今年30歳を迎える松田龍平が石井裕也監督との初タッグで主演を務めた『舟を編む』が先週公開になった。本屋大賞を受賞した三浦しをんの人気同名小説を原作に、15年もの歳月を費やして辞書を編纂する人々のドラマを描き出す本作。『まほろ駅前多田便利軒』に続く三浦作品出演となった松田と初めて小説の映画化に挑戦した石井監督。ふたりに話を聞いた。その他の写真本作のオファーについて「すでに松田さんの主演は決まっていたので『ふたりでやってみろ』というお題を与えられたものだと解釈しました」と語る石井監督。その言葉通り、時に激論を交わしながら二人三脚で主人公の馬締(マジメ)を作り上げていった。これまで演じてきたどの役ともタイプが違う馬締という男について松田は「熱い思いを持っているけど伝え方が分からない。エンジンはかかっているのにアクセルの踏み方が分からなくて、下宿先のタケばあさんに背中を押してもらったら、今度は急発進したりする(笑)」と分析する。松田にとって同い年の監督との現場は初めて。「石井監督は本当は他の俳優さんに言いたいのに言えなくて、僕にダメ出しをしてくることもありました。『馬締のせいでやりづらかったですか?』とか言ったりして(笑)」と冗談交じりに語るが、ふたりで試行錯誤を重ねながらキャラクターを作り上げていく作業を楽しんだよう。石井監督は「誤解ですよ」と苦笑しつつも「もちろん、お友達ではないので仲が良いと言っても踏み入っちゃいけない距離感もある。でも一緒に戦うという気持ちと方向性は共有できてたし、それで十分だった」と手応えをうかがわせる。馬締たちが1冊の辞書作りに費やした時間は15年。松田がデビューしてからこれまでの時間よりもさらに長いことになる。松田は馬締らの生き方に「『これだ』と言い切る強さ、かっこよさを感じるけれど、自分にそれができるかと言われたら難しい。僕自身は“好きな言葉”や“映画ベスト3”でさえも選べないので(笑)」と憧憬をにじませる。だからこそ「辞書作りは人間が人間である希望だと思う」とも。「人と繋がりたい気持ちや他人を知りたいという気持ちからこれだけ多くの言葉が生まれたと思うと、人間は希望にあふれているなと感じる。YESかNO、好きか嫌いで済むはずなのに、そうではなくて『限りなく好きだけど少し嫌い』みたいな思いを伝えるためにまた新しい言葉が生まれる。そういうことを考えた現場でした」。デビューからこれまでの時間を「ここまでの十数年があったのでいま、ここにいるというのを改めて感じますね。これまで出会った人との繋がりというのを意識するようになりましたし、ひとりでは戦うことはできない。一緒に戦ってくれる人たちがいることの喜びを感じます」と振り返り、いまを見つめる。「小さい頃は30歳には悟りを開いていると思っていましたが、大して変わっていない(笑)。このまま行くのかな? と感じつつ、このまま行ってなるものかという思いで生きていきたい」と静かにうなずいた。『舟を編む』公開中
2013年04月16日三浦しをん氏のベストセラーを映画化した『舟を編む』が13日、全国で封切られ、東京・有楽町の丸の内ピカデリーで主演の松田龍平をはじめ、共演する宮崎あおい、オダギリジョー、黒木華、伊佐山ひろ子、小林薫、メガホンを執った石井裕也監督が初日舞台あいさつを行った。その他の写真映画は松田演じる言葉への熱い思いを秘める主人公・馬締(まじめ)をはじめ、個性的な面々が15年もの歳月を費やして、新たな辞書「大渡海」の完成を目指す姿を描き出す。あいさつに立った松田は「初日に足を運んでいただき、感謝の“言葉”しかないです。すごくうれしいです」と感激した様子。「観れば観るほど、味が出る映画」だと本作をアピールした。言葉がテーマの本作にちなみ、松田は「楽しむ」を好きな言葉に挙げ、「僕は結構、緊張しがちな性格なので、何でも楽しくやりたいなと。今日は映画を観てくれた方との舞台あいさつなので、楽しいです」。一方、馬締が一目ぼれする板前・香具矢を演じた宮崎は「“おもてなし”という言葉が好きですね。やり過ぎるのもいけないし、バランスが難しいので、その分楽しいです」と板前という役柄にぴったりの言葉をチョイスしていた。また、オダギリは「今日はジャッキー・チェンさんの映画( 『ライジング・ドラゴン』)も公開されるというのに、こちらを選んでいただき、ありがとうございます」と冗談まじりにあいさつし、松田と宮崎も思わず苦笑。個性豊かなキャストがそろった現場を、石井監督は「皆さん個性的な役者さんで、言い方を変えれば“変わっている”。でも変わっているからこそ魅力的だし、瞬間的に皆さんの演技が同じ方向に向かう瞬間が、そばにいる監督として楽しかった」と振り返っていた。『舟を編む』公開中
2013年04月15日俳優のオダギリジョーが4月13日(土)、東京・有楽町の丸の内ピカデリーで開催された出演作『舟を編む』の初日舞台挨拶に登壇した。「今日はジャッキー・チェンさんの映画( 『ライジング・ドラゴン』)も公開されるというのに、こちらを選んでいただき、ありがとうございます」と挨拶。ともに登壇した主演の松田龍平、共演する宮崎あおいらが苦笑いする中、「もう60歳だというのに、あんなアクションをするジャッキーさんの姿を見て、自分もそうありたいと…」とすっかり感服した様子だった。原作は、2012年度「本屋大賞」に輝いた三浦しをんの同名小説。主人公・馬締光也(まじめみつや)を中心に、個性派揃いの玄武書房・辞書編集部の面々が、見出し語24万語の新しい辞書「大渡海」の完成に向け、15年という長い年月を費やす姿を描く。松田さんは「観れば観るほど、味が出る映画。初日の初回に足を運んでいただき、感謝の言葉しかないです」と“言葉”を意識した挨拶で、思いを噛みしめていた。