質問:数年前、祖母が脳梗塞で倒れました。家系的にコレステロールも高め、血管年齢も高いのではないかと心配です。数年前、祖母が脳梗塞で倒れました。一命を取り留めましたが、歩行に不自由が残りました。また、つい最近では、母の友人も若くして脳梗塞になったそうです。私はまだ30代になるところですが、こうした話を聞くにつけ、不安になります。特に、家系的にコレステロールも高めですし、血管年齢も高いのではないかと心配しています。これから先、具体的にはどのようなことに気をつけたらよいでしょうか?神奈川県:moekamさん(29)回答:「脳血管疾患」の予防法についてお答えします。――「脳血管疾患」の危険因子への対策将来、脳血管疾患にかかるのではないか不安、とのことですね。脳血管疾患になる危険因子と、それにどう取り組むかを見てみましょう。■高血圧1日10g未満を目安に、減塩を心がけましょう。ただし、すでに高血圧と診断されている人は、6g未満に抑えましょう。減塩しょう油を使ったり、酢や柑橘類で味付けしたりなどの工夫をしてみてください。香辛料やハーブなどを利用するのもよいでしょう。また、塩分を外に出す働きのあるカリウムをとりましょう。カリウムは、野菜やきのこ類、果物などにたくさん含まれています。■不整脈不整脈の中でも、「心房細動」が脳血管疾患を起こす一番の原因になります。心房細動が起きると、心臓が不規則なリズムで収縮するため、きちんと血液を送り出せません。また、血液が淀んでしまい、血栓ができ、これが頭へと飛ぶと、脳梗塞の原因になります。もし、健康診断などで「病院で精密検査を受けてください」と指示が出るようでしたら、この心房細動が隠れている可能性があります。しっかり、病院を受診しましょう。■糖尿病そもそもの話として、糖尿病にならないことが大切になってきます。食べ過ぎず、そして、適度に運動を行うようにしましょう。毎日まとまった時間をつくって運動することは難しいかもしれませんが、降りる駅を1つ手前にしてみる、エレベーターではなくて階段を使う、など少しのことでいいので、工夫してみましょう。 ■脂質異常症脂質、特にLDLコレステロール(俗にいう悪玉コレステロール)は動脈硬化を促進し、脳血管疾患になる危険を押し上げます。ですから、食事に気をつける必要があります。バターなどの乳製品、レバー、マヨネーズなど動物性食品には、コレステロールが多く含まれています。これらの食品をとり過ぎないように注意してください。肉は、赤身や皮なしの鶏肉などをとるようにし、脂身は避けるようにしましょう。魚は、青魚を食べましょう。そして、コレステロールの吸収を抑える食物繊維を多く含む野菜、海草類、きのこ類などを積極的にとりましょう。■喫煙喫煙は、脳血管疾患の危険因子になるだけでなく、身体のあらゆる部位のがんの原因にもなりますし、心筋梗塞の原因にもなり、百害あって一理なしです。やめられるのであれば、すぐにやめるのが一番です。しかし、ニコチン依存症で、精神的にも肉体的にもたばこから離れられないという人もいるでしょう。禁煙外来を開設している病院も多いですので、そちらで相談してみましょう。■肥満BMIを「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」で計算し、「25以上」を肥満とします。適度な有酸素運動(ウォーキングや水泳など)を行い、食べ過ぎないようにしましょう。■過度の飲酒お酒は適度に飲むようにしましょう。1日のお酒の適量は、日本酒なら1合、ビールなら中瓶1本(500ml)、ワインなら2杯(240ml)までとされています。お酒を飲むときには、おつまみを食べる人が多いですが、おつまみには塩分がたっぷり含まれていますので、食べ過ぎに注意しましょう。■家族歴あり家族のなかで脳血管疾患になった方がいる場合には、脳血管疾患になる可能性が高くなります。こちらについては予防ができませんが、より危険性が高いことを認識し、上記の生活習慣に気をつけて生活するようにしましょう。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:最近女性の方が脳動脈にコブができやすいと知りました。生活習慣でなる病気なのでしょうか?産後、睡眠不足や運動不足が否めません。もともと不摂生だったこともあり、血管や骨の老化が心配でした。遺伝的なものもあると聞いたことがありますが、最近女性の方が脳動脈にコブができやすいと知りました。子どもが生まれたばかりでまだ何年も手がかかるため、今後の自分の健康状態が不安です。家族に脳動脈瘤があると聞いたことはないのですが、生活習慣でなる病気なのでしょうか?今から気をつけられることがあれば伺いたいです。東京都:たまきさん(32)回答:「脳動脈瘤」についてお答えします。―――「脳動脈瘤」とは「脳動脈瘤」自体はかなりの頻度で見られるもので、健康な人の3~6%に見られるというデータがあります。脳動脈瘤が怖いのは、破裂した場合です。破裂する頻度は年間2%(100人の脳動脈瘤患者さんのうち、年に2人)と考えられていますが、大きな脳動脈瘤、複数の瘤を有する方、すでにくも膜下出血を起こしている方、喫煙者、女性などが破裂しやすいといわれています。<これからの生活で気を付けること>脳動脈瘤ができる原因ですが、他の病気と同様、「遺伝的な要因と環境要因」があります。家族や家系内に脳動脈瘤の患者さんがいる場合、脳動脈瘤の発症リスクは高くなります。また、環境要因としては、喫煙と高血圧、大量飲酒があります。なかには遺伝的要因もなく、喫煙もせず、高血圧がない方にも脳動脈瘤ができる場合もあります。これからの生活で気を付けることは、他の生活習慣病と同様、喫煙や過度の飲酒は控える、血圧は高くならないようにすることです。ご相談者さまのように、脳動脈瘤があるかどうかも分からない現時点では、特に心配することはないと思われますよ。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:脳の血管狭窄、どのような場合に入院となるのでしょうか?脳梗塞でもいろんなパターンがあると思いますが、先日ふらついてまっすぐ歩けず右腕がしびれている状態になったことがあり、怖く感じましたがしばらく様子を見ることにしました。そのようなことが数日続いたため、MRI検査をした結果、脳の血管狭窄が見つかり内服薬での治療となりました。同じような病気でも入院している方もいるようですが、どのような場合に入院となるのでしょうか?大阪府:やまちゃんさん(35)回答:「頭蓋内血管狭窄(ずがいないけっかんきょうさく)(脳の血管狭窄)」についてお答えします。――内服薬による治療脳の血管狭窄が見つかり、しかも、同じ病態を持っている他の方は入院なのに、自分は薬だけの治療なのか、ということがご心配なのですね。頭蓋内血管狭窄(脳の血管狭窄)の治療について説明します。前提として、薬のみの治療でよい、ということは、よいサインだと考えましょう。薬の内服による内科的治療を行うのは、全く症状がなく、脳ドックなどで偶然この病気が見つかった場合です。また、ご相談者さまのように、症状が出た場合でも、再発予防には、まずは薬の内服による内科的治療が推奨されています。高血圧や脂質異常症の治療をまず行い、抗血小板剤(血液を固まりにくくする薬)を服用することで、再発予防に効果があるといわれています。<外科的な治療とカテーテル治療>薬の内服による治療を行っていても、脳梗塞の再発を繰り返す場合には、外科的治療、あるいは脳血管内治療が選択肢に入ります。外科的治療法としては、頭皮などの頭蓋外からの血管を脳内の血管とくっつけるバイパス手術を行うこともありますが、その手術に適応できる血管は限られており、すべての方が対象となる治療ではありません。一方、最近では、外科的手術にくらべて侵襲性(しんしゅうせい)の低い、カテーテルを用いた脳血管内治療による脳血管拡張術も行われるようになってきました。しかし、このカテーテルを用いた治療では、重大な後遺症を来すような脳梗塞や脳出血などの合併症を生ずる危険性もあり、未だに摸索が続いている治療になります。最近では、頭蓋内血管狭窄症のケースに対して、「薬の内服による治療+カテーテルを用いた治療」は、薬の内服の治療のみのケースに比べて、その後12カ月間の同一部位の脳卒中や一過性脳虚血発作のリスクが高まり、また、30日間に限ってみると、あらゆる脳卒中や一過性脳虚血発作のリスクが高まる、という報告があります。カテーテルを用いた治療の意義が問われている報告でしょう。入院が必要ということは、外科的手術やカテーテル治療を選択された患者になる可能性が高いでしょう。薬の治療で済むのであればよかった、とご納得いただけましたでしょうか。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:一般的に何歳ぐらいから脳血管疾患の危険性が増すのでしょうか?30代半ばの主婦です。父方、母方両方の祖母が、脳卒中が原因で、認知症になったり、亡くなったりしました。私自身はお酒もたばこもたしなみませんが、一般的に何歳ぐらいから脳血管疾患の危険性が増すのでしょうか?また、早期発見できた場合とできなかった場合、どれだけの医療費の負担差が予想されるでしょうか?滋賀県:atuさん(35)回答:年齢と「脳血管疾患」の関係についてお答えします。――「脳血管疾患」の危険因子一般的には、脳梗塞などの脳血管疾患は、中高年や高齢者に発症することが多いです。一方、脳血管疾患の一つであるくも膜下出血は、40代、50代の働き盛りにも起きますので、特定の年代に限ったものではありません。では、脳血管疾患の危険因子を見てみましょう。■高血圧最も危険な原因は「高血圧」です。軽度の高血圧者(上の血圧が140~159mmHgほど)が脳卒中で死亡する危険度は、至適血圧者(してきけつあつ:理想的な血圧の値のこと)(110~119mmHg)と比べ、約3倍になります。重度の高血圧者(上の血圧が180mmHg以上)の場合、リスクは7倍以上に高まります。その他の要因は下記が挙げられます。 ■不整脈 「心房細動」という不整脈は、心臓が原因で起こる脳梗塞の最大の原因になります。きちんと脈を刻めない心臓は、流れが滞り、血液の塊ができてしまいます。その塊が脳へと飛び、脳梗塞になるのです。主な原因は高血圧、心筋症、心臓に酸素を送る冠動脈の動脈硬化です。しかし、過度な喫煙、飲酒、過労なども発作を誘発する場合があります。■脂質異常症動脈硬化を引き起こすLDLが高いと危険です。■高血糖状態糖尿病により高血糖状態が継続し、脂質が高い状態も加わると、動脈硬化を促します。脳の毛細血管まで硬化すると、脳梗塞のリスクが高まります。■喫煙たばこを吸わない人に比べて2.0~2.5倍も危険性が高いといわれています。喫煙をすると、血圧が上昇し脳の虚血が進行します。一酸化炭素やニコチン、タールなどが身体に入り、全身の血管が収縮するためです。 ■過度な飲酒お酒は、ほどよく飲む分には身体のリラックスや食欲の増進、血の巡りをよくするといった、プラスの効果があります。ですが、過度な飲酒は、肥満・動脈硬化・高血圧・糖尿病を引き起こし、また脳卒中のリスクを高めます。上記以外にも、家族に脳血管疾患になった人がいる場合は、脳卒中になる危険性が高くなります。遺伝の問題のため予防は難しいですが、発症のリスクが高いことを知っておいてください。<早期発見できた場合とできなかった場合の治療費>また、早期発見できた場合とできなかった場合の治療費の差、ということですが、脳血管疾患の一つである脳梗塞の場合を見てみましょう。この場合は早期の対応が重要になります。発病から3時間以内であれば、t-PAという薬を使用し、原因となった血栓を溶かすことが可能だからです。この条件に当てはまった50代の男性の場合、入院10日、治療費負担額30万円ほどで済んだのですが、t-PAを使用した治療を行うことができなかった70代の男性は、脳の血管が狭くなった部分を広げるためにステントという器具を入れる手術を行い、25日入院しました。