10月30日(土)~11月8日(月)開催第「第34回東京国際映画祭」における特集企画として、田恵輔監督の特集を実施することが決定した。「第34回東京国際映画祭」では昨年まで「Japan Now」部門として現在の日本を代表する邦画作品を紹介してきたが、今年から「Nippon Cinema Now」部門と名称を改め、より多様性に富んだ邦画作品を世界に向けて紹介する。「Japan Now」部門では、今一番海外へ紹介したい映画人として、これまでは原田眞人監督、岩井俊二監督、安藤サクラ、蒼井優、満島ひかり、宮﨑あおいら女優4名、役所広司、大林宜彦監督、深田晃司監督といった、既に映画界の第一線で活躍してきていた映画人を特集してきたが、今年はこれから世界に打って出るであろうアップライジングな新しい才能に焦点をあてる形で特集を組むこととし、その白羽の矢が立ったのが、9月23日(木・祝)に注目の最新作『空白』の公開を控える田恵輔監督だ。近年『ヒメアノ〜ル』(2016年)、『犬猿』(2018年)、『愛しのアイリーン』(2018年)、『BLUE/ブルー』(2021年)と精力的に作品を発表し、かつ、そのいずれの作品も観る人の心を強く揺さぶる衝撃作となっており、ストーカー、兄弟姉妹、国際結婚、ボクシング、加害者被害者、それぞれの土壌で燻し出される人間関係の狂気ともいえる純粋さ、もしくは純粋なまでの狂気を映画的な視線で描き切る才能に富んでいる。今後間違いなく国内外の映画祭で注目されるであろう田監督の最新作『空白』を含め『ヒメアノ~ル』『BLUE/ブルー』などの作品を上映が上映されるため、ぜひその強烈な才能を劇場で目の当たりにしてほしい。<コメント>■田恵輔監督映画監督を目指して頑張っていた頃、東京国際映画祭は客として観に行くものでした。そこで自分の作品が上映されるとは夢にも思わなかったです。これは夢が叶ったと言っていいですよね?嬉しくて泣いてます。しかも特集上映とは嬉しくてお漏らししてます。■第34回東京国際映画祭プログラミング・ディレクター:市山尚三田恵輔の映画を最初に見たのは『ヒメアノ~ル』だった。こんな凄い映画を撮る監督がいたのか、と過去作をさかのぼり、それまで見ていなかったことを恥じた。ごくありふれた人々からここまでのドラマを引き出す力はただ事ではない。『Blue/ブルー』、『空白』という2本の傑作が公開される2021年、この特集を組めたことは大きな喜びである。■映画祭プログラマー、キュレーター:ジョヴァンナ・フルヴィKuhaku (Intolerance) is a very strong film, with a very good script, good editing and acting.(『空白』は素晴らしい脚本、編集、演技に裏打ちされた、とても強烈な作品です)■The Japan Times シニア映画批評家:マーク・シリング“Intolerance” uses a tragic accident, with no one really to blame, to investigate not only how the mass media preys and the local community shuns – both all-too-familiar tropes in Japanese films – but how the process of grieving and forgiveness truly works, without painting the participants purely wrong or right. Like Yoshida’s previous films it traffics in extreme acts and emotions, but with subtlety and nuance and, for even the weak-spirited and wrong-headed, insight and compassion.(『空白』は誰も責められない悲劇的な事故を舞台に、邦画ではなじみ深い題材である、いかにマスメディアが餌食にし、いかに地域社会が疎外するかということを掘り下げるだけでなく、悲しみと許しのプロセスがどのように進んでいくのかを、関係者を単に善悪で描くことなく、上手く表現しています。田監督の過去作品のように、本作は極端な行動と感情が行き来しつつ、繊細でニュアンスがあり、弱気でひねくれものでさえ、洞察と思いやりがあります)【開催概要】「第34回東京国際映画祭」開催期間:2021年10月30日(土)~11月8日(月)会場:日比谷・有楽町・銀座地区公式サイト: 「TIFFCOM2021」開催期間:2021年11月1日(月)~3日(水・祝)会場:オンライン公式サイト:
2021年09月14日第78回ヴェネチア国際映画祭で、金獅子賞はフランス人監督オドレイ・ディワンの『Happening』(英題)に決定した。同作はアニー・エルノーの小説を映画化したもので、舞台は1960年代初期のフランスで中絶が違法だった時代。主人公の予期せぬ妊娠をしてしまった女子大生の苦悩が描かれる。審査員長のポン・ジュノ監督は、金獅子賞の選出に関して「満場一致で決まった」と話している。ディワン監督は受賞スピーチで「私はこの映画を怒りを持ちながら作りました。また、心から強く望みながらも作りました。私の腹部、内臓、心臓、頭部とともに作った作品です。私は『Happening』を1つの体験にしたかったのです」と訴えた。オドレイ・ディワン/第78回ヴェネチア国際映画祭 Photo by Vittorio Zunino Celotto/Getty Images銀獅子賞は、ジェーン・カンピオンが監督・脚本を務めた『パワー・オブ・ザ・ドッグ』が受賞。ベネディクト・カンバーバッチが主演、実生活で婚約中のジェシー・プレモンス&キルスティン・ダンストが夫婦役を演じている。主人公はカリスマ的な存在感を放つ兄(ベネディクト)。一緒に牧場を経営している弟(ジェシー)のもとに、息子を連れた女性が嫁いできてから兄弟の関係に亀裂が入り、事態は思わぬ展開を見せる。審査員大賞はパオロ・ソレンティーノ監督の『Hand of God -神の手が触れた日-』で、同作に主演したフィリッポ・スコッティが男優賞を受賞した。女優賞は、ペドロ・アルモドバル監督の『Madres Paralelas』(原題)に主演したペネロペ・クルス。マギー・ギレンホールが、脚本も手掛けた長編監督デビュー作『The Lost Daughter』(原題)で脚本賞を受賞した。(Hiromi Kaku)
2021年09月13日5年に1度、ショパンの祖国ポーランド・ワルシャワで行われる「ショパン国際ピアノコンクール」開催が目前だ(2021年10月2日〜23日)。本来ならば2020年秋の予定が、コロナ禍によって1年延期。2021年10月17日のショパンの命日を含む前後20日あまりの開催となった第18回。ポリーニやアルゲリッチにツィメルマンなど、今に至るピアノ界のスーパースターを多数輩出してきた同コンクールだけに、世界中のクラシックファンが注目するのも納得だ。さて、ショパン作品のみが演奏課題とされる「ショパン国際ピアノコンクール」だけに、ショパンの名曲を知っておくのはコンクールを楽しむ上での必須条件。そのための予習にピッタリのコンサートが開催される(9月26日:サントリーホール)。「ショパンの旅」と題された及川浩治のリサイタルは全国で3万5千人以上を動員し、日本全国で大きな感動を呼んだ人気企画。特にショパンの没後150年にあたる1999年に開催されたプログラムの充実ぶりは今も語り継がれる素晴らしさだ。そのコンサートが復活するとなれば聴き逃がせない。「ノクターン第20番」や「幻想即興曲」に「英雄ポロネーズ」などなど。ショパンの代表作がこれでもかとばかりに繰り出されるステージは、まさにショパン尽くしの極地。コンクールに向けての予習はこれで完璧と言えそうだ。感動の原点に向き合う及川浩治のパフォーマンスに注目したい。●公演詳細9月26日(日)サントリーホール大ホール及川浩治ピアノ・リサイタル「ショパンの旅」1999年オリジナル版
2021年09月11日「第34回東京国際映画祭」が10月30日(土)~11月8日(月)、日比谷・有楽町・銀座地区で開催される。この度、本企画より新たなポスターが発表された。昨年まではソフトバンクのCMなどで有名な佐々木宏がクリエイティブ・ディレクターを務め、蜷川実花の写真をあしらった形のデザインでポスターを展開していた「東京国際映画祭」。しかし今年からは日比谷・有楽町・銀座エリアへの移転や部門の改変などもあり、東京国際映画祭が新たに生まれ変わる年ということで、ポスタービジュアルも人をフィーチャーした形のこれまでにないものに刷新されている。そして、今回のビジュアルを手掛けたのは世界的なデザイナー・コシノジュンコ。彼女が自身で作った伊藤若冲のニワトリの画をモチーフに、衣装をまとった女性が風を切って歩いていくイメージで作り上げたという。本映画祭の今年の大きなテーマのひとつとして「越境」があり、コロナによるコミュニケーションの断絶や男女差別、経済格差、国際紛争、色々な問題を乗り越えて、その先にある映画の姿を観てほしいという狙いがある。発表されたポスターも、そういったコンセプトをビジュアライズしたものとなっている。<コシノジュンコ・コメント>映画祭は憧れなので、今回のお話を頂いたときはびっくりもしましたがとても嬉しかったです。今回のビジュアルはかっこいい女性が、コロナも吹っ切れて、前に向かう、風を切って向かうというイメージが今回の東京国際映画祭のある意味でのビジョンでもあるかと思いました。そういう意味で、理屈ではなく、見てわかるというような、風を切って歩いて行くというような、そういったイメージで作りました。<東京国際映画祭チェアマン:安藤裕康・コメント>コシノジュンコさんとは、これまでもパリ、ニュ-ヨーク、アジアの国々など世界中のあちこちで仕事をご一緒してきましたが、その国際感覚の豊かさと前向きなエネルギーにいつも圧倒されてきました。そういうコシノさんにこのたびデザインを担当頂くことになって、東京国際映画祭が国際色を一段と強め、ステップアップしていければと思っています。■イベント情報「第34回東京国際映画祭」10月30日(土)~11月8日(月)会場:日比谷・有楽町・銀座地区公式サイト: TIFF
2021年09月07日第74回カンヌ国際映画祭にて、日本映画初となる脚本賞をはじめ、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞の4冠を達成した『ドライブ・マイ・カー』。本作のメガホンおよび、大江崇允氏と共に共同脚本を務めた濱口竜介監督に、制作秘話や作品へのこだわりなどを語った。短編の映画化、意識したのは「村上春樹さんの物語であること」原作は、村上春樹さんの小説集「女のいない男たち」に収録された一つの短編。長い原作を映像化する際は、そぎ落とす作業が必要だが、今回は付け加えていくことが必須となる。「意識したのは村上春樹さんの物語であること。その核となるものは踏み外してはいけない。村上春樹さんだったらどうするのか…ではないですが、原作はもちろんですが特に村上さんの長編作品を参考にしながら、脚本化していきました」村上さんに許諾を取る際、ほぼ映画化された脚本に近い、セリフも入ったプロットを送り、意図を伝えた。「かなり詳細なプロットを送ったので、そこで許諾をいただいてからは『自由にやってください』というスタンスでした。脚本段階になって、現実の撮影に即して変更せざるを得ない部分もあったのですが、その都度村上さんにもお送りしてお伺いを立てても、特に何も言われることはありませんでした」三浦透子には「撮影が決まってから免許を取ってもらった」以前のイベントで「車内での会話劇が物語のキーとなる」と話していた濱口監督。西島秀俊さん演じる主人公・家福と、ドライバーとして雇われた三浦透子さん扮するみさきの、微妙な距離感は、作品の肝となる。「みさきが運転席、家福が後ろの席という位置関係は脚本で指定していましたし、本読みの段階で、細かくコミュニケーションを取っていましたが、役の解釈や本番の演技に関しては役者さんたちにお任せしました。本番になれば役柄を理解している役者さん同士の相互反応が、もっとも信じられるものになる。その意味では、演出的にどうこうというよりは、二人が作り出した空気感が映像に出ていると思います」西島さんの作品を好きでずっと観ていたという濱口監督。「西島さんは、居住まいの力強さがある」と評していたが、そんな西島さんと相対するみさきという役を三浦さんに託した。「三浦さんとは『偶然と想像』という作品のキャスティングで初めてお会いしたのですが、そのときにこの映画の企画も進んでいて、みさきという人はどんな人がいいのか考えていたんです。三浦さんと会ってお話しするうちに『みさきがいた』と感じるようになりました」劇中、三浦さんは手慣れたハンドルさばきで真っ赤なサーブ900を操るが、オファーした段階では、運転免許を持っていなかったという。「実はこの作品のオファーをしてから、三浦さんには免許を取りに行ってもらったんです。そこから運転の特訓してもらいました。結果的にすごく上手くなったと思います。もともと三浦さんは運転が上手そうな顔だなと思っていたんですが(笑)」多言語演劇「ワーニャおじさん」に込めた思い舞台演出家である家福は、原作にも出てくるアントン・チェーホフの戯曲「ワーニャおじさん」を多言語演劇として演出するシーンがある。「人は意味を通じてコミュニケーションをするのが普通です。言葉を使って意味を細分化できるぶん便利ですが、意味の陰に隠れてしまうこともたくさんあるんです。相手の言語が分からないなかでお芝居すると、言葉の意味以外でやり取りをしようとする。それが大事であり、作品の本来の意味にも通じると思ったんです」「ワーニャおじさん」で登場する言語は、日本語、韓国語、韓国語手話、タガログ語、北京語と多種多様だ。演じる俳優さんたちも、強烈な個性を発揮する。「みなさん俳優として活動されている方たちを、オーディションで選ばせてもらいました。