俳優の野村周平(24)の出演するスポーツドキュメンタリー番組「EXPLORE the EXTREME Lifework of Shuhei Nomura」(隔週土曜日配信、全4回)が、今月31日から映像配信サービス「GYAO!」で無料配信される。 同番組は野村が情熱を注ぐ「エクストリームスポーツ(Xスポーツ)」に焦点をあてたスポーツドキュメンタリー番組で、全編米国ロケを敢行。野村の挑戦したかったこと、哲学や旅を通して得たものなど“同番組でしか見ることのできない素顔”がリアルに描かれる。 「離れ業が売りだけに危険も伴う『Xスポーツ』のうち野村さんが得意なのはスケートボード、スノーボード、そして競技用自転車のBMXです。芸能界入りする前、スケボーやスノボの数々の大会で入賞。本気で続けていれば、スケボーもスノボも五輪を目指せるレベルだったそうです」(専門誌ライター) BMXの腕前はおととし12月に披露。野村はモトクロスバイクや競技用自転車などを操るエンターテインメント集団「ナイトロ・サーカス」のイベントに、ゲストとして出席。その際にイベント出席した「ピース」の綾部祐二(40)をあおむけに寝かせ、その体をBMXで見事に飛び越えたのだ。 「大技を成功させた野村さんは『日本でも指折りだと思います』と自画自賛しましたが、たしかに素人が見ても“趣味の域を超えたすごい腕前”でした」(イベントを取材した記者) 公開中の映画「ちはやふる‐結び‐」では主要キャストを好演している野村だが、同番組を見たファンは驚かされることになりそうだ。
2018年03月24日“自分に自信がある”と言い切る姿が清々しく、カッコいい野村周平さん。仕事と趣味の両方に邁進する日々のこと、そして、これからについて聞きました。――これから、やってみたいことはありますか?野村:今、僕にとって足りないのは“LA在住”という要素だけなので、これを実現したいですね。このあいだ10日間くらい行ってきたんですけど、着いた瞬間に「ここが故郷だ」って感じがしました(笑)。街が自由だし、人がそれぞれ自立していて人間らしく生きている感じがする。一度訪れたら、また行きたいと思わせる魅力的な空気があるんです。だから、いつかはLAに住めるようになるために頑張ってます。まずは、NYとLAに半年ずつでいいので留学してみたいですね。やっぱり、東京のようにコンクリートが多いNYは、ストリートが好きと言うからには、見ておかないといけない場所と思っています。――では、俳優としては?野村:ジャッキー・チェンの映画『プロジェクトA』のような、アクション作品に出てみたいです。以前、中国映画のアクションシーンの練習風景を見学しに行ったことがあるのですが、みんな、とにかく負けん気が強い。ストレッチのときからバク転をしたりと、出演者同士が競い合っているんですよ(笑)。いいなって憧れました。僕も中国の血が4分の1入っているし、それを生かさない手はないと思っています。あとは、映画やドラマ業界全体が、新しいものを作るときに、あまり苦情に耳を傾けすぎず、いい声を聞くようになればいいなと。クリエイターの可能性を広げるような、もう少し自由な表現があってもいいんじゃないかと思うんです。――それは、勇気がいることだと思います。野村:僕自身に対しても、SNSやネット上ではネガティブな意見もあるかもしれません。でも、それを恐れてはいないですね。毎日街に出て、友だちや先輩など生身の人間と会って、好きなことを必死でやっているから気にならないのかもしれません。――野村さんはよく、自分に自信があるとおっしゃっていますが、そういうところに理由があるのでしょうか。野村:それもありますけど、だって、やっていることがカッコいいじゃないですか?(笑)俳優で、スケボーやBMXを真剣にやっているし、ハーレーにまで乗っていますからね。――とてつもなく強いカードが揃っていますね(笑)。野村:でも、そんなことを言いながらですが、本当に自分に自信があるのかと言われたら、そうでもないんです。過信していることもわかっているし、そうして自信を持っておかないと、すべてがダメな方向に進んでいく気がするから。だから取りあえず、自信満々でいっとこうという気持ちはあります。言霊じゃないですけど、「自分ってカッコいい」と声に出して言っていたら、気分が上がるじゃないですか。…たぶんまだ、自分がいる世界に困惑しているところもあるんです。芸能界の友だちが少ないし、自分が業界の雰囲気に振り回されているなと感じることも多いです。バラエティ番組などでいじられたときも、「これは本気?それともネタなのかな?」と悩んだりしますから。本当はもっとうまく立ち振る舞えるようになりたいし、ストレートじゃなく生きたいけど、できない。どうしても、思ったことが顔に出てしまうんです。素直なんですね(笑)。大ヒットシリーズの3作目にして完結編となる映画『ちはやふる ―結び―』(小泉徳宏監督)が現在、全国公開中。野村さん演じる真島太一は、想いを寄せる幼なじみ・綾瀬千早(広瀬すず)らと瑞沢高校かるた部で活躍する一方、受験を前に部活と学業の両立に悩み始めて…。コーデュロイジャケット¥32,000(AURALEE/AURALEETEL:03・6427・7141)スウェット¥12,000(Bronze/PROVTEL:03・6447・0660)※『anan』2018年3月28日号より。写真・森滝 進(まきうらオフィス)スタイリスト・猪塚慶太ヘア&メイク・NORIインタビュー、文・重信 綾
2018年03月22日写真を撮られている最中、「僕、カッコいいでしょ?(笑)」と、冗談ぽく笑いながらカメラマンに尋ねる姿がチャーミングだった野村周平さん。場の雰囲気を和ませ、盛り上げる明るさとパワーを持っている。彼が真島太一役として出演する映画『ちはやふる ―結び―』は、“競技かるた=百人一首”に情熱を懸ける高校生の青春を描いた、大ヒットシリーズの完結編。作品への思いやプライベートについて、インタビューしました。――いよいよ、最後です。野村:前作の『ちはやふる ―下の句―』の舞台挨拶のときにサプライズで、続編の製作が決まったことを知りました。(広瀬)すずが隣で喜んで泣いているのを見て、“よかったね”とは感じながらも、また、あのハードなかるたをやるのか…とも思いました。そのくらい、かるたって想像以上に疲れるし、しんどいんです。それに年齢的にも、そろそろ高校生役はキツいかもしれないなとも思いましたね。でも、実際に撮影が始まって制服を着てみたら、まだ似合っていたので安心しました(笑)。童顔だからなのか、ハマったと思います。学生役は今しかできないことなので、求められる限りは、やりたいなと思っています。――演じる真島太一は、好意を持つ綾瀬千早の願いを叶えるため、一緒にかるた部を作ります。野村:大切な人のために何かしたいという気持ちはわかるし、実際に行動を起こすことも、僕も太一と同じようにするとは思います。でも、本当はやりたくないっていう気持ちが、顔に出てしまうと思う(笑)。めちゃくちゃ楽しくなさそうにやるだろうから、相手にもバレてしまうはず。思ったことを我慢できないんですよ。もし、逆の立場だったら、僕のことを思ってくれる気持ちは嬉しいけど、楽しくないなら無理はしないでほしいかな。申し訳ないじゃないですか。――競技かるたの最高峰に君臨する周防久志名人(賀来賢人)は、絶対的な存在です。そういう人に会ったことはありますか?野村:どちらかというと、絶対的だと思っていたものが違ったと感じた経験のほうが多いような気がします。周りの影響を受けやすいので、新しく友だちができたりして環境が変わることで価値観も変わるんです。そういう意味では、自分だけが絶対的な存在かもしれません。――今作で太一は、かるたを続けるか、受験に集中するために部活をやめるか葛藤します。ちなみに野村さんは、俳優になる覚悟を決めるまでに迷いはありましたか?野村:仕事を始めてからしばらくはありました。事務所の人から大学に行ったほうがいいと勧められたこともありましたし、進学しようかとも考えたけれど、やっぱり行きたくなくて…。そのときに俳優をやっていこうと決めたんです。やめようと思ったことも、何度もあります。そのときは周りに流されてばかりいて、自分というものがなかった。お芝居をしていても、自分がいいと思う先輩の芝居を真似しているだけだったりして…。そうして、このままではダメだと気づいたときに、プライベートに目を向けるようにしたんです。――それは、なぜでしょう?野村:お芝居を好きになるにはどうすればいいかと考えたときに、自分が好きなものがなぜ好きなのか、その理由を見直してみようと思ったんです。僕はスケボーが好きなんですけど、それは、自分のスタイルでやっていることで、誰にも流されていないものだから好きなんだなって気づきました。じゃあ、芝居での自分の好きなスタイルは何だろうと考えてみたら、カッコつけるのをやめて、自分が楽しいと思うような話し方をすることだった。その結果、こんな感じになっているんですけどね(笑)。そのうち、だんだんと作品に出させていただくようになり、友だちから「見たよ!」と言われるのが嬉しくて、今に至ります。――インスタグラムを見るとスケボーをしている写真や動画がたくさんアップされてますよね。野村:真剣にやっています。俳優は仕事で、スケボーやBMXは本気の趣味ですね。仕事はきちんとするから遊ぶときは遊ばせてほしいなと。でも、スケボーをしている姿を動画に撮られるのが好きなので、映像に映りたいとか、カッコよく魅せたいと思っている点では、演技もスケボーも一緒ですね。演技もスケボーのワザも「できるようになりたい」と思って諦めずに努力する。うまくできないと悔しくて腹が立つし、その怒りは、納得がいくまで練習をしてクリアすることでしか、解消できないんです。――スケボーもですが、野村さんの生活にはストリートカルチャーの要素が色濃く感じられます。以前、雑誌で「ストリート系の服を着るならカルチャーを理解した上で着ないと、嘘っぽくなってしまう」と話していましたが…?野村:僕は、スケボーをするからこの服、このブランドというふうにアイテムを選ぶんです。やっぱり、背景にあるカルチャーを知ってから着たいという気持ちがあるし、リアルが大事だから。たとえば『シュプリーム』を着ている人に「スケボーやるんだ?」と聞くところから話が広がっていったりもする。服で話せることってあると思うんです。もちろん、自分以外の人が何を着ていても、気にしないですからね!「スケボーしないのに、なんで着てるんだよ!」とか、そんなことを思ってるわけではないです(笑)。ファッションは自由ですから。――音楽もお好きですよね。野村:ヒップホップはずっと好きですが、最近はテクノも聴き始めました。YMOがカッコいい。もともと日本の‘70~‘90年代の曲が好きで、自分で調べたり、友だちに教えてもらったりして細野(晴臣)さんや山下達郎さんを聴いているうちに辿り着きました。中森明菜さんやチェッカーズも好きですね。メロディがいいし、歌詞が直球だし、気分が上がる。バラードや切ないミュージックじゃないのにラブソングを歌っていたりするのもカッコいいです。それに、欧陽菲菲さんの「ラブ・イズ・オーヴァー」のように、カラオケで歌っていて気持ちがいい曲もいい。楽しく歌ったり、踊ったりできるのっていいじゃないですか。キャッチーな曲、大好きです。大ヒットシリーズの3作目にして完結編となる映画『ちはやふる ―結び―』(小泉徳宏監督)が現在、全国公開中。野村さん演じる真島太一は、想いを寄せる幼なじみ・綾瀬千早(広瀬すず)らと瑞沢高校かるた部で活躍する一方、受験を前に部活と学業の両立に悩み始めて…。コーデュロイジャケット¥32,000(AURALEE/AURALEETEL:03・6427・7141)スウェット¥12,000(Bronze/PROVTEL:03・6447・0660)※『anan』2018年3月28日号より。写真・森滝 進(まきうらオフィス)スタイリスト・猪塚慶太ヘア&メイク・NORIインタビュー、文・重信 綾
