らしたという設定で、もっと極端に変わった曲を設定することが必要でした。」と明かした。特に室町時代の資料があまりないために時代背景がわかりづらかったという苦労も語りつつ「何万人の人が何百年、何千年といたら、ヒップホップやロックのようなことも誰かがやったはずだと僕は思います。今自分たちが知っている歴史の中に、いろんなことがあったかもしれないという可能性をもっていろんなダンスを入れています。」と時代にとらわれない発想で現代の音楽を取り入れたことを明かした。特に影響を受けた音楽を問われると「人々が新しい音楽を聴いて熱狂するところはビートルズが出てきた時の印象を参考にしました。また、今回は音楽よりも先にムービーが必要だったので、自分の好きな曲をイメージしてムービーを作りました。ビートルズやクイーン、エルビス・プレスリー、ディープ・パープル、ジミ・ヘンドリックスなどイメージしたシーンもあり、そこに『犬王』の歌詞が歌われているイメージでムービーを作って、そのムービーに合わせて後から音楽をつけてもらっています。」と、まるでライブ会場に来ているような一体感のある映像と音楽の制作過程に観客たちも納得の表情だった。さらに観客から、監督自身が犬王と友魚のどちらに似ているか聞かれると、湯浅監督は「どちらかというと友魚ですが、犬王みたいになりたいと憧れています。」と笑顔を見せた。翌19日(土 / 現地時間)にManga Cityにて開催されたトークイベント『マンガが動き出す時』は、イベント開催前から会場がすぐに満席になり、立ち見で参加する観客も出てくるほどの人気に。約200人の観客を前に登壇した湯浅監督は、その熱気に押されつつ、『犬王』制作のきっかけを問われると、竹内プロデューサーから小説を渡されて提案があったことがきっかけと明かしつつ「原作の小説のお話自体も面白かったのですが、古川さんが「平家物語 犬王の巻」の前に「平家物語」の現代語訳を書かれていたんです。源氏に負けて消えていった平家の話を、琵琶法師たちが伝えて現代に残っているのが「平家物語」。その、平家の話を伝えた琵琶法師や能楽師の話も歴史上消えていってしまった。これを古川さんが小説にして、我々がさらにアニメにするのが面白いと思ったんです。」とその提案を快諾したことを明かした。さらに、フランスでも人気の高い「鉄コン筋クリート」、「Sunny」、「竹光侍」といった作品を手掛ける漫画家・松本大洋を起用したことについて「原作の表紙を描かれていたこともありますが、僕はいつも松本さんと仕事がしたいと思っていたんです。」とラブコール。その魅力を「『犬王』に必要な、リアルなテイストと存在感、人間の奥深い印象、伸びやかなフォルム、それでいてひょうきんな感じも混ぜて描いて頂ける松本さんのデザインが、作品にも、自分の感性にも合うと思いました。」と語ると、フランスの熱いアニメ・漫画ファンたちも興奮の表情を見せた。一方で、本作で描かれる犬王と友魚の関係は湯浅監督と松本のようだと問われると「大きな意味では松本さんは同じ方向を向いていると感じていますが、僕は松本さんのことが大好きなのですごく緊張するんです。松本さんも気遣ってくれていました。」と笑顔で語りつつ、「今後もっとガッツリと二人で作品を作れたらいいなと思います。」と今後にも期待を持たせる発言も。そのほかにもトークイベントでは、湯浅監督が幼少期に少女漫画から影響を受けたという話や、最近読んだ漫画に「銀河の死なない子供たちへ」やフランスに来る飛行機内で読んだ「タコピーの原罪」が興味深かったという話も飛び出し、会場に詰め掛けたファンたちを魅了しつつイベントは大きな拍手に包まれながら終了した。また、第49回アングレーム国際漫画祭の開催期間中に、L’Alpha Médiathèqueで実施されたアート展『湯浅政明&松本大洋犬王のアート』ではフランスでも熱烈な支持を受ける漫画家・松本大洋による『犬王』キャラクターデザイン原画を世界で初めて展示。プレミア上映とアート展が併催されるのは、日本の作品で『犬王』が初めてとなり、展示3日間には約5000人の来場客が押し寄せ、その緻密な制作素材に魅入っていた。アート展では、そのほかにも湯浅監督自身が手掛けた設定画も展示されており、実際にアート展を訪れた湯浅監督は「キャラクター原案や設定画に加えて、松本大洋さんが沢山描いてくださったイメージボードや、劇中でも参考にした薩摩琵琶の現物なども展示しており、フランスの皆さんにも『犬王』の世界を楽しんで頂けてとても嬉しいです。」と、フランス現地の人々に語る様子も見られた。『犬王』5月28日(土)より公開