舞台挨拶には黒木華、伊佐山ひろ子、小林薫、石井裕也監督も同席し、登壇者全員で「好きな言葉」を発表することに。主人公が恋に落ちる、ヒロインの板前・香具矢を演じる宮崎さんは「私が好きなのは、“おもてなし”ですね。バランスが難しいからこそ、楽しいことなので」と役柄にぴったりの言葉をチョイス。「僕は…、“押忍”ですかね」(オダギリさん)、「楽しむ」(黒木さん)、「さようなら」(伊佐山さん)、「“楽”…かな」(小林さん)、「“気合”です」(石井監督)と明かす中、最後にバトンがまわった松田さんは「ちょっとカブりますけど、僕も“楽しむ”ですね。普段は緊張しがちですが、今日は楽しいです」と笑顔を見せていた。『舟を編む』は丸の内ピカデリーほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:舟を編む 2013年4月13日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開(C) 2013「舟を編む」製作委員会
2013年04月13日ファーマーズは、同社の機能性素材である「オボプロン(抗ピロリ菌鶏卵抗体)」配合の「ドクターPiro ヨーグルト」を、大手スーパーマーケット「成城石井」で販売開始したことを発表した「ドクターPiro ヨーグルト」は同社の鶏卵抗体技術を利用し、胃かいようの原因となるピロリ菌を除去する「オボプロン(抗ピロリ菌鶏卵抗体)」を配合した高機能性ヨーグルト(特許第3430853号)。同商品はグリコ乳業の通販サイトで販売していたが、このほどスーパーマーケット「成城石井」の各店舗でも販売を開始した。同社では今回の販売開始をきっかけに、グリコ乳業との連携を強化。売り上げ拡大をさらに目指していくという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月18日弱冠24歳の新鋭、森岡龍監督の『ニュータウンの青春』が11月3日(土)より渋谷ユーロスペースでレイトショー公開される。浦安を舞台に、悪友3人組のほろ苦い青春を描いた本作は昨年の<第33回ぴあフィルムフェスティバル>のPFFアワード2011でエンタテインメント賞を受賞。その後、釜山国際映画祭にも正式出品された。手掛けた森岡監督は映画作家としてはもとより俳優としても才能を発揮する日本映画界注目の逸材だ。これまでに森岡監督は自主制作した『つつましき生活』『硬い恋人』がPFFに入選。早くからその才能に注目が注がれていた。今回の『ニュータウンの青春』は多摩美術大学の卒業制作作品で、冴えない男子3人組が社会へと旅立つ、言うなれば大人への通過儀礼が描かれる。時に空回りする3人の青春に失笑しながらも、二度と帰れない日々が自分の若き頃にも重なり胸がじんとする場面も。笑いあり涙ありのエンターテインメント性に富んだ本作は、“暗い”“ひとりよがり”という自主映画について回るイメージを大きく覆す。新世代の青春映画の誕生を感じさせるといってもいい。森岡監督自身は「自主ではあるけれども、劇場公開を当初から視野に入れて作った作品。ほかの一般公開作品と並んだとき、どういう反応があるのか? 気になるところです」と語っている。また、彼は石井克人監督の『茶の味』で俳優デビューを飾り、その後も『色即ぜねれいしょん』『見えないほどの遠くの空に』など、数々の作品に出演。今後の待機作にも石井裕也監督の『舟を編む』があり、役者としても大きな注目を集めている。これについては「俳優をやることで監督としての自分の財産になることがいっぱいあるし、またその逆もある」とのこと。「いまはいろいろな経験を積むという意味でも、監督も俳優も続けていきたい」。「最後、主人公の3人がそれぞれの道を歩んでいくように、この作品は僕にとってもひとつの大きな区切り。大学を卒業して、ここから新たなキャリアがスタートした気がしている。これからが勝負だと思っています」と本作を位置づける森岡監督。次のステップへと踏み出した彼には、今後の飛躍が大いに期待される。まずは本作で、その若き才能を感じてほしい。『ニュータウンの青春』11月3日(土)より渋谷ユーロスペースにてレイトショー公開取材・文・写真:水上賢治
2012年11月02日現在開催中の第34回PFFぴあフィルムフェスティバル。若手映画作家の登竜門として知られる同映画祭で27日、石井裕也監督の『川の底からこんにちは』、来月13日から公開される木村承子監督の『恋に至る病』に続くPFFスカラシップ作品の最新作『HOMESICK』が初お披露目された。その他の写真上映前の舞台あいさつには、廣原暁監督、主演の郭智博をはじめ、奥田恵梨華、船曳健太、阿部翔平、子役の金田悠希、舩崎飛翼、本間翔と主要キャストが揃って登壇。廣原監督は「酷暑での撮影の中、みなさん頑張ってくれ、役をきちんと受けとめて演じ切ってくれた」とキャスト全員に花束を渡しながら各人に感謝の言葉を伝えた。PFFスカラシップは、PFFアワード入賞者による企画コンペから選ばれた1本を、PFFが企画から劇場公開までトータルプロデュースする映画製作プロジェクト。本年は、このチャンスを廣原監督が手にし、『HOMESICK』を作り上げた。同作は、30歳で突然失業してしまった郭演じる健二が主人公。一家離散状態の上、かつて家族が集った家を明け渡すことになってしまい、行き場を失った彼が、近所の悪ガキ3人組との出会いなどを経て、この社会と世界の中で自らの立つ場所を見つけていく。現代社会の問題を背景にしながらも、その厳しい現実の先にきっとある未来と希望に思いを馳せた物語は、新世代のホームドラマを感じさせる。舞台あいさつで廣原監督は作品について「バックアップしてくれた気心知れたスタッフ、そしてキャストのみなさんに感謝したい。