結果、80万円ほど負担することになったのです。早期発見で、しかも血栓溶解療法が適応できた場合には、そうでない場合と比べ、治療費に大きな差が見られます。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日「どれだけ眠っても疲れがとれない」「集中力が続かない」……。そんなことを感じる人は脳が疲労している証拠。『世界のエリートがやっている 最高の休息法』(久賀谷亮著、ダイヤモンド社)によると、睡眠をとったり、ゆったりと過ごすなどしたりしても脳の疲れは回復することはないといいます。脳は体重の2%ほどの大きさでありながら、身体が消費するエネルギーの20%をも消費しています。しかも、脳の消費エネルギーの60~80%はデフォルト・モード・ネットワークという、脳が意識的な活動をしてきないときにも動き続ける脳回路に使われているのです。そのため、ただ何もせずぼんやりしていても脳はどんどん疲れていくそう。そんな脳を休息させることができるのが「マインドフルネス」。これは、瞑想などを通じた脳の休息法の総称。Googleをはじめ、有名企業でも多く採用されているこの方法の効果は科学的な裏付けが進みつつあります。今回は本書の中から、その一部をご紹介します。■1:脳が疲れたら「現在」を意識する注意散漫になったり、無気力になったりするのは脳が疲れているサイン。このような状態のときは「こうすればよかった」や「こうなったらどうしよう」などと知らず知らずのうちに意識が過去や未来にばかり向かっています。このように意識が「いまここ」にない状態が続くと、心はどんどん疲弊していくのです。そんなときは、「マインドフルネス呼吸法」が有効。椅子に座って背筋を軽く伸ばし、お腹はゆったりとリラックスします。次に自分の身体の感覚に意識を向けていきます。足の裏が床に触れている感覚や、手が太ももに触れている感覚を感じてみます。そして、次は呼吸に意識を向けます。深呼吸ではなく自然な呼吸で、空気が鼻を通る感覚や胸が膨らむ感覚、吸う息と吐く息で温度が違うことなど細かく注意を向けていきます。その間に、他の考えが浮かんでしまうこともありますが、それに気づいたらまた静かに呼吸に注意を戻せばOKです。なぜこんなに呼吸を意識するかというと、「いまここ」に注意を向けるため。それにより脳を休息させることができるのです。脳は習慣を好むため、これを1日5分でも毎日、同じ場所、同じ時間に行うことが大切です。■2:マルチタスクが多いときは自分の動きに注意を向ける何かをしながら、別のことをするようなマルチタスクの状態が続くと注意力や集中力が低下することがあります。莫大な仕事量を効率よくこなせる人ほど、実は集中力を1箇所に固定することができなくなっています。そういう人には「歩行瞑想」がおすすめ。歩いているときに自分の手や足の動き、地面と接触する感覚などに注意を向けていくのです。そして自分の動き一つ一つに「右」「左」や「上げる」「下げる」などラベルを貼るように意識するとさらに効果的です。このように自分の動きに注意を向けて「いまここ」を意識する方法は、Googleの社員研修プログラムでも取り入れられているそうです。歩行だけでなく、歯を磨くときや服を着るときなどにも応用することができます。毎日決めたタイミングで行いましょう。■3:自分の心は「プラットホーム」だとイメージする頭の中が様々な雑念でいっぱいの状態を「モンキーマインド」といいます。脳は莫大なエネルギーを消費するため、モンキーマインドの状態だと疲れやすくなります。反対に、この状態を脱することができれば、集中力や判断力、創造性などを高めることができるのです。そのためには、考えに対して「傍観者」であることが大切。自分の心は電車が行き交うプラットホームであり、様々な考えは電車のように一時的に駅に停車してもまたすぐに去っていくもの。そのようにイメージして「考えている自分」と「考えていること」を同一視しないようにしましょう。そうすることで心の中にスペースを持つことができるでしょう。■4:怒りが湧いてきたら4つのステップで処理する怒りは、脳が自分を守るために発動させる「緊急モード」のようなもの。アドレナリンが分泌されて脳の思考活動が抑制されるため、前後の見境がなくなることもあります。怒りや衝動を抑えられないときは、以下の4つのステップが有効。英語の頭文字をとって「RAIN」といわれています。(1)認識する[Recognize]自分の中に怒りが起きていることを認識しましょう。その際、「怒り」と「怒っている」自分は同一視しないことが大切。(2)受け入れる[Accept]怒りが起きていることをそのまま受け入れます。(3)検証する[Investigate]自分の身体にどのような変化が起きているか検証します。心拍はどうなっているか、どこが緊張しているかなど観察してみましょう。(4)距離をとる[Non-Identification]自分の感情を個人的なものとして捉えず、「他人事」のように考えてみます。この4つのステップは怒りだけでなく、甘いものを食べたいというような衝動にも有効。禁煙にも効果があるといわれています。*本書はストーリー仕立てで構成されているので、実際にレクチャーを受けているような気分になれるはず。マインドフルネスを継続すると、一時的な疲労解消ではなく、疲れづらい脳が手に入るといいます。少しの時間でも毎日の習慣に取り入れてみてください。(文/平野鞠) 【参考】※久賀谷亮(2016)『世界のエリートがやっている 最高の休息法』ダイヤモンド社
2016年09月08日Q.あなたは怪獣になって街を壊します。まず壊した建物は何ですか。1.マンション2.オフィスビル3.デパート4.ホテルこの心理テストでは、あなたを「成長させること」がわかります。壊すという行動は、障害をなくすこと。深層心理において「試練」を示します。つまり、どんな建物を壊すかであなたが乗り越えて成長できるきっかけがわかるのです。それではそれぞれ結果を見ていきましょう。■1.マンション・・・自分自身で成長できるタイプマンションは人が生活をする場所。潜在意識において「自分自身」を示します。マンションを選んだあなたは、自分自身で成長のきっかけを生み出すタイプ。自分自身が成長している状況によろこびを感じる一方で、自分にどんな適正があるのかわからず、苦しんでしまうことも。行き詰まりを感じたならば、自分に極端な評価をしていないか確認してみましょう。等身大の自分を知り、認めることも必要ですよ。■2.オフィスビル・・・仕事が成長のきっかけになるタイプオフィスビルは仕事をする人が集まる場所。潜在意識において「仕事」を示します。オフィスビルを選んだあなたは、仕事が成長のきっかけになるタイプ。業務がどうやったら上手くいくのか考えるのが好きなところがありますが、文化が合わない組織だとストレスが増えてしまうことも。行き詰まりを感じたならば、転職活動をしてみてはいかがでしょう。別の組織を知ることで、自分を活かすために必要なこともわかりますよ。■3.デパート・・・恋愛が成長のきっかけになるタイプデパートはいろいろな物が買える場所。潜在意識において「恋愛」を示します。デパートを選んだあなたは、恋愛が成長のきっかけになるタイプ。好きな人ができると、相手を振り向かせるために頑張るところがあります。また、失恋した時も「もっと魅力的になってやる」と自分を磨こうとするでしょう。行き詰まりを感じたならば、「相手のため」と言いながら自分勝手になっていないか確認してみて。時には冷静さも必要ですよ。■4.ホテル・・・人間関係が成長のきっかけになるタイプホテルはいろいろな人が泊まる場所。潜在意識において「人間関係」を示します。ホテルを選んだあなたは、人間関係が成長のきっかけになるタイプ。周りの人に刺激を受けてがんばろうという気持ちが盛り上がるところがありが、ときには、周囲の人とのしがらみで苦しんでしまうことも。行き詰まりを感じたならば、新しい環境に出掛けてみてはいかがでしょう。いつもと違う人と触れ合うことで、気付かされることもありますよ。■おわりにあなたの診断結果はいかがだったでしょうか。自分が成長している実感がない時は、いろいろ考えてしまい辛い時もあります。しかし、壁にぶつかるとは次のレベルに進む兆候でもあるので、状況を一度、客観的にみるようにしてみましょう。何かヒントが見つかるかもしれませんよ。(藤間丈司/ライター)(ハウコレ編集部)
2016年08月20日「オキシトシン」というホルモンをご存知ですか?これは誰かを愛したり、優しくしたりすると分泌される物質で、それによって様々な健康効果を生むため「最強の脳内物質」ともいわれています。具体的には、高血圧や動脈硬化、高血糖などの病気を予防改善したり、肩こりや不眠、イライラ、便秘など日々の不調を和らげる効果が期待できるというから驚きです。オキシトシンでなぜこんなに健康になるのか、どうすればオキシトシンが分泌されるのかが分かるのが、『自律神経を整えてストレスをなくす オキシトシン健康法』(高橋徳著、アスコム)。今回は本書の中から、1人でも実践できる「オキシトシンを分泌させる習慣」をご紹介します。■1:お腹が空いたら好きなものを食べるオキシトシンを分泌させるためのポイントは「五感に気持ちのよい刺激を与えること」。そのため、食事は「これが食べたい!」と思うものを食べるのが正解。自分の体が欲しているものを食べてストレスを感じるという人はいないはずです。そして、「お腹が空いたら食べる」ことも大切。逆にお腹が空いていなければ食べなくても構いません。健康な人であれば、食事でストレスになるようなことはやめましょう。■2:アロマを生活に取り入れるアロマセラピーはストレスを軽減し、免疫力をアップさせる効果があります。これはオキシトシンの効果そのもの。自分が心地よいと感じる香りを選んで生活に取り入れてみましょう。アロマディフューザーなどがなくても、コットンを使ったり、熱湯を入れたマグカップの中にアロマオイルを1~2滴垂らすだけで香りを楽しむことができます。■3:腹式呼吸をするオキシトシンの分泌を妨げるのが緊張感や焦燥感、イライラなど心を乱すようなこと。自分がそんな状態にあると思ったときは、ゆっくり深い深呼吸をしてみましょう。息を吸うときに大きくお腹を膨らませ、息を吐くときにはお腹をへこませます。日常的にこのような腹式呼吸を繰り返しているとオキシトシンが出やすい脳内環境になり、心が乱れたときでも短時間で落ち着きを取り戻すことができるでしょう。■4:朝の光を浴びながら散歩するオキシトシンの分泌に欠かせないのが朝の光を浴びること。朝の太陽は体内時計をリセットして1日の始まりを意識させてくれます。「幸せホルモン」として知られるセロトニンも分泌されるので、1日を快適に過ごすことができるはずです。時間があれば30分ほど散歩してみましょう。歩きながら誰かのことを思い浮かべるのもおすすめ。「今日会う⚪︎⚪︎さんとはどんな話をしようかな」とか、「家族がいつも元気でいてくれてありがたい」などと考えていると心が満たされ、オキシトシンがどんどん分泌されるのです。■5:ふくらはぎをマッサージする手や足、背中などを両手でゆっくりなでるようにマッサージする「タッチケア」は血圧を下げたり、不安やストレスを和らげる効果があります。これはマッサージによって脳内にオキシトシンが分泌されるためだと考えられています。1人でできるマッサージとしては、ふくらはぎのマッサージがおすすめ。ふくらはぎには多くの神経があるため、脳の刺激につながるのです。床に座ってふくらはぎの内側を上に向けたら、両手の親指を使って内くるぶしから膝に向かって骨の際をゆっくり押していきます。これをふくらはぎの中央、外側も同様に両足2~3回繰り返して行ってください。マッサージが終わる頃にはオキシトシンが分泌されてリラックスできるでしょう。■6:素敵な風景の写真をシェアする散歩の途中できれいな虹に遭遇したときや、旅先で感動的な絶景に出会ったときなど、心地よい視覚からの刺激があるとオキシトシンは分泌されます。さらにそれをSNSなどでシェアして、誰かに「いいね!」と言われたり、感謝されることでさらにオキシトシンが分泌されます。■7:断捨離はやりすぎないミニマムライフが流行していますが、無理をしてモノを捨てるのはおすすめできません。そのモノ自体に価値はなくなっても、それを見ることで懐かしい気持ちになったり、誰かを思い出して心が安らぐとオキシトシンが分泌されるからです。大切なのは自分にとってその空間が気持ちいいと感じるかどうか。愛着のあるものがそばにあるといつでも誰かのことを考えることになり、心をリラックスさせてくれるでしょう。*簡単なものばかりなので、すぐに取り入れられるのではないでしょうか。また、本書には他の人とのふれあいの中でオキシトシンを分泌させる方法も紹介されています。ぜひ恋人や夫婦、家族でも実践してみてください。(文/平野鞠) 【参考】※高橋徳(2016)『自律神経を整えてストレスをなくす オキシトシン健康法』アスコム