2022年03月22日湯浅政明監督×脚本:野木亜紀子で贈る、「女王蜂」アヴちゃんと森山未來W主演ミュージカルアニメーション映画『犬王』の公開日が5月28日(土)に決定。併せて、狂騒&狂熱の本予告映像が公開された。ヴェネチア国際映画祭にて“ロックオペラ”と評された本作は、ヒップホップやロックが入り混じり、歓喜する民衆の様子はまるで狂熱の野外フェスのよう。映像では、犬王を演じるアヴちゃんの歌声で始まり、グルーヴする音楽、派手なパフォーマンスシーンが印象的。また、脇を固める柄本佑(足利義満役)、津田健次郎(犬王の父役)、松重豊(友魚の父役)の声も今回初披露となった。併せて公開された本ビジュアルは、橋の下に作られた特設ステージに、瓢箪のお面を高々と掲げる犬王と琵琶を携えた友魚が描かれた。ド派手なステージを見届けようと待ちわびる民衆の姿もあり、まさに音楽フェスの熱気を感じさせる。ほかにも、犬王&友魚の友情、激しいライブシーンなど印象的なシーンを切り取った場面写真も到着した。『犬王』は5月28日(土)より全国にて公開。映画『犬王』オリジナル・サウンドトラックは5月25日(水)リリース。(cinemacafe.net)■関連作品:犬王 2022年5月28日より全国にて公開©“INU-OH” Film Partners
2022年03月15日湯浅政明監督作『犬王』の新特報映像が公開された。本作は、室町の知られざるポップスター「犬王」から生まれた物語を、変幻自在のイマジネーションで描くミュージカル・アニメーション。湯浅政明(監督)×野木亜紀子(脚本)×松本大洋(キャラクター原案)×大友良英(音楽)といった常に新作が期待されるクリエイターが集結し、『平家物語 犬王の巻』(古川日出男著)を原作に、室町時代に人々を熱狂させた実在の能楽師・犬王と、そのバディである琵琶法師・友魚(ともな)の友情を描く。新たな特報映像ではこれまでの特報とは異なる新カットが登場。タイトルコールは映画監督でナレーターとしても活躍する塚本晋也が務めている。異形の能楽師・犬王と、盲目の琵琶法師・友魚。偶然にも運命の出会いを果たしたふたりが、時代や境遇をものともせずに無我夢中で自由自在に踊る姿を描いた本作だが、新カットでは琵琶の音色と力強い歌声で民衆に熱狂を巻き起こし、さながらロックフェスのような興奮を感じさせる。さらに、神秘的な面の奥に光る目は一体…?これまで以上に息つく間も与えぬ、湯浅監督のイマジネーションが爆発した映像となっている。この映像は、1月22日(土)より劇場でも上映される。早くも国内外から多くの注目を集めている本作について、いち早く本編を鑑賞した原作者・古川日出男からは「これは映画のモンスターである。スクリーンがこれほど怪物的にうごめき出すのを、私はおそらく初めて観た」と絶賛のコメント。また、脚本を担当した野木亜紀子も映像に圧倒されたことを明かしつつ「映画館で見ておけばよかったー!と後悔しないよう、彼らの失われた物語を、奪われた物語を、目撃する一人になってください」とコメントを寄せている。また、本作のムビチケカードが1月22日より全国で発売スタート。その特典として、松本大洋による描きおろしアートのクリアファイルが付属される。ムビチケカードのデザインには、琵琶の音色に乗って楽しげに踊る能楽師・犬王と、琵琶法師・友魚の姿が。特典は、まるで絵巻物のような流麗なタッチでふたりを取り巻く人々の物語を表現したビジュアルがデザインされた和紙の風合いのクリアファイルになっている。●古川日出男コメントこれは映画のモンスターである。スクリーンがこれほど怪物的にうごめき出すのを、私はおそらく初めて観た。しかも、それらの「うごめき」はポップで、悲劇的なはずなのに徹底して楽天的で、要するに痛快な「しいたげられた者たちの反撃」なのだ。映像だけではない。音楽も、それからキャラクターたちの声もぜんぶ蠢動している。私は、原作の小説を書いたはずなのだけれども、そうした事実はすっかり失念してしまって、スクリーンに映し出される「世界」に唖然とさせられている。