2018年03月20日野村克也(82)が2月28日放送の「ノンストップ!」(フジテレビ系)に出演。昨年12月に亡くなった妻・沙知代さん(享年85歳)への思いが、まだ整理できてい様子を明かした。 「一番感じるのは男の弱さ、女性がいなきゃどうにもならない。話し相手がいないんだもん。無口になってしょうがない。引っ越そうと思ったりね」 こう語った野村。自宅についても、沙知代さんの面影が残っているようで「居心地が良くない」と話した。さらに、沙知代さんが生前によく座っていた椅子に座ることが多くなったとも明かした。 「女房が元気な時は(その椅子に)座ったことはなかったんですけど、いなくなって毎日そこに座ってます。気持ちの上でも落ち着く場所ですね」 2月8日に放送された「アウト×デラックス」(フジテレビ系)に出演した際、息子の野村克則(44)は「『おれは先が短い、すぐ逝くぞ』と弱気な発言をすることが増えた」と明かしていた。その度に克則は、「王さんや長嶋さんも奧さんを亡くされているけど頑張っているでしょ」と励ますという。 そんな憔悴した野村に、心配するファンから寂しさを乗り越えるための“球界復帰”を希望する声が上がっている。 《野球解説としての仕事をどんどんやって欲しい。そうしている時は奥さんの事も少し忘れられるし、新たな生き甲斐に出来る思う》《もう一度復活させてほしいなあ。テレビ朝日のノムさん解説、野村スコープ》《たくさん家族が居るじゃないですか!キャンプを回りましょうよ!》 ファンのためにも、また元気にボヤいてほしい。
2018年02月28日俳優の阿部寛(53)が1月25日放送の『モニタリング』(TBS)に出演。「阿部寛が秋葉原に突然現れたらどうなる」という企画でギャップのある姿を披露し、話題を呼んでいる。 ロケに繰り出す前、スタッフから「メイド喫茶」にも潜入してほしいと告げられると「大丈夫ですよ」と快諾した阿部。しかし、その直後「怖いな……」と苦笑いで本音をこぼした。 そして、いよいよ人生初となるメイド喫茶を訪れるも「うわ~これは入れるかな……」とたじたじ。メイドさんと一緒に飲み物におまじないをかけるイベントでは戸惑いながら手でハートマークを作り、「萌え萌え……キュ~ン…」とバリトンボイスで愛情を込めた。 最初はそんな調子だったが、メイドさんのショーもぎこちなくハートのペンライトを振りながら堪能。さらにはウサギ耳をつけて笑顔でメイドさんと記念撮影まで行った。 最後には「最初どうしようかと思ったんだけど、何か温かいですね。来た人のことを幸せにしようとする気持ちがある。嫌なことあって仕事とかで疲れてる人がここに来てこの空間にいるだけでそういうのが全部すっとぶっていうのがわかりましたね」と満喫した様子で笑顔を見せた。 Twitterでは 《萌え萌えキュンして照れるのが可愛かった》《ぎこちない姿に逆に萌え殺された》 とそんな阿部の姿に萌える人が続出。Twitterでもトレンド入りしたほか、Yahoo!急上昇ワードランキングにも「阿部寛」が2位にランクインした。 また、 《最後のコメントが素晴らしすぎてもう大好き》《最大の萌え萌えキュンポイントはチェキ撮影で膝を曲げてメイドさんをフレームに入りやすくする気づかい》 と阿部自身の人柄にも好感を抱く声が多く上がった。 189cmの長身で、普段堂々とした重厚な役が多い阿部。だからこそ、珍しくオドオドとぎこちなく振る舞う姿はギャップ萌えに繋がったようだ。
2018年01月26日16年12月に芸能界を引退した元俳優の成宮寛貴氏(35)が、新たなウェブサイトを開設した。 引退後の昨年秋、成宮氏は自身のインスタグラムを一般公開。するとファンからのコメントが殺到し、これまでフォロワーは55万人を突破。いまだに根強い人気をうかがわせた。 そしてこのほどインスタのトップページに、新たに開設したウェブサイトのURLを掲載。クリックすると中央には日本語で「無限」を意味する「infinity」の文字が浮かび上がり、仕事を依頼するための入力フォームが表示されている。 同サイトには、成宮に関する情報やメッセージは掲載されていない。 「所属していた大手芸能プロに復帰できる可能性は、現時点ではまったくないようです。かいってこのまま仕事が入る様子もなく、苦肉の策として自身に対する仕事依頼のフォームを開設してのではないでしょうか」(芸能プロ関係者) 成宮さんが動きだした背景には、どうやら切実な事情があったようだ。 「引退後は支援者の手引きで渡欧したりしていましたが、そろそろ金がなくなってきたようです。そのため自ら告白本の企画を売り込んでいたようですが、印税の前借りを要求したたことで計画が難航しているといいます。だからこそ、俳優業を再開しようとしているのではないでしょうか」(芸能記者) この分だと、仕事のオファーを受ける“ハードル”はかなり低そうだ。
2018年01月12日’78年4月に結婚してから、ほぼ40年。12月8日、野村克也氏(82)の愛妻・野村沙知代さんが逝去した。享年85。タレント活動も行い、 “サッチー”の愛称でも知られていた沙知代さん。毒舌家でもあり、夫の野村さんに対しても厳しい物言いをしていたが、常に深い愛情を注ぎ、守り続けた。 3年前の’14年秋には、野村さんは体調を崩している。仕事をマネージメントしている会社が入院を認めているにもかかわらず、沙知代さんは、本誌の取材にこう主張し続けた。 「病気なんて、とんでもない!(仕事をキャンセルしたのは)イヤだったから断っただけ!」 いま振り返ると、夫の体調不良を“絶対に”信じたくないという強い思いもあったのではないだろうか。 その後、沙知代さんの看病もあり、野村さんは回復した。だがそのいっぽう、どちらかといえばふっくらした顔立ちだった沙知代さんは、この1年ほどで急速に痩せていた。野村夫妻の知人も1カ月ほど前に、沙知代さんに会って驚いたという。 「都内のホテルのレストランでお茶を飲んでいました。服装の趣味も変わったのか、地味な感じになっていて、すごくやせていたので、最初は別人かと思いました。でも挨拶をしたら、やっぱりサッチーで……。レストランにいた人たちも、ほとんど気づいていなかったと思います」 ’09年に東北楽天ゴールデンイーグルスの監督を退任してから8年、野村さんは80代になっても「もう一度監督を!」と考えていたという。9月にはインタビューでこう語っている。 《優勝して、ベンチで『監督!』と、声をかけたら死んでいた。それが理想だ》 野村さんの夢は、沙知代さんの夢でもあった。 「野球関係者やテレビ局関係者など顔見知りたちに、『(夫に)監督をさせてあげたいけど、何とかならない?』と奔走していました」(野村夫妻と親しい野球関係者) 「もう一度、夫をグラウンドで見たい」、そんな最後の夢を抱きながら、沙知代さんは旅立った。
2017年12月14日12月8日にこの世を去った野村沙知代さん(享年85)。辛口コメントとともに「サッチー」の愛称で親しまれたが、元プロ野球監督の野村克也氏(82)とは球界きっての“おしどり夫婦”として知られていた。 そんな2人が、女性自身09年7月21日号の対談でなれそめについて語っていた。夫婦漫才のような掛け合いのなかで明かされたのは、ふたりの“意外な出会い”だった――。 ■ 夫人あなたと出会ったのは70年(昭和45年)だけど、当時私は野球をまったく知らなかったから、最初「この人、何者だろう……」と思ったの。「お仕事は何をなさっているの?」と聞いたら、「雨が降ったら商売になりませんわ」と言うから、「ああ、工事現場の監督なのか……」と。ジバンシィのシャツを着ているから最近はあの業界も景気がいいのね、と思ったわ。 監督出会ったときは精神的にまいっていた時期でね。別れた前の女房とは話し合いの最中で、離婚届に絶対サインしないと言われて……。 夫人奥さんとは別居していましたからね。 監督だから帰る家もなくて、知り合いの家で寝泊まりしていた。離婚調停のまっただなかで、精神的に非常に弱っていたときに会ったから「世の中には、えらい活発な女性がいるもんやな」と思ったね。それと、名刺を見てびっくりしたよ。肩書に「取締役社長」と書いてあって。「どういう会社です?」と聞いたら、ボウリング関係の会社だ、と。当時はボウリングが大ブーム。すごい女性だなと思ったけど、ワクワクもドキドキもしなかったな。 夫人あら、そうなの? 監督若いコだったらワクワク、ドキドキしただろうけどもうおばさんだったからね。 夫人失礼ねぇ。あのときは、まだ37~38(歳)よ。 監督それが不思議な縁で結ばれて……。幸か不幸か。 夫人よく言うわよ(笑) ■ 結局、最後まで克也氏と寄り添い続けた沙知代さん。出会いからずっと元気づけてくれた妻について、克也氏は「いい奥さんでした」と語っているという――。
2017年12月09日元プロ野球監督の野村克也氏(82)の妻・野村沙知代さんが12月8日、亡くなった。85歳だった。 歯に衣着せぬ物言いや浅香光代(89)との“ミッチーvsサッチー”騒動など、お騒がせタレントとしても親しまれていた沙知代さん。『悪妻こそ、良妻』『夫の転がし方』といった著書を出版するなど、恐妻キャラとしても知られていた。 いっぽう1994年には「ナイスカップル賞」に選ばれるなど、“球界のおしどり夫婦”と呼ばれた野村夫妻。2009年7月には、夫婦そろって本誌での対談取材に応じていた。そこでは恐妻ぶりとともに、沙知代さんの本音が――。 「ときどき僕の携帯電話を壊すのがたまにきず」 対談で沙知代さんの“恐妻ぶり”をこうボヤいた克也氏。これに対し沙知代さんは「私に内緒で買うから」と憤慨。克也氏が内緒で買った携帯電話をたまたま見つけたところ電話が鳴り、女の声がしたために電話を折って庭に捨てたという。 「いま持っている携帯電話は6台目。ものすごい力でバチン、グシャとやるからね。すごいやきもちというか……」 そんな克也氏のボヤきにも「やきもちじゃなくて、不愉快なのよ!」とサッチー節で一蹴していた。あきれた克也氏が「僕のどの辺にひかれているわけ?」と聞くと、沙知代さんは「何もひかれてないわよ」と跳ねのける。だがその後で「健康で、よく働いてくれるところね。一家の主は健康で、よく働いてくれる――これが奥さんにとっては最高のプレゼントだから」とも答える優しさもあった。 そして沙知代さんはこうも語っていた。 「男の人は休んじゃだめだから。死ぬまで体を動かして、働いていないと!人間は呼ばれているうちが華なのよ。声がかからなくなったらおしまいなの。そうならないよう、死ぬまで呼んでもらえるように私も頑張るから、あなたも頑張ってくださいね」 その言葉通り、克也氏は82歳となった今でも「S1」(TBS)などスポーツ番組の解説者として活躍している。最期まで「悪妻こそ、良妻」を貫いていたに違いない――。
