三浦しをんの直木賞受賞作を、瑛太、松田龍平をキャストに迎えて映画化した『まほろ駅前多田便利軒』。本作の舞台となっている“まほろ市”のモデルであり、実際に映画のロケも行われた東京都・町田市に、映画の公開を記念して“まほろ横丁”と名付けられた商店街が期間限定で出現することになった。まほろ市で便利屋を営む多田(瑛太さん)と、ひょんなことから彼の元に転がり込んできた同級生の行天(松田さん)。バツイチで、それぞれに傷を抱える男2人が、犬の世話から子供の塾の送迎に至るまで様々な依頼を通じ、人々と触れ合う中で自らの人生や過去と向き合っていく様子を描く。まほろ市については原作小説でも、東京から出っ張るように存在し、神奈川とよく間違えられる、天気予報がよく外れる、街から出て行く者が少なく、たとえ出て行ったとしてもまた戻ってくる者が多い…といった描写がなされているが、これはまさに町田市そのもの!原作者の三浦さんは町田市に住んでいたことがあり、町田に住む人なら思わずクスリとさせられるような街の特徴が、巧みに描かれている。映画化に際しては、町田市が全面的に協力。土井智生プロデューサーは「小説の成り立ちからしても、町田市の全面協力がなければ成立しなかっただろう」と語り、市民ならひと目でわかるスポットから、住宅街まで、各シーンで町田の街並みが描かれている。今回、「小田急町田駅北口エリアを何とか活性化させたい」との思いから、映画公開を記念して、お店、学校などが互いに声をかけ合い、このエリア一帯を記したMAPを制作!“まほろ横町”と名付けて各店舗の情報などを紹介している。制作に携わった高原書店の高原陽子さんは「小説の登場人物のように、楽しく個性豊かなお店が集まっています。“まほろ横丁”とは、しをんさんの作品のようにユーモア溢れ、人間味のある、誰もが幸せになれる、そんな街(横丁)にしたいと名づけました」と話している。地図には、映画で多田と行天、さらに、まほろの裏組織の若き“顔役”である星(高良健吾)、娼婦のルル(片岡礼子)&ハイシー(鈴木杏)など個性的な面々が出没した場所も記されおり、もちろん“多田便利軒”の場所も!原作者の三浦さんは、“まほろ横町”出現について「小田急町田駅の北口にもすごくいい商店街があると思います。私自身お世話になった愛着のある通りで、まほろ横丁と名づけて頂くことを光栄に思います」とのコメントが寄せられた。なお、MAPには、掲載加盟店の各店で使用可能なサービスチケット「まほろ券」も付いている。同MAPは現在、町田市立中央図書館、町田市民文学館ことばらんどのほか、MAPに掲載されている12店舗で配布されるほか、映画公式サイトからもダウンロード可能。また、町田市民文学館ことばらんどでは、4月16日(土)より「THE MAKING OF まほろ駅前多田便利軒」展が開催される。原作小説と、それを基にしたコミック(白泉社刊)、そして今回の映画と3部構成で原稿、原画約90点、台本や衣裳などが展示される。映画を観て、MAPを片手に“まほろ横丁”を訪れてみては?『まほろ駅前多田便利軒』は4月23日(土)より新宿ピカデリー、有楽町スバル座、渋谷ユーロスペースほか全国にて公開。■関連作品:まほろ駅前多田便利軒 2011年4月23日より新宿ピカデリー、有楽町スバル座、渋谷ユーロスペースほか全国にて公開© 2011「まほろ駅前多田便利軒」製作委員会■関連記事:キャスト登壇予定『まほろ駅前多田便利軒』完成披露試写会に10組20名様ご招待バツイチで三十路の瑛太&松田龍平!『まほろ駅前多田便利軒』画像が解禁