にもかかわらず、身体は反応してしまっていて、揺らされている。私はシェイクさせられている。いったいこれはなんなのか、と私は素直に思った。そして、回答はこのコメントの最初に記した。これは映画のモンスターである。これはアニメーションのモンスターである。これは音楽アニメーションのモンスターである。●野木亜紀子コメント湯浅監督の鬼才たる所以を「どうだ!」と見せつけられ、ただただ驚愕するばかり。千尾のイルカが連なって、デッカい鯨が立ち昇る。ぽかんと見上げたこの私、遠い昔のあの場所で犬王の舞台を目撃した幸運な一人になってしまった。泣きたくなるようなアヴちゃんの艶やかな咆哮、腹に響く森山氏の確かな唄声、いつまでも何度でも聴きたくなる、麻薬のような音の波。帰り道は「♪デッカいく〜じら〜」と口ずさむこと請け合い。映画館で見ておけばよかったー!と後悔しないよう、彼らの失われた物語を、奪われた物語を、目撃する一人になってください。『犬王』2022年初夏公開
2022年01月13日リーガロイヤルホテル(大阪)から、イラストレーター・湯浅望とコラボレーションしたチョコレート「アート ショコラ ギャラリー(Art Chocolate Gallery)」が登場。テイクアウトショップ「グルメブティック メリッサ」ほかにて2022年1月4日(火)から3月31日(木)まで発売する。リーガロイヤルホテル(大阪)×イラストレーター・湯浅望湯浅望は、可愛らしく鮮やかな表現で人気を博すイラストレーター。リーガロイヤルホテル(大阪)と初のコラボレーションとなる今回は、1粒ごとにテーマが異なる9種類のチョコレートを詰め合わせた「アート ショコラ ギャラリー」を展開する。“家具”や“ステンドグラス”を描いたチョコレートチョコレートには、ホテル館内のメインラウンジや緞通など長く愛され続けているデザインをファッショナブルなイラストで表現。たとえば、カプチーノ風味のチョコレートには、“アンティーク”をテーマにレトロな家具をデザイン。“エレガンス”がテーマのフランボワーズフレーバーには、大聖堂「ザ・クリスタルチャペル」のステンドグラスを表現した。その他、シャンデリアを描いたアーモンド風味や、ベルボーイが主役のジャンドゥーヤ、ホテルの庭園で可愛がられていた“あらいぐま”がモチーフのキャラメルフレーバーなどが揃う。見た目も味わいも楽しいチョコレートのアソートボックスは、バレンタインやホワイトデーギフトにはもちろん、自分へのご褒美にもおすすめだ。【詳細】リーガロイヤルホテル(大阪)×湯浅望販売期間:2022年1月4日(火)~3月31日(木)販売店舗:リーガロイヤルホテル(大阪)「グルメブティック メリッサ」、リーガロイヤルホテル オンラインショップ住所:大阪府大阪市北区中之島5-3-68TEL:06-6448-2412(直通)営業時間:10:00~19:00商品:「アート ショコラ ギャラリー」 2,160円内容:Relaxation(バニラ風味)、Elegance(フランボワーズ風味)、Antique(カプチーノ風味)、Hospitality(ジャンドゥーヤ)、Classic(アーモンド風味)、Symbol(ピスタチオ風味)、Luxury(紅茶風味)、Cutie(キャラメル風味)、Specialty(シャンパン風味)※写真はすべてイメージ。※商品は予告なく販売を終了することがある。※販売期間・営業時間は状況により変更する場合がある。【問い合わせ先】株式会社ロイヤルホテル ホテル製品事業部TEL:06-6448-3907営業時間:10:00~16:00(土・日・祝日を除く)