演技力というよりは、演じる役に合っているかどうかが大前提。あとは、20~30分と短い時間でしたが、人柄の良さと、会話をしたときの理解力が高いなと感じた方にお願いしました。みなさんとても魅力的なお芝居をしてくださいました」劇中、何度も何度も本読みのシーンが登場する。濱口監督自身も、映画監督として本読みは重視しているのだろうか。「ここ数年の作品はそうですね。本読みをしていくと、言葉の意味が希薄化していくんです。最初はセリフの意味をダイレクトに受け取り『このセリフを言うのが恥ずかしい』という気持ちが声のなかにも感じられることがあるのですが、本読みを繰り返すことによって、言葉の意味に囚われず、言葉が自動的に出てくるようになる。本番では予期せぬ思いが入ることもあり、言葉の多い映画を撮る上では、有効な方法であるのは確かだと思います。ただ、今後もこういう映画を撮り続けるかは分からないので、やり方は変わるかもしれません」良いものを作るために譲れない部分と、変化していく必要があるもの本作のカンヌ国際映画祭・脚本賞をはじめ、第71回ベルリン国際映画祭で短編集『偶然と想像』が審査員グランプリ(銀熊賞)、第77回ヴェネチア国際映画祭では共同脚本を務めた『スパイの妻<劇場版>』が銀獅子賞(監督賞)を受賞するなど海外でも高い評価を受けている濱口監督。作品を作る上で大切にしていることは、良いものを作るために妥協せず、こだわるところはしっかり“我を通すこと”。「この作品でもこだわった部分は二つありました。一つは本読みの時間をしっかり取ること。普通の映画作りのなかでは、なかなか時間をとれない部分であり、そこはスケジュールを組む人の理解が必要になります。あともう一つは、車をちゃんと公道で走らせるということ。街中で車に照明を付けて走らせるというのは、制作的にもかなり体力が必要な部分なんです。いまは室内で走らせて合成しても、多くの人は分からないほど技術は向上していますが、実際に走らせないと、俳優さんの演技に影響すると思うのでお願いしました」“良いもの”を作ろうという強い意志のもと、キャストとスタッフが強固な絆で作品に向かうことで珠玉の作品ができあがる。しかし、本作も撮影中断を余儀なくされたように、コロナ禍が映画界にも大きな影を落とす。「前向きに捉えるなら、根本的な作り方を考え直すいい機会かもしれません。これまで良いと思っていた慣習が、もしかしたら無駄なことかもしれない。いまできる状況で、一番良いと思うものを作るというシンプルな考えによって見えてくることもあると思います」濱口監督は「役者さんの演技に尽きると思います」と作品の見どころを語る。この言葉通り、179分という時間いっぱいに、俳優たちの見逃してはならない、言葉や仕草、吐息や空気が映し出されている。『ドライブ・マイ・カー』は全国にて公開中。(text:Masakazu Isobe)■関連作品:ドライブ・マイ・カー 2021年8月20日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開(C)2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
2021年08月27日「第43回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」が、9月11日(土)より、東京・国立映画アーカイブにて開催される。この度、映画祭のメインプログラムであるコンペティション部門「PFFアワード」の「最終審査員」5名が発表された。映画祭のメインプログラムであるコンペティション部門「PFFアワード」は、映画監督の登竜門として、世界で活躍する黒沢清や諏訪敦彦、園子温、塚本晋也、李相日、荻上直子、石井裕也など、これまでに160名を超えるプロ映画監督を送り出している。本年は489本の応募から入選を果たした18作品が、映画祭でグランプリ他各賞を競っている(グランプリは賞金100万円)。賞は数時間にわたる討議の末に決定、9月24日(金)の表彰式にて、この最終審査員より発表予定だ。映画祭チケットは、8月28日(土)午前10時より、チケットぴあにて発売。新型コロナウイルス感染拡大予防のため、定員の50%の座席数を販売となる。■イベント情報映画祭「第43回ぴあフィルムフェスティバル」9月11日(土)~25日(土)開催※月曜休館会場:国立映画アーカイブ公式サイト: <「PFFアワード2021」最終審査員(5名)>池松壮亮(俳優)、今泉力哉(映画監督)、柴崎友香(作家)、岨手由貴子(映画監督)、高田亮(脚本家)<「PFFアワード2021」18作品>※作品名50音順。上映時間、年齢、職業(学校名)は応募時のもの。『愛ちゃん物語♡』91分 監督:大野キャンディス真奈(22歳 / 東京都出身 / 東京藝術大学 美術学部油絵科)『苺のジャムとマーガリン』10分 監督:宮永咲弥花(18歳/埼玉県出身 / 埼玉県立芸術総合高等学校 映像芸術科)『壁当て』10分 監督:井上朝陽(19歳 / 大阪府出身 / ビジュアルアーツ専門学校 大阪)『巨人の惑星』25分 監督:石川泰地(25歳 / 東京都出身 / フリーター)『帰路』19分 監督:高橋伊吹(18歳 / 愛知県出身 / 瑞陵高校)『グッバイ!』31分 監督:中塚風花(20歳 / 滋賀県出身 / 会社員)『県民投票』92分 監督:大場丈夫(38歳 / 茨城県出身 / 会社員)『五里霧中』40分 監督:曽 子明(26歳 / 中国出身/武蔵野美術大学 造形学部映像学科)『サイクルレース』5分 監督:倉澤紘己(21歳 / 東京都出身 / 武蔵野美術大学 造形学部映像学科)『Journey to the 母性の目覚め』5分 監督:岡田詩歌(25歳/東京都出身 / 東京藝術大学大学院 映像研究科アニメーション専攻)『転回』14分 監督:岩﨑敢志(24歳 / 愛知県出身 / フリーター)『ばちらぬん』61分 監督:東盛あいか(23歳 / 沖縄県出身 / 京都芸術大学 映画学科)『Parallax』34分 監督:野辺ハヤト(49歳 / 埼玉県出身 / フリーランス)『豚とふたりのコインランドリー』22分 監督:蘇 鈺淳(26歳 / 台湾出身 / 東京藝術大学大学院 映像研究科映画専攻)『距(へだ)ててて』78分 監督:加藤紗希(31歳 / 愛知県出身 / 俳優・振付師)『みなみとあした』22分 監督:林崎征大(22歳 / 東京都出身 / 武蔵野美術大学 造形学部映像学科)『夜の帳につつまれて』70分 監督:松林悠依(23歳 / 三重県出身 / 早稲田大学 人間科学部)『ROUTINE』21分 監督:宮原拓也(28歳 / 東京都出身 / 映像作家)<入選作品データ>【入選数】18本【年齢】平均:25.4歳最年少:18歳最年長:49歳【上映時間】平均:36.1分最短:5分最長:92分<応募全体データ>【応募数】489本【年齢】平均:31.3歳最年少:18歳最年長:64歳【上映時間】平均:33.7分最短:2分最長:149分<入選作品が決まるまで>1次審査(3月中旬~4月下旬):「1作品を3名が必ず最初から最後まで、1分1秒もらさず観る」というルールのもと、全作品をセレクション・メンバー16名で手分けして鑑賞。1次審査会議では、鑑賞した3人の審査員が他のメンバーにぜひみせたい作品を推薦し「1次通過作品」を決定。2次審査(4月下旬~6月下旬):「1次通過全作品」をセレクション・メンバー全員が鑑賞。2次審査会議では、丸2日間かけて全員で合議を行う。最終的なプログラミングはセレクションに参加しているPFFディレクターに委ねられ、入選作品が決定。
2021年08月25日miwaが、YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」第144回で自身の代表曲「ヒカリへ」を披露することが決定した。今回披露される「ヒカリへ」は、2012年に放送された小栗旬主演のフジテレビ系ドラマ『リッチマン、プアウーマン』の主題歌として制作された自身最大のヒット曲で、紅白歌合戦に初出場を果たした際にも披露された。昨年5月、緊急事態宣言を受けスタジオ収録が困難になった状況で派生した企画「THE HOME TAKE」の第1回目にmiwaが出演した時には想像もしていなかった4回目の緊急事態宣言の最中、“今歌うべき”とセレクトされた。今回は、miwaのバンドメンバーとしてデビュー前からの盟友であるピアニストejiが女性のみのメンバーでクラシックなアレンジを施し、撮影に参加するバイオリンとチェロ奏者とは当日スタジオで初顔合わせからの一発撮りという状況の中、miwaが溢れる想いを歌に込めて同曲を披露する。その映像は本日22時よりプレミア公開される。■miwa コメントすごくドキドキしました。普段レコーディングのときはギターを弾きながらは歌わないのでそこはちょっとライブ感があるけど、メンバーが離れて演奏しているところはレコーディングっぽくて、両方が入り混じった緊張感のあるライブという感じがしました。「THE FIRST TAKE」一発撮りのドキドキ感、ライブ感、素敵な映像といい音で、楽しんでいただけたらうれしいです。miwa「 ヒカリへ」THE FIRST TAKE※8月20日(金) 22:00プレミア公開YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」チャンネルトップページ■「THE FIRST TAKE」SNSOfficial Site Instagram Twitter TikTok■「THE FIRST TAKE STAGE」SNSOfficial Site一発撮りオーディションプログラム「THE FIRST TAKE STAGE」■Podcast「THE FIRST TAKE MUSIC」「THE FIRST TAKE」に出演したアーティストをゲストに迎え、撮影の舞台裏やエピソードを公開中LiSA×Uru「再会 (produced by Ayase)」配信リンク:×Uru「再会 (produced by Ayase)」/ THE FIRST TAKEYouTube miwa 関連リンクHP
2021年08月20日映画『ドリームプラン』が公開。第94回アカデミー賞および第79回ゴールデン・グローブ賞で、ウィル・スミスが主演男優賞を受賞した。世界最強テニスプレイヤー姉妹を育てた父親のドリームプラン映画『ドリームプラン』は、世界最強のテニスプレーヤーとも称されるビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹を育て上げた父リチャード・ウィリアムズを描いた伝記作品。2人をテニス界の女王へと導いたのは、“テニス経験皆無”の父親が独学で作り上げた「計画書=ドリームプラン」だったー。彼はどのようにして、姉妹を天才プレイヤーに育て上げたのか?世界の常識を変えた、驚異の実話が明かされる。ビーナス&セリーナ姉妹とは?ビーナス&セリーナ姉妹は、女子プロテニス界のトップに10年以上にわたり君臨。ビーナスはグランドスラム(全豪オープン・全仏オープン・ウィンブルドン・全米オープンのテニス界の世界4大大会を制覇)を7回、セリーナは23回(女性歴代2位)、オリンピックでは2人合わせて5つの金メダルを獲得している。女子プロテニス史に名を残す2人の偉大なプレーヤーは、大坂なおみにも影響を与えた。その大坂が、2021年の全豪オープン女子シングルス準決勝ではセリーナに勝利。試合後、両者が抱擁するシーンに、世界中のファンが歓喜したことも記憶に新しい。主演ウィル・スミスが破天荒な父親役に■リチャード・ウィリアムズ(ウィル・スミス)後に世界最強テニスプレイヤー姉妹となる2人の実父リチャード。彼女たちが生まれる前にTVで優勝したテニスプレーヤーが4万ドルの小切手を受け取る姿を見て、「子どもを最高のテニスプレーヤーにしよう!」と決意する。テニス未経験にも関わらず、独学でテニスの教育法を研究し、78ページにも及ぶ成功への計画書、“常識破り”の「ドリームプラン」を実行した。ギャング蔓延るロサンゼルス郡南部・コンプトン市の公営のテニスコートで、リチャードは周りから批判を受けながらも、数々の問題を乗り越えながら、娘たちを史上最強のプロテニスプレイヤーに育て上げていく。主演を務めるのは、ウィル・スミス。『ジェミニマン』『バッドボーイズ フォー・ライフ』などのアクション映画や、ディズニー実写化映画『アラジン』といったエンターテイメント作品、『素晴らしきかな、人生』『コンカッション』といったドラマ作品など、さまざまな作品で存在感を発揮する彼が、型破りな父親を演じ切る。■オラシーン・ウィリアムズ(アーンジャニュー・エリス)姉妹の母親。テニスのコーチになるために独自のトレーニングをしながら、同時に仕事もする。演じるのは、ドラマシリーズ「ラヴクラフトカントリー恐怖の旅路」でエミー賞最優秀助演女優賞(ドラマシリーズ部門)にノミネートされ、『ビール・ストリートの恋人たち』にも出演しているアーンジャニュー・エリス。■ビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹(サナイヤ・シドニー、デミ・シングルトン)女子プロテニス界のトップに10年以上にわたり君臨する最強姉妹。演じたサナイヤ・シドニーとデミ・シングルトンは、テニスの厳しいトレーニングプログラムを受け、撮影に臨んだという。また、ビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹本人に会い、演技に生かした。■タンディ・プライス(ミケイラ・ラシェ・バーソロミュー)■イシャ・プライス(ダニエル・ローソン)■リンドリア・プライス(レイラ・クロフォード)ビーナスとセリーナの3人の姉たち。父リチャード、母オラシーンは働きづめだったため、彼女たちは放課後から電灯が消えるまでコートの周辺にいて妹たちの面倒をみた。映画『ドリームプラン』には、マルチメディア/映画プロデューサーとなったイシャが、セリーナ、ビーナスと共に製作総指揮として参加。また、リンドリアも衣装係を務めている。