想像してみましょう。たった今、大地震が起きたら何を持って逃げますか?ガスや電気、水道などのライフラインが止まってしまったら、何日間自力で生活できますか?この記事では明日起こるかもしれない災害に備えて、最低限の備蓄品をご紹介します。災害に遭った時の自分を想像できなかった方は、ぜひ読んでみてください。■ポイントを押さえて無駄をなくそう災害に備えるといっても、何でも多く買っておけば良いという訳ではありません。そこで以下では、無駄なく備蓄品を揃えるための3つのポイントをご紹介します。【ポイントその1】優先順位を考える備蓄品は以下の3つに分けられます。・家に備蓄しておくもの・持って逃げるもの・常に持ち歩いておきたいものここでポイントとなるのが、「優先順位」です。例えば「家に備蓄しておくもの」では、ライフラインが止まってしまっても生き延びるために水や食料が最優先です。「持って逃げるもの」では水や食料はもちろんのこと、眼鏡や薬など人によって優先順位は異なります。できるだけ身軽に避難するために、自分にとって最低限必要なものは何か考えてみましょう。「常に持ち歩いておきたいもの」では、重たい防災グッズよりも水分や飴、チョコレートなどの空腹をしのげる食品や、緊急連絡先が記された身分証明証などが優先されるでしょう。【ポイントその2】用意する量を考えよう水や食料は少なくとも3日分は必要です。水に関しては、生活用水を合わせると1人あたり1日3リットル必要とされています。食品も同じく3日分の用意が望ましいですが、生き延びるためには食品よりも水分を優先させましょう。生活用品も備えあれば憂いなし。例えば、トイレットペーパーは1人あたり4ロールが目安です。家族の人数分用意するとなると大変ですが、支援物資が行き届かなかった時に命をつないでくれるのはこれらの備えです。家を整理して、備蓄品の収納スペースを確保してみるのも良いかもしれません。【ポイントその3】ローリングストック法を活用しよう備蓄品をしっかり揃えておいたつもりでも、いざ必要となった時に電池の寿命が切れていたり、食品の賞味期限が過ぎていたりするのでは備えたことになりません。そこで活用したいのがローリングストック法です。この方法では備蓄品の賞味期限や使用期限が過ぎる前に消費し、使った分だけ新たに買い足して補充していきます。食品や日用品に応用できる方法です。乾電池や水などの無駄な買い置きを防ぐだけでなく、これまでは非常食として不向きだと考えられていたレトルト食品など、比較的賞味期限の短いものも非常食として準備できるメリットがあります。参考URL(ローリングストック法)(防災グッズを揃える時に覚えておきたいポイント!)■これだけは揃えておきたい!備蓄品リスト次からは上記でご紹介したポイントを押さえながら、備えておきたい備蓄品を項目別に見てみましょう。【備蓄リストその1】生活に関わる備蓄品まずは被災後の家具の修繕や情報収集など、生活に必要なものをご紹介します。・携帯用充電器災害時には電気が止まる恐れがあるので、電池式のものを用意しておくと良いでしょう。購入の際には対応機種をご確認ください。・使い捨てカイロ冬の時期の災害では寒さが大敵です。電気の復旧に時間がかかる場合もあるため、使い捨てカイロは重宝します。貼るタイプと貼らないタイプがありますが、どちらも用意しておくと便利です。・軍手被災後の片付けや修繕時に、割れたガラスなどでケガをしてしまうことを防ぎます。女性用や子ども用もあるので、家族の人数分用意しておくと安心です。安全のため、滑り止めが施されたものを選びましょう。・布製ガムテープ、油性マジック破損した家具に貼って簡易的な修理に使ったり、荷物の梱包をしたりと様々な用途があります。また、家を離れる際に油性マジックで緊急連絡先や伝言を書いてドアに貼っておけば、電話が繋がらなくても安否を知らせることができます。・ブルーシート屋根瓦が落ちてしまったり窓ガラスが割れてしまったりした場合、雨風を凌ぐのに使えるのがブルーシートです。風で飛ばないように紐を通してくくりつけるために、ハトメ穴が開いているものを選びましょう。・ロープブルーシートや倒れそうな家具の固定、人命救助など様々な使い方ができます。水濡れに強いものを選びましょう。・ろうそく、マッチLEDランタンなど、灯りの電池が切れてしまった時のために備えておくと良いでしょう。ろうそくの炎の揺らぎには、心を落ち着ける効果があるとも言われています。・手動発電ライト灯りの持続時間が短いため、手動発電ライトだけに頼るのはおすすめできませんが、電池やろうそくの予備がなくなってしまった時の備えとして用意しておくと安心です。・電池式ラジオ災害時には情報源がラジオだけという場合も想定されます。最新の情報を得るためにも用意しておくと良いでしょう。・LEDランタン電池で光るランタンは、コンセントが要らないため便利です。明るさの目安としては、単3電池を3本使用するサイズで6畳の部屋がぼんやりと照らされる程度です。・単3乾電池LEDランタンや電池式ラジオなどは災害時には使用頻度が高くなり、電池切れが予想されます。