2021年12月13日湯浅政明監督×脚本:野木亜紀子のタッグで贈る、室町の知られざるポップスター【犬王】から生まれた物語を、変幻自在のイマジネーションで描くミュージカル・アニメーション『犬王』。この度、本作のティザービジュアルが公開された。「平家物語 犬王の巻」を原作に、室町時代に人々を熱狂させた実在の能楽師・犬王と、そのバディである琵琶法師・友魚の友情を描く本作。今回完成したティザービジュアルは、偶然にも運命の出会いを果たした犬王と友魚が琵琶の音色に乗り、楽しげに踊る姿が描かれている。時代や境遇をものともせずに無我夢中で自由自在に踊る姿、そして「ここから始まるんだ。俺たちは」というキャッチコピーから、観る人の胸を熱くするような新たな物語の始まりを予感させる。そして、ヴェネチア国際映画祭、トロント国際映画祭、釜山国際映画祭などの海外映画祭、東京国際映画祭での上映に続き、第51回ロッテルダム国際映画祭での上映も決定。本作だけでなく、Filmmakers in focus部門にて「湯浅政明監督特集上映」として、「四畳半神話大系」『夜は短し歩けよ乙女』『きみと、波にのれたら』などの作品が一挙に上映される。またフランスでは、来年1月に開催されるヨーロッパ最大の漫画祭、第49回アングレーム国際漫画祭でのプレミア上映と、アート展が発表。これまでに同漫画祭公式部門選出や特集展等複数参加し、フランスでも絶大な人気を誇る松本大洋による『犬王』キャラクターデザインの原画が世界で初めて展示される。『犬王』は2022年初夏、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)■関連作品:犬王 2022年初夏、公開予定©“INU-OH” Film Partners
2021年12月08日湯浅政明監督のアニメ映画『犬王』が2022年初夏、全国公開となる。この度、異形の能楽師・犬王と、盲目の琵琶法師・友魚が、その琵琶の音色に乗って楽しげに踊るティザービジュアルが公開された。『犬王』は、室町の知られざるポップスター「犬王」から生まれた物語を、変幻自在のイマジネーションで描くミュージカル・アニメーション。『平家物語 犬王の巻』(古川日出男著)を原作に、室町時代に人々を熱狂させた実在の能楽師・犬王と、そのバディである琵琶法師・友魚の友情を描く。この作品には、湯浅政明(監督)×野木亜紀子(脚本)×松本大洋(キャラクター原案)×大友良英(音楽)といった実力派クリエイターが集結。声優にはロックバンド・女王蜂のアヴちゃんや森山未來を迎えた。ティザービジュアルでは偶然にも運命の出会いを果たしたふたりが、時代や境遇をものともせずに無我夢中で自由自在に踊る姿は、「ここから始まるんだ。俺たちは」というキャッチコピーと共に、これまで常に斬新な世界観を作り上げてきた湯浅監督による、観る人の胸を熱くするような新たな物語の始まりを予感させる。さらに「ヴェネチア国際映画祭」や「トロント国際映画祭」、「釜山国際映画祭」などの海外映画祭、「東京国際映画祭」での上映に続き、「第51回ロッテルダム国際映画祭」でも上映が決定。『犬王』だけでなくFilmmakers in focus部門にて「湯浅政明監督特集上映」として、今なお多くの支持を受けるTVアニメ『四畳半神話大系』や、映画『夜は短し歩けよ乙女』『きみと、波にのれたら』などの作品が一挙に上映となる。また、海外での熱狂は映画祭にとどまらず、2022年1月27~30日には、1974年よりフランス南西部アングレーム市で行われているヨーロッパ最大の漫画祭のひとつ「第49回アングレーム国際漫画祭」でのプレミア上映とアート展が行われる。マンガにおけるカンヌと言われる本漫画祭で、日本映画のプレミア上映とアート展が併催されるのは初となる。これまでに同漫画祭公式部門選出や特集展等複数参加し、フランスでも絶大な人気を誇る松本大洋だが、『犬王』キャラクターデザインの原画が展示されるのは世界で初のこと。日本のみならず海外からの注目もますます過熱する湯浅監督が、ついに世界に送りだす前代未聞のミュージカル・アニメーションに期待が高まる。『犬王』2022年初夏 全国公開
2021年12月08日株式会社ブランジスタメディアは、表紙・巻頭に中村ゆりさんを迎え、和歌山県湯浅町とのタイアップによるグルメ旅を特集した電子雑誌「月刊 旅色」2021年12月号を公開。同号には、森三中の大島美幸さんにプライベートの旅について聞いた連載や、“和食の神様”とまで称される名匠の揚げた天ぷらに迫る特集も掲載しています。■ 「月刊旅色」2021年12月号中村ゆりさんが楽しむ「食べて歩いて、歩いて食べて 湯浅のおいしい旅」 電子雑誌「月刊 旅色」12月号では、初登場の中村ゆりさんが和歌山県の湯浅町をナビゲート。醤油発祥の地としても知られる湯浅町のおいしいものを満喫する特集や、そんな湯浅町の名産品を通して同町のふるさと納税を紹介する特集も。