2016年08月09日生田斗真と岡田将生が7月25日(月)に行われた映画『秘密THE TOP SECRET』試写会の舞台挨拶にて、映画の中の物語さながらに他人の脳に侵入し、秘密を暴く“マインドハッカー”トニー・ジャンと対決した。清水玲子の同名人気漫画を『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督が映画化。死んだ人間の脳内に残されてている記憶を映像化することで犯人の逮捕につなげていくという最新技術による捜査を取り入れた捜査官たちの姿を描く。トニー・ジャンは「他人の脳に侵入し心をコントロールする」ことを生業とする“アジア最強のマインドハッカー”を名乗っており、この映画で展開される捜査について「僕のパフォーマンスと似ている」と語り「なぜ僕が主役じゃないのか?」とも。そんな彼と生田さん、岡田さんが対決することになったが、実はトニーは以前、TVで岡田さんと対戦したことがあるそうで「僕が初めてマインドハッカーに失敗した」相手。彼にとっては「ある意味でリベンジ!」とのこと。生田さんと岡田さんも、映画の中では他人の記憶に潜入する捜査官を演じているだけに、そうやすやすとは侵入を許すまじと意気込む!最初の対戦では、ドミノの駒を生田さんと岡田さんが相談の上、どちらかが右手、左手のどちらかに握り、それをトニーが当てるというもので単純な確率は4分の1だが、2度にわたる対戦で、トニーは見事に正解を言い当てる。トニーの指示に従い、2人は手を前に出したり、下したりするのだが、そのときのわずかな表情の変化や手の筋肉の動きを読み取り、正解を導き出していくとのことで、岡田さんは「(心が)のぞかれている感じ」と驚きを口にする。そして、続く対戦では、トニーは生田さんの初恋の相手のフルネームを当てるという難問に挑戦。「(字数は)1文字?2文字?3文字?4文字?」「(音は)ア行?カ行?…」などと質問を繰り出していき、そのときの生田さんの表情を読み取っていくというやり方で、一文字たりとも間違うことなく、生田さんの初恋の相手のフルネームを見事に割り出した!生田さんは「すごい! そんな…そんなことってあるんだ!」と驚愕。ちなみに、初恋に落ちた理由を問い詰められると「小学生の頃、廊下を走ってたらぶつけて膝をケガしたんですが、その子がハンカチで止血してくれたんです。ハンカチっていいですね(笑)」と思い出を明かしてくれた。岡田さんは、生田さんが追い詰められていく様を目の当たりにし「僕がやられてるわけじゃないのにどんどん汗が出てきます!」と語っていたが、そんな岡田さんのために生田さんは、ハンカチで汗を拭いてあげるというパフォーマンスを見せて会場をわかせていた。『秘密 THE TOP SECRET』は8月6日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)
2016年07月25日全国のラーメンを食べ歩くラーメンミュージシャン、井手隊長です。いま、日本の少子高齢化はまったく歯止めのきかない状態ですよね。国立社会保障・人口問題研究所によると、65歳以上の老年人口割合は、2010年に2,948万人、2012年には3,000万人を超え、2020年には3,612万人へと増加する見込み。2013年の時点で割合は25.1%と、すでに4人に1人を上回っている状況です。ただ、高齢者のみなさんの「いつまでも若い自分でいたい」という気持ちや、アンチエイジングの技術向上などもあり、大変若く生き生きとした方が多い印象ですね。そんな高齢者で気になるのはやはり「認知症」や「ボケ」の問題。「いくら若々しくても、「脳」の老化は避けられないのでは?」と思っている方も多いと思います。そんななか、「脳は老化なんかしない。きちんと鍛えれば100歳でも成長する」と説くのは医学博士で「脳の学校」代表の加藤俊徳先生。加藤先生の『アタマがみるみるシャープになる! 脳の強化書』(あさ出版)が27万部突破の大ベストセラーとなり、“第2次脳トレブーム”が到来しました。脳を8つの番地(エリア)に分け、それぞれが自分の足りない部分を鍛えれば脳はいくらでも成長するという考え方で、思考系/感情系/運動系/聴覚系/視覚系/伝達系/理解系/記憶系の8番地に分かれます。いわゆるパズルや数式を解く従来の脳トレとは違い、「植物に話しかけてみる(感情系)」「利き手と反対の手で歯みがきをする(運動系)」など日常ですぐにできるお手軽脳トレメニューになっていて、それも大変ウケています。そこで今回は加藤先生に、「ラーメン屋でできる簡単な脳トレメニュー」を伺ってみました。ラーメンを食べながら脳トレができるなんて夢のよう!早速見ていきましょう。■1:店主さんに話しかけてみるラーメン屋さんに行っても無言でお店に入って、「ごちそうさま」もなくお店を出て行くお客さんが多く見られます。なんだか寂しいなと思いますが、店主さんに話しかけるのも伝達系脳番地を鍛える脳トレになるんだそう。「どうやって顔をおぼえてもらうか?」とか「おいしい食べ方を聞いてみよう」とか、いろいろ考えて話しかけてみては? ただし、店主さんが忙しそうなときは遠慮するようにしましょう。■2:あえて店主さんの目の前に座ってみるカウンターが空いているとどうしても端っこの方に座ってしまうものですが、たまには店主さんの目の前に座ってみましょう。プロの人がどうやってつくっているか、じっくりと見てみると観察力がつき、視覚系脳番地が鍛えられます。「この店、どんぶりを温めているな」とか「味玉をヒモで切っている!」とかいろいろ発見があって楽しいですよ!■3:トッピングを工夫してみるラーメンを自分好みの味にアレンジするのも、いい脳トレメニュー。理解系/思考系脳番地が鍛えられます。はじめはもちろんそのまま食べていただきたいですが、途中で「味変」してみるのもラーメンの楽しみ方のひとつ。横浜家系ラーメンではニンニクに豆板醤にお酢、博多ラーメンには紅ショウガにニンニク、辛子高菜など、定番の卓上トッピングもおなじみですね。ただし入れ過ぎは、味が壊れてしまう場合があるので注意してくださいね。■4:食券機でちょうど1,000円にしてみる食券機で買うときに、ちょうど1,000円になるように計算する脳トレ。思考系脳番地が鍛えられます。加藤先生も昔、アメリカでお金がなかったころ、1日ちょうど10ドルで過ごす工夫をされていたそうです。*脳トレと聞くとなんだかハードルが高そうですが、身近にできる脳トレって意外とたくさんあるんですね。脳の老化が気になる方は、ぜひ試してみてください!(文/ラーメンミュージシャン・井手隊長) 【取材協力】※加藤俊徳・・・発達脳科学・脳機能生理学・脳画像MRI・脳機能計測の専門家。小児科専門医。医学博士。株式会社脳の学校(KATOBRAIN Co.,Ltd.)の創業者。現在は、ヒトの脳研究者、医師として活動する傍ら、脳の学校の代表を務め、MRI脳個性鑑定、おとなと子どもの発達障害の診断と支援サービス、脳科学研究の支援事業、脳科学情報の提供、脳商品開発事業に従事している。『脳の強化書』シリーズほか、著書多数。 【参考】※脳の学校※加藤俊徳(2010)『アタマがみるみるシャープになる! 脳の強化書』あさ出版
2016年04月25日徹夜をしたときの頭のボーッとした感じは、明らかに脳が働いていないなと実感できるものですよね。実際に、脳と睡眠には深い関係があるので、今回はそれにまつわる研究を紹介します。最近、仕事でミスが多いなと思う人は、もしかしたら睡眠が足りていないのかもしれません。睡眠が脳に与える影響睡眠と脳には切っても切れない密接な関係があります。私たちは、仕事や勉強中の活動を始め、人の表情、駅のアナウンス、味や匂い、騒音など、五感をフル活用して、さまざまな情報感じ取っています。それらがずっと蓄積されていくと、とんでもない情報量になるので脳はパンクしてしまいます。そうならないために人間は、睡眠中に「脳にたまった情報の整理や掃除」を行うのです。脳にはそのための循環系があり、睡眠中に脳脊髄液によって老廃物を排出していると考えられています。朝起きたらスッキリしているのは気のせいではなく、実際に脳もスッキリしているからなのかもしれません。この脳内の整理や掃除は快適な生活を送るためには必要なことです。脳に余計な情報がパンパンに詰まったままだと脳がフル稼働できません。睡眠と脳の関係を調べる研究あれこれ睡眠と脳に関する研究というものがあります。どのようなものがあるのか見てみましょう。眠気を誘発するのはカルシウムイオン今年3月に東京大学の研究チームが発表した研究結果によると、脳内のカルシウムイオンが眠気を誘発していることを突き止めたそうです。これまで眠気の正体は明確にわかっておらず、睡眠物質なるものが存在すると考えられてきました。それを特定するために東京大学の研究チームはマウスを使った実験などを行った結果、脳へのカルシウムイオンの流入が睡眠に関係あるとわかったそうですこの研究結果が睡眠と関係があるとされるアルツハイマーなどの神経変性疾患の治療に役立つ可能性があると言われています。睡眠時間によって脳の効率が変わる睡眠時間と脳の働きの関係を調べた研究では、1日6時間の睡眠を続けた人は飲酒したときと同等のパフォーマンスしか発揮できないということがわかったそうです。被験者をグループ分けし、4時間・6時間・8時間と睡眠時間を違えて、2週間調査を続けたところ、8時間では問題なく脳が働くことが判明したと言われています。ちなみに4時間睡眠では、飲酒時と同等の6時間よりも脳の働きが悪く、検査を受けられないレベルの人もいたそうです。脳は本当に働き者睡眠には深い睡眠のノンレム睡眠と浅い睡眠のレム睡眠があります。これも脳と関係があり、レム睡眠時の脳の酸素消費量は起きているときよりも高い数値になると言われています。なぜかと言えば、冒頭でも紹介した、脳にたまった情報の整理や掃除をレム睡眠のときに行っているからです。私たちが寝ている間も、脳は日中より多くの酸素を使って一生懸命、整理整頓をしてくれるというわけです。瞬間睡眠を知ってる?ところでみなさんは瞬間睡眠という言葉をご存知ですか? 脳をクールダウンさせ、若返らせることができると言われているすごい睡眠法なんです。実はこの瞬間睡眠、みなさんも知らないうちに実践しているかもしれないのです。ランチ後、強烈な眠気が襲ってきた仕事中などに、一瞬だけ眠ってしまうことがありますよね。「いけない、いけない」と慌てて起きて仕事をすると、一瞬寝た前よりも頭がスッキリしていることがあると思います。それは気のせいではなく、一瞬でも脳は整理や掃除をしてくれているからです。もちろん、もう少し長く(数分~30分未満)睡眠をとれたら、もっとパフォーマンスが向上することは言うまでもありません。でも、仕事中はどうしても長く仮眠がとれないものですよね。そんなときは一瞬でも意図的にウトウトする瞬間睡眠を活用してみてはいかがでしょうか。photo by acworks