価格重視の安いものから備蓄向けの10年保存が可能なものまで様々ですが、迷った時には量の多いほうを買うのがおすすめです。【備蓄リストその2】飲食に関わる備蓄品災害により孤立してしまい支援物資が届かない場合に備えて、少なくとも3日分の飲食物などを備えておくことが大切です。・飲料水水分補給や簡単な調理など、生きていく上で水は欠かせません。賞味期限の長いものを選びましょう。・米災害時には水の不足が考えられるため、米研ぎが必要のない無洗米がおすすめです。・カセットコンロ、ガスボンベ最近ではIHキッチンが普及していますが、災害時に電気が止まるとIHキッチンでは調理ができないのでカセットコンロを買っておくと良いでしょう。一般的には250グラムのガスボンベで約70分間連続使用ができるので、数日間の使用を想定してガスボンベは7本程度備えておくと安心です。・保存食缶詰や乾物、カップラーメンなど保存が利く食品のほか、お菓子なども備蓄しておくと気分転換にもなり重宝します。糖分には疲れを取ってくれる効果もあるので、チョコレートやキャラメルなども良いでしょう。ローリングストック法を上手く利用して、好みのものを備えておくことが望ましいです。・ラップ、ポリ袋家にある食器に被せて使うことで、食器を汚さずに食事することができます。食事後にゴミをまとめておくこともできるので、備えておくと便利です。【備蓄リストその3】排泄に関わる備蓄品災害時に水が止まって困るのがトイレです。水が止まって流せないことによる臭いの問題や、衛生面での問題にもきちんと備えておきましょう。・非常トイレ用凝固剤凝固剤を使用すれば排泄物が数分で固まるため、処理がしやすくなります。・ポリ袋(大、小)排泄物の処理に使用します。大きなサイズはトイレの便座にセットして用を足せば、水を使わずに排泄物を処理することができます。また、小さなサイズは生活ゴミや割れ物などの保管にも使えます。排泄物には中の見えない黒色を、ゴミの保管には透明をというように使い分けましょう。・トイレットペーパー、ティッシュペーパー使用頻度の高いトイレットペーパーやティッシュペーパーなどは、ローリングストック法を活用すると良いでしょう。・ウエットティッシュ排泄後の除菌だけでなく箸やテーブルを拭くこともできるので、多めに備蓄しておくと重宝します。・消毒スプレー消毒用エタノールとして販売されているものが、価格も安く使いやすいためおすすめです。トイレ周り以外でも活用できます。・密閉型汚物入れ排泄物を毎回ゴミ置き場まで持って運ぶのが困難な場合は、一時的にトイレなどで保管しておく必要があります。汚物入れ専用のものでなくても、フタのしっかりしたゴミ箱があればいざという時に役立ちます。・防臭袋ポリ袋ではどうしても臭いが漏れてしまいがちですが、防臭袋は排泄物の防臭を目的として作られているので、臭いを気にせずに保管ができます。【備蓄リストその4】衛生に関わる備蓄品水か止まって困るのはトイレだけではありません。洗濯や入浴ができない場合を考えて、衛生面での備えも必要です。・手指消毒剤食事の前やトイレの後に消毒できるよう、消毒剤も備えておきましょう。ジェルタイプが扱いやすくおすすめです。・ウエットタオルウエットティッシュよりも大きく厚みのあるウエットタオルは、顔や身体を拭く際に便利です。・ドライシャンプーしばらく洗髪ができない時に役立つのが、水の要らないドライシャンプーです。ドライシャンプーには髪にスプレーしてから拭き取るタイプと、シートで拭き取るタイプがあります。髪の長さや毛量に合わせて便利なほうを選びましょう。・使い捨て下着エステなどで使われている使い捨てのペーパー下着は、災害時にも活用できます。同じ下着を着用し続けるのは衛生的にも良くないので、使い捨てのものを備えておくと良いでしょう。・衣類用抗菌消臭スプレー洗濯ができない時に重宝します。スプレー後は日光に当てて日光消毒も行いましょう。・ウォータータンク給水場まで水を汲みにいく場合もあるので、持ち手の大きいものやコンパクトに畳めるものなど、持ち運びを想定して選びましょう。注ぎ口の大きいものは洗浄もしやすく衛生面でも安心です。・消臭剤長期間ゴミを保管しなくてはならない場合に役立ちます。シートタイプやスプレータイプがありますが、迷った時には消臭効果がより強いものを選びましょう。・ポリ袋(大、小)排泄用品のリストでもご紹介したようにポリ袋は様々な用途に使えるため、余裕を持って備えておくと便利です。・医薬品環境が変わったストレスなどで、災害時には体調も崩れやすくなっています。常用薬や胃薬、下痢止めなどを備えておくと安心です。・生理用品、紙おむつなど女性や子どもがいる家庭では、生理用品や紙おむつも余裕を持って備えておきましょう。普段から使用するものなので、ローリングストック法を活用することが望ましいです。【備蓄リストその5】ペット用品意外と忘れがちなものがペット用品です。ペットフードをはじめ、トイレグッズや水、移動用のゲージなどを備えておきましょう。普段と違った生活に人間同様、動物もストレスを感じるはずです。できるだけいつもと同じフードなどを用意してあげたいものです。