中村ゆりさんは大阪出身で和歌山県に来たことはあるものの、湯浅町は「たぶん初めて」とのこと。訪問にあたっては、「温泉があったり、古い町並みが残っていたり。年齢を重ねるうちにそういった文化や歴史を知りたいという好奇心が高まってきたのですごく楽しみにしてきました」。湯浅町を巡るうち、リラックスしたようで思わず関西弁でインタビューに答える一幕も。ドラマや映画で見せる顔とは違う柔らかな表情は必見です。そのほか、旅好きにおすすめの旅スタイルを聞く「あの人の旅プラン」には、数々の番組で日本のみならず世界各国を飛び回る、森三中の大島美幸さんが登場。印象的だったのは、過酷な旅ロケの思い出……と思いきや家族とのほのぼの旅を振り返ります。また、名匠の揚げた天ぷらに迫る特集やお取り寄せグルメをテーマにした連載漫画「旅する食卓−ヨリコのお取り寄せ日記−」では、広島スイーツをピックアップ。ぜひ電子雑誌でグルメな旅をお楽しみください。■ 表紙・巻頭グラビア・インタビュー / 中村ゆりさん 凛としたクールな佇まいながら、笑うととってもチャーミング。そのギャップに思わず引き込まれる中村ゆりさんが初登場。旅は自分へのご褒美だという中村さんと、和歌山県湯浅町を訪れます。大阪出身ということで、インタビュー中は思わず関西弁がこぼれる場面も。中村ゆりさんの旅アイテム動画: 動画1: ■ 1泊2日のRefresh Trip / 湯浅町(和歌山県)食べて歩いて、歩いて食べて 湯浅のおいしい旅 醤油発祥の地としても有名で、豊かな海に囲まれた町・和歌山県湯浅町。観光名所や絶景スポットも楽しみつつ、海の幸などの名物グルメから新名所のワイナリーまで、湯浅町をまるごと味わう“おいしい旅”を満喫しました。中村ゆりさんの旅ムービー: 動画2: ■ あの人の旅プラン / 森三中 大島美幸(前編) 旅に詳しい著名人におすすめの旅を聞く連載。第3回は数々のバラエティー番組で旅をしてきた、お笑い芸人 森三中・大島美幸さん。行きたいところを詰め込んだ旅スタイルや、伊勢・賢島や和歌山での思い出を語ってくれます。■「あれ食べに行こう」からはじまる旅 タベサキ / “現代の名工”が揚げる 江戸前の天ぷら ■ 写真家・浅田政志の宿旅 / Vol.31 苫屋(岩手県) ■ プレゼントキャンペーン / たまご共和国より「公式たまご・準公式たまごセット(32個入り)」を5名様に 次号、2022年1月号(12月27公開)の表紙は、川栄李奈さんです。<株式会社ブランジスタメディア 会社概要>URL : 本社所在地:〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町20-4ネクシィーズスクエアビル代表者 :代表取締役社長 井上秀嗣事業内容 :電子雑誌出版・電子広告株式会社ブランジスタメディアは、株式会社ブランジスタ(東証上場6176)のグループ企業です。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年11月25日株式会社ブランジスタメディアは、表紙・巻頭に中村ゆりさんを迎え、和歌山県湯浅町とのタイアップによるグルメ旅を特集した電子雑誌「月刊 旅色」2021年12月号を公開。同号には、森三中の大島美幸さんにプライベートの旅について聞いた連載や、“和食の神様”とまで称される名匠の揚げた天ぷらに迫る特集も掲載しています。「月刊旅色」2021年12月号中村ゆりさんが楽しむ 「食べて歩いて、歩いて食べて湯浅のおいしい旅」 電子雑誌「月刊 旅色」12月号では、初登場の中村ゆりさんが和歌山県の湯浅町をナビゲート。醤油発祥の地としても知られる湯浅町のおいしいものを満喫する特集や、そんな湯浅町の名産品を通して同町のふるさと納税を紹介する特集も。中村ゆりさんは大阪出身で和歌山県に来たことはあるものの、湯浅町は「たぶん初めて」とのこと。訪問にあたっては、「温泉があったり、古い町並みが残っていたり。年齢を重ねるうちにそういった文化や歴史を知りたいという好奇心が高まってきたのですごく楽しみにしてきました」。湯浅町を巡るうち、リラックスしたようで思わず関西弁でインタビューに答える一幕も。ドラマや映画で見せる顔とは違う柔らかな表情は必見です。