2011年04月01日モデルで女優の杏が1月17日(月)、ゴールデン・グローブ賞を日本で盛り上げる「AXNゴールデン・グローブ・アンバサダー」の任命式に出席した。アンバサダー就任に杏さんは「歴史と名誉ある賞に関わることができるのは、とても光栄」と感激。同日行われた授賞式の生中継に感化されたのか、「ハングリーになって、海外デビューの機会をつかみたい」と抱負を語った。目指すは、父・渡辺謙が活躍するハリウッド!?杏さんは「セレブリティや映画の情報を学びながら、たくさんの人に伝えていきたい」とアンバサダー就任に早くもやる気満々。「壇上の(受賞者の)スピーチも感動したし、テーブルで談笑するスターの“オフショット”も見ることができた。アットホームな雰囲気で、自分も参加しているような中継だった」とご機嫌だった。今年のゴールデン・グローブ賞は下馬評通り、Facebook誕生秘話を描いた『ソーシャル・ネットワーク』が作品賞(ドラマ部門)、監督賞、脚本賞、作曲賞の最多4冠を達成。杏さんがお気に入りだというクリスティーナ・アギレラ主演の『バーレスク』は主題歌賞を受賞した。残念ながら、渡辺さんがレオナルド・ディカプリオと共演した『インセプション』は無冠に終わったが、杏さんは「賞をいただければ嬉しいことですが、それを抜きにしても式は楽しかったです」とコメント。この日は有名ブランド「ESCADA」の春夏の新作ドレスに身を包み、華やかに登場。頭上にはなんと7,000万円する黄金のティアラ(GINZA TANAKA)が輝き、本場ハリウッドに引けを取らないゴージャスな雰囲気を漂わせた。第68回ゴールデン・グローブ賞授賞式は1月22日(土)よりAXNにて放送。ANX公式サイト:■関連作品:第68回ゴールデン・グローブ賞 [アワード]インセプション 2010年7月23日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010 Warner Bros. Ent. All Rights Reservedバーレスク 2010年12月18日より丸の内ルーブルほか全国にて公開ソーシャル・ネットワーク 2011年1月15日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010 Sony Pictures Digital Inc. All Rights Reserved.■関連記事:「glee」がGG賞2年連続作品賞で3冠!アル・パチーノ、S・ブシェミらも受賞『ソーシャル・ネットワーク』ゴールデン・グローブ賞4冠N・ポートマン主演女優賞【ハリウッドより愛をこめて】オスカー有力候補は?ハリウッドはベビーラッシュ!“オヤジ代表”泉谷しげる、若者に過激なエール!「灰皿で殴っちゃダメ」マリオン・コティヤール、第一子の妊娠を発表
2011年01月17日今年で61回目を迎えるベルリン国際映画祭のパノラマ部門に日本映画から『白夜行』が出品されることが決定した。原作は直木賞作家・東野圭吾による、累計200万部を超える同名ミステリー。被疑者死亡によって、決定的な証拠がないままに一応の解決を見た殺人事件から十数年。成長した被疑者の娘と被害者の息子の周辺で続発する不可解な事件と、その裏に隠された壮絶な秘密が描き出される。堀北真希がこれまでにない“悪女”を、人気沸騰中の高良健吾が深い“闇”を抱えた青年を演じるとあって、製作決定当初から話題を集めてきた本作が世界の舞台で観客の目に触れることに。カンヌ、ヴェネチアと並ぶ世界三大映画祭のひとつに数えられるベルリン国際映画祭。昨年は寺島しのぶが『CATERPILLARキャタピラー』での演技で最優秀主演女優賞を獲得し、大きな話題を呼んだ。今回、『白夜行』が出品されるパノラマ部門はコンペティション部門ではないが、今後の活躍が期待される監督の作品が多く上映されるなど、質の高い作品が集まることでも知られる。日本からは昨年、『パレード』が同部門に出品されて国際批評家連盟賞を受賞している。いまだ全ての出品作が出揃ってはいないが、同部門には2,500もの作品の中から約50本が選ばれる予定。深川栄洋監督は今回の出品決定について「ベルリンからの手紙を見せていただき、自分でも不思議に思うほど心が躍りました。喜んでくれる仲間の顔が浮かんで目頭が熱くなりました。映画祭と、この映画を一緒に戦って作った仲間たちに感謝します」と喜びのコメントを発表。堀北さんも「このたび『白夜行』がベルリン映画祭に選出されたこと、大変感激しています!この作品はいままでで一番こだわりを持って挑んだ作品でした。世界の方々にもこの『白夜行』に込めた私たちの思いを受けとってもらえたら嬉しいです」とのコメントを寄せてくれた。