おそらく自分にとっての大きな転換点となる作品だと思う」と力強く語った。また、この日は廣原監督のPFFアワード2010審査員特別賞受賞作で、バンクーバー国際映画祭ドラゴン&タイガー・ヤングシネマ・アワードのグランプリにも輝いた『世界グッドモーニング!!』を、『HOMESICK』の完成を祝して上映。しかも同作品の音楽を手掛けたARTLESSNOTEがいつもの3ピースではなく6人のスペシャル・バンド編成で映画のエンドロールとシンクロするようにして登場。東京国立近代美術館フィルムセンター史上初となるミニライブを敢行し、魂の入ったパフォーマンスで廣原監督にエールをおくった。なお、第34回ぴあフィルムフェスティバルは本日最終日。16時30分から、世界最大級の自主映画コンペティション“PFFアワード2012”の表彰式が行われ、グランプリをはじめ各賞が発表される。この表彰式の模様はUSTREAMでの生中継が決定。今年はどんな新星が現れるのか注目だ。
2012年09月28日2012年度「本屋大賞」第1位を獲得し、発行部数50万部を突破している三浦しをんのベストセラー小説を映画化した『舟を編む』。先日、オダギリジョーが“チャラ男”役として出演することが明らかとなった本作に、いま注目を集めている新進女優・黒木華が出演することが決定した。『川の底からこんにちは』、『ハラがコレなんで』など国内外から一目置かれる石井裕也監督、主演に松田龍平と宮﨑あおいを迎えて映画化される本作。23万にもおよぶ言葉の海に奮闘する変人編集部員・馬締光也(まじめみつや)とその同僚たち、そして馬締が下宿先の孫娘・林香具矢(はやしかぐや)に初めて感じたある想いを何とか“言葉”にして伝えようとする、もどかしくも微笑ましいやりとりを描き出す。野田秀樹率いるNODA MAPの番外公演「表に出ろいっ!」で、中村勘三郎と野田秀樹との3人芝居で見事ヒロイン役に抜擢され、芸能界へと足を踏み入れた黒木さん。その後、『東京オアシス』でスクリーンデビューを飾り、現在公開中の『おおかみこどもの雨と雪』の雪(少女期)役で声優に初挑戦、10月1日(月)より放送開始となるNHKの連続テレビ小説「純と愛」への出演、さらには『BUNGO~ささやかな欲望~』の公開を控えるなど話題作への出演が続く、いまノリに乗っている女優のひとりである。そんな彼女が今回演じるのは、松田龍平演じる馬締の部下として辞書の編集に携わる岸辺みどり。女性誌の編集部から異動となり、部下として配属されるやいなや馬締のつけた言葉の語釈に意見する少し気の強い女性で、若い世代の視点から現代に適応した語釈作りに一役買うこととなる。自身の役を「自分の仕事にプライドをもっている、まっすぐな女性」と分析する黒木さんは「徐々に辞書作りに真剣に向き合っていくみどりの変化を見ていただけたら嬉しいです」と見どころを明かす。一方、「岸辺みどりは物語の中で新しい時代の女性を代表する役なので、新鮮さをもつ女優さんに演じてほしいと思っていました」と話すプロデューサーの孫家邦さんは、「黒木さんが出演した舞台を見てどんな人の心にもすっと寄り添ってこれるような演技を拝見して、大きな可能性を感じました」とその演技力にかなりの期待を寄せているようだ。松田さん、宮﨑さん、オダギリさんに続いてのキャスト発表。人気・実力共に兼ね備えた俳優陣の中で、彼女がどんな輝きを放ってくれるのか期待したい。『舟を編む』は2013年4月13日(土)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。■関連作品:おおかみこどもの雨と雪 2012年7月21日より全国にて公開© 2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会BUNGO~ささやかな欲望~ 2012年9月29日より角川シネマ有楽町ほか全国にて公開© 「BUNGO ささやかな欲望」製作委員会舟を編む 2013年4月13日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2013「舟を編む」製作委員会
2012年09月06日2012年度「本屋大賞」第1位を獲得し、現在発行部数50万部を突破している三浦しをんのベストセラー小説を映画化した『舟を編む』。現在、撮影真っ只中の本作にオダギリジョーが“チャラ男”役として出演することが明らかとなった。『川の底からこんにちは』、『ハラがコレなんで』など国内外から注目を集める石井裕也監督、主演に松田龍平と宮﨑あおいを迎えて映画化されることが発表されたばかりの本作。23万にもおよぶ言葉の海に奮闘する変人編集部員・馬締光也(まじめみつや)とその同僚たち、そして馬締が下宿先の孫娘・林香具矢(はやしかぐや)に初めて感じたある想いを何とか“言葉”にして伝えようとするもどかしくも微笑ましいやりとりを描き出す。本作でオダギリさんが演じるのは、松田さん演じる馬締の同僚で、共に辞書の編集に携わる西岡正志。変人・奇人揃いの編集部の中でも一際浮いている“チャラ男”だ。始めは辞書編集部に配属になったことに違和感を感じている西岡だが、「大渡海」(彼らの編む辞書)は俗語や若者言葉など新しい現代語も積極的に掲載する辞書とあって、「ダサい」などの現代語の“生きた”語釈で力を発揮しながら次第に辞書作りに愛情を持ち始めていく。オファーを受けてから台本を読み「“古き良き日本映画”の雰囲気を感じ、率直に良い本だなと感じました」と明かすオダギリさん。これまでも『メゾン・ド・ヒミコ』でのゲイ役を始め、ドラマ「時効警察」でのとぼけたキャラ、近年では『マイウェイ 12,000キロの真実』など、幅広いジャンルの役柄に挑戦してきたが、今回の役柄については「“かすかな笑い”、“静かな笑い”を担う役どころで、いろいろな演じ方ができる幅のある役だと思いますが、石井監督と相談しながら作っていってます」と新鮮さを楽しんでいるようだ。