2017年12月09日作る映画は世界から愛される、名監督・北野武さん。でもその一方で、ひたすら笑いに真摯。偉くなりたいと願うその理由が、素敵です。映画の最初は4コママンガ。そこから場面を繋げていく。――毎週テレビのレギュラーを何本も抱え、生放送もありますよね。そのスケジュールの中で、どうやって映画を作っているんですか?北野:基本的に、テレビのレギュラーを1週間やったら、次の1週間は映画、またテレビ…って感じ。撮影と編集で3~4か月くらいかな。――脚本執筆にかかる時間は?北野:今回は、構想は2作目のときにすでに浮かんでいたから、台本としてまとめるのは、1週間か10日くらいでパッと作って。――ストーリーはどうやって考えるんですか?北野:ノートがあってね、そこにまず4コママンガみたいなものを描いて、台詞を書き加えつつ、こんなこと、こんなこと、こんなこと、で、終わりってまとめて、そこに枝葉をつけていくの。その枝葉の部分に、具体的な映像のアイデアを描いていって…。思いついた映像を、次のシーンにどう繋げていくかが勝負なんだよな。物理的に具現化できないシーンとかもあるし、その兼ね合いが難しい。――映画の分だけ、そういったノートがあるんですか?北野:そのはずなんだけど、だいたいいつの間にかどっか行っちゃうんだ。たまに出てくるから見返すと、「お、おもしれぇこと書いてたんだな」とか思うんだけどね。――しかし、笑いと映画、頭の中は簡単に切り替わるもの?北野:うーん、映画は台本ができちゃえば、あとは現場に行くだけだから、テレビやりながらでも全然…っていうか、テレビって、本当に仕事かな?って思うんだよね。だってただ座ってりゃいいんだもん。大したことしてないよ。――そんな!だってテレビでは、どの番組でも常に笑いを取りにいくじゃないですか。北野:笑いを商売にしているやつが、現場で「どうしよう?」なんて考えてたら、相当才能ねぇよ(笑)。最近はお笑いの学校を卒業して芸人になるやつがいっぱいいるけど、そもそもお笑いなんて普通の道じゃないんだから、学校で学ぶもんじゃないっていうの。――その中には、たけしさんに憧れてお笑い界に入ってくる人もたくさんいるのでは…。北野:だから、憧れてるうちはダメだよ。憧れるっていうのは、そいつを超せないってこと。俺を嫌いってやつのほうがいいと思うよ。「たけしのはお笑いじゃない、こういうのがお笑いだ」ってやらないと意味がない。それは映画においても同じことで、誰かに憧れて映画を作るのもダメ。俺は黒澤明監督は、敵わないし、すげえなって思うし、認めているけれど、憧れてはいない。それとは違う映画を作ろうと思ってる。すべてはオリジナリティとひらめきで、それをどう具現化するかが大事なわけ。――初監督作品である’89年に公開された『その男、凶暴につき』は、スケジュールの関係で深作欣二監督が降板したことで、急遽メガホンをとったと伺っています。戸惑いはなかったんですか?北野:もともとテレビでコントの演出をやってたからね。カメラ6台を使いながら、引きで撮って、手元撮って、ここでスイッチングして…って、自分で指示を出していたわけだから。映画はカメラが1台しかなかったから、逆に楽だったよ。モニターを見てああだこうだ言うのも同じだし。これがデカいスクリーンになるのかって、それだけしか考えてなかったね。1本目を撮ったときに、助監督に、「俺、10本撮るわ」って言ったの。でもなかなか当たらなくて、4作目の『ソナチネ』でもコケて、その頃から、世間は全然俺の映画を理解しねぇんだなって思いがどんどん強くなっていって。外国ではいくつか賞を貰ってたんだけど、全然日本ではそれを発表してくれないし。そんなこんなであの時期には、交通事故まで起こしちゃうしさ。今に至っても、日本アカデミー賞から、一度だって選ばれたことないもんね。まあ映画業界なんて閉鎖的だからさ、アメリカのアカデミー賞もそういうところが問題になって、いろんな国の人を会員にするとか言ってるけど。――誘われたらどうします?北野:行かないよ、そんなもん(笑)。――じゃあノミネートされたら?北野:『アウトレイジ 最終章』で?それはもちろん行くよ、紋つき着て、下はフルチンで(笑)。とにかく、笑わせるために行きたいね。――映画より、笑い、ですか?北野:俺が映画賞が欲しかったり、偉い人になりたいって思うのは、全部人を笑わせるためだからね。だって、ただのおじさんが転んでもおもしろくないけど、偉い人が転べばそれだけでおもしろいじゃない。俺がすごく偉くなって、「たけし、食い逃げ」とか、「たけし、万引」とか、おもしろいじゃん。ラブホテルから裸で逃げてくるとかね。そういうもののために、偉くなりたいし、映画を頑張ってるの(笑)。俺はお笑いは、芸術だと思ってるからさ。『アウトレイジ 最終章』関西の〈花菱会〉と、国際的フィクサー〈張グループ〉が一触即発状態に。済州島にいた大友(ビートたけし)は、決着をつけるべく帰国する。怒号と銃声が唸るバイオレンス映画の最終章。監督、脚本、編集は北野武。共演に西田敏行、大森南朋、ピエール瀧、松重豊、岸部一徳ら。10/7より全国ロードショー(C)2017『アウトレイジ 最終章』製作委員会きたの・たけし1947年生まれ、東京都出身。’80年代より日本のお笑い界を牽引、俳優などでも活躍するエンターテイナー。また映画監督としては、海外でも評価が高い。※『anan』2017年10月11日号より。写真・矢吹健巳(W)(by anan編集部)
2017年10月07日ゴジラという破壊神を演じた野村萬斎が、『花戦さ』では平和神に。どちらにしても、神の奇跡を表現する奇跡の俳優だ。○破壊神から平和神へ野村萬斎というと“ゴジラの中の人”を思い浮かべる人も多いだろう。『シン・ゴジラ』(16年)があれだけヒットしたのだから無理はない。謎の巨大生物ゴジラを、神がかった表現力で重厚に見せた彼だが、実は彼の本質は、ゴジラとは正反対の、軽やかな明るさにある。現在、ヒット中の映画『花戦さ』は、そっちの野村萬斎らしい映画で、恐怖の破壊神から一転、明るい平和神のような人物を演じている。そのレンジの広さには感嘆するばかり。『花戦さ』は、戦国時代、暴君・豊臣秀吉に、“花”で対抗した奇特な男・池坊専好(初代)の物語だ。織田信長が死んで、天下統一に最も近づいた豊臣秀吉は、権力をふりかざし、気に入らない人物を無慈悲に殺していく。その犠牲者は女、子供にまで及んだ。そんな彼に、たったひとり、唯一無二の方法で対抗した男・池坊専好の闘い方を描いた小説が、TBSの日曜劇場『JIN-仁—』、NHK朝ドラ『ごちそうさん』、大河ドラマ『おんな城主 直虎』などの森下佳子の脚本によって映画化された。池坊専好(初代)とは、いまから555年前、京都で誕生した、いけばなの源流・池坊の当主。彼の武器は“花”。ペンは剣より強しという言葉があるが、専好は、花で剣に対抗した。いったいどうやって? 花で勝てるものなの? という興味が、映画の縦軸となっている。花のみならず、茶や絵画など豊かな文化が描かれ、文化的な生活への祈りに満ちた作品になった。専好は、どんな危機的状況にも明るく前向きに対処していくと言えば聞こえがいいが、物語のはじめは、このひと、大丈夫か? と一瞬心配になるくらい、その場からはみ出ている。最初はまだ少年時代というのもあるが、「はいッ」と野村萬斎が笑顔で返事すると、それまで深刻だった空気ががらりと変わる。そんな感じで、披露した生花に問題が発生、秀吉を怒らせて、あわや、お手打ちになりそうなピンチも、持ち前のユーモアで回避する専好。この出会いから、やがて、彼と秀吉は宿命の闘いをすることになる……。○”ありえなさ”に説得力を持たせる力いわゆる“型破り”な男を野村萬斎は強い説得力をもって演じている。何かと深刻な武士の世界で、腰を落してのしのしと歩く武士に対して、彼は宙を飛ぶように走る姿はアニメーションのよう。苦虫をかみつぶしたような表情をする武士たちに対して、破顔一笑という言葉がふさわしいような笑顔をふりまく。振り返ると、野村萬斎の明るさが全国的に注目されたのは、NHKの朝ドラ『あぐり』(97年)だった。もともと、狂言師として活躍していたが、舞台の世界を知る人は限られる。それが、作家・吉行淳之介、女優・吉行和子の母である吉行あぐりのエッセイをもとにした朝ドラで、ヒロイン(あぐり)の夫で、風変わりな人物・エイスケを演じると、たちまち人気は拡大した。実在の旦那さまは妻より先立つのだが、「殺さないで」という嘆願が殺到したというエピソードは有名だ。それほど、いつでもどこでも明るく、ルールにとらわれない開放的な人物像は魅力的だった。このときも、萬斎が出ると、画面が何割も明るく見えた。その後、安倍晴明の映画『陰陽師』(01年)も大ヒットし、舞台活動のみならず、映像の世界でも活躍していく。『シン・ゴジラ』の樋口真嗣監督の映画『のぼうの城』(12年)では、一見、でくのぼうに見えながら、農民にも別け隔てなく接し、城のピンチに奇想天外な作戦を考えつくユニークな武将を演じていた。野村萬斎の明るさの根源は、彼が狂言師であることだ。「狂言」とは庶民を主役にした喜劇だ。この「狂言」と対をなすのが「能」で、貴族や上流階級の者を主役にしたシリアスな演目。「狂言」と「能」を合わせて「能楽」と呼ぶ。萬斎によるゴジラの歩き方が、能楽の手法・すり足を使っていることは有名だが、さらに彼は、手のひらを上にあげた神がかった動きを考案し、『シン・ゴジラ』のゴジラの風格をあげた。狂言師として活動する一方、萬斎は、ギリシャ悲劇やシェイクスピアの悲劇に挑んでもいて、静と動、悲劇と喜劇などを人間の相反するものを、偏らず見つめ、体現してきた成果が、幽玄の世界に近いゴジラの動きにも生きたのだろうと思う。『花戦さ』では、狂言における軽やかさを生かしたと思われる萬斎だが、花をいけるシーンとなると、集中力がハンパなく、実に崇高に見える。喜劇であろうとシリアス劇であろうと、伝統芸能・狂言の担い手として幼少時から研鑽を積んだことが、その所作に現れるのだ。能楽は、戦国時代以前、室町時代から存在していて(その歴史は600年と言われる)、信長も秀吉もそれを愛した。だからなのか、野村萬斎は、『花戦さ』の時代と馴染む。それは歌舞伎俳優にも言えることで、秀吉役の市川猿之助との共演シーンは、不思議なほどしっくりする。能楽といけばなの歴史も近い。どちらも、先人の思いを長く大切に受け継ぎ育み続けることでは共通。その果てしない営みが、花で武力に挑むことも可能ではないかと思わせる。野村萬斎は、ありえないことを起こす力を、身をもって信じせてくれる、奇跡の男だ。■著者プロフィール木俣冬文筆業。『みんなの朝ドラ』(講談社現代新書)が発売中。ドラマ、映画、演劇などエンタメを中心に取材、執筆。著書『挑戦者たちトップアクターズ・ルポルタージュ』『ケイゾク、SPEC、カイドク』、構成した書籍に『庵野秀明のフタリシバイ』『堤っ』『蜷川幸雄の稽古場から』などがある。最近のテーマは朝ドラと京都のエンタメ。