■リック・メイシー(ジョン・バーンサル)超ポジティブなテニス・アカデミーの指導者。『フォードvsフェラーリ』『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』のジョン・バーンサルが担当する。■ポール・コーエン(トニー・ゴールドウィン)ビーナスの最初のプロコーチで、ジョン・マッケンローやピート・サンプラスが活躍していた70年代、80年代、そして90年代のトップコーチ。多くのジュニアを指導しており、リチャード・ウィリアムズがテニス雑誌で彼がマッケンローのコーチをしているのを見て、売り込みの電話をかけた。演じるのは、『ゴースト/ニューヨークの幻』『ラスト サムライ』のトニー・ゴールドウィン。第94回アカデミー賞でウィル・スミスが主演男優賞映画『ドリームプラン』は第94回アカデミー賞で作品賞・脚本賞・編集賞、製作&主演のウィル・スミスが主演男優賞、アーンジャニュー・エリスが助演女優賞、ビヨンセの「ビー・アライヴ」が歌曲賞にノミネート。ウィル・スミスが主演男優賞に輝いた。第79回ゴールデン・グローブ賞で主演男優賞なお、第79回ゴールデン・グローブ賞ではドラマ部門<作品賞>にノミネート、ウィル・スミスが<主演男優賞>、アーンジャニュー・エリスが助演女優賞、ビヨンセの「ビー・アライヴ」が歌曲賞の候補となり、ウィル・スミスが見事<主演男優賞>を受賞した。“アカデミー賞に期待”ウィル・スミスが明かす役作り主演のウィル・スミスは、これまで『ALI アリ』『幸せのちから』で2度アカデミー賞にノミネートされており、『ドリームプラン』で3度目のアカデミー主演男優賞ノミネートを達成。ウィル・スミスは「役を理解するために俳優の経るプロセスは本当に不思議で、何がその役に入り込めるきっかけになるのかわからない」と役作りについて言及した上で、今回のリチャード役の場合は「僕の実娘ウィローとのつながりが役づくりのきっかけとなった。ウィローとの関係や彼女のキャリアを活かすことで、僕はリチャードがビーナスやセリーナとの間に築いた距離感を見いだすことができたんだ」とコメント。また「押し付けたり、追い込んだり、叩き込んだりしない」リチャードの教育方針に感銘を受けたと言い、「ビーナス本人から聞いたすばらしい逸話がある。彼女たちが子どもの頃に問題を起こしたとき、その罰はテニスができないということだったそうだ。そこでリチャードは、押し付けるのではなく、家族として選んだ夢に向かう彼女たちに従っていくという、すばらしい考え方を見つけたんだ」と、ビーナス本人との会話からも、役作りのヒントを得たと明かしている。夢に向かって心を一つにする“家族”の物語『ドリームプラン』の監督はレイナルド・マーカス・グリーン、脚本はザック・ベイリンが担当。レイナルド・マーカス・グリーン監督は、映画について「言うまでもないが、これは家族全員を描く物語だ」とコメント。夢を叶えるために心をひとつにして取り組む“家族の力”に共感し、映画にしなくてはならないと強く思ったという。また、脚本を手掛けたザック・ベイリンは、劇中には登場するいくつかの信じがたいエピソードについて、「脚本のほぼすべての内容が事実に基づいている」と語る。「物語についてよく知らなかった私のマネジャーに、脚本を読んでもらおうと初めて送ったとき、返ってきたメッセージは『これ全部、本当に起こったことじゃないよね?そうだろ?』『違った。すべてが事実に忠実なんだね』だった。この家族は、信じがたい驚きの人生を送っている。」とも明かした。エンディングテーマはビヨンセ映画『ドリームプラン』のエンディングテーマを歌い上げるのは、2021年のグラミー賞で計4部門受賞、累計28回の受賞により“女性アーティストとして最多受賞”の新記録を樹立したビヨンセ。『ドリームプラン』のためのオリジナルソングである新曲「ビー・アライヴ」で、物語のエンディングを彩る。作品詳細映画『ドリームプラン』公開日:2022年2月23日(祝・水)製作:ウィル・スミス、ティモシー・ホワイト、トレバー・ホワイト、セリーナ・ウィリアムズ、ビーナス・ウィリアムズ監督:レイナルド・マーカス・グリーン脚本:ザック・ベイリン撮影:ロバート・エルスウィット出演:ウィル・スミス、アーンジャニュー・エリス、サナイヤ・シドニー、デミ・シングルトン、トニー・ゴールドウィン、ジョン・バーンサル配給:ワーナー・ブラザース映画
2021年08月19日「第43回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」が9月11日(土)、東京・国立映画アーカイブにて開催される。既に上映作品の一部が報じられてきたがこの度、全ラインナップ(8企画)の内の残り4企画が発表となった。まずは世界初となる「ナワポン・タムロンラタナリット監督特集 ~タイからの新しい風~」。写真やSNSなどの現代メディアを自在に駆使し、どこまでも自由にフィクションとドキュメンタリーを行き来する、新世代監督は親日家としても知られている。また彼のオンライントークが聞ける場も設けられてるという(詳細は後日発表)。<上映作品>『ハッピー・オールド・イヤー』(2019年)『BNK48: Girls Don’t Cry』(2018年)『ダイ・トゥモロー』(2017年)『フリーランス』(2015年)『あの店長』(2014年)『マリー・イズ・ハッピー』(2013年)『36のシーン』(2012年)「ハッピー・オールド・フィルムズ1」(2010~11年)ビターで奇妙でクールで温かい、のちの萌芽を感じる自選中編3本「ハッピー・オールド・フィルムズ2」(2011~18年)水原希子、モトーラ世理奈、BNK48出演のCMを含む自選短編16本またピーター・バラカンの解説と大スクリーンでの上映が好評の映画と音楽シリーズ「ブラック&ブラック」も準備されている。今回は「『ミカ・カウリスマキ / ママ・アフリカ ミリアム・マケバ』と、『ミスター・ダイナマイト:ファンクの帝王ジェームス・ブラウン』の2本の音楽ドキュメンタリーが上映されるもようだ。そしてスペインの映画祭「フィルマドリッド」で喝采を浴びたPFFアワード2019グランプリ受賞作『おばけ』も再上映。オンライン配信は行わず、スクリーンでの上映にこだわり続けた、監督の想いが詰まった本作をお見逃しなく。さらに「PFFスペシャル映画講座」は廣原暁(映画監督)×諏訪敦彦(映画監督)「コロナ禍の卒業映画制作」、藤元明緒(映画監督)×渡邉一孝(映画プロデューサー)「越境するインディペンデント映画~"越境シネマLABO" はじめます~」、横山百合子(国立歴史民俗博物館 名誉教授)「タイトルと内容のギャップに驚愕!加藤泰の傑作」、石井岳龍(映画監督)「安倍公房と勅使河原宏」、長嶌寛幸(音楽家)×松井茂(詩人)「勅使河原宏の音と空間」というラインナップ。今年は8人の豪華講師陣が様々な角度から映画と時代と人に迫り、一層映画を面白くする。これで今年の「PFF」の全企画が出揃った。映画祭チケットは、8月28日(土)午前10時より、チケットぴあにて発売される。■イベント情報映画祭「第43回ぴあフィルムフェスティバル」開催概要9月11日(土)~25日(土)開催※月曜休館会場:国立映画アーカイブ<ピーター・バラカン:コメント>『ミカ・カウリスマキ / ママ・アフリカ ミリアム・マケバ』について欧米では「パタ・パタ」や「クリック・ソング」で知られるミリアム・マケバは故郷の南アフリカを離れた長い亡命生活でアパルトヘイトと闘い続けた活動家の面を持ちながら、アフリカの音楽との最初の接点を作った歌手としても有名でした。彼女の音楽と人生についての記録です。『ミスター・ダイナマイト:ファンクの帝王ジェームス・ブラウン』について芸術はまさに爆発です。多くの矛盾をはらんだソウル・ミュージックの最重要人物、ファンクというジャンルの原形を作り、音楽界に革命を起こした男の人生を極貧の幼少期から、かなり珍しい映像と共に描いた貴重なドキュメンタリーです。
2021年08月19日第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で日本映画史上初となる脚本賞ほか全4冠に輝いた濱口竜介監督最新作『ドライブ・マイ・カー』。北米プレミアとなる第46回トロント国際映画祭、および第69回サン・セバスチャン国際映画祭への正式出品も決定するなど、世界から大きな注目を集めている本作のメイキング画像が一挙公開、併せて濱口監督からのコメントも到着した。>>『ドライブ・マイ・カー』あらすじ&キャストはこちらから解禁された画像は、濱口竜介監督が直接キャストの面々に演出している姿が印象的なショットが多数。舞台上やオーディション会場のシーンなどで、濱口監督の話に熱心に耳を傾けている主演・西島秀俊の姿が収められたメイキング写真からは、“俳優であり演出家”という2つの側面を持つ家福という役に向き合う様子がうかがえる。濱口監督も「演出家の役として目の前で起きていることを本当に楽しんでいて、一緒に演じる側はすごく楽だっただろうという気がします。画面のなかで実際に、演出家のようにいていただいたと思います」と西島さんの現場での佇まいとその演技に絶賛を贈る。さらには韓国、台湾、フィリピンなどの国からオーディションで選ばれた海外キャストたちによる多言語劇シーンのメイキング写真も。様々な国のキャストたちと心を通わせながら本作を作り上げている舞台裏が収められた。また、家福の専属ドライバーみさき役を演じた三浦透子は、本作のために免許を取得。実際に自身で運転するシーンも多く、真っ赤なサーブ900の前で監督から演出を受ける姿も印象的。「運転も特訓していただいて、とても素晴らしく映画のなかに存在してくれていると思います」と、三浦さんについても監督は語っている。『ドライブ・マイ・カー』は8月20日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ドライブ・マイ・カー 2021年8月20日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開(C)2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
2021年08月14日女優の吉永小百合が主演を務める映画『いのちの停車場』(5月21日公開)が第11回北京国際映画祭コンペティション部門にノミネートされることが5日、明らかになった。同作は都内の終末期医療専門病院に勤務する現役医師でありながら、作家として活躍する南杏子の同名小説の実写化作。救命救急医として、長年大学病院で患者と向き合ってきた咲和子(吉永)は、とある事情から石川県にある父の住む実家へと戻り、在宅医療を通して患者と向き合う「まほろば診療所」に勤めることになる。北京国際映画祭は、上海国際映画祭と並ぶ中国最大級の国際映画祭で、毎年世界中からの多くの映画人が参加、国際交流の場としても重要な地位を占めている。先日、コンペティション部門「天壇賞」の審査委員長に、人気女優コン・リーが選ばれたことを発表し、中国国内外で大きな話題となっていた。今回の「天壇賞」を争うコンペティション部門には中国国内外から15作品がノミネートされ、日本映画では本作『いのちの停車場』のみ。その他にはフィンランド映画『Any Day Now』や アルゼンチン映画『A School in Cerro Hueso Trailer』、ロシア映画『A Siege Diary』、中国映画は『関于我媽的一切(All About My Mother)』などが決定している。日本では公開された週末の興行成績では興行収入・動員数ともに第1位を飾り、東京・大阪などの映画館休業、他エリアでの時短営業の影響を受けつつも、感動の声が広がっていた同作。累計興行収入が951,418,820円(7月29日時点)となり、吉永122本目の映画にして大台の10億円突破は確実となっている。○成島出監督 コメントこの度、北京国際映画祭コンペティション部門にノミネート頂き、また中国の皆様に『いのちの停車場』をご覧いただけけるとのこと、大変嬉しく思っております。本作はコロナ禍の大変な状況の中で、キャスト・スタッフが一丸となって作り上げました。中国、そして世界の一人でも多くの方々に本作を通して“生きる希望”を感じていただけたら幸いです。