2016年04月20日『聞くだけで脳が目覚めるCDブック』(山岡尚樹著、あさ出版)の著者は、「超脳トレ」全脳活性プロデューサー。そう聞いただけで活動内容をイメージすることは難しいかもしれませんが、つまりは脳をより活性化させるためのオーソリティ。具体的にいえば、人の脳に秘められた潜在能力を、音、イメージ、気の力を通じた実践ワークによって引き出しているのだそうです。つまり本書においては、これまで10万人以上に実践してきたという脳トレのノウハウを凝縮しているということ。CDも付属しているので、聴くだけで無理なく効果が望めるのだといいます。■脳は3%しか使われていない!ところで著者は脳のことを、あえて「道具」だと位置づけています。いってみれば、それはスマートフォンのようなもの。いろいろなアプリが入っていて、さまざまな使い方ができるという意味です。だとすれば、一般的に「頭がいい」「デキる」「効率がいい」といわれるような人は、総じて「道具としての脳の使い方がうまい」ということになるでしょう。ところが多くの人は現実的に、「電話をかける」「メールをする」といった程度の使い方しかできていないのだといいます。せっかくの多機能を、まったく使いこなせていないというわけです。しかも一説によると、ほとんどの人が脳をわずか3%しか使えていないというのですから驚き。だとすれば必要なのは、残り97%の「脳力」をどう引き出すかということになるはずです。■右脳・左脳・間脳・脳幹の役割そこで、まずは脳の役割をおさらいしてみましょう。ご存知のとおり、脳には大きく分けると「右脳」「左脳」「間脳」「脳幹」という部位があり、それぞれ次のような役割があります。[右脳]ひらめきやイメージ力、調和などをつかさどる脳。「芸術家肌の人は右脳優位」といわれるのは、このような理由があるからです。[左脳]計算や分析が得意な脳。言語、計算、論理、理屈といった理性的で論理的なところをつかさどるわけです。[間脳]脳内ホルモンの分泌を調整し、感情の操作をつかさどる役割。[脳幹]呼吸、体温調整といった、生きるための調整を担当。本書のトレーニングにおいては、まず「右脳」を活性化させ、多くの人のなかに眠っている未使用の脳力を引き出すのだそうです。■新しい「脳力」を目ざめさせる日常生活においてほとんどの人は、左脳が優位に働いているもの。著者によれば7~8割以上の日本人が左脳優位だというデータもあるそうですから、日本人は左脳民族であるともいえるのかもしれません。左脳優位である以上は、計算、論理、理屈など、現実的に判断・実行する力をしっかり持っているということになります。では、そんな実行力ある左脳に加え、右脳を活性化するとどうなるのでしょうか?答えは次のとおり。・与えられたことだけではなく、斬新な発想、ひらめき、イマジネーションを現実的に判断・実行できる。・ひとつのことだけでなく、同時に複数のことを実行できる(効率がよくなる)。・直感力や判断力が上がり、課題・問題に対して「検討→解決」の時間が短くなる(問題解決が格段に速くなる)・ものごとを俯瞰的に見ることができ、マネジメント脳力が上がる。つまり、一般的な「デキる人」「頭がいい人」のイメージと重なっていくということです。現代人は、もともと左脳が鍛えられているもの。だからこそ、右脳や間脳、脳幹などで眠っている“新しい脳力”を目ざめさせることにより、また異なった脳力を生かすことができるということです。■聴くだけで脳が活性化する理由よくある計算ドリルなどの脳トレは、左脳中心の訓練しかできないことが難点。一方、右脳を刺激できるのが、本書に採用されている「音」のトレーニング。なぜなら脳は「音」「イメージ」「気」という3種類のアプローチで活性化できるからだそうです。「イメージ」することは、人によってうまい・下手の差があるでしょう。「気」にしても、感じられる人と、そうでない人がいるはずです。しかし「音」は、誰にとっても、耳に届く内容は同じ。また、そもそも脳に伝わるエネルギーの約90%は、耳から入ってくるといわれているのだそうです。こうしたことから、「音」は脳を活性化させるための、もっともベーシックで優れた刺激だといえるのです。*しかも、脳は何歳からでも鍛えることができるのだとか。「脳を鍛える」という発想自体があまりなじみのあるものではありませんが、音を聴いているだけで鍛えられるならば、ぜひ試してみたいところではあります。CDに収録されている音源は、クラシック、オペラ、落語までバラエティ豊か。著者のノウハウが凝縮されているだけでなく、リラックスして聴くこともできるというわけです。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※山岡尚樹(2016)『聞くだけで脳が目覚めるCDブック』あさ出版
2016年04月11日前編 では、脳が子どもから大人へと成長していく段階について説明しました。後編では、子どもが思春期の反抗期を迎えるとき、親としてどのような心構えをしておけばよいのかについて解説します。■思春期は親としての責任から解放される兆しあらゆることに反抗し、親も何かと悩む思春期ですが、この思春期にも必ず終わりが来ます。そうなってみると初めてわかることですが、思春期を通り過ぎたわが子は、もう「子ども」ではありません。ですから、思春期の終わりとともに子育てが終わると言ってもよいでしょう。とはいえ、日本では成人するのは20歳ですし、成人した後もしばらくは親元で学生を続けていることが多いでしょう。そうなると、実質は、子どもが自分の力でお金を稼げるようになるまでは、親は責任を持たなければなりません。でも、わが子がどんどん成長・発達していくに伴って、子ども自身が自分の行動に責任を持たなければならなくなってくるはずです。それと比例するように、親としての責任を少しずつ、子ども側へ移行していかなければなりません。言い換えてみれば、子どもの脳が大人になればなるほど、子育ての責任がなくなってくるということです。そう考えてみたら、思春期は親としての責任の終わりが近づいている時期とも言えますね。思春期真っただ中のわが子を見て思い悩むなんて、もうしなくていいのです! むしろ「もうすぐこの責任から解放されるのね!」と喜んでもいいくらいです。昔はよく、初潮を迎えた女の子のために赤飯を作り、みんなでお祝いをしたと言います。脳が最後の転機を迎える思春期は、まさに初潮を祝うように喜びたいものなのです。それほど、脳にとっては大切で、大きな転機だと言えます。思春期の反抗は、それまでの変化とは違って、夫婦ともにつらく感じることが多いでしょう。そんなとき、ぜひ思い出してほしいのです。「思春期が来るということは、もう子育てのゴールが近づいているということなのだ」と。きっと「思春期、反抗期が来てよかったね」という気持ちになれることでしょう。■子どもが思春期を迎える前に、見直すべきは夫婦関係余談ですが、この思春期の時期に夫婦間でトラブルが起こることも多いようです。「これまでお前は何をしてきたんだ!」と夫が妻を責めるわけですね。こうならないようにするためには、子どもが生まれたと同時に、夫を父親へと育てていく妻の努力が必要なのです。思春期にあるこのような夫婦のトラブルは、これまでの夫に対する教育がうまくいかなかったということを表しているのです。思春期には、子育てに関して夫婦がどうやって力を合わせていったかを問われる時期とも言えますね。世の中のお母さんたちにはぜひ、思春期の厳しいときになって夫に心外な言葉を言われないよう、子どもが幼いうちから、父親育てを頑張っていってもらいたいと思います。
2016年04月07日小学3年生~4年生というと、年齢にすれば9歳~10歳になりますね。実はこの頃の子どもたちの脳は、あるポイント地点に到達しています。この時期を境として、その前と後とでは、脳が少し違ってくるのです。いったいどう違ってくるというのでしょうか。それを知ると、わが子への働きかけをどうしていったらよいのかが、よくわかるのです。■9歳~10歳で大人の脳へと切り替わる!生まれてから3歳くらいまでは、脳の発達の度合いはとても急激です。そして3歳過ぎになるとややゆっくりとした速度で脳は発達していきます。そのまま行くのかというとそうではなく、子どもの脳は9~10歳ころにもう一度変化をみせるのです。学校での実例から見ても、9~10歳ころ、つまり小学3~4年生の頃というのは、子どもの学習という視点から見ても変化の兆しが表れる時期です。また、発達心理学の立場からは、このころを「9歳半の節」と名付けています。つまり、この頃の子どもたちはそれまでとはどこか違った様子を見せるようになるというのです。この時期の子どもたちの脳は、大人の脳に移行していく時期を迎えているのです。■子どもの脳と大人の脳の違いでは、大人の脳と子どもの脳というのは、どう違うのでしょうか。そもそも脳にとってのエネルギーは、血液から来ています。脳を使うと血液循環のスピードが速まり、それに伴ってエネルギーもたくさん脳に取り込めるのです。エネルギーを脳に取り込むには、酸素が必要です。大人の場合、血液循環のスピードが上がったとき、それに準じて酸素もたくさん取り入れられるようになるかというと、実はそうではないのです。ですから、エネルギーが脳に取り入れられる量が一定に決まっているということになります。なぜこんな仕組みになっているのかは定かではありませんが、突然血液量が増えてしまうことによって血管に圧力がかかり、詰まりを生じたり切れたりしないようになっているとも考えられています。しかし、この仕組みは、子どもの脳には当てはまりません。子どもの場合は、血液循環のスピードが上がるに従って、取り入れられる酸素の量も増えていきます。ということはつまり、脳を使えば使うほど、脳に必要なエネルギーをどれだけでも得ることができるということになります。子どもの脳はこのような素晴らしい仕組みになっています。ですから、子どもの脳である時は、どんどんと脳を鍛える学習(漢字の書き取り、音読、計算問題など)をするのにもっともふさわしい時期と言えるのです。では、いつまでが子どもの脳と言えるのか。それがズバリ、9歳~10歳ころ、学年で言えば小学校3~4年生の頃なのです。移行の時期には男女差があり、女子は男子より6ヶ月ほど遅れてやってきます。■9歳~10歳くらいの子どもの変化に対して心の余裕を持つ方法小学校3年生~4年生のころになると、脳はもう子どもではありません。大人の脳へと移行していくのです。まだまだ子どもに思える小学校3年生~4年生ですが、脳は確実に大人へと切り替わっていくのですね。さて、この時期の子どもたちを見ていると、それまでとはちょっと違うように見えることがあります。「何だか最近、生意気な口を利くようになってきた」「どうも落ち着きがないのよね」などと、どことなく漂う不安定感に気づかれる方もいるでしょう。それはもしかしたら、大人の脳へと移行していくことから来るのかもしれません。反抗期を迎えた子どもも、今までとはちょっと違った様子を見せますが、それとこの時期の変化とは、少し異なっています。いつも一番近くで子どものことをよく見ている親であれば、きっとその違いがわかることでしょう。さあ、ここまで読んでいただければ、あなたの子どもが小学校3年生~4年生になり、今までとはちょっと違った雰囲気を見せ始めた時、「大人の脳へと変化しているのだ、確実に成長しているんだな」と、少し余裕を持って受け止めてあげられるでしょう。大人の脳へと順調に移行していけば、脳の働きはより潤滑なものとなり、ついに思春期へと向かっていくのです。