2017年06月14日今週末に公開を控えた映画『花戦さ』に主演する能楽師で俳優の野村萬斎が、5月29日(月)今夜放送の日本テレビ系バラエティ「しゃべくり007」に出演。「ネプチューン」「くりぃむしちゅー」「チュートリアル」らとトークや企画を繰り広げる。狂言の世界だけでなく映画、テレビなどで幅広い活躍を見せる野村さん。大河ドラマ「花の乱」の細川勝元役や映画『陰陽師』シリーズでの安倍晴明役、最近では『のぼうの城』での成田長親(のぼう)役などが印象深いなか、昨年公開された『シン・ゴジラ』ではゴジラのモーションアクターを担当。同作のゴジラの独特の動きやポーズを生み出したことも大きな話題となった。そんな野村さんが今回トークで狂言の型を紹介する。「月を見る」「笑い方」などからトークが広がり、狂言風に「タクシーを止める」など狂言の型を使った様々な表現を見せる野村さんに注目だ。また企画は「狂言か?真実か?野村萬斎のウワサ007」ということで野村さんにまつわる数々のウワサの真相に迫っていく。「女優に会いたいからドラマに出る」というウワサは果たして真実なのか!?また今回は野村さんのほか、話題の芸人・みやぞんもゲストで登場。「イッテQ!」で見せる驚異的な身体能力が話題のみやぞんの様々な特殊能力が紹介される。野村さんの主演最新作となる映画『花戦さ』は、豊臣秀吉の圧政に立ち向かった実在の花僧“池坊専好”の姿を描いた作品。16世紀後半、織田信長が本能寺で倒れたのち、天下人の座は豊臣秀吉へ引き継がれ、戦乱の時代が終わりを告げようとしていた。だが、秀吉の圧政は次第に人々を苦しめていく。そんな中、町衆の先頭に立ち、秀吉に真っ向から戦いを挑んだ僧がいた。その名を池坊専好。華道池坊の歴史に名を連る花僧たちの中、ひときわ名手の誉れ高い専好が、天下人に対して武器としたのは、刃ではなく、命ある花の美しさだった――。野村さんが信長、秀吉といった戦国武将と関わりを持ち、天下統一の茶の湯者・千利休とも親交があった京都の花僧・池坊専好を演じるほか、専好と対立することになる天下人・豊臣秀吉役に市川猿之助、茶人・千利休役に佐藤浩市、織田信長役に中井貴一、前田利家役に佐々木蔵之介、吉右衛門役に高橋克実、れん役に森川葵、そのほか山内圭哉、和田正人、吉田栄作らが出演。また竹下景子が専好の良き相談相手として頼りにする尼・浄椿尼役を演じる。『花戦さ』は6月3日(土)より全国にて公開。「しゃべくり007」は5月29日(月)22時~日本テレビ系で放送。(笠緒)■関連作品:花戦さ 2017年6月3日より全国にて公開(C) 2017「花戦さ」製作委員会
2017年05月29日今夏、世田谷パブリッシアター開場20周年記念公演として上演される『子午線の祀り』。1979年初演の、木下順二による不朽の名作に、同劇場芸術監督の野村萬斎が満を持して演出に挑む。舞台『子午線の祀り』チケット情報「『子午線の祀り』は、いわば僕の演劇の原体験なんです」と萬斎は語る。父(野村万作)が初演から出演していたこともあり、1979年の初演時から折あるごとに観劇していたと言う。そして1999年、32歳で平知盛役に初めて抜擢され、2004年の再演にも出演した。「古典的な『平家物語』の世界と現代劇との融合、歌舞伎や新劇など色んな出自の方々が己のスタイルをぶつけあって最終的にひとつの作品をつくりあげる、今の僕のすべての精神は『子午線の祀り』から始まったと言っても過言ではありません」萬斎にとって今作を演出するのは初めて。「今回の新しい演出の重要なテーマは“レクイエム”です。作品を通じて、観客は歴史や宇宙の運行という自分ではコントロールできない大きな世界と出会い、人はただ生かされているということを知る。それはひとつの“弔い”の儀式と言えるのではないかと思うんです。生も死も、等しく肯定せざるを得ない」主人公の知盛は13年ぶりに演じる。「クライマックスでの知盛の“見るべき程の事は見つ”という台詞は死が見えていない人には言えないものです。年齢を重ねた今なら、より真に迫って言えると思う。抗えない老化もひとつの無常ですから。諦念を持ちながらも、自分の生を全うしたという思いを持たないと、この台詞に真実味を持たせるのは難しい」。共演は、近年活躍目覚しい成河をはじめ、前進座の河原崎國太郎、実力派俳優の今井朋彦、村田雄浩、若村麻由美らが名を連ねる。「今回成河君にお願いする義経は、私の父や歌舞伎俳優の市川右近さんなどが演じてきた、古典的様式美が必要とされる役でした。でも今回は様式性よりも(萬斎がモーション・アクターを務めた)『シン・ゴジラ』ならぬ“シン・義経”にしたかった(笑)。成河君は身体にキレがあるし声も高くてよく響く。新しい義経像を作っていただけると期待しております」最後に、世田谷パブリックシアター20周年に寄せて、自身の芸術観を語ってくれた。「現代のアートは、ほとんどの作家が一代限りですよね。古典芸能は後継者に自分のDNAを入れこみ、無形文化財という伝統の厚みをつくる。芸術監督たるもの、パブリックに文化を担っている意識で、狂言が滅びないようにするのと同じように、現代演劇の天才たちのつくる演劇文化を残していきたいです」東京公演は7月1日(土)から23日(日)まで。世田谷パブリックシアターにて。なお、チケットぴあでは5月1日(月)よりインターネット先行申込みの受付けを開始する。チケットは5月14日(日)一般発売。取材・文:落 雅季子
2017年05月01日「成宮寛貴さんが、2カ月ほど前に帰国したと聞いています。先日、ある有名ブランドのパーティでも目撃されたそうです。でも、みんなに騒がれる前に会場を後にしたそうですよ」(広告代理店関係者) 昨年12月、写真週刊誌『フライデー』に、コカイン吸引疑惑を報じられた成宮寛貴(34)。その直後《今すぐこの芸能界から消えてなくなりたい》という声明文を残し、芸能界から引退。ヨーロッパ経由でバリ島に渡り、同地に潜伏していると報じられてきた。しかし成宮は2カ月前に帰国していたというのだ。引退するまで住んでいたという自宅マンションでも、こんな動きがあったという。 「たしか今年2月ごろだったでしょうか、マンションの前に引っ越し業者のトラックが来て、何人ものスタッフが成宮さんの部屋からあっという間に荷物を持ち出してしまいました。どうやら引っ越されたようです」(近所の住人) 帰国した成宮は、なぜブランドのパーティに出席したのか――。 「成宮さんはファッションに興味があるようで、デザイナーに転身したいという考えもあったようです。でも彼の場合まだ薬物疑惑のマイナスイメージを払しょくできていません。もしブランドを起ち上げられたとしても、彼の商品を置くことに難色を示す店が大半でしょうね」(前出・広告代理店関係者) ほかにも彼が興味を示している仕事がある、と語るのは成宮と親しいクラブ関係者だ。 「成宮さんは、クラブや飲食店の経営にも関心を持っているようです。海外逃避中も繁華街の流行っている店を覗いたり、経営者が書いた本を日本から取り寄せたりして勉強していたと聞いています」 だが「飲食店の開業も資金などの問題があってすぐにとはいかないようだ」とクラブ関係者は顔を曇らせる。これまで経験したことのない分野に次々と“チャレンジ”しようとしている成宮だが、その理由は何なのか。 「引退当時、成宮君には数千万円の貯金があったと聞いています。しかしこれまでの逃避行で予想外に出費してしまい、『これ以上復帰に時間がかかると金が底をつくのでは』という不安が出てきて焦っているようです」(芸能関係者) しかしアパレルデザイナーは難しい、飲食店を出す資金繰りも目途が立たず、行動に移し切れないでいると、貯金もなくなってしまうだろう。「彼はやはり俳優として復帰するしか道はないと考えているようです」と前出の芸能関係者は言う。そこで成宮が頼っているのが、デビューのきっかけを作りその後も何かと目をかけて来たという舞台関係者のA氏だ。 「演劇の世界に精通しているA氏は、成宮さんを小劇場の舞台に出演させて少しずつ復帰させていく予定を立てています。ただA氏は世間の反応を考えると、早くても本格復帰まで1年以上はかけるべきだと進言しているようです」(前出・芸能関係者) 引退表明から5カ月目の決断だが、疑惑の払しょくはそう簡単にできることではない。成宮の“活動”再開の道のりは、まだまだ長く険しいようだ。
2017年04月25日元グリモワール(Grimoire)バイヤーの野村仁美とマネージャーの三好香織による、ヴィンテージブティック「マルテ(MARTE)」が1周年を迎え、ファッションブック『PAPER MOON』を創刊。2017年5月6日(土)より発売を開始し、先駆け5月3日(水)から5日(金)の3日間、MARTE 1周年&PAPER MOON 創刊イベントを原宿・Gallery ZOOMANで行う。「マルテ」とは?「マルテ」は、2016年春原宿・キャットストリートにオープンした、ヴィンテージブティック。店名は、イタリア語で火星を意味する‟マルテ”から取ったもので、「新たなる土地、未知なる感覚」をコンセプトに掲げる。中心となるのは、1900から80年代のレディースヴィンテージ衣類。どれも幅広い知識と経験を持つバイヤーが、北米・欧州・アジアなどへ直接赴き買い付けたものだ。また、彼女たちの感性が宿ったオリジナルアイテムも、ファンの心を掴んで離さないもの一つである。年代別ヴィンテージ解説も!新刊『PAPER MOON』ファッションブック『PAPER MOON』には、「マルテ」の魅力を存分に詰め込んだ。野村仁美が、青柳文子、佐々木茜などをモデルに撮り下ろした写真が並び、春・夏・秋・冬、季節に応じた「マルテ」流コーディネートを発信。また、バイイング経験の長い野村仁美が教えるヴィンテージコレクションの解説や、「マルテ」メンバーオススメの写真・音楽・アート・映画が年代別に紹介されたページも。「マルテ」と縁の深いアーティストも参加し、ブティックをイメージした漫画やアートページも用意される。表紙・巻頭を飾るのは、モデルのSUMIREだ。記念イベント内に「マルテ限定ショップ」オープン発売に先駆けたイベントでは、野村仁美、佐々木茜をはじめ「マルテ」スタッフが会場に。『PAPER MOON』の先行販売や、写真・アートの展示、フォトブースなど、多数のコンテンツが設けられる予定だ。さらに「マルテ限定ショップ」もオープン。ここでしか買えないオリジナルアイテムや、『PAPER MOON』誌面でモデルが着用したヴィンテージアイテムも発売される。アイテム詳細マルテ『PAPER MOON』 2,000円(税込)発売日:2017年5月6日(土)取り扱い店舗:マルテ店頭およびマルテ オンライン※全国書店でも取り扱い予定。予約開始日:4月3日(月) ※事前予約ノベルティ特典付きページ数:128ページサイズ:210×274mm(A4変形サイズ)参加者モデル:SUMIRE、青柳文子、るうこ、佐々木茜、阿久津ゆりえ、タカハシマイ、弓ライカ、中田クルミ、本山順子、松下サニー、Chloe、織田エリカ■MARTE 1周年&PAPER MOON 創刊イベント開催日時:・5月3日(水)11:00~16:00・5月4日(木)11:00~20:00・5月5日(金)11:00~18:00会場:Gallery ZOOMAN住所:東京都渋谷区神宮前3-21-18入場料:500円(税込)※特典付き先行予約セット(イベント前売り券+PAPER MOON) 2,400円(税込)※予約限定ノベルティ付き(ステッカーまたはポストカード)