これらの備蓄品を備えておくと安心ですが、避難が必要になった時に災害備蓄品を全て持って逃げるのは困難です。そんな時のために準備しておきたいのが「避難リュック」。いざという時に慌てないためにも、「これさえ持って逃げれば良い」というリュックを用意しておくと安心です。■これだけは揃えておきたい!持ち物リストそこで次からは上記でご紹介した備蓄品を中心に、避難リュックにも入れておきたい品物のリストをご紹介します。ただし、災害時には自分の命を守り、無事に安全な場所へ逃げることが最優先です。危険が迫っている時には荷物を置いていく勇気も持ちましょう。【持ち物リストその1】生活用品避難先ではちょっとしたものが無くて、避難生活に不便を感じることがあるでしょう。用意しておきたい生活用品は次の通りです。・LEDランタン・手動発電ラジオ・単3乾電池・衣類・レインコート・筆記用具、メモ帳・軍手・布製ガムテープ・使い捨てカイロ衣類はかさばりやすいのでリュックには入れず、脱ぎ着しやすい羽織などを着込んで避難しましょう。【持ち物リストその2】飲料・食事用品飲料水や食品はリュックに詰めすぎると重くなりすぎるため、無理をせず持てる範囲で用意しましょう。用意しておきたい飲料・食事用品は次の通りです。・飲料水(500ml)・食品・箸・紙皿、紙コップ・ラップ・ビニール袋紙皿にラップを被せたり紙コップにビニール袋を被せたりすると、容器を汚さずに何度でも使えるので便利です。食品は乾パンや氷砂糖、チョコレートなど日持ちのする物を用意しましょう。【持ち物リストその3】医薬品避難中の思わぬケガや体調不良に備えて、医薬品も用意しておくと安心です。用意しておきたい医薬品は次の通りです。・ガーゼ・絆創膏・包帯・消毒薬・下痢止め・常用薬必要な時にスムーズに取り出せるよう、救急セットとしてまとめておくと良いでしょう。【持ち物リストその4】衛生用品避難先で特に気になるのが衛生面です。衛星的な環境を保つために、以下の用品も事前に用意しておきましょう。・ウエットティッシュ・ティッシュペーパー・手指消毒剤・爪切り・タオル・洗面用具(歯ブラシ、歯磨き粉など)・使い捨て下着・ポリ袋・生理用品、紙おむつなど【持ち物リストその5】ペット用品ペットフードやトイレグッズなど、ペット用品まで一緒に持って避難するのは難しいかもしれません。数回分だけを避難リュックに入れておき、あとは車のトランクなどに備蓄しておいて、後から取りに行きやすい環境を作ることも考えましょう。【持ち物リストその6】貴重品避難の際には貴重品も必要です。通帳や身分証明証、印鑑など普段から使うものはポーチなどにまとめておき、いざという時にすぐに持って避難できるようにしておくと良いでしょう。貴重品には次のようなものがあります。・携帯電話、スマートフォン・携帯用充電器・健康保険証コピー・現金・本人確認ができるもの(保険証、免許証、パスポートなど)・通帳類・印鑑、実印・スペアキー(車、家など)・小銭携帯電話の充電が切れた時には、小銭があると重宝します。公衆電話で使いやすい10円玉を用意しておくことが望ましいです。■まとめいかがでしたか?災害に備えて準備しておくと心構えができ、安心感にもつながります。今回ご紹介したものは、インターネット通販やホームセンター、100円ショップなどで購入できるので、これを機に足りないものがないかどうかチェックしてみましょう。
2017年04月13日「年間被ばく線量が※20ミリシーベルトを下回った」として、今年3月末に政府が避難指示を解除する福島県双葉郡浪江町。政府はこれまで、除染に4兆円注ぎ込んでいるが、いくら除染をしても「安心して住める」環境ではないことが本誌の取材で明らかになった。浪江町から東京都に避難中の門馬昌子さん(74)に現状を聞いた。 「夫は、ほとんど病気もしたことがない元気な人でした。60歳で定年退職して、それからは大好きな囲碁をしたり。区の会計係を引き受けたり……。原発事故さえなければ、あんなに早死にしなくてすんだはず」 そう話すのは、福島県双葉郡浪江町から東京都内に避難中の門馬昌子さん(74)。門馬さんの自宅がある浪江町は、原発から20キロ圏内に位置。現在は、「避難指示解除準備区域」となっているが、原発事故直後は高濃度の放射性物質が降り注いだ場所のひとつだ。 「事故直後に、夫とふたりで娘が住む東京に避難しました。けど、ほっとしたのも束の間。夫は避難して1年くらいしてうつ病になって。そのうえ認知症も発症してしまって……」 門馬さんの介護のかいもなく、夫の洋さんは避難してから3年後に、風邪から肺炎をこじらせ帰らぬ人となってしまった。70歳だった。門馬さん夫妻は、共に高校の教師だった。夫の洋さんは数学を、昌子さんは英語を教えていた。若いころから、ともに地域で脱原発活動も続けてきたという。 「毎月、東電との交渉に参加してね。夫はチェルノブイリ原発事故のあと、現地に視察にも行ったんですよ。だから、よけい悔しかったんだと思います。原発事故を止められなかったことと、原発事故によって、みずからも故郷を奪われてしまったことが……」 門馬さんは、そういって悔しさをにじませる。