2016年04月05日こんにちは。医療カウンセラーのyoshiです。みなさんは脳についてどの程度知っているでしょうか。脳というと、生き物の中心、重要な器官、体の司令塔のようなイメージがあると思います。しかし、脳というのはまだまだ解明できていない部分が多く、 非常に複雑な臓器、器官となっています。これまでも多くの研究がされてきていますが、その中でも結論というのは二転三転してしまっているのです。それくらい解釈が難しく、正確な結論に至ることができていません。逆に言ってしまうと、脳が持つ可能性というのはとても大きなものであると考えることができます。脳細胞は減り始めたら増えることはないと言われていますが、1998年の段階でスウェーデンのエリクソン博士によって、高齢になっても脳細胞は増えていく ということがわかっています。脳の持っている大きな可能性というのは日常生活でも重要になりますが、障害を負ってしまった場合、非常に大きな意味を持ってくることがあります。●大脳の半分がなくなってしまう可能性がある脳の半分がなくなってしまう、大脳の半分がなくなってしまうとなると、それは生命の維持に大きな支障をきたすのではと思ってしまいますが、大脳の半分がなくなっても人は生きていける場合が多くあります。難治性のてんかんの手術では、大脳の半分を切除する方法が効果的と言われています。小児に限定しますが、大脳を半分切除してしまっても残りの半分が適応をしていき、障害というのを非常に小さくしてしまえるのです。大人であっても、脳に関する病気によって能力を一時的に消失してしまったとしても、リハビリによって回復をしていくこともあります。なくなった分を残された脳が補うことで、苦手が得意になる ということもあるようです。まだまだ研究段階ではありますが、脳の可能性というのはとてつもなく大きいことがわかり、その可能性こそが脳の病気に対する大きな将来性につながっているとも言えます。【参考リンク】・大人でも脳細胞は新生する | 日経サイエンス()●ライター/yoshi
2016年03月15日大阪大学(阪大)、東京大学、日本医療研究開発機構は2月3日、細胞内タンパク質輸送の異常が記憶・学習などの脳高次機能に障害を与える分子メカニズムを発見したと発表した。同成果は、大阪大学大学院 薬学研究科 中澤敬信 特任准教授、東京大学大学院 医学系研究科 狩野方伸 教授、大阪大学大学院 連合小児発達学研究科 橋本亮太 准教授らの研究グループによるもので、2月3日付けの英科学誌「Nature Communications」オンライン版に掲載された。神経細胞間で信号の受け渡しをしているシナプスには、その構造を形成・維持するための分子群や信号を受け渡すために必要な分子群が集積している。記憶・学習・情動・運動などの高次機能が正常に働くためには、シナプスの適切な形成やシナプスの機能調節、環境に適応した神経回路形成や神経回路機能の調節が重要であるといわれており、これまでの研究で、シナプスの形を作り出す細胞骨格系のタンパク質、細胞同士をつないでシナプス形成に関与する細胞接着分子群、あるいはグルタミン酸やドーパミン系分子といったシナプス伝達を調節する分子群の異常が精神疾患の発症と関連している可能性があることが明らかになりつつある。同研究グループはこれまでに、神経細胞に豊富に発現するARHGAP33分子が、シナプス形成を制御していることを明らかにしてきたが、ARHGAP33分子がどのようなメカニズムでシナプス形成やシナプス機能を調節しているかについてはわかっていなかった。今回の研究では、HGAP33分子欠損マウスを作製し、同マウスではシナプスの形成およびシナプスの機能に異常があることを明らかにした。また、マウスはY字型の3方向の通路があると、その通路を順番に入ることが多く、直前に入った通路を記憶していると考えられているが、ARHGAP33欠損マウスでは、順番に入る成功率が低く、直前に入った通路を記憶することができない可能性があることがわかった。このほか、マウスは音を聞かせるとビクッとして驚いたような反応を示すが、直前に小さい音をあらかじめ与えておくと、その後に続く音に驚く反応が減る。これは脳の情報処理能力が関与していると考えられているが、ARHGAP33欠損マウスでは、音に驚く反応の減少量が少なく、脳の情報処理障害があることが示唆された。また今回の研究では、ARHGAP33がシナプス形成や記憶を制御していることを説明する分子メカニズムとして、神経細胞のゴルジ体に存在するARHGAP33分子が、神経栄養因子受容体「TrkB分子」のシナプス部位への輸送に関与していることを見いだした。ARHGAP33分子の欠損によりTrkBがシナプス部位に輸送されなくなり、シナプスの機能が低下し、脳高次機能に障害が出ると考えられる。さらに、大阪大学医学部附属病院神経科・精神科の精神疾患のリサーチリソース・データベースを用いて、統合失調症とARHGAP33遺伝子との関連性を調べたところ、ARHGAP33遺伝子座に統合失調症と関連する一塩基多型を同定し、ARHGAP33遺伝子が統合失調症と関連することがわかった。ARHGAP33遺伝子のリスク型を持つ患者では、左中側頭回、右内側前頭回、および右下側頭回の脳体積が小さいという。同研究グループによると、今後、細胞内のタンパク質輸送機構の障害という分子レベルの変化が精神疾患につながるメカニズムを明らかにするためには、神経回路レベルの研究が重要になるというが、今回の成果により、細胞内のタンパク質輸送を標的とした統合失調症の新規創薬への道が開けたとしている。
2016年02月04日フロリダ州政府柑橘(かんきつ)局はこのほど、「グレープフルーツの脳機能に与える影響」についての研究結果を発表した。ホットグレープフルーツジュースを摂取すると、脳が活性化し集中力がアップすることがわかったという。同研究は、杏林大学 医学部 精神神経科学教室の古賀良彦教授に協力を依頼して行った。被験者は、22~23歳の健康な男女6名(男性4名、女性2名)。被験者には、「水(常温10℃以下)」「グレープフルーツジュース(常温10℃以下)」「ホットグレープフルーツジュース(約60℃)」の3種類を3分間かけて摂取してもらい、その後クレペリン検査用紙を用いて1桁の数字の足し算を実施した。実験の結果、計算問題達成数は、ホットグレープフルーツジュースを摂取した時が一番多くなることがわかった。常温の水と常温のグレープフルーツジュースの間には、大きな差は見られなかった。計算中は、光トポグラフィー検査装置を用いて、脳の血流量も測定。グレープフルーツジュース摂取の場合は、常温、ホットどちらでも、前頭葉の脳血流量が増え、脳が活性化する様子が観察できた。常温では、立ち上がりが速く(効果がやや弱い)、ホットではじわじわと立ち上がり効果が持続するという違いも明らかとなった。古賀教授は、常温で摂取したときの立ち上がりが早いのは「(常温ゆえに)素早く覚醒度が上がりサッパリ感を感じさせるためと考えられる」と見解を述べた。実験の終わりに、被験者に体感アンケートを実施。その結果、ホットグレープフルーツジュースは、「落ち着き」「気分」の2項目で、水や常温グレープフルーツジュースより高い評価が得られた。古賀教授はこれらの結果から、「ホットグレープフルーツジュースには、落ち着いて気持ち良く勉強できる雰囲気や状況を作るはたらきがあるのでは」と推測している。また、受験生が勉強前や勉強の合間にホットグレープフルーツジュースを飲むことは、集中力を高めて勉強の効率を上げるという点からおすすめであるという。また、「コーヒー・紅茶の場合はカフェインによる覚醒効果が期待できますが、摂(と)りすぎると眠りにくくなるなど、生活リズムが乱れる可能性もある。ビタミンCが豊富で低GI食品でもあるグレープフルーツを使ったホットジュースは、受験生の健康をサポートするという面からも有効といえるでしょう」ともコメントしている。
2015年12月17日ぴあはこのほど、脳ヨガのやり方を本とDVDで紹介した新刊『白澤卓二と間々田佳子の脳活顔ヨガで活性脳&若顔・小顔』(1,058円・税込)を発売した。同書では、ベストセラーとなった『100歳までボケない101の方法』の著者・白澤卓二氏と、顔のたるみとシワを防ぐ「顔ヨガ」シリーズの著者・間々田佳子氏が開発した「脳活顔ヨガ」を紹介している。脳活顔ヨガは、手指を使った体操に顔ヨガを組み合わせたもの。1日3分、1日1ポーズでも、顔のアンチエイジングや脳の活性化が見込める一石二鳥の健康体操であるという。同時に2つの動きをすると脳は活性化し、その効果は脳の活動を「見える化」する光トポグラフィでも実証されているとのこと。「脳活顔ヨガ・基本編」では、「ムンクでダイヤモンド体操」「舌だしやぐらの体操」「でか目のオニ体操」「ひょっとこあやつり人形体操」などを紹介している。そのほか、「脳活顔ヨガ・応用編」、身体全体を使い、だれでも楽しくできる「顔脳活ヨガぱんぱん体操」も収録した。同書は全国書店、ネットショップのほか、「BOOKぴあ」でも販売している。
2015年12月08日成長ホルモンは美容やダイエットなどにおいて、非常にプラスになる存在だ。だが、その分泌量は早ければ20歳を待たずに減っていく。そのため、成長ホルモンにとってよいライフスタイルを持つことが重要となる。本稿では、ホルモンに詳しいAACクリニック銀座の院長・浜中聡子医師の解説をもとに、成長ホルモンが分泌されやすい習慣について紹介する。○ノンレム睡眠を意識しつつ、0時前睡眠を心がける体組織の修復・再生や免疫力の維持、脂肪の分解などの働きを持つ成長ホルモンは、睡眠中に大半が分泌されている。そのため、効率よく成長ホルモンを分泌するには、質のよい睡眠を確保する必要があると浜中医師は指摘する。「寝付いてから30分~1時間ほどして訪れるノンレム睡眠時に、1日に分泌される量の70%の成長ホルモンが分泌されています。ノンレム睡眠は脳が寝ている状態で、深い眠りについている時間帯。ちょっとしたことで起きにくいときに、成長ホルモンが出ているのです」。私たちは睡眠時、脳が寝ている「ノンレム睡眠」と体が寝ている「レム睡眠」を約90分のサイクルで繰り返している。就寝後はノンレム睡眠を経てからレム睡眠へと移行し、その後はこの2つを繰り返す。一般的にノンレム睡眠は深い眠り、レム睡眠は浅い眠りと言われており、レム睡眠中に起きると目覚めがすっきりする。成長ホルモンの分泌量がピークとなるのは眠り始めてから1時間半~2時間後とされている。特に睡眠は午後10時~10時半に就寝できれば理想だが、その時間帯はまだ仕事をしている人も多いはず。テレビの連続ドラマなどが気になる人もいるだろう。せめて日付が変わる前までには眠れるようにしたいが、その際は自然な眠りを誘う作用があり、「睡眠ホルモン」とも呼ばれる「メラトニン」を活用したい。「真っ暗な部屋で寝ると、メラトニンの分泌が促されます。メラトニンを利用してしっかり寝て、寝起きをよくすることも成長ホルモンにとっては大事です」。○アミノ酸が成長ホルモンの分泌を促す睡眠以外では、食事と運動も重要な要素となる。食事面では、成長ホルモンを効率よく分泌するためアミノ酸を摂取するとよい。たんぱく質を意識的に摂(と)り、それが難しい日などはサプリメントでアミノ酸を補うようにしよう。そのほかでは、にんにくなどに含まれるアルギニンや、しじみなどに含有されるオルニチンなども摂取したい。運動面では、筋肉を付けて基礎代謝を上げると成長ホルモンの分泌が促される。「筋肉を付けると成長ホルモンの分泌が促進され、基礎代謝量も上がり、より筋肉が付けやすくなります。成長ホルモンと筋肉は密接にリンクしているので、うまく循環するための『正のサイクル』にもっていきましょう」。○自分のペースで「健康な生活」へとつなげる成長ホルモンを効率よく活用するには、「質のよい睡眠の確保」「良質なアミノ酸の摂取」「適度な運動習慣」の3点が必要となる。すなわち、いわゆる「健康的な生活」をいかに送れるかがポイントとなる。この3つをすべてこなすのは容易ではないが、まずはできるものから着手し、次第に普段の生活を「健康的な生活」へと変容できるようにしてみよう。※写真と本文は関係ありません○記事監修: 浜中聡子(はまなか さとこ)医学博士。北里大学医学部卒業。AACクリニック銀座院長。米国抗加齢医学会専門医、国際アンチエイジング医学会専門医などの資格を多数取得。アンチエイジングと精神神経学の専門家で、常に丁寧な診察で患者に接する。