本作のプロデューサーからは「西岡は調子のいい男だが、キーになる役。オダギリさんは重みも軽さも持ち合わせた、最上級の俳優」とベタ褒めの言葉も。奇人変人の編集部の中で、オダギリさんはどんな男を編み上げるのか?早くも公開が待ち遠しい。『舟を編む』は2013年4月13日(土)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。■関連作品:舟を編む 2013年4月13日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2013「舟を編む」製作委員会
2012年08月18日2012年の本屋大賞を受賞した三浦しをんの小説『舟を編む』が松田龍平、宮崎あおい出演で映画化され、来年の4月13日(土)に公開されることが決定した。その他の情報『舟を編む』は、ある出版社を舞台に、ベテラン編集者、老学者、辞書に興味を持ち始めたチャラ男ら様々な人々が辞書の編集に励む姿を描いた物語。小説はすでに発行50万部を突破。『川の底からこんにちは』の石井裕也監督がメガホンを執り、このほど映画化される。社内では変人扱いされているが、人とは異なる視点で言葉を扱う才能をもつ編集部員・馬締光也を演じる松田は「辞書を作ることで、言葉と人と向き合って成長していく役が今から楽しみです」と言い、馬締の下宿の大家さんの孫娘で、板前の卵として修行に励む女性・林香具矢を演じる宮崎は「初めての石井組ですが、二度目三度目のスタッフ・キャストの方が多いので、とても楽しみにしています。石井監督のもとで香具矢という大人の女性をきちんと生きることが出来るように頑張ります」と意気込みを語っている。また石井監督は「十五年の歳月をかけて二十数万語が収録された一冊の辞書を作り上げる。小説を読んで、この途方もない作業に敢然と立ち向かっていく人間達の姿に感動しました。一つの仕事をやり遂げるために人生を賭けるとはどういうことなのか。答えは永久に見つからないかもしれませんが、悩みながら、考えながら、映画を作っていこうと思っています」とコメントしている。撮影は今月下旬から開始され、今年末に完成。来年4月13日(土)より松竹とアスミック・エースの配給で全国公開される。『舟を編む』2013年4月13日(土)丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
2012年07月13日「まほろ駅前多田便利軒」で直木賞を受賞した三浦しをんの2012年本屋大賞第1位に輝いたベストセラー小説「舟を編む」(光文社刊)が、『川の底からこんにちは』、『ハラがコレなんで』など人々の悲喜こもごもをユーモラスに描く俊英、石井裕也監督指揮のもと実写映画化されることが決定!その主要キャストに松田龍平、宮﨑あおいの実力派コンビが抜擢されたことが明らかとなった。いま最も新刊が望まれる作家のひとり、三浦しをんのベストセラー小説を原作にもつ本作は、辞書という“舟”を編集する=“編む”ある出版社の編集部を題材にした物語。23万にもおよぶ言葉の海に奮闘する変人編集部員・馬締光也(まじめみつや)とその同僚たちの姿、そして馬締が下宿の孫娘・林香具矢(はやしかぐや)に初めて感じたある想いを何とか“言葉”にして伝えようとする、もどかしくも微笑ましいやりとりを描き出す。社内では“変人”として持て余されていたが、人とは違う視点で言葉を捉える才能を買われ、辞書編集部を率いることになる主人公・馬締を演じるのは、『まほろ駅前多田便利軒』に続いての三浦しをん作品出演となる松田龍平。その彼が一目惚れしてしまう下宿の大家の孫娘で板前見習いの林香具矢を宮﨑あおいが演じる。宮﨑さんは石井組初参加となるが、「とても楽しみにしています。石井監督のもとで香具矢という大人の女性をきちんと生きることができるよう頑張ります!」と気合十分。松田さんも「辞書を作ることで、言葉と人と向き合って成長していく役がいまから楽しみです」とこれから始まる撮影に向けて期待に胸膨らませる。「15年の歳月をかけて二十数万語が収録された一冊の辞書を作り上げる。小説を読んで、この途方もない作業に敢然と立ち向かっていく人間たちの姿に感動しました」と語る石井監督は、主演の松田さんと同い年の若き俊英。「一つの仕事をやり遂げるために人生を賭けるとはどういうことなのか?答えは永久に見つからないかもしれませんが、悩みながら、考えながら、映画を作っていこうと思っています。登場人物たちの静かなる情熱がスクリーンから滲み出るような、そんな映画を作りたいと思います」と作品への意気込みを口にしている。人と人との思いをつなぐ“言葉”というものを整理し、意味を示し、もっともふさわしい形で使えるようにするもの――「辞書」。果たして本作で描かれる「辞書の世界」は、どのように映像化され、そしてどんな物語を“編む”のだろうか?さらなる続報を待ちたい。『舟を編む』は2013年4月13日(土)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。■関連作品:川の底からこんにちは 2010年5月1日よりユーロスペースほか全国にて順次公開舟を編む 2013年4月13日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2013「舟を編む」製作委員会まほろ駅前多田便利軒 2011年4月23日より新宿ピカデリー、有楽町スバル座、渋谷ユーロスペースほか全国にて公開© 2011「まほろ駅前多田便利軒」製作委員会ハラがコレなんで 2011年11月5日よりシネクイント渋谷にて全国公開© 2011『ハラがコレなんで』製作委員会