ベルリン国際映画祭は2月10日(現地時間)より開催。『白夜行』は1月29日(土)より全国にて公開。■関連作品:白夜行 2011年1月29日より全国にて公開© 2011 映画「白夜行」製作委員会■関連記事:堀北真希&高良健吾、観客だます“共犯者”に…『白夜行』新春ヒット祈願2011年ブレイク期待の俳優・女優No.1は高良健吾&桜庭ななみ!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第9回) 来年ブレイクしそうな俳優は?高良健吾、今度は鈴木杏とW主演!中上健次の最後の長編『軽蔑』が映画化【TIFFレポート】堀北真希初の究極悪女役「すごく悩みました」
2011年01月14日映画『白夜行』の新春ヒット祈願イベントが1月5日(水)、東京・羽田空港新国際線旅客ターミナル内のカフェで行われ、主演の堀北真希と高良健吾、深川栄洋監督が出席した。会場となった「PLANETARIUM Starry Cafe」は先日オープンしたばかりのプラネタリウム併設カフェ。イベントではオリオン座をはじめとする冬の星座群、そして無数の流れ星が投影され、堀北さんらは本作が大ヒットするよう“星に願いを”かけた。人気作家・東野圭吾の同名ベストセラー小説を原作に、迷宮入りした質屋殺し事件の被害者の息子・亮司(高良さん)と容疑者の娘・雪穂(堀北さん)が辿る重苦しい人生を描くミステリー。類まれな美貌の裏に、恐るべき野心を抱える悪女を熱演する堀北さんは、「悪女といっても、雪穂は周囲をコントロールして、自分では直接手を下さない。どこまでお客さんをだませるか、さじ加減が難しかったですね」。高良さんは、雪穂に翻弄される役どころで「人をだましたり、(犯罪者に)疑われたりするが、わざとらしい演技はしたくなかった。ちゃんとお客さんをだまさないと」とこちらも演じる際、“だます”ことにこだわったといい、劇中同様、堀北さんと高良さんの“共犯関係”が明らかになった。そんなふたりと初タッグを組んだ深川監督は「堀北さんは久しぶりに会うと、女っぷりが上がっていて…。どれが本当の堀北さんなのかと思うほど。悪女の品格を持っている」と太鼓判。高良さんに対しても「以前からナイフのような少年だと思っていた。実際会ってみると、武器を使い分ける知恵がある人だった」と賛辞を惜しまなかった。ちなみに深川監督は撮影中に、体重が5〜6キロ減ってしまうほど追い込まれたといい「こんなに憔悴しきった現場は初めて。お客さんにどう響くかいまから楽しみ」と手応え十分の様子。堀北さんはこの日が2011年の仕事始めで、「年末に舞台(『ジャンヌ・ダルク』)が終わりまして、お正月はおうちでゆっくり過ごしました。来年は新たな目標を掲げて、引き続きチャレンジを続けたい」。一方、高良さんは舞台「時計じかけのオレンジ」に出演中で、大晦日は終日稽古。元日もゲネプロ(最終リハーサル)をこなすハードな年末年始だったのだとか。「それでもカウントダウンジャパン(幕張で開催されたフェス)に行って、エレファントカシマシのライブで年越ししました」と束の間の休暇をエンジョイしたそうだ。『白夜行』は2011年1月29日(土)より全国にて公開。撮影協力:羽田空港国際線ビルPLANETARIUM Starry Cafe■関連作品:白夜行 2011年1月29日より全国にて公開© 2011 映画「白夜行」製作委員会■関連記事:2011年ブレイク期待の俳優・女優No.1は高良健吾&桜庭ななみ!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第9回) 来年ブレイクしそうな俳優は?高良健吾、今度は鈴木杏とW主演!中上健次の最後の長編『軽蔑』が映画化【TIFFレポート】堀北真希初の究極悪女役「すごく悩みました」深キョンウィンストン2億円ジュエリーに「アカデミー女優気分」