2015年11月27日子どもの体の成長に「成長ホルモン」が欠かすことができないのは周知の事実だ。ただ、成長期を終えた大人にとっては、もはやその存在はあまり意味がないと考えてはいないだろうか。実は成人してからでも、成長ホルモンは私たちの体において重要な役割を果たしているのだ。そこで今回、ホルモンに詳しいAACクリニック銀座の院長・浜中聡子医師に、大人における成長ホルモンの重要性に関してうかがった。○傷ついた細胞を修復する浜中医師はまず、成長ホルモンが大人にとって重要な理由として「傷ついた細胞の修復・再生」をあげた。「運動や労働で筋組織が疲労困憊(こんぱい)したり、ケガで細胞組織が破損したりした際、それらを回復・修復させるためにも成長ホルモンが必要となります。皆さんも寝ると疲れがとれると思いますが、それは体組織を修復してくれる成長ホルモンが寝ている間に作用しているからです。体のメンテナンスをするために睡眠はとても大事ということですね」。直接的な傷の修復・再生だけではなく、例えば、肌のターンオーバーも「組織の再生・修復」という観点で見れば、成長ホルモンの影響を多分に受けていることになる。「睡眠をしっかりとると肌の新陳代謝もよくなりますし、血流もよくなって老廃物が取り除けます」。この点を鑑みると、美容面においても成長ホルモンは重要であることがうかがえる。○免疫力維持や脂肪分解の効果も次に、成長ホルモンには「病気への抵抗性・免疫力を維持する」という働きもある。仕事が忙しかったり、ついつい夜更かししたりして寝不足が続いた後、風邪をひいてしまったという経験を持つ人も少なくないだろう。この現象も、睡眠不足によって成長ホルモンの分泌量が低下したことに起因している部分が大きいと言える。そして、成長ホルモンには"ダイエット効果"もあると浜中医師は解説する。「よく『睡眠不足は太る』などと言われますが、成長ホルモンは睡眠中に体の脂肪をエネルギー源として消費・分解してくれます。成長期の子どもがご飯をたくさん食べてもなかなか太らないのは、成長ホルモンの分泌量がすごいからなのです」。○まずはしっかりと運動を成長ホルモンの分泌量は20歳前後を境に少なくなり、30~40代で急激に減少してしまう。そのルールには抗えないが、多少なりとも減少のスピードを遅めることは可能。浜中医師は成長ホルモンの減少を緩やかにするには、「運動習慣を持つことが大切」だと話す。美容に健康、さらにはダイエットと、さまざまな面で大人も成長ホルモンの恩恵を受けられる。その神秘的なパワーを少しでも多く得られるよう、今日から努めてみてはいかがだろうか。※写真と本文は関係ありません○記事監修: 浜中聡子(はまなか さとこ)医学博士。北里大学医学部卒業。AACクリニック銀座院長。米国抗加齢医学会専門医、国際アンチエイジング医学会専門医などの資格を多数取得。アンチエイジングと精神神経学の専門家で、常に丁寧な診察で患者に接する。
2015年11月26日アメリカの国立神経疾患・脳卒中研究所によると、世の中には400以上もの神経疾患が存在するそうです。脳にまつわる病気は珍しいものではないのです。でも、私たちは自分の脳についてどれだけのことを知っているでしょうか?『BUSTLE』では、最新の研究から明らかになった、脳にまつわる意外な事実を紹介しています。テレパシーの実現から、胃腸と脳の意外な関係まで、脳に関する知識をアップデートしておきましょう。■1:脳は感情によって記憶力を増すニューヨーク大学の研究によれば、記憶力は感情によって高まるのだといいます。とても嫌なことがあったとき、恐怖を感じたとき、またはうれしいことがあったとき、脳が刺激され、記憶力が高まるのです。たとえば震災のとき、どこでなにをしていたかよくおぼえていたり、初恋のことを忘れなかったりするのはこのためです。これはマウスを使った実験でも実証されていますこうした効果は、カウンセリングなどの技法の研究に役立てられているのだそうです。■2:胃腸の働きは脳に影響するカリフォルニア大学のエメラン・メイヤー博士により、人間の脳と内臓の間には深い関係があることがわかりました。内臓、特に胃腸の働きが鈍くなっているときは、うつなどの精神的な病気になりやすいという研究が発表されたのです。また、胃腸に善玉菌が増え、消化がスムーズに行われているときには脳の働きもよくなるのだそう。4週間善玉菌のサプリメントを摂取した人は、落ち込んだ気持ちややる気が出ないといった精神的な症状を感じることがなかったといいます。「最近なんだか調子が出ない……」という人は、胃腸の調子を整えてみるのもひとつの手です。■3:妊娠中は脳に変化が現れる妊娠中には、体だけではなく脳にも変化が現れます。妊娠中は、脳の記憶や感情をつかさどる部分が物理的に大きくなるのです。子どもが生まれてからもしばらくその状態は続きます。これは、妊娠によるホルモンバランスの変化によるもの。こうした働きにより、妊娠すると、赤ちゃんや周りにいる人と強いつながりを感じることができるようになるのだと考えられています。■4:脳が成長しきるのは25歳脳は、法的に大人になる20歳では、まだ成長しきっていないことが最新の研究から判明しました。特に、感情や行動をコントロールする部分の成長が未熟なままなのだといいます。25歳くらいまでは感情的になりやすく、プレッシャーなどにも弱い期間が続きます。脳の成長には意外と時間がかかるようです。■5:顔を認識できない病気は実在する「人の顔と名前がおぼえられない」といった記憶力の問題ではなく、人の顔を「顔」として認識できない、記憶できない、という病気があります。「相貌失認(そうぼうしつにん)」と呼ばれる脳障害の一種で、人口の2.5%ほどが苦しんでいると考えられています。自分の顔も認識できないため、日常生活に支障をきたす病気です。これは、脳の紡錘状回(ぼうすいじょうかい)と呼ばれる部分の機能に問題があった場合に起こると考えられています。相貌失認の人は相手の顔を認識できないため、相手の体格、におい、話し方や声などで誰と話しているかを推測するのだそうです。■6:テレパシーは実現可能?テレパシーは実現不可能なものではなさそうです。2013年にワシントン大学で、テレパシーを現実に近づける装置の実験が行われました。その装置は、脳波を他の人に送信し、受信した人の手がその考えに呼応するジェスチャーをするというものでした。単純な思考ならば伝わったといいます。研究者はコンピューターの通信技術に応用しようと考えているようですが、人の脳とコンピューターをつなぐ技術はまだ研究途中のようです。*まだまだわからないことも多い脳。科学の発展にともなって、どんどん仕組みが明らかになっていきます。今後の研究からも目が離せません。(文/スケルトンワークス)【参考】※Surprising Facts About The Human Brain-BUSTLE
2015年11月24日「ココナッツオイルが脳に働く」と話題になっていますが、実はもっと脳にいいオイルがあるのをご存知ですか?それは、オリーブオイルにニンニクを漬け込んだ「アホエンオイル」。毎日の料理にかけるだけで、脳がすっきりすると話題を呼んでいます。■ニンニクに含まれる成分「アホエン」って?温めた植物油にニンニクを漬け込んだときにだけ抽出できる成分を「アホエン」といい、生のニンニクにはほとんど含まれていません。アホエンは活性酸素を減らすほか、脳の活性化、記憶力アップに効果があるといわれています。さらに、免疫力を高め、ガン細胞の分裂を抑える効果、白血病や皮膚ガンなどのガン細胞の増殖を抑制する効果などを含め、以下のような科学的効果の報告があるとされています。・脳年齢の若返り・動脈硬化の予防・活性酸素の抑制・美肌効果・肝臓保護作用・抗菌作用・ぜんそく予防・コレステロール値の正常化・尿酸値を下げる・中性脂肪が下がる・γ-GTPが正常になる■簡単で続けやすいアホエンオイルのパワー「アホエン」は生のままのニンニクを食べたり、高温で煮たり焼いたりする料理では摂取できません。ニンニクの匂い物質であり、アホエンの素「アリシン」は約50℃の油に溶かすことで、抽出できる成分だからです。また、無臭ニンニクにはアホエンの素となるアリシンが含まれないので、臭いがある通常のニンニクを選びましょう。(1)ニンニク3かけを細かく刻む(2)オリーブオイル(エキストラバージンタイプがおすすめ)150mlを耐熱容器に注ぎ、水を張った鍋に入れて湯煎で温める(3)オリーブオイルが50℃になったら耐熱容器を鍋から出して、(1)を加える(4)そのまま24時間置き、こし器でニンニクを濾す。(5)密閉容器に入れて冷暗所で保存し、1ヶ月以内に使い切るオリーブオイルを使う理由は、オリーブオイルの脂肪酸が悪玉コレステロールを減らす効果やビタミンEなどの栄養素が高いためです。気になるニンニクの匂いは控えめですが、しっかりした風味やコクがあるので、幅広い料理に合うのも特徴です。加熱はせず、料理の仕上げにサッと一振りして、料理にかけて1日1杯のアホエンオイルを摂取しましょう。*身近な食材で簡単につくれて、どんな料理とも相性が良い万能オイルなので、無理なく、毎日摂取できるのがうれしいですね。(文/Marico Taguchi)【参考】※篠浦伸禎(2012)『脳神経外科医が実践するボケない生き方』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2015年10月19日引っ越し当日の朝にこれを書いております。ゴミを捨て、ダンボールだらけの家で、無印の体にフィットするソファに体を預けながらMacBookで記事を書いているわけですが、日曜の朝って気持ちいいですね。モーニング食べに行っちゃったし。どうも、おはようございます。今日は、恋愛がまったく頭にないオトコについて。たまにいますよね。「せっかくわたしからアプローチしてやってんのになんなのこのオトコは」っていう無反応なオトコって(僕のことです)。そんなオトコの脳内をちょっとご紹介したいと思います。■仕事・仕事・仕事僕の場合、いわゆるベンチャー企業を作ったばかりなので、基本的に平日・祝日と仕事のスケジュールで埋まっています。とはいえ、疲れているときの平日はちょっと朝を遅くしたり、夜はだれかとお酒を飲みに行くので、ガチガチに埋め尽くしてるわけではありません。おそらく会社を作るような方は、ハマりだすと目線が事業にしかスポットしないのではないかと思うので、恋愛の入り込むスキマがほんの少しだけなんでしょう。生活や人生のタイミングもありますからね。 ■自分にしかできないことを頑張っているはず僕の場合、仕事を頑張っているということは、自分にしかできない仕事をするのと同義だと思っているので、何かしら社会に貢献していると考えています。自分のやりたいことをやるために会社作るわけですから。もちろん会社員でも同様の考えを持った人はいます。とことん働いて、フッとひと息つくとき、そばに相手の状況を理解してくれる女性がいたらいいなぁーという妄想が駆け巡ったりしますね。いまの仕事内容や出来具合などなど、自分の話を聞いてもらえたらどれだけうれしいことやら。そんな妄想も一瞬でどこかに吹き飛んでしまうわけですが。ようは、プライオリティが仕事なんですね。■恋愛無関心オトコへ効くアプローチとはおそらく僕のような恋愛無関心タイプは『ベンチャー男子』というのだと思いますが、こういうタイプには、尽くしてくれて、ほめてくれる女性に弱いと思います。やっぱりオトコってプライドがあって、そのプライドが人より強いんじゃないかと思うので、何も言わずにオトコの話を聞いてくれ、かつほめてくれる女性。完璧です。そんな女性からのアプローチお待ちしております。ほかにも、 「男性がまったく無関心だった女性に恋に落ちる瞬間」 に書いてあることは効果的なように思います。それでは、良い恋愛を!