2017年04月06日女優の広瀬すずと俳優の野村周平が28日、ライブ配信サービス「LINE LIVE」で生配信された「広瀬すずチャンネル VOL.10」に出演した。同チャンネルは、広瀬が主演する映画『チア☆ダン ~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』の公開を記念して開設されたもの。10回目となる今回、ティーンズ対象の体験型フェス「超十代 - ULTRA TEENSFES - 2017@TOKYO」の控室から行われ、ゲストとして映画『サクラダリセット前編』が公開中の野村が登場した。広瀬と野村は映画『ちはやふる-上の句・下の句-』での共演以来交流が続いており、野村の誕生日に広瀬が「私の数少ない友人の中でも、本当に何でも話せる人。なんだかんだ割と真剣に話を聞いてくれて心ある言葉をくれます」とメッセージを送ったほど。つい先日もツイッター上で仲睦まじいやり取りを交わしていることが話題となったばかりだ。この日もそんなふたりの仲の良さは健在。まず、「どうも、福士蒼汰です」と登場した野村に広瀬の鋭いツッコミが炸裂。いつもは野村を「ちっち」というあだ名で呼んでいることや、一緒に餃子を食べに行ったエピソードも明かされた。また、広瀬の印象を聞かれた野村は、「天真爛漫だけど、役への入り方はすごい。俺から見たら…可愛い子かな」と大絶賛。「こういうこと言うとバッシングされる」と怯えると、広瀬は「みんな、怒らないでね」と可愛く訴えた。最後には、ステージに出演のため一度席を外した野村が再び現れ、広瀬に誕生日プレゼントを渡す場面があり、「誕生日6月だけどね」とすかさずツッコミを入れる広瀬。ツイッター上では、「広瀬すずと野村周平のコンビまじ神」「やっぱりこのコンビ面白いし、お似合い~笑」「最強コンビ」「いいコンビ」といった声が上がり、「嫉妬」「羨ましい」という意見も見られた。
2017年03月29日俳優の野村周平が、17日に放送されたフジテレビ系バラエティ番組『ダウンタウンなう』(毎週金曜21:55~22:52)にゲスト出演。人気女優との写真をSNSに投稿する理由を明かした。お酒を飲みながら本音で語り合う「本音でハシゴ酒」企画に、前週に引き続き出演した野村は、共演女優との写真をたびたびSNSに投稿しているが、番組ではそれらの投稿を紹介。広瀬すずとの2ショットでは「はいみんなーすずだよー。」、本田翼との2ショットでは「世の中の男の子。ごめん。」と挑発的なコメントをしている。坂上忍が「これどういう感覚でやってるの? ケンカ売ってるの?」と聞くと、「炎上されたい気持ちがある」と告白。「絶対にこっちのファンの人がかみついてくるじゃないですか、『コノヤロー、俺のすずを』とか』。お前のではない、お前の翼でもない、どっちかっていうと俺の方が知ってる」と続け、「本田翼とドラマをやっていたんですが、炎上させると観る人が多くなる。炎上させながら注目を浴びせられたら」と狙いを明かすと、坂上は「ハート強い」と称えた。野村は、投稿について相手側に「許可とってます」と説明。また、武井咲と有村架純との写真も公開された後、「今、名前が挙がった人とは何もないの?」と聞かれると、「何もないです」と答え、「向こうから誘って来られたら?」と言われても、「裸でいた
2017年03月18日主人公を演じた映画『サクラダリセット』の公開が控える野村周平が、3月10日(金)放送の「ダウンタウンなう」人気企画「本音でハシゴ酒」に出演することが決定した。「本音でハシゴ酒」は、「ダウンタウン」と坂上忍の3人が、豪華ゲストたちとお酒を飲みながら本音で語り合う人気企画。で語り合う人気企画「本音でハシゴ酒」。今回のゲストは、野村さんほか梅沢富美男、片山さつき。また、飲み仲間として、福田彩乃を迎え様々なトークを繰り広げる。「フラジャイル」「好きな人がいること」や『ライチ☆光クラブ』『ちはやふる』など話題作への出演が続く野村さん。また3月からは『サクラダリセット』、4月には『帝一の國』、6月には『22年目の告白 -私が殺人犯です-』の公開が控えるなど、いま注目の若手イケメン俳優だ。野村さんは神戸市の出身、同じ兵庫県出身の浜田雅功と松本人志とは同郷ということで、早々に地元トークで盛り上がる。また、野村さんと福田さんは、同じオーディションに参加しデビューした同期だそうで、そんな福田さんが当時の野村さんの印象について、「一番目について、一番鼻について、一番生意気だった」とまさかの暴露。さらに、2人が参加した当時のオーディション映像も公開。そして、柳沢加奈子のモノマネや長澤まさみの顔マネを披露した福田さんに対し、野村さんがオーディションで披露した意外な特技も公開!?この日は、「毒舌コメンテーター」として再ブレークをしている梅沢さん、元大蔵省出身のスーパーキャリアで現在は自由民主党所属の参議院議員の片山さんが登場する。今回のゲスト、野村さんが出演する映画『サクラダリセット』は、特殊な能力を持つ人々が半数を占める街“咲良田“を舞台に、「記憶保持」の能力を持つ高校生・浅井ケイ(野村さん)と、世界を最大3日分巻き戻す=「リセット」の能力を持つ春埼美空(黒島結菜)らが、「リセット」の影響を受けて死んでしまった同級生をよみがえらせるために、様々な能力を組み合わせた作戦に挑戦していく、時制が錯綜する緊迫のミステリーであると同時に、刹那のときめきと哀しみが胸打つ青春ラブストーリー。本作は、前後篇2部作で、前篇は3月25日(土)、後篇は5月13日(土)より全国にて公開される。「ダウンタウンなう」は毎週金曜日21時55分~フジテレビにて放送。(cinemacafe.net)■関連作品:サクラダリセット 前篇 2017年3月25日より全国にて公開(C) 2017映画「サクラダリセット」製作委員会
2017年03月09日「あなた、自分が優しいと思ってるでしょ?」――。天海祐希の言葉に、阿部寛がたじろぐ。映画を観ながら年配の夫から独身の若者まで、このセリフに思わずドキリとさせられる男性は多いはずだ。「ホント、それ!」と心の中で強くうなずく女性も…。若い層の間で、結婚が“コスパ”という基準で語られたり、年配の夫婦(というか妻?)から“卒婚”“熟年離婚”という言葉が聞かれる昨今。結婚とは何か? 夫婦とはどういうものなのか?映画『恋妻家宮本』(こいさいかみやもと)は笑いと共に問いかける。「家政婦のミタ」、「女王の教室」などの人気ドラマを手掛けてきた脚本家・遊川和彦が満を持しての初監督作品として送り出す本作。大学在学中に子どもを授かり、結婚した宮本陽平と美代子は、息子が27歳となり結婚を機に独立したことで、結婚して以来初めて2人きりの時間を持つことに。互いを名前で呼び合うルールを決めるなど、夫婦水入らずの時間を楽しもうとする2人だったがその矢先、夫は妻が本の間に隠していた捺印済みの離婚届を見つけてしまい…。映画の中の宮本夫婦はちょうど50代を迎えたところ。阿部さん演じる陽平は夫として、父親として、小学校の教師として、50歳にして様々な問題に直面し、妻や息子、生徒たちの思わぬ言葉やリアクションに戸惑う。阿部さんも彼らと同世代として劇中の登場人物たちの行動やセリフに自身を重ねる部分があったのでは?「日本人の家庭って、外国人と比べると言葉も少ないでしょうし、愛情表現も下手なんでしょうね。言葉にしないのが美学だったりもするので。でもやはり、言葉にしないとわかんないことってあるんですよ。特に彼らは、結婚と同時にすぐに子どもが生まれたので、結婚生活27年間で2人だけの時間がなかったので、やっと訪れた新婚生活みたいなものですから、戸惑いもある。お互いに長いし、いつも見てるからわかるよね? という気持ちでやってきた部分が多かったんでしょう。そのへんは、うちの家族であったり、親の世代もそうだったなと重なる部分はありましたね」。中でも阿部さんが「ズキンと突き刺さった」と言うのが、陽平が口にする「正しさよりも優しさ」と説くシーン。「優しさって、口でいうのは簡単だけど、どういうものなのか?どこかで僕自身、そういう気持ちが薄くなっているところがあったなと思います。僕自身や家庭もそうだし、社会にとっても、それこそ戦争とか国家の問題も含め、優しさって大事にしなくてはいけないキーワードだし、それがあれば多くのことが解決できるのにって思いました」。天海さんは、冒頭で紹介した自身のセリフを含め、陽平と美代子の間の「優しさのすれ違い」についてこう語る。「2人とも、優しくありたいと思ってるし、相手に対する優しさを持ち合ってもいるんだけど、ベクトルが反対だったり、気にするところが違ってる。違う2人だからこそ、一緒にいて素敵なのかもしれないけど、気づいてもらえない優しさが『悔しい』って思いが美代子にはあったんだろうと思います。『あなた、自分が優しいと思ってるでしょ?』ってセリフも、ザックリとハッキリと言っちゃうでしょ(笑)。結婚して最初のうちは、遠慮もあったんだと思います。でも、あまりに陽平が気づいてくれず、素通りされたんでしょうねぇ…(苦笑)」。27年前に2人が結婚を決めたのはファミレス(ちなみに重松清による本作の原作小説のタイトルは『ファミレス』。映画の中でもファミレスは度々、重要なシーンで登場する)。「子どもができた」と伝える20代前半の美代子(早見あかり)に、若き陽平(工藤阿須加)は責任と本音のはざまで葛藤しつつ、プロポーズする。天海さんは続ける。「このときから、美代子には『この人の本心が見えない』って気持ちがずっとあったんでしょうね。『子どもができた』『じゃあ結婚しよう』――本当にこの人は自分と一緒にいたい気持ちがあるんだろうか?」と。なかなか手厳しい…。陽平は、優柔不断を絵に描いたような男で、プロポーズの場面に限らず、ファミレスの注文ひとつでも、迷い、決断しては、その後も本当にそれでよかったのかと悩む。とはいえ、決断というのは常に純粋な夢や理想、希望が反映するものでもなく、案外、妥協や打算が入り混じったり、その時の勢いで決めてしまうものだったりするのも事実。