2012年07月13日第4回WOWOWシナリオ大賞の受賞作を映像化したドラマW『エンドロール~伝説の父~』が18日(日)にWOWOWで放映され る。そこで、本作で純朴な青年を演じ「今までに見たことのない自分が見られた」と語る中村獅童に話を聞いた。その他の写真本作は、余命いくばくもない親友・尾崎明生(萩原聖人)と20年ぶりの再会を果たした売れない映画監督の橋本雄司(中村)が、入院中の明生のたっての願いで、自ら脚本を書き、主演も務める映画の製作に挑む姿を描いた人間ドラマ。『川の底からこんにちは』『ハラがコレなんで』の石井裕也監督が手がけた初のテレビドラマで、20年前の恋の思い出や故郷への想いを抱えながら映画製作に挑む雄司を中心に、人と人が触れあい、想いを伝えていこうとする瞬間を描いていく。本作で中村が演じた雄司は、口数の少ない寡黙な男。それだけに中村は「説明セリフがまったくないので、自分の感情をストレートにぶつけていくしかない。変な計算をすることもなかったし、心の底から相手の言葉や状況を感じて演じないとセリフも出てこない。他の作品だと、役を作り込まないといけない場合もあるのですが、この役は“足していく”というよりも、自分の中の余計なものを“そぎ落としていく”作業が多かった」と振り返る。本作を演出した石井監督は、独特の人間描写と会話の妙で観客を心地よく翻弄する新鋭だ。「撮影現場の静かでゆったりした感じが、(『硫黄島からの手紙』のクリント・)イーストウッド監督の現場と通じるものがあって。役者の心情を第一に考えてくれるし、役者を見ていてくれる。それだけ信頼されると、こちらも役になりきるしかないんです」。そんな石井監督の下で、中村が演じた雄司はこれまで彼が演じた役柄とは印象の異なる役だ。「ここ数年の中でこの役は大きな出会いだし、またここから“新たな中村獅童”への道ができたらいいなと思います。もちろんこれまでどおり強い役や悪役も演じると思いますが、こういう純朴な男もどんどん演じていきたい。自分のイメージを守りたいとは思っていなくて、作品の人物になりきりたいという気持ちが強いんです。この作品で今まで見たことのない中村獅童が見られたし、まだまだ自分の内に秘めた感情もたくさん持っているつもりなので、これからも役柄を通して出していきたいですね」。「映像を見た知人から、『雄司が中村獅童に見えなかった』と言われたんですが、俳優にとって本当にうれしい言葉ですよね」と笑顔を見せる中村。これまで数々の役を演じてきた中村だが、『エンドロール~伝説の父~』では、長年、彼を見続けてきた観客も知らない、俳優・中村獅童の“新たな一面”が楽しめそうだ。第4回WOWOWシナリオ大賞受賞作ドラマW『エンドロール~伝説の父~』3月18日(日) 夜10:00WOWOWプライム3月25日(日) 午後4:15 ※再放送
2012年03月16日WOWOWのシナリオ大賞(第4回)で昨年、大賞を受賞した「エンドロール ~伝説の父~」が同局のドラマWにて映像化され3月18日(日)に放送されることが決定し、3月13日(火)に記者会見を開催。中村獅童に萩原聖人、子役の鈴木励和(れお)、そしてこの日の午前中に第二子の妊娠を発表したばかりの板谷由夏が出席した。20年ぶりに故郷に帰った売れない映画監督の雄司(獅童さん)が、余命わずかの親友・明生(萩原さん)に頼まれて街中を巻き込んで映画を撮影するさまを描く。獅童さんと励和くんからの「おめでとうございます」という祝福、夫婦を演じた萩原さんの「お体に気を付けて」という労わりの言葉に、板谷さんは「ありがとうございます」と少し照れくさそうな笑顔を浮かべた。新たな命を自らの中に宿したことでの変化を問われると「すでにうちには3歳になるやんちゃ坊主がいるので(笑)、“母”としての気持ちの変化はありませんが」と前置きした上で、「長男のときもそうだったんですが、新しい命を宿すと、不思議なことに同時に“死”というものについて考えるものです。それはもしかしたら芝居に影響を与えているかもしれませんね」と真剣なまなざしで語った。もしも明生のように余命を宣告されたらどうするか?という問いに獅童さんが、がんで亡くなった叔父の萬屋錦之介や父の存在に触れ「最後まで仕事をし続けたいというのが本心」と語れば、萩原さんも「毎回、そういう気持ちで仕事に臨んでます」と自らの覚悟を明かした。萩原さんはまた、今回初めてドラマの演出を務めた石井裕也監督(『川の底からこんにちは』)を絶賛。「自分だけでは出せないポテンシャルを引き出してくれた」と感謝の思いを語った。重いシーンの撮影を含みつつも現場の雰囲気は温かかったようで、励和くんも「クランクアップの日は寂しかったです」と告白。さらに萩原さんと板谷さんについて「本当のお父さん、お母さんだったらいいのにと思いました」と語ると2人は嬉しそうにニッコリ。さらに励和くんが獅童さんについて「TVでは話せないような裏話を暴露してくれて楽しかった」と語ると会場は笑いに包まれた。この会見に先立って、第5回WOWOWシナリオ大賞の授賞式が開催されたが、今年の大賞は“該当なし”という結果となった。審査委員長を務めた映画監督の崔洋一は、ちょうど1年前の東日本大震災を受けて「私たち一人一人の存在が同じ場所に立つという、ある意味で分かりやすくフェアな社会性を背負わざるを得なかった」とこの1年で日本人が置かれた社会状況を論じつつ、「この賞においてはそうした状況とは一線を画し、突き抜けていくということが書き手に求められている」と応募者に対し辛口のエールを贈った。「エンドロール~伝説の父~」はWOWOWにて3月18日(日)22:00より放送。第5回WOWOWシナリオ大賞受賞結果一覧■大賞該当作品なし■優秀賞「ハートに火をつけろ」(伊勢尚子)「父さんはムーンフェイス」(中西隆裕)「プラタナスの枯葉」(播磨弘規)「WOWOWシナリオ大賞」公式サイト