本誌取材班は2月下旬、そんな門馬さんとともに、最新の放射線量を測定するために浪江町の自宅を訪れた。自宅2階の書斎には、きれいに整理された亡き夫の机や本棚が。 「去年の秋に測ったときより、少しは下がったかな……」 門馬さんは、そう言いながら、みずから測定器を持ち、室内の放射線量を確かめていく。 「室内は除染してくれないから、自分で業者に依頼して、壁紙の張り替えなど、すべて張り替えてもらったんです」 その成果が出ているのか。2階の寝室や居間では、1メートル高で毎時0.23マイクロシーベルト前後と、環境省が「長期的に目指す」としている年間1ミリシーベルトの値に近づきつつあった。しかし、線量計を天井に近づけると、毎時0.3マイクロシーベルトに上昇。除染の際、屋根を高圧洗浄機で洗うのだが、それだけでは、屋根に付着した放射性物質がとれないのだ。除染されていない近隣の山から、ふたたび放射性微粒子が飛んできて屋根に付着すれば、今後また室内の放射線量が高くなることも考えられる。門馬さんの庭に目を向けると、端のほうに一本だけ残った柿の木があった。 「除染で全部木が切られちゃったけど、この木は残してもらったの。娘が生まれたときに記念に植えた木だから、どうしても切れなくて。毎年、秋になると立派な実をつけるけど、事故後は食べていません。柿は放射性物質を取り込みやすいから」 そう言って門馬さんは、しみじみと柿の木を見上げた。柿の木が植わっているすぐそばの地面には、春の訪れを告げるふきのとうが、いくつも顔を出している。 「かわいらしいでしょ。これ、おいしいのよね。でも、このあたりの山菜は、もう食べられない」 柿と同じく、山菜も放射性物質を取り込みやすいのだ。別稿のように、この庭土を測ってみたところ、覆土された0~5センチの土からは、覆土基準である400ベクレル/kgの8倍にあたる3385ベクレル/kgの放射性セシウムが。さらに5~10センチの深さの土を採取して測定すると、国が厳重に保管せねばならない“指定廃棄物”に該当する基準8000ベクレル/ kgを越える8400ベクレル/ kgの放射性セシウムが検出された。 「“指定廃棄物レベル”の土が残ってるんですか!やっぱり、この庭に植わっている柿の実も、ふきのとうも食べられませんね。ここでは暮らせません。ご近所の人も戻ってこないし、私ひとりだけ戻ったら、夫のようにうつになってしまう」 門馬さんは、ひとりで暮らす東京のマンションのベランダに小さな菜園をつくり、ふきのとうを植えている。 「私たちは、自然豊かで人情の厚い浪江町を、好きで出たのではないんです。東京電力と国が起こした事故によって、追い出されて今の状態があるんです」 しかし、避難指示解除から1年後の来春には、東京電力が支払っている精神的賠償金(ひとり月10万円)も打ち切られる。 「そうなったら、私ひとりの年金だけで、いつまで東京の家賃が支払えるか……」 今年の3月末で、政府が避難指示を出さなかった地域から避難している、いわゆる“自主避難者”への住宅支援が打ち切られる。元の自宅には戻れず、次の住居が決まっていない避難者も多い。「自主避難者の方たちは、いま大変な思いをしているでしょ。避難指示が解除されたら、私たちも“自主避難者”です。避難指示が解除されたのに、『いつまで避難してるの?』っていう白い目で見られてしまう。除染したって、まだ戻れる状況じゃないんだから、せめて住宅補償は継続してほしい」と不安を隠せない。 一度失われた豊かな暮らしは、除染で取り戻せるわけではないのだ。 取材・文/和田秀子
2017年03月10日東日本大震災から6年。改めて地震への備えの必要性を考えようと、一般社団法人 日本損害保険協会は、日本初の360℃シアターで疑似地震体験ができる地震体験フェアを開催しました。会場の東京お台場・パレットタウン内パレットプラザには、3月3日~5日の期間限定で、球体型の地震体験装置が置かれ、誰でも無料で震度7の世界を体験できます。360℃スクリーンと、アトラクション型劇場シートMX4D®モーションシートが一体となり、映像に合わせて座席が前後・左右・上下に振動。震度7がどれほどの衝撃かを、リアルな映像とともに疑似体験できるイベントとなっています。そのオープニングイベントに登場したのは、熊本県出身の書道家・武田双雲さん。2016年4月14日に最大震度7が熊本を襲った熊本地震では、実家が被災。多くの友人も避難生活を強いられるなか、現地に足を運び、地震の恐ろしさを実感したといいます。「実家は、屋根が壊れ、雨漏りで室内が水浸しの状態でした。それでも、近所の家もみんな被害にあっていて、修理業者の手が回りません。バケツをたくさん用意してなんとかその場をしのぎながら、室内の散乱した家財を片付けているとまた余震がくる……。その恐怖は、ものすごいものだろうと想像しました。熊本県人にとって、阿蘇大橋や阿蘇神社、熊本城は、そこにあることが当たり前だったシンボル。それが地震によって崩れることになるとは、誰も想像していなかったと思います。なんとか現地を励ましたいと、母校の小学校を訪れたときは、泣きながら抱きついてくる子どもたちがいて、本当に怖かったんだなと思いました」(武田さん)地球上の地震の2割が日本周辺で起こるといわれる、地震大国・日本。