2011年01月05日映画を観ていると、作品を観終わった後の気持ちを言葉に置き換えることが難しいと感じることがあります。『ノルウェイの森』もまさにそう。その圧倒的な世界観と、その中で提示される愛と生に、何があっても生きていく人間の姿に、ついぼんやりとしてしまいました。試写室を出ると、出口調査さながらに、宣伝担当者に呼び止められて「いかがでした?」と尋ねられることもあるのですが、今回、それがなかったことを本当によかったと思っています。「おもしろかった」、「楽しかった」、「凄いですね」などと、簡単な言葉で語り始めることができる作品なら問題ないのですが、『ノルウェイの森』を観た後の第一声は、なんと発したらいいのかいまも思い浮かびません。あえて選ぶなら主人公ワタナベの言葉を借りて「ちょっと事情が込み入っていて、うまく説明できないんだ」となるのかもしれません。私の込み入っている事情とは、“作品は素晴らしかったけれど、やはり小説とは別物として考えるべきなのだろうと自分を納得させていいのかどうか決めかねていた”というところでしょうか。そもそも、映画化の話を聞いたときには、すでに小説の世界で完璧な姿をしている「ノルウェイの森」であるだけに、そんなことをして何になるのだろうかとか、そんなことが可能なのかということを考えました。村上春樹作品を愛する者のひとりとして。ファンタジックな中にも、とことん現実的で哲学的なテーマが潜んでいる彼の作品。力強いのに繊細で、美しいのに悲しくて、刹那的なのに永遠で、激しいのに静謐で…という独特な空気感と深さゆえ、村上作品の映画化は不可能と言われ続けてきました。もちろんそれが意味するところは、物理的な不可能性ではなく、その世界観を映像として表出させることが極めて難しいということ。私は日頃から、できることと、やっていいことは違うと考えていますが、優れた小説を映像化することにも慎重であるべきだと思ってきました。ここ数十年、映像技術の発達により、かつて映像化は不可能だとされてきた作品が続々と映像化されてきましたが、その流れにもちょっと眉をひそめてきた私。しかも、今回は、唯一無二の世界観を持つ村上作品。つまり、映像化した途端に、それは全くの別物になるということは分かりきったことなのです。これは常に原作ものにつきまとう議論ではありますが、やはり村上春樹という特別な作家については、その議論がひときわ白熱しても不思議はないのでしょう。たしかに、映画は別物でした。でも、面白い発見となったのは、村上ワールドに寄り添うかのようにトラン・アン・ユン監督の世界が共存していたこと。「『ノルウェイの森』という作品は自分にとって特別な作品であり、映像化は無条件でOKというわけにはいかない。でも、トラン監督の作品は好きで、とにかく会ってみようと思った」というのが、村上氏本人の言葉。村上春樹ファンの全員が、その映画化作品に納得することなどありえないのでしょう。でも、村上氏が自ら“特別だ”と語る作品の映像化にOKを出した背景には、「トラン監督ならば」という信頼があったはず。その信頼のほどを、出来上がった映像から汲み取ることは難しいことではないし、それが転じて、「トラン監督しかいなかった」という気持ちにさせてくれることも事実なのです。学生運動が華やかなりし時代に多感な青春時代を送った若者たちの物語や複雑な事情や感情が絡み合った恋愛物語について描かれた小説や映画は多くありますが、それでも村上春樹の作品は別格。彼が生み出す独特の空気感は、やはりその言葉選びとリズムに由るところも大きいわけですが、その文学的な言語表現をどのように映像として表現するのかは、ひとつの見ものでもありました。最大の難所のひとつとして私が注目していたのは、主人公たちの発する言葉。彼の作品に登場する人々は、言葉をきちんと選びながら独特のリズムで話をします。それが何か重いものを背負ってきた登場人物たちのひとつの特徴でもあり、悲しみから生まれた優しさのようなものを漂わせてもいるのですが、主人公たちは、言葉を省略することなく、語尾を曖昧にすることもなく、しっかりと気持ちを伝えようとするのです。それがなぜ難所なのかといえば、それこそが最大の村上作品の特徴のひとつでもありながら、音にしてしまうと違和感を覚える種類のものであるのも事実だったから。やはり懸念していた通り、俳優たちが繰り出す言葉が、“いかにもセリフ”に聞こえてしまう瞬間が何度かあって、それについては残念だなと思ったものです。