2012年03月13日石井聰亙から石井岳龍(がくりゅう)に改名した石井監督が、『五条霊戦記//GOJOE』以来約10年ぶりとなる劇場用長編作品『生きてるものはいないのか』を発表。16日に都内で行なわれた完成披露試写会に主演の染谷将太と共に登壇した。その他の写真映画『生きてるものはいないのか』は、岸田國士戯曲賞受賞した劇作家・前田司郎の代表作を映像化。とある大学を舞台に、18人の登場人物が次々と死に直面する様を、コメディ会話劇と、石井監督の得意とするパンク表現を交えて描いた不条理劇。石井監督は冒頭で改名について「よく漢字を間違われるし、あまり“聰亙”に思い入れもなかったので、生まれ変わったつもりで心機一転したかった」と説明。主演の染谷将太は、『ヒミズ』(園子温監督)で、ベネチア国際映画祭の最優秀新人俳優賞にあたる“マルチェロ・マストロヤンニ賞”を受賞した注目の若手俳優だが、石井監督は起用の理由は「『パンドラの匣〈はこ〉』(2009年公開)を観て、久々にスクリーン映えのする、とても力のある男優さんだと思ったから」と話し、「すべてはラストシーンに向かって作られている作品で、今回の芝居は大変難しく、私の求める要求も高かったので、できる方たちにお願いした」と、染谷ほかオーディションで選ばれた17人の出演者たちを絶賛した。本作で喫茶店の店員として登場する染谷は、「台本がものすごく分厚く、ここまで会話の多い作品は初めて。石井監督は基本的に任せてくれるので、役をどう演じるか自問自答していたら頭がグルグルしてしまった」と苦笑し、「ある意味、これは試練だと思って、実際に喫茶店でバイトをした」と明かした。最後に石井監督は「日本映画界はこの10年で激変し、作品を作りづらくなっているが、私としては本作を成功させて、次の意欲的な作品につなげたい」と映画にかける熱い想いを語った。『生きてるものはいないのか』2012年2月18日(土)よりユーロスペースほかにて公開
2011年11月17日人情喜劇『ハラがコレなんで』公開女優の仲里依紗が主演を演じた映画『ハラがコレなんで』が5日、公開初日を迎え、渋谷シネクイントで舞台あいさつが行われた。会場には彼女のほか、中村蒼、石橋凌、稲川実代子、竹内都子、石井裕也監督が出席、作品の魅力などを語った。本作は、夫も家も、お金もない妊娠9カ月の光子が主人公で、そんな境遇にもめげない強さ、義理人情の厚さがポイント。彼女と周囲の人々の交流を喜劇タッチで、しかし人間味深く描いている。女性のパワフルさを感じて!仲は「初日を迎えて(この作品を)産み落とすことができて嬉しいです」と、まずは妊婦役ならではのウィットの効いた挨拶を。主人公の光子像については、どん底でもそれを感じさせないパワフルさ、粋でカッコいいところ、ありのままに生きるところに魅力を感じて演じた旨、語った。そして「元気のない今の時代だから、なにかプラスになれば」「何回でも見に来てください!」とアピール。彼女が体当たりで演じた妊婦役も注目のこの映画、女子のパワフルさを、人の温かさを感じ、楽しんでみては?さまざまな役柄をしっかりと演じていく、仲の今後の活躍にも期待が集まる。元の記事を読む
2011年11月07日女優の仲里依紗が“妊婦”役に挑んだヒューマン・コメディ『ハラがコレなんで』の初日舞台挨拶が11月5日(土)、東京・渋谷シネクイントで行われ、仲さんを始め、共演の中村蒼、石橋凌、稲川実代子、竹内都子、そしてメガホンをとった石井裕也監督が舞台挨拶に立った。仲さん演じる“家なし金なし”の臨月妊婦・光子が「粋に生きる」をモットーに、自分のことは後回しに人助けに奔走する。「元気がないと言われる日本に、何かプラスになれば」(仲さん)というパワフルで心温まる一作だ。妊婦という難役をこなし、仲さん自身「やっとこの役から卒業できます(笑)。ついに産み落とすことができて嬉しい」と喜び爆発!「本来なら周りから心配される立場なのに、それをスルーするカッコ良さがあって、私自身も見習いたい。ちょっと、ありがた迷惑な面もありますけどね」と愛着も人一倍だ。一方、中村さん演じる幼なじみの陽一はイマドキ珍しい“日本男児”。「あんまりしゃべらないし、不器用なところは似ているかも。男らしく責任を持つ点も見習いたいですね」と語る中村さんの10代最後の好演も見どころだ。劇中では石橋さん演じる叔父と、まさかのキスシーンも…。「蒼くんのくちびるを奪ってしまって、ファンのみなさん、すみません。現場の隅で蒼くんが『10代最後のキスが…』って言ってた気がする。きっと『……』の部分は『おじさんかよ』だったはず」(石橋さん)。その石橋さんは「本当に28歳なの?人間として成熟しているし、自分の哲学も持っている。いまの時代の若者には珍しい」と石井監督の手腕を大絶賛。石井監督は「特に難しいことじゃなく、“粋”っていうシンプルな感覚を映画にした。自由に解釈してもらえれば幸いです」と大先輩の言葉にも、フラットな面持ちだ。ところがほかの出演者からは「だいぶいろいろ言われましたよ。『もっと宇宙みたいに』とか『マイケル・ジャクソンみたいにテーブルをふいてみて』とか(笑)」(仲さん)、「基本シンプルだが、すごく細かいこだわりがあった」(中村さん)、「単に鯛を放り投げるシーンがあるんだけど、何度もやった。(着地したときの)頭とシッポの位置が気に入らなかったみたい」(稲川さん)、「腹筋を使わずに、ボソボソしゃべってほしいと言われた」(竹内さん)と不思議な演出にクレームが続出!?これには若き俊英・石井監督もタジタジだった。『ハラがコレなんで』はシネクイント渋谷ほか全国にて公開中。■関連作品:ハラがコレなんで 2011年11月5日よりシネクイント渋谷にて全国公開© 2011『ハラがコレなんで』製作委員会■関連記事:【TIFFレポート】仲里依紗、“妊婦パワー”で「日本を元気に!」宣言【TIFFレポート】映画祭開幕!ミラジョヴォら美しき女優陣のファッションに釘づけ最高に粋な“妊婦ヒーロー”誕生!?『ハラがコレなんで』試写会に10組20名様ご招待