2021年08月05日第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で日本映画史上初となる脚本賞ほか全4冠に輝いた濱口竜介監督最新作『ドライブ・マイ・カー』。この度、主人公・家福(西島秀俊)の専属ドライバーを務めるみさき(三浦透子)が本を読む姿を捉えた劇中写真が解禁。この印象的なシーンにちなみ、「今こそ読みたい、観たい“村上春樹作品”」に着目した。国内外で熱狂的なファンを持つ村上春樹作品。これまで、50以上の言語で翻訳され、「ドライブ・マイ・カー」を含む9作品が映画化されている。さらに今年10月1日には、日本を代表する建築家・隈研吾氏による「国際文学館(村上春樹ライブラリー)」も母校・早稲田大学のキャンパス内に開館を予定するなど、注目を集めている。そんな国内外で高く評価を受ける村上作品の映画化作品も傑作揃いだ。『ノルウェイの森』(2010/トラン・アン・ユン監督)1987年の発表当時、空前の世界的ベストセラーとなった村上春樹長編5作目。物語は、37歳のワタナベが「ザ・ビートルズ」の「ノルウェイの森」を聴き、学生時代を回想するところから始まる。学生時代の親友の自殺を受け、心に傷を抱えたままのワタナベと、当時親友の彼女だった直子が大学生になって再会しデートを重ねるが、20歳の誕生日を迎えた後、直子は姿を消す――。ワタナベを松山ケンイチ、親友の彼女だった直子を菊地凛子、緑を演技初挑戦となる水原希子が演じた。さらには、『ドライブ・マイ・カー』で家福の妻・音を演じている霧島れいかもレイコ役で印象的な演技をみせているのも注目。2010年、ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に出品され、国内外から高い評価を得た。『トニー滝谷』(2004/市川準監督)村上春樹の短編集「レキシントンの幽霊」に収められた同名小説をイッセー尾形、宮沢りえ主演で映画化。監督は『BU・SU』『つぐみ』などの名匠・市川準。幼少期から孤独を孤独だと感じずに生きてきたイラストレーターのトニー滝谷。妻と死別したトニーは、容姿、体型とも妻に似ている久子に“ある条件”を出して、アシスタントとして雇う。その出会いによって、トニーは初めて孤独を知る――。本作の語りを担当するのは、『ドライブ・マイ・カー』主演の西島秀俊。客観的でいながらも、主人公トニーの孤独に寄り添うかのような温かみのある声で語られる西島さんの語りは作品の世界観にぴたりとハマっており、『ドライブ・マイ・カー』の前にも見返したい1作。第57回ロカルノ国際映画祭コンペ部門審査員特別賞受賞。『バーニング劇場版』(2018/イ・チャンドン監督)村上春樹が1983年に発表した短編小説「納屋を焼く」(新潮社)を原作に、韓国の名匠イ・チャンドンが物語を大胆にアレンジして描いたミステリードラマ。原作では、「僕」が婚活パーティーで広告モデルをしている「彼女」と知り合い付きあい始めるが、「彼女」には「僕」以外にも複数のボーイ・フレンドがおり、「僕」はそのうちの1人から、ある趣味の話を聞く――。ユ・アイン、チョン・ジョンソ、さらに『ミナリ』のスティーヴン・ユァンを迎え、想像し得ないラストへと導く本作は、第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映されると海外メディアが絶賛。第91回アカデミー賞外国語映画賞に韓国代表作として出品され、同国史上初めて最終選考9作品に残るなど、高い評価を受けた。バラク・オバマ元大統領の「2018年のお気に入り映画」の1作。『ドライブ・マイ・カー』(2021/濱口竜介監督)『ドライブ・マイ・カー』の原作は、「女のいない男たち」と題して文藝春秋で連作された短編小説の1作目。のちに、同作含む全6篇を収録した短編小説集「女のいない男たち」(文春文庫刊)として発売され、オバマ元米大統領が「2019年のお気に入りの本」に挙げたことでも話題となった。現在、累計発行部数は70万部を突破、19か国語に翻訳され多くの国で愛されている。映画化に際して、濱口監督は「同時期に書かれた作品にはやはりどこか互いに共通するものを感じました」と同短編小説集に収録されている「シェエラザード」「木野」のエピソードも投影。ひとつの映画にして、3つの村上作品の映像化を体感できるかのような驚異的な物語を紡ぎだした。本作は、ワールドプレミアとなるカンヌ国際映画祭で上映されるや、海外メディアが絶賛、日本映画史上初となる脚本賞に輝いている。『ドライブ・マイ・カー』は8月20日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョンバーニング 劇場版 2019年2月1日よりTOHO シネマズ シャンテほか全国にて公開©2018 PinehouseFilm Co., Ltd. All Rights Reservedドライブ・マイ・カー 2021年8月20日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開(C)2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
2021年08月02日「第43回ぴあフィルムフェスティバル」が、9月11日(土)から東京・国立映画アーカイブにて開催される。この度、本企画のオープニング上映として、PFFスカラシップ最新作『裸足で鳴らしてみせろ』のお披露目が決定した。この映画祭のメインプログラムである自主映画のコンペティションが「PFFアワード」。そして、この受賞監督からオリジナル企画を募り、毎年1名を選出する「PFFスカラシップ」となる。PFFが企画から製作、劇場公開までをトータルにプロデュースし、これまで園子温や橋口亮輔、矢口史靖、李相日、荻上直子、内田けんじ、石井裕也など第一線で活躍する監督たちの商業映画デビュー作を世に送り出してきた。第27回となる「PFFスカラシップ」の権利を獲得したのは「PFFアワード」2018グランプリを受賞後、全国10か所を超える劇場で公開された『オーファンズ・ブルース』の工藤梨穂監督。そして『裸足で鳴らしてみせろ』では、盲目の養母のために“世界の音”を届けようとするふたりの青年の関係を丁寧に紡いだ、切ない人間ドラマを完成させた。お披露目上映では、監督とキャストによる舞台挨拶も予定されている。ぜひ期待していてほしい。<工藤梨穂監督・コメント>ラストシーンが頭に思い浮かんだ時からずっと「この光景を誰かに観てほしい」というどうしようもなく強い欲望に取り憑かれて、この映画を撮りました。私自身は撮影中、明日も明後日も同じように撮れるものではない、この瞬間を逃したらもう二度と捉えることのできないようなものを目の当たりにして映画を撮ることへの恐ろしさを改めて感じました。人が生涯忘れられないような映画を作ることを目指して、素晴らしいキャストとスタッフに携わってもらい、今の自分にできる全てを注いだつもりです。『裸足で鳴らしてみせろ』が誰かの脳裏で反芻され続ける映画であるようにと切に願っています。大変な状況下ではありますが是非観に来てください、と言わせてください。「第43回ぴあフィルムフェスティバル」9月11日(土)
2021年07月30日第71回トニー賞(R)6部門、第60回グラミー賞(R)など数々の賞を受賞した心震わす感涙ミュージカル「Dear Evan Hansen」を映画化した『ディア・エヴァン・ハンセン』が、11月26日(金)より公開されることが決定。特報&ティザービジュアルが到着した。学校に友達がおらず家族にも心を開けずにいるエヴァン・ハンセン(ベン・プラット)は、ある日、自分宛に書いた“Dear Evan Hansen(親愛なるエヴァン・ハンセンへ)”から始まる手紙を、同級生のコナーに持ち去られてしまう。後日、校長から呼び出されたエヴァンは、コナーが自ら命を絶ったことを知らされた。悲しみに暮れていたコナーの両親はエヴァンの手紙を見つけ、息子とエヴァンが親友だったと思い込んでしまう。これ以上コナーの両親を苦しめたくないと思ったエヴァンは、思わず話を合わせてしまい、“ありもしないコナーとの思い出”を語る。コナーの話は人々の心を打ち、SNSを通じて世界中に広がり、彼の人生は大きく動き出す。主人公が1通の手紙と“思いやりの嘘”をきっかけに、人とのつながりや本当の自分に気づくまでの過程を描いたミュージカルを映画化した本作。監督を務めたのは、『ワンダー 君は太陽』や『ウォールフラワー』のスティーヴン・チョボスキー、製作には『ラ・ラ・ランド』『グレイテスト・ショーマン』のスタッフ陣が集結した。主人公のエヴァン・ハンセンは、ミュージカル版でも主役を務めたベン・プラット、エヴァンが想いを寄せるコナーの妹・ゾーイ役を『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』のケイトリン・デヴァーが演じている。またエヴァンを支え励ますシングルマザーのハイディ・ハンセン役を『アリスのままで』のジュリアン・ムーア、コナーとゾーイの母親シンシア・マーフィー役を『魔法にかけられて』のエイミー・アダムスが演じるなど、豪華俳優陣が脇を固める。今回解禁となった特報映像は、主人公のエヴァンが「こんな人生…」と嘆きながら居場所のない日々を過ごしている場面から始まる。ある日、話を合わせるためについてしまった“思いやりの嘘”が、SNSを通じ多くの人々へ拡散し「私たちも孤独だったの」「あなたの言葉が救ってくれた」と共感を呼び、やがて彼の人生が大きく変わっていく様子が映し出されている。映像終盤には、本作の象徴ともいえる「ひとりじゃない」という力強いメッセージが込められたベン・プラットが歌う名曲「You Will Be Found」の一部を聞くことができる。さらに、到着したティザービジュアルは“思いやりでついた嘘。そして、たどりついた本当。”のキャッチコピーとともにタイトルが大きく描かれたシンプルなデザインで、心を震わす良質なドラマを予感させるビジュアルになっている。『ディア・エヴァン・ハンセン』は11月26日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ディア・エヴァン・ハンセン 2021年11月26日より全国にて公開© 2021 Universal Studios. All Rights Reserved.
2021年07月30日2021年秋のクラシック界最大の話題といえば、“ピアノの詩人”ショパンの名を冠した世界最高峰のコンクール「ショパン国際ピアノコンクール(5年に1度開催)」だ。本来ならば、昨2020年秋に開催予定だったところが、新型コロナウィルス感染拡大の影響により1年延期。第18回目となる今回は、ショパンの命日に当たる10月17日を挟んだ2021年10月3日〜20日にポーランドのワルシャワで開催される。先日すでに出場者の内訳が発表され、日本から参加する14名の中には、角野隼斗、反田恭平、牛田智大、小林愛実といった話題のピアニストが名を連ねるだけに、例年以上の盛り上がりと成果が期待される。そして今回、「ショパン国際ピアノコンクール」を楽しむための素敵なアルバムが発売になる(8月25日発売予定)。その名もずばり『ショパン スーパー・ベスト・オブ・ベスト』と名付けられた同アルバムには、ショパン国際ピアノコンクールの歴代の覇者、そして今注目の世界的ピアニストの名演奏が32曲も収められているのだから嬉しい限り。更に注目したいのが監修者だ。ベストセラー『ピアニストの脳を科学する 超絶技巧のメカニズム』の著者で脳科学者の古屋晋一氏書き下ろしによるライナーノートは、さながら前述の著書の続編を読む趣だ。アシュケナージ、ブーニン、チョ・ソンジン、アルゲリッチ、内田光子の演奏テクニックの徹底解説は要注目。これさえあれば、ショパン・コンクールは100倍楽しい⁉●古屋晋一氏コメント「今年は10月にショパン国際ピアノコンクールが行われます。コロナ禍でストリーミングの普及が加速し、映像を通してコンテスタントの演奏を鑑賞される方も多いのではないでしょうか。その映像の中には、ピアニストのこれまでの研鑽が集約された、様々なスキルの結晶が散りばめられています。このアルバムを通して、名ピアニストらの身体の叡智と至高の音楽との関係を紐解く一つの視点をご提案することで、皆様のより充実した鑑賞の一助となれば幸いです」●古屋晋一ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー・シニアプログラムマネージャー、ハノーファー音楽演劇大学 客員教授、上智大学 特任准教授、京都市立芸術大学・東京音楽大学・エリザベト音楽大学 講師。大阪大学基礎工学部、人間科学研究科を経て、医学系研究科にて博士(医学)を取得。ミネソタ大学 神経科学部、ハノーファー音大 音楽生理学・音楽家医学研究所、上智大学 理工学部にて勤務した後、現職。研究の主な受賞歴に、ドイツ研究振興会(DFG)Heisenberg Fellowship、Klein Vogelbach Prize、Alexander von Humboldt財団Postdoctoral Fellowship、文部科学省 卓越研究員など。主な演奏歴に、KOBE国際音楽コンクール入賞、Ernest Bloch音楽祭出演、兵庫県立美術館にてリサイタルなど。主な著書に、ピアニストの脳を科学する、ピアニストならだれでも知っておきたい「からだ」のこと。Sony CSL主催ピアノアカデミーにてオーガナイザー、ロンドン大学ゴールドスミス校にてIndustry Advisory Board、国際学会Neurosciences and MusicにてScientific Boardを務める。古屋晋一 オフィシャル公式HP: www.neuropiano.net▽商品情報タイトル:『ショパンスーパー・ベスト・オブ・ベスト』発売日:2021年8月25日品番:UCCS-1301/2定価¥2,200 (税込)