やはり村上作品は、文字の世界でこそ完璧でいられるのだと確信した瞬間でもありました。ただ、そこまで考えさせてくれるものこそ、村上ワールドならではなのかもしれません。矛盾しているかもしれませんが、そんなことに気づかせてくれたこともあり、トラン監督が“映画化するなら日本人のキャストで”とこだわってくれたことのありがたさ、そしてその理解の深さには感謝するばかりです。「原作がある映画化をする際には、映画はその原作に似ていなくてはならない。それは肖像がと同じようなことで、本人に似ていなくては意味がない」。これがトラン監督の言葉。確かに映画『ノルウェイの森』は、小説「ノルウェイの森」本人ではないけれど、似ています。監督の言葉を借りるなら、映画『ノルウェイの森』は、トラン・アン・ユンという画家が描いた、小説「ノルウェイの森」の肖像画と言えるのかもしれません。(text:June Makiguchi)■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:松山ケンイチ『ノルウェイの森』撮影中に「凛子さんを思わずハグしました」松山ケンイチ監督の美的演出に学ぶ「貴族っぽくやってくれ」『ノルウェイの森』音楽の「レディオヘッド」ジョニー、松山ケンイチを「完璧」と絶賛『ノルウェイの森』ポスターに松山ケンイチのラブシーン!愛と涙の公募コピーも発表高良健吾、今度は鈴木杏とW主演!中上健次の最後の長編『軽蔑』が映画化
2010年11月24日映画『ノルウェイの森』の一般向け初披露となる完成披露試写会が11月23日(火・祝)、東京・新宿区の早稲田大学大隈講堂で行われ、主演の松山ケンイチ、ヒロインの菊地凛子、共演の高良健吾らキャスト陣7人とトラン・アン・ユン監督が上映前にレッドカーペットを歩き、舞台挨拶に立った。村上春樹が1987年に発表し、現在までに単行本・文庫本合わせて累計売上が1,000万部以上というロングベストセラー小説の映画化。大学生のワタナベ(松山さん)が自殺した親友の彼女だった直子(菊地さん)、大学で知り合った緑(水原希子)らタイプの違う女性たちの間で揺れるさまを描く物語。村上さんの母校で本作のロケにも使われたことから、同所が初披露の場に選ばれた。舞台挨拶で、本作に関わり一番テンションが上がった瞬間を司会者から尋ねられ、松山さんは「撮影に入って中盤に直子との本当に重要なシーンがあり、1テイク、2テイクやって、翌日3テイク目でOKが出たとき、テンションが上がり、思わず凛子さんをハグしました」と会心の瞬間をふり返った。同じ質問に菊地さんは「最初、直子役のオーディションを受けたいと申し出たら監督は乗り気じゃなかったので、ビデオを送ったら『会いたい』と言ってきてくれた。でもホテルで会ったら『原作はいつ頃読んだの?』とか質問ばかり。私はそのために来たんじゃない!と思い、『役をくれるの?くれないの?』って聞いたら『あげるよ』って…無理やり言わせた形で」と苦笑い。「あきらめないことと、本人に聞くのが一番だなと思った」と役を掴むまでの経緯をテンション高めに説明。会場の笑いを誘った。聞き入っていた監督は「直子を演じてくれたビデオを見て、儚さ、脆さを素晴らしく表現していたので、直子は菊地さんだと会う前に決めていたんです」と笑顔で“弁明”した。一方、ワタナベの自殺した親友・キズキ役の高良さんも「別の映画で死ぬシーンを撮ってクランクアップした翌日からノルウェイの撮影でしたが、その日の朝5時ごろ、電話がかかってきて『死ぬシーンを今日撮る』と言われ、テンション上がりましたね。違う現場で2日連続で死ぬって、そうないな、と」と妙な偶然を明かし、観客を笑わせた。締めくくりでマイクを握った松山さんは「撮影に入る前、監督から『きみは大恋愛をすることになるだろう』と言われ、ワタナベを追体験し、出来上がった作品を観て、その意味が分かった。みなさんも大恋愛をしてください」とメッセージを送っていた。先に行われたレッドカーペット・イベントには、ファン1,000人が集結。「ケンちゃーん、早くから来て待っていたのよー!」、「こっち来てー」などと、松山さんに握手とサインを求める女性ファンの熱狂的な声援が飛び交った。『ノルウェイの森』は12月11日(土)より全国東宝系にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:松山ケンイチ監督の美的演出に学ぶ「貴族っぽくやってくれ」『ノルウェイの森』音楽の「レディオヘッド」ジョニー、松山ケンイチを「完璧」と絶賛『ノルウェイの森』ポスターに松山ケンイチのラブシーン!愛と涙の公募コピーも発表高良健吾、今度は鈴木杏とW主演!中上健次の最後の長編『軽蔑』が映画化森三中・黒沢と“夫婦”役の松山ケンイチ小雪との結婚の質問には…