地震による被害に備える手段として、一般社団法人 日本損害保険協会は50年前から地震保険の推進を進めています。地震や噴火、津波による損害(火災・損壊・埋没・流失)に対して保険金を支払い、被災後の当面の生活を支えてくれる地震保険ですが、加入率は2015年時点で3割程度(損害保険料率算出機構調べ)。武田さんの実家も、地震保険には入っていなかったといいます。「熊本に、家が倒壊するほどの巨大地震がくるとは、まったくの想定外。地震保険に入っていた友人は一人もいませんでした。復興にはものすごい時間とパワーが必要なので、保険で備えておくのは本当に大事だなと痛感しました」(武田さん)オープニングイベントの最後には、力強く「備」を書き、披露してくれた武田さん。「日本中どこにいても、地震から逃れることはできません。私たちにできるのは備えること。備えが大切だという思いを強く込めて書きました」(武田さん)会場には、地震体験装置のほか、映像やパネルなどの展示で地震保険について学べる「地震保険・防災活動学習コーナー」や、東京消防庁深川消防署の特別協力を得た「救急医療体験コーナー」「消防隊員体験コーナー」、さらに地震発生の仕組みについて学べる「地震のメカニズムコーナー」など、ブースも充実。いつか必ずやってくる巨大地震について、理解を深めるいい機会となりました。
2017年03月06日最近、また地震が増えてますよね。「大地震が来るのではないか……」と不安を覚えている人も少なくないと思います。事実、日本ではどこに住んでいても大地震が来る可能性はあるので、この機会に準備をしておくようにしましょう。今回は避難生活での「眠る方法」と、そのために備えておくべきものを紹介します。ぜひ最後までチェックしてください。どこでも大地震が来る可能性はある日本は「地震大国」と呼ばれるほど頻繁に地震が起きる国です。以前は「九州はあまり地震が起こらない」と言われていましたが、今年4月には震度7の大地震が2度も熊本を襲い、その安全神話も崩壊しました。つまり、日本ではどこに住んでいても、大地震にあう可能性があるということです。これは受け入れたくない現実ですが、日本に住む以上は現実を受け入れ、過去を教訓として、未来に起きるかもしれない災害に向けて準備をすべきでしょう。そこで今回は被災した後に「眠る方法」を紹介します。大地震の後に呑気に寝てなどいられないと思われるかもしれませんが、睡眠は人間にとって不可欠なものです。睡眠不足の状態では体力が減ってしまい、いざというときにパワーを発揮できないことも十分に考えられます。避難生活で「眠る方法」被災者の方の話としてよく出てくるのが「もっと準備をしておけばよかった」「まさか大地震が来るとは思っていなかった」というもの。他人事と思わずに、この機会にしっかり心がまえをしておきましょう。テントは一家に1つ!熊本地震のニュースでは多くの家が崩壊し、テントで生活する人の姿がありました。崩壊は免れても「家の中には怖くていられない」と避難所や車など、外で生活する人も多数いました。準備のポイントは、テントを持っておくということです。もしかしたら、避難所はいっぱいになってしまうかもしれません。都心では車を持たない世帯も多数あるでしょう。そんなときにテントは力強い味方になります。「屋根がある」という安心感だけで眠りやすくなりますし、雨風を凌げるというのは大切なことです。できれば、テントは「持っておく」だけでなく、キャンプなどで一度「使って」みましょう。いざというときに、使い方がわからないのでは絵に描いた餅ですから……。車中泊で眠る方法車を持っている人は車中泊をするというケースも考えられるでしょう。テントと同様にプライベート空間が保たれるというメリットがありますが、注意したいポイントがあります。それはエコノミークラス症候群の発症を予防することです。エコノミークラス症候群とは、長時間同じ姿勢でいることで血栓ができ、その血栓が肺などに詰まる症状を指します。これを防ぐためには水分補給とストレッチを行うことです。特にストレッチなどの適度な運動は睡眠の質を高める効果もあるので、避難生活の際はぜひ取り入れるようにしてください。避難所ではメリハリを避難生活を続けていると、不眠症になってしまう人もいます。その理由はさまざまですが、1つは睡眠リズムが乱れることがあげられます。避難生活では普段通りの規則正しい生活を送れずに、体内時計が狂ってしまうことがあるのです。そうならないためにも、朝起きて日の光を浴び、夜に寝るという当たり前の生活をできる限り心掛けるようにしましょう。昼夜逆転生活が普通にならないように気を付けたいところです。被災時のシミュレーションを!大地震が来た場合、どのように行動するかシミュレーションをしたことはありますか? したことがないという人は、ぜひ一度やってみてください。ポイントはできるだけ細かく考えることです。たとえば、家で寝ているときに大地震が来たとします。そのときにガラスや家具が倒れて、床が破片で埋め尽くされる可能性があります。そのため、枕元などに「履き物」を用意しておいたほうがよいでしょう。夜の場合は停電が起きたら、あたり一面が真っ暗です。その中で避難所に逃げなければならないので、「懐中電灯」も備えておくべきです。今は電池不要の手回し式のものも販売されています。何とか避難所についても、冬場などは床に直接座ると冷たくて、体温がどんどん奪われてしまいます。下に敷くマットがあれば安心です。できることから準備をはじめておきましょう。photo by acworks