2015年09月06日明日香出版社はこのほど、書籍『「脳が若い人」と「脳が老ける人」の習慣』を発売した。同書の著者は、早稲田大学研究戦略センター教授で、脳の神経ネットワーク解析や行動解析を研究している枝川義邦氏。人間は年を取るとともに肉体が老いていくが、毎日運動を欠かさない人は、筋肉が落ちづらい傾向にある。それと同じように、「脳」にも衰えさせない行動があるという。書籍内では、「脳が若い人」になるために脳の働きをよくする習慣や、「脳が老ける人」にならないように脳を守るための習慣、うまくストレスをコントロールする習慣など、さまざまなメソッドを紹介。若い脳を保つため、生活の中で「やったほうがいい習慣」と「やらない方がいい習慣」を対比し45項目でまとめている。それぞれの項目は、仕事の現場や日常生活の中で取り組みやすいものになっているとのこと。価格は1,404円(税込)。
2015年08月04日情報通信研究機構(NICT)は7月28日、安静時の脳活動の脳画像データに対して脳内を活動の類似性で色分け(モジュール化)することで、統合失調症患者群と健常者群それぞれに特徴的な脳部位モジュールを推定する安定的な手法を開発したと発表した。同成果は、NICT脳情報通信融合研究センター(CiNet)の下川哲也 主任研究員と大阪大学大学院連合小児発達学研究科の橋本亮太 准教授らによるもの。詳細は「第38回日本神経科学大会」にて発表された。統合失調症は約100人に1人が発症する精神障害で、診断は医者が症状を診ることでなされ、客観的な検査などで判断する方法は確立していなかった。今回の研究では、統合失調症のデータ解析に向け、ネットワーク理論におけるモジュールに着目。従来、個人のモジュール構造のバラつきが大きいことから、集団を特徴付けるモジュール構造を推定することができなかったが、研究グループでは、統合失調症患者の安静時脳活動のfMRI(機能的磁気共鳴画像)データに対して、被験者間の差を考慮しつつ、従前の各個人でモジュール分け(色分け)する方法ではなく、新しい試みとして、平均化せずに、全員を一度に色分けすることで、モジュール解析する手法を新たに開発することで、結果のバラつきが少なく、安定的に、統合失調症患者群と健常者群それぞれに特徴的な脳部位モジュールを推定することを可能とした。今回の成果について研究グループでは、患者の主観的意見に左右されない、脳画像のデータに基づく客観的な診断法につながり、精神医学領域において注目される成果だとするほか、同手法を活用することで今後、医療の現場で実際に使えるような、医者の診断を補完する自動診断システムの開発に発展することが期待されると説明している。
2015年07月28日脳を育てることと、心を育てることは、なんとなく別のことに思えるかもしれませんが、「心=脳」ということが最近の研究の結果、明らかになっています。以前は、児童虐待の残す傷あとは、「心の問題」であると考えられていましたが、最近の脳科学の研究では子どものときに虐待を受けると、脳の一部に発達障害を起こす出典:日経サイエンス2006年12月号臨時増刊「インタビュー 熊本大学大学院医学薬学研究部小児発達社会学助教授 友田明美 子どもは親を選べない 脳科学は子どもの心を救えるか」ということがわかっているのです。近年話題になっている、突然感情を爆発させて暴力的になる「キレる子ども」になるかどうかも、脳の発達に関係があるそうです。脳の発達の基礎は、幼児期の親子関係の中で作られていきます。そこで今回は、脳科学で明らかにされてきた子どもの脳について紹介します。「キレない」ために大切なのは、脳の前頭前野言葉を覚え、計算し、人の気持ちを感じ取るときに重要な働きをしたり、「キレる」ことのブレーキ役となったりするのは、大脳の前頭前野です。前頭前野は脳の部位の中でも、もっともゆっくりと成長していきます。脳のおおよそは8~10歳くらいでほぼ完成を迎えますが、前頭前野だけは24~25歳くらいまで成長を続けるそうです。つまり、脳の構成がかたまる8~10歳までに脳の基礎を育てておく必要はありますが、大脳の発達は絶えず続き、足りないものがあれば補おうと変容したり、新たな刺激や発想があればいくらでも変わることができたりする柔軟性を持っています。つまり、8~10歳の時期を逃したら手遅れ、ということではありません。このことはしっかり覚えておいてください。「遊ぶことは学ぶこと」なのは、前頭前野の連携を鍛えるため前頭前野は知性を司る領域体を司る領域情動(感情)を司る領域の3つの領域に分かれています。そのうち、知性を司る領域は、体や情動を司る領域とうまく連携できて初めて、十分な発達をとげるのだそうです。脳科学者の篠原菊紀教授によると、ひと昔前は、子ども同士の遊びの中でこの結びつきが鍛えられていた出典:AERA with kids 2006年12月15日 「脳科学 発達行動学から見た早咲き脳 後のび脳」ということです。さらに、「今、ADHD(注意欠陥・多動性症候群)傾向や自閉傾向、LD(学習障害)といった子どもの増加が問題になっていますが、以前は子ども同士の遊びが、そうした障害の出現を抑制していたのではないか」と指摘しています。「子どもにとって、遊ぶことは学ぶこと」と、よく言われますが、先の指摘によるとこの言葉は理にかなっており、外で大騒ぎしながら遊ぶことは、子どもの脳が健やかに発達するために大切なことといえるでしょう。キレにくい子に育てるには、扁桃体の暴走をコントロールさせること前頭前野のある大脳の活動を支えるのは、脳全体の中心辺りに位置する大脳辺縁系です。記憶を司る海馬のほか、扁桃体(へんとうたい)があります。扁桃体は、生き物として「近づくべきか」「これは食べられるか」といった、危険性の判断や恐怖にかかわる部分です。幼児期に虐待されたり、愛情を与えられなかったりすると、この部分が育ち損なう可能性があるといわれています。扁桃体では、「好き」「嫌い」という感情も決めています。ここで判断された「嫌い」という感情が攻撃欲と結びつくと、扁桃体が暴走し、いじめや衝動的な攻撃が生じるのです。扁桃体を暴走させないためには、そのボリュームを増やしてしっかり攻撃欲をコントロールさせることが必要です。そして結果としてこれが、キレない脳、社会性を育てることにつながります。扁桃体は、幼児期に身近な人の笑顔、愛情表現を与えることで成長が促されることもわかっています。自分を育ててくれる親を見て「好き」になり、その好きな親が笑顔で自分を見ている、という経験は、お互いに「好き」という気持ちを共感することです。この体験が他人との信頼関係を築いていく原点となるのです。幼児期のやりたい気持ちを尊重することが脳の健やかな発達につながる子どものうちは、前頭前野が大人のようには完成していないので、大人よりも一時的な「好き嫌い」で物事を判断します。物事の重要性や優先順位を判断したり、本能的な欲望に理性的にブレーキをかけたりするのは前頭前野の活動です。子どもが「やってみたい」と思うことには、危なかったり汚かったり、眉をひそめたくなることもあるかもしれません。ですが、「やってみたい」気持ちをくじけさせてしまうと、せっかく芽生えた意欲をつぶしてしまいます。ルールに従い、我慢する、他人の意図や感情を理解するのは、ゆっくり時間がかかるもの。幼児期に大切なのは、しつけの前に、「やってみたい」意欲を出来る限り尊重し、挑戦させてあげることではないでしょうか。
2015年07月28日長さ16センチ、幅13センチ、高さ13センチ。重さは1.3キロでやわらかく、豆腐のような質感。これがなんだかわかりますか?答えは、私たちの脳。今回は、意外と知らない脳についての知識を『Live Science』より紹介します。■1:人類の脳はだんだん縮んでいる人類の脳はこの5000年ほどで、なんと150立方センチメートルも縮んでいるのだそうです。これは10%ほど縮んでいる計算になるのだと、ウィスコンシン大学マディソン校の古人類学者ジョン・ホークス氏はいいます。脳が縮んでいる詳しい原因はわかっておらず、研究者の間でも諸説あるのだとか。■2:脳は人体の中で最も大食い脳の重さは体重の2%にすぎませんが、血液中の酸素の20%と、糖分の25%を消費するといわれています。猿からヒトへ進化した際、この大食いの脳がなにを食べていたのかは専門家の間で議論になっていますが、最近は地中に埋まっていたじゃがいもなどの根菜を摂取していたのではないかという説が有力です。■3:脳のシワが多い人ほど賢い私たちの脳の表面はシワで覆われています。脳は表面に神経細胞(ニューロン)があるので、表面積が大きいほど、神経細胞の数が多く、賢くなるといわれています。しかし頭蓋骨内の限られた容積のなかで表面積を増やすためには、シワを増やすしかないわけです。ちなみにイルカの脳は、ヒトの脳よりもシワが多いのだそうです。■4:ニューロンは脳の10%しかない脳細胞と聞くとなんとなくニューロンをイメージしますが、実はニューロンは脳細胞全体のたった10%しかありません。では90%はなにでできているのかというと、神経膠(しんけいこう)と呼ばれる細胞。これはニューロン同士をつなぎとめる働きをしています。■5:脳腫瘍から救うナノテクノロジー脳内の毛細血管は、栄養素など特定の物質しか通しませんが、脳腫瘍の治療の際にはこの仕組みが仇となります。有効な成分が脳まで届かないため、薬を使って強制的に脳のガードを緩めなければならないのです。これを解決するのが、2009年に発表されたナノテクノロジー。治療に必要な成分をごく小さい分子にすることによって、薬を使わなくても脳まで届けることができる技術です。近い将来には、脳腫瘍も簡単に治療できるようになるかもしれません。■6:受胎後3週間から脳がつくられ始める胎児の脳は意外に早い段階で形成されます。なにしろ、受胎からたったの3週間で脳幹が形成されはじめるのです。脳幹は妊娠3か月で大きく成長していきます。4か月を過ぎたころにニューロンや神経膠が形成されますが、まだシワはありません。6か月を過ぎると、わずかにシワができはじめ、7カ月くらいでようやく脳らしい見た目になってきます。脳は意外と長い時間をかけてつくられるんですね。■7:10代独特の思考は脳のせい2006年に発表された研究では、10代の若者は、脳の仕組みが自己中心的になるようにできているといわれています。共感や罪の意識を感じる前頭前皮質(ぜんとうぜんひしつ)が、大人にくらべてあまり使われないのです。思春期の複雑な気持ちが、脳の影響だったとは驚きです。■8:大人になっても脳細胞はつくられる大人になってある年齢に達すると、もう新しい脳細胞はつくられないという話を聞いたことはありませんか?しかし、これは事実ではありません。2007年に発表された研究では、脳卒中になった女性の脳が、脳の似た部分の細胞を使ってダメージを受けた部分をカバーしはじめたとされています。また、大人のマウスの脳に新たな脳細胞がつくられたことも確認されています。脳は一生変化を続けているのです。■9:男女の脳はほとんど変わらない男性と女性とでは脳の仕組みが違うという話をよく聞きますが、必ずしもそうではないようです。2010年に、69か国のおよそ50万人の男女の計算能力を調査したところ、その能力の差はほとんどなかったというのです。まだまだわからないこともたくさんある脳。興味がわいた人は、さらに詳しく調べてみては?おもしろい発見がたくさんありますよ!(文/和州太郎)【参考】※10 Things You Didn’t Know About the Brain―Live Science