そのほか、旅好きにおすすめの旅スタイルを聞く「あの人の旅プラン」には、数々の番組で日本のみならず世界各国を飛び回る、森三中の大島美幸さんが登場。印象的だったのは、過酷な旅ロケの思い出……と思いきや家族とのほのぼの旅を振り返ります。また、名匠の揚げた天ぷらに迫る特集やお取り寄せグルメをテーマにした連載漫画「旅する食卓−ヨリコのお取り寄せ日記−」では、広島スイーツをピックアップ。ぜひ電子雑誌でグルメな旅をお楽しみください。「月刊旅色」12月号表紙:中村ゆりさん■ 表紙・巻頭グラビア・インタビュー / 中村ゆりさん 「月刊旅色」12月号巻頭:中村ゆりさん凛としたクールな佇まいながら、笑うととってもチャーミング。そのギャップに思わず引き込まれる中村ゆりさんが初登場。旅は自分へのご褒美だという中村さんと、和歌山県湯浅町を訪れます。大阪出身ということで、インタビュー中は思わず関西弁がこぼれる場面も。中村ゆりさんの旅アイテム動画: ■ 1泊2日のRefresh Trip / 湯浅町(和歌山県)食べて歩いて、歩いて食べて湯浅のおいしい旅 醤油発祥の地としても有名で、豊かな海に囲まれた町・和歌山県湯浅町。観光名所や絶景スポットも楽しみつつ、海の幸などの名物グルメから新名所のワイナリーまで、湯浅町をまるごと味わう“おいしい旅”を満喫しました。「月刊旅色」12月号湯浅のおいしい旅:中村ゆりさん「月刊旅色」12月号湯浅のおいしい旅:中村ゆりさん中村ゆりさんの旅ムービー: ■ あの人の旅プラン / 森三中大島美幸(前編) 旅に詳しい著名人におすすめの旅を聞く連載。第3回は数々のバラエティー番組で旅をしてきた、お笑い芸人 森三中・大島美幸さん。行きたいところを詰め込んだ旅スタイルや、伊勢・賢島や和歌山での思い出を語ってくれます。「月刊旅色」12月号インタビュー:森三中大島美幸さん■「あれ食べに行こう」からはじまる旅タベサキ / “現代の名工”が揚げる 江戸前の天ぷら ■ 写真家・浅田政志の宿旅 / Vol.31苫屋(岩手県) ■ プレゼントキャンペーン / たまご共和国より「公式たまご・準公式たまごセット(32個入り)」を5名様に 次号、2022年1月号(12月27公開)の表紙は、川栄李奈さんです。<株式会社ブランジスタメディア会社概要>URL: 本社所在地:〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町20-4ネクシィーズスクエアビル代表者:代表取締役社長井上秀嗣事業内容:電子雑誌出版・電子広告株式会社ブランジスタメディアは、株式会社ブランジスタ(東証上場6176)のグループ企業です。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2021年11月25日室町時代を舞台に変幻自在のイマジネーションで描くミュージカル・アニメーション『犬王』が、11月3日(水・祝)、第34回東京国際映画祭ジャパニーズ・アニメーション部門にてジャパンプレミアを開催。湯浅政明監督が上映後のトークイベントに登壇した。今回のイベントのチケットは、発売されるやいなや即完売に。当日は上映時間よりかなり早い時間からファンが映画館に待機するなど注目が高まっているなか、「主人公の背負うもの」というテーマを掲げた本映画祭で上映された。上映後には大きな拍手が巻き起こり、熱狂の中で湯浅監督が登壇。ティーチインで「今の時代に犬王のような明るいキャラクターを見せることで、勇気をもらえるのではないかと思った」と作品に込めた思いを語った。また、ステージには、キャラクター原案を担当した松本大洋による描きおろしアートも解禁。ストーリー全体を物語るような鮮やかな世界観に、湯浅監督も「可愛くてカッコいい!」と喜色満面。「オーダーとしては、松本さんが描きたいものを、得意なヤツで!とお願いしました。松本さんからは『これでどう?』と来たので、それでお願いします!という感じでした」と経緯を語った。特報解禁時から多くの注目を集めている登場人物たちのキャラクター原案については、「僕は松本さんの絵が大好きなので、自由にやってほしいと思った。その中で主人公の犬王と友魚に関しては、若く見せたかったし、姿形の変わる犬王のキャラクター性を映画でどう見せようか、など話し合いを重ねました」とこだわりを明かす。