2016年09月14日こんにちは、ライターのyossyです。2016年4月14日から発生した熊本地震で、多くの方々が被害を受けました。今もたくさんの人が長期間の避難生活を続けており、いわゆる『エコノミークラス症候群』に関する心配の声もあります。熊本県によると、4月24日の午後4時時点で、エコノミークラス症候群で入院が必要になった患者は35人。残念ながら1名が亡くなられています。多くの場合、避難生活を強いられて車中泊をしていることが原因 になっているとのこと。ここでは、エコノミークラス症候群に関する基礎知識と対策法をご紹介しましょう。●エコノミークラス症候群は、肺の血管をふさいでしまう病気そもそも“エコノミークラス症候群”というの『急性肺血栓塞栓症(きゅうせいはいけっせんそくせんしょう)』 のこと。簡単に言うと、同じ姿勢で座り続けていると足の血流の流れが悪くなり、静脈に血栓ができます。その血栓が肺にまで到達し、肺の血管をふさいでしまう病気のことです。症状としては、呼吸困難や胸の痛みなどを訴える人が多く、最悪の場合亡くなることもあります 。本来“エコノミークラス症候群”は、その名の通り飛行機に長時間乗ることが原因で発症するものを指していました。海外旅行などの長時間フライトの後で呼吸困難や胸痛を起こす人が多く見られたからです。ただし近年は、飛行機が原因でない場合でも“エコノミークラス症候群”という呼び名が一般的によく使われます。車中泊はもちろん、避難所生活のなかで同じ姿勢をとり続けている ことも、いわゆるエコノミークラス症候群を発生させる原因になりますので、注意しましょう。●足のマッサージや運動、水分補給が大切では、どのような対策をすればいいのでしょうか?4月17日に日本循環器学会、日本静脈学会ら7学会が連名で発表した声明によれば、下記の対策が有効だとされています。・積極的な運動(歩行)をする・長時間自動車のシートに座った姿勢で眠らない・時々足首の運動を行う・ふくらはぎのマッサージを行う・十分な水分を補給する・可能であれば避難所で簡易ベッドを使用する・弾性ストッキングを適切な指導の下、使用する積極的な運動が大切……。とはいえ、避難所では激しい運動はできません。厚生労働省では、下記のような運動を例として紹介しています。・3~5分程度歩く・足や足の指をこまめに動かす・1時間に1度は、かかとの上下運動(20~30回程度)をするこれらであれば、比較的手軽にできる運動ですね。日常生活と大きく異なる避難生活においては、それまで当たり前のようにしていた運動や水分補給が難しくなってしまいます。しかし、エコノミークラス症候群は、発症してしまうと重篤な症状が出ることもある病気。特に、40歳以上の人や女性の発症率が高い と言われています。簡単にできる運動もあるので、ぜひできる限りの対策をしていただきたいものです。【参考リンク】・避難所生活の方と車中で避難をされておられる方へ | 日本循環器学会()・[46] 急性肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)の話 | 国立循環器病研究センター()・深部静脈血栓症/肺塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)の予防Q&A | 厚生労働()●ライター/yossy(フリーライター)
2016年05月08日ゼンリンデータコムと電通は3月11日、2014年12月から提供している全国12万件の「全国避難所データベース」を、全国の自治体と在日外国大使館向けに無償提供すると発表した。無償提供は、自治体の単独利用だけでなく、周辺自治体を含めたより広域での防災計画の立案や広報にデータベースを活用することが可能となる。在日外国大使館においては、訪日客や日本在住の外国人のための有用な情報源となる。また、同データベースと、ゼンリンデータコムが従来から提供している最新地図データの加工サービス「AreaCutter」(Web版)を連動させたソリューションとして、市町村単位で避難所情報をマッピングした地図を配布枚数の制限を設けずに提供する「AreaCutter for避難所」を有料で提供を開始。全国の自治体は、改定時に避難所情報を編集し直す労力や、地図の使用許諾/印刷許諾に関わる手間を省くことができ、スマートフォンなどを持たない地域住民やイベントなどへの来訪者に対しても避難所情報を的確に伝達することが可能となる。さらに、有料で、在日外国大使館および外国報道機関向けに英語版の提供を開始。避難所の名称と住所が英語表記でまとめられており、防災と危機管理の即戦力となる。英語以外の言語でのサービス提供についても検討中としている。「AreaCutter for避難所」の年間基本使用料は、切り抜き回数100回までの場合は15万円(税別)~で、これには地図の使用許諾権や印刷許諾が含まれている。また、英語での避難所情報の年間使用料は10万円(税別)となる。