2015年07月25日企業広報戦略研究所(電通パブリックリレーションズ内)は、7月29日に東京都・大手町で、慶應義塾大教授 竹中平蔵氏を招いて、シンポジウム「成長戦略が切り開く―アベノミクスで進むコーポレートガバナンス改革・国家戦略特区」を開催する。参加費は無料。「日本再興戦略・改訂2015」(成長戦略)、「骨太の方針」を受けた民間主導の経済成長とはどうあるべきか、ゲストを招いて議論するという。基調講演では、「経済再生・財政健全化の取り組み」をテーマに西村内閣府副大臣が講演を行う予定。さらにパネル討議では、「コーポレートガバナンス改革」や「国家戦略特区」について、日本取引所グループ取締役兼代表執行役グループCEOに就任した清田氏や、コーポレートガバナンス・コードの策定に関する有識者会議メンバーである冨山氏、国家戦略特別区域諮問会議有識者議員の秋池氏に話をしてもらう予定。○シンポジウム概要タイトル:「成長戦略が切り開く~アベノミクスで進むコーポレートガバナンス改革・国家戦略特区~」日時:2015年7月29日(水)16:00-17:30(15:30より開場・受付開始)会場:大手町フィナンシャルシティ・カンファレンスセンター東京都千代田区大手町1-9-7 大手町フィナンシャルシティサウスタワー 3F参加費:無料(事前申込制、定員180 名)詳細・申込み:こちらを参照(申し込みは企業・団体の人限定)
2015年07月24日「私たちの脳は、『楽をする』ことを忘れてしまったのです」『考えすぎる脳、楽をしたい遺伝子』(長沼毅著、クロスメディア・パブリッシング)の著者は、冒頭部分でそう主張しています。他の動物は、眠くなったら寝て、疲れたら休む。腹が減れば食べるし、からだの欲求に忠実に生きている。しかし人間は、先天的にからだの欲求に背いてしまう脳のトラブルを抱えているのだというのです。無理をする。疲れる。見栄を張る。ストレスがたまる。我慢する……。そんな困りごとが生まれるのは、あまりに高度に発達した脳があるから。だから本書では、「脳に振り回されずに生きる方法」を、生物学的な視点から考えているということ。■6,000年前よりも劣化した脳スタンフォード大学のある研究者によると、脳という臓器がもっともいいコンディションだったのは、いまから6,000年前。つまり文明ができたころだったのだとか。それどころか、実は文明の発達とともに、人間の脳は劣化しているというのです。これは文明の進化が、人間を自然から切り離し、城壁のなかへ閉じ込めてしまったから。私たちは脳を自然に対して使うのをやめた結果、その能力を人間関係に対して使うようになったという考えです。■脳の「どうしようもない部分」人間の脳の特徴な点は、抽象的なことを考えることができる能力。「メタ組織」といって、いろんなことを脳内宇宙で組み居合わせ、いままでになかったことをつくり上げられるということ。たとえば弓矢の発明がそうであるように、自然に対してこの能力は有効に発揮されていたといいます。そのように、建設的な方向へと広がるぶんにはいいのですが、「悩み」や「不安」など負の要素が脳のなかで堂々巡りしてしまう状態になると、一転して人を苦しめることに……。しかし現状では、脳の構造は遺伝子で決まってしまっているもの。だから、どうしようもない部分がある。いわれてみれば、たしかにそのとおりです。■少しでも楽しましょう人間の脳は進化の過程で、さまざまな遺伝子が誤用され、転用され、流用されるなかで偶然生まれたもの。だから、不都合がいっぱいあるわけです。いわば、「いろんな遺伝子の寄せ集め」でつくられたものだとも著者はいいます。ポイントはここ。「もともとからだの作りからしておかしいのだから、少しでも楽しみませんか」という考え方。それこそが、読者に訴えかけたいことの趣旨だということです。この点を踏まえて読み進めると、本書のメッセージをストレートに受け止めることができるでしょう。■楽になれるように生きよう私たち生物は、普通の状態がいちばん楽。健康も普通の状態をさすわけで、無理に働いたりしてからだを壊すなど異常なことだというわけです。からだが普通の状態でいたいと願っているのに、そうでないことをしたがるのが人間。しかし、そんな無理をせず、楽になれるように生きよう。著者は本書を通じ、そんなメッセージを投げかけているのです。*以後も、自分の個性を知る方法、群れのなかでの働き方など、知っておくと便利な脳の情報が満載。ぜひ一度、手にとってみてください。(文/印南敦史)【参考】※長沼毅(2015)『考えすぎる脳、楽をしたい遺伝子』クロスメディア・パブリッシング
2015年07月22日脳トレがもてはやされたのは、かれこれ十年ほど前のこと。しかしここ最近、再び脳トレの効果に注目が集まっています。年齢を重ねるごとに物忘れがひどくなり「脳が退化しているのかも?」と悩むアラサー女子も多いのではないでしょうか?そこで今回は、医学博士であり脳研究者の加藤俊徳先生のお話を参考に、脳を鍛えるトレーニング法をご紹介します!心が踊るような妄想をする!お給料が大幅にアップしたり、好意を寄せている男性から告白されたりなど、何でもいいのでハッピーになれる妄想をしてみましょう。好きな芸能人とデートするなんて妄想は、かなり幸せな気分に浸れそうですよね。妄想することで魅力的な表情になったり、豊かな感情を育てられるようです。モノの見方を変えて、色々な考え方を!「A=A」と決めつけるのでなく「A=B」にも「A=C」にもなるのでは?とモノの見方を変えるだけで、脳を柔らかくすることができます。一つに固執した考え方しかできないと、脳はどんどん劣化していきます。常に柔軟な考え方をするように意識しましょう。相手のいいところを見つけて、褒める!人に褒められると、誰でも嬉しくなりますよね。褒めることは他人を喜ばせる以上に、自分を幸せにしてくれる行為なんだそうです。自分の言葉や行為で相手が喜ぶと、それだけで嬉しくなりますよね。常に相手のいいところを探すように努めれば、脳がフルに働き、いい感情が生まれます。脳が若返れば、見た目も若返る?お酒やたばこに走ったり、ネガティブな考えをするのは脳にとって良くないこと。嫌なことがあった日こそポジティブな考えをするように心がければ、おのずとポジティブ脳になっていくそうです。たとえば、自分は28歳だと思い込んで暮らすだけでも効果があるのだとか。脳の若返りは見た目の若返りにも効果的なのです!単純なようで奥が深い脳トレ。あなたも今日から始めてみてはいかがでしょうか?
2015年07月13日京都大学は6月29日、生きたマウスの脳内の細胞内RNAを可視化することに成功したと発表した。同成果は同大学物質-細胞統合システム拠点(iCeM S)の王丹 特定拠点助教らの研究グループによるもので、6月19日(現地時間)に英科学誌「Nucleic Acids Research」で公開された。RNAは体内で働くタンパク質が、いつ、どこで、どれだけ必要かという情報を持つほか、細胞内の生体反応の制御を行う役割をもつ。そのため、生体内で目的遺伝子がどのように機能しているかを知るためには、このRNAが細胞内のどこでどのように局在しているのかを突き止めることが必要となる。RNAが集まり、局在するという現象は正常な細胞でも発生するが、一部の神経変性疾患において異常な集まりがあることが観察されており、この局在変化によって本来のRNAの機能を果たせず、神経細胞の健康状態が破たんしてしまうと考えられている。しかし、生きた組織内でその局在を見るのは困難だったため、RNAの集まりがどのように細胞内で制御され、異常がもたらされているかは明らかになっていなかった。今回の研究では、目的とするRNAの有無によって蛍光のオン・オフができる点灯型蛍光プローブ(DNAやRNAなどの核酸を元にしたオリゴ鎖)を脳内に打ち込み、電流を流して細胞内に導入することで、生きた組織内でのRNAの標識を可能とした。この標識方法を用いて、組織内のRNAの集まりが薬剤に対してどう応答するのか検証したところ、ディッシュ内で培養した細胞と、生きた組織内の細胞では反応に違いがあることを初めて定性的に示すことができた。同研究グループは「今後は、生きた個体の細胞内でのRNAの集まりが環境応答によってどのように出現・消失するのか、何がそれを制御するのか、正常な組織と疾患にかかった組織でどのように異なっているのかを明らかにすることで、生きた組織・個体での遺伝子発現のメカニズムおよび疾患をもたらすRNAの動きの解明に繋げていきたいと考えています。」とコメントしている。
2015年06月29日