2011年11月06日第24回東京国際映画祭が開催中のTOHOシネマズ 六本木ヒルズで10月27日(木)、石井裕也監督の最新作『ハラがコレなんで』が特別招待作品として上映され、石井監督をはじめ、主演の仲里依紗、中村蒼、石橋凌が舞台挨拶に立った。映画、ドラマに大活躍の仲さんが、臨月を迎えながら「自分のことよりも他人のため」の精神で人助けに奔走するヒロイン妊婦を大熱演!この日、映画祭のテーマカラーである緑のワンピースに身を包んだ仲さんは「国際映画祭という場で、昔ながらの“粋”や義理人情を世界中の人に見てほしい。きっと『ニッポン、カッコイイ』って思ってもらえるはず。元気がない日本のプラスになるような映画」とPR。“妊婦パワー”で新境地を切り開いた本作で、日本を元気にする意気込みだ。仲さんに負けじと、幼なじみの陽一を演じる中村さんも「いまどき珍しい(陽一の)男らしさや責任感の強さを世界中の人に見てもらえれば」と“世界”にアピール。撮影中に20歳を迎えたといい、本作への思い入れも格別だ。石橋さんは陽一の叔父を演じ「コメディですが、日本の再生や復興がテーマに織り込まれている」と挨拶。“コワモテ”の印象も強い石橋さんだが「確かにいままで演じた役柄の7割は、危ない男か悪党で、最後には殺されてしまう。今回はおかげさまで最後まで生きております(笑)」とお茶目な一面を披露してくれた。妊娠9か月の光子(仲さん)は、お腹の子供の父親が行方不明で、お金も家もないという限界ギリギリの状況。それでも、子供の頃に住んでいた長屋で暮らす、貧乏で優し過ぎるがゆえに“パッとしない住人たち”のために一肌脱ごうと決意する。『川の底からこんにちは』、『あぜ道のダンディ』でその才能に注目が集まる石井監督は、「妊娠はたぶん(笑)自分が一生経験できないこと。だからこそ描く価値があると思ったし、人間のたくましさを描く上で母性が必要だと思った」。見どころは「役者さんがイキイキとお芝居する姿」だと言い、「論理的には解釈してほしくない作品。ぜひ自由な頭で自由に解釈してほしい」と客席にメッセージを送った。東京国際映画祭は10月30日(日)まで六本木ヒルズほか都内各所で開催中。『ハラがコレなんで』は11月5日(土)よりシネクイント渋谷ほか全国にて公開。特集「東京国際映画祭のススメ2011」■関連作品:第24回東京国際映画祭 [映画祭] 2011年10月22日から10月30日まで六本木ヒルズをメイン会場に都内各所にて開催© 2011 Tokyo International Film Festival All Rights Reserved.ハラがコレなんで 2011年11月5日よりシネクイント渋谷にて全国公開© 2011『ハラがコレなんで』製作委員会■関連記事:【TIFFレポート】西島秀俊、“力石”伊勢谷友介も認める体脂肪ゼロの役作り!名匠が被災地に捧げる3分11秒の短編が東京初上映!ワークショップも開催決定【TIFFレポート】岡田将生&原田泰造通訳付き映画祭公式上映にハイテンション!【TIFFレポート】加瀬亮、デニス・ホッパーの息子と朝4時までの付き合いを明かす【TIFFレポート】山田孝之、司会者に「本当の恋愛って何ですか?」と逆質問
2011年10月27日石井裕也監督の最新作『ハラがコレなんで』が27日に第24回東京国際映画祭の特別招待作品として上映され、石井監督をはじめ、主演の仲里依紗、中村蒼、石橋凌が舞台挨拶を行った。その他の写真本作は、妊娠9ヵ月で家なし金なし。お腹の子の父親と別れてもなお、たくましく生き抜く主人公・光子の姿を軸に、現代日本が忘れかけた“粋”を描いたハートフルコメディ。「光子は妊娠していて不安なはずなのに、その辛さを見せない妊婦らしくない妊婦です。日本人として尊敬したい、尊敬できる女性の代表みたいな存在」(仲)。石井監督は「人間としてのたくましさを描きたかった。今の時代なら、やっぱり必要なのは母性だなと思った」と振り返り、「論理的には解釈してほしくないですね。自由な頭で自由に解釈してほしい」と語った。中村演じる光子の幼なじみ・陽一は、今どき珍しい無骨な“日本男児”で「男らしい責任感の強い姿を、日本と世界で見てもらえれば」。石橋は陽一の叔父を演じ、「普段演じる役柄の7割は危ない男か悪党で、最後には殺されてしまう(笑)。でも今回はおかげさまで、最後まで生きております。いつもと違って、ずっとこの役でいたいほど」と客席を笑いに包んだ。また、仲は「国際映画祭という絶好のチャンスなので、世界中の人に見てほしい。それに元気がないといわれる日本のプラスになれば」と役柄同様、力強く作品をPRした。「第24回東京国際映画祭」30日(日)まで開催中『ハラがコレなんで』11月5日(土) 渋谷シネクイントほか全国ロードショー