2015年03月12日忘れたころに突然やってくる大地震。いつやってきても大丈夫なように、避難袋の準備はできていますか? 東日本大震災を機に避難袋を用意した人も多いと思いますが、一般的な避難袋には、女性の必需品は意外と入っていないもの。いざ避難生活となってしまった時、女性にとって本当に必要なものとは何なのでしょう? ■避難袋に入れておくと役に立つもの・生理用ナプキン・おりものシート・ウェットティッシュ(赤ちゃん用おしり拭き)・携帯ビデ・鏡・洗顔料・保湿クリーム・髪ゴム災害時、ショックが影響して生理がきてしまうということも少なからずあるようです。物がない中で、ナプキンを他の物で代用するのはなかなか大変ですよね。ナプキンは女性が避難袋に入れておくべき最も重要なものと言えます。また、避難生活では、何日もお風呂に入れず、下着も変えられないという不衛生な状態が続く可能性もあります。そんな時に、おりものシートやウェットティッシュ、携帯ビデがあるとデリケートゾーンを清潔に保つのに重宝します。赤ちゃん用おしり拭きは、安価で枚数も多く、肌にも優しいのでおすすめです。また、昼間に災害が起こり避難した場合、メイクをしたまま避難生活が始まるということもありえます。顔だけでも洗えるような状況になった時に、髪ゴムや洗顔料があると便利です。また、顔や体にも使える保湿クリームが一本あると、リップクリームやハンドクリームとして代用でき、特に冬場には役立ちます。緊急時、食いつないでいくだけで大変なのでは? と思われがちですが、水や食料はある程度の供給が期待できるのに対して、これらの日用品を手に入れるのは至難の業になるでしょうし、無事に避難した後には、ただ食べていくだけでなく、女性としての日々を生活していかなくてはなりません。見出しなみが乱れてくると心も乱れてきます。災害時には体の健康も大切ですが、精神的な健康も重要なので、できる範囲で身だしなみを整えて清潔にすることを心がけ、女性として誇りを失わずに生活していくというのも大切なことです。以上のような点をふまえて、保存食の賞味期限のチェックとともに、女性としての視点からもう一度避難袋の中身を再確認してみましょう。女性専用の避難袋も市販されているので、そちらをチェックしてみるのも良いかもしれません。
2013年08月31日トンネルの非常口は、避難坑や反対車線のトンネルにつながっています。トンネル内で事故が発生した場合、安全にトンネル内から外部へ避難するために利用します。非常口は、トンネルの長さと交通方式(対面交通なのか、上下線が分離しているか等)によって、設置する基準を決めています。全てのトンネルに非常口があるわけではなく、約750mの間隔で設置されています。そのため短いトンネルには非常口はありません。例えば、関越道の関越トンネルやアクアラインの東京アクアライントンネルといった長大トンネルに非常口が設けられているのです。アクアラインは、神奈川県川崎市と千葉県木更津市を結ぶ東京湾を横断する高速道路です。川崎側の9.6 kmがアクアトンネルと呼ばれる海底トンネル、木更津側の4.4 kmがアクアブリッジと呼ばれる橋になっており、その境の人工島には海ほたるPAが設けられています。アクアブリッジは、日本第1位の長さの橋梁であり、アクアトンネルは、関越トンネル・山手トンネル・飛騨トンネルに次ぐ、日本第4位の長さの道路トンネルです。アクアラインの道路の下には3つの空間があります。この中央が避難経路となっています。また、この部分は消防車や救急車といった緊急車両が走行することが可能です。しかし、この避難経路が狭いために通常の緊急車両は通行することができません。そこで、アクアラインでは専用の緊急車両を配備しているのです。青梅トンネルは、東京都羽村市と青梅市にまたがる首都圏中央連絡自動車道(圏央道)にあるトンネルです。トンネル断面が鶏卵の形をしていることから、別名「タマゴ型トンネル」とも呼ばれています。全長は2,090mで、上りと下りの各2車線が上下に重なる2階建て構造で4車線を構成しており、上り線が上階・下り線が下階となっています。上下線とも設置されている非常口から非常階段につながっていて、有事の際はトンネルから階段を上って地上に出られます。下り線のトンネルは地下23m、ビルでいうと地下5階に相当する位置にあります。そこから階段を154段上り、扉を開けると地上にある公園に出ます。トンネルの長さは入り口前の標識に、トンネル名と一緒に表示されているので、これから通るトンネルがどれくらいの長さなのか、非常口はあるのかをチェックしてみるのもいいかもしれませんね。