2010年11月23日高良健吾と鈴木杏のW主演で、作家・中上健次が遺した最後の長編小説「軽蔑」が映画化されることが発表された。12月に村上春樹原作の『ノルウェイの森』、来年には東野圭吾の長編を映画化した『白夜行』の公開が控え、さらに初舞台となる「時計じかけのオレンジ」(演出・河原雅彦)の公演が1月よりスタート。そしてつい先日、来年3月に放送が開始されるNHK連続テレビ小説「おひさま」への出演が発表されるなど、いま最も多忙な俳優のひとり、高良健吾が今度は中上文学に挑戦!紀州(和歌山県)の熊野を舞台にした作品を数多く世に送り出した中上さんが、46歳でこの世を去った1992年に発行された最後の長編小説の映画化で、これまでに原作の単行本は46,000部、文庫が累計18,000部の販売部数を記録している。高良さんが演じるのは、名家の一人息子に生まれながらも上京して、賭博に明け暮れる生活を送るカズ。歌舞伎町で出会った踊り子の真知子と恋に落ち、故郷に戻って新しい暮らしを始めようとするも父親をはじめ、周囲は2人の関係を認めようとはしない。引き裂かれる想いで真知子は東京へ去り、カズは借金を膨らましていく。失意の中、カズは真知子を追い求め愛を確かめ合うが、高利貸しの男は借金の帳消しと引き換えに真知子を要求する…。高良さんの相手役の真知子を演じるのは鈴木杏。愛し合うがゆえに引き裂かれていくカズと真知子を若き実力派の2人が熱演。監督を務めるのは、先日、岡田将生と蒼井優による悲恋の時代劇『雷桜』が公開されたばかりの廣木隆一。高良さんは2007年公開の廣木監督作『M』で母への屈折した愛情を持つ青年役を体当たりで演じており、『雷桜』にも冒頭の数カットながら出演。ほかに廣木監督作の常連である大森南朋が高利貸しの山畑を演じるほか、忍成修吾、村上淳、小林薫などが共演者として名を連ねる。高良さんは「原作は中上健次さんですし、そして監督が廣木隆一さんというだけで是非!という気持ちでした。(廣木監督との再タッグについて)とても身が引き締まる思いです。本当に自分の役者としての軸を作ってくれた方なので、また誘っていただいて光栄です」と意気込みを語る。鈴木さんは「廣木隆一監督、高良健吾さん、とお名前を聞いた時点で『演りたい!』と思いました。なんだか大きなものが舞い降りてきた、と思いました。脚本も原作も素直に面白いし素敵だな、と思いました。(主人公の2人は)ダメな2人だけれど、その中で光っている純粋さがとてもキレイ」と語り、ダンサー役については「ポールダンス、難しいです。どれだけ練習してもなかなか自分の思い通りにいかず悔しい日々が続きますが、ようやく楽しめるようになってきました」と難役ながら少しずつ手応えを掴んでいる様子。そして廣木監督は「(中上さんは)僕が映画界に入った頃からの憧れの作家だったのでいつか挑戦したいと思っていた。高良健吾は、まだまだの未知数で広がっていてどんなイメージにも染まらない魅力があるように思います。役の上で変化していくのを年を重ねて見守りたいと思います。(鈴木杏は)彼女自体が自分のイメージではないところまで行ってほしいと思います」と中上作品を映画化する喜びと主演の2人への期待を明かしてくれた。『蛇にピアス』で吉高由里子と、『ソラニン』では宮崎あおい、『おにいちゃんのハナビ』では谷村美月、そして公開を控える『白夜行』では堀北真希と、いまをときめく女優陣と恋人や兄妹など様々な形で“愛情”を表現してきた高良さん。中上文学を原作にした本作で、鈴木さんとどのような愛を見せてくれるのか?