2021年07月30日ディズニー・ミュージカル映画『ミラベルと魔法だらけの家』が公開。第94回アカデミー賞で長編アニメ映画賞を、第79回ゴールデン・グローブ賞ではアニメーション作品賞を受賞した。新ヒロインは、“魔法だらけの家”にうまれた少女・ミラベル『ミラベルと魔法だらけの家』は、『モアナと伝説の海』以来4年振りとなる、ディズニーが贈るオリジナル・ミュージカル映画。新ヒロインとなるのは、南米コロンビアの奥地にたたずむ“魔法だらけ”の一家に生まれた少女・ミラベルだ。ミラベルは、なぜ“魔法のギフト”を授からなかったのか?“魔法だらけの家”に住むマドリガル家に生まれた子供は、全員1人1人異なるユニークな才能“魔法のギフト”を家からプレゼントされる。ピアノ2台を軽々と持ち上げてしまうパワーをもつ少女、トラや鳥など沢山の動物とコミュニケーションをとる少年、目の前の人と同じ姿に変身してしまう少年、一瞬で美しい花を咲かせる力をもった少女など、様々な“魔法の才能”をもった家族が住んでいる。しかし、その中でなぜかミラベルだけはそのギフトをもらえずにいた。それでも家族と幸せに暮らしてたミラベルだが、ある日この魔法だらけの家が危険に晒されていることを知り、家族を救う唯一の希望として、立ち上がることを決意する。家族全員が特別な力を持つ一家の中で、なぜミラベルだけは力をもたないのか?そして魔法だらけの家に隠された、驚きのヒミツとは――?!ミラベルの家族と“魔法のギフト”物語に登場するのは、主人公ミラベルと、マドリガル家に生まれた個性豊かな家族たち。5歳の誕生日を迎えた際に与えられた“魔法のギフト”=才能と共に、登場キャラクターを一挙に紹介する。左から順に)・ルイーサ(パワーの魔法):ミラベルの次姉。魔法のギフトとして“力(パワー)のギフト”を授かった強くて力持ちで優れる働き者で、家族や町の人から頼りにされている。・イサベラ(花の魔法):ミラベルの長姉。植物を成長させ、“花を咲かせるギフト”を授かり、彼女の周りにはいつもカラフルな花が咲き乱れる。美しく、気品と落ち着きを持った優等生として家族からも信頼されている。・アルマおばあちゃん:マドリガル家の女家長でミラベルの祖母。フリエッタ、ぺパ、ブルーノという三つ子を育て、“魔法”に溢れる家族の伝統を引き継いできた人物。・アグスティン&フリエッタ(癒しの魔法):ミラベル、イサベラ、ルイーサの3姉妹の両親。アルマおばあちゃんを母に持つフリエッタは愛情を持って作った食事によって人々を癒す、“癒しのギフト”を持つ。・カミロ(変身の魔法):ミラベルのいとこで、ぺパとフェリックスを両親に持つ。“変身のギフト”を授かり、頭で思った人物の見た目に一瞬で変わることができる。・ぺパ(天気の魔法)&フェリックス:ミラベルのおば夫婦。アルマおばあちゃんの娘であるぺパは、感情で“天気をコントロールするギフト ”を持つ。ドロレス、カミロ、アントニオの3人の子供の両親。・ドロレス(聴力の魔法):ミラベルのいとこ。どんなに小さな小声でも聞こえてしまうという、“聴力のギフト”を与えられる。・アントニオ(動物の魔法)※写真最前の男の子:ミラベルのいとこで、“動物とコミュニケーションが取れるギフト”を持つ。とてもシャイな男の子。豪華クリエイターが集結『ズートピア』の監督が再タッグ!『ミラベルと魔法だらけの家』の監督を務めるのは、『ズートピア』以来、再タッグを組むバイロン・ハワード×ジャレド・ブッシュのコンビ。アカデミー賞長編アニメーション賞はじめとする、数々の賞を受賞した二人による、新たなファンタジーに期待が募る。音楽は「ハミルトン」のリン=マニュエル・ミランダまたディズニー・ミュージカルに欠かせない音楽には、ブロードウェイミュージカル「イン・ザ・ハイツ」や、脚本・作詞・作曲・主演を務めたミュージカル「ハミルトン」で名立たる賞を受賞したリン=マニュエル・ミランダ。『モアナと伝説の海』以来4年ぶりとなる新曲で、まだ誰も見たこのない<魔法×音楽>の世界へと観客を誘う。メイン楽曲は「奇跡を夢みて」劇中歌「奇跡を夢みて」は、『アナと雪の女王』でエルサが歌う「レット・イット・ゴー~ありのままで~」や『モアナと伝説の海』のモアナが歌う「どこまでも~How Far I’ll Go~」に続く、『ミラベルと魔法だらけの家』のメイン楽曲。“魔法のギフトがなくても私も家族の一員よ”と、明るく前向きに過ごすミラベルが、心の奥底で抱える“私だって魔法が欲しいの”という本当の気持ちを歌い上げる一曲だ。第79回ゴールデン・グローブ賞でアニメーション作品賞『ミラベルと魔法だらけの家』は世界の映画祭の賞レースにも参戦し、第94回アカデミー賞で長編アニメ映画賞を獲得。第79回ゴールデン・グローブ賞では3部門にノミネートされ、アニメーション作品賞を受賞。米ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞ではアニメーション映画賞を受賞した。日本版声優は“圧倒的な歌唱力”を誇る新人・斎藤瑠希新ヒロイン・ミラベルの日本版声優を射止めたのは、19歳の新人女優・斎藤瑠希(さいとうるき)。US本社のオーディションで、その圧倒的な歌唱力を絶賛され、抜擢にいたった。また、ミラベルの2人の姉・イサベラ役とルイーサ役の日本版声優は、平野綾と3時のヒロイン・ゆめっちが担当。中尾ミエはじめ、中井和哉、勝矢、冬馬由美、藤田朋子、関智一、畠中祐、木村新汰、大平あひる、武内駿輔といった声優陣も参加する。日本版エンドソングはナオト・インティライミが担当日本版エンドソングアーティストにはシンガーソングライターのナオト・インティライミが抜擢。トニー賞、グラミー賞など数々の賞を受賞し、本作の楽曲制作を務めるリン=マニュエル・ミランダ手掛ける楽曲「マリーポーサ ~羽ばたく未来へ~」を歌う。なお、ナオト・インティライミは本編でも声優として参加している。【詳細】ディズニー・ミュージカル映画『ミラベルと魔法だらけの家』公開日:2021年11月26日(金)監督:バイロン・ハワード、ジャレド・ブッシュ音楽:リン=マニュエル・ミランダ日本版声の出演:斎藤瑠希、3時のヒロイン・ゆめっち、平野綾、ナオト・インティライミ配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
2021年07月22日10月30日(土)~11月8日(月)開催予定の第34回東京国際映画祭にて、Amazon Prime Videoの協賛により、短編の審査によって才能ある新人監督を発掘する「Amazon Prime Video テイクワン賞」が新たに設立されることが発表された。東京国際映画祭ではこれまで日本映画を世界に向けて送り出していくことを大きな目的のひとつとして、チャレンジングなものからスケール感溢れる作品まで数多くの日本映画を紹介してきた。この度、更なる才能の発掘を目指して、商業長編映画経験のない日本在住の映画作家を対象にし、15分以下の短編の審査によって決定される新人監督賞を新たに設ける。新たな才能の発掘という趣旨に、国内外で優れたオリジナル作品を制作し多様な映像作品を配信している大手動画配信サービスであるAmazon Prime Videoが賛同。受賞者にはAmazon Prime Videoから賞金100万円の他に、Amazonスタジオとの長編映画の製作を模索する機会が提供される。審査員に関しては正式に決まり次第、後日発表される予定だ。エントリー期間は本日7月19日から、9月15日まで。■東京国際映画祭チェアマン安藤裕康コメントどこかに潜んでいる未知の才能が見出され、この東京国際映画祭から世界へと飛び立っていく姿を想像しただけでワクワクします。映画の新しい時代を切り開く有為な人材に期待しています。■Amazonスタジオアジアパシフィック責任者エリカ・ノースコメントAmazonスタジオは世界のクリエーターや表現者、そして制作にかかわる皆様にとって“Home for Talent(才能ある人が集う場所)”になることをビジョンとして掲げています。我々は、皆様からAmazonスタジオならびにAmazon Prime Videoと働きたいと言っていただける存在であるために、安全で働きやすく、クリエイティビティ―を制限しない環境を提供することを目指しています。日本だけではなく、世界をターゲットに活躍を望む日本のクリエーターの皆さんにとって、この賞が今後のご活躍のきっかけとなることを心より望んでいます。■開催概要第34回東京国際映画祭10月30日(土)~11月8日(月)公式サイト: 月1日(月)~3日(水・祝)公式サイト: 主催:公益財団法人ユニジャパン
2021年07月19日濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』(8月20日公開)が、先日行われた第74回カンヌ国際映画祭の脚本賞を日本映画として初受賞したことを記念して、dTVが「過去10年間で最高賞(パルム・ドール)を受賞した好きな映画作品」に関するアンケート調査を実施。アンケートの結果から “家族愛”と“社会格差”をテーマにした作品がdTVユーザーからも高い評価を得ていることが明らかになった。今年のパルム・ドールには、自動車と性的関係を持つヒロインが登場する独創的な映画『Titane』が選ばれたが、dTVが今回実施したアンケートでは、家族ぐるみで軽犯罪を重ねる一家の姿を通して、人と人とのつながりを描いたヒューマンドラマ『万引き家族』が236票を獲得し堂々の第1位に。同作は第71回カンヌ国際映画祭(18年)で、日本映画としては97年の『うなぎ』以来21年ぶりとなるパルム・ドールを受賞したほか、第91回アカデミー賞で日本映画では10年ぶりとなる外国語映画賞ノミネートを果たすなど、海外でも高い評価を獲得している。続いて第2位には、裕福な家族と貧しい家族の出会いから始まる物語を描いた人間ドラマ『パラサイト 半地下の家族』が203票を獲得しランクイン。第72回カンヌ国際映画祭(19年)で韓国映画初となるパルム・ドールを受賞した作品で、第92回アカデミー賞でも外国語映画として史上初となる作品賞を受賞したほか、監督賞、脚本、国際長編映画賞の4部門に輝くなど世界的に注目を集めた。どちらの作品も“家族”と“社会格差”がテーマとなっており、“貧困”という現代の社会問題を描いている。また、家族ぐるみで犯罪を犯す描写がある一方で、家族愛にあふれている点も2作品の共通点となっている。『万引き家族』を選んだ理由として、「描き方が難しい社会背景をうまく捉え、エンターテイメントへと昇華させた傑作」(50代男性)、「家族とは血のつながりだけでなく互いを思いやる、互いを必要とする事が大事だと考えさせられる映画」(60代女性)などの声があがっている。また、『パラサイト 半地下の家族』を選んだ理由としては「身近にはいないけど、家族を思う気持ちが非常に強い作品だから」(40代女性)、「一般的な角度からではなく弱者の視線を感じられて共感できた」(30代男性)などの声が寄せられた。また、過去10年間の受賞作品以外では、『パルプ・フィクション』、『麦の穂をゆらす風』、『白いリボン』、『エレファント』、『ピアノ・レッスン』、『うなぎ』、『戦場のピアニスト』、『息子の部屋』などの作品名があがっている。○■過去10年間でパルム・ドールを受賞した好きな映画作品TOP101位.『万引き家族』(236票)2位.『パラサイト 半地下の家族』(203票)3位.『ツリー・オブ・ライフ』(33票)4位.『わたしは、ダニエル・ブレイク』(28票)5位.『ブンミおじさんの森』(17票)6位.『ザ・スクエア 思いやりの聖域』(14票)7位.『アデル、ブルーは熱い色』(13票)8位.『雪の轍』(10票)9位.『愛、アムール』(9票)10位.『ディーパンの闘い』(4票)※複数回答可調査方法調査期間:2021年7月1日~17日調査対象:dTV有料会員調査方法:インターネットによるアンケート(※複数回答可)
2021年07月19日Amazonは、10月30日(土)から11月8日(月)に開催される第34回東京国際映画祭にて、日本映画業界の新しい才能を発掘するべく「Amazon Prime Video テイクワン賞」を新設することになった。同賞は、短編映画の審査によって才能ある新人監督を発掘することを目的としており、応募条件はこれまで商業映画の監督、脚本、プロデューサーを担当したことがない日本在住の映画作家の作品であること。受賞者にはAmazonから贈呈される100万円の賞金に加え、Amazonスタジオと長編映画の製作を模索し、脚本開発に取り組む機会などが提供される。また、同賞ファイナリストに選出された作品は、東京国際映画祭期間中に公式上映会場で一般観客に向けて上映も行われる。Amazonでは、同賞への協賛によって、クリエーターの才能を発掘し、今後映画製作における新しい才能を世界へ発信する貢献をしていくという。Amazonスタジオ アジアパシフィック責任者エリカ・ノースは、「Amazonスタジオは世界のクリエーターや表現者、そして制作にかかわる皆様にとって“Home for Talent(才能ある人が集う場所)”になることをビジョンとして掲げています」と語り、「日本だけではなく、世界をターゲットに活躍を望む日本のクリエーターの皆さんにとって、この賞が今後のご活躍のきっかけとなることを心より望んでいます」とコメント。東京国際映画祭チェアマン・安藤裕康は「どこかに潜んでいる未知の才能が見出され、この東京国際映画祭から世界へと飛び立っていく姿を想像しただけでワクワクします。映画の新しい時代を切り開く有為な人材に期待しています」とコメントを寄せている。第34回東京国際映画祭は10月30日(土)~11月8日(月)、日比谷・銀座地区(角川シネマ有楽町、シネスイッチ銀座、東京国際フォーラム、TOHOシネマズ シャンテ、TOHOシネマズ 日比谷、ヒューマントラストシネマ有楽町、有楽町よみうりホールほか)にて開催。(text:cinemacafe.net)
2021年07月19日第74回カンヌ国際映画祭にて、村上春樹の短編を映画化した濱口竜介監督最新作『ドライブ・マイ・カー』が日本映画初となる脚本賞ほか、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞という3つの独立賞も受賞し、計4冠。カンヌの歴史を塗り替える偉業を達成した。フランス現地時間7月17日(土)19時30分(日本時間7月18日(日)2時30分)より行われた第74回カンヌ国際映画祭の授賞式。日本映画としては唯一、最高賞を競うコンペティション部門への出品を果たした本作が、レオス・カラックス、ウェス・アンダーソン、ポール・バーホーベン、フランソワ・オゾン、ジャック・オーディアールなど世界的名匠たちの話題作を抑え、24作品から堂々の脚本賞選出。ワールドプレミアとなった公式上映後には、「悲しみと再生について描いた、深い感動の物語」(Variety)、「濱口監督は、この映画で世界的な才能の持ち主であることを証明した」(Little White Lies)、「ラストシーンは、この映画祭で目にした中で最も美しいものの1つだ」(Videodromo)など海外メディアの絶賛レビューが相次ぎ、さらには「Screen International」誌が掲載する各国の批評家たちによる「星取表」では4点満点中3.5という『パラサイト半地下の家族』 以来の断トツのハイスコアで首位。さらには授賞式に先駆けて発表された同映画祭の独立賞である国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞の3つの賞を受けていたことから、主要賞受賞へ期待を寄せる声が世界各国から集まっていた。濱口監督作品としては、商業デビュー作『寝ても覚めても』が2018年に同映画祭コンペティション部門に出品されており、今回、2作品連続・3年ぶりの出品。また、第71回ベルリン国際映画祭で短編集『偶然と想像』が審査員グランプリ(銀熊賞)を受賞。第77回ヴェネチア国際映画祭では共同脚本を務めた『スパイの妻<劇場版>』が銀獅子賞(監督賞)を受賞するなど三大映画祭を席巻し、気鋭監督として世界的に注目を集めていた。この度受賞した脚本賞は、コンペティション部門に出品された全24作のうち最も優れた脚本に贈られる賞で、日本人・日本映画での受賞はカンヌ国際映画祭史上初。濱口監督と共同脚本の大江崇允氏に贈られた。なお、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞の3つの独立賞と脚本賞の同時受賞も、カンヌ史上初となっている。授賞式を終え、受賞者による記者会見が7月17日(土)22時ごろ(日本時間7月18日(日)5時)に行われ、濱口監督が登壇した。濱口竜介監督 記者会見内容――決して複雑な脚本ではありませんが、登場人物が作用しあっていて複雑な人間関係を描いた演劇のようでもあります。どのようにして流れを作ったのでしょうか?濱口: 重要なのは原作の物語だと思います。村上春樹さんが書かれた「ドライブ・マイ・カー」という物語の登場人物の魅力を決して損なわないようにと考えていました。家福とみさき、この二人がすごく抑制された人間性で、自分のことをあまり喋るわけじゃないんだけれども、それぞれ腹のなかに渦巻いている感情というものはあって。それがあるきっかけて出てきてしまう。内にある物が溢れ出してくるという流れを一つの軸として考えていました。実際“流れ”というものはものすごく意識して書いていたと思います。滞ることがあってしまったら、この長い物語というのは、観客にとってとても負担になってしまう。淀むことなく進んでいくように、ということは考えていました。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ドライブ・マイ・カー 2021年8月20日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開(C)2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