古川日出男による小説「平家物語 犬王の巻」が原作となる本作。湯浅監督は「逆境の中で育った犬王と友魚が這い上がろうとしている姿が魅力的だった。室町時代という出自を超えて這い上がっていくことが難しい時代の中で、困難をものともしない犬王の明るさに魅力を感じた。今の時代に犬王のような明るいキャラクターを見せることで、勇気をもらえるのではないかと思った」と力強い生き様に魅了されたという。ヴェネチア国際映画祭のワールドプレミアで上映された際には、2人の主人公が生み出す音楽を“ロックオペラ”と評されたことについて、「音楽の根源は、歌って踊って神様に捧げるような興奮がある。だからみんなにもっと踊ってもらいたいという気持ちがある」と自身の作品にこれまでも音楽的リズムを刻んできた理由を解説し、「『犬王』でもみんなもっと素直に頭を動かしたり、リズムに乗ったりしてほしい(笑)」という発言も飛び出し、会場を大いに笑わせた。犬王の声を務めたのは、バンド「女王蜂」のアヴちゃん。湯浅監督は「演じてもらいながら、徐々にキャラクターを理解してもらっていった感じです。歌唱指導では先頭に立ってやってくれて、作詞にも参加してくれて、まるでアヴちゃんが犬王になっていくような形で作っていきました」と明かした。そして、友魚の声を務めた森山未來については「実際に琵琶を習って理解を深めて、琵琶を弾けるようにもなってくれた。自分としても冒険した部分だけど、急にロックな展開になるところに驚いていた」とアフレコの様子をふり返った。今回の東京国際映画祭でのジャパンプレミアに参加した観客に向けて「観てくれた一人一人に感想を聞きたいくらい。公開まであと半年くらいあるので、それまでSNSなどで感想を呟いてもらって、盛り上げていただきたい!」と期待を込めていた。観客からも最後に大きな拍手が巻き起こり、イベントは大盛況のうちに幕を閉じた。『犬王』は2022年初夏、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:犬王 2022年初夏、公開予定©“INU-OH” Film Partners
2021年11月04日湯浅政明監督のアニメ映画『犬王』が2022年初夏、全国公開となる。この度、本作が「第34回東京国際映画祭」へ出品され、ジャパンプレミアが11月3日(水・祝)に行われることが決定した。また湯浅監督が登壇するティーチインイベントも発表されている。『犬王』は、室町の知られざるポップスター「犬王」から生まれた物語を、変幻自在のイマジネーションで描くミュージカル・アニメーション。『平家物語 犬王の巻』(古川日出男著)を原作に、室町時代に人々を熱狂させた実在の能楽師・犬王と、そのバディである琵琶法師・友魚の友情を描く。この作品には、湯浅政明(監督)×野木亜紀子(脚本)×松本大洋(キャラクター原案)×大友良英(音楽)といった実力派クリエイターが集結。声優にはロックバンド・女王蜂のアヴちゃんや森山未來を迎えた。ワールドプレミアは「ヴェネチア国際映画祭」で行われ、さらに「トロント国際映画祭」、「釜山国際映画祭」、「富川(プチョン)国際アニメーション映画祭」など海外映画祭でも上映。新たに「第37回ワルシャワ映画祭」スペシャル・スクリーニング部門、「第16回ブカレスト国際アニメーション映画祭」長編コンペティション部門への正式出品も決定している。『犬王』2022年初夏 全国公開東京国際映画祭『犬王』ジャパンプレミア+湯浅政明監督ティーチイン11月3日(水・祝)18:00開始会場:TOHOシネマズ シャンテ SCREEN1チケット販売開始日:10月23日(土)※東京国際映画祭公式サイト( )での上映スケジュールの発表は10月上旬を予定。