すでに10月下旬より撮影はスタート。11月下旬にはクランクアップし、来年1月に完成の予定。『軽蔑』は2011年、全国にて公開予定。■関連作品:軽蔑 2011年、全国にて公開予定白夜行 2011年1月29日より全国にて公開© 2011 映画「白夜行」製作委員会 おにいちゃんのハナビ 2010年9月11日より新潟にて先行上映、9月25日より有楽町スバル座ほか全国にて公開© 2010「おにいちゃんのハナビ」製作委員会ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:森三中・黒沢と“夫婦”役の松山ケンイチ小雪との結婚の質問には…【TIFFレポート】堀北真希初の究極悪女役「すごく悩みました」深キョンウィンストン2億円ジュエリーに「アカデミー女優気分」松山ケンイチ&瑛太が初共演コメディで“鉄ちゃん”コンビ結成!「運命的な感じ」『ノルウェイの森』に糸井重里、YMO細野晴臣&高橋幸宏が出演坂本龍一は凛子絶賛
2010年11月02日日本を代表する映画監督の一人、岩井俊二。1994年に発表した映画『undo』以来、心が締め付けられるようなラブストーリー、懐かしさがこみ上げてくるような青春物語、ショッキングな内容の問題作など、さまざまな映画を制作してきました。そんなの作品の中で、ビジネスウーマンがもっとも好きなものとは?694名の女性に、選んでもらいました。 >>男性編も見るQ、あなたが一番好きな岩井俊二監督映画は?1位花とアリス27%2位スワロウテイル22%3位Love Letter20%4位リリイ・シュシュのすべて12%5位打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか? 7%■『花とアリス』が好きな人は……・「ありふれた日常が題材になっているので、話に入って行きやすい」(22歳/福祉/その他)・「少女漫画のような展開と映像の雰囲気が好き」(26歳/ソフトウェア/プログラマー)・「蒼井優と鈴木杏のピュアな演技にキュンとする。特に蒼井優がバレエを踊るシーンは最高」(23歳/小売/販売)・「女の子の世界観がすごくリアルに描かれているから」(26歳/生保/営業)・「心が温かくなる映画」(25歳/IT/プログラマー)■『スワロウテイル』が好きな人は……・「幻想的な話だから」(26歳/IT/秘書・アシスタント)・「劇中のCHARAの歌声が印象的で、さらに映画に合っていたので」(25歳/通信/販売)・「映像がとても印象に残ったから」(26歳/団体/事業開発)・「映像と音楽がとてもよく合っていて、観ているうちに引き込まれていった」(27歳/IT/総務)・「CHARAの演技が切なく心にしみるから」(25歳/商社/営業)■『Love Letter』が好きな人は……・「ストーリーに感動した。一人二役を務めた中山美穂も、素晴らしい演技だった」(23歳/医薬品/研究開発)・「切ないけどほっこりする映画だった」(24歳/IT/営業)・「とてもキレイで泣ける作品」(27歳/金融/営業)・「ミステリーな部分も少しあって、切なさだけでなくいろいろな気持ちが味わえたから」(27歳/IT/SE)・「何度見ても飽きず、見る度に『お元気ですか?』のシーンでキュンとする」(24歳/その他/その他)■『リリイ・シュシュのすべて』が好きな人は……・「衝撃的なシーンが多かったが、実験的な作品で面白かった」(26歳/医薬品/営業)・「現代社会そのもので、ミステリアスな映画」(28歳/小売/販売)・「その後活躍する俳優たちを予見しているかのようなキャスティングがすごい」(23歳/商社/財務)「映像の美しさが良い」(29歳/不動産/総務)■『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』が好きな人は……・「題名からして印象的。不思議な世界観がある」(29歳/官公庁/事務)・「初恋の切なさを思い出せるから」(29歳/精密機器/秘書・アシスタント)・「淡い恋模様が描かれているが、切な過ぎなくて爽やか」(26歳/マスコミ/秘書・アシスタント)総評作品ごとにさまざまな世界観を生み出す岩井映画の中でも、女性は「全体的にほわっとしていて可愛らしい雰囲気」(24歳/ソフトウェア/クリエイティブ)を持った作品を好む人が多く、1位に選ばれたのは2004年公開の『花とアリス』でした。