2021年07月18日映画『ドライブ・マイ・カー』(8月20日公開)が、第74回カンヌ国際映画祭で日本映画として初となる脚本賞を受賞したことが18日、明らかになった。同作は村上春樹の同名短編小説に惚れ込んだ濱口竜介監督の最新作。妻を失い、喪失感のなかで生きる舞台俳優・家福と、寡黙な専属ドライバー・みさきという孤独な2人が、愛車サーブを通して出会い、一筋の希望にたどり着くまでを描く。新型コロナウイルスの影響で昨年は中止となり、2年ぶりの開催となったカンヌ国際映画祭で、日本映画としては唯一、最高賞を競うコンペティション部門への出品を果たした同作。授賞式に先駆けて発表された同映画祭の独立賞である国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞の3つの賞を受賞し、主要賞受賞へ期待を寄せる声が世界各国から集まっていた。さらに濱口監督作品としては、商業デビュー作『寝ても覚めても』が2018年に同映画祭コンペティション部門に出品されており、今回、2作品連続・3年ぶりの出品にして見事、脚本賞受賞の快挙を果たした。さらにこれまで濱口監督は、第71回ベルリン国際映画祭で短編集『偶然と想像』が審査員グランプリ(銀熊賞)を受賞、第77回ヴェネチア国際映画祭では共同脚本を務めた『スパイの妻<劇場版>』が銀獅子賞(監督賞)を受賞するなど三大映画祭を席巻し、気鋭監督として世界的に注目を集めていた。この度受賞した脚本賞は、コンペティション部門に出品された全24作のうち最も優れた脚本に贈られる賞で、日本人・日本映画での受賞はカンヌ国際映画祭史上初となる。濱口竜介監督と、共同脚本の大江崇允の2人へ贈られた。また、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞の3つの独立賞と脚本賞の受賞はカンヌ史上初で、映画祭の歴史を塗り替える偉業を成し遂げた。今回の受賞を受け、濱口監督は「最初にお礼を申し上げなくてはならないのは、この物語を我々に与えてくれた原作者の村上春樹さん。そして、役者のみなさんが、この物語を自分の身体で素晴らしく表現してくれた」と喜びのコメントを発表。また、共同脚本・大江崇允、主演の西島秀俊、共演の三浦透子、岡田将生、霧島れいかからも歓喜のコメントが到着した。○濱口竜介監督 授賞式スピーチありがとうございます。脚本賞、この物語に対していただいた賞ですが、最初にお礼を申し上げなくてはならないのは、この物語を我々に与えてくれた原作者の村上春樹さんです。共同脚本家の大江崇允さんという脚本家がいらっしゃいます。大江さんと僕の関係は奇妙なもので、大江さんは僕にひたすら書かせるタイプの脚本家です。大江さんはいつも読みながら「本当に素晴らしい。このままやりなさいと」彼がいつも言ってくれました。この作品は、3時間近くあり壮大な物語。単純にわかりやすさだけを考えたらそうはいかなかった。彼がずっと励まし続けてくれたから、この物語を最後まで映画として書ききることができたと思っています。脚本賞をいただいたが、脚本は映画には映っていない。それを素晴らしいと思っていただけたのは、表現する役者たちが本当に素晴らしかったと。役者たちこそが物語だという風に思っています。主演の西島秀俊さん、三浦透子さん、岡田将生さん、霧島れいかさん、パク・ユリムさん、ジン・デヨンさん、ソニア・ユアンさん、ペリー・ディゾンさん、アン・フィテさん、安部聡子さん、すべての出演者、役者のみなさんが、この物語を自分の身体で素晴らしく表現してくれた。もしよろしければ、海の向こうにいる役者、それを支えてくれたスタッフの皆さんに大きな拍手を送っていただけたらと思います。○西島秀俊 コメント濱口監督、大江崇允さん、カンヌ国際映画祭脚本賞受賞、心からお祝い申し上げます。監督が村上春樹さんの原作を問いとし、過去と真摯に向き合う事で人は絶望から再生することが出来るという答えを示したこの作品が、世界の人々の共感を呼んだのは本当に素晴らしい事だと思います。監督の、人への深い洞察と愛情の力です。これからも沢山の傑作を作って下さい。楽しみにしています。おめでとうございます!○三浦透子さん コメント濱口監督、作品に関わった全ての皆さん、本当におめでとうございます。皆さんと仕事ができたこと、自信を持って届けられる作品が完成できたこと、カンヌ映画祭で上映できたこと、そしてこれから日本の皆さんに観ていただけること。もう十分嬉しいことばかりなのですが、やはり、こうして賞という形で評価をいただけることは、本当にありがたいです。みんなでお祝いできる時を楽しみにしています!○岡田将生 コメント濱口監督、カンヌ国際映画祭脚本賞受賞、本当におめでとうございます。そしてこの作品に関わった皆さん、本当におめでとうございます。こんな幸せなことがあっていいんでしょうか。監督の作品の現場で過ごさせて頂いた日々は宝物です。この映画が世界の方々に通じた事が何よりも幸せです。早くスタッフキャストとこの気持ちを分かち合いたいです。そして、日本の方々にもこの映画をスクリーンで是非観て頂きたいです。この映画は僕にとって本当に宝物です。○霧島れいか コメント私はこの作品を家族や親友のように大切に想っています。今回その作品が素晴らしい賞を頂けたこと、今、撮影当時のことを振り返りながら感動と感謝で胸がいっぱいです。濱口監督の作品に対する真っ直ぐな心と深い想いが伝わったカンヌでの上映後の拍手は忘れられません。この感動をキャストと関係者の方々と早く共有したいです!濱口監督おめでとうございます!○共同脚本・大江崇允 コメント19世紀末に誕生した『映画』という芸術は今後、何百年先にも残ることが確定したと僕は思っています。21世紀の文明が情報をアーカイブ化し、昨日生まれた映画の隣に色のない名作映画が並ぶ、なんてことが当たり前になりました。時間が失われた感覚すら覚えます。スマホの向こう側にあらゆるエンターテイメントが残り、遠い未来までなくなることはないでしょう。図書館の本棚のように綺麗に整った装いですが、しかし畑の作物のようにそれは同じ顔にも見えます。これが現実だと思います。困難な時代と取るか、新しい世界の種が撒かれたと受け止めるのか、それは自分次第だと思います。『ドライブ・マイ・カー』では、ゴドー(神)を待ちながら、同時にアーストロフの台詞のように、数百年後の未来へと奇跡に似た『祈り』を投げています。それが今の作家にできる、映画という可能性だと僕は考えています。そして、今映画を作ることは百年後にも残ることを想定しなければならないのではないのか、と身が引き締まる思いです。濱口竜介監督、山本晃久プロデューサー。お二人の素敵な企みの仲間になれたことを光栄に思います。ありがとうございました。(C)2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会 (C) Kazuko WAKAYAMA
2021年07月18日映画『ドライブ・マイ・カー』(8月20日公開)が、第74回カンヌ国際映画祭の独立賞のひとつである国際映画批評家連盟賞(FIPRESCI賞)とAFCAE賞をW受賞したことが17日、明らかになった。同作は村上春樹の同名短編小説に惚れ込んだ濱口竜介監督の最新作。妻を失い、喪失感のなかで生きる舞台俳優・家福と、寡黙な専属ドライバー・みさきという孤独な2人が、愛車サーブを通して出会い、一筋の希望にたどり着くまでを描く。国際映画批評家連盟賞は、FIPRESCI(国際映画批評家連盟)によって選ばれ、1946年から授与されている賞で、日本映画としてはこれまで小栗康平監督『死の棘』(90年)、諏訪敦彦監督『M/OTHER』(99年)、青山真治監督『EUREKA』(00年)、黒沢清監督『回路』(01年)が受賞。日本映画の受賞は、黒沢清監督『回路』以来20年ぶりの快挙となる。また、AFCAE(アフカエ)賞はフランスの独立興行主たちの連合組織AFCAEにより選ばれ授与される賞で、2019年に設立された。これまで、パルムドール受賞作のポン・ジュノ監督『パラサイト 半地下の家族』(19年)などが受賞している。日本映画としては唯一、最高賞を競うコンペティション部門への出品を果たしている同作だが、ワールドプレミアとなった公式上映後には「悲しみと再生について描いた、深い感動の物語」(Variety)、「濱口監督は、この映画で世界的な才能の持ち主であることを証明した」(Little White Lies)、「ラストシーンは、この映画祭で目にした中で最も美しいものの1つだ」(Videodromo)など海外メディアの絶賛レビューが相次ぎ、さらにはScreen International 誌が掲載する各国の批評家たちによる「星取表」では4点満点中3.5という『パラサイト 半地下の家族』 以来の断トツのハイスコアで、最後まで首位を独走している。主要賞受賞を期待する根強い声が各国の批評家やメディアであふれる中での、国際映画批評家連盟賞とAFCAE賞の受賞となった。これまでに、国際映画批評家連盟賞やAFCAE賞に加えて、主要賞の受賞を果たしてきた作品も多いだけに、目前に迫った現地時間17日19時25分(日本時間:7月18日2:15)の授賞式で発表される主要賞の結果に、期待が高まる好発進となった。
2021年07月17日村上春樹の短編を映画化した濱口竜介監督最新作『ドライブ・マイ・カー』が、現在開催中の第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に日本映画として唯一正式出品。この度、7月12日(月)(日本時間同日)に濱口監督、出演の三浦透子、霧島れいか、ソニア・ユアンがフォトコールに登場、その後、同12時(日本時間19時)より記者会見に出席した。フォトコールでは、上質感と個性が際立つ「ザ・ロウ(The Row)」のワンピースにベストという装いの三浦さん。霧島さんは夏に映える「ヴァレンティノ(VALENTINO)」のオールホワイトのドレス姿で登場。ソニアはピンク色が映える華やかなドレスを着用した。昨夜の公式上映を終え、装いも新たにした3人の姿に海外セレブも多く撮影するカメラマンからも歓声が飛び交った。そして記者会見で濱口監督は、まず製作の経緯について「村上春樹さんの原作を読んだのは、2013年。もともと知人からあなたの映画と通じる部分があるのではと言われて読みました」と原作との出会いをふり返り、「実際、自分が映画のテーマとして取り扱ってきた例えば『演じる』ということ。加えて、この作品で一番重要なのは『車』だと思うんですが、自分は移動空間の中で親密な会話をするということを映画でも取り扱ってきたので惹かれるところがありました」と語る。「特に、家福とみさきという2人の登場人物が車という閉鎖空間のなかで、最初は抑制された人間性が、だんだんと開かれていく。そうしたことが原作には描かれていました。それはこの映画でもひとつの核心部分だと思っています」と明かした。濱口竜介監督、キャスティングに自信「素晴らしくうまくいっている」「キャスティングについては、観ていただいた方皆さんが同意してくれると信じているのですが、本当に素晴らしくうまくいっていると思います」と語る濱口監督。「キャスティングで一番大事なのは、役に合う人をキャスティングすること」と言い、「それが、すべてのキャストにおいてできたと思っています」とコメント。「インターナショナルなキャスティングをするというのは、実際経験がなかったので、手探りでした。韓国に関しては、もともとそこで撮影する予定もあったので、ロケハンもかねてオーディションのような形でやらせていただいた。台湾・フィリピンのキャストはオンラインでのオーディションになりました。オンラインでわかるものか不安はあったが、やっぱりちゃんと顔も声も聴けて、その人の人間性も感じることができたので、結果としてうまくいったと今も思えています」と自信を覗かせた。さらに、“コミュニケーション”というテーマについて、「言葉を使っているから、コミュニケーションができていると思ったら大間違い。というとことはありますよね。むしろ、言葉がコミュニケーションを邪魔しているという側面はたくさんあるのではないでしょうか」と監督。