それを後からふり返って「こっちに決めてよかった」と思うことも多い…。阿部さんは、自身について「決断は、早くなってきてるとは思いますね」と語る。「若いときは、スパッと決断して失敗したこともあったし、早ければいいかって一概には言えないし、じっくりと時間をかけて考え、迷うこともありますよ。決める基準?特にこれっていうルールがあるわけじゃないけど…経験値かな?」。一方、天海さんは「『決めなきゃ』と思いつつ、迷うことはありますよ」と明かしつつ「だけど…」と続ける。「立場上、私が迷うと周りももっと迷ってしまうから、たとえ迷いがあっても『こっち!』と言い切る強さがないといけない部分もあると思います。そういう根拠のない自信も時には必要です。結局、どちらを選んでも『失敗だった』と言わなきゃいいんだから(笑)。自分が『正解』って思えればいいし、失敗に思えたものが、長い目で見たときに成功になってたりもするんです。でも、誰かのせいにしたら、一生悔やむと思う。自分で決めて、最後には成功に持っていく(笑)! 」。そうした決断の積み重ねが、2人の“いま”を築いたと言える。本作を含め、“アラフィフ”と言われる年齢層の2人が次々と主演作を任されるということは、若さが極端に価値を持ち、持てはやされる日本社会において、かなりすごいことである。「自分が20代の頃、50代の俳優さんはとてつもなく年上に見えたし、ものすごい貫禄があった」と阿部さん。「40代を迎えた頃から『あの先輩は40代の頃、あんな風に見えたけど、自分はいま、若い人からそう見えているのか…?』とか考えるようになりましたね。もちろん、時代も状況も違うし、その中でいまもこうやって仕事をさせてもらえているわけですけど。いまだに模索し、迷いつつ、自分に恥じない仕事をやっていけたらと思います。あとは、どこかで若い頃から考えを曲げずにいたいって気持ちはありますね。それはとんがって見えるかもしれないけど、自分の中でいい意味で“意地”として持っていたいなと」。天海さんも「50代って、人として成熟した印象だったし、いざ自分がそこに近づいてみると『全然違うじゃん!』と思います」と苦笑を浮かべる。その一方で「成長しきれない自分と並走しながら人生を歩んでいく」ことを楽しんでいる。「いまの年齢って、人生でいましかないんですよ。だから、その年齢をきちんと楽しみたいし、その年齢の顔になっていたい。私は父に『年相応、分相応でいなさい』と言われ続けてきたんです。若いときに背伸びをする必要もない。大人になれば毎日、化粧をしないといけないんだから、10代の内からそんなことしなくていいし、50代になって、いい大人が無理に若作りする必要もないと。その年齢で、胸を張っていられる顔をしていたいですね」。では、最後にタイトルにも掲げた質問を。夫婦とは何なのか?血の繋がらない2人が生活を、人生を共にする結婚の意義とは…?「それ、(独身の)私には答えられないでしょ(笑)」と冗談めかし、「答えになっていないかもしれないけど…」と前置きしつつ、天海さんはこう語る。「私は自分が誰かと生活を共にするって向いてないと思います。17歳で家族と離れて、この年齢になって、生活空間に誰か他人がいるってのが無理なんですよね(苦笑)。でも、(結婚について)すごくうらやましいなって思うのは、いいことも悪いことも2人で受け止め、乗り越え、2人でしか見られない景色、2人で築き上げてきた景色がある。自分のことを自分と同じように知ってくれている人が近くにいるって、素敵なことだと思います。まあ、いまから残りの人生を誰かと重ねるのはしんどいなぁ…と思うし、若いときにしておけばよかったのかな?とも思うけど(笑)。まあ、私は仕事で疑似体験させてもらって、それで十分なので(笑)。もめごとに遭遇しつつ『ほら、独りがいいじゃん!』って思ったり(笑)。いや、でも、2人でいることの価値って、絶対にあると思います。あ、お前が言うなって(笑)?」。阿部さんは、天海さんの言葉に笑みを浮かべて静かにうなずく。「やはり、大変なことですよ。自分のペースだけで生きてはいけなくなるし、仕事もある中で調整が必要になることもあります。家族を持つってひとつの集団の中で生きていくことであり、おっしゃる通り、他人と生きていくことですから。それは時に自分を曲げることにもなるけど、だからこそ楽しいこともあるんだなって思います。と言いつつ、僕もまだそれほど(結婚して)長くないので、これからいろんなこと起きるんだろうと勉強中です。いまはそんな状態かな…(笑)?」。(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:恋妻家宮本 2017年1月28日より全国東宝系にて公開(C) 2017『恋妻家宮本』製作委員会
2017年02月01日2017年1月28日公開の映画『恋妻家宮本』の完成披露舞台あいさつが14日、都内で行われ、阿部寛、天海祐希、菅野美穂、相武紗季、富司純子、遊川和彦監督が出席した。2011年日本テレビ系放送の『家政婦のミタ』をはじめ数々のヒットドラマの脚本を手掛けている遊川和彦の映画監督デビュー作となる本作。人気作家・重松清の長編小説『ファミレス』を遊川流の大胆な配色を加え、妻・美代子(天海祐希)に恋をする"恋妻家"・宮本陽平(阿部寛)の姿をコミカルに描く。遊川監督とは初タッグとなる主演の阿部は「脚本家の遊川さんは前々から色んな噂を聞いていました(笑)」と笑わせつつ、「いつか僕も遊川さんからお声が掛からないかと思っていたら、初めて監督される作品に出られるということですごくうれしかったです。初監督ということでカメラマンと殴り合うのかなと期待していましたが、そんなこともなくて、役者さん一人ひとりに演技をつけていて、初監督なのにすごいと思いましたね。僕も監督を信じて新しい演技を見つけたいと思いながら演じました」と振り返った。また、初めての夫婦役となった天海について「目を見ているだけで引き込まれたし、後半に行くに連れて心が洗われる感じでした。本当に幸せでしたね」と語ると、天海も「楽しかったです。大きくて良いな~と思って(笑)。目の前にハンサムの顔があるのはいい経験でした」と自分よりも高身長の阿部に感謝しきりの様子だった。"恋妻家"である陽平が、妻・美代子の隠していた離婚届を見つけてあたふたするところからスタートする物語にちなみ、「同じように妻が隠していた離婚届を見つけたらどうする?」という質問に阿部が「すごいショックだけど案外すぐ聞いちゃうと思います。時間を置くと厄介になるので」と答え、遊川監督は「僕は映画のように黙ってようかと。最悪の自分は自分で書いてそのまま戻すかもしれないですね」と回答。2人の回答に菅野と相武が阿部、富司が遊川監督の回答を支持するも、1人だけ独身の天海は「私に聞きます? ここで1人だけ(結婚)してないんですよ!」と設問者のMCを睨み返して「何の意見もございません!」と突っ返していた。映画『恋妻家宮本』は、2017年1月28日より全国公開。
2016年12月15日北野武監督18作目となる最新作・映画『アウトレイジ 最終章』が、2017年10月7日(土)に公開される。全員悪人、『アウトレイジ』シリーズついに完結北野 武監督が初めて手掛けたシリーズプロジェクトで、裏社会の男たちの抗争を描いたバイオレンス・エンターテインメント『アウトレイジ』。2010年に『アウトレイジ』、2012年に『アウトレイジ ビヨンド』が公開され、シリーズ累計興収22億円超を記録している人気シリーズが、前作から5年の月日を経てついに最終章を迎える。最終章で描かれるのは、『アウトレイジ ビヨンド』の“その後”前作に引き続き、「大友組」元組長・大友役にビートたけし、関西最大の組織「花菱会」幹部・西野役に西田敏行、同・中田役に塩見三省、関東の組織「山王会」白山役に名高達男、五味役に光石 研、組織を追う警察・平山役に中村育二、同・繁田役に松重 豊、韓国大物フィクサーの側近・李役に白竜らが続投。物語は、前作『アウトレイジ ビヨンド』の“その後”が描かれるという。また、初参戦となる俳優陣も豪華メンバーが揃う。大友を慕う韓国・済州島グループの市川役に大森南朋、花菱会の花田役にピエール瀧、同・若頭補佐・森島役に岸部一徳、花菱会の新会長・野村役に大杉漣、花田の手下・丸山役に原田泰造、そして関東の組織「山王会」木村組・吉岡役に池内博之らが加わる。北野はシリーズ完結編となる本作について「シリーズ3作目で色んな事を盛りだくさんにやっているけど、やっぱり俺の映画になっちゃうよな」と語っている。場面写真を公開『アウトレイジ』シリーズを華々しく盛り上げてきたおなじみのキャラクターや、本作から参戦するインパクト満載の登場人物らを映し出した7点の場面写真を公開。日本へと戻ってきた大友と、大友を慕う市川が拳銃とマシンガンを手に何者かを睨みつけ、決着の時を思わせるシーンなど、映画の展開が気になってしまう写真が満載だ。ベネチアでも最終章を飾る本作は、8月30日(水)よりイタリアで開催される第74回ベネチア国際映画祭のクロージング作品に決定。世界最速で上映されるワールドプレミアとして、開催最終日である9月9日(土)の授賞式後に映画祭の締めくくりとして上映される。北野武監督はこれまでに第54回ベネチア国際映画祭にて『HANA-BI』が最高賞である金獅子賞、第60回ベネチア国際映画祭にて『座頭市』が監督賞にあたる銀獅子賞を受賞している。また、『アウトレイジ」は3部作全てが世界三大映画祭にて上映されることとなる。いまからでも間に合う!シリーズを振り返る3分の特別動画「アウトレイジ」シリーズを、わずか3分でおさらいできる特別映像が公開された。動画内には、「バカヤロー」「コノヤロー」といった怒号の応酬、「貧乏くじばっかりだよ」「野球やろうか?」など名セリフを生んだ数々の名シーン、そしてこれまでの一大抗争を揺るがしてきた名キャラクターなどが収められた。“全員悪人”を合言葉に、裏社会の男たちの仁義なき抗争を描いた同シリーズをダイジェストでおさらいできる内容だ。北野監督作品13作のBlu-rayを販売また、北野監督作品13作のBlu-ray化される。既にBlu-ray販売中の4作品を加えると、北野作品13作が全てBlu-ray化されることとなる。発売日は映画よりほんの少し先駆ける2017年9月27日(水)。北野作品の予習をして、アウトレイジの最終章に備えてみては。ストーリー《関東【山王会】 vs関西【花菱会】》の巨大抗争後、大友は韓国に渡り、日韓を牛耳るフィクサー張会長の下にいた。そこに、韓国出張中の【花菱会】花田がトラブルを起こし、張会長の手下を殺してしまう。これをきっかけに、《韓国【フィクサー】 vs関西【花菱会】》一触即発の様相を呈する中、【花菱会】では内紛が勃発。そんな中、大友が日本に戻ってくる――。【作品情報】映画『アウトレイジ 最終章』公開時期:2017年10月7日(土)監督・脚本・編集:北野 武出演:ビートたけし、西田敏行、大森南朋、ピエール瀧、松重 豊、大杉 漣、塩見三省、白竜、名高達男、光石 研、原田泰造、池内博之、津田寛治、金田時男、中村育二、岸部一徳配給:ワーナー・ブラザース映画/オフィス北野©2017『アウトレイジ 最終章』製作委員会 outrage-movie.jp【DVD詳細】発売日:2017年9月27日(水)価格:3,800円+税作品ラインナップ:その男、凶暴につき/3-4X10月/あの夏、いちばん静かな海。/ソナチネ/みんな~やってるか!/HANA-BI/菊次郎の夏/BROTHER/Dolls/座頭市/TAKESHIS’/監督・ばんざい!/アキレスと亀