主役を務めた鈴木杏と蒼井優の、圧倒的な表現力にも支持が集まり、「二人のピュアな演技にキュンとする」(23歳/小売/販売)といったコメントが多く挙げられました。2位には1996年公開の『スワロウテイル』がランクイン。幻想と現実が混ざったような不思議なストーリーや、その世界観に引き込む映像美に並び、主役も務めたミュージシャン・CHARAが歌った印象深い主題歌も支持されました。この作品と4位の『リリィ・シュシュのすべて』で音楽を担当したのは、人気音楽プロデューサーの小林武史。彼が監督し、岩井俊二がプロデュースした『BANDAGE バンデイジ』(小林武史監督:1月16日公開)にも、ぜひ注目してみてはいかがでしょう。(文・兄矢壱子)>>男性編も見る■関連リンク【女性編】1月公開の観たい映画ランキング【女性編】2009年公開で面白かった映画ランキング【女性編】好きなコメディ映画ランキング調査時期:2009年12月8日~12月14日調査対象:COBS ONLINE会員調査数:女性694名調査方法:インターネットログイン式アンケート完全版(画像などあり)を見る
2010年01月12日“ダルフール”と聞いてピンと来るだろうか?アフリカのスーダン・ダルフール地方で起きている紛争をテーマにした映画『SING FOR DARFURシング・フォー・ダルフール』。公開を控え、8月20日(木)、本作を後援するオランダ王国大使公邸にてレセプション・パーティが行われ、女優の鈴木杏、世界的に活躍する衣裳デザイナーのワダ・エミらがゲストとして来場した。2004年の紛争勃発以来、30万人を超える人々が殺されるという悲劇がいまなお続いているにもかかわらず、ダルフールという地名を聞いたことさえもない人が多い、というのが悲しい実状。本作はチャリティイベント「SING FOR DARFUR」が行われるある日のバルセロナを舞台に、ダルフールとは無関係に生きる人間たちの日常を淡々と描き、その美しい映像を通して、“無関心”であることの怖さを訴えかける。監督はオランダのヨハン・クレイマー。映画に強く感銘を受けたという鈴木さんは「人はどこで繋がっていくか分からない。人一人がとても大きなドラマを持っているし、逆にそんな大きなドラマを持って生きていても、やっぱり人は地球の一部だったり、何かの一部でしかないということでもある」と挨拶。「私自身、本当にお恥ずかしいですが、スーダンのことは知らずにこの映画を観て、インターネットで調べました。でも、本作を観て、書籍で調べたり、ニュースに注目したりということが出来れば、そこから先、一つ扉を開けるんじゃないかなと思います」と映画への思いを語った。この日はさらに、12歳の少年がダルフールのために歌う映画のオープニングソング「ADAM’S SONG」に対するアンサーソングとして作られた「Touch The Sky」が初めて披露された。本曲にプロデュースから携わり、アニメ「The World of GOLDEN EGGS」の人気キャラクター、ジャッキーおばさんの声優としても知られるアーティストのブレンダ・ヴォーンは「曲を通じて想いをほかの人につなげていってほしい」とコメントし、美しい歌声を会場に響かせた。昨年の東京国際映画祭で上映され、当時から映画ファンの間で話題になっていた本作『SING FOR DARFURシング・フォー・ダルフール』。非営利で製作され、プロジェクトから生まれた利益の一部は「The Sing For Darfur Foundation」へ寄付されるなど、通常の配給作品とは違う試みを意欲的に行う。映画の公開は9月19日(土)よりシアターN渋谷ほか全国にて。■関連作品:SING FOR DARFURシング・フォー・ダルフール 2009年9月19日よりシアターN渋谷ほか全国にて公開© Sing for Darfur powered by PLUS heads Inc.
2009年08月24日