「自分の映画はすごくおしゃべりな映画ではあるが、言葉によってコミュニケ―ションができているという風に描いたことは実はそんなにない気がしている。そういう考えが、この映画の中の多言語劇にもなっているんだと思います」と説明した。「一方で、今までは映画祭で『彼の演技がよかった』といわれると不思議な気持ちになることがあった。言語がわからないのにと。でも、今回はそうした気持ちがすごく薄れた気がしました。言語がわからないからこそ、直接的に演技の良しあしをとらえられる視点があるのだということをこの作品を通して実感として感じた」と手応えを語っていた。さらに、濱口監督にとって国際映画祭の場とは何ですか?という質問には「インディペンデントという形で映画作りを始めて続けてきた身にとっては、よりどころ」と明かす。「自分が面白いと思ったものをつくって、それが商業的になかなか流通していかないという苦い思いを初期の段階では味わっているが、映画を作るたびに、国際映画祭の方がより多くの人に見せるべきものだと、言ってくれることはものすごく励みになった」と語り、「国際映画祭が自分を発見してくれたし、育ててくれたという印象を強く持っている。映画祭が自分に対して、求めてくることがあればお返ししていきたいと思う」と感謝を述べた。三浦透子、「相手の心を動かす声をつくる」ことに時間をかけた本作に出演し、いままでと違う経験や目覚めがあったと感じたことは?と質問された三浦さんは「お芝居をするにあたって、心の状態を作ることによって体が付いてくることもあれば、反対に体に引っ張られて心がついてくることもある。特に今回は、心が体の状態、とりわけ声についてくるということを感じました」と語る。本読みを中心に音・声にこだわった監督の演出に歌手でもある自身を重ね、「『相手の心を動かす声をつくる』ということに時間を使わせてもらっていたのでそういった声を自分でも聞いているうちに、自分自身の心も動いてくるのだと。そういった経験は歌手としての活動の中で経験したことではあるけれど、お芝居で感じたのは今回、濱口監督の演出を受けて初めて感じた発見でした」と言及した。また、同じ質問をされた霧島さんも「その本読みというのも、私が今までやったことない、”感情を入れない”という方法だったので、これをしていてどういうことが起きるのかというのが、始めの頃は自分では理解するのが難しく、ただただ読んでいるだけという作業でした。その中でだんだんとわかってきたことがあって」とコメント。普段の撮影に入るときは「何かを“しよう”としてしまう」自分がいたが、「感情を入れない本読みを重ねていく中で、だんだんそれがフラットに、自然の流れに持っていけるというか、何か自分の中にとても静かな何かが流れ始めるのを感じました。そしてセリフ一つ一つがとてもシンプルで、深くて、扱うのが大切に思えてくるようになりました」と明かし、「芝居する前に静かに自分の中で変化が起き始める、そういった経験というのは今まで私の中にはなかったので、とても私は貴重な経験をさせていただきました」とふり返っていた。授賞式は、フランス現地時間7月17日(土)19時25分(日本時間7月18日午前2時15分~)から行われる予定。コンペティション部門の映画祭公式の対象賞は、最高賞のパルムドール、次点のグランプリ、監督賞、男優賞、女優賞、脚本賞、審査員賞、芸術貢献賞となっている。『ドライブ・マイ・カー』は8月20日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ドライブ・マイ・カー 2021年8月20日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開(C)2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
2021年07月13日2021年5月末に開催された難関「エリザベート王妃国際ピアノ・コンクール2021」において、第4位入賞を果たした阪田知樹のリサイタルが急遽開催される事となった(7月17日:ミューザ川崎シンフォニーホール)。「エリザベート王妃国際音楽コンクール」は、「チャイコフスキー国際コンクール」、「ショパン国際ピアノ・コンクール」と共に「世界三大コンクール」と呼ばれる世界屈指の名門コンクールだ。前身の「ウジェーヌ・イザイ・コンクール」時代を含めれば、ピアノ部門の優勝者には、エミール・ギレリス(1938)、レオン・フライシャー (1952)、ウラディーミル・アシュケナージ(1956)、アブデル・ラーマン・エル=バシャ(1978)、フランク・ブラレイ(1991)、アンナ・ヴィニツカヤ (2007)、デニス・コジューヒン(2010)、ボリス・ギルトブルク(2013)など、錚々たる顔ぶれかが並ぶ。2021年のピアノ部門は、当初予定されていたの2020年が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって1年延期され、バンデミック後に開催される最初のメジャー・コンクールとして大きな注目を集めていたものだ。この難関での栄えある第4位入賞は、まさに日本のピアノ界の歴史に刻まれる快挙と言えそうだ。さて、そのコンクールの興奮も冷めやらぬ中で開催される特別演奏会の熱気や如何に。プログラムには、ベートーヴェンのピアノソナタ第15番『田園』&リスト編曲によるベートーヴェンの歌曲『アデライーデ』が用意され、後半はリストの大作「ピアノ・ソナタ ロ短調」が披露されるという聴き応え十分な内容だ。俊英の今を聴く絶好のチャンス到来!●公演概要7月17日(土)ミューザ川崎シンフォニーホール阪田知樹ピアノ・リサイタル特別公演●阪田知樹(ピアノ)2021年エリザベート王妃国際音楽コンクール4位。2016年フランツ・リスト国際ピアノコンクール(ハンガリー・ブダペスト)第1位、6つの特別賞。コンクール史上、アジア人男性ピアニスト初優勝の快挙。「天使が弾いているかのようだ!」-Leslie Howard-と審査員満場一致、圧倒的優勝を飾る。第14回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールにて弱冠19歳で最年少入賞。「清澄なタッチ、優美な語り口の完全無欠な演奏」-Cincinnati Enquirer-と注目を集める。チェコの巨匠イヴァン・モラヴェッツ氏より高く評価されイヴァン・モラヴェッツ賞、ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ、聴衆賞等5つの特別賞、クリーヴランド国際ピアノコンクールにてモーツァルト演奏における特別賞、キッシンジャー国際ピアノオリンピックでは日本人初となる第1位及び聴衆賞。アレクサンドル・ラザレフ、ヴラディーミル・ヴァ―レック、レナード・スラットキン、アンドレア・バッティストーニ、ヤーノシュ・コヴァーチュ諸氏の下、シュターツカペレ・ハレ、チェコ国立交響楽団、ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団、フォートワース交響楽団、NHK交響楽団、東京都交響楽団、東京交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、読売日本交響楽団他と共演。東京クヮルテットメンバーとの共演など室内楽奏者としても活躍。国内はもとより、世界各地20カ国で演奏を重ね、国際音楽祭への出演多数。クレムリン音楽祭では、オール・リスト・プログラムによるリサイタルを名ピアニスト、ニコライ・ペトロフ氏が「世界一のリスト」と絶賛。クライバーン・ショパン・フェスティバルでのオール・ショパン・プログラムによるリサイタルは、「ヴィルトゥオージティ、天性の叙情性、ピアノに対峙する真摯な姿が聴衆を感動の渦に巻き込んだ!」―Fort Worth Star-Telegram―と高評を得た。2018年には、ドイツの名門ライプツィヒ・ゲヴァントハウスにてリサイタルデビューを果たす。幼少期より作編曲にも傾注、近年は委嘱を受け、初演の機会に恵まれている。2015年CDデビュー、2020年3月、世界初録音を含む意欲的な編曲作品によるアルバムをリリース。内外でのテレビ・ラジオ等メディア出演も多い。東京藝大附属高、東京藝大を経て、ハノーファー音楽演劇大学にて学士、修士首席修了、現在同大学院ソリスト課程に在籍。世界的ピアニストを輩出し続ける「コモ湖国際ピアノアカデミー」の最年少生徒として認められて以来、イタリアでも研鑽を積む。ウィーンの三羽烏パウル・バドゥラ=スコダ氏に10年に亘り師事。音楽理論・作曲を高橋千佳子、永冨正之、松本日之春の各氏に師事。2017年横浜文化賞文化・芸術奨励賞受賞。
2021年07月13日太平洋戦争後、約30年目に生還した小野田旧陸軍少尉を描く映画『ONODA』(原題)。現地時間7月8日、本作が第74回カンヌ国際映画祭 ある視点部門でのオープニング作品として公式記者会見が行われ、小野田役の遠藤雄弥と津田寛治がリモートで参加した。昨今の状況とスケジュールの都合により、カンヌ入りが叶わなかった2人。しかし今回、カンヌ国際映画祭での特例として、日本人としては初めてのリモートで記者会見に参加することができた(2018年のジャン=リュック・ゴダール以来、カンヌ国際映画祭としては2度目)。津田さんは「日本の映画界では、撮影が始まる前に資金が調達できずに撮影までいかない企画もあり、撮影が始まったとしても途中でお金がなくなって完成できないというような映画がたくさんあります」と日本映画の現状を述べた上で、「フランスの映画の制作の現場が日本と大きく違うところは撮影の環境です。この作品の現場ではケータリングが出て、スタッフもキャストも同じ暖かい食事を一緒に食べるんです。なんと、彼らは撮影中も週休2日制なんです!そして、撮影現場に自分たちの子供や家族も連れてくるんです。最後には、彼らは2週間ごとに家族を交えて撮影現場でパーティ(みたいなもの)をしているんですよ。楽しいじゃないですか。(笑)日本もそういう映画の制作現場が増えたらいいなと思います」と日本との違いに驚いたことをユーモアを交え明かし、会場のメディアからは思わず拍手も起こった。今回会見に参加してみて、「カンヌに来られたんだなと思えて、幸せな気持ち」(津田さん)、「画面越しですがスタッフに会えてうれしい」(遠藤さん)と感想を語る2人。記者から、特に津田さんは自在した小野田さんに容姿がそっくりと賞賛され、それぞれ役作りを問われると、遠藤さんは「11キロ痩せて現場に行ったら、監督に痩せ過ぎと言われて。ピーナツバターや食パンを毎日食べて体型を調整した」と明かす。一方、幼少期、実際に小野田さんの帰還を見ていたという津田さんは「母から、戦争が終わったことを知らずにジャングルにいた人と言われた。本当にビックリした。でも、今作で資料などを読み、あの高度経済成長期時代に大和魂を持って帰ってきたと知って感動した。だから誇りをなくさないように小野田さんを演じました」と語り、約1年かけて13kgの減量をして撮影に挑んでいたことを回顧した。そして本作の監督、フランス出身であるアルチュール・アラリは、なぜ小野田さんを描こうと思ったのか、その製作理由を問われると、「彼(小野田さん)の揺るぎない信念に私は引き寄せられた」と回答していた。『ONODA』(原題)は秋、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)■関連作品:ONODA(原題) 2021年秋、全国にて公開©bathysphere - To Be Continued - Ascent film - Chipangu - Frakas Productions - Pandora Film Produktion - Arte France Cinéma
2021年07月09日俳優の遠藤雄弥、津田寛治が8日、フランス・パリで開催中の「第74回カンヌ国際映画祭」内で行われた映画『ONODA(原題)』公式記者会見に、日本からリモートで参加した。太平洋戦争後も任務解除の命令を受けられないままフィリピン・ルバング島に潜み、終戦から約30年たった1974年3月、51歳で日本に帰還した小野田寛郎元陸軍少尉の実話を元にした物語。フランス・ドイツ・ベルギー・イタリア・日本の合作で、遠藤と津田のダブル主演。遠藤が小野田氏の青年期、津田が成年期を演じている。メガホンはアルチュール・アラリ氏がとった。同映画祭の「ある視点」部門オープニング作品として現地時間今月7日に上映された。主演の2人は新型コロナの影響もあってカンヌ入りできなかったが、パソコンの画面越しに現地の様子を見た津田は「リモートの参加ですが『カンヌに来られたんだな』と思えて幸せな気持ち。画面越しですがスタッフに会えてうれしい」と喜び。一方で「カンヌは行ったことないですし、映画に関わる者としてカンヌに行くことは夢。行きたかったですが、行けないものはしょうがない。それがすべてではない」とした。現地にいるメディアから演技について聞かれると、遠藤は「小野田という役は色んな感情、局面に遭遇する。その中で仲間を信じ、疑い、たくさんの思考が渦巻いていた。シナリオを完全に理解するというよりは、スタッフと共演者のみなさんと一緒に作り上げていく、まさに冒険のようなことを意識した」と振り返った。小野田さんが日本に帰還する様子をテレビで見ていたという津田は「確か僕は5歳くらいだった。母親から『日本の兵隊さんで30年間ジャングルにいたんだよ』と聞いて、そんなことあるんだと子供ながらにビックリした」と回顧。オファーを受けて小野田さんのことを調べると「その頃の日本は高度成長期で混乱期。そこに本来の大和魂を持って帰ってきた人だとわかって感動した。ジャングルで彷徨う小野田さんを演じましたが、誇りだけはなくさないよう演じた」と語った。本作はカンボジアのジャングルで撮影。そこで30年過ごす小野田さんを演じるため2人は体重を減量した。遠藤は「11キロくらい痩せた」が、「カンボジアのロケ地に行ったら監督に『痩せ過ぎなので太って』と(笑)。ピーナッツバターと食パンを用意してもらって毎日食べた」と苦笑いで告白。津田は「1年半かけて13キロ痩せて臨んだ。ジャングルで見たことのなに虫に刺されるし、直射日光で頭の皮膚が真っ赤になった」と苦労を明かした。本作の国内公開は今秋に予定している。