2016年12月05日"ホリエモン"こと実業家の堀江貴文氏が27日、ツイッターを更新。9月ぶりにテレビ復帰を果たした作家の乙武洋匡氏について「アレがなかったらいまは乙武都知事だったかもしれない」とコメントした。今年3月に『週刊新潮』で不倫を報じられ、9月に離婚した乙武氏は、同日、フジテレビ系トーク番組『ワイドナショー』(毎週日曜10:00~11:15)に出演。松本人志、東野幸治らが自宅を訪問し、騒動後の生活や心境を語った。堀江氏は、乙武氏のテレビ復帰について書かれた記事を紹介しながら、「いやー、タイミングが微妙でしたねー。アレがなかったらいまは乙武都知事だったかもしれない」とツイート。乙武氏はこの日、約8カ月ぶりにツイッターも再開し、堀江氏のコメントに「堀江さん、とんでもないですでも、身に余るお言葉をありがとうございます!」と感謝した。また、脳科学者の茂木健一郎氏もツイッターで「乙武さん、いろいろありましたが、お帰りなさい。乙武さんの声が聞けてうれしいという人もたくさんいると思います。私もその一人です。乙武さんに、一輪のスミレの花を」と激励。乙武氏は「茂木先生、ありがとうございます!」と返している。
2016年11月28日俳優の阿部寛が11月26日、都内で行われた主演作『疾風ロンド』の初日舞台あいさつに登壇した。原作は国民的ベストセラー作家・東野圭吾による100万部突破の同名小説。東野原作の『新参者』シリーズでも主演を務めている阿部は、「東野さんらしいサスペンスと思いきや、コミカルな部分もあるので、ぜひ用心してほしい」と笑いの要素を含んだ本作をアピールした。『疾風ロンド』舞台あいさつ その他の写真超巨大スキーリゾート地を舞台に、雪に埋められた超危険生物兵器の行方を探す使命を背負わされてしまった“何だかちょっと頼りなく、とにかくツイテない”主人公(阿部)の奮闘を描いたコメディタッチのサスペンス。舞台あいさつには阿部をはじめ、共演する大倉忠義、大島優子、ムロツヨシ、濱田龍臣、志尊淳、吉田照幸監督が顔をそろえた。スキーやスノボ、スノーモービルを多用したアクションも作品の見どころ。スキー場のパトロール隊員を演じる大倉は、「スノーモービル、気持ち良かったです」と振り返り、スノーボードクロス選手役の大島は「見たことない、体感型の映像が見られます。できれば4Dで見たいくらい」と映像の迫力を推していた。「もし一緒に映画を見るなら、誰がいい?」と質問に、阿部は「吉田監督と一緒がいいですね。『このシーンはどういうことですか?』と聞きながら、解説してもらいたい」。共演陣は「志尊くんですね。ふたり並んで映画館の座席にいたら、ザワつきそうじゃないですか?」(大倉)、「阿部さんがご自分の作品を見て、どんなリアクションをするのか見てみたい」(大島)、「いつもは優子と一緒に見てるけど(笑)、この作品は大倉くんかな」(ムロ)、「監督と一緒に見て、いろいろアドバイスをいただきたい」(濱田)、「ムロさんと一緒だと、ツッコミを入れてくれそうで楽しそう」(志尊)と思い思いの回答で、会場を沸かせていた。『疾風ロンド』公開中取材・文・写真:内田 涼
2016年11月26日さまざまなキャラクターを自在に演じ切り、数々の映画賞に輝く阿部寛さん。男らしい佇まいや深みのあるオーラには年々磨きがかかっていくよう。お芝居に対する最近のスタンスや、現場でのあり方、そして目指すところについて直撃しました!今や日本映画界に欠かせない存在である阿部寛さん。重厚な人間ドラマで観客の脳裏に複雑な思いを抱かせてくれたかと思えば、コミカル演技で爆笑させてくれたり、エキセントリックな山男役で異彩を放ったり。どんなキャラクターも自由自在に演じてみせる阿部さんが新作『疾風ロンド』で演じるのは、上司の命令で危険な生物兵器を捜し回る羽目になる研究員・栗林和幸だ。雪深い山林で右往左往し、ジタバタとあがく前半は、かなり残念な感じが漂う男である。「栗林という男は、自分は会社組織の一部だと思い込み、きっとオタク的に研究に打ち込んできたんでしょうね。そして妻亡き今、思春期の息子にどう接していいかわからなくて、父親としても自信を失っているわけです」かなり厳しい分析だが、演じることに決めた以上は、阿部さんも栗林になんらかの魅力を感じたに違いない。それは何なのか?「基本、ダメな男ですよ(笑)。上司の命令に従って、危険な生物兵器を隠蔽しようとするわけだから。ただ、彼が隠そうとしている弱さを通して垣間見える人間くささが魅力かもしれない。演じるときに栗林の弱さが面白いと思いました。ダメな部分が露呈してもしたたかさで乗り切れる女性と違って、男性はボロを出し切っちゃうから」ダメさとは無縁に思える阿部さんだが、クイズ形式になっているバラエティ番組で司会者に突っ込まれてグダグダになったことがあるそう。クールな阿部さんが見せた意外な隙に視聴者はグッときたはず。ところで、本作出演の最大の理由が、「『サラリーマンNEO』の大ファンで、吉田(照幸)監督と組むのを切望していたから」というのにもちょっと驚く。「NEOを作る人ですからね、いい意味でクレイジーです(笑)。鬼才の吉田監督が東野圭吾さんのベストセラー小説をどう撮るかにすごく興味があった。出演作品を選ぶ理由はその時どきによって違います。監督の情熱に打たれて決めるときもあるし、同じ傾向の作品が続くのを避けたいと思うときもあるし。次は脚本で選ぼうかな」本作には、雪山での栗林の捜し物を手伝うスキー場パトロール隊員役とスノーボードクロス選手役で、大倉忠義さんと大島優子さんが出演。若手役者との共演も阿部さんには新鮮な体験なのだそう。「芝居はどんどん変わるものだし、若い役者にはその世代の芝居がある。大倉君や大島さんはアイドルの世界で一線を走ってきた人たちで、僕とは違う経験をしている。当然ながら、感性も違うわけで、刺激も受けます」若い役者さんと共演する際に、何か心がけていることはあるのだろうか。「若手と組むときは特に、演技プランがかなり違っていることを予想して撮影に臨みます。相手に合わせて柔軟に演技を変えるには、演技を固めていかないほうがいいと思うんです。自身の演技プランに固執して現場でゆずろうとしない役者もいるけど、芝居は相手あってのものだから、全てを自分に合わせろというのはリスペクトがなさすぎると思うんですよね」数々の映画賞に輝き、実力はお墨付きの阿部さんでも、「現場ではみんな対等。同じです」ときっぱり。映画やドラマの制作に関わる人全員が等しく努力するのが当たり前、という考え方なのだ。撮影中はさまざまなアイデアを自ら監督に提案することがあるそう。「役者と作品に対していちばん近いところにいて、ジャッジしてくれるのが監督です。だから下手に遠慮されると、ものを作る上ではプラスにならない。でも僕らの年代になると監督や周りの人から意見してもらえなくなるんですよ。だから、いろいろなことを言ってもらえる状況を自分で作ったほうがいいと思うんです。現場ではいつも自分から『どうですか?』って相談するようにしています」称賛や評価に驕ることなく、いい作品を作り続けたいという阿部さんの情熱が言葉の端々から伝わる。ぶれのない阿部さんの姿勢はやはり、実力のある先輩俳優の背中を見てきた証だろう。「若い頃に素晴らしい俳優だと感銘を受けたのは、大滝秀治さんです。あんなに演技に情熱を傾けて作品を作る俳優さんがいるのか、と感動しました。今はやはり勢いのある役者に目が行きますね。でもその人が勢いを失ったら、別の勢いのある役者に目移りします。とはいえ、佐藤浩市さんと中井貴一さんはずっと気になっている役者さんです。説得力のある、素晴らしい演技を見せてもらうと素直に感動するし、すごく気になる。僕にとっては必要な二人です」阿部さんが気になるお二人はanan“大人の男”特集の常連だ。阿部さんが考えるかっこいい大人の男の定義が気になる。「ポリシーを持つことは大切です。仕事でもいいし、生き方でもいいし、きちっとしたこだわりや情熱を持って生きる人ってすごくかっこいいと思います。年を取ると、一種のあきらめが生まれがちじゃないですか?一線から自ら退いてしまったり、手を抜いてしまったり。そうなったときに踏みとどまって、背筋を伸ばして立ってる男って素敵です。先日、仲代達矢さんが20ページ分くらいの長ゼリフを2回もこなされるのを目の当たりにして、感動しました。記憶力がピークの若い役者でも覚えるのが大変な量ですよ。無名塾の代表である仲代さんの、役者として一歩も引かないぞという気概が伝わってきました」そう話す阿部さん自身が役者として心がけていることは?「見てくれる人が楽しんでくれる、感動してくれる作品を作ることですね。もの作りに純粋に向き合える人間でありたいです。そうなると妥協しなきゃいけないことを妥協しない、という大人げないこともあります。でも自分たちが作るものに対する愛情があるから妙に物わかりよくはなりたくないんです。すごく疲れることですが、いいものを作ることへの努力を今後とも惜しまないで続けたい。それが僕のこだわりです」◇あべ・ひろし1964年生まれ。二枚目半を演じたドラマ『TRICK』でブレイクし、ローマ人になりきった映画『テルマエ・ロマエ』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。最新作『疾風ロンド』は11/26から全国公開。◇コート¥450,000ニット¥220,000パンツ¥185,000シューズ¥150,000(以上ボッテガ・ヴェネタ/ボッテガ・ヴェネタ ジャパンTEL:0120・60・1966)※『anan』2016年11月16日号より。写真・みなもと(さんずいに首)忠之スタイリスト・土屋詩童ヘア&メイク・AZUMAインタビュー、文・山縣みどり
2016年11月10日タレントの野々村真(52)が、30日に放送されたTOKYO MXの情報番組『バラいろダンディ』(毎週月~金21:00~21:55)で、高畑裕太容疑者(22)の母で女優・高畑淳子(61)の謝罪会見について、持論を述べた。23日に強姦致傷の疑いで裕太容疑者(22)が逮捕されたことを受け、母・淳子は26日、都内で会見を開いて涙ながらに謝罪。被害女性と関係各所に向けて詫びの気持ちを語り、「こんなことは不謹慎で言ってはいけないんでしょうけども」と前置きしながら、裕太容疑者との面会時に「私はどんなことがあってもお母さんだから」と伝えたことを明かした。野々村は1男1女の父で、長女は女優やモデルとして活動している香音(15)。2世タレントの不祥事により親が振り回されるケースは過去に何度も起きていて、番組内でそのことが取り上げられると、「それぞれの教育の仕方は家庭によって違いますが」と気を使いながら、淳子の会見は母親としての優しさが出てしまったのではと分析した。さらに、「僕は息子がいますけど、やっぱりどうしても」と言いつつ、拳をつくって殴るような仕草を見せた。司会の長谷川豊アナウンサーから、息子が不祥事を起こした場合に会見を開くのかを聞かれると「します。しなきゃいけない」と即答。「ただ、高畑(淳子)さんのような会見にはならないと思います。やっぱり、男親は厳しく突き放す」と真剣な表情で語っていた。