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月28日カタログ雑誌「通販生活」を発行するカタログハウスは、WEBサイト「週刊通販生活」にて、震災等の際に避難先で女性が直面する悩みに役立つ18品を厳選した「女性の避難袋」を発売した。この避難袋は、東日本大震災時に女性用の支援物資を避難所に送り届けた認定NPO法人「難民支援協会」のスタッフ、五十嵐ゆかりさんの考案によるもの。五十嵐さんは、聖路加看護大学助教であり助産師でもあることから、被災した女性がいかに生理や尿失禁といった特有のトラブルを抱えているかを、支援活動の中で痛感したという。避難生活を過ごす上での問題の1つが、デリケートゾーンのケアだという。被災地では、汚れた下着を履き続けなければいけなかったり、お風呂に入れなかったりで、デリケートゾーンがかぶれるなどの問題に多くの人が悩まされた。「女性の避難袋」は、生理用ナプキンが入った「つばきセット(M・L・LLサイズ)」と、軽失禁パッドが入った「しゃくやくセット(M・L・LLサイズ)」の2種類を用意。携帯洗浄器、おりもの用シート、防臭チャック袋、からだ拭きウェットティッシュ、圧縮下着類、タオル、軍手など18点がセットになっている。価格は13,440円(税込み、送料別)。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月18日全労済は8日、東日本大震災復興支援(社会貢献)の一環として、「子どもの健全育成活動」の観点から、東京都江東区で長期にわたり避難生活を送る子どもたちとその家族を対象に、7月に有明で開催される『2012年国立ボリショイ動物サーカス東京公演』への招待を企画し、チケットを贈呈したと発表した。招待者東日本大震災により江東区で避難している子どもとその家族招待先2012年国立ボリショイ動物サーカス 東京公演招待数600席【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月12日日本気象協会とファーストメディアはこのほど、スマートフォン向け防災情報アプリ「全国避難所ガイド」について、Android版の提供を開始した。料金は無料。同アプリは、全国の自治体が定めた災害時の避難所データを10万件以上収録し、現在地から最短の距離にある避難所を検索して、道順をルート案内(徒歩・車)する避難ナビゲーション。検索された地域に発表されている最新の防災情報(気象警報・注意報、地震情報、台風情報、津波情報、火山情報)をスムーズに表示するほか、検索半径やデータ取得件数などで再検索が行える。都道府県および全国の自治体所在地情報や、各電力会社の電力使用状況も表示する。ダウンロードはAndroidマーケットから。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年02月24日東日本大震災の復興支援コンサートのためにフランスより来日している、女優で歌手のジェーン・バーキンが4月7日(木)、震災被災者の避難所となっている東京・足立区の東京武道館を慰問に訪れた。同所には現在、福島県などから避難してきた94世帯191人が生活しており、ジェーンは職員に案内され避難所の現状を見て回り、被災者一人一人に声を掛けていた。特に子供たちに積極的に話しかけ、ジェーン自らハンディカムを手に「フランスの人々に紹介したい」と少女の姿をカメラに収める一幕も。また、被災者のみならずここで働く職員に対しても深々と頭を下げ、「アリガトウゴザイマシタ」と日本語で感謝を伝える姿も。ジェーンがフランスから持参したチョコレートや栄養ドリンクといった支援物資は、福島県に届けられるという。震災およびその後の原発問題もあり、海外の俳優やミュージシャンの来日の予定が次々とキャンセルとなる中、家族の反対を押し切って、被災者支援のために自費で来日したジェーン。一昨日の6日には昼間に記者会見を行い、夕方には渋谷のPARCOにて自ら募金箱を持って店頭に立ち募金を呼びかけ、夜にはチャリティコンサートに出席した。クラブクアトロで行われたこちらのコンサート「Together for Japan」には、インターネットで4,000を超える応募が集まり、うち約500人が招待された。ライヴはジェーンのひとりでも多くの人に見てほしいとの希望に沿って、USTREAMで配信され、3万2,000アクセスを記録し、Twitterのコメントは6,000にものぼった。彼女に賛同した日本人ミュージシャンや、女優の寺島しのぶ、タレントの篠原ともえらも参加。「キヲツケテ!」など日本語で呼びかけながら7曲を熱唱した。会場に設置された募金箱には総額110万円が寄せられた。これらの義援金は「世界の医療団」を通じて被災地に寄付される。※ジェーンの東京武道館来訪の映像は以下のMOVIE GALLERYでご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュデジタル・リマスター 2010年6月5日より新宿武蔵野館にてレイトショー公開■関連記事:ジェーン・バーキンが復興支援のため仏より緊急来日桜を手に日本にエール!
2011年04月08日