2021年07月08日NHKの超長寿にして超人気番組といえば「大河ドラマ」だ。1963年の第1回「花の生涯」から現在放送中の第60回「青天を衝け」までの長く輝かしい歴史は、日本を代表する現代作曲家達が手掛けた渾身のテーマ曲の歴史。まさに最も身近な現代曲集であり、誰もが親しむことができる近代オーケストラ作品集とも言えそうだ。何しろ、歴代の作曲者たちの顔ぶれが物凄い。武満徹に芥川也寸志、山本直純に池辺晋一郎、さらにはエンニオ・モリコーネまでもが名を連ねているのは驚きだ。今回は、自身も大河ファンにして、5作品のテーマ曲を指揮している下野竜也が、新日本フィルハーモニー交響楽団とともに、大河ドラマを徹底解剖。日曜日の夕食時間に家族みんなで楽しんでいたあの音楽の魅力を再発見だ。そして今年2021年は、下野竜也生誕51年にして、大河ドラマ58周年。さらには、赤穂浪士討ち入り319年という、ほとんど意味のない年にあたるだけに、ぜひコンサートだけは盛り上げたい。さてさて公演当日はどの作品が演奏されるのか乞うご期待!●公演概要下野竜也プレゼンツ!音楽の魅力発見プロジェクト第8回 レクチャー付きコンサート「大河ドラマのテーマ曲 徹底解剖!」8月14日(土)16:00開演/すみだトリフォニーホール下野竜也(指揮とお話)/新日本フィルハーモニー交響楽団
2021年07月06日第74回カンヌ国際映画祭オフィシャル・セレクション「カンヌ・プルミエール」部門に、細田守監督最新作『竜とそばかすの姫』(英題:『BELLE』)が日本作品として唯一選出されることが決定、細田監督から喜びのコメントが到着した。主人公すず/ベル役の二役を演じ、さらに作品の要ともいえる“歌”を担う大役に抜擢されたのは、注目のミュージシャン中村佳穂。その同級生役に成田凌、染谷将太、玉城ティナ、幾田りら、すずを見守る合唱隊メンバーに森山良子、清水ミチコ、岩崎良美、中尾幸世、坂本冬美、父親役に役所広司が出演。音楽面でも、岩崎太整、Ludvig Forssell、坂東祐大と才気溢れる複数の音楽家が集結。壮大な物語の幕開けを感じさせるメインテーマには、熱狂的な支持を集めるロックバンド「King Gnu」の常田大希が率いる最強クリエイター集団「millennium parade」が担当するなど、これまでにない試みでの挑戦的な音楽創作が作品世界を彩っている。そんな細田監督最新作が、この度、カンヌ国際映画祭オフィシャル・セレクション内に新設された「カンヌ・プルミエール部門」に選出。前作『未来のミライ』も「監督週間」で上映されたが、今回は初のオフィシャル・セレクション(公式選出)でのカンヌ国際映画祭参加となった。カンヌ国際映画祭オフィシャル・セレクションには、コンペティション、ある視点、アウト・オブ・コンペティション、ミッドナイト・スクリーニング、特別上映などの部門があるが、本年、これまでの作品が高く評価されている監督たちの注目すべき新作を集めた「カンヌ・プルミエール」が新設。細田監督のほかには、『プラトーン』や『JFK』『スノーデン』で知られるオリバー・ストーン監督、『逃げた女』でベルリン映画祭銀熊賞(監督賞)を受賞したホン・サンス監督や、『アンチクライスト』『ニンフォマニアック』などで知られるシャルロット・ゲンズブールの初監督作品など、名だたる世界有数の監督たちが顔を揃えている。細田守監督「映画文化が再び復活する姿を、共にカンヌの地で祝い、感じたい」監督は「前作『未来のミライ』がカンヌ国際映画祭・監督週間に選ばれたことに続き、今回『竜とそばかすの姫』がオフィシャル・セレクション『プルミエール部門』に選ばれたことをとても光栄に思います」と喜びをコメント。「アニメーション映画がカンヌ国際映画祭に選ばれること自体が極めて稀なことであり、今回の選出が、これから変化していく新しい映画の価値を観客に指し示す兆しと思います。コロナ禍の中で一時途絶えていた映画文化が再び復活する姿を、共にカンヌの地で祝い、感じたいと思います」と言葉に思いを込めた。カンヌ国際映画祭からアニメーション部門を独立させる形で1960年に「アヌシー国際アニメーション映画祭」が創設され、カンヌは実写、アニメーションはアヌシーという暗黙のルールがある中で、今回、本作『竜とそばかすの姫』が選出されたことは大変稀なこと。また、「カンヌ・プルミエール」部門に選出された13本の中で、日本からは唯一の選出作品となった。細田監督作品としては、2018年に公開された『未来のミライ』(英題:MIRAI)が第71回カンヌ国際映画祭「監督週間」に選出され、現地にて上映を行ったが、今回は初のオフィシャルセレクションとして、日本での公開前夜にあたるフランス現地時間7月15日20時に、カンヌでのワールドプレミアに細田監督自ら臨む予定。『竜とそばかすの姫』は7月16日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:竜とそばかすの姫 2021年7月16日より全国東宝系にて公開©2021 スタジオ地図
2021年07月05日村上春樹による短編小説を映画化した『ドライブ・マイ・カー』の第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門への正式出品を祝す“壮行会”イベントが7月4日、都内で行われ、主演の西島秀俊をはじめ、三浦透子、霧島れいか、濱口竜介監督が出席した。同部門への日本映画の出品は、今年は本作が唯一となる快挙。レオス・カラックス、ウェス・アンダーソン、フランソワ・オゾンらの新作とともに、最高賞にあたるパルムドールを競う。コロナ禍で昨年は中止となったため、審査員長は昨年決まっていたスパイク・リーが担当する。6日から開幕し、三浦、霧島、濱口監督の現地入りが決定しており、“留守番”となる西島は「できれば行きたかったですね…。世界中から観客がやって来る映画祭ですし、意外な反応もあると思うので、ぜひそれを聞きたいです」と無念の表情で、エールを送った。濱口監督は「帰国後の隔離などもあり…、こればっかりは残念でさみしいですね。ぜひ一緒に行きたかった」とこちらも残念そうな様子。「すばらしいものが映っている映画だと思っているので、(コンペに)選ばれたという結果はうれしく、誇らしく思います。特に西島さんは出ずっぱりで、出演していないシーンはほぼない。西島さんあっての映画。日本にすばらしい俳優がいるんだと現地でも示したい」と意気込みを明かした。三浦は「私にとっても特別な経験でしたが、海外の人に見てもらえる機会は心からうれしい。初めてのカンヌなので、目に焼け付けたいです。レッドカーペットのドレスですが?何を着るかは決まっていますが、今は秘密です」と声を弾ませ、霧島も「見終わって心が震えた。こんなすばらしい作品が日本から生まれたんだと知ってもらえるので、ワクワクしかない」と現地入りに期待を寄せていた。原作に惚れ込み、自ら脚本も手掛けた濱口監督は、第71階カンヌ映画祭のコンペティション部門に選出された『寝ても覚めても』、ベルリン映画祭で銀熊賞受賞を果たした短編集『偶然と想像』、脚本を手がけた『スパイの妻』がヴェネチア映画祭銀獅子賞に輝くなど、国際的な舞台でその名を轟かせている注目の俊英だ。西島は「世界が注目し、これからもっと大きくなる濱口監督の作品に参加させていただき、光栄ですし、いち俳優として、すばらしい経験をさせてもらった」と振り返り、「フィクションなので架空の人物が、架空の人生を生きていますが、そこには真実が映っていて、見ている側に突き刺さる」。濱口監督といえば、過去には上映時間が5時間を超える大作も手がけており「その監督から『3時間を切りました』って言われて、聞いたら2時間59分で(笑)。でも、見るとあっという間。真実が映っていて、観客自身が没頭できるからだと思います。感覚的には1時間半です」とアピールしていた。主人公である演出家の家福(西島)は愛する妻(霧島)と満ち足りた日々を送っていたが、その妻は秘密を残して突然この世を去ってしまう。2年後、演劇祭に愛車で向かった家福は、ある過去をもつ寡黙な専属ドライバーのみさき(三浦)と出会った。そして行き場のない喪失を抱えて生きる家福は、みさきと過ごすなかであることに気付かされていく。濱口監督によると、原作者の村上春樹氏は「恐らく映画はご覧になっていない」といい、「試写会の日程をご案内したが『地元の映画館で拝見します』とのことで、個人的な体験として楽しみたいということだと受け取っている。もちろん、どうお感じになるか、誰よりも気にしているし、楽しみ。ご覧いただき、感想を聞く機会があれば、ありがたい」と神妙な面持ち。映画化に際し、原作からの改変も含めて伝えたといい「その上で、許諾のお返事だけをいただいた」と経緯を説明していた。取材・文・写真=内田涼『ドライブ・マイ・カー』8月20日(金)公開
2021年07月04日「第13回 下北沢映画祭」が、2021年9月18日(土)から20日(月・祝)まで、下北沢の北沢タウンホールほかにて開催される。「下北沢映画祭」下北沢カルチャーを切り口にしたプログラムを展開「下北沢映画祭」は、ドラマ・CG・アニメーション・ミュージックビデオ、ドキュメンタリーなどジャンルを問わない映画作品のコンペティションをメインにした映画祭。音楽や演劇、ファッション、グルメなど下北沢を彩るカルチャーを切り口にしたプログラムなども実施する。18日:『ドロステのはてで僕ら』や大野大輔最新作初日の9月18日(土)は、2分後の未来が見える“タイムテレビ”を巡る騒動を描いた、人気劇団ヨーロッパ企画初のオリジナル長編映画『ドロステのはてで僕ら』を上映。ヨーロッパやアジアなど海外映画祭で受賞ラッシュ&北米での劇場公開が決定した話題作となっており、海外進出を記念した特別上映を行う。主演の土佐和成、中川晴樹、山口淳太監督による舞台挨拶も実施。大野大輔監督の最新作『辻占恋慕』のワールドプレミアも。TAMA NEW WAVEでグランプリ他3冠に輝いた『ウルフなシッシー』や、YouTubeドラマから発展した『アストラル・アブノーマル鈴木さん』などで知られる大野大輔が、変わりゆく時代を生きる”持たざる者"たちのほろ苦い青春ラプソディを描く。19日:市川準『ざわざわ下北沢』や今泉力哉『街の上で』9月19日(日)には、『そんなこと考えるの馬鹿』への出演や音楽活動も行うなどマルチに活躍する金子由里奈監督による、MOOSIC LAB 2019グランプリ作品『眠る虫』と、『あみこ』の山中瑶子監督による短編『魚座どうし』を上映。プライベートでも親交があり、映画づくりを模索している気鋭の映画作家2名による作品を二本立てで楽しむことができる。市川準監督の『ざわざわ下北沢』リマスター版ブルーレイ化を記念した招待上映も。街と人々の生活を生き生きと描く市川監督が原案から参加し、まだ南口や駅前の市場があった再開発前の下北沢を活写した。主演の原田芳雄をはじめ、小澤征悦、鈴木京香、渡辺謙、柄本明ら豪華俳優陣が出演しているのも見どころだ。「第11回下北沢映画祭」で世界初上映を行ったヒット作、映画『街の上で』も凱旋上映。今泉力哉監督と大橋裕之によって紡がれたオリジナル脚本による下北沢オールロケ作品を、北沢タウンホールの大スクリーンで再び楽しむことができる。20日:12作品を上映するコンペティション9月20日(月・祝)、「第13回 下北沢映画祭」のラストを飾るコンペティションでは、応募数439作品の中からスタッフによる選定を通過した12作品を上映。上映後は全監督と審査員によるトークセッションを行い、授賞式ではグランプリを含む各賞を発表する。ゲスト審査員は、『世界の中心で、愛をさけぶ』『ナラタージュ』『リバーズ・エッジ』『窮鼠はチーズの夢を見る』などで知られる行定勲が務める。【詳細】「第13回 下北沢映画祭」開催日:2021年9月18日(土)~9月20日(月・祝)会場:北沢タウンホール(東京都世田谷区北沢2-8-18)ほか※状況により延期または中止の可能性もある。■チケット情報発売日:8月21日(土)10:00販売場所:PassMarket■プログラムA:海外進出記念!『ドロステのはてで僕ら』1年ちょっとおくれの舞台挨拶会場:北沢タウンホール日時:9月18日(土)開場14:00/開演14:20料金:1,500円(前売・当日)ゲスト:土佐和成、中川晴樹、山口淳太B:大野大輔監督最新作『辻占恋慕』ワールドプレミア会場:北沢タウンホール日時:9月18日(土)開場16:45/開演17:05料金:1,800円(前売・当日)ゲスト:早織、大野大輔C:新世代の日本映画たち、『眠る虫』×『魚座どうし』会場:北沢タウンホール日時:9月19日(日)開場10:10/開演10:30料金:1,800円(前売・当日)ゲスト:金子由里奈、山中瑶子D:ブルーレイ発売記念『ざわざわ下北沢』が帰ってくる!会場:北沢タウンホール日時:9月19日(日)開場13:20/開演13:40料金:1,500円(前売・当日)※世田谷区在住・在勤の人は当日券500円E:日本中を駆け巡った『街の上で』、待望の凱旋上映!会場:北沢タウンホール日時:9月19日(日)開場16:30/開演16:50料金:1,800円(前売・当日)ゲスト:今泉力哉、若葉竜也F:第13回下北沢映画祭コンペティション会場:北沢タウンホール日時:9月20日(月・祝)開場12:10/開演12:30料金:1,500円(前売・当日)ゲスト:行定勲<上映作品>『淡いブルー』監督:中原健仁/『美しき町』監督:小野寺成月/『今日を眠る場所』監督:吉本圭/『スイソウ』監督:武田椿/『徒然甘々』監督:大門 嵩、祁答院 雄貴/『Destiny』監督:松岡美乃梨/『ビート・パー・MIZU』監督:富田未来/『Blink in the Desert』監督:副島しのぶ/『MAHOROBA』監督:鈴木竜也/『滲み』監督:加藤也大/『Yokosuka1953彼女の、記憶の中の母を探す旅』監督:木川剛志/『ROUTINE』監督:宮原拓也
2021年06月29日