2021年09月29日湯浅政明監督、キャラクター原案・松本大洋、脚本・野木亜紀子による劇場アニメーション『犬王』に柄本佑・津田健次郎・松重豊らの追加キャスト発表、また第78回ヴェネチア国際映画祭に正式出品され世界初上映が行われ、会場が喝采に包まれた。本作の第2弾キャストは、室町幕府第3代将軍で犬王を高く評価し、後援したと言われる足利義満役に柄本佑、猿楽の一座の棟梁である犬王の父に津田健次郎、壇ノ浦の漁村に暮らす友魚の父に松重豊が決定。二度目の声優出演となる柄本さんは「高校時代松本大洋先生の漫画には大変にハマっていました。まさか先生の画に自分の声を吹き込む日が来ようとは。光栄でした」と本作参加の喜びを表し、「ピンポンTHE ANIMATION」「DEVILMAN crybaby」に続いて湯浅政明監督作品への参加となる津田さんは「アフレコの際に見た映像は、能楽がポップにエンターテイメントしてました。とても興味深い作品になっています」とアフレコをふり返っている。また、作品のカギとなる「古い面」の声を、現役能楽師として活躍する片山九郎右衛門・谷本健吾・坂口貴信・川口晃平が担当。足利家の従者や公家たちなど脇を固めるキャラクターとして石田剛太・中川晴樹・本多力・酒井善史・土佐和成ら「ヨーロッパ企画」のメンバーが出演する。湯浅政明監督がヴェネチア登壇!Q&Aレポートが到着本作は、現地時間9月9日14時頃(日本時間 同日21時)、第78回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門に正式出品され、世界初上映を迎えた。今年のヴェネチア国際映画祭唯一の長編日本映画で、上映後には鳴りやまない拍手喝采に包まれ、上映後のQ&Aには湯浅政明監督が登壇。コロナ禍で定員が半分となったが、会場はソールドアウトとなった。本作は古川日出男による「平家物語 犬王の巻」(河出書房新社刊)を原作に、ロックミュージックなどを取り入れながら現代的にアレンジしたもので、脚本を野木氏が、キャラクター原案を松本氏が担当している。室町時代に実在した異形の能楽師・犬王と、平家の呪いによって盲目になった琵琶法師・友魚との友情、さらに2人が織りなす音楽とダンスの華々しいショーを通して、歴史のなかで忘れられたアーティストの姿を描く。会場では、エンドクレジットが流れ始めるなり拍手が巻き起こり、客電がつくと監督は立ち上がって拍手に応えた。その後も鳴り止まない拍手が送られ、音楽に合わせるように静かに体を揺らしながら湯浅監督は歓声に答えた。上映後のQ&Aに応じた湯浅監督は、「今日はこの映画を観に来てくださってありがとうございます。この2人のような若者がかつていたことを知ってもらうために作品を作りました」と挨拶。続けて、「当時は生まれたときに生まれた場所で、その人の運命が決まってしまう時代でした。そのなかで上に行くには武士として身を立てるか、芸術家になるかしかありませんでした。犬王のとても明るい性格で、まったく諦めずに自分の夢を実現しようとしているところに感銘を受けました。犬王も友魚も自分のやりたいことを実現させようとした。そんな姿を見ると、自分も周りに左右されず自分の生きたいように生きたいと、勇気づけられます」と語ると、会場に再び拍手が巻き起こった。また、犬王のルックを松本氏の原案をもとに構築したことや、ユニークなロックオペラについて音楽を手掛けた大友良英との制作プロセスについて、「現代的なロックをイメージしたのですが、それを琵琶の音を使ってやるというところで大友さんはとても苦労されたと思います。先に絵がほしいと言われ、ストーリーボードとムービーを用意して送りました。そして音楽が出来上がり、歌入れの時にはアヴちゃんに歌詞をまとめてもらい、森山未來さんへ歌唱提案もあり、大友さんのコーラスが追加され、現在のような形の歌になりました」と明かす。「昔の音楽から始まり、犬王が踊っているうちにそれが徐々に変わり、ダンスも『雨に唄えば』のようなものがあったり、いろいろなものが混ざっていきます。それに伴ってキャストの2人も70年代や80年代のロックミュージシャンのイメージを入れて歌ってくれてると思います」と語った。さらに犬王と友魚の友情について触れ、「誰かの理解者になってあげたい、誰か理解者がいた方がいい、そういう気持ちが込められています」と言った後、観客に向けて「どうか犬王と友魚の名前を覚えて帰ってください」と声をかけると、再び満場の拍手が起こっていた。『犬王』は2022年初夏、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:犬王 2022年初夏、公開予定©“INU-OH” Film Partners
2021年09月10日