2011年10月27日漫画家・真鍋昌平氏の同名コミックを基にした、妻夫木聡主演の映画『スマグラー おまえの未来を運べ』が、22日(土)から公開になるのを前に、石井克人監督がインタビューに応じた。その他の写真本作は、役者になるという夢に破れ、自堕落な生活をおくっていた若者・砧涼介(妻夫木)が、儲け話に乗ってしまったことから多額の借金を抱えることになり、借金を返済するために危険な荷物の運搬と処理を行うスマグラー(smuggler=密輸業者、密入出者の意)に身を投じる物語。「漫画自体が映画的な構成だから、すごくよく出来ていて面白い。漫画にある程度忠実にやれば、映画として絶対面白くなると思い、漫画を元に脚本を書いた」という石井監督は、本作で取り組んだ新たな試みについてアクションシーンを挙げる。「『REDLINE』で、割とアクションの合間にスローを入れていて、それが結構面白いなと思っていたので、アクションシーンをスローで撮りました。背骨のアクションは、すごい早いのが特徴で、5人を5秒で殺しちゃうって人。でも、5秒で終わったら面白くないし、早くて訳が分からない。スローの世界で彼がどうやって動いているのかっていうのを、まず最初に克明に見せたいなって思いましたね」と明かし、「映画は1か月で撮影したんですが、アクションシーンに2週間かけました。4つくらい大きいアクションシーンがあるんですが、その4つで2週間。で、ドラマシーンが2週間。1ヶ月で600時間働くみたいな(笑) 過去の全仕事の中で、一番働きましたね!」とも語った。また、主演の妻夫木について「意外に主人公の砧みたいじゃなくて、大人っぽいというかしっかりした人。だからちょっと砧役はどうかなって思いはあったんですが、やってみたら意外とドンピシャでした」と話したほか、本作で強烈な印象を放つ河島役を演じた高嶋政宏について「高嶋さん自身、河島役を演じるにあたり、色々と調べてくれていましたし、「河島は任せます」と(笑) 高嶋さんは『もう、この役は僕にピッタリなんですよ』ってずっと言ってました(笑) 動きや表情、コスチュームまで、ほぼ全部高嶋さんのアイデアですね!」と笑顔で答えてくれた。『スマグラー おまえの未来を運べ』10月22日(土)全国ロードショー※高嶋政宏の「高」は、正しくは「はしご高」になります。(c)真鍋昌平・講談社/2011「スマグラー」製作委員会
2011年10月19日『川の底からこんにちは』『あぜ道のダンディ』の石井裕也監督の最新作『ハラがコレなんで』が、第16回釜山映画祭の“アジアの窓”部門で上映され、石井監督と仲里依紗、石橋凌が舞台あいさつに登壇した。その他の写真『ハラがコレなんで』は、妊娠9ヵ月でお腹の子の父親と別れ、家もお金もなくても“粋”に生きようとする主人公・光子の姿を描いた作品。多くの海外映画祭で高評価を集めてきた石井監督の新作で、韓国でも人気の高い仲の主演作とあって、3回の正式上映のチケットは完売。舞台あいさつに立った仲は、妊婦役を演じたことについて「もう少し大人になって演じるかと思ったら、あまりに早くてびっくりしました。光子は、“そういえば妊婦だった!”というパワフルな役で『こういう妊婦さんもありだな』と。妊婦さんは不安なことも多い時期だけれど、光子みたいな妊婦がいてもいいかな、と思いました」とコメント。石橋は「これまで(演じてきたのは)7割悪人で7割殺されますから。今回最後まで生き残れました」と笑顔を見せた。石井監督は「女性らしい女性を描き、周りに元気を与える、堂々として“粋な人物”が多く登場するがそういう人が好みなのですか?」と質問されるも、「女性らしさや女性像を描いているわけでなく、描きたいのはいわゆる人間なので、自分の好みとかはないです」と回答。インディーズ時代から決して“ブレる”ことなく、独自の語り口を追求してきた石井監督らしいコメントで、集まった観客の注目を集めた。『ハラがコレなんで』11月5日(土) 渋谷シネクイントほか全国ロードショー
2011年10月13日映画『孫文の義士団』のトークイベントに、日本の“義士”として、ロックンローラーの内田裕也が登場!東日本大震災の復興に関して内田節を爆発させた。革命家の孫文を暗殺団の手から守るため、身を挺して戦う名もなき8人の義士たちの姿を描いた作品でドニー・イェン、レオン・ライ、ニコラス・ツェーなど、アジアを代表する名優たちが揃って出演している。震災発生直後から、様々な形で支援活動を続ける内田さん。「寄付活動でバテ気味ですが…」と言いつつ、映画のトークイベント出演という初めての経験に「石田純一になったみたいだな」と少し照れくさそうに語る。ROCK(石)&ROLL(巻)とかけて、被災地の宮城県石巻市を訪れていたが、「“義”というのは難しいもので、俺は“10%の正義”を持つことが大事だと思う。今回はカッコつけてる場合じゃない」と熱弁。被災者に対しては「何と言っていいのか…」と言葉が見つからない様子。言葉の代わりに人々を励ます歌としてジョン・レノンの「POWER TO THE PEOPLE」を挙げ「日本には本当に人を励ます歌がなかなかない。さすがジョン・レノンと感心しながら歌ってます」と語った。さらに「政治家に、本気の“義士団”のような人はいなくなってしまった。ヘリで被災地に行って、被災者の肩を叩いて10分で帰ってくるというのは嘘っぽい。危機感というものが全くない」と怒りを爆発させた。さらに「自粛ムードばかりでは経済も停滞してしまう。最初の1週間は喪に服せばいいが、あとは普通に生活を送るように、とリーダーシップをとるべき」と熱く続ける。そして「(支援の)継続こそ本当の“義”。体動く限り、地味でも続けていきたい。ヨロシク。ロックンロール!」と改めて決意を口にした。『孫文の義士団』は4月16日(土)よりシネマスクエアとうきゅうほか全国にて公開。■関連作品:孫文の義士団 2011年4月16日よりシネマスクエアとうきゅうほか全国にて公開© 2009 Cinema Popular Ltd. All Rights Reserved.■関連記事:アジア映画界の総力を結集した超大作『孫文の義士団』試写会に30組60名様ご招待
2011年04月14日