2016年08月31日野村周平と賀来賢人の初タッグ&W主演で贈る、ひと夏の自動車教習所を舞台にした『森山中教習所』。このたび、本作から野村さん、賀来さん、そして麻生久美子が無邪気に水風船で遊ぶ、夏休みらしい本編映像が解禁。本番中にまさかのアクシデントが発生するも、そのまま映画に採用されていたことが分かった。夏休み。マイペースでテキトーな大学生・清高(野村さん)と、ポーカーフェイスでクールなヤクザの組員・轟木(賀来さん)は高校の同級生。ある日とんでもない再会をし、一風変わった教習所に通うことに。境遇も性格も全く違う2人が、どこまでもユル~い「森山中教習所」でひと夏を過ごす。清高は教官・サキ(麻生さん)に恋心を抱き始め、楽しくて甘酸っぱい夏休みが平穏にすぎていくと思っていたが…!?子どものようにフリーダムな清高と、高校を中退しヤクザの道へ足を踏み入れた轟木という、正反対の同級生2人が織りなす、たった一度きりの短い夏休みを描く本作。今回到着したのは、水風船で無邪気に遊ぶ野村さんと賀来さん、麻生さんの3人が登場する、夏らしい爽やかな本編映像だ。賀来さん演じる轟木がコンビニのクジで当てたという水風船を発見し、ワクワクしながら水を入れ始める、野村さん演じる清高。麻生さん演じるサキとテンポよくキャッチを繰り広げるが、驫木はその様子をクールに見つめている。しかし!途中でアクシデントが発生。野村さんがパスした水風船を賀来さんがキャッチすると、水風船が破裂し、賀来さんがすっかりびしょ濡れに。リハーサルでは落としてもなかなか割れなかった水風船だっただけに、まさかの事態にキャスト・スタッフも一瞬騒然。先輩である賀来さんに水風船をぶつけてしまった野村さんは驚きと焦りの表情が前面に現れ、麻生さんは「キャー」と驚きの声をあげながらも笑ってしまい、思わず2人とも素の顔に。一方、予想外のアクシデントに襲われた賀来さんは、びしょ濡れになりながらも微動だにせず、クールな轟木役を貫き通すという役者魂を見せた。そんなアクシデントも、そのまま本編に採用されているので要チェック。また、“ワケあり”の自動車教習所が舞台だけあって、3人の後ろで砂煙をあげながら暴走している車も見逃せない。この「森山中教習所」のロケ地は、栃木県の那須烏山にある旧須賀川小学校跡。現場を訪れた原作者の真造圭伍氏も「ここを見て(漫画を)描いた気がする」というほど、原作の趣にぴったりのロケーションだったという。撮影は2015年9月下旬より約16日間というハードスケジュールで行われたが、キャスト・スタッフ一同笑いの絶えない現場は本作の空気感そのものだったようだ。『森山中教習所』 は新宿バルト9ほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年07月18日野村周平と賀来賢人が初共演にしてW主演を果たす映画『森山中教習所』。このほど、野村さんの体育着姿と賀来さんのクールな学生服姿がまぶしい、高校生時代の場面写真がシネマカフェに到着した。野村さん演じるマイペースでノーテンキな大学生・清高と、賀来さん演じるポーカーフェイスのヤクザ・轟木。高校時代の同級生だった2人が、とんでもない再会を果たしたことから、一風変わった非公認の自動車教習所「森山中教習所」に通うことになる、ひと夏の物語を描いた本作。境遇も性格も全く違う2人が、へんてこな教習所で過ごす夏。清高は教官・サキ(麻生久美子)に恋心を抱き始め、楽しくて甘酸っぱい夏休みが平穏にすぎていくと思われたが…。このたび本作から到着したのは、2人の高校時代の回想シーン。体育着姿の清高と、学生服を着たままの轟木が、誰も居ない昼下がりの教室で出会い、クラスメイトながら初めて言葉を交わす場面となっている。数年前の設定とはいえ、高校生の2人の姿はとても初々しい。轟木が読んでいた小説に目をつけた清高が、「何読んでるの?」と話しかけたのが、2人の友情(?)の始まり。轟木が読んでいたのは、“ジンジャー山口”という謎の作家が書いた「熱海の女」という官能小説だった!興味深そうに手にとる清高に対して、なぜか外の様子を気にしている轟木の目線が気になるところだが、実はこの日、轟木は退学届けを高校に提出し、ヤクザの仲間入りをするため、迎えの車を待っている最中だったのだ。そんなこととはつゆ知らず、官能小説「熱海の女」を読みふける清高を見て、読みかけの本をついあげてしまった轟木。2人の最初で最後の会話はそれで終わり、2人の再会は数年後、思いがけない形で訪れる。さて、この“ジンジャー山口”の「熱海の女」は、大学生になった清高と、ヤクザになった轟木にどのように関わってくるのか、本編を乞うご期待!『森山中教習所』 は7月9日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年07月08日野村周平と賀来賢人が初タッグ、W主演を果たす『森山中教習所』の完成披露試写会が6月8日(水)、都内で行われた。同級生を演じた2人は「僕は甘えん坊なんで」(野村さん)、「僕にとっては可愛い弟」(賀来さん)と壇上で仲良しアピールし、会場を沸かせた。高校の同級生で、マイペースでテキトーな大学生・清高(野村さん)と、ポーカーフェイスでクールなヤクザの組員・轟木(賀来さん)が、教習所で再会し、甘酸っぱい夏休みを一緒に過ごす青春映画。完成披露試写会には野村さん&賀来さんに加えて、共演する教官役の麻生久美子、ヤクザを演じる光石研、原作者の真造圭伍、豊島圭介監督が出席した。豊島監督は、野村さんについて「すごくなんかバカみたいな人(笑)。台本を読んで、『これ、おれですよ』って。清高とグルーブが合っていて、野村周平としてイキイキ演じてくれた」。現場でも2人は仲が良かったそうで「僕たち、友だちですよ」(野村さん)、「僕が年上なのに、圭ちゃんって呼んでくる」(豊島監督)とこちらも負けじと仲良しアピール。豊島監督と賀来さんは2度目のタッグで「今回は賀来くんの陰りの部分を捉えたかった」と語った。また、紅一点である麻生さんに話題が及ぶと、豊島監督は「今回ご一緒して、だからみんな惚れるんだと分かった気がします。いつもこんな風に周りを手玉に取るんですか?」とデレデレ。主演コンビも「本当、麻生さんはヤバイ!」(野村さん)、「僕らのレベルに自分を落として、一緒に遊んでくださった」(賀来さん)と麻生さんにゾッコンだった。当の麻生さんは「2人とも性格がとても良くて、現場をいい雰囲気にしてくれた。野村くんはとっても可愛くて、こういう息子が欲しい」とこれ以上ないコメントで、野村さん&賀来さんの“男子ごころ”をくすぐっていた。『森山中教習所』は7月9日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年06月08日第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品されている是枝裕和監督の『海よりもまだ深く』が5月21日(土)に全国で封切られ、東京・新宿ピカデリーで阿部寛、真木よう子、樹木希林による初日舞台挨拶が行われた。是枝監督と阿部さんらキャスト陣は5月16日(現地時間)にカンヌ入りし、海外プレスの取材を受けるなど、多忙な時間を過ごしつつ18日の公式上映に立ちあった。是枝監督を残して、3人は帰国したばかりで、阿部さんは「たった3日間の滞在だったが、夢のような体験だった」「お客さんと一緒に映画を観るのも貴重な機会ですし、スタンディング・オベーションも本当にうれしかった。一生忘れない光景でした」と初のカンヌ参戦に感激しきりだった。是枝監督の『そして父になる』以来、2度目のカンヌとなった真木さんは、「前回が連日雨でしたが、今回は晴天続きで、歴史ある街並みを歩くことができた」と現地を満喫した様子。「予想をはるかに超える反応をいただき、うれしかったです」と現地のリアクションに手応えを示した。「ばあさんが行くところじゃないですね。もうヨレヨレ」と少々お疲れ気味の樹木さんは、「カンヌはお客さんが厳しいから、普通にブーイングとか起こるでしょ。もしそうなったらと、逃げる用意もしていた」。同行した阿部さんについて、「背が高くてカッコいいから、カンヌの街にぴったり!」とほれぼれしていた。売れない作家の良多(阿部さん)、愛想を尽かし離婚した妻の響子(真木さん)と息子、そして団地で気楽なひとり暮らしを送る良多の母・淑子(樹木さん)。ある日偶然、淑子の部屋に集まった“元家族”は台風が去るのを待つため、一夜をともに過ごすことに…。暖かくもほろ苦い家族の人間模様を描いた本作は、是枝監督が9歳から28歳までを暮らした東京都清瀬市の旭が丘団地で撮影された。『海よりもまだ深く』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年05月21日第69回カンヌ国際映画祭『ある視点』部門に出品されている是枝裕和監督の『海よりもまだ深く』の初日舞台あいさつが5月21日に、東京・新宿ピカデリーで行われ、阿部寛、真木よう子、樹木希林が登壇した。舞台あいさつ/その他の写真小説家を目指すも一向に開花しないバツイチ中年男と、そんな息子を深い愛で包み込む母の姿を感動的に描く本作。阿部ら登壇者3名に加えて、是枝監督がカンヌでの公式上映(現地時間18日)に立ちあったばかりだ。初カンヌから帰国した阿部は、「3日間の滞在でしたが、夢のような体験でした。一生忘れない」と感無量の面持ちで、上映後約7分間に及んだというスタンディング・オベーションを「本当にうれしかった。現地でもいい評判をいただいている」と振り返った。真木のカンヌ入りは、是枝監督の『そして父になる』以来2度目となり、「前回は連日の雨で、観光ができなかった。今回、晴天に恵まれて歴史ある街並みを見ることができて、うれしかった」とニッコリ。「予想をはるかに超える反応だった」とこちらも現地での高評価に喜びを示していた。一方、樹木は「ばあさんが行くところじゃない。もうヨレヨレ」と“希林節”で会場を沸かせ、「カンヌは評論家もお客さんも厳しいから、(ブーイングが起こったら)逃げる用意はしていた」。それだけに暖かな反応に安どした様子で、「やっぱり、カンヌでの是枝監督の評価がすごい」と尊敬の念。阿部も「向こうで一番人気があったのが是枝監督。改めてすごいなと思った」とうなずいていた。『海よりもまだ深く』公